JP2002539776A - 49個のヒト分泌タンパク質 - Google Patents

49個のヒト分泌タンパク質

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、49の新規なヒト分泌タンパク質、およびそのようなタンパク質をコードする遺伝子のコード領域を含む単離された核酸に関する。ヒト分泌タンパク質を産生するためのベクター、宿主細胞、抗体、ならびにこのようなヒト分泌タンパク質を作製するための組換え方法がまた、提供される。本発明はさらに、これらの新規なヒト分泌タンパク質に関する障害を、診断および処置するために有用な組成物ならびに診断方法および治療方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、新たに同定されたポリヌクレオチドおよびこれらのポリヌクレオチ
ドによってコードされるポリペプチド、このようなポリヌクレオチドおよびポリ
ペプチドの使用、ならびにそれらの産生に関する。
【0002】 (発明の背景) 膜によって取り囲まれる単一コンパートメントとして存在する細菌とは異なり
、ヒト細胞および他の真核細胞は、膜によって多くの機能的に異なるコンパート
メントに細分される。各膜で区切られたコンパートメント、すなわちオルガネラ
は、そのオルガネラの機能に不可欠な異なるタンパク質を含む。細胞は、特定の
細胞オルガネラにタンパク質を標的化するために、タンパク質内部に位置するア
ミノ酸モチーフである「選別シグナル」を使用する。
【0003】 シグナル配列、シグナルペプチド、またはリーダー配列と呼ばれる選別シグナ
ルの1つの型は、小胞体(ER)と呼ばれるオルガネラに1つのクラスのタンパ
ク質を指向させる。ERは、膜で区切られたタンパク質をすべての他の型のタン
パク質から分離する。一旦、ERに局在すると、両方の群のタンパク質とも、ゴ
ルジ装置と呼ばれる別のオルガネラにさらに指向され得る。ここで、ゴルジは、
タンパク質を、分泌小胞を含む小胞、細胞膜、リソソーム、および他のオルガネ
ラに分布させる。
【0004】 シグナル配列によってERに標的化されたタンパク質は、分泌タンパク質とし
て細胞外間隙に放出され得る。例えば、分泌タンパク質を含む小胞は、細胞膜と
融合し得、そして細胞外間隙にその内容物を放出し得る(エキソサイトーシスと
呼ばれるプロセスである)。エキソサイトーシスは、構成的に、または誘発シグ
ナルの受け取りの後に生じ得る。後者の場合には、タンパク質は、エキソサイト
ーシスが誘発されるまで、分泌小胞(または分泌顆粒)に貯蔵される。同様に、
細胞膜上に存在するタンパク質はまた、タンパク質を膜に保持する「リンカー」
のタンパク質分解切断によって、細胞外間隙に分泌され得る。
【0005】 近年大きく進歩したにもかかわらず、ヒトの分泌タンパク質をコードする遺伝
子は少数しか同定されていない。これらの分泌タンパク質としては、商業的価値
のあるヒトインスリン、インターフェロン、第VIII因子、ヒト成長ホルモン
、組織プラスミノーゲンアクチベーター、およびエリスロポエチンが挙げられる
。したがって、ヒトの生理学における分泌タンパク質の広範な役割を考慮すると
、新規のヒトの分泌タンパク質およびそれらをコードする遺伝子を同定および特
徴付けるための必要性がある。この知見は、分泌タンパク質またはそれらをコー
ドする遺伝子を使用することによって、医学的障害を検出、処置、および予防す
ることを可能にする。
【0006】 (発明の要旨) 本発明は、新規ポリヌクレオチドおよびそのコードされたポリペプチドに関す
る。さらに、本発明は、そのポリペプチドおよびポリヌクレオチドを産生するた
めのベクター、宿主細胞、抗体、ならびに組換え方法および合成方法に関する。
このポリペプチドおよびポリヌクレオチドに関連する障害および状態を検出する
ための診断方法、およびこのような障害および状態を処置するための治療方法も
また提供される。本発明は、さらに、このポリペプチドの結合パートナーを同定
するためのスクリーニング方法に関する。
【0007】 (詳細な説明) (定義) 以下の定義は、本明細書全体を通して使用される特定の用語の理解を容易にす
るために提供される。
【0008】 本発明において、「単離された(単離した)」とは、その本来の環境(例えば
、それが天然に存在する場合は天然の環境)から取り出された物質をいい、した
がって、その天然の状態から「人間の手によって」変更されている。例えば、単
離されたポリヌクレオチドは、ベクターまたは物質の組成物の一部であり得るか
、あるいは細胞中に含まれ得、そしてなお「単離され」得る。なぜなら、そのベ
クター、物質の組成物、または特定の細胞は、ポリヌクレオチドの本来の環境で
はないからである。用語「単離された」は、ゲノムライブラリーまたはcDNA
ライブラリー、丸ごとの細胞全体またはmRNA調製物、ゲノムDNA調製物(
電気泳動により分離されたものおよびブロットへのトランスファーされたものを
含む)、せん断された全細胞ゲノムDNA調製物あるいは、当該分野が本発明の
ポリヌクレオチド/配列の識別する特徴を示せない他の組成物をいわない。
【0009】 本発明において、「分泌」タンパク質とは、ER、分泌小胞、または細胞外間
隙にシグナル配列の結果として指向され得るタンパク質、ならびにシグナル配列
を必ずしも含まないが細胞外間隙に放出されるタンパク質をいう。分泌タンパク
質が、細胞外間隙に放出される場合、この分泌タンパク質は、「成熟」タンパク
質を産生するために細胞外プロセシングを受け得る。細胞外間隙への放出は、エ
キソサイトーシスおよびタンパク質分解切断を含む多くの機構によって生じ得る
【0010】 特定の実施形態において、本発明のポリヌクレオチドは、少なくとも15、少
なくとも30、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも125、少なく
とも500または少なくとも1000個の連続するヌクレオチドであるが、長さ
が300kb、200kb、100kb、50kb、15kb、10kb、7.
5kb、5kb、2.5kb、2.0kbまたは1kb以下である。さらなる実
施形態において、本発明のポリヌクレオチドは、本明細書において開示される場
合、コード配列の一部を含むが、任意のイントロンの全てまたは一部を含まない
。別の実施形態において、コード配列を含むポリヌクレオチドは、ゲノム隣接遺
伝子(すなわち、ゲノムにおける目的の遺伝子に対して5’側または3’側)の
コード配列を含まない。他の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、10
00、500、250、100、50、25、20、15、10、5、4、3、
2、または1より多いゲノム隣接遺伝子コード配列を含まない。
【0011】 本明細書中で使用される場合、「ポリヌクレオチド」とは、配列番号X(SE
Q ID NO:X)に含まれる核酸配列を有する分子、またはATCCに寄託
されたクローン内に含まれるcDNAをいう。例えば、このポリヌクレオチドは
、5’および3’非翻訳配列、シグナル配列を含むかもしくは含まないコード領
域、分泌タンパク質コード領域を含む全長cDNA配列のヌクレオチド配列、な
らびにこの核酸配列のフラグメント、エピトープ、ドメイン、および改変体を含
み得る。さらに、本明細書で使用される場合、「ポリペプチド」とは、広く定義
される場合、ポリヌクレオチドから生じた翻訳されたアミノ酸配列を有する分子
をいう。
【0012】 本発明では、配列番号Xとして同定された全長配列は、しばしば、複数のクロ
ーンに含まれる配列を重複させることによって生成された(コンティグ分析)。
配列番号Xについての配列のすべてまたはほとんどを含む代表的クローンが、ア
メリカンタイプカルチャーコレクション(「ATCC」)に寄託された。表1に
示すように、各クローンは、cDNAクローンID(識別子)およびATCC受
託番号によって同定される。ATCCは、10801 University
Boulevard,Manassas,Virginia 20110−22
09,USAに位置する。ATCC寄託は、特許手続目的のための微生物の寄託
の国際的承認に関するブダペスト条約の条項に拠って行われた。
【0013】 本発明の「ポリヌクレオチド」はまた、ストリンジェントなハイブリダイゼー
ション条件下で、配列番号Xに含まれる配列、その相補体、またはATCCに寄
託されたクローン内のcDNAにハイブリダイズし得るポリヌクレオチドを含む
。「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、50%ホルムアミ
ド、5×SSC(750mM NaCl、75mMクエン酸三ナトリウム)、5
0mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハルト溶液、10%デキスト
ランサルフェート、および20μg/ml変性剪断サケ***DNAを含む溶液中
での42℃での一晩インキュベーション、続いて0.1×SSC中で約65℃に
てフィルターを洗浄することをいう。
【0014】 より低いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件で本発明のポリヌ
クレオチドにハイブリダイズする核酸分子もまた意図される。ハイブリダイゼー
ションのストリンジェンシーおよびシグナル検出の変化は、主として、ホルムア
ミド濃度(より低い百分率のホルムアミドが、低下したストリンジェンシーを生
じる);塩条件、または温度の操作を通じて達成される。例えば、より低いスト
リンジェンシー条件は、6×SSPE(20×SSPE=3M NaCl;0.
2M NaH2PO4;0.02M EDTA、pH7.4)、0.5% SDS
、30%ホルムアミド、100μg/mlサケ***ブロッキングDNAを含む溶
液中、37℃で一晩のインキュベーション;次いで1×SSPE、0.1% S
DSを用いた50℃での洗浄を含む。さらに、さらにより低いストリンジェンシ
ーを達成するために、ストリンジェントなハイブリダイゼーション後に行われる
洗浄は、より高い塩濃度(例えば、5×SSC)で行われ得る。
【0015】 上記の条件における変化が、ハイブリダイゼーション実験においてバックグラ
ウンドを抑制するために使用される代替的なブロッキング試薬の含有および/ま
たは置換によって達成され得ることに留意のこと。代表的なブロッキング試薬と
しては、デンハルト試薬、BLOTTO、ヘパリン、変性サケ***DNA、およ
び市販の特許処方物が挙げられる。特異的ブロッキング試薬の含有は、適合性の
問題に起因して、上記のハイブリダイゼーション条件の改変を必要とし得る。
【0016】 もちろん、ポリA+配列(例えば、配列表に示されるcDNAの任意の3’末
端ポリA+領域(tract))に、またはT(もしくはU)残基の相補的スト
レッチにのみハイブリダイズするポリヌクレオチドは、「ポリヌクレオチド」の
定義に包含されない。なぜなら、このようなポリヌクレオチドは、ポリ(A)ス
トレッチまたはその相補体を含む任意の核酸分子(例えば、プライマーとしてオ
リゴdTを用いて生成される、事実上任意の二本鎖cDNAクローン)にハイブ
リダイズするからである。
【0017】 本発明のポリヌクレオチドは、任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデオキ
シリボヌクレオチドから構成され得、これは、非改変RNAもしくは非改変DN
Aまたは改変RNAもしくは改変DNAであり得る。例えば、ポリヌクレオチド
は、一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖および二本鎖領域の混合物であるDNA
、一本鎖および二本鎖RNA、ならびに一本鎖および二本鎖領域の混合物である
RNA、一本鎖、またはより代表的には二本鎖もしくは一本鎖および二本鎖領域
の混合物であり得るDNAおよびRNAを含むハイブリッド分子から構成され得
る。さらに、このポリヌクレオチドは、RNAもしくはDNAまたはRNAおよ
びDNAの両方を含む、三本鎖領域から構成され得る。ポリヌクレオチドはまた
、安定性のために、または他の理由のために改変された、1つ以上の改変された
塩基またはDNAもしくはRNA骨格を含み得る。「改変された」塩基としては
、例えば、トリチル化された塩基およびイノシンのような普通でない塩基が挙げ
られる。種々の改変が、DNAおよびRNAに対して行われ得;したがって、「
ポリヌクレオチド」は、化学的、酵素的、または代謝的に改変された形態を含む
【0018】 本発明のポリペプチドは、ペプチド結合または改変されたペプチド結合、すな
わち、ペプチドアイソスター(isostere)によって互いに連結したアミ
ノ酸から構成され得、そして遺伝子がコードする20個のアミノ酸以外のアミノ
酸を含み得る。このポリペプチドは、翻訳後プロセシングのような天然のプロセ
スによって、または当該技術分野で周知の化学改変技術によってのいずれかで、
改変され得る。このような改変は、基本テキスト、およびより詳細な研究論文、
ならびに多くの研究文献に十分記載される。改変は、ペプチド骨格、アミノ酸側
鎖、およびアミノ末端またはカルボキシル末端を含む、ポリペプチドのどこにで
も生じ得る。同じ型の改変が、所定のポリペプチド中のいくつかの部位で同じま
たは種々の程度で存在し得ることが理解される。また、所定のポリペプチドは多
くの型の改変を含み得る。ポリペプチドは、例えば、ユビキチン化の結果として
分枝状であり得、そしてポリペプチドは、分枝を含むかまたは含まない、環状で
あり得る。環状、分枝状および分枝した環状のポリペプチドは、天然の翻訳後プ
ロセスから生じ得るか、または合成方法によって作製され得る。改変としては、
アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、
ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質
または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトール(phosphot
idylinositol)の共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合形成、
脱メチル化、共有結合架橋の形成、システインの形成、ピログルタミン酸の形成
、ホルミル化、γ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、水酸
化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、ペグ化(pegylatio
n)、タンパク質分解プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノ
イル化、硫酸化、アルギニル化のようなタンパク質へのアミノ酸のトランスファ
ーRNA媒介付加、およびユビキチン化が挙げられる。(例えば、PROTEI
NS−STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIE
S,第2版,T.E.Creighton,W.H.Freeman and
Company,New York(1993);POSTTRANSLATI
ONAL COVALENT MODIFICATION OF PROTEI
NS,B.C.Johnson編,Academic Press,New Y
ork,1−12頁(1983);Seifterら,Meth Enzymo
l 182:626−646(1990);Rattanら,Ann NY A
cad Sci 663:48−62(1992)を参照のこと)。
【0019】 「配列番号X(SEQ ID NO:X)」とは、ポリヌクレオチド配列をい
うが、「配列番号Y(SEQ ID NO:Y)」とは、ポリペプチド配列をい
い、両方の配列とも、表1に特定された整数によって同定される。
【0020】 「生物学的活性を有するポリペプチド」とは、特定の生物学的アッセイで測定
した場合、用量依存性を伴なっても伴なわなくても、本発明のポリペプチド(成
熟形態を含む)の活性と類似であるが、必ずしも同一ではない活性を示すポリペ
プチドをいう。用量依存性が存在する場合、このポリペプチドの用量依存性と同
一である必要はないが、むしろ本発明のポリペプチドと比較した場合に、所定の
活性における用量依存性に実質的に類似する(すなわち、候補ポリペプチドは、
本発明のポリペプチドと比較して、より大きな活性を示すか、または約1/25
以上、そして好ましくは約1/10以上の活性、そして最も好ましくは約1/3
以上の活性を示す)。
【0021】 多くのタンパク質(および翻訳されたDNA配列)は、アミノ酸組成が、利用
可能な残基の小さいサブセットに対して非常に片寄る領域を含む。例えば、膜貫
通ドメインおよびシグナルペプチド(これもまた膜貫通である)は、代表的に、
ロイシン(L)、バリン(V)、アラニン(A)、およびイソロイシン(I)が
支配する長いストレッチを含む。cDNAの末端のポリアデノシン領域(ポリA
)は、正方向(forward)翻訳においてポリリジン(ポリ−K)、および
逆相補体(reverse complement)が翻訳される場合、ポリフ
ェニルアラニン(ポリ−F)として現れる。これらの領域は、しばしば「より低
い複雑性」の領域といわれる。
【0022】 このような領域は、BLASTのようなデータベース類似性調査プログラムに
、真の相同性を意味しない、高いスコアの配列一致を見出させ得る。ほとんどの
重量(weight)マトリックス(BLASTによって生じるアライメントを
スコアするために使用される)が、一般的に、特定の低い複雑性の領域において
見出される疎水性アミノ酸(L、VおよびI)の群のいずれかの間での一致に、
正確な一致に対しての高いスコアとほとんど同様の高いスコアを与えるという事
実によって、問題が悪化する。
【0023】 これに対する補正のために、BLASTX.2(バージョン2.0a5MP−
WashU)は、特定の配列においてより低い複雑性を「マスクする(mask
)」2つのフィルター(「seg」および「xnu」)を用いる。これらのフィ
ルターは、このような領域についての配列を分析して、そしてより低い複雑性領
域におけるアミノ酸が文字「X」により置換された新しい配列を作製する。次い
で、これは、BLASTXプログラムへの入力配列(ときどき、本明細書中で「
Query(問い合わせ)」および/または「Q」といわれる)として使用され
る。このレジメンは、高いスコアの一致が真の相同性を表すことを保証するのを
補助する一方、BLASTXプログラムがアライメントを描くためにフィルター
によってマスクされた問い合わせ配列を使用するという点で、ネガティブな結果
が存在する。
【0024】 従って、以下の適用において示されるアライメントにおける「X」のストレッ
チは、下線を引かれたDNA配列または翻訳されたタンパク質配列のいずれかが
、未知または不特定であることを必ずしも示さない。そしてまたこのようなスト
レッチの存在は、この配列が、本発明のアライメントにおいて開示される配列に
対して同一であるか、または同一でないことを示すことを意味されない。このよ
うなストレッチは、上記で定義されるように、このBLASTXプログラムが、
低い複雑性の領域の検出に起因して、その領域におけるアミノ酸をマスクするこ
とを単に示し得る。全ての場合において、本明細書、配列表(表1)、および/
または寄託されたクローンに示される参照(reference)配列(ときど
き、本明細書中で、「対象(Subject)」、「Sbjct」、および/ま
たは「S」という)は、本発明の決定的な実施形態であり、そして本明細書中の
他の箇所で詳細に示さない限り、アライメントにおいて示される部分的配列に対
して、本発明を限定するように解釈されるべきでない。
【0025】 (本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチド) (遺伝子番号1によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、主にホジキンリンパ腫IIにおいて発現されることが発見され
た。
【0026】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号11に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号11の1〜1462の任意の整数であり、bは15〜14
76の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号11に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0027】 (遺伝子番号2によってコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定的な例として、以下のデータベースの受託番号gnl|PID|d1
026385(列挙される受託番号を介して入手可能な全ての情報が、本明細書
中で参考として援用される)を通してアクセス可能な配列(これは、ここでは「
KIAA0529タンパク質[Homo sapiens]」として記載される
)と配列相同性を共有することを決定した。観察される相同性を示す部分的なア
ライメントは、以下ですぐに示される。
【0028】
【化1】 上記で「S」として示されるgnl|PID|d1026385のセグメント
は、配列番号109の配列として示される。構造的な類似性に基づいて、これら
の相同性ポリペプチドは、少なくともいくつかの生物学的活性を共有することが
予期される。このような活性は、当該分野で公知であり、これらの活性のうちの
いくつかは、本明細書中の他の場所に記載される。このような活性を決定するた
めのアッセイもまた、当該分野で公知であり、これらのアッセイのうちのいくつ
かが、本明細書中の他の場所に記載されている。本発明の好ましいポリペプチド
は、上記で示されるアライメント(コンピューターによって配列に導入されたギ
ャップは、もちろん除去される)において、「Q」配列に対応する配列番号11
0として示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。
【0029】 この遺伝子は、主に以下の組織/cDNAライブラリーにおいて発現されるこ
とが発見されている:Morton Fetal Cochlea;Soare
s_pregnant_uterus_NbHPU;Stratagene o
varian cancer(#937219);Soares_NhHMPu
_S1;Soares Placenta Nb2HP;Soares inf
ant brain 1NIB、およびより少ない程度でThymus;Hum
an Pancreatic Carcinoma;Cem cells cy
clohexamide treated;Human Synovium;S
ynovial IL−1/TNF stimulated;Human Ad
ipose Tissue,re−excision;Human Fetal
Dura Mater;Stromal cell TF274;Soare
s breast 2NbHBst;Resting T−Cell Libr
ary,II;12 Week Old Early Stage Human
;Anergic T−cell;Hodgkin’s Lymphoma I
I;Nine Week Old Early Stage Human。
【0030】 開示されたcDNAをコードする遺伝子は、染色体12に位置すると考えられ
る。従って、本発明に関するポリヌクレオチドは、染色体12の連鎖分析におけ
るマーカーとして有用である。
【0031】 乳児脳における組織分布は、脳組織から同定かつ単離されたタンパク質に対す
る相同性と組み合わせて、このクローンのタンパク質産物が、神経変性疾患状態
、行動障害、または炎症状態(以下を含むが、これらに限定されない:アルツハ
イマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、ツレット症候群、髄膜炎、脳炎、
脱髄疾患、末梢ニューロパシー、新形成、外傷、先天異常(congenita
l malformation)、脊髄損傷、虚血および梗塞、動脈瘤、出血、
精神***病、躁病、痴呆、偏執症、強迫性障害、うつ病、恐慌性障害、学習障害
、ALS、精神病、自閉、ならびに行動変化(栄養補給、睡眠パターン、平衡、
および知覚の障害を含む))の検出、処置および/または予防に有用であること
を示唆する。さらに、脳の領域におけるこの遺伝子産物の増大した発現は、これ
が正常な神経機能において役割を果たすことを示唆する。潜在的に、この遺伝子
産物は、シナプス形成、神経伝達、学習、認知、ホメオスタシスまたはニューロ
ンの分化もしくは生存に関与する。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対す
る抗体は、上記に列挙された組織の腫瘍マーカーおよび/または免疫療法の標的
としての有用性を示し得る。
【0032】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号12に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号12の1〜1279の任意の整数であり、bは15〜12
93の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号12に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0033】 (遺伝子番号3によってコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定の例として、以下のデータベースの受託番号gi|1131441(
列挙される受託番号を介して入手可能な全ての情報が、本明細書中で参考として
援用される)を通してアクセス可能な配列(これは、ここでは「a97R[Pa
ramecium bursaria Chlorella virus 1]
」として記載される)と配列相同性を共有することを決定した。観察される相同
性を示す部分的なアライメントは、以下ですぐに示される。
【0034】
【化2】 上記で「S」として示されるgi|1131441のセグメントは、配列番号
111の配列として示される。本発明の好ましいポリペプチドは、上記で示され
るアライメント(コンピューターによって配列に導入されたギャップは、もちろ
ん除去される)において、「Q」配列に対応する配列番号112として示される
アミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。
【0035】 この遺伝子は、主に以下の組織/cDNAライブラリーにおいて発現されるこ
とが発見されている:Human Testes Tumor、およびより少な
い程度でNCI_CGAP_GCB1;PCR、PCR,pBMC I/C t
reated;human colon cancer;Human Colo
n,re−excision;Soares_fetal_heart_NbH
H19W;T−Cell PHA 16 hrs;12 Week Old E
arly Stage Human,II;Nine Week Old Ea
rly Stage Human。
【0036】 好ましいエピトープとしては、配列番号62の残基:His−31〜Gln−
38として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
【0037】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号13に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号13の1〜1126の任意の整数であり、bは15〜11
40の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号13に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0038】 (遺伝子番号4によってコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定的な例として、以下のデータベースの受託番号gn1|PID|e1
348884(列挙される受託番号を通して入手可能な全ての情報が、本明細書
中で参考として援用される)を通してアクセス可能な配列と配列相同性を共有す
ることを決定した。観察される相同性を示す部分的なアライメントは、すぐ下に
示される。
【0039】
【化3】 上記「S」で示されるgn1|PID|e1348884のセグメントは、配
列番号113および/または配列番号115の配列として示される。構造的な類
似性に基づいて、これらの相同ポリペプチドは、少なくともいくつかの生物学的
活性を共有することが予想される。このような活性は当該分野で公知であり、こ
れらのいくつかは本明細書中の他の箇所に記載される。このような活性を決定す
るためのアッセイもまた、当該分野で公知であり、これらのいくつかは本明細書
中の他の箇所に記載される。本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号114
および/または配列番号116として示されるアミノ酸配列を有するポリペプチ
ドを含み、この配列は、上記に示されたアラインメントにおける「Q」配列に相
当する(コンピューターによって導入された配列中のギャップは、当然除去され
ている)。
【0040】 K562白血病細胞株に対して試験された場合に、この遺伝子を含む細胞から
取り除かれた上清は、ISREアッセイを活性化した。従って、この遺伝子は、
Jak−STATシグナル伝達経路を通して白血病細胞を活性化するようである
。インターフェロン感受性応答エレメントは、Jak−STAT経路に関与する
多くの遺伝子の上流に見出されるプロモーターエレメントである。Jak−ST
AT経路は、細胞の分化および増殖に関与する大きなシグナル伝達経路である。
従って、ISREエレメントの結合によって反映されるJak−STAT経路の
活性化は、細胞の増殖および分化に関与するタンパク質を示すために使用され得
る。
【0041】 この遺伝子は、主として組織/cDNAライブラリー:Soares fat
al liver spleen 1NFLSにおいて発現され、およびより少
ない程度には以下において発現されることが見出された:
【0042】
【化4】
【0043】 好ましいエピトープとしては、配列番号63で残基:Glu−69〜Val−
75として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
【0044】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号14に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号14の1〜1869の間の任意の整数であり、bは15〜
1883の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号14に示されるヌク
レオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1
つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
【0045】 (遺伝子番号5によってコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定的な例として、以下のデータベースの受託番号gi|885781(
列挙される受託番号を通して入手可能な全ての情報が、本明細書中で参考として
援用される)を通してアクセス可能な配列(これは、ここで「D4L[Vari
ola virus]」として記載される)と配列相同性を共有することを決定
した。観察される相同性を示す部分的なアライメントは、すぐ下に示される。
【0046】
【化5】 上記「S」で示されるgi|885781のセグメントは、配列番号117と
して示される。本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号118として示され
るアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、この配列は、上記に示されたアラ
インメントにおける「Q」配列に相当する(コンピューターによって導入された
配列中のギャップは、当然除去されている)。
【0047】 この遺伝子は、主として12週齢の初期ヒトにおいて発現されることが見出さ
れた。
【0048】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号15に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号15の1〜1785の間の任意の整数であり、bは15〜
1799の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号15に示されるヌク
レオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1
つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
【0049】 (遺伝子番号6によってコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定的な例として、以下のデータベースの受託番号gi|1345110
(列挙される受託番号を通して入手可能な全ての情報が、本明細書中で参考とし
て援用される)を通してアクセス可能な配列と配列相同性を共有することを決定
した。観察される相同性を示す部分的なアライメントは、すぐ下に示される。
【0050】
【化6】 上記「S」で示されるgi|1345110のセグメントは、配列番号119
の配列として示される。本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号120とし
て示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、この配列は、上記に示さ
れたアラインメントにおける「Q」配列に相当する(コンピューターによって導
入された配列中のギャップは、当然除去されている)。
【0051】 この遺伝子は、主として以下の組織/cDNAライブラリーにおいて発現され
ることが見出された:
【0052】
【化7】
【0053】 好ましいエピトープとしては、配列番号65で残基:Thr−26〜Gln−
31として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
【0054】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号16に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号16の1〜1555の間の任意の整数であり、bは15〜
1569の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号16に示されるヌク
レオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1
つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
【0055】 (遺伝子番号7によってコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定的な例として、以下のデータベースの受託番号gi|2645856
(列挙される受託番号を通して入手可能な全ての情報が、本明細書中で参考とし
て援用される)を通してアクセス可能な配列(これは、ここで「cdc2/CD
C28様プロテインキナーゼ4[Mus musculus]」として記載され
る)と配列相同性を共有することを決定した。観察される相同性を示す部分的な
アライメントは、すぐ下に示される。
【0056】
【化8】 上記「S」で示されるgi|2645856のセグメントは、配列番号121
の配列として示される。構造的な類似性に基づいて、これらの相同ポリペプチド
は、少なくともいくつかの生物学的活性を共有することが予想される。このよう
な活性は当該分野で公知であり、これらのいくつかは本明細書中の他の箇所に記
載される。このような活性を決定するためのアッセイもまた、当該分野で公知で
あり、これらのいくつかは本明細書中の他の箇所に記載される。本発明の好まし
いポリペプチドは、配列番号122として示されるアミノ酸配列を有するポリペ
プチドを含み、この配列は、上記に示されたアラインメントにおける「Q」配列
に相当する(コンピューターによって導入された配列中のギャップは、当然除去
されている)。
【0057】 この遺伝子は、主として12週齢初期ヒトにおいて発現されることが見出され
、そしてより低い程度では、以下の組織/cDNAライブラリーにおいて発現さ
れることが見出された:
【0058】
【化9】
【0059】 増殖している細胞により特徴付けられる胎児組織および他の細胞源におけるそ
の組織分布は、cdc2/CDC28様タンパク質に対する相同性と組み合わせ
て、このタンパク質が細胞***の調節において役割を果たし得ること、そして癌
および他の増殖状態および障害の診断、処置および/または予防に有用性を示し
得ることを示す。同様に、発生組織は、パターン形成において細胞分化および/
またはアポトーシスに関与する決定による。アポトーシスの調節不全は、いくつ
かの癌の発生において生じるような細胞死の不適切な抑制を生じ得るか、または
、後天性免疫不全および特定の神経変性障害(例えば、棘筋萎縮症(SMA))
において生じると考えられるような、細胞死の程度の制御の不全を生じ得る。従
って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、他の型の変性状態に加
えて、上記障害および状態を処置、検出、および/または予防する際に有用であ
る。従って、このタンパク質は、アポトーシスまたは組織分化を調節し得、そし
て変性性または増殖性の状態および疾患の検出、処置、および/または予防にお
いて有用である。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙
げた組織の腫瘍マーカーとしておよび/または免疫治療の標的として有用性を示
し得る。
【0060】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号17に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号17の1〜1208の間の任意の整数であり、bは15〜
1222の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号17に示されるヌク
レオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1
つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
【0061】 (遺伝子番号8によってコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定的な例として、以下のデータベースの受託番号gi|2447210
(列挙される受託番号を通して入手可能な全ての情報が、本明細書中で参考とし
て援用される)を通してアクセス可能な配列(これは、ここで「a312aR[
Paramecium bursaria Chlorella virus
1]」として記載される)と配列相同性を共有することを決定した。観察される
相同性を示す部分的なアライメントは、すぐ下に示される。
【0062】
【化10】 上記「S」で示されるgi|2447210のセグメントは、配列番号123
として示される。本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号124として示さ
れるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、この配列は、上記に示されたア
ラインメントにおける「Q」配列に相当する(コンピューターによって導入され
た配列中のギャップは、当然除去されている)。
【0063】 Jurkat細胞株に対して試験された場合に、この遺伝子を含む細胞から取
り除かれた上清は、NF−κB転写因子を活性化した。従って、この遺伝子は、
これらの細胞内で見出される転写因子を活性化することによってJurkat細
胞を活性化するようである。Nuclear factor κBは、細胞活性
化、分化、またはアポトーシスをもたらす広範な種々の因子によって活性化され
る転写因子である。NF−κBプロモーターエレメントを利用するレポーター構
築物は、そのような活性について上清をスクリーニングするために使用される。
【0064】 この遺伝子は、主として以下の組織/cDNAライブラリーにおいて発現され
ることが見出された:滑膜線維芽細胞(コントロール);12週齢初期ヒト。
【0065】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号18に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号18の1〜1342の間の任意の整数であり、bは15〜
1356の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号18に示されるヌク
レオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1
つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
【0066】 (遺伝子番号9によってコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定的な例として、以下のデータベースの受託番号gi|522145(
列挙される受託番号を通して入手可能な全ての情報が、本明細書中で参考として
援用される)を通してアクセス可能な配列(これは、ここで「B細胞増殖因子[
Homo sapiens]」として記載される)と配列相同性を共有すること
を決定した。観察される相同性を示す部分的なアライメントは、すぐ下に示され
る。
【0067】
【化11】 上記「S」で示されるgi|522145のセグメントは、配列番号125の
配列として示される。構造的な類似性に基づいて、これらの相同ポリペプチドは
、少なくともいくつかの生物学的活性を共有することが予想される。このような
活性は当該分野で公知であり、これらのいくつかは本明細書中の他の箇所に記載
される。このような活性を決定するためのアッセイもまた、当該分野で公知であ
り、これらのいくつかは本明細書中の他の箇所に記載される。本発明の好ましい
ポリペプチドは、配列番号126として示されるアミノ酸配列を有するポリペプ
チドを含み、この配列は、上記に示されたアラインメントにおける「Q」配列に
相当する(コンピューターによって導入された配列中のギャップは、当然除去さ
れている)。
【0068】 この遺伝子は、主として以下の組織/cDNAライブラリーにおいて発現され
ることが見出された:ヒト6週齢全胚(Human Whole Six Ol
d Embryo);骨髄細胞株(RS4,11)。
【0069】 骨髄細胞株におけるその組織分布は、この遺伝子産物が、サイトカイン産生、
抗原提示、または癌の処置(例えば、免疫応答をブーストすることによる)にお
ける有用性を示唆する他のプロセスの調節に関与し得ることを示唆する。この遺
伝子は、リンパ起源の細胞において発現されるので、この天然の遺伝子産物は、
免疫機能に関与し得る。従って、これはまた、関節炎、喘息、免疫不全疾患(例
えば、AIDS)、白血病、慢性関節リウマチ、慢性肉芽腫症、炎症性腸疾患、
敗血症、挫瘡、好中球減少症、好中球増加症、乾癬、過敏症(例えば、T細胞媒
介細胞傷害);移植された器官および組織に対する免疫反応(例えば、対移植片
性宿主病および対宿主性移植片病)、または自己免疫性障害(例えば、自己免疫
不妊症)、水晶体組織傷害、脱髄、全身性エリテマトーデス、薬物誘発性溶血性
貧血、慢性関節リウマチ、シェーグレン病、強皮症、および組織を含む、免疫学
的障害のための薬剤として使用され得る。
【0070】 さらに、このタンパク質は、他の血球の分化または挙動に影響を及ぼすか、ま
たは損傷部位に造血細胞を補充する、分泌因子を提示し得る。従って、この遺伝
子産物は、様々な血液系列の幹細胞および方向付けられた前駆細胞の増大におい
て、および種々の細胞型の分化および/または増殖において、商業的な有用性を
有し得る。さらに、この分泌タンパク質はまた、生物学的活性を決定するために
、抗体を惹起するために、組織マーカーとして、同属のリガンドまたはレセプタ
ーを単離するために、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するために、およ
び栄養補給剤として使用され得る。これはまた、非常に広範な生物学的活性を有
し得る。これらの代表的なものは、サイトカイン、細胞増殖/分化調節活性また
は他のサイトカインの誘導;免疫刺激/免疫抑制活性(例えば、ヒト免疫不全ウ
イルス感染、癌、自己免疫疾患、およびアレルギーを処置するために);造血の
調節(例えば、貧血を処置するためまたは化学療法に対する補助剤として);骨
、軟骨、腱、靱帯、および/または神経(例えば、創傷を処置するため、濾胞刺
激ホルモンの刺激(受胎能の制御のため))の刺激または成長;走化性およびケ
モキネシス活性(例えば、感染、腫瘍を処置するため);止血または血栓崩壊活
性(例えば、血友病、心筋梗塞などの処置のため);抗炎症活性(例えば、敗血
症性ショック、クローン病の処置のため);抗菌剤として;乾癬または他の過剰
増殖性疾患の処置のため;代謝の調節、および行動である。遺伝子治療手順にお
ける対応する核酸の使用もまた、意図される。
【0071】 その用途には、骨髄細胞エキソビボ培養、骨髄移植、骨髄再構成、新形成の放
射線治療または化学療法が挙げられる。この遺伝子産物は、リンパ球産生に関与
し得、従って、これは、免疫障害(例えば、感染、炎症、アレルギー、免疫不全
など)に使用され得る。さらに、この遺伝子産物は、種々の血液系列の幹細胞お
よび方向付けられた前駆体の拡大において、ならびに種々の細胞型の分化および
/または増殖において、商業的有用性を有し得る。タンパク質ならびにこのタン
パク質に対する抗体は、上記に列挙された組織の腫瘍マーカーおよび/または免
疫療法標的としての有用性を示し得る。
【0072】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号19に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号19の1〜1066の間の任意の整数であり、bは15〜
1080の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号19に示されるヌク
レオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1
つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
【0073】 (遺伝子番号10によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、主として組織/cDNAライブラリー:Soares mel
anocyte 2NbHMにおいて発現され、そしてより少ない程度には、以
下において発現されることが見出された:
【0074】
【化12】 好ましいエピトープとしては、配列番号69で残基:Met−1〜Lys−9
、Arg−31〜Phe−37として示される配列を含むエピトープが挙げられ
る。
【0075】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号20に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号20の1〜1344の間の任意の整数であり、bは15〜
1358の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号20に示されるヌク
レオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1
つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
【0076】 (遺伝子番号11によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、主に以下の組織/cDNAライブラリーにおいて発現すること
が発見された:Hodgkins’s Lymphoma II;STRIAT
UM DEPRESSION;Human Adult Small Inte
stine。
【0077】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号21に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号21の1〜1321の任意の整数であり、bは15〜13
35の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号21に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0078】 (遺伝子番号12によってコードされるタンパク質の特徴) コンピュータアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物が
、非限定的な例として、以下のデータベース登録番号gnl|PID|e321
913(列挙される登録番号を通して入手可能な全ての情報は、本明細書中に参
考として援用される)(これは、そこで「pristanoyl−CoA ox
iase[Homo sapiens]」と記載される)を通してアクセス可能
な配列と、配列相同性を共有することを決定した。観察される相同性を示す部分
的なアラインメントを、直ぐ下に示す。
【0079】
【化13】 上記で「S」と示されるgnl|PID|e321913のセグメントは、配
列番号127として示される。構造的類似性に基づいて、これらの相同性ポリペ
プチドは、少なくともいくつかの生物学的活性を共有すると予想される。このよ
うな活性は、当該分野で公知であり、そして本明細書中の他の箇所で記載される
。このような活性を決定するためのアッセイもまた、当該分野で公知であり、そ
のいくつかは本明細書中の他の箇所で記載される。本発明の好ましいポリペプチ
ドは、上記に示されるアラインメント(コンピュータによって配列中に導入され
たギャップは、当然ながら除去される)における「Q」配列に相当する配列番号
128として示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。
【0080】 この遺伝子は、主に以下の組織/cDNAライブラリーにおいて発現されるこ
とが発見された:Soares_胎児_肝臓_脾臓_1NFLS_S1(Soa
res_fetal_liver_spleen_1NFLS_S1);H.M
eningima、M1;ホジキンリンパ腫II(Hodgkin’s Lym
phoma II)。
【0081】 胎児の肝臓における組織分布は、ヒトプリスタノイル(pristanoyl
)−CoAオキシダーゼとの相同性と組合わせて、このクローンのタンパク質産
物が、肝臓の障害および癌(例えば、胚芽腫、黄疸、肝炎、肝臓代謝疾患および
肝細胞の前駆細胞の分化に起因し得る状態)の検出および処置に有用であること
を示唆する。さらに、このクローンのタンパク質産物は、造血関連障害(例えば
、貧血、汎血球減少、白血球減少、血小板減少または白血病)の処置および診断
に有用である。なぜなら、間質細胞は、造血系列細胞の産生において重要だから
である。この使用には、骨髄細胞のエキソビボ培養、骨髄移植、骨髄再形成、新
形成の放射線治療または化学療法が挙げられる。この遺伝子産物もまた、リンパ
球産生に関与し得、従って、感染、炎症、アレルギー、免疫欠損などのような免
疫障害において使用され得る。さらに、この遺伝子産物は、種々の血液系列の幹
細胞および前駆細胞の増大において、ならびに種々の細胞型の分化および/また
は増殖において商業的有用性を有し得る。タンパク質ならびにこのタンパク質に
対して指向される抗体は、上記に列挙した組織に対する腫瘍マーカーおよび/ま
たは免疫療法標的としての有用性を示し得る。
【0082】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号22に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号22の1〜918の任意の整数であり、bは15〜932
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号22に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0083】 (遺伝子番号13によってコードされるタンパク質の特徴) コンピュータアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物が
、非限定的な例として、以下のデータベース登録番号gbl|S81491_1
(列挙される登録番号を通して入手可能な全ての情報は、本明細書中に参考とし
て援用される)(これは、そこで「Stat2 type a short i
soform[Homo sapiens]」と記載される)を通してアクセス
可能な配列と、配列相同性を共有することを決定した。観察される相同性を示す
部分的なアラインメントを、直ぐ下に示す。
【0084】
【化14】 上記で「S」と示されるgbl|S81491_1のセグメントは、配列番号
129の配列として示される。本発明の好ましいポリペプチドは、上記に示され
るアラインメント(コンピュータによって配列中に導入されたギャップは、当然
ながら除去される)における「Q」配列に相当する配列番号130として示され
るアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。
【0085】 この遺伝子は、以下の組織/cDNAライブラリーにおいて発現されることが
発見された:主に結腸正常II(Colon Normal II);Soar
es胎児肝臓脾臓1NFLS(Soares fetal liver spl
een 1NFLS)、およびより少ない程度で
【0086】
【化15】 好ましいエピトープとしては、配列番号72の残基:Gln−40〜Leu−
54、Asn−58〜Thr−69として示される配列を含むエピトープが挙げ
られる。
【0087】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号23に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号23の1〜683の任意の整数であり、bは15〜697
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号23に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0088】 (遺伝子番号14によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、主にホジキンリンパ腫II(Hodgkin’s Lymph
oma II)において発現されることが発見された。
【0089】 好ましいエピトープとしては、配列番号73の残基:Tyr−20〜Leu−
35として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
【0090】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号24に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号24の1〜597の任意の整数であり、bは15〜611
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号24に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0091】 (遺伝子番号15によってコードされるタンパク質の特徴) コンピュータアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物が
、非限定的な例として、以下のデータベース登録番号pir|A91975|T
INPA2(列挙される登録番号を通して入手可能な全ての情報は、本明細書中
に参考として援用される)(これは、そこで「proteinase inhi
bitor(Bowman−Birk)A−II−peanut」と記載される
)を通してアクセス可能な配列と、配列相同性を共有することを決定した。観察
される相同性を示す部分的なアラインメントを、直ぐ下に示す。
【0092】
【化16】 上記で「S」と示されるpir|A91975|TINPA2のセグメントは
、配列番号131として示される。構造的類似性に基づいて、これらの相同性ポ
リペプチドは、少なくともいくつかの生物学的活性を共有すると予想される。こ
のような活性は、当該分野で公知であり、そして本明細書中の他の箇所で記載さ
れる。このような活性を決定するためのアッセイはまた、当該分野で公知であり
、そのいくつかは本明細書中の他の箇所で記載される。本発明の好ましいポリペ
プチドは、上記に示されるアラインメント(コンピュータによって配列中に導入
されたギャップは、当然ながら除去される)における「Q」配列に相当する配列
番号132として示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。
【0093】 この遺伝子は、以下の組織/cDNAライブラリーにおいて発現されることが
発見された:主にヒト下垂体(Human Pituitary)、差し引きI
X(subt IX)およびより少ない程度で
【0094】
【化17】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号25に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号25の1〜662の任意の整数であり、bは15〜676
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号25に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0095】 (遺伝子番号16によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、以下の組織/cDNAライブラリーにおいて発現されることが
発見された:主にヒト原発性乳癌再切除(Human Primary Bre
ast Cancer Reexcision);Soares_多発性_硬化
症_NbHMSP(Soares_multiple_sclerosis_2
NbHMSP)、一次樹状細胞(Primary Dendritic Cel
l)、lib 1;Soares胎児脳1NIB(Soares infant
brain 1NIB)、およびより少ない程度で
【0096】
【化18】 好ましいエピトープとしては、配列番号75の残基:His−2〜Arg−9
として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
【0097】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号26に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号26の1〜558の任意の整数であり、bは15〜572
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号26に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0098】 (遺伝子番号17によってコードされるタンパク質の特徴) コンピュータアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物が
、非限定的な例として、以下のデータベース登録番号gil|1389766(
列挙される登録番号を通して入手可能な全ての情報は、本明細書中に参考として
援用される)を通してアクセス可能な配列と、配列相同性を共有することを決定
した。観察される相同性を示す部分的なアラインメントを、直ぐ下に示す。
【0099】
【化19】 上記で「S」と示されるgil|1389766のセグメントは、配列番号1
33として示される。本発明の好ましいポリペプチドは、上記に示されるアライ
ンメント(コンピュータによって配列中に導入されたギャップは、当然ながら除
去される)における「Q」配列に相当する配列番号134として示されるアミノ
酸配列を有するポリペプチドを含む。
【0100】 この遺伝子は、主に以下の組織/cDNAライブラリーにおいて発現されるこ
とが発見された:Soares_妊娠_子宮_NbHPU(Soares_pr
egnant_uterus_NbHPU);ホジキンリンパ腫II(Hodg
kin’s Lymphoma II);Soares胎児肝臓非常1NFLS
(Soares fetal liver spleen 1NFLS)。
【0101】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号27に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号27の1〜664の任意の整数であり、bは15〜678
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号27に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0102】 (遺伝子番号18によってコードされるタンパク質の特徴) コンピュータアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物が
、非限定的な例として、以下のデータベース登録番号gnl|PID|e293
439(列挙される登録番号を通して入手可能な全ての情報は、本明細書中に参
考として援用される)(これは、そこで「SIRP−alpha1[Homo
sapiens]」と記載される)を通してアクセス可能な配列と、配列相同性
を共有することを決定した。観察される相同性を示す部分的なアラインメントを
、直ぐ下に示す。
【0103】
【化20】 上記で「S」と示されるgnl|PID|e293439のセグメントは、配
列番号135および/または配列番号137の配列として示される。構造的類似
性に基づいて、これらの相同性ポリペプチドは、少なくともいくつかの生物学的
活性を共有すると予想される。このような活性は、当該分野で公知であり、そし
て本明細書中の他の箇所で記載される。このような活性を決定するためのアッセ
イもまた、当該分野で公知であり、そのいくつかは本明細書中の他の箇所で記載
される。本発明の好ましいポリペプチドは、上記に示されるアラインメント(コ
ンピュータによって配列中に導入されたギャップは、当然ながら除去される)に
おける「Q」配列に相当する配列番号136および/または配列番号138とし
て示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。
【0104】 この遺伝子は、主に以下の組織/cDNAライブラリーにおいて発現されるこ
とが発見された:Soares_胎児_肺_NbHL19W(Soares_f
etal_lung_NbHL19W);活性化T細胞(Activated
T−Cells)、12時間(12hrs)、再切除(re−excision
);ホジキンリンパ腫II(Hodgkin’s Lymphoma II)。
【0105】 免疫および造血の細胞および組織における組織分布は、タンパク質のSIRP
ファミリーとの相同性を組合わせて、分泌タンパク質は、生物学的活性を決定す
るために、抗体を惹起するために、組織マーカーとして、同族のリガンドまたは
レセプターを単離するために、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するため
に、および栄養補給剤として使用され得る。これはまた、非常に広範な生物学的
活性を有し得る。これらの代表的なものは、サイトカイン、細胞の増殖/分化の
調節活性または他のサイトカインの誘導;免疫刺激/免疫抑制剤活性(例えば、
ヒト免疫不全ウイルス感染、癌、自己免疫疾患およびアレルギーの処置のための
);造血の調節(例えば、貧血の処置のために、または化学療法の補助剤として
);骨、軟骨、腱、靭帯および/または神経の刺激または増殖(例えば、創傷の
処置、小胞刺激ホルモンの刺激(受胎能の制御のため));化学走性およびケモ
キネシスの活性(例えば、感染、腫瘍の処置のため);止血および血栓崩壊の活
性(例えば、血友病、心筋梗塞などの処置のため);抗炎症活性(例えば、敗血
症性ショック、クローン病の処置のため);抗菌物として;乾癬または他の過増
殖性疾患の処置のため;代謝調節のため、および行動である。遺伝子治療手順に
おける、対応する核酸の使用もまた意図される。さらに、胎児の組織内および増
殖細胞によって標識される他の細胞供給源内での発現は、このタンパク質が、細
胞***の調節において役割を果たし得ること、および発達性の疾患および障害、
癌、ならびに他の増殖状態の診断、治療、および/または予防における有用性を
示し得ることを示唆する。同様に、発達組織は、パターン形成における細胞の分
化および/またはアポトーシスに関わる決定に頼る。アポトーシスの調節不全は
、いくつかの癌の発達において生じる場合、細胞死の不適切な抑制を生じ得るか
、または後天性免疫不全および特定の神経変性障害(例えば、棘筋萎縮(SMA
))において生じると考えられるような、細胞死の程度の制御の失敗を生じる。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、他の型の変性状態に
加えて、上記の障害および状態の処置、検出、および/または予防において有用
である。従って、このタンパク質は、アポトーシスまたは細胞分化を調節し得、
そして変性または増殖性の状態および疾患の検出、処置、および/または予防に
おいて有用である。このタンパク質は、内分泌、発達性、および増殖性の欠損、
疾患、および/または状態の検出、処置、および/または予防のために有用であ
る。タンパク質ならびにこのタンパク質に対して指向される抗体は、上記に列挙
される組織の腫瘍マーカーおよび/または免疫療法の標的としての有用性を示し
得る。
【0106】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号28に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号28の1〜2247の任意の整数であり、bは15〜22
61の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号28に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0107】 (遺伝子番号19によってコードされるタンパク質の特徴) コンピュータアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物が
、非限定的な例として、以下のデータベース登録番号gnl|PID|e128
9272(列挙される登録番号を通して入手可能な全ての情報は、本明細書中に
参考として援用される)(これは、そこで「S1R[Cowpox virus
]」と記載される)を通してアクセス可能な配列と、配列相同性を共有すること
を決定した。観察される相同性を示す部分的なアラインメントを、直ぐ下に示す
【0108】
【化21】 上記で「S」として示されるgnl|PID|e1289272のセグメント
は、配列番号139の配列として示される。構造的な類似性に基づいて、これら
の相同なポリペプチドは、少なくともいくつかの生物学的活性を共有することが
予期される。このような活性は、当該分野で公知であり、そして本明細書中の他
で記載される。このような活性を決定するためのアッセイもまた、当該分野で公
知であり、そのいくつかが、本明細書中の他で記載されている。本発明の好まし
いポリペプチドは、上記に示す整列(コンピューターによって配列に導入された
ギャップは、もちろん除去される)における「Q」に対応する配列番号140と
して示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを包含する。
【0109】 この遺伝子は、以下の組織/cDNAライブラリー:Soares reti
na N2b4HRにおいて主に発現され、そしてより少ない程度では、
【0110】
【化22】 において発現されることが発見された。
【0111】 好ましいエピトープとしては、残基Gln−113〜Phe−118として配
列番号78において示される配列を含むエピトープが挙げられる。
【0112】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号29に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号29の1〜1374の間の任意の整数であり、bは15〜1
388の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号29に示されるヌクレ
オチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ
以上のポリヌクレオチドが除外される。
【0113】 (遺伝子番号20によってコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定的な例として、以下のデータベース登録番号gi|2429403(
その中で「similar to C.elegans olfactory
receptor ODR−10(NID:g1235900)[Caenor
habditis elegans]」として記載される)(引用した登録番号
を通して利用可能な全ての情報は、本明細書中で参考として援用される)を通し
て利用可能な配列と配列相同性を共有することを決定する。観察された相同性を
実証する部分的な整列は、直下に示される。
【0114】
【化23】 上記で「S」として示されるgi|2429403のセグメントは、配列番号
141の配列として示される。構造的な類似性に基づいて、これらの相同なポリ
ペプチドは、少なくともいくつかの生物学的活性を共有することが予期される。
このような活性は、当該分野で公知であり、そして本明細書中の他で記載される
。このような活性を決定するためのアッセイもまた、当該分野で公知であり、そ
のいくつかが、本明細書中の他で記載されている。本発明の好ましいポリペプチ
ドは、上記に示す整列(コンピューターによって配列に導入されたギャップは、
もちろん除去される)における「Q」に対応する配列番号142として示される
アミノ酸配列を有するポリペプチドを包含する。
【0115】 この遺伝子は、以下の組織/cDNAライブラリー:Stratagene
lung(♯937210);Hodgkin’s Lymphoma IIに
おいて主に発現される。
【0116】 好ましいエピトープとしては、残基Ile−47〜Ser−60として配列番
号79において示される配列を含むエピトープが挙げられる。
【0117】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号30に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号30の1〜511の間の任意の整数であり、bは15〜52
5の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号30に示されるヌクレオチ
ド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上
のポリヌクレオチドが除外される。
【0118】 (遺伝子番号21によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、以下の組織/cDNAライブラリー:Human Endom
etrial Tumorにおいて主に発現され、そしてより少ない程度では、
【0119】
【化24】 において発現されることが発見された。
【0120】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号31に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号31の1〜873の間の任意の整数であり、bは15〜88
7の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号31に示されるヌクレオチ
ド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上
のポリヌクレオチドが除外される。
【0121】 (遺伝子番号22によってコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定的な例として、以下のデータベース登録番号gi|3322716(
その中で「T.pallidum predicted coding reg
ion TP0425[Treponema pallidum]」として記載
される)(引用した登録番号を通して利用可能な全ての情報は、本明細書中で参
考として援用される)を通して利用可能な配列と配列相同性を共有することを決
定する。観察された相同性を実証する部分的な整列は、直下に示される。
【0122】
【化25】 上記で「S」として示されるgi|3322716のセグメントは、配列番号
143の配列として示される。構造的な類似性に基づいて、これらの相同なポリ
ペプチドは、少なくともいくつかの生物学的活性を共有することが予期される。
このような活性は、当該分野で公知であり、そして本明細書中の他で記載される
。このような活性を決定するためのアッセイもまた、当該分野で公知であり、そ
のいくつかが、本明細書中の他で記載されている。本発明の好ましいポリペプチ
ドは、上記に示す整列(コンピューターによって配列に導入されたギャップは、
もちろん除去される)における「Q」に対応する配列番号144として示される
アミノ酸配列を有するポリペプチドを包含する。
【0123】 この遺伝子は、Pericardiumにおいて主に発現されることが発見さ
れた。
【0124】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号32に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号32の1〜790の間の任意の整数であり、bは15〜80
4の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号32に示されるヌクレオチ
ド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上
のポリヌクレオチドが除外される。
【0125】 (遺伝子番号23によってコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定的な例として、以下のデータベース登録番号gi|854727(そ
の中で「nitric oxide synthase[Rattus nor
vegicus]」として記載される)(引用した登録番号を通して利用可能な
全ての情報は、本明細書中で参考として援用される)を通して利用可能な配列と
配列相同性を共有することを決定する。観察された相同性を実証する部分的な整
列は、直下に示される。
【0126】
【化26】 上記で「S」として示されるのgi|854727セグメントは、配列番号1
45および/または配列番号147の配列として示される。構造的な類似性に基
づいて、これらの相同なポリペプチドは、少なくともいくつかの生物学的活性を
共有することが予期される。このような活性は、当該分野で公知であり、そして
本明細書中の他で記載される。このような活性を決定するためのアッセイもまた
、当該分野で公知であり、そのいくつかが、本明細書中の他で記載されている。
本発明の好ましいポリペプチドは、上記に示す整列(コンピューターによって配
列に導入されたギャップは、もちろん除去される)における「Q」に対応する配
列番号146および/または配列番号148として示されるアミノ酸配列を有す
るポリペプチドを包含する。
【0127】 この遺伝子は、12 Week Old Early Stage Huma
nにおいて主に発現されることが発見された。
【0128】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号33に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号33の1〜310の間の任意の整数であり、bは15〜32
4の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号33に示されるヌクレオチ
ド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上
のポリヌクレオチドが除外される。
【0129】 (遺伝子番号24によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、以下の組織/cDNAライブラリー:Soares plac
enta Nb2HPにおいて主に発現し、そしてより少ない程度では、
【0130】
【化27】 において発現されることが発見された。
【0131】 好ましいエピトープとしては、残基Ile−32〜Arg−41として配列番
号83において示される配列を含むエピトープが挙げられる。
【0132】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号34に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号34の1〜751の間の任意の整数であり、bは15〜76
5の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号34に示されるヌクレオチ
ド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上
のポリヌクレオチドが除外される。
【0133】 (遺伝子番号25によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、12 Week Old Early Stage Huma
n,IIにおいて主に発現されることが発見された。
【0134】 好ましいエピトープとしては、残基Arg−25〜Tyr−30、Pro−5
1〜Leu−59として配列番号84において示される配列を含むエピトープが
挙げられる。
【0135】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号35に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号35の1〜685の間の任意の整数であり、bは15〜69
9の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号35に示されるヌクレオチ
ド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上
のポリヌクレオチドが除外される。
【0136】 (遺伝子番号26によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、以下の組織/cDNAライブラリー:Soares_NhHM
Pu_S1;12 Week Old Early Stage Humanに
おいて主に発現し、そしてより少ない程度では、
【0137】
【化28】 において発現されることが発見された。
【0138】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号36に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号36の1〜1649の間の任意の整数であり、bは15〜1
663の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号36に示されるヌクレ
オチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ
以上のポリヌクレオチドが除外される。
【0139】 (遺伝子番号27によってコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定的な例として、以下のデータベース登録番号pir|B25313|
GNLRL1(その中で「retrovirus−related rever
se transcriptase pseudogene−slow lor
is」として記載される)(引用した登録番号を通して利用可能な全ての情報は
、本明細書中で参考として援用される)を通して利用可能な配列と配列相同性を
共有することを決定する。観察された相同性を実証する部分的な整列は、直下に
示される。
【0140】
【化29】 上記で「S」として示されるpir|B25313|GNLRL1のセグメン
トは、配列番号149の配列として示される。構造的な類似性に基づいて、これ
らの相同なポリペプチドは、少なくともいくつかの生物学的活性を共有すること
が予期される。このような活性は、当該分野で公知であり、そして本明細書中の
他で記載される。このような活性を決定するためのアッセイもまた、当該分野で
公知であり、そのいくつかが、本明細書中の他で記載されている。本発明の好ま
しいポリペプチドは、上記に示す整列(コンピューターによって配列に導入され
たギャップは、もちろん除去される)における「Q」に対応する配列番号150
として示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを包含する。
【0141】 この遺伝子は、以下の組織/cDNAライブラリー:Kidney medu
lla;12 Week Old Early Stage Human,II
において主に発現されることが発見された。
【0142】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号37に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号37の1〜1383の間の任意の整数であり、bは15〜1
397の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号37に示されるヌクレ
オチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ
以上のポリヌクレオチドが除外される。
【0143】 (遺伝子番号28によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子が、主に組織/cDNAライブラリー:12 Week Old
Early Stage Human,IIにおいて発現され、そしてより少な
い程度には、以下において発現されることが発見された:
【0144】
【化30】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号38に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号38の1〜795の任意の整数であり、bは15〜809
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号38に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0145】 (遺伝子番号29によってコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴニズムBLASTXが使用され、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定的例として、本明細書中で「公知でない[Mycobacteriu
m tuberculosis]」として記載される以下のデータベースアクセ
ス番号gnl|PID|e301440(引用されたアクセス番号を通して利用
可能な全ての情報が本明細書中に参考として援用される)を通してアクセス可能
な配列と配列相同性を共有することを決定した。
【0146】
【化31】 上記で「S」として示されるgn|PID|e301440のセグメントは、
配列番号151として示される。本発明の好ましいポリペプチドは、上記で示さ
れた配列の「Q」配列に対応する配列番号152として示されたアミノ酸を有す
るポリペプチドを含む(コンピューターによって配列内に導入されたギャップは
、当然のことながら、除去される)。
【0147】 この遺伝子が、主に、以下の組織/cDNAライブラリー:Soares i
nfant brain 1NIB、およびより少ない程度には、以下:
【0148】
【化32】 において発現されることが発見された。 多くのポリヌクレオチド配列(例えば
、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアク
セス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号39に関連し、そして本
発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような
関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配
列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−
bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号39の1〜552
の任意の整数であり、bは15〜566の整数であり、ここでaおよびbの両方
は配列番号39に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbは
a+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
【0149】 (遺伝子番号30によってコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴニズムBLASTXが使用され、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定的例として、本明細書中で「put.ORF[HOMO sapie
ns]」として記載される以下のデータベースアクセス番号gi|288145
(引用されたアクセス番号を通して利用可能な全ての情報が本明細書中に参考と
して援用される)を通してアクセス可能な配列と配列相同性を共有することを決
定した。
【0150】
【化33】 上記で「S」として示されるgi|288145のセグメントは、配列番号1
53の配列として示される。この構造的類似性に基づいて、これらの相同性ポリ
ペプチドは、少なくとも幾つかの生物学的活性を共有することが予想される。こ
のような活性は、当該分野において公知であり、それらの幾つかは、本明細書中
で他に記載される。このような活性を決定するためのアッセイはまた、当該分野
において公知であり、それらの幾つかは本明細書中の他に記載されている。本発
明の好ましいポリペプチドは、上記で示される配列内の「Q」配列に対応する配
列番号154として示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む(コンピ
ューターによって配列に導入されたギャップは、当然のことながら、除去される
)。
【0151】 この遺伝子が、主に、以下の組織/cDNAライブラリーにおいて発現される
ことが発見された。
【0152】
【化34】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号40に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号40の1〜1507の任意の整数であり、bは15〜15
21の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号40に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0153】 (遺伝子番号31によってコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴニズムBLASTXが使用され、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定的例として、本明細書中で「ribosomal proteinL
5[HOMO sapiens]」として記載される以下のデータベースアクセ
ス番号gi|550013(引用されたアクセス番号を通して利用可能な全ての
情報が本明細書中に参考として援用される)を通してアクセス可能な配列と配列
相同性を共有することを決定した。観察された相同性を証明する部分配列は、以
下に示される。
【0154】
【化35】 上記で「S」として示されるgi|550013のセグメントは、配列番号1
55の配列として示される。この構造的類似性に基づいて、これらの相同性ポリ
ペプチドは、少なくとも幾つかの生物学的活性を共有することが予想される。こ
のような活性は、当該分野において公知であり、それらの幾つかは、本明細書中
で他に記載される。このような活性を決定するためのアッセイはまた、当該分野
において公知であり、それらの幾つかは本明細書中の他に記載されている。本発
明の好ましいポリペプチドは、上記で示される配列内の「Q」配列に対応する配
列番号156として示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む(コンピ
ューターによって配列に導入されたギャップは、当然のことながら、除去される
)。
【0155】 この遺伝子が、主に組織/cDNAライブラリー:Stratagene o
varian cancer(#937219)において発現され、そしてより
少ない程度には、以下において発現されることが発見された:
【0156】
【化36】 卵巣癌組織内の組織分布、および細胞を増殖することによってマークされた他
の細胞供給源内の発現は、細胞***の調節の役割を担い得、そして発達した疾患
および障害、癌、および他の増殖性状態の診断、処置、および/または予防にお
いて有用性を示し得る。同様に、発達した組織は、パターン形成における細胞分
化および/またはアポトーシスに関する決定に依存する。アポトーシスの調節不
全は、幾つかの癌の発達において起こるような、細胞死の不適切な抑制を生じる
か、または後天性の免疫欠損および特定の神経変性傷害(例えば、棘筋萎縮(S
MA))において起こると考えられるような、細胞死の程度を制御不全を生じる
。それ故に、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、他の型の変性状
態に加えて、この障害および状態を処理、検出、および/または防止する際に有
用である。従って、このタンパク質は、アポトーシスまたは組織分化を変調し得
、そして変性または増殖性の状態および疾患の検出、処置、および/または予防
に有用である。タンパク質およびこのタンパク質に対して指向される抗体は、上
記列挙された組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的として有
用性を示し得る。
【0157】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号41に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号41の1〜919の任意の整数であり、bは15〜933
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号41に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0158】 (遺伝子番号32によってコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴニズムBLASTXが使用され、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定的例として、本明細書中で「nitric oxide synth
ase[Rattus norvegicus]」として記載される以下のデー
タベースアクセス番号gi|854727(引用されたアクセス番号を通して利
用可能な全ての情報が本明細書中に参考として援用される)を通してアクセス可
能な配列と配列相同性を共有することを決定した。
【0159】
【化37】 上記で「S」として示されるgi|854727のセグメントは、配列番号1
57の配列として示される。この構造的類似性に基づいて、これらの相同性ポリ
ペプチドは、少なくとも幾つかの生物学的活性を共有することが予想される。こ
のような活性は、当該分野において公知であり、それらの幾つかは、本明細書中
で他に記載される。このような活性を決定するためのアッセイはまた、当該分野
において公知であり、それらの幾つかは本明細書中の他に記載されている。本発
明の好ましいポリペプチドは、上記で示される配列内の「Q」配列に対応する配
列番号158として示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む(コンピ
ューターによって配列に導入されたギャップは、当然のことながら、除去される
)。
【0160】 この遺伝子が、主に組織/cDNAライブラリー:Soares infan
t brain 1NIBにおいて発現され、そしてより少ない程度には、以下
において発現されることが発見された:
【0161】
【化38】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号42に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号42の1〜5034の任意の整数であり、bは15〜50
48の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号42に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0162】 (遺伝子番号33によってコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴニズムBLASTXが使用され、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定的例として、本明細書中で「reading frame(ENVタ
ンパク質)(1はコドンの3番目の塩基である)[Moloney murin
e leukemia virus]」として記載される以下のデータベースア
クセス番号gi|575679(引用されたアクセス番号を通して利用可能な全
ての情報が本明細書中に参考として援用される)を通してアクセス可能な配列と
配列相同性を共有することを決定した。
【0163】
【化39】 上記で「S」として示されるgi|575679のセグメントは、配列番号1
59および/または配列番号161の配列として示される。この構造的類似性に
基づいて、これらの相同性ポリペプチドは、少なくとも幾つかの生物学的活性を
共有することが予想される。このような活性は、当該分野において公知であり、
それらの幾つかは、本明細書中で他に記載される。このような活性を決定するた
めのアッセイはまた、当該分野において公知であり、それらの幾つかは本明細書
中の他に記載されている。本発明の好ましいポリペプチドは、上記で示される配
列内の「Q」配列に対応する配列番号160および/または配列番号162とし
て示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む(コンピューターによって
配列に導入されたギャップは、当然のことながら、除去される)。
【0164】 この遺伝子は、以下の組織/cDNAライブラリー:Activated T
−Cell,12hrs,re−excisionにおいて主に発現され、そし
てより少ない程度には、以下
【0165】
【化40】 において発現されることが発見された。
【0166】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号43に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号43の1〜1568の任意の整数であり、bは15〜15
82の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号43に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0167】 (遺伝子番号34によりコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、以下の組織/cDNAライブラリー:Soares reti
na N2b4HRにおいて主に発現され、そしてより少ない程度に以下:
【0168】
【化41】 において発現されることが発見された。
【0169】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号44に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号44の1〜254の任意の整数であり、bは15〜268
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号44に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0170】 (配列番号35によりコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、12 Week Old Early Stage Huma
nにおいて主に発現されることが発見された。
【0171】 U937骨髄性細胞株に対して試験する場合、この遺伝子を含む細胞から除去
された上清は、GASアッセイを活性化した。従って、この遺伝子は、Jak−
STATシグナル伝達経路を介して骨髄性細胞を活性化するようである。γ活性
化配列(GAS)は、Jak−STAT経路に関与する多くの遺伝子の上流で見
出されるプロモーターエレメントである。このJak−STAT経路は、細胞の
分化および増殖に関与する大きなシグナル伝達経路である。従って、GASエレ
メントの結合によって反映されるJak−STAT経路の活性化は、細胞の増殖
および分化に関与するタンパク質を示すために使用され得る。
【0172】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号45に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号45の1〜741の任意の整数であり、bは15〜755
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号45に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0173】 (配列番号36によりコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、主に以下の組織/cDNAライブラリー:Osteoblas
tにおいて発現され、より少ない程度には、以下:
【0174】
【化42】 において発現されることが発見された。
【0175】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号46に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号46の1〜1861の任意の整数であり、bは15〜18
75の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号46に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0176】 (遺伝子番号37によりコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定的な例として、以下のデータベース受託番号gnl|PID|e23
7650(その中で「シトクロームオキシダーゼI[Pimelia crib
a]として記載される)(引用した受託番号を通して利用可能な全ての情報は、
本明細書中で参考として援用される)を通して利用可能な配列と配列相同性を共
有することを決定した。観察された相同性を実証する部分的な整列は、直下に示
される。
【0177】
【化43】 上記の「S」として示されるgnl|PID|e237650のセグメントは
、配列番号163の配列として示される。構造的類似性に基づいて、これらの相
同性ポリペプチドは、少なくともいくつかの生物学的活性を共有することが推定
される。このような活性は、当該分野で公知であり、このうちのいくらかは本明
細書中の他の箇所に記載される。このような活性を決定するためのアッセイは、
当該分野で公知であり、それらのいくつかは、本明細書中の他の箇所に記載され
る。本発明の好ましいポリペプチドは、上記した整列(コンピューターによって
配列中に導入されるギャップは、当然、除去される)における「Q」配列に対応
する、配列番号164として示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む
【0178】 この遺伝子は、以下の組織/cDNAライブラリー:12 Week Old
Early Stage Human;Soares fetal live
r spleen 1NFLSにおいて主に発現されることが発見された。
【0179】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号47に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号47の1〜2034の任意の整数であり、bは15〜20
48の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号47に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0180】 (遺伝子番号38によりコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、12 Week Old Early Stage Huma
nにおいて主に発現されることが発見された。
【0181】 好ましいエピトープとしては、配列番号97の残基:Leu−47〜Gly−
57、Pro−60〜Asn−70、Gln−77〜Glu−82、Arg−1
02〜Arg−108として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
【0182】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号48に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号48の1〜502の任意の整数であり、bは15〜516
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号48に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0183】 (遺伝子番号39によってコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定的な例として、以下のデータベース受託番号gi|755466(そ
の中で「膜貫通タンパク質[Homo sapiens]として記載される)(
引用した受託番号を通して利用可能な全ての情報は、本明細書中で参考として援
用される)を通して利用可能な配列と配列相同性を共有することを決定した。観
察された相同性を実証する部分的な整列は、直下に示される。
【0184】
【化44】 上記の「S」として示されるgi|755466のセグメントは、配列番号1
65の配列として示される。構造的類似性に基づいて、これらの相同性ポリペプ
チドは、少なくともいくつかの生物学的活性を共有することが推定される。この
ような活性は、当該分野で公知であり、このうちのいくらかは本明細書中の他の
箇所に記載される。このような活性を決定するためのアッセイは、当該分野で公
知であり、それらのいくつかは、本明細書中の他の箇所に記載される。本発明の
好ましいポリペプチドは、上記した整列(コンピューターによって配列中に導入
されるギャップは、当然、除去される)における「Q」配列に対応する、配列番
号166として示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。
【0185】 この遺伝子は、主に以下の組織/cDNAライブラリー:Nine Week
Old Early Stage Human;Soares infant
brain 1NIBにおいて発現され、より低い程度には、以下:
【0186】
【化45】 において発現されることが発見された。
【0187】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号49に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号49の1〜1657の任意の整数であり、bは15〜16
71の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号49に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0188】 (遺伝子番号40によってコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定的な例として、以下のデータベース受託番号gi|406975(そ
の中で「未知」[Mycoplasma genitalium]として記載さ
れる)(引用した受託番号を通して利用可能な全ての情報は、本明細書中で参考
として援用される)を通して利用可能な配列と配列相同性を共有することを決定
した。観察された相同性を実証する部分的な整列は、直下に示される。
【0189】
【化46】 上記の「S」として示されるgi|406975のセグメントは、配列番号1
67の配列として示される。このような活性を決定するためのアッセイは、当該
分野で公知であり、それらのいくつかは、本明細書中の他の箇所に記載される。
本発明の好ましいポリペプチドは、上記した整列(コンピューターによって配列
中に導入されるギャップは、当然、除去される)における「Q」配列に対応する
、配列番号168として示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。
【0190】 この遺伝子は、主に以下の組織/cDNAライブラリー:12 Week O
ld Early Stage Human,II;Soares_NhHMP
u_S1において発現され、より低い程度には、ヒト卵巣癌;Human Ad
renal Gland Tumor;12 Week Old Early
Stage Human;Adipocytes;Osteoblastにおい
て発現されることが発見された。
【0191】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号50に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号50の1〜1047の任意の整数であり、bは15〜10
61の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号50に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0192】 (遺伝子番号41によりコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定的な例として、以下のデータベース受託番号pir|A46027|
A46027(その中で「あり得るノルアドレナリン輸送タンパク質−マウス(
フラグメント)」として記載される)(引用した受託番号を通して利用可能な全
ての情報は、本明細書中で参考として援用される)を通して利用可能な配列と配
列相同性を共有することを決定した。観察された相同性を実証する部分的な整列
は、直下に示される。
【0193】
【化47】 上記の「S」として示されるpir|A46027|A46027のセグメン
トは、配列番号169および/または配列番号171の配列として示される。構
造的類似性に基づいて、これらの相同性ポリペプチドは、少なくともいくつかの
生物学的活性を共有することが推定される。このような活性は、当該分野で公知
であり、このうちのいくらかは本明細書中の他の箇所に記載される。このような
活性を決定するためのアッセイは、当該分野で公知であり、それらのいくつかは
、本明細書中の他の箇所に記載される。本発明の好ましいポリペプチドは、上記
した整列(コンピューターによって配列中に導入されるギャップは、当然、除去
される)における「Q」配列に対応する、配列番号170および/または配列番
号172として示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。
【0194】 この遺伝子は、主に以下の組織/cDNAライブラリー:Soares_pr
egnant_uterus_NbHPUにおいて発現され、より低い程度には
、以下:
【0195】
【化48】 において発現されることが発見された。
【0196】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号51に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号51の1〜1309の任意の整数であり、bは15〜13
23の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号51に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0197】 (遺伝子番号42によりコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定的な例として、以下のデータベース受託番号gi|18949(その
中で「C−ホルデイン(hordein)フラグメント[Hordeum vu
lgare]として記載される)(引用した受託番号を通して利用可能な全ての
情報は、本明細書中で参考として援用される)を通して利用可能な配列と配列相
同性を共有することを決定した。観察された相同性を実証する部分的な整列は、
直下に示される。
【0198】
【化49】 上記の「S」として示されるgi|18949のセグメントは、配列番号17
3の配列として示される。構造的類似性に基づいて、これらの相同性ポリペプチ
ドは、少なくともいくつかの生物学的活性を共有することが推定される。このよ
うな活性は、当該分野で公知であり、このうちのいくらかは本明細書中の他の箇
所に記載される。このような活性を決定するためのアッセイは、当該分野で公知
であり、それらのいくつかは、本明細書中の他の箇所に記載される。本発明の好
ましいポリペプチドは、上記した整列(コンピューターによって配列中に導入さ
れるギャップは、当然、除去される)における「Q」配列に対応する、配列番号
174として示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。
【0199】 線維芽細胞株に対して試験される場合、この遺伝子を含む細胞から除去された
上清はEGR1アッセイを活性化する。従って、この遺伝子はシグナル伝達系路
を介して線維芽細胞を活性化させるようである。初期増殖応答1(EGR1)は
、活性化の際に種々の組織および細胞型を誘導する特定の遺伝子と関連するプロ
モーターであり、これにより、細胞が分化および増殖を受ける。
【0200】 この遺伝子は、Whole 6 Week Old Embryoにおいて主
に発現される。
【0201】 好ましいエピトープは、配列番号101の残基Gln−17〜Arg−24に
示される配列を含むエピトープが挙げられる。
【0202】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号52に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号52の1〜831の任意の整数であり、bは15〜845
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号52に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0203】 (遺伝子番号43によってコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定の例として、以下のデータベースの受託番号gi|1109682(
列挙される受託番号を介して入手可能な全ての情報が、本明細書中で参考として
援用される)を通してアクセス可能な配列(これは、ここでは「G−タンパク質
γ−12サブユニット[Bos taurus]」として記載される)と配列相同
性を共有することを決定した。観察される相同性を示す部分的なアライメントは
、以下ですぐに示される。
【0204】
【化50】 上記で「S」として示されるgi|1109682のセグメントは、配列番号
175として示される。構造的な類似性に基づいて、これらの相同なポリペプチ
ドは、少なくともいくつかの生物学的活性を共有することが予期される。このよ
うな活性は、当該分野で公知であり、そしてそのいくつかが本明細書中の他で記
載される。このような活性を決定するためのアッセイもまた、当該分野で公知で
あり、そのいくつかが、本明細書中の他で記載されている。本発明の好ましいポ
リペプチドは、上記で示されるアライメント(コンピューターによって配列に導
入されたギャップは、もちろん除去される)において、「Q」配列に対応する配
列番号176として示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。
【0205】 この遺伝子は、主に以下の組織/cDNAライブラリー:Soares pl
acenta Nb2HPにおいて発現され、より少ない程度には、以下
【0206】
【化51】 において発現されることが発見されている。
【0207】 好ましいエピトープとしては、配列番号102中に残基:Ser−40〜Gl
y−61として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
【0208】 胎盤中の組織分布は、このタンパク質が、血管状態(微小血管疾患、血管漏出
症候群(vascular leak syndrome)、動脈瘤、発作、ア
テローム性動脈硬化、動脈硬化症、または塞栓症を含むが、これらに限定されな
い)の検出、処置、および/または予防に有用であることを示す。さらに、G−
タンパク質サブユニットに対する相同性は、このタンパク質が、細胞***の調節
において役割を果たし得、そして、発達疾患および発達障害、癌、ならびに他の
増殖状態の診断、処置、および/または予防における有用性を示し得ることを示
唆する。同様に、発生組織は、パターン形成における細胞分化および/またはア
ポトーシスを含む決定に依存する。アポトーシスの調節不全は、いくつかの癌の
発生において生じるような、または、後天性免疫不全および特定の神経変性障害
(例えば、棘筋萎縮症(SMA))において生じると考えられるように、細胞死
の程度を制御するのに失敗して生じるような、細胞死の不適切な抑制を生じ得る
。従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、他の型の変性状態
に加えて、上記障害および状態を処置、検出、および/または予防する際に有用
である。従って、このタンパク質は、アポトーシスまたは組織分化を調整し得、
そして変性性または増殖性の状態および疾患の検出、処置、および/または予防
において有用である。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記
に挙げられた組織に対する腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的として有
用性を示し得る。
【0209】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号53に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号53の1〜4402の任意の整数であり、bは15〜44
16の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号53に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0210】 (遺伝子番号44によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、主に以下の組織/cDNAライブラリー:Soares fe
tal liver spleen 1NFLSにおいて発現され、より少ない
程度には、以下:
【0211】
【化52】 において主に発現されることが発見されている。
【0212】 好ましいエピトープとしては、配列番号103中に残基:Phe−26〜Hi
s−33として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
【0213】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号54に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号54の1〜839の任意の整数であり、bは15〜853
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号54に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0214】 (遺伝子番号45によってコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定の例として、以下のデータベースの受託番号gi|1381181(
列挙される受託番号を介して入手可能な全ての情報が、本明細書中で参考として
援用される)を通してアクセス可能な配列(これは、ここでは「ユビキチン結合
体化酵素E2−32k[Oryctolagus cuniculus]」として
記載される)と配列相同性を共有することを決定した。観察される相同性を示す
部分的なアライメントは、以下ですぐに示される。
【0215】
【化53】 上記で「S」として示されるgi|1381181のセグメントは、配列番号
177として示される。構造的な類似性に基づいて、これらの相同なポリペプチ
ドは、少なくともいくつかの生物学的活性を共有することが予期される。このよ
うな活性は、当該分野で公知であり、そしてそのいくつかが本明細書中の他で記
載される。このような活性を決定するためのアッセイもまた、当該分野で公知で
あり、そのいくつかが、本明細書中の他で記載されている。本発明の好ましいポ
リペプチドは、上記で示されるアライメント(コンピューターによって配列に導
入されたギャップは、もちろん除去される)において、「Q」配列に対応する配
列番号178として示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。
【0216】 この遺伝子は、主に組織/cDNAライブラリー:Soares lung(
#937210)において発現され、そしてより少ない程度には、以下:
【0217】
【化54】 において主に発現されることが発見されている。
【0218】 保存されたユビキチン結合体化酵素E2−32kに対する相同性と合わせて、
増殖細胞によって特徴付けられる胚性組織および他の細胞供給源内における発現
は、このタンパク質が、細胞***の調節において役割を果たし得、そして、発達
疾患および発達障害、癌、ならびに他の増殖状態の診断、処置、および/または
予防における有用性を示し得ることを示唆する。同様に、発生組織は、パターン
形成における細胞分化および/またはアポトーシスを含む決定に依存する。アポ
トーシスの調節不全は、いくつかの癌の発生において生じるような、または、後
天性免疫不全および特定の神経変性障害(例えば、棘筋萎縮症(SMA))にお
いて生じると考えられるように、細胞死の程度を制御するのに失敗して生じるよ
うな、細胞死の不適切な抑制を生じ得る。従って、本発明のポリヌクレオチドお
よびポリペプチドは、他の型の変性状態に加えて、上記障害および状態を処置、
検出、および/または予防する際に有用である。従って、このタンパク質は、ア
ポトーシスまたは組織分化を調整し得、そして変性性または増殖性の状態および
疾患の検出、処置、および/または予防において有用である。
【0219】 さらに、このタンパク質は、肺性疾患および/また障害(ARDS、気腫、お
よび嚢胞性線維症を含むが、これらに限定されない)の検出、処置、および/ま
たは予防において有用である。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体
は、上記に挙げられた組織に対する腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的
として有用性を示し得る。
【0220】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号55に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号55の1〜1757の任意の整数であり、bは15〜17
71の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号55に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0221】 (遺伝子番号46によってコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定の例として、以下のデータベースの受託番号gnl|PID|d10
21491(列挙される受託番号を介して入手可能な全ての情報が、本明細書中
で参考として援用される)を通してアクセス可能な配列(これは、ここでは「O
RF[Chlorella vulgaris]」として記載される)と配列相同
性を共有することを決定した。観察される相同性を示す部分的なアライメントは
、以下ですぐに示される。
【0222】
【化55】 上記で「S」として示されるgnl|PID|d1021491のセグメント
は、配列番号179として示される。本発明の好ましいポリペプチドは、上記で
示されるアライメント(コンピューターによって配列に導入されたギャップは、
もちろん除去される)において、「Q」配列に対応する配列番号180として示
されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。
【0223】 この遺伝子は、主に組織/cDNAライブラリー:Soares_parat
hyroid_tumor_NbHPAにおいて発現され、そしてより少ない程
度には、以下:
【0224】
【化56】 において発現されることが発見されている。
【0225】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号56に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号56の1〜2206の任意の整数であり、bは15〜22
20の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号56に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0226】 (遺伝子番号47によってコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定の例として、以下のデータベースの受託番号pir|JQ1371|
JQ1371(列挙される受託番号を介して入手可能な全ての情報が、本明細書
中で参考として援用される)を通してアクセス可能な配列(これは、ここでは「
ハイポセティカル6.4Kタンパク質−トマトアスパーミー(aspermy)
ウイルス」として記載される)と配列相同性を共有することを決定した。観察さ
れる相同性を示す部分的なアライメントは、以下ですぐに示される。
【0227】
【化57】 上記で「S」として示されるpir|JQ1371|JQ1371のセグメン
トは、配列番号181として示される。本発明の好ましいポリペプチドは、上記
で示されるアライメント(コンピューターによって配列に導入されたギャップは
、もちろん除去される)において、「Q」配列に対応する配列番号182として
示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。
【0228】 この遺伝子は、主に以下の組織/cDNAライブラリー:12 Week O
ld Early Stage Human,II;Soares place
nta Nb2HPにおいて主に発現されることが発見されている。
【0229】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号57に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号57の1〜418の任意の整数であり、bは15〜432
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号57に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0230】 (遺伝子番号48によってコードされるタンパク質の特徴) コンピューターアルゴリズムBLASTXを使用して、この遺伝子の翻訳産物
が、非限定の例として、以下のデータベースの受託番号pir|S18659|
S18659(列挙される受託番号を介して入手可能な全ての情報が、本明細書
中で参考として援用される)を通してアクセス可能な配列(これは、ここでは「
ハイポセティカルタンパク質−Mycoplasma hyorhinis(S
GC3)」として記載される)と配列相同性を共有することを決定した。観察さ
れる相同性を示す部分的なアライメントは、以下ですぐに示される。
【0231】
【化58】 上記で「S」として示されるpir|S18659|S18659のセグメン
トは、配列番号183として示される。本発明の好ましいポリペプチドは、上記
で示されるアライメント(コンピューターによって配列に導入されたギャップは
、もちろん除去される)において、「Q」配列に対応する配列番号184として
示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。
【0232】 この遺伝子は、主に組織/cDNAライブラリー:Soares fetal
liver spleen 1NFLSにおいて発現され、そしてより少ない
程度には、以下:
【0233】
【化59】 において発現されることが発見されている。
【0234】 好ましいエピトープとしては、配列番号107中に残基:Gln−17〜Ar
g−22、Gln−43〜Asp−52、Gln−54〜Lys−59として示
される配列を含むエピトープが挙げられる。
【0235】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号58に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号58の1〜1171の任意の整数であり、bは15〜11
85の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号58に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0236】 (遺伝子番号49によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、主に以下の組織/cDNAライブラリー:12 Week O
ld Early Stage Human,II;Colon Tumor
IIにおいて主に発現されることが発見されている。
【0237】 好ましいエピトープとしては、配列番号108中に残基:Met−1〜Gly
−9として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
【0238】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号59に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号59の1〜512の任意の整数であり、bは15〜526
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号59に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0239】
【表1】 表1は、上記の各「遺伝子番号」に対応する情報を要約する。「ヌクレオチド
SEQ ID NO:X」として同定されるヌクレオチド配列は、表1において
同定される「cDNAクローンID」から、およびいくつかの場合において、さ
らなる関連のDNAクローンから得られる部分的に相同な(「重複する」)配列
から構築された。重複する配列は、高い重複性の単一の連続した配列に構築され
(通常、各ヌクレオチド部位で3〜5個の重複する配列)、SEQ ID NO
:Xとして同定される最終的な配列を得た。
【0240】 cDNAクローンIDは、その日付に寄託され、そして「ATCC受託番号Z
および日付」において列挙される対応する受託番号が与えられた。寄託物のいく
つかは、同じ遺伝子に対応する複数の異なるクローンを含む。「ベクター」とは
、cDNAクローンIDにおいて含まれるベクターの型をいう。
【0241】 「総ヌクレオチド配列」は、「遺伝子番号」によって同定されるコンティグに
おけるヌクレオチドの総数をいう。寄託されたクローンは、これらの配列の全て
または大半を含み得、これらは、SEQ ID NO:Xの「クローン配列の5
’ヌクレオチド」および「クローン配列の3’ヌクレオチド」として示されるヌ
クレオチドの位置によって反映される。推定開始コドン(メチオニン)のSEQ
ID NO:Xのヌクレオチドの位置は、「開始コドンの5’ヌクレオチド」
として同定される。同様に、推定シグナル配列のSEQ ID NO:Xのヌク
レオチドの位置は、「シグナルペプチドの最初のアミノ酸の5’ヌクレオチド」
として同定される。
【0242】 翻訳されたアミノ酸配列は、メチオニンで始まり、「アミノ酸SEQ ID
NO:Y」として同定されるが、他のリーディングフレームもまた、公知の分子
生物学技術を使用して容易に翻訳され得る。これらの選択的オープンリーディン
グフレームによって生成されるポリペプチドは、本発明によって具体的に意図さ
れる。
【0243】 推定シグナルペプチドのSEQ ID NO:Yの最初および最後のアミノ酸
の位置は、「シグナルペプチドの最初のアミノ酸」および「シグナルペプチドの
最後のアミノ酸」として同定される。分泌部分のSEQ ID NO:Yの推定
される最初のアミノ酸の位置は、「分泌部分の(推定される)最初のアミノ酸」
として同定される。最後に、オープンリーディングフレームにおける最後のアミ
ノ酸のSEQ ID NO:Yのアミノ酸の位置は、「ORFの最後のアミノ酸
」として同定される。
【0244】 SEQ ID NO:X(ここでXは、配列表に開示される任意のポリヌクレ
オチド配列であり得る)および翻訳されたSEQ ID NO:Y(ここでYは
、配列表に開示される任意のポリペプチド配列であり得る)は、十分に正確であ
り、そしてそうでなければ、当該分野において周知の種々の用途および以下でさ
らに記載される種々の用途に適切である。例えば、SEQ ID NO:Xは、
SEQ ID NO:Xにおいて含まれる核酸配列または寄託されたクローンに
含まれるcDNAを検出する核酸ハイブリダイゼーションプローブを設計するた
めに有用である。これらのプローブはまた、生物学的サンプル中の核酸分子にハ
イブリダイズし、それによって本発明の種々の法医学的方法、および診断方法を
可能にする。同様に、SEQ ID NO:Yから同定されるポリぺプチドは、
例えば、表1において同定されるcDNAクローンによってコードされるタンパ
ク質(ポリペプチドおよび分泌タンパク質を含む)に特異的に結合する抗体を作
製するために使用され得る。
【0245】 それにもかかわらず、配列決定反応によって生成されるDNA配列は、配列決
定のエラーを含み得る。このエラーは、誤って同定されたヌクレオチドとして、
または生成されたDNA配列におけるヌクレオチドの挿入もしくは欠失として存
在する。誤って挿入されたか、または欠失されたヌクレオチドは、推定アミノ酸
配列のリーディングフレームにおいてフレームシフトを引き起こす。これらの場
合において、作製されるDNA配列が、実際のDNA配列と99.9%(例えば
、1000塩基を超えるオープンリーディングフレームにおける1塩基の挿入ま
たは欠失)を超えて同一であり得るとしても、推定アミノ酸配列は、実際のアミ
ノ酸配列とは異なる。
【0246】 従って、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列における正確さを必要とするこ
れらの適用のために、本発明は、SEQ ID NO:Xとして同定される作製
されたヌクレオチド配列、およびSEQ ID NO:Yとして同定される推定
の翻訳されたアミノ酸配列のみならず、表1において記載されるような、ATC
Cに寄託された本発明のヒトcDNAを含むプラスミドDNAのサンプルもまた
提供する。各々の寄託されたクローンのヌクレオチド配列は、公知の方法に従っ
て、寄託されたクローンを配列決定することによって容易に決定され得る。次い
で、推定アミノ酸配列は、このような寄託物から証明され得る。さらに、特定の
クローンによってコードされるタンパク質のアミノ酸配列はまた、ペプチド配列
決定によって、または寄託されたヒトcDNAを含む適切な宿主細胞中でタンパ
ク質を発現させ、このタンパク質を収集し、そしてその配列を決定することによ
って、直接的に決定され得る。
【0247】 本発明はまた、SEQ ID NO:X、SEQ ID NO:Y、または寄
託されたクローンに対応する遺伝子に関する。対応する遺伝子は、本明細書中に
開示される配列情報を使用して、公知の方法に従って単離され得る。このような
方法は、開示された配列からプローブまたはプライマーを調製する工程、および
ゲノム物質の適切な供給源から対応する遺伝子を同定または増幅する工程を包含
する。
【0248】 本発明においてまた提供されるものは、対立遺伝子改変体、オーソログ(or
tholog)、および/または種ホモログである。当該分野において公知の手
順を使用し、本明細書中に開示される配列またはATCCに寄託されたクローン
からの情報を用いて、SEQ ID NO:X、SEQ ID NO:Yまたは
寄託されたクローンに対応する遺伝子の全長遺伝子、対立遺伝子改変体、スプラ
イシング改変体、全長のコード部分、オーソログ、および/または種ホモログを
獲得し得る。例えば、対立遺伝子改変体および/または種ホモログは、本明細書
中に提供される配列から適切なプローブまたはプライマーを作製し、そして対立
遺伝子改変体および/または所望のホモログについて適切な核酸供給源をスクリ
ーニングすることによって単離および同定され得る。
【0249】 本発明のポリぺプチドは、任意の適切な様式で調製され得る。このようなポリ
ぺプチドとしては、単離された天然に存在するポリぺプチド、組換え的に生成さ
れたポリぺプチド、合成的に生成されたポリぺプチド、またはこれらの方法の組
合せによって生成されたポリぺプチドが挙げられる。このようなポリぺプチドを
調製するための手段は、当該分野において十分に理解される。
【0250】 ポリぺプチドは、分泌タンパク質の形態(成熟形態を含む)であり得るか、ま
たはより大きいタンパク質(例えば、融合タンパク質)の部分であり得る(以下
を参照のこと)。分泌配列もしくはリーダー配列、プロ配列、精製を補助する配
列(例えば、複数のヒスチジン残基)、または組換え生成の間の安定性のための
さらなる配列を含むさらなるアミノ酸配列を含むことは、しばしば有利である。
【0251】 本発明のポリぺプチドは、好ましくは、単離された形態で提供され、そして好
ましくは実質的に精製される。ポリぺプチド(分泌ポリぺプチドを含む)の組換
え的に生成されたバージョン(version)は、本明細書中に記載される技
術または当該分野で公知のそれ以外の技術(例えば、SmithおよびJohn
son、Gene 67:31−40(1988)に記載される1工程の方法に
よるような)を使用して実質的に精製され得る。本発明のポリぺプチドはまた、
例えば、分泌タンパク質に対して惹起される本発明の抗体のように、本明細書中
に記載される技術または当該分野において公知のそれ以外の技術を使用して、天
然、合成または組換えの供給源から精製され得る。
【0252】 本発明は、SEQ ID NO:Xの核酸配列、および/またはATCC寄託
物Z中に含まれるcDNAを含むか、あるいはそれらからなるポリヌクレオチド
を提供する。本発明はまた、SEQ ID NO:Yのポリペプチド配列および
/またはATCC寄託物Z中に含まれるcDNAによりコードされるポリペプチ
ドを含むか、あるいはそれらからなるポリペプチドを提供する。SEQ ID
NO:Yのポリペプチド配列および/またはATCC寄託物Z中に含まれるcD
NAによりコードされるポリペプチド配列を含むか、あるいはそれらからなるポ
リペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、本発明に包含される。
【0253】 (シグナル配列) 本発明はまた、SEQ ID NO:Yのポリペプチド配列、および/または
寄託されたクローン中のcDNAによりコードされるポリペプチド配列を有する
ポリペプチドの成熟形態を包含する。成熟形態をコードするポリヌクレオチド(
例えば、SEQ ID NO:Xのポリヌクレオチド配列、および/または寄託
されたクローンのcDNAに含まれるポリヌクレオチド配列のような)もまた、
本発明に包含される。シグナル仮説に従うと、哺乳動物細胞により分泌されるタ
ンパク質は、一旦、粗面小胞体を横切る伸長中のタンパク質鎖の輸送が開始され
ると成熟タンパク質から切断される、シグナル配列または分泌リーダー配列を有
する。ほとんどの哺乳動物細胞および昆虫細胞でさえも、同じ特異性を有する分
泌タンパク質を切断する。しかし、いくつかの場合、分泌タンパク質の切断は、
完全には、均一ではなく、このことは、このタンパク質の2以上の成熟種を生じ
る。さらに、分泌タンパク質の切断特異性は、最終的には、完全なタンパク質の
一次構造によって決定される(すなわち、これは、このポリペプチドのアミノ酸
配列に固有である)ことが長い間公知である。
【0254】 タンパク質が、シグナル配列、ならびにその配列についての切断点を有するか
否かを予測するための方法が、利用可能である。例えば、McGeoch,Vi
rus Res.3:271−286(1985)の方法は、短いN末端荷電領
域およびそれに続く完全な(切断されていない)タンパク質の非荷電領域からの
情報を使用する。von Heinje,Nucleic Acids Res
.14:4683−4690(1986)の方法は、切断部位の周辺の残基(代
表的に−13〜+2残基)からの情報を使用し、ここで、+1は、分泌タンパク
質のアミノ末端を示す。これらの方法のそれぞれについての、公知の哺乳動物分
泌タンパク質の切断点を予測することの正確さは、75〜80%の範囲にある(
von Heinje、前出)。しかし、2つの方法は、所定のタンパク質につ
いて、同じ推定切断点を必ずしも生成するとは限らない。
【0255】 本発明の場合において、分泌ポリぺプチドの推定アミノ酸配列は、Signa
lPと呼ばれるコンピュータープログラム(Henrik Nielsenら、
Protein Engineering 10:1−6(1997))によっ
て分析され、このプログラムは、アミノ酸配列に基づいてタンパク質の細胞での
位置を予測する。この局在化のコンピューター予測の一部として、McGeoc
hおよびvon Heinjeの方法が援用される。このプログラムによって、
本明細書中に記載される分泌タンパク質のアミノ酸配列の分析は、表1において
示される結果を提供した。
【0256】 しかし、当業者に理解されるように、切断部位は、時折、生物に応じて変化し
、そして絶対的な確実性を伴っては予測され得ない。従って、本発明は、SEQ
ID NO:Yにおいて示される配列を有する分泌ポリぺプチドを提供し、こ
れは推定切断点の5残基(すなわち、+5または−5残基)内で始まるN末端を
有する。同様に、いくつかの場合において、分泌タンパク質からのシグナル配列
の切断は、完全に均一という訳ではなく、1つより多くの分泌される種を生じる
こともまた認識される。これらのポリぺプチド、およびこのようなポリぺプチド
をコードするポリヌクレオチドは、本発明によって意図される。
【0257】 さらに、上述の分析によって同定されるシグナル配列は、天然に存在するシグ
ナル配列を必ずしも予測しないかもしれない。例えば、天然に存在するシグナル
配列は、推定シグナル配列からさらに上流にあり得る。しかし、推定シグナル配
列は、分泌タンパク質をERに指向し得る可能性がある。それにもかかわらず、
本発明は、哺乳動物細胞(例えば、下記のようなCOS細胞)において、SEQ
ID NO:Xのポリヌクレオチド配列および/または寄託されたクローンの
cDNAに含まれるポリヌクレオチド配列の発現により産生される成熟タンパク
質を提供する。これらのポリぺプチド、およびこのようなポリぺプチドをコード
するポリヌクレオチドは、本発明によって意図される。
【0258】 (ポリヌクレオチドおよびポリぺプチド改変体) 本発明は、SEQ ID NO:Xに開示されたポリヌクレオチド配列、それ
に対する相補鎖、および/または寄託されたクローン中に含まれるcDNA配列
の改変体に関する。
【0259】 本発明はまた、SEQ ID NO:Yに開示されるポリペプチド配列、およ
び/または寄託されたクローンによりコードされるポリペプチド配列の改変体を
包含する。
【0260】 「改変体」とは、本発明のポリヌクレオチドまたはポリぺプチドとは異なるが
、それらの本質的な特性を保持するポリヌクレオチドまたはポリぺプチドをいう
。一般に、改変体は、全体的に密接に類似し、そして、多くの領域において、本
発明のポリヌクレオチドまたはポリぺプチドに同一である。
【0261】 本発明はまた、例えば、SEQ ID NO:Xのヌクレオチドをコードする
配列またはその相補鎖、寄託されたcDNAクローンに含まれるヌクレオチドを
コードする配列またはその相補鎖、SEQ ID NO:Yのポリペプチドをコ
ードするヌクレオチド配列、寄託されたクローンに含まれるcDNAによりコー
ドされるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、および/またはこれらの
核酸分子のいずれかのポリヌクレオチドフラグメント(例えば、本明細書中に記
載されるフラグメント)に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%
、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列を含むか
、あるいはそれらからなる核酸分子に関する。ストリンジェントなハイブリダイ
ゼーション条件またはより低いストリンジェントな条件の下で、これらの核酸分
子にハイブリダイズするポリヌクレオチド、これらのポリヌクレオチドによりコ
ードされるポリペプチドもまた、本発明により包含される。
【0262】 本発明はまた、例えば、SEQ ID NO:Yに示されるポリペプチド配列
、寄託されたクローン中に含まれるcDNAによりコードされるポリペプチド配
列、および/またはこれらのポリペプチドのいずれかのポリペプチドフラグメン
ト(例えば、本明細書中に記載されるフラグメント)に対して、少なくとも80
%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミ
ノ酸配列を含むか、あるいはそれらからなるポリペプチドに関する。
【0263】 本発明の参照ヌクレオチド配列に、例えば、少なくとも95%「同一」である
ヌクレオチド配列を有する核酸によって、核酸のヌクレオチド配列が、ヌクレオ
チド配列がポリぺプチドをコードする参照ヌクレオチド配列の各100ヌクレオ
チドあたり5つまでの点変異を含み得ることを除いて、参照配列に対して同一で
あることを意図する。換言すれば、参照ヌクレオチド配列に対して少なくとも9
5%同一のヌクレオチド配列を有する核酸を得るために、参照配列のヌクレオチ
ドの5%までが、欠失され得るか、または別のヌクレオチドで置換され得るか、
または参照配列中の総ヌクレオチドの5%までの多数のヌクレオチドが参照配列
中に挿入され得る。問い合わせ(query)配列は、表1に示される配列全体
、ORF(オープンリーディングフレーム)、または本明細書中で記載されるよ
うに特定される任意のフラグメントであり得る。
【0264】 実際問題として、任意の特定の核酸分子またはポリぺプチドが、本発明のヌク
レオチド配列に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、9
7%、98%、または99%同一であるか否かは、公知のコンピュータープログ
ラムを使用して従来的に決定され得る。問い合わせ配列(本発明の配列)と対象
配列との間の最も良好な全体的な適合性(全体的な配列整列ともいわれる)を決
定するための好ましい方法は、Brutlagら(Comp.App. Bio
sci.6:237−245(1990))のアルゴリズムに基づくFASTD
Bコンピュータープログラムを使用して決定され得る。配列整列において、問い
合わせ配列および対象配列は、両方ともにDNA配列である。RNA配列は、U
からTに変換することによって比較され得る。この全体的な配列整列の結果は、
同一性パーセント(%)で示される。同一性パーセントを算定するためにDNA
配列のFASTDB整列において使用される好ましいパラメーターは:Matr
ix=Unitary、k−tuple=4、Mismatch Penalt
y=1、Joining Penalty=30、Randomization
Group Length=0、Cutoff Score=1、Gap P
enalty=5、Gap Size Penalty 0.05、Windo
w Size=500または対象ヌクレオチド配列の長さ(どちらかより短い方
)である。
【0265】 対象配列が、5’または3’欠失のために(内部欠失のためではなく)問い合
わせ配列より短い場合、手動の補正が結果に対してなされなけらばならない。こ
れは、同一性パーセントを計算する場合に、FASTDBプログラムが対象配列
の5’および3’切断を考慮しないからである。5’末端または3’末端で切断
される対象配列について、問い合わせ配列に対して、同一性パーセントは、問い
合わせ配列の総塩基のパーセントとして一致/整列されない対象配列の5’およ
び3’である問い合わせ配列の塩基の数を計算することによって補正される。ヌ
クレオチドが一致/整列されるか否かは、FASTDB配列整列の結果によって
決定される。次いで、このパーセントは、同一性パーセントから差し引かれ、特
定のパラメーターを用いて上記のFASTDBプログラムによって算定され、最
終的な同一性パーセントのスコアに到達する。この補正されたスコアが、本発明
の目的に使用されるものである。FASTDB整列によって示されるように、問
い合わせ配列と一致/整列されない、対象配列の5’および3’塩基の外側の塩
基のみが、同一性パーセントのスコアを手動で調整する目的で算定される。
【0266】 例えば、90塩基の対象配列は、同一性パーセントを決定するために100塩
基の問い合わせ配列に整列される。欠失は、対象配列の5’末端で生じ、従って
、FASTDB整列は、5’末端の最初の10塩基で一致/整列を示さない。1
0個の不対合塩基は、配列の10%(一致していない5’および3’末端での塩
基の数/問い合わせ配列の塩基の総数)を表し、そのため10%は、FASTD
Bプログラムによって算定される同一性パーセントのスコアから差し引かれる。
残りの90塩基が完全に一致する場合は、最終的な同一性パーセントは90%で
ある。別の例では、90塩基の対象配列が、100塩基の問い合わせ配列と比較
される。この場合、欠失は、内部欠失であり、その結果、問い合わせと一致/整
列しない対象配列の5’または3’に塩基が存在しない。この場合、FASTD
Bによって算定される同一性パーセントは手動で補正されない。再び、問い合わ
せ配列と一致/整列しない対象配列の5’および3’の塩基のみが手動で補正さ
れる。他の手動の補正は、本発明の目的のためにはなされない。
【0267】 本発明の問い合わせアミノ酸配列に、例えば、少なくとも95%「同一」であ
るアミノ酸配列を有するポリぺプチドにより、対象ポリペプチドのアミノ酸配列
は、対象ポリぺプチド配列が、問い合わせアミノ酸配列の各100個のアミノ酸
あたり5つまでのアミノ酸の変更を含み得ることを除いて、問い合わせ配列に同
一であることが意図される。換言すれば、問い合わせアミノ酸配列に少なくとも
95%同一であるアミノ酸配列を有するポリぺプチドを得るために、対象配列に
おけるアミノ酸残基の5%までが、挿入、欠失、(消えない(indels))
または別のアミノ酸で置換され得る。参照配列のこれらの変化は、参照アミノ酸
配列のアミノ末端もしくはカルボキシ末端位置で生じ得るか、またはそれらの末
端位置の間のどこにでも生じ得、参照配列中の残基間で個々に、または参照配列
内の1つ以上の連続する群においてのいずれかで、散在される。
【0268】 実際問題として、任意の特定のポリぺプチドが、例えば、表1に示されるアミ
ノ酸配列(SEQ ID NO:Y)に対して、または寄託されたクローンに含
まれるcDNAによってコードされるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%
、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である
か否かは、従来的に、公知のコンピュータープログラムを使用して決定され得る
。問い合わせ配列(本発明の配列)と対象配列との間での最良の全体的な一致(
全体的配列整列としても参照される)を決定するための好ましい方法は、Bru
tlagら(Comp.App.Biosci.6:237−245(1990
))のアルゴリズムに基づくFASTDBコンピュータープログラムを使用して
決定され得る。配列整列において、問い合わせ配列および対象配列は、両方とも
ヌクレオチド配列であるかまたは両方ともアミノ酸配列であるかのいずれかであ
る。上記の全体的配列整列の結果は、同一性パーセントで示される。FASTD
Bアミノ酸整列に用いられる好ましいパラメーターは:Matrix=PAM
0、k−tuple=2、Mismatch Penalty=1、Joini
ng Penalty=20、Randomization Group Le
ngth=0、Cutoff Score=1、Window Size =
配列の長さ、Gap Penalty=5、Gap Size Penalty
= 0.05、Window Size=500または対象アミノ酸配列の長
さ(どちらかより短い方)である。
【0269】 対象配列が、N末端またはC末端欠失により(内部の欠失のためではなく)問
い合わせ配列よりも短い場合、手動の補正が結果に対してなされなけらばならな
い。これは、FASTDBプログラムが、全体的な同一性パーセントを算定する
場合に、対象配列のN末端切断およびC末端切断を考慮しないからである。N末
端およびC末端で短縮されている対象配列について、問い合わせ配列に対して、
同一性パーセントは、問い合わせ配列の総塩基のパーセントとして、対応する対
象残基と一致/整列しない、対象配列のN末端およびC末端である問い合わせ配
列の残基の数を計算することによって補正される。残基が一致/整列されている
か否かは、FASTDB配列整列の結果によって決定される。次いで、このパー
セントは、同一性パーセントから差し引かれ、上記のFASTDBプログラムに
よって特定のパラメーターを使用して計算され、最終的な同一性パーセントのス
コアに到達する。この最終的な同一性パーセントのスコアは、本発明の目的で使
用されるものである。問い合わせ配列と一致/整列していない対象配列のN末端
およびC末端側の残基のみが、同一性パーセントのスコアを手動で調整する目的
のために考慮される。すなわち、問い合わせ残基位置のみが、対象配列の最も遠
いN末端およびC末端残基の外側に位置する。
【0270】 例えば、90アミノ酸残基の対象配列は、同一性パーセントを決定するために
100残基の問い合わせ配列と整列される。欠失が対象配列のN末端で生じ、そ
してそれゆえFASTDB整列は、N末端での最初の10残基の一致/整列を示
さない。10個の不対合残基は、配列の10%(一致していないN末端およびC
末端での残基の数/問い合わせ配列中の残基の総数)を表し、その結果FAST
DBプログラムによって計算される同一性パーセントのスコアから10%が差し
引かれる。残りの90残基が完全に一致した場合、最終的な同一性パーセントは
90%である。別の例において、90残基の対象配列が、100残基の問い合わ
せ配列と比較される。この場合、欠失は、内部欠失であり、そのため問い合わせ
配列と一致/整列しない対象配列のN末端またはC末端の残基は存在しない。こ
の場合、FASTDBによって算定される同一性パーセントは、手動で補正され
ない。再び、FASTDB整列において示される、問い合わせ配列と一致/整列
しない対象配列のN末端およびC末端の外の残基位置のみが手動で補正される。
他の手動の補正は、本発明の目的のためにはなされない。
【0271】 改変体は、コード領域、非コード領域、またはその両方における変化を含み得
る。特に好ましいものは、サイレントな置換、付加、または欠失を生成するが、
コードされるポリぺプチドの特性または活性を変化させない変化を含むポリヌク
レオチド改変体である。遺伝コードの縮重に起因するサイレントな置換によって
生成されるヌクレオチド改変体が、好ましい。さらに、任意の組合せにおいて5
〜10、1〜5、もしくは1〜2アミノ酸が置換、欠失、または付加される改変
体もまた、好ましい。ポリヌクレオチド改変体は、種々の理由(例えば、特定の
宿主についてのコドン発現を至適化する(ヒトmRNAにおけるコドンを、E.
