JP2003024966A - 排水処理用微生物担体およびその微生物担体を用いる排水処理方法 - Google Patents
排水処理用微生物担体およびその微生物担体を用いる排水処理方法Info
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- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 微生物の保持能力を高めて高い排水処理効果
を得ること。 【解決手段】 排水中で微生物を着生させるための排水
処理用微生物担体であって、シート状素材を筒状に折り
曲げ、一部を巻き重ねて構成された筒状体よりなり、こ
の筒状体が、その巻き重ね部の内側部分の端を自由端と
してなる排水処理用微生物担体。
を得ること。 【解決手段】 排水中で微生物を着生させるための排水
処理用微生物担体であって、シート状素材を筒状に折り
曲げ、一部を巻き重ねて構成された筒状体よりなり、こ
の筒状体が、その巻き重ね部の内側部分の端を自由端と
してなる排水処理用微生物担体。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、排水処理用微生物
担体およびその微生物担体を用いる排水処理方法に関
し、更に詳しくは、排水（汚水）を処理するために排水
中で微生物を着生させる排水処理用微生物担体およびこ
の微生物担体を排水中に多数個投入し、それらの微生物
担体に着生した微生物により排水を処理する排水処理方
法に関する。
担体およびその微生物担体を用いる排水処理方法に関
し、更に詳しくは、排水（汚水）を処理するために排水
中で微生物を着生させる排水処理用微生物担体およびこ
の微生物担体を排水中に多数個投入し、それらの微生物
担体に着生した微生物により排水を処理する排水処理方
法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、工場排水や生活排水等の排水（汚
水）の処理方法としては、好気性菌や嫌気性菌を使用す
る生物化学的水処理方法が環境上の見地から広く採用さ
れている。
水）の処理方法としては、好気性菌や嫌気性菌を使用す
る生物化学的水処理方法が環境上の見地から広く採用さ
れている。
【０００３】そして、その生物化学的水処理を底部から
上中部にわたり効率よく行うために、流動床式水処理が
主流になりつつある（特開平６−７７８９号・特公平７
−２０５８７号の各公報参照）。流動床は多数の微生物
担体で形成されるろ床を汚水中で散気装置等により発生
する撹拌流で循環流動させることにより形成される。
上中部にわたり効率よく行うために、流動床式水処理が
主流になりつつある（特開平６−７７８９号・特公平７
−２０５８７号の各公報参照）。流動床は多数の微生物
担体で形成されるろ床を汚水中で散気装置等により発生
する撹拌流で循環流動させることにより形成される。
【０００４】そして浄水槽の微生物担体（ろ材）として
例えば、中空のスポンジ状樹脂、ゴム、不織布、樹脂又
はゴムと植物繊維等により構成した通水層によって外周
部を形成し、含水時に比重が１に近似するように芯部を
構成したろ床体（実開昭５５−６５１９８号公報参照）
や中空孔あき球状体で表面に凹凸状に形成した合成樹脂
からなる微生物着床体（実開昭５５−１１５３９９号公
報参照）、また同様に形成した球状体の内部に連続気泡
を有する発泡プラスチックを収納したろ材（実開昭５５
−１１５３９９号公報参照）、さらにはスポンジ状樹脂
からなるろ材等がある。
例えば、中空のスポンジ状樹脂、ゴム、不織布、樹脂又
はゴムと植物繊維等により構成した通水層によって外周
部を形成し、含水時に比重が１に近似するように芯部を
構成したろ床体（実開昭５５−６５１９８号公報参照）
や中空孔あき球状体で表面に凹凸状に形成した合成樹脂
からなる微生物着床体（実開昭５５−１１５３９９号公
報参照）、また同様に形成した球状体の内部に連続気泡
を有する発泡プラスチックを収納したろ材（実開昭５５
