JP2002521685A - 哺乳類の物質のスペクトル・トポグラフィ - Google Patents

哺乳類の物質のスペクトル・トポグラフィ

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JP2002521685A
JP2002521685A JP2000562725A JP2000562725A JP2002521685A JP 2002521685 A JP2002521685 A JP 2002521685A JP 2000562725 A JP2000562725 A JP 2000562725A JP 2000562725 A JP2000562725 A JP 2000562725A JP 2002521685 A JP2002521685 A JP 2002521685A
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バリ、サンダー、ジー
ラーナー、ジャーミイ、エム
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セダーシナイ メディカル センター
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J3/00Spectrometry; Spectrophotometry; Monochromators; Measuring colours
    • G01J3/28Investigating the spectrum
    • G01J3/2823Imaging spectrometer

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Abstract

(57)【要約】 哺乳類物質(18)が光源(43)によって照射され、送信された光を実質的に同時にスペクトル的に分散させる多スペクトル画像プリズム及びミラー分光写真機(30)に物質の断片(20)の画像を送信する多スペクトル形態学システム及び方法を提供する。スペクトル画像は更なる処理のために獲得され準備される。一般にコンピュータ・システムに含まれるプロセッサ(37)は神経網を用いてデジタルスペクトルデータを処理して、物質の診断をもたらす。光源は光を再出射する(即ち、けい光を発する)特に準備された物質によって吸収されるろ過した光であって良い。物質は顕微鏡(伝送及びけい光)によって拡大し分析すべき病理学的試料、または代替的に、画像が内視鏡等の別の従来の画像送信機によって送信される生体内(生きたまま)であって良い。システムはまた、診断出力と関連してスペクトル画像は勿論のこと、送信された視覚的画像を表示することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) この発明は医療病理学に関し、特に、病気にかかった細胞及び組織の自動的分
析及び診断をアシストするシステム及び方法に関する。
【0002】 (発明の背景) 病理学者は悪性腫瘍及び他の疾患それに異常の存在に対して組織及び細胞のサ
ンプルを研究している。以下において述べるように、最近、顕微鏡検査法、分光
学、及びデジタル画像処理のこれらの3つの伝統的な学問分野が合体するように
なり、この結果、従来の顕微鏡検査法のみで可能であったよりも一層迅速に、自
動的にかつ正確に病理学者がこれらの状態を分析し診断するのをアシストする医
療病理学ツールが生まれてきた。
【0003】 1.顕微鏡検査法 従来の組織病理学及び細胞病理学を実施する一方法において、組織のバイオプ
シー(biopsy)または細胞のスミアー(smear)を患者の疑わしい領
域から除去して、1枚以上のスライドガラスを用意した後、病理学者はライト、
または送信、顕微鏡によって試料を研究する。組織バイオプシーはしばしば極め
て薄い断片にスライスされ、例えばH及びE(ヘマトキシリン&エオシン)ステ
ィニング等の周知のスティニング技術のうちの1つ、またはこれらの組合せを使
用して着色(ステイン)される。細胞スミアーは同様にして着色される。異常の
ある各領域は既知の疾患の表示と視覚的に比較されて、疾患が与えられているの
か否か及びどんな疾患が与えられているのかを決定するようになっている。
【0004】 けい光顕微鏡は病理学者によってしばしば使用される別の診断ツールである。
白熱光を通過させる代わりに、キセノンまたは水銀ランプ等の光源からの試料を
通した「白熱(white)」光、即ち「高エネルギー励起(high ene
rgy excitation)」光の照射は、試料に当たる(通過しない)或
る一定波長の光のみを通す1つ以上のフィルタセットを通過する。試料に入射す
る光に応答して、必ずしもそうではないが通常着色した試料は種々にけい光を発
する。即ち、測定可能な波長(色)及び強度の低エネルギー放射を行って、組織
または細胞についての診断上評価できる情報をもたらす。
【0005】 けい光顕微鏡技術は2つのカテゴリー、即ち、内生の(または自然の)蛍光物
質又はフルオロフオラ(fluorophore)、または反応を包含するカテ
ゴリーと、(試料の外部に由来する)外因性であるカテゴリーに分類することが
できる。前者は2つの型式の反応、即ち、エラスチン及びコラーゲン等の組織化
合物が試料の外部から如何なる添加物も与えられることなく自然にけい光を発す
る自己けい光発光と、抗体に対する特定の抗原の組合せ(抗原−抗体反応)によ
って、自然にけい光を発する抗体が組織中の抗原を付き止めると共に、この種の
組合せについて自然にけい光を発する免疫性けい光発光とを含む。
【0006】 後者は細胞のけい光タギング(tagging)、即ち、ラベリングを意味す
る。この技術では、高度に特定のターゲットに付ける、ペプチド、プロテインま
たは抗原等の分子が、フルオレセイン(fluorscein)等のフルオロフ
オラと「タッグ化(tagged)」して、正の相互作用があるか否かを決定す
るようになっている。一方法において、例えば、単一細胞に由来する細胞である
抗体と共役されるフルオレセインは特定の抗原を識別するのに使用される。この
技術はウイルス等の原子ベースの疾患の識別及び診断をアシストするのにしばし
ば使用されるが、例えば、バクテリア及び悪性の組織を識別するのにも使用する
ことができる。このカテゴリーにおける別の技術、即ち、けい光インシツ交雑(
「FISH」:fluorescent in situ hybridiza
tion)は次のa)又はb)を利用する、即ち、a)ラベル化プローブ(「ア
ンチセンス・ストランド(antisense strand)」)及び内生の
mRNA(「センス・ストランド(sense strand)」)の間の対の
ヌクレオチド相互作用、またはb)ターゲット結合プロテインまたは摂受体(r
eceptors)を含む組織でプロテインがラベル化されこれら組織が潜伏し
ているプロテイン対プロテインの相互作用。外因性反応はまた、結核症等の組織
に対して疑わしいスミアーに対するアウラミン(auramine)/ローダミ
ン(rhodamine)の準備の応用等の一般のけい光スティニングを含んで
いる。この種のスティニングは細胞質からの核膜等の特定の特徴を強張すること
ができる。
【0007】 2.画像処理 デジタルシステム及びコンピュータの増大する処理電力、速度及び小型化は病
理学の分野に大変革を引き起こしてきた。病理学者は病理学的疾患を診断するの
にこれまで顕微鏡及び自身の視覚それに経験に排他的に頼っていたが、現在の画
像及び処理技術は今日の病理学者が診断し得る精度及び速度を大幅に高めてきた
。例えば、電荷結合素子(CCD:charge−coupled devic
e)アレイを顕微鏡に結合することによって、顕微鏡画像を表わすデータの高分
解能捕獲が可能になった。これらの映像画像はアナログ−デジタル(A−D:a
nalog−to−digital)変換器によってデジタル化し、表示装置上
に表示し、拡大するかさもなくば操作し、他のデジタル媒体に記憶することがで
きる。映像画像データは様々な画像処理ソフトウエアによって更に処理すること
もできる。非線形である神経網システムであって、このシステムが提供されたデ
ータから各パターンを分離すると共に、データの基礎となる数学的関係の識別及
び抽出を学習する前記システムは1つのこの種の処理構造である。病理学に応用
すれば、特定の疾患に対して試料を自動的に特徴づけて評価するために、神経網
システムはCCDアレイによって収集した試料データを健康な組織及び細胞それ
に病気にかかった組織及び細胞を表わすデータの学習した各パターンと比較する
【0008】 3.分光学 分光学は各対象物のスペクトル特性の研究であり、特に、各対象物の光の成分
部分(個々の波長)及びこれらの波長の強度の研究である。分光器は各要素がそ
れ自身の独自のスペクトルを有することから各要素を識別するために長い間化学
の分野においてツールとして使用されてきた。分光器は物質の化学的及び物理的
性質の双方についての詳細な情報を提供できるということが先ず実現されたこと
から、分光学は医療診断の分野に対しても大きな期待を示してきた。例えば、け
い光等の或る一定のスペクトル特性は組織の悪性腫瘍または代謝状態の存在を示
すことが強調されたきた。この情報はターゲットの視界における対象物の位置と
関係づけることができる。各スペクトルを各スペクトル対象物の「クラスタリン
グ(clustering)」と関係づけることによって不明瞭なエッジの境界
を決定することはしばしば可能である。こうして、この分野は最近、所定の疑わ
しい病理学的サンプルのスペクトル特性を分析するために、顕微鏡検査法との評
価できるパートナーとなってきた。
【0009】 あいにく、医療病理学の分野を向上させたり大変革を起こしたりする分光学の
ポテンシャルはまだ十分に開拓されていない。第1に、前述したように、従来の
けい光顕微鏡は試料を励起する単一波長の光を除いて全ての光を阻止する1つの
フィルタと、再放射した光のみを光学的出力に通すようにする(及びより高エネ
ルギーの励起光を阻止する)別のフィルタとを使用する。試料は通常、この試料
にて単一の波長でけい光を発するフルオロフオラで着色されるので、この方法は
この単一の波長のみにて試料についての有益な診断情報をもたらす。
【0010】 試料についてのより一層意味のある情報を集めるために、全画像を第2のセッ
トのフィルタを通して第2の波長で再び捕えなければならない。このプロセスは
、スペクトル・フレームの所望数が対象物の「スペクトル・エンベロープ(sp
ectral envelope)」を得るまで多数回に渡って繰り返される。
各フレームはコンピュータに記憶され、合成画像は前述した処理ソフトウエアに
よって分析することができ及び/又は表示装置に表示することができる。これは
多スペクトル感応性画像(「MSI」:multispectral imag
ing)として知られている。
【0011】 しかしながら、MSIに対するこの特別な技術は多数の理由のために非実用的
である。先ず、この技術は多数のコストのかかるフィルタの利用可能度を必要と
する。第2に、けい光顕微鏡の内外でフィルタセットを交換することは時間がか
かる。第3に、試料は通常、各励起波長でけい光を発生させる多数の色素で着色
しなければならず、これは試料の診断価値を荒らすかまたは劣化させ得る現象で
ある、試料の「漂白(bleaching)」の発生を覚悟することになる。
【0012】 回転可能なフィルタ・ホィール、音響光学チューナブルフィルタ(AOTF:
acoustic−optic tunable filter)、液晶チュー
ナブルフィルタ(LCTF:liquid crystal tunable
filter)、及び干渉計等の幾つかの新しい自動化フィルタシステムが有効
であり、これらは全て全スペクトルが得られるまで連続的に各波長で全画像を捕
えるものである。しかしながら、これらのシステムは極めてコスト高であり、こ
れらの画像のデータ処理は、例えば80個の波長を捕える代表的な512×51
2画素アレイは1シーン当り21MBのデータになってしまうということを考慮
すれば、途方もない作業である。主として複雑で時間のかかるデータ処理のため
に、研究者が得られた波長の数を強いて低減しようと考えることは異常ではない
。80個の波長は大きな数であると思われるが、分析化学者が研究室設定の常備
のCCD検出器を用いて1,024個までの波長を同時に得ることは異常ではな
い。こうして、これ程多くの連続したフレームを得ると共に分類することは、計
算速度が要求されるかまたは所望される場合、(各試料を光学的に脱色すること
も覚悟する)多くのフルオロフオラを用いて準備する試料の分析にとって実用的
