JP2002537822A - スプライシング反応を検出するための試験系およびその使用 - Google Patents

スプライシング反応を検出するための試験系およびその使用

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JP2002537822A JP2000602811A JP2000602811A JP2002537822A JP 2002537822 A JP2002537822 A JP 2002537822A JP 2000602811 A JP2000602811 A JP 2000602811A JP 2000602811 A JP2000602811 A JP 2000602811A JP 2002537822 A JP2002537822 A JP 2002537822A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は:(a)少なくとも1つのスプライシング可能な核酸を含む1つまたはそれ以上の同一のまたは異なった固定化された核酸;(b)スプライシング反応を検出するための少なくとも1つのゲル無し検出系、適切な場合には;(c)スプライシング成分を含む少なくとも1つの組成物、および好ましくは;(d)好適な検出プローブ、および適切な場合には;(e)さらなる補助物、を含む試験系に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、 (a)少なくとも1つのスプライシング可能な核酸を有する1つまたはそれ以上
の同一のまたは異なった固定化された核酸 (b)スプライシング反応を検出するための少なくとも1つのゲル無し検出系、
適切な場合には (c)スプライシング成分を含む少なくとも1つの組成物、および好ましくは (d)好適な検出プローブ、および、適切な場合には (e)さらなる補助物、 を含む試験系に関する。
【0002】 真核生物において、タンパク質をコードする遺伝子の多くはそのゲノムの形状
が1つまたはそれ以上のタンパク質をコードしていない配列(イントロン)によ
り分断されている。ゲノムDNAをメッセンジャーRNA(mRNA)へ転写す
る場合、これらの非コード領域(イントロン)は一次転写産物へ取り込まれる。
正しいmRNAを生成させるため、このmRNA前駆体はプロセシングを受けな
ければならない。
【0003】 mRNA前駆体はイントロンを除去し、コード領域(エキソン)を融合させる
ことによりプロセシングされる。その後にのみ、細胞質中での翻訳のために分断
された様式で読むことができるヌクレオチド鎖を提供することが可能である。し
たがって、真核生物におけるmRNA形成は、非コード遺伝子領域(イントロン
)が一次遺伝子転写産物から除去される「スプライシング過程」を必要とする。
【0004】 スプライシングはmRNAが核から移送される前に核内で起こる。それは通常
2段階機構で実施され、各々の場合にトランスエステル化工程が含まれる(Moor
e, J. M. et al.、(1993年)、Splicing of precursors to messenger RNA
s by the Spliceosome. In The RNA World、Gesteland R. F.、Gesteland, J. F
. 編、Cold Spring Harbor Laboratory Press、303〜358頁)。第1の工
程は遊離5’エキソンおよび3’エキソンにまだ結合しているイントロンの「投
げ縄状構造」を生成させる。投げ縄状構造は、イントロンの5’末端とイントロ
ンの3’末端の約20〜40ヌクレオチド上流に位置するアデノシンのリボース
の2’−ヒドロキシル基とのエステル化により生成される分岐RNAを含む。第
2の触媒工程はエキソンの結合およびイントロンの遊離をもたらす。これらの反
応の間にヌクレオチドは取り込まれないが、エネルギー源、例えばATPがこの
触媒反応に必要とされる(Guthrie, C.(1991年)Science、253巻、15
7頁)。
【0005】 mRNAスプライシングの過程には複数の因子か関与する。今のところ2種類
のスプライシング因子が識別されている。第1の種類は4つの進化的に高度に保
存されたタンパク質−RNA粒子(低分子リボ核タンパク質=snRNP);U
1、U2、U4/U6およびU5を含み、これらは1つ(U1、U2、U5)の
または2つ(U4/U6)のsnRNA成分を含む(Moore, J. M. et al.、(
1993年)前記文献;Guthrie、(1991年)前記文献;Green, M. R.(1
991年)、Annu. Rev. Cell Biol.、7巻、559頁)。第2の種類は現在に
至るまでよく特徴付けられていないタンパク質を含み、それらはsnRNPに強
固に結合していないため非snRNPスプライシング因子と称される(Lamm, G.
M. & Lamond, A. J.(1993年)Biochim. Biophys. Acta、1173巻、2
47頁;Beggs, J. D.(1995年)、Yeast splicing factors and genetic s
trategies for their analysis.:Lamond, A. I. 編、Pre-mRNA Processing. La
ndes, R. G. Company、Texas、pp.79〜95;Kramer A.(1995年)、T
he biochemistry of pre-mRNA splicing:Lamond, A. I. 編、Pre-mRNA Process
ing. Landes, R. G. Company、Texas、pp.35〜64)。
【0006】 snRNPの組成はヒーラー細胞で最もよく研究されている(Will, C. L. et
al.、(1995年)Nuclear pre-mRNA splicing:Eckstein, F. and Lilley,
D. M. J. 編、Nucleic Acids and Molecular Biology.Springer Verlag、 Berl
in、pp.342〜372)。比較的低い塩濃度で、ヒーラー細胞からの核抽出
物はインビトロでmRNA前駆体のスプライシングを促進することが可能であり
、この濃度では、snRNPは12S U1 snRNP、17S U2 snRN
Pおよび25S[U4/U6.U5]トリ−snRNP複合体中に存在する。よ
り高い塩濃度(約350〜450mM)では、トリ−snRNP複合体は20S
U5粒子および12S U4/U5粒子に解離する。U4/U6 snRNPに
おいて、U4およびU6 RNAは二つの分子間らせんを経た塩基対として存在
する(Bringmann, P. et al.(1984年)EMBO J.、3巻、1357頁;Hashi
moto, C. & Steitz, J. A.(1984年)Nucleic Acids Res.、12巻、328
3頁;Rinke, J. et al.、(1985年)J. Mol. Biol.、185巻、721頁
;Brow. D. A. & Guthrie, C.(1988年)Nature、334巻、213頁)。
【0007】 snRNPは2つのタンパク質群を含む。すべてのsnRNPは一般的タンパ
ク質群(B/B’、D1、D2、D3、E、FおよびG)を含む。加えて、各々
のsnRNPはそのsnRNPにのみ存在する特異的タンパク質を含む。したが
って、従来の研究状況によれば、U1 snRNPは3つの更なるタンパク質(
70K、AおよびC)を、U2 snRNPは11のさらなるタンパク質を含む
。従来の知識によれば、20S U5 snRNPは、15、40、52、100
、102、110、116、200および220kDaの分子量を有するさらに
9つのタンパク質を含み、一方、12S U4/U6 snRNPは約60および
90kDaの分子量を有するさらに2つのタンパク質を含む。25S トリ−s
nRNP[U4/U6.U5]は、約15.5、20、27、61および63k
Daの分子量を有するさらに5つのタンパク質を含む(Behrens, S. E. & Luhrm
ann, R.(1991年)Genes Dev.、5巻、1439頁;Utans, U. et al.、(
1992年)Genes Dev.、6巻、631頁;Lauber, J. et al.、(1996年
)EMBO J.、15巻、4001頁;Will, C. L. et al.(1995年)、前記文
献;Will, C. L. & Luhrmann, R.(1997年)Curr. Opin. Cell Biol.、9巻
、320〜328頁)。
【0008】 サッカロマイセス セレビジアエ中のスプライシング成分の組成はまだ詳細に
は研究されていない。しかしながら、生化学的および遺伝子工学的研究は、sn
RNAおよびsnRNPタンパク質の両配列が進化的に高度に保存されているこ
とを示している(Fabrizio, P. et al.、(1994年)Science、264巻、2
61頁;Lauber, J. et al.、(1996年)、前記文献;Neubauer, G. et al.
、(1997年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA、94巻、385頁;Kramer, A.
