JP2002543787A - 白血球免疫グロブリン様受容体(lir)と命名された免疫調節因子のファミリー - Google Patents

白血球免疫グロブリン様受容体(lir)と命名された免疫調節因子のファミリー

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JP2002543787A JP2000616349A JP2000616349A JP2002543787A JP 2002543787 A JP2002543787 A JP 2002543787A JP 2000616349 A JP2000616349 A JP 2000616349A JP 2000616349 A JP2000616349 A JP 2000616349A JP 2002543787 A JP2002543787 A JP 2002543787A
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Abstract

(57)【要約】 免疫グロブリンスーパーファミリーの免疫受容体分子の新しいファミリー、LIRポリペプチドを記載する。LIRファミリーメンバーをコードする配列及びその推定アミノ酸配列、特定されたヌクレオチド配列にハイブリダイズするDNAによってコードされるポリペプチド、LIRファミリーのポリペプチドを産生するための方法、並びにLIRポリペプチドに対して作成された特異的抗体が開示される。LIRファミリーメンバーは、自己免疫疾患、並びに抑制された免疫機能に伴う疾患状態の治療に使用することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 免疫系細胞活性は、細胞表面相互作用及び関連したシグナル伝達過程の複雑な
ネットワークによって調節される。細胞表面受容体がそのリガンドによって活性
化されると、シグナルが細胞に伝達され、連動されるシグナル伝達経路に依存し
て、そのシグナルは阻害的又は活性的となり得る。多くの受容体系について、細
胞活性は、活性シグナルと阻害シグナルとの間の均衡によって制御される。これ
らのいくつかにおいて、細胞表面受容体とそのリガンドの連動に関連した正のシ
グナルは、異なる細胞表面受容体とそのリガンドの連動によって伝達される負の
シグナルによって下方調節又は阻害されることが知られている。
【0002】 これらの正及び負のシグナル伝達経路の生化学的なメカニズムは、多くの既知
の免疫系受容体−リガンド間相互作用に対して研究されている。正のシグナル伝
達を仲介する多くの受容体は、免疫受容体チロシンベース活性化モチーフ(im
munoreceptor tyrosine−based activati
on motif)(ITAM)として知られるチロシンホスファターゼリン酸
化部位を含む細胞質テールを有する。正のシグナル伝達についての共通の機械論
的な経路は、チロシンキナーゼの活性化に関与し、これは受容体の細胞質ドメイ
ン及び他のシグナル伝達分子上の部位をリン酸化する。ひとたび受容体がリン酸
化されると、シグナル伝達分子の結合部位が創作され、シグナル伝達経路を開始
し、そして、細胞を活性化する。阻害経路は、免疫受容体チロシンベース阻害モ
チーフ(immunoreceptor tyrosine based in
hibitory motif)(ITIM)を有する受容体に関与し、ITA
Mのように、チロシンキナーゼによってリン酸化される。これらのモチーフを有
する受容体は阻害シグナル伝達に関与し、それは該モチーフがチロシンホスファ
ターゼに対して結合部位を提供し、活性化した受容体又はシグナル伝達分子から
チロシンを除去することによってシグナル伝達を遮蔽するためである。活性化又
は阻害メカニズムの詳細について多くは知られていないが、免疫系において機能
的な均衡が反対の活性及び阻害シグナルに依存することは明らかである。
【0003】 正及び負のシグナル伝達の均衡によって制御される免疫系活性の一例は、B細
胞増殖である。B細胞抗原受容体は、B細胞表面免疫グロブリンであって、抗原
に結合した場合、正のシグナルを仲介してB細胞増殖へと導く。しかしながら、
B細胞はまた、Fcγ RIIb1という低親和性IgG受容体を発現する。抗
原が可溶性免疫グロブリンを有する免疫複合体の一部である場合、免疫複合体は
抗原を介したB細胞抗原受容体と可溶性免疫グロブリンを介したFcγ RII
b1の両方を連動することによってB細胞を結合することができる。Fcγ R
IIb1とB細胞受容体複合体の共連動は、活性化シグナルを下方調節し、そし
てB細胞増殖を妨げる。Fcγ RIIb1受容体はITIMモチーフを含み、
B細胞受容体との共連動に基づいて、チロシンホスファターゼを有するITIM
の相互作用を介してB細胞に阻害シグナルを輸送すると考えられる。
【0004】 ナチュラルキラー(NK)細胞の細胞溶解活性は、免疫系活性の別の例であり
、細胞機能を開始する正のシグナルとその活性を妨げる阻害シグナルとの間の均
衡によって制御される。NKの細胞溶解活性を活性化する受容体は、十分に理解
されていない。しかしながら、標的細胞が、NK細胞が特異的受容体を有するた
めの細胞表面MHCクラスI抗原を発現する場合に、標的細胞はNKの殺生から
保護される。これらの特異的受容体は、キラー阻害性受容体(KIR)として知
られ、そのMHCリガンドによって連動される場合に負のシグナルを伝達し、N
K細胞の細胞溶解活性は下方制御する。
【0005】 KIRは免疫グロブリンスーパーファミリー、又はCタイプレクチンファミリ
ーに属する(Lanier et al.,Immunology Today
17:86−91,1996を参照)。既知のヒトNK KIRは免疫グロブ
リンスーパーファミリーのメンバーであり、そして細胞外、膜貫通及び細胞質領
域において相違点及び類似点を示す。多くのKIRに共通する細胞質ドメインの
アミノ酸配列は、配列YxxL/Vを有するITIMモチーフである。いくつか
の場合において、リン酸化されたITIMがチロシンホスファターゼを回復させ
、シグナル伝達経路における分子を脱リン酸化し、細胞活性を阻害することが示
されている(Burshtyn et al.,Immunity 4:77−
85,1996を参照)。KIRは共通して、26個のアミノ酸によって間隔を
空けられた2つのこうしたモチーフ[YxxL/V(x)26YxxL/V]を有
する。少なくとも2つのNK細胞受容体は、それぞれヒト白血球抗原(HLA)
C対立遺伝子(MHCクラスI分子)に対して特異的であり、阻害性及び活性受
容体として存在する。これらの受容体は細胞外部分において非常に相同的である
が、膜貫通及び細胞質部分においてはより多くの相違点がある。相違点の1つに
は、阻害性受容体におけるITIMモチーフの出現と、活性受容体におけるIT
IMモチーフの欠失である(Biassoni et al.,Journal
.Exp.Med.,183:645−650,1996を参照)。
【0006】 マウス肥満細胞に発現された免疫受容体であるgp49B1は、免疫グロブリ
ンファミリーのメンバーでもあり、細胞活性化シグナルを下方制御することで知
られ、そして一対のITIMモチーフを含む。gp49B1はヒトKIRと高い
程度の相同性を共有する(Katz et al.,Cell Biology
,93:10809−10814,1996)。マウスNK細胞もまた免疫受容
体のファミリーであるLy49ファミリーを発現し、ITIMモチーフを含み、
ヒトKIRと同じように機能する。しかしながら、Ly49免疫受容体はヒトK
IRと構造的相同性を有さず、細胞外Cタイプレクチンドメインを含むことで、
分子のレクチンスーパーファミリーのメンバーとされている(Lanier e
t al.,Immunology Today 17:86−91,1996
を参照)。
【0007】 明らかに、反対のキナーゼとホスファターゼによって仲介された免疫系の活性
及び阻害性シグナルは免疫系における均衡を維持するために非常に重要である。
優勢な活性シグナルを有する系は、自己免疫及び炎症へと導くであろう。優勢な
阻害性シグナルを有する免疫系は、感染した細胞又はガン細胞をほとんど攻撃す
ることができない。新規な活性又は阻害性受容体を単離することは、受容体を仲
介して形質導入された生物学的シグナルを研究するのに非常に望ましい。加えて
、そのような分子を同定することは、自己免疫、炎症及び感染に関連した疾患状
態を制御及び治療する手段を提供する。
【0008】 例えば、新規に発見されたITIMモチーフを有する細胞表面受容体を、アゴ
ニスト抗体又はリガンドと連動することは、免疫系が過剰に活性的となり、過度
の炎症又は免疫病理学が存在する疾患状態において、細胞機能を下方制御するた
めに使用され得る。他方では、受容体又は受容体の可溶体に特異的なアンタゴニ
スト抗体を用いることは、細胞表面受容体と、抑制された免疫機能に関連した疾
患状態における特異的免疫機能を活性化する受容体のリガンドとの相互作用を遮
蔽するために使用され得る。逆に、ITIMモチーフを欠失している受容体は、
上述したようにひとたび連動すると活性シグナルを伝達するので、抗体及び可溶
性受容体の効果がちょうど記載したものと反対となる。
【0009】 発明の概要 本発明は、免疫グロブリンスーパーファミリーの免疫受容体分子の新規ファミ
リーを提供するものであり、本明細書においては白血球免疫グロブリン様受容体
(LIR)ポリペプチドと命名する。本明細書に開示されたLIRファミリーメ
ンバーをコードするDNA配列、及びこれらの推定アミノ酸配列は、本発明の範
囲である。さらに、定義された配列を有するオリゴヌクレオチドプローブ又は該
プローブに相補的なDNA若しくはRNAにハイブリダイズするDNAによって
コードされたポリペプチドは、本発明に含まれる。本発明はまた、LIRファミ
リーメンバーをコードするDNAを含む組換え発現ベクターを含む。また、遺伝
子コードの縮重によって、上述した核酸配列、及びそれらのヌクレオチド配列に
相補的な配列によってコードされたポリペプチドに同一であるポリペプチドをコ
ードするヌクレオチド配列は、本発明の範囲内である。
【0010】 さらに、本発明は、LIRファミリーのポリペプチドを製造するための方法で
あって、LIRファミリーメンバーをコードするDNA配列を含む組換え発現ベ
クターを用いて形質転換した宿主細胞を、LIRポリペプチドファミリーメンバ
ーを発現するために適切な条件下で培養し、そして、培養物から発現したLIR
ポリペプチドを回収することによる、前記方法を含む。
【0011】 本発明はまた、LIRファミリータンパク質に対するアゴニスト及びアンタゴ
ニスト抗体を提供する。 さらになお、LIRファミリーメンバーの可溶部分とIgのFc部分を含む融
合タンパク質は、本発明の範囲内である。
【0012】 ある種の自己免疫障害は、細胞機能を下方制御する負のシグナル伝達LIRの
機能不全と関連する。そのような障害は、治療的に有効な量の1又はそれ以上の
LIRファミリーメンバーに対するアゴニスト抗体又はリガンドを、そのような
障害に苦しむ患者に投与することによって治療してもよい。抑制された免疫機能
に関連した疾患状態によって仲介された障害を、負のシグナル伝達LIRの可溶
体を投与することによって治療することができる。逆に、活性シグナル伝達LI
Rの機能不全に関連した疾患によって仲介された障害を、活性受容体に対するア
ゴニスト抗体を投与することによって治療することができる。自己免疫機能に関
連した状態によって仲介された障害を、活性受容体の可溶体を投与することによ
って治療することができる。
【0013】 発明の詳細な説明 MHCクラスI抗原に類似した配列を有するウイルス性糖タンパク質を用いて
、LIR−P3G2と命名された新規なポリペプチド、及びLIRポリペプチド
ファミリーと命名された細胞膜表面ポリペプチドの新規なファミリーのいつかの
メンバーが、単離し同定された。。本発明は、LIRポリペプチドをコードする
単離された核酸分子を含み、さらに単離されたLIRポリペプチドを含む。代表
的に、本発明に係るLIRポリペプチドをコードする核酸は、配列番号:1、3
、7、9、11、13、15、17、19、21、29、31、33、35及び
37に示される核酸配列を含み、そして代表的に、LIRポリペプチド配列は配
列番号:2、4、8、10、12、14、16、18、20、22、30、32
、34、36及び38に示される。
【0014】 LIRポリペプチドファミリーメンバーは、免疫グロブリン様ドメインを有す
る細胞外領域をもち、これによりメンバーが免疫グロブリンのスーパーファミリ
ーの新規なサブファミリーに位置する。LIRファミリーメンバーが非常に類似
した細胞外部分を有するものとして特徴付けられる一方で、該ファミリーはその
膜貫通領域及び細胞質領域によって区別することができるポリペプチドの3つの
群を含む。LIRポリペプチドの第1群は正に荷電した残基及び短い細胞質テー
ルを含む膜貫通領域を有し、そして第2群は非極性な膜貫通領域及び長い細胞質
テールを有する。第3群は膜貫通領域及び細胞質テールを持たない可溶性タンパ
ク質を発現したポリペプチドを含む。LIRタンパク質の1つは第1及び第2群
の両方の特徴を有し、第4群を表してもよい。多くの最近の報告では、タンパク
質のLIRファミリーに関係した配列を有する核酸分子が開示されている(Hi
ller et al.,GenBank Accession Number
N95687,April 9,1996; Colonna,M.,Gen
Bank Accession Nos.AF041261及びAF04126
2,January 7,1999; Lamerdin et al.,Ge
nBank Accession No.AC006293,January
6,1999; Steffans et al.,GenBank Acce
ssion Nos.AH007466及びAH007465,March 4
,1999; Cosman et al.,Immunity 7:273−
282(1997); Borges et al.,J.Immunol.1
59:5192−96(1997); Samaridis and Colo
nna, Eur.J.Immunol 27:660−665(1997);
Colonna et al.,J.Exp.Med.186:1809−1
818(1997); Wagtmann et al.,Curr.Biol
.7:615−618(1997); Rojo et al.,J.Immu
nol.158:9−12(1997); Arm et al.,J.Imm
unol.159:2342−2349(1997); Cella et a
l.,J.Exp.Med.185:1743−51(1997); Tork
ar et al.,Eur.J.Immunol.28:3959−67(1
998); Yamashita et al.,J.Biochem.123
:358−68(1998); WO98/31806; WO98/2490
6; WO98/09638)。
【0015】 本発明によって包含されるLIRポリペプチドは、タンパク質の細胞外領域に
少なくとも1つのIg様ドメインを含み、好ましくは細胞外領域に2つ又は4つ
のいずれかのIg様ドメインを含む。いくつかのLIRポリペプチドは4つ以上
のIg様ドメインを含んでもよい。Igドメインは幅広い種類の細胞のタンパク
質において同定されている構造単位である。Ig様ドメインは、特徴的な鎖内ジ
スルフィド結合によって安定化される2つのβシートのサンドイッチを形成する
共通の折り畳み構造を含む。Ig様ドメインは、この構造全体に関わる大部分の
知識を参照することにより容易に認識することができる(例えば、Willia
ms and Barclay,Ann.Rev.Immunol.6:381
−405(1998)を参照)。典型的には、Ig様ドメインは約100個のア
ミノ酸を含むが、アミノ酸の数は、例えば約85ないし105個のアミノ酸で変
化してもよい。Ig様ドメインを提示する分子は、一般に細胞表面で認識の役割
を果たし、しばしば多彩な生物学系において細胞−細胞間相互作用を仲介してい
る。
【0016】 LIR−P3G2(配列番号:2)は多種の細胞によって発現され、そしてH
LA−B44分子、HLA−A2 MHC分子及び実施例14に記載された遺伝
子座を認識する。他のLIRファミリーメンバーは、LIR−pbm8(配列番
号:9)と命名され、多種の細胞によって発現され、また多くのMHCクラスI
分子を認識する。既知分子との類推によって、LIR−P3G2、LIR−pb
m8及びLIRメンバーは免疫的な認識と自己/非自己の識別において役割を有
する。
【0017】 以下の実施例1−3は、P3G2(LIR−P3G2)及び実質的に同一な1
8A3(LIR−18A3)と命名されるポリペプチドをコードするcDNAを
単離することについて記載する。簡単には、LIR−P3G2ファミリーメンバ
ーは、最初にクラスIMHC様分子であるUL18を発現し、そしてUL18を
使用して、P3G2及び18A3を単離し同定することによって、単離された。
該P3G2及び18A3は密接に関係し、おそらくは「LIR−1」と命名され
る同じ遺伝子の変異体である。単離されたP3G2 cDNA及び18A3 c
DNAのヌクレオチド配列は、それぞれ配列番号:1及び配列番号:3に示され
る。配列番号:1及び配列番号:3に示されたcDNAによってコードされたア
ミノ酸配列は、それぞれ配列番号:2及び配列番号:4に示される。P3G2ア
ミノ酸配列(配列番号:2)は、16個のアミノ酸のシグナルペプチド(アミノ
酸1−16)を含む予期された458個のアミノ酸の細胞外ドメイン(1−45
8)、25個のアミノ酸の膜貫通ドメイン(アミノ酸459−483)、及び1
67個のアミノ酸の細胞質ドメイン(アミノ酸484−650)を有する。細胞
外ドメインは4つの免疫グロブリン様ドメインを含む。Ig様ドメインIはおお
よそアミノ酸17−118を含み;Ig様ドメインIIはおおよそアミノ酸11
9−220を含み;Ig様ドメインIIIはおおよそアミノ酸221−318を
含み;及びIg様ドメインIVはおおよそアミノ酸319−419を含む。有意
には、このポリペプチドの細胞質ドメインは4つのITIMモチーフを含み、そ
れぞれ共通配列YxxL/Vを有する。第1のITIMモチーフ対はアミノ酸5
33−536及び562−565で見出され、そして第2の対はアミノ酸614
−617及び644−647で見出される。この特徴は、KIRがだだ一対のI
TIMモチーフを含むことを除けば、KIRにおいて見出されるITIMモチー
フに同一である。
【0018】 18A3アミノ酸配列(配列番号:4)は、16個のアミノ酸のシグナルペプ
チド(アミノ酸1−16)を含む459個のアミノ酸の予期された細胞外ドメイ
ン(1−459)、25個のアミノ酸の膜貫通ドメイン(アミノ酸460−48
4)、及び168個のアミノ酸の細胞質ドメイン(アミノ酸485−652)を
有する。18A3アミノ酸配列(配列番号:4)はP3G2(配列番号:2)の
アミノ酸配列と実質的に同一であるが、但し、18A3は2つの追加のアミノ酸
(アミノ酸438及び552)を有し、18A3がアミノ酸142においてP3
G2ではスレオニン残基であるのに対してイソロイシン残基を有する。加えて、
18A3はアミノ酸155においてセリン残基を有し、P3G2はアミノ酸15
5においてイソロイシンを有する。最後に、18A3ポリペプチドはアミノ酸6
27においてグルタミン酸を有し、P3G2はアミノ酸625においてリジンを
有し、これは18A3ポリペプチドの627残基と並ぶ。18A3の細胞質ドメ
インにおける4つのITIMモチーフは、アミノ酸534−537及び564−
567、そして616−619及び646−649である。糖鎖付加部位は3連
続のアミノ酸Asn−X−Yで見出され、ここでXはPro以外の任意のアミノ
酸であり、及びYはSer又はThrである。つまり、LIR−P3G2の潜在
的な糖鎖付加部位がアミノ酸140−142;281−283;302−304
;及び341−343において出現する。コードされたこれらのポリペプチドの
特徴はI型膜貫通糖タンパク質と一致する。
【0019】 実施例8−10は、LIR−P3G2の細胞外領域をコードするDNAから得
られたプローブにハイブリダイズするプラスミドについてcDNAライブラリー
を探査することによって、8つのさらなるLIRポリペプチドファミリーメンバ
ーを単離し同定することについて記載する。単離されたLIRファミリーメンバ
ーのヌクレオチド配列(cDNA)は、配列番号:7(pbm25と命名、即ち
LIR−4)、配列番号:9(pbm8と命名、即ちLIR−2)、配列番号:
11(pbm36−2と命名、即ちLIR−6b)、配列番号:13(pbm3
6−4と命名、即ちLIR−6a)、配列番号:15(pbmhhと命名、即ち
LIR−7)、配列番号:17(pbm2と命名、即ちLIR−5)、配列番号
:19(pbm17と命名、即ちLIR−3)及び配列番号:21(pbmne
wと命名、即ちLIR−8)において示される。それらによってコードされるア
ミノ酸配列は、それぞれ配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列
番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20及び配列番号:
22において示される。
【0020】 実施例15は、LIR−9m1(配列番号:29、30)、LIR−9m2(
配列番号:31、32)、LIR−9s1(配列番号:33、34)、及びLI
R−9s2(配列番号:35、36)の単離について開示し、これらはLIR−
9の4つの選択的にスプライシングされた変異体であり、LIRファミリーの別
の新規なメンバーである。これらのクローンのLIR−9群を同定する第1の工
程は、ヒト樹枝状細胞ライブラリーから得た短いcDNAクローンを単離するこ
とであり、その配列解析は、それがLIRファミリー、特に配列番号:11、1
3及び15に示される配列と有意な相同性を有していることを示した。このクロ
ーンに基づいたPCRプライマーを用いて、さらにクローニングを駆使すること
によって、LIR−9m1、−9m2、−9s1及び−9s2に対応する4つの
全長cDNAを得た。LIR−9m1及びLIR−9m2は膜貫通タンパク質で
あり、LIR−9m1の細胞外領域において見出されるが、LIR−9m2では
存在しない12個のアミノ酸によって異なる。これらの12個のアミノ酸は配列
番号:30のアミノ酸29−40に対応する。LIR−9s1及び−9s2は膜
貫通ドメインを含まず、つまりLIR−9の可溶バージョンをコードする。LI
R−9s1ポリペプチド(配列番号:34)はLIR−9m1において示される
12個のアミノ酸挿入部分を含む。LIR−9s1(配列番号:34)及びLI
R−9m1(配列番号:30)のアミノ酸1−238は同一であるが、LIR−
9s1の残り部分はLIR−9m1の対応する領域とは同一ではない。LIR−
9s2(配列番号:36)のアミノ酸1−226はLIR−9m2(配列番号:
32)の最初の226個のアミノ酸と同一であるが、LIR−9s2の残りのア
ミノ酸配列はLIR−9m2のそれとは分かれる。
【0021】 LIR−9クローンを単離するために使用された同じPCRプライマーによっ
て、LIR−10(配列番号:37及び38)と命名されたさらなるクローンさ
れたLIR cDNAを得た。LIR−10のヌクレオチド配列と、以前に同定
されたもっとも密接に関係したLIR、即ち配列番号:13及び15と比較する
ことによって、LIR10 cDNAが対応するmRNAの5’端に位置した配
列を欠損した不完全なクローンであり、5’未翻訳領域と、LIR−10タンパ
ク質の最初の26個のアミノ酸をコードするヌクレオチドを含むことが決定され
た。
【0022】 配列番号:10、12、14、16、18、20、22、30、32、34、
36及び38に示されたLIRファミリーメンバーのポリペプチドに対して単離
された細胞外、膜貫通及び細胞質領域を以下に示す。配列番号:8、34及び3
6に示されたポリペプチドは、膜貫通及び細胞質領域を持たない可溶性タンパク
質である。当業者によって理解されるであろうが、上述したP3G2及び18A
3の膜貫通領域及び以下に示されるLIRポリペプチドファミリーメンバーの膜