ではない。また、これらの計器の物理的なコストは極端に高く、僅かな減少形跡
を示すだけである。更に、前述した各方法は目的とする対象物が静止しているこ
とを要求し、スペクトル獲得の際の環境に起因する化学的変化は受けない。
【0013】 点分光学は対象物からスペクトルデータを得る1つの既知の方法である。この
技術は、その名称が示唆するように、一度に対象物の単一の小さな点のみの全ス
ペクトルを捕獲する。しかしながら、医学病理学の分野にとって実用的でかつ意
味あるものとなるには、分光学システムは試料全体、または試料の少なくとも各
断片をスペクトル的に分散し、表示しかつ分析することができなければならない
。こうして、点分光学は前述した問題に対する理想的解法ではない。
【0014】 そこで、病理学試料を含めた哺乳類物質の意味ある品質のMSIデータを迅速
にかつ効率的に得ることができると共に、物質の疾患の識別に対してこのデータ
を自動的に分析することができる低コストのシステムに対する明確な必要性があ
る。
【0015】 (発明の概要) 本発明は、哺乳類物質(mammalian matter)の各画像の多ス
ペクトル獲得を通して急性の疾患の形跡に対して、前記物質、特に1つ以上の細
胞または組織を自動的に評価するシステム及び方法を提供することによってこれ
らの必要性に取り組むものである。最も広い実施例において、前記システムは3
つの主要な構成要素、即ち、画像送信機、独自の多スペクトル画像分光学サブシ
ステム及びプロセッサを有している。前記画像送信機は前記物質を照射する光源
及び光学的出力を備え、前記物質の断片の画像を前記光学的出力に送信できるよ
うになっている。前記多スペクトル画像分光学サブシステムは前記光学的出力に
接続されると共に、前記送信した画像を実質的に、同時にスペクトル的に分散さ
せて、スペクトル画像を生成するようになっている。前記プロセッサは次いで前
記スペクトル画像を処理して、前記画像を表わす診断データをもたらす。
【0016】 このシステムは、連続的ろ過(シークエンシャル フィルタリング)に対する
必要性を除去しながら、単一の獲得(アクイジッション)において、正に単一の
点ではなく、前記物質の実質的断片の完全な多スペクトル画像を得る利点をもた
らす。
【0017】 より詳細な実施例において、前記多スペクトル画像分光学サブシステムは画像
分光写真機及び電荷結合素子(CCD)カメラを備えている。前記分光写真機は
、前記物質の断片の前記送信した画像の一部分からの光の通過を許容する入口ス
リット、及び該入口スリットを通過した光を所定のスペクトル範囲の多数の成分
波長に分散させて、スペクトル画像を生成するスペクトル分散用プリズム及びミ
ラー配置を有する。前記電荷結合素子(CCD)カメラは前記分光写真機に結合
して、スペクトル画像を得ると共に準備する。獲得した画像の準備は一般に2つ
の段階、即ち、画像処理の技術上周知のように、適切なデジタル処理アルゴリズ
ムを用いて画像をデジタル化する段階及び該デジタル化した画像を前処理する段
階を伴う。前記プロセッサは、デジタル化したスペクトル画像を処理すると共に
、画像の一部分を表わす診断データをもたらすコンピュータ・サブシステムに在
る。このシステムは幾つかの重要な利点をもたらす。この発明の分光写真機は、
試料全体を同時に捕獲することを支持して試料の所定の部分の多数の波長の集中
的で連続した捕獲の時間を除去する低コストの素子である。このことはシステム
の実時間診断能力に貢献する高速データ処理を可能にする。デジタルカメラ及び
コンピュータデータ処理と一緒に、分光写真機はその像を分光写真機に送ること
ができる如何なる疑わしい物質の診断にも用いられる極端に簡易で、効率的でか
つ低コストのツールをもたらす。更に、システム全体は干渉計等の他のMSIシ
ステムのコストの小部分である。
【0018】 また更に詳細な実施例では、画像送信機は種々の拡大用光学計器のうちの任意
のものとして広く定義される、レンズベースの画像拡大システムまたは望遠鏡で
ある。これらの実施例のうちの1つにおいて、本発明はまた顕微鏡を介した各画
像を照射し、拡大しかつ前記光学的出力に送信するこれらの試料の各画像の多ス
ペクトル獲得を通して、準備した細胞病理学及び組織病理学試料の病理を自動的
に評価する低コストで効率的なシステムを提供する。前記顕微鏡の前記光学的出
力はまた画像分光写真機を迅速に接続したり切り離したりする「シー−マウント
(C−mount)」接続部分等の標準カメラインターフェースを備えることも
できる。
【0019】 また別のより詳細な実施例において、前記顕微鏡は試料全体の連続的MSI獲
得に対してスライドガラスを制御可能に直動させることができる自動x−yステ
ージを備えている。1つの一部分(slice)がシステムによって得られた後
、前記コンピュータ制御式x−yステージは試料を自動的に配列、即ち移動させ
、この結果、試料の隣接する一部分の画像がスペクトル分散及びその一部分の獲
得用の画像獲得入口スリットを通過することができる。このプロセスは試料全体
が所望するだけ得られ研究されるまで繰り返す。
【0020】 また別の実施例において、前記顕微鏡から試料の拡大した断片の映像画像を捕
獲すると共に、表示及び/又は更なる処理に対して画像をもたらすために、第2
のCCDカメラが設けられる。この更なる実施例において、拡大した光学的出力
を前記第1のCCDカメラまたは前記第2のCCDカメラの何れかに選択的に向
けるために、前記顕微鏡及び前記分光写真機の間にビームを向けるアセンブリを
配置することができる。このようにして、このシステムは病理学者に一体となっ
た2つの診断ツール、即ち一方は伝統的画像(ビデオ)映像(イメージング)で
他方はスペクトル形態学(トポグラフィー)データである2つのツールを提供す
ることができ、この際、後者は(この種のデータが神経網によって機能した後の
)スペクトルグラフと呼ぶ図形表示、管状形態、実際の診断印字出力、予後また
は示唆及び/又はこれら全ての組合せの形式で設けられる。
【0021】 代替実施例において、光学的出力を前記顕微鏡から前記分光写真機及び前記第
2のCCDカメラの双方に同時に向けるために、前記顕微鏡及び前記分光写真機
の間にビーム・スプリッタ・キューブを配置することができる。
【0022】 この発明のより好ましい詳細な態様において、顕微鏡が40倍に設定される場
合、5mm長の入口スリットに通すサンプルの面積は略1.25μm幅×125
μm長である。この特別の実施例では、分光写真機は一部分に沿って略0.5μ
mでスペクトルデータを得ることができる。こういった0.5μm×1.25μ
m幅の断片のおのおのは「対象物(object)」と呼ばれる。好ましい分光
写真機及びCCDアレイ容量の特定の設計において、最大240個の対象物を目
的とするサンプルの各一部分から同時に捕獲することができる。更に、400n
m波長で1nmから700nm波長で略15nmのスペクトル解像度で、各対象
物の各スペクトルは380nmから800nm範囲で最大740個までの波長デ
ータ点を含む。
【0023】 神経網アルゴリズムは代替的に、非監視神経網(USNN:unsuperv
ised neutral network)、監視神経網(SNN:supe
rvised neutral network)、またはこの2つの組合せを
備えることができる。USNNは「指紋(fingerprint)」スペクト
ルの存在を自動的に識別しマッピング(調整)するように機能する。SNNはこ
のシステムを自動化すると共にルーチン自動キャリブレーションを行うよう動作
すべく実施することができる。
【0024】 平均からの物質の組織形態的かつ生理学上の偏りのスペクトル分析に基づいて
疾患の存在に対して前記物質をスペクトル的に分析する1つの好ましい方法は、
前記物質を光源で照射する段階と、前記物質の画像を多スペクトル感応性の画像
分光写真機に送信する段階と、プリズム及びミラー配置を通して前記送信した画
像を所定のスペクトル範囲の多数の成分波長にスペクトル的に分散させる段階と
、前記多数の成分波長の前記スペクトル的に分散した画像を得る段階と、前記得
た画像をデジタル化すると共に該デジタル化した画像を操作する段階と、前記操
作したスペクトル的に分散した画像を処理して、診断をもたらす段階と、を備え
ている。
【0025】 また更に特定の実施例において、画像送信機はろ過した光の源を物質にもたら
すと共に、物質の断片から再放射されるけい光の画像を光学的出力に送信する。
一般に、物質は準備した病理学サンプルを備え、画像送信機はけい光顕微鏡であ
る。この特定の実施例において、本発明はけい光を発している断片からの全ての
フルオロフオラの全体のスペクトルを同時に得ることによって、多数のフィルタ
に対する必要性を除去している。
【0026】 この更に特定の実施例を実施する方法は、特定した波長のろ過した光で物質を
照射して前記物質がけい光を発するようにする段階と、けい光を発している前記
物質の断片の画像を光学的出力に送信する段階と、一部分の前記送信した画像を
所定のスペクトル範囲の多数の成分波長にスペクトル的に分散させる段階と、前
記スペクトル的に分散した画像を得て準備する段階と、プロセッサを用いて前記
画像を表わすデータを処理して、前記画像の一部分を前記画像の一部分の状態を
表わす予め設定した数のカテゴリーのうちの1つに分類する段階と、を伴う。
【0027】 本発明のシステム及び方法は内生または外因性の反応を介してけい光を発する
哺乳類の細胞及び組織のけい光特性の分析を通して疾患を評価するのに有効であ
る。自然けい光とも称する前者は、大動脈壁、動脈及び他の組織に見い出される
エラスチン等の自己けい光発光化合物を有する生物学上の物質を含む。本発明を
使用するこの種の物質の分析は如何なるけい光スティニング準備もすることなく
診断上評価できる情報を生む。免疫けい光方法はまた内生カテゴリー内にある。
この種の場合、物質は一般に、フルオレセイン等の、タグがラベル化された少な
くとも1つの免疫グロブリン抗体を用いて準備され、例えば腎臓及び心臓の分析
に対して有益である。
【0028】 内生反応物質に対する代替例として、物質、または試料は少なくとも1つのけ
い光色素を用いて処理することができる。詳述すれば、試料はけい光色素でラベ
ル化された組織化学プローブを用いて処理することができる。更に詳細には、け
い光現場交雑形成(「FISH分析(FISH assay)」は試料について
行われ、プロセッサは遺伝的疾患、悪性腫瘍、バクテリア及び人間乳頭腫ウイル
ス(HPV:Human Papilloma Virus)等のウイルスのう
ちの1つの少なくとも1つの系統の存在を示すデータをもたらす。代替的に、試
料はけい光タグと共役される単一細胞に由来する細胞である抗体及び多クローン
性抗体のうちの1つを含んだ、免疫組織構造のマーカを有する免疫組成化学ステ
インを用いて準備することができる。この内の1つの例は、直接免疫けい光アッ
セイ(DIF:direct immunofluorescent assa
y)を用いて着色して、クラミディア・トラコマティス(CT:chlamyd
ia trachomatis)を識別するようにした試料である。更に一層有
益には、システムは各ステインまたは蛍光物質(フルオロフオラ)・プローブが
個別的に分離するように設計されている状態を分析するために、異なるけい光色
素、免疫組成化学マーカーまたはこれら全ての組合せでラベル化した多数のプロ
ーブを用いて処理した試料を同時に定量化することができる。
【0029】 こうして、本発明は種々のHPV系統及びCTバクテリア双方に対してパプ塗
抹標本(Pap Smear)または頸のバイオプシーを自動的に評価するツー
ルを提供することによって頸の細胞学の分野における重大な進歩をもたらすこと
ができる。特に、パプ塗抹標本試料はHPV識別に対するFISH分析を用いて
またCTを検出するように仕向けられた直接免疫けい光(DIF:direct
immunofluorescent)ステインを用いて準備することができ
る。このようにして、本発明のシステムによって分析される単一で二様に着色し
たパプ塗抹標本は、頸の癌に対する主要な細胞学的疾患及び先駆物質のうちの幾
つかに関する迅速で、確固とした低コストの識別をもたらすことができる。
【0030】 けい光反応を誘発する生物学上の物質に関する従来のスティニングは、本発明
に適用可能な反応の別のカテゴリーである。例えば、スミアーは結核症等の幾つ
かの疾患の識別に対して本発明によって開拓することができるけい光反応を生成
するのに、ローダミン/オーラミン等の周知のけい光ステインを付けることがで
きる。
【0031】 本発明の他の特徴及び利点はこの発明の原理を例によって図示する添付図面と
