JP2003012703A - 無水環境下での包接複合体の製造方法 - Google Patents

無水環境下での包接複合体の製造方法

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JP2003012703A
JP2003012703A JP2001203342A JP2001203342A JP2003012703A JP 2003012703 A JP2003012703 A JP 2003012703A JP 2001203342 A JP2001203342 A JP 2001203342A JP 2001203342 A JP2001203342 A JP 2001203342A JP 2003012703 A JP2003012703 A JP 2003012703A
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JP
Japan
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cyclodextrin
inclusion complex
solution
dissolved
glycols
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JP2001203342A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Sumiyoshi
秀幸 住吉
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Japan Maize Products Co Ltd
Nihon Shokuhin Kako Co Ltd
Original Assignee
Japan Maize Products Co Ltd
Nihon Shokuhin Kako Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水による加水分解を受けやすい、あるいは水に
難溶性または不溶性である有機化合物で、グリコール類
に可溶な化合物を、無水または含水率の極めて少ない環
境下でシクロデキストリンと包接複合体を製造すると同
時に、従来は添加が困難であった透明樹脂等への包接複
合体の混合を容易とする方法 【解決手段】グリコール類あるいはそれらの混合物にシ
クロデキストリン類および炭化水素類、芳香族類、テル
ペン類またはポリフェノール類あるいはこれらの配糖体
を溶解せしめ混合することで、従来の方法より高率よく
包接複合体を得ると同時に、樹脂に練り込み易く、透明
度を損なわない、グリコール類溶液としてのシクロデキ
ストリン包接複合体を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シクロデキストリ
ン類と有機化合物を無水あるいは含水率の極めて低い条
件下で包接複合体を製造する方法に関する。更に詳しく
は、シクロデキストリン類を無水あるいは含水率の低い
グリコール類に溶解した溶液中に、水の存在下では加水
分解しやすい、あるいは溶解しない、またはしにくい、
炭化水素類、芳香族類、テルペン類またはポリフェノー
ル類あるいはこれらの配糖体などの有機化合物を添加、
攪拌することで容易に包接複合体を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】シクロデキストリンは、グルコース分子
がα‐1,4‐結合により環状に結合した非還元性環状
オリゴ糖で、その分子の外側が親水性、分子空洞内部が
疎水性を示す特異な分子構造を持つ。その分子空洞内部
に親油性の有機化合物を取り込み、包接複合体を形成す
ることは、既に公知である。
【0003】しかし、現在までシクロデキストリンの空
洞内部に有機化合物を導入せしめる方法は、シクロデキ
ストリンと有機化合物を、水を媒体とし作用させること
を必須条件としているのがほとんどである。
【0004】包接複合体の形成は、ファンデルワールス
力、静電気的引力、水素結合等の物理化学的な引力が働
くことで成立し、水溶液中で物理化学的な化学平衡に従
う。
【0005】シクロデキストリンが有機化合物と包接複
合体を形成するためには、それぞれの物質が分子状態で
分散していることが必要であり、その媒体として水を用
いる。
【0006】ところが、水に難溶性の物質は、水への溶
解速度が極端に遅いため、包接に長時間を必要とし、こ
こで得られた包接複合体の一部は水溶液中では不安定
で、再びシクロデキストリンから遊離し、再結晶化によ
る沈殿が生じることがあった。
【0007】また、水に溶解しにくい、または溶解しな
