JP2002521682A - 細胞のインサイチュ分析方法 - Google Patents

細胞のインサイチュ分析方法

Info

Publication number
JP2002521682A
JP2002521682A JP2000562556A JP2000562556A JP2002521682A JP 2002521682 A JP2002521682 A JP 2002521682A JP 2000562556 A JP2000562556 A JP 2000562556A JP 2000562556 A JP2000562556 A JP 2000562556A JP 2002521682 A JP2002521682 A JP 2002521682A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibody
stain
substrate
spectral
immunohistochemical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000562556A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002521682A5 (ja
Inventor
ジョージ マクナマラ,
ダーク ソエンクセン,
ダリオ カビブ,
ロバート バックワルド,
Original Assignee
アプライド スペクトラル イメイジング リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US09/122,704 external-priority patent/US6007996A/en
Application filed by アプライド スペクトラル イメイジング リミテッド filed Critical アプライド スペクトラル イメイジング リミテッド
Publication of JP2002521682A publication Critical patent/JP2002521682A/ja
Publication of JP2002521682A5 publication Critical patent/JP2002521682A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J3/00Spectrometry; Spectrophotometry; Monochromators; Measuring colours
    • G01J3/28Investigating the spectrum
    • G01J3/457Correlation spectrometry, e.g. of the intensity
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J3/00Spectrometry; Spectrophotometry; Monochromators; Measuring colours
    • G01J3/28Investigating the spectrum
    • G01J3/2823Imaging spectrometer
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/5005Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving human or animal cells
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/569Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for microorganisms, e.g. protozoa, bacteria, viruses
    • G01N33/56966Animal cells
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J3/00Spectrometry; Spectrophotometry; Monochromators; Measuring colours
    • G01J3/28Investigating the spectrum
    • G01J2003/2866Markers; Calibrating of scan

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 生物試料のインサイチュ分析方法であって、(a)生物試料を、第一染色剤が第一免疫組織化学染色剤と、第一組織染色剤と、第一DNA倍数性染色剤とからなる群から選択されたものであり、第二染色剤が第二免疫組織化学染色剤と、第二組織染色剤と、第二DNA倍数性染色剤とからなる群から選択されたものであるN種の染色剤で染色する工程であって、但しNは3を超える整数であり、さらに、(i)前記第一染色剤が前記第一免疫組織化学染色剤である場合には、前記第二染色剤は、前記第二組織染色剤又は前記第二DNA倍数性染色剤であり、(ii)前記第一染色剤が前記第一組織染色剤である場合には、前記第二染色剤は、前記第二免疫組織化学染色剤又は前記第二DNA倍数性染色剤であり、一方、(iii)前記第一染色剤が前記第一DNA倍数性染色剤である場合には、前記第二染色剤は、前記第二免疫組織化学染色剤又は前記第二組織染色剤である、工程と、(b)スペクトルデータ採取装置を用いて前記生物試料からスペクトルデータを採取する工程であって、前記スペクトルデータ採取装置と前記N種の染色剤を、前記N種の染色剤の各々に関連したスペクトル成分を採取できるように選択する工程と、を含む方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 技術分野 本発明は、細胞のインサイチュ分析に関し、より詳細には、高空間分解だけで
なくスペクトル分解を可能とする、スペクトルイメージング法を用いた複数の免
疫組織化学染色剤、組織染色剤及び/又はDNA倍数性染色剤の同時インサイチ
ュ分析に関する。
【0002】 背景技術 過去10〜15年にわたって、細胞に適用されたときには免疫細胞化学(IC
C)としても知られている免疫組織化学(IHC)は、診断病理学において欠く
ことのできない手段となり、外科病理学のプラクティスに実質的な大変革をもた
らした。用語「免疫組織化学」と用語「免疫細胞化学」は、ここでは、同意語と
して使用する。モノクローナル抗体のパネルは、未分化新生物の鑑別診断に使用
(例えば、リンパ腫と、カルチノーマと、サルコーマとを識別する)して、一定
の腫瘍型に特異的なマーカーを明らかにしたり、悪性リンパ腫を診断するととも
に、表現型を決めたり、ウイルス性抗原、腫瘍タンパク質、ホルモンレセプター
及び増殖関連核タンパク質の存在を実証することができる。このようなマーカー
は、診断に重要であるだけでなく、ある種の腫瘍マーカーが予後に重要であるこ
とが明確となってきており、このことは、乳癌において最も広範に示された。こ
れらのマーカーの検討は、細胞学的試料、パラフィン埋め込み組織及び凍結切片
を含む、多種多様な被験物についてIHCにより実施できる。ほとんどの臨床的
アッセイでは、各スライドについて単一の抗体を用いるが、異なる色のクロモー
ゲンを使用することにより、同時に二種以上のマーカーを観察/明示することが
できる。しかしながら、適当なスペクトル分解を処理するための装置を使用しな
いと、吸収係数がスペクトル的に重なるために、これらのクロモーゲンを定性的
又は定量的に検出することが困難である。
【0003】 IHCのほとんどの用途では、染色パターンは、診断情報を与える、意図する
組織及び細胞の総染色パターンであるので、染色パターンの定性的評価で十分で
ある。人間の視覚系は、このようなパターン認識のタスクには熟練しており、主
観的ではあるけれども非常に迅速におこなうことができる。しかしながら、人間
の眼又はCCDカメラは、高スペクトル分解には全く適合しない。しかしながら
、イメージ解析が重要な役割を果たすことができる一定のマーカーがある。これ
らには、ホルモンレセプター、腫瘍増殖マーカー、腫瘍タンパク質、腫瘍サプレ
ッサー遺伝子産生物(例えば、p53)、化学療法耐性因子、腫瘍血管形成、リ
ンパ球サブセット分析等の検出などがある。
【0004】 定量的IHC(QIHC)の一般的な目的は、免疫染色反応の目的とする測定
ができるようにすることである。これらの測定は、実験の目的のデータ採取には
有用なことがあるが、このような測定の最大の可能性は、ヒトの疾病、とりわけ
癌の診断、予後、又は治療を決定するための補助としてのそれらの用途を調べる
ことにある。このような測定をすることのメカニクス(以下で考察する)は別と
して、多数の問題が、どのように測定をすべきかに影響を及ぼす可能性があるI
HCの特殊性に関連している。
【0005】 IHCにより検出される数多くの生物マーカーは、単純な「オール オア ナ
ン」のような発現をせず、検討されている細胞集団は、陽性及び染色度に関して
かなりの不均一であることがある。また、一部の抗原が形質膜上、細胞質中又は
細胞核中において発現されることができることから、染色反応の局在化が重要な
ことがある。したがって、細胞集団中のマーカーの分布と非細胞局在化の両方と
も、考慮する必要がある。
【0006】 染色度が直線的にリガンド濃度に関係している直接的にフルオレセイン化した
抗体を用いた免疫染色とは異なり、IHCは、以下の2つの理由から理論的に非
直線的である:(i)沈殿反応生成物を形成する酵素反応は非直線的であり、(
ii)架橋試薬又は錯化試薬を用いた多種多様な増幅法が典型的に用いられるが
、これらの目的は、染色感度を増加することである。その結果、抗原の量は、免
疫組織化学染色の強度から直接には算出できない。さらに、染色操作の自動化に
より、通常手動法を用いて得られるよりもコンシステンシーが高まるが、免疫染
色の質が実質的に日間でばらつくことがある。
【0007】 しかしながら、一部の研究では、一定条件下では、リガンド濃度と免疫組織化
学染色度との間の直線関係が得られることがあることが示されている(ほとんど
がモデル系を用いて示された)[van der Ploeg M及びDuij
ndam WAL、Matrix models:Essential too
ls for microscopic histochemical res
earch(マトリックスモデル:顕微鏡的組織化学研究に必須の手段)、Hi
stochemistry 1986;84:283]。染色のビオチン−アビ
ジン法が、ペルオキシダーゼ−抗ペルオキシダーゼ法よりもこの目的には適さな
いことがあることが示唆された。これは、前者が、低濃度の抗原に対して高感度
であることと、抗原濃度がより高いと立体障害が生じるためにダイナミックレン
ジが悪いという欠点によるものである。ラットの膵島細胞中のインスリン濃度を
検討しているRahier等[Rahier J、Stevens M、de
Menten Y及びHenquin J−C、Determination
of antigen concentration in tissue s
ections by immunodensitometry(イムノデンシ
トメトリーによる組織切片における抗原濃度の測定)、Lab Invest
1989;61:357−363]は、イメージ解析を用いて、ラジオイムノア
ッセイとQIHCとの間に優れた相関があることを示すことができた。Rahi
er等は、より低濃度の抗体を用いるのがこの方法の成功のかぎであり、高濃度
の抗体ではインスリン含量との直線関係を示さないとの重要な考察をしている。
また、測定の目的が、レベルとは無関係に意図する抗原を含有する全ての細胞を
検出することであるときには、より高濃度の抗体を使用しなければならないこと
も指摘している。しかしながら、より低レベルの抗体を使用するとき、とりわけ
複数の抗体を同時に用いようとする場合には、さらに高いスペクトル感度が必要
とされる。
【0008】 免疫染色の強度を定量化する試みには、校正標準、公知のレベルの抗原を発現
するおそらく細胞系又はある種の内部標準を使用する必要があることが明らかで
ある。これらの問題は、QIHCの各用途においても同様である。
【0009】 QIHCにおいて最も一般的に使用されてきた方法は、標的分子の絶対生化学
的濃度ではなく、陽性に染色された細胞の百分率等の集団統計の測定による。こ
の方法は、臨床的フローサイトメトリーに使用される方法に類似しており、一定
の表面マーカーを発現する細胞集団の割合(そのマーカーの発現レベルではなく
)が、最も一般的に測定される。
【0010】 意図する数多くのマーカーについては、このような方法は、生物学的に非常に
意味がある。例えば、細胞サイクル関連マーカーの発現に関心がある場合には、
発現の絶対レベルではなくマーカーを発現する細胞の割合を求めて、増殖画分に
ついての情報を得る。
【0011】 乳癌におけるホルモンレセプター測定等のある種のマーカーの場合、標準法に
より、濃度で表される生化学的定量がなされた。しかしながら、腫瘍は、これら
の分子の発現に関して著しい不均一性を示すことがあり、この不均一性を反映し
た測定値により、より生物学的に関連した情報を得ることができる。結局、2種
の腫瘍は、一定の分子の同一の生化学的レベルを示し、しかも、実際には、とも
かくいずれのレベルでも発現する腫瘍細胞を極めて異なる割合で有する。この問
題は、乳癌におけるエストロゲンレセプター測定について最もよく示されると思
われる。
【0012】 組織切片又は細胞学的試料における免疫組織化学反応測定能は、染色法及びイ
メージング法の選択に大きく依存する。免疫染色(シグナル)レベルは、バック
グラウンド(ノイズ)より大きく検出できなければならず、他の細胞又は組織の
特徴から区別できなければならない。IHCにおいては、これは、標準的には抗
体(一次及び二次)を慎重に滴定して特異的染色を最大化し且つバックグラウン
ド染色を最小化することによりなされている。組織は、クロモーゲンとは異なる
色の組織染色(対比染色としても知られている)を用いて可視化されることによ
り、染色反応を容易に可視化できる。例えば、褐色反応生成物を生じる免疫ペル
オキシダーゼ反応を、典型的には、メチルグリーン又はトルイジンブルー組織染
色(対比染色)と組み合わせて視覚コントラストを得る。しかしながら、異なる
標識の複数の免疫組織化学染色剤を組織染色剤及び/又はDNA倍数性染色剤と
組み合わせて用いるとき、各スペクトル成分が他のスペクトル成分とは無関係に
同定できるように、マーカー染色剤自体の間で識別し、さらに対比染色又はDN
A倍数性の試験に使用される異なる染色剤間の識別ができることが有利である。
これは、従来公知の方法いずれによっても達成できない。
【0013】 あるイメージ解析装置では真の色解析を用いて色スペクトルの特異的領域を測
定しているけれども、ほとんどのイメージングシステムは、グレースケール(白
黒)光測定に基づいており、測定用光の特定波長を選択する光学フィルターに依
存している。最小のスペクトルオーバーラップを示す染色剤の組み合わせが、現
在QIHCに最も有用である。しかしながら、スペクトル分解能の増加した装置
を用いると、高度にオーバラップしている染料を使用できるようになる。
【0014】 CAS200System(イリノイ州Lombardに所在するCell
Analysis Systems社)は、一台を500nmバンドパスフィル
ターと結合させ、他の一台を650nmフィルターと結合させた、2台のビデオ
カメラを用いている。組織を、免疫ペルオキシダーゼ法を用いて、クロモーゲン
(褐色反応生成物)としてのジアミノベンジジン(DAB)及び組織(核)対比
染色剤としてのメチルグリーンで免疫染色する。視野内の細胞の全ての核のイメ
ージを650nmフィルターを用いて一台のカメラによりとらえ、一方、他のカ
メラでは、褐色反応生成物のイメージを500nm(DABが最大透過し、メチ
ルグリーンが吸収される波長)でとらえる。反応生成物の光学濃度は光透過率(
グレーレベル)を校正されたルックアップテーブルを用いて光学濃度に換算する
ことにより求めることができ、染色反応の相対面積(メチルグリーンにより染色
された面積率で表される)を算出できる。単純なしきい値法を使用して、対照抗
体で染色したスライドに基づいて、細胞核をとらえ且つより低いDABの検出限
界を設定するためのグレーレベルを確定する。試薬のスペクトルのオーバーラッ
プと好適なフィルターの組み合わせの有用性によってのみ制限される、メチルグ
リーン−DAB以外の組み合わせを用いてもよい。しかしながら、このシステム
は、固有の限界がある。すなわち、2つのスペクトルがオーバーラップしないス
ペクトル成分しか検出できない。より高いスペクトル分解能を有する装置では、
成分間のスペクトルオーバーラップがより大きい、複数のスペクトル成分を同時
に検出できるであろう。
【0015】 計測、コンピュータアルゴリズム、染色法、又は性能特性(精度、再現性)に
関して、QIHCの分野ではまだ標準が確立されていない[Wells WA、
Rainer RO、Memoli VA、Equipment,standa
rdization, and applications of image processing(イメージ処理の装置、標準化及び用途)、Am J
Clin Pathol 1993;99:48−56]。このような標準化は
、進歩はしているが、別の技術的に関連した領域、フローサイトメトリーにおい
ては達成することが困難であった[Mujrhead K.A.、Establ
ishment of quality control procedure
s in clinical flow cytometry(臨床フローサイ
トメトリーにおける品質管理法の確立)、Ann NY Acad Sci 1
993;677:1−20;及びNational Committee fo
r Clinical Laboratory Standards、Clin
ical applications of flow cytometry;
Quality assurance and immunophenotyp
ing of peripheral blood lymphocytes;
tentative guideline(フローサイトメトリーの臨床的用途
;末梢血リンパ球の品質保証及び免疫表現型の決定;仮指針)、Villano
va:NCCLS;1992;NCCLS document H42−T(I
SBN1−56238−15.5−5)]。使用すべき正確な抗体及びクロモー
ゲン、被測定視野数及び組織切片数、結果の報告に使用される単位、品質管理物
質、及び機器の校正を含む、臨床的実験室試験に重要な標準化の問題は、QIH
Cについてはいまだ解決されていない。本明細書から明らかなように、本発明に
より、このような標準化が極めて大きく進展する。
【0016】 腫瘍細胞増殖が、リンパ腫[Braylan RC、Diamond LW、
Powell ML及びHarty−Golder B、Percentage
of cells in the S phase of the cell
cycle in human lymphoma determined
by flow cytometry:Correlation with l
abeling index and patient survival(フ
ローサイトメトリーにより測定されるヒトリンパ腫における細胞サイクルのSフ
ェーズにおける細胞百分率:標識インデックス及び患者の生存との相関)、Cy
tometry 1980;1:171−174;並びにBauer KD、M
erkel DE、Winter JN等、Prognostic impli
cations of ploidy and proliferative
activity in diffuse large cell lymph
omas(拡散大細胞リンパ腫における倍数性及び増殖活性の予後の意味)、C
ancer Res 1986;46:3173−3178]、乳癌[Clar
k GM、Dressler LG、Owens MA、Pounds G、O
ldaker T及びMcGuire WL、Prediction of r
elapse or survival in patients with
node−negative breast cancer by DNA f
low cytometry(DNAフローサイトメトリーによるノードネガテ
ィブ乳癌患者の回帰又は生存率の予測)、N Engl J Med 1989
;320:627−633;Silvestrini R、Daidone M
G及びGasparini G、Cell kinetics as a pr
ognostic marker in node−negative bre
ast cancer(ノードネガティブ乳癌における予後マーカーとしての細
胞運動学)、Cancer 1985;56:1982−1987;並びにSi
gurdsson H、Baldetorp B、Borg A等、Indic
ators of prognosis in node−negative
breast cancer(ノードネガティブ乳癌における予後の指標)、N
Engl J Med 1990;322:1045−1053]及び結腸癌
[Bauer KD、Lincoln ST、Vera−Roman JM等、
Prognostic implications of prolifera
tive activity and DNA aneuploidy in
colonic adenocarcinomas(結腸アデノカルチノーマに
おける増殖活性及びDNA異数性の予後の意味)、Lab Invest 19
87;57:329−335]を含む多種多様な一般的に生じる悪性腫瘍につい
て予後の重要性を有していることがはっきりと実証されるようになってきている
。ある研究では、たとえ総DNA含量分析(「倍数性」)がそうでなくても、腫
瘍細胞増殖が独立した予後有意性を有する[Visscher DW、Zarb
o RJ、Greenawald KA及びCrissman JD、Prog
nostic significance of morphological
parameters and flow cytometric DNA
analysis in carcinoma of the breast(
胸部のカルチノーマにおける形態的パラメータ及びフローサイトメトリーDNA
分析の予後有意性)、Pathol Ann 1990;25(その1):17
1−210]。
【0017】 有糸***カウントは、一般的に増殖についての欠陥があり、信頼のおけない尺
度であるとみなされているが、これらでは、何ら特別な準備法を必要としない。
【0018】 放射標識チミジンの取り込み、すなわち、「チミジン標識指数」(TLI)は
、十分に確立された方法であり、大多数により、腫瘍細胞運動学を測定するため
の「黄金標準」とされている。TLIによりSフェーズ活性の正確な評価が得ら
れ、組織学的相関があるが、この方法は、面倒であり、臨床実験には容易に適合
できない。
【0019】 フローサイトメトリー(FCM)は、主にDNA含量分析(「倍数性」)のS
フェーズ部分の定量化による細胞サイクル活性の測定に広範に使用されてきた。
しかしながら、この方法には、多数の重大な技術上の制限がある。第一に、固形
腫瘍から単細胞懸濁液を得るのが困難なことがあり、変動する腫瘍細胞数が調製
中に失われることがある。第二に、腫瘍細胞は、良性正常及び炎症細胞により種
々に希釈され、これにより、特にDNA2倍体腫瘍についてのSフェーズ画分の
過小評価を生じる恐れがある。第三に、一連のオーバーラップ曲線からなるDN
A含量分析(「倍数性」)が複雑なために、曲線フィットアルゴリズムを正確に
使用してヒストグラムのSフェーズ部分を測定することが不可能となる。マルチ
センターの研究により、フローサイトメトリーSフェーズ画分についての再現性
が悪く、測定の実用的な臨床的有用性が多少疑わしいものであることが示された
。フローサイトメトリーによる細胞運動学測定に関連した別の問題は、Sフェー
ズ画分のみが典型的に求められ、一方、有意な割合の腫瘍細胞集団が、サイクル
には入っているがまだDNAを合成していない細胞からなる細胞サイクルのG フェーズにあると思われる。おそらく、2種の腫瘍が、同一のSフェーズ画分を
有するが、非休止段階での総細胞の画分において顕著に異なり、したがって、異
なる成長運動学を示し、サイクル依存性化学治療剤に応答することがある。
【0020】 これらの理由の全てにより、腫瘍細胞サイクル分析のインサイチュ法により、
離解した腫瘍細胞を用いて得ることができるものよりも生物学的に意味のある情
報を得ることができる[Weinberg I.S.、Relative ap
plicability of image analysis and fl
ow cytometry in clinical medicine(臨床
医薬におけるイメージ解析及びフローサイトメトリーの相対的適合性)、Bau
er KD及びDuque RE編、Flow cytometry:Prin
ciples and applications(フローサイトメトリー:原
理及び用途)、Baltimore:Williams及びWllkins;1
992:359−372;Weinberg DS、Proliferatio
n indices in solid tumors(固形腫瘍における増殖
指数)、Adv Pathol Lab Med 1992;5:163−19
1]。得られた測定値が確実に腫瘍細胞について特異的になされることに加えて
、インサイチュ法により、腫瘍のより広範囲に及ぶサンプリング及び腫瘍細胞不
均一性の測定が可能である。
【0021】 核DNAの定量化が、研究用途及び臨床用途の両方においてますます実用化が
なされている。
【0022】 フローサイトメトリー又はイメージサイトメトリーによるDNA含量の測定は
、染色剤の量がDNAの量を表すこと、及びこの染色剤の量が機器により正確に
測定されることを前提としている。これらの前提は、(i)DNA標識法(蛍光
染料、色素反応又は染色)が特異的であり(全てのDNAが標識されており、且
つDNAのみ)、化学量論的であり(染色強度は、DNA含量に比例して変化す
る)、且つ安定である(染色強度は、時間の経過及び測定の反復によっては変化
しない)こと;(ii)蛍光染料により放出される光、又は染色剤により吸収さ
れる光を測定するのに使用される機器が正確であり(真の染色剤量に近い結果が
得られる)、そしてたとえ真の染色剤量に近似していなくても、再現性があり(
同じ核について反復したときの測定値が極めて類似している結果が得られる)、
且つ直線的である(染色剤量に完全に比例する結果が得られる)ことを意味する
【0023】 残念ながら、染色法と従来技術の機器の両方には、最終的な測定値が核に実際
に存在するDNAの絶対量を表していないという周知の限界がある。
【0024】 化学量論が、通常の対照により容易に確認できるのに対して、特異性は、個々
の細胞レベルでのDNA含量のサイトメトリー測定の代替法がないので測定でき
ない。
【0025】 例えば、(i)極めて特異的な蛍光染料がG−C(例えば、ミトラマイシン、
クロマイシンA3)又はA−T(例えば、ヘキスト社、DAPI)DNA塩基対
に結合し、したがって、部分的にしかDNAを検出せず、塩基対配列に依存する
測定値が得られる;(ii)フォイルゲンのような色素反応は、酸水解を伴い、
DNA断片の一部が、脱縮合クロマチンから放出されるのと同じ速度で除去され
る。したがって、これらの反応では、DNAを部分的にしか検出せず、真性クロ
マチンとヘテロクロマチンとのバランスに応じた測定値が得られる;(iii)
固定培地は、ヒストンとの相互作用の方法に応じて、さらなる加水分解を阻害す
るか、又は容易にすると思われる。
【0026】 フォイルゲン染色核のイメージサイトメトリーに関する限り、ベール−ランベ
ルトの法則は完全には当てはまらない。これは、以下の理由による:(i)染色
剤の光学濃度(OD)に対する直線性が、ODが1単位を超えて増加するにつれ
て漸次失われていく(これは高度に染色されたヘテロクロマチンの場合にしばし
ば見られる);(ii)染料の分布が、空間的に均一ではなく、したがって、ピ
クセルサイズが、光学素子の分解能から超えて増加するにつれて増加する分布誤
差が生じる;(iii)染料の吸収係数が光の波長とともに変化して、濃度計で
の算出が、単色光にしか適用されない。これらは、目視観察に十分な程度の強度
を放出しないので(非常に大きなアークランプと組み合わせない限り)、通常の
イメージサイトメトリーではモノクロメーターを使用せず、最大吸収の中央が±
10nm(通常装置ごとに異なる)であるフィルターを使用する。
【0027】 上記のことを考慮することに加えて、試料と用いられる従来技術の機器は、光
学的に妥協したものであるので、ガラススライド、取り付け媒体、レンズ及びプ
リズムによる反射、屈折及び回折の原因となる。予測される幾何学的経路に従わ
ない光は、Schwarzchild−Villiger効果とも称されるグレ
アを生じて、核に入射する光線強度と、被験物から出る光線強度との比をゆがめ
ることとなる。したがって、全てのピクセルOD計算値は、わずかに誤っている
。この誤差は、光学的視野サイズが増加するにつれて増加する。したがって、高
性能顕微鏡を使用することが、イメージサイトメトリー測定のばらつきに影響す
る最も重要な因子である、濃度計による測定のこの系統誤差を減少させるのに欠
くことができない。
【0028】 また、ビデオカメラは、振動や電磁場、イメージアフターグロー及び飽和に影
響されやすく、これらの全ての因子が、ディジタル化前の信号のゆがみに影響す