coliのような細菌宿主によって好ましいコドンに変化させる))のために、
生成され得る。
【0272】 天然に存在する改変体は、「対立遺伝子改変体」と呼ばれ、そして生物の染色
体上の所定の遺伝子座を占有する遺伝子のいくつかの代替の形態のうちの1つを
いう。(Genes II、Lewin,B.編 John Wiley &
Sons,New York(1985))。これらの対立遺伝子改変体は、ポ
リヌクレオチドレベルおよび/またはポリぺプチドレベルのいずれかで変化し得
、そして本発明に含まれる。あるいは、天然に存在しない改変体は、変異誘発技
術によってまたは直接合成によって生成され得る。
【0273】 タンパク質工学および組換えDNA技術の公知の方法を使用して、改変体は、
本発明のポリぺプチドの特性を改善または変化させるために作製され得る。例え
ば、1つ以上のアミノ酸は、生物学的機能の実質的な欠損を伴わずに、分泌タン
パク質のN末端またはC末端から欠失され得る。Ronら、J.Biol.Ch
em.268:2984−2988(1993)の著者らは、3、8、または2
7個のアミノ末端のアミノ酸残基を欠失させた後でさえもヘパリン結合活性を有
する改変体KGFタンパク質を報告した。同様に、インターフェロンγは、この
タンパク質のカルボキシ末端から8〜10個のアミノ酸残基を欠失させた後、1
0倍までのより高い活性を示した(Dobeliら、J.Biotechnol
ogy 7:199−216(1988))。
【0274】 さらに、豊富な証拠は、改変体が、天然に存在するタンパク質の生物学的活性
に類似する活性をしばしば保持することを実証する。例えば、Gayleおよび
共同研究者ら(J.Biol.Chem 268:22105−22111(1
993))は、ヒトサイトカインIL−1aの広範囲にわたる変異分析を行った
。彼らは、ランダムな変異誘発を使用して、分子の全長にわたって改変体当たり
平均2.5アミノ酸の変化になる、3,500個を超える個々のIL−1a変異
体を作製した。複数の変異が、全ての可能性のあるアミノ酸の位置で試験された
。この研究者らは、「分子の大部分は、[結合活性または生物学的活性]のいず
れに対してもほとんど影響を伴わずに変化され得る」ことを見出した。(要約を
参照のこと)。実際、試験された3,500個を超えるヌクレオチド配列のうち
、わずか23個の独特なアミノ酸配列が、野生型と活性が有意に異なるタンパク
質を生成した。
【0275】 さらに、ポリぺプチドのN末端またはC末端からの1つ以上のアミノ酸の欠失
が、1つ以上の生物学的機能の改変または欠失を生じたとしても、他の生物学的
活性はなお保持され得る。例えば、分泌される形態を認識する抗体を誘導および
/または結合する、欠失改変体の能力は、分泌される形態の大多数より少ない残
基が、N末端またはC末端から除去される場合に保持されるようである。タンパ
ク質のN末端またはC末端残基を欠損する特定のポリぺプチドが、このような免
疫原性活性を保持するか否かは、本明細書中に記載される慣用的な方法、および
そうでなければ当該分野において公知の慣用的な方法によって容易に決定され得
る。
【0276】 従って、本発明はさらに、実質的な生物学的活性を示すポリぺプチド改変体を
含む。このような改変体としては、活性に対する影響をほとんど有さないように
、当該分野において公知の通則に従って選択される、欠失、挿入、逆位、反復、
および置換が挙げられる。例えば、表現型的にサイレントなアミノ酸置換を作製
する方法に関する指針は、Bowieら、Science 247:1306−
1310(1990)において提供され、ここで、著者らは変化に対するアミノ
酸配列の寛容性を研究するための2つの主要なストラテジーがあることを指摘す
る。
【0277】 第1のストラテジーは、進化の過程の間の自然選択によるアミノ酸置換の寛容
を利用する。異なる種におけるアミノ酸配列を比較して、保存されるアミノ酸が
同定され得る。これらの保存されるアミノ酸は、タンパク質の機能について重要
であるようである。対照的に、置換が自然の選択によって寛容されたアミノ酸の
位置は、これらの位置がタンパク質の機能に重要ではないことを示す。従って、
アミノ酸置換を寛容する位置は改変され得るが、タンパク質の生物学的活性をな
おも維持する。
【0278】 第2のストラテジーは、タンパク質機能に重要な領域を同定するために、クロ
ーン化された遺伝子の特定の位置でアミノ酸変化を導入するための遺伝子工学を
使用する。例えば、部位特異的変異誘発またはアラニンスキャニング変異誘発(
分子中の各残基での1つのアラニン変異の導入)が、使用され得る。(Cunn
inghamおよびWells,Science 244:1081−1085
(1989))。次いで、得られた変異分子は生物学的活性について試験され得
る。
【0279】 著者らが言及するように、これらの2つのストラテジーは、タンパク質がアミ
ノ酸置換に驚くほど寛容であることを明らかにした。著者らはさらに、どのアミ
ノ酸変化が、タンパク質中の特定のアミノ酸位置で許容されるようであるかを示
す。例えば、(タンパク質の三次構造内に)ほとんど埋もれているアミノ酸残基
は、非極性側鎖を必要とするが、表面側鎖の特徴は、一般にほとんど保存されな
い。さらに、寛容される保存的なアミノ酸置換は、脂肪族または疎水性アミノ酸
のAla、Val、Leu、およびIleの置換;ヒドロキシル残基のSerお
よびThrの置換;酸性残基のAspおよびGluの置換;アミド残基のAsn
およびGlnの置換、塩基性残基のLys、Arg、およびHisの置換;芳香
族残基のPhe、Tyr、およびTrpの置換、ならびに小さなサイズのアミノ
酸のAla、Ser、Thr、Met、およびGlyの置換を含む。
【0280】 保存的なアミノ酸置換に加えて、本発明の改変体は、(i)1つ以上の非保存
的なアミノ酸残基との置換、ここでは置換されるアミノ酸残基は、遺伝コードに
よってコードされるアミノ酸残基であってもよく、もしくはそうでなくてもよい
、または(ii)置換基を有する1つ以上のアミノ酸残基での置換、または(i
ii)別の化合物(例えば、ポリぺプチドの安定性および/もしくは可溶性を増
加するための化合物(例えば、ポリエチレングリコール))との成熟ポリぺプチ
ドの融合、または(iv)さらなるアミノ酸(例えば、IgG Fc融合領域ペ
プチド、またはリーダーもしくは分泌配列、または精製を容易にする配列)との
ポリぺプチドの融合を含む。このような改変体ポリぺプチドは、本明細書中の教
示から、当業者の範囲内であると考えられる。
【0281】 例えば、他の荷電されたアミノ酸または中性のアミノ酸での荷電されたアミノ
酸のアミノ酸置換を含むポリぺプチド改変体は、改善された特性(例えば、より
少ない凝集性)を有するタンパク質を生成し得る。薬学的処方物の凝集は、凝集
体の免疫原活性に起因して、活性の減少およびクリアランスの増加の両方をもた
らす。(Pinckardら、Clin.Exp.Immunol.2:331
−340(1967);Robbinsら、Diabetes 36:838−
845(1987);Clelandら、Crit.Rev.Therapeu
tic Drug Carrier Systems 10:307−377(
1993))。
【0282】 本発明のさらなる実施形態は、少なくとも1つのアミノ酸置換を含むが、50
アミノ酸置換を超えず、さらにより好ましくは、40アミノ酸置換を超えず、な
おより好ましくは、30アミノ酸置換を超えず、そしてなおさらにより好ましく
は、20アミノ酸置換を超えないアミノ酸配列を有する本発明のアミノ酸配列を
含むポリペプチドに関する。当然、好ましさの増大する順番に、ペプチドまたは
ポリペプチドは、少なくとも1つのアミノ酸置換を含むが、10、9、8、7、
6、5、4、3、2、または1アミノ酸置換を超えない本発明のアミノ酸配列を
含むアミノ酸配列を有することが非常に好ましい。特定の実施形態において、本
発明のアミノ酸配列またはそのフラグメント(例えば、本明細書に記載の成熟形
態および/または他のフラグメント)における付加、置換、および/または欠失
の数は、1〜5、5〜10、5〜25、5〜50、10〜50、または50〜1
50であり、保存的アミノ酸置換が好ましい。
【0283】 (ポリヌクレオチドフラグメントおよびポリペプチドフラグメント) 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドのポリヌクレオチドフラグメントに
関する。
【0284】 本発明において、「ポリヌクレオチドフラグメント」とは、以下である核酸配
列を有する短いポリヌクレオチドをいう:寄託されたクローンに含まれるか、も
しくは寄託されたクローン中のcDNAによりコードされるポリペプチドをコー
ドする核酸配列の一部であるか;配列番号Xもしくはそれらの相補鎖に示される
核酸配列の一部であるか、または配列番号Yのポリペプチドをコードするポリヌ
クレオチド配列の一部である。本発明のヌクレオチドフラグメントは、好ましく
は、少なくとも約15nt、そしてより好ましくは少なくとも約20nt、さら
により好ましくは少なくとも約30nt、そしてなおより好ましくは少なくとも
約40nt、少なくとも約50nt、少なくとも約75nt、または少なくとも
約150ntの長さである。例えば、「少なくとも約20ntの長さ」のフラグ
メントは、寄託されたクローンに含まれるcDNA配列または配列番号Xに示さ
れるヌクレオチド配列由来の20以上の連続する塩基を含むことが意図される。
この文脈において「約(おおよそ)」は、特に記載された値(いずれかの末端も
しくは両方の末端において、数個(5、4、3、2、または1)のヌクレオチド
だけ大きいかまたは小さな値)を含む。これらのヌクレオチドフラグメントは、
本明細書中で議論されるように、診断プローブおよびプライマーとしての使用を
含むが、それらに限定されない。当然ながら、より大きなフラグメント(例えば
、50、150、500、600、2000ヌクレオチド)は好ましい。
【0285】 さらに、本発明のポリヌクレオチドフラグメントの代表例としては、例えば、
以下のおおよそのヌクレオチド数の配列を含むか、あるいは以下のおおよそのヌ
クレオチド数の配列からなるフラグメントが挙げられる:1〜50、51〜10
0、101〜150、151〜200、201〜250、251〜300、30
1〜350、351〜400、401〜450、451〜500、501〜55
0、551〜600、651〜700、701〜750、751〜800、80
0〜850、851〜900、901〜950、951〜1000、1001〜
1050、1051〜1100、1101〜1150、1151〜1200、1
201〜1250、1251〜1300、1301〜1350、1351〜14
00、1401〜1450、1451〜1500、1501〜1550、155
1〜1600、1601〜1650、1651〜1700、1701〜1750
、1751〜1800、1801〜1850、1851〜1900、1901〜
1950、1951〜2000、もしくは2001から配列番号Xの末端、また
はそれらの相補鎖、あるいは寄託されたクローンに含まれるcDNA。この文脈
において、「おおよそ(約)」は、特に記載された範囲、およびいずれかの末端
もしくは両方の末端において、数個(5、4、3、2、または1)のヌクレオチ
ドだけ大きいかまたは小さな範囲を含む。好ましくは、これらのフラグメントは
、生物学的活性を有するポリペプチドをコードする。より好ましくは、これらの
ポリヌクレオチドは、本明細書中で議論されるようにプローブまたはプライマー
として使用され得る。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下または
より低いストリンジェンシー条件下で、これらの核酸分子にハイブリダイズする
ポリヌクレオチドもまた本発明に含まれ、これらのポリヌクレオチドによりコー
ドされるポリペプチドも同様である。
【0286】 本発明において、「ポリペプチドフラグメント」とは、配列番号Yに含まれる
か、または寄託されたクローンに含まれるcDNAによってコードされるアミノ
酸配列の一部である、アミノ酸配列をいう。タンパク質(ポリペプチド)フラグ
メントは、「自立構造(free−standing)」であり得るか、あるい
はより大きなポリぺプチド内(そのフラグメントが、部分または領域を(最も好
ましくは単一の連続した領域として)形成する)に含まれ得る。本発明のポリペ
プチドフラグメントの代表的な例としては、例えば、以下のおおよそのアミノ酸
数を含むか、あるいは以下のおおよそのアミノ酸数からなるフラグメントが挙げ
られる:1〜20、21〜40、41〜60、61〜80、81〜100、10
2〜120、121〜140、141〜160、または161からコード領域の
末端まで。さらに、ポリペプチドフラグメントは、約20、30、40、50、
60、70、80、90、100、110、120、130、140、または1
50アミノ酸の長さであり得る。この文脈において、「約(おおよそ)」とは、
特に記載された範囲または値、およびいずれかの末端もしくは両方の末端におい
て、数個(5、4、3、2、または1)のアミノ酸だけ大きいかまたは小さな範
囲または値を含む。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた
、本発明に含まれる。
【0287】 好ましいポリペプチドフラグメントとしては、分泌タンパク質および成熟形態
が挙げられる。さらに好ましいポリペプチドフラグメントとしては、アミノ末端
もしくはカルボキシ末端またはその両方から、連続した一連の残基を欠失した分
泌タンパク質もしくは成熟形態が挙げられる。例えば、任意の数のアミノ酸(1
〜60の範囲)は、分泌ポリペプチドもしくは成熟形態のいずれかのアミノ末端
から欠失され得る。同様に、任意の数のアミノ酸(1〜30の範囲)が、分泌タ
ンパク質もしくは成熟形態のカルボキシ末端から欠失され得る。さらに、上記の
アミノ末端およびカルボキシ末端の欠失の任意の組み合わせは好ましい。同様に
、これらのポリペプチドフラグメントをコードするポリヌクレオチドもまた好ま
しい。
【0288】 構造的または機能的ドメインによって特徴付けられるポリペプチドおよびポリ
ヌクレオチドのフラグメント(例えば、α−へリックスおよびα−へリックス形
成領域、β−シートおよびβ−シート形成領域、ターンおよびターン形成領域、
コイルおよびコイル形成領域、親水性領域、疎水性領域、α両親媒性領域、β両
親媒性領域、可撓性領域、表面形成領域、基質結合領域、および高い抗原性指標
領域を含むフラグメント)もまた、好ましい。保存性ドメインの中に含まれる配
列番号Yのポリペプチドフラグメントは、本発明によって特に意図される。さら
に、これらのドメインをコードするポリヌクレオチドもまた、意図される。
【0289】 他の好ましいポリペプチドフラグメントは、生物学的に活性なフラグメントで
ある。生物学的に活性なフラグメントは、類似の活性を示すが本発明のポリペプ
チドの活性とは必ずしも同一ではないフラグメントである。このフラグメントの
生物学的活性は、改善された所望の活性または減少した所望でない活性を含み得
る。これらのポリペプチドフラグメントをコードするポリヌクレオチドもまた、
本発明に含まれる。
【0290】 好ましくは、本発明のポリヌクレオチドフラグメントは、機能的活性を示すポ
リペプチドをコードする。「機能的活性」を示すポリペプチドとは、本発明のタ
ンパク質の全長(完全)ポリペプチドと関連した1つ以上の公知の機能的活性を
示し得るポリペプチドを意味する。このような機能的活性としては、生物学的活
性、抗原性[本発明のポリペプチドに対する抗体に結合する(または結合するこ
とについて、本発明のポリペプチドと競合する)能力]、免疫原性(本発明のポ
リペプチドに結合する抗体を生成する能力)、本発明のポリペプチドとマルチマ
ーを形成する能力、および本発明のポリペプチドについてのレセプターまたはリ
ガンドに結合する能力が挙げられるが、これらに限定されない。
【0291】 本発明のポリペプチド、ならびにそれらのフラグメント、改変体、誘導体、お
よびアナログの機能的活性は、種々の方法によってアッセイされ得る。
【0292】 例えば、本発明のポリペプチドの抗体への結合に対して、本発明の全長ポリペ
プチドに結合するかまたはそれと競合する能力についてアッセイする、1つの実
施形態では、当該分野で公知の種々のイムノアッセイが、用いられ得る。このよ
うなアッセイとしては、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着
アッセイ)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、イムノラジオメトリックアッセ
イ、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、インサイチュイムノアッセイ(例え
ば、コロイド金、酵素または放射性同位体標識を用いる)、ウェスタンブロット
、沈降反応、凝集アッセイ(例えば、ゲル凝集アッセイ、血球凝集アッセイ)、
補体結合アッセイ、免疫蛍光アッセイ、プロテインAアッセイ、および免疫電気
泳動アッセイなどのような技術を用いる競合および非競合アッセイ系が挙げられ
るが、これらに限定されない。1つの実施形態では、抗体結合が、一次抗体上の
標識を検出することによって検出される。別の実施形態では、この一次抗体は、
この一次抗体に対する二次抗体または試薬の結合を検出することによって検出さ
れる。さらなる実施形態では、この二次抗体が標識される。多くの手段が、イム
ノアッセイにおける結合の検出について当該分野で公知であり、そして本発明の
範囲内である。
【0293】 別の実施形態では、同定された本発明のポリペプチドについてのリガンド、ま
たは本発明のポリペプチドフラグメント、改変体、または誘導体が多量体化する
能力が評価される場合、結合が、例えば、還元および非還元ゲルクロマトグラフ
ィー、タンパク質アフィニティークロマトグラフィー、ならびにアフィニティー
ブロッティングのような当該分野で周知の手段によって、アッセイされ得る。一
般には、Phizicky,E.ら、1995、Microbiol.Rev.
59:94−123を参照のこと。別の実施形態では、その基質への本発明のポ
リペプチドの結合の生理学的相関(シグナル伝達)がアッセイされ得る。
【0294】 さらに、本明細書中に記載のアッセイ(実施例を参照のこと)および当該分野
で公知の他のアッセイは、本発明のポリペプチドならびにそれらのフラグメント
、改変体、誘導体、およびアナログが、本発明のポリペプチドの生物学的活性に
関連した関連の生物学的活性を(インビトロまたはインビボのいずれかで)惹起
する能力を測定するために、慣用的に適用され得る。他の方法は、当業者に公知
であり、そして本発明の範囲内である。
【0295】 (エピトープおよび抗体) 本発明は、配列番号Yのアミノ酸配列を有するポリペプチドのエピトープ、ま
たはATCC寄託番号Zに含まれるポリヌクレオチド配列によって、もしくは配
列番号Xの配列の相補物にハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコード
されるポリペプチド配列のエピトープ、または上記で規定されたようなストリン
ジェントなハイブリダイゼーション条件下もしくはより低いストリンジェンシー
のハイブリダイゼーション条件下でATCC寄託番号Zに含まれるポリヌクレオ
チド配列によってコードされるポリペプチドのエピトープを含むか、あるいはそ
れらからなるポリペプチドを含む。本発明はさらに、本発明のポリペプチド配列
(例えば、配列番号Xで開示された配列のような)のエピトープをコードするポ
リヌクレオチド配列、本発明のエピトープをコードするポリヌクレオチド配列の
相補鎖のポリヌクレオチド配列、および上記で定義されたストリンジェントなハ
イブリダイゼーション条件またはより低いストリンジェンシーのハイブリダイゼ
ーション条件で相補鎖にハイブリダイズするポリヌクレオチド配列を含む。
【0296】 本明細書中で使用される用語「エピトープ」とは、動物、好ましくは哺乳動物
、そして最も好ましくはヒトにおいて抗原性活性または免疫原性活性を有するポ
リペプチドの部分をいう。好ましい実施形態において、本発明は、このポリペプ
チドをコードするエピトープならびにポリヌクレオチドを含むポリペプチドを含
む。本明細書で使用される場合、「免疫原性エピトープ」は、動物における抗体
応答を誘発するタンパク質の一部分として定義され、当該分野で公知の任意の方
法(例えば、以下に記載された抗体作製の方法)によって測定された。(例えば
、Geysenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:3
998−4002(1983)を参照のこと)。本明細書中で使用される場合、
用語「抗原性エピトープ」とは、当該分野で周知の任意の方法(例えば、本明細
書中に記載されたイムノアッセイ)によって測定されるように、抗体がその抗原
に免疫特異的に結合し得るタンパク質の一部として定義される。免疫特異的な結
合は、非特異的な結合を除外するが、必ずしも他の抗原との交差反応性を除外す
る必要はない。抗原性エピトープは、必ずしも免疫原性を必要とはしない。
【0297】 エピトープとして機能するフラグメントは、任意の従来の手段により作製され
得る。(例えば、Houghten、Proc.Natl.Acad.Sci.
USA 82:5131−5135(1985)(米国特許第4,631,21
1号にさらに記載される)を参照のこと)。
【0298】 本発明において、抗原性エピトープは、好ましくは、少なくとも4個、少なく
とも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、より好ましくは少なくとも8個、
少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少
なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも20個、少
なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、そ
して最も好ましくは約15〜約30個の間のアミノ酸の配列を含む。好ましいポ
リペプチドは、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、
50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100
アミノ酸残基長の免疫原性エピトープあるいは抗原性エピトープを含む。さらな
る非排他的な好ましい抗原性エピトープは、本明細書で開示された抗原性エピト
ープ、ならびにそれらの一部を含む。抗原性エピトープは、例えば、このエピト
ープに特異的に結合する抗体(モノクローナル抗体を含む)を惹起するために有
用である。好ましい抗原性エピトープは、本明細書に開示された抗原性エピトー
プ、ならびにこれらの抗原性エピトープの2つ、3つ、4つ、5つ以上の任意の
組み合わせを含む。抗原性エピトープは、イムノアッセイの標的分子として使用
され得る。(例えば、Wilsonら、Cell 37:767−778(19
84);Sutcliffeら、Science 219:660−666(1
983)を参照のこと)。
【0299】 同様に、免疫原性のエピトープを使用して、例えば、当該分野で周知の方法に
従って抗体を誘導し得る。(例えば、Sutcliffeら(前出);Wils
onら(前出);Chowら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA
82:910−914;およびBittleら、J.Gen.Virol.6
6:2347−2354(1985)を参照のこと)。好ましい免疫原性エピト
ープは、本明細書で開示された免疫原性エピトープ、ならびにこれらの免疫原性
エピトープの2つ、3つ、4つ、5つ以上の任意の組み合わせを含む。1つ以上
の免疫原性エピトープを含むポリペプチドは、キャリアタンパク質(例えば、ア
ルブミン)とともに動物系(例えば、ウサギまたはマウス)に対する抗体応答を
惹起するために提示され得るか、または、そのポリペプチドが十分に長い場合で
は(少なくとも約25アミノ酸)、そのポリペプチドは、キャリアなしで提示さ
れ得る。しかし、8〜10程度のわずかなアミノ酸を含む免疫原性エピトープが
、変性されたポリペプチドの直鎖エピトープに(少なくとも)結合し得る抗体を
惹起するのに十分であることが示された(例えば、ウエスタンブロッティングに
おいて)。
【0300】 本発明のエピトープ保有ポリペプチドは、当該分野で周知の方法に従って抗体
を誘導するために使用され得る。この方法としては、インビボ免疫、インビトロ
免疫、およびファージディスプレイ法が挙げられるが、それらに限定されない。
例えば、Sutcliffeら,前出;Wilsonら,前出;およびBitt
leら,J.Gen.Virol.,66:2347−2354(1985)を
参照のこと。インビボ免疫を使用する場合、動物を遊離ペプチドを用いて免疫し
得る;しかし、抗ペプチド抗体力価は、高分子キャリア(例えば、キーホールリ
ンペットヘモシアニン(hemacyanin)(KLH)または破傷風トキソ
イド)にペプチドを結合させることによりブーストされ得る。例えば、システイ
ン残基を含むペプチドは、マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミ
ドエステル(MBS)のようなリンカーを用いてキャリアに結合され得る。その
一方、他のペプチドは、より一般的な結合剤(linking agent)(
例えば、グルタルアルデヒド)を用いてキャリアに結合され得る。ウサギ、ラッ
ト、およびマウスのような動物は、遊離のペプチドまたはキャリア結合ペプチド
のいずれかを用いて、例えば、エマルジョン(約100μgのペプチドまたはキ
ャリアタンパク質およびフロイントアジュバントまたは免疫応答を刺激すること
が公知の任意の他のアジュバントを含む)の腹腔内注射および/または皮内注射
により免疫される。数回のブースター注射が、抗ペプチド抗体の有用な力価を提
供するために、例えば、約2週間の間隔で、必要とされ得る。この力価は、例え
ば、固体表面に吸着した遊離のペプチドを用いるELISAアッセイにより検出
され得る。免疫した動物由来の血清中の抗ペプチド抗体の力価は、抗ペプチド抗
体の選択(例えば、当該分野で周知の方法に従う固体支持体上のペプチドの吸着
および選択された抗体の溶出による)により上昇し得る。
【0301】 当業者に理解されるように、そして上記で考察されるように、免疫原性エピト
ープまたは抗原性エピトープを含む本発明のポリペプチドは、他のポリペプチド
配列に融合され得る。例えば、本発明のポリペプチドは、免疫グロブリン(Ig
A、IgE、IgG、IgM)の定常ドメインまたはそれらの部分(CH1、C
H2、CH3、またはそれらの任意の組み合わせおよびそれらの部分)と融合さ
れ得、キメラポリペプチドを生じる。このような融合タンパク質は、精製を容易
にし得、そしてインビボでの半減期を増大させ得る。これは、ヒトCD4−ポリ
ペプチドの最初の2つのドメインおよび哺乳動物の免疫グロブリンの重鎖または
軽鎖の定常領域の種々のドメインからなるキメラタンパク質について示されてい
る。例えば、EP 394,827;Trauneckerら、Nature,
331:84〜86(1988)を参照のこと。免疫系に対して上皮障害を横切
る抗原の増強された送達は、IgGまたはFcフラグメントのようなFcRc結
合パートナーへ結合された抗原(例えば、インシュリン)について実証された(
例えば、PCT公開WO96/22024および同WO99/04813を参照
のこと)。IgG部分のジスルフィド結合に起因するジスルフィド結合二量体構
造を有するIgG融合タンパク質はまた、単量体ポリペプチドまたはそれらのフ
ラグメント単独よりも、他の分子の結合および中和においてより効果的であるこ
とが見出された。例えば、Fountoulakisら,J.Biochem.
,270:3958−3964(1995)を参照のこと。上記のエピトープを
コードする核酸はまた、エピトープタグ(例えば、赤血球凝集素(「HA」)タグ
またはフラッグ(flag)タグ)として目的の遺伝子と組換えられ、発現され
たポリペプチドの検出および精製を補助し得る。例えば、Janknechtら
によって記載される系は、ヒト細胞株中で発現される非変性融合タンパク質の容
易な精製を可能にする(Janknechtら、1991、Proc.Natl
.Acad.Sci.USA 88:8972−897)。この系において、目
的の遺伝子はワクシニア組換えプラスミドへサブクローン化され、その結果、こ
の遺伝子のオープンリーディングフレームが、6つのヒスチジン残基からなるア
ミノ末端タグへ翻訳時に融合される。このタグは、融合タンパク質についての基
質結合ドメインとしての機能を果たす。組換えワクシニアウイルスを用いて感染
された細胞からの抽出物は、Ni2+ニトリロ酢酸−アガロースカラム上へロー
ドされ、そしてヒスチジンタグ化タンパク質は、イミダゾール含有緩衝液を用い
て選択的に溶出され得る。
【0302】 本発明のさらなる融合タンパク質は、遺伝子シャッフリング、モチーフシャッ
フリング、エキソンシャッフリング、および/またはコドンシャッフリング(総
称して「DNAシャッフリング」といわれる)の技術を通じて生成され得る。D
NAシャッフリングを利用して、本発明のポリペプチドの活性を調節し得、この
方法を使用することにより、改変された活性を有するポリペプチド、ならびにこ
れらのポリペプチドのアゴニストおよびアンタゴニストを生成し得る。一般には
、米国特許第5,605,793号;同第5,811,238号;同第5,83
0,721号;同第5,834,252号;および同第5,837,458号、
ならびにPattenら、Curr.Opinion Biotechnol.
8:724−33(1997);Harayama,Trends Biote
chnol.16(2):76−82(1998);Hanssonら、J.M
ol.Biol.287:265−76(1999);ならびにLorenzo
およびBlasco,Biotechniques 24(2):308−13
(1998)(これらの特許および刊行物の各々が本明細書によってその全体に
おいて参考として援用される)を参照のこと。1つの実施形態において、配列番
号Xに対応するポリヌクレオチドおよびこれらのポリヌクレオチドによってコー
ドされるポリペプチドの改変は、DNAシャッフリングにより達成され得る。D
NAシャッフリングは、相同組換えまたは部位特異的組換えにより、ポリヌクレ
オチド配列において変化を生じるように2つ以上のDNAセグメントをアセンブ
ルする工程を含む。別の実施形態において、本発明のポリヌクレオチドまたはそ
のコードされるポリペプチドは、組換え前に、誤りがちの(error−pro
ne)PCR、ランダムヌクレオチド挿入または他の方法による、ランダム変異
誘発に供されることによって改変され得る。別の実施形態において、本発明のポ
リペプチドをコードするポリヌクレオチドの1つ以上の成分、モチーフ、断片、
部分、ドメイン、フラグメントなどは、1つ以上の異種分子の、1つ以上の成分
、モチーフ、断片、部分、ドメイン、フラグメントなどと組み換えられ得る。
【0303】 (抗体) さらに、本発明のポリペプチドは、(特異的な抗体抗原結合をアッセイするた
めの当該分野で周知のイムノアッセイによって決定されるような)本発明の、ポ
リペプチド、ポリペプチドフラグメント、または配列番号Yの改変体、および/
またはエピトープに免疫特異的に結合する抗体およびT細胞抗原レセプター(T
CR)に関する。本発明の抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、
多重特異的抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体またはキメラ抗体、単鎖抗体、Fabフ
ラグメント、F(ab’)フラグメント、Fab発現ライブラリーによって生成
されるフラグメント、抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば、本発明の抗体
に対する抗Id抗体を含む)、および上記のいずれかのエピトープ結合フラグメ
ントを含むが、限定されない。本明細書中で使用される場合、用語「抗体」とは、
免疫グロブリン分子および免疫グロリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち
、免疫特異的に抗原に結合する抗原結合部位を含む分子をいう。本発明の免疫グ
ロブリン分子は、免疫グロブリン分子の任意の型(例えば、IgG、IgE、I
gM、IgD、IgA、およびIgY)、任意のクラス(例えば、IgG1、I
gG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)または任意のサブクラ
スであり得る。
【0304】 最も好ましくは、この抗体は、本発明のヒト抗原結合抗体フラグメントであり
、これには、Fab、Fab’およびF(ab’)2、Fd、単鎖Fvs(sc
Fv)、単鎖抗体、ジスルフィド結合Fvs(sdFv)ならびにVLまたはV
Hドメインのいずれかを含むフラグメントが挙げられるがこれらに限定されない
。単鎖抗体を含む抗原結合抗体フラグメントは、可変領域を単独で、または以下
の全体もしくは部分と組み合わせて含み得る:ヒンジ領域、CH1ドメイン、C
H2ドメインおよびCH3ドメイン。また、可変領域とヒンジ領域、CH1ドメ
イン、CH2ドメインおよびCH3ドメインとの任意の組み合わせもまた含む抗
原結合フラグメントがまた本発明に含まれる。本発明の抗体は、鳥類および哺乳
動物を含む任意の動物起点由来であり得る。好ましくは、この抗体は、ヒト、ネ
ズミ(murine)(例えば、マウスおよびラット)、ロバ、シップウサギ(
ship rabbit)、ヤギ、モルモット、ラクダ、ウマ、またはニワトリ
である。本明細書中で使用される場合、「ヒト」抗体は、ヒト免疫グロブリンのア
ミノ酸配列を有する抗体を含み、そしてヒト免疫グロブリンライブラリーまたは
1つ以上のヒト免疫グロブリンについてトランスジェニックであり、そして内因
性免疫グロブリンを発現しない動物から単離さた抗体(下記および例えば、Ku
cherlapatiらによる米国特許第5,939,598号において記載の
ような)を含む。
【0305】 本発明の抗体は、一重特異的、二重特異的、三重特異的またはより多くの多重
特異性の抗体であり得る。多重特異的な抗体は、本発明のポリペプチドの異なる
エピトープに対して特異的であり得るか、または本発明のポリペプチドおよび異
種のエピトープ(例えば、異種ポリペプチドもしくは固体支持体物質)、の両方
に特異的であり得る。例えば、PCT公開WO 93/17715;同WO 9
2/08802;同WO 91/00360;同WO 92/05793;Tu
ttら、J.Immunol.147:60−69(1991);米国特許第4
,474,893号、同第4,714,681号、同第4,925,648号、
同第5,573,920号、同第5,601,819号;Kostelnyら、
J.Immunol.148:1547−1553(1992)を参照のこと。
【0306】 本発明の抗体は、これらが認識または特異的に結合する、本発明のポリペプチ
ドのエピトープまたは部分に関して記載または特定化され得る。このエピトープ
またはポリペプチドの部分は、例えば、N末端およびC末端位置によって、連続
するアミノ酸残基におけるサイズによって本明細書中に記載されるように、また
は表および図に列挙されるように、特定化され得る。本発明の任意のエピトープ
またはポリペプチドに特異的に結合する抗体はまた、排除され得る。従って、本
発明は、本発明のポリペプチドを特異的に結合し、そして本発明のポリペプチド
の排除を可能にする抗体を含む。
【0307】 本発明の抗体はまた、その交差反応性について記載または特定化され得る。本
発明のポリペプチドの任意の他のアナログ、オルソログまたはホモログを結合し
ない抗体が、含まれる。本発明のポリペプチドに対して少なくとも95%、少な
くとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少な
くとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%および
少なくとも50%の同一性(当該分野で公知の方法および本明細書中に記載され
る方法を用いて計算されるように)を有するポリペプチドを結合する抗体もまた
、本発明に含まれる。特定の実施形態において、本発明の抗体は、ヒトタンパク
質の、マウスホモログ、ラットホモログおよび/またはウサギホモログならびに
対応するそれらのエピトープと交差反応する。本発明のポリペプチドに対して9
5%未満、90%未満、85%未満、80%未満、75%未満、70%未満、6
5%未満、60%未満、55%未満および50%未満の同一性(当該分野で公知
の方法および本明細書中に記載される方法を用いて計算されるように)を有する
ポリペプチドを結合しない抗体もまた、本発明に含まれる。特定の実施形態にお
いて、上記の交差反応性は、本明細書中に開示された、任意の単一特異的な抗原
性または免疫原性ポリペプチド、あるいは2、3、4、5以上の特異的抗原性お
よび/または免疫原性ポリペプチドの組合せに関する。さらに、ストリンジェン
トなハイブリダイゼーション条件下(本明細書中で記載されるような)で本発明
のポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる
ポリペプチドを結合する抗体が、本発明に含まれる。本発明の抗体はまた、本発
明のポリペプチドに対するそれらの結合親和性について記載または特定化され得
る。好ましい結合親和性としては、5×10-2M未満、10-2M未満、5×10-3 M未満、10-3M未満、5×10-4M未満、10-4M未満、5×10-5M未満
、10-5M未満、5×10-6M未満、10-6M未満、5×10-7M未満、10-7 M未満、5×10-8M未満、10-8M未満、5×10-9M未満、10-9M未満、
5×10-10M未満、10-10M未満、5×10-11M未満、10-11M未満、5×
10-12M未満、10-12M未満、5×10-13M未満、10-13M未満、5×10-14 M未満、10-14M未満、5×10-15M未満または10-15M未満の解離定数
すなわちKdを有する親和性が挙げられる。
【0308】 本発明はまた、競合性結合を決定するための当該分野で公知の任意の方法(例
えば、本明細書中で記載されるイムノアッセイ)によって決定されるような、本
発明のエピトープに対する抗体の結合を競合的に阻害する抗体を提供する。好ま
しい実施形態において、この抗体は、少なくとも95%、少なくとも90%、少
なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少
なくとも60%、または少なくとも50%、エピトープへの結合を競合的に阻害
する。
【0309】 本発明の抗体は、本発明のポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストと
して作用し得る。例えば、本発明は、本発明のポリペプチドとのレセプター/リ
ガンド相互作用を部分的または完全にのいずれかで破壊する抗体を含む。好まし
くは、本発明の抗体は、本明細書中で開示された抗原性エピトープ、またはその
部分を結合する。本発明は、レセプター特異的抗体およびリガンド特異的抗体の
両方の特徴を有する。本発明はまた、リガンド結合を妨害しないがレセプター活
性化を妨害するレセプター特異的抗体の特徴を有する。レセプター活性化(すな
わち、シグナル伝達)は、本明細書中に記載の技術、そうでなければ、当該分野
で公知の技術により決定され得る。例えば、レセプター活性化は、レセプターの
リン酸化(例えば、チロシンまたはセリン/トレオニン)、または免疫沈降それ
に続いてウェスタンブロット分析(例えば、上記のような)によってその基質を
検出することにより、決定され得る。特定の実施形態において、この抗体の非存
在下で、リガンド活性またはレセプター活性を、その活性の少なくとも95%、
少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、
少なくとも70%、少なくとも60%、または少なくとも50%阻害する抗体が
提供される。
【0310】 本発明はまた、リガンド結合およびレセプター活性化の両方を妨げるレセプタ
ー特異的抗体、ならびにレセプターリガンド複合体を認識し、そして好ましくは
、結合していないレセプターまたは結合していないリガンドを特異的に認識しな
いレセプター特異的抗体の特徴を有する。同様に、本発明は、リガンドと結合し
、そしてレセプターへのリガンドの結合を妨げる中和抗体、およびリガントと結
合し、それによりレセプター活性化を妨げるが、リガンドがレセプターを結合す
ることを妨げない抗体を含む。さらに、本発明は、レセプターを活性化する抗体
を含む。これらの抗体は、レセプターアゴニストとして作用し得、すなわち、例
えば、レセプターの二量化を誘導することによってリガンド媒介レセプター活性
化の生物学的活性化の全てまたはサブセットのいずれかを増強するかまたは活性
化し得る。この抗体は、本明細書中に開示される本発明のペプチドの特異的生物
学的活性を含む生物学的活性についてのアゴニスト、アンタゴニストまたは逆ア
ゴニストとして特定化され得る。上記抗体アゴニストは、当該分野で公知の方法
を用いて作製され得る。例えば、PCT公開WO96/40281;米国特許第
5,811,097号;Dengら、Blood 92(6):1981−19
88(1998);Chenら、Cancer Res.58(16):366
8−3678(1998);Harropら、J.Immunol.161(4
):1786−1794(1998);Zhuら、Cancer Res:58
(15):3209−3214(1998);Yoonら、J.Immunol
.160(7):3170−3179(1998);Pratら、J.Cell
.Sci.111(Pt2):237−247(1998);Pitardら、
J.Immunol.Methods 205(2):177−190(199
7);Liautardら、Cytokine 9(4):233−241(1
997);Carlsonら、J.Biol.Chem.272(17):11
295−11301(1997);Tarymanら、Neuron 14(4
):755−762(1995);Mullerら、Structure 6(
9):1153−1167(1998);Bartunekら、Cytokin
e 8(1):14−20(1996)(上記の文献は、全て、その全体が参考
として本明細書中に援用される)を参照のこと。
【0311】 本発明の抗体は、例えば、これらに限定されないが、本発明のポリペプチドを
精製し、検出し、そして標的化するために使用され得る。これらは、インビトロ
およびインビボの両方での診断方法および治療方法を含む。例えば、この抗体は
、生物学的サンプルにおける本発明のポリペプチドのレベルを定性的におよび定
量的に測定するためのイムノアッセイにおける使用を有す。例えば、Harlo
wら,Antibodies:A Laboratory Manual,(C
old Spring Harbor Laboratory Press,第
2版,1988)(本明細書中でその全体が参照として援用される)を参照のこ
と。
【0312】 以下にさらに詳細に議論されるように、本発明の抗体は、単独または他の組成
物との組み合わせのいずれかで使用され得る。この抗体はさらに、ポリペプチド
または他の組成物へN末端でもしくはC末端で異種ポリペプチドに組換え的に融
合され得るか、または化学的に結合(共有結合および非共有結合を含む)され得
る。例えば、本発明の抗体は、検出アッセイにおける標識として有用な分子およ
び異種ポリペプチド、薬物、放射性核種、または毒素のようなエフェクター分子
へ組換え的に融合または結合され得る。例えば、PCT公開WO92/0849
5;WO91/14438;WO89/12624;米国特許第5,314,9
95号;および欧州特許第396,387号を参照のこと。
【0313】 本発明の抗体は、改変される誘導体を含み、すなわち、この誘導体は、共有結
合が、この抗体の抗イディオタイプ応答の発生を妨げないように、任意の型の分
子のこの抗体への共有結合により改変される。例えば、この抗体誘導体は、例え
ば、グリコシル化、アセチル化、ペグ化(pegylation)、リン酸化(
phosphylation)、アミド化、公知の保護基/ブロッキング基によ
る誘導体化、タンパク質分解性切断、細胞性リガンドまたは他のタンパク質への
結合などによって改変される抗体を含むが、これらに限定されない。任意の多数
の化学的改変が公知の技術によって実行され得、これらの技術は、特異的化学的
切断、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシンの代謝的合成などを含むが、こ
れらに限定されない。さらに、この誘導体は、1つ以上の非古典的アミノ酸を含
み得る。
【0314】 本発明の抗体は、当該分野で公知の任意の適切な方法によって産生され得る。
目的の抗原に対するポリクローナル抗体は、当該分野で周知の種々の手順によっ
て産生され得る。例えば、本発明のポリペプチドが種々の宿主動物(ウサギ、マ
ウス、ラットなどを含むがこれらに限定されない)に投与され得、抗原に対して
特異的なポリクローナル抗体を含む血清の産生を誘導する。種々のアジュバント
が、免疫学的応答を増加させるために使用され得、宿主種に依存し、そしてフロ
イント(完全および不完全)、水酸化アルミニウムのようなミネラルゲル(mi
neral gel)、リゾレシチンのような表面活性物質、プルロニック(p
luronic)ポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油乳濁液、キーホール
リンペットヘモシアニン、ジニトロフェノール、ならびにBCG(カルメット−
ゲラン杆菌)およびcorynebacterium parvumのような強
力に有用なヒトアジュバントを含むが、これらに限定されない。このようなアジ
ュバントはまた、当該分野で周知である。
【0315】 モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ、組換え、およびファージディスプレ
イ技術、またはそれらの組み合わせの使用を含む、当該分野で公知の広範な種々
の技術を用いて調製され得る。例えば、モノクローナル抗体は、当該分野で公知
の以下に挙げられるハイブリドーマ技術を使用して産生され得、例えば、Har
lowら、Antibodies:A Laboratory Manual,
(Cold Spring Harbor Laboratory Press
,第2版、1988);Hammerlingら、Monoclonal An
tibodies and T−Cell Hybridomas 563−6
81(Elsevier,N.Y.,1981)(上記の参考文献は、その全体
が参考として援用される)に教示される。本明細書中で使用される場合、用語「
モノクローナル抗体」とは、ハイブリドーマ技術を通して生成された抗体に限定
されない。用語「モノクローナル抗体」とは、任意の真核生物、原核生物、また
はファージクローンを含む単一のクローンに由来する抗体をいい、そしてモノク
ローナル抗体が生成される方法ではない。
【0316】 ハイブリドーマ技術を用いて特異的抗体について産生およびスクリーニングす
る方法は、慣用的であり、そして当該分野において周知であり、実施例(例えば
、実施例16)中に詳細に議論される。非限定な例において、マウスを、本発明
のポリペプチドまたはこのようなペプチドを発現する細胞を用いて免疫化し得る
。一旦、免疫応答が検出される(例えば、抗原に対して特異的な抗体がマウス血
清中に検出される)と、マウスの脾臓を回収し、そして脾細胞を単離する。次い
で、脾細胞は、周知の技術によって、任意の適切なミエローマ細胞(例えば、A
TCCから入手可能な細胞株SP20由来の細胞)へ融合される。ハイブリドー
マを、限定希釈により選択およびクローン化する。次いで、ハイブリドーマクロ
ーンを本発明のポリペプチドを結合し得る抗体を分泌する細胞について、当該分
野に公知の方法によってアッセイする。一般的に高レベルの抗体を含む腹水を、
ポジティブなハイブリドーマクローンを用いてマウスを免疫することにより、産
生し得る。
【0317】 従って、本発明は、モノクローナル抗体、および本発明の抗体を分泌するハイ
ブリドーマ細胞を培養する工程を包含する方法によって産生される抗体を、産生
する方法を提供し、ここで、好ましくは、このハイブリドーマは、ミエローマ細
胞を有する本発明の抗原を用いて免疫化されたマウスから単離された脾細胞を融
合することにより、次いで、本発明のペプチドを結合し得る抗体を分泌するハイ
ブリドーマクローンについて、その融合から生じるハイブリドーマをスクリーニ
ングすることにより、産生される。
【0318】 特異的エピトープを認識する抗体フラグメントを、公知の技術により産生し得
る。例えば、本発明のFabフラグメントおよびF(ab’)2フラグメントは
、パパイン(Fabフラグメントを産生するため)またはペプシン(F(ab’
)2フラグメントを産生するため)のような酵素を使用して、イムノグロブリン
分子のタンパク質分解性切断によって産生され得る。F(ab’)2フラグメン
トは、可変領域、軽鎖定常領域および重鎖のCH1ドメインを含む。
【0319】 例えば、本発明の抗体はまた、当該分野に公知の種々のファージディスプレイ
方法を用いて産生され得る。ファージディスプレイ方法において、機能的な抗体
ドメインは、それらをコードするポリヌクレオチド配列を送達するファージ粒子
の表面上に提示される。特定の実施形態において、このようなファージを、レパ
ートリー抗体ライブラリーまたはコンビナトリアル抗体ライブラリー(例えば、
ヒトまたはマウス)から発現されるドメインを結合する抗原を提示するために利
用し得る。目的の抗原と結合する抗原結合ドメインを発現するファージを、抗原
を用いて、(例えば、標識化抗原、あるいは固体表面または固体ビーズへ結合ま
たは捕捉された抗原を使用して)選択および同定し得る。これらの方法において
使用されるファージは、代表的に、ファージ遺伝子IIIタンパク質またはファ
ージ遺伝子VIIIタンパク質のいずれかに組換え的に融合された、Fab、F
vまたはジスルフィド安定化されたFvの抗体ドメインを有するファージから発
現されたドメインに結合するfdおよびM13を含む糸状(filamento
us)ファージである。本発明の抗体を作製するために用いられ得るファージデ
ィスプレイ方法の例としては、以下に開示される方法が挙げられる:Brink
manら、J.Immunol.Methods 182:41−50(199
5);Amesら、J.Immunol.Methods 184:177−1
86(1995);Kettleboroughら、Eur.J.Immuno
l.24:952〜958(1994);Persicら、Gene 187
9−18(1997);Burtonら、Advances in Immun
ology 57:191−280(1994);PCT公開 PCT/GB9
1/01134;PCT公開 WO90/02809;WO91/10737;
WO92/01047;WO92/18619;WO93/11236;WO9
5/15982;WO95/20401;ならびに米国特許第5,698,42
6号;同第5,223,409号;同第5,403,484号;同第5,580
,717号;同第5,427,908号;同第5,750,753号;同第5,
821,047号;同第5,571,698号;同第5,427,908号;同
第5,516,637号;同第5,780,225号;同第5,658,727
号;同第5,733,743号および同第5,969,108号(これらのそれ
ぞれは、その全体が本明細書中に参考として援用される)。
【0320】 上記参考文献に記載されているように、ファージ選択後、ファージ由来の抗体
をコードする領域は、ヒト抗体を含む抗体の全体、または任意の他の所望の抗原
結合フラグメントを作製するために単離および使用され得、そして例えば、以下
に詳細に記載されるように、哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母および細
菌を含む任意の所望の宿主において発現され得る。例えば、Fab、Fab’お
よびF(ab’)2フラグメントを組換え的産生するための技術はまた、当該分
野で公知の方法を用いて使用され得る。この方法は、例えば、以下に開示される
方法である:PCT公開WO92/22324;Mullinaxら、BioT
echniques 12(6):864−869(1992);およびSaw
aiら、AJRI 34:26−34(1995);およびBetterら、S
cience 240:1041−1043(1988)(上記の参考文献は、
その全体が参考として援用される)。
【0321】 単鎖のFvsおよび抗体を産生するために用いられ得る技術の例としては、米
国特許第4,946,778号および同第5,258,498号;Huston
ら、Methods in Enzymology 203:46−88(19
91);Shuら、PNAS 90:7995−7999(1993);および
Skerraら、Science 240:1038−1040(1988)に
記載される技術が挙げられる。ヒトにおける抗体のインビボ使用およびインビト
ロ検出アッセイを含むいくつかの用途のために、キメラ抗体、ヒト化抗体または
ヒト抗体の使用が好ましくあり得る。キメラ抗体は、この抗体の異なる部分が異
なる動物種に由来する分子(例えば、マウスモノクローナル抗体由来の可変領域
およびヒト免疫グロブリン定常領域を有する抗体)である。キメラ抗体を産生す
るための方法は、当該分野において公知である。例えば、Morrison,S
cience 229:1202(1985);Oiら、BioTechniq
ues 4:214(1986);Gilliesら、(1989)J.Imm
unol.Methods 125:191−202;および米国特許第5,8
07,715号;同第4,816,567号;同第4,816,397号を参照
のこと(これらは、本明細書中でその全体が参照として援用される)。ヒト化抗
体は、非ヒト種由来の1以上の相補性決定領域(CDR)およびヒト免疫グロブ
リン分子由来のフレームワーク領域を有する所望の抗原に結合する、非ヒト種抗
体由来の抗体分子である。しばしば、ヒトフレームワーク領域におけるフレーム
ワーク残基は、CDRドナー抗体由来の対応する残基と置換され、抗原結合を改
変(好ましくは、改善)する。これらのフレームワーク置換は、当該分野で周知
の方法により同定され、例えば、抗原結合に重要なフレームワーク残基を同定す
るためのCDRとフレームワーク残基との相互作用のモデリング、ならびに特定
の位置における異常なフレームワーク残基を同定するための配列比較による。(
例えば、Queenら、米国特許第5,585,089号;Riechmann
ら、Nature 332:323(1988)(これらは本明細書中でその全
体が参考として援用される)を参照のこと)。抗体は、例えば、以下を含む当該
分野で公知の種々の技術を用いてヒト化され得る:CDR−グラフティング(g
rafting)(EP239,400;PCT公開 WO91/09967;
米国特許第5,225,539号;同第5,530,101号および同第5,5
85,089号)、ベニヤリング(veneering)またはリサーフェイシ
ング(resurfacing)(EP592,106;欧州特許第519,5
96号;Padlan、Molecular Immunology 28(4
/5):489−498(1991); Studnickaら、Protei
n Engineering 7(6):805−814(1994);Rog
uskaら、PNAS 91:969−973(1994))、およびチェーン
シャッフリング(chain shuffling)(米国特許第5,565,
332号)。
【0322】 完全なヒト抗体が、ヒト患者の治療的処置に対して特に望ましい。ヒト抗体は
、当該分野で公知の種々の方法によって作製され得、これらの方法としては、ヒ
ト免疫グロブリン配列由来の抗体ライブラリーを用いる上記のファージディスプ
レイ方法が挙げられる。米国特許第4,444,887号および同第4,716
,111号;ならびにPCT公開WO98/46645、WO98/50433
、WO98/24893、WO98/16654、WO96/34096、WO
96/33735、およびWO91/10741(これらの各々は、その全体が
参考として本明細書中に援用される)もまた参照のこと。
【0323】 ヒト抗体はまた、機能的内因性免疫グロブリンの発現は出来ないが、ヒト免疫
グロブリン遺伝子を発現し得るトランスジェニックマウスを用いて産生され得る
。例えば、ヒト重鎖免疫グロブリン遺伝子およびヒト軽鎖免疫グロブリン遺伝子
の複合体は、無作為にまたは相同組換えによってマウス胚性幹細胞に導入され得
る。あるいは、ヒト可変領域、定常領域および多様性領域(diversity region)は、ヒト重鎖遺伝子およびヒト軽鎖遺伝子に加えて、マウスの
胚性幹細胞に導入され得る。マウス重鎖免疫グロブリン遺伝子およびマウス軽鎖
免疫グロブリン遺伝子は、相同組換えによるヒト免疫グロブリン座の導入と別々
にまたは同時に非機能的にされ得る。特に、JH領域のホモ接合性の欠失は、内
因性抗体の産生を妨げる。この改変された胚性幹細胞を増殖させ、そして胚盤胞
に微量注入して、キメラマウスを産生する。次に、このキメラマウスを、ヒト抗
体を発現するホモ接合性の子孫を産生するために繁殖させる。トランスジェニッ
クマウスを、選択された抗原(例えば、本発明のポリペプチドの全体または一部
)を用いて通常の様式で免疫する。その抗原に対するモノクローナル抗体は、従
来のハイブリドーマ技術を用いた免疫したトランスジェニックマウスから得られ
得る。ヒト免疫グロブリン導入遺伝子は、B細胞分化の間のトランスジェニック
マウスの再編成によってかくまわれ(harbored)、そしてその後、クラ
ススイッチングおよび体細胞変異を受ける。従って、そのような技術の使用によ
って、治療的に有用なIgG抗体、IgA抗体、IgM抗体およびIgE抗体の
産生が可能である。ヒト抗体を産生するためのこの技術の概要については、Lo
nbergおよびHuszar、Int.Rev.Immunol.13:65
−93(1995)を参照のこと。ヒト抗体およびヒトモノクローナル抗体を産
生するためのこの技術のならびにそのような抗体を産生するためのプロトコール
の詳細な議論については、例えば、PCT公開WO98/24893;WO92
/01047;WO96/34096;WO96/33735;欧州特許第0
598 877;米国特許第5,413,923号;同第5,625,126号
;同第5,633,425号;同第5,569,825号;同第5,661,0
16号;同第5,545,806号;同第5,814,318号;同第5,88
5,793号;同第5,916,771号;および同第5,939,598号を
参照のこと(これらは、その全体が本明細書中に参考として援用される)。さら
に、Abgenix,Inc.(Freemont,CA)およびGenpha
rm(San Jose,CA)のような企業は、上記の技術に類似した技術を
用いて選択された抗原に対するヒト抗体を提供することに従事し得る。
【0324】 選択されたエピトープを認識する完全なヒト抗体を、「ガイドされた(gui
ded)選択」といわれる技術を用いて産生し得る。このアプローチにおいて、
選択された非ヒトモノクローナル抗体(例えば、マウス抗体)は、同じエピトー
プを認識する完全なヒト抗体の選択を導くために使用される(Jespersら
、Bio/technology 12:899−903(1988))。
【0325】 さらに、本発明のポリペプチドに対する抗体は、次いで当業者に周知の技術を
用いて、本発明のポリペプチドを「模倣する」抗イディオタイプ抗体を生成する
ために利用され得る。(例えば、GreenspanおよびBona、FASE
B J.7(5):437−444(1989);ならびにNissinoff
、J.Immunol.147(8):2429−2438(1991)を参照
のこと)。例えば、結合し、そしてポリペプチドの多量体化(multimer
ization)および/または本発明のポリペプチドのリガンドに対する結合
を競合的に阻害する抗体を用いて、このポリペプチドの多量体化および/または
結合ドメインを「模倣し」、そして結果として、ポリペプチドおよび/またはそ
のリガンドに結合し、そして中和する抗イディオタイプを生成し得る。このよう
な中和抗イディオタイプまたはこのような抗イディオタイプのFabフラグメン
トは、治療レジメンにおいて使用されて、ポリペプチドリガンドを中和し得る。
例えば、このような抗イディオタイプ抗体を使用して、本発明のポリペプチドを
結合し得るか、そして/またはそのリガンド/レセプターを結合し得、それによ
って、その生物学的活性をブロックし得る。
【0326】 (抗体をコードするポリヌクレオチド) 本発明はさらに、本発明の抗体およびそのフラグメントをコードするヌクレオ
チド配列を含むポリヌクレオチドを提供する。本発明はまた、ストリンジェント
な条件下またはより低いストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下で(
例えば、上記のような)、抗体(好ましくは、本発明のポリペプチドへ特異的に
結合する抗体)をコードするポリヌクレオチド、好ましくは、配列番号Yのアミ
ノ酸配列を有するポリヌクレオチドに結合する抗体をコードするポリヌクレオチ
ド、に対してハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む。
【0327】 当該分野で公知の任意の方法によって、これらのポリヌクレオチドが得られ得
、そしてこれらポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が、決定され得る。例えば
、抗体のヌクレオチド配列が公知である場合、この抗体をコードするポリヌクレ
オチドは、化学的に合成されたオリゴヌクレオチドからアセンブルされ得(例え
ば、Kutmeierら、BioTechniques 17:242(199
4)に記載されるように)、これは、手短に言えば、抗体をコードする配列の部
分を含むオーバーラップするヌクレオチドの合成、それらのオリゴヌクレオチド
のアニーリングおよび連結、ならびに次いでPCRによるこの連結されたオリゴ
ヌクレオチドの増幅を含む。
【0328】 あるいは、抗体をコードするポリヌクレオチドは、適切な供給源からの核酸か
ら作製され得る。特定の抗体をコードする核酸を含むクローンは入手不可能だが
、その抗体分子の配列が既知である場合、免疫グロブリンをコードする核酸は、
化学的に合成され得るか、あるいは適切な供給源(例えば、抗体cDNAライブ
ラリー、または抗体を発現する任意の組織もしくは細胞(例えば、本発明の抗体
の発現のために選択されたハイブリドーマ細胞)から生成されたcDNAライブ
ラリー、またはそれから単離された核酸(好ましくはポリA+RNA))を、例
えば、抗体をコードするcDNAライブラリーからのcDNAクローンを同定す
るために、その配列の3’末端および5’末端にハイブリダイズ可能な合成プラ
イマーを使用するPCR増幅によって、またはその特定の遺伝子配列に特異的な
オリゴヌクレオチドプローブを使用するクローニングによって得られ得る。PC
Rによって作製された増幅された核酸は、次いで、当該分野で周知の任意の方法
を用いて、複製可能なクローニングベクターにクローニングされ得る。
【0329】 一旦、抗体のヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列が決定されると、
抗体のヌクレオチド配列は、ヌクレオチド配列の操作について当該分野で周知の
方法(例えば、組換えDNA技術、部位指向性変異誘発、PCRなど(例えば、
Sambrookら、1990,Molecular Cloning,A L
aboratory Manual,第2版、Cold Spring Har
bor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY
およびAusubelら編、1998,Current Protocols
in Molecular Biology,John Wiley&Sons
,NYに記載の技術を参照のこと。これらは両方がその全体において本明細書に
参考として援用される。))を用いて操作され、例えば、アミノ酸の置換、欠失
、および/または挿入を生成するように異なるアミノ酸配列を有する抗体を作製
し得る。
【0330】 特定の実施形態では、重鎖および/または軽鎖のアミノ酸配列の可変ドメイン
は、相補性決定領域(CDR)の配列を同定するために、当該分野で周知の方法
、例えば、他の重鎖および軽鎖の可変領域の既知のアミノ酸配列を比較して、配
列超可変性領域を決定する方法、によって、調べられ得る。慣用的組換えDNA
技術を使用して、一つ以上のCDRが、フレームワーク領域内、例えば、上記の
ように、非ヒト抗体をヒト化させるためにヒトフレームワーク領域内に挿入され
得る。このフレームワーク領域は、天然に存在、または共通するフレームワーク
領域であり得、そして好ましくはヒトフレームワーク領域であり得る(ヒトフレ
ームワーク領域の一覧については、例えばChothiaら、J.Mol.Bi
ol. 278:457−479(1998)を参照のこと。)好ましくは、フ
レームワーク領域およびCDRの組合せによって生成するポリヌクレオチドは、
本発明のポリペプチドに特異的に結合する抗体をコードする。好ましくは、上で
考察したように、一つ以上のアミノ酸の置換は、フレームワーク領域内で起こり
、そして好ましくは、このアミノ酸置換は、その抗原への抗体の結合を改善する
。さらに、このような方法は、アミノ酸置換させるため、または鎖内ジスルフィ
ド結合に参加している一つ以上の可変領域システイン残基を欠失させて、一つ以
上の鎖内ジスルフィド結合が欠けた抗体分子を生成させるために、使用され得る
。ポリペプチドに対する他の改変は、本発明および当該分野の技術によって達成
される。
【0331】 さらに、適切な抗原特異性のマウス抗体分子からの遺伝子を、適切な生物学的
活性のヒト抗体分子からの遺伝子とともに、スプライシングすることによる、「
キメラ抗体」(Morrisonら、Proc.Natl.Acad.Sci.
81:851−855(1984);Neubergerら、Nature 3
12:604−608(1984);Takedaら、Nature 314:
452−454(1985))の産生のために開発された技術が、使用され得る
。上記のように、キメラ抗体は、異なる部分が異なる動物の種に由来する分子、
(例えばマウスmAbに由来する可変領域およびヒト免疫グロブリン定常領域を
有する分子)であり、例えばヒト化抗体である。
【0332】 あるいは、一本鎖抗体の産生について記載された技術(米国特許第4,946
,778号;Bird,Science 242:423−42(1998);
Hustonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:58
79−5883(1998);およびWardら、Nature 334:54
4−54(1989))は、一本鎖抗体を産生するために適合され得る。一本鎖
抗体は、アミノ酸架橋を介して、Fv領域の重鎖および軽鎖フラグメントを連結
し、一本鎖ポリペプチドを生じることによって形成される。E.coliにおけ
る機能的Fvフラグメントのアセンブリのための技術もまた使用され得る(Sk
erraら、Science 242:1038−1041(1988))。
【0333】 (抗体産生の方法) 本発明の抗体は、抗体の合成について当該技術分野で任意の公知の方法によっ
て、特に化学合成によって、または好ましくは組換え発現技術によって、産生さ
れ得る。
【0334】 本発明の抗体、またはフラグメント、誘導体もしくはそのアナログ(例えば、
本発明の抗体の重鎖もしくは軽鎖、または本発明の一本鎖抗体)の組換え発現は
、抗体をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターの構築を必要とする。
本発明の、抗体分子または抗体の重鎖もしくは軽鎖、またはそれらの部分(好ま
しくは重鎖もしくは軽鎖の可変ドメインを含む)をコードするポリヌクレオチド
が一旦得られれば、抗体分子の産生のためのベクターは、当該分野で周知の技術
を使用する組換えDNA技術によって産生され得る。従って、ヌクレオチド配列
をコードする抗体を含むポリヌクレオチドの発現によってタンパク質を調製する
ための方法は、本明細書中に記載される。当業者に周知の方法は、抗体コード配
列ならびに適切な転写および翻訳制御シグナルを含む発現ベクターを構築するた
めに使用され得る。これらの方法は、例えば,インビトロ組換えDNA技術、合
成技術、およびインビボ遺伝子組換えを含む。従って、本発明は、本発明の抗体
分子をコードするヌクレオチド配列、またはその重鎖もしくは軽鎖、またはプロ
モーターに作動可能に連結された、重鎖もしくは軽鎖の可変ドメイン、を含む複
製可能ベクターを提供する。このようなベクターは、抗体分子の定常領域をコー
ドするヌクレオチド配列を含み(例えば、PCT国際公開WO 86/0580
7;PCT国際公開89/01036;および米国特許第5,122,464号
を参照のこと。)、この抗体の可変ドメインは、全体の重鎖または軽鎖の発現の
ためにこのようなベクター内にクローニングされ得る。
【0335】 発現ベクターは、従来の技術によって宿主細胞に移入され、次いでトランスフ
ェクト細胞は、従来の技術によって本発明の抗体を産生するために培養される。
従って、本発明は、本発明の抗体をコードするポリヌクレオチド、またはその重
鎖もしくは軽鎖、または異種のプロモーターに作動可能に連結された、本発明の
一本鎖抗体を含む宿主細胞を含む。二本鎖抗体の発現のための好ましい実施形態
では、重鎖および軽鎖の両方をコードするベクターは、下記の詳細のように、免
疫グロブリン分子全体の発現のための宿主細胞において共発現され得る。
【0336】 種々の宿主発現ベクター系が、本発明の抗体分子の発現のために使用され得る
。このような宿主発現系は、それによって目的のコード配列が生成され得、そし
て続いて精製され得るビヒクルを示すが、適切なヌクレオチドコード配列で形質
転換またはトランスフェクトされると、インサイチュで本発明の抗体分子を発現
し得る細胞もまた示す。これらは、以下のような微生物を含むが、限定されない
:抗体をコードする配列を含む、組換えバクテリオファージDNA、プラスミド
DNAまたはコスミドDNA発現ベクターで、形質転換される細菌(例えばE.
coli、B.subtilis);抗体をコードする配列を含む組換え酵母発
現ベクターで形質転換される、酵母(例えば、Saccharomyces、P
ichia);抗体をコードする配列を含む、組換えウィルス発現ベクター(例
えばバキュロウィルス)に感染した昆虫細胞系;組換えウィルス発現ベクター(
例えばカリフラワーモザイクウィルス、CaMV;タバコモザイクウィルス、T
MV)に感染した、もしくは抗体をコードする配列を含む組換えプラスミド発現
ベクター(例えばTiプラスミド)で形質転換された、植物細胞系;または、哺
乳動物細胞のゲノム(例えばメタロチオネインプロモーター)もしくは哺乳動物
のウィルス(例えばアデノウィルス後期プロモーター;ワクシニアウィルス7.
