JP2003027040A - 2光子吸収組成物 - Google Patents

2光子吸収組成物

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JP2003027040A
JP2003027040A JP2001212310A JP2001212310A JP2003027040A JP 2003027040 A JP2003027040 A JP 2003027040A JP 2001212310 A JP2001212310 A JP 2001212310A JP 2001212310 A JP2001212310 A JP 2001212310A JP 2003027040 A JP2003027040 A JP 2003027040A
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photon absorption
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Yoshio Inagaki
由夫 稲垣
Masaatsu Akiba
雅温 秋葉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】比較的低パワーのレーザーを用いて2光子吸収
を惹起できるような高感度の2光子吸収組成物を提供す
る。 【解決手段】2光子吸収断面積が102GM(ただし1GM=1×
10-50cm4 s mole cule-1photon-1)以上である2光子吸
収化合物と蛍光消光剤とを含有することを特徴とする2
光子吸収組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は強い光のみによって
励起される大きな2光子吸収断面積を有する化合物を含
有する2光子吸収組成物に関する。光情報記録媒体、光
変調素子、光演算素子あるいは光重合による造形などに
利用できる。
【0002】
【従来の技術】通常、物質は励起エネルギーに相当する
エネルギーの1光子を吸収して励起され、このエネルギ
ーに満たないエネルギーの光子は吸収されない。しかし
光の強度が非常に強い場合には、光子エネルギーの和が
励起エネルギーに相当する2光子が同時に吸収されるこ
とがある。この性質を利用すると光をレンズで絞り込ん
だ焦点付近のみで光反応を起こすことができ、空間の任
意の位置を選択して励起状態を作って利用することがで
きる。しかし2光子吸収は通常非常に起こりにくいの
で、2光子励起効率が高い物質が求められていた。2光
子吸収の起こり易さを示す2光子吸収断面積は通常非常
に小さく1GM(ただし1GM=1×10-50cm4 s molecule -1 p
hoton-1)程度であるが、近年数百ないし数千GM程度の比
較的大きな2光子吸収断面積を示す物質も見出されてい
る。2光子吸収断面積の比較的大きい化合物の例は、例
えば以下の文献に記載されている。すなわち、 Reinhar
dtほかの著した、Chemistry of Materials誌,1998年発
行,10巻,1863頁, M. Albotaほかの著した、Science誌、
1998年発行、281巻、1653頁、M. Rumiほかの著した、J
ournal of the American Chemical Society誌、2000年
発行、122巻、9500頁、J. D. Bhawalkarほかの著した、
Optics Communications誌、1996年発行、124巻、33頁、
S.G.Heほかの著した、Appllied Physics Letters誌、19
95年発行、67巻、2433頁、P. N. Prasadほかの著した、
Nonlinear Optics誌、1999年発行、21巻、39頁、G. S.
Heほかの著した、Journal of Applied Physics誌、1997
年発行、81巻、2529頁、S. -J. Chungほかの著した、J
ournal of Physical Chemistry B 誌、1999年発行、103
巻、10741頁、S. G. Heほかの著した、Optics Letters
誌、1995年発行、20巻、435頁、J. W. Perryほかの著し
た、Nonlinear Optics誌、1999年、21巻、225頁。しか
しこの程度の大きさではまだ、非常に高パワーのレーザ
ーを必要とするので実用的ではなかった。また、その励
起エネルギーを目的に応じて利用しやすくするために、
種々の機能性物質を組み合わせる工夫が必要であった。
また、これまでに報告された2光子吸収断面積の比較的
大きい化合物は強い蛍光を発するので、用途によっては
不都合であった。例えば、光照射により記録層の状態の
変化を惹き起こすことにより情報を記録し、この変化を
光の吸収あるいは反射の変化出読み取る、いわゆる光学
的情報記録媒体に用いた場合には、発生する蛍光と信号
光との区別が難しく、ノイズの原因となる。光硬化樹脂