る。現在のところ、電荷結合素子(CCD)カメラにより、濃度測定に関する限
り、最も再現性のある結果が得られることは疑いのないところである。
【0029】 上記の制限は、全て広範に調査された負の誤差の一因となる。したがって、真
の細胞DNA含量が、サイトメトリー測定では得ることができないことは明白で
ある。したがって、一部の市販されているイメージサイトメトリー装置により、
一核当たりのDNAピコグラムで表される測定値が得られることは、極めて驚く
べきことであり、一般に混乱を招き、さらには、このような装置を使用する臨床
医を故意にミスリードすることとなる。
【0030】 染色法と測定法が正しく実施され且つ制御されることを条件として、DNA特
異的染色剤の定量化は、総増殖活性及び総細胞遺伝異常の観点で解釈することが
でき、したがって、鑑別診断及び予後について意図する腫瘍特性をさらにどのよ
うに調査を進めるかについて明確な目安となる。
【0031】 DNAの定量的染色のための種々の染色剤及び色素試薬は、文献において推奨
されてきたが(表1参照)、最終的には、それらのうちの一つだけが、DNA細
胞光度測定法に世界的に受け入れられた。これは、フォイルゲンとロッセンベッ
クにちなんで命名された反応であり、しばしば単にフォイルゲン反応とも呼ばれ
る。厳密に言えば、フォイルゲン反応は、染色ではなく色素反応である。フォイ
ルゲン染色及びフォイルゲン反応のような用語は、現在、DNAについて化学量
論的である唯一の染色法である。これは、DNAの染色が、定量的且つ特異的で
あることを意味している。表1に述べられている全ての他の方法は、定量的では
あるが、DNAには特異的でない。定量的DNA染色についてのフォイルゲン反
応がうまくいったのは、この独自性によるものであることは間違いない。
【0032】 フォイルゲン反応は、種々の準備工程からなる複雑な細胞組織化学法である。
主として、反応は、酸水解と称される方法から始まる:細胞物質を固定したスラ
イドを、塩酸(HCl)に浸漬して、DNA分子からプリン塩基であるアデニン
とグアニンを***させることにより、プリン不含DNA分子にアルデヒド基を発
生させる(その後、アプリン酸(ATA)と称される)。第二工程で、スライド
を、アルデヒド基に共有結合する染料を含有するシッフ試薬に浸漬する。過剰の
染料を除去した後、スライドを脱水し、通常通り取り付ける。正しく染色された
物質では、細胞核が赤紫色に染色され、細胞質とバックグラウンドは染色されな
い。フォイルゲン反応の種々の工程は、これらを標準化して染色性能の再現性を
良好にしなければならない場合には、決定的に重要となる。したがって、関連す
る準備工程を検討する際、可能性のある誤差源を考慮しなければならない。
【0033】
【表1】
【0034】 通常通り、酸水解にHClを使用するが、原則として、いずれの酸も好適に使
用できる。酸は、DNA分子に2つの影響を及ぼす:(i)プリン塩基を除去し
てDNA分子中にアルデヒド基を生成する;(ii)大きなAPA分子をより小
さい断片に解重合させる。これらの断片は、細胞核から部分的に除去されて酸溶
液に拡散する。アルデヒド基の生成により核染色強度が増加するのに対して、A
PA断片の損失により細胞核から染色可能物質が失われ、したがって、染色強度
が減少する。このようにして、本発明者等は、2種の反対方向の化学反応を用い
た。各反応は、特異的且つ複雑な運動力学に従い、得られた反応曲線は、加水分
解プロファイル又は加水分解曲線と称する。
【0035】 この加水分解プロファイルは、さらに4つのフェーズに分割できる:(i)染
色強度の増加;(ii)染色強度が最大であるピークフェーズ;(iii)染色
強度が一定であるプラトーフェーズ;及び(iv)染色強度の減少。
【0036】 フェーズ(i)は、アルデヒド基の連続的な生成により特徴付けられる。AP
A断片の損失は最初は最小であり、細胞核における染色可能物質の量は、フェー
ズ(ii)に到達するまで一定に増加する。ピークは、非常に短いので、加水分
解プロファイルでは目視ができないことがある。プラトーフェーズ(iii)中
、アルデヒド基の連続的生成とAPA断片の損失との間のバランスを見て、その
結果、染色強度が一定期間にわたって一定のままであることが分かる。フェーズ
(iv)では、APA断片の損失が、新しいアルデヒド基の生成を上回り、染色
強度が減少する。長時間の加水分解後、生成アルデヒド基数が最大であるが、全
てのAPA断片が細胞核から除去されており、染色強度はゼロである。
【0037】 実際には、加水分解時間の変動が小さいほど染色強度に及ぼす影響がほとんど
なくなるフェーズ(iii)中は、酸水解を停止することが重要である。
【0038】 加水分解曲線の形状は、いくつかの要因によって影響されるが、そのうちの一
部しか標準化できない。
【0039】 高度に縮合されたDNAは、脱縮合DNAよりも酸水解に影響されにくい:フ
ェーズ(i)及びフェーズ(iv)は、急峻度がより小さく、プラトーフェーズ
が遅延される。細胞の生物学的特性としてのDNAの緻密度は、細胞の種類によ
って異なり、同じ細胞では細胞サイクル中で異なる。被験物サンプリング等の細
胞調製法及びとりわけ物質の固定は、人工的にDNAの緻密度、したがって、酸
感度に影響することがある。
【0040】 酸浴が高温であると、4フェーズの全てが短縮される。フェーズ(iii)は
、数秒の短時間でよく、顕著なプラトーは検出できないことがある。加水分解が
、極めて急峻なフェーズ(i)又は(iv)で頂点となる場合、処理時間が極短
時間でも変動しても、染色の変動がかなりのものとなる。極めて短いピークフェ
ーズを有する短い加水分解プロファイルは、通常、酸浴を用いて60℃でのいわ
ゆる熱加水分解法で見られ、正しい時点、すなわち、フェーズ(iii)におい
て加水分解を停止することが不可能なことがしばしばある。より頻繁には、4〜
5モル/リットルHClでの常温加水分解を、約22℃で実施する。この場合、
通常の条件下では、プラトーフェーズの長さは数分である。次に、スライドを水
道水でさっとすすいで酸水解を停止する。
【0041】 酸浴への種々の添加剤が文献において推奨されてきたが、これらは、細胞核か
らのAPA断片の損失を最小限に抑えなければならない。しかしながら、これら
の添加剤は、実用上重要な役割を果たさない。
【0042】 シッフ試薬は、塩基性フクシンと称される染料混合物を含有する無色水性試薬
である。塩基性フクシンは、通常4種のカチオントリアリールメチン染料(パラ
ローザニリン並びにそのメチル化同族体であるローザニリン、マゼンタII及び
ニューフクシン)から構成されている。高品質の塩基性フクシンは、パラローザ
ニリンを高割合で含有する。シッフ試薬は、関連染料がスルファイトが染料分子
に結合したロイコ型で存在するので、無色である。シッフ試薬の着色(塩基性フ
クシンに基づく)は、スルファイトの損失と溶液の劣化を示しているので、その
ときには捨てなければならない。種々の塩基性フクシンの代替物が推奨されたが
、それらのうちには、チアジン染料チオニンがある。チオニンの利点は、細胞核
を、細胞学者及び病理学者が目でスライドをチェックしようとするときに使用す
る色である青色に染色することであり、エオシンY又はコンゴレッドによる細胞
質の対比染色が容易に実現できる。チオニン系シッフ試薬は、通常完全には無色
でない。
【0043】 シッフ試薬での染色後、物質を、染料不含スルファイト水ですすぐ。スルファ
イトにより、過剰の染料が細胞核及び細胞質から除去され、共有結合した染料分
子だけが細胞核内のAPA分子に固定されたままとなる。スライドのバックグラ
ウンドは、フォイルゲン反応が正しく実施されたときには完全に未染色状態でな
ければならない。
【0044】 酸水解は、フォイルゲン反応の最も重要な工程である。正しく実施された加水
分解は、プラトーフェーズで停止しなければならない。正しい温度で好適なモル
濃度のHClを用いることが重要である(例えば、22℃で5モル/リットルH
Cl又は27.5℃で4.0モル/リットルHCl)。好適なモル濃度の酸は、
市販品でもよいし、濃HClから容易に調製できる。4℃の冷蔵庫に保存された
HClを酸が暖まるのを待たずに直ちに使用することがしばしばあるが、これは
、加水分解反応を妨害して、プラトーフェーズに到達する前に反応が停止するこ
とがよくある。温度制御水浴を使用することが推奨される。これが可能でない場
合には、酸溶液の温度を慎重に測定して誤った光度測定結果を回避しやすいよう
にする。
【0045】 固定剤を変更すると、加水分解プロファイルに著しく影響を及ぼすことがある
(クロマチンの緻密度、したがって、DNAの酸感受性を変化させることにより
)ことを認識することが極めて重要である。固定剤を変更することは、加水分解
曲線を再評価しなければならないことを意味する。したがって、関連実験で確立
され且つ信頼性のある一貫した染色結果が得られることが判明した一つの染色プ
ロトコルに固定するのがよいと思われる。
【0046】 染色法自体は重要ではない。染色は、少なくとも45分間実施して、反応が完
了するのに十分な時間を与えなければならない。高品質且つ一貫した品質のシッ
フ試薬が、市販されている。
【0047】 ガロシアニンクロムミョウバン(GCA)は、金属と錯体を形成するカチオン
オキサジン染料である。GCAは、DNAとRNAを定量的に染色するので、D
NA特異的ではない。DNAの光度測定には、染色したRNA又はRNAの酵素
的若しくは加水分解的除去についての光度補正が必要である。Einarson
GCA染色プロトコルでは、高温で最大48時間の染色時間を規定しており、通
常の細胞学について使用することは不可能である。Husain及びWatts
により、染色時間が約15分間である変更GCAが提案された。
【0048】 フォイルゲンと比較して、Husain及びWatts後のGCAは、以下の
利点を有する:(i)酸浴を使用せず;(ii)染色時間が15分間という短時
間;(iii)グレー−ブルーの細胞核。一方、欠点は、(i)DNA特異的で
ない;(ii)バックグラウンド染色(RNAによる)がある;(iii)染色
液の保存寿命が短い(約6週間)ことである。染色の特異性は、RNAを除去す
るがDNAは除去されない穏やかな加水分解(1モル/リットルHCl、22℃
、10分間)により向上させることができる。染色させたDNAからのGCAの
損失なしにアニオン対比染色をおこなうことができる。
【0049】 GCAは、湿式固定物質と乾式固定物質の両方を染色する。乾式固定スライド
は、染色強度が顕著に低い。湿式固定物質については99%(v/v)エタノー
ルで10分間、又は乾式固定物質については3.7%(v/v)中性緩衝ホルム
アルデヒドが好適な固定剤である。ポリエチレングリコール(PEG)を含有す
る市販のスプレー式固定剤を使用する場合には、スライド上のPEGフィルムを
除去してから、スライドを99%(v/v)エタノールで5分間洗浄することに
より染色する必要がある。
【0050】 両方の方法(フォイルゲン反応及びGCA)は、等しくDNAの細胞光度測定
に好適である。しかしながら、核クロマチンの組織を高光学分解で測定すると、
これらの方法での結果が完全に異なったものとなる:酸水解によりクロマチン構
造が著しく変化し、フォイルゲン染色細胞核のクロマチン組織が、GCA染色物
質の組織とは完全に異なったものとなる。
【0051】 GCAは、全般的に、フォイルゲン反応よりも決定的ではなく且つ実施するの
が容易である。それにもかかわらず、本発明者等は、基質特異性と染色液の安定
性の面からフォイルゲン反応を好ましいと考えている。しかしながら、一定の染
色品質には、プロトコルを慎重に標準化することが必要である。
【0052】 細胞サイクル関連核抗原に対する多種多様なモノクローナル抗体が、市販され
ており、組織及び細胞の免疫組織化学染色に使用できる。これらの抗体を用いた
ヒト腫瘍についての研究からの刊行物数は、指数的に増加している。
【0053】 最も一般的に用いられている抗体は、Ki−67であり、この抗体は、全ての
系列のヒト細胞における増殖関連核抗原を染色する[Gerdes J、Sch
wab U、Lemke H及びStein H、Production of
a mouse monoclonal antibody reactiv
e with a human nuclear antigen assoc
iated with cell proliferation(細胞増殖と関
連したヒト核抗原と反応性のあるマウスモノクローナル抗体の産生)、Int
J Cancer 1983;31:13−20;Gerdes J、Lemk
e H、Baisch H、Wacker H−H、Schwab U及びSt
ein H、Cell cycle analysis of a cell
proliferation−associated human nucle
ar antigen defined by the monoclonal
anKi−67(モノクローナルKi−67により定義される細胞増殖関連ヒ
ト核抗原の細胞サイクル分析)、J Immunol 1984;133:17
10−1715;並びにGerdes J、Li L、Schlueter C
等、Immunobiochemical and molecular bi
ologic characterization of the cell
proliferation−associated nuclear ant
igen that is defined by monoclonal a
ntibody Ki−67(モノクローナル抗体Ki−67により定義される
細胞増殖関連核抗原の免疫生化学的及び分子生物的特性付け)、Am J Pa
thol 1991;138:867−873]。この抗体は、細胞サイクルの
、S、G及びMフェーズにおける細胞の核を染色するが、休止(Gフェ
ーズ)細胞の核を染色しないという、有用な特性を有する。いくつかの研究によ
り、Ki−67抗体により染色された腫瘍細胞核の割合は、胸部カルチノーマ、
リンパ腫、髄膜腫、グリア細胞及び星状細胞脳腫瘍、悪性黒色腫及びサルコーマ
を含む、多種多様な腫瘍型についての腫瘍グレード及び他の予後特徴と相関関係
があることが明らかにされた。非ホジキンリンパ腫では、Ki−67染色は、作
用分類グレードと関連しており、Ki−67染色により測定したときの増殖画分
の増加は、誤った予後と関連している。乳癌においては、Ki−67染色が、核
グレード及びリンパ節の状態と相関され、いくつかの研究により、この種の癌に
おけるKi−67染色の予後有意性が示された。Ki−67抗体の臨床的有用性
は、抗原が凍結組織で保存され、標準固定で失われることにより、多少限定され
た。しかしながら、Ki−67により染色されたのと同じ抗原を染色すると思わ
れるモノクローナル抗体(MIB1)が産生し、しかもこれはパラフィン切片で
使用できるものである。したがって、保存パラフィン埋め込み組織について広範
な追想研究を実施してこの抗体による染色の予後有意性を測定することができる
と思われる。最近記載された抗体Ki−S1は、Ki−67と類似の染色特性を
有すると思われ、パラフィン切片で使用できる。Ki−S1染色について陽性の
腫瘍細胞核の相対画分は、乳癌において予後有意性を有すると思われる。
【0054】 他の増殖関連核マーカーは、臨床的有用性を有することを示すことができる。
PCNA/サイクリンは、増殖細胞に存在する36kDa核タンパク質であり、
DNAポリメラーゼ−デルタの補助タンパク質である。フローサイトメトリーの
研究により、PCNA/サイクリンの2つの画分が、細胞核に存在することが明
らかとなった。このうち、非イオン洗浄剤に不溶である画分は、より細胞サイク
ルのSフェーズに限定される。このタンパク質の免疫組織化学染色は、アルコー
ル又はホルマリンに固定された凍結し且つパラフィンに埋め込んだ組織で示され
た。したがって、保存組織の研究が可能である。しかしながら、組織切片の染色
は、組織調製法及び固定法だけでなく、使用される抗体のクローンによって異な
り、抗原検出度は、固定持続時間に影響されやすく、固定時間が長いほど抗原損
失が大きくなると思われる。パラフィン埋め込み組織におけるPCNAの検出は
、マイクロ波法を用いて向上できることが示され、それにより、フローサイトメ
トリーSフェーズ画分との優れた相関が得られた。PCNA/サイクリンについ
て染色された核は、異なる陽性度を示し、研究により、より多くの強く染色され
た核がSフェーズ細胞に相当することが分かった。このことは、勿論、使用され
る方法とは無関係に、抗原の発現を正確に定量化するのに重要である。
【0055】 アルファDNAポリメラーゼに対する抗体を、正常組織と悪性組織の組織切片
に適用し、臨床的有用性があることが分かった。P105は、最初G/G
ェーズ遷移で発現され、Mフェーズを介して発現が増加した核抗原である。しか
しながら、組織切片にこの抗体を使用する試みは、多様な形で成功し、抗体は、
組織切片における手段よりもフローサイトメトリーの検討において有用な手段で
あることが分かった。細胞サイクル中に多数の腫瘍タンパク質のレベル発現に変
化があるが、固形腫瘍における細胞サイクル活性を分析する際にこれらのマーカ
ーを使用することは、過発現が完全に関連してはいないので、疑問の余地がある
。さらなるマーカーを以下にまとめて示す。
【0056】 増殖関連核抗原に対する抗体を用いたほとんどの免疫組織化学の研究において
、染色は、推定により測定するか、時間のかかる手動カウントにより測定してい
る。このような手動分析を実施するのに必要とする追加の時間によって、多忙な
病理プラクティスの時間的制限が所与のものとすれば、通常の臨床的用途には使
用できなくなる。
【0057】 イメージ解析による核抗原用染色の定量化により、このような測定の速度、精
度及び再現性を得る手段が提供される。上記で述べたCAS200システムでは
、2台のビデオカメラを使用して、顕微鏡イメージを光学フィルターを介して別
個に見ている。この場合、視野(650nm)内でエチルグリーン染色核の全て
をとらえるか、同じ視野において、免疫ペルオキシダーゼ反応(500nm)の
褐色反応生成物をとらえている。緑色染色領域と褐色染色領域のマップを重畳す
ることにより、免疫組織化学反応により占められる核面積%から迅速に計算がで
きる。ポジティブ染色のしきい値は、対照抗体を用いて染色されたスライドを用
いて得られる。この測定は、個々の核をカウントし且つ染色反応と相関させるこ
とを必要とする”ポジティブ核%”とは同一ではない。このような測定は、接し
ているか、重なり合っていることがよくある個々の核を区別することが困難又は
不可能なことのある組織切片よりも細胞学的試料によってより容易におこなうこ
とができる。核面積測定は迅速になされ、結果を、測定した全ての顕微鏡視野の
累積平均として表す。染色反応の強度は、この測定では考慮されない。但し、ポ
ジティブ染色のしきい値を調整して、例えば、全ての陽性核ではなく最も強く染
色された核のみを測定できる。しかしながら、このシステムは、スペクトル分解
の面で非常に限定され、したがって、用途が限られる。同様の空間分解とより高
いスペクトル分解との組み合わせを可能としたシステムを用いればQIHCの分
野に大変革をもたらすことが分かるであろう。
【0058】 QIHCを実施する一方で、視野の選択は重要である。これは、腫瘍は、増殖
活性について全く不均一なことがあり、平均又は最大増殖活性が最も臨床的に重
要であるかどうかははっきりしないからである。悪性リンパ腫を検討する際、例
えば、Ki−67染色を、ランダム視野選択(コンピュータが生成)又は最大増
殖画分を有するとして判断される視野の選択的測定を用いて測定した。ランダム
視野選択による測定は、リンパ腫のグレードだけでなくフローサイトメトリーS
フェーズ画分とよく相関することが分かったのに対して、最大増殖領域のみを選
択したものはこれらの相関が失われ、グレード間での差異はなかった。したがっ
て、悪性リンパ腫においては、多数の視野にわたって平均的増殖活性の測定をお
こなうのが、最も情報量が多い傾向がある。多様な量のストローマを有する固形
腫瘍では、測定からストローマ細胞と炎症細胞を排除するのが理にかなっている
。乳癌におけるKi−67発現の測定についての研究では、フローサイトメトリ
ーSフェーズ画分との比較的弱い相関が見られたが、これは、フローサイトメト
リーにより占められていない腫瘍細胞の種々の希釈を所与のものとすれば予想の
できるものである。
【0059】 平均的Ki−67染色の統計的に信頼のおける測定値を得ようとする場合、累
積染色%の変化が平均の5%を超えて異ならないように十分な視野を測定する必
要がある。ある研究者等は、全てのこのような測定値は、%値+/−誤差限界(
試料サイズに基づいて算出できる)として表さなければならない。視野数は、腫
瘍内の不均一性によって異なるが、統計分析だけでなく経験によっても、視野数
が約10〜20あればほとんどの場合95%の信頼区間を得るのに十分であるこ
とが示された。しかしながら、この平均測定値は、必ずしも生物学的に最も関連
があるとは限らない。
【0060】 乳癌におけるPCNA/サイクリン染色の測定用イメージ解析を用いて、腫瘍
の中央部と周辺部において腫瘍細胞増殖の度合いに有意の差があることが示され
た。乳癌の個々の症例におけるインサイチュ及び浸潤成分の増殖を比較したとこ
ろ、これらの成分は通常同程度のKi−67染色を示すが、低増殖画分又は高増
殖画分を有する腫瘍の分類に影響を及ぼす不一致が生じることあることが分かっ
た。浸透成分が臨床の過程についてより生物学的に関連していると仮定すると、
測定視野を選択するのに組織病理の面に慎重に注意を払うことが重要であると思
われる。さらに、細胞サイクルを介した進行中の核発現のレベル及びパターンの
変化が、Ki−67及びPCNA/サイクリンについて認められた。イメージ解
析を用いると、組織分析だけでなく、限定された強度範囲内のレイニングを測定
することにより、Sフェーズ等の細胞サイクルの特異的フェーズにより密接に関
連した測定値を得ることができる。しかしながら、いずれの場合においても、優
れた空間分解を伴ったイメージ分析は、スペクトル分解の面で極めて限定されて
おり、この限定は、本発明により解決される。
【0061】 乳癌の数多くの症例は、ホルモン療法に反応し、腫瘍細胞に関連したエストロ
ゲンレセプターの存在が、予後重要性を有するとともに、抗エストロゲン療法の
患者を選択する際の予測値を示すことが分かった。最も一般的に生化学的方法に
より腫瘍エストロゲンレセプターを測定することは、乳癌の診断及び治療におけ
る標準となった。一般的に、エストロゲンレセプター陽性腫瘍を患った患者の6
0%〜70%は、ホルモン療法に反応を示すのに対して、レセプター陰性症例の
5%しか反応しない。
【0062】 米国では、エストロゲンレセプター及びプロゲステロンレセプターの生化学的
アッセイは、主に乳癌、特にデキストラン塗布チャコール(DCC)法に使用さ
れる。しかしながら、生化学的アッセイに付随する多数の技術的問題により、そ
の有用性が制限される。第一に、マンモグラフィが広範に使用されることにより
、増加した割合の切除された腫瘍が小さすぎて生化学的分析(300〜500m
gの組織が必要)ができず、細針吸引試料も、同様に通常の方法によっては評価
できない。Brigham and Women’s Hospitalでは、
切除された胸部腫瘍の約半分は、小さすぎてDCC分析ができない。第二に、形
態学的相関の欠如は、生化学的アッセイにおいてかなりの誤差を生じることがあ
る。これは、混合された良性胸部構造が偽陽性の結果を生じることがあり、正常
細胞及び炎症細胞による過度の腫瘍希釈は、偽陰性の結果を生じることがある。
処理前に組織について凍結切片調製(ほとんどの実験では通常実施されない工程
)を実施しない限り、サンプリング誤差は、検出することが困難なことがある。
第三に、DCC法は、極めて労働集約的である。したがって、これらの問題を回
避し、且つ腫瘍ホルモンレセプター測定の予後及び治療上の有用性を向上させる
アッセイ法を開発することに大きな関心が寄せられた。
【0063】 エストロゲンレセプター(ER)及びプロゲステロンレセプター(PR)に対
するモノクローナル抗体の市販品が入手できることにより、標準的免疫組織化学
法を用いたホルモンレセプターの目視検出が可能となった[Greene GL
及びJensen EV、Monoclonal antibodies as
probes for estrogen redetection and
characterization(エストロゲン再検出及び特性付け用プロ
ーブとしてのモノクローナル抗体)、J Steroid Biochem 1
982;16:353−359]。数多くの研究において、ER/PRの免疫組
織化学測定と標準生化学的方法との間に良好な相関があることが報告された。こ
れらの研究のほとんどにおいて、組織切片における免疫組織化学染色を分析する
半定量法、腫瘍において一般的に見られる不均一発現を考慮に入れた方法を用い
ている。例えば、McCarty等により使用されたHSCORE[MaCar
ty KS、Szabo E、Flowers JL等、Use of a m
onoclonal anti−estrogen receptor ant
ibody in the immunohistochemical eva
luation of human tumors(ヒト腫瘍の免疫組織化学的
評価におけるモノクローナル抗エストロゲンレセプター抗体の使用)、Canc
er Res 1986;46:(Suppl.):4244s−4248s]
は、染色強度の重量平均と陽性腫瘍核%から得たものであり、染色強度の主観的
評価を必要とする。このような方法を用いた場合、生化学的アッセイと比較した
抗体法の感度及び特異性は、それぞれ88%及び94%であった(85)。他の
研究では、同様の結果が得られた。
【0064】 ほとんどの研究では、凍結組織のクリオスタット切片を用いた最適感度を報告
しているが、細胞遠心分離試料、針吸引物及びパラフィン切片の試験では、全て
良好な結果が得られている。ある研究では、ERの免疫組織化学アッセイが、生
化学的アッセイよりもホルモン療法に対してより予測に役立つ臨床反応であるこ
とを示している[Pertschuk LP、Kim DS及びNayer K
、et al.、Immunohistochemical estrogen
and progesterone receptor assays in
breast cancer with monoclonal antib
odies:Histopathologic,demographic,an
d biochemical correlations and relat
ionship to endocrine response and su
rvival(モノクローナル抗体を用いた乳癌における免疫組織化学エストロ
ゲン及びプロゲステロンレセプターアッセイ:内分泌応答及び生存率に対する組
織病理学的、人工学的及び生化学的相関及び関係)、Cancer 1990:
66:1663−1670]。これは、より新しい方法を支持する最強の主張で
ある。より最近では、米国における大きな癌研究グループの一部が、この方法が
より広範に受け入れらることとなるであろう臨床トライアルにおけるERの免疫
組織化学測定の使用を許可した。
【0065】 免疫組織化学ERの結果の使用に伴う重大な技術上の問題は、染色反応を客観
的に分析及び定量することが困難であることにあった。HSCORE等の半定量
法は、実験で必要とされる再現性が得られず、染色反応を測定及び報告するため
の標準が、いまだ確立されていない。イメージ解析を使用することにより、乳癌
におけるホルモンレセプターの定量化のプラクティスの標準を得る機会が提供さ
れ、核染色パターンは、Ki−67抗原について上記したようなQIHCに容易
に適合できるが、スペクトル分解が非常に限定されるので、複数のマーカー/対
比染色剤には適用できない。
【0066】 測定すべき意図する主要な特徴は、ER/PRについて染色された腫瘍細胞核
の百分率だけでなく、染色強度にある。陽性%(総核面積を用いた)と強度の両
方とも、定量的免疫組織化学(QIHC)スコアに組み入れ、QIHCスコアと
ERの生化学的測定との間の優れた相関が報告された。しかしながら、染色強度
は、標準化するのが困難であり、実験の日間変動を受ける。使用されたより単純
な手法は、200fmol/mgタンパク質未満の生化学的ER測定値と直線的
相関があると思われる染色核面積%のみを測定することである。10%陽性核面
積カットオフを用いると、DCC法と比較して、感度92%、ER特異性100
%となる。Sklarew等[Sklarew RJ、Bodmer SC及び
Pertschuk LP、Comparison of microscop
ic imaging strategies for evaluating
immunohistochemical (PAP) steroid r
eceptor heterogeneity(免疫組織化学(PAP)ステロ
イドレセプター不均一性を評価するための顕微鏡イメージング法の比較)、Cy
tometry 1991;12:207−220]は、核多形性及び組織切片
形成により生じる核面積の変化を考慮した組織切片におけるERの不均一性を測
定するためのイメージング法を記載している。Sklarew等は、この方法に
より乳癌におけるエンドクリン療法に対する反応について優れた予測値が得られ
るとしている。ここでも、イメージング自体に基づいて、この方法は、スペクト
ル分解の面で限定され、したがって、複数の免疫組織化学マーカー染色剤/組織
染色剤/DNA倍数性染色剤の検出に適用できない。
【0067】 治療の決定は、腫瘍が陽性であるか陰性であるかに基づいており、絶対値に基
