JP2003015093A - 眼用レンズの製造方法および製造装置 - Google Patents

眼用レンズの製造方法および製造装置

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JP2003015093A
JP2003015093A JP2001194714A JP2001194714A JP2003015093A JP 2003015093 A JP2003015093 A JP 2003015093A JP 2001194714 A JP2001194714 A JP 2001194714A JP 2001194714 A JP2001194714 A JP 2001194714A JP 2003015093 A JP2003015093 A JP 2003015093A
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lens
eye
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Atsushi Kobayashi
敦 小林
Yuji Goto
裕二 後藤
Tomoki Suzaki
朝樹 洲崎
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Menicon Co Ltd
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Menicon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 近視や遠視等の屈折異常だけでなく、必要に
応じて高次の収差を含む波面収差までも補正することの
出来るコンタクトレンズ等の眼用レンズを提供するこ
と。 【解決手段】 患者眼16に仮レンズ20を装用せしめ
た状態で該患者眼16の収差情報を含む光学特性を測定
し、得られた光学特性に基づいて、該仮レンズ20を装
用せしめた状態下での患者眼16における収差を補正し
て要求される光学特性を満足し得るように、目的とする
コンタクトレンズとされる仮レンズ20の形状を設定す
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、近視や遠視,乱視,老視などの
屈折異常を有する患者眼に装用されるコンタクトレンズ
等の眼用レンズの設計や製造に関する技術に係り、特に
患者眼において収差を含む屈折異常を高精度に矯正する
ことの出来る眼用レンズを提供せしめ得る眼用レンズの
製造方法や製造装置等に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、屈折異常を有する患者眼におけ
る視力矯正用の光学体の一種として、眼球の前面に装用
せしめることによって患者眼の光学特性を補正するコン
タクトレンズが知られている。そして、コンタクトレン
ズを患者眼に適用するに際しては、一般に、患者眼の裸
眼での屈折力を自覚式や他覚式の眼屈折力測定装置によ
って測定し、その測定結果に基づいて、患者眼に要求さ
れる眼屈折力を満足し得るコンタクトレンズのレンズ度
数を算出することによって、適合するコンタクトレンズ
を決定している。
【0003】ところが、このような従来手法によるコン
タクトレンズの選定に際して考慮される光学特性は、一
般に球面レンズ度数や円柱レンズ度数等の狭義の屈折異
常だけであり、必ずしも患者眼の光学特性を補正するた
めに最良のコンタクトレンズを提供し得るものとは言い
難かった。具体的には、例えば、患者眼における乱視に
も、角膜表面の形状歪に起因するものと、眼球内の光学
特性に起因するものがあり、前者の角膜表面形状に起因
する場合には、ハードタイプのコンタクトレンズによっ
て形成される涙液レンズの作用で有効に補正することが
可能である一方、後者の眼球内光学特性に起因する場合
には涙液レンズで補正できない等の違いがあるが、それ
らの相違を従来のコンタクトレンズの選定方法では、明
確に区別して対処することが難しかったのである。ま
た、従来のコンタクトレンズの選定方法においては、収
差が殆ど考慮されておらず、そのために、患者眼の光学
特性に関して見え方の質である鮮明性を考慮したコンタ
クトレンズの設計が困難であり、たとえ近視や遠視等に
対する視力矯正には対応し得たとしても、視界の鮮明性
を安定して実現することが難しいという問題があったの
である。
【0004】なお、特表平9−510800号公報に
は、コンタクトレンズの予備成形物を患者眼に装用させ
た状態を考慮して、コンタクトレンズを設計する方法が
記載されているが、そこには、単に、コンタクトレンズ
の患者眼上での安定位置を実測して、求められた安定位
置を光学中心として矯正用光学領域を形成する技術が開
示されているに過ぎず、上述の如き、特殊な乱視や収差
の光学的補正に関する問題について、何等の解決策を提
示するものではない。
【0005】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、屈折異常を有する患者眼を視力矯正して、
収差の低減された光学特性を、容易に且つ高精度に実現
せしめ得る、眼用レンズの新規な製造方法と製造装置お
よび設計方法を提供することにある。
【0006】
【解決手段】以下、このような課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の
組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至
は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることな
く、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの
