JP2003041280A - 等速ジョイント用グリースおよび等速ジョイント - Google Patents

等速ジョイント用グリースおよび等速ジョイント

Info

Publication number
JP2003041280A
JP2003041280A JP2001229293A JP2001229293A JP2003041280A JP 2003041280 A JP2003041280 A JP 2003041280A JP 2001229293 A JP2001229293 A JP 2001229293A JP 2001229293 A JP2001229293 A JP 2001229293A JP 2003041280 A JP2003041280 A JP 2003041280A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
constant velocity
grease
compound
velocity joint
sulfur
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001229293A
Other languages
English (en)
Inventor
Mika Obara
美香 小原
Masami Minami
政美 南
Takashi Okaniwa
隆志 岡庭
Junichi Imai
淳一 今井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Kyodo Yushi Co Ltd
Original Assignee
NTN Corp
Kyodo Yushi Co Ltd
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, Kyodo Yushi Co Ltd, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2001229293A priority Critical patent/JP2003041280A/ja
Publication of JP2003041280A publication Critical patent/JP2003041280A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 等速ジョイントを効率よく潤滑し、有効に摩
擦を低減し振動の発生を防止し得る等速ジョイント用グ
リースおよびこのグリースを封入したプランジング型等
速ジョイントを提供する。 【解決手段】 等速ジョイント用グリースは、基油に増
ちょう剤を配合してなるベースグリースに、有機モリブ
デン化合物、硫黄含有有機スズ化合物、および有機亜鉛
化合物を配合し、また、硫黄系極圧剤または硫黄−リン
系極圧剤をさらに配合する。等速ジョイントは、この等
速ジョイント用グリースを封入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車に用いられ
る等速ジョイント用グリースおよびこのグリースを封入
した等速ジョイントに関し、特にプランジング型等速ジ
ョイントに関する。
【0002】
【従来の技術】プランジング型等速ジョイントには、代
表的なものとして、ダブルオフセット型等速ジョイント
とトリポート型等速ジョイントがある。ダブルオフセッ
ト型等速ジョイントは、図1に示すように、外輪1の内
面および球形内輪2の外面に軸方向の六本のトラック溝
3、4を等角度に形成し、そのトラック溝3、4間に組
み込んだボール5をケージ6で支持し、このケージ6の
外周を球面7とし、かつ内周を内輸2の外周に適合する
球面8とし、各球面7、8の中心(イ)、(ロ)を外輪1
の軸心上において軸方向に位置をずらしてある。また、
外輪1の外周とシャフト9の外周とをブーツ10で覆
い、その内部に等速ジョイント用グリース11が密封充
填されている。
【0003】一方、トリポート型等速ジョイントは、図
2に示すように、外輪12の内面に軸方向の三本の円筒
形トラック溝13を等角度に形成し、外輪12の内側に
組み込んだトリポート部材14には三本の脚軸15を設
け、各脚軸15の外側に球面ローラ16を嵌合し、その
球面ローラ16と脚軸15との間にニ一ドル17を組み
込んで球面ローラ16を回転可能に、かつ軸方向にスラ