(1995年)、前記文献;Beggs, J. D.(1995年)、前記文献;Gottscha
lk, A. et al.(1998年)RNA、4巻、374〜393頁)。
【0009】 機能性スプライシング複合体(スプライソソーム)を形成させるために、個々
の成分(mRNA前駆体、snRNPおよび非snRNPタンパク質)が段階的
に結合させる。これはmRNA前駆体とタンパク質含有成分との相互作用による
のみではなく、タンパク質含有成分自身の間の多数の相互作用により達成される
(Moore, J. M.(1993年)前記文献;Madhani, H. D. & Guthrie, C.(19
94年)Annu. Rev. Genetics、28巻、1頁;Nilsen, T. W.(1994年)Ce
ll、65巻、115頁)。mRNA前駆体配列は異なるスプライシング成分のた
めの特異的認識配列を有する。第1に、U1 snRNPは前記認識配列を介し
てmRNA前駆体イントロンの5’スプライシング領域に結合する。同時に、ま
だ特定されていない数の種々の他の因子(例えば、SF2/ASF、U2AF、
SC35、SF1)がこの複合体により取り込まれ、スプライソソーム前駆体の
連続形成においてsnRNAと協同して働く。U2 snRNP粒子はイントロ
ン領域中の「分岐部位」と相互作用する(Kramer, A. & Utans, U.(1991年
)EMBO J.、10巻、1503頁;Fu, X. D. & Maniatis, T.(1992年)Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA、89巻、1725頁;Kramer, A.(1992年)Mol
. Cell Biol.、12巻、4545頁;Zamore, P. D. et al.(1992年)Natu
re、355巻、609頁;Eperon, J. C. et al.(1993年)EMBO J.、12
巻、3607頁;Zuo, P.(1994年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA、91巻
、3363頁;Hodges, P. E. & Beggs, J. D.(1994年)Curr. Biol.4巻
、264頁;Reed, R.(1996年)Curr. Op. Gen. Dev.、6巻、215頁)
。スプライソソーム形成の最終工程において、成熟スプライソソームを形成する
ために[U4/U6.U5]トリ−snRNPおよび詳細には特徴付けられてい
ない多くのタンパク質がスプライソソーム前駆体と相互作用する(Moore, J. M.
et al.、(1993年)前記文献)。
【0010】 スプライシング過程のため、mRNA前駆体、snRNAおよびsnRNP間
の種々の相互作用が除かれ、新しい相互作用が形成される。したがって、スプラ
イシング反応の第1の触媒工程の前または間に、U4およびU6の相互作用して
いる構造において2つのらせんがお互いに分離され、新しい相互作用がU2 R
NAおよびU6 RNA間に塩基対を形成する(Datta, B. & Weiner, A. M.(1
991年)Nature、352巻、821頁;Wu, J. A. & Manley, J. L.(199
1年)Nature、352巻、818頁;Madhani, H. D. & Guthrie, C.(1992
年)Cell、71巻、803頁;Sun, J. S. & Manley, J. L.(1995年)Gene
s Dev.、9巻、843頁)。同時に、5’スプライシング部位へのU1の結合が
除かれ、mRNA前駆体がU6 snRNAの認識配列ACAGAGに結合する
(Fabrizio, P. & Abelson, J.(1990年)、Science、250巻、404頁
;Sawa, H. & Abelson, J.(1992年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA、89巻
、11269頁;Kandels-Lewis, S. & Seraphin, B.(1993年)Science、
262巻、2035頁;Lesser, C. F. & Guthrie C.(1993年)Science、
262巻、1982頁;Sontheimer, E. J. & Steitz, J. A.(1993年)Sci
ence、262巻、1989頁)。U5 snRNPはその保存されているループ
1を介して5’および3’スプライシング部位の近くに位置するエキソン配列と
相互作用する。この過程は連続的であるようにみえる。一方、全スプライシング
過程は段階1から段階2へと進行する(M. McKeown(1992年)Annu. Rev. C
ell Dev. Biol.、8巻:133〜155頁;Newman, A. & Norman, C.(199
1年)Cell、65巻、115頁;Wyatt, J. R. et al.(1992年)Genes Dev
.、6巻、2542頁;Cortes, J. J. et al.(1993年)EMBO J.、12巻、
5181頁;Sontheimer, E. J. & Steits(1993年)前記文献)。スプライ
シング反応終了後、成熟mRNAが遊離され、スプライソソームは解離する(Mo
ore, J. M. et al(1993年)前記文献)。
【0011】 選択的スプライシングは1つのおよび同一の一次転写産物から、種々のタンパ
ク質をコードする種々の成熟mRNAを形成することを可能にする。多くの場合
、この選択的スプライシングは制御されている。従って、例えば、非機能性タン
パク質から機能性タンパク質へのスイッチングの目的でこの機構を利用すること
が可能である(例えば、ショウジョウバエにおけるトランスポゼース)。さらに
選択的スプライシングが組織特異的に実施されることも知られている。従って、
例えば、src原癌遺伝子によりコードされているチロシンキナーゼは、選択的
スプライシングにより神経細胞において特異的形態で合成される。
【0012】 間違って制御されたまたは実行された選択的スプライシングは種々の状態をも
たらすであろう。グレーブス病を患う患者においては、間違ったスプライシング
がきわめて重要な酵素(サイロペルオキシダーゼ)を不活性な形で産生すること
が示されている(Zanelli, E.(1990年)Biochem. Biophys. Res. Comm.、
170巻、725頁)。棘筋萎縮症の研究は、SMN(運動ニューロンの生存)
遺伝子の欠陥遺伝子産物がsnRNPの形成をかなり破壊することを示している
。運動ニューロンのスプライシング装置の阻害は神経細胞の麻痺および筋肉組織
の退化をもたらす(Fischer, U. et al.(1997年)、Cell、90巻:102
3〜9頁;Liu, Q. et al.(1997年)、Cell、90巻:1013〜21頁;
Lefebvre, S. et al.(1997年)Nat. Genet.16巻、265頁)。とりわけ
、膜結合分子CD44の特定の選択的スプライシング変異体は、癌細胞転移の決
定的部分で働いているようにみえる。CD44遺伝子は多数のエキソンを含み、
そのうちの10のエキソンは互いに隣に位置しているが、mRNA生成の間に異
なった取り合わせでmRNA前駆体からスプライシングされる。ラット癌腫細胞
において、転移変異体がエキソン4から7、または6から7を有することが検出
された。タンパク質のエキソン6にコードされた部分に対する抗体の助けによっ
て、転移を有効に抑制することが可能であった(Sherman, L. et al.(1996
年)Curr. Top. Microbiol. Immunol.213巻:249〜269頁)。
【0013】 間違ったスプライシングは影響を受けた生体の強度に発達した表現型をもたら
すであろう。したがって、β−グロビンイントロン中の点突然変異はβ+サラセ
ミアをもたらすであろうことが知られている。この点突然変異は間違ったスプラ
イシング位置を生み出し、それは変更された読み取り枠およびペプチド鎖の予備
的終結をもたらす(Weatherall, D. J. & Clegg, J. B.(1982年)Cell、2
9巻、7頁;Fukumaki, Y. et al.(1982年)Cell、28巻、585頁)。
例えば、シロイヌナズナ変異体において、フィトクロムB遺伝子の5’スプライ
シング部位での点突然変異は遺伝子の間違った発現をもたらす。この修飾は、そ
の配列が停止コドンを含むイントロンを除去することを不可能にする。この遺伝
子は、植物形態形成に関与するため植物の発育が停止する(Bradley, J. M. et
al.(1995年)Plant Mol. Biol.、27巻、1133頁)。
【0014】 現在に至るまで、細胞におけるスプライシング過程の影響を記載した研究はわ
ずかしか知られていない。したがって、スプライシング装置の成分に対する抗血
清またはモノクローナル抗体の助けによって成熟mRNAの生成を妨げることは
可能である(Padgett, R. A. et al.(1983年)Cell、35巻、10頁;Gat
toni, R. et al.(1996年)Nucleic Acid Res.、24巻、2535頁)。
【0015】 インフルエンザウイルスゲノムによりコードされているNS1タンパク質はU
6 snRNAに結合することによりスプライシングを同様に妨害することがで
きる。このタンパク質はヒトU6 snRNAのヌクレオチド27〜46および
83〜101に結合し、スプライシング過程の間にU6が結合相手であるU2お
よびU4と相互作用できることを妨げる(Fortes, P. et al.(1994年)EMB
O J.、13巻、704頁;Qiu, Y. & Krug, R. M.(1995年)J. Virol.、6
8巻、2425頁)。さらに、NS1タンパク質は形成されたmRNAのポリA
尾部に結合することにより核からの移送も妨げると思われる(Fortes, P. et al
.(1994年)、前記文献;Qiu, Y. & Krug, R. M.(1994年)、前記文献
)。同様の作用がヘルペス単純ウイルスI型ゲノムの遺伝子産物について記載さ
れている。インビトロ実験において、タンパク質ICP27はモデルRNA(β
−グロビンmRNA前駆体)のスプライシングを効果的に防止することができた
(Hardy, W. R. & Sandri-Goldin, R. M.(1994年)J. Virol.、68巻、7
790頁)。加えて、RNAポリメラーゼIIのラージサブユニットのC末端ド
メインから生成させたペプチドは、スプライシング過程を同様に妨害することが
できるように思われる(Yurvey, A. et al.(1996年)Proc. Natl. Acad. S
ci. USA、93巻、6975頁;WO97/20031)。スプライシングされるべきmR
NA内への人工ヌクレオチド類似体(5−フルオロ、5−クロロまたは5−ブロ
モウリジン)の取り込みは、インビトロにおいて同様にスプライシング過程の阻
害をもららすようにみえる(Sierakowska, H. et al.(1989年)J. Biol. C
hem.、264巻、19185頁;Wu, X. P. & Dolnick, B.(1993年)Mol.
