JP2003044086A - 雑音除去方法および装置 - Google Patents

雑音除去方法および装置

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JP2003044086A
JP2003044086A JP2001236817A JP2001236817A JP2003044086A JP 2003044086 A JP2003044086 A JP 2003044086A JP 2001236817 A JP2001236817 A JP 2001236817A JP 2001236817 A JP2001236817 A JP 2001236817A JP 2003044086 A JP2003044086 A JP 2003044086A
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noise
spectrum
frequency spectrum
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frequency
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Kazuho Onoe
和穂 尾上
Akio Ando
彰男 安藤
Toru Imai
亨 今井
Shoe Sato
庄衛 佐藤
Takeshi Kobayakawa
健 小早川
Hiroyuki Segi
寛之 世木
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Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 雑音除去の精度の向上が可能な雑音除去方法
および装置を提供すること。 【解決手段】 抽出したい音声信号と雑音とからなる音
響信号の周波数スペクトルである入力スペクトルを生成
するスペクトル生成手段110と、入力スペクトルの周
波数帯域を複数の周波数帯域に分割し、周波数帯域毎
に、入力スペクトルの最小値を雑音スペクトルの推定値
として生成する雑音推定手段130jと、入力スペクト
ルと入力スペクトルから雑音スペクトルの推定値を差し
引いた値との比を音声信号と雑音との振幅比として生成
するSNR推定手段140jと、音声信号と雑音信号と
の位相差に関して除去すべき雑音成分の周波数スペクト
ルの期待値を生成する除去スペクトル推定手段150j
と、この雑音成分の周波数スペクトルの期待値を入力ス
ペクトルから差し引いて抽出したい音声信号の周波数ス
ペクトルとして生成する雑音除去手段160jとを備え
た構成を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周波数領域で音響
信号の分析を行うシステムにおける雑音除去方法に関
し、特に、抽出したい音声信号と雑音とが混在する音響
信号から雑音を除去し、抽出したい音声信号を推定する
雑音除去方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、雑音除去方法として、雑音成分の
周波数スペクトルを入力音響信号の周波数スペクトルか
ら周波数領域上で差し引くスペクトルサブトラクション
法がある。この方法は、処理対象フレームの直前数フレ
ームにわたるフレームでの周波数スペクトルの平均値
や、無声区間と思われる時間帯における周波数スペクト
ルの平均値等に基づいて全周波数帯域で雑音の周波数ス
ペクトルを推定し、推定された雑音のパワースペクトル
を入力信号のパワースペクトルから差し引くものであ
る。
【0003】このスペクトルサブトラクション法では、
雑音が混在する音響信号に基づいて差し引かれるべき雑
音の周波数スペクトルを推定するのは困難であるため、
上記のように算出された周波数スペクトルの平均値を、
引き算すべき雑音スペクトルとして代用することが一般
的に行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際の
雑音が混在する音響信号のS/N比(以下、SNR(Si
gnal to Noise Ratio)という。)は、一般には一定で
はなく時間的に変化しているのに反して、従来の雑音除
去法ではSNRや位相の時間変化を考慮せずに、一定の
SNRを仮定して雑音除去を行っているために適切な雑
音除去ができないという問題がある。
【0005】また、従来の雑音除去法では、周波数帯域
を分けることなく全周波数に亘って一定値を差し引く雑
音除去処理が行われ、周波数帯域によってSNRが異な
ることが考慮されていないため、SNRが高い周波数帯
域についてもSNRの低い周波数帯域と同一の値を用い