記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づ
いて認識されるものであることが理解されるべきであ
る。
【0007】先ず、眼用レンズの製造方法に関する本発
明の特徴とするところは、a患者眼に仮レンズを装用せ
しめた状態で、該患者眼の光学特性を測定して収差情報
を含む該患者眼の光学情報を取得する測定工程と、b前
記仮レンズを装用せしめた状態での前記患者眼における
収差を補正して、該患者眼に要求される光学特性を実現
するために必要とされる該仮レンズの形状に関するレン
ズ形状補正情報を、前記測定工程で取得した光学情報に
基づいて求める形状演算工程と、c該形状演算工程で求
めたレンズ形状補正情報に基づいて、前記仮レンズまた
は該仮レンズと同一材料で形成した別レンズからなる加
工用レンズを加工することによって、前記患者眼に適合
した眼用レンズを形成するレンズ加工工程とを、有する
眼用レンズの製造方法にある。
【0008】また、眼用レンズの製造装置に関する本発
明の特徴とするところは、d患者眼に仮レンズを装用せ
しめた状態で、該患者眼の光学特性を測定して収差情報
を含む該患者眼の光学情報を取得する測定手段と、e前
記仮レンズを装用せしめた状態での前記患者眼における
収差を補正して、該患者眼に要求される光学特性を実現
するために必要とされる該仮レンズの形状に関するレン
ズ形状補正情報を、前記測定手段によって取得した光学
情報に基づいて求める形状演算手段と、f該形状演算手
段によって求めたレンズ形状補正情報に基づいて、前記
仮レンズまたは該仮レンズと同一材料で形成した別レン
ズからなる加工用レンズを加工することによって、前記
患者眼に適合した形状の眼用レンズを形成するレンズ加
工手段とを、有する眼用レンズの製造装置にある。
【0009】さらに、眼用レンズの設計方法に関する本
発明の特徴とするところは、患者眼に仮レンズを装用せ
しめた状態で、該患者眼の光学特性を測定して収差情報
を含む該患者眼の光学情報を取得し、かかる光学情報に
基づいて、該仮レンズを装用せしめた状態下での該患者
眼における収差を補正すると共に、該患者眼に要求され
る光学特性を実現するために必要とされる前記仮レンズ
の形状を決定する眼用レンズの設計方法にある。
【0010】このような眼用レンズの製造方法,製造装
置および設計方法に関する本発明においては、何れも、
眼用レンズに相当する仮レンズを実際に患者眼に装用せ
しめた状態下で患者眼の光学特性が測定されることか
ら、患者眼自体の光学特性と眼用レンズ自体の光学特性
を各別に区別することなく、眼用レンズを装用せしめた
患者眼を一つの光学体として、その光学特性を測定する
ことが出来るのであり、それによって、眼用レンズと患
者眼の境界部分における例えば涙液レンズ等の光学的影
響も区別することなく併せて一体的に考慮して、眼用レ
ンズを装用せしめた患者眼の光学情報を取得することが
可能となる。
【0011】しかも、眼用レンズを装用せしめた状態で
患者眼の光学特性を測定することにより、眼用レンズを
装用せしめた状態での患者眼の収差情報も、容易に且つ
高精度に取得することが出来るのである。
【0012】それ故、このようにして得られた患者眼の
収差情報を含む光学情報を用いることにより、装用せし
めた状態で患者眼と一体的に機能して目的とする光学特
性を発揮し得るような眼用レンズの形状を容易に求める
ことが出来ると共に、かくの如くして求められた形状を
備えた眼用レンズにおいては、装用状態下で患者眼に対
して目的とする光学特性を小さな収差で高精度に与える
ことが可能となるのである。
【0013】なお、本発明において、仮レンズを装用せ
しめた患者眼に関して測定する光学特性としては、収差
の他、各個別の患者に応じて視軸,焦点軸,角膜外径寸
法,乱視主経線方向,球面眼屈折力,円柱眼屈折力など
の中から、考慮すべき光学特性が、必要に応じて適宜に
選択される。ここにおいて、本発明が対象とする収差
は、近視や遠視を意味する焦点ずれやプリズム矯正の対
象となる眼位異常等だけでなく、そのような低次収差に
加えて或いは代えて、像のぼけやゆがみを発生させて視
覚の鮮明性を低下させる高次収差をも対象とし得る。
【0014】また、患者眼の球面眼屈折力や円柱眼屈折
力,乱視主経線方向等は、例えば、特開平10−118
024号公報等に記載されている従来から周知のオート
レフラクトメータ等の他覚式眼屈折力測定装置を利用す
ることにより、患者眼に投射した測定用光と眼底での反
射光の位相差等に基づいて測定することが可能であり、
視軸や焦点軸,角膜外径寸法等は、例えばオートレフラ
クトメータやオートレフケラトメータ,オプトメータ等
によって測定することが出来るが、CCD撮像素子を利
用して或いは目視によって仮レンズを装用せしめた患者
眼を観察することにより測定することも可能である。更
に、患者眼の収差の測定に際しては、前面に仮レンズを
装用していることから角膜表面のトポグラフィに基づく
収差測定方法は採用され難いが、例えば、自覚的な測定
方法である心理物理学的手段や他覚的な測定方法等の公
知の各種の手法が採用可能であり、特に、公知のシャッ
クハルトマン法に基づくハルトマン・シャック波面検出
器(HSWS)や、これを改良したロチェスタHSW
S、或いは特開2001−393号公報に記載の眼屈折
特性測定装置等を利用して測定することが望ましく、ま
た、そのような装置を利用することによって、眼屈折力
と共に、低次から高次の収差までを併せて測定すること
も可能である。
【0015】更にまた、本発明において、測定によって
得られた患者眼の光学情報を利用して、患者眼に目的と
する光学特性を付与するために必要とされる仮レンズ形
状を決定するに際しては、例えば、測定によって得られ
た患者眼の光学特性に基づいて、仮レンズを装用せしめ
た患者眼の屈折力の実測分布データを該仮レンズの光学
領域の全面に亘って求めて、該屈折力の実測分布データ