Pharmacol.、44巻、22頁)。
【0016】 多くの更なる研究はスプライシングに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド
の作用に関している。したがって、ラットのc−erb原癌遺伝子mRNAの2
つの異なるスプライシング産物(c−erbA−アルファ1および2)の比は他
のmRNA、rev−ErbA−アルファにより制御されていると思われる。r
ev−ErbA−アルファは天然に存在するアンチセンスRNAであり、これは
c−erbA−アルファ2 mRNAと対を形成するがc−erbA−アルファ
1 mRNAとは対を形成しない。3’スプライシング部位と相補的であるre
v−ErbA−アルファmRNA構築物が過剰にあると、c−erbA−アルフ
ァmRNA前駆体のc−erbA−アルファ2 mRNAへのスプライシングを
有効に阻害することが可能である(Munroe, S. H. & Lazar, M. A.(1991年
)J. Biol. Chem. 266巻(33)、22083頁)。さらに、スプライシン
グされるべきmRNAのイントロン配列に結合するアンチセンスRNAの生成は
同様にスプライシングを阻害することが示されている(Volloch, V. et al.(1
991年)Biochem. Biophys. Res. Comm.、179巻、1600頁)。Hodgesお
よびCrookeは、弱く認識されるスプライシング部位に対して、スプライシングを
うまく停止させるためにはオリゴヌクレオチドの結合で十分であることを示すこ
とができた。しかしながら、好適に認識されるスプライシング部位が構築物に取
り込まれる場合には、さらにRNase Hの活性化を引き起こすことができる
オリゴヌクレオチドが必要とされる(Hodges, D. & Crooke S. T.(1995年
)Mol. Pharmacol.、48巻、905頁)。スプライシングに必要とされるmR
NA前駆体のより詳細な分析は、分岐点のアデノシンから上流の19ヌクレオチ
ド並びに3’および5’スプライシング部位周辺の25ヌクレオチドがアンチセ
ンスRNAを生成に適した配列であることを示している(Dominski, Z. & Kole,
R.(1994年)Mol. Cell Biol.、14巻、7445頁)。アンチセンス分子
による研究は特にウイルスの阻害について実施された。高等生物に影響を及ぼす
ウイルスの多くはそのゲノム内にイントロン含有遺伝子を有する。したがって、
ヘルペス単純ウイルスの極初期mRNA前駆体4/5遺伝子の3’スプライシン
グ部位に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドがベロ細胞におけるウイルス複
製を阻害できたことを示すことが可能であった(Iwatani, W. et al.(1996
年)Drug Delivery Syst.、11巻、427頁)。
【0017】 スプライシング機構は一般には最初にインビトロ転写でmRNAを調製するこ
とにより研究される。この目的のために、ウイルス、例えばアデノウイルスまた
は細胞性構造遺伝子からの遺伝子構築物が使用される。この種のmRNAは、ス
プライソソームによるmRNAの認識およびスプライシング過程に必要であるす
べての重要な構造要素を含む。一般的には、ウレア変性ポリアクリルアミドゲル
での分画後の特徴的なバンドパターンにより、スプライシング反応が起こったか
どうか、またはこの反応工程で破壊が起こったかどうかの評価を可能にするため
にmRNAは放射性標識される。しかしながら、この種の試験系は非常に時間が
かかり且つ労力を要するため、スプライシングを調節できる物質を系統的に発見
することには適していない。
【0018】 したがって、本発明の1つの目的は、核酸のスプライシングに対する作用につ
いて、化学物質または天然物質のライブラリーから多数の化合物を簡便且つ効果
的な様式で研究することを可能にする試験系を発見することである(高処理量ス
クリーニング)。
【0019】 驚くべきことに、スプライシング反応を検出するためのゲル無し検出系を含む
試験系が、従来の試験系の上記欠点を克服するのに適しており、したがって高処
理量スクリーニング、例えばロボット系に適していることが見出された。
【0020】 したがって、本発明は、 (a)少なくとも1つのスプライシング可能な核酸を有する1つまたはそれ以上
の同一のまたは異なった固定化された核酸 (b)スプライシング反応を検出するための少なくとも1つのゲル無し検出系、
適切な場合には (c)スプライシング成分を含む少なくとも1つの組成物、および好ましくは (d)好適な検出プローブ、および、適切な場合には (e)さらなる補助物、 含む試験系に関する。
【0021】 スプライシング過程を研究するためのゲル無し検出系を提供するため、試験さ
れるべき核酸を固相に固定化する必要がある。核酸は例えば、スプライシングさ
れるべき核酸内に特別の構造要素、例えばアプタマーを導入して上記構造要素の
結合相手を用いることにより、またはハイブリダイゼーションにより共有結合で
固定することができる。
【0022】 更に都合のよいことには、スプライシングが起こったか起こっていないかを検
出することを容易にするのに適したプローブをゲル無し試験系のために生成させ
る必要がある。上記プローブは例えば、試験されるべき核酸とのハイブリダイゼ
ーションに使用されるオリゴヌクレオチドまたは試験されるべき核酸内に導入さ
れた構造要素に結合する結合相手でもよい。
【0023】 従って、ゲル無し検出系は好ましくは少なくとも1つのプローブを含む。この
プローブは、特に、スプライシング可能な核酸に相補的な核酸、スプライシング
可能な核酸を結合させる低分子量化合物、および/またはスプライシング可能な
核酸を結合させるペプチドまたはタンパク質である。
【0024】 好ましい態様において、スプライシング可能な核酸は少なくとも1つのイント
ロンにより分離されている少なくとも2つのエキソンを含む。 例えば、相補的核酸は、少なくとも1つのイントロン、少なくとも1つのエキ
ソン、および/または少なくとも1つのエキソン/イントロン移行部位、および
/または2つのエキソンの融合後に生成したエキソン/エキソン境界域に相補的
である。ここで相補的核酸はスプライシング反応を検出するためのプローブとし
て役に立つ。
【0025】 したがって、例えば、ゲル無し検出系によりスプライシング反応の間に遊離さ
れたイントロンを検出することが可能であり、このことからスプライシング反応
の両工程が完了しているという結論が導かれる。あるいは、適した検出系、例え
ばエキソン/イントロン移行部位に相補的な核酸に基づいて、スプライシング過
程の間にイントロンからエキソンが除去されたかどうかを決定することが可能で
ある;このことは第1のスプライシング反応がイントロンの5’末端で起こった
かどうか、および/または第2のスプライシング反応がイントロンの3’末端で
起こったかどうかについての情報を提供する。他の検出形態を以下に詳細に例示
する。
【0026】 特に好ましい態様において、プローブは低分子量化合物、例えばテオフィリン
、キサンチンまたはトブラマイシンのようなアミノグリコシドである。例えば、
スプライシング可能な核酸またはスプライシング可能な核酸に相補的なゲル無し
検出系の核酸が「アプタマー構造」、即ちこの種の結合相手のための結合配列(
