JP2002524313A - 超疎水性被覆基体 - Google Patents

超疎水性被覆基体

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JP2002524313A JP2000569034A JP2000569034A JP2002524313A JP 2002524313 A JP2002524313 A JP 2002524313A JP 2000569034 A JP2000569034 A JP 2000569034A JP 2000569034 A JP2000569034 A JP 2000569034A JP 2002524313 A JP2002524313 A JP 2002524313A
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ポール、アマー、レイモント、ジェラール、フランス
リタルバ、ラメンドラ
ジャンフランコ、ポルンボ
アルゼニイ、バレレビッチ、ラドミゼルスキー
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、超疎水性表面特性を有する連続的フッ化炭素薄フィルムであって、静水接触角値が約120°より大きく、好ましくは130°より大きく、更に好ましくは150°より大きく、基体に密接に結合していることを特徴とするフィルムに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 技術分野 本発明は、静水接触角が120°より大きい超疎水性被覆基体に関する。
【0002】 背景技術 例えば、米国特許第3,498,527号明細書には、液体用の板紙容器はワ
ックスまたはポリエチレンのような防水コーティングを塗布することによって防
水性にすることができることが教示されており、同様な方法は、防水性飲用紙コ
ップについて米国特許第2,708,645号明細書に、雑貨用紙袋について米
国特許第3,212,697号明細書に示されている。米国特許第3,597,
313号明細書には、紙をポリマー性アルコール−ポリマー性アルデヒド反応生
成物でコーティングすることによって一時的に湿潤強度が付与されることが記載
されている。
【0003】 コーティング工程は、単独では、使い捨て衛生衣料品の生産に用いられてきた
。米国特許第3,078,849号明細書には、ポリビニルアルコールの撥液性
裏地、または最初は水を弾くが最終的に可溶化することができる同様な材料を有
する吸着層からなる使い捨て生理用ナプキンが開示されている。撥水性の程度、
従ってナプキンの寿命は、裏地の厚みを変化させることによって調節されている
。必要なナプキンの耐用期間は製造業者や使用者が予測することはできないので
、裏地は普通に見られるあらゆる不測の事態を想定して十分な厚みのものでなけ
ればならない。米国特許第3,542,028号明細書は、フルオロポリマーコ
ーティング処理を施したセルロースシートからなるトイレの水で流すことができ
る生理用ナプキンに関する。米国特許第3,559,650号明細書は、使用に
よってナプキンの両面がばらばらになってしまうと薄すぎてそれ自体支持できな
い防水性フィルムによって分離されたトイレで使い捨てできる両面を有する生理
用ナプキンの製造を教示している。
【0004】 表面を防水性物質でコーティングする方法に類似したものには、表面を他の材
料と反応させて表面に撥水性を有する反応生成物を形成させる考え方がある。例
えば、米国特許第2,130,212号明細書および第3,137,540号明
細書には、ポリマー性アルコールのような材料を他の材料と反応させてその撥水
性を増加させることができることが教示されている。後者の特許明細書では、ポ
リビニルアルコール製品をアルデヒドの水性エマルションで処理して、これに耐
水性を付与することが教示されている。米国特許第3,626,943号明細書
には、使い捨てオムツをポリビニルアルコールから製造し、ホルムアルデヒドと
反応させることによって一方の面を防水性にすることができることが教示されて
いる。これらの反応型コーティング法には、幾つかの欠点がある。それらは水相
で行われるが、これは複雑でありまた比較的多量の試薬を必要とする。その場で
の化学反応のある種の形態を用いて撥水性表面を生成する方法のほとんどは液相
で行われているが、幾つかの気相処理が米国特許第2,306,222号明細書
、第2,961,388号明細書および第3,017,290号明細書に教示さ
れている。
【0005】 ソ連国特許第1,158,634号明細書に記載されている既知の織物の撥水
および撥油仕上げの方法としては、無機気体雰囲気におけるグロー放電でのプラ
ズマ処理の後、気相でのフッ素含有アクリル酸モノマーによる処理が挙げられる
