JP2003005189A - 液晶表示素子、液晶表示素子用基板、液晶表示装置、液晶表示素子の製造方法、及び液晶表示素子の駆動方法 - Google Patents

液晶表示素子、液晶表示素子用基板、液晶表示装置、液晶表示素子の製造方法、及び液晶表示素子の駆動方法

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JP2003005189A
JP2003005189A JP2002123998A JP2002123998A JP2003005189A JP 2003005189 A JP2003005189 A JP 2003005189A JP 2002123998 A JP2002123998 A JP 2002123998A JP 2002123998 A JP2002123998 A JP 2002123998A JP 2003005189 A JP2003005189 A JP 2003005189A
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Kenji Nakao
健次 中尾
Junichi Kobayashi
淳一 小林
Shoichi Ishihara
將市 石原
Yoshinori Tanaka
好紀 田中
Katsuji Hattori
勝治 服部
Tsuyoshi Kamimura
強 上村
Hirobumi Wakemoto
博文 分元
Keisuke Tsuda
圭介 津田
Yoneji Takubo
米治 田窪
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スプレイ配向からベンド配向への転移が速く
かつ確実な液晶表示素子、液晶表示素子用基板、液晶表
示装置、液晶表示素子の製造方法、及び液晶表示素子の
駆動方法を提供する。 【解決手段】 対向する一対の基板101,102と、該一対
の基板間に配置された液晶4とを有するパラレル配向型
の液晶表示素子Aにおいて、前記液晶4は、配向方位が
他の領域の配向方位と異なる局所的な異配向方位領域
(103)を有するものである

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速応答で広視野
角の表示性能を持つ液晶表示素子、液晶表示素子用基
板、液晶表示装置、液晶表示素子の製造方法、及び液晶
表示素子の駆動方法に関し、特に、光学補償ベンドモー
ドセル(Optically self-Compensated Birefringence m
ode cell)タイプのスプレイ−ベンド転移の容易なもの
に関する。
【0002】
【従来の技術】マルチメディア技術の進展とともに、ま
すます画像情報の占める割合が多くなってきている。最
近では液晶技術の発展により、高コントラストで広視野
角の液晶ディスプレイが開発及び実用化され、CRTデ
ィスプレイと比肩するレベルにまでなってきた。
【0003】しかしながら、現行の液晶ディスプレイで
は、応答速度が遅いことから動画表示において残像のた
め画像がぼやけるという問題を有しており、この点にお
いてCRTディスプレイに劣っている。
【0004】液晶ディスプレイにおける高速応答化の試
みは過去から数多くなされてきている。高速応答の種々
の液晶表示方式については、Wuらによりまとめられてい
る(C.S. Wu and S.T. Wu, SPIE, 1665, 250 (1992))
が、動画像表示に必要な応答特性が期待出来る方式及び
方法は限られている。
【0005】すなわち、現行のNTSCシステムにおい
ては1フレーム(16.7msec)以内で液晶が追随
する必要があるが、現行の液晶ディスプレイでは白黒二
値間では充分速い応答性を示すものの、多階調表示を行
った場合の階調間応答では100msec以上の遅い応答とな
ってしまう。特に駆動電圧の低い領域での階調間応答は
著しく遅い。
【0006】現在、動画表示に適した高速応答性を有す
る液晶ディスプレイとしては、OCBモード液晶表示素
子、あるいは強誘電性液晶表示素子、反強誘電性液晶表
示素子がその可能性を有している。
【0007】しかしながら、層構造を有する強誘電性液
晶表示素子、及び反強誘電性液晶表示素子は耐衝撃性が
弱い、使用温度範囲が狭い、特性の温度依存性が大きい
など実用的な意味での課題が多く、現実的にはネマティ
ック液晶を用いるOCBモード液晶表示素子が動画像表
示に適した液晶表示素子として有望視されている。
【0008】このOCBモード液晶表示素子は、198
3年にJ.P.Bosによりその高速性が示された表示方式で
あり、その後、フィルム位相差板と組み合わせることに
より広視野角及び高速応答性が両立するディスプレイで
あることが示され研究開発が活発化した。
【0009】このモ−ドの液晶表示素子は、図14に示
すように、透明電極2が形成されているガラス基板1
と、透明電極7が形成されているガラス基板8と、基板
1、8間に配置される液晶層4とを有する。電極2、7
上には配向膜3、6が形成され、この配向膜3、6に
は、液晶分子を平行かつ同一方向に配向させるべく配向
処理がなされている。また、基板1、8の外側には、偏
光板13、16がクロスニコルに配設されており、この
偏光板13、16と基板1、8との間には位相補償板1
7、18が介在している。
【0010】このような構造の液晶セルは、電圧印加に
よりセル中央部にベンド配向あるいはツイスト配向を含
んだベンド配向を誘起させることと、低電圧駆動と視野
角拡大のために位相補償板17、18を配設することを
特徴とするものであり、性能的には中間調表示域におい
ても高速応答が可能であると同時に広い視野角特性を有
している。
【0011】なお、OCBモード液晶表示素子は、通
常、液晶パネル内部の液晶がベンド配向を維持するよう
な電圧で動作させるが、ある電圧以下になると、ベンド
配向状態よりもスプレイ配向状態の方が安定になるた
め、スプレイ配向への転移が発生する。この転移は不可
逆であり、一旦スプレイ配向が発生した画素は、その
後、液晶表示素子上で表示欠陥(輝点)として残り、そ
の正常表示動作を妨げる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、OCBモー
ドでは、初期のスプレイ配向状態4aから電圧印加によ
りベンド配向状態4bに転移させる初期化処理が必要不
可欠である。
【0013】しかしながら、数V程度の電圧印加では初
期化処理に分単位の時間が必要であり、OCBモードの
課題の一つになっている。そのため、数V程度の電圧印
加により容易にベンド配向が形成される、転移速度の速
い液晶表示素子が望まれている。
【0014】一方、OCB型液晶表示モードのスプレイ
配向からベンド配向への転移(以下、スプレイ−ベンド
転移という)を高速化するための技術が特開平11-7018
号公報に開示されている。その技術として、液晶にカイ
ラル剤を添加した例、液晶パネル全面で均一に180度
ツイストを形成した例、液晶パネル全面で均一に10度
ツイストを形成した例が示されている。しかし、これら
の技術は、スプレイ−ベンド転移を高速化するには十分
ではない。そして、このスプレイ−ベンド転移が確実に
行われず、局所的にスプレイ配向の領域が残存すると、
そこが輝点となって点欠陥のように見えるという問題が
あった。
【0015】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、スプレイ配向からベンド配向への転移
が速くかつ確実な液晶表示素子、液晶表示素子用基板、
液晶表示装置、液晶表示素子の製造方法、及び液晶表示
素子の駆動方法を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本件発明者は、上記スプレイ−ベンド転移の挙動を
観察した。すると、ある特定の個所からベンド配向の核
が発生し、これが成長していくことを見出した。さら
に、本件発明者は、鋭意検討した結果、局所的にツイス
ト配向を形成することで、これを核としてベンド転移が
発生することを見出した。
【0017】そこで、本発明に係る液晶表示素子は、少
なくとも1枚の基板と液晶層とを有する液晶表示素子で
あり、局所的に他の領域と配向方向が異なっている異配
向方位領域が存在するものである(請求項1)。かかる
構成とすると、ネマティック液晶を用いることにより、
異配向方位領域からベンド配向の核が発生し、これが成
長してスプレイ−ベンド転移が行われるため、速くかつ
確実なスプレイ−ベンド転移が可能となる。ここで、本
明細書において、基板とは、組み立てられた液晶表示素
子において液晶層に接する内面を有する板状の部材をい
う。例えば、上側基板、下側基板、カラーフィルタ基
板、TFT基板等が該当する。
【0018】また、本発明に係る液晶表示素子は、一対
の基板と液晶層とを有する液晶表示素子であり、前記一
対の基板にはともに略平行な配向処理がなされており、
局所的に他領域と配向方向が異なっている異配向方位領
域が存在するものである(請求項2)。
【0019】この場合、前記異配向方位領域が、前記基
板付近の液晶の配向方位であるものとしてもよい(請求
項3)。
【0020】また、前記基板の少なくとも1枚には配向
処理がなされており、前記配向処理において、局所的に
他の領域と配向処理方向が異なっている異配向方位領域
が存在するものとしてもよい(請求項4)。
【0021】また、前記配向処理がラビング処理である
ものとしてもよい(請求項5)。
【0022】また、前記異配向方位領域を形成する手段
が、立体障害であるものとしてもよい(請求項6)。
【0023】また、前記異配向方位領域を形成する手段
が、柱状構造体であるものとしてもよい(請求項7)。
【0024】また、前記異配向方位領域を形成する手段
が、錐状構造体であるものとしてもよい(請求項8)。
【0025】また、前記異配向方位領域を形成する手段
が、山形状構造体であるものとしてもよい(請求項
9)。
【0026】また、前記異配向方位領域を形成する手段
が溝状構造体であるものとしてもよい(請求項10)。
【0027】また、前記溝状構造体がフオトリソグラフ
ィー法で形成されるものとしてもよい(請求項11)。
【0028】また、前記溝状構造体がスタンプ法で形成
されるものとしてもよい(請求項12)。
【0029】また、前記異配向方位領域を形成する手段
が凹部溝の形成であるものとしてもよい(請求項1
3)。
【0030】また、前記異配向方位領域を形成する手段
が光配向処理であるものとしてもよい(請求項14)。
【0031】また、前記基板は配向膜を有し、前記配向
膜は光感応性を有するものとしてもよい(請求項1
5)。
【0032】また、前記光配向処理が、光走査処理であ
るものとしてもよい(請求項16)。
【0033】また、前記光配向処理が、偏光レーザの光
走査処理であるものとしてもよい(請求項17)。
【0034】また、前記異配向方位領域を形成する手段
が局所的にキズをつける工程であるものとしてもよい
(請求項18)。
【0035】また、前記キズをつける工程が、針状物体
を前記基板に押圧し、その状態で基板面内に移動させる
工程であるものとしてもよい(請求項19)。
【0036】また、前記基板は配向膜を有し、前記キズ
をつける工程が、前記配向膜を局所的に消失させる工程
であるものとしてもよい(請求項20)。
【0037】また、前記基板は配向膜を有し、前記キズ
をつける工程が、局所的にレーザ光線を照射する工程で
あるものとしてもよい(請求項21)。
【0038】また、前記異配向方位領域の配向方位が他
の配向領域の配向方位と90度異なっているものとして
もよい(請求項22)。
【0039】また、前記キズの方位が他の配向領域の配
向方位と90度異なっているものとしてもよい(請求項
23)。
【0040】また、前記キズが湾曲線であるものとして
もよい(請求項24)。
【0041】また、本発明に係る液晶表示素子の製造方
法は、少なくとも1枚の基板と液晶層とを有し、局所的
に他の領域と配向方向が異なっている異配向方位領域が
存在する液晶表示素子の製造方法であって、前記異配向
方位領域を形成する工程が他の配向方位を決定する配向
処埋工程と異なっているものである(請求項25)。
【0042】この場合、ラビング処理が複数回行われて
いるものとしてもよい(請求項26)。
【0043】また、立体障害を有し、ラビング処理が複
数回、異なった方向に行われるものとしてもよい(請求
項27)。
【0044】また、前記異配向方位領域を形成する工程
が、基板上にキズをつける工程であるものとしてもよい
(請求項28)。
【0045】また、前記異配向方位領域を形成する工程
が、光配向処理工程であるものとしてもよい(請求項2
9)。
【0046】また、前記異配向方位領域を形成する工程
が他の配向方位を決定する配向処理工程と同一工程であ
るものとしてもよい(請求項30)。
【0047】また、前記異配向方向領域を周期的に形成
したものとしてもよい(請求項31)。
【0048】また、前記基板は画素を有し、前記異配向
方向領域を複数画素ごとに形成したものとしてもよい
(請求項32)。
【0049】また、前記基板は画素を有し、前記異配向
方向領域を各画素ごとに形成したものとしてもよい(請
求項33)。
【0050】また、前記異配向方向領域を不規則に形成
したものとしてもよい(請求項34)。
【0051】また、前記基板は画素を有し、前記異配向
方向領域を100画素に1つ以上形成したものとしても
よい(請求項35)。
【0052】また、前記基板は画素を有し、前記異配向
方向領域を10画素に1つ以上形成したものとしてもよ
い(請求項36)。
【0053】また、前記液晶表示素子は少なくとも位相
差板を有するものとしてもよい(請求項37)。
【0054】また、前記位相差板にはハイブリッド配向
フィルムを有するものとしてもよい(請求項38)。
【0055】また、前記位相差板には少なくとも一軸性
フィルムを有するものとしてもよい(請求項39)。
【0056】また、前記液晶表示素子はOCB型液晶表
示素子であるものとしてもよい(請求項40)。
【0057】また、前記液晶は自己補償型構造の液晶配
列をしているものとしてもよい(請求項41)。
【0058】また、前記液晶の、表示に用いる表示配向
状態と電源オフ状態での初期配向状態が異なっており、
初期配向状態から表示配向状態に配向を変化させる転移
手段を有するものとしてもよい(請求項42)。
【0059】また、前記異配向方向領域にデフェクトが
発生するものとしてもよい(請求項43)。
【0060】また、前記転移手段の作用中に、前記異配
向方向領域にデフェクトが発生するものとしてもよい
(請求項44)。
【0061】また、前記デフェクトが、一方の基板の近
傍にスプレイ配向中心を有する領域と他方の基板近傍に
スプレイ配向中心を有する領域との境界であるものとし
てもよい(請求項45)。
【0062】また、前記異配向方位領域において、プレ
チルト角が変化しているものとしてもよい(請求項4
6)。
【0063】また、前記異配向方位領域の液晶の配向方
向が、他の領域の配向領域の液晶の配向方向から45度
以上異なるものとしてもよい(請求項47)。
【0064】また、前記異配向方位領域の液晶の配向方
向が、他の配向領域の液晶の配向方向に対し60度以上
異なるものとしてもよい(請求項48)。
【0065】また、前記異配向方位領域の液晶の配向方
向が、他の配向領域の液晶の配向方向に対し90度以下
異なるものとしてもよい(請求項49)。
【0066】また、前記異配向方位領域が立体物と接す
るものとしてもよい(請求項50)。
【0067】また、前記異配向方位領域が転移核となる
ものとしてもよい(請求項51)。
【0068】また、前記異配向方位領域に電圧を印加す
るものとしてもよい(請求項52)。
【0069】また、前記異配向方位領域を画素電極上に
形成するものとしてもよい(請求項53)。
【0070】また、前記異配向方位領域を補助容量電極
上に形成するものとしてもよい(請求項54)。
【0071】また、前記異配向方位領域を遮蔽するもの
としてもよい(請求項55)。
【0072】また、前記異配向方位領域をブラックマト
リクス上に形成するものとしてもよい(請求項56)。
【0073】また、前記異配向方位領域を表示領域外に
形成するものとしてもよい(請求項57)。
【0074】また、前記立体障害、柱状構造体、錐状構
造体、又は山形状構造体が、柱スペーサを兼用するもの
としてもよい(請求項58)。
【0075】また、前記立体障害、柱状構造体、錐状構
造体、又は山形状構造体は、セル厚と同じ高さのものが
存在するものとしてもよい(請求項59)。
【0076】また、前記立体障害、柱状構造体、錐状構
造体、又は山形状構造体を形成する工程が、アクティブ
マトリクス基板の素子を形成する工程に含まれるものと
してもよい(請求項60)。
【0077】また、前記立体障害、柱状構造体、錐状構
造体、又は山形状構造体が、断面形状において傾斜辺を
有するものとしてもよい(請求項61)。
【0078】また、前記立体障害、柱状構造体、錐状構
造体、又は山形状構造体が、複数の立体障害、柱状構造
体、錐状構造体、又は山形状構造体の複合体であるもの
としてもよい(請求項62)。
【0079】また、前記複合体の複数の立体障害、柱状
構造体、錐状構造体、又は山形状構造体間の最小間隔
が、ラビング布の繊維の最小径よりも大きいものとして
もよい(請求項63)。
【0080】また、前記複合体の複数の立体障害、柱状
構造体、錐状構造体、又は山形状構造体間の最小間隔
が、10μm以上であるものとしてもよい(請求項6
4)。
【0081】また、前記複合体の複数の立体障害、柱状
構造体、錐状構造体、又は山形状構造体間のラビング方
向における距離が、25μm以下であるものとしてもよ
い(請求項65)。
【0082】また、前記複合体の複数の立体障害、柱状
構造体、錐状構造体、又は山形状構造体のうち、ラビン
グ方向における奥側に位置するものが、ラビング方向に
おける手前側に位置するのものより大きいものとしても
よい(請求項66)。
【0083】また、前記立体障害、柱状構造体、錐状構
造体、又は山形状構造体によって生じたラビングの影領
域が、他の立体障害、柱状構造体、錐状構造体、又は山
形状構造体に接するものとしてもよい(請求項67)。
【0084】また、前記立体障害、柱状構造体、錐状構
造体、又は山形状構造体の径が5μm以上であるものと
してもよい(請求項68)。
【0085】また、前記立体障害、柱状構造体、錐状構
造体、又は山形状構造体の高さが、セル厚の半分以上で
あるものとしてもよい(請求項69)。
【0086】また、前記立体障害、柱状構造体、錐状構
造体、又は山形状構造体の高さとセル厚との差異が1μ
m以下であるものとしてもよい(請求項70)。
【0087】また、前記異配向方位領域を形成する手段
と前記異配向方位領域を保護する手段を有するものとし
てもよい(請求項71)。
【0088】また、前記異配向方位領域を形成する手段
と前記異配向方位領域を保護する手段が共に立体障害、
柱状構造体、錐状構造体、又は山形状構造体であるもの
としてもよい(請求項72)。
【0089】また、前記異配向方位領域を形成する手段
と前記異配向方位領域を保護する手段との距離が立体障
害、柱状構造体、錐状構造体、又は山形状構造体の高さ
の5倍以下であるものとしてもよい(請求項73)。
【0090】また、前記異配向方位領域を保護する手段
の間隙部に前記異配向方位領域を形成する手段を配置す
るものとしてもよい(請求項74)。
【0091】また、前記立体障害、柱状構造体、錐状構
造体、又は山形状構造体が、ラビングが流れやすい形状
であるものとしてもよい(請求項75)。
【0092】また、前記立体障害、柱状構造体、錐状構
造体、山形状構造体の側面が、ラビング方向に対し複数
の傾斜角を有しているものとしてもよい(請求項7
6)。
【0093】また、前記複数の傾斜角の絶対値が45度
以上90度以下であるものとしてもよい(請求項7
7)。
【0094】また、前記立体障害、柱状構造体、錐状構
造体、又は山形状構造体の横断面が略菱形形状であるも
のとしてもよい(請求項78)。
【0095】また、前記立体障害、柱状構造体、錐状構
造体、又は山形状構造体が、画素間に跨って形成された
ものとしてもよい(請求項79)。
【0096】また、前記立体障害、柱状構造体、錐状構
造体、又は山形状構造体がソース線上に形成されたもの
としてもよい(請求項80)。
【0097】また、前記立体障害、柱状構造体、錐状構
造体、又は山形状構造体が、ラビング方向に連続して複
数形成されたものとしてもよい(請求項81)。
【0098】また、前記立体障害、柱状構造体、錐状構
造体、又は山形状構造体が、ラビング方向に互いに平行
に傾斜するように並んで複数形成されたものとしてもよ
い(請求項82)。
【0099】また、前記立体障害、柱状構造体、錐状構
造体、又は山形状構造体が、デフェクト保持機能を有す
るものとしてもよい(請求項83)。
【0100】また、前記デフェクトが一方の基板の近傍
にスプレイ配向中心を有する領域と他方の基板の近傍に
スプレイ配向中心を有する領域との境界であるものとし
てもよい(請求項84)。
【0101】また、前記立体障害、柱状構造体、錐状構
造体、又は山形状構造体に沿って転移が成長するものと
してもよい(請求項85)。
【0102】また、前記基板上を平滑化する手段を有し
たものとしてもよい(請求項86)。 また、本発明に
係る液晶表示素子は、少なくとも1枚の基板と液晶層と
を有する液晶表示素子であり、前記液晶層がパラレル配
向領域と捩れ配向領域とを有するものである(請求項8
7)。
【0103】この場合、前記捩れ配向領域における液晶
層中央部分の液晶分子の配向方位が、パラレル配向領域
の液晶層中央部分の液晶分子の配向方位と異なっている
ものとしてもよい(請求項88)。
【0104】また、前記捩れ配向領域における液晶層中
央部分の液晶分子の配向方位が分布を有しているものと
してもよい(請求項89)。
【0105】また、前記捩れ配向領域における液晶層中
央部分の液晶分子の配向方位が、パラレル配向領域の液
晶層中央部分の液晶分子の配向方位と略90度異なって
いるものとしてもよい(請求項90)。
【0106】また、前記捩れ配向領域を複数種形成する
ものとしてもよい(請求項91)。
【0107】また、前記複数種の捩れ配向領域に右回り
領域と左回り領域とが存在するものとしてもよい(請求
項92)。
【0108】また、前記複数種の捩れ配向領域同士が接
触するものとしてもよい(請求項93)。
【0109】また、前記右回りの捩れ配向領域と左回り
の捩れ配向領域とが接触するものとしてもよい(請求項
94)。
【0110】また、前記捩れ配向領域がスプレイツイス
ト配向であるものとしてもよい(請求項95)。
【0111】また、前記異配向方位領域の配向処理方向
が、他領域の配向処理方向と90度以上異なっているも
のとしてもよい(請求項96)。
【0112】また、前記捩れ配向領域が通常配列ツイス
ト配向であるものとしてもよい(請求項97)。
【0113】また、前記液晶層の液晶にカイラル剤が添
加されているものとしてもよい(請求項98)。
【0114】また、本発明に係る液晶表示素子は、少な
くとも1枚の基板と液晶層とを有する液晶表示素子であ
り、前記基板には配向の処理がなされており、前記配向
方向と異なる方向に、局所的配向をしている領域が存在
するものである(請求項99)。
【0115】また、本発明に係る液晶表示素子は、一対
の基板と液晶層とを有する液晶表示素子であり、前記一
対の基板にはともに略平行な配向の処理がなされてお
り、前記配向方向と異なる方向に、局所的配向をしてい
る領域が存在するものである(請求項100)この場
合、前記基板は立体物を有し、前記局所的配向をしてい
る領域が該立体物の周辺に存在するものとしてもよい
(請求項101)。
【0116】また、前記立体物は垂直配向性表面を有す
るものとしてもよい(請求項102)。
【0117】また、前記立体物は撥水性表面を有するも
のとしてもよい(請求項103)。
【0118】また、前記局所的配向をしている領域は配
向処理されていないものとしてもよい(請求項10
4)。
【0119】また、前記局所的配向をしている領域は配
向処理が他の領域に比べ弱いものとしてもよい(請求項
105)。
【0120】また、前記立体物が立体物の複合体からな
るものとしてもよい(請求項106)。
【0121】また、本発明に係る液晶表示素子は、液晶
を有し、前記液晶の電圧を印加しない配向状態を無電界
配向状態とし、表示に用いる配向状態を表示配向状態と
するとき、無電界配向状態と表示配向状態とが異なる液
晶表示素子であり、前記表示配向状態に転移する手段を
有し、前記液晶の厚みを規定する柱スペーサを有し、前
記柱スペーサの少なくとも一部が前記転移の核になるも
のである(請求項107)。
【0122】この場合、前記液晶表示素子がOCB型液
晶表示素子であるものとしてもよい(請求項108)。
【0123】また、前記液晶表示素子は複数の画素を有
し、前記柱スペーサは各画素ごとに形成されたものとし
てもよい(請求項109)。
【0124】また、本発明に係る液晶表示素子は、一対
の基板を有し、少なくとも−方の前記基板に複数の立体
物を形成した液晶表示素子であり、前記複数の立体物の
一部は前記一対の基板の双方に接するものと一方の基板
にのみ接するものとが存在するものである(請求項11
0)。
【0125】この場合、前記複数の立体物の高さは互い
に略等しいものとしてもよい(請求項111)。
【0126】また、前記基板の前記立体物に対応する個
所の一部に凹部を形成するものとしてもよい(請求項1
12)。
【0127】また、前記凹部を形成する手段が絶縁物除
去手段であるものとしてもよい(請求項113)。
【0128】また、前記基板の前記立体物に対応する個
所の一部に凸部を形成するものとしてもよい(請求項1
14)。
【0129】また、前記凸部が形成する手段がカラーフ
ィルタの重ね合わせであるものとしてもよい(請求項1
15)。
【0130】また、本発明に係る液晶表示装置は、液晶
を有し、前記液晶の電圧を印加しない配向状態を無電界
配向状態とし、表示に用いる配向状態を表示配向状態と
するとき、無電界配向状態と表示配向状態が異なる液晶
表示装置であり、前記表示配向状態に転移する電圧印加
手段を有し、前記電圧印加手段の電圧値が1OV以下で
あるものである(請求項116)。
【0131】また、本発明に係る液晶表示装置は、液晶
を有し、前記液晶の電圧を印加しない配向状熊を無電界
配向状態とし、表示に用いる配向状態を表示配向状態と
するとき、無電界配向状態と表示配向状態とが異なる液
晶表示装置であり、前記表示配向状態に転移させる機能
を別途有さないものである(請求項117)。
【0132】この場合、通常の表示を行うだけで前記表
示配向状熊に転移するものとしてもよい(請求唄11
8)。
【0133】また、前記液晶表示装置がOCB型液晶表
示装置であるものとしてもよい(請求唄119)。
【0134】また、前記表示配向状態に転移するための
核を有するものとしてもよい(請求唄120)。
【0135】また、前記核が柱スペーサによる転移核で
あるものとしてもよい(請求唄121)。
【0136】また、前記核が立体物の複合体であるある
ものとしてもよい(請求唄122)。
【0137】また、本発明に係る液晶表示素子用基板
は、立体物を形成した基板であり、前記立体物は複数の
立体物が複合したものである(請求項123)。
【0138】この場合、前記立体物の少なくとも一部は
柱スペーサとして機能するものとしてもよい(請求項1
24)。
【0139】また、前記基板上に平坦化処理が施されて
いるものとしてもよい(請求項125)。
【0140】また、前記立体物の平面形状が異方性を有
しているものとしてもよい(請求項126)。
【0141】また、前記立体物が各画素ごとに形成され
たものとしてもよい(請求項127)。
【0142】また、前記基板の前記立体物に対応する個
所の一部に凹部を形成するものとしてもよい(請求項1
28)。
【0143】また、前記凹部を形成する手段が絶縁膜除
去手段であるものとしてもよい(請求項129)。
【0144】また、前記基板の前記立体物に対応する個
所の一部に凸部を形成するものとしてもよい(請求項1
30)。
【0145】また、前記凸部を形成する手段がカラーフ
ィルタの重ね合わせであるものとしてもよい(請求項1
31)。
【0146】また、本発明に係る液晶表示素子は、少な
くとも1枚の基板と液晶層とを有する液晶表示素子であ
り、前記基板には配向処理がなされており、前記配向処
理において、複数方向の配向処理方向が行われ、前記液
晶層の液晶は、前記配向処理方向に従ってそれぞれパラ
レル配向しているものである(請求項132)。
【0147】この場合、前記複数方向の配向処理方向が
互いに略90度異なっているものとしてもよい(請求項
133)。
【0148】また、前記複数の配向処理方向が、画素内
に複数存在するものとしてもよい(請求項134)。
【0149】また、前記複数の配向処理方向が、画素ご