て雑音除去処理が行われ、雑音除去処理後の信号がむし
ろ劣化してしまう場合があるという問題が生じていた。
【0006】本発明は、かかる問題を解決するためにな
されたものであり、その目的は、音声信号と雑音との位
相差の情報を雑音除去に反映させ、かつ、周波数スペク
トル上の各点におけるSNRに応じて雑音の除去量を変
えることによって、雑音除去の精度の向上が可能な雑音
除去方法および装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の点を考慮して、請
求項1に係る発明は、抽出したい音声信号と前記抽出し
たい音声信号以外の信号である雑音とからなる音響信号
の周波数スペクトルである入力スペクトルを生成するス
ペクトル生成手段と、前記入力スペクトルの最小値を前
記雑音の周波数スペクトルの推定値として生成する雑音
推定手段と、前記音声信号と前記雑音との振幅比として
生成するSNR推定手段と、前記振幅比と前記雑音の周
波数スペクトルの推定値とに基づいて除去すべき雑音成
分の周波数スペクトルの推定値を生成する除去スペクト
ル推定手段と、前記除去すべき雑音成分の周波数スペク
トルの推定値を前記入力スペクトルから差し引いて前記
抽出したい音声信号の周波数スペクトルとして生成する
雑音除去手段とを備えた構成を有している。
【0008】この構成により、音響信号の周波数スペク
トルである入力スペクトルを考慮した音声信号と雑音信
号との振幅比を用いて雑音除去処理を行っているため、
雑音除去の精度を向上することができる。
【0009】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
おいて、前記除去スペクトル推定手段は、前記音声信号
と前記雑音信号との位相差に関して期待値をとり前記除
去すべき雑音成分の周波数スペクトルを推定し、前記雑
音除去手段は、前記除去すべき雑音成分の周波数スペク
トルの推定値を前記除去すべき雑音成分の周波数スペク
トルの推定値として前記入力スペクトルから差し引く構
成を有している。この構成により、音響信号の周波数ス
ペクトルである入力スペクトルを考慮した音声信号と雑
音信号との振幅比、および前記音声信号と前記雑音信号
との位相差を考慮して雑音除去処理を行っているため、
雑音除去の精度を向上することができる。
【0010】また、請求項3に係る発明は、請求項1ま
たは2において、前記雑音除去装置は、前記入力スペク
トルの周波数帯域を複数の周波数帯域に分割し、前記周
波数帯域毎に、前記雑音推定手段が前記雑音の周波数ス
ペクトルの推定値を生成し、前記SNR推定手段が前記
振幅比を生成し、前記除去スペクトル推定手段が前記除
去すべき雑音成分の周波数スペクトルの推定値を生成
し、前記雑音除去手段が前記推定値を前記入力スペクト
ルから差し引いて前記抽出したい音声信号の周波数スペ
クトルを生成する構成を有している。この構成により、
周波数帯域によってSNRが異なることを考慮して雑音
除去の処理を行っているため、処理後の音声信号の劣化
を低減することができる。
【0011】また、請求項4に係る発明は、抽出したい
音声信号と前記抽出したい音声信号以外の信号である雑
音とからなる音響信号の周波数スペクトルである入力ス
ペクトルを生成するスペクトル生成ステップと、前記入
力スペクトルの最小値を前記雑音の周波数スペクトルの
推定値として生成する雑音推定ステップと、前記音声信
号と前記雑音との振幅比を生成するSNR推定ステップ
と、前記振幅比と前記雑音の周波数スペクトルの推定値
とに基づいて除去すべき雑音成分の周波数スペクトルの
推定値を生成する除去スペクトル推定ステップと、前記
除去すべき雑音成分の周波数スペクトルの推定値を前記
入力スペクトルから差し引いて前記抽出したい音声信号
の周波数スペクトルとして生成する雑音除去ステップと
を備えた構成を有している。
【0012】この構成により、音響信号の周波数スペク
トルである入力スペクトルを考慮した音声信号と雑音信
号との振幅比を用いて雑音除去処理を行っているため、
雑音除去の精度を向上することができる。
【0013】また、請求項5に係る発明は、請求項4に
おいて、前記雑音除去方法は、前記入力スペクトルの周
波数帯域を複数の周波数帯域に分割し、前記周波数帯域
毎に、前記雑音推定ステップで前記雑音の周波数スペク
トルの推定値を生成し、前記SNR推定ステップで前記
振幅比を生成し、前記除去スペクトル推定ステップで前
記音声信号と前記雑音信号との位相差に関して前記除去
すべき雑音成分の周波数スペクトルの期待値を生成し、
前記雑音除去ステップで前記除去すべき雑音成分の周波
数スペクトルの期待値を前記除去すべき雑音成分の周波
数スペクトルの推定値として前記入力スペクトルから差
