JP2003019643A - 加工状態検出装置および加工状態検出方法および記録媒体およびプログラム - Google Patents

加工状態検出装置および加工状態検出方法および記録媒体およびプログラム

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JP2003019643A
JP2003019643A JP2001206384A JP2001206384A JP2003019643A JP 2003019643 A JP2003019643 A JP 2003019643A JP 2001206384 A JP2001206384 A JP 2001206384A JP 2001206384 A JP2001206384 A JP 2001206384A JP 2003019643 A JP2003019643 A JP 2003019643A
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Hiroo Ozeki
宏夫 大関
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 学習時に必要とされる教師データ(学習デー
タ)のデータ数を低減して、効率良くかつ高い精度で加
工状態を推定する。 【解決手段】 加工状態検出装置10を、切削トルクT
orを検出するトルクセンサ16と、切削トルクTor
の検出信号に基づいて、工具系の固有振動成分近傍のパ
ワースペクトル値TF及び切削トルク積分値TI及び切
削トルクピーク値TPを算出するセンサ側入力パラメー
タ演算部17と、加工状態に関するデータを記憶するデ
ータ記憶部18と、データ記憶部18から取得したデー
タに基づいてデータ側入力パラメータTDを算出するデ
ータ側入力パラメータ演算部19と、センサ側入力パラ
メータとデータ側入力パラメータTDとをファジィ推論
の入力とし、ファジィ推論の出力であって、ドリル13
が工具寿命か否かを判定する推定値Esをリカレント入
力とするファジィ推論部20とを備えて構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばドリル等の
工具を用いて被加工材を機械加工する際に加工状態、例
えば工具摩耗量や被削材の仕上がり面粗さや仕上がり寸
法精度等を検出する加工状態検出装置および加工状態検
出方法およびプログラムおよび該プログラムを記録した
記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開平3−49850号公
報に開示された工具損傷検出装置のように、工作機械の
工具の損傷を検出する装置として、加工中に発生するA
E(Acoustic Emission)信号を検出するAEセンサを
工具近傍に備え、このAEセンサから出力されるAE信
号の周波数分析によって、工具の損傷を検出する損傷検
出装置が知られている。この工具損傷検出装置では、A
Eセンサから出力されるAE信号はFFT(高速フーリ
エ変換)によって周波数成分に変換され、周波数スペク
トルが生成される。この周波数スペクトルは、予め所定
の教師データにより学習が行われたニューラル・ネット
ワークに入力されて、工具の損傷の有無に応じた所定の
信号が出力されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術の一例に係る工具損傷検出装置においては、ニュ
ーラル・ネットワークの出力層から工具の損傷の有無に
応じた所定の信号、例えば工具損傷時には0.5以上の
出力値が出力され、これ以外の時には−0.5以下の出
力値が出力されるように、予め多くの教師データを用い
たニューラル・ネットワークの学習を行う必要があり、
多くの予備実験を行うという煩雑な手間が必要になると
いう問題が生じる。本発明は上記事情に鑑みてなされた
もので、学習時に必要とされる教師データ(学習デー
タ)のデータ数を低減して、効率良くかつ高い精度で加
工状態を推定することが可能な加工状態検出装置および
加工状態検出方法およびプログラムおよび該プログラム
を記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して係る
目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の加工
状態検出装置は、工作機械(例えば、後述する実施の形
態における工作機械11)の主軸部(例えば、後述する
実施の形態における主軸部12)またはテーブル部(例
えば、後述する実施の形態におけるテーブル14)に備
えられ、切削工具(例えば、後述する実施の形態におけ
るドリル13)による切削加工中の加工状態に係る情報
(例えば、後述する実施の形態における切削トルクTo
r)を検知する情報検知手段(例えば、後述する実施の
形態におけるトルクセンサ16)と、前記情報検知手段
から出力される検知信号に基づいて、ファジィ推論の入
力パラメータ(例えば、後述する実施の形態における工
具系の固有振動成分近傍のパワースペクトル値TFと、
切削トルク積分値TIと、切削トルクピーク値TP)を
算出するセンサ側入力パラメータ算出手段(例えば、後
述する実施の形態におけるセンサ側入力パラメータ演算
部17)と、前記切削工具による切削加工中の加工状態
に係るデータ(例えば、後述する実施の形態におけるド
リル13による孔開け加工における加工時間Tと工具摩
耗量Aとの変化を示すデータ)を予め記憶するデータ記
憶手段と、前記データ記憶手段(例えば、後述する実施
の形態におけるデータ記憶部18)に記憶した前記デー
タに基づいて、ファジィ推論の入力パラメータを算出す
るデータ側入力パラメータ算出手段(例えば、後述する
実施の形態におけるデータ側入力パラメータ演算部1
9)と、前記ファジィ推論の出力データ(例えば、後述
する実施の形態におけるドリル13の工具摩耗量Aが所
定の工具摩耗量A0以下か否かを判定するための所定の
推定値Es)をリカレント入力として、前記入力パラメ
ータと前記リカレント入力に基づいて前記切削工具によ
る切削加工中の加工状態を推論し、この推論結果を前記
出力データとして出力するリカレント形ファジィ推論手
段(例えば、後述する実施の形態におけるファジィ推論
部20)とを備えることを特徴としている。
【0005】上記構成の加工状態検出装置によれば、切
削工具による切削加工中の加工状態として、例えば工具
の摩耗量、さらには、この摩耗量に起因する加工時の異
常状態の発生や、被削材の仕上がり面粗さや仕上がり寸
法精度等を、この加工状態に係る検知信号および予め記
憶されたデータに基づいて、精度良く推論することがで
きる。すなわち、加工状態に係る検知信号として、例え
ば切削加工中の切削トルクやスラスト力を検知して、こ
れらの検知信号に基づいてセンサ側の入力パラメータを
算出すると共に、例えば過去の切削加工等にて蓄積した
加工状態に係るデータから所望のデータを検索して取得
し、このデータに基づいてデータ側の入力パラメータを
算出する。そして、これらの両入力パラメータをリカレ
ント形ファジィ推論手段に入力する。これにより、例え
ばセンサ側の入力パラメータのみをリカレント形ファジ
ィ推論手段に入力する場合に比べて、予め蓄積されたデ
ータを利用することで、リカレント形ファジィ推論の精
度を向上させることができる。
【0006】さらに、請求項2に記載の本発明の加工状
態検出装置では、前記センサ側入力パラメータ算出手段
と、データ側入力パラメータ算出手段とは、前記各入力
パラメータを互いに同期させて前記リカレント形ファジ
ィ推論手段に入力することを特徴としている。
【0007】上記構成の加工状態検出装置によれば、デ
ータ側入力パラメータ算出手段は、センサ側入力パラメ
