JP2003005910A - 弾性表面波タッチパネル - Google Patents

弾性表面波タッチパネル

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JP2003005910A
JP2003005910A JP2001187217A JP2001187217A JP2003005910A JP 2003005910 A JP2003005910 A JP 2003005910A JP 2001187217 A JP2001187217 A JP 2001187217A JP 2001187217 A JP2001187217 A JP 2001187217A JP 2003005910 A JP2003005910 A JP 2003005910A
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Fumio Kimura
文雄 木村
Hideki Kitajima
秀樹 北島
Takashi Sarada
孝史 皿田
Masataka Araogi
正隆 新荻
Koji Toda
耕司 戸田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性表面波タッチパネルの弾性表面波の伝搬
距離に起因した、間欠駆動時の起動時間が遅いという問
題を解決する事を目的とする。 【解決手段】 おのおの透明基板表面に対向する二つの
圧電板のうち、片側の圧電板には2対のすだれ状電極が
形成されると共に、自励振回路はこの2対のすだれ状電
極と圧電効果によって生じるバンドパスフィルター特性
を利用した、遅延線型自励振回路とし、もう片方の圧電
板によって弾性表面波を受信する事で、間欠駆動時の起
動時間を短縮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶、パソコンCR
T等の表示テ゛ハ゛イスに利用されるタッチパネル、特に弾性
表面波を利用した弾性表面波タッチパネルの弾性表面波
駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】タッチパネルの機能は、人体指先または
他の物質等の媒体をタッチパネル表面の特定位置に接触
させ、その接触位置を検出する事にある。
【0003】従来のタッチパネルは、抵抗膜及び導電性
フィルムを使用する方法と弾性表面波を使用する方法に
大別されている。まず抵抗膜を用いる方法では、透明導
電性フィルムに接触することにより、その透明導電性フ
ィルムの抵抗値が変化することを利用したものであり、
小型化及び薄型化が可能でありしかも低消費電力化も可
能であるものの応答時間、感度、耐久性等の点で問題を
有している。さらに抵抗膜や導電性フィルムを透明基板
に貼り付けるために光の透過率が著しく低下してしまい
表示品質が劣化するという欠点があった。それに対し
て、弾性表面波方式は弾性表面波を透明基板上に励振さ
せ、その弾性表面波の伝搬特性が媒体接触によって変化
する事を利用している。それゆえ、光の透過率が非常に
高くなるので、表示品質が劣化しないばかりか、応答時
間、感度、耐久性等の点も優れている。この弾性表面波
を励振させるための手段として、バルク波振動子を用い
たくさび形トランスデューサにより間接的に透明基板を
励振する方法が採用されている。この方式は透明基板を
間接的に励振し、かつ非圧電基板周辺部に配置された反
射アレイで弾性表面波を2回反射させる方式である。そ
のため、弾性表面波の損失が大きく、トランスデューサ
の駆動電圧を高くする必要があり、低消費電力化が困難
であった。また、くさび形トランスデューサが存在する
事が原因でテ゛ハ゛イスの小型化及び薄型化が困難である事が
指摘されている。
【0004】以上のように、弾性表面波方式のタッチパ
ネルは光の透過率及び耐久性などの観点では、優れてい
るものの小型化、薄型化及び低消費電力化の観点では大
きな問題があり、近年とみに発展が著しい携帯機器には
搭載が困難な状況にあった。
【0005】この問題を解決するために、従来のくさび
形トランスデューサを用いた弾性表面波の励振構造に対
して、すだれ状電極が形成された圧電板を直接透明基板
