JP2003036843A - ニッケル正極の製造方法及びアルカリ蓄電池の製造方法 - Google Patents

ニッケル正極の製造方法及びアルカリ蓄電池の製造方法

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JP2003036843A JP2001219607A JP2001219607A JP2003036843A JP 2003036843 A JP2003036843 A JP 2003036843A JP 2001219607 A JP2001219607 A JP 2001219607A JP 2001219607 A JP2001219607 A JP 2001219607A JP 2003036843 A JP2003036843 A JP 2003036843A
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nickel
nickel hydroxide
capacity
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Koichi Sakamoto
晃一 坂本
Mitsuhiro Kodama
充浩 児玉
Minoru Kurokuzuhara
実 黒葛原
Kengo Furukawa
健吾 古川
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Yuasa Corp
Yuasa Battery Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過放電特性及び高温放置特性を満足できる程
度に向上できるニッケル正極を製造する方法を提供する
こと。 【解決手段】 正極活物質粒子の表面に水酸化コバルト
からなる層が形成されている、正極材料を、ペーストに
し、該ペーストを集電体に塗布して正極体を作製し、正
極体を、対極と共に電解液中に配置し、正極体及び対極
に対して充電を行うものであり、該充電工程が、第1工
程と第2工程とからなり、第1工程が、40〜80℃の
温度にて、酸化水銀電極に対して−60mVから350
mVの範囲の所定電位まで定電流充電するものであり、
第2工程が、20〜40℃の温度にて、1電子反応とし
た場合の水酸化ニッケル容量に対して100〜150
%、追加充電するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニッケル正極の製
造方法及びアルカリ蓄電池の製造方法に関するものであ
り、特に、その初期充電方法に特徴を有するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話、小型電動工具、小型パ
ーソナルコンピュータなどの、携帯用小型電子機器類用
の、電源として、エネルギー密度の高いニッケル水素蓄
電池が使用されるようになってきている。ところで、こ
れらの携帯用小型電子機器類では、多機能化に伴って消
費電力が増大している。そのため、ニッケル水素蓄電池
では、高容量化が要望されている。
【0003】また、従来、ニッケル水素蓄電池は、高出
力用途には不向きであると言われていたが、高率放電特
性の改良によって、電気とガソリンの両方をエネルギー
源として走行するハイブリッド自動車への用途において
も使用され始めている。このような背景において、より
高性能なニッケル水素蓄電池の開発が期待されている。
【0004】ニッケル水素蓄電池は、一般に、水酸化ニ
ッケルを主成分とする正極活物質を有するニッケル正極
と、水素吸蔵合金を有する負極と、を有している。
【0005】ところで、ニッケル正極は、焼結式とペー
スト式に大別される。焼結式ニッケル正極は、金属粉末
を焼結した多孔体基板の孔中に、中和反応を利用して水
酸化ニッケルを析出成長させることにより、作製され
る。焼結式ニッケル正極において、高容量化を図るため
には、多孔体基板の空孔率を増大させる必要がある。し
かし、空孔率をあまり大きくすると、多孔体基板の強度
が低下し、電極の強度を多孔体基板によって保持するこ
とが困難となる。従って、焼結式ニッケル正極では、高
容量化を図るのが困難であるという問題があった。
【0006】一方、ペースト式ニッケル正極は、水酸化
ニッケル、導電剤、及び結着剤などを混合してペースト
状とし、該ペーストを金属多孔体基板に塗布して乾燥す
ることにより、作製される。ペースト式ニッケル正極に
おいては、結着剤が補強剤として機能するため、金属多
孔体基板の空孔率を大きくしても電極の強度を保持する
ことができる。従って、金属多孔体基板の空孔率を大き
くすることによって、高容量化を図ることができる。し
かも、ペースト式ニッケル正極においては、導電剤を添
加しているので、集電効果を向上できる。従って、この
点からも、高容量化を図ることができる。
【0007】以上のように、ペースト式ニッケル正極に
おいては、ある程度の高容量化を図ることができるが、
未だ満足できる程度ではない。そこで、ペースト式ニッ
ケル正極においては、現在、導電性を高めて正極活物質
の利用率を改善するために、正極活物質粒子の表面を、
コバルトが2価以下である低次コバルト化合物、例えば
水酸化コバルトなどで、被覆している。これによれば、
外部導電剤を必要としないので、正極活物質の充填率を