ータ算出手段からリカレント形ファジィ推論手段に入力
されるセンサ側の入力パラメータに応じて、予めこの入
力パラメータに対応付けられた所定のデータをデータ記
憶手段から取得してデータ側の入力パラメータを算出す
る。そして、算出したデータ側の入力パラメータを、セ
ンサ側の入力パラメータと同期させてリカレント形ファ
ジィ推論手段に入力する。これにより、例えばリカレン
ト形ファジィ推論に対する各入力パラメータが加工時間
に応じて変化する場合であっても、切削加工中において
リアルタイムに精度良く加工状態を検出することができ
る。
【0008】さらに、請求項3に記載の本発明の加工状
態検出装置では、前記情報検知手段は前記切削工具によ
る切削加工中の切削トルクを検知してトルク信号として
出力しており、前記センサ側入力パラメータ算出手段
は、前記情報検知手段から出力される前記トルク信号に
基づいて、工具系の固有振動成分近傍のパワースペクト
ル値を算出するパワースペクトル値演算手段(例えば、
後述する実施の形態におけるFFTプロセッサ33)、
および、前記切削トルクを所定時間で積分して切削トル
ク積分値を算出する積分値演算手段(例えば、後述する
実施の形態における波形ピーク・波形面積演算装置3
8)、および、前記所定時間における切削トルクピーク
値を算出するピーク値演算手段(例えば、後述する実施
の形態において波形ピーク・波形面積演算装置38が兼
ねる)を備え、前記パワースペクトル値および前記切削
トルク積分値および前記切削トルクピーク値を、前記フ
ァジィ推論の入力パラメータとして出力しており、前記
データ記憶手段は、前記切削工具による切削加工中の加
工状態に係るデータとして、前記切削工具の状態に関す
るデータ(例えば、後述する実施の形態における工具摩
耗量Aに起因する工具寿命)、および/または、被削材
の状態に関するデータ(例えば、後述する実施の形態に
おける貫通孔の真円度や、表面粗さや、寸法公差)を記
憶しており、前記データ側入力パラメータ算出手段は、
所定加工時間における前記切削工具の状態に関するデー
タ、および/または、前記被削材の状態に関するデータ
を前記ファジィ推論の入力パラメータとして出力するこ
とを特徴としている。
【0009】上記構成の加工状態検出装置によれば、切
削トルクの検出信号に基づく工具系の固有振動成分近傍
のパワースペクトル値と、切削トルク積分値と、切削ト
ルクピーク値とによって、切削工具による切削加工中の
加工状態、例えば切削工具の状態として工具摩耗量や、
被削材の状態として仕上がり面粗さや仕上がり寸法精度
等を推定することができる。ここで、センサ側の入力パ
ラメータに加えて、切削工具の状態に関するデータ、お
よび/または、被削材の状態に関するデータに基づいて
算出されたデータ側の入力パラメータを入力する。これ
により、加工状態を推定するリカレント形ファジィ推論
の精度を向上させることができる。
【0010】また、請求項4に記載の本発明の加工状態
検出方法は、切削工具(例えば、後述する実施の形態に
おけるドリル13)による切削加工中の加工状態に係る
情報(例えば、後述する実施の形態における切削トルク
Tor)を検知する情報検知ステップと、前記情報検知
ステップにて出力される検知信号に基づいて、ファジィ
推論の入力パラメータ(例えば、後述する実施の形態に
おける工具系の固有振動成分近傍のパワースペクトル値
TFと、切削トルク積分値TIと、切削トルクピーク値
TP)を算出するセンサ側入力パラメータ算出ステップ
と、前記切削工具による切削加工中の加工状態に係るデ
ータ(例えば、後述する実施の形態におけるドリル13
による孔開け加工における加工時間Tと工具摩耗量Aと
の変化を示すデータ)を予め記憶するデータ記憶ステッ
プと、前記データ記憶ステップにて記憶した前記データ
に基づいて、ファジィ推論の入力パラメータを算出する
データ側入力パラメータ算出ステップと、前記ファジィ
推論の出力データ(例えば、後述する実施の形態におけ
るドリル13の工具摩耗量Aが所定の工具摩耗量A0以
下か否かを判定するための所定の推定値Es)をリカレ
ント入力として、前記入力パラメータと前記リカレント
入力に基づいて前記切削工具による切削加工中の加工状
態を推論し、この推論結果を前記出力データとして出力
するリカレント形ファジィ推論ステップとを含むことを
特徴としている。
【0011】このような加工状態検出方法によれば、切
削工具による切削加工中の加工状態として、例えば工具
の摩耗量、さらには、この摩耗量に起因する加工時の異
常状態の発生や工具寿命、被削材の仕上がり面粗さや仕
上がり寸法精度等を、この加工状態に係る検知信号およ
び予め記憶されたデータに基づいて、精度良く推論する
ことができる。
【0012】さらに、請求項5に記載の本発明の加工状
態検出方法では、前記センサ側入力パラメータ算出ステ
ップと、データ側入力パラメータ算出ステップとは、前
記各入力パラメータを互いに同期させて出力することを
特徴としている。
【0013】このような加工状態検出方法によれば、例
えばリカレント形ファジィ推論に対する各入力パラメー
タが加工時間に応じて変化する場合であっても、切削加
工中においてリアルタイムに精度良く加工状態を検出す
ることができる。
【0014】さらに、請求項6に記載の本発明の加工状
態検出方法では、前記情報検知ステップは、前記切削工
具による切削加工中の切削トルクを検知してトルク信号
として出力しており、前記センサ側入力パラメータ算出
ステップは、前記情報検知ステップにて出力される前記
トルク信号に基づいて、工具系の固有振動成分近傍のパ
ワースペクトル値(例えば、後述する実施の形態におけ
る工具系の固有振動成分近傍のパワースペクトル値T
F)を算出するパワースペクトル値演算ステップ、およ
び、前記切削トルクを所定時間で積分して切削トルク積
分値(例えば、後述する実施の形態における切削トルク
積分値TI)を算出する積分値演算ステップ、および、
前記所定時間における切削トルクピーク値(例えば、後
述する実施の形態における切削トルクピーク値TP)を
算出するピーク値演算ステップを含み、前記パワースペ
クトル値および前記切削トルク積分値および前記切削ト
ルクピーク値を、前記ファジィ推論の入力パラメータと
して出力しており、前記データ記憶ステップは、前記切
削工具による切削加工中の加工状態に係るデータとし
て、前記切削工具の状態に関するデータ(例えば、後述
する実施の形態における工具摩耗量Aに起因する工具寿
命)、および/または、被削材の状態に関するデータ
(例えば、後述する実施の形態における貫通孔の真円度
や、表面粗さや、寸法公差)を記憶しており、前記デー
タ側入力パラメータ算出ステップは、所定加工時間にお
ける前記切削工具の状態に関するデータ、および/また
は、前記被削材の状態に関するデータを前記ファジィ推
論の入力パラメータとして出力することを特徴としてい
る。
【0015】このような加工状態検出方法によれば、切
削トルクの検出信号に基づく工具系の固有振動成分近傍
のパワースペクトル値と、切削トルク積分値と、切削ト
ルクピーク値とによって、切削工具による切削加工中の
加工状態、例えば切削工具の状態として工具摩耗量や、
被削材の状態として仕上がり面粗さや仕上がり寸法精度
等を推定することができる。ここで、センサ側の入力パ
ラメータに加えて、切削工具の状態に関するデータ、お
よび/または、被削材の状態に関するデータに基づいて
算出されたデータ側の入力パラメータを入力する。これ
により、加工状態を推定するリカレント形ファジィ推論
の精度を向上させることができる。
【0016】また、請求項7に記載の本発明のコンピュ
ータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータを、切削