い物質では、飽和メチル化シクロデキストリンや飽和ア
シル化シクロデキストリンのごとく、親油性シクロデキ
ストリンを用いる以外に、十分実用的な包接複合体の形
成を実現できなかった。
【0008】さらに、水系で調製した包接複合体は、プ
ラスチック等の石油化学製品への練り混みの際、含有す
る水分が高いため、十分均一に練り込むことができなか
ったり、射出成形等の工程で成形を阻害したりすること
が多かった。
【0009】加えて、水による加水分解を受けやすい過
酸化化合物等では、包接複合体形成の過程で、あるいは
包接複合体を乾燥させる際の加熱及び水蒸気で分解し、
歩留まりを低下する原因となっていた。
【0010】例えば、特開6‐54664のごとく、結
晶性が強く、その結果水溶性の極端に低いルチンの水溶
性包接複合体を得るため、ルチンを熱アルコールに溶解
した後、弱アルカリ水溶液環境下でルチンの結晶化を抑
制しなかせら包接させる手法が既に開発されている。
【0011】しかしながら、本方法では弱アルカリ環境
であるため、ルチンの加水分解をわずかながら促し、そ
の得られる包接複合体に若干量のルチン加水分解物が混
入していた。更に得られた乾燥粉末は、乾燥原液が水溶
液であるため、少なくとも5%近い水分を含有し、これ
以上の加熱乾燥は、ルチンの分解を促し、プラスチック
などの混練原料として適当な水分1%未満を達成するこ
とは極めて困難であった。
【0012】シクロデキストリンを溶解せしめるピリジ
ン等の無水塩基性有機溶剤中で一部の有機化合物との包
接複合体を形成することが知られているが、用いる有機
溶剤が人体に対し有害な化合物であるため、食品、化粧
品、医薬品等の用途には応用できなかった。
【0013】本発明者らは、シクロデキストリン類が食
品、化粧品、医薬分野で添加物として用いられている無
水グリコール類によく溶解し、その溶液中で炭化水素
類、芳香族類、テルペン類またはポリフェノール類ある
いはこれらの配糖体などの有機化合物と水溶性の高い包
接複合体を形成することを新たに見出し、食品・化粧品
および医薬分野においては水溶性の高い、塗料やプラス
チックなどの工業分野においては含水率1%未満の包接
複合体複合体を製造し、本発明を完成させた。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、シクロデキス
トリン類を無水あるいは含水量の少ないグリコール類に
溶解せしめた後、炭化水素類、芳香族類、テルペン類ま
たはポリフェノール類あるいはこれらの配糖体などの有
機化合物を同溶液に溶解せしめることで、無水あるいは
含水量の少ない環境下で包接複合体を得ることを特徴と
する包接複合体の製造方法を提供するものである。
【0015】本発明に用いるシクロデキストリンとは、
グルコースがα‐1,4‐結合で環状に結合した非還元
性環状オリゴ糖を示し、構成するグルコース個数が6〜
8個からなるα、β、γ‐シクロデキストリン、あるい
はグルコースやマルトース等のオリゴ糖を分岐糖鎖に持
つ分岐シクロデキストリン類、更にこれらシクロデキス
トリンまたは分岐シクロデキストリンにメチルなどのア
ルキル基や、2‐ヒドロキシエチル、2‐ヒドロキシプ
ロピル、2,3‐ジヒドロキシプロピル、2‐ヒドロキ
シブチル等のヒドロキシアルキル基等を結合させたシク
ロデキストリン誘導体、エピクロルヒドリンなどの架橋
剤を用いてシクロデキストリン類を結合して得たシクロ
デキストリンポリマー類、またはこれらの混合物など、
用いる無水グリコール類に溶解できるシクロデキストリ
ン類を用いることができる。
【0016】グルコースやマルトース、フラクトイース
やこれらのオリゴ糖などの不純物を含むシクロデキスト
リン混合物も無水グリコールに溶解できるならば同等の
効果を得ることができるが、これら単糖類およびオリゴ
糖類は融点または分解点温度が低く、グリコールに溶解
する際の加熱混合時に、オリゴ糖などの不純物は分解、
変質する場合が多いので、原料としては望ましくない。
【0017】グリコール類とはエチレングリコール、ジ
エチレングリコール、グリセロール、プロピレングリコ
ール、1,3‐ブチレングリコール等のグリセロールモ
ノマー、またはこれらの2量体以上のオリゴマー、また
はこれらの混合物を用いることができる。
【0018】また、これらグリコール類またはそれらの
混合物に、メタノール、エタノール、1‐プロパノー
ル、2‐プロパノールなどのアルコール類を混合するこ
ともできる。
【0019】本発明を適用できる有機化合物とは、安息
香酸エステルやベンジルアルデヒドなどの炭化水素類ま
たは芳香族類、ゲラにオールやシトロネロール、ヒノキ
チオールなどの香料組成物であるテルペン類、ケルセチ