向上できる。被覆された低次コバルト化合物は、初期充
電時に酸化されて、コバルトが2価より大きい高次コバ
ルト化合物に変化し、該高次コバルト化合物からなる導
電性ネットワークを形成し、それによって、正極活物質
の利用率を高めている。なお、高次コバルト化合物は、
オキシ水酸化コバルトであると考えられる。水酸化コバ
ルトは、初期充電時には二つの経路を通って高次コバル
ト化合物に変化する。一つは、水酸化コバルトから直接
に高次コバルト化合物に酸化される固相反応である。他
の一つは、Co(OH)が、溶解してHCoO
は[Co(OH)2−となり、更に、CoOOHに
変化して析出する、溶解−析出反応である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ニッケル水素蓄電池の
初期充電方法については、これまでに様々な検討がなさ
れている。例えば、特開平5−343102、特開平8
−153543、特開平9−171838、及び特開平
10−199564などでは、初期充電において、水酸
化コバルトなどの低次コバルト化合物を効率よく高次コ
バルト化合物に変化させる工夫が示されている。
【0009】しかしながら、従来の初期充電方法では、
未だに、得られたニッケル正極において、過放電特性及
び高温放置特性が満足できる程度には改善されていな
い。例えば、高温下で過放電させた場合に、容量劣化が
起こる場合があった。その原因は次の通りであると考え
られる。即ち、低次コバルト化合物が、初期充電によっ
ても、完全には高次コバルト化合物に変換されず、未反
応低次コバルト化合物が残り、該未反応低次コバルト化
合物が過放電時に溶解することによって導電性ネットワ
ークが分断され、それによって、正極活物質粒子間、及
び正極活物質粒子と集電体との間、において、電子的孤
立化が進行する。
【0010】本発明は、過放電特性及び高温放置特性を
満足できる程度に向上できるニッケル正極を製造する方
法を提供すること、及びそのようなニッケル正極を有す
るアルカリ蓄電池を製造する方法を提供すること、を目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
水酸化ニッケル又は異種元素が固溶された水酸化ニッケ
ル固溶体からなる正極活物質粒子の表面に、コバルトが
2価以下である低次コバルト化合物からなる層が形成さ
れている、正極材料を、ペースト状にする、ペースト作
製工程と、ペーストを集電体に塗布して正極体を作製す
る、正極体作製工程と、正極体を、対極と共に電解液中
に配置する、配置工程と、正極体及び対極に対して充電
を行う、充電工程と、を有しており、充電工程が、第1
工程と第2工程とからなり、第1工程が、40〜80℃
の温度にて、酸化水銀電極に対して−60mVから35
0mVの範囲の所定電位まで定電流充電するものであ
り、第2工程が、20〜40℃の温度にて、1電子反応
とした場合の水酸化ニッケル容量に対して100〜15
0%、追加充電するものである、ことを特徴とするニッ
ケル正極の製造方法である。
【0012】請求項1記載の製造方法においては、正極
活物質粒子表面の層中の低次コバルト化合物が、充電工
程の第1工程により、全て酸化されて、高次コバルト化
合物となる。
【0013】この第1工程においては、低次コバルト化
合物が溶解して高次コバルト化合物として析出すること
によって、高次コバルト化合物が得られるので、得られ
た高次コバルト化合物は、正極活物質粒子間に渡って形
成される。従って、正極活物質粒子同士は、高次コバル
ト化合物からなる導電性ネットワークにより、接合され
るので、正極活物質の脱落が抑制され、正極活物質の利
用率が向上する。
【0014】しかも、層中の全部の低次コバルト化合物
が酸化されて高次コバルト化合物となるので、層中には
未反応低次コバルト化合物は残らない。従って、過放電
時に、未反応低次コバルト化合物が溶解することによる
導電性ネットワークの分断は起こらないので、過放電特
性及び高温放置特性は向上する。
【0015】水酸化ニッケルに固溶される異種元素とし
ては、例えば、亜鉛、コバルトなどを挙げることができ
る。このような異種元素は、単体(金属)として水酸化
ニッケルの結晶格子中に固溶されてもよく、水酸化物、
酸化物などの化合物として水酸化ニッケルの結晶格子中
に固溶されてもよい。また、水酸化ニッケルの結晶格子
中における該異種元素の含有量は、通常、異種元素とし
ての重量換算で、水酸化ニッケルの重量に対して少なく
とも2重量部以上に設定されるのが好ましい。
【0016】正極活物質粒子の表面に形成された層の、
正極材料における割合は、通常、3〜15重量%に設定
されるのが好ましい。3重量%未満の場合は、正極活物
質の導電性が十分に高くならず、利用率向上が困難にな
る恐れがある。15重量%を超える場合は、正極材料に
おける活物質量が相対的に減少することになるので、容
量低下を招く恐れがある。
【0017】低次コバルト化合物としては、コバルト単
体、一酸化コバルト、水酸化コバルトなどが挙げられ
る。特に、オキシ水酸化コバルトを生成しやすい点か
ら、水酸化コバルトが好ましい。
【0018】ペーストは、正極材料に、水又は増粘剤を
溶解した水を加え、必要に応じて更に結着剤を加えて、
調製する。増粘剤としては、ポリエチレングリコールや