貫通領域は、そのような領域に関連した疎水性ドメインを同定するための通常の
標準に従って同定される。即ち、任意の選択された膜貫通領域の正確な境目は、
本明細書において示されたそれとは異なっている可能性がある。典型的には、膜
貫通ドメインは、本明細書において開示されるようにドメインのいずれかの端に
おいて5個以上のアミノ酸によって異なることはない。当該技術分野において知
られ、及びタンパク質内のそのような疎水性領域を同定するために有用なコンピ
ュータープログラムが利用できる。
【0023】 配列番号:8に示されたポリペプチド(LIR−pbm25)は、アミノ酸1
−439の全アミノ酸配列及びアミノ酸1−16のシグナルペプチドを含む細胞
外ドメインを有する。配列番号:10に示されたアミノ酸配列(LIR−pbm
8)は、16個のアミノ酸のシグナルペプチド(アミノ酸1−16)を含む45
8個のアミノ酸の予期された細胞外ドメイン(1−458);アミノ酸459−
483を含む膜貫通ドメイン;及びアミノ酸484−598を含む細胞質ドメイ
ンを有する。細胞外ドメインは4つの免疫グロブリン様ドメインを含み、そして
細胞質ドメインはアミノ酸533−536及び562−565でのITIMモチ
ーフを含む。
【0024】 配列番号:12に示されたアミノ酸配列(LIR−pbm36−2)は、アミ
ノ酸1−16の16個のアミノ酸のシグナルペプチドを含むアミノ酸の予期され
た細胞外ドメイン;アミノ酸262−280を含む膜貫通ドメイン、及びアミノ
酸281−289の細胞質ドメインを有する。膜貫通ドメインは荷電したアルギ
ニン残基を264に含み、そして細胞質ドメインは短く、たった9個のアミノ酸
の長さのみを有する。
【0025】 配列番号:14に示されたアミノ酸配列(LIR−pbm36−4)は、アミ
ノ酸1−16のシグナルペプチドを含むアミノ酸1−461の予期された細胞外
ドメイン;アミノ酸462−480を含み、アミノ酸464で荷電したアルギニ
ン残基を有する膜貫通ドメイン;そしてアミノ酸481−489を含む細胞質ド
メインを有する。配列番号:14は配列番号:12にほとんど同一であるが、配
列番号:12の細胞外領域に見出された2つの免疫グロブリンドメインとは対照
的に4つのドメインを有する。配列番号:12及び配列番号:14に示されるア
ミノ酸配列は、同じ遺伝子から選択的にスプライシングされた転写によってコー
ドされたタンパク質であるらしい。
【0026】 配列番号:16に示されたアミノ酸配列(LIR−pbmhh)は、アミノ酸
1−449及びアミノ酸1−16のシグナルペプチドを含む予期された細胞外ド
メイン;アミノ酸452で荷電したアルギニン残基を有するアミノ酸450−4
68を含む膜貫通ドメイン;そしてアミノ酸469−483を含む細胞質ドメイ
ンを有する。細胞質ドメインは長さが15個のアミノ酸と短い。細胞外ドメイン
は4つの免疫グロブリン様ドメインを含む。
【0027】 配列番号:18に示されたアミノ酸配列(LIR−pbm2)は、アミノ酸1
−259及びアミノ酸1−16のシグナルペプチドを含む予期された細胞外領域
;アミノ酸260−280を含む膜貫通ドメイン;そしてアミノ酸281−44
8を含む細胞質ドメインを有する。このLIRファミリーメンバーはアミノ酸4
12−415及び442−445でITIMモチーフを含む細胞質ドメインを有
する。細胞外ドメインは2つの免疫グロブリン様ドメインを含む。
【0028】 配列番号:20に示されたアミノ酸配列(LIR−pbm17)は、アミノ酸
1−16のシグナルペプチドを含むアミノ酸1−443の予期された細胞外ドメ
イン;アミノ酸444−464を含む膜貫通;及びアミノ酸465−631の細
胞質ドメインを有する。細胞外ドメインは4つの免疫グロブリン様ドメインを有
する。配列番号:20は細胞質ドメインに二対のITIM YxxL/Vモチー
フを有する。第1の対はアミノ酸514−517及び543−546に位置し、
そして第2の対はアミノ酸595−598及び626−628に位置する。
【0029】 配列番号:22に示されたアミノ酸配列(LIR−pbmnew)は、アミノ
酸1−16のシグナルペプチドを含むアミノ酸1−456の予期された細胞外ド
メイン;アミノ酸457−579を含む膜貫通ドメイン;及びアミノ酸580−
590の細胞質ドメインを有する。細胞外ドメインは、4つの免疫グロブリン様
ドメインを含む。配列番号:22はアミノ酸554−557及び584−587
にITIMモチーフを有する。
【0030】 LIR−9m1タンパク質は、配列番号:30のアミノ酸1−262に位置し
、配列番号:30のアミノ酸1−34のシグナルペプチドを含む細胞外ドメイン
を有する。配列番号:30のアミノ酸263−284はLIR−9m1の膜貫通
領域を定め、及びアミノ酸285−299は細胞質領域を形成する。LIR−9
m2については、細胞外領域は配列番号:32のアミノ酸1−250に対応し、
配列番号:32のアミノ酸1−35でシグナル配列、配列番号:32の残基25
1−272で膜貫通領域、及び配列番号:32のアミノ酸273−287で細胞
質領域を含む。LIR−9s1(配列番号:34)及びLIR−9s2(配列番
号:36)は、それぞれ265及び253個のアミノ酸からなり、シグナル配列
は配列番号:34のアミノ酸1−34、及び配列番号:36のアミノ酸1−35
で見出される。
【0031】 LIR−10については、配列番号:38のアミノ酸1−393はLIR−1
0タンパク質の細胞外部分の大部分に対応するが、シグナルペプチドを含むこの
タンパク質アミノ末端での約26個のアミノ酸に対するコードする配列は、本明
細書において記載されたLIR−10 cDNAクローンから失われていると思
われる。LIR−10の膜貫通領域は配列番号:38のアミノ酸394−417
によって定められ、細胞質領域はアミノ酸418−449によって定められる。
ただ1つのITIMモチーフは配列番号:38のアミノ酸438−443に位置
する。
【0032】 配列番号:2、4、8、10、12、14、16、18、20、22、30、
32、34、36及び38に示されるアミノ酸配列は、LIR−10を除くLI
Rファミリーがポリペプチドの3つの群に分類され得ることを示す。第1群は、
配列番号:12、14、16、30及び32のポリペプチドを含み、膜貫通領域
での荷電したアルギニン残基と短い細胞質領域によって区別することができる。
第2群は、配列番号:2、4、10、18、20及び22を含み、疎水性細胞質
ドメイン及び該細胞質領域内の1つ又はそれ以上のITIMモチーフの存在によ
って区別することができる。第3の群は、配列番号:8、34及び36のポリペ
プチドを含み、可溶性ポリペプチドとして発現し、膜貫通及び細胞質領域を持た
ない。これらの可溶性ポリペプチドは、細胞表面ファミリーと受容体との相互作
用を遮蔽するのに機能してもよい。あるいは、可溶性ポリペプチドは受容体に結
合する場合に活性シグナルとして振舞ってもよい。第1群のメンバーのように、
LIR−10は比較的に短い細胞質ドメイン、及びその膜貫通領域に荷電した残
基を有するが、その荷電した残基はアルギニンの代わりにヒスチジンである。し
かしながら、LIR−10はまた、第2群のように、細胞質ドメインにITIM
モチーフを有する。つまり、LIR−10は第1群と第2群の両方の特徴をいく
つか持ち、LIRタンパク質の第4群を表すとも言える。LIRポリペプチドは
、一般的にP3G2の細胞外領域をコードするDNAにハイブイダイズする、該
ポリペプチドをコードするDNAの能力によって特徴付けられる。
【0033】 本発明が、配列番号:2、4、8、10、12、14、16、18、20、2
2、30、32、34、36及び38に示されるアミノ酸配列を有するLIRポ
リペプチドをコードする単離された核酸分子を包含することは理解されるはずで
ある。発明の1つの態様においては、これらの核酸分子が、配列番号:1、3、
7、9、11、13、15、17、19、21、29、31、33、35及び3
7に示される核酸配列を有する。
【0034】 配列番号:2、4、8、10、12、14、16、18、20、22、30、
32、34、36及び38に示されるLIRファミリーメンバータンパク質の細
胞外領域は、59−84%で変化する高い程度の相同性を有する。LIR単離体
のいくつかは密接に関係し、つまり遺伝子座変異物又はスプライシング変異体を
示すものにちがいない。例えば、配列番号:12及び配列番号:14の細胞外領
域は、100%に近い配列相同性を共有し、つまりこれらのポリペプチドは同じ
遺伝子に由来することを示す。加えて、配列番号:2及び4は、95%以上の配
列相同性を共有し、つまりおそらくは同じ遺伝子の2つの対立遺伝子(アリル)
を表している。さらに、上記で検討したように、配列番号:30、32、34及
び36の細胞外領域はほとんど同一であり、つまりこれら4つのタンパク質はス
プライシング変異体であるmRNA由来であることを示す。
【0035】 免疫グロブリンスーパーファミリーの他のメンバーといくつかの構造的類似性
を共有する一方で、LIRファミリーメンバーは、免疫グロブリンスーパーファ
ミリーの他のメンバーと限定された相同性を有する。LIRに最も近い構造類似
性を有する分子は、ヒトKIR及びマウスgp49である。しかしながら、LI
R細胞外領域は、NKAT3及びp58 Cl−39の細胞外領域それぞれとほ
んの38−42%の同一性を共有する。LIRファミリーメンバーの細胞外領域
はマウスgp49の領域とほんの35−47%の相同性である。対照的に、KI
Rは、一般的に、81%相同性であるNKAT3及びp58 CL−39と少な
くとも80%のアミノ酸同一性を共有する。加えて、既知のKIR分子のどれも
、ほぼ2つの既知のLIRファミリーメンバーに特徴的である4つの細胞外免疫
グロブリンドメインを有しない。本明細書において開示されたポリペプチドに関
係したLIRのうち高い配列相同性、及びKIRとの比較的に低い相同性の点か
らみて、LIRポリペプチドは免疫調節因子の新規なファミリーのメンバーであ
る。
【0036】 LIRのアミノ酸配列の解析は、LIRポリペプチドの特異的なひと続きのア
ミノ酸が高度に保存されていることを示す。1つの保存された領域は、配列番号
:2のアミノ酸5−50で見出される46個のアミノ酸の配列である。データベ
ース検索は、このLIRの保存領域において最も構造的に類似した出願前のポリ
ペプチドと実質的に異なることを決定した。データベース検索及び構造解析は、
BLAST NB1という、データベースの検索及びアミノ酸配列を並べ、所定
の配列における同一性及び変異性を測定するるための局所的な整列検索手段を用
いて実効された。BLAST NB1ソフトウェアはhttp://www3.
ncb1.nlm.nih.gov/entrez/blastでインターネッ
ト上でアクセス可能である。配列番号:2のアミノ酸5ないし50の配列に相同
性を有する配列に対するBLAST NB1検索は、最も構造的に類似したタン
パク質がFcγIIR、gp49Bフォーム2及びgp49Bフォーム1であり
、それぞれ配列番号:2のアミノ酸5ないし50と63%、67%及び67%の
同一性を有することを見出した。これは、配列番号:2のアミノ酸5ないし50
とLIRファミリーの同一性が約71%から100%の範囲であることと対照的
である。具体的には、本発明のLIRファミリーメンバーは、アミノ末端近くで
共通した領域を含み、配列番号:2のアミノ酸5−50と次の同一性を有する:
配列番号:8は96%同一性を有する;配列番号:10は90%同一性を有する
;配列番号:12は96%同一性を有する;配列番号:14は91%同一性を有
する;配列番号:16は97%同一性を有する;配列番号:18は77%同一性
を有する;配列番号:20は80%同一性を有する;配列番号:22は80%同
一性を有する;配列番号:30は78%同一性を有する;配列番号:32は71
%同一性を有する;配列番号:34は78%同一性を有する;配列番号:36は
71%同一性を有する。この保存された領域は、LIR−10(配列番号:38
)においてもまた存在するようであるが、しかし本明細書において開示されたL
IR−10 cDNAクローンは5’端で切断されているため不完全である。
【0037】 本明細書において使用される配列の同一性は、同一である並べられた配列の数
であり、2つの配列を比較した場合により短い方におけるアミノ酸の総数で叙し
たものである。多くのコンピュータプログラムが、配列を並べて配列の同一性及
び変異性を決定するために商業的に利用可能である。1つの適したコンピュータ
ープログラムがGAPプログラム(バージョン6.0)であり、Devereu
xら(Nucl.Acids Res.12:387,1984)によって開示
され、ウィスコンシン大学遺伝学コンピューターグループ(UWGCG)より入
手可能である。GAPプログラムはNeedlemen及びWunsch(J.
Mol.Biol.48:443,1970)の整列方法を利用するものであり
、Smith及びWatermanによって修正された(Adv.Appl.M
ath 2:482,1981)。GAPプログラムの好ましいデフォルトパラ
メータには:(1)ヌクレオチド又はアミノ酸に関する単一(unary)比較
マトリックス(同一に対し1及び非同一に対し0の値を含む)、そしてSchw
artz及びDayhoff監修、Atlas of Protein Seq
uence and Structure,National Biomedi
cal Research Foundation,pp.353−358,1
979に記載されるような、Gribskov及びBurgess(Nucl.
Acids Res.14:6745,1986)の加重比較マトリックス;(
2)各ギャップに対する3.0のペナルティ及び各ギャップ中の各記号に対しさ
らに0.10のペナルティー;及び(3)末端ギャップに対するペナルティなし
、が含まれる。別の類似したプログラムは、配列操作用のGCGコンピューター
パッケージの部分としてウィスコンシン大学から入手できるものでもあり、BE
STFITプログラムである。
【0038】 別の面において、本発明のポリペプチドは、アミノ酸配列(配列番号:28)
: Leu Xaaa Leu Ser Xaab Xaac Pro Arg T
hr Xaad Xaae Gln Xaaf Gly Xaag Xaah Pr
o Xaai Pro Thr Leu Trp Ala Glu Pro X
aaj Ser Phe Ile Xaaj Xaa70 Ser Asp Pro
Lys Leu Xaak Leu Val Xaam Thr Gly (ここで、XaaaはGly又はArg;XaabはLeu又はVal;Xaac
はGly又はAsp;XaadはHis Arg又はCys;XaaeはVal又
はMet;XaafはAla又はThr;XaagはHis Pro又はThr;
XaahはLeu Ile又はPhe;XaaiはGly Asp又はAla;X
aajはThr Ile Ser又はAla;XaakはGly又はVal;Xa
mはMet又はAla;及びXaa70は70個のアミノ酸の配列である) を有するものとして独自に特徴付けられる保存された配列を有する。
【0039】 上述したように、ある種のLIRファミリーメンバーは細胞質ドメインにIT
IMモチーフ(YxxL/V25-26YxxL/V)を有する。多くの免疫調節因
子、例えばKIR、CD22、FcγRIIb1もまた細胞質ドメインにITI
Mを有し、細胞機能を下方制御又は阻害する阻害シグナルを伝達するために機能
することは知られている。これらの受容体はITIMモチーフへの結合を介して
SHP−1ホスファターゼに関連することが示されている。受容体によるSHP
−1ホスファターゼの回復は、受容体の阻害機能を制御する細胞内シグナル伝達
経路に必要であるらしい。実施例11に開示された実験は、LIR−P3G2及
びLIR−pbm8ポリペプチドがリン酸化に基づくSHP−1ホスファターゼ
に会合し、単球の活性化経路を通じて阻害シグナルを発生することを示す。多く
の免疫調節因子、例えばKIR、CD22、FcγRIIb1は細胞質ドメイン
にITIMモチーフを有し、細胞機能を下方制御又は阻害する阻害シグナルを伝
達するために機能することが知られている。つまり、KIR、CD22及びFc
γRIIb1の類推によって、ITIMモチーフを有する配列番号:2、4、1
0、18、20、22及び38に示されたLIRファミリーメンバーは、LIR
が適切な受容体と結合される(coligate)場合、ITIMとSHP−1
チロシンホスファターゼ又は他のチロシンホスファターゼとの相互作用を介して
阻害シグナルを伝達する。また、ITIMを有する免疫調節因子との類推によっ
て、LIRファミリーメンバーは、体液性、炎症性及びアレルギー性応答に基づ
く調節的な影響を有する。
【0040】 配列番号:12、14、16、30及び32に示されたLIRファミリーメン
バーは比較的に短い細胞質ドメインを有し、少なくとも1つの荷電した残基を持
つ膜貫通領域を有し、そしてITIMモチーフを持たない。ITIMモチーフを
欠損し、荷電した膜貫通領域を有する膜タンパク質との類推によって、これらの
ファミリーメンバーは細胞に刺激性又は活性シグナルを仲介する。例えば、膜貫
通領域にある荷電した残基を含む膜結合タンパク質は、免疫受容体チロシンベー
ス活性化モチーフ(ITAM)を有する他の膜結合タンパク質に会合することが
知られている。会合により、ITAMはリン酸化されるようになり、及び活性シ
グナルを伝播する。
【0041】 LIR−P3G2と命名されるLIRポリペプチドは、トランスフェクトした
又は普通の細胞の表面上に発現される。これは、実施例3及び実施例5に開示さ
れた実験結果によって証明され、フローサイトメトリー及び沈降手法によって、
LIR−P3G2が単球、NK細胞の亜集団、及びB細胞に見出されることが示
される。P3G2はT細胞の小さな部分集合に検出された。P3G2は110−
120kDaの糖タンパク質として発現される。P3G2は4つの潜在的な糖鎖
付加部位を有するので、このタンパク質の分子サイズは糖鎖付加の程度で変化す
るであろう。糖鎖付加部位は3連続したアミノ酸Asn−X−Yで出現し、ここ
でXはProを除く任意のアミノ酸であり、及びYはSer又はThrである。
P3G2における潜在的な糖鎖付加部位は、アミノ酸139−141;280−
282;302−304;及び340−342で出現する。
【0042】 実施例3で開示されたように単離されたP3G2−LIRは、UL18とは区
別する細胞表面リガンドに結合する能力について試験された。実施例7に詳述し
た実験結果によって示されるように、P3G2はクラスI MHC抗原であるH
LA−B 44及びHLA−A2に結合する。同様に、実施例14に示されたよ
うに、LIR−P3G2及びLIR−pbm8は様々なHLA−A、−B及び−
C遺伝子座に結合し、そして幅広い範囲のMHCクラスI特異性を認識する。ク
ラスI MHC分子は免疫監視、自己/非自己識別、感染に対する免疫応答等に
おいて中心的な役割を果たすので、LIR−P3G2及びLIR−pbm8ポリ
ペプチドは免疫応答の制御において役割を有する。腫瘍細胞およびウイルスに感
染した細胞を殺生するためのNKの細胞溶解活性は、活性及び阻害シグナルの微
妙な変化によって制御されることが知られている。LIR−P3G2及びLIR
−pbm8が結合する同じHLAクラスI分子に特異的な受容体は、それらのき
っかけとなるメカニズムにおいて活性的又は阻害的となり得ることが示されてい
る。類推によって、LIR−P3G2及びLIR−pbm8は、MHCクラスI
分子に結合し、免疫系の細胞活性の均衡を図る役割を果たし、免疫系の均衡が崩
壊する疾患状態を治療するために有用である。
【0043】 本明細書において教示したような中程度ないし高程度のストリンジェントな条
件下でLIR−P3G2細胞外のDNAプローブにハイブリダイズするDNAに
よってコードされたアミノ酸配列を含むポリペプチドは、本発明の範囲内である
。本発明のポリペプチドをコードするDNAにハイブリダイズするプローブは、
配列番号:1のヌクレオチド310−1684、又はその断片を包含するプロー
ブを含む。ハイブリダイゼーションプローブとして利用された配列番号:1の断
片は、好ましくは長さが17個のヌクレオチドより大きく、及びより典型的には
長さが20個のヌクレオチドより大きく、そしてヌクレオチド358−1684
;ヌクレオチド322−459(LIR保存配列をコードする);又は配列番号
:5、6、23、24、27及び1に相補的なDNA若しくはRNA配列、ある
いはその断片を含みことができる。配列番号:5、6、23、24及び27の断
片は、制限部位を持たないこれらの配列を含む。本明細書において開示されたヌ
クレオチド配列はまたPCRプライマーをデザインするために使用することがで
き、ふさわしい長さは約17−30ヌクレオチドである。
【0044】 ハリブリダイゼーションの条件は、例えば、本明細書に援用されるSambr
ookら、Molecular Cloning:A Laboratory
Manual,2nd ed.,Cold Spring Harbor La
boratory Press,1989に記載された中程度のストリンジェン
トな条件であってもよい(例えば、Vol.1,pp1.101−104)。中
程度のストリンジェントな条件は、Sambrookらによって定義されたよう
に、例えば、5×SSC、0.5% SDS、1.0mM EDTAを含む前洗
浄溶液の使用、及び5×SSC中で約55℃、一晩のインキュベーションのハイ
ブリダイゼーション条件を含む。高程度のストリンジェントな条件は、ハイブリ
ダイゼーション及び洗浄のより高い温度を含む。当業者は、所定の範囲のストリ
ンジェンシーが、当業者に知られた公式に従って、ハイブリダイゼーション若し
くは洗浄温度又はハイブリダイゼーション緩衝液の組成を変化している間にも、
維持され得ることを認識するであろう(Sambrookら、9.50−9.5
1及び11.45−11.47を参照)。そのような公式は、プローブの長さ、
プローブのG+C含量、ハイブリダイゼーション緩衝液の塩濃度のような要素を
考慮に入れている。望むとすれば、ホルムアミドをはハイブリダイゼーション緩
衝液に加えてもよく、より低いハイブリダイゼーション温度の使用を許容する(
Sambrookら、9.50−9.51参照)。
【0045】 好ましい態様は、少なくとも17個のヌクレオチドを有するLIR−P3G2
の細胞外領域のプローブにハイブリダイズするDNAによってコードされたアミ
ノ酸配列を含む。好ましいハイブリダイズ条件は、Denhart溶液、0.0
5M TRIS(pH7.5)、0.9M NaCl、0.1% リン酸ナトリ
ウム、1% SDS及び200μg/mLサーモン***DNAの溶液中で16時
間63℃のインキューベーション温度、その後の1時間63℃で2×SSCによ
る洗浄、及び次に1時間63℃で1×SSCによる洗浄を含む。しかしながら、
上記で説明した通り、当業者は、同程度のストリンジェンシーを生み出す他のハ
イブリダイゼーション条件を案出することができる。一般的に、ストリンジェン
トなハイブリダイゼーション条件は、特異的な、即ち、十分にマッチした二本鎖
の形成を支持する緩衝液及びインキュベーション温度の組み合わせを含み、一方
、受容できる速度で安定な二本鎖を形成することさえできる。低下したストリン
ジェンシーの条件は、よりストリンジェントな条件下で形成し得るよりも高い範
囲のミスマッチ塩基対を含む安定な二本鎖の形成を許容する。
【0046】 PCRプライマーに対するストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は
、例えば、5×SSC又は6×SSC(1×SSC=0.15M NaCl、0
.015M クエン酸ナトリウム)を含む水性緩衝液中50−55℃で一晩、フ
ィルターに結合した標的核酸に標識プローブをハイブリダイズし、その後、6×
SSC中、50−55℃で洗浄することによって達成することができる。しかし
ながら、当業者は、オリゴヌクレオチドプローブに対するストリンジェントなハ
イブリダイゼーション条件が、プローブの長さ、塩基組成及び配列に依存して変
化するであろうことを認識するであろう(例えば、Sambrookら、11.