とに異なって存在するものとしてもよい(請求項13
5)。
【0150】また、前記複数の配向処理方向を実現する
配向処理が光配向処理であるものとしてもよい(請求項
136)。
【0151】また、偏光板を有し、前記偏光板の偏光軸
の方向が前記複数の配向処理方向に対し45度傾いてい
るものとしてもよい(請求項137)。
【0152】また、前記液晶表示素子がOCB型液晶表
示素子であるものとしてもよい(請求項138)。
【0153】また、本発明に係る液晶表表示素子は、無
電圧下で第1の配向状態になるとともに表示用の電圧下
で第2の配向状態になり、該第1、第2の配向状態間に
エネルギ障壁が存在する液晶と、前記液晶に電圧を印加
する電圧印加手段とを備えた液晶表示素子において、前
記第2の配向状態との間に存在するエネルギ障壁が前記
第1、第2の配向状態間に存在するエネルギ障壁より小
さい第3の配向状態からなる領域を、無電圧下において
前記液晶中に部分的に有するものである(請求項13
9)。かかる構成とすると、第3の配向状態からなる領
域が転移核となるので、より迅速、低電圧かつ確実に第
2の配向状態に転移させることができる。、この場合、
前記第3の配向状態が無電圧下における定常状態である
ものとしてもよい(請求項140)。
【0154】また、前記第3の配向状態が、前記液晶を
挟持する一対の基板の少なくとも一方に施された局所的
な配向処理によって実現されたものであるものとしても
よい(請求項141)。
【0155】また、前記第3の配向状態は、前記第1、
第2の配向状態相互間の転移の過渡状態が無電圧下まで
保存されてなるものであるものとしてもよい(請求項1
42)。
【0156】また、前記過渡状態は、前記第2の配向状
態から第1の配向への転移における過渡状態であるもの
としてもよい(請求項143)。かかる構成とすると、
格段に、迅速、低電圧、かつ確実に第2の配向状態に転
移させることが可能となる。
【0157】また、前記液晶を挟持する一対の基板と、
該基板の内面に形成された、全体として該基板に平行な
面内にて周回するように三次元領域を囲繞しかつ一部に
該三次元領域を囲繞していない欠落部を有する立体構造
物からなる不完全囲繞体とを有し、前記過渡状態が前記
不完全囲繞体により保存されているものとしてもよい
(請求項144)。
【0158】また、前記第3の配向状態は、前記第2の
配向状態の少なくとも一部が無電圧下まで保存されてな
るものとしてもよい(請求項145)。
【0159】また、前記第2の配向状態の少なくとも一
部が、前記液晶中に存在する立体物の液晶分子配向機能
により保存されているものとしてもよい(請求項14
6)。
【0160】また、前記第2の配向状態の少なくとも一
部は、前記液晶中に存在する網目構造体により保存され
ているものとしてもよい(請求項147)。
【0161】また、電圧を印加することにより、前記液
晶の配向状態を前記第1の配向状熊から前記第2の配向
状態に変化させる転移手段を有するものとしてもよい
(請求項148)。
【0162】また、前記第1の配向状態から前記第2の
配向状態に変化し始める箇所を配向転移発生箇所とする
と、前記第3の配向状態の領域が配向転移発生箇所と略
一致するものとしてもよい(請求項149)。
【0163】また、前記液晶表示素子がOCB型液晶表
示素子であるものとしてもよい(請求項150)。
【0164】また、前記第3の配向状態がツイスト状態
であるものとしてもよい(請求項151)。
【0165】また、前記第3の配向状態のツイスト角が
90度以上であるものとしてもよい(請求項152)。
【0166】また、前記第3の配向状態のツイスト角が
180度に略等しいものとしてもよい(請求項15
3)。
【0167】また、前記第3の配向状態がべンド配向状
態であるものとしてもよい(請求項154)。
【0168】また、前記第3の配向状態の領域を隠すも
のとしてもよい(請求項155)。
【0169】また、前記第3の配向状態の領域を表示画
素の外部に形成するものとしてもよい(請求項15
6)。
【0170】また、前記第3の配向状態の領域をブラッ
クマトリクス上に作るものとしてもよい(請求項15
7)。
【0171】また、前記第3の配向状態の領域に電圧を
印加する電圧印加手段を有するものとしてもよい(請求
項158)。
【0172】また、前記基板の一方がアクティブマトリ
クス基板であり、前記アクティブマトリクス基板は補助
容量を有し、前記補助容量の電極上に前記第3の配向状
態を形成するものとしてもよい(請求項159)。
【0173】また、前記第3の配向状態の領域を画素電
極上に形成するものとしてもよい(請求項160)。
【0174】また、本発明に係る液晶表示素子は、対向
する一対の基板間に液晶層が配置され、前記基板の内面
に、全体として該基板に平行な面内にて周回するように
三次元領域を囲繞しかつ一部に該三次元領域を囲繞して
いない欠落部を有する立体構造物からなる不完全囲繞体
が形成されたものである(請求項161)。かかる構成
とすると、液晶層が表示用の配向状態にあるとき電圧を
瞬時にオフすることにより、上記三次元領域に表示用の
配向状態から無電圧時の配向状態への過渡的配向状態を
保存することができる。よって、再度、表示用の電圧を
印加することにより、液晶表示素子を、容易に表示用の
配向状態に転移させることができる。
【0175】この場合、前記不完全囲繞体の高さが、前
記液晶層の厚みの半分以上であるものとしてもよい(請
求項162)。
【0176】また、前記不完全囲繞体の高さが、前記液
晶層の厚みと略等しいものとしてもよい(請求項16
3)。
【0177】また、前記不完全囲繞体が、前記液晶層の
厚みを保つために設けられた柱スペーサであるものとし
てもよい(請求項164)。
【0178】また、前記不完全囲繞体に囲まれた三次元
領域は、前記不完全囲繞体に囲まれない領域と少なくと
も前記欠落部によって繋っているものとしてもよい(請
求項165)。
【0179】また、前記三次元領域は、前記不完全囲繞
体に少なくとも3方向を囲まれているものとしてもよい
(請求項166)。
【0180】また、前記不完全囲繞体の前記基板面への
射影形状が、間隙を有する入江構造をなしているものと
してもよい(請求項167)。
【0181】また、前記不完全囲繞体の前記基板面への
射影形状が、略U字構造をなしているものとしてもよい
(請求項168)。
【0182】また、前記不完全囲繞体が、前記一対の基
板間にて凝集された複数のビーズスペーサで構成されて
いるものとしてもよい(請求項169)。
【0183】また、前記不完全囲繞体が、周壁に貫通孔
又は切欠き部を有する筒状体で構成されているものとし
てもよい(請求項170)。
【0184】また、前記不完全囲繞体に囲まれた三次元
領域の径が厚みの5倍以下であるものとしてもよい(請
求項171)。
【0185】また、前記不完全囲繞体に囲まれた三次元
領域の径が前記液晶層の厚み以下であるものとしてもよ
い(請求項172)。
【0186】また、前記不完全囲繞体に囲まれた三次元
領域の径が25μm以下であるものとしてもよい(請求
項173)。
【0187】また、前記不完全囲繞体に囲まれた部分の
大きさが5μm以下であるものとしてもよい(請求項1
74)。
【0188】また、前記不完全囲繞体は、前記液晶層の
液晶分子が該不完全囲繞体の壁に対して平行に配向する
性質を有するものとしてもよい(請求項175)。
【0189】また、前記不完全囲繞体の色が黒く、光を
透過しないものとしてもよい(請求項176)。
【0190】また、前記不完全囲繞体の外周面が、基部
から先端部に向け内方に傾斜しているものとしてもよい
(請求項177)。
【0191】また、前記第3の配向状態が、前記第2の
配向状態において表示用の電圧をオフすることにより生
成されたものであるものとしてもよい(請求項17
8)。
【0192】また、前記基板に画素を有し、画素におい
て前記第3の配向状態の領域が生成される確率が5%以
上であるものとしてもよい(請求項179)。
【0193】また、前記第3の配向領域が室温放置で2
4時間以上保持されるものとしてもよい(請求項18
0)。
【0194】また、本発明に係る液晶表示素子の製造方
法は、無電圧下で第1の配向状態になるとともに表示用
の電圧下で第2の配向状態になり、該第1、第2の配向
状態間にエネルギ障壁が存在する液晶と、前記液晶に電
圧を印加する電圧印加手段と、前記液晶中に配置され液
晶分子配向機能を有する立体物とを備え、前記第2の配
向状態の少なくとも一部からなる領域を、無電圧下にお
いて前記液晶中に部分的に有する液晶表示素子の製造方
法であって、前記液晶を等方相まで加熱し、該加熱した
液晶に電圧を印加しながら徐冷することにより、前記立
体物の周辺に前記第2の配向状態の少なくとも一部から
なる領域を形成するものである(請求項181)。
【0195】また、本発明に係る液晶表示素子の製造方
法は、無電圧下で第1の配向状態になるとともに表示用
の電圧下で第2の配向状態になり、該第1、第2の配向
状態間にエネルギ障壁が存在する液晶と、前記液晶に電
圧を印加する電圧印加手段とを備え、前記第2の配向状
態との間に存在するエネルギ障壁が前記第1、第2の配
向状態間に存在するエネルギ障壁より小さい第3の配向
状態からなる領域を、無電圧下において前記液晶中に部
分的に有する液晶表示素子の製造方法であって、前記表
示用の電圧を印加した状態で前記液晶内に微細な網目構
造を形成し、それにより、該網目構造中に前記第3の配
向状態の領域を形成するものである(請求項182)。
【0196】また、本発明に係る液晶表示素子は、基板
間に液晶を挟持した液晶表示素子であり、前記基板間の
間隙を所定に保つための柱スペーサを有し、該柱スペー
サは、表示領域以外の領域に形成された表示領域外柱ス
ペーサを含み、該表示領域外柱スペーサを形成する領域
の基板高さを調整する手段を有するものである(請求項
183)。
【0197】この場合、前記基板高さを調整する手段が
ダミーパターンの形成であるものとしてもよい(請求項
184)。
【0198】また、前記表示領域外柱スペーサの密度
が、表示領域の柱スペーサの密度より小さいものとして
もよい(請求項185)。
【0199】また、前記表示領域外柱スペーサの形成領
域に凸部を形成しているものとしてもよい(請求項18
6)。
【0200】また、前記異配向方位領域を形成する手段
が、横方向電界を印加する手段であるものとしてもよい
(請求項187)。
【0201】また、前記横方向電界に、ラビング方向に
対して右向き成分を有する右後傾斜領域と左向き成分を
有する左傾斜領域とを少なくとも有するものとしてもよ
い(請求項188)。
【0202】また、前記右傾斜領域と左傾斜領域とが接
する領域を有するものとしてもよい(請求項189)。
【0203】また、前記右傾斜領域と左傾斜領域とが接
する領域が転移核として作用するものとしてもよい(請
求項190)。
【0204】また、前記異配向方位領域を形成する期間
が、転移電圧を印加している期間であるものとしてもよ
い(請求項191)。
【0205】また、前記横方向電界がゲート線と画素電
極との間の横方向電界であるものとしてもよい(請求項
192)。
【0206】また、前記横方向電界がソース線と画素電
極との間の横方向電界であるものとしてもよい(請求項
193)。
【0207】また、前記横方向電界を発生させるための
部材間の際間がジグザグ構造を有しているものとしても
よい(請求項194)。
【0208】また、前記ジグザグ構造の屈折点間の部分
を構成する直線の傾斜角度が、ラビング方向に対し45
度以上傾斜しているものとしてもよい(請求項19
5)。
【0209】また、前記ジグザグ構造のピッチが30μ
m以上であるものとしてもよい(請求項196)。
【0210】また、前記ジグザグ構造のピッチが画素の
ピッチ以下であるものとしてもよい(請求項197)。
【0211】また、前記横方向電界を発生させるための
部材間の隙間が4μm以上、20μm以下であるものと
してもよい(請求項198)。
【0212】また、本発明に係る液晶表示素子は、対向
する一対の基板間に液晶層が配置され、一方の前記基板
上にソース線、ゲート線、及び画素電極が形成され、他
方の前記基板上に対向電極が形成された液晶表示素子で
あって、前記画素電極と前記ソース線及びゲート線のう
ちの一方との相隣合う縁部同士が、平面視において、所
定の隙間を有して互いに噛み合うように形成されたもの
である(請求項199)。かかる構成とすると、所定の
電圧を印加することにより、上記噛み合い部に横方向電
界が発生し、それにより、液晶層に異配向方位領域が形
成されるので、容易に転移させることができる。
【0213】また、前記互いに噛み合う形状がジグザグ
形状であるものとしてもよい(請求項200)。
【0214】また、本発明に係る液晶表示素子の駆動方
法は、対向する一対の基板間に液晶層が配置され、一方
の前記基板上にソース線、ゲート線、及び画素電極が形
成されるとともに他方の前記基板に対向電極が形成さ
れ、局所的に他の領域と配向方向が異なっている異配向
方位領域を横方向電界によって発生させる液晶表示素子
の駆動方法であって、前記ゲート線に略全ての期間に特
定符号のゲート電圧を印加し、前記ソース線にゲート電
圧と逆符号の電圧を、前記対向電極にはゲート電圧と同
符号の電圧を印加する期間が存在するようにしたもので
ある(請求項201)。
【0215】この場合、前記ゲート線には通常駆動用の
走査波形を有する電圧が印加されているものとしてもよ
い(請求項202)。
【0216】また、本発明に係る液晶表示素子の駆動方
法は、対向する一対の基板間に液晶層が配置され、一方
の前記基板上にソース線、ゲート線、及び画素電極が形
成されるとともに他方の前記基板に対向電極が形成さ
れ、局所的に他の領域と配向方向が異なっている異配向
方位領域を横方向電界によって発生させる液晶表示素子
の駆動方法であって、相隣合う前記ソース線には交互に
異なる電圧が印加されるようにしたものである(請求項
203)。
【0217】また、本発明に係る液晶表示素子の製造方
法は、少なくとも1枚の基板と液晶層とを有する液晶表
示素子に、局所的に他の領域と配向方向が異なっている
異配向方位領域を形成するものである(請求項20
4)。
【0218】この場合、前記異配向方位領域をラビング
処理により形成するものとしてもよい(請求項20
5)。
【0219】また、前記ラビング処理におけるバイアス
角度が30度以下であるものとしてもよい(請求項20
6)。
【0220】また、前記立体障害のラビングの影部分
に、ラビング方向から見て右方向にラビングされた領域
と左方向にラビングされた領域とが形成されているもの
としてもよい(請求項207)。
【0221】また、 前記転移核から画素電極までの間
において、転移電圧が連続して印加されるものとしても
よい(請求項208)。
【0222】また、前記画素電極が、画素構造において
最上層に形成されたものとしてもよい(請求項20
9)。
【0223】また、前記補助容量電極と画素電極とがオ
ーバーラップしている構造であるものとしてもよい(請
求項210)。
【0224】また、前記互いに噛み合う形状が凸形状で
あるものとしてもよい(請求項211)。
【0225】また、前記画素電極と前記ゲート線との相
隣合う縁部同士が、互いに噛み合うように形成されたも
のとしてもよい(請求項212)。
【0226】また、前記噛み合い部分は、該部分に形成
される横方向電界の方向が前記一対の基板に施されたパ
ラレル配向処理の方向に対し45度以上かつ135度以
下の交差角を有するような形状に形成されているものと
してもよい(請求項213)。
【0227】また、前記交差角が80度以上かつ100
度以下であるものとしてもよい(請求項214)。
【0228】また、前記交差角が90度であるものとし
てもよい(請求項215)。
【0229】また、前記噛み合い部分の画素電極と前記
ゲート線との隙間が3μm以上かつ15μm以下である
ものとしてもよい(請求項216)。
【0230】また、転移動作中において、前記ゲート線
は少なくとも高電圧状態であり、かつ前記画素電極は前
記高電圧状態より低い、0Vを含む低電圧状態であるも
のとしてもよい(請求項217)。
【0231】また、前記噛み合い部に形成される横方向
電界により前記一方の基板内面付近の液晶分子列を前記
パラレル配向処理の方向から横方向に捩らせ、かつ前記
対向電極と前記画素電極との間に印加される縦方向電界
で液晶分子を立ち上がらせて、前記液晶層をベンド配向
へ転移させるものとしてもよい(請求項218)。
【0232】また、前記局所的配向をしている領域の基
板表面付近の液晶分子の配向の方向が前記局所的配向を
している領域の外部にいくにつれ徐々に変化し、液晶の
配向が連続的に繋がっているものとしてもよい(請求項
219)。
【0233】また、前記立体物の先端部よりも基部の方
が大きく、前記立体物の側面の傾斜角度が30度以上で
あるものとしてもよい(請求項220)。
【0234】また、前記立体物の先端部よりも基部の方
が大きく、前記立体物の側面の傾斜角度が略90度であ
るものとしてもよい(請求項221)。
【0235】また、前記立体物の先端部よりも基部の方
が小さいものとしてもよい(請求項222)。
【0236】また、前記局所的配向をしている領域にお
いて、該局所的配向をしている領域内に存在する前記立
体物に近い部分の液晶の配向は前記立体物の液晶配向機
能によって定まり、前記立体物から離れた部分の液晶の
配向はラビングによって定まっているものとしてもよい
(請求項223)。
【0237】また、前記立体物に近い部分が無ラビング
領域であり、前記立体物から離れた部分に、ラビング方
向から見て右方向にラビングされた領域と左方向にラビ
ングされた領域とが相接するように形成されているもの
としてもよい(請求項224)。
【0238】また、前記右方向にラビングされた領域と
左方向にラビングされた領域とがラビング方向に対し非
対称であるものとしてもよい(請求項225)。
【0239】また、前記立体物が複数配設され、各立体
物の局所的配向をしている領域が互いに重なり合うよう
に形成されているものとしてもよい(請求項226)。
【0240】また、前記立体物が撥水性であるものとし
てもよい(請求項227)。
【0241】また、前記立体物が親水性であるものとし
てもよい(請求項228)。
【0242】また、前記立体物が、前記液晶層の厚さを
保持する柱スペーサであるものとしてもよい(請求項2
29)。
【0243】また、前記基板の一方がアクティブマトリ
クス基板であり、該アクティブマトリクスの段差が前記
立体物であるものとしてもよい(請求項230)。
【0244】また、前記異配向方位領域の大きさを、ラ
ビング布の押し込み量を変化させることにより制御する
ものとしてもよい(請求項231)。
【0245】また、前記ラビング処理におけるバイアス
角度が15度以上であるものとしてもよい(請求項23
2)。
【0246】また、前記ラビング処理におけるバイアス
角度が90度未満であるものとしてもよい(請求項23
3)。
【0247】また、前記ラビング処理に用いるローラの
バフの毛の植毛方向が前記バフの地布面に対し傾いてい
るものとしてもよい(請求項234)。
【0248】また、前記異配向方位領域を形成する手段
が、前記基板表面の傾斜構造であるものとしてもよい
(請求項234)。ものとしてもよい(請求項23
5)。
【0249】また、前記傾斜構造が配向膜の厚み変化に
よって形成されているものとしてもよい(請求項23
6)。
【0250】また、前記傾斜構造の傾斜角が0.2度以
上であるものとしてもよい(請求項237)。
【0251】また、前記異配向方位領域が垂直配向領域
であるものとしてもよい(請求項238)。
【0252】また、前記異配向方位領域を形成する手段
が、立体物によるラビング遮蔽であるものとしてもよい
(請求項239)。
【0253】また、前記異配向方位領域が20度以上の
プレチルトを有するものとしてもよい(請求項24
0)。
【0254】また、前記異配向方位領域が40度以上の
プレチルトを有するものとしてもよい(請求項24
1)。
【0255】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。 実施の形態1 本発明の実施の形態1は、配向方位が他の領域の配向方
位と異なる領域(以下、異配向方位領域という)又はツ
イスト配向領域を有するパラレル配向型液晶表示素子を
例示したものである。 [テストセル]以下の実施例1〜3においては、テストセ
ルとしての液晶表示素子を作製し、その作製したテスト
セルについて、スプレイ−ベンド転移時間を評価した。
スプレイ−ベンド転移時間の評価には位相補償板は不要
であるので、実施例1〜3のテストセルでは位相補償板
を省略している。 (実施例1)図1は本実施の形態の実施例1に係るテス
トセルの構成を模式的に示す断面図、図15は図1のテ
ストセルの下側基板の突起の配置を模式的に示す平面図
である。図5は図1の基板のラビング方向を示す図であ
る。
【0256】図1、図15に示すように、本実施例に係
るテストセルAは、一対の基板、すなわち上側基板101
及び下側基板102がビーズ状のスペーサ5を介して対向
配置され、上側基板101及び下側基板102の間に形成され
た空間にネマティック液晶からなる液晶層4が配置され
ている。
【0257】上側基板101は、ガラス基板1の下面に透
明電極2及び配向膜3が順に積層形成されて構成されて
いる。また、下側基板102は、ガラス基板8の上面に三
角柱形状の突起10が形成され、その突起10が形成された
ガラス基板8の上面を覆うように、透明電極7及び配向
膜6が順に積層形成されて構成されている。従って、下
側基板102の上面には突起(立体障害)103が形成されて
いる。
【0258】図5に示すように、突起103はその横断面
形状の三角形の頂点がラビング方向を向くように形成さ
れている。これにより、実施の形態2で詳述するように
突起103の周囲にツイスト配向領域が形成されている。
【0259】なお、図1ではスペーサ5を2個のみ示し
ているが、実際には多数のスペーサ5が両基板101,102
間に不規則な間隔で介在している。
【0260】次に、このように構成されたテストセルの
製造方法を図2〜図4を用いて説明する。図2及び図3
は図1のテストセルの製造プロセスを示す断面図、図4
はフォトマスクを示す平面図である。
【0261】まず、図2(a)に示すように、ガラス基板
8上に、JSR株式会社製PC系レジスト材料を塗布し
て、厚さ0.5μmのフォトレジスト薄膜20を形成す
る。次いで、そのフォトレジスト薄膜20に、図4に示
す三角形状のパターン開口部22を有するフォトマスク2
1を通して平行光紫外線23を照射し、該フォトレジスト
薄膜20を露光する。次いで、その露光されたフォトレジ
スト薄膜20を現像してリンスし、その後90℃でプリ
ベークする。これにより、図3に示すように、ガラス基
板8上に、フォトレジスト薄膜からなる、三角形の横断
面形状を有する(図15参照)柱状の突起10が形成さ
れる。
【0262】次いで、その突起10が形成されたガラス基
板8上に、定法に従い、ITO(indium tin oxide)を2
000オングストロームの厚みに成膜し、それにより透
明電極7を形成する。次いで、その透明電極7が形成さ
れたガラス基板8上に、日産化学工業製配向膜塗料SE
−7492をスピンコート法にて塗布し、これを恒温槽
中にて180℃で1時間加熱して硬化させ、それにより
配向膜6を形成する。これにより、上面に突起103を有
する下側基板102が完成する。
【0263】また、上記突起10が形成されたガラス基板
8と同様に、ガラス基板1上に透明電極2及び配向膜3
を形成する。これにより上側基板101が完成する。
【0264】次いで、上側基板101及び下側基板102に、
レーヨン製ラビング布を用いて、図5に示す方向にラビ
ング処理を施す。
【0265】次いで、上側基板101と下側基板102とを、
積水ファインケミカル(株)製スペーサ5及びストラク
トボンド352A(三井東圧化学(株)製シール樹脂の
商品名)を用いて、基板間隔が6.5μmとなるように
貼り合わせ、それにより液晶セル9を作製する。ここ
で、上記ラビング処理は、この液晶セル9の配向膜界面
における液晶プレチルト角が約5度となるように行われ
る。
【0266】次いで、その液晶セル9に、液晶MJ96
435(屈折率異方性Δn=0.138)を真空注入法
にて注入して封止する。これによりテストセルAが完成
する。
【0267】次に、以上の製造方法により作製されたテ
ストセルAのスプレイ−ベンド転移時間の評価を説明す
る。
【0268】まず、テストセルAの上面及び下面に、各
々の偏光軸が配向膜のラビング処理方向と45度の角度
をなし、かつ、互いの偏光軸方向が直交するように2枚
の偏光板を貼り付け、その後、透明電極2,7間に7V
の矩形波電圧を印加してスプレイ配向からベンド配向へ
の転移を観察したところ、約5秒で電極2,7の全領域
がスプレイ配向からベンド領域へと転移した。
【0269】つまり、テストセルAは、突起103付近の
領域では、液晶の配向方位が周囲の領域の液晶の配向方
位とは異なっており、この領域においては液晶層4は若
干のツイスト配向をしている。そして、電圧印加によ
り、この領域は速やかにスプレイ−ベンド転移が進行
し、この領域からベンド配向が周囲の領域に広がってい
く。すなわち、確実かつ高速なスプレイ−ベンド転移が
達成出来る。
【0270】比較例として、突起103を有しない点を除
いて同じ構成を有するテストセルRを、テストセルAと
同様のプロセスで作製し、そのスプレイ−ベンド転移時
間を測定した。この測定では、テストセルRに7Vの矩
形波電圧を印加した時の、電極の全領域がスプレイ配向
からベンド領域へと転移するに要する時間は42秒であ
った。従って、本発明の効果は明らかである。
【0271】なお、本実施例においては、突起103を片
方の基板102にのみ形成したが、両方の基板に形成して
もよいことは言うまでもない。また、本実施例では突起
103として、横断面形状が三角形のものを用いたが、ラ
ビング処理により、液晶の配向方位が部分的に周囲の領
域とは異なった領域が形成されれば他の形状を有する突
起であってもよい。具体的には、その横断面形状が円
形、楕円形、菱形、あるいは三角形である柱状体、山形
状体、又は錐状体が好ましい。 (実施例2)図6は本実施の形態の実施例2に係るテス
トセルの構成を模式的に示す断面図、図16は図6のテ
ストセルの下側基板の溝の配置を模式的に示す平面図で
ある。
【0272】図6、図16に示すように、本実施例に係
るテストセルBは、実施例1とは異なり、下側基板102
に溝104が形成されている。すなわち、下側基板102は、
ガラス基板8の上面に溝30が形成され、その溝30が形成
されたガラス基板8の上面を覆うように、透明電極7及
び配向膜6が順に積層形成され、それによりその上面に
溝104が形成されるようにして、構成されている。溝104
は、ラビング方向(全体的な配向処理の方向)に対して
30度傾斜するように形成され、かつラビング方向に直
角な方向に500オングストロームのピッチで複数本
(本実施例では20本)列設されている。溝104は、液
晶配向効果を有する溝(マイクログルーブ)となるよう
な幅を有するように形成されている。つまり、溝104の
幅は、液晶層4の液晶分子が該溝104にはまり込んでそ
の方向に配向されるような幅、本実施例では約100オ
ングストロームの幅に形成されている。これにより、液
晶層4の、溝104が列設された領域にツイスト配向領域
が形成されている。これ以外の点は、実施例1と同様で
ある。なお、図6では溝30及び溝104を誇張して描いて
いる。
【0273】次に、以上のように構成されたテストセル
Bの製造方法を図6、図7、図16を用いて説明する。
図7はフォトマスクを示す平面図である。
【0274】まず、ガラス基板8上に、実施例1と同様
にして厚さ0.5μmのフォトレジスト薄膜20を形成
し、そのフォトレジスト薄膜20にフォトマスク21を用い
て溝30を形成する。フォトマスク21には、図7に示すよ
うに、スリット状の開口部22が、基準方向に対して30
度傾斜するように形成され、かつ基準方向に直角な方向
に500オングストロームのピッチで20本列設されて
いる。開口部22の幅は、以降の工程を経て最終的に配向
膜6上に形成される溝104が約100オングストローム
の幅を有するような幅に設定されている。また、基準方
向は、フォトマスク21を用いて下側基板102上に形成さ
れる溝104がラビングされるべき方向である。
【0275】以降、上面に溝30が形成されたガラス基板
8上に、実施例1と同様にして、透明電極7及び配向膜
6が形成され、上面に溝104が形成された下側基板102が
完成される。上側基板101は実施例1と全く同様に作製
される。
【0276】そして、以上のように作製した上側基板10
1及び下側基板102を実施例1と同様にラビング処理す
る。下側基板102のラビング方向は図16に示す方向で
ある。この際、溝104は、深さが幅に比して深い(0.