ポリビニルアルコールなどの高分子化合物や、カルボキ
シメチルセルロース、メチルセルロースなどが挙げられ
る。結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、ス
チレン−ブタジエンゴムなどが挙げられる。
【0019】正極体は、調製したペーストを集電体に塗
布し乾燥して作製する。乾燥後に加圧して、正極材料を
集電体内部に密に充填するのが好ましい。
【0020】集電体としては、アルカリ蓄電池用の正極
において通常用いられるものであれば特に限定されるも
のではないが、正極材料を密に充填して保持しやすい点
から、金属製の、多孔体、網状体、又は、多孔板を用い
るのが好ましい。
【0021】金属製の多孔体としては、発泡状金属多孔
体を用いるのが好ましい。発泡状金属多孔体は、スポン
ジ状の金属体であり、例えば、発泡ウレタンなどの発泡
樹脂に対して金属を無電解メッキした後に発泡樹脂を加
熱して除去することにより、製造できる。
【0022】金属製の網状体としては、例えば、金属繊
維が三次元的に絡み合った網状体、例えば不織布を用い
るのが好ましい。
【0023】金属製の多孔板としては、例えば、パンチ
ングメタル、エキスパンドメタルなどを用いることがで
きる。
【0024】配置工程の電解液としては、公知のニッケ
ル水素蓄電池において用いられる各種のアルカリ水溶液
であれば、特に限定されるものではないが、例えば、水
酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムの内
の1種以上が溶解された水溶液を用いるのが好ましい。
【0025】充電工程の第1工程においては、正極活物
質粒子表面の層中の全部の低次コバルト化合物が酸化さ
れる。第1工程においては、40℃から80℃の温度で
充電する。40℃より低いと、低次コバルト化合物が十
分に酸化されない恐れがある。80℃より高いと、充電
した場合に電解液が電池外部へ漏出し、電池の重量減少
が起こり、ひいては、サイクル寿命が短くなる恐れがあ
る。
【0026】第1工程においては、酸化水銀電極に対し
て−60mVから350mVの範囲の所定電位まで定電
流充電する。この所定電位は、充電を行う際の温度によ
って決定する必要がある。何故なら、低次コバルト化合
物から高次コバルト化合物への酸化電位は、高温になる
ほど、酸化水銀電極に対して卑側にシフトしていくから
である。なお、350mVを越えて充電すると、高温下
で水酸化ニッケルを酸化する恐れがある。
【0027】例えば、図1は、水酸化コバルトからオキ
シ水酸化コバルトへの酸化電位と温度との関係を表した
ものである。具体的には、6.8mol/lの水酸化カ
リウム水溶液中で水酸化コバルトを酸化している。式1
は温度と酸化電位との関係式である。 E=−0.0988T+4.3381T+249.79(20〜80℃) …式1 なお、E:Hg/HgO電極に対する電位(mV)、
T:温度(℃)
【0028】第1工程においては、高温下において定電
流充電を所定電位で止めることによって、正極活物質中
の水酸化ニッケルの酸化反応を防ぐことができる。な
お、そのような酸化反応を防ぐためには、層中の低次コ
バルト化合物(例えば水酸化コバルト)の酸化電位に電
位を固定する充電方法が考えられるが、それは、次の理
由により、好ましくない。即ち、開回路電位から酸化
電位まで急激に電位を掃引させた場合には、大電流が流
れ、反応が均一に行われず、緻密な導電性ネットワーク
が形成できない恐れがある。電位を段階的に掃引した
場合でも、反応が完結するまでに長時間必要となり、工
業的価値が薄くなる。
【0029】充電工程の第2工程においては、正極活物
質が充電される。第2工程においては、20℃から40
℃の温度で充電する。20℃より低いと、γ−NiOO
Hの生成が促進される恐れがある。40℃より高いと、
酸素発生が起こりやすく、発生した酸素によって未活性
な負極合金の腐食や劣化が促進される恐れがある。
【0030】第2工程においては、電子反応とした場合
の水酸化ニッケル容量に対して100〜150%、追加
充電する。これにより、正極活物質は充電状態となる。
150%を越えて充電すると、γ−NiOOHの生成が
促進される恐れがある。
【0031】第2工程のの充電電流値は、0.05〜
0.3 It(A)の充電率であるのが好ましい。0.
3 It(A)の充電率より大きいと、水酸化ニッケル
の充電効率が高まり、γ−NiOOHの生成が促進され
る恐れがある。0.05 It(A)の充電率より小さ
いと、充電に長時間必要となり、工業的価値が薄くな
る。
【0032】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、第1工程と第2工程との間に、第1工程の
所定電位で30分以上定電圧充電する、中間工程を有し
ているものである。
【0033】第1工程によれば、全部の低次コバルト化
合物が酸化されるはずであるが、当該酸化が仮に不十分
であったとしても、中間工程によって、低次コバルト化
合物の酸化が確実に行われる。従って、請求項2記載の
発明によれば、層中の全部の低次コバルト化合物が確実
に高次コバルト化合物になる。
【0034】請求項3記載の発明は、請求項1又は2に
記載の発明において、第1工程の充電電流値が、1電子
反応とした場合の水酸化ニッケル容量に対して1/10
