JP2003011307A - ポリアミド系積層二軸延伸フィルム - Google Patents

ポリアミド系積層二軸延伸フィルム

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JP2003011307A
JP2003011307A JP2001198905A JP2001198905A JP2003011307A JP 2003011307 A JP2003011307 A JP 2003011307A JP 2001198905 A JP2001198905 A JP 2001198905A JP 2001198905 A JP2001198905 A JP 2001198905A JP 2003011307 A JP2003011307 A JP 2003011307A
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polymer
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JP2001198905A
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Haruo Okudaira
晴男 奥平
Masatoshi Okuya
政稔 奥谷
Toshihide Maeda
敏秀 前田
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 包装用フィルムとして必要なフィルム品質で
ある酸素ガスバリヤ性、耐衝撃性及び耐屈曲疲労性、特
に、低温環境下における耐屈曲疲労性に優れ、各種の包
装材料として使用したときに、内容物の変質や変色を防
ぎ、さらには、輸送時、特に、低温輸送時における商品
の破袋防止にも効果がある包装用途に適したポリアミド
系積層2軸延伸フィルムを提供すること。 【解決手段】 メタキシリレンジアミン、若しくはメタ
キシリレンジアミン及びパラキシリレンジアミンからな
る混合キシリレンジアミンを主たるジアミン成分とし、
炭素数6〜12のα、ω−脂肪族ジカルボン酸を主たる
ジカルボン酸成分とするメタキシリレン基含有ポリアミ
ド重合体80〜50重量%と、メタキシリレン基を含有
しないポリアミド重合体20〜50重量%との混合重合
体からなるA層の少なくとも一方の面に、脂肪族ポリア
ミドを主たる構成成分とするポリアミド重合体からなる
B層が積層され、A層及びB層が2軸延伸されてなるこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素ガスバリヤ
性、耐衝撃性及び耐屈曲疲労性、特に、低温環境下にお
ける耐屈曲疲労性に優れ、食品包装等の包装材料として
使用したときに、内容物の変質防止や商品の輸送時にお
ける破袋防止等に効果があり、各種の包装用途に適した
ポリアミド系積層二軸延伸フィルムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、キシリレンジアミンを構成成
分とするポリアミド重合体からなるフィルムは、他の重
合体成分からなるフィルムに比べ、酸素ガスバリヤ性や
耐熱性に優れ、フィルム強度も強いという特性をもって
いる。
【0003】一方、ナイロン6やナイロン66に代表さ
れる脂肪族ポリアミドからなる未延伸フィルムや延伸フ
ィルムは、耐衝撃性や耐屈曲疲労性に優れており各種の
包装材料として広く使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のフィルムに
おいて、前者のキシリレンジアミンを構成成分とするポ
リアミド重合体からなるフィルムは耐屈曲疲労性を必要
とする包装材料に使用する場合において、真空包装等を
行う加工工程や、商品の輸送時における屈曲疲労による
ピンホールの発生が起こり易いという問題があった。商
品の包装材料にピンホールが発生すると、内容物の漏れ
による汚染、内容物の腐敗やカビの発生等の原因とな
り、商品価値の低下につながる。
【0005】一方、後者の脂肪族ポリアミドからなるフ
ィルムは、耐衝撃性や耐屈曲疲労性等のフィルム特性は
優れているが、酸素ガスバリヤ性が劣るという問題点が
あった。
