JP2003016569A - Od交通量決定装置及び方法 - Google Patents
Od交通量決定装置及び方法Info
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- JP2003016569A JP2003016569A JP2002021996A JP2002021996A JP2003016569A JP 2003016569 A JP2003016569 A JP 2003016569A JP 2002021996 A JP2002021996 A JP 2002021996A JP 2002021996 A JP2002021996 A JP 2002021996A JP 2003016569 A JP2003016569 A JP 2003016569A
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Abstract
間の通信に基づいて求められたOD交通量Q1と、交通
量計測により求められたOD交通量Q2とを用いて、よ
り精度の高いOD交通量Qを決定する。 【解決手段】OD交通量Q1とOD交通量Q2との重み付
き平均演算をし(Z4)、重み付き平均化されたOD交
通量を、発生地点(O)から消滅地点(D)まで、最適
経路に沿って走行させて(Z6)、各地点の地点交通量
を算出し、前記算出された地点交通量と、各地点で計測
された地点交通量とが、所定の誤差以下で一致するよう
に(Z7,Z8)、前記平均演算をするときの重み係数
αを決定し(Z9)、この決定された重み係数αに基づ
き、OD交通量Q1とOD交通量Q2との重み付き平均演
算をしてOD交通量Qを求め、出力する。
Description
する車載装置(車両に備え付けた装置、車両に持ち込ん
だ装置のいずれをも含む。)と地上装置との間の通信に
基づいて求められたOD交通量と、交通量計測により求
められたOD交通量とを用いて、より精度の高いOD交
通量を決定するためのOD交通量決定装置及び方法に関
するものである。
れ、一定規模の道路網のある地点から発生し、他の地点
で消滅する、単位時間当たりの車両台数をいう([1]
間藤隆一他「起終点交通量計測システム」Matsushita T
echnical Journal Vol. 44 No.3 Jun. 1998)。前記
「発生」とは、より細かな規模の道路網(細街路)や駐
車場等から前記一定規模の道路網に車両が進入する場合
をいい、前記「消滅」とは、前記一定規模の道路網か
ら、前記細街路や駐車場等に車両が退出する場合をい
う。
ら発生し、一定のルートを通って、他の地点で消滅する
ことを「トリップ」という。このトリップされた経路を
「OD間走行経路」という。これに対して、ある地点を
通過する単位時間当たりの車両台数を地点交通量又は観
測交通量という。OD交通量は、地点交通量と比較し
て、交通量をより厳密に表現できるので、交通量予測や
各種の交通制御の検討や評価に役立つ重要なパラメータ
になっている。
直接計測する方法と、地点交通量の測定データから間接
的に推定する方法とがある。
計測する方法は、道路に光ビーコンなどの路上通信装置
を設置して、車載装置と双方向通信をして、その車両を
追跡するという方法である。この方法の弱点は、車載装
置を搭載した車両台数が限られているので、すべての車
両を対象としたデータが得られないことである。したが
って、OD交通量を求めるには、車載装置を搭載した車
両台数と走行全車両台数との比率の逆数をかけて、台数
補正をしなければならないが、この補正が常に正確であ
るという保証はない。
に推定する方法として、いくつかの理論的な手法が提案
されている([2][3][4]参照)。 [2]酒井浩一、田中伸治、吉井稔雄、桑原雅夫:「首
都高速道路交通起終点調査に基づくOD推定精度の検
討」交通工学、Vol. 33, No.6 (1998) [3]吉井稔雄、桑原雅夫、赤羽弘和、堀口良太:「ト
ラフィックシミュレーションを用いた路側観測交通量か
らの動的OD交通量の推定」土木計画学研究・論文集N
o. 15(1998) [4]小根山裕之、桑原雅夫:「路側観測交通量からの
時間変化するOD交通量の推定」交通工学、Vol. 32, N
o.2 (1997) また、本発明者が考案したもので、OD交通量を効率よ
く、より正確に推定するために、道路区間(リンク)ご
とに発生した交通量が、最短経路トリーに従って各方面
のリンクに分散し消滅していくモデルを用いる方法もあ
る(特願2000-233430号)。
は、いずれも地点交通量の測定データから間接的に推定
しているに過ぎず、推定されたOD交通量が、実際のO
D交通量になっているのかどうか、検証をする必要があ
る。そこで、本発明の目的は、車両のOD間走行経路を
直接計測して求められたOD交通量と、地点交通量の測
定データから間接的に推定されたOD交通量との欠点を
補いあい、もって、実際のOD交通量を精度よく再現す
ることのできるOD交通量決定装置及び方法を提供する
ことにある。
決定装置は、OD交通量Q1とOD交通量Q2との重み付
き平均演算をする平均演算手段と、OD交通量の発生地
点(O)から消滅地点(D)までの最適経路を算出する
最適経路算出手段と、重み付き平均化されたOD交通量
を、発生地点(O)から消滅地点(D)まで、最適経路
に沿って走行させて、各地点の地点交通量を算出する地
点交通量算出手段と、各地点の地点交通量を計測する地
点交通量計測手段と、地点交通量算出手段により算出さ
れた地点交通量と、地点交通量計測手段により計測され
た地点交通量とが所定の誤差以下で一致するように、前
記平均演算をするときの重み係数を決定する重み係数決
定手段とを備え、前記平均演算手段は、この決定された
重み係数に基づき、OD交通量Q1とOD交通量Q2との
重み付き平均演算をしてOD交通量Qを求め、当該OD
交通量Qを出力するものである(請求項1)。
OD交通量Q1とOD交通量Q2との重み付き平均演算を
し、重み付き平均化されたOD交通量を、発生地点