。米国特許第4,188,426号明細書に記載されているフィルムのプラズマ
重合を行うもう一つの従来技術による方法としては、ペルフルオロ−シクロ−ブ
タンまたはヘキサフルオロエタンのグロー放電での処理により摩擦係数を減少さ
せかつ有機および無機基体(例えば、ポリエチレンフィルム、金属)の表面疎水
性を改良させることが挙げられる。しかしながら、これらの開示内容では、本発
明のような撥水性のレベルが達成されない。
【0006】 プラズマ蒸着フッ化炭素コーティングは「テフロン(登録商標)様コーティン グ」として文献に引用されることが多いが、それらのCFx(0<x≦2)組成 および表面エネルギーをTeflonとして市場で知られているポリテトラフルオロ エチレン(PTFE,−(CF−CF−))に極めて接近させることがで きるからである。
【0007】 金属、ポリマー、および他の基体のフッ化炭素フィルムによるプラズマコーテ
ィング法は、当該技術分野で知られている。一例としては、フッ化炭素を供給し
た連続(すなわち非変調)高周波(RF)グロー放電による蒸着により、薄いフ
ッ化炭素コーティングを有しかつコーティング自身と基体との間には他の材料が
挿入されていないプラスチック、金属または他の材料から作られたフィルム、層
、テープ、プレートおよび他の形状の製品が提供されることが、米国特許第4,
869,922号明細書および他の出典から知られている。このようなコーティ
ングは、加工された成型品に対して極めて良好な粘着性を有し、ボイドがなく、
均一でありまたは多孔質ではなく、かつ制御された湿潤性を示し、これらは表面
の化学組成によって変化することが記載されている。上記特許明細書の非変調の
連続プラズマ法では、静水接触角(WCA)値が120°より小さいことを特徴
とするコーティングが得られる。
【0008】 グロー放電処理は、US−A−5,462,781号明細書でも、移植可能な
ポリマー医療装置の結合力を改良しまたはポリマー布帛の湿潤性を変化させる目
的で考察されている。この特許明細書に記載されている文献の幾つかにより、非
変調連続プラズマ処理が表面の固有WCAを変化させる手段であることが立証さ
れている。
【0009】 US−A−5,034,265号明細書には、テトラフルオロエチレン(C,TFE)を0.2Torrで供給した適当なプラズマ反応装置で血管移植片の
内壁に蒸着させるCFフッ化炭素コーティングと血管移植片との生体適合性を
向上させるための非変調連続プラズマ処理が開示されている。この発明の好まし
い態様では、基体とコーティングとの間に他の材料は挿入されていない。
【0010】 米国特許第5,328,576号明細書には、布帛や紙に撥水および撥油表面
特性を付与する方法であって、水蒸気の存在下にて低圧酸素プラズマ中で前処理
した後、同一処理室で行われる高周波グロー放電によるメタンのプラズマ重合を
含む方法が開示されている。この方法では、WCAが約120°より大きい耐久
性のある永久コーティングは得られない。
【0011】 米国特許第5,262,208号明細書には、薄膜保護用のポリマーフィルム
による紙原稿の公文書保存を目的とする気体プラズマ処理が開示されている。処
理時間は、30〜3600秒の範囲である。ウェブ材料上に薄コーティングを短
時間の処理で得るには、他の方法が用いられてきた。表面処理の提供は、米国特
許第4,842,893号明細書および第4,954,371号明細書に開示さ
れており、完全かつ均質に接着する層による基体の高速コーティングおよび多層
コンデンサーの蒸着モノマーの電子線照射硬化を用いる方法が記載されている。
米国特許第4,842,893号明細書には、フラッシュ気化系および電子線硬
化を含む高速コーティング法が開示されている。これらの電子線の開示内容は、
その開示の一部として本明細書に引用される。エレクトロニクス産業分野におけ
る電子線コーティングの他の使用は、Westinghouse science & technology cent
er USA によって報告されている(Adv. Mat. Newsletter, Volume 13, No. 9, 19
91, page 4)。
【0012】 発明の概要 具体的には、本発明は、特許請求の範囲に記載の特徴を有し、薄い、良好な接
着性を有し、無孔質の超疎水性を有する、すなわち滑らかで平坦な表面で測定し
た静水接触角(WCA)値が約120°より大きく、好ましくは130°より大
きく、更に好ましくは150°より大きいことを特徴とするフッ化炭素コーティ
ングをコートした基体に関する。この方法で処理した基体は、その疎水性を著し
く向上させ、例えば、気体および蒸気に対する透過性のような上記の特徴を維持
したまま効果的に防水性とすることができる。疎水性が向上することによって、
(例えば、ガラス、セラミック、金属、および埃に暴露されている他の表面への