5Kプロモーター)に由来するプロモーターを含む組換え発現構築物を保有する
、哺乳動物細胞系(例えばCOS細胞、CHO細胞、BHK細胞、293細胞、
3T3細胞)。好ましくは、Escherichia coliのような細菌細
胞、およびさらに好ましくは真核生物細胞のような細胞細胞は、特に完全な組換
え抗体分子の発現のために、組換え抗体分子の発現のために使用される。例えば
、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)のような哺乳動物細胞は、ヒトサ
イトメガロウィルス由来の主要な中間の初期遺伝子プロモーター要素のようなベ
クターと共に、抗体のための効果的な発現系である(Foeckingら、Ge
ne 45:101(1986);Cockettら、Bio/Technol
ogy 8:2(1990))。
【0337】 細菌系において、多数の発現ベクターは、発現される抗体分子に指定された使
用によって、有利に選択され得る。例えば、抗体分子の薬学的組成物の生成のた
めに、大量のこのようなタンパク質が産生される場合、容易に精製される融合タ
ンパク質産物の高レベルの発現を指示するベクターが、所望され得る。このよう
なベクターは、以下:E.coli発現ベクターpUR278(Rutherら
、EMBO J.2:1791(1983))(ここで抗体をコードする配列は
、融合タンパク質が産生されるように、lac Zをコードする領域とインフレ
ームにおいて、個々にベクターに連結され得る);pINベクター(Inoyu
e&Inoyue、Nucleic Acids Res.13;3101−3
109(1985);Van Heeke&Schuster、J.Biol.
Chem.24:5503−5509(1989));などを含むが、これらに
限定されない。pGEXベクターはまた、グルタチオンS−トランスフェラーゼ
(GST)を有する融合タンパク質として異種ポリぺプチドを発現するために使
用され得る。一般的にこのような融合タンパク質は、可溶性であり、そしてマト
リックスグルタチオン−アガロースビーズへの吸着および結合、それに続く遊離
のグルタチオン存在下における溶出によって、溶解細胞から容易に精製され得る
。このpGEXベクターは、クローニングされた標的遺伝子産物がGST部分か
ら放出され得るように、トロンビンまたは第Xa因子プロテアーゼ切断部位を含
むように設計される。
【0338】 昆虫系においては、Autographa californica核多角体
病ウィルス(AcNPV)は、異種遺伝子を発現するためのベクターとして使用
される。このウィルスは、Spodoptera frugiperda細胞に
おいて増幅する。抗体をコードする配列は、このウィルスの非必須の領域(例え
ばポリヘドリン遺伝子)に個々にクローニングされ得、そしてAcNPVプロモ
ーター(例えばポリヘドリンプロモーター)の制御下に配置され得る。
【0339】 哺乳動物宿主細胞においては、多数のウィルスに基く発現系が使用され得る。
アデノウィルスが発現ベクターとして使用される場合においては、目的の抗体を
コードする配列は、アデノウィルスの転写/翻訳制御複合体、例えば後期プロモ
ーターおよび3つの部分に分かれるリーダー配列、に連結され得る。次いで、こ
のキメラ遺伝子は、インビトロまたはインビボでの組換えによって、アデノウィ
ルスゲノムに挿入され得る。ウィルスのゲノムの非必須領域(例えば、E1また
はE3領域)における挿入は、生存可能で、感染した宿主において抗体分子を発
現する能力のある組換えウィルスを生じる(例えば、Logan&Shenk、
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:355−359(19
84)を参照のこと)。特異的開始シグナルはまた、挿入された抗体をコードす
る配列の効率的な翻訳のために必要とされ得る。これらのシグナルは、ATG開
始コドンおよび隣接する配列を含む。さらに、この開始コドンは、挿入部分全体
の翻訳を確実にするために、所望されるコード配列のリーディングフレーム(r
eading frame)と相が同じでなければならない。これらの外因性翻
訳制御シグナルおよび開始コドンは、種々の起源、天然および合成の両方であり
得る。発現の効率は、適切な転写エンハンサー要素、転写ターミネーター、など
の含有によって高められる(Bittnerら、Methods in Enz
ymol.153:51−544(1987)を参照のこと)。
【0340】 さらに、宿主細胞系統は、選択され得、これは挿入配列の発現を調節し、また
所望される特異的な様式で遺伝子産物を改変し、そしてプロセシングする。タン
パク質産物のこのような改変(例えばグリコシル化)およびプロセシング(例え
ば切断)は、タンパク質の機能のために重要であり得る。異なる宿主細胞は、タ
ンパク質および遺伝子産物の、翻訳後プロセシングおよび改変のための、特徴的
で特異的な機構を有する。適切な細胞株または宿主系は、発現された異種タンパ
ク質の正確な改変およびプロセシングを確実にするように選択され得る。この目
的のために、遺伝子産物の、第一の転写、グリコシル化、およびリン酸化の正確
なプロセシングのための細胞機構を有する、真核生物宿主細胞が、使用され得る
。このような哺乳動物宿主細胞は、CHO、VERY、BHK、Hela、CO
S、MDCK、293、3T3、WI38、そして特に、例えば、BT483、
Hs578T、HTB2、BT20およびT47Dのような乳癌細胞株、ならび
に、例えば、CRL7030およびHs578Bstのような正常なの乳腺細胞
株、を含むがこれらに限定されない。
【0341】 組換えタンパク質の長期間の高収率産生、安定発現が好ましい。例えば、安定
に抗体分子を発現する細胞株が操作され得る。ウィルスの複製起点を含む発現ベ
クターを使用するよりも、宿主細胞は、適切な発現制御要素(例えば、プロモー
ター、エンハンサー、配列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位、など)
、および選択可能なマーカーによって制御されるDNAで形質転換され得る。異
種DNAの導入に続いて、操作された細胞は、1〜2日間富化培地で増殖させら
れ得、次いで、選択培地に切り替えられる。組換えプラスミドにおける選択可能
マーカーは、選択したものに耐性を与え、そして細胞が、プラスミドをその染色
体内に安定に組み込み、そして増殖して、細胞増殖巣を形成し、これを今度はク
ローニングし得、細胞株に拡張され得ることを可能にする。この方法は、抗体分
子を発現する細胞株を操作するために、有利に使用され得る。このような加工さ
れた細胞株は、直接的または間接的に抗体分子と相互作用する化合物のスクリー
ニングおよび評価において、特に有用であり得る。
【0342】 多数の選択系が使用され得、この選択系は、単純ヘルペスウィルスチミジンキ
ナーゼ(Wiglerら、Cell 11:223(1977))、ヒポキサン
チン−グアニン ホスホリボシルトランスフェラーゼ(Szybalska&S
zybalski、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 48:2
02(1992))、およびアデニン ホスホリボシルトランスフェラーゼ(L
owyら、Cell 22:817(1980))の遺伝子を含むが限定されず
、これらの遺伝子は、tk−、hgprt−またはaprt−細胞においてそれ
ぞれ使用され得る。また、代謝拮抗物質耐性は、以下の遺伝子の選択の根拠とし
て使用され得る:dhfr、これはメトトレキサートに対する耐性を与える(W
iglerら、Natl.Acad.Sci.USA 77:357(1980
);O’Hareら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:
1527(1981));gpt、これはミコフェノール酸にに対する耐性を与
える(Mulligan&Berg、Proc.Natl.Acad.Sci.
USA 78:2072(1981));neo、これはアミノグリコシドG−
418に対する耐性を与える(Clinical Pharmacy 12:4
88−505;Wu and Wu、Biotherapy 3:87−95(
1991);Tolstoshev、Ann.Rev.Pharmacol.T
oxicol. 32:573−596(1993);Mulligan、Sc
ience 260:926−932(1993);およびMorgan an
d Anderson、Ann.Rev.Biochem.62:191−21
7(1993);1993年5月、TIB TECH 11(5):155−2
15);ならびにhygro、これはハイグロマイシンにに対する耐性を与える
(Santerreら、Gene 30:147(1984))。組換えDNA
技術の分野で周知の方法は、所望の組換えクローンを選択するために、慣用的に
適用され得、そしてこのような方法は、以下に記載されている:例えば、Aus
ubelら(編)、Current Protocols in Molecu
lar Biology、John Wiley&Sons、NY(1993)
;Kriegler、Gene Transfer and Expressi
on、A Laboratory Manual、Stockton Pres
s、NY(1990);ならびに12章および13章、Dracopoliら(
編)、Current Protocols in Human Geneti
cs、John Wiley&Sons、NY(1994);Colberre
−Garapinら、J.Mol.Biol. 150:1(1981)(これ
らはその全体が本明細書中に参考として援用される)。
【0343】 抗体分子の発現レベルは、ベクター増幅によって増大され得る(総説として、
BebbingtonおよびHentschel、The use of ve
ctors based on gene amplification fo
r the expression of cloned genes in
mammalian cells in DNA cloning、Vol.3
(Academic Press、New York、1987)を参照のこと
)。抗体を発現するベクター系におけるマーカーが、増幅可能であると、宿主細
胞の培養物に存在するインヒビターのレベルにおける増加は、マーカー遺伝子の
コピーの数を増加する。増副領域は抗体遺伝子と結合しているので、抗体の産生
もまた増加する(Crouseら、Mol.Cell.Biol.3:257(
1983))。
【0344】 宿主細胞は、本発明の二つの発現ベクター(重鎖由来のポリペプチドをコード
する第一のベクターおよび軽鎖由来のポリペプチドをコードする第二のベクター
)で、同時トランスフェクトされ得る。この二つのベクターは、重鎖および軽鎖
のポリペプチドの等しい発現を可能にする、同一の選択可能なマーカーを含み得
る。あるいは、単一のベクターが使用され得、これは重鎖および軽鎖両方のポリ
ペプチドをコードし、そして発現することができる。このような状況において、
過剰の毒性の遊離重鎖を避けるために、重鎖の前に軽鎖が配置されるべきである
(Proudfoot、Nature 322:52(1986);Kohle
r、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:2197(198
0))。重鎖および軽鎖のためのコード配列はcDNAまたはゲノムDNAを含
み得る。
【0345】 一旦本発明の抗体分子が、動物によって産生されるか、化学的に合成されるか
、または組換えにより発現されると、当該分野で公知の、免疫グロブリン分子の
精製のための方法、例えば、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、アフィ
ニティー(特に、プロテインAの後に特異的抗原に対するアフィニティーによる
)、およびサイズカラムクロマトグラフィー)、遠心分離、溶解度差、またはタ
ンパク質精製のための任意の他の標準的な技術によって、精製され得る。さらに
、本発明の抗体またはそのフラグメントは、本明細書中に記載されるかまたはそ
うでなければ当該分野において公知の、異種ポリペプチド配列に融合され得、精
製を容易にする。
【0346】 本発明は、組換えにより融合され、または化学的に本発明のポリペプチド(も
しくはその部分、好ましくはこのポリペプチドの少なくとも10、20、30、
40、50、60、70、80、90、もしくは100個のアミノ酸)に結合さ
れて(共有結合および非共有結合の両方を含む)、融合タンパク質を生成する抗
体、を含む。この融合は、直接的である必要はないが、リンカー配列を介して起
こり得る。この抗体は、本発明のポリペプチド(またはその部分、好ましくはこ
のポリペプチドの少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80
、90、もしくは100個のアミノ酸)以外の抗原に特異的であり得る。例えば
、インビトロまたはインビボのいずれにおいても、本発明のポリペプチドを特定
の細胞表面のレセプターに特異的な抗体に融合または結合させることによって、
特定の細胞のタイプに対して、本発明のポリペプチドを標的にするために、抗体
が使用され得る。本発明のポリぺプチドに融合または結合される抗体はまた、イ
ンビトロ免疫アッセイおよび当該分野で公知の方法を使用する精製方法において
使用され得る。例えば、Horborら、前出、およびPCT国際公開第WO9
3/21232号;EP439,095;Naramuraら、Immunol
.Lett.39:91−99(1994);米国特許第5,474,981号
;Gilliesら、PNAS89:1428−1432(1992);Fel
lら、J.Immunol.146:2446−2452(1991)を参照の
こと。これらは、その全体が参考として援用される。
【0347】 本発明はさらに、抗体の可変領域以外のドメインに融合または結合された、本
発明のポリぺプチドを含む組成物を含む。例えば、本発明のポリぺプチドは、抗
体のFc領域、またはその部分に融合または結合され得る。この抗体の本発明の
ポリぺプチドに融合された部分は、定常領域、ヒンジ領域、CH1ドメイン、C
H2ドメイン、およびCH3ドメイン、またはそのドメイン全体もしくは部分任
意の組合せを含み得る。これらのポリぺプチドはまた、上記の抗体の部分に融合
または結合され得、多重体を形成する。例えば、本発明のポリぺプチドに融合さ
れたFc部分は、このFc部分の間のジスルフィド結合を通して二量体を形成し
得る。より高度の多重体形態は、ポリぺプチドをIgAおよびIgMの部分に融
合させることによって作製され得る。本発明のポリぺプチドを抗体部分に融合ま
たは結合させるための方法は、当該分野において公知である。米国特許第5,3
36,603号;同第5,622,929号;同第5,359,046号;同第
5,349,053号;同第5,447,851号;同第5,112,946号
;EP 307,434;EP 367,166;PCT国際公開第WO96/
04388号;第WO91/06570号;Ashkenaziら、Proc.
Natl.Acad.Sci.USA88:10535−10539(1991
);Zhengら、J.Immunol.154:5590−5600(199
5);およびVilら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89
:11337−11341(1992)(前記の参考文献はその全体が参考とし
て援用される)を参照のこと。
【0348】 上で考察されたように、配列番号Yのポリぺプチド、ポリぺプチドフラグメン
ト、または変異体、に対応するポリぺプチドは、このポリぺプチドのインビボ半
減期を増大させるため、または当該分野で公知の方法を使用する免疫学的アッセ
イにおいて使用するために、上記の抗体部分に融合または結合され得る。さらに
、配列番号Yに対応するポリぺプチドを、上記の抗体部分に融合または結合して
、精製を容易にし得る。1つの報告された例は、ヒトCD4ポリペプチドの最初
の2つのドメイン、および哺乳動物の免疫グロブリンの重鎖または軽鎖の定常領
域の種々のドメインからなるキメラタンパク質を記載している(EP 394,
827;Trauneckerら、Nature 331:84−86(198
8))。ジスルフィド連結二量体構造(IgGに起因する)を有する抗体に融合
または結合される、本発明のポリぺプチドもまた、単量体分泌タンパク質または
タンパク質フラグメント単独よりも、他の分子に結合しそして中和するのにさら
に効率的であり得る(Fountoulakisら、J.Biochem.27
0:3958−3964(1995))。多くの場合、融合タンパク質のFc部
分は、治療および診断において有益であり、従って、例えば、改良された薬物動
態学的な特性を生じ得る(EP A 232,262)。あるいは、融合タンパ
ク質が発現され、検出され、そして精製された後に、Fc部分を欠失させること
が望ましい。例えば、融合タンパク質が免疫化のための抗原として使用される場
合、Fc部分は、治療および診断を妨害し得る。例えば、薬物の発見において、
hIL−5のようなヒトタンパク質は、hIL−5のアンタゴニストを同定する
ための高スループットスクリーニングアッセイの目的のためにFc部分と融合さ
れてきた(Bennettら、J.Molecular Recognitio
n 8:52−58(1995);Johansonら、J.Biol.Che
m.270:9459−9471(1995)を参照のこと)。
【0349】 さらに、本発明の抗体またはそのフラグメントは、精製を容易にするペプチド
のような、マーカー配列に融合され得る。好ましい実施形態において、マーカー
アミノ酸配列は、とりわけヘキサ−ヒスチジンペプチド(例えば、pQEベクタ
ー(QIAGEN,Inc.,9259 Eton Avenue,Chats
worth,CA,91311)において提供されるタグ)であり、これらの多
くのマーカーアミノ酸配列が市販されている。例えば、Gentzら、Proc
.Natl.Acad.Sci.USA86:821−824(1989)に記
載されるように、ヘキサ−ヒスチジンは、融合タンパク質の都合の良い精製を提
供する。精製のために有用な別のペプチドタグは、インフルエンザ赤血球凝集素
タンパク質由来のエピトープに対応する「HA」タグ(Wilsonら、Cel
l37:767(1984))、および「flag」タグを含むが、これに限定
されない。
【0350】 本発明は、診断剤または治療剤に結合される、抗体またはそのフラグメントを
さらに含む。抗体は、例えば、臨床上の試験手順(例えば、所与の処置レジメン
(regimen)の効力を決定するため)の一部として、腫瘍の発生または進
行をモニターするために、診断的に使用され得る。検出は、抗体を検出可能な物
質と連結させることによって容易にされ得る。検出可能な物質の例としては、種
々の酵素、補欠分子団、蛍光物質、発光物質、生物発光物質、放射性物質、種々
の陽電子放射断層撮影を使用する陽電子放射金属、および非放射性常磁性金属イ
オン、が挙げられる。この検出可能な物質は、抗体(またはそのフラグメント)
に対して、直接的または間接的のいずれかで、当該分野で公知の技術を使用する
媒介物(例えば、当該分野で公知のリンカー)を介して、連結または結合され得
る。例えば、本発明に従う診断薬としての使用のための抗体に結合され得る金属
イオンに関しては、米国特許第4,741,900号を参照のこと。適切な酵素
の例としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガ
ラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼが挙げられ;適切な補欠分
子団複合体の例としては、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオ
チンが挙げられ;適切な蛍光物質の例としては、ウンベリフェロン、フルオレセ
イン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニル
アミンフルオレセイン、ダンシルクロリドまたはフィコエリトリンが挙げられ;
発光物質の例としては、ルミノールが挙げられ;生物発光物質の例としては、ル
シフェラーゼ、ルシフェリンおよびエクオリンが挙げられ;ならびに、適切な放
射性物質の例としては、125I、131I、111Inまたは99Tcが挙げ
られる。
【0351】 さらに、抗体またはそのフラグメントは、治療用部分(例えば細胞毒(例えば
細胞増殖抑制性もしくは細胞殺傷性の薬剤))、治療剤または放射性金属イオン
(例えば、α−エミッタ−(例えば213Bi))に結合され得る。細胞毒また
は細胞毒性薬剤は、細胞に対して有害な任意の薬剤を含む。例としては、パクリ
タキセル(paclitaxol)、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化
エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テニポシド(tenop
oside)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン
、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン(dihydroxy a
nthracin dione)、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチ
ノマイシンD,1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン
、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、およびピューロマイシン、な
らびにそのアナログまたはホモログ、が挙げられる。治療剤は、代謝拮抗物質(
例えば、メトトレキサート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラ
ビン、5−フルオロウラシルデカルバジン)、アルキル化剤(例えば、クロルメ
チン(mechlorethamine)、チオテパ(thioepa)、クロ
ラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)およびロムスチン(CC
NU)、シクロホスファミド(cyclothosphamide)、ブスルフ
ァン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、ならび
にcis−ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、アントラ
サイクリン(例えば、ダウノルビシン(以前はダウノマイシン)およびドキソル
ビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(以前はアクチノマイシン)、
ブレオマイシン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(anthramy
cin)(AMC))、ならびに有糸***阻害剤(例えばビンクリスチンおよび
ビンブラスチン)、を含むが、それらに限定されない。
【0352】 本発明の結合体は、所与の生物学的応答を改変するために使用され得、治療剤
または薬物部分は、化学的治療剤に限定されると解釈されない。例えば、薬物部
分は、所望の生物学的活性を有するタンパク質またはポリぺプチドであり得る。
このようなタンパク質としては、例えば、毒素(例えばアブリン、リシンA、シ
ュードモナス外毒素、またはジフテリアトキシン);タンパク質(例えば、腫瘍
壊死因子、a−インターフェロン、β−インターフェロン、神経発育因子、血小
板由来増殖因子、組織プラスミノゲン賦活剤、アポトーシス薬(例えば、TNF
−α、TNF−β、AIM I(国際公開第WO97/33899号を参照のこ
と)、AIM II(国際公開第WO97/34911号を参照のこと)、Fa
sリガンド(Takahashiら、Int.Immunol.6:1567−
1574(1994))、VEGI(国際公開第WO99/23105号を参照
のこと))、血栓症薬もしくは抗脈管形成薬(例えば、アンジオスタチンもしく
はエンドスタチン);または生物学的応答改変剤(例えばリンホカイン、インタ
ーロイキン−1(「IL−1」)、インターロイキン−2(「IL−2」)、イ
ンターロイキン−6(「IL−6」)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子
(「GM−CSF」)、顆粒球コロニー刺激因子(「G−CSF」)、または他
の増殖因子)、が挙げられ得る。
【0353】 抗体はまた、固体支持体に付着させられ得、この固体支持体は、標的抗原の免
疫アッセイまたは精製に特に有用である。このような固体支持体としては、ガラ
ス、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ルまたはポリプロピレン、が挙げられるがそれらに限定されない。
【0354】 このような治療部分を抗体に結合する技術は、周知である、例えば、Arno
nら、「Monoclonal Antibodies For Immuno
targeting Of Drugs In Cancer Therapy
」、Monoclonal Antibodies And Cancer T
herapy、Reisfeldら(編)、pp.243−56(Alan R
.Liss,Inc.1985);Hellstromら、「Antibodi
es For Drug Delivery」、Controlled Dru
g Delivery(第二版)、Robinsonら(編)、pp.623−
53(Marcel Dekker,Inc.1987);Thorpe、「A
ntibody Carriers Of Cytotoxic Agents
In Cancer Therapy:A Review」、Monoclo
nal Antibodies ’84:Biological And Cl
inical Applications、Pincheraら(編)、pp.
475−506(1985);「Analysis,Results,And
Future Prospective Of The Therapeuti
c Use Of Radiolabeled Antibody In Ca
ncer Therapy」、Monoclonal Antibodies
For Cancer Detection And Therapy、Bal
dwinら(編)、pp.303−16(Academic Press 19
85)、およびThorpeら、「The Preparation And
Cytotoxic Properties Of Antibody−Tox
in Conjugates」、Immunol.Rev.62:119−58
(1982)を参照のこと。
【0355】 あるいは、抗体は、Segalにより米国特許第4,676,980号(その
全体が参考として本明細書中で援用される)に記載されるように、第二の抗体に
結合され得、抗体ヘテロ結合体を形成する。
【0356】 単独または細胞毒因子および/もしくはサイトカインと組合せて投与される抗
体(その抗体に結合する治療部分を有するまたは有さない)は、治療として使用
され得る。
【0357】 (免疫表現型決定(immunophenotyping)) 本発明の抗体は、細胞株および生物学的サンプルの免疫表現型決定のために利
用され得る。本発明の遺伝子の翻訳産物は、細胞特異的マーカーとして、またよ
り詳細には、特定の型の細胞の分化および/または成熟の種々の段階で、差次的
に発現される細胞マーカーとして有用であり得る。特異的なエピトープまたはエ
ピトープの組み合わせに対するモノクローナル抗体は、マーカーを発現する細胞
の集団のスクリーニングを可能にする。種々の技術は、マーカーを発現する細胞
の集団をスクリーニングするためのモノクローナル抗体を使用して利用され得、
そして種々の技術としては、抗体でコートされた磁気的ビーズを使用する磁気的
分離、固体マトリックス(すなわちプレート)に付着された抗体を用いる「パニ
ング(panning)」、およびフローサイトメトリ(例えば、米国特許第5
,985,660号;およびMorrisonら、Cell,96:737−4
9(1999)を参照のこと)、が挙げられる。
【0358】 これらの技術は、細胞(例えば血液学的悪性疾患で見出されるような細胞(す
なわち急性白血病患者における微小残存病変(MRD))、および対宿主性移植
変病(GVHD)を防ぐための移植における「非自己(non−self)」細
胞)の特定の集団のスクリーニングを可能にする。あるいは、これらの技術は、
ヒト臍帯血中に見出されるような、増殖および/または分化を受ける能力のある
造血幹細胞および前駆細胞のスクリーニングを可能にする。
【0359】 (抗体結合アッセイ) 本発明の抗体は、免疫特異的結合について、当該分野で公知の任意の方法によ
ってアッセイされ得る。使用され得る免疫アッセイは、競合的および非競合的ア
ッセイ系を含むがこれに限定されない。このアッセイ系は以下のような技術を使
用する、少し例を挙げると、ウェスタンブロット、放射性免疫アッセイ、ELI
SA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチ」免疫アッセイ、免疫沈降
アッセイ、沈降素反応、ゲル拡散沈降素反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ
、補体結合アッセイ、免疫放射分析アッセイ、蛍光免疫アッセイ、プロテインA
免疫アッセイ。このようなアッセイは、当該分野で、慣習的および周知である(
例えば、Ausubelら(編)、1994、Current Protoco
ls in Molecular Biology、第1巻、John Wil
ey&Sons Inc.,New Yorkを参照のこと。これはその全体が
本明細書中で参考として援用される)。典型的な免疫アッセイは、以下に簡単に
記載される(しかし限定として意図されない)。
【0360】 免疫沈降プロトコルは、一般に、RIPA緩衝液(1%NP−40またはTr
iton X−100、1%デオキシコール酸ナトリウム、0.1%SDS、0
.15M NaCl、0.01Mリン酸ナトリウム(pH7.2)、1%Tra
sylol)のような、タンパク質ホスファターゼおよび/またはプロテアーゼ
インヒビター(例えば、EDTA、PMSF、アプロチニン、バナジウム酸ナト
リウム)を補充した溶解緩衝液中で、細胞の集団を溶解する工程、目的の抗体を
細胞溶解物に添加する工程、4℃である時間(例えば1〜4時間)インキュベー
トする工程、プロテインAおよび/またはプロテインGのセファロースビーズを
細胞溶解物に添加する工程、約1時間以上、4℃でインキュベートする工程、ビ
ーズを溶解緩衝液で洗浄する工程およびビーズをSDS/サンプル緩衝液中に再
懸濁する工程、を包含する。目的の抗体が特定の抗原を沈降する能力は、例えば
、ウェスタンブロット分析によって評価され得る。当業者は、抗原に対する抗体
の結合を増加し、そしてバックグラウンドを減少する(例えば、セファロースビ
ーズとともに細胞溶解物を予め洗浄する)ように改変され得るパラメータに関し
て、よく知っている。免役沈降アッセイプロトコルに関するさらなる考察につい
ては、Ausubelら(編)、1994、Current Protocol
s in Molecular Biology、Vol.1、John Wi
ley&Sons,Inc.,New York(10.16.1)を参照のこ
と。
【0361】 ウェスタンブロット分析は一般的に、タンパク質サンプルを調製する工程、タ
ンパク質サンプルのポリアクリルアミドゲルでの電気泳動(例えば抗原の分子量
によって8%〜20%のSDS−PAGE)、タンパク質サンプルをポリアクリ
ルアミドゲルからメンブレン(例えばニトロセルロース、PVDFまたはナイロ
ン)へ移す工程、ブロッキング溶液(例えば、3%のBSAまたは無脂肪ミルク
を含むPBS)中でメンブレンをブロッキングする工程、メンブレンを洗浄緩衝
液(例えば、PBS−Tween20)中で洗浄する工程、ブロッキング緩衝液
で希釈された1次抗体(目的の抗体)を用いてメンブレンをブロッキングする工
程、洗浄緩衝液中でメンブレンを洗浄する工程、ブロッキング緩衝液で希釈され
た、酵素基質(例えば西洋ワサビペルオキシダーゼもしくはアルカリホスファタ
ーゼ)または放射性分子(例えば32Pまたは125I)に結合した2次抗体(
これは1次抗体(例えば非ヒト抗体)を認識する)でメンブレンをブロッキング
する工程、洗浄緩衝液中でメンブレンを洗浄する工程、および抗原の存在を検出
する工程、を包含する。当業者は、検出されるシグナルを増加し、そしてバック
グランドノイズを減少するように改変され得るパラメータをよく知っている。ウ
ェスタンブロットプロトコルに関するさらなる考察については、例えば、Aus
ubelら(編)、1994、Current Protocols in M
olecular Biology、Vol.1、John Wiley&So
ns,Inc.、New York(10.8.1)を参照のこと。
【0362】 ELISAは、抗原を調製する工程、96ウェルマイクロタイタープレートの
ウェルをその抗原でコーティングする工程、酵素基質(例えば、西洋ワサビペル
オキシダーゼまたはアルカリホスフォターゼ)のような検出可能な化合物に結合
した目的の抗体をそのウェルに添加し、そして一定時間インキュベートする工程
、および抗原の存在を検出する工程を含む。ELISAにおいて、目的の抗体は
、検出可能な化合物に結合している必要はない;その代わり、検出可能な化合物
に結合した第二の抗体(目的の抗体を認識する)がウェルに添加され得る。さら
に、ウェルを抗原でコーティングする代わりに、抗体がウェルにコーティングさ
れ得る。この場合、検出可能な化合物に結合した第二の抗体が、コーティングさ
れたウェルへの目的の抗原の添加に続いて、添加され得る。当業者は、検出され
るシグナルを増加させるように改変され得るパラメータ、および当該分野におい
て公知のELISAの他のバリエーションに関して、認め得る。ELISAに関
するさらなる考察については、例えば、Ausubelら編,1994,Cur
rent Protocols in Molecular Biology,
第1巻、John Wiley & Sons,Inc.,New York,
11.2.1を参照のこと。
【0363】 抗体の抗原に対する結合親和性および抗体−抗原相互作用のオフレート(of
f−rate)が、競合結合アッセイにより決定され得る。競合結合アッセイの
一つの例は、ラジオイムノアッセイであり、ラジオイムノアッセイは、標識した
抗原(例えば、3Hまたは125I)と、漸増量の非標識抗原の存在下での目的
の抗体とのインキュベーション、および標識した抗原に結合した抗体の検出を含
む。目的の抗体の、特定の抗原に対する親和性、および結合オフレートは、スキ
ャッチャードプロット分析によるデータから決定され得る。第二の抗体との競合
はまた、ラジオイムノアッセイを用いて決定され得る。この場合、抗原は、漸増
量の非標識第二抗体の存在下で、標識した化合物(例えば、3Hまたは125I
)に結合した目的の抗体とともにインキュベートされる。
【0364】 (治療用途) 本発明はさらに、抗体を基礎とした治療に関し、この治療は、本発明の抗体を
、1つ以上の開示された疾患、障害、または状態を処置するために、動物、好ま
しくは哺乳動物、そして最も好ましくはヒトの患者に投与する工程を含む。本発
明の治療化合物としては、本発明の抗体(本明細書中に記載するような、それら
のフラグメント、アナログおよび誘導体を含む)ならびに本発明の抗体をコード
する核酸(本明細書中に記載するような、それらのフラグメント、アナログおよ
び誘導体ならびに抗イディオタイプ抗体を含む)が挙げられるがこれらに限定さ
れない。本発明の抗体は、本発明のポリペプチドの異常な発現および/または活
性に関連した疾患、障害または状態(本明細書中に記載する任意の1つ以上の疾
患、障害、または状態を含むがこれらに限定されない)を処置、阻害または予防
するために使用され得る。本発明のポリペプチドの異常な発現および/または活
性に関連した疾患、障害または状態の処置および/または予防は、それらの疾患
、障害または状態に関連した症状を緩和する工程を含むがこれに限定されない。
本発明の抗体は、当該分野で公知であるか、または本明細書中に記載されるよう
に、薬学的に受容可能な組成物中に提供され得る。
【0365】 本発明の抗体が治療的に使用され得る方法の1つの要約は、身体内で局所的に
または全身的に、あるいは(例えば、補体(CDC)により、またはエフェクタ
ー細胞(ADCC)により媒介されるような)抗体の直接的細胞傷害性により、
本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドを結合させることを含む。これら
のアプローチのいくつかは、より詳細に以下に記載される。本明細書中で提供さ
れる教示を与えられれば、当業者は、過度の実験なしに、診断上の目的、モニタ
リングの目的あるいは治療上の目的のために、本発明の抗体を使用する方法がわ
かる。
【0366】 本発明の抗体は、例えば、抗体と相互作用するエフェクター細胞の数または活
性を増加させるために役立つ、他のモノクローナル抗体またはキメラ抗体、ある
いはリンホカインまたは造血増殖因子(例えば、IL−2、IL−3およびIL
−7など)と組み合わせて有利に利用され得る。
【0367】 本発明の抗体は、単独で、または他の型の処置(例えば、放射線療法、化学療
法、ホルモン治療、免疫治療および抗腫瘍剤)との組み合わせで投与され得る。
一般的に、(抗体の場合には)患者の種と同じ種である種起源または種反応性の
生成物の投与が好ましい。従って、好ましい実施形態においては、ヒトの抗体、
フラグメント誘導体、アナログ、または核酸が、治療または予防のために、ヒト
の患者に投与される。
【0368】 本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド(それらのフラグメントを含む
)に関するイムノアッセイ、およびそれらに関連した障害の治療の両方のために
、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドに対する、高親和性および/ま
たは強力な、インビボでの阻害抗体および/または中和抗体、それらのフラグメ
ント、またはその領域を使用することが好ましい。このような抗体、フラグメン
ト、または領域は、好ましくは、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド
(それらのフラグメントを含む)に対して親和性を有する。好ましい結合親和性
としては、5×10-2M、10-2M、5×10-3M、10-3M、5×10-4M、
10-4M、5×10-5M、10-5M、5×10-6M、10-6M、5×10-7M、
10-7M、5×10-8M、10-8M、5×10-9M、10-9M、5×10-10
、10-10M、5×10-11M、10-11M、5×10-12M、10-12M、5×1
-13M、10-13M、5×10-14M、10-14M、5×10-15M、および10- 15 Mより小さい解離定数すなわちKdを有する結合親和性が挙げられる。
【0369】 (遺伝子治療) 特定の実施形態において、抗体またはその機能的誘導体をコードする配列を含
む核酸は、本発明のポリペプチドの異常な発現および/または活性に関連した疾
患または障害を処置、阻害または予防するために、遺伝子治療の目的で投与され
る。遺伝子治療とは、発現したか、または発現可能な核酸の、被験体への投与に
より行われる治療をいう。本発明のこの実施形態において、核酸は、それらのコ
ードされたタンパク質を産生し、そのタンパク質は治療効果を媒介する。
【0370】 当該分野で利用可能な遺伝子治療のための任意の方法は、本発明に従って使用
され得る。例示的な方法が以下に記載される。
【0371】 遺伝子治療の方法の一般的な概説については、Goldspielら,Cli
nical Pharmacy 12:488−505(1993);Wuおよ
びWu,Biotherapy 3:87−95(1991);Tolstos
hev,Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.32:573
−596(1993);Mulligan,Science 260:926−
932(1993);ならびにMorganおよびAnderson,Ann.
Rev.Biochem.62:191−217(1993);May,TIB
TECH 11(5):155−215(1993)を参照のこと。使用され得
る、組換えDNA技術分野において一般的に公知である方法は、Ausubel
ら(編),Current Protocols in Molecular
Biology,John Wiley & Sons,NY(1993);お
よびKriegler,Gene Transfer and Express
ion,A Laboratory Manual,Stockton Pre
ss,NY(1990)に記載される。
【0372】 好ましい局面において、化合物は抗体をコードする核酸配列を含有し、上記核
酸配列は、適切な宿主において、抗体、またはそのフラグメントもしくはキメラ
タンパク質、あるいはその重鎖もしくは軽鎖を発現する発現ベクターの一部であ
る。特に、このような核酸配列は、抗体コード領域に作動可能に連結したプロモ
ーターを有し、上記プロモーターは誘導性であるかまたは構成性であり、そして
必要に応じて組織特異的である。別の特定の実施形態においては、抗体をコード
する配列および任意の他の所望の配列がゲノム中の所望の部位での相同組換えを
促進する領域に隣接した核酸分子が使用され、それにより抗体をコードする核酸
の染色体内の発現を提供する(KollerおよびSmithies,Proc
.Natl.Acad.Sci.USA 86:8932−8935(1989
);Zijlstraら,Nature 342:435−438(1989)
)。特定の実施形態において、発現した抗体分子は単鎖抗体であるか;あるいは
この核酸配列は、この抗体の重鎖および軽鎖の両方をコードする配列またはその
フラグメントを含む。
【0373】 核酸の患者への送達は、直接的(この場合、患者は核酸または核酸保有ベクタ
ーに直接的に曝される)か、または間接的(この場合、細胞は最初にインビトロ
で核酸で形質転換され、次いで患者に移植される)のいずれかであり得る。これ
らの2つのアプローチは、インビボ遺伝子治療として、またはエキソビボ遺伝子
治療としてそれぞれ公知である。
【0374】 特定の実施形態において、核酸配列はインビボで直接的に投与され、そこで核
酸配列は発現されて、コードされた産物を産生する。これは、当該分野で公知の
多数の方法などのいずれかにより(例えば、それらを適切な核酸発現ベクターの
一部として構築し、そしてそれを細胞内になるように投与することにより(例え
ば、欠損性または弱毒化したレトロウイルスまたは他のウイルスベクター(米国
特許第4,980,286号を参照のこと)を用いた感染により)、あるいは、
裸のDNAの直接注射により、あるいは、微粒子ボンバードメント(例えば、遺
伝子銃;Biolistic、Dupont)の使用により、あるいは脂質もし
くは細胞表面のレセプターでコーティングするか、または薬剤をトランスフェク
トすることにより、リポソーム、微粒子、もしくはマイクロカプセル中へのカプ
セル化により、あるいは、それらを核に進入することが公知であるペプチドと結
合させて投与することにより、レセプター媒介のエンドサイトーシスを受けるリ
ガンドとそれを結合させて投与することにより(例えば、WuおよびWu,J.
Biol.Chem.262:4429−4432(1987)を参照のこと)
(レセプターを特異的に発現する細胞型を標的にするために用いられ得る)達成
され得る。別の実施形態において、核酸−リガンド複合体が形成され得、ここで
、このリガンドはエンドソームを破壊するフソジェニック(fusogenic
)ウイルス性ペプチドを含み、核酸がリソソーム分解を回避するようにする。さ
らに別の実施形態において、核酸は、特異的なレセプターを標的とすることによ
り、細胞特異的な取り込みおよび発現についてインビボで標的とされ得る(例え
ば、PCT公開第WO92/06180号;同第WO92/22635号;同第
WO92/20316号;同第WO93/14188号、同第WO93/202
21号を参照のこと)。あるいは、核酸は、細胞内に導入され得、そして相同組
換えにより、発現のために宿主細胞DNA中に組み込まれ得る(Kollerお
よびSmithies,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86
:8932−8935(1989);Zijlstraら,Nature 34
2:435−438(1989))。
【0375】 特定の実施形態において、本発明の抗体をコードする核酸配列を含むウイルス
ベクターが使用される。例えば、レトロウイルスベクターが用いられ得る(Mi
llerら,Meth.Enzymol.217:581−599(1993)
を参照のこと)。これらのレトロウイルスベクターは、ウイルス性ゲノムの正確
なパッケージングおよび宿主細胞DNAへの正確な組込みのために必要な構成要
素を含む。遺伝子治療において使用される抗体をコードする核酸配列は、一つ以
上のベクター中にクローン化され、これは、患者内への遺伝子の送達を容易にす
る。レトロウイルスベクターに関するさらなる詳細は、Boesenら,Bio
therapy 6:291−302(1994)(これは、造血性幹細胞を化
学療法に対してより耐性にするために、mdrI遺伝子を幹細胞に送達するため
の、レトロウイルスベクターの使用を記載する)に見出され得る。遺伝子治療に
おけるレトロウイルスベクターの使用を説明する他の参考文献は、以下である。
:Clowesら,J.Clin.Invest.93:644−651(19
94);Kiemら,Blood 83:1467−1473(1994);S
almonsおよびGunzberg,Human Gene Therapy
4:129−141(1993);ならびにGrossmanおよびWils
on,Curr.Opin.in Genetics and Devel.3
:110−114(1993)。
【0376】 アデノウイルスは、遺伝子治療において使用され得る他のウイルスベクターで
ある。アデノウイルスは、特に、気道上皮へ遺伝子を送達するための魅力的なビ
ヒクルである。アデノウイルスは、自然に気道上皮に感染し、そこで軽い疾患を
起こす。アデノウイルスに基づく送達系の他の標的は、肝臓、中枢神経系、内皮
細胞、および筋肉である。アデノウイルスは、非***細胞に感染し得るという利
点を有する。KozarskyおよびWilson,Current Opin
ion in Genetics and Development 3:49
9−503(1993)は、アデノウイルスに基づく遺伝子治療の概説を示す。
Boutら,Human Gene Therapy 5:3−10(1994
)は、アカゲザルの気道上皮に遺伝子を移入するためのアデノウイルスベクター
の使用を実証した。遺伝子治療におけるアデノウイルスの使用の他の例は、Ro
senfeldら,Science 252:431−434(1991);R
osenfeldら,Cell 68:143−155(1992);Mast
rangeliら,J.Clin.Invest.91:225−234(19
93);PCT公開第WO94/12649号;およびWangら,Gene
Therapy 2:775−783(1995)に見出され得る。好ましい実
施形態において、アデノウイルスベクターが使用される。
【0377】 アデノ随伴ウイルス(AAV)はまた、遺伝子治療における使用について提案
されてきた(Walshら,Proc.Soc.Exp.Biol.Med.2
04:289−300(1993);米国特許第5,436,146号)。
【0378】 遺伝子治療への別のアプローチは、エレクトロポレーション、リポフェクショ
ン、リン酸カルシウム媒介トランスフェクション、またはウイルス感染のような
方法により、組織培養中の細胞へ遺伝子を移入する工程を含む。通常、移入の方
法は、選択マーカーの細胞への移入を含む。次いで、細胞は、移入された遺伝子
を取り込みそして発現している細胞を単離するために選沢下に置かれる。それら
の細胞は次いで、患者に送達される。
【0379】 この実施形態においては、得られた組換え細胞のインビボ投与の前に、核酸が
細胞に導入される。このような導入は、当該分野において公知の任意の方法によ
り実施され得、それらの方法としては以下が挙げられるがこれらに限定されない
:トランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション
、核酸配列を含むウイルスベクターまたはバクテリオファージベクターでの感染
、細胞融合、染色体媒介の遺伝子移入、マイクロセル(microcell)媒
介の遺伝子移入、スフェロプラスト融合など。外来遺伝子の細胞への導入につい
ては、当該分野において多数の技術が公知であり(例えば、Loefflerお
よびBehr,Meth.Enzymol.217:599−618(1993
);Cohenら,Meth.Enzymol.217:618−644(19
93);Cline,Pharmac.Ther.29:69−92m(198
5)を参照のこと)、そしてレシピエント細胞の必要な発生的および生理学的機
能が破壊されない場合、本発明に従って使用され得る。この技術は、核酸の細胞
への安定した移入を提供するはずであり、その結果、核酸は、細胞により発現可
能であり、そして好ましくは、遺伝性であり、そしてその細胞の子孫により発現
可能である。
【0380】 得られた組換え細胞は、当該分野において公知の様々な方法により、患者へ送
達され得る。組換え血球(例えば、造血幹細胞または造血前駆細胞)は、好まし
くは、静脈内に投与される。使用が考えられる細胞の量は、所望の効果、患者の
状態などに依存し、そして当業者により決定され得る。
【0381】 遺伝子治療の目的のために核酸が導入され得る細胞は、任意の所望の入手可能
な細胞型を包含し、そして以下を含むがそれらに限定されない:上皮細胞、内皮
細胞、ケラチノサイト、線維芽細胞、筋肉細胞、肝細胞;Tリンパ球、Bリンパ
球、単球、マクロファージ、好中球、好酸球、巨核球、顆粒球のような血球;種
々の幹細胞または前駆細胞、特に、造血幹細胞または造血前駆細胞(例えば、骨
髄、臍帯血、末梢血、胎児の肝臓などから得られるような細胞)。
【0382】 好ましい実施形態において、遺伝子治療に使用される細胞は、患者に対して自
己である。
【0383】 遺伝子治療において組換え細胞が使用される実施形態において、抗体をコード
する核酸配列は、細胞またはそれらの子孫により核酸配列が発現可能であるよう
に細胞に導入され、次いで組換え細胞は、治療的効果のためにインビボで投与さ
れる。特定の実施形態において、幹細胞または前駆細胞が用いられる。インビト
ロで単離され得、そしてインビトロで保存され得る任意の幹細胞および/または
前駆細胞は、本発明のこの実施形態に従って潜在的に使用され得る(例えば、P
CT公開第WO94/08598号:StempleおよびAnderson,
Cell 71:973−985(1992);Rheinwald,Meth
.Cell Bio.21A:229(1980);ならびにPittelko
wおよびScott,Mayo Clinic Proc.61:771(19
86)を参照のこと)。
【0384】 特定の実施形態において、遺伝子治療の目的で導入される核酸は、コード領域
に作動可能に連結された誘導性プロモーターを含有し、その結果、核酸の発現は
、適切な転写誘導因子の存在または非存在を制御することにより制御可能である
【0385】 本発明の化合物または薬学的組成物は、好ましくは、ヒトでの使用の前にイン
ビトロで、そして次いでインビボで、所望の治療活性または予防活性について試
験される。例えば、化合物または薬学的組成物の、治療有用性または予防有用性
を証明するためのインビトロアッセイとしては、細胞株または患者組織サンプル
に対する化合物の効果が挙げられる。細胞株および/または組織サンプルに対す
る化合物または組成物の効果は、当業者に公知である技術(ロゼット形成アッセ
イおよび細胞溶解アッセイが挙げられるがこれらに限定されない)を利用して決
定され得る。本発明に従って、特定の化合物の投与が示されるか否かを決定する
ために用いられ得るインビトロアッセイとしては、インビトロ細胞培養アッセイ
が挙げられ、このアッセイでは、患者組織サンプルが培養物において増殖し、そ
して化合物に曝されるか、そうでなければ化合物が投与され、そして、組織サン
プルに対するそのような化合物の効果が観察される。
【0386】 (治療活性または予防活性の実証) 本発明の化合物または薬学的組成物は、好ましくは、ヒトでの使用の前にイン
ビトロで、次いでインビボで、所望の治療活性または予防活性について試験され
る。例えば、化合物または薬学的組成物の治療有用性または予防有用性を実証す
るためのインビトロアッセイとしては、細胞株または患者組織サンプルに対する
化合物の効果が挙げられる。細胞株および/または組織サンプルに対する化合物
または組成物の効果は、当業者に公知である技術(ロゼット形成アッセイおよび
細胞溶解アッセイが挙げられるがこれらに限定されない)を利用して決定され得
る。本発明に従って、特定の化合物の投与が示されるかどうかを決定するために
用いられ得るインビトロアッセイとしては、インビトロ細胞培養アッセイが挙げ
られ、このアッセイでは、患者組織サンプルが培養において増殖され、そして化
合物に曝されるか、そうでなければ化合物が投与され、そして、組織サンプルに
対するそのような化合物の効果が観察される。
【0387】 (治療的/予防的な投与および組成物) 本発明は、被験体への有効量の本発明の化合物または薬学的組成物、好ましく
は本発明の抗体の投与による処置、阻害および予防の方法を提供する。好ましい
局面において、化合物は実質的に精製される(例えば、その効果を制限するかま
たは望ましくない副作用を生じる物質は実質的にない)。被験体は好ましくは、
ウシ、ブタ、ウマ、ニワトリ、ネコ、イヌなどの動物が挙げられるがそれらに限
定されない動物であり、そして好ましくは哺乳動物であり、そして最も好ましく
はヒトである。
【0388】 化合物が核酸または免疫グロブリンを含む場合に使用され得る処方物および投
与方法は、上記に記載され;さらなる適切な処方物および投与経路は、本明細書
中で以下に記載されたものの中から選択され得る。
【0389】 種々の送達系が公知であり、そして本発明の化合物を投与するために用いられ
得る(例えば、リポソーム、微粒子、マイクロカプセル中でのカプセル化、この
化合物の発現が可能な組み換え細胞、レセプター媒介エンドサイトーシス(例え
ば、WuおよびWu,J.Biol.Chem.262:4429−4432(
1987)を参照のこと)、レトロウイルスまたは他のベクターの一部としての
核酸の構築など)。導入方法としては、皮内、筋内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻
腔内、硬膜外、および経口経路が挙げられるがそれらに限定されない。化合物ま
たは組成物は、任意の好都合な経路により(例えば、注入またはボーラス注射に
より、上皮または粘膜皮膚内層(例えば、口腔粘膜、直腸粘膜および腸粘膜など
)を通しての吸収により)投与され得、そして他の生物学的に活性な薬剤と一緒
に投与され得る。投与は、全身的または局所的であり得る。さらに、本発明の薬
学的化合物または組成物を、任意の適切な経路(脳室内注射および鞘内注射を包
含する;脳室内注射は、例えば、Ommayaリザーバのようなリザーバに取り
付けられた脳室内カテーテルにより容易にされ得る)により中枢神経系に導入す
ることが望まれ得る。例えば、吸入器または噴霧器の使用、およびエアゾール化
剤を用いた処方により、肺投与もまた使用され得る。
【0390】 特定の実施形態において、本発明の薬学的化合物または組成物を、処置の必要
な領域に局所的に投与することが望まれ得る;これは、制限する目的ではないが
、例えば、手術中の局部注入、局所適用(例えば、手術後の創傷包帯との組み合
わせて)により、注射により、カテーテルにより、坐剤により、またはインプラ
ント(このインプラントは、シアラスティック(sialastic)膜のよう
な膜または繊維を含む、多孔性、非多孔性、またはゼラチン様材料である)によ
り達成され得る。好ましくは、抗体を含む本発明のタンパク質を投与する場合、
タンパク質が吸収されない材料を使用するために注意が払われなければならない
【0391】 別の実施形態において、化合物または組成物は、小胞、特に、リポソーム中へ
送達され得る(Langer,Science 249:1527−1533(
1990);Treatら,Liposomes in the Therap
y of Infectious Disease and Cancer,L
opez−BeresteinおよびFidler(編),Liss,New
York,353〜365頁(1989);Lopez−Berestein,
同書317〜327頁を参照のこと;広く同書を参照のこと)。
【0392】 さらに別の実施形態において、化合物または組成物は、制御された放出系にお
いて送達され得る。1つの実施形態において、ポンプが用いられ得る(Lang
er(前出);Sefton,CRC Crit.Ref.Biomed.En
g.14:201(1987);Buchwaldら,Surgery 88:
507(1980);Saudekら,N.Engl.J.Med.321:5
74(1989)を参照のこと)。別の実施形態において、ポリマー材料が用い
られ得る(Medical Applications of Control
led Release,LangerおよびWise(編),CRC Pre
s.,Boca Raton,Florida(1974);Controll
ed Drug Bioavailability,Drug Product
Design and Performance,SmolenおよびBal
l(編),Wiley,New York(1984);RangerおよびP
eppas,J.Macromol.Sci.Rev.Macromol.Ch
em.23:61(1983)を参照のこと;Levyら,Science 2
28:190(1985);Duringら,Ann.Neurol.25:3
51(1989);Howardら,J.Neurosurg.71:105(
1989)もまた参照のこと)。さらに別の実施形態において、制御された放出
系は、治療標的、即ち、脳に近接して配置され得、それにより、全身用量の一部
のみを必要とする(例えば、Goodson,Medical Applica
tions of Controlled Release(前出),第2巻,
115〜138頁(1984)を参照のこと)。
【0393】 他の制御された放出系は、Langerにより総説において議論される(Sc
ience 249:1527−1533(1990))。
【0394】 本発明の化合物がタンパク質をコードする核酸である、特定の実施形態におい
て、その核酸は、それを適切な核酸発現ベクターの一部として構成し、そしてこ
のベクターが細胞内になるようにこのベクターを投与することにより(例えば、
レトロウイルスベクターの使用により(米国特許第4,980,286号を参照
のこと)、または直接注射により、または微粒子ボンバードメント(例えば、遺
伝子銃;Biolistic,Dupont)の使用により、または脂質もしく
は細胞表面レセプターもしくはトランスフェクト剤でコーティングすることによ
り、または核に進入することが公知であるホメオボックス様ペプチドと結合させ
てこのベクターを投与すること(例えば、Joliotら,Proc.Natl
.Acad.Sci.USA 88:1864−1868(1991)を参照の
こと)などにより、そのコードされたタンパク質の発現を促進するようにインビ
ボで投与され得る。あるいは、核酸は、細胞内に導入され得、そして、発現のた
めに相同組換えにより宿主細胞DNA内に組み込まれ得る。
【0395】 本発明はまた、薬学的組成物を提供する。このような組成物は、治療有効量の
化合物、および薬学的に受容可能なキャリアを含む。特定の実施形態において、
用語「薬学的に受容可能な」とは、動物における、そしてさらに特にヒトにおけ
る使用のために、連邦規制当局もしくは州政府により承認されたか、または米国
薬局方もしくは他の一般に認められた薬局方に列挙されたことを意味する。用語
「キャリア」とは、治療剤とともに投与される、希釈剤、アジュバンド、賦形剤
、またはビヒクルをいう。このような薬学的キャリアは、水および油(石油起源
、動物起源、植物起源、または合成起源の油(例えば、ピーナッツ油、大豆油、
鉱油、ごま油など)を含む)のような滅菌した液体であり得る。水は、薬学的組
成物が静脈内に投与される場合に、好ましいキャリアである。生理食塩水溶液、
ならびにデキストロースおよびグリセロールの水溶液はまた、特に注射可能な溶
液に対して、液体キャリアとして使用され得る。適切な薬学的賦形剤としては、
デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、イネ、小麦
粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセ
ロール、滑石、塩化ナトリウム、乾燥した脱脂乳、グリセロール、プロピレン、
グリコール、水、エタノールなどが挙げられる。組成物はまた、所望される場合
、少量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤を含み得る。これらの組成物
は、液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、持続放出処方物など
の形態を取り得る。この組成物は、従来の結合剤およびトリグリセリドのような
キャリアとともに、坐剤として処方され得る。経口処方物は、薬学的等級のマン
ニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナト
リウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどのような標準的なキャリアを含み得
る。適切な薬学的キャリアの例は、E.W.Martinによる「Reming
ton’s Pharmaceutical Sciences」に記載される
。このような組成物は、治療有効量の化合物を、好ましくは精製された形態で、
適切な量のキャリアとともに含んで、患者への適切な投与のための形態を提供す
る。処方物は、投与の様式に適するべきである。
【0396】 好ましい実施形態において、組成物は、慣用手順に従って、ヒトへの静脈内投
与のために採用された薬学的組成物として、処方される。代表的には、静脈内投
与のための組成物は、滅菌等張水性緩衝液の溶液である。必要な場合、組成物は
また、可溶化剤および注射の部位での痛みを緩和するリグノカインのような局部
麻酔を含み得る。一般的には、成分は、別々にかまたは単位投薬形態と一緒に混
合されてのどちらかで、例えば、一定量の活性薬剤を示すアンプルまたは小袋(
sachette)のような気密容器中の乾燥した凍結粉末または水を含まない
濃縮物として供給される。組成物が注入により投与されるべき場合には、組成物
は、滅菌した薬学的等級の水または生理食塩水を含む注入ボトルに分配され得る
。組成物が注射により投与される場合、成分が投与の前に混合され得るように、
注射用滅菌水または生理食塩水のアンプルが提供され得る。
【0397】 本発明の化合物は、中性のまたは塩の形態として処方され得る。薬学的に受容
可能な塩としては、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などに由来する塩の
ようなアニオンとともに形成される塩、およびナトリウム、カリウム、アンモニ
ウム、カルシウム、水酸化第2鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2
−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどに由来する塩のような
カチオンとともに形成される塩が挙げられる。
【0398】 処置(本発明のポリペプチドの異常な発現および/または活性と関連する疾患
または障害の抑制および予防)において効果的である本発明の化合物の量は、標
準的な臨床技術により決定され得る。さらに、インビトロアッセイを使用して、
必要に応じて、最適な投薬量の範囲を同定するのを補助し得る。処方物において
使用されるべき正確な用量はまた、投与の経路、および疾患または障害の重篤さ
に依存し、そして開業医の判断および各患者の状況に従って決定されるべきであ
る。有効用量は、インビトロまたは動物モデル試験系から得られた用量反応曲線
から外挿され得る。
【0399】 抗体に関して、患者に投与される投薬量は、代表的に、患者の体重1kgあた
り0.1mg〜100mgである。好ましくは、患者に投与される投薬量は、患
者の体重1kgあたり0.1mgと20mgとの間であり、より好ましくは、患
者の体重1kgあたり1mg〜10mgである。一般に、ヒト抗体は、外来ポリ
ペプチドへの免疫応答に起因して、他種由来の抗体よりもヒト体内で長い半減期
を有する。従って、ヒト抗体のより低い投薬量および頻度のより少ない投与は、
しばしば可能である。さらに、本発明の抗体の投与の投薬量および頻度は、改変
(例えば、脂溶化(lipidation)など)による抗体の取り込みおよび
組織浸透(例えば、脳への)を増強することにより減少され得る。
【0400】 本発明はまた、本発明の薬学的組成物の一つ以上の成分で満たされている一つ
以上の容器を備える薬学的パックまたはキットを提供する。薬学的製品または生
物学的製品の製造、使用または販売を規制している政府機関により規定される形
式における通告は、このような容器に、必要に応じて伴ない得る。この通告は、
ヒトの投与のための製造、使用または販売のこの機関による認可を反映する。
【0401】 (診断および画像化) 目的のポリペプチドに特異的に結合する標識化抗体、ならびにその誘導体およ
びそのアナログは、診断目的のために使用されて、本発明のポリペプチドの異常
な発現および/または活性に関連する疾患および/または障害を検出、診断また
はモニターし得る。本発明は、目的のポリペプチドの異常な発現の検出について
提供し、これは、(a)目的のポリペプチドに特異的な1つ以上の抗体を使用し
て、個体の細胞または体液中の目的のポリペプチドの発現をアッセイする工程、
および(b)この遺伝子発現レベルと標準的な遺伝子発現のレベルを比較する工
程であって、これによってその標準的な発現レベルと比較されるアッセイされた
ポリペプチド遺伝子発現レベルの増加または減少が、異常な発現を示す、工程を
包含する。
【0402】 本発明は、障害を診断するための診断アッセイを提供し、このアッセイは、(
a)目的のポリペプチドに特異的な1つ以上の抗体を使用して、個体の細胞また
は体液中の目的のポリペプチドの発現をアッセイする工程、および(b)この遺
伝子発現レベルと標準的な遺伝子発現のレベルを比較する工程であって、これに
よって、その標準的な発現レベルと比較されるアッセイされたポリペプチド遺伝
子発現レベルの増加または減少が、特定の障害を示す、工程を包含する。癌に関
して、個体由来の生検組織における比較的高い量の転写物の存在は、疾患の発生
についての素因を示し得るか、または実際の臨床症状の出現前に疾患を検出する
ための手段を提供し得る。この型のより決定的な診断は、保健専門家が予防手段
を使用すること、または早期の積極的な処置を可能にし得、これにより、癌の発
生またはさらなる進行を予防する。
【0403】 本発明の抗体は、当業者に公知の伝統的な免疫組織学的方法を用いて生物学的
サンプル中のタンパク質レベルをアッセイするために用いられ得る(例えば、J
alkanenら、J.Cell.Biol.101:976〜985(198
5);Jalkanenら、J.Cell.Biol.105:3087〜30
96(1987)を参照のこと)。タンパク質遺伝子発現の検出に有用な他の抗
体ベースの方法としては、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)およびラジ
オイムノアッセイ(RIA)のようなイムノアッセイが挙げられる。適切な抗体
アッセイ標識は、当該分野で公知であり、そして例えば、グルコースオキシダー
ゼのような酵素標識;ヨウ素(125I、121I)、炭素(14C)、硫黄(
35S)、トリチウム(3H)、インジウム(112In)、およびテクネチウ
ム(99Tc)のような放射性同位体;ルミノールのような発光性標識;ならび
にフルオレセインおよびローダミンのような蛍光標識;ならびにビオチンが挙げ
られる。
【0404】 本発明の1つの局面は、動物(好ましくは哺乳動物、そして最も好ましくはヒ
ト)における目的のポリペプチドの異常な発現と関連した疾患または障害の検出
および診断である。1つの実施形態において、診断は、以下の工程を包含する:
a)目的のポリペプチドに特異的に結合する有効量の標識分子を被験体に投与(
例えば、非経口的に、皮下的に、または腹腔内に)する工程;b)標識した分子
を被験体の部位に優先的に濃縮することを可能にするために(そしてバックグラ
ウンドレベルに対して除去されるべき未結合の標識分子のために)投与後、時間
間隔を空ける工程であって、ここでこのポリペプチドが発現される工程;c)バ
ックグラウンドレベルを検出する工程;ならびにd)被験体中の標識分子を検出
して、これによりバックグラウンドレベルをこえる標識分子の検出が、この被験
体は、目的のポリペプチドの異常な発現と関連した特定の疾患または障害を有す
ることを示す、工程。バックグラウンドレベルは、種々の方法により決定され得
る。この方法は、特定の系について事前に決定された標準値に対して、標識分子
の検出された量を比較する工程を含む。
【0405】 被験体のサイズおよび用いられる画像化システムは、診断画像を作成するのに
必要な画像部分の量を決定することが当該分野で理解される。放射性同位体部分
の場合は、ヒト被験体について、注射した放射線活性の量は、通常、99mTc
の約5〜20ミリキュリーの範囲である。次いで、標識された抗体または抗体フ
ラグメントは、特定のタンパク質を含む細胞の位置に優先的に蓄積される。イン
ビボ腫瘍画像化は、S.W.Burchielら、「Immunopharma
cokinetics of Radiolabeled Antibodie
s and Their Fragments.」(Tumor Imagin
g:The Radiochemical Detection of Can
cerの第13章、S.W.BurchielおよびB.A.Rhodes編、
Masson Publishing Inc.(1982))に記載される。
【0406】 用いられる標識の型および投与の様式を含む、いくつかの変数に依存して、標
識した分子を被験体の部位に優先的に濃縮することを可能にするための、そして
バックグラウンドレベルに対して除去されるべき未結合の標識分子のための、投
与後の時間間隔は、6〜48時間または6〜24時間または6〜12時間である
。別の実施形態において、投与後の時間間隔は、5〜20日または5〜10日で
ある。
【0407】 1つの実施形態において、疾患または障害のモニタリングは、疾患または障害
を診断する方法を繰り返す(例えば、初回診断後1ヶ月、初回診断後6ヶ月、初
回診断後1年など)ことにより実行される。
【0408】 標識化分子の存在は、インビボスキャニングについての当該分野で公知の方法
を使用して患者中で検出され得る。これらの方法は、使用される標識の型に依存
する。当業者は、特定の標識を決定するための適切な方法を決定することができ
る。本発明の診断方法において使用され得る方法およびデバイスは、コンピュー
タ連動断層撮影法(CT)、体全体のスキャン(例えば、ポジトロン(posi
tion)放射断層撮影法(PET))、磁気共鳴画像法(MRI)、および超
音波診断法を含むが、これらに限定されない。
【0409】 特定の実施形態において、分子を放射性同位体で標識し、そして放射応答外科
的機器(radiation responsive surgical in
strument)(Thurstonら、米国特許第5,441,050号)
を使用して患者中で検出する。別の実施形態において、分子を蛍光化合物で標識
し、そして蛍光応答スキャニング機器を使用して患者中で検出する。別の実施形
態において、分子をポジトロン放射金属で標識し、そしてポジトロン放射断層撮
影法を使用して患者中で検出する。さらに別の実施形態において、分子を常磁性
標識で標識し、そして磁気共鳴画像法(MRI)を使用して患者中で検出する。
【0410】 (キット) 本発明は、上記の方法において使用され得るキットを提供する。1つの実施形
態において、キットは、1つ以上の容器において、本発明の抗体、好ましくは精
製した抗体を備える。特定の実施形態において、本発明のキットは、エピトープ
を含む実質的に単離されたポリペプチドを備える。このエピトープは、キット中
に含まれる抗体と特異的に免疫反応する。好ましくは、本発明のキットは、目的
のポリペプチドと反応しないコントロール抗体をさらに備える。別の特定の実施
形態において、本発明のキットは、目的のポリペプチドへの抗体の結合を検出す
るための手段を備える(例えば、この抗体は、検出可能な基質(例えば、蛍光化
合物、酵素基質、放射性化合物もしくは発光化合物)に結合体化され得るか、ま
たは一次抗体を認識する二次抗体が、検出可能な基質と結合体化され得る)。
【0411】 本発明の別の特定の実施形態において、キットは、増殖性および/または癌性
のポリヌクレオチドおよびポリペプチドに対して特異的な抗体を含む血清のスク
リーニングに使用するための診断キットである。このようなキットは、目的のポ
リペプチドと反応しないコントロール抗体を備え得る。このようなキットは、エ
ピトープを含む実質的に単離されたポリペプチド抗原を備え得る。このエピトー
プは、少なくとも1つの抗ポリペプチド抗原抗体と特異的に免疫反応する。さら
に、このようなキットは、抗原に対する上記の抗体の結合を検出するための手段
を備える(例えば、抗体は、蛍光化合物(例えば、フローサイトメトリーにより
検出され得るフルオレセインまはたローダミン)と結合体化され得る)。特定の
実施形態において、このキットは、組換え的に産生されたポリペプチド抗原また
は化学的に合成されたポリペプチド抗原を備え得る。このキットのポリペプチド
抗原はまた、固体支持体に付着され得る。
【0412】 より特定の実施形態においては、上記のキットの検出手段は、このポリペプチ
ド抗原が付着される固体支持体を含む。このようなキットはまた、非付着レポー
ター標識抗ヒト抗体を含む。この実施形態においては、抗体のポリペプチド抗原
との結合は、このレポーター標識抗体の結合により検出され得る。
【0413】 さらなる実施形態においては、本発明は、本発明のポリペプチドの抗原を含む
血清をスクリーニングする際に用いる診断用キットを含む。この診断用キットは
、ポリペプチドまたはポリヌクレオチド抗原と特異的に免疫活性な、実質的に単
離された抗体、およびポリヌクレオチドまたはポリペプチド抗原の抗体との結合
を検出する手段を含む。1つの実施形態においては、抗体は、固体支持体に付着
される。特定の実施形態においては、その抗体は、モノクロナール抗体であり得
る。このキットの検出手段は、第二の標識モノクロナール抗体を含み得る。ある
いは、またはさらに、この検出手段は、標識された、競合抗原を含み得る。
【0414】 1つの診断の構成においては、試験血清は、本発明の方法により得られる表面
結合抗原を有する固相試薬と反応する。特異的な抗原抗体をこの試薬と結合させ
、そして結合されない血清成分を洗浄により除去した後、固体支持体上に結合す
る抗抗原抗体の量に応じて、レポーターをこの試薬と結合させるために、この試
薬をレポーター標識抗ヒト抗体と反応させる。この試薬は、結合されない標識抗
体を除去するため、再び洗浄され、そしてこの試薬と会合したレポーターの量が
決定される。代表的には、レポーターは、適切な蛍光測定基質、発光基質または
比色基質(Sigma,St.Louis,MO)の存在下で、この固相をイン
キュベートすることにより検出される酵素である。
【0415】 上記のアッセイにおける固体表面試薬は、タンパク質材料を固体支持体材料(
例えば、高分子ビーズ、計深棒、96ウェルプレートまたは濾過材料)に付着さ
せるための公知の技術により調製される。これらの付着方法としては、一般的に
、支持体へのタンパク質の非特異的な吸着または固体支持体上の化学的に活性な
基(例えば、活性なカルボキシル基、ヒドロキシル基、またはアルデヒド基)と
のタンパク質の共有結合(代表的には、遊離アミノ基を介する)が挙げられる。
あるいは、ストレプトアビジンでコートされたプレートが、ビオチン化された抗
原と共に使用され得る。
【0416】 従って、本発明は、この診断方法を行うためのアッセイ系またはキットを提供
する。このキットは、一般的に、表面結合された組み換え抗原を有する支持体、
および表面結合された抗抗原抗体を検出するための、レポーター標識された抗ヒ
ト抗体を含む。
【0417】 (融合タンパク質) 本発明の任意のポリペプチドは、融合タンパク質を産生するために使用され得
る。例えば、本発明のポリペプチドは、第2のタンパク質と融合される場合、抗
原性タグとして使用され得る。本発明のポリペプチドに対して惹起される抗体は
、ポリペプチドに結合することによって、第2のタンパク質を間接的に検出する
ために使用され得る。さらに、分泌されるタンパク質は、細胞位置を輸送シグナ
ルに基づいて標的化するので、本発明のポリペプチドは、他のタンパク質に一旦
融合されると標的化分子として使用され得る。
【0418】 本発明のポリペプチドと融合され得るドメインの例は、異種シグナル配列のみ
ならず、また他の異種機能性領域をも含む。融合は、必ずしも直接的である必要
はないが、リンカー配列を介して起こり得る。
【0419】 さらに、融合タンパク質はまた、本発明のポリペプチドの特徴を改良するため
に操作され得る。例えば、さらなるアミノ酸、特に荷電アミノ酸の領域が、宿主
細胞からの精製または続く取り扱いおよび貯蔵の間の安定性および持続性を改良
するためにポリペプチドのN末端へ付加され得る。また、ペプチド部分は精製を
容易にするためにポリペプチドへ付加され得る。このような領域は、ポリペプチ
ドの最終調製の前に除去され得る。ポリペプチドの取り扱いを容易にするための
ペプチド部分の付加は、当該分野でよく知られる慣用の技術である。
【0420】 さらに、本発明のポリペプチド(フラグメント、そして特にエピトープを含む
)は、免疫グロブリン(IgA、IgE、IgG、IgM)の定常ドメインまた
はそれらの部分(CH1、CH2、CH3、およびそれらの任意の組み合わせ(
ドメイン全体およびそれらの部分の両方を含む))の一部と組み合わせられ、キ
メラポリぺプチドを生じ得る。これらの融合タンパク質は精製を容易にし、そし
てインビボにおける増大した半減期を示す。1つの報告された例は、ヒトCD4
ポリペプチドの最初の2つのドメイン、および哺乳動物の免疫グロブリンの重鎖
または軽鎖の定常領域の種々のドメインからなるキメラタンパク質を記載してい
る(EP A 394,827;Trauneckerら、Nature 33
1: 84−86(1988))。ジスルフィド連結二量体構造(IgGに起因
する)を有する融合タンパク質もまた、モノマー分泌タンパク質またはタンパク
質フラグメント単独よりも、他の分子に結合しそして中和するのにさらに効率的
であり得る(Fountoulakisら、J.Biochem.270:39
58−3964(1995))。
【0421】 同様に、EP−A−O 464 533(カナダ国対応特許第2045869
号)は、別のヒトタンパク質またはその部分とともに免疫グロブリン分子の定常
領域の種々の部分を含む融合タンパク質を開示する。多くの場合、融合タンパク
質のFc部分は、治療および診断において有益であり、従って、例えば、改良さ
れた薬物動態学的な特性を生じ得る(EP−A 0232 262)。あるいは
、融合タンパク質が発現され、検出され、そして精製された後に、Fc部分を欠
失させることが望ましい。例えば、融合タンパク質が免疫化のための抗原として
使用される場合、Fc部分は、治療および診断を妨害し得る。例えば、薬物の発
見において、hIL−5のようなヒトタンパク質は、hIL−5のアンタゴニス
トを同定するための高処理能力スクリーニングアッセイの目的のためにFc部分
と融合されてきた(D.Bennettら、J.Molecular Reco
gnition 8:52−58(1995);K.Johansonら、J.