イド可能に支持し、その球面ローラ16を上記トラック
溝13に嵌合してある。また、外輪12の外周とシャフ
ト9の外周とをブーツ10で覆い、その内部に等速ジョ
イント用グリース11が密封充填されている。
【0004】上記の構成からなるプランジング型等速ジ
ョイントにおいては、トラック溝3、4とボール5の係
り合い、およびトラック溝13と球面ローラ16の係り
合いによつて回転トルクの伝達が行なわれ、プランジン
グに対しては、ボール5がトラック溝3に沿って、球面
ローラ16がトラック溝13に沿ってそれぞれ転動して
これを吸収する。
【0005】ところで、ジョイントが作動角をとる状態
で回転トルクを伝達する場合、ダブルオフセット型等速
ジョイントにおいては、トラック溝3、4とボール5と
の嵌合において転がりと滑りが発生し、また、ケージ6
と外輪1およびケージ6と内輪2との間において滑りが
発生する。一方、トリポート型等速ジョイントにおいて
は、トラック溝13と球面ローラ16との間において転
がりと滑りが発生する。
【0006】プランジング型等速ジョイントは、上記の
ように転がりに比べて滑りの要素がきわめて多い。この
ため、作動角をもって回転トルクを伝達すると、摺動部
分の摩擦抵抗によって軸力が発生する。例えば、ダブル
オフセット型等速ジョイントは、外輪1の内面に 60゜
の間隔をおいてトラック溝3を設けてあるため、図3に
示すように 1 回転につき、 6回の軸力が発生し、一
方、トリポート型等速ジョイントにおいては、120゜の
間隔をおいてトラック溝13を設けてあるため、図4に
示すように、 1 回転につき、 3 回の軸力が発生する。
【0007】このような軸力の発生サイクルとエンジ
ン、車体、サスペンション等の固有振動数とが合致する
と、車体に共振を誘発して乗員に不快感を与えるため、
上記の軸力は可能な限り低くすることが望ましい。そこ
で、プランジング型等速ジョイントにおいては内部に等
速ジョイント用グリースを充填して摩擦抵抗を下げ、摺
動性の向上を図るようにしている。
【0008】従来、このような等速ジョイント用グリー
スには、ウレア系グリースに有機モリブデン化合物を配
合したグリース(特開昭63−46299)、ウレア系
グリースに二硫化モリブデン、モリブデンジチオカーバ
メイトおよび硫黄含有有機スズ化合物を配合したグリー
ス(特開平10−183161)が知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自動車
における静粛性の要求が大きくなるに従い、等速ジョイ
ントから発生する軸力の更なる低減を求められるように
なり、従来の等速ジョイント用グリースでは要求に対し
て発生する軸力を十分に抑えられないという問題があ
る。本発明は、このような問題に対処するためになされ
たもので、等速ジョイントを効率よく潤滑し、有効に摩
擦を低減し振動の発生を防止し得る等速ジョイント用グ
リースおよびこのグリースを封入したプランジング型等
速ジョイントの提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の等速ジョイント
用グリースは、基油に増ちょう剤を配合してなるベース
グリースに、有機モリブデン化合物、硫黄含有有機スズ
化合物、および有機亜鉛化合物を配合することを特微と
する。また、硫黄系極圧剤または硫黄−リン系極圧剤を
さらに配合することを特徴とする。また、上記ベースグ
リースが上記基油にウレア系増ちょう剤を配合してなる
ことを特徴とする。また、上記有機モリブデン化合物が
モリブデンジチオカーバメイトおよびモリブデンジチオ
フォスフェートから選ばれた少なくとも一つの有機モリ
ブデン化合物であることを特徴とする。また、上記有機
亜鉛化合物がジチオリン酸亜鉛であることを特徴とす
る。
【0011】上記ベースグリースの配合割合は、ベース
グリース全体に対して上記増ちょう剤が 1〜40 重量%
配合されてなることを特徴とする。また、等速ジョイン
ト用グリースの配合割合は、有機モリブデン化合物が
0.1〜10 重量%、硫黄含有有機スズ化合物が 0.1〜10
重量%、および有機亜鉛化合物が 0.1〜10 重量%、等
速ジョイント用グリース全体に対してそれぞれ含有する
ことを特徴とする。また、硫黄系極圧剤または硫黄−リ
ン系極圧剤をさらに含有する場合は、有機モリブデン化
合物が 0.1〜10 重量%、硫黄含有有機スズ化合物が 0.