【0006】さらに、これらの問題点を解決するため
に、キシリレンジアミンを構成成分とするポリアミド重
合体と脂肪族ポリアミド等を別々の押出機で溶融押出し
て積層し二軸延伸する方法(特開平4−270655号
公報)等が提案されている。
【0007】しかしながら、これらの方法においても、
良好な酸素ガスバリヤ性を有し、さらに、耐衝撃性や耐
屈曲疲労性等の包装用フィルムとして必要なフィルム特
性を兼備するという点においては、満足できるレベルに
は到っていない。
【0008】本発明は、上記従来のポリアミド系積層二
軸延伸フィルムの有する問題点を解決し、包装用フィル
ムとして必要なフィルム品質である酸素ガスバリヤ性、
耐衝撃性及び耐屈曲疲労性、特に、低温環境下における
耐屈曲疲労性に優れ、各種の包装材料として使用したと
きに、内容物の変質や変色を防ぎ、さらには、輸送時、
特に、低温輸送時における商品の破袋防止にも効果があ
る包装用途に適したポリアミド系積層二軸延伸フィルム
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のポリアミド系積層二軸延伸フィルムは、メ
タキシリレンジアミン、若しくはメタキシリレンジアミ
ン及びパラキシリレンジアミンからなる混合キシリレン
ジアミンを主たるジアミン成分とし、炭素数6〜12の
α、ω−脂肪族ジカルボン酸を主たるジカルボン酸成分
とするメタキシリレン基含有ポリアミド重合体80〜5
0重量%と、メタキシリレン基を含有しないポリアミド
重合体20〜50重量%との混合重合体からなるA層の
少なくとも一方の面に、脂肪族ポリアミドを主たる構成
成分とするポリアミド重合体からなるB層が積層され、
A層及びB層が2軸延伸されてなることを特徴とする。
【0010】この場合において、A層を構成する混合重
合体は、ポリアミド系ブロック共重合体を含有したもの
とすることができる。
【0011】また、この場合において、A層を構成する
混合重合体中にポリアミド系ブロック共重合体を8.5
〜20重量%含有したものとすることができる。
【0012】また、この場合において、ポリアミド系ブ
ロック共重合体を、 (a)ラクタム ω−アミノ脂肪族カルボン酸 脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸 脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸 の群から選択されたポリアミド成分によって構成された
ハードセグメントと、(b)ポリオキシアルキレングリ
コール成分によって構成されたソフトセグメントからな
るポリアミド系ブロック共重合体とすることができる。
【0013】また、この場合において、A層及び/又は
B層を構成するポリアミド重合体中に、脂肪酸アマイド
及び/又は脂肪酸ビスアマイドを0.01〜0.40重
量%含有したものとすることができる。
【0014】さらにまた、この場合において、A層の厚
みを、A層及びB層の合計厚みの20〜90%とするこ
とができる。
【0015】かかる本発明のポリアミド系積層二軸延伸
フィルムは、優れた酸素ガスバリヤ性を有すると共に耐
衝撃性及び耐屈曲疲労性、特に、低温環境下における耐
屈曲疲労性が良好であり、食品包装等において内容物の
変質や変色の防止に効果があり、さらに、輸送中、特
に、低温輸送時における衝撃や振動による屈曲疲労から
内容物を保護することができ、各種の包装材料として有
効に使用することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明のポリアミド系積層
二軸延伸フィルムの実施の形態を詳細に説明する。
【0017】本発明において用いる、メタキシリレンジ
アミン、若しくはメタキシリレンジアミン及びパラキシ
リレンジアミンからなる混合キシリレンジアミンを主た
るジアミン成分とし、炭素数6〜12のα、ω−脂肪族
ジカルボン酸を主たるジカルボン酸成分とするメタキシ
リレン基含有ポリアミド重合体において、パラキシリレ
ンジアミンは全キシリレンジアミン中30%以下である
のが好ましく、また、キシリレンジアミンと脂肪族ジカ
ルボン酸とから構成された構成単位は分子鎖中において
少なくとも70モル%以上であるのが好ましい。