)汚れの蓄積の防止、粉体や顆粒の塊状化の防止、液体洗剤やシャンプーボトル
のような親水性材料を入れた容器、または飲料容器、または液体タンク、または
流動性粒子タンク、例えば小麦粉タンクを完全に空にすることの促進、歯ブラシ
および剛毛品(bristles)への汚染または蓄積の防止のような付帯的効果も生じる
。基体がポリマー性であると、体液の耐漏洩性の向上した通気性製品の製造など
に用いることができる。
【0013】 本発明は、表面を超疎水性にした、すなわち静水接触角(WCA)値が約12
0°より大きく、好ましくは130°より大きく、更に好ましくは150°より
大きいことを特徴とする処理を施したポリマー性または非ポリマー性製品に関す
る。
【0014】 本発明の目的とする基体としては、ウェブ、テープ、フィルム、粉末、顆粒、
粒子、織布または不織布層の形態の広汎な材料を挙げることができ、基体は多孔
性または非多孔性の、成形または造形した、硬質または柔軟な、ポリマー、織物
、紙、セルロース誘導体、生物分解性材料、金属、セラミック、半導体、および
他の無機または有機材料から作られているものであることができる。好ましくは
、基体は、目的とする用途によって所望な形状または配置に成形した後、本発明
の処理目的を施す。
【0015】 有機合成樹脂を選択するときには、このような基体材料は、ポリエチレン、ポ
リアクリル酸、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリスチレン、
ポリウレタン、ポリフッ化炭素、ポリエステル、シリコンゴム、炭化水素ゴム、
ポリカーボネート、セルロースおよび他の合成ポリマーから製造することができ
る。
【0016】 製品は、好ましくは基体が配置されている適正に配置した反応装置に供給され
たフッ化炭素気体または蒸気化合物を用いて行う変調グロー放電プラズマ処理を
施す。プラズマ工程は、基体に密接に結合した超疎水表面特性を有する連続した
フッ化炭素の薄膜を蒸着する。
【0017】 あるいは、より普通の薄膜コーティング法の後に高エネルギー表面硬化を用い
ることができる。これは、高速真空コーティング法を用いて耐久性に富む薄い撥
水性コーティングを基体上に生成させる方法である。この方法は、例えば真空室
中における回転ドラムのような可動性基体を用いる。基体の表面を、室内で蒸着
した気化材料を凝縮させるのに十分な温度に維持する。この材料は、比較的低分
子量の硬化性モノマーである。モノマー蒸気を、フラッシュ気化装置を用いて生
成させる。所望量の硬化性モノマーを加熱したフラッシュ気化装置系に計量して
、材料を気化させる。次に、これを回転ドラムに載っている基体にその固有圧力
などによって輸送して、基体表面で凝縮させる。この方法によれば、次に、基体
を電子線、紫外線を放射するエネルギー源のような硬化装置に輸送するか、また
は電磁界に暴露する。あるいは、硬化性モノマーを、プラズマゾーン(高電圧放
電のゾーン)を通過させることによってラジカルに変換することもできる。次に
、硬化手段によるモノマーの硬化により、静水接触角が95°より大きい基体表
面上にコーティングを生じる。
【0018】 硬化性モノマーを基体に送り、モノマーの量を最小にする方法には、硬化性モ
ノマーの微小液滴を生成する超音波噴霧器を用いることができる。それらを、バ
ンドヒーターで加熱した気化管に放出する。噴霧された液滴は気化管の内壁に衝
突して、瞬間的に気化、すなわちフラッシュ気化する。これにより、基体に蒸着
する前に重合するチャンスが減少する。
【0019】 本発明の一態様では、基体は一方の面を撥水性とし、他方の面から流体を吸収
して保管することができ、または両面を撥水性とすることができる。
【0020】 本発明で用いる「プラズマ」は、低圧気体中で供給電力によりグロー放電を点
火することによって生成する「低温プラズマ」または「冷プラズマ」の意味で用
いられる。グロー放電は、化学的に活性でありかつ暴露表面と化学反応、すなわ
ち適当な基体材料への共有結合を引起すのに十分なエネルギーを有する様々な種
を含む。冷プラズマまたはグロー放電は、一般に高周波(KHz〜MHzおよび
GHz)電源を用いて生成させる(HFプラズマ)。様々なエネルギーレベルの
電子、陽および陰イオン、原子、励起分子、フリーラジカルおよび光子が、冷プ
ラズマ中で形成される。
【0021】 「変調プラズマ」は、非連続プラズマ、HFプラズマ、すなわち駆動出力が最
大値とゼロとの間で脈動するグロー放電であるか(オン/オフパルス)、または
主電源に接続した適当なパルス発生装置を用いる一定周波数でのグロー放電のフ
ラクションを意味する。オン/オフパルス系の場合には、オン時間とオフ時間の
値は工程の実験的パラメーターの範囲内にある。一般にグロー放電を駆動する主
高周波場にトリガーオン/オフパルスを重ね合わせることにより、短い連続放電