の周囲端部に固着アレイ化する事で、透明電極基板表面
に弾性表面波を伝搬させる方式が提案されている。
【0006】図2は本発明に係る弾性表面波タッチパネ
ルの位置検出原理を説明するための概念図である。図に
おいて、ガラス等の透明基板201の周囲端部に圧電板
202が固着アレイ化されている。このアレイ化された
圧電板202によって、たとえば透明基板201の表面
を伝搬する伝搬弾性表面波203と伝搬弾性表面波20
4の交叉点X205を指206等で触る事によって、伝
搬弾性表面波203と伝搬弾性表面波204の双方の伝
搬特性が阻害され、その結果、指206の接触位置が検
出できる。これが、本発明に係る弾性表面波タッチパネ
ルの検出原理である。
【0007】この弾性表面波タッチパネルの弾性表面波
駆動方式の従来例の概念図を図3に示す。図3は1対の
弾性表面波トランスューサー間を伝搬する際に生じる遅
延時間とバンドパスフィルターとしての機能を利用した
自励振駆動方法である。図3において、透明基板301
には、1対の弾性表面波トランスデューサーが形成され
ている。すなわち、第一の弾性表面波トランスデューサ
ーとして入力側弾性表面波トランスデューサー302が
形成されており、この入力側弾性表面波トランスデュー
サー302に対向する位置に第2の弾性表面波トランス
デューサーとして出力側弾性表面波トランスデューサー
305が形成されている。さらに、この出力側弾性表面
波トランスデューサー305に弾性表面波強度検出回路
308が接続されている。入力側弾性表面波トランスデ
ューサー302においては、圧電板303、すだれ状電
極304及び透明基板301、さらに出力側弾性表面波
トランスデューサー305においては圧電板306、す
だれ状電極307及び透明基板301にて構成されてい
る。以上のように構成された1対の弾性表面波トランス
デューサー間に増幅回路309を接続する事により、こ
の励振弾性表面波310が発生する。この励振弾性表面
波310の伝搬距離が図3記載の弾性表面波伝搬距離3
11であり、弾性表面波発生用トランスデューサー30
2と弾性表面波検出用トランスデューサー305の離間
距離で定義されている。
【0008】弾性表面波が以上のような回路構成で励振
される現象は、遅延線型の自励振現象として良く知られ
たものであり、この回路構成は一般に遅延線型自励振回
路または遅延線型自励振回路と呼ばれている。この回路
構成及び励振原理に関しては、数多くの特許、参考文献
たとえば、「電子通信学会編 弾性表面波工学 p19
5〜196」などに紹介されているので詳細は述べな
い。また、図3記載の増幅回路309は記号上、正帰還
増幅器としているが発振器構成上は反転増幅回路であっ
ても問題ない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明に係る弾性表面
波タッチパネルは、前述のように高い光の透過率及び薄
型化可能さらには高い耐久性という大きな利点を持って
いる。さらに従来のくさび型トランスデューサーを用い
た弾性表面波タッチパネルに比較して、低電力駆動がで
きるという利点もあり、携帯電話に代表される小型携帯
機器に搭載する事が非常に大きく期待されている。周知
のごとく小型携帯機器は高い信頼性と徹底した低消費電
力化が要求されている。それゆえ、本発明に係る弾性表
面波タッチパネルにおいても同様な性能要求が必要とさ
れる事はいうまでもない。特に、弾性表面波タッチパネ
ルにおいては、低消費電力化がもっとも重要である。
【0010】徹底した低消費電力化を実現するために
は、弾性表面波タッチパネル駆動時においても間欠動作
する必要がある。この時、できるだけ短い駆動電圧パル
ス時間で回路を駆動させ、その駆動パルスの時間内で十
分な強度を持つ弾性表面波を励振させる事が低消費電力
化につながる。よって、弾性表面波が十分な振幅に到達
するまでの過渡応答時間すなわち起動時間の短縮が必要
なのである。通常、十分な低消費電力化を実現するため
には、起動時間は100μS以下が必要とされている。
すなわち、間欠駆動時の起動時間を短縮する事が必要不
可欠なのである。この項目に関して、先の図3にて説明
した駆動方法は大きな問題があり、小型携帯機器に搭載
に関して大きな問題となっていた。以下、図3を用いて