関連させて以下の詳細な説明から明瞭となろう。
【0032】 (好ましい実施例の詳細な説明) 前述のように概説されると共に、列挙した請求項によって定義されるこの発明
は、添付図面と関連して読まれるべきである以下の詳細な説明を参照することに
よってより良好に理解することができる。この発明の特別な実施を構築し、使用
しかつ実行できるように以下に述べる特別な好ましい実施例のこの詳細な説明は
列挙した請求項を制限しようと意図されるものではなく、その特別な諸例として
役に立つように意図されたものである。以下に述べる特別な諸例は、哺乳類物質
、即ち、細胞及び組織の多スペクトル感応性の形態学若しくは微細構成(top
ography)を提供するシステム、即ち、病気にかかっていると疑わしい物
質の各画像の自動化したスペクトルデータの獲得、分析及び診断を提供するシス
テムの好ましい特定の実施である。しかしながら、この発明は、病気にかかって
いるとは疑わしくはないが、それにも拘らずその組織形態上及び生理学上の特性
の識別が望まれている物質等の他の型式の哺乳類物質にも適用することができる
。更に、現在説明している発明において、物質は光源によって照射され、1つの
特定の光源は物質のけい光特性の分析を可能にすべく、ろ過した光をもたらして
いる。
【0033】 より詳細にこの発明を説明する前に、即ち、本発明によって用いられる多スペ
クトル分析の方法、その種々の構成要素及び実験結果を詳細に説明する前に、組
織及び細胞の「隠れ形態学(hidden morphologies)」及び
生理学それに医療病理学に対するその実施を示すための手段としてスペクトル形
態学の応用の背後にある理論をここで説明する。
【0034】 I.通常及び異常な細胞及び組織に関する組織形態効果 細胞のサイズ及び形状等の形態及びそれらの環境(細胞形態学)それに組織バ
イオプシーの研究はこれらの構造の状態に関する評価できる情報を診断的に示す
ことができると長い間認識されてきた。一般の生物学的活動は細胞核の細胞構造
において最良に反映されている。機能的活動は主に細胞質の形態学において反映
されている。各細胞の「健全な(healthy)」基礎形態学は、病理学のプ
ロセスからストレスのない通常の細胞の形態及び構造である、ユープラシア(e
uplasia)と呼ばれる基準レベルと考えることができる。ユープラシアに
おいて、キーとなる細胞核構造は光学顕微鏡の下では丸いかまたは丸くされ、均
一でしかもクロマチン等の細胞核構成要素に関して規則正しいパターンを有する
ものと見られると共に、1つの細胞核から次々と予測性の度合いを有している。
組織分析において、同じ型式の1つの細胞から別の細胞への予測性が期待されよ
う。
【0035】 悪性腫瘍及びこれに対する前駆動(precursors)に関連するプロセ
スの多数の形態学上の効果が識別されてきた。例えば、細胞の核膜の形状におけ
る重大な不規則性、クロマチン及びパラクロマチン(細胞核の青色い領域)の構
造的オーダーライン(orderlines)及び形状における混乱、核小体の
形状の拡大及び不規則性、及び重大なことに、細胞核領域対細胞質領域の増大す
る比率(N/C比率)は、癌を見い出すのに助力すると認められた形態学的因子
のうちの幾つかである。
【0036】 あいにく、現在まで、伝送またはけい光顕微鏡の下でのこの種の形態学的分析
はそれ自身、幾つかの理由から病気にかかった細胞及び組織を診断する際に価値
が制限されていた。先ず、細胞及び組織の形態学的変化は程度を変える際に生じ
る。多くの変化は経験のある病理学者によっても光学顕微鏡の接眼レンズを通し
て、または各試料のスライドガラスの映像画像の操作においてさえも、(明確に
或いは全く)認識することができない。これらの隠れ形態学は変化の固有の性質
、形態学的活動の段階、またはこの2つの組合せの何れかによるものである。第
2に、今日まで、癌の特徴が存在するときには、観察下の特別な細胞または組織
が癌にかかっていることを明白に示すと共に、存在しないときには、癌はないこ
とを意味する、癌の観察可能な絶対的形態学的前記特徴−または悪性の基準−が
なかった。
【0037】 本発明は、生体内でまたは準備した試料の如何に拘らず、これらを光源で照射
し、独自の多スペクトル画像分光写真機及び高性能処理アルゴリズムの助力を得
てそれらのスペクトル情報を分析することによって、疑わしい細胞及び組織の隠
れ形態学を示すのに用いられる。
【0038】 II.方法及び構成要素 1.プッシュ・ブルーム多スペクトル画像 離隔した視野から多スペクトル情報を得る幾つかの伝統的方法がある。前述し
たように、1つの方法は一連の波長フィルタを通してフィールド全体を得る。フ
ィルタの数はフィールドの各構成要素のスペクトル特性を識別するのに必要とさ
れる波長データ点の数と等しくなろう。視野は固定されているので、対象物が何
れにしろ動いたり変化したりすればデータを得ることはできない。
【0039】 遠隔地球監視のために開発されると共に、本発明によって実施される別の方法
において、システムはフィールドの小さな部分を得ると共に、一部分のスペクト
ル全体を同時に得る特殊化波長分散型分光写真機に前記小部分を通す。全フィー
ルドをカバーするのには、次の隣接する一部分に移動することが必要である。各
獲得を結びつけることによって、全フィールドをカバーすることができる。この
方法はしばしば「プッシュ・ブルーム(push broom)」スペクトル形
態学と称される。何故ならば、サンプルが分光写真機の入口開口、またはスリッ
トを横切って「プッシュされ(pushed)」ると共に、多くの点で、多スペ
クトル結像獲得の従来で述べた方法と比較してより用途が広く効率的であるから
である。
【0040】 本発明は疑わしい哺乳類組織および細胞のプッシュ・ブルーム多スペクトル画
像獲得を使用して、スライドガラス上に準備された各試料の場合にはそれらの隠
れ形態学を示すと共に、生体内分析の場合にはそれらの隠れ生理学を示し、最後
に組織及び細胞の医療診断をもたらす。
【0041】 2.基本構成要素及び方法 図1Aはこのシステムの基本構成要素を示すブロック図である。画像送信機1
は光源2及び光学的出力3を備えている。光源2は分析すべき哺乳類物質4を照
射し、その画像は光学的出力に送信される。画像分光学サブシステム6は送信し
た画像を所定の範囲の多数の成分波長に実質的に同時にスペクトル的に分散させ
る。スペクトル分散の方法は、遠隔、テレスコピック形地球監視及び天文学用に
元々は設計された分光写真機を使用し、現在は軍用及び民間環境での応用双方に
対して使用されている。元々の分光写真機はワーレン他(Warren et
al.)に対して特許権が付与され(特許第5,127,728号)、3から1
5μmの赤外線波長範囲で使用するうに設計されたものであり、参照により本願
に組み込まれる。本発明の生命科学応用に対して、光学は主として目に見える3
60から800nm波長範囲で使用するように設計し直された。適切なソフトウ
エアが負荷されるPCコンピュータ等のプロセッサ8はスペクトル的に分散した
画像を表わすデータについて動作し、最後に物質4の状態に関する診断出力8を
もたらす。この診断出力10はコンピュータ画面、印字出力、または任意の従来
の出力装置にもたらすことができよう。
【0042】 図1Aは光源2が物質4に光を透す画像送信機配置を図示している。例えば、
送信顕微鏡が細胞スミアーまたは極めて薄い組織のバイオプシー等の比較的薄い
試料に対して白色光をもたらす画像送信機である場合、一般的に事実はそうであ
る。図1Bは2つの光学的シナリオのうちの1つを表わす画像送信機1に対する
代替的配置を示している。1つのシナリオでは、光源2からの光は物質4によっ
て反射されて光学的出力3に達する。反射は幾つかの状況において使用すること
ができ、1つの状況は疑わしい組織バイオプシーが余りにも厚くて光が意味ある
ようにこれを透すことができない場合であり、また別の状況は分析すべき物質が
患者から除去されるのではなく、むしろ生体内にある場合である。図1Bによっ
て表わされる第2のシナリオにおいては、光源からの光はろ過され、このろ過し
た光が物質によって吸収される。これに応じて、組織または細胞はより低いエネ
ルギー準位の光を再放射する。このけい光は分散及び分析のための多スペクトル
感応性の画像分光学サブシステムにもたらされる。
【0043】 図2は画像送信機がけい光顕微鏡である本発明のより詳細な実施例の概略図で
ある。この多スペクトル感応性の形態学システム12の主要な構成要素はけい光
顕微鏡40、プリズム及びミラー画像分光写真機30、第1のCCDカメラ34
、プロセッサ70及び診断出力装置80を含んでいる。
【0044】 多くの研究室及びリサーチ設備において見つけられるけい光顕微鏡40は接眼
レンズ41と、「シー型式(C−type)」マウントを有する映像ポート等の
標準カメラ・インターフェースを備えた光学的出力42とを含んでいる。顕微鏡
の光源43は内部フィルタでろ過されて、スライドガラス16上に準備された試
料18によって吸収される。試料は次いでより低いエネルギー準位であると共に
、この試料に渡って強度が変化する光を再放射し、レンズはけい光を発している
試料18の断面の画像を拡大すると共に、こういった画像を接眼レンズ41及び
光学的出力42の双方に供給する。試料は一般にはそうすることは及ばないが、
従来の技術を使用して、通常の染料を用いて準備されるか及び/又は通常のタグ
でラベル化される。顕微鏡40に接続した分光学サブシステムはプリズム及びミ
ラー、入口スリット32を有する波長分散画像分光写真機30を備えている。こ
のスリットによって、図2Aにおいてより詳細に判かるように、その一部分(s
lice)自身が多くの「対象物(object)」21を備えている試料18
のこの一部分20の画像が通り抜けて分光写真機30、及び第1のCCDカメラ
34に達するようになっている。新規で修正された分光写真機30は各波長を同
時に作用させる広い範囲に渡って良好な画像品質をもたらして、システムのどの
構成要素も移動させることなく大きなスペクトル間隔を検分できるようになって
いる。
【0045】 「フリップ(flip)」ミラー62を用いて構成され、「ビーム・スプリッ
タ(beam splitter)」とも呼ばれる光線を向けるアセンブリ60
は映像画像及びスペクトル獲得の双方をもたらす。こうして、ミラーが一方向に
フリップされる場合、スペクトル的に分散した光はカメラ34の第1のCCDマ
トリクス・アレイ36によって焦点に集められ獲得される。従来のCCDカメラ
において行われるように、アナログ画像が観察及び更なる処理のために準備され
る。特に、画像はアナログ−デジタル(AからD:analog−to−dig
ital)変換器によってデジタル化され、次いでしばしばデジタル信号プロセ
ッサ(DSP:digital signal processor)と呼ばれ
るスペクトル画像プリプロセッサ37によって操作されるかまたは前処理される
。準備したスペクトル画像は、以下において詳細に説明するように、プロセッサ
70に送ることができるか、及び/又はCRT.LCD画面、または他の通常型
表示装置等の表示装置38に表示することができる。
【0046】 フリップ・ミラー62が第2の向きに回転した場合、視覚的な、顕微鏡に拡大
した画像、即ち、映像画像は第2のCCDカメラ54のマトリクス・アレイ56
によって捕獲される。この画像はまたアナログ−デジタル変換器によってデジタ
ル化され、高度画像処理アルゴリズム57(別のDSP)は通常型表示装置58
上に高品質表示を行うために画像を操作する。DSPにおける通常型画像前処理
アルゴリズムは平滑化、正規化、背景基礎(background subst
raction)、主要成分分析(PCA:principal compon
ent analysis)及び部分最小自乗(PLS:partial le
ast square)を含んでいる。このようにして、試料のスペクトル画像
データ及び視覚的画像データの双方を病理学者のために表示し、記憶し、分析し
及び/又は更に操作することができる。図示しない代替実施例において、ビーム
−スプリッタ・キューブをビームを向けるアセンブリ60と置換して、分光写真
機30及び観察画像CCDカメラ54に光を同時に送る。
【0047】 分光写真機30は安価なフリントガラスから成るプリズムを使用する。このユ
ニットの支持体及び本体は、軽量化及び向上した剛性に対して準備される鋳造ア
ルミニウム、またはひだ付き金属板、或いは他の材料で構成することができる。
光学系は十分な光線追跡式である。この光学系はビーム・ディレクタ62があっ
てもなくても標準の「シー型式(C−type)」実装または任意の他の受容可
