JP2003047332A - 挿穂の栽培方法 - Google Patents

挿穂の栽培方法

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JP2003047332A
JP2003047332A JP2001236700A JP2001236700A JP2003047332A JP 2003047332 A JP2003047332 A JP 2003047332A JP 2001236700 A JP2001236700 A JP 2001236700A JP 2001236700 A JP2001236700 A JP 2001236700A JP 2003047332 A JP2003047332 A JP 2003047332A
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Harumi Ebuchi
治美 江渕
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  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Hydroponics (AREA)
  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 用土を入れた育苗床を使用せずに、簡便な方
法で挿穂を発根させ栽培できるようにした挿穂の栽培方
法を提供する。 【解決手段】 保水性を有し、根が通過可能な生分解性
のシート部材1で、少なくとも挿穂2の発根する部分を
包む。挿穂2を保存する場合には、シート部材1で包ん
だ挿穂2を発根しない温度下で管理する。挿穂2を発根
させる場合には、挿穂2を包んだシート部材1に水分を
含ませて、発根可能な温度下で管理する。挿穂を育成さ
せる場合には、挿穂2をシート部材1で包んだまま土壌
栽培または/及び水耕栽培を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は挿穂の栽培方法に関
する。更に詳しくは、用土を入れた育苗床を使用せず
に、簡便な方法で挿穂を発根させ栽培できるようにした
挿穂の栽培方法に関する。
【0002】
【従来技術】植物を繁殖させる方法の一つとして、挿木
が挙げられる。挿木とは、植物体の一部分(挿穂)を切り
取り、用土に挿して不定根や不定芽を発生させ、新しい
個体を得る方法である。
【0003】通常、挿穂は、用土を入れたポリエチレン
ポットやプラグ苗用の育苗トレイ、あるいは育苗箱など
に直接挿して発根させる。そして、発根させた挿穂を土
に定植し育成する。また、挿木に適した時期よりも早い
時期に挿穂を切り取った場合には、ビニール袋などに複
数の挿穂をまとめて入れ、密封後、冷蔵庫に保存してお
くことが一般的に行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
挿穂の栽培方法では、次のような課題があった。 挿穂を冷蔵庫に保存する場合は、発根する部分を保
護せず、むき出しの状態でビニール袋などに収納してい
たので、取扱い時に挿穂が傷つく恐れがあった。
【0005】 育苗床として用土を入れたポリエチレ
ンポットや育苗箱などを使用しているため、一個体あた
りの挿穂が占めるスペースが大きく、重量も重くなって
いた。このため、遠隔地への輸送にかかるコストも高額
となっていた。
【0006】 用土で伸びた挿穂の根は、あくまでも
土壌栽培用に適した根であり、水耕栽培用の挿穂しては
使用できなかった。具体的に言えば、用土で発根した挿
穂を水耕栽培すると、一旦根が全て無くなり、また改め
て水耕栽培に適した根が生えてくる。このように、用土
で発根させた挿穂を水耕栽培すると、折角生えた根が無
駄となり、非効率的であった。
【0007】 根は用土の中で伸びているため、従来
の育苗床では挿穂の発根状態が外から確認しにくいとい
う問題もあった。また根は用土に根付いているため、育
苗床から取り出して土へ定植する際に根が傷つく恐れが
あり、その結果、挿穂の成長が遅れる可能性があった。