Biol.Chem.270:9459−9471(1995)を参照のこと)
【0422】 さらに、本発明のポリペプチドはマーカー配列(例えば、融合されたポリペプ
チドの精製を容易にするペプチド)に融合され得る。好ましい実施形態において
、マーカーアミノ酸配列は、とりわけヘキサ−ヒスチジンペプチド(例えば、p
QEベクター(QIAGEN,Inc.,9259 Eton Avenue,
Chatsworth,CA,91311)において提供されるタグ)であり、
これらの多くのマーカーアミノ酸配列は、市販されている。例えば、Gentz
ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:821−824(
1989)に記載されるように、ヘキサ−ヒスチジンは、融合タンパク質の都合
の良い精製を提供する。精製のために有用な別のペプチドタグである「HA」タ
グは、インフルエンザ赤血球凝集素タンパク質由来のエピトープに対応する(W
ilsonら、Cell 37:767(1984))。
【0423】 従って、任意のこれら上記の融合物は、本発明のポリヌクレオチドまたはポリ
ペプチドを使用して操作され得る。
【0424】 (ベクター、宿主細胞、およびタンパク質産生) 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドを含むベクター、宿主細胞、および
組換え技術によるポリペプチドの産生に関連する。例えば、ベクターは、ファー
ジベクター、プラスミドベクター、ウイルスベクター、またはレトロウイルスベ
クターであり得る。レトロウイルスベクターは、複製コンピテント、または複製
欠損であり得る。後者の場合、一般的にウイルス増殖は、補完性(comple
menting)宿主細胞にのみ生じる。
【0425】 ポリヌクレオチドは、宿主における増殖のために選択マーカーを含むベクター
に連結され得る。一般に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈澱物のよ
うな沈澱物、または荷電脂質との複合体において導入される。ベクターがウイル
スである場合、ウィルスベクターは、適切なパッケージング細胞株を使用してイ
ンビトロでパッケージングされ、次いで宿主細胞に形質導入され得る。
【0426】 ポリヌクレオチド挿入物は、適切なプロモーター(いくつか挙げれば、例えば
、ファージλPLプロモーター、E. coli lacプロモーター、trp
プロモーター、phoAプロモーターおよびtacプロモーター、SV40初期
プロモーターおよびSV40後期プロモーター、ならびにレトロウイルスLTR
のプロモーター)に作動可能に連結されるべきである。他の適切なプロモーター
は当業者に公知である。発現構築物はさらに、転写開始、転写終結のための部位
、および転写領域において、翻訳のためのリボソーム結合部位を含む。構築物に
よって発現される転写物のコード部分は、好ましくは、始めに翻訳開始コドン、
および翻訳されるべきポリペプチドの末端に適切に位置される終結コドン(UA
A、UGAまたはUAG)を含む。
【0427】 示されるように、発現ベクターは、好ましくは少なくとも1つの選択マーカー
を含む。このようなマーカーは、真核細胞培養のためのジヒドロ葉酸レダクター
ゼ、G418、またはネオマイシン耐性遺伝子、ならびにE.coliおよび他
の細菌において培養するためのテトラサイクリン、カナマイシンまたはアンピシ
リン耐性遺伝子を含む。適切な宿主の代表的な例は、細菌細胞(例えば、E.c
oli、StreptomycesおよびSalmonella typhim
urium細胞);酵母細胞のような真菌細胞;Drosophilia S2
およびSpodoptera Sf9細胞のような昆虫細胞;CHO細胞、CO
S細胞、293細胞、およびBowesメラノーマ細胞のような動物細胞;なら
びに植物細胞を含むが、これらに限定されない。上記の宿主細胞のための適切な
培養培地および条件は、当該分野で公知である。
【0428】 細菌における使用のために好ましいベクターの中には、pQE70、pQE6
0およびpQE−9(QIAGEN, Inc.から入手可能);pBlues
criptベクター、Phagescriptベクター、pNH8A、pNH1
6a、pNH18A、pNH46A(Stratagene Cloning
Systems, Inc.から入手可能);およびptrc99a、pKK2
23−3、pKK233−3、pDR540、pRIT5(Pharmacia
Biotech, Inc.から入手可能)を含む。好ましい真核生物ベクタ
ーの中には、pWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1およびpS
G(Stratageneから入手可能);ならびにpSVK3、pBPV、p
MSGおよびpSVL(Pharmaciaから入手可能)がある。他の適切な
ベクターは当業者に容易に明らかである。
【0429】 宿主細胞への構築物の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DE
AE−デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフ
ェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染、または他の方法によっ
てもたらされ得る。このような方法は、Davisら、Basic Metho
ds In Molecular Biology (1986)のような多く
の標準的研究室マニュアルに記載される。本発明のポリペプチドは、実際、組換
えベクターを欠損する宿主細胞によって発現され得ることが特に意図される。
【0430】 本発明のポリペプチドは、硫酸アンモニウム沈澱またはエタノール沈澱、酸抽
出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマ
トグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグ
ラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマト
グラフィーを含む周知の方法によって組換え細胞培養物から回収され得、そして
精製され得る。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)
が精製のために使用される。
【0431】 本発明のポリペプチド、および好ましくは分泌形態はまた、以下から回収され
得る:直接単離されるかまたは培養されるかにかかわらず、体液、組織および細
胞を含む天然の供給源から精製された産物;化学的合成手順の産物;ならびに、
例えば、細菌細胞、酵母細胞、高等植物細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細胞を
含む、原核生物宿主または真核生物宿主から組換え技術によって産生された産物
。組換え産生手順に使用される宿主に依存して、本発明のポリペプチドは、グリ
コシル化されてもまたはグリコシル化されていなくてもよい。さらに、本発明の
ポリペプチドもまた、宿主媒介プロセスの結果として、いくつかの場合において
、最初の改変されたメチオニン残基を含み得る。従って、一般に、翻訳開始コド
ンによってコードされるN末端メチオニンが、すべての真核生物細胞における翻
訳後の任意のタンパク質から高い効率で除去されることは当該分野において周知
である。ほとんどのタンパク質においてN末端メチオニンもまた、ほとんどの原
核生物において効果的に除去されるが、いくつかのタンパク質については、この
原核生物除去プロセスは、N末端メチオニンが共有結合するアミノ酸の性質に依
存しており、非効率的である。
【0432】 本明細書中で議論されるベクター構築物を含有する宿主細胞を含むことに加え
て、本発明はまた、脊椎動物起源、特に哺乳動物起源の、初代、2代、および不
死化宿主細胞を含み、それは、内在性の遺伝物質(例えば、コード配列)を欠失
または置換するように、そして/または遺伝物質(例えば、異種ポリヌクレオチ
ド配列)を含むように操作されており、この遺伝物質は、本発明のポリヌクレオ
チドと作動可能に結合されており、そして内在性のポリヌクレオチドを活性化、
変化、および/または増幅させる。例えば、当該分野で公知の技術が使用されて
、相同組換えを介して、異種制御領域(例えば、プロモーターおよび/またはエ
ンハンサー)と内在性ポリヌクレオチド配列とを作動可能に結合し、新しい転写
ユニットの形成を生じ得る(例えば、1997年6月24日に発行された米国特
許第5,641,670号;1998年3月31日に発行された米国特許第5,
733,761号;1996年9月26日に公開された国際公開番号WO96/
29411;1994年8月4日に公開された国際公開番号WO94/1265
0;Kollerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:
8932−8935(1989);およびZijlstraら、Nature
342:435−438(1989)を参照のこと(これらの各々の開示はその
全体が参考として援用される))。
【0433】 さらに、本発明のポリペプチドは、当該分野で公知の技術を使用して化学的に
合成され得る(例えば、Creighton,1983,Proteins:S
tructures and Molecular Principles,W
.H.Freeman&Co.,N.Y.およびHunkapillerら、N
ature,310:105−111(1984)を参照のこと)。例えば、本
発明のポリペプチド配列のフラグメントに対応するポリペプチドは、ペプチドシ
ンセサイザーの使用によって合成され得る。さらに、所望される場合、非古典的
アミノ酸または化学的アミノ酸アナログが、ポリペプチド配列に置換または付加
として導入され得る。非古典的アミノ酸としては、一般的なアミノ酸のD−異性
体、2,4−ジアミノ酪酸、a−アミノイソ酪酸、4−アミノ酪酸、Abu、2
−アミノ酪酸、g−Abu、e−Ahx、6−アミノヘキサン酸、Aib、2−
アミノイソ酪酸、3−アミノプロピオン酸、オルニチン、ノルロイシン、ノルバ
リン、ヒドロキシプロリン、サルコシン、シトルリン、ホモシトルリン、システ
イン酸、t−ブチルグリシン、t−ブチルアラニン、フェニルグリシン、シクロ
ヘキシルアラニン、b−アラニン、フルオロアミノ酸、デザイナーアミノ酸(例
えば、b−メチルアミノ酸)、Ca−メチルアミノ酸、Na−メチルアミノ酸、
および一般的なアミノ酸アナログが挙げられるがこれらに限定されない。さらに
、アミノ酸は、D(右旋性)またはL(左旋性)であり得る。
【0434】 本発明は、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化、アミド化、公知の
保護基/ブロッキング基による誘導体化、タンパク質分解的切断、抗体分子また
は他の細胞リガンドとの結合などによって、翻訳の間または翻訳後に示差的に修
飾されるポリペプチドを含む。任意の多数の化学修飾が公知の技術(臭化シアン
、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、V8プロテアーゼ、NaBH4によ
る特異的化学的切断;アセチル化、ホルミル化、酸化、還元;ツニカマイシンの
存在下での代謝的合成などが含まれるがこれらに限定されない)によって実行さ
れ得る。
【0435】 本発明によって含まれるさらなる翻訳後修飾としては、例えば、N結合型また
はO結合型の炭水化物鎖、N末端またはC末端のプロセシング、アミノ酸骨格へ
の化学部分の結合、N結合型またはO結合型の炭水化物鎖の化学修飾、および原
核生物宿主細胞発現の結果としてのN末端メチオニン残基の付加または欠失が、
例えば挙げられる。このポリペプチドはまた、酵素標識、蛍光標識、放射性同位
元素標識、またはアフィニティー標識のような検出可能な標識で修飾され、タン
パク質の検出および単離を可能にし得る。
【0436】 本発明によってまた、さらなる利点(例えば、このポリペプチドの溶解度、安
定性および循環時間の増加、または免疫原性の減少)を提供し得る、本発明のポ
リペプチドの化学修飾誘導体が提供される(米国特許第4,179,337号を
参照のこと)。誘導体化のための化学部分は、水溶性ポリマー(例えば、ポリエ
チレングリコール、エチレングリコール/プロピレングリコールコポリマー、カ
ルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコールなど)から選
択され得る。このポリペプチドは、この分子内のランダムな位置でか、またはこ
の分子内の所定の位置で改変され得、そして1、2、3以上の結合した化学部分
を含み得る。
【0437】 このポリマーは、任意の分子量のポリマーであり得、そして分枝状であっても
非分枝状であってもよい。ポリエチレングリコールに関しては、好ましい分子量
は、取り扱いおよび製造の容易さのために、約1kDaと約100kDaとの間
(用語「約(およそ)」は、ポリエチレングリコールの調製物において、いくつ
かの分子は、示した分子量よりも重く、いくつかは、示した分子量よりも軽いこ
とを示す)である。所望の治療プロフィール(例えば、所望される持続放出の持
続時間、存在する場合には生物学的活性に対する効果、取り扱いの容易さ、抗原
性の程度または抗原性がないこと、および治療タンパク質またはアナログに対す
るポリエチレングリコールの他の公知の効果)に依存して、他のサイズが用いら
れ得る。
【0438】 ポリエチレングリコール分子(または他の化学的部分)は、このタンパク質の
機能的ドメインまたは抗原性ドメインに対する効果を考慮してこのタンパク質に
結合されるべきである。当業者に利用可能な多数の結合方法が存在する(例えば
、本明細書中に参考として援用される、EP 0 401 384(G−CSF
にPEGを結合する)、Malikら,Exp.Hematol.20:102
8−1035(1992)(塩化トレシル(tresyl chloride)
を用いたGM−CSFのペグ化を報告する)もまた参照のこと)。例えば、ポリ
エチレングリコールは、反応性基(例えば、遊離のアミノ基またはカルボキシル
基)を介してアミノ酸残基により共有結合され得る。反応性基は、活性化ポリエ
チレングリコール分子が結合し得る基である。遊離のアミノ基を有するアミノ酸
残基としては、リジン残基およびN末端アミノ酸残基が挙げられ得る;遊離のカ
ルボキシル基を有するアミノ酸残基としては、アスパラギン酸残基、グルタミン
酸残基およびC末端アミノ酸残基が挙げられ得る。スルフヒドリル基もまた、ポ
リエチレングリコール分子を結合するための反応性基として用いられ得る。治療
目的のために好ましいのは、アミノ基での結合、例えば、N末端またはリジン基
での結合である。
【0439】 N末端で化学修飾されたタンパク質が特に所望され得る。ポリエチレングリコ
ールを本発明の組成物の例示として用いて、種々のポリエチレングリコール分子
から(分子量、分枝などによって)、反応混合物中でのポリエチレングリコール
分子のタンパク質(ポリペプチド)分子に対する比、行われるべきペグ化反応の
型、および選択されたN末端ペグ化タンパク質の獲得方法を選択し得る。N末端
ペグ化調製物の獲得方法(すなわち、必要な場合、この部分を他のモノペグ化部
分から分離すること)は、ペグ化タンパク質分子の集団からの、N末端ペグ化物
質の精製により行われ得る。N末端修飾で化学修飾された選択的タンパク質は、
特定のタンパク質における誘導体化に利用可能な異なる型の第1級アミノ基(リ
ジン対N末端)の示差的反応性を利用する還元的アルキル化によって達成され得
る。適切な反応条件下では、カルボニル基含有ポリマーを用いた、N末端でのタ
ンパク質の実質的に選択的な誘導体化が達成される。
【0440】 本発明のポリペプチドは、単量体または多量体(すなわち、二量体、三量体、
テトラマーおよびより高度の多量体)であり得る。従って、本発明は、本発明の
ポリペプチドの単量体および多量体、それらの調製物およびそれらを含む組成物
(好ましくは治療剤)に関する。特定の実施形態では、本発明のポリペプチドは
、単量体、二量体、三量体またはテトラマーである。さらなる実施形態では、本
発明の多量体は、少なくとも二量体、少なくとも三量体、または少なくともテト
ラマーである。
【0441】 本発明によって含まれる多量体は、ホモマーまたはヘテロマーであり得る。本
明細書中で用いられる場合、用語ホモマーは、配列番号Yのアミノ酸配列または
寄託されたクローン中に含まれるcDNAによりコードされるアミノ酸配列に対
応するポリペプチドのみを含む多量体(本明細書中に記載されるこれらのポリペ
プチドに対応するフラグメント、改変体、スプライシング改変体、および融合タ
ンパク質を含む)をいう。これらのホモマーは、同一または異なるアミノ酸配列
を有するポリペプチドを含み得る。特定の実施形態では、本発明のホモマーは、
同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドのみを含む多量体である。別の特定の
実施形態では、本発明のホモマーは、異なるアミノ酸配列を有するポリペプチド
を含む多量体である。特定の実施形態では、本発明の多量体は、ホモ二量体(例
えば、同一または異なるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む)またはホモ
三量体(例えば、同一および/または異なるアミノ酸配列を有するポリペプチド
を含む)である。さらなる実施形態では、本発明のホモマー性多量体は、少なく
ともホモ二量体、少なくともホモ三量体または少なくともホモテトラマーである
【0442】 本明細書中で用いられる場合、用語ヘテロマーとは、本発明のポリペプチドに
加えて、1つ以上の異種ポリペプチド(すなわち、異なるタンパク質のポリペプ
チド)を含む多量体をいう。特定の実施形態では、本発明の多量体は、ヘテロ二
量体、ヘテロ三量体またはヘテロテトラマーである。さらなる実施形態では、本
発明のヘテロマー性多量体は、少なくともヘテロ二量体、少なくともヘテロ三量
体または少なくともヘテロテトラマーである。
【0443】 本発明の多量体は、疎水性、親水性、イオン性および/もしくは共有結合性の
結合の結果であり得、ならびに/または例えば、リポソーム形成によって間接的
に連結され得る。従って、1つの実施形態では、本発明の多量体(例えば、ホモ
二量体またはホモ三量体など)は、本発明のポリペプチドが溶液中で互いに接触
する場合に形成される。別の実施形態では、本発明のへテロ多量体(例えば、ヘ
テロ三量体またはヘテロテトラマーなど)は、本発明のポリペプチドが、溶液中
で本発明のポリペプチドに対する抗体(本発明の融合タンパク質における異種ポ
リペプチド配列に対する抗体を含む)と接触する場合に、形成される。他の実施
形態では、本発明の多量体は、本発明のポリペプチドとの、および/または本発
明のポリペプチド間での共有結合によって形成される。このような共有結合は、
ポリペプチド配列(例えば、配列表中に列挙されるか、または寄託されたクロー
ンによってコードされるポリペプチド中に含まれる、ポリペプチド配列)中に含
まれる1以上のアミノ酸残基を含み得る。1例では、この共有結合は、ネイティ
ブ(すなわち、天然に存在する)ポリペプチドにおいて相互作用するポリペプチ
ド配列内に存在するシステイン残基間での架橋である。別の例では、この共有結
合は、化学的操作または組換え操作の結果である。あるいは、このような共有結
合は、本発明の融合タンパク質中の異種ポリペプチド配列において含まれる、1
以上のアミノ酸残基を含み得る。
【0444】 1例では、共有結合は、本発明の融合タンパク質に含まれる異種配列間にある
(例えば、米国特許第5,478,925号を参照のこと)。特定の例では、こ
の共有結合は、(本明細書中に記載されるような)本発明のFc融合タンパク質
に含まれる異種配列間にある。別の特定の例では、本発明の融合タンパク質の共
有結合は、共有結合したマルチマーを形成し得る別のタンパク質(例えば、オス
テオプロテゲリン(osteoprotegerin)など)由来の異種ポリペ
プチド配列間にある(例えば、国際公開第WO 98/49305号(この内容
はその全体が本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。別の実施形
態では、2以上の本発明のポリペプチドは、ペプチドリンカーを通して連結され
る。例としては、米国特許第5,073,627号(本明細書中に参考として援
用される)に記載されるペプチドリンカーが挙げられる。ペプチドリンカーによ
って隔てられた本発明の複数のポリペプチドを含むタンパク質は、従来の組換え
DNA技術を用いて生成され得る。
【0445】 本発明のマルチマーポリペプチドを調製するための別の方法は、ロイシンジッ
パーポリペプチド配列またはイソロイシンジッパーポリペプチド配列に融合され
た本発明のポリペプチドの使用を含む。ロイシンジッパードメインおよびイソロ
イシンジッパードメインは、そのドメインが見出されるタンパク質のマルチマー
形成を促進するポリペプチドである。ロイシンジッパーは元々、いくつかのDN
A結合タンパク質において同定され(Landschulzら,Science
240:1759、(1988))、そしてそれ以来種々の異なるタンパク質
において見出されている。とりわけ公知のロイシンジッパーは、ダイマー形成ま
たはトリマー形成をする、天然に存在するペプチドおよびその誘導体である。本
発明の可溶性マルチマータンパク質を生成するために適切なロイシンジッパード
メインの例は、本明細書中に参考として援用されるPCT出願WO 94/10
308に記載されるロイシンジッパードメインである。溶液中でダイマー形成ま
たはトリマー形成をするポリペプチド配列に融合された本発明のポリペプチドを
含む組換え融合タンパク質は、適切な宿主細胞中で発現され、そして得られる可
溶性マルチマー融合タンパク質は、当該分野で公知の技術を用いて培養上清から
回収される。
【0446】 本発明のトリマーポリペプチドは、増強された生物学的活性という利点を提供
し得る。好ましいロイシンジッパー部分およびイソロイシン部分は、トリマーを
優先的に形成する部分である。1例は、本明細書中に参考として援用されるHo
ppeら(FEBS Letters 344:191,(1994))および
米国特許出願第08/446,922号に記載される通りの肺サーファクタント
プロテインD(SPD)に由来するロイシンジッパーである。天然に存在するト
リマータンパク質由来の他のペプチドは、本発明のトリマーポリペプチドの調製
において用いられ得る。
【0447】 別の例では、本発明のタンパク質は、Flag(登録商標)ポリペプチド配列
を含む本発明の融合タンパク質に含まれるFlag(登録商標)ポリペプチド配
列間の相互作用によって会合する。さらなる実施形態では、本発明のタンパク質
の会合は、本発明のFlag(登録商標)融合タンパク質に含まれる異種ポリペ
プチド配列と抗Flag(登録商標)抗体との間の相互作用によって会合する。
【0448】 本発明のマルチマーは、当該分野で公知の化学技術を用いて生成され得る。例
えば、本発明のマルチマーに含まれることが所望されるポリペプチドは、当該分
野で公知のリンカー分子およびリンカー分子長最適化技術を用いて化学的に架橋
され得る(例えば、本明細書中にその全体が参考として援用される、米国特許第
5,478,925号を参照のこと)。さらに、本発明のマルチマーは、当該分
野で公知の技術を用いて生成されて、マルチマーに含まれることが所望されるポ
リペプチドの配列内に存在するシステイン残基間の1以上の分子間架橋を形成し
得る(例えば、本明細書中にその全体が参考として援用される、米国特許第5,
478,925号を参照のこと)。さらに、本発明のポリペプチドは、ポリペプ
チドのC末端またはN末端へのシステインまたはビオチンの付加によって慣用的
に改変され得、そして当該分野で公知の技術が、1以上のこれらの改変されたポ
リペプチドを含むマルチマーを生成するために適用され得る(例えば、本明細書
中にその全体が参考として援用される、米国特許第5,478,925号を参照
のこと)。さらに、当該分野で公知の技術は、本発明のマルチマーに含まれるこ
とが所望されるポリペプチド成分を含むリポソームを生成するために適用され得
る(例えば、本明細書中にその全体が参考として援用される、米国特許第5,4
78,925号を参照のこと)。
【0449】 あるいは、本発明のマルチマーは、当該分野で公知の遺伝子操作技術を用いて
生成され得る。1つの実施形態では、本発明のマルチマーに含まれるポリペプチ
ドは、本明細書中に記載されるかさもなくば当該分野で公知の融合タンパク質技
術を用いて組換え生成される(例えば、本明細書中にその全体が参考として援用
される、米国特許第5,478,925号を参照のこと)。特定の実施形態では
、本発明のホモダイマーをコードするポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチ
ドをコードするポリヌクレオチド配列を、リンカーポリペプチドをコードする配
列に連結し、次いでさらに元々のC末端からN末端の方向とは逆方向でポリペプ
チドの翻訳産物をコードする合成ポリヌクレオチド(リーダー配列を欠く)に連
結することによって生成される(例えば、本明細書中にその全体が参考として援
用される、米国特許第5,478,925号を参照のこと)。別の実施形態では
、本明細書中に記載されるかさもなくば当該分野で公知の組換え技術を適用して
、膜貫通ドメイン(または疎水性ペプチドもしくはシグナルペプチド)を含み、
そして膜再構成技術によってリポソームに取り込まれ得る、本発明の組換えポリ
ペプチドを生成する(例えば、本明細書中にその全体が参考として援用される、
米国特許第5,478,925号を参照のこと)。
【0450】 (ポリヌクレオチドの使用) 本明細書中で同定された各々のポリヌクレオチドは、試薬として多数の方法に
おいて使用され得る。以下の説明は例示的であるとみなされるべきであり、そし
て公知の技術を利用する。
【0451】 本発明のポリヌクレオチドは、染色体同定のために有用である。実際の配列デ
ータ(反復多型性)に基づく染色体マーキング試薬は現在ほとんど利用可能では
ないため、新しい染色体マーカーを同定する必要性が存在するままである。本発
明の各々のポリヌクレオチドは、染色体マーカーとして使用され得る。
【0452】 簡単に言うと、配列は、配列番号Xで示される配列からPCRプライマー(好
ましくは15〜25bp)を調製することによって染色体にマッピングされ得る
。プライマーが、ゲノムDNA中の1つより多くの予測されたエキソンにまたが
らないように、プライマーは、コンピューター分析を使用して選択され得る。次
いで、これらのプライマーは、個々のヒト染色体を含む体細胞ハイブリッドのP
CRスクリーニングのために使用される。配列番号Xに対応するヒト遺伝子を含
むハイブリッドのみが、増幅されたフラグメントを産生する。
【0453】 同様に、体細胞ハイブリッドは、特定の染色体に対してポリヌクレオチドをP
CRマッピングする迅速な方法を提供する。単一のサーマルサイクラーを使用し
て1日あたり3つ以上のクローンが割り当てられ得る。さらに、ポリヌクレオチ
ドの準位置決定(sublocalization)は、特定の染色体フラグメ
ントのパネルを用いて達成され得る。使用され得る他の遺伝子マッピング戦略は
、インサイチュハイブリダイゼーション、標識フローソート(labeled
flow sorted)染色体でのプレスクリーニング、および染色体特異的
cDNAライブラリーを構築するためのハイブリダイゼーションによる前選択を
含む。
【0454】 ポリヌクレオチドの正確な染色***置はまた、中期染色体スプレッド(spr
ead)の蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)を使用して獲
得され得る。この技術は500または600塩基ほどの短さのポリヌクレオチド
を使用する;しかし2,000〜4,000bpのポリヌクレオチドが好ましい
。この技術の総説については、Vermaら、「Human Chromoso
mes:a Manual of Basic Techniques」,Pe
rgamon Press,New York(1988)を参照のこと。
【0455】 染色体マッピングについては、ポリヌクレオチドは、個々に(単一染色体また
はその染色体上の単一部位をマークするために)またはパネルで(複数部位およ
び/または複数染色体をマークするために)使用され得る。好ましいポリヌクレ
オチドは、cDNAの非コード領域に対応する。なぜなら、コード配列は、遺伝
子ファミリー内でより保存される傾向があり、これにより、染色体マッピングの
間の交叉ハイブリダイゼーションの機会が増加するからである。
【0456】 一旦、ポリヌクレオチドが正確な染色***置にマッピングされると、ポリヌク
レオチドの物理的位置は、連鎖分析において使用され得る。連鎖分析は、染色体
位置と特定の疾患の提示との間の同時遺伝(coinheritance)を確
立する。(疾患マッピングデータは、例えば、V.McKusick,Mend
elian Inheritance in Man(Johns Hopki
ns University Welch Medical Libraryを
通してオンラインで利用可能である)において見い出される)。1メガベースマ
ッピング解像度および20kbあたり1遺伝子を仮定すると、疾患と関連する染
色体領域に正確に位置決定されるcDNAは、50〜500の潜在的な原因遺伝
子のうちの1つであり得る。
【0457】 従って、一旦、同時遺伝が確立されると、罹患個体と非罹患個体との間でのポ
リヌクレオチドおよび対応する遺伝子における差異が試験され得る。まず、染色
体中の可視的構造変化(例えば、欠失または転座)は染色体スプレッドにおいて
、またはPCRによって試験される。構造的変化が存在しない場合、点変異の存
在が確認される。何人かのまたは全ての罹患個体で観察されたが、正常な個体で
は観察されなかった変異は、この変異がこの疾患を引き起こし得ることを示す。
しかし、いくつかの正常な個体由来のポリペプチドおよび対応する遺伝子の完全
な配列決定は、変異を多型性と区別するために要求される。新しい多型性が同定
される場合、この多型ポリペプチドはさらなる連鎖分析のために使用され得る。
【0458】 さらに、非罹患個体と比較した場合の、罹患個体の遺伝子の増加または減少し
た発現が、本発明のポリヌクレオチドを使用して評価され得る。任意のこれらの
変化(変化した発現、染色体再配置、または変異)は、診断マーカーまたは予後
マーカーとして使用され得る。
【0459】 従って、本発明はまた、障害の診断の間に有用な診断方法を提供し、この方法
は、個体由来の細胞または体液中の本発明のポリヌクレオチドの発現レベルを測
定する工程、および測定された遺伝子発現レベルをポリヌクレオチド発現レベル
の標準レベルと比較する工程を包含し、これによって、標準と比較した遺伝子発
現レベルの増加または減少が、障害の指標になる。
【0460】 なお別の実施形態では、本発明は、サンプルを、試験被験体に由来する増殖性
および/またはガン性のポリヌクレオチドの存在について分析するためのキット
を含む。一般的実施形態において、このキットは、本発明のポリヌクレオチドと
特異的にハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む少なくとも1つのポリヌク
レオチドプローブ、および適切な容器を備える。特定の実施形態では、このキッ
トは、本発明のポリヌクレオチドの内部領域を規定する2つのポリヌクレオチド
プローブを含み、ここで各プローブは、この領域に対して内部に31’マー末端
を含む1つの鎖を有する。さらなる実施形態では、このプローブは、ポリメラー
ゼ連鎖反応増幅のためのプライマーとして有用であり得る。
【0461】 障害の診断が既に従来方法によって行われている場合、本発明は、予後インジ
ケーターとして有用であり、それによって増強または抑制された本発明のポリヌ
クレオチド発現を示す患者が、標準レベルにより近いレベルでこの遺伝子を発現
する患者と比較して悪い臨床結果を経験する。
【0462】 「本発明のポリヌクレオチドの発現レベルを測定する(こと)」によって、本
発明のポリペプチドのレベルまたはこのポリペプチドをコードするmRNAのレ
ベルを、第1の生物学的サンプルにおいて直接的(例えば、絶対のタンパク質レ
ベルまたはmRNAレベルを決定または評価することによって)または相対的(
例えば、第2の生物学的サンプル中のポリペプチドレベルまたはmRNAレベル
と比較することによって)のいずれかで定性的または定量的に測定または評価す
ることが意図される。好ましくは、第1の生物学的サンプル中のポリペプチドレ
ベルまたはmRNAレベルが測定または評価され、そして標準のポリペプチドレ
ベルまたはmRNAレベルと比較され、この標準は、障害を有さない個体から得
られる第2の生物学的サンプルから得られるかまたは障害を有さない個体の集団
由来のレベルを平均することによって決定される。当該分野で認識されるように
、一旦標準的なポリペプチドレベルまたはmRNAレベルが公知になれば、これ
を、比較のための標準として反復して用い得る。
【0463】 「生物学的サンプル」によって、本発明のポリペプチドまたはmRNAを含む
、個体、体液、細胞株、組織培養物または他の供給源から得られる任意の生物学
的サンプルが意図される。示されるように、生物学的サンプルは、本発明のポリ
ペプチドを含む体液(例えば、***、リンパ、血清、血漿、尿、滑液および髄液
)、および本発明のポリペプチドを発現することが見出された他の組織供給源を
含む。哺乳動物から組織生検および体液を得るための方法は、当該分野で周知で
ある。生物学的サンプルがmRNAを含む場合、組織生検が好ましい供給源であ
る。
【0464】 上記で提供された方法は好ましくは、ポリヌクレオチドおよび/またはポリペ
プチドが固体支持体に結合される、診断方法および/またはキットに適用され得
る。1つの例示的な方法では、この支持体は、米国特許第5,837,832号
、同第5,874,219号および同第5,856,174号に記載される、「
遺伝子チップ」または「生物学的チップ」であり得る。さらに、本発明のポリヌ
クレオチドが結合されたこのような遺伝子チップを用いて、このポリヌクレオチ
ド配列間の多型性を、試験被験体から単離されたポリヌクレオチドと同定し得る
。このような多型性の知見(すなわち、それらの位置ならびにそれらの存在)は
、ガン性の疾患および状態を含む多くの障害についての疾患の遺伝子座を同定す
る際に有益である。このような方法は、米国特許第5,858,659号および
同第5,856,104号に記載される。上記で参照した米国特許は、その全体
が本明細書中に参考として援用される。
【0465】 本発明は、化学的に合成される(すなわち、ペプチド核酸(PNA)として再
現される)か、または当該分野で公知の他の方法に従う、本発明のポリヌクレオ
チドを包含する。PNAの使用は、ポリヌクレオチドが固体支持体、すなわち、
遺伝子チップ上に取り込まれる場合、好ましい形態として役立つ。本発明の目的
のために、ペプチド核酸(PNA)は、ポリアミド型のDNAアナログであり、
そしてアデニン、グアニン、チミンおよびシトシンについてのモノマー単位が市
販されている(Perceptice Biosystems)。DNAの特定
の成分(例えば、リン、酸化リンまたはデオキシリボース誘導体)は、PNA中
に存在しない。P.E.Nielsen,M.Egholm,R.H.Berg
およびO.Buchardt,Science 254,1497(1997)
;ならびにM.Egholm,O.Buchardt,L.Christens
en,C.Behrens,S.M.Freier,D.A.Driver,R
.H.Berg、S.K.Kim,B.NordenおよびP.E.Niels
en,Nature 365,666(1993)によって開示されるように、
PNAは、相補的なDNA鎖に特異的かつ緊密に結合し、そしてヌクレアーゼに
よって分解されない。実際、PNAは、DNA自体が結合するよりも強力にDN
Aに結合する。これはおそらく、2つの鎖の間に静電斥力が存在せず、そしてま
たポリアミド骨格がより可撓性であることによる。これによって、PNA/DN
A二重鎖は、DNA/DNA二重鎖よりも広範囲のストリンジェンシー条件下で
結合し、多重鎖ハイブリダイゼーションを行うことをより容易にする。強力な結
合に起因して、DNAを用いてよりも小さいプローブが用いられ得る。さらに、
おそらく、単一の塩基ミスマッチが、PNA/DNAハイブリダイゼーションを
用いて決定され得る。なぜなら、PNA/DNAの15マーにおける単一のミス
マッチは、DNA/DNAの15マー二重鎖については4℃〜16℃であるのに
対して、融点(T.sub.m)を8〜20℃低下させるからである。また、P
NA中に電荷基が存在しないことは、ハイブリダイゼーションが、低いイオン強
度で行われ得、そして分析の間の塩によって可能な妨害を減少し得ることを意味
する。
【0466】 本発明は、哺乳動物におけるガンの検出のために有用である。特に、本発明は
、以下を含むがこれらに限定されない、病理学的細胞増殖新形成の診断の間に有
用である:急性骨髄性白血病(急性単球性白血病、急性骨髄芽球性白血病、急性
前骨髄球性白血病、急性骨髄単球性白血病、急性赤白血病、急性巨核球性白血病
、および急性未分化白血病などを含む);および慢性骨髄性白血病(慢性骨髄単
球性白血病、慢性顆粒球性白血病などを含む)。好ましい哺乳動物としては、有
尾猿(monkey)、無尾猿(ape)、ネコ、イヌ、ウシ、ブタ、ウマ、ウ
サギおよびヒトが挙げられる。特に好ましいのは、ヒトである。
【0467】 病理学的細胞増殖障害はしばしば、原癌遺伝子の不適切な活性化に関連する(
Gelmann,E.P.ら,「The Etiology of Acute
Leukemia:Molecular Genetics and Vir
al Oncology」,Neoplastic Diseases of
the Blood,第1巻,Wiernik、P.H.ら編,161−182
(1985))。新形成は現在、ウイルス配列の染色体への挿入によって、より
活性に転写される領域への遺伝子の染色体転座によって、または何らかの他の機
構によって、正常な細胞遺伝子産物の定性的変化からか、または遺伝子発現の定
量的改変から生じると考えられている(Gelmannら、前出)。特定の遺伝
子の変異または変更された発現が、他の組織および他の細胞型の中でも、いくつ
かの白血病の病因に関与するようである(Gelmannら、前出)。実際、い
くつかの動物新形成に関与する癌遺伝子のヒト対応物は、ヒトの白血病および癌
のいくつかの症例において増幅または転座されている(Gelmannら、前出
)。例えば、c−myc発現は、非リンパ球性白血病細胞株HL−60において
高度に増幅される。HL−60細胞が増幅を止めるように化学的に誘導される場
合、c−mycのレベルは、ダウンレギュレートされることが見出される(国際
公開第WO91/15580号)。しかし、c−mycまたはc−mybの5’
末端に相補的であるDNA構築物へのHL−60細胞の暴露が、c−mycタン
パク質またはc−mybタンパク質の発現をダウンレギュレートする対応するm
RNAの翻訳をブロックし、処理した細胞の細胞増殖および分化の停止を引き起
こすことが示されている(国際公開第WO91/15580号;Wickstr
omら、Proc.Natl.Acad.Sci.85:1028(1988)
;Anfossiら、Proc.Natl.Acad.Sci.86:3379
(1989))。しかし、当業者は、増殖表現型を示すことが公知である種々の
起源の多数の細胞および細胞型を考慮すれば、本発明の有用性が造血性の細胞お
よび組織の増殖性障害の処置に限定されないことを認識する。
【0468】 前記に加えて、ポリヌクレオチドは、三重らせん形成またはアンチセンスDN
AもしくはRNAによって遺伝子発現を制御するために使用され得る。アンチセ
ンス技術は例えば、Okano,J.Neurochem.56:560(19
91),「Oligodeoxynucleotides as Antise
nse Inhibitors of Gene Expression」,C
RC Press,Boca Raton,FL(1988)に考察される。三
重らせん形成は例えば、Leeら、Nucleic Acids Resear
ch 6:3073(1979);Cooneyら、Science 241:
456(1988);およびDervanら、Science 251:136
0(1991)に考察される。両方の方法は、相補的DNAまたはRNAへのポ
リヌクレオチドの結合に依存する。これらの技術に関して、好ましいポリヌクレ
オチドは通常、20〜40塩基長のオリゴヌクレオチドであり、そして転写に関
与する遺伝子領域(三重らせん−Leeら,Nucl.Acids Res.6
:3073(1979);Cooneyら、Science 241:456(
1988);およびDervanら、Science 251:1360(19
91)を参照のこと)またはmRNA自体(アンチセンス−Okano,J.N
eurochem.56:560(1991);Oligodeoxy−nuc
leotides as Antisense Inhibitors of
Gene Expression,CRC Press,Boca Raton
,FL(1988))のいずれかに相補的である。三重らせん形成は、最適には
DNAからのRNA転写の遮断を生じるが、アンチセンスRNAハイブリダイゼ
ーションは、ポリペプチドへのmRNA分子の翻訳を阻止する。両方の技術は、
モデル系において効果的であり、そして本明細書に開示される情報は、疾患を処
置する試みにおいて、アンチセンスまたは三重らせんポリヌクレオチドを設計す
るために使用され得る。
【0469】 本発明のポリヌクレオチドはまた、遺伝子治療において有用である。遺伝子治
療の1つの目的は、遺伝欠損を修正する試みにおいて、欠損遺伝子を有する生物
へ正常遺伝子を挿入することである。本発明に開示されるポリヌクレオチドは、
高度に正確な様式でこのような遺伝欠損を標的とする手段を提供する。別の目的
は、宿主ゲノム中には存在しなかった新しい遺伝子を挿入し、それによって宿主
細胞中に新しい形質を生成することである。
【0470】 ポリヌクレオチドはまた、微小な生物学的サンプルから個体を同定するために
有用である。例えば、米国軍は、その職員を同定するために制限フラグメント長
の多型性(RFLP)の使用を考慮している。この技術において、個体のゲノム
DNAは1つ以上の制限酵素で消化され、そしてサザンブロットでプローブされ
、職員を同定するための固有なバンドを生じる。この方法は、「認識票(Dog
tag)」(これは、失われたり、交換されたり、または盗まれたりすること
により、ポジティブな同定を困難にし得る)の現在の限界を受けない。本発明の
ポリヌクレオチドは、RFLPのためのさらなるDNAマーカーとして使用され
得る。
【0471】 本発明のポリヌクレオチドはまた、個体のゲノムの選択された部分の実際の塩
基ごとのDNA配列を決定することによって、RFLPの代替物として使用され
得る。これらの配列は、このような選択されたDNAを増幅しそして単離するた
めにPCRプライマーを調製するために使用され得、次いで、この選択されたD
NAは、配列決定され得る。各個体が固有のセットのDNA配列を有するので、
この技術を使用して、個体が同定され得る。一旦、固有のIDデータベースが個
体について確立されると、その個体が生存していようと死亡していようと、極め
て小さな組織サンプルから個体のポジティブ同定がなされ得る。
【0472】 法医学生物学もまた、本明細書に開示されるようなDNAに基づく同定技術を
使用して恩恵を受ける。組織(例えば、髪または皮膚)、または体液(例えば、
血液、唾液、***、滑液、羊水、乳汁、リンパ、肺痰(pulmonary s
putum)またはサーファクタント、尿、糞便物質など)のような非常に小さ
な生物学的サンプルから得られたDNA配列は、PCRを使用して増幅され得る
。ある先行技術においては、DQaクラスII HLA遺伝子のような多型性遺
伝子座から増幅された遺伝子配列が、個体を同定するための法医学生物学におい
て使用される(Erlich,H.,PCR Technology,Free
man and Co.(1992))。一旦、これらの特異的多型性遺伝子座
が増幅されると、これらは1つ以上の制限酵素で消化される。これは、DQaク
ラスII HLA遺伝子に対応するDNAでプローブされたサザンブロットのバ
ンドの同定セットを生じる。同様に、本発明のポリヌクレオチドは、法医学的目
的のための多型性マーカーとして使用され得る。
【0473】 また、特定の組織の供給源を同定し得る試薬の必要性が存在する。例えば、未
知の起源の組織が提供される場合、法医学においてこのような必要性が生じる。
適切な試薬は、例えば、本発明の配列から調製される、特定の組織に特異的なD
NAプローブまたはプライマーを含み得る。このような試薬のパネルは、種およ
び/または器官型によって組織を同定し得る。同様の様式で、これらの試薬は、
夾雑物について組織培養物をスクリーニングするために使用され得る。
【0474】 少なくとも、本発明のポリヌクレオチドは、サザンゲルでの分子量マーカーと
して、特定の細胞型における特定のmRNAの存在についての診断プローブとし
て、新規なポリヌクレオチドを発見するプロセスでの公知の配列を「差し引き」
するためのプローブとして、「遺伝子チップ」または他の支持体への付着のため
のオリゴマーを選択および作製するために、DNA免疫技術を用いて抗DNA抗
体を惹起させるために、そして免疫応答を誘発する抗原として、使用され得る。
【0475】 (ポリペプチドの使用) 本明細書中で同定されるポリペプチドの各々は、多くの方法で使用され得る。
以下の説明は、例示としてみなされるべきであり、そして公知の技術を利用する
【0476】 本発明のポリペプチドは、抗体に基づいた技術を使用して生物学的サンプル中
のタンパク質レベルをアッセイするために使用され得る。例えば、組織における
タンパク質発現は、古典的な免疫組織化学法を用いて研究され得る(Jalka
nen,M.ら、J.Cell.Biol.101:976−985(1985
);Jalkanen,M.ら、J.Cell.Biol.105:3087−
3096(1987))。タンパク質遺伝子発現を検出するのに有用である、抗
体に基づいた他の方法には、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)およびラ
ジオイムノアッセイ(RIA)のような免疫アッセイが含まれる。適切な抗体ア
ッセイ標識は当該技術分野で公知であり、そして酵素標識(例えば、グルコース
オキシダーゼ)ならびに放射性同位体(例えば、ヨウ素(125I、121I)
、炭素(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(3H)、インジウム(112
In)、およびテクネチウム(99mTc))ならびに蛍光標識(例えば、フル
オレセインおよびローダミン)ならびにビオチンを含む。
【0477】 生物学的サンプル中の分泌タンパク質レベルをアッセイすることに加えて、タ
ンパク質はまた、画像化によりインビボで検出され得る。タンパク質をインビボ
で画像化するための抗体の標識またはマーカーとしては、X線ラジオグラフィー
、NMRまたはESRにより検出可能なものが挙げられる。X線ラジオグラフィ
ーについては、適切な標識は、検出可能な放射線を発するが被験体に対して明ら
かには有害ではないバリウムまたはセシウムのような放射性同位体を含む。NM
RおよびESRに適切なマーカーには、重水素のような検出可能な特徴的なスピ
ンを有するものが含まれ、これは、関連するハイブリドーマのための栄養素を標
識することにより抗体に取り込まれ得る。
【0478】 放射性同位体(例えば、131I、112In、99mTc)、放射線不透過
性物質、または核磁気共鳴により検出可能な材料のような適切な検出可能な画像
化部分で標識された、タンパク質特異的抗体または抗体フラグメントは、哺乳動
物に(例えば、非経口的、皮下、または腹腔内に)導入される。被験体のサイズ
および用いられる画像化システムが、診断画像を生成するために必要とされる画
像化部分の量を決定することが当該分野で理解される。放射性同位体部分の場合
には、ヒト被験体について、注射される放射能の量は、通常、99mTcの約5
〜20ミリキュリーの範囲である。次いで、標識された抗体または抗体フラグメ
ントは、特定のタンパク質を含む細胞の位置に優先的に蓄積される。インビボ腫
瘍画像化は、S.W.Burchielら、「Immunopharmacok
inetics of Radiolabeled Antibodies a
nd Their Fragments.」(Tumor Imaging:T
he Radiochemical Detection of Cancer
第13章、S.W.BurchielおよびB.A.Rhodes編、Mas
son Publishing Inc.(1982))に記載される。
【0479】 従って、本発明は、障害の診断方法を提供し、この方法は、(a)個体の細胞
または体液中の本発明のポリペプチドの発現をアッセイする工程;(b)この遺
伝子発現レベルを標準の遺伝子発現レベルと比較する工程を包含し、これによっ
て、標準的な発現レベルと比較して、アッセイされたポリペプチド遺伝子発現レ
ベルの増加または減少が、障害の指標になる。癌に関しては、個体由来の生検組
織中での比較的多量の転写物の存在は、この疾患の発症の素因を示し得るか、ま
たは実際の臨床症状の出現の前にこの疾患を検出するための手段を提供し得る。
この型のより決定的な診断は、保健専門家が、より早期に予防的測定または積極
的処置を用い、それによって癌の発症またはさらなる進行を予防することを可能
にし得る。
【0480】 さらに、本発明のポリペプチドを用いて疾患を処置し得る。例えば、患者には
、ポリペプチド(例えば、インスリン)の非存在またはレベルの減少を置換する
こと、異なるポリペプチド(例えば、ヘモグロビンBに対するヘモグロビンS、
SOD、カタラーゼ、DNA修復タンパク質)の非存在またはレベルの減少を補
充すること、ポリペプチド(例えば、ガン遺伝子または腫瘍サプレッサー)の活
性を阻害すること、ポリペプチドの活性を(例えば、レセプターに結合すること
によって)活性化すること、遊離リガンド(例えば、炎症を低減させる際に用い
られる可溶性TNFレセプター)について、膜結合レセプターと競合させること
によって膜結合レセプターの活性を減少させること、または所望の応答(例えば
、血管の増殖阻害、増殖細胞または組織に対する免疫応答の増強)をもたらすこ
とと目的として、本発明のポリペプチドが投与され得る。
【0481】 同様に、本発明のポリペプチドに対する抗体もまた、疾患を処置するために使
用され得る。例えば、本発明のポリペプチドに対する抗体の投与によって、その
ポリペプチドに結合して、そしてそのポリペプチドの過剰産生を低減し得る。同
様に、抗体の投与によって、例えば、膜に結合したポリペプチド(レセプター)
へ結合することにより、そのポリペプチドを活性化し得る。
【0482】 少なくとも本発明のポリペプチドは、当業者に周知の方法を用いるSDS−P
AGEゲルまたは分子ふるいゲル濾過カラムの分子量マーカーとして使用され得
る。ポリペプチドはまた、抗体を惹起するために使用され得、次いで、この抗体
は、宿主細胞の形質転換を評価する方法として、組換え細胞からのタンパク質発
現を測定するために使用される。さらに、本発明のポリペプチドは、以下の生物
学的活性を試験するために使用され得る。
【0483】 (遺伝子治療方法) 本発明の別の局面は、障害、疾患、および状態を処置するために遺伝子治療方
法を使用することである。遺伝子治療法は、本発明のポリペプチドの発現を達成
するために、核酸(DNA、RNA、およびアンチセンスDNAまたはRNA)
配列の動物への導入に関する。この方法は、標的組織によるこのポリペプチドの
発現のために必要なプロモーターおよび任意の他の遺伝的エレメントに作動可能
に連結された、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを必要とす
る。このような遺伝子治療および送達の技術は、当該分野で公知であり、例えば
、本明細書中に参考として援用されるWO90/11092を参照のこと。
【0484】 従って、例えば、患者由来の細胞は、エキソビボで本発明のポリヌクレオチド
に作動可能に連結されたプロモーターを含むポリヌクレオチド(DNAまたはR
NA)を用いて操作され得、この操作された細胞は次いで、このポリペプチドで
処置されるべき患者に提供される。このような方法は、当該分野で周知である。
例えば、Belldegrunら,J.Natl.Cancer Inst.,
85:207−216(1993);Ferrantiniら,Cancer
Research,53:107−1112(1993);Ferrantin
iら,J.Immunology 153:4604−4615(1994);
Kaido,T.ら,Int.J.Cancer 60:221−229(19
95);Oguraら,Cancer Research 50:5102−5
106(1990);Santodonatoら,Human Gene Th
erapy 7:1−10(1996);Santodonatoら,Gene
Therapy 4:1246−1255(1997);およびZhangら
,Cancer Gene Therapy 3:31−38(1996)を参
照のこと。これらの文献は、本明細書中に参考として援用される。1つの実施形
態では、操作される細胞は、動脈細胞である。動脈細胞は、動脈、動脈周囲の組
織への直接注射によって、またはカテーテル注射によって患者に再度導入され得
る。
【0485】 以下でより詳細に考察するように、ポリヌクレオチド構築物は、注射可能な物
質を動物の細胞へ送達する任意の方法(例えば、組織(心臓、筋肉、皮膚、肺、
肝臓など)の間隙空間への注射)によって送達され得る。ポリヌクレオチド構築
物は、薬学的に受容可能な液体または水性キャリア中で送達され得る。
【0486】 1つの実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、裸のポリヌクレオチドと
して送達される。用語「裸の」ポリヌクレオチド、DNAまたはRNAは、細胞
への侵入を補助、促進または容易にするように作用するいかなる送達ビヒクル(
ウイルス配列、ウイルス粒子、リポソーム処方物、リポフェクチン、または沈澱
剤などを含む)も含まない配列をいう。しかし、本発明のポリヌクレオチドはま
た、リポソーム処方物中で送達され得、そしてリポフェクチン処方物などは当業
者に周知の方法によって調製され得る。このような方法は、例えば、本明細書中
に参考として援用される、米国特許第5,593,972号、同第5,589,
466号および同第5,580,859号に記載される。
【0487】 遺伝子治療方法において使用される本発明のポリヌクレオチドベクター構築物
は好ましくは、宿主ゲノムに組み込まれず、複製を可能にする配列を含まない構
築物である。適切なベクターとしては、Stratageneから入手可能なp
WLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1およびpSG;Pharm
aciaから入手可能なpSVK3、pBPV、pMSGおよびpSVL、なら
びにInvitrogenから入手可能なpEF1/V5、pcDNA3.1、
およびpRc/CMV2が挙げられる。他の適切なベクターは、当業者に容易に
明白である。
【0488】 当業者に公知の任意の強力なプロモーターは、本発明のポリヌクレオチド配列
の発現を駆動するために用いられ得る。適切なプロモーターとしては、アデノウ
イルスプロモーター(例えば、アデノウイルス主要後期プロモーター);または
異種プロモーター(例えば、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター);
RSウイルス(RSV)プロモーター;誘導性プロモーター(例えば、MMTプ
ロモーター、メタロチオネインプロモーター);熱ショックプロモーター;アル
ブミンプロモーター;ApoAIプロモーター;ヒトグロビンプロモーター;ウ
イルスチミジンキナーゼプロモーター(例えば、単純ヘルペスチミジンキナーゼ
プロモーター);レトロウイルスLTR;b−アクチンプロモーター;およびヒ
ト成長ホルモンプロモーターが挙げられる。プロモーターはまた、本発明のポリ
ヌクレオチドについてネイティブなプロモーターであり得る。
【0489】 他の遺伝子治療技術とは異なり、裸の核酸配列を標的細胞に導入する1つの主
要な利点は、細胞におけるポリヌクレオチド合成の一過性の性質である。研究に
よって、非複製DNA配列が細胞に導入されて、6ヶ月までの間の期間、所望の
ポリペプチドの産生を提供し得ることが示された。
【0490】 本発明のポリヌクレオチド構築物は、動物内の組織(筋肉、皮膚、脳、肺、肝
臓、脾臓、骨髄、胸腺、心臓、リンパ、血液、骨、軟骨、膵臓、腎臓、胆嚢、胃
、腸、精巣、卵巣、子宮、直腸、神経系、眼、腺、および結合組織を包含する)
の間隙空間に送達され得る。組織の間隙空間は、器官組織の細網線維間の細胞間
の、液のムコ多糖基質、血管または室の壁における弾性線維、線維性組織におけ
るコラーゲン線維、結合組織鞘性筋肉細胞内または骨の裂孔中の同じ基質を包含
する。これは、同様に、循環の血漿およびリンパチャンネルのリンパ液により占
められた空間である。筋肉組織の間隙空間への送達は、以下で議論される理由の
ために好ましい。それらは、これらの細胞を含む組織への注射によって、好都合
に送達され得る。それらは、好ましくは、分化した持続性の非***細胞に送達さ
れ、その細胞において発現されるが、送達および発現は、非分化細胞または完全
には分化していない細胞(例えば、血液の幹細胞または皮膚線維芽細胞)におい
て達成され得る。インビボ筋肉細胞は、ポリヌクレオチドを取り込み、そして発
現する能力において、特に適格である。
【0491】 裸の核酸配列注射のために、DNAまたはRNAの有効投薬量は、約0.05
mg/kg体重から約50mg/kg体重の範囲にある。好ましくは、投薬量は
、約0.005mg/kgから約20mg/kgであり、そしてより好ましくは
約0.05mg/kgから約5mg/kgである。もちろん、当業者が認識する
ように、この投薬量は、注射の組織部位に従って変化する。核酸配列の適切かつ
有効な投薬量は、当業者によって容易に決定され得、そして処置される状態およ
び投与経路に依存し得る。
【0492】 好ましい投与経路は、組織の間隙空間への非経口注射経路によってである。し
かし、他の非経口経路もまた用いられ得、これには、例えば、特に肺または気管
支の組織、咽喉または鼻の粘膜への送達のためのエアロゾル処方物の吸入が挙げ
られる。さらに、裸のDNA構築物が、血管形成術の間にこの手順において用い
られるカテーテルによって動脈に送達され得る。
【0493】 裸のポリヌクレオチドは、送達部位での直接針注射、静脈内注射、局所投与、
カテーテル注入、およびいわゆる「遺伝子銃」を含むがこれらに限定されない、
当該分野で公知の任意の方法によって送達される。これらの送達方法は、当該分
野で公知である。
【0494】 構築物はまた、ウイルス配列、ウイルス粒子、リポソーム処方物、リポフェク
チン、沈澱剤などのような送達ビヒクルを用いて送達され得る。このような送達
方法は、当該分野で公知である。
【0495】 特定の実施形態において、本発明のポリヌクレオチド構築物はリポソーム調製
物中で複合体化している。本発明にて使用するためのリポソームの調製物は、陽
イオン性(正に荷電した)、陰イオン性(負に荷電した)および中性の調製物を
包含する。しかしながら、陽イオン性リポソームと多陰イオン性核酸との間で強
固な荷電複合体を形成し得るので、陽イオン性リポソームが特に好ましい。陽イ
オン性リポソームは、機能的形態において、プラスミドDNA(本明細書中で参
考として援用される、Felgnerら、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA、84:7413〜7416(1987));mRNA(本明細書中
で参考として援用される、Maloneら、Proc.Natl.Acad.S
ci.USA、86:6077〜6081(1989));および精製された転
写因子(本明細書中で参考として援用される、Debsら、J.Biol.Ch
em.、265:10189〜10192(1990))の細胞内送達を媒介す
ることが示されている。
【0496】 陽イオン性リポソームは容易に入手可能である。例えば、N[1−2,3−ジ
オレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリエチルアンモニウム(DOTM
A)リポソームは特に有用であり、そして登録商標Lipofectinのもと
にGIBCO BRL,Grand Island,N.Y.(本明細書中で参
考として援用される、Felgnerら、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA、84:7413〜7416(1987)をもまた参照のこと、)よ
り入手可能である。他の市販のリポソームとしては、トランスフェクテース(t
ransfectace)(DDAB/DOPE)およびDOTAP/DOPE
(Boehringer)が挙げられる。
【0497】 当該分野で周知の技術を使用して、他の陽イオン性リポソームを、容易に入手
可能な物質より調製し得る。DOTAP(1,2−ビス(オレオイルオキシ)−
3−(トリメチルアンモニオ)プロパン)リポソームの合成の記述に関して、例
えばPCT公開第WO 90/11092号(本明細書中で参考として援用され
る)を参照のこと。DOTMAリポソームの調製は文献にて説明されており、例
えば、本明細書中で参考として援用される、Felgnerら、Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA、84:7413〜7417を参照のこと。類
似した方法を使用して、他の陽イオン性脂質物質よりリポソームを調製し得る。
【0498】 同様に、陰イオン性リポソームおよび中性リポソームは、例えば、Avant
i Polar Lipids(Birmingham,Ala.)から容易に
入手可能であり、または容易に入手可能な物質を使用して簡単に調製され得る。
そのような物質としてはとりわけ、ホスファチジル、コリン、コレステロール、
ホスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOP
C)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジオレオイルホ
スファチジルエタノールアミン(DOPE)が挙げられる。これらの物質はまた
、DOTMA出発物資およびDOTAP出発物質と適切な割合において混合され
得る。これらの物質を使用してリポソームを生成する方法は当該分野で周知であ
る。
【0499】 例えば、商業的に、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジオレ
オイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、およびジオレオイルホスファ
チジルエタノールアミン(DOPE)を種々の組み合わせにおいて使用し、コレ
ステロールの添加の有り無しで、従来のリポソームを生成し得る。従って、例え
ば超音波処理バイアル中で窒素ガス流下で、DOPGおよびDOPCの各50m
gを乾燥することによりDOPG/DOPC小胞を調製し得る。このサンプルを
一晩真空ポンプ下に置き、そして次の日、脱イオン水で水和する。次いで、浴が
、15ECで循環している間、最大設定にて、逆位カップ(浴タイプ)プローブ
を装備したHeat Systems モデル350超音波処理器を使用して、
このサンプルを栓をしたバイアル中にて2時間超音波処理する。あるいは、負に
荷電した小胞を超音波処理なしで調製し、多重膜小胞を生成し得るか、または核
孔膜(nucleopore membrane)を通して押し出すことにより
別々の大きさの単膜小胞を生成し得る。他の方法は当業者に公知および利用可能
である。
【0500】 このリポソームとしては、多重膜小胞(MLV)、小さな単膜小胞(SUV)
または大きな単膜小胞(LUV)が挙げられ得、SUVが好ましい。当該分野で
周知の方法を使用して、種々のリポソーム−核酸複合体が調製される。例えば、
本明細書中で参考として援用される、Straubingerら、Method
s of Immunology、101:512〜527(1983)を参照
のこと。例えば、核酸を含有するMLVは、ガラスチューブの壁面にリン脂質の
薄膜を沈着させ、そしてその後、カプセル化されるべき物質の溶液で水和するこ
とによって調製され得る。SUVはMLVの長期超音波処理により調製され、単
膜リポソームの均質集団を生成する。封入されるべき物質を予め形成されたML
Vの懸濁液に添加し、次いで、超音波処理する。陽イオン性脂質を含むリポソー
ムを使用する場合、乾燥した脂質膜を滅菌水または10mM Tris/NaC
lのような等張性緩衝溶液のような適切な溶液中に再懸濁し、超音波処理し、次
いで、予め形成されたリポソームをDNAと直接混合する。正に荷電したリポソ
ームの陽イオン性DNAへの結合に起因して、リポソームおよびDNAは非常に
安定な複合体を形成する。SUVは小核酸フラグメントについての用途を見出す
。LUVは、当該分野で周知の多くの方法により調製される。一般に使用される
方法としては、Ca2+−EDTAキレート化(Papahadjopoulos
ら、Biochim.Biophys.Acta、394:483(1975)
;Wilsonら、Cell、17:77(1979));エーテル注入(De
amerら、Biochim.Biophys.Acta、443:629(1
976);Ostroら、Biochem.Biophys.Res.Comm
um.、76:836(1977);Fraleyら、Proc.Natl.A
cad.Sci.USA、76:3348(1979));界面活性剤透析(E
nochら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、76:145(
1979));および逆相エバポレーション(REV)(Fraleyら、J.
Biol.Chem.、255:10431(1980);Szokaら、Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA、75:145(1978);Sc
haefer−Ridderら、Science、215:166(1982)
)が挙げられ、これらの文献は本明細書中で参考として援用される。
【0501】 一般に、DNAのリポソームに対する割合は約10:1から約1:10までで
ある。好ましくは、その割合(ration)は約5:1から約1:5までであ
る。より好ましくは、その割合は約3:1から約1:3までである。さらにより
好ましくは、その割合は約1:1である。
【0502】 米国特許第5,676,954号(本明細書中で参考として援用される)は陽
イオン性リポソームキャリアで複合体化された遺伝物質のマウスへの注入につい
て報告する。米国特許第4,897,355号、同第4,946,787号、同
第5,049,386号、同第5,459,127号、同第5,589,466
号、同第5,693,622号、同第5,580,859号、同第5,703,
055号および国際公開第WO94/9469号(これらは本明細書中で参考と
して援用される)は、DNAを細胞および哺乳動物にトランスフェクトする際に
使用するための陽イオン性脂質を提供する。米国特許第5,589,466号、
同第5,693,622号、同第5,580,859号、同第5,703,05
5号および国際公開第WO94/9469号(これらは本明細書中で参考として
援用される)は、DNA−陽イオン性脂質複合体を哺乳動物に送達する方法を提
供する。
【0503】 特定の実施形態において、本発明のポリペプチドをコードする配列を含有する
RNAを含むレトロウイルス粒子を使用して、エキソビボまたはインビボで細胞
を操作する。レトロウイルスプラスミドベクターを誘導し得るレトロウイルスと
しては、モロニーマウス白血病ウイルス、脾臓壊死ウイルス、ラウス肉腫ウイル
ス、ハーベイ肉腫ウイルス、鳥類白血症ウイルス、テナガザル白血病ウイルス、
ヒト免疫不全ウイルス、骨髄増殖性肉腫ウイルス、および乳腺癌ウイルスが挙げ
られるが、これらに限定されない。
【0504】 レトロウイルスプラスミドベクターを使用して、パッケージング細胞株を形質
導入し、プロデューサー細胞株を形成する。トランスフェクトされ得るパッケー
ジング細胞株の例としては、その全体が本明細書中で参考として援用される、M
iller、Human Gene Theapy、1:5〜14(1990)
にて記載されるようなPE501、PA317、R−2、R−AM、PA12、
T19−14X、VT−19−17−H2、RCRE、RCRIP、GP+E−
86、GP+envAm12およびDAN細胞株が挙げられるがこれらに限定さ
れない。このベクターは当該分野で公知の任意の手段によりパッケージング細胞
を形質導入し得る。そのような手段としては、エレクトロポレーション、リポソ
ームの使用、CaPO4沈澱が挙げられるが、それらに限定されない。1つの代
替法において、レトロウイルスプラスミドベクターをリポソームにカプセル化し
得るか、または脂質に結合し、次いで宿主に投与し得る。
【0505】 プロデューサー細胞株は、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチ
ドを含む感染性レトロウイルスベクター粒子を産生する。次いで、そのようなレ
トロウイルスベクター粒子を使用して、インビトロまたはインビボのどちらかに
おいて、真核生物細胞を形質導入し得る。形質導入された真核生物細胞は本発明
のポリペプチドを発現する。
【0506】 特定の他の実施形態において、アデノウイルスベクター中に含まれる本発明の
ポリヌクレオチドを用いて、エキソビボまたはインビボで細胞を操作する。アデ
ノウイルスは、それが本発明のポリペプチドをコードし、そして発現し、それと
同時に通常の溶解性ウイルス生活環にて複製するその能力に関して不活性化され
るように操作され得る。アデノウイルス発現はウイルスDNAの宿主細胞染色体
への組み込み無しに達成され、その結果、挿入性変異誘発についての心配が軽減
される。さらに、アデノウイルスは何年もの間、生腸性ワクチンとして優れた安
全側面を伴って使用されている(Schwartzら、Am.Rev.Resp
ir.Dis.、109:233−238(1974))。最終的に、アデノウ
イルス媒介性遺伝子移入が、α−1−アンチトリプシンおよびCFTRのコトン
ラットの肺への移入を含む多くの例において実証されている(Rosenfel
dら、Science、252:431〜434(1991);Rosenfe
ldら、Cell、68:143〜155(1992))。さらに、ヒト癌にお
ける原因物質としてアデノウイルスを確立しようとする大量の研究は、一様に陰
性であった(Greenら Proc.Natl.Acad.Sci.USA,
76:6606(1979))。
【0507】 本発明にて有用である適切なアデノウイルスベクターが、例えば、Kozar
skyおよびWilson、Curr.Opin.Genet.Devel.、
3:499〜503(1993);Rosenfeldら、Cell、68:1
43〜155(1992);Engelhardtら、Human Genet
.Ther.、4:759〜769(1993);Yangら、Nature
Genet、7:362〜369(1994);Wilsonら、Nature
、365:691〜692(1993);および米国特許第5,652,224
号記載されており、これらは本明細書中で参考として援用される。例えば、アデ
ノウイルスベクターAd2が有用であり、そしてヒト293細胞にて増殖され得
る。これらの細胞はアデノウイルスのE1領域を含み、そして構成的にElaお
よびElbを発現し、これらはそのベクターより欠失している遺伝子の産物を提
供することによって欠損アデノウイルスを補完する。Ad2に加えて、他の多様
なアデノウイルス(例えば、Ad3、Ad5、およびAd7)もまた本発明にお
いて有用である。
【0508】 好ましくは、本発明において使用されるアデノウイルスは複製欠損である。複
製欠損アデノウイルスは、感染性粒子を形成するために、ヘルパーウイルスおよ
び/またはパッケージング細胞株の助けを必要とする。得られたウイルスは細胞
に感染する能力があり、そしてプロモーターに連結された目的のポリヌクレオチ
ドを発現し得るが、ほとんどの細胞にて複製し得ない。複製欠損アデノウイルス
は次の遺伝子:E1a、E1b、E3、E4、E2aまたはL1からL5までの
すべてまたは一部の1つ以上にて欠失され得る。
【0509】 特定の他の実施形態において、アデノ随伴ウイルス(AAV)を使用して、エ
キソビボまたはインビボで細胞を操作する。AAVは感染性粒子を生成するため
にヘルパーウイルスを必要とする、天然に存在する欠損ウイルスである(Muz
yczka,Curr.Topics in Microbiol.Immun
ol.,158:97(1992))。それはまた、非***細胞の中にそのDN
Aを組み込み得る数少ないウイルスの中の1つである。300塩基対程度の小さ
いAAVを含むベクターがパッケージされ得、そして組み込み得るが、外来性D
NAに対するスペースは約4.5kbに限られる。そのようなAAVの生成およ
び使用の方法は当該分野で公知である。例えば、米国特許第5,139,941
号、同第5,173,414号、同第5,354,678号、同第5,436,
146号、同第5,474,935号、同第5,478,745号および同第5
,589,377号を参照のこと。
【0510】 例えば、本発明にて使用するために適切なAAVベクターは、DNA複製、キ
ャプシド形成、および宿主細胞組み込みに関して必要な全ての配列を含む。Sa
mbrookら、Molecular Cloning:A Laborato
ry Manual、Cold Spring Harbor Press(1
989)にて見い出される方法のような、標準的クローニング方法を使用して、
本発明のポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド構築物をAAVベクターに挿
入する。次いで、リポフェクション、エレクトロポレーション、リン酸カルシウ
ム沈澱などを含む、任意の標準的技術を使用して、この組み換えAAVベクター
を、ヘルパーウイルスに感染しているパッケージング細胞にトランスフェクトす
る。適切なヘルパーウイルスとしては、アデノウイルス、サイトメガロウイルス
、ワクシニアウイルス、またはヘルペスウイルスが挙げられる。一旦パッケージ
ング細胞がトランスフェクトおよび感染されると、それらは本発明のポリヌクレ
オチド構築物を含む感染性AAVウイルス粒子を生成する。次いで、エキソビボ
またはインビボのどちらかで、これらのウイルス粒子を使用して真核生物細胞を
形質導入する。形質導入細胞はそのゲノムに組み込まれたポリヌクレオチド構築
物を含み、そして所望される遺伝子産物を発現する。
【0511】 遺伝子治療の別の方法は、相同組換え(例えば、米国特許第5,641,67
0号、1997年6月24日発行;国際公開第WO96/29411号、199
6年9月26日公開;国際公開第WO94/12650号、1994年8月4日
公開;Kollerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、86
:8932〜8935(1989);およびZijlstraら、Nature
、342:435〜438(1989)を参照のこと)による、作動可能に連結
している異種制御領域および内在性ポリヌクレオチド配列(例えば、目的のポリ
ペプチド配列をコードしている配列)を含む。この方法は標的細胞中に存在して
いるが、通常はその細胞中にて発現しないか、もしくは所望するよりも低いレベ
ルにて発現する遺伝子の活性化を含む。
【0512】 当該分野で既知の標準的技術を使用して、ポリヌクレオチド構築物を作製する
。この構築物はプロモーターに隣接した標的化配列とともにプロモーターを含む
。適切なプロモーターが本明細書中に記載されている。標的化配列は内在性配列
に対して十分に相補的であり、プロモーター標的化配列と内在性配列との相同組
換えを可能にする。標的化配列は、所望される内在性ポリヌクレオチド配列の5
’末端の十分近くに存在し、それゆえ、相同組換えによって、プロモーターは作
動可能に内在性配列に連結される。
【0513】 このプロモーターおよび標的化配列はPCRを使用して増幅され得る。好まし
くは、この増殖されたプロモーターは5’末端および3’末端に別の制限酵素部
位を含む。好ましくは、最初の標的化配列の3’末端は増幅されたプロモーター
の5’末端と同じ制限酵素部位を含み、そして第2の標的化配列の5’末端は増
幅されたプロモーターの3’末端と同じ制限酵素部位を含む。増幅されたプロモ
ーターおよび標的化配列を消化し、そしてともに連結する。
【0514】 裸のポリヌクレオチドとしてか、もしくは上記にてより詳細に記載されている
ようなリポソーム、ウイルス配列、ウイルス粒子、ウイルス全体、リポフェクシ
ョン、沈澱剤などのようなトランスフェクション促進剤と一緒にかのいずれかで
、このプロモーター−標的化配列構築物を細胞に送達する。直接針注射、静脈内
注射、局所投与、カテーテル注入、粒子加速器などを含む任意の方法によりPプ
ロモーター−標的化配列を送達し得る。この方法を下記により詳細に記載する。
【0515】 プロモーター−標的化配列構築物は細胞により、取り込まれる。この構築物と
内在性配列との間に相同組換えが起こり、その結果、内在性配列はこのプロモー
ターの制御下に配置される。次いで、このプロモーターは内在性配列の発現を駆
動する。
【0516】 本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、他の脈管形成タンパ
ク質をコードする他のポリヌクレオチドと一緒に投与され得る。脈管形成タンパ
ク質としては、酸性および塩基性の線維芽細胞増殖因子、VEGF−1、VEG
F−2(VEGF−C)、VEGF−3(VEGF−B)、上皮増殖因子αおよ
びβ、血小板由来内皮細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、腫瘍壊死因子α、肝
細胞増殖因子、インスリン様増殖因子、コロニー刺激因子、マクロファージコロ
ニー刺激因子、顆粒球/マクロファージコロニー刺激因子および一酸化窒素シン
ターゼが挙げられるが、これらに限定されない。
【0517】 好ましくは、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、タンパ
ク質の分泌を促進する分泌シグナル配列を含む。代表的に、シグナル配列は、コ
ード領域の5’末端に向かってまたは5’末端にて発現されるポリヌクレオチド
のコード領域に位置づけられる。このシグナル配列は、目的のポリヌクレオチド
に対して同種または異種であり得、そしてトランスフェクトされる細胞に対して
同種または異種であり得る。さらに、当該分野で公知の方法を使用して、このシ
グナル配列は化学合成され得る。
【0518】 治療効果を提供するのに十分な量において1つ以上の分子が発現される限り、
上記の任意のポリヌクレオチド構築物の任意の投与様式が使用され得る。これは
、直接針注入、全身注射、カテーテル注入、バイオリスティック注射器、粒子加
速器(すなわち、「遺伝子銃」)、ゲルフォームスポンジデポー、他の市販デポ
ー物質、浸透圧ポンプ(例えば、Alzaミニポンプ)、経口または坐剤固形(
錠剤または丸剤)薬学的処方物、および手術中のデカンティングまたは局所適用
を含む。例えば、ラット肝臓およびラット脾臓へのリン酸カルシウム沈澱した裸
のプラスミドの直接注入または門脈へのタンパク質被覆プラスミド直接注入は、
ラット肝臓における外来性遺伝子の遺伝子発現をもたらした(Kanedaら、
Science、243:375(1989))。
【0519】 局所投与の好ましい方法は、直接注射によるものである。好ましくは、送達ビ
ヒクルと複合体を形成した本発明の組換え分子は、動脈領域に直接注入により投
与されるか、または動脈領域内部に局所投与される。動脈領域内部での組成物の
局所投与とは、その組成物を動脈内に数センチメートル、好ましくは数ミリメー
トルで注射することを言う。
【0520】 局部投与の別の方法は、外科的創傷内またはその周辺に本発明のポリヌクレオ
チド構築物を接触させることである。例えば、患者は手術を経験し得、そしてポ
リヌクレオチド構築物を創傷内部の組織表面上に被覆し得るか、またはその構築
物を創傷内部の組織領域に注射し得る。
【0521】 全身投与に有用な治療組成物は、本発明の標的化された送達ビヒクルと複合体
を形成した本発明の組換え分子を含む。全身投与で使用するために適切な送達ビ
ヒクルは、特定部位に対してそのビヒクルを標的化するリガンドを含むリポソー
ムを含む。
【0522】 全身投与の好ましい方法としては、静脈内注射、エアロゾル、経口および経皮
(局所的)送達が挙げられる。当該分野で標準的な方法を使用して、静脈内注射
が実行され得る。当該分野で標準的な方法を使用して、エアロゾル送達もまた実
行され得る(例えば、本明細書中で参考として援用されるStriblingら
、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、189:11277〜11
281(1992)を参照のこと)。動物の腸内の消化酵素による分解に耐える
能力をもつキャリアに対して本発明のポリヌクレオチド構築物が複合体を形成す
ることにより、経口送達は実行され得る。そのようなキャリアの例としては、当
該分野で公知であるもののような、プラスチックカプセルまたは錠剤が挙げられ
る。皮膚内へ通過可能な親油性試薬(例えば、DMSO)と本発明のポリヌクレ
オチド構築物を混合することによって、局所的送達は実行され得る。
【0523】 送達される物質の有効量を決定することは、例えば、その物質の化学構造およ
び生物学的活性、動物の年齢および体重、処置を必要とする正確な状態およびそ
の重症度ならびに投与経路を含む多数の因子に依存し得る。処置の頻度は、1用
量あたりで投与されるポリヌクレオチド構築物の量ならびに被験体の健康および
病歴のような多くの因子に依存する。正確な量、投薬回数および投薬のタイミン
グは、内科医または獣医により決定される。本発明の治療的組成物は任意の動物
に、好ましくは哺乳動物および鳥類に投与され得る。好ましくは、哺乳動物とし
てはヒト、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ウシ、ウマおよびブ
タが挙げられ、特にヒトである。
【0524】 (生物学的活性) 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニストもしくは
アンタゴニストをアッセイに使用し、1つ以上の生物学的活性について試験し得
る。これらのポリヌクレオチドおよびポリペプチドが特定のアッセイにおいて活
性を示す場合、これらの分子はその生物学的活性に関連した疾患に関与し得るよ
うである。従って、ポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニスト
もしくはアンタゴニストを使用し、関連した疾患を処置し得る。
【0525】 (免疫活性) 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニストもしくは
アンタゴニストは、免疫細胞の増殖、分化、もしくは動員(走化性)を活性化ま
たは阻害することにより、免疫系の欠乏症または障害の処置において有用であり
得る。免疫細胞は造血と呼ばれるプロセスを介して発生し、多能性幹細胞より骨
髄性細胞(血小板、赤血球、好中球およびマクロファージ)およびリンパ系細胞
(Bリンパ球およびTリンパ球)を生成する。これら免疫の欠乏症または障害の
病因は、遺伝的、体細胞的(例えば、癌またはいくつかの自己免疫障害)、後天
的(例えば、化学療法もしくは毒素による)または感染的であり得る。さらに、
本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニストもしくはア
ンタゴニストは特定の免疫系の疾患または障害のマーカーまたは検出物質(de
tector)として使用され得る。
【0526】 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニストもしくは
アンタゴニストは造血細胞の欠乏症および障害の処置または検出において有用で
あり得る。本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニスト
もしくはアンタゴニストは、特定の(または多くの)型の造血細胞の減少に関連
した障害を処置する試みにおいて、多能性幹細胞を含む造血細胞の分化および増
殖を増加させるために用いられ得る。免疫学的欠損症候群の例としては、血液タ
ンパク質障害(例えば、無ガンマグロブリン血症、低ガンマグロブリン血症)、
毛細血管拡張性運動失調、分類不能型免疫不全、ディジョージ症候群、HIV感
染、HTLV−BLV感染、白血球接着不全症候群、リンパ球減少、食細胞殺細
菌機能不全、重症複合型免疫不全(SCID)、ヴィスコット−オールドリッチ
障害、貧血、血小板減少、またはヘモグロビン尿症が挙げられるが、それらに限
定されない。
【0527】 さらに、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニスト
もしくはアンタゴニストをまた使用し、止血性活性(出血を止めること)または
血栓崩壊活性(血餅形成)を調節し得る。例えば、止血活性または血栓崩壊活性
の増大により、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニ
ストもしくはアンタゴニストを使用し、血液凝固障害(例えば、無線維素原血症
、因子欠損症)、血液血小板障害(例えば、血小板減少症)、または外傷、手術
もしくは他の原因から生じる創傷を処置し得る。あるいは、止血活性または血栓
崩壊活性を減少させ得る本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、また
はアゴニストもしくはアンタゴニストを使用し、血餅を阻害または溶解し得る。
心臓発作(梗塞)、発作(stroke)または瘢痕の処置において、これらの
分子は重要であり得る。
【0528】 自己免疫障害を処置または検出する際に、本発明のポリヌクレオチドもしくは
ポリペプチド、またはアゴニストもしくはアンタゴニストはまた有用であり得る
。多くの自己免疫障害は、免疫細胞によって外来性物質として不適切に自己認識
することから生じる。この不適切な認識は、宿主組織の破壊となる免疫応答を引
き起こす。従って、免疫応答、特にT細胞の増殖、分化または走化性を阻害する
本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニストもしくはア
ンタゴニストの投与は、自己免疫障害の防止において効果的な治療であり得る。
【0529】 本発明により処置または検出され得る自己免疫障害の例としては、アディソン
病、溶血性貧血、抗リン脂質症候群、慢性関節リウマチ、皮膚炎、アレルギー性
脳脊髄炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、グレーヴズ病、多発性硬化症
、重症筋無力症、神経炎、眼炎痛、水疱性類天疱瘡、天疱瘡、多発性内分泌腺症
、紫斑病、ライター病、スティッフマン症候群、自己免疫性甲状腺炎、全身性エ
リテマトーデス、自己免疫性の肺の炎症、ギヤン−バレー症候群、インスリン依
存性糖尿病、および自己免疫炎症性眼疾患が挙げられるが、それらに限定されな
い。
【0530】 同様に、ぜん息(特にアレルギー性ぜん息)または他の呼吸の問題のような、
アレルギー反応およびアレルギー状態もまた、本発明のポリヌクレオチドもしく
はポリペプチド、またはアゴニストもしくはアンタゴニストにより処置され得る
。さらに、これらの分子を使用し、抗原性分子に対するアナフィラキシー、過敏
症または血液型不適合性を処置し得る。
【0531】 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニストもしくは
アンタゴニストをまた使用し、器官拒絶または対移植片宿主病(GVHD)を処
置および/または防止し得る。器官拒絶は、免疫応答を介する宿主免疫細胞によ
る移植組織の破壊によって起こる。同様に、免疫応答もまたGVHDに関与して
いるが、この場合、外来性の移植免疫細胞が宿主組織を破壊する。免疫応答、特
にT細胞の増殖、分化または走化性を阻害する、本発明のポリヌクレオチドもし
くはポリペプチド、またはアゴニストもしくはアンタゴニストの投与は、器官拒
絶またはGVHDの防止において効果的な治療であり得る。
【0532】 同様に、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニスト
もしくはアンタゴニストをまた使用し、炎症を調整し得る。例えば、このポリペ
プチドもしくはポリヌクレオチド、またはアゴニストもしくはアンタゴニストは
、炎症応答に関与する細胞の増殖および分化を阻害し得る。これらの分子を使用
して、感染(例えば、敗血症ショック、敗血症、または全身炎症応答症候群(S
IRS))、虚血再灌流傷害、内毒素致死、関節炎、補体媒介性超急性拒絶、腎
炎、サイトカインまたはケモカインの誘導性肺傷害、炎症性腸障害、クローン病
またはサイトカイン(例えば、TNFまたはIL−1)の過剰生成から生じるも
のに関連する炎症を含む、慢性および急性の両方の状態の炎症状態を処置し得る
【0533】 (過剰増殖障害) 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニストもしくは
アンタゴニストを使用し、新生物を含む過剰増殖障害を処置または検出し得る。
本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニストもしくはア
ンタゴニストは、直接または間接的な相互作用によりこの障害の増殖を阻害し得
る。あるいは、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニ
ストもしくはアンタゴニストは過剰増殖障害を阻害し得る他の細胞を増殖させ得
る。
【0534】 例えば、免疫応答を増大させること、特に過剰増殖障害の抗原性の質を増大さ
せることによって、またはT細胞を増殖、分化、もしくは動員することによって
、過剰増殖障害を処置し得る。存在する免疫応答を増強するか、または新たな免
疫応答を開始するかのどちらかによってこの免疫応答を増大させ得る。あるいは
、化学療法剤のように、免疫応答を減少させることもまた、過剰増殖障害を処置
する方法であり得る。
【0535】 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニストもしくは
アンタゴニストによって処置または検出され得る過剰増殖障害の例としては、腹
部、骨、胸、消化系、肝臓、膵臓、腹膜、内分泌腺(副腎、上皮小体、下垂体、
精巣、卵巣、胸腺、甲状腺)、眼、頭および首、神経(中枢および末梢)、リン
パ系、骨盤、皮膚、柔組織、脾臓、胸郭、ならびに泌尿生殖器に位置する新生物
が挙げられるが、それらに限定されない。
【0536】 同様に、他の過剰増殖障害もまた、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペ
プチド、またはアゴニストもしくはアンタゴニストにより処置または検出され得
る。そのような過剰増殖障害の例としては、高ガンマグロブリン血症、リンパ増
殖障害、パラプロテイン血症、紫斑病、類肉腫症、セザリー症候群、ヴァルデン
ストレームマクログロブリン血症、ゴシェ病、組織球増殖症、および任意の他の
過剰増殖疾患、さらに上記に収載されている器官系に位置している新生物が挙げ
られるが、それらに限定されない。
【0537】 1つの好ましい実施形態は、本発明のポリヌクレオチドを利用して、本発明、
および/またはタンパク質融合物もしくはそのフラグメントを用いる遺伝子治療
により、異常な細胞***を阻害する。
【0538】 従って、本発明は、異常に増殖している細胞に、本発明のポリヌクレオチドを
挿入することにより細胞増殖障害を処置するための方法を提供する。ここで、上
記のポリヌクレオチドは、上記の発現を抑制する。
【0539】 本発明の別の実施形態は、個体における細胞増殖障害を処置する方法を提供し
、この方法は、異常に増殖している細胞に本発明の1つ以上の活性な遺伝子コピ
ーを投与する工程を包含する。好ましい実施形態において、本発明のポリヌクレ
オチドは、上記のポリヌクレオチドをコードするDNA配列を発現する際に有効
な組換え発現ベクターを含むDNA構築物である。本発明の別の好ましい実施形
態において、本発明のポリヌクレオチドをコードするDNA構築物を細胞に挿入
して、レトロウイルス(または、より好ましくは、アデノウイルスベクター)を
利用して処置し得る(参考として援用される、G J.Nabelら、PNAS
1999 96:324−326を参照のこと)。最も好ましい実施形態にお
いて、このウイルスベクターは欠損性であり、そして非増殖細胞を形質転換せず
、増殖細胞のみを形質転換する。さらに、好ましい実施形態において、増殖して
いる細胞に、単独で、または他のポリヌクレオチドとともに、もしくは他のポリ
ヌクレオチドと融合して挿入される本発明のポリヌクレオチドは、次いで、外部
刺激(すなわち、磁性、特定の低分子、化学物質、または薬物投与など)により
調節され得る。この刺激は、上記のポリヌクレオチドの上流にあるプロモーター
に作用して、コードされたタンパク質産物の発現を誘導する。このようにして、
本発明の有益な治療効果は、上記の外部刺激に基づいて、明らかに調節され得る
(すなわち、本発明のポリヌクレオチドの発現を増加、減少、または阻害するた
め)。
【0540】 本発明のポリヌクレオチドは、発癌性遺伝子または抗原の発現を抑制する際に
有用であり得る。「発癌性遺伝子の発現を抑制する」ことにより、遺伝子の転写
の抑制、遺伝子転写物の分解(前メッセンジャー(pre−massage)R
NA)、スプライシングの阻害、メッセンジャーRNAの破壊、タンパク質の翻
訳後修飾の妨げ、タンパク質の破壊、またはタンパク質の正常機能の阻害を意図
する。
【0541】 異常に増殖する細胞に対する局所的な投与に関しては、本発明のポリヌクレオ
チドは、当業者に公知の任意の方法により投与され得、この方法としては、トラ
ンスフェクション、エレクトロポレーション、細胞のマイクロインジェクション
、例えば、リポソームのようなビヒクルにおいて、リポフェクチン、または裸の
ポリヌクレオチド、または本明細書中全体を通して記載される任意の他の方法が
挙げられるが、これらに限定されない。本発明のポリヌクレオチドは、公知の遺
伝子送達系(例えば、当業者に公知のレトロウイルスベクター(Gilboa,
J.Virology 44:845(1982);Hocke,Nature
320:275(1986);Wilsonら,Proc.Natl.Aca
d.Sci.U.S.A.85:3014);ワクシニアウイルス系(Chak
rabartyら,Mol.Cell Biol.5:3403(1985))
または他の効率的なDNA送達系(Yatesら,Nature 313:81
2(1985))に限定されない)により送達され得る。これらの参考文献は、
例示にすぎず、そして本明細書中に参考として援用される。異常に増殖している
細胞に特異的に送達するか、またはそれをトランスフェクトし、そして非***細
胞を残す(spare)ために、当業者に公知のレトロウイルスまたはアデノウ
イルス(例えば、当該分野または本明細書中で記載される)送達系を利用するこ
とが好ましい。宿主DNA複製は組み込むためにレトロウイルスDNAが必要で
あるので、このレトロウイルスは、その生活環についての必要とされるレトロウ
イルス遺伝子の欠如に起因して自己複製できない。本発明のポリヌクレオチドの
ために、このようなレトロウイルス送達系を利用して、上記の遺伝子および構築
物を、異常に増殖している細胞に標的化し、そして非***性の正常細胞を残す。
【0542】 本発明のポリヌクレオチドは、疾患部位に直接注射針を導くために使用される
画像化デバイスの使用によって、内部器官、体腔などにおける細胞増殖性障害/
疾患部位に直接送達され得る。本発明のポリヌクレオチドはまた、手術介入時に
疾患部位に投与され得る。
【0543】 「細胞増殖性障害」によって、任意のヒトまたは動物の疾患または障害が、器
官、腔、または身体部分のいずれか1つもしくはいずれかの組み合わせを冒して
いることを意味される。この疾患は、良性または悪性に拘わらず、細胞、もしく
は細胞群、もしくは組織の単一または複数の局所的な異常な増殖により特徴づけ
られる。
【0544】 本発明のポリヌクレオチドの任意の量は、この量が、処置細胞の増殖に対して
生物学的に阻害性の効果を有する限り、投与され得る。さらに、本発明の1つよ
り多くのポリヌクレオチドを、同時に同じ部位に投与することが可能である。「
生物学的に阻害する」は、部分的または全体的な成長阻害ならびに細胞の増殖ま
たは成長の速度における減少を意味する。生物学的に阻害性の用量は、標的の悪
性または組織培養において異常に増殖している細胞、動物もしくは動物および細
胞培養物における腫瘍成長に対する本発明のポリヌクレオチドの効果を評価する
こと、あるいは当業者に公知の任意の他の方法により決定され得る。
【0545】 本発明はさらに、抗体に基づく治療に関し、この方法は、上記の障害の1つ以
上を処置するために、哺乳動物患者(好ましくはヒト患者)に抗ポリペプチド抗
体および抗ポリヌクレオチド抗体を投与する工程を包含する。抗ポリペプチド抗
体および抗ポリヌクレオチド抗体(ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗
体)を生成するための方法は、本明細書中の他の箇所に詳細に記載される。この
ような抗体は、当該分野で公知のように、または本明細書中に記載されるように
薬学的に受容可能な組成物中に提供され得る。
【0546】 本発明の抗体が治療的に使用され得る方法の概要は、例えば、補体(CDC)
もしくはエフェクター細胞(ADCC)により媒介されるように、本発明のポリ
ヌクレオチドまたはポリペプチドを、身体において局所的もしくは全身的に、ま
たは抗体の直接的な細胞傷害性により結合させる工程を包含する。これらのアプ
ローチのいくつかは、以下により詳細に記載される。本明細書中に提供される教
示があれば、当業者は、本発明の抗体を、過度の実験なくして、診断、モニタリ
ングまたは治療の目的のために使用する方法を理解する。
【0547】 特に、本発明の抗体、フラグメントおよび誘導体は、本明細書中に記載される
ように、細胞増殖性障害および/もしくは分化障害を有するか、または発症して
いる被験体を処置するために有用である。このような処置は、単一用量または複
数用量の抗体、そのフラグメント、誘導体、または結合体を投与する工程を包含
する。
【0548】 本発明の抗体は、他のモノクローナル抗体もしくはキメラ抗体と組み合わせて
、またはリンホカインもしくは造血増殖因子(例えば、これは、抗体と相互作用
するエフェクター細胞の数または活性が増加するように機能する)と組み合わせ
て、有利に利用され得る。
【0549】 本発明のポリペプチドもしくはポリヌクレオチド、そのフラグメントもしくは
領域に対して、高親和性および/または強力なインビボ阻害抗体および/または
中和抗体を使用することは、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド(
そのフラグメントを含む)に関する障害に関するイムノアッセイおよびその治療
の両方のために好ましい。このような抗体、フラグメント、または領域は、好ま
しくは、ポリヌクレオチドもしくはポリペプチド(そのフラグメントを含む)に
対する親和性を有する。好ましい結合親和性は、5×10-6M、10-6M、5×
10-7M、10-7M、5×10-8M、10-8M、5×10-9M、10-9M、5×
10-10M、10-10M、5×10-11M、10-11M、5×10-12M、10-12
、5×10-13M、10-13M、5×10-14M、10-14M、5×10-15M、お
よび10-15M未満の解離定数またはKdを有する親和性を含む。
【0550】 さらに、本発明のポリペプチドは、本明細書中の他の箇所に記載されるように
、単独でか、融合タンパク質としてか、または直接的にもしくは間接的に他のポ
リペプチドとの組み合わせでかのいずれかで、増殖性細胞もしくは組織の脈管形
成を阻害する際に有用である。最も好ましい実施形態において、上記の抗脈管形
成効果は、間接的に、例えば、造血性の腫瘍特異的細胞(例えば、腫瘍関連マク
ロファージ)の阻害を通じて、達成され得る(参考として本明細書により援用さ
れる、Joseph IBら、J Natl Cancer Inst,90(
21):1648−53(1998)を参照のこと)。本発明のポリペプチドま
たはポリヌクレオチドに対する抗体はまた、脈管形成の直接的または間接的な阻
害を生じ得る(参考として本明細書により援用される、Witte L.ら、C
ancer Metastasis Rev.17(2):155−61(19
98)を参照のこと)。
【0551】 本発明のポリペプチド(タンパク質融合物を含む)、またはそのフラグメント
は、アポトーシスの誘導を通じて増殖性細胞または組織を阻害する際に有用であ
り得る。上記のポリペプチドは、直接的または間接的のいずれかで、増殖性の細
胞および組織のアポトーシスを誘導するように、例えば、死ドメインレセプター
(例えば、腫瘍壊死因子(TNF)レセプター−1、CD95(Fas/APO
−1)、TNFレセプター関連アポトーシス媒介タンパク質(TRAMP)なら
びにTNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)レセプター1および2
(参考として本明細書により援用されるSchulze−Osthoff K,
ら、Eur J Biochem 254(3):439−59(1998)を
参照のこと))の活性化において作用し得る。さらに、本発明の別の好ましい実
施形態において、上記のポリペプチドは、他の機構を通じて(例えば、アポトー
シスを活性化する他のタンパク質の活性化において)あるいは上記タンパク質の
発現を単独でまたは低分子薬物もしくはアジュバント(例えば、アポプトニン、
ガレクチン、チオレドキシン、抗炎症性タンパク質)と組み合わせてかのいずれ
かで刺激することを通じて、アポトーシスを誘導し得る(例えば、参考として本
明細書により援用される、Mutat Res 400(1−2):447−5
5(1998),Med Hypotheses.50(5):423−33(
1998),Chem Biol Interact.Apr 24;111−
112;23−34(1998))、J Mol Med.76(6):402
−12(1998),Int J Tissue React;20(1):3
−15(1998)を参照のこと)。
【0552】 本発明のポリペプチド(それに対するタンパク質融合物を含む)、またはその
フラグメントは、増殖性細胞または組織の転移を阻害する際に有用である。阻害
は、本明細書中他の箇所に記載されるように、ポリペプチドまたは上記ポリペプ
チドに対する抗体を投与する工程の直接的結果として、または間接的に(例えば
、転移を阻害することが公知のタンパク質(例えば、α4インテグリン)の発現
を活性化する)生じ得る(例えば、本明細書中に参考として援用される、Cur
r Top Microbiol Immunol 1998;231:125
−41を参照のこと)。本発明のこのような治療効果は、単独で、または低分子
薬物もしくはアジュバントと組み合わせてかのいずれかで達成され得る。
【0553】 別の実施形態において、本発明は、本発明のポリペプチド(例えば、ポリペプ
チドまたは異種ポリペプチドに関連するポリペプチド抗体、異種核酸、毒素、ま
たはプロドラッグを含む組成物)を、本発明のポリペプチドを発現する標的とさ
れた細胞に送達する方法を提供する。本発明のポリペプチドまたはポリペプチド
抗体は、異種ポリペプチド、異種核酸、毒素、またはプロドラッグと、疎水性、
親水性、イオン性および/または共有結合的な相互作用を通じて関連し得る。
【0554】 本発明のポリペプチド、それに対するタンパク質融合物、またはそのフラグメ
ントは、上記の抗原および免疫原に対して、直接的(例えば、本発明のポリペプ
チドが「ワクチン接種された」場合、増殖性抗原および免疫原に対して応答する
ように免疫応答を生じる)または間接的(例えば、免疫応答を増強することが公
知のタンパク質(例えば、ケモカイン)の発現を活性化することにおいて)のい
ずれかで、増殖している細胞または組織の免疫原性および/または抗原性を増強
する際に有用である。
【0555】 (心臓血管障害) 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニストもしくは
アンタゴニストを使用して、四肢虚血のような末梢動脈疾患を含む、心臓血管障
害を処置し得る。
【0556】 心臓血管障害としては、動動脈瘻(arterio−arterial fi
stula)、動静脈瘻、大脳動静脈先天異常、先天性心欠陥(congeni
tal heart defects)、肺動脈弁閉鎖症、およびシミター症候
群のような心臓血管異常が挙げられる。先天性心欠陥としては、大動脈縮窄、三
房心、冠状脈管奇形(coronary vessel anomalies)
、交差心、右胸心、開存性動脈管(patent ductus arteri
osus)、エブスタイン奇形、アイゼンメンガー複合体、左心室発育不全症候
群、左胸心、ファロー四徴症、大血管転位症、両大血管右室起始症、三尖弁閉鎖
症、動脈管遺残、および心中隔欠損症(heart septal defec
ts)(例えば、大動脈肺動脈中隔欠損症(aortopulmonary s
eptal defect)、心内膜床欠損症、リュタンバッシェ症候群、ファ
ロー三徴症、心室心中隔欠損症(ventricular heart sep
tal defects))が挙げられる。
【0557】 心臓血管障害としてはまた、不整脈、カルチノイド心臓病、高心拍出量(hi
gh cardiac output)、低心拍出量(low cardiac
output)、心タンポナーデ(cardiac tamponade)、
心内膜炎(細菌性を含む)、心臓動脈瘤、心停止、うっ血性心不全、うっ血性心
筋症、発作性呼吸困難、心臓水腫、心肥大、うっ血性心筋症、左心室肥大、右心
室肥大、梗塞後心破裂、心室中隔破裂、心臓弁疾患、心筋疾患、心筋虚血、心内
膜液浸出、心外膜炎(梗塞性および結核性を含む)、気心膜症、心膜切開後症候
群、右心障害、リウマチ性心疾患、心室機能不全、充血、心臓血管妊娠合併症(
cardiovascular pregnancy complicatio
ns)、シミター症候群、心血管梅毒、および心血管結核(cardiovas
cular tuberculosis)のような心臓病が挙げられる。
【0558】 不整脈としては、洞性不整脈、心房性細動、心房粗動、徐脈、期外収縮、アダ
ムズ−ストークス症候群、脚ブロック、洞房ブロック、長QT症候群、副収縮、
ローン−ギャノング−レヴァイン症候群、マヘーム型早期興奮症候群、ウルフ−
パーキンソン−ホワイト症候群、洞不全症候群、頻拍、および心室性細動が挙げ
られる。頻拍としては発作性頻拍、上室性頻拍、心室固有調律促進、房室結節性
再入頻拍、異所心房性頻拍、異所接合部頻拍、洞房結節再入頻拍、洞性頻拍、ト
ルサード・ド・ポワント、および心室性頻拍が挙げられる。
【0559】 心臓弁疾患としては、大動脈弁機能不全症、大動脈弁狭窄症、心雑音(hea
r murmurs)、大動脈弁逸脱症、僧帽弁逸脱症、三尖弁逸脱症、僧帽弁
機能不全、僧帽弁狭窄症、肺動脈弁閉鎖症、肺動脈弁機能不全、肺動脈弁狭窄症
、三尖閉鎖症、三尖弁機能不全、および三尖弁狭窄症が挙げられる。
【0560】 心筋疾患としては、アルコール性心筋症、うっ血性心筋症、肥大型心筋症、弁
下部性大動脈狭搾症、弁下部性肺動脈狭搾症、拘束型心筋症、シャーガス心筋症
、心内膜線維弾性症、心内膜心筋線維症、キーンズ症候群、心筋再灌流障害、お
よび心筋炎が挙げられる。
【0561】 心筋性虚血としては、狭心症、冠動脈瘤、冠動脈硬化、冠動脈血栓症、冠動脈
血管痙攣、心筋梗塞、および心筋気絶(myocardial stunnin
g)のような冠動脈障害が挙げられる。
【0562】 心臓血管疾患としてはまた、動脈瘤、血管形成異常、血管腫症、細菌性血管腫
症、ヒッペル−リンダラ疾患、クリペル−トルノネー−ウェーバー症候群、スタ
ージ−ウェーバー症候群、血管運動神経性水腫、大動脈障害、高安動脈炎、大動
脈炎、ルリーシュ症候群、動脈閉塞障害、動脈炎、動脈内膜炎(enarter
itis)、結節性多発性動脈炎、脳血管障害、糖尿病性血管障害、糖尿病性網
膜症、塞栓症、血栓症、先端紅痛症、痔、肝静脈閉塞障害、高血圧、低血圧、虚
血、末梢血管障害、静脈炎、肺静脈閉塞障害、レーノー病、CREST症候群、
網膜静脈閉塞、シミター症候群、上大静脈症候群、毛細血管拡張症、毛細血管拡
張性運動失調、遺伝性出血性毛細管拡張症、精索静脈瘤、拡張蛇行静脈、静脈瘤
性潰瘍、脈管炎、および静脈機能不全のような血管障害が挙げられる。
【0563】 動脈瘤としては、解離性動脈瘤、偽動脈瘤、感染した動脈瘤、破裂した動脈瘤
、大動脈性動脈瘤、大脳性動脈瘤、冠動脈瘤、心動脈瘤、および腸骨性動脈瘤が
挙げられる。
【0564】 動脈閉塞障害としては、動脈硬化症、間欠性跛行、頸動脈狭窄症、線維筋性形
成異常、腸間膜性血管閉塞、モヤモヤ病、腎動脈閉塞、網膜動脈閉塞、および閉
塞性血栓性血管炎が挙げられる。
【0565】 脳血管障害としては、頸動脈障害、脳のアミロイド血管症、大脳動脈瘤、大脳
無酸素症、大脳動脈硬化、大脳動静脈先天異常、大脳動脈障害、大脳の閉塞症お
よび血栓症、頸動脈血栓症、洞血栓症、ヴァレンベルク症候群、大脳出血、硬膜
上血腫、硬膜下血腫、クモ膜下出血(subaraxhnoid hemorr
hage)、大脳梗塞、大脳虚血(一過性を含む)、鎖骨下動脈盗血症候群、室
周白軟化症(periventricular leukomalacia)、
血管性頭痛、群発性頭痛、片頭痛、ならびに椎骨基部(vertebrobas
ilar)機能不全が挙げられる。
【0566】 塞栓症としては、空気塞栓症、羊水塞栓症、コレステロール塞栓症、爪先チア
ノーゼ症候群、脂肪塞栓症、肺動脈塞栓症、および血栓塞栓症が挙げられる。血
栓症としては、冠状動脈血栓症、肝静脈血栓症、網膜静脈閉塞、頸動脈血栓症、
洞血栓症、ヴァレンベルク症候群、および血栓性静脈炎が挙げられる。
【0567】 虚血としては、大脳虚血、虚血性大腸炎、区画症候群、前区画症候群、心筋虚
血、再灌流傷害、および末梢四肢虚血が挙げられる。脈管炎としては、大動脈炎
、動脈炎、ベーチェット(Behcet)症候群、チャーグ−ストラウス症候群
、皮膚粘膜リンパ節症候群、閉塞性血栓性血管炎、過敏性血管炎、シェーンライ
ン紫斑病(Schoenlein−Henoch purpura)、アレルギ
ー性皮膚血管炎およびヴェーゲナー肉芽腫症が挙げられる。
【0568】 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニストもしくは
アンタゴニストは、危険な四肢虚血および冠状動脈疾患の処置に対して特に有効
である。
【0569】 ポリペプチドは、当該分野で公知である任意の方法を使用して投与され得、送
達部位における直接的針注射、静脈内注射、局所投与、カテーテル注入、バイオ
リスティック(biolistic)注射、粒子加速器、ゲルフォームスポンジ
デポー、他の市販デポー物質、浸透圧ポンプ、経口または坐剤の固形薬学的処方
物、手術中のデカンティングまたは局所適用、エアロゾル送達という方法が挙げ
られるが、これらに限定されない。そのような方法は当該分野で公知である。本
発明のポリペプチドは、下記により詳細に記載される、治療剤の一部として投与
され得る。本発明のポリヌクレオチド送達の方法は本明細書中にてより詳細に記
載される。
【0570】 (抗新脈管形成活性) 新脈管形成の内因性の刺激因子およびインヒビターとの間の天然に生じる平衡
は、阻害影響が優勢する平衡である。Rastinejadら、Cell 56
:345〜355(1989)。新生血管形成が正常な生理学的条件下において
生じるまれな場合(例えば、創傷治癒、器官再生、胚発生、および雌性生殖プロ
セス)において、新脈管形成は、厳密に調節され、そして空間的および時間的に
定められる。病的な新脈管形成の条件(例えば、固形腫瘍増殖を特徴付ける)下
において、これらの調節コントロールはできない。調節されていない新脈管形成
は病的になり、そして多くの新生物性疾患および非新生物性疾患の進行を維持す
る。多くの重篤な疾患は、固形腫瘍の増殖および転移、関節炎、いくつかの型の
眼の障害、および乾癬を含む、異常な新生血管形成により支配される。例えば、
Mosesら、Biotech.9:630〜634(1991);Folkm
anら、N.Engl.J.Med.、333:1757〜1763(1995
);Auerbachら、J.Microvasc.Res.29:401〜4
11(1985);Folkman、Advances in Cancer
Research、KleinおよびWeinhouse編、Academic
Press、New York、175〜203頁(1985);Patz、
Am.J.Opthalmol.94:715〜743(1982);およびF
olkmanら、Science 221:719〜725(1983)による
概説を参照のこと。多くの病的状態において、新脈管形成のプロセスは、その疾
患状態に寄与する。例えば、固形腫瘍の増殖が新脈管形成に依存することを示唆
する有意なデータが蓄積されている。FolkmanおよびKlagsbrun
、Sceince 235:442〜447(1987)。
【0571】 本発明は、本発明のポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチド、ならびに
本発明のアゴニストまたはアンタゴニストの投与による新生血管形成に関連する
疾患または障害の処置を提供する。本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチ
ド、またはアゴニストもしくはアンタゴニストを用いて処置し得る悪性状態およ
び転移性状態には、本明細書に記載の悪性疾患、固形腫瘍、および癌、ならびに
当該分野で公知の他のもの(このような障害の総説については、Fishman
ら、Medicine、第2版、J.B.Lippincott Co.,Ph
iladelphia(1985)を参照のこと)が挙げられるが、これらに限
定されない。従って、本発明は、治療有効量の、本発明のポリヌクレオチド、ポ
リペプチド、アンタゴニストおよび/またはアゴニストをそれの必要な個体に投
与する工程を包含する、新脈管形成関連疾患および/または障害の処置の方法を
提供する。例えば、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、アンタゴニストおよび/
またはアゴニストは、癌または腫瘍を治療的に処置するために、種々のさらなる
方法で利用され得る。ポリヌクレオチド、ポリペプチド、アンタゴニストおよび
/またはアゴニストで処置され得る癌としては、前立腺癌、肺癌、乳癌、卵巣癌
、胃癌、膵臓癌、喉頭癌、食道癌、精巣癌、肝臓癌、耳下腺癌、胆管癌、結腸癌
、直腸癌、頸部癌、子宮癌、子宮内膜癌、腎臓癌、膀胱癌、甲状腺癌を含む固形
腫瘍;原発性腫瘍および転移;黒色腫;グリオブラストーマ;カポージ肉腫;平
滑筋肉腫;非小細胞肺癌;結腸直腸癌;進行性(advanced)悪性疾患;
および血液から生じる腫瘍(例えば、白血病)が挙げられるが、これらに限定さ
れない。例えば、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、アンタゴニストおよび/ま
たはアゴニストは、皮膚癌、頭頸部腫瘍、***腫瘍およびカポージ肉腫のような
癌を処置するために、局所送達され得る。
【0572】 なお他の局面において、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、アンタゴニストお
よび/またはアゴニストは、例えば膀胱内投与によって膀胱癌の表面形態を処置
するために利用され得る。ポリヌクレオチド、ポリペプチド、アンタゴニストお
よび/またはアゴニストは、腫瘍に直接的に、または注射もしくはカテーテルを
介して腫瘍部位付近に送達され得る。当然のことながら、当業者が理解するよう
に、適切な投与様式は、処置されるべき癌によって変化する。他の送達様式は本
明細書中において議論される。
【0573】 ポリヌクレオチド、ポリペプチド、アンタゴニストおよび/またはアゴニスト
は、癌に加えて、他の障害(新脈管形成を含む)を処置する際に有用であり得る
。これらの障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:良性腫
瘍(例えば、血管腫、聴神経腫、神経線維腫、トラコーマ、および化膿性肉芽腫
);動脈硬化プラーク;眼の脈管形成疾患(例えば、糖尿病性網膜症、未熟網膜
症、黄斑変性、角膜移植拒絶、血管新生緑内障、水晶体後線維増殖、ルベオーシ
ス、網膜芽細胞腫、ブドウ膜炎(uvietis)および眼の翼状片(Pter
ygia)(異常な血管増殖));慢性関節リウマチ;乾癬;遅延型創傷治癒;
子宮内膜症;脈管形成;顆粒化;過形成性瘢痕(ケロイド);偽関節骨折;強皮
症;トラコーマ;血管接着;心筋の新脈管形成;冠状側副枝(coronary
collaterals);大脳側副枝;動静脈奇形;虚血性四肢新脈管形成
;オースラー−ウェーバー(Osler−Webber)症候群;プラーク新生
血管形成;毛細血管拡張症;血友病性関節;血管線維腫;線維筋性形成異常;創
傷顆粒化;クローン病;およびアテローム性動脈硬化症。
【0574】 例えば、本発明の1つの局面において、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプ
チド、アンタゴニストおよび/またはアゴニストを過形成性瘢痕またはケロイド
に投与する工程を包含する、過形成性瘢痕およびケロイドを処置するための方法
が提供される。
【0575】 本発明の1つの実施形態において、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、アンタ
ゴニストおよび/またはアゴニストは、過形成性瘢痕またはケロイドに、これら
の病変の進行を妨げるために直接注射される。この治療は、過形成性瘢痕および
ケロイド(例えば、やけど)の発生を生じることが知られている状態の予防処置