と、活性種が気相に存在したままであるが、イオンおよび電子の効果は著しく減
少するプラズマオフ時間間隔とが交互に現れる。この二種類の異なる工程に交互
に暴露することにより、基体の表面が独特に改質され、これは後で示されるよう
に連続プラズマ工程とは極めて異なっている。
【0022】 「プラズマ蒸着」または「プラズマ重合」は、薄い(0.01〜2μm)部分
的に架橋した、ボイドのない、基体に良好に接着する連続コーティングを形成す
るプラズマ工程である。気相の分子は化学結合を切ることができる活性電子によ
って分断され、この工程により、真空室内部で表面に蒸着し、薄い均一なフィル
ムを形成することができるラジカルおよび他の化学種を生じる。プラズマの作用
は、初期蒸着時間にポリマー基体の表面に影響を与えることもあり、活性化学種
が基体の結合を切断して、場合によっては水素のような気体生成物を発生したり
、フリーラジカル部位を形成し、成長するフィルムと基体との間に共有結合を形
成する一因となることがある。
【0023】 処理を行う基体を、少なくとも一種類の気体または蒸気の存在下にて変調プラ
ズマ気体放電を施す。具体的には、テトラフルオロエチレン(TFE,C )、ヘキサフルオロプロペン(HFP,C)、ペルフルオロ−(2−トリ
フルオロメチル)−ペンテン、ペルフルオロ−(2−メチルペント−2−エン)
またはそのトリマーのようなフッ化炭素気体または蒸気を用いることができ、T
FEが現在のところは好ましい選択である。このプラズマ蒸着工程は、好ましく
は適正に配置したプラズマ反応装置に基体を配置し、反応装置をフッ化炭素気体
または蒸気の供給源に接続し、反応装置内部の気体の流速および圧力を調節し、
適当なパルス電源によってパルス(変調)モードでの高周波電場で反応装置のグ
ロー放電を持続させることによって行われる。グロー放電処理を画定するパラメ
ーターとしては、供給気体または蒸気、その流速、その圧力、反応装置内部の基
体の位置、反応装置のデザイン、電源の励起周波数、入力電力、パルス系のオン
時間およびオフ時間が挙げられる。要約書に示されるような基体は、放電の「グ
ロー」領域に配置し、すなわちプラズマに直接暴露させ、または「アフターグロ
ー」領域、すなわち可視グローの下流に配置することができる。二つの位置は一
般に組成および特性が異なるコーティングを生じ、基体を変調グロー放電で処理
しても、連続処理とは異なるコーティングを生じる。
【0024】 超疎水性を有する、すなわちWCA値が意外なほど高く、約165°までなる
ことがある薄いフッ化炭素フィルムを蒸着させることができることを見出した。
従って、本発明は、WCA値が120°より大きく、好ましくは130°より大
きく、更に好ましくは150°より大きいことを特徴とするフッ化炭素コーティ
ングを有する上記の種類の基体を提供する。
【0025】 本発明によれば、F/C比が約1.50〜2.00のフッ化炭素コーティング
であり、WCA値が120°より大きく、例えば155°〜165°であること
を特徴とするものを蒸着させた。コーティングを、様々なポリマーおよび非ポリ
マー基体、例えばとりわけポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)、およびフィルムおよび布帛の形態の紙、
ガラスおよびシリコンの表面に蒸着させた。コーティングをCF基の単分子層
のみによって形成するときには、F/C比は理論的には3までとすることができ
る点に留意すべきである。しかしながら、分子間架橋の形成および表面にグラフ
トしているクレーム(CF断片を含む)の形成により、上記の理論値が低下し
て、得られたコーティングは、多数のCF基を含んではいるが、包括的F/C
比が約1.50〜約2.00の範囲となる。
【0026】 コーティングの厚みは様々な条件でのプラズマ工程の時間によって変化し、0
.01〜2μmに保持することができる。基体材料の性質は、コーティングの化
学組成または厚みのいずれにも影響しないことを見出した。WCA値が約165
°まで(例えば、165°±5°)のコーティングを得た。
【0027】 下記の詳細な説明においては、本発明は添付図面に関して単に例として説明を
行う。
【0028】 発明を実施するための最良の形態 図1では、通常の「連続」プラズマ(図1a)を、プラズマオンとプラズマオ
フ(すなわち、プラズマなし)時間とが交互になってパルスを加えたことを示し
ている本発明の変調工程(図1b)と比較する。二つの工程は、それらの駆動シ
グナルに関して図解されている。
【0029】 図2に図解的に示された反応装置1は、本発明の目的である蒸着法の開発にの
み利用したものではなかった。反応装置の真空室1はPyrexガラスでできており
、外部高周波駆動電力2と内部接地電極3を備えている。外部電極は、整合回路
網およびオン/オフパルス発生器5を介して電源4(典型的には、例えば13.