【0018】本発明において用いる、メタキシリレン基
含有ポリアミド重合体の例としては、例えばポリメタキ
シリレンアジパミド、ポリメタキシリレンピメラミド、
ポリメタキシリレンスベラミド、ポリメタキシリレンア
ゼラミド、ポリメタキシリレンセバカミド、ポリメタキ
シリレンドデカンジアミド等のような単独重合体、及び
メタキシリレン/パラキシリレンアジパミド共重合体、
メタキシリレン/パラキシリレンピメラミド共重合体、
メタキシリレン/パラキシリレンスベラミド共重合体、
メタキシリレン/パラキシリレンアゼラミド共重合体、
メタキシリレン/パラキシリレンセバカミド共重合体、
メタキシリレン/パラキシリレンドデカンジアミド共重
合体等のような共重合体、ならびにこれらの単独重合体
又は共重合体の成分に一部ヘキサメチレンジアミンの如
き脂肪族ジアミン、ピペラジンの如き脂環式ジアミン、
パラ−ビス−(2−アミノエチル)ベンゼンの如き芳香
族ジアミン、テレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸、
ε−カプロラクタムの如きラクタム、アミノヘプタン酸
の如きω−アミノカルボン酸、パラ−アミノメチル安息
香酸の如き芳香族アミノカルボン酸等を共重合した共重
合体等が挙げられる。
【0019】また、本発明のポリアミド系積層二軸延伸
フィルムのA層を構成するのに用いることができるメタ
キシリレン基を含有しないポリアミド重合体の例として
は、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン12、ナイ
ロン6・10などの脂肪族ポリアミドや、ナイロン6/
6・6共重合体、ナイロン6/6・10共重合体、ナイ
ロン6・6/6・10共重合体などのような脂肪族ポリ
アミド共重合体や、これらの混合重合体などを挙げるこ
とができる。
【0020】さらに、本発明のA層を構成するのに用い
るメタキシリレン基を含有しないポリアミド重合体とし
て、ポリアミド系ブロック共重合体を使用することがで
きる。
【0021】この場合におけるポリアミド系ブロック共
重合体は、ポリアミド成分によって構成されるハードセ
グメントとポリオキシアルキレングリコール成分によっ
て構成されるソフトセグメントからなるポリアミド系ブ
ロック共重合体であり、ハードセグメントのポリアミド
成分は、ラクタム、ω−アミノ脂肪族カルボン酸、
脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸又は脂肪族ジ
アミンと芳香族ジカルボン酸よりなる群から選択され、
具体的には、ε−カプロラクタムの如きラクタム、アミ
ノヘプタン酸の如きω−アミノ脂肪族カルボン酸、ヘキ
サメチレンジアミンの如き脂肪族ジアミン、アジピン酸
の如き脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸の如き芳香族
ジカルボン酸を例示することができる。また、上記ポリ
アミド系ブロック共重合体のソフトセグメントを構成す
るポリオキシアルキレングリコールは、例えば、ポリオ
キシテトラメチレングリコール、ポリオキシエチレング
リコール、ポリオキシ−1,2−プロピレングリコール
等が挙げられる。
【0022】ポリアミド系ブロック共重合体の融点は、
ポリアミド成分によって構成されるハードセグメントと
ポリオキシアルキレングリコール成分によって構成され
るソフトセグメントの種類と比率によって決められる
が、通常は、120℃から180℃の範囲ものが使用さ
れる。
【0023】ポリアミド系ブロック共重合体をポリアミ
ド系積層二軸延伸フィルムの構成成分とすることによ
り、ポリアミド系積層二軸延伸フィルムの耐屈曲疲労
性、特に、低温環境下における耐屈曲疲労性の改善に効
果がみられる。
【0024】本発明のポリアミド系積層二軸延伸フィル
ムのB層を構成するポリアミド重合体は脂肪族ポリアミ
ドを主たる構成成分としており、例えば、ナイロン6、
ナイロン6・6、ナイロン12、ナイロン6・10など
の脂肪族ポリアミド単独重合体、あるいはこれらと共重
合可能なモノマー10重量%以下、好ましくは1〜10
重量%との共重合体、例えば、ナイロン6/6・6共重
合体、ナイロン6/6・10共重合体、ナイロン6・6