と組み合わせて高パワーレーザーの照射部分だけを硬化
させることにより任意の形を作るいわゆる2光子光造形
に用いた場合には、出来上がった造形物が蛍光を発して
輝くため、照明の波長を選ばないと形状の視認性が悪
い、写真フイルム等の感光性材料の近傍では使えないな
どの問題があった。従って実質的に蛍光を発しない2光
子吸収組成物が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、比較的低パワーのレーザーを用いて2光子
吸収を惹起できるような高感度の2光子吸収組成物を提
供することであり、2光子吸収の結果生じる励起状態の
エネルギーを物理的、化学的変化に結びつけ易くするた
めの2光子吸収組成物を提供することであり、特に実質
的に蛍光を発しない2光子吸収組成物を提供することで
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、効率よく2光子吸収が起きる化合物と、その励起
エネルギーを有効に利用するための機能を有する化合物
を併用することが重要であることをに着目し、上記の課
題が下記の2光子吸収組成物によって解決されることを
見出した。 (1) 2光子吸収断面積が102GM(ただし1GM=1×10-50cm4
s molecule-1 photon-1)以上である2光子吸収化合物
と蛍光消光剤とを含有することを特徴とする2光子吸収
組成物。 (2) 高分子バインダを含有することを特徴とする(1)に
記載の2光子吸収組成物。 (3) 高分子バインダが架橋剤で架橋されていることを特
徴とする(1)または(2)に記載の2光子吸収組成物。 (4) 該2光子吸収化合物が後記一般式(1)〜(5)で
表される化合物の少なくとも1つであることを特徴とす
る(1)〜(3)のいずれかに記載の2光子吸収組成物。 (5) 該蛍光消光剤が強い電子受容性の化合物群、強い電
子供与性の化合物群および重金属錯体化合物群から選ば
れた化合物の少なくとも1つであることを特徴とする
(1)〜(4)のいずれかに記載の2光子吸収組成物。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の2光子吸収組成物の態様
を以下に詳しく述べる。本発明の2光子吸収組成物に用
いられる強い光のみに感応して機能を発揮する組成物の
作動原理について説明する。物質に光が当たると通常1
光子分に相当するエネルギーが吸収される。この1光子
吸収が起こらない波長の光であっても、強度が非常に強
い場合には光子エネルギーの和が励起エネルギーに相当
する2光子が同時に吸収されることがある。2光子吸収
の起こり易さを示す2光子吸収断面積は通常非常に小さ
く1GM(ただし1GM=1×10-50cm4 s molecule-1 photon
-1)程度であるが、近年数百ないし数千GM程度の比較的
大きな2光子吸収断面積を示す物質も見出されている。
このような物質を用いると、光吸収帯が無い波長域の光
でも、高パワーレーザーのように非常に強度が強い光源
を用いれば2光子分のエネルギーを吸収する。例えば40
0nmに1光子の吸収極大波長を示し、800nmには吸収帯が
無い化合物に800nmの波長の高パワーレーザーを照射す
ることにより、400nmの光を照射した場合に生じる励起
状態に近い励起状態を作ることができる。もしこの化合
物を400nmの光で励起した場合に例えば430nmの蛍光を発
するなら、800nmの光を吸収した場合にも430nmの蛍光を
発する。さらに430nm の光を吸収して460nmの蛍光を発
する化合物が共存すれば、800nmの高パワーレーザーの
照射により460nmの蛍光を発する。レーザービームをレ
ンズで絞って照射すれば、光路全体が発光するのではな
く、光子密度の高い焦点付近でのみ蛍光を発するとい
う、三次元的な位置選択制を付与できるという特徴があ
る。蛍光を発する化合物の代わりに重合開始剤と重合性
モノマーもしくは重合性オリゴマーを混合して用いれ
ば、焦点付近でのみ重合を起こすことができるので、任
意の形状の固形重合体を作ることができる。また絞った
レーザービームの強度はビームの中心から離れるにした
がって低下するので、2光子励起を起こすに足る光強度
を有する部分はビーム径よりも小さく、およそ1/√2
倍、すなわち約0.7倍になる。したがって光の波長で決
まるビーム径の最小値よりも微細な領域のみを励起する
ことができるという利点を有する。本発明の組成物はこ
のように機能を発揮する。
【0006】しかし本発明の目的に適合し得るほどに、
しかもバインダーや支持体などの共存物の2光子吸収よ
りも効率よく2光子吸収が起きるためには2光子吸収断
面積は、便宜上GM(Goppert-Mayers単位すなわち、1
×10-50cm4 s molecule-1 photon-1)を単位として表す
と、100GM以上あることが望ましく、さらに好まし
くは1,000GM以上、特に好ましくは100,000
GMないし1,000,000,000GMである。