45−11.49を参照)。
【0047】 本発明は、配列番号:2、4、8、10、12、14、16、18、20、2
2、30、32、34、36及び38に示されるアミノ酸配列とは異なり、しか
し高い相同性であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。例としては、こ
れに限定されるものはないが、他の哺乳動物種由来のホモログ、変異体(自然に
発生する突然変異体と組換えDNA技術によって産生した突然変異体の両方)、
そして所望の生物学的活性を保持するLIR P3G2及びLIRファミリーメ
ンバー断片を含む。好ましくは、そのようなポリペプチドは、配列番号:2、4
、8、10、12、14、16、18、20、22、30、32、34、36及
び38に記載されたLIRポリペプチドに関連した生物学的活性を提示し、及び
配列番号:2、4、8、10、12、14、16、18、20、22、30、3
2、34、36及び38で示されたポリペプチドのシグナルペプチド及び細胞外
ドメインのアミノ酸配列のいずれかに少なくとも80%同一であるアミノ酸配列
を含む。好ましくは、そのようなポリペプチドは、配列番号:2、4、8、10
、12、14、16、18、20、22、30、32、34、36及び38で示
されたポリペプチドのシグナルペプチド及び細胞外ドメインのアミノ酸配列のい
ずれかに少なくとも90%同一である。ポリペプチド間の同一性の程度を測定す
ることは、タンパク質配列を解析するためにデザインされた任意のアルゴリズム
又はコンピュータープログラムを用いて達成することができる。以下に記載した
商業的に入手可能なGAPプログラムは、そのようなプログラムの1つである。
他のプログラムは、商業的に入手可能でもあるBESTFIT及びGCGプログ
ラムを含む。
【0048】 LIRポリペプチドファミリーメンバーの所望の生物学的特性、例えばMHC
クラスI又は他のリガンドへの結合を保持するLIRポリペプチド断片は、本発
明の範囲内である。そのような態様の1つにおいて、LIRポリペプチド断片が
、細胞外ドメインの全部又は一部を含み、しかし細胞膜上のポリペプチドの保持
を引き起こすであろう膜貫通領域を欠損している可溶性LIRポリペプチドであ
る。可溶性LIRポリペプチドは、それらが発現される細胞から分泌され得る。
都合よくは、可溶性LIRが発現に基づいて分泌されるように異種性シグナルペ
プチドがN−末端に融合される。可溶性LIRポリペプチドは、シグナルペプチ
ドを組込んでいる細胞外ドメインとシグナルペプチドが切断された細胞外ドメイ
ンを含む。
【0049】 LIRファミリーメンバーの可溶体の使用は、ある種の適用に有利である。そ
のような利点の1つは、ある種の組換え宿主細胞から可溶体を精製する容易さで
ある。可溶性タンパク質は細胞から分泌されるため、回収工程を経て細胞からタ
ンパク質を抽出する必要はない。加えて、可溶性タンパク質は一般的に静脈投与
により適していて、細胞表面のLIRファミリーメンバーとそのリガンドとの相
互作用を遮蔽し、所望の免疫機能を仲介するために使用することができる。
【0050】 さらに、可溶性LIRポリペプチドであって、全細胞外ドメイン又は任意の所
望なその断片を含んでいてもよく、シグナルペプチドを除いた細胞外ドメインを
含む可溶性LIRポリペプチドは、本発明に包含される。つまり、例えば、可溶
性LIRポリペプチドは、配列番号:2のアミノ酸x1−458(ここでx1はア
ミノ酸1又は17);配列番号:4のアミノ酸x2−459(ここでx2はアミノ
酸1又は17);配列番号:8のアミノ酸x3−439(ここでx3はアミノ酸1
又は17);配列番号:10のアミノ酸x4−458(ここでx4はアミノ酸1又
は17);配列番号:12のアミノ酸x5−241(ここでx5はアミノ酸1又は
17);配列番号:14のアミノ酸x6−461(ここでx6はアミノ酸1又は1
7);配列番号:16のアミノ酸x7−449(ここでx7はアミノ酸1又は17
);配列番号:18のアミノ酸x8−259(ここでx8はアミノ酸1又は17)
;配列番号:20のアミノ酸x9−443(ここでx9はアミノ酸1又は17);
配列番号:22のアミノ酸x10−456(ここでx10はアミノ酸1又は17);
配列番号:30のアミノ酸x11−262(ここでx11はアミノ酸1又は35);
配列番号:32のアミノ酸x12−250(ここでx12はアミノ酸1又は36);
配列番号:34のアミノ酸x13(ここでx13はアミノ酸1又は35);配列番号
:36のアミノ酸x14(ここでx14はアミノ酸1又は36);及び配列番号:3
8のアミノ酸1−393を含む。上記同定した可溶性LIRポリペプチドは、シ
グナルペプチドを含む、及び除くLIR細胞外領域を含む。膜貫通及び細胞質領
域を欠損するLIR、例えば配列番号:8、34及び36もまた本明細書に包含
される。さらなる可溶性LIRは、所望な生物学的活性、例えばMHCクラスI
分子を含むリガンドへの結合を保持するファミリーメンバーの細胞外ドメインの
断片を含む。
【0051】 LIRファミリーメンバー断片は、可溶性ポリペプチドを含み、多くの慣習的
な手法のいずれかによって調製してもよい。断片をコードする所望のLIRポリ
ペプチドをコードするDNA配列は、LIRポリペプチド断片を製造するための
発現ベクターにサブクローンしてもよい。選択されたコードするDNA配列は、
都合よく、適切なリーダー又はシグナルペプチドをコードする配列に融合する。
DNA断片をコードする所望のLIRメンバーは、既知のDNA合成手法を用い
て化学的に合成してもよい。DNA断片はまた、全長をクローンしたDNA配列
の制限的エンドヌクレアーゼ消化によって生産してもよく、及び適切なゲル上で
電気泳動によって単離してもよい。必要であれば、5’及び3’端を所望の点ま
で再構築するオリゴヌクレオチドは、制限酵素消化によって生じたDNA断片に
連結することができる。そのようなオリゴヌクレオチドは、付加的に、所望のコ
ーディング配列の上流の制限エンドヌクレアーゼ切断部位を含み、コーディング
配列のN端での開始コドン(ATG)の位置を定めてもよい。
【0052】 所望のタンパク質断片をコードするDNA配列を得るために有用な別の手法は
、周知のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法である。所望のDNAの末端を定義
するオリゴヌクレオチドは、所望のDNA鋳型から追加のDNAを合成するため
にプライマーとして使用される。オリゴヌクレオチドはまた、増幅したDNA断
片を発現ベクターに挿入することを容易にするために、制限エンドヌクレアーゼ
に対する認識部位を含んでもよい。PCR手法は、例えば、Saikiら、Sc
ience 239:487(1988):Recombinant DNA
Methodology、Wuら監修、Academic Press,Inc
.,San Diego(1989),99.189−196;及びPCR P
rotocols:A Guide to Methods and Appl
ications、Innisら監修、Academic Press,Inc
.(1990)に記載される。
【0053】 本発明のLIR核酸分子は、単離されたcDNA、化学的に合成したDNA、
PCRによって単離されたDNA、クローニングされたゲノムDNA、及びそれ
らの組み合わせを含む。ゲノムLIRファミリーDNAは、標準的な手法を用い
て、本明細書において開示されたLIRファミリーcDNAにハイブリダイゼー
ションすることによって単離することができる。LIRファミリーcDNA分子
から転写された単離されたRNAもまた本発明に包含される。
【0054】 LIRポリペプチドコーディング領域のようなDNA断片、及び可溶性ポリペ
プチドをコードするDNA断片は、本発明の範囲内である。可溶性ポリペプチド
をコードするDNA断片の例には、LIRファミリーメンバーの全細胞外領域を
コードするDNA、及びシグナルペプチドを欠損している領域のような細胞外領
域断片をコードするDNAが含まれる。より具体的には、本発明は、配列番号:
1のヌクレオチド310−2262(P3G2コーディング領域);配列番号:
1のヌクレオチドx1−1683(ここでx1は310又は358)(P3G2細
胞外ドメインをコードする);配列番号:3のヌクレオチド168−2126(
18A3コーディング領域)及び配列番号:3のヌクレオチドx2−1544(
ここでx2は168又は216)(18A3細胞外ドメインコーディング領域)
;配列番号:7のヌクレオチドx3−1412(ここでx3は93又は141)(
pbm25コーディング領域及び細胞外領域);配列番号:9のヌクレオチド1
84−1980(pbm8コーディング領域)及び配列番号:9のヌクレオチド
4−1557(ここでx4は184又は232)(pbm8細胞外ドメインコー
ディング領域);配列番号:11のヌクレオチド171−1040(pbm36
−2コーディング領域)及び配列番号:11のヌクレオチドx5−878(ここ
でx5は171又は219)(pbm36−2細胞外ドメインをコードする);
配列番号:13のヌクレオチド183−1652(pbm36−4に対するコー
ディング領域)及び配列番号:13のヌクレオチドx6−1565(ここでx6
183又は231)(pbm36−4細胞外ドメインをコードする);配列番号
:15のヌクレオチド40−1491(pbmhhコーディング領域)及び配列
番号:15のヌクレオチドx7−1386(ここでx7は40又は88)(pbm
hh細胞外ドメインをコードする);配列番号:17のヌクレオチド30−13
76(pbm2コーディング領域)及び配列番号:17のヌクレオチドx8−8
06(ここでx8は30又は78)(pbm2細胞外領域をコードする);配列
番号:19のヌクレオチド66−1961(pbm17コーディング領域)及び
配列番号:19のヌクレオチドx9−1394(ここでx6は66又は114)(
pbm17細胞外ドメインをコードする);配列番号:21のヌクレオチド67
−1839(pbmnewコーディング領域)及び配列番号:21のヌクレオチ
ドx10−1434(ここでx10は67又は115)(pbmnew細胞外ドメイ
ンをコードする);配列番号:29のヌクレオチド69−968(LIR−9m
1のコーディング領域)及び配列番号:29のヌクレオチドx11−854(ここ
でx11は69又は170)(LIR−9m1細胞外ドメインをコードする);配
列番号:31のヌクレオチド95−958(LIR−9m2コーディング領域)
及び配列番号:31のヌクレオチドx12−844(ここでx12は95又は200
)(LIR−9m2細胞外ドメインをコードする);配列番号:33のヌクレオ
チドx13−912(ここでx13は115又は216)(LIR−9s1コーディ
ング領域及び細胞外領域);配列番号:35のヌクレオチドx14−834(ここ
でx14は73又は178)(LIR−9s2コーディング領域及び細胞外領域)
;配列番号:37のヌクレオチド1−1350(LIR−10コーディング領域
)及び配列番号:37のヌクレオチド1−1179(LIR−10細胞外ドメイ
ンのほぼいくつかのアミノ末端アミノ酸をコードする)を含む。
【0055】 アミノ酸配列が配列番号:2、4、8、10、12、14、16、18、20
、22、30、32、34、36及び38で示されたLIRタンパク質の生物学
的活性な断片をコードするDNAは、本発明に含まれる。
【0056】 本発明は、遺伝子コードの縮重により、上述した核酸配列によってコードされ
たポリペプチドに同一であるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び
それらに相補的な配列を包含する。加えて、天然のヒトLIRファミリーメンバ
ーcDNAのコーディング領域を含む生物学的に活性なLIRファミリーメンバ
ーをコードするDNA又はその断片、及び遺伝子コードの結果として天然のLI
RポリペプチドDNA配列に縮重するDNA又は本明細書に記載された天然のL
IRファミリーメンバーのDNAは、本明細書の範囲内である。
【0057】 別の面において、本発明は、LIRの変異体及び誘導体、並びに所望の生物学
的活性を保持するLIRファミリーポリペプチドの変異体及び誘導体であって、
組換え体及び非組換え体の両方を含む。本明細書に言及されるように、LIR変
異体は、本明細書に記載されるように、天然のLIRポリペプチドに実質的に相
同なポリペプチドであるが、但し、その変異体のアミノ酸配列が、1つ又はそれ
より多くのの欠失、挿入、置換のために天然のポリペプチドのアミノ酸配列と異
なっているポリペプチドである。
【0058】 LIRファミリー変異体は、天然のLIRヌクレオチド配列の突然変異から得
てもよい。LIRファミリーメンバーの天然のDNAに比べて1つ又はそれ以上
のヌクレオチド付加、ヌクレオチド欠失、又はヌクレオチド置換を有するヌクレ
オチド配列を含むそのようなDNA突然変異体又は変異体、及び所望の生物学的
活性を有する変異LIRポリペプチド又は変異LIRファミリーメンバーをコー
ドするDNA突然変異体又は変異体は、本発明内である。好ましくは、生物学的
活性は、実質的に天然のLIRポリペプチドの活性と同じである。
【0059】 本発明の変異のアミノ酸配列及び変異のヌクレオチド配列は、好ましくは、天
然のLIRファミリーメンバー配列に少なくとも80%同一である。天然のアミ
ノ酸又はヌクレオチド配列と変異アミノ酸又はヌクレオチド配列間の相同性又は
同一性の程度を決定するための1つの方法は、そのような目的のために利用でき
るコンピュータープログラムを用いて配列を比較することである。1つの適した
コンピュータプログラムがGAPプログラム(バージョン6.0)であり、De
vereuxら(Nucl.Acids Res.12:387,1984)に
よって記載され、ウィスコンシン大学遺伝学コンピューターグループ(UWGC
G)より入手可能である。GAPプログラムはNeedlemen及びWuns
chの整列方法(J.Mol.Biol.48:443,1970)を利用する
ものであり、Smith及びWatermanによって修正された(Adv.A
ppl.Math 2:482,1981)。簡単には、GAPプログラムは、
同一である整列した記号(即ち、ヌクレオチド又はアミノ酸)の数として同一性
を定義し、2つの配列を比べてより短い方にある記号の総数で叙する。GAPプ
ログラムのための好ましいデフォルトパラメータには:(1)ヌクレオチドに関
する単一(unary)比較マトリックス(同一に対し1及び非同一に対し0の
値を含む)、そしてSchwartz及びDayhoff監修、Atlas o
f Protein Sequence and Structure,Nat
ional Biomedical Research Foundation
,pp.353−358,1979に記載されるような、Gribskov及び
Burgess(Nucl.Acids Res.14:6745,1986)
の加重比較マトリックス;(2)各ギャップに対する3.0のペナルティー及び
各ギャップ中の各記号に対しさらに0.10のペナルティ;及び(3)末端ギャ
ップに対するペナルティーなし、が含まれる。
【0060】 天然のLIRアミノ酸配列の改変体は、多くの公知の手法のいずれかを用いる
ことによって提供することができる。上述のように、突然変異体は、突然変異コ
ーディング配列を含むオリゴヌクレオチドを合成することによって選択された配
列部位に導入することができ、天然の配列の断片に連結し得る制限部位によって
近接しうる。合成したオリゴヌクレオチドを天然の配列断片に連結した後、得ら
れた再構築したヌクレオチド配列は、所望のアミノ酸の挿入、置換、又は欠失を
有する類似又は変異ポリペプチドをコードするであろう。変異のポリペプチドを
調製するために適した別の方法は、オリゴヌクレオチド指向部位特異的突然変異
法であり、所望の置換、欠失、又は挿入にしたがって改変した特異的コドンを有
する遺伝子を提供する。そのような改変を作成する手法は次の参考文献に開示さ
れている手法を含む:Walder et al.,Gene 42:133,
1986; Bauer et al.,Gene 37:73,1985;
Craik,BioTechniques,12−19 January,19
85; Smith et al.,Genetic Engineering
:Principles and Methods,Plenum Press
,1981;そしてU.S.Patent No.4,518,584及び4,
737,462。これらの文献はすべて本明細書中に援用される。
【0061】 本発明の変異ポリペプチドは、保守的に置換されるアミノ酸配列を有していて
もよく、これは、天然のLIRポリペプチドファミリーメンバーの1つ又はそれ
より多くのアミノ酸残基が異なる残基によって置換されているが、変異ポリペプ
チドが本質的に天然のLIRファミリーメンバーに等しい所望の生物学的活性を
保持することを意味する。一般に、保守的な置換への多くのアプローチは、当該
技術分野において周知であり、本発明の変異体の調製に応用することができる。
例えば、天然のポリペプチド配列のアミノ酸は、LIRポリペプチドの二次及び
/又は三次構造を改変しないアミノ酸で置換してもよい。他の適切な置換は、関
心のあるリガンド結合ドメインの外側のアミノ酸を含むものを含む。保守的なア
ミノ酸置換への1つのアプローチは、1つ又はそれ以上のアミノ酸を類似した物
理化学的特徴を有するアミノ酸で置換すること、例えば、脂肪族残基を別の残基
(例えばIle、Val、Leu、又はAlaをお互いに)に置換すること;1
つの極性残基を別の残基(例えば、LysとArg;GluとAsp;又はGl
nとAsn間)に置換すること;又は類似の疎水的又は親水的特徴を有する全領
域を置換することを含む。
【0062】 LIRポリペプチド変異体は、実施例5及び6に開示したように、細胞への結
合について、及び生物学的活性を確かめるために実施例11に開示したように、
ホスファターゼ結合活性について試験することができる。本発明内の他のLIR
変異体は、選択されたポリペプチドのCys残基が削除され、又は1つ又はそれ
以上の選択的アミノ酸で置換されるためにポリペプチドをコードするヌクレオチ
ド配列を変化することによって改変されるポリペプチドを含む。これらのLIR
変異体は、再天然化に基づく分子内ジスルフィド架橋を形成しないであろう。C
ys残基を削除又は変化することによる改変に対して選択されたLIRポリペプ
チドを自然に発生することは、好ましくは、Cys残基によって形成したジスル
フィド架橋に依存する生物学的活性を有しない。他の可能な変異体は、KEX2
プロテアーゼ活性が存在する酵母系において発現を増強するために近接した二塩
基性アミノ酸の変化を引き起こす手法によって調製される。EP212,914
は、タンパク質においてKEX2プロテアーゼプロセッシング部位を不活性化す
るための部位特異的突然変異手法を開示する。KEX2プロテアーゼプロセッシ
ング部位は、Arg−Arg、Arg−Lys、及びLys−Arg対を改変す
る残基を削除、付加又は置換することによって不活性化され、これらの近接した
塩基性残基の出現を推定する。Lys−Lys及びペアリングはKEX2切断に
ほとんど影響されず、Arg−Lys又はLys−ArgをLys−Lysへの
変換は、KEX2部位を不活性化する保守的な及び好ましいアプローチを示す。
【0063】 自然に発生するLIR変異体もまた本発明によって包含される。そのような変
異体の例は、選択的mRNAスプライシング事象、及びLIRポリペプチドのタ
ンパク質分解的な切断に起因するタンパク質である。mRNAの選択的スプライ
シングは、タンパク質の可溶体を自然に発生するような、切断されているが生物
学的活性なLIRポリペプチドを産生してもよい。タンパク質分解に帰する変異
体は、異なるタイプの宿主細胞においる発現に基づいてN−又はC−末端に相違
を含み、これはLIRポリペプチドから1つ又はそれ以上の末端アミノ酸のタン
パク質分解的な除去による。自然に発生する他のLIR変異体は、配列番号:2
、4、8、10、12、14、16、18、20、22、30、32、34、3
6及び38のアミノ酸配列との相違が遺伝子多型に帰するものであり、個々のう
ちのアリルである。
【0064】 選択された化学分子との結合体を形成するために修飾された天然の又は変異の
LIRポリペプチドを含むLIRファミリーポリペプチド誘導体は、本発明の範
囲内である。結合体は、別の分子が天然の又は変異のLIRに共有結合すること
、又は他の分子が天然の又は変異のLIRに非共有的に結合することによって形
成することができる。適した化学分子は、グリコシル基、脂質、リン、アセチル
基、及び他のタンパク質又はその断片を含むが、これらに限定されるものではな
い。化学分子をタンパク質に共有結合する手法は、当該技術分野において周知で
あり、一般的にLIRポリペプチド誘導体を調製するために適している。例えば
、アミノ酸側鎖上の活性な又は活性化した機能的な基は、化学分子をLIRポリ
ペプチドに共有結合するための反応部位として使用することができる。同様に、
N−末端又はC−末端は、化学分子のための反応部位を提供することができる。
他のタンパク質又はタンパク質断片と結合するLIRポリペプチド又は断片は、
N−末端又はC−末端融合産物として組換え培養物中に調製することができる。
例えば、結合体又は融合部分は、LIR分子にN−末端で付着したシグナル又は
リーダー配列を含んでもよい。シグナル又はリーダーペプチドは、合成部位から
細胞の内側又は外側に結合体の移転を指向する。