1〜10 重量%、および有機亜鉛化合物が 0.1〜10 重量
%、硫黄系極圧剤または硫黄−リン系極圧剤が 0.1〜10
重量%、等速ジョイント用グリース全体に対してそれ
ぞれ含有することを特徴とする。
【0012】本発明の等速ジョイントは、トラック溝と
転動体との係り合いによつて回転トルクの伝達が行なわ
れ、該転動体が上記トラック溝に沿って転動することに
よって軸方向移動がなされる等速ジョイントにおいて、
該等速ジョイントに封入されるグリースが上述した等速
ジョイント用グリースであることを特徴とする。
【0013】等速ジョイントから発生する軸力は、誘起
スラストといわれ、等速ジョイントを回転させた時に発
生する振動の主要因であるためできるだけ低く抑えるこ
とが望ましく、プランジング型等速ジョイントは前出の
ような機構で軸力つまり誘起スラストを発生させるた
め、より低摩擦係数のグリースが適していると考えられ
る。このため、実際の等速ジョイントで誘起スラストの
測定を行ない、また、実際の等速ジョイント部材を用い
て摩擦係数を測定した。
【0014】本発明の等速ジョイント用グリースは、上
記評価試験を繰り返すことにより得られたもので、基油
に増ちょう剤を配合してなるベースグリースに、有機モ
リブデン化合物、硫黄含有有機スズ化合物、および有機
亜鉛化合物を含有することにより、誘起スラストを小さ
くすることができた。また、この等速ジョイント用グリ
ースを封入した等速ジョイントは、摩擦係数および誘起
スラストが小さくなり、微小振動の発生を大幅に抑える
ことができた。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に使用できるベースグリー
ス成分の基油としては、ナフテン系、パラフィン系、流
動パラフィン、水素化脱ろう油などの鉱油、ポリアルキ
レングリコールなどのポリグリコール油、アルキルジフ
ェニルエーテル、ポリフェニルエーテルなどのエーテル
系合成油、ジエステル油、ポリオールエステル油などの
エステル系合成油、ポリジメチルシロキサン、ポリフェ
ニルメチルシロキサンなどのシリコーン油、ポリ−α−
オレフィン等の炭化水素系合成油等、また、これらの混
合油が挙げられる。これらの中で、価格が安く工業的に
利用しやく、ブーツを劣化させない耐ブーツ性に優れる
ナフテン系、パラフィン系などの鉱油類が好ましい。
【0016】本発明に使用できる増ちよう剤としては、
リチウム石けん、リチウムコンプレックス石けん、力ル
シウム石けん、カルシウムコンプレックス石けん、アル
ミニウム石けん、アルミニウムコンプレックス石けん等
の石けん類、ジウレア化合物、ポリウレア化合物等のウ
レア系化合物が挙げられる。耐熱性等を考慮するとウレ
ア系化合物が望ましい。
【0017】ウレア系化合物は、例えば、ジウレア化合
物、ポリウレア化合物が挙げられる。ジウレア化合物
は、例えば、ジイソシアネートとモノアミンの反応で得
られる。ジイソシアネートとしては、フェニレンジイソ
シアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニル
メタンジイソシアネート、オクタデカンジイソシアネー
ト、デカンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネー
卜等が挙げられ、モノアミンとしては、オクチルアミ
ン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシ
ルアミン、オレイルアミン、アニリン、p−トルイジ
ン、シクロヘキシルアミン等が挙げられる。ポリウレア
化合物は、例えば、ジイソシアネートとモノアミン、ジ
アミンとの反応で得られる。ジイソシアネート、モノア
ミンとしては、ジウレア化合物の生成に用いられるもの
と同様のものが挙げられ、ジアミンとしては、エチレン
ジアミン、プロパンジアミン、ブタンジアミン、ヘキサ
ンジアミン、オクタンジアミン、フェニレンジアミン、
トリレンジアミン、キシレンジアミン、ジアミノジフェ
ニルメタン等が挙げられる。
【0018】ウレア化合物は、イソシアネート化合物と
アミン化合物を反応させることにより得られる。反応性
のある遊離基を残さないため、イソシアネート化合物の
イソシアネート基とアミン化合物のアミノ基とは略当量
となるように配合することが好ましい。基油にウレア化
合物を配合して各種配合剤を配合するためのベースグリ
ースが得られる。ベースグリースは、基油中でイソシア
ネート化合物とアミン化合物とを反応させて作製する。
【0019】ベースグリースの配合割合は、ベースグリ
ース全体に対して増ちょう剤が 1〜40 重量%、好まし
くは 3〜25 重量%配合される。増ちょう剤の含有量が
1 重量%未満では、増ちょう効果が少なくなり、グリー
ス化が困難となり、 40 重量%をこえると得られたベー
スグリースが硬くなりすぎ、所期の効果が得られにくく
なる。
【0020】本発明に使用できる有機モリブデン化合物
は、モリブデンジチオカーバメイトまたはモリブデンジ
チオフォスフェートなどであり、前者は、硫化ジアルキ