例えば、Jenison, R. D. et al(1994年)Science 263巻、1425〜1
429頁;Hamasaki, K. et al.(1998年)Biochem. 37巻、656〜66
3頁またはKiga, D. et al.(1998年)Nucleic Acids Res.、26巻(7)
、1755〜1760頁を参照されたい)を含む場合は、スプライシング過程は
結合相手を介して特に容易に検出することができる。
【0027】 他の特に好ましい態様において、結合相手は核酸結合タンパク質、特に鉄応答
性配列結合タンパク質(IBP)であり、これは核酸結合タンパク質の認識配列
、特に鉄応答性配列(IRE)を認識する。起こったであろうスプライシング過
程はここでは核酸結合タンパク質を介して検出される。
【0028】 結合相手と核酸内の構造要素との間(低分子量化合物およびアプタマー、IB
PおよびIRE、オリゴヌクレオチドおよび核酸内の配列)の上記相互作用は試
験されるべきおよびスプライシング可能な核酸を固相に固定化するのに同様に適
している。この目的のためには、結合相手を好適な様式で固相に固定する必要が
ある。これに関連し、例えば、結合相手を固相に共有結合で結合させることが可
能である。さらに、ビオチンの核酸へのカップリングおよび固相に結合した(ス
トレプト)アビジンの使用は核酸の固定に適している。上記固定は例えば、抗体
/抗原相互作用を用いても達成することができる。
【0029】 一般的には、プローブは標識、例えば放射性標識、蛍光色素による標識、ビオ
チンによる標識、ジゴキシゲニンによる標識および/または抗体による標識を含
む。標識は好ましくはリガンド、例えば相補的核酸、低分子量化合物または核酸
結合タンパク質に結合している。特に蛍光色素の助けにより、例えば、少なくと
も1つの試験されるべき物質の存在下で、例えば、スプライシング過程の間に核
酸中のプローブの結合相手を除去することにより、スプライシング反応が妨害さ
れずに進行することが可能であるかどうかを、簡便且つ自動化された系では迅速
な様式で決定することが可能である。
【0030】 他の好ましい態様において、スプライシング可能な核酸およびプローブ結合核
酸は互いに連結している。このことは、例えば、プローブ結合核酸の遊離により
、スプライシング反応を直接的に検出することを可能にする利点を有する。この
態様において、プローブ結合核酸は好ましくは、低分子量化合物、例えば「アプ
タマー」、および/または核酸結合タンパク質と結合できる核酸である。一般的
に、核酸の特定の構造要素がこの種のプローブの結合に応答性があるため、下記
の好ましい構築物において、プローブ結合核酸は構造要素「SE」と略記してお
り、ここで「3’領域」とは核酸の3’末端の核酸部分である。 1.5’エキソン内に導入された構造要素(SE)を有する構築物: −−−T7プロモーター−−−SE−−−エキソン1−−−イントロン−−−
エキソン2−−−3’領域−−− −−−T7プロモーター−−−エキソン1−−−SE−−−エキソン1−−−
イントロン−−−エキソン2−−−3’領域−−− 2.イントロン内に導入された構造要素を有する構築物: −−−T7プロモーター−−−エキソン1−−−イントロン−−−SE−−−
イントロン−−−エキソン2−−−3’領域−−− 3.3’エキソン内に導入された構造要素を有する構築物: −−−T7プロモーター−−−エキソン1−−−イントロン−−−エキソン2
−−−SE−−−エキソン2−−−3’領域−−− −−−T7プロモーター−−−エキソン1−−−イントロン−−−エキソン2
−−−SE−−−3’領域−−− −−−T7プロモーター−−−エキソン1−−−イントロン−−−エキソン2
−−−3’領域−−−SE−−−3’領域−−− −−−T7プロモーター−−−エキソン1−−−イントロン−−−エキソン2
−−−3’領域−−−SE−−− 4.1〜3に掲げた構築物の組み合わせを有する構築物 5.種々の構造要素を有する構築物: −−−T7プロモーター−−−エキソン1−−−SE1−−−イントロン−−
−エキソン2−−−SE2−−−3’領域 −−−T7プロモーター−−−エキソン1−−−SE1−−−エキソン1−−
−イントロン−−−SE2−−−イントロン−−−エキソン2−−−SE3−−
−3’領域−−− 1の構築物は特にスプライシング過程の間にイントロン配列からエキソン1を
除去できたかどうかを検出するのに役に立つ。2の構築物は除去されたイントロ
ン配列を直接的に検出するのに役に立つ。3の構築物はイントロン配列からのエ
キソン2をうまく除去することができたかどうかを検出するのに役に立つ。4の
構築物の組み合わせはスプライシング過程の間の個々の中間体および最終産物を
検出するのに役に立つ。エキソン1は一般的にイントロンの5’に位置すエキソ
ンであり、エキソン2は一般的にはイントロンの3’に位置するエキソンである
【0031】 5の構築物は種々の更なる認識配列を含み、それは一方では種々の検出系に関
係し、一方ではそれらの結合相手を介した固相への核酸の結合を容易にすること
ができる。したがって、例えば、固定化のために3’領域内にプローブ結合核酸
を導入すること、同時にスプライシング過程を検出するためにエキソン1内に他
のプローブ結合核酸を導入することが可能である(5の最初の構築物を参照され
たい)。さらに、例えば、3つの異なる核酸を導入することが可能である。これ
は、第1に全核酸を固定化し、第2に除去されたイントロンを検出し、且つ残っ
ている核酸へのエキソン1の結合を検出することに役立つ(5の第2の構築物を
参照されたい)。例として5に掲げた個々のプローブ結合核酸の位置は、1〜4
に記載の構築物によって変化してもよい。加えて、個々のプローブ結合核酸の正
確な位置は変化可能である。
【0032】 従って、他の態様において、核酸、好ましくはスプライシング可能な核酸、特
に前記の態様のいずれかの核酸は直接的に共有結合で、または構造要素および構
造要素の結合相手を介して間接的に、またはハイブリダイゼーション法により固
相に結合される。
【0033】 直接的な共有結合は例えば、核酸のリボース骨格の3’末端シス−ジオール基
を介して起こっていてもよい。例えば、3’末端リボースの隣位2’3’ヒドロ
キシル基の過ヨウ素酸酸化後に固相のヒドラジン基にRNAを結合させることが
可能である。間接的な結合には、例えば、ビオチンリンカーまたはジカルボン酸
リンカーのようなリンカーが適している。しかしながら、上記したように、核酸
は、結合相手を介して、例えば、テオフィリン、キサンチンまたはトブラマイシ
ンのようなアミノグリコシドを介して、および/または例えば、IBPのような
核酸結合タンパク質を介しても結合する。
【0034】 核酸を支持体結合リガンドに固定化するのに適しているものは、例えば、テオ
フィリンが支持体に結合した結合相手の場合にはテオフィリンアプタマーTh(
Kd=0.9μM)(例えば、Jenison, R. G. et al.(1994年)前記文献
を参照されたい)であり、またはトブラマイシンが支持体に結合した結合相手の
場合にはトブラマイシンアプタマーの最小体To(Kd=0.2μM)(Hamasa
ki, K. et al.(1998年)前記文献)である。これらの2つのアプタマーの
配列は好ましくは下記の配列である: Th:AAGUGAUACC AGCAUCGUCU UGAUGCCCUU GGCAGCACUU(40mer) To:GGCUUAGUAU AGCGAGGUUU AGCUACACUC GUGCUGAGCC(40mer) ここで固相は例えば、セラミック、金属、特に貴金属、ガラス、プラスチック