0〜1/20 It(A)の充電率であるものである。
【0035】1/20 It(A)の充電率を越える
と、低次コバルト化合物が十分に酸化されないで、未反
応低次コバルト化合物が残る恐れがある。1/100
It(A)の充電率より小さいと、低次コバルト化合物
の酸化反応は充分に起こるが、第1工程の充電に長時間
を要し、工業的価値が低くなる。
【0036】請求項4記載の発明は、請求項1又は2に
記載の発明において、第1工程における充電量を、水酸
化ニッケル容量に対して15%以下としたものである。
【0037】15%を越えると、水酸化ニッケルまで酸
化される。また、高温下での充電は負極合金の腐食を促
進し、サイクル寿命に悪影響を与える恐れがある。
【0038】請求項5記載の発明は、水酸化ニッケル又
は異種元素が固溶された水酸化ニッケル固溶体からなる
正極活物質粒子の表面に、コバルトが2価以下である低
次コバルト化合物からなる層が形成されている、正極材
料を、ペースト状にする、ペースト作製工程と、ペース
トを集電体に塗布して正極体を作製する、正極体作製工
程と、正極体と負極とセパレータとを組み合わせて極群
を作製し、該極群を電槽内に入れて電解液に浸し、電槽
を封口して、電池を組み立てる、組立工程と、電池に充
電を行う、充電工程と、を有しており、充電工程が、第
1工程と第2工程とからなり、第1工程が、40〜80
℃の温度にて、酸化水銀電極に対して−60mVから3
50mVの範囲の所定電位まで定電流充電するものであ
り、第2工程が、20〜40℃の温度にて、1電子反応
とした場合の水酸化ニッケル容量に対して100〜15
0%、追加充電するものである、ことを特徴とするアル
カリ蓄電池の製造方法である。
【0039】請求項5記載の発明においては、組立工程
により電池を組み立てた後に充電工程を行っているの
で、請求項1記載のニッケル正極を備えたアルカリ蓄電
池が得られる。このアルカリ蓄電池においては、請求項
1記載のニッケル正極に基づく良好な作用効果が発揮さ
れる。
【0040】負極としては、例えば、ニッケル水素蓄電
池の場合には、通常、柔軟性を有する集電体に水素吸蔵
合金を含む負極材料を配置したものが用いられるが、そ
れに限定するものではない。水素吸蔵合金を用いた負極
は、具体的には、次のようにして製造される。即ち、M
mNiAlCoMn(Mmはミッシュメタルであり、L
a、Ce、Pr、及びNdからなる希士類元素の混合物
である)の組成で示される、75μm以下の粒径の、水
素吸蔵合金粉末を用意し、この粉末に、増粘剤を溶解し
た水と、結着剤であるポリテトラフルオロエチレンと、
を加えてペーストを調製し、このペーストを、パンチン
グメタルの両面に塗布して乾燥した後にプレスして厚さ
調整する。
【0041】セパレータとしては、特に限定されず、公
知のものを用いることができる。
【0042】電解液としては、特に限定されず、公知の
ものを用いることができる。例えば、水酸化カリウム、
水酸化リチウム、及び水酸化ナトリウムの少なくとも1
種を溶解した水溶液が好ましい。
【0043】電池としては、例えば図2に示すような構
造のものを採用できる。図2において、アルカリ蓄電池
1は、ニッケル水素蓄電池であり、ケース2と、ケース
2内に配置された正極3、負極4、セパレータ5、及び
電解液(図示せず)を備えている。ケース2は、上部に
開口部21を有する概ね円筒状の容器であり、その底面
部が負極端子に設定されている。正極3、負極4、及び
セパレータ5は、いずれも柔軟性を有する帯状の部材で
あり、正極3と負極4とはセパレータ5を挟みつつ渦巻
状に巻きとられた状態でケース2内に配置されている。
ケース2の開口部21は、ケース2内に電解液が注入さ
れた状態で、絶縁ガスケット6を挟んで封口板7により
液密に封鎖されている。なお、封口板7は、上面に正極
端子8を有している。この正極端子8は、封口板7と正
極3とを電気的に接続するリード9を介して、正極3に
接続されている。
【0044】なお、アルカリ蓄電池1においては、電解
液として、水酸化リチウム及び水酸化ナトリウムの一方
又は両方を水酸化カリウム水溶液に添加して溶解したも
の、又は水酸化カリウム水溶液、を用いるのが好まし
い。このような電解液を用いた場合には、正極活物質に
おいて、γ−NiOOHの生成を抑制でき、また、酸素
過電圧を貴側にシフトできるため、アルカリ蓄電池1の
充電効率を高めることができる。また、このような電解
液の使用量は、電池形状によって異なるが、通常、密閉
形円筒形の場合には、正極3の容量1Ah当り、0.8
〜1.3mlに設定されるのが好ましい。0.8ml未
満の場合には、アルカリ蓄電池1の充放電サイクル寿命
が短くなる恐れがある。1.3mlを超える場合には、
負極4におけるガス吸収能が低下するため、アルカリ蓄
電池1の内圧上昇を抑制するのが困難になる恐れがあ
る。
【0045】ニッケル水素蓄電池の場合、第1工程の充
電の終止電圧は、充電温度、正極活物質の組成、及び水
素吸蔵合金の組成・種類にも拠るが、0.8〜1.3V
が好ましい。
【0046】請求項6記載の発明は、請求項5記載の発
明において、第1工程と第2工程との間に、第1工程の
所定電位で30分以上定電圧充電する、中間工程を有し
ているものである。
【0047】このアルカリ蓄電池においては、請求項2
記載のニッケル正極に基づく良好な作用効果が発揮され
