JP2003043693A - 平版印刷版の製版方法 - Google Patents

平版印刷版の製版方法

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JP2003043693A
JP2003043693A JP2001235810A JP2001235810A JP2003043693A JP 2003043693 A JP2003043693 A JP 2003043693A JP 2001235810 A JP2001235810 A JP 2001235810A JP 2001235810 A JP2001235810 A JP 2001235810A JP 2003043693 A JP2003043693 A JP 2003043693A
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JP2001235810A
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Shunichi Kondo
俊一 近藤
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 支持体の表面に感光層を設けた光重合
系感光性平版印刷版を、製造後長期間、高温高湿条件下
で保存しても、その後画像露光及び現像を行い印刷した
時に、地汚れの発生のない、経時安定性の高い光重合系
平版印刷版の製版方法を提供すること。 【解決手段】 アルミニウム支持体上に中間層及
び光重合性感光層を順に積層してなる感光性平版印刷版
を画像露光し、現像液で現像することを含む平版印刷版
の製版方法であって、該中間層が側鎖に燐酸基を有する
高分子化合物を含み、並びに該現像液が無機アルカリ
塩、及びポリオキシアルキレンエーテル基を有するノニ
オン系界面活性剤を含みかつpHが11.0〜12.7である、
上記平版印刷版の製版方法。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム支持
体上に光重合性感光層が形成された感光性平版印刷版の
製版方法に関する。さらに詳しくは、非画像部の現像性
の改良により、印刷での汚れにくさが確保され、かつ露
光部における現像時のダメージが少なく強固な画像強度
が得られる平版印刷版の製版方法に関する。 【0002】 【従来の技術】平版印刷版を用いた印刷物の製造におい
て、地汚れの無い印刷物を得ることは必須条件の一つで
ある。一般に地汚れは、製造後の貯蔵時間が長くなると
共に増加し、特に高温、高湿下で貯蔵された場合に顕著
となる。光重合性感光層は、光によりラジカルが発生し
て、重合連鎖反応により画像が形成される物であるた
め、このような光重合性感光層を有する感光性平版印刷
版では良好な貯蔵安定性を得ることが難しい。従って、
長時間の保存、特に高温高湿下での保存に耐え、印刷物
の地汚れが発生しない感光性平版印刷版が望まれてい
た。 【0003】このような地汚れを生じさせない試みは従
来より数多くなされている。例えば、陽極酸化アルミニ
ウム板の表面にポリビニルホスホン酸からなる下塗り層
を設け、その上にジアゾ化合物を含有する感光層を設け
た感光性平版印刷版(***国特許第1,621,478号)、アル
ミニウム支持体上にポリアクリル酸等を下塗りし、その
上にジアゾ樹脂を設けた感光性平版印刷版(***国特許
第1,091,433号)、ポリアクリルアミドを下塗りし、その
上に感光層を設けた感光性平版印刷版(米国特許第3,51
1,661号)、ジアゾ化合物と有機高分子担体とを含有する
感光層を有する感光性平版印刷版の経時安定性を改良し
地汚れの発生を防止するために感光層への高分子の有機
酸を添加する方法(特開昭56−107238号公報)等が知ら
れている。しかし、いずれも十分な効果を発揮せず、よ
り一層の改良が望まれていた。また、特開昭57−5042号
公報には、複数個の側鎖ジアゾニウム基を有するジアゾ
樹脂と、複数個のスルホネート基を有するスルホン化重
合体(例えばスルホン化ポリウレタンやスルホン化ポリ
エステル)との組み合わせを含む感光性付加物が開示さ
れている。しかし、この方法に依れば地汚れ防止の効果
が十分でないばかりか、これらの付加物を感光層そのも
のとして用いるため使用するスルホン化ポリウレタンあ
るいはスルホン化ポリエステル等の生成によって感光性
平版印刷版の性能が支配されてしまい、その使用範囲は
ごく限定されてしまうという欠点があった。 【0004】また、特開昭59−101651号公報には、ジア
ゾ化合物及び光重合性組成物を感光層に用いた感光性平
版印刷版の長期貯蔵により生じる地汚れを改良する方法
として、スルホン酸を有するモノマー単位の繰り返し重
合体を中間層に設けることが記載されている。しかしな
がら、この技術による経時安定性改良は、従来のPS版露
光装置で使用する低感度の光重合系では十分な効果が見
られたが、CTP等でレーザー光源で露光される高感度な
光重合系ではその効果が不十分であった。一方、これら
の、現像液に溶解性の高い化合物を下塗り層として設け
たり、あるいは光重合性感光層中に添加する方法は、地
汚れの改良に有効である反面、露光部の現像によるダメ
ージが大きくなり、耐刷性等の性能劣化を起こすことが
多かった。 【0005】一方、アルミニウム支持体上に光重合性感
光層を有する感光性平版印刷版の現像液としては、アル
カリ金属の珪酸塩、燐酸塩、炭酸塩、水酸化物等、及び
有機アミン化合物等の水溶液が提案されている。例え
ば、特開平8-248643号公報には、12以上の高pHで珪酸ア
ルカリ塩と両性界面活性剤を含む現像液が、特開平11-6
5129号公報には、SiO2/M2O(Mはアルカリ金属)が規定さ
れたpH12以下の珪酸アルカリ塩を含む現像液が開示され
ている。前者には取り扱い上の問題の他に、現像液の高
いpHのため現像時に画像部がダメージを受けやすいとい
う問題が、また後者には使用中の僅かな現像液のpH低下
により、珪酸塩がゲル化、不溶化してしまうという問題
があった。 【0006】珪酸アルカリ塩を用いない現像液として
は、特開昭61-109052号公報に、アルカリ試薬、錯化
剤、アニオン界面活性剤、乳化剤、n−アルカン酸等か
らなる現像液が、また西ドイツ特許第1984605号公報に
は、アルカリ剤、錯化剤、アニオン界面活性剤、アミル
アルコール、N−アルコキシアミン類を含んだ現像液が
開示されているが、両者ともpHが高く、また有機溶剤を
含有するため、画像部のダメージが大きく、耐刷性等の
印刷性能を得る上で問題があった。比較的pHが低く(pH1
2以下)、珪酸アルカリ塩を含まない現像液としては、特
開2000-81711号公報に、アニオン界面活性剤を含む水酸
化カリウム水溶液からなる現像液が、また特開平11-651
26号公報にはpH8.5〜11.5のアルカリ金属の炭酸塩水溶
液からなる現像液が開示されている。 【0007】しかしながら、このような比較的低pHの現
像液は、基本的に光重合性感光層の溶解力が乏しいた
め、例えば、経時した版材では十分に現像が進まず残膜
が生じる等の問題があった。これらの問題を解決するた
めには、版材感光層中の高分子結合剤の酸価を高くして
現像性を向上させるか、又は酸基を有するモノマーを併
用する等の工夫が必要であるが、この様な高酸価バイン
ダーを使用した場合には、印刷の途中でインキが着かな
くなる問題(ブラインディンク)等、印刷上の問題が発生
しやすかった。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、支持体の表面に感光層を設けた光重合系感光性平
版印刷版を、製造後長期間、高温高湿条件下で保存して
も、その後画像露光及び現像を行い印刷した時に、地汚
れの発生のない、経時安定性の高い光重合系平版印刷版
の製版方法を提供することにある。更に詳しくは、環
境、安全上好ましい比較的低pHのアルカリ現像液を用い
ても、安定して非画像部が良好な現像性を示し、印刷で
の汚れがなく、かつ現像時における画像部のダメージが
少なく、強固な画像強度が得られる平版印刷版の製版方
法を提供することにある。 【0009】 【発明を解決するための手段】本発明者は、前期課題を
解決すべく鋭意研究した結果、中間層として側鎖に燐酸
基を有する高分子化合物を含む層を設け、また、比較的
pHが低いアルカリ水溶液に、一定のノニオン系界面活性
剤を含有させた現像液により現像することで地汚れの発
生し難い光重合系平版印刷版を得ることができること、
また、光重合性感光層の未露光部の溶解速度が上がり、
逆に光重合による架橋した画像部分は現像液の浸透が抑
制され、強固な膜となることを見いだした。すなわち本
発明は、アルミニウム支持体上に中間層及び光重合性感
光層を順に積層してなる感光性平版印刷版を画像露光
し、現像液で現像することを含む平版印刷版の製版方法
であって、該中間層が側鎖に燐酸基を有する高分子化合
物を含み、並びに該現像液が無機アルカリ塩、及びポリ
オキシアルキレンエーテル基を有するノニオン系界面活
性剤を含みかつpHが11.0〜12.7である、上記平版印刷
版の製版方法を提供する。上記発見により、長期保存し
ても印刷汚れが生じず、かつ画像部は強固な被膜とな
り、耐刷性、耐溶剤性の高い光重合系平版印刷版を得る
ことが可能になった。 【0010】 【発明の実施の態様】以下本発明について詳細に説明す
る。 (中間層)本発明の特徴の一つは中間層が側鎖に燐酸基を
有する高分子化合物を含むことである。この高分子化合
物を含む中間層を後述するアルミニウム支持体と感光層
との間に設けることにより、平版印刷版における経時に
よる汚れ難さが達成され、また耐刷性も向上する。本発
明における高分子化合物は、例えば、少なくとも燐酸基
を有するモノマー成分を重合してなる高分子化合物であ
り、所望の割合で他のビニルモノマーと共重合してもか
まわない。燐酸基とは、 【0011】 【化1】 【0012】であり、燐酸基を有するモノマーとしては
以下のものを挙げることができるがこれにより限定され
るものではない。 【0013】 【化2】 【0014】CH2=C(CH3)COO(C2H4O)nP=O(OH)(O-)N+H(CH
3)2C2H4OCOC(CH3)=CH2, n=1 CH2=C(CH3)COO(C2H4O)nP=O(OH)(O-)N+H3C2H4OH, n=1 [CH2=C(CH3)COO(C2H4O)n]2P=O(OH), n=1 CH2=C(CH3)COO(C2H4O)nP=O(OH)(O-)N+H(C2H5)2C2H4OCOC
(CH3)=CH2, n=1 [CH2=C(CH3)COOC2H4OCOC5H10O]2P=O(OH) 【0015】本発明で燐酸基を有するモノマーと共重合
してもよいモノマーとしては下記の様な他の酸基を有す
るモノマー、あるいは(1)〜(14)に記載したよう
な他のモノマーを挙げることが出来る。 (酸基を有するモノマーの具体例)アクリル酸、メタク
リル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、イタコン酸、マ
レイン酸、無水マレイン酸、 【0016】 【化3】 【0017】 【化4】 【0018】 【化5】【0019】(1)N−(4−ヒドロキシフェニル)アク
リルアミドまたはN−(4−ヒドロキシフェニル)メタク
リルアミド、o−、m−またはp−ヒドロキシスチレ
ン、o−またはm−ブロモ−p−ヒドロキシスチレン、
o−またはm−クロル−p−ヒドロキシスチレン、o
−、m−またはp−ヒドロキシフェニルアクリレートま
たはメタクリレート等の芳香族水酸基を有するアクリル
アミド類、メタクリルアミド類、アクリル酸エステル