またはポリサッカリド、例えばアガロースポリマーである。
【0035】 しかしながら、プローブ結合核酸、例えばアプタマーは結合標識プローブにも
適しており、その結果として例えば、アプタマー含有核酸を検出し、さらに定量
することが可能である。例えば、トブラマイシンを市販品として入手可能なNH
2−反応性蛍光色素と反応させることが可能である(Wang, Y. et al.(199
6年)Biochemistry 35巻、12338〜12346頁)。テオフィリンの場
合、アプタマーと結合できる3−メチルキサンチンの1−アミノアルキルまたは
1−チオアルキル誘導体の製造が選択される(Jenison, R. D. et al.(199
4年)、前記文献)。
【0036】 本発明によれば、スプライシング可能な核酸とはスプライシングされることが
できる任意の核酸であり、好ましくはRNAであり、例えば、「mRNA前駆体
」形態またはRNA部分を含むDNA形態のRNAである。RNAが、すでに前
により詳細に説明したようなさらなるプローブ結合配列を含むべきである場合、
上記プローブ結合配列が、特定のスプライシング部位から少なくとも約25ヌク
レオチド両方のエキソン側に、分岐点から少なくとも約17ヌクレオチドイント
ロン側に、および/または5’スプライシング部位から少なくとも約7ヌクレオ
チドに位置していれば好都合である。このことは一般的にさらなるプローブ結合
配列がスプライシング反応を妨害できないことを保証している。
【0037】 ヒト系においてスプライシングに好適なスプライシング可能な核酸の例は、M
INXモデルmRNA前駆体(MINX=微小野生型基質;Zillmann, M.、Zapp
, M. L.、Berget, S. M.(1998年)、Mol. Cell. Biol.、8巻:814〜2
1頁)である。MlNXをコードするDNAに、上記したような検出または固定
化に適したさらなるプローブ結合核酸を、好ましく保持された制限酵素切断部位
とともに、好ましく導入することが可能である。このことは、所望ならば、蛍光
信号を増大させまたは固相へのより強固な結合を可能にするために、検出または
固定化のための他の同一のまたは異なったプローブ結合核酸をさらなるクローニ
ング工程で取り込ませることを可能にする。
【0038】 mRNA前駆体は例えば、mRNA前駆体エキソン2の3’末端にThまたは
Toアプタマーを挿入し、対応する結合相手を固相に共有結合で結合させること
により固定化される。対応するコード核酸配列を図1Aおよび図1Bに示す。
【0039】 これに関連して、例えば、適したアプタマー配列を、DNAオリゴヌクレオチ
ドとして、コードMinx DNAのBamHI切断部位に、即ち、対応するM
inx mRNA前駆体の219位と220位との間に挿入する。
【0040】 すでに上記したように、プローブ結合核酸をmRNA前駆体イントロン構造内
に挿入することも可能であり、上記核酸はスプライシングにより遊離され、従っ
て例えば固定化したmRNA中には存在しない。したがって、この種の構築物は
第1工程、即ちmRNAの開放および投げ縄状構造形成または第2工程、即ち投
げ縄状構造の除去におけるスプライシングの阻害を検出するのに適している。ス
プライシング過程の阻害の場合、プローブ結合核酸はmRNA前駆体から除去さ
れないため、例えば、mRNA前駆体の固定化後に検出できるであろう。好適な
核酸構築物の例を図2Aおよび図2Bにそのコード配列の形で示す。
【0041】 この目的のために、例えば、適したアプタマー配列が、DNAオリゴヌクレオ
チドとして、コードMinx DNAのPstI切断部以内に、即ち対応するm
RNA前駆体の88位と89位との間に挿入される。
【0042】 すでにより詳細に説明したように、第1のスプライシング工程においてスプラ
イソソームはイントロンの5’スプライシング部位でエキソン1とイントロンと
の間の結合を開裂させる。第2のスプライシング工程においてのみエキソン1お
よびエキソン2が共有結合で連結される。その結果として、エキソン1はスプラ
イシング反応の第1の工程の間はmRNAにもはや結合しておらず、従ってスプ
ライシング反応から除去可能である。例えば、イントロン中にアプタマー構造を
有する構築物に関しては、例えば、第1のスプライシング工程において阻害が起
こったかどうかについて述べることが可能である。例えば、異なるプローブを認
識する2つの異なるアプタマーがmRNA前駆体のエキソン1の5’末端におよ
びイントロン内に取り込まれる場合には、試験系において第1のスプライシング
工程および第2のスプライシング工程の両方を追跡することが可能である。好適
な核酸構築物の例を図3Aおよび図3Bにそのコード配列の形で示す。
【0043】 この目的のために、例えば、適したアプタマー配列が、DNAオリゴヌクレオ
チドとして、コードMinx DNAのEcoRI切断部以内に、即ち対応する
mRNA前駆体の9位と10位との間に挿入される。
【0044】 酵母系での研究のため、例えば、酵母U3に対するmRNA前駆体(Mougin,
A. et al.(1996年)、RNA、2巻:1079〜93頁)から出発し、例
えば、前記のテオフィリンまたはトブラマイシンアプタマーのような好適なアプ
タマーを取り込ませることが可能である。好適な核酸構築物の例を図4Aから図
4Cにそのコード配列の形で示す。
【0045】 図4Aの核酸構築物は、例えば、好適なアプタマーを、DNAオリゴヌクレオ
チドとして、コードU3 DNAのSacII切断部以内に、即ちU3 RNA前
駆体の22位と23位との間に挿入することにより調製される。
【0046】 図4Bの核酸構築物は、例えば、好適なアプタマーを、DNAオリゴヌクレオ
チドとして、コードU3 DNAのBstNI切断部以内に、即ちU3 RNA前
駆体の105位と106位との間に挿入することにより調製される。
【0047】 図5Aの核酸配列はヒト系での研究に適している鉄応答性配列(IRE)を有
する核酸配列の例である。ここでIREは前記アプタマーと同様にエキソン2の
3’末端に挿入されている。
【0048】 酵母系での研究には、例えば、図5Bに示したようにIREをU3 RNA前
駆体のエキソン2の3’末端に挿入することが可能である。 したがって、本発明はさらに、前に例示したようにスプライシングされるスプ
ライシング可能な核酸、および試験系を調製するためのそれらの使用に関する。
【0049】 本発明の試験系の助けによる個々のスプライシング反応の研究は、通常、個々
のスプライシング成分、好ましくは低分子リボ核タンパク質粒子(snRNP)
成分および非snRNP成分を含む組成物を使用することにより実施される。s
nRNP成分は特にU1、U2、U4,U5および/またはU6タンパク質を含
む。研究のために特に適した細胞抽出物、特に真核生物細胞抽出物を使用するこ
とが選択される。例えば、動物細胞、特に哺乳動物細胞、特別にはヒーラー細胞
からの細胞抽出物、特にヒーラー細胞の核抽出物、または真菌、特に酵母の細胞
抽出物を、当業者には一般的に知られている方法に従って得ることが可能である
(実施例参照)。細胞抽出物は一般的にインビトロでスプライシングを実施する
ことができるすべての重要な因子を含む。
【0050】 例えば、緩衝溶液、安定化剤および/またはエネルギー等価物、特にATPの