この問題点を説明する。
【0011】図3記載の自励振駆動法においては、弾性
表面波発生用トランスデューサー302と弾性表面波検
出用トランスデューサー305にて構成されるバンドパ
スフィルターの中心周波数とほぼ等しい周波数で自励振
動が開始される。図3記載の遅延線型自励振回路をもち
いて間欠駆動動作をおこなうと、起動時間が長くなって
しまい、十分な間欠動作ができず駆動電力が大きくなっ
てしまうという問題があった。この原因は、図3にて説
明した自励振駆動法において、自励振が開始され信号振
幅が安定になるまでの過渡応答時間すなわち起動時間
が、弾性表面波伝搬距離311に大きく依存する事にあ
る。
【0012】一般に、自励振動が微小信号の状態から安
定な大振幅信号にいたるまでには、複数回の帰還増幅ル
ープが必要である。それゆえ、自励振回路の起動時間を
τとすると、近似的に次式が成立している。
【0013】 τ=τ0×N (1) ここで、τ0は一回の帰還増幅ループに必要な時間であ
り、Nは帰還増幅ループの回数である。通常、インダク
ター、容量性素子等の純粋な電子素子で構成された自励
振回路の場合、この一回の帰還ループの時間は非常に短
いので、ある程度ループ回数Nが多くとも起動時間τは
十分短い。それに対して、本発明に係る透明基板の周囲
に圧電板を固着アレイ化したタッチセンシングデバイス
においては、透明基板上において伝搬するのは純粋な超
音波信号であって電気信号ではない。
【0014】それゆえ、この伝搬時間は、ほぼ透明基板
の弾性表面波の音速と伝搬距離にて決定される。よっ
て、図3にて示した伝搬距離311が増加すると、この
一回の帰還ループ時間はかなり大きくなり。自励振回路
の起動時間τは、大きな値となってしまうのである。ち
なみに、透明基板がガラスの場合、弾性表面波の音速は
ほぼ3000m/Sであるので、伝搬距離が100mm
とすると伝搬時間は、33μSとなる。この伝搬時間が
自励振回路においては、一回の帰還ループに必要な時間
τ0となる。それゆえ、図3記載の増幅回路309の増
幅率が非常に大きい場合、例えば、増幅率が50dBと
いう高い増幅率においても、伝搬距離が100mm以上
の場合、ループ回数Nは5以上となり、起動時間は15
0μS以上となってしまう。この状態では十分な間欠動
作が不可能となり、低消費電力化が実現できない事にな
る。今ここで例をあげた伝搬距離100mmという数値
は携帯電話等の携帯機器の大きさから予想できる数値で
あって現実的な数値である。
【0015】すなわち、発明が解決しようとする課題と
は、低消費電力駆動を実現するために必要不可欠な間欠
駆動時の起動時間の短縮できる駆動法を提供することで
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】そこで、本願発明の弾性
表面波タッチパネルにおいては、透明基板と、前記透明
基板上の外周に沿って固着アレイ化された複数の圧電板
と、前記圧電板上に形成された、複数のバイアス電極と
グランド電極で構成されたすだれ状電極と、前記対向す
る圧電板間の前記透明基板上を伝わる弾性表面波を励振
させる励振手段とからなり、指先または他の物質が前記
透明基板上に接触する事で、前記励振弾性表面波の伝搬
強度が変化し、その強度変化を検出する事で接触位置を
特定できる機能をもった弾性表面波タッチパネルにおい
て、前記透明基板表面上で対向する二つの圧電板のう
ち、送信側の圧電板のみをもちいて自励振回路を構成す
る事で前記透明基板上に弾性表面波を伝搬させ、もう片
方の圧電板にてこの弾性表面波を受信するようにした。
【0017】また、前記送信側の圧電板には2対のすだ
れ状電極が形成されると共に、自励振回路はこの2対の
すだれ状電極と圧電効果によって生じるバンドパスフィ
ルター特性を利用した遅延線型自励振回路とした。
【0018】さらに、前記2対のすだれ状電極間には、
両すだれ状電極のグランド電極と同電位かまたは両すだ
れ状電極とは電気的に独立な発振周波数調整用の金属薄
膜部を設けた。
【0019】
【発明の実施の形態】図4にて示したような透明基板に
固着された圧電板に2対のすだれ状電極が形成されてい
る場合を考える。図4において、透明基板401に圧電
板402が固着され、さらに圧電板402の表面には周