5μm)ためラビングされない。つまり、溝104は、上
述のように、液晶層4の液晶分子がはまり込んで配向さ
れるような狭い幅を有し、かつラビング処理時にラビン
グされないような深さを有することが要求される。上側
基板101のラビング方向は、液晶セルに組立てた状態で
下側基板102のラビング方向に平行となる方向である。
【0277】その後、実施例1と同様にして、液晶セル
9を作製し、その液晶セル9に液晶を封入してテストセ
ルBを完成する。配向膜界面での液晶プレチルト角は、
実施例1と同様、約5度である。
【0278】次に、以上の製造方法により作製されたテ
ストセルBのスプレイ−ベンド転移時間の評価を説明す
る。
【0279】まず、テストセルBの上面及び下面に、各
々の偏光軸が配向膜のラビング処理方向と45度の角度
をなし、かつ、互いの偏光軸方向が直交するように2枚
の偏光板を貼り付け、その後、透明電極2,7間に7V
の矩形波電圧を印加してスプレイ配向からベンド配向へ
の転移を観察したところ、約7秒で電極2,7の全領域
がスプレイ配向からベンド配向へと転移した。
【0280】これは、テストセルBは、溝104が列設さ
れた領域では、液晶の配向方位が周囲の領域の液晶の配
向方位とは異なっており、この領域においては液晶層4
はツイスト配向をしている。そのため、実施例1と同様
に、電圧印加によって、そのツイスト配向領域において
速やかにスプレイ−ベンド転移が進行し、その転移によ
り生じたベンド配向が周囲の領域に広がっていくことに
より、確実かつ高速なスプレイ−ベンド転移が達成され
るものである。本実施例は、表示画素領域内に液晶配向
効果を有する溝104を部分的に設け、それによってツイ
スト配向領域を部分的に形成することにより、確実かつ
速やかなスプレイ−ベンド転移を促すものであり、その
実用的価値は極めて大きい。
【0281】なお、本実施例では、溝30,104をフォトリ
ソグラフィー法により形成したが、これをスタンプ法
(例えば、E.S. Lee et. al., "Control of Liquid Cry
stal Alignment Using Stamped-Morphology Method" ,
Jpn. J. Appl. Phys., Part 2,vol.32, pp.L1436-L143
8, 1993.)等の他の方法により形成してもよいことは言
うまでもない。
【0282】また、本実施例では、溝104のラビング方
向に対する傾斜角度を30度としたが、この傾斜角度は
90度以下であればよく、60度以上90度以下とする
のが好ましい。この理由については、実施の形態2で詳
述する。また、複数の溝104は、ラビング方向に対する
角度がそれぞれ異なっていてもよく、また、列状に限ら
ず任意の態様に配置してもよく、さらに、不規則に配置
してもよい。 (実施例3)図8は本実施の形態の実施例3に係るテス
トセルの構成を模式的に示す断面図、図17は図8のテ
ストセルの下側基板の配向処理状態を模式的に示す平面
図である。
【0283】図8、図17に示すように、本実施例に係
るテストセルCは、実施例1とは異なり、上側基板101
及び下側基板102が光配向により配向処理されている。
すなわち、上側基板101及び下側基板102は、それぞれ、
ガラス基板1,8上に透明電極2,7及び配向膜3,6
が順に積層形成されて構成されている。下側基板102
は、図17に示すように、その上面に碁盤の目状に多数
の単位配向処理領域(異方向配向処理領域)51が形成さ
れ、その多数形成された単位配向処理領域51が、相隣り
合うもの同士51A,51Bが90度異なる配向方位を有する
ように配向処理されている。また、上側基板101は、下
側基板102の各単位配向処理領域に対応する各単位配向
処理領域が、その対応する下側基板101の各単位配向処
理領域と同じ配向方位を有するようにそれぞれ配向処理
されている。従って、各単位配向処理領域51上の液晶層
4はパラレル配向をしており、ツイスト配向をしてはい
ない。なお、各単位配向処理領域における液晶4の中央
部分の液晶分子の配向方位は多少のバラツキ(分布)を
有していてもよい。また、配向膜3,6は光感応性を有
する配向膜で構成され、光配向によって配向処理されて
いる。これ以外の点は、実施例1と同様である。
【0284】次に、以上のように構成されたテストセル
Cの製造方法を図8、図9、図10を用いて説明する。
図9は図8のテストセルの製造プロセスを示す断面図、
図10はマスクを示す平面図である。
【0285】まず、実施例1と同様に、ガラス基板8上
に透明電極7を形成する。次いで、この透明電極7が形
成されたガラス基板8上にポリビニルシンナメートの2
wt.%溶液(モノクロロベンゼンとジクロロメタンの
1:1混合溶液中に希釈)をスピンコート法にて塗布
し、これを恒温槽中にて100℃で1時間乾燥し、それ
により光感応性を有する配向膜6を形成する。これによ
り、下側基板102が作製される。また、これと全く同様
にして、上側基板101を作製する。
【0286】次いで、下側基板102の配向膜6に偏光紫
外線照射装置(図示せず)を用いて以下のように光配向
処理を施す。以下の配向処理では、波長365nmの偏
光紫外線が1mW/cm2の照射光強度で照射される。
すなわち、まず、下側基板102の配向膜6に、マスク2
1を介して、図9に符号32で示す方向(紙面に平行な方
向)に延在する偏波面を有する偏光紫外線を30分間照
射する(処理A)。この時の偏光紫外線の照射角度θは
90度である。また、マスク21は、図17に示す碁盤の
目状の単位配向処理領域51において1つ置きに位置する
単位配向処理領域51Aに対応する形状及び位置を有する
ように、開口部122が形成されている。
【0287】次いで、マスク21を下側基板102の単位配
向処理領域1つ分だけずらし、さらに偏波面を90度回
転させて、すなわち偏波面が図9の紙面に垂直な方向に
延在するようにして、偏光紫外線を30分間照射する
(処理B)。この時の偏光紫外線の照射角度θは90度
である。
【0288】次いで、偏光紫外線の照射角度θを45
度、照射時間を3分間に変えて、上記処理A及び処理B
を行う(処理A’、処理B’)。これにより、下側基板
102の光配向処理が完了する。
【0289】次いで、上側基板101に、下側基板102と同
様に、上記処理A、処理B、処理A’、処理B’を施
し、それにより上側基板101の光配向処理を完了する。
【0290】次いで、実施例1と同様にして、液晶セル
9を作製し、その液晶セル9に液晶を封入してテストセ
ルCを完成する。この時、配向膜界面での液晶プレチル
ト角は、本実施例では、上側基板101及び下側基板102に
対する上記処理A’及び処理B’の結果として約3度と
なった。
【0291】次に、以上の製造方法により作製されたテ
ストセルCのスプレイ−ベンド転移時間の評価を説明す
る。
【0292】まず、テストセルCの上面及び下面に、各
々の偏光軸が、互いに配向方位が90度異なる2種類の
単位配向領域の液晶分子の平均配向方位と45度の角度
をなし、かつ、互いの偏光軸方向が直交するように2枚
の偏光板を貼り付け、その後、透明電極2,7間に7V
の矩形波電圧を印加してスプレイ配向からベンド配向へ
の転移を観察したところ、約4秒で電極2,7の全領域
がスプレイ配向からベンド配向へと転移した。
【0293】これは、液晶層4の各単位配向処理領域51
上の領域、すなわち異配向方位領域から転移核が発生
し、それが成長してスプレイ−ベンド転移が進行するた
め、高速な転移が可能であり、かつ異配向方位領域が多
数形成されているため、確実な転移が可能なものであ
る。
【0294】なお、本実施例では、単位配向処理領域を
特に画素と対応させていないが、これを画素と対応させ
てもよい。 [液晶表示素子] (実施例4)図11は本実施の形態の実施例4に係る液
晶表示素子の構成を示す断面図、図12は図11の液晶
表示素子の各光学素子の配置方向を示す平面図である。
なお、図11では下側基板102の突起103(図1参照)の
記載を省略している。図11に示すように、本実施例に
係る液晶表示素子Dは、実施例1に係るテストセルAの
上面に、主軸がハイブリット配列した負の屈折率異方性
もつ光学媒体よりなる位相差板(位相補償板)12、負の
一軸性位相差板(位相補償板)11、正の一軸性位相差板
(位相補償板)19、偏光板13が順に配設され、該テスト
セルAの下面に、主軸がハイブリット配列した負の屈折
率異方性もつ光学媒体よりなる位相差板(位相補償板)
15、負の一軸性位相差板(位相補償板)14、偏光板16が
順に配設されている。これら位相差板12,15,11,14,19、
及び偏光板16は、テストセルAのラビング方向に対して
図12に示す方向となるように配置されている。
【0295】位相差板12,15,11,14,19のリターデーショ
ン値は、本実施例では、波長550nmの光に対して、
それぞれ、26nm、26nm、350nm、350n
m、及び150nmである。
【0296】次に、以上のように構成された液晶表示素
子Dの性能の評価を説明する。
【0297】図13は、25℃における液晶表示素子D
の正面における電圧−透過率特性を示すグラフである。
この電圧−透過率特性は、液晶表示素子Dに10Vの矩
形波電圧を10秒印加してベンド配向に転移しているこ
とを確認した後、電圧を降下させながら透過率を測定す
ることにより求めた。液晶表示素子Dではベンド配向か
らスプレイ配向への転移が2.1Vで起こるため、実効
的には2.2V以上の電圧で表示を行う必要がある。一
方、この電圧−透過率特性では7.2V近傍で透過率が
極小となっている。そこで、白レベル電圧を2.2V、
黒レベル電圧を7.2Vとし、この時のコントラスト比
の視角依存性を測定した。その結果、上下126度、左
右160度の範囲でコントラスト比10:1以上が達成
されており、基板配向膜面上に液晶ダイレクタの方向が
周囲とは異なる部位を部分的に設けても、充分な広視野
角特性が維持されることが確認された。また、目視観察
においても、配向不良及び表示品位不良は認められなか
った。
【0298】また、印加電圧を3Vから5Vへ変化させ
た場合の応答時間を測定したところ、立ち上がり時間は
5ミリ秒であり、印加電圧を5Vから3Vへ変化させた
場合の応答時間を測定したところ、立ち下がり時間は6
ミリ秒であった。 (実施例5)本実施の形態の実施例5に係る液晶表示素
子(図示せず)は、実施例4の液晶表示素子Dにおいて
テストセルAに代えて実施例2に係るテストセルBを用
いたものである(図示せず)。このような構成として
も、実施例4と同様の効果が得られる。 (実施例6)本実施の形態の実施例6に係る液晶表示素
子(図示せず)は、実施例4の液晶表示素子Dにおいて
テストセルAに代えて実施例3に係るテストセルCを用
いたものである(図示せず)。但し、光学素子は図18
に示す方向に配置される。
【0299】このような構成としても、実施例4と同様
の効果が得られる。
【0300】以上より明らかなように、実施の形態1に
係る液晶表示素子においては、従来のOCBモードの広
視野角特性や応答特性を犠牲にすることなく、高速なス
プレイ−ベンド配向転移を達成することが出来、その実
用的な価値は極めて大きい。 実施の形態2 本発明の実施の形態2は、ラビングによる配向処理制御
用の突起(立体障害)の好ましい形態を例示したもので
ある。
【0301】図19は本発明の実施の形態2に係る液晶
表示素子の構成を示す平面図、図20は図19のXX−
XX矢視断面図である。
【0302】図19、図20に示すように、本実施の形
態の液晶表示素子Eは、アクティブマトリクスタイプの
OCBモードの液晶表示素子であり、TFT基板(アレ
イ基板)202と該TFT基板202に対向するように配置さ
れたカラーフィルタ基板201との間に形成された空間に
ネマッティック液晶からなる液晶層4が配置されて構成
されている。なお、図19、図20では位相差板、偏光
板等の光学素子の記載を省略している。
【0303】TFT基板202はガラス基板8を有してい
る。ガラス基板8の上面には、画素電極64が形成され、
それを覆うように絶縁層68が形成されている。絶縁層68
上にはゲート線61及びソース線62がマトリクス状に形成
され、それらを覆うように絶縁層91が形成されている。
ゲート線61及びソース線62は、それらで区画された画素
63の領域内に画素電極64が位置するように形成されてい
る。絶縁層91上には、ゲート線61の上方に位置するよう
に補助容量電極65が形成され、該補助容量電極65が形成
された絶縁層91の表面を覆うように絶縁層77が形成され
ている。そして、補助容量電極65の上方には、フォトレ
ジストからなる複合柱スペーサ203’が形成されてい
る。複合柱スペーサ203’は補助容量電極65毎、すなわ
ち、画素63毎に形成され、3本の柱スペーサ203A’,203
B’,203C’(図19には203C’のみを示す)で構成され
ている。また、複合柱スペーサ203’は、絶縁層77が部
分的に除去されて補助容量電極65上に直接形成されたも
のと、補助容量電極65上に絶縁層77を介して形成された
ものとがソース線62の延在方向において2対1の比率で
配置されている。そして、これら、複合柱スペーサ20
3、絶縁層77、補助容量電極65の表面を覆うように配向
膜6が形成されている。符号203は表面に配向膜6が形
成された複合柱スペーサ203’を、符号203A,203B,203C
は、表面に配向膜6が形成された各柱スペーサ203A’,2
03B’,203C’を表している。補助容量電極65上に絶縁層
77を介して形成された複合柱スペーサ203の先端はカラ
ーフィルタ基板201の下面に当接し、補助容量電極65上
に直接形成された複合柱スペーサ203の先端は、カラー
フィルタ基板201の下面との間に、絶縁層77の厚みに相
当する隙間を有している。なお、図19、図20では複
合柱スペーサ203を誇張して描いている。また複合柱ス
ペーサ203については、後でさらに詳述する。また、符
号66はTFT(Thin Film Transistor)を示す。
【0304】カラーフィルタ基板201は、ガラス基板1
の下面にブラックマトリクス67、カラーフィルタ76、対
向電極79、配向膜3が順に積層形成されて構成されてい
る。ブラックマトリクス67は、ゲート線61及びソース線
62の上方に位置するように配置されている。カラーフィ
ルタ基板201及び複合柱スペーサ203を含むTFT基板20
2は、周知のフォトリソグラフィー法により製造される
ので、その説明を省略する。また、カラーフィルタ基板
201及びTFT基板202から液晶表示素子への組立は実施
の形態1の実施例1と同様である。
【0305】次に、複合柱スペーサ203について図19
〜図22を用いて詳しく説明する。図21は複合柱スペ
ーサ203の形態を示す平面図、図22は図21の複合柱
スペーサによって形成された配向処理状態を示す概念図
である。
【0306】液晶表示素子Eは、2枚の基板201,201間
に液晶4を封入している。ここで2枚の基板210,202に
は配向処理をラビングによって施したが、このラビング
方向69は上側基板(カラーフィルタ基板)201及び下側
基板(TFT基板)202とも同じ方向とした。本発明
は、片側の基板(本実施の形態では下側基板201)上に
フォトレジストによって柱スペーサ(立体障害)を形成
し、その柱スペーサの形態を特定のものにすることを特
徴とする。一般に従来の液晶表示素子では、基板間に分
散させた樹脂ビーズを基板間隔を保つスペーサとしてい
た。本発明ではこの樹脂ビーズの代わりにこのフォトレ
ジストからなる柱スペーサをスペーサとして兼用してい
る。なお、本実施の形態では、柱スペーサ203A,203B,20
3Cは電極(ここでは補助容量電極65)上に形成されてい
るが、逆に柱スペーサ203A,203B,203Cの表面を電極が覆
っていてもよい。但し、柱スペーサ203A,203B,203Cの表
面を電極が覆っている場合には、相手方の基板(ここで
はカラーフィルタ基板201)の電極(ここでは対向電極7
9)の、該柱スペーサ203A,203B,203Cの先端に対応する
部分を除去しておく必要がある。さもないと、両電極間
でショートする可能性があるからである。
【0307】本発明の柱スペーサの形態の一例として、
本実施の形態では、図21に示すように、各辺がラビン
グ方向69に対して傾斜した菱形断面形状を有する柱状の
柱スペーサ203A,203B,203Cを3個形成し、これを1組
(以下、複合柱スペーサ203という)として、各画素63
に規則的に形成した。ここで、本明細書において、複合
柱スペーサとは、互いに近接して配置された複数の柱ス
ペーサからなる柱スペーサ群をいう。
【0308】複合柱スペーサ203は、その3個の柱スペ
ーサ203A,203B,203Cが、いずれも、その菱形断面形状の
短い方の対角線がラビング方向69に平行となるような向
きに形成されている。ここで、柱スペーサ203A,203B,20
3Cの断面形状(平面形状)は異方性を有しているのが好
ましい。また、本実施の形態の骨子がラビングの流れを
制御することにあるので、上記断面形状はラビングが流
れやすいことが重要である。そこで、これらの観点か
ら、本実施の形態では、柱スペーサ203A,203B,203Cの断
面形状として菱形を採用した。また、ラビング方向69と
は、基板に対するラビング布の相対的移動方向、つま
り、全体的な配向処理の方向をいう。3個の柱スペーサ
203A,203B,203Cは、2個の柱スペーサ203A,203Bがラビ
ング方向69に対して横方向に所定の間隔で並ぶように配
置され、残りの1個の柱スペーサ203Cが前記2個の柱ス
ペーサ203A,203Bの後方に位置しかつ該2個の柱スペー
サ203A,203Bに対し同じ間隔を有するよう配置されてい
る。そして、後側に位置する柱スペーサ(以下、後側柱
スペーサという)203Cは、前側に位置する2個の柱スペ
ーサ(以下、前側柱スペーサという)203A,203Bより大
きい断面積を有している。
【0309】この複合柱スペーサ203が形成された基板2
02をラビングすると、この複合柱スペーサ203の形態に
従って配向処理方向、すなわち実際にラビングされた方
向が局所的に制御される。この配向処理状態を図22に
示す。
【0310】図22において、符号69を付した矢印はラ
ビング方向を示す。また、実線の矢印は実際のラビング
の流れ、すなわち配向処理方向を示し、幅広の矢印81は
局所的な配向処理方向を示している。特に重要なのは後
側柱スペーサ203Cであり、これに当たったラビング布の
繊維(図示せず)は左右にはじかれ、それによって、矢
印81a,81bで示すように、左右の方向にラビングがなさ
れる。そして、このように左右の方向になされたラビン
グの上にさらに通常方向(ラビング方向69)のラビング
がなされることを防ぐために前側柱スペーサ203A,203B
が形成されている。これにより、図22に示すように、
複合柱スペーサ203の周辺部に、周囲の領域71の配向処
理方向(全体的な配向処理方向)と異なる方向に配向処
理された局所的な異方向配向処理領域70が形成される。
一方、上側基板201には上記周囲の領域71と同じ方向に
配向処理が施されている。従って、この下側基板202の
異方向配向処理領域70の上方に位置する液晶層4はツイ
スト配向状態になる。そして、この液晶層4のツイスト
配向状態になった領域(以下、ツイスト配向領域とい
う)が核となってスプレイ−ベンド転移が進行する。こ
のツイスト配向領域の中でも、特にスプレイ−ベンドベ
ンド転移の核になる箇所は、図22に×印で示した個所
であり、ツイストが発生する領域であった。
【0311】次に、複合柱スペーサ203の形態について
の好ましい条件を説明する。前側柱スペーサ203A,203B
と後側柱スペーサ203Cとの距離が離れすぎると柱スペー
サ203A,203BA,Bの有する遮蔽効果が少なくなる。こ
の遮蔽効果を有効に発揮させるためには、柱スペーサ20
3C付近に発生する異方向ラビング領域を通常方向にラビ
ングされないように遮蔽する必要がある。そこで、複合
柱スペーサ203の高さと遮蔽距離との関係を求めたとこ
ろ、本実施の形態の複合柱スペーサ203では、複合柱ス
ペーサ203からの距離が複合柱スペーサ203の高さの5倍
以下となる領域で遮蔽効果が見られた。3倍以下の領域
では確実な遮蔽効果が得られた。一方、5倍以上離れる
と遮蔽効果はなくなった。また、複合柱スペーサ203の
高さを半分にすると遮蔽距離も半分になったので、遮蔽
距離は確かに複合柱スペーサ203の高さの関数である。
【0312】また、前側に位置する2個の柱スペーサ20
3A,203B同士の間隔は、ラビング布の繊維径よりも広い
ことが必要である。本実施の形態では、10μm以上と
するのが好ましい。また前側柱スペーサ203A,203Bと後
側柱スペーサ203Cとの間の領域には、前側柱スペーサ20
3A,203Bによるラビングの影が発生し、この影領域では
実際にラビングされる方向が周囲の領域71とは異なって
いる。また、この影領域ではプレチルト角も変化してい
ることが確認された。この影が柱スペーサ203Cに届くこ
とが転移を効率的に行うために必要であった。本実施の
形態では、この影が届く距離は複合柱スペーサ203の高
さの5倍以下でかつ約25μm以下であった。従って、
前側柱スペーサ203A,203Bと後側柱スペーサ203Cとを離
しすぎると転移が効率的に行われない。また、本実施の
形態のように、前側柱スペーサ203A,203Bの断面積より
も後側柱スペーサ203Cの断面積が大きいと、この影によ
る効果が大きい。これは、前側柱スペーサ203A,203Bの
影が後側柱スペーサ203Cによって形成されたラビング
(配向処理)と接触する可能性が大きくなるためであ
る。
【0313】また、各柱スペーサ203A,203B,203Cの菱形
断面の短い方の対角線の長さが5μm以上であることが
好ましい。この対角線の長さが短いと、柱スペーサが倒
れやすいからである。なお、柱スペーサが任意の形状の
断面を有する場合にはその最小径が5μm以上であるの
が好ましい。ここで、本明細書において、柱スペーサ
(立体障害)の径とは、柱スペーサの断面の中心点を挟
む該断面外周上の2点間の距離をいう。
【0314】また、スプレイ−ベンド転移の核を生じさ
せるためには、液晶層4にツイスト配向が発生している
ことが最低限必要とされる。そして、互いに異なる方向
の配向状態が接している個所で転移が発生しやすく、特
に本実施の形態ではツイスト方向が異なるツイスト配向
領域が接している個所が核になりやすかった。この箇所
は、上述したように、図22において×印で示した箇所
(正確には×印で示した箇所上の液晶)であり、この箇
所では右回りツイストの領域と左回りツイストの領域と
が接している。従って、柱スペーサは、このような互い
に異なる方向の配向状態が接する個所が生じるような形
態とするのが望ましく、さらに、互いにツイスト方向が
反対である領域が接する箇所が形成されるようなものと
するのがより望ましい。
【0315】また、本実施の形態の柱スペーサ203A,203
B,203Cや実施の形態1の実施例1の突起103(図1参照)
を含む、基板上に形成された突起の付近が、転移の核と
なりやすかった。これは、ラビング時に、突起の後側で
はラビングの影が生じ、その影によってラビング強度が
弱い部分が形成される一方、プレチルト角はラビングの
強度に依存する。そのため、突起の前側ではラビング強
度が強くてプレチルト角が低く、後側ではラビング強度
が弱くてプレチルト角が比較的高くなる。その結果、突
起の手前と後とではプレチルト角が異なることとなり、
デフェクトが発生しやすくなる。そして、このデフェク
トが発生しているとそれが核になりやすいからであると
考えられる。このデフェクトは、転移電圧を印加した際
に、セルの厚み方向の中央部において、液晶分子が上方
向又は下方向に向いたスプレイ状態と他の状態との境界
をなすデフェクトである。
【0316】また、この突起は、液晶層4の厚み(本明
細書においてはセル厚と呼ぶ)の半分以上の高さを有す
ると転移核になりやすい。そして、この突起をより確実
に転移核たらしめるには、該突起がセル厚と同等もしく
はセル厚との差異が1μm以下の高さを有することが望
ましい。
【0317】また、本実施の形態では、図21から判る
ように、ツイスト配向領域のツイスト角は約60度とな
っている。ツイスト配向領域は、ツイスト角が45°以
上であれば転移核になりやすく、ツイスト角が60°以
上であればより効果的であった。さらに、ツイスト角が
90°のツイスト配向領域があれば、その領域からは5
V程度の低い電圧でも転移する。これは、実施の形態8
で詳述するが、この領域に右回りツイストと左回りツイ
ストとが混在できるためである。従って、ツイスト配向
領域のツイスト角は、45度以上90度以下とするのが
好ましく、さらに60度以上90度以下とするのがより
好ましい。また、本実施の形態においてツイスト配向領
域は均一である必要はない。液晶の配向方位が分布を有
して緩やかに変化している方が転移しやすい傾向があっ
た。
【0318】また、本実施の形態では、柱スペーサ203
A,203b,203Cの側面を垂直な面としているが、これを、
テーパを有する、すなわち上部が内方に傾斜する面とす
ると、よりスプレイ−ベンド転移の確実性を高めること
ができる。
【0319】また、本実施の形態では、TFT66を有す
るTFT基板202を用いている。本発明の特徴的構成で
あるツイスト配向領域では、黒表示の際に光が漏れてく
るためこの領域を遮光することが高コントラストを得る
ために重要である。一般に、画素電極の周囲にはブラッ
クマトリクスが形成されているため、このブラックマト
リクスによって遮光される領域内にツイスト配向領域を
形成すれば、開口率を低下させることなく本発明を実現
することができる。ただし、スプレイ−ベンド転移を発
生させるためには、その転移の核を形成しようとする領
域に電圧を印加する必要がある。そこで、本実施の形態
では、ブラックマトリクスの67の下方に位置する補助容
量電極65上に複合柱スペーサ203形成することで、開口
率を低下させることなくスプレイ−ベンド転移核形成領
域を確保するようにしている。
【0320】また、本実施の形態では、複合柱スペーサ
203を各画素63に1つづつ形成している。これは画素
毎に転移を確実に行い、それにより画素単位の点欠陥が
発生するのを防止するためである。ところが、そのため
に一般に柱スペーサを形成する場合よりもスペーサ密度
が高くなっている。液晶層4は低温で体積収縮するの
で、このようにスペーサ密度が高いと基板201,202が液
晶層4の収縮に追随できず、そのため、液晶表示素子E
を低温に長時間放置すると気泡が発生する恐れがある。
そこで、本実施の形態では、複合柱スペーサ203を、ソ
ース線62の延在方向において3つ単位で区分し、各区分
に属する3つの複合柱スペーサ203が形成される個所の
高さを調整した。すなわち、中央の1つを高い箇所に、
他の2つを低い箇所に形成し、中央の1つのみが相手方
の基板(カラーフィルタ基板)201に当接するようにし
た。これにより、スペーサとして機能する複合柱スペー
サ203を中央の1つに限定し、事実上のスペーサ密度を約
3分の1に低減している。それにより、低温における気
泡の発生を防止している。
【0321】また、本実施の形態では、複合柱スペーサ
203が形成される箇所の高さ調整を、補助容量電極65上
に絶縁層77を形成するか否かにより行っているが、これ
をTFT基板202の表面に本来的に存在する凹凸を利用
して行ってもよい。また、図23に示すように、この凹
凸を、ガラス基板8上にフォトレジスト層20を形成して
それを部分的に除去することにより、意図的に形成して
もよい。なお、図23では、TFT基板側の画素電極等
からなる配線層、カラーフィルタ基板側のカラーフィル
タ等からなる層及び配向膜を省略して描いている。
【0322】また、補助容量電極65上には、通常、絶縁
層77が形成されるのであるが、本実施の形態では、高さ
調整のために絶縁層77が除去された部分が存在する。こ
のように、絶縁層77が除去されると、絶縁層77における
電圧ロスがなくなり、液晶層4に電圧が印加されやすく
なる。なお、複合柱スペーサ203の高さ調整を他の方法
で行い、全ての補助容量電極65において複合柱スペーサ
203が形成される部分の絶縁層77を除去するようにして
もよい。そのようにすると、より一層、絶縁層77による
電圧ロスを低減することができる。
【0323】次に、以上のように構成された液晶表示素
子Eの動作を図19〜図26を用いて説明する。
【0324】図19〜図22において、液晶表示素子E
に転移電圧が印加されると、各画素63の補助容量電極65
上の複合柱スペーサ203の周囲に形成された液晶層4の
ツイスト配向領域に転移核が発生し、この転移核から周
囲の領域にベンド配向が進行して行く。そのため、スプ
レイ−ベンド転移が容易に行われる。その結果、スプレ
イ−ベンド転移を低い電圧で行うことができる。また、
転移核が各画素63において形成されるので、画素63毎に
転移が確実に行われ、画素単位の点欠陥の発生が防止さ
れる。
【0325】ここで、スプレイ−ベンド転移が容易に行
われる理由を理論的に考察する。スプレイ配向からベン
ド配向へ転移するには、エネルギ障壁が存在するので、
このエネルギ障壁を超えるための転移電圧が必要とされ
る。また、スプレイ−ベンド転移には転移核が必要であ
る。
【0326】図24(b)に示すように、ツイスト配向し
た液晶分子4”に隣接した液晶分子4’を考える。液晶
分子4”のツイスト角は60度であるとする。液晶分子
4’は電圧が印加されない状態では、図24(a)に示す
ようにスプレイ配向している。一方、液晶分子4’は、
電圧が印加されるとその電圧によって変形しようとす
る。この場合、液晶分子4’はツイスト配向した液晶分
子4”に隣接しているため、セル厚方向84の変形だけで
はなくツイストするようにも変形しようとする。さら
に、この場合、液晶分子4’は、ある電圧(約2.1
V)まではツイスト変形よりセル厚方向84の変形の方が
容易であるが、当該電圧以上になるとセル厚方向84の変
形よりツイスト変形の方が容易になる。従って、当該電
圧以上の電圧が印加されると液晶分子4’は、図24
(d)に示すようにツイストする。このとき、液晶分子
4’は電圧を印加しないときの回転方向と逆方向に30
0度ツイストする。このツイストしつつある液晶分子
4’、例えば180度ツイストした液晶分子4’を断面
方向から見ると、図24(c)に示すようにベンド配向に
似ている。それ故、このツイストした状態からベンド配
向へは容易に転移すると考えられる。
【0327】ここで、液晶分子4’がセル厚方向84の変
形よりツイスト変形の方が容易になる電圧は、スプレイ
配向からベンド配向へ直接転移するための電圧より低
い。そのため、液晶分子4’は低い電圧でスプレイ−ベ
ンド転移する。そして、この転移した液晶分子4’が核
となってスプレイ−ベンド転移が進行するため、スプレ
イ−ベンド転移が容易に行われるのであると考えられ
る。
【0328】次に、上記効果を具体的に説明する。図2
5は液晶表示素子Eを転移させるために用いた転移電圧
の波形を示す図である。液晶表示素子Eに、図25に示
す、15Vの電圧値及び0.5秒のパルス幅を有する1
パルスの方形波電圧を印加したところ、液晶表示素子E
はスプレイ配向からベンド配向に転移した。本件発明者
の検討では、従来、25V程度の転移電圧が必要であっ
た。従って、従来に比べると、液晶表示素子Eは、著し
く低い電圧でかつ極短時間で転移させることが可能であ
ることが判る。また、図25の波形の電圧を複数回かけ
てもよい。また、この波形の電圧を用いると、−10℃
の温度でも確実に転移させることができた。
【0329】図26は転移電圧に対する転移核発生率の
変化を示す図である。図26では、転移電圧を変化させ
た場合の画素における転移核の発生率の変化を、−10
℃、0℃、25℃(室温)、50℃の各温度について示
している。図26によれば、温度に拘わらず、転移電圧
が約10V以上で転移核発生率が100%となってい
る。従って、液晶表示素子Eは、転移電圧が約10Vで
あれば、画素毎に転移が確実に行われ、画素単位の点欠
陥の発生を防止することが可能であることが判る。ま
た、4Vで転移核が発生するため、時間さえかければ4
Vの転移電圧で転移させることが可能であることが判
る。
【0330】次に、本実施の形態に係る液晶表示装置の
変形例を説明する。
【0331】上記構成では、複合柱スペーサを図21に
示す形態を有するものとしたが、複合柱スペーサの形態
は、これに限らず、図27に示すようなものであっても
よい。図27は複合柱スペーサの変形例を示す平面図で
ある。図27(a)、(b)の複合柱スペーサ203は単独の柱
スペーサからなり、該柱スペーサはラビング方向69に垂
直な辺を有する断面形状を有している。柱スペーサ203
のラビング方向に垂直な辺204付近では実際にラビング
される方向(配向処理方向)が左右に分かれるため、こ
の辺204の付近に転移の核が発生し、それにより転移が
高速に発生する。図27(c)の複合柱スペーサ203は、各
柱スペーサが同一の菱形断面形状を有している点での
み、図22の複合柱スペーサと異なっているものであ
る。図27(d)の複合柱スペーサ203は、三角形の断面形