【0008】 更には、ポリエチレンポットで発根さ
せた挿穂を定植する場合には、挿穂をポットごと土に埋
めて定植することはできないため、ポットから挿穂を一
つ一つ取り外しながら定植作業を行う必要がある。この
作業は、数万から数十万、あるいは数百万から数千万も
の挿穂を扱う農家にとって、大変な労力を要するもので
ある。また、使用後の多量のポリエチレンポットの処理
についても、農家にとって頭の痛い問題であった。
【0009】(発明の目的)そこで本発明の目的は、用
土を入れた育苗床を使用せずに、簡便な方法で挿穂を発
根させ栽培できるようにした挿穂の栽培方法を提供する
ことである。本発明の他の目的は、挿穂を簡便な方法で
長期間安全に保存することができ、しかも遠隔地にでも
低コストで輸送できる挿穂の栽培方法を提供することで
ある。本発明の他の目的は、挿穂を土壌栽培用あるいは
水耕栽培用のどちらの苗としても使用することができる
挿穂の栽培方法を提供することである。本発明の他の目
的は、発根状態も確認しやすく、また移植時に根が傷つ
くことも防止できる挿穂の栽培方法を提供することであ
る。本発明の他の目的は、発根した挿穂を土や水に植え
かえるために必要な労力も軽減でき、しかも従来法と相
違して、使用後の多量のポリエチレンポットの処理問題
も生じない挿穂の栽培方法を提供することである。その
他の本発明の目的は、以下の説明によって明らかになる
であろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた本発明の手段は次のとおりである。第1の発明
にあっては、保水性を有し、根が通過可能な生分解性の
シート部材で、少なくとも挿穂の発根する部分を包み、
次いで挿穂を上記シート部材で包んだまま発根させ、次
いで挿穂を上記シート部材で包んだまま土壌栽培または
/及び水耕栽培を行うことを特徴とする、挿穂の栽培方
法である。
【0011】第2の発明にあっては、保水性を有し、根
が通過可能な生分解性のシート部材で、少なくとも挿穂
の発根する部分を包み、上記挿穂を保存する場合には、
上記シート部材で包んだ挿穂を発根しない温度下で管理
し、上記挿穂を発根させる場合には、挿穂を包んだ上記
シート部材に水分を含ませて、発根可能な温度下で管理
し、上記挿穂を育成させる場合には、挿穂を上記シート
部材で包んだまま土壌栽培または/及び水耕栽培を行う
ことを特徴とする、挿穂の栽培方法である。
【0012】第3の発明にあっては、少なくとも挿穂の
発根する部分または発根している部分を、炭で包むまた
は被うようにしたことを特徴とする、第1または第2の
発明に係る挿穂の栽培方法である。
【0013】挿穂の栽培に使用する植物としては、挿木
によって栽培可能なすべての植物がこれに該当する。詳
しくは、例えば草本植物(野菜を含む)、花木、果樹が
挙げられ、具体的には、ポーチュラカ、サボテン、キ
ク、カーネーション、ペペロミア、セントポーリア、グ
ロキシニア、パセリなどを例示することができるが、特
にこれらに限定するものではない。また上記した植物の
中でも、乾燥に強いポーチュラカなどの多肉植物やサボ
テンなどの栽培に特に適している。
【0014】シート部材で少なくとも挿穂の発根する部
分を包むことにより、保存時や長距離の輸送をする場合
の取扱中に衝撃などを受けて挿穂が傷つくことを防止で
きる。
【0015】シート部材としては、保水性を有し、根が
通過可能な生分解性のものであれば、特に限定するもの
ではない。例えば不織布・織物そのどちらでも使用する
ことができるし、その複合物も使用することができる。
シート部材の材料としては、天然素材や合成素材、ある
いはその複合物を挙げることができる。具体的には、例
えば木材やその他の天然素材から得られたパルプ、ある
いは生分解性の合成繊維やプラスチックから得られたも
のなどを挙げることができるが、特にこれらに限定する
ものではない。
【0016】生分解性プラスチックの材料としては、バ
イオポリエステル(PHB/Vなど),バクテリアセル
ロース,微生物多糖(ブルラン,カードランなど)等の
微生物系、または脂肪酸ポリエステル(ポリカプロラク