る。
【0048】請求項7記載の発明は、請求項5又は6に
記載の発明において、第1工程の充電電流値が、1電子
反応とした場合の水酸化ニッケル容量に対して1/10
0〜1/20 It(A)の充電率であるものである。
【0049】このアルカリ蓄電池においては、請求項3
記載のニッケル正極に基づく良好な作用効果が発揮され
る。
【0050】請求項8記載の発明は、請求項5又は6に
記載の発明において、第1工程における充電量を、水酸
化ニッケル容量に対して15%以下としたものである。
【0051】このアルカリ蓄電池においては、請求項4
記載のニッケル正極に基づく良好な作用効果が発揮され
る。
【0052】
【発明の実施の形態】{ニッケル正極の製造}実施例1
〜10は請求項1記載の発明に関するものであり、特
に、実施例8〜10は請求項2記載の発明に関するもの
である。
【0053】(実施例1) (1) ペースト作製工程 まず、正極材料を用意した。正極材料としては、亜鉛及
びコバルトが固溶された水酸化ニッケル固溶体からなる
正極活物質粒子の表面にβ−水酸化コバルトからなる層
が形成されたものを用いた。固溶された亜鉛及びコバル
トの含有量は、金属比率でそれぞれ3重量部及び6重量
部とした。β−水酸化コバルトからなる層の含有量は、
正極材料に対して6重量%とした。そして、正極材料8
0重量部と、増粘剤であるカルボキシメチルセルロース
水溶液20重量部とを、混合してペーストを作製した。
【0054】(2) 正極体作製工程 上記ペーストを集電体に均一に塗布して乾燥した。そし
て、集電体を、加圧した後、4×6cmに切断した。
集電体としては、ニッケル多孔体基板を用いた。これに
より、容量1000mAhの正極体を得た。
【0055】(3) 配置工程 上記正極体を用いて負極などと共に開放形試験用電池を
作製した。負極は次のように作製した。即ち、CaCu
型構造を有するMmNi3.5Co0.8Mn0.4
Al0.3組成(Mmはミッシュメタルであり、La、
Ce、Pr、及びNdからなる希士類元素の混合物であ
る)で示される水素吸蔵合金の粉末に、増粘剤であるカ
ルボキシメチルセルロース水溶液を加えてペーストを作
製した。次に、このペーストを集電体である穿孔鋼板の
両面に塗布して乾燥した。そして、穿孔鋼板を、加圧し
た後、4×6cmに切断した。なお、この負極の容量
は、正極体の容量の4倍に設定した。開放形試験用電池
は次のように作製した。即ち、正極体と負極とを、不織
布からなるセパレータを挟んで積層した。そして、この
積層物に0.5MPaの緊圧を加えて電解液過剰の開放
形試験用電池を構成した。不織布は、ポリオレフィン系
樹脂繊維を用いて形成されたものである。電解液として
は、6.8mol/lの水酸化カリウム水溶液を用い
た。また、参照電極に、Hg/HgO電極を用いた。
【0056】(4) 充電工程 開放形試験用電池に対して次の第1工程及び第2工程か
らなる充電を行った。第1工程では、40℃にて、1/
50 It(A)の充電率の電流で、正極電位がHg/
HgO参照電極に対し+265mVまで定電流充電を行
った。第2工程では、20℃にて、0.1 It(A)
の充電率の電流で、水酸化ニッケル容量に対して120
%追加充電を行った。
【0057】以上の工程を経ることにより、ニッケル正
極を得た。
【0058】(実施例2)充電工程の第1工程が異なる
だけで、他は実施例1と同じにして、ニッケル正極を得
た。この第1工程では、60℃にて、1/50 It
(A)の充電率の電流で、正極電位がHg/HgO参照
電極に対し+155mVまで定電流充電を行った。
【0059】(実施例3)充電工程の第1工程が異なる
だけで、他は実施例1と同じにして、ニッケル正極を得
た。この第1工程では、80℃にて、1/50 It
(A)の充電率の電流で、正極電位がHg/HgO参照
電極に対し−36mVまで定電流充電を行った。
【0060】(実施例4)充電工程の第1工程が異なる
だけで、他は実施例1と同じにして、ニッケル正極を得
た。この第1工程では、60℃にて、1/50 It
(A)の充電率の電流で、正極電位がHg/HgO参照
電極に対し+100mVまで定電流充電を行った。
【0061】(実施例5)充電工程の第1工程が異なる
だけで、他は実施例1と同じにして、ニッケル正極を得
た。この第1工程では、60℃にて、1/50 It
(A)の充電率の電流で、正極電位がHg/HgO参照
電極に対し+120mVまで定電流充電を行った。
【0062】(実施例6)充電工程の第1工程が異なる
だけで、他は実施例1と同じにして、ニッケル正極を得
た。この第1工程では、60℃にて、1/50 It
(A)の充電率の電流で、正極電位がHg/HgO参照
電極に対し+150mVまで定電流充電を行った。
【0063】(実施例7)充電工程の第1工程が異なる
だけで、他は実施例1と同じにして、ニッケル正極を得
た。この第1工程では、60℃にて、1/50 It
(A)の充電率の電流で、正極電位がHg/HgO参照
電極に対し+180mVまで定電流充電を行った。
【0064】(比較例1)充電工程の第1工程が異なる
だけで、他は実施例1と同じにして、ニッケル正極を得
た。この第1工程では、20℃にて、1/50 It
(A)の充電率の電流で、正極電位がHg/HgO参照
電極に対し+300mVまで定電流充電を行った。