状を有する柱スペーサからなっている。本実施の形態の
柱スペーサは、基本的に、配向処理方向を制御するよう
に、ラビング方向69に対し斜め方向又は横方向に傾斜を
有する断面形状を有していればよい。図27(e)の複合
柱スペーサ203は、図27(c)の複合柱スペーサが横方向
に連続して繰り返されるように構成されたものである。
このような構成とすると、ラビングが左右からぶつかる
領域205が数多く形成されるため、当該領域205に左回り
ツイストの領域と右回りツイストの領域とが接する箇所
が有効に形成され、それにより転移核が発生しやすくな
る。図27(f)の複合柱スペーサ203は、菱形断面形状を
有する4個の柱スペーサが、ラビング方向69に平行な対
角線を有する仮想の菱形の各頂点に位置するように配置
されたものである。また、図21、図27(a)〜図27
(f)においてラビング方向を逆にしてもよい。
【0332】また、上記構成では、複合柱スペーサ203
を補助容量電極65上に形成したが、図28に示すよう
に、複合柱スペーサ203を画素電極64上に形成してもよ
い。
【0333】また、上記構成では、複合柱スペーサ203
を、TFT基板202上にその凹凸を利用して形成した
が、図29に示すように、複合柱スペーサ203を、カラ
ーフィルタ基板201に、カラーフィルタ76の段差を利用
して形成してもよい。カラーフィルタ76の段差は、例え
ば、R,G,Bのそれぞれのカラーフィルタを形成する
際に、ブラックマトリクス67上で各カラーフィルタ層を
重ね合わせたり重ね合わせないようにしたりすることに
より形成することができる。
【0334】また、上記構成では、TFT基板202の、
複合柱スペーサ203が形成される箇所を低くすることに
よって、複合柱スペーサ203を相手方の基板201に当接し
ないようにしているが、図30に示すように、カラーフ
ィルタ基板201内面の、複合柱スペーサ203の先端に対向
する部分に凹部86を形成することによって、該複合柱ス
ペーサ203がカラーフィルタ基板201に当接しないように
してもよい。凹部86は、フォトリソグラフィー法を用い
て、ガラス基板1上にフォトレジスト層20を形成してそ
れに凹部72を設け、それらの上に対向電極2、配向膜3
を順に形成することにより、形成することができる。な
お、本図では複合柱スペーサ203が画素電極64上に形成
される場合を示しているが、複合柱スペーサ203が補助
容量電極65上に形成される場合にも、同様に凹部86を形
成することができるのはいうまでもない。また、複合柱
スペーサ203がカラーフィルタ基板201に形成される場合
には、TFT基板202内面の、複合柱スペーサ203の先端
に対向する部分に凹部を形成することによって、該複合
柱スペーサ203がTFT基板202に当接しないようにする
ことができる。この場合の凹部も上記と同様に形成する
ことができる。
【0335】また、上記構成では液晶表示素子Eを、ア
クティブマトリクスタイプのもので構成したが、本実施
の形態の本質は、基板にラビング制御用の複合柱スペー
サを設けることにあるので、基本的に基板の種類は問わ
ない。よって、パッシブマトリクスタイプ等、他のタイ
プのものにも本発明を同様に適用することができる。 実施の形態3 本発明の実施の形態3は、柱スペーサを有する液晶表示
素子において、柱スペーサを、相手方の基板に接触して
いないものを含むように構成したものである。
【0336】実施の形態2では、複合柱スペーサ203
が、相手型の基板に接触していないものを含むように構
成されているが、このように相手方の基板に接触してい
ない柱スペーサを形成することは、転移核を形成する場
合に限られるものではない。つまり、この構成は、本発
明のように多数の転移核を形成する場合に必須の構成で
はあるが、通常の、数画素に1個づつ柱スペーサを形成
する場合にも有効である。一般に、スペーサビーズを基
板間にばらまく場合には、スペーサビーズの粒径分布が
存在するため、基板の弾性的な変形が有効に行われる。
しかし、一般に、柱スペーサを形成した場合には、その
高さは均一になってしまう。そのため、低温気泡が発生
しやすい。そこで、柱スペーサ自体の高さは一定にしな
がらも、基板に凹凸をつけ、基板の凹凸によって柱スペ
ーサの実効的な高さの分布を形成すると、室温近傍で基
板に接触している柱スペーサの個数が低減され、この低
温気泡の問題を解決することができる。本実施の形態の
本質は、室温近傍で相手方の基板に接触していない柱ス
ペーサが存在するということである。 実施の形態4 本発明の実施の形態4は、実施の形態2と異なり、複合
柱スペーサ203を一部の画素にのみ設けたものである。
図31において、符号73は、ブラックマトリクス、カラ
ーフィルタ、対向電極等からなる層を示し、符号75は、
ソース線、ゲート線、画素電極、補助容量電極、絶縁層
等からなる配線層を示す。TFT基板202では、上記配
線層75の表面を覆うようにアクリル系レジスト等の樹脂
材料からなる平坦化層74が形成され、該平坦化層74上に
複合柱スペーサ203(図には1個のみ示している)が形
成されている。複合柱スペーサ203は一部の画素63にの
み設けられている。その他の点は実施の形態2と同様で
ある。複合柱スペーサ203を一部の画素にのみ設ける
と、複合柱スペーサ203の周囲で発生したスプレイ−ベ
ンド転移が画素63間に亘って成長する必要があるが、そ
のためには、基板201,202の表面が平坦であることが必
要である。しかし、通常のアレイ基板(ここではTFT
基板)202では、場合によっては配線層75に最大1μm
程度の凹凸75aが存在する。そこで、本実施の形態で
は、平坦化層74を形成してその樹脂材料により配線層75
表面の凹凸75aを相殺し、それによりアレイ基板202内面
の凹凸を低減したものである。これにより、スプレイ−
ベンド転移が画素間に亘って容易に成長した。 実施の形態5 本発明の実施の形態5は、光配向によって、局所的に、
周囲の領域の配向処理方向と異なる方向に配向処理され
た領域を形成したものである。本発明の本質は、ツイス
ト配向領域を形成することにあるので、基本的に配向処
理の方法は問わない。よって、光配向によってツイスト
配向領域を形成しても、本発明の効果を得ることができ
る。例えば、図22に示されるような配向処理を光配向
によって施すことにより、実施の形態2と同様の効果を
得ることができる。但し、光配向処理を施す方の基板
は、配向膜を光配向膜で構成する必要がある。その他の
点は実施の形態2と同様にすればよい。 実施の形態6 本発明の実施の形態6は、実施の形態2に係る液晶表示
素子を用いて液晶表示装置を構成したものである。
【0337】図32に示すように、本実施の形態に係る
液晶表示装置301は、実施の形態2に係る液晶表示素子
Eと、液晶表示素子Eを駆動するソースドライバ305及
びゲートドライバ304と、ソースドライバ305に基準電圧
を供給する基準電源回路303と、映像信号307を入力され
てこれをソースドライバ305に出力するとともに、基準
電源回路303、ゲートドライバ304、及びソースドライバ
305を制御するコントローラ302とを含んで構成されてい
る。従って、転移専用の電源を備えてはいない。
【0338】次に、以上のように構成された液晶表示装
置301の転移動作を説明する。実施の形態2で述べたよ
うに、液晶表示素子Eは、4V以上の転移電圧を印加す
れば転移する。但し、転移時間は転移電圧に依存する。
一方、本実施の形態に係る液晶表示装置301の駆動電圧
は最大6Vである。よって、この駆動電圧が印加されれ
れば液晶表示装置Eは転移する筈である。そこで、実際
に、液晶表示装置301をオンさせると、液晶表示装置E
は上記駆動電圧が印加されているだけであるが転移し
た。また、液晶表示装置Eは、液晶表示装置301のオン
後は通常の映像信号が流れつづけるが、それだけで10
秒後にはほぼ転移が終了した。つまり、本実施の形態に
係る液晶表示装置301は、図25に示すような特殊な波
形や駆動電圧より高い電圧値を有する転移用の電圧を印
加せずとも、通常の駆動波形と6Vの最大電圧値とを有
する駆動電圧を印加しつづけることにより液晶表示素子
Eを転移させることができる。そのため、転移専用の電
源を備える必要がなく、コストを大きく低減することが
できる。
【0339】なお、上記構成では液晶表示素子は、4V
で転移するもので構成されているが、液晶表示装置にお
ける液晶表示素子の駆動電圧は最大10V程度であるの
で、液晶表示素子は、10V以下で転移するものであれ
ばよい。 実施の形態7 本発明の実施の形態7は、液晶表示装置が転移専用の電
源を備えたものである。すなわち、図33に示すよう
に、本実施の形態に係る液晶表示装置308は、実施の形
態6とは異なり、液晶表示装置として実施の形態4に係
る液晶表示素子Fを備えている。液晶表示素子Fのカラ
ーフィルタ基板及びTFT基板に一対の転移電圧印加用
電極310が配設され、該一対の転移電圧印加用電極310の
一方の電極上に、図31に示す複合柱スペーサ203が形
成されている。また、該一対の転移電圧印加用電極310
は、転移電圧印加回路306に接続され、該転移電圧印加
回路306はコントローラ302によって制御されている。そ
の他の点は、実施の形態6と同様である。
【0340】以上のように構成された液晶表示装置308
では、映像の表示に先立ち、コントローラ302の制御に
より一対の電極310に所定の転移電圧が印加され、それ
により、液晶表示素子Fが転移する。その際、液晶表示
素子Fは、局所的にツイスト配向領域が形成されている
ため、従来より低い電圧でかつ短時間に転移する。 実施の形態8 上記実施の形態2では、ラビング方向を局所的に制御す
ることによってスプレイ−べンド転移を確実化すること
ができた。本発明の実施の形態8は、この転移過程をよ
り詳細に検討し、その結果、転移核の生成を確実化した
ものである。
【0341】図34は液晶表示素子における液晶の安定
条件を示す概念図であり、(a)は基本的な液晶の安定条
件を示す図、(b)はパラレル配向及びツイスト配向にお
ける液晶の安定条件を示す図である。また、図35は、
局所的にツイスト配向領域が形成された液晶表示素子に
おけるスプレイ−ベンド転移の過程を模式的に示す概念
図であり、(a)は互いに逆方向の2つのツイスト配向領
域が相接する場合を示す図、(b)は一方のツイスト角が
90度である場合を示す図、(c)は一方のツイスト角が
90度以上である場合を示す図、(d)は互いに同方向の
2つのツイスト配向領域が相接する場合を示す図であ
る。
【0342】図34(a)に示すように、基本的に液晶
は、基板に対する傾斜角度が変化しない通常配列状態を
好み、またツイスト変形が少ない状態を好む。
【0343】しかし、この2つの条件が相反する状態が
パラレル配向状態に代表されるものである。また、ツイ
スト角が90度以下の配向においても、液晶の安定条件
は、基本的にはパラレル配向状態と同じである。図34
(b)に示すように、電圧を印加していない状態では、パ
ラレル配向状態では、ツイスト角が0度のスプレイ配向
がエネルギ的に安定である。しかし、約2V以上の電圧
を印加すると、エネルギ的には、ツイスト角が180度
の通常配列が安定になる。電圧印加によって180度ツ
イストが安定な状態になるとこの状態からすぐにべンド
配向に連続的に転移することは確認された。従って、こ
の180度ツイスト状態を過渡的に形成することが必要
である。しかしながら、電圧印加によって180度ツイ
スト状態がエネルギ的に安定になっても、実際には容易
に180度ツイストには変化しない。これは構造変化が
大きいため、この転移のための核が必要となるからであ
る。本発明のポイントは、この転移核をいかに確実に形
成するかにある。なお、ツイスト角が90度以下のスプ
レイツイスト配向においても、約2V以上の電圧を印加
したときにエネルギ的に安定になるツイスト角が180
度−θ(θはツイスト角)である他は、基本的にパラレ
ル配向と同様である。
【0344】図35(a)は、実施の形態2で示したよう
な、複合柱スペーサを形成した場合を示す図である。こ
のときには、以下の過程を経て転移が発生する。
【0345】図35(a)に示すように、右回りツイスト
状態(ツイスト角=−60度)の領域403と左回りツイス
ト状態(ツイスト角=75度)の領域402が形成され、そ
れらが互いに接触している揚合を考える。符号401はパ
ラレル配向領域を示し、白色矢印はラビング方向を、有
色矢印は液晶分子の方向をそれぞれ示す。電圧が印加さ
れると、例えば初期に右回りツイストであった領域403
は左回りツイストでツイスト角が大きい状態が安定にな
る。ところが、核がないとこの状態に転移できない。し
かしながら、右回りツイストであった領域403は、当初
から左回りツイストの領域402が接していればその領域4
02が核になって左回りツイストに転移し、通常配列ツイ
スト404が発生する。このため、右回りツイスト領域403
と左回りツイスト領域402との間にはデフェクトが観察
され、それがどちらかの領域の方向に移動することが観
察された。
【0346】さらに、外側のパラレル配向領域401と、
ツイスト角の大きな通常配列ツイスト404が接してくる
ため、この通常配列ツイスト404が核になって外側のパ
ラレル配向領域401にべンド転移405が発生した。
【0347】このように、右回りのツイスト領域403と
左回りのツイスト領域402とが接していると、そこを核
にして転移が発生することが見出された。また、このツ
イスト角は90度以下であれば転移電圧を低くすること
ができた。例えば、ツイスト角が90度の場合は、転移
電圧は5Vであり、60度の場合は8Vであった。但
し、図35(d)に示すように、同じ回転方向のスプレイ
ツイストを2種類形成しても転移核形成への寄与は少な
かった。
【0348】さらに、ツイスト角を大きくして検討し
た。図35(b)に示すように、相接する2つのツイスト
領域402,406のうちの一方の領域406のツイスト角が90
度の場合は、その領域406に相反する方向の2つのツイ
スト状態が初期より混在しており、電圧を印加すると片
方の通常配列ツイスト404が成長し、これが外側のパラ
レル配向領域401と接触すると、その接触箇所を核にべ
ンド転移405が発生した。
【0349】また、図35(c)に示すように、相接する
2つのツイスト領域402,407のうちの一方の領域407のツ
イスト角が90度以上(ここでは105度)の場合は、
初期より通常配列ツイスト404が安定であり、これを核
にしてべンド転移405が発生した。従って、結果的に、
90度又は90度以上のツイスト角の領域を形成する場
合には、2種類のツイスト領域を形成する必要はなかっ
た。ただし、転移に要する電圧は、ツイスト角が90度
の場合に5V、105度の場合に7Vと大きくなる。
【0350】次に、上記のようなツイスト配向領域の形
成方法を説明する。図35(a)に示すように、パラレル
配向領域中に相接する右回りツイスト領域と左回りツイ
スト領域とを局所的に形成することは、実施の形態2で
述べたように、基板上に複合柱スペーサを形成してラビ
ングを施すことにより実現することができる。
【0351】一方、図35(b)、図35(c)に示すよう
に、パラレル配向領域中にツイスト角が90度以上のツ
イスト配向領域を形成することは、これまでの実施の形
態で述べたような1回の配向処理で実現することは不可
能であった。そこで、本件発明者は、柱スペーサを形成
した基板に2回のラビングを施すことによりこれを実現
した。これを図36を用いて具体的に説明する。
【0352】図36は本実施の形態に係る液晶表示素子
の一方の基板の配向処理を模式的に示す平面図であっ
て、(a)は1回目のラビングを施した後の状態を示す
図、(b)は2回目のラビングを施した後の状態を示す図
である。図36(a)に示すように、柱スペーサ502が形成
された基板501を、基準方向、つまり液晶を挟む一対の
基板の全体的な配向処理方向(図21の符号69で示す方
向)に対し90度以上(ここでは左回りに約135度)
傾斜した方向69’に1回目のラビングを施し、その後、
図36(b)に示すように、上記基準方向69”に2回目の
ラビングを施した。すると、柱スペーサ502の影領域503
では、2回目のラビングがなされないため、1回目のラ
ビングによる配向処理が残存した。これにより、パラレ
ル配向領域540中にツイスト角が90度以上のツイスト
配向領域503を形成することができた。
【0353】また、このようなツイスト角が90度以上
のツイスト配向領域を形成するのに、液晶に若干のカイ
ラル剤を添加することも有効であった。つまり、一般に
カイラル剤を添加しないとツイスト角が90度以上のツ
イスト配向領域を形成することは困難である。これは、
複数回のラビング処理を行なっても同じである。しか
し、前述したようにツイスト角が90度以上のツイスト
配向領域を形成するとそれが転移核になる。そこで、カ
イラル剤を添加すると特定の回転方向の配向状態が安定
になる。例えば、右回りのカイラル剤を添加すると右回
りのツイスト配向領域が安定になり、たとえツイスト角
が90度以上のツイスト配向領域でも安定に存在するこ
とができる。このようにカイラル剤はツイスト角が90
度以上のツイスト配向領域を形成する場合に有効であっ
た。
【0354】以上の方法で配向処理された基板を用い
て、実施の形態2で述べたような液晶表示素子を作成す
ると、スプレイ配向からベンド配向への転移核が確実に
生成されるため、スプレイ−ベンド転移がより容易な液
晶表示素子を得ることができる。 実施の形態9 本発明の実施の形態9は、配向膜にキズを形成すること
により、相接する異種の異配向方位領域を形成したもの
である。
【0355】図37は、本実施の形態に係る液晶表示素
子の一方の基板の配向処理を模式的に示す平面図であ
る。
【0356】図37において、本実施の形態に係る液晶
表示素子の一方の基板501は、表層部に配向膜(図示せ
ず)が形成され、該配向膜の表面に、ラビング方向69に
湾曲するようにキズ504が形成されている。このキズ504
は、本実施の形態では、基板501の表面に針を立てて図
示するような形状に引っかくことにより形成した。もち
ろん、このキズ504を形成する方法はこれに限るもので
はなく、例えば、レーザを基板504の表面にパルス的に
照射して配向膜を除去することによりキズ504を形成し
てもよい。
【0357】このような構成とすると、他方の基板にパ
ラレル配向処理を施すことにより、基板501のキズ504上
に位置する液晶分子は、図中の矢印で示されるような方
向に配向する。つまり、キズ504中には、その中央部を
境に左回りツイストの領域506と右回りツイストの領域5
05とが形成されている。このように左回りツイストの領
域506と右回りツイストの領域505とを互いに接するよう
に形成すると、実施の形態8で述べたように転移核を確
実に生成することができる。本実施の形態では、左回り
ツイストの領域506と右回りツイストの領域505との境界
部より転移が発生し、より容易にスプレイ−ベンド転移
を行うことができた。
【0358】なお、ここで、キズとは配向膜が部分的に
欠落している状態を指す。このキズを形成するために、
フォトレジストを用いてエッチングで除去してもよい。
また特定の溶媒に溶解する液と非溶解性の液とを混合し
エマルジョン化して硬化し、その後、一方を前記溶媒で
除去してもよい。 実施の形態10 本発明の実施の形態10は、局所的な配向処理を光配向
で行うことにより、ツイスト角が90度以上のツイスト
配向領域を形成したものである。
【0359】図38は本実施の形態に係る液晶表示素子
の一方の基板の配向処理を模式的に示す平面図である。
【0360】図38において、本実施の形態に係る液晶
表示素子の一方の基板501は、表層部に光感応基を有す
る配向膜(図示せず)が形成され、該配向膜の表面に、
全体的なパラレル配向領域541の中に、ツイスト角が9
0度以上の円形のツイスト配向領域508が点在するよう
に、配向処理が施されている。ツイスト配向領域508の
ツイスト角は、本実施の形態では左回りに約135度で
ある。円形のツイスト配向領域508は、基板501上のブラ
ックマトリクスに対応する部分に形成した。
【0361】この配向処理は、以下のように行った。ま
ず、基板501の表層部に光感応基を有する配向膜を形成
し、その後、該配向膜の全面に、配向方向が基準方向
(実施の形態8図36の説明参照)507となるよう、偏
光紫外線を照射して配向処理を施した。次いで、この偏
光紫外線による配向処理を行った基板501の表面上のブ
ラックマトリクスに対応する部分の、複数の円形の領域
508に、偏光レーザを照射した。この偏光レーザの照射
は、配向方向509が、基準方向507に対し、左回りに約1
35度傾斜するように行った。これにより、ツイスト角
が90度以上の局所的なツイスト配向領域508を形成し
た。なお、このツイスト配向領域508は、パルスレーザ
を走査させながら照射することにより形成してもよい。
また、ツイスト配向領域508に対応する開口を有するマ
スクで基板501の表面を覆い、そのマスクの上から偏光
紫外線を照射することにより形成してもよい。
【0362】このような構成とすると、他方の基板にパ
ラレル配向処理を施すことにより、液晶表示素子は、ツ
イスト角が90度以上のツイスト配向領域を有すること
となるので、実施の形態8で述べたように転移核を確実
に生成することができ、その結果、より容易にスプレイ
−ベンド転移を行うことができる。 実施の形態11 本発明の実施の形態11は、転移の核の望ましい密度を
示したものである。
【0363】すなわち、本発明の本質は、転移の核を形
成することにある。但し、基板上に凹凸があると、転移
がこの凹凸で停止する場合が往々にしてある。そこで、
転移核をより多く形成することが転移を確実化するため
に重要である。埋想としては、転移の核を各画素に形成
することが望ましい。
【0364】ここで、実用性を考慮すると、この転移核
(正確には、転移核となる異配向方位領域を形成するた
めの立体障害)が柱スペーサを兼用するのが望ましい
が、その一方、各画素に柱スペーサからなる転移核を形
成すると、柱スペーサが過剰になるという問題があっ
た。この問題は、基板に設けた凹凸を利用して相手方基
板に当接する柱スペーサを減少させることにより解決し
た。これについては実施の形態2で述べた。従って、こ
の方法によれば、特に問題を生じることなく転移核を各
画素に形成し、それにより理想的な転移核の密度を実現
することができる。
【0365】しかしながら、もし転移核が少なくて済む
のであれば、製造コストを低減することができるので、
それに越したことはない。そこで、さらに検討を重ねた
結果、転移核の密度に関して以下のことが判明した。
【0366】すなわち、第1に、本発明の効果を得るた
めには、各画素に転移核を形成する必要はないが、10
0画素に1以上の密度で転移核を形成することが望まし
い。
【0367】第2に、10画素に1以上の密度で転移核
を形成すると、ほぼ確実にパネル全体を転移させること
ができる。
【0368】第3に、本実施の形態を含めこれまでの実
施の形態では、転移核を基板上に周期的に形成したが、
必ずしも周期的に形成する必要はない。むしろ、転移核
を基板上に周期的に形成すると、フォトリソグラフィー
法を用いてパネルを作成する際に転移核形成用パターン
がずれた場合、完成した液晶表示素子の表示動作の際に
画像がモアレのように見える場合があるという問題が生
じた。しかし、転移核を基板上にランダムに形成してこ
の転移核形成用パターンをランダムにすることにより、
この問題を解決することができた。
【0369】本実施の形態に係る液晶表示素子は、上記
第1〜第3の条件を満たすように構成してなるものであ
る。 実施の形態12 実施の形態11で述べたように、画素間の転移の成長が
基板上の凹凸で停止する場合があるが、本発明の実施の
形態12は、この画素間の転移の成長を阻害しない又は
促進するために、転移核をソース線上に形成したもので
ある。
【0370】図39は本実施の形態に係る液晶表示素子
のアクティブマトリクス基板の構成を模式的に示す平面
図である。
【0371】図39において、本実施の形態では、アク
ティブマトリクス基板202に、複数(ここでは3つ)の
立体障害510が、ソース線62を跨ぐようにソース線62の
延在方向に所定間隔で列設されている。各立体障害510
は、平面視において、両端がソース線62を挟む2つの画
素電極64に掛かるように形成されている。また、各立体
障害510は、アクティブマトリクス基板202上に立設され
た矩形の板状の突起で構成されている。本実施の形態で
はラビング方向69は図示するようにソース線62の延在方
向であり、各立体障害510は、ラビングの影が連続して
発生するように近接して配置されかつラビングが流れや
すいようにラビング方向69に対し斜めに配置されてい
る。これ以外の点は、実施の形態4と同様である。
【0372】このように構成された液晶表示素子では、
立体障害510によって、デフェクト、特に2種類のスプ
レイ配向状態間のデフェクト(一方の基板近傍にスプレ
イ配向中心を有する領域と他方の基板近傍にスプレイ配
向中心を有する領域の境界)がトラップされ、そこを起
点にして転移の画素間への成長が促進されることが確認
された。本実施の形態に係る発明で根幹になるのはデフ
ェクトを保持する機構である。
【0373】なお、実施の形態4で詳述したように、転
移の画素間の成長を促進する手段として、基板上の凹凸
を低減することも有効である。転移の画素間の成長を阻
害しているものは基板の凹凸であるから、これを樹脂層
による平坦化層によって低減させることでさらに転移の
画素間の成長を促進させることができる。 実施の形態13 本発明の実施の形態13は、ラビングを制御するための
立体障害を、柱スペーサを用いずに、アレイ基板におけ
るアレイ構造の段差を用いて形成するようにしたもので
ある。
【0374】本実施の形態においては、アレイ基板のア
レイを形成する過程において、最大2μmの段差を形成
することができた。そして、そのアレイ基板に配向処理
を施す際に、この最大2μmの段差を利用してラビング
を制御することにより転移核(異配向方位領域)を形成
することができた。
【0375】このように作成したアレイ基板を用いた液
晶表示素子では、柱スペーサを用いた場合に比べると、
スプレイ配向からベンド配向へ転移する確率は低下し
た。しかし、本発明の転移核を有する液晶表示素子を得
るのに、アレイ基板の製造にー般に用いるアレイプロセ
スの変更だけで済むため、転移核を容易に形成できるメ
リットがある。また、本実施の形態に係る配向処理方法
を、実施の形態8で述べた、異なる配向方向に2度ラビ
ングする配向処理方法と組み合わせることにより、ベン
ド転移を確実化する効果を一層高めることができた。 実施の形態14 本発明の実施の形態14は、異配向方位領域を形成する
ために柱スペーサ(立体障害)を撥水性にしたものであ
る。
【0376】図40は本実施の形態に係る液晶表示素子
の基板の配向処理の状態を模式的に示す平面図である。
【0377】図40において、基板202上には、複合柱
スペーサ203が形成され、その各柱スペーサ203A,203B,2
03Cは撥水性の材料からなっている。ここで、一般に、
柱スペーサ203A,203B,203Cの周辺、特に、そのラビング
方向69において奥側に位置する部分は、ラビングされ難
い。そこで、柱スペーサ203A,203B,203Cを撥水性にする
と、該柱スペーサ203A,203B,203Cの周辺に位置する液晶
分子は、図示するように、該柱スペーサ203A,203B,203C
の側面に対し垂直な方向511に配向する傾向を有する。
これにより、柱スペーサ203A,203B,203Cの周辺に、右回
りツイスト領域と左回りツイスト領域とが相接するよう
に形成されるので、その接触箇所がべンド転移の核とし
て作用する。従って、このように配向処理された基板20
2を用いた本実施の形態に係る液晶表示素子は、転移核
が確実に生成され、より一層ベンド転移を確実化するこ
とができる。
【0378】なお、基板202上に柱スペーサ203A,203B,2
03Cを形成する際には、まず、撥水性材料からなる柱ス
ペーサ203A,203B,203Cを形成し、次いで、それらが形成
された基板表面を覆うように配向膜を塗布する。する
と、柱スペーサ203A,203B,203Cの表面に塗布された配向
膜ははじかれ、該柱スペーサ203A,203B,203Cは撥水性の
表面が露出する。これにより、基板202上に撥水性の表
面を有する柱スペーサ203A,203B,203Cを形成することが
できる。
【0379】また、本実施の形態で重要なのは、基板上
にラビング処理がされていない、又はラビング処理が非
常に弱い領域を形成することと、その領域に位置する液
晶分子を所定の方向に配向させる他の配向手段を有する
ことである。本実施の形態では、この他の配向手段は柱
スペーサの撥水性である。 実施の形態15 本発明の実施の形態15は、基板の表示域の周辺部に形
成した柱スペーサも基板間隔を保持するスペーサとして
機能するようにしたものである。
【0380】本発明は転移核を生成してベンド転移を確
実化するものであり、実施の形態2では、その転移核と
して柱スペーサを用い、その柱スペーサを補助容量電極
上に形成した。ところで、アクティブマトリクスタイプ
の液晶表示素子では、TFT基板の補助容量が形成され
る部分は、該TFT基板側の画素部分に比べアレイ構造
物によって1μm程度高くなっている。また、力ラーフ
ィルタ基板の補助容量が形成される部分もブラックマト
リクスが形成されているため、これも該カラーフィルタ
基板の画素部分より高くなっている。このため、補助容
量が形成される部分に形成した柱スペーサは、両方の基
板に接触するため基板間隔を保持するスペーサとして機
能する。しかし、パネルの表示域の外側の領域に形成さ
れた柱スペーサは、当該領域にアクティブマトリクスの
段差が形成されていないため、基板間隔を保持するスペ
ーサとして機能せず、そのため、パネルの表示域の外側
でセル厚が薄くなるという問題があった。
【0381】この間題の解決策として、アクティブマト
リクスの段差に相当する段差を補償するために、TFT
基板の表示域の外側に形成するシール樹脂層の内部に所
定サイズのガラスファイバー等からなるスペーサを混入
させることも考えられる。しかし、そのようにすると、
そのスペーサによって信号配線が傷つく可能性がある。
【0382】そこで、本実施の形態では、この問題を解
決すべく以下のような構成としている。
【0383】図41は本実施の形態に係る液晶表示素子
の構成を模式的に示す断面図である。図41において図
20と同一符号は同一又は相当する部分を示す。また、
図41では、カラーフィルタ基板201、TFT基板202と
もに、図示する要素以外の要素を省略し、簡略化して描
いてある。
【0384】図41に示すように、本実施の形態に係る
液晶表示素子Gでは、TFT板基板202の表示域542と該
表示域542の周辺部に柱スペーサ203が形成され、表示域
542の周辺部に位置する柱スペーサ203’は表示域542の
周辺部に形成されたダミーパターン512上に形成されて
いる。ダミーパターン512の高さは、表示域542内の柱ス
ペーサ203が形成されている箇所543と同じ高さとなって
いる。なお、符号543で示される箇所は、柱スペーサ203
が形成される箇所を模式的に示したもので、その高さは
アクティブマトリクスの段差に相当している。また、ダ
ミーパターン512は、本実施の形態ではフォトレジスト
で構成したが、配線材料や絶縁膜で構成してもよい。
【0385】このような構成とすると、TFT基板202
の表示域542の周辺部に形成された柱スペーサ203’も、
表示域542内に形成された柱スペーサと同じ高さを有す
るので、基板201,202の間隔を保持するスペーサとして
機能する。
【0386】なお、TFT基板202の表示域542の周辺部
に形成される柱スペーサ203’及びダミーパターン512の
いずれか又は双方をカラーフィルタ基板201に設けても
よい。また、実施の形態2で示したように、表示域542
の周辺部のダミーパターン512にも高低をつけ、柱スペ
ーサの数が過剰になるのを防止してもよい。また、表示
域542の周辺部の柱スペーサ203’の密度を表示域542内
の柱スペーサの密度より下げてもよい。 実施の形態16 本発明の実施の形態16は、横方向(基板に平行な方
向)の電界(以下、横電界という)を印加することによ
り、異配向方位領域を形成するようにしたものである。
【0387】図42は本実施の形態に係る液晶表示素子
の構成を模式的に示す図であって、(a)は断面図、(b)は
平面図である。また、図43は、図42の液晶表示素子
に印加される駆動電圧の波形を示すグラフである。図4
2、図43において図20と同一符号は同一又は相当す
る部分を示す。
【0388】実施の形態2では、ラビングの方向を制御
して異配向方位領域を形成したが、本実施の形態では、
実施の形態2とは異なり、電界によって異配向方位領域
を形成する。この異配向方位領域を形成する期間は転位
電圧が印加されている期間だけでよい。
【0389】図42(a)、(b)に示すように、本実施の形
態に係る液晶表示素子では、TFT基板202の画素電極6
4及びゲート線61の相隣合う縁部が、互いに噛み合うよ