工具(例えば、後述する実施の形態におけるドリル1
3)による切削加工中の加工状態に係る情報(例えば、
後述する実施の形態における切削トルクTor)を検知
する情報検知手段(例えば、後述する実施の形態におけ
るトルクセンサ16)から出力される検知信号に基づい
て、ファジィ推論の入力パラメータ(例えば、後述する
実施の形態における工具系の固有振動成分近傍のパワー
スペクトル値TFと、切削トルク積分値TIと、切削ト
ルクピーク値TP)を算出するセンサ側入力パラメータ
算出手段(例えば、後述する実施の形態におけるセンサ
側入力パラメータ演算部17)と、前記切削工具による
切削加工中の加工状態に係るデータ(例えば、後述する
実施の形態におけるドリル13による孔開け加工におけ
る加工時間Tと工具摩耗量Aとの変化を示すデータ)を
予め記憶するデータ記憶手段と、前記データ記憶手段
(例えば、後述する実施の形態におけるデータ記憶部1
8)に記憶した前記データに基づいて、ファジィ推論の
入力パラメータを算出するデータ側入力パラメータ算出
手段(例えば、後述する実施の形態におけるデータ側入
力パラメータ演算部19)と、前記ファジィ推論の出力
データ(例えば、後述する実施の形態におけるドリル1
3の工具摩耗量Aが所定の工具摩耗量A0以下か否かを
判定するための所定の推定値Es)をリカレント入力と
して、前記入力パラメータと前記リカレント入力に基づ
いて前記切削工具による切削加工中の加工状態を推論
し、この推論結果を前記出力データとして出力するリカ
レント形ファジィ推論手段(例えば、後述する実施の形
態におけるファジィ推論部20)として機能させるため
のプログラムを記録したことを特徴としている。
【0017】上記構成の記録媒体によれば、切削工具に
よる切削加工中の加工状態として、例えば工具の摩耗
量、さらには、この摩耗量に起因する加工時の異常状態
の発生や工具寿命、被削材の仕上がり面粗さや仕上がり
寸法精度等を、この加工状態に係る検知信号および予め
記憶されたデータに基づいて、精度良く推論することが
できる。
【0018】さらに、請求項8に記載の本発明のコンピ
ュータ読み取り可能な記録媒体では、前記センサ側入力
パラメータ算出手段と、データ側入力パラメータ算出手
段とは、前記各入力パラメータを互いに同期させて前記
リカレント形ファジィ推論手段に入力することを特徴と
している。
【0019】上記構成の記録媒体によれば、データ側入
力パラメータ算出手段は、センサ側入力パラメータ算出
手段からリカレント形ファジィ推論手段に入力されるセ
ンサ側の入力パラメータに応じて、予めこの入力パラメ
ータに対応付けられた所定のデータをデータ記憶手段か
ら取得してデータ側の入力パラメータを算出する。そし
て、算出したデータ側の入力パラメータを、センサ側の
入力パラメータと同期させてリカレント形ファジィ推論
手段に入力する。これにより、例えばリカレント形ファ
ジィ推論に対する各入力パラメータが加工時間に応じて
変化する場合であっても、切削加工中においてリアルタ
イムに精度良く加工状態を検出することができる。
【0020】さらに、請求項9に記載の本発明のコンピ
ュータ読み取り可能な記録媒体では、前記情報検知手段
は前記切削工具による切削加工中の切削トルクを検知し
てトルク信号として出力しており、前記センサ側入力パ
ラメータ算出手段は、前記情報検知手段から出力される
前記トルク信号に基づいて、工具系の固有振動成分近傍
のパワースペクトル値を算出するパワースペクトル値演
算手段(例えば、後述する実施の形態におけるFFTプ
ロセッサ33)、および、前記切削トルクを所定時間で
積分して切削トルク積分値を算出する積分値演算手段
(例えば、後述する実施の形態における波形ピーク・波
形面積演算装置38)、および、前記所定時間における
切削トルクピーク値を算出するピーク値演算手段(例え
ば、後述する実施の形態において波形ピーク・波形面積
演算装置38が兼ねる)を備え、前記パワースペクトル
値および前記切削トルク積分値および前記切削トルクピ
ーク値を、前記ファジィ推論の入力パラメータとして出
力しており、前記データ記憶手段は、前記切削工具によ
る切削加工中の加工状態に係るデータとして、前記切削
工具の状態に関するデータ(例えば、後述する実施の形
態における工具摩耗量Aに起因する工具寿命)、および
/または、被削材の状態に関するデータ(例えば、後述
する実施の形態における貫通孔の真円度や、表面粗さ
や、寸法公差)を記憶しており、前記データ側入力パラ
メータ算出手段は、所定加工時間における前記切削工具
の状態に関するデータ、および/または、前記被削材の
状態に関するデータを前記ファジィ推論の入力パラメー
タとして出力することを特徴としている。
【0021】上記構成の記録媒体によれば、切削トルク
の検出信号に基づく工具系の固有振動成分近傍のパワー
スペクトル値と、切削トルク積分値と、切削トルクピー
ク値とによって、切削工具による切削加工中の加工状
態、例えば切削工具の状態として工具摩耗量や、被削材
の状態として仕上がり面粗さや仕上がり寸法精度等を推
定することができる。ここで、センサ側の入力パラメー
タに加えて、切削工具の状態に関するデータ、および/
または、被削材の状態に関するデータに基づいて算出さ
れたデータ側の入力パラメータを入力する。これによ
り、加工状態を推定するリカレント形ファジィ推論の精
度を向上させることができる。
【0022】また、請求項10に記載の本発明のプログ
ラムは、コンピュータを、切削工具(例えば、後述する
実施の形態におけるドリル13)による切削加工中の加
工状態に係る情報(例えば、後述する実施の形態におけ
る切削トルクTor)を検知する情報検知手段(例え
ば、後述する実施の形態におけるトルクセンサ16)か
ら出力される検知信号に基づいて、ファジィ推論の入力
パラメータ(例えば、後述する実施の形態における工具
系の固有振動成分近傍のパワースペクトル値TFと、切
削トルク積分値TIと、切削トルクピーク値TP)を算
出するセンサ側入力パラメータ算出手段(例えば、後述
する実施の形態におけるセンサ側入力パラメータ演算部
17)と、前記切削工具による切削加工中の加工状態に
係るデータ(例えば、後述する実施の形態におけるドリ
ル13による孔開け加工における加工時間Tと工具摩耗
量Aとの変化を示すデータ)を予め記憶するデータ記憶
手段と、前記データ記憶手段(例えば、後述する実施の
形態におけるデータ記憶部18)に記憶した前記データ
に基づいて、ファジィ推論の入力パラメータを算出する
データ側入力パラメータ算出手段(例えば、後述する実
施の形態におけるデータ側入力パラメータ演算部19)
と、前記ファジィ推論の出力データ(例えば、後述する
実施の形態におけるドリル13の工具摩耗量Aが所定の
工具摩耗量A0以下か否かを判定するための所定の推定
値Es)をリカレント入力として、前記入力パラメータ
と前記リカレント入力に基づいて前記切削工具による切
削加工中の加工状態を推論し、この推論結果を前記出力
データとして出力するリカレント形ファジィ推論手段
(例えば、後述する実施の形態におけるファジィ推論部
20)として機能させることを特徴としている。
【0023】上記構成のプログラムによれば、切削工具
による切削加工中の加工状態として、例えば工具の摩耗
量、さらには、この摩耗量に起因する加工時の異常状態
の発生や工具寿命、被削材の仕上がり面粗さや仕上がり
寸法精度等を、この加工状態に係る検知信号および予め
記憶されたデータに基づいて、精度良く推論することが
できる。
【0024】さらに、請求項11に記載の本発明のプロ
グラムでは、前記センサ側入力パラメータ算出手段と、
データ側入力パラメータ算出手段とは、前記各入力パラ
メータを互いに同期させて前記リカレント形ファジィ推