(O)から消滅地点(D)まで、最適経路(最短距離経
路、最短時間経路など)に沿って走行させて、各地点の
地点交通量を算出し、前記算出された地点交通量と、各
地点で計測された地点交通量とが、所定の誤差以下で一
致するように、前記平均演算をするときの重み係数を決
定し、この決定された重み係数に基づき、OD交通量Q
1とOD交通量Q2との重み付き平均演算をしてOD交通
量Qを求め、出力する。
測された地点交通量に合うように、重み係数を最終的に
決定することができるので、車両のOD間走行経路を直
接計測して求めたOD交通量Q1と、地点交通量の測定
データから間接的に推定されたOD交通量Q2のいずれ
よりも精度の高いOD交通量Qを得ることができる。な
お、車載装置と地上装置との間の通信に基づいて求めら
れるOD交通量Q1に、車載装置の搭載率を考慮した補
正を施すOD交通量拡大手段をさらに備え、前記平均演
算手段は、この拡大されたOD交通量Q1と、OD交通
量Q2との重み付き平均演算をすることが好ましい(請
求項2)。車載装置の搭載率は、現状では低く、この搭
載率を考慮しないで処理すれば、OD交通量Q1が実際
よりも低く評価されてしまい、精度の高いOD交通量Q
を得ることができなくなってしまうからである。
Qを決定しようとする地域よりも広い地域にわたるOD
交通量Q1とOD交通量Q2との比を求めることにより決
定してもよい(請求項3)。広い地域にわたって、OD
交通量Q1とOD交通量Q2との比を求めて、車載装置の
搭載率を推定する。車載装置の搭載率のデータが入手で
きないときに有効な方法である。前記車載装置と地上装
置との間の通信に基づいて求められるOD交通量Q1及
び交通量計測により求められるOD交通量Q2を、それ
ぞれリンク単位のOD交通量から地域単位のOD交通量
に変換する変換手段と、地域単位のOD交通量からリン
ク単位のOD交通量に逆変換する逆変換手段とをさらに
備え、前記平均演算処理は、この地域単位のOD交通量
に基づいて行い、前記地点交通量算出手段により各地点
の地点交通量を算出する処理は、逆変換されたリンク単
位のOD交通量に基づいて行うことができる(請求項
4)。前記車載装置と地上装置との間の通信に基づいて
求められるOD交通量Q1及び交通量計測により求めら
れるOD交通量Q2は、それぞれ誤差を含んでいるが、
地域単位で表したほうが、リンク単位で表した場合よ
り、誤差が平均化される分、処理しやすい。したがっ
て、前記地域単位のOD交通量に変換する。ところが、
各地点の地点交通量を算出する処理は、リンク単位でし
か行えないので、このときにはリンク単位に逆変換す
る。
単位のOD交通量に基づいて行うことが好ましい(請求
項5)。リンク単位で表した場合、車載装置の搭載率が
低いと、OD交通量Q1の誤差が大きい。例えば、車両
が発生しているのに、OD交通量Q1が0となることが
あり、この場合拡大しても0なので、実際と合わないと
いうことになってしまう。したがって、地域単位のOD
交通量に基づくほうが好ましい。
ク単位のOD交通量から地域単位のOD交通量に変換す
るときに用いた変換係数の逆数を用いて、逆変換を行う
ことが好ましい(請求項6)。前述したように、OD交
通量Q1の誤差が大きいので、OD交通量Q2を変換した
時の係数を用いたほうが、逆変換するときの誤差が少な
くなるからである。前記地上装置は、車両の位置を把握
する位置情報把握手段と、車載装置の識別コードの情報
を収集する情報収集手段と、前記情報収集手段により収
集された車載装置の識別コードの情報及び位置情報把握
手段により把握された車両の位置情報に基づいて、当該
車載装置を搭載した車両の走行経路を特定する走行経路
特定手段と、走行経路特定手段により特定された走行経
路に基づいて、OD間走行経路を特定するOD交通量特
定手段と、前記特定された単位時間あたりの各OD間走
行経路に基づいてOD交通量Q1を推定するOD交通量
推定手段とを備えるものでもよい(請求項7)。この構
成のOD間走行経路決定装置によれば、地上装置は、車
載装置の識別コードの情報を収集し、この収集された識
別コードの情報及び車両の位置情報に基づいて、当該車
両の走行経路を特定する。そして、走行経路特定手段に
より特定された走行経路に基づいて、OD間走行経路を
決定し、各OD間走行経路に基づいてOD交通量Q1を
推定する。
る複数の路上通信装置と、各路上通信装置の情報を収集
するセンター装置とを含み、前記位置情報把握手段は、
車両の通過した路上通信装置の設置位置情報に基づき車
両の位置を把握するものであり、前記走行経路特定手段
は、当該車載装置と通信した路上通信装置が設置されて
いる道路どうしを結ぶことにより、当該車載装置を搭載
した車両の走行経路を特定するものであってもよい(請
求項8)。この構成は、路上通信装置を道路に設置し
て、路上通信装置により、車両の位置を把握し、車載装
置の識別コードの情報を収集するという、本発明の実施
態様に係るものである。
通信した路上通信装置が設置されている道路どうしを結
ぶのに、当該路上通信装置が設置されている道路間の最
適経路を算出してもよい(請求項9)。路上通信装置が
すべての道路に設置されていない場合に、路上通信装置
が設置されている道路同士の間の最適経路を算出して、
その最適経路を車両の走行経路とする。また、前記位置
情報把握手段は、車両の位置検出情報を車載装置から通
信により取得することにより車両の位置を把握するもの
であってもよい(請求項10)。この構成は、車載装置
の位置検出機能を利用して、車両の位置情報と、車載装
置の識別コードの情報とを地上装置に収集するという、
本発明の実施態様に係るものである。
項1,2,3にそれぞれ記載されたOD交通量決定装置
と同一発明に係る方法である(請求項11,12,1
3)。 (3) 本発明のOD交通量決定装置は、車載装置と地上
装置との間の通信に基づいて求められるOD交通量Q1
を用いて、より精度の高いOD交通量Qを決定するため
のOD交通量決定装置であって、OD交通量Q1に係数
をかける拡大手段と、OD交通量の発生地点(O)から