−１１５３９９号公報参照）、さらにはスポンジ状樹脂
からなるろ材等がある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記のような微
生物担体は、次のような問題点が発生するとされてい
る。
生物担体は、次のような問題点が発生するとされてい
る。
【０００６】（１）流動中の担体どうしの衝突により担
体表面にはほとんど汚泥は付着しない。
体表面にはほとんど汚泥は付着しない。
【０００７】（２）細孔内部に存在する微生物の量は少
量であって、微生物濃度を高めて安定した処理効果を得
るには不十分である。
量であって、微生物濃度を高めて安定した処理効果を得
るには不十分である。
【０００８】（３）筒状担体は内部に微生物を多く保持
することができるが、筒内のため担体表面に付着した微
生物に比して処理効率が劣る。
することができるが、筒内のため担体表面に付着した微
生物に比して処理効率が劣る。
【０００９】（４）長期使用により好気性菌が増殖して
目詰まりが発生するので定期的に取り出し、洗浄する必
要がある。目詰まりが発生すると内部の好気性菌が死滅
して逆に汚染の原因となる。
目詰まりが発生するので定期的に取り出し、洗浄する必
要がある。目詰まりが発生すると内部の好気性菌が死滅
して逆に汚染の原因となる。
【００１０】
【課題を解決するための手段】本発明の排水処理用微生
物担体は、下記構成により上記目的を達成するものであ
る。すなわち、本発明は、着生する微生物により排水を
処理する排水処理用微生物担体であって、シート状素材
を筒状に丸め、一部を巻き重ねて構成された筒状体より
なり、かつこの筒状体の巻き重ね部の内側部分の端を自
由端とした排水処理用微生物担体である。
物担体は、下記構成により上記目的を達成するものであ
る。すなわち、本発明は、着生する微生物により排水を
処理する排水処理用微生物担体であって、シート状素材
を筒状に丸め、一部を巻き重ねて構成された筒状体より
なり、かつこの筒状体の巻き重ね部の内側部分の端を自
由端とした排水処理用微生物担体である。
【００１１】この微生物担体は、シート状素材を筒状に
丸め、一部を巻き重ね、その巻き重ね部の内側部分の端
を自由端とすることによって、筒状体の内部にヒレ、も
しくはシート状素材を巻いた部分を形成し、それによっ
て微生物の保持能力を高めて高い排水処理効果を得るこ
とができる。本発明は、別の観点によれば、シート状素
材を筒状に折り曲げ、少なくとも一部を巻き重ねて構成
された筒状体よりなる多数の微生物担体を排水中に投入
し、それらの微生物担体に着生する微生物により排水を
処理する排水処理方法を提供できる。特に、この排水処
理方法は、流動床式に好適であり、好気性処理、ＢＯＤ
処理、アンモニアの硝化、嫌気性処理、脱室処理とし
て、合併処理浄化槽や下水処理場で実施できる。
丸め、一部を巻き重ね、その巻き重ね部の内側部分の端
を自由端とすることによって、筒状体の内部にヒレ、も
しくはシート状素材を巻いた部分を形成し、それによっ
て微生物の保持能力を高めて高い排水処理効果を得るこ
とができる。本発明は、別の観点によれば、シート状素
材を筒状に折り曲げ、少なくとも一部を巻き重ねて構成
された筒状体よりなる多数の微生物担体を排水中に投入
し、それらの微生物担体に着生する微生物により排水を
処理する排水処理方法を提供できる。特に、この排水処
理方法は、流動床式に好適であり、好気性処理、ＢＯＤ
処理、アンモニアの硝化、嫌気性処理、脱室処理とし
て、合併処理浄化槽や下水処理場で実施できる。
【００１２】
【発明の実施の形態】本発明においては、筒状体の内部
にヒレ、もしくはシート状素材を巻いた自由部分を形成
できるが、その巻き重ね部は、全体を接合してもよく、
特にその外側部分の端縁を内側部分に接合させ、前記内
側部分の端を自由端とすると、その自由端は筒状体の内
部空間に自由に延びることができ、従って内部空間を有
効に利用して微生物の保持機能を高めると共に微生物量