56MHzで作動する高周波発生器)に接続されている。基体は、接地電極3上
の反応装置の「グロー」領域でも、その「アフターグロー」領域、すなわちアフ
ターグロー基体ホルダー6ででも処理することができる。気体/蒸気は、適当な
質量流量計を介して気体/蒸気供給マニホールド7中に供給され、反応装置の送
出出口8で測定した圧力は、反応装置とその送出ユニットとの間の真空接続の手
動弁である一定の値に保たれる。図面に示した配置は現在のところ好ましい選択
を示しているが、当業者であればプラズマ反応装置のパルス電圧はレーダーおよ
び電気通信技術で普通に用いられるパルス型高周波発生器による直接電圧付加な
どの異なる手段によって付加できることを即座に認識されるであろう。
【0030】 好ましくは、蒸着工程は、高周波(13.56MHz)発生器を用いて行う。
反応装置の外部電極に送られた高周波電力は、0.02〜10ワット/cmの電
力密度に対して1〜500ワットの範囲に保たれる。反応装置にフッ化炭素化合
物を1〜100sccmの流速で供給し、この工程中に50〜1000mTorrの一定
圧力に保持する。好ましくは、グロー放電はパルス発生器で変調し、好ましくは
1〜500msの時間オンおよび1〜1000msの時間オフの値とし、それぞれの
値の約10msおよび約190msが現時点で最も好ましい選択である。蒸着工程は
数秒から数時間までの範囲とすることができ、この時間中に均一なフッ化炭素コ
ーティングがグローに配置された基体並びにアフターグロー領域の基体に蒸着す
る。蒸着速度は、典型的には20〜400Å/分の範囲であったが、これは放電
前および後の基体を秤量することによって(重量/時間)、またはAlpha Step
プロフィロメーター(profilometer)でコーティングの厚みを測定することによっ
て(厚み/時間)測定した。コーティングの蒸着速度および化学組成は、放電の
実験条件(圧力、電力、基***置、オン時間、オフ時間、気体供給および流速)
によって変化する。
【0031】 得られたコーティングは、基体表面全体にわたって均一であり、平ら(すなわ
ち、平坦)で滑らかな基体に蒸着したときの疎水性を、WCA角度計で測定した
静WCA値によって評価した。測定は、コーティング後の基体の平らで、すなわ
ち、平坦で滑らかな表面で行う。本発明で水接触角の測定に用いる滑らかという
用語は、連続表面上での標準荒さ測定値によれば5ミクロン以下の荒さを表す。
PTFE(18ダイン/cm)より低い臨界表面張力に相当する約120°〜16
5°のWCA値を、フッ化炭素CFxコーティングについて測定し、xは約1.
50〜約2.00の範囲であった。コーティングの化学組成は、好ましくは当該
技術の試料採取深度(約100Å)内で化学分析用電子スペクトル分析法(ES
CA)によって決定する。コーティングの基体に対する接着性は、極めて良好で
ある。
【0032】 下記の例は、本発明の発明概念を更に詳しく説明する目的、および連続処理と
比較して変調処理を用いる利点を強調する目的で示す。
【0033】例1 基体当たり2〜10cmの面積のシリコン、PEおよびPPの3組の基体を、
図2に図解した反応装置の接地電極3上に置いた。同様な組の基体を、6のアフ
ターグロー位置に置いた。Cを6sccmで反応装置に連続的に供給するため
に設定し、圧力は300mTorrに設定した。高周波発生器を反応装置に接続し、 50ワットの入力電力で90分間放電を継続した後、停止した。
【0034】 次に、グロー位置に置いた同様な組の基体を用い、アフターグロー位置には基
体を置かず、パルス発生器によって10msの時間オンおよび190msの時間オフ
で変調を行ったことを除き上記と同一条件で、もう一つのグロー放電を行った。
【0035】 二種類の放電が終了した時点で、基体を反応装置から抽出して、それらのWC
Aを測定した。表1に示したWCA値が得られ、これを未加工基体のWCA値と
比較する。変調モードで蒸着したコーティングについては、蒸着速度は30±5
Å/分と測定された。
【0036】 二つのモードで処理した他の基体を、ESCA法で分析した。それらの表面組
成は、表2a〜cに示した結果によれば、炭素およびフッ化物(元素としてのフ
ッ素)からのみなっていた。他の元素は検出されず(例えば、シリコン基体つい
てSi)、これは、コーティングが連続的であることを意味している。コーティ
ングを施していないPE基体のC1sスペクトルを図3に示し、上記のようにコ
ーティングしたPE試料のC1sスペクトルをそれぞれ図4、5および6に示す
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】例2 基体当たり2〜10cmの面積のガラス、シリコンおよびPEの3組の基体を
、図2に図解した反応装置の接地電極3上に置いた。同様な組の基体を、アフタ
ーグロー位置に置いた。Cを5sccmで反応装置に連続的に供給するために
設定し、圧力は300mTorrに設定した。高周波発生器を反応装置に接続し、5
0ワットの入力電力で60分間放電を継続した後、停止した。
【0042】 次に、グロー位置に置いた同様な組の基体を用い、アフターグロー位置には基
体を置かず、パルス発生器によって10msの時間オンおよび90msの時間オフで
変調を行ったことを除き上記と同一条件で、もう一つのグロー放電を行った。
【0043】 二種類の放電が終了した時点で、基体を反応装置から抽出して、それらのWC
Aを測定した。表3に示したWCA値が得られ、これを未加工基体のWCA値と