と、目的とする光学特性を実現するために必要な患者眼
の屈折力の目標分布データとの差から、必要とされる屈
折力の補正量を仮レンズの光学領域の全面に亘る分布デ
ータとして算出し、更に、得られた屈折力の必要補正量
の分布データから、公知のスネルの法則を基本として、
必要な屈折力の補正を実現するために仮レンズに加える
べき曲率変更量の分布データを求め、そして、かくの如
くして求めた曲率変更量の分布データと、既知の或いは
測定によって明らかとされた仮レンズの曲率分布データ
との和によって、患者眼に目的とする光学特性を付与す
るために必要とされる眼用レンズの形状を求めることが
可能とされる。
【0016】さらに、本発明に係る眼用レンズの製造方
法や製造装置,設計方法において、上述の如くして求め
られた、患者眼に目的とする光学特性を付与するために
必要とされる形状を備えた眼用レンズは、例えば、ハー
ドコンタクトレンズやソフトコンタクトレンズ、或いは
ディスポーザブルタイプのコンタクトレンズなどのコン
タクトレンズの他、人工角膜などとして、有利に提供さ
れ得る。また、患者眼に目的とする光学特性を付与する
ために必要とされる眼用レンズの形状が、レンズ中心軸
に関して方向性を持った非回転体である場合には、例え
ばコンタクトレンズにおいて従来から知られているよう
に、重心を下方に偏倚させたプリズムバラスト構造や、
レンズ外面の上下両端縁をテーパ状に薄くしたダイナミ
ックステビリゼーション構造、レンズ下端部を水平方向
に略直線状に切除したトランケーション構造など、患者
眼への装用状態で眼用レンズを周方向に位置決めするた
めの位置安定化手段が適宜に採用され得る。
【0017】また、本発明において、特に眼用レンズと
してコンタクトレンズを対象とする場合には、目的とす
る光学特性を付与するために必要とされる形状を備えた
コンタクトレンズを、従来から公知のモールド法(キャ
ビティ成形法)やレースカット法(切削研磨法),スピ
ンキャスト法(遠心注型法)等によって形成することも
可能であるが、好適には、目的とする眼用レンズよりも
厚肉とされた加工用レンズを採用し、該加工用レンズに
対してレーザビームを照射して成形加工することによ
り、目的とする眼用レンズを形成することが望ましく、
それによって、単純な球面形状でない複雑な曲率分布を
備えた眼用レンズを容易に得ることが可能となる。
【0018】そこにおいて、加工のために採用するレー
ザとしては、エキシマレーザやYAGレーザ、半導体レ
ーザ等が何れも採用可能である。また、本発明における
前記レーザビームとして、レーザパルスの間隔がフェム
ト秒以下であるフェムト秒レーザ乃至は極短パルスレー
ザを採用することも可能であり、それによって、例え
ば、レンズ厚さ方向の中間部分にレーザを集光させて、
加工用レンズの切断によってレンズ面を形成する等の加
工も可能となるのである。また、加工用レンズは、患者
眼の光学特性の測定に際して装用せしめた仮レンズと光
学条件を同じにするために該仮レンズと同じ材質であれ
ば良いが、仮レンズそれ自体を用いたり、仮レンズと同
一の材質と同一の形状をもって形成されたものを採用す
ることも有効であり、特に仮レンズそれ自体を加工して
眼用レンズとすることにより、精度の更なる向上と安定
化が図られ得る。
【0019】更にまた、本発明において、測定によって
得られた患者眼の光学情報を利用して、患者眼に目的と
する光学特性を付与するために必要とされる仮レンズ形
状を決定するに際しては、該仮レンズの内面の形状を不
変とし、患者眼に要求される光学特性を実現するために
必要とされる仮レンズの形状に関するレンズ形状補正情
報を、該仮レンズの外面の形状補正情報として求めるこ
とが望ましい。このように仮レンズの内面形状を固定的
に設定することにより、目的とする眼用レンズを得るた
めのレンズ形状補正情報を容易に求めることが可能とな
る。また、コンタクトレンズ等の眼用レンズでは、一般
に、眼用レンズの内面形状が装用される患者眼の角膜形
状に対応したベースカーブに設定されることから、加工
用レンズの外面の形状だけを補正することにより、予め
設定された患者眼へのフィッティング特性が安定して確
保され得ると共に、仮レンズの患者眼への装用時の安定
位置の予測外の変化が回避されて、目的とする眼用レン
ズによる眼屈折力の矯正効果をより安定して得ることが
出来るのである。
【0020】特に、加工用レンズの外面の形状だけを補
正する場合には、仮レンズを加工用レンズとして採用
し、該仮レンズを患者眼に装用せしめたままの状態で、
仮レンズの外面にレーザビームを照射することによって
仮レンズを加工して目的とする眼用レンズを得ることも
可能である。なお、このように装用状態下での仮レンズ
をレーザ加工するに際しては、例えば、LASIK(la
ser in situ keratomileusis)やPRK(photorefract
ive keratectomy )の実施に用いられるエキシマレーザ
照射装置を備えた角膜手術装置が好適に採用され得、そ
れによって、装用状態下にある仮レンズの表面形状を加
工することが出来る。また、前述のフェムト秒レーザ乃
至は極短パルスレーザを用いれば、患者眼への装用状態
にある仮レンズに対して、表面側からレーザビームを投
射せしめて、仮レンズの厚さ方向の中間部分を切断加工
することにより、仮レンズの表面加工を行うことも可能
となる。
【0021】また、加工用レンズを患者眼に装用せしめ
た状態でレーザビームによる加工用レンズの外面の加工
を行う場合には、かかるレンズ加工工程において、レー
ザビームの照射による加工用レンズの加工と並行して、
該加工用レンズを装用せしめた患者眼における光学特性
を測定することも可能である。具体的には、患者眼の光
学特性を測定するための光学系と、レーザビームの照射
によるレンズ加工用のレーザ照射系とを、併せ備えた装
置を用い、患者眼に対して、測定用光を投射して光学特