うなジグザグ形状544にそれぞれ形成されている。上記
画素電極64及びゲート線61の相隣合う縁部はラビング方
向69に対し直角な方向に延びるように形成され、かつ交
互に反対方向に傾斜するように延びて上記ジグザグ形状
544を形成する2種類の傾斜直線544a,544bは、本実施の
形態では、ラビング方向69に対し±約45度の角度をな
すように形成されている。また、上記ジグザグ形状544
のピッチPは、本実施の形態では、100μmとした。
このピッチPは、30μm以上であれば後述する効果を
奏し、また、画素電極64のピッチよりも小さいことが望
ましい。また、上記画素電極64及びゲート線61の相隣合
う縁部同士の間隔は、本実施の形態では、10μmとし
た。この間隔は、小さい方が横電界が強くなり、効果的
であるが、エッチングが困難になる。この間隔は、4μ
m以上であれば後述する効果を奏するが、20μm以下
とするのが望ましい。
【0390】そして、ゲート線61と画素電極64との間に
所定の電圧が印加され、それにより横方向の電界513が
発生する。これ以外の点は、実施の形態2と同様であ
る。
【0391】次に、この所定の電圧について図42及び
図43を用いて説明する。図42、図43において、ゲ
ート線61には通常の駆動波形の電圧(ゲート電圧)516
が印加される。このゲート電圧516は、+数Vのハイレ
ベルの期間と−20Vのローレベルの期間とを有する矩
形波からなり、該ローレベルの期間が画素のOFF期間
であるので、ゲート線61にはほとんどの期間に亘って−
20Vが印加される。また、画素電極64の電位(画素電
圧)514、すなわちソース線の電位は、+3Vに保持さ
れる。さらに、転移電圧は主に対向電圧515を振ること
で得ることとし、対向電圧515の波形を、+3Vのハイ
レベルの期間と−25vのローレベルの期間とを有する
周波数0.5Hzの矩形波とした。これにより、ゲート
電圧516がローレベルである期間に画素電極64とゲート
線61との間に23Vの電圧が印加され、横電界513が
発生する。この横電界513の方向は、画素電極64からゲ
ート線61に向かう方向である。また、対向電圧515がロ
ーレベルである期間に、対向電極と画素電極64との間に
28V、対向電極とゲート線61との間に5Vの転移電圧
がそれぞれ印加され、この転移電圧と上記横電界513と
は、対向電圧515及びゲート電圧516が共にローレベルで
ある期間545に同時に印加される。
【0392】次に、以上のように構成された液晶表示素
子の動作を説明する。図42、図43において、液晶表
示素子がオンされ、ゲート電圧516がローレベルになる
と、画素電極64とゲート線61との間に横電界513が発生
し、その横電界513が存在する部分に位置する液晶分子
の配向方位が該横電界513の方向に変化する。ここで、
横電界513は、画素電極64及びゲート線61の相隣合う縁
部のジグザグ形状544の2種類の傾斜直線544a,544bに直
交する方向に発生する。よって、上記画素電極64及びゲ
ート線61の相隣合う縁部同士の間隙部に、ラビング方向
69に対し右回り及び左回りに約45度傾斜した横電界の
領域が形成され、その横電界に応じてラビング方向69に
対し右回り及び左回りに約45度ツイストした2種類の
ツイスト配向領域が交互にかつ相接するように形成され
る。次いで、対向電圧515がローレベルになると、対向
電極と画素電極64との間に28V、対向電極とゲート線
61との間に5Vの転移電圧がそれぞれ印加され、それに
より、上記2種類のツイスト配向領域の接触部に転移核
が生成され、その転移核が成長してベンド転移が行われ
る。よって、より一層確実にベンド転移を行うことがで
きる。ここで、上記2種類のツイスト配向領域の接触部
は、上記ジグザグ形状544の各頂点部分であり、該頂点
付近から実際に転移が発生した。
【0393】本実施の形態の本質は、画素電極とゲート
電極との間に発生させる横電界によって、相接する右回
りツイスト配向領域及び左回りツイスト配向領域を形成
することにある。
【0394】なお、上記左右のツイスト配向領域のツイ
スト角度は、上記ジグザグ形状544の各傾斜直線544a,54
4bのラビング方向69に対する角度、あるいは上記ジグザ
グ形状544の延在方向とラビング方向69との相対角度を
選択することにより、所望の角度に設定することができ
る。 実施の形態17 図44は本発明の実施の形態17に係る液晶表示素子の
構成を模式的に示す平面図である。また、図45は、図
44の液晶表示素子に印加される駆動電圧の波形を示す
グラフである。図44、図45において図42、図43
と同一符号は同一又は相当する部分を示す。
【0395】実施の形態16では、ゲート線と画素電極
との間に横電界を発生させたが、本実施の形態は、実施
の形態16と異なり、ソース線と画素電極との間に横電
界を発生させるものである。
【0396】図44に示すように、本実施の形態に係る
液晶表示素子では、TFT基板202の画素電極64及びソ
ース線62の相隣合う縁部が、互いに噛み合うようなジグ
ザグ形状544にそれぞれ形成されている。この場合、ソ
ース線62は対向する2つの縁部の各々に隣合う画素電極
64’,64”の縁部とそれぞれジグザグ形状544で噛み合う
ように形成されている。この双方のジグザグ形状544,54
4は、本実施の形態では同一である。上記画素電極64及
びソース線62の相隣合う縁部はラビング方向69に対し平
行な方向に延びるように形成され、かつ交互に反対方向
に傾斜するように延びて上記ジグザグ形状544を形成す
る2種類の傾斜直線544a,544bは、本実施の形態では、
ラビング方向69に対し、それぞれ、約135度、及び約
45度の角度をなすように形成されている。その他の点
は実施の形態16と同様である。
【0397】次に、駆動電圧について図44及び図45
を用いて説明する。図44、図45において、互いに隣
接するソース線、換言すれば、あるソース線62を挟む2
つの画素電極64’,64”に、互いに逆極性(逆符号)の
電圧が印加される。つまり、一方の画素電極64’には、
+7Vのハイレベルの期間と−8Vのローレベルの期間
とを有する所定周波数の矩形波からなる電圧(画素電圧
514’)が印加され、他方の画素電極64”には該画素電
圧514’と逆位相の矩形波からなる電圧(画素電圧51
4”)が印加される。そして、実施の形態16と同様、
転移電圧は対向電圧515を振ることで得ることとし、対
向電圧515の波形を、正電圧のハイレベルの期間と負電
圧のローレベルの期間とを有する周波数0.5Hzの矩
形波とした。これにより、図示するソース線62と、図示
されない、該ソース線62に隣接するソース線に接続され
た画素電極64”との間に15Vの電圧が印加され、横電
界513が発生する。この横電界513の方向は、ソース線62
から画素電極64”に向かう方向である。また、対向電圧
515がローレベルである期間に、対向電極と画素電極64
との間に所定の転移電圧が印加される。
【0398】このように構成された液晶表示素子では、
液晶表示素子がオンされ、画素電圧514”がローレベル
になると、画素電極64”とソース線62との間に横電界51
3が発生し、その横電界513が存在する部分に位置する液
晶分子の配向方位が該横電界513の方向に変化する。こ
れにより、実施の形態16で述べたように、画素電極6
4”及びソース線62の相隣合う縁部同士の間隙部に、2種
類のツイスト配向領域が交互にかつ相接するように形成
される。但し、本実施の形態では、この2種類のツイス
ト配向領域は、右回りに、それぞれ、約45度、及び約
135度のツイスト角を有している。次いで、対向電圧
515がローレベルになると、対向電極と画素電極64との
間に所定の転移電圧が印加され、それにより、上記2種
類のツイスト配向領域の接触部に転移核が生成され、そ
の転移核が成長してベンド転移が行われる。よって、よ
り一層確実にベンド転移を行うことができる。
【0399】本実施の形態では、ツイスト角は上記の通
り、約45度及び約135度であるが、このツイスト角
が、45度以上であると転移が有効に発生し、60度以
上であれるとさらに効果的であった。
【0400】また、本実施の形態では、対向電圧の振幅
で転移電圧を付与したが、対向電圧を一定にして、ソー
ス電位の振幅で転移電圧を付与してもよい。
【0401】また、実施の形態16、17ではジグザグ
形状を直線で形成したが、これを曲線で形成してもよ
い。 実施の形態18 本発明の実施の形態18は、ラビング処理におけるバイ
アス角度を最適化することにより異配向方位領域を形成
するものである。
【0402】図46は本実施の形態に係る液晶表示素子
の製造方法を示す模式図、図47は本実施の形態に係る
液晶表示素子の基板の配向処理の状態を示す平面図であ
る。
【0403】図46において、ラビング用のローラ517
には表面にラビング布(バフ布、図示せず)が巻かれて
いる。一方、基板202の表面には配向膜(図示せず)が
形成され図47に示す複合柱スペーサ203が形成されて
いる。ラビング処理を行うには、まず、ローラ517を回
転させ、次いで、基板202をローラ517に接触させながら
該ローラ517の下方を通過させる。なお、ローラ517の回
転方向は矢印518で示す方向である。これにより、基板2
02の配向膜はローラ517のラビング布によりラビングさ
れる。この時、基板202のローラに対する移動速度はロ
ーラ517の周速に比べて無視し得る程小さいので、基板2
02のラビング方向69は、ローラ517の回転方向、すなわ
ち、該ローラ517の回転軸に直角な方向になる。このラ
ビング方向69と基板202のローラ517に対する移動方向59
1とのなす角度がバイアス角度Θである。本実施の形態
ではこのバイアス角度Θを小さくした。また、ローラ51
7のラビング布の繊維を、実施の形態2の図22のラビ
ングを行う場合に比べて剛直なものとした。
【0404】この条件の下でラビングを行うと、図47
に示すように、複合柱スペーサ203を構成する各柱スペ
ーサ203A,203b,203Cのラビングの影部分519に、ラビン
グ方向69から見て、右方向にラビングされる領域519a,5
19cと左方向にラビングされる領域519b,519dとができ
た。これは、柱スペーサ203A,203B,203Cをラビング布の
繊維が乗り越える際、あるいは乗り越えた繊維が基板20
2に着地する際に横方向にずれるため、ラビング方向69
に対して横方向の成分が発生し、該ラビング方向69に対
し斜め方向にラビングされるのであると考えられる。こ
れにより、相接する右回りツイスト配向領域519a,519c
と左回りツイスト配向領域519b,519dとが形成され、そ
れらの接触個所520から転移が発生した。その結果、ベ
ンド転移をより一層確実化することができた。
【0405】なお、バイアス角度Θが大きい場合には、
右方向にラビングされる領域と左方向にラビングされる
領域とのバランスが崩れてしまう。従って、バイアス角
度Θは小さい方が好ましいが、バイアス角度が30度以
下であれば、転移発生に関して良好な結果が得られた。
【0406】また、本実施の形態におけるラビング処理
結果は実施の形態2におけるラビング処理結果と異なっ
ているが、本実施の形態は、ラビング布が柱スペーサを
乗り越えるモードが支配的な場合である。そして、ラビ
ング布の繊維が比較的剛直な場合にこのモードになる。
一方、実施の形態2は、ラビング布が柱スペーサ間を流
れるモードが支配的な場合である。そして、ラビング布
の繊維が比較的柔軟な場合にこのモードになる。 実施の形態19 実施の形態2では補助容量電極上に柱スペーサを形成し
た。しかし、補助容量電極と画素電極との間には電極が
存在しない隙間があり、そのため、ベンド転移の進行が
阻害されることがあった。そこで本発明実施の形態19
では、以下の構成としている。
【0407】図48は本実施の形態に係る液晶表示素子
の構成を模式的に示す平面図、図49は図48のXXXXIX
−XXXXIX矢視断面図である。図48、図49において図
19、図20と同一符号は同一又は相当する部分を示
す。
【0408】図48,図49に示すように、本実施の形
態に係る液晶表示素子Hは、実施の形態2と異なり、補
助容量電極65上に絶縁層77を介して画素電極64がオーバ
ーラップしている。これ以外の点は実施の形態2と同様
である。
【0409】このような構成とすることにより、複合柱
スペーサ203の周囲で発生したベンド転移に電界が途切
れなく作用し、ベンド転移が良好に進行するようになっ
た。
【0410】また、本実施の形態に示すように、画素電
極64が最上層に位置する構造とすると、補助容量電極65
に画素電極65をオーバラップさせることが比較的容易で
ある。
【0411】さらに、上記ベンド転移の進行を促進する
ために、実施の形態4で述べたような平坦化処理を行っ
ても良い。 実施の形態20 本発明の実施の形態20は、無電圧下で第1の配向状態
になるとともに表示電圧下で第2の配向状態になり、該
第1、第2の配向状態間にエネルギ障壁が存在する液晶
を用いた液晶表示素子において、該第2の配向状態との
間に存在するエネルギ障壁が上記第1、第2の配向状態
間のエネルギ障壁より小さい第3の配向状態を液晶中に
部分的に保存し、その保存された部分的な第3の配向状
態を該液晶の全面的な第2の配向状態への転移の核とし
て利用するものである。
【0412】図50は本実施の形態に係る液晶表示素子
の構成を模式的に示す平面図、図51は図50のXXXXXI
−XXXXXI矢視断面図である。図50、図51において図
19、図20と同一符号は同一又は相当する部分を示
す。
【0413】図50、図51に示すように、本実施の形
態に係る液晶表示素子Iは、実施の形態2のラビング制
御用の立体障害203(図19参照)に代えて、液晶層4
の過渡的配向状態保存用の不完全囲繞体601を有してい
る。この不完全囲繞体601は、本実施の形態ではTFT
基板202に平行な面内にて周回するようにTFT基板202
上に形成され、かつ、実施の形態2と同様、柱スペーサ
を兼用している。また、画素電極64は、絶縁層77を介し
て、補助容量電極65上にオーバラップしている。これ以
外の点は、実施の形態2と同様である。ここで、本明細
書において、不完全囲繞体とは、例えば、図52に示す
ように、全体として、ある面内にて周回するように三次
元領域603を囲繞し、かつ一部に、該三次元領域603を囲
繞していない欠落部602を有する立体構造物601をいう。
【0414】次に、上記不完全囲繞体601について詳し
く説明する。本実施の形態に係る液晶表示素子Iは、2
枚の基板201,202間に液晶4を挟持し、その各基板201,2
02には透明電極64,79が形成されている。一方の基板202
には、TFT66、及び補助容量電極65が形成されたアク
ティブマトリクス基板が、もう一方の基板201には画素6
3間にブラツクマトリクス67が形成された基板が用いら
れている。そして、このようなアクティブマトリクス素
子の構造を通じて、液晶層4に電圧が印加される。
【0415】本実施の形態においては、液晶表示素子I
に図53に示すようなステツプ状の波形の転移電圧を印
加して、図54(a)に示すスプレイ配向4aから図54
(b)に示すべンド配向4bへ転移させた。
【0416】従来の液晶表示素子では、スプレイ配向か
らべンド配向への転移には多くの時間、例えば、数秒か
ら数十秒の時間を要した。また、図53に示す波形の転
移電圧を印加した後にも、スプレイ配向が残存し、画像
の表示も不均一であった。
【0417】本件発明者は、この転移時問を短縮しかつ
確実化するために、鋭意、検討を進めた結果、以下の現
象を見出した。
【0418】すなわち、一旦、べンド配向に転移した後
に印加電圧を瞬時にゼロVにすると、ベンド配向は図5
5に示すような180度ツイスト配向4cに一旦なるこ
とが判明した。この180度ツイスト配向4cは不安定
であり、通常、数秒から数十秒後には液晶層全体がスプ
レイ配向に戻る。従来の液晶表示装置では、この180
度ツイスト配向4cは残らず全て消滅した。
【0419】このように、180度ツイスト配向が全て
消失した後、すなわち、液晶パネル全面がスプレイ配向
の状態で、再び図53のような転移電圧波形をかけてス
プレイ配向からべンド配向へ転移させると、スプレイ配
向からべンド配向への転移には一回目と同程度の時間を
要した。但し、この180度ツイスト配向状態が残留し
ている期間に、再度、転移電圧を印加すると、このスプ
レイ配向(180度ツイスト配向)領域は直ちにべンド
配向に転移し、その転移時問も極めて短く、またその転
移電圧も極めて低い特徴があつた。
【0420】そこで、本件発明者は、スプレイ配向(第
1の配向状態)からベンド配向(第2の配向状態:表示
配向状態)への過渡的配向状態である、この180度ツ
イスト配向状態を第3の配向状態として保存することが
できれば、極めて短時間でかつ極めて低電圧でベンド配
向へ転移可能な液晶表示素子が得られると考え、液晶層
4にその過渡的配向状態を保存する構造を構築すること
を思いついた。そして、そのような過渡的配向状態を保
存する構造の1つとして、基板上に不完全囲繞体601を
設けることを考えた。
【0421】以下、この過渡的配向状態保存用の不完全
囲繞体の実施例を説明する。 (実施例7)図52は本実施の形態の実施例7に係る液
晶素子の下側基板の構成を示す斜視図である。図52に
示すように、本実施例に係る液晶表示素子では、下側基
板202上に間隙602を有する入り江状の不完全囲繞体601
が形成されている。不完全囲繞体601は、ここでは、C
字状の断面を有する柱状体に形成されている。従って、
基板202上の液晶層には、不完全囲繞体601によって概ね
囲まれた柱状の領域(以下、過渡的配向保存領域とい
う)603が形成され、該過渡的配向保存領域603は不完全
囲繞体601の高さ方向全長に亘る切欠部(欠落部)602に
よって液晶層の他の領域に繋がっている。この不完全囲
繞体601は、フォトリソグラフィー工法により形成する
ことができる。
【0422】次に、このように構成された液晶表示素子
の転移動作を図50〜図53を用いて説明する。
【0423】まず、液晶表示素子Iに、図53に示すよ
うな波形の転移電圧を印加してスプレイ配向からべンド
配向へ転移させた。次いで、その印加電圧を瞬時にゼロ
Vにした。すると、液晶層4のほとんどの領域ではべン
ド配向は180度ツイスト配向を経由してスプレイ配向
へ転移した。しかしながら、不完全囲繞体601の過渡的
配向保存領域(入り江)603内では、180度ツイスト
配向が消滅することなく残留した。次いで、その状態
で、再び、図53に示す転移電圧波形を印加してスプレ
イ配向からべンド配向へ転移させた。すると、液晶表示
素子Iのスプレイ配向からべンド配向への転移時間は一
回目よりも格段に高速になり、画像の表示も均一であっ
た。
【0424】このとき、スプレイ配向からべンド配向へ
の転移はこの180度ツイスト配向部分603から発生し
ていることが顕微鏡観察で確認された。このように、あ
る配向を核に表示用配向(ここではベンド配向)が広が
って行く、その核となる箇所を本件明細書では配向転移
核と呼ぶ。この場合においては、180度ツイスト配向
部分が配向転移核である。なお、この配向転移核は、不
完全囲繞体601の過渡的配向保存領域603内に形成され
る。
【0425】次いで、この180度ツイスト配向を保持
した液晶表示素子Iを加熱して液晶層4を等方相にし、
その後、再び徐冷した。すると、この180度ツイスト
配向は消失した。
【0426】次いで、その液晶表示素子Iに、図53に
示す電圧Vt以上の転移電圧を印加した。すると、液晶
パネル全体がべンド転移する時問は一回目と同程度にな
った。これは、加熱により液晶層4を等方相にしたこと
によって液晶表示素子I内の180度ツイスト配向が消
滅したためである。
【0427】次に、以上の現象を理論的に考察する。ス
プレイ配向からべンド配向への転移にはエネルギ障壁が
存在するが、180度ツイスト配向からべンド配向への
転移にはエネルギ障壁がなく、転移は連続的に変化する
ため、電圧を印加するとスプレイ配向よりもスムーズに
べンド配向になるものと思われる。
【0428】通常、スプレイ配向からべンド配向に転移
するためには、所定波形の比較的大きな電圧を印加する
ことでこのエネルギ障壁を越える必要がある。しかし、
ツイスト配向状態を局所的に形成すると、エネルギ的な
障壁がなく、容易にべンド配向状態に転移することがで
きる。
【0429】このツイスト配向領域は、電圧を印加しな
い状態でも比較的安定であり、本実施例では24時間以
上保持された。これによって、べンド転移が高速に行わ
れる効果は24時間以上保持された。このツイスト配向
は、不完全囲繞体601の切欠部602の問隔が狭いほど保持
される効果は大きく、該切欠部602の間隔をセル厚と同
程度あるいはそれ以下まで狭くすると、1ケ月以上もこ
のツイスト配向が保持された。
【0430】不完全囲繞体の形状は、配向転移核領域の
周辺を取り囲みながら、該配向転核領域が外部の領域と
つながっていることが必要である。具体的には、ツイス
ト配向を保持するためには、そのツイスト配向領域の平
面視における少なくとも3方向を囲む必要があり、配向
転移核領域からベンド配向が液晶パネル全体に広がるた
めには、配向転移核領域とその周りの領域が繋がってい
る必要がある。
【0431】不完全囲繞体の高さは、以下の検討結果か
ら明らかなように、可能な限り高くすることが望まし
い。つまり、不完全囲繞体の高さを高くする程、180
度ツイスト配向が残留する確率は大きくなった。そし
て、不完全囲繞体の高さをセル厚の半分以上にすると上
記確率は5%程度になった。また、不完全囲繞体の高さ
をセル厚と同程度にすると、180度ツイスト配向が残
留する効果が最も大きくなり、180度ツイスト配向が
残留する確率は10%以上になつた。
【0432】配向転移核領域(過渡的配向保存領域60
3)の大きさは、広すぎるとツイスト配向が残留しなか
った。この配向転移核領域の径が25μm以上であると
180度ツイスト配向はほとんど残留しなかった。この
配向転移核領域を小さくしていくと180度ツイスト配
向が残留する確率が高くなり、その径が5μm程度で、
180度ツイスト配向が残留する確率が10%程度と最
も高くなった。これは、配向転移核領域をセル厚と同程
度にすると、上下基板の影響よりも不完全囲繞体の囲繞
壁の影響が大きくなるため、180度ツイスト配向が残
留しやすくなるからである。
【0433】但し、配向転移核領域を狭くしすぎると、
「配向転移核領域にラビングを施せない」、あるいは
「配向転移核領域を形成するプロセスが困難になる」な
どの問題が生じた。ここで、配向転移核領域、すなわち
過渡的配向保存領域603は、理想的にラビングが施され
た場合にはパラレル配向となる。しかし、その領域603
がラビングされずにパラレル配向とならなくても、18
0度ツイスト残留効果には何ら悪影響を与えない。但
し、パラレル配向にならないと、当該領域603が画像表
示時に輝点となる点で問題となる。
【0434】また、不完全囲繞体601の外周面を傾斜さ
せることで、発明の効果が更に大きくなった。図56に
その構成例を示す。この構成例では、不完全囲繞体601
の上部の大きさ(径)を20μmとし、下部の大きさ
(径)を上部よりも1μmないし20μm大きくし、そ
れにより、外周面601aがセル厚方向において傾斜を持つ
ようにした。このような構成すると、180度ツイスト
配向が残留する効果がさらに格別なものになった。
【0435】また、この不完全囲繞体601の外周面に対
し液晶を平行に配向させるような材料で該不完全囲繞体
601を製作すると、180度ツイスト配向が残留する効
果は不完全囲繞体601の外周面に対し液晶が垂直に配向
した場合の5倍以上となった。ここで、不完全囲繞体60
1の外周面に対し液晶を平行に配向させる材料として
は、例えば、親水性材料を用いることができる。
【0436】また、図50、図51、図55を参照し
て、配向転移核領域に電圧が印加されなくては180度
ツイスト配向からべンド配向に転移させることができな
い。従って、図55に示すような180度ツイスト配向
を残留させる不完全囲繞体601は、電圧を印加すること
ができる表示画素63内や補助容量電極65上、ソース線62
上などに形成される。特に、これを、画素電極64や、補
助容量電極65の上に形成すると、ベンド転移が良好であ
った。また、通常は、補助容量電極上に絶縁膜が形成さ
れているが、図51に示すように、これを除去してもよ
い。このようにすると、補助容量電極65に印加した電圧
をより効率的に液晶層4に印加することができる。
【0437】また、不完全囲繞体601も立体構造物であ
るために、その周辺部は正常にラビングされずべンド配
向が乱れるという間題がある。これは、配向転移核とな
るツイスト配向領域603、すなわち不完全囲繞体601を、
ブラックマトリクスで遮蔽される補助容量電極65上やソ
ース線62上に形成することにより解決することができ
た。本実施の形態では、不完全囲繞体601を補助容量電
極65上に形成している。
【0438】また、表示画素63内に不完全囲繞体601を
形成する場合は、電圧を印加する面積を大きくとれると
いうメリツトがあるが、液晶4の配向が乱れた部分を表
示しないように隠す必要がある。また不完全囲繞体601
自体も透明では光を透過してしまうため、該不完全囲繞
体601を黒くする必要がある。
【0439】以上の点を考慮すると、補助容量電極65上
に不完全囲繞体601を形成することが、電圧を印加でき
る点、それを表示させないようにブラックマトリクスで
隠せることの点から良好であつた。 (実施例8)図57は本実施の形態の実施例8に係る液
晶表示素子の下側基板の構成を示す斜視図である。図5
7に示すように、本実施例では、下側基板202上に、略
U字状の断面を有する柱状体からなる不完全囲繞体601
が形成されている。ラビングは、略U字形状の開口部60
2から奥に向かうように行った。このような構成とする
と、過渡的配向保存領域603がラビングされやすいた
め、べンド配向が乱れにくいという効果を有する。しか
し、略U字形状の不完全囲繞体6o1は、実施例7の入り
江形状の不完全囲繞体に比べて、その欠落部602が大き
いため、180度ツイスト配向が残留する効果が低いと
いうデメリットがある。 (実施例9)図58は本実施の形態の実施例9に係る液
晶表示素子の下側基板の構成を示す斜視図である。図5
8に示すように、本実施例では、不完全囲繞体601は、
平面視において仮想の矩形の各辺上に互いに隙間602を
有して位置するよう、下側基板202上に立設された4つ
の矩形の板状体611a,611b,611c,611dで構成されてい
る。この場合、4つの矩形の板状体611a,611b,611c,611
dで囲まれた領域603が過渡的配向保存領域を構成し、該
過渡的配向保存領域603に180度ツイスト配向が残留
する。また、4つの矩形の板状体611a,611b,611c,611d
同士の隙間602が不完全囲繞体601の欠落部を構成し、こ
の隙間602を通ってべンド転移が進行する。このような
構成とすると、180度ツイスト配向の残留効果、及び
ベンドへの転移効果が大きい。但し、この不完全囲繞体
601からなる柱スペーサをフオトレジストを用いて形成
する際に、高い解像度が要求されるというデメリットが
ある。 (実施例10)図59は本実施の形態の実施例10に係
る液晶表示素子の下側基板の構成を示す図であり、(a)
はビーズスペーサを一部が開放された環状に凝集させた
構成例を示す平面図、(b)はビーズスペーサを互いの間
に隙間を有してほぼ環状に並ぶように凝集させた構成例
を示す平面図、(c)はビーズスペーサを環状に閉じるよ
うに凝集させた構成例を示す平面図である。
【0440】まず、ビーズスペーサを、一部が開放され
た環状に凝集させた構成例について説明する。
【0441】図59(a)に示すように、本構成例では、
不完全囲繞体601は、平面視においてU字状に互い近接
して凝集した複数(本構成例では5つ)のビーズスペー
サ612で構成されている。上記凝集した複数のビースス
ペーサ612は、基板の間隔を保持するスペーサを構成し
ているので、上側及び下側の双方の基板に接している。
この場合、複数のビーズスペーサ612で囲まれた領域603
が不完全囲繞体601の過渡的配向保存領域を構成し、該
過渡的配向保存領域603に180度ツイスト配向が残留
する。また、ビーズスペーサ612の存在しない部分602が
不完全囲繞体601の欠落部を構成し、該欠落部602を通っ
てベンド配向が進行する。
【0442】このビーズスペーサ612は、その散布時間
を長くすることにより凝集させることができる。
【0443】このような構成とすると、ビーズスペーサ
612の凝集を制御するのが困難であることから製造する
のが容易ではないが、180度ツイスト配向が残留する
効果が格別なものとなる。
【0444】なお、本構成例では5つのビーズスペーサ
612をU字状に凝集させたが、凝集させるビーズスペー
サ612の数は3つ以上であればよい。
【0445】次に、図59(b)に示すように、ビーズス
ペーサ612の凝集した形状は、互いの間に隙間602を有し
てほぼ環状に並ぶようなものであってもよい。
【0446】また、ビーズスペーサ612の凝集した形状
は、図59(c)に示すように、環状に閉じているような
ものであってもよい。図59(c)において、不完全囲繞
体601は、例えば、3つのビーズスペーサ612を互い接す
るように凝集させて構成されている。この場合、3つの
ビーズスペーサ612の中央部に形成される隙間603が不完
全囲繞体612の過渡的配向保存領域を構成し、隣接する
ビーズ612間に形成される谷間602が不完全囲繞体の欠落
部を構成する。
【0447】そして、図59(b)、図59(c)のいずれの
構成例においても、図59(a)の構成例と同様の効果が
得られる。 (実施例11)図60は本実施の形態の実施例11に係
る液晶表示素子の下側基板の構成を示す図であり、(a)
は欠落部として貫通孔を有する不完全囲繞体を設けた構
成例を示す斜視図、(b)は欠落部として上方に開放され
た切欠部を有する不完全囲繞体を設けた構成例を示す斜
視図、(c)は欠落部として下方に開放された切欠部を有
する不完全囲繞体を設けた構成例を示す斜視図である。
【0448】図60(a)において、不完全囲繞体601は、
周壁に貫通孔602を有する円筒体で構成されている。こ
の場合、円筒体601の内部空間603が不完全囲繞体601の
過渡的配向保存領域を構成し、貫通孔602が不完全囲繞
体601の欠落部を構成する。
【0449】また、図60(b)において、不完全囲繞体6
01は、周壁に上方に開放された切欠部602を有する円筒
体で構成されている。この場合、切欠部602が不完全囲
繞体601の欠落部を構成する。
【0450】また、図60(c)において、不完全囲繞体6
01は、周壁に下方に開放された切欠部602を有する円筒
体で構成されている。この場合、切欠部602が不完全囲
繞体601の欠落部を構成する。
【0451】そして、上記図60(a)、図60(b)、及び
図60(c)のいずれの構成例においても、180度ツイ
スト配向残留効果、及びそれによるベンド転移容易化効
果を奏する。しかし、これらの中では、図60(a)の構
成例が、最も上記効果が顕著であり、最も望ましい構成
例である。また、いずれの構成例における不完全囲繞体
601も、プロセスが若干複雑化するものの、フォトリソ
グラフィー工法により形成することができる。 実施の形態21 実施の形態20では、第3の配向状態、すなわち、ベン
ド配向からスプレイ配向への過渡的配向状態である18
0度ツイスト配向を、液晶中に部分的に残留させ、該ツ
イスト配向からべンド配向へ転移する際にエネルギ障壁
が少ないことを利用したが、本発明は、これに限定され
るものではない。例えば、この部分的に残留させる配向
状態が第2の配向状態たるべンド配向であつてもよい。
【0452】べンド配向は、図54(b)に示すように、
セル厚方向における中央部の液晶分子の配向が垂直配向
である。よって、配向転移核の配向をべンド配向にし、
それによってベンド転移を高速に行うこともできる。
【0453】べンド配向を部分的に保存するために、本
発明の実施の形態21では、基板間隔を保持するスペー
サを特定の材料で構成し、かつ電圧を印加しながら液晶
パネルを冷却する手法を用いた。
【0454】まず、液晶パネルを等方相になるまで加熱
し、該液晶パネルに比較的大きな電圧、すなわち液晶層
がベンド配向するに十分な電圧を印加したまま徐冷し
た。ここで、柱スペーサ又はビーズスペーサからなるス
ペーサは、該スペーサの側面に平行に液晶分子を配向さ
せるような材料で構成した。このような材料として、親
水性の材料を用いることができる。
【0455】次いで、印加した電圧を切ったが、その状
態でもスペーサの側面付近にべンド配向又は垂直に並ん
だ配向状態が残留した。次いで、液晶パネルに所定の電
圧を印加した。すると、上記残留したべンド配向又は垂
直に並んだ配向の箇所を配向転移核として、ベンド配向
が高速に液晶パネル全体に広がつていった。
【0456】よって、本実施の形態によれば、ベンド転
移を、一層、高速に行うことができる。 実施の形態22 本発明は、部分的な第3の配向状態あるいは第2の配向
状態といった、ベンド配向に容易に変化する領域を、立