/6・10共重合体などのような脂肪族ポリアミド共重
合体で代表される脂肪族ポリアミド又はε−カプロラク
タムを主成分としこれとヘキサメチレンジアミンとイソ
フタル酸とのナイロン塩やメタキシリレンジアミンとア
ジピン酸とのナイロン塩などとを共重合させた少量の芳
香族を含むポリアミド共重合体等を使用することができ
る。
【0025】また、B層を構成するポリアミド重合体
は、B層を構成する脂肪族ポリアミドと相溶性のある他
のポリアミド重合体を10重量%以下、好ましくは1〜
10重量%混合することが可能であり、脂肪族ポリアミ
ドと相溶性のあるポリアミド重合体として、ナイロン6
/6・6共重合体、ナイロン6/6・10共重合体、ナ
イロン6・6/6・10共重合体などのような脂肪族ポ
リアミド共重合体、ε−カプロラクタムを主成分としこ
れとヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸とのナイロ
ン塩やメタキシリレンジアミンとアジピン酸とのナイロ
ン塩などとを共重合させた少量の芳香族を含むポリアミ
ド共重合体、メタキシリレンジアミンを主たるジアミン
成分として、炭素数6〜12のα、ω−脂肪族ジカルボ
ン酸を主たるジカルボン酸成分とするメタキシリレン基
含有ポリアミド重合体及び芳香族ポリアミドや、これら
の混合重合体を使用することができる。
【0026】B層を構成する脂肪族ポリアミドを主たる
構成成分とするポリアミド重合体により、本発明のポリ
アミド系積層二軸延伸フィルムの耐衝撃性や耐屈曲疲労
性が付与されるが、A層にメタキシリレン基含有ポリア
ミド重合体及びポリアミド系ブロック共重合体を少なく
とも組成の一部に有する、メタキシリレン基を含有しな
いポリアミド重合体により構成される混合重合体を使用
することにより、それぞれの重合体が有する特性の相乗
効果により耐衝撃性や耐屈曲疲労性が向上し、酸素バリ
ヤ性とのバランスがとれた高品質のポリアミド系積層二
軸延伸フィルムとすることができる。
【0027】本発明のA層を構成する混合重合体は、メ
タキシリレン基含有ポリアミド重合体80〜50重量%
とメタキシリレン基を含有しないポリアミド重合体20
〜50重量%との混合重合体からなるが、メタキシリレ
ン基を含有しないポリアミド重合体の一部又は全部がポ
リアミド系ブロック共重合体であるのが好ましく、ポリ
アミド系ブロック共重合体の割合は、A層を構成する混
合重合体中に8.5〜20重量%含有される量であるの
が好ましい。即ち、ポリアミド系積層二軸延伸フィルム
に酸素ガスバリヤ性を付与するためには、A層を構成す
る重合体中にメタキシリレン基含有ポリアミド重合体が
80〜50重量%必要であり、また、耐衝撃性と耐屈曲
疲労性、特に、低温環境下における耐屈曲疲労性を特性
的にバランスさせるためには、メタキシリレン基を含有
しないポリアミド重合体が20〜50重量%の範囲で含
有されている必要があり、さらに、メタキシリレン基を
含有しないポリアミド重合体としてポリアミド系ブロッ
ク共重合体が、A層を構成する混合重合体中で8.5〜
20重量%の割合を占めるのが好ましい。
【0028】メタキシリレン基含有ポリアミド重合体と
メタキシリレン基を含有しないポリアミド重合体とを混
合する割合、及び、メタキシリレン基を含有しないポリ
アミド重合体としてのポリアミド系ブロック共重合体を
混合する割合が上記の範囲の上限を超えると、酸素ガス
バリヤ性が不良となり、また、その混合する割合が上記
の範囲の下限を下回ると、耐衝撃性や低温環境下におけ
る耐屈曲疲労性の不良が発生し、フィルム品質の改良効
果が不充分であり、包装材料としての適性に欠ける。
【0029】本発明のポリアミド系積層二軸延伸フィル
ムのA層及び/又はB層を構成するポリアミド重合体に
含有させる脂肪酸アマイド及び/又は脂肪酸ビスアマイ
ドとしては、エルカ酸アマイド、ステアリン酸アマイ
ド、エチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビス
オレイン酸アマイドなどが挙げられる。
【0030】この場合の、A層及び/又はB層を構成す
るポリアミド重合体中に含有させる脂肪酸アマイド及び
/又は脂肪酸ビスアマイドの含有量は、好ましくは0.
