JP2002525111A - 脂質障害および炎症性疾患の診断および治療のためのatp結合カセット遺伝子およびタンパク質 - Google Patents

脂質障害および炎症性疾患の診断および治療のためのatp結合カセット遺伝子およびタンパク質

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Abstract

(57)【要約】 コレステロールに駆動される粥腫発生の過程ならびに乾癬、エリテマトーデスおよび他のような炎症性疾患に病因論的に関与しているATP結合カセット(ABC)輸送体タンパク質ファミリーに属する膜貫通タンパク質の活性の調節は、こうした疾患を治療するための治療手段を提供する。さらに、こうした粥腫発生および炎症の過程に関与するそれらのそれぞれの生化学的活性の本明細書で同定されるABC輸送体タンパク質の検出は、異脂血症(dyslipidemia)、粥状硬化症もしくは乾癬およびエリテマトーデスのような炎症性疾患の診断およびモニタリングという臨床用途のための診断手段を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) HDLにより媒介される逆コレステロール輸送は、細胞膜の完全性および泡沫
細胞形成の「保護的」機構を提供し、そして細胞のコレステロールは、循環する
HDLもしくはその前駆体分子により取り込まれる。しかしながら、逆コレステ
ロール輸送の正確な機構は現在完全に理解されてはおらず、また、細胞のコレス
テロールの流出、および細胞表面からHDLのような受容体(acceptor)粒子への
輸送の機構は未だ不明である。逆コレステロール輸送の過程においてある役割を
演じているある種の候補遺伝子産物が仮定されている[1]。アポリポタンパク
質(例えばApoA−I、ApoA−IV)、脂質輸送タンパク質(例えばCE
TP、PLTP)および酵素(例えばLCAT、LPL、HL)は、リポタンパ
ク質−リポタンパク質およびリポタンパク質−細胞の相互作用においてコレステ
ロールおよびリン脂質を交換するのに不可欠である。SR−BI[2;3]、H
B1/2[4]およびGPI結合タンパク質(例えば120kDaおよび80k
Da)[5]のような多様な原形質膜受容体、ならびに原形質膜のスフィンゴ脂
質豊富な微小ドメイン(microdomain)(小胞、いかだ(raft))が、逆コレステロ
ール輸送、およびリン脂質の交換の過程に関与していると当然意味されている。
これらの膜の微小ドメインがどのように組織化されているかは、治療の標的の同
定のため現在の目的の焦点にある。最近の研究において、肝およびステロイド生
成(steroidogenic)組織中へのHDLの取り込みのレセプターとしてのSR−B
Iの機能が立証される可能性があり、また、この過程の有効性はリン脂質環境に
高度に依存性である[2]。
【0002】 単球/マクロファージ、ならびに粥状硬化の過程に関与する他の細胞における
コレステロールおよびリン脂質の恒常性は、粥状硬化性の血管疾患の重要な決定
子である。宿主防禦におけるマクロファージの食作用機能、組織のリモデリング
、粥腫発生性リポタンパク質ならびに膜の断片もしくは他の脂質含有粒子の取り
込みおよびリソゾームの分解は、泡沫細胞形成を回避する効果的な放出機構によ
り均衡を保たれなければならない。内在性のApoEおよびCETPの合成およ
び分泌により支持されるHDL媒介性の逆コレステロール輸送は、マクロファー
ジおよび他の血管細胞から過剰のコレステロールを放出するのに効果的な機構を
提供する。
【0003】 あるいは、腸粘膜細胞による低下されたコレステロールおよびトリグリセリド
/脂肪酸の吸収、ならびに胆汁への肝細胞からの増大された脂質分泌が、血漿脂
質および粥状硬化性のリポタンパク質の濃度を低下させることができる。
【0004】 (発明の要約) マクロファージの分化、ならびにアセチル化されたLDLでのコレステロール
負荷およびその後のHDL3での脱負荷(deloading)にさらされた末梢血からのヒ
ト単球で、示差的表示方法(differential display method)を用いて新たなコレ
ステロール応答遺伝子を同定した。
【0005】 最初のスクリーニングにおいて、生物学的膜を横断する溶質の移動(transloca
tion)にATP加水分解のエネルギーを結びつけるABC(ATP結合カセット
)輸送系の迅速に増大しているファミリーの1メンバー、ABCG1(ABC8
)を、コレステロール感受性のスイッチとして同定した。ABCG1は、M−C
SF依存性の食細胞分化によりアップレギュレートされるが、しかし、発現はコ
レステロール負荷により大きく誘導され、そして、HDL3により分化依存性の
レベルにほとんど完全に妨害される。
【0006】 より詳細な分析において、37種の既に特徴づけられたABCのメンバーおよ
び8種のフラグメント配列(表2)を、分化依存性の変化およびコレステロール
感受性についてRT−PCR(直線範囲)により単球/マクロファージ細胞で分
析した。
【0007】 45種の試験されたABC輸送体遺伝子のなかで、特徴づけられたABC輸送
体の18種およびフラグメント配列に基づくABC輸送体の2種がコレステロー
ル感受性である(実施例4)。
【0008】 コレステロール感受性のABC輸送体を新たなABCの命名法に従って命名し
、そしてそれぞれ新たな呼称および古い呼称とともに表3に列挙する。
【0009】 最も感受性の遺伝子はABCG1であった。ABCG1はショウジョウバエ白
色遺伝子(drosophila white gene)のヒト相同物である。ABCG1のプロモー
ターの配列決定(実施例7)は、食細胞性の分化および脂質感受性に関連する重
要な転写因子結合部位を示す。
【0010】 コレステロールの負荷およびHDL3媒介性の脱負荷の間のマクロファージの
アンチセンス処理は、ABCG1をコレステロール輸送体として明確に同定し、
そして、コリン含有リン脂質(ホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン)の
流出もまた調節された。ノーザンおよびウェスタンブロット分析は、コレステロ
ール輸送の阻害がより低いABCG1のmRNA発現およびABCG1タンパク
質のレベルと関連するというさらなる支持を提供した(実施例5)。
【0011】 細胞膜中のABCG1は、細胞外ドメインならびにABCG1配列の他の部分
の配列相同性によってもまた支持される輸送機能(例えばLRP−LDLレセプ
ター関連タンパク質)もしくはシグナル伝達および接着機能(例えばインテグリ
ン、インテグリン関連タンパク質)のいずれかを有する他の膜受容体との調節さ
れた機能的協同(例えば細胞の分化、活性化、コレステロールの負荷および脱負
荷)にあるという考慮すべき証拠が、エネルギー伝達実験(実施例3)から生じ
られた。例えば、ABCG1の第三の細胞外ループの領域のタンパク質配列(す
なわちアミノ酸残基580から644)は、フィブロネクチン(aa317−3
27)、インテグリンβ5(aa538−547)、RAP(aa119−12
7)、LRP(aa2874−2894)、apoB−100前駆体(aa43
28−4369)、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(aa54−78)
およびグルコース輸送体(aa371−380)と相同性を共有する。全部のコ
レステロール感受性の輸送体の配列比較が、ABC輸送体の機能および調節の一
般的成分(principle)としてこれを示す。
【0012】 他のコレステロール感受性遺伝子のなかでABCA1(ABC1)がさらに特
徴づけられた。ABCA1は、アポトーシス性の細胞のプロセシング(processin
g)にもまた関与するIL−1β輸送体としてマウスで同定された。われわれは、
ABCA1がABCG1と同一の調節に従うことを、新たに検出されたヒトAB
CA1のcDNA配列(実施例6)に基づき、RT−PCR(表2)およびノー
ザン分析による確認によりここで示す。
【0013】 さらに、ABCA1ノックアウトマウス(ABCA1−/−)は、大きく低下
されたレベルの血清の脂質およびリポタンパク質を示す。ABCA1−/−マウ
スにおける小腸の粘膜細胞でのABCA1の発現、および変えられたリポタンパ
ク質代謝は、ABCA1が脂質の腸吸収およびリンパ系への移動で大きな役割を
演じているという結論を可能にする。
【0014】 マクロファージのコレステロールの恒常性に影響を及ぼす遺伝子欠損の分析は
、調節不全にされた(dysregulated)ABCA1を、HDL欠乏症候群(タンジア
ー病)に関与する遺伝子座として同定した。この疾患は高トリグリセリド血症お
よび脾腫を伴う。
【0015】 冠動脈心疾患および乾癬の早期発症に関連する、別の今までのところ記述され
ていないHDL欠乏症候群は、第17染色体に関連するABC配列(ABCC4
(MRP3);ABCC3(MRP3);ABCA5(フラグメント90625
);ABCA6(フラグメント155051):17q21−24)の調節不全