能な接続手段の使用によって、一般には映像ポートである通常型顕微鏡の光学的
出力に容易に組み立てられる。
【0048】 1つの好ましい実施例において、けい光顕微鏡が40倍の倍率に設定される場
合、スリット32を通して分光写真機30によって捕獲される各一部分20は略
1.25μm幅×125μm長である。更に、システムは一部分20に沿って略
0.5μmでスペクトルデータを得ることができる。好ましい分光写真機及びC
CDアレイ容量の特定の設計において、最大240個の対象物(objects
)を目的とするサンプルの各一部分から同時に捕獲することができる。各対象物
に対する対スペクトルは400nm波長で1nmのスペクトル解像度から700
nm波長で略15nmの解像度において、380nmから800nmの範囲で最
大740個の波長データ点まで含んでいる。しかしながら、他のスリットサイズ
と他の解像度容量を有するCCDカメラとを使用して、異なる(及びより大きな
)対象物及びスペクトル・エンベロープ解像度を得ることができることが理解さ
れる。
【0049】 試料18の画像全体を連続的に走査することは、組織学及び細胞形態学設定で
のコンピュータ制御の下に顕微鏡のステージを走査することにより達成される。
第1のCCDマトリクス・アレイ検出器36は入口スリット32に位置する各対
象物からの画素の行に沿った個々のスペクトルを収集する。このフォーマットは
時々「オープン画像(open image)」と称する。何故ならば、検査す
べき対象物の領域についての制限がないからである。また、このフォーマットは
顕微鏡による検査を受ける病理学サンプルに対する費用を抑えかつ最もフレキシ
ブルな方法であることは確かである。
【0050】 スライス内の全対象物は信号強度に応じて数ミリ秒内に獲得される。複数の単
一セルや糸球体のような対象が自動パターン認識で選択されて或る数々の波長に
関連づけられるならば、フォト−ブリーチ(漂白)は特に減少される。
【0051】 PC等、一般にコンピュータ・システムの一部分であるプロセッサ70は試料
18の各対象物21のスペクトル指紋の瞬時に近い認識をもたらすパワフルな神
経網72を含んでいる。1つの好ましい実施例において、神経網が実質的に同時
に処理することができる。おのおのが0.5μmと小さい240個までの対象物
がある。各獲得に対する比較的小さいファイルサイズは計算速度を大幅に高める
と共に、メモリ管理を簡単にする。
【0052】 図3はプッシュ−ブルーム方法論を多スペクトル分析哺乳類物質のための本発
明に対してどのように応用するかを図示している。ステップ100において、ス
ライドガラス上に準備されようと生体内であろうと、物質の画像は光学的出力に
送信される。最も広い実施例において、画像は徹照(トランスイルミネーション
)または物質からの反射、或いは各物質からのけい光発光等の任意の既知の手段
を介して送信できることが理解される。顕微鏡検査法(伝送またはけい光)の場
合、拡大した試料の特別なフィールド、または断片は分光写真機30の入口スリ
ット32にもたらされる。ステップ102において、100個までの対象物21
を含む断片の単一の一部分は、ワーレン他(Warren etal.)の特許
に述べられているように、スリット32を通過し、ステップ104でプリズムの
第1の曲面に当たり、屈折され、第2の面に当たって出て行き、球面鏡に当たる
。波長分散光は次いでプリズムを通して戻って焦点に集められて第1のCCDマ
トリクス・アレイに記憶され、ステップ106で、この第1のCCDマトリクス
・アレイは光を獲得し準備する。本願で使用したように、必ずしもそうではない
が、この準備(組織標本)はスペクトル的に分散した光をデジタル化して前処理
することを伴う。デジタル画像の前処理または操作はその外観を改善すべく通常
型DSPアルゴリズムを用いて達成される。全ての光の80%から90%を越え
たもの、全波長範囲を越えたものがシステムを通して送信される。
【0053】 次いで、ステップ108において、プロセッサは細胞の各対象物の組織形態パ
ターンを分類する神経網を使用して、一部分における各対象物のスペクトル・エ
ンベロープを表わすスペクトルデータを処理する。次いでシステムはステップ1
10において、各獲得の状態を調査する。単一の獲得のみが必要とされるかまた
は所望されれば、プロセスはステップ112で休止し、診断データを病理学者に
よる検査のために出力することができる。しかしながら、よくあることであるが
、試料の付加的一部分をスペクトル的に分散し分析すべきである。即ち、ステッ
プ114において、調査に対する回答110は「否(no)」であり、各画像の
隣接する一部分が入口スリットを通して送信される。顕微鏡検査法の場合、試料
のスライドガラスを顕微鏡40のx−yステージによって移動させて、前に分散
させた一部分に隣接する一部分を表わす光の通過を可能にするようになす。次い
で、プロセスはその第2の一部分における各対象物のスペクトル分散、獲得及び
分析のためにステップ104に戻る。このプロセスは、試料の全領域または十分
な領域がこのようにして分析されるまで繰り返される。一旦この連続した獲得プ
ロセスが完了して、各対象物に対するスペクトルデータが適切なメモリ「ビン(
bin)」に記憶されると、以下において述べるように、プロセッサはこのデー
タを合成して、試料に対する完全な診断をもたらすことができる。
【0054】 細胞分析に対するプッシュ・ブルーム・スペクトルデータ獲得を利用する利点
は多い。先ず、診断が実用上瞬時である。代替技術を使用して十分なスペクトル
データを得ることは、データ処理に先立って巨大なデジタルファイルを生成する
ことを要求しよう。本発明の1つの好ましい実施例による全獲得は、これでもま
だ185KBに過ぎないが、おのおのが740個のデータ点を有する240個の
スペクトルを含んでいる。このサイズのファイルは容易に処理され、極めて迅速
なデータ処理及び決定を行うことができることとなる。更に、システム全体は干
渉計等の分析に関する他の方法に比してはるかにコストがかからない。
【0055】 この方法はまた、高速低解像度評価によって、高解像度走査に先立って粗のパ
ラメータを決定できるようにする。多スペクトル形態学マップを得ることに加え
て、システムは通常及び病気にかかった組織を示す仮のカラー「指紋(fing
erprint)」スペクトルで試料の映像画像を「彩色する(paint)」
することができる。このシステムはまた反拒絶薬物毒性の形跡は勿論のこと、慢
性の疾患及び急性の疾患の間の区別を立てる。
【0056】 3.神経網 伝統的な数学的アルゴリズムは連続的に計算を実行して、線形変換に基づく結
果を引き渡す。神経網(NN:neural network)は人間の脳と同
様の方法で並列に計算を行い、非線形変換を実行する。今日まで、システムには
非監視式神経網(USNN:unsupervised neural net
work)から給電されていた。しかしながら、システムには2つの神経網、即
ち、USNN及び監視式神経網(SNN:supervised neural
network)によって選択的に給電することができる。USNNは各対象
物から各スペクトルを収集し、特徴づけ、分類し、かつ独自のスペクトル特性の
「ビン(bin)」に置く。こうして、USNNは「指紋」スペクトルの存在を
自動的に認識しマッピングする(即ち、調整する)。即ち、同一のスペクトル特
性を含むビンを識別する。SNNは各ビンのスペクトルを他のビンからのスペク
トルと区別を立てる特殊な特徴を決定するのに使用することができる。こうして
、システムは分析下の物質の各対象物の示されるスペクトルをマップと比較して
、疾患の存在を識別することができる。
【0057】 USNNは各スペクトルが収集されるとき、各スペクトルを特徴づけ分類する
「フィルタ(filter)」または「ふるい(sieve)」として考えるこ
とができ、各スペクトルを同様のスペクトル特性の組織形態のビンまたは「クラ
ス(class)」に置く。プロセスは、同一かまたは共通のルートを有する単
語を組み合わせることによって本の中の単語をアルファベット順にすることに類
似している。この手続の終りによって、ビンの数はスペクトル組織形態特性によ
って定義されるスペクトル対象物の数を表わす。このプロセスは「デジタル色層
分析(digital chromatography)」と称する。何故なら
ば、機能は化学的化合物の混合物の分離に対する分析化学に使用するプロセスと
殆んど同一であるからである。大きな差異は、USNNプログラムは特別のクラ
スのスペクトルをサンプル自体にマッピングし戻すことによって空間の情報をも
たらす余分なディメンジョンを加えることである。
【0058】 オペレータは背景特徴等の幾つかのスペクトルクラスを組み合わせるか、また
は他を除去することを決定することができる。このことはユーザまたはコンピュ
ータの何れかによる「しきい値化(thresholding)」によって達成
される。これは、USNNがユーザ定義の応用の制限内で同一及び非同一のスペ
クトルを描写し、識別しかつ分離することを可能にするプロセスである。しきい
値をセットアップすべく人間の「ウェットニューロン(wet neuron)
」を組み込むことは、人間の経験がソフトウエアの動作限度を制御可能にする。
USNNは「ブラックボックス(black box)」よりもむしろ「ホワイ
トボックス(white box)」となる。何故ならば、ネットワークの感度
及び動作パラメータはオペレータの影響に対して常に有効であるからである。
【0059】 一旦USNNが自己調整すると、十分に制限されたサンプルにおいて、USN
Nは新しく獲得したスペクトルのおのおのを認識するスペクトルクラス及びカテ
ゴリーと比較する。USNNは新たな獲得において一致、略一致、及び不一致の
スペクトルを識別する。スペクトルの各クラスは少ないバイトのデータにコード
化されメモリに記憶される。あらゆる将来のスペクトル獲得は同様にコード化さ
れ、かつ記憶したデータと比較される。このプロセスは740個のデータ点のス
ペクトルをサイズ的に少ないバイトだけメモリのブロックに低減し、従って、何
百というスペクトルの認識が略実時間で行われる。調整は複雑な材料に対しては
2分までまた簡単なスペクトルに対しては数秒かかることができる。
【0060】 プロセッサ70はUSNNと協動して働く監視式神経網(SNN:Super
vised Neural Net)を組み込むこともできる。このSNNは各
ビンの特殊な特徴を識別し、システムを自動化しかつフルーチン・オートキャリ
ブレーションを実行する。過去の経験はこれら2つの神経網アーキテクチャを組
み合わせることは、そのうちの幾つかまたは全てが時間と共に変化し得る多くの
変数を制御するのに極めて効果的であることを示してきた。殆んどの人間は或る
一定の変化を監視するかまたは「順応する(accommodate)」傾向が
ある。例えば細胞病理学等のマルチ−パラメトリック・システムにおいては、こ
のことは極めて危険である。何故ならば、1つの変数における変化はプロセスの
どこかよその非線形な情動に帰着してしまい、評価の精度を傷つけるからである
。2つの神経網システムは透明な親和関係を形成して、正確な繰返し可能な診断
に必要な条件が温度変化、機械的調整不良またはオペレータのエラーによって傷
つけられないことを自動的に保証することができる。
【0061】 この発明の1つまたは、よりもっともらしい多くのシステムは、全ての示され
る病理学上の狂い及び疾患の細胞の形態学をスペクトル的に特徴づけるために、
USNNによって調整及び再調整することができ、こうしてこれらの示される状
態を表わすスペクトル指紋の「ライブラリ(library)」を生成する。結
局、病理学的疾患のカテゴリーの全体及び有限の分野はUSNNによってスペク
トル的に特徴づけられることとなることが期待される。この一里塚が達成される
場合、各システムには種々の可能な状態の予め調整したスペクトル指紋の全てを
含むデータベースを備えたSNNを装備することができよう。病理が知られてい
ない試料が本発明のシステムに与えられる場合、SNNはそのスペクトル指紋を
データベースまたはデータベースの適切なカテゴリーに記憶されている全ての指
紋のスペクトルと迅速に比較することとなる。大量のメモリ容量を有するパワフ
ルで高速かつ低コストのパーソナルコンピュータ・システムの可能性において、
単一のパーソナルコンピュータ・システムは「スペクトル・ライブラリ(spe
ctral library)」の全体を記憶することができることによって、
システムに与えられた任意の細胞または組織試料の状態の自動診断をもたらすこ
ととなる。
【0062】 当業者は特定の組織構造的評価がコンピュータ・メニューから選択できるよう
