JP2003025009A - 熱延鋼板の冷却設備 - Google Patents
熱延鋼板の冷却設備Info
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Abstract
板をホットランテーブル上で注水冷却する設備を提供す
る。 【解決手段】 熱間仕上圧延後の鋼板を連続的に注水冷
却する冷却ゾ−ンにおいて、前記冷却ゾ−ンを前半ゾ−
ンと後半ゾ−ンに2区分し、該前半ゾ−ンに高冷却能力
の冷却設備を配設すると共に、前記後半ゾ−ンに低冷却
能力の冷却設備を配設し、更に、前記冷却ゾ−ンの全長
に亙り中冷却能力の冷却設備を配設した熱延鋼板の冷却
設備。
Description
おける高温の鋼板をホットランテーブル上で注水冷却す
る設備に関するものである。
後の高温の鋼板では、機械的強度の向上や強化合金元素
の低減を図るため、目標の強度に見合った温度設定を行
い、その温度まで冷却することが行われている。例え
ば、熱延設備において、加熱炉から抽出した高温の鋼板
を粗圧延機で粗圧延した後、仕上圧延機で圧延しこの仕
上圧延後のホットストリップを所定の目標温度(600
℃程度)までに冷却設備によって冷却し、その後、これ
を巻取機で巻き取っている。
上圧延後の高温(880℃程度)の熱延鋼板2を注水冷
却する装置の最も一般的な構成例である。ホットランテ
ーブルローラー10上を走行する高温の熱延鋼板2を冷
却するため、上方に注水能力0.3〜1.0m3 /m2
・min程度を有する冷却用パイプラミナーノズル32
をヘッダー管31に所定間隔で多数列配設した冷却装置
を設けたものである。しかし、この様なパイプラミナ−
方式を用いた冷却は、一定流量で冷却するものであり、
冷却能力を調整することは困難であった。このため、こ
の改善例として例えば、特開平3−277721号公報
で提案されている方法がある。
機の後工程に設けた冷却設備を急冷ゾ−ン(b)、空冷
ゾーン(a)および制御冷却ゾ−ン(c)に3区分し、
急冷ゾーン(b)にて所定の急冷停止温度まで急冷し所
望の特性(強度等)が得られるようにした後、空冷ゾー
ン(a)にてほぼ等温の状態に保ち安定して変態を完了
させ、続いて制御冷却ゾーン(c)にて巻取温度まで温
度制御(冷却)して巻取ることによって、コイル長手方
向に一定温度で変態を進行させ、しかも巻取温度も一定
に保つことができるので、コイル長手方向のミクロ組織
の変化の小さい均一な特性を有するホットコイルを得る
ことができる製造方法である。即ち、仕上圧延後の制御
冷却にて安定した鋼板を製造する方法にある。
3−277721号公報で提案されている方法では、仕
上圧延機と巻取機間の限られた機長において、強冷却専
用ゾーン、空冷ゾーン、制御冷却ゾーンを順次設けてお
り、強冷却ができない軟質材や冷却による強度上昇を必
要としない鋼板(通常材)の場合には、空冷ゾーンと制
御冷却ゾーンで冷却しなければならないため、冷却能力
不足となって通常の通板速度では目標の温度まで冷却す
ることが不可能となり、通板速度を低くしてやらなけれ
ばならなく、生産性が著しく低下する問題を有するもの
である。
決定されるため、該冷却終了温度を精度よく的中させる
ことが要求される。しかし、前記の様にパイプラミナー
ノズルを用いた冷却方式では水量密度が0.3〜1.0
m3 /m2 ・min未満であり、冷却終了温度が核沸騰
域となる。核沸騰域では、蒸気膜を介さずに高温の鋼板
へ冷却水が直接接触することになり、熱伝達係数が大き
くなる。このため単位時間当たりの温度変化量が大き
く、さらに表面性状などの冷却外乱要素に対して敏感で
不安定な冷却状態となり、高精度で目標の巻取温度に的
中させることが困難であるという問題を有している。