消滅地点(D)までの最適経路を算出する最適経路算出
手段と、係数のかかったOD交通量を、発生地点(O)
から消滅地点(D)まで、最適経路に沿って走行させ
て、各地点の地点交通量を算出する地点交通量算出手段
と、各地点の地点交通量を計測する地点交通量計測手段
と、地点交通量算出手段により算出された地点交通量
と、地点交通量計測手段により計測された地点交通量と
が、所定の誤差以下で一致するように、前記係数を決定
する係数決定手段とを備え、前記拡大手段は、この決定
された係数に基づき、OD交通量Q1を係数倍してOD
交通量Qを求め、当該OD交通量Qを出力するものであ
る(請求項14)。
1の精度を高めることを目的とし、求められたOD交通
量Q1に係数をかけ、係数のかかったOD交通量を、発
生地点(O)から消滅地点(D)まで、最適経路に沿っ
て走行させて、各地点の地点交通量を算出し、前記算出
された地点交通量と、各地点で計測された地点交通量と
が、所定の誤差以下で一致するように、前記係数を決定
し、この決定された係数に基づき、OD交通量Q1を係
数倍してOD交通量Qを求め、当該OD交通量Qを出力
する。この処理により、前記係数を適切に選ぶことがで
き、OD交通量Q1の精度を高めることができる。前記
係数はリンクごとに決めてもよく、地域で一律に決めて
もよい。
係数であってもよい(請求項15)。車載装置の搭載率
を考慮した係数とすれば、係数の初期値を定めるときの
目安となるという利点がある。 (4)本発明のOD交通量決定方法は、請求項14,15
に記載されたOD交通量決定装置と同一発明に係る方法
である(請求項16,17)。
付図面を参照しながら詳細に説明する。 −路上ビーコン− 図1は、路上通信装置として機能する路上ビーコンBの
設置図である。路上ビーコンBは、ポールの上部、道路
を見下ろす位置に配置された投受光器B1と、ポール脇
に設置された制御装置B2とを有している。制御装置B
2は、後述するセンター装置Aと有線通信回線で接続さ
れている。
車載装置Cと双方向通信をする路上通信機能、及び、短
いパルスの光信号を道路に向かって照射して、その反射
光により下を通る車両の通過を検知する車両感知機能を
備えている。なお、路上ビーコンBの通信媒体は光に限
られるものではなく、電波であってもよい。図2は、路
上通信機能に着目した場合の、路上ビーコンBからセン
ター装置Aにデータを送信する手順を説明するフローチ
ャートである。
を記憶装置B2に収集する(ステップS1)。車載装置C
から路上ビーコンBに収集されるデータとして、車両の
識別コード、車種情報、前回通過したビーコンのコー
ド、前回ビーコンを通過した時点からの走行時間などの
データがある。前記識別コードは、車両、車載装置又は
個人に固有のコードでもよい。また、路上ビーコンB
が、特定のタイミングで乱数により発生させ割り当てた
コードでもよく、通過車両に順番に割り当てた番号でも
よい。
2)、センター装置Aにデータを送信する(ステップS
3)。センター装置Aは、受信した情報を蓄積する(ス
テップS4)。複数の路上ビーコンBから集められ、セ
ンター装置Aに蓄積された情報を一覧表にして、表1に
示す。
いて車両の位置を検出する形態に限定されるものではな
いことを予め断っておく。例えば、車載装置にGPS(G
lobal Positioning System)などの車両位置検出機能を
持たせ、車載装置から、識別コードと車両検出位置の情
報を地上装置に取り込み、地上装置において、後述する
センター装置Aと同様の構成を備えることにより、各車
両のOD間走行経路を求めることも可能である。この場
合、車載装置と地上装置との通信は、携帯電話、自動車
電話、あるいは専用回線を用いて定期的にもしくは不定
期に行うこととすればよい。
エリア地図である。この地図では、道路は、縦横複数本
描かれ、交差点が存在する。交差点間の道路を1リンク
単位としてとらえ、上り下りのリンクL1〜LN(図3
ではN=48)を構成している。リンク同士の十字接続
点が交差点ノードN1,N2,‥‥,N9となってい
る。
入する位置に設置され、黒い▲印で表されている。な
お、路上ビーコンは、図3では、各交差点に設置された
ように描かれているが、実際には、設置されていない交
差点も存在する。また、交差点に進入する位置以外にも
設置されることがある。カメラは、一定範囲の道路を見
下ろす形で随所に設置されている。また、道路の途中か
ら細街路がつながり、道路の途中に店舗や住宅の駐車場
が存在している。この図3では、作図の都合上、一部の
道路のみに細街路や駐車場を描いているが、実際には、
ほとんどの道路に細街路がつながり、駐車場が存在して
いる。
4の円筒形は、それぞれの部位に所属するメモリを示し
ている。センター装置Aは、路上ビーコンBとの間の送
受信信号を変換する入力変換部1、カメラの画像信号を
変換する入力変換部2、旅行時間計測部8、最適経路ト
リー算出部9、路上ビーコンBの車両感知信号に基づい
て地点交通量を算出する交通量計測部3、交通量計測部
3により算出された地点交通量に基づいてOD交通量Q
2を推定するOD交通量推定部6を有している。
ラの画像信号に基づいて、車両の識別コード、通過時
刻、車種、前回通過したビーコンのコード、前回ビーコ
ンを通過した時点からの走行時間のデータを取得しメモ
リに蓄積するデータ集計部4、データ集計部4のメモリ
に蓄積されたデータを取り出して、そのデータ等に基づ
いてOD間走行経路を求めるOD走行経路演算部5、O
D間走行経路を統計的に処理することによりOD交通量
Q1を推定するOD交通量推定部7を有している。
て、最終的なOD交通量Qを決定するハイブリッド処理
部10を備えている。センター装置Aは、コンピュー
タ、メモリ、入出力装置等を備え、各処理部3〜10の
機能の全部又は一部は、前記メモリに記録されたプログ
ラムをコンピュータが実行することにより実現される。
以下、旅行時間計測部8、最適経路トリー算出部9、交
通量計測部3、OD走行経路演算部5、OD交通量推定
部6、OD交通量推定部7、ハイブリッド処理部10で