【0007】本発明に用いられる2光子吸収化合物の例
としては上記従来の技術に引用した文献に記載されたも
のの他、下記一般式(1)ないし(5)で表される化合
物が挙げられる。 一般式(1)
【0008】
【化1】
【0009】(式中R1、R2およびR4はそれぞれ独立に置
換および無置換のアルキル基、置換および無置換のアル
ケニル基、置換および無置換のアルキニル基、置換およ
び無置換のアリール基、およびヘテロ環基から選ばれる
基を表す。R5は置換基を表し、hは0〜4の整数を表し、h
が2以上の整数のとき、複数個のR5はそれぞれ同一でも
異なってもよく、また互いに連結して環を形成してもよ
い。R6は二つのベンゼン環上の置換基を表し、jは0〜6
の整数を表し、jが2以上の整数のとき、複数個のR6
それぞれ同一でも異なってもよく、また互いに連結して
環を形成してもよい。R7はNに結合したベンゼン環上の
置換基を表し、iは0〜10の整数を表し、iが2以上の整
数のとき、複数個のR7はそれぞれ同一でも異なってもよ
く、また互いに連結して環を形成してもよい。R8はメチ
ン基上の置換基を表し、pは0〜2の整数を表し、pが2
のとき複数個のR8はそれぞれ同一でも異なってもよく、
また互いに連結して環を形成してもよい。mは0〜5の整
数を表す。XY-はY価の有機もしくは無機アニオンを表
し、Yは1〜5の整数を表す。) 一般式(2)
【0010】
【化2】
【0011】(式中R1、R2、R4およびR9はそれぞれ独立
に置換および無置換のアルキル基、置換および無置換の
アルケニル基、置換および無置換のアルキニル基、置換
および無置換のアリール基、およびヘテロ環基から選ば
れる基を表す。R5およびR10は置換基を表し、hおよびk
はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、hおよびkが2以上
の整数のとき、複数個のR5およびR10はそれぞれ同一で
も異なってもよく、また互いに連結して環を形成しても
よい。R6は置換基を表し、jは0〜6 の整数を表し、jが
2以上の整数のとき、複数個のR6はそれぞれ同一でも異
なってもよく、また互いに連結して環を形成してもよ
い。mおよびnはそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、R11
およびR12は置換基を表し、sおよびtはそれぞれ独立に0
〜2の整数を表し、sおよびtが2のとき複数のR11およ
びR12はそれぞれ同一でも異なってもよく、また互いに
連結して環を形成してもよい。XY-はY価の有機もしくは
無機アニオンを表し、Yは1〜5の整数を表す。) 一般式(3)
【0012】
【化3】
【0013】(式中R1は置換および無置換のアルキル
基、置換および無置換のアルケニル基、置換および無置
換のアルキニル基、置換および無置換のアリール基、お
よびヘテロ環基から選ばれる基を表す。R13およびR14
それぞれ独立に置換および無置換のアルキル基、置換お
よび無置換のアルケニル基、置換および無置換のアルキ
ニル基、置換および無置換のアリール基、およびヘテロ
環基から選ばれる基を表す。R5は置換基を表し、hは0〜
4の整数を表し、hが2以上の整数のとき、複数個のR5
それぞれ同一でも異なってもよく、また互いに連結して
環を形成してもよい。R6は置換基を表し、jは0〜6の整
数を表し、jが2以上の整数のとき、複数個のR6はそれ
ぞれ同一でも異なってもよく、また互いに連結して環を
形成してもよい。R8は置換基を表し、pは0〜2mの整数を
表し、pが2以上のとき複数個のR8はそれぞれ同一でも
異なってもよく、また互いに連結して環を形成してもよ
い。mは0〜5の整数を表す。) 一般式(4)
【0014】
【化4】
【0015】(式中R1は置換および無置換のアルキル
基、置換および無置換のアルケニル基、置換および無置
換のアルキニル基、置換および無置換のアリール基、お
よびヘテロ環基から選ばれる基を表す。R5およびR10
置換基を表し、hおよびkはそれぞれ独立に0〜4の整数を
表し、hおよびkが2以上の整数のとき、複数個のR5およ
びR10はそれぞれ同一でも異なってもよく、また互いに
連結して環を形成してもよい。R6は置換基を表し、jは0
〜6の整数を表し、jが2以上の整数のとき、複数個のR6
はそれぞれ同一でも異なってもよく、また互いに連結し
て環を形成してもよい。mおよびnはそれぞれ独立に0〜5
の整数を表し、R11およびR12は置換基を表し、sおよびt
はそれぞれ独立に0〜2n、0〜2mの整数を表し、sおよびt
が2以上のとき複数のR11およびR12はそれぞれ同一でも
異なってもよく、また互いに連結して環を形成してもよ
い。) 一般式(5)
【0016】
【化5】
【0017】(式中R13およびR14はそれぞれ独立に置換
および無置換のアルキル基、置換および無置換のアルケ
ニル基、置換および無置換のアルキニル基、置換および
無置換のアリール基、およびヘテロ環基から選ばれる基
を表す。R6は置換基を表し、jは0〜6の整数を表し、jが