期長が互いに等しい2対のすだれ状電極403及びすだ
れ状電極404が形成されている。この2対のすだれ状
電極によってバンドパスフィルターが構成できる。この
バンドパスフィルターの特性を示したのが図5であっ
て、縦軸は出力信号に対する入力信号の比で定義される
挿入損失値であり横軸は入力する周波数である。挿入損
失値の周波数依存性は図5にて示すように、ある特定の
周波数値で、挿入損失は極小となる。この周波数が図5
記載の中心周波数501であって、その値は図4記載の
すだれ状電極403とすだれ状電極404の周期長で決
定されている。この2対のすだれ状電極間に増幅回路を
接続することにより、図3と同様な遅延線型自励振回路
が構成でき、発生した弾性表面波を透明基板401上に
伝搬させる事が可能である。この弾性表面波が図4記載
の励振弾性表面波406である。この時、自励振回路の
発振立ち上がり時間は図4記載の伝搬距離405によっ
てほぼ決定される。この伝搬距離405は図3記載の透
明基板301上の弾性表面波伝搬距離311に比較して
十分に小さくできるので、間欠駆動時の起動時間も図3
記載の遅延線型自励振回路に比較して十分に小さくする
事が可能となる。すなわち、図4のように2対のすだれ
状電極を片側の圧電板に形成する事によって、対向して
固着された圧電板の片方のみで自励振駆動が可能とな
り、起動時間が非常に短い自励振駆動が可能となるので
ある。
【0020】図1は本発明に係る弾性表面波タッチパネ
ルの駆動方法に関する他の実施例を説明するための構成
図であって、図4記載の2対のすだれ状電極を片側の圧
電板に形成し遅延線型自励振回路を構成し駆動させる代
表例である。
【0021】図1において、透明基板101には、1対
の弾性表面波トランスデューサーが形成されている。す
なわち、第一の弾性表面波トランスデューサーとして弾
性表面波励振用トランスデューサー102が形成されて
おり、この弾性表面波励振用トランスデューサー102
に対向する位置に第2の弾性表面波トランスデューサー
として弾性表面波検出用トランスデューサー106が形
成されている。この弾性表面波検出用トランスデューサ
ー106に伝搬強度検出回路109が接続されている。
弾性表面波励振用トランスデューサー102は、透明基
板101に固着された圧電板103、この圧電板103
の表面上に形成された互いに周期長が等しい第一のすだ
れ状電極104と第二のすだれ状電極105にて構成さ
れている。このすだれ状電極104とすだれ状電極10
5の間隔が離間距離114である。また弾性表面波検出
用トランスデューサー106は、透明基板101に固着
された圧電板107及びすだれ状電極108にて構成さ
れている。この時、圧電板107と圧電板103の物理
定数及び板厚は互いに等しく設定されていると共に、す
だれ状電極107の周期長もすだれ状電極104及びす
だれ状電極105の周期長も同一に設定されている。透
明基板101上に弾性表面波を伝搬させるために、弾性
表面波励振用トランスデューサー102は増幅回路11
0と接続されている。自励振回路は弾性表面波励振用ト
ランスデューサー102と増幅回路110の回路構成で
構成されている。この自励振回路は圧電板103上に形
成された2対のすだれ状電極すなわち、すだれ状電極1
04とすだれ状電極105による遅延線型自励振回路と
なる。増幅回路110は2個の反転増幅器111、発振
動作点安定用の帰還抵抗112及び整合素子113で構
成されている。この回路構成は代表的な構成例であっ
て、増幅回路ならば他の構成例であってもなんら問題な
いし、さらに増幅回路110は正帰還型の増幅回路であ
るが、図1記載と同様な反転増幅型の増幅回路であって
もなんら問題ない。発生した励振弾性表面波が透明基板
101上を伝搬する伝搬弾性表面波115になり弾性表
面波検出用トランスデューサー106にて伝搬強度が計
測される。この伝搬弾性表面波115が伝搬する距離が
図記載の伝搬距離116である。
【0022】本発明に係る弾性表面波タッチパネルを搭
載する機器の使用条件によっては、図1記載の弾性表面
波励振用トランスデューサー102にて自励振される弾
性表面波を弾性表面波検出用トランスデューサー106
にて最大効率で検出する必要がある。その場合は、まえ