づいてはいないので、QIHCにより測定されるホルモンレセプターを生化学値
に変換する必要があるかどうかはまだはっきりしていない。実際に、ホルモンレ
セプターについて陰性である顕著な腫瘍画分が存在することが、療法に対して反
応しないことを予測することがあるので、QIHCにより報告されている腫瘍不
均一性は、生化学レベルよりも大きな臨床的関連性を有すると思われる。また、
経験から、症例の大部分は、ERについて陽性(50%を超える細胞が陽性)で
ある腫瘍細胞を示さず、10%陽性カットオフ付近で生じる症例がほとんどない
ことが分かっている。従って、生化学アッセイにおいて見られる値の連続体が、
真の生物範囲のレセプター発現よりも、良性組織成分による腫瘍細胞の多様な希
釈に反映すると思われる。療法に対する臨床反応を異なるイメージ分析の特徴と
比較してホルモンレセプターのQIHCを報告するための標準法を提供すること
について検討が必要とされている。
【0068】 腫瘍サンプリングが、乳癌において検討する必要がある別の重要な問題である
。腫瘍の凍結部分が腫瘍全体を完全には表さないことが少なからずある。例えば
、凍結組織は、導管内腫瘍のみを含むことがあるのに対して、侵入性癌の病巣は
永久切片で見つけられる。侵入性腫瘍の生物学的特徴は最も臨床的に関連してい
ると考えられ、インサイチュ及び侵入性腫瘍成分は同一の特徴を示すとは考えら
れない。イメージ解析を用いてホルモンレセプター発現に関する個々の乳癌の症
例の侵入性成分及び非侵入性成分を比較する検討をおこなった。ERの絶対値表
現(陽性、陰性)とERの表現レベル(核面積%)の両方に関するこれらの成分
の間で良好な一致が見られた。しかしながら、PR表現について不一致が見られ
、したがって、サンプリングはERについて重要な問題ではないが、PRについ
ては当てはまらないと思われる。同様に、他の研究者により報告されているよう
に、腫瘍遺伝子発現に関して乳癌のインサイチュ成分と侵入性成分との間で差異
が見られた。したがって、マーカーごとの発現の不均一性を確定して臨床測定の
指針を作成する必要がある。
【0069】 理論的には、細胞核、細胞質又は組織に局在する免疫組織化学反応は、イメー
ジ解析を用いて定量化できる。しかしながら、複数のマーカーの分析では、同時
にイメージング系で本来得られるよりもスペクトル分解能がはるかに高くなけれ
ばならない。
【0070】 細胞表面及び細胞質抗原、特に腫瘍遺伝子の産生物は、臨床的に非常に重要で
ある。例えば、Slamon等[Slamon DJ、Godolphin W
、Jones LA等、Studies of the HER−2/neu
proto−oncogene in human breast and o
varian cancer(ヒト乳癌及び卵巣癌におけるHER−2/neu
プロト腫瘍遺伝子の研究)、Science 1989;235:177−18
2]は、乳癌及び卵巣癌におけるHER−2/neu腫瘍遺伝子の増幅及び過発
現の両方とも、誤った予後と相関することを示した。この研究では、免疫染色の
強度は、遺伝子発現の他尺度とよく相関し、卵巣癌における発現レベルは生存率
と相関した。これらの研究の著者等は、免疫組織化学法を用いた腫瘍遺伝子産生
物の測定が生化学法に対して明瞭な利点があり、臨床の結果と最もよく相関する
と思われることを述べている。
【0071】 種々の研究から、腫瘍遺伝子発現のQIHCの可能性があることが分かった。
Czerniak等[Czerniak B、Herz F、Wersto R
P等。Quantitation of oncogene products
by computer−assisted image analysis
and flow cytometry(コンピュータ補助イメージ解析及び
フローサイトメトリーによる腫瘍遺伝子産生物の定量化)、J Histoch
em Cytochem 1990;38:463−466]は、イメージ解析
を使用して核、細胞質又は細胞膜において発現したいくつかの腫瘍遺伝子産生物
の細胞発現の測定をおこない、得られる結果がフローサイトメトリーを用いて得
られるのと類似していることを見いだした。後にCzerniak等は、イメー
ジングを使用して膀胱癌におけるHa−ras発現の測定をおこない[Czer
niak B、Cohen GL、Etkind P等、Concurrent
mutations of coding and regulatory
sequences of the Ha−ras gene in urin
ary bladder carcinomas(膀胱カルチノーマにおけるH
a−ras遺伝子のコード配列及び調節配列の同時変異)、J Histoch
em Cytochem 1992;23:1199−1204]、p21発現
の増加と特異的遺伝子変異との相関を示すことができた。核腫瘍タンパク質は、
ホルモンレセプター及びKi−67抗原について説明した方法と同様の方法によ
るイメージ解析を用いて測定でき、陽性核面積%又は染色強度と陽性度との組み
合わせた値として表すことができる。この方法は、Figge等[Figge
J、Bakst G、Weisheit K、Solis O及びRoss J
S、Image analysis quantitation of imm
uno−reactive retinoblastoma protein
in human thyroid neoplasms with a st
reptavidin−biotin−peroxidase stainin
g technique(ストレプトアビジン−ビオチン−ペルオキシダーゼ染
色法による、ヒトチロイド新生物における免疫反応性網膜芽細胞腫タンパク質の
イメージ解析定量化)、Am J Pathol 1991;139:1213
−1219]が使用して、チロイド腫瘍における網膜芽細胞腫タンパク質を測定
した。しかしながら、ここでも、イメージング解析では、このようなことができ
ることは、QIHCを臨床用途にさらに好適なものとするが、複数のマーカーを
検出することができない。
【0072】 染色強度における日間変動の制御の問題のために、QIHCでは、内部対照と
校正標準の使用が必要であると思われる。Bacus等[Bacus SS、R
uby SG、Weinberg DS、Chin D、Oriz R及びBa
cus JW。HER−2/neu one expression and
proliferation in breast cancers(乳癌にお
けるHER−2/neuの一発現及び増殖)、Am J Pathol 199
0;137:103−111]は、HER−2/neuについて、フォイルゲン
染色剤(DN含量を測定するため)と免疫組織化学染色とを組み合わせて使用し
てDNA含量に対して腫瘍タンパク質測定を正規化した。染色強度の日間変動を
考慮して、公知の発現レベルの腫瘍遺伝子を用いた腫瘍細胞系を校正に使用した
。したがって、腫瘍タンパク質の平均濃度を、細胞一個当たりで計算でき、高レ
ベルの過発現を示すことが知られている細胞系で測定されたレベル%で表された
。HER−2/neuの過発現についてのしきい値が、正常組織に存在する低発
現レベルに基づいて確定された。この方法を用いて、著者等は、乳癌における腫
瘍遺伝子発現を増殖画分成長因子発現及びDNA含量(「倍数性」)と相関させ
ることができた[Bacus SS、Chin D、Stern RK、Ort
iz R、Ruby SG及びWeinberg DS、HER−2/neu
one expression,DNA ploidy and prolif
eration index in breast cancers(乳癌にお
けるHER−2/neuの一発現、DNA倍数性及び増殖指数)、Anal Q
uant Histol 1992;14:433−445]。
【0073】 治療にとって重要であると思われる細胞タンパク質の別の例は、多薬物耐性(
mdr)遺伝子、P−糖タンパク質、非特異的化学療法耐性の一機構に関与して
いると思われる細胞表面関連ATPaseの産生物である。Grogan等[G
rogan T、Dalton W、Rybski J等、Optimizat
ion of immunohistochemical P−glycopr
otein assessment in multidrug−resist
ant plasma cell myeloma using three
antibodies(三種の抗体を用いた多薬物耐性形質細胞ミエローマにお
ける免疫組織化学P−糖タンパク質評価の最適化)、Lab Invest 1
991;63:815−824]は、複数のミエローマにおけるP−糖タンパク
質の発現と回帰との相関を明らかにし、IHCにより検出されたこのタンパク質
を測定するためのイメージ解析を使用した。また、QIHCが、P−糖タンパク
質発現を検出するためのWesternブロットよりも感受性があることを見い
だした。グルタチオントランスフェラーゼ及びトポイソメラーゼII等の治療耐
性の他のマーカーも、同様に検討できると思われる。
【0074】 予後有意性及び治療有意性を有する腫瘍マーカーを測定することが、診断外科
病理学及び細胞学の重要な一部分となってきている。腫瘍試料(バイオプシー及
び針吸引物)の多くのサイズが小さいことを所与のものとすれば、IHC等のイ
ンサイチュ法を使用して、定量化が必要な場合には測定値の解析と組み合わせて
、これらの腫瘍マーカーを検出することが必要であろう。全ての実験室試験に関
して、実施及び性能の標準をイメージ解析について開発してこれらの測定値の精
度及び再現性を確保しなければならない。
【0075】 免疫組織化学染色剤と同様に、組織染色剤を通常の方法で組織病理に使用した
ところ、癌の評価に有用であることが判明した。
【0076】 疾病についての我々の理解の基礎をなす組織病理学は、クロマチン−染色剤複
合体の形成が細胞及び非細胞成分の形状及び構造を高める染色された組織試料を
用いた非定量形態的評価である。核構造は、単離状態において、核の代謝状態の
動的反射として及び生化学成分のその総含量の物理的対件として見えると思われ
る。主要な核成分は、DNA、RNA、ヒストン及び非ヒストンタンパク質、無
機物質並びに水である。これらは、細胞質及び機能の脱分化とともに悪性転換中
に変化し、核/細胞質比が増加する。研究の結果、核構造、クロマチンパターン
及び核小体サイズ並びに数の変化が、癌診断の形態的特質であることが判明した
。細針吸引バイオプシーにより得た個々のヒト乳癌細胞のコンピュータによる核
体型測定(CNM)により、通常の組織学的試料を用いた主観的観察よりも分類
の再現性が高いことが分かった。核における平均クロマチン面積の2次元推定値
等の種々のパラメータの定量的推定及び中央クロマチン領域数が、乳癌における
予後及び識別と相関があることが示された。平均核小体プロファイル面積及び最
大核小体の顕微鏡的寸法は、眼メラノーマにおける予後値を示すことが判明した
。星状グリオームにおいて、光学濃度と核プロファイル面積との間の関係は、患
者の生存率と相関することが判明した。
【0077】 組織病理学的分類では、異なる染色プロトコルを使用して組織及び細胞の細胞
構造を目立たせている。使用される最も一般的な染色法は、ヘマトキシリン染色
及びエオシン(H&E)染色である。他の方法として、炭化水素成分の分画用P
AS染色、コラーゲンの細胞外染色用マッソントリクローム染色及び血液病理学
におけるロマノフスキー−ギームザ染色がある。
【0078】 従来のH&E染色剤では、核のヘマトキシリン染色後に、エオシンにより細胞
質及び種々の細胞外物質の対比染色をおこなう。核染色のこのプロセスでは、ヘ
マトキシリンが、酸化されて紫色の染料であるヘマテインとなるとともに、この
金属塩により正味正の電荷を有する。H&E染色法は、工程の一部が自動化され
たことを除いて半世紀にわたってほとんど変化しないままであった。これは、こ
の方法は、比較的迅速であり、安価であり、ほとんどの状況に好適であり、マス
ターするのが比較的容易であり、そして最も重要なことであるが、被験物のほと
んどを正確に顕微鏡診断できることによると思われる。
【0079】 特定の問題を解決するために、PAS染色及びマッソントリクローム染色等の
さらなる方法が使用されている。PAS染色では、隣接グリコール基を含む物質
又はそれらのアミノ若しくはアルキルアミノ誘導体は、過ヨウ素酸により酸化さ
れてジアルデヒドとなる。このジアルデヒドは、シッフ試薬と結合して不溶性マ
ゼンタ化合物を形成する。マッソントリクローム染色では、ホスホタングステン
酸又はホスホモリブデン酸を、塩基性フクシン、ライトグリーン及びヘマトキシ
リン等の数種のアニオン染料と組み合わせて使用する。
【0080】 ロマノフスキー−ギームザ染色が、血液病学のプラクティスにおいて日常的に
使用され、種々の造血細胞(正常状態のもの及び病気にかかったものの両方)を
明らかにしている。ロマノフスキー−ギームザ染色のプロセスでは、酸性エオシ
ンはヘモグロビン(赤色細胞における)及びエオシン好性顆粒(顆粒細胞におけ
る)と結合し、一方、塩基性アズールはクロマチン及びリボソームリッチ細胞質
に結合する。このフェーズに続いて、エオシンとアズールBが結合して複合体を
形成することにより、ロマノフスキー−ギームザ効果として知られている紫色の
要素を生じる。この効果を示す構造は、約550nmで特徴的な吸収バンド、す
なわち、いわゆるロマノフスキーバンドを示す。また、ロマノフスキー−ギーム
ザ法は、パラフィン埋め込み物質中の種々のリンパ細網要素(マスト細胞を含む
)及び微生物を明らかにするのにも使用されている。
【0081】 浸潤性胸カルチノーマの評価において、腺管カルチノーマ及び小葉カルチノー
マが、類似の組織学的外観を示すと思われる[Azzopardi JG、Ch
epick OF、Hartmann WH、Jafarey NA、Lomb
art−Bosch A及びOzello L(1982)、The Worl
d Health Organization histological t
yping of breast tumors(世界保健機構による胸腫瘍の
組織学的タイピング)、第2版、Am J Clin Pathol 78:8
06−816]。ある定量的組織病理学的変数が、腺管カルチノーマと小葉カル
チノーマとの間の識別の一助として形態学的方法により同定された[Ladek
arl M及びSorensen FB(1993)、Quantitativ
e histopathological variables in in
situ and invasive ductal carcinoma o
f the breast(胸部のインサイチュ及び侵入性腺管カルチノーマに
おける定量的組織病理学的変数)、AMPIS101(12):895−903
]。腫瘍を格付け及び識別、すなわち、換言すれば、腫瘍を分類する試みは、主
に核の形態及びクロマチン構造に基づいている[Ladekarl M及びSo
rensen FB(1993)、Quantitative histopa
thological variables in in situ and
invasive ductal carcinoma of the bre
ast(胸部のインサイチュ及び侵入性腺管カルチノーマにおける定量的組織病
理学的変数)、AMPIS101(12):895−903;Cornelis
se CJ、de Konig HR及びMoolenaar AJ(1984
)、Image and flow cytometric analysis
of DNA content in breast cancer;rel
ation to estrogen receptor content a
nd lymph node involvement(乳癌におけるDNA含
量のイメージ解析及びフローサイトメトリー分析;エストロゲンレセプター含量
及びリンパ節の関与との関係)、Anal Quant Cytol Hist
ol 4:9−18;Stenkvist B、Westman−Naeser
S及びHolmquist J(1978)、Computerized n
uclear morphology as an objective me
thod for characterizing human cancer
cell populations(ヒト癌細胞集団を特性付けするための客
観的方法としてのコンピュータにより求めた核の形態)、Cancer Res
38:4688−4977;Dawson AE、Austin RE及びW
einberg DS(1991)、Nuclear grading of
breast carcinoma by image analysis(イ
メージ解析による胸部カルチノーマの核格付け)、Classificatio
n by multivariate and neural network
analysis(多変量及び神経ネットワーク解析による分類)、Am J
Clin Pathol 95:S29−S37]。白血病、リンパ腫、サル
コーマ及び他のカルチノーマを含むがこれらには限定されない他の腫瘍型の形態
分類[例えば、Clarke AM、Reid WA及びJack AS(19
93)、Combined proliferating cell nucl
ear antigen and morphometric analysi
s in the diagnosis of cancerous lymp
hoid infiltrates(癌性リンパ系浸潤物の診断における増殖細
胞核抗原と体型分析との組み合わせ)、J.Clin.Pathol.46:1
29−134参照]も、研究及び医療のプラクティスの両方において非常に広範
に実施されている。
【0082】 それにもかかわらず、癌診断の分野で最優秀な病理学者により組織病理学的診
断の信頼性を評価したNIH研究会後に最近公表されたように、新生物の診断で
は専門の病理学者の間でも一致していない。この研究会に基づいて、組織病理学
的意思決定が、被験物の起源とは無関係に100%主観的であること、及び組織
病理学的診断におけるこの状態の事柄は、特定の腫瘍には限らず、全ての臓器に
おける鑑別診断に適用できることが、結論として言える。これらの結論は、Hu
man pathology 27:1115−1116の論説において、A
Bernard Ackerman(1996)により、「Discordan
ce among expert pathologists in diag
nosis of melanocytic neoplasm(メラノサイト
新生物の診断における専門家の病理学者の間での不一致)」と題して発表された
【0083】 胸部カルチノーマの80%近くが、腺管型である[Aaltomaa S及び
Lipponen P:Prognostic factors in bre
ast cancer(reviews)(乳癌における予後因子(報告))、
Int J Oncol 1:153,1992;Toikkanen S及び
Jensuu H(1990)、Prognostic factors an
d long−term survival in breast cance
r in a defined urban population(区画都市
人口における乳癌の予後因子及び長期生存率)、APMIS 98:1005−
1014]。腺管と小葉カルチノーマとの間の識別が、患者の予後及び治療の決
定の評価に有用であることが分かった[Ellis IO、Galea M、B
roughton N、Locker A、Blaney RW及びElsto
n CW(1992)、Pathological prognostic f
actors in breast cancer:II Histologi
cal type;relationship with survival
in a large study with long term foll
ow−up(乳癌における病理学的予後因子:II 組織型;長期追跡による大
規模研究における生存率との関係)、Histopathology 20:4
79−489;Eskelinen M、Lipponen P、Papina
ho S、Aaltomaa S、Kosma VM及びKlemi P(19
92)、DNA flow cytometry, nuclear morp
hometry, mitotic indices and steroid
receptors as independent prognostic
factors in female breast cancer(女性の
乳癌における、独立した予後因子としての、DNAフローサイトメトリー、核体
型測定、有糸***指数及びステロイドレセプター)、Int J Cancer
51:555−561;並びにToikkanen S及びJensuu H
(1990)、Prognostic factors and long−t
erm survival in breast cancer in a d
efined urban population(区画都市人口における乳癌
の予後因子及び長期生存率)、APMIS 98:1005−1014]。腫瘍
同士は、臨床上の挙動及び転移パターンにおいてある種の差異がある;小葉カル
チノーマは、腺管カルチノーマよりも多病巣性及び両側性であり[Azzopa
rdi JG、Chepick OF、Hartmann WH、Jafare
y NA、Lombart−Bosch A及びOzello L(1982)
、The World Health Organization histo
logical typing of breast tumors(世界保健
機構による胸腫瘍の組織学的タイピング)、第2版、Am J Clin Pa
thol 78:806−816]、患者生存期待度が、通常よりよい[DiC
onstanzo D、Rosen PP、Gareen I、Frankli
n S及びLesser M(1990)、Prognosis in inf
iltrating lobular carcinoma;an analy
sis of “classical” and variant tumor
s(浸潤小葉カルチノーマの予後;「古典的」及び変異腫瘍の分析)、Am J
Surg Pathol 14:12−23;du Toit RS、Loc
ker AP、Ellis IO、Elston CW、Nicholson
RI及びRobertson JFR(1991)、An evaluatio
n of differences in prognosis, recur
rence patterns and receptor status b
etween invasive lobular and other in
vasive carcinomas of the breast(胸部の侵
入性小葉カルチノーマと他の侵入性カルチノーマとの間の予後、再発パターン及
びレセプター状態の差の評価)、Eur J Surg Oncol 17:2
51−257]。2種の腫瘍型は、形態が異なり、浸潤小葉カルチノーマの細胞
は、通常、腺管カルチノーマより小さく、多形性が少なく、有糸***像が少ない
。浸潤腺管カルチノーマ細胞は、より多くの***核を有する[Azzopard
i JG、Chepick OF、Hartmann WH、Jafarey
NA、Lombart−Bosch A及びOzello L(1982)、T
he World Health Organization histolo
gical typing of breast tumors(世界保健機構
による胸腫瘍の組織学的タイピング)、第2版、Am J Clin Path
ol 78:806−816]。
【0084】 腺管内カルチノーマのある種の組織学的型が認められた:コメド、篩状、ミク
ロパピラリー及び固形。これらの全てが認識され、特定の基準で分類され、主に
構築パターン、細胞多形性及び核の過度色素沈着によりさらに分けられる[Pa
ge DL及びAnderson TG(1987)。Diagnostic
histopathology of the breast(胸部の診断病理
学)。スコットランド国エジンバラ:Churchill Livingsto
ne、120−157;Lagios MD(1990)、Duct carc
inoma in situ pathology and treatmen
t(腺管カルチノーマのインサイチュ病理学及び治療)、Surg Clin
North Am 70:853−871;並びにLennington WJ
、Jensen RA、Dalton LW及びPage DL:Ductal
carcinoma in situ of the breast:Het
erogeneity of individual lesions(胸部の
インサイチュ腺管カルチノーマ:個々の病巣の不均一性)、Cancer 73
:118−124、1994]。小葉カルチノーマの生存期待度は、通常腺管カ
ルチノーマの生存期待度よりもよい[DiConstanzo S、Rosen
PP、Gareen I、Franklin S及びLesser M(19
90)、Prognosis in infiltrating lobula
r carcinoma:an analysis of “classica
l” and variant tumors(浸潤性小葉カルチノーマの予後
:「古典的」及び変異腫瘍の分析)、Am J Surg Pathol 14
:12−23;du Toit RS、Locker AP、Ellis IO
、Elston CW、Nicholson RI及びRobertson J
FR(1991)、An evaluation of difference
s in prognosis, recurrence patterns
and receptor status between invasive
lobular and other invasive carcinom
as of the breast(胸部の侵入性小葉カルチノーマと他の侵入
性カルチノーマとの間の予後、再発パターン及びレセプター状態の差の評価)、
Eur J Surg Oncol 17:251−257]。小葉カルチノー
マは、より両側性且つ多病巣性のことがよくあり[Ladekarl M及びS
orensen FB:Prognostic,quantitative h
istopathologic variables in lobular
carcinoma of the breast(胸部の小葉カルチノーマに
おける予後、定量的組織病理学的変数)、Cancer 72:2602、19
93]、腫瘍からの転移のパターンが、異なることが判明した。残念なことに、
胸部カルチノーマの組織学的分類は、再現性が低く、したがって、異なる予後の
小葉カルチノーマの形態学的亜型を分類する試みは、役に立たないと思われる[
Ladekarl M及びSorensen FB:Prognostic,q
uantitative histopathologic variable
s in lobular carcinoma of the breast
(胸部の小葉カルチノーマにおける予後、定量的組織病理学的変数)、Canc
er 72:2602、1993]。小葉型と腺管型の両方とも、現在では末端
腺管−小葉ユニットから生じると考えられている。
【0085】 異なる手法による核の特徴の特性付けが、診断、治療、予後の決定に使用され
ている。核プロファイル面積、核プロファイル濃度及び有糸***プロファイル数
の二次元推定値等の種々の組織病理学的パラメータの定量的推定が、識別及び予
後と相関があることが判明した。核構造の変化は、癌診断の形態学的特質である
。核サイズ、形状、クロマチンパターンは、全て乳癌において変化することが報
告されている[Pienta KJ及びCoffey DS:Correlat
ion of nuclear morphometry with prog
ression of breast cancer(核の形態と、乳癌の進行
との相関)、Nuclear Morphometry of breast
cancer 2012、1991]。しかしながら、同じ分類群に属している
腫瘍の形態及び生態の不均一性は、乳癌の最も目立った特徴であることが分かっ
た[Komitowski DD及びJanson CP(1990)、Qua
ntitative features of chromatin stru
cture in the prognosis of breast can
cer(乳癌の予後におけるクロマチン構造の定量的特徴)、Cancer 6
5:2725−2730]。
【0086】 細胞学的被験物、染色パターン、核サイズ及び総細胞サイズについて、自動化
体型測定装置を用いて、de−las−Morenas等[de−las−Mo
renas A、Crespo P、Moroz K及びDonnely MM
(1995)、Cytological diagnosis of duct
al versus lobular carcinoma of the b
reast(胸部の腺管カルチノーマ対小葉カルチノーマの細胞学的診断)、A
cta Cytol 39(5):865−869]により試験された11種の
細胞学的パラメータは、浸潤性小葉カルチノーマ細胞核と浸潤性腺管カルチノー
マ細胞核との間で統計的に異なることが分かった。したがって、粗顆粒クロマチ
ン(核サイズ:44μm超、細胞サイズ:82μm超)の存在は、腺管カル
チノーマに関係していることが分かった。
【0087】 Ladekarl及びSorensenは、主要三次元核サイズ、主要核プロ
ファイル面積及び有糸***指数は、全て、腺管において、小葉カルチノーマにお
けるよりも有意に大きいのに対して、主要核濃度指数は、腺管カルチノーマでは