性を測定する測定操作と、レーザビームを照射して加工
用レンズを加工する加工操作とを、短時間で交互に或い
は連続的に同時に行うことが可能であり、それによっ
て、測定操作によって得られた患者眼の光学特性を考慮
して、レーザビームの照射による加工用レンズの加工量
を適宜に修正することも可能となる。
【0022】更にまた、上述の如く加工用レンズを患者
眼に装用せしめた状態でレーザビームによるレンズ加工
を行うことにより、従来では乱視矯正に不適当であると
考えられていたソフトタイプのコンタクトレンズや、人
工角膜、或いはコンタクトレンズの内面に人工角膜を被
着せしめた複合レンズ等によっても、乱視矯正を含む眼
屈折力の矯正機能を収差の補正機能と共に有効に備えた
眼用レンズとして、有利に且つ容易に提供可能とされ
る。なお、そのような眼用レンズには、患者眼に対する
周方向位置の安定化手段が、必要に応じて採用されるこ
ととなる。
【0023】さらに、本発明に係る眼用レンズの製造方
法や製造装置,設計方法においては、上述の如くして加
工用レンズに所定の加工を施して、患者眼に目的とする
光学特性を付与するために必要とされる形状を備えた眼
用レンズを得た後、この得られた眼用レンズを前記患者
眼に装用せしめた状態で、該患者眼の光学特性を測定し
て、患者眼に対して目的とする光学特性を実現せしめ得
るかを確認することが望ましい。より好適には、そのよ
うな確認作業によって、患者眼に要求される光学特性を
満足し得ないことが明らかとなった場合に、該眼用レン
ズを仮レンズとして、再び上述の如き本発明に従い、か
かる仮レンズとしての眼用レンズを装用せしめた状態で
の患者眼の光学特性を測定して、得られた光学情報に基
づいて患者眼に要求される光学特性を実現するために必
要とされる仮レンズの形状を再設定して、眼用レンズに
対して再度の加工を補正的に施すようにされる。
【0024】
【発明の実施形態】以下、本発明を更に具体的に明らか
にするために、本発明の実施形態について、図面を参照
しつつ、詳細に説明する。
【0025】先ず、図1には、本発明に従う構造とされ
たコンタクトレンズ製造装置10の概略構造が、ブロッ
ク図によって示されている。本実施形態のコンタクトレ
ンズ製造装置10は、患者眼の光学特性を測定する眼光
学特性測定装置12と、コンタクトレンズをレーザビー
ムによって形状加工するレンズ加工用レーザ装置14を
含んで構成されており、眼光学特性測定装置12によっ
て求められた患者眼の光学特性に基づいて、患者眼に装
用されることによって患者眼に要求される光学特性を実
現し得るように、レンズ加工用レーザ装置14が作動制
御されて、目的とするコンタクトレンズが製造されるよ
うになっている。
【0026】次に、このようなコンタクトレンズ製造装
置10を用いて患者眼に適合したコンタクトレンズを製
造する方法について、図2に示されたフローチャートを
参照しつつ説明し、併せてコンタクトレンズ製造装置1
0についても説明を加えることとする。
【0027】コンタクトレンズの製造を開始すると、初
めに、ステップ:S1〜2において、患者眼の基本情報
を取得すると共に、患者眼において要求される光学特性
を決定する。即ち、図3に示されているように、コンタ
クトレンズを処方しようとする患者眼16について、角
膜18の表面の曲率半径や外径寸法,裸眼屈折力等の基
本情報を取得する。なお、このような基本情報は、従来
から行われているコンタクトレンズの適合検査に従って
取得することが可能であり、例えば、公知のオートレフ
ラクトメータやケラトメータ、レンズメータ等を利用し
て容易に行うことが出来、或いは、眼光学特性測定装置
10に対して、例えば周知の他覚的な検影法等に従っ
て、そのような基本情報の測定機能を持たせることも容
易である。
【0028】そして、得られた患者眼16の基本情報を
考慮しつつ、患者の生活環境や希望および眼科医等の専
門家の知識と判断に基づいて、患者眼16において、コ
ンタクトレンズの装用が妥当か否かを含めて、実現すべ
き目的とする光学特性を決定する。具体的には、例え
ば、コンピュータの操作環境等を優先する場合には正視
よりも近視状態を目的とし、車両の運転環境等を優先す
る場合には正視状態を目的とし、或いは患者眼16の視
力調節機能を考慮して正視よりも遠視状態を目的する等
というように、患者眼16において要求される光学特性
を決定する。なお、この段階では、一般に、収差に関す
る要求特性を考慮する必要がないが、例えば特殊な色彩
に対する視覚識別力が要求されるために、特定の波長域
の可視光線に対する収差を可及的に抑えたい等といった
特別の事情がある場合には、そのような事情を検者が把
握しておくことは有効である。
【0029】続いて、ステップ:S3において、患者眼
16に関して取得した上述の基本情報に基づいて、該患
者眼16に適合する仮レンズとしての仮コンタクトレン
ズの規格を決定する。この作業は、従来から行われてい
るコンタクトレンズの処方作業に従って、患者眼16の
角膜表面の曲率半径に対応したレンズ内面の曲率半径を
有するように、即ち一般には角膜表面の曲率半径よりも
僅かに大きな曲率半径の球状内面を有するように仮レン
ズのベースカーブを選定すると共に、患者眼16の屈折
異常を矯正するレンズ度数を有するように、仮レンズの
表面のフロントカーブを選定することによって行われ
る。その際、仮レンズには、患者眼16における近視や
遠視を矯正するための球面レンズ度数の他、乱視を矯正
するための円柱レンズ度数を設定しても良いが、ここに
おいて最も重視されるべきことは、仮レンズのベースカ
ーブの選定と適当な仮レンズ材の選定であり、球面レン
ズ度数や円柱レンズ度数は、後工程で変更,調節,付加
等が可能であることから、特に高精度に行う必要はな
く、レンズ度数に関して何等の設定をしないことも可能
である。
【0030】なお、後工程でのレンズ度数の変更等に際
して、本実施形態ではレーザビームによる切除加工が採