類、メタクリル酸エステル類およびヒドロキシスチレン
類、(2)アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無
水マレイン酸およびそのハーフエステル、イタコン酸、
無水イタコン酸およびそのハーフエステルなどの不飽和
カルボン酸、 【0020】(3)N−(o−アミノスルホニルフェニ
ル)アクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニ
ル)アクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニ
ル)アクリルアミド、N−[1−(3−アミノスルホニル)ナ
フチル]アクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエ
チル)アクリルアミドなどのアクリルアミド類、N−(o
−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−
(m−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N
−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、
N−[1−(3−アミノスルホニル)ナフチル]メタクリルア
ミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)メタクリルア
ミドなどのメタクリルアミド類、また、o−アミノスル
ホニルフェニルアクリレート、m−アミノスルホニルフ
ェニルアクリレート、p−アミノスルホニルフェニルア
クリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチ
ル)アクリレートなどのアクリル酸エステル類などの不
飽和スルホンアミド、o−アミノスルホニルフェニルメ
タクリレート、m−アミノスルホニルフェニルメタクリ
レート、p−アミノスルホニルフェニルメタクリレー
ト、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)メタク
リレートなどのメタクリル酸エステル類などの不飽和ス
ルホンアミド、 【0021】(4)トシルアクリルアミドのように置換
基があってもよいフェニルスルホニルアクリルアミド、
およびトシルメタクリルアミドのような置換基があって
もよいフェニルスルホニルメタクリルアミド、(5)脂
肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類およびメタク
リル酸エステル類、例えば、2−ヒドロキシエチルアク
リレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
(6)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリ
ル酸オクチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジ
ル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸4−ヒド
ロキシブチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチル
アミノエチルアクリレートなどの(置換)アクリル酸エ
ステル、(7)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸
シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸
フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−
クロロエチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、グ
リシジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメ
タクリレートなどの(置換)メタクリル酸エステル、 【0022】(8)アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメ
タクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチ
ルメタクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N
−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアク
リルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N
−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエ
チルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N
−フェニルメタクリルアミド、N−ベンジルアクリルア
ミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ニトロフェ
ニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルメタクリルア
ミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミドおよび
N−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなどのアク
リルアミドもしくはメタクリルアミド、(9)エチルビ
ニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒド
ロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、
フェニルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、 【0023】(10)ビニルアセテート、ビニルクロロ
アセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニルなどの
ビニルエステル類、(11)スチレン、α−メチルスチ
レン、メチルスチレン、クロロメチルスチレンなどのス
チレン類、(12)メチルビニルケトン、エチルビニル
ケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン
などのビニルケトン類、(13)エチレン、プロピレ
ン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどのオレ
フィン類、(14)N−ビニルピロリドン、N−ビニル
カルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリルなど。 【0024】本発明の中間層に使用される側鎖に燐酸基
を有する高分子化合物は、燐酸基を有する構成成分が10
モル%以上含まれることが好ましく、できれば20モル%
以上含まれる事が好適である。燐酸基を有する構成単位
は1種類あるいは2種類以上を組み合わせても良い。ま
た、側鎖に燐酸基を有する高分子化合物に他の酸基を有
する構成単位を含む場合は、燐酸基を有する構成単位と
併せて20モル%以上含まれることが望ましく、できれば
40モル%以上の方が好適である。酸基が20モル%以上あ
ると、アルカリ現像時の溶解除去が促進され、燐酸基を
10モル%以上含むと露光部のアルミニウム界面との密着
性が向上する。更に、側鎖に燐酸基を有する高分子に
は、溶解性および密着性の微調整のため、他の構成成分
を含有させてもよい。次に、本発明に用いられる重合体
の代表的な例を以下に示す。なお、ポリマー構造の組成
比はモル百分率を表す。 【0025】 【化6】 【0026】 【化7】【0027】 【化8】【0028】本発明において使用可能なかかる重合体
は、一般には、ラジカル連鎖重合法を用いて製造するこ
とができる(“Textbook of Polymer Science" 3rd ed,
(1984)F.W.Billmeyer,A Wiley-Interscience Publicati
on参照)。本発明に係る重合体の分子量はNMR測定に
おける末端基と側鎖官能基の積分強度比より算出される
数平均分子量(Mn)が、300〜5,000であり、好ましく
は500〜4,800の範囲にあり、更に好ましくは800〜4,500
の範囲である。300未満では、基板との密着力が弱くな
り、耐刷性の劣化が生じ、5,000を超えて高くなると、
基板への密着力が強くなりすぎ、非画像部の感光層残渣
を十分に除去することができなくなり、更には消去性の
劣下をも引き起こし、不適である。また、この重合体中
に含まれる未反応モノマー量は広範囲であってもよい
が、20質量%以下であることが好ましく、また10質量%
以下であることが更に好ましい。 【0029】上記範囲の分子量を有する重合体は対応す
る単量体を共重合する際に、重合開始剤および連鎖移動
剤の添加量を調整することにより得ることができる。な
お、連鎖移動剤とは、重合反応において連鎖移動反応に
より、反応の活性点を移動させる物質のことを示し、そ
の移動反応の起こり易さは、連鎖移動定数Csで表され
る。本発明で用いられる連鎖移動剤の連鎖移動定数Cs
×104(60℃)は、0.01以上であることが好ましく、0.1
以上であることがより好ましく、1以上であることが特
に好ましい。重合開始剤としては、ラジカル重合の際に
一般によく用いられる過酸化物、アゾ化合物、レドック
ス開始剤をそのまま利用することができる。これらの中
でアゾ化合物が特に好ましい。 【0030】連鎖移動剤の具体例としては、四塩化炭
素、四臭化炭素等のハロゲン化合物、イソプロピルアル
コール、イソブチルアルコール等のアルコール類、2−
メチル−1−ブテン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−
ペンテン等のオレフィン類、エタンチオール、ブタンチ
オール、ドデカンチオール、メルカプトエタノール、メ
ルカプトプロパノール、メルカプトプロピオン酸メチ
ル、メルカプトプロピオン酸エチル、メルカプトプロピ
オン酸、チオグリコール酸、エチルジスルフィド、se
c−ブチルジスルフィド、2−ヒドロキシエチルジスル
フィド、チオサルチル酸、チオフェノール、チオクレゾ
ール、ベンジルメルカプタン、フェネチルメルカプタン
等の含イオウ化合物等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。より好ましくは、エタンチオール、
ブタンチオール、ドデカンチオール、メルカプトエタノ
ール、メルカプトプロパノール、メルカプトプロピオン
酸メチル、メルカプトプロピオン酸エチル、メルカプト
プロピオン酸、チオグリコール酸、エチルジスルフィ
ド、sec−ブチルジスルフィド、2−ヒドロキシエチ
ルジスルフィド、チオサルチル酸、チオフェノール、チ
オクレゾール、ベンジルメルカプタン、フェネチルメル
カプタンであり、特に好ましくは、エタンチオール、ブ
タンチオール、ドデカンチオール、メルカプトエタノー
ル、メルカプトプロパノール、メルカプトプロピオン酸
メチル、メルカプトプロピオン酸エチル、メルカプトプ
ロピオン酸、チオグリコール酸、エチルジスルフィド、
sec−ブチルジスルフィド、2−ヒドロキシエチルジ
スルフィドである。また、側鎖に燐酸基を有する高分子
化合物としては特開平2−304441号に記載の不飽和基と