小さいことを見いだした[Ladekarl M及びSorensen FB:
Prognostic,quantitative histopatholo
gic variables in lobular carcinoma o
f the breast(胸部の小葉カルチノーマにおける予後、定量的組織
病理学的変数)、Cancer 72:2602、1993]。Yu等も、浸潤
腺管カルチノーマ及び小葉カルチノーマの識別に有用ないくつかの明瞭な核の特
徴を同定した[Yu GH、Sneige N、Kidd LD、Johnst
on及びKatz RL(1995)、Image analysis der
ived morphometric differences in fin
e needle aspirated of ductal and lob
ular breast carcinoma(細針吸引腺管胸カルチノーマ及
び小葉胸カルチノーマのイメージ解析に由来する体型測定の差異)、Anal
Quant Cytol Histol 17(2):88−92]。
【0088】 固形腫瘍に使用する他に、組織学的染色剤及び免疫組織化学マーカーは、種々
の血液学的悪性疾患の診断、予後及び治療にも適用でき、その一例として、慢性
リンパ性白血病(CLL)がある。末梢血における小さい成熟外観Bリンパ球の
過剰蓄積は、慢性リンパ性白血病(CLL)診断の基本となる特質である。持続
細胞カウントが5x10個/リットル超の成熟外観リンパ球であることは、正
常状態から白血病に形質転換したことを示唆していると思われる。大多数の正常
リンパ球と支配的なCLLの細胞集団は、両方とも、通常の光顕微鏡によるこれ
らのリンパ性集団間の識別を困難にする、高密度、凝集核クロマチンを有する小
細胞から構成されている。ある場合には、形態学的特徴が、典型的な成熟、小細
胞B−CLLとは異なる:(i)CLL/PLと称される、小リンパ球とプロリ
ンパ球との混合物(>10%及び<55%)、又は(ii)大リンパ球と混合し
たCLL。
【0089】 French−American−Britishのグループ(FAB)は、
明瞭な診断を確立するために、細胞化学的方法及び免疫学的方法に基づいた基準
を提案した。免疫表現型分析により、B−CLL細胞上で弱くしか発現しないか
、検出できない、正常B細胞中に多量の表面免疫グロブリン(sIg)が存在す
ることが分かる。CLL細胞は、pan−B抗原CD19及びCD20並びに活
性化抗原CD5及びCD23を発現するが、形質細胞により示される末端B細胞
分化抗原を発現しない。B−CLL細胞は、カッパ又はラムダL鎖を発現し、単
クローン性は、診断を確定するのに必須である。マウス赤血球ロゼット(MRB
C−R)のレセプターは、B−CLL細胞と正常B細胞の両方について検出でき
るが、2つの集団は、補体レセプターの異なるパターンを発現し、これが両者を
識別するのに役立てることができる。
【0090】 米国特許第5,086,476号(Bacus等)(引用することにより、本
明細書に全て記載されたものとする)は、細胞を、増殖物質用クロモーゲン及び
細胞核用対比染色剤で染色することにより、細胞試料の増殖指数を測定するため
のイメージ処理方法及び装置を教示している。クロモーゲンは、抗体−酵素複合
体により活性化され、この抗体−酵素複合体が増殖物質に結合して染色細胞試料
を生成する。染色された細胞試料を、装置の一部分を構成している光学顕微鏡で
試験して拡大細胞試料イメージを生成する。この装置は、細胞試料イメージを光
学的に濾過し、一対の光学的エンハンスト増殖物質イメージと細胞核イメージを
生成する。エンハンストイメージを、電子的に解析して、それぞれイメージに現
れている細胞核の量と増殖物質の量を求める。次に、量を比較して、細胞試料イ
メージに現れている細胞試料の部分についての増殖指数を得る。
【0091】 米国特許第5,109,429号(Bacus等)(引用することにより、本
明細書に全て記載されたものとする)は、細胞核中の成分の定量化用キットを教
示している。このキットは、染色剤及び顕微鏡スライドを含む。各スライドは、
参照細胞対象と、参照細胞対象と同時に染色される被験物細胞を収容するための
被験物細胞領域を有する。
【0092】 米国特許第5,202,931号(Bacus等)(引用することにより、本
明細書に全て記載されたものとする)は、細胞集団中の核タンパク質の定量化用
イメージ解析装置を教示している。特に、ヒト胸カルチノーマの細針吸引物のホ
ルモン性レセプター含量を、評価している。エストロゲンレセプター又はプロゲ
ステロンレセプターを増幅し、被験物において、免疫ペルオキシダーゼ型の染色
法により可視化している。レセプターに対して特異的なモノクローナル抗体を、
レセプター部位に結合させた後、モノクローナル抗体及びペルオキシダーゼ−抗
ペルオキシダーゼ複合体に結合する架橋抗体により増幅させる。クロモーゲン(
ジアミノベンジジン)を上記複合体と混ぜ、過酸化水素で処理して上記ペルオキ
シダーゼと反応させることにより、光学的同定用のレセプター部位をマークする
不溶性褐色沈殿物を形成する。次に、被験物を、各細胞の核に特異的である別の
クロモーゲン(メチルグリーン)で対比染色させる。2種の単色光濾過で、レセ
プター部位光学エンハンサーにより染色された領域と、核領域光学エンハンサー
により染色された領域が光学的に分離される。染色されたレセプター領域の光学
濃度値を測定することにより、被験物中のホルモン性レセプターの量と直接関連
する強度値を得る。ホルモン性レセプターを含有する核の面積を、総核面積と比
較することにより、レセプターを含有する被験物全体を通した細胞の分布を示す
値(%)が得られる。次に、強度及び分布についての2つの値を組み合わせてア
ッセイの予測スコアを得る。測定スコアを、実験的に得た基準スコアと比較する
ことにより、内分泌療法の予後が可能となる。
【0093】 米国特許第5,281,517号(Bacus等)(引用することにより、本
明細書に全て記載されたものとする)は、イメージ解析手段を用いてDNA等の
一定のパラメータについての細胞又は細胞対象のサブ集団を選択及び分析するた
めの方法及び装置を教示している。細胞を、まず、細胞の細胞質の少なくとも一
つにおけるタンパク質又は細胞膜上のタンパク質に特異的なモノクローナル抗体
を含むアルカリ性ホスファターゼ法で染色することにより、型に関してタンパク
質を含む細胞をマークする。核におけるDNAの第二の染色を、細胞の細胞質を
破壊するフォイルゲン法によりおこなう。染色及びマーキング後、細胞を、着色
DNA又は着色抗原等の視覚パラメータについてのイメージ解析手段を用いて、
被測定サブ集団にゲーティングしてもよい。次に、選択された細胞を、ディジタ
ルイメージ処理することにより調べ、DNAの真の実測値(単位:ピコグラム)
等のパラメータについて測定する。パラメータの実測量値が生成され、得られる
【0094】 米国特許第5,428,690号(Bacus等)(引用することにより、本
明細書に全て記載されたものとする)は、顕微鏡スライド上に配置させた生物被
験物の自動アッセイのための装置及び方法を教示している。この装置は、スライ
ド上の生物学的試料を見るため、及び目視したイメージに相当するインタラクテ
ィブビデオ信号を生成するための、インタラクティブ光学サブシステムを備えて
いる。自動光学サブシステムは、一ラックのスライド(これらの一部分は、イン
タラクティブ光学手段におけるアッセイついて予め確認してあるものである)を
走査するための単一の高出力顕微鏡対物レンズを含む。このシステムも、2つの
光学サブシステム用のインタラクティブ及び自動ビデオ信号を処理するプロセッ
サを含む。このプロセッサは、自動ビデオ信号を受け、受信したら生物学的アッ
セイ機能を実行する。また、顕微鏡スライド上でのその後の分析のための点をマ
ークするため、及び分析機能を各マークした点と関連させるための、方法及び装
置も開示されている。
【0095】 米国特許第5,252,487号(Bacus等)(引用することにより、本
明細書に全て記載されたものとする)は、細胞中の腫瘍遺伝子タンパク質産生物
コピーの量を測定するための装置及び方法を教示している。この装置は、細胞試
料中の光学的にエンハンストされたDNAの量を測定するための光学変換モジュ
ールを含む。光学的にエンハンストされた腫瘍遺伝子タンパク質産生物の量を測
定するためのサブシステムを、DNA測定手段に結合させる。DNA量の測定値
と腫瘍遺伝子タンパク質産生物量の測定値とを比較するためのサブシステムによ
り、腫瘍遺伝子タンパク質産生物コピー測定値が得られ、これを出力装置に供給
して、細胞試料の細胞中の腫瘍遺伝子タンパク質産生物の量を表す出力を生じる
【0096】 米国特許第5,288,477号(Bacus等)(引用することにより、本
明細書に全て記載されたものとする)は、モノクローナル抗体とリガンド分子と
を用いた化学療法の有効性の予測方法を教示している。推定抗癌剤は、HER−
2/neu等の癌細胞の膜上の腫瘍遺伝子レセプター分子に対して結合特異性を
有する。推定薬剤が腫瘍遺伝子レセプターに結合するときには、レセプターは、
膜から、癌細胞の細胞質又は核周囲に移行し、それにともない、レセプターの総
細胞含量が過渡的に増加し、末端細胞の細胞分化を生じる。生体内での薬剤の効
力は、生体組織検査した癌細胞をこの薬剤で処理後、細胞を末端細胞分化につい
て検査することにより生体外で測定できる。このような確証としては、形態の変
化、細胞成長の減少、又は成熟表現型に関連した化学物質の産生などがある。さ
らに、処理細胞を腫瘍遺伝子レセプターに特異的な免疫組織化学物質で検査して
、レセプターの膜から細胞質又は核周囲への移行について測定してもよい。染色
後に光学濃度を測定することによる処理細胞中レセプターレベルの定量化を使用
して、移行についてだけでなく、レセプターの総細胞含量の過渡的増加を測定で
きる。
【0097】 米国特許第5,134,662号(Bacus等)(引用することにより、本
明細書に全て記載されたものとする)は、細胞及び他の顕微鏡被験物の自動分類
を実施するのに使用される方法及び装置を教示している。この装置により、細胞
分析用オペレータ−装置インタラクティブ分類システム、異なる細胞、細胞質及
び細胞集団用の代替手法、及びエンハンストイメージ又は色分離及び解析が得ら
れるように操作できるコンパクトな調整可能なアセンブリが提供される。
【0098】 米国特許第5,473,706号(Bacus等)(引用することにより、本
明細書に全て記載されたものとする)は、顕微鏡のスライド上に配置させた生物
被験物の自動アッセイ用装置及び方法を教示している。この装置は、スライド上
の生物学的試料を視検するため、及び視検したイメージに相当するインタラクテ
ィブビデオ信号を生成するための、インタラクティブ光学サブシステムを備えて
いる。自動光学サブシステムは、一ラックのスライド(これらの一部分は、イン
タラクティブ光学サブシステムにおけるアッセイついて予め確認してあるもので
ある)を走査するための単一の高出力顕微鏡対物レンズを含む。また、このシス
テムは、2つの光学サブシステムからのインタラクティブ及び自動ビデオ信号を
処理するプロセッサを含む。このプロセッサは、自動ビデオ信号を受け、受信し
たら生物学的アッセイ機能を実行する。
【0099】 米国特許第5,526,258号(Bacus等)(引用することにより、本
明細書に全て記載されたものとする)は、細胞試料の細胞対象を分析して実際の
癌又はその疑いのある癌を診断及び治療するための装置及び方法を教示している
。細胞試料のイメージを、まずディジタル化し、細胞対象の面積及びDNA質量
を含む形態的属性を、ディジタル化したイメージから自動測定する。測定した属
性を、癌分析における値を有する特定の細胞対象を選択するために予め確定した
属性値範囲と比較する。細胞対象を選択した後、オペレータに対してイメージを
表示し、選択のしるしを各選択された細胞対象について表示する。次に、オペレ
ータは、測定細胞対象属性値の利点を考慮して自動的に選択された細胞対象を検
討し、細胞対象の自動選択を受け入れるか、又は変更する。好ましい実施態様で
は、各選択された細胞対象を、6種類のうちの一つに割り当てる。選択のしるし
は、関連細胞対象を配置した種類のしるしからなる。また、組織切片試料中の同
定細胞対象断片の測定DNA質量を増加して全細胞対象のDNA質量を表し、そ
こから断片を切断する。
【0100】 米国特許第5,546,323号(Bacus等)(引用することにより、本
明細書に全て記載されたものとする)は、好ましくは多倍数体核DNA含量を用
いて、自動イメージ解析システムにより組織切片の厚みを測定するための装置及
び方法を教示している。測定された厚みは、続いて被験物細胞試料の細胞対象の
解析に使用して実際の癌又は疑いのある癌の診断及び治療、又はミクロトーム設
定における公称厚さの変動を監視している。公知の細胞対象属性を有するラット
肝臓組織切片等の測定物質のイメージを、まずディジタル化し、細胞対象の面積
及びDNA質量を含む形態属性を、ディジタルイメージから自動的に測定する。
測定された属性を、特定の細胞対象を選択するために予め確定しておいた属性値
範囲と比較する。細胞対象を選択後、オペレータは、自動的に選択された細胞対
象を検討し、測定された細胞対象属性値を受け入れるか、変更する。好ましい実
施態様では、各選択された細胞対象を、2倍体、4倍体及び8倍体細胞形態に相
当する3種類のうちの一つに割り当て、ラット肝臓組織切片試料中の同定された
細胞対象断片の測定されたDNA質量を、修正してもよい。次に、測定物質の選
択された細胞対象、例えば、DNA質量を、ヒストグラムでグラフ表示し、ラッ
ト肝臓組織切片の厚さを、分布に基づいて測定できる。
【0101】 米国特許第5,018,209号(Bacus等)(引用することにより、本
明細書に全て記載されたものとする)は、DNA、エストロゲン等の一定のパラ
メータについての細胞又は細胞対象のサブ集団を選択及び分析した後、選択され
た細胞を測定するための方法及び装置を教示している。観察者は、リアルタイム
で細胞の視野を見た後、着色DNA又は着色抗原等の目視パラメータを有する細
胞を形態基準に基づいて選択して被測定サブ集団にゲーティングする。選択され
た細胞を、ディジタルイメージ処理することにより検査して、DNAの真の実測
値(単位:ピコグラム)等のパラメータについて測定する。測定されたパラメー
タの量を生成して得る。
【0102】 米国特許第4,998,284号(Bacus等)(引用することにより、本
明細書に全て記載されたものとする)は、細胞及び他の顕微鏡被験物を自動分類
するための方法及び装置を教示している。この装置により、細胞分析用オペレー
タ−装置インタラクティブ分類システム、異なる細胞、細胞質及び細胞集団用の
代替手法、及びエンハンストイメージ又は色分離及び解析が得られるように操作
できるコンパクトな調整可能なアセンブリが提供される。
【0103】 米国特許第4,741,043号(Bacus等)(引用することにより、本
明細書に全て記載されたものとする)は、人体から採取した種々の細胞、抗原又
は他の物質を動的に試験し且つ評価するためのユーザインタラクティブシステム
を教示している。より詳細には、被験物細胞中のDNAを、パターン認識法を用
いたイメージ解析により解析及び定量化する。ユーザは、分析時に同時に染色又
はさもなければイメージエンハンストされる被験物及び基準物質又は対象が上に
ある独自のスライド又は支持体を準備する。
【0104】 以下の結論は、上記検討事項から得ることができる。
【0105】 第一に、新生物のインサイチュ分析は、臨床用途に有用であり、よりよい診断
、予後及び治療法を可能にすると思われる。
【0106】 第二に、組織染色剤である独自の免疫組織化学マーカー及びDNA倍数性染色
剤(両方とも通常且つ免疫染色剤)は、全てこの目的に有用である。
【0107】 第三に、いままで、複数の特異的免疫組織化学染色剤をいくつかの組織学的染
色剤及びDNA倍数性染色剤と組み合わせて細胞を標識後、そこから病理学的デ
ータを抽出することは、試みられたり、示唆されたりしなかった。これは、適当
な空間分解が得られるシステム(イメージングシステム)が広く使用されている
が、適当な空間分解と適当なスペクトル分解とを併せて得られるシステムははる
かに少ないことによるものである。
【0108】 しかしながら、このようなシステムが、開発され、以下でさらに詳細に説明す
るように最近種々の用途に用いられるようになってきた。
【0109】 分光計は、受光し、それをその成分波長に分離(分散)し、光の強度がその波
長の関数である光スペクトルを測定するように設計された装置である。イメージ
ング分光計は、シーンからの入射光を集め、その各ピクセル(すなわち、画素)
のスペクトルを測定する分光計である。
【0110】 分光分析法は、化学成分のスペクトルサインに基づいて物質及びプロセスを特
性付けするのに科学及び工業で数十年間使用されてきた周知の分析手段である。
分光分析法の物理的基礎は、光と物質との相互作用である。伝統的に、分光分析
法は、試料から放出、散乱又は反射したか、試料から透過した光の強度を、高ス
ペクトル分解であるが空間情報がなく波長との関係において測定することである
【0111】 一方、スペクトルイメージングは、高分解分光分析と高分解イメージング(す
なわち、空間情報)との組み合わせである。いままで説明した作業のほとんどは
、生物試料から高空間分解情報を得るとともに、例えば、高空間分解イメージン
グを一つ又はいくつかの別個のバンドパスフィルターで実施するときには限定さ
れたスペクトル情報しか提供しないことに関するか[Andersson−En
gels等(1990)Proceedings of SPIE−Bioim
aging and Two−Dimensional Spectrosco
py(SPIE−バイオイメージング及び二次元分光分析法の手順)、1205
、第179−189頁参照]、又は高スペクトル分解(例えば、全スペクトル)
を得るとともに、空間分解が、試料の小数の点に限定されるか、試料全体にわた
って平均化されている[例えば、米国特許第4,930,516号(Alfan
o等)参照]。
【0112】 概念的に、スペクトルイメージングシステムは、(i)測定システムと、(i
i)分析ソフトウエアとから構成されている。測定システムは、光学素子、エレ
クトロニクス、及び試料を照明する方法(例えば、光源選択)、測定モード(例
えば、蛍光又は透過)、並びに測定から所望の結果を抽出するのに最適な校正を
全て含む。分析ソフトウエアは、意味のある方法で重要な結果を解析及び表示す
るのに必要なソフトウエア及び数学的アルゴリズムの全てを含む。
【0113】 スペクトルイメージングは、地球及び他の惑星の研究において、そこに由来す
る特徴的なスペクトル吸収フィーチャを同定することにより重要な情報を提供す
るリモートセンシングの領域で数十年間使用されてきた。しかしながら、リモー
トセンシングスペクトルイメージングシステム(例えば、Landsat、AV
IRIS)の高コスト、サイズ及び構成により、それらの用途が、飛行機及び衛
星から生じた用途に限られている[Maymon及びNeeck(1988)P
roceedings of SPIE−Recent Advances i
n Sensors,Radiometry and Data Proces
sing for Remote Sensing(SPIEの手順−リモート
センシング用センサー、ラジオメトリー及びデータ処理における最近の進歩)、
924、第10−22頁;Dozier(1988)Proceedings
of SPIE−Recent Advances in Sensors,R
adiometry and Data Processing for Re
mote Sensing(SPIEの手順−リモートセンシング用センサー、
ラジオメトリー及びデータ処理における最近の進歩)、924、第23−30頁
参照]。
【0114】 スペクトルバイオイメージングシステムに使用できると考えられる3つの基本
的な種類のスペクトル分散法がある:(i)スペクトルグレーティング又はプリ
ズム、(ii)スペクトルフィルター及び(iii)緩衝分光分析法。以下で説
明するように、後者が、本発明の方法を実施するのに最適である。当業者には理
解できるであろうが、グレーティング、プリズム及びフィルター系スペクトルバ
イオイメージングシステムは、ある種の用途にも有用であると思われる。
【0115】 スリット型イメージング分光計(例えば、、DILORシステム)としても知
られているグレーティング又はプリズム(すなわち、モノクロメーター)系シス
テム[スペイン国バルセロナで開かれた、SPIE Conference E
uropean Medical Optics Week、BiOS Eur
ope 1995での発表、Valisa等(1995年9月)を参照]では、
CCD(電荷結合素子)アレイ検出器の一つの軸(空間軸)のみで真のイメージ
データを形成し、一方、第二(分光)軸を、グレーティング又はプリズムにより
分散された光の強度を波長との関係でサンプリングするのに使用する。また、こ
のシステムは、第一焦点面にスリットを備えて、一定の時間での視野をピクセル
のラインに限定している。したがって、フルイメージは、文献においてラインス
キャニングとして知られている方法におけるCCDのスペクトル軸に平行な方向
にグレーティング(又はプリズム)又は入射光線を走査した後にのみ得ることが
できる。測定全体が完了する前に二次元像を可視化できないので、測定前に、視
野内から意図する所望の領域を選択及び/又はシステム焦点、露光時間等を最適
化することができない。グレーティング及びプリズム系スペクトルイメージ形成
器が、リモートセンシング用途に使用されている。これは、地球の表面を飛行機
(又は衛星)が飛行すると、自然ラインスキャニング機構を備えたシステムが得
られるからである。
【0116】 さらに、スリット型イメージング分光計は、機器の前に位置している光学素子
がそれらの全てから入射光を実際に同時に集めるとしても、一つのフレームのピ
クセルのほとんどが一定時間に測定されないので大きな欠点がある。その結果、
一定のS/N比を有する必要情報を得るのに必要とする測定時間が比較的長くな
るか、S/N比(感度)が、一定の測定時間について実質的に減少する。さらに
、スリット型スペクトルイメージ形成器では、シーン全体についての必要情報を
集めるのにラインスキャニングを必要とする。このため、得られた結果が不正確
なことがある。
【0117】 フィルター系スペクトル分散法は、さらにディスクリートフィルターとチュー
ナブルフィルターとに分類できる。これらの種類のイメージング分光計では、ス
ペクトルイメージが、狭バンドフィルターを光路に連続して挿入することによる
か、又はこれらのバンドを音響光学チューナブルフィルター(AOTF)又は液
晶チューナブルフィルター(LCTF)を用いて電子スキャニングすることによ
り、シーンの全てのピクセル用放射線を異なる波長で一度に同時に濾過すること
により形成される(以下の説明を参照)。フィルター系スペクトル分散法を用い
ながら、上記したようなグレーティング又はプリズムを備えたスリット型イメー
ジング分光計と同様にして、放射線のほとんどが、一定時間で排除される。事実
、測定されている瞬間波長外の全ての光子が排除され、CCDには到達しないの
で、特定波長でのイメージ全体を測定することが可能である。
【0118】 AOTF及びLCTF等のチューナブルフィルターは、移動部がなく、実行さ
れる装置のスペクトル範囲内のいずれかの特定の波長にチューニングできる。ス
ペクトルイメージング用分散法としてチューナブルフィルターを使用する一つの
利点は、ランダム波長アクセスが可能(すなわち、フィルターホイールを使用す
ることなく所望のシーケンスにおいて多数の波長でイメージの強度を測定する能
力)なことである。しかしながら、AOTF及びLCTFには、(i)スペクト
ル範囲が限定(典型的には、λmax=2λmin)されるとともに、このスペ
クトル範囲外の全ての他の放射線はブロックされなければならない、(ii)温
度に敏感である、(iii)透過率が悪い、(iv)偏光に敏感である、(v)
AOTFの場合において、波長スキャニング中にイメージがシフトする効果が生
じ、その後に慎重且つ複雑な位置合わせが必要である、といった欠点がある。
【0119】 これらの種類のフィルター及びチューナブルフィルター系システムの全ては、
いずれの用途においてもスペクトルイメージングにおいて長年うまく且つ広範に
は使用されてこなかった。これは、スペクトル分解能が制限されること、感度が
低いこと、容易に使用できないこと、及びデータの解釈及び表示に用いられるソ
フトウエアアルゴリズムが複雑であることによる。
【0120】 上記の面で利点を有するイメージのスペクトル解析に用いられる方法及び装置
が、米国特許出願第08/392,019号(Cabib等;1995年2月2
1日出願)(現在は、1996年7月23日発行の米国特許第5,539,51
7号)(引用することにより、本明細書に全て記載されたものとする)に開示さ
れている。この目的は、通常のスリット型又はフィルター型イメージング分光計
と比較して、イメージの集光入射光から得られる全ての情報をよりよく利用して
、必要とするフレーム時間を実質的に減少させ、及び/又はS/N比を実質的に
増加する、イメージのスペクトル解析に用いられる方法及び装置を提供すること
であり、ラインスキャニングを含まない。本発明によれば、シーンの光学イメー
ジを解析して、そのシーンからの入射光を集めることによりその各ピクセルのス
ペクトル強度を測定する方法であって、以下の工程を含む方法が提供される:前
記光を、各ピクセルから放出される光のスペクトル強度の所定の直線状組み合わ
せセットに対応する変調光を出力する干渉計を通過させること;前記干渉計から
出力された光を検出器アレイ上に焦点を合わせること;全てのピクセルについて
干渉計において生じる光路差(OPD)を、独立的且つ同時にスキャニングする
こと;及び検出器アレイの出力を処理(全てのピクセルのインターフェログラム
を別個に処理)して、その各ピクセルのスペクトル強度を求めること。この方法
は、種々の種類の干渉計を利用することにより実施できる。これらの干渉計では
、OPDを変更して、干渉計全体、干渉計内の要素、又は入射放射線の入射角を
移動させることにより、インターフェログラムを作製する。これらの全ての場合
において、スキャナーが干渉計の一スキャンを完了すると、そのシーンの全ての
ピクセルについてのインターフェログラムが完成することとなる。
【0121】 上記特徴を有する装置は、上記したような干渉計を使用する点で、通常のスリ
ット型及びフィルター型イメージング分光計とは異なる。したがって、集めたエ
ネルギーをアパーチュア又はスリットで制限しないか、入射波長を狭帯干渉又は
チューナブルフィルターで制限することにより、システムの総スループットを実
質的に増加する。したがって、干渉計系装置は、被解析シーンの入射光から得ら
れる全ての情報をよりよく利用することにより、測定時間を実質的に減少させ、
及び/又はS/N比(すなわち、感度)を実質的に増加させる。フィルター法及
びグレーティング法又はプリズム法に対する干渉計分光分析の感度上の利点は、
当該技術分野ではマルチプレックス又はFellgett利点として知られてい
る[Chamberlain(1979)The principles of
interferometric spectroscopy(干渉計分光分
析法の原理)、John Wiley and Sons、第16−18頁及び
263頁参照]。
【0122】 例えば、John B.Wellman(1987)、Imaging Sp
ectrometers for Terrestrial and Plan
etary Remote Sensing(地球及び惑星リモートセンシング
用イメージング分光計)、SPIE Proceedings、第750巻、第
140頁に記載されている「ホイスクブルーム」設計について考えてみる。nを
直線状アレイにおける検出器数とし、mxmをフレームにおけるピクセル数とし
、Tをフレーム時間とする。アレイの全ての検出器について合計した一フレーム
における各ピクセルについてかかった合計時間は、nT/mである。米国特許
第5,539,517号に記載されている本発明による方法と同じサイズのアレ
イ及び同じフレームレートを用いることにより、特定のピクセルに関して全ての
検出器についてかかった合計時間は、同じ、すなわち、nT/mである。しか
しながら、通常のグレーティング法又はプリズム法において、いずれの時間での
全ての検出器により分かるエネルギーは、総エネルギーの1/nのオーダである
。これは、変調関数が発振関数(例えば、シヌソイド(Michelson))
又は同様な周期関数(例えば、Fabry−Perotを有する低微細度Air
y関数(大OPD範囲にわたる平均が50%である))であるので、波長分解能
が、エネルギーが一単位順序である米国特許出願第08/392,019号に記
載されている発明に係る方法における範囲の1/nであることによる。干渉法に
関する教科書[例えば、Chamberlain(1979)The prin
ciples of interferometric spectrosco
py、John Wiley and Sons、第16−18頁及び第263
頁参照]に記載されているFellgettアドバンテージ(又はマルチプレッ
クスアドバンテージ)の標準処理に基づいて、本発明の装置が、ノイズレベルが
信号とは無関係であるノイズ制限の場合(システム又はバックグラウンドノイズ
が制限されている場合)には測定S/N比がn0.5倍向上し、制限が信号光子
ノイズによるものである場合には狭ピークの波長でのスペクトル範囲における、