トン,ポリブチレンサクシネート,ポリエチレンサクシ
ネート,ポリグリコール酸,ポリ乳酸など),ポリビニ
ルアルコール,ポリアミノ酸類(PMLGなど),その
他のポリウレタン,ナイロンオリゴマー等の化学合成
系、更にキトサン,セルロース,澱粉などの天然物系、
あるいは上記のブレンドやラミネートなどが挙げられる
が、上記したものに限定されない。
【0017】挿穂の保存は、挿穂が発根しない温度下で
行う。詳しくは、植物が発根しない温度下で、しかも植
物が凍結して保存後の育成が妨げられない温度下で行
う。また保存後の育成が妨げられないように、挿穂が乾
燥しすぎない環境下で管理することも必要である。具体
的な保存方法としては、例えば3〜8℃に保った冷蔵庫
内での保存が挙げられるが、特にこれに限定されない。
なお保存温度は、植物の種類によって異なるため、特に
限定するものではない。また挿穂を保存する際には、植
物の代謝を抑える意味で、挿穂を包んだシート部材に水
分を含ませないことが望ましい。
【0018】挿穂を発根させる場合には、発根可能な温
度下で、包んだシート部材に水分を含ませ、挿穂が乾燥
しないように管理する。根はシート部材を通過して(突
き抜けて)伸びていく。また用土を使用していないた
め、このようにして伸びた根は、土壌栽培用のみに適し
た根にはなっておらず、挿穂は土壌栽培用あるいは水耕
栽培用のどちらの苗としても使用することができる。
【0019】遠隔地に挿穂を輸送する場合において、輸
送先ですぐにでも挿穂を土や水に植えて栽培を始めると
きには、予めシート部材に水分を含ませた状態で、挿穂
を輸送することが望ましい。逆に、輸送先で一定の期間
をおいて栽培を始めるときには、シート部材に水分を含
ませない状態で挿穂を輸送することが望ましい。更に発
根させた挿穂は、シート部材で包んだまま土や水に植え
る。シート部材は生分解性であるので、環境に悪影響を
及ぼすことはない。
【0020】挿穂を炭で包むまたは被う場合、使用する
炭としては、木炭(備長炭や桐炭等)、竹炭、ヤシガラ
炭、あるいは紙(新聞紙や段ボール等)を炭化させたも
の、またはこれらに活性化処理を施した各種活性炭など
を挙げることができるが、特にこれらに限定するもので
はない。使用する炭は、挿穂の発根が妨げられないよう
に、粒状または/及び粉末状にしたものが好ましい。挿
穂を炭で包んで、または被って栽培することで、根を乾
燥に強いものにすることができる。また挿穂を水耕栽培
で育てる場合は、炭の効用により、水が腐りにくいとい
う利点もある。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】[実施例1]図1はシート部材で包んだ挿
穂を発根させるまでの作業手順を示す説明図である。本
実施例では、母植物としてポーチュラカを例に挙げて説
明する。これについては、後述する他の実施例について
も同様である。
【0023】挿穂を包むシート部材1として、天然の木
材パルプ繊維100%で作られた生分解性の乾式不織布
(商品名「キノクロス」、王子キノクロス株式会社製)
を用いた。このシート部材1は、パルプ繊維を空気中で
分散させてマット状に成形したものであり、湿式不織布
に比べてウェブ密度が低く、優れた嵩高性、保水性を備
えている。なお、後述する他の実施例で使用するシート
部材1についても、本実施例と同様の乾式不織布を使用
している。
【0024】ポーチュラカの一部分を切り取り、挿穂2
とする。なお、本実施例ではシート部材1の大きさを、
長さ約8〜10cm、幅約3〜6cm、厚み約0.5〜1.0mmと
しているが、特にこれに限定されない。
【0025】挿穂2を数本(一本でも良い)まとめ、挿
穂2の発根する部分(根元側)にシート部材1を巻き付
ける。シート部材1の巻き終わりの端部側は、耐水性の
接着剤3で固定する。なお、使用する接着剤3は微量で
あるが、特に土に植えた場合に環境に悪影響を与えない
ように、生分解性のものが望ましい。また、接着剤3を
使用せずに、紙などの生分解性材料で作った「こより」
のようなものでシート部材1を巻いて、挿穂2を固定す
