JP2002543311A - 衝撃式試錐装置及び試錐チューブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 延伸式試錐のための衝撃式試錐装置が、ビットと、ビットの雌ねじ山と螺合する雄ねじ山を有するチューブと、チューブの雌ねじ山と螺合する雄ねじ山を有するロッドとを含んでいる。ロッドとチューブとにおける中央通路が、お互いに一直線上にあって、フラッシング用流体をビットに導入している。ビットは、直径が６０〜１７０mmでかつ少なくともロッドの外径の二倍である、穴を試錐する。チューブにおける断面の合計面積は、ロッドにおける断面の面積の１００〜１２５％の範囲内である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 発明の背景 本発明は、衝撃・延伸式試錐、特にそのような試錐に使用するためのドリルス
トリング装置（ｄｒｉｌｌ ｓｔｒｉｎｇ ａｒｒａｎｇｅｍｅｎｔ）。

【０００２】 延伸式試錐には、通常ドリルストリングの端部に取りつけたビットの使用を含
んでいて、そのドリルストリングは両方向に回転し、かつ長手方向の衝撃を受け
る。ドリルストリングの上端部は、回転を与え衝撃を与える地上の試錐機に接続
している。そのような衝撃式試錐方法は、ベンチ式試錐（ｂｅｎｃｈ ｄｒｉｌ
ｌｉｎｇ）とみなされている。

【０００３】 ドリルストリングが、試錐機に接続しかつ試錐機から延伸しているアダプタを
含んでいて、少なくとも一つのロッド１０（通常は連続する複数のロッド）がア
ダプタをビットに接続している。図１に示めす試錐装置用ロッド８において各々
のロッド１０は、端部の一方に雄ねじ山１２を、端部のもう一方に雌ねじ山１４
を有している。ロッドの最上部１０′は、アダプタ１８の雄ねじ山１６に螺合す
る雌ねじ山１４を有している。他のロッド１０は直列に一体に接続している。ロ
ッドの最下段１０″はビット２０の雌ねじ山に螺合する雄ねじ山を有している。
アダプタ１８及びロッド１０が、お互いに一直線に貫通して延在するそれぞれの
中央通路を有していて、カッタを冷却し掘削物を流し去るためにビットの前面に
形成された出口を通って流出するフラッシング用流体（通常空気）を導入してい
る。掘削物はフラッシング用流体とともに、ドリルストリングと試錐されている
穴壁面との間に形成されたギャップの間を通って吐出される。

【０００４】 前述の種類の試錐装置に関連して当面する問題は、ロッドが試錐中に曲がる傾
向があって、そのことにより、試錐速度及び試錐精度の低下とビットが地中で固
着する危険性の増大とを含んでいることである。この問題に対処するために、図
２に示めすようにビットを、ロッドより大きな外径を有するチューブ２０′によ
り、最下段のロッドと相互接続することである。チューブが、ロッドより剛であ
って、曲げにより耐えることができるので、ビットはより速くかつ真すぐに進行
する。

【０００５】 その試錐装置の成功なくして改善の余地はない。 本発明の目的は、前述の試錐装置における性能、とくにエネルギ伝達とフラッ
シング用流体の速度との効率を改善することである。

【０００６】 発明の概要 本発明は、ビットとチューブとロッドとを具備する延伸式試錐のための、衝撃
式試錐装置に関するものである。該ビットが雌ねじ山を有する後方部分を有して
いる。該チューブは、雌ねじ山を有する後方端部と雄ねじ山を有する前方端部と
を含んでいる。該雄ねじ山が該チューブにおける該雌ねじ山より大きな直径であ
り、該雄ねじ山が該ビットの雌ねじ山に螺合している。該チューブは、そこを貫
通して延在する、該ビットにフラッシング用流体を導入するための第一中央流体
通路を有している。該ロッドは、該チューブの該雌ねじ山に螺合する雄ねじ山を
有する前方端部を含んでいる。該ロッドが該チューブより小さい外径を有してい
て、該ロッドは、そこを貫通して延在する、該第一中央通路にフラッシング用流
体を導入するための第二中央流体通路を含んでいて、該第二中央流体通路が、該
第一中央流体通路より小さな直径である。該ビットが、６０〜１７０mmの範囲に
おける直径を有する穴を試錐するべくサイズ化されていて、その直径は少なくと
も該ロッドの外径の二倍である。該チューブの断面における合計面積が、該ロッ
ドの断面における合計面積の１００〜１２５％の範囲内である。 本発明は、それ自体がチューブも含んでいる。

【０００７】 本発明の目的と利点とが、後述する図面を用いた好適な実施の形態の詳細な説
明により明瞭となるであろう。なお同一符号は同一の部品を示めしている。

【０００８】 本発明の好適な実施の形態の詳細な説明 図３に示めす衝撃式試錐装置３８が従来のアダプタ１８を含んでいて、そのア
ダプタの後方（上部）端部は地上の試錐機（図示されていない）に接続可能であ
り、その試錐機がアダプタに回転衝撃及び軸方向衝撃を与えている。装置３８は
少なくとも一つの従来のロッド１０と、従来のチューブ２０′とは異なるチュー
ブ４２とを含んでいる。この点に関して、チューブ４２は異なる種類のねじ山を
チューブ端部それぞれに有している。すなわち、ロッド１０の最下端部と接続さ
れる、チューブ４２の後方端部は、雌ねじ山４４を有していて、その雌ねじ山は
、チューブの他方（前方）の端部に配置された、ビット４８に螺合される雄ねじ
山４６より小さい。雌ねじ山４４がロッド１０の雄ねじ山にサイズが一致してい
て、雄ねじ山４６はより大きな直径であって、ビットの同一サイズの雌ねじ山に
螺合している。