にするプロトコルを開発して、システムとの連続した人間の対話を簡単にし最小
化すると共に、オートキャリブレーションを実行し、システム全体の状態を連続
的に監視し、かつユーザのオペレーションを記録するようにできることが了知さ
れる。
【0063】 4.出力 好ましい実施例のシステムは幾つかの診断出力をもたらすことができる。以下
においてより詳細に説明する図4、図5、図6、図7及び図8は、哺乳類物質の
分析からの出力のうちの幾つか、即ち、結核症に対して陽性の患者からのスペク
トルサンプルの断片を図示しており、該サンプルは化学的色素の準備、即ち、オ
ーラミン/ローダミンによって着色されている。外側発光(epi−fluor
escence)下で見られるスライドガラスは、システムがけい光を発してい
る結核症バクテリアのスペクトル特性及びマッピングをもたらすことができるよ
うにした。神経網は強度をモニタし、(単一のフルオロフオラ及び単一の放射さ
れた波長のみが存在するこの例に対しては必要ないが)多数のスペクトルが与え
られる場合、コンピュータに戻される回旋除去(deconvolution)
要求及びペイントは、識別され処理されたスペクトルのサンプル上の位置を監視
する。
【0064】 特に、図4は映像表示装置58上の試料のけい光を発し拡大された断片のグレ
ースケール映像、即ち、「観察した(observed)画像を示している。映
像表示装置は、例えばCRTまたはLCD画面、或いは等価物等の任意の通常型
表示装置であることができることが了知される。図5は一部分の下方に存在する
スペクトルを表わす偽彩色の同一画像を示している。図6は図5で識別したが、
USNNを用いてプロファイリングした後に「チャンネル(channel)に
区分した一部分のスペクトル画像のより洗練したバージョンである。図7は可能
な240個のうちの25個のスペクトルのグラフである。y軸はそのスペクトル
に渡る試料の一部分の対象物から放射された光の強度、または大きさを表わして
いる。(約580nmにピークがある)540nm及び700nmの間のベース
ライン間のけい光エンベロープが、相対的強度の差分を明瞭に描写したサンプル
上の位置の関数として捕獲される。図8はUSNNがどのようにして対象物と同
様の性質の各スペクトルを関連させたかを示している。特に、図8は左半分及び
右側の調整セットにおける各対象物、即ち別のサンプルの各対象物を表わす図で
ある。
【0065】 この視覚的情報の全ては、物質を分析し診断する際に病理学者をアシストする
ことができる。しかしながら、結局、システムは神経網を介して、観察下にある
物質によって提示される状態に関する実際の診断をもたらすように設計される。
この診断は表示装置、メモリに記憶され、別のコンピュータ・システムに送信さ
れるハードコピー、またはこれらの任意の組合せ等の任意の通常型出力媒体にも
たらされる。
【0066】 III.多スペクトル形態学のけい光を発する物質への応用 多くのけい光技術は種々の型式の生物学的哺乳類物質の分析において極めて効
果的であることが見い出されてきた。幾つかの技術は、(例えば大動脈壁及び動
脈等の)自己けい光発光及び(例えば、腎臓及び心臓の組織の分析に対する)免
疫けい光を含む、特別な物質の内生特性(即ち、自然けい光)を開拓している。
内生ではない他のけい光技術は、けい光ラベル化、単一細胞に由来する細胞であ
る抗体または多クローン性の抗体(免疫組織構造のマーカー)、現場交雑形成技
術、及び標準の色素方法論を使用する免疫けい光を含んでいる。この項で使用す
るような哺乳類物質はこれらのけい光技術の任意のものによって準備される前述
の型式のうちの任意のものの物質を含み、かつ、自己けい光を発する物質の場合
、けい光組織標本を全く有し得ない。
【0067】 しかしながら、これらの全ての場合において、この種の物質に関する分析は本
発明の自動化スペクトル形態学システムを組み込むことによって大幅に高められ
る。残りの説明は本発明の或る特定の応用及び病理学的疾患の診断に対する効能
を確めるべく行われた検査について詳述する。
【0068】 1.自然にけい光を発する物質(内性物質)への応用 大動脈壁及び動脈に存在するエラスチン、または他の物質に存在するコラーゲ
ン等の実質的自己けい光発光化合物を含むと認められる物質は何らけい光スティ
ニングを用いることなく分析して、病気にかかった大動脈及び動脈それに通常の
大動脈及び動脈の自己けい光パターンを評価すると共に、基礎的診断情報を生む
ことができる。更に、本来の疾患及び拒絶の双方を診断するために、免疫グロブ
リンに対するけい光を発する抗血清を含んだ、免疫けい光スティニング技術を使
用する、腎臓、心臓及び他の臓器等の本来の臓器及び移植した臓器からの細胞及
び組織物質の自然けい光の分析はまた、本発明の多スペクトル画像分光計システ
ムの使用によって大幅に高めることができる。
【0069】 a.自己けい光蛍光物質(フルオロフオラ)への応用 図9は自己けい光エラスチン層を有する大動脈壁の2つのサンプルのスペクト
ル特徴を示している。これらのサンプルは436nmで励起される外側けい光顕
微鏡(epi−fluorescence microscope)で実験され
、強い青緑のけい光を示した。本発明の分光学サブシステムによってもたらされ
、図に示されるスペクトル特徴は通常の大動脈壁(曲線1)及び劣化を示す大動
脈壁(曲線2)の間で明瞭な区別を立てている。結局、一旦神経網が多くのこの
種のサンプルによってシステムを十分に調整すると、通常の大動脈壁及び劣化し
た大動脈壁の全領域に関する識別及び分類が得られることとなり、本発明のシス
テムは未知の診断の如何なる大動脈壁も分析し診断することができることとなる
【0070】 b.免疫けい光への応用 末期段階の腎臓病等の或る本来の臓器の疾患、或る心臓病、及び移植した臓器
の拒絶に関する診断は、バイオプシー試料の凍らせた断片における免疫けい光調
査結果の効果的な評価に部分的に頼っている。例えば、ESRD人口は累進的に
年々増えている。透析及び腎臓移植の双方はESRDにて寿命を延ばすのには有
効な技術である。共通に用いられる診断テスト(即ち、腎臓移植超音波及び馬尿
シンチグラム)は、移植組織誤作動の他の原因から拒絶の区別を立てるのに役に
立つ。パルス型ドップラー(Pulsed−Doppler)は腎臓移植を含む
管の合併症を研究する優れたツールであり、他の合併症から管の拒絶の区別を立
てる助けとなる。腎臓の同種移植片評価における定量的二重ドップラー音波ホロ
グラフィー(DS:Doppler Sonography)の診断値は増々臨
界的に調べられている。従って、同種移植片機能不全の組織病理学的評価によっ
て特定の診断を確立する腎臓バイオプシーは強制的なままである。
【0071】 実際、移植組織の誤作動に寄与する(主としてシクロスポリンAによる)急性
または慢性の拒絶等の特定の腎臓の実質組織の疾患、「新たな(de novo
)」または反回性の腎糸体の疾患、免疫抑制ニフロトキシシティ(nephro
to−xicity)は一般に、腎臓の組織病理学研究によって診断することが
できるに過ぎない。
【0072】 これらの状態に対する効果的かつ効率的組織病理学分析の重要性を認識すれば
、本発明のシステムは免疫グロブリン、補体成分、及びプラズマ窒素物質に対し
て着色された臓器試料におけるけい光パターンを評価するのに使用されると共に
、光学顕微鏡的でかつ標準の免疫けい光調査結果及び医療データと関係づけられ
ていた。本発明のシステムを使用する以下の組織病理学試料のスペクトル分析は
、これらの試料の診断において極端に価値がある定性的並びに定量的情報をもた
らしたことが判かった。
【0073】 i.腎臓バイオプシーへの応用 本発明のシステムはテストされ、腎臓病を有する患者からバイオプシーの早期
診断評価をアシストすると共に、移植を受けた患者の定期的監視に役立つことが
見い出された。
【0074】 特に、拒絶を有する腎臓の同種移植片の免疫けい光研究は、既存のけい光顕微
鏡を用いて免疫グロブリンのデポジットの非診断パターンを示す。本発明のスペ
クトル形態学顕微鏡の応用は、組織内でのスペクトル指紋及び空間相関の関数で
ある免疫グロブリンのデポジッションの検出の助力となることが示され、現在の
観察方法に対して力強いデジタル的進歩をもたらすものである。
【0075】 本来の腎臓を有する患者において、システムからのスペクトル画像を医療調査
結果及び標準光それに免疫けい光研究と比較して、疾患の状態を類別することが
できると共に、その苦しさを定量化する。現在、免疫けい光はありのままにグレ
ード化されている(0から+4)。このシステムは腎臓病に基づく免疫性及び非
免疫性組織の基礎をなす構造的異常に定量的並びに定性的な新しい洞察力を与え
るものである。
【0076】 実験は、疑わしい腎臓または心臓移植或いは疾患の形跡を与える本来の臓器を
有する患者の記録保管所のスライドガラスを分析することを伴った。サンプルは
IgA,IgGまたはIgMに特有の免疫けい光ステインで処理された。これら
はまたヘマトキシリン/エオシン(H&E:Hematoxylin/Eosi
n)ステイニングで処理されて、伝送(白色光)顕微鏡検査法で各サンプルを観
察し分析するようにした。システム動作パラメータは次の通りであった。
【表1】
【0077】 励起波長は405nmであり、スペクトルは470nmより大きい波長の全て
の光を通すと共に、励起波長及び470nmよりも短い波長の全ての光を阻止す
るロング・パス・フィルタを通して得られた。
【0078】 全てのスライドガラスは予め検査され、或る程度また場合によっては大ざっぱ
に光漂白された。それにも拘らず、以下において示すように、システムはスペク
トル形態学が慢性疾患を有する本来の腎臓と慢性拒絶またはシクロスポリン毒性
の形跡を示す移植した腎臓との間に区別を立てることができるという形跡をもた
らした。
【0079】 (1)慢性疾患を有する本来の腎臓及び慢性拒絶を有する移植した腎臓の比較 図10はスペクトル形態学が、慢性疾患を有する本来の腎臓(曲線1)とシク
ロスポリン毒性があってもなくても拒絶の徴候を示す移植した腎臓(曲線2及び
3)との間に区別を立てることを示している。これらの全てのバイオプシーサン
プルは、人間に対するけい光を発した抗血清(fluoresceinated
anti−sera)IgAで着色された。
【表2】
【0080】 (2)IgA,IgG及びIgM間の区別 図11は550nmから650nmのスペクトル範囲におけるIgA,IgM
及びIgGに対する免疫けい光ステイニングのスペクトル間の明瞭な区別を示し
ている。
【表3】
【0081】 (3)結果の概要 一般に、結果は低信号強度においてさえも最も促進的なものであって、技術の
強さを強調している。これらのテストは急性及び慢性の腎臓移植拒絶及びシクロ
スポリン毒性の間に区別を立てることが可能であるという強い指示をもたらして
いる。
【0082】 ii.心臓移植バイオプシーへの応用 伝統的な医療処置物理療法及びより新しい外科的介入は短期の苦痛の軽減をも
たらし得るが、心臓移植は依然として、末期の心筋症を有する患者に対して自然
な進展及び貧弱な予後を変更することができる介入にしか過ぎない。医療の進歩
にも拘らず、移植した心臓の拒絶及び悪化によって依然として重大な病的状態及
び死亡率がもたらされ、移植組織心臓の閉塞作用の疾患の進展はより長期間の生
存さえも制限している。体液拒絶と呼ばれる拒絶からの特に致死は通常、移植後
の初期の段階で生じる。正確な治療につながる診断は、移植した心臓からの心臓
バイオプシーの凍らせた断片の免疫けい光評価から最良に決定される。
【0083】 非拒絶病理学はしばしば次の移植と見られており、虚血またはアルコールアミ
ン効果、間質性繊維症、心筋の石灰化、及びクイリティ効果(Quilty e
ffect)と呼ぶ心臓内の浸潤物に関連するシクロスポリンを含んでいる。従
って、細胞の拒絶の形跡がない場合でも、免疫抑制の疾患の形跡を自動的に診断
できることは極めて重要である。
【0084】 心臓移植の国際学会(ISHT:International Societ
y of Heart Transpolation)はグレード0から+4に
渡る心臓拒絶のグレード化を可能にする基準を提供している。図には2人の患者
からの2つのスペクトルを示しており、双方はISHTのグレード0を有する体
液拒絶に対して陰性であると共に、クイリティ効果に対しても陰性である。双方
は心臓移植患者の健康な心室の中隔の心臓内バイオプシーである。各スライドガ
ラスは免疫グロブリン、補体の第3の成分及び繊維素原に対するFITC共役の