体構造物の周辺に形成するだけではない。本発明の実施
の形態22は、液晶層中にベンド配向やツイスト配向を
保存する構造として、ポリマーネットワークを用いるも
のである。
【0457】本実施の形態では、製造工程において、基
板間に液晶を挟持する際に、あらかじめ液晶に液晶モノ
マーを添加して液晶表示素子を作製した。次いで、その
液晶表示素子において、液晶層に転移電圧を印加してベ
ンド配向に転移させた。次いで、その状態で液晶パネル
に紫外線を照射した。すると、液晶中の液晶モノマーが
重合し、高分子の網目構造が該液晶中に形成された。
【0458】このように液晶中に網目構造が形成された
液晶パネルでは、印加した転移電圧を切つても液晶中に
ツイスト配向状態で固定される箇所が部分的に存在し、
電圧が印加されない状態でもツイスト配向が残留した。
【0459】この液晶パネルに、再度、転移電圧を印加
したところ、その残留したツイスト配向の箇所からベン
ド配向が発生し、そのベンド配向が液晶パネル全体に広
がった。この構成例では、液晶モノマーの添加濃度は3
%とした。
【0460】次に、他の構成例として、液晶モノマーの
添加濃度を10%にして液晶表示素子を同様に作成し
た。すると、印加した転移電圧を切った状態において液
晶層中にべンド配向状態で固定される箇所が存在し、電
圧が印加されない状態でもべンド配向が残留した。その
後、再度、転移電圧を印加したところ、このべンド配向
の箇所から液晶パネル全体にべンド配向が広がり、均一
な画像の表示が得られた。
【0461】上記実施の形態20〜22に係る発明はO
CB型液晶表示素子に限るものではない。これらの発明
は、無電圧下で第1の配向状態になるとともに表示電圧
下で第2の配向状態になり、その第1、第2の配向状態
間にエネルギ障壁が存在するため、表示の際にそのエネ
ルギ障壁を越すに足る電圧を印加して液晶を第2の配向
状態に転移させる液晶表示素子における共通の課題を解
決したものである。従って、ー般的に液晶の転移を行う
モードであれば、これらの発明を上記と同様に適用する
ことができる。 実施の形態23 本発明の実施の形態23は、横電界によって異配向方位
領域を形成したものであって、特に、異配向方位領域の
ツイスト角の絶対値を45度以上かつ135度以下とし
たものである。 (実施例12)図61は本実施の形態の実施例12に係
る液晶表示素子の構成を模式的に示す画素単位の断面
図、図62は同じく平面図である。ここで、図61、図
62において、符号U、Dは、それぞれ、液晶表示装置
の上視角方向、下視角方向を示す。
【0462】図61、図62に示すように、本実施例に
係る液晶表示素子は、図示されない偏光板間に配置さ
れ、光学補償用の位相補償板703が少なくともその一方
の側に配置されたアクティブマトリクス型の液晶表示素
子である。この液晶表示素子は、図示されない電圧印加
手段を有している。そして、この液晶表示素子は、カラ
ーフィルタ基板701とアレイ基板(TFT基板)702と
が、互いに対向するように配置されている。カラーフィ
ルタ基板701は、ガラス基板1の内面に対向電極79が
形成され、該対向電極79上に配向膜3が形成されて構成
されている。なお、カラーフィルタ基板701には、図示
されないカラーフィルタ及びブラックマトリクスも形成
されている。一方、アレイ基板702は、ガラス基板8の
内面に、平面視において、ゲート線61及びソース線62が
マトリクス状に形成され、該ゲート線61及びソース線62
で区画された画素63内に位置するように画素電極64が形
成され、該画素電極64、ゲート線61及びソース線62に接
続されるようにTFT等からなるスイッチング素子66が
形成され、さらに、それらが形成されたガラス基板8の
内表面を覆うように配向膜6が形成されて構成されてい
る。対向電極79及び画素電極64はITOで構成さ
れ、配向膜3、6はポリイミド系の樹脂で構成されてい
る。
【0463】そして、対向する一対の配向膜3、6の間
には、ビーズスペ−サ(図示せず)及び液晶層4が配置
されている。ビーズスペ−サの直径は約5μmである。
液晶層4は、正の誘電率異方性のネマティック液晶材料
で構成されている。
【0464】また、対向する一対の配向膜3、6は、各
々の表面上の液晶分子のプレチルト角が互いに正負逆符
号で数度の値を有し、かつ互いに略平行になるよう、配
向処理されている。この配向処理は、例えばラビング等
によって、図示するように下視角方向Dから上視角方向
Uへ向う方向704になされている。
【0465】これにより、液晶層4は、無電圧状態で、
液晶分子がセル厚方向において斜めに広がったスプレイ
配向状態4aを形成する。そして、液晶層4を、画素63
内のこのスプレイ配向状態4aから、液晶分子が対向す
る基板701,702間でベンドさせられたベンド配向(図54
参照)に、表示素子の全ての画素内で転移させることに
よって表示が可能となる。このように、上下の視角方向
に配向処理してスプレイ配向4aから完全なベンド配向
へ転移させた液晶表示素子では、左右の視角方向に極め
て広い視角特性が得られ、表示素子として見やすいもの
になる。
【0466】そして、アレイ基板702において、ゲート
線61の一方の縁部に、画素63内に突出するように矩形の
ゲート側横電界電極部61aが形成され、画素電極64の上
記ゲート線61に対向する縁部に、上記ゲート側横電界電
極部61aを受け入れるように、矩形に凹んだ画素側横電
界電極部64aが形成されている。ゲート線61は、Al等
の金属材料で構成され、該ゲート側横電界電極部61a
は、ゲート線61と同じ金属材料又はITOで構成されて
いる。
【0467】図62に示すように、配向処理方向704
は、ソース線62に平行に設定されている。また、ゲート
側横電界電極部61aは、長さ50μm、幅10μmの長
方形に形成され、かつソース線62に平行に延びるように
形成されている。また、画素側横電界電極部64aは、長
さ65μm、幅18μmの長方形に形成され、かつソー
ス線62に平行に延びるように形成されている。従って、
ゲート側横電界電極部61aと画素側横電界電極部64aとの
間隙Lは、略4μmとなっている。また、この間隙Lに
発生する、基板に平行な電界(以下、本実施の形態にお
いて横電界という)Eの方向は、配向処理方向704に対
し略90度の交差角θEを有する方向となっている。
【0468】次に、以上のように構成された液晶表示素
子の動作を説明する。液晶表示素子は、通常の液晶表示
動作においては、ゲート線61に、該ゲート線61が時間的
に順次走査されてオンオフするように、十数Vの短時間
パルス電圧が印加される。また、画素電極64には、映像
交流信号電圧が印加される。一方、転移動作において
は、まず、ゲート線61、ひいてはゲート側横電界電極部
61aに、少なくとも十数Vの直流電圧又は長時間パルス
電圧が印加され、かつ画素電極64の電圧が略0Vとされ
る。これにより、間隙Lに直流又は長時間パルスの強い
横電界Eが発生する。そして、この強い横電界Eによっ
て、図61に符号711で示すように、液晶層4の、該間
隙L上に位置する部分のスプレイ配向の下部を構成する
液晶分子が横方向に捩られて横電界Eの方向に向き、配
向処理方向704に対し略90度の交差角θEを有するもの
となる。すなわち、液晶層4の、間隙L上に位置する部
分は、略90度のツイスト角を有する異配向方位領域と
なる。次いで、対向電極79と画素電極64との間に数V〜
15V程度の高い電圧が印加される。これにより、液晶
層4の液晶分子に縦電界が印加され、スプレイ配向4a
の液晶分子が立ち上げられる。この際、間隙L上に位置
する液晶層4は、符号711で示すようにスプレイ配向し
た液晶分子が捩れながら立ち上がることになる。このた
め、液晶層4の、ゲート側横電界電極部61a及び画素側
横電界電極部64a上に位置する部分から転移核712が発生
しやすくなる。そして、実際、その転移核712が発生
し、その発生した転移核712は、ベンド配向へと発展
し、かつそのベンド配向が強い縦電界により急速に拡大
して画素63全体をベンド配向へと導いた。その結果、1
秒以内の短時間で転移が終了した。また、この方法によ
れば、0℃以下の低温雰囲気においても略1秒以内で液
晶表示素子全体の転移を終了させることができた。
【0469】これに対し、従来の液晶表示素子におい
て、スプレイ配向した液晶分子を捩らせることなく単純
に立ち上がらせた場合には、本実施例の方法より更に高
い電圧15〜25Vを対向電極79と画素電極64との間に
印加することが必要であり、かつ、転移核が必ずしも常
に発生するわけではないので、本実施例の方法より長
い、数秒から数分の転移時間が必要であり、転移が遅く
なる。従って、本実施例に係る発明が従来例に比べて優
れた効果を有することは明らかである。
【0470】なお、本実施例では、ゲート側横電界電極
部61a及び画素側横電界電極部64aを一対のみ設けたが、
複数対設けると更に良好な結果が得られる。 (実施例13)図63は本実施の形態の実施例13に係
る液晶表示素子の構成を模式的に示す画素単位の平面図
である。
【0471】本実施例では、実施例12と異なり、配向
処理方向704を、平面視においてソース線62に対し傾斜
させることにより、横電界Eの配向処理方向704に対す
る交差角θEが90度より少し小なものとなっている。
これ以外の点は実施例12と同様である。このような構
成とすると、交差角θEが45度≦θE≦135度の範囲
でも転移核712が発生する効果が得られ、交差角θEが8
0度≦θE≦100度の範囲では更に良好な転移が得ら
れる。
【0472】なお、横電界Eの配向処理方向704に対す
る交差角θEは、ゲート側横電界電極部61a及び画素側横
電界電極部64aの延在方向をソース線62に対し傾斜させ
ることにより変えてもよい。 (実施例14)図64は本実施の形態の実施例14に係
る液晶表示素子の構成を模式的に示す画素単位の平面図
である。
【0473】本実施例では、実施例12と異なり、ゲー
ト線61の一方の縁部に、矩形に凹んだゲート側横電界電
極部61bが形成され、画素電極64の該ゲート61に対向す
る縁部に、該ゲート側横電界電極部61b内に突出するよ
うに矩形の画素側横電界電極部64bが形成されている。
これ以外の点は実施例12と同様である。このような構
成としても実施例12と同様の効果が得られる。
【0474】なお、本実施例では、横電界Eの配向処理
方向704に対する交差角θEを90度としたが、該交差角
θEは、45度≦θE≦135度であればよく、80度≦
θE≦100度とするのが望ましい。そして、交差角θE
=90度とするのが最も望ましい。
【0475】また、ゲート側横電界電極部61bと画素側
横電界電極部64bとの間隙Lは、本実施例では4μmと
したが、3μm≦L≦15μmの範囲内であれば、プロ
セス及び印加電圧の観点から実用することができる。 (実施例15)本実施の形態の実施例15を図61及び
図62を用いて説明する。本実施例は、転移動作時にお
けるゲート側横電界電極部61aの電圧を実施例12より
更に高くして横電界Eをより強くすることにより、液晶
層4の、下部に位置する液晶分子のみならずセル厚方向
における中央部に位置する液晶分子までをも、配向処理
方向704に対し横方向に捩らせるとともに、その後、対
向電極79と画素電極間に高電圧を印加してその縦電界に
より液晶分子を無理なく立ち上がらせて液晶層4をベン
ド転移させるものである。このような構成とすると、画
素63内に、より確実に転移核712が発生し、そのため、
ベンド配向への転移が極めてスムーズに進展して、転移
がより速く終了する。
【0476】なお、上記実施例12〜15ではゲート側
及び画素側の横電界電極部の形状を長方形としたが、こ
れはどのような形状でもよく、例えば、四角形、半円
形、三角形等としてもよい。 実施の形態24 本発明の実施の形態24は、立体障害を用いて特定条件
下で基板にラビングを施すことにより、互いに逆回りの
2つのツイスト配向を相接するように形成したものであ
る。また、本実施の形態は、立体障害に撥水性を持たせ
ることを特徴とする実施の形態14及び立体障害による
ラビングの影部分に互いに逆回りの2つのツイスト配向
を相接するように形成することを特徴とする実施の形態
18を、さらに詳細に検討したものである。
【0477】最初に、本実施の形態に係る発明の原理を
説明する。本件発明者は、従来の構成の単純セルにある
程度高い電圧を印加して、スプレイ配向をべンド配向に
転移させた。すると、スプレイ配向からべンド配向への
転移には多くの時問、例えば数秒から数十秒の時間を要
した。また、上記転移電圧を印加した後にもスプレイ配
向が残存した。
【0478】本件発明者は、この転移時間を短縮し、か
つ転移を確実化するために、検討を進めた。まず、従来
の構成の液晶セルを製作するにあたり、片方の基板に、
局所的にラビング方向とは異なる方向に液晶が配向する
ように処理を行った。このようにしてセルを製作する
と、ラビング方向とは異なる方向に液晶が配向するよう
に処理を行った部分は、ツイスト配向となる。このセル
に、上記と同様な電圧を印加して転移の様子を観察し
た。すると、常に、上記ツイスト配向部分から転移する
ことがわかった。また、転移する電圧は、捩れ角75度
程度で約7V、捩れ角90度程度で約5V、捩れ角12
0度で約3Vであり、ツイスト配向の捩れ角が大きいほ
ど転移する電圧が低く、転移の確実性も高かった。
【0479】次に、捩れ角が異なるツイスト配向領域を
複数設けたセルを製作した。このセルに上記と同様な電
圧を印加し、詳細に転移の様子を観察したところ、以下
の現象を見出した。
【0480】常に転移が発生する箇所は、互いに逆方向
に捩れたツイスト配向同士が接する境界のディスクリネ
ーンョンライン(disclination line)付近であり、従来
の液晶素子に比べ、転移電圧も低く、転移の確実性も格
段に向上した。例えば、互いに逆方向に捩れた60度の
ツイスト配向と75度のツイスト配向とが接する場合
は、転移電圧は約3Vであった。
【0481】このべンド転移の原理は実施の形態8に詳
述した通りである。従って、ここではその説明を省略す
るが、要するに、従来の構成のままでは、転移電圧は1
OV〜30V程度であり、また未転移の箇所が残存する
こととなるが、上記ベンド転移の原理を導入すると、転
移電圧を格段に低くでき、かつ転移の確実性も非常に高
い液晶表示素子が実現できる。つまり、互いに逆方向に
捩れたツイスト配向同士を相接するように、パラレル配
向領域内に局所的に存在させることが重要である。
【0482】しかし、従来の配向処理工程を液晶表示素
子の作製にそのまま適用しただけでは、パラレル配向領
域内に、互いに逆方向に捩れたツイスト配向同士を相接
するように局所的に存在させることは不可能である。そ
こで、本件発明者は、微小な立体障害を基板上に配設
し、ラビングを工夫することによりこれを実現した。 (実施例16)図65は本実施の形態の実施例16に係
る液晶表示素子の基本構造を示す断面図である。図65
に示すように、本実施例に係る液晶表示素子Jは、上側
基板801と下側基板802とが対向配置され、その上側基板
801と下側基板802との間に液晶層4が配置されている。
上側基板801は、ガラス基板1の内面に透明電極2及び
配向膜3が順次積層されて構成されている。また、下側
基板802は、ガラス基板8の内面に透明電極7及び配向
膜6が順次積層されるとともに、透明電極7上に立体障
害803が立設されて構成されている。立体障害803は、先
端が上側基板801に当接するように形成されており、そ
の表面には配向膜が形成されていない。立体障害803
は、本実施例では、菱形の横断面形状を有し、先端部が
基部より細くなるよう傾斜した側面を有する柱状に形成
されている。また、立体障害803は、本実施例では、フ
ォトレジストで構成されている。また、立体障害803は
後述するように撥水性を有しているので、製造工程にお
いて配向剤がはじかれ、そのため表面に配向膜を有しな
いものとなっている。
【0483】次に、上記液晶表示素子Jの製作工程にお
けるラビング処理を詳しく説明する。
【0484】図66は、図65の液晶表示素子の下側基
板の配向処理を模式的に示す平面図である。
【0485】図65、図66に示すように、立体障害80
3は、ラビング方向69に対し、その菱形の断面の対角線
が略平行になるように下側基板802上に形成されてい
る。そして、下側基板802に、符号69で示す方向にラビ
ングを施した。すると、以下の知見が得られた。すなわ
ち、下側基板802上の立体障害803の周辺部に、該立体障
害803によるラビングのこすり下げ部分(以下、ラビン
グの影部分という。実施の形態18参照)804が形成さ
れる。そして、このラビングの影部分804において、立
体障害803に近い部分に無ラビング領域805が形成され、
それ以外の立体障害803から少し離れた部分に、通常の
ラビング方向69とは異なった方向にラビングされた異方
向ラビング領域806が形成される。
【0486】これは、本実施の形態では、ラビング布
(図示せず)が立体障害803を乗り越えるので、基板802
面にラビング布が接触しない領域が生じてそれが無ラビ
ング領域805となり、また、ラビング布がはじかれるこ
とにより通常のラビング方向69とは異なった方向にラビ
ングされる領域を生じてそれが異方向ラビング領域806
となるためである。
【0487】そして、上側基板801には、通常のラビン
グ方向69にラビングを施した。
【0488】このように配向処理された液晶表示素子J
では、図66に示すように、異方向ラビング領域806に
おいて、液晶層4は、その配向処理方向に従ってラビン
グ方向69に対し角度を持って配向し、無ラビング領域80
5において、液晶層4は立体障害803の撥水性又は親水性
に応じた方向に配向する。そして、液晶表示素子Jのこ
れら以外の領域において、液晶層4はパラレル配向をす
る。つまり、異方向ラビング領域806内に、ラビング方
向69に対し互いに逆方向に捩れたツイスト配向同士が相
接するように形成され、それらツイスト配向がパラレル
配向領域内に局所的に存在している。そのため、従来の
構成の単純セルに比べて、ベンド転移する部分が格段に
増加し、その結果、転移電圧が低くなるとともに、転移
の確実性も格段に向上した。また、ラビング方向69に対
し互いに逆方向に捩れたツイスト配向同士が相接する箇
所を、ラビングにより効果的に形成することができた。
【0489】ここで、ラビングの影部分804のラビング
方向69における長さは、ラビング布の押し込み量Dp
(図67参照)によって変化する。例えば、押し込み量
Dp=0.3mmとしたとき、この領域804の上記長さ
はおよそ15〜30μm程度、Dp=0.7mmとした
とき、上記長さは10〜20μm程度であった。すなわ
ち、ラビングする際に、押し込み量Dpを変化させるこ
とによりラビングの影部分804の上記長さを制御するこ
とができる。
【0490】また、本実施例では、立体障害803の側面
は、基部から先端に向かうに連れて内方に傾斜するよう
に形成されているが、このように、立体障害803の側面
を傾斜させると、立体障害803に撥水性が現れることが
見出された。立体障害803の撥水性は、その側面の傾斜
角が大きくなる程、強くなる。そして、立体障害803
は、その側面が30度程度の傾斜角である場合から撥水
性が現れはじめ、90度付近の傾斜角である場合まで撥
水性を示した。この立体障害803は、先端部より基部を
小さくしてもよい。そのようにしても撥水性が得られ
る。この立体障害803の撥水性の効果については、実施
例19で詳しく説明する。
【0491】なお、上記では液晶表示素子Jが基本的構
成を有する場合を説明したが、本実施例では、立体障害
及びその周辺部に電圧が印加されればよいので、アクテ
ィブマトリクスタイプその他の液晶表示素子にも、本実
施例を上記と同様に適用することができる。 (実施例17)図68は本実施の形態の実施例17に係
る液晶表示素子の下側基板の配向処理を模式的に示す平
面図である。
【0492】図68を参照して、実施例16では、ラビ
ング方向69と基板802のラビング用ローラに対する移動
方向591とのなす角度、すなわちバイアス角度(実施の
形態18参照)Θを略ゼロ度としたが、本実施例では、
このバイアス角度Θを変化させ、立体障害803によるラ
ビングの影部分804における配向処理を詳細に観察し
た。その結果、バイアス角度Θをある角度以上にする
と、図示するように、異方向ラビング領域806における
配向処理を、ラビング方向69から見て左右非対称(以
下、単に左右非対称という)にすることが可能なことが
見出された。具体的には、バイアス角度Θをゼロ度から
増大させていくと、約15度ぐらいのバイアス角度Θか
ら左右非対称性が顕著になり始め、30度から45度程
度のバイアス角度Θで左右非対称性が非常に大きくなっ
た。このように、異方向ラビング領域806における配向
処理の左右非対称性を大きくすると、実施例20で詳し
く述べるように、複数の立体障害を、各々のラビングの
影部分804が互いに重なり合うように配設することによ
り、互いに逆方向に捩れた2つのツイスト配向を安定に
形成することができる。 (実施例18)図69は本実施の形態の実施例18に係
る液晶表示素子の製造方法に用いるラビング用ローラの
構成を示す模式図である。
【0493】図69に示すように、本実施例において
は、ラビング用ローラ517は、ラビング布のバフ毛(繊
維)812が、ローラの回転軸方向に傾くよう、地布面811
に植毛されている。このようなバフ毛812は、基板に対
し角度を持って接触することになるため、立体障害によ
る影部分の配向処理の左右非対称性が大きなる。
【0494】よって、本実施例によれば、立体障害によ
る影部分の配向処理の左右非対称性を大きくすることが
できる。
【0495】また、その回転軸方向に傾くようにラビン
グ布のバフ毛812が地布面811に植毛されたローラを用
い、かつ基板の送り方向にバイアス角度を持たせるよう
にしてラビングすることにより、異方向ラビング領域の
配向処理の左右非対称性を非常に大きくすることができ
た。 (実施例19)図70は、本実施の形態の実施例19に
係る液晶表示装置の下側基板の無ラビング領域における
液晶の配向を模式的に示す平面図である。
【0496】図70において、本実施例では、実施例1
6と異なり、下側基板802上に形成された立体障害803が
撥水性の材料で構成されている。これ以外の点は実施例
16と同様である。
【0497】このような構成とすると、立体障害803周
辺の無ラビング領域805内において、液晶をラビング方
向69(図66参照)とは異なった方向808に配向させる
ことができる。これは、立体障害803の撥水性によって
液晶が立体障害803の側面に垂直に配向するためであ
る。
【0498】ここで、実施例16で述べた、立体障害80
3の側面を傾斜させることにより現れる撥水性によって
も、本実施例における撥水性の効果と同様の効果が得ら
れる。そして、本実施例においても、立体障害803は側
面が実施例16と同様に傾斜している。このように、撥
水性材料で構成された立体障害803の側面を、基部から
先端に向かうに連れて内方に傾斜するよう形成すると、
非常に強い撥水性を示すことが判明した。
【0499】以上に述べたように、立体障害803に撥水
性を持たせるとともにその周辺部に無ラビング領域805
を形成すると、該無ラビング領域805において液晶が立
体障害803の側面に垂直に配向し、それにより、平面視
において放射状の配向が得られるため、互いに逆方向に
捩れかつ相接する2つのツイスト配向を、効果的に、パ
ラレル配向領域内に形成することができる。 (実施例20)図71は、本実施の形態の実施例20に
係る液晶表示素子の液晶の配向状態を模式的に示す平面
図である。
【0500】図71に示すように、本実施例では、実施
例16と異なり、下側基板802上に、複数(図では2
つ)の立体障害803が、各々のラビングの影部分804が互
いに重なり合うように配設され、下側基板802にその送
り方向519にバイアス角度Θを持たせるようにしてラビ
ングが施され、かつ各々の立体障害803が撥水性の材料
で構成されている。
【0501】このような構成とすると、複数の立体障害
803の異方向ラビング領域806が互いに重なり合い、かつ
バイアス角度Θを有するラビングにより各異方向ラビン
グ領域806の配向に左右非対称性が付与されるため、立
体障害803が単独に配設された場合に比べて、互いに逆
方向に捩れた2つのツイスト配向を、さらに安定して形
成することができた。ここで、立体障害803同士の距離
が10〜30μmの場合に、互いに逆方向に捩れた2つ
のツイスト配向を安定して形成する効果が非常に高かっ
た。さらに、本実施例では、各立体障害803が撥水性を
有するので、それによって、さらに上記効果が増大す
る。このため、本実施例に係る液晶表示素子に転移電圧
を印加したところ、従来の単純セルに比べて転移が発生
する箇所が格段に増加し、液晶パネル全体が転移する電
圧が格段に低くなり、かつ転移に要する時問が大きく短
縮された。 (実施例21)上記実施例16〜20では立体障害の断
面形状を菱形としたが、本実施の形態の実施例21で
は、これを他の形状としたものである(図示せず)。例
えば、立体障害の断面形状を円形や四角形とすることが
できる。立体障害の断面形状をこのような形状とする
と、菱形形状とする場合より互いに逆方向に捩れた2つ
のツイスト配向を形成する効果は小さくなるが、立体障
害の形成が容易になるというメリツトがある。 (実施例22)上記実施例16及び実施例19では立体
障害を撥水性としたが、本実施の形態の実施例22で
は、立体障害を親水性としたものである(図示せず)。
その他の点は実施例16と同様である。このような構成
とすると、立体障害の周辺の液晶が該立体障害の側面に
平行に配向する。しかし、液晶の配向方向が変化するの
は、立体障害の周辺の無ラビング領域内だけであるか
ら、実施例16と同様に、異方向ラビング領域に、互い
に逆方向に捩れた2つのツイスト配向を効果的に形成す
ることができる。そして、本実施例によれば、親水性の
材料は配向剤をはじきにくいので、立体障害の表面に配
向膜が形成されるため、立体障害の周囲に形成されるパ
ラレル配向領域の配向を余り乱さないというメリットが
ある。 (実施例23)本実施の形態の実施例23は、立体障害
を、基板間隔を保持する柱スペーサで構成したものであ
る(図示せず)。立体障害を柱スペーサで構成すると、
立体障害を別途設ける必要がないため、液晶表示素子を
容易に作製することができる。また、柱スペーサの材料
には、撥水性を強く示すもの、親水性を示すもの等様々
なものがあるため、立体障害周辺部の液晶の配向を制御
することが比較的容易となる。 (実施例24)本実施の形態の実施例24は、液晶表示
素子をアクティブマトリクスタイプのものとし、アレイ
基板のアレイ構造の段差を立体障害として利用したもの
である。本実施例では、アレイ基板のアレイを形成する
過程において、最大2μmの段差を形成することができ
た。この段差を利用してラビングを制御することによ
り、転移核となる異方向ラビング領域(実施例16参
照)を形成することができた。本実施例では、柱スペー
サを立体障害として利用する場合に比べると、転移核が
発生する確率は低下したが、アレイ基板の作製にー般に
採用しているアレイプロセスの変更だけで済むため、立
体障害を容易に形成できるメリツトがある。 (実施例25)実施例16、19では立体障害の表面を
撥水性として垂直配向性に、実施例22では親水性とし
て水平配向性にした。本実施の形態の実施例25は、立
体障害としての柱スペーサの周辺に配向膜のテーパを形
成することで配向方位を制御したものである。
【0502】図72は本実施例に係る液晶表示素子の下
側基板の液晶の配向を模式的に示す概念図であって、
(a)は平面図、(b)は(a)のXXXXXXXIIb−XXXXXXXIIb矢視
断面図である。
【0503】図72(a)、(b)において、下側基板802上
には複合柱スペーサを構成する3つ柱スペーサ803が形
成されている。下側基板802の表面には配向膜824が形成
されているが、各柱スペーサ803の表面には配向膜824が
形成されていない。そして、配向膜824は、各柱スペー
サ803の周辺で、柱スペーサから離れるに連れて膜厚が
薄くなるようなテーパ824aが付されている。この下側基
板802は、実施の形態2の図22と同様のラビング処理
が施されている。
【0504】このような構成とした結果、図72(a)に
示すように、各柱スペーサ803の周辺821では液晶分子82
1aは該柱スペーサ803の側面に対して平行に配向する特
性を示した。しかし、その外側の領域822では、液晶分
子822aは、テーパの方向に従って配向し、さらにその外
側の領域823では、液晶分子823aは、ラビング処理の方
向に従って配向した。
【0505】本実施例においては、このように配向膜82
4にテーパ824aを付すことにより、実施例19で示した
ような柱スペーサ803から放射状に延びる配向を実現す
ることができた。これにより、液晶をスプレイ配向から
ベンド配向への転移させる際に、転移の核が形成され
た。
【0506】上記テーパ構造は、配向膜を用いて形成す
るものに限るものではない。例えば、テーパが形成され
るように樹脂をコーティングしてもよく、また、フォト
レジストでテーパを形成してもよい。但し、配向膜を用
いてテーパを形成することがもっとも簡便であった。
【0507】テーパ構造の傾斜角は0.2度以上であれ
ばよく、マージンはかなり広い。
【0508】なお、本実施例では、柱スペーサ803の周
辺の傾斜構造は、直線的に傾斜しているが、曲線的であ
ってもよい。 (実施例26)本実施の形態の実施例26は、異配向方
位領域を垂直配向領域としたものである。
【0509】ベンド配向はパネルのセル厚方向における
中央部で液晶が立っている構造であるため、片側の基板
にでも液晶が立っている又はプレチルトが高い状態を形
成すると転移が良好に発生した。
【0510】本実施例では、ラビングを遮蔽する立体障
害として柱スペーサを用い、この柱スペーサが形成され
た基板をラビングすることでラビング遮蔽領域を形成
し、このラビング遮蔽領域を垂直配向となるようにし
た。
【0511】すなわち、まず、柱スペーサの形成された
基板に、配向膜として垂直配向性の強い膜を塗布し、硬
化する。この基板にラビング処理を施すと、柱スペーサ
の背後の部分にラビングがなされないラビングの影領域
が発生する。この現象は、図36(b)に示したものとほ
ぼ同じである。但し、このラビングの影領域が垂直配向
(基板面に垂直な配向)になる点が、図36(b)の場合
と異なっている点であり、本実施例の特徴である。そし
て、液晶をスプレイ配向からベンド配向へ転移させる際
に、この垂直配向領域を核に転移が発生した。
【0512】この垂直配向領域は厳密に垂直である必要
はない。この垂直配向領域は、プレチルトが20度以上
の部分があればよく、望ましくはプレチルトが40度以
上であるのがよい。プレチルトが40度以上であれば、
電源を切断した後でもこの垂直配向領域はベンド配向を
保持した。
【0513】また、本垂直配向領域は両側の基板に形成
しても、片側の基板に形成してもよい。
【0514】
【発明の効果】本発明は以上に説明したような形態で実
施され、速くかつ確実にスプレイ配向からベンド配向へ
転移することができるという効果を奏する。そのため、
その実用的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の実施例1に係るテスト
セルの構成を模式的に示す断面図である。
【図2】図1のテストセルの製造プロセスを示す断面図
である。
【図3】図1のテストセルの製造プロセスを示す断面図
である。
【図4】フォトマスクを示す平面図である。
【図5】図1の基板のラビング方向を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1の実施例2に係るテスト
セルの構成を模式的に示す断面図である。
【図7】フォトマスクを示す平面図である。
【図8】本発明の実施の形態1の実施例3に係るテスト
セルの構成を模式的に示す断面図である。
【図9】図8のテストセルの製造プロセスを示す断面図
である。
【図10】マスクを示す平面図である。
【図11】本発明の実施の形態1の実施例4に係る液晶
表示素子の構成を示す断面図である。
【図12】図11の液晶表示素子の各光学素子の配置方
向を示す平面図である。
【図13】図11の液晶表示素子の正面における電圧−
透過率特性を示すグラフである。
【図14】従来のOCBモード型液晶表示素子の構成を
模式的に示す断面図である。
【図15】図1のテストセルの下側基板の突起の配置を
模式的に示す平面図である。
【図16】図6のテストセルの下側基板の溝の配置を模
式的に示す平面図である。
【図17】図8のテストセルの下側基板の配向処理状態
を模式的に示す平面図である。
【図18】本発明の実施の形態1の実施例6に係る液晶
表示素子の各光学素子の配置方向を示す平面図である。
【図19】本発明の実施の形態2に係る液晶表示素子の
構成を示す平面図である。
【図20】図19のXX−XX矢視断面図である。
【図21】図19の複合柱スペーサの形態を示す平面図
である。
【図22】図21の複合柱スペーサによって形成された
配向処理状態を示す概念図である。