燐酸基を有する高分子化合物も好適に使用される。 【0031】本発明に係る上記高分子化合物を含む中間
層は、後述する任意に親水化処理を施したアルミニウム
支持体上に種々の方法により塗布して設けられる。この
中間層は次の方法で設けることができる。メタノール、
エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしく
はそれらの混合溶剤あるいはこれらの有機溶剤と水との
混合溶剤に本発明に係る高分子化合物を溶解させた溶液
をアルミニウム支持体上に塗布、乾燥して設ける塗布方
法、あるいはメタノール、エタノール、メチルエチルケ
トンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤あるいは
これらの有機溶剤と水との混合溶剤に本発明に係る高分
子化合物を溶解させた溶液に、アルミニウム支持体を浸
漬し、しかる後、水洗あるいは空気などによって洗浄、
乾燥して中間層を設ける塗布方法を挙げることができ
る。 【0032】前者の方法では、上記化合物合計で0.005
〜10質量%の濃度の溶液を種々の方法で塗布できる。例
えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カ
ーテン塗布などいずれの方法を用いてもよい。また、後
者の方法では、溶液の濃度は0.005〜20質量%、好まし
くは0.01%〜10質量%であり、浸漬温度0℃〜70℃、好
ましくは5〜60℃であり、浸漬時間は0.1秒〜5分、好ま
しくは0.5秒〜120秒である。 【0033】上記の溶液は、アンモニア、トリエチルア
ミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、リン
酸、硫酸、硝酸などの無機酸、ニトロベンゼンスルホン
酸、ナフタレンスルホン酸などの有機スルホン酸、フェ
ニルホスホン酸などの有機ホスホン酸、安息香酸、クマ
ル酸、リンゴ酸などの有機カルボン酸など種々有機酸性
物質、ナフタレンスルホニルクロライド、ベンゼンスル
ホニルクロライドなどの有機クロライド等によりpHを
調整し、pH=0〜12、より好ましくはpH=0〜6の範
囲で使用することもできる。また、感光性平版印刷版の
調子再現性改良のために紫外光や可視光、赤外光などを
吸収する物質を添加することもできる。 【0034】本発明における中間層を構成する化合物の
乾燥後の被覆量は、合計で1〜100mg/m2が適当であり、
好ましくは2〜70mg/m2である。上記被覆量が1mg/m2より
も少ないと十分な効果が得られない。また100mg/m2より
も多くても同様である。 【0035】(感光層)本発明に用いる感光性平版印刷版
の光重合性感光層を構成する光重合型感光性組成物(以
下、光重合性組成物と呼ぶ)は、付加重合可能なエチレ
ン性不飽和結合含有化合物、光重合開始剤、高分子結合
剤を必須成分とし、必要に応じ、着色剤、可塑剤、熱重
合禁止剤等の種々の化合物を併用することができる。 【0036】エチレン性不飽和結合含有化合物とは、光
重性組成物が活性光線の照射を受けた時、光重合開始剤
の作用により付加重合し、架橋、硬化するようなエチレ
ン性不飽和結合を有する化合物である。付加重合可能な
エチレン性不飽和結合を含む化合物は、末端エチレン性
不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する
化合物の中から任意に選択することができる。例えばモ
ノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオ
リゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重
合体などの化学的形態をもつものである。 【0037】モノマーおよびその共重合体の例として
は、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリ
ル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレ
イン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステ
ル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのア
ミド等が挙げられる。脂肪族多価アルコール化合物と不
飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例として
は、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジ
アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチ
レングリコールジアクリレート、プロピレングリコール
ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメ
チロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エ
−テル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキ
サンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジ
オールジアクリレート、テトラエチレングリコールジア
クリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリ
トールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジ
アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソ
ルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアク
リレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビト
ールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエ
チル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオ
リゴマー等がある。 【0038】メタクリル酸エステルとしては、テトラメ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオー
ルジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエ
リスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメ
タクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリ
レート、ジペンタエリスリトールペンタメタアクリレー
ト、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテ
トラメタクリレート、ビス[p−(3−メタクリルオキシ−
2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]ジメチルメタン、
ビス−[p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル]ジメ
チルメタン等がある。 【0039】イタコン酸エステルとしては、エチレング
リコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタ
コネート、1,5−ブタンジオールジイタコネート、1,4−
ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコ
ールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネ
ート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロ
トン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロト
ネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペ
ンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテト
ラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルと
しては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペン
タエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテ
トライソクロトネート等がある。 【0040】マレイン酸エステルとしては、エチレング
リコールジマレート、トリエチレングリコールジマレー
ト、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテ
トラマレート等がある。さらに、前述のエステルモノマ
ーの混合物も挙げることができる。また、脂肪族多価ア
ミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの
具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチ
レンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビ
ス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタ
クリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルア
ミド、キシリレシビスアクリルアミド、キシリレンビス
メタクリルアミド等がある。 【0041】その他の例としては、特公昭48-41708号公
報中に記載されている1分子中に2個以上のイソシアネー
ト基を有するポリイソシアネート化合物に、下記の一般
式(A)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付
加せしめた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有す
るビニルウレタン化合物等が挙げられる。 【0042】CH2=C(R)COOCH2CH(R')OH (A) (ただし、RおよびR'はHあるいはCH3を示す。) 【0043】また、特開昭51-37193号、特公平2-32293
号の各公報に記載されているようなウレタンアクリレー
ト類、特開昭48-64183号、特公昭49-43191号、特公昭52
-30490号各公報に記載されているようなポリエステルア
クリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応
させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレー
トやメタクリレートを挙げることができる。さらに日本
接着協会誌Vo1.20, No.7, 300〜308ぺ−ジ(1984年)に光
硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されている
ものも使用することができる。なお、これらエチレン性
不飽和結合含有化合物の使用量は、感光層全成分の5〜8
0質量%、好ましくは30〜70質量%の範囲で使用され
る。 【0044】また本発明における感光性平版印刷版の感