ることもできる。
【0026】シート部材1を挿穂2に巻き付ける場合
は、シート部材1と挿穂2の間に隙間ができないように
注意する。シート部材1と挿穂2の間に隙間ができる
と、挿穂2の発根が妨げられる可能性があるからであ
る。
【0027】シート部材1で巻いた挿穂2は、例えばプ
ラグ苗用の育苗トレイTなどの中に立てて管理する。育
苗トレイTの底には孔10が開いているので、通気・通
水が良好に行われ、挿穂2の根元部分の湿気によって腐
食することを防止できる。
【0028】そして、挿穂2を一定期間保管する場合
は、例えば約7℃以下に保った冷蔵庫内で低温保存す
る。この際、植物の代謝を抑えて発根を防止するため
に、挿穂2を包んだシート部材1には水分を含ませない
ようにする。
【0029】次いで、挿穂2を発根させる場合には、挿
穂2(本実施例では育苗トレイT)を冷蔵庫から取り出
し、例えば容器Vに入れた水を利用してシート部材1に
水分を含ませ、挿穂2が乾燥しないように管理する。水
分を得て発根した根4は、シート部材1を通過して(突
き抜けて)伸びていく。
【0030】また、水分をシート部材1に含ませた状態
で挿穂2を輸送する場合は、水を入れた容器Vを使用せ
ず、水を含ませた保水性シートや新聞紙等の上に、挿穂
2を並べた育苗トレイTを置くようにする。このように
すれば、輸送中に水がこぼれる心配がなく、利便性が高
い。
【0031】図2は発根させた挿穂を育成している状態
を示す説明図で、そのうち図2(a)は土壌栽培を示
し、図2(b)は水耕栽培を示している。なお、図2(b)
では、挿穂2を観賞用として栽培する場合を示してい
る。
【0032】発根させた挿穂2を育成させる場合は、シ
ート部材1で包んだまま、挿穂2を土や水に植えて栽培
する。図2(a)で、符号Gは地表面を示している。一
方、図2(b)で符号Fは花瓶を示しており、水を入れた
花瓶Fの口部に、孔51を備えたゴム製の支持板5等を
置き、挿穂2の根元側をその孔51に差し込んで固定し
ている。
【0033】用土を使用せずに発根させた挿穂2の根4
は、土壌栽培あるいは水耕栽培でも問題なく(無くなる
ことなく)、そのまま伸びて成長していく。即ち、用土
を使用しないで伸びた根4は土壌栽培用のみに適した根
にはなっておらず、挿穂2は土壌栽培用あるいは水耕栽
培用のどちらの苗としても使用することができる。
【0034】[実施例2]図3は、シート部材で包んで
発根させた挿穂を、炭で被って水耕栽培している状態を
示す説明図である。なお、実施例1と同一または同等箇
所には同一の符号を付して示している。また、実施例1
で示した作用のうち同様のものは説明を省略する。これ
については、後述する他の実施例についても同様であ
る。
【0035】本実施例では、花瓶Fに設けた支持板5の
孔51に、カップ状の容器Cを差し込んで固定し、その
中に所定量の炭6を充填している。そして、その炭6の
中に、シート部材1で包んで発根させた挿穂2を入れ、
炭6で少なくとも挿穂2の発根している部分を被うよう
にする。
【0036】炭6を通過して伸びたポーチュラカの根4
は、従来法である用土で発根させた根よりも、白く繊維
状(うぶ毛のように)になっており、しかも乾燥に強い
という特徴を有している。
【0037】このようにして栽培されるポーチュラカ
は、赤や緑等の鮮やかな色をもった花や葉の部分と、白
く繊細に伸びた根の部分が対照的で趣があり、観賞用と
して優れている。また、根4は乾燥に強いため、水を与
えることを忘れたり、長期旅行などで水を与えることが
できない期間が多少あったとしても、再び水を与えるこ
とで元の状態に戻り、植物は枯れない。
【0038】なお、まだ発根していない状態の挿穂2
を、炭6を入れた容器Cに植えるようにしてもよい。ま
た、本実施例で示した栽培方法を、土壌栽培にも応用す
ることもできる。この場合は、炭6を収容する容器Cを
生分解性の材料で形成することが望ましい。
【0039】[実施例3]図4は、炭を包んだシート部
材を使用して、挿穂を包んでいる状態を示す説明図であ
る。シート部材1の中程に炭6を敷き、この炭6がこぼ