の増大を図ることができる。
にヒレ、もしくはシート状素材を巻いた自由部分を形成
できるが、その巻き重ね部は、全体を接合してもよく、
特にその外側部分の端縁を内側部分に接合させ、前記内
側部分の端を自由端とすると、その自由端は筒状体の内
部空間に自由に延びることができ、従って内部空間を有
効に利用して微生物の保持機能を高めると共に微生物量
の増大を図ることができる。
【００１３】そして、巻き重ね部は、熱溶着、超音波溶
着、接着剤などによって接合でき、特に加熱溶着による
接合が簡便で好ましい。また、筒状体の内部に形成され
るシート状素材を巻いた部分は、略一重またはそれ以上
としてもよい。ここで、筒状体の大きさ（外径寸法）
は、５〜５０mm、好ましくは５mm以上、３０mm以下に設
定するのが好ましい。すなわち、大きさが小さすぎる
と、付着微生物による目詰まりを起こしたり、担体の流
失防止スクリーンの目の大きさも小さくしなければなら
ない。又、このスクリーンの目詰まりも起こり安定な運
転ができなくなる。又、逆に大きすぎると処理槽の容積
当たりの充填（投入）比率を大きくしなければ微生物の
着生のための表面積が少なくなり十分な微生物量が得ら
れなくなり処理効率が上がらなくなる。なお、筒状体の
形状は、円筒体、偏平筒体、多角形の筒体でも良いが、
製造が容易なことから円筒体が好ましい。この円筒体の
場合、その外径を１０〜２０ｍｍとし、長さを１０〜２
０ｍｍとする例を好ましいものとして挙げられる。
着、接着剤などによって接合でき、特に加熱溶着による
接合が簡便で好ましい。また、筒状体の内部に形成され
るシート状素材を巻いた部分は、略一重またはそれ以上
としてもよい。ここで、筒状体の大きさ（外径寸法）
は、５〜５０mm、好ましくは５mm以上、３０mm以下に設
定するのが好ましい。すなわち、大きさが小さすぎる
と、付着微生物による目詰まりを起こしたり、担体の流
失防止スクリーンの目の大きさも小さくしなければなら
ない。又、このスクリーンの目詰まりも起こり安定な運
転ができなくなる。又、逆に大きすぎると処理槽の容積
当たりの充填（投入）比率を大きくしなければ微生物の
着生のための表面積が少なくなり十分な微生物量が得ら
れなくなり処理効率が上がらなくなる。なお、筒状体の
形状は、円筒体、偏平筒体、多角形の筒体でも良いが、
製造が容易なことから円筒体が好ましい。この円筒体の
場合、その外径を１０〜２０ｍｍとし、長さを１０〜２
０ｍｍとする例を好ましいものとして挙げられる。
【００１４】ここで担体の比重は流動性、撹拌動力の低
減を考慮し、０．９〜１．２、好ましくは０．９５〜
１．１が良い。シート状素材は、特に限定されないが、
合成樹脂単独あるいは２種類以上の合成樹脂を混ぜ合わ
せたものあるいは合成樹脂と無機物を組み合わせた（混
ぜた）ものが挙げられる。合成樹脂としては、ポリオレ
フィン系樹脂（ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹
脂）、ポリ塩化ビニル樹脂、親水性樹脂（ポリビニルア
ルコールなど）、吸水性樹脂（熱可塑性ノニオン型吸水
性樹脂など）、生分解性樹脂（ポリカプロラクトン、ポ
リ乳酸など）が挙げられる。又、合成樹脂と組み合わせ
る無機物としてはタルク、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、
酸化チタン、シリカ、ゼオライトなどが挙げられる。
又、オレフィン系樹脂に親水性樹脂あるいは吸水性樹脂
を混ぜて樹脂表面を親水化し微生物の付着性を改善する
こともできる。これらのシート状素材としては、無孔で
もよいが、特に網目、有孔（多孔）、発砲（連続気泡）
のシートを好ましいものとして挙げることができる。有
孔もしくは網目のシートを採用すると、微生物等の過剰
付着による閉塞を防止し、かつ、微生物担体内部の微生
物の活性を大きくする。例えば、合成樹脂製網目シート
では、その網目を構成するストランドの直径を０．５〜