し引いて前記抽出したい音声信号の周波数スペクトルを
生成する構成を有している。
【0014】この構成により、音響信号の周波数スペク
トルである入力スペクトルを考慮した音声信号と雑音信
号との振幅比、および前記音声信号と前記雑音信号との
位相差を考慮して雑音除去処理を行っているため、雑音
除去の精度を向上することができると共に、周波数帯域
によってSNRが異なることを考慮して雑音除去の処理
を行っているため、処理後の音声信号の劣化を低減する
ことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照し、本発明
の第1の実施の形態に係る雑音除去方法および装置につ
いて説明する。図1は、第1の実施の形態に係る雑音除
去装置の構成を示すブロック図である。図1に示す雑音
除去装置100は、FFT分析手段110、フィルタバ
ンク分析手段120、雑音推定手段130、SNR推定
手段140、除去スペクトル推定手段150、および雑
音減算手段160とから構成される。
【0016】フィルタバンク分析手段120は、入力さ
れる信号を複数の周波数帯域(以下、M個の周波数帯域
とする。)に分割して処理するための複数のフィルタか
らなり、以下では、それらの周波数帯域(以下、帯域と
いう。)を指定する番号を記号jで表すこととする。雑
音推定手段130、SNR推定手段140、除去スペク
トル推定手段150、および雑音減算手段160は、上
記フィルタバンク分析手段120を構成するフィルタ毎
に存在し、帯域毎に後述する処理を行う。
【0017】図1において、雑音推定手段130j、S
NR推定手段140j、除去スペクトル推定手段150
j、および雑音減算手段160jとあるが、これらの手
段を指定する記号の末尾に付された記号jは、フィルタ
バンク分析手段120からの出力の、j番目の帯域の信
号に対して処理を行う手段であることを示す記号であ
る。
【0018】図1において、雑音除去装置100には音
声信号と雑音とが混在する音響信号10が入力され、雑
音除去装置100からは雑音除去処理後の音響スペクト
ル20が出力される。FFT分析手段110は、入力さ
れた音響信号10に対して高速フーリエ変換(以下、F
FT(Fast Fourier Transformation)という。)処理
を施し、音響信号10の周波数スペクトルである入力ス
ペクトルを生成する。
【0019】フィルタバンク分析手段120は、上記の
入力スペクトルに以下の式(1)に示す変換処理を行
う。
【数1】 ここで、引数tは処理対象のフレームを指定する番号、
添字iは周波数の数値を指定する番号である。
【0020】また、Xi(t)、Si(t)、Ni(t)は、それぞれ
引数tによって指定されるフレームと添字iによって指
定される数値の周波数とにおける、入力スペクトル、音
声信号の周波数スペクトル、および雑音の周波数スペク
トルの値である。また、θi(t)は、上記の周波数スペク
トルSi(t)とNi(t)とがなす位相差であり、Melijはフィ
ルタ係数である。
【0021】以下では、フィルタバンク分析手段120
を構成する複数のフィルタのうち、j番目の帯域の信号
を処理するフィルタをj番目のフィルタという。また、
帯域分割してフィルタ処理するフィルタバンク分析手段
120として、メルフィルタバンクを用いることができ
る。その場合、上記のMelijは、入力スペクトルにおけ
るi番目の値とフィルタバンク分析手段120を構成す
るj番目のフィルタからの出力BXj(t)とを関係付けるフ
ィルタバンク係数である。
【0022】なお、入力スペクトルXi(t)に対する処理
と同様の処理を音声信号の周波数スペクトルSi(t)に対
して行ったときの変換結果をBSj(t)とし、以下の式
(2)によって定義しておく。
【数2】
【0023】以下に、雑音除去装置100から出力され
る除去処理後の音響スペクトル20を導出しておく。フ
ィルタバンク分析手段120での処理後の雑音に相当す
る成分Zj(t)は、式(1)、(2)を用いて以下の式
(3)のように表すことができる。
【数3】 ここで、ri(t) は|Si(t)|/|Ni(t)|であり(以下、ri(t)
を振幅比という)、SNRに相当する量である。
【0024】フィルタバンク分析手段120での処理後
の雑音に相当する成分Zj(t)は、雑音スペクトルの絶対
値|Ni(t)|に以下の式(4)で表される項がかけられた
ものがメルフィルタバンクに入力され、変換されたのと
等価であることを示す。
【数4】
【0025】ここで、位相差θに関する、上記の式
(4)の期待値γ(r)を以下の式(5)のように定義す
る。
【数5】 なお、上記の式(5)では、簡略化のために添字iを省
略した。式(5)から明らかなように、期待値γ(r)は