る鋼板、または強度上昇を必要としない鋼板を作り分け
る際して、生産性を低下することなく、しかも、冷却設
備長を延長することなく、目標の冷却終了温度に精度良
く的中させることを目的とした冷却設備を提供するもの
である。
おける問題点を解決するために開発されたものであっ
て、その要旨するところは、下記手段にある。 (1)熱間仕上圧延後の鋼板を連続的に注水冷却する冷
却ゾ−ンにおいて、前記冷却ゾ−ンを前半ゾ−ンと後半
ゾ−ンに2区分し、該前半ゾ−ンに高冷却能力の冷却設
備を配設すると共に、前記後半ゾ−ンに低冷却能力の冷
却設備を配設し、さらに、前記冷却ゾ−ンの全長に亙り
中冷却能力の冷却設備を配設した熱延鋼板の冷却設備。 (2)前記(1)の高冷却能力設備の水量密度を1.0
〜5.0m3 /m2 ・minとすると共に、低冷却能力
設備の水量密度を0.05〜0.3m3 /m2 ・min
未満とし、中冷却能力設備の水量密度を0.3〜1.0
m3 /m2 ・min未満とした熱延鋼板の冷却設備。 (3)前記(1)または(2)の高冷却能力設備の冷却
方式をスリットラミナー方式、低冷却能力設備の冷却方
式をスプレー方式、中冷却能力設備の冷却方式をパイプ
ラミナー方式とした熱延鋼板の冷却設備。
照して説明する。図1は、鋼板の熱間圧延工程の仕上圧
延機から巻取機までの設備配列の概略を模式的に示した
側面図であり、図中、Aは仕上圧延機1で仕上圧延され
た鋼板2を冷却するための複数の冷却設備であり、6は
圧延した鋼板2を巻き取るための巻取機である。前記複
数の冷却設備においては、まず、仕上圧延機1の後部か
ら全冷却ゾーンの全長に亙って、0.3〜1.0m3 /
m2 ・min未満の水量密度(通常の水量密度)の冷却
水を噴出できる中冷却能力を有するパイプラミナー冷却
設備3を配設する。
却ゾーンの略1/3の範囲に、1.0〜5.0m3 /m
2 ・minの水量密度の冷却水を噴出できる高冷却能力
を有するスリットラミナー冷却設備5を配設すると共
に、該スリットラミナー冷却設備5に引き続いてその後
方に全冷却ゾーンの略2/3の範囲に、0.05〜0.
3m3 /m2 ・min未満の水量密度の冷却水を噴出で
きる低冷却能力を有するスプレー冷却設備4を配設す
る。
列を行い、冷却設備の全体配備を構成する。なお、図中
8は仕上温度計、9は巻取温度計、10はホットランテ
ーブルロールである。また、スリットラミナー冷却設備
5の水量密度の上限を5.0m3 /m2 ・minとした
のは、これ以上にしても鋼板の温度低下が小さく不経済
となるためである。また、スプレー冷却設備4の水量密
度の下限を0.05m3 /m2 ・minとしたのは、こ
れ以下であるとクエンチ点が300℃以下となり、鋼板
の品質に影響しなくなるからである。
置構成を図2にて説明する。図2は、図1に示した設備
の全体図における各冷却設備3,4,5の共存領域また
は隣接領域部分(B)の一部を拡大して表したもので、
冷却ノズルの配列についてその詳細を示したものであ
る。
の幅方向に延びたヘッダー管31が鋼板2の長手方向
(圧延方向)に所定間隔(例えば800mm)毎に複数
列配設されており、また、該ヘッダー管31には口径が
略15mmφで円形のパイプラミナーノズル32が鋼板
2の幅方向に適宜間隔(例えば80mm)置いて複数個
配置して構成している。また、スリットラミナー冷却設
備5は、前記仕上圧延機1の後部からパイプラミナー冷
却設備3のヘッダー管31間に、そのヘッダー管51が
複数列配設されており該ヘッダー管51には、スリット
幅略10mmでスリット長さ略2200mmのスリット
ラミナーノズル52を設置して構成している。
ットラミナー冷却設備5の後方、すなわち、巻取機6側