(dysregulation)を示した。これは、第17染色体での乾癬の予測された遺伝子
座との関連を指摘する。
【0016】 最近配列決定されたヒトABC輸送体(ABCA8、実施例9)はABCA1
との高度の相同性を示し、そしてまたコレステロール感受性のABC輸送体の群
に属する。
【0017】 ABCC5(MRP5、sMRP)はMRPサブファミリーの1メンバーであ
り、このサブファミリーのなかで、ABCC2(MRP2、cMOAT)が、ビ
リルビングルコロニド分泌に関与し[9]かつデュービン−ジョンソン症候群(
軽症の慢性抱合型高ビリルビン血症を伴う障害)の遺伝子座として同定される[
10]肝細胞小管膜輸送体として特徴づけられた。
【0018】 さらに、IL−1βの輸送体としてのABCA1の同定は、リウマチ性関節炎
および敗血症ショックを包含する炎症性疾患の治療のための候補遺伝子としてこ
の遺伝子を同定する。サイトカインIL−1βは、これらの疾患の病原論に関係
している広範に作用する前炎症(proinflammatory)メディエイターである。
【0019】 さらに、われわれは、IL−1β分泌の阻害剤としてのグリブリドがプロIL
−1βのカスパーゼI(Caspase I)媒介性のプロセシングおよび成熟
IL−1βの放出を阻害するのみならず、しかし、同時に、中性のスフィンゴミ
エリナーゼにより媒介されるスフィンゴミエリンからのセラミド形成を阻害しか
つそれによりヒト線維芽細胞をG2期の細胞周期の停止から解放することを立証
することができた。これらのデータは、シグナル伝達および細胞の脂質代謝にお
けるABCA1の機能を暗示するさらなる機構を提供する。
【0020】 抗リン脂質症候群(例えばエリテマトーデス)を伴う自己免疫障害は、B細胞
およびT細胞の機能の調節不全、異常な抗原プロセシング、もしくは膜のリン脂
質の非対称の分布の逸脱に関連付けることができる。ABC輸送体は、それらの
輸送機能のほかにも、生物学的膜のリン脂質の非対称性(外側小葉(leaflet):
PC+SPM;内側小葉:PS+PE)を調節するリン脂質トランスロカーゼ(t
ranslocase)、フロッパーゼ(floppase)およびスクランブラーゼ(scramblase)の
候補遺伝子である[11]。分析されたABC輸送体の調節不全の考慮すべき証
拠が患者の細胞に存在する。われわれは、これらのABCカセットはエリテマト
ーデスのような抗リン脂質症候群の遺伝的基礎の候補遺伝子でもまたあると結論
している。
【0021】 要約すれば、ABC遺伝子ABCG1、ABCA1、および本明細書で特定さ
れるような他のコレステロール感受性のABC遺伝子は、診断および治療の用途
、ならびに脂質障害、粥状硬化症もしくは他の炎症性疾患の治療に使用すること
ができる薬理学的有効成分についてスクリーニングするための生化学的もしくは
細胞に基づくアッセイに使用することができる。従って、脂質障害、粥状硬化症
もしくは他の炎症性疾患の治療に使用することができる薬理学的有効成分につい
てスクリーニングするためのアッセイを提供することが、本発明の一目的である
。さらに、本発明は、これらの遺伝子および遺伝子産物のモジュレーターを同定
するためのツールを提供する。脂質障害、粥状硬化症もしくは他の炎症性疾患の
治療、または脂質障害、粥状硬化症もしくは他の炎症性疾患の治療のための医薬
の製造にこれらのモジュレーターを使用することができる。該医薬は該モジュレ
ーターのほかにも許容できかつ有用な製薬学的担体を含んで成る。 略語 aa アミノ酸 ABC ATP結合カセット ABCA# ATP結合カセットサブファミリーA(ABC1)、メンバー#
ABCB# ATP結合カセットサブファミリーB(MDR/TAP)、メン
バー# ABCC# ATP結合カセットサブファミリーC(CFTR/MRP)、メ
ンバー# ABCD# ATP結合カセットサブファミリーD(ALD)、メンバー# ABCE# ATP結合カセットサブファミリーE(OABP)、メンバー# ABCF# ATP結合カセットサブファミリーF(GCN20)、メンバー
# ABCG# ATP結合カセットサブファミリーG(WHITE)、メンバー
# ABCR ヒト(Homo sapiens)腹膜(rim)ABC輸送体 AcLDL アセチル化されたLDL ADP1 ATP依存性パーミアーゼ(permease) ALDP 副腎脳白質ジストロフィータンパク質 ALDR 副腎脳白質ジストロフィー関連タンパク質 ApoA アポリポタンパク質A ApoE アポリポタンパク質E ARA アントラサイクリン耐性関連タンパク質 AS アンチセンス ATP アデノシン三リン酸 CETP コレステリルエステル輸送タンパク質 CFTR 嚢胞性線維症膜貫通伝導度調節物質 CGT セラミドグルコキシルトランスフェラーゼ CH コレステロール cMOAT 小管多特異性有機陰イオン輸送体 dsRNA 二本鎖RNA Fragment 遺伝子(Gen)フラグメント FABP 原形質膜脂肪酸結合タンパク質 FACS 蛍光標示式細胞分取器 FATP 細胞内脂肪酸結合タンパク質 FCS ウシ胎児血清 FFA 遊離脂肪酸 GAPDH グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素 GCN20 転写開始因子2のαサブユニットをホスホリル化するタンパク質
キナーゼ GPI グリコシルホスファチジルイノシトール HaCaT ケラチノサイト細胞系 HDL 高密度リポタンパク質 HL 肝リパーゼ HlyB ヘモリシン移動体(translocator)タンパク質B HMT1 酵母重金属耐性タンパク質 HPTLC 高性能薄層クロマトグラフィー IL インターロイキン LCAT レシチン:コレステロールアシルトランスフェラーゼ LDL 低密度リポタンパク質 LPL リポタンパク質リパーゼ LRP LDLレセプター関連タンパク質 MDR 多剤耐性 MRP 多剤耐性関連タンパク質 PC ホスファチジルコリン PE ホスファチジルエタノールアミン PL リン脂質 PLTP リン脂質輸送タンパク質 PMP ペルオキシソーム膜タンパク質 PS ホスファチジルセリン RNA リボ核酸 RT−PCR 逆転写ポリメラーゼ連鎖反応 SDS ドデシル硫酸ナトリウム SL スフィンゴ脂質 sMRP 小型の形態のMRP SPM スフィンゴミエリン SR−BI スカベンジャー受容体BI SUR スルホニル尿素レセプター TAP 抗原ペプチド輸送体 TG トリグリセリド TSAP TNF−α刺激されたABCタンパク質 UTR 非翻訳領域
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】 表の記述: 表1: ヒト組織中のABCG1(ABC8)、ABCA1(ABC1)およびABCA
8のRNA転写物のレベルを、複数の組織のドットブロット(ヒトRNAマスタ
ーブロット(Human RNA MasterBlot)、クロンテック ラ
ボラトリーズ インク(Clontech Laboratories,Inc
.)、米国カリフォルニア州)のノーザンブロット分析により決定した。異なる
数の黒丸により発現の相対量を示す。 表2: 単球、単球由来マクロファージ(50ng/mlのM−CSFを含有する血清を
含まないマクロファージ−SFM(Macrophage−SFM)培地中で3
日培養された単球)、AcLDLでインキュベートされた単球(100μg/m
lを用いて3日)次いでHDL3(100μg/ml)でインキュベートされた
単球におけるABC輸送体の発現パターンを示す。発現された遺伝子を半定量的
PCRによりコレステロール感受性について試験する。 既知のABC輸送体について、染色***置および輸送される分子もまた提示する
。 表3: ABC輸送体と関連する障害を示す。染色***置およびOMIN(ヒトにおける
オンラインのメンデル遺伝(Online Mendelian Inheri
tance in Man))の関連する受け入れ番号を示す。 表4: 分化の間のHaCaTケラチノサイト細胞におけるABC輸送体の発現
【0027】
【表5】
【0028】
【表6】
【0029】
【表7】
【0030】
【表8】
【0031】
【表9】
【0032】
【表10】
【0033】
【表11】
【0034】
【表12】
【0035】 特定の態様の記述 ヒト単球由来のマクロファージのコレステロールの負荷および脱負荷の間の候補
遺伝子の同定 コレステロールの負荷および/もしくは脱負荷に関与する遺伝子を発見するた
めに、インビトロアッセイを計画した。とりわけ、コレステロールにより導き出
されるヒト血液由来の単球およびマクロファージにおける遺伝子発現、ならびに
その生理学的輸送の構成(formulation)(すなわち、AcLDLのような多様な
低密度リポタンパク質(LDL)粒子種)を研究した。
【0036】 AcLDL(培地1mlあたり100μgタンパク質)で補充された、M−C
SFを含有するがしかし血清を含まないマクロファージ培地中で、水簸されたヒ
ト単球を3日間培養し、次いで、HDL3(培地1mlあたり100μgタンパ
ク質)によりAcLDLを置き換えて12時間コレステロールを枯渇させた。コ
