JP2003025045A - シリンダヘッド鋳造用金型の冷却装置 - Google Patents
シリンダヘッド鋳造用金型の冷却装置Info
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Abstract
向性凝固促進のために燃焼室中子のみを強制冷却できる
ようにした冷却装置を提供する。 【解決手段】 下型3に固定した燃焼室中子9cに冷却
通路12を形成し、これの両端に管状ピン13を個別に
接続する。下型3の外周面に固定したマニホールド16
に流入側カプラ19cと流出側カプラ20cを装着し、
これらのカプラ19c,20cと管状ピン13とをカバ
ープレート29付きのパイプ収容空間15に集中配置し
た冷却水供給パイプ28にて個別に接続する。冷却通路
12や冷却水供給パイプ28等を冷却水が通流しても、
下型3そのものは冷却水供給パイプ28およびパイプ収
容空間15の空気層をもって断熱されているので温度低
下をきたすことはない。
Description
ダヘッドを低圧鋳造法等により鋳造するための金型(鋳
型)において、特に燃焼室の鋳造成形を直接司る燃焼室
中子を所定の冷却媒体にて強制冷却するようにした冷却
装置に関する。
にあたり、特に機能上最も重要な燃焼室近傍での鋳造欠
陥の発生を防止するために、その燃焼室の鋳造成形を直
接司る燃焼室中子を強制冷却するようにした技術が例え
ば特開平7−164100公報に記載されている。
他の金型要素と組み合わされて製品形状部空間としての
キャビティを形成することになる下型101に例えば4
気筒分の燃焼室中子102が配置されているものである
が、下型101には冷却通路103を、燃焼室中子10
2には冷却通路103に連通する仕切り板104付きの
冷却用開口部105をそれぞれ形成し、これら冷却通路
103および冷却用開口部105に所定の冷却媒体を通
流させることで燃焼室中子102を強制冷却し、もって
燃焼室周辺での指向性凝固を促進させて凝固遅れによる
鋳造欠陥の発生を未然に防止するようになっている。
通路103が下型101に直接形成されているため、燃
焼室中子102のみならず下型101そのものまでもが
冷却されてしまうことになり、指向性凝固を促進させる
にもおのずと限界がある。特に、冷却媒体として水を使
用した場合には、高温となっている下型101に冷却水
が最初に接触して気化することになる通路入口部分での
温度低下が著しく、下型101の温度むらが生じやすい
ために、理想とする指向性凝固を一層困難なものにして
いる。
103を直接形成しているために、その通路103の両
端の流入ポート106および流出ポート107の位置の
自由度に乏しいという欠点がある。
たもので、とりわけ所期の目的である指向性凝固を一層
促進することができるようにした構造を提供しようとす
るものである。
は、燃焼室の成形を司る複数の燃焼室中子が装着された
主型と他の金型要素とを組み合わせて製品形状部空間を
形成し、上記主型に形成された湯口部から製品形状部空
間に溶湯を導入することによりシリンダヘッドを鋳造成
形するようにしたシリンダヘッド鋳造用金型の冷却装置
であって、上記各燃焼室中子には該燃焼室中子を強制冷
却するための冷却媒体を通流させる冷却通路を形成する
とともに、主型の外縁部には冷却媒体の流入ポートおよ
び流出ポートをそれぞれ形成し、上記冷却通路と流入ポ
ートおよび流出ポートとを冷却媒体供給パイプにて相互
に接続したことを特徴としている。
銅や鋼等の金属製のもののほか、耐熱フレキシブルホー
ス等を用いるものとし、さらに冷却媒体としては冷却エ
アのほか水等を用いるものとする。
は、冷却媒体と主型とが直接接触することがなく断熱さ
れているので、燃焼室中子だけを効率よく冷却して、指
向性凝固を促進することができるようになる。同時に、