01〜0.40重量%であり、さらに好ましくは0.0
5〜0.2重量%である。脂肪酸アマイド及び/又は脂
肪酸ビスアマイドの含有量が0.01重量%未満になる
と滑り性が悪く、印刷やラミネート等における加工適性
が不良となり、0.40重量%を超えると経時的にフィ
ルム表面へのブリードにより表面に斑を生ずることがあ
り、品質上好ましくない。
【0031】また、本発明のポリアミド系積層二軸延伸
フィルムにおける、メタキシリレン基含有ポリアミド重
合体とメタキシリレン基を含有しないポリアミド重合体
とから構成されるA層の厚み比率はA層及びB層(A層
の両表面にB層が積層されている場合はその合計厚み)
の合計厚みの20〜90%であるのが好ましい。A層の
厚み比率が90%を越えると耐衝撃性や耐屈曲疲労性が
充分でなく、20%未満であると酸素ガスバリヤ性が不
充分となる。
【0032】本発明のポリアミド系積層二軸延伸フィル
ムは、常温や低温環境下における弾性回復力が優れ、耐
衝撃性や耐屈曲疲労性が優れた特性を示すと共に、印刷
やラミネート等の加工適性も良好であり、各種の包装材
料として好適な積層二軸延伸フィルムである。
【0033】本発明のポリアミド系積層二軸延伸フィル
ムの厚みは特に制限されるものではないが、包装材料と
して使用する場合、通常100μm以下であり、一般に
は5〜50μmの厚みのものが使用される。
【0034】A層を構成するメタキシリレン基含有ポリ
アミド重合体とメタキシリレン基を含有しないポリアミ
ド重合体とを混合する方法には特に制限はないが、通常
はチップ状の重合体をV型ブレンダーなどを用いて混合
した後、溶融し成形する方法が用いられる。
【0035】本発明のポリアミド系積層二軸延伸フィル
ムのA層とB層を構成するポリアミド重合体には必要に
応じて他の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−
2,6−ナフタレート等のポリエステル系重合体、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系重合体
等をその特性を害さない範囲で含有させてもよい。
【0036】また、帯電防止剤や防曇剤、熱安定剤、紫
外線吸収剤、染料、顔料等の各種の添加剤を必要に応じ
て、ポリアミド重合体からなるA層及び/又はB層の一
方又は両方の層に含有させることができる。
【0037】本発明のポリアミド系積層二軸延伸フィル
ムは公知の製造方法により製造することができる。例え
ば、各層を構成する重合体を別々の押出機を用いて溶融
し、1つのダイスから共押出しにより製造する方法、各
層を構成する重合体を別々にフィルム状に溶融押出しし
てからラミネート法により積層する方法、及びこれらを
組み合わせた方法など任意の公知の方法をとることがで
き、延伸方法としては、フラット式逐次二軸延伸方法、
フラット式同時二軸延伸方法、チューブラー法などの公
知の方法を用いて縦方向に2〜5倍、横方向に3〜6倍
延伸し、必要により熱固定する。かくして、積層フィル
ムの透明性、酸素ガスバリア性や加工適性を向上させる
ことができる。
【0038】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は以下の例に限定されるものではな
い。なお、フィルムの評価は次の測定法によって行っ
た。
【0039】(1)酸素透過率(mL/m2・d・Mp
a) モダンコントロール社製のOX−TRAN 2/20を
使用し、温度23℃、相対湿度65%の条件で測定し
た。
【0040】(2)衝撃強度 東洋精機製作所社製のフィルムインパクトテスターを使
用し、温度23℃、相対湿度65%の環境下で測定し
た。
【0041】(3)耐屈曲疲労性(ピンホール数) 理学工業社製のゲルボフレックステスターを使用し、下
記の方法により耐屈曲疲労性を測定した。
【0042】実施例で作成したフィルムにポリエステル
系接着剤を塗布後、線状低密度ポリエチレンフィルム