ルジチオカルバミン酸モリブデンとも称され、下記化1
で表される。
【化1】 式中、R1およびR2はそれぞれ炭素数 1〜24、好ましく
は 3〜18 のアルキル基であり、m+n= 4 であり、か
つmは 0〜3 、nは 4〜1 である。
【0021】後者のモリブデンジチオフォスフェート
は、下記の化2で示される。
【化2】 式中、R3、R4、R5、およびR6は、それぞれ独立して
炭素数 1〜24、好ましくは 3〜20 の1級または2級ア
ルキル基、または炭素数 6〜30、好ましくは 8〜18 の
アリル基を示す。本発明に使用できる有機モリブデン化
合物は、上記化1および化2で示される有機モリブデン
化合物の中から、1種または2種以上を用いることがで
きる。
【0022】本発明に使用できる硫黄含有有機スズ化合
物は、下記の化3で示されるものが好ましい。
【化3】 式中、R7はアルキル基を示し、Xは−S−(CH2)n
CO−OR8または−S−(CH2)n−O−CO−R8を示
し、R8はアルキル基またはアルケニル基を示し、nは
1〜18 の整数を示し、mは 0〜3 の整数を示し、R7
よびXが 2 つ以上存在する場合は、同一でも異なつて
いてもよい。R7で表されるアルキル基として好ましい
ものは、炭素数 1〜18 のもの、例えば、メチル、ブチ
ル、オクチル、オクタデシル等である。また、R8で表
されるアルキル基、アルケニル基として好ましいもの
は、炭素数 1〜18 のもの、例えば、メチル、オクチ
ル、ドデシル、オクタデシル、オレイル等である。さら
に具体的な例を挙げるとすれば、ジメチルスズビス(イ
ソオクチルチオグリコール)、モノメチルスズビス(イ
ソオクチルチオグリコール)、ジ(n−オクチル)スズ
ビス(イソオクチルメルカプトアセテート)、モノメチ
ルスズトリス(2−メルカプトエチルオレート)、ジメ
チルスズビス(2−メルカプトエチルオレート)等であ
る。
【0023】本発明に使用できる有機亜鉛化合物は、下
記の化4で示されるジチオリン酸亜鉛が好ましい。
【化4】 式中、R9は炭素数 1〜24 のアルキル基または炭素数 6
〜30 のアリル基である。
【0024】本発明に使用できる硫黄系極圧剤または硫
黄−リン系極圧剤は、周知の極圧剤を用いることができ
る。例えば、硫化油脂、硫化オレフィン、トリクレジル
フォスフェート、チオフォスフェート、チオフォスファ
イト等を例示できる。これらは、単独でまたは組み合せ
て用いられる。
【0025】本発明の等速ジョイント用グリースには、
その優れた性能を高めるため、必要に応じて公知の添加
剤を含有させることができる。この添加剤として、例え
ば、アミン系、フェノール系、イオウ系等の酸化防止
剤、石油スルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォ
ネート、ソルビタンエステル等のさび止め剤、ベンゾト
リアゾール、亜硝酸ソーダなどの金属不活性剤、ポリメ
タクリレート、ポリスチレン等の粘度指数向上剤、二硫
化モリブデン、グラファイト等の固体潤滑剤、アミン、
アミド、脂肪酸、脂肪酸エステル油脂類等の油性剤等が
挙げられ、これらを単独または 2 種類以上組み合せて
添加できる。
【0026】等速ジョイント用グリースの配合割合は、
上述したベースグリースに、有機モリブデン化合物が
0.1〜10 重量%、好ましくは 0.1〜5 重量%、硫黄含有
有機スズ化合物が 0.1〜10 重量%、好ましくは 0.5〜5
重量%、および有機亜鉛化合物が 0.1〜10 重量%、好
ましくは 0.5〜5 重量%、等速ジョイント用グリース全
体に対してそれぞれ配合され、硫黄系極圧剤または硫黄
−リン系極圧剤をさらに含有する場合は、 0.1〜10 重
量%、好ましくは 0.1〜5 重量%、追加配合される。硫
黄系極圧剤または硫黄−リン系極圧剤以外のそれぞれの
配合量が 0.1 重量%未満では、所期の効果を十分に得
ることが困難になり、一方、 10 重量%をこえる場合に
も、効果の増大はない。また、価格が高くなり実用的で
はなくなる。
【0027】本発明の等速ジョイント用グリースは、摩
擦係数および誘起スラストを小さくできるので、各種等
速ジョイントに、好ましくは自動車用等速ジョイントに
用いることができる。自動車用等速ジョイントの中で
も、転がりに比べて滑りの要素が多いプランジング型等
速ジョイントに好適に用いられる。
【0028】本発明の等速ジョイントは、図1または図
2に示す、トラック溝と転動体との係り合いによつて回
転トルクの伝達が行なわれ、転動体がトラック溝に沿っ
て転動することによって軸方向移動がなされるプランジ
ング型等速ジョイントであって、潤滑グリースとして上
述の等速ジョイント用グリースが封入されている。プラ
ンジング型等速ジョイントは、転がりに比べて滑りの要
素がきわめて多いため、本発明の上述した等速ジョイン
ト用グリースが好適に用いられる。
【0029】
【実施例】実施例1〜8および比較例1〜4 鉱油( 100℃での動粘度が 13.5mm2/sec )4000g 中