行う各処理を、必要ならばフローチャートを用いて順に
説明する。
計測する。地点交通量計測値q、占有時間O、及び平均
車長(一定値とする)Iを用いて、式V=I・q/Oに
より車両の平均速度Vを計算し、これとリンクの長さL
を用いて、式T=L/Vによりリンク旅行時間Tを計算
する。また、カメラの計測画像から車両のプレートナン
バーをマッチングして車両を同定し、同一車両がリンク
の端を通過した時刻とリンクの他の端を通過した時刻と
から、リンクを走行するのに要した時間T′を求める。
単位時間に通過した車両が複数であれば、各車両のリン
ク旅行時間T′の平均をとる。
行時間T若しくはリンク旅行時間T′のいずれか、また
はこれらの重み付き平均をとって、時間帯ごとのリンク
旅行時間とする。なお、旅行時間の計測誤差を吸収する
ためにフィルター値を用いてもよい。また曜日、時間
帯、天候等によってばらつきがあるので、過去の統計的
な値を加味してもよい。 ―最適経路トリー算出― 最適経路トリー算出部9は、次のようにして最適経路ト
リーを算出する。最適経路トリーとは、いずれかのリン
クを出発リンクとし、エリア内のすべてのリンクに至る
最適経路の集合のことである(特開平7−244798
号公報参照)。出発リンクから他の特定のリンクに至る
最適経路は1本しか存在しないから、最適経路トリー
は、出発リンクからトリー状に広がっていき、先で再び
交わることはない。
計測部により求められたリンク旅行時間を使うが、これ
以外にリンク距離を用いてもよい。最適経路トリー算出
部は、エリア内のすべてのリンクを出発リンクとして最
適経路トリーを算出する。したがって、エリア内のリン
クがN本あれば、最適経路トリーはN枚求まる。 −交通量計測− 交通量計測部3は、入力変換部1から得られる、路上ビ
ーコンBの感知信号に基づいて地点交通量(単位時間
(例えば5分間)あたりの車両の通過台数)を算出す
る。路上ビーコンBはリンクごとに設置されているの
で、地点交通量もリンクごとに求められる。したがっ
て、以下「リンク地点交通量」という。
位時間(例えば5分間)内に、各車両kが車両感知器を
横切った時間tkの総和Σtk)を検知する。 −OD走行経路演算− 図5は、OD走行経路演算部5の行うOD走行経路演算
処理を説明するためのフローチャートである。まず、デ
ータ集計部4のメモリに蓄積された所定日数分の車両の
識別コード、通過時刻、車種、前回通過したビーコンの
コード、前回ビーコンを通過した時点からの走行時間の
データ(表1)を取得する(ステップW1)。そして、
このデータを識別コードごとにソートして、メモリに記
憶する(ステップW2)。この情報を「基本情報」とい
う。表2は、基本情報の一覧表である。表2によれば、
例えば、識別コード“1357”の車載装置の情報が、
ひとかたまりにまとめられている。
データを取り出す(ステップW3)。この同一車両識別
コードのデータに基づいて、通過ビーコン順に並べ替え
る(ステップW5)。これにより、通過したビーコンを
通過順に特定できる。また、通過ビーコン間の走行時間
を算出することができる。最新の時点に通過した路上ビ
ーコンが車両の消滅地点(D)を表し、最も早く通過し
「前回通過したビーコンなし」のフラグが付されている
路上ビーコンが車両の発生地点(O)を表す。
(ステップW7)。路上ビーコンBは、通常、図3に示
すように、交差点ごとに設置されているので、通過ビー
コン間の走行経路とは、交差点間を結ぶ道路となる。し
かし、路上ビーコンBが交差点ごとに設置されていない
場合は、走行経路が一意的に定まらないので、公知のダ
イクストラ法、ポテンシャル法等に基づいて通過ビーコ
ン間の最適経路を算出する(例えば特開平7−2447
98号公報参照)。最適経路を算出するには、リンク旅
行時間又はリンク距離のいずれをベースとしてもよい。
たかどうか100%確定できないが、最適経路を走行し
た可能性がもっとも高いので、車両は最適経路を走行し
たものとみなし、これを走行経路とする。 −OD間走行経路に基づくOD交通量演算− 車載装置Cを搭載する各車両に対して、以上のOD間走
行経路を求めれば、OD交通量推定部7は、求められた
各車両のOD間走行経路を、地域別、時間帯別に分類
し、各地域ごと、時間帯ごとに、各車両のOD間走行経
路に基づいて、ある地点から発生し、他の地点で消滅す
る、単位時間当たりの車両台数であるOD交通量Q1を
算出する。
通量を用いて、OD交通量Q2を算出する方法を説明す
る。[発明が解決しようとする課題]で述べたように種
々の手法が採用されるが、この[発明の実施の形態]で
は、同じ出願人の特許出願,特願平2000−233430号に記
載したOD交通量演算方法を説明する。この方法によれ
ば、出発リンクに一定の交通量を設定し、経路トリーに
沿って、経路トリーの分岐部で交通量を分配し、リンク
で交通量を一部消滅させながらシミュレート走行させる
ことにより、各リンクにおける通過交通量を求める。エ
リア内の各リンクを出発リンクに選ぶことによりそれぞ
れ求めた通過交通量から、リンクの地点交通量とリンク
発生交通量とを結びつける通過確率行列を求め、この通
過確率行列と、リンクで計測した地点交通量計測値とに
基づいて、リンク発生交通量を算出することができる。
した経路トリーに沿って、前記リンク発生交通量を、経
路トリーの分岐部で分配し、リンクで交通量を一部消滅
させながらシミュレート走行させることにより、OD交
通量を推定する。 −通過確率行列Hの算出− OD交通量推定部6の行う通過確率行列Hの算出方法を
説明する。図6は、通過確率行列Hの算出方法を説明す
るためのフローチャートである。
部3から、車両感知器の感知信号に基づいて得られたリ
ンク地点交通量計測値を取得する(ステップX1)。この
リンク地点交通量計測値はリンクの数Nだけあるので、
N次元ベクトルとして扱える。次に、リンク発生交通量
設定値、リンク消滅交通量設定値を算出する(ステップ
X2)。
1本のリンクあたり1台設置されていて、リンクの終点
にも起点にも設置されている、ということは少ない。そ
こで、図7に示すように、あるノード(例えばN5とす