光層に含有させる光重合開始剤としては、使用する光源
の波長により、特許、文献等で公知である種々の光重合
開始剤、あるいは2種以上の光重合開始剤の併用系(光開
始系)を適宜選択して用いることができる。以下に具体
例を列挙するがこれらに制限されるものではない。400n
m以上の可視光線、Arレーザー、半導体レーザーの第2高
調波、SHG-YAGレーザーを光源とする場合にも、種々の
光開始系が提案されており、例えば、米国特許第2,850,
445号に記載のある種の光還元性染料、例えばローズベ
ンガル、エオシン、エリスロジンなど、あるいは、染料
と開始剤との組み合わせによる系、例えば、染料とアミ
ンの複合開始系(特公昭44-20189号)、ヘキサアリールビ
イミダゾールとラジカル発生剤と染料との併用系(特公
昭45-37377号)、ヘキサアリールビイミダゾールとp−ジ
アルキルアミノベンジリデンケトンの系(特公昭47-2528
号、特開昭54-155292号)、環状シス−α−ジカルボニル
化合物と染料の系(特開昭48-84183号)、環状トリアジン
とメロシアニン色素の系(特開昭54-151024号)、3−ケト
クマリンと活性剤の系(特開昭52−112681号、特開昭58-
15503号)、ビイミダジール、スチレン誘導体、チオール
の系(特開昭59−140203号)、有機過酸化物と色素の系
(特開昭59-1504号、特開昭59-140203号、特開昭59-1893
40号、特開昭62-174203号、特公昭62-1641号、米国特許
第4766055号)、染料と活性ハロゲン化合物の系(特開昭6
3-258903号、特開平2-63054号など)、染料とボレート化
合物の系(特開昭62-143044号、特開昭62-150242号、特
開昭64-13140号、特開昭64−13141号、特開昭64-13142
号、特開昭64-13143号、特開昭64-13144号、特開昭64-1
7048号、特開平1-229003号、特開平1-298348号、特開平
1-138204号など)、ローダニン環を有する色素とラジカ
ル発生剤の系(特開平2-179643号、特開平2-244050号)、
チタノセンと3−ケトクマリン色素の系(特開昭63-22111
0号)、チタノセンとキサンテン色素さらにアミノ基ある
いはウレタン基を含む付加重合可能なエチレン性不飽和
結合含有化合物を組み合わせた系(特開平4-221958号、
特開平4-219756号)、チタノセンと特定のメロシアニン
色素の系(特開平6-295061号)、チタノセンとベンゾピラ
ン環を有する色素の系(特開平8-334897号)等を挙げるこ
とができる。 【0045】また、最近400〜410nmの波長のレーザー
(バイオレットレーサー)が開発され、それに感応する45
0nm以下の波長に高感度を示す光開始系が開発されてお
り、これらの光開始系も使用される。例えば、カチオン
色素/ボレート系(特開平11-84647号公報)、メロシアニ
ン色素/チタノセン系(特開2000-147763)、カルバゾール
型色素/チタノセン系(特願平11-221480号)等を挙げるこ
とができる。本発明においては特にチタノセン化合物を
用いた系が、感度の点で優れており好ましい。 【0046】チタノセン化合物としては、種々のものを
用いることができるが、例えば、特開昭59-152396号、
特開昭61-151197号各公報に記載されている各種チタノ
セン化合物から適宜選んで用いることができる。さらに
具体的には、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロ
ライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニ
ル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6
−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタ
ジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ
−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,
4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタ
ジエニル−Ti−ビス−2,6−ジ−フルオロフェニ−1−イ
ル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−
フルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジ
エニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−テトラフルオロフェニ
−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビ
ス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペン
タジエニル−Ti−ビス−2,6'−ジフルオロ−3−(ピル−
1−イル)−フェニ−1−イル等を挙げることができる。
チタノセンと組み合わせる色素として好ましいものは、
シアニン系、メロシアニン系、キサンテン系、ケトクマ
リン系、ベンゾピラン系色素である。シアニン系色素と
して好ましくは下記の構造を有するものか挙げられる
が、特に限定されない。 【0047】 【化9】 【0048】(式中、Z1およびZ2はベンゾイミダゾール
またはナフトイミダゾール環を形成するのに必要な非金
属原子群を表わし、同一でも異なっていてもよい。
R11、R12、R13およびR14はそれぞれ置換されていてもよ
いアルキル基を表わす。X1 -は対アニオンを表わし、nは
0または1である。) 下の表1にシアニン系色素の具体例を示す。 【0049】 【表1】 【0050】メロシアニン系色素として好ましくは下記
の構造を有するものが挙げられるが、特に限定されな
い。 【0051】 【化10】 【0052】(式中、Z3、Z4はそれぞれシアニン色素で
通常用いられる5員環及び/又は6員環の含窒素複素環を
形成するに必要な非金属原子群を表わす。R15、R16はそ
れぞれアルキル基を表わす。Q1とQ2は組み合わせること
により、4−チアゾリジノン環、5−チアゾリジノン環、
4−イミダゾリジノン環、4−オキサゾリジノン環、5−
オキサゾリジノン環、5−イミダゾリジノン環または4'
−ジチオラノン環を形成するのに必要な原子群を表わ
す。L1、L2、L3、L4及びL5はそれぞれメチン基を表わ
す。mは1又は2を表わす。i、hはそれぞれ0又は1を表わ
す。lは1又は2を表わす。j、kはそれぞれ0、1、2又は3
を表わす。X2 -は対アニオンを表わす。) 【0053】 【化11】 【0054】(式中R17およびR18は各々独立して水素原
子、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換
アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アル
コキシカルボニル基、アリール基、置換アリール基また
はアラルキル基を表わす。Z6は酸素原子、イオウ原子、
セレン原子、テルル原子、アルキルないしはアリール置
換された窒素原子、またはジアルキル置換された炭素原
子を表わす。Z5は含窒素ヘテロ五員環を形成するのに必
要な非金属原子群を表わす。B1は置換フェニル基、無置
換ないしは置換された多核芳香環、または無置換ないし
は置換されたヘテロ芳香環を表わす。B2は水素原子、ア
ルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール
基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ア
リールチオ基、置換アミノ基、アシル基、またはアルコ
キシカルボニル基を表わし、またB1と互いに結合して環
を形成していてもよい。) 以下にメロシアニン系色素の具体例を示す。 【0055】 【化12】 【0056】 【化13】 【0057】キサンテン系色素としては、ローダミン
B、ローダミン6G、エチルエオシン、アルコール可溶性
エオシン、ピロニンY、ピロニンB等を挙げることができ
る。ケトクマリン系色素として好ましくは下記の構造を
有するものが挙げられるが、特に限定されない 【0058】 【化14】 【0059】(式中、R19、R20およびR21はそれぞれ水素
原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を表
わし、R21およびR23はそれぞれアルキル基を表わすが、
少なくとも一方が炭素数4〜16個のアルキル基を表わ
し、R24は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アシ
ル基、シアノ基、カルボキシル基、もしくはそのエステ
ル誘導体またはアミド誘導体の基を表わし; R25は炭素
原子の総数が3〜17個の複素環残基−CO-R26を表わし、R
20とR21、R22とR23は互いに結合して環を形成してもよ
い。ここでR26は下に示す基である。) 【0060】 【化15】 【0061】以下にケトクマリン系色素の具体例を示
す。 【0062】 【化16】 【0063】ベンゾピラン系色素として好ましくは下記
の構造を有するものが挙げられるが、特に限定されな
い。 【0064】 【化17】 【0065】(式中、R27〜R29は互いに独立して、水素
原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、水酸
基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。また、R27〜R
29はそれらが各々結合できる炭素原子と共に非金属原子
から成る環を形成していても良い。R31は、水素原子、
アルキル基、アリール基、ヘテロ芳香族基、シアノ基、
アルコキシ基、カルボキシ基またはアルケニル基を表
す。R29は、R31で表される基または−Z9-R31であり、Z9
はカルボニル基、スルホニル基、スルフィニル基または
アリーレンジカルボニル基を表す。またR31およびR32
共に非金属原子から成る環を形成しても良い。Z7はO、
S、NHまたは置換基を有する窒素原子を表す。Z8は、基 【0066】 【化18】 【0067】であり、G1、G2は同一でも異なっていても
良く、水素原子、シアノ基、アルコキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基、アシル基、アリールカル
ボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキル
スルホニル基、アリールスルホニル基またはフルオロス
ルホニル基を表す。但しG1とG2は同時に水素原子となる
ことはない。またG1およびG2は炭素原子と共に非金属原
子から成る環を形成していても良い。) 以下にベンゾピラン系色素の具体例を示す。 【0068】 【化19】 【0069】更に上記光重合開始剤に必要に応じ、2−
メルカプトベンスチアゾール、2−メルカプトベンズイ
ミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール等のチ
オール化合物、N−フェニルグリシン、N,N−ジアルキル
アミノ芳香族アルキルエステル等のアミン化合物等の水
素供与性化合物を加えることにより更に光開始能力が高
められることが知られている。これらの光重合開始剤
(系)の使用量はエチレン性不飽和結合含有化合物100質