で、ジフェニルメタン−4、4−ジイソシアネー卜 250
g ( 1 モル)と シクロヘキシルアミン 198g (2 モ
ル)とを反応させ、生成したウレア化合物を均一に分散
させてベースグリースを得た。このベースグリースに、
表1に示す配合で添加剤を添加し、得られる化合物を三
段ロールミルでJISちょう度No.1グレードに調整
して等速ジョイント用グリースを得た。なお、比較例5
は、硫黄−リン系極圧剤を含むリチウム石けん系グリー
スを供試試料とした。これらのグリースにつき、以下に
示す試験方法で性能評価を行ない、得られた結果を表1
に併記する。
【0030】 (1)SRV(Schwingung Reibung und Versch liess)摩擦摩耗試験 テストピース: ボール 直径 10mm(SUJ2) 円筒プレート 直径 24mm×7.85mm(S53C) 評価条件: 荷重 100 N 周波数 15Hz 振幅 1.5mm 時間 30min. 試験温度 室温 測定項目: 摩擦係数(測定時間内で一定となった値)の平均値
【0031】(2)誘起スラスト試験 実際のトリポート型等速ジョイント(NTN社製:AC
TJ)を用いて、作動角とトルクをかけて回転させた時
に軸方向に発生する力を誘起スラストとして測定した。 評価基準: 基準グリースに対する誘起スラストの割
合(%)、ただし、比較例5の誘起スラストを 100 と
する。
【0032】
【表1】
【0033】表1における各添加剤は、それぞれ以下の
材料を用いた。 添加剤(1):モリブデンジチオカーバメイト(商品
名:Molyvan AR.T.Vanderbilt
社製) 添加剤(2):モリブデンジチオフォスフェート(商品
名:Molyvan LR.T.Vanderbilt
社製) 添加剤(3):ジメチルスズビス(イソオクチルチオグ
リコール)とモノメチルスズトリス(イソオクチルチオ
グリコール)の混合物(商品名:グレックTC−280
大日本インキ化学工業社製) 添加剤(4):ジ(n−オクチル)スズビス(イソオク
チルメルカプトアセテート)(商品名:グレックTO−
248E 大日本インキ化学工業社製) 添加剤(5):ジチオリン酸亜鉛(商品名:Lubri
zol 1097 Lubrizol社製) 添加剤(6):硫化油脂(商品名:Lubrizol
5346 Lubrizol社製) 添加剤(7):硫黄−リン系極圧剤(商品名:Lubr
izol 810 Lubrizol社製)
【0034】表1に示すように、各実施例はSRV試験
で測定した摩擦係数が小さく、また誘起スラストも低か
った。一方、各比較例はいずれかの成分が配合されてい
ないので、摩擦係数が大きく、また誘起スラストも高か
った。
【0035】
【発明の効果】本発明の等速ジョイント用グリースは、
基油に増ちょう剤を配合してなるベースグリースに、有
機モリブデン化合物、硫黄含有有機スズ化合物、および
有機亜鉛化合物を配合するので、等速ジョイントに発生
する摩擦を低減し振動の発生を抑えることができる。そ
の結果、自動車における静粛性が向上する。また、硫黄
系極圧剤または硫黄−リン系極圧剤をさらに配合するの
で、等速ジョイントに発生する摩擦をより低減できる。
【0036】特に、各配合剤が上記所定の種類で、かつ
所定の割合で配合されているので、等速ジョイントに発
生する摩擦をより低減し振動の発生を抑え、自動車の静
粛性がより向上する。
【0037】本発明の等速ジョイントは、上記グリース
を封入したプランジング型等速ジョイントであるので、
振動を十分に抑え、自動車の静粛性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダブルオフセット型等速ジョイントの一部切欠
断面図である。
【図2】トリポート型等速ジョイントの一部切欠断面図
である。
【図3】ダブルオフセット型等速ジョイントの回転角に
対する軸力を示す図である。
【図4】トリポート型等速ジョイントの回転角に対する
軸力を示す図である。
【符号の説明】
1、12 外輪 2 内輪 3、4 トラック溝 5 ボール 6 ケージ 7、8 球面 9 シャフト 10 ブーツ 11 等速ジョイント用グリース 13 トラック溝 14 トリポート部材 15 脚軸 16 球面ローラ 17 ニ一ドル
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 135/06 C10M 135/06 135/18 135/18 135/26 135/26 137/02 137/02 137/04 137/04 137/10 137/10 A Z // C10N 10:02 C10N 10:02 10:04 10:04 10:06 10:06 10:08 10:08 10:12 10:12 30:06 30:06 40:04 40:04 (72)発明者 南 政美 三重県桑名市大字東方字尾弓田3066 NT N株式会社内 (72)発明者 岡庭 隆志 神奈川県藤沢市辻堂神台1丁目4番地1号 協同油脂株式会社辻堂工場内 (72)発明者 今井 淳一 神奈川県藤沢市辻堂神台1丁目4番地1号 協同油脂株式会社辻堂工場内 Fターム(参考) 4H104 BB17B BE13B BG02C BG04C BG10C BG14C BH02C BH03C BH06C BH07C CE14B DA02A EB02 FA01 FA02 FA03 FA04 FA06 LA03 PA03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基油に増ちょう剤を配合してなるベース