る)と、当該ノードN5に流入するリンクL12,L2
5,L27,L30と、ノードから流出するリンクL1
1,L26,L28,L29とを1つの領域とし、単位
時間に、この領域に発生する領域発生交通量又は消滅す
る領域消滅交通量Jを考える。領域発生交通量又は領域
消滅交通量Jは、図7の例に従えば、4本のリンクL1
1,L26,L28,L29を通して流出する交通量Q
outから、4本のリンクL12,L25,L27,L3
0を通して流入する交通量Qinを引いたものである。J
が正の場合は、領域発生交通量J>0,領域消滅交通量
=0とし、負の場合は、領域消滅交通量|J|>0,領
域発生交通量=0とする。
ク本数で割った値を、「リンク発生交通量設定値」とい
い、領域消滅交通量を流出するリンク本数で割った値
を、「リンク消滅交通量設定値」という。流出するリン
ク本数が4本であれば、リンク発生交通量設定値は、領
域発生交通量の4分の1となり、リンク消滅交通量設定
値は、領域消滅交通量の4分の1となる。図8は、リン
ク発生交通量設定値又はリンク消滅交通量設定値を説明
するためのリンク図であり、図8(a)は領域発生交通量
J>0の場合に、リンク発生交通量設定値がJ/4、リ
ンク消滅交通量設定値は0となることを示し、図8(b)
は領域消滅交通量J>0の場合に、リンク消滅交通量設
定値がJ/4、リンク発生交通量設定値は0となること
を示している。
ともに「流出」リンク本数で割ったのは、他のノードで
の処理結果とリンクの重複を回避するためである。勿
論、領域発生交通量、領域消滅交通量をともに「流入」
リンク本数で割ってもよい。リンク本数で割るので粗い
近似になるが、後に説明するような数学手法を用いるこ
とにより、精度よく「リンク発生交通量」を算出するこ
とができる。また、精度にこだわらなければ、リンク発
生交通量設定値をそのまま「リンク発生交通量」とする
こともできる。
ア内のあるリンクを出発リンクとする最適経路トリーを
取得する(ステップX3)。そして、一定の交通量を、最
適経路トリーに沿ってシミュレート走行させる(ステッ
プX4)。以上のステップX3,X4の処理を、出発リ
ンクを変えて、繰り返し行う(ステップX5)。
を算出する(ステップX6)。以下、ステップX4〜X6
の内容を詳説する。一定の大きさの交通量を、最適経路
トリーに沿ってシミュレート走行させる場合、最適経路
トリーのそれぞれのノードで、交通量は所定割合で各リ
ンクに分配され、分配後所定割合で消滅する。そして、
消滅後の各リンクに残った交通量(これを「リンク通過
交通量」という)が、次のノードで再度分配され、所定
割合消滅するという動作を繰り返す、と考える。
過交通量は、当然1より小さい値をとる。通過交通量
は、リンクの数だけ求まるので、N次元ベクトルで記述
できる。これを以下「通過交通量ベクトル」という。交
通量を分配する方法として、次の3つの方法a1,方法
a2、方法a3が考えられる。 方法a1:ノードの先の各リンクよりつながる部分的な
経路トリーを1まとめに考え(これを「経路ブロック」
という)、経路ブロックを構成するリンクのリンク消滅
交通量設定値の総和を求め、この総和に比例した割合
で、分配される、とする方法である。
リーの一例を示す図であり、出発リンクをリンクL1に
とっている。リンクL1から先のリンクは、L3,L
6,L7である。リンクL3の先のリンクはこのエリア
では存在せず、経路ブロックB1の構成リンクはL3の
みである。リンクL6の先のリンクL22,L25,L
24,‥‥を含む経路ブロックをB2で示し、リンクL
7の先のリンクL9,L12,L13,‥‥を含む経路
ブロックをB3で示している。
て、リンク消滅交通量設定値の和JBiを求める。経路
ブロックB1については、JB1は、リンクL3のリン
ク消滅交通量設定値となる。経路ブロックB2について
は、JB2は、リンクL6,L22,L25,L24,
‥‥のリンク消滅交通量設定値の和となる。経路ブロッ
クを構成する各リンクのリンク発生交通量設定値を考慮
しないのは、各経路トリーの出発リンクで、リンク発生
交通量が考慮されているからである(ステップX3,X
5)。
クの、リンク地点交通量計測値×リンク距離の総和を求
め、この総和に比例した割合で、分配される、とする方
法である。 方法a3:交差点における直進右左折の比率を利用す
る。この直進右左折の比率は、車両感知器やカメラの情
報に基づいて、各車両の走行経路を蓄積すれば、統計的
に求めることができる。勿論、曜日、時間帯、天候等に
よって有意差があれば、これらの条件を加味してもよ
い。
して、次の2つの方法b1,方法b2が考えられる。 方法b1:当該リンクのリンク消滅交通量設定値を用い
て、割合(リンク消滅交通量設定値)/(リンク地点交
通量計測値)で消滅していくとする方法である。 方法b2:走行距離に従って、ある確率で消滅していく
とする方法である。
と、走行距離に応じてある確率分布をもって消滅してい
く。この確率分布をP(u)(uは走行距離)と書く
と、車両が距離u走行するまでに消滅する確率は、
て、出発リンクから最適経路トリーを走行して、n本目
の当該リンクを通過した地点で消滅する確率Pnから、
当該リンクに入る前に(n−1)本目で消滅している確
率Pn-1を引けば、当該リンクで消滅する確率を求める
ことができる。前記確率分布F(t)の形は、多数の車
両の走行データから数値的に求めることが好ましいが、
この実施形態では、簡単のため、平均距離m,分散σの
正規分布と仮定しておく(実際の分布も正規分布に近い
形になると考えている)。
トリーに沿ってシミュレート走行させ、通過交通量ベク
トルを求め、出発リンクを変えて、同様の処理を行い、
通過交通量ベクトルを求める。すべての出発リンクにつ
いて終了すれば、Nとおりの通過交通量ベクトルが求ま
るので、これを行列形式で書くことができる。この行列
を「通過確率行列」Hということにする。 −リンク発生交通量の算出− 次に、リンク発生交通量xを算出する。リンク発生交通
量xは、「単位時間内に、リンクの終点から流出する交