レステロールの負荷/脱負荷により調節される、新たな候補遺伝子についての示
差的表示スクリーニングを実施した(実施例1)。 新たなコレステロール感受性遺伝子の同定 ABCG1(ABC8)を新規コレステロール感受性遺伝子として発見した。
ABCG1はATP結合カセット(ABC)輸送体遺伝子ファミリーに属する。
ABCG1はショウジョウバエ白色遺伝子のヒト類似物として最近発表された[
6−8]。
【0037】 該遺伝子は、ノーザンブロットにより確認されるとおり(実施例2)、AcL
DL媒介性のコレステロールの負荷により強くアップレギュレートされ、また、
HDL3媒介性のコレステロールの脱負荷によりほとんど完全にダウンレギュレ
ートされる。末梢血の発端者から得られたヒト単球由来マクロファージからのm
RNAのノーザンブロット分析は、AcLDLとのインキュベーションに際して
のABCG1のmRNA形成のアップレギュレーションを明確に示す。鮮明に対
照的に、こうしたマクロファージでのABCG1のmRNA発現は、HDL3
有培地でのインキュベーションに際して減少した。 前分化の4日後のコレステロールが負荷および脱負荷された細胞におけるABC
G1発現 効果的なコレステロール負荷のためには、単球は食作用のあるマクロファージ
様細胞に分化しなければならない。この期間の間に、スカベンジャー受容体がア
ップレギュレートされ、そしてAcLDLの取り込みを促進し、コレステリルエ
ステルの蓄積につながる。われわれは、コレステリルエステルの蓄積を示すため
、4日の前インキュベーション期間の後に、細胞をAcLDL(100μg/m
l)とともに1、2および3日間インキュベートした。われわれは、負荷の2日
後に、細胞をそれぞれ12時間、24時間および48時間HDL3で脱負荷した
。ABCG1は、AcLDL負荷期間の間、時間依存性にアップレギュレートさ
れ、そして、HDL3脱負荷によりダウンレギュレートされる(実施例2および
3)。ヒト単球由来のマクロファージでのAcLDL攻撃後のABCG1のmR
NA発現の時間依存性の増大を確認するために、ABCG1のmRNA定量のた
めのノーザンブロット分析を行い、マクロファージからのRNAサンプルを対照
として第0日および第4日に収穫し、そしてマクロファージのAcLDL処理(
第4日に開始した)後1、2、および3日にmRNAサンプルを採取した。ノー
ザンブロット分析により、マクロファージのABCG1のmRNAの含有量の劇
的な増大を第5日から第7日まで検出することができた。
【0038】 この調節は細胞のコレステリルエステル含有量の変化と同一のパターンを示す
(実施例3)。コレステロールエステルの蓄積は、単球由来マクロファージにお
いて、第4日の細胞タンパク質1mgあたり5nmolより低い基礎レベルから
第7日(すなわちAcLDL適用後3日)の細胞タンパク質1mgあたり120
nmolまで、AcLDL刺激に際して開始する。 組織発現 ABCG1は、コレステロール負荷されたマクロファージのほかにも、脳、脾
、肺、胎盤、副腎、胸腺および胎児組織中で顕著に発現される(表1)。 染色***置ならびに関連する遺伝子および疾患 ABCG1遺伝子はヒト染色体21q 22.3に位置する。この領域21q
22.3には以下の遺伝子、すなわちインテグリンβ2(CD18)、脳特異
的ポリペプチド19、ダウン症候群細胞接着分子、dsRNA特異的アデノシン
デアミナーゼ、シスタチオニンβ合成酵素、コラーゲンVI α−2,コラーゲ
ンXVIII α−1、常染色体劣性難聴およびアミロイドβ前駆体もまた配置
される。
【0039】 この染色体領域は、ダウン症候群、常染色体優性双極性感情病、および常染色
体劣性非症候性難聴に関与する他の領域に非常に接近している。 抗体生成のためのABCG1(ABC8)の細胞外ループ ABCG1の疎水性膜貫通領域の推定構造は、6個の膜貫通スパンニングドメ
イン(transmembrane spanning domain)および3個の細胞外ループ(それらの2
個はそれぞれ9および8アミノ酸長である一方、第三のものは66アミノ酸長で
ある)を示す。
【0040】 2個の細胞内ループのより大きいものは30アミノ酸より成る。他の遺伝子と
の第三の細胞外ループ(IIIex)の相同性についてのタンパク質データベー
スでの類似性の調査は、フィブロネクチン、インテグリンβ5、RAP、LRP
(LDLレセプター関連タンパク質)アポリポタンパク質B100前駆体タンパ
ク質、グルタチオンS−トランスフェラーゼおよびグルコース輸送体の同定をも
たらした。
【0041】 フローサイトメトリー分析、エネルギー伝達実験およびウェスタンブロッティ
ングを実施するために、ABCG1の第三の細胞外ループ(IIIex)に対す
るポリクローナル抗血清を生成させた(実施例3を参照されたい)。ABCG1
のアミノ酸配列において、第三の細胞外ループ(IIIex)はアミノ酸580
から644までの66アミノ酸を含んで成る。抗体生成のためのペプチドフラグ
メントは、ABCG1のポリペプチドのアミノ酸残基613から628を含んで
成る。ABCG1は、明らかに、内在性の配列モチーフ、ならびにABCG1の
機能および調節の基礎として輸送(例えばLRP、RAP)、シグナル伝達およ
び接着(例えばインテグリン、インテグリン関連タンパク質)に関与する他の膜
受容体と相互作用する。さらに、表3に列挙された全部のABC輸送体の配列の
比較は、遺伝子ファミリー全体の一般的本質としての他の膜受容体との機能的協
同を示す。 サブファミリー分析 ABC輸送体ファミリー全体を用いた進化の関係の研究は、ABCG1(AB
C8)がABCG2(est157481)と一緒に1個のサブファミリーを形
成し、また、このサブファミリーが完全な大きさの輸送体ABCA1(ABC1
)、ABCA2(ABC2)、ABCA3(ABC3)、ABCA4(ABCR
)および半分の大きさの輸送体ABCF1(TSAP)に緊密に関連しているこ
とを示した。
【0042】 アリクメッツ(Allikmets)らによる最近の研究は、21個の新たな
遺伝子を、発現された配列標識のデータベースの検索によりABC輸送体と同定
した[13]。 ABC輸送体ファミリーの全般的記述 ATP結合カセット(ABC)輸送体スーパーファミリーは、既知の最も機能
的に多様なタンパク質のいくつかを含有する。ABCファミリー(トラフィック
ATPアーゼ(traffic ATP-ase)ともまた呼ばれる)のメンバーの大部分は、A
TP依存性の活性の輸送体として機能する(表3)。典型的な機能ユニットは、
一対のATP結合ドメインおよび1組の膜貫通(TM)ドメインより成る。TM
ドメインが輸送される分子の型に対する特異性を決定し、また、ATP結合ドメ
インが膜を通って分子を動かすためのエネルギーを供給する[14;15]。多
様なABC輸送体により取り扱われる基質の種類は多数であり、そしてイオンか
らペプチドまでの範囲にわたる。特異的な輸送体は、栄養素、内在性毒素、異物
、ペプチド、アミノ酸、糖、有機/無機イオン、ビタミン、ステロイドホルモン
および薬物について見出される[16;17]。 ABC輸送体に関連する疾患 ヒトの疾患遺伝子についての検索(表3)は、多数の以前に発見されていなか
ったABCタンパク質を提供した[16]。ABC輸送体中の突然変異により引
き起こされる最良に特徴づけられた疾患は嚢胞性線維症である(ABCC7(C
FTR))。副腎脳白質ジストロフィーおよびツェルヴェーガー症候群のような
ペルオキシソームの代謝の遺伝性障害もまたABC輸送体中の変化を示す。それ
らは、非常に長鎖の脂肪酸の代謝に必要なペルオキシソームのβ酸化に関与して
いる[18]。 ABCG1に対するアンチセンスはHDL3へのコレステロールの流出を阻害す
る ABCG1はコレステロール感受性の遺伝子であり、また、他のABC輸送体
はある種の脂質輸送過程に関与していることが既知であるため、ABCG1がコ
レステロール、リン脂質、脂肪酸もしくはグリセロールの輸送においてある役割
を演じているのかどうかという疑問が生じる。従って、脂質の負荷および脱負荷
に対するABCG1の影響を試験するためのアンチセンス実験を実施した。特異
的アンチセンスオリゴヌクレオチドでのABCG1の阻害は、HDL3へのコレ
ステロールおよびホスファチジルコリンの流出を減少させた(実施例5)。 他のコレステロール感受性のABC輸送体 ヒトABCA1(ABC1)のクローニングおよび配列決定は、コレステロー
ル感受性および組織分布についてABCA1を特徴づける情報を提供した(実施
例6)。別のコレステロール感受性のヒトABC輸送体(ABCA8)がクロー
ン化されかつ配列決定されている(実施例8)。 ABCG1プロモーター領域の特徴づけ ABCG1プロモーターは、食作用をもつマクロファージへの単球の分化に関
与している転写因子に特徴的な結合部位を有する。ABCG1の発現のコレステ
ロール感受性は、食作用の分化に関連する転写因子のパターンにより表される(
実施例7)。
【0043】 実施例 実施例1 コレステロール負荷および脱負荷の候補遺伝子の同定 単球の単離および細胞培養 単球は白血球搬出により健康な正常血液脂質の(normolipidemic)志願者の末梢