【0065】 1つの有用なLIRポリペプチド結合体は、米国特許第5,011,912号
及びHopp et al.,Bio/Technology 6:1124,
1988に開示されたポリHis又は抗原性同定ポリペプチドを取り込んでいる
ものである。例えば、FLAG(登録商標)ペプチドであるAsp−Tyr−L
ys−Asp−Asp−Asp−Asp−Lys(配列番号:39)は、非常に
抗原的であり、特異的なモノクローナル抗体によって可逆的に結合されるエピト
ープを提供し、発現した組換えタンパク質の急速なアッセイと容易な精製を可能
にする。この配列は、Asp−Lys対の直ぐ後に続く残基でウシ粘膜のエンテ
ロキナーゼによって特異的に切断される。このペプチドでキャップした融合タン
パク質は、大腸菌中の細胞内分解に耐性であってもよい。4E11と命名された
マウスハイブリドーマは、ある種の二価の金属カチオンの存在下で配列番号:3
9のペプチドを結合するモノクローナル抗体を産生し、受託番号HB9259で
アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションで寄託されている。FLAG(
登録商標)ペプチドに融合した組換えタンパク質を製造するための有用な発現系
、及びペプチドに結合し、組換えタンパク質を精製するための有用なモノクロー
ナル抗体は、Eastman Kodak Company,Scientif
ic Imaging Systems,New Haven,Connect
icutより入手できる。
【0066】 特に適したLIR融合タンパク質は、LIRポリペプチドがオリゴマーの形体
であるものである。オリゴマーは、1より多くのLIRポリペプチド上にシステ
イン残基間のジスルフィド結合によって形成されてもよく、又はLIRポリペプ
チド鎖間で非共有的な相互作用によって形成されてもよい。別のアプローチでは
、LIRオリゴマーは、LIRポリペプチドに融合したペプチド分子間で共有又
は非共有的な相互作用を介してLIRポリペプチド又はその断片を接合すること
によって形成することができる。適したペプチド分子は、ペプチドリンカー若し
くはスペーサー、又はオリゴマー化を促進する特性を有するペプチドを含む。ロ
イシンジッパー及び抗体由来のある種のポリペプチドは、これらに付着したLI
Rポリペプチドのオリゴマー化を促進し得るペプチド内にある。
【0067】 オリゴマー形成を促進する他のLIR融合タンパク質は、抗体由来のポリペプ
チドの様々な部分(Fcドメインを含む)に融合した異種ポリペプチドを有する
融合タンパク質である。そのような融合タンパク質を調製する方法は、Ashk
enazi et al.,PNAS USA 88:10535,1991;
Byrne et al.,Nature 344:667,1990;そし
てHollenbaugh及びAruffo,Current Protoco
ls in Immunology,Supplement 4,pages
10.19.1−10.19.11,1992であり、これらは全て本明細書中
に援用される。実施例1及び実施例5は、それぞれUL18:Fc及びP3G2
:Fc融合タンパク質を調製する方法を開示し、P3G2及びUL18を抗体由
来のFc領域ポリペプチドに融合することによる。これは、P3G2:Fc融合
タンパク質をコードする融合遺伝子を発現ベクターに挿入し、P3G2:Fc融
合タンパク質を発現することによって達成される。融合タンパク質は、ほとんど
抗体分子のように集合することができ、これにより鎖間のジスルフィド結合がF
cポリペプチド間で形成し、二価のP3G2ポリペプチドを生成することによる
。同様のアプローチのおいて、P3G2又は任意のLIRポリペプチドは、抗体
の重鎖又は軽鎖の可変部分と置換してもよい。融合タンパク質が抗体の重鎖又は
軽鎖を有するものとして作成されれば、4つものLIR領域を有するLIRオリ
ゴマーを形成することが可能となる。
【0068】 つまり、本発明は、IgのFc領域を含む融合タンパク質をコードする核酸、
及びLIRファミリーメンバータンパク質のいずれかの細胞外領域を含むアミノ
酸配列を包含する。そのような細胞外領域は、例えば、配列番号:2のアミノ酸
1−458(ここでx1はアミノ酸1又は17);配列番号:4のアミノ酸x2
−459(ここでx2はアミノ酸1又は17);配列番号:8のアミノ酸x3−4
39(ここでx3はアミノ酸1又は17);配列番号:10のアミノ酸x4−45
8(ここでx4はアミノ酸1又は17);配列番号:12のアミノ酸x5−261
(ここでx5はアミノ酸1又は17);配列番号:14のアミノ酸x6−461(
ここでx6はアミノ酸1又は17);配列番号:16のアミノ酸x7−449(こ
こでx7はアミノ酸1又は17);配列番号:18のアミノ酸x8−259(ここ
でx8はアミノ酸1又は17);配列番号:20のアミノ酸x9−443(ここで
9はアミノ酸1又は17);配列番号:22のアミノ酸x10−456(ここで
10はアミノ酸1又は17);配列番号:30のアミノ酸x11−262(ここで
11はアミノ酸1又は35);配列番号:32のアミノ酸x12−250(ここで
12はアミノ酸1又は36);配列番号:34のアミノ酸x13−256(ここで
13はアミノ酸1又は35);配列番号:36のアミノ酸x14−253(ここで
14はアミノ酸1又は36);及び配列番号:38のアミノ酸1−393を含む
【0069】 本明細書において使用されるように、Fcポリペプチドは天然型及び突然変異
型を含み、並びに二量化を促進するヒンジ領域を含む切断されたFcポリペプチ
ドを含む。1つの適したFcポリペプチドは、ヒトIgG1由来の天然Fc領域
ポリペプチドであって、PCT出願WO93/10151に開示され、本明細書
中に援用される。別の有用なFcポリペプチドは米国特許第5,457,035
号に開示されたFc突然変異体である。突然変異体のアミノ酸配列は、WO93
/10151に示された天然Fc配列と同一であるが、アミノ酸19はLeuか
らAlaに変化し、アミノ酸20はLeuからGluに変化し、及びアミノ酸2
2はGlyからAlaに変化している。この突然変異Fcは免疫グロブリン受容
体に対して低下したアフィニティーを示す。
【0070】 あるいは、オリゴマーのLIRポリペプチド変異体は、ペプチドリンカーを介
して接合した2つ又はそれより多くのLIRペプチドを含んでもよい。例には、
米国特許第5,073,627号(本明細書中に援用される)に開示されたペプ
チドリンカーが含まれる。ペプチドリンカーによって分離された多数のLIRポ
リペプチドを含む融合タンパク質は、慣用的な組換えDNA技術によって製造し
てもよい。
【0071】 オリゴマーのLIRポリペプチド変異体を調製するための別の方法は、ロイシ
ンジッパーの使用を含む。ロイシンジッパードメインは、それらが見出されるタ
ンパク質のオリゴマー化を促進するペプチドである。ロイシンジッパーは、いく
つかのDNA結合タンパク質において最初に同定された(Landschulz
et al.,Science 240:1759,1988)。既知のロイ
シンジッパーには、二量化又は三量化する天然に発生するペプチド及びペプチド
誘導体がある。可溶性オリゴマーのLIRポリペプチド又はLIRファミリーの
オリゴマーのポリペプチドを製造するために適したロイシンジッパードメインの
例には、PCT出願WO94/10308に開示されたものであり、本明細書中
に援用される。溶液中で二量化又は三量化するペプチドに融合した可溶性LIR
ポリペプチドを有する組換え融合タンパク質は、適した宿主細胞において発現し
てもよく、及び得られた可溶性オリゴマーのLIRポリペプチドは培養上澄みか
ら回収してもよい。
【0072】 1つのタンパク質分子を別のタンパク質分子に架橋するために有用な無数の試
薬が知られている。異種二官能性及び同種二官能性リンカーがこの目的のために
、例えばPierce Chemical Company,Rockford
,Illinoisより入手可能である。そのようなリンカーは、アミノ酸側鎖
上のある種の官能基と反応して、よって、1つのポリペプチドを別のポリペプチ
ドに連結するあろう、2つの官能基(例えば、エステル及び/又はマレイミド)
を含む。
【0073】 本発明において使用してもよいペプチドリンカーの1つのタイプは、各ドメイ
ンが所望の生物学的活性に必要な二次及び三次構造内に適切に畳み込むことを確
実にするのに十分な距離によってポリペプチドドメインを分離する。リンカーは
、細胞外部分に、リガンドに対する結合部位を形成するための適切な空間的配向
を呈するようにすべきである。
【0074】 適したペプチドリンカーは当該技術分野において知られ、慣用的な手法によっ
て使用されてもよい。適したペプチドリンカーには、米国特許第4,751,1
80号及び第4,935,233号に開示されたものもり、これらは本明細書中
に援用される。ペプチドリンカーは、1つのペプチドが別のペプチドに連結する
ために使用される慣用的な方法のいずれかによって、LIRポリペプチドに連結
させてもよい。上述のように、Pierce Chemical Compan
yより入手可能な架橋試薬は、使用してもよいものである。そのような試薬と反
応する側鎖を有するアミノ酸は、ペプチドリンカー内に、例えばその末端に含ま
れてもよい。好ましくは、ペプチドリンカーを介して形成した融合タンパク質は
、組換えDNA技術によって調製される。
【0075】 本発明の融合タンパク質は、あるタンパク質のC末端部分が他のタンパク質の
N末端部分に融合されるリンカーに融合する構造体を含む。そのような方法で連
結したペプチドは、所望の生物学的活性を保持する一本鎖タンパク質を製造する
。融合タンパク質の成分は、それらの出現の順番で列挙される(即ち、N末端ポ
リペプチドは最初に列挙され、続いてリンカー、次いでC末端ポリペプチドとな
る)。
【0076】 融合タンパク質をコードするDNA配列は、所望のタンパク質をコードする分
離したDNAを適した発現ベクターに挿入するための組換えDNA手法を用いて
構築される。1つのタンパク質をコードするDNA断片の3’端は、他のタンパ
ク質をコードするDNA断片の5’端に、単一の生物学的活性融合タンパク質へ
のmRNAの翻訳を許容する状態に配列の読み枠を揃えて、(リンカーを介して
)連結される。N末端の一本鎖配列をコードするDNA配列は、N末端のポリペ
プチドをコードするDNA配列上に保持されてもよく、一方、終止コドンは、第
2の(C末端)DNA配列に読み進むのを妨げるものであり、削除される。逆に
、翻訳を止めるために必要とされる終止コドンは、第2のDNA配列に保持され
る。シグナル配列をコードするDNAは、好ましくは、C末端ポリペプチドをコ
ードするDNA配列から除去される。
【0077】 所望のポリペプチドリンカーをコードするDNA配列は、任意の適した慣用的
手法を用いて2つのタンパク質をコードするDNA配列間、及び同じ読み枠内に
挿入してもよい。例えば、リンカーをコードし、適した制限エンドヌクレアーゼ
切断部位を含む化学的に合成したオリゴヌクレオチドは、Fc及びP3G2ポリ
ペプチドをコードする配列間で連結されてもよい。
【0078】 LIRファミリーのポリペプチドを発現するための組換え発現ベクター、及び
発現ベクターを用いて形質変換される宿主細胞は、本発明の範囲内にある。発明
の発現ベクターは、適した転写又は翻訳調節ヌクレオチド配列、例えば、哺乳動
物、微生物、ウイルス、又は昆虫遺伝子由来のヌクレオチド配列に実施可能に連
結したLIRファミリーメンバーをコードするDNAを含む。調節配列の例には
、転写プロモーター、オペレータ、又はエンハンサー、mRNAリボソーム結合
部位、及び転写及び翻訳の開始及び終止を制御する適した配列を含む。ヌクレオ
チド配列は、調節配列がLIR DNA配列に機能的に関連する場合、実施可能
に連結される。つまり、プロモーターヌクレオチド配列は、プロモーターヌクレ
オチド配列がLIR DNA配列の転写を制御する場合にLIR DNA配列に
実施可能に連結される。所望の宿主細胞において複製する能力を授ける複製起源
、及び形質転換体が同定される選択遺伝子は一般的に発現ベクターに組込まれる
【0079】 加えて、適した一本鎖ペプチドをコードする配列は、発現ベクターに取り込む
ことができる。一本鎖ペプチド(分泌性リーダー)に対するDNA配列は、LI
R配列にインフレームで融合してもよく、そのためにLIRは初めは一本鎖ペプ
チドを含む融合タンパク質として翻訳される。所期の宿主細胞において機能的で
ある一本鎖ペプチドは、LIRポリペプチドの細胞外分泌を促進する。一本鎖ペ
プチドは、細胞からのLIRポリペプチドの分泌時に、LIRポリペプチドから
切断される。
【0080】 本発明の組換え発現ベクターは、LIRポリペプチドをコードする任意のDN
Aを含んでもよい。そのような発現ベクターに包含するための代表的なDNAは
、配列が配列番号:1、3、7、9、11、13、15、17、19、21、2
9、31、33、35及び37に示される核酸分子を含む。
【0081】 LIRポリペプチドの発現に適した宿主細胞は、原核生物、酵母又はより高度
な真核生物の細胞を含む。細菌、真菌、酵母、及び哺乳類動物の細胞性宿主と共
に使用するための適したクローニング及び発現ベクターは、例えば、Pouwe
ls et al.,Coning Vectors:A Laborator
y Manual,Elsevier,New York,(1985)に記載
されている。無細胞翻訳系も、本明細書において開示されたDNA由来のRNA
を用いてP3G2ポリペプチドを製造するために使用することができる。
【0082】 本発明の実施において適した原核生物の宿主細胞は、グラム陰性又はグラム陽
性有機体、例えば大腸菌又は桿菌を含む。形質転換に適した原核生物の宿主細胞
は、例えば、大腸菌;枯草菌;ネズミチフス菌;並びに、例えば、シュードモナ
ス(Pseudomonas)、ストレプトミセス(Streptomyces
)、及びスタフィロカッカス(Staphylococcus)属の様々な他の
多くの種を含む。原核生物の宿主細胞、例えば大腸菌において、P3G2ポリペ
プチドは、組換えポリペプチドの発現を促進するためのN末端のメチオニン残基
を含む。N末端のMetは、発現した組換えLIRポリペプチドから切断されて
もよい。
【0083】 原核生物の宿主細胞において使用する発現ベクターは、一般に、1つ又はそれ
より多くの表現型の選択可能なマーカー遺伝子を含む。表現型の選択マーカー遺
伝子は、例えば、抗生物質耐性を与えるタンパク質、又は独立栄養素要求を供給
するタンパク質をコードする遺伝子である。原核生物の宿主細胞に対する有用な
発現ベクターの例には、商業的に入手可能なプラスミド由来のもの、例えばクロ
ーニングベクターpBR322(ATCC37017)がある。pBR322は
、アンピリシン及びテトラサイクリン耐性に対する遺伝子を含み、つまり、形質
転換した細胞を同定するための簡単な方法を提供する。適したプロモーター及び
LIRファミリーDNAはpBR322ベクターに挿入してもよい。他の商業的
に入手可能なベクターは、例えば、pKK223−3(Pharmacia F
ine Chemicals,Uppsala,Sweden)及びpGEM1
(Promega Biotec,Madison,WI,USA)を含む。
【0084】 組換え原核生物の宿主細胞の発現ベクター用に一般的に使用されるプロモータ
ー配列は、β−ラクタマーゼ(penicillinase)、ラクトースプロ
モーターシステム(Chang et al.,Nature 75:615,
1978;及びGoeddel et al.,Nature 281:544
,1979)、トリプトファン(trp)プロモーターシステム(Goeddl
et al.,Nucl.Acids Res.8:4057,1980;及
びEP−A−36776)、及びtacプロモーター(Maniatis,Mo
lecular Cloning:A Laboratory Manual,
Cold Spring Harbor Laboratory,p.412,
1982)を含む。特に有用な原核生物の宿主細胞発現系は、ファージλPL
ロモーター及びcI857ts熱不安定性の抑制配列を使用する。λPLプロモ
ーターの誘導体を取り込んだ、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション
から入手可能なプラスミドベクターは、プラスミドpHUB2(大腸菌株JMB
9 ATCC 37092中に存在)及びpPLc28(大腸菌RR1、ATC
C 53082中の存在)を含む。
【0085】 あるいは、LIRポリペプチドは酵母の宿主細胞、好ましくはサッカロミセス
(Saccharomyces)属(例えば、S.cerevisiae)から
発現しもよい。他の酵母の属、例えばピキア(Pichia)又はクライベロマ
イセス(Kluyveromyces)もまた使用してもよい。酵母ベクターは
しばしば、2μ酵母プラスミド由来の複製配列起点、自己複製配列(ABS)、
プロモーター領域、ポリアデニル化のための配列、転写終止用配列、及び選択可
能なマーカー遺伝子を含むであろう。酵母ベクター用に適したプロモーター配列
は、数ある中で、メタロチオネイン、3−ホスホグリセリン酸キナーゼ(Hit
zeman et al.,J.Biol.Chem.255:2073,19
80)又は他の解糖系酵素(Hess et al.,J.Adv.Enzym
e Reg.7:149,1968;及びHolland et al.,Bi
ochem.17:4900,1978)、例えばエノラーゼ、グリセルアルデ
ヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシ
ラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、3−
ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラ
ーゼ、ホスホ−グルコースイソメラーゼ、及びグルコキナーゼのためのプロモー
ターを含む。酵母発現において使用のためのほかの適したベクター及びプロモー
ターは、さらにHitzeman,EPA−73,675に開示される。別の代
替物は、Russellら(J.Biol.Chem.258:2674,19
82)及びBeierら(Nature 300:724,1982)によって
開示されたグルコース抑制的ADH2プロモーターである。酵母及び大腸菌の両
方において複製可能なシャトルベクターは、大腸菌(Ampr遺伝子及び複製起
点)において選択及び複製のためのpBR322由来のDNAを上述した酵母ベ
クター内に挿入することによって構築してもよい。
【0086】 酵母α−因子リーダー配列は、LIRポリペプチドの分泌を指向するために使
用してもよい。α−因子リーダー配列はしばしば、プロモーター配列と構造遺伝
子配列の間に挿入される。Kujanら、Cell 30:933,1982、
及びBitterら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:
5330,1984を参照。酵母宿主からの組換えポリペプチドの分泌を促進す
るために適した他のリーダー配列が当該技術分野において既知である。リーダー
配列は、3’端近くで、1つ又はそれより多くのの制限部位を含むために改変し
てもよい。これは構造遺伝子にリーダー配列の融合を促進するであろう。
【0087】 酵母形質転換プロトコールは、当該技術分野において既知である。そのような
プロトコールの1つは、Hinnenら(Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 75:1929,1978)によって開示される。Hinneらの
プロトーコルは選択培地中のTrp+形質転換体に対して選択し、ここで選択培
地は0.67%酵母窒素ベース、0.5%カザミノ酸、2%グルコース、10μ
g/mLアデニン及び20μg/mLウラシルからなる。
【0088】 ADH2プロモーター配列を含むベクターによって形質転換された酵母宿主細
胞は、発現を誘導するために「リッチ」培地中で増殖してもよい。リッチ培地の
例には、1%酵母抽出、2%ペプトン、及び1%グルコースを有し、80μg/
mLウラシルを添加したものがある。ADH2プロモーターの脱抑制は、グルコ
ースが培地から枯渇した場合に起こる。
【0089】 哺乳動物又は昆虫宿主細胞培養は、組換えLIRポリペプチドを発現するため
に使用してもよい。昆虫細胞中に異種タンパク質を製造するためのバキュロウイ
ルス系は、Luckow及びSummers、Bio/Technology
6:47(1988)によって概説される。哺乳動物起原の樹立細胞株を使用し
てもよい。適した哺乳動物の宿主細胞株の例は、サル腎臓細胞のCOS−7(A
TCC CRL1651)(Gluzman et al.,Cell 23:
175,1981)、L細胞、C127細胞、3T3細胞(ATCC CCL1
63)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、及びBH
K(ATCC CRL10)細胞株、及びMcMahanら(EMBO J.1
0:2821,1991)によって開示されたアフリカミドリザル細胞株CVI
(ATCC CCL70)由来のCVI/EBNA、COS−1を含む。
【0090】 哺乳動物の宿主細胞の発現ベクター用の転写及び翻訳制御配列はウイルスゲノ
ムから切り出してもよい。共通して使用されるプロモーター及びエンハンサー配
列は、ポリオーマウイルス、アデノウイルス2、シミアンウイルス40(SV4