特定波長での信号の平均信号に対する比の平方根だけ向上することを示すことが
できる。したがって、米国特許第5,539,517号に記載されている発明に
よれば、全ての必要とされるOPDは、スペクトルを再構成するのに必要とされ
る全ての情報を得るためにシーンの全てのピクセルについて同時にスキャニング
し、その結果、イメージング情報を有するスペクトル情報が同時に採取される。
本発明では、数多くの異なる光学的構成、例えば、リモートセンシング用光学器
械、実験分析用顕微鏡、網膜イメージング用眼底カメラ、工業的モニタリング並
びに医療用イメージング、診断、治療等のための光ファイバ及び内視鏡を用いる
ことができる。
【0123】 継続出願(米国特許出願第08/571,047号(Cabib等;1995
年12月12日出願))(引用することにより、本明細書に全て記載されたもの
とする)の目的は、生物学的研究、医療診断及び治療用のスペクトルイメージン
グ法を提供することである。これらの方法は、高空間分解能及び高スペクトル分
解能の光透過、反射、散乱及び蛍光放出法により、空間組織(すなわち、分布)
を検出すること、並びに細胞及び組織の天然成分、構造、オルガネラ並びに標識
プローブ(すなわち、蛍光プローブ)及び薬剤等の投与成分を定量することに使
用できる。米国特許出願第08/571,047号では、6座(各座は異なる染
色体上に位置している)という多数の座に特異的なプローブの間期蛍光インサイ
チュハイブリダイゼイションに米国特許第5,539,517号に記載されてい
るスペクトルイメージング装置を使用することや、さらなる生物学的用途及び医
療用途が示されている。
【0124】 スペクトルバイオイメージングシステムが、化学成分(イメージ内のそれらの
空間分布及び組織が意図するものである)間に微妙なスペクトルの差が存在する
全ての用途に有用である可能性がある。この測定は、米国特許第5,539,5
17号に記載のシステムに取り付けられた実質的にいずれの光学システム、例え
ば、縦型又は倒立顕微鏡、蛍光顕微鏡、マクロレンズ、内視鏡及び眼底カメラ、
を用いても実施できる。さらに、光透過(明視野及び暗視野)、自己蛍光及び投
与プローブの蛍光を含む、いずれの標準的な実験法を用いてもよい。
【0125】 蛍光測定は、放出スペクトルがシステム感度のスペクトル範囲内にあることを
前提として、いずれかの標準的なフィルターキューブ(バリアフィルター、励起
フィルター及び二色ミラーから構成されている)や、空間用途用のいずれかのカ
スタマイズされたフィルターキューブを用いて実施することができる。また、ス
ペクトルバイオイメージングは、いずれかの標準的な空間濾過法(例えば、暗視
野及びフェーズコントラスト)や、さらには偏光顕微鏡と関連させて使用するこ
ともできる。このような方法を用いたときのスペクトル情報への影響を、測定さ
れたスペクトルイメージを正しく解釈するために理解しておかなければならない
ことは勿論のことである。
【0126】 米国特許出願第08/824,234号(1997年3月25日出願)(引用
することにより、本明細書に全て記載されたものとする)は、細胞(例えば、癌
細胞)を主観的ではなく、客観的に分類するように構成された、新生物の自動及
び/又は半自動スペクトル分解による体型測定分類(例えば、検出、格付け)方
法を教示している。ここに開示されている方法によれば、(a)スペクトルイメ
ージングに附するべき少なくとも一つの細胞の少なくとも一部分を含む試料を準
備する;(b)イメージング分光計に光学的に接続した光学装置を介して試料を
視検して、試料の各ピクセルのスペクトルを得る;(c)上記ピクセルの各々を
、ピクセルのスペクトルに応じて分類グループに分類する;(d)ピクセルの分
類グループを解析することにより、試料の細胞を、細胞の種類ごとに分類する。
この方法は、例えば、対比染色胸カルチノーマに適用できる。
【0127】 スペクトルイメージング、インサイチュ対比染色及びインサイチュ免疫染色の
組み合わせは、ここではじめて示唆され且つ試みられたものである。このような
組み合わせにより、従来技術のイメージング法ではできなかった複数の免疫組織
化学染色剤、組織染色剤及びDNA倍数性染色剤の同時検出が可能となる。した
がって、このような組み合わせは、種々の組織染色剤、DNA倍数性染色剤及び
特異的免疫組織化学染色剤から同時に抽出されたデータを組み合わせることによ
り、細胞病理学の分野の大変革をもたらすと思われる。
【0128】 このようなことから、高空間分解能及び高スペクトル分解能を有するスペクト
ルイメージング法を用いて、複数の免疫組織化学染色剤、組織染色剤及びDNA
倍数性染色剤を同時インサイチュ分析する方法の必要性が広く認識されており、
且つこのような方法を有することは非常に有利であろう。
【0129】 発明の開示 本発明によれば、生物試料のインサイチュ分析方法であって、(a)生物試料
を、第一染色剤が第一免疫組織化学染色剤と、第一組織染色剤と、第一DNA倍
数性染色剤とからなる群から選択されたものであり、第二染色剤が第二免疫組織
化学染色剤と、第二組織染色剤と、第二DNA倍数性染色剤とからなる群から選
択されたものであるN種の染色剤で染色する工程であって、但しNは3を超える
整数であり、さらに、(i)前記第一染色剤が前記第一免疫組織化学染色剤であ
る場合には、前記第二染色剤は、前記第二組織染色剤又は前記第二DNA倍数性
染色剤であり、(ii)前記第一染色剤が前記第一組織染色剤である場合には、
前記第二染色剤は、前記第二免疫組織化学染色剤又は前記第二DNA倍数性染色
剤であり、一方、(iii)前記第一染色剤が前記第一DNA倍数性染色剤であ
る場合には、前記第二染色剤は、前記第二免疫組織化学染色剤又は前記第二組織
染色剤である、工程と、(b)スペクトルデータ採取装置を用いて前記生物試料
からスペクトルデータを採取する工程であって、前記スペクトルデータ採取装置
と前記N種の染色剤を、前記N種の染色剤の各々に関連したスペクトル成分を採
取できるように選択する工程と、 を含む方法が提供される。
【0130】 以下に記載の本発明の好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、生物
試料のインサイチュ分析方法であって、(a)生物試料を、第一染色剤が第一免
疫組織化学染色剤と、第一組織染色剤と、第一DNA倍数性染色剤とからなる群
から選択されたものであり、第二染色剤が第二免疫組織化学染色剤と、第二組織
染色剤と、第二DNA倍数性染色剤とからなる群から選択されたものである、複
数の染色剤で染色する工程であって、但し、(i)前記第一染色剤が前記第一免
疫組織化学染色剤である場合には、前記第二染色剤は、前記第二組織染色剤又は
前記第二DNA倍数性染色剤であり、(ii)前記第一染色剤が前記第一組織染
色剤である場合には、前記第二染色剤は、前記第二免疫組織化学染色剤又は前記
第二DNA倍数性染色剤であり、一方、(iii)前記第一染色剤が前記第一D
NA倍数性染色剤である場合には、前記第二染色剤は、前記第二免疫組織化学染
色剤又は前記第二組織染色剤である、工程と、(b)スペクトルデータ採取装置
を用いて前記生物試料からスペクトルデータを採取する工程であって、前記スペ
クトルデータ採取装置と前記複数種の染色剤を、前記複数種の染色剤の各々に関
連したスペクトル成分を採取できるように選択する工程と、を含む方法が提供さ
れる。
【0131】 以下に記載の本発明の好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、生物
試料のインサイチュ分析方法であって、(a)生物試料を、少なくとも4種の異
なる免疫組織化学染色剤で染色する工程と、(b)スペクトルデータ採取装置を
用いて前記生物試料からスペクトルデータを採取する工程であって、前記スペク
トルデータ採取装置と前記少なくとも4種の免疫組織化学染色剤を、前記少なく
とも4種の免疫組織化学染色剤の各々に関連したスペクトル成分を採取できるよ
うに選択する工程と、を含む方法が提供される。
【0132】 以下に記載の本発明の好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、生物
試料のインサイチュ分析方法であって、(a)生物試料を、少なくとも一種の染
色剤が免疫組織化学染色剤であり、少なくとも一種のさらなる染色剤が組織染色
剤又はDNA倍数性染色剤である、少なくとも3種の染色剤で染色する工程と、
(b)スペクトルデータ採取装置を用いて前記生物試料からスペクトルデータを
採取する工程であって、前記スペクトルデータ採取装置と前記少なくとも3種の
染色剤を、前記少なくとも3種の染色剤の各々に関連したスペクトル成分を採取
できるように選択する工程と、を含む方法が提供される。
【0133】 以下に記載の本発明の好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、生物
試料のインサイチュ分析方法であって、(a)生物試料を、第一染色剤が免疫組
織化学染色剤であり、第二染色剤が組織染色剤であり、第三染色剤がDNA倍数
性染色剤である、少なくとも3種の染色剤で染色する工程と、(b)スペクトル
データ採取装置を用いて前記生物試料からスペクトルデータを採取する工程であ
って、前記スペクトルデータ採取装置と前記少なくとも3種の染色剤を、前記少
なくとも3種の染色剤の各々に特異的に関連したスペクトル成分を採取できるよ
うに選択する工程と、を含む方法が提供される。
【0134】 以下に記載の本発明の好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、少な
くとも4種の異なる免疫組織化学染色剤を含み、各免疫組織化学染色剤がそれぞ
れの細胞学的マーカーを染色するためのものであり、且つ各免疫組織化学染色剤
がスペクトルデータ採取装置を用いて全ての他の免疫組織化学染色剤の存在下で
個々に検出されることができるものである、免疫組織化学組成物が提供される。
【0135】 以下に記載の本発明の好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、前記
第一免疫組織化学染色剤及び前記第二免疫組織化学染色剤が、各々独立的に一次
抗体及びシグナル増幅機構を含む。
【0136】 以下に記載の本発明の好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、前記
シグナル増幅機構が、前記一次抗体の定常部を結合できる二次抗体と、前記一次
抗体に接合されているビオチンを結合できるアビジン又はストレプトアビジンと
、前記一次抗体に接合したアビジン又はストレプトアビジンを結合できるビオチ
ンとからなる群から選択されたものである。
【0137】 以下に記載の本発明の好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、前記
二次抗体、アビジン、ストレプトアビジン及びビオチンが、各々独立的に検出可
能成分で標識されたものである。
【0138】 以下に記載の本発明の好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、前記
検出可能成分が、蛍光染料である。
【0139】 以下に記載の本発明の好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、前記
蛍光染料が、フルオレセイン、ローダミン、テキサスレッド、Cy2、Cy3、
Cy5、Cy0、Cy0.5、Cy1、Cy1.5、Cy3.5、Cy7、VE
CTORレッド、ELF(商標)(酵素標識フルオレセンス)、FluorX、
カルセイン、カルセイン−AM、CRYPTOFLUOR(商標)(オレンジ(
42kDa)、タンジェリン(35kDa)、ゴールド(31kDa)、レッド
(42kDa)、クリムソン(40kDa))、BHMP、BHDMAP、Br
−オレゴン、ルシフェルイエロー、アレクサ染料類、N−[6−(7−ニトロベ
ンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル)アミノ]カプロイル](N
BD)、BODIPY(商標)、ボロンジピロメテンジフルオリド、オレゴング
リーン、MITOTRACKER(商標)レッド、DiOC(3)、DiIC 18 、フィコエリトリン、フィコビリタンパク質BPE(240kDa)RPE
(240kDa)CPC(264kDa)APC(104kDa)、スペクトル
ブルー、スペクトルアクア、スペクトルグリーン、スペクトルゴールド、スペク
トルオレンジ、スペクトルレッド、NADH、NADPH、FAD、赤外(IR
)染料、環状GDPリボース(cGDPR)、カルコフルオルホワイト、チロシ
ン及びトリプトファンからなる群から選択されたものである。
【0140】 以下に記載の本発明の好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、前記
検出可能成分が、非蛍光染料である。
【0141】 以下に記載の本発明の好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、前記
非蛍光染料が、アルカリ性ホスファターゼ基質と、ホースラディッシュペルオキ
シダーゼ基質と、グルコースオキシダーゼ基質と、β−ガラクトシダーゼ基質と
からなる群から選択されたものである。
【0142】 以下に記載の本発明の好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、前記
検出可能成分が、実質的に不溶性の呈色反応生成物を有する基質の比色反応を触
媒する酵素である。
【0143】 以下に記載の本発明の好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、前記
酵素が、アルカリ性ホスファターゼと、ホースラディッシュペルオキシダーゼと
、β−ガラクトシダーゼと、グルコースオキシダーゼとからなる群から選択され
たものである。
【0144】 以下に記載の本発明の好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、前記
基質が、アルカリ性ホスファターゼ基質と、ホースラディッシュペルオキシダー
ゼ基質と、β−ガラクトシダーゼ基質と、グルコースオキシダーゼ基質とからな
る群から選択されたものである。
【0145】 以下に記載の本発明の好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、前記
検出可能成分が、発光できるか、発光生成物を有する第二基質の第二反応を導く
ことができる、実質的に不溶性の反応生成物を有する基質の発光反応を触媒する
酵素である。
【0146】 以下に記載の本発明の好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、前記
酵素が、ルシフェラーゼとエクオリンとからなる群から選択されたものである。
【0147】 以下に記載の本発明の好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、前記
第一基質及び前記第二基質が、各々独立的にルシフェリンと、ATPと、Ca と、コエレンテラジンとからなる群から選択されたものである。
【0148】 以下に記載の本発明の好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、前記
第一組織染色剤及び前記第二組織染色剤が、各々独立的に4’,6−ジアミジノ
−2−フェニルインドール、エオシン、フルオレセインイソチオシアネート、ヘ
キスト33258、ヘキスト33342、プロピジウムヨーダイド、キナクリン
、フルオレセインファロイジン、レゾルフィン、ヘマトキシリン、オレンジG、
ライトグリーンSF、ロマノフスキー−ギームザ、メイ−グリュンワルド、ブル
ー対比染色剤、エチルグリーン、フォイルゲンナフトールイエローS、ギームザ
、メチレンブルー、メチルグリーン、ピロニン、ナフトールイエロー、ニュート
ラルレッド、パパニコラウ染色剤、レッド対比染色剤C及びシリウスレッドから
なる群から選択されたものである。
【0149】 以下に記載の本発明の好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、前記
第一DNA倍数性染色剤及び前記第二DNA倍数性染色剤が、各々独立的にクロ
モマイシンA3、DAPI、アクリフラビン−フォイルゲン反応、オーラミンO
−フォイルゲン反応、エチジウムブロミド、プロピジウムヨーダイド、高アフィ
ニティDNA蛍光体、DNA結合タンパク質に融合したグリーン蛍光タンパク質
、ACMA、キナクリンオレンジ及びアクリジンオレンジ、フォイルゲン試薬、
ガロシアニンクロムミョウバン、ガロシアニンクロムミョウバン及びナフトール
イエローS、メチルグリーンピロニンY並びにチオニン−フォイルゲン試薬から
なる群から選択されたものである。
【0150】 以下に記載の本発明の好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば前記ス
ペクトルデータ採取装置が、干渉計系スペクトルデータ採取装置と、フィルター
系スペクトルデータ採取装置と、分散要素系スペクトルデータ採取装置とからな
る群から選択されたものである。
【0151】 以下に記載の本発明の好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、前記
第一免疫組織化学染色剤及び前記第二免疫組織化学染色剤が、各々独立的に一次
抗体を含む。
【0152】 以下に記載の本発明の好ましい実施態様におけるさらなる特徴によれば、前記
一次抗体が、抗エストロゲンレセプター抗体、抗プロゲステロンレセプター抗体
、抗p53抗体、抗Her−2/neu抗体、抗EGFR抗体、抗カテプシンD
抗体、抗Bcl−2抗体、抗Eカドヘリン抗体、抗CA125抗体、抗CA15
−3抗体、抗CA19−9抗体、抗c−erbB−2抗体、抗P−糖タンパク質
抗体、抗CEA抗体、抗網膜芽細胞腫タンパク質抗体、抗ras腫瘍タンパク質
抗体、抗ルイスX抗体、抗Ki−67抗体、抗PCNA抗体、抗CD3抗体、抗
CD4抗体、抗CD5抗体、抗CD7抗体、抗CD8抗体、抗CD9/p24抗
体、抗CD10抗体、抗CD11c抗体、抗CD13抗体、抗CD14抗体、抗
CD15抗体、抗CD19抗体、抗CD20抗体、抗CD22抗体、抗CD23
抗体、抗CD30抗体、抗CD31抗体、抗CD33抗体、抗CD34抗体、抗
CD35抗体、抗CD38抗体、抗CD41抗体、抗LCA/CD45抗体、抗
CD45RO抗体、抗CD45RA抗体、抗CD39抗体、抗CD100抗体、
抗CD95/Fas抗体、抗CD99抗体、抗CD106抗体、抗ユビキチン抗
体、抗CD71抗体、抗c−myc抗体、抗サイトケラチン抗体、抗ビメンチン
抗体、抗HPVタンパク質抗体、抗カッパL鎖抗体、抗ラムダL鎖抗体、抗メラ
ノソーム抗体、抗前立腺特異的抗原抗体、抗S−100抗体、抗タウ抗原抗体、
抗フィブリン抗体、抗ケラチン抗体及び抗Tn抗原抗体からなる群から選択され
たものである。
【0153】 本発明によれば、高空間・スペクトル分解のスペクトルイメージング法を用い
て、複数の免疫組織化学染色剤、組織染色剤及びDNA倍数性染色剤の同時イン
サイチュ分析方法を提供することにより現在公知の構成の欠点を克服できる。
【0154】 図面の簡単な説明 本発明は以下、添付の図面を参考して例示のためだけに説明される。図中: 図1は米国特許出願第08/392,019号(従来技術)に準じて構成した
イメージング分光計の主要構成要素を示すブロック図である。 図2は米国特許出願第08/392,019号(従来技術)に準じてイメージ
ング分光計に使用される非移動型干渉計、すなわち、Sagnac干渉計を示す
。 図3A〜Cはテキサスレッド及びローダミンに結合させた2種の異なるプロー
ブを用いて実施した中間相FISHを示し、図3Aは、顕微鏡を通して見えるオ
リジナルイメージであり、図3Bは、図3Aと同じ試料について、SPECTR
ACUBE(商標)装置による測定及び処理後のイメージを示し、図3Cは、テ
キサスレッド蛍光体及びローダミン蛍光体の蛍光スペクトルである。 図4A〜Cは各々異なる蛍光体で標識した6種の異なるプローブについてSP
ECTRACUBE(商標)装置を用いて実施した中間相FISHであり、図4
Aは、顕微鏡を通して見えるオリジナルイメージであり、この場合は、細胞をD
APIで対比染色したものであり、図4Bは、図4Aと同じ試料について、SP
ECTRACUBE(商標)装置による測定及び処理後のイメージを示し、図4
Cは、分類に用いられた6種の蛍光体の蛍光スペクトルである。 図5A〜CはSPECTRACUBE(商標)装置を用いて得られた、24種
の染色体ペイントと正常雄染色体スプレッドとのハイブリダイゼイションの結果
を示したものであり、図5Aは、RGBアルゴリズムを用いて得られたRGBイ
メージであり、図5B及び図5Cは、分類アルゴリズムを用いて得られた分類イ
メージであり、また、図5A及び図5Bは、オリジナルのスプレッドを示し、図
5Cは、核型として配置した染色体スプレッドを示す。 図6は選択されたスペクトル範囲を強調するための擬似RGB(赤、緑及び青
)色の定義を示す。各擬似色の強度は、曲線下の面積に曲線の一つを乗じた後こ
れを積分することにより算出する。 図7は6種の単一染色剤で染色した乳癌試料から、SPECTRACUBE(
商標)装置を用いて測定した、2種の組織染色剤(ヘマトキシリン及びエオシン
)及び4種の免疫組織化学染色剤(DAB、ファストレッド、AEC及びBCI
P/NBT)の非正規化スペクトルを示す。ピーク波長は、右に示してある。 図8A〜Eは組織染色剤ヘマトキシリン及び免疫組織化学染色剤抗ER−DA
Bで共染色した、予めER(+)/PR(+)であると分かっている乳癌試料の
イメージを示す図であり、図8Aは、試料のRGBイメージを表し、図8B〜8
Dは、それぞれヘマトキシリンスペクトル成分、DABスペクトル成分及びAE
Cスペクトル成分の二値化イメージを表し、一方、図8Eは、上記スペクトル成
分をそれぞれ赤色、緑色及び青色で強調した分類オーバーレイイメージを表し、
これらは、全てSPECTRACUBE(商標)装置を用いて測定したものであ
る。 図9A〜Eは組織染色剤ヘマトキシリン及び免疫組織化学染色剤抗PR−AE
Cで共染色した、予めER(+)/PR(+)であると分かっている乳癌試料の
イメージを示す図であり、図9Aは、試料のRGBイメージを表し、図9B〜9
Dは、それぞれヘマトキシリンスペクトル成分、DABスペクトル成分及びAE
Cスペクトル成分の二値化イメージを表し、一方、図9Eは、上記スペクトル成
分をそれぞれ赤色、緑色及び青色で強調した分類オーバーレイイメージを表し、
これらは、全てSPECTRACUBE(商標)装置を用いて測定したものであ
る。 図10A〜Eは組織染色剤ヘマトキシリン及び免疫組織化学染色剤抗PRファ
ストレッドで共染色した、予めER(+)/PR(+)であると分かっている乳
癌試料のイメージを示す図であり、図10Aは、試料のRGBイメージを表し、
図10B〜10Dは、それぞれヘマトキシリンスペクトル成分、DABスペクト
ル成分及びファストレッドスペクトル成分の二値化イメージを表し、一方、図1
0Eは、上記スペクトル成分をそれぞれ赤色、緑色及び青色で強調した分類オー
バーレイイメージを表し、これらは、全てSPECTRACUBE(商標)装置
を用いて測定したものである。 図11A〜Eは組織染色剤ヘマトキシリン及び免疫組織化学染色剤抗ER−D
AB及び抗PR−ファストレッドで共染色した、予めER(+)/PR(+)で
あると分かっている乳癌試料のイメージを示す図であり、図11Aは、試料のR
GBイメージを表し、図11B〜11Dは、それぞれヘマトキシリンスペクトル
成分、DABスペクトル成分及びファストレッドスペクトル成分の二値化イメー
ジを表し、一方、図11Eは、上記スペクトル成分をそれぞれ赤色、緑色及び青
色で強調した分類オーバーレイイメージを表し、抗ER−DAB及び抗PR−フ
ァストレッドで共染色した領域は黄色で示されている。上記イメージは、全てS
PECTRACUBE(商標)装置を用いて測定したものである。 図12A〜Fは組織染色剤ヘマトキシリン及びエオシン並びに免疫組織化学染
色剤抗ER−DAB及び抗PR−ファストレッドで共染色した、予めER(+)
/PR(+)であると分かっている乳癌試料のイメージを示す図であり、図12
Aは、試料のRGBイメージを表し、図12B〜12Eは、それぞれヘマトキシ
リンスペクトル成分、エオシンスペクトル成分、DABスペクトル成分及びファ
ストレッドスペクトル成分の二値化イメージを表し、一方、図12Fは、上記ス
ペクトル成分をそれぞれ青色、紫色、緑色及び赤色で強調した分類オーバーレイ
イメージを表す。上記イメージは、全てSPECTRACUBE(商標)装置を
用いて測定したものである。 図13は5種の単一染色剤で染色した子宮頸癌試料から、SPECTRACU
BE(商標)装置を用いて測定した、5種の組織染色剤(ハリスヘマトキシリン
、エオシン、オレンジG、ライトグリーンSF及びビスマルクブラウンY)の非
正規化スペクトルである。ピーク波長は、右に示してある。 図14A〜Gは組織染色剤であって、いっしょになってパパニコラウ染色剤と
して当該技術分野で知られているものを形成するハリスヘマトキシリン、エオシ
ン、オレンジG、ライトグリーンSF及びビスマルクブラウンYで共染色した子
宮頸癌試料のイメージを示し、図14Aは、試料のRGBイメージを表し、図1
4B〜14Fは、それぞれハリスヘマトキシリンスペクトル成分、エオシンスペ
クトル成分、オレンジGスペクトル成分、ライトグリーンSFスペクトル成分及
びビスマルクブラウンYスペクトル成分の二値化イメージを表し、一方、図14
Eは、分類オーバーレイイメージを表し、これは、上記スペクトル成分をそれぞ
れ青色、桃色、橙色、緑色及び灰色で強調し、それらの組み合わせにより極彩色
の分類オーバーレイイメージを形成したものである。上記イメージは、全てSP
ECTRACUBE(商標)装置を用いて測定した。 発明を実施するための最良の形態 本発明は、細胞の病理検査に使用できる、複数の免疫組織化学染色剤、組織染
色剤及び/又はDNA倍数性染色剤の同時インサイチュ分析方法に関する。すな
わち、本発明を使用して、検査した生物試料に関する累積情報を病理学者に提供
し、意思決定の役に立てることができる。
【0155】 本発明による方法の原理及び操作は、図面及びそれに付随する説明を参照する
ことにより、よりよく理解できる。
【0156】 本発明の少なくとも一つの実施態様を詳細に説明する前に、本発明は、その適
用において、以下の説明又は図面に示されている構成の詳細及び構成要素の配列
には限定されないことを理解しておかなければならない。本発明は、他の実施態
様が可能であり、また、種々の方法で実施できる。また、ここで使用する語法及
び専門用語は、説明の目的で用いるものであり、本発明を限定するものではない
【0157】 最近の研究によれば、数種の吸収染色剤の光学混合物は、一定の場合において
分析できることが分かった。個々の染色剤の吸収帯が重ならない場合には、分析
は単純且つ容易である。各成分が順次測定に好適な吸収を示し、その他の成分が
無視できる程度の吸収を示すような波長を選択する。すなわち、各選択された波
長で一回の減衰測定をおこなうことで、混合物中の各々の染色剤を測定できる。
この方法は、Bacus等[同書]が病理検体に使用することに成功した。この
方法には、(i)細胞又は組織の生化学的組成が分かる;(ii)狭帯フィルタ
ーを使用することにより、イメージングを簡単におこなうことができる、といっ
た利点がある。残念ながら、現在の細胞化学及び組織化学では、このようなスペ
クトルの重ならない染料の数は、極めて限られている。
【0158】 したがって、本発明の一態様によれば、生物試料のインサイチュ分析方法が提
供される。この方法は、以下の工程を実施することによりおこなうことができる
。第一工程では、生物試料を、第一染色剤が第一免疫組織化学染色剤、第一組織
染色剤又は第一DNA倍数性染色剤であり、第二染色剤が第二免疫組織化学染色
剤、第二組織染色剤又は第二DNA倍数性染色剤である、N種(すなわち、複数
)の染色剤で染色する。
【0159】 但し、Nは、3より大きな整数(例えば、4、5、6、7、8、9、10又は
それ以上の数、例えば、11〜50(11及び50を含む)の整数)であり、さ
らに、(i)前記第一染色剤が前記第一免疫組織化学染色剤である場合には、前
記第二染色剤は、前記第二組織染色剤又は前記第二DNA倍数性染色剤であり;
(ii)前記第一染色剤が前記第一組織染色剤である場合には、前記第二染色剤
は、前記第二免疫組織化学染色剤又は前記第二DNA倍数性染色剤であり;一方
、(iii)前記第一染色剤が前記第一DNA倍数性染色剤である場合には、前
記第二染色剤は、前記第二免疫組織化学染色剤又は前記第二組織染色剤である。
【0160】 本発明の方法の第二工程では、スペクトルデータ採取装置を用いて前記生物試
料からスペクトルデータを採取する。この際、前記スペクトルデータ採取装置と
前記N種の染色剤を、前記N種の染色剤の各々に関連したスペクトル成分を採取
できるように選択する。
【0161】 本発明の別の態様によれば、生物試料のインサイチュ分析の別の方法が提供さ
れる。この方法は、以下の工程を実施することによりおこなう。すなわち、第一
工程では、生物試料を、少なくとも4種の異なる免疫組織化学染色剤で染色する
。本方法の第二工程では、スペクトルデータ採取装置を用いて前記生物試料から
スペクトルデータを採取する。この際、前記スペクトルデータ採取装置と前記少
なくとも4種の免疫組織化学染色剤を、前記少なくとも4種の免疫組織化学染色