(L−LDPEフィルム:東洋紡績社製、L6102)
40μmをドライラミネートし、40℃の環境下で3日
間エージングを行いラミネートフィルムとした。得られ
たラミネートフィルムを12インチ×8インチに裁断
し、直径3.5インチの円筒状にし、円筒状フィルムの
一端をゲルボフレックステスターの固定ヘッド側に、他
の端を可動ヘッド側に固定し、初期の把持間隔を7イン
チとした。
【0043】ストロールの最初の3.5インチで440
度のひねりを与え、その後2.5インチは直線水平運動
を全ストロールを終えるような屈曲疲労を、40回/m
inの速さで500回行い、ラミネートフィルムに発生
したピンホール個数を数えた。なお、測定は5℃の低温
環境下で行った。
【0044】(実施例1)2種3層の共押出しTダイ設
備を使用し、次のような構成の未延伸シートを得た。B
層/A層/B層の構成で、未延伸シートのトータル厚み
は190μmであり、トータル厚みに対するA層の厚み
比率は67%である。A層を構成する組成物:ポリメタ
キシリレンアジパミドが70重量%とナイロン6が18
重量%と融点が150℃のポリアミド系ブロック共重合
体(ソフトセグメント比率51%)が12重量%からな
る重合体組成物。B層を構成する組成物:ナイロン6が
99.85重量%とエチレンビスステアリン酸アマイド
が0.15重量%からなる重合体組成物。
【0045】得られた未延伸シートを縦方向に3.5倍
延伸し、続いて横方向に3.6倍延伸することにより1
5μmの二軸延伸フィルムを作成し、さらに、線状低密
度ポリエチレンフィルム(L−LDPEフィルム:東洋
紡績社製、L6102)40μmとドライラミネートす
る側のB層表面にコロナ放電処理を実施した。得られた
二軸延伸フィルムの酸素透過率、衝撃強度、ピンホール
数を測定した。その結果を表1に示す。
【0046】(実施例2)実施例1の記載において以下
のように代えた他は、実施例1と同様の方法で二軸延伸
フィルムを得た。 A層を構成する組成物:ポリメタキシリレンアジパミド
が70重量%とナイロン6が20重量%と融点が134
℃のポリアミド系ブロック共重合体(ソフトセグメント
比率79%)が10重量%からなる重合体組成物。
【0047】得られた二軸延伸フィルムの酸素透過率、
衝撃強度、ピンホール数を測定した。その結果を表1に
示す。
【0048】(実施例3)実施例1の記載において以下
のように代えた他は、実施例1と同様の方法で二軸延伸
フィルムを得た。 A層を構成する組成物:ポリメタキシリレンアジパミド
が68重量%とナイロン6が22重量%と融点が150
℃のポリアミド系ブロック共重合体(ソフトセグメント
比率51%)が10重量%からなる重合体組成物。 B層を構成する組成物:ナイロン6が94.85重量%
とポリメタキシリレンアジパミドが5重量%とエチレン
ビスステアリン酸アマイドが0.15重量%からなる重
合体組成物。
【0049】得られた二軸延伸フィルムの酸素透過率、
衝撃強度、ピンホール数を測定した。その結果を表1に
示す。
【0050】(比較例1)実施例1の記載において以下
のように代えた他は、実施例1と同様の方法で二軸延伸
フィルムを得た。 A層を構成する組成物:ポリメタキシリレンアジパミド
が97重量%と融点が150℃のポリアミド系ブロック
共重合体(ソフトセグメント比率51%)が3重量%か
らなる重合体組成物。
【0051】得られた二軸延伸フィルムの酸素透過率、
衝撃強度、ピンホール数を測定した。その結果を表1に
示す。
【0052】(比較例2)実施例1の記載において以下
のように代えた他は、実施例1と同様の方法で二軸延伸
フィルムを得た。A層とB層共に下記の組成物を使用し
た。 A層とB層を構成する組成物:ポリメタキシリレンアジ
パミドが94重量%とナイロン6が6重量%からなる重
合体組成物。
【0053】得られた二軸延伸フィルムの酸素透過率、
衝撃強度、ピンホール数を測定した。その結果を表1に