振幅比rの関数となる。
【0026】各帯域の雑音スペクトルの推定値j(t)>を
以下の式(6)によって定義する。
【数6】 この式(6)は、処理対象フレームtとこのフレームt
からTフレーム前のフレームまでの間の各フレームのな
かで、j番目の帯域に関して、フィルタバンク分析手段
120からの出力が最小となる値を各帯域の雑音スペク
トルの推定値j(t)>(以下、Mminj(t)と記す。)として
定義するものである。
【0027】ここで、SNRに相当する量である振幅比
ri(t)を、周波数を指定する番号iの関数ではなく帯域
を指定する番号jの関数として、以下の式(7)によっ
て表されるrj '(t)で近似して代用する。
【数7】
【0028】以上より、除去すべき雑音成分の周波数ス
ペクトルの推定値は、式(8)によって表される。
【数8】 このようにして導出されたZj(t)をj番目の帯域の入力
信号から引き去ることによって、抽出したい音声信号の
周波数スペクトルを得ることが可能である。
【0029】以下、雑音除去装置100の各構成部にお
ける処理についての説明に戻る。雑音推定手段130
は、式(6)に基づいて、各帯域での雑音スペクトルの
推定値Mminj(t)をフィルタバンク分析手段120の出力
から生成する。SNR推定手段140は、式(7)に基
づいて、各帯域でのSNRに相当する量である振幅比の
推定値rj '(t)をフィルタバンク分析手段120の出力お
よび雑音スペクトルの推定値Mminj(t)を用いて生成す
る。除去スペクトル推定手段150は、式(5)および
式(8)に基づいて、除去すべき雑音成分の周波数スペ
クトルの推定値Zj(t)を、雑音スペクトルの推定値M minj
(t)および上記振幅比の推定値rj '(t)を用いて生成す
る。
【0030】雑音減算手段160は、以下の式(9)に
基づいて、フィルタバンク分析手段120からの出力に
対して雑音除去処理を施す。
【数9】 ここで、ηはフロアリングパラメータであり、音声信号
の周波数スペクトルの推定値BSj(t)の下限を規定するパ
ラメータである。
【0031】上記の式(9)は、雑音成分の周波数スペ
クトルの推定値Zj(t)を除去して得られた音声信号の周
波数スペクトルの推定値BSj(t)が、ηによって規定され
る値ηBXj(t)よりも大きいときは、推定値BSj(t)から雑
音成分の周波数スペクトルの推定値Zj(t)を差し引く方
法で雑音を除去し、そうでなく、音声信号の周波数スペ
クトルの推定値BSj(t)が、ηによって規定される値ηBX
j(t)よりも小さいときは、抽出される音声信号の劣化を
防止すべくηによって規定される値ηBXj(t)とするもの
である。
【0032】以上では、複数のフィルタから構成される
フィルタバンク分析手段120を用いて入力音響信号1
0の周波数スペクトルを複数の周波数帯域に分割し、帯
域毎に雑音除去のための処理を行う装置について説明し
てきたが、本発明に係る雑音除去装置は、必ずしも帯域
分割を行うためのフィルタバンク分析手段120を必要
とするものではなく、1つのフィルタによって構成され
るのでも良い。このときの雑音除去装置の構成を図2に
示す。図2に示される各構成部での処理は、同一番号で
指定される上記の各構成部と同様の処理を行う。
【0033】図3は、本発明の第1の実施の形態にかか
る雑音除去装置でなされる雑音除去の方法における処理
の流れを示すフローチャートである。ステップS301
で、FFT分析手段110は、入力された音響信号10
に対して高速フーリエ変換(以下、FFT(Fast Fouri
er Transformation)という。)処理を施し、音響信号
10の周波数スペクトルである入力スペクトルを生成す
る。
【0034】ステップS302で、フィルタバンク分析
手段120は、上記の入力スペクトルに以下の式(1
0)に示す変換処理を施す。
【数10】 ここで、引数tは処理対象のフレームを指定する番号、
添字iは周波数の数値を指定する番号である。
【0035】ステップS303jで、雑音推定手段13
0は、式(11)に基づいて、各帯域での雑音スペクト
ルの推定値Mminj(t)をフィルタバンク分析手段120の
出力から生成する。
【数11】
【0036】ステップS304jで、SNR推定手段1
40は、フィルタバンク分析手段120を構成するj番
目のフィルタにおけるSNRに相当する量である振幅比
の近似値の推定値rj '(t)を、以下の式(12)に基づい
て生成する。
【数12】
【0037】ステップS305jで、除去スペクトル推
定手段150は、以下の式(13)に基づいて、除去す
べき雑音成分の周波数スペクトルの推定値Zj(t)を、雑
音スペクトルの推定値Mminj(t)および上記振幅比の推定