論手段に入力することを特徴としている。
【0025】上記構成のプログラムによれば、データ側
入力パラメータ算出手段は、センサ側入力パラメータ算
出手段からリカレント形ファジィ推論手段に入力される
センサ側の入力パラメータに応じて、予めこの入力パラ
メータに対応付けられた所定のデータをデータ記憶手段
から取得してデータ側の入力パラメータを算出する。そ
して、算出したデータ側の入力パラメータを、センサ側
の入力パラメータと同期させてリカレント形ファジィ推
論手段に入力する。これにより、例えばリカレント形フ
ァジィ推論に対する各入力パラメータが加工時間に応じ
て変化する場合であっても、切削加工中においてリアル
タイムに精度良く加工状態を検出することができる。
【0026】さらに、請求項12に記載の本発明のプロ
グラムでは、前記情報検知手段は前記切削工具による切
削加工中の切削トルクを検知してトルク信号として出力
しており、前記センサ側入力パラメータ算出手段は、前
記情報検知手段から出力される前記トルク信号に基づい
て、工具系の固有振動成分近傍のパワースペクトル値を
算出するパワースペクトル値演算手段(例えば、後述す
る実施の形態におけるFFTプロセッサ33)、およ
び、前記切削トルクを所定時間で積分して切削トルク積
分値を算出する積分値演算手段(例えば、後述する実施
の形態における波形ピーク・波形面積演算装置38)、
および、前記所定時間における切削トルクピーク値を算
出するピーク値演算手段(例えば、後述する実施の形態
において波形ピーク・波形面積演算装置38が兼ねる)
を備え、前記パワースペクトル値および前記切削トルク
積分値および前記切削トルクピーク値を、前記ファジィ
推論の入力パラメータとして出力しており、前記データ
記憶手段は、前記切削工具による切削加工中の加工状態
に係るデータとして、前記切削工具の状態に関するデー
タ(例えば、後述する実施の形態における工具摩耗量A
に起因する工具寿命)、および/または、被削材の状態
に関するデータ(例えば、後述する実施の形態における
貫通孔の真円度や、表面粗さや、寸法公差)を記憶して
おり、前記データ側入力パラメータ算出手段は、所定加
工時間における前記切削工具の状態に関するデータ、お
よび/または、前記被削材の状態に関するデータを前記
ファジィ推論の入力パラメータとして出力することを特
徴としている。
【0027】上記構成のプログラムによれば、切削トル
クの検出信号に基づく工具系の固有振動成分近傍のパワ
ースペクトル値と、切削トルク積分値と、切削トルクピ
ーク値とによって、切削工具による切削加工中の加工状
態、例えば切削工具の状態として工具摩耗量や、被削材
の状態として仕上がり面粗さや仕上がり寸法精度等を推
定することができる。ここで、センサ側の入力パラメー
タに加えて、切削工具の状態に関するデータ、および/
または、被削材の状態に関するデータに基づいて算出さ
れたデータ側の入力パラメータを入力する。これによ
り、加工状態を推定するリカレント形ファジィ推論の精
度を向上させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の加工状態検出装置
および加工状態検出方法の一実施形態について添付図面
を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に
係わる加工状態検出装置10を示す構成図であり、図2
はデータ記憶部18に記憶したデータの一例を示すグラ
フ図である。
【0029】本実施の形態に係る加工状態検出装置10
は、例えば、工作機械11の主軸部12に装着されたド
リル13により、テーブル14に載置された被削材15
をドリル加工する際の加工状態に係る各種物理量を検出
するセンサ(例えば、切削トルクTorを検出するトル
クセンサ16)と、トルクセンサ16から出力される検
出信号に基づいて、所定の入力パラメータを算出するセ
ンサ側センサ側入力パラメータ演算部17と、データ記
憶部18と、データ記憶部18での検索により取得され
るデータに基づいて、所定の入力パラメータを算出する
データ側入力パラメータ演算部19と、ファジィ推論部
20と、出力部21とを備えて構成されている。なお、
図1では、トルクセンサ16を工作機械11の主軸部1
2に組み込んでいるが、トルクセンサ16を被削材15
とテーブル14の間、またはテーブル14等に組み込ん
でも良い。
【0030】センサ側入力パラメータ演算部17は、例
えば、被削材15に対して複数の貫通孔を形成する孔開
け加工を行う際に、トルクセンサ16から出力されるド
リル13の切削トルクTorの検出信号に基づいて、工
具系の固有振動成分近傍のパワースペクトル値TFと、
切削トルク積分値TIと、切削トルクピーク値TPとを
算出する。そして、これらの値をファジィ推論部20に
対するセンサ側入力パラメータとして出力する。ここ
で、センサ側入力パラメータ演算部17は、バンドパス
フィルタ31と、A/D変換器32と、FFTプロセッ
サ33と、ローパスフィルタ36と、A/D変換器37
と、波形ピーク・波形面積演算装置38とを備えて構成
されている。
【0031】トルクセンサ16から出力される切削トル
クTorの検出信号は、バンドパスフィルタ31および
ローパスフィルタ36に入力されている。バンドパスフ
ィルタ31は、入力された検出信号の所定周波成分、特
に、工具系の固有振動成分近傍のみを抽出して、A/D
変換器32に入力する。A/D変換器32は、バンドパ
スフィルタ31を介して入力された切削トルクTorの
検出信号にA/D変換を行い、変換後の検出信号をFF
Tプロセッサ33に入力する。FFTプロセッサ33
は、A/D変換器32を介して入力された切削トルクT
orの検出信号に高速フーリエ変換を行い、振動成分と
パワースペクトル値TFを算出する。
【0032】ローパスフィルタ36は、入力された検出
信号からノイズ成分である高周波成分を除去して、A/
D変換器37に入力する。A/D変換器37は、ローパ
スフィルタ36を介して入力された切削トルクTorの
検出信号にA/D変換を行い、変換後の検出信号を波形
ピーク・波形面積演算装置38に入力する。波形ピーク
・波形面積演算装置38は、A/D変換器37を介して
入力された切削トルクTorの検出信号の時間変化を示
す波形に基づいて、この波形をドリル13の所定回転数
当たりの時間で積分して得た切削トルクTorの積分
値、例えばドリル13の一回転数当たりの時間で積分し
て得た切削トルク積分値TIと、この積分範囲内におけ
る波形のピーク値、つまり切削トルクピーク値TPとを
算出する。
【0033】データ記憶部18は、例えば過去の加工作
業において蓄積された所定の加工状態に関するデータを
所定のパラメータに対応付けて記憶している。例えば、
図2に示すように、データ記憶部18は、ドリル13に
よる孔開け加工における加工時間Tと工具摩耗量Aとの
変化を示すデータを記憶しており、このデータにおいて
は、所定の加工時間T0にてドリル13の寿命とされる
所定の工具摩耗量A0に到達する。データ側入力パラメ
ータ演算部19は、センサ側入力パラメータ演算部17
からファジィ推論部20に入力される各種の入力パラメ
ータ(センサ側入力パラメータ)に関連するデータをデ
ータ記憶部18から取得して、センサ側入力パラメータ
との同期等の処理を行ってデータ側入力パラメータTD
としてファジィ推論部20に入力する。例えば、データ
側入力パラメータ演算部19は、図2に示すようなドリ
ル13による孔開け加工における加工時間Tと工具摩耗
量A(例えば、ドリル13の外周コーナ部の摩耗量)と
の変化を示すデータを取得した場合に、この時点での加
工時間Tに対応する工具摩耗量Aを算出して、センサ側
入力パラメータ演算部17からファジィ推論部20に入