２ｍｍとし、ストランドの中心間距離を２×２〜５×５
ｍｍとする好ましい例を挙げることができる。以下、図
に示す、排水処理用微生物担体の実施の形態に基づいて
本発明を詳述する。なお、これによって本発明が限定さ
れるものではない。図１は本発明に係る排水処理用微生
物担体の実施の形態を示す概略説明斜視図であり、
（Ａ）はシート状素材を筒状に丸めて、一部を巻き重ね
た場合を、（Ｂ）は略二重に巻き重ねた場合をそれぞれ
示す。
減を考慮し、０．９〜１．２、好ましくは０．９５〜
１．１が良い。シート状素材は、特に限定されないが、
合成樹脂単独あるいは２種類以上の合成樹脂を混ぜ合わ
せたものあるいは合成樹脂と無機物を組み合わせた（混
ぜた）ものが挙げられる。合成樹脂としては、ポリオレ
フィン系樹脂（ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹
脂）、ポリ塩化ビニル樹脂、親水性樹脂（ポリビニルア
ルコールなど）、吸水性樹脂（熱可塑性ノニオン型吸水
性樹脂など）、生分解性樹脂（ポリカプロラクトン、ポ
リ乳酸など）が挙げられる。又、合成樹脂と組み合わせ
る無機物としてはタルク、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、
酸化チタン、シリカ、ゼオライトなどが挙げられる。
又、オレフィン系樹脂に親水性樹脂あるいは吸水性樹脂
を混ぜて樹脂表面を親水化し微生物の付着性を改善する
こともできる。これらのシート状素材としては、無孔で
もよいが、特に網目、有孔（多孔）、発砲（連続気泡）
のシートを好ましいものとして挙げることができる。有
孔もしくは網目のシートを採用すると、微生物等の過剰
付着による閉塞を防止し、かつ、微生物担体内部の微生
物の活性を大きくする。例えば、合成樹脂製網目シート
では、その網目を構成するストランドの直径を０．５〜
２ｍｍとし、ストランドの中心間距離を２×２〜５×５
ｍｍとする好ましい例を挙げることができる。以下、図
に示す、排水処理用微生物担体の実施の形態に基づいて
本発明を詳述する。なお、これによって本発明が限定さ
れるものではない。図１は本発明に係る排水処理用微生
物担体の実施の形態を示す概略説明斜視図であり、
（Ａ）はシート状素材を筒状に丸めて、一部を巻き重ね
た場合を、（Ｂ）は略二重に巻き重ねた場合をそれぞれ
示す。
【００１５】まず、図１の（Ａ）において、排水処理用
微生物担体１は、シート状素材としての角目のポリエチ
レン樹脂製ネット体（網目状シート）を筒状に丸め、一
部を巻き重ねて構成された筒状体よりなり、巻き重ね部
の外側部分の端縁２を内側部分３に加熱溶着により接合
させ、内側部分３の端４を自由端（ヒレ）としている。
なお、微生物担体１の比重は約１．０である。
微生物担体１は、シート状素材としての角目のポリエチ
レン樹脂製ネット体（網目状シート）を筒状に丸め、一
部を巻き重ねて構成された筒状体よりなり、巻き重ね部
の外側部分の端縁２を内側部分３に加熱溶着により接合
させ、内側部分３の端４を自由端（ヒレ）としている。
なお、微生物担体１の比重は約１．０である。
【００１６】そして、微生物担体１のネット体の角目
（網目）は、ストランドの直径を平均１ｍｍ、各ストラ
ンドの中心間距離を平均２．５ｍｍ×２．５ｍｍとし、
微生物担体１の外径を約１５ｍｍ、長さを約１５ｍｍと
している。なお、自由端の長さは約５ｍｍである。
（網目）は、ストランドの直径を平均１ｍｍ、各ストラ
ンドの中心間距離を平均２．５ｍｍ×２．５ｍｍとし、
微生物担体１の外径を約１５ｍｍ、長さを約１５ｍｍと
している。なお、自由端の長さは約５ｍｍである。
【００１７】以上の微生物担体１の（Ａ）とは異なり、
図１の（Ｂ）のごとく、微生物担体１１の自由端の長さ
を４２ｍｍとすることによって、巻き重ねを略二重巻き
（筒状体の内部には略一重巻き）にすることもできる。
かくして、これらの微生物担体１・１１は、筒状体の内
側部分３・１３にヒレ、一重巻き部をそれぞれ有してい