値rj '(t)を用いて生成する。
【数13】
【0038】ここで、γ(r)は、以下の式(14)によ
って定義される量である。
【数14】
【0039】ステップS306jで、雑音減算手段16
0は、以下の式(15)に基づいて、フィルタバンク分
析手段120からの出力に対して雑音除去処理を施す。
【数15】 ここで、ηはフロアリングパラメータであり、音声信号
の周波数スペクトルの推定値BSj(t)の下限を規定するパ
ラメータである。
【0040】上記の式(15)は、雑音成分の周波数ス
ペクトルの推定値Zj(t)を除去して得られた音声信号の
周波数スペクトルの推定値BSj(t)が、ηによって規定さ
れる値ηBXj(t)よりも大きいときは、推定値BSj(t)から
雑音成分の周波数スペクトルの推定値Zj(t)を差し引く
方法で雑音を除去し、そうでなく、音声信号の周波数ス
ペクトルの推定値BSj(t)が、ηによって規定される値η
BXj(t)よりも小さいときは、抽出される音声信号の劣化
を防止すべくηによって規定される値ηBXj(t)とするも
のである。
【0041】以上では、入力音響信号10の周波数スペ
クトルを複数の周波数帯域に分割し、帯域毎に雑音除去
のための処理を行う方法について説明してきたが、本発
明に係る雑音除去方法は、必ずしも帯域分割を行うため
の処理を必要とするものではなく、全周波数帯域を1度
にフィルタ処理する構成でも良い。このときの雑音除去
方法における処理の流れを示すフローチャートを図4に
示す。図4に示される各ステップでの処理は、Mを1と
した場合の、同一番号で指定される上記の各ステップで
の処理と同様の処理を行う。
【0042】以上説明したように、第1の実施の形態に
係る雑音除去方法および装置は、SNRと位相とを考慮
して雑音除去処理をしているため、雑音除去の精度を向
上することができる。また、周波数帯域によってSNR
が異なることを考慮して雑音除去の処理を行っているた
め、処理後の音声信号の劣化を低減することができる。
さらに、フィルタバンクを用いて帯域分割し、雑音除去
処理を行っているため、処理すべきパラメータ数を削減
して処理量を低減することができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、音声信
号と雑音との位相差の情報を雑音除去に反映させ、か
つ、周波数スペクトル上の各点におけるSNRに応じて
雑音の除去量を変えることを可能としたため、雑音除去
の精度の向上が可能な雑音除去方法および装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る雑音除去装置
の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る雑音除去装置
における、周波数帯域を分割せずに処理する場合の装置
構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る雑音除去方法
における処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る雑音除去方法
における、周波数帯域を分割せずに処理する場合の処理
の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 音響信号 20 出力スペクトル 100 雑音除去装置 110 FFT分析手段 120 フィルタバンク分析手段 130、130j 雑音推定手段 140、140j SNR推定手段 150、150j 除去スペクトル推定手段 160、160j 雑音減算手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 亨 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会 放送技術研究所内 (72)発明者 佐藤 庄衛 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会 放送技術研究所内 (72)発明者 小早川 健 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会 放送技術研究所内 (72)発明者 世木 寛之 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会 放送技術研究所内 Fターム(参考) 5D015 EE05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抽出したい音声信号と前記抽出したい音声
    信号以外の信号である雑音とからなる音響信号の周波数