通量から、当該リンクの始点に流入する交通量を引いた
もの」と定義される。つまりリンクの途中で細街路に入
ったり、細街路から現れたり、駐車場に入ったり駐車場
から出たりする交通量の差し引き、と理解できる。この
リンク発生交通量xもリンクの数Nだけあるので、N次
元ベクトルとして扱える。
測値qとの関係は、通過確率行列を使って、 q=Hx (2) x=H-1q となる。したがって、リンク地点交通量計測値に基づい
て、通過確率行列を使ってリンク発生交通量xを算出す
ることができる。
を分配する方法として方法a1,方法a2又は、方法a
3を用い、交通量を消滅させる方法として、方法b1又
は方法b2を用いて算出した。しかし、これらの方法
は、近似的な方法であり、実際にはリンク地点交通量計
測値qは誤差を含む。その誤差をηと書くと、(2)式
は、 q=Hx+η (3) となる。
散及び誤差ηの分散がわかっている場合には、ベイズの
推定を用いて正確なリンク発生交通量xを推定すること
ができる。リンク発生交通量設定値a、リンク発生交通
量xの分散Σ、誤差ηの分散Rを下記のように表す。 a = E(x) a:リンク発生交通量設定値 Σ= cov(x) Σ:リンク発生交通量xの分散 R= cov(η) R:誤差ηの分散 ベイズの推定を用いて、リンク発生交通量xを推定する
ことができる。
の転置行列 x=Γ(H'R-1q +Σ-1a) 一方、リンク発生交通量xに制約条件がある場合、例え
ば、リンク発生交通量xの上下限値(ただし交通容量以
下)が設定してある場合には、式(3)が極力成立するよ
うに、2次計画法を用いてリンク発生交通量xを推定す
ることができる。
生交通量xを推定する。すなわち、(Hx−q)'(Hx−q) の
最小値を求めることにより、リンク発生交通量xが求ま
る。ただし、制約条件は、0≦xi≦Xi (Xiはxiの
上限値) (Hx−q)'(Hx−q)= (1/2)x'(2H'H)x + (−2H'q)'x + q'
q= (1/2)x'Gx + C'x + q'q G:正定値の対
称行列である。
フローチャートである。まず、OD交通量推定部6は、
一定時間ごとに、リンク地点交通量計測値qを取得し
(ステップY1)、前述したようにリンク発生交通量を算
出する(ステップY2)。各リンクを出発リンクとして最
適経路トリーを求める(ステップY3)。
生交通量を、最適経路トリーに従って走行させ、トリー
の分岐部では交通量を分配させ、リンク部では消滅交通
量を生じさせて交通をトリー末端に向けて流してゆく
(ステップY4)。交通量が全て消滅したところで処理を
終了する。その結果、発生した車両のうち所定割合の車
両について、各リンクの通過時刻および消滅時刻などを
統計的に把握することができる(ステップY5)。
ができる。次の表3は、発生車両について、各リンクの
通過時刻および消滅時刻などを把握したテーブルの例で
ある。
ハイブリッド処理を説明する。図11は、ハイブリッド
処理の流れを説明するためのフローチャートである。い
ままでの処理で求められたOD交通量Q1,Q2は、リン
クごとに規定されたものである。このため、車両台数の
絶対数が少なく、これに基づいて処理をすると誤差が多
くなるおそれがある。そこで、OD交通量Q1,Q2をそ
れぞれ地域ごとにまとめる(ステップZ1,Z2)。
するための図である。図12(a)はリンクごとのOD交
通量を示す表であり、リンクLi(i=1,2,..)から発生し
リンクLj(j=1,2,..)で消滅する単位時間あたりの台数
を記載している。図12(b)は地域単位でまとめられた
OD交通量を示す表である。地域Ri(i=1,2,..)から発
生し地域Rj(j=1,2,..)で消滅する単位時間あたりの台
数を記載している。それぞれの地域に、一又は複数のリ
ンクが対応する。ある地域のOD交通量は、その地域内
の、一又は複数のリンクのOD交通量の和となる。
らなり、ある地域R2がリンクL3,L4からなるとす
る。リンクL1から発生しリンクL3で消滅するOD交通
量Q2をa、リンクL1から発生しリンクL4で消滅する
OD交通量Q2をb、リンクL2から発生しリンクL3で
消滅するOD交通量Q2をc、リンクL2から発生しリン
クL4で消滅するOD交通量Q2をdとする。地域R1で
発生し、地域R2で消滅するOD交通量Q2は、a+b+
c+dとなる。
の搭載率を考慮した拡大処理を施す(ステップZ3)。
すなわち、車載装置を搭載する車両のOD交通量に、車
載装置を搭載する車両と全車両との比率の逆数をかけ
て、全車両のOD交通量を求める。なお、前記「搭載
率」は、年月日、時間帯、地域などの関数となる。ある
いは、広域ΣRi(iはOD交通量を決定する対象となる
全ての地域にわたる)における、OD交通量Q1の合計と
OD交通量Q2の合計との比を用いて、搭載率を推定し
てもよい。広域とは、日本全国でもよく、都道府県でも
よい。前記広い地域において、搭載率φを、次の式によ
り求める。
計)/(広域におけるOD交通量Q2の合計) 当該地域Riの車載装置搭載車両のOD交通量Q1に、こ
の搭載率の逆数1/φをかけて、当該地域Riの全車両
のOD交通量Q1を求めることができる。そして、OD
交通量Q1(拡大後のもの)及びOD交通量Q2の重み付
け平均をとってOD交通量Qを求める(ステップZ
4)。式で示せば、 OD交通量Q=α(拡大後のOD交通量Q1)+(1−
α)(OD交通量Q2) となる。αは当該地域Riごとの重み係数(0≦α≦
1)である。
に換算する(ステップZ5)。すなわち、地域のOD交
通量を、その地域に含まれる一又は複数のリンクのOD
交通量に分散させる。この換算は、ステップZ2で行っ
たOD交通量Q2を地域ごとにまとめた処理の逆算を行
えばできる。例えば、地域R1で発生し、地域R2で消滅
するOD交通量Q2から、リンクL1から発生しリンクL
3で消滅するOD交通量を逆算で求めるには、a/(a
+b+c+d)をかければよい。
行うことも考えられるが、OD交通量Q1は、車載装置
の搭載率がかかっているので、車両台数の絶対数が特に
少なく(例えば、リンク単位のOD交通量Q1の中に