において特に価値があり、そして好ましくは、増殖期が進行する時間(最初の傷
害の約14日後)を有した後であるが、過形成性瘢痕またはケロイドの発生の前
に開始される。上述のように、本発明はまた、眼の新生血管形成疾患(例えば、
角膜新生血管形成、血管新生緑内障、増殖性糖尿病網膜症、水晶体後線維増殖お
よび黄斑変性を含む)を処置するための方法を提供する。
【0576】 さらに、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチド(アゴニストおよび/
またはアンタゴニストを含む)を用いて処置され得る新生血管形成に関連する眼
の障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:血管新生緑内障
、糖尿病網膜症、網膜芽細胞腫、水晶体後線維増殖症、ブドウ膜炎、未熟児網膜
症、黄斑変性、角膜移植新生血管形成、ならびに他の眼の炎症性疾患、眼の腫瘍
、および脈絡膜または虹彩の新生血管形成に関連する疾患。例えば、Waltm
anら、Am.J.Ophthal.85:704〜710(1978)および
Gartnerら、Surv.Ophthal.22:291〜312(197
8)による総説を参照のこと。
【0577】 従って、本発明の1つの局面において、治療有効量の化合物(上記)を患者に
対して、血管の形成が阻害されるように角膜に投与する工程を包含する、角膜新
生血管形成(角膜移植新生血管形成を含む)のような眼の新生血管形成疾患を処
置するための方法が提供される。簡潔には、角膜は、通常には血管を欠く組織で
ある。しかし、特定の病的状態において、毛細血管は、縁の角膜周囲脈管叢から
角膜に伸長し得る。角膜が血管化されるようになる場合、角膜はまた混濁される
ようになり、患者の視力の衰えを生じる。角膜が完全に不透明になる(opac
itate)場合に、視力喪失が完全になり得る。広範な種々の障害は、例えば
、以下を含む角膜新生血管形成を生じ得る:角膜感染(例えば、トラコーマ、単
純ヘルペス角膜炎、リーシュマニア症およびオンコセルカ症)、免疫学的プロセ
ス(例えば、移植片拒絶およびスティーヴンズ−ジョンソン症候群)、アルカリ
やけど、外傷、炎症(任意の原因による)、毒性および栄養欠乏状態、ならびに
コンタクトレンズを装着することの合併症として。
【0578】 特に好ましい実施形態において、本発明は、生理食塩水(眼に用いる調製物に
おいて一般に使用される任意の保存剤および抗菌剤と組合せて)中で局所投与の
ために調製され、そして点眼剤形態で投与され得る。溶液または懸濁液は、純粋
な形態で調製され、そして1日に数回投与され得る。あるいは、上記のように調
製される抗脈管形成組成物はまた、角膜に直接投与され得る。好ましい実施形態
において、抗脈管形成組成物は、角膜に結合する粘膜接着性ポリマーとともに調
製される。さらなる実施形態において、抗脈管形成因子または抗脈管形成組成物
は、従来のステロイド治療に対する補助剤として利用され得る。局所治療はまた
、脈管形成応答(例えば、化学的やけど)を誘導する高い可能性を有することが
公知の角膜病変において予防的に有用であり得る。これらの場合において、処置
(おそらくステロイドと組み合わされる)は、その後の合併症を予防するのを補
助するために直ちに開始され得る。
【0579】 他の実施形態において、上記の化合物は、角膜支質に直接、顕微鏡の案内の下
で眼科医によって注入され得る。好ましい注射部位は、個々の病巣の形態で変化
し得るが、投与の目標は、脈管構造の前進している面に組成物を置くこと(すな
わち、血管と正常な角膜との間に分散される)である。ほとんどの場合において
、これは、前進している血管から角膜を「防御」するための縁周囲(peril
imbic)角膜注射を含む。この方法はまた、角膜新生血管形成を予防的に防
ぐために、角膜傷害の直後に利用され得る。この状況において、この物質は、角
膜病巣とその所望されない潜在的な血液供給の縁との間に分散して縁周囲角膜に
注射され得る。このような方法はまた、類似の様式で、移植された角膜の毛細血
管浸潤を予防するために利用され得る。徐放形態において、注入は、1年に2〜
3回のみ必要とされ得る。ステロイドもまた、注入溶液に添加され、その注射自
体から生じる炎症を低減し得る。
【0580】 本発明の別の局面において、患者に、血管の形成を阻害するように、治療有効
量のポリヌクレオチド、ポリペプチド、アンタゴニストおよび/またはアゴニス
トを眼に投与する工程を包含する、血管新生緑内障を処置するための方法が提供
される。1つの実施形態において、化合物は、血管新生緑内障の早期形態を処置
するために、眼に局所投与され得る。他の実施形態において、化合物は、前方角
(anterior chamber angle)の領域に注入によって移植
され得る。他の実施形態において、化合物はまた、化合物が眼房水に連続的に放
出されるように、任意の位置に置かれ得る。本発明の別の局面において、患者に
、血管の形成が阻害されるように、治療有効量のポリヌクレオチド、ポリペプチ
ド、アンタゴニストおよび/またはアゴニストを眼に投与する工程を包含する、
増殖性糖尿病性網膜症を処置するための方法が提供される。
【0581】 本発明の特に好ましい実施形態において、増殖性糖尿病性網膜症は、網膜にお
けるポリヌクレオチド、ポリペプチド、アンタゴニストおよび/またはアゴニス
トの局所濃度を増加させるために、眼房水または硝子体への注入によって処置さ
れ得る。好ましくは、この処置は、光凝固を必要とする重篤な疾患の獲得の前に
開始されるべきである。
【0582】 本発明の別の局面において、血管の形成が阻害されるように、患者に、治療有
効量のポリヌクレオチド、ポリペプチド、アンタゴニストおよび/またはアゴニ
ストを眼に投与する工程を包含する、水晶体後線維増殖症を処置するための方法
が提供される。化合物は、硝子体内注射を介して、および/または眼内移植を介
して局所投与され得る。
【0583】 さらに、このポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニストおよび/またはア
ゴニストで処置され得る障害としては、以下が挙げられるが、それらに限定され
ない:血管腫、関節炎、乾癬、血管線維腫、アテローム性プラーク、遅延型創傷
治癒、顆粒化、血友病性関節、過形成性瘢痕、偽関節骨折、オースラー−ウェー
バー(Osler−Weber)症候群、化膿性肉芽腫、強皮症、トラコーマ、
および血管接着。
【0584】 さらに、このポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニストおよび/またはア
ゴニストで処置され得る障害および/または状態としては、以下が挙げられるが
、それらに限定されない:固形腫瘍、血液由来の(blood born)腫瘍
(例えば、白血病)、腫瘍転移、カポージ肉腫、良性腫瘍(例えば、血管腫、聴
神経腫、神経線維腫、トラコーマ、および化膿性肉芽腫)、慢性関節リウマチ、
乾癬、眼の脈管形成疾患(例えば、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、黄斑変性、
角膜移植拒絶、血管新生緑内障、水晶体後線維増殖症、ルベオーシス、網膜芽細
胞腫、およびブドウ膜炎(uvietis))、遅延型創傷治癒、子宮内膜症、
脈管形成、顆粒化、過形成性瘢痕(ケロイド)、偽関節骨折、強皮症、トラコー
マ、血管接着、心筋の新脈管形成、冠状側副枝(coronary colla
terals)、大脳側副枝、動静脈奇形、虚血性四肢新脈管形成、オースラー
−ウェーバー症候群、プラーク新生血管形成、毛細血管拡張症、血友病性関節、
血管線維腫、線維筋性形成異常、創傷顆粒化、クローン病、アテローム性動脈硬
化症、産児制限薬剤(月経を制御する、胎芽着床のために必要な血管新生を予防
することによる)、病原性の結果(例えば、ネコ引っかき病(Rochele
minalia quintosa)、潰瘍(Helicobacter py
lori)、バルトネラ症および細菌性血管腫症状)のような新脈管形成を有す
る疾患。
【0585】 出産制限方法の1つの局面において、胎芽着床をブロックするに十分な化合物
の量は、***および受精が起こる前またはその後に投与され、従って産児制限の
有効な方法、おそらく「事後用(morning after)」方法を提供す
る。ポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニストおよび/またはアゴニストは
また、月経を制御することにおいて使用され得るか、または子宮内膜症の処置に
おける腹膜洗浄液として、もしくは腹膜移植のためのいずれかで投与され得る。
【0586】 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニストおよび/またはアゴニ
ストは、縫合(stitch)肉芽腫を予防するために、外科縫合に組み込まれ
得る。
【0587】 ポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニストおよび/またはアゴニストは、
広範な種々の外科手順において利用され得る。例えば、本発明の1つの局面にお
いて、組成物(例えば、スプレーまたはフィルムの形態において)は、悪性組織
から正常な周囲の組織を分離するため、そして/または周囲の組織への疾患の広
がりを予防するために、腫瘍の除去の前に、領域をコートまたはスプレーするた
めに利用され得る。本発明の他の局面において、組成物(例えば、スプレーの形
態において)は、腫瘍をコートするため、または所望の場所において新脈管形成
を阻害するために、内視鏡手順を介して送達され得る。本発明のなお他の局面に
おいて、本発明の抗脈管形成組成物でコートされている外科メッシュが、外科メ
ッシュが利用され得る任意の手順において利用され得る。例えば、本発明の1つ
の実施形態において、抗脈管形成組成物を有した外科メッシュレーデン(lad
en)は、構造に対する支持を提供するため、そして一定の量の抗脈管形成因子
を放出するために、腹部癌切除手術の間(例えば、結腸切除の後)に利用され得
る。
【0588】 本発明のさらなる局面において、癌の局所的再発およびその部位での新しい血
管の形成が阻害されるように、切除後にポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴ
ニストおよび/またはアゴニストを腫瘍の切除縁に投与する工程を包含する、腫
瘍切除部位を処置するための方法が提供される。本発明の1つの実施形態におい
て、抗脈管形成化合物は、腫瘍切除部位に直接投与される(例えば、塗布、ブラ
ッシング(brushing)、または他の方法で抗脈管形成化合物で腫瘍の切
除縁をコートすることによって適用される)。あるいは、抗脈管形成化合物は、
投与前に公知の外科ペーストに組み込まれ得る。本発明の特に好ましい実施形態
において、抗脈管形成化合物は、悪性疾患についての肝切除後および神経外科手
術後に適用される。
【0589】 本発明の1つの局面において、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニスト
および/またはアゴニストは、広範な種々の腫瘍(例えば、***腫瘍、結腸腫瘍
、脳腫瘍および肝腫瘍を含む)の切除縁に投与され得る。例えば、本発明の1つ
の実施形態において、抗脈管形成化合物は、切除後に、神経学的腫瘍の部位に、
その部位での新しい血管の形成が阻害されるように投与され得る。
【0590】 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニストおよび/またはアゴニ
ストはまた、他の抗脈管形成因子とともに投与され得る。他の抗脈管形成因子の
代表的な例としては以下が挙げられる:抗侵襲性因子、レチノイン酸およびその
誘導体、パクリタキセル、スラミン、メタロプロテイナーゼ−1の組織インヒビ
ター、メタロプロテイナーゼ−2の組織インヒビター、プラスミノーゲン活性化
インヒビター−1、プラスミノーゲン活性化インヒビター−2および種々の形態
のより軽い「d群」遷移金属。
【0591】 より軽い「d群」遷移金属には、例えばバナジウム、モリブデン、タングステ
ン、チタン、ニオブおよびタンタル種が挙げられる。そのような遷移金属種は、
遷移金属錯体を形成し得る。上記の遷移金属種の適切な錯体としては、オキソ遷
移金属錯体が挙げられる。
【0592】 バナジウム錯体の代表的な例としては、バナデート錯体およびバナジル錯体の
ようなオキソバナジウム錯体が挙げられる。適切なバナデート錯体としては、例
えばメタバナジン酸アンモニウム、メタバナジン酸ナトリウムおよびオルトバナ
ジン酸ナトリウムのようなメタバナデート錯体およびオルトバナデート錯体が挙
げられる。適切なバナジル錯体としては、例えばバナジルアセチルアセトネート
および硫酸バナジル(硫酸バナジル一水和物および硫酸バナジル三水和物のよう
な硫酸バナジル水和物を含む)が挙げられる。
【0593】 タングステン錯体およびモリブデン錯体の代表的な例としてはまた、オキソ錯
体が挙げられる。適切なオキソタングステン錯体としては、タングステート錯体
およびタングステンオキシド錯体が挙げられる。適切なタングステート錯体とし
ては、タングステン酸アンモニウム、タングステン酸カルシウム、タングステン
酸ナトリウム二水和物およびタングステン酸が挙げられる。適切なタングステン
オキシドとしては、タングステン(IV)オキシドおよびタングステン(VI)
オキシドが挙げられる。適切なオキソモリブデン錯体としては、モリブデート、
モリブデンオキシドおよびモリブデニル錯体が挙げられる。適切なモリブデート
錯体としては、モリブデン酸アンモニウムおよびその水和物、モリブデン酸ナト
リウムおよびその水和物、ならびにモリブデン酸カリウムおよびその水和物が挙
げられる。適切なモリブデンオキシドとしては、モリブデン(VI)オキシド、
モリブデン(VI)オキシドおよびモリブデン酸が挙げられる。適切なモリブデ
ニル錯体としては、例えばモリブデニルアセチルアセトネートが挙げられる。他
の適切なタングステン錯体およびモリブデン錯体としては、例えばグリセロール
、酒石酸および糖由来のヒドロキソ誘導体が挙げられる。
【0594】 広範な種々の他の抗脈管形成因子もまた、本発明の状況において利用され得る
。代表的な例としては、血小板第4因子;硫酸プロタミン;硫酸化(sulph
ated)キチン誘導体(ズワイガニ(queen crab)の甲羅から調製
される)(Murataら、Cancer Res.51:22〜26、199
1);硫酸化ポリサッカライドペプチドグリカン複合体(SP−PG)(この化
合物の機能は、エストロゲンのようなステロイドおよびクエン酸タモキシフェン
の存在によって増強され得る);スタウロスポリン;マトリクス代謝のモジュレ
ーター(例えば、プロリンアナログ、シスヒドロキシプロリン、d,L−3,4
−デヒドロプロリン、チアプロリン、α,α−ジピリジル、アミノプロピオニト
リルフマレートが挙げられる);4−プロピル−5−(4−ピリジニル)−2(
3H)−オキサゾロン;メトトレキサート;ミトザントロン;ヘパリン;インタ
ーフェロン;2マクログロブリン−血清;ChIMP−3(Pavloffら、
J.Bio.Chem.267:17321−17326,1992);キモス
タチン(Tomkinsonら、Biochem J.286:475−480
,1992);シクロデキストリンテトラデカスルフェート;エポネマイシン(
Eponemycin);カンプトテシン(Camptothecin);フマ
ギリン(Ingberら、Nature 348:555−557,1990)
;チオリンゴ酸金ナトリウム(「GST」;MatsubaraおよびZiff
,J.Clin.Invest.79:1440−1446,1987);抗コ
ラーゲナーゼ−血清;α2−抗プラスミン(Holmesら、J.Biol.C
hem.262(4):1659−1664,1987);ビサントレン(Na
tional Cancer Institute);ロベンザリット二ナトリ
ウム(N−(2)−カルボキシフェニル−4−クロロアントロニル酸(chlo
roanthronilic acid)二ナトリウムまたは「CCA」;Ta
keuchiら、Agents Actions 36:312−316,19
92);サリドマイド;アンゴスタティックステロイド(Angostatic
steroid);AGM−1470;カルボキシンアミノルミダゾール(c
arboxynaminolmidazole);およびメタロプロテイナーゼ
インヒビター(例えば、BB94)が挙げられる。
【0595】 (細胞レベルでの疾患) 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、および/またはアンタゴニ
ストもしくはアゴニストによって処置または検出され得る細胞生存の増大あるい
はアポトーシスの阻害に関連する疾患には、癌(例えば、濾胞性リンパ腫、p5
3変異を有する癌腫、およびホルモン依存性腫瘍、これらは以下:結腸癌、心臓
腫瘍、膵臓癌、黒色腫、網膜芽細胞腫、神経膠芽細胞腫、肺癌、腸の癌、精巣癌
、胃癌、神経芽細胞腫、粘液腫、筋腫、リンパ腫、内皮腫、骨芽細胞腫、骨巨細
胞腫、骨肉腫、軟骨肉腫、腺腫、乳癌、前立腺癌、カポージ肉腫および卵巣癌を
含むが、これらに限定されない);自己免疫障害(例えば、多発性硬化症、シェ
ーグレン症候群、橋本甲状腺炎、胆汁性肝硬変、ベーチェット病(Behcet
’s disease)、クローン病、多発性筋炎、全身性エリテマトーデスお
よび免疫関連糸球体腎炎ならびに慢性関節リウマチ)およびウイルス感染(例え
ば、ヘルペスウイルス、ポックスウイルスおよびアデノウイルス)、炎症、対宿
主性移植片病、急性移植片拒絶、ならびに慢性移植片拒絶、が挙げられる。好ま
しい実施形態において、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、およ
び/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、特に上記に列挙される、癌の
増殖、進行、および/または転移(metasis)を阻害するために使用され
る。
【0596】 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニストもしくは
アンタゴニストによって処置あるいは検出され得る細胞生存の増大に関連するさ
らなる疾患または状態には、悪性疾患の進行および/または転移ならびに以下の
ような関連する障害が挙げられるが、これらに限定されない:白血病(急性白血
病(例えば、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病(骨髄芽球性、前骨髄球性
、骨髄単球性、単球性および赤白血病を含む)を含む)ならびに慢性白血病(例
えば、慢性骨髄性(顆粒球性)白血病および慢性リンパ球性白血病))、真性赤
血球増加症、リンパ腫(例えば、ホジキン病および非ホジキン病)、多発性骨髄
腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、H鎖病、ならびに固形腫瘍(
肉腫および癌腫(例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉
腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫(endotheliosarcoma)、リ
ンパ管肉腫、リンパ管内皮腫、骨膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、
横紋筋肉腫、結腸癌腫、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細
胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気
管支原生癌、腎細胞癌、肝細胞癌腫、胆管癌、絨毛癌、セミノーマ、胎生期癌、
ウィルムス腫瘍、頸部癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経
膠腫、神経膠星状細胞腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、脳室上衣細胞腫、松果体腫
、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫(menangioma)
、黒色腫、神経芽細胞腫、および網膜芽細胞腫)を含むが、これらに限定されな
い)。
【0597】 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、および/またはアゴニスト
もしくはアンタゴニストによって処置あるいは検出され得るアポトーシスの増大
に関連する疾患には、以下が挙げられる:AIDS;神経変性障害(例えば、ア
ルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、色素性網膜炎、小脳変
性および脳腫瘍または以前に関連した疾患);自己免疫障害(例えば、多発性硬
化症、シェーグレン症候群、橋本甲状腺炎、胆汁性肝硬変、ベーチェット病(B
ehcet’s disease)、クローン病、多発性筋炎、全身性エリテマ
トーデスおよび免疫関連糸球体腎炎ならびに慢性関節リウマチ)、脊髄形成異常
症候群(例えば、再生不良性貧血)、対宿主性移植片病、虚血性傷害(心筋梗塞
、発作および再灌流傷害によって生じるようなもの)、肝臓傷害(例えば、肝炎
関連肝臓傷害、虚血/再灌流傷害、胆汁うっ滞(cholestosis)(胆
管傷害)および肝臓癌);毒物誘導性肝臓疾患(アルコールによって引き起こさ
れるようなもの)、敗血症性ショック、悪液質ならびに食欲不振。
【0598】 (創傷治癒および上皮細胞増殖) 本発明のなおさらなる局面に従って、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリ
ペプチド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストを、治療目的のた
め、例えば、創傷治癒の目的のために上皮細胞増殖および基底ケラチノサイトを
刺激するため、ならびに毛包産生および皮膚創傷の治癒を刺激するために、利用
するためのプロセスが提供される。本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチ
ド、ならびにアゴニストまたはアンタゴニストは、以下を含む創傷治癒を刺激す
ることにおいて臨床的に有用であり得る:外科的創傷、切除の創傷、深い創傷(
真皮および表皮の損傷を含む)、眼組織の創傷、歯の組織の創傷、口腔の創傷、
糖尿病性潰瘍、皮膚の潰瘍、肘の潰瘍、動脈性の潰瘍、静脈うっ滞潰瘍、熱への
曝露または化学物質による熱傷、および他の異常な創傷治癒状態(例えば、尿毒
症、栄養失調、ビタミン欠乏、ならびにステロイド、放射能療法および抗腫瘍性
薬物および代謝拮抗物質を用いる全身性処置に関連する合併症。本発明のポリヌ
クレオチドもしくはポリペプチド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴ
ニストは、皮膚の欠失後の皮膚の回復を促進するために使用され得る。
【0599】 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、および/またはアゴニスト
もしくはアンタゴニストは、創傷床(wound bed)への皮膚移植片の付
着を増大するため、および創傷床からの再上皮形成を刺激するために使用され得
る。以下は、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド、アゴニストまたは
アンタゴニストが創傷床への付着を増大するために使用され得る、移植片の非網
羅的列挙である:自家移植片、人工皮膚、同種移植片(allograft)、
自己植皮片、自己表皮移植片(autoepdermic graft)、無血
管性(avacular)移植片、ブレア−ブラウン移植片、骨移植片、胚胎組
織移植片、真皮移植片、遅延移植片、皮膚移植片、表皮移植片、筋膜移植片、全
層皮膚移植片、異種移植片(heterologous graft)、異種移
植片(xenograft)、同種移植片(homologous graft
)、増殖性移植片、層板状の移植片、網状移植片、粘膜移植片、オリエ−ティー
ルシュ移植片、大網移植片(omenpal graft)、パッチの移植片、
茎状移植片、全層移植片(penetrating graft)、分層植皮片
、分層皮膚移植片。本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、および/
またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、皮膚の強度を助長するため、およ
び高齢の皮膚の外見を改善するために使用され得る。
【0600】 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、および/またはアゴニスト
もしくはアンタゴニストはまた、肝細胞増殖、ならびに肺、***、膵臓、胃、小
腸(small intesting)、および大腸における上皮細胞増殖にお
ける変化を生じると考えられる。本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、上皮細胞(例えば、
皮脂細胞(sebocyte)、毛包、肝実質細胞、肺胞上皮細胞II型(ty
pe II pneumocyte)、ムチン産生杯細胞、および他の上皮細胞
、ならびに皮膚、肺、肝臓、および胃腸管内に含まれるそれらの先祖)の増殖を
促進し得る。本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、および/または
アゴニストもしくはアンタゴニストは、内皮細胞、ケラチノサイト、および基底
ケラチノサイトの増殖を促進し得る。
【0601】 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、および/またはアゴニスト
もしくはアンタゴニストはまた、照射、化学療法処置またはウイルス感染から生
じる腸の毒性の副作用を低減するために使用され得る。本発明のポリヌクレオチ
ドもしくはポリペプチド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは
、小腸粘膜上で細胞保護的な効果を有し得る。本発明のポリヌクレオチドもしく
はポリペプチド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストはまた、化
学療法およびウイルス感染から生じる粘膜炎(mucositis)(口粘膜)
の治癒を刺激し得る。
【0602】 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、および/またはアゴニスト
もしくはアンタゴニストは、熱傷を含む、完全なおよび部分的な厚さの皮膚欠損
における皮膚の十分な再生(すなわち、毛包、汗腺、および皮脂腺の再増殖)、
乾癬のような他の皮膚欠損の処置においてさらに使用され得る。本発明のポリヌ
クレオチドもしくはポリペプチド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴ
ニストは、表皮水疱症、これらの損傷の再上皮形成を促進することによる頻繁な
開放性かつ疼痛性の水疱を生じる内在的な真皮への表皮の接着における欠損を処
置するために使用され得る。本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、
および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストはまた、胃潰瘍および十二指
腸潰瘍を処置し、そして粘膜の内層の瘢痕形成ならびにより迅速な腺の粘膜およ
び十二指腸の粘膜の内層の再生による治癒を助けるために使用され得る。炎症性
腸疾患(例えば、クーロン病および潰瘍性大腸結腸炎)は、それぞれ、小腸また
は大腸の粘膜表面の崩壊を生じる疾患である。従って、本発明のポリヌクレオチ
ドもしくはポリペプチド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは
、粘膜表面の再表面化(resurfacing)を促進して、より迅速な治癒
を助けるため、および炎症性腸疾患の進行を予防するために、使用され得る。本
発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、および/またはアゴニストもし
くはアンタゴニストを用いる処置は、胃腸管全体の粘膜の産生に対して有意な効
果を有することが予測され、そして腸粘膜を、摂取されたかまたは外科手術後の
有害な物質から保護するために使用され得る。本発明のポリヌクレオチドもしく
はポリペプチド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、本発明
のポリヌクレオチドの発現下に関連する疾患を処置するために使用され得る。
【0603】 さらに、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、および/またはア
ゴニストもしくはアンタゴニストは、種々の病的状態に起因する肺への損傷を予
防および治癒するために使用され得る。本発明のポリヌクレオチドもしくはポリ
ペプチド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストのような増殖因子
は、急性または慢性の肺損傷を予防または処置するために、増殖および分化を刺
激し得、そして肺胞および気管支(brochiolar)上皮の修復を促進し
得る。例えば、気管支上皮および肺胞(aveoli)の壊死を生じる、気腫(
これは、肺胞の進行性の損失を生じる)および吸入損傷(すなわち、煙の吸入お
よび熱傷から生じる)は、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、お
よび/またはアゴニストもしくはアンタゴニストを使用して効果的に処置され得
る。また、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、および/またはア
ゴニストもしくはアンタゴニストは、肺胞上皮細胞II型の増殖および分化を刺
激するために使用され得、これは、未熟な乳児における硝子膜疾患(例えば、乳
児呼吸窮迫症候群および気管支肺異形成症)のような疾患を処置または予防する
ことを助け得る。
【0604】 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、および/またはアゴニスト
もしくはアンタゴニストは、肝実質細胞の増殖および分化を刺激し得、そして従
って、肝臓疾患および病状(例えば、肝硬変により生じる劇症肝不全、肝炎ウイ
ルスおよび毒性物質(すなわち、アセトアミノフェン、四塩化炭素(carbo
n tetraholoride)、および他の当該分野で公知の肝臓毒素)に
より生じる肝臓損傷)を緩和または処置するために使用され得る。
【0605】 さらに、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、および/またはア
ゴニストもしくはアンタゴニストは、真性糖尿病の発症を処置または予防するた
めに使用され得る。新たにI型糖尿病およびII型糖尿病と診断された患者にお
いて、いくつかの島細胞機能が残っている場合、本発明のポリヌクレオチドまた
はポリペプチド、および/またはアゴニストまたはアンタゴニストは、その疾患
の持続性の発現を緩和、遅延または予防するように、その島機能を維持するため
に使用され得る。また、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、およ
び/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、島細胞機能を改善または促進
するための島細胞移植における補助として使用され得る。
【0606】 (神経学的疾患) 本発明の組成物(例えば、ポリペプチド、ポリヌクレオチドおよび/またはア
ゴニストもしくはアンタゴニスト)を用いて処置され得る、神経系の障害として
は以下が挙げられるがこれらに限定されない:神経系の損傷、ならびに軸索の切
断、ニューロンの減少もしくは変性、または脱髄のいずれかをもたらす疾患また
は障害。本発明に従って患者(ヒト患者および非ヒト哺乳動物患者を含む)にお
いて処置され得る神経系の損傷としては、中枢神経系(脊髄、脳を含む)または
末梢神経系のいずれかの以下の損傷が挙げられるがこれらに限定されない:(1
)神経系の一部における酸素欠乏がニューロンの傷害または死をもたらす、虚血
損傷(脳梗塞もしくは脳虚血、または脊髄梗塞もしくは脊髄虚血を含む);(2
)外傷性損傷(物理的損傷によって引き起こされる損傷または手術に関連する損
傷を含む)(例えば、神経系の一部を切断する損傷または圧迫性傷害);(3)
神経系の一部が、神経系関連悪性疾患または非神経系組織に由来する悪性疾患の
いずれかである悪性組織によって破壊されているかまたは損傷を受けている、悪
性損傷;(4)神経系の一部が、例えば、膿瘍による感染の結果として破壊され
ているかもしくは損傷を受けているか、またはヒト免疫不全ウイルス、帯状疱疹
ウイルスもしくは単純疱疹ウイルスによる感染に関連しているか、またはライム
病、結核、梅毒に関連している、感染性損傷;(5)神経系の一部が、変性プロ
セス(パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンティングトン舞踏病または筋萎
縮性側索硬化症(ALS)に関連した変性を含むがこれらに限定されない)の結
果として破壊されているかまたは損傷を受けている、変性損傷;(6)神経系の
一部が、栄養性障害または代謝障害(ビタミンB12欠乏症、葉酸欠乏症、ヴェ
ルニッケ病、タバコ−アルコール弱視、マルキアファーヴァ−ビニャーミ病(脳
梁の一次変性)およびアルコール性小脳変性を含むがこれらに限定されない)に
よって破壊されているかまたは損傷を受けている、栄養性の疾患または障害に関
連した損傷;(7)全身疾患(糖尿病(糖尿病性ニューロパシー、ベル麻痺)、
全身性エリテマトーデス、癌またはサルコイドーシスを含むがこれらに限定され
ない)に関連した神経学的損傷;(8)毒性物質(アルコール、鉛または特定の
神経毒を含む)により引き起こされた損傷;ならびに(9)神経系の一部が、脱
髄疾患(多発性硬化症、ヒト免疫不全、ウイルス関連ミエロパシー、横断ミエロ
パシーまたは種々の病因、進行性多病巣性白質脳障害、橋中央ミエリン溶解を含
むがこれらに限定されない)によって破壊されているかまたは損傷を受けている
、脱髄性損傷。
【0607】 好ましい実施形態では、本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、またはア
ゴニストもしくはアンタゴニストを用いて、神経細胞を脳低酸素の損傷効果から
保護する。この実施形態によれば、本発明の組成物を用いて、脳低酸素に関連し
た神経細胞傷害を処置または予防する。この実施形態の1つの局面では、本発明
のポリペプチド、ポリヌクレオチド、またはアゴニストもしくはアンタゴニスト
を用いて、脳虚血に関連した神経細胞傷害を処置または予防する。この実施形態
の別の局面では、本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、またはアゴニスト
もしくはアンタゴニストを用いて、脳梗塞に関連した神経細胞傷害を処置または
予防する。この実施形態の別の局面では、本発明のポリペプチド、ポリヌクレオ
チド、またはアゴニストもしくはアンタゴニストを用いて、発作に関連した神経
細胞傷害を処置または予防する。この実施形態のさらなる局面では、本発明のポ
リペプチド、ポリヌクレオチド、またはアゴニストもしくはアンタゴニストを用
いて、心臓発作に関連した神経細胞傷害を処置または予防する。
【0608】 神経系の障害を処置または予防するために有用である本発明の組成物は、ニュ
ーロンの生存または分化を促進する際の生物学的活性について試験することによ
り選択され得る。例えば、そして限定ではないが、以下の効果のうちのいずれか
を誘発する本発明の組成物は、本発明に従って有用であり得る:(1)培養中の
ニューロンの増加した生存時間;(2)培養中またはインビボでのニューロンの
増加した出芽;(3)培養中またはインビボでのニューロン関連分子(例えば、
運動ニューロンに関しては、コリンアセチルトランスフェラーゼまたはアセチル
コリンエステラーゼ)の増加した産生;または(4)インビボでのニューロン機
能不全の減少した症状。このような効果は、当該分野で公知の任意の方法によっ
て測定され得る。好ましい、非限定的な実施形態では、ニューロンの増加した生
存は慣用的に、本明細書中に示されるかさもなければ当該分野で公知の方法(例
えば、Arakawaら(J.Neurosci.10:3507−3515(
1990))に示される方法など)を用いて測定され得る;ニューロンの増加し
た出芽は、当該分野で公知の方法(例えば、Pestronkら(Exp.Ne
urol.70:65−82(1980))またはBrownら(Ann.Re
v.Neurosci.4:17−42(1981))に示される方法など)に
よって検出され得る;ニューロン関連分子の増加した産生は、バイオアッセイ、
酵素アッセイ、抗体結合、ノーザンブロットアッセイなどによって、当該分野で
公知でかつ測定される分子に依存した技術を用いて測定され得る;そして運動ニ
ューロン機能不全は、運動ニューロン障害の身体的症状発現(例えば、弱いこと
、運動ニューロン伝導速度または機能的障害)を評価することにより測定され得
る。
【0609】 特定の実施形態では、本発明によって処置され得る、運動ニューロンの障害と
しては、以下のような障害が挙げられるがこれらに限定されない:梗塞、感染、
毒素への暴露、外傷、手術による損傷、運動ニューロンならびに神経系の他の成
分に影響を与え得る変性疾患または悪性疾患、ならびにニューロンに選択的に影
響を与える障害(例えば、筋萎縮側索硬化症)、そして以下を含むがこれらに限
定されない:進行性脊髄性筋萎縮症、進行性球麻痺、原発性側索硬化症、乳児性
および若年性の筋萎縮、小児期の進行性延髄麻痺(ファジオ−ロンデ(Fazi
o−Londe)症候群)、ポリオおよびポリオ後症候群(post poli
o syndrome)、ならびに遺伝性運動感覚ニューロパシー(Hered
itary Motorsensory Neuropathy)(シャルコー
−マリー−ツース病)。
【0610】 (感染性疾患) 本発明のポリペプチドもしくはポリヌクレオチド、および/またはアゴニスト
もしくはアンタゴニストは、感染因子を処置または検出するために用いられ得る
。例えば、免疫応答を上昇させることによって、特にB細胞および/またはT細
胞の増殖および分化を増加させることによって、感染性疾患が処置され得る。免
疫応答は、既存の免疫応答を増強させるか、または新たな免疫応答を開始させる
かのいずれかにより上昇し得る。あるいは、本発明のポリペプチドもしくはポリ
ヌクレオチド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストはまた、必ず
しも免疫応答を誘発することなく、感染因子を直接阻害し得る。
【0611】 ウイルスは、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドおよび/または
アゴニストもしくはアンタゴニストにより処置または検出され得る疾患または症
状を引き起こし得る感染因子の一例である。ウイルスの例としては、以下のDN
AウイルスおよびDNAウイルス科、ならびにRNAウイルスおよびRNAウイ
ルス科が挙げられるがこれらに限定されない:アルボウイルス、アデノウイルス
科、アレナウイルス科、アルテリウイルス、ビルナウイルス科、ブンヤウイルス
科、カリチウイルス科、サルコウイルス科(Circoviridae)、コロ
ナウイルス科、デング熱、EBV、HIV、フラビウイルス科、ヘパドナウイル
ス科(肝炎)、ヘルペスウイルス科(例えば、サイトメガロウイルス、単純疱疹
、帯状疱疹)、モノネガウイルス(Mononegavirus)(例えば、パ
ラミクソウイルス科、モルビリウイルス属、ラブドウイルス科)、オルソミクソ
ウイルス科(例えば、インフルエンザA、インフルエンザBおよびパラインフル
エンザ)、乳頭腫ウイルス属、パポバウイルス科、パルボウイルス科、ピコルナ
ウイルス科、ポックスウイルス科(例えば、痘瘡またはワクシニア)、レオウイ
ルス科(例えば、ロタウイルス)、レトロウイルス科(HTLV−I、HTLV
−II、レンチウイルス)、およびトガウイルス科(例えば、ルビウイルス属)
。これらの科内に入るウイルスは、以下を含むがこれらに限定されない種々の疾
患または症状を引き起こし得る:関節炎、細気管支炎(bronchiolli
tis)、RSウイルス、脳炎、眼感染症(例えば、結膜炎、角膜炎)、慢性疲
労症候群、肝炎(A型、B型、C型、E型、慢性活動性、デルタ)、日本脳炎、
フニン、チクングニヤ、リフトバレー熱、黄熱病、髄膜炎、日和見感染症(例え
ば、AIDS)、肺炎、バーキットリンパ腫、水痘、出血熱、麻疹、流行性耳下
腺炎、パラインフルエンザ、狂犬病、感冒、ポリオ、白血病、風疹、性感染症、
皮膚病(例えば、カポージ、いぼ)、およびウイルス血症。本発明のポリヌクレ
オチドもしくはポリペプチド、またはアゴニストもしくはアンタゴニストを用い
て、任意のこれらの症状または疾患が処置または検出され得る。特定の実施形態
では、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、またはアゴニストもしくはア
ンタゴニストを用いて、以下を処置する:髄膜炎、デング熱、EBV、および/
または肝炎(例えば、B型肝炎)。さらなる特定の実施形態では、本発明のポリ
ヌクレオチド、ポリペプチド、またはアゴニストもしくはアンタゴニストを用い
て、1以上の他の市販の肝炎ワクチンに対して非応答性の患者を処置する。さら
なる特定の実施形態では、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、またはア
ゴニストもしくはアンタゴニストを用いて、AIDSを処置する。
【0612】 同様に、疾患または症状を引き起こし得、かつ本発明のポリヌクレオチドもし
くはポリペプチドおよび/またはアゴニストもしくはアンタゴニストによって処
置または検出され得る、細菌性因子または真菌性因子は、以下のグラム陰性およ
びグラム陽性の細菌および細菌科ならびに真菌類を含むがこれらに限定されない
:Actinomycetales(例えば、Corynebacterium
、Mycobacterium、Norcardia)、Cryptococc
us neoformans、Aspergillosis、Bacillac
eae(例えば、Anthrax、Clostridium)、Bactero
idaceae、Blastomycosis、Bordetella、Bor
relia(例えば、Borrelia burgdorferi)、Bruc
ellosis、Candidiasis、Campylobacter、Co
ccidioidomycosis、Cryptococcosis、Derm
atocycoses、E.coli(例えば、腸毒性E.coliおよび腸出
血性E.coli)、Enterobacteriaceae(Klebsie
lla、Salmonella(例えば、Salmonella typhiお
よびSalmonella paratyphi)、Serratia、Yer
sinia)、Erysipelothrix、Helicobacter、L
egionellosis、Leptospirosis、Listeria、
Mycoplasmatales、Mycobacterium leprae
、Vibrio cholerae、Neisseriaceae(例えば、A
cinetobacter、Gonorrhea、Menigococcal)
、Meisseria meningitidis、Pasteurellac
eaの感染症(例えば、Actinobacillus、Heamophilu
s(例えば、Haemophilus influenza B型)、Past
eurella)、Pseudomonas、Rickettsiaceae、
Chlamydiaceae、Syphilis、Shigella spp.
、Staphylococcal、Meningiococcal、Pneum
ococcalおよびStreptococcal(例えば、Streptoc
occus pneumoniaeおよびB群Streptococcus)。
これらの細菌または真菌の科は、以下を含むがこれらに限定されない疾患または
症状を引き起こし得る:菌血症、心内膜炎、眼感染症(結膜炎、結核、ブドウ膜
炎)、歯肉炎、日和見感染症(例えば、AIDSに関連した感染症)、爪周囲炎
、プロテーゼ関連感染症、ライター病、気道感染症(例えば、百日咳または蓄膿
症)、敗血症、ライム病、ネコ引っ掻き病、赤痢、パラチフス熱、食中毒、腸チ
フス、肺炎、淋病、髄膜炎(例えば、A型髄膜炎およびB型髄膜炎)、クラミジ
ア、梅毒、ジフテリア、ライ病、パラ結核、結核、狼瘡、ボツリヌス中毒、壊疽
、破傷風、膿痂疹、リウマチ熱、猩紅熱、性感染病、皮膚病(例えば、蜂巣炎、
皮膚真菌症(dermatocycoses))、毒血症、***症、創傷感
染症。本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、アゴニストもしくはア
ンタゴニストを用いて、任意のこれらの症状もしくは疾患を処置または検出し得
る。特定の実施形態では、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニス
トまたはアンタゴニストを用いて以下を処置する:破傷風、ジフテリア、ボツリ
ヌス中毒および/またはB型髄膜炎。
【0613】 さらに、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドおよび/またはアゴ
ニストもしくはアンタゴニストにより処置または検出され得る疾患または症状を
引き起こす寄生生物性因子としては以下の科または綱が挙げられるがこれらに限
定されない:アメーバ症、バベシア症、コクシジウム症、クリプトスポリジウム
症、二核アメーバ症(Dientamoebiasis)、交疫、外部寄生生物
性、ジアルジア鞭毛虫症、蠕虫症、リーシュマニア症、タイレリア症、トキソプ
ラスマ症、トリパノソーマ症、およびトリコモナス属ならびに胞子虫(例えば、
Plasmodium virax、Plasmodium falcipar
ium、Plasmodium malariaeおよびPlasmodium
ovale)。これらの寄生生物は、以下を含むがこれらに限定されない種々
の疾患または症状を引き起こし得る:疥癬、ツツガムシ病、眼性感染症、腸疾患
(例えば、赤痢、ジアルジア鞭毛虫症)、肝臓疾患、肺疾患、日和見感染症(例
えば、AIDS関連)、マラリア、妊娠合併症、およびトキソプラスマ症。本発
明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニストもしくはアンタ
ゴニストを用いて、任意のこれらの症状または疾患を処置または検出し得る。特
定の実施形態では、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチドまたはアゴニスト
もしくはアンタゴニストを用いてマラリアを処置する。
【0614】 好ましくは、本発明のポリペプチドもしくはポリヌクレオチド、および/また
はアゴニストもしくはアンタゴニストを用いる処置は、患者に有効量のポリペプ
チドを投与するか、または患者から細胞を取り出して、本発明のポリヌクレオチ
ドをこの細胞に供給し、そして操作した細胞を患者に戻す(エキソビボ治療)か
のいずれかによるものであり得る。さらに、本発明のポリペプチドまたはポリヌ
クレオチドはワクチン中の抗原として用いられて、感染性疾患に対する免疫応答
を誘発し得る。
【0615】 (再生) 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドおよび/またはアゴニストも
しくはアンタゴニストを用いて、細胞を分化させ、増殖させ、そして誘引して、
組織の再生を導き得る(Science 276:59−87(1997)を参
照のこと)。組織の再生を用いて、先天性欠損、外傷(創傷、熱傷、切開、また
は潰瘍)、加齢、疾患(例えば、骨粗鬆症、変形性関節炎(osteocart
hritis)、歯周病、肝不全)、美容形成手術を含む手術、線維症、再灌流
傷害、もしくは全身性サイトカイン損傷により損傷を受けた組織を修復、置換、
または保護し得る。
【0616】 本発明を用いて再生され得る組織としては、以下が挙げられる:器官(例えば
、膵臓、肝臓、腸、腎臓、皮膚、内皮)、筋肉(平滑筋、骨格筋、または心筋)
、脈管系(脈管およびリンパ管を含む)、神経、造血、および骨格(骨、軟骨、
腱、および靭帯)の組織。好ましくは、再生は、瘢痕なく、または瘢痕が低減さ
れて生じる。再生はまた、新脈管形成を含み得る。
【0617】 さらに、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドおよび/またはアゴ
ニストもしくはアンタゴニストは、治癒するのが困難な組織の再生を増加させ得
る。例えば、腱/靭帯再生を増大させることによって、損傷後の回復時間が早ま
る。本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドおよび/またはアゴニスト
もしくはアンタゴニストはまた、損傷を回避する試みにおいて予防的に使用され
得る。処置され得る特定の疾患は、腱炎、手根管症候群、および他の腱欠損また
は靭帯欠損を含む。非治癒創傷の組織再生のさらなる例は、褥瘡性潰瘍、ならび
に脈管不全、外科的創傷、および外傷性創傷に関連する潰瘍を含む。
【0618】 同様に、神経および脳組織はまた、神経細胞を増殖および分化させるために本
発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドおよび/またはアゴニストもしく
はアンタゴニストを使用することによって再生され得る。本方法を用いて処置さ
れ得る疾患は、中枢神経系疾患および末梢神経系疾患、神経障害、または機械的
および外傷性の障害(例えば、脊髄障害、頭部外傷、脳血管疾患、および発作(
stoke))を含む。詳細には、末梢神経傷害と関連する疾患、末梢神経障害
(例えば、化学療法または他の医学的療法から生じる)、局在神経障害、および
中枢神経系疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンティングト
ン病、筋萎縮性側索硬化症、およびシャイ−ドレーガー症候群)はすべて、本発
明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドおよび/またはアゴニストもしくは
アンタゴニストを用いて処置され得る。
【0619】 (走化性) 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドおよび/またはアゴニストも
しくはアンタゴニストは、走化性活性を有し得る。走化性分子は、細胞(例えば
、単球、線維芽細胞、好中球、T細胞、肥満細胞、好酸球、上皮細胞、および/
または内皮細胞)を、身体中の特定の部位(例えば、炎症、感染、または過剰増
殖の部位)に誘引または動員する。次いで、動員された細胞は、特定の外傷また
は異常性を撃退および/または治癒し得る。
【0620】 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドおよび/またはアゴニストも
しくはアンタゴニストは、特定の細胞の走化性活性を増大させ得る。次いで、こ
れらの走化性分子を使用して、身体中の特定の位置に標的化した細胞の数を増加
させることによって、炎症、感染、過剰増殖性の障害、または任意の免疫系障害
を処置し得る。例えば、走化性分子を使用して、傷害を受けた位置に免疫細胞を
誘引することによって、組織に対する創傷および他の外傷を処置し得る。本発明
の走化性分子はまた、線維芽細胞を誘引し得、これは創傷を処置するために使用
され得る。
【0621】 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドおよび/またはアゴニストも
しくはアンタゴニストが走化性活性を阻害し得ることもまた意図される。これら
の分子はまた、障害を処置するために使用され得る。従って、本発明のポリヌク
レオチドもしくはポリペプチドおよび/またはアゴニストもしくはアンタゴニス
トは、走化性のインヒビターとして使用され得る。
【0622】 (結合活性) 本発明のポリペプチドは、ポリペプチドに結合する分子、またはポリペプチド
が結合する分子をスクリーニングするために使用され得る。ポリペプチドと分子
との結合は、結合したポリペプチドまたは分子の活性を活性化(アゴニスト)、
増大、阻害(アンタゴニスト)、または減少させ得る。そのような分子の例とし
ては、抗体、オリゴヌクレオチド、タンパク質(例えば、レセプター)、または
低分子が挙げられる。
【0623】 好ましくは、分子は、ポリペプチドの天然のリガンド(例えば、リガンドのフ
ラグメント)、または天然の基質、リガンド、構造的模倣物、もしくは機能的模
倣物に密接に関連する(Coliganら、Current Protocol
s in Immunology 1(2):第5章(1991)を参照のこと
)。同様に、分子は、ポリペプチドが結合する天然のレセプター、または少なく
ともポリペプチドによって結合され得るレセプターフラグメント(例えば、活性
部位)に密接に関連し得る。いずれの場合においても、分子は、公知の技術を用
いて合理的に設計され得る。
【0624】 好ましくは、これらの分子についてのスクリーニングは、ポリペプチドを、分
泌タンパク質としてか、または細胞膜上でのいずれかで発現する適切な細胞を産
生する工程を包含する。好ましい細胞としては、哺乳動物、酵母、Drosop
hila、またはE.coli由来の細胞が挙げられる。次いで、ポリペプチド
を発現する細胞(または、発現されたポリペプチドを含む細胞膜)は、好ましく
は、ポリペプチドまたは分子のいずれかの結合、刺激、または活性の阻害を観察
するための分子を含む可能性のある試験化合物と接触される。
【0625】 アッセイは、ポリペプチドへの候補化合物の結合を簡単に試験し得、ここで結
合は、標識によって、または標識された競合物との競合に関するアッセイにおい
て検出される。さらに、アッセイは、候補化合物がポリペプチドへの結合によっ
て生成されるシグナルを生じるか否かを試験し得る。
【0626】 あるいは、アッセイは、細胞を含まない調製物、固体支持体に接着されたポリ
ペプチド/分子、化学ライブラリー、または天然産物の混合物を用いて実施され
得る。アッセイはまた、ポリペプチドを含む溶液を候補化合物と混合する工程、
ポリペプチド/分子の活性または結合を測定する工程、およびポリペプチド/分
子の活性または結合を、標準と比較する工程を単に包含し得る。
【0627】 好ましくは、ELISAアッセイは、モノクローナル抗体またはポリクローナ
ル抗体を用いて、サンプル(例えば、生物学的サンプル)におけるポリペプチド
のレベルまたは活性を測定し得る。抗体は、ポリペプチドへの直接的もしくは間
接的な結合のいずれか、またはポリペプチドとの基質についての競合によって、
ポリペプチドのレベルまたは活性を測定し得る。
【0628】 さらに、本発明のポリペプチドが結合するレセプターは、当業者に公知の多数
の方法(例えば、リガンドパニングおよびFACS選別(Coliganら、C
urrent Protocols in Immun.,1(2)、第5章,
(1991))によって同定され得る。例えば、発現クローニングが用いられ、
そこでは、ポリアデニル化RNAが、そのポリペプチドに対して応答性の細胞(
例えば、FGFファミリータンパク質についての複数のレセプターを含有するこ
とが知られるNIH3T3細胞、およびSC−3細胞)から調製され、そしてこ
のRNAから作製されたcDNAライブラリーが、プールに分けられ、そしてC
OS細胞またはそのポリペプチドに対して応答性ではないその他の細胞をトラン
スフェクトするために使用される。スライドガラス上で増殖されるトランスフェ
クトされた細胞は、標識された後に本発明のポリペプチドに曝露される。そのポ
リペプチドは、ヨウ素化、または部位特異的タンパク質キナーゼについての認識
部位を含めることを含む種々の手段により標識され得る。
【0629】 固定化およびインキュベーションの後に、そのスライドをオートラジオグラフ
ィー分析にかける。陽性のプールを同定し、そしてサブプールを調製し、そして
反復的サブプーリングおよび再スクリーニングプロセスを使用して再トランスフ
ェクトし、最終的に推定レセプターをコードする単一のクローンを生じる。
【0630】 レセプター同定のための代替のアプローチとして、標識されたポリペプチドは
、レセプター分子を発現する、細胞膜または抽出調製物に光親和性連結され得る
。架橋した材料は、PAGE分析によって分離され、そしてX線フィルムに曝露
される。そのポリペプチドのレセプターを含有するその標識した複合体は、切り
出され、ペプチドフラグメントへと分離され、そしてタンパク質ミクロシークエ
ンシングに供され得る。ミクロシークエンシングによって得られたそのアミノ酸
配列は、縮重オリゴヌクレオチドプローブのセットを設計するために使用され、
cDNAライブラリーをスクリーニングし、推定レセプターをコードする遺伝子
を同定する。
【0631】 さらに、遺伝子シャッフリング、モチーフシャッフリング、エキソンシャッフ
リング、および/またはコドンシャッフリング(集合的に、「DNAシャッフリ
ング」と呼ばれる)の技術は、本発明のポリペプチドの活性を調節するために使
用され得、それにより効果的に、本発明のポリペプチドのアゴニストおよびアン
タゴニストを生成する。一般には、米国特許第5,605,793号、同第5,
811,238号、同第5,830,721号、同第5,834,252号、お
よび同第5,837,458号、ならびにPatten,P.A.ら、Curr
.Opinion Biotechnol.8:724−33(1997);H
arayama,S.Trends Biotechnol.16(2):76
−82(1998);Hansson,L.O.ら、J.Mol.Biol.2
87:265−76(1999);ならびにLorenzo,M.M.およびB
lasco,R.Biotechniques 24(2):308−13(1
998)を参照のこと(これらの特許および公開の各々が、本明細書中に参考と
して援用される)。1つの実施形態において、本発明のポリヌクレオチドおよび
対応するポリペプチドの改変は、DNAシャッフリングにより達成され得る。D
NAシャッフリングは、相同組換えまたは部位特異的組換えにより、2つ以上の
DNAセグメントを、本発明の分子の所望のポリヌクレオチド配列に構築するこ
とを含む。別の実施形態において、本発明のポリヌクレオチドおよび対応するポ
リペプチドは、組換え前に、誤りがちの(error−prone)PCR、ラ
ンダムヌクレオチド挿入または他の方法により、ランダムな変異誘発に供される
ことによって改変され得る。別の実施形態において、本発明のポリペプチドの1
つ以上の成分、モチーフ、区切り(section)、部分、ドメイン、フラグ
メントなどは、1つ以上の異種分子の1つ以上の成分、モチーフ、区切り(se
ction)、部分、ドメイン、フラグメントなどと組み換えられ得る。好まし
い実施形態において、この異種分子は、ファミリーメンバーである。さらに好ま
しい実施形態において、この異種分子は、例えば、血小板由来増殖因子(PDG
F)、インスリン様増殖因子(IGF−I)、トランスホーミング増殖因子(T
GF)−α、上皮増殖因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、TGF
−β、骨形成(bone morphogenetic)タンパク質(BMP)
−2、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−7、アクチビン(act
ivin)AおよびB、デカペンタプレジック(decapentaplegi
c)(dpp)、60A、OP−2、ドーサリン(dorsalin)、増殖分
化因子(GDF)、結節(nodal)、MIS、インヒビン−α、TGF−β
1、TGF−β2、TGF−β3、TGF−β5、および神経膠由来神経栄養因
子(GDNF)のような増殖因子である。
【0632】 他の好ましいフラグメントは、本発明のポリペプチドの生物学的に活性なフラ
グメントである。生物学的に活性なフラグメントは、このポリぺプチドの活性に
類似であるが必ずしも同一である必要はない活性を示すフラグメントである。フ
ラグメントの生物学的活性は、改善された所望の活性、または減少した所望され
ない活性を含み得る。
【0633】 さらに、本発明は、本発明のポリペプチドの作用を調節する化合物を同定する
ために化合物をスクリーニングする方法を提供する。このようなアッセイの例は
、哺乳動物線維芽細胞、本発明のポリペプチド、スクリーニングされるべき化合
物および3[H]チミジンを、線維芽細胞が通常増殖する細胞培養条件下で合わせ
る工程を包含する。コントロールアッセイは、スクリーニングされるべき化合物
の非存在下で実施され得、そしてこの化合物の存在下での線維芽細胞の増殖の量
と比較して、各々の場合における3[H]チミジンの取り込みの決定によって、こ
の化合物が増殖を刺激するか否かを決定し得る。線維芽細胞の増殖の量は、3[
H]チミジンの取り込みを測定する液体シンチレーションクロマトグラフィーに
よって測定される。アゴニスト化合物およびアンタゴニスト化合物の両方が、こ
の手順により同定され得る。
【0634】 別の方法において、本発明のポリペプチドに対するレセプターを発現する哺乳
動物細胞または膜調製物は、この化合物の存在下において標識した本発明のポリ
ペプチドとともにインキュベートされる。次いで、この化合物がこの相互作用を
増強またはブロックする能力が、測定され得る。あるいは、スクリーニングされ
るべき化合物とレセプターとの相互作用の後に既知のセカンドメッセンジャー系
の応答が測定され、そしてこの化合物がこのレセプターを結合し、そしてセカン
ドメッセンジャー応答を誘発する能力を測定して、この化合物が潜在的なアゴニ
ストまたはアンタゴニストであるか否かを決定する。このようなセカンドメッセ
ンジャー系としては、cAMPグアニル酸シクラーゼ、イオンチャネルまたはホ
スホイノシチド加水分解が挙げられるが、これらに限定されない。
【0635】 これらの上記のアッセイの全ては、診断マーカーまたは予後マーカーとして使
用され得る。これらのアッセイを用いて発見される分子は、ポリペプチド/分子
を活性化または阻害することによって、疾患を処置するか、または患者における
特定の結果(例えば、血管増殖)をもたらすために使用され得る。さらに、アッ
セイは、適切に操作された細胞または組織からの本発明のポリペプチドの産生を
阻害または増強し得る因子を発見し得る。従って、本発明は、以下の工程を含む
、本発明のポリペプチドに結合する化合物を同定する方法を包含する:(a)候
補結合化合物を本発明のポリペプチドとともにインキュベートする工程;および
(b)結合が生じたか否かを決定する工程。さらに、本発明は、以下の工程を含
む、アゴニスト/アンタゴニストを同定する方法を包含する:(a)候補化合物
をポリペプチドとともにインキュベートする工程、(b)生物学的活性をアッセ
イする工程、および(b)ポリペプチドの生物学的活性が改変されているか否か
を決定する工程。
【0636】 また、タンパク質のポリペプチド配列に含まれるβプリーツシート領域を使用
することによって、実験的に本発明のポリペプチドを結合する分子を同定し得る
。従って、本発明の特定の実施形態は、開示されたポリペプチド配列中の各々の
βプリーツシート領域のアミノ酸配列を含むか、あるいは開示されたポリペプチ
ド配列中の各々のβプリーツシート領域のアミノ酸配列からなる、ポリペプチド
をコードするポリヌクレオチドに関する。本発明のさらなる実施形態は、本発明
のポリペプチド配列中に含まれる任意の組合せもしくは全てを含むか、または本
発明のポリペプチド配列中に含まれる任意の組合せまたは全てからなる、ポリペ
プチドをコードするポリヌクレオチドに関する。本発明のさらなる好ましい実施
形態は、本発明のポリペプチド配列の1つにおける各βプリーツシート領域のア
ミノ酸配列を含むか、あるいは本発明のポリペプチド配列の1つにおける各βプ
リーツシート領域のアミノ酸配列からなる、ポリペプチドに関する。本発明のさ
らなる実施形態は、本発明のポリペプチド配列の1つにおけるβプリーツシート
領域の任意の組合せもしくは全てを含むか、または本発明のポリペプチド配列の
1つにおけるβプリーツシート領域の任意の組合せもしくは全てからなる、ポリ
ペプチドに関する。
【0637】 (標的化送達) 別の実施形態において、本発明は、本発明のポリペプチドのレセプターを発現
する標的化細胞、または細胞結合型の本発明のポリペプチドを発現する細胞に、
組成物を送達する方法を提供する。
【0638】 本明細書で議論されるように、本発明のポリペプチドまたは抗体は、疎水性相
互作用、親水性相互作用、イオン性相互作用、および/または共有結合相互作用
を介して、異種ポリペプチド、異種核酸、トキシン、またはプロドラッグと会合
し得る。1つの実施形態において、本発明は、異種ポリペプチドまたは核酸と会
合する本発明のポリペプチド(抗体を含む)を投与することによる、本発明の組
成物の細胞への特定の送達のための方法を提供する。1つの例において、本発明
は、治療タンパク質を標的化細胞に送達するための方法を提供する。別の例にお
いて、本発明は、一本鎖核酸(例えば、アンチセンスまたはリボザイム)または
二本鎖核酸(例えば、細胞のゲノムに組み込まれるか、またはエピソームにて複
製し得、そして転写され得るDNA)を、標的化細胞に送達するための方法を提
供する。
【0639】 別の実施形態において、本発明は、本発明のポリペプチド(例えば、本発明の
ポリペプチドまたは本発明の抗体)をトキシンまたは細胞傷害性プロドラッグと
組み合わせて投与することによる細胞の特定の破壊(例えば、腫瘍細胞の破壊)
のための方法が提供される。
【0640】 「トキシン」とは、内因性の細胞傷害性エフェクター系、ラジオアイソトープ
、ホロトキシン(holotoxin)、改変型トキシン、トキシンの触媒サブ
ユニット、または細胞中もしくは細胞表面には通常存在しない規定の条件下で細
胞死を引き起こす任意の分子もしくは酵素を結合および活性化する化合物を意味
する。本発明の方法に従って使用され得るトキシンには、当該分野で公知のラジ
オアイソトープ、固有のまたは誘導された内因性の細胞傷害性エフェクター系に
結合する化合物(例えば、抗体(またはその一部を含む補体固定))、チミジン
キナーゼ、エンドヌクレアーゼ、RNAse、αトキシン、リシン、アブリン、
Pseudomonas内毒素A、ジフテリア毒素、サポリン、モモルジン(m
omordin)、ゲロニン(gelonin)、ヤマゴボウ抗ウイルスタンパ
ク質、αサルシン(sarcin)およびコレラ毒素が含まれるが、これらに限
定されない。「細胞傷害性プロドラッグ」とは、通常細胞内に存在する酵素によ
って、細胞傷害性化合物に変換される、非毒性の化合物を意味する。本発明の方
法に従って使用され得る細胞傷害性プロドラッグには、安息香酸マスタードアル
キル化剤のグルタミル誘導体、エトポシドまたはマイトマイシンCのリン酸誘導
体、シトシンアラビノシド、ダウノルビシン、およびドキソルビシンのフェノキ
シアセトアミド誘導体が含まれるが、これらに限定されない。
【0641】 (薬物スクリーニング) 本発明のポリペプチドの活性を改変する分子についてスクリーニングするため
の、本発明のポリペプチド、またはこれらのポリペプチドをコードするポリヌク
レオチドの使用が、さらに意図される。このような方法は、本発明のポリペプチ
ドを、アンタゴニスト活性またはアゴニスト活性を有することが疑われる選択さ
れた化合物と接触させる工程、および結合後に、これらのポリペプチドの活性を
アッセイする工程を包含する。
【0642】 本発明は、種々の薬物スクリーニング技術のいずれかにおいて、本発明のポリ
ペプチド、またはそれらの結合フラグメントを使用することによって治療用化合
物をスクリーニングするために特に有用である。このような試験に利用されるポ
リペプチドまたはフラグメントは、固体支持体に固定され得、細胞表面上に発現
され得、溶液中で遊離であり得、または細胞内に局在化され得る。薬物スクリー
ニングの1つの方法は、ポリペプチドまたはフラグメントを発現する組換え核酸
を用いて安定に形質転換される真核生物宿主細胞または原核生物宿主細胞を利用
する。薬物は、競合結合アッセイにおいて、このような形質転換細胞に対してス
クリーニングされる。例えば、試験されている薬物と本発明のポリペプチドとの
間の複合体の処方物を測定し得る。
【0643】 従って、本発明は、本発明のポリペプチドによって媒介される活性に影響を及
ぼす薬物または任意の他の薬剤のためのスクリーニング方法を提供する。これら
の方法は、当該分野で周知の方法によって、このような薬剤を本発明のポリペプ
チドまたはそのフラグメントと接触させる工程、およびこの薬剤とこのポリペプ
チドまたはそのフラグメントとの間の複合体の存在についてアッセイする工程を
包含する。このような競合結合アッセイにおいて、スクリーニングされる薬剤は
、代表的に、標識化される。インキュベーションに続いて、遊離の薬剤は、結合
形態中に存在する薬物と分離され、そして遊離または複合体化されていない標識
の量は、特定の薬剤が本発明のポリペプチドに結合する能力の尺度である。
【0644】 薬物スクリーニングのための別の技術は、本発明のポリペプチドに対する適切
な結合親和性を有する化合物のための高処理能力スクリーニングを提供し、そし
て欧州特許出願84/03564(1984年9月13日公開)(これは、本明
細書中に参考として援用される)に非常に詳細に記載される。簡潔にいうと、大
量の異なる小さなペプチド試験化合物は、固体基材(例えば、プラスチックピン
またはいくつかの他の表面)上で合成される。ペプチド試験化合物を、本発明の
ポリペプチドと反応させ、そして洗浄する。次いで、結合したポリペプチドは、
当該分野で周知の方法によって検出される。精製されたポリペプチドは、前述の
薬物スクリーニング技術での使用のためにプレート上に直接コーディングされる
。さらに、非中和抗体を使用して、このペプチドを捕捉し得、そして固体支持体
上にそれを固定し得る。
【0645】 本発明はまた、競合薬物スクリーニングアッセイの使用を意図し、ここで、本
発明のポリペプチドを結合し得る中和抗体は、ポリペプチドまたはそのフラグメ
ントに対する結合について試験化合物と特異的に競合する。この様式において、
抗体を使用して、本発明のポリペプチドと1つ以上の抗原性エピトープを共有す
る任意のペプチドの存在を検出する。
【0646】 (アンチセンスおよびリボザイム(アンタゴニスト)) 特定の実施形態において、本発明に従うアンタゴニストは、配列番号Xに含ま
れる配列に対応する核酸またはその相補鎖および/あるいは寄託されたクローン
に含まれるヌクレオチド配列である。1つの実施形態において、アンチセンス配
列は、生物体により内部で生成され、別の実施形態において、アンチセンス配列
は別々に投与される(例えば、O’Connor,Neurochem.、56
:560(1991)を参照のこと)。Oligodeoxynucleoti
des as Antisense Inhibitors of Gene
Expression,CRC Press,Boca Raton,FL(1
988)。アンチセンス技術を使用して、アンチセンスDNAもしくはRNAを
通してか、または3重らせんの形成を通して遺伝子発現を制御し得る。アンチセ
ンス技術は、例えば、Okano,Neurochem.、56:560(19
91);Oligodeoxynucleotides as Antisen
se Inhibitors of Gene Expression,CRC
Press,Boca Raton,FL(1988)に考察される。3重ら
せん形成は、例えば、Leeら、Nucleic Acids Researc
h、6:3073(1979);Cooneyら、Science、241:4
56(1988);およびDervanら、Science、251:1300
(1991)において議論される。これらの方法は、相補的なDNAまたはRN
Aへのポリヌクレオチドの結合に基づく。
【0647】 例えば、非リンパ球性白血病細胞株HL−60および他の細胞株の増殖を阻害
するためのc−mycおよびc−mybアンチセンスRNA構築物の使用は、以
前に記載された(Wickstromら(1988);Anfossiら(19
89))。これらの実験は、細胞をオリゴリボヌクレオチドとインキュベートす
ることによってインビトロで行われた。インビボ用途のための類似の手順は、W
O91/15580に記載される。簡単には、所定のアンチセンスRNAについ
てのオリゴヌクレオチドの対は、以下のように生成される:オープンリーディン
グフレームの最初の15塩基に相補的な配列が、5末端のEcoR1部位および
3末端のHindIII部位に隣接する。次に、オリゴヌクレオチドの対は、9
0℃で1分間加熱され、次いで2×ライゲーション緩衝液(20mM TRIS
HCl pH7.5、10mM MgCl2、10mM ジチオスレイトール
(DTT)および0.2mM ATP)中でアニーリングされ、次いで、レトロ
ウイルスベクターPMV7のEcoR1/HindIII部位に連結される(W
O91/15580)。
【0648】 例えば、本発明の成熟ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの5’コー
ド部分を使用して、約10〜40塩基対長のアンチセンスRNAオリゴヌクレオ
チドを設計し得る。DNAオリゴヌクレオチドは、転写に関与する遺伝子の領域
に相補的であるように設計され、それにより転写およびレセプターの産生を妨げ
る。アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドは、インビボでmRNAにハイブリ
ダイズし、そしてmRNA分子のレセプターポリペプチドへの翻訳をブロックす
る。
【0649】 1つの実施形態において、本発明のアンチセンス核酸は、外因性の配列からの
転写により細胞内で産生される。例えば、ベクターまたはその一部が転写され、
本発明のアンチセンス核酸(RNA)を産生する。このようなベクターは、本発
明のアンチセンス核酸をコードする配列を含む。このようなベクターは、それが
転写されて所望のアンチセンスRNAを産生し得る限り、エピソームを保持し得
るか、または染色体に組込まれ得る。このようなベクターは、当該分野において
標準的な組換えDNA技術方法により構築され得る。ベクターは、脊椎動物細胞
において複製および発現のために使用される、当該分野で公知のプラスミド、ウ
イルスなどであり得る。本発明のポリペプチドをコードする配列またはそのフラ
グメントの発現は、脊椎動物、好ましくはヒト細胞において作用する、当該分野
で公知の任意のプロモーターにより得る。このようなプロモーターは、誘導性ま
たは構成性であり得る。このようなプロモーターとしては、SV40初期プロモ
ーター領域(BernoistおよびChambon、Nature、29:3
04−310(1981))、ラウス肉腫ウイルスの3’長末端反復に含まれる
プロモーター(Yamamotoら、Cell、22:787−797(198
0))、ヘルペスチミジンプロモーター(Wagnerら、Proc.Natl
.Acad.Sci.U.S.A.、78:1441−1445(1981))
、メタロチオネイン遺伝子の調節配列(Brinsterら、Nature、2
96:39−42(1982))などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0650】 本発明のアンチセンス核酸は、少なくとも目的の遺伝子のRNA転写物の一部
に相補的な配列を含む。しかし、完全に相補的であることが好ましいが、必要で
はない。本明細書中で言及される「少なくともRNAの一部に相補的な」配列は
、RNAとハイブリダイズし得るに十分相補性を有し、安定な二重鎖を形成する
配列を意味し;従って、本発明の二本鎖アンチセンス核酸の場合において、二重
鎖DNAの単一の鎖が試験され得るか、または三重鎖形成がアッセイされ得る。
ハイブリダイズする能力は、相補性の程度およびアンチセンス核酸の長さの両方
に依存し、一般的に、ハイブリダイズする核酸が大きいほど、本発明のRNA配
列とのより多くの塩基ミスマッチをともない得、そしてなお安定な二重鎖(また
は三重鎖の場合もあり得る)を形成し得る。当業者は、ハイブリダイズ複合体の
融点を決定するために標準的な手順を使用することによりミスマッチの許容の程
度を確認し得る。
【0651】 メッセージの5’末端に相補的であるオリゴヌクレオチド(例えば、AUG開
始コドンまで、およびAUG開始コドンを含む5’非翻訳配列)は、翻訳の阻害
の際に最も効率的に働くべきである。しかし、mRNAの3’非翻訳配列に相補
的な配列は、同様にmRNAの翻訳を阻害する際に効果を示さなかった。一般的
に、Wagner,R.、Nature、372:333−335(1994)
を参照のこと。従って、本発明のポリヌクレオチド配列の5’−または3’−の
非翻訳非コード領域のいずれかに相補的なオリゴヌクレオチドは、内因性mRN
Aの翻訳を阻害するアンチセンスアプローチに使用され得る。mRNAの5’非
翻訳領域に相補的なオリゴヌクレオチドは、AUG開始コドンの相補物を含むべ
きである。mRNAコード領域に相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドは、
翻訳のあまり効率的でないインヒビターであるが、本発明に従って使用され得る
。mRNAの5’領域、3’領域またはコード領域にハイブリダイズするように
設計されるか否かにかかわらず、アンチセンス核酸は、少なくとも6ヌクレオチ
ド長であるべきであり、そして好ましくは6〜約50ヌクレオチド長にわたるオ
リゴヌクレオチドである。特定の局面において、このオリゴヌクレオチドは、少
なくとも10ヌクレオチド、少なくとも17ヌクレオチド、少なくとも25ヌク
レオチドまたは少なくとも50ヌクレオチドである。
【0652】 本発明のポリヌクレオチドは、DNA、もしくはRNA、またはキメラ混合物
、あるいはその誘導体もしくは改変バージョン、一本鎖、または二本鎖であり得
る。このオリゴヌクレオチドは、例えば、塩基部分、糖部分、またはリン酸骨格
で改変され、分子の安定性、ハイブリダーゼーションなどを改良し得る。このオ
リゴヌクレオチドは、ペプチドのような他の付加基(例えば、インビボにおいて
宿主細胞レセプターを標的化するために)、または細胞膜を通した輸送を促進す
る因子(例えば、Letsingerら、Proc.Natl.Acad.Sc
i.U.S.A.86:6553−6556(1989);Lemaitreら
、Proc.Natl.Acad.Sci.、84:648−652(1987
);PCT公開番号WO88/09810(1988年12月15日公開)を参
照のこと)、または血液脳関門(例えば、PCT公開番号:WO89/1013
4(1988年4月25日公開)を参照のこと)、ハイブリダイゼーション誘引
切断剤(hybridization−triggered cleavage
agent)(例えば、Krolら、BioTechniques、6:95
8−976(1988)を参照のこと)、またはインターカレート剤(例えば、
Zon,Pharm.Res.、5:539−549(1988)を参照のこと
)を含み得る。この目標のために、オリゴヌクレオチドは、別の分子(例えば、
ペプチド、ハイブリダーゼーション誘引架橋剤、輸送剤、ハイブリダイゼーショ
ン誘引切断剤など)に結合体化され得る。
【0653】 アンチセンスオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの改変された塩基部分を
含み得、この塩基部分は、以下を含むがそれらに限定されない群から選択される
:5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨー
ドウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カル
ボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2
−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシ
ル、β−D−ガラクトシルキューオシン、イノシン、N6−イソペンテニルアデ
ニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、
2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシ
トシン、N6−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシ
ル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、β−D−マンノシルキュー
オシン、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2
−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(v
)、ワイブトキソシン(wybutoxosine)、プソイドウラシル、キュ
ーオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシ
ル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチル
エステル、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、5−メチル−2−チオウラシル、
3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)
w、および2,6−ジアミノプリン。
【0654】 アンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、以下を含むがそれらに限定されない
群から選択される少なくとも1つの改変された糖部分を含み得る:アラビノース
、2−フルオロアラビノース、キシルロース、およびヘキソース。
【0655】 さらなる別の実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、以下を
含むがそれらに限定されない群から選択される少なくとも1つの改変されたリン
酸骨格を含む:ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロアミドチ
オエート、ホスホロアミデート(phosphoramidate)、ホスホロ
ジアミデート、メチルホスホネート、アルキルホスホトリエステル、およびホル
ムアセタール(formacetal)またはそれらのアナログ。
【0656】 さらに別の実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、a−アノ
マーオリゴヌクレオチドである。a−アノマーオリゴヌクレオチドは、相補的な
RNAと特異的な二本鎖ハイブリッドを形成し、通常のb−ユニットとは反対に
、その鎖は互いに平行になる(Gautierら、Nucl.Acids Re
s.、15:6625−6641(1987))。このオリゴヌクレオチドは、
2−0−メチルリボヌクレオチドであるか(Inoueら、Nucl.Acid
s Res.、15:6131−6148(1987))、またはキメラRNA
−DNAアナログである(Inoueら、FEBS Lett.215:327
−330(1987))。
【0657】 本発明のポリヌクレオチドは当該分野で公知の標準的な方法(例えば、自動D
NA合成機(このような装置はBiosearch,Applied Bios
ystemsなどから市販されている)の使用により)合成され得る。例えば、
ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、Steinらの方法(Nucl.A
cids Res.、16:3209(1988))により合成され得、メチル
ホスホネートオリゴヌクレオチドは、制御化細孔ガラス(pore glass
)ポリマー支持体(Sarinら、Proc.Natl.Acad.Sci.U
.S.A.、85:7448−7451(1988))などの使用により調製さ
れ得る。
【0658】 一方、本発明のコード領域配列に相補的なアンチセンスヌクレオチドが、使用
され得、転写された非翻訳領域に相補的なアンチセンスヌクレオチドが最も好ま
しい。
【0659】 本発明による潜在的なアンタゴニストはまた、触媒RNA、すなわちリボザイ
ムを含む(例えば、PCT国際公開WO90/11364、1990年10月4
日公開;Sarverら、Science、247:1222−1225(19
90)を参照のこと)。一方、部位特異的認識配列でmRNAを切断するリボザ
イムを使用して、本発明のポリヌクレオチドに対応するmRNAを破壊し得るが
、ハンマーヘッド型リボザイムの使用が好ましい。ハンマーヘッド型リボザイム
は、標的mRNAと相補的な塩基対を形成する隣接領域により決定される位置で
、mRNAを切断する。たった1つの必要条件は、標的mRNAが以下の2つの
塩基配列を有することである:5’−UG−3’。ハンマーヘッド型リボザイム
の構築および生成は当該分野で周知であり、そしてHaseloffおよびGe
rlach、Nature、334:585−591(1988)により十分に
記載される。配列表に開示された各ヌクレオチド配列内に多くの潜在的なハンマ
ーヘッド型リボザイム切断部位が存在する。好ましくは、このリボザイムは、切
断認識部位が本発明のポリヌクレオチドに対応するmRNAの5’末端付近に位
置するように;すなわち、効率を増大し、そして非機能的mRNA転写物の細胞
内蓄積を最小化するように、操作される。
【0660】 アンチセンスアプローチの場合、本発明のリボザイムは、改変されたオリゴヌ
クレオチド(例えば、安定性、標的化などについて改良された)から構成され得
、そしてインビボにおいて本発明のポリヌクレオチドを発現する細胞に送達され
るべきである。リボザイムをコードするDNA構築物は、DNAをコードするア
ンチセンスの導入のための上記と同じ様式において細胞中に導入され得る。送達
の好ましい方法は、強力な構成性プロモーター(例えば、pol IIIまたは
pl IIプロモーターのような)の制御下で、リボザイムを「コードする」D
NA構築物を使用することを含み、その結果トランスフェクトした細胞が内因性
メッセージを破壊し、そして翻訳を阻害するに十分な量のリボザイムを生成する
。リボザイムはアンチセンス分子と異なり触媒性であるので、より低い細胞内濃
度が効率のために必要とされる。
【0661】 アンタゴニスト/アゴニスト化合物を利用して、腫瘍性の細胞および組織に対
する本発明のポリペプチドの細胞増殖(growth)および増殖(proli
feration)効果を阻害し得る。すなわち、腫瘍の脈管形成を刺激し、そ
れにより異常な細胞成長および増殖を(例えば、腫瘍形成または増殖において)
遅延または防止する。
【0662】 アンタゴニスト/アゴニストをまた利用して、血管過多の疾患を阻害し得、そ
して水晶体嚢外白内障(extracapsular cataract)手術
後の上皮レンズ細胞の増殖を防止する。本発明のポリペプチドのマイトジェン活
性の防止はまた、例えば、バルーン血管形成術後の再狭窄のような場合に要求さ
れ得る。
【0663】 アンタゴニスト/アゴニストをまた利用して、創傷治癒の間の瘢痕組織の増殖
防止し得る。
【0664】 アンタゴニスト/アゴニストをまた利用して、本明細書中に記載される疾患を
処置し得る。
【0665】 従って、本発明は、障害および/または疾患(本発明のポリヌクレオチドの過
剰発現に関連する、本願の全体に渡って列挙される障害および/または疾患が含
まれるが、これらに限定されない)を、(a)本発明のポリヌクレオチドに指向
されたアンチセンス分子、および/または(b)本発明のポリヌクレオチドに指
向されたリボザイムを、患者に投与することによって処置する方法を提供する。
【0666】 (他の活性) 本発明のポリペプチドは、血管内皮細胞増殖を刺激する能力の結果として、種
々の疾患状態(例えば、血栓症、動脈硬化、および他の心臓血管の状態)に起因
する虚血組織の血管再生を刺激するための処置において利用され得る。これらの
ポリペプチドをまた利用して、上記で議論されるように新脈管形成および肢の再
形成を刺激し得る。
【0667】 このポリペプチドを、傷害、火傷、手術後組織修復、および瘢痕に起因する創
傷の処置にもまた利用し得る。なぜなら、それらは異なる起源の種々の細胞(例
えば、線維芽細胞および骨格筋細胞)に対してマイトジェン性であり、それゆえ
ダメージを受けた組織または疾患組織の修復または置換を促進するからである。
【0668】 本発明のポリペプチドはまた、ニューロンの成長を刺激し、そして特定のニュ
ーロンの障害または神経変性状態(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病
、およびAIDS関連複合体)において生じるニューロンのダメージを処置およ
び予防するために利用し得る。本発明のポリペプチドは、軟骨細胞増殖を刺激す
る能力を有し得、それゆえ、骨および歯周の再形成を増強し、そして組織移植片
または骨の移植片における補助のために利用され得る。
【0669】 本発明のポリペプチドをまた利用して、ケラチノサイト増殖を刺激することに
より、日焼けに起因する皮膚の老化を予防し得る。
【0670】 本発明のポリペプチドをまた、抜け毛を予防するために利用し得る。なぜなら
、FGFファミリーのメンバーは、髪形成細胞を活性化し、そしてメラノサイト
増殖を促進するからである。同じ系列にそって、本発明のポリペプチドを利用し
て、他のサイトカインと組み合わせて使用した場合、造血細胞および骨髄細胞の
増殖および分化を刺激し得る。
【0671】 本発明のポリペプチドをまた利用して、移植前の器官を維持し得るか、または
始原組織の細胞培養を支持するために使用し得る。
【0672】 本発明のポリペプチドはまた、初期胚における分化のための中胚葉起源の組織
を誘導するために利用され得る。
【0673】 本発明のポリペプチドもしくはポリヌクレオチドおよび/またはアゴニストも
しくはアンタゴニストはまた、先に議論されるように造血系統に加えて、胚性幹
細胞の分化もしくは増殖を増加または減少し得る。
【0674】 本発明のポリペプチドもしくはポリヌクレオチドおよび/またはアゴニストも
しくはアンタゴニストはまた、哺乳動物の特徴(例えば、身長、体重、毛の色、
眼の色、皮膚、脂肪組織の割合、色素沈着、大きさ、および形)を調節するため
(例えば、美容外科)に使用され得る。同様に、本発明のポリペプチドもしくは
ポリヌクレオチドおよび/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、異化作
用、同化作用、プロセシング、利用、およびエネルギーの貯蔵に影響を及ぼす哺
乳動物の代謝を調節するために使用され得る。
【0675】 本発明のポリペプチドもしくはポリヌクレオチドおよび/またはアゴニストも
しくはアンタゴニストは、バイオリズム、カリカディック(caricadic
)リズム、うつ病(抑うつ性の疾患を含む)、暴力の傾向、痛みへの耐性、生殖
能力(好ましくは、アクチビンまたはインヒビン様活性によって)、ホルモンレ
ベルもしくは内分泌レベル、食欲、***、記憶、ストレス、または他の認知の質
に影響を及ぼすことによって、哺乳動物の精神状態または身体状態を変更するた
めに使用され得る。
【0676】 本発明のポリペプチドもしくはポリヌクレオチドおよび/またはアゴニストも
しくはアンタゴニストはまた、例えば、貯蔵能力、脂肪含有量、脂質、タンパク
質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、補因子、または他の栄養成分を増加または
減少させるような食品添加物または保存剤として使用され得る。
【0677】 (他の好ましい実施形態) 本願発明の他の好ましい実施形態は、配列番号Xのヌクレオチド配列中の少な
くとも約50の連続したヌクレオチドの配列に、少なくとも95%同一であるヌ
クレオチド配列を含む、単離された核酸分子を含み、ここで、Xは表1に規定さ
れるような任意の整数である。
【0678】 上記連続したヌクレオチドの配列が、表1中の配列番号Xについて規定される
ような、クローン配列のほぼ5’ヌクレオチドの位置のヌクレオチドで始まり、
そしてクローン配列のほぼ3’ヌクレオチドの位置のヌクレオチドで終わる位置
の範囲で、配列番号Xのヌクレオチド配列に含まれる、核酸分子もまた好ましい
【0679】 上記連続したヌクレオチドの配列が、表1中の配列番号Xについて規定される
ような、開始コドンのほぼ5’ヌクレオチドの位置のヌクレオチドで始まり、そ
してクローン配列のほぼ3’ヌクレオチドの位置のヌクレオチドで終わる位置の
範囲で、配列番号Xのヌクレオチド配列に含まれる、核酸分子もまた好ましい。
【0680】 上記連続したヌクレオチドの配列が、表1中の配列番号Xについて規定される
ような、ほぼシグナルペプチドの第1のアミノ酸の5’ヌクレオチドの位置のヌ
クレオチドで始まり、そしてほぼクローン配列の3’ヌクレオチドの位置のヌク
レオチドで終わる位置の範囲で、配列番号Xのヌクレオチド配列に含まれる、核
酸分子も同様に好ましい。
【0681】 配列番号Xのヌクレオチド配列中の少なくとも約150の連続したヌクレオチ
ドの配列に、少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む、単離された
核酸分子もまた好ましい。
【0682】 配列番号Xのヌクレオチド配列中の少なくとも約500の連続したヌクレオチ
ドの配列に、少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む、単離された
核酸分子はさらに好ましい。
【0683】 さらに好ましい実施形態は、表1中の配列番号Xについて規定されるような、
ほぼシグナルペプチドの第1のアミノ酸の5’ヌクレオチドの位置のヌクレオチ
ドで始まり、そしてほぼクローン配列の3’ヌクレオチドの位置のヌクレオチド
で終わる配列番号Xのヌクレオチド配列に少なくとも95%同一であるヌクレオ
チド配列を含む核酸分子である。
【0684】 さらに好ましい実施形態は、配列番号Xの完全なヌクレオチド配列に、少なく
とも95%同一であるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子である。
【0685】 ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で核酸分子にハイブリダイ
ズする単離された核酸分子もまた好ましく、ここで上記のハイブリダイズする核
酸分子は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、A残基のみま
たはT残基のみからなるヌクレオチド配列を有する核酸分子にハイブリダイズし
ない。
【0686】 表1におけるcDNAクローンIDによって同定されるヒトcDNAクローン
を含むDNA分子を含む物質の組成物もまた好ましく、このDNA分子は、アメ
リカンタイプカルチャーコレクションに寄託された物質中に含まれ、そして上記
のcDNAクローンIDについて表1中に示されるATCC受託番号を与えられ
ている。
【0687】 表1中のcDNAクローンIDによって同定されるヒトcDNAクローンのヌ
クレオチド配列中の少なくとも50の連続したヌクレオチドの配列に少なくとも
95%同一であるヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子もまた好ましく、
このDNA分子は表1において示されるATCC受託番号を付与された寄託物中
に含まれる。
【0688】 上記の少なくとも50の連続したヌクレオチドの配列が、上記ヒトcDNAク
ローンによってコードされる完全なオープンリーディングフレームの配列のヌク
レオチド配列中に含まれる、単離された核酸分子もまた好ましい。
【0689】 上記ヒトcDNAクローンによってコードされるヌクレオチド配列中の少なく
とも150の連続したヌクレオチドの配列に少なくとも95%同一であるヌクレ
オチド配列を含む、単離された核酸分子もまた好ましい。
【0690】 さらに好ましい実施形態は、上記ヒトcDNAクローンによってコードされる
ヌクレオチド配列中の少なくとも500の連続したヌクレオチドの配列に少なく
とも95%同一であるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子である。
【0691】 さらに好ましい実施形態は、上記ヒトcDNAクローンによってコードされる
完全なヌクレオチド配列と少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む
、単離された核酸分子である。
【0692】 さらに好ましい実施形態は、以下からなる群から選択される配列中の少なくと
も50個連続するヌクレオチドの配列と少なくとも95%同一であるヌクレオチ
ド配列を含む核酸分子を、生物学的サンプルにおいて検出するための方法である
:配列番号Xのヌクレオチド配列(ここでXは表1において規定されるような任
意の整数である);および表1中のcDNAクローンIDによって同定されかつ
表1において上記cDNAクローンについて示されるATCC受託番号を有する
寄託物中に含まれる、ヒトcDNAクローンによってコードされるヌクレオチド
配列。上記の方法は、上記の群から選択される配列を、上記のサンプル中の少な
くとも1つの核酸分子のヌクレオチド配列と比較する工程、および上記サンプル
中の上記核酸分子の配列が、上記の選択された配列と少なくとも95%同一であ
るか否かを決定する工程を包含する。
【0693】 上記の配列を比較する工程が、上記サンプル中の核酸分子と、上記の群から選
択される上記の配列を含む核酸分子との間の核酸ハイブリダイゼーションの程度
を決定する工程を包含する、上記方法もまた好ましい。同様に、上記の配列を比
較する工程が、上記サンプル中の核酸分子から決定されるヌクレオチド配列を、
上記の群から選択される配列と比較する工程によって実施される、上記方法もま
た好ましい。この核酸分子は、DNA分子またはRNA分子を含み得る。
【0694】 さらに好ましい実施形態は、生物学的サンプルの種、組織、または細胞型を同
定するための方法であって、この方法は、以下からなる群から選択される配列中
の少なくとも50個連続するヌクレオチドの配列と少なくとも95%同一である
ヌクレオチド配列を含む上記サンプル中の核酸分子を(もしあれば)検出する工
程を包含する:配列番号Xのヌクレオチド配列(ここでXは表1において規定さ
れるような任意の整数である);および表1中のcDNAクローンIDによって
同定されかつ表1において上記cDNAクローンについて示されるATCC受託
番号を有する寄託物中に含まれる、ヒトcDNAクローンによってコードされる
ヌクレオチド配列。
【0695】 生物学的サンプルの種、組織、または細胞型を同定するための方法は、少なく
とも2つのヌクレオチド配列のパネル中のヌクレオチド配列を含む核酸分子を検
出する工程を包含し得、ここで上記パネル中の少なくとも1つの配列は、上記の
群から選択される配列中の少なくとも50個連続するヌクレオチドの配列と少な
くとも95%同一である。
【0696】 表1において同定される分泌タンパク質をコードする遺伝子の異常な構造また
は発現と関連する病理学的状態を、被験体において診断するための方法もまた好
ましく、この方法は、以下からなる群から選択される配列中の少なくとも50個
連続するヌクレオチドの配列と少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を
含む、核酸分子を、(もしあれば)上記被験体から得られる生物学的サンプルに
おいて検出する工程を包含する:配列番号Xのヌクレオチド配列(ここでXは表
1において規定されるような任意の整数である);および表1中のcDNAクロ
ーンIDによって同定されかつ表1中の上記のcDNAクローンについて示され
るATCC受託番号を有する寄託物に含まれる、ヒトcDNAクローンによって
コードされるヌクレオチド配列。
【0697】 病理学的状態を診断するための方法は、少なくとも2つのヌクレオチド配列の
パネル中のヌクレオチド配列を含む核酸分子を検出する工程を包含し得、ここで
、上記パネル中の少なくとも1つの配列は、上記群から選択される配列中の少な
くとも50個連続するヌクレオチドの配列と少なくとも95%同一である。
【0698】 上記の核酸分子のヌクレオチド配列が少なくとも2つのヌクレオチド配列のパ
ネルを含む、単離された核酸分子を含む組成物もまた好ましく、ここで上記のパ
ネル中の少なくとも1つの配列は、以下からなる群から選択される配列中の少な
くとも50個連続するヌクレオチドの配列と少なくとも95%同一である:配列
番号Xのヌクレオチド配列(ここでXは表1において規定されるような任意の整
数である);および表1中のcDNAクローンIDによって同定されかつ表1中
の上記のcDNAクローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に
含まれる、ヒトcDNAクローンによってコードされるヌクレオチド配列。この
核酸分子は、DNA分子またはRNA分子を含み得る。
【0699】 配列番号Yのアミノ酸配列中の少なくとも約10個連続するアミノ酸の配列と
少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドもまた好
ましく、ここでYは、表1において規定されるような任意の整数である。
【0700】 上記連続するアミノ酸の配列が、表1中の配列番号Yについて示されるような
、分泌部分のほぼ第1のアミノ酸の位置の残基で始まりかつオープンリーディン
グフレームのほぼ最後のアミノ酸の残基で終わる位置の範囲で、配列番号Yのア
ミノ酸配列中に含まれる、ポリペプチドもまた好ましい。
【0701】 配列番号Yのアミノ酸配列中の少なくとも約30個連続するアミノ酸の配列と
少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドもまた好
ましい。
【0702】 配列番号Yのアミノ酸配列中の少なくとも約100個連続するアミノ酸の配列
と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドはさら
に好ましい。
【0703】 配列番号Yの完全なアミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含
む、単離されたポリペプチドはさらに好ましい。
【0704】 表1中のcDNAクローンIDによって同定されかつ表1中の上記のcDNA
クローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれる、ヒトc
DNAクローンによってコードされる分泌タンパク質の完全なアミノ酸配列にお
いて、少なくとも約10個連続するアミノ酸の配列と少なくとも90%同一のア
ミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドはさらに好ましい。
【0705】 上記連続するアミノ酸の配列が、表1中のcDNAクローンIDによって同定
されかつ表1中の上記のcDNAクローンについて示されるATCC受託番号を
有する寄託物に含まれる、ヒトcDNAクローンによってコードされる分泌タン
パク質の分泌部分のアミノ酸配列に含まれる、ポリペプチドもまた好ましい。
【0706】 表1におけるcDNAクローンIDによって同定されかつ表1のこのcDNA
クローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれる、ヒトc
DNAクローンによってコードされるタンパク質の分泌部分のアミノ酸配列中の
少なくとも約30個連続するアミノ酸の配列と少なくとも95%同一であるアミ
ノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドもまた、好ましい。
【0707】 表1におけるcDNAクローンIDによって同定されかつ表1のこのcDNA
クローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれる、ヒトc
DNAクローンによってコードされるタンパク質の分泌部分のアミノ酸配列中の
少なくとも約100個連続するアミノ酸の配列と少なくとも95%同一であるア
ミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドもまた、好ましい。
【0708】 表1におけるcDNAクローンIDによって同定されかつ表1のこのcDNA
クローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれる、ヒトc
DNAクローンによってコードされるタンパク質の分泌部分のアミノ酸配列と少
なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドもまた
、好ましい。
【0709】 以下からなる群から選択される配列中の、少なくとも10個連続するアミノ酸
の配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドに特異的
に結合する単離された抗体は、さらに好ましい:配列番号Yのアミノ酸配列(こ
こで、Yは表1で規定される任意の整数である);および表1におけるcDNA
クローンIDによって同定されかつ表1のこのcDNAクローンについて示され
るATCC受託番号を有する寄託物に含まれる、ヒトcDNAクローンによって
コードされるタンパク質の完全アミノ酸配列。
【0710】 以下からなる群から選択された配列中の、少なくとも10個連続するアミノ酸
の配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドを、生物
学的サンプルにおいて検出する方法はさらに好ましい:配列番号Yのアミノ酸配
列(ここで、Yは表1で規定される任意の整数である);および表1におけるc
DNAクローンIDによって同定されかつ表1のこのcDNAクローンについて
示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれる、ヒトcDNAクローンに
よってコードされるタンパク質の完全アミノ酸配列。この方法は、このサンプル
中における少なくとも1つのポリペプチド分子のアミノ酸配列を、この群から選
択された配列と比較する工程、およびこのサンプル中におけるこのポリペプチド
分子の配列が、少なくとも10個連続するアミノ酸のこの配列と少なくとも90
%同一であるかどうかを決定する工程を含む。
【0711】 このサンプル中における少なくとも1つのポリペプチド分子のアミノ酸配列を
、この群から選択された配列と比較する工程が、以下からなる群から選択された
配列中の少なくとも10個連続するアミノ酸の配列と少なくとも90%同一であ
るアミノ酸配列を含むポリペプチドと特異的に結合する抗体への、このサンプル
中のポリペプチドの特異的な結合の程度を決定する工程を含む、上記の方法もま
た、好ましい:配列番号Yのアミノ酸配列(ここで、Yは表1に規定される任意
の整数である);および表1におけるcDNAクローンIDによって同定されか
つ表1のこのcDNAクローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託
物に含まれる、ヒトcDNAクローンによってコードされるタンパク質の完全ア
ミノ酸配列。
【0712】 配列を比較する工程が、このサンプル中のポリペプチド分子から決定されたア
ミノ酸配列を、この群から選択されたこの配列と比較することによって行われる
、上記の方法もまた好ましい。
【0713】 生物学的サンプルの種、組織または細胞型を同定する方法もまた好ましく、こ
こでこの方法は、このサンプル中のポリペプチド分子を検出する工程を含み、こ
のポリペプチドは、もし存在するならば、以下からなる群から選択される配列に
おける少なくとも10個連続するアミノ酸の配列と少なくとも90%同一である
アミノ酸配列を含む:配列番号Yのアミノ酸配列(ここで、Yは表1に規定され
る任意の整数である);および表1におけるcDNAクローンIDによって同定
されかつ表1のこのcDNAクローンについて示されるATCC受託番号を有す
る寄託物に含まれる、ヒトcDNAクローンによってコードされる分泌タンパク
質の完全アミノ酸配列。
【0714】 生物学的サンプルの種、組織または細胞型を同定する上記の方法もまた好まし
く、ここでこの方法は、少なくとも2つのアミノ酸配列のパネルにおけるアミノ
酸配列を含むポリペプチド分子を検出する工程を含み、ここでこのパネル中の少
なくとも1つの配列は、上記の群から選択された配列における少なくとも10個
連続するアミノ酸の配列と少なくとも90%同一である。
【0715】 被験体において、表1において同定された分泌タンパク質をコードする遺伝子
の異常な構造または発現に関連する病的状態を診断する方法もまた、好ましい。
ここで、この方法は、この被験体から得られた生物学的サンプルにおいて、少な
くとも2つのアミノ酸配列のパネルにおけるアミノ酸配列を含むポリペプチド分
子を検出する工程を含み、ここでこのパネル中の少なくとも1つの配列は、以下
からなる群から選択される配列における少なくとも10個連続するアミノ酸の配
列と少なくとも90%同一である:配列番号Yのアミノ酸配列(ここで、Yは表
1に規定される任意の整数である);および表1におけるcDNAクローンID
によって同定されかつ表1のこのcDNAクローンについて示されるATCC受
託番号を有する寄託物に含まれる、ヒトcDNAクローンによってコードされる
分泌タンパク質の完全アミノ酸配列。
【0716】 これらの方法のいずれかにおいて、このポリペプチド分子を検出する工程は、
抗体を使用することを包含する。
【0717】 以下からなる群から選択された配列中の、少なくとも10個連続するアミノ酸
の配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコード
するヌクレオチド配列と、少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む
、単離された核酸分子もまた、好ましい:配列番号Yのアミノ酸配列(ここで、
Yは表1に規定される任意の整数である);および表1におけるcDNAクロー
ンIDによって同定されかつ表1のこのcDNAクローンについて示されるAT
CC受託番号を有する寄託物に含まれる、ヒトcDNAクローンによってコード
される分泌タンパク質の完全アミノ酸配列。
【0718】 ポリペプチドをコードする上記ヌクレオチド配列が、原核生物宿主でのこのポ
リペプチドの発現について最適化されている、単離された核酸分子もまた、好ま
しい。
【0719】 上記ポリペプチドが以下からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、単離
された核酸分子もまた、好ましい:配列番号Yのアミノ酸配列(ここで、Yは表
1に規定される任意の整数である);および表1におけるcDNAクローンID
によって同定されかつ表1のこのcDNAクローンについて示されるATCC受
託番号を有する寄託物に含まれる、ヒトcDNAクローンによってコードされる
分泌タンパク質の完全アミノ酸配列。
【0720】 上記の単離された核酸分子のいずれかをベクター中に挿入する工程を含む、組
換えベクターの作製方法はさらに好ましい。この方法によって生成された組換え
ベクターも、好ましい。宿主細胞中にこのベクターを導入する工程を含む、組換
え宿主細胞を作製する方法、ならびにこの方法によって生成された組換え宿主細
胞もまた、好ましい。
【0721】 このポリペプチドが発現されるような条件下でこの組換え宿主細胞を培養する
工程、およびこのポリペプチドを回収する工程を包含する、単離されたポリペプ
チドを作製する方法もまた好ましい。この組換え宿主細胞が真核生物細胞であり
、そしてこのポリペプチドが、以下からなる群から選択されたアミノ酸配列を含
むヒト分泌タンパク質の分泌部分である、単離されたポリペプチドを作製するこ
の方法もまた好ましい:配列番号Yの分泌部分の第1のアミノ酸の位置の残基で
始まる、配列番号Yのアミノ酸配列(ここで、Yは表1に記載される整数であり
、そして配列番号Yの分泌部分の第1のアミノ酸のこの位置は表1に規定される
);および表1におけるcDNAクローン(ID)によって同定されかつ表1の
このcDNAクローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含ま
れる、ヒトcDNAクローンによってコードされるタンパク質の分泌部分のアミ
ノ酸配列。この方法によって生成された単離されたポリペプチドもまた、好まし
い。
【0722】 増加したレベルの分泌タンパク質活性を必要とする個体を処置する方法もまた
、好ましい。ここで、この方法は、このような個体に、この個体においてこのタ
ンパク質の活性のレベルを増加させるのに有効な本願発明の単離されたポリペプ
チド、ポリヌクレオチド、または抗体の一定量を含む薬学的組成物を投与する工
程を包含する。
【0723】 上記で言及される適用は、広範な種類の宿主において使用されている。そのよ
うな宿主としては、ヒト、ネズミ、ウサギ、ヤギ、モルモット、ラクダ、ウマ、
マウス、ラット、ハムスター、ブタ、ミニブタ(micro pig)、ニワト
リ、ヤギ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、非ヒト霊長類、およびヒトが挙げられる
が、これらに限定されない。特定の実施形態において、この宿主は、マウス、ウ
サギ、ヤギ、モルモット、ニワトリ、ラット、ハムスター、ブタ、ヒツジ、イヌ
またはネコである。好ましい実施形態において、この宿主は、哺乳動物である。
最も好ましい実施形態において、この宿主は、ヒトである。
【0724】 本発明の特定の実施形態では、表2の4番目の列に列挙される各「コンティグ
ID」について、好ましくは、表2の5番目の列で参照されかつ一般式a−bに
より記載されるヌクレオチド配列(ここでaおよびbは、表2の列3で参照され
る対応する配列番号Xについて独自に決定される)を含むか、またはこれからな
る、1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。さらに特定の実施形態は、表2
の5番目の列において参照される特定のポリヌクレオチド配列のうちの1つ、2
つ、3つ、4つ、またはそれ以上を除外するポリヌクレオチド配列に関する。こ
の表は、一般式により除外され得る配列の全てを含むことを決して意味せず、そ
れは、単に例示的な例である。これらの登録を通じて利用可能な全ての参考物は
、本明細書中でその全体が参考として援用される。
【0725】
【表2】 本発明を一般的に記載してきたが、例示の目的のために提供されかつ限定を意
図しない、以下の実施例を参照することによって、本発明はより容易に理解され
る。
【0726】 (実施例) (実施例1:寄託されたサンプルからの選択されたcDNAクローンの単離) 言及されるATCC寄託物中の各cDNAクローンは、プラスミドベクター中
に含まれる。表1は、各クローンが単離されたcDNAライブラリーを構築する
ために用いられたベクターを同定する。多くの場合において、このライブラリー
を構築するために使用されたベクターは、プラスミドが切り出されたファージベ
クターである。すぐ下の表は、そのcDNAライブラリーを構築する際に使用さ
れる各ファージベクターについて関連するプラスミドを相関づける。例えば、特
定のクローンがベクター「Lambda Zap」中に単離されていると表1に
同定される場合、対応する寄託クローンは、「pBluescript」中にあ
る。
【0727】
【表3】 ベクターLambda Zap(米国特許第5,128,256号および同第
5,286,636号)、Uni−Zap XR(米国特許第5,128,25
6号および同第5,286,636号)、Zap Express(米国特許第
5,128,256号および同第5,286,636号)、pBluescri
pt(pBS)(Short,J.M.ら、Nucleic Acids Re
s.16:7583−7600(1988);Alting−Mees,M.A
.およびShort,J.M.、Nucleic Acids Res.17:
9494(1989))ならびにpBK(Alting−Mees,M.A.ら
、Strategies 5:58−61(1992))は、Stratage
ne Cloning Systems,Inc.、11011 N.Torr
ey Pines Road、La Jolla,CA,92037から市販さ
れている。pBSは、アンピシリン耐性遺伝子を含み、そしてpBKはネオマイ
シン耐性遺伝子を含む。両方とも、E.coli株XL−1 Blue(これも
また、Stratageneから入手可能である)に形質転換され得る。pBS
は、SK+、SK−、KS+およびKSの4形態で入荷する。SおよびKとは、
ポリリンカー領域(「S」とはSacIであり、そして「K」とは、KpnIの
ことであり、これらは、このリンカーのそれぞれの各末端での最初の部位である
)に隣接するT7プライマー配列およびT3プライマー配列に対するポリリンカ
ーの方向をいう。「+」または「−」とは、ある方向においてそのf1 ori
から開始される一本鎖レスキューがセンス鎖DNAを生成し、そしてもう一つの
方向においてアンチセンス鎖DNAを生成するような、f1複製起点(「ori
」)の方向をいう。
【0728】 ベクターpSport1、pCMVSport 2.0およびpCMVSpo
rt3.0を、Life Technologies、Inc.、P.O.Bo
x6009、Gaithersburg,MD 20897から入手した。全て
のSportベクターはアンピシリン耐性遺伝子を含み、そしてE.coli株
DH10B(これもまた、Life Technologiesから入手可能で
ある)に形質転換され得る。(例えば、Gruber,C.E.ら、Focus
15:59(1993)を参照のこと)。ベクターlafmid BA(Be
nto Soares、Columbia University、NY)は、
アンピシリン耐性遺伝子を含み、そしてE.coli株XL−1 Blueに形
質転換され得る。ベクターpCR(登録商標)2.1(これはInvitrog
en、1600 Faraday Avenue、Carlsbad、CA 9
2008から入手可能である)は、アンピシリン耐性遺伝子を含み、そしてE.