抗血清で着色された。 曲線1:(16757)陰性のクイリティ効果、陰性の拒絶、ISHTグレード 0。 曲線2:(16471)陰性のクイリティ効果、陰性の拒絶、ISHTグレード 0。 この例はスペクトルが同様の調査結果を有する患者の間で一貫しているという優
れた指示をもたらしている。
【0085】 一般に、免疫グロブリンG、免疫グロブリンA、免疫グロブリンM,Clq,
C’3,HLA−DR、及び繊維素原、並びに心臓内の細胞(抗原に関する因子
VIII)及び大食細胞(KP1〔CD68〕)に対する免疫ペルオキシダーゼ
における免疫けい光研究はきちんと行われており、本発明によって高められる。
何故ならば、空間的に分解した免疫けい光特徴は迅速に、正確に、かつ安く研究
し、かつ評価することができるからである。神経網促進データ分析と関連して分
光写真機はこの種の組織に存在するスペクトル対象物の直接的でデジタル的に客
観的解釈をもたらして、病理学者が評価を行う際に手助けする。こうして、分光
器/顕微鏡の組合せは、臓器拒絶の初期の徴候に関する速度及び特異性を高める
【0086】 2.他のけい光技術への応用 前述したように、生物学的物質はけい光色素で着色されるかまたはけい光タダ
でラベル化される。免疫組成化学反応は1つのカテゴリーの各反応を備えると共
に、免疫組織構造のマーカーを有する単一細胞に由来する細胞であり多クローン
性の抗体を含んでいる。けい光現場交雑形成(FISH:Fluorescen
t in situ hybridization)は別のカテゴリーであり、
遺伝子分析または窒素物質分析に向けることができる。前者の場合、交雑形成は
(「アンチセンス・ストランド(antisense strand)」と呼ば
れる)ヌクレオチド・ラベル・プローブ及び内生のヌクレオチド(例えばmRN
A、「センス・ストランド(sense strand)」と呼ばれる)の間に
起こる。これは対のヌクレオチド相互作用と称する。後者の場合、窒素物質は、
窒素物質対窒素物質の相互作用と呼ばれるものにおいて目的とする結合窒素物質
を含む組織でラベル化されると共に培養される。この種の物質に在る疾患の診断
に対する本発明の応用の諸例をここで述べる。
【0087】 a)頸膣障害への応用 2つの特殊な疾患、即ち、人間の乳頭腫ウイルス(HPV:Human Pa
pilloma Virus)及びクラミディア・トラコマティス(CT:Ch
lamydia Trachomatis)は、病理学者にとって重大性を増大
させる課題となってきている。第1の疾患は頸の癌種の先駆物質であると信じら
れており、第2の疾患は米国において最も一般的な性的に伝達されたバクテリア
病原体であり、実質的な病的状態を引き起こすことが認められている。しかしな
がら、双方の疾患の診断は技術的に前述の制限を受けてしまう。PAPスミアー
は現在、分析のために着色し、剥離した頸の細胞のスライドガラスを光学的顕微
鏡上に準備することによって行う頸の癌種及び他の異常の初期の検出に向いてい
る。価値ある選別ツールではあるが、PAPスミアーは、バイオプシー試料の組
織病理学的実験によって見い出される異常の50〜80%のみを検出する。更に
、これら2つの疾患は従来のPAPスミアー選択を用いることに対してうまくテ
ストされない。
【0088】 シアダト−パジュー他(Siadat−Pajouh et al.)及びそ
の他の学者は頸膣の細胞の細胞核における癌種関連のHPD遺伝型は、けい光ベ
ース現場交雑形成(FISH:fluorescence based in
situ hybridization)アッセイの使用を通してPAPスミア
ーのスライドガラスにおける細胞のDNA分析によって検出可能であることを示
してきた。けい光顕微鏡によって得られた(ろ過された)細胞の画像は次いでC
CDカメラによってデジタル的に捕獲され、DNA対比染色の画像から全ての細
胞核を検出するアルゴリズムを使用して分析される。細胞核の画像はマスクとし
て使用すると共に、同一の顕微鏡シーンのFISH画像の一面にマッピングする
ことができて、この結果、各細胞核から対応するけい光HPV信号を定量化する
ようになっている(シアダト−パジュー他(Siadat−Pajouh et
al):「けい光ベース現場交雑形成及び自動化画像血球計算による頸膣細胞
のHPV型式16/18 DNAの検出(Defection of HPV
Type 16/18 DNA in Cerricovoginal Cel
ls by Fluorescence Based In Situ Hyb
ridization and Automated Image Cytom
etry)」、サイタメトリ(Cytometry)、15:第245頁から第
257頁(1994年)を参照されたい)。この方法は、単一の波長フィルタを
用いたけい光信号の単一の波長検査として説明することができる。細胞核のDN
A構造について更に多くのデータを得て、HPV識別に関する向上した速度、特
異性及び精度を得るようにするには、けい光顕微鏡に対して多数のフィルタの使
用を必要とする多数のけい光タグを使用しなければならない。しかしながら、前
述したように、多数のフィルタを用いた単一波長検査は時間がかかり、サンプル
の漂白のリスクを負い、しかも有益な多波長データを失ってしまう。
【0089】 更に、クラミディア・トラコマティス(CT:Chlamydia Trac
homatis)、即ち、米国において最も一般に性的に伝達する疾患の検出は
標準PAPスミアー技術を用いて困難であったが、フルオレセイン共役の単一細
胞に由来する細胞である抗体を有するスミアーの直接免疫けい光(DIF:di
rect immunofluorescence)スティニングはその診断に
おいて有効であることが示されてきた(ガロッツォ他(Garrozzo et
al.):「クラミディア・トラコマティス診断:パプ塗抹標本及び直接免疫け
い光の相関的研究(Chlamydia Trachomatis diagn
osis:a correlative study of pap smea
r and direct immuno−fluoresecence)」,
clin,Exp.Obst.Gyn.第20巻(4):第259頁から第26
6頁(1993年)を参照されたい)。
【0090】 本発明は、全ての単一テストにおいて、PAPスミアー選別と一緒に(この他
に)これらの「初期のリスク(early risk)」疾患の識別を助けるこ
とができる低コスト、高速及び効率的診断ツール及び方法としての有用性を有す
る。特に、本発明は感度の高いFISHアッセイ及びDIFスティニングを使用
して識別することができる通常の細胞及び病気にかかった細胞の分析を自動化し
て、PAPスミアーからHPV及びCTの存在をより一層他覚的に、コスト的に
効果的に、かつ迅速に識別することができる。
【0091】 i.人間の乳頭腫ウィルス(HPV)の識別 新しい細胞学器具の1つの主要な目的は、選別したPAPスミアーの誤った負
の比率(FNR:false−negative ratio)を低減すること
である。細胞学的に未検出の誤った負のケースの検出率を増大すべく提示された
種々の技術のうち、PAPスミアーの他に上皮の細胞のDNAにおけるHPVに
対して同時にスクリーニングすることが、最も効果的なものの1つであることが
示されてきた。一緒に使用される場合、これらは相互に補足し合うと共に、高い
検出率を表わす。
【0092】 この理由は、実質的な形跡が人間の上方生殖器の疾患、即ち特に頸の癌種に関
連するHPVを蓄積してきたことである。今日まで、60種を上回るHPV遺伝
子型が述べられてきており、そのうちの約20種が生殖器障害と関連している。
これらの20種はそれらの良性腫瘍及び悪性腫瘍との関連に従って、「高リスク
(high risk)」及び「低リスク(low risk)」に特徴づける
ことができる。シアダト−パジュー他(Siadat−Pajouh et a
l.)の文献に詳述されているように、前記を参照すれば、FISHアッセイが
開発されて頸のスミアーにおけるHPV16及び18を検出し、この際、これら
の2つのシーケンスは悪性障害で殆んど識別される。多数のHPV型式の識別の
速度、特異性及び精度は多数のけい光タグ・プローブの使用によって大幅に高め
ることができる。従来のFISHアッセイはHPV識別の1つの比較的コストの
低い方法であるが、等しい数の波長フィルタ(フィルタ)を用いた多数のけい光
信号の単一の波長検査は時間がかかり、サンプルを漂白するというリスクを負い
、かつけい光特徴を定義する多波長データを放棄する。
【0093】 多スペクトル形態学システムは、スペクトル全体を収集すると共に回旋除去(
デコンボルーション)アルゴリズムを使用することによってこの種の多数のタギ
ング(tagging)の使用を可能にして、観察したけい光エンベロープに貢
献する種々のスペクトル信号を正確に区別を立てるツールである。
【0094】 ii.クラミディア・トラコマティス(CT)の識別 前述したように、CT(Chlamydia Trachomatis)を識
別するために使用する技術の中で、DIFは極めて有効な技術であることが見い
出されてきた。特に、フルオレセイン・イソチオシアン酸塩と共役するCT特定
の単クローン性抗体は高い特定のフルオレセインをもたらす。このテストはサン
プリング及びハンドリングに十分適しており、FISHアッセイにおけるように
、PAPスミアーのそれと矛盾しない。
【0095】 iii.二重スティニング方法 従来のFISH及びDIFアッセイは特殊な対物レンズ及び多数のフィルタが
装備された高品質けい光顕微鏡を必要とする。これらの条件に対する試験はこれ
らの技術を殆んどの事務所設定に対して不適切なものとする。しかしながら、本
発明の多スペクトル画像システムを使用して、FISHラベリング及びDIFス
ティニングで二重に着色された単一の頸のPAPスミアーのスライドガラスは、
これらの条件を定義する全ての波長データを収集することによってHPV順序付
け及びCT識別双方に対して自動的にかつ同時に診断することができる。
【0096】 b.結核症バチルス(Tuberculosis Bacilli)に感染し
た組織 ローダミン/オーラミン(外因性フルオロフオラ)等のけい光を発する色素で
着色された物質の分析は、本発明の応用において大幅に向上する。以下は1つの
この種の検査の説明である。
【0097】 結核症(TB:tuberculosis)に感染することが知られていてT
Bから解放されているかの何れかの患者からの組織のスライドガラスが分析され
た。各スライドガラスは、オリンパス(Olympus)BH2外側けい光顕微
鏡下での観察用の組織標本におけるオーラミン/ローダミン・ステインを用いて
準備された。励起波長は510nmであり、スペクトルは540nmよりも波長
が大きい全ての光を通し、励起波長及び540nmよりも短い全ての波長を阻止
するロング・パス・フィルタを通して得られた。
【0098】 図4は、TBコード化CTB 11299sp3に対して陽性であることが知
られているキャリブレーション・スミアーの映像画像を示している。「観察した
(observed)」画像カメラは高い強度の放射によってスミアーにおける
各領域の識別を容易にするために偽色彩エンハンスメントを使用している。図5
は、コンピュータ・モニタ上で観察されるように、分光写真機によって、かつ偽
色彩エンハンスメントで以って得たスペクトル・ファイルを示している。各獲得
は図4の矩形状ボックスによって示されるようにスミアーの一部分を捕獲してい
る。1及び2のマークが付された各対象物は図5及び図6のスペクトル画像それ
に図7のスペクトルと相関している。このシステムの映像カメラは、TBに感染
しているこれらのサンプルに対する強い光の領域及びTBに感染していない各サ
ンプルにおける光の顕著な不足を観察する際に何らの困難性も有していない。図
6は「チャンネル(channel)」に区分されたスペクトル画像を示してい
る。各チャンネルは一部分における領域のスペクトルである。この概念を提示す
ることを簡略化するために、25チャンネルのみが8×2.5μmのスミアー上
の領域を表わすのに示されている。
【0099】 通常の動作状態の下で、最大240個のチャンネルがあり、各チャンネルは画
素の1つの行に対応している。この解像度では、240個の対象物のおのおのは
対物レンズの倍率が20倍のとき1μm×2.5μmであり、全て同時に得られ
る。区分化はオペレータによってまたはコンピュータによって自動的にセットア
ップされる。フィルタセットがシステム内にあって、或る値を下回る波長を阻止
する場合、各チャンネルを確立して欠乏している波長データの大部分を除去する
ことは通常のことである。各スペクトルはチャンネル番号に相関しているサンプ