にパイプラミナー冷却設備3のヘッダー管31間に、そ
のヘッダー管41が複数列配設されており、該ヘッダー
管41には、口径が略50mmφで円形のスプレーノズ
ル42が鋼板2の幅方向の中央部に1個配置して、スプ
レー水が略2200mm広がるように構成している。な
お、パイプラミナーノズル32およびスリットラミナー
ノズル52からの噴出水は、搬送する鋼板の搬送ローラ
ー10の頂部該当位置へ流下するように配備しており、
鋼板2の安定なる走行を考慮している。
うな機能的な設備構成を採るものであり、それぞれ冷却
能の異なる3っの冷却設備を最適な位置に配備し、さら
に、これら各冷却設備3,4,5を適宜使い分けること
により、同一化学成分の鋼板であっても異なる強度(強
度アップ)を有する鋼板の造り分けを容易に実現するこ
とを可能とした。
は、化学成分を調整して強度の増大を図ることにより造
られていたが、本発明では、同一の化学成分の鋼板を仕
上圧延後のホットランでの冷却パターンを選択し冷却能
を調整することにより、通常材からさらに強度アップし
た鋼板への造り分けができるようになったものである。
ても開示されているように、圧延完了後の高温の鋼板を
高い冷却速度で冷却すると結晶粒の成長が抑制でき、鋼
板の強度上昇が可能となるが、本発明者らは、この結晶
粒の成長抑制を水量密度1.0〜5.0m3 /m2 ・m
inの大水量密度で冷却することで実現化せしめた。上
記の大水量密度での冷却では、水量でのバラツキが鋼板
の温度バラツキに直接影響を及ぼすので、幅方向を均一
な水流で冷却することが可能なスリットラミナー方式を
採用することで、幅方向において温度偏差が小さい均一
な温度分布を持つ冷却を達成せしめたものである。
度0.3〜1.0m3 /m2 ・min未満のパイプラミ
ナー方式で550℃まで冷却し(図1中C位置)、その
後、低冷却の水量密度0.05〜0.3m3 /m2 ・m
in未満のスプレー冷却方式で巻取温度450℃まで冷
却することにより、例えば通常30kクラスの鋼板強度
を40kクラスまで上昇できることを確認し得た。巻取
温度直前の低温域を低水量密度のスプレー冷却すること
で、巻取温度を低温化しても温度偏差が少なく安定した
冷却を可能とした。
に当たっては、上述したようなそれぞれの冷却方式の特
性を見極めたうえ、水量密度との関係から各々の冷却方
式を機能的に組み合わせることによって、最適な冷却制
御を実現できる。これらは本発明者らが多くの実験によ
って実証し得たもので、これらの冷却実績のデータの蓄
積に基づき適切な冷却を実施することができるようにな
った。
なく巻取温度の低温化を達成するための具体的手段の1
例について説明する。本発明において、水量密度毎に冷
却カーブを調査した結果を図5に示した。冷却カーブ上
から冷却速度の遅い膜沸騰域から冷却速度が早い核沸騰
域への変化点をクエンチ点と呼び、水量密度毎にクエン
チ点を整理した結果を図6に示した。
側にへ移行し、膜沸騰域が低温域まで継続することが理
解できる。通常材の冷却では水量密度0.4m3 /m2
・minの冷却能力で冷却しており、図6よりこのクエ
ンチ点は500℃であり、通常の巻取温度500〜60
0℃はクエンチ点より高い膜沸騰域で冷却を行っている
ことになる。すなわち、巻取温度偏差が少ない安定した
冷却を行うには、巻取温度をクエンチ点以上で冷却を完
了させなければならない。従って、同一化学成分の鋼板
を冷却パターンを操作することにより、異なる強度の鋼
板に造り分けるもう一つの手段である巻取温度の低温化
には、このメカニズムを使って冷却の安定化を図ること
ができる。
度0.4m3 /m2 ・minのクエンチ点上の550℃
まで冷却し、目標の450℃までの冷却を水量密度0.