2以上の整数のとき、複数個のR6はそれぞれ同一でも異
なってもよく、また互いに連結して環を形成してもよ
い。R8は置換基を表し、pは0〜2mの整数を表し、pが2
以上のとき複数個のR8はそれぞれ同一でも異なってもよ
く、また互いに連結して環を形成してもよい。mは0〜5
の整数を表す。R15は置換または無置換のヘテロ環基を
表す。)
【0018】以下に2光子吸化合物の具体例を挙げる
が、本発明の範囲はこれらのみにて限定されるものでは
ない。
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】
【0021】
【化8】
【0022】
【化9】
【0023】
【化10】
【0024】2光子吸収断面積の大きい化合物は2光子
励起状態になりやすいが、その励起エネルギーを目的に
応じて利用しやすくする工夫が必要である。例えば2光
子励起により重合を開始しようとする場合に、2光子吸
収断面積の大きな化合物が励起されてできる励起状態が
重合を開始する能力が低ければ、重合開始効率が低くな
ってしまう。そこで2光子吸収断面積の大きな化合物自
身が励起されると高い重合開始能力を持つように設計す
るか、あるいは2光子吸収断面積の大きな化合物が励起
されてできる励起状態のエネルギーを受容して励起され
る化合物に、高い重合開始能力を付与するなどの工夫が
必要である。また適当な高分子結合剤、溶剤、可塑剤な
どを併用して2光子吸収化合物の性状、例えば液体であ
るか固体であるか、あるいは粘度の調節をしてもよい。
したがって本発明の組成物の好ましい態様において、種
々の機能性化合物を2光子吸収断面積の大きな化合物と
組み合わせて用いる。
【0025】本発明に用いられる蛍光消光剤は、2光子
吸収化合物の励起状態を何らかの機構により失活させる
化合物である。例えば(1)2光子吸収化合物の励起状態
からのエネルギー移動により励起されるが、実質的に蛍
光を発しない化合物、(2)2光子吸収化合物の励起状態
に電子を注入することにより励起電子が光を発して元に
戻るのを阻害する化合物、あるいは(3)2光子吸収化合
物の励起状態から電子を受容することにより励起電子が
光を発して元に戻るのを阻害する化合物などが挙げられ
る。(1)において、2光子吸収化合物の励起状態からの
エネルギー移動により励起されるには、いわゆるFolste
r型エネルギー移動が起こるための要件である、該2光
子吸収化合物の蛍光スペクトルと該可視蛍光を発する化
合物の吸収スペクトルがある波長域において重なるこ
と、が満たされることが好ましく、これらの化合物の1
光子励起エネルギーが2光子吸収化合物の1光子励起エ
ネルギーより小さいことが必要である。(2)において、
2光子吸収化合物の励起状態に電子を注入できるために
は、2光子吸収化合物の最高被占軌道のエネルギー準位
よりも高エネルギーの被占軌道を有することが好まし
い。(3)において、2光子吸収化合物の励起状態から電
子を受容できるためには、2光子吸収化合物の最低空軌
道のエネルギー準位よりも低エネルギーの空軌道を有す
ることが好ましい。単独では蛍光を発する化合物でも組
み合わせることによって実質的に有害の蛍光を発しない
状況を作ることができる。例えば、Folster型エネルギ
ー移動が起こるための要件を満たす化合物を組み合わせ
て多段階のエネルギー移動を繰り返し、エネルギー移動
の連鎖の最終段階で励起される化合物が本2光子吸収組
成物の機能上実質的に支障の無い波長領域に蛍光を発す
るようにすれば、実質的な無蛍光状態を達成できる。
【0026】本発明に用いられる蛍光消光剤としては、
種々のものを用いることができる。該2光子吸収化合物
の励起エネルギーを受容し得る化合物としては、いわゆ
るFolster型エネルギー移動が起こるための要件であ
る、該2光子吸収化合物の蛍光スペクトルと該可視蛍光
を発する化合物の吸収スペクトルがある波長域において
重なること、を満たす化合物が好ましい。エネルギー移
動の結果生じる励起1重項が速やかに、励起三重項に変
化するか、あるいは電子移動などの化学的変化を起こす
化合物が好ましいが、不要な化学変化を起こさない点で
前者がより好ましい。蛍光消光剤としては種々の化合物
群を挙げることができるが、代表例としては、強い電子
受容性の化合物群(例えばニトロ化合物、キノン類、テ
トラシアノキノジメタン類、アミニウム類、ジインモニ
ウム類)、強い電子供与性化合物群(例えばヒドラジン
類、ヒドラジド類、ヒドロキシルアミン類、ハイドロキ
ノン類、四置換ホウ素陰イオン類)、重金属錯体のよう
な高周期元素を含有する化合物群(例えばフェロセンな
どのメタロセン類、ビス(1,2−ベンゼンジチオラ
ト)ニッケル類、アゾ色素の重金属錯体類、ジピロメテ
ン金属錯体類、ポルフィリン重金属錯体類、重金属フタ
ロシアニン類、重金属ナフタロシアニン類)などを挙げ
ることができる。これらの蛍光消光剤は他の機能、例え
ば光重合開始剤としての機能を兼ね備えていても良い。
【0027】蛍光消光剤の例を挙げるが、本発明の範囲