0)、及びヒトサイトメガロウイルス由来である。SV40ウイルスゲノム由来
のDNA、例えばSV40起原、初期及び後期プロモーター、エンハンサー、ス
プライス、及びポリアデニル化部位は、哺乳動物の宿主細胞において構造遺伝子
配列の発現に対する他の遺伝的要素を提供するために使用してもよい。ウイルス
の初期及び後期プロモーターは、両方が複製のウイルス起点を含む断片としてウ
イルスゲノムから容易に得られるため、特に有用である(Fiers et a
l.,Nature 273:113,1978)。より小さな又はより大きな
SV40断片もまた、複製部位のSV40ウイルス起点に位置したHIND I
II部位からBg/I部位まで伸長するおよそ250bpの配列が含まれる限り
、使用しうる。
【0091】 哺乳動物の宿主細胞において使用するために適した発現ベクターは、Okay
ama及びBerg(Mol.Cell.Biol.3:280,1983)に
よって開示されるように構築することができる。C127マウス哺乳動物の上皮
細胞において哺乳動物の受容体のcDNAの安定な高レベルの発現に有用な1つ
の系は、Cosmanら(Mol.Immunol.23:935,1986)
によって開示されたように実質的に構築することができる。Cosmanら(N
ature 312:768,1984)によって開示された高発現ベクターで
あるPMLSV N1/N4は、ATCC 39890として寄託されている。
さらなる哺乳動物の発現ベクターは、EP−A−0367566及びWO91/
18982に開示されている。哺乳動物の宿主細胞において使用するためにさら
に付加的な発現ベクターは、pDC201(Sims et al.,Scie
nce 241:585,1988)、pDC302(Mosley et a
l.,Cell 59:335,1989)、及びpDC406(McMaha
n et al.,EMBO J.10:2821,1991)を含む。レトウ
イルス由来のベクターもまた使用してもよい。1つの好ましい発現系は、以下の
実施例5で検討したようにpDC409を使用する。
【0092】 LIRポリペプチドの発現については、発現ベクターは一本鎖又はリーダーペ
プチドをコードするDNAを含んでもよい。負のシグナル配列の場合には、異種
のシグナル配列を添加してもよく、例えば、米国特許4,965,195に開示
されたインターロイキン−7(IL−7)のシグナル配列; Cosmanら(
Nature 312:768,1984)に開示されたインターロイキン−2
受容体のためのシグナル配列; EP367,566に開示されたインターロイ
キン−4シグナルペプチド; 米国特許4,968,607に開示されたI型イ
ンターロイキン−1受容体シグナルペプチド;及びEP460,846に開示さ
れたII型インターロイキン−1受容体シグナルペプチドである。
【0093】 さらに、精製したLIRファミリーポリペプチド、及びそれらの精製の方法は
本発明内に企図される。本発明の精製したポリペプチドは、上述した組換え発現
系から精製してもよく、天然に発生している細胞から精製してもよい。精製の所
望の程度は、タンパク質がインビボ使用に指向された場合に好ましい比較的高程
度の精製を伴ってタンパク質の指向された使用に依存してもよい。好ましくは、
LIRポリペプチド精製方法は、所望のLIRタンパク質以外のタンパク質に対
応するバンドが、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)
によって検出できないようなものである。上述のように、差異的糖鎖付加、転写
後のプロセッシングにおける変化等により任意のLIRポリペプチドに対応する
多くのバンドがSDS−PAGEによって検出されてもよい。最も好ましくは、
任意の特異的なLIRポリペプチドは、SDS−PAGEによる解析に基づき一
本のタンパク質のバンドによって支持されるように、実質的に均質になるまで精
製される。タンパク質バンドは、銀染色、クーマシーブルー染色、又はタンパク
質が適当に標識されている場合、オートラジオグラフィー又は蛍光によって視覚
化されてもよい。
【0094】 精製したLIRポリペプチドを提供するための1つの方法は、最初に、所望の
ポリペプチドをコードするDNA配列を含む発現ベクターで形質転換した宿主細
胞を培養し、続いてLIRポリペプチドを回収することを含む。当業者は認識す
るであろうが、ポリペプチドを回収する手法は、使用される宿主細胞タイプ及び
ポリペプチドが培養液中に分泌されるか、細胞から抽出されるかどうかというよ
うな要因に従って変化するであろう。
【0095】 発現系がポリペプチドを培地中に分泌する場合、最初に、培地を商業的に入手
可能なタンパク質濃度フィルター、例えば、Amicon又はMillipor
e Pellicon ultrafiltration unitを用いて濃
縮してもよい。濃縮工程に続いて、濃縮物をゲル濾過媒体のような適した精製マ
トリックスに適用することができる。あるいは、アニオン交換樹脂を使用するこ
ともでき、例えば、ペンダントジエチルアミノエチル(DEAE)基を有する樹
脂マトリックス又は樹脂基質がある。マトリックスは、アクリルアミド、アガロ
ース、デキストラン、セルロース又はタンパク質精製において通例使用されてい
る他のタイプであり得る。同様に、カチオン交換基、例えば不溶性マトリックス
上のスルフォプロピル又はカルボキシメチル機能基を有する精製マトリックスが
使用され得る。スルフォプロピル基が好ましい。なお、他の精製マトリックス及
び精製したLIRを提供するために適した方法は、疎水性逆相媒体(RP−HP
LC)を用いる高性能液体クロマトグラフィーである。当業者は、任意の、又は
全部の前述の精製工程を、様々な組み合わせで、精製したLITポリペプチドに
使用することができる。
【0096】 あるいは、LIRポリペプチドはイムノアフィニティークロマトグラフィーに
よって精製され得る。LIRポリペプチドを結合する抗体を含むアフィニティー
カラムは、通常の方法によって調製してもよく、及びLIRを精製することに使
用してもよい。実施例5は、イムノアフィニティークロマトグラフィーにおいて
利用してもよいP3G2に対して指向されたモノクローナル抗体を生成するため
の方法を開示する。
【0097】 細菌性培養物中に産生した組換えタンパク質は、最初に、凍結−融解サイクリ
ング、超音波処理、機械的な粉砕、又は細胞溶解試薬の使用を含む任意の便利な
方法によって宿主細胞を粉砕し、次いで、ポリペプチドが不溶性であれば細胞ペ
レットから、又はポリペプチドが溶解性であれば上清からポリペプチドを抽出す
ることによって単離してもよい。最初の単離工程の後、精製工程は、1つ又はそ
れ以上の濃縮、脱塩、イオン交換、アフィニティー又はサイズ排除クロマトグラ
フィー精製工程を含んでもよい。多くの適用のためには、最終的にRP−HPL
C精製工程が有益である。
【0098】 LIRポリペプチド及び精製したLIRポリペプチドを提供するためのさらな
る方法は、分泌タンパク質としてタンパク質を発現する酵母を発酵することを含
む。大量発酵から得られた分泌した組換えタンパク質は、Urdalら(J.C
hromatog.296:171,1984)によって開示されたものに類似
した方法によって精製することができ、予備のHPLCカラム上で組換えタンパ
ク質の精製のための2つの連続的な逆相HPLC工程を含む。
【0099】 pDC406ベクター内のLIR−P3G2 DNAは、1997年4月22
日にアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションンで受託され、受託番号9
7995が割り当てられた。受託は、ブダベスト条約の条件下でなされた。
【0100】 上述したように、及び実施例6及び14で示したように、LIR−P3G2及
びLIR−pbm8は、ある種の単球、B細胞、及びNK細胞の表面上に見出さ
れたMHCクラスI受容体分子である。単球に関しては、MHCクラスI結合タ
ンパク質であるLIRの発現は、単球がMHCクラスI分子を認識するためにい
くつかの要件があることを示唆する。LIR−P3G2、LIR−pbm8 L
IR及びある種の付加的なLIRファミリーメンバーは、細胞質のITIMモチ
ーフを含む。既知のMHCクラスI受容体分子の構造と機能の類推によって、こ
れらのLIRは負のシグナルを仲介する阻害受容体である。確かに、実施例11
に示された結果は、LIRがSHP−1と会合し、FcRを仲介した活性事象を
阻害することを表す。つまり、単球は、細胞を介した溶解のメカニズムを抑制す
るためにクラスI受容体を発現してもよい。単球は、FcRを介した細胞外病原
体を容易に貪食し、及び単球−FcR連動は、さらに全身性メディエーター、特
にTNF−α、IL−6及びIL−8を製造することによって免疫応答の伝播を
誘導する。つまり、LIRは、単球及びマクロファージにおいて、自己組織に対
する細胞溶解及び炎症応答の制御としての役割を果たす。FcR活性シグナルと
LIR阻害応答間の相互作用は、低レベルの自己応答性IgGが循環系に存在し
、免疫応答の開始を伴って単球の膜に結合するようにしてもよい。例えば、これ
らの阻害受容体の発現は、母方の抗体を介した同種性認識から発生中の胚を保護
することができる。
【0101】 DC連結の細胞上のLIRに関して、実施例13に記載したように、CD33 + CD14-CD16-HLA-DR+は、LIR−P3G2及びLIR−pbm8
を共発現する。DC FcRは免疫複合体を結合し、結合に続くDC活性シグナ
ルを引き起こす役割を果たすことが示唆される。つまり、DC上に発現したLI
Rは、FcRの相互作用を介してDC活性を抑制してもよい。
【0102】 多くのLIRファミリーメンバーは、ITIMモチーフを欠損し、及びITI
Mを欠損している既知のMHCクラスI受容体の構造と機能の類推によって、該
メンバーは活性受容体である。負のシグナルを仲介する受容体の不存在は、自己
免疫疾患に帰着することができた。つまり、アゴニスト抗体又はリガンドを伴う
ITIMモチーフを有するLIRファミリーメンバーを参加させることは、免疫
系が過剰に活性的であり、及び過度の炎症と免疫病理学が存在する疾患状態にお
ける細胞機能を下方制御するために使用することができる。一方、ITIMを有
するLIR受容体、又は受容体の可溶体に特異的なアンタゴニスト抗体を用いる
ことは、抑制された免疫機能と関連した疾患状態において特異的な免疫機能を活
性化する受容体のリガンドと細胞表面受容体の相互作用を遮蔽するために使用す
ることができる。ITIMモチーフを欠損している受容体は活性シグナルを伝達
するので、上述のように一度参加されると、活性シグナルを仲介する受容体の不
存在は抑制された免疫機能に帰着することができた。受容体とそのアゴニスト抗
体又はリガンドとの連動は、抑制された免疫機能と関連した疾患を治療するため
に使用することができる。活性LIR受容体又は受容体の可溶体に特異的なアン
タゴニスト抗体を使用することは、活性シグナルを下方制御する受容体のリガン
ドと活性受容体との相互作用を遮蔽するために使用することができる。
【0103】 LIR−P3G2は様々な細胞に結合するので、LIR−P3G2は異種の調
製物からこれらの細胞を精製し、又は単離するために使用してもよい。さらに、
P3G2は関係した分子を単離し、又は同定するために使用してもよい。
【0104】 本発明のLIRポリペプチドは、不完全な又は不十分な量の任意のLIRポリ
ペプチドによって直接的又は間接的に仲介した任意の障害に対する治療の開発に
使用してもよい。治療上有効量の精製したLIRタンパク質は、そのような障害
に苦しめられる患者に投与される。あるいは、LIR DNAはそのような障害
を治療するための遺伝子治療アプローチを開発するために使用されてもよい。天
然のLIRヌクレオチド配列を本明細書に開示することにより、不完全なLIR
遺伝子の検出、及び通常のLIRをコードする遺伝子でのその置換を可能にする
。不完全な遺伝子はインビトロ診断アッセイ、及び本明細書に開示された天然の
LIRヌクレオチド配列と、遺伝子上の欠損が潜んでいると疑われる患者由来の
LIR遺伝子のヌクレオチド配列との比較により検出してもよい。
【0105】 本発明はまたLIRポリペプチド、又はその断片若しくは変異体を含んでもよ
い、薬学的に許容できる担体又は希釈剤を伴う医薬組成物を提供する。そのよう
な担体及び希釈剤は、使用される用量及び濃度で受容者にとって非毒性であろう
。そのような組成物はさらに緩衝液;抗酸化剤、例えばアスコルビン酸;低分子
量(10残基より小さい)のポリペプチド;タンパク質;アミノ酸;グルコース
、スクロース又はデキストリンを含む炭水化物;キレート試薬、例えばEDTA
;グルタチオン;及び医薬組成物において通例使用される他の安定剤や賦形剤を
含んでもよい。本発明の医薬組成物は、希釈剤としての適切な賦形剤溶液を用い
る凍結乾燥物として成形してもよい。医薬組成物は本明細書に開示された任意に
おいてLIRポリペプチドを含んでもよく、活性変異体、断片、及びオリゴマー
を含むがこれらに限定されない。LIRポリペプチドは、医薬的に有用な組成物
を調製するために使用される既知の方法に従って成形されてもよい。医薬的調剤
に通例使用される成分は、Remington’s Pharmaceutic
al Sciences,16th ed.(Mack Publishiin
g Company,Easton,PA,1980)に開示された成分を含む
【0106】 本発明の医薬的調製物は、患者、好ましくはヒトに、適応症に適した手法で投
与されてもよい。つまり、例えば、組成物は、静脈注射、局所投与、連続的な点
滴、移植片からの持続的な放出、等によって投与することができる。適切な用量
及び投与頻度は、治療されるべき適応症の性質及びつらさ、所望の応答、患者の
状態等のような因子に依存するであろう。
【0107】 好ましい態様においては、本発明の医薬組成物に使用されるLIRポリペプチ
ドは、LIRポリペプチドが天然の又は内因性起原の他のタンパク質が実質的に
存在せず、望ましくは製造過程の残渣であるタンパク質汚染の量が約1%以下を
含むように精製される。しかしながら、そのような組成物は、安定剤、担体、賦
形剤又は共治療物として添加される他のタンパク質を含むことができる。
【0108】 本明細書に開示されたLIRをコードするDNA及びDNA断片は、上述のよ
うに、LIRポリペプチドの生産物における使用を見出す。1つの態様では、そ
のような断片は、少なくとも約17個の連続的なヌクレオチド、より好ましくは
少なくとも30個の連続的なヌクレオチドからなる。断片のDNA及びRNA相
補体も同様の有用性を有する。LIR核酸断片の使用の中には、ポリメラーゼ連
鎖反応でのプローブ又はプライマーのようなものがある。例えば、LIRの細胞
外ドメインをコードするDNAの断片に対応するプローブは、インビトロアッセ
イ、及びノーザンブロットやサザンブロットアッセイのような他のプロービング
アッセイにおいてLIR核酸の存在を検出するために使用してもよい。LIRポ
リペプチドを発現している細胞タイプは、当該技術分野において周知のプロービ
ング方法を用いるLIRファミリー核酸プローブを用いて同定することができる
。当業者は、DNA配列を単離し、増幅するために適した長さのプローブを選択
し、慣用されたPCR手法を適用する知識を有している。
【0109】 核酸断片はまた、他の哺乳動物種からLIR DNAを単離するために、交差
種ハイブリダイゼーション法におけるプローブとして使用されてもよい。一例と
して、LIRポリペプチドの細胞外ドメインに対応するプローブが使用されても
よい。プローブは慣用的な手法によって標識(例えば、32Pを用いて)されても
よい。
【0110】 LIR核酸の他の有用な断片は、センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチド
であって、RNA又はDNAのいずれからなっていてもよく、及びLIR mR
NA(センス)、相補的なLIR mRNA(アンチセンス)、又は二本鎖LI
R DNAの非コード鎖、例えばP3G2 DNA(アンチセンス)に対する配
列に対応する。つまり、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、mRNA配列とハ
イブリッド二本鎖を形成するであろう。そのようなオリゴヌクレオチドは、一般
的に少なくとも14個のヌクレオチドであり、及び好ましくは約14個ないし3
0個のヌクレオチドである。所定のタンパク質に対するcDNA配列に基づいて
アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドを作成する能力は、例えば、Ste
in及びCohen、Cancer Res.48:2659,1988、及び
van der Krolら、BioTechniques 6:958,19
88に開示される。
【0111】 アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドの標的核酸配列への結合は、二本
鎖の増強した分解、転写又は翻訳の未成熟な終止を含むいくつかの手段の1つ、
又はその他の手段によって、翻訳(RNA)又は転写(DNA)を遮蔽する二本
鎖の形成に帰着する。つまり、これらのオリゴヌクレオチドはLIR発現を遮蔽
するために使用されてもよい。
【0112】 1つの態様では、結合方法に使用されるアンチセンス又はセンスLIRオリゴ
ヌクレオチドは、改変した糖−ホスホジエステル骨格(又は他の糖連結、例えば
WO91/06629に開示されたもの)を有するオリゴヌクレオチドを包含し
、ここでそのような糖連結は内因性のヌクレアーゼに耐性である。内因性のヌク
レアーゼに耐性な糖連結を有するオリゴヌクレオチドはインビボで安定(即ち、
酵素分解に耐性であり得る)であるが、しかし標的ヌクレオチド配列に結合可能
である配列特異性を保持する。センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドの他
の例には、WO90/10448に開示されたような有機分子、及び標的核酸配
列に対するオリゴヌクレオチドのアフィニティーを増加する他の分子、例えばポ
リ−(L−リジン)に共有結合されるオリゴヌクレオチドが含まれる。さらにな
お、インタカレート試薬、例えばエリプチシン、及びアルカリ化試薬又は金属複
合体を、センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドに結合させ、標的ヌクレオ
チド配列に対するセンス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドの結合特異性を改
変してもよい。
【0113】 アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、CaPO4を介した
DNAトランスフェクション、エレクトロポレーションを含む任意の遺伝子導入
法、又はエプスタイン−バーウイルスのような遺伝子トランスファーベクターを
用いることによって標的核酸配列を含む細胞内に導入することができる。アンチ
センス又はセンスオリゴヌクレオチドは、好ましくは、アンチセンス又はセンス
オリゴヌクレオチドを適切なレトロウイルスベクター内に挿入し、次いでインビ
ボ又はエクスビボのいずれかにおいて、挿入された配列を含むレトロウイルスベ
クターで細胞を接触することによって、標的核酸配列を含む細胞内に導入される
。適切なレトロウイルスベクターは、マウスレトロウイルスM−MuLV、N2
(M−MuLV由来のレトロウイルス)由来のベクター、又はDCT5A、DC
T5B及びDCT5C(PCT出願US90/02656参照)を設計された二
重コピーベクターを含むが、これらに限定されるものではない。
【0114】 センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、WO91/04753に
開示されたように、リガンド結合分子との結合体形成によって、標的核酸配列を
含む細胞内に導入してもよい。適切なリガンド結合分子は、細胞表面受容体、成
長因子、他のサイトカイン、又は細胞表面受容体に結合する他のリガンドを含む
が、これらに限定されるものではない。好ましくは、リガンド結合分子を結合す
ることは、リガンド結合分子がその対応する分子若しくは受容体に結合し、又は
アンチセンスオリゴヌクレオチドのセンス若しくはその結合したバージョンを細
胞内に移入することを阻止する能力を実質的に妨げない。
【0115】 あるいは、センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドは、WO90/104
48に開示されたように、オリゴヌクレオチド−脂質複合体の形成によって標的
核酸配列を含む細胞内に導入してもよい。センス又はアンチセンスオリゴヌクレ
オチド−脂質複合体は好ましくは内因性リパーゼによって細胞内で解離される。
【0116】 なおさらなる面では、本発明は、LIRポリペプチドを特異的に結合する抗体
、即ち、(非特異的結合と反対に)抗体の抗原結合部位を介したLIRポリペプ
チドに結合する抗体を提供する。本発明の抗体は、LIRポリペプチド又はその
免疫原の断片を用いて、製造してもよい。ポリクローナル及びモノクローナル抗
体は、慣用的手法によって調製されてもよい。例えば、Monoclonal
Antibodies,Hybridomas: A New Dimensi
on in Biological Analyses,Kennet et
al.(eds.),Plenum Press,New York 1980