量部に対し、0.05〜100質量部、好ましくは0.1〜70質量
部、更に好ましくは0.2〜50質量部の範囲で用いられ
る。 【0070】本発明における感光性平版印刷版の感光層
に用いられる高分子結合剤は、該組成物の皮膜形成剤と
して機能するだけでなく、アルカリ現像液に溶解する必
要があるため、アルカリ水に可溶性または膨潤性である
有機高分子重合体が使用される、該有機高分子重合体
は、例えば、水可溶性有機高分子重合体を用いると水現
像が可能になる。この様な有機高分子重合体としては、
側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば特開昭
59-44615号、特公昭54-34327号、特公昭58-12577号、特
公昭54-25957号、特開昭54-92723号、特開昭59-53836
号、特開昭59-71048号の各公報に記載されているもの、
すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合
体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイ
ン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が
ある。 【0071】また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸
性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する付
加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用で
ある。特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アクリレート
/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビ
ニルモノマー〕共重合体及び〔アリル(メタ)アクリレー
ト(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性
ビニルモノマー〕共重合体が好適である。この他に水溶
性有機高分子重合体として、ポリビニルピロリドンやポ
リエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の
強度を上げるためにアルコール可溶性ポリアミドや2,2
−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピク
ロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。また特公
平7−120040号、特公平7-120041号、特公平7-120042
号、特公平8-12424号、特開昭63-287944号、特開昭63-2
87947号、特開平1-271741号、特開平11-352691号各公報
に記載のポリウレタン樹脂も本発明の用途には有用であ
る。 【0072】これら有機高分子重合体は側鎖にラジカル
反応性基を導入することにより硬化皮膜の強度を向上さ
せることができる。付加重合反応し得る官能基としてエ
チレン性不飽和結合基、アミノ基、エポキシ基等が、又
光照射によりラジカルになり得る官能基としてはメルカ
プト基、チオール基、ハロゲン原子、トリアジン構造、
オニウム塩構造等が、又極性基としてカルボキシル基、
イミド基等が挙げられる。上記付加重合反応し得る官能
基としては、アクリル基、メタクリル基、アリル基、ス
チリル基などエチレン性不飽和結合基が特に好ましい
が、又アミノ基、ヒドロキシ基、ホスホン酸基、燐酸
基、カルバモイル基、イソシアネート基、ウレイド基、
ウレイレン基、スルホン酸基、アンモニオ基から選ばれ
る官能基も有用である。 【0073】組成物の現像性を維持するためには、本発
明における高分子結合剤は適当な分子量、酸価を有する
ことが好ましく、重量平均分子量で5000〜30万、酸価20
〜200の高分子重合体が有効に使用される。これらの高
分子結合剤は全組成物中に任意な量を混和させることが
できる。しかし、90質量%を超える場合には形成される
画像強度等の点で好ましい結果を与えない。好ましくは
10〜90質量%、より好ましくは30〜80質量%である。ま
た光重合可能なエチレン性不飽和結合含有化合物と高分
子結合剤は、重量比で1/9〜9/1の範囲とするのが好まし
い。より好ましい範囲は2/8〜8/2であり、更に好ましく
は3/7〜7/3である。 【0074】また、本発明においては以上の基本成分の
他に感光性組成物の製造中あるいは保存中において重合
可能なエチレン性不飽和結合含有化合物の不要な熱重合
を阻止するために少量の熱重合禁止剤を添加することが
望ましい。適当な熱重合禁止剤としてはハロイドキノ
ン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレ
ゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾ
キノン、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミ
ン第一セリウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシル
アミンアルミニウム塩等が挙げられる。熱重合禁止剤の
添加量は、全組成物の重量に対して約0.01%〜約5%が
好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防
止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂
肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層
の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体等の添加
量は、全組成物の約0.5質量%〜約10質量%が好まし
い。 【0075】更に感光層の着色を目的として、着色剤を
添加してもよい。着色剤としては、例えば、フタロシア
ニン系顔料(C.I.Pigment Blue 15:3、15:4、15:6な
ど)、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなど
の顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレッ
ト、アゾ染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料
がある。染料および顔料の添加量は全組成物の約0.5質
量%〜約20質量%が好ましい。加えて、硬化皮膜の物性
を改良するために、無機充填剤やジオクチルフタレー
ト、ジメチルフタレート、トリクレジルホスフェート等
の可塑剤等の添加剤を加えてもよい。これらの添加量は
全組成物の10質量%以下が好ましい。 【0076】本発明における感光性平版印刷版の感光性
組成物を前述の中間層上に塗布する際には種々の有機溶
剤に溶かして使用に供される。ここで使用する溶媒とし
ては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサ
ン、酢酸エチル、エチレンジクロライト、テトラヒドロ
フラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチル
エーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジア
セトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルア
セテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテー
ト、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタ
ノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエ
チルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート−3−メトキシプロピルアセテート、N,N−
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブ
チロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。こ
れらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することがで
きる。そして、塗布溶液中の固形分の濃度は1〜50質量
%が適当である。 【0077】本発明における感光性平版印刷版の感光層
における光重合性組成物には、塗布面質を向上するため
に界面活性剤を添加することができる。その被覆量は乾
燥後の重量で約0.1g/m2〜約10g/m2の範囲が適当であ
る。より好ましくは0.3〜5g/m2である。更に好ましくは
0.5〜3g/m2である。 【0078】また、通常、前記感光層の上には、酸素の
重合禁止作用を防止するために酸素遮断性の保護層が設
けられる。酸素遮断性保護層に含まれる水溶性ビニル重
合体としては、ポリビニルアルコール、およびその部分
エステル、エ−テル、およびアセタール、またはそれら
に必要な水溶性を有せしめるような実質的量の未置換ビ
ニルアルコール単位を含有するその共重合体が挙げられ
る。ポリビニルアルコールとしては、71〜100%加水分
解され、重合度が300〜2400の範囲のものが挙げられ
る。具体的には株式会社クラレ製PVA-105, PVA-110, PV
A-117, PVA-117H, PVA-120, PVA-124, PVA-124H, PVA-C
S, PVA-CST, PVA-HC, PVA-203, PVA-204, PVA-205, PVA
-210, PVA-217, PVA-220, PVA-224, PVA-217EE, PVA-22
0, PVA-224,PVA-217EE, PVA-217E, PVA-220E, PVA-224
E, PVA-405, PVA-420, PVA-613, L-8等が挙げられる。
上記の共重合体としては、88〜100%加水分解されたポ
リビニルアセテートクロロアセテートまたはプロピオネ
ート、ポリビニルホルマールおよびポリビニルアセター
ルおよびそれらの共重合体が挙げられる。その他有用な
重合体としてはポリビニルピロリドン、ゼラチンおよび
アラビアゴムが挙げられ、これらは単独または併用して
用いても良い。 【0079】本発明における感光性平版印刷版において
酸素遮断性保護層を塗布する際に用いる溶媒としては、
純水が好ましいが、メタノール、エタノールなどのアル
コール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン
類を純水と混合しても良い。そして塗布溶液中の固形分
の濃度は1〜20質量%が適当である。本発明における上
記酸素遮断性保護層には、さらに塗布性を向上させるた
めの界面活性剤、皮膜の物性を改良するための水溶性の
可塑剤等の公知の添加剤を加えても良い。水溶性の可塑
剤としては、たとえばプロピオンアミド、シクロヘキサ
ンジオール、グリセリン、ソルビトール等がある。ま
た、水溶性の(メタ)アクリル系ポリマーなどを添加して
も良い。その被服量は乾燥後の重量で約0.1g/m2〜約15g
/m2の範囲が適当である。より好ましくは1.0g/m2〜約5.