血から得、そして向流水簸法(counterflow elutriation)により精製した。単離
された単球の純度はFACS分析により示されるとおり95%より大きかった。
10×106個の単球を、5%CO2、95%空気の雰囲気で維持された加湿され
た37℃のインキュベーター中で12時間、マクロファージ培地中血清を含まな
い条件下で100mm2直径の細胞培養皿中に植え付けた。12時間後に、50
ng/mlのヒト組換えM−CSFで補充された新鮮なマクロファージ培地によ
り、接着されない細胞を含有する培地を置き換えた(この培地はいかなるさらな
るインキュベーションに対しても標準培地である)。 リポタンパク質の単離およびAcLDLの調製 70Tiローターを装備されたベックマン(Beckman)L−70超遠心
分離器中、4℃で、標準的な連続超遠心分離法により、健康な志願者ドナーから
のヒト血漿からリポタンパク質を調製し、LDL(d=1.006ないし1.0
63g/ml)およびHDL3(d=1.125ないし1.21g/ml)を得
た。全部の密度を固体のKBrで調整した。5mM EDTAを含有するリン酸
緩衝生理的食塩水(PBS)を用いてリポタンパク質画分を徹底的に透析する。
最終透析段階は、EDTAの非存在下に0.15mol/L NaCl中でであ
った。0.45μm(孔径)の滅菌フィルター(ザルトリウス(Sartori
us))を通す濾過によりリポタンパク質を滅菌にした。
【0044】 無水酢酸の反復された添加によりLDLをアセチル化し、次いでPBSに対し
て透析した[19]。修飾されたLDLはアガロースゲル電気泳動で高められた
移動度を示した。 AcLDLおよびHDL3での単球−マクロファージのインキュベーション 12時間の前インキュベーション後に、1mlあたり100μgタンパク質の
AcLDL存在もしくは非存在(対照)下で細胞をさらなる3日間、培地中で成
長させた。その後、インキュベーション培地を新鮮な培地で置き換え、そして、
HDL3(100μg/ml)の添加を伴いもしくは伴わずに別の12時間イン
キュベートした。 示差的表示 記述されたようなコレステロールの負荷/脱負荷により調節されている新たな
候補遺伝子について示差的表示スクリーニングを実施した[20;21]。簡潔
には、多様なインキュベーションで単球から単離された全RNA0.2μgを、
商業的に入手可能なキット(ジーンアンプ(GeneAmp)RNA PCRコ
アキット、パーキン エルマー(Perkin Elmer)、ドイツ)を使用
して、特異的に固定されたオリゴdTプライマーを用いて逆転写した。使用され
たオリゴdTプライマーは、あるサブセットのmRNAが逆転写されるように、
最後から2番目の位置(3’端)の不変のAおよび最後の位置のA、C、Gもし
くはTより成るそれらの3’端の2個の追加のヌクレオチドを有した。ここで、
13merのオリゴdT(T101:5’T11AG−2’)を2.5μM濃度
で20μlの反応で使用した。2.5単位のTAQ DNAポリメラーゼおよび
1.25mMのMgCl2を使用し、それぞれ2.5μMの同一のオリゴdTお
よび自由裁量の10merの上流プライマー(D20 5’−GATCAATC
GC−3’)を使用する20μlのPCR反応中で、cDNAの10分の1を増
幅した。増幅は、最後の周期の後に72℃での5分の伸長を伴う、94℃で30
秒間の変性、41℃で1分間のアニーリング、および72℃で30秒間の伸長を
伴う40周期であった。全部のPCR反応はパーキン エルマー(Perkin
Elmer)9600サーモサイクラー(パーキン エルマー(Perkin
Elmer)、ドイツ)中で実施した。マルチフォール(Multiphor
)II電気泳動装置(ファルマシア(Pharmacia)、ドイツ)を使用す
る非変性条件下で、5%スタッキングゲルを伴う既成の(ready to use)10%ポ
リアクリルアミドゲル(クリーンゲル(CleanGel)ラージ(Large
)−10/40 ETC、ドイツ)でPCR産物を分離した。DNAフラグメン
トは既に記述された[22]とおりゲルの銀染色により可視化した。 示差的に発現されたcDNAのクローニングおよび配列決定 目的のcDNAのバンドをゲルから切り取り、そしてゲル薄片を20μlの水
中で10分間沸騰させることによりDNAを単離した。20μl体積中での後に
続くPCR反応に4μlのアリコートを使用した。最終のdNTP濃度がそれぞ
れ1Mmであったことを除いて、上と同一のプライマーの組およびPCR条件を
使用してcDNAを再増幅した。再増幅されたcDNAを、ABCC8(SUR
)eクローンキット(eClone−Kit)(ファルマシア(Pharmac
ia))を使用してpUC18ベクター中にクローン化し、オートリード(Au
toRead)配列決定キット(ファルマシア(Pharmacia)、ドイツ
)を使用して自動蛍光DNAシークェンサーで配列決定し、そしてノーザンブロ
ット分析のプローブとして使用した[23]。
【0045】 実施例2 3日のAcLDLインキュベーション、次いで12時間のHDL3インキュベー
ション後の単球およびマクロファージのノーザンブロット分析 水簸された単球を2.5日間AcLDL(培地1mlあたり100μg)とと
もにインキュベートするか、もしくは、対照としてAcLDLの添加を伴わずに
同一時間の間分化させた。ABCG1(ABC8)の発現は、AcLDLインキ
ュベーションで、分化された単球においてよりも4倍より強くアップレギュレー
トされる。AcLDLインキュベーション期間の後に細胞を洗浄し、そして、次
の12時間HDL3とともに、もしくは対照として培地単独とともにインキュベ
ートした。ABCG1の発現は、ノーザンブロットにより確認されるとおり、H
DL3インキュベーションによりほとんど完全にダウンレギュレートされ、また
、対照のインキュベーションでは穏やかにのみ減少される。効果的なコレステロ
ール負荷のためには、単球がマクロファージ様細胞に分化しなければならない。
この期間の間に、スカベンジャー受容体がアップレギュレートされ、そしてAc
LDLの取り込みを促進し、コレステリルエステルの蓄積につながる。われわれ
は、AcLDL依存性のコレステロール負荷に先立ち細胞を分化させるために、
細胞を標準培地中で4日間培養した。第4日に細胞を洗浄し、そして、細胞をコ
レステロールで負荷するため、AcLDL(培地1mlあたり100μg)とと
もに、もしくは対照としてAcLDLの非存在下で、さらなる1、2および3日
間インキュベートした。各時間点で細胞を0.1%SDSで溶解し、そして材料
および方法で記述されるとおり脂質を抽出し、また、細胞のコレステリルエステ
ルをHPTLC分離により測定した。細胞はAcLDL負荷3日後に細胞タンパ
ク質1mgあたり120nmolまで時間依存性に負荷された一方、負荷されな
い細胞では、コレステリルエステルの蓄積は観察できなかった。
【0046】 HDL3依存性および非依存性のコレステロールの流出を識別するため、14
−コレステロール(培地1mlあたり1.5μCi)の共インキュベーションを
用いて細胞にAcLDL(100μg/ml)を3日間適用した。細胞を洗浄し
、そしてHDL3(100μg/ml)でそれぞれ12時間、24時間および4
8時間脱負荷した。対照として、細胞を外因性の脂質受容体の添加を伴わずにイ
ンキュベートした。追跡期間後に、材料および方法で記述されたとおり、液体シ
ンチレーションにより培地および細胞中で14C−コレステロールの含有量を測定
した。コレステロールの流出は、総DPM(細胞および培地中のカウント)の細
胞DPMのパーセントで表現する。HDL3を用いると、流出は内在性脂質受容
体としてのHDL3の添加を伴わない流出よりもより速くかつより強い。12時
間後、細胞のコレステロール含有量は、HDL3依存性の脱負荷を伴い68%に
、また、HDL3非依存性の脱負荷で86%に低下した。48時間後、負荷され
14C−コレステロールの35%のみがHDL3で処理された細胞で観察された
。対照的に、負荷された14C−コレステロールの70%が未処理の細胞で見出さ
れた。
【0047】 AcLDLが適用された細胞においては、ABCG1のRNA発現がアップレ
ギュレートされている一方、AcLDLで負荷されなかった細胞ではアップレギ
ュレーションは出現しない。AcLDLで2日間負荷された細胞は、HDL3
12、24および48時間(12h;24h;48h)、ならびに外因性脂質受
容体の非存在下で脱負荷された。RNA発現は、再度、HDL3で処理された細
胞で、いかなる外因性脂質受容体も伴わず処理された細胞でよりもより強くダウ
ンレギュレートされる。 材料: マクロファージ培地(マクロファージ−SFM)は、ドイツのギブコ ライフ
テクノロジーズ(Gibco Life Technologies)から得
た。ヒト組換えM−CSFはドイツのジェンザイム ディアグノスティックス(
Genzyme Diagnostics)から得、また、アンチセンスホスホ
ロチオエートオリゴヌクレオチドはドイツのバイオグノスティックス(Biog