るので、これらの内側部分３・１３の表面に着生する微
生物によって排水を処理でき、高い排水処理効果が得ら
れる。特にこれらの内側部分３・１３に着生する微生物
は、排水中で微生物担体１・１１同士が衝突しても剥落
し難いので、より高い排水処理効果が得られる。次に、
以上の構成からなる微生物担体１を用いて排水を処理す
る方法を具体的に説明する。
図１の（Ｂ）のごとく、微生物担体１１の自由端の長さ
を４２ｍｍとすることによって、巻き重ねを略二重巻き
（筒状体の内部には略一重巻き）にすることもできる。
かくして、これらの微生物担体１・１１は、筒状体の内
側部分３・１３にヒレ、一重巻き部をそれぞれ有してい
るので、これらの内側部分３・１３の表面に着生する微
生物によって排水を処理でき、高い排水処理効果が得ら
れる。特にこれらの内側部分３・１３に着生する微生物
は、排水中で微生物担体１・１１同士が衝突しても剥落
し難いので、より高い排水処理効果が得られる。次に、
以上の構成からなる微生物担体１を用いて排水を処理す
る方法を具体的に説明する。
【００１８】図２は、微生物担体を投入する排水処理槽
を説明する概略構成説明図である。図２において、流動
床式排水処理槽（曝気槽）２１は、処理本槽２２と、こ
の処理本槽内底部に配置された散気管２３と、仕切板２
４とから主としてなり、２５は散気管２３に加圧空気又
は酸素を供給するブロアであり、Ｗは排水である。
を説明する概略構成説明図である。図２において、流動
床式排水処理槽（曝気槽）２１は、処理本槽２２と、こ
の処理本槽内底部に配置された散気管２３と、仕切板２
４とから主としてなり、２５は散気管２３に加圧空気又
は酸素を供給するブロアであり、Ｗは排水である。
【００１９】かくして、処理本槽２２内の排水Ｗ中に多
数（例えば処理槽容積の３０％、投入する量は、曝気槽
の容積、汚水の性状、濃度等によって決定する）の微生
物担体１〔図１の（Ａ）参照〕を投入し、ブロア２５を
作動させて散気管２３から適宜空気の供給を続けると、
微生物担体１が排水処理槽２１内を排水の攪拌流に沿っ
て浮遊し回転しながら移動する。各微生物担体１に着生
する微生物の活動が活発になると、それに伴って排水を
有効に処理できる。特に、各微生物担体１は、流動時に
他の微生物担体１に衝突して外表面の微生物を剥落させ
てしまうおそれがあるが、これらの微生物担体１は、筒
状体に自由端（ヒレ）を有する内側部分３を備えている
ので、この内側部分３の表面に着生し、微生物担体同士
の衝突によっても剥落しない微生物によって排水を処理
でき、より高い排水処理効果が得られる。
数（例えば処理槽容積の３０％、投入する量は、曝気槽
の容積、汚水の性状、濃度等によって決定する）の微生
物担体１〔図１の（Ａ）参照〕を投入し、ブロア２５を
作動させて散気管２３から適宜空気の供給を続けると、
微生物担体１が排水処理槽２１内を排水の攪拌流に沿っ
て浮遊し回転しながら移動する。各微生物担体１に着生
する微生物の活動が活発になると、それに伴って排水を
有効に処理できる。特に、各微生物担体１は、流動時に
他の微生物担体１に衝突して外表面の微生物を剥落させ
てしまうおそれがあるが、これらの微生物担体１は、筒
状体に自由端（ヒレ）を有する内側部分３を備えている
ので、この内側部分３の表面に着生し、微生物担体同士
の衝突によっても剥落しない微生物によって排水を処理
でき、より高い排水処理効果が得られる。
【００２０】また微生物担体１が、網目状のため担体内
部に付着した微生物と汚水との接触が良くなり、浄化が
さらに促進されると同時に、担体の中空内部に発生した
余剰微生物が剥離する。従って各水処理用担体の内部に
目詰まりが発生するのを防止でき、目詰まりが生じたと
しても網目を解して容易に洗浄できる。ここで、微生物
担体１の製造方法を簡単に説明する。
部に付着した微生物と汚水との接触が良くなり、浄化が
さらに促進されると同時に、担体の中空内部に発生した
余剰微生物が剥離する。従って各水処理用担体の内部に