ル・スミアー上の特定の位置に対応している。Y軸は信号を出射している対象物
に対して存在する信号を定量化すべくキャリブレートすることができる信号強度
をもたらす。図6の各バンドは最初の観察した画像に彩色し戻すことができる同
一のスペクトルの場所を指示している。これらのスペクトルのおのおのは存在T
Bを指示し、以下の項で説明するUSNNを用いて識別された。
【0100】 大部分のけい光検査において、けい光信号は「タグ(tags)」からは勿論
のこと自然けい光から構成される。TBに対して陽性のスミアーの信号強度レベ
ルは(自己けい光発光とも称する)自然けい光からの信号を大幅に超過すること
が見い出された。システムは非常に多数のスペクトルを同時に生成し、そのうち
の多くはその隣りとは相違することができると共に、特定の位置での条件及び状
態の相違を示すことができる。
【0101】 USNN概念がTBの識別に対してどのように作用するかを例証するために、
キャリブレーション・スミアーctb11299sp3を使用してUSNNを調
整し、図4、図5、図6及び図7において前に示したように、スミアー提示TB
のスペクトル特性を認識した。次いで、スペクトルの観察した各画像を、tb1
2110sp2としてコード化され、TBに対して陽性であると知られているス
ミアーから捕獲した。同一のチャンネル選択はキャリブレーション獲得に対する
ものとして使用した。
【0102】 図8はキャリブレーション・スミアーctb11299sp3及びコード化し
た患者サンプルtb12110sp2の分析のUSNN表現を示している。上左
は第1の獲得が調整用セットで、識別した9個のスペクトル特徴があったことを
指示している。USNNのしきい値(感度)が調整されていれば、全体の差異を
捜すことによってのみより少ないスペクトルを、或いは微細な差異を捜すことに
よってより多くのスペクトルを位置させることとなろう。
【0103】 第1の列はチャンネル番号を示し、第2の列は特別なチャンネルに関連するス
ペクトル対象物を示している。第3及び第4の列はtb12110sp2におけ
る認識したスペクトル対象物に対するサーチを示している。病理学者は領域出射
対象物1が明瞭にTBのそれであったことを確認した。第4の列は、対象物8の
対象物1,3の12の再現、及び対象物8につながる幾つかのスペクトルがある
ことを示している。NMO.0607823等の番号は示された対象物に対する
パーセント類似性を示している。対象物8の信号強度を考えれば、これはたぶん
存在することが期待されている少量の自然けい光発光である。スペクトル強度及
び画像データは定量化及びデジタル化に対して十分な情報をもたらす。
【0104】 以上、この発明の基本的原理及び例示的実施例について説明したが、更なる変
形、変更、修正及び改良は当業者にとって浮かぶこととなるのは明瞭となろう。
例えば、前記識別した波長スペクトルに比してより広いかまたは異なる範囲の波
長スペクトルを捕獲する修正した光学系を用いてシステムを設計し得ることが了
知される。更に、本発明は顕微鏡の使用に制限されないことが了知される。分光
写真術サブシステムは、例えば任意のレンズベースの望遠鏡システム、または内
視鏡等の光ファイバーベース画像システム等の、画像哺乳類細胞及び組織を送信
することができる任意の型式の光画像送信機を用いて動作し得る。更に、物質は
準備したスライドガラスには限定されない。例えば、このシステムは分光学サブ
システム及びコンピュータを例えば膣拡大鏡に接続することによって、婦人科の
検査の際に頸膣の組織のスペクトル特性を自動的に分析することができよう。最
後に、このシステムは主要な診断ツールとして使用するのには制限されない。こ
のシステムは病理学実験における品質管理を改善するツールとして使用すること
ができる。例えば、PAPスミアーの選別の際に、細胞技術者が異常なまたは異
型性の細胞特性を有する特別な患者からの試料を観察する場合、前の試料は「陰
性(negative)」として報告されたが、全ての前の選別したサンプルは
何らの「偽の陰性(false negative)」報告も出てこなかったこ
とを突き止めるべく、細胞病理学者によって再吟味すべきである。更に、或る実
験において、或るパーセントの「陰性(negative)」のサンプルを年長
の細胞病理学者による再選別のために提示することができる。本発明のシステム
はこの種のサンプルを再選別するのに使用することができ、この結果、(人間の
判断の依存性を低減することによって)分析の客観的妥当性を増大することによ
り、並びに速度を増すと共に選別/再選別プロセスのコストを低減することによ
り品質保証を向上させる。従って、前述の説明は例示的なものに過ぎず、この発
明は種々の請求項及びこれとの等価物によってのみ制限され定義される。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 光が組織または細胞等の哺乳類物質を透る本発明の自動化多スペクトル形態学
微細構成(トポグラフィー)システムを示す基本的概略図である。
【図1B】 物質に入射する光が物質から反射するかまたはより低いエネルギーの光を再出
射する(けい光を発する)物質によって吸収される、図1Aの画像送信機の変形
を示す概略図である。
【図2】 物質がスライドガラス上に準備され、画像送信機がけい光顕微鏡である本発明
のより詳細な実施例の概略図である。
【図2A】 図2に示すスライドガラス上に準備した物質を更に詳細に示す概略図である。
【図3】 本発明の1つの好ましい方法を説明するフローチャートである。
【図4】 長方形によって囲まれた断片の一部分における、オーラミン/ローダミンで着
色されたけい光を発するTB−陽性のスペクトルサンプルの断片の観察した映像
画像を示す図である。
【図5】 図4に示した一部分に存在するスペクトルの偽色彩表現を示す図である。
【図6】 非監視式神経網を用いて輪郭を描いた後の、図5のスペクトル画像のより正確
なバージョンを示す図である。
【図7】 図5及び図6に示した画像の断片の25チャンネルのスペクトル指紋を表わす
25個のスペクトルのグラフ図である。
【図8】 左の2列では図4から図7に示したキャリブレーション・スミアーの分析、ま
た右の2列では患者のサンプルの分析の非監視式神経網表現を示すチャートであ
る。
【図9】 一方が健康な大動脈壁の一部分で他方が変性に陥った大動脈壁である、自己け
い光を発する試料のスペクトル曲線を示すグラフ図である。
【図10】 病気にかかった本来の腎臓及び移植した腎臓のスペクトル曲線を示すグラフ図
である。
【図11】 おのおのがIgA,IgG及びIgMに対して着色された免疫けい光発生腎臓
サンプルの3つの一部分のスペクトル曲線を示すグラフ図である。
【図12】 何れの断片に対しても何ら拒絶が記録されない2つの心臓バイオプシーの各断
片のスペクトル曲線を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 21/64 G01N 21/64 F 33/483 33/483 C G06T 1/00 295 G06T 1/00 295 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE,G H,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZW Fターム(参考) 2G020 AA03 AA04 CA01 CA02 CB04 CC13 CC26 CC42 CC47 CC63 CD03 CD12 CD14 CD24 CD27 CD33 CD52 2G043 AA03 BA16 DA02 EA01 FA02 HA02 HA09 JA02 JA05 KA01 KA02 LA03 LA04 NA05 2G045 CB01 CB21 FA16 FB03 FB12 GC15 2G059 AA05 BB12 CC16 DD03 DD13 EE02 EE07 EE12 FF03 HH01 HH02 JJ02 JJ06 JJ22 KK04 KK06 MM09 PP05 5B057 AA10 BA11 CD05 DA16 DB06 DC00

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疾患の形跡に対して哺乳類の物質を自動的に評価する多スペ
    クトル微細構成システムにおいて、 光学的出力と前記物質を照射する光源とを有する画像トランスミッタであって
    、前記物質の断片の画像を前記光学的出力に送信できるようになっている前記ト
    ランスミッタと、 前記光学出力に接続した多スペクトル結像分光学サブシステムであって、該サ
    ブシステムは前記送信された画像を多数の成分波長に実質的に同時にスペクトル
    的に分散させて、スペクトル画像を生成するようになっている前記サブシステム
    と、 前記スペクトル画像を処理して、前記画像を表わす診断データをもたらすプロ
    セッサと、を具備したことを特徴とする前記多スペクトル微細構成システム。
  2. 【請求項2】 疾患の形跡に対して哺乳類の物質を自動的に評価する多スペ
    クトル微細構成システムにおいて、 光学的出力と前記物質を照射する光源とを有する画像トランスミッタであって
    、前記物質の断片の画像を前記光学的出力に送信できるようになっている前記ト
    ランスミッタと、 前記光学的出力に接続した多スペクトル結像分光学サブシステムと、を具備し
    、 該サブシステムが、 前記物質の断面の前記送信画像の一部分からの光の通過を許容する入口スリッ
    ト、及び前記入口スリットを介して通過した光を所定のスペクトル範囲の多数の
    成分波長に分散させるスペクトル分散プリズム及びミラー配置を有する画像分光
    写真機と、 前記スペクトル画像を得ると共に、これを準備する前記分光写真機に結合した
    第1の電荷結合素子(CCD:charge−coupled−device)
    と、を備え、前記システムが更に、 前記準備したスペクトル画像及び前記画像の一部分を表わす診断データを処理
    するデータ・プロセッサを備えたコンピュータ・サブシステムを具備したことを
    特徴とする前記多スペクトル微細構成システム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のシステムにおいて、評価すべき前記
    物質は生体内であることを特徴とする前記システム。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載のシステムにおいて、前記画像トラン
    スミッタはレンズベースの画像拡大システムであることを特徴とする前記システ
    ム。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のシステムにおいて、前記物質はスライドガラ
    ス上に準備した病理学試料を備え、前記画像トランスミッタは前記試料の拡大し
    た断片の画像を前記光学出力に送信する顕微鏡であることを特徴とする前記シス
    テム。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のシステムにおいて、前記顕微鏡は前記試料を
    連続的に移動させることができて、前記分光写真機の前記入口スリットが前記試
    料の隣接する一部分からの光の通過を許容できるようになっているx−yステー
    ジを備えたことを特徴とする前記システム。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のシステムにおいて、前記x−yステージは前
    記コンピュータによって自動的に制御されることを特徴とする前記システム。
  8. 【請求項8】 請求項2または4記載のシステムにおいて、更に前記画像送
    信機及び前記分光学サブシステムの間に配置された画像ディレクターを具備する
    と共に、前記分光写真機の前記入口スリットと光学的通信をする第1の出力と、
    前記試料の断片の観察した画像を捕える第2のCCDカメラと光学的通信をする
    第2の出力とを有することを特徴とする前記システム。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のシステムにおいて、前記画像ディレクターは
    前記試料の画像を前記分光写真機または前記第2のCCDカメラに選択的に向け
    るビーム・スプリッタであることを特徴とする前記システム。
  10. 【請求項10】 請求項8記載のシステムにおいて、前記画像ディレクター