nostics)により供給された。全部の他の化学物質はシグマ(Sigma
)から購入した。ナイロンメンブレンおよび32P−dCTPはドイツのアマーシ
ャム(Amersham)から、14C−コレステロールおよび3H−コリン塩化
物はドイツのNENから得、そして細胞培養皿はドイツのベクトン ディッキン
ソン(Becton Dickinson)である。 全RNAの単離およびノーザンブロッティング 各時間点(それぞれAcLDLインキュベーションの前および後、ならびにH
DL3インキュベーション後)で全RNAを単離した。洗浄された細胞をグアニ
ジンイソチオシアナート中で可溶化し、次いで塩化セシウムにより抽出物を沈降
させた[24]。ノーザン分析には、6%ホルムアルデヒドを含有する1.2%
アガロースゲル中での電気泳動により1レーンあたり10μgの全RNAサンプ
ルを分画し、そしてナイロンメンブレン(シュライヒャー アンド シュル(S
chleicher & Schuell)、ドイツ)にブロッティングした。
UV照射(ストラタリンカー(Stratalinker)モデル1800、ス
トラタジーン(Stratagene)、米国)で架橋した後に、メンブレンを
ABCG1(ABC8)についてのcDNAプローブでハイブリダイズさせた。
ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件はメンブレンの製造元により推奨された
とおり実施した。
【0048】 実施例3 コレステロールの負荷および脱負荷後の単球およびマクロファージのウェスタン
ブロット分析 ABCG1(ABC8)のタンパク質発現は、AcLDLで負荷された単球由
来マクロファージでアップレギュレートされ、また、HDL3で脱負荷された単
球由来マクロファージでダウンレギュレートされる。SDS−PAGEの各レー
ンについて40μgの全タンパク質を用いて、材料および方法で記述されるよう
なABCG1に対するペプチド抗体を用いるウェスタンブロッティングを実施す
る。新しく単離された単球(第0日)および分化された単球(第4日)でABC
G1のタンパク質発現が示される。第4日から第7日まで(5d;6d;7d)
、単球由来マクロファージを、AcLDLを用いてもしくは対照としてAcLD
Lを用いずに負荷した。第6日(6d)からのAcLDLで負荷された細胞を、
HDL3を用いて12、24および48時間、ならびに外因性に添加されるHD
L脂質受容体を伴わずに脱負荷した。AcLDLはタンパク質発現を増加させる
一方、HDL3は発現を再度正常レベルに低下させる。 タンパク質の単離および測定 各時間点で、細胞を0.1%SDSで溶解し、そしてタンパク質含有量をロウ
リ(Lowry)ら[25]の方法により測定した。 ABCG1特異的抗体の生成 合成ペプチド(ピネダ会社(Fa.Pineda)、ベルリン)でのニワトリ
およびウサギの免疫感作によりABCG1特異的ペプチド抗体を生成させた。ペ
プチド配列は、アミノ酸REDLHCDIDETCHFQ(配列表の番号53を
参照されたい)を含んで成るABCG1の細胞外ドメインexIIIのアミノ酸
残基613−628から選んだ。免疫感作の58日後に、1000倍希釈された
血清および10000倍の二次ペルオキシダーゼ標識抗体を用いてウェスタンブ
ロッティングを実施した。 電気泳動および免疫ブロッティング レーンあたり40μgの全細胞タンパク質を用いてSDSポリアクリルアミド
ゲル電気泳動を実施した。タンパク質を報告されたとおりイモビロン(Immo
bilon)に転写した。電気ブロット後のゲルのクマシーブルー染色により転
写を確認した。5%脱脂粉乳中で最低2時間のブロッキングの後に、ブロットを
PBS中で15分間3回洗浄した。記述されたとおり生成された抗血清をPBS
中5%脱脂粉乳中1000希釈で使用した。ブロットを1時間インキュベートし
た。室温でPBSを用いての4回の洗浄後に、二次ペルオキシダーゼ標識ウサギ
抗ニワトリIgG抗体(10000倍希釈された、シグマ(Sigma))をP
BS中5%脱脂粉乳中で1時間インキュベートした。PBSでの2回の洗浄後に
、ECLウェスタンブロット検出系(アマーシャム インターナショナル PL
C(Amersham International PLC)、英国)を用い
て免疫複合体の検出を実施した。 蛍光共鳴エネルギー伝達: 単球を氷上で15分間特異的抗体で標識した(一方の抗体はビオチンにより標
識され、他方の抗体はフィコエリトリンにより標識される)。細胞を洗浄した後
に別の15分間、Cy5結合ストレプトアビジンとともにインキュベートした。
【0049】 細胞表面上の抗体標識されたタンパク質の間の距離を、FACScan(ベク
トン ディッキンソン(Beckton Dickinson))を用いてエネ
ルギー伝達により測定する。488nmでの単一レーザー励起後のCy5特異的
な発射は、PE結合抗体の近接に依存するCy5の間接的励起を表す。PEおよ
びCy5の標識の強度ならびに二重の(dual)レーザー励起に基づく蛍光の非特異
的重なり合いについての標準化、ならびに別個に染色された対照サンプルとの比
較の後に、相対的伝達効率を計算した。
【0050】 実施例4 ABCG1(ABC8)およびABC輸送体ファミリーの他のメンバーのコレス
テロール感受性 潜在的な第二の半分の大きさのABC輸送体を発見するために、ABCファミ
リーの他のメンバーに対するコレステロールの負荷および脱負荷の影響もまた検
討した。
【0051】 単球および単球由来のマクロファージ、ならびにコレステロールを負荷された
および脱負荷された単核食細胞で全部のヒトABC輸送体の発現パターンを検査
するためのさらなる分析を実施した。
【0052】 別個のPCRの定量的部分の発現を比較するための周期変動を伴うRT−PC
Rにより実験を実施した。ABC輸送体の発表された配列からプライマーの組を
生成した。GAPDHプライマーを用いるRT−PCRを対照として使用した。
【0053】 数種のABC輸送体もまたコレステロール感受性であり、これは、細胞の脂質
転送(trafficking)におけるABC輸送体の機能をさらに支持する(表2)。 半定量的RT−PCR 別個のPCRの定量的部分の発現を比較するための周期変動を伴うRT−PC
Rを使用して、発現のAcLDL/HDL3感受性の調節について全部の既知の
ABC輸送体を試験する。逆転写系(Reverse Transkripti
on System)(プロメガ コーポレーション(Promega,Cor
p.)米国ウィスコンシン州)を使用する40μlの逆転写反応で1μgの全R
NAを使用した。このRT反応の5μlのアリコートを50μlのPCR反応で
使用した。94℃での1.5分間の変性後に、92.3℃44秒間、60.8℃
40秒間(ある種のプライマーの組み合わせでは標準的アニーリング温度が異な
っている)、71.5℃46秒間、次いで72℃で最後の5分の伸長を用いて3
5もしくはそれより少ない周期のPCRを実施した。プライマーの組はABC輸
送体の発表された配列から生成した。GAPDHに特異的なプライマーを用いる
RT−PCRを対照として実施した。
【0054】 単球、単球由来のマクロファージ(50ng/mlのM−CSFを含有する血
清を含まないマクロファージ−SFM培地中で3日培養された単球)、AcLD
Lでインキュベートされた単球(100μg/mlで3日)次いでHDL3(1
00μg/ml)でインキュベートされた単球でのABC輸送体の発現パターン
を表2に示す。発現される遺伝子を半定量的PCRによりコレステロール感受性
について試験する。
【0055】 実施例5: アンチセンスオリゴヌクレオチド実験によるコレステロール感受性のABCG1
(ABC8)輸送体遺伝子の機能分析 コレステロールの負荷および脱負荷により調節されることを越えて、ABCG
1が脂質の負荷および脱負荷の過程に直接関与しているという疑問を取り扱うた
め、アンチセンス実験を実施した。
【0056】 多様な実験において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、HDL3へのコレ
ステロールおよびホスファチジルコリンの流出を減少させた。AcLDLでの負
荷期間の間、細胞を17種の異なるアンチセンスオリゴヌクレオチドとともに共
インキュベートした。コレステロールおよびリン脂質の流出を測定するため、負
荷期間中に、1.5μCi/mlの14C−コレステロールおよび3μCi/ml
3H−コリン塩化物を細胞に適用した。培地を交換し、そして追跡期間の間、
細胞をHDL3とともにもしくはそれを伴わずに12時間インキュベートした。
培地および細胞ライセート中の14C−コレステロールおよび3H−コリンの含有
量を測定し、また、総14C−コレステロールおよび3H−コリンの負荷のパーセ
ントで流出物を測定した。
【0057】 最も効果的なアンチセンスオリゴヌクレオチド(AS番号2)は、コレステロ
ールおよびリン脂質の流出を、対照のアンチセンス(AS対照)で処理された細
胞に関して阻害した。それぞれ16.79%(5nmolのAS)および32.