はこれらのみにて限定されるものではない。
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】
【化13】
【0031】本発明には必要に応じて、光硬化性を付与
するために重合性モノマーもしくはオリゴマーを併用し
ても良い。用いられる重合性モノマーもしくは重合性オ
リゴマーとしては、例えばアクリル酸エステル類および
アクリロニトリル系化合物などのラジカル重合性化合物
やビニルエーテル類、メチレンジオキソラン類、エポキ
シド類などのカチオン重合性化合物などが挙げられる。
特に、光造形用液状光硬化性樹脂としては比較的体積収
縮の小さい点でエポキシ系化合物が好ましく、熱特性と
機械特性の点でウレタンアクリレート系が好ましい。
【0032】光硬化性樹脂の具体例としては、旭電化工
業製、HS−681、DMS−SOMOS社製、SOM
OS8100、日本合成ゴム製、SCR−8100シリ
ーズ、Vantico製、SL−7540などのエポキ
シ系樹脂、ディーメック社製、SCR−701および帝
人(株)製、TSR−1938などのウレタンアクリレー
ト系が挙げられる。
【0033】本発明に用いられる重合開始剤としては、
ラジカル重合を開始剤であるラジカル発生剤、カチオン
重合開始剤である、酸発生剤やカチオン発生剤などが挙
げられる。ラジカル発生剤の例としては、ハロゲン化物
(α−ハロアセトフェノン類、トリクロロメチルとリア
ジン類など)、アゾ化合物(アゾビスイソブチロニトリ
ルなど)、芳香族カルボニル化合物(ベンゾインエステ
ル類、ケタール類、アセトフェノン類、o−アシルオキ
シイミノケトン類、アシルホスフィンオキサイド類な
ど)、ヘキサアリールビスイミダゾール類、過酸化物、
金属アレーン錯体(フェロセン類、チタノセン類など)
が挙げられる。
【0034】カチオン重合開始剤の例としては、光によ
って酸を発生しうる化合物が主に用いられ、例えば芳香
族ジアゾニウム塩(4-ドデシルオキシベンゼンジアゾニ
ウム・ヘキサフルオロフォスフェートなど)、芳香族ヨ
ードニウム塩(ジ(p-tert-ブチルフェニル)ヨードニウ
ム・ヘキサフルオロフォスフェート、トリルクミル・ヨ
ードニウム・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ートなど)、芳香族スルホニウム塩(トリフェニルスル
ホニウム・ヘキサフルオロフォスフェートなど)、金属
アレーン錯体(フェロセン類、チタノセン類など)が挙
げられる。
【0035】種々の光硬化樹脂および種々の重合開始剤
の例が、例えば、技術情報社、平成12年発行の「光硬化
技術」に記されている。また特開平10−60296お
よびそこに引用された文献にはラジカル開始剤の例が記
載されている。
【0036】本発明の組成物は用途に応じて、液状であ
っても、固体状であっても良い。
【0037】本発明の組成物は、更に所望により高分子
バインダや溶剤を含有していても良い。溶剤の例として
は、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテートな
どのエステル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;ジクロル
メタン、1,2一ジクロルエタン、クロロホルムなどのハ
ロゲン化炭化水素類;N,N-ジメチルホルムアミドなどの
アミド類;ジメチススルホキシドなどのスルホキシド類;
スルホランなどのスルホン類;シクロヘキサン、トルエ
ンなどの炭化水素類;テトラヒドロフラン、エチルエー
テル、ジオキサン、などのエーテル類;エタノール、n一
ブロパノール、イソプロパノール、n一ブタノール・ジ
アセトンアルコールなどのアルコール類;2,2,3,3-テト
ラフロロブロパノールなどのフツ素系溶剤; エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレンングリコールモ
ノエチルエーテル、ブロピレンングリコールモノメチル
エーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げること
ができる。上記溶剤は使用する化合物の溶解性を考慮し
て単独または二種以上組み合わせて用いることができ
る。本発明の組成物中にはさらに酸化防止剤、UV吸収
剤、可塑剤、潤滑財などの各種の添加剤を目的に応じて
添加してもよい。
【0038】光学的情報記録媒体の記録層の材料として
高分子バインダを併用する場合に、高分子バインダの使
用量は、2光子吸収化合物に対して一般に0.01〜50倍量
(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.1〜5倍量(質量比)
の範囲にある。このようにして調製される組成物中の2
光子吸収化合物の濃度は一般に0.01〜10質量%の範囲に
あり、好ましくは0.1〜5質量%の範囲にある。
【0039】本発明の2光子吸収組成物に使用されるバ