比較する。変調モードで蒸着したコーティングについては、蒸着速度は70±5
Å/分と測定された。
【0044】 二つのモードで処理した他の基体を、ESCA法で分析したところ、それらの
表面組成は、表4a〜cに示した結果によれば、炭素およびフッ化物(元素とし
てのフッ素)からのみなっていた。また、この場合には、他の元素は検出されな
かったので(例えば、シリコンおよびガラス基体ついてSi)、コーティングは
連続的であると考えた。
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】
【表7】
【0048】
【表8】
【0049】例3 基体当たり2〜10cmの面積の研磨シリコン、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、および米国特許第5,260,345号明細書の教示に準じて作成
した親水性吸収材材料である厚みが3mmのFAM(機能性吸収材材料)の3組の
基体を、図1に図解した反応装置の接地電極3上に置いた。Cを5sccmで
反応装置に連続的に供給するために設定し、圧力は400mTorrに設定した。高
周波発生器を反応装置に接続し、75ワットの入力電力で変調モード(10ms時
間オン、190ms時間オフ)において20分間放電を継続した。放電が終了した
時点で、基体を反応装置から抽出して、それらのWCAを測定した。表5に示し
たWCA値が得られ、これを未加工基体のWCA値と比較する。変調モードで蒸
着したコーティングについては、蒸着速度は300±10Å/分と測定された。
【0050】 他の基体をESCA法で分析したところ、それらの表面組成は、表6に示した
結果によれば、炭素およびフッ化物(元素としてのフッ素)からのみなっていた
。また、この場合には、他の元素は検出されなかったので(例えば、シリコン基
体ついてSi、およびPET基体についてO)、コーティングは連続的であると
考えた。
【0051】 コーティングしたFAM基体をその厚みに沿って切断し、新たに切断した表面
を、直接放電に暴露せずに、WCAおよびESCA測定によって分析した。表7
に示したデーターは、厚いFAM試料をグローに暴露した表面だけでなく、その
バルクの内部でも処理されることを示しており、これは、プラズマ処理が多孔性
基体中に浸透することができることを示している。
【0052】
【表9】
【0053】
【表10】
【0054】
【表11】
【0055】 本発明の基体を提供するための代替法として、モノマーによる薄フィルムのコ
ーティングの後、表面を硬化する方法を用いることができる。
【0056】 本発明の方法によって形成されたコーティングは、厚みが5ミクロン未満であ
り、好ましくは2ミクロン未満であり、最も好ましくは0.001〜1ミクロン
の範囲である。コーティングは、連続加工の目的でサポートと熱的接触して配設
されている可動性基体、好ましくは回転ドラムであって、真空室中で環境条件下
で気化したモノマーの沸点を下回る温度に保持されているもので、真空下にて硬
化性モノマーの蒸気を蒸着させることによって形成される。この温度差の結果、
モノマー蒸気は基体の表面で凝縮する。本発明で用いられるモノマー材料は比較
的低分子量であり、150〜1000原子質量単位(AMU)であり、好ましく
は200〜300AMUの範囲である。多機能性フッ化炭素、および特にフルオ
ロアクリレートまたは単機能性フルオロアクリレートと多機能性フルオロアクリ
レートの混合物が好ましい。用いられるモノマーまたはモノマー混合物は、平均
して約2個以上の二重結合(すなわち、複数のオレフィン基)を有し、基体表面
に凝縮するような蒸気圧を有する。このような蒸気圧は、例えば圧力が約1.3
3・10−6mbar〜1.33・10−1mbarであり、最も好ましくは標準温度お
よび圧力で約1.33・10−2mbarの蒸気圧(比較的低沸点材料)が選択され
る。
【0057】 これらの高蒸気圧モノマーは既に低温でフラッシュ気化することができ、従っ
て加熱工程によって分解(クラッキング)しない。未反応分解生成物がないかま
たは少量であるため、コーティングの揮発成分量は少なく、実質的に総ての蒸着
モノマーは反応性であり、放射線源に暴露すると硬化して一体的フィルムを形成
する。これらの特性により、蒸着フィルムは極めて雨水にも拘わらず、実質的に
連続的コーティングを提供することができる。硬化フィルムは優れた接着性を示
し、有機溶媒や無機塩による化学的攻撃に耐性である。
【0058】 一面または両面共に予想外の撥水性を有する水蒸気透過性基体を製造するため
の高速真空コーティング法では、硬化性モノマー成分が必要である。望ましくは
、撥水性コーティングを得るための硬化性モノマーはフルオロ含有基を含んでな
る。一態様では、フルオロアクリレートモノマー、フルオロオレフィンモノマー
、フルオロスチレンモノマー、フルオロアルキレンオキシドモノマー(例えば、
ペルフルオロプロピレンオキシド、ペルフルオロシクロヘキサンオキシド)、フ
ッ素化ビニルアルキルエーテルモノマー、およびそれと適当なコモノマーとのコ
ポリマー(但し、コモノマーはフッ素化または未フッ素化である)などの任意の
適当なフルオロモノマーを用いることができるが、これらに限定されない。フリ
ーラジカル重合工程によって重合されるフルオロモノマーが好ましい。
【0059】 一態様では、本発明の方法に用いることができるフルオロスチレンおよびフッ
素化ビニルアルキルエーテルモノマーとしては、α−フルオロスチレン、β−フ