ようなさらなる補助物を使用することが研究を実施するために必須である。 したがって、本発明は試験系を調製する方法にも関しており、この試験系には
少なくとも1つの固定化されたスプライシング可能な核酸、および少なくとも1
つのゲル無し検出系、さらに適切な場合には、スプライシング成分を含む少なく
とも1つの組成物、および適切な場合には、さらなる補助物が混合されている。
個々の成分の好ましい態様はすでに前に詳細に説明されている。
【0051】 本発明はさらに、活性物質を発見するための方法であって: (a)1つまたはそれ以上の同一のまたは異なった固定化された核酸を、少なく
とも1つのスプライシング可能な核酸配列とともに、少なくとも1つの試験され
るべき物質、およびスプライシング成分を含む少なくとも1つの組成物、および
適切な場合には、さらなる補助物の存在下で、好適な条件下でインキュベートし
、および (b)ゲル無し検出系によって形成されたスプライシング産物を検出する、 ことを含む方法に関する。
【0052】 本発明の方法の好ましい個々の成分はすでに前に詳細に説明されている。 ここで活性物質とは医薬的に活性な化合物、殺真菌薬、除草剤、農薬および/
または殺虫剤であり、好ましくは抗生物質である。試験されるべき物質は一般的
に自然発生物質、自然発生物質で化学的に修飾された物質、および/または合成
物質である。本発明の方法は特に、「組み合わせ物質ライブラリー」を簡便且つ
迅速な様式でスクリーニングすることを可能にする。
【0053】 本明細書の導入部においてすでに種々の障害がスプライシング機構の破壊に帰
することを示した。従って本発明は障害の診断にも適している。 従って本発明はさらに障害を診断する方法であって: (a)1つまたはそれ以上の同一のまたは異なった固定化された核酸を、少なく
とも1つのスプライシング可能な核酸とともに、スプライシング成分を含む少な
くとも1つの組成物、および適切な場合には、さらなる補助物の存在下で、好適
な条件下でインキュベートし、および (b)ゲル無し検出系によって形成されたスプライシング産物を検出する、 ことを含む方法にも関する。
【0054】 ここで診断されるべき障害は好ましくは遺伝的障害、がんおよび/またはウイ
ルス疾患、特にグレーブス病、棘筋萎縮症、β’サラセミア、c−erb原癌遺
伝子に関連するがん、C型肝炎感染および/またはヘルペス単純ウイルス感染で
ある。スプライシング成分を含む組成物は、この場合、例えば、処置されたまた
は未処置の患者組織試料でよい。
【0055】 以下の図面および実施例は本発明をより詳細に説明することを意図したもので
あり、本発明を制限するものではない。構築物をDNA配列中に示す。スプライ
シング可能なRNAはインビトロ転写により生成することができ、以下にさらに
説明されている。
【0056】 実施例 1.RNA構築物 スプライシングされるべきmRNAはイントロンにより分断された少なくとも
2つのエキソンを含む。これらの配列に加えて、RNA結合タンパク質または低
分子量化合物による特異的認識を容易にするのに適した配列が含まれる。上記結
合タンパク質または化合物のマトリックスへのカップリングを介して、mRNA
はマトリックスに選択的に結合する。あるいは、mRNAもリボースの3’OH
基を介してマトリックスに直接的に共有結合でカップリングされる。
【0057】 2.核抽出物の調製 2.1 哺乳動物細胞からの核抽出物 核抽出物をヒーラー細胞の細胞培養物を用いることによって哺乳動物細胞から
調製する。この目的のため、細胞を遠心分離(1,000×g、10分)により
培地から沈降させ、リン酸緩衝液で洗浄する。次に細胞沈降物を5倍容量の緩衝
液A(10mM HEPES、1.5mM MgCl2、10mM KCl、0.
5mM DTT、pH7.9、4℃)にとり、10分間インキュベートする。細
胞を再び沈降させ、2倍容量の緩衝液Aにとる。この懸濁液をDounceホモ
ジナイザー(乳棒B)(乳棒を上下に10回動かす)で破壊する。核を遠心分離
により沈降させる。最後に、核を再び緩衝液Aにとり、25,000×gで20
分間遠心分離する。沈降物を3mlの緩衝液B(20mM HEPES、25%
(v/v)グリセロール、0.42M NaCl、1.5mM MgCl2、0.
2mM EDTA、0.5mMフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF
)、0.5mM DTT、pH7.9)にとり、Dounceホモジナイザーを
使用して再び破壊する。生成した懸濁液をマグネチックスターラー上で30分間
インキュベートし、その後25,000×gで30分間遠心分離する。この液を
再び25,000×g(30分)で遠心分離する。透明な上清を50倍容量の緩
衝液C(20mM HEPES、20%(v/v)グリセロール、0.1M KC
l、0.2mM EDTA、0.5mM PMSF、0.5mM DTT、pH7
.9)に対して透析する。透析液を遠心分離し(25,000×g、20分)、
得られた上清は核抽出物として液体窒素中で保存することができる(Dignam, J.
D. et al.(1983年)Nucleic Acid Res.、11巻、1475頁)。 2.2 酵母細胞からの細胞抽出物 酵母細胞からの細胞抽出物を非常に類似した方法で調製する。プロテアーゼ欠
損株の酵母細胞(BJ926、EJ101または類似の株)を対数増殖期に遠心
分離(1,500×g、5分、4℃)により沈降させる。細胞を2〜4倍容量の
氷冷水に再懸濁し、再び1,500×gで遠心分離(5分、4℃)する。次に細
胞を1倍容量のザイモリエース緩衝液(50mM Tris HCl、10mM
MgCl2、1Mソルビトール、30mM DTT、pH7.5)にとり、室温
で30分間インキュベートする。細胞を遠心分離(1,500×g、5分、4℃
)により除去し、2mg(200U)のザイモリエース100Tを添加した3倍
容量のザイモリエース緩衝液にとり、シェーカー(50rpm)上、30℃で4
0分間インキュベートする。形成されたスフェロプラストを遠心分離(1,50
0×g、5分、4℃)により除去し、2mlの氷冷ザイモリエース緩衝液で1回
洗浄する。沈降物を2倍容量の溶解緩衝液(50mM Tris HCl、10m
M MgSO4、1mM EDTA、10mM酢酸カリウム、1mM DTT、プ
ロテアーゼ阻害剤、1mM PMSF、pH7.5)で洗浄し、最後に1倍容量
の溶解緩衝液にとる。次にスフェロプラストを、Dounceホモジナイザー中
で乳棒を上下に15〜20回動かすことにより(距離1〜2μm)溶解させる。
同一容量の抽出緩衝液(溶解緩衝液+0.8M硫酸アンモニウム、20%(v/
v)グリセロール)を溶解物に加え、混合物をエンドオバーエンド(end-over-e
nd)シェーカー上で15〜30分間インキュベートする(4℃)。続いて、10
0,000×gで90分間遠心分離する(4℃)。上清を100倍容量の保存緩
衝液(20mM Tris HCl、0.1mM EDTA、10%(v/v)グ
リセロール、100mM KCl、1mM DTT、プロテアーゼ阻害剤、1mM
PMSF、pH7.5)に対して透析する。透析物を10,000×g(4℃)
の遠心分離により除去し、上清を液体窒素中に保存する(Dunn, B. & Wobbe, C.
R.(1994年)Preparation of protein extracts from yeast:Ausubel, F.