インダ−としては従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、反応型樹脂、電子線硬化型樹脂、紫外線硬化型樹
脂、可視光線硬化型樹脂やこれらの混合物が使用され
る。熱可塑性樹脂としては軟化温度が150℃以下、平
均分子量が10000〜300000、重合度が約50
〜2000程度のものでより好ましくは200〜700
程度であり、例えば塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアルコ
ール共重合体、塩化ビニルビニルアルコール共重合体、
塩化ビニル塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニルアクリ
ロニトリル共重合体、アクリル酸エステルアクリロニト
リル共重合体、アクリル酸エステル塩化ビニリデン共重
合体、アクリル酸エステルスチレン共重合体、メタクリ
ル酸エステルアクリロニトリル共重合体、メタクリル酸
エステル塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステ
ルスチレン共重合体、ウレタンエラストマ−、ナイロン
−シリコン系樹脂、ニトロセルロ−ス−ポリアミド樹
脂、ポリフッカビニル、塩化ビニリデンアクリロニトリ
ル共重合体、ブタジエンアクリロニトリル共重合体、ポ
リアミド樹脂、ポリビニルブチラ−ル、セルロ−ス誘導
体(セルロ−スアセテ−トブチレ−ト、セルロ−スダイ
アセテ−ト、セルロ−ストリアセテ−ト、セルロ−スプ
ロピオネ−ト、ニトロセルロ−ス、エチルセルロ−ス、
メチルセルロ−ス、プロピルセルロ−ス、メチルエチル
セルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス、アセチルセ
ルロ−ス等)、スチレンブタジエン共重合体、ポリエス
テル樹脂、ポリカーボネート樹脂、クロロビニルエ−テ
ルアクリル酸エステル共重合体、アミノ樹脂、各種の合
成ゴム系の熱可塑性樹脂及びこれらの混合物等が使用さ
れる。
【0040】また熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては
塗布液の状態では200000以下の分子量であり、塗
布、乾燥後に加熱加湿することにより、縮合、付加等の
反応により分子量は無限大のものとなる。又、これらの
樹脂のなかで、樹脂が熱分解するまでの間に軟化又は溶
融しないものが好ましい。具体的には例えばフェノ−ル
樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタンポリカーボネート
樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリ
コン樹脂、アクリル系反応樹脂(電子線硬化樹脂)、エ
ポキシ−ポリアミド樹脂、ニトロセルロ−スメラミン樹
脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシアネ−トプレポ
リマ−の混合物、メタクリル酸塩共重合体とジイソシア
ネ−トプレポリマ−の混合物、ポリエステルポリオ−ル
とポリイソシアネ−トとの混合物、尿素ホルムアルデヒ
ド樹脂、低分子量グリコ−ル/高分子量ジオ−ル/トリ
フェニルメタントリイソシアネ−トの混合物、ポリアミ
ン樹脂、ポリイミン樹脂及びこれらの混合物等である。
これらの熱可塑、熱硬化性樹脂、反応型樹脂は、主たる
官能基以外に官能基としてカルボン酸(COOM)、ス
ルフィン酸、スルフェン酸、スルホン酸(SO3M)、
燐酸(PO(OM)(OM))、ホスホン酸、硫酸(O
SO3M)、及びこれらのエステル基等の酸性基(Mは
H、アルカリ金属、アルカリ土類金属、炭化水素基)、
アミノ酸類;アミノスルホン酸類、アミノアルコ−ルの
硫酸または燐酸エステル類、スルフォベタイン、ホスホ
ベタイン、アルキルベタイン型等の両性類基、アミノ
基、イミノ基、イミド基、アミド基等また、水酸基、ア
ルコキシル基、チオ−ル基、アルキルチオ基、ハロゲン
基(F、Cl、Br、I)、シリル基、シロキサン基、
エポキシ基、イソシアナト基、シアノ基、ニトリル基、
オキソ基、アクリル基、フォスフィン基を通常1種以上
6種以内含み、各々の官能基は樹脂1gあたり1×10
-6eq〜1×10-2eq含む事が好ましい。これらのバ
インダーの単独又は組合わされたものが使われ、ほかに
添加剤が加えられる。本発明の2光子吸収組成物とバイ
ンダーとの混合割合は質量比で2光子吸収組成物の10
0質量部に対してバインダー5〜50000質量部の範
囲で使用されることが好ましい。添加剤として分散剤、
潤滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、防黴剤、着色剤、溶
剤等を必要に応じて添加してもよい。
【0041】2光子吸収組成物中には架橋剤を添加して
高分子バインダを架橋して形態安定性あるいは支持体へ
の固着性を高めることが好ましい。架橋剤としては、高
分子バインダ中の水酸基、アミノ基、あるいはカルボキ