ンやヘスペリジン、カテキン等のポリフェノール類、ま
たはその配糖体で、グリセロールやプロピレングリコー
ルなどのグリコール類に溶解できるものを用いることが
できる。
【0020】シクロデキストリン類10〜50重量部を
含水量5%以下のグリコール類50〜90重量部に加
え、100〜270℃に加熱しながら溶解する。
【0021】用いるシクロデキストリン量とグリコール
類のそれぞれの重量比率は、シクロデキストリン類のグ
リコール類に対する溶解度に影響するが、α、β及びγ
‐シクロデキストリン、または分岐シクロデキストリン
類は、好ましくは10〜20重量部に対し、グリコール
類80〜90重量部を用いる。
【0022】アルキル化シクロデキストリン類やヒドロ
キシアルキル化シクロデキストリン類など、化学修飾し
たシクロデキストリン類は、導入された官能基の個数に
よって異なるが、グリセロール類にほぼ無制限に溶解さ
せることができる。
【0023】しかし、多量に溶解させることで溶液の粘
度が急増し、冷却したとき、プラスチック状の半固形分
となり、後の操作に大きな支障をきたす場合があるの
で、これらシクロデキストリン誘導体類を用いる場合、
シクロデキストリン類は最大50重量部以下に対し、グ
リコール類50重量部以上が望ましい。
【0024】本発明でシクロデキストリン類のグリコー
ル類へ溶解する際に用いる温度は、溶解するシクロデキ
ストリン類の熱分解温度以下で、且つ用いるグリコール
類の蒸発温度あるいは発火温度以下であることが望まし
く、100〜180℃であれば十分である。
【0025】また溶解に要する時間が長すぎると、たと
え分解点以下であっても徐々にシクロデキストリン類が
脱水または炭化するので、加熱温度及びシクロデキスト
リン類が変質しない、計画された適切な攪拌時間を採用
することが望ましい。
【0026】調製したシクロデキストリン類のグリコー
ル類溶液は、包接させる有機化合物が変質しない温度ま
で冷却する。
【0027】包接させる有機化合物が液状であるなら
ば、そのまま計画された包接量を添加し攪拌すればよ
い。
【0028】また固形あるいは結晶性の有機化合物であ
るならば、そのまま添加してもよいが、溶媒として用い
たものと同じ適量のグリコール類に溶解するか、エタノ
ール等の揮発性の高い適量の有機溶媒に溶解し、添加、
攪拌する。
【0029】エタノールなどのアルコール類を、ゲスト
に用いる有機化合物をあらかじめ溶解し用いる場合、こ
れらアルコール類に対するα、β、γ‐シクロデキスト
リンや分岐シクロデキストリンなどのシクロデキストリ
ン類の溶解度は小さいので、シクロデキストリン類が析
出しない、計画された量を用いるとよい。
【0030】グリコール類に溶解した化学修飾されたシ
クロデキストリン類は、アルコール類と混合しても析出
する場合はほとんどなく、この場合において、包接させ
るゲスト化合物を溶解させ添加するアルコール類は、包
接複合体形成に影響がない程度まで制限なく用いること
ができる。
【0031】包接複合体が完成したときに、包接させる
有機物溶液やシクロデキストリン類、包接させる有機化
合物中にある水や有機化合物を溶解するのに用いたエタ
ノール等の揮発性溶媒の残留が好ましくない場合は、減
圧加熱しながら攪拌するとよい。
【0032】包接複合体製造時の攪拌工程における温度
上限は、シクロデキストリン、グリコール及び添加する
有機化合物の分解点以下の温度とするとよい。
【0033】好ましくは、水の除去の場合は80〜10
0℃、エタノール等の揮発溶媒除去の場合は60〜80
℃が望ましい。
【0034】得られた包接複合体は必要に応じ、利用す
る分野の製品に用いる溶媒で適宜希釈して用いる。
【0035】
【実施例1】
【試験区】グリセロール(関東化学株式会社、特級試薬)
10gを5本の50mlナスフラスコにそれぞれ分取
し、オイルバスで150℃に加熱しながら、2‐ヒドロ
キシプロピル化β‐シクロデキストリン(目本食品化工
株式会社、平均置換度4.5、平均分子量1396.
4)を1、2、3、5、10gと、少量の水をそれぞれ
加え溶解した。このシクロデキストリン〜グリセロール
溶液を80℃に湯煎しながらあらかじめ熱エタノール
(関東化学株式会社、特級試薬)に溶解した20体積%
ルチン(無水ルチン、関東化学株式会社、試薬特級)溶
液を5ml加え、30分間十分に攪拌し均一化した後、
エバポレーターにてエタノールを減圧留去した。
【0036】得られた包接複合体溶液に水を加え溶解
し、室温に戻した後、メスフラスコにて200mlに定
容した。
【0037】この溶液を20℃に設定した恒温チャンバ
ー内に2週間静置し、過剰のルチンを析出させた。後、
溶液をメンブランフィルター(ニトロセルロース製、0.