示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明のポリアミド系積層二軸延伸フィ
ルムは、優れた酸素ガスバリヤ性を有すると共に耐衝撃
性及び耐屈曲疲労性、特に、低温環境下における耐屈曲
疲労性が良好であり、食品包装等において内容物の変質
や変色の防止に効果があり、さらに、輸送中、特に、低
温輸送時における衝撃や振動による屈曲疲労から内容物
を保護することができ、各種の包装材料として有効に使
用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 9:00 B29L 9:00 (72)発明者 前田 敏秀 愛知県犬山市大字木津字前畑344番地 東 洋紡績株式会社犬山工場内 Fターム(参考) 4F100 AH02A AH02B AH02H AH03A AH03B AH03H AK47A AK47J AK48A AK48B AL02A AL05A BA02 BA10A BA10B BA16 CA19A CA19B EJ38 GB15 GB23 JD03 JK10 JK20 YY00A YY00B 4F210 AA29F AG01 AG03 QC05 QC06 QG01 QG15 QG18 4J002 CL031 EP016 EP026 GG02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタキシリレンジアミン、若しくはメタ
    キシリレンジアミン及びパラキシリレンジアミンからな
    る混合キシリレンジアミンを主たるジアミン成分とし、
    炭素数6〜12のα、ω−脂肪族ジカルボン酸を主たる
    ジカルボン酸成分とするメタキシリレン基含有ポリアミ
    ド重合体80〜50重量%と、メタキシリレン基を含有
    しないポリアミド重合体20〜50重量%との混合重合
    体からなるA層の少なくとも一方の面に、脂肪族ポリア
    ミドを主たる構成成分とするポリアミド重合体からなる
    B層が積層され、A層及びB層が2軸延伸されてなるこ
    とを特徴とするポリアミド系積層二軸延伸フィルム。
  2. 【請求項2】 A層を構成する混合重合体が、ポリアミ
    ド系ブロック共重合体を含有してなることを特徴とする
    請求項1記載のポリアミド系積層二軸延伸フィルム。
  3. 【請求項3】 ポリアミド系ブロック共重合体を8.5
    〜20重量%含有してなることを特徴とする請求項2記
    載のポリアミド系積層二軸延伸フィルム。
  4. 【請求項4】 ポリアミド系ブロック共重合体が、
    (a)ラクタム ω−アミノ脂肪族カルボン酸 脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸 脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸 の群から選択されたポリアミド成分によって構成された
    ハードセグメントと、(b)ポリオキシアルキレングリ
    コール成分によって構成されたソフトセグメントとから
    なるポリアミド系ブロック共重合体であることを特徴と
    する請求項2又は3記載のポリアミド系積層二軸延伸フ
    ィルム。
  5. 【請求項5】 A層及び/又はB層を構成するポリアミ
    ド重合体が、脂肪酸アマイド及び/又は脂肪酸ビスアマ
    イドを0.01〜0.40重量%含有してなることを特
    徴とする請求項1、2、3又は4記載のポリアミド系積
    層二軸延伸フィルム。
  6. 【請求項6】 A層の厚みが、A層及びB層の合計厚み
    の20〜90%であることを特徴とする請求項1、2、
    3、4又は5記載のポリアミド系積層二軸延伸フィル
    ム。
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