シル基などの活性水素原子を有する官能基を複数有する
化合物が好ましい。たとえばポリアルデヒド、ポリ酸ハ
ライド、ポリ酸無水物、ポリビニルスルホン、シアヌル
酸クロライド誘導体、ポリイソシアネートなどが挙げら
れる。これらのうち特に好ましいポリイソシアネ−トと
しては、トリレンジイソシアネ−ト、4、4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシ
アネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、ナフチレン−
1、5−ジイソシアネ−ト、o−トルイジンジイソシア
ネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト、トリフェニルメ
タントリイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト
等のイソシアネ−ト類、又当該イソシアネ−ト類とポリ
アルコ−ルとの生成物、又イソシアネ−ト類の縮合に依
って生成した2〜10量体のポリイソシアネ−ト、又ポ
リイソシアネートとポリウレタンとの生成物で末端官能
基がイソシアネートであるもの等を使用することができ
る。これらポリイソシアネ−ト類の平均分子量は100
〜20000のものが好適である。これらポリイソシア
ネ−トの市販されている商品名としては、コロネ−ト
L、コロネ−トHL、コロネ−ト2030、コロネ−ト
2031、ミリオネ−トMR、ミリオネ−トMTL(日
本ポリウレタン株製)、タケネ−トD−102、タケネ
−トD−110N、タケネ−トD−200、タケネ−ト
D−202、タケネ−ト300S、タケネ−ト500
(武田薬品株製)、スミジュ−ルT−80、スミジュ−
ル44S、スミジュ−ルPF、スミジュ−ルL、スミジ
ュ−ルNデスモジュ−ルL、デスモジュ−ルIL、デス
モジュ−ルN、デスモジュ−ルHL、デスモジュ−ルT
65、デスモジュ−ル15、デスモジュ−ルR、デスモ
ジュ−ルRF、デスモジュ−ルSL、デスモジュ−ルZ
4273(住友バイエル社製)等があり、これらを単独
若しくは硬化反応性の差を利用して二つ若しくはそれ以
上の組み合わせによって使用することができる。又、硬
化反応を促進する目的で、水酸基(ブタンジオ−ル、ヘ
キサンジオ−ル、分子量が1000〜10000のポリ
ウレタン、水等)、アミノ基(モノメチルアミン、ジメ
チルアミン、トリメチルアミン等)を有する化合物や金
属酸化物の触媒や鉄アセチルアセトネート等の触媒を併
用する事も出来る。これらの水酸基やアミノ基を有する
化合物は多官能である事が望ましい。これらポリイソシ
アネ−トは2光子吸収組成物中の高分子バインダとポリ
イソシアネ−トの総量100質量部あたり2〜70質量
部で使用することが好ましく、よりこのましくは5〜5
0質量部である。
【0042】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明する。ここに示す成分、割合、操作順序等は本発明の
精神から逸脱しない範囲において変更しうるものである
ことは本業界に携わるものにとつては容易に理解される
ことである。従って、本発明は、下記の実施例にて制限
されるべきではない。なお、実施例中の部は質量部を表
す。
【0043】実施例1 2光子吸収化合物(14)1部 蛍光消光剤(Q10) 10部 バインダ(日本ゼオン製MR110T)200部 バインダ(東洋紡製UR−5500 30%)280部 希釈剤(メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=2/
1)5000部 架橋剤(コロネート3041 50%)100部 以上を混合し均一透明な液状組成物を得た。この組成物
は780nm周辺の近赤外域に吸収帯を持たなかった。この
組成物を1cm角の石英セルに入れ、波長780nm、平均
パワー10mW尖頭パワー5kw、パルス幅100fs、繰り返
し周波数48MHzのレーザーを照射したところ照射部にお
いて屈折率の変化が観測された。すなわち近赤外レーザ
ー光の吸収により変化が起こったことがわかる。この塗
布物に紫外線ランプを照射したが、比較例2ほどの著し
い蛍光色は認められなかった。 比較例1 実施例1において2光子吸収化合物(14)を添加しな
い他は実施例1と同様にして液状組成物を得た。これを
実施例1と同様にTACフィルムに塗布し乾燥し、レーザ
ーを照射したが、照射部における屈折率の変化は観測さ
れず、近赤外レーザー光を変化を起こすほど充分には吸
収しないことがわかる。この塗布物に紫外線ランプを照
射したが、比較例2ほどの著しい蛍光色は認められなか
った。
【0044】比較例2 実施例1において蛍光消光剤を添加しない他は実施例1
と同様にして液状組成物を得た。これを実施例1と同様
にTACフィルムに塗布し乾燥し、レーザーを照射した
が、照射部における屈折率の変化は観測されたが、紫外
線ランプを照射すると塗布膜全体が蛍光色に輝くことが
肉眼で観測された。
【0045】