もって、図1記載の圧電板103の表面にすだれ状電極
104のグランド端子と同電位かまたはこのすだれ状電
極104とは電気的に独立な金属薄膜部117を形成し
ておき、タッチパネル製造工程中で、この金属薄膜部1
17の一部または全体の膜厚をレーザートリミング等に
よって減少させるかまたは、真空蒸着等によって増加さ
せることによって最大検出効率になるよう自励振周波数
を調整すればよい。または、図1には記載していないが
弾性表面波検出用トランスデューサー106を構成する
圧電板107の表面にすだれ状電極108のグランド端
子と同電位かまたはこのすだれ状電極108とは電気的
に独立な金属薄膜部を形成しておき、タッチパネル製造
工程中で、この金属薄膜部の一部または全体の膜厚をレ
ーザートリミング等によって減少させるかまたは、真空
蒸着等によって増加させることによって弾性表面 波検出用トランスデューサー106が最大検出効率にな
るよう調整してもよい。
【0023】本発明に係る図1記載の駆動方法は、二つ
のバンドパスフィルターより構成されている。まず第一
のバンドフィルターは弾性表面波励振用トランスデュー
サー102であり、圧電板103に形成された2対のす
だれ状電極すなわち、すだれ状電極104、すだれ状電
極105と離間距離114で構成されている。それゆ
え、自励振回路は遅延線型の自励振回路として動作し、
その励振周波数は第一のバンドパスフィルターの中心周
波数にほぼ一致する。また、その中心周波数はすだれ状
電極104及びすだれ状電極105の周期長と圧電板1
03の板厚によって決定される。つぎに第二のバンドパ
スフィルターはすだれ状電極105と弾性表面波検出用
トランスデューサー106及び伝搬距離116にて構成
されている。この第二のバンドパスフィルターの中心周
波数はすだれ状電極105とすだれ状電極108の周期
長および圧電板103と圧電板107の板厚によって決
定される。それゆえ、圧電板103、圧電板107の厚
み及び物理定数およびすだれ状電極104、すだれ状電
極105、すだれ状電極108の周期長と形状寸法をす
べて同一に設定すれば、第一のバンドパスフィルターと
第二のバンドパスフィルターの中心周波数はほぼ一致す
るので伝搬弾性表面波115の伝搬効率が著しく劣化す
る事はない。
【0024】また、図1記載の駆動方法を用いて間欠駆
動すると、その間欠時の起動時間は、定性的に次式で決
定される。
【0025】τ=T1+τ0 (2) ここで、τ、T1及びτ0はそれぞれ、間欠時の起動時
間、自励振回路の発振立ち上がり時間、伝搬距離116
を伝搬する弾性表面波の伝搬時間である。(2)式にお
いて、自励振回路の発振立ち上がり時間T1は、その自
励振回路が遅延線型であるので、(1)式を考慮すると T1=τ1×M と書ける。ここでτ1及びMはそれぞれ、遅延線型自励
振回路における一回の帰還増幅ループに必要な時間であ
り、Mは帰還増幅ループの回数である。それゆえ図1記
載の駆動方法を用いた間欠駆動時の励振波の起動時間
は、定性的に(3)式で決定される。
【0026】τ=τ1×M+τ0 (3) この時、一回の帰還ループに必要な時間τ1は、離間距
離114と音速で決定される。この離間距離114は伝
搬距離116に比較して十分に小さく設定できるので、
自励振回路の発振立ち上がり時間T1(=τ1×M)も
十分に短くなり、間欠駆動時の起動時間τを十分短縮す
る事ができ、低消費電力を実現するための十分な間欠駆
動が可能となるのである。
【0027】以上のように、駆動回路を図1のような構
成にする事によって、十分な低消費電力化が実現できる
のである。
【0028】
【発明の効果】本願発明によれば、弾性表面波タッチパ
ネルの透明基板表面上で対向する二つの圧電板のうち、
送信側の圧電板のみをもちいて自励振回路を構成する事
で透明基板上に弾性表面波を伝搬させ、もう片方の圧電
板にてこの弾性表面波を受信するようにしたことで、間
欠駆動時の起動時間を短くできるという効果がある。
又、上記自励振回路を構成するすだれ状電極間に発振周
波数調整用の金属薄膜部を形成したことで、検出効率を
最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る弾性表面波タッチパネルに関する