45μm)にて濾過した後、二波長分光光度計にて溶解
しているルチン濃度(体積モル濃度)を定量し、同溶液に
溶解している2‐ヒドロキシプロピル化β‐シクロデキ
ストリンの濃度(体積モル濃度)に対する可溶化量として
プロットした溶解度相図を作成した。
【0038】
【対照区1】グリセロール10gを5本の200mlメ
スフラスコにそれぞれ分取し、オイルバスで150℃に
加熟しながら、2‐ヒドロキシプロピル化β‐シクロデ
キストリン(平均置換度4.5、平均分子量1396.
4)を1、2、3、及び10gをそれぞれ加え溶解し
た。このシクロデキストリン〜グリセロール溶液に、水
を加え200mlに定容した。シクロデキストリン〜グ
リセロール溶液を含む水溶液に、熱エタノールに溶解し
た20体積%ルチン溶液5mlを徐々に攪拌しながら加
えた。さらに30分間攪拌した後、得られた溶液全量
を、200ml容の密栓できるガラスビンに移し、20
℃に設定した垣温チャンバー内に2週間振盤撹枠し、過
剰のルチンを析出させた。後、溶液をメンブランフィル
ター(ニトロセルロース製、0.45μm)にて濾過した
後、二波長分光光度計にて溶解しているルチン濃度(体
積モル濃度)を定量し、同溶液に溶解している2‐ヒド
ロキシプロピル化β‐シクロデキストリンの濃度(体積
モル濃度)に対する可溶化量としてプロットした溶解度
相図を作成した。
【0039】
【対照区2】5本の200mlメスフラスコに、それぞ
れ2‐ヒドロキシプロピル化β‐シクロデキストリン
(平均置換度4.5、平均分子量1396.4)を1、
2、3、5及び10gと、200mlの水をそれぞれ加
え溶解した。このシクロデキストリン水溶液に、あらか
じめ熱エタノールに溶解した20%ルチン溶液5mlを
攪拌しながら徐々に加えた。さらに30分間攪拌した
後、この溶液全量を、200ml容の密栓できるガラス
ビンに移し、20℃に設定した恒温チャンバー内に2週
間振盈撹絆し、過剰のルチンを析出させた。後、溶液を
メンブランフィルター(ニトロセルロニス製、0.45
μm)にて濾過した後、二波長分光光度計にて溶解して
いるルチン濃度(体積モル濃度)を定量し、同溶液に溶解
している2‐ヒドロキシプロピル化β‐シクロデキスト
リンの濃度(体積モル濃度)に対する可溶化量としてプロ
ットした溶解度相図を作成した。
【0040】
【定量条件】二波長分光光度計λ=350nmにおける
吸光度を測定した。
【0041】定量時に、上記波長に於ける吸光度が1.
5を越える場合は水で精密に希釈し、その結果を用い
た。
【0042】
【定量標準液】無水ルチン(関東化学、特級試薬)2mg
を水に溶解し、100mlとしたものを用いた。
【0043】
【結果】図1に示すごと<、対照区2の溶液におけるル
チン溶解量がもっとも低く、ついで対照区1の溶液、そ
してグリセロールにあらかじめ溶解した2‐ヒドロキシ
プロピル化β‐シクロデキストリンを用い、無水条件下
にてルチンと包接した試験区で得た溶液中ルチン溶解量
は、対照区1や対照区2より高い値を示した。
【0044】溶解度相図の傾き及び可溶化包接複合体を
調製するに用いた物質量から推測して、ルチンと2‐ヒ
ドロキシプロピル化β‐シクロデキストリンとの包接複
合休におけるモル比率は1:2となった。
【0045】試験区は、グリセロールに溶解した2‐ヒ
ドロキシプロピル化β‐シクロデキストリンに、熱エタ
ノールに溶解したルチンは包接するように攪拌操作を加
えた後、水で希釈し、水溶液としている。
【0046】対照区1は、試験区と実験に用いる原料は
全く同じであるが、グリセロールに溶解した2‐ヒドロ
キシプロピル化β‐シクロデキストリンを所定量の水に
溶解した後、ルチンを加え、包接させるための攪拌操作
を行っている。
【0047】対照区2は、グリセロールを含まない2‐
ヒドロキシプロピル化β‐シクロデキストリン水溶液に
ルチンを加え、包接させるための攪拌操作を行ってい
る。
【0048】対照区1および2共に、包接に必要とされ
る水を媒体とした従来の包接操作であるが、試験区がこ
れら対照区に対し、ルチンの水溶性を有意に改善してい
ることは、グリコール溶液中でルチンが2‐ヒドロキシ
プロピル化β‐シクロデキストリンと、水を媒体とする
よりも効率よく包接複合体を形成しているものと考えら
れる。
【0049】
【表1】
【0050】
【実施例2】
【試験区】グリセロール5g、1、3-ブチレングリコ
ール10g、95%エタノール30gを混合し、2-ヒ
ドロキシプロピル化β-シクロデキストリン5gを溶解
したのち、油性甘草エキス0.1g、油性アロエベラエ
キス(9)0.1g、ティートゥリーオイル0.1g、
メチルパラベン0.2g、レモン香料0.05gを加え
攪拌し、透明な溶液Aを得た。別途、クエン酸0.06
5g、アスコルビン酸0.1gを溶解した後、0.1N
水酸化ナトリウムでpH6.5に調整した水溶液49.