【0065】実施例1〜7及び比較例1の充電工程の条
件を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】実施例1〜7及び比較例1の試験用電池
を、上記充電工程の後、0.2 It(A)の放電率の
電流で、Hg/HgO参照電極に対して0mVまで放電
した。そして、放電容量が安定するまで、充放電サイク
ルを5回繰り返した。該サイクルは、0.1 It
(A)の充電率で15時間定電流充電し、0.2 It
(A)の放電率でHg/HgO参照電極に対して0mV
になるまで定電流放電するものである。放電容量が安定
した後に、実施例1〜7及び比較例1のニッケル正極に
ついて、次の(a)、(b)、(c)の試験を行った。
【0068】(a) 活物質利用率 式2に示すように、理論容量に対する0.2 It
(A)の放電率容量の割合を利用率(%)とした。 利用率=((0.2 It(A)の放電率容量)/(理論容量))×100 …式2
【0069】(b) 放置回復率 高温放置試験を行った。即ち、60℃で30日間放置し
た後、0.1 It(A)の充電率で150%充電し、
0.2 It(A)の放電率でHg/HgO参照電極に
対して0mVになるまで放電した。式3に示すように、
放置前の放電容量に対する放置後の放電容量の割合を放
置回復率(%)とした。 放置回復率=((放置後放電容量)/(放置前放電容量))×100…式3
【0070】(c) 過放電回復率 過放電試験を行った。即ち、6Ω抵抗で72時間短絡放
置した後、0.1 It(A)の充電率で150%充電
し、0.2 It(A)の放電率でHg/HgO参照電
極に対して0mVになるまで放電した。式4に示すよう
に、短絡前の放電容量に対する短絡後の放電容量の割合
を過放電回復率(%)とした。 過放電回復率=((短絡後放電容量)/(短絡前放電容量))×100…式4
【0071】上記(a)〜(c)の試験の結果を表2に示す。
【0072】
【表2】
【0073】表2からわかるように、実施例1〜7のニ
ッケル正極は、比較例1のニッケル正極に比して、放置
回復率及び過放電回復率が共に優れていた。これは、正
極材料の表面の層の水酸化コバルトが、充電工程の第1
工程において、40〜80℃の温度で充電されることに
よって、全部、高次コバルト化合物へ酸化されたためで
あると考えられる。
【0074】また、実施例4〜7を比べてわかるよう
に、電流カット電位によって、性能が変化している。こ
のことから、電流カット電位を規定することには有用性
があると言える。
【0075】(実施例8)充電工程が中間工程を有して
おり、他は実施例1と同じにして、ニッケル正極を得
た。この充電工程では、第1工程と第2工程との間に中
間工程を有しており、該中間工程では、第1工程のカッ
ト電位を2時間保持することとしている。
【0076】(実施例9)充電工程が中間工程を有して
おり、他は実施例2と同じにして、ニッケル正極を得
た。この充電工程では、第1工程と第2工程との間に中
間工程を有しており、該中間工程では、第1工程のカッ
ト電位を2時間保持することとしている。
【0077】(実施例10)充電工程が中間工程を有し
ており、他は実施例3と同じにして、ニッケル正極を得
た。この充電工程では、第1工程と第2工程との間に中
間工程を有しており、該中間工程では、第1工程のカッ
ト電位を2時間保持した。
【0078】(比較例2)充電工程が中間工程を有して
おり、他は比較例1と同じにして、ニッケル正極を得
た。この充電工程では、第1工程と第2工程との間に中
間工程を有しており、該中間工程では、第1工程のカッ
ト電位を2時間保持した。
【0079】実施例8〜10及び比較例2の充電工程の
条件を表3に示す。
【0080】
【表3】
【0081】上述と同様に放電容量が安定した後に、実
施例8〜10及び比較例2のニッケル正極について、上
述と同じ試験を行った。その結果を表4に示す。
【0082】
【表4】
【0083】表4からわかるように、実施例8〜10の
ニッケル正極は、実施例1〜3のニッケル正極に比し
て、性能が向上している。このことから、充電工程にお
いて中間工程を行うことによって、正極材料の層中の水
酸化コバルトの全部がより確実に高次コバルト化合物へ
酸化されたと考えられる。
【0084】なお、中間工程におけるカット電位の保持
時間と活物質利用率との関係を求めたところ、図3に示
すようになった。図3からわかるように、保持時間が3
0分より短いと、活物質利用率が低いが、30分以上で
あると、活物質利用率は略同等の高いものとなってい
る。従って、中間工程の保持時間は30分以上であれば
よい。
【0085】{アルカリ蓄電池の製造}実施例11〜1
3は請求項5記載の発明、特に請求項6記載の発明に、
関するものである。
【0086】(実施例11)実施例1のペースト作製工
程及び正極体作製工程と同様にして、正極体を作製し
た。但し、正極体は、AAAサイズ用のものであり、容
量は750mAhとした。
【0087】次に、実施例1の配置工程に代えて組立工
程を行った。組立工程では、正極体と負極とセパレータ
とを組み合わせて極群を作製し、該極群を電槽内に入れ
て電解液に浸し、電槽を封口して、電池を組み立てた。
負極は、実施例1の配置工程の負極と同様にして作製し
た。但し、負極は、AAAサイズ用のものであり、容量