力されるセンサ側入力パラメータと同期させてファジィ
推論部20に入力する。
【0034】ファジィ推論部20は、後述するように、
センサ側入力パラメータ演算部17にて算出したセンサ
側入力パラメータ、例えばパワースペクトル値TFと、
切削トルク積分値TIと、切削トルクピーク値TPとか
らなる3つの入力パラメータ、および、データ側入力パ
ラメータ演算部19にて算出したデータ側入力パラメー
タTD、例えば工具摩耗量Aからなる入力パラメータを
ファジィ推論の入力とし、このファジィ推論部20から
出力されるパラメータであって、ドリル13の工具摩耗
量Aが所定の工具摩耗量A0以下か否かを判定するため
の所定の推定値Esをリカレント入力として、ファジィ
推論を行う。ここで、ドリル13の工具摩耗量Aが所定
の工具摩耗量A0以下か否かを判定するための所定の推
定値Esは、例えばEs=0.9またはEs=0.1の
何れかの値に設定されて、ドリル13の工具摩耗量Aが
所定の工具摩耗量A0を超えて工具寿命に到達している
と推定した場合にはEs=0.9を出力し、ドリル13
が工具寿命に到達していないと推定した場合にはEs=
0.1を出力するようにされている。出力部21は、フ
ァジィ推論部20から出力される推定値Esに基づい
て、ドリル13が工具寿命に到達しているか否かを通知
する出力を行う。
【0035】本実施の形態による加工状態検出装置10
は上記構成を備えており、以下に、この加工状態検出装
置10の動作について説明する。先ず、ファジィ推論部
20にて実行されるリカレント形ファジィ推論の処理に
ついて添付図面を参照しながら説明する。図3は本実施
の形態に係るリカレント形ファジィ推論の処理について
示す概念図であり、図4はラジアル基底関数で表現され
るメンバシップ関数を示すグラフ図である。
【0036】図3に示すように、本実施の形態に係るリ
カレント形ファジィ推論では、ファジィ推論からの出力
t(例えば、ドリル13が工具寿命に到達しているか
否かを判定するための所定の推定値Es)をファジィ推
論のリカレント入力として取り扱うものであって、セン
サ(例えば、トルクセンサ16)からの計測情報に基づ
く所定の入力パラメータ(例えば、パワースペクトル値
TFと、切削トルク積分値TIと、切削トルクピーク値
TPと、データ側入力パラメータTD)をファジィ推論
の入力x1,…,xi(iは任意の自然数)とした場合
に、ファジィ推論の出力(例えば、ドリル13が工具寿
命に到達しているか否かを判定するための所定の推定値
Es)からなるリカレント入力yt-1,,yt-o(oは任
意の自然数)を架空のセンサからの情報として利用す
る。
【0037】ここで、図4に示すように、係数anj,b
nj,cnj(jは任意の自然数)をメンバシップ関数の形
状を決定する係数とし、Inをファジィ推論の入力およ
びリカレント入力とすると、j番目のファジィルールに
おけるi番目の入力のメンバシップ関数(つまり、ある
要素がファジィ集合に所属する度合いを表す関数)は、
下記数式(1)および(2)として表される。
【0038】
【数1】
【0039】
【数2】
【0040】ここで、μijは、i番目の入力に対するj
番目のファジィルールの適合度を表す。また、j番目の
ファジィルールにおけるo番目のリカレント入力のメン
バシップ関数は、下記数式(3)および(4)として表
される。
【0041】
【数3】
【0042】
【数4】
【0043】ここで、μojは、o番目のリカレント入
力に対するj番目のファジィルールの適合度を表す。そ
して、j番目のファジィルールの適合度および出力値
は、下記数式(5)および(6)として表される。な
お、wjはファジィルールの後件部実数値である。
【0044】
【数5】
【0045】
【数6】
【0046】以下に、本実施の形態に係るリカレント形
ファジィ推論の学習、特に、ルール追加形学習の処理に
ついて添付図面を参照しながら説明する。図5は本実施
の形態に係るリカレント形ファジィ推論の学習、特に、
ルール追加形学習の処理について示すフローチャートで
あり、図6はファジィルールの適合度に応じたメンバシ
ップ関数の形状変化を示すグラフ図であって、図6
(a)は既存のファジィルールの適合度が相対的に低い
場合のメンバシップ関数を示すグラフ図であり、図6
(b)は既存のファジィルールの適合度が相対的に高い
場合のメンバシップ関数を示すグラフ図であり、図7は
既存のファジィルールの適合度に応じた、追加する新た
なファジィルールの形状の変化を示すグラフ図である。
【0047】本実施の形態に係るリカレント形ファジィ
推論の学習は、いわゆる最急降下法により行う。先ず、
図5に示すステップS01においては、複数のセンサか
らの計測情報に基づく所定の入力パラメータをファジィ
推論の入力x1,…,xi、つまり学習データとしてファ
ジィ推論を実行する。次に、ステップS02において
は、学習データに対する出力値ytと目標出力値*yt
に基づいて、メンバシップ関数の更新を行う。すなわ
ち、下記数式(7)に示すように、t番目の学習データ
に対する出力値ytと目標出力値*ytとによって誤差関
数Etを表す。
【0048】
【数7】
【0049】そして、後件部実数値wjの更新を下記数
式(8)に示すように行う。なお、kwを学習係数と
し、後件部実数値wjの前回値をwj’とした。
【0050】
【数8】
【0051】また、下記数式(9)〜(11)に示すよ
うに、各係数anj,bnj,cnjを更新することで、前件
部のメンバシップ関数の更新を行う。なお、ka,kb
cを学習係数とし、各係数anj,bnj,cnjの前回値
をそれぞれanj’,bnj’,cnj’とした。
【0052】
【数9】
【0053】
【数10】
【0054】
【数11】
【0055】次に、ステップS03においては、新たな
ファジィルールを追加するか否かの判定を行う。この判
定結果が「YES」の場合には、ステップS04に進
み、一方、この判定結果が「NO」の場合には、一連の
処理を終了する。そして、新たなファジィルールを追加
する際には、誤差関数Etで記述される誤差が最大とな
る学習点において、ファジィルールの最も高い適合度の
値λを検索して、下記数式(12)に示すように、これ
らの誤差関数Etおよび適合度の値λに対して予め設定
した所定の各閾値ThE,Thtに関する所定条件を満た
すか否かを判定する。
【0056】
【数12】
【0057】ステップS04においては、新たなファジ
ィルールを追加して、一連の処理を終了する。ここで、
新たなファジィルールのメンバシップ関数の形状を示す
各係数は、下記数式(13)に示すように、誤差が最大
となる学習点でのファジィ推論の入力xiおよびリカレ
ント入力yt-oと、予め設定した所定の係数Cと、ファ
ジィルールの最も高い適合度の値λとによって表され
る。
【0058】
【数13】
【0059】このとき、既存のファジィルールの適合度
が相対的に低い場合には、例えば図6(a)に示すよう
に、不感帯は広く、勾配が緩やかなメンバシップ関数が
生成される。一方、既存のファジィルールの適合度が相
対的に高い場合には、例えば図6(b)に示すように、
不感帯は狭く、勾配が急峻なメンバシップ関数が生成さ
れる。すなわち、例えば図7に示すように、適合度が相
対的に低い場合には新たなファジィルール(μnj+2:l
ow)と既存のファジィルール(μnj)との間の距離が
大きくなり、逆に、適合度が相対的に高い場合には新た
なファジィルール(μ nj+1:high)と既存のファジ
ィルール(μnj)との間の距離が小さくなる。このた
め、例えば図7に示すように、新たに追加するファジィ
ルール(μnj+1:high、μnj+2:low)の形状
を、既存のファジィルール(μnj)の適合度に応じて適
宜に変化させる。
【0060】以上説明したように、本実施の形態に係る