用されることから、仮レンズとして、後工程での加工後
に強度的に十分な厚さ寸法を確保することが出来るよう
に、十分な肉厚寸法を備えた仮レンズを選定することが
望ましい。具体的には、例えば仮レンズとして、過去の
調査データ等を参考に一般に想定され得る範囲のベース
カーブや中心厚さ,外径寸法,球面レンズ度数を網羅し
得るだけのものを予め準備しておいて対応することが考
えられる。その場合に、高精度に対応するためには、例
えば、仮レンズのベースカーブを6.0mm〜10.0mm
の範囲で0.1mm毎に揃えると共に、中心厚さを0.0
5〜1.00mmの範囲で0.05mm毎に揃え、また外径
寸法を7.0〜15.0mmの範囲で0.5mm毎に揃え、
更に球面レンズ度数を−25.0〜+25.0ディオプ
タの範囲で0.5ディオプタ毎に揃えることが考えられ
る。また、ベースカーブの適応性を向上させるために
は、直交する径方向で異なるベースカーブが設定された
ものを揃えておくことも有効である。
【0031】また、仮レンズの形状は、一般に中心軸回
りに回転体とされた円形外周面を有する球殻形状とされ
るが、その他、例えば、患者眼16上での周方向の位置
決め手段の付与等の目的で、レンズ内面と外面の曲率中
心を偏倚させて予め一定のプリズムバラストを設定した
仮レンズや、外周縁部を楕円等の異形としたトランケー
ション、或いはダイナミックステビリゼーション構造を
採用した仮レンズなども、適宜に採用され得る。なお、
プリズムバラストやトランケーション、ダイナミックス
テビリゼーション構造等は、一般的な中心軸回りの回転
体である球殻形状の仮レンズをレーザビームで加工する
ことによって、完成品のコンタクトレンズに付与するこ
とも、勿論可能である。
【0032】更にまた、仮レンズには、観察や測定を容
易に或いは高精度に行うために、レンズ表面の全面や外
周部分等の特定領域や特定位置だけに、点や線等による
適当な指標を、視覚光学的に影響を与えない範囲で、或
いは消去可能な手法によって、付与することが可能であ
り、例えば、仮レンズの中心軸回りに延びる周方向線と
径方向に延びる径方向線をそれぞれ適数本表したり、仮
レンズの特定位置にドット(点)を表したり、仮レンズ
の全面に格子線を表したりした指標が採用され得る。な
お、このような指標は、仮レンズを検査のためだけに採
用し、眼用レンズとして別体レンズを採用する場合に
は、視覚光学的な影響等を考慮する必要がなくなること
から、自由に設定することが可能となる。
【0033】そして、ステップ:S4において、図4に
示されているように、上述の如くして選定された規格を
満足する特定の材料と形状からなる仮レンズ20を患者
眼16に装用せしめる。続いて、ステップ:S5におい
て、仮レンズ20を患者眼16上で安定位置せしめた装
用状態で、図5に示されているように、前述の如き眼光
学特性測定装置12を用いて、仮レンズ20を備えた患
者眼16の光学特性を測定する。
【0034】ここにおいて、かかる眼光学特性測定装置
12は、図1に示されているように、患者眼16に測定
光22を投射して網膜24に照射する光源を備えた測定
光照射光学系26と、測定光22の網膜24での反射光
を検出する受光素子を備えた反射光受光光学系28を含
んで構成されている。そして、測定光照射光学系26に
より患者眼16の角膜18から瞳孔30を通じて水晶体
32から網膜24に照射された測定光22が、網膜24
で反射されて、再び水晶体32,瞳孔30および角膜1
8を通って反射光として外部に導かれて反射光受光光学
系28によって検出されるようになっており、反射光受
光光学系28で検出された反射光の歪等に基づいて、患
者眼16における屈折力や収差を演算装置34で算出す
るようになっている。
【0035】具体的には、このような眼光学特性測定装
置12は、例えば、ハルトマン・シャック波面検出器
(HSWS)によって有利に構成される。かかる波面検
出器(HSWS)は、公知技術であることから詳細な説
明を省略するが、患者眼16の網膜24上のスポットか
らの単色の反射光の波面を2次元小レンズ配列に導き、
スポットの像の配列としてサンプルするものであり、か
かる2次元小レンズ配列によって検出されるスポット像
の位置ずれをCCDセンサで測定した結果に基づいて、
患者眼16における高次収差をも含んだ波面収差として
測定するようになっており、極めて短時間で、患者眼の
収差を他覚的に測定することが可能である。しかも、こ
の波面検出器においては、必要に応じて指標を用い、眼
底像の結像を反射光から測定すること等によって眼屈折
力を併せて測定することも出来ることから、前述のステ
ップ:S1における患者眼16の基本情報の取得に際し
ても利用することが可能となる。
【0036】なお、眼光学特性測定装置12には、キー
ボードやマウス等のデータ入力・操作装置36が設けら
れていると共に、装置作動状態や測定結果等を外部表示
するためのCRT等の表示装置38が設けられており、
更に、演算処理プログラムや測定結果等を必要に応じて
記憶させるためのメモリやハードディスク等の記憶装置
40が装備されている。
【0037】さらに、ステップ:S6において、患者眼
16において目的とする光学特性を実現するために必要
とされる仮レンズ20の加工用データを、眼光学特性測
定装置12を利用して算出する。即ち、眼光学特性測定
装置12は、患者眼16において目的とする光学特性を
データ入力・操作装置36から入力することにより、演
算装置34において、かかる目的とする光学特性を患者
眼において実現するために必要とされるコンタクトレン
ズの外面形状を算出するようになっている。なお、演算
装置34は、マイクロコンピュータによって構成されて
おり、そこにおいて、上述の如き測定光受光光学系26
によって得られたデータから眼屈折力や眼収差を算出す
る眼屈折力演算部や眼収差演算部、更に目的とするコン
タクトレンズの外面形状を算出するレンズ形状演算部