剤の各々に関連したスペクトル成分を採取できるように選択する。
【0162】 本発明のさらに別の態様によれば、生物試料のインサイチュ分析のさらに別の
方法が提供される。この方法は、以下の工程を実施することによりおこなう。す
なわち、第一工程では、生物試料を、少なくとも一種の染色剤が免疫組織化学染
色剤であり、少なくとも一種のさらなる染色剤が組織染色剤又はDNA倍数性染
色剤である、少なくとも3種の染色剤で染色する。本方法の第二工程では、スペ
クトルデータ採取装置を用いて前記生物試料からスペクトルデータを採取する。
この際、前記スペクトルデータ採取装置と前記少なくとも3種の染色剤を、前記
少なくとも3種の染色剤の各々に関連したスペクトル成分を採取できるように選
択する。
【0163】 本発明のさらに別の態様によれば、生物試料のインサイチュ分析のさらに別の
方法が提供される。この方法は、以下の工程を実施することによりおこなう。す
なわち、第一工程では、生物試料を、第一染色剤が免疫組織化学染色剤であり、
第二染色剤が組織染色剤であり、第三染色剤がDNA倍数性染色剤である、少な
くとも3種の染色剤で染色する。本方法の第二工程では、スペクトルデータ採取
装置を用いて前記生物試料からスペクトルデータを採取する。この際、前記スペ
クトルデータ採取装置と前記少なくとも3種の染色剤を、前記少なくとも3種の
染色剤の各々に特異的に関連したスペクトル成分を採取できるように選択する。
【0164】 本発明のさらなる態様によれば、少なくとも4種の異なる免疫組織化学染色剤
を混合物中に含み、各免疫組織化学染色剤が生物試料中のそれぞれの細胞学的マ
ーカーを染色するためのものであり、且つ各免疫組織化学染色剤がスペクトルデ
ータ採取装置を用いて全ての他の免疫組織化学染色剤の存在下で個々に検出され
ることができるものである、免疫組織化学組成物が提供される。
【0165】 本明細書及び請求の範囲において使用されている用語「インサイチュ」又は「
インサイチュ分析」は、細胞又は組織内の自然の場所又は位置に位置及び好まし
くは固定されている細胞又は組織成分の分析を意味する。
【0166】 本明細書及び請求の範囲において使用されている用語「生物試料」は、動物(
哺乳類、特に人間)から取り出した試料を意味する。この試料は、健康な組織、
疾病組織、又は疾病組織である疑いのある組織でよい。試料は、例えば、外科的
処置中に採取したバイオプシーでよい。試料は、細針による吸引、削りとり、又
は腔を洗浄してそこから細胞や組織を採取することにより採取できる。試料は、
固形腫瘍及び造血腫瘍の両方の腫瘍だけでなく、隣接する健康組織であってもよ
い。試料は、個々の細胞のスミア又は組織片でよい。
【0167】 本明細書及び請求の範囲において使用されている用語「染色」は、生物試料に
浸透及び/又は生物試料と相互作用した異物により着色が生じるプロセスを意味
する。
【0168】 本明細書及び請求の範囲において使用されている用語「染色剤」は、蛍光、発
光及び/又は非蛍光着色剤を意味し、さらには着色をおこなうのに使用される試
薬又は物質を意味する。
【0169】 本明細書及び請求の範囲において使用されている用語「免疫組織化学染色剤」
は、細胞学的マーカーを結合する一次抗体を使用して被検査生物試料を直接的か
、間接的(「サンドイッチ」試薬及び/又は酵素反応)に染色する着色剤、反応
及び関連試薬を意味する。免疫組織化学染色剤は、多くの場合、科学文献におい
て、免疫染色剤、免疫細胞染色剤、免疫組織病理学的染色剤等と称する。
【0170】 本明細書及び請求の範囲において使用されている用語「抗体」は、モノクロー
ナル若しくはポリクローナル免疫グロブリン、又はsFv(単鎖抗原結合タンパ
ク質)、Fab1又はFab2等の免疫グロブリンの断片を意味する。
【0171】 本明細書及び請求の範囲において使用されている用語「組織染色」は、タンパ
ク質の種類(酸性、塩基性)、DNA、RNA、脂質、細胞質成分、核成分、膜
成分等の細胞成分と関連して細胞及び組織を染色するのに使用される着色剤、反
応及び/又は関連試薬を意味する。組織染色剤は、多くの場合、対比染色剤、細
胞学的染色剤、組織病理学的染色剤等と称する。
【0172】 本明細書及び請求の範囲において使用されている用語「DNA倍数性染色剤」
は、DNA又はヒストンを含むがこれらには限定されない染色体成分を化学量論
的に結合する染色剤を意味する。抗ヒストン抗体等の抗体が関与するとき、この
ような染色剤は、DNA免疫倍数性染色剤等としても知られている。
【0173】 本明細書及び請求の範囲において使用されている用語「スペクトルデータ採集
装置」は、被検査試料の各空間要素(画素)において複数(典型的に4種以上)
の別個のスペクトルバンドと関連した光強度を検出できる装置を意味する。例え
ば、顕微鏡に光学的に接続されたSPECTRACUBE(商標)システムは、
好ましくは本発明に係るスペクトルデータ採取装置としての役割を果たす。しか
しながら、いずれのスペクトル画像形成装置、すなわち、フィルター(例えば、
通常の音響光学的チューニング可能フィルター(AOTF)又は液晶チューニン
グ可能フィルター(LCTF))及び分散型要素(例えば、格子又はプリズム)
系スペクトル画像形成装置、又は他のスペクトルデータ又はマルチバンド集光装
置をはじめとする視野内に配置された対象物の全ての点で放出される光のスペク
トルを測定し且つ後の検索及び分析用に記憶装置に記憶する機器(例えば、Sp
eicher R.M.、Ballard S.G.及びWard C.D.(
1996)Karyotyping human chromosomes b
y combinatorial multifluor FISH、Natu
re Genetics、12:368−375における開示に準じた装置)を
使用して、必要とするスペクトルデータを得ることができる。また、米国特許出
願第08/917,213(1997年8月25日出願)(引用することにより
本明細書に全て記載されているものとする)に記載されているような複数の広帯
域フィルター(固定又はチューニング可能)を含む装置も、本発明に係るスペク
トルデータ採取装置として使用できる。したがって、本発明の範囲は、いずれか
の特定の種類のスペクトルデータ採取装置の使用やいずれかの特定の種類のスペ
クトル画像形成装置によって限定されるものではない。
【0174】 すなわち、スペクトルデータ採取装置は、干渉計系スペクトルデータ採取装置
、フィルター(単一又は複数)系スペクトルデータ採取装置及び分散要素系スペ
クトルデータ採取装置であることができる。
【0175】 本明細書及び請求の範囲において使用されている用語「スペクトル成分」は、
特異的物質に固有であり且つ、したがって、その物質のスペクトルサインとして
使用してその物質を他の物質から識別するのに使用できる、スペクトルの一部分
を意味する。
【0176】 本発明の一実施態様によれば、前記免疫組織化学染色剤は、各々独立的に一次
抗体及びシグナル増幅機構を含む。前記シグナル増幅機構は、例えば、一次抗体
の定常部を結合できる二次抗体、前記一次抗体に接合されているビオチンを結合
できるアビジン又はストレプトアビジン、及び前記一次抗体に接合したアビジン
又はストレプトアビジンを結合できるビオチンを用いることができる。
【0177】 本発明の好ましい実施態様によれば、前記二次抗体、アビジン、ストレプトア
ビジン又はビオチンは、各々独立的に、実質的に非溶性の呈色反応生成物、蛍光
染料(染色剤)、発光染料又は非蛍光染料を有する基質の比色反応を誘導する酵
素であることができる、検出可能成分で標識したものである。これらの選択例は
、以下に記載されている。
【0178】 酵素は、例えば、アルカリ性ホスファターゼ、ホースラディッシュペルオキシ
ダーゼ、β−ガラクトシダーゼ及び/又はグルコースオキシダーゼを用いること
ができ、基質は、それぞれアルカリ性ホスファターゼ基質、ホースラディッシュ
ペルオキシダーゼ基質、β−ガラクトシダーゼ基質又はグルコースオキシダーゼ
基質であることができる。
【0179】 また、酵素は、発光できるか、発光生成物を有する第二基質(ルシフェリン及
びATP又はコエレンテラジン及びCa++を含むがこれらには限定されない)
の第二反応を導くことができる、実質的に不溶性の反応生成物を有する基質(ル
シフェラーゼ及びエクオリンを含むがこれらには限定されない)の発光反応を触
媒する酵素であることができる。
【0180】 本発明の方法を実施しながら用いることができる任意の組織及びDNA倍数性
染色剤が、以下に例示されている。
【0181】 本発明の最も好ましい実施態様によれば、用いられる免疫組織化学染色剤の各
々は、一次抗体を含む。
【0182】 本発明のさらに別の実施態様によれば、外部校正を用いて、染色を試みるとき
に見られる日間ばらつきを明らかにする。すなわち、各染色バッチについて少な
くとも一回の校正を試みるのが好ましい。このためには、生物試料と校正物質と
が同じ染色溶液で同時に染色される、校正物質を用いる。まず、スペクトルデー
タ採取装置を使用して、スペクトルデータ採取装置の調整、又はアルゴリズム的
測定後校正のための校正データの抽出ができるように、染色校正物質を分析する
。それからでしか、生物試料は、校正に基づいた修正を考慮して、より意味のあ
る分析ができない。当業者には、染色を試みるときに見られる日間ばらつきを補
償する校正アルゴリズムをどのようにして考案するかが分かるであろう。
【0183】 校正物質は、光学濃度参照物質であることができる。また、校正物質は、検査
生物試料といっしょに同時に共染色される対照細胞を含むことができる。
【0184】 以下に、本発明の方法を実施するのに使用できる種々の染料又は染色剤を一覧
にして示す。さらに、本発明の方法を用いて染色剤で共検出できる検出可能スペ
クトルサインを有する天然細胞成分も一覧で示す。
【0185】 ある種の染色方法が他のある種の染色方法を妨害することがあることは、当業
者には明らかであろう。したがって、用いられる染色剤の種類及びそれらの適用
順序を、十分に考慮しなければならない。これらの考慮事項は、染色法を知って
いる当業者により適用できる。
【0186】 透過型顕微鏡用免疫組織化学染色剤:原則として、(i)一次抗体と接合又は
間接的に結合(例えば、接合アビジン、ストレプトアビジン、ビオチン、二次抗
体を介して)でき、(ii)可溶性基質を使用して不溶性生成物(沈殿物)を得
る、酵素を使用できる。このような酵素には、例えば、HRP、AP、LacZ
及びグルコースオキシダーゼなどがある。
【0187】 アルカリ性ホスファターゼ(AP)基質には、AP−ブルー基質(青色析出物
、Zymed社カタログ第61頁)、AP−オレンジ基質(橙色析出物、Zym
ed社)、AP−レッド基質(赤色析出物、Zymed社)、5−ブロモ,4−
クロロ,3−インドリルホスフェート(BCIP基質、青緑色析出物)、5−ブ
ロモ,4−クロロ,3−インドリルホスフェート/ニトロブルーテトラゾリウム
/ヨードニトロテトラゾリウム(BCIP/INT基質、黄褐色析出物、Bio
meda社)、5−ブロモ,4−クロロ,3−インドリルホスフェート/ニトロ
ブルーテトラゾリウム(BCIP/NBT基質、青色/紫色)、5−ブロモ,4
−クロロ,3−インドリルホスフェート/ニトロブルーテトラゾリウム/ヨード
ニトロテトラゾリウム(BCIP/NBT/INT、褐色析出物、DAKO社)
、ファストレッド(レッド)、マゼンタ−ホス(マゼンタ)、ナフトールAS−
BIホスフェート(NABP)/ファストレッドTR(レッド)、ナフトールA
S−BIホスフェート(NABP)/ニューフクシン(レッド)、ナフトールA
S−MXホスフェート(NAMP)/ニューフクシン(レッド)、ニューフクシ
ンAP基質(赤色)、p−ニトロフェニルホスフェート(PNPP、黄色、水溶
性)、VECTOR(商標)ブラック(黒色)、VECTOR(商標)ブルー(
青色)、VECTOR(商標)レッド(赤色)、ベガレッド(ラズベリー赤色)
などがあるが、これらには限定されない。
【0188】 ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP;「PO」と略されることがあ
る)基質には、2,2’−アジノ−ジ−3−エチルベンズ−チアゾリンスルホネ
ート(ABTS、緑色、水溶性)、アミノエチルカルバゾール、3−アミノ,9
−エチルカルバゾールAEC(3A9EC、赤色)、α−ナフトールピロニン(
赤色)、4−クロロ−1−ナフトール(4C1N、青色、青色−黒色)、3,3
’−ジアミノベンジジンテトラヒドロクロリド(DAB、褐色)、o−ジアニシ
ジン(緑色)、o−フェニレンジアミン(OPD、褐色、水溶性)、TACSブ
ルー(青色)、TACSレッド(赤色)、3,3’,5,5’−テトラメチルベ
ンジジン(TMB、緑色又は緑色/青色)、TRUE BLUE(商標)(青色
)、VECTOR(商標)VIP(紫色)、VECTOR(商標)SG(スモー
キーブルーグレー)及びザイメッドブルーHRP基質(鮮やかな青色)を含むが
、これらには限定されない。
【0189】 グルコースオキシダーゼ(GO)基質には、ニトロブルーテトラゾリウム(N
BT、紫色析出物)、テトラニトロブルーテトラゾリウム(TNBT、黒色析出
物)、2−(4−ヨードフェニル)−5−(4−ニトロフェニル)−3−フェニ
ルテトラゾリウムクロリド(INT、赤色又は橙色析出物)、テトラゾリウムブ
ルー(青色)、ニトロテトラゾリウムバイオレット(バイオレット)及び3−(
4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウム
ブロミド(MTT、パープル)などがあるが、これらには限定されない。全ての
テトラゾリウム基質は、共基質としてグルコースを必要とする。グルコースは酸
化され、テトラゾリウム塩は還元されて、不溶性ホルマザンを形成して着色沈殿
物を形成する。
【0190】 β−ガラクトシダーゼ基質には、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドイル−
β−D−ガラクトピラノシド(X−gal、青色析出物)などがあるが、これら
には限定されない。
【0191】 上記で挙げた基質の各々に関連した沈殿物は、独特の検出可能スペクトルサイ
ン(成分)を有する。
【0192】 重金属を結合する抗体を、反射コントラスト、明視野若しくは暗視野イメージ
ング又は電子顕微鏡を用いた免疫染色に使用できる。このような重金属には、金
及び銀(典型的には、コロイド状)が含まれるが、これらには限定されない。
【0193】 本明細書に組み込まれるものとする以下の文献に、さらなる例が挙げられてい
る。J.M.Elias(1990)Immunohistopatholog
y:A practical approach to diagnosis(
診断への実用的手法)、ASCP Press(American Socie
ty of Clinical Pathologists)、シカゴ;J.F
.McGinty及びF.E.Bloom(1983)Double immu
nostaining reveals distinctions amon
g opioid peptidergic neurons in the
medial basal hypothalamus(二重免疫染色により、
内側基底視床下部のオピオイドペプチド作用性ニューロン間の差異が判明)、B
rain Res.278:145−153;及びT.Jowett(1997
)Tissue In situ Hybridization(インサイチュ
ハイブリダイゼイションにおける組織):Methods in Animal
Development、John Wiley&Sons社、ニューヨーク
;J Histochem Cytochem 1997年12月、45(12
):1629−1641。
【0194】 透過型顕微鏡用組織染色剤:以下に、透過型光顕微鏡に使用される組織染色剤
の一部を示す:エオシン、ヘマトキシリン、オレンジG、ライトグリーンSF、
ロマノフスキー−ギームザ、メイ−グリュンワルド、ブルー対比染色剤(Tre
vigen)、エチルグリーン(CAS)、フォイルゲンナフトールイエローS
、ギームザ、メチレンブルー、メチルグリーン、ピロニン、ナフトールイエロー
、ニュートラルレッド、パパニコラウ染色剤(典型的には、ヘマトキシリン、エ
オシンY、ライトグリーンSF、オレンジG及びビスマルクブラウンの混合物を
含む)、レッド対比染色剤B(Trevigen)、レッド対比染色剤C(Tr
evigen)及びシリウスレッド。
【0195】 透過型顕微鏡用DNA倍数性染色剤:以下に、透過型光顕微鏡に使用されるD
NA倍数性染色剤の一部を示す:フォイルゲン試薬(パラロサニリン)、ガロシ
アニンクロムミョウバン、ガロシアニンクロムミョウバン及びナフトールイエロ
ーS、メチルグリーンピロニンY並びにチオニン−フォイルゲン試薬。
【0196】 蛍光顕微鏡用免疫組織化学染色剤:、フルオレセイン、ローダミン、テキサス
レッド、Cy2、Cy3、Cy5、VECTORレッド、ELF(商標)(酵素
標識フルオレセンス)、Cy0、Cy0.5、Cy1、Cy1.5、Cy3、C
y3.5、Cy5、Cy7、FluorX、カルセイン、カルセイン−AM、C
RYPTOFLUOR(商標)(オレンジ(42kDa)、タンジェリン(35
kDa)、ゴールド(31kDa)、レッド(42kDa)、クリムソン(40
kDa))、BHMP、BHDMAP、Br−オレゴン、ルシフェルイエロー、
アレクサ染料類、N−[6−(7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾ
ール−4−イル)アミノ]カプロイル](NBD)、BODIPY(商標)、ボ
ロンジピロメテンジフルオリド、オレゴングリーン、MITOTRACKER(
商標)レッド、DiOC(3)、DiIC18、フィコエリトリン、フィコビ
リタンパク質BPE(240kDa)RPE(240kDa)CPC(264k
Da)APC(104kDa)、スペクトルブルー、スペクトルアクア、スペク
トルグリーン、スペクトルゴールド、スペクトルオレンジ、スペクトルレッド、
NADH、NADPH、FAD、赤外(IR)染料、環状GDPリボース(cG
DPR)、カルコフルオルホワイト、チロシン及びトリプトファン。
【0197】 蛍光顕微鏡用組織染色剤:4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(
DAPI)、エオシン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、ヘキ
スト33258及びヘキスト33342(2種類のビスベンゾイミド)、プロピ
ジウムヨーダイド、キナクリン、フルオレセイン−ファロイジン及びレゾルフィ
ン。
【0198】 蛍光顕微鏡用DNA倍数性染色剤:クロモマイシンA3、DAPI、アクリフ
ラビン−フォイルゲン反応、オーラミンO−フォイルゲン反応、エチジウムブロ
ミド、プロピジウムヨーダイド、高アフィニティDNA蛍光体(POPO、BO
BO、YOYO及びTOTO等)、DNA結合タンパク質に融合したグリーン蛍
光タンパク質(ヒストン等)、ACMA、キナクリンオレンジ及びアクリジンオ
レンジ。
【0199】 内生色素:ヘモグロビン、ミオグロビン、ポルフィリン、ヘモシデリン及び他
の第一鉄色素、リポフスチン、メラニン、神経メラニン、セロイド、脂質/タン
パク質の蛍光酸化生成物、カロチノイド、ピリジン、フラビンヌクレオチド。
【0200】 以下に、関連細胞学的マーカーを特異的に結合することが知られており、且つ
現在研究用に使用されている免疫組織化学染色剤における成分として用いられて
おり、且つ限られているが、種々の疾病の診断に用いられている一次抗体の一部
をまとめて示す。抗エストロゲンレセプター抗体(乳癌)、抗プロゲステロンレ
セプター抗体(乳癌)、抗p53抗体(多発性癌)、抗Her−2/neu抗体
(多発性癌)、抗EGFR抗体(表皮細胞成長因子、多発性癌)、抗カテプシン
D抗体(乳癌等の癌)、抗Bcl−2抗体(アポプトーシス細胞)、抗Eカドヘ
リン抗体、抗CA125抗体(卵巣癌等の癌)、抗CA15−3抗体(乳癌)、
抗CA19−9抗体(結腸癌)、抗c−erbB−2抗体、抗P−糖タンパク質
抗体(MDR、多薬物耐性)、抗CEA抗体(癌胎児抗原)、抗網膜芽細胞腫タ
ンパク質(Rb)抗体、抗ras腫瘍タンパク質(p21)抗体、抗ルイスX抗
体(CD15とも称される)、抗Ki−67抗体(細胞増殖)、抗PCNA抗体
(多発性癌)、抗CD3抗体(T細胞)、抗CD4抗体(ヘルパーT細胞)、抗
CD5抗体(T細胞)、抗CD7抗体(胸腺細胞、未成熟T細胞、NKキラー細
胞)、抗CD8抗体(サプレッサーT細胞)、抗CD9/p24抗体(ALL)
、抗CD10(CALLAとも称される)抗体(普通の急性リンパ芽球性白血病
)、抗CD11c抗体(単核細胞、顆粒球、AML)、抗CD13抗体(骨髄単
球性細胞、AML)、抗CD14抗体(成熟単核細胞、顆粒球)、抗CD15抗
体(ホジキン病)、抗CD19抗体(B細胞)、抗CD20抗体(B細胞)、抗
CD22抗体(B細胞)、抗CD23抗体(活性化B細胞、CLL)、抗CD3
0抗体(活性化T細胞及び活性化B細胞、ホジキン病)、抗CD31抗体(血管
形成マーカー)、抗CD33抗体(骨髄性細胞、AML)、抗CD34抗体(内
皮幹細胞、間質腫瘍)、抗CD35抗体(樹状細胞)、抗CD38抗体(形質細
胞、活性化T、B及び骨髄性細胞)、抗CD41抗体(血小板、巨核球)、抗L
CA/CD45抗体(白血球共通抗原)、抗CD45RO抗体(ヘルパー、イン
デューサーT細胞)、抗CD45RA抗体(B細胞)、抗CD39、CD100
抗体、抗CD95/Fas抗体(アポプトシス)、抗CD99抗体(ユーイング
サルコーママーカー、MIC2遺伝子産生物)、抗CD106抗体(VCAM−
1;活性化内皮細胞)、抗ユビキチン抗体(アルツハイマー病)、抗CD71(
トランスフェリンレセプター)抗体、抗c−myc(腫瘍タンパク質及びハプテ
ン)抗体、抗サイトケラチン(トランスフェリンレセプター)抗体、抗ビメンチ
ン(内皮細胞)抗体(B細胞及びT細胞)、抗HPVタンパク質(ヒト乳頭腫ウ
ィルス)抗体、抗カッパL鎖抗体(B細胞)、抗ラムダL鎖抗体(B細胞)、抗
メラノソーム(HMB45)抗体(メラノーマ)、抗前立腺特異的抗原(PSA
)抗体(前立腺癌)、抗S−100抗体(メラノーマ、サルベアリ、グリア細胞
)、抗タウ抗原抗体(アルツハイマー病)、抗フィブリン抗体(上皮細胞)、抗ケ
ラチン抗体及び抗Tn抗原抗体(結腸癌、アデノカルチノーマ及び膵癌)。
【0201】 以下に示す表2に、種々の癌における予後及び/又は治療有意性を有するマー
カーセットを数例示す:
【0202】
【表2】
【0203】 したがって、乳癌パネルには、抗ER、抗PR、抗Her2/neu、抗p5
3、抗Ki−67及び抗CD31免疫組織化学マーカー染色剤、DNA倍数性染
色剤及びH&E対比染色剤を含めることができる。
【0204】 卵巣癌パネル及び/又は子宮内膜癌パネルには、したがって、抗Her2/n
eu、抗p53、抗Ki−67及び抗CD31免疫組織化学染色剤、DNA倍数
性染色剤及びH&E対比染色剤を含めることができる。
【0205】 前立腺癌パネル及び/又は膀胱癌パネルには、したがって、抗Ki−67、抗
p53、抗CD31及び抗網膜芽細胞腫タンパク質(Rb)マーカー染色剤、D
NA倍数性染色剤及びH&E対比染色剤を含めることができる。
【0206】 したがって、結腸直腸癌パネルには、抗Ki−67、抗p53、抗CD31及
び抗p21(ras腫瘍タンパク質)マーカー染色剤、DNA倍数性染色剤及び
H&E対比染色剤を含めることができる。
【0207】 ここに記載の本発明は、従来方法に対していくつかの利点がある。すなわち、
高分解イメージングと極めて低く且つ不十分なスペクトル分解(典型的には、2
つの別個のスペクトルバンド)とを組み合わせて2種の染色剤を共検出できる。
これは、高空間分解且つ高スペクトル分解を特徴とするここに記載のスペクトル
採取装置を用いて、用いる染色剤がスペクトル的に極めて類似している場合であ
っても、所望の数の染色剤を共検出できるからである。
【0208】 したがって、本発明によれば、臨床医は、通常の組織染色剤を用いて、複数の
細胞学的マーカーを、予後/治療有意性(例えば、ER、PR、p53、her
−2/neu、Ki−67及びCD31)、DNA倍数性及び試料染色の有意の
変化をもって、同時に検出できる。したがって、臨床医は、患者の治療を、向上
した精度(例えば、適当な治療プログラムの選択)で管理及び監視、より正確な
診断を介して患者の管理コストを削減、及びより効率的なサンプリングを介して
病院コストを削減できる。
【0209】 本発明に係る染色生物試料のスキャニングは、例えば、スライドローディング
及びスキャニング装置を用いて、当該技術分野において周知のようにして手動、
半自動又は自動でおこなうことができる。完全DNA倍数性分析では、典型的に
は200個の細胞、好ましくはそれ以上の細胞を分析しなければならない。パタ
ーン認識及びスペクトル分解パターン認識法を用いて、分析及び診断精度を高め
ることができる。
【0210】 本発明により提供される、高空間分解及び高スペクトル分解のスペクトルイメ
ージング法を用いた複数の免疫組織化学染色剤、組織染色剤及びDNA倍数性染
色剤の同時インサイチュ分析方法は、従来技術に対して極めて数多くの利点があ
る。まず、複数の染色剤を同時検出でき、したがって、効率的且つ経済的である
。第二に、従来技術では、同じ細胞又は組織についての2種又は3種以上の染色
剤には適用できないのに対して、同じ細胞又は組織についての複数の染色剤を同
時に検出できる。第三に、従来技術では極めて明確に区別される染色剤を使用す
る必要があるのに対して、極めて類似したスペクトル間を分離できる。
【0211】 実施例 参考文献はここで以上での記述とともに、非限定的な形で本発明を例示する以
下の実施例からなる。
【0212】 実施例1 測定装置とその性能 図1は、本明細書で完全に列記したように、参考文献によって組み込まれる、
1995年2月21日にCabib et al.に付与された米国特許明細書
第08/392,019号で、現在1996年7月23日に発行された米国特許
第5,539,517号において開示された先行技術の、イメージング分光計の
主要構成物のブロック線図である。
【0213】 このイメージング分光計は、高スペクトル的(波長に依存してCa.4−14
nm)および空間的(Ca.30/M μm、式中Mは有効顕微鏡または前光
学倍率である)分解能を持つので、本発明の方法の履行にとても適切に構築され
る。
【0214】 したがって、図1の先行技術イメージング分光計は、一般的に20で示した採
取光学系、ブロック22によって示したような一次元スキャナー、ブロック24
によって示したような、光路差(OPD)発生器または干渉計、ブロック26で
示したような一次元または二次元検出器アレイ、ブロック28で示したようなシ
グナル処理機およびディスプレイを含む。
【0215】 系20での非常に不可欠な成分はOPD発生器または干渉計24であり、解析
すべき場面のそれぞれのピクセルから放射した光のスペクトル強度の直線組み合
わせの、あらかじめ決められた組に対応している変調光を出力する。干渉計の出
力は検出器アレイ26上に集中される。したがって、スペクトルを再構築するた
めに必要な情報のすべてを得るために、必要な光学位相差のすべてが、視野領域
のピクセルすべてに対して同時にスキャンされる。場面中のピクセルすべてのス
ペクトルはしたがって、イメージング情報と同時に回収され、したがってリアル
タイム様式でのイメージの解析が可能になる。
【0216】 米国特許第5,539,517号による装置は多種類の構成で実施してよい。
とりわけ、使用した干渉計は米国特許第5,539,517号の関連する図で記
述されたような他の鏡と組み合わせてよい。
【0217】 したがって、米国特許第5,539,517号にしたがって、他の型の干渉計
を使用してもよい。これらには、(i)OPDが光を変調するために変化するよ
うな移動型干渉計、すなわち走査厚を持つファブリ−ペロー干渉計、(ii)光
学採取系およびスキャナからの光線を受け取り、光線を2つの通路へ分割するビ
ームスプリッターを含むマイケルソン型干渉計、(iii)その干渉計内で、引
用した米国特許にてさらに記述されたような4鏡とビームスプリッター干渉計の
ような、ODPが入光してくる放射の投射角で変化する他の光学的方法と光学的
に組み合わせたサグナック干渉計(その明細書の図14を参照のこと)が含まれ
る。
【0218】 図2は、米国特許第5,539,517号によって構築したイメージング分光
計を図解し、これはOPDが入光放射の投射角とともに変化するような干渉計を
使用している。光学軸に対して小さな角度で干渉系に入った光線は、実質的に直
線的にこの角度とともに変化するODPを受ける。
【0219】 図2の干渉計において、光学採取系31によって平衡化された後、すべてのピ
クセルでの供給源30からの放射のすべては機械的スキャナー32によってスキ
ャンされる。ついで光はビームスプリッター33を通して第一反射器34へ、つ
いで第二反射器35へ通過し、ビームスプリッター33を通し、ついでフォーカ
シングレンズ36を通して検出器のアレイ37(たとえばCCD)へと光を反射
される。この光線は、33、ついで第二反射器35、そして最終的に第一反射器
34によって反射された光線で干渉される。
【0220】 1つのスキャンの最後に、すべてのODPを介して、すべてのピクセルが測定
され、したがってその場面のすべてのピクセルのスペクトルがフーリエ変換によ
って再構築されうる。光軸に平行な光線は補正され、光軸に対して角度(θ)で
の光線は、ビームスプレッター33の厚み、その反射指数および角度θの関数で