M. et al. 編、Current Protocols in Molecular Biolody、第2巻、John Wile
y and Sons, Inc.、USA、pp.13.13.1〜13.13.9)。
【0058】 3.試験系におけるIREを有する構築物のインビトロスプライシング RNAからのイントロンの切り出しは、2つの新しく連結したエクソンの境界
域にヌクレオチド配列をもたらし、この配列はスプライシングされていないmR
NA前駆体中には存在しない(新配列)。この配列は相補的ヌクレオチド配列を
生成させるために利用され、それは上記新配列に選択的に結合する。蛍光色素、
ビオチン、ジゴキシゲニンまたは類似の分子、または放射性標識の共有結合によ
る結合は、実施されたスプライシングを間接的に検出する。アッセイは適した分
析機(ELISAリーダー、蛍光分析機など)で分析される。
【0059】 説明したすべての実験は、Eperon, I. C. and Krainer, A. R.(1994年)
Splicing of mRNA precursors in mammalian cells. In RNA Processing、vo
l.I−A Practical Approach(B. D. Hames and S. J. Higgins 編)Oxford
:IRL Press、pp.57〜101)に説明されているような標準法に従って実
施した。 3.1 インビトロ転写法 図5Aに示す構築物を、インビトロ転写により、それをコードするプラスミド
から対応するmRNA内に転写した。同様に、IRE配列を含まない対応する構
築物を対照として及びその後の比較のための実験に使用した。
【0060】 それに先立ち、構築物をベクターpGEM−3Zf(Pharmacia)にクローン
化し、大腸菌中で増殖させた。プラスミドを精製し、標準技術によって所望の濃
度に調節した。インビトロ転写での使用に先立ち、プラスミドを制限酵素により
直線状とした。
【0061】 反応は以下の条件下で実施した: 5μlの5×転写緩衝液(200mM Tris−HCl pH7.9、30mM
MgCl2、10mMスペルミジン、50mM NaCl) 1μlのBSA(1mg/ml) 1μlのRNAsin 2.5μlのDTT(100mM) 1μlのNTP(ATP、GTP、CTPは2.5mMおよびUTPは1.25
mM) 2μlの32P−UTP(3,000Ci/mM) 2μlの直線状化MINXプラスミド(1mg/ml) 2.5μlのGpppG−Cap(1mM) 2μlのSP6ポリメラーゼ 25μlのH2Oを加える。
【0062】 転写混合物を37℃で2時間インキュベートし、続いて標準法に従って分取用
ゲルで精製した。標識したRNAを、X線フィルムを1分間感光させることによ
り検出し、バンドをメスで切断した。ゲル断片を切り出し、RNAを溶出緩衝液
(500mM 酢酸Na、pH5、1mM EDTA pH8、2.5%フェノー
ル/クロロホルム)を使用し、4℃で一晩かけてゲルから抽出した。 3.2 スプライシング反応法 7μlのヒーラー細胞核抽出物(=35% v/v)を3.25mM MgCl
2、35mM KCl、2mM ATP、20mMホスホクレアチン、1U/μl
RNAsinおよび30,000〜50,000cpmのMINX mRNA前駆
体(Zillmann et al.、1988年、Molecular and Cellular Biology、8巻:
814頁)と20μlの反応容量で30℃にて、0、10、20、30および4
0分間インキュベートした。IREを含まないmRNA前駆体を比較のために用
いた。次に400μlのプロテイナーゼK緩衝液(100mM Tris−HC
l、pH7.5、12.5mM EDTA、150mM NaCl、1% SDS
、0.1mgプロテイナーゼK)を加えることにより反応を停止させた。試料を
400μlのフェノール/クロロホルムで抽出し、水相に2.5倍容量のエタノ
ールおよび1/10容量の3M酢酸ナトリウム(pH5.2)を加えて−20℃
で沈殿させた。RNAを遠心分離により分離し、70〜80%エタノールで洗浄
した。さらに遠心分離を行った後、RNAを乾燥させた。
【0063】 乾燥RNAを5μlの試料緩衝液(0.5×TBE、80%(v/v)ホルム
アミド、0.1%(w/v)キシレンシアノールおよび0.1%(w/v)ブロ
モフェノールブルー)にとり、65℃で10分間加熱し、氷上で冷却した後、8
%強度ポリアクリルアミドゲルにより分画した。分画されたRNAをオートラジ
オグラフィーにより検出した(図6参照)。
【0064】 図6のレーン1〜5は3’OH末端にIREを含まないMINXmRNA前駆
体のスプライシング反応の時間変化(0、10、20、30、40分)を示す。
図は約20分後にmRNA前駆体の大部分が成熟mRNAに変換したことを示し
ている。レーン6〜10は3’OH末端がIREにより修飾されているmRNA
前駆体を用いた同様の実験を示す。ここでもまた、明瞭なスプライシング反応が
20分のインキュベーション時間後に観察することができる。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1Aはコード核酸配列を示し、ここでThアプタマーがMinx
をコードするmRNA前駆体のエキソン2の3’末端に挿入されている。図1B
はコード核酸配列を示し、ここでToアプタマーがMinxをコードするmRN
A前駆体のエキソン2の3’末端に挿入されている。
【図2】 図2Aはコード核酸配列を示し、ここでThアプタマーがMinx
をコードするmRNA前駆体のイントロン内に挿入されている。図2Bはコード
核酸配列を示し、ここでToアプタマーがMinxをコードするmRNA前駆体
のイントロン内に挿入されている。
【図3】 図3Aはコード核酸配列を示し、ここでThアプタマーがMinx
をコードするmRNA前駆体のエキソン1の5’末端に挿入されている。図3B
はRNA配列を示し、ここでThアプタマーがMinxをコードするmRNA前
駆体のエキソン1の5’末端に挿入されている。
【図4】 図4AはU3 mRNA前駆体をコードするコード核酸配列を示す
。エキソン1の5’末端にThまたはToアプタマーのための挿入部位を示す。
図4BはU3 mRNA前駆体をコードするコード核酸配列を示す。イントロン
中にThまたはToアプタマーのための挿入部位を示す。図4CはU3 mRN
A前駆体をコードするコード核酸配列を示す。エキソン2の3’末端にThまた
はToアプタマーのための挿入部位を示す。
【図5】 図5AはMinx mRNA前駆体をコードするコード核酸配列を
示す。エキソン2の3’末端にIREのための配列が挿入されている。図5Bは
U3 mRNA前駆体をコードするコード核酸配列を示す。エキソン2の3’末
端にIREのための配列が挿入されている。
【図6】 図6はヒーラー核抽出物によるMINXおよびMINX−IRE
mRNA前駆体のスプライシングの時間変化を示す。インビトロで転写されたM
INX(レーン1〜5)およびMINX−IRE(レーン6〜10)mRNA前
駆体をヒーラー核抽出物とともに図示した時間インキュベートした。次に試料を
ポリアクリルアミド/ウレアゲル電気泳動により分画し、32P−標識RNAを
オートラジオグラフィーにより検出した。IRE含有RNAの場合(レーン6〜
10)、多数のバンドは、不完全なIRE変性により説明できる。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年5月31日(2001.5.31)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項34
【補正方法】変更
【補正の内容】
【化2】 ここで、(Th/To)は、 AAGTGATACC AGCATCGTCT TGATGCCCTT GGCAGCACTT GAATT(Th)または GGCTTAGTAT AGCGAGGTTT AGCTACACTC GTGCTGAGCC GAATT(To)から選択される
配列である、 に由来するスプライシング可能なRNA。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シマンディ,クラウス ドイツ連邦共和国デー−40699 エアクラ ト,エーデュアルト−ダエレン−シュトラ ーセ 7 (72)発明者 リュールマン,ラインハルド ドイツ連邦共和国デー−35041 マーブル グ,エーヴィヒス・タール・16ベー (72)発明者 アクセル,ティルマン ドイツ連邦共和国デー−37085 ゲッティ ンゲン,アム・シュタインスグラーベン 15 (72)発明者 フォルンロッハー,ハンス−ペーター ドイツ連邦共和国デー−35041 マーブル グ/ヴェーアダ,ヴァルトヴェーグ 12 Fターム(参考) 2G045 AA35 BB10 BB14 BB20 BB48 BB50 BB51 DA13 FB02 FB03 FB07 4B024 AA11 CA09 CA10 CA11 CA12 HA12 4B063 QA19 QA20 QQ52 QQ53 QR08 QR35 QR42 QR56 QR66 QS25 QS34 QX02 QX07