    グリースに、有機モリブデン化合物、硫黄含有有機スズ
    化合物、および有機亜鉛化合物を配合してなることを特
    微とする等速ジョイント用グリース。
  2. 【請求項2】 硫黄系極圧剤または硫黄−リン系極圧剤
    をさらに配合してなることを特徴とする請求項1記載の
    等速ジョイント用グリース。
  3. 【請求項3】 前記ベースグリースが前記基油にウレア
    系増ちょう剤を配合してなることを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の等速ジョイント用グリース。
  4. 【請求項4】 前記有機モリブデン化合物がモリブデン
    ジチオカーバメイトおよびモリブデンジチオフォスフェ
    ートから選ばれた少なくとも一つの有機モリブデン化合
    物であることを特徴とする請求項1、請求項2、または
    請求項3記載の等速ジョイント用グリース。
  5. 【請求項5】 前記有機亜鉛化合物がジチオリン酸亜鉛
    であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいず
    れか一項記載の等速ジョイント用グリース。
  6. 【請求項6】 前記ベースグリースは、ベースグリース
    全体に対して前記増ちょう剤が 1〜40 重量%配合され
    てなることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいず
    れか一項記載の等速ジョイント用グリース。
  7. 【請求項7】 前記有機モリブデン化合物が 0.1〜10
    重量%、前記硫黄含有有機スズ化合物が 0.1〜10 重量
    %、および前記有機亜鉛化合物が 0.1〜10 重量%、等
    速ジョイント用グリース全体に対してそれぞれ配合され
    てなることを特徴とする請求項6記載の等速ジョイント
    用グリース。
  8. 【請求項8】 前記有機モリブデン化合物が 0.1〜10
    重量%、前記硫黄含有有機スズ化合物が 0.1〜10 重量
    %、および前記有機亜鉛化合物が 0.1〜10 重量%、前
    記硫黄系極圧剤または前記硫黄−リン系極圧剤が 0.1〜
    10 重量%、等速ジョイント用グリース全体に対してそ
    れぞれ配合されてなることを特徴とする請求項2ないし
    請求項6のいずれか一項記載の等速ジョイント用グリー
    ス。
  9. 【請求項9】 トラック溝と転動体との係り合いによつ
    て回転トルクの伝達が行なわれ、前記転動体が前記トラ
    ック溝に沿って転動することによって軸方向移動がなさ
    れる等速ジョイントにおいて、 該等速ジョイントに封入されるグリースが請求項1ない
    し請求項8のいずれか一項記載の等速ジョイント用グリ
    ースであることを特徴とする等速ジョイント。
JP2001229293A 2001-07-30 2001-07-30 等速ジョイント用グリースおよび等速ジョイント Pending JP2003041280A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001229293A JP2003041280A (ja) 2001-07-30 2001-07-30 等速ジョイント用グリースおよび等速ジョイント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001229293A JP2003041280A (ja) 2001-07-30 2001-07-30 等速ジョイント用グリースおよび等速ジョイント

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003041280A true JP2003041280A (ja) 2003-02-13

Family

ID=19061661

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001229293A Pending JP2003041280A (ja) 2001-07-30 2001-07-30 等速ジョイント用グリースおよび等速ジョイント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003041280A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115992023A (zh) * 2021-10-19 2023-04-21 中国石油化工股份有限公司 润滑脂及其制备方法