れないようにシート部材1を三枚に折って炭6を包む。
そして、炭6を包んだシート部材1を挿穂2の発根する
部分に巻き付け、耐水性の接着剤3で固定する。そし
て、図2(b)で示したように、同様に花瓶Fに入れて、
水耕栽培を行う。
【0040】なお、シート部材1を扁平な袋状に形成し
てその中に炭6を入れ、その炭6を入れた袋状体で挿穂
2を包むようにしても良い。このようにすれば、炭6が
漏れることを確実に防止できる。また、本実施例で示し
た栽培方法を、土壌栽培にも応用することもできる。こ
れについては、後述する他の実施例についても同様であ
る。
【0041】[実施例4]図5は、収容体に炭を入れ、
その中に挿穂を収容している状態を示す説明図、図6は
収容体に入れた挿穂を水耕栽培している状態を示す説明
図である。図5に示すように、実施例1で説明した乾式
不織布を用いて、一端側が塞がれた筒状の収容体7を作
る。その収容体7のやや上の方まで炭6を充填する。炭
6を充填した収容体7の中に、シート部材1で包んだ挿
穂2を入れる。積層させた炭6に被われるように、挿穂
2を収容体7の中に入れる。
【0042】図6を参照する。次に、実施例1(図2
(b)を参照)と同様に、花瓶Fに設けた支持板5の孔
51に、挿穂2を入れた収容体7を差し込んで固定し、
水耕栽培を行う。なお、図示はしていないが、収容体7
を使用せずに、炭6を入れた袋状体を使用して、挿穂2
に巻いたシート部材1を包む込むようにしても良い。
【0043】[実施例5]図7は、他の形状を有する収
容体に炭を入れ、その中に挿穂を収容している状態を示
す説明図である。実施例1で説明した乾式不織布を用
い、両端側が紐状体8で閉じられた筒状の収容体7aを
作る。収容体7aの中には、やや上の方まで炭6が充填
されている。本実施例では、実施例4(図5参照)の収
容体7と相違して、通常では収容体7a内の炭6が外に
漏れないようになっており、取扱いが便利である。
【0044】次いで、収容体7aの上方の所要の位置を
切断して開口させ、その中にシート部材1で包んだ挿穂
2を入れる。そして、実施例4(図6参照)と同様、花
瓶Fに差して、水耕栽培を行う。
【0045】[実施例6]図8は、更に他の形状を有す
る収容体に炭を入れ、その中に挿穂を収容している状態
を示す説明図である。実施例1で説明した乾式不織布を
用いて、スティックタイプの砂糖のように、両端側が圧
着によって密閉された筒状の収容体7bを作る。収容体
7bの中には、やや上の方まで炭6が充填されている。
収容体7bの上方の所要の位置を切断して開口させ、そ
の中にシート部材1で包んだ挿穂2を入れる。収容体7
bの作用は実施例5と大体においてに同じであるため、
説明を省略する。
【0046】なお、本明細書で使用している用語と表現
はあくまで説明上のものであって、限定的なものではな
く、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するもの
ではない。
【0047】
【発明の効果】(a)本発明によれば、保水性を有し、
根が通過可能な生分解性のシート部材で、少なくとも挿
穂の発根する部分を包み、このシート部材で包んだまま
発根させた挿穂を直接土や水に植えることで、従来法と
は相違して、用土を入れた育苗床を使用せずに、簡便な
方法で挿穂を発根させ栽培することができる。
【0048】(b)挿穂を保存する場合には、シート部
材で包んだ挿穂を発根しない温度下で管理する。このよ
うにすれば、少なくとも挿穂の発根する部分を傷つける
ことなく、挿穂を長期間安全に保存することができる。
【0049】(c)挿穂を発根させる場合には、挿穂を
包んだシート部材に水分を含ませ、発根可能な温度下で
管理する。そうすると、根はシート部材を通過して(突
き抜けて)伸びていく。このように、従来法とは異な
り、用土を入れた育苗床を必要としない簡便な方法で挿
穂を発根させることができるので、育苗スペースをとら
れることもなく、挿穂全体の軽量化も図れる。したがっ
て、挿穂を遠隔地に低コストで輸送することもできる。
また外部から発根状態も確認しやすい。
【0050】(d)本発明によって得られる挿穂の根