ルオロスチレン、α,β−ジフルオロスチレン、β,β−ジフルオロスチレン、
α,β,β−トリフルオロスチレン、α−トリフルオロメチルスチレン、2,4
,6−トリス(トリフルオロメチル)スチレン、2,3,4,5,6−ペンタフ
ルオロスチレン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−α−メチルスチレン、
および2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−β−メチルスチレンが挙げられる
が、これらに限定されない。
【0060】 更にもう一つの態様では、テトラフルオロエチレンを本発明の方法において用
いることもでき、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマ
ー、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロビニルエーテルコポリマー(例えば
、テトラフルオロエチレンとペルフルオロプロピルビニルエーテルとのコポリマ
ー)、テトラフルオロエチレン−エチレンコポリマー、および過フッ素化イオノ
マー(例えば、ペルフルオロスルホネートイオノマー、ペルフルオロカルボキシ
レートイオノマー)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】 更にもう一つの態様では、フッ化炭素エラストマー(例えば、7 ポリマー科
学および工学百科辞典(Encyclopedia of Polymer Science & Engineering) 257
参照)は、本発明の方法でもちいることもできるフルオロオレフィンポリマーの
群であり、ポリ(フッ化ビニリデン−コ−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(
フッ化ビニリデン−コ−ヘキサフルオロプロピレン−コ−テトラフルオロエチレ
ン)、ポリ[フッ化ビニリデン−コ−テトラフルオロエチレン−コ−ペルフルオ
ロ(メチルビニルエーテル)]、ポリ[テトラフルオロエチレン−コ−ペルフル
オロ(メチルビニルエーテル)]、ポリ(テトラフルオロエチレン−コ−プロピ
レン、およびポリ(フッ化ビニリデン−コ−クロロトリフルオロエチレン)が挙
げられるが、これらに限定されない。
【0062】 好ましい態様では、フルオロアクリレートの反応性、物理特性、およびこのよ
うな成分から形成した硬化フィルムの特性により、フルオロアクリレートが特に
有用なモノマー材料である。本発明で用いられる「フルオロアクリレートモノマ
ー」という用語は、アクリル酸(HC=CHCOOH)またはメタクリル酸(
C=CCH−COOH)のエステルであって、エステル化基がペルフルオ
ロアルキルのようなフッ素化基であるものを表す。本発明の方法で有用なフルオ
ロアクリレートモノマーの特定の群は、式(I): HC=CR−COO(CH(I) (式中、nは1または2であり、Rは水素またはメチルであり、Rは過フッ
化脂肪族または過フッ化芳香族基、例えば、過フッ化線状または分岐状の飽和ま
たは不飽和C〜C10アルキル、フェニルまたはナフチルである)によって表
される化合物である。
【0063】 本発明の特定の態様では、RはC〜CペルフルオロアルキルまたはCH −NR−SO−R(但し、RはC〜Cアルキルであり、RはC 〜Cペルフルオロアルキルである)である。本発明で用いられる「過フッ化
」という用語は、有機基の総てのまたは本質的に総ての水素原子がフッ素に置換
されていることを意味する。上記の式(I)の代表的モノマーおよびそれらの略
号としては、下記のものが挙げられる: 2−(N−エチルペルフルオロオクタンスルホンアミド)エチルアクリレート(
「EtFOSEA」); 2−(N−エチルペルフルオロオクタンスルホンアミド)エチルメタクリレート
(「EtFOSEMA」); 2−(N−メチルペルフルオロオクタンスルホンアミド)エチルアクリレート(
「MeFOSEA」); 2−(N−メチルペルフルオロオクタンスルホンアミド)エチルメタクリレート
(「MeFOSEMA」); 1,1−ジヒドロペルフルオロオクチルアクリレート(「FOA」);および 1,1−ジヒドロペルフルオロオクチルメタクリレート(「FOMA」)。
【0064】 あるいは、硬化性モノマー成分としては、米国特許第4,842,893号明
細書に記載の多機能性アクリレートも挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 通常の「連続的」高周波グロー放電と、オン/オフ「変調」高周波グロー放電
との比較。
【図2】 本発明の範囲内で適合したプラズマ反応装置の典型的略図。
【図3】 未コーティングポリエチレン基体のC1s ESCAシグナル(但し、シグナ
ルは基体のC−H、C−C結合のみによる)。
【図4】 例1に記載の方法で蒸着したフッ化炭素コーティングでコーティングしたPE
基体(グロー位置、連続モード)、WCA100±5°。シグナルは、フッ化炭
素コーティングのCF、CF、CFおよびCCF結合による成分、および表
面汚染によるC−H、C−C結合による成分によって構成されている。
【図5】 例1に記載の方法で蒸着したフッ化炭素コーティングでコーティングしたPE
基体(アフターグロー位置、連続モード)、WCA120±5°。シグナルは、
フッ化炭素コーティングのCF、CF、CFおよびCCF結合による成分、
および表面汚染によるC−H、C−C結合による成分によって構成されている。