0g/m2である。 【0080】(アルミニウム支持体)次に本発明における
感光性平版印刷版のアルミニウム支持体について説明す
る。本発明にて用いられるアルミニウム支持体は、寸度
的に安定なアルミニウムまたはその合金(例えば珪素、
銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビス
マス、ニッケルとの合金)、またはアルミニウム、アル
ミニウム合金がラミネートもしく蒸着されたプラスチッ
クフィルムまたは紙を意味し、通常その厚さは0.05mm〜
1mm程度である、また特開昭48-18327号公報に記載の複
合シートも使用することができる。 【0081】本発明におけるアルミニウム支持体は表面
粗さRaは0.2〜0.55μmであることが好ましい。このよ
うな表面粗さを得るために、後述の基板表面処理が施さ
れる。ここでアルミニウム支持体の表面粗さとはアルミ
ニウム圧延方向に対し直角方向の中心線平均粗さ(算術
平均粗さ)(Ra)をいい、蝕針計で測定した粗さ曲線
から、その中心線の方向に測定長さLの部分を抜き取
り、この抜き取り部分の中心線をX軸、それに直交する
軸をY軸として、粗さ曲線をY=f(X)で表したと
き、次の式で与えられた値をμm単位で表したものであ
る。(Lの決定及び平均粗さの計測はJIS B 060
1に従う。) 【0082】 【数1】 【0083】(砂目立て処理)砂目立て処理方法は、特開
昭56-28893号公報に開示されているような機械的砂目立
て、化学的エッチング、電解グレインなどがある。さら
に塩酸または硝酸電解液中で電気化学的に砂目立てする
電気化学的砂目立て方法、及びアルミニウム表面を金属
ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球
と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立てするボールグレ
イン法、ナイロンブラシと研磨剤で表面を砂目立てする
ブラシグレイン法のような機械的砂目立て法を用いるこ
とができ、上記砂目立て方法を単独あるいは組み合わせ
て用いることもできる。その中でも、塩酸または硝酸電
解液中で化学的に砂目立てする電気化学的方法が好まし
く、適する電流密度は100C/dm2〜400C/dm2の範囲であ
る。さらに具体的には、0.1〜50%の塩酸または硝酸を
含む電解液中、温度20〜100℃、時間1秒〜30分、電流密
度100C/dm2〜400C/dm2の条件で電解を行うことが好まし
い。 【0084】このように砂目立て処理したアルミニウム
支持体は、酸またはアルカリにより化学的にエッチング
される。酸をエッチング剤として用いる場合は、微細構
造を破壊するのに時間がかかり、工業的に本発明を適用
するに際しては不利であるが、アルカリをエッチング剤
として用いることにより改善できる。本発明において好
適に用いられるアルカリ剤は、苛性ソーダ、炭酸ソー
ダ、アルミン酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、リン酸ソー
ダ、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を用い、濃度と
温度の好ましい範囲はそれぞれ1〜50%、20〜100℃であ
り、Alの溶解量が5〜20g/m3となるような条件が好まし
い。 【0085】エッチングのあと表面に残留する汚れ(ス
マット)を除去するために酸洗いが行われる。用いられ
る酸は硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸、ホウフ
ッ化水素酸等が用いられる。特に電気化学的粗面化処理
後のスマット除去処理方法としては、好ましくは特開昭
53-12739号公報に記載されているような50〜90℃の温度
の15〜65質量%の硫酸と接触させる方法及び特公昭48-2
8123号公報に記載されているアルカリエッチングする方
法が挙げられる。 【0086】(陽極酸化処理)以上のようにして処理され
たアルミニウム支持体は、さらに陽極酸化処理が施され
る事が好ましい。陽極酸化処理はこの分野で従来より行
われている方法で行うことができる。具体的には、硫
酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベ
ンゼンスルホン酸等あるいはこれらの二種以上を組み合
わせて水溶液または非水溶液中でアルミニウムに直流ま
たは交流を流すとアルミニウム支持体表面に陽極酸化皮
膜を形成することができる。陽極酸化処理の条件は使用
される電解液によって種々変化するので一概に決定され
得ないが、一般的には電解液の濃度が1〜80%、液温5〜
70℃、電流密度0.5〜60アンペア/dm2、電圧1〜100V、電
解時間10〜100秒の範囲が適当である。 【0087】これらの陽極酸化処理のうちでも特に英国
特許第1,412,768号明細書に記載されている、硫酸中で
高電流密度で陽極酸化する方法及び米国特許第3,511,66
1号明細書に記載されているリン酸を電解浴として陽極
酸化する方法が好ましい。本発明においては、陽極酸化
皮膜は1〜10g/m2であることが好ましく、1g/m2以下であ
ると版に傷が入りやすく、10g/m2以上は製造に多大な電
力が必要となり、経済的に不利である。好ましくは、1.
5〜7g/m2である。更に好ましくは、2〜5g/m2である。 【0088】更に、本発明においては、砂目立て処理及
び陽極酸化後、アルミニウム支持体に封孔処理を施して
もかまわない。かかる封孔処理は、熱水及び無機塩また
は有機塩を含む熱水溶液への基板の浸漬ならびに水蒸気
浴などによって行われる。また本発明におけるアルミニ
ウム支持体にはアルカリ金属珪酸塩によるシリケート処
理、弗化ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩等の水溶液へ
の浸漬処理などの表面処理がなされてもかまわない。 【0089】上記の如く表面処理を施されたアルミニウ
ム支持体上に、上述した中間層および光重合性組成物か
らなる感光層を順次形成することで、本発明における感
光性平版印刷版を作製する 【0090】次に本発明の平版印刷版の製版方法につい
て詳細に説明する。上述した感光性平版印刷版は画像露
光した後、無機アルカリ塩とポリオキシアルキレンエー
テル基を有するノニオン系界面活性剤を含みかつpHが
11.0〜12.7、好ましくは11.5〜12.5である現像液で現像
される。以下に、本発明の製版方法に用いられる新規な
現像液について説明する。 【0091】(現像液)本発明の平版印刷版の製版方法に
使用される現像液は、無機アルカリ塩とポリオキシアル
キレンエーテル基を有するノニオン系界面活性剤を含有
し、pHが11.0〜12.5である。 【0092】無機アルカリ塩としては適宜使用可能であ
るが、例えば、水酸化ナトリウム、同カリウム、同アン
モニウム、同リチウム、珪酸ナトリウム、同カリウム、
同アンモニウム、同リチウム、第3リン酸ナトリウム、
同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリ
ウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウ
ム、同アンモニウム、硼酸ナトリウム、同カリウム、及
び同アンモニウム等の無機アルカリ剤が挙げられる。こ
れらは単独でも、二種以上を組み合わせて用いても良
い。 【0093】珪酸塩を使用する場合には、珪酸塩の成分
である酸化珪素SiO2とアルカリ酸化物M2O(Mはアルカリ
金属を表す。)との混合比率及び濃度の調製により、現
像性を容易に調節することが出来る。前記アルカリ水溶
液の中でも前記酸化珪素SiO2とアルカリ酸化物M2Oとの
混合比率(SiO2/M2O:モル比)が0.5〜3.0のものが好ま
しく、1.0〜2.0のものが好ましい。前記SiO2/M2Oが0.5
未満であると、アルカリ強度が強くなっていくため、平
版印刷版用原版の支持体として汎用のアルミニウム板な
どをエッチングしてしまうといった弊害を生ずることが
あり、4.0を越えると、現像性が低下することがある。
また、現像液中のSiO2濃度は現像液の総重量に対し、1
〜10質量%が好ましく、3〜8質量%がより好ましく、4
〜7質量%が最も好ましい。この濃度が1質量%を未満で
あると現像性、処理能力が低下することがあり、10質量
%を越えると沈殿や結晶を生成し易くなり、さらに廃液
時の中和の際にゲル化し易くなり、廃液処理に支障をき
たすことがある。 【0094】また、アルカリ濃度の微少な調整、感光層
の溶解性の補助の目的で、補足的に有機アルカリ剤を併
用してもよい。有機アルカリ剤としては、モノメチルア
ミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチル
アミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソ
プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロ
ピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ
イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、
エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、テトラ
メチルアンモニウムヒドロキシド等を挙げることができ
る。これらのアルカリ剤は、単独もしくは2種以上を組
み合わせて用いられる。 【0095】本発明で使用される現像液には、ポリオキ
シアルキレンエーテル基を有するノニオン界面活性剤を
含有することが必須であり、この界面活性剤添加によ
り、未露光部の感光層の溶解促進、露光部への現像液の
浸透性の低減が可能となる。ポリオキシアルキレンエー
テル基を含有する界面活性剤としては、下記一般式(I)
の構造を有する物が好適に使用される。 【0096】R40−O−(R41-O)pH (I) 式中、R40は、置換基を有しても良い炭素数3〜15のアル