は、用土を使用しないで発根させているため、土壌栽培
用と水耕栽培用のどちらにも適した根となっている。よ
って、挿穂は、土壌栽培用あるいは水耕栽培用のどちら
の苗としても使用することができる。
【0051】(e)発根した挿穂を育成させる場合に
は、シート部材で包んだまま発根させた挿穂を直接土や
水に植えて栽培を行う。したがって、例えばポリエチレ
ンポットの用土内で発根して根付いた挿穂を取り出し、
土へ定植しなければならない従来法とは異なり、移植時
に根が傷つきにくい。また、ポットから挿穂を一つ一つ
取り外しながら定植作業を行う必要性もないので、移植
作業に要する労力も軽減できる。更に、使用後の多量の
ポリエチレンポットの処理問題も生じない。また更に、
シート部材は生分解性であるので、環境に悪影響を及ぼ
すことはない。
【0052】(f)少なくとも挿穂の発根する部分また
は発根している部分を、炭で包んで、または被って栽培
することで、根を乾燥に強いものにすることができる。
これによって、水を与えることを忘れたり、長期旅行な
どで水を与えることができない期間があっても、再び水
を与えることで根は元の状態に戻り、植物は枯れない。
したがって、本発明は観賞植物の栽培方法としても好適
に採用できる。また、挿穂を水耕栽培で育てる場合は、
炭の効用により、水が腐りにくいという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】シート部材で包んだ挿穂を発根させるまでの作
業手順を示す説明図。
【図2】発根させた挿穂を育成している状態を示す説明
図で、そのうち図2(a)は土壌栽培を示し、図2(b)
は水耕栽培を示している。
【図3】シート部材で包んで発根させた挿穂を、炭で被
って水耕栽培している状態を示す説明図。
【図4】炭を包んだシート部材を使用して、挿穂を包ん
でいる状態を示す説明図。
【図5】収容体に炭を入れ、その中に挿穂を収容してい
る状態を示す説明図。
【図6】収容体に入れた挿穂を水耕栽培している状態を
示す説明図。
【図7】他の形状を有する収容体に炭を入れ、その中に
挿穂を収容している状態を示す説明図。
【図8】更に他の形状を有する収容体に炭を入れ、その
中に挿穂を収容している状態を示す説明図。
【符号の説明】
1 シート部材 2 挿穂 3 接着剤 4 根 5 支持板 51 孔 6 炭 7,7a,7b 収容体 8 紐状体 10 孔 C 容器 F 花瓶 G 地表面 T 育苗トレイ V 容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01G 9/02 603 A01G 9/02 603Z 31/00 606 31/00 606

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保水性を有し、根が通過可能な生分解性
    のシート部材で、少なくとも挿穂の発根する部分を包
    み、 次いで挿穂を上記シート部材で包んだまま発根させ、 次いで挿穂を上記シート部材で包んだまま土壌栽培また
    は/及び水耕栽培を行うことを特徴とする、 挿穂の栽培方法。
  2. 【請求項2】 保水性を有し、根が通過可能な生分解性
    のシート部材で、少なくとも挿穂の発根する部分を包
    み、 上記挿穂を保存する場合には、上記シート部材で包んだ
    挿穂を発根しない温度下で管理し、 上記挿穂を発根させる場合には、挿穂を包んだ上記シー
    ト部材に水分を含ませて、発根可能な温度下で管理し、 上記挿穂を育成させる場合には、挿穂を上記シート部材
    で包んだまま土壌栽培または/及び水耕栽培を行うこと
    を特徴とする、 挿穂の栽培方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも挿穂の発根する部分または発
    根している部分を、炭で包むまたは被うようにしたこと
    を特徴とする、 請求項1または2記載の挿穂の栽培方法。
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