coli株DH10B(Life Technologiesから入手可能であ
る)に形質転換され得る(例えば、Clark,J.M.、Nuc.Acids
Res.16:9677−9686(1988)およびMead,D.ら、B
io/Technology 9:(1991)を参照のこと)。好ましくは、
本発明のポリヌクレオチドは、表1における特定のクローンについて同定された
ファージベクター配列、ならびに上記に示された対応するプラスミドベクター配
列を含まない。
【0729】 任意の所定のcDNAクローンについて表1に言及されるATCC受託番号を
与えられたサンプルにおける寄託された物質はまた、1つ以上のさらなるプラス
ミド(これは各々、その所定のクローンとは異なるcDNAクローンを含む)を
含み得る。従って、同じATCC受託番号を共有する寄託物は、少なくとも表1
に同定される各cDNAクローンについてのプラスミドを含む。代表的には、表
1に言及される各ATCC寄託物のサンプルは、ほぼ等量(重量で)の約50個
のプラスミドDNA(これは各々、異なるcDNAクローンを含む)の混合物を
含む;しかし、このような寄託サンプルは、50個よりも多いかまたは少ないc
DNAクローン(約500個までのcDNAクローン)についてのプラスミドを
含み得る。
【0730】 表1における特定のクローンについて言及されるプラスミドDNAの寄託サン
プルからそのクローンを単離するために2つのアプローチを使用し得る。第一に
、プラスミドを、配列番号Xに対応するポリヌクレオチドプローブを使用して、
そのクローンをスクリーニングすることによって直接単離する。
【0731】 特に、30〜40ヌクレオチドを有する特定のポリヌクレオチドを、報告され
ている配列に従って、Applied BiosystemsのDNA合成装置
を使用して合成する。このオリゴヌクレオチドを、例えば、32P−γ−ATPで
、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて標識し、そして慣用的な方法に従って
精製する。(例えば、Maniatisら、Molecular Clonin
g:A Laboratory Manual、Cold Spring Ha
rbor Press、Cold Spring、NY(1982))。このプ
ラスミド混合物を、当業者に公知の技術(例えば、ベクター供給者によって提供
される技術または上記で言及された関連の刊行物もしくは特許において提供され
る技術)を用いて、上記のような適切な宿主(例えば、XL−1 Blue(S
tratagene))に形質転換する。この形質転換体を1.5%寒天プレー
ト(適切な選択薬剤(例えば、アンピシリン)を含む)に、1プレートあたり約
150個の形質転換体(コロニー)の密度でプレーティングする。これらのプレ
ートを、細菌コロニースクリーニングについての慣用的な方法(例えば、Sam
brookら、Molecular Cloning:A Laborator
y Manual、第2版、(1989)、Cold Spring Harb
or Laboratory Press、1.93〜1.104頁)または当
業者に公知の他の技術に従って、ナイロンメンブレンを使用してスクリーニング
する。
【0732】 あるいは、配列番号Xの両端(すなわち、表1に規定されるクローンの5’N
Tおよび3’NTに接する配列番号Xの領域内)に由来する、17〜20ヌクレ
オチドの2つのプライマーを合成し、そしてこれらを使用して、寄託されたcD
NAプラスミドをテンプレートとして使用して、所望のcDNAを増幅する。こ
のポリメラーゼ連鎖反応を、慣用的な条件下で、例えば、0.5μgの上記cD
NAテンプレートとの反応混合物の25μl中で実施する。便利な反応混合物は
、1.5〜5mM MgCl2、0.01%(w/v)ゼラチン、それぞれ20
μMのdATP、dCTP、dGTP、dTTP、25pmolの各プライマー
および0.25ユニットのTaqポリメラーゼである。35サイクルのPCR(
94℃での変性を1分間;55℃でのアニーリングを1分間;72℃での伸長を
1分間)を、Perkin−Elmer Cetus自動化サーマルサイクラー
を用いて実施する。その増幅産物をアガロースゲル電気泳動により分析し、そし
て予想される分子量のDNAバンドを切り出し、そして精製する。そのDNA産
物をサブクローニングおよび配列決定することによって、そのPCR産物が選択
された配列であることを確認する。
【0733】 寄託されたクローンに存在しないかもしれない遺伝子の5’非コード部分また
は3’非コード部分の同定のために、いくつかの方法が利用可能である。これら
の方法は、以下を含むがこれらに限定されない:フィルタープローブ探索、特異
的プローブを使用するクローン濃縮、および当該分野で周知である5’ 「RA
CE」プロトコルおよび3’「RACE」プロトコルと類似するかまたは同一の
プロトコル。例えば、5’RACEに類似する方法は、所望の全長転写物の欠け
ている5’末端を生成するために利用可能である(Fromont−Racin
eら、Nucleic Acids Res.21(7):1683−1684
(1993))。
【0734】 簡潔には、特定のRNAオリゴヌクレオチドを、全長遺伝子RNA転写物をお
そらく含むRNAの集団の5’末端に連結する。この連結されたRNAオリゴヌ
クレオチドに特異的なプライマーおよび目的の遺伝子の既知の配列に特異的なプ
ライマーを含むプライマーセットを使用して、所望の全長遺伝子の5’部分をP
CR増幅する。次いで、この増幅した産物を配列決定し得、そしてこれを使用し
て全長遺伝子を生成し得る。
【0735】 この上記の方法は、所望の供給源から単離された総RNAを用いて開始するが
、ポリA+RNAをも使用し得る。次いで、そのRNA調製物を、必要ならばホ
スファターゼで処理して、後のRNAリガーゼ工程を妨害し得る分解したRNA
または損傷したRNAの5’リン酸基を排除し得る。次いで、このホスファター
ゼを不活化するべきであり、そしてこのRNAをメッセンジャーRNAの5’末
端に存在するキャップ構造を除去するために、タバコ酸性ピロホスファターゼを
用いて処理するべきである。この反応は、キャップ切断RNAの5’末端に5’
リン酸基を残し、これは、次いでT4 RNAリガーゼを用いてRNAオリゴヌ
クレオチドに連結され得る。
【0736】 この改変型RNA調製物を、遺伝子特異的なオリゴヌクレオチドを用いる、第
一鎖cDNA合成のためのテンプレートとして使用する。この第一鎖合成反応物
を、連結されたRNAオリゴヌクレオチドに特異的なプライマーおよび目的の遺
伝子の既知の配列に特異的なプライマーを用いる、所望の5’末端のPCR増幅
のためのテンプレートとして使用する。次いで、得られた生成物を配列決定し、
そして分析して5’末端配列が所望の遺伝子に属することを確認する。
【0737】 (実施例2:ポリヌクレオチドに対応するゲノムクローンの単離) ヒトゲノムP1ライブラリー(Genomic Systems、Inc.)
を、実施例1に記載される方法に従って、配列番号Xに対応するcDNA配列に
ついて選択されたプライマーを用いるPCRによってスクリーニングする(Sa
mbrookらもまた参照のこと)。
【0738】 (実施例3:ポリペプチドの組織分布) 本発明のポリヌクレオチドのmRNA発現の組織分布を、とりわけ、Samb
rookらによって記載されたノーザンブロット分析についてのプロトコルを用
いて決定する。例えば、実施例1に記載される方法によって生成されるcDNA
プローブを、rediprimeTM DNA標識システム(Amersham
Life Science)を用いて、製造業者の指示に従って、32Pで標識す
る。標識後、このプローブを、CHROMA SPIN−100TMカラム(Cl
ontech Laboratories、Inc.)を使用して、製造業者の
プロトコル番号PT1200−1に従って精製する。次いで、精製した標識プロ
ーブを使用して、種々のヒト組織をmRNA発現について試験する。
【0739】 種々のヒト組織(H)またはヒト免疫系組織(IM)を含む多重組織ノーザン
(MTN)ブロット(Clontech)を、ExpressHybTMハイブリ
ダイゼーション溶液(Clontech)を用いて、製造業者のプロトコル番号
PT1190−1に従って、標識プローブで試験する。ハイブリダイゼーション
および洗浄後、このブロットをマウントして、そして−70℃で一晩フィルムに
曝露し、そしてこのフィルムを標準的な手順に従って現像する。
【0740】 (実施例4:ポリヌクレオチドの染色体マッピング) オリゴヌクレオチドプライマーのセットを、配列番号Xの5’末端の配列に従
って設計する。このプライマーは、好ましくは約100ヌクレオチドにわたる。
次いで、このプライマーセットを、以下のセットの条件下でポリメラーゼ連鎖反
応に使用する:95℃で30秒;56℃で1分;70℃で1分。このサイクルを
32回反復し、次いで1回、70℃で5分間のサイクルを行う。個々の染色体ま
たは染色体フラグメントを含む体細胞ハイブリッドパネル(Bios,Inc)
に加えて、ヒト、マウス、およびハムスターのDNAを鋳型として使用する。反
応物を、8%ポリアクリルアミドゲルまたは3.5%アガロースゲルのいずれか
で分析する。染色体マッピングを、特定の体細胞ハイブリッドにおける約100
bpのPCRフラグメントの存在によって決定する。
【0741】 (実施例5:ポリペプチドの細菌性発現) 本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、実施例1に概説する
ように、DNA配列の5’末端および3’末端に対応するPCRオリゴヌクレオ
チドプライマーを使用して増幅して、挿入フラグメントを合成する。cDNA挿
入物を増幅するために使用されるプライマーは好ましくは、発現ベクターに増幅
産物をクローニングするために、プライマーの5’末端でBamHIおよびXb
aIような制限部位を含むべきである。例えば、BamHIおよびXbaIは、
細菌発現ベクターpQE−9上の制限酵素部位に対応する。(Qiagen,I
nc.、Chatsworth,CA)。このプラスミドベクターは、抗生物質
耐性(Ampr)、細菌の複製起点(ori)、IPTGで調節可能なプロモー
ター/オペレーター(P/O)、リボソーム結合部位(RBS)、6−ヒスチジ
ンタグ(6−His)、および制限酵素クローニング部位をコードする。
【0742】 pQE−9ベクターをBamHIおよびXbaIで消化し、そして増幅された
フラグメントを、細菌性RBSにおいて開始されるリーディングフレームを維持
しながら、pQE−9ベクターに連結する。次いで連結混合物を、lacIリプ
レッサーを発現し、またカナマイシン耐性(Kanr)を与えるプラスミドpR
EP4の多重コピーを含む、E.coli株M15/rep4(Qiagen,
Inc.)を形質転換するために使用する。形質転換体を、それらがLBプレー
ト上で増殖する能力によって同定し、そしてアンピシリン/カナマイシン耐性コ
ロニーを選択する。プラスミドDNAを単離し、そして制限分析によって確認す
る。
【0743】 所望の構築物を含むクローンを、Amp(100μg/ml)およびKan(
25μg/ml)の両方を補充したLB培地における液体培養で一晩(O/N)
増殖させる。O/N培養物を、1:100〜1:250の比で大量培養に接種す
るために使用する。この細胞を、0.4と0.6との間の光学密度600(O.
D.600)まで増殖させる。次いで、IPTG(イソプロピル−B−D−チオガ
ラクトピラノシド)を最終濃度1mMになるように加える。IPTGは、lac
Iリプレッサーの不活化によりP/Oの障害物除去(clearing)を誘導
し、遺伝子発現の増加を導く。
【0744】 細胞を、さらに3〜4時間増殖させる。次いで、細胞を遠心分離(6000×
gで20分間)によって収集する。細胞ペレットを、カオトロピック剤である6
M塩酸グアニジン中に、4℃で3〜4時間攪拌することによって可溶化させる。
細胞細片を遠心分離によって取り除き、そしてポリペプチドを含む上清を、ニッ
ケル−ニトリロ−三酢酸(「Ni−NTA」)アフィニティー樹脂カラム(QI
AGEN,Inc.前出から入手可能)にロードする。6×Hisタグを有する
タンパク質は、Ni−NTA樹脂に高い親和性で結合し、そして単純な1工程手
順で精製され得る(詳細については、The QIAexpressionis
t(1995)QIAGEN,Inc.,前出を参照のこと)。
【0745】 手短に言えば、上清を、6M塩酸グアニジン(pH8)のカラムにロードし、
このカラムを、最初に10容量の6M塩酸グアニジン(pH8)で洗浄し、次い
で10容量の6M塩酸グアニジン(pH6)で洗浄し、最後にポリペプチドを、
6M塩酸グアニジン(pH5)で溶出する。
【0746】 次いで、精製したタンパク質を、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)または5
0mM 酢酸ナトリウム(pH6)の緩衝液+200mM NaClに対して透
析することにより再生させる。あるいは、タンパク質はNi−NTAカラムに固
定化されている間に、首尾よく再折畳みされ得る。推奨条件は以下の通りである
:プロテアーゼインヒビターを含む、500mM NaCl、20%グリセロー
ル、20mM Tris/HCl(pH7.4)中の6M〜1Mの尿素の直線勾
配を使用する再生。再生は1.5時間以上の時間をかけて行うべきである。再生
後、タンパク質を250mM イミダゾールの添加によって溶出させる。イミダ
ゾールを、PBSまたは50mM 酢酸ナトリウム(pH6)の緩衝液+200
mM NaClに対する最終の透析工程によって除去する。精製したタンパク質
を、4℃で保存するか、または−80℃で冷凍する。
【0747】 上記の発現ベクターに加えて、本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチドに
作動可能に連結された、ファージのオペレーターエレメントおよびプロモーター
エレメントを含む、pHE4aと呼ばれる発現ベクターを含む。pHE4aベク
ターはATCC受託番号209645を有し、そして1998年2月25日に寄
託された。このベクターは以下を含む:1)選択マーカーとしてのネオマイシン
ホスホトランスフェラーゼ遺伝子、2)E.coli複製起点、3)T5ファー
ジプロモーター配列、4)2つのlacオペレーター配列、5)シャイン−ダル
ガーノ配列、および6)ラクトースオペロンリプレッサー遺伝子(lacIq)
。複製起点(oriC)は、pUC19(LTI,Gaithersburg,
MD)に由来する。プロモーター配列およびオペレーター配列は合成的に作製さ
れる。
【0748】 DNAを、NdeIおよびXbaI、BamHI、XhoIまたはAsp71
8でベクターを制限処理し、制限処理された産物をゲル上で泳動し、そしてより
大きなフラグメント(そのスタッファー(stuffer)フラグメントは、約
310塩基対であるべきである)を単離することによってpHEaベクターの中
へ挿入し得る。このDNAインサートを、NdeI(5’プライマー)およびX
baI、BamHI、XhoIまたはAsp718(3’プライマー)に対する
制限部位を有するPCRプライマーを使用して、実施例1に記載されるPCRプ
ロトコルに従って生成する。このPCRインサートを、ゲル精製し、そして適合
性酵素を用いて制限処理される。そのインサートおよびベクターを標準的なプロ
トコルに従って連結する。
【0749】 上記のプロトコールにおいて、操作されたベクターを、細菌系でタンパク質を
発現させるために容易に置換し得る。
【0750】 (実施例6:封入体からのポリペプチドの精製) 以下の代替法は、ポリペプチドが封入体の形態で存在する場合に、E.col
i中で発現されたポリペプチドを精製するために使用され得る。他に指定されな
い場合には、以下のすべての工程は4〜10℃で行われる。
【0751】 E.coli発酵の生産期の完了後、細胞培養物を4〜10℃に冷却し、そし
て15,000rpmでの連続遠心分離(Heraeus Sepatech)
によって細胞を採集する。細胞ペーストの単位重量あたりのタンパク質の予想さ
れる収量および必要とされる精製タンパク質の量に基づいて、細胞ペーストの適
切な量(重量による)を、100mM Tris、50mM EDTA(pH7
.4)を含む緩衝溶液に懸濁させる。細胞を、高剪断ミキサーを使用して均質な
懸濁液へと分散させる。
【0752】 次いで、マイクロフルイダイザー(microfluidizer)(Mic
rofluidics,Corp.またはAPV Gaulin,Inc.)に
2回、4000〜6000psiでこの溶液を通すことによって細胞を溶解させ
る。次いでホモジネートを、最終濃度0.5M NaClになるようにNaCl
溶液と混合し、続いて7000×gで15分間遠心分離を行う。得られたペレッ
トを、0.5M NaCl、100mM Tris、50mM EDTA(pH
7.4)を使用して再度洗浄する。
【0753】 得られた洗浄した封入体を、1.5M 塩酸グアニジン(GuHCl)で2〜
4時間可溶化させる。7000×gで15分間の遠心分離の後、ペレットを廃棄
し、そしてポリペプチドを含む上清を4℃で一晩インキュベートしてさらなるG
uHCl抽出を可能にする。
【0754】 不溶性粒子を除去するための高速遠心分離(30,000×g)に続き、この
GuHCl抽出物と、50mM ナトリウム(pH4.5)、150mM Na
Cl、2mM EDTAを含む20容量の緩衝液とを、激しく攪拌して迅速に混
合することによって、GuHCl可溶化タンパク質を再折り畳みさせる。この再
折り畳みした希釈タンパク質溶液を、さらなる精製工程の前の12時間、混合し
ないで4℃で保つ。
【0755】 再折り畳みされたポリペプチド溶液を清澄化にするために、40mM 酢酸ナ
トリウム(pH6.0)で平衡化した、適切な表面積を有する0.16μmメン
ブレンフィルターを備える、あらかじめ準備した接線濾過ユニット(例えば、F
iltron)を使用する。濾過したサンプルを、カチオン交換樹脂(例えば、
Poros HS−50,Perseptive Biosystems)上に
ロードする。カラムを40mM 酢酸ナトリウム(pH6.0)で洗浄し、そし
て同じ緩衝液中の250mM、500mM、1000mM、および1500mM
のNaClで、段階的な様式で溶出する。溶出液の280nmにおける吸光度を
、連続的にモニターする。画分を収集し、そしてSDS−PAGEによってさら
に分析する。
【0756】 次いで、このポリペプチドを含む画分をプールし、そして4容量の水と混合す
る。次いで希釈されたサンプルを、あらかじめ準備した強アニオン交換樹脂(P
oros HQ−50,Perseptive Biosystems)および
弱アニオン交換樹脂(Poros CM−20,Perseptive Bio
systems)の直列カラムのセット上にロードする。これらのカラムを40
mM 酢酸ナトリウム(pH6.0)で平衡化する。両方のカラムを、40mM
酢酸ナトリウム(pH6.0)、200mM NaClで洗浄する。次いでC
M−20カラムを、10カラム容量の直線勾配(0.2M NaCl、50mM
酢酸ナトリウム(pH6.0)から1.0M NaCl、50mM 酢酸ナト
リウム(pH6.5)の範囲)を用いて溶出させる。画分を、溶出液の定常A28 0 モニタリング下で収集する。次いで、(例えば、16% SDS−PAGEに
よって判明した)ポリペプチドを含む画分をプールする。
【0757】 この得られたポリペプチドは、上記の再折り畳み工程および精製工程の後で、
95%より高い純度を示すはずである。5μgの精製タンパク質がロードされる
場合、クマシーブルー染色した16% SDS−PAGEゲルから、いかなる主
な夾雑バンドも観察されないはずである。この精製タンパク質はまた、内毒素/
LPS混入について試験され得、そして代表的には、LALアッセイによって、
LPS含量は0.1ng/ml未満である。
【0758】 (実施例7:バキュロウイルス発現系におけるポリペプチドのクローニングお
よび発現) この実施例において、プラスミドシャトルベクターpA2を使用して、ポリヌ
クレオチドをバキュロウイルスに挿入し、ポリペプチドを発現する。この発現ベ
クターは、Autographa californica核多核体ウイルス(
AcMNPV)の強力なポリヘドリンプロモーター、続いてBamHI、Xba
I、およびAsp718のような簡便な制限部位を含む。シミアンウイルス40
(「SV40」)のポリアデニル化部位を、効率的なポリアデニル化のために使
用する。組換えウイルスの容易な選択のために、このプラスミドは、同方向の弱
いDrosophilaプロモーターの制御下で、E.coli由来のβ−ガラ
クトシダーゼ遺伝子、続いてポリヘドリン遺伝子のポリアデニル化シグナルを含
む。挿入された遺伝子は、クローン化したポリヌクレオチドを発現する生存可能
なウイルスを生成する、野生型ウイルスDNAとの細胞媒介性の相同組換えのた
めのウイルス配列と両方の側で隣接する。
【0759】 他の多くのバキュロウイルスベクター(例えば、pAc373、pVL941
、およびpAcIM1)は、当業者が容易に理解するように、構築物が転写、翻
訳、分泌などのために適切に配置されたシグナル(必要とされる場合、シグナル
ペプチドおよびインフレームなAUGを含む)を提供する限りにおいて、上記の
ベクターの代わりに使用され得る。このようなベクターは、例えば、Lucko
wら、Virology 170:31−39(1989)に記載される。
【0760】 具体的には、寄託されたクローンに含まれるcDNA配列を(表1に同定され
れるAUG開始コドンおよび天然に結合するリーダー配列を含む)、実施例1に
記載されるPCRプロトコルを使用して増幅させる。天然に存在するシグナル配
列を使用して分泌タンパク質を産生する場合、pA2ベクターは第2のシグナル
ペプチドを必要としない。あるいは、Summersら、「A Manual
of Methods for Baculovirus Vectors a
nd Insect Cell Culture Procedures」、T
exas Agricultural Experimental Stati
on Bulletin NO.:1555(1987)に記載される標準的な
方法を用いて、このベクターを、バキュロウイルスリーダー配列を含むように改
変し得る(pA2GP)。
【0761】 増幅されたフラグメントを、市販のキット(「Geneclean」、BIO
101 Inc.,La Jolla,Ca.)を使用して、1%アガロース
ゲルから単離する。次いで、このフラグメントを適切な制限酵素で消化し、そし
て再び1%アガロースゲル上で精製する。
【0762】 このプラスミドを対応する制限酵素で消化し、そして必要に応じて、当該分野
で公知の慣用の手順を用いて、仔ウシ腸ホスファターゼを用いて脱リン酸し得る
。次いで、このDNAを、市販のキット(「Geneclean」BIO 10
1 Inc.,La Jolla,Ca.)を使用して、1%アガロースゲルか
ら単離する。
【0763】 このフラグメントおよび脱リン酸したプラスミドを、T4 DNAリガーゼを
用いて互いに連結する。E.coli HB101細胞またはXL−1 Blu
e(Stratagene Cloning Systems,La Joll
a,CA)細胞のような他の適切なE.coli宿主を、連結混合液で形質転換
し、そして培養プレート上に拡げる。このプラスミドを含む細菌を、個々のコロ
ニー由来のDNAを消化し、そしてゲル電気泳動によって消化産物を分析するこ
とにより同定する。クローニングしたフラグメントの配列を、DNA配列決定に
よって確認する。
【0764】 このポリヌクレオチドを含む5μgのプラスミドを、Felgnerら、Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7413−7417(19
87)によって記載されたリポフェクション法を使用して、1.0μgの市販の
線状化バキュロウイルスDNA(「BaculoGoldTM baculovi
rus DNA」,Pharmingen,San Diego,CA)と同時
トランスフェクトする。1μgのBaculoGoldTM ウイルスDNAおよ
び5μgのプラスミドを、50μlの無血清グレース培地(Life Tech
nologies Inc.,Gaithersburg,MD)を含む、マイ
クロタイタープレートの滅菌したウェル中で混合する。その後、10μlのリポ
フェクチンおよび90μlグレース培地を加え、混合し、そして室温で15分間
インキュベートする。次いで、トランスフェクション混合液を、無血清のグレー
ス培地1mlを加えた35mm組織培養プレートに播種したSf9昆虫細胞(A
TCC CRL 1711)に滴下する。次いで、このプレートを27℃で5時
間インキュベートする。次いで、トランスフェクション溶液をこのプレートから
除去し、そして10%ウシ胎仔血清を補充した1mlのグレース昆虫培地を添加
する。次いで、培養を27℃で4日間継続する。
【0765】 4日後上清を収集し、そしてSummersおよびSmith(前出)によっ
て記載されるようにプラークアッセイを行う。「Blue Gal」(Life
Technologies Inc.,Gaithersburg)を含むア
ガロースゲルを使用して、galが発現しているクローン(青色に染色したプラ
ークを生ずる)の容易な同定および単離を可能にする。(この型の「プラークア
ッセイ」の詳細な説明はまた、Life Technologies Inc.
,Gaithersburg,9−10頁によって頒布される、昆虫細胞培養お
よびバキュロウイルス学のための使用者ガイドの中に見出され得る)。適切なイ
ンキュベーションの後、青色に染色したプラークを、マイクロピペッターのチッ
プ(例えば、Eppendorf)で拾う。次いで、組換えウイルスを含む寒天
を、200μlのグレース培地を含む微小遠心分離チューブ中で再懸濁させ、そ
して組換えバキュロウイルスを含む懸濁液を使用して、35mmディッシュに播
種したSf9細胞を感染させる。4日後、これらの培養ディッシュの上清を採集
し、次いで4℃に貯蔵する。
【0766】 ポリペプチドの発現を確認するために、10%熱非働化FBSを補充したグレ
ース培地中で、Sf9細胞を増殖させる。この細胞を、約2の感染多重度(「M
OI」)で、このポリヌクレオチドを含む組換えバキュロウイルスで感染させる
。放射性標識したタンパク質を所望する場合には、6時間後に培地を除去し、そ
してメチオニンおよびシステインを含まないSF900 II培地(Life
Technologies Inc., Rockville, MDから入手
可能)に置き換える。42時間後、5μCiの35S−メチオニンおよび5μCi
35S−システイン(Amershamから入手可能)を添加する。細胞をさら
に16時間インキュベートし、次いで遠心分離によって採集する。上清中のタン
パク質ならびに細胞内タンパク質を、SDS−PAGEによって、次いでオート
ラジオグラフィーによって(放射性標識した場合)分析する。
【0767】 精製タンパク質のアミノ末端のアミノ酸配列の微量配列決定法を使用して、産
生されたタンパク質のアミノ末端配列を決定し得る。
【0768】 (実施例8:哺乳動物細胞におけるポリペプチドの発現) 本発明のポリペプチドを、哺乳動物細胞において発現させ得る。代表的な哺乳
動物発現ベクターは、mRNAの転写の開始を媒介するプロモーターエレメント
、タンパク質コード配列、および転写の終結および転写物のポリアデニル化に必
要なシグナルを含む。さらなるエレメントは、エンハンサー、コザック(Koz
ak)配列、ならびに、RNAスプライシングのためのドナー部位およびアクセ
プター部位に隣接する介在配列を含む。非常に効率的な転写は、SV40由来の
初期および後期プロモーター、レトロウイルス(例えばRSV、HTLV I、
HIV I)由来の長末端反復(LTR)、およびサイトメガロウイルス(CM
V)の初期プロモーターを用いて達成される。しかし、細胞内エレメント(例え
ば、ヒトアクチンプロモーター)もまた、使用され得る。
【0769】 本発明を実施する際の使用に適切な発現ベクターは、例えば、pSVLおよび
pMSG(Pharmacia,Uppsala,Sweden)、pRSVc
at(ATCC 37152)、pSV2dhfr(ATCC 37146)、
pBC12MI(ATCC 67109)、pCMVSport2.0、ならび
にpCMVSport3.0のようなベクターを含む。使用され得る哺乳動物宿
主細胞としては、ヒトのHela細胞、293細胞、H9細胞およびJurka
t細胞、マウスのNIH3T3細胞およびC127細胞、Cos 1細胞、Co
s 7細胞およびCV1細胞、ウズラのQC1−3細胞、マウスのL細胞、およ
びチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞が挙げられる。
【0770】 あるいは、ポリペプチドは、染色体に組み込まれたポリヌクレオチドを含む、
安定な細胞株中で発現され得る。dhfr、gpt、ネオマイシン、ハイグロマ
イシンのような選択可能なマーカーを用いる同時トランスフェクションは、トラ
ンスフェクトされた細胞の同定および単離を可能にする。
【0771】 トランスフェクトされた遺伝子はまた、大量のコードされたタンパク質を発現
するために増幅され得る。DHFR(ジヒドロ葉酸レダクターゼ)マーカーは、
目的の遺伝子の数百または数千さえものコピーを有する細胞株の開発に有用であ
る(例えば、Alt,F.W.ら、J.Biol.Chem.253:1357
−1370(1978);Hamlin,J.L.およびMa,C.、Bioc
hem.et Biophys.Acta、1097:107−143(199
0);Page,M.J.およびSydenham,M.A.、Biotech
nology、9:64−68(1991)を参照のこと)。別の有用な選択マ
ーカーは、酵素グルタミンシンターゼ(GS)である(Murphyら、Bio
chem J.227:277−279(1991);Bebbingtonら
、Bio/Technology、10:169−175(1992))。これ
らのマーカーを使用して、哺乳動物細胞を選択培地中で増殖させ、そしてもっと
も高い耐性を有する細胞を選択する。これらの細胞株は、染色体に組み込まれた
、増幅した遺伝子を含む。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)およびNSO
細胞は、タンパク質の産生のためにしばしば使用される。
【0772】 プラスミドpSV2−dhfr(ATCC受託番号37146)の誘導体であ
る、発現ベクターpC4(ATCC受託番号209646)およびpC6(AT
CC受託番号209647)は、ラウス肉腫ウイルス(Cullenら、Mol
ecular and Cellular Biology、438−447(
1985年3月))の強力なプロモーター(LTR)、およびCMV−エンハン
サー(Boshartら、Cell 41:521−530 (1985))の
フラグメントを含む。例えば、BamHI、XbaI、およびAsp718の制
限酵素切断部位を有するマルチプルクローニングサイトは、目的の遺伝子のクロ
ーニングを容易にする。このベクターはまた、3’イントロン、ラットプレプロ
インスリン遺伝子のポリアデニル化シグナルおよび終結シグナル、ならびに、S
V40初期プロモーターの制御下にあるマウスDHFR遺伝子を含む。
【0773】 具体的には、例えば、プラスミドpC6は、適切な制限酵素を用いて消化され
、次いで当該分野で公知の手順によって、仔ウシ腸ホスファターゼ(phosp
hate)を使用して脱リン酸する。次いで、ベクターを1%アガロースゲルか
ら単離する。
【0774】 本発明のポリヌクレオチドは、実施例1に概説するプロトコルに従って増幅さ
れる。天然に存在するシグナル配列が使用され、分泌タンパク質が産生される場
合、ベクターは第2のシグナルペプチドを必要としない。あるいは、天然に存在
するシグナル配列が必要でない場合、このベクターは異種シグナル配列を含むよ
うに改変され得る。(例えば、WO96/34891を参照のこと)。
【0775】 増幅フラグメントを、市販のキット(「Geneclean」、BIO 10
1 Inc.、La Jolla,Ca.)を使用して、1%アガロースゲルか
ら単離する。次いで、このフラグメントを、適切な制限酵素で消化し、そして再
び1%アガロースゲルで精製する。
【0776】 次いで、増幅フラグメントを同じ制限酵素で消化し、そして1%アガロースゲ
ルで精製する。次いで、単離されたフラグメントおよび脱リン酸したベクターを
、T4 DNAリガーゼで連結する。次いで、E.coli HB101細胞ま
たはXL−1 Blue細胞を形質転換し、そしてプラスミドpC6に挿入され
たフラグメントを含む細菌を、例えば、制限酵素分析を用いて同定する。
【0777】 活性なDHFR遺伝子を欠損するチャイニーズハムスター卵巣細胞を、トラン
スフェクションに使用する。5μgの発現プラスミドpC6 a pC4を、リ
ポフェクチンを用いて、0.5μgのプラスミドpSVneoと同時トランスフ
ェクトする(Felgnerら、前出)。プラスミドpSV2−neoは、優性
で選択可能なマーカーであるところの、G418を含む抗生物質の群に対する耐
性を付与する酵素をコードするTn5由来のneo遺伝子を含む。この細胞を、
1mg/mlのG418を補充したαマイナスMEMに播種する。2日後、この
細胞をトリプシン処理し、そして10、25、または50ng/mlのメトトレ
キサートおよび1mg/mlのG418を補充したαマイナスMEM中のハイブ
リドーマクローニングプレート(Greiner,Germany)中に播種す
る。約10〜14日後、単一のクローンをトリプシン処理し、次いで異なる濃度
のメトトレキサート(50nM、100nM、200nM、400nM、800
nM)を使用して、6ウェルのペトリ皿または10mlのフラスコに播種する。
次いで、最高濃度のメトトレキサートで増殖するクローンを、さらに高い濃度の
メトトレキサート(1μM、2μM、5μM、10mM、20mM)を含む新た
な6ウェルプレートに移す。同じ手順を、100〜200μMの濃度で増殖する
クローンが得られるまで繰り返す。所望の遺伝子産物の発現を、例えば、SDS
−PAGEおよびウエスタンブロットによって、または逆相HPLC分析によっ
て分析する。
【0778】 (実施例9:タンパク質融合物) 本発明のポリぺプチドは、好ましくは、他のタンパク質に融合される。これら
の融合タンパク質は、種々の適用に使用され得る。例えば、本発明のポリぺプチ
ドの、Hisタグ、HAタグ、プロテインA、IgGドメイン、およびマルトー
ス結合タンパク質への融合は、精製を容易にする(実施例5を参照のこと;EP
A 394,827もまた参照のこと;Trauneckerら、Natur
e、331:84−86(1988))。同様に、IgG−1、IgG−3、お
よびアルブミンへの融合は、インビボでの半減期を増大させる。本発明のポリぺ
プチドに融合した核局在化シグナルは、タンパク質を特定の細胞内局在に標的化
し得る。一方、共有結合ヘテロ二量体またはホモ二量体は、融合タンパク質の活
性を増大または減少させ得る。融合タンパク質はまた、1つより多い機能を有す
るキメラ分子を作製し得る。最後に、融合タンパク質は、非融合タンパク質と比
較して、融合タンパク質の可溶性および/または安定性を増大させ得る。上記の
融合タンパク質の全ての型は、IgG分子へのポリぺプチドの融合を概説する以
下のプロトコル、または実施例5に記載されるプロトコルを改変することによっ
て作製され得る。
【0779】 簡単には、IgG分子のヒトFc部分は、以下に記載の配列の5’末端および
3’末端にわたるプライマーを使用してPCR増幅され得る。これらのプライマ
ーはまた、発現ベクター(好ましくは、哺乳動物発現ベクター)へのクローニン
グを容易にする都合の良い制限酵素部位を有するべきである。
【0780】 例えば、pC4(受託番号209646)が使用される場合、ヒトFc部分は
、BamHIクローニング部位に連結され得る。3’BamHI部位が破壊され
るべきであることに注意のこと。次に、ヒトFc部分を含有するベクターが、B
amHIを用いて再び制限され、ベクターを線状化し、そして実施例1に記載さ
れるPCRプロトコルによって単離された本発明のポリヌクレオチドが、このB
amHI部位に連結される。ポリヌクレオチドは、終止コドンなしにクローニン
グされ、そうでなければ、融合タンパク質は産生されないことに注意すること。
【0781】 天然に存在するシグナル配列が分泌タンパク質を産生するために使用される場
合、pC4は、第2のシグナルペプチドを必要としない。あるいは、天然に存在
するシグナル配列が使用されない場合、ベクターは、異種シグナル配列を含むよ
うに改変され得る(例えば、WO 96/34891を参照のこと)。
【0782】
【化60】 (実施例10:ポリぺプチドからの抗体の産生) 本発明の抗体は、種々の方法によって調製され得る。(Current Pr
otocols,第2章を参照のこと)。このような方法の1つの例として、本
発明のポリぺプチドを発現する細胞は、ポリクローナル抗体を含む血清の産生を
誘導するために動物に投与される。好ましい方法において、分泌タンパク質の調
製物が調製され、そして精製されて、天然の夾雑物を実質的に含まないようにさ
れる。次いで、より大きな比活性のポリクローナル抗血清を生成するために、こ
のような調製物は、動物に導入される。
【0783】 最も好ましい方法において、本発明の抗体は、モノクローナル抗体(または、
そのタンパク質結合フラグメント)である。このようなモノクローナル抗体は、
ハイブリドーマ技術を使用して調製され得る(Kohlerら、Nature
256:495(1975);Koehlerら、Eur.J.Immunol
.6:511(1976);Koehlerら、Eur.J.Immunol.
6:292(1976);Hammerlingら:Monoclonal A
ntibodies and T−Cell Hybridomas,Else
vier,N.Y.、563−681頁(1981))。一般に、このような手
順は、動物(好ましくは、マウス)をポリぺプチドで免疫すること、またはより
好ましくは、分泌ポリぺプチド発現細胞で免疫することを含む。このような細胞
は、任意の適切な組織培養培地において培養され得る;しかし、10%ウシ胎仔
血清(約56℃で非働化した)を補充し、そして約10g/lの非必須アミノ酸
、約1,000U/mlのペニシリン、および約100μg/mlのストレプト
マイシンを補充したEarle改変イーグル培地において細胞を培養することが
好ましい。
【0784】 このようなマウスの脾細胞は抽出され、そして適切なミエローマ細胞株と融合
される。任意の適切なミエローマ細胞株は、本発明に従って用いられ得る;しか
し、ATCCから入手可能な親ミエローマ細胞株(SP2O)を用いることが好
ましい。融合後、得られるハイブリドーマ細胞を、HAT培地において選択的に
維持し、次いでWandsら(Gastroenterology 80:22
5−232(1981))に記載されるように限界希釈によってクローニングす
る。このような選択によって得られるハイブリドーマ細胞は、次いでポリぺプチ
ドに結合し得る抗体を分泌するクローンを同定するためにアッセイされる。
【0785】 あるいは、ポリぺプチドに結合し得るさらなる抗体を、抗イディオタイプ抗体
を使用して2段階工程の手順において生成し得る。このような方法は、抗体それ
自体が抗原であり、それゆえ第二の抗体に結合する抗体を得ることが可能である
という事実を利用する。この方法に従って、タンパク質特異的抗体を使用して、
動物(好ましくは、マウス)を免疫する。次いで、このような動物の脾細胞を使
用して、ハイブリドーマ細胞を産生する。そして、このハイブリドーマ細胞は、
抗体のタンパク質特異的抗体に結合する能力がこのポリぺプチドによってブロッ
クされ得る抗体を産生するクローンを同定するためにスクリーニングされる。こ
のような抗体は、タンパク質特異的抗体に対する抗イディオタイプ抗体を含み、
そして動物を免疫してさらなるタンパク質特異的抗体の形成を誘導するために使
用され得る。
【0786】 FabおよびF(ab’)2ならびに本発明の抗体の他のフラグメントは、本
明細書中で開示される方法に従って使用され得ることが理解される。このような
フラグメントは、代表的には、パパイン(Fabフラグメントを産生するため)
またはペプシン(F(ab’)2フラグメントを産生するため)のような酵素を
使用して、タンパク質分解性切断によって産生される。あるいは、分泌されるタ
ンパク質結合フラグメントは、組換えDNA技術の適用により、または合成化学
により産生され得る。
【0787】 ヒトにおける抗体のインビボ使用のために、「ヒト化」キメラモノクローナル
抗体を使用することが好ましくあり得る。このような抗体は、上記のモノクロー
ナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞に由来する遺伝的構築物を使用すること
によって産生され得る。キメラ抗体を産生するための方法は当該分野で公知であ
る(総説については、Morrison,Science 229:1202(
1985);Oiら、BioTechniques 4:214(1986);
Cabillyら、米国特許第4,816,567号;Taniguchiら、
EP 171496;Morrisonら、EP 173494;Neuber
gerら、WO 8601533;Robinsonら、WO 8702671
;Boulianneら、Nature 312:643(1984);Neu
bergerら、Nature 314:268(1985)を参照のこと)。
【0788】 (実施例11:ハイスループットスクリーニングアッセイのための分泌タンパ
ク質の産生) 以下のプロトコルは、試験されるべきポリぺプチドを含有する上清を産生する
。次いで、この上清は、実施例13〜20に記載されるスクリーニングアッセイ
において使用され得る。
【0789】 第一に、ポリ−D−リジン(644 587 Boehringer−Man
nheim)ストック溶液(PBS中に1mg/ml)を、PBS(カルシウム
もマグネシウムも含まない17−516F Biowhittaker)中で1
:20に希釈して、作業溶液50μg/mlにする。200μlのこの溶液を、
各ウェル(24ウェルプレート)に添加し、そして室温で20分間インキュベー
トする。溶液を各ウェルにわたって分配させることを確実にする(注:12チャ
ンネルピペッターは、1つおきのチャンネルにチップをつけて使用され得る)。
ポリ−D−リジン溶液を吸引除去し、そして1ml PBS(リン酸緩衝化生理
食塩水)でリンスする。PBSは、細胞をプレートする直前までウェル中に残す
べきであり、そしてプレートは2週間前までに予めポリリジンでコーティングし
得る。
【0790】 293T細胞(P+20を過ぎて細胞を保有しない)を、2×105細胞/ウ
ェルで、0.5mlのDMEM(Dulbecco改変Eagle培地)(4.
5G/LのグルコースおよびL−グルタミン(12−604F Biowhit
taker)を含む)/10%熱非働化FBS(14−503F Biowhi
ttaker)/1×Penstrep(17−602E Biowhitta
ker)中にプレートする。細胞を一晩増殖させる。
【0791】 翌日、滅菌溶液容器(basin)中で、300μlリポフェクトアミン(1
8324−012 Gibco/BRL)および5ml Optimem I(
31985070 Gibco/BRL)/96ウェルプレートを、一緒に混合
する。小容量のマルチチャンネルピペッターを用いて、実施例8または9に記載
する方法によって産生されたポリヌクレオチド挿入物を含有する約2μgの発現
ベクターを、適切に標識された96ウェルの丸底プレート中にアリコートする。
マルチチャンネルピペッターを用いて、50μlのリポフェクトアミン/Opt
imem I混合物を各ウェルに添加する。ピペットで緩やかに吸い上げたり下
げたりして混合する。室温で15〜45分間インキュベートする。約20分後、
マルチチャンネルピペッターを使用して150μlのOptimem Iを各ウ
ェルに添加する。コントロールとして、挿入物を欠失するベクターDNAの1つ
のプレートは、トランスフェクションの各セットでトランスフェクトされるべき
である。
【0792】 好ましくは、トランスフェクションは、以下の作業をタッグチームを組んで(
tag−teaming)行うべきである。タッグチームを組むことによって、
時間に関する労力は半減され、そして細胞にはPBS上であまり多くの時間を過
ごさせない。まず、Aさんは、培地を細胞の4つの24ウェルプレートから吸引
除去し、次いでBさんが0.5〜1mlのPBSで各ウェルをリンスする。次い
で、Aさんは、PBSリンスを吸引除去し、そしてBさんは、チャンネル1つお
きにチップのついた12チャンネルピペッターを使用して、200μlのDNA
/リポフェクトアミン/Optimem I複合体を、まず奇数のウェルに、次
いで偶数のウェルにと、24ウェルプレート上の各列に添加する。37℃で6時
間インキュベートする。
【0793】 細胞をインキュベートする間に、1×ペンストレップ(penstrep)を
有するDMEM中の1%BSAか、または2mMグルタミンおよび1×ペンスト
レップを含むCHO−5培地(116.6mg/LのCaCl2(無水物);0
.00130mg/L CuSO4−5H2O;0.050mg/LのFe(NO33−9H2O;0.417mg/LのFeSO4−7H2O;311.80mg
/LのKCl;28.64mg/LのMgCl2;48.84mg/LのMgS
4;6995.50mg/LのNaCl;2400.0mg/LのNaHCO3 ;62.50mg/LのNaH2PO4−H2O;71.02mg/LのNa2HP
4;0.4320mg/LのZnSO4−7H2O;0.002mg/Lのアラ
キドン酸;1.022mg/Lのコレステロール;0.070mg/LのDL−
α−酢酸トコフェロール;0.0520mg/Lのリノール酸;0.010mg
/Lのリノレン酸;0.010mg/Lのミリスチン酸;0.010mg/Lの
オレイン酸;0.010mg/Lのパルミトオレイン酸(palmitric
acid);0.010mg/Lのパルミチン酸;100mg/LのPluro
nic F−68;0.010mg/Lのステアリン酸;2.20mg/LのT
ween80;4551mg/LのD−グルコース;130.85mg/mlの
L−アラニン;147.50mg/mlのL−アルギニン−HCl;7.50m
g/mlのL−アスパラギン−H2O;6.65mg/mlのL−アスパラギン
酸;29.56mg/mlのL−シスチン2HCl−H2O;31.29mg/
mlのL−シスチン−2HCl;7.35mg/mlのL−グルタミン酸;36
5.0mg/mlのL−グルタミン;18.75mg/mlのグリシン;52.
48mg/mlのL−ヒスチジン−HCl−H2O;106.97mg/mlの
L−イソロイシン;111.45mg/mlのL−ロイシン;163.75mg
/mlのL−リジンHCl;32.34mg/mlのL−メチオニン;68.4
8mg/mlのL−フェニルアラニン;40.0mg/mlのL−プロリン;2
6.25mg/mlのL−セリン;101.05mg/mlのL−スレオニン;
19.22mg/mlのL−トリプトファン;91.79mg/mlのL−チロ
シン(Tryrosine)−2Na−2H2O;99.65mg/mlのL−
バリン;0.0035mg/Lのビオチン;3.24mg/LのD−Caパント
テン酸;11.78mg/Lの塩化コリン;4.65mg/Lの葉酸;15.6
0mg/Lのi−イノシトール;3.02mg/Lのナイアシンアミド;3.0
0mg/LのピリドキサールHCl;0.031mg/LのピリドキシンHCl
;0.319mg/Lのリボフラビン;3.17mg/LのチアミンHCl;0
.365mg/Lのチミジン;および0.680mg/LのビタミンB12;25
mMのHEPES緩衝剤;2.39mg/LのNaヒポキサンチン;0.105
mg/Lのリポ酸;0.081mg/Lのプトレシンナトリウム−2HCl;5
5.0mg/Lのピルビン酸ナトリウム;0.0067mg/Lの亜セレン酸ナ
トリウム;20μMのエタノールアミン;0.122mg/Lのクエン酸第二鉄
;41.70mg/Lのリノール酸と複合体化したメチル−B−シクロデキスト
リン;33.33mg/Lのオレイン酸と複合体化したメチル−B−シクロデキ
ストリン;ならびに10mg/Lのレチナールと複合体化したメチル−B−シク
ロデキストリン)のいずれかの適切な培地を調製する。(10%BSAストック
溶液のために、1L DMEM中にBSA(81−068−3 Bayer)1
00gを溶解した)。培地を濾過し、そして50μlを内毒素アッセイのために
15mlポリスチレンコニカル中に収集する。
【0794】 トランスフェクション反応を、好ましくはタッグチームを組んでインキュベー
ション時間の終わりに終結させる。Aさんは、トランスフェクション培地を吸引
除去し、その間Bさんは、1.5mlの適切な培地を各ウェルに添加する。使用
された培地に依存して45時間または72時間、37℃でインキュベートする:
1%BSAは45時間、またはCHO−5は72時間。
【0795】 4日目に、300μlのマルチチャンネルピペッターを使用して、600μl
を1mlの深底ウェルプレート1枚にアリコートし、そして残りの上清を2ml
の深底ウェルにアリコートする。次いで、各ウェルからの上清を実施例13〜2
0に記載するアッセイにおいて使用し得る。
【0796】 活性が、上清を使用して以下に記載する任意のアッセイにおいて得られる場合
、この活性は、ポリぺプチドから直接に(例えば、分泌タンパク質として)か、
または他のタンパク質の発現を誘導するポリぺプチドによって(このタンパク質
は、次いで上清中に分泌される)のいずれかに由来することが特に理解される。
従って、本発明はさらに、特定のアッセイにおける活性によって特徴づけられる
上清中のタンパク質を同定する方法を提供する。
【0797】 (実施例12:GASレポーター構築物の構築) 細胞の分化および増殖に関与する1つのシグナル伝達経路は、Jaks−ST
AT経路と呼ばれる。Jaks−STAT経路において活性化されたタンパク質
は、多くの遺伝子のプロモーターに位置する、γ活性化部位「GAS」エレメン
トまたはインターフェロン感受性応答エレメント(「ISRE」)に結合する。
これらのエレメントに対するタンパク質の結合は、関連する遺伝子の発現を変化
させる。
【0798】 GASエレメントおよびISREエレメントは、転写のシグナルトランスデュ
ーサーおよびアクチベーター、すなわち「STAT」と呼ばれるクラスの転写因
子によって認識される。STATファミリーには6つのメンバーが存在する。S
tat1およびStat3は、Stat2と同様に(IFNαに対する応答が広
範であるように)、多くの細胞型において存在する。Stat4は、より限定さ
れており、そして多くの細胞型には存在しないが、IL−12での処理後のTヘ
ルパークラスI細胞に見出されている。Stat5は、元々は***成長因子と呼
ばれたが、骨髄細胞を含む他の細胞においてより高い濃度で見出されている。そ
れは、多くのサイトカインによって組織培養細胞において活性化され得る。
【0799】 STATは活性化されて、Janus Kinase(「Jaks」)ファミ
リーとして知られる1セットのキナーゼによるチロシンリン酸化に際して細胞質
から核へ移動する。Jaksは、可溶性のチロシンキナーゼの独特のファミリー
の代表であり、そしてTyk2、Jak1、Jak2、およびJak3を含む。
これらのキナーゼは、有意な配列類似性を示し、そして一般には休止細胞におい
て触媒的に不活性である。
【0800】 Jaksは、以下の表によって要約されるように広範なレセプターによって活
性化される。(SchidlerおよびDarnell,Ann.Rev.Bi
ochem.64:621−51(1995)による総説から改変)。Jaks
を活性化し得るサイトカインレセプターファミリーは、2つの群に分けられる:
(a)クラス1は、IL−2、IL−3、IL−4、IL−6、IL−7、IL
−9、IL−11、IL−12、IL−15、Epo、PRL、GH、G−CS
F、GM−CSF、LIF、CNTF、およびトロンボポエチンに対するレセプ
ターを含み;そして(b)クラス2は、IFN−a、IFN−g、およびIL−
10を含む。クラス1レセプターは、保存されたシステインモチーフ(4つの保
存されたシステインおよび1つのトリプトファンのセット)、およびWSXWS
モチーフ(Trp−Ser−Xxx−Trp−Ser(配列番号2)をコードす
る膜近接領域)を共有する。
【0801】 従って、リガンドのレセプターへの結合の際に、Jaksは活性化され、これ
は次いでSTATを活性化し、これは、次いで移動し、そしてGASエレメント
に結合する。この全プロセスは、Jaks−STATシグナル伝達経路に包含さ
れる。
【0802】 それゆえ、GASまたはISREエレメントの結合によって反映されるJak
s−STAT経路の活性化は、細胞の増殖および分化に関与するタンパク質を示
すために使用され得る。例えば、増殖因子およびサイトカインは、Jaks−S
TAT経路を活性化することが知られている。(以下の表を参照のこと)。従っ
て、レポーター分子に連結したGASエレメントを使用することにより、Jak
s−STAT経路のアクチベーターが同定され得る。
【0803】
【表4】 実施例13〜14に記載される生物学的アッセイにおいて使用されるプロモー
ターエレメントを含む合成GASを構築するために、PCRに基づいたストラテ
ジーを用いてGAS−SV40プロモーター配列を生成する。5’プライマーは
、IRF1プロモーターにおいて見出され、そして一定の範囲のサイトカインで
の誘導の際にSTATに結合することが以前に実証されたGAS結合部位の4つ
の直列のコピーを含むが(Rothmanら、Immunity 1:457−
468(1994))、他のGASエレメントまたはISREエレメントを代わ
りに使用し得る。5’プライマーはまた、SV40初期プロモーター配列に対し
て相補的な18bpの配列も含み、そしてXhoI部位に隣接する。5’プライ
マーの配列は以下である:
【0804】
【化61】 下流プライマーはSV40プロモーターに対して相補的であり、そしてHin
d III部位に隣接する:5’:GCGGCAAGCTTTTTGCAAAG
CCTAGGC:3’(配列番号4)。
【0805】 PCR増幅を、Clontechから入手したB−gal:プロモータープラ
スミド中に存在するSV40プロモーターのテンプレートを用いて実施する。得
られたPCRフラグメントをXhoI/Hind IIIを用いて消化し、そし
てBLSK2−(Stratagene)にサブクローニングする。正方向およ
び逆方向のプライマーを用いる配列決定により、挿入物が以下の配列を含むこと
を確認する:
【0806】
【化62】 このGASプロモーターエレメントがSV40プロモーターに結合されると、
次に、GAS:SEAP2レポーター構築物を操作する。ここで、レポーター分
子は、分泌アルカリホスファターゼ、すなわち「SEAP」である。しかし、明
らかに、この実施例または他の実施例のいずれにおいても、任意のレポーター分
子が、SEAPの代わりとなり得る。SEAPの代わりに使用され得る周知のレ
ポーター分子としては、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(C
AT)、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、グ
リーン蛍光タンパク質(GFP)、または抗体により検出可能な任意のタンパク
質が挙げられる。
【0807】 上記の配列により確認された合成GAS−SV40プロモーターエレメントを
、GAS−SEAPベクターを作製するために、HindIIIおよびXhoI
を用いて、増幅したGAS:SV40プロモーターエレメントでSV40プロモ
ーターを有効に置換し、Clontechから入手したpSEAP−プロモータ
ーベクターにサブクローニングする。しかし、このベクターはネオマイシン耐性
遺伝子を含まず、それゆえ、哺乳動物の発現系には好ましくない。
【0808】 従って、GAS−SEAPレポーターを発現する哺乳動物の安定な細胞株を作
製するために、GAS−SEAPカセットを、SalIおよびNotIを用いて
GAS−SEAPベクターから取り出し、そしてGAS−SEAP/Neoベク
ターを作製するために、マルチクローニング部位におけるこれらの制限部位を用
いて、ネオマイシン耐性遺伝子を含むバックボーンベクター(例えば、pGFP
−1(Clontech))に挿入する。一旦、このベクターを哺乳動物細胞に
トランスフェクトすれば、このベクターは、実施例13〜14に記載されるよう
にGAS結合についてのレポーター分子として使用され得る。
【0809】 他の構築物を、上記の説明を使用し、そしてGASを異なるプロモーター配列
で置換して、作製し得る。例えば、NFK−BおよびEGRプロモーター配列を
含むレポーター分子の構築を、実施例15および16に記載する。しかし、多く
の他のプロモーターを、これらの実施例に記載のプロトコルを使用して置換し得
る。例えば、SRE、IL−2、NFAT、またはオステオカルシンのプロモー
ターを単独で、または組み合わせて(例えば、GAS/NF−KB/EGR、G
AS/NF−KB、Il−2/NFAT、またはNF−KB/GAS)置換し得
る。同様に、他の細胞株(例えば、HELA(上皮細胞)、HUVEC(内皮細
胞)、Reh(B細胞)、Saos−2(骨芽細胞)、HUVAC(大動脈細胞
)、または心筋細胞)を、レポーター構築物の活性を試験するために使用し得る
【0810】 (実施例13:T細胞の活性についての高処理能力スクリーニングアッセイ) 以下のプロトコルを使用して、因子を同定すること、および本発明のポリペプ
チドを含有する上清がT細胞を増殖および/または分化するか否かを決定するこ
とによって、T細胞活性を評価する。T細胞の活性を実施例12で作製したGA
S/SEAP/Neo構築物を用いて評価する。従って、SEAP活性を増加さ
せる因子は、Jaks−STATSシグナル伝達経路を活性化する能力を示す。
このアッセイに使用したT細胞は、Jurkat T細胞(ATCC受託番号T
IB−152)であるが、Molt−3細胞(ATCC受託番号CRL−155
2)およびMolt−4細胞(ATCC受託番号CRL−1582)細胞もまた
使用し得る。
【0811】 Jurkat T細胞は、リンパ芽球性CD4+ Th1ヘルパー細胞である
。安定な細胞株を作製するために、およそ200万のJurkat細胞をDMR
IE−C(Life Technologies)を用いて、GAS−SEAP
/neoベクターでトランスフェクトする(以下に記載のトランスフェクション
手順)。トランスフェクトした細胞を、およそ20,000細胞/ウェルの密度
で播種し、そして1mg/mlのジェネティシン(genticin)に対して
耐性であるトランスフェクト体を選択する。耐性コロニーを増殖させ、次いで、
漸増する濃度のインターフェロンγに対するそれらの応答について試験する。選
択したクローンの用量応答を示す。
【0812】 詳細には、以下のプロトコルにより、200μlの細胞を含む75のウェルに
ついて十分な細胞を得る。従って、複数の96ウェルプレートについて十分な細
胞を産生するために、これをスケールアップするか、または複数で実施するかの
いずれかを行う。Jurkat細胞をRPMI+10%血清および1%のPen
−Strep中で維持する。T25フラスコ中で2.5mlのOPTI−MEM
(Life Technologies)と10μgのプラスミドDNAとを組
み合わせる。50μlのDMRIE−Cを含む2.5mlのOPTI−MEMを
添加し、そして、室温で15〜45分間インキュベートする。
【0813】 インキュベート時間の間、細胞濃度をカウントし、必要な細胞数(トランスフ
ェクションあたり107個)をスピンダウンし、そして最終濃度が107細胞/m
lとなるようにOPTI−MEM中で再懸濁する。次いで、OPTI−MEM中
の1×107個の細胞の1mlをT25フラスコに加え、そして37℃で6時間
インキュベートする。インキュベーションの後、10mlのRPMI+15%の
血清を添加する。
【0814】 Jurkat:GAS−SEAP安定レポーター株をRPMI+10%血清、
1mg/mlジェネティシン、および1%のPen−Strep中で維持する。
これらの細胞は、本発明のポリペプチドを含む上清で処理されるか、および/ま
たは実施例11に記載のプロトコールにより産生されるよう本発明のポリペプチ
ドを誘導される。
【0815】 上清での処理日に細胞を洗浄すべきであり、そして1mlあたり500,00
0個の細胞の密度となるように新鮮なRPMI+10%血清中に再懸濁するべき
である。必要な細胞の正確な数は、スクリーニングされる上清の数に依存する。
1枚の96ウェルプレートについて、およそ1000万個の細胞(10枚のプレ
ートについて1億個の細胞)を必要とする。
【0816】 12チャンネルのピペットを用いて96ウェルのディッシュに細胞を分与する
ために、三角のリザーバーボートに細胞を移す。200μlの細胞を、12チャ
ンネルのピペットを用いて、それぞれのウェルに移す(従って、ウェル当たり1
00,000個の細胞を添加する)。
【0817】 全てのプレートに播種した後、50μlの上清を、12チャンネルピペットを
用いて、上清を含む96ウェルプレートから各ウェルに直接的に移す。さらに、
外来性のインターフェロンγの用量(0.1、1.0、10ng)を、ウェルH
9、ウェルH10、およびウェルH11に添加し、アッセイについてのさらなる
陽性コントロールとして使用する。
【0818】 上清で処理したJurkat細胞を含む96ウェルディッシュをインキュベー
ターに48時間置く(注記:この時間は48〜72時間の間で変更可能である)
。次いで、各ウェルから35μlのサンプルを12チャンネルのピペットを用い
て、不透明な96ウェルプレートに移す。不透明なプレートを(セロファンのカ
バーを用いて)覆うべきであり、そして実施例17に記載のSEAPアッセイを
実施するまで、−20℃で保存するべきである。残存する処理した細胞を含むプ
レートを4℃に置き、そして、所望するならば、特定のウェル上でのアッセイを
繰り返すための物質の供給源として供する。
【0819】 陽性コントロールとして、100ユニット/mlのインターフェロンγを使用
し得、これは、Jurkat T細胞を活性化することが公知である。代表的に
は、30倍を超える誘導が、陽性コントロールのウェルにおいて観察される。
【0820】 上述のプロトコルは、一過性および安定性の両方のトランスフェクト細胞の作
製に用いられ得、このことは当業者に明らかである。
【0821】 (実施例14:骨髄性の活性を同定する高処理能力スクリーニングアッセイ) 以下のプロトコルを使用して、本発明のポリペプチドが骨髄性細胞を増殖およ
び/または分化させるか否かを決定することにより骨髄性の活性を評価する。骨
髄性細胞の活性を実施例12において産生されたGAS/SEAP/Neo構築
物を用いて評価する。従って、SEAP活性を増加させる因子は、Jaks−S
TATSシグナル伝達経路を活性化させる能力を示す。このアッセイに使用した
骨髄性細胞は、U937(前単球(pre−monocyte)細胞株)である
が、TF−1、HL60、またはKG1も使用し得る。
【0822】 U937細胞を、実施例12において産生されたGAS/SEAP/Neo構
築物で、一過性にトランスフェクトするために、DEAE−Dextran法(
Kharbandaら、1994,Cell Growth & Differ
entiation,5:259−265)を用いる。最初に、2×10e7
のU937細胞を回収し、そしてPBSで洗浄する。U937細胞を、通常、1
00単位/mlのペニシリンおよび100mg/mlのストレプトマイシンを補
充した10%熱非働化ウシ胎仔血清(FBS)を含むRPMI 1640培地中
で増殖させる。
【0823】 次に、0.5mg/ml DEAE−Dextran、8μgのGAS−SE
AP2プラスミドDNA、140mM NaCl、5mM KCl、375μM
Na2HPO4・7H2O、1mM MgCl2、および675μM CaCl2
を含む1mlの20mM Tris−HCl(pH 7.4)緩衝液に細胞を懸
濁する。37℃で45分間インキュベートする。
【0824】 10% FBSを含むRPMI 1640培地で細胞を洗浄し、次いで、10
mlの完全培地に再懸濁し、そして37℃で36時間インキュベートする。
【0825】 GAS−SEAP/U937安定細胞を、400μg/mlのG418中で細
胞を増殖させることにより得る。G418を含まない培地を使用して、慣用的に
増殖させるが、1〜2ヶ月毎に細胞を二継代の間、400μg/ml G418
中で再増殖させるべきである。
【0826】 これらの細胞を1×108個の細胞(これは10枚の96ウェルプレートアッ
セイのために十分である)を回収することにより試験し、そしてPBSで洗浄す
る。上記の200mlの増殖培地中に、5×105細胞/mlの最終密度で細胞
を懸濁する。96ウェルプレートにおいてウェルあたり200μlの細胞(すな
わち、1×105細胞/ウェル)をプレートする。
【0827】 実施例11に記載されるプロトコルにより調製された上清の50μlを添加す
る。37℃で48〜72時間インキュベートする。陽性コントロールとして、1
00単位/mlのインターフェロンγを使用し得、これはU937細胞を活性化
させることが公知である。代表的には、30倍を超える誘導が、陽性コントロー
ルウェルにおいて観察される。実施例17に記載のプロトコルに従って上清をS
EAPアッセイする。
【0828】 (実施例15:ニューロン活性を同定する高処理能力スクリーニングアッセイ
) 細胞が分化および増殖を経る場合、一群の遺伝子が多くの異なるシグナル伝達
経路を介して活性化される。これらの遺伝子の1つであるEGR1(初期増殖応
答遺伝子1)は、活性化時に種々の組織および細胞型において誘導される。EG
R1のプロモーターはこのような誘導を担う。レポーター分子に結合したEGR
1プロモーターを使用して、細胞の活性化を評価し得る。
【0829】 詳細には、以下のプロトコルをPC12細胞株におけるニューロン活性を評価
するために使用する。PC12細胞(ラット褐色細胞腫(phenochrom
ocytoma)細胞)は、多くのマイトジェン(例えば、TPA(テトラデカ
ノイルホルボールアセテート)、NGF(神経成長因子)、およびEGF(上皮
増殖因子))での活性化により、増殖および/または分化することが公知である
。この処理の間にEGR1遺伝子発現を活性化する。従って、SEAPレポータ
ーに結合したEGRプロモーターを含む構築物でPC12細胞を安定にトランス
フェクトすることにより、PC12細胞の活性化を評価し得る。
【0830】 EGR/SEAPレポーター構築物を以下のプロトコルにより組み立て得る。
EGR−1プロモーター配列(−633〜+1)(Sakamoto Kら、O
ncogene 6:867−871(1991))を以下のプライマーを用い
て、ヒトゲノムDNAからPCR増幅し得る: 5’GCGCTCGAGGGATGACAGCGATAGAACCCCGG−
3’(配列番号6) 5’GCGAAGCTTCGCGACTCCCCGGATCCGCCTC−3
’(配列番号7)。
【0831】 次いで、実施例12において作製したGAS:SEAP/Neoベクターを使
用して、EGR1増幅産物をこのベクターに挿入し得る。制限酵素XhoI/H
indIIIを使用してGAS:SEAP/Neoベクターを直鎖状化し、GA
S/SV40スタッファー(stuffer)を取り除く。これらと同じ酵素を
用いて、EGR1増幅産物を制限処理する。ベクターとEGR1プロモーターと
を連結する。
【0832】 細胞培養のための96ウェルプレートを調製するために、コーティング溶液(
コラーゲンI型(Upstate Biotech Inc.カタログ番号08
−115)の30%エタノール(滅菌濾過)での1:30希釈)を1つの10c
mプレートあたり2ml、または96ウェルプレートのウェルあたり50ml添
加し、そして2時間風乾させる。
【0833】 PC12細胞を、予めコートした10cm組織培養ディッシュ上で、ペニシリ
ン(100単位/ml)およびストレプトマイシン(100μg/ml)を補充
した、10%ウマ血清(JRH BIOSCIENCES、カタログ番号124
49−78P)、5%熱非働化ウシ胎仔血清(FBS)を含むRPMI−164
0培地(Bio Whittaker)中で慣用的に増殖させる。1つから4つ
への分割を3〜4日毎に行う。細胞を掻き取ることによりプレートから取り出し
、そして15回より多く上下にピペッティングして再懸濁する。
【0834】 EGR/SEAP/Neo構築物を、実施例11に記載のLipofecta
mineプロトコルを使用して、PC12にトランスフェクトする。EGR−S
EAP/PC12安定細胞を、300μg/mlのG418中で細胞を増殖させ
ることにより得る。G418を含まない培地を慣用的な増殖のために使用するが
、1〜2ヶ月毎に、細胞を2継代の間、300μg/mlのG418中で再増殖
させるべきである。
【0835】 ニューロン活性をアッセイするために、およそ70〜80%コンフルエントで
細胞を有する10cmプレートを、古い培地を除去することによりスクリーニン
グする。細胞をPBS(リン酸緩衝化生理食塩水)を用いて1回洗浄する。次い
で、細胞を低血清培地(抗生物質とともに1%ウマ血清および0.5% FBS
を含むRPMI−1640)中で一晩、飢餓(starve)させる。
【0836】 翌朝、培地を除去し、そしてPBSで細胞を洗浄する。プレートから細胞を掻
き取り、細胞を2mlの低血清培地中で懸濁する。細胞数をカウントし、そして
より低血清の培地を添加し、5×105細胞/mlの最終細胞密度に到達させる
【0837】 200μlの細胞懸濁液を96ウェルプレートの各ウェルに添加する(1×1
5細胞/ウェルに等しい)。実施例11により産生された50μlの上清を、
37℃で48〜72時間添加する。陽性コントロールとして、EGRを介してP
C12細胞を活性化することが公知の成長因子(例えば、50ng/μlの神経
成長因子(NGF))を使用し得る。代表的には、50倍を超えるSEAP誘導
が陽性コントロールウェルにおいて見られる。実施例17に従って、上清をSE
APアッセイする。
【0838】 (実施例16:T細胞の活性についての高処理能力スクリーニングアッセイ) NF−KB(核因子KB)は、広範な種々の薬剤(炎症性サイトカインである
IL−1およびTNF、CD30およびCD40、リンホトキシン−αおよびリ
ンホトキシン−βを含む)により、LPSまたはトロンビンへの曝露により、な
らびに特定のウイルス遺伝子産物の発現により活性化される転写因子である。転
写因子として、NF−KBは免疫細胞の活性化に関与する遺伝子の発現、アポト
ーシスの制御(NF−KBは、アポトーシスから細胞を保護するようである)、
B細胞およびT細胞の発生、抗ウイルス応答および抗菌応答、ならびに複数のス
トレス応答を調節する。
【0839】 刺激されない条件において、NF−KBは、I−KB(インヒビターKB)を
有する細胞質に保持される。しかし、刺激の際に、I−KBはリン酸化され、そ
して分解され、NF−KBの核への往復(shuttle)を引き起こし、これ
により標的遺伝子の転写を活性化する。NF−KBにより活性化される標的遺伝
子としては、IL−2、IL−6、GM−CSF、ICAM−1およびクラス1
MHCが挙げられる。
【0840】 その中心的な役割および一定の範囲の刺激に応答する能力に起因して、NF−
KBプロモーターエレメントを利用するレポーター構築物を、実施例11におい
て産生された上清をスクリーニングするために使用する。NF−KBのアクチベ
ーターまたはインヒビターは、疾患の処置に有用である。例えば、NF−KBの
インヒビターを、急性または慢性的なNF−KBの活性化に関連する疾患(例え
ば、慢性関節リウマチ)を処置するために使用し得る。
【0841】 NF−KBプロモーターエレメントを含むベクターを構築するために、PCR
に基づいたストラテジーを用いる。上流のプライマーは、NF−KB結合部位(
GGGGACTTTCCC)(配列番号8)の4つの直列のコピー、SV40初
期プロモーター配列の5’末端に対して相補的な18bpの配列を含み、そして
XhoI部位に隣接する: 5’:GCGGCCTCGAGGGGACTTTCCCGGGGACTTTCC
GGGGACTTTCCGGGACTTTCCATCCTGCCATCTCAA
TTAG:3’(配列番号9)。
【0842】 下流プライマーは、SV40プロモーターの3’末端に対して相補的であり、
そしてHindIII部位に隣接する: 5’:GCGGCAAGCTTTTTGCAAAGCCTAGGC:3’(配列
番号4)。
【0843】 PCR増幅を、Clontechから入手したpB−gal:プロモータープ
ラスミドに存在するSV40プロモーターのテンプレートを使用して実施する。
得られたPCRフラグメントをXhoIおよびHindIIIで消化し、そして
BLSK2−(Stratagene)にサブクローニングする。T7およびT
3プライマーを用いる配列決定により、挿入物が以下の配列を含むことを確認す
る:
【0844】
【化63】 次に、XhoIおよびHindIIIを使用して、pSEAP2−プロモータ
ープラスミド(Clontech)に存在するSV40最小プロモーターエレメ
ントをこのNF−KB/SV40フラグメントで置換する。しかし、このベクタ
ーはネオマイシン耐性遺伝子を含まず、そしてそれゆえ哺乳動物の発現系には好
ましくない。
【0845】 安定な哺乳動物細胞株を作製するために、NF−KB/SV40/SEAPカ
セットを制限酵素SalIおよびNotIを使用して上記のNF−KB/SEA
Pベクターから取り出し、そしてネオマイシン耐性を含むベクターに挿入する。
詳細には、SalIおよびNotIでpGFP−1を制限処理した後に、NF−
KB/SV40/SEAPカセットをpGFP−1(Clontech)に挿入
し、GFP遺伝子を置換した。
【0846】 一旦、NF−KB/SV40/SEAP/Neoベクターを作製した後は、実
施例13に記載のプロトコルに従って、安定なJurkat T細胞を作製し、
そして維持する。同様に、これらの安定なJurkat T細胞を含む上清をア
ッセイするための方法がまた、実施例13に記載される。陽性コントロールとし
て、外因性のTNFα(0.1、1、10ng)をウェルH9、H10、および
H11に添加し、代表的には、5〜10倍の活性化が観察される。
【0847】 (実施例17:SEAP活性についてのアッセイ) 実施例13〜16に記載されるアッセイのためのレポーター分子として、SE
AP活性を、以下の一般的な手順に従ってTropix Phospho−li
ght Kit(カタログ番号BP−400)を用いてアッセイする。Trop
ix Phospho−light Kitは、以下で使用される希釈緩衝液、
アッセイ緩衝液、および反応緩衝液を供給する。
【0848】 ディスペンサーに2.5×希釈緩衝液を満たし、そして15μlの2.5×希
釈緩衝液を35μlの上清を含むオプティプレート(Optiplate)に分
与する。プラスチックシーラーでプレートをシールし、そして65℃で30分間
インキュベートする。一様でない加温を避けるためにオプティプレートを離して
おく。
【0849】 サンプルを室温まで15分間冷却する。ディスペンサーを空にし、そしてアッ
セイ緩衝液を満たす。50μlのアッセイ緩衝液を添加し、そして室温で5分間
インキュベートする。ディスペンサーを空にし、そして反応緩衝液を満たす(以
下の表を参照のこと)。50μlの反応緩衝液を添加し、そして室温で20分間
インキュベートする。化学発光シグナルの強度は時間依存的であり、そしてルミ
ノメーターで5つのプレートを読み取るために約10分間を費やすので、1回に
5つのプレートを処理し、10分後に2つ目のセットを開始するべきである。
【0850】 ルミノメーターにおける相対的な光の単位(light unit)を読み取
る。ブランクとしてH12をセットし、そして結果を印字する。化学発光の増加
は、レポーター活性を示す。
【0851】
【表5】 (実施例18:低分子の濃度および膜透過性における変化を同定するハイスル
ープットスクリーニングアッセイ) レセプターへのリガンドの結合は、カルシウム、カリウム、ナトリウムのよう
な低分子およびpHの細胞内レベルを変化させ、ならびに膜電位を変化させるこ
とは公知である。これらの変化を特定細胞のレセプターに結合する上清の同定を
行うアッセイで測定し得る。以下のプロトコルは、カルシウムについてのアッセ
イを記載するが、このプロトコルは、カリウム、ナトリウム、pH、膜電位、ま
たは蛍光プローブにより検出可能な任意の他の低分子における変化を検出するよ
うに容易に改変し得る。
【0852】 以下のアッセイは、蛍光測定画像化プレートリーダー(「FLIPR」)を使
用して低分子と結合する蛍光分子(Molecular Probes)におけ
る変化を測定する。明らかに、低分子を検出する任意の蛍光分子を本明細書で用
いるカルシウム蛍光分子、fluo−4(Molecular Probes,
Inc.;カタログ番号F−14202)の代わりに使用し得る。
【0853】 接着細胞については、細胞を10,000〜20,000細胞/ウェルで、底
が透明なCo−star黒色96ウェルプレートに播種する。プレートをCO2
インキュベーター内で20時間インキュベートする。接着細胞をBiotek洗
浄器内で200μlのHBSS(Hank’s Balanced Salt
Solution)で二回洗浄し、最後の洗浄後、緩衝液100μlを残す。
【0854】 1mg/ml fluo−4のストック溶液を10%プルロン酸(pluro
nic acid)DMSOで作製する。細胞にfluo−4を負荷するため、
12μg/ml fluo−4(50μl)を各ウェルに添加する。このプレー
トをCO2インキュベーター中、37℃で60分間インキュベートする。プレー
トをBiotek洗浄器で、HBSSにより4回洗浄し、緩衝液100μlを残
す。
【0855】 非接着細胞については、細胞を培養培地からスピンダウンする。細胞を、50
mlのコニカルチューブ内でHBSSを用いて2〜5×106細胞/mlに再懸
濁する。細胞懸濁液1mlあたり、1mg/ml fluo−4の10%プルロ
ン酸DMSO溶液4μlを加える。次に、チューブを37℃の水浴中に30〜6
0分間置く。細胞をHBSSで二回洗浄し、1×106細胞/mlに再懸濁し、
そしてマイクロプレートに100μl/ウェルずつ分配する。プレートを100
0rpmで5分間遠心分離する。次に、プレートをDenley CellWa
sh中で200μlで一回洗浄した後、吸引工程により最終容量を100μlに
する。
【0856】 非細胞ベースのアッセイについては、各ウェルは、fluo−4のような蛍光
分子を含有する。上清をウェルに添加し、そして蛍光変化を検出する。
【0857】 細胞内カルシウムの蛍光を測定するため、FLIPRを以下のパラメーターに
ついて設定する:(1)システムゲインは、300〜800mWであり;(2)
曝露時間は、0.4秒間であり;(3)カメラF/ストップは、F/2であり;
(4)励起は488nmであり;(5)発光は530nmであり;そして(6)
サンプル添加は50μlである。530nmにおける発光の増加は、細胞内Ca++ 濃度の増加を生じる、細胞外シグナル伝達事象を示す。
【0858】 (実施例19:チロシンキナーゼ活性を同定するハイスループットスクリーニ
ングアッセイ) プロテインチロシンキナーゼ(PTK)は、多様な群の膜貫通キナーゼおよび
細胞質キナーゼを表す。レセプタープロテインチロシンキナーゼ(RPTK)群
内に、PDGF、FGF、EGF、NGF、HGFおよびインスリンレセプター
サブファミリーを含む、一定の範囲の有糸***促進性(mitogenic)お
よび代謝性成長因子のレセプターがある。さらに、対応するリガンドが未知であ
る大きなRPTKファミリーがある。RPTKのリガンドは、主として分泌され
る低分子量タンパク質を含むが、膜結合型および細胞外マトリックスタンパク質
も含む。
【0859】 リガンドによるRPTKの活性化は、リガンド媒介レセプター二量体化を含み
、これはレセプターサブユニットのトランスリン酸化および細胞質チロシンキナ
ーゼの活性化を生じる。細胞質チロシンキナーゼとしては、srcファミリー(
例えば、src、yes、lck、lyn、fyn)のレセプター関連チロシン
キナーゼ、ならびにJakファミリーのような非レセプター結合型および細胞質
ゾルプロテインチロシンキナーゼが挙げられる。これらのメンバーは、サイトカ
インスーパーファミリー(例えば、インターロイキン、インターフェロン、GM
−CSFおよびレプチン)のレセプターによって誘発されるシグナル伝達を媒介
する。
【0860】 チロシンキナーゼ活性を刺激し得る公知の因子は広範であるため、チロシンキ
ナーゼシグナル伝達経路を活性化し得るこれらの新規なヒト分泌タンパク質の同
定は興味深い。従って、以下のプロトコルを設計して、チロシンキナーゼシグナ
ル伝達経路を活性化し得る新規なヒト分泌タンパク質を同定する。
【0861】 標的細胞(例えば、初代ケラチノサイト)を約25,000細胞/ウェルの密
度で、Nalge Nunc(Naperville,IL)から購入した96
ウェルLoprodyne Silent Screen Plateに播種す
る。プレートを100%エタノールで30分間、二回リンスして滅菌し、水でリ
ンスした後、一晩乾燥させる。幾つかのプレートを、100mlの細胞培養グレ
ードI型コラーゲン(50mg/ml)、ゼラチン(2%)またはポリリジン(
50mg/ml)(これらは全て、Sigma Chemicals(St.L
ouis,MO)から購入し得る)で、またはBecton Dickinso
n(Bedford,MA)から購入した10%Matrigel、あるいは仔
ウシ血清で2時間コートし、PBSでリンスした後、4℃で保存する。増殖培地
に5,000細胞/ウェルを播種し、製造業者のAlamar Bioscie
nces,Inc.(Sacramento,CA)が記載するように、ala
marBlueを使用して48時間後に細胞数を間接定量することにより、これ
らのプレート上の細胞増殖をアッセイする。Becton Dickinson
(Bedford,MA)のFalconプレートカバー#3071を使用し、
Loprodyne Silent Screen Plateを覆う。Fal
con Microtest III細胞培養プレートもまた、いくつかの増殖
実験において使用し得る。
【0862】 抽出物を調製するため、A431細胞をLoprodyneプレートのナイロ
ン膜上に播種し(20,000/200ml/ウェル)、そして完全培地中で一
晩培養する。細胞を無血清基本培地中で24時間インキュベートして静止させる
。EGF(60ng/ml)または実施例11で生成した上清50μlで5〜2
0分間処理した後、培地を除去し、100mlの抽出緩衝液(20mM HEP
ES pH7.5、0.15M NaCl、1%TritonX−100,0.