キル基、置換基を有しても良い炭素数6〜15の芳香族炭
化水素基、又は置換基を有しても良い炭素数4〜15の複
素芳香族環基(尚、置換基としては炭素数1〜20のアルキ
ル基、Br、Cl、I等のハロゲン原子、炭素数6〜15の芳香
族炭化水素基、炭素数7〜17のアラルキル基、炭素数1〜
20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシ−カルボ
ニル基、炭素数2〜15のアシル基が挙げられる。)を示
し、R41は、置換基を有しても良い炭素数1〜100のアル
キレン基(尚、置換基としては、炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基が挙げられる。)を
示し、pは1〜100の整数を表す。 【0097】上記式(I)の定義において、「芳香族炭化
水素基」の具体例としては、フェニル基、トリル基、ナ
フチル基、アンスリル基、ビフェニル基、フェナンスリ
ル基等が挙げられ、また「複素芳香族環基」の具体例と
しては、フリル基、チオニル基、オキサゾリル基、イミ
ダゾリル基、ピラニル基、ピリジニル基、アクリジニル
基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオニル基、ベンゾピラ
ニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイミダゾリル基
等が挙げられる。 【0098】また式(I)の(R41−O)pの部分は、上記範囲
であれば、2種又は3種の基であっても良い。具体的には
エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基、エチレンオキ
シ基とイソプロピルオキシ基、エチレンオキシ基とブチ
レンオキシ基、エチレンオキシ基とイソブチレン基等の
組み合わせのランダム又はブロック状に連なったもの等
が挙げられる。本発明において、ポリオキシアルキレン
エーテル基を有する界面活性剤は単独又は複合系で使用
され、現像液中1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%添
加することが効果的である。添加量が少ないと現像性の
低下がみられ、逆に多すぎると現像のダメージが強くな
り、印刷版の耐刷性を低下させてしまう。 【0099】また上記式(I)で表されるポリオキシアル
キレンエーテル基を有するノニオン界面活性剤として
は、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポ
リオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレン
ステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル類、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリ
オキシエチレンナフチルエーテル等のポリオキシエチレ
ンアリールエーテル類、ポリオキシエチレンメチルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等
のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類が挙
げられる。 【0100】さらに以下に記す、その他の界面活性剤を
加えてもよい。その他の界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンステアレート等のポリオキシエチレンアルキ
ルエステル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタン
モノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビ
タンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソ
ルビタントリオレエート等のソルビタンアルキルエステ
ル類、グリセロールモノステアレート、グリセロールモ
ノオレート等のモノグリセリドアルキルエステル類等の
ノニオン界面活性剤; ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、ブチルナ
フタレンスルホン酸ナトリウム、ペンチルナフタレンス
ルホン酸ナトリウム、ヘキシルナフタレンスルホン酸ナ
トリウム、オクチルナフタレンスルホン酸ナトリウム等
のアルキルナフタレンスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナ
トリウム等のアルキル硫酸塩類、ドデシルスルホン酸ソ
ーダ等のアルキルスルホン酸塩類、ジラウリルスルホコ
ハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸エステル塩類等の
アニオン界面活性剤; ラウリルベタイン、ステアリルベ
タイン等のアルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界
面活性剤等が使用可能であるが、特に好ましいのはアル
キルナフタレンスルホン酸塩類等のアニオン界面活性剤
である。 【0101】これら界面活性剤は単独、もしくは組み合
わせて使用することができる。また、これら界面活性剤
の現像液中における含有量は有効成分換算で0.1〜20質
量%の範囲が好適に使用される。 【0102】本発明で使用される現像液のpHは、11.0〜
12.7、好ましくは11.5〜12.5である。11.0を下回ると画
像形成ができなくなり、逆に12.7を超えると過現像にな
ったり、露光部の現像でのダメージが強くなるという問
題が生じるからである。 【0103】また、本発明で使用される現像液の導電率
は、3〜30 mS/cmである事が好ましい。下回ると、通
常、アルミニウム板支持体表面の感光性組成物の溶出が
困難となり、印刷で汚れを伴ってしまい、逆に範囲を超
えると、塩濃度が高いため、感光層の溶出速度が極端に
遅くなり、未露光部に残膜が生じることがあるからであ
る。特に好ましい導電率は、5〜20 mS/cmの範囲であ
る。 【0104】(露光及び現像処理)本発明における感光性
平版印刷版を、例えば、カーボンアーク灯、高圧水銀
灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ラン
プ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、ヘリウムガ
ドミニウムレーザー、アルゴンイオンレーザー、FD・YA
Gレーザー、ヘリウムネオンレーザー、半導体レーザー
(350nm〜600nm)等の従来公知の活性光線で画像露光した
後、現像処理することにより、アルミニウム板支持体表
面に画像を形成することができる。画像露光後、現像ま
での間に、光重合性感光層の硬化率を高める目的で50℃
〜150℃の温度で1秒〜5分の時間の加熱プロセスを設け
ることを行っても良い。 【0105】また、本発明における感光性平版印刷版の
感光層の上には、前述したように、通常、、素遮断性を
有するオーバーコート層が設けてあり、本発明における
現像液を用いて、オーバーコート層の除去と感光層未露
光部の除去を同時に行う方法、または、水、温水でオー
バーコート層を先に除外し、その後未露光部の感光層を
現像で除去する方法が知られている、これらの水または
温水には特開平10-10754号公報に記載の防腐剤等、特開
平8-278636号公報に記載の有機溶剤等を含有させること
ができる。 【0106】本発明における感光性平版印刷版の前記現
像液による現像は、常法に従って、0〜60℃、好ましく
は15〜40℃程度の温度で、例えば、露光処理した感光性
平版印刷版を現像液に浸漬してブラシで擦る等により行
う。 【0107】さらに自動現像機を用いて現像処理を行う
場合、処理量に応じて現像液が疲労してくるので、補充
液または新鮮な現像液を用いて処理能力を回復させても
良い。このようにして現像処理された感光性平版印刷版
は特開昭54-8002号、同55-115045号、同59-58431号等の
各公報に記載されているように、水洗水、界面活性剤等
を含有するリンス液、アラビアガムやデンプン誘導体等
を含む不感脂化液で後処理される。本発明において感光
性平版印刷版の後処理にはこれらの処理を種々組み合わ
せて用いることができる。上記のような処理により得ら
れた印刷版は特開2000-89478号公報に記載の方法による
後露光処理やバーニングなどの加熱処理により、耐刷性
を向上させることができる。このような処理によって得
られた平版印刷版はオフセット印刷機に掛けられ、多数
枚の印刷に用いられる。 【0108】 【実施例】以下に本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、勿論本発明はこれらによって限定されるも
のではない。〔実施例1〕厚さ0.30mmの材質1Sのアルミ
ニウム板を8号ナイロンブラシと800メッシュのパミスト
ンの水懸濁液を用い、その表面を砂目立てした後、よく
水で洗浄した。10%水酸化ナトリウムに70℃で60秒間浸
漬してエッチングした後、流水で水洗後、20%HNO3で中
和洗浄、水洗した。これをVA=12.7Vの条件下で正弦波の
交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で300クーロン/d
m2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。その表面
粗さを測定したところ、0.45μm(Ra表示)であった(測
定機器;東京精密(株)製サーフコム、蝕針先端径2ミク
ロンメーター)。ひきつづいて30%のH2SO4水溶液中に浸
漬し、55℃で2分間デスマットした後、33℃、20%H2SO 4
水溶液中で、砂目立てした面に陰極を配置して、電流密
度5A/dm2において50秒間陽極酸化したところ厚さが2.7g