【０００９】 ロッド１０及びチューブ４２は、ビットにフラッシング用流体（好ましくは空
気）を導入するための中央通路４４，４６をそれぞれに有している（図５及び６
参照）。チューブ及びロッドの各々は内径と外径との間に断面を有している。チ
ューブ４２の断面４６′（図５にクロスハッチングで示めす）の合計面積は、ロ
ッドの断面４４′の合計面積の１００〜１２５％の範囲内であり、そのことによ
り試錐時において効率的なエネルギ（例えば衝撃力）伝達が行なわれる。チュー
ブ外径は必ずロッド外径より非常に大きいので、チューブにおける断面４６′の
面積がロッドにおける断面４４′の面積の１００〜１２５％の範囲にあるために
は、通路４６の直径は通路４４の直径より大きくなければならない。好ましくは
、断面４６′の面積は断面４４′の１０８％より小さくないことである。

【００１０】 ビット４８が６０〜１７０mmの範囲内の直径を有する穴を試錐するべくサイズ
化されていて、その直径は少なくともロッド１０における外径の２倍である。ビ
ット４８が、ビットの後方雌ねじ山部分を取り囲んでいる、円筒状外周面５０を
有している。その面５０が実質的にチューブ４２の外面と同一の直径を有してい
て、チューブの外面は、面５０と隣接し、連続的で滑らかな構造体となっていて
、フラッシング用流体を上向きに流すことをガイドしている。このことがフラッ
シング用流体を、フラッシング用流体の流れにおける最小のキャビテーションで
、より速く上向きに流すようにしている。また、ビットの後方（上部）環状肩面
５２と、チューブ４２の前方（下部）環状端面５４とが合口となっていて、すぐ
れたエネルギ伝達（例えば衝撃波反射の小さい）が達成されている。

【００１１】 本発明は、ロッドとチューブとを組合わせた種類の試錐装置における性能の改
善を提供している。すなわち、チューブ断面４６′の面積をロッド断面４４′の
１００〜１２５％の範囲内とすることにより、図２における従来技術と比較して
、より大きな割合の衝撃エネルギがロッドからチューブに伝達される。なお、図
２における従来技術において、チューブにおける断面の面積が通常ロッドにおけ
る断面の面積を１５０〜１７０％の程度まで上廻っている。

【００１２】 さらに、チューブの雄ねじ山４６のサイズをチューブの雌ねじ山４４のサイズ
より大きくすることにより、ねじ山の損耗寿命及び折損抵抗を増大している。

【００１３】 外径がチューブとの接触面の外径と実質的に同一である後方部分を有するビッ
トを備えることは、フラッシング用流体のより速い上向きの流れを助長し、かつ
よりすぐれたエネルギ伝達を達成している。それはチューブの下端部とビットの
上端部との間における軸方向合口によるものである。

【００１４】 好適な実施の形態との関連で本発明を説明してきたけれど、詳述しないが追加
、削除、修正及び組みかえは、前述の特許請求の範囲に規定されている本発明の
精神及び範囲から逸脱することなく行なわれてもよいことが、当業者においては
理解されるであろう。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は従来の第一型式のドリルストリングの側面図である。

【図２】 図２は従来の第二型式のドリルストリングの側面図である。

【図３】 図３は本発明におけるドリルストリングの側面図である。

【図４】 図４は本発明に使用されるチューブの側面図である。

【図５】 図５は、図３において線II−IIで切断した断面図である。

【図６】 図６は、図３において線XI−XIで切断した断面図である。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 延伸試錐のための衝撃式試錐装置が： 雌ねじ山を備えている後方部分を有するビットと； 雌ねじ山を有する後方端部と雄ねじ山を有する前方端部とを含んでいるチュー
   ブであって、該雄ねじ山が該チューブにおける該雌ねじ山より大きな直径であり
   、該雄ねじ山が該ビットの雌ねじ山に螺合していて、該チューブは、そこを貫通
   して延在する、該ビットにフラッシング用流体を導入するための第一中央流体通
   路を有している、ところのチューブと； 該チューブの該雌ねじ山に螺合する雄ねじ山を有する前方端部を含んでいるロ
   ッドであって、該ロッドが該チューブより小さい外径を有していて、該ロッドは
   、そこを貫通して延在する、該第一中央通路にフラッシング用流体を導入するた
   めの第二中央流体通路を含んでいて、該第二中央流体通路が、該第一中央流体通
   路より小さな直径である、ところのロッドと； を具備していて； 該ビットが、６０〜１７０mmの範囲における直径を有する穴を試錐するべくサ
   イズ化されていて、その直径は少なくとも該ロッドの外径の二倍であり； 該チューブの断面における合計面積が、該ロッドの断面における合計面積の１
   ００〜１２５％の範囲内である； ところの衝撃式試錐装置。
2. 【請求項２】 該ビットの後方部分が円筒状外表面を有していて、その円筒
   状外表面の直径は、該ビットに隣接している該チューブの円筒状外表面の外径と
   実質的に一致しているところの、請求項１に記載の衝撃式試錐装置。
3. 【請求項３】 該ロッドが、直列に相互接続された複数のロッドにおける最
   下段のロッドを構成しているところの、請求項１に記載の衝撃式試錐装置。
4. 【請求項４】 該ビットの該雌ねじ山が、該ビットの後方に向いている肩に
   おいて終点となっていて、該チューブは、該後方に向いている肩に係合する、前
   方に向いている肩を含んでいるところの、請求項１に記載の衝撃式試錐装置。
5. 【請求項５】 衝撃式試錐装置用の試錐チューブであって、該試錐チューブ
   が、雌ねじ山を有する後方端部と、雄ねじ山を有する前方端部とを含んでいて、
   該雄ねじ山は該雌ねじ山より大きい直径を有している、試錐チューブ。