    は前記試料の画像を前記分光写真機及び前記第2のCCDカメラに同時に向ける
    ビーム・スプリッタ・キューブであることを特徴とする前記システム。
  11. 【請求項11】 請求項5記載のシステムにおいて、前記試料は組織バイオ
    プシーであることを特徴とする前記システム。
  12. 【請求項12】 請求項5記載のシステムにおいて、前記試料は細胞スミア
    ーであることを特徴とする前記システム。
  13. 【請求項13】 請求項5記載のシステムにおいて、前記顕微鏡の光学的出
    力は標準カメラ・インターフェースを備え、前記画像分光写真機は前記インター
    フェースに接続していることを特徴とする前記システム。
  14. 【請求項14】 請求項2記載のシステムにおいて、前記データ・プロセッ
    サが非監視式神経網を備えていることを特徴とする前記システム。
  15. 【請求項15】 請求項2記載のシステムにおいて、前記データ・プロセッ
    サが監視式神経網を備えていることを特徴とする前記システム。
  16. 【請求項16】 請求項2記載のシステムにおいて、前記データ・プロセッ
    サが非監視式神経網要素及び監視式神経網要素を備えていることを特徴とする前
    記システム。
  17. 【請求項17】 疾患の形跡に対して哺乳類の物質を自動的に評価する多ス
    ペクトル微細構成システムにおいて、 前記物質を照射する手段と、 前記物質の断片の画像を光学的出力に送信する手段と、 前記画像を所定のスペクトル範囲の多数の成分波長に同時にスペクトル的に分
    散させる手段と、 前記分散手段から前記分散した画像を得ると共に、該得た画像を準備する手段
    と、 前記準備した画像を神経網を用いて処理して、前記物質の診断をもたらす手段
    と、を具備したことを特徴とする前記多スペクトル微細構成システム。
  18. 【請求項18】 平均からの哺乳類物質の組織形態及び生理学上の偏りのス
    ペクトル分析に基づいて疾患の存在に対して前記物質をスペクトル的に分析する
    方法において、 前記物質を光源で照射する段階と、 前記物質の画像を多スペクトル画像分光写真機に送信する段階と、 プリズム及びミラー配置を通して前記送信した画像を所定のスペクトル範囲の
    多数の成分波長にスペクトル的に分散させる段階と、 前記多数の成分波長の前記スペクトル的に分散した画像を得ると共に、これを
    準備する段階と、 前記準備したスペクトル的に分散した画像を処理して、診断をもたらす段階と
    、を具備したことを特徴とする前記方法。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の方法において、光学的出力で得た前記観
    察した画像の視覚的表示をもたらす段階を更に具備したことを特徴とする前記方
    法。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の方法において、前記処理したスペクトル
    的に分散した画像の視覚的表示をもたらす段階を更に具備したことを特徴とする
    前記方法。
  21. 【請求項21】 請求項18記載の方法において、前記処理は神経網を実施
    することを特徴とする前記方法。
  22. 【請求項22】 平均からの病理学試料の生物学的及び機能的偏りのスペク
    トル分析に基づいて疾患の存在に対して前記試料をスペクトル的に分析する方法
    において、 前記試料の断片の拡大した画像を光学的出力に送信する段階と、 前記画像の一部分の光を入口スリットを通して送信できるようにする段階であ
    って、前記画像の一部分が多数の対象物(object)を備えている前記段階
    と、 前記一部分の前記送信した画像をプリズム及びミラー配置を通して所定のスペ
    クトル範囲の多数の成分波長にスペクトル的に分散する段階と、 処理のために前記多数の成分波長の前記スペクトル的に分散した画像を得て準
    備する段階と、 神経網を用いて前記準備し、スペクトル的に分散した画像を処理して、前記画
    像の一部分を前記画像の一部分の病理学的状態を示す予め設定した数のカテゴリ
    ーのうちの1つに分類する段階と、を具備したことを特徴とする前記方法。
  23. 【請求項23】 請求項22記載の方法において、前記スペクトル的に分散
    した画像を含む第1の視覚的表示及び前記観察した画像の第2の視覚的表示をも
    たらす段階を更に具備したことを特徴とする前記方法。
  24. 【請求項24】 請求項22または23記載の方法において、 (a)軸に沿って前記試料を直動させて、予め送信した前記画像の一部分に隣
    接する前記画像の一部分の光が前記入口スリットを通して送信されるようにする
    段階と、 (b)前記画像の隣接する一部分の前記送信した光を所定のスペクトル範囲の
    多数の成分波長にスペクトル的に分散する段階と、 (c)前記画像の隣接する一部分の前記スペクトル的に分散した光を得て準備
    する段階と、 (d)神経網を用いて前記画像の隣接する一部分の前記準備したスペクトル的
    に分散した光を処理して、前記画像の隣接する一部分の各対象物を各対象物の状
    態を示す予め設定した数のカテゴリーの1つに分類する段階と、を更に具備した
    ことを特徴とする前記方法。
  25. 【請求項25】 請求項24記載の方法において、前記試料の前記画像の所
    望する数の部分が処理されるまで前記段階(a)、(b)、(c)及び(d)を
    繰り返す段階と、これから医療診断をもたらす段階と、を更に具備したことを特
    徴とする前記方法。
  26. 【請求項26】 疾患の形跡に対して哺乳類物質のけい光特性を自動的に評
    価する多スペクトル感応性の微細構成システムにおいて、 光学的出力、及び前記物質を照射すると共に前記物質に吸収されるろ過した光
    の源とを有する画像トランスミッタであって、前記物質の断片から再放射したけ
    い光の画像を前記光学的出力に送信できるようになっている前記画像トランスミ
    ッタと、 前記光学的出力に接続した多スペクトル感応性結像分光学サブシステムであっ
    て、前記送信した画像を多数の成分波長に実質的に同時にスペクトル的に分散さ
    せてスペクトル画像を生成する前記サブシステムと、 前記スペクトル画像を処理して、前記画像を表わす診断データをもたらすよう
    にしたプロセッサと、を具備したことを特徴とする前記多スペクトル感応性の微
    細構成システム。
  27. 【請求項27】 疾患の形跡に対して病理学試料として準備した哺乳類物質
    のけい光特性を自動的に評価する多スペクトル感応性の微細構成システムにおい
    て、 光学的出力、及び前記物質を照射すると共に前記物質に吸収されるろ過した光
    の源を有するけい光顕微鏡であって、前記試料の断片から再放射したけい光の画
    像を前記光学的出力に送信できるようになっている前記けい光顕微鏡と、 前記光学的出力に接続した多スペクトル感応性の画像分光学サブシステムと、
    を具備し、前記サブシステムが、 前記試料の断片の前記送信した画像の一部分からの光が通過できるようにする
    入口スリット、及び該入口スリットを通過した光を所定のスペクトル範囲の多数
    の成分波長に分散させてスペクトル画像を生成するようにしたスペクトル分散用
    プリズム及びミラー配置を有する画像分光写真機と、 前記分光写真機に結合して、前記スペクトル画像を得、該画像をデジタルデー
    タに変換し、かつ該データを操作する第1の電荷結合素子(CCD:charg
    e−coupled−device)と、を備え、前記システムが更に、 前記スペクトル画像を表わす前記操作したデータを処理すると共に、前記画像
    の一部分の病理学的状態を表わす診断データをもたらす神経網プロセッサを含む
    コンピュータ・サブシステムを具備したことを特徴とする前記システム。
  28. 【請求項28】 請求項27記載のシステムにおいて、前記試料は内生の蛍
    光物質であることを特徴とする前記システム。
  29. 【請求項29】 請求項28記載のシステムにおいて、前記試料はエラスチ
    ンまたはコラーゲン等の自己けい光発生化合物を含むことを特徴とする前記シス
    テム。
  30. 【請求項30】 請求項28記載のシステムにおいて、前記試料は免疫性グ
    ロブリンに対するけい光性抗血清を含む、免疫けい光スティニング技術を用いて
    準備されることを特徴とする前記システム。
  31. 【請求項31】 請求項27記載のシステムにおいて、前記試料は少なくと
    も1つのけい光色素を用いて処理されることを特徴とする前記システム。
  32. 【請求項32】 請求項31記載のシステムにおいて、前記試料はけい光色
    素でラベル化した組成化学プローブを用いて処理されることを特徴とする前記シ
    ステム。
  33. 【請求項33】 請求項32記載のシステムにおいて、けい光現場交雑形成
    は前記試料について行われ、かつ前記プロセッサは遺伝的疾患、悪性(腫瘍)、
    バクテリア及びウイルスのうちの1つの少なくとも1つの系統の存在を表わすデ
    ータをもたらすことを特徴とする前記システム。
  34. 【請求項34】 請求項32記載のシステムにおいて、けい光タグに共役さ
    せる単一細胞に由来する細胞である抗体及び多クローン性抗体のうちの1つを含
    めて、前記試料は免疫組織構造のマーカを有する免疫組成化学ステインを用いて
    準備されることを特徴とする前記システム。
  35. 【請求項35】 請求項34記載のシステムにおいて、前記試料はDIF分
    析によって着色され、かつ前記プロセッサはクラミディア・トラコマティス(C
    T:chlamydia trachomatis)の存在を示すデータをもた
    らすことを特徴とする前記システム。
  36. 【請求項36】 請求項32記載のシステムにおいて、前記試料はFISH
    分析及びDIF分析双方によって着色され、かつ前記プロセッサはHPV及びC
    T双方の存在を表わすデータをもたらすことを特徴とする前記システム。
  37. 【請求項37】 平均からの哺乳類物質の組織形態及び生理学上の偏りのス
    ペクトル分析に基づいて疾患の存在に対して前記物質のけい光特性を分析する方
    法において、 特定波長のろ過した光で前記物質を照射して、前記物質がけい光を発するよう
    にする段階と、 前記けい光を発している前記物質の断片の画像を光学的出力に送信する段階と
    、 一部分の前記画像を所定のスペクトル範囲の多数の成分波長にスペクトル的に
    分散させる段階と、 前記多数の成分波長の前記スペクトル的に分散した画像を得て準備する段階と
    、 プロセッサを用いて前記準備したスペクトル的に分散した画像を処理して、前
    記画像の一部分を前記画像の一部分の状態を示す予め設定した数のカテゴリーの
    1つに分類する段階と、を具備したことを特徴とする前記方法。
  38. 【請求項38】 請求項37記載の方法において、前記スペクトル的に分散
    した画像を準備する前記段階は、デジタル信号処理によって前記画像をデジタル
    化すると共に、該デジタル化した画像を操作する段階を備えたことを特徴とする
    前記方法。
  39. 【請求項39】 請求項37記載の方法において、 (a)軸に沿って前記物質を直動させて、予め送信した前記画像の一部分に隣
    接する前記画像の一部分の光が前記入口スリットを通して送信されるようにする
    段階と、 (b)前記画像の隣接する一部分の前記送信した光を所定のスペクトル範囲の
    多数の成分波長にスペクトル的に分散する段階と、 (c)前記画像の隣接する一部分の前記スペクトル的に分散した光を得て準備
    する段階と、 (d)神経網を用いて前記画像の隣接する一部分の前記準備したスペクトル的
    に分散した光を処理して、前記画像の隣接する一部分の各対象を各対象の状態を
    示す予め設定した数のカテゴリーの1つに分類する段階と、を更に具備したこと
    を特徴とする前記方法。
  40. 【請求項40】 請求項39記載の方法において、前記物質の前記画像の所
    望する数の部分が処理されるまで前記段階(a)、(b)、(c)及び(d)を
    繰り返す段階と、これから医療診断をもたらす段階と、を更に具備したことを特
    徴とする前記方法。
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