45gを調整し、溶液Bを得た。溶液Bを室温にてマグ
ネチックスターラーにて攪拌しながら、溶液Aを徐々に
加えて、透明なローション#1を得た。
【0051】
【対照区1】グリセロール5g、1、3-ブチレングリ
コール10g、95%エタノール30gを混合したの
ち、油性甘草エキス0.1g、油性アロエベラエキス
(9)0.1g、ティートゥリーオイル0.1g、メチ
ルパラベン0.2g、レモン香料0.05gを加え攪拌
し、透明な溶液Cを得た。別途、クエン酸0.065
g、アスコルビン酸0.1gを溶解した後、0.1N水
酸化ナトリウムでpH6.5に調整した水溶液54.4
5gを調整し、溶液Bを得た。溶液Bを室温にてマグネ
チックスターラーにて攪拌しながら、溶液Cを徐々に加
えて、透明なローション#2を得た。
【0052】
【対照区2】グリセロール5g、1、3-ブチレングリ
コール10g、95%エタノール30gを混合したの
ち、油性甘草エキス0.1g、油性アロエベラエキス
(9)0.1g、ティートゥリーオイル0.1g、メチ
ルパラベン0.2g、レモン香料0.05gを加え攪拌
し、透明な溶液Dを得た。別途、2-ヒドロキシプロピ
ル化β-シクロデキストリン5g、クエン酸0.065
g、アスコルビン酸0.1gを溶解した後、0.1N水
酸化ナトリウムでpH6.5に調整した水溶液54.4
5gを調整し、溶液Eを得た。溶液Dを室温にてマグネ
チックスターラーにて攪拌しながら、溶液Eを徐々に加
えて、透明なローション#3を得た。
【0053】
【結果】得られたローション#1〜3を室温にて静置保
管したところ、対照区1で得たローション#2は直ち
に、対照区2で得たローション#3は8時間後には白濁
し、24時間後はローション#2および3共に、容器底
面に沈殿物が生じた。
【0054】試験区で得たローション#1は、1週間経
過しても透明な状態を維持できた。
【0055】
【実施例3】グリセロール(関東化学株式会社、特級試
薬)80gを200mlナスフラスコに分取し、オイル
バスで180℃に加熟しながら、2‐ヒドロキシブチル
化β-シクロデキストリン(目本食品化工株式会社、平均
置換度3.5)40gを加え、焦げ付かないように加熟
溶解した。このシクロデキストリン〜グリセロール溶液
を80℃に湯煎しながら、あらかじめ脱水した熱エタノ
ール(関東化学株式会社、特級試薬)に溶解したグリチル
リチン酸(丸善化学株式会社)溶液20gを加え、30
分間十分に撹絆し均一化した後、エバポレーターにてエ
タノールを減圧留去した。
【0056】得られた包接複合体溶液を室温まで冷却し
て得た、極めて粘調な無色透明溶液中の水分をカールフ
ィッシャー法にて水分を定量した所、含水率は0.2%
であった。本品5gをpH4、5および6に課製した
0.1M酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液100mlに溶解
し、室温にて2週間放置した所、グリチルリチン酸の析
出は認められなかった。
【0057】
【実施例4】プロピレングリコール(関東化学株式会
社、特級試薬)80gを200mlナスフラスコに分取し、オ
イルバスで180℃に加熟しながら、β-シクロデキス
トリン(日本食品化工株式会社)20gを加え、焦げ付か
ないように加熱溶解した。このシクロデキストリン〜プ
ロピレングリコール溶液を80℃に湯煎しながら、あら
かじめ脱水した熱エタノール(関東化学株式会社、特級
試薬)に溶解した20%ケルセチン(関東化学閥、特級試
薬)溶液5gを加え、30分間十分に撹絆し均一化した
後、エバポレーターにてエタノールを減圧留去し、ケル
セチン〜β-シクロデキストリン包接複合体のプロピレ
ングリコール溶液を得た。
【0058】得られた包接複含体溶液は、水に可溶で、
その10%水溶液は室温で安定であった。
【0059】
【実施例5】グリセロール(関東化学株式会社、特級試