【図23】TFT基板上に形成された、複合柱スペーサ
を形成するための凹凸を模式的に示す断面図である。
【図24】ツイスト配向した液晶分子に隣接する液晶分
子の挙動を模式的に示す図であり、(a)は電圧を印加し
ない場合の状態を示す断面図、(b)は電圧を印加しない
場合の状態を示す平面図、(c)は所定の電圧を印加した
場合の状態を示す断面図、(d)は電圧を印加した場合の
状態を示す平面図である。
【図25】図19の液晶表示素子を転移させるために用
いた転移電圧の波形を示す図である。
【図26】転移電圧に対する転移核発生率の変化を示す
図である。
【図27】複合柱スペーサの変形例を示す平面図であ
る。
【図28】複合柱スペーサを画素電極上に形成した変形
例を模式的に示す平面図である。
【図29】複合柱スペーサをカラーフィルタ基板にカラ
ーフィルタの段差を利用して形成した変形例を示す断面
図である。
【図30】カラーフィルタ基板に、複合柱スペーサが当
接しないようにするための凹部を形成した変形例を示す
断面図である。
【図31】本発明の実施の形態4に係る液晶表示素子の
構成を模式的に示す断面図である。
【図32】本発明の実施の形態6に係る液晶表示装置の
構成を模式的に示すブロック図である。
【図33】本発明の実施の形態7に係る液晶表示装置の
構成を模式的に示すブロック図である。
【図34】液晶表示素子における液晶の安定条件を示す
概念図であり、(a)は基本的な液晶の安定条件を示す
図、(b)はパラレル配向及びツイスト配向における液晶
の安定条件を示す図である。
【図35】局所的にツイスト配向領域が形成された液晶
表示素子におけるスプレイ−ベンド転移の過程を模式的
に示す概念図であり、(a)は互いに逆方向の2つのツイ
スト配向領域が相接する場合を示す図、(b)は一方のツ
イスト角が90度である場合を示す図、(c)は一方のツ
イスト角が90度以上である場合を示す図、(d)は互い
に同方向の2つのツイスト配向領域が相接する場合を示
す図である。
【図36】本発明の実施の形態8に係る液晶表示素子の
一方の基板の配向処理を模式的に示す平面図であって、
(a)は1回目のラビングを施した後の状態を示す図、(b)
は2回目のラビングを施した後の状態を示す図である。
【図37】本発明の実施の形態9に係る液晶表示素子の
一方の基板の配向処理を模式的に示す平面図である。
【図38】本発明の実施の形態10に係る液晶表示素子
の一方の基板の配向処理を模式的に示す平面図である。
【図39】本発明の実施の形態12に係る液晶表示素子
のアクティブマトリクス基板の構成を模式的に示す平面
図である。
【図40】本発明の実施の形態14に係る液晶表示素子
の基板の配向処理の状態を模式的に示す平面図である。
【図41】本発明の実施の形態15に係る液晶表示素子
の構成を模式的に示す断面図である。
【図42】本発明の実施の形態16に係る液晶表示素子
の構成を模式的に示す図であって、(a)は断面図、(b)は
平面図である。
【図43】図42の液晶表示素子に印加される駆動電圧
の波形を示すグラフである。
【図44】本発明の実施の形態17に係る液晶表示素子
の構成を模式的に示す図であって、(a)は断面図、(b)は
平面図である。
【図45】図44の液晶表示素子に印加される駆動電圧
の波形を示すグラフである。
【図46】本発明の実施の形態18に係る液晶表示素子
の製造方法を示す模式図である。
【図47】本発明の実施の形態18に係る液晶表示素子
の基板の配向処理の状態を示す平面図である。
【図48】本発明の実施の形態19に係る液晶表示素子
の構成を模式的に示す平面図である。
【図49】図48のXXXXIX−XXXXIX矢視断面図である。
【図50】本発明の実施の形態20に係る液晶表示素子
の構成を模式的に示す平面図である。
【図51】図50のXXXXXI−XXXXXI矢視断面図である。
【図52】本発明の実施の形態20の実施例7に係る液
晶素子の下側基板の構成を示す斜視図である。
【図53】図50の液晶表示素子に印加される転移電圧
の波形を示す図である。
【図54】液晶のスプレイ配向からベンド配向への転移
を説明するための図であり、(a)はスプレイ配向を示す
液晶表示素子の断面図、(b)はベンド配向を示す液晶表
示素子の断面図である。
【図55】液晶の180度ツイスト配向を示す液晶表示
素子の断面図である。
【図56】不完全囲繞体の外周面を傾斜させた構成例を
示す下側基板の斜視図である。
【図57】本発明の実施の形態20の実施例8に係る液
晶表示素子の下側基板の構成を示す斜視図である。
【図58】本発明の実施の形態20の実施例9に係る液
晶表示素子の下側基板の構成を示す斜視図である。
【図59】本発明の実施の形態20の実施例10に係る
液晶表示素子の下側基板の構成を示す図であり、(a)は
ビーズスペーサを一部が開放された環状に凝集させた構
成例を示す平面図、(b)はビーズスペーサを互いの間に
隙間を有してほぼ環状に並ぶように凝集させた構成例を
示す平面図、(c)はビーズスペーサを環状に閉じるよう
に凝集させた構成例を示す平面図である。
【図60】本発明の実施の形態20の実施例11に係る
液晶表示素子の下側基板の構成を示す図であり、(a)は
欠落部として貫通孔を有する不完全囲繞体を設けた構成
例を示す斜視図、(b)は欠落部として上方に開放された
切欠部を有する不完全囲繞体を設けた構成例を示す斜視
図、(c)は欠落部として下方に開放された切欠部を有す
る不完全囲繞体を設けた構成例を示す斜視図である。
【図61】本発明の実施の形態23の実施例12に係る
液晶表示素子の構成を模式的に示す画素単位の断面図で
ある。
【図62】本発明の実施の形態23の実施例12に係る
液晶表示素子の構成を模式的に示す画素単位の平面図で
ある。
【図63】本発明の実施の形態23の実施例13に係る
液晶表示素子の構成を模式的に示す画素単位の平面図で
ある。
【図64】本発明の実施の形態23の実施例14に係る
液晶表示素子の構成を模式的に示す画素単位の平面図で
ある。
【図65】本発明の実施の形態24の実施例16に係る
液晶表示素子の基本構造を示す断面図である
【図66】図65の液晶表示素子の下側基板の配向処理
を模式的に示す平面図である。
【図67】ラビング布の押し込み量を説明するための模
式図である。
【図68】本発明の実施の形態24の実施例17に係る
液晶表示素子の下側基板の配向処理を模式的に示す平面
図である。
【図69】本発明の実施の形態24の実施例18に係る
液晶表示素子の製造方法に用いるラビング用ローラの構
成を示す模式図である。
【図70】本発明の実施の形態24の実施例19に係る
液晶表示装置の下側基板の無ラビング領域における液晶
の配向を模式的に示す平面図である。
【図71】本発明の実施の形態24の実施例20に係る
液晶表示素子の液晶の配向状態を模式的に示す平面図で
ある。
【図72】本発明の実施の形態24の実施例に係る液晶
表示素子の下側基板の液晶の配向を模式的に示す概念図
であって、(a)は平面図、(b)は(a)のXXXXXXXIIb−XXXXX
XXIIb矢視断面図である。
【符号の説明】
1,8 ガラス基板 2,7 透明電極 3,6 配向膜 4 液晶層 4’ ツイスト配向した液晶分子に隣接する液晶分子 4” ツイスト配向した液晶分子 4a スプレイ配向の液晶分子 4b ベンド配向の液晶分子 5 スペーサ 9 液晶セル 10 突起 11,14 負の一軸性フィルム位相板 12,15 主軸がハイブリッド配列した負の屈折率異方性
を有する光学媒体よりなる位相差板 13,16 偏光板 17,18 位相補償板 19 正の一軸性フィルム位相板 20 フォトレジスト薄膜 21 フォトマスク 22 フォトマスク開口部 23 平行紫外線 30 溝 31 紫外線照射方向 32 紫外線の偏波面の延在方向 51 単位配向処理領域 61 ゲート線 62 ソース線 63 画素 64 画素電極 65 補助容量電極 66 スイッチ素子 67 ブラックマトリクス 68,77 絶縁層 69 ラビング方向 70 異方向配向処理領域 71 周囲の領域 72,86 凹部 73 カラーフィルタ等を含む層 74 平坦化層 75 配線層 76 カラーフィルタ 79 対向電極 80,81 矢印 84 セル厚方向 101 上側基板 102 下側基板 103 突起 104 溝 121 マスク 122 マスクの開口部 201 カラーフィルタ基板 202 TFT基板 203 複合柱スペーサ 203A,203B,203C 柱スペーサ 204 辺 205 ラビングが左右からぶつかる領域 301,308 液晶表示装置 302 コントローラ 303 基準電源回路 304 ゲートドライバ 305 ソースドライバ 306 転移電圧印加回路 307 映像信号 310 転移電圧印加用電極 401 パラレル配向領域 402 左回りツイスト領域 403 右回りツイスト領域 404 通常配列ツイスト 405 ベンド転移 406 ツイスト角が90度の領域 407 ツイスト角が90度以上の領域 408 左回りツイスト領域 501 基板 502 柱スペーサ 503 影領域 504 キズ 505 右回りツイストの領域 506 左回りツイストの領域 507 基準方向 508 ツイスト配向領域 509 ツイスト配向領域の配向方向 510 立体障害 511 柱スペーサの周辺に位置する液晶分子の配向方向 512 ダミーパターン 513 横電界 514 画素電圧 515 対向電圧 516 ゲート電圧 517 ラビング用ローラ 518 ローラの回転方向 519 ラビングの影部分 518a,519c 右方向にラビングされる領域 518b,519d 左方向にラビングされる領域 520 接触箇所 540 パラレル配向領域 541 全体的なパラレル配向領域 542 表示域 543 柱スペーサが形成される箇所 544 ジグザグ形状 544a,544b 傾斜直線 545 対向電圧及びゲート電圧がローレベルである期間 591 基板の移動方向 601 不完全囲繞体 601a 外周面 602 欠落部 603 過渡的配向保存領域 611a,611b,611c,611d 板状体 612 ビーズスペーサ 701 カラーフィルタ基板 702 アレイ基板 703 位相補償板 704 配向処理方向 711 横電界によるツイスト配向 712 転移核 801 上側基板 802 下側基板 803 立体障害 804 ラビングの影部分 805 無ラビング領域 806 異方向ラビング領域 811 地布面 812 バフ毛 821 柱スペーサの周辺 821a,822a,8223a 液晶分子 822 柱スペーサの周辺の外側の領域 823 柱スペーサの周辺のさらなる外側の領域 824 配向膜 A〜C テストセル(液晶表示素子) D〜J 液晶表示素子 Dp 押し込み量 P ジグザグ形状のピッチ θ 照射角度 Θ バイアス角度
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1343 G02F 1/1343 1/1368 1/1368 1/139 1/139 (72)発明者 石原 將市 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 田中 好紀 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 服部 勝治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 上村 強 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 分元 博文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 津田 圭介 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 田窪 米治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2H088 GA02 HA03 HA12 HA14 JA09 KA17 LA02 MA10 2H089 LA08 LA09 LA10 NA14 QA16 RA07 SA12 TA02 TA04 2H090 HA11 HA13 HA14 HA15 HA16 JA02 JA04 KA07 LA02 LA06 LA15 MA01 MA06 MB11 MB12 MB14 2H092 GA13 GA15 JA24 NA05 PA02 PA05 PA08 QA09 2H093 NA16 NB07 NB11 NC34 ND32 NE04 NF09

Claims (241)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1枚の基板と液晶層とを有す
    る液晶表示素子であり、局所的に他の領域と配向方向が
    異なっている異配向方位領域が存在することを特徴とす
    る液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 一対の基板と液晶層とを有する液晶表示
    素子であり、前記一対の基板にはともに略平行な配向処
    理がなされており、局所的に他領域と配向方向が異なっ
    ている異配向方位領域が存在することを特徴とする液晶
    表示素子。
  3. 【請求項3】 前記異配向方位領域が、前記基板付近の
    液晶の配向方位であることを特徴とする請求項l又は2
    記載の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 前記基板の少なくとも1枚には配向処理
    がなされており、前記配向処理において、局所的に他の
    領域と配向処理方向が異なっている異配向方位領域が存
    在することを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示
    素子。
  5. 【請求項5】 前記配向処理がラビング処理であること
    を特徴とする請求項4記載の液晶表示素子。
  6. 【請求項6】 前記異配向方位領域を形成する手段が、
    立体障害であることを特徴とする請求項5記載の液晶表
    示素子。
  7. 【請求項7】 前記異配向方位領域を形成する手段が、
    柱状構造体であることを特徴とする請求項5記載の液晶
    表示素子。
  8. 【請求項8】 前記異配向方位領域を形成する手段が、
    錐状構造体であることを特徴とする請求項5記載の液晶
    表示素子。
  9. 【請求項9】 前記異配向方位領域を形成する手段が、
    山形状構造体であることを特徴とする請求項5記載の液
    晶表示素子。
  10. 【請求項10】 前記異配向方位領域を形成する手段が
    溝状構造体であることを特徴とする請求項1から4のい
    ずれか記載の液晶表示素子。
  11. 【請求項11】 前記溝状構造体がフオトリソグラフィ
    ー法で形成されることを特徴とする請求項10記載の液
    晶表示素子。
  12. 【請求項12】 前記溝状構造体がスタンプ法で形成さ
    れることを特徴とする請求項10液晶表示素子。
  13. 【請求項13】 前記異配向方位領域を形成する手段が
    凹部溝の形成であることを特徴とする請求項1から4の
    いずれか記載の液晶表示素子。
  14. 【請求項14】 前記異配向方位領域を形成する手段が
    光配向処理であることを特徴とする請求項1から4のい
    ずれか記載の液晶表示素子。
  15. 【請求項15】 前記基板は配向膜を有し、前記配向膜
    は光感応性を有することを特徴とする請求項14記載の
    液晶表示素子。
  16. 【請求項16】 前記光配向処理が、光走査処理である
    ことを特徴とする請求項15記載の液晶表示素子。
  17. 【請求項17】 前記光配向処理が、偏光レーザの光走
    査処理であることを特徴とする請求項16記載の液晶表
    示素子。
  18. 【請求項18】 前記異配向方位領域を形成する手段が
    局所的にキズをつける工程であることを特徴とする請求
    項1から4のいずれか記載の液晶表示素子。
  19. 【請求項19】 前記キズをつける工程が、針状物体を
    前記基板に押圧し、その状態で基板面内に移動させる工
    程であることを特徴とする請求項18記載の液晶表示素
    子。
  20. 【請求項20】 前記基板は配向膜を有し、前記キズを
    つける工程が、前記配向膜を局所的に消失させる工程で
    あることを特徴とする請求項18記載の液晶表示素子。
  21. 【請求項21】 前記基板は配向膜を有し、前記キズを
    つける工程が、局所的にレーザ光線を照射する工程であ
    ることを特徴とする請求項18記載の液晶表示素子。
  22. 【請求項22】 前記異配向方位領域の配向方位が他の
    配向領域の配向方位と90度異なっていることを特徴と
    する請求項1から4のいずれか記載の液晶表示素子。
  23. 【請求項23】 前記キズの方位が他の配向領域の配向
    方位と90度異なっていることを特徴とする請求項1か
    ら4のいずれか記載の液晶表示素子。
  24. 【請求項24】 前記キズが湾曲線であることを特徴と
    する請求項23記載の液晶表示素子。
  25. 【請求項25】 少なくとも1枚の基板と液晶層とを有
    し、局所的に他の領域と配向方向が異なっている異配向
    方位領域が存在する液晶表示素子の製造方法であって、
    前記異配向方位領域を形成する工程が他の配向方位を決
    定する配向処埋工程と異なっていることを特徴とする液
    晶表示素子の製造方法。
  26. 【請求項26】 ラビング処理が複数回行われているこ
    とを特徴とする請求項25記載の液晶表示素子の製造方
    法。
  27. 【請求項27】 立体障害を有し、ラビング処理が複数
    回、異なった方向に行われることを特徴とする請求項2
    6記載の液晶表示素子の製造方法。
  28. 【請求項28】 前記異配向方位領域を形成する工程
    が、基板上にキズをつける工程であることを特徴とする
    請求項25記載の液晶表示素子の製造方法。
  29. 【請求項29】 前記異配向方位領域を形成する工程
    が、光配向処理工程であることを特徴とする請求項25
    記載の液晶表示素子の製造方法。
  30. 【請求項30】 前記異配向方位領域を形成する工程が
    他の配向方位を決定する配向処理工程と同一工程である
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の液晶
    表示素子。
  31. 【請求項31】 前記異配向方向領域を周期的に形成し
    たことを特徴とする請求墳1から4までのいずれか記載
    の液晶表示素子。
  32. 【請求項32】 前記基板は画素を有し、前記異配向方
    向領域を複数画素ごとに形成したことを特徴とする請求
    項1から4までのいずれか記載の液晶表示素子。
  33. 【請求項33】 前記基板は画素を有し、前記異配向方
    向領域を各画素ごとに形成したことを特徴とする請求項
    1から4までのいずれか記載の液晶表示素子。
  34. 【請求項34】 前記異配向方向領域を不規則に形成し
    たことを特徴とする請求項1から4までのいずれか記載
    の液晶表示素子。
  35. 【請求項35】 前記基板は画素を有し、前記異配向方
    向領域を100画素に1つ以上形成したことを特徴とす
    る請求項1から4のいずれか記載の液晶表示素子。
  36. 【請求項36】 前記基板は画素を有し、前記異配向方
    向領域を10画素に1つ以上形成したことを特徴とする
    請求項1から4のいずれか記載の液晶表示素子。
  37. 【請求項37】 前記液晶表示素子は少なくとも位相差
    板を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか
    記載の液晶表示素子。
  38. 【請求項38】 前記位相差板にはハイブリッド配向フ
    ィルムを有することを特徴とする請求項37記載の液晶
    表示素子。
  39. 【請求項39】 前記位相差板には少なくとも一軸性フ
    ィルムを有することを特徴とする請求項37記載の液晶
    表示素子。
  40. 【請求項40】 前記液晶表示素子はOCB型液晶表示
    素子であることを特徴とする請求項1から4のいずれか
    記載の液晶表示素子。
  41. 【請求項41】 前記液晶は自己補償型構造の液晶配列
    をしていることを特徴とする請求項1から4のいずれか
    記載の液晶表示素子。
  42. 【請求項42】 前記液晶の、表示に用いる表示配向状
    態と電源オフ状態での初期配向状態が異なっており、初
    期配向状態から表示配向状態に配向を変化させる転移手
    段を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか
    記載の液晶表示素子。
  43. 【請求項43】 前記異配向方向領域にデフェクトが発
    生することを特徴とする請求項1から4のいずれか記載
    の液晶表示素子。
  44. 【請求項44】 前記転移手段の作用中に、前記異配向
    方向領域にデフェクトが発生することを特徴とする請求
    項42記載の液晶表示素子。
  45. 【請求項45】 前記デフェクトが、一方の基板の近傍
    にスプレイ配向中心を有する領域と他方の基板近傍にス
    プレイ配向中心を有する領域との境界であることを特徴
    とする請求項43又は44に記載の液晶表示素子。。
  46. 【請求項46】 前記異配向方位領域において、プレチ
    ルト角が変化していることを特徴とする請求項1から4
    のいずれか記載の液晶表示素子。
  47. 【請求項47】 前記異配向方位領域の液晶の配向方向
    が、他の領域の配向領域の液晶の配向方向から45度以
    上異なることを特徴とする請求項1から4のいずれか記
    載の液晶表示素子。
  48. 【請求項48】 前記異配向方位領域の液晶の配向方向
    が、他の配向領域の液晶の配向方向に対し60度以上異
    なることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の
    液晶表示素子。
  49. 【請求項49】 前記異配向方位領域の液晶の配向方向
    が、他の配向領域の液晶の配向方向に対し90度以下異
    なることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の
    液晶表示素子。
  50. 【請求項50】 前記異配向方位領域が立体物と接する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の液晶
    表示素子。
  51. 【請求項51】 前記異配向方位領域が転移核となるこ
    とを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の液晶表
    示素子。
  52. 【請求項52】 前記異配向方位領域に電圧を印加する
    ことを特徴とする請求墳51記載の液晶表示素子。
  53. 【請求項53】 前記異配向方位領域を画素電極上に形
    成することを特徴とする請求項52記載の液晶表示素
    子。
  54. 【請求項54】 前記異配向方位領域を補助容量電極上
    に形成することを特徴とする請求項52記載の液晶表示
    素子。
  55. 【請求項55】 前記異配向方位領域を遮蔽することを
    特徴とする請求項1から4のいずれか記載の液晶表示素
    子。
  56. 【請求項56】 前記異配向方位領域をブラックマトリ
    クス上に形成することを特徴とする請求項55記載の液
    晶表示素子。
  57. 【請求項57】 前記異配向方位領域を表示領域外に形
    成することを特徴とする請求項55記載の液晶表示素
    子。
  58. 【請求項58】 前記立体障害、柱状構造体、錐状構造
    体、又は山形状構造体が、柱スペーサを兼用することを
    特徴とする請求項6から9のいずれか記載の液晶表示素
    子。
  59. 【請求項59】 前記立体障害、柱状構造体、錐状構造
    体、又は山形状構造体は、セル厚と同じ高さのものが存
    在することを特徴とする請求項6から9のいずれか記載
    の液晶表示素子。
  60. 【請求項60】 前記立体障害、柱状構造体、錐状構造
    体、又は山形状構造体を形成する工程が、アクティブマ
    トリクス基板の素子を形成する工程に含まれることを特
    徴とする請求項6から9のいずれか記載の液晶表示素
    子。
  61. 【請求項61】 前記立体障害、柱状構造体、錐状構造
    体、又は山形状構造体が、断面形状において傾斜辺を有
    することを特徴とする請求項6から9のいずれか記載の
    液晶表示素子。
  62. 【請求項62】 前記立体障害、柱状構造体、錐状構造
    体、又は山形状構造体が、複数の立体障害、柱状構造
    体、錐状構造体、又は山形状構造体の複合体であること
    を特徴とする請求項6から9のいずれか記載の液晶表示
    素子。
  63. 【請求項63】 前記複合体の複数の立体障害、柱状構
    造体、錐状構造体、又は山形状構造体間の最小間隔が、
    ラビング布の繊維の最小径よりも大きいことを特徴とす
    る請求項62記載の液晶表示素子。
  64. 【請求項64】 前記複合体の複数の立体障害、柱状構
    造体、錐状構造体、又は山形状構造体間の最小間隔が、
    10μm以上であることを特徴とする請求項62記載の
    液晶表示素子。
  65. 【請求項65】 前記複合体の複数の立体障害、柱状構
    造体、錐状構造体、又は山形状構造体間のラビング方向
    における距離が、25μm以下であることを特徴とする
    請求項62記載の液晶表示素子。
  66. 【請求項66】 前記複合体の複数の立体障害、柱状構
    造体、錐状構造体、又は山形状構造体のうち、ラビング
    方向における奥側に位置するものが、ラビング方向にお
    ける手前側に位置するのものより大きいことを特徴とす
    る請求項62記載の液晶表示素子。
  67. 【請求項67】 前記立体障害、柱状構造体、錐状構造
    体、又は山形状構造体によって生じたラビングの影領域
    が、他の立体障害、柱状構造体、錐状構造体、又は山形
    状構造体に接することを特徴とする請求項62記載の液
    晶表示素子。
  68. 【請求項68】 前記立体障害、柱状構造体、錐状構造
    体、又は山形状構造体の径が5μm以上であることを特
    徴とする請求項6から9のいずれか記載の液晶表示素
    子。
  69. 【請求項69】 前記立体障害、柱状構造体、錐状構造
    体、又は山形状構造体の高さが、セル厚の半分以上であ
    ることを特徴とする請求項6から9のいずれか記載の液
    晶表示素子。
  70. 【請求項70】 前記立体障害、柱状構造体、錐状構造
    体、又は山形状構造体の高さとセル厚との差異が1μm
    以下であることを特徴とする諸求項69記載の液晶表示
    素子。
  71. 【請求項71】 前記異配向方位領域を形成する手段と
    前記異配向方位領域を保護する手段を有することを特徴
    とする請求項1から4のいずれか記載の液晶表示素子。
  72. 【請求項72】 前記異配向方位領域を形成する手段と
    前記異配向方位領域を保護する手段が共に立体障害、柱
    状構造体、錐状構造体、又は山形状構造体であることを
    特徴とする請求項6から9のいずれか記載の液晶表示素
    子。
  73. 【請求項73】 前記異配向方位領域を形成する手段と
    前記異配向方位領域を保護する手段との距離が立体障
    害、柱状構造体、錐状構造体、又は山形状構造体の高さ
    の5倍以下であることを特徴とする請求項71又は72
    記載の液晶表示素子。
  74. 【請求項74】 前記異配向方位領域を保護する手段の
    間隙部に前記異配向方位領域を形成する手段を配置する
    ことを特徴とする請求項71又は72記載の液晶表示素
    子。
  75. 【請求項75】 前記立体障害、柱状構造体、錐状構造
    体、又は山形状構造体が、ラビングが流れやすい形状で
    あることを特徴とする請求項6から9のいずれか記載の
    液晶表示素子。
  76. 【請求項76】 前記立体障害、柱状構造体、錐状構造
    体、山形状構造体の側面が、ラビング方向に対し複数の
    傾斜角を有していることを特徴とする請求項6から9の
    いずれか記載の液晶表示素子。
  77. 【請求項77】 前記複数の傾斜角の絶対値が45度以
    上90度以下であることを特徴とする請求項76記載の
    液晶表示素子。
  78. 【請求項78】 前記立体障害、柱状構造体、錐状構造
    体、又は山形状構造体の横断面が略菱形形状であること
    を特徴とする請求項6から9のいずれか記載の液晶表示
    素子。
  79. 【請求項79】 前記立体障害、柱状構造体、錐状構造
    体、又は山形状構造体が、画素間に跨って形成されたこ
    とを特徴とする請求項6から9のいずれか記載の液晶表
    示素子。
  80. 【請求項80】 前記立体障害、柱状構造体、錐状構造
    体、又は山形状構造体がソース線上に形成されたことを
    特徴とする請求項6から9のいずれか記載の液晶表示素
    子。
  81. 【請求項81】 前記立体障害、柱状構造体、錐状構造
    体、又は山形状構造体が、ラビング方向に連続して複数
    形成されたことを特徴とする請求項6から9のいずれか
    記載の液晶表示素子。
  82. 【請求項82】 前記立体障害、柱状構造体、錐状構造
    体、又は山形状構造体が、ラビング方向に互いに平行に
    傾斜するように並んで複数形成されたことを特徴とする
    請求項6から9のいずれか記載の液晶表示素子。
  83. 【請求項83】 前記立体障害、柱状構造体、錐状構造
    体、又は山形状構造体が、デフェクト保持機能を有する
    ことを特徴とする請求項6から9のいずれか記載の液晶
    表示素子。
  84. 【請求項84】 前記デフェクトが一方の基板の近傍に
    スプレイ配向中心を有する領域と他方の基板の近傍にス
    プレイ配向中心を有する領域との境界であることを特徴
    とする請求項83記載の液晶表示素子。
  85. 【請求項85】 前記立体障害、柱状構造体、錐状構造
    体、又は山形状構造体に沿って転移が成長することを特
    徴とする請求項6から9のいずれか記載の液晶表示素
    子。
  86. 【請求項86】 前記基板上を平滑化する手段を有した
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の液晶
    表示素子。
  87. 【請求項87】 少なくとも1枚の基板と液晶層とを有
    する液晶表示素子であり、前記液晶層がパラレル配向領
    域と捩れ配向領域とを有することを特徴とする液晶表示
    素子。
  88. 【請求項88】 前記捩れ配向領域における液晶層中央
    部分の液晶分子の配向方位が、パラレル配向領域の液晶
    層中央部分の液晶分子の配向方位と異なっていることを
    特徴とする請求項87記載の液晶表示素子。
  89. 【請求項89】 前記捩れ配向領域における液晶層中央
    部分の液晶分子の配向方位が分布を有していることを特
    徴とする請求項87記載の液晶表示素子。
  90. 【請求項90】 前記捩れ配向領域における液晶層中央
    部分の液晶分子の配向方位が、パラレル配向領域の液晶
    層中央部分の液晶分子の配向方位と略90度異なってい
    ることを特徴とする請求項87記載の液晶表示素子。
  91. 【請求項91】 前記捩れ配向領域を複数種形成するこ
    とを特徴とする請求項87記載の液晶表示素子。
  92. 【請求項92】 前記複数種の捩れ配向領域に右回り領
    域と左回り領域とが存在することを特徴とする請求項9
    1記載の液晶表示素子。
  93. 【請求項93】 前記複数種の捩れ配向領域同士が接触
    することを特徴とする請求項91記載の液晶表示素子。
  94. 【請求項94】 前記右回りの捩れ配向領域と左回りの
    捩れ配向領域とが接触することを持徴とした請求項92
    記載の液晶表示素子。
  95. 【請求項95】 前記捩れ配向領域がスプレイツイスト
    配向であることを特徴とする請求項87から94のいず
    れか記載の液晶表示素子。
  96. 【請求項96】 前記異配向方位領域の配向処理方向
    が、他領域の配向処理方向と90度以上異なっているこ
    とを特徴とする請求項3又は4記載の液晶表示素子。
  97. 【請求項97】 前記捩れ配向領域が通常配列ツイスト
    配向であることを特徴とする請求項87記載の液晶表示