目詰まりが発生するのを防止でき、目詰まりが生じたと
しても網目を解して容易に洗浄できる。ここで、微生物
担体１の製造方法を簡単に説明する。
【００２１】図３は微生物担体製造装置の概略斜視図、
図４は微生物担体の製造状態を説明する説明斜視図であ
る。
図４は微生物担体の製造状態を説明する説明斜視図であ
る。
【００２２】まず、図３において、微生物担体製造装置
３１は、基台３２と、この基台上に立設するシート状素
材の丸め成形（変形）ダイ３３と、溶着保持筒３４とか
ら主としてなる。なお、３６は丸め成形ダイ３３のわん
曲を保持するための保持部材である。そして、図４およ
び５において、平らなシート状素材としての網目シート
３５を、丸め成形ダイ３３に供給する（押し込む）と、
徐々に円筒状に折り曲げ、一部を巻き重ねた筒状体を得
る。その後は得られる筒状体の方から引張ることにより
連続して筒状体が得られ、溶着保持筒３４で筒状体の外
側部分の端縁を内側部分に接合される。得られた筒状体
を所定の長さにカットして所望の微生物担体１〔図１の
（Ａ）参照〕が得られる。
３１は、基台３２と、この基台上に立設するシート状素
材の丸め成形（変形）ダイ３３と、溶着保持筒３４とか
ら主としてなる。なお、３６は丸め成形ダイ３３のわん
曲を保持するための保持部材である。そして、図４およ
び５において、平らなシート状素材としての網目シート
３５を、丸め成形ダイ３３に供給する（押し込む）と、
徐々に円筒状に折り曲げ、一部を巻き重ねた筒状体を得
る。その後は得られる筒状体の方から引張ることにより
連続して筒状体が得られ、溶着保持筒３４で筒状体の外
側部分の端縁を内側部分に接合される。得られた筒状体
を所定の長さにカットして所望の微生物担体１〔図１の
（Ａ）参照〕が得られる。
【００２３】以上のごとく、排水処理用微生物担体１・
１１は、製造も簡単で安価である。また内部にヒレ、も
しくは複数にシートを巻いてあるので担体内側の表面積
を大きくでき、担体に微生物を多く保持することができ
る。さらに有孔もしくは網目状のため担体内部に付着し
た微生物と汚水との接触が良くなるため、浄化がさらに
促進される。同時に、担体の中空内部に発生した余剰微
生物が剥離または剥落し、担体内部に目詰まりがほとん
ど発生しない。従って、定期的に洗浄する必要がない。
１１は、製造も簡単で安価である。また内部にヒレ、も
しくは複数にシートを巻いてあるので担体内側の表面積
を大きくでき、担体に微生物を多く保持することができ
る。さらに有孔もしくは網目状のため担体内部に付着し
た微生物と汚水との接触が良くなるため、浄化がさらに
促進される。同時に、担体の中空内部に発生した余剰微
生物が剥離または剥落し、担体内部に目詰まりがほとん
ど発生しない。従って、定期的に洗浄する必要がない。
【００２４】
【発明の効果】本発明によれば、シート状素材を筒状に
丸め、一部を巻き重ねることによって、筒状体の内部に
ヒレ、もしくはシート状素材を巻いた部分を形成し、そ
れによって微生物の保持能力を高めて高い排水処理効果
を得ることができる。
丸め、一部を巻き重ねることによって、筒状体の内部に
ヒレ、もしくはシート状素材を巻いた部分を形成し、そ
れによって微生物の保持能力を高めて高い排水処理効果
を得ることができる。
【図１】本発明の排水処理用微生物担体の一実施の形態
を示す概略説明斜視図であり、（Ａ）はシート状素材を
筒状に丸めて、一部を巻き重ねた場合を、（Ｂ）は略二
重に巻き重ねた場合をそれぞれ示す。
を示す概略説明斜視図であり、（Ａ）はシート状素材を
筒状に丸めて、一部を巻き重ねた場合を、（Ｂ）は略二
重に巻き重ねた場合をそれぞれ示す。
【図２】本発明の排水処理用微生物担体を使用した排水
処理槽の概略構成説明図である。
処理槽の概略構成説明図である。
【図３】微生物担体製造装置の概略斜視図である。
【図４】微生物担体の製造状態を説明する説明斜視図で
ある。
ある。
１ 排水処理用微生物担体
２ 外側部分の端縁
３ 内側部分
４ ブロア
５ 散気管