あるOPDを受ける。OPDは小さな角度に対してθと比例する。適切な変換を
行うことにより、そして慎重に記録することにより、すべてのピクセルのスペク
トルを計算する。
【0221】 図2の構成において、角度β(図2ではβ=45°)にてビームスプリッター
上に入射する光線はOPD=0の干渉計を通って進み、一方一般的な角度β−θ
で入射する光線は式1で与えられるOPDを受ける。
【数1】 式中θは中心部位に関して光軸または干渉計回転軸からの光線の角距離であり
、tはビームスプレッターの厚さであり、nはビームスプレッターの屈折率であ
る。
【0222】 中心部分に関して、陽性および陰性角両方をスキャンすることによって、あら
ゆるピクセルについての二重面化インターフェログラムを得、フーリエ変換計算
でのより正確な結果を与えている位相差の除去を助けることが式1より理解され
る。スキャンの幅は到達する最大OPDを決定し、これは測定のスペクトル分解
能に関連する。角工程の大きさは、そのものはそれに対して系が感受性であるよ
うなもっとも短い波長によって規定されるOPD工程を決定する。事実、サンプ
リング定理[Chamberlain(1979) The principl
es of interferometric spectroscopy,
John Wiley and Sons,pp.53−55を参照のこと]に
したがって、このOPD工程は系が感受性であるようなもっとも短い波長の半分
よりも小さくなければならない。
【0223】 考慮に入れるべき他のパラメータはマトリックス中の検出器要素の有限の大き
さである。集束光を通して、この要素は、直角関係を持つインターフェログラム
を巻き込む効果を持つ干渉計中の有限なOPDの範囲を定める。このことは、結
果として短い波長での系の感度の減少を引き起こし、この要素により範囲を定め
られたOPDと等しいかそれ以下の波長に対してゼロにまで落ちる。このことか
ら、変調転移機能(MTF)条件が履行されること、すなわち干渉計内での検出
器要素によって範囲を決定されたOPDは装置が感受性である点でのもっとも短
い波長よりも小さくなければならないことを確実にしなければならない。
【0224】 したがって、米国特許第5,539,517号に開示された発明にしたがって
構築されたイメージング分光計は、ただ単に視野領域内のあらゆるピクセルから
きている光の強度を測定するだけでなく、あらかじめ定義した波長範囲でのそれ
ぞれのピクセルのスペクトルも測定する。これらはまた、任意の与えられた時間
における視野領域内のそれぞれのピクセルにより放たれた放射すべてをよりよく
使用し、したがって上で説明したように、フレーム時間での明らかな減少および
/または分光計の感度の明らかな増加を可能にする。そのようなイメージング分
光計はさまざまな型の干渉計および光学採取ならびに集束系を含んでよく、した
がって医学診断および治療および生物学的調査利用、さらに地質学的および農学
的調査のための遠隔検出、およびそれに類似するものを含むさまざまな種類の適
用で使用してよい。
【0225】 上で言及したように、米国特許第5,539,517号で開示された発明によ
るイメージング分光計はApplied Spectral Imaging
Ltd., Industrial Park,Migdal Haemek,
Israelによって開発され、本明細書ではSPECTRACUBETMと表
す。
【0226】 SPECTRACUBETM装置は以下の、またはよりよい特徴を持っており
、本明細書以下表3に列記する。
【表3】
【0227】 光学的に顕微鏡に連結したSPECTRACUBETM装置は、好ましくは本
発明の方法による生物学的試料を解析するために使用する。しかしながら、任意
のスペクトルイメージャー、すなわちフィルター(たとえば、聴覚光学整調可能
フィルター(AOTF)または液体結晶整調可能フィルター(LCTF))およ
び分散性要素(たとえば、格子またはプリズム)基礎光学イメージャー、または
他の光学系データまたは多重バンド光回収装置(たとえばSpeicher R
.M.,Ballard S.G. and Ward C.D.(1996)
Karyotyping human chromosomes by co
mbinatorial multi−flour FISH. Nature
Genetics,12:368−375での開示にしたがった装置)を含む
、その視野領域内に位置する対象のあらゆる点によって照射された光のスペクト
ルの後の修正および解析のために、測定しメモリーに保存する器具を、必要であ
るスペクトルデータを得るために使用できる。また、1997年8月25日に出
願され、本明細書で完全に列記したように参考文献によって組み込まれる米国特
許明細書第08/917,213号で記述されたように、多数の広帯域の(固定
化または変調可能)を含む器具を本明細書によるスペクトルデータ採取器具とし
て使用できる。したがって、特定の型のスペクトルイメージャーではなく、特定
な型のスペクトルデータ採取器具の使用に関して本発明の範囲を制限しないこと
が意図される。
【0228】 とても類似したスペクトルの間を分離し、区別するためのSPECTRACU
BETM装置の力を図3−5に表示する。
【0229】 この能力を例示するために、まずその蛍光スペクトルが非常に似ている、それ
ぞれ蛍光発色団テキサス−レッドおよびローダミンで標識化したクロモソーム1
およびクロモソーム17特異的DNAで行った***間期FISH測定の例を含む
、図3A−Cを注目のこと。クロモソーム1プローブはクロモソームのサブテロ
メア領域に対するミッドサテライトプローブであり、ハイブリッド形成後ビオチ
ンを介してDNAプローブへ連結するテキサス−レッドで標識化した。クロモソ
ーム17プローブはクロモソームの動原体領域に対するαサテライトプローブで
あり、ハイブリッド形成後ジゴキシゲニンを介して第二DNAプローブに連結し
たローダミンで標識化した。図3Aは原物のイメージであり、顕微鏡を通して目
に見えたものである。図3BはSPECTRACUBETM装置によって測定し
、処理した後の同じ試料を示している。一方、図3Cはテキサス−レッド(Tと
記した)およびローダミン(Rと記した)蛍光発色団の蛍光スペクトルを示す。
【0230】 図3Cでみるように、テキサス−レッドとローダミンのスペクトルピークは1
5nmしか異ならず、したがって、フィルターに基づいた装置を用いてそれらの
間を区別することはとても難しい。
【0231】 図3Aで示したように、顕微鏡を通したカラーFISHイメージをみると、イ
メージ中に現れているドットの(1−4と記した)およびプローブ型の正確な数
を認識する信頼レベルは特に高くはない。一方、図3Bで示すように、それぞれ
のピクセルについて測定したスペクトルの利点を持つ、SPECTRACUBE TM 装置は、ドットの存在を実証すること、それらを正確に計数すること、およ
びそれらの間の小さなスペクトルの差によって高い信頼レベルで異なる組を区別
することが可能である。図3Cに示すように、テキサス−レッドおよびローダミ
ン蛍光の人工的着色によって、プローブ特異的蛍光の局在が高い精度で決定され
、そこではドット1および2はテキサス−レッドのものであり、ドット3および
4はローダミンのものである。
【0232】 図4A−Bは、核***間期DNAの6つの異なるプローブでのハイブリッド形
成後のFISH測定の例を提供する。図4Aは顕微鏡を通して見られたような原
物のイメージを表す。図4Bは、すべての検出した組のSPECTRACUBE TM 装置測定、スペクトル処理および人工的着色表示に続く同じイメージを表す
。図4CはSPECTRACUBETM装置を用いた3重二色性フィルターを通
して検出したような、ハイブリッド後の6蛍光発色団のスペクトルを表す(それ
ぞれ標識されたクロモソームにしたがって1、8、10、11、17およびXと
記した)。蛍光発色団、プローブおよびクロモソームに関する詳細については、
以下の記述、表3以下およびChroma Corp.カタログ番号61502
を参照のこと。
【0233】 目によってまたは単純なRGB着色測定の使用でさえもお互いの色からの識別
が難しいことが、***間期細胞核の原物のRGBイメージを示している図4Aか
ら明らかである。
【0234】 実験観察者は、もっともよい場合、6つの異なる色のうち3つを検出すること
ができる。しかしながら、図4Bは分類アルゴリズムでスペクトルデータを処理
した後の図4Aで示した同じ試料を表し、得られたドットを人工的な色、オレン
ジ色、シアン、青色、黄色、緑色および赤色で強調し、一方背景は黒色、人工色
を与えた。観察したように、すべての6つの組の蛍光発色団を見、組間の違いを
簡単に区別することが可能である。
【0235】 1つの組、青色で強調した1つは目で、またはカラーカメラの使用によっては
ほとんど気づくことができないが、しかしスペクトルキューブ上の背景控除アル
ゴリズムにかけた後には検出されることにさらに注意すべきである(図4Aおよ
び4Bを比較のこと)
【0236】 使用したプローブはクロモソーム8、10、11、17およびXの動原体に対
する5つのαサテライトプローブであり、クロモソーム1のサブテロメア領域に
対するミッドサテライトプローブであった。それぞれの上記クロモソームを標識
するために使用した蛍光発色団およびDAPI対比染色(背景)、それらの放射
ピークおよび人工表示した色分類を以下表4で要約する。
【0237】 図4Cで示したそれぞれの6つの蛍光発色団の標準化スペクトル特性より、そ
れらのスペクトル間の広い重なりのために、2、3の比較的広いスペクトル範囲
で測定するフィルターに基づいた装置が異なるプローブ種間を確かに区別できな
いことがはっきりする。このような装置はそれぞれのプローブの強度の吸収測定
により依存し、したがって背景シグナルおよびノイズによってより影響を受ける
。スペクトルの重なりはまた細胞それ自身から発生している自発蛍光と一緒に起
こることにさらに注意すべきである。この場合においても、それぞれのピクセル
についてのスペクトル情報の有効性は自発蛍光寄与の排除を可能にし、より正確
な結果を産出する。
【表4】 Vysis,Downers Grove,IL,U.S.から標識化デ
オキシヌクレオチドとして得た。プローブを含んだプレハイブリッド形成した
ジゴキシゲニンへ抗ジゴキシゲニン抗体を介して共役した。フルオロセイン−
5−イソ−チオシオネート、プローブを含んだプレハイブリッド形成ビオチンへ
抗ビオチン抗体を介して共役させた。対比染色のために使用した4’,6−ジ
アミジノ−2−フェニルインドール。
【0238】 図5A−Cは、本明細書に完全に列記したように明細書によって組み込まれた
、1998年2月17日に出願された米国特許明細書第09/025,131号
にて開示された概要にしたがった組み合わせハイブリッド形成アプローチを用い
た正常男性クロモソームのハイブリッド形成結果を示す。
【0239】 図5AはRGBアルゴリズムを使用して得られたクロモソーム幅のRGBイメ
ージである。RGBアルゴリズムは、クロモソームのRGBイメージを得るため
にCCDアレイのスペクトル幅(たとえば400nmから760nm)上で光学
シグナルを統合し、そこではそれぞれのピクセルが、赤色(R)、緑色(G)お
よび青色(B)に対する三刺激応答関数に相当する3つの比重関数、{w(λ
)、w(λ)、w(λ)}にしたがった赤色、緑色および青色強度の組み合
わせによる。
【0240】 図5Aにおいて、使用した比重化関数w、w、wは単純平方比重関数で
あり、w(赤色)λ=640nmおよびλ=750nm、w(緑色)λ =555nmおよびλ=640nm、w(青色)λ=450nmおよび
λ=555nmであった。単純比重化関数w、w、wを統合し、クロモ
ソームのRGBイメージを生成した。
【0241】 図5Bは図5Aのクロモソーム幅の分類イメージである。図5Cは図5Bのク
ロモソーム幅に由来する核型である。分類イメージを、それぞれのピクセルがそ
のスペクトルにしたがって分類される分類アルゴリズムによって計算する。最も
重要な解析アルゴリズムの1つは、イメージ中の多数の異なるスペクトルを分類
色で同定し強調できる、スペクトルに基づいた分類アルゴリズムである。これは
そのスペクトルに基づいたすべてのヒトクロモソームへの特異的な分類色の割り
当てを可能にする。このアルゴリズムは、それぞれのクロモソームの対照スペク
トルを、測定し、コンピューターでの対照ライブラリーに保存してきたことを仮
定している。識別分類色は、上で定義したように、たとえば最小二乗誤差アルゴ
リズムによって、与えられたピクセルにおいてスペクトルともっとも類似した対
照スペクトルに割り当てられた分類色にしたがって、イメージ中のそれぞれのピ
クセルに割り当てる。
【0242】 実施例2 解析および結果の表示 一般:スペクトルイメージはデータの三次元配列、I(x,y,λ)であり、ス
ペクトル情報をイメージの空間的構成と連結する。そのように、その次元のため
に、スペクトルイメージはスペクトルキューブと呼ばれるデータの組であり、別
な方法で得ることが難しく、いくつかの場合不可能ですらある特徴の抽出および
定量的な評価を可能にする。分光計およびデジタルイメージ解析両方が、多くの
量の文献によってカバーされたよく公知の領域であるので[たとえば、Jain
(1989) Fundamentals of Digital Image
Processing,Prentice−Hall Internatio
nalを参照のこと]、以下の議論は第一に単一データ組、すなわちスペクトル
キューブでの分光的およびイメージング情報を連結することの利益に焦点を定め
よう。
【0243】 1つの可能性のあるスペクトルキューブの解析の型は、スペクトルデータ、お
よび空間的データを別々に使用すること、すなわちスペクトルアルゴリズムをス
ペクトルデータに適用し、二次元イメージ処理アルゴリズムを空間的データに適
用することである。
【0244】 スペクトルアルゴリズムの例として、対照スペクトルとすべてのピクセルのス
ペクトル間の相同性をコンピュータで計算し(すなわち相同性マッピング)、結
果として、それぞれのピクセルでの強度が「相同性」の程度と比例するようなグ
レー(または他の色)スケールイメージ(すなわち相同マップ)となるアルゴリ
ズムを考える。このグレースケールイメージはついで、さらにイメージ処理およ
びコンピューター想像技術(たとえばイメージ増強、パターン認識など)を用い
て解析し、望ましい特徴およびパラメータを抽出することができる。言い換えれ
ば、相同性マッピングは参照スペクトルに関して、スペクトルイメージのそれぞ
れのピクセルのスペクトル間の差の絶対的な値の積分を計算すること(すでにラ
イブラリーに記憶されているか、または同じか異なるスペクトルイメージのピク
セルに属するかいずれか)、およびグレーレベルまたは疑似色(黒および白また
は色)イメージを表示することを含み、そこで明るいピクセルは小さなスペクト
ルの差に相当し、暗いピクセルは大きなスペクトルの差に相当し、逆もまた同じ
である。
【0245】 同様に、分類マッピングを相同性マッピングについて記述したのと同じ計算で
行い、また対照スペクトルとしていくつかのスペクトルをとり、いくつかの対照
スペクトルの1つにもっとも類似しているとしてその分離にしたがって、表示さ
れたイメージのそれぞれのピクセルを異なる先に決めた疑似色で染めた。
【0246】 分離不能操作に基づいたスペクトルイメージアルゴリズム、すなわち局所スペ
クトル情報および近接したピクセル間の空間関係両方を含むアルゴリズム(これ
らのアルゴリズムの1つは以下に示すように、主要成分解析である)を利用する
ことも可能である。
【0247】 任意の三次元(3D)データを扱うことをスペクトルキューブ(すなわちI(
x,y,λ))のように構造化する場合に普通に起こる基本的な必要性の1つが
、データを意味のある方法で構造化することを視覚化することである。一般的に
それぞれの点が三次元空間内での異なる位置(x,y,z)での強度を表してい
るコンフォーカル顕微鏡によって得られた、形態的データ、D(x,y,z)の
ような他の型の3Dと違い、スペクトルイメージは異なる波長での同一の二次元
平面(すなわち試料)の強度を表しているイメージの配列である。このことから
、データのスペクトルキューブを見るための2つのもっとも直感的な方法は、イ
メージ平面(空間的データ)かまたは三次元的山−谷表示での波長の関数として
1つのピクセルまたはピクセルの組の強度のいずれかを見ることである。一般的
に、イメージ平面は任意の単一波長で測定した強度かまたはあらゆるイメージピ
クセルにおいて望ましいスペクトル領域上でスペクトル解析アルゴリズムを適用
した後の結果であるグレースケールイメージのいずれかを表示するために使用で
きる。一般的に、スペクトル軸は、望ましいピクセルの付近で行ったいくつかの
空間的操作(たとえばスペクトルを平均すること)の得られたスペクトルを表す
のに使用できる。
【0248】 たとえば、スペクトルイメージを、簡単なモノクロームカメラから得ることが
可能であるイメージと類似のグレースケールイメージとして、または強調するた
めの1つまたはいくつかの人工色、およびマップ重要特徴を使用した多色イメー
ジとして表示することが可能である。そのようなカメラはCCDアレイのスペク
トル幅(たとえば400nmから760nm)上で光学シグナルを単純に積分す
るので、以下のように「同量の」モノクロームCCDカメライメージは、スペク
トル軸に沿って積分することによる3Dスペクトルイメージデータベースから計
算することができうる。
【数2】
【0249】 式2において、w(λ)はさまざまなグレースケールイメージを計算すること
における最大順応性を提供する一般的な比重化応答関数であり、すべてはいくつ
かのスペクトル幅上の適切に比重化されたスペクトルイメージの積分に基づく。
たとえば、式2をそれぞれ赤色(R)、緑色(G)および青色(B)に対する三
刺激応答関数に相当する3つの異なる比重化関数、{w(λ)、w(λ)、
(λ)}で評価すると、従来のRGB色イメージを表示することができる。
意味のある従来のものでない(疑似)色イメージを表示することも可能である。
図6はこの単純なアルゴリズムの能力の例を表している。対象のスペクトルの「
内側」に分配するガウス関数であるように{w,w,w}を選択すること
を考慮し、この場合に表示される得られた疑似−色イメージは比重化関数に相当
するスペクトル領域でのデータのみを強調し、これらの3つの領域でのスペクト
ルの差をより明瞭に検出することが可能である。
【0250】 点操作:点操作は単一ピクセル上で行なわれる(すなわち時間において1つ以上
のピクセルを含まない)ものとして定義される。たとえば、グレースケールイメ
ージにおいて、点操作はすでに決められた変換関数にしたがって、それぞれのピ
クセルの関数(強度関数)を他の強度中に写像するものであり得る。この型の変
換の特定な場合は、定数によるそれぞれのピクセルの強度のかけ算である。さら
なる例には本明細書以上で記述したような相同性および分類マッピングが含まれ
る。
【0251】 点操作の概念はまた空間イメージにも広げることが可能である。ここでそれぞ
れのピクセルはそれぞれ固有の強度関数(スペクトル)、すなわちn−次元ベク
トルV(λ);λ∈[λ,λ]をもつ。空間イメージに対して適用した点
操作は、変換関数
【数3】 にしたがって、それぞれのピクセルのスペクトルをスカラー(すなわち強度値)
へ写像するものとして定義できる。
【0252】 式3にしたがってグレースケールイメージを組み立てることが本型の点操作の
例である。より一般的な場合において、点操作はそれぞれのピクセルのスペクト
ル(ベクトル)を、変換関数
【数4】 式中Nn にしたがって、他のベクトルへ写像する。
【0253】 この場合において、スペクトルイメージは他のスペクトルイメージに変換され
る。
【0254】 ここで、点操作の定義を、異なるスペクトルイメージの相当するピクセル間の
操作を含むように拡張できる。この型のアルゴリズムの重要な例は光学濃度解析
である。光学濃度は、透過スペクトルよりもより高い動的範囲で分光的に研究さ
れている対象の領域を強調し、図的に表現するために使用される。光学濃度は対
数的操作による透過に関連し、したがっていつも正関数である。光学濃度と測定
したスペクトル間の関連はランバート ベール法則
【数5】 によって与えられ、式中OD(λ)は波長の関数としての光学濃度、I(λ)は
測定したスペクトル、I(λ)は測定した対照スペクトル、τ(λ)は試料の
スペクトル透過率である。式5は、I(λ)を(1)それに対するODを測定
した同一のスペクトルキューブ内のピクセル、(2)第二キューブ内の相当する
ピクセル、(3)ライブラリーからのスペクトルから選択した場合のあらゆる波
長に対するあらゆるピクセルについて計算される。
【0255】 光学濃度が、測定している系のスペクトル応答またはCCD検出器の非均一性
どちらにも依存しないことに注意すべきである。このアルゴリズムは、それらの
吸収率および資料の厚さが公知の場合、相対的な濃度、そしていくつかの場合に
試料中の吸収剤の吸収濃度を写像するのに有用である。
【0256】 さらなる例には、(i)与えられたスペクトルを、足し算、引き算、かけ算、
わり算およびそれらの組み合わせのような算術関数によってスペクトルイメージ
中のそれぞれのピクセルのスペクトルに適用し、そこでそれぞれのピクセルの得
られたスペクトルは第一キューブのそれぞれのスペクトルと選択したスペクトル
間の合計、差、産物比または組み合わせである、新規スペクトルキューブを産出
すること、(ii)与えられたスカラーを上述したような算術関数によってスペ
クトルイメージのそれぞれのピクセルのスペクトルに適用することのような、さ
まざまな直線組み合わせ解析が含まれるが、しかし限定はしない。
【0257】 このような直線組み合わせは、たとえばそこで背景領域に局在しているピクセ
ルのスペクトルをそれぞれのピクセルのスペクトルから控除するような背景控除
のために、および試料解析前に測定したスペクトルがスペクトルイメージ内での
それぞれのピクセルのスペクトルを分割するために使用されるような較正手順の
ために使用してよい。
【0258】 他の例には、比イメージ計算およびグレーレベルイメージとして表示を含む。
このアルゴリズムは、スペクトルイメージのあらゆるピクセルに対する2つの異
なる波長での強度間の比を計算し、それに応じてより明るいまたはより暗い人工
色でそれぞれのピクセルを彩色する。たとえば、これはより高い比に対して明る
くピクセルを彩色し、低い比に対しては暗く彩色し(またはその逆であり)、ス
ペクトル的に感受性の物質の分布を表示する。
【0259】 空間−スペクトル混合操作:上述したすべてのスペクトルイメージ解析方法にお
いて、アルゴリズムをスペクトルデータに適用する。イメージとしてスペクトル
的に処理したデータを表示する重要性はほとんど定性的なものであり、使用者に
有用なイメージを提供する。しかしながら、適用に依存しながら、空間イメージ
に内在する空間−スペクトル関係を使用したアルゴリズムを適用することにより
、より意味のある方法において有用なイメージングデータを使用することも可能
である。空間−スペクトル操作はもっとも強力な型のスペクトルイメージ解析ア
ルゴリズムである。例として、以下の条件を考えよう。
【0260】 試料はk相違染色によって染色されたk細胞型を含む(本明細書での語句「細
胞」は、生物学的細胞について、およびまた「器具の視野内での領域」としての
両方で使用する)。それぞれの染色は異なるスペクトルを持ち、ただ1つのk細
胞型にのみ結合する。それぞれの1つのk細胞型に対する細胞あたりの平均強度
を見いだすことが重要である。このタスクを行うために、以下の手順を使用でき
る。(1)そのスペクトルにしたがって1つのk+1クラス(k細胞型プラス背
景)に属しているとしてイメージ中のそれぞれのピクセルを分類する、(2)さ
まざまな細胞型へイメージを区分けし、それぞれの型からの細胞数を計数する、
(3)それぞれのクラスにより寄与されるスペクトルエネルギーを合計し、それ
を相当するクラスからの細胞の総数により割る。
【0261】 この手順はスペクトルおよび空間データ両方の使用を行う。関連するスペクト
ルデータは特徴的な細胞スペクトルの形(すなわちスペクトル「特性」)を取り
、一方空間データは、その多くが目へ同様に現れてくるさまざまな型の細胞(す
なわち細胞ブロット)としてのデータからなる。上記の状況において、細胞は特
徴的なスペクトル特性によって区別できる。それ故、好ましい点操作を、そこで
それぞれのピクセルがk+l値の1つに割り当てられる合成イメージを生成する
ために行う可能性がある。異なる細胞型のスペクトルが、s(λ);i=1,
2,……,k、λ∈[λ,λ]であると知られており、それぞれのピクセル
(x,y)における測定したスペクトルがsx,v(λ)、λ∈[λ,λ
であることを仮定すると、そこで以下のアルゴリズムが分類の可能性ある方法で
ある(上記工程1)。
【0262】 e を細胞型iに接着している染色の公知のスペクトルからの測定したスペ
クトルの逸脱であるとする。次いで最小二乗法「隔たり」定義を採用し、
【数6】 と書くことができ、式中Rλは対象のスペクトル領域である。イメージ中のそれ
ぞれの点[ピクセル(x,y)]はここで以下の定義を用いてk+lの1つへ分
類することができる。
【数7】
【0263】 上の工程2および3(イメージ区分および平均強度の計算)はここで式6およ
び7で記述したアルゴリズムにしたがって作製した合成イメージ上で標準コンピ
ュータ視覚操作を用いた簡単なものである。
【0264】 他のアプローチはそれぞれのピクセルにおいて測定したスペクトルsx,y
λ)をk個の公知蛍光スペクトルの直線組合せ、s(λ);i=1,2,……
,kとして表すことである。この場合、
【数8】 で解釈する計数ベクトルC=[c,c,……,c]を見いだすであろう。 i=1,2,……,kについてのdF/dc=0に対する解釈(すなわちFを
最小化するcの値を探すこと)は行列式
【数9】 を導き、式中Aは要素
【数10】 を持つ次元kの正方行列であり、Bは
【数11】 として定義されたベクトルである。
【0265】 算術操作は2つ以上のスペクトルキューブおよび/または与えられたピクセル
の、またはライブラリーからのスペクトルに同じように適用してよい。たとえば
、データの第一スペクトルキューブおよびデータの第二キューブに属しているピ
クセルの相当する組の相当する波長間に算術操作を適用し、たとえばデータの2
つのスペクトルキューブの平均化、時間変化追跡、スペクトル標準化などの目的
のためにデータの結果である第三キューブを得ることを考える。
【0266】 多くの場合、スペクトルイメージ内に存在する対象物(たとえば細胞)は、特
に染色したときに、ある程度まで化学成分および/または構造において互いに異
なる。共分散または相関行列を産出することにより、主要成分解析のような非相
関解析を用いて、これらの差を強調する。非相関統計的解析はより多量のデータ
より非相関したデータを抽出することおよびそれらの相関部分中の平均で示され
る。多くの関連した統計学的相関方法が存在する。例には、主要成分解析(PC
A)、規範的変数解析および特異的値分解などが限定はしないが含まれ、これら
の方法のPCAはおそらくより共通のものであり、本語句を上で定義したように
、スペクトルデータの非相関について本発明にしたがって使用する。しかしなが
ら、上に列記したようなものを含むすべての非相関統計的方法は互いに関連し、
任意の特定の非相関方法の使用に本発明の範囲を限定する意図はないという事実
が考えられる。特に、他の非相関統計的方法をあるいは使用してよいので、本発
明の範囲を主要成分解析の使用に限定する意図はない。上で列記した非相関統計
的方法の使用と操作に関する情報は、両方とも本明細書で完全に列記したように
参考文献に組み込まれた、R.A.Johnson and D.W.Wich
en, ”Applied Multivariance Statistic
al Analysis, third edition, Prentice
Hall(1992)およびT.W.Anderson, An Intro
duction to Multivariance Statistical
Analysis, second edition,Wiley and
Sons(1984)で見られる。
【0267】 さらに、以下の記述から明らかになるであろうように、非相関統計的方法の手
段はさまざまな改良を用いて行ってよい。本発明の概念は任意の特定の改良に依
存しないので、本発明の範囲は以下に記述するような任意の特定の改良に限定さ
れると言う意図はない。
【0268】 共分散を用いた主要成分解析の簡単な記述を以下に与える。主要成分解析に関
するさらなる詳細については、Martens and Naes (1989
) Multivariate Calibration,John Wile
y & Sons,Great Britain; およびEsbensen等
,Eds,(1994) Multi variance analysis−
実際にはCAMOとしてのコンピュータ補助モデリングおよびUnscramb
ler’s User’sガイド、Trondheim,Norwayを参照の
こと。
【0269】 したがって、波長λ(i=1,…,N)でのイメージのピクセルの強度をこ
こで、その波長がピクセル数qと等しいベクトルと見なす。測定のあらゆる波長
に対して1つ、つまり計N個のこれらのベクトルが存在するので、これらのベク
トルがq列およびN段で行列B’に配列できる。
【数12】
【0270】 行列B’のそれぞれの段について平均は以下のように定義される:
【数13】 そして第二の標準化行列Bは
【数14】 のように定義される。