加工状態検出装置10によれば、例えばドリル13の摩
耗に起因する加工時の異常状態の発生を、トルクセンサ
16からの検知信号と、予めデータ記憶部18に記憶し
たデータとに基づいて、精度良く推論することができ
る。すなわち、例えばセンサ側入力パラメータのみをフ
ァジィ推論部20に入力する場合に比べて、予め蓄積さ
れたデータに基づくデータ側入力パラメータをセンサ側
入力パラメータと共に入力することで、リカレント形フ
ァジィ推論の精度を向上させることができる。
【0061】また、上述した本実施の形態に係る加工状
態検出方法によれば、切削トルクTorの検出信号に基
づいて算出した工具系の固有振動成分近傍のパワースペ
クトル値TFおよび切削トルク積分値TIおよび切削ト
ルクピーク値TPと、工具摩耗量Aからなるデータ側入
力パラメータTDとの4つの情報のみをファジィ推論の
入力パラメータとすることで、高い精度でありながら効
率良くファジィ推論を実行することができ、工具摩耗に
起因する工具寿命の判定処理を簡略化して、演算負荷を
削減することができると共に、効率良くファジィ推論を
実行することができる。
【0062】なお、上述した本実施の形態においては、
センサとしてトルクセンサ16を備えたが、これに限定
されず、例えばドリル13のスラスト力を検知するスラ
スト力センサ等のその他のセンサを備えても良い。ま
た、複数の異なるセンサを備えた場合には、ファジィ推
論の精度を向上させることができる。
【0063】なお、上述した本実施の形態においては、
ファジィ推論によってドリル13の工具摩耗量Aに起因
する工具寿命を推定したが、これに限定されず、例えば
貫通孔の真円度や、表面粗さや、寸法公差等のような切
削加工中における被削材の状態を推定しても良い。この
場合、データ記憶部18は、例えばドリル13による孔
開け加工における加工時間Tと、貫通孔の真円度や、表
面粗さや、寸法公差等との変化を示すデータを記憶して
いれば良い。
【0064】なお、上述した本実施の形態においては、
ファジィ推論部20はドリル13が所定の工具摩耗量A
0を超えて工具寿命に到達している状態であると推定し
た場合にはEs=0.9を出力し、ドリル13が工具寿
命に到達していない状態であると推定した場合にはEs
=0.1を出力するとしたが、これに限定されず、工具
寿命および工具寿命未満に対応する2つの値(つまりE
s=0.1とEs=0.9)に加えて、例えば工具寿命
と工具寿命未満との間の状態に対応する値(例えば、E
s=0.5など)を出力するようにしても良く、この場
合には、少なくとも3つの異なる値をリカレント入力と
してファジィ推論を行う。
【0065】なお、本発明の一実施形態に係るリカレン
ト形ファジィ推論の処理および学習を実現する加工状態
検出装置10は、専用のハードウェアにより実現される
ものであっても良く、また、メモリおよびCPUにより
構成され、加工状態検出装置10の機能を実現するため
のプログラムをメモリにロードして実行することにより
その機能を実現するものであっても良い。
【0066】また、上述した本発明に係る加工状態検出
方法を実現するためのプログラムをコンピュータ読みと
り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録され
たプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実
行することによりリカレント形ファジィ推論の処理およ
び学習を行っても良い。なお、ここで言うコンピュータ
システムとはOSや周辺機器等のハードウェアを含むも
のであっても良い。
【0067】また、コンピュータ読みとり可能な記録媒
体とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、RO
M、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステム
に内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことを言
う。さらに、コンピュータ読みとり可能な記録媒体と
は、インターネット等のネットワークや電話回線等の通
信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のよ
うに短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、そ
の場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシス
テム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラム
を保持しているものも含むものとする。また上記プログ
ラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであ
っても良く、さらに、前述した機能をコンピュータシス
テムにすでに記憶されているプログラムとの組み合わせ
で実現できるものであっても良い。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の本
発明の加工状態検出装置によれば、切削工具による切削
加工中の加工状態として、例えば工具の摩耗量、さらに
は、この摩耗量に起因する加工時の異常状態の発生や工
具寿命、被削材の仕上がり面粗さや仕上がり寸法精度等
を、この加工状態に係る検知信号および予め記憶された
データに基づいて、精度良く推論することができる。さ
らに、請求項2記載の本発明の加工状態検出装置によれ
ば、例えばリカレント形ファジィ推論に対する各入力パ
ラメータが加工時間に応じて変化する場合であっても、
切削加工中においてリアルタイムに精度良く加工状態を
検出することができる。さらに、請求項3記載の本発明
の加工状態の加工状態検出装置によれば、切削トルクの
検出信号に基づく工具系の固有振動成分近傍のパワース
ペクトル値と、切削トルク積分値と、切削トルクピーク
値とによって、切削工具による切削加工中の加工状態、
例えば切削工具の状態として工具摩耗量や、被削材の状
態として仕上がり面粗さや仕上がり寸法精度等を推定す
ることができる。ここで、センサ側の入力パラメータに
加えて、切削工具の状態に関するデータ、および/また
は、被削材の状態に関するデータに基づいて算出された
データ側の入力パラメータを入力することにより、加工
状態を推定するリカレント形ファジィ推論の精度を向上
させることができる。
【0069】また、請求項4記載の本発明の加工状態の
加工状態検出方法によれば、切削工具による切削加工中
の加工状態として、例えば工具の摩耗量、さらには、こ
の摩耗量に起因する加工時の異常状態の発生や工具寿
命、被削材の仕上がり面粗さや仕上がり寸法精度等を、
この加工状態に係る検知信号および予め記憶されたデー
タに基づいて、精度良く推論することができる。さら
に、請求項5記載の本発明の加工状態の加工状態検出方
法によれば、例えばリカレント形ファジィ推論に対する
各入力パラメータが加工時間に応じて変化する場合であ
っても、切削加工中においてリアルタイムに精度良く加
工状態を検出することができる。さらに、請求項6記載
の本発明の加工状態の加工状態検出方法によれば、切削
トルクの検出信号に基づく工具系の固有振動成分近傍の
パワースペクトル値と、切削トルク積分値と、切削トル
クピーク値とによって、切削工具による切削加工中の加
工状態、例えば切削工具の状態として工具摩耗量や、被
削材の状態として仕上がり面粗さや仕上がり寸法精度等
を推定することができる。ここで、センサ側の入力パラ
メータに加えて、切削工具の状態に関するデータ、およ
び/または、被削材の状態に関するデータに基づいて算