Claims (10)
- 【請求項１】 排水中で微生物を着生させるための排水
処理用微生物担体であって、シート状素材を筒状に丸
め、一部を巻き重ねて構成された筒状体よりなり、 この筒状体が、その巻き重ね部の内側部分の端を自由端
としてなる排水処理用微生物担体。 - 【請求項２】 巻き重ね部が、その外側部分の端縁を内
側部分に接合させてなる請求項１に記載の排水処理用微
生物担体。 - 【請求項３】 巻き重ね部の接合が、加熱溶着接合であ
る請求項２に記載の排水処理用微生物担体。 - 【請求項４】 筒状体が、その巻き重ねを、略二重また
はそれ以上としてなる請求項1〜３のいずれか1つに記載
の排水処理用微生物担体。 - 【請求項５】 シート状素材が、合成樹脂製網目シート
である請求項１〜４のいずれか一つに記載の排水処理用
微生物担体。 - 【請求項６】 合成樹脂製網目シートが、その網目を構
成するストランドの直径を０．５〜２ｍｍとし、 ストランドの中心間距離を２×２〜５×５ｍｍとしてな
る請求項５に記載の排水処理用微生物担体。 - 【請求項７】 網目が角目あるいは菱目である請求項５
または６に記載の排水処理用微生物担体。 - 【請求項８】 筒状体が、その外径を５〜５０ｍｍと
し、長さを５〜５０ｍｍとしてなる請求項５〜７のいず
れか1つに記載の排水処理用微生物担体。 - 【請求項９】 シート状素材を筒状に丸め、一部を巻き
重ねて構成された筒状体よりなり、かつこの筒状体の巻
き重ね部の内側部分の端を自由端とした多数の微生物担
体を排水中に投入し、それらの微生物担体に着生する微
生物により排水を処理する排水処理方法。 - 【請求項１０】 流動床式である請求項９に記載の排水
処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001213862A JP2003024966A (ja) | 2001-07-13 | 2001-07-13 | 排水処理用微生物担体およびその微生物担体を用いる排水処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001213862A JP2003024966A (ja) | 2001-07-13 | 2001-07-13 | 排水処理用微生物担体およびその微生物担体を用いる排水処理方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003024966A true JP2003024966A (ja) | 2003-01-28 |
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ID=19048775
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|---|---|---|---|
| JP2001213862A Pending JP2003024966A (ja) | 2001-07-13 | 2001-07-13 | 排水処理用微生物担体およびその微生物担体を用いる排水処理方法 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003024966A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| KR100799320B1 (ko) | 2006-05-23 | 2008-01-30 | 양현진 | 쾌속조형기로 제조되는 비 구형의 3차원 입체구조를 가진 세포배양 및 이동용 지지체 |
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- 2001-07-13 JP JP2001213862A patent/JP2003024966A/ja active Pending
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