が、何れも、マイクロコンピュータに適当な演算処理プ
ログラムをインストールすることによって、有利に構成
され得る。
【0038】ここにおいて、目的とする光学特性を患者
眼16に付与するために必要なコンタクトレンズの外面
形状の算出は、例えば、上述のステップ:S5で眼光学
特性測定装置12によって測定された、仮レンズ20を
装用した患者眼16の光学特性である眼屈折力と眼収差
を、ステップ:S2で決定された患者眼16において要
求される光学特性である眼屈折力と眼収差の各目標値と
比較して、それら両者の差を求めると共に、求められた
光学特性の差を実現するために必要とされる仮レンズ2
0の外面形状の変化量を、周知のスネルの法則に基づく
算式を用いて算出し、次いで、求められた仮レンズ20
の変化量を、ステップ:S3で選定されて患者眼16に
装用されている仮レンズ20の外面形状に加えることに
よって、行うことが可能である。
【0039】そして、続くステップ:S7において、こ
のようにして算出された仮レンズ20の補正後の形状
を、患者眼16に装用せしめた仮レンズ20に与えるこ
とによって、ステップ:S2で決定された、患者眼16
に必要とされる光学特性を与える仮レンズ20が実現さ
れ得るのであり、そのための仮レンズ20の加工が、本
実施形態では、図6に示されているように、レンズ加工
用レーザ装置14を用いて行われる。
【0040】このレンズ加工用レーザ装置14は、従来
からLASIKとして周知の手法に従い角膜をアブレー
ションして整形する角膜手術装置を採用することが可能
であり、例えば特開平9−266925号公報等に記載
の装置や市販の適当な装置を利用することにより、ステ
ップ:S6で求めた仮レンズ20の目標形状を、仮レン
ズ20を患者眼16に装用せしめたままの状態で実現す
ることが可能となる。
【0041】具体的には、かかるレンズ加工用レーザ装
置14としては、エキシマレーザ照射装置を備えたもの
が好適に採用されることとなり、例えば、矩形ビームの
往復運動と照射部の回転運動の組合せによって複数方向
からのレーザビーム照射を可能とすることで切除部分の
設定自由度と均一性を向上させたものや、円形ビームと
スリットの2種類の組合せによって線状やスポット状等
の複数種類のレーザビーム照射形状を選定可能として照
射部位を微調節可能としたもの、更に、レーザビームの
周縁部分にトランジッションゾーンを設定することによ
りレーザビームの照射部分と非照射部分の境界に生ずる
段差を滑らかな傾斜状と為し得るようにしたもの、或い
はレーザビームによる切除の焦点の微調整精度を向上さ
せてサブミクロン単位での微量切除を可能としたものな
どが、適宜に組み合わせられて採用される。
【0042】また、このようなレンズ加工用レーザ装置
14は、レーザビームの照射位置や、レーザ照射パルス
数およびレーザ照射パワーを、コンピュータによって制
御されるようになっており、ステップ:S6で求められ
た目的とする仮レンズ20の形状データを提供すること
によって、そのような仮レンズ20の形状を実現し得る
ように作動制御されることとなる。
【0043】そこにおいて、加工用レーザ装置14のレ
ーザビームによる仮レンズ20の切除量は、例えば、ス
テップ:S6で求められた目的とする仮レンズ20の外
面形状と予め与えられた仮レンズ20の外面形状との差
の分布状態を表す三次元的情報として与えられることと
なる。また、この切除量に関する三次元的情報を算出す
るに際しては、予め与えられた仮レンズ20の外面形状
に対する、目的とする仮レンズ20の外面形状の差の最
小値が0以下となるように設定されて、装用せしめられ
た仮レンズ20に対して外面の切除加工だけで目的とす
る仮レンズ20の外面形状が実現可能とされると共に、
予め与えられた仮レンズ20の外面形状に対する、目的
とする仮レンズ20の外面形状の差の最大値が仮レンズ
20の切除許容量を越えないように設定されて、仮レン
ズ20の実用的な肉厚寸法が確保されるように調節す
る。更に、上述の切除量に関する三次元的情報は、上述
の如く、目的とする仮レンズ20の外面形状と予め与え
られた仮レンズ20の外面形状との差から、そのまま分
布を求めることによって得ることも可能であるが、その
他、例えば、仮レンズ20の光学領域を同心円状や短冊
状,枡目状等の適当な形状をもって複数の領域に区分し
て、各領域毎に目的とする曲率を近似的に算出した結果
を用いて切除量の分布データを得ることも可能である。
特に、後者の如く仮レンズ20の外面を適当な大きさの
複数の領域に分割することによって、各領域の面形状を
数式で表現できる球面や非球面として設定することも可
能となって、レーザビームの作動制御の簡略化も図られ
得る。
【0044】而して、図7に示されているように、上述
の如きレーザ加工によって提供された眼用レンズとして
のコンタクトレンズ42にあっては、患者眼16に対し
て形状的にも光学的にも適合したものであり、目的とす
る光学特性が設定されることによって、特に、近視や遠
視等の屈折異常を補償し得るだけでなく、非点収差等の
波面収差乃至は高次の収差も補償し得るものであって、
患者眼16に対してベストフィットして極めて高度な視
覚能力を実現し得るのである。
【0045】また、本実施形態においては、患者眼16
の角膜18上に装用せしめたコンタクトレンズ42をレ
ーザ加工して整形することによって、収差を含めた高度
な視覚補償乃至は視覚補正が実現されることから、角膜
18を含む患者眼16に対して何等の外的操作を加える
ことがないのであり、それによって、高度な安全性が発
揮され得るのである。
【0046】なお、前述の如きステップ:S5〜7にお
ける仮レンズの形状の設定から加工による形状の付与に
至る作業に際しては、誤差や錯誤が発生する場合がある
が、そのような誤差や錯誤に起因する不具合を回避し
て、目的とする視覚補償をより安定して実現するために