    スペクトルである入力スペクトルを生成するスペクトル
    生成手段と、前記入力スペクトルの最小値を前記雑音の
    周波数スペクトルの推定値として生成する雑音推定手段
    と、前記音声信号と前記雑音との振幅比として生成する
    SNR推定手段と、前記振幅比と前記雑音の周波数スペ
    クトルの推定値とに基づいて除去すべき雑音成分の周波
    数スペクトルの推定値を生成する除去スペクトル推定手
    段と、前記除去すべき雑音成分の周波数スペクトルの推
    定値を前記入力スペクトルから差し引いて前記抽出した
    い音声信号の周波数スペクトルとして生成する雑音除去
    手段とを備えたことを特徴とする雑音除去装置。
  2. 【請求項2】前記除去スペクトル推定手段は、前記音声
    信号と前記雑音信号との位相差に関して期待値をとり前
    記除去すべき雑音成分の周波数スペクトルを推定し、前
    記雑音除去手段は、前記除去すべき雑音成分の周波数ス
    ペクトルの推定値を前記除去すべき雑音成分の周波数ス
    ペクトルの推定値として前記入力スペクトルから差し引
    くことを特徴とする請求項1記載の雑音除去装置。
  3. 【請求項3】前記雑音除去装置は、前記入力スペクトル
    の周波数帯域を複数の周波数帯域に分割し、前記周波数
    帯域毎に、前記雑音推定手段が前記雑音の周波数スペク
    トルの推定値を生成し、前記SNR推定手段が前記振幅
    比を生成し、前記除去スペクトル推定手段が前記除去す
    べき雑音成分の周波数スペクトルの推定値を生成し、前
    記雑音除去手段が前記推定値を前記入力スペクトルから
    差し引いて前記抽出したい音声信号の周波数スペクトル
    を生成することを特徴とする請求項1または2記載の雑
    音除去装置。
  4. 【請求項4】抽出したい音声信号と前記抽出したい音声
    信号以外の信号である雑音とからなる音響信号の周波数
    スペクトルである入力スペクトルを生成するスペクトル
    生成ステップと、前記入力スペクトルの最小値を前記雑
    音の周波数スペクトルの推定値として生成する雑音推定
    ステップと、前記音声信号と前記雑音との振幅比を生成
    するSNR推定ステップと、前記振幅比と前記雑音の周
    波数スペクトルの推定値とに基づいて除去すべき雑音成
    分の周波数スペクトルの推定値を生成する除去スペクト
    ル推定ステップと、前記除去すべき雑音成分の周波数ス
    ペクトルの推定値を前記入力スペクトルから差し引いて
    前記抽出したい音声信号の周波数スペクトルとして生成
    する雑音除去ステップとを備えたことを特徴とする雑音
    除去方法。
  5. 【請求項5】前記雑音除去方法は、前記入力スペクトル
    の周波数帯域を複数の周波数帯域に分割し、前記周波数
    帯域毎に、前記雑音推定ステップで前記雑音の周波数ス
    ペクトルの推定値を生成し、前記SNR推定ステップで
    前記振幅比を生成し、前記除去スペクトル推定ステップ
    で前記音声信号と前記雑音信号との位相差に関して前記
    除去すべき雑音成分の周波数スペクトルの期待値を生成
    し、前記雑音除去ステップで前記除去すべき雑音成分の
    周波数スペクトルの期待値を前記除去すべき雑音成分の
    周波数スペクトルの推定値として前記入力スペクトルか
    ら差し引いて前記抽出したい音声信号の周波数スペクト
    ルを生成することを特徴とする請求項4記載の雑音除去
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100636048B1 (ko) * 2004-10-28 2006-10-20 한국과학기술연구원 주변 소음에 따라 주파수 특성이 변화된 신호음을발생시키는 이동단말기 및 방법
JP2012118464A (ja) * 2010-12-03 2012-06-21 Nikon Corp 音声処理装置、撮像装置、音声処理方法、及び音声処理プログラム
US8352274B2 (en) 2007-09-11 2013-01-08 Panasonic Corporation Sound determination device, sound detection device, and sound determination method for determining frequency signals of a to-be-extracted sound included in a mixed sound

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