CN115992022A (zh) * 2021-10-18 2023-04-21 中国石油化工股份有限公司 润滑脂及其制备方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10183161A (ja) * 1996-12-26 1998-07-14 Kyodo Yushi Kk 等速ジョイント用グリース組成物
JPH10273691A (ja) * 1997-03-31 1998-10-13 Kyodo Yushi Kk 等速ジョイント用グリース組成物
JP2001193751A (ja) * 2000-01-07 2001-07-17 Ntn Corp プロペラシャフト用等速自在継手

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10183161A (ja) * 1996-12-26 1998-07-14 Kyodo Yushi Kk 等速ジョイント用グリース組成物
JPH10273691A (ja) * 1997-03-31 1998-10-13 Kyodo Yushi Kk 等速ジョイント用グリース組成物
JP2001193751A (ja) * 2000-01-07 2001-07-17 Ntn Corp プロペラシャフト用等速自在継手

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115992022A (zh) * 2021-10-18 2023-04-21 中国石油化工股份有限公司 润滑脂及其制备方法
CN115992023A (zh) * 2021-10-19 2023-04-21 中国石油化工股份有限公司 润滑脂及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2001279815B2 (en) Grease composition with improved rust prevention and abrasion resistance properties
JP5258080B2 (ja) 等速ジョイント用グリース組成物及びそれを封入した等速ジョイント
JP4886304B2 (ja) グリース組成物
JPH09324190A (ja) 等速ジョイント用グリース組成物
WO2005078053A1 (ja) ステアリング用等速ジョイント用グリース組成物及びステアリング用等速ジョイント
US9139793B2 (en) Grease composition, grease-packed bearing, universal joint and linear motion device
AU2001279815A1 (en) Grease composition with improved rust prevention and abrasion resistance properties
KR20010066883A (ko) 등속 조인트용 그리스 조성물
WO2006004035A1 (ja) 等速ジョイント用グリース組成物及びそれを封入した等速ジョイント
JP4809793B2 (ja) グリース組成物及び機械部材
JP4181771B2 (ja) 等速ジョイント用グリースおよび等速ジョイント
JP4829523B2 (ja) 等速ジョイント用グリースおよび等速ジョイント
JP2006335876A (ja) 等速ジョイント用グリースおよび等速ジョイント
JP7017507B2 (ja) 等速ジョイント用グリース組成物およびそれを封入した等速ジョイント
JPH10273691A (ja) 等速ジョイント用グリース組成物
JP4112419B2 (ja) グリース組成物
JP2003041280A (ja) 等速ジョイント用グリースおよび等速ジョイント
JPH10147791A (ja) 等速ジョイント用グリース組成物
JP2007078120A (ja) トリポード型等速自在継手
JP3910686B2 (ja) 等速ジョイント用グリース組成物
JP2006316082A (ja) グリース組成物およびグリース封入転がり軸受
WO2023224006A1 (ja) 等速ジョイント用グリース組成物及びそれを封入した等速ジョイント
JP2017025189A (ja) グリース組成物、グリース封入軸受、自在継手および直動装置
JP3539465B2 (ja) グリース組成物
JP2006299036A (ja) 等速ジョイント用グリースおよび等速ジョイント

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100112

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100315

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100720