01%(10nmolのAS)のコレステロール流出の用量依存性の減少を示す
ことができた。 アンチセンスのインキュベーション ABCG1の誘導を阻害するため、AcLDLインキュベーション期間の間、
ABCG1に標的を定める3種の異なるアンチセンスオリゴヌクレオチド、もし
くは1種の混合された(scrambled)対照アンチセンスオリゴヌクレオチドで細胞
を処理した。 アンチセンスオリゴヌクレオチド処理の依存における単球からのコレステロール
およびホスファチジルコリンの流出の測定 コレステロールおよびリン脂質の流出を測定するため、AcLDLインキュベ
ーションに加えて、1.5μCi/mlの14C−コレステロールおよび3μCi
/mlの3H−コリン塩化物を細胞に適用した。培地を交換し、そして、追跡期
間中に、細胞をHDL3とともにもしくはそれを伴わずに12時間インキュベー
トした。ブライ(Bligh)とダイヤー(Dyer)[26]の方法に従って
脂質の抽出を実施した。培地および細胞ライセート中の14C−コレステロールお
よび3H−コリンの含有量を液体シンチレーション計数により測定し、また、記
述された[27]とおり、総14C−コレステロールおよび3H−コリンの負荷の
パーセントで流出物を測定した。 コンピュータ解析 ドイツ・ハイデルベルクのHUSAR:http://genius.emb
net.dkfz−heidelberg.de:8080により提供されるプ
ログラムを使用して、DNAおよびタンパク質の配列分析を実施した。
【0058】 実施例6 ヒトATP結合カセット輸送体1(ABCA1(ABC1))の完全なcDNA
配列およびABCA1のmRNA発現のコレステロール感受性の調節の評価 cDNAのクローニングおよび一次タンパク質構造 われわれは、ヒトABCA1遺伝子の完全なコーディング領域を含有する68
80bpのcDNAをクローン化した(図8)。6603bpの読み取り枠は、
220kDaの予測される分子量をもつ2201アミノ酸のタンパク質をコード
する。本タンパク質はマウスABCA1との整列においてアミノ酸レベルで94
%の同一性を表し、そして従ってヒトの真正物(ortholog)とみなすことができる
。 ABCA1のmRNA発現の組織分布 ABCA1の組織特異的発現を検査するため、50種のヒト組織からのポリA + RNAを含有する複数の組織のRNAのマスターブロットを実施した。ノーザ
ンブロット分析は全部の組織でのABCA1特異的シグナルの存在を立証する。
それは、主として、副腎、肝、肺、胎盤、およびこれまでに検査された全部の胎
児組織で顕著である(表1)。最も弱いシグナルは、腎、膵、下垂体、乳腺およ
び骨髄で見出される。 ABCA1のmRNA発現のステロールの調節 コレステロールの負荷/枯渇の間の単球/マクロファージにおけるABCA1
の調節を決定するために、ノーザンブロット分析を実施した。プライマーABC
A1 3622f(CGTCAGCACTCTGATGATGGCCTG−3’
)およびABCA1 4620r(TCTCTGCTATCTCCAACCTC
A−3’)を用いる5日分化された単球からのRNAのPCR増幅由来のクロー
ン化された1000bpのDNAフラグメントを、示差的に培養された単球のR
NAを含有するノーザンブロットにハイブリダイズさせた(図12)。レーン1
ないし5で見ることができるとおり、ABCA1のmRNAは、新しく単離され
た単球のインビトロ分化の間に第5日まで増大している。より長い培養は発現の
完全な喪失をもたらす。第4日に開始するステロール負荷を誘導するために細胞
をAcLDLの存在下でインキュベートした場合(レーン6〜8)には、対照細
胞と比較してずっとより強いmRNAの蓄積を検出することができる(レーン2
〜5)。これらの細胞をコレステロール受容体としてのHDL3とともに12時
間、24時間および48時間培養した場合(レーン9〜11)、ABCA1のシ
グナルは、DHL3の非存在下でインキュベートされた対照細胞に関して有意に
減少する(レーン12〜14)。一緒にすれば、これらの結果は、ABCA1が
、コレステロール負荷により誘導されそしてコレステロール枯渇によりダウンレ
ギュレートされるステロール感受性の遺伝子であることを示している。 細胞培養 末梢血単球を白血球搬出および向流水簸法(19JBC)により単離した。9
0%より多いCD14陽性の単核食細胞を含有する画分を得るために、細胞をプ
ールし、そして、37℃で空気中5%CO2中、多様な時間の間、25U/ml
の組換えヒトM−CSF(ジェンザイム(Genzyme))を含有するマクロ
ファージSFM培地(ギブコ(Gibco)BRL)中でプラスチックのペトリ
皿上で培養した。細胞をAcLDLの非存在(分化対照)、もしくはステロール
負荷を誘導するためにAcLDL(100μg/ml)の存在下でインキュベー
トした。このインキュベーション後に、細胞からその受容体HDL3へのコレス
テロールの流出を達成するため、HDL3(100μg/ml)で補充されたも
しくはそれを含まない新鮮な培地中で付加的な時間の間、細胞を培養した。 RNAの調製およびノーザンブロット分析 全細胞RNAをグアニジンイソチオシアナート溶解およびCsCl遠心分離(
シャーグウィン(Chirgwin))により細胞から単離した。単離されたR
NAを分光光度的に定量し、そして15μgのサンプルを1.2%アガロース−
ホルムアルデヒドゲルで分離し、そしてナイロンメンブレン(シュライヒャー
アンド シュル(Schleicher & Schull))に転写した。U
V照射(ストラタリンカー(Stratalinker)モデル1800、スト
ラタジーン(Stratagene))で架橋した後に、プライマーABCA1
3622fおよびABCA1 4620rを用いたPCR増幅由来の1000
bpのDNAフラグメントとメンブレンをハイブリダイズさせ、はぎ取り(strip
ped)、そしてその後ヒトβ−アクチンプローブでハイブリダイズした。ABCA
1の組織特異的発現を決定するために、50種のヒト組織からのポリA+RNA
を含有する複数の組織のRNAのマスターブロットをクロンテック(Clont
ech)から購入した。ファルマシア(Pharmacia)からのオリゴラベ
リング(Oligolabeling)キットを使用してプローブを[γ−32
]dCTP(アマーシャム(Amersham))で放射標識した。ハイブリダ
イゼーションおよび洗浄の条件は既に記述された方法(ビルカ(Virca))
に従って実施した。 ヒトABCA1のcDNAクローニング ヒトABCA1(ABC1)のcDNAを増幅するために、われわれは、マウ
スABCA1のcDNAの配列情報に基づき、RT−PCR分析のためのプライ
マーを設計した。パーキン エルマー(Perkin Elmer)からのRN
A PCRコアキットを使用して、5日分化された単核食細胞からのおよそ1μ
gのRNAを20μlの反応中で逆転写した。アンプリタック ゴールド(Am
plitaq Gold)(パーキン エルマー(Perkin Elmer)
)および以下のプライマーの組み合わせを用いて実施された100μlのPCR
反応でcDNAの1個のアリコートを使用した:(プライマー名は対応するマウ
スcDNA配列中の位置を示す): mABC1−144f(5’−CAAACATGTCAGCTGTTACTGG
A−3’)および mABC1−643r(5’−TAGCCTTGCAAA−AATACCTTC
TG−3’)、 mABC1−1221f(5’−GTTGGAAAGATTCTCTATACA
CCTG−3’)および mABC1−1910r(5’−CGTCAGCACTCTGATGATGGC
CTG−3’)、 mABC1−3622f(5’−TCTCTGCTATCTCCAACCTCA
−3’)および mABC1−4620r(5’−ACGTCTTCACCAGGTAATCTG
AA−3’)、 mABC1−5056f(5’−CTATCTGTGTCATCTTTGCGA
TG−3’)および mABC1−5857r(5’−CGCTTCCTCCTATAGATCTTG
GT−3’)、 mABC1−6093f(5’−AAGAGAGCATGTGGA−GTTCT