は、a=0といった値を示すものがある)、この値で逆
算をすると、誤差が多くなるおそれがあるので好ましい
とはいえない。OD交通量をリンク単位のものに換算し
た後、ある発生地点Oから消滅地点Dまでの最適経路を
算出してこれを走行経路とみなし、交通量をシミュレー
ト走行させる。そして、この処理を全発生地点O及び全
消滅地点Dについて行う(ステップZ6)。これによ
り、各リンクの通過交通量を算出することができる。
量を、リンクの地点交通量計測と比較する(ステップZ
7)。比較の結果、各リンクにおける差がなく、あるい
は比rが1となればよいが、そうでなければ(ステップ
Z8のNO)、各リンクにおいて、差ができるだけ0に
近くなるように、あるいは比rができるだけ1に近くな
るように、前記重み係数αを変更して(ステップZ
9)、ステップZ4に戻り、前述した処理を繰り返す。
るいは比rと1との差の絶対値|r−1|がしきい値よ
りも小さくなれば、当該OD交通量Qを出力する(ステ
ップZ8のYES)。前記しきい値は、多数のモデルに
ついて本発明のOD交通量決定処理を行って検証し、適
切な値に設定することが好ましい。以上の処理により、
車両のOD間走行経路を直接計測して求めたOD交通量
Q1と、地点交通量の測定データから間接的に推定した
OD交通量Q2とを用いて、より精度のよいOD交通量
Qを求めることができる。
とに、各時間帯の交通量を予測することができ、交通量
予測や交通量制御に役立てることができる。なお、図1
1を用いた説明では、地域ごとにまとめる処理ステップ
Z1,ステップZ2、及びリンク単位に換算する処理ス
テップZ5を行っていたが、これらの処理を省いて、す
べてリンク単位で処理を行ってもよい。 −OD交通量Q1のみに基づく処理− 次に、厳密にはハイブリッド処理とはいえないが、OD
交通量Q1のみからOD交通量Qを求める処理を説明す
る。これは、ステップZ4の平均演算において、常にα
=1とし、車載率の逆数に相当する係数(ステップZ
3)をより正確に求める場合に相当する。
明するためのフローチャートである。まず、OD交通量
Q1に、係数をかける拡大処理を施す(ステップZ1
1)。係数はリンクごとに設定してもよく、地域ごとに
設定してもよい。次に、図11と同様、ある発生地点O
から消滅地点Dまでの最適経路を算出してこれを走行経
路とみなし、交通量をシミュレート走行させる。そし
て、この処理を全発生地点O及び全消滅地点Dについて
行う(ステップZ12)。これにより、各リンクの通過
交通量を算出することができる。
量を、リンクの地点交通量計測と比較する(ステップZ
13)。比較の結果、各リンクの差がなく、あるいは比
rが1となればよいが、そうでなければ(ステップZ1
4のNO)、各リンクについて、差ができるだけ0に近
くなるように、あるいは比rができるだけ1に近くなる
ように、前記係数を変更して(ステップZ15)、ステ
ップZ11に戻り、前述した処理を繰り返す。
るいは比rと1との差の絶対値|r−1|がしきい値よ
りも小さくなれば、当該OD交通量Qを出力する(ステ
ップZ14のYES)。これにより、OD交通量Q1の
みから、正確なOD交通量Qを求めることができる。
置又は方法によれば、OD間交通量を良好な精度で求め
ることができる。したがって、精度のよいOD交通量に
基づいて、交通量予測や交通量制御に役立てることがで
きる。
信する手順を説明するためのフローチャートである。
のエリア地図である。
処理を説明するためのフローチャートである。
ローチャートである。
ための交差点リンク図である。
設定値を説明するためのリンク図である。
示すリンク図である。
チャートである。
ローチャートである。
するための図である。
て拡大し、その精度を上げる処理を説明するためのフロ
ーチャートである。
Claims (17)
- 【請求項1】車載装置と地上装置との間の通信に基づい
て求められるOD交通量Q1と、交通量計測により求め
られるOD交通量Q2とを用いて、より精度の高いOD
交通量Qを決定するためのOD交通量決定装置であっ
て、 OD交通量Q1とOD交通量Q2との重み付き平均演算を
する平均演算手段と、 OD交通量の発生地点(O)から消滅地点(D)までの
最適経路を算出する最適経路算出手段と、 重み付き平均化されたOD交通量を、発生地点(O)か
ら消滅地点(D)まで、最適経路に沿って走行させて、
各地点の地点交通量を算出する地点交通量算出手段と、 各地点の地点交通量を計測する地点交通量計測手段と、 地点交通量算出手段により算出された地点交通量と、地
点交通量計測手段により計測された地点交通量とが、所
定の誤差以下で一致するように、前記平均演算をすると
きの重み係数を決定する重み係数決定手段とを備え、 前記平均演算手段は、この決定された重み係数に基づ
き、OD交通量Q1とOD交通量Q2との重み付き平均演
算をしてOD交通量Qを求め、当該OD交通量Qを出力
することを特徴とするOD交通量決定装置。 - 【請求項2】車載装置と地上装置との間の通信に基づい
て求められるOD交通量Q1に、車載装置の搭載率を考
慮した補正を施すOD交通量拡大手段をさらに備え、 前記平均演算手段は、この拡大されたOD交通量Q1
と、OD交通量Q2との重み付き平均演算をすることを
特徴とする請求項1記載のOD交通量決定装置。 - 【請求項3】前記車載装置の搭載率は、当該OD交通量
Qを決定しようとする地域よりも広い地域にわたるOD
交通量Q1とOD交通量Q2との比を求めることにより決
定されることを特徴とする請求項2記載のOD交通量決
定装置。 - 【請求項4】車載装置と地上装置との間の通信に基づい
て求められるOD交通量Q1及び交通量計測により求め
られるOD交通量Q2を、それぞれリンク単位のOD交
通量から地域単位のOD交通量に変換する変換手段と、
地域単位のOD交通量からリンク単位のOD交通量に逆
変換する逆変換手段とをさらに備え、 前記平均演算処理は、この地域単位のOD交通量に基づ
いて行い、前記地点交通量算出手段により各地点の地点
交通量を算出する処理は、逆変換されたリンク単位のO