は正極体の容量の1.6倍に設定した。セパレータとし
ては、アクリル酸がグラフト重合されたポリプロピレン
樹脂系の不織布からなるものを用いた。極群は、セパレ
ータを挟んで正極体と負極とを巻き込んで作製した。電
槽としては、円筒形ケースを用いた。電解液としては、
6.8mol/lの水酸化カリウム水溶液と0.5mo
l/lの水酸化リチウム水溶液との混合液を用いた。こ
うして、容量が750mAhの円筒形AAAサイズ密閉
形のアルカリ蓄電池(ニッケル水素蓄電池)を製造し
た。なお、電解液は、正極容量1Ah当り0.9ml注
入した。
【0088】そして、充電工程を行った。この充電工程
は、第1工程と中間工程と第2工程とからなっている。
第1工程では、40℃にて、1/50 It(A)の充
電率の電流で、端子間電圧が1165mVまで定電流充
電を行った。中間工程では、第1工程のカット電位を2
時間保持した。第2工程では、20℃にて、0.1It
(A)の充電率の電流で、水酸化ニッケル容量に対して
120%追加充電を行った。なお、充電工程において
は、正極体の電位をモニターし、当該温度における正極
体の電位が図1に示す電位であることを確認した。
【0089】以上の工程を経ることにより、アルカリ蓄
電池を得た。
【0090】(実施例12)充電工程の第1工程が異な
るだけで、その他は実施例11と同様にして、アルカリ
蓄電池を得た。第1工程では、60℃にて、1/50
It(A)の充電率の電流で、端子間電圧が1055m
Vまで定電流充電を行った。
【0091】(実施例13)充電工程の第1工程が異な
るだけで、その他は実施例11と同様にして、アルカリ
蓄電池を得た。第1工程では、80℃にて、1/50
It(A)の充電率の電流で、端子間電圧が864mV
まで定電流充電を行った。
【0092】(比較例3)充電工程の第1工程が異なる
だけで、その他は実施例11と同様にして、アルカリ蓄
電池を得た。第1工程では、20℃にて、1/50 I
t(A)の充電率の電流で、端子間電圧が1200mV
まで定電流充電を行った。
【0093】実施例11〜13及び比較例3の充電工程
の条件を表5に示す。
【0094】
【表5】
【0095】実施例11〜13及び比較例3のアルカリ
蓄電池を、上記充電工程の後、0.2 It(A)の放
電率の電流で、端子間電圧が1.0Vまで放電した。そ
して、放電容量が安定するまで、充放電サイクルを5回
繰り返した。該サイクルは、0.1 It(A)の充電
率で15時間定電流充電し、0.2 It(A)の放電
率で端子間電圧が1.0Vになるまで定電流放電するも
のである。放電容量が安定した後に、実施例11〜13
及び比較例3のアルカリ蓄電池について、次の(a)、
(b)、(c)の試験を行った。
【0096】(a) 活物質利用率 上記式2に示すように、理論容量に対する0.2 It
(A)の放電率容量の割合を利用率(%)とした。
【0097】(b) 放置回復率 高温放置試験を行った。即ち、60℃で30日間放置し
た後、0.1 It(A)の充電率で150%充電し、
0.2 It(A)の放電率で端子間電圧が1.0Vに
なるまで放電した。上記式3に示すように、放置前の放
電容量に対する放置後の放電容量の割合を放置回復率
(%)とした。
【0098】(c) 過放電回復率 過放電試験を行った。即ち、6Ω抵抗で72時間短絡放
置した後、0.1 It(A)の充電率で150%充電
し、0.2 It(A)の放電率で端子間電圧が1.0
Vになるまで放電した。上記式4に示すように、短絡前
の放電容量に対する短絡後の放電容量の割合を過放電回
復率(%)とした。
【0099】上記試験の結果を表6に示す。
【0100】
【表6】
【0101】表6からわかるように、実施例11〜13
のアルカリ蓄電池は、比較例3のアルカリ蓄電池に比し
て、放置回復率及び過放電回復率が優れている。
【0102】なお、密閉形円筒形ニッケル水素蓄電池に
おける充電工程の第1工程の温度と蓄電池の重量減少と
の関係を求めたところ、図4に示すようになった。図4
からわかるように、80℃を越える温度で第1工程の充
電を行った場合には、蓄電池の重量減少が大きくなって
いる。従って、第1工程の充電温度は80℃以下である
必要がある。
【0103】(別の実施例)アルカリ蓄電池の製造方法
としては、実施例11〜13という3つの実施例を挙げ
ているが、実施例1〜7のニッケル正極の製造方法を、
実施例11〜13のような製造方法に適宜変更してアル
カリ蓄電池を得ることができるのは、勿論である。
【0104】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、過放電特
性及び高温放置特性が充分に向上したニッケル正極を得
ることができる。
【0105】請求項2記載の発明によれば、過放電特性
及び高温放置特性をより充分に向上できる。
【0106】請求項3記載の発明によれば、実用的な比
較的短時間の作業で、ニッケル正極を得ることができ
る。
【0107】請求項4記載の発明によれば、サイクル寿
命の低下を防止できる。
【0108】請求項5記載の発明によれば、請求項1記
載のニッケル正極に基づく良好な作用効果を発揮できる
アルカリ蓄電池を得ることができる。
【0109】請求項6記載の発明によれば、請求項2記
載のニッケル正極に基づく良好な作用効果を発揮できる
アルカリ蓄電池を得ることができる。