実施例を説明ための構成図。
【図2】本発明に係る弾性表面波タッチパネルの位置検
出原理を説明するための概念図。
【図3】弾性表面波タッチパネルの従来の駆動方法であ
る遅延線型自励振駆動法を説明するための概念図。
【図4】本発明に係る弾性表面波タッチパネルの駆動方
法を説明の為のすだれ状電極構造に関する概念図。
【図5】本発明に係る弾性表面波タッチパネルの駆動方
法を説明の為の挿入損失特性に関する概念図。
【符号の説明】
101:透明基板 102:弾性表面波励振用トランスデューサー 103:圧電板 104:すだれ状電極 105:すだれ状電極 106:弾性表面波検出用トランスデューサー 107:圧電板 108:すだれ状電極 109:伝搬強度検出回路 110:増幅回路 111:反転増幅器 112:帰還抵抗 113:整合素子 114:離間距離 115:伝搬弾性表面波 116:伝搬距離 117:金属薄膜部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北島 秀樹 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内 (72)発明者 皿田 孝史 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内 (72)発明者 新荻 正隆 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 (72)発明者 戸田 耕司 神奈川県横須賀市二葉1丁目49番18号 戸 田 耕司内 Fターム(参考) 5B068 AA03 AA32 BB22 BC02 BC04 BC08 BC14 BD20 BE04 BE08 CC06 5B087 AA03 CC12 CC16 CC26 CC47 5J050 AA02 AA03 BB23 CC12 EE31 FF35

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板と、 前記透明基板上の外周に沿って固着アレイ化された複数
    の圧電板と、 前記圧電板上に形成された、複数のバイアス電極とグラ
    ンド電極で構成されたすだれ状電極と、 前記対向する圧電板間の前記透明基板上を伝わる弾性表
    面波を励振させる励振手段と、 からなり、指先または他の物質が前記透明基板上に接触
    する事で、前記励振弾性表面波の伝搬強度が変化し、そ
    の強度変化を検出する事で接触位置を特定できる機能を
    もった弾性表面波タッチパネルにおいて、 前記透明基板表面上で対向する二つの圧電板のうち、送
    信側の圧電板のみをもちいて自励振回路を構成する事で
    前記透明基板上に弾性表面波を伝搬させ、もう片方の圧
    電板にてこの弾性表面波を受信する事を特徴とした弾性
    表面波タッチパネル。
  2. 【請求項2】 前記送信側の圧電板には2対のすだれ状
    電極が形成されると共に、自励振回路はこの2対のすだ
    れ状電極と圧電効果によって生じるバンドパスフィルタ
    ー特性を利用した遅延線型自励振回路である事を特徴と
    した請求項1記載の弾性表面波タッチパネル。
  3. 【請求項3】 前記2対のすだれ状電極間には、両すだ
    れ状電極のグランド電極と同電位かまたは両すだれ状電
    極とは電気的に独立な発振周波数調整用の金属薄膜部が
    形成されている事を特徴とする請求項2に記載の弾性表
    面波タッチパネル。
JP2001187217A 2001-06-20 2001-06-20 弾性表面波タッチパネル Pending JP2003005910A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101222918B1 (ko) 2011-02-28 2013-01-17 경북대학교 산학협력단 타점의 진동을 이용한 터치 센서 시스템
KR101222919B1 (ko) 2011-02-28 2013-01-17 경북대학교 산학협력단 타점의 진동을 이용한 터치 센서를 구비한 모바일 기기

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