主型と冷却媒体とは上記の断熱のために相互に熱的影響
を与えることがないので、冷却媒体供給パイプの自由な
レイアウトが可能となる。
の発明を前提として、上記燃焼室中子に形成される冷却
通路は燃焼室中子のうち反湯口部側の位置に形成されて
いることを特徴としている。
は、湯口部から遠い部分から順に凝固を進行させるべ
く、指向性凝固を促進するのに好適な金型表面温度分布
をつくることができるようになる。
2に記載の発明を前提として、上記燃焼室中子が装着さ
れた主型の背面部にはパイプ収容空間が形成されてい
て、冷却通路と流入ポートおよび流出ポートとを接続す
る冷却媒体供給パイプが上記パイプ収容空間に配置され
ていることを特徴としている。
に記載の発明を前提として、上記各燃焼室中子ごとの冷
却通路と流入ポートおよび流出ポートとを接続する冷却
媒体供給パイプが上記パイプ収容空間に集中配置されて
いることを特徴としている。
3または4に記載の発明を前提として、上記パイプ収容
空間は凹状空間となっていて、着脱可能な蓋部材で閉止
されていることを特徴としている。
発明では、主型と冷却媒体との間の冷却媒体供給パイプ
による断熱作用に加えて、パイプ収容空間に存する空気
による空気断熱効果も期待できるようになる。特に、請
求項4に記載の発明のように各々の冷却媒体供給パイプ
をパイプ収容空間に集中配置すると、パイプの集約化が
図れるようになり、また請求項5に記載の発明のよう
に、冷却媒体供給パイプが集中配置されたパイプ収容空
間を蓋部材にて閉止すると、そのパイプ収容空間が密閉
空間となって断熱効果の上でより好ましいものとなる。
体と主型とが直接接触することなく断熱されているの
で、主型そのものの温度低下をもたらすことなく燃焼室
中子のみを効果的に冷却することができるようになり、
理想的な指向性凝固を達成できるほか、気筒数違いのシ
リンダヘッドを鋳造する場合や母体となる低圧鋳造機の
仕様が異なる場合、あるいは鋳造法案が変わったとして
も指向性凝固を容易に実現でき、さらには冷却媒体供給
パイプのレイアウト(引き回し)が自由であるために、
設備との整合性のほか作業性および安全性を確保する上
でも有利となる利点がある。
焼室中子に形成される冷却通路は燃焼室中子のうち反湯
口部側の位置に形成されているため、湯口部から遠い部
分から凝固を進行させるべく、指向性凝固に適した金型
表面温度分布をつくることができ、指向性凝固を一段を
促進できる利点がある。
供給パイプを主型に形成されたパイプ収容空間に配置し
たため、請求項1または2に記載の発明と同様の効果に
加えて、冷却媒体供給パイプの断熱効果に加えてそのパ
イプ収容空間に存する空気による空気断熱効果をも期待
できるようになり、主型と冷却媒体との断熱効果が一段
と向上する利点がある。
容空間に各燃焼室中子ごとの冷却媒体供給パイプを集中
配置したため、請求項3に記載の発明と同様の効果に加
えて、冷却媒体供給パイプの集約化が可能となってスペ
ース効率の向上が図れるようになる。
イプ収容空間を蓋部材にて閉止するようにしたことによ
り、そのパイプ収容空間が実質的に密閉空間となるた
め、請求項4に記載の発明と同様の効果に加えて、パイ
プ収容空間に存する空気による空気断熱効果が一段と向
上する利点がある。
本発明に係るシリンダヘッド鋳造用金型2の冷却装置が
適用される低圧鋳造機(LPDM=ロー・プレッシャー
・ダイカスト・マシン)1の概略構成を示し、また図2
は上記金型2における下型3の概略平面図を示してお
り、同図から明らかなように、ここではV型6気筒24
バルブタイプのエンジン用のシリンダヘッドWを2個同
時に鋳造する場合の例を示している。
保持炉4の上側に位置するプラテン5にシリンダヘッド
鋳造用金型2の主型として機能とする下型3が固定され