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)少なくとも1つのスプライシング可能な核酸を有する
    1つまたはそれ以上の同一のまたは異なった固定化された核酸 (b)スプライシング反応を検出するための少なくとも1つのゲル無し検出系、
    適切な場合には (c)スプライシング成分を含む少なくとも1つの組成物、および好ましくは (d)好適な検出プローブ、および、適切な場合には (e)さらなる補助物、 を含む試験系。
  2. 【請求項2】 該スプライシング可能な核酸が、少なくとも1つのイントロ
    ンにより分離されている少なくとも2つのエキソンを含む請求項1に記載の試験
    系。
  3. 【請求項3】 該ゲル無し検出系が少なくとも1つのプローブを含む請求項
    1または2に記載の試験系。
  4. 【請求項4】 該プローブが、該スプライシング可能な核酸に相補的な核酸
    、該スプライシング可能な核酸を結合させる低分子量化合物および/または該ス
    プライシング可能な核酸を結合させるペプチド若しくはタンパク質である請求項
    3に記載の試験系。
  5. 【請求項5】 該低分子量化合物が、テオフィリン、キサンチンまたはアミ
    ノグリコシド、好ましくはトブラマイシンから成る群より選択され、該核酸結合
    ペプチドまたはタンパク質が、鉄応答配列結合タンパク質IBPである請求項4
    に記載の試験系。
  6. 【請求項6】 該相補的な核酸が、少なくとも1つのイントロン、少なくと
    も1つのエキソンおよび/または少なくとも1つのエキソン/イントロン移行部
    位に相補的である請求項4に記載の試験系。
  7. 【請求項7】 該ゲル無し検出系の該スプライシング可能な核酸または該相
    補的な核酸が、核酸結合低分子量化合物および/または核酸結合ペプチド若しく
    はタンパク質に対する認識配列を含む請求項3〜6の任意の項に記載の試験系。
  8. 【請求項8】 核酸結合低分子量化合物に対する該認識配列がアプタマー配
    列である請求項7に記載の試験系。
  9. 【請求項9】 該ゲル無し検出系が標識を含む請求項1〜8の任意の項に記
    載の試験系。
  10. 【請求項10】 該標識が、放射性標識、蛍光色素標識、ビオチン標識、ジ
    ゴキシゲニン標識および/または抗体標識である請求項9に記載の試験系。
  11. 【請求項11】 該スプライシング可能な核酸および該プローブ結合核酸配
    列が互いに結合している請求項3〜8の任意の項に記載の試験系。
  12. 【請求項12】 少なくとも2つの異なるプローブ結合核酸配列がスプライ
    シング可能な核酸に結合する請求項11に記載の試験系。
  13. 【請求項13】 該核酸が、直接的に共有結合で、または構造要素および構
    造要素の結合相手を介して間接的に、またはハイブリダイゼーションにより固相
    に結合する請求項1〜12の任意の項に記載の試験系。
  14. 【請求項14】 該直接的な共有結合が、該核酸のリボース骨格の隣位2’
    ,3’−ヒドロキシル基を介してなされる請求項11に記載の試験系。
  15. 【請求項15】 該構造要素がビオチンリンカーまたはジカルボン酸リンカ
    ーである請求項13に記載の試験系。
  16. 【請求項16】 該結合相手が、テオフィリン、キサンチンまたはアミノグ
    リコシド、好ましくはトブラマイシン、および/または核酸結合タンパク質、特
    にIBPである請求項13に記載の試験系。
  17. 【請求項17】 該固相が、セラミック、金属、特に貴金属、ガラスまたは
    プラスチックから成る群より選択される請求項13〜16の任意の項に記載の試
    験系。
  18. 【請求項18】 少なくとも1つの核酸がRNAである請求項1〜17の任
    意の項に記載の試験系。
  19. 【請求項19】 該RNAが下記式の配列: 【化1】 ここで、(Th/To)は、 AAGTGATACC AGCATCGTCT TGATGCCCTT GGCAGCACTT GAATT(Th)または GGCTTAGTAT AGCGAGGTTT AGCTACACTC GTGCTGAGCC GAATT(To)から選択される
    配列である、 から選択される核酸に由来する請求項18に記載の試験系。
  20. 【請求項20】 特徴(c)の該組成物が、低分子リボ核タンパク質粒子(
    snRNP)成分および非snRNP成分を含む請求項1〜19の任意の項に記
    載の試験系。
  21. 【請求項21】 該snRNP成分が、U1、U2、U4、U5および/ま
    たはU6タンパク質を含む請求項20に記載の試験系。
  22. 【請求項22】 特徴(c)の該組成物が、細胞抽出物、特に真核生物細胞
    抽出物または核抽出物である請求項1〜21の任意の項に記載の試験系。
  23. 【請求項23】 該核抽出物が、動物細胞、特に哺乳動物細胞から、または
    真菌、特に酵母から得られる請求項22に記載の試験系。
  24. 【請求項24】 特徴(d)の該さらなる補助物が、緩衝液、安定化剤およ
    び/またはエネルギー等価物、特にATPから選択される請求項1〜23の任意
    の項に記載の試験系。
  25. 【請求項25】 請求項1〜24の任意の項に記載の試験系を調製するため
    の方法であって、特徴(a)に記載の少なくとも1つのスプライシング可能な核
    酸、および特徴(b)に記載の少なくとも1つのゲル無し検出系、さらに、適切
    な場合には、特徴(c)に記載のスプライシング成分を含む少なくとも1つの組
    成物、および、適切な場合には、さらなる補助物を組み合わせること、を含む方
    法。
  26. 【請求項26】 活性物質を発見するための方法であって、 (a)1つまたはそれ以上の同一のまたは異なった固定化された核酸を、少な
    くとも1つのスプライシング可能な核酸配列とともに、少なくとも1つの試験さ
    れるべき物質およびスプライシング成分を含む少なくとも1つの組成物、および
    適切な場合には、さらなる補助物の存在下で、好適な条件下でインキュベートし
    、および (b)ゲル無し検出系によって形成されたスプライシング産物を検出する、 ことを含む方法。
  27. 【請求項27】 該活性物質が、医薬的に活性な化合物、殺真菌薬、除草剤
    、農薬および/または殺虫剤である請求項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】 該医薬的に活性な物質が抗生物質である請求項27に記載
    の方法。
  29. 【請求項29】 該試験されるべき物質が、自然発生物質、自然発生物質で
    化学的に修飾された物質および/または合成物質から選択される請求項26〜2
    8の任意の項に記載の方法。
  30. 【請求項30】 該試験されるべき物質が組み合わせ物質ライブラリーの形
    で使用される請求項29に記載の方法。
  31. 【請求項31】 障害を診断するための方法であって、 (a)1つまたはそれ以上の同一のまたは異なった固定化された核酸を、少な
    くとも1つのスプライシング可能な核酸配列とともに、スプライシング成分を含
    む少なくとも1つの組成物、および適切な場合には、さらなる補助物の存在下で
    、好適な条件下でインキュベートし、および (b)ゲル無し検出系によって形成されたスプライシング産物を検出する、 ことを含む方法。
  32. 【請求項32】 該障害が、遺伝的障害、がんおよび/またはウイルス疾患
    である請求項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】 該障害が、グレーブス病、棘筋萎縮症、β’サラセミア、
    c−erb原癌遺伝子に関連するがん、C型肝炎感染および/またはヘルペス単
    純ウイルス感染から選択される請求項31または32に記載の方法。
  34. 【請求項34】 下記式の配列: 【化2】 ここで、(Th/To)は、 AAGTGATACC AGCATCGTCT TGATGCCCTT GGCAGCACTT GAATT(Th)または GGCTTAGTAT AGCGAGGTTT AGCTACACTC GTGCTGAGCC GAATT(To)から選択される
    配列である、 から選択される核酸に由来するRNAから選択されるスプライシング可能な核酸
  35. 【請求項35】 試験系を調製するための請求項34に記載のスプライシン
    グ可能な核酸の使用。
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