【0110】請求項7記載の発明によれば、請求項3記
載のニッケル正極に基づく良好な作用効果を発揮できる
アルカリ蓄電池を得ることができる。
【0111】請求項8記載の発明によれば、請求項4記
載のニッケル正極に基づく良好な作用効果を発揮できる
アルカリ蓄電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 水酸化コバルトからオキシ水酸化コバルトへ
の酸化電位と温度との関係を示す図である。
【図2】 本発明のアルカリ蓄電池の一実施形態を示す
切り欠き斜視図である。
【図3】 本発明の充電工程の中間工程におけるカット
電位の保持時間と活物質利用率との関係を示す図であ
る。
【図4】 本発明の充電工程の第1工程の温度と蓄電池
の重量減少との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 アルカリ蓄電池 2 ケース 3 正極 4 負極 5 セパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒葛原 実 大阪府高槻市古曽部町二丁目3番21号 株 式会社ユアサコーポレーション内 (72)発明者 古川 健吾 大阪府高槻市古曽部町二丁目3番21号 株 式会社ユアサコーポレーション内 Fターム(参考) 5H028 AA05 BB01 BB03 BB06 BB10 BB14 BB15 CC12 EE05 EE10 FF02 FF03 HH01 HH08 HH10 5H050 AA04 AA05 BA14 CA03 CB16 DA02 DA10 EA12 FA05 FA18 GA08 GA09 GA10 GA18 GA22 GA26 GA27 HA01 HA14 HA17 HA18 HA20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化ニッケル又は異種元素が固溶され
    た水酸化ニッケル固溶体からなる正極活物質粒子の表面
    に、コバルトが2価以下である低次コバルト化合物から
    なる層が形成されている、正極材料を、ペースト状にす
    る、ペースト作製工程と、 ペーストを集電体に塗布して正極体を作製する、正極体
    作製工程と、 正極体を、対極と共に電解液中に配置する、配置工程
    と、 正極体及び対極に対して充電を行う、充電工程と、を有
    しており、 充電工程が、第1工程と第2工程とからなり、 第1工程が、40〜80℃の温度にて、酸化水銀電極に
    対して−60mVから350mVの範囲の所定電位まで
    定電流充電するものであり、 第2工程が、20〜40℃の温度にて、1電子反応とし
    た場合の水酸化ニッケル容量に対して100〜150
    %、追加充電するものである、ことを特徴とするニッケ
    ル正極の製造方法。
  2. 【請求項2】 第1工程と第2工程との間に、第1工程
    の所定電位で30分以上定電圧充電する、中間工程を有
    している、請求項1記載のニッケル正極の製造方法。
  3. 【請求項3】 第1工程の充電電流値が、1電子反応と
    した場合の水酸化ニッケル容量に対して1/100〜1
    /20 It(A)の充電率である、請求項1又は2に
    記載のニッケル正極の製造方法。
  4. 【請求項4】 第1工程における充電量を、水酸化ニッ
    ケル容量に対して15%以下とした、請求項1又は2に
    記載のニッケル正極の製造方法。
  5. 【請求項5】 水酸化ニッケル又は異種元素が固溶され
    た水酸化ニッケル固溶体からなる正極活物質粒子の表面
    に、コバルトが2価以下である低次コバルト化合物から
    なる層が形成されている、正極材料を、ペースト状にす
    る、ペースト作製工程と、 ペーストを集電体に塗布して正極体を作製する、正極体
    作製工程と、 正極体と負極とセパレータとを組み合わせて極群を作製
    し、該極群を電槽内に入れて電解液に浸し、電槽を封口
    して、電池を組み立てる、組立工程と、 電池に充電を行う、充電工程と、を有しており、 充電工程が、第1工程と第2工程とからなり、 第1工程が、40〜80℃の温度にて、酸化水銀電極に
    対して−60mVから350mVの範囲の所定電位まで
    定電流充電するものであり、 第2工程が、20〜40℃の温度にて、1電子反応とし
    た場合の水酸化ニッケル容量に対して100〜150
    %、追加充電するものである、ことを特徴とするアルカ
    リ蓄電池の製造方法。
  6. 【請求項6】 第1工程と第2工程との間に、第1工程
    の所定電位で30分以上定電圧充電する、中間工程を有
    している、請求項5記載のアルカリ蓄電池の製造方法。
  7. 【請求項7】 第1工程の充電電流値が、1電子反応と
    した場合の水酸化ニッケル容量に対して1/100〜1
    /20 It(A)の充電率である、請求項5又は6に
    記載のアルカリ蓄電池の製造方法。
  8. 【請求項8】 第1工程における充電量を、水酸化ニッ
    ケル容量に対して15%以下とした、請求項5又は6に
    記載のアルカリ蓄電池の製造方法。
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