【発明の効果】本発明の組成物は2光子吸収により変化
を起こすと同時に蛍光の発生が著しく抑制されるという
好ましい効果を有することがわかる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年8月19日(2002.8.1
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】本発明に用いられる蛍光消光剤は、2光子
吸収化合物の励起状態を何らかの機構により失活させる
化合物である。例えば(1)2光子吸収化合物の励起状態
からのエネルギー移動により励起されるが、実質的に蛍
光を発しない化合物、(2)2光子吸収化合物の励起状態
に電子を注入することにより励起電子が光を発して元に
戻るのを阻害する化合物、あるいは(3)2光子吸収化合
物の励起状態から電子を受容することにより励起電子が
光を発して元に戻るのを阻害する化合物などが挙げられ
る。(1)において、2光子吸収化合物の励起状態からの
エネルギー移動により励起されるには、いわゆるフェル
スター型エネルギー移動が起こるための要件である、該
2光子吸収化合物の蛍光スペクトルと該可視蛍光を発す
る化合物の吸収スペクトルがある波長域において重なる
こと、が満たされることが好ましく、これらの化合物の
1光子励起エネルギーが2光子吸収化合物の1光子励起
エネルギーより小さいことが必要である。(2)におい
て、2光子吸収化合物の励起状態に電子を注入できるた
めには、2光子吸収化合物の最高被占軌道のエネルギー
準位よりも高エネルギーの被占軌道を有することが好ま
しい。(3)において、2光子吸収化合物の励起状態から
電子を受容できるためには、2光子吸収化合物の最低空
軌道のエネルギー準位よりも低エネルギーの空軌道を有
することが好ましい。単独では蛍光を発する化合物でも
組み合わせることによって実質的に有害の蛍光を発しな
い状況を作ることができる。例えば、フェルスター型エ
ネルギー移動が起こるための要件を満たす化合物を組み
合わせて多段階のエネルギー移動を繰り返し、エネルギ
ー移動の連鎖の最終段階で励起される化合物が本2光子
吸収組成物の機能上実質的に支障の無い波長領域に蛍光
を発するようにすれば、実質的な無蛍光状態を達成でき
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】実施例1 2光子吸収化合物(14)1部 蛍光消光剤(Q10) 10部 バインダ(日本ゼオン製MR110T)200部 バインダ(東洋紡製UR−5500 30%)280部 希釈剤(メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=2/
1)5000部 架橋剤(コロネート3041 50%)100部 以上を混合し均一透明な液状組成物を得た。この組成物
は780nm周辺の近赤外域に吸収帯を持たなかった。この
組成物を1cm角の石英セルに入れ、波長780nm、平均
パワー40mW尖頭パワー7kw、パルス幅100fs、繰り返
し周波数48MHzのレーザーを照射したところ照射部にお
いて屈折率の変化が観測された。すなわち近赤外レーザ
ー光の吸収により変化が起こったことがわかる。この塗
布物に紫外線ランプを照射したが、比較例2ほどの著し
い蛍光色は認められなかった。 比較例1 実施例1において2光子吸収化合物(14)を添加しな
い他は実施例1と同様にして液状組成物を得た。これを
実施例1と同様にTACフィルムに塗布し乾燥し、レーザ
ーを照射したが、照射部における屈折率の変化は観測さ
れず、近赤外レーザー光を変化を起こすほど充分には吸
収しないことがわかる。この塗布物に紫外線ランプを照
射したが、比較例2ほどの著しい蛍光色は認められなか
った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H111 EA03 EA04 EA21 EA33 EA37 FA04 FB41 FB42 FB63 4J011 QA03 QA05 QA08 QA19 QA26 QA34 QA37 QA38 QA39 QA40 QA46 SA01 SA07 SA31 SA51 SA76 SA78 SA79 SA84 SA86 SA87 UA02 WA07 WA10 5D029 JA04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2光子吸収断面積が102GM(ただし1GM=1×
    10-50cm4 s mole cule -1 photon-1)以上である2光子吸
    収化合物と蛍光消光剤とを含有することを特徴とする2
    光子吸収組成物。
  2. 【請求項2】高分子バインダを含有する請求項1に記載
    の2光子吸収組成物。
  3. 【請求項3】高分子バインダが架橋剤で架橋されている
    請求項1または2に記載の2光子吸収組成物。
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