TTG−3’)および mABC1−7051r(5’−CCCTGTAATGGAATTGTGTTC
TC−3’)、 hABC1−540f(5’−AACCTTCTCTGGGTTCCTGTAT
C−3’)および hABC1−1300r(5’−AGTTCCTGGAA−GGTCTTGTT
CAC−3’)、 hABC1−1831f(5’−GCTGACCCCTTTGAGGACATG
CG−3’)および hABC1−3701r(5’−ATAGGTCAGCTCATGCCCTAT
GT−3’)、 hABC1−4532f(5’−GCTGCC−TCCTCCACAAAGAA
AAC−3’)および hABC1−5134r(5’−GCTTTGCTGACCCGCTCC−TG
GATC−3’)、 hABC1−5800f(5’−GAGGCCAGAATGACATCTTAG
AA−3’)および hABC1−6259r(5’−CTTGACAACACTTAGGGCACA
AT−3’)。
【0059】 全部のPCR産物をpUC18プラスミドベクターにクローン化し、そして、
ジデオキシチェーンターミネーター法および蛍光色素標識プライマーを使用して
、ファルマシア(Pharmacia)ALFエクスプレス(ALFexpre
ss)シークェンサーでヌクレオチド配列を決定した。
【0060】 実施例7 ABCG1の5’端の同定 われわれは、5’RACEのアプローチを使用してヒト単球/マクロファージ
のmRNAから得られた、クルップ(Croop)[6]により発表された5’
端と異なる、チェン(Chen)[7]により発表されたABCG1の5’端を
部分的に証明することができた。詳細には、位置25の下流のチェン(Chen
)らによる配列はわれわれ自身のデータと一致した。対照的に、われわれの同定
された配列は、位置25の上流の部位(チェン(Chen)[7])で、チェン
(Chen)[7]およびクルップ(Croop)[6]により報告されたもの
と異なっている。配列、配列番号32は、新たに同定された5’端、次いで位置
25からチェン(Chen)[7]により発表された配列を示す。 ABCG1の5’UTRの分子クローニングおよび特徴づけ われわれは、ヒトABCG1遺伝子の5’UTRの上流配列の全体でおよそ3
kbを含有したλファージライブラリーのスクリーニングにより数種のフラグメ
ントを同定した。5’UTRおよびエキソン1の一部(上述される)を含んで成
る配列を配列番号54に示す。
【0061】 本配列のプロモーター活性は、一過性にトランスフェクションされたCHO細
胞中でのルシフェラーゼレポーター遺伝子アッセイにより証明された。
【0062】 トランスファック(TransFac)データベース(GFB、ドイツ・ブラ
ウンシュヴァイク)から推定されるような一致された(matched)配列についての
最高の見込み比をもつプロモーター領域内の推定の転写因子結合部位。SP−1
、AP−1、AP−2およびCCAAT結合因子(C/EBPファミリー)の複
数の結合部位が、推定のプロモーター領域の最初の1kb内に存在する。
【0063】 加えて、アポリポタンパク質Bの調節に関与する転写因子結合部位を同定した
【0064】 実施例8 ヒトABCA8の完全長のcDNAの特徴づけ 推定のABCA8のコーディング配列は大きさがおよそ6.5kbである。わ
れわれは、成熟ポリペプチドの推定の第二のヌクレオチド結合部位をコードする
ヒトABCA8のcDNAの1kbのセグメントを成功裏にクローン化しかつ配
列決定した(該配列を配列表中に示す)。該ヌクレオチド配列は、既知のヒトA
BCA1(ABC1)のcDNA配列と73%の相同性を表す。
【0065】 われわれは、72bpのセグメントより成るクローン化された1kbのコーデ
ィング領域中のもう1つの(alternative)転写物を同定した(配列表を参照され
たい)。本領域のゲノム分析は、もう1つの配列が完全なイントロンと同一であ
ることを示し、もう1つのmRNAがイントロン保持により生成されることを示
唆している。保持されるイントロンは末端前の(preterminal)終始コドンを導入
し、そして従って短縮されたABCA8変異体をコードすることができる。
【0066】 ABCA8はまたmRNA発現のコレステロール感受性の調節も示す(表2)
【0067】 ABCA8の組織発現を表1に示す。
【0068】 実施例9 ケラチノサイト細胞(HaCaT)の分化の間のABC輸送体の調節の特徴づけ 表皮のケラチノサイトの分化は、スフィンゴ脂質(SL)、遊離脂肪酸(FF
A)、コレステロール(CH)およびコレステロールスルフェート(全部は表皮
の浸透性障壁の確立に関与している)より主として構成される特殊な脂質の合成
を伴う。皮膚およびとりわけ表皮の増殖層は、生物体全体の脂質合成の最も活発
な部位の1つである。正常なヒト表皮におけるコレステロール合成はLDL非依
存性であり、そして循環するコレステロールレベルは皮膚の新たなコレステロー
ル合成に影響を及ぼさない。完全に分化した正常なヒトケラチノサイトはLDL
レセプターを欠くか、もしくは、その発現は非常に低い一方、正常なヒト表皮中
では基底細胞のみがLDLレセプターを発現する。
【0069】 ケラチノサイトの分化の間には、極性のグリセロリン脂質から中性脂質(FF
A、TG)への移動、およびまた長鎖の高度に飽和されたFFAによる短鎖FF
Aの置き換えも観察される。皮膚の障壁機能に最も重要な脂質はスフィンゴ脂質
であり、これは、角質層中の脂質の3分の1の源泉であり、そして、細胞内グリ
コシダーゼによるグルコシルセラミド分解およびセラミドの新たな合成の結果と
しての大きなセラミド画分より成る。
【0070】 グルコシルセラミドは細胞内で合成され、そして層状体中に貯蔵され、また、
グルコシルセラミド合成酵素の発現はヒトケラチノサイトの分化の間にアップレ
ギュレートされることが見出された。
【0071】 コレステロールスルフェートは、ケラチノサイトの分化の間にコレステロール
スルホトランスフェラーゼの作用により形成される。コレステロールスルフェー
トおよび分解する酵素、ステロイドスルファターゼは全部の生存可能な表皮層中
に存在し、顆粒層で最高レベルである。角質層を横断(内側層から外側層まで)
するコレステロールスルフェート含有量の勾配、およびコレステロールスルフェ
ートの漸進性の脱硫酸化が、それぞれ、細胞の粘着性、ならびに正常な角質層の
角化および落屑を調節する。コレステロールスルフェートはトランスグルタミナ
ーゼ1を誘導し、そして双方の因子の協同的調節が正常な角化に不可欠である。
【0072】 脂質障壁形成の最終段階は、層状体の分泌、および、同時に放出される加水分
解酵素(β−グルコセレブロシダーゼ、ホスホリパーゼ、ステロイドスルファタ
ーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ)の作用による極性の脂質のそれらの非極性
脂質生成物へのその後の分泌後プロセシングを必要とする。浸透性障壁の***は
、根底にある表皮での増大されたコレステロール、脂肪酸およびセラミドの合成
をもたらす。コレステロール、脂肪酸およびセラミドの合成に必要とされる重要
な酵素のmRNAレベルが人工的障壁***後に迅速に増大したことが示されてい
る。
【0073】 現在、ケラチノサイトにおける脂質輸送系は不十分に特徴づけられている。数
種の脂肪酸輸送関連タンパク質がケラチノサイトで同定されており(原形質膜脂
肪酸輸送タンパク質(FATP)および細胞内脂肪酸結合タンパク質(FABP
))、それらの大部分は必須脂肪酸に対する高親和性を表す。表皮のFABPの
発現は過増殖性および炎症性の皮膚疾患で、ケラチノサイトの分化および障壁の
***の間にアップレギュレートされている。
【0074】 われわれは、マクロファージに関するデータに基づき、数種のABC輸送体を
ケラチノサイトでの細胞の脂質輸送の推定の候補として提案している。われわれ
は、HaCaT細胞の分化の間の全部の既知のABC輸送体の発現を検査した。
ヒトHaCaT細胞系は完全な表皮分化能力を有する。低カルシウム濃度(<0
.1mM)で単層としてインビトロで成長されたケラチノサイトは、培地中のカ
ルシウム濃度を増大させる(1〜2mM)ことにより分化させることができる。