/m2であった。 【0109】このように処理されたアルミニウム板上
に、No.5で表されるポリマー(分子量Mn=18,000)を、
水/メタノール=5g/95gに溶解した液を塗布し、80℃、3
0秒間乾燥した。この中間層の厚みは10mg/m2であった。
この上に、下記組成の高感度光重合性組成物P-1を乾燥
塗布重量が1.5g/m2となるように塗布し、100℃で1分間
乾燥させ、感光層を形成した。 【0110】 【化20】 【0111】 (光重合性組成物P-1) エチレン性不飽和結合含有化合物(A1) 1.5 質量部 線状有機高分子重合体(高分子結合剤)(B1) 2.0 質量部 増感剤(C1) 0.15 質量部 光重合開始剤(D1) 0.2 質量部 ε−フタロシアニン(F1)分散物 0.02 質量部 フッ素系ノニオン界面活性剤メガファックF177 0.03 質量部 (大日本インキ化学工業(株)製) メチルエチルケトン 9.0 質量部 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 7.5 質量部 トルエン 11.0 質量部 【0112】 【化21】【0113】この感光層上にポリビニルアルコール(ケ
ン化度98モル%、重合度500)の3質量%の水溶液を乾燥
塗布重量が2.5g/m2となるように塗布し、120℃で3分間
乾燥させ、感光性平版印刷版を得た。 【0114】印刷版の経時による地汚れの程度を把握す
るために、強制経時条件下(50℃、80%RH)に5日間放
置した版を作製した。強制経時前及び後の感光性平版印
刷版をFD・YAGレーザー(CSI社製プレートジェッ
ト4)で100μJ/cm2の露光量で、4000dpiにて175線/イ
ンチの条件でベタ画像と1〜99%の網点画像(1%刻み)
を走査露光した後、現像液1及びフィニッシングガム液
FP−2W(富士写真フイルム製)を仕込んだ自動現像機
(富士写真フイルム製LP−850P2)で標準処理を行っ
た。プレヒートの条件は版面到達温度が100℃、現像液
温は30℃、現像液への浸漬時間は約15秒であった。現像
液1は下記組成よりなり、pHは25℃で11.5、導電率は5m
S/cmであった。 【0115】 (現像液1の組成) 水酸化カリウム 0.15 g ポリオキシエチレンフェニルエーテル(n=13) 5.0 g キレスト400(キレート剤) 0.1 g 水 94.75 g 【0116】〔実施例2〜7〕実施例1の中間層を下記
に示した中間層用共重合体にそれぞれ変更し、それ以外
は全て実施例1と同じ方法で強制経時前後の平版印刷版
を製版した。 【0117】 【表2】【0118】〔実施例8〜10〕実施例1の中間層の乾
燥塗布重量を5mg/m2、15mg/m2、20mg/m2とした以外は全
て実施例1と同じ方法で平版印刷版を作成した。 〔実施例11〜15〕実施例1の光重合性組成物P-1中
の線状有機高分子重合体をB1から下記B2〜B6に変更した
ものをそれぞれP-2〜P-6とし、それ以外は全て実施例1
と同じ方法で平版印刷版を製版した(実施例11〜1
5)。 B2(P-2):アリルメタクリレート/メタクリル酸(70/30モ
ル%)共重合体、分子量5万。 B3(P-3):メチルメタクリレート/イソブチルメタクリレ
ート/メタクリル酸(60/20/20モル%)共重合体、分子量1
0万。 B4(P-4):メチルメタクリレート/イソプロピルアクリル
アミド/メタクリル酸(65/15/20モル%)共重合体、分子
量7万。 【化22】【0119】〔実施例16〕実施例15の光重合性組成
物のエチレン性不飽和結合含有化合物をA1から下記構造
A2に変更したものをP-7とし、それ以外は全て実施例1
5と同じ方法で平版印刷版を製版した(実施例16)。 【0120】 【化23】 【0121】〔実施例17〜20〕実施例1の現像液を
表3で示した現像液に代えた他は、全て実施例1と同じ
方法で平版印刷版を製版した。 【0122】 【表3】【0123】〔実施例21〕厚さ0.24mmのJIS A1050ア
ルミニウム板の表面をナイロンブラシと400メッシュの
パミストンの水懸濁液を用い砂目立てした後、よく水で
洗浄した。10%水酸化ナトリウム水溶液に70℃で60秒間
浸漬してエッチングした後、流水で水洗後、20%硝酸水
溶液で中和洗浄、水洗した。これをVA=12.7Vの条件下で
正弦波の交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液で260クー
ロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。そ
の表面粗さを測定したところ、0.55μm(Ra表示)であっ
た。ひきつづいて30%の硫酸水溶液中に浸漬し、55℃で
2分間デスマットした後、20%硫酸水溶液中で電流密度1
4A/dm2、陽極酸化皮膜量が2.5g/m2相当になるように陽
極酸化し、水洗して基板[A]を作成した。 【0124】基板[A]を珪酸ナトリウム0.15質量%水
溶液で22℃で10秒間処理し、水洗して基板[B]を作成
した。また、基板[A]を珪酸ナトリウム2.5質量%水
溶液で30℃で10秒間処理し、水洗して基板[C]を作成
した。更に、基板[A]を珪酸ナトリウム2.5質量%水
溶液で50℃で5秒間処理し、水洗して基板[D]を作成
した。このように処理されたアルミニウム版に、実施例
1と同様の方法で中間層、感光層、酸素遮断層を塗布乾
燥し、感光性平版印刷版を経た。その後の処理も実施例
1と同様に行い、強制経時前後の平版印刷版を作成し
た。 【0125】〔比較例1〕実施例1の中間層を設けなか
った以外は実施例1と同様に感光性平版印刷版を作製
し、実施例1と同じ方法で平版印刷版を製版した。 【0126】〔比較例2〕実施例1の現像液1に代え
て、両性界面活性剤及びアルカリ金属珪酸塩(SiO2/K
2O)を含む現像液6として富士写真フイルム(株)製LP-D
現像液を水で10倍に希釈した溶液と、前記比較例1で用
いた感光性平版印刷版を用いた以外は、実施例1と同様
の方法で印刷版を作成した。なお、現像液6にはポリオ
キシアルキレンエーテル基含有ノニオン界面活性剤は含
まれていない。また、現像液のpHは12.8であり、導電率
は32mS/cmであった。上記の実施例1〜21、比較例1
〜2の製版方法で得られた平版印刷版について、耐刷
性、印刷汚れ性について評価した。耐刷性は、マン・ロ
ーランド社製R201型印刷機で、大日本インキ社製GEOS G
墨(N)を使用して印刷し、3%の網点が版飛びを起こした
印刷枚数を評価した。印刷汚れ性は三菱重工製ダイヤIF
2型印刷機で、大日本インキ社製GEOS G紅(S)を使用して
印刷し、非画像部のインキ汚れを目視で評価した。結果
を表4に示す。 【0127】 【表4】【0128】表4から明らかなように、本発明に係る各
実施例の平版印刷版はいずれも満足すべき結果を得た
が、中間層を設けずに作製した感光性平版印刷版では、
強制経時前においても地汚れが見られ、さらに強制経時
後の地汚れは激しかった(比較例1)。また比較例1の平
版印刷版の耐刷性はいずれにおいても低かった。また、
比較例1において作製した感光性平版印刷版を、ポリオ
キシアルキレンエーテル基を有するノニオン系界面活性
剤を含有しない現像液で処理した場合(比較例2)には、
強制経時前後いずれにおいても印刷時に汚れが見られ、
また耐刷性も低かった。以上のように、本願発明の感光
性平版印刷版及び製版方法を用いると、強制経時後も地
汚れが無く、耐刷性も高い平版印刷版を得ることができ
た。 【0129】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の平版印刷
版の製版方法は、アルミニウム支持体上に、中間層及び
光重合性感光層を順に積層してなる感光性平版印刷版を
画像露光し、現像液で現像することを含む平版印刷版の
製版方法であって、該中間層が側鎖に燐酸基を有する高
分子化合物を含み、及び該現像液が無機アルカリ塩、及
びポリオキシアルキレンエーテル基を有するノニオン系
界面活性剤を含みかつpHが11.0〜12.7である、上記平
版印刷版の製版方法であるが、この方法により、画像部
と非画像部のコントラストに優れ、印刷汚れが無く、経
時安定性に優れ、かつ耐刷性の優れた平版印刷版の作製
が可能である。また現像液のpHが比較的低いため、安全
上好ましく、現像廃液の環境への影響も改善できる効果
を奏する。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AB03 AC01 AC08 AD01 BC32 BC42 CA39 CA41 CB10 CB13 CB43 CB52 DA40 FA03 FA17 2H096 AA07 AA08 BA05 BA20 CA03 CA05 CA20 EA02 EA04 GA08 GA09 GA11 GA13 LA19

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 アルミニウム支持体上に中間層及び光重
    合性感光層を順に積層してなる感光性平版印刷版を画像
    露光し、現像液で現像することを含む平版印刷版の製版
    方法であって、該中間層が側鎖に燐酸基を有する高分子
    化合物を含み、並びに該現像液が無機アルカリ塩、及び
    ポリオキシアルキレンエーテル基を有するノニオン系界
    面活性剤を含みかつpHが11.0〜12.7である、上記平版
    印刷版の製版方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009517720A (ja) * 2005-12-01 2009-04-30 イーストマン コダック カンパニー 耐化学薬品性が改善された画像形成性部材
JP2010503016A (ja) * 2006-08-31 2010-01-28 イーストマン コダック カンパニー ネガ型要素を画像形成して現像する方法

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