;及びAntibodies:A Laboratory Manual,Ha
rlow and Land(eds.),Cold Spring Harb
or Laboratory Press,Cold Spring Harb
or,NY,1988を参照。P3G2−LIRと免疫反応するモノクローナル
抗体を製造するための代表的な方法は、以下の実施例5にさらに説明される。
【0117】 LIRポリペプチドに特異的に結合する抗体の抗原結合断片は、本発明の範囲
内に含まれる。そのような断片は、Fab、F(ab’)、及びF(ab’)2
を含むが、これらに限定されるものではない。遺伝子工学手法によって調製され
た抗体の変異体及び誘導体は、本発明内にあると考えられる。
【0118】 本発明のモノクローナル抗体は、キメラ抗体、例えばマウスモノクローナル抗
体のヒト化バージョンを含む。そのような抗体は既知の手法によって調製されて
もよく、及び抗体がヒトに投与される場合に、低下した抗原性の利点を提供する
。1つの態様では、ヒト化したモノクローナル抗体は、マウスの抗体の可変領域
(又はちょうどその抗原結合部位)とヒト抗体由来の定常領域からなる。あるい
は、ヒト化抗体断片は、マウスモノクローナル抗体の抗原結合部位とヒト抗体由
来の可変領域部位(抗原結合部位が欠損している)からなる。キメラ、及びさら
に手を加えられたモノクローナル抗体の製造方法は、Riechmannら、N
ature 332:232,1988; Lieら、PNAS 84:343
9,1987; Larrickら(Bio/Technology 7:93
4.1989;及びWinter及びHarris、TIPS 14:139,
1993に開示された方法を含む。
【0119】 上述したように、本発明の抗体は、LIRポリペプチドの存在を検出するため
にインビトロ又はインビボアッセイ、及びアフィニティークロマトグラフィーに
よるLIRポリペプチドを精製するのに有用である。
【0120】 加えて、LIRを標的細胞への結合から遮蔽できる抗体は、LIRポリペプチ
ドの生物学的活性を阻害するために使用されてもよい。より具体的には、ITI
Mモチーフを有する1つ又はより多くのLIRファミリーメンバーにアンタゴニ
ストである抗体の治療的な組成物は、細胞表面のLIRとそのリガンドとの相互
作用を遮蔽するために個体に投与されてもよい。その結果は、免疫機能の活性化
であり、そして、免疫系が減応答的であるか又は抑制される疾患状態において特
に有益である。逆に、ITIMモチーフを欠損している1つ又はそれより多くの
LIRファミリーメンバーに拮抗する抗体の治療的組成物は、反対の効果を得る
ために使用されてもよく、及び免疫系が過剰反応的及び過度の炎症であるが、又
は免疫病理学が存在する疾患状態に有益となる。
【0121】 LIRポリペプチドと免疫反応する少なくとも1つの抗体、及び適切な希釈剤
、賦形剤、又は担体を含む医薬組成物は、本発明であると考えられる。適切な希
釈剤、賦形剤、及び担体は、本発明のポリペプチドを含む医薬組成物の文脈にお
いて記載される。
【0122】 以下の実施例は、本発明のある種の態様を説明するために提供され、及び発明
の範囲を限定するように解釈されるべきではない。
【0123】
【実施例】
実施例1 ウイルスタンパク質の単離及び発現 HCMVで感染された細胞上で発現することが知られている、ウイルス糖タン
パク質、UL18を単離して発現し、そして、UL18/Fc融合タンパク質を
発現させ使用して、UL18受容体を検索することによって、本発明のP3G2
ポリペプチドをコードするDNAを同定した。UL18をコードするDNA及び
UL18のアミノ酸配列は公知であり、Beck,S.,B.G.Barrel
l,Nature331:269−272、1988に記載されている。以下は
、UL18を単離すること、そしてUL18/Fc融合タンパク質を調製するこ
とについて記載する。
【0124】 標準的な技術を使用し、HCMV(AD169)で感染されたヒト***線維芽
細胞(Human Foreskin Fibroblast)から、3つの異
なる転写段階、極初期(IE、8p.i.h.)、初期(24p.i.h.)、
および後期(48p.i.h.)において、全RNAを単離した。UL18は感
染の初期に転写されることが知られているので、IE全RNAをpolyA+選
択し、そして、cDNAキットを製造業者の指示書(Pharmacia TI
ME SAVER cDNAキット)に従って使用して、HCMV−IEcDN
Aライブラリーを構築するのに使用した。UL18遺伝子の全長を単離するため
に、UL18配列の末端を含むことが知られている2種のオリゴヌクレオチドプ
ライマーを合成し、HCMV−IEcDNAライブラリーからUL18遺伝子を
単離して増幅するのに使用した。プライマーは以下の配列を有しており、そして
PCR産物に取り込まれるNotI制限酵素部位を含んだ。
【0125】
【化1】
【0126】 PCR条件は、95℃で5分を1回、次いで、95℃で45秒、58℃で45
秒、そして72℃で45秒を30サイクル、そして、次いで72℃で5分を1サ
イクル、を含んだ。PCR産物を1%アガロースゲルで電気泳動し、そして、エ
チジウムブロマイドを用いて分離されたDNA産物を可視化して、サイズを調べ
た。約1.1kbの予測されたサイズを有するDNAの存在が確認された。
【0127】 pDC406(McMahan et al., EMBO J.10:28
21、1991)に由来するが単一のBglII部位を有するベクターである、
pDC409発現ベクターが、クローニング方法のために選択された。PCR産
物を、NotI部位を介してpDC409発現ベクターにサブクローニングし、
配列決定し、そして、DNA配列からアミノ酸配列を推定した。決定されたヌク
レオチド配列及びアミノ酸配列は、以前に公開された配列(ibid.)と同一
であった。
【0128】 先ず、UL18の細胞外領域をコードするcDNAを、UL18の細胞外領域
に近接する(flank)プライマーを用いて単離することによって、UL18
の細胞外領域とムテイン(mutein)ヒトIgG1 Fc領域との融合タン
パク質(UL18:Fc)を調製した。5’及び3’末端にSalI及びBgl
II制限酵素部位を挿入してプライマーを合成し、PCR増幅cDNAに、5’
及び3’末端に各々SalI及びBglII制限酵素部位を導入した。プライマ
ーは以下の配列を有した:
【0129】
【化2】
【0130】 PCR反応の条件は先に記載されたものと同様であるが、鋳型は直前に記載さ
れたように単離された全長遺伝子であった。 細胞結合研究に使用するための、融合タンパク質sUL18:Fcを発現する
ためのベクター構築物を調製するために、ヒトIgG1抗体のFc領域をコード
するDNA断片を、BglII及びNotI制限酵素を用いてプラスミドから単
離した。コードされたFc部分は、米国特許第5,457,035に記載された
免疫グロブリン受容体に対する減少した親和性を有するムテインFcである。s
UL18遺伝子上のBglII部位を使用して、sUL18遺伝子DNAをFc
遺伝子上のBglII部位に結合し、N末端SalI制限部位及びC末端Not
I制限部位を有するsUL18:Fc融合DNA構築物を形成した。この融合s
UL18:Fc DNA構築物を、次いで、pDC409ベクターのSalI部
位及びNotI部位に結合し、409/sUL18/Fc DNA構築物を形成
した。
【0131】 サルの細胞系COS−1(ATCC CRL−1650)を用いて融合タンパ
ク質の発現を確認した。6−ウェルプレート中のCOS−1細胞(2×105
胞/ウェル)を、1ウェルあたり約2μgのDNA構築物409/sUL18/
Fcでトランスフェクトさせた。細胞を5%FBS DMEM/F12(GIB
COより入手可能)中で2−3日間培養し、そして、PBSで2回洗浄し、シス
テイン/メチオニンを枯渇させたRPMI(GIBCOよりRPMI 1640
として入手可能)中で1時間欠乏させ、そして、100μCi/mLの35S−M
et/Cysで4時間代謝的に標識した。上清を回転して綺麗にして(spun
clear)遊離した細胞を取り除き、150μLの上清を、100μLのRI
PA(PBS中の0.05%Tween20、0.1%SDS、1%Trito
n X−100、0.5%デオキシコール酸塩)緩衝液及び50μLの50%プ
ロテインA−セファロース固体支持体ビーズと4℃で1時間インキュベートした
。プロテインA−セファロースは、融合タンパク質のFc部分に結合する、固定
化されたプロテインAを有するセファロース固体支持体(ファーマシアより入手
可能)である。固体支持体をRIPAで洗浄して非結合物質を除いた後、プロテ
インA−セファロース固体支持体に結合した融合タンパク質を、35μlのSD
S−PAGE還元試料緩衝液を用いてプロテインA−セファロースから溶出し、
そして、次いで100℃で5分間加熱した。次いで、溶出液を4−20%SDS
ポリアクリルアミド勾配ゲル上で、14C標識タンパク質分子量マーカーとともに
電気泳動した。電気泳動の後、ゲルを8%の酢酸で固定化し、そして、Amer
sham社から入手可能な増幅剤(Amplifier)で、室温で20分間増
強させた。真空下でゲルを乾燥した後、それをX線フィルムに暴露した。フィル
ム分析の結果、予測されるタンパク質、即ち、IgGのムテインFc領域及びF
cに融合したUL18細胞外ドメインを含む、100−120kDaタンパク質
が発現されていることが確認された。
【0132】 ひとたび、融合タンパク質を発現している細胞が同定されると、トランスフェ
クトされた細胞の大量培養が行われ、融合タンパク質を発現している細胞からの
上清が蓄積された。この手法は、T175フラスコ中のCOS−1細胞を、1フ
ラスコ当たり15μgのUL18/Fc/409融合DNAでトランスフェクト
することを含んだ。0.5%低免疫グロブリンウシ血清を含む培地中での7日間
の培養後、上清に0.2%アジドの溶液を加え、そして上清を0.22μmフィ
ルタを通して濾過した。次いで、約1Lの培養上清を、4.6×100mmプロ
テインAカラムを用いたBioCadプロテインA HPLCタンパク質精製シ
ステム(PerSpective BiosystemsのROPOS 20A
)を、10mL/分の速度で通した。プロテインAカラムは上清中のsUL18
/Fc融合タンパク質のFc部分に結合し、融合タンパク質を固定化し、そして
、上清中の他の成分はカラムから通り抜けることを可能にする。カラムを30m
LのPBS溶液で洗浄し、そして、結合したsUL18/Fcを、pH3.0に
調整したクエン酸でHPLCカラムから溶出した。溶出した精製sUL18/F
cを溶出の際にpH7.4で1M Hepes溶液を用いて中性化した。プール
された溶出タンパク質を銀染色を伴うSDS−PAGEを用いて分析し、100
−120kDa UL18/Fc融合タンパク質の発現を確認した。
【0133】 実施例2 UL18への結合に関する細胞系のスクリーニング 実施例1に記載されたように単離されたsUL18/Fcタンパク質を用いて
、標準的なフローサイトメトリー方法論に従った量的結合研究を用いて、それが
結合する細胞系をスクリーニングした。スクリーニングされる各細胞系について
、手法は、PBS中の2%FCS(胎仔ウシ血清)、5%通常ヤギ血清および5
%ウサギ血清でブロックされた約100,000の細胞を1時間インキュベート
することを含んだ。次いで、ブロックされた細胞を、PBS中の2%FCS、5
%ヤギ血清及び5%ウサギ血清中の5μg/mLのsUL18/Fc融合タンパ
ク質と共にインキュベーションした。インキュベーションに続いて、試料をFA
CS緩衝液(PBS中の2%FCS)で2回洗浄し、そして、マウス抗ヒトFc
/ビオチン(Jackson Researchより購入)及びSAPE(Mo
lecular Probesより購入されたストレプトアビジン−フィコエリ
トリン)で処理した。本処理により、抗ヒトFc/ビオチンは結合している任意
の(any)sUL18/Fcに結合し、そしてSAPEは抗ヒトFc/ビオチ
ンに結合し、これにより、細胞に結合しているsUL18/Fc上の標識を蛍光
同定する結果となる。細胞は、蛍光検出フローサイトメトリーを用いて、任意の
結合しているタンパク質について分析される。結果はUL18は、B細胞系のC
B23、RAJI及びMP−1;単球細胞系のThp−1及びU937;並びに
始原B細胞及び始原単球によく結合することを示した。UL18は、T細胞系に
は検出可能なほど結合せず、また、始原T細胞にも結合しない。
【0134】 実施例3 P3G2 cDNA及びポリペプチドの単離 以下は、UL18に結合することが見出された細胞系の一つのcDNAのスク
リーニング、及び細胞系によって発現される新規ポリペプチドの単離を記載する
。哺乳動物細胞系ベクターpDC406中のCB23 cDNAライブラリーを
米国特許第5,350,683号(本明細書中に援用される)に記載されている
ように調製して得て、そして、1プールあたり約2,000クローンからなる(
複数の)プールからプラスミドDNAを単離した。単離されたDNAを、DEA
E−デキストランを用いてCV1−EBNA細胞(ATCC CRL10478
)にトランスフェクトし、次いでクロロキニーネ処理を行った。CV1−EBN
A細胞を完全培地(10%(v/v)胎仔ウシ血清、50U/mLペニシリン、
50U/mLストレプトマイシン及び2mM L−グルタミンを含むダルベッコ
修飾されたイーグル培地)中で維持し、そして、単一ウェルチェンバースライド
(複数)(single−well chambered slides)に1
ウェル当たり約2×105細胞の密度でプレートした。スライドは、1mLのP
BS中の10μg/mLヒトフィブロネクチンの溶液で30分間前処理しており
、PBS1回洗浄してある。層中で増殖している付着した細胞から培地を除去し
、66.6μMのクロロキニーネ硫酸塩を含む1.5mLの完全培地と交換した
。約0.2mLのDNA溶液(クロロキニーネを含む完全培地中の2μg DN
A、0.5mg/mL DEAE−デキストラン)を細胞に加え、そして混合物
を37℃で約5時間インキュベートした。インキュベーションの後培地を除去し
、10%DMSO(ジメチルスルフォキシド)を含む完全培地の添加によって2
.5分間、細胞にショックを与えた。ショックの後に、溶液を新鮮な完全培地と
交換した。細胞を培養中で2−3日間増殖させ、挿入されたDNA配列の一過的
な発現を可能にした。この条件は、生存しているCV1−EBNA細胞中の30
%ないし80%のトランスフェクト効率を導いた。
【0135】 各スライドを、結合緩衝液(25mg/mL ウシ血清アルブミン、2mg/
mL アジ化ナトリウム、pH7.2の20mM Hepes及び50mg/m
L 脱脂粉乳を含むRPMI1640)中の1μg/mLの濃度の1mLのUL
18:Fcと、室温で1時間インキュベーションした。インキュベーションされ
たスライドを結合緩衝液で洗浄し、次いで、Fc特異的125I−マウス抗−ヒト
IgG(Goodwinら、Cell 73:447−456、1993参照)
とインキュベーションした。続いて、緩衝液で2回目の洗浄を行い、その後、2
.5%グルタルアルデヒド/PBS溶液を用いてスライドを固定し、PBS溶液
で洗浄し、そして、空気乾燥させた。乾燥したスライドをKodak GTNB
−2 写真乳剤(水中の6×希釈液)中に浸した。空気乾燥させた後、スライド
を暗箱中に置き、そして冷蔵した。3日後、スライドをKodak D19現像
液中で現像し、水中でリンスし、そしてAgfa G433C固定液で固定化し
た。固定化されたスライドを、顕微鏡下で25−40×倍率で個別に調べた。s
UL18:Fcの結合を示す陽性細胞は、フィルムの背景に対するオートラジオ
グラフ銀粒子の存在によって可視化された。2つの陽性プールが同定された。各
プールからの細菌クローンの力価を測定し、各プレートに約200コロニーを含
むプレートを提供するようにプレートされた。各プレートを解体し、CV1−E
BNA細胞にトランスフェクトして、上述したようにスクリーニングするための
プールされたプラスミドDNAを提供した。続く分類分析(breakdonw
s)及びスクリーニングの後に、2種の陽性の別個のコロニーが得られた。2つ
の陽性コロニーのcDNA挿入物は、自動DNA配列決定によって決定されたよ
うに、長さが2922および2777ヌクレオチドであった。P3G2及び18
A3と名付けられた2つの挿入物のコード領域は、各々1953(ヌクレオチド
310−2262)及び1959(ヌクレオチド168−2126)ヌクレオチ
ドであった。二つのcDNAクローンは、実質的に類似しており、おそらく同じ
遺伝子の異なる対立遺伝子(アリル)を表すタンパク質をコードする。
【0136】 P3G2のcDNA配列及びコードされるアミノ酸配列は、各々配列番号1及
び配列番号2に表されている。18A3のcDNA配列及びコードされるアミノ
酸配列は、各々配列番号3及び配列番号4に表されている。P3G2アミノ酸配
列(配列番号2)は、予測される、16アミノ酸のシグナルペプチド(アミノ酸
1−16);442アミノ酸の細胞外ドメイン(アミノ酸17−458);25
アミノ酸の膜貫通ドメイン(アミノ酸459−483)及び167アミノ酸の細
胞質ドメイン(アミノ酸484−650)を有する。細胞外ドメインは4つの免
疫グロブリン様ドメインを含む。Ig様ドメインIはおよそアミノ酸17−11
8を含み;Ig様ドメインIIはおよそアミノ酸119−220を含み;Ig様
ドメインIIIはおよそアミノ酸221−318を含み;そして、Ig様ドメイ
ンIVはおよそアミノ酸319−419を含む。重要なことに、このポリペプチ
ドの細胞質ドメインは4つのITIMモチーフを含み、各モチーフはYxxL/
Vの共通配列を有する。第一のITIMモチーフ対は、アミノ酸533−536
及び562−565に見出され、そして、第二の対はアミノ酸614−617及
び644−647に見出される。18A3のアミノ酸配列は、上述した特徴を有
するほぼ同一のものである。
【0137】 これらのコードされたポリペプチドの特徴は、I型の膜貫通糖タンパク質と一
致する。 実施例4 P3G2融合タンパク質の調製 以下は、P3G2融合タンパク質を作成するために使用される手法を記載し、
融合タンパク質は次いで、それが結合する細胞系を同定し、そして最終的にUL
18とは区別される通常の細胞表面P3G2リガンドを単離するために使用され
る。P3G2の細胞外領域の融合タンパク質及びムテイン ヒトFc領域(sP
3G2:Fc)は、最初に、P3G2の細胞外領域に側するプライマーを用いて
P3G2の細胞外領域をコードするcDNAを単離することによって調製された
。プライマーは、PCR増幅されたcDNAの5’及び3’末端のそれぞれにS
alI及びBglII制限部位が導入されるように、5’及び3’末端にSal
I及びBglII制限部位を挿入して合成した。プライマーは以下の配列を有す
る:
【0138】
【化3】
【0139】 PCR反応ための条件は、上述したようなものであり、そして鋳型は実施例3に
おいて上述したように単離されたP3G2遺伝子の全長遺伝子であった。 細胞結合研究で使用するための融合タンパク質sP3G2:Fcを発現するた
めのベクター構築物を調製するために、IgG1のムテイン ヒトFc領域を実
施例1に記載のプラスミドからBglII及びNotI制限酵素を用いて切り出
した。sP3G2遺伝子上のBglII部位を用いて、sP3G2遺伝子DNA
をヒト ムテインFc遺伝子上のBglIIに結合して、N−末端SalI制限
部位及び末端NotI制限部位を有するsP3G2/Fc融合DNA構築物を形
成した。この融合sP3G2:Fc DNA構築物を、次いでpDC409発現
ベクターのSalI及びNotI部位に結合させて、409/sP3G2/Fc
DNA構築物を形成した。
【0140】 サル細胞系COS−1(ATCC CTL−1650)を用いて融合タンパク
質の発現を確認した。6−ウェルプレート中のCOS−1(ウェル当たり2×1
5細胞)を、1ウェル当たり約2μgのDNA構築物409/sP3G2/F
cでトランスフェクトした。細胞を5%のFBS/DMEM/F12(GIBC
Oより入手可能)中で培養し、トランスフェクションの2又は3日後、システイ
ン/メチオニンを枯渇させたRPMI中で1時間欠乏させ、そして、100μC
i/mLの35S−Met/Cysで4時間代謝的に標識した。上清を回転して綺
麗にして遊離した細胞及び残渣を取り除き、150μLの上清を、100μLの
RIPA緩衝液及び50μLの50%プロテインA−セファロース固体支持体ビ
ーズと4℃で1時間インキュベートした。固体支持体をRIPAで洗浄して非結
合物質を除いた後、プロテインA−セファロース固体支持体に結合した融合タン
パク質を、30μlのSDS−PAGE還元試料緩衝液を用いてプロテインA−
セファロースから溶出し、そして、次いで100℃で5分間加熱した。次いで、
溶出液を4−20%SDSポリアクリルアミド勾配ゲル上で、14C標識タンパク
質分子量マーカーとともに電気泳動した。電気泳動の後、ゲルを8%の酢酸で固
定化し、そして、Amersham社から入手可能な増幅剤(Amplifie
r)で、室温で20分間増強させた。真空下でゲルを乾燥した後、それをX線フ
ィルムに暴露した。フィルム分析の結果、120−130kDaの分子量を有す
る予測されるタンパク質が発現されていることが確認された。
【0141】 融合タンパク質の発現がいったん確認されると、トランスフェクトされた細胞
の大量培養を増殖させ、実施例1に上述したように融合タンパク質を発現するC