1%SDS、2mM Na3VO4、2mM Na427およびBoeheri
nger Mannheim(Indianapolis,IN)から入手した
プロテアーゼインヒビターの混合物(#1836170))を各ウェルに添加し
、そしてプレートを回転振盪器上、4℃で5分間振盪する。次に、プレートを真
空トランスファーマニホルド(vacuum transfer manifo
ld)に設置し、そしてハウスバキュームを使用して抽出物を各ウェルの底の0
.45mm膜で濾過する。抽出物をバキュームマニホールドの底の96ウェル捕
獲/アッセイプレートに集め、そして直ちに氷上に置く。遠心分離により明澄化
した抽出物を得るため、界面活性剤で5分間可溶化した後、各ウェルの含有物を
取り出し、4℃、16,000×gで15分間遠心分離する。
【0863】 濾過抽出物をチロシンキナーゼ活性のレベルについて試験する。チロシンキナ
ーゼ活性を検出する多数の方法が公知であるが、本明細書においては方法の一つ
を記載する。
【0864】 一般的に、特定の基質(ビオチン化ペプチド)上のチロシン残基をリン酸化す
る能力を決定することにより、上清のチロシンキナーゼ活性を評価する。この目
的に使用し得るビオチン化ペプチドとしては、PSK1(細胞***キナーゼcd
c2−p34のアミノ酸6〜20に相当)およびPSK2(ガストリンのアミノ
酸1〜17に相当)が挙げられる。両ペプチドは、一連のチロシンキナーゼの基
質であり、Boehringer Mannheimから入手可能である。
【0865】 以下の成分を順に添加することにより、チロシンキナーゼ反応を設定する。ま
ず、5μMビオチン化ペプチド10μlを添加した後、順に、ATP/Mg2+
5mM ATP/50mM MgCl2)10μl、5×アッセイ緩衝液(40
mM塩酸イミダゾール、pH7.3、40mM β−グリセロリン酸塩、1mM
EGTA、100mM MgCl2、5mM MnCl2、0.5mg/ml
BSA)10μl、バナジン酸ナトリウム(1mM)5μl、最後に水5μlを
加える。成分を穏やかに混合し、反応混合物を30℃で2分間プレインキュベー
トする。コントロール酵素または濾過上清10μlを加えて反応を開始させる。
【0866】 次に、120mM EDTA 10μlを添加することによりチロシンキナー
ゼアッセイ反応を停止し、その反応物を氷上に置く。
【0867】 反応混合物の50μlのアリコートをマイクロタイタープレート(MTP)モ
ジュールに移し、37℃で20分間インキュベートすることにより、チロシンキ
ナーゼ活性を測定する。これにより、ストレプトアビジン(streptava
din)コーティング96ウェルプレートをビオチン化ペプチドと会合させる。
MTPモジュールを300μl/ウェルのPBSで4回洗浄する。次に、西洋ワ
サビペルオキシダーゼに結合体化した抗ホスホチロシン(phospotyro
sine)抗体(抗P−Tyr−POD(0.5u/ml))75μlを、各ウ
ェルに添加した後、37℃で1時間インキュベートする。ウェルを上記のように
洗浄する。
【0868】 次に、ペルオキシダーゼ基質溶液(Boehringer Mannheim
)100μlを加え、室温で少なくとも5分間(最長30分間)インキュベート
する。ELISAリーダーを使用して、405nmにおけるサンプルの吸光度を
測定する。結合したペルオキシダーゼ活性のレベルをELISAリーダーを使用
して定量し、これは、チロシンキナーゼ活性のレベルを反映する。
【0869】 (実施例20:リン酸化活性を同定するハイスループットスクリーニングアッ
セイ) 実施例19に記載のプロテインチロシンキナーゼ活性アッセイの可能性のある
代替物および/または補完物(compliment)として、主要な細胞内シ
グナル伝達中間体の活性化(リン酸化)を検出するアッセイもまた使用し得る。
例えば、下記のように、一つの特定のアッセイは、Erk−1およびErk−2
キナーゼのチロシンリン酸化を検出し得る。しかし、Raf、JNK、p38M
AP、Mapキナーゼキナーゼ(MEK)、MEKキナーゼ、Src、筋肉特異
的キナーゼ(MuSK)、IRAK、TecおよびJanusのような他の分子
、ならびに他の任意のホスホセリン、ホスホチロシンまたはホスホスレオニン分
子のリン酸化を、以下のアッセイにおいてこれらの分子でErk−1またはEr
k−2を置き換えることにより検出し得る。
【0870】 詳細には、96ウェルELISAプレートのウェルをプロテインG(1μg/
ml)0.1mlにより室温(RT)で2時間コーティングしてアッセイプレー
トを作製する。次に、プレートをPBSでリンスし、3%BSA/PBSにより
RTで1時間ブロックする。次に、プロテインGプレートをErk−1およびE
rk−2に対する二つの市販のモノクローナル抗体(100ng/ウェル)(S
anta Cruz Biotechnology)で処理(RTで1時間)す
る。(他の分子を検出するために、上記の任意の分子を検出するモノクローナル
抗体を交換することにより、この工程を容易に改変し得る)。PBSで3〜5回
リンスした後、使用時まで、プレートを4℃で貯蔵する。
【0871】 A431細胞を20,000/ウェルで96ウェルLoprodyneフィル
タープレートに播種し、増殖培地中で一晩培養する。次に、細胞を基本培地(D
MEM)中で48時間飢餓させた後、EGF(6ng/ウェル)または実施例1
1で得た上清50μlで5〜20分間処理する。次に、細胞を可溶化し、抽出物
を濾過して直接アッセイプレート中に入れる。
【0872】 抽出物を用いてRTで1時間インキュベートした後、ウェルを再度リンスする
。陽性コントロールとして、市販のMAPキナーゼ調製物(10ng/ウェル)
をA431抽出物の代わりに使用する。次に、プレートを、Erk−1およびE
rk−2キナーゼのリン酸化エピトープを特異的に認識する市販のポリクローナ
ル(ウサギ)抗体(1μg/ml)で処理する(RTで1時間)。この抗体を標
準的な手順によりビオチン化する。次に、結合ポリクローナル抗体をユーロピウ
ムストレプトアビジンおよびユーロピウム蛍光増強剤とWallac DELF
IA装置内で連続的にインキュベートする(時間分解性蛍光)ことによって定量
する。バックグラウンドを超える蛍光シグナルの増加は、リン酸化を示す。
【0873】 (実施例21:ポリヌクレオチドに対応する遺伝子における変化の決定方法) 目的の表現型(例えば、疾患)を提示する家族全員または個々の患者から単離
されたRNAを単離する。次に、cDNAをこれらのRNAサンプルから当該分
野で公知のプロトコルを使用して生成する(Sambrookを参照のこと)。
次に、このcDNAを、配列番号Xにおける目的の領域を取り囲むプライマーを
用いるPCRのテンプレートとして使用する。示唆されるPCR条件は、Sid
ransky,D.ら、Science 252:706(1991)に記載の
緩衝溶液を使用し、95℃で30秒間;52〜58℃で60〜120秒間;およ
び70℃で60〜120秒間の35サイクルからなる。
【0874】 次に、PCR産物を、SequiTherm Polymerase(Epi
centre Technologies)を用い、5’末端にT4ポリヌクレ
オチドキナーゼで標識したプライマーを使用して配列決定する。選択したエキソ
ンのイントロン−エキソン境界もまた決定し、ゲノムPCR産物を分析してその
結果を確認する。次に、疑わしい変異を有するPCR産物のクローン化および配
列決定を行い、直接配列決定の結果を確認する。
【0875】 PCR産物を、Holton,T.A.およびGraham,M.W.,Nu
cleic Acids Research,19:1156(1991)に記
載のようにTテールベクターにクローン化し、T7ポリメラーゼ(United
States Biochemical)で配列決定する。罹患個体を、非罹
患個体には存在しない変異により同定する。
【0876】 ゲノム再配置もまた、ポリヌクレオチドに対応する遺伝子における改変を決定
する方法として観察する。実施例2に従って単離したゲノムクローンを、ジゴキ
シゲニンデオキシ−ウリジン5’−三リン酸(Boehringer Manh
eim)を用いてニックトランスレーションし、そしてJohnson, Cg
.ら、Methods Cell Biol. 35: 73−99(1991
)に記載のようにFISHを行う。対応するゲノムの遺伝子座への特異的ハイブ
リダイゼーションのために、大過剰のヒトcot−1 DNAを用いて標識プロ
ーブとのハイブリダイゼーションを行う。
【0877】 染色体を、4,6−ジアミノ−2−フェニリドールおよびヨウ化プロピジウム
で対比染色し、CバンドおよびRバンドの組み合わせを生成する。正確なマッピ
ングのための整列イメージを、三重バンドフィルターセット(Chroma T
echnology,Brattleboro,VT)と冷却電荷結合素子カメ
ラ(Photometrics,Tucson,AZ)および可変励起波長フィ
ルター(Johnson,Cv.ら、Genet.Anal.Tech.App
l.,8:75(1991))とを組み合わせて用いて得る。ISee Gra
phical Program System (Inovision Cor
poration, Durham, NC)を使用して、イメージ収集、分析
および染色体部分長測定を行う。プローブがハイブリダイズしたゲノム領域の染
色体変化を、挿入、欠失および転座として同定する。これらの変化を関連疾患の
診断マーカーとして使用する。
【0878】 (実施例22:生物学的サンプル中のポリペプチドの異常レベルを検出する方
法) 本発明のポリペプチドは生物学的サンプル中で検出され得、そしてポリペプチ
ドレベルの上昇または低下が検出されるなら、このポリペプチドは、特定表現型
のマーカーである。検出方法は数多くあり、そしてそれ故、当業者は以下のアッ
セイをそれらの特定の必要性に適合するように改変し得ることが理解される。
【0879】 例えば、抗体サンドイッチELISAを使用し、サンプル中、好ましくは、生
物学的サンプル中のポリペプチドを検出する。マイクロタイタープレートのウェ
ルを、特異的抗体を最終濃度0.2〜10μg/mlで用いてコーティングする
。この抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルのいずれかであって、実施
例10に記載の方法により産生される。ウェルに対するポリペプチドの非特異的
結合が減少するように、このウェルをブロックする。
【0880】 次に、コーティングしたウェルを、ポリペプチド含有サンプルを用いてRTで
2時間を超えてインキュベートする。好ましくは、サンプルの系列希釈を使用し
て結果を確認すべきである。次に、プレートを脱イオン水または蒸留水で三回洗
浄し、非結合ポリペプチドを除去する。
【0881】 次に、特異的抗体−アルカリホスファターゼ結合体50μlを25〜400n
gの濃度で加え、室温で2時間インキュベートする。プレートを再び脱イオン水
または蒸留水で三回洗浄し、未結合の結合体を除去する。
【0882】 4−メチルウンベリフェリルリン酸(MUP)またはp−ニトロフェニルリン
酸(NPP)基質溶液75μlを各ウェルに添加し、そして室温で1時間インキ
ュベートする。反応物をマイクロタイタープレートリーダーにより測定する。コ
ントロールサンプルの系列希釈を使用して標準曲線を作成し、そしてX軸(対数
スケール)にポリペプチド濃度を、そしてY軸(直線スケール)に蛍光または吸
光度をプロットする。標準曲線を用いてサンプル中のポリペプチド濃度を補間す
る。
【0883】 (実施例23:処方) 本発明はまた、有効量の治療剤を被験体に投与することによって、疾患または
障害(例えば、本明細書中に開示される任意の1以上の疾患など)を処置および
/または予防する方法を提供する。治療剤は、薬学的に受容可能なキャリア型(
例えば、滅菌キャリア)と組み合わせた、本発明のポリヌクレオチドもしくはポ
リペプチド(フラグメントおよび改変体を含む)、それらのアゴニストまたはア
ンタゴニスト、ならびに/あるいはそれらに対する抗体を意味する。
【0884】 治療剤を、個々の患者の臨床状態(特に、分泌ポリペプチド単独処置の副作用
)、送達部位、投与方法、投与計画および当業者に公知の他の因子を考慮に入れ
、医療実施基準(good medical practice)を遵守する方
式で処方および投薬する。従って、本明細書において目的とする「有効量」は、
このような考慮を行って決定される。
【0885】 一般的提案として、用量当り、非経口的に投与される治療剤の合計薬学的有効
量は、患者体重の、約1μg/kg/日〜10mg/kg/日の範囲にあるが、
上記のようにこれは治療的裁量に委ねられる。さらに好ましくは、このホルモン
について、この用量は、少なくとも0.01mg/kg/日、最も好ましくはヒ
トに対して約0.01mg/kg/日と約1mg/kg/日との間である。連続
投与する場合、代表的には、治療剤を約1μg/kg/時間〜約50μg/kg
/時間の投薬速度で1日に1〜4回の注射かまたは連続皮下注入(例えばミニポ
ンプを用いる)のいずれかにより投与する。静脈内用バッグ溶液もまた使用し得
る。変化を観察するために必要な処置期間および応答が生じる処置後の間隔は、
所望の効果に応じて変化するようである。
【0886】 治療剤を、経口的、直腸内、非経口的、槽内(intracistemall
y)、膣内、腹腔内、局所的(粉剤、軟膏、ゲル、点滴剤、または経皮パッチに
よるなど)、口内あるいは経口または鼻腔スプレーとして投与する。「薬学的に
受容可能なキャリア」とは、非毒性の固体、半固体または液体の充填剤、希釈剤
、被包材または任意の型の製剤補助剤をいう。本明細書で用いる用語「非経口的
」とは、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下および関節内の注射および注入
を含む投与の様式をいう。
【0887】 本発明の治療剤はまた、徐放性システムにより適切に投与される。治療剤は
、経口的、直腸内、非経口的、槽内(intracistemally)、膣内
、腹腔内、局所的(粉剤、軟膏、ゲル、点滴剤、または経皮パッチによるなど)
、口内あるいは経口または鼻腔スプレーとして投与される。「薬学的に受容可能
なキャリア」とは、非毒性の固体、半固体または液体の充填剤、希釈剤、被包材
または任意の型の製剤補助剤をいう。本明細書で用いる用語「非経口的」とは、
静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下および関節内の注射および注入を含む投
与の様式をいう。
【0888】 本発明の治療剤はまた、徐放性システムにより適切に投与される。徐放性治療
剤の適切な例は、適切なポリマー物質(例えば、成形品(例えば、フィルムまた
はマイクロカプセル)の形態の半透過性ポリマーマトリックス)、適切な疎水性
物質(例えば、許容品質油中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂、お
よび貧可溶性誘導体(例えば、貧可溶性塩)を包含する。
【0889】 徐放性マトリックスとしては、ポリラクチド(米国特許第3,773,919
号、EP58,481)、L−グルタミン酸およびγ−エチル−L−グルタメー
トのコポリマー(Sidmanら、Biopolymers 22:547−5
56(1983))、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(Lang
erら、J.Biomed.Mater.Res.15:167−277(19
81)、およびLanger,Chem.Tech.12:98−105(19
82))、エチレンビニルアセテート(Langerら、同書)またはポリ−D
−(−)−3−ヒドロキシ酪酸(EP133,988)が挙げられる。
【0890】 徐放性治療剤はまた、リポソームに包括された本発明の組成物を包含する(一
般に、Langer,Science 249:1527−1533(1990
);Treatら,Liposomes in the Therapy of
Infectious Disease and Cencer,Lopez
−Berestein and Fidler(編),Liss,New Yo
rk,317−327頁および353−365(1989)を参照のこと)。治
療剤を含有するリポソームは、それ自体が公知である方法により調製され得る:
DE3,218,121;Epsteinら、Proc.Natl.Acad.
Sci.USA 82:3688−3692(1985);Hwangら、Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4030−4034(19
80);EP52,322;EP36,676;EP88,046;EP143
,949;EP142,641;日本国特許出願第83−118008号;米国
特許第4,485,045号および同第4,544,545号ならびにEP第1
02,324号。通常、リポソームは、小さな(約200〜800Å)単層型で
あり、そこでは、脂質含有量は、約30モル%コレステロールよりも多く、選択
された割合が、最適な治療剤のために調整される。
【0891】 なおさらなる実施形態において、本発明の治療剤は、ポンプにより送達される
(Langer、前出;Sefton、CRC Crit.Ref.Biome
d.Eng.14:201(1987);Buchwaldら、Surgery
88:507(1980);Saudekら、N.Engl.J.Med.3
21:574(1989)を参照のこと)。
【0892】 他の制御放出系は、Langer(Science 249:1527−15
33(1990))による総説において議論される。
【0893】 非経口投与のために、1つの実施形態において、一般に、治療剤は、それを所
望の程度の純度で、薬学的に受容可能なキャリア、すなわち用いる投薬量および
濃度でレシピエントに対して毒性がなく、かつ処方物の他の成分と適合するもの
と、単位投薬量の注射可能な形態(溶液、懸濁液または乳濁液)で混合すること
により処方される。例えば、この処方物は、好ましくは、酸化剤、および治療剤
に対して有害であることが知られている他の化合物を含まない。
【0894】 一般に、治療剤を液体キャリアまたは微細分割固体キャリアあるいはその両方
と均一および緊密に接触させて処方物を調製する。次に、必要であれば、生成物
を所望の処方物に成形する。好ましくは、キャリアは、非経口的キャリア、より
好ましくはレシピエントの血液と等張である溶液である。このようなキャリアビ
ヒクルの例としては、水、生理食塩水、リンゲル溶液およびデキストロース溶液
が挙げられる。不揮発性油およびオレイン酸エチルのような非水性ビヒクルもま
た、リポソームと同様に本明細書において有用である。
【0895】 キャリアは、等張性および化学安定性を高める物質のような微量の添加剤を適
切に含有する。このような物質は、用いる投薬量および濃度でレシピエントに対
して毒性がなく、このような物質としては、リン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩
、酢酸および他の有機酸またはその塩類のような緩衝剤;アスコルビン酸のよう
な抗酸化剤;低分子量(約10残基より少ない)ポリペプチド(例えば、ポリア
ルギニンまたはトリペプチド);血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリ
ンのようなタンパク質;ポリビニルピロリドンのような親水性ポリマー;グリシ
ン、グルタミン酸、アスパラギン酸またはアルギニンのようなアミノ酸;セルロ
ースまたはその誘導体、ブドウ糖、マンノースまたはデキストリンを含む、単糖
類、二糖類、および他の炭水化物;EDTAのようなキレート剤;マンニトール
またはソルビトールのような糖アルコール;ナトリウムのような対イオン;およ
び/またはポリソルベート、ポロキサマーもしくはPEGのような非イオン性界
面活性剤が挙げられる。
【0896】 治療剤は、代表的には約0.1mg/ml〜100mg/ml、好ましくは1
〜10mg/mlの濃度で、約3〜8のpHで、このようなビヒクル中に処方さ
れる。前記の特定の賦形剤、キャリアまたは安定化剤を使用することにより、ポ
リペプチド塩が形成されることが理解される。
【0897】 治療的投与に用いられる任意の治療剤は無菌状態であり得る。滅菌濾過膜(例
えば0.2ミクロンメンブレン)で濾過することにより無菌状態は容易に達成さ
れる。一般に、治療剤は、滅菌アクセスポートを有する容器、例えば、皮下用注
射針で穿刺可能なストッパー付の静脈内用溶液バッグまたはバイアルに配置され
る。
【0898】 治療剤は、通常、単位用量または複数用量容器、例えば、密封アンプルまたは
バイアルに、水溶液または再構成するための凍結乾燥処方物として貯蔵される。
凍結乾燥処方物の例として、10mlのバイアルに、滅菌濾過した1%(w/v
)ポリペプチド水溶液5mlを充填し、そして得られる混合物を凍結乾燥する。
凍結乾燥したポリペプチドを、注射用静菌水を用いて再構成して注入溶液を調製
する。
【0899】 本発明はまた、本発明の治療剤の1つ以上の成分を満たした一つ以上の容器を
備える薬学的パックまたはキットを提供する。医薬品または生物学的製品の製造
、使用または販売を規制する政府機関が定めた形式の通知が、このような容器に
付属し得、この通知は、ヒトへの投与に対する製造、使用または販売に関する政
府機関による承認を表す。さらに、治療剤を他の治療用化合物と組み合わせて使
用し得る。
【0900】 本発明の治療剤は、単独で、またはアジュバントと組み合わせて投与され得る
。本発明の治療剤とともに投与され得るアジュバントとしては、以下が挙げられ
るが、それらに限定されない:ミョウバン、ミョウバンおよびデオキシコール酸
(ImmunoAg)、MTP−PE(Biocine Corp.)、QS2
1(Genentech,Inc.)、BCG、ならびにMPL。特定の実施形
態において、本発明の治療剤は、ミョウバンと組み合わせて投与される。別の特
定の実施形態において、本発明の治療剤は、QS21と組み合わせて投与される
。本発明の治療剤とともに投与され得るさらなるアジュバントとしては、以下が
挙げられるが、これらに限定されない:モノホスホリル脂質免疫調節剤、Adj
uVax 100a、QS−21、QS−18、CRL1005、アルミニウム
塩、MF−59、およびVirosomalアジュバント技術。本発明の治療剤
とともに投与され得るワクチンとしては、以下が挙げられるが、これらに限定さ
れない:MMR(麻疹、流行性耳下腺炎,風疹)、ポリオ(polio)、水痘
、破傷風/ジフテリア、A型肝炎、B型肝炎、B型インフルエンザ、百日咳(w
hooping cough)、肺炎、インフルエンザ、ライム病、ロタウイル
ス、コレラ、黄熱病、日本脳炎、灰白髄炎(poliomyelitis)、狂
犬病、腸チフス、および百日咳(pertussis)に対する防御に指向する
ワクチン。組み合わせは、付随的にか(例えば、混合物として、別々であるが同
時にもしくは並行して);または逐次的にかのいずれかで投与され得る。これは
、組み合わされた薬剤が治療混合物としてともに投与されるプレゼンテーション
(presentation)を含み、そして組み合わせた薬剤が、別々である
が同時に(例えば、同じ個体へ別々の静脈ラインを通じての場合)投与される手
順もまた含む。「組み合わせ」投与は、第1に、続いて第2に与えられる化合物
または薬剤のうちの1つを別々に投与することをさらに含む。
【0901】 本発明の治療剤(Therapeutic)は、単独で、または他の治療的薬
剤と組み合わせて投与され得る。本発明の治療剤とともに投与され得る治療的薬
剤としては、以下が挙げられるが、それらに限定されない:TNFファミリーの
他のメンバー、化学療法剤、抗生物質、ステロイド性および非ステロイド性の抗
炎症剤、従来の免疫療法剤、サイトカインならびに/または増殖因子。組み合わ
せは、例えば、混合物として同時に、別々であるが同時にもしくは並行して;ま
たは逐次的にかのいずれかで投与され得る。これは、組み合わされた薬剤が、治
療混合物としてともに投与される提示を含み、そして組み合わせた薬剤が、別々
であるが同時に(例えば、同じ個体へ別々の静脈ラインを通じての場合)投与さ
れる手順もまた含む。「組み合わせ」投与は、第1に与えられ、続いて第2に与
えられる化合物または薬剤のうちの1つを別々に投与することをさらに含む。1
つの実施形態において、本発明の治療剤は、TNFファミリーのメンバーと組み
合わせて投与される。本発明の治療剤とともに投与され得るTNF分子、TNF
関連分子、またはTNF様分子としては、以下が挙げられるが、これらに限定さ
れない:可溶性形態のTNF−α、リンホトキシン−α、(LT−α、TNF−
βとしても公知)、LT−β(複合ヘテロトリマーLT−α2−βの状態で見出
された)、OPGL、FasL、CD27L、CD30L、CD40L、4−1
BBL、DcR3、OX40L、TNF−γ(国際公開番号WO96/1432
8)、AIM−I(国際公開番号WO97/33899)、エンドカイン(en
dokine)−α(国際公開番号WO98/07880)、TR6(国際公開
番号WO98/30694)、OPG、およびニュートロカイン(neutro
kine)−α(国際公開番号WO98/18921)、OX40、および神経
成長因子(NGF)、ならびに可溶性形態のFas、可溶性形態のCD30、可
溶性形態のCD27、可溶性形態のCD40および可溶性形態の4−IBB、T
R2(国際公開番号WO96/34095)、DR3(国際公開番号WO97/
33904)、DR4(国際公開番号WO98/32856)、TR5(国際公
開番号WO98/30693)、TR6(国際公開番号WO98/30694)
、TR7(国際公開番号WO98/41629)、TRANK、TR9(国際公
開番号WO98/56892)、TR10(国際公開番号WO98/54202
)、312C2(国際公開番号WO98/06842)、およびTR12、なら
びに可溶性形態のCD154、可溶性形態のCD70、および可溶性形態のCD
153。
【0902】 特定の実施形態において、本発明の治療剤は、抗レトロウイルス薬剤、ヌクレ
オシド逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤および/またはプロ
テアーゼインヒビターと組み合わせて投与される。本発明の治療剤と組み合わせ
て投与され得るヌクレオシド逆転写酵素阻害剤としては、以下が挙げられるが、
これらに限定されない:RETROVIRTM(ジドブジン/AZT)、VIDE
TM(ジダノシン/ddI)、HIVIDTM(ザルシタビン/ddC)、ZER
ITTM(スタブジン/d4T)、EPIVIRTM(ラミブジン/3TC)、およ
びCOMBIVIRTM(ジドブジン/ラミブジン)。本発明の治療剤と組み合わ
せて投与され得る非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤としては、以下が挙げられる
が、これらに限定されない:VIRAMUNETM(ネビラピン)、RESCRI
PTORTM(デラビルジン)、およびSUSTIVATM(エファビレンツ)。本
発明の治療剤と組み合わせて投与され得るプロテアーゼインヒビターとしては、
以下が挙げられるが、これらに限定されない:CRIXIVANTM(インディナ
ビル)、NORVIRTM(リトナビル)、INVIRASETM(サキナビル))
、およびVIRACEPTTM(ネルフィナビル)。特定の実施形態において、抗
レトロウイルス薬剤、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド逆転写酵
素阻害剤、および/またはプロテアーゼインヒビターは、AIDSを処置するた
め、および/またはHIV感染を予防もしくは処置するために、本発明の治療剤
との任意の組み合わせで使用され得る。
【0903】 他の実施形態において、本発明の治療剤は、抗日和見感染症薬剤と組み合わせ
て投与され得る。本発明の治療剤と組み合わせて投与され得る抗日和見感染症薬
剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:TRIMETHOP
RIM−SULFAMETHOXAZOLETM、DAPSONETM、PENTA
MIDINETM、ATOVAQUONETM、ISONIAZIDTM、RIFAM
PINTM、PYRAZINAMIDETM、ETHAMBUTOLTM、RIFAB
UTINTM、CLARITHROMYCINTM、AZITHROMYCINTM
GANCICLOVIRTM、FOSCARNETTM、CIDOFOVIRTM、F
LUCONAZOLETM、ITRACONAZOLETM、KETOCONAZO
LETM、ACYCLOVIRTM、FAMCICOLVIRTM、PYRIMETH
AMINETM、LEUCOVORINTM、NEUPOGENTM(フィルグラスチ
ム/G−CSF)、およびLEUKINETM(サルグラモスチン(sargra
mostim)/GM−CSF)。特定の実施形態において、本発明の治療剤は
、日和見Pneumocystis carinii肺炎感染を予防的に処置ま
たは予防するために、TRIMETHOPRIM−SULFAMETHOXAZ
OLETM、DAPSONETM、PENTAMIDINETM、および/またはAT
OVAQUONETMとの任意の組み合わせで使用される。別の特定の実施形態に
おいて、本発明の治療剤は、日和見Mycobacterium avium複
合感染を予防的に処置または予防するために、ISONIAZIDTM、RIFA
MPINTM、PYRAZINAMIDETM、および/またはETHAMBUTO
TMとの任意の組み合わせで使用される。別の特定の実施形態において、本発明
の治療剤は、日和見Mycobacterium tuberculosis感
染を予防的に処置または予防するために、RIFABUTINTM、CLARIT
HROMYCINTM、および/またはAZITHROMYCINTMとの任意の組
み合わせで使用される。別の特定の実施形態において、本発明の治療剤は、日和
見サイトメガロウイルス感染を予防的に処置または予防するために、GANCI
CLOVIRTM、FOSCARNETTM、および/またはCIDOFOVIRTM との任意の組み合わせで使用される。別の特定の実施形態において、本発明の治
療剤は、日和見真菌感染を予防的に処置または予防するために、FLUCONA
ZOLETM、ITRACONAZOLETM、および/またはKETOCONAZ
OLETMとの任意の組み合わせで使用される。別の特定の実施形態において、本
発明の治療剤は、日和見単純ヘルペスウイルスI型および/またはII型感染を
予防的に処置または予防するために、ACYCLOVIRTMおよび/またはFA
MCICOLVIRTMとの任意の組み合わせで使用される。別の特定の実施形態
において、本発明の治療剤は、日和見Toxoplasma gondii感染
を予防的に処置または予防するために、PYRIMETHAMINETMおよび/
またはLEUCOVORINTMとの任意の組み合わせで使用される。別の特定の
実施形態において、本発明の治療剤は、日和見細菌感染を予防的に処置または予
防するために、LEUCOVORINTMおよび/またはNEUPOGENTMとの
任意の組み合わせで使用される。
【0904】 さらなる実施形態において、本発明の治療剤は、抗ウイルス薬剤との組み合わ
せで投与される。本発明の治療剤とともに投与され得る抗ウイルス薬剤としては
、アシクロビル、リバビリン、アマンタジン、およびレマンチジン(reman
tidine)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0905】 さらなる実施形態において、本発明の治療剤は、抗生物質と組み合わせて投与
される。本発明の治療剤とともに投与され得る抗生物質としては、アモキシシリ
ン、β−ラクタマーゼ、アミノ配糖体、β−ラクタム(グリコペプチド)、β−
ラクタマーゼ、クリンダマイシン、クロラムフェニコール、セファロスポリン、
シプロフロキサシン、シプロフロキサシン、エリスロマイシン、フルオロキノロ
ン類、マクロライド系抗生物質、メトロニダゾル、ペニシリン、キノロン類、リ
ファンピン、ストレプトマイシン、スルホンアミド、テトラサイクリン、トリメ
トプリム、トリメトプリム−スルファメトキサゾール、およびバンコマイシンが
挙げられるが、これらに限定されない。
【0906】 本発明の治療剤と組み合わせて投与され得る従来の非特異的免疫抑制剤として
は、ステロイド類、シクロスポリン、シクロスポリンアナログ、シクロホスファ
ミドメチルプレドニゾン、プレドニゾン、アザチオプリン、FK−506、15
−デオキシスペルグアリン(15−deoxyspergualin)、および
応答T細胞の機能を抑制することによって作用する他の免疫抑制剤が挙げられる
が、これらに限定されない。
【0907】 特定の実施形態において、本発明の治療剤は、免疫抑制剤と組み合わせて投与
される。本発明の治療剤と共に投与され得る免疫抑制剤調製物としては、ORT
HOCLONETM(OKT3)、SANDIMMUNETM/NEORALTM/S
ANGDYATM(シクロスポリン)、PROGRAFTM(タクロリムス)、CE
LLCEPTTM(ミコフェノール酸塩)、アザチオプリン、グルコルチコステロ
イド類(glucorticosteroids)、およびRAPAMUNETM (シロリムス)が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態におい
て、免疫抑制剤は、器官または骨髄の移植の拒絶を予防するために使用され得る
【0908】 さらなる実施形態において、本発明の治療剤は、単独でかまたは1以上の静脈
内免疫グロブリン調製物と組み合わせて投与される。本発明の治療剤とともに投
与され得る静脈内免疫グロブリン調製物としては、GAMMARTM、IVEEG
AMTM、SANDOGLOBULINTM、GAMMAGARD S/DTMおよび
GAMIMUNETMが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態に
おいて、本発明の治療剤は、移植治療(例えば、骨髄移植)において静脈内免疫
グロブリン調製物と組み合わせて投与される。
【0909】 さらなる実施形態において、本発明の治療剤は、単独でかまたは抗炎症剤と組
み合わせて投与される。本発明の治療剤とともに投与され得る抗炎症剤としては
、グルココルチコイドおよび非ステロイド抗炎症剤、アミノアリールカルボン酸
誘導体、アリール酢酸誘導体、アリール酪酸誘導体、アリールカルボン酸、アリ
ールプロピオン酸誘導体、ピラゾール類、ピラゾロン類、サリチル酸誘導体、チ
アジンカルボキサミド類、e−アセトアミドカプロン酸、S−アデノシルメチオ
ニン、3−アミノ−4−ヒドロキシ酪酸、アミキセトリン(amixetrin
e)、ベンダザック、ベンジダミン、ブコローム、ジフェンピラミド、ジタゾー
ル、エモルファゾン、グアイアズレン、ナブメトン、ニメスリド、オルゴテイン
、オキサセプロール、パラニリン(paranyline)、ペリソキサール、
ピフオキシム、プロカゾン、プロキサゾール、およびテニダプが挙げられるが、
これらに限定されない。
【0910】 別の実施形態において、本発明の組成物は、化学療法剤と組み合わせて投与さ
れる。本発明の治療剤とともに投与され得る化学療法剤としては、抗生物質誘導
体(例えば、ドキソルビシン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、およびダクチ
ノマイシン);抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン);抗代謝物(例えば
、フルオロウラシル、5−FU、メトトレキサート、フロクスウリジン、インタ
ーフェロンα−2b、グルタミン酸、プリカマイシン(plicamycin)
、メルカプトプリン、および6−チオグアニン);細胞傷害剤(例えば、カルム
スチン、BCNU、ロムスチン、CCNU、シトシンアラビノシド、シクロホス
ファミド、エストラムスチン、ヒドロキシウレア、プロカルバジン、マイトマイ
シン、ブスルファン、シス−プラチン、および硫酸ビンクリスチン);ホルモン
(例えば、メドロキシプロゲステロン、エストラムスチンリン酸ナトリウム、エ
チニルエストラジオール、エストラジオール、酢酸メゲストロール、メチルテス
トステロン、ジエチルスチルベストロールジホスフェート、クロロトリアニセン
、およびテストラクトン);ナイトロジェンマスタード誘導体(例えば、メファ
レン(mephalen)、クロランブシル(chlorambucil)、メ
クロレタミン(ナイトロジェンマスタード)およびチオテパ);ステロイド類お
よび組み合わせ(例えば、ベタメタゾンリン酸ナトリウム);ならびにその他(
例えば、ジカルバジン(dicarbazine)、アスパラギナーゼ、ミトー
テン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンブラスチン、およびエトポシド)が挙げら
れるが、これらに限定されない。
【0911】 特定の実施形態において、本発明の治療剤は、CHOP(シクロフォスファミ
ド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、およびプレドニゾン)と組み合わせて投
与されるか、CHOPの成分の任意の組み合わせで投与される。別の実施形態に
おいて、本発明の治療剤は、Rituximabと組み合わせて投与される。さ
らなる実施形態において、本発明の治療剤は、RituxmabおよびCHOP
と共に、またはRituxmabおよびCHOPの成分の任意の組み合わせと共
に投与される。
【0912】 さらなる実施形態において、本発明の治療剤は、サイトカインと組み合わせて
投与される。本発明の治療剤とともに投与され得るサイトカインとしては、IL
2、IL3、IL4、IL5、IL6、IL7、IL10、IL12、IL13
、IL15、抗CD40、CD40L、IFN−γおよびTNF−αが挙げられ
るが、これらに限定されない。別の実施形態において、本発明の治療剤は、任意
のインターロイキン(IL−1α、IL−1β、IL−2、IL−3、IL−4
、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−1
1、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−1
7、IL−18、IL−19、IL−20およびIL−21を含むが、これらに
限定されない)と共に投与され得る。
【0913】 さらなる実施形態において、本発明の治療剤は、脈管形成タンパク質と組み合
わせて投与される。本発明の治療剤とともに投与され得る脈管形成タンパク質と
しては、欧州特許番号EP−399816に開示されるようなグリオーム由来増
殖因子(GDGF);欧州特許番号EP−682110に開示されるような血小
板由来増殖因子A(PDGF−A);欧州特許番号EP−282317に開示さ
れるような血小板由来増殖因子B(PDGF−B);国際公開番号WO92/0
6194号に開示されるような胎盤増殖因子(PIGF);Hauserら、G
orwth Factors、4:259−268(1993)に開示されるよ
うな胎盤増殖因子2(PIGF−2);国際公開番号WO90/13649号に
開示されるような血管内皮増殖因子(VEGF);欧州特許番号EP−5064
77に開示されるような血管内皮増殖因子A(VEGF−A);国際公開番号W
O96/39515号に開示されるような血管内皮増殖因子2(VEGF−2)
;血管内皮増殖因子B(VEGF−3);国際公開番号WO96/26736号
に開示されるような血管内皮増殖因子B−186(VEGF−B186);国際
公開番号WO98/02543号に開示されるような血管内皮増殖因子D(VE
GF−D);国際公開番号WO98/07832号に開示されるような血管内皮
増殖因子D(VEGF−D);およびドイツ国特許番号DE19639601に
開示されるような血管内皮増殖因子E(VEGF−E)が挙げられるが、これら
に限定されない。上記の参考文献は、本明細書で参考として援用される。
【0914】 さらなる実施形態において、本発明の治療剤は、造血増殖因子と組み合わせて
投与される。本発明の治療剤と共に投与され得る造血増殖因子としては、LEU
KINETM(SARGRAMOSTIMTM)およびNEUPOGENTM(FIL
GRASTIMTM)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0915】 さらなる実施形態において、本発明の治療剤は、線維芽細胞増殖因子と組み合
わせて投与される。本発明の治療剤とともに投与され得る線維芽細胞増殖因子と
しては、FGF−1、FGF−2、FGF−3、FGF−4、FGF−5、FG
F−6、FGF−7、FGF−8、FGF−9、FGF−10、FGF−11、
FGF−12、FGF−13、FGF−14、およびFGF−15が挙げられる
が、これらに限定されない。さらなる実施形態において、本発明の治療剤は、他
の治療レジメまたは予防レジメ(例えば、放射線治療)と組み合わせて投与され
る。
【0916】 (実施例24:ポリペプチドのレベル低下を処置する方法) 本発明は、体内における本発明のポリペプチドのレベルを増大させる必要のあ
る個体を処置するための方法に関し、この方法は、治療有効量の本発明のアゴニ
スト(本発明のポリペプチドを含む)を含む組成物をそのような個体に投与する
工程を包含する。さらに、個体における分泌タンパク質の標準の発現レベルまた
は正常発現レベルの低下により引き起こされる状態は、本発明のポリペプチドを
、好ましくは分泌形態で投与することにより処置し得ることが理解される。従っ
て、本発明はまた、このポリペプチドのレベルの増加が必要な個体の処置方法を
提供する。この方法は、このような個体に、このような個体でこのポリペプチド
の活性レベルを増加させる量のこのポリペプチドを含む治療剤を投与する工程を
包含する。
【0917】 例えば、ポリペプチドのレベルが低下した患者は、そのポリペプチドを、1日
用量0.1〜100μg/kgで6日続けて服用する。好ましくは、このポリペ
プチドは分泌形態である。投与および処方物に基づく投薬計画の正確な詳細は、
実施例23に提供されている。
【0918】 (実施例25:ポリペプチドのレベル上昇を処置する方法) 本発明はまた、体内における本発明のポリペプチドのレベルを減少させる必要
のある個体を処置するための方法に関し、この方法は、治療有効量の本発明のア
ンタゴニスト(本発明のポリペプチドおよび抗体を含む)を含む組成物をそのよ
うな個体に投与する工程を包含する。
【0919】 1つの例において、アンチセンス技術を使用して本発明のポリペプチドの産生
を阻害する。この技術は、ガンのような様々な病因に起因するポリペプチド(好
ましくは分泌形態のポリペプチド)のレベルを低下させる方法の1つの例である
。例えば、ポリペプチドのレベルが異常に上昇したと診断された患者に、アンチ
センスポリヌクレオチドを、0.5、1.0、1.5、2.0および3.0mg
/kg/日で21日間、静脈内投与する。この処置に対して十分に寛容化された
場合は、7日間の休薬期間後に、この処置を繰り返す。このアンチセンスポリヌ
クレオチドの処方は、実施例23に提供されている。
【0920】 (実施例26:遺伝子治療を使用する処置方法−エキソビボ) 遺伝子治療の1つの方法は、ポリペプチドを発現し得る線維芽細胞を患者に移
植する。一般に、線維芽細胞は、皮膚生検により被験者から得られる。得られた
組織を組織培養培地中に配置し、小片に分割する。組織の小塊を組織培養フラス
コの湿潤表面に置き、約10片を各フラスコに置く。このフラスコを倒置し、し
っかりと閉めた後、室温で一晩放置する。室温で24時間後、フラスコを反転さ
せ、組織塊をフラスコの底に固定させたままにし、そして新鮮な培地(例えば、
10%FBS、ペニシリンおよびストレプトマイシンを含有するHamのF12
培地)を添加する。次に、フラスコを37℃で約1週間インキュベートする。
【0921】 この時点で、新鮮な培地を添加し、次いで数日ごとに取り換える。さらに二週
間培養した後に、単層の線維芽細胞が出現する。この単層をトリプシン処理し、
さらに大きなフラスコにスケールアップする。
【0922】 モロニーマウス肉腫ウイルスの長末端反復が隣接するpMV−7(Kirsc
hmeier,P.T.ら、DNA,7:219−25(1988))をEco
RIおよびHindIIIで消化した後、仔ウシ腸ホスファターゼで処理する。
線状ベクターをアガロースゲル上で分画し、そしてガラスビーズを使用して精製
する。
【0923】 本発明のポリペプチドをコードするcDNAを、必要な場合、プライマーを用
いそして適切な制限部位および開始/終止コドンを有する、実施例1に記載のそ
れぞれ5’ 末端配列および3’末端配列に対応するPCRプライマーを使用し
て増幅し得る。好ましくは、この5’プライマーはEcoRI部位を含み、そし
てこの3’プライマーはHindIII部位を含む。等量の、モロニーマウス肉
腫ウイルスの線状骨格および増幅したEcoRIおよびHindIIIフラグメ
ントを、T4 DNAリガーゼの存在下で一緒に加える。得られた混合物を、こ
の2つのフラグメントを連結するのに適した条件下で維持する。次に、連結混合
物を使用し、細菌HB101を形質転換する。次に、それを、カナマイシンを含
む寒天上にプレーティングし、ベクターが正確に挿入された目的の遺伝子を有す
ることを確認する。
【0924】 アンホトロピックpA317またはGP+am12パッケージング細胞を、1
0%仔ウシ血清(CS)、ペニシリンおよびストレプトマイシンを含むダルベッ
コ改変イーグル培地(DMEM)中、組織培養でコンフルエントな密度まで増殖
させる。次に、その目的の遺伝子を含むMSVベクターを培地に加え、そしてパ
ッケージング細胞をこのベクターで形質導入する。このとき、このパッケージン
グ細胞は、その遺伝子を含む感染性ウイルス粒子を産生する(ここで、このパッ
ケージング細胞をプロデューサー細胞という)。
【0925】 形質導入されたプロデューサー細胞に新鮮な培地を添加し、次いでこの培地を
10cmプレートのコンフルエントなプロデューサー細胞から採取する。感染性
ウイルス粒子を含む使用済み培地を、ミリポアーフィルターを通して濾過し、は
がれたプロデューサー細胞を除去した後、この培地を使用して、線維芽細胞を感
染させる。線維芽細胞のサブコンフルエントなプレートから培地を除去し、そし
てプロデューサー細胞からの培地で速やかに置き換える。この培地を除去し、そ
して新鮮な培地と置き換える。ウイルスの力価が高ければ、実質的にすべての線
維芽細胞が感染され、選択は必要ではない。力価が非常に低ければ、neoまた
はhisのような選択マーカーを有するレトロウイルスベクターを使用すること
が必要である。一旦、線維芽細胞が効率的に感染したなら、その線維芽細胞を分
析し、タンパク質が産生されているか否かを決定する。
【0926】 次に、操作された線維芽細胞を、単独で、またはサイトデックス3マイクロキ
ャリアビーズ上でコンフルエントに増殖させた後のいずれかで、宿主に移植する
【0927】 (実施例27:本発明のポリヌクレオチドに対応する内因性遺伝子を使用する
遺伝子治療) 本発明に従う遺伝子治療の別の方法は、本発明の内因性ポリヌクレオチド配列
を、例えば、米国特許番号5,641,670(1997年6月24日発行);
国際公開番号WO 96/29411(1996年9月26日公開);国際公開
番号WO 94/12650(1994年8月4日公開);Kollerら、P
roc.Natl.Acad.Sci.USA,86:8932〜8935(1
989);およびZijlstraら、Nature,342:435〜438
(1989)に記載されるように、相同組換えを介してプロモーターに作動可能
に結合する工程を包含する。この方法は、その標的細胞中に存在するが、その細
胞中では発現されないかまたは所望されるよりも低いレベルで発現される、遺伝
子の活性化を包含する。
【0928】 プロモーターおよび標的化配列を含むポリヌクレオチド構築物を作製する。こ
の標的配列は、プロモーターに隣接する、内因性ポリヌクレオチド配列の5’非
コード配列に相同である。この標的化配列は、このポリヌクレオチド配列の5’
末端に十分に近く、その結果、このプロモーターは、相同組換えの際にこの内因
性配列に作動可能に連結される。このプロモーターおよび標的化配列を、PCR
を使用して増幅し得る。好ましくは、この増幅したプロモーターは、5’末端お
よび3’末端上に異なる制限酵素部位を含む。好ましくは、第1の標的化配列の
3’末端は、増幅したプロモーターの5’末端と同じ制限酵素部位を含み、そし
て第2の標的化配列の5’末端は、増幅したプロモーターの3’末端と同じ制限
部位を含む。
【0929】 この増幅したプロモーターおよび増幅した標的化配列を、適切な制限酵素で消
化し、続いてウシ腸ホスファターゼで処理する。消化したプロモーターおよび消
化した標的化配列を、T4 DNAリガーゼの存在下でともに加える。生じた混
合物を、これら2つのフラグメントの連結に適切な条件下で維持する。この構築
物をアガロースゲル上でサイズ分画し、次いでフェノール抽出およびエタノール
沈殿により精製する。
【0930】 この実施例において、このポリヌクレオチド構築物を、エレクトロポレーショ
ンを介して裸のポリヌクレオチドとして投与する。しかし、このポリヌクレオチ
ド構築物はまた、トランスフェクション促進剤(例えば、リポソーム、ウイルス
配列、ウイルス粒子、沈殿剤など)とともに投与され得る。送達のこのような方
法は、当該分野で公知である。
【0931】 一旦、細胞をトランスフェクトすると、相同組換えが生じて、このプロモータ
ーがこの内因性ポリヌクレオチド配列に作動可能に連結される。これは、この細
胞中におけるこのポリヌクレオチドに対応するポリヌクレオチドの発現を生じる
。発現は、免疫学的染色または当該分野で公知の他の任意の方法により、検出さ
れ得る。
【0932】 線維芽細胞を、皮膚生検により被験者から得る。得られた組織を、DMEM+
10%ウシ胎仔血清中に配置する。対数増殖期または定常期初期の線維芽細胞を
、トリプシン処理し、そしてプラスチックの表面から栄養培地でリンスする。細
胞懸濁液のアリコートを、計数のために取り出し、そして残りの細胞を遠心分離
に供する。上清を吸引し、そしてペレットを5mlのエレクトロポレーション緩
衝液(20mM HEPES pH7.3、137mM NaCl、5mM K
Cl、0.7mM Na2HPO4、6mMデキストロース)に再懸濁する。この
細胞を再遠心分離し、上清を吸引し、そして細胞をアセチル化ウシ血清アルブミ
ン1mg/mlを含むエレクトロポレーション緩衝液に再懸濁する。この最終細
胞懸濁液は、約3×106細胞/mlを含む。エレクトロポレーションを、再懸
濁直後に実施すべきである。
【0933】 プラスミドDNAを、標準的技術に従って調製する。例えば、本発明のポリヌ
クレオチドに対応する遺伝子座に標的化するためのプラスミドを構築するために
、プラスミドpUC18(MBI Fermentas、Amherst、NY
)をHindIIIで消化する。CMVプロモーターを、5’末端にXbaI部
位および3’末端にBamHI部位を備えてPCRにより増幅する。2つの非コ
ード配列をPCRを介して増幅する:一方の非コード配列(フラグメント1)を
、5’末端にHindIII部位および3’末端にXbaI部位を備えて増幅す
る;他方の非コード配列(フラグメント2)を、5’末端にBamHI部位およ
び3’末端にHindIII部位を備えて増幅する。このCMVプロモーターお
よびこれらのフラグメント(1および2)を、適切な酵素(CMVプロモーター
−XbaIおよびBamHI;フラグメント1−XbaI;フラグメント2−B
amHI)で消化し、そしてともに連結する。生じた連結生成物をHindII
Iで消化し、そしてHindIIIで消化したpUC18プラスミドと連結する
【0934】 プラスミドDNAを、0.4cmの電極ギャップを備える滅菌キュベット(B
io−Rad)に添加する。最終DNA濃度は、一般的に、少なくとも120μ
g/mlである。次いで、この細胞懸濁液の0.5ml(約1.5×106細胞
を含む)をこのキュベットに添加し、そしてこの細胞懸濁液およびDNA溶液を
、穏やかに混合する。エレクトロポレーションを、Gene−Pulser装置
(Bio−Rad)を用いて実施する。キャパシタンスおよび電圧を、それぞれ
、960μFおよび250〜300Vに設定する。電圧が増加すると、細胞の生
存が減少するが、導入されたDNAをそのゲノム中に安定に組込む生存細胞の割
合が劇的に増加する。これらのパラメーターを与えると、パルス時間約14〜2
0mSecが観察されるはずである。
【0935】 エレクトロポレーションした細胞を、室温で約5分間維持し、次いで、このキ
ュベットの中身を、滅菌した移動ピペットを用いて穏やかに取り出す。この細胞
を、10cmのディッシュ中の、予め温めた栄養培地(15%ウシ血清を含むD
MEM)10mlに直接加え、そして37℃でインキュベートする。翌日、この
培地を吸引し、そして10mlの新鮮な培地で置換し、そしてさらに16〜24
時間インキュベートする。
【0936】 次いで、操作された線維芽細胞を、宿主中に、単独か、またはサイトデックス
(cytodex)3マイクロキャリア(microcarrier)ビーズ上
でコンフルエントになるまで増殖させた後かのいずれかで、注入する。ここで、
この線維芽細胞は、タンパク質産物を生成する。次いで、この線維芽細胞を、上
記のように患者に導入し得る。
【0937】 (実施例28:遺伝子治療を使用する処置方法−インビボ) 本発明の別の局面は、障害、疾患、および状態を処置するためにインビボ遺伝
子治療方法を使用することである。この遺伝子治療方法は、ポリペプチドの発現
を増大または減少させるための、動物への裸の核酸(DNA、RNA、およびア
ンチセンスDNAまたはRNA)配列の導入に関する。本発明のポリヌクレオチ
ドは、プロモーター、または標的組織によるそのポリペプチドの発現に必要な任
意の他の遺伝子エレメントに、作動可能に連結され得る。このような遺伝子治療
および送達の技術および方法は、当該分野で公知であり、例えば、WO90/1
1092、WO98/11779;米国特許第5693622号、同第5705
151号、同第5580859号;Tabataら、Cardiovasc.R
es.35(3):470−479(1997);Chaoら、Pharmac
ol.Res.35(6):517−522(1997);Wolff、Neu
romuscul.Disord.7(5):314−318(1997);S
chwartzら、Gene Ther.3(5):405−411(1996
);Tsurumiら、Circulation 94(12):3281−3
290(1996)(本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。
【0938】 ポリヌクレオチド構築物は、注入可能な物質を動物の細胞に送達する任意の方
法(例えば、組織(心臓、筋肉、皮膚、肺、肝臓、腸など)の間隙空間への注入
)によって送達され得る。このポリヌクレオチド構築物は、薬学的に受容可能な
液体または水性キャリア中で送達され得る。
【0939】 用語「裸の」ポリヌクレオチド、DNAまたはRNAは、細胞への侵入を補助
、促進、または容易にするように作用するいかなる送達ビヒクル(ウイルス配列
、ウイルス粒子、リポソーム処方物、リポフェクチン、または沈澱剤などを含む
)も含まない配列をいう。しかし、本発明のポリヌクレオチドはまた、当業者に
周知の方法によって調製され得るリポソーム処方物(例えば、Felgner
P.L.ら(1995)Ann.NY Acad.Sci.772:126−1
39およびAbdallah B.ら(1995)Biol.Cell 85(
1):1−7で教示されたもの)中で送達され得る。
【0940】 この遺伝子治療方法において使用されるポリヌクレオチドベクター構築物は、
好ましくは、宿主ゲノムに組み込まれず、複製を可能にする配列も含まない構築
物である。当業者に公知の任意の強力なプロモーターが、DNAの発現を駆動す
るために用いられ得る。他の遺伝子治療技術とは異なり、裸の核酸配列を標的細
胞に導入する1つの主要な利点は、その細胞におけるポリヌクレオチド合成の一
過性の性質である。研究によって、非複製DNA配列が細胞に導入されて、6ヶ
月までの間の期間、所望のポリペプチドの産生を提供し得ることが示された。
【0941】 このポリヌクレオチド構築物は、動物内の組織(筋肉、皮膚、脳、肺、肝臓、
脾臓、骨髄、胸腺、心臓、リンパ、血液、骨、軟骨、膵臓、腎臓、胆嚢、胃、腸
、精巣、卵巣、子宮、直腸、神経系、眼、腺、および結合組織を包含する)の間
隙空間に送達され得る。この組織の間隙空間は、細胞間液、ムコ多糖基質(器官
組織の細網線維、血管または腔(chamber)の壁における弾性線維、線維
性組織のコラーゲン線維に間にある)、あるいは結合組織鞘性筋肉細胞内または
骨の裂孔中の同じ基質を包含する。これは、同様に、循環の血漿およびリンパチ
ャネルのリンパ液により占められた空間である。筋肉組織の間隙空間への送達は
、以下に考察する理由のために好ましい。それらは、これらの細胞を含む組織へ
の注入によって、好都合に送達され得る。それらは、好ましくは、分化した持続
性の非***細胞に送達され、そしてその細胞において発現されるが、送達および
発現は、非分化細胞または完全には分化していない細胞(例えば、血液の幹細胞
または皮膚線維芽細胞など)において達成され得る。インビボで、筋肉細胞は、
ポリヌクレオチドを取り込み、そして発現するそれらの能力において、特に適格
である。
【0942】 裸のポリヌクレオチド注入のために、DNAまたはRNAの有効投薬量は、約
0.05g/kg体重から約50mg/kg体重の範囲にある。好ましくは、こ
の投薬量は、約0.005mg/kgから約20mg/kgであり、そしてより
好ましくは、約0.05mg/kgから約5mg/kgである。もちろん、当業
者が認識するように、この投薬量は、注入の組織部位に従って変化する。核酸配
列の適切かつ有効な投薬量は、当業者によって容易に決定され得、そして処置さ
れる状態および投与経路に依存し得る。好ましい投与経路は、組織の間隙空間へ
の非経口注入経路によってである。しかし、他の非経口経路もまた用いられ得、
これには、例えば、特に肺または気管支組織、咽喉、または鼻の粘膜への送達の
ためのエアロゾル処方物の吸入が挙げられる。さらに、裸のポリヌクレオチド構
築物が、血管形成術の間に、この手順において用いられるカテーテルによって動
脈に送達され得る。
【0943】 インビボでの筋肉における注入ポリヌクレオチドの用量応答効果を、以下のよ
うにして決定する。本発明のポリペプチドをコードするmRNAの生成のための
適切な鋳型DNAを、標準的な組換えDNA方法論に従って調製する。鋳型DN
A(これは環状または線状のいずれかであり得る)を裸のDNAとして使用する
か、またはリポソームと複合体化するかのいずれかである。次いで、マウスの四
頭筋に、種々の量の鋳型DNAを注入する。
【0944】 5〜6週齢の雌性および雄性のBalb/Cマウスに、0.3mlの2.5%
Avertinを腹腔内注射することにより麻酔する。1.5cmの切開を大腿
前部で行い、そして四頭筋を直接可視化する。鋳型DNAを、0.1mlのキャ
リアに入れて、1cc注射器で27ゲージ針を通して1分間にわたって、筋肉の
遠位挿入部位から約0.5cmのところで膝に、約0.2cmの深さで注入する
。縫合を、将来の位置決定のために注入部位の上で行い、そしてその皮膚をステ
ンレス鋼クリップで閉じる。
【0945】 適切なインキュベーション時間(例えば、7日)後、筋肉抽出物を、四頭全体
を切り出すことによって調製する。個々の四頭筋の5枚毎の15μm切片を、タ
ンパク質発現について組織化学的に染色する。タンパク質発現についてのタイム
コースを、異なるマウスからの四頭を異なる時間で採取すること以外は、同様な
様式で行い得る。注入後の筋肉中のDNAの持続性を、注入したマウスおよびコ
ントロールマウスからの全細胞性DNAおよびHIRT上清を調製した後、サザ
ンブロット分析によって決定し得る。マウスにおける上記実験の結果を、裸のD
NAを用いて、ヒトおよび他の動物において適切な投薬量および他の処置パラメ
ーターを外挿するために使用し得る。
【0946】 (実施例29:トランスジェニック動物) 本発明のポリペプチドはまた、トランスジェニック動物において発現され得る
。マウス、ラット、ウサギ、ハムスター、モルモット、ブタ、ミニブタ、ヤギ、
ヒツジ、ウシおよびヒト以外の霊長類(例えば、ヒヒ、サルおよびチンパンジー
)を含むがこれらに限定されない任意の種の動物は、トランスジェニック動物を
作製するために用いられ得る。特定の実施形態において、本明細書に記載される
かまたはさもなければ当該分野で公知の技術が、遺伝子治療プロトコルの一部と
して、ヒトにおける本発明のポリペプチドの発現のために用いられる。
【0947】 当該分野で公知の任意の技術を、導入遺伝子(すなわち、本発明のポリヌクレ
オチド)の動物への導入に用いて、トランスジェニック動物の創始系統(fou
nder line)を生成し得る。このような技術は、前核マイクロインジェ
クション(Patersonら、Appl.Microbiol.Biotec
hnol.40:691−698(1994);Carverら、Biotec
hnology(NY)11:1263−1270(1993);Wright
ら、Biotechnology(NY)9:830−834(1991);お
よびHoppeら、米国特許第4,873,191号(1989));生殖系列
(Van der Puttenら、Proc.Natl.Acad.Sci.