は、フィードバック的な検査工程を設けることが有効で
あり、その一具体例が、図8において、図2に対応した
フローチャートによって示されている。
【0047】すなわち、図8に示されたフローチャート
に従うコンタクトレンズの製造方法においては、前述の
如き手法に従ってステップ:S1〜7でコンタクトレン
ズ42を形成した後、検査工程としてのステップ:S8
において、形成されたコンタクトレンズ42を装用せし
めた状態での患者眼16の光学特性を、ステップ:S5
での操作と略同様にして測定し、続くステップ:S9に
おいて、ステップ:S7で得られた光学特性が、ステッ
プ:S2で設定した目的とする光学特性を満足している
か否かを判断する。そして、形成されたコンタクトレン
ズ42を装用せしめた患者眼16が目的とする光学特性
の許容範囲内にあれば、コンタクトレンズの製造が正常
に行われたものと判断して、コンタクトレンズの製造を
終了する一方、コンタクトレンズ42を装用せしめた患
者眼16が目的とする光学特性の許容範囲から外れてい
た場合には、再びステップ:S5以降を繰り返して実施
することによって、コンタクトレンズ42を再加工する
ことによって、ステップ:S8で満足できる光学特性が
確認されるまで、光学特性の修正を実施するようにされ
る。
【0048】以上、本発明の実施形態について詳述して
きたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、か
かる実施形態における具体的な記載によって、何等、限
定的に解釈されるものでない。
【0049】例えば、前記実施形態では、患者眼16に
おける近視や遠視等の屈折異常を矯正する場合について
説明したが、そのような屈折異常が問題とならない場合
にも本発明を適用することが可能であり、それによっ
て、非点収差等の波面収差だけの補償が可能となる。な
お、高次の収差が問題とならない場合にも本発明が同様
に適用可能であることも、勿論であり、それによって焦
点ずれ等の屈折異常だけの補償も可能となる。
【0050】また、前記実施形態では、患者眼16に装
用せしめたままの状態で仮レンズ20にレーザ加工を施
したが、仮レンズ20を患者眼16から外した状態で加
工したり、或いは患者眼16に装用せしめた仮レンズ2
0と同じベースカーブと材料で形成された別の加工用レ
ンズを、患者眼16に装用しないで加工することによ
り、目的とするコンタクトレンズ42を製造すること
も、勿論可能である。
【0051】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施可能であり、また、そのような
実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、
本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまで
もない。
【0052】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従えば、患者眼における近視や遠視等の屈折異常だけ
でなく、必要に応じて高次の収差をも含む波面収差まで
高度に補償することの出来るコンタクトレンズ等の眼用
レンズを容易に製造することが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコンタクトレンズの製造装置の一
実施形態の概略構造を示すブロック図である。
【図2】本発明に従うコンタクトレンズの製造方法の一
実施形態を説明するためのフローチャートである。
【図3】図2に示されたフローチャートに従ってコンタ
クトレンズを製造するに際しての一製造工程を説明する
ための説明図である。
【図4】図2に示されたフローチャートに従ってコンタ
クトレンズを製造するに際しての別の製造工程を説明す
るための説明図である。
【図5】図2に示されたフローチャートに従ってコンタ
クトレンズを製造するに際しての更に別の製造工程を説
明するための説明図である。
【図6】図2に示されたフローチャートに従ってコンタ
クトレンズを製造するに際しての更に別の製造工程を説
明するための説明図である。
【図7】図2に示されたフローチャートに従ってコンタ
クトレンズを製造するに際しての更に別の製造工程を説
明するための説明図である。
【図8】本発明に従うコンタクトレンズの製造方法の別
の実施形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 コンタクトレンズ製造装置 12 眼光学特性測定装置 14 レンズ加工用レーザ装置 16 患者眼 18 角膜 20 仮レンズ 34 演算装置 42 コンタクトレンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61F 9/00 500 (72)発明者 洲崎 朝樹 愛知県春日井市高森台五丁目1番地10 株 式会社メニコン総合研究所内 Fターム(参考) 2H006 BC07 DA00 DA08 4E068 DA00 DB13

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者眼に仮レンズを装用せしめた状態
    で、該患者眼の光学特性を測定して収差情報を含む該患
    者眼の光学情報を取得する測定工程と、 前記仮レンズを装用せしめた状態での前記患者眼におけ
    る収差を補正して、該患者眼に要求される光学特性を実
    現するために必要とされる該仮レンズの形状に関するレ
    ンズ形状補正情報を、前記測定工程で取得した光学情報
    に基づいて求める形状演算工程と、 該形状演算工程で求めたレンズ形状補正情報に基づい
    て、前記仮レンズまたは該仮レンズと同一材料で形成し
    た別レンズからなる加工用レンズを加工することによっ
    て、前記患者眼に適合した眼用レンズを形成するレンズ