出されたデータ側の入力パラメータを入力することによ
り、加工状態を推定するリカレント形ファジィ推論の精
度を向上させることができる。
【0070】また、請求項7記載の本発明のコンピュー
タ読み取り可能な記録媒体によれば、切削工具による切
削加工中の加工状態として、例えば工具の摩耗量、さら
には、この摩耗量に起因する加工時の異常状態の発生や
工具寿命、被削材の仕上がり面粗さや仕上がり寸法精度
等を、この加工状態に係る検知信号および予め記憶され
たデータに基づいて、精度良く推論することができる。
さらに、請求項8記載の本発明のコンピュータ読み取り
可能な記録媒体によれば、例えばリカレント形ファジィ
推論に対する各入力パラメータが加工時間に応じて変化
する場合であっても、切削加工中においてリアルタイム
に精度良く加工状態を検出することができる。さらに、
請求項9記載の本発明のコンピュータ読み取り可能な記
録媒体によれば、切削トルクの検出信号に基づく工具系
の固有振動成分近傍のパワースペクトル値と、切削トル
ク積分値と、切削トルクピーク値とによって、切削工具
による切削加工中の加工状態、例えば切削工具の状態と
して工具摩耗量や、被削材の状態として仕上がり面粗さ
や仕上がり寸法精度等を推定することができる。ここ
で、センサ側の入力パラメータに加えて、切削工具の状
態に関するデータ、および/または、被削材の状態に関
するデータに基づいて算出されたデータ側の入力パラメ
ータを入力することにより、加工状態を推定するリカレ
ント形ファジィ推論の精度を向上させることができる。
【0071】また、請求項10記載の本発明のプログラ
ムによれば、切削工具による切削加工中の加工状態とし
て、例えば工具の摩耗量、さらには、この摩耗量に起因
する加工時の異常状態の発生や工具寿命、被削材の仕上
がり面粗さや仕上がり寸法精度等を、この加工状態に係
る検知信号および予め記憶されたデータに基づいて、精
度良く推論することができる。さらに、請求項11記載
の本発明のプログラムによれば、例えばリカレント形フ
ァジィ推論に対する各入力パラメータが加工時間に応じ
て変化する場合であっても、切削加工中においてリアル
タイムに精度良く加工状態を検出することができる。さ
らに、請求項12記載の本発明のプログラムによれば、
切削トルクの検出信号に基づく工具系の固有振動成分近
傍のパワースペクトル値と、切削トルク積分値と、切削
トルクピーク値とによって、切削工具による切削加工中
の加工状態、例えば切削工具の状態として工具摩耗量
や、被削材の状態として仕上がり面粗さや仕上がり寸法
精度等を推定することができる。ここで、センサ側の入
力パラメータに加えて、切削工具の状態に関するデー
タ、および/または、被削材の状態に関するデータに基
づいて算出されたデータ側の入力パラメータを入力する
ことにより、加工状態を推定するリカレント形ファジィ
推論の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係わる加工状態検出装
置を示す構成図である。
【図2】 データ記憶部に記憶したデータの一例を示す
グラフ図である。
【図3】 本実施の形態に係るリカレント形ファジィ推
論の処理について示す概念図である。
【図4】 ラジアル基底関数で表現されるメンバシップ
関数を示すグラフ図である。
【図5】 本実施の形態に係るリカレント形ファジィ推
論の学習、特に、ルール追加形学習の処理について示す
フローチャートである。
【図6】 図6(a)は既存のファジィルールの適合度
が相対的に低い場合のメンバシップ関数を示すグラフ図
であり、図6(b)は既存のファジィルールの適合度が
相対的に高い場合のメンバシップ関数を示すグラフ図で
ある。
【図7】 既存のファジィルールの適合度に応じた、追
加する新たなファジィルールの形状の変化を示すグラフ
図である。
【符号の説明】
10 加工状態検出装置 11 工作機械 12 主軸部 13 ドリル(切削工具) 14 テーブル(テーブル部) 16 トルクセンサ(情報検知手段) 17 センサ側入力パラメータ演算部(センサ側入力パ
ラメータ算出手段) 18 データ記憶部(データ記憶手段) 19 データ側入力パラメータ演算部(データ側入力パ
ラメータ算出手段) 20 ファジィ推論部(リカレント形ファジィ推論手
段) 33 FFTプロセッサ(パワースペクトル値演算手
段) 38 波形ピーク・波形面積演算装置(積分値演算手
段、ピーク値演算手段)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工作機械の主軸部またはテーブル部に備
    えられ、切削工具による切削加工中の加工状態に係る情
    報を検知する情報検知手段と、 前記情報検知手段から出力される検知信号に基づいて、
    ファジィ推論の入力パラメータを算出するセンサ側入力
    パラメータ算出手段と、 前記切削工具による切削加工中の加工状態に係るデータ
    を予め記憶するデータ記憶手段と、前記データ記憶手段
    に記憶した前記データに基づいて、ファジィ推論の入力
    パラメータを算出するデータ側入力パラメータ算出手段
    と、 前記ファジィ推論の出力データをリカレント入力とし
    て、前記入力パラメータと前記リカレント入力に基づい
    て前記切削工具による切削加工中の加工状態を推論し、
    この推論結果を前記出力データとして出力するリカレン
    ト形ファジィ推論手段とを備えることを特徴とする加工
    状態検出装置。
  2. 【請求項2】 前記センサ側入力パラメータ算出手段
    と、データ側入力パラメータ算出手段とは、前記各入力
    パラメータを互いに同期させて前記リカレント形ファジ
    ィ推論手段に入力することを特徴とする請求項1に記載
    の加工状態検出装置。
  3. 【請求項3】 前記情報検知手段は前記切削工具による
    切削加工中の切削トルクを検知してトルク信号として出
    力しており、 前記センサ側入力パラメータ算出手段は、前記情報検知
    手段から出力される前記トルク信号に基づいて、工具系
    の固有振動成分近傍のパワースペクトル値を算出するパ
    ワースペクトル値演算手段、および、前記切削トルクを
    所定時間で積分して切削トルク積分値を算出する積分値
    演算手段、および、前記所定時間における切削トルクピ
    ーク値を算出するピーク値演算手段を備え、前記パワー
    スペクトル値および前記切削トルク積分値および前記切
    削トルクピーク値を、前記ファジィ推論の入力パラメー
    タとして出力しており、 前記データ記憶手段は、前記切削工具による切削加工中
    の加工状態に係るデータとして、前記切削工具の状態に
    関するデータ、および/または、被削材の状態に関する
    データを記憶しており、 前記データ側入力パラメータ算出手段は、所定加工時間
    における前記切削工具の状態に関するデータ、および/
    または、前記被削材の状態に関するデータを前記ファジ
    ィ推論の入力パラメータとして出力することを特徴とす
    る請求項1または請求項2の何れかに記載の加工状態検
    出装置。
  4. 【請求項4】 切削工具による切削加工中の加工状態に
    係る情報を検知する情報検知ステップと、 前記情報検知ステップにて出力される検知信号に基づい
    て、ファジィ推論の入力パラメータを算出するセンサ側
    入力パラメータ算出ステップと、 前記切削工具による切削加工中の加工状態に係るデータ
    を予め記憶するデータ記憶ステップと、前記データ記憶
    ステップにて記憶した前記データに基づいて、ファジィ
    推論の入力パラメータを算出するデータ側入力パラメー