ている。この下型3の上に左右方向にスライド可能な中
間型(横型)6が載置されるとともに、さらに中間型6
の上に上型7が載置され、これらの下型3と中間型6お
よび上型7との型締め状態をもって製品形状部空間とし
てのキャビティRが形成される。
に、下型3には湯口部8が形成されているほか、気筒ご
との燃焼室に対応する部分には金属製の燃焼室中子9
a,9b,9cが着脱可能に固定されている。そして、
周知の手段により溶湯保持炉4内に所定の給湯圧力を加
えると、その溶湯保持炉4内の溶湯Mが給湯ストーク1
0と湯口部8を介して上記キャビティR内に導入され
て、シリンダヘッドWが2個同時に鋳造成形されること
になる。
てその下側から見た図であり、また図5は図4のA−A
線に沿う断面図を、図6は図4の左側面図をそれぞれ示
し、図4に示すように平面的に見て給湯ストーク10の
位置とオーバーラップするようにして湯口部8が形成さ
れているほか、三つの燃焼室中子9a,9b,9cが装
着されている。各燃焼室中子9a〜9cは下型3の上面
の凹部に嵌合保持された上で下型3の下面から装着され
る二本のボルト11にて堅固に固定されている。各燃焼
室中子9a〜9cの中央部には後述するように冷却水が
通流することになる冷却通路12が長手方向に沿って形
成されており、その冷却通路12の両端は同じくその冷
却通路12の一部を形成することになる管状ピン13に
連通している。すなわち、各燃焼室中子9a〜9cの下
面には冷却通路12に連通する一対の管状ピン13が溶
接接合されており(溶接部を図5に符号Weで示す)、
各管状ピン13は下型3の下面にまで貫通していて、そ
の開口端に管継手14が装着されるようになっている。
ーク10の領域を取り囲むように凹状のパイプ収容空間
15が形成されており、先に述べた各管状ピン13の下
端部はこのパイプ収容空間15に臨んでいる。また、下
型3の外周面には一対のマニホールド16,17がボル
ト18にて固定されており、これらのマニホールド1
6,17には冷却水の流入ポートおよび流出ポートとし
て機能することになる流入側カプラ19a,19b,1
9cと流出側カプラ20a,20b,20cとが燃焼室
中子9a〜9cの数に対応して合計3組装着されてい
る。マニホールド16,17には流入側カプラ19a,
19b,19cと流出側カプラ20a,20b,20c
にそれぞれ個別に連通する補助通路21が形成されてい
て、各補助通路21には管継手22が装着されるように
なっている。
aと流出側カプラ20aとが例えば銅もしくは鋼製の冷
却媒体供給パイプたる冷却水供給パイプ23,24を介
して燃焼室中子9bの冷却通路12の両端、すなわちそ
の冷却通路12の両端に接続された管状ピン13に接続
されている。同様にして流入側カプラ19bと流出側カ
プラ20bとが冷却水供給パイプ25,26を介して燃
焼室中子9aの冷却通路12の両端に接続された管状ピ
ン13に、残りの流入側カプラ19cと流出側カプラ2
0cとが冷却水供給パイプ27,28を介して燃焼室中
子9cの冷却通路12の両端に接続された管状ピン13
に接続されている。上記の各流入側カプラ19a〜19
cおよび流出側カプラ20a〜20cは鋳造機1側に用
意された図示外のカプラと接続されるようになっている
ことから、各燃焼室中子9a〜9cの冷却通路12には
冷却水供給パイプ23〜28を介して冷却水が通流し、
これをもって各燃焼室中子9a〜9cが強制冷却される
ことになる。なお、上記冷却水供給パイプ23〜28と
して耐熱フレキシブルホースを使用してもよい。
28は凹状のパイプ収容空間15に集中配置されてい
て、そのパイプ収容空間15は蓋部材である金属製のカ
バープレート29をビス30にて固定して閉止すること
で密閉空間となっている。なお、図4はカバープレート