【図6】 例1に記載の方法で蒸着したフッ化炭素コーティングでコーティングしたPE
基体(グロー位置、変調モード)、WCA165±5°。シグナルは、フッ化炭
素コーティングのCF、CF、CFおよびCCF結合による成分、および表
面汚染によるC−H、C−C結合による成分によって構成されている。
【符号の説明】 1 反応装置 2 高周波出力電極 3 接地電極 4 電源 5 オン/オフパルス発生器 6 アフターグロー基体ホルダー 7 気体/蒸気供給マニホールド 8 送出出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CR, CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI,G B,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL ,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V N,YU,ZA,ZW (71)出願人 ONE PROCTER & GANBL E PLAZA,CINCINNATI, OHIO,UNITED STATES OF AMERICA (72)発明者 サスワティ、ダタ アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナチ、 プラムヒル、レイン、11636 (72)発明者 ピエトロ、ファビア イタリー国バリ、ビア、オラボーナ、4 (72)発明者 ポール、アマー、レイモント、ジェラー ル、フランス アメリカ合衆国オハイオ州、ウェスト、チ ェスター、トッド、クリーク、サークル、 8375 (72)発明者 リタルバ、ラメンドラ イタリー国バリ、ビア、オルボーナ、4 (72)発明者 ジャンフランコ、ポルンボ ドイツ連邦共和国バート、ホンブルク、ゲ オルゲンフェルト、7 (72)発明者 アルゼニイ、バレレビッチ、ラドミゼルス キー アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナチ、 デルタ、アベニュ、31、1031 Fターム(参考) 4F100 AB01A AD00A AG00A AH05B AJ04A AK04A AK07A AK12A AK15A AK17A AK25A AK41A AK45A AK46A AK51A AK52A AN02A AT00A BA02 CC00B DG12A DG13A DG15A DJ00A DJ03A DJ10A EH46B EH66B EJ64B GB16 JA20 JB06 JG01A 4G059 AA01 AA16 AC22 FA11 FB01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ化炭素コーティングを有する表面処理した基体であって、上記処理表面の
    静水接触角(WCA)が120°より大きいことを特徴とする、基体。
  2. 【請求項2】 上記処理表面の静水接触角(WCA)が130°より大きく、好ましくは13
    0°〜165°であり、最も好ましくは155°〜165°である、請求項1に
    記載の基体。
  3. 【請求項3】 上記コーティングがフッ化炭素コーティングである、請求項1または2に記載
    の基体。
  4. 【請求項4】 上記コーティングのフッ素/炭素比(F/C)が約1.50〜約2.00であ
    り、好ましくは約1.60〜約1.95であり、最も好ましくは実質的に1.7
    5である、請求項3に記載の基体。
  5. 【請求項5】 上記基体が、ポリエチレン、ポリアクリル酸、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
    ル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリフッ化炭素、ポリエステル
    、シリコンゴム、炭化水素ゴム、ポリカーボネート、セルロースおよびその誘導
    体、ゴム、ガラス、半導体、金属、セラミックからなる群から選択される、請求
    項1〜4のいずれか一項に記載の基体。
  6. 【請求項6】 上記基体が、多孔性材料から作られ、この基体の気孔率が実質的に上記コーテ
    ィングによって影響されず、好ましくは上記多孔性材料が有孔フィルムであるか
    、または繊維状織布または不織布であるか、または連続気泡フォーム材料である
    か、または多孔性粒状材料である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基体。
  7. 【請求項7】 上記基体が柔軟な基体である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基体。
  8. 【請求項8】 コーティングを行う前に所望な形状に成形された、請求項1〜7にいずれか一
    項に記載の基体。
  9. 【請求項9】 基体をフッ化炭素ガスまたは蒸気の存在下にて変調プラズマグロー放電に暴露
    することによって得られた、請求項1〜8のいずれか一項に記載の基体。
  10. 【請求項10】 基体を硬化性モノマーのフィルムでコーティングした後、このフィルムを硬化
    させることによって得られた、請求項1〜8のいずれか一項に記載の基体。
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