われわれは、10%ケレックス(chelex)処理されたFCS、ペニシリン
およびストレプトマイシンで補充された、比3:1で標準的ハム(Ham)F1
2培地と混合されたカルシウムを含まないRMPI(ギブコ(Gibco))培
地中でHaCaT細胞を単層として培養した。上の培地中のカルシウムの最終濃
度は0.06mMであった。細胞がコンフルエンスに達した(通常、培養の第5
日)場合に、カルシウム濃度を1.2mMのレベルまで高めた。2×105/c
2の密度で細胞を60mm培養皿中で植え付けた。培地を2日ごとに置き換え
、そして細胞をそれぞれ培養物中で24時間、48時間、4日、6日、8日およ
び10日後に収穫した。イソチオシアナート/塩化セシウム超遠心分離法を使用
して、HaCaT細胞から全RNAを単離した。
【0075】 半定量的RT−PCRのアプローチを使用して、HaCaT細胞の分化の間の
全部の既知のヒトABC輸送体の発現を検査した(それぞれ、24時間、48時
間、4日、6日、8日、10日)(表6)。ABC輸送体の発表された配列から
プライマーの組を生成させた。GAPDHに特異的なプライマーを対照として使
用した。ケラチノサイトの分化のマーカーとして、CGT(セラミドグルコシル
トランスフェラーゼ)遺伝子発現を評価した。検査された輸送体の3種、ABC
B1(MDR1)、ABCB4(MDR3)、ABCD3(PMP70)は発現
されなかった。ABCC6(MRP6)、ABCA1(ABC1)、ABCD2
(ALDR)およびABCB9(est122234)は低レベルで発現された
(表6)。
【0076】 他の輸送体の大部分は、ケラチノサイトの分化の間に、二相性の発現パターン
を表したか、もしくはダウンレギュレートされた。しかしながら、コレステロー
ル、FFAおよびセラミドのバックボーンの脂質の終末のケラチノサイト脂質分
泌でのそれらの関与を暗示するABCG1(ABC8)、ABCA8(新規)お
よびABCC3(MRP3)の高発現が存在した。ペルオキシソームへの非常に
長鎖の脂肪酸の輸送を媒介する2種のペルオキシソームABC輸送体、ABCD
2(ALDR)およびABCD1(ALDP)は、当初比較的低レベルで発現さ
れ、そしてその後、分化の間にダウンレギュレートされた。これは、ケラチノサ
イトの分化の間の非常に長鎖の脂肪酸による短鎖脂肪酸の置き換えと一致する。
【0077】 実施例10: タンジアー病の患者の5家族のABCA1のcDNAの配列決定およびゲノム
構造は、ABCA1の遺伝子座の多様な突然変異を示した。これらの患者はAB
CA1遺伝子の多様な位置に多様な突然変異を有し、それはABCA1のタンパ
ク質構造の変化をもたらす。これらの突然変異についてヘテロ接合性である家族
のメンバーは低下されたレベルの血清HDLを示す一方、ホモ接合性の患者は極
めて低下されたHDLの血清レベルを有する。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1ないし5】 発明にかかる、本出願に記述されるヌクレオチドおよびタンパク質配列を示して
いる。これら配列は配列表に反復される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 9/10 C07K 14/47 4H045 29/00 16/18 C07K 14/47 C12N 1/15 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12Q 1/68 A 5/10 G01N 33/53 W C12P 21/02 C12N 15/00 ZNAA C12Q 1/68 5/00 A G01N 33/53 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (71)出願人 Bayerwrk,Leverkuse n,BRD Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA44 BA80 CA04 CA12 DA01 DA02 DA03 DA05 DA11 EA04 GA11 HA01 HA12 HA15 4B063 QA01 QA19 QQ03 QQ42 QQ52 QR08 QR42 QR55 QR62 QS25 QS34 QS36 QX02 4B064 AG01 CA01 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA01X AA57X AA87X AA87Y AB01 BA02 CA24 CA44 CA46 4C084 AA02 AA13 BA01 BA02 BA22 ZA45 ZB11 ZC33 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA42 EA20 EA50 FA72 FA74

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)配列番号2に示されるようなポリペプチドをコードす
    るポリヌクレオチド; (b)(a)のポリヌクレオチドにハイブリダイズすることが可能かつそれに最
    低70%同一であるポリヌクレオチド;および (c)(a)もしくは(b)のポリヌクレオチドのポリヌクレオチドフラグメン
    ト より成る群から選択されるメンバーを含んで成るポリヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 ポリヌクレオチドがDNAである、請求項1記載のポリヌク
    レオチド。
  3. 【請求項3】 請求項1および2のポリヌクレオチドの1種もしくはそれ以
    上を含有するベクター。
  4. 【請求項4】 請求項3のベクターを含有する宿主細胞。
  5. 【請求項5】 請求項4の宿主細胞から前記DNAによりコードされるポリ
    ペプチドを発現することを含んで成る、ポリペプチドの製造方法。
  6. 【請求項6】 (a)配列番号2の推定されるアミノ酸配列ならびにそのフ
    ラグメント、類似物および誘導体を有するポリペプチド、ならびに (b)配列番号2のアミノ酸1ないしアミノ酸2201を含んで成るポリペプチ
    ド より成る群から選択されるポリペプチド。
  7. 【請求項7】 請求項6のポリペプチドに結合することが可能な抗体。
  8. 【請求項8】 請求項6のポリペプチドの検出のための診断キット。
  9. 【請求項9】 前記ポリペプチドのモジュレーターを検出するためのアッセ
    イにおける、 (a)配列番号1、3、4および6ないし31に示されるようなポリヌクレオチ
    ド; (b)(a)のポリヌクレオチドにハイブリダイズすることが可能かつそれに最
    低70%同一であるポリヌクレオチド;ならびに (c)(a)もしくは(b)のポリヌクレオチドのポリヌクレオチドフラグメン
    ト より成る群から選択されるメンバーを含んで成るポリヌクレオチドによりコード
    されるポリペプチドの使用。
  10. 【請求項10】 (a)配列番号1、3、4および6ないし31に示される
    ようなポリヌクレオチド; (b)(a)のポリヌクレオチドにハイブリダイズすることが可能かつそれに最
    低70%同一であるポリヌクレオチド;ならびに (d)(a)もしくは(b)のポリヌクレオチドのポリヌクレオチドフラグメン
    ト より成る群から選択されるメンバーを含んで成るポリヌクレオチドによりコード
    されるポリペプチドのモジュレーター。
  11. 【請求項11】 請求項10のモジュレーターを含んで成る医薬。
  12. 【請求項12】 (a)配列番号1、3、4および6ないし32および54
    に示されるようなポリヌクレオチド; (b)(a)のポリヌクレオチドにハイブリダイズすることが可能かつそれに最
    低70%同一であるポリヌクレオチド;ならびに (c)(a)もしくは(b)のポリヌクレオチドのポリヌクレオチドフラグメン
    ト より成る群から選択されるメンバーを含んで成るポリヌクレオチドによりコード
    されるポリペプチドを検出するためのアッセイ。
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