    タ算出ステップと、 前記ファジィ推論の出力データをリカレント入力とし
    て、前記入力パラメータと前記リカレント入力に基づい
    て前記切削工具による切削加工中の加工状態を推論し、
    この推論結果を前記出力データとして出力するリカレン
    ト形ファジィ推論ステップとを含むことを特徴とする加
    工状態検出方法。
  5. 【請求項5】 前記センサ側入力パラメータ算出ステッ
    プと、データ側入力パラメータ算出ステップとは、前記
    各入力パラメータを互いに同期させて出力することを特
    徴とする請求項4に記載の加工状態検出方法。
  6. 【請求項6】 前記情報検知ステップは、前記切削工具
    による切削加工中の切削トルクを検知してトルク信号と
    して出力しており、 前記センサ側入力パラメータ算出ステップは、前記情報
    検知ステップにて出力される前記トルク信号に基づい
    て、工具系の固有振動成分近傍のパワースペクトル値を
    算出するパワースペクトル値演算ステップ、および、前
    記切削トルクを所定時間で積分して切削トルク積分値を
    算出する積分値演算ステップ、および、前記所定時間に
    おける切削トルクピーク値を算出するピーク値演算ステ
    ップを含み、 前記パワースペクトル値および前記切削トルク積分値お
    よび前記切削トルクピーク値を、前記ファジィ推論の入
    力パラメータとして出力しており、 前記データ記憶ステップは、前記切削工具による切削加
    工中の加工状態に係るデータとして、前記切削工具の状
    態に関するデータ、および/または、被削材の状態に関
    するデータを記憶しており、 前記データ側入力パラメータ算出ステップは、所定加工
    時間における前記切削工具の状態に関するデータ、およ
    び/または、前記被削材の状態に関するデータを前記フ
    ァジィ推論の入力パラメータとして出力することを特徴
    とする請求項4または請求項5の何れかに記載の加工状
    態検出方法。
  7. 【請求項7】 コンピュータを、切削工具による切削加
    工中の加工状態に係る情報を検知する情報検知手段から
    出力される検知信号に基づいて、ファジィ推論の入力パ
    ラメータを算出するセンサ側入力パラメータ算出手段
    と、 前記切削工具による切削加工中の加工状態に係るデータ
    を予め記憶するデータ記憶手段と、前記データ記憶手段
    に記憶した前記データに基づいて、ファジィ推論の入力
    パラメータを算出するデータ側入力パラメータ算出手段
    と、 前記ファジィ推論の出力データをリカレント入力とし
    て、前記入力パラメータと前記リカレント入力に基づい
    て前記切削工具による切削加工中の加工状態を推論し、
    この推論結果を前記出力データとして出力するリカレン
    ト形ファジィ推論手段として機能させるためのプログラ
    ムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可
    能な記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記センサ側入力パラメータ算出手段
    と、データ側入力パラメータ算出手段とは、前記各入力
    パラメータを互いに同期させて前記リカレント形ファジ
    ィ推論手段に入力することを特徴とする請求項7に記載
    のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記情報検知手段は前記切削工具による
    切削加工中の切削トルクを検知してトルク信号として出
    力しており、 前記センサ側入力パラメータ算出手段は、前記情報検知
    手段から出力される前記トルク信号に基づいて、工具系
    の固有振動成分近傍のパワースペクトル値を算出するパ
    ワースペクトル値演算手段、および、前記切削トルクを
    所定時間で積分して切削トルク積分値を算出する積分値
    演算手段、および、前記所定時間における切削トルクピ
    ーク値を算出するピーク値演算手段を備え、前記パワー
    スペクトル値および前記切削トルク積分値および前記切
    削トルクピーク値を、前記ファジィ推論の入力パラメー
    タとして出力しており、 前記データ記憶手段は、前記切削工具による切削加工中
    の加工状態に係るデータとして、前記切削工具の状態に
    関するデータ、および/または、被削材の状態に関する
    データを記憶しており、 前記データ側入力パラメータ算出手段は、所定加工時間
    における前記切削工具の状態に関するデータ、および/
    または、前記被削材の状態に関するデータを前記ファジ
    ィ推論の入力パラメータとして出力することを特徴とす
    る請求項7または請求項8の何れかに記載のコンピュー
    タ読み取り可能な記録媒体。
  10. 【請求項10】 コンピュータを、切削工具による切削
    加工中の加工状態に係る情報を検知する情報検知手段か
    ら出力される検知信号に基づいて、ファジィ推論の入力
    パラメータを算出するセンサ側入力パラメータ算出手段
    と、 前記切削工具による切削加工中の加工状態に係るデータ
    を予め記憶するデータ記憶手段と、前記データ記憶手段
    に記憶した前記データに基づいて、ファジィ推論の入力
    パラメータを算出するデータ側入力パラメータ算出手段
    と、 前記ファジィ推論の出力データをリカレント入力とし
    て、前記入力パラメータと前記リカレント入力に基づい
    て前記切削工具による切削加工中の加工状態を推論し、
    この推論結果を前記出力データとして出力するリカレン
    ト形ファジィ推論手段として機能させることを特徴とす
    るプログラム。
  11. 【請求項11】 前記センサ側入力パラメータ算出手段
    と、データ側入力パラメータ算出手段とは、前記各入力
    パラメータを互いに同期させて前記リカレント形ファジ
    ィ推論手段に入力することを特徴とする請求項10に記
    載のプログラム。
  12. 【請求項12】 前記情報検知手段は前記切削工具によ
    る切削加工中の切削トルクを検知してトルク信号として
    出力しており、 前記センサ側入力パラメータ算出手段は、前記情報検知
    手段から出力される前記トルク信号に基づいて、工具系
    の固有振動成分近傍のパワースペクトル値を算出するパ
    ワースペクトル値演算手段、および、前記切削トルクを
    所定時間で積分して切削トルク積分値を算出する積分値
    演算手段、および、前記所定時間における切削トルクピ
    ーク値を算出するピーク値演算手段を備え、前記パワー
    スペクトル値および前記切削トルク積分値および前記切
    削トルクピーク値を、前記ファジィ推論の入力パラメー
    タとして出力しており、 前記データ記憶手段は、前記切削工具による切削加工中
    の加工状態に係るデータとして、前記切削工具の状態に
    関するデータ、および/または、被削材の状態に関する
    データを記憶しており、 前記データ側入力パラメータ算出手段は、所定加工時間
    における前記切削工具の状態に関するデータ、および/
    または、前記被削材の状態に関するデータを前記ファジ
    ィ推論の入力パラメータとして出力することを特徴とす
    る請求項10または請求項11の何れかに記載のプログ
    ラム。
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