    加工工程とを、有することを特徴とする眼用レンズの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記レンズ加工工程において、目的とす
    る眼用レンズよりも厚肉とされた前記加工用レンズに対
    してレーザビームを照射して成形加工することにより前
    記眼用レンズを形成する請求項1に記載の眼用レンズの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記レーザービームとして、レーザのパ
    ルス間隔がフェムト秒以下のものを採用する請求項2に
    記載の眼用レンズの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記形状演算工程において、前記仮レン
    ズの内面の形状を不変とし、前記患者眼に要求される光
    学特性を実現するために必要とされる該仮レンズの形状
    に関するレンズ形状補正情報を、該仮レンズの外面の形
    状補正情報として求める請求項1乃至3の何れかに記載
    の眼用レンズの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記レンズ加工工程において、前記仮レ
    ンズを前記加工用レンズとして、該仮レンズを前記患者
    眼に装用せしめた状態で該仮レンズの外面にレーザビー
    ムを照射することにより、該仮レンズを加工する請求項
    4に記載の眼用レンズの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記レンズ加工工程の完了後、得られた
    眼用レンズを前記患者眼に装用せしめた状態で、該患者
    眼の光学特性を測定して確認する確認工程を有すると共
    に、該確認工程において、前記眼用レンズを装用せしめ
    て測定した前記患者眼の光学特性が、該患者眼に要求さ
    れる光学特性を満足していない場合に、該眼用レンズを
    前記仮レンズとして前記形状演算工程を実施すると共
    に、該眼用レンズを前記加工用レンズとして前記レンズ
    加工工程を実施する請求項1乃至5の何れかに記載の眼
    用レンズの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記レンズ加工工程において、前記レー
    ザビームの照射による前記加工用レンズの加工と並行し
    て、該加工用レンズを装用せしめた前記患者眼における
    光学特性を測定する請求項5に記載の眼用レンズの製造
    方法。
  8. 【請求項8】 前記加工用レンズがコンタクトレンズお
    よび人工角膜の何れかである請求項1乃至7の何れかに
    記載の眼用レンズの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記加工用レンズにおいて、前記患者眼
    への装用状態で周方向に位置決めするための位置安定化
    手段が設けられている請求項1乃至8の何れかに記載の
    眼用レンズの製造方法。
  10. 【請求項10】 患者眼に仮レンズを装用せしめた状態
    で、該患者眼の光学特性を測定して収差情報を含む該患
    者眼の光学情報を取得する測定手段と、 前記仮レンズを装用せしめた状態での前記患者眼におけ
    る収差を補正して、該患者眼に要求される光学特性を実
    現するために必要とされる該仮レンズの形状に関するレ
    ンズ形状補正情報を、前記測定手段によって取得した光
    学情報に基づいて求める形状演算手段と、 該形状演算手段によって求めたレンズ形状補正情報に基
    づいて、前記仮レンズまたは該仮レンズと同一材料で形
    成した別レンズからなる加工用レンズを加工することに
    よって、前記患者眼に適合した形状の眼用レンズを形成
    するレンズ加工手段とを、有することを特徴とする眼用
    レンズの製造装置。
  11. 【請求項11】 前記レンズ加工手段が、前記加工用レ
    ンズを前記患者眼に装用せしめた状態でレーザビームを
    照射して該加工用レンズの外面を加工するレーザ加工手
    段によって構成されている請求項10に記載の眼用レン
    ズの製造装置。
  12. 【請求項12】 前記測定手段において、前記加工用レ
    ンズを装用せしめた前記患者眼における光学特性を、前
    記レンズ加工手段による該加工用レンズの加工と並行し
    て測定し得るようにされている請求項11に記載の眼用
    レンズの製造装置。
  13. 【請求項13】 前記レンズ加工手段による前記加工用
    レンズの加工と並行して、前記測定手段による前記患者
    眼における光学特性の測定を適当な時間間隔で行い、該
    測定手段によって測定された該加工用レンズを装用せし
    めた前記患者眼の光学情報に基づいて、前記形状演算手
    段により、該患者眼に要求される光学特性を実現するた
    めに必要とされる該加工用レンズの外面に対する加工量
    を求めて、該加工量に従い、前記レンズ加工手段による
    該加工用レンズの加工量を逐次に変更設定する請求項1
    2に記載の眼用レンズの製造装置。
  14. 【請求項14】 患者眼に仮レンズを装用せしめた状態
    で、該患者眼の光学特性を測定して収差情報を含む該患
    者眼の光学情報を取得し、かかる光学情報に基づいて、
    該仮レンズを装用せしめた状態下での該患者眼における
    収差を補正すると共に、該患者眼に要求される光学特性
    を実現するために必要とされる前記仮レンズの形状を決
    定することを特徴とする眼用レンズの設計方法。
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