OS−1細胞由来の上清を集積させた。P3G2/Fc融合タンパク質を実施例
3に上述した手法に従って、PerSeptive Biosystemsから
のBioCadシステム及びPOROS 20Aカラムを用いて精製した。プー
ルされた抽出タンパク質を銀染色を伴うSDS PAGEを用いて分析し、発現
を確認した。
【0142】 実施例5 LIR−P3G2抗体の作成 以下の実施例はP3G2に対するモノクローナル抗体の作成を記載する。これ
は、P3G2が発現される細胞を同定するフローサイトメトリー分析において使
用される。精製P3G2/Fc融合タンパク質は、COS−1細胞発現及びアフ
ィニティー精製を用いて実施例4に記載されたように調製された。精製タンパク
質、又は全長タンパク質をコードする発現ベクターでトランスフェクトされた細
胞は、慣用された技術、例えば米国と挙4,411,993に記載された技術を
用いて、P3G2に対するモノクローナル抗体を作成することができる。簡単に
は、BALB−Cマウスを0、2及び6週間時に10μgのP3G2/Fcで免
疫化した。一次免疫は、Vaxcell,Inc.からのTITERMAXアジ
ュバントとともに調製し、そして、後の免疫は不完全Freundアジュバント
(IFA)とともに調製した。11週目に、PBS中の3−4μgのP3G2で
マウスをIV追加免疫した。IV追加免疫から3日後、脾細胞を回収し、そして
Ag8.653ミエローマ融合パートナーと、50%水性PEG1500溶液を
用いて融合させた。ハイブリドーマ上清を、1ウェル当たり2×103細胞のP
BS中のP3G2トランスフェクトされたCOS−1細胞を用いたELISAに
よってスクリーニングし、そして、ポリスチレン製96ウェルのマイクロタイタ
ープレートにプレートコート抗原として乾燥させた。陽性上清を、続いて、FA
CS分析及びP3G2トランスフェクトされたCOS−1細胞を用いたRIPに
よって確認した。ハイブリドーマをクローニングし、そして、同様の分析を用い
て続いた。モノクローナル培養を拡大し、そして、BioRad プロテインA
アガロースを用いたアフィニティークロマトグラフィーによって上清を精製した
【0143】 P3G2/Fcに対するモノクローナル抗体を用いて、標準フローサイトメト
リー手法によって細胞及び細胞系をスクリーニングし、その上にP3G2が発現
している細胞を同定した。フローサイトメトリー分析においてスクリーニングさ
れた細胞系及び細胞は、CB23、CB39、RAJI、AK778、K229
、PS−1、U937、THP−1、JURKAT及びHSB2であった。スク
リーニングされる各細胞系について、手法は、PBS中の2%FCS(胎仔ウシ
血清)、5%通常ヤギ血清および5%ウサギ血清でブロックされた約100,0
00の細胞を、5μgのFITC結合マウス抗−P3G2抗体と1時間インキュ
ベートすることを含んだ。インキュベーションに続いて、試料をFACS緩衝液
(PBS中の2%FCS)で2回洗浄した。細胞を、FITCを認識するための
蛍光検出フローサイトメトリーを用いて、任意の結合しているタンパク質につい
て分析した。結果はLIR−P3G2抗体は、B細胞系のCB23及びRAJI
;単球細胞系のTHP−1及びU937;並びに始原B細胞及び始原単球によく
結合することを示した。LIR−P3G2の最も高い発現は、CD16に関して
明るく染色され、そして、CD14及びCD64に関しより低い程度に明るく染
色される、単球上で示された。抗体は、T細胞系には検出可能なほど結合せず、
また、始原T細胞にも結合しない。
【0144】 関連する実験において、上述したように作成されたP3G2抗体は、免疫沈降
実験において使用された。免疫沈降分析は、2.5×106単球をPBSで細胞
を洗浄し、そして、10mMのホウ酸ナトリウム及びpH8.8の150mM
NaClのビオチニル化緩衝液(pH8.8)中に細胞を懸濁し、続いてDMS
O中のビオチン−CNHS−エステル(Amerchamより購入されたD−ビ
オチニル−e−アミノカプロン酸−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)の
10mg/mL溶液の5μLを細胞に加えることによって、先ず表面ビオチニル
化することを含んだ。細胞1mL当たり1M 塩化アンモニウムの10μLで反
応を終了し、そしてPBS中で細胞を洗浄した後、当該細胞を1mLの0.5%
NP40−PBS中に溶解し、そして、溶解物を続く遠心によって回収した。
150μLの溶解物に100μLの0.5% NP40−PBSを加え、得られ
た混合物を2μg/mLの抗体とともに4℃で16時間インキュベーションした
。50マイクロリットルの50% プロテインA−セファローススラリーを抗体
混合物に加え、そしてスラリーを4℃で1時間振盪した、スラリーを遠心し、そ
して得られたペレットを0.75mLのPBS中の0.5% NP40で6回洗
浄した。プロテインA−セファロースに結合したタンパク質を30μLのSDS
−PAGE還元試料緩衝液で溶出し、100℃で5分間加熱した。
【0145】 溶出されたタンパク質を、増強化学発光(ECL)タンパク質マーカーを伴っ
た4−20%勾配SDS−PAGEを使用して分析した。次いで、電気泳動試料
をウェスタンブロットにおいてニトロセルロース膜上に転写した。膜をブロック
剤(PBS中の0.1% Tween−20及び3%脱脂粉乳)で1時間、室温
で処理し、次いで、PBS中の0.1% Tween−20で15分間、1回洗
浄し、続いて5分間、2回洗浄した。洗浄した膜を10mLの1:100 HR
P−ストレプトアビジンと30分間インキュベートし、次いで、PBS中の0.
1% Tween−20で15分間、1回洗浄し、続いて5分間、4回洗浄した
【0146】 Amershamより購入したECL検出用試薬を製造者の指示書に従って使
用して、結合したストレプトアビジンHRPを検出した。展開された膜をX線フ
ィルムに暴露し、そして可視化した。結果は、CB23細胞及びP3G2トラン
スフェクトCOS−1細胞からLIR−P3G2が免疫沈降されたことを示し、
これは、これらの細胞によってP3G2が発現されていることを示唆した。
【0147】 実施例6 P3G2結合に関する細胞及び細胞系のスクリーニング 以下は、P3G2に結合する細胞及び細胞系を同定するために使用されるフロ
ーサイトメトリーを記載する。試験された細胞及び細胞系は、CB23,HSB
2、MP−1、ジャーカット、始原T細胞、始原B細胞及び始原NK細胞であっ
た。試験された各細胞及び細胞系について、手法は、細胞をFACS緩衝液(0
.2%のアジドを伴うPBS中の2%FCS)で3回洗浄し、各試料(105
胞)を100μLのブロック用緩衝液(PBS中の2% FCS、5% NGS
および5% ウサギ血清)中で1時間インキュベートすることを含んだ。各細胞
系について、100μLブロック用緩衝液中のそれぞれ0、2、5又は10μg
のW6/32(ATCC HB−95)を各々の試料に加えた、4種類の試験試
料を準備した。W6/32は、MHCクラスI重鎖(抗HLA−A、B及びC分
子)に対する抗体である。W6/32溶液の添加の後、試料を氷上で1時間イン
キュベートし、そして、200μLのFACS緩衝液で3回洗浄した。次いで、
ブロック用緩衝液中の5μgのP3G2/Fcを各試料に加え、それらを氷上で
1時間インキュベーションした。P3G2/Fcは、W6/32と細胞上の結合
部位について競合する。
【0148】 インキュベーション後、細胞を200μLのFACS緩衝液で3回洗浄し、そ
して、マウス抗ヒトFc/ビオチン及びSAPEで45分間処理した。この処理
により、抗ヒトFc/ビオチンが細胞に結合した任意のsP3G2/Fcに結合
し、そしてSAPEは抗ヒトFc/ビオチンに結合する。SAPEは蛍光化合物
であるので、適当な励起及び放射条件を用いたその検出は、細胞に結合したP3
G2/Fcを陽性に同定する。最後に、処理された細胞をFACS緩衝液で3回
洗浄し、そして、タンパク質に結合した細胞を同定するためにフローサイトメト
リーにかけた。
【0149】 結果は、試験された全ての細胞及び細胞系への結合に関して、W6/32はP
3G2と競合したことを示した。P3G2結合は5μg W6/32で完全にブ
ロックされたが、これはW6/32とP3G2は、MHCクラスI重鎖上の同一
の又は重複する部位に結合することを示している。
【0150】 実施例7 P3G2結合リガンドを単離するためのHSB2 cDNAライブ ラリーのスクリーニング 以下は、P3G2に結合することが見出された細胞系の一つ、HSB−2(T
リンパ芽球白血病細胞系の一つ)由来のcDNAライブラリーをスクリーニング
し、そしてP3G2結合リガンドを同定することを記載する。哺乳動物発現ベク
ターpDC302中のHSB2 cDNAライブラリーを、米国特許第5,51
6,658号に一般的に、そしてKozloskyら(Oncogene 10
.p.299−306、1995)に具体的に記載されているように調製した。
簡単には、貯蔵されたHSB−2細胞からmRNAを単離し、そして5μgのp
olyA+及びLife Scienceからの逆転写酵素AMV RTase
を用いて、第一のcDNA鎖を合成した。第二のcDNA鎖は、BRLからのD
NAポリメラーゼIを1.5U/μLの濃度で使用して合成した。Haymer
leら(Nucl.Acids.Res.14:8615、1986)中に記載
されているような標準的な技術を用いて、cDNAをpDC302の適当な部位
に結合させた。
【0151】 大腸菌株DH5α細胞をpDC302中のcDNAライブラリーで形質転換し
た。ライブラリーの増幅後、力価チェックは、全部で157,200クローン存
在することを示した。形質転換された細胞を15の異なるプレートにプレートし
た。1プール当たり約2,000クローンからなる(複数の)プールからプラス
ミドDNAを単離した。単離されたDNAをCV1−EBNA細胞(ATCC
CRL 10478)にDEAE−デキストランを用いてトランスフェクトし、
続いてクロロキニーネ処理を行った。CV1−EBNA細胞を完全培地(10%
(v/v)胎仔ウシ血清、50U/mLペニシリン、50U/mLストレプトマ
イシン及び2mM L−グルタミンを含むダルベッコ修飾されたイーグル培地)
中で維持し、そして、単一ウェルチェンバースライド(複数)(single−
well chambered slides)に1ウェル当たり約2×105
細胞の密度でプレートした。スライドは、1mLのPBS中の10μg/mLヒ
ト フィブロネクチンの溶液で30分間前処理しており、PBS1回洗浄してあ
る。層中で増殖している付着した細胞から培地を除去し、66.6μMのクロロ
キニーネ硫酸塩を含む1.5mLの完全培地と交換した。約0.2mLのDNA
溶液(クロロキニーネを含む完全培地中の2μg DNA、0.5mg/mL
DEAE−デキストラン)を細胞に加え、そして混合物を37℃で約5時間イン
キュベートした。インキュベーションの後培地を除去し、10%DMSOを含む
完全培地の添加によって2.5分間、細胞にショックを与えた。ショックの後に
、溶液を新鮮な完全培地と交換し、そして、細胞を培養中で3日間増殖させ、挿
入されたDNA配列の一過性の発現を可能にした。この条件は、生存しているC
V1−EBNA細胞中の30%ないし80%のトランスフェクト効率を導いた。
【0152】 各スライドを、結合緩衝液(25mg/mL ウシ血清アルブミン、2mg/
mL アジ化ナトリウム、pH7.2の20mM Hepes及び50mg/m
L 脱脂粉乳を含むRPMI1640)中の、0.45μg/mLの濃度の1m
LのP3G2:Fcと、室温で1時間インキュベーションした。スライドをイン
キュベーションした後、それを結合緩衝液で洗浄し、次いで、Fc特異的125
−マウス抗−ヒトIgG(Goodwinら、Cell 73:p.447−4
56、1993参照)とインキュベーションした。続いて、緩衝液で2回目の洗
浄を行い、その後、2.5%グルタルアルデヒド/PBS溶液を用いてスライド
を固定し、PBS溶液で洗浄し、そして、空気乾燥させた。乾燥したスライドを
Kodak GTNB−2 写真乳剤(水中の6×希釈液)中に浸した。空気乾
燥させた後、スライドを暗箱中に置き、そして冷蔵した。3日後、スライドをK
odak D19現像液中で現像し、水中でリンスし、そしてAgfa G43
3C固定液で固定化した。固定化されたスライドを、顕微鏡下で25−40×倍
率で個別に調べた。sP3G2:Fcの結合を示す陽性プールは、フィルムの背
景に対するオートラジオグラフ銀粒子の存在によって可視化された。2つの陽性
プールの力価を測定し、各プレートに約200コロニーを含むプレートを提供す
るようにプレートされた。各プレートを解体し、CV1−EBNA細胞にトラン
スフェクトして、上述したようにスクリーニングするためのプールされたプラス
ミドDNAを提供した。続く分類分析(breakdonws)及びスクリーニ
ングの後に、各プールについて1種の陽性の別個のコロニーが得られた。陽性ク
ローンのcDNA挿入物は、クラスI MHC抗原であるHLA−B44及びH
LA−A2として同定された。
【0153】 実施例8 ノザンブロット分析 実施例4に記載の実験の結果、いくつかの細胞系上でLIR−P3G2表面発
現が検出されたので、慣用されたノザンブロット分析手法を用いて、異なる組織
型でのLIR−P3G2および任意のLIR−P3G2関連mRNAの発現を研
究した。ノザンブロット分析のために選択された細胞系は、RAJI、PBT、
PBM、YT、HEP3B、HELA、KB、KG−1、IMTLH、HPT、
HFF、THP−1及びU937である。以下は、ノザンブロット分析及び分析
結果を記載する。
【0154】 P3G2の細胞外領域に近接し、以下の配列を有するプライマーを用いて、P
3G2の細胞外領域をコードするcDNAを単離した:
【0155】
【化4】
【0156】 PCR鋳型は、実施例3において上述したように単離された全長P3G2遺伝
子であった。PCR反応のための条件は以下のようであった:95℃で5分間を
1サイクル;95℃で45秒、64℃で45秒、そして72℃で45秒を含む3
0サイクル;並びに、72℃で5分間を1サイクル。PCR産物を、Invit
rogenより購入されたPCR IIベクターに製造者指示書に従ってクロー
ン化した。P3G2の細胞外領域をコードする単離されたDNAを用いて、製造
者指示書に従ったAmbion MAXISCRIPTキットで、リボプローブ
を作成した。
【0157】 種々のヒト細胞系からのポリA+選択RNA又は全RNAを含むノザンブロッ
トを、RNA試料を1.1%アガロースホルムアミド上で分解し、製造者(Am
ersham Corporation)によって推奨されるようにHybon
d−N上にブロッティングし、そしてメチレンブルーで染色してRNA濃度をモ
ニターすることによって、調製した。1μgのポリA+RNA又は10μgの全
RNAを用いてブロットを調製し、そして、直前に記載されたように調製された
、106cpm/mLのRNA細胞外P3G2リボプローブで、63℃、16時
間各ブロットを探査した。探査されたブロットを、2×SSC、63℃で30分
間、2回;1×SSC、63℃で30分間、2回;そして、0.1×SSC、6
3℃で5分間、2回洗浄した。
【0158】 探査されたブロットを、オートラジオグラフ的に現像した。現像されたブロッ
トは、P3G2 RNAは、RAJI、CB23及びU937によって発現され
る3.5kbのRNA;THP−2によって発現される約1.5kbのRNA;
並びに、PBMによって発現される1.5kbから3.5kbの範囲にわたる多
数のRNAにハイブリダイズしたことを示した。これらの結果は、P3G2に構
造が類似する細胞外ドメインを有する異なる複数の遺伝子が、末梢血単球によっ
て発現されるかもしれないことを示唆した。
【0159】 実施例9 LIRポリペプチドを単離するためのPBM cDNAライブラリ ーの探査 以下は、慣用されたサザンブロット方法論を使用してP3G2ポリペプチドに
関連するポリペプチドを単離するために、末梢血単球cDNAライブラリーをス
クリーニングするのに採用された工程を記載する。末梢血cDNAライブラリー
は、実施例7に記載されたのと実質的に同一の手法を用いて調製された。
【0160】 1プール当たり10,000クローンを有するcDNAの始めの15プールか
らのDNAをBglII制限酵素で消化し、そして1%アガロースゲル上を10
0Vで2時間、電気泳動した。サザンブロットは、0.55% TBE緩衝液中
の電気泳動されたDNAをHybond膜上に電気ブロットすることによって調
製した。ブロットされたDNAを0.6M NaCl溶液中の0.5M NaO
H中で5分間変性し、次いで、1.5M NaCl、pH7.8中の0.5M
Trisで5分間中和した。膜を、STRATALINKER UV架橋剤中に
20秒間置き、ブロットされたDNAを膜上に架橋した。膜及び架橋されたDN
Aを、10×Denhard溶液、pH7.5の0.05M TRIS、0.9
M NaCl、0.1%のピロリン酸ナトリウム、1% SDS及び200μg
/mLのサケ***DNAからなるプレハイブリダイゼーション溶液中に63℃で
2時間置き、次いで、シグナルペプチド及びSalI及びBglII制限酵素部
位を含む、LIR−P3G2の細胞外領域をコードするDNAの32P標識プロー
ブで、結合したDNAを探査した。ハイブリダイゼーション溶液中のDNAプロ
ーブの濃度は、ハイブリダイゼーション溶液1mL当たり106CPMであった
。探査されたブロットを63℃で16時間インキュベートし、次いで、2×SS
Cで、63℃、1時間、1回溶液交換;1×SSCで、63℃、1時間、1回溶
液交換;そして、0.1×SSCで、68℃、45分間、1回溶液交換で洗浄し
た。ブロットを乾燥後、それらをオートラジオグラフ的に現像し、そして、P3
G2細胞外DNAプローブにハイブリダイズしたDNAバンドを可視化した。
【0161】 オートラジオグラフ可視化の結果は、全てのプールがプローブにハイブリダイ
ズDNAを含んでいることを示した。7個の陽性DNAバンドを示す一つのプー
ルを選択し、そして、続いて各プール当たり3,000クローンを有する10個
のプールにサブ分割した。続く10プールに対するサザンブロット方法論の適用
の結果、1つのプールがDNA配列にハイブリダイズする9個の陽性を示した。
標準的なコロニーハイブリダイゼーション技術によって、複数のハイブリダイズ
するシングルコロニーを単離した。
【0162】 フィルター状に複製させた細菌コロニーを、上述したP3G2細胞外プローブ
で500,000cpm/mLの濃度、63℃で16時間探査した。ハイブリダ
イズされたフィルターを2×SSC、63℃で30分間;1×SSC、63℃で
30分間;そして最後に、0.1×SSC、68℃で15分間洗浄した。
【0163】 複製フィルター上にハイブリダイズしたものとして、オートラジオグラフによ
って、48のクローンが可視化され、これらのクローンから標準的なDNA調製
方法論を用いて得られたDNAをBglIIで消化した。次いで、これらの消化
物のサザンブロットを得て、そして、上述したようにP3G2細胞外プローブで
探査した。7種の異なるサイズの挿入物が、P3G2プローブに陽性にハイブリ
ダイズするものとして同定された。各挿入物のヌクレオチド配列を自動化配列決
定技術を用いて得た。8種の異なる挿入物のうち、一つはLIR−P3G2と配
列が同一であった。他は、新たなLIRファミリーのポリペプチドのポリペプチ
ドをコードするコードするDNAとして同定された。単離されたLIRファミリ
ーメンバーのヌクレオチド配列(cDNA)を、配列番号7(「pbm25」と
称する)、配列番号9(「pbm8」と称する)、配列番号11(「pbm36
−2」と称する)、配列番号13(「pbm36−4」と称する)、配列番号1
5(「pbmhh」と称する)、配列番号17(「pbm2」と称する)及び配
列番号19(「pbm17」と称する)に示してある。それらによってコードさ
れるアミノ酸配列は、配列番号8(「pbm25」と称する)、配列番号10(
「pbm8」と称する)、配列番号12(「pbm36−2」と称する)、配列
番号14(「pbm36−4」と称する)、配列番号16(「pbmhh」と称
する)、配列番号18(「pbm2」と称する)及び配列番号20(「pbm1
7」と称する)に示してある。
【0164】 実施例10 LIR cDNA配列に関するヒト樹状細胞cDNAライブラリ ーのスクリーニング 以下は、λZapベクター中のヒト骨髄由来樹状細胞cDNAライブラリーを
、放射標識したHh0779cDNA断片でスクリーニングすることによる、L
IRファミリーメンバーの単離及び同定を記載する。Hh0779cDNA断片
は、先にヒト樹状細胞cDNAライブラリーより単離され、酵素PstI及びS
peIを用いた制限消化によって単離された、Hh0779クローンの0.7k
b挿入物である。Hh0779cDNA断片をAmbionより購入されたDE
CAprime II DNA標識キットを用いて、[α−32P]dCTPで標
識した。
【0165】 λZap cDNAライブラリーを1プレート当たり20,000pfuの密
度でプレートし、最初のスクリーニングのための合計480,000プラークを
提供した。λZap cDNAをAmeshamから購入されたHybond膜
上に二重に(in duplicate)ブロットし、そして、次いで、0.5
N NaOH及び0.5M NaClの溶液中で5分間変性させた。膜を、0.