    素子。
  98. 【請求項98】 前記液晶層の液晶にカイラル剤が添加
    されていることを特徴とする請求項87、96、97の
    いずれか記載の液晶表示素子。
  99. 【請求項99】 少なくとも1枚の基板と液晶層とを有
    する液晶表示素子であり、前記基板には配向の処理がな
    されており、前記配向方向と異なる方向に、局所的配向
    をしている領域が存在することを特徴とする液晶表示素
    子。
  100. 【請求項100】 一対の基板と液晶層とを有する液晶
    表示素子であり、前記一対の基板にはともに略平行な配
    向の処理がなされており、前記配向方向と異なる方向
    に、局所的配向をしている領域が存在することを特徴と
    する液晶表示素子。
  101. 【請求項101】 前記基板は立体物を有し、前記局所
    的配向をしている領域が該立体物の周辺に存在すること
    を特徴とする請求項99又は100記載の液晶表示素
    子。
  102. 【請求項102】 前記立体物は垂直配向性表面を有す
    ることを特徴とする請求項101記載の液晶表示素子。
  103. 【請求項103】 前記立体物は撥水性表面を有するこ
    とを特徴とする請求項101記載の液晶表示素子。
  104. 【請求項104】 前記局所的配向をしている領域は配
    向処理されていないことを特徴とする請求項99又は1
    00記載の液晶表示素子。
  105. 【請求項105】 前記局所的配向をしている領域は配
    向処理が他の領域に比べ弱いことを特徴とする請求項9
    9又は100記載の液晶表示素子。
  106. 【請求項106】 前記立体物が立体物の複合体からな
    ることを特徴とする請求項101記載の液晶表示素子。
  107. 【請求項107】 液晶を有し、前記液晶の電圧を印加
    しない配向状態を無電界配向状態とし、表示に用いる配
    向状態を表示配向状態とするとき、無電界配向状態と表
    示配向状態とが異なる液晶表示素子であり、前記表示配
    向状態に転移する手段を有し、前記液晶の厚みを規定す
    る柱スペーサを有し、前記柱スペーサの少なくとも一部
    が前記転移の核になることを特徴とする液晶表示素子。
  108. 【請求項108】 前記液晶表示素子がOCB型液晶表
    示素子であることを特徴とする請求項107記載の液晶
    表示素子。
  109. 【請求項109】 前記液晶表示素子は複数の画素を有
    し、前記柱スペーサは各画素ごとに形成されたことを特
    徴とする請求項107記載の液晶表示素子。
  110. 【請求項110】 一対の基板を有し、少なくとも−方
    の前記基板に複数の立体物を形成した液晶表示素子であ
    り、前記複数の立体物の一部は前記一対の基板の双方に
    接するものと一方の基板にのみ接するものとが存在する
    ことを特徴とする液晶表示素子。
  111. 【請求項111】 前記複数の立体物の高さは互いに略
    等しいことを特徴とする請求項110記載の液晶表示素
    子。
  112. 【請求項112】 前記基板の前記立体物に対応する個
    所の一部に凹部を形成することを特徴とする請求項1l
    0記載の液晶表示素子。
  113. 【請求項113】 前記凹部を形成する手段が絶縁物除
    去手段であることを特徴とする請求項112記載の液晶
    表示素子。
  114. 【請求項114】 前記基板の前記立体物に対応する個
    所の一部に凸部を形成することを特徴とする請求項11
    0記載の液晶表示素子。
  115. 【請求項115】 前記凸部が形成する手段がカラーフ
    ィルタの重ね合わせであることを特徴とする請求項11
    4記載の液晶表示素子。
  116. 【請求項116】 液晶を有し、前記液晶の電圧を印加
    しない配向状態を無電界配向状態とし、表示に用いる配
    向状態を表示配向状態とするとき、無電界配向状態と表
    示配向状態が異なる液晶表示装置であり、前記表示配向
    状態に転移する電圧印加手段を有し、前記電圧印加手段
    の電圧値が1OV以下であることを特徴とする液晶表示
    装置。
  117. 【請求項117】 液晶を有し、前記液晶の電圧を印加
    しない配向状熊を無電界配向状態とし、表示に用いる配
    向状態を表示配向状態とするとき、無電界配向状態と表
    示配向状態とが異なる液晶表示装置であり、前記表示配
    向状態に転移させる機能を別途有さないことを特徴とす
    る液晶表示装置。
  118. 【請求項118】 通常の表示を行うだけで前記表示配
    向状熊に転移することを特徴とする請求唄117記載の
    液晶表示装置。
  119. 【請求項119】 前記液晶表示装置がOCB型液晶表
    示装置であることを特徴とする請求項116又は117
    記載の液晶表示装置。
  120. 【請求項120】 前記表示配向状態に転移するための
    核を有することを特徴とする請求項116又は117記
    載の液晶表示装置。
  121. 【請求項121】 前記核が柱スペーサによる転移核で
    あることを特徴とする請求項120記載の液晶表示装
    置。
  122. 【請求項122】 前記核が立体物の複合体であること
    を特徴とする請求項120記載の液晶表示装置。
  123. 【請求項123】 立体物を形成した基板であり、前記
    立体物は複数の立体物が複合したものであることを特徴
    とする液晶表示素子用基板。
  124. 【請求項124】 前記立体物の少なくとも一部は柱ス
    ペーサとして機能することを特徴とする液晶表示素子用
    基板。
  125. 【請求項125】 前記基板上に平坦化処理が施されて
    いることを特徴とする請求項123記載の液晶表示素子
    用基板。
  126. 【請求項126】 前記立体物の平面形状が異方性を有
    していることを特徴とする請求項123記載の液晶表示
    素子用基板。
  127. 【請求項127】 前記立体物が各画素ごとに形成され
    たことを特徴とする請求項123記載の液晶表示素子用
    基板。
  128. 【請求項128】 前記基板の前記立体物に対応する個
    所の一部に凹部を形成することを特徴とする請求項12
    3記載の液晶表示素子基板。
  129. 【請求項129】 前記凹部を形成する手段が絶縁膜除
    去手段であることを特徴とする請求項123記載の液晶
    表示素子用基板。
  130. 【請求項130】 前記基板の前記立体物に対応する個
    所の一部に凸部を形成することを特徴とする請求項12
    3記載の液晶表示素子用基板。
  131. 【請求項131】 前記凸部を形成する手段がカラーフ
    ィルタの重ね合わせであることを特徴とする請求項12
    3記載の液晶表示素子用基板。
  132. 【請求項132】 少なくとも1枚の基板と液晶層とを
    有する液晶表示素子であり、前記基板には配向処理がな
    されており、前記配向処理において、複数方向の配向処
    理方向が行われ、前記液晶層の液晶は、前記配向処理方
    向に従ってそれぞれパラレル配向していることを特徴と
    する液晶表示素子。
  133. 【請求項133】 前記複数方向の配向処理方向が互い
    に略90度異なっていることを特徴とする請求項132
    記載の液晶表示素子。
  134. 【請求項134】 前記複数の配向処理方向が、画素内
    に複数存在することを特徴とする請求項132記載の液
    晶表示素子。
  135. 【請求項135】 前記複数の配向処理方向が、画素ご
    とに異なって存在することを特徴とする請求項132記
    載の液晶表示素子。
  136. 【請求項136】 前記複数の配向処理方向を実現する
    配向処理が光配向処理であることを特徴とする請求項1
    32記載の液晶表示素子。
  137. 【請求項137】 偏光板を有し、前記偏光板の偏光軸
    の方向が前記複数の配向処理方向に対し45度傾いてい
    ることを持徴とした請求項132記載の液晶表示素子。
  138. 【請求項138】 前記液晶表示素子がOCB型液晶表
    示素子であることを特徴とする請求項132記載の液晶
    表示素子。
  139. 【請求項139】 無電圧下で第1の配向状態になると
    ともに表示用の電圧下で第2の配向状態になり、該第
    1、第2の配向状態間にエネルギ障壁が存在する液晶
    と、前記液晶に電圧を印加する電圧印加手段とを備えた
    液晶表示素子において、前記第2の配向状態との間に存
    在するエネルギ障壁が前記第1、第2の配向状態間に存
    在するエネルギ障壁より小さい第3の配向状態からなる
    領域を、無電圧下において前記液晶中に部分的に有する
    ことを特徴とする液晶表示素子。
  140. 【請求項140】 前記第3の配向状態が無電圧下にお
    ける定常状態であることを特徴とする請求項139記載
    の液晶表示素子。
  141. 【請求項141】 前記第3の配向状態が、前記液晶を
    挟持する一対の基板の少なくとも一方に施された局所的
    な配向処理によって実現されたものであることを特徴と
    する請求項140記載の液晶表示素子。
  142. 【請求項142】 前記第3の配向状態は、前記第1、
    第2の配向状態相互間の転移の過渡状態が無電圧下まで
    保存されてなるものであることを特徴とする請求項13
    9記載の液晶表示素子。
  143. 【請求項143】 前記過渡状態は、前記第2の配向状
    態から第1の配向への転移における過渡状態であること
    を特徴とする請求項142記載の液晶表示素子。
  144. 【請求項144】 前記液晶を挟持する一対の基板と、
    該基板の内面に形成された、全体として該基板に平行な
    面内にて周回するように三次元領域を囲繞しかつ一部に
    該三次元領域を囲繞していない欠落部を有する立体構造
    物からなる不完全囲繞体とを有し、前記過渡状態が前記
    不完全囲繞体により保存されていることを特徴とする請
    求項143記載の液晶表示素子。
  145. 【請求項145】 前記第3の配向状態は、前記第2の
    配向状態の少なくとも一部が無電圧下まで保存されてな
    るものであることを特徴とする請求項139記載の液晶
    表示素子。
  146. 【請求項146】 前記第2の配向状態の少なくとも一
    部が、前記液晶中に存在する立体物の液晶分子配向機能
    により保存されていることを特徴とする請求項143記
    載の液晶表示素子。
  147. 【請求項147】 前記第2の配向状態の少なくとも一
    部は、前記液晶中に存在する網目構造体により保存され
    ていることを特徴とする請求項143記載の液晶表示素
    子。
  148. 【請求項148】 電圧を印加することにより、前記液
    晶の配向状態を前記第1の配向状熊から前記第2の配向
    状態に変化させる転移手段を有する請求項139記載の
    液晶表示素子。
  149. 【請求項149】 前記第1の配向状態から前記第2の
    配向状態に変化し始める箇所を配向転移発生箇所とする
    と、前記第3の配向状態の領域が配向転移発生箇所と略
    一致することを特徴とする請求項139記載の液晶表示
    素子。
  150. 【請求項150】 前記液晶表示素子がOCB型液晶表
    示素子であることを特徴とする請求項139記載の液晶
    表示素子。
  151. 【請求項151】 前記第3の配向状態がツイスト状態
    であることを特徴とする請求項139記載の液晶表示素
    子。
  152. 【請求項152】 前記第3の配向状態のツイスト角が
    90度以上であることを特徴とする請求項151記載の
    液晶表示素子。
  153. 【請求項153】 前記第3の配向状態のツイスト角が
    180度に略等しいことを特徴とする請求項151記載
    の液晶表示素子。
  154. 【請求項154】 前記第3の配向状態がべンド配向状
    態である請求項139記載の液晶表示素子。
  155. 【請求項155】 前記第3の配向状態の領域を隠すこ
    とを特徴とする請求項139記載の液晶表示素子。
  156. 【請求項156】 前記第3の配向状態の領域を表示画
    素の外部に形成することを特徴する請求項139記載の
    液晶表示素子。
  157. 【請求項157】 前記第3の配向状態の領域をブラッ
    クマトリクス上に作ることを特徴とする講求項139記
    載の液晶表示素子。
  158. 【請求項158】 前記第3の配向状態の領域に電圧を
    印加する電圧印加手段を有することを持徴とした講求項
    139記載の液晶表示素子。
  159. 【請求項159】 前記基板の一方がアクティブマトリ
    クス基板であり、前記アクティブマトリクス基板は補助
    容量を有し、前記補助容量の電極上に前記第3の配向状
    態を形成することを特徴とする請求項139記載の液晶
    表示素子。
  160. 【請求項160】 前記第3の配向状態の領域を画素電
    極上に形成することを持徴とした請求項158記載の液
    晶表示素子。
  161. 【請求項161】 対向する一対の基板間に液晶層が配
    置され、前記基板の内面に、全体として該基板に平行な
    面内にて周回するように三次元領域を囲繞しかつ一部に
    該三次元領域を囲繞していない欠落部を有する立体構造
    物からなる不完全囲繞体が形成されたことを特徴とする
    液晶表示素子。
  162. 【請求項162】 前記不完全囲繞体の高さが、前記液
    晶層の厚みの半分以上であることを特徴とする請求項1
    61記載の液晶表示素子。
  163. 【請求項163】 前記不完全囲繞体の高さが、前記液
    晶層の厚みと略等しいことを特徴とする請求項161記
    載の液晶表示素子。
  164. 【請求項164】 前記不完全囲繞体が、前記液晶層の
    厚みを保つために設けられた柱スペーサであることを特
    徴とする請求項161記載の液晶表示素子。
  165. 【請求項165】 前記不完全囲繞体に囲まれた三次元
    領域は、前記不完全囲繞体に囲まれない領域と少なくと
    も前記欠落部によって繋っていることを特徴とする講求
    項161記載の液晶表示素子。
  166. 【請求項166】 前記三次元領域は、前記不完全囲繞
    体に少なくとも3方向を囲まれている請求項161記載
    の液晶表示素子。
  167. 【請求項167】 前記不完全囲繞体の前記基板面への
    射影形状が、間隙を有する入江構造をなしていることを
    特徴とする請求項161記載の液晶表示素子。
  168. 【請求項168】 前記不完全囲繞体の前記基板面への
    射影形状が、略U字構造をなしていることを特徴とする
    請求項161記載の液晶表示素子。
  169. 【請求項169】 前記不完全囲繞体が、前記一対の基
    板間にて凝集された複数のビーズスペーサで構成されて
    いることを特徴とする請求項161記載の液晶表示素
    子。
  170. 【請求項170】 前記不完全囲繞体が、周壁に貫通孔
    又は切欠き部を有する筒状体で構成されていることを特
    徴とする請求項161記載の液晶表示素子。
  171. 【請求項171】 前記不完全囲繞体に囲まれた三次元
    領域の径が前記液晶層の厚みの5倍以下であることを特
    徴とする請求項161記載の液晶表示素子。
  172. 【請求項172】 前記不完全囲繞体に囲まれた三次元
    領域の径が前記液晶層の厚み以下であることを特徴とす
    る請求項161記載の液晶表示素子。
  173. 【請求項173】 前記不完全囲繞体に囲まれた三次元
    領域の径が25μm以下であることを特徴とする請求項
    161記載の液晶表示素子。
  174. 【請求項174】 前記不完全囲繞体に囲まれた部分の
    大きさが5μm以下であることを特徴とする請求項16
    1記載の液晶表示素子。
  175. 【請求項175】 前記不完全囲繞体は、前記液晶層の
    液晶分子が該不完全囲繞体の壁に対して平行に配向する
    性質を有することを特徴とする請求項161記載の液晶
    表示素子。
  176. 【請求項176】 前記不完全囲繞体の色が黒く、光を
    透過しないことを特徴とする請求項161記載の液晶表
    示素子。
  177. 【請求項177】 前記不完全囲繞体の外周面が、基部
    から先端部に向け内方に傾斜していることを特徴とする
    請求項161記載の液晶表示素子。
  178. 【請求項178】 前記第3の配向状態が、前記第2の
    配向状態において表示用の電圧をオフすることにより生
    成されたものであることを特徴とする請求項143記載
    の液晶表示素子。
  179. 【請求項179】 前記基板に画素を有し、画素におい
    て前記第3の配向状態の領域が生成される確率が5%以
    上である請求項178記載の液晶表示素子。
  180. 【請求項180】 前記第3の配向領域が室温放置で2
    4時間以上保持されることを特徴とする請求項143記
    載の液晶表示素子。
  181. 【請求項181】 無電圧下で第1の配向状態になると
    ともに表示用の電圧下で第2の配向状態になり、該第
    1、第2の配向状態間にエネルギ障壁が存在する液晶
    と、前記液晶に電圧を印加する電圧印加手段と、前記液
    晶中に配置され液晶分子配向機能を有する立体物とを備
    え、前記第2の配向状態の少なくとも一部からなる領域
    を、無電圧下において前記液晶中に部分的に有する液晶
    表示素子の製造方法であって、 前記液晶を等方相まで加熱し、該加熱した液晶に電圧を
    印加しながら徐冷することにより、前記立体物の周辺に
    前記第2の配向状態の少なくとも一部からなる領域を形
    成することを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  182. 【請求項182】 無電圧下で第1の配向状態になると
    ともに表示用の電圧下で第2の配向状態になり、該第
    1、第2の配向状態間にエネルギ障壁が存在する液晶
    と、前記液晶に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、
    前記第2の配向状態との間に存在するエネルギ障壁が前
    記第1、第2の配向状態間に存在するエネルギ障壁より
    小さい第3の配向状態からなる領域を、無電圧下におい
    て前記液晶中に部分的に有する液晶表示素子の製造方法
    であって、 前記表示用の電圧を印加した状態で前記液晶内に微細な
    網目構造を形成し、それにより、該網目構造中に前記第
    3の配向状態の領域を形成することを特徴とする液晶表
    示素子の製造方法。
  183. 【請求項183】 基板間に液晶を挟持した液晶表示素
    子であり、前記基板間の間隙を所定に保つための柱スペ
    ーサを有し、該柱スペーサは、表示領域以外の領域に形
    成された表示領域外柱スペーサを含み、該表示領域外柱
    スペーサを形成する領域の基板高さを調整する手段を有
    することを特徴とする液晶表示素子。
  184. 【請求項184】 前記基板高さを調整する手段がダミ
    ーパターンの形成であることを特徴とする請求項183
    記載の液晶表示素子。
  185. 【請求項185】 前記表示領域外柱スペーサの密度
    が、表示領域の柱スペーサの密度より小さいことを特徴
    とする請求項183記載の液晶表示素子。
  186. 【請求項186】 前記表示領域外柱スペーサの形成領
    域に凸部を形成していることを特徴とする請求項183
    記載の液晶表示素子。
  187. 【請求項187】 前記異配向方位領域を形成する手段
    が、横方向電界を印加する手段であることを特徴とする
    請求項1から4のいずれか記載の液晶表示素子。
  188. 【請求項188】 前記横方向電界に、ラビング方向に
    対して右向き成分を有する右後傾斜領域と左向き成分を
    有する左傾斜領域とを少なくとも有する請求項187記
    載の液晶表示素子。
  189. 【請求項189】 前記右傾斜領域と左傾斜領域とが接
    する領域を有することを特徴とする請求項188記載の
    液晶表示素子。
  190. 【請求項190】 前記右傾斜領域と左傾斜領域とが接
    する領域が転移核として作用することを特徴とする請求
    項189記載の液晶表示素子。
  191. 【請求項191】 前記異配向方位領域を形成する期間
    が、転移電圧を印加している期間であることを特徴とす
    る請求項187記載の液晶表示素子。
  192. 【請求項192】 前記横方向電界がゲート線と画素電
    極との間の横方向電界であることを持徴とする請求項1
    87記載の液晶表示素子。
  193. 【請求項193】 前記横方向電界がソース線と画素電
    極との間の横方向電界であることを特徴とする請求項1
    87記載の液晶表示素子。
  194. 【請求項194】 前記横方向電界を発生させるための
    部材間の際間がジグザグ構造を有していることを特徴と
    する請求項187記載の液晶表示素子
  195. 【請求項195】 前記ジグザグ構造の屈折点間の部分
    を構成する直線の傾斜角度が、ラビング方向に対し45
    度以上傾斜していることを特徴とする請求項194記載
    の液晶表示素子。
  196. 【請求項196】 前記ジグザグ構造のピッチが30μ
    m以上であることを特徴とする請求項194記載の液晶
    表示素子。
  197. 【請求項197】 前記ジグザグ構造のピッチが画素の
    ピッチ以下であることを特徴とする請求項194記載の
    液晶表示素子。
  198. 【請求項198】 前記横方向電界を発生させるための
    部材間の隙間が4μm以上、20μm以下であることを
    特徴とする請求項187記載の液晶表示素子。
  199. 【請求項199】 対向する一対の基板間に液晶層が配
    置され、一方の前記基板上にソース線、ゲート線、及び
    画素電極が形成され、他方の前記基板上に対向電極が形
    成された液晶表示素子であって、前記画素電極と前記ソ
    ース線及びゲート線のうちの一方との相隣合う縁部同士
    が、平面視において、所定の隙間を有して互いに噛み合
    うように形成されたことを特徴とする液晶表示素子。
  200. 【請求項200】 前記互いに噛み合う形状がジグザグ
    形状であることを特徴とする請求項199記載の液晶表
    示素子。
  201. 【請求項201】 対向する一対の基板間に液晶層が配
    置され、一方の前記基板上にソース線、ゲート線、及び
    画素電極が形成されるとともに他方の前記基板に対向電
    極が形成され、局所的に他の領域と配向方向が異なって
    いる異配向方位領域を横方向電界によって発生させる液
    晶表示素子の駆動方法であって、前記ゲート線に略全て
    の期間に特定符号のゲート電圧を印加し、前記ソース線
    にゲート電圧と逆符号の電圧を、前記対向電極にはゲー
    ト電圧と同符号の電圧を印加する期間が存在することを
    特徴とする液晶表示素子の駆動方法。
  202. 【請求項202】 前記ゲート線には通常駆動用の走査
    波形を有する電圧が印加されていることを特徴とする請
    求項201記載の液晶表示素子の駆動方法。
  203. 【請求項203】 対向する一対の基板間に液晶層が配
    置され、一方の前記基板上にソース線、ゲート線、及び
    画素電極が形成されるとともに他方の前記基板に対向電
    極が形成され、局所的に他の領域と配向方向が異なって
    いる異配向方位領域を横方向電界によって発生させる液
    晶表示素子の駆動方法であって、相隣合う前記ソース線
    には交互に異なる電圧が印加されることを持徴とする晶
    表示素子の駆動方法。
  204. 【請求項204】 少なくとも1枚の基板と液晶層とを
    有する液晶表示素子に、局所的に他の領域と配向方向が
    異なっている異配向方位領域を形成することを特徴とす
    る液晶表示素子の製造方法。
  205. 【請求項205】 前記異配向方位領域をラビング処理
    により形成することを特徴とする請求項204記載の液
    晶表示素子の製造方法。
  206. 【請求項206】 前記ラビング処理におけるバイアス
    角度が30度以下であることを特徴とする請求項205
    記載の液晶表示素子の製造方法。
  207. 【請求項207】 前記立体障害のラビングの影部分
    に、ラビング方向から見て右方向にラビングされた領域
    と左方向にラビングされた領域とが形成されていること
    を特徴とする請求項6記載の液晶表示素子。
  208. 【請求項208】 前記転移核から画素電極までの間に
    おいて、転移電圧が連続して印加されることを特徴とす
    る請求項52記載の液晶表示素子。
  209. 【請求項209】 前記画素電極が、画素構造において
    最上層に形成されたことを持徴とする請求項52記載の
    液晶表示素子。
  210. 【請求項210】 前記補助容量電極と画素電極とがオ
    ーバーラップしている構造であることを特徴とする請求
    項54記載の液晶表示素子。
  211. 【請求項211】 前記互いに噛み合う形状が凸形状で
    あることを特徴とする請求項199記載の液晶表示素
    子。
  212. 【請求項212】 前記画素電極と前記ゲート線との相
    隣合う縁部同士が、互いに噛み合うように形成されたこ
    とを特徴とする請求項211記載の液晶表示素子。
  213. 【請求項213】 前記噛み合い部分は、該部分に形成
    される横方向電界の方向が前記一対の基板に施されたパ
    ラレル配向処理の方向に対し45度以上かつ135度以
    下の交差角を有するような形状に形成されていることを
    特徴とする請求項212記載の液晶表示素子。
  214. 【請求項214】 前記交差角が80度以上かつ100
    度以下であることを特徴とする請求項213記載の液晶
    表示素子。
  215. 【請求項215】 前記交差角が90度であることを特
    徴とする請求項213記載の液晶表示素子。
  216. 【請求項216】 前記噛み合い部分の画素電極と前記
    ゲート線との隙間が3μm以上かつ15μm以下である
    ことを特徴とする請求項212記載の液晶表示素子。
  217. 【請求項217】 転移動作中において、前記ゲート線
    は少なくとも高電圧状態であり、かつ前記画素電極は前
    記高電圧状態より低い、0Vを含む低電圧状態であるこ
    とを特徴とする請求項212から216のいずれか記載
    の液晶表示素子。
  218. 【請求項218】 前記噛み合い部に形成される横方向
    電界により前記一方の基板内面付近の液晶分子列を前記
    パラレル配向処理の方向から横方向に捩らせ、かつ前記
    対向電極と前記画素電極との間に印加される縦方向電界
    で液晶分子を立ち上がらせて、前記液晶層をベンド配向
    へ転移させることを特徴とする請求項212から217
    のいずれか記載の液晶表示素子。
  219. 【請求項219】 前記局所的配向をしている領域の基
    板表面付近の液晶分子の配向の方向が前記局所的配向を
    している領域の外部にいくにつれ徐々に変化し、液晶の
    配向が連続的に繋がっていること特徴とする請求項99
    又は100記載の液晶表示素子。
  220. 【請求項220】 前記立体物の先端部よりも基部の方
    が大きく、前記立体物の側面の傾斜角度が30度以上で
    あることを特徴とする請求項99又は100記載の液晶
    表示素子。
  221. 【請求項221】 前記立体物の先端部よりも基部の方
    が大きく、前記立体物の側面の傾斜角度が略90度であ
    ることを特徴とする請求項99又は100記載の液晶表
    示素子。
  222. 【請求項222】 前記立体物の先端部よりも基部の方
    が小さいことを持徴とするした請求項99又は100記
    載の液晶表示素子。
  223. 【請求項223】 前記局所的配向をしている領域にお
    いて、該局所的配向をしている領域内に存在する前記立
    体物に近い部分の液晶の配向は前記立体物の液晶配向機
    能によって定まり、前記立体物から離れた部分の液晶の
    配向はラビングによって定まっていることを特徴とする
    請求項101記載の液晶表示素子。
  224. 【請求項224】 前記立体物に近い部分が無ラビング
    領域であり、前記立体物から離れた部分に、ラビング方
    向から見て右方向にラビングされた領域と左方向にラビ
    ングされた領域とが相接するように形成されていること
    を特徴とする請求項223記載の液晶表示素子。
  225. 【請求項225】 前記右方向にラビングされた領域と
    左方向にラビングされた領域とがラビング方向に対し非
    対称であることを特徴とする請求項224記載の液晶表
    示素子。
  226. 【請求項226】 前記立体物が複数配設され、各立体
    物の局所的配向をしている領域が互いに重なり合うよう
    に形成されていることを特徴とする請求項225記載の
    液晶表示素子。
  227. 【請求項227】 前記立体物が撥水性であることを特
    徴とする請求項223から226のいずれか記載の液晶
    表示素子。
  228. 【請求項228】 前記立体物が親水性であることを特
    徴とする請求項223から226のいずれか記載の液晶
    表示素子。
  229. 【請求項229】 前記立体物が、前記液晶層の厚さを
    保持する柱スペーサであることを特徴とするした請求項
    223から228のいずれか記載の液晶表示素子。
  230. 【請求項230】 前記基板の一方がアクティブマトリ
    クス基板であり、該アクティブマトリクスの段差が前記
    立体物であることを特徴とする請求項223から229
    のいずれか記載の液晶表示素子。
  231. 【請求項231】 前記異配向方位領域の大きさを、ラ
    ビング布の押し込み量を変化させることにより制御する
    ことを特徴とする請求項205記載の液晶表示素子の製
    造方法。
  232. 【請求項232】 前記ラビング処理におけるバイアス
    角度が15度以上であることを特徴とする請求項205
    記載の液晶表示素子の製造方法。
  233. 【請求項233】 前記ラビング処理におけるバイアス
    角度が90度未満であることを特徴とする請求項205
    記載の液晶表示素子の製造方法。
  234. 【請求項234】 前記ラビング処理に用いるローラの
    バフの毛の植毛方向が前記バフの地布面に対し傾いてい
    ることを特徴とする請求項205記載の液晶表示素子の
    製造方法。
  235. 【請求項235】 前記異配向方位領域を形成する手段
    が、前記基板表面の傾斜構造であることを特徴とする請
    求項1から4のいずれか記載の液晶表示素子。
  236. 【請求項236】 前記傾斜構造が配向膜の厚み変化に
    よって形成されていることを特徴とする請求項235記
    載の液晶表示素子。
  237. 【請求項237】 前記傾斜構造の傾斜角が0.2度以
    上であることを特徴とする請求項235記載の液晶表示
    素子。
  238. 【請求項238】 前記異配向方位領域が垂直配向領域
    であることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載
    の液晶表示素子。
  239. 【請求項239】 前記異配向方位領域を形成する手段
    が、立体物によるラビング遮蔽であることを特徴とする
    請求項1から4のいずれか記載の液晶表示素子。
  240. 【請求項240】 前記異配向方位領域が20度以上の
    プレチルトを有することを特徴とする請求項1から4の
    いずれか記載の液晶表示素子。
  241. 【請求項241】 前記異配向方位領域が40度以上の
    プレチルトを有することを特徴とする請求項1から4の
    いずれか記載の液晶表示素子。
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