D交通量に基づいて行うことを特徴とする請求項1記載
のOD交通量決定装置。 - 【請求項5】車載装置と地上装置との間の通信に基づい
て求められるOD交通量Q1及び交通量計測により求め
られるOD交通量Q2を、それぞれリンク単位のOD交
通量から地域単位のOD交通量に変換する変換手段と、
地域単位のOD交通量からリンク単位のOD交通量に逆
変換する逆変換手段とをさらに備え、 前記OD交通量の拡大及び平均演算処理は、この地域単
位のOD交通量に基づいて行い、前記地点交通量算出手
段により各地点の地点交通量を算出する処理は、逆変換
されたリンク単位のOD交通量に基づいて行うことを特
徴とする請求項2記載のOD交通量決定装置。 - 【請求項6】前記逆変換手段は、OD交通量Q2をリン
ク単位のOD交通量から地域単位のOD交通量に変換す
るときに用いた変換係数の逆数を用いて、逆変換を行う
ものであることを特徴とする請求項4又は請求項5記載
のOD交通量決定装置。 - 【請求項7】前記地上装置は、 車両の位置を把握する位置情報把握手段と、 車載装置の識別コードの情報を収集する情報収集手段
と、 前記情報収集手段により収集された車載装置の識別コー
ドの情報及び位置情報把握手段により把握された車両の
位置情報に基づいて、当該車載装置を搭載した車両の走
行経路を特定する走行経路特定手段と、 走行経路特定手段により特定された走行経路に基づい
て、OD間走行経路を特定するOD交通量特定手段と、 前記特定された、単位時間あたりの各OD間走行経路に
基づいてOD交通量Q1を推定するOD交通量推定手段
とを備えることを特徴とする請求項1記載のOD交通量
決定装置。 - 【請求項8】前記地上装置は、車載装置と通信するため
の複数の路上通信装置と、各路上通信装置の情報を収集
するセンター装置とを含み、 前記位置情報把握手段は、車両の通過した路上通信装置
の設置位置情報に基づき車両の位置を把握するものであ
り、 前記走行経路特定手段は、当該車載装置と通信した路上
通信装置が設置されている道路どうしを結ぶことによ
り、当該車載装置を搭載した車両の走行経路を特定する
ことを特徴とする請求項7記載のOD交通量決定装置。 - 【請求項9】前記走行経路特定手段は、当該車載装置と
通信した路上通信装置が設置されている道路どうしを結
ぶのに、当該路上通信装置が設置されている道路間の最
適経路を算出するものである請求項8記載のOD交通量
決定装置。 - 【請求項10】前記位置情報把握手段は、車両の位置検
出情報を車載装置から通信により取得することにより車
両の位置を把握するものである請求項7記載のOD交通
量決定装置。 - 【請求項11】車載装置と地上装置との間の通信に基づ
いて求められるOD交通量Q1と、交通量計測により求
められるOD交通量Q2とを用いて、より精度の高いO
D交通量Qを決定するためのOD交通量決定方法であっ
て、 OD交通量Q1とOD交通量Q2との重み付き平均演算を
し、 重み付き平均化されたOD交通量を、発生地点(O)か
ら消滅地点(D)まで、最適経路に沿って走行させて、
各地点の地点交通量を算出し、 前記算出された地点交通量と、各地点で計測された地点
交通量とが、所定の誤差以下で一致するように、前記平
均演算をするときの重み係数を決定し、 この決定された重み係数に基づき、OD交通量Q1とO
D交通量Q2との重み付き平均演算をしてOD交通量Q
を求め、当該OD交通量Qを出力することを特徴とする
OD交通量決定方法。 - 【請求項12】車載装置と地上装置との間の通信に基づ
いて求められるOD交通量Q1に、車載装置の搭載率を
考慮した補正を施し、 この拡大されたOD交通量Q1と、OD交通量Q2との重
み付き平均演算をすることを特徴とする請求項10記載
のOD交通量決定方法。 - 【請求項13】前記車載装置の搭載率は、当該OD交通
量Qを決定しようとする地域よりも広い地域にわたるO
D交通量Q1とOD交通量Q2との比を求めることにより
決定されることを特徴とする請求項12記載のOD交通
量決定方法。 - 【請求項14】車載装置と地上装置との間の通信に基づ
いて求められるOD交通量Q1を用いて、より精度の高
いOD交通量Qを決定するためのOD交通量決定装置で
あって、 OD交通量Q1に係数をかける拡大手段と、 OD交通量の発生地点(O)から消滅地点(D)までの
最適経路を算出する最適経路算出手段と、 係数のかかったOD交通量を、発生地点(O)から消滅
地点(D)まで、最適経路に沿って走行させて、各地点
の地点交通量を算出する地点交通量算出手段と、 各地点の地点交通量を計測する地点交通量計測手段と、 地点交通量算出手段により算出された地点交通量と、地
点交通量計測手段により計測された地点交通量とが、所
定の誤差以下で一致するように、前記係数を決定する係
数決定手段とを備え、 前記拡大手段は、この決定された係数に基づき、OD交
通量Q1を係数倍してOD交通量Qを求め、当該OD交
通量Qを出力することを特徴とするOD交通量決定装
置。 - 【請求項15】前記係数は、車載装置の搭載率を考慮し
た係数であることを特徴とする請求項14記載のOD交
通量決定装置。 - 【請求項16】車載装置と地上装置との間の通信に基づ
いて求められるOD交通量Q1を用いて、より精度の高
いOD交通量Qを決定するためのOD交通量決定方法で
あって、 OD交通量Q1に係数をかけ、 係数のかかったOD交通量を、発生地点(O)から消滅
地点(D)まで、最適経路に沿って走行させて、各地点
の地点交通量を算出し、 前記算出された地点交通量と、各地点で計測された地点
交通量とが、所定の誤差以下で一致するように、前記係
数を決定し、 この決定された係数に基づき、OD交通量Q1を係数倍
してOD交通量Qを求め、当該OD交通量Qを出力する
ことを特徴とするOD交通量決定方法。 - 【請求項17】前記係数は、車載装置の搭載率を考慮し
た係数であることを特徴とする請求項17記載のOD交
通量決定方法。
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