5M Tris(pH7.8)及び1.5M NaClの溶液中で5分間中和し
、そして、2×SSCで3分間洗浄した。自動セッティング中のSTRATAL
INKER UV架橋剤を用いて、cDNAをHybond膜に架橋した。
【0166】 10×Denhardt、0.05M Tris(pH7.5)、0.9M
NaCl、0.1%ピロリン酸ナトリウム、1%SDS及び4mg/mLの熱変
性サケ***DNAを含むハイブリダイゼーション用緩衝液中で、65℃、2.2
5時間、膜をプレハイブリダイゼーションした。プレハイブリダイゼーション後
、放射標識したHh0779 cDNAをハイブリダイゼーソン溶液中に、最終
濃度0.54×106cpm/mLとなるように加えた。24時間のハイブリダ
イゼーション後、膜を0.25×SSC、0.25% SDSで65℃で1.5
時間洗浄した。次いで、ブロットをオートラジオグラフフィルムに暴露し、陽性
クローンを可視化した。
【0167】 2重セットの双方の膜中にハイブリダイゼーションシグナルを示した全部で1
46の陽性クローンを同定し、単離し、そして将来の使用のために保存した。1
46クローンのうち、35を2次スクリーニングのために選択した。選択された
クローンを低密度でプレートし、上述したハイブリダイゼーション条件を用いた
HH0779へのハイブリダイゼーションののち、単一クローン(複数)を単離
した。次いで、Stratageneより購入されたVCSM13ヘルパーファ
ージを用いて、λZapクローンよりプラスミドを単離した。制限消化及びPC
RによってプラスミドDNAを分析し、そして24の最も大きい挿入物を含むク
ローンを選択して配列決定した。24の配列決定したクローンのうち、6つがL
IR−P3G2を、3つがLIR−pbm2を、8つがLIR−pbm36−4
及びLIR−pbm36−2を、1つがLIR−pbm8を、2つがLIR−p
bmhhを、そして1つがLIR−pbmnewと称する新規な配列をコードし
た。3つのクローンはLIRポリペプチドファミリーと関係ないアミノ酸配列を
コードするものとして同定された。
【0168】 実施例11 LIR−P3G2及びLIR−pbm8のチロシンホスファター ゼSHP−1との会合 以下は、LIR−P3G2及びLIR−pbm8がSHP−1と会合すること
を示すために行われた試験を記載する。ヒト単球を、10%FBSを添加したR
PMI培地中で培養し、遠心によって濃縮し、そして最後に2つのアリコートに
分割した。1つのアリコートを、50mM/mLの過バナジウム酸ナトリウムの
溶液で5分間刺激した。第2のアリコートは刺激しなかった。刺激後、各アリコ
ート中の細胞を、1% NP−40、0.5% デオキシコール酸ナトリウム、
50mM Tris pH8、2mM EDTA、0.5mM オルトバナジウ
ム酸ナトリウム、5mM フッ化ナトリウム、25mM β−グリセロールリン
酸、及びプロテアーゼ阻害剤を含むRIPA緩衝液中に、直ちに溶解させた。2
4×106細胞当量の試料を、Transduction Laborator
iesから購入された5μg/mLの抗−SHP−1抗体、または5μg/mL
のアイソタイプ適合抗体対照(抗−Flag−M5 IgG1)のいずれかで2
時間、4℃でインキュベートした。得られた免疫複合体をプロテイン G−アガ
ロース(Boehringer Mannheim)とのインキュベーションに
よって沈降させ、洗浄し、そして40mLの2×SDS−PAGE試料緩衝液中
に再懸濁した。各免疫沈降物の20マイクロリットルを電気泳動ゲル上に装填し
、還元条件下で電気泳動し、そしてAmershamより購入されたニトロセル
ロース膜に転写した。ウエスタンブロットを抗−LIR−P3G2モノクローナ
ル抗体血清及び抗−LIR−pbm8モノクローナル抗体抗血清で探査し、そし
て免疫複合体を増強された化学発光(NEN)によって検出した。
【0169】 LIR−P3G2に対応する約120kDaの分子量を有するタンパク質は、
SHP−1免疫沈降物中に容易に検出されたが、抗−Flag−M5抗体対照と
生成された免疫沈降物中には検出されなかった。同様に、LIR−pbm8に対
応する90−100kDaのタンパク質は、SHP−1免疫沈降物中に検出され
たが、対照免疫沈降物中には検出されなかった。LIR−P3G2バンド、LI
R−pbm8バンドのいずれも過バナジウム酸ナトリウム処理無しでは観察され
なかった。このことは、LIR−P3G2のチロシンのリン酸化がLIR−P3
G2とSHP−1との会合に必須であり、そして、LIR−pbm8のリン酸化
がLIR−pbm8とSHP−1との会合に必須であることを確認している。
【0170】 LIR結合(colligation)に伴うFcγRI−媒介チロシンリン
酸化事象の阻害の研究のために、末梢血単球を、10μg/mLの多数の抗体(
α−LIR−1+α−LIR−2、α−CD11c、αCD14、αCD64、
α−CD64+α−LIR−1、α−CD64+α−LIR−2、α−CD64
+α−LIR−1+α−LIR−2、α−CD64+α−CD11c、α−CD
64+α−CD14)のF(ab)2版とともに、あるいは無しでインキュベー
トした。続いて、30μ/mLのポリクローナルF(ab)2ヤギ抗マウスと架
橋した。細胞溶解物を、抗−ホスホチロシン結合アガロースと共に、一晩免疫沈
降し、電気泳動し、そしてニトロセルロース上に転写した。PY−20と4G1
0 HRP−結合 抗−ホスホチロシンmAbsとの組合せを用いてウエスタン
ブロットを行った。このデータは、LIR−P3G2及びLIR−pbm8結合
に伴うFcγRI−媒介チロシンリン酸化事象の特異的阻害を示す。
【0171】 実施例12 LIRポリペプチドと免疫反応性の抗体の作成 以下は、LIRファミリーメンバーと免疫反応性のモノクローナル抗体の作成
を記載する。精製LIRポリペプチドを実施例4に記載されたように、COS−
1細胞発現及びアフィニティー精製によって調製する。精製タンパク質、又は全
長タンパク質をコードする発現ベクターでトランスフェクトした細胞は、慣用さ
れた技術、例えば、米国特許第4,411,993号に記載された技術を用いて
、LIRポリペプチドに対するモノクローナル抗体を作成することができる。簡
単には、BALB−Cマウスを10μgのLIRポリペプチドで0、2及び6週
目に免疫する。一次免疫化はTITERMAXアジュバントで調製し、続く免疫
化は不完全Freundアジュバント(IFA)で調製する。11週目にマウス
を3−4μgのPBS中のLIRポリペプチドでIV追加免疫する。IV追加免
疫の3日後、脾細胞を回収し、そしてAg8.653ミエローマ融合パートナー
と50%水性PEG1500溶液を用いて融合する。1ウェル当たり7×103
細胞のPBS中のLIRトランスフェクト細胞を用いて、ハイブリドーマ上清を
ELISAによってスクリーニングし、プレートコート抗原としてポリスチレン
96ウェルマイクロタイタープレートに乾燥させる。次いで、LIRトランスフ
ェクト細胞を用いてFACS分析及びRIPによって、陽性上清を確認する。ハ
イブリドーマをクローン化し、次いで、同様のスクリーニングを行う。モノクロ
ーナル培養を増強し、そして、アフィニティークロマトグラフィーによって上清
を精製する。
【0172】 実施例13 リンパ細胞及び骨髄細胞上のLIR−P3G2及びLIR−pb m8の発現に関するフローサイトメトリー分析 リンパ球集団上のLIR−P3G2及びLIR−pbm8の示差的な発現及び
分布を比較するために、新たに単離された末梢血単核細胞(PMBC)を、ビオ
チン標識抗−LIR−P3G2又は抗LIR−pbm8 mAbのいずれかの存
在下で、PE−標識した抗−CD3、抗−CD19又は抗−CD56で染色した
。次いで、染色した細胞をAPC標識ストレプトアビジンで処理した。5×10 4 の事象に相当する密度プロットをFACScaliber(Beckton
Dickinson由来)上に収集した。結果は、LIR−P3G2はCD19 + B細胞の80%−95%上に、CD3+ T細胞の5%−15%上に、そして
CD56+ NK細胞の10%−30%上に発現していることを示した。同じ1
2名の供給者からの試験された細胞上で、LIR−pbm8発現はCD19+
B細胞上、CD3+ T細胞上、そしてCD56+ NK細胞上に検出されなかっ
た。
【0173】 高い割合の循環している単球及び樹状細胞(DC)を含む、向流水簸された画
分(countercurrent elutriated fraction
s)が得られた。表現型サブセットCD14+CD16-及びCD14+CD16+ に従って、単球を特徴付けした。表現型CD33+CD14-CD16-HLA−
DR+に従って、末梢血DCを特徴付けした。単球サブセット及びDCを、FI
TC−標識抗CD14、PE−標識抗CD3、perCp−標識抗HLA−DR
、並びに、ビオチン−標識抗−CD16、抗−LIR−P3G2又は抗LIR−
pbm8のいずれかで染色した。次いで、染色された細胞をAPC−標識ストレ
プトアビジンで処理した。双方の単球サブセットは同等のレベルのLIR−P3
G2及びLIR−pbm8を共発現するが、最も高いLIR−P3G2及びLI
R−pbm8発現がCD14+CD16+サブセット上に検出された。血液DCは
単球と比較して低いレベルのLIR−P3G2及びLIR−pbm8を発現する
。これらの事件の結果は、LIR−P3G2はリンパ球、単球及びDC上に発現
し、そして、LIR−pbm8は単球及びDC上に発現することを示す。
【0174】 実施例14 LIR−P3G2及びLIR−pbm8のHLAクラスIアリル への結合のスクリーニング 以下は、LIR−P3G2及びLIR−pbm8をHLAクラスIアリルへの
結合に関してスクリーニングするために使用されたフローサイトメトリー分析を
記載する。一団のHLAクラスIアリルでトランスフェクトさせていない又はト
ランスフェクトさせた、Bリンパ芽球クラスI−欠損721,221細胞系を染
色のために使用した。LIR−P3G2/Fc及びLIR−pbm8/Fcを結
合研究に用い、両者とも、試験された11種のHLA−A、HLA−B及びHL
A−Cアリルのうち7種に検出可能なように結合した。一般に、LIR−P3G
2/Fc及びLIR−pbm8/Fcは、HLA−A又はHLA−Cアリルより
もHLA−Bアリルに高い親和性で結合する。MHCクラスI重鎖に対する抗体
(抗HLA−A、B及びC分子)であるW6/32は、全てのクラスIトランス
フェクタントに対するLIR−P3G2/Fc及びLIR−pbm8/Fcの結
合を阻害する。最後に、LIR−P3G2及びLIR−pbm8結合は、MHC
クラスI発現レベルと相関しない。よって、LIR−P3G2及びLIR−pb
m8は数種のHLA−A、B及びCアリルと結合し、そしてMHCクラスI特異
性の同様の広いスペクトルを認識する。
【0175】 実施例15 LIR−9m1、LIR−9m、LIR−9s1、LIR−9s 2及びLIR10の単離 ヒト樹状細胞cDNAライブラリーの高スループット配列決定の過程において
、ある不完全なcDNA(クローンss4894)の配列がLIRs 6a、6
B及び7のヌクレオチド配列と著しく類似していることが注目され、これはss
4894がLIR遺伝子ファミリーのメンバーであることを示唆した。このcD
NAクローンの残りを得るために、迅速増幅cDNA伸長システム(RACE)
を用いてヒト白血球cDNAライブラリーを増幅した(Chenchik et
al., A new method for full−length c
DNA cloning by PCR,In A Laboratory G
uide to RNA:Isolation,Analysis,and S
ynthesis,Ed.Kreig,P.A.(Wiley−Liss,In
c.),pages 273−321)。増幅の第1ラウンドは、cDNAの5
’末端のRACEアダプターに相当する一つのプライマー、及びss4894の
3’末端近傍の配列に相当する第2のプライマーを採用した。この努力の結果、
ss4894の配列と同一ではないが高い相同性を有し、そして開始メチオニン
コドンを越えた上流まで延びる配列を含んだいくつかのクローンを得た。しかし
ながら、これらのクローンはコード領域の3’末端の配列のいくらかを欠いてい
た。完全なコード領域を得るための努力において、RACE配列決定の別のラウ
ンドが行われたが、今回は第一RACE産物の5’末端近傍からの第一プライマ
ー、及び3’アダプターに相当する第2プライマーを使用した。この努力の結果
、LIR挿入物を含む5つのクローンが得られたが、そのうち4つは密接に関連
しており、同一の遺伝子の変異体をコードしているように思われる。これらの4
つの関連するcDNA配列を、LIR−9m1、LIR−9m2、LIR−9s
1及びLIR−9s2(配列番号29、31、33及び35)と名付けた。この
最後のプライマーの組を用いて得られた5番目のクローンは異なる遺伝子を示し
ており、LIR−10(配列番号37)と名付けられた。
【0176】 LIR−9クローンの4つは全て同じタンパク質の変異体をコードしており、
選択的スプライシングの産物と推定される。LIR−9m1(配列番号30)及
びLIR−9s1(配列番号34)によってコードされるタンパク質は、LIR
−9m2(配列番号32)及びLIR−9s2(配列番号36)からは欠けてい
る12アミノ酸の挿入物を有する。LIR−9タンパク質の可溶型、即ち、LI
R−9s1及びLIR−9s2は、膜型、即ちLIRs−9m1及び−9m2か
ら、そのカルボキシル末端近傍において異なっている。この相違はおそらく、タ
ンパク質のその領域をコードするために、可溶型と膜型で異なるエクソンが使用
されていることによる。
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】平成14年3月15日(2002.3.15)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/705 C12N 1/15 16/28 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12N 15/00 ZNAA 5/10 5/00 A C12P 21/02 A61K 37/04 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ボルゲス,ルイス アメリカ合衆国ワシントン州98107,シア トル,ノースウエスト・フィフティセブン ス・ストリート 3008 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA63 CA04 CA07 CA11 DA01 DA02 DA05 DA11 EA01 EA02 EA03 EA04 FA02 GA11 HA01 HA03 HA11 4B064 AG20 CA01 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA01X AA57X AA87X AA90Y AB01 BA01 CA24 CA44 CA46 4C084 AA01 AA07 BA01 BA02 BA08 BA22 BA23 BA50 CA18 DA38 DA39 MA01 NA14 ZB07 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 BA41 CA40 DA50 DA75 EA20 EA50 FA72 FA74

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 LIRポリペプチドをコードする単離された核酸分子であって、前記LIRポ
    リペプチドが配列番号:30、配列番号:32、配列番号:34、配列番号:3
    6及び配列番号:38からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、前記核酸
    分子。
  2. 【請求項2】 前記核酸分子が配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号
    :35及び配列番号:37からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、
    請求項1の単離された核酸分子。
  3. 【請求項3】 前記核酸分子が配列番号:29のヌクレオチド69−968を含む、請求項1
    に記載の単離された核酸分子。
  4. 【請求項4】 前記核酸分子が配列番号:31のヌクレオチド95−958を含む、請求項1
    に記載の単離された核酸分子。
  5. 【請求項5】 前記核酸分子が配列番号:33のヌクレオチド115−912を含む、請求項
    1に記載の単離された核酸分子。
  6. 【請求項6】 前記核酸分子が配列番号:35のヌクレオチド73−834を含む、請求項1
    に記載の単離された核酸分子。
  7. 【請求項7】 前記核酸分子が配列番号:37のヌクレオチド1−1350を含む、請求項1
    に記載の単離された核酸分子。
  8. 【請求項8】 可溶性LIRポリペプチドをコードする単離された核酸分子であって、前記L
    IRポリペプチドが、 配列番号:30のアミノ酸x11ないし262(ここで、x11はアミノ酸1又は
    35である); 配列番号:32のアミノ酸x12ないし250(ここで、x12はアミノ酸1又は
    36である); 配列番号:34のアミノ酸x13ないし265(ここで、x13はアミノ酸1又は
    35である); 配列番号:36のアミノ酸x14ないし253(ここで、x14はアミノ酸1又は
    36である);及び 配列番号:38のアミノ酸1−393 からなる群より選択される、LIRファミリーメンバーの細胞外ドメイン からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、前記核酸分子。
  9. 【請求項9】 少なくとも1つのIg様ドメインを含む可溶性LIRポリペプチドをコードす
    る単離された核酸分子であって、前記LIRポリペプチドが、 配列番号:30のアミノ酸x11ないし262(ここで、x11はアミノ酸1又は
    35である); 配列番号:32のアミノ酸x12ないし250(ここで、x12はアミノ酸1又は
    36である); 配列番号:34のアミノ酸x13ないし265(ここで、x13はアミノ酸1又は
    35である); 配列番号:36のアミノ酸x14ないし253(ここで、x14はアミノ酸1又は
    36である);及び 配列番号:38のアミノ酸1−393 からなる群より選択される少なくとも85個のアミノ酸を含む、前記核酸分子。
  10. 【請求項10】 請求項1の核酸分子によってコードされるアミノ酸配列を有する単離されたポ
    リペプチド、またはその免疫原性断片。
  11. 【請求項11】 請求項10のポリペプチドに特異的に結合し得る抗体。
  12. 【請求項12】 IgのFc領域、並びに 配列番号:30のアミノ酸x11ないし262(ここで、x11はアミノ酸1又は
    35である); 配列番号:32のアミノ酸x12ないし250(ここで、x12はアミノ酸1又は
    36である); 配列番号:34のアミノ酸x13ないし265(ここで、x13はアミノ酸1又は
    35である); 配列番号:36のアミノ酸x14ないし253(ここで、x14はアミノ酸1又は
    36である);及び 配列番号:38のアミノ酸1−393 からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む融合タンパク質をコードする核酸
    分子。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の核酸分子を含む組換え発現ベクター。
  14. 【請求項14】 LIRポリペプチドを調製する方法であって、請求項13の発現ベクターを用
    いて形質転換した宿主細胞を前記ポリペプチドの発現を促進する条件下で培養し
    、そして、前記ポリペプチドを回収することを含む、前記方法。
  15. 【請求項15】 生理学的に許容される担体及び請求項10のポリペプチドを含む組成物。
  16. 【請求項16】 請求項13に記載の発現ベクターを用いて形質転換された、又はトランスフェ
    クトされた宿主細胞。
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