29を取り外した状態を示している。
に示した下型3の右半部についても全く同様となってい
る。
ば、流入側カプラ19a〜19cや流出側カプラ20a
〜20cのほか冷却水供給パイプ23〜28および管状
ピン13等を介して各燃焼室中子9a〜9cの冷却通路
12を冷却水が通流することで、各燃焼室中子9a〜9
cひいてはその中子形状が転写されることになる鋳物製
品たるシリンダヘッドの燃焼室部分が強制冷却されるこ
とになるのであるが、冷却水は冷却水パイプ23〜28
や管状ピン13にて断熱されていて下型3と直接接触す
ることはないから、下型3の他の部分を冷却してしまう
ことがなく、特に燃焼室近傍での指向性凝固を促進する
ことができるようになる。特に、複数の冷却水供給パイ
プ23〜28が集中配置されたパイプ収容空間15は密
閉空間となっていて、そのパイプ収容空間15に存する
空気による空気断熱効果も期待できることから、下型3
と冷却水との間をより確実に断熱することができるよう
になる。
中子9a〜9cに形成された冷却通路12やそれに付帯
する管状ピン13等は湯口部8に対して可及的に遠くな
るような位置(湯口部8とは反対側の位置)に偏らせて
配置してあることから、燃焼室近傍について湯口部8か
ら遠い部位から順に凝固を進行させるべく、より指向性
凝固を促進可能な金型表面温度分布とすることができ
る。
冷却してしまうことなく各燃焼室中子9a〜9cだけを
集中的に冷却できるため、例えば気筒数違いのシリンダ
ヘッドを鋳造する場合や低圧鋳造機の仕様が異なる場
合、あるいは鋳造法案が変わったような場合であって
も、きわめて容易に指向性凝固を達成できるようにな
る。
必ずしも集中配置とすることなく例えば各冷却水供給パ
イプ23〜28ごとにパイプ収容空間15を独立させて
も良い。ただし、加工工数削減の上では、単一のパイプ
収容空間15をもって全ての冷却水供給パイプ23〜2
8を収容するタイプの方が有利である。
全体の構造を示す概略説明図。
図。
Claims (5)
- 【請求項1】 燃焼室の成形を司る複数の燃焼室中子が
装着された主型と他の金型要素とを組み合わせて製品形
状部空間を形成し、上記主型に形成された湯口部から製
品形状部空間に溶湯を導入することによりシリンダヘッ
ドを鋳造成形するようにしたシリンダヘッド鋳造用金型
の冷却装置であって、 上記各燃焼室中子には該燃焼室中子を強制冷却するため
の冷却媒体を通流させる冷却通路を形成するとともに、 主型の外縁部には冷却媒体の流入ポートおよび流出ポー
トをそれぞれ形成し、 上記冷却通路と流入ポートおよび流出ポートとを冷却媒
体供給パイプにて相互に接続したことを特徴とするシリ
ンダヘッド鋳造用金型の冷却装置。 - 【請求項2】 上記燃焼室中子に形成される冷却通路は
燃焼室中子のうち反湯口部側の位置に形成されているこ
とを特徴とする請求項1に記載のシリンダヘッド鋳造用
金型の冷却装置。 - 【請求項3】 上記燃焼室中子が装着された主型の背面
部にはパイプ収容空間が形成されていて、 冷却通路と流入ポートおよび流出ポートとを接続する冷
却媒体供給パイプが上記パイプ収容空間に配置されてい
ることを特徴とする請求項1または2に記載のシリンダ
ヘッド鋳造用金型の冷却装置。 - 【請求項4】 上記各燃焼室中子ごとの冷却通路と流入
ポートおよび流出ポートとを接続する冷却媒体供給パイ
プが上記パイプ収容空間に集中配置されていることを特
徴とする請求項3に記載のシリンダヘッド鋳造用金型の
冷却装置。 - 【請求項5】 上記パイプ収容空間は凹状空間となって
いて、着脱可能な蓋部材で閉止されていることを特徴と
する請求項3または4に記載のシリンダヘッド鋳造用金
型の冷却装置。
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