1m 3 /m2 ・minのスプレーでの冷却設備を用いた
ことで、巻取温度偏差の少ない安定した冷却を実現でき
る。水量密度0.1m3 /m2 ・minのクエンチ点は
図6より380℃であり、巻取温度450℃はクエンチ
点より高く安定した冷却が実現できる。すなわち、本発
明では、従来の通常冷却能力のパイプラミナー冷却設備
を全長に有すると共に、高冷却能力のスリットラミナー
冷却設備と低冷却能力のスプレー冷却設備を適切な位置
に設置したので、通常材の冷却能力も十分に確保できて
いるので、高速での通板が可能であり高生産性を実現で
きるところに大きな特長を有する。また、本発明におい
ては、圧延鋼板は、仕上温度計の測定値と冷却パターン
により巻取温度計の測定値が所定温度となるように、各
冷却設備の冷却長をそれぞれ適切に制御して冷却を行
い、圧延鋼板の巻き取りを行う。
活用するに際しては、各冷却設備での冷却条件を適切に
制御することにより、化学成分の同一の鋼板においても
通常の冷却条件で得られる鋼板の強度(例えば高張力)
に対して、略10K範囲内での強度の上昇を図ることが
容易である。この事実については特に示さなかったが本
発明者らは多くの実験結果によってこのことを確認して
いる。また、熱延鋼板のコイル内・コイル間においても
強度の偏差を目標強度の5%以下の範囲内に抑えること
ができ、強度特性の優れた鋼板を容易に得ることができ
る。
ー冷却設備を全長に配設し、通常材への冷却能力を有し
高速での通板による高生産性を実現した上に、高冷却能
力のスリットラミナー冷却設備の配設により、鋼板を高
い冷却速度で冷却することで鋼板の強度上昇を図り、同
一化学成分の鋼種をホットラン冷却パターンの組み合わ
せで強度の異なる多種の鋼板を造り分けることが可能と
なった。さらに、低冷却能力のスプレー冷却設備を配設
し、巻取温度直前の冷却に適用したことで、冷却噴射制
御の1制御当たりの温度低下量を小さくすることがで
き、高精度で巻取温度の的中が可能となり材質バラツキ
が小さく均一な鋼板の製造が可能となった。
図
図
図
Claims (3)
- 【請求項1】 熱間仕上圧延後の鋼板を連続的に注水冷
却する冷却ゾ−ンにおいて、前記冷却ゾ−ンを前半ゾ−
ンと後半ゾ−ンに2区分し、該前半ゾ−ンに高冷却能力
の冷却設備を配設すると共に、前記後半ゾ−ンに低冷却
能力の冷却設備を配設し、さらに、前記冷却ゾ−ンの全
長に亙り中冷却能力の冷却設備を配設したことを特徴と
する熱延鋼板の冷却設備。 - 【請求項2】 前記請求項1の高冷却能力設備の水量密
度を1.0〜5.0m3 /m2 ・minとすると共に、
低冷却能力設備の水量密度を0.05〜0.3m3 /m
2 ・min未満とし、中冷却能力設備の水量密度を0.
3〜1.0m 3 /m2 ・min未満としたことを特徴と
する熱延鋼板の冷却設備。 - 【請求項3】 前記請求項1または請求項2の高冷却能
力設備の冷却方式をスリットラミナー方式、低冷却能力
設備の冷却方式をスプレー方式、中冷却能力設備の冷却
方式をパイプラミナー方式としたことを特徴とする熱延
鋼板の冷却設備。
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JP2001210396A JP3817153B2 (ja) | 2001-07-11 | 2001-07-11 | 熱延鋼板の冷却設備 |
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WO2008053947A1 (fr) | 2006-10-30 | 2008-05-08 | Jfe Steel Corporation | Procédé de refroidissement de bande d'acier laminée à chaud |
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JP2012170959A (ja) * | 2011-02-18 | 2012-09-10 | Jfe Steel Corp | 熱延鋼板の製造方法 |
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2001
- 2001-07-11 JP JP2001210396A patent/JP3817153B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US8051695B2 (en) | 2006-10-30 | 2011-11-08 | Jfe Steel Corporation | Method for cooling hot strip |
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