USA 82:6148−6152(1985))、胚盤胞または胚へのレトロ
ウイルス媒介遺伝子移入;胚性幹細胞における遺伝子標的化(Thompson
ら、Cell 56:313−321(1989));細胞または胚のエレクト
ロポレーション(Lo、1983、Mol Cell.Biol.3:1803
−1814(1983));遺伝子銃を用いた本発明のポリヌクレオチドの導入
(例えば、Ulmerら、Science 259:1745(1993)を参
照のこと);胚性多能性(pleuripotent)幹細胞への核酸構築物の
導入および胚盤胞へのこの幹細胞の再移入;ならびに***媒介遺伝子移入(La
vitranoら、Cell 57:717−723(1989));などを含
むがこれらに限定されない。このような技術の総説については、本明細書中にそ
の全体が参考として援用される、Gordon、「Transgenic An
imals」、Intl.Rev.Cytol.115:171−229(19
89)を参照のこと。
【0948】 当該分野で公知の任意の技術を用いて、本発明のポリヌクレオチドを含むトラ
ンスジェニッククローンを生成し得る(例えば、培養された、静止状態に誘導さ
れた胚細胞、胎児細胞または成体の細胞由来の除核した卵母細胞の核への核移入
(Campellら、Nature 380:64−66(1996);Wil
mutら、Nature 385:810−813(1997)))。
【0949】 本発明は、その全ての細胞に導入遺伝子を有するトランスジェニック動物、な
らびにいくつかの細胞(しかしその全ての細胞ではない)に導入遺伝子を有する
動物(すなわち、モザイク動物またはキメラ)を提供する。導入遺伝子は、1つ
の導入遺伝子としてまたはコンカテマー(例えば、頭−頭タンデム型または頭−
尾タンデム型)のような複数のコピーとして組み込まれ得る。この導入遺伝子は
また、例えば、Laskoらの教示(Laskoら、Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA 89:6232−6236(1992))に従って特定
の細胞型に選択的に導入され得、そして活性化され得る。このような細胞型特異
的活性化に必要とされる調節配列は、目的の特定の細胞型に依存し、そしてそれ
らは当業者に明らかである。ポリヌクレオチド導入遺伝子が、内在性遺伝子の染
色体部位に組み込まれることが所望される場合、遺伝子の標的化が好ましい。手
短に言えば、このような技術が利用される場合、内在性遺伝子に対して相同ない
くつかのヌクレオチド配列を含むベクターが、染色体配列との相同な組換えを介
して内在性遺伝子のヌクレオチド配列に組み込まれ、そのヌクレオチド配列の機
能を破壊することを目的として設計される。導入遺伝子はまた、特定の細胞型に
選択的に導入され得、従って、例えば、Guら(Guら、Science 26
5:103−106(1994))の教示に従って、導入された細胞型において
のみ内在性遺伝子が不活化される。そのような細胞型特異的不活化に必要とされ
る調節配列は、目的の特定の細胞型に依存し、そしてそれらは当業者に明らかで
ある。
【0950】 一旦トランスジェニック動物が作製されると、その組換え遺伝子の発現は、標
準的な技術を利用してアッセイされ得る。最初のスクリーニングは、サザンブロ
ット分析またはPCR技術によって達成されて、導入遺伝子の組み込みが起きた
ことを動物組織の分析により確認し得る。トランスジェニック動物の組織におけ
る導入遺伝子のmRNA発現レベルはまた、動物から得た組織サンプルのノーザ
ンブロット分析、インサイチュハイブリダイゼーション分析および逆転写酵素P
CR(rt−PCR)を含むがこれらに限定されない技術を用いて評価され得る
。トランスジェニック遺伝子発現組織のサンプルはまた、導入遺伝子産物に特異
的な抗体を用いて免疫細胞化学的または免疫組織化学的に評価され得る。
【0951】 一旦、創始動物が生成されると、それらは、交配され、同系交配され、異系交
配されるかまたは交雑されて、特定の動物のコロニーを生成し得る。そのような
交配戦略の例は、以下を含むがそれらに限定されない:別の系統を樹立するため
の1つより多くの組み込み部位を有する創始動物の異系交配;各導入遺伝子の相
加的発現効果によって、より高いレベルで導入遺伝子を発現する複合トランスジ
ェニックを生成するための別々の系統の同系交配;発現の増強およびDNA分析
による動物のスクリーニングの必要性の排除の両方のための、所定の組み込み部
位に対してホモ接合性の動物を生成するヘテロ接合性トランスジェニック動物の
交雑;複合ヘテロ接合性またはホモ接合性系統を生成するための別々のホモ接合
系統の交雑;ならびに目的の実験モデルに適切な異なるバックグラウンド上に導
入遺伝子を配置するための交配。
【0952】 本発明のトランスジェニック動物は、本発明のポリペプチドの生物学的機能の
詳述、異常な発現に関連する状態および/または障害の研究、ならびにこのよう
な状態および/または障害の改善に有効な化合物についてのスクリーニングに有
用な動物モデル系を含むがこれらに限定されない用途を有する。
【0953】 (実施例30:ノックアウト動物) 内因性遺伝子発現もまた、標的化された相同組換えを使用して遺伝子および/
またはそのプロモーターを不活性化あるいは「ノックアウトする」ことによって
減少し得る(例えば、Smithiesら、Nature 317:230−2
34(1985);ThomasおよびCapecchi、Cell 51:5
03−512(1987);Thompsonら、Cell 5:313−32
1(1989)を参照のこと;これらの各々は、本明細書中でその全体が参考と
して援用される)。例えば、内因性ポリヌクレオチド配列(この遺伝子のコード
領域または調節領域のいずれか)と相同性のDNAに隣接される、本発明の変異
体、非機能的なポリヌクレオチド(または完全に関連のないDNA配列)を、選
択マーカーおよび/またはネガティブ選択マーカーを用いてまたは用いずに使用
し、インビボで本発明のポリペプチドを発現する細胞をトランスフェクトし得る
。別の実施形態において、当該分野で公知の技術を、目的の遺伝子を含むが、発
現しない細胞中でノックアウトを作製するために使用する。標的化された相同性
組換えを介した、このDNA構築物の挿入は、標的化された遺伝子の不活性化を
生じる。このようなアプローチは、胚性幹細胞に対する改変が不活性な標的化さ
れた遺伝子を有する動物の子孫を作製するために使用され得る研究および農業分
野に特に適する(例えば、ThomasおよびCapecchi 1987およ
びThompson 1989、前出を参照のこと)。しかし、このアプローチ
は、当業者に明白な適切なウイルスベクターを使用して、組換えDNA構築物が
インビボで要求された部位に直接投与されるか、または標的化される場合、ヒト
における使用に慣用的に適合され得る。
【0954】 本発明のさらなる実施形態において、本発明のポリペプチドを発現するために
遺伝子操作される細胞、あるいは本発明のポリペプチドを発現しないように遺伝
子操作された細胞(例えば、ノックアウト)を、インビボで患者に投与する。こ
のような細胞は、患者(すなわち、ヒトを含む動物)またはMHC適合性ドナー
から入手され得、そして線維芽細胞、骨髄細胞、血球(例えば、リンパ球)、脂
肪細胞、筋細胞、内皮細胞などを含み得るが、それらに限定されない。この細胞
を、例えば、形質導入(ウイルスベクターおよび好ましくは細胞ゲノム中に導入
遺伝子を組み込むベクターを使用する)、またはトランスフェクション手順(プ
ラスミド、コスミド、YAC、裸のDNA、エレクトロポレーション、リポソー
ムなどの使用を含むが、これらに限定されない)によって、細胞中に本発明のポ
リペプチドのコード配列を導入するために、あるいはこのコード配列および/ま
たは本発明のポリペプチドに結合している内因性の調節配列を破壊するために、
組換えDNA技術を使用してインビトロで遺伝子操作する。本発明のポリペプチ
ドのコード配列を強力な構成的プロモーターもしくは誘導性プロモーターまたは
プロモーター/エンハンサーの制御下に配置し、本発明のポリペプチドの発現お
よび好ましくは分泌を達成し得る。本発明のポリペプチドを発現および好ましく
は分泌する操作した細胞を、例えば、循環中において、または腹腔内で患者中へ
全身的に導入し得る。
【0955】 あるいは、この細胞をマトリックスに組み込み得、そして身体に移植し得る(
例えば、遺伝子操作した線維芽細胞を皮膚移植片の一部として移植し得る);遺
伝子操作した内皮細胞をリンパ移植片または脈管移植片の一部として移植し得る
(例えば、Andersonら、米国特許第5,399,349号ならびにMu
lliganおよびWilson、米国特許第5,460,959号を参照のこ
と。これらの各々は、本明細書中でその全体が参考として援用される)。
【0956】 投与される細胞が非自己または非MHC適合性細胞である場合、それらを、こ
の導入細胞に対する宿主免疫応答の発生を妨害する周知の技術を使用して投与し
得る。例えば、この細胞をカプセル性の形態で導入し得、この形態は、構成成分
と即時の細胞外環境との交換を可能にしつつ、導入細胞が宿主免疫系によって認
識されることを可能にしない。
【0957】 本発明のトランスジェニックおよび「ノックアウト」動物は、本発明のポリペ
プチドの生物学的機能の詳述、異常な発現に関連する状態および/または障害の
研究、ならびにこのような状態および/または障害をの改善に有効な化合物のス
クリーニングにおいて有用な動物モデル系を含むが、それらに限定されない用途
を有する。
【0958】 (実施例31:抗体の産生) (a.ハイブリドーマ技術) 本発明の抗体は、種々の方法によって調製され得る。(Current Pr
otocols,第2章を参照のこと)。このような方法の1つの例として、本
発明のポリペプチドを発現する細胞は、ポリクローナル抗体を含む血清の産生を
誘導するために動物に投与される。好ましい方法において、本発明ポリペプチド
の調製物が調製され、そして精製されて、天然の夾雑物を実質的に含まないよう
にされる。次いで、より大きな比活性のポリクローナル抗血清を生成するために
、このような調製物は、動物に導入される。
【0959】 本発明のポリペプチドに対して特異的なモノクローナル抗体は、ハイブリドー
マ技術を使用して調製され得る(Kohlerら、Nature 256:49
5(1975);Kohlerら、Eur.J.Immunol.6:511(
1976);Kohlerら、Eur.J.Immunol.6:292(19
76);Hammerlingら:Monoclonal Antibodie
s and T−Cell Hybridomas,Elsevier,N.Y
.、563−681頁(1981))。一般に、動物(好ましくはマウス)は、
本発明のポリペプチドで、またはより好ましくは分泌ポリペプチド発現細胞で免
疫される。このようなポリペプチド発現細胞は、任意の適切な組織培養培地にお
いて、好ましくは10%ウシ胎仔血清(約56℃で非働化した)を補充し、そし
て約10g/lの非必須アミノ酸、約1,000U/mlのペニシリン、および
約100μg/mlのストレプトマイシンを補充したEarle改変イーグル培
地において培養される。
【0960】 このようなマウスの脾細胞は抽出され、そして適切な骨髄腫細胞株と融合され
る。任意の適切な骨髄腫細胞株は、本発明に従って用いられ得る;しかし、AT
CCから入手可能な親骨髄腫細胞株(SP2O)を用いることが好ましい。融合
後、得られるハイブリドーマ細胞を、HAT培地において選択的に維持し、次い
でWandsら(Gastroenterology 80:225−232(
1981))により記載されるように限界希釈によってクローニングする。次い
で、このような選択によって得られるハイブリドーマ細胞は、本発明のポリぺプ
チドを結合し得る抗体を分泌するクローンを同定するためにアッセイされる。
【0961】 あるいは、本発明のポリぺプチドに結合し得るさらなる抗体を、抗イディオタ
イプ抗体を使用して2段階工程の手順において生成し得る。このような方法は、
抗体それ自体が抗原であり、それゆえ第二の抗体に結合する抗体を得ることが可
能であるという事実を利用する。この方法に従って、タンパク質特異的抗体を使
用して、動物(好ましくは、マウス)を免疫する。次いで、このような動物の脾
細胞を使用して、ハイブリドーマ細胞を産生する。そして、このハイブリドーマ
細胞は、抗体のそのタンパク質特異的抗体に結合する能力が本発明のポリペプチ
ドによってブロックされ得る抗体を産生するクローンを同定するためにスクリー
ニングされる。このような抗体は、そのタンパク質特異的抗体に対する抗イディ
オタイプ抗体を含み、そして動物を免疫してさらなるタンパク質特異的抗体の形
成を誘導するために使用される。
【0962】 ヒトにおける抗体のインビボ使用のために、抗体は、「ヒト化」される。この
ような抗体は、上記のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞に由来
する遺伝的構築物を使用することによって産生され得る。キメラ抗体およびヒト
化抗体を産生するための方法は当該分野で公知であり、そして本明細書中に議論
される(総説については、Morrison,Science 229:120
2(1985);Oiら、BioTechniques 4:214(1986
);Cabillyら、米国特許第4,816,567号;Taniguchi
ら、EP 171496;Morrisonら、EP 173494;Neub
ergerら、WO 8601533;Robinsonら、WO 87026
71;Boulianneら、Nature 312:643(1984);N
eubergerら、Nature 314:268(1985)を参照のこと
)。
【0963】 (b)scFvsのライブラリーからのポリペプチドに対して指向される抗体
フラグメントの単離) ヒトPBLから単離した天然に存在するV遺伝子を、ドナーが曝され得たかま
たは曝され得なかった本発明のポリペプチドに対する反応性を含む抗体フラグメ
ントのライブラリーに構築する(例えば、米国特許第5,885,793号(そ
の全体が参考として本明細書に援用される)を参照のこと)。
【0964】 ライブラリーのレスキュー。 PCT公開WO 92/01047に記載のよ
うに、ヒトPBLのRNAからscFvsのライブラリーを構築する。抗体フラ
グメントを提示するファージをレスキューするため、ファージミドを保有する約
109個のE.coliを用いて、50mlの2×TY(1%グルコースおよび
100μg/mlのアンピシリンを含有する)(2×TY−AMP−GLU)を
接種し、そして振盪しながら0.8のO.D.まで増殖させる。この培養物の5
mlを用いて50mlの2×TY−AMP−GLUに接種し、2×108TUの
Δ遺伝子3ヘルパー(M13Δ遺伝子III、PCT公開WO92/01047
を参照のこと)を添加し、そして培養物を振盪なしで37℃で45分間インキュ
ベートし、次いで振盪しながら37℃で45分間インキュベートする。この培養
物を10分間4000r.p.m.で遠心分離し、そしてペレットを2リットル
の2×TY(100μg/mlアンピシリンおよび50μg/mlカナマイシン
を含有する)中に再懸濁し、そして一晩増殖させる。ファージをPCT公開WO
92/01047に記載のように調製する。
【0965】 M13Δ遺伝子IIIを以下のように調製する:M13Δ遺伝子IIIヘルパ
ーファージは、遺伝子IIIタンパク質をコードしない。それゆえ、抗体フラグ
メントを提示するファージ(ファージミド)は、抗原に対するより大きい結合ア
ビディティーを有する。ファージ形態形成の間、野生型遺伝子IIIタンパク質
を供給するpUC19誘導体を保有する細胞においてヘルパーファージを増殖さ
せることにより、感染性M13Δ遺伝子III粒子を作製する。培養物を振盪な
しで37℃で1時間インキュベートし、次いで振盪しながら37℃でさらなる時
間インキュベートする。細胞を遠心沈殿(IEC−Centra 8,400r
.p.m./分で10分間)し、100μg/mlのアンピシリンおよび25μ
g/mlのカナマイシンを含有する2×TYブロス(2×TY−AMP−KAN
)300ml中で再懸濁し、そして37℃で振盪しながら一晩増殖させた。ファ
ージ粒子を、2回のPEG沈殿(Sambrookら、1990)により培養培
地から精製および濃縮し、2ml PBSに再懸濁し、そして0.45μmのフ
ィルター(Minisart NML;Sartorius)を通過させ、約1
013形質導入単位/ml(アンピシリン耐性クローン)の最終濃度を得る。
【0966】 ライブラリーのパニング。Immunotubes(Nunc)を、本発明の
ポリペプチドの100μg/mlまたは10μg/mlのいずれかの4mlを用
いてPBS中で一晩被膜する。チューブを2%Marvel−PBSを用いて3
7℃で2時間ブロックし、次いでPBS中で3回洗浄する。約1013TUのフ
ァージをチューブに適用し、そして、回転盤上で上下にタンブリングしながら室
温で30分間インキュベートし、次いでさらに1.5時間静置しておく。チュー
ブをPBS0.1%Tween−20で10回、そしてPBSで10回洗浄する
。1mlの100mMトリエチルアミンを添加し、そして回転盤上で15分間上
下に回転させることによりファージを溶出し、その後この溶液を0.5mlの1
.0M Tris−HCl,pH7.4で直ちに中和する。次いで、溶出したフ
ァージを細菌とともに37℃で30分間インキュベートすることにより、ファー
ジを用いて、10mlの対数増殖中期のE.coli TG1に感染させる。次
いで、E.coliを1%グルコースおよび100μg/mlアンピシリンを含
有するTYEプレート上にプレートする。次いで、得られる細菌ライブラリーを
、上記のようにΔ遺伝子3ヘルパーファージでレスキューし、次の回の選択のた
めのファージを調製する。次いで、このプロセスを、アフィニティー精製の全4
回について反復し、3回目および4回目にはチューブ洗浄をPBS、0.1%T
ween−20で20倍、そしてPBSで20倍に増加する。
【0967】 結合剤の特徴付け。第3回目および4回目の選択から溶出したファージを用い
て、E.coli HB 2151を感染させ、そして可溶性scFvをアッセ
イのために単一コロニーから生成する(Marksら、1991)。50mM炭
酸水素塩、pH9.6中の本発明のポリペプチドの10pg/mlのいずれかで
被膜したマイクロタイタープレートを用いてELISAを実行する。ELISA
中の陽性クローンをPCRフィンガープリンティング(例えば、PCT公開WO
92/01047を参照のこと)、次に配列決定することによりさらに特徴付け
る。これらのELISA陽性クローンはまた、当該分野において公知の技術(例
えば、エピトープマッピング、結合親和性、レセプターシグナル形質導入、抗体
/抗原結合をブロックするかまたは競合的に阻害する能力、および競合的アゴニ
スト活性または競合的アンタゴニスト活性など)によりさらに特徴付けられ得る
【0968】 (実施例32:B細胞増殖および分化の刺激または阻害を検出するアッセイ) 機能的体液性免疫応答の生成は、B系列の細胞とそれらの微小環境との間に、
可溶性のシグナル伝達および同族のシグナル伝達の両方を必要とする。シグナル
は、陽性の刺激(B系列の細胞がプログラムされた発生を持続するようにさせる
)、または陰性の刺激(細胞が電流発生経路を阻止するように指示する)を伝え
得る。現在までに、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL
−10、IL−13、IL−14およびIL−15を含む、多数の刺激シグナル
および阻害シグナルがB細胞応答性に影響することが見出されている。興味深い
ことに、これらのシグナルはそれ自体は弱いエフェクターであるが、種々の同時
刺激タンパク質と組み合わせて、B細胞集団中の活性化、増殖、分化、ホーミン
グ、耐性、および死を誘導し得る。
【0969】 B細胞同時刺激タンパク質の最も研究されたクラスの1つがTNFスーパーフ
ァミリーである。このファミリー内で、CD40、CD27およびCD30は、
そのそれぞれのリガンドである、CD154、CD70およびCD153と共に
種々の免疫応答を調節することが見出されている。これらのB細胞集団およびそ
れらの前駆細胞の増殖および分化の検出および/または観察を可能にするアッセ
イは、種々のタンパク質がこれらのB細胞集団上に、増殖および分化の点で有し
得る効果を決定する際に価値のあるツールである。以下に列挙するのは、B細胞
集団およびそれらの前駆体の分化、増殖、または阻害の検出を可能にするように
設計された2つのアッセイである。
【0970】 (インビトロアッセイ)−本発明の精製されたポリペプチド、またはそれらの
短縮化形態を、B細胞集団およびそれらの前駆体において活性化、増殖、分化も
しくは阻害および/または死を誘導する能力について評価する。精製したヒト扁
桃腺B細胞への本発明のポリペプチドの活性(定性的に0.1〜10,000n
g/mLの用量範囲にわたって測定した)を、標準的なBリンパ球同時刺激アッ
セイにおいて評価する。このアッセイでは、精製した扁桃腺B細胞を、プライミ
ング因子として、ホルマリン固定Staphylococcus aureus
Cowan I(SAC)、または固定した抗ヒトIgM抗体のいずれかの存
在下で培養する。IL−2およびIL−15のような第2のシグナルは、トリチ
ウム化チミジン取り込みにより測定した場合、SACおよびIgM架橋と協同し
てB細胞増殖を誘発する。新規な協同因子を、このアッセイを用いて容易に同定
し得る。このアッセイは、CD3陽性細胞の磁気ビーズ(MACS)枯渇により
ヒト扁桃腺B細胞を単離する工程を包含する。得られる細胞集団は、CD45R
(B220)の発現により評価する場合、95%のB細胞より大きい。
【0971】 種々の希釈のそれぞれのサンプルを96ウェルプレートの個々のウェルに配置
し、ここへ、培養培地(10%FBS、5×10-5M 2ME、100U/ml
ペニシリン、10μg/mlストレプトマイシン、および10-5希釈のSACを
含有するRPM1640)中で懸濁した、総量150μl中の、105B細胞を
添加する。増殖または阻害を、因子の添加後72時間から開始して、3H−チミ
ジン(6.7Ci/mM)で20hパルス(1μCi/ウェル)により定量する
。陽性コントロールおよび陰性コントロールは、それぞれIL2および培地であ
る。
【0972】 (インビボアッセイ)−BALB/cマウスに、緩衝液のみ、または本発明の
2mg/Kgのポリペプチド、またはそれらの短縮形態を、1日2回注射(i.
p.)する。マウスにこの処置を4日間連続して与え、この時点でそれらを屠殺
し、そして分析のために種々の組織および血清を収集した。正常な脾臓および本
発明のポリペプチドで処理した脾臓由来のH&E切片の比較により、脾臓細胞で
のこのポリペプチドの活性の結果、例えば、動脈周囲リンパ性鞘の拡散および/
または赤色脾髄領域の有核の細胞充実性の有意な増加(これは、B細胞集団の分
化および増殖の活性化を示し得る)が確認される。B細胞マーカーである、抗C
D45R(B220)を用いる免疫組織化学的研究を用いて、脾臓細胞への任意
の生理的な変化(例えば、脾臓組織崩壊)が、樹立されたT細胞領域に浸潤する
漠然と規定されたB細胞区画内のB細胞提示の増加に起因するか否かを決定する
【0973】 ポリペプチドで処置したマウス由来の脾臓のフローサイトメトリー分析を用い
て、このポリペプチドが、ThB+であるCD45R(B220)dull B
細胞の比を、コントロールマウスで観察される比よりも特異的に増加するか否か
を示す。
【0974】 さらに、増加した成熟B細胞のインビボでの提示の推定される結果は、血清I
g力価が相対的に増加である。従って、血清IgMおよびIgAレベルを緩衝液
処置マウスとポリペプチド処置マウスとの間で比較する。
【0975】 本実施例において記載する研究は、本発明のポリペプチドの活性を試験した。
しかし、当業者は、本発明のポリヌクレオチドの活性(例えば、遺伝子治療)、
本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドのアゴニスト、および/または
アンタゴニストを試験するために、例示する研究を容易に改変し得る。
【0976】 (実施例33:T細胞増殖アッセイ) CD3誘導性の増殖アッセイをPBMCで実行し、そして3H−チミジンの取
り込みにより測定する。このアッセイを以下のように実行する。76ウェルプレ
ートを、CD3に対するmAb(HIT3a,Pharmingen)の100
μl/ウェル、またはアイソタイプ適合のコントロールmAb(B33.1)(
0.05M 炭酸水素緩衝液、pH9.5中、1μg/ml)で4℃で1晩、コ
ートし、次いでPBSで3回洗浄する。PBMCをヒト末梢血から、F/H勾配
遠心分離により単離し、そして本発明のポリペプチドの種々の濃度での存在下で
、10%FCSおよびP/Sを含有するRPMI中、mAbでコートしたプレー
トの4通りのウェル(5×104/ウェル)に添加する(総量200μl)。関
連するタンパク質緩衝液および培地単独がコントロールである。37℃での培養
の48時間後、プレートを1000rpmで2分間回転させ、そして100μl
の上清を除去し、そして、増殖への効果が観察される場合、IL−2(または他
のサイトカイン)の測定のために−20℃で貯蔵した。ウェルに0.5μCiの3 Hチミジンを含有する100μlの培地を補充し、そして37℃で18〜24
時間培養する。ウェルを収集し、そして3Hチミジンの取り込みを増殖の指標と
して用いた。抗CD3単独が増殖の陽性コントロールである。IL−2(100
U/ml)をまた、増殖を増強するコントロールとして用いる。T細胞の増殖を
誘導しないコントロール抗体を本発明のポリペプチドの効果についての陰性コン
トロールとして用いる。
【0977】 本実施例において記載される研究は、本発明のポリペプチドの活性を試験した
。しかし、当業者は、本発明のポリヌクレオチドの活性(例えば、遺伝子治療)
、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドのアゴニスト、および/また
はアンタゴニストを試験するために、例示する研究を容易に改変し得る。
【0978】 (実施例34:MHCクラスII、同時刺激分子および接着分子の発現、なら
びに単球および単球由来ヒト樹状細胞の細胞分化への本発明のポリペプチドの効
果) 樹状細胞を末梢血において見出される増殖前駆体の増殖により生成する:接着
性PBMCまたは清浄化単球画分を、GM−CSF(50ng/ml)およびI
L−4(20ng/ml)とともに7〜10日間培養する。これらの樹状細胞は
、非成熟細胞の特徴的表現型(CD1、CD80、CD86、CD40およびM
HCクラスII抗原の発現)を有する。TNF−αのような活性化因子での処理
は、表面表現形に迅速な変化(MHCクラスIおよびII、同時刺激分子および
接着分子の発現の増加、FCγRIIの下方制御、CD83の上方制御)を生じ
る。これらの変化は抗原提示能力の増加、および樹状細胞の機能的成熟と関連す
る。
【0979】 表面抗原のFACS分析を以下の様に実施する。細胞を、本発明のポリペプチ
ドまたはLPS(陽性コントロール)の漸増する濃度で1〜3日処理し、1%B
SAおよび0.02mMアジ化ナトリウムを含有するPBSで洗浄し、次いで1
:20希釈の適切なFITC標識モノクローナル抗体またはPE標識モノクロー
ナル抗体とともに、4℃で30分間インキュベートする。さらなる洗浄後、標識
した細胞をFACScan(Becton Dickinson)でのフローサ
イトメトリーにより分析する。
【0980】 (サイトカインの生成への効果)樹状細胞により生成されるサイトカイン、特
にIL−12は、T細胞依存性免疫応答の開始において重要である。IL−12
は、Th1ヘルパーT細胞免疫応答の発生に強力に影響し、そして細胞傷害性T
細胞機能およびNK細胞機能を誘導する。ELISAを用いて以下のようにIL
−12放出を測定する。樹状細胞(106/ml)を、本発明のポリペプチドの
漸増する濃度で24時間処理する。LPS(100ng/ml)を、陽性コント
ロールとして細胞培養に添加する。次いで、細胞培養からの上清を収集し、そし
て市販のELISAキット(例えば、R&D Systems(Minneap
olis,MN))を用いてIL−12含量について分析する。キットに提供さ
れる標準的プロトコールを用いる。
【0981】 MHCクラスII、同時刺激分子および接着分子の発現への効果。細胞表面抗
原の3つの主なファミリー:接着分子、抗原提示に関与する分子、およびFcレ
セプター、が、単球上で同定され得る。MHCクラスII抗原および他の同時刺
激分子(例えば、B7およびICAM−I)の発現の調節は、単球の抗原提示能
力、およびT細胞活性化を誘導する能力に変化を生じ得る。Fcレセプターの発
現増加は、単球細胞傷害性活性、サイトカイン放出および食菌作用の改善と相関
し得る。
【0982】 FACS分析は、以下のような表面抗原を試験するために用いられる。単球を
、本発明のポリペプチドまたはLPS(陽性コントロール)の漸増する濃度で1
〜5日処理し、1%BSAおよび0.02mMアジ化ナトリウムを含有するPB
Sで洗浄し、次いで1:20希釈の適切なFITC標識モノクローナル抗体また
はPE標識モノクローナル抗体とともに、4℃で30分間インキュベートする。
さらなる洗浄後、標識した細胞をFACScan(Becton Dickin
son)でのフローサイトメトリーにより分析する。
【0983】 (単球活性化および/または生存の増加)単球を活性化する(あるいは、不活
化する)および/または単球の生存を増加する(あるいは、単球生存を低下させ
る)分子についてのアッセイは、当該分野で公知であり、そして本発明の分子が
単球のインヒビターまたはアクチベーターとして機能するか否かを決定するため
に慣用的に適用され得る。本発明のポリペプチド、アゴニストまたはアンタゴニ
ストは、以下に記載の3つのアッセイを用いてスクリーニングされ得る。これら
のアッセイのそれぞれについて、末梢血単核細胞(PBMC)を、Histop
aque勾配(Sigma)を通じた遠心分離により、単一のドナーleuko
pack(American Red Cross,Baltimore,MD
)から精製する。単球を向流遠心性エルトリエーション(counterflo
w centrifugal elutriation)によりPBMCから単
離する。
【0984】 (単球生存アッセイ)ヒト末梢血単球は、血清または他の刺激の非存在下で培
養した場合、次第に生存度を失う。それらの死は、内部調節されたプロセス(ア
ポトーシス)から生じる。活性化因子、例えばTNFαの培養への添加は、劇的
に、細胞生存を改善し、そしてDNAの断片化を妨げる。プロピジウムヨード(
PI)染色を用いて、以下のようにアポトーシスを測定する。単球を、100n
g/mlのTNF−α(陰性コントロール)の存在下、および試験される種々の
濃度の化合物の存在下で、ポリプロピレンチューブ中の無血清培地(陽性コント
ロール)中で、48時間培養する。細胞を、最終濃度5μg/mlでPIを含有
するPBS中で2×106/mlの濃度に懸濁し、次いでFACScan分析の
前に5分間室温でインキュベートする。PI取り込みは、この試験パラダイムに
おけるDNAの断片化と相関することを示している。
【0985】 (サイトカイン放出への影響)単球/マクロファージの重要な機能は、刺激後
のサイトカインの放出を通じた免疫系の他の細胞集団への調節活性である。サイ
トカイン放出を測定するためのELISAを、以下のように実施する。ヒト単球
を、5×105細胞/mlの密度で、本発明のポリペプチドの漸増する濃度とと
もに、および同じ条件下でこのポリペプチドの非存在下で、インキュベートする
。IL−12の生成については、この細胞を、本発明のポリペプチドの存在下で
IFN(100U/ml)で1晩プライムする。次いで、LPS(10ng/m
l)を添加する。馴化培地を24時間後に収集し、そして使用するまで凍結保存
する。次いで、TNF−α、IL−10、MCP−1およびIL−8の測定を市
販のELISAキット(例えば、R&D Systems Minneapol
is,MN)を用い、そしてキットに提供される標準的プロトコールを適用して
実施する。
【0986】 (酸化的バースト(Oxidative burst))精製した単球を96
ウェルプレートに2〜1×105細胞/ウェルでプレートする。本発明のポリペ
プチドの漸増濃度をウェルの総量0.2mlの培養培地(RPMI 1640+
10%FCS、グルタミンおよび抗生物質)に添加する。3日間のインキュベー
ション後、このプレートを遠心分離し、そして培地をウェルから除く。マクロフ
ァージの単層に、1ウェルあたり0.2mlのフェノールレッド溶液(140m
M NaCl、10mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0、5.5mMデキス
トロース、0.56mMフェノールレッドおよび19U/mlのHRPO)を、
刺激物質(200nM PMA)とともに添加する。このプレートを37℃で2
時間インキュベートし、そして1ウェルあたり20μlの1N NaOHを添加
して反応を停止する。吸光度を610nmで読む。マクロファージにより生成さ
れるH22の量を算出するため、既知のモル濃度のH22溶液の標準曲線をそれ
ぞれの実験について実施する。
【0987】 本実施例において記載される研究は、本発明のポリペプチドの活性を試験した
。しかし、当業者は、本発明のポリペプチドの活性、ポリヌクレオチドの活性(
例えば、遺伝子治療)、アゴニストの活性、および/またはアンタゴニストの活
性を試験するために、例示する研究を容易に改変し得る。
【0988】 (実施例35:本発明のポリペプチドの生物学的効果) (星状細胞および神経アッセイ) 上記のように、Escherichia coliで発現され、そして精製さ
れた本発明の組換えポリペプチドを、皮質ニューロン細胞の生存、神経突起成長
または表現形分化を促進する活性について、およびグリア線維性酸性タンパク質
免疫陽性細胞、星状細胞の増殖の誘導について試験し得る。バイオアッセイのた
めの皮質細胞の選択は、皮質構造中のFGF−1およびFGF−2の広く行き渡
っている発現、ならびにFGF−2処理から生じる皮質ニューロン生存の以前に
報告された増強に基づく。チミジン取り込みアッセイを用いて、例えば、これら
の細胞への本発明のポリペプチドの活性を解明し得る。
【0989】 さらに、インビトロにおける皮質ニューロンまたは海馬ニューロンへのFGF
−2(塩基性FGF)の生物学的効果を記載する以前のレポートは、ニューロン
生存および神経突起成長の両方における増大を実証している(Walickeら
、「Fibroblast growth factor promotes
survival of dissociated hippocampal
neurons and enhances neurite extensi
on」Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:3012〜30
16(1986)、この文献におけるアッセイはその全体が参考として援用され
る)。しかし、PC−12細胞で実行される実験からの報告は、これらの2つの
応答が必ずしも同義でないこと、そしてどのFGFを試験しいるかだけでなく、
どのレセプターが標的細胞で発現されているかにも依存し得ることを示唆する。
神経突起成長を誘導する本発明のポリペプチドの能力を、一次の皮質ニューロン
培養パラダイムを用いて、例えば、チミジン取り込みアッセイを用いてFGF−
2で得られた応答と比較し得る。
【0990】 (線維芽細胞および内皮細胞アッセイ) ヒト肺線維芽細胞をClonetics(San Diego,CA)から入
手し、そしてCloneticsからの増殖培地で維持する。真皮性微小血管内
皮細胞をCell Applications(San Diego,CA)か
ら得る。増殖アッセイについては、ヒト肺線維芽細胞および真皮性微小血管内皮
細胞を、96ウェルプレートの増殖培地中で1日間、5,000細胞/ウェルで
培養し得る。次いでこの細胞を0.1%BSA基礎培地中で1日間インキュベー
トする。新鮮な0.1%BSA培地で培地を置換した後、細胞を試験タンパク質
と3日間インキュベートする。Alamar Blue(Almar Bios
ciences,Sacramento,CA)を10%の最終濃度になるよう
に各ウェルに添加する。この細胞を4時間インキュベートする。細胞生存度をC
ytoFluor蛍光リーダーでの読取りにより測定する。PGE2アッセイに
ついては、ヒト肺線維芽細胞を、96ウェルプレート中で1日間、5,000細
胞/ウェルで培養する。0.1%BSA基礎培地に培地を変換した後、細胞をI
L−1αとともに、またはそれをともなわずに、FGF−2または本発明のポリ
ペプチドと24時間インキュベートする。上清を収集し、そしてEIAキット(
Cayman,Ann Arbor,MI)によりPGE2についてアッセイす
る。IL−6アッセイについては、ヒト肺線維芽細胞を、96ウェルプレート中
で1日間、5,000細胞/ウェルで培養する。0.1%BSA基礎培地に培地
を変換した後、細胞を本発明のポリペプチドIL−1αとともに、またはそれを
ともなわずに、FGF−2と24時間インキュベートする。上清を収集し、そし
てELISAキット(Endogen,Cambridge,MA)によりIL
−6についてアッセイする。
【0991】 ヒト肺線維芽細胞をFGF−2または本発明のポリペプチドとともに基礎培地
中で3日間培養し、その後、線維芽細胞の増殖への効果を評価するためAlam
ar Blueを添加する。FGF−2は、本発明のポリペプチドでの刺激に匹
敵して用いられ得る10〜2500ng/mlの刺激を示すはずである。
【0992】 (パーキンソンモデル) パーキンソン病における運動機能の喪失は、黒質線条体のドーパミン作動性投
射ニューロンの変性から生じる線条体ドーパミンの欠乏に起因する。広範に特徴
付けされたパーキンソン病の動物モデルは、1−メチル−4フェニル1,2,3
,6−テトラヒドロピリジン(MPTP)の全身投与を含む。CNSにおいて、
MPTPは、星状細胞に取り込まれ、そしてモノアミンオキシダーゼBにより1
−メチル−4−フェニルピリジン(MPP+)に異化され、そして放出される。
引き続き、MPP+は、ドーパミンの高親和性再取り込みトランスポーターによ
りドーパミン作動性ニューロンに能動的に蓄積する。次いで、MPP+は、電気
化学勾配によりミトコンドリア中で濃縮され、そしてニコチン酸アミドアデニン
二リン酸:ユビキノン酸化還元酵素(複合体I)を選択的に阻害し、これにより
電子伝達を妨害し、そして最終的に活性酸素を生成する。
【0993】 FGF−2(塩基性FGF)が黒質のドーパミン作動性ニューロンへの栄養活
性を有することが組織培養パラダイムにおいて実証されている(Ferrari
ら、Dev.Biol.1989)。近年、Unsicker博士のグループは
、線条体のゲル気泡インプラントでのFGF−2投与がMPTP曝露と関連する
毒性から黒質のドーパミン作動性ニューロンのほぼ完全な防御を生じることを実
証している(OttoおよびUnsicker,J.Neuroscience
,1990)。
【0994】 FGF−2を用いたデータに基づいて、本発明のポリペプチドは、インビトロ
におけるドーパミン作動性ニューロン生存を増強する際において、本発明のポリ
ペプチドがFGF−2の作用と類似の作用を有するか否かを決定するために評価
され得、そして、本発明のポリペプチドはまた、線条体におけるドーパミン作動
性ニューロンを、MPTP処理と関連する損傷からの防御についてインビボで試
験され得る。本発明のポリペプチドの潜在的効果を、まずドーパミン性ニューロ
ン細胞培養パラダイムにおいてインビトロで試験する。妊娠14日のWista
rラット胚由来の中脳底板を解剖することにより、培養物を調製する。組織をト
リプシンで分離し、そしてポリオルチニン−ラミニンでコートしたカバーガラス
に200,000細胞/cm2の密度で播いた。この細胞をダルベッコ改変イー
グル培地およびホルモン補充物(NI)を含有するF12培地中で維持する。イ
ンビトロで8日後、培養物をパラホルムアルデヒドで固定し、そしてチロシンヒ
ドロキシラーゼ(ドーパミン作動性ニューロンについての特異的マーカー)での
免疫組織化学染色のために処理する。分離した細胞培養物を胚性ラットから調製
する。培養培地を3日ごとに変化させ、そしてこの因子をまたその時点ごとに添
加する。
【0995】 ドーパミン作動性ニューロンを妊娠14日(この発生時間は、ドーパミン作動
性前駆細胞が増殖する段階を過ぎる)で動物から単離するので、チロシンヒドロ
キシラーゼ免疫陽性ニューロンの数の増加は、インビトロで生存しているドーパ
ミン作動性ニューロンの数の増加を示す。従って、もし本発明のポリペプチドが
ドーパミン作動性の生存を延長するように作用するならば、このポリペプチドが
パーキンソン病に関与し得ることを示唆する。
【0996】 本実施例において記載される研究は、本発明のポリペプチドの活性を試験した
。しかし、当業者は、本発明のポリヌクレオチドの活性(例えば、遺伝子治療)
、本発明のアゴニスト、および/またはアンタゴニストを試験するために、例示
する研究を容易に改変し得る。
【0997】 (実施例36:血管内皮細胞の増殖への本発明のポリペプチドの効果) 1日目に、ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)を、4%ウシ胎仔血清(FBS
)、16ユニット/ml ヘパリン、および50ユニット/ml 内皮細胞増殖
補充物(ECGS、Biotechnique,Inc.)を含有するM199
培地中で、35mmシャーレあたり2〜5×104細胞の密度で播種する。2日
目、この培地を、10%FBS、8ユニット/mlヘパリンを含有するM199
で置換する。配列番号Yのアミノ酸配列を有するポリペプチドおよび陽性コント
ロール(例えば、VEGFおよび塩基性FGF(bFGF))を種々の濃度で添
加する。4日目および6日目に、培地を除去する。8日目、Coulter C
ounterを用いて細胞数を決定する。
【0998】 HUVEC細胞数の増加は、本発明のポリペプチドが血管内皮細胞を増殖し得
ることを示す。
【0999】 本実施例において記載される研究は、本発明のポリペプチドの活性を試験した
。しかし、当業者は、本発明のポリヌクレオチドの活性(例えば、遺伝子治療)
、本発明のアゴニスト、および/またはアンタゴニストを試験するために、例示
する研究を容易に改変し得る。
【1000】 (実施例37:血管内皮細胞の増殖への本発明のポリペプチドの刺激効果) 増殖因子の***促進活性の評価のために、電子共役試薬PMS(フェナジンメ
トサルフェート)を用いる、比色分析MTS(3−(4,5−ジメチルチアゾー
ル−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルフ
ォフェニル)2H−テトラゾリウム)アッセイを実行した(CellTiter
96 AQ,Promega)。細胞を0.1mLの血清補充培地中で96ウ
ェルプレートに播種し(5,000細胞/ウェル)、そして一晩付着させる。0
.5%FBS中、12時間の血清飢餓後、Heparin(8U/ml)を伴う
かまたは伴わない、条件(bFGF、VEGF165または0.5%FBS中の本
発明のポリペプチド)をウェルに48時間添加する。20mgのMTS/PMS
混合物(1:0.05)を1ウェルあたりに添加し、そして37℃で1時間イン
キュベートさせ、その後ELISAプレートリーダーで490nmの吸光度を測
定する。コントロールウェル(培地あり、細胞なし)のバックグラウンドの吸光
度を差し引きし、そしてそれぞれの条件について7つのウェルを並行して実施す
る。Leakら、In Vitro Cell.Dev.Biol.30A:5
12〜518(1994)を参照のこと。
【1001】 本実施例において記載される研究は、本発明のポリペプチドの活性を試験した
。しかし、当業者は、本発明のポリヌクレオチドの活性(例えば、遺伝子治療)
、本発明のアゴニスト、および/またはアンタゴニストを試験するために、例示
する研究を容易に改変し得る。
【1002】 (実施例38:PDGF誘導性血管平滑筋細胞増殖刺激効果の阻害) HAoSMC増殖を、例えば、BrdUrd組み込みにより測定し得る。手短
には、4チャンバスライド上で増殖するコンフルエント未満の静止期細胞を、C
RPまたはFITC標識化AT2−3LPでトランスフェクトする。次いで、こ
の細胞に10%ウシ血清および6mg/mlのBrdUrdをパルスする。24
時間後、BrdUrd染色キット(Zymed Laboratories)を
用いることにより免疫細胞化学を実施する。簡略には、この細胞を、変性溶液へ
の曝露後、ビオチン化マウス抗−BrdUrd抗体と4℃で2時間インキュベー
トし、次いでストレプトアビジン−ペルオキシダーゼおよびジアミノベンジジン
とともにインキュベートする。ヘマトキシリンでの対比染色後、この細胞を顕微
鏡試験のために標本にし、そしてBrd Urd−陽性細胞を計数する。Brd
Urd係数は、総細胞数に対するBrdUrd−陽性細胞の割合として計算され
る。さらに、個々の細胞について、明野照明および暗野UV蛍光照明の同時使用
により、BrdUrd染色(核)およびFITC取り込み(細胞質)の同時検出
を実行する。(Hayashidaら、J.Biol.Chem.6:271(
36):21985〜21992(1996)を参照のこと)。
【1003】 本実施例において記載した研究は、本発明のポリペプチドの活性を試験した。
しかし、当業者は、本発明のポリヌクレオチドの活性(例えば、遺伝子治療)、
本発明のアゴニスト、および/またはアンタゴニストを試験するために、例示す
る研究を容易に改変し得る。
【1004】 (実施例39:内皮遊走の刺激) 本実施例は、本発明のポリペプチドがリンパ性の内皮細胞遊走を刺激し得る可
能性を探索するために用いられ得る。
【1005】 内皮細胞遊走アッセイは、48ウェルの微小走化性チャンバを用いて実行され
る(Neuroprobe Inc.,Cabin John,MD;Falk
,Wら、J.Immunological Methods 1980;33:
239〜247)。ポリビニルピロリドンを含まないポリカーボネートフィルタ
ー(これは8μmの孔径を備える)(Nucleopore Corp.Cam
bridge,MA)を室温で少なくとも6時間0.1%ゼラチンでコートし、
そして滅菌空気のもとで乾燥する。0.25%ウシ血清アルブミン(BSA)を
補充したM199中で試験物質を適切な濃度に希釈し、そして25μlの最終希
釈を改変Boyden装置の底部チャンバに置く。コンフルエント未満の、早期
継代(2〜6)のHUVECまたはBMEC培養物を洗浄し、そして細胞の脱離
に必要な最小の時間トリプシン処理する。底部チャンバと上部チャンバとの間の
フィルターを配置した後、1%FBSを含有する50μl M199中に懸濁し
た2.5×105細胞を上部コンパートメントに播種する。次いでこの装置を、
5%CO2を用いて湿潤にしたチャンバ中で37℃で5時間インキュベートして
細胞を遊走させた。インキュベーション期間後、このフィルターを取り出し、そ
して非遊走細胞を有するフィルターの上部側をゴム性のポリスマン(polic
eman)でかきとる。このフィルターをメタノールで固定し、そしてGiem
sa溶液で染色する(Diff−Quick,Baxter,McGraw P
ark,IL)。遊走は、それぞれのウェルにおいて、3つの無作為の高出力視
野(40×)の細胞を計数することにより定量する。そしてすべての群を4連で
実行する。
【1006】 本実施例において記載した研究は、本発明のポリペプチドの活性を試験した。
しかし、当業者は、本発明のポリヌクレオチドの活性(例えば、遺伝子治療)、
本発明のアゴニスト、および/またはアンタゴニストを試験するために、例示す
る研究を容易に改変し得る。
【1007】 (実施例40:内皮細胞による一酸化窒素生成の刺激) 血管内皮による一酸化窒素の放出は、血管内皮弛緩の介在物質であると考えら
れてる。従って、本発明のポリペプチドの活性は、このポリペプチドに応答する
内皮細胞による一酸化窒素産生を測定することによってアッセイされ得る。
【1008】 一酸化窒素を、24時間の飢餓、次いで、様々なレベルの陽性コントロール(
例えば、VEGF−1)および本発明のポリペプチドへの4時間の曝露の後のコ
ンフルエントな微小血管内皮細胞の96ウェルプレート中で測定する。培地中の
一酸化窒素を、Griess試薬の使用により定量して、硝酸還元酵素による一
酸化硝酸由来の硝酸の還元後の亜硝酸の総量を測定する。一酸化窒素放出の際の
本発明のポリペプチドの効果を、HUVECにおいて試験する。
【1009】 簡単には、培養したHUVEC単層からのNO放出は、NOメーター(Iso
−NO,World Precision Instruments Inc.
)(1049)に接続したNO特異的なポーラログラフ電極を用いて測定する。
NOエレメントの較正を、以下の式に従って行う: 2KNO2+2KI+2H2SO462NO+I2+2H2O+K2SO4 検量線を、KIおよびH2SO4を含む較正溶液中に段階的な濃度のKNO2
0、5、10、25、50、100、250、および500nmol/L)を添
加することによって得る。NOに対するIso−NO電極の特異性を、オーセン
ティックなNO気体からのNOを測定することにより、事前に決定する(105
0)。この培養培地を取り除き、そしてHUVECを、Dulbeccoリン酸
緩衝化生理食塩水で2回洗浄する。次いで、細胞を、6ウェルプレート中で5m
lのろ過したKrebs−Henseleit溶液に浸し、そしてこの細胞プレ
ートを、37℃に温度を維持するために、スライドウォーマー(Lab Lin
e Instruments Inc.)で保持する。NOセンサープローブを
ウェルに垂直に挿入して、異なる条件の追加の前に、電極の先端を溶液の表面の
2mm下で保持する。S−ニトロソアセチルペニシラミン(SNAP)を、陽性
コントロールとして用いる。放出したNOの量を、1×106内皮細胞あたりの
ピコモル濃度として表す。全ての報告した値は、各群(細胞培養ウェルの数)に
おける4〜6の測定値の平均である。Leakら、Biochem.and B
iophys.Res.Comm.217:96−105(1995)を参照の
こと。
【1010】 本実施例において記載される研究は、本発明のポリペプチド活性を試験した。
しかし、当業者は、例証した研究を容易に改変して、本発明のポリヌクレオチド
(例えば、遺伝子治療)、アゴニスト、および/またはアンタゴニストの活性を
試験し得る。
【1011】 (実施例41:新脈管形成における索形成に対する本発明のポリペプチドの効
果) 新脈管形成における別の工程は、内皮細胞の分化により特徴付けられる索(c
ord)形成である。このバイオアッセイは、インビトロで培養した場合の微小
血管内皮細胞の毛細管様構造(中空構造)を形成する能力を測定する。
【1012】 CADMEC(微小血管内皮細胞)を、増殖細胞(2継代)としてCell
Applications Inc.から購入し、Cell Applicat
ions’CADMEC Growth Medium中で培養し、そして5継
代で使用する。インビトロ新脈管形成アッセイのために、48ウェル細胞培養プ
レートのウェルをCell Applications’Attachment
Factor Medium(200ml/ウェル)を用いて、37℃にて3
0分間コートする。CADMECを、7,500細胞/ウェルでコートしたウェ
ルに播種し、Growth Medium中で一晩培養する。次いで、このGr
owth Mediumを、コントロール緩衝液または本発明のポリペプチド(
0.1〜100ng/ml)を含む300mgのCell Applicati
ons’Chord Formation Mediumと交換し、そしてこの
細胞をさらに48時間培養する。毛細管様索の数および長さを、Boeckel
er VIA−170ビデオ画像分析装置の使用を通じて定量する。全てのアッ
セイを三連で行った。
【1013】 市販の(R&D)VEGF(50ng/ml)を、陽性コントロールとして用
いる。b−エストラジオール(1ng/ml)を、陰性コントロールとして用い
る。適切な緩衝液(タンパク質なし)もまた、コントロールとして利用する。
【1014】 本実施例において記載される研究は、本発明のポリペプチドの活性を試験した
。しかし、当業者は、例証した研究を容易に改変して、本発明のポリヌクレオチ
ド(例えば、遺伝子治療)、アゴニスト、および/またはアンタゴニストの活性
を試験し得る。
【1015】 (実施例42:ニワトリ漿尿膜に対する脈管形成効果) ニワトリ漿尿膜(CAM)は、新脈管形成を試験するために十分に確立した系
である。CAMにおける血管形成は、容易に可視化および定量可能である。本発
明のポリペプチドのCAMにおける新脈管形成を刺激する能力を試験し得る。
【1016】 White Leghornニワトリ(Gallus gallus)の受精
卵および日本ウズラ(qual)(Coturnix couturnix)を
、37.8℃および湿度80%でインキュベートする。16日齢のニワトリの分
化したCAMおよび13日齢のウズラの胚を以下の方法で研究する。
【1017】 発生の4日目に、ニワトリ卵の卵殻に窓を作る。この胚を正常な発生について
調べ、そしてこの卵を粘着テープで封着する。これらを、さらに13日までイン
キュベートする。Thermanoxカバーガラス(Nunc,Napervi
lle,IL)を、直径約5mmのディスクに切る。滅菌かつ無塩成長因子を滅
菌水に溶解し、そして約3.3mg/5mlをディスクにピペットで移す。風乾
後、逆さにしたディスクをCAMに適用する。3日後、標本を3%グルタルアル
デヒドおよび2%ホルムアルデヒド中に固定し、そして0.12Mカコジル酸ナ
トリウム緩衝液ですすぐ。これらを実体顕微鏡[Wild M8]を用いて写真
撮影し、上記のように半薄層切片化および超薄層切片化のために包埋する。コン
トロールを、キャリアディスクのみを用いて行う。
【1018】 本実施例において記載される研究は、本発明のポリペプチド活性を試験した。
しかし、当業者は、例証した研究を容易に改変して、本発明のポリヌクレオチド
(例えば、遺伝子治療)、アゴニスト、および/またはアンタゴニストの活性を
試験し得る。
【1019】 (実施例43:マウスにおけるMatrigel移植片を用いる新脈管形成ア
ッセイ) 本発明のポリペプチドのインビトロ新脈管形成アッセイは、既存の毛細管網の
、マウス細胞外マトリックス物質(Matrigel)の移植したカプセル中に
新しい脈管を形成する能力を測定する。このタンパク質を、4℃で液体Matr
igelと混合し、次いでこの混合物を、マウスに皮下(ここで、この混合物は
凝固する)注射する。7日後、Matrigelの固体「プラグ」を取り除き、
そして新しい血管の存在について試験する。Matrigelを、Becton
Dickinson Labware/Collaborative Bio
medical Productsから購入する。
【1020】 4℃で解凍した時、Matrigel物質は液体である。このMatrige
lを、4℃にて150ng/mlで本発明のポリペプチドと混合し、冷3mlシ
リンジ中に引き抜く。約8週齢の雌性C57B1/6マウスに、腹部の中腹側面
の2つの部位にMatrigelおよび実験タンパク質の混合物を注射する(0
.5ml/部位)。7日後、このマウスを頚椎脱臼により屠殺し、Matrig
elプラグを取り除きそして洗浄する(すなわち、全ての付着する膜および線維
組織を取り除く)。複製の全プラグを中性緩衝化10%ホルムアルデヒド中に固
定し、パラフィン中に包埋し、そしてMasson’s Trichromeで
染色後、組織学的試験のために切片を作製するために使用する。各プラグの3つ
の異なる領域由来の断面をプロセスする。選択した切片をvWFの存在について
染色する。このアッセイについての陽性コントロールは、ウシ塩基性FGF(1
50ng/ml)である。Matrigel単独を用いて、新脈管形成の基礎レ
ベルを決定する。
【1021】 本実施例において記載される研究は、本発明のポリペプチド活性を試験した。
しかし、当業者は、例証した研究を容易に改変して、本発明のポリヌクレオチド
(例えば、遺伝子治療)、アゴニスト、および/またはアンタゴニストの活性を
試験し得る。
【1022】 (実施例44:ウサギ下肢モデルにおける虚血のレスキュー) 本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドの虚血に対するインビボでの効
果を研究するため、ウサギ後肢虚血モデルを、以前に記載される(Takesh
itaら、Am J.Pathol 147:1649−1660(1995)
)ように1つの大腿動脈の外科的除去により作製する。大腿動脈の切除は、血栓
の逆行性伝播および外腸骨動脈の閉塞を生じる。結果として、虚血肢への血流は
、内腸骨動脈から生じる側副血管に依存する(Takeshitaら、Am J
.Pathol 147:1649−1660(1995))。10日の間隔で
、ウサギの手術後の回復および内因性の側副血管の発達を可能にする。手術(0
日)後10日目に、ベースライン血管造影を行った後、虚血肢の内腸骨動脈を、
本発明のポリヌクレオチドを含む500mgの裸の発現プラスミドを用いて、(
Riessenら、Hum Gene Ther.4:749−758(199
3);Leclercら、J.Clin.Invest.90:936−944
(1992))に記載されるように、ヒドロゲル被覆バルーンカテーテルを用い
る動脈遺伝子移入技術により、トランスフェクトする。本発明のポリペプチドを
処置に用いる場合、500mgの本発明のポリペプチドまたはコントロールの単
回ボーラスを、注入カテーテルを通じて1分間にわたり、虚血肢の内腸骨動脈中
に送達する。30日目に、種々のパラメーターを、これらのウサギで測定する:
(a)BP比−虚血肢の収縮期血圧 対 正常肢の収縮期血圧の比;(b)血流
および逆流−停止FL:非拡張性状態の間の血流、および最大FL:完全な拡張
性状態の間の血流(これはまた、血管量の間接的測定)、そして逆流は、最大F
L:停止FLの比に反映される;(c)血管造影値(angiographic
Score)−これを側副血管の血管造影により測定する。スコアを、オーバ
ーレイグリッド(overlaying grid)内の円の百分率(ウサギ大
腿の総数mで割った横断不透明化動脈を用いる)により決定する;(d)毛細管
密度−側副毛細血管の数は、後肢から得た光学顕微鏡用切片において決定した。
【1023】 本実施例において記載される研究は、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペ
プチド活性を試験した。しかし、当業者は、例証した研究を容易に改変して、本
発明のアゴニストおよび/またはアンタゴニストを試験し得る。
【1024】 (実施例45:本発明のポリペプチドの血管拡張に対する効果) 血管内皮の拡張は、血圧の低下に重要であるので、自然発症高血圧ラット(S
HR)における、本発明のポリペプチドの血圧に影響する能力を、試験する。漸
増用量(0,10、30、100、300、および900mg/kg)の本発明
のポリペプチドを、13〜14週齢の自然発症高血圧ラット(SHR)に投与す
る。データを、平均+/−SEMで表す。統計学的分析を、両側t検定を用いて
行い、そして統計的な有意性を、p<0.05 対 緩衝液単独への応答として
定義する。
【1025】 本実施例において記載される研究は、本発明のポリペプチド活性を試験した。
しかし、当業者は、例証した研究を容易に改変して、本発明のポリヌクレオチド
(例えば、遺伝子治療)、アゴニスト、および/またはアンタゴニストの活性を
試験し得る。
【1026】 (実施例46:ラット虚血皮膚弁モデル) 評価パラメーターとして、皮膚の血流、皮膚温度、および第VIII因子の免
疫組織化学または内皮アルカリホスファターゼ反応が挙げられる。皮膚虚血の間
の本発明のポリペプチドの発現を、インサイチュハイブリダーゼーションを用い
て研究する。
【1027】 このモデルにおける研究を、以下の3つの部分に分ける: a)虚血皮膚 b)虚血皮膚創傷 c)通常の創傷。
【1028】 実験プロトコルは以下を含む: a)3×4cmの単一茎全層無作為皮膚弁(single pedicle
full−thickness random skin flap)(動物の
下背部にわたる筋皮弁)を生じさせる。
【1029】 b)虚血皮膚(皮膚弁)に切除創傷をつくる(直径4〜6mm) c)次の種々の投薬範囲の本発明のポリペプチドによる、切除創傷(創傷後の
0、1、2、3、4日目)の局所的な処置:1mg〜100mg d)組織学的研究、免疫組織化学的研究、およびインサイチュ研究のために、
創傷後の3、5、7、10、14、および21日目に創傷組織を収集する。
【1030】 本実施例において記載される研究は、本発明のポリペプチド活性を試験した。
しかし、当業者は、例証した研究を容易に改変して、本発明のポリヌクレオチド
(例えば、遺伝子治療)、アゴニスト、および/またはアンタゴニストの活性を
試験し得る。
【1031】 (実施例47:末梢動脈疾患モデル) 本発明のポリペプチドを用いる脈管形成治療は、末梢動脈疾患の場合の虚血の
周囲の血流の回復を得る新規の治療的ストラテジーである。実験プロトコルは以
下を含む: a)一方の片側の大腿動脈を、後肢の虚血筋肉を作製するために結紮し、他方
の片側の後肢は、コントロールの役割をする。
【1032】 b)本発明のポリペプチドを、20mg〜500mgの投薬範囲で、一週間あ
たり静脈内および/または筋肉内に3回(おそらくそれより多く)で2〜3週間
、送達する。
【1033】 c)この虚血筋肉組織を、大腿動脈の結紮後、本発明のポリペプチドの発現の
分析ならびに組織学のために、1、2、および3週間目に収集する。生検もまた
、他方の片側の対側後肢の正常な筋肉において行う。
【1034】 本実施例において記載される研究は、本発明のポリペプチド活性を試験した。
しかし、当業者は、例証した研究を容易に改変して、本発明のポリヌクレオチド
(例えば、遺伝子治療)、アゴニスト、および/またはアンタゴニストの活性を
試験し得る。
【1035】 (実施例48:虚血性心筋疾患モデル) 本発明のポリペプチドを、側副血管の発達を刺激し得、かつ冠状動脈閉塞後の
新しい血管を再構成し得る強力なマイトジェンとして評価する。ポリペプチドの
発現の変化を、インサイチュで調査する。実験プロトコルは、以下を含む: a)心臓を、ラットの左側開胸術を介して露出する。直ちに、左冠状動脈を、
細い縫合糸(6−0)を用いて咬合し、そして胸郭を閉じる。
【1036】 b)本発明のポリペプチドを、20mg〜500mgの投薬範囲で、一週間あ
たり静脈内および/または筋肉内に3回(おそらくそれより多く)で2〜4週間
、送達する。
【1037】 c)手術の30日後、この心臓を、形態測定のために取り出しそして横断切片
化し、そしてインサイチュで分析する。
【1038】 本実施例において記載される研究は、本発明のポリペプチド活性を試験した。
しかし、当業者は、例証した研究を容易に改変して、本発明のポリヌクレオチド
(例えば、遺伝子治療)、アゴニスト、および/またはアンタゴニストの活性を
試験し得る。
【1039】 (実施例49:ラット角膜創傷治癒モデル) この動物モデルは、本発明のポリペプチドの、新生血管形成に対する効果を示
す。実験プロトコルは、以下を含む: a)角膜の中心から間質層へと1〜1.5mmの長い切開を作る b)目の外端に面する切開の唇縁の下にスパーテルを挿入する c)ポケットを作る(その基底は、目の縁から(form)1〜1.5mmで
ある) d)50ng〜5μg(ug)の本発明のポリペプチドを含む小丸剤を、ポケ
ット内に配置する e)本発明のポリペプチドでの処置をまた、20mg〜500mgの投薬範囲
内で(毎日の処置を5日間)角膜創傷に局所的に適用し得る。
【1040】 本実施例において記載される研究は、本発明のポリペプチド活性を試験した。
しかし、当業者は、例証した研究を容易に改変して、本発明のポリヌクレオチド
(例えば、遺伝子治療)、アゴニスト、および/またはアンタゴニストの活性を
試験し得る。
【1041】 (実施例50:糖尿病マウスおよび糖質コルチコイド障害性創傷治癒モデル) (A.糖尿病db+/db+マウスモデル) 本発明のポリペプチドが治癒プロセスを促進することを実証するために、創傷
治癒の遺伝的糖尿病マウスモデルを、使用する。db+/db+マウスにおける
全層(full thickness)創傷治癒モデルは、障害性の創傷治癒の
十分に特徴付けられた、臨床的に関連性のある、そして再現可能なモデルである
。糖尿病性創傷の治癒は、収縮よりむしろ肉芽組織の形成および再上皮形成に依
存する(Gartner,M.H.ら、J.Surg.Res.52:389(
1992);Greenhalgh,D.G.ら、Am.J.Pathol.1
36:1235(1990))。
【1042】 この糖尿病動物は、II型真性糖尿病において観察される特徴的な特性の多く
を有する。ホモ接合(db+/db+)マウスは、それらの正常なヘテロ接合(
db+/+m)同腹仔と比較して肥満である。変異体糖尿病(db+/db+)
マウスは、第4染色体(db+)上の単一の常染色体性の劣性変異を有する(C
olemanら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:28
3−293(1982))。動物は、多食症、多渇症、および多尿症を示す。変
異体糖尿病マウス(db+/db+)は、上昇した血中グルコース、増加したま
たは正常なインスリンレベル、および抑制された細胞媒介性免疫を有する(Ma
ndelら、J.Immunol.120:1375(1978);Debra
y−Sachs,M.ら、Clin.Exp.Immunol.51(1):1
−7(1983);Leiterら、Am.J.of Pathol.114:
46−55(1985))。末梢神経障害、心筋合併症、および微小血管損傷、
基底膜肥厚および糸球体濾過異常は、これらの動物において記載されている(N
orido,F.ら、Exp.Neurol.83(2):221−232(1
984);Robertsonら、Diabetes 29(1):60−67
(1980);Giacomelliら、Lab Invest.40(4):
460−473(1979);Coleman,D.L.、Diabetes
31(補遺):1−6(1982))。これらのホモ接合糖尿病マウスは、高血
糖症を発症し、そしてこれは、ヒトII型糖尿病に類似してインスリンに対して
耐性である(Mandelら、J.Immunol.120:1375−137
7(1978))。
【1043】 これらの動物において観察した特徴は、このモデルにおける治癒が、ヒト糖尿
病において観察される治癒に類似し得ることを示す(Greenhalghら、
Am.J.of Pathol.136:1235−1246(1990))。
【1044】 遺伝的糖尿病の雌性C57BL/KsJ(db+/db+)マウス、およびそ
れらの非糖尿病(db+/+m)へテロ接合性同腹仔を、この研究に用いる(J
ackson Laboratories)。これらの動物を6週齢で購入する
。研究の開始時は8週齢である。動物を個別に飼育し、そして自由に食物と水を
与える。全ての操作を、無菌操作を用いて行う。この実験を、Human Ge
nome Sciences,Inc.のInstitutional Ani
mal Care and Use Committee and the G
uidelines for the Care and Use of La
boratory Animalsの規則およびガイドラインに従って行う。
【1045】 創傷プロトコルを、以前に報告された方法(Tsuboi,R.およびRif
kin,D.B.、J.Exp.Med.172:245−251(1990)
)に従って行う。簡単には、創傷させる日に、動物を、脱イオン水に溶解したA
vertin(0.01mg/mL)、2,2,2−トリブロモエタノールおよ
び2−メチル−2−ブタノールの腹腔内注射で麻酔する。この動物の背面領域を
剃毛し、そして皮膚を70%エタノール溶液およびヨウ素で洗浄する。手術範囲
を、創傷させる前に滅菌ガーゼで乾燥させる。次いで、8mmの全層の創傷を、
Keyes組織パンチを用いて作製する。創傷させた直後に、周囲の皮膚を、創
傷の拡大を取り除くために穏やかに伸ばす。実験の間、この創傷を開放しておく
。処置の適用は、創傷させた日から5日間連続で、局所的に受ける。処置の前に
、創傷を、滅菌生理食塩水およびガーゼスポンジを用いて穏やかに洗浄する。
【1046】 創傷を視覚的に検査し、そして手術の日およびその後2日間隔で、固定した距
離で写真撮影する。創傷閉鎖を、1〜5日目および8日目の日々の測定により決
定する。創傷を目盛り付き(calibrated)Jameson測径器(c
aliper)を用いて水平および垂直に測定する。肉芽組織がもはや目に見え
ず、そして創傷を連続した上皮が覆う場合に、創傷を治癒したとみなす。
【1047】 本発明のポリペプチドを、ビヒクル中で8日間、異なる投薬範囲(1日あたり
創傷あたり4mg〜500mg)を用いて投与する。ビヒクルコントロール群は
、50mLのビヒクル溶液を受け入れた。
【1048】 動物を、8日目にペントバルビタールナトリウム(300mg/kg)の腹腔
内注射で安楽死させる。次いで、創傷および周囲の皮膚を、組織学および免疫組
織化学のために収集する。組織標本を、さらなる処理のために、生検スポンジの
間の組織カセット内で、10%中性緩衝化ホルマリン中に置く。
【1049】 各々10匹の動物(5匹の糖尿病および5匹の非糖尿病コントロール)の3つ
の群:1)ビヒクルプラシーボコントロール、2)非処置群、および3)処置群
を、評価する。
【1050】 創傷閉鎖を、垂直軸および水平軸で面積を測定すること、および創傷の面積の
合計を得ることにより分析する。次いで、収縮を、最初の創傷の面積(0日)と
処置後(8日)の面積との間の差異を確立することにより評価する。1日目のこ
の創傷面積は、64mm2(皮膚パンチに対応するサイズ)である。計算を以下
の式を用いて行う: [8日目の開放面積]−[1日目の開放面積]/[1日目の開放面積] 標本を10%緩衝化ホルマリン中で固定し、そしてパラフィン包埋塊を、創傷
表面に対して垂直に切り出し(5mm)、そしてReichert−Jungミ
クロトームを用いて切断する。慣用的なヘマトキシリン−エオシン(H&E)染
色を、二等分した創傷の横断切片で行う。創傷の組織学的試験を用いて、修復し
た皮膚の治癒プロセスおよび形態的な外見を、本発明のポリペプチドを用いる処
置によって改変したかどうかを評価する。この評価として、細胞蓄積、炎症細胞
、毛細管、線維芽細胞、再上皮形成、および表皮成熟の存在の検証が挙げられる
(Greenhalgh,D.G.ら、Am.J.Pathol.136:12
35(1990))。目盛り付きレンズマイクロメーターを盲検観察者(bli
nded observer)が用いる。
【1051】 組織切片をまた、ABC Elite検出システムを用いてポリクローナルウ
サギ抗ヒトケラチン抗体で免疫組織化学的に染色する。ヒト皮膚を陽性組織コン
トロールとして用いる一方、非免疫IgGを陰性コントロールとして用いる。ケ
ラチノサイト増殖を、目盛り付きレンズマイクロメーターを用いて創傷の再上皮
形成の程度を評価することによって決定する。
【1052】 皮膚標本における増殖細胞核抗原/サイクリン(PCNA)を、ABC El
ite検出システムで抗PCNA抗体(1:50)を用いることにより実証する
。ヒト結腸癌は、陽性組織コントロールとして働き得、そしてヒト脳組織を、陰
性組織コントロールとして用い得る。各標本は、1次抗体の脱落および非免疫マ
ウスIgGとの置換を有する切片を含む。これらの切片の順位は、0〜8のスケ
ール(わずかな増殖を反映するより低い側のスケール〜激しい増殖を反映するよ
り高い側)の増殖の程度に基づく。
【1053】 実験データを、片側t検定を用いて分析する。<0.05のp値を有意とみな
す。
【1054】 (B.ステロイド障害性ラットモデル) ステロイドによる創傷治癒の阻害は、種々のインビトロ系およびインビボ系に
おいて十分に実証されている(Wahl,Glucocorticoids a
nd Wound healing:Anti−Inflammatory S
teroid Action:Basic and Clinical Asp
ects.280−302(1989); Wahlら、J.Immunol.
115:476−481(1975);Werbら、J.Exp.Med.14
7:1684−1694(1978))。糖質コルチコイドは、新脈管形成を阻
害すること、血管透過性(Ebertら、An.Intern.Med.37:
701−705(1952))、線維芽細胞増殖、およびコラーゲン合成(Be
ckら、Growth Factors.5:295−304(1991);H
aynesら、J.Clin.Invest.61:703−797(1978
))を低下させること、ならびに循環する単球の一過性の減少を生じること(H
aynesら、J.Clin.Invest.61:703−797(1978
);Wahl,「Glucocorticoids and wound he
aling」:Antiinflammatory Steroid Acti
on:Basic and Clinical Aspects,Academ
ic Press,New York,280−302頁(1989))によっ
て創傷治癒を遅延させる。障害性創傷治癒に対するステロイドの全身性投与は、
ラットにおいて十分に確立された現象である(Beckら、Growth Fa
ctors.5:295−304(1991); Haynesら、J.Cli
n.Invest.61:703−797(1978) ;Wahl,「Glu
cocorticoids and wound healing」:Anti
inflammatory Steroid Action:Basic an
d Clinical Aspects,Academic Press,Ne
w York,280−302頁(1989);Pierceら、Proc.N
atl.Acad.Sci.USA 86:2229−2233(1989))
【1055】 本発明のポリペプチドが治癒プロセスを促進し得ることを実証するために、治
癒が、メチルプレドニゾロンの全身性投与により損なわれる、ラットの全層切除
皮膚創傷に対するポリペプチドの複数の局所適用の効果を、評価する。
【1056】 若年成体の雄性Sprague Dawleyラット(体重250〜300g
)(Charles River Laboratories)を、この実験に
用いる。この動物を、8週齢で購入し、研究の開始時は9週齢である。ラットの
治癒応答は、創傷の時点で、メチルプレドニゾロンの全身性投与(17mg/k
g/ラット、筋肉内)により損なわれる。動物を個別に飼育し、そして自由に食
物と水を与える。全ての操作を、無菌技術を用いて行う。この研究を、Huma
n Genome Sciences,Inc.のInstitutional
Animal Care and Use Committee and t
he Guidelines for the Care and Use o
f Laboratory Animalsの規則およびガイドラインに従って
行う。
【1057】 創傷プロトコルは、上記A節に従う。創傷させる日に、動物をケタミン(50
mg/kg)およびキシラジン(5mg/kg)の筋肉内注射で麻酔する。この
動物の背面領域を剃毛し、そして皮膚を70%エタノールおよびヨウ素溶液で洗
浄する。手術範囲を、創傷させる前に滅菌ガーゼで乾燥させる。8mmの全層の
創傷をKeyes組織パンチを用いて作製する。実験の間、この創傷を開放して
おく。試験物質の適用を、創傷させ、次いでメチルメチルプレドニゾロン投与し
た日から開始して、7日間連続で、1日1回、局所的に与える。処置の前に、創
傷を滅菌生理食塩水およびガーゼスポンジを用いて穏やかに洗浄する。
【1058】 創傷を視覚的に検査し、そして創傷させた日および処置の終りに、固定した距
離で写真撮影する。創傷閉鎖を、1〜5日目および8日目の日々の測定により決
定する。創傷を目盛り付きJameson測径器を用いて水平および垂直に測定
する。肉芽組織がもはや目に見えずかつ創傷を連続した上皮が覆う場合に、創傷
を治癒したとみなす。
【1059】 本発明のポリペプチドを、ビヒクル中で8日間、異なる投薬範囲(1日あたり
創傷あたり4mg〜500mg)を用いて投与する。ビヒクルコントロール群は
、50mLのビヒクル溶液を与えた。
【1060】 動物を、8日目にペントバルビタールナトリウム(300mg/kg)の腹腔
内注射で安楽死させる。次いで、創傷および周囲の皮膚を、組織学のために収集
する。組織標本を、さらなる処理のために、生検スポンジの間の組織カセット内
で10%中性緩衝化ホルマリン中に置く。
【1061】 各々10匹の動物(メチルプレドニゾロンを用いる5匹および糖質コルチコイ
ドを用いない5匹)の4つの群を評価する:1)非処置群、2)ビヒクルプラシ
ーボコントロール、3)処置群。
【1062】 創傷閉鎖を、垂直軸および水平軸で面積を測定すること、および創傷の総面積
を得ることにより分析する。次いで、閉鎖を、最初の創傷の面積(0日)と処置
後(8日)の面積との間の差異を確立することにより評価する。1日目のこの創
傷面積は、64mm2(皮膚パンチに対応するサイズ)である。計算を以下の式
を用いて行う: [8日目の開放面積]−[1日目の開放面積]/[1日目の開放面積] 標本を10%緩衝化ホルマリン中で固定し、そしてパラフィン包埋塊を、創傷
表面に対して垂直に切り出し(5mm)、そしてOlympusミクロトームを
用いて切断する。慣用的なヘマトキシリン−エオシン(H&E)染色を、二等分
した創傷の横断切片で行う。創傷の組織学的試験は、修復した皮膚の治癒プロセ
スおよび形態的な外見を、本発明のポリペプチドを用いる処置によって改善した
かどうかを評価することを可能にする。目盛り付きレンズマイクロメーターを盲
検観察者が用いて、創傷の隙間の距離を決定する。
【1063】 実験データを、片側t検定を用いて分析する。<0.05のp値を有意とみな
す。
【1064】 本実施例において記載される研究は、本発明のポリペプチド活性を試験した。
しかし、当業者は、例証した研究を容易に改変して、本発明のポリヌクレオチド
(例えば、遺伝子治療)、アゴニスト、および/またはアンタゴニストの活性を
試験し得る。
【1065】 (実施例51:リンパ水腫(lymphadema)動物モデル) この実験アプローチの目的は、ラット後肢におけるリンパ管形成(lymph
agiogenesis)およびリンパの循環系の再確立における本発明のポリ
ペプチドの治療的効果を試験するための、適切かつ一貫したリンパ水腫モデルを
作製することである。有効性は、罹患した肢の腫脹体積、リンパの脈管系の量の
定量、総血漿タンパク質、および組織病理学により測定される。急性リンパ水腫
は、7〜10日間観察される。おそらく、より重要なことは、水腫の慢性進行は
、3〜4週間まで続く。
【1066】 手術を始める前に、血液サンプルを、タンパク質濃度分析のために採血する。
雄性ラット(体重約350g)に、ペントバルビタールを投薬する。次いで、右
肢を膝から股関節部まで剃毛する。この剃毛した範囲を、70%EtOHに浸し
たガーゼで拭く。血液を、血清総タンパク質試験のために採血する。周径測定お
よび体積測定を行った後に、2つの測定レベル(踵の0.5cm上、足背の中間
点)に印をつけた後、足へと色素を注射する。右足背および左足背の両方の内皮
背に、0.05mlの1% Evan’s Blueを注射する。次いで、足へ
の色素の注射の後、周径測定および体積測定を行う。
【1067】 目印として膝関節を用いて、中肢鼡径部切開を、大腿血管の位置を確認できる
ように環状に行う。鉗子および止血鉗子を用いて、皮膚弁を切開かつ分離する。
大腿血管の位置確認後、血管の横に沿ってかつ血管の下に走るリンパ管を位置確
認する。次いで、この範囲の主要なリンパ管を、電気凝固縫合結紮(elect
rically coagulated suture ligate)する。
【1068】 顕微鏡を用いて、肢の背部の筋肉(半腱様筋(semitendinosis
)および内転筋の付近)を平滑に切開する。次いで、膝窩リンパ節の位置を確認
する。次いで、2つの近位リンパ管および2つの遠位リンパ管、ならびに膝窩節
の遠位血液供給部を縫合糸により結紮する。次いで、膝窩リンパ節および任意の
付随する脂肪組織を、結合組織を切断することによって取り除く。
【1069】 この手順より生じるいかなる軽度の出血をも管理するように注意すること。リ
ンパ管を咬合した後、皮膚弁を、液体皮膚(Vetbond)(AJ Buck
)を用いることによって密封する。別々の皮膚縁を、それらの下の筋肉組織に、
脚の周囲に約0.5cmのギャップを残しながら密封する。皮膚はまた、必要な
場合、その下の筋肉に縫合することによって係留し得る。
【1070】 感染を回避するために、動物を、メッシュを用いて個別に収容する(床敷きな
し)。回復した動物を、最適な水腫ピークを通して毎日チェックする。このピー
クは、代表的には5〜7日まで生じる。次いで、プラトーの水腫ピークを観察す
る。リンパ水腫の強度を評価するために、各肢上の2つの指定した場所の周径お
よび体積を、操作の前および7日間毎日測定する。リンパ水腫に対する血漿タン
パク質の効果を決定し、そしてタンパク質分析が有用な試験周界であるか否かも
また調査する。コントロール肢および水腫肢の両方の重量を、2箇所で評価する
。分析を盲目様式(blind manner)で行う。
【1071】 周径測定:肢の動きを防止するための短期気体麻酔のもとで、布巻尺を使用し
て、肢の周径を測定する。測定を、距骨および背面の足にて、2人の異なる人物
によって行い、次いで、これらの2つの読み取りを平均する。読み取りを、コン
トロールおよび水腫肢の両方から得る。
【1072】 体積測定:手術の日に、動物をペントバルビタールで麻酔し、そして手術の前
に試験する。毎日の体積測定のために、動物を短期ハロタン麻酔(迅速な固定化
およびすばやい回復)のもとにおき、両方の脚を剃毛し、そして耐水性マーカー
を用いて脚に等しくしるしをつける。脚を、最初に水に漬け、次いで各々顕著な
レベルまで装置に漬け、次いでBuxco水腫ソフトウェア(Chen/Vic
tor)によって測定する。データを1人の人物によって記録し、一方他者は、
脚をしるしを付けた領域まで漬ける。
【1073】 血液−血漿タンパク質測定:手術の前に血液を取り出し、遠心分離し、そして
血清を分離し、次いで、全タンパク質およびCa2+比較について結論付ける。
【1074】 肢重量比較:血液を取り出した後、この動物を、組織収集のために調製する。
この肢を、キリチン(quillitine)を用いて切断し、次いで、実験用
脚とコントロール脚の両方を、結紮して切断し、そして秤量する。2回目の秤量
を、脛踵(tibio−cacaneal)関節を外し、そして足を秤量して行
う。
【1075】 組織学的調製:膝(膝窩)領域の後ろに位置する横筋を切り出し、そして金属
型に配置し、freezeGelで満たし、冷メチルブタンに漬け、切断するま
で−80ECに、標識したサンプルバッグ中に置く。切断の際に、筋肉を、蛍光
顕微鏡のもとで、リンパ管について観察する。
【1076】 本実施例において記載される研究は、本発明のポリペプチド活性を試験した。
しかし、当業者は、例証した研究を容易に改変して、本発明のポリヌクレオチド
(例えば、遺伝子治療)、アゴニスト、および/またはアンタゴニストの活性を
試験し得る。
【1077】 (実施例52:本発明のポリペプチドによるTNFα誘導性接着分子発現の抑
制) 炎症および新脈管形成の領域に対するリンパ球の漸増は、リンパ球上の細胞表
面接着分子(CAM)と血管内皮との間の特異的なレセプター−リガンド相互作
用に関する。この接着プロセスは、通常の設定および病理学的設定の両方におい
て、細胞間接着分子−1(ICAM−1)、血管細胞接着分子−1(VCAM−
1)、および内皮細胞(EC)における内皮白血球接着分子−1(E−セレクチ
ン)の発現を含む、多段階カスケードに続く。血管内皮におけるこれらの分子お
よび他の分子の発現は、白血球が局所血管系に接着し得、そして炎症応答の発生
の間に局所組織に溢出し得る効率を決定する。サイトカインおよび増殖因子の局
所濃度は、これらのCAMの発現の調節に関与する。
【1078】 腫瘍壊死因子α(TNF−a)(強力なプロ炎症性サイトカイン)は、内皮細
胞における3つ全てのCAMの刺激因子であり、そして広範な種々の炎症応答に
関与し得、しばしば病理学的結果をもたらす。
【1079】 TNF−a誘導性CAM発現の抑制を媒介する本発明のポリペプチドの潜在能
力を試験し得る。改変型ELISAアッセイ(これは、固相吸着剤としてECを
使用する)を使用して、FGFファミリーのタンパク質のメンバーを用いて同時
刺激した場合に、TNF−a処理ECにおけるCAM発現の量を測定する。
【1080】 この実験を行うために、ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)培養物を、プール
した索採取物から得、そして10%FCSおよび1%ペニシリン/ストレプトマ
イシンを補充した増殖培地(EGM−2;Clonetics,San Die
go、CA)中で、5%CO2を含む37℃の加湿インキュベーターにおいて維
持する。HUVECを、EGM培地中1×104細胞/ウェルの濃度で、96ウ
ェルプレート中に、37℃で18〜24時間またはコンフルエントになるまで播
種する。続いて、単層を、100U/mlペニシリンおよび100mg/mlス
トレプトマイシンを補充したRPMI−1640の無血清溶液で3回洗浄し、そ
して所定のサイトカインおよび/または増殖因子を用いて、37℃にて24時間
処理した。インキュベーション後、次いで、この細胞を、CAM発現について評
価する。
【1081】 ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)を、標準的な96ウェルプレートにおいて
コンフルエントになるまで増殖させる。増殖培地を、細胞から取り除き、そして
90μlの199培地(10%FBS)に置き換える。試験のためのサンプルお
よびポジティブコントロールまたはネガティブコントロールを、このプレートに
三連で添加する(10μl容量で)。プレートを、37℃にて、5時間(セレク
チンおよびインテグリン発現)または24時間(インテグリン発現のみ)のいず
れかでインキュベートする。プレートを吸引して、培地を除去し、そして100
μlの0.1%パラホルムアルデヒド−PBS(Ca++およびMg++を有す
る)を各ウェルに添加する。プレートを、4℃にて30分間保持する。
【1082】 次いで、固定液をウェルから除去し、そしてウェルをPBS(+Ca、Mg)
+0.5% BSAを用いて1回洗浄し、そして排水する。このウェルを乾燥さ
せないこと。10μlの希釈した一次抗体を、試験ウェルおよびコントロールウ
ェルに添加する。抗ICAM−1−ビオチン、抗VACM−1−ビオチンおよび
抗E−セレクチン−ビオチンを、10μg/mlの濃度(0.1mg/mlスト
ック抗体の1:10希釈)で使用する。細胞を、加湿した環境において、37℃
にて30分間インキュベートする。ウェルを、PBS(+Ca、Mg)+0.5
%BSAを用いて3回洗浄する。
【1083】 次いで、20μlの希釈したExtrAvidin−Alkaline Ph
osphotase(1:5,000希釈)を各ウェルに添加し、そして37℃
にて30分間インキュベートする。ウェルを、PBS(+Ca、Mg)+0.5
% BSAを用いて3回洗浄する。1錠のp−ニトロフェノールホスフェート(
pNPP)を、5mlのグリシン緩衝液(pH10.4)に溶解させる。グリシ
ン緩衝液中のpNPP基質100μlを、各試験ウェルに添加する。三連の標準
ウェルを、グリシン緩衝液中のExtrAvidin−Alkaline Ph
osphotaseの操作希釈(working dilution)(1:5
,000(100)>10-0.5>10-1>10-1.5)から調製する。5μlの各
希釈物を、三連のウェルに添加し、そして各ウェル中の得られたAP含量は、5
.50ng、1.74ng、0.55ng、0.18ngである。次いで、10
0μlのpNPP試薬を、標準ウェルの各々に添加しなければならない。このプ
レートを、37℃にて4時間インキューベートしなければならない。3M Na
OHの50μlの容量を、全てのウェルに添加する。この結果を、プレートリー
ダーにおいて405nmにて定量する。バックグラウンド減算オプションを、グ
リシン緩衝液のみで満たしたブランクウェルにおいて使用する。このテンプレー
トを、各々の標準ウェルにおけるAP結合体の濃度を示すように設定する[5.
50ng;1.74ng;0.55ng;0.18ng]。結果を、各サンプル
中の結合したAP結合体の量として示す。
【1084】 本実施例において記載される研究は、本発明のポリペプチド活性を試験した。
しかし、当業者は、例証した研究を容易に改変して、本発明のポリヌクレオチド
(例えば、遺伝子治療)、アゴニスト、および/またはアンタゴニストの活性を
試験し得る。
【1085】 本発明を、前述の説明および実施例に詳細に記載された以外の方法で実施し得
ることは、明らかである。本発明の多数の改変およびバリエーションが、上記の
教示を考慮して可能であり、従って、それは、添付の特許請求の範囲の範囲内に
ある。
【1086】 発明の背景、詳細な説明および実施例において引用された各文書の全開示(特
許、特許出願、学術文献、要約、実験マニュアル、書籍または他の開示を含む)
は、本明細書中に参考として援用される。さらに、本明細書とともに提出された
配列表のハードコピーおよび対応するコンピュ−ター読み出し形態は、両方とも
本明細書中にその全体が参考として援用される。
【1087】
【表6】 ATCC受託番号203960 (カナダ) 出願人は、出願に基づきカナダ国特許が発行されるか、あるいは同出願が拒絶
または放棄されて回復され得なくなるかもしくは取り下げられるまでは、特許庁
長官(Commissioner of Patents)が、長官により指名
された独立の専門家に対してのみ出願中で言及された寄託済みの生物学的材料の
サンプルの供与を許可する旨を請求し、出願人は、国際出願の公表のための規則
上の準備が完了する前に、書面によりその旨を国際事務局に告知しなければなら
ない。
【1088】 (ノルウェー) 出願人はここにおいて、出願が(ノルウェー特許庁により)公開に付されるか
あるいは公開を経ずにノルウェー特許庁による決定を受けるまでは、サンプルの
供与は当該技術の専門家に対してのみ行われる旨を、請求する。この旨の請求は
、ノルウェー特許法第22条および第33条(3)に基づき出願が公に利用可能
にされる時点以前に、出願人によりノルウェー特許庁に対してなされるものとす
る。そのような請求が出願人によりなされた場合は、第三者によるサンプルの供
与のいかなる請求においても、利用される専門家を表示するものとする。専門家
は、ノルウェー特許庁により作成された公認専門家のリスト(list of
recognized experts)に記載された任意の者か、あるいは、
個々の場合において出願人により承認された任意の者であり得る。
【1089】 (オーストラリア) 出願人はここにおいて、微生物のサンプルの供与は、特許の付与前において、
あるいは出願の放棄(lapsing)、拒絶あるいは取り下げ前において、発
明に対し利害関係を有さない当業者である対象者(skilled addre
ssee)に対してのみ行われる旨を、告知するものである(オーストラリア国
特許法第3.25(3)号規定)。
【1090】 (フィンランド) 出願人はここにおいて、出願が(特許および統制委員会(National
Board of Patents and Regulations)により
)公開に付されるかあるいは公開を経ずに国立特許および法規委員会による決定
を受けるまでは、サンプルの供与は当該技術の専門家に対してのみ行われる旨を
、請求する。
【1091】 (英国) 出願人はここにおいて、微生物のサンプルは専門家に対してのみ利用可能にさ
れる旨を、請求する。この旨の請求は、出願の国際公表のための規則上の準備が
完了する前に、出願人により国際事務局に対してなされなければならない。 ATCC受託番号203917 (デンマーク) 出願人はここにおいて、出願が(デンマーク特許庁により)公開に付されるか
あるいは公開を経ずにデンマーク特許庁による決定を受けるまでは、サンプルの
供与は当該技術の専門家に対してのみ行われる旨を、請求する。この旨の請求は
、デンマーク特許法第22条および第33条(3)に基づき出願が公に利用可能
にされる時点以前に、出願人によりデンマーク特許庁に対してなされるものとす
る。そのような請求が出願人によりなされた場合は、第三者によるサンプルの供
与のいかなる請求においても、利用される専門家を表示するものとする。専門家
は、デンマーク特許庁により作成された公認専門家のリスト(list of
recognized experts)に記載された任意の者か、あるいは、
個々の場合において出願人により承認された任意の者であり得る。
【1092】 (スウェーデン) 出願人はここにおいて、出願が(スウェーデン特許庁により)公開に付される
かあるいは公開を経ずにスウェーデン特許庁による決定を受けるまでは、サンプ
ルの供与は当該技術の専門家に対してのみ行われる旨を、請求する。この旨の請
求は、優先日から16ヶ月が経過するよりも前に、出願人により国際事務局に対
してなされるものとする(好ましくはPCT Applicant’s Gui
deのVolume Iのannex Zに記載された書式PCT/RO/13
4による)。そのような請求が出願人によりなされた場合は、第三者によるサン
プルの供与のいかなる請求においても、利用される専門家を表示するものとする
。専門家は、スウェーデン特許庁により作成された公認専門家のリスト(lis
t of recognized experts)に記載された任意の者か、
あるいは、個々の場合において出願人により承認された任意の者であり得る。
【1093】 (オランダ) 出願人はここにおいて、オランダ特許の発行日まで、あるいは出願が拒絶、取
り下げあるいは放棄(lapsed)される日までは、特許法31F(1)の規
定に基づき、微生物は専門家へのサンプル供与の形でのみ行われる旨を、請求す
る。この旨の請求は、オランダ王国特許法の第22C条または第25条に基づき
出願が公に利用可能にされる日のうちいずれか早い方の日付よりも前に、出願人
によりオランダ工業所有権局に対して提出されるものとする。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 25/14 A61P 25/18 4C084 25/16 25/24 4C087 25/18 25/28 4H045 25/24 29/00 25/28 C07K 14/47 29/00 16/18 C07K 14/47 C12N 1/15 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12Q 1/02 5/10 1/68 A C12P 21/02 G01N 33/53 Z C12Q 1/02 33/566 1/68 33/68 G01N 33/53 C12N 15/00 ZNAA 33/566 A61K 37/02 33/68 C12N 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ローゼン, クレイグ エイ. アメリカ合衆国 メリーランド 20882, レイトンズビル, ローリング ヒル ロード 22400 (72)発明者 ルーベン, スティーブン エム. アメリカ合衆国 メリーランド 20882, レイトンズビル, ヘリテイジ ヒルズ ドライブ 18528 (72)発明者 コマットソウリス, ジョージ アメリカ合衆国 メリーランド 20901, シルバー スプリング, ギャーウッド ストリート 9518 Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 BB14 BB20 BB24 BB46 BB50 BB51 CB01 DA13 DA36 FB01 FB02 FB03 4B024 AA01 AA11 BA21 CA04 DA06 EA04 FA18 GA11 HA01 HA17 4B063 QA01 QQ08 QQ43 QR32 QR55 QS34 4B064 AG02 AG26 CA02 CA19 CC24 DA01 4B065 AA26X AA99Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA44 4C084 AA01 AA13 DC50 MA28 MA43 MA52 MA55 MA56 MA57 MA59 MA60 MA63 MA66 NA14 ZA022 ZA122 ZA162 ZA182 ZB112 4C087 AA01 AA02 BB48 MA28 MA41 MA43 MA52 MA59 MA60 MA63 MA66 NA14 ZA02 ZA12 ZA16 ZA18 ZA36 ZA89 4H045 AA10 AA11 AA20 BA10 CA40 CA41 DA01 DA75 EA20 FA74

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単離された核酸分子であって、以下: (a)配列番号Xのポリヌクレオチドフラグメント、または配列番号Xにハイ
    ブリダイズし得るATCC寄託番号Zに含まれるcDNA配列のポリヌクレオチ
    ドフラグメント; (b)配列番号Yのポリペプチドフラグメント、または配列番号Xにハイブリ
    ダイズし得るATCC寄託番号Zに含まれるcDNA配列によってコードされる
    ポリペプチドフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド; (c)配列番号Yのポリペプチドドメイン、または配列番号Xにハイブリダイ
    ズし得るATCC寄託番号Zに含まれるcDNA配列によってコードされるポリ
    ペプチドドメインをコードする、ポリヌクレオチド; (d)配列番号Yのポリペプチドエピトープ、または配列番号Xにハイブリダ
    イズし得るATCC寄託番号Zに含まれるcDNA配列によってコードされるポ
    リペプチドエピトープをコードする、ポリヌクレオチド; (e)生物学的活性を有する、配列番号Yのポリペプチドをコードするポリヌ
    クレオチド、または配列番号Xにハイブリダイズし得るATCC寄託番号Zに含
    まれるcDNA配列; (f)配列番号Xの改変体であるポリヌクレオチド; (g)配列番号Xの対立遺伝子改変体であるポリヌクレオチド; (h)配列番号Yの種相同体をコードするポリヌクレオチド; (i)(a)〜(h)において特定されるポリヌクレオチドのいずれか1つに
    ストリンジェント条件下でハイブリダイズし得るポリヌクレオチドであって、こ
    こで、該ポリヌクレオチドは、A残基のみまたはT残基のみのヌクレオチド配列
    を有する核酸分子に、ストリンジェント条件下でハイブリダイズしない、ポリヌ
    クレオチド、 からなる群より選択される配列に少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を有
    するポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子。
  2. 【請求項2】 前記ポリヌクレオチドフラグメントが、分泌タンパク質をコ
    ードするヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の単離された核酸分子。
  3. 【請求項3】 前記ポリヌクレオチドフラグメントが、配列番号Yとして同
    定される配列、または配列番号Xにハイブリダイズし得るATCC寄託番号Zに
    含まれるcDNA配列によってコードされるポリペプチドをコードするヌクレオ
    チド配列を含む、請求項1に記載の単離された核酸分子。
  4. 【請求項4】 前記ポリヌクレオチドフラグメントが、配列番号Xの全体の
    ヌクレオチド配列、または配列番号Xにハイブリダイズし得るATCC寄託番号
    Zに含まれるcDNA配列を含む、請求項1に記載の単離された核酸分子。
  5. 【請求項5】 前記ヌクレオチド配列が、C末端またはN末端のいずれかか
    らの連続するヌクレオチド欠失を含む、請求項2に記載の単離された核酸分子。
  6. 【請求項6】前記ヌクレオチド配列が、C末端またはN末端のいずれかから
    の連続するヌクレオチド欠失を含む、請求項3に記載の単離された核酸分子。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の単離された核酸分子を含む、組換えベクタ
    ー。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の単離された核酸分子を含む組換え宿主細胞
    を、作製する方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の方法によって産生される、組換え宿主細胞
  10. 【請求項10】 ベクター配列を含む、請求項9に記載の組換え宿主細胞。
  11. 【請求項11】 単離されたポリペプチドであって、以下: (a)配列番号Y、またはATCC寄託番号Zに含まれるコードされた配列の
    、ポリペプチドフラグメント; (b)生物学的活性を有する、配列番号Y、またはATCC寄託番号Zに含ま
    れるコードされた配列の、ポリペプチドフラグメント; (c)配列番号Y、またはATCC寄託番号Zに含まれるコードされた配列の
    、ポリペプチドドメイン; (d)配列番号Y、またはATCC寄託番号Zに含まれるコードされた配列の
    、ポリペプチドエピトープ; (e)配列番号Y、またはATCC寄託番号Zに含まれるコードされた配列の
    、分泌形態; (f)配列番号Y、またはATCC寄託番号Zに含まれるコードされた配列の
    、全長タンパク質; (g)配列番号Yの改変体; (h)配列番号Yの対立遺伝子改変体;または (i)配列番号Yの種相同体、 からなる群より選択される配列に少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む、
    単離されたポリペプチド。
  12. 【請求項12】 前記分泌形態または前記全長タンパク質が、C末端または
    N末端のいずれかからの連続するアミノ酸欠失を含む、請求項11に記載の単離
    されたポリペプチド。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載の単離されたポリペプチドに特異的に結
    合する、単離された抗体。
  14. 【請求項14】 請求項11に記載の単離されたポリペプチドを発現する、
    組換え宿主細胞。
  15. 【請求項15】 単離されたポリペプチドを作製する方法であって、 (a)該ポリペプチドが発現されるような条件下で、請求項14に記載の組換
    え宿主細胞を培養する工程;および (b)該ポリペプチドを回収する工程、 を包含する、方法。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の方法によって産生される、ポリペプチ
    ド。
  17. 【請求項17】 医学的状態を予防、処置、または緩和する方法であって、
    請求項11に記載のポリペプチドまたは請求項1に記載のポリヌクレオチドの治
    療有効量を、哺乳動物被験体に投与する工程を包含する、方法。
  18. 【請求項18】 被験体において病理学的状態、または病理学的状態に対す
    る感受性を診断する方法であって、 (a)請求項1に記載のポリヌクレオチドにおいて変異の存在または非存在を
    決定する工程;および (b)該変異の存在または非存在に基づいて病理学的状態、または病理学的状
    態に対する感受性を診断する工程、 を包含する、方法。
  19. 【請求項19】 被験体において病理学的状態、または病理学的状態に対す
    る感受性を診断する方法であって、 (a)生物学的サンプルにおいて請求項11に記載のポリペプチドの発現の存
    在または量を決定する工程、および (b)該ポリペプチドの発現の存在または量に基づいて病理学的状態、または
    病理学的状態に対する感受性を診断する工程、 を包含する、方法。
  20. 【請求項20】 請求項11に記載のポリペプチドに対する結合パートナー
    を同定する方法であって、 (a)請求項11に記載のポリペプチドを結合パートナーと接触させる工程;
    および (b)該結合パートナーが該ポリペプチドの活性をもたらすかどうかを決定す
    る工程、 を包含する、方法。
  21. 【請求項21】 配列番号YのcDNA配列に対応する、遺伝子。
  22. 【請求項22】 生物学的アッセイにおいて活性を同定する方法であって、
    ここで該方法が、以下: (a)細胞において配列番号Xを発現させる工程; (b)その上清を単離する工程; (c)生物学的アッセイにおいて活性を検出する工程;および (d)該活性を有する該上清においてタンパク質を同定する工程、 を包含する、方法。
  23. 【請求項23】 請求項20に記載の方法によって産生される、産物。
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