薬)80gを200mlナスフラスコに分取し、オイル
バスで180℃に加熟しながら、β-シクロデキストリ
ンポリマー(日本食品化工株式会社、エピクロルヒドリ
ン架橋、平均分子量5、000、固形分あたり、未架橋
β-シクロデキストリン5%、β-シクロデキストリン2
量体8%、β-シクロデキストリン3量体11%を含む
混合物)40gを加え、焦げ付かないように加熟溶解し
た。このシクロデキストリン〜グリセロール溶液を80
℃に湯煎しながら、あらかじめ脱水した熱エタノール
(関東化学株式会社、特級試薬)に溶解したルチン(無水
ルチン、関東化学株式会社、試薬特級)溶液20gを加
え、30分間十分に撹絆し均一化した後、エバポレータ
ーにてエタノールを減圧留去した。
【0060】得られた包接複合体溶液を室温まで冷却し
て得た、極めて粘調な黄色透明溶液中の水分をカールフ
ィッシャー法にて水分を定量した所、含水率は0.1%
であった。
【0061】得られた包接複合体溶液0.1gを分取
し、透明2液式エポキシ樹脂Devcon ET60g
(ITWインダストリー株式会社、主剤・硬化剤混合比
2:1)に混合し、型に入れ硬化させたところ、透明で
鮮やかな黄色を示すエポキシ樹脂が得られた。
【0062】得られたエポキシ樹脂の外観色は、3ヶ月
間、室温蛍光灯下に放置しても、ルチンの退色は殆ど認
められなかった。
【発明の効果】以上説明したように本発明の包接複合体
は、シクロデキストリンと炭化水素類、芳香族類、テル
ペン類またはポリフェノール類あるいはこれらの配糖体
などの種々の有機化合物を溶解できるグリコール類を用
いることで、従来より効率のよく包接複合体を製造で
き、かつ得られた包接複合体は無水のグリコール類によ
る溶液として得られるため、従来は添加が困難であった
透明樹脂等への混合が容易となった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無水または5%以下のグリコール類に溶解
    したシクロデキストリン類と、炭化水素類、芳香族類、
    テルペン類またはポリフェノール類あるいはこれらの配
    糖体との包接複合体溶液の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の包接複合体を含む、含水
    率1%未満の同包接複合体のグリコール類溶液。
  3. 【請求項3】請求項1のグリコール類がエチレングリコ
    ール、グリセロール、プロピレングリコール、1,3‐
    ブチレングリコール等のグリコール類、またはこれらの
    2量体以上のオリゴマー、またはこれらの混合物であ
    り、無水または含水率5%以下であることを特徴とする
    溶媒にシクロデキストリンを溶解したものに、テルペン
    類またはポリフェノール類あるいはこれらの配糖体を混
    和して得られる包接複合体溶液の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1のシクロデキストリンが、α、
    β、γ‐シクロデキストリン、あるいはこれらにグルコ
    ースやオリゴ糖等の分岐糖鎖がα‐1、6‐結合して分
    岐した分岐シクロデキストリン、メチル基などを有する
    アルキル化シクロデキストリン、ヒドロキシエチル、ヒ
    ドロキシプロピル、ヒドロキシブチルなどを有するヒド
    ロキシアルキル化誘導体、エピクロルヒドリンなどの架
    橋剤を用いてシクロデキストリン類を結合して得たシク
    ロデキストリンポリマー類であり、且つ請求項2に示し
    た無水グリコール類に溶解できるシクロデキストリン類
    を用いることを特徴とする、無水あるいは含水量の少な
    い条件下で包接複合体溶液を製造する方法。
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