【0271】 共分散行列Cは次元N×Nの行列B:C=B・Bとして定義する。Cは対角
化され、C・V=μ(式中VおよびNは直交単位ベクターであり、μ は第i単位ベクトルVの方向への変数を表している固有値である)によって
関連する固有ベクトルおよび固有値である。一般的に、最も少ない成分はピクセ
ルの関数として最も高い変数を表す。
【0272】 積BV(i=1,…,N)は直交主成分の要素上でのスペクトルイメージの
投影である。これらはqつの要素(q=ピクセルの数)を持つベクトルであり、
黒色および白色イメージとして別々に表示できる。これらのイメージは、特定の
波長または波長範囲において濾光された通常の黒色および白色イメージから明ら
かではない特徴を示している可能性がある。
【0273】 実施例3 材料と方法乳癌 試料:すべての試料は適度に分化した浸潤している腺管癌である79人の女性
より入手した。試料を横切断し、従来のプロトコールにしたがった染色のために
調整した。
【0274】 染色プロトコール:染色を標準VantanaまたはDAKO自動化免疫染色
プロトコールにしたがって行った。
【0275】 測定:SPECTRACUBETM装置に連結した顕微鏡(Nikon Ec
lipse E−800)を、もっとも安定な照明のために伝達光ランプを持つ
Koehler照明に対して最大電圧(12V)にあわせた。中間密度および色
フィルター(FG3および抗反射フィルター)を光路内に導入し、強度とスペク
トル色バランスを調節した。SPECTRACUBE捕捉パラメータは300フ
レーム、512仮想フレーム、波長幅440から760nm、176ms/フレ
ームであった。
【0276】 まず、「純粋色素」、すなわちヘマトキシリン、DAB、AECおよびファス
トレッド(それぞれ着色料のみ)スペクトルキューブを捕捉し、そこからの代表
的なスペクトルを純粋色素スペクトルライブラリーを形成するために使用した。
【0277】 ついでそれぞれの試料のスペクトルキューブを捕獲した。そしてSPECTR
ACUBETM取扱説明書内で記述したようなSPECTRACUBETMアル
ゴリズム、SpyViewを、それぞれのスペクトル成分、閾値二元化イメージ
およびそれらの混合分類イメージのRGBイメージ、グレーレベルイメージを得
るために使用した。
【0278】子宮頸癌 試料:中年女性のパップスミア(pap smear)を従来の手順で収集し
た。
【0279】 染色プロトコール:染色を本質的に、本明細書で完全に列記されたように参考
文献にて組み込まれている、G.Papanicolaou(1942) A
new procedure for staining vaginal s
mears. Science 95:438−439に記載のようであった。
【0280】 測定:SPECTRACUBETM装置に連結した顕微鏡(Nikon Ec
lipse E−800)を、もっとも安定な照明のために伝達光ランプを持つ
Koehler照明に対して最大電圧(12V)にあわせた。中間密度および色
フィルター(FG3および抗反射フィルター)を光路内に導入し、強度とスペク
トル色バランスを調節した。SPECTRACUBE捕捉パラメータは300フ
レーム、512仮想フレーム、波長幅440から760nm、176ms/フレ
ームであった。
【0281】 まず、「純粋色素」、すなわちハリスヘマトキシリン、エオシン、オレンジG
およびライトグリーンSF、ビスマルクブラウンY(それぞれ着色料のみ)スペ
クトルキューブを捕捉し、そこからの代表的なスペクトルを純粋色素スペクトル
ライブラリーを形成するために使用した。
【0282】 ついで子宮頸癌試料のスペクトルキューブを捕獲した。そしてSPECTRA
CUBETM取扱説明書で記述したようなSPECTRACUBETMアルゴリ
ズム、SpyViewを、それぞれのスペクトル成分、閾値二元化イメージおよ
びそれらの混合分類イメージのRGBイメージ、グレーレベルイメージを得るた
めに使用した。
【0283】 実施例4 実験結果 2つのよく特性化された実験モデル、乳癌および子宮頸癌試料が本方法による
方法の実行可能性および実用性を明らかにするのに役立った。
【0284】 図7は、6つの単一着色料染色乳癌試料からSPECTRACUBETM装置
を用いて測定した2つの組織学的染色(ヘマトキシリンおよびエオシン)および
4つの免疫組織化学的染色(DAB、ファストレッド、AECおよびBCIP/
NBT)を表す。ピーク波長を右側に示す。それぞれの染色が特徴的なスペクト
ルを持ち、それは本明細書以下にさらに例示しているように、それらそれぞれに
関連したスペクトル成分の同時の共検出を可能にすることに注意すること。
【0285】 図8−11はそのような実験を表す。すべてのイメージは、本明細書以上で記
述したように、SPECTRACUBETM装置およびそのさまざまな測定法お
よび解析アルゴリズムを用いて測定した。
【0286】 図8A−Eは、すでに独立してER(+)/PR(+)であると決定された乳
癌のイメージを表す。試料を組織学的染色ヘマトキシリンおよび免疫組織化学的
染色、抗ER−DABで共染色した。図8Aは図6に関連して本明細書以上で記
述したRGBアルゴリズムを使用した、試料からのRGBイメージを表す。図8
B−Dはそれぞれヘマトキシリン、DABおよびAECスペクトル成分の二元化
イメージを示す。これらの二元化イメージはそれぞれのピクセルでのそれぞれの
成分の強度を示している閾値グレースケールイメージによって入手した。図8D
はPR(−)腫瘍に対する模擬として役立つ。図8Eは分類オーバーレイイメー
ジを表し、そこで上記スペクトル成分はそれぞれ赤色、緑色および青色に強調さ
れる。予測したように、AECスペクトル成分は検出できず、またヘマトキシリ
ンおよびDABのスペクトル成分は容易に検出可能であることに注意すべきであ
る。分類イメージは、調査した癌細胞または組織の存在/不在/攻撃レベル/診
断および/または診断を評価することにおいて病理学者を補助する。
【0287】 図9A−Eはすでに独立してER(+)/PR(+)であると決定された乳癌
細胞のイメージを表す。この試料はまた組織学的染色ヘマトキシリンおよび免疫
組織化学的染色、抗PR−AECで共染色した。図9Aは試料のRGBイメージ
を表す。図9B−Dはそれぞれヘマトキシリン、DABおよびAECスペクトル
成分の二元化イメージを表し、一方図9Eは分類オーバーレイイメージを表し、
そこで上記スペクトル成分はそれぞれ、赤色、緑色、青色で強調される。予測し
たように、DABスペクトル成分は検出できず、またヘマトキシリンおよびAE
C両方のスペクトル成分は容易に検出可能であることに注意すべきである。
【0288】 図10A−Eは、先の試料と同様に、すでに独立してER(+)/PR(+)
であると決定された乳癌細胞のイメージを表す。しかしながら、この場合試料は
、組織学的染色ヘマトキシリンおよびすでに使用したAECにかわって、免疫組
織化学的染色、抗PR−ファストレッドで共染色した。図10Aは試料のRGB
イメージを表す。図10B−Dはそれぞれヘマトキシリン、DABおよびファス
トレッドスペクトル成分の二元化イメージを示す。図10Eは分類オーバーレイ
イメージを表し、そこで上記スペクトル成分はそれぞれ、赤色、緑色、青色で強
調される。予測したように、特に領域の下方部分で形成された人工物結晶を除き
、DABスペクトル成分は本試料で検出できず、またヘマトキシリンおよびファ
ストレッド両方のスペクトル成分は容易に検出可能であることに注意すべきであ
る。
【0289】 図11A−Eはすでに独立してER(+)/PR(+)であると決定された乳
癌細胞のイメージを表す。この試料はまた組織学的染色ヘマトキシリンおよび免
疫組織化学的染色、抗ER−DAB、抗PR−ファストレッドで共染色した。図
11Aは試料のRGBイメージを表す。図11B−Dはそれぞれヘマトキシリン
、DABおよびファストレッドスペクトル成分の二元化イメージを表す。図11
Eは分類オーバーレイイメージを表し、そこで上記スペクトル成分はそれぞれ、
赤色、緑色、青色で強調される。抗ER−DABおよび抗PR−ファストレッド
で共染色した領域を黄色で示す。予測したように、ヘマトキシリン、DABおよ
びファストレッドスペクトル成分は容易に検出可能であることに注意すべきであ
る。
【0290】 図12A−Fはすでに独立してER(+)/PR(+)であると決定された乳
癌細胞のイメージを表す。この試料は組織学的染色ヘマトキシリンおよびエオシ
ンと免疫組織化学的染色、抗ER−DAB、抗PR−ファストレッドで共染色し
た。図12Aは試料のRGBイメージを表す。図12B−Eはそれぞれヘマトキ
シリン、エオシン、DABおよびファストレッドスペクトル成分の二元化イメー
ジを表す。図12Fは分類オーバーレイイメージを表し、そこで上記スペクトル
成分はそれぞれ、青色、紫色、緑色、赤色で強調され、SPECTRACUBE TM 装置の4つの異なるスペクトル成分を分離する能力を示している。したがっ
て、この実施例は、同時に核(ヘマトキシリン)、細胞質(エオシン)、エスト
ロゲンレセプター(ER、抗ER/HRP/DABで検出)およびプロゲステロ
ンレセプター(PR、抗PR/HRP/DABで検出)の染色を示している染色
した乳癌組織切片を示す。イメージにおいて、いくつかのER(+)細胞と、よ
り少ないPR(+)細胞が示された。スライド全体の異なる領域では、腺管間(
ER(+)/PR(+))および腺管間(ER(+)/PR(−))癌を示した
。このイメージは脈管を示し、したがって主としてER(+)/PR(−)癌細
胞が予想された。
【0291】 図13は、5つの単一着色料で染色した子宮頸癌試料からSPECTRACU
BETM装置を用いて測定した5つの組織学的染色(ハリスヘマトキシリン、エ
オシン、オレンジG、ライトグリーンSF、ビスマルクブラウンY)の非標準化
スペクトルを表す。ピーク波長を右に示す。
【0292】 図14A−Gは パパニコラウ(Pap)染色として本技術分野で公知である
ものを集合的に形成する、組織学的染色、ハリスヘマトキシリン、エオシン、オ
レンジG、ライトグリーンSF、ビスマルクブラウンYで共染色した子宮頸癌試
料のイメージを表す。図14Aは試料のRGBイメージを示す。図14B−Fは
それぞれハリスヘマトキシリン、エオシン、オレンジG、ライトグリーンSFお
よびビスマルクブラウンYスペクトル成分の二元化イメージを示す。図14Eは
分類オーバーレイイメージを示し、そこで上記スペクトル成分はそれぞれ青色、
桃色、オレンジ色、緑色、灰色で強調され、それらの組合せによって示した多彩
な分類オーバーレイイメージを形成する。使用したそれぞれの染色が、使用した
SPECTRACUBETM装置の高いスペクトルおよび空間的分解度のための
みで解析できた固有の染色パターンを持つことに注意すべきである。
【0293】 本明細書で示したデータは、多数の着色料で共染色した生物学的試料の解析に
おいて高スペクトルおよび空間分解度を持っている装置の有用性を示している。
【0294】 本実施例下で使用したアルゴリズムおよび表示が数々の他のアルゴリズムおよ
び表示に置き換えることが可能であり、ひとつの例が、本明細書で完全に列記さ
れたように参考文献に組み込まれた米国特許第08/984,990号に記載の
直線分解アルゴリズムであることが、当業者によって評価されるであろう。この
アルゴリズムを使用することで、解析者は別なとても類似した直接の結果を得る
ことができるであろう。
【0295】 本発明はその特定の実施様態に関連して記述されてきたが、多くの改変、変更
および変化が当業者によって評価されるであろうことが明らかである。したがっ
て、付随する請求項の意図および広い範囲内であるそのような改変、変更、変化
のすべてが含まれるつもりである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 米国特許出願第08/392,019号(従来技術)に準じて構成したイメー
ジング分光計の主要構成要素を示すブロック図である。
【図2】 米国特許出願第08/392,019号(従来技術)に準じてイメージング分
光計に使用される非移動型干渉計、すなわち、Sagnac干渉計を示す。
【図3A】 テキサスレッド及びローダミンに結合させた2種の異なるプローブを用いて実
施した中間相FISHを示す。
【図3B】 テキサスレッド及びローダミンに結合させた2種の異なるプローブを用いて実
施した中間相FISHを示す。
【図3C】 テキサスレッド及びローダミンに結合させた2種の異なるプローブを用いて実
施した中間相FISHを示す。
【図4A】 各々異なる蛍光体で標識した6種の異なるプローブについてSPECTRAC
UBE(商標)装置を用いて実施した中間相FISHである。
【図4B】 各々異なる蛍光体で標識した6種の異なるプローブについてSPECTRAC
UBE(商標)装置を用いて実施した中間相FISHである。
【図4C】 各々異なる蛍光体で標識した6種の異なるプローブについてSPECTRAC
UBE(商標)装置を用いて実施した中間相FISHである。
【図5A】 SPECTRACUBE(商標)装置を用いて得られた、24種の染色体ペイ
ントと正常雄染色体スプレッドとのハイブリダイゼイションの結果を示す。
【図5B】 SPECTRACUBE(商標)装置を用いて得られた、24種の染色体ペイ
ントと正常雄染色体スプレッドとのハイブリダイゼイションの結果を示す。
【図5C】 SPECTRACUBE(商標)装置を用いて得られた、24種の染色体ペイ
ントと正常雄染色体スプレッドとのハイブリダイゼイションの結果を示す。
【図6】 選択されたスペクトル範囲を強調するための擬似RGB(赤、緑及び青)色の
定義を示す。
【図7】 6種の単一染色剤で染色した乳癌試料から、SPECTRACUBE(商標)
装置を用いて測定した、2種の組織染色剤(ヘマトキシリン及びエオシン)及び
4種の免疫組織化学染色剤(DAB、ファストレッド、AEC及びBCIP/N
BT)の非正規化スペクトルを示す。
【図8】 組織染色剤ヘマトキシリン及び免疫組織化学染色剤抗ER−DABで共染色し
た、予めER(+)/PR(+)であると分かっている乳癌試料のイメージを示
す図である。
【図9】 組織染色剤ヘマトキシリン及び免疫組織化学染色剤抗PR−AECで共染色し
た、予めER(+)/PR(+)であると分かっている乳癌試料のイメージを示
す図である。
【図10】 組織染色剤ヘマトキシリン及び免疫組織化学染色剤抗PRファストレッドで共
染色した、予めER(+)/PR(+)であると分かっている乳癌試料のイメー
ジを示す図である。
【図11】 組織染色剤ヘマトキシリン及び免疫組織化学染色剤抗ER−DAB及び抗PR
−ファストレッドで共染色した、予めER(+)/PR(+)であると分かって
いる乳癌試料のイメージを示す図である。
【図12】 組織染色剤ヘマトキシリン及びエオシン並びに免疫組織化学染色剤抗ER−D
AB及び抗PR−ファストレッドで共染色した、予めER(+)/PR(+)で
あると分かっている乳癌試料のイメージを示す図である。
【図13】 5種の単一染色剤で染色した子宮頸癌試料から、SPECTRACUBE(商
標)装置を用いて測定した、5種の組織染色剤(ハリスヘマトキシリン、エオシ
ン、オレンジG、ライトグリーンSF及びビスマルクブラウンY)の非正規化ス
ペクトルである。
【図14】 組織染色剤であって、いっしょになってパパニコラウ染色剤として当該技術分
野で知られているものを形成するハリスヘマトキシリン、エオシン、オレンジG
、ライトグリーンSF及びビスマルクブラウンYで共染色した子宮頸癌試料のイ
メージを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 21/78 G01N 21/78 C 33/533 33/533 33/58 33/58 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 カビブ, ダリオ イスラエル, 23840 ティムラット, ハブロシュ 7 (72)発明者 バックワルド, ロバート イスラエル, 30095 ラマット イシェ イ, ハダガン ストリート (番地な し) Fターム(参考) 2G045 CB01 DA12 DA13 FA16 FB01 FB03 FB07 FB12 FB13 2G054 BB08 CA22 GB02 4B063 QA08 QA19 QQ02 QQ42 QQ79 QQ96 QR02 QR13 QR15 QR48 QS03 QS22 QS28 QS33 QS36 QS39 QX02

Claims (63)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生物試料のインサイチュ分析方法であって、 (a)生物試料を、第一染色剤が第一免疫組織化学染色剤と、第一組織染色剤と
    、第一DNA倍数性染色剤とからなる群から選択されたものであり、第二染色剤
    が第二免疫組織化学染色剤と、第二組織染色剤と、第二DNA倍数性染色剤とか
    らなる群から選択されたものであるN種の染色剤で染色する工程であって、但し
    Nは3を超える整数であり、さらに、 (i)前記第一染色剤が前記第一免疫組織化学染色剤である場合には、前記第
    二染色剤は、前記第二組織染色剤又は前記第二DNA倍数性染色剤であり、 (ii)前記第一染色剤が前記第一組織染色剤である場合には、前記第二染色
    剤は、前記第二免疫組織化学染色剤又は前記第二DNA倍数性染色剤であり、一
    方、 (iii)前記第一染色剤が前記第一DNA倍数性染色剤である場合には、前
    記第二染色剤は、前記第二免疫組織化学染色剤又は前記第二組織染色剤である、
    工程と、 (b)スペクトルデータ採取装置を用いて前記生物試料からスペクトルデータを
    採取する工程であって、前記スペクトルデータ採取装置と前記N種の染色剤を、
    前記N種の染色剤の各々に関連したスペクトル成分を採取できるように選択する
    工程と、 を含む方法。
  2. 【請求項2】 前記スペクトルデータ採取装置が、干渉計系スペクトルデー
    タ採取装置と、フィルター系スペクトルデータ採取装置と、分散要素系スペクト
    ルデータ採取装置とからなる群から選択されたものである、請求項1に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 前記第一免疫組織化学染色剤及び前記第二免疫組織化学染色
    剤が、各々独立的に一次抗体を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記一次抗体が、抗エストロゲンレセプター抗体、抗プロゲ
    ステロンレセプター抗体、抗p53抗体、抗Her−2/neu抗体、抗EGF
    R抗体、抗カテプシンD抗体、抗Bcl−2抗体、抗Eカドヘリン抗体、抗CA
    125抗体、抗CA15−3抗体、抗CA19−9抗体、抗c−erbB−2抗
    体、抗P−糖タンパク質抗体、抗CEA抗体、抗網膜芽細胞腫タンパク質抗体、
    抗ras腫瘍タンパク質抗体、抗ルイスX抗体、抗Ki−67抗体、抗PCNA
    抗体、抗CD3抗体、抗CD4抗体、抗CD5抗体、抗CD7抗体、抗CD8抗
    体、抗CD9/p24抗体、抗CD10抗体、抗CD11c抗体、抗CD13抗
    体、抗CD14抗体、抗CD15抗体、抗CD19抗体、抗CD20抗体、抗C
    D22抗体、抗CD23抗体、抗CD30抗体、抗CD31抗体、抗CD33抗
    体、抗CD34抗体、抗CD35抗体、抗CD38抗体、抗CD41抗体、抗L
    CA/CD45抗体、抗CD45RO抗体、抗CD45RA抗体、抗CD39抗
    体、抗CD100抗体、抗CD95/Fas抗体、抗CD99抗体、抗CD10
    6抗体、抗ユビキチン抗体、抗CD71抗体、抗c−myc抗体、抗サイトケラ
    チン抗体、抗ビメンチン抗体、抗HPVタンパク質抗体、抗カッパL鎖抗体、抗
    ラムダL鎖抗体、抗メラノソーム抗体、抗前立腺特異的抗原抗体、抗S−100
    抗体、抗タウ抗原抗体、抗フィブリン抗体、抗ケラチン抗体及び抗Tn抗原抗体
    からなる群から選択されたものである、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記一次抗体が、検出可能成分で標識したものである、請求
    項3に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記検出可能成分が、蛍光染料である、請求項5に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 前記蛍光染料が、フルオレセイン、ローダミン、テキサスレ
    ッド、Cy2、Cy3、Cy5、VECTORレッド、ELF(商標)(酵素標
    識フルオレセンス)、Cy0、Cy0.5、Cy1、Cy1.5、Cy3、Cy
    3.5、Cy5、Cy7、FluorX、カルセイン、カルセイン−AM、CR
    YPTOFLUOR(商標)(オレンジ(42kDa)、タンジェリン(35k
    Da)、ゴールド(31kDa)、レッド(42kDa)、クリムソン(40k
    Da))、BHMP、BHDMAP、Br−オレゴン、ルシフェルイエロー、ア
    レクサ染料類、N−[6−(7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾー
    ル−4−イル)アミノ]カプロイル](NBD)、BODIPY(商標)、ボロ
    ンジピロメテンジフルオリド、オレゴングリーン、MITOTRACKER(商
    標)レッド、DiOC(3)、DiIC18、フィコエリトリン、フィコビリ
    タンパク質BPE(240kDa)RPE(240kDa)CPC(264kD
    a)APC(104kDa)、スペクトルブルー、スペクトルアクア、スペクト
    ルグリーン、スペクトルゴールド、スペクトルオレンジ、スペクトルレッド、N
    ADH、NADPH、FAD、赤外(IR)染料、環状GDPリボース(cGD
    PR)、カルコフラワーホワイト、チロシン及びトリプトファンからなる群から
    選択されたものである、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記検出可能成分が、非蛍光染料である、請求項5に記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 前記非蛍光染料が、重金属を含むものである、請求項8に記
    載の方法。
  10. 【請求項10】 前記検出可能成分が、実質的に不溶性の呈色反応生成物を
    有する基質の比色反応を触媒する酵素である、請求項5に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記酵素が、アルカリ性ホスファターゼと、ホースラディ
    ッシュペルオキシダーゼと、β−ガラクトシダーゼと、グルコースオキシダーゼ
    とからなる群から選択されたものである、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記基質が、アルカリ性ホスファターゼ基質と、ホースラ
    ディッシュペルオキシダーゼ基質と、グルコースオキシダーゼ基質と、β−ガラ
    クトシダーゼ基質とからなる群から選択されたものである、請求項10に記載の
    方法。
  13. 【請求項13】 前記検出可能成分が、発光できるか、少なくとも一種の追
    加の基質との第二反応であり且つ発光生成物を有する第二反応と化学的に関わり
    合うことができる、実質的に不溶性の反応生成物を有する基質の発光反応を触媒
    する酵素である、請求項5に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記酵素が、アルカリ性ホスファターゼと、ホースラディ
    ッシュペルオキシダーゼと、β−ガラクトシダーゼと、グルコースオキシダーゼ
    とからなる群から選択されたものである、請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記第一基質及び前記少なくとも一種の追加の基質が、各
    々独立的にアルカリ性ホスファターゼ基質と、ホースラディッシュペルオキシダ
    ーゼ基質と、β−ガラクトシダーゼ基質と、グルコースオキシダーゼ基質とから
    なる群から選択されたものである、請求項13に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記第一免疫組織化学染色剤及び前記第二免疫組織化学染
    色剤が、各々独立的に一次抗体及びシグナル増幅機構を含む、請求項1に記載の
    方法。
  17. 【請求項17】 前記シグナル増幅機構が、前記一次抗体の定常部を結合で
    きる二次抗体と、前記一次抗体に接合されているビオチンを結合できるアビジン
    又はストレプトアビジンと、前記一次抗体に接合したアビジン又はストレプトア
    ビジンを結合できるビオチンとからなる群から選択されたものである、請求項1
    6に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記二次抗体、アビジン、ストレプトアビジン及びビオチ
    ンが、各々独立的に検出可能成分で標識したものである、請求項14に記載の方
    法。
  19. 【請求項19】 前記検出可能成分が、蛍光染料である、請求項18に記載
    の方法。
  20. 【請求項20】 前記蛍光染料が、フルオレセイン、ローダミン、テキサス
    レッド、Cy2、Cy3、Cy5、VECTORレッド、ELF(商標)(酵素
    標識フルオレセンス)、Cy0、Cy0.5、Cy1、Cy1.5、Cy3、C
    y3.5、Cy5、Cy7、FluorX、カルセイン、カルセイン−AM、C
    RYPTOFLUOR(商標)(オレンジ(42kDa)、タンジェリン(35
    kDa)、ゴールド(31kDa)、レッド(42kDa)、クリムソン(40
    kDa))、BHMP、BHDMAP、Br−オレゴン、ルシフェルイエロー、
    アレクサ染料類、N−[6−(7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾ
    ール−4−イル)アミノ]カプロイル](NBD)、BODIPY(商標)、ボ
    ロンジピロメテンジフルオリド、オレゴングリーン、MITOTRACKER(
    商標)レッド、DiOC(3)、DiIC18、フィコエリトリン、フィコビ
    リタンパク質BPE(240kDa)RPE(240kDa)CPC(264k
    Da)APC(104kDa)、スペクトルブルー、スペクトルアクア、スペク
    トルグリーン、スペクトルゴールド、スペクトルオレンジ、スペクトルレッド、
    NADH、NADPH、FAD、赤外(IR)染料、環状GDPリボース(cG
    DPR)、カルコフルオルホワイト、チロシン及びトリプトファンからなる群か
    ら選択されたものである、請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記検出可能成分が、非蛍光染料である、請求項18に記
    載の方法。
  22. 【請求項22】 前記非蛍光染料が、アルカリ性ホスファターゼ基質と、ホ
    ースラディッシュペルオキシダーゼ基質と、グルコースオキシダーゼ基質と、β
    −ガラクトシダーゼ基質とからなる群から選択されたものである、請求項21に
    記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記検出可能成分が、実質的に不溶性の呈色反応生成物を
    有する基質の比色反応を触媒する酵素である、請求項18に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記酵素が、アルカリ性ホスファターゼと、ホースラディ
    ッシュペルオキシダーゼと、β−ガラクトシダーゼと、グルコースオキシダーゼ
    とからなる群から選択されたものである、請求項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記基質が、アルカリ性ホスファターゼ基質と、ホースラ
    ディッシュペルオキシダーゼ基質と、β−ガラクトシダーゼ基質と、グルコース
    オキシダーゼ基質とからなる群から選択されたものである、請求項23に記載の
    方法。
  26. 【請求項26】 前記検出可能成分が、発光できるか、発光生成物を有する
    第二基質の第二反応を導くことができる、実質的に不溶性の反応生成物を有する
    基質の発光反応を触媒する酵素である、請求項18に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記酵素が、ルシフェラーゼとエクオリンとからなる群か
    ら選択されたものである、請求項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記第一基質及び前記第二基質が、各々独立的にルシフェ
    リンと、ATPと、コエレンテラジンと、Ca++とからなる群から選択された
    ものである、請求項26に記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記第一組織染色剤及び前記第二組織染色剤が、各々独立
    的に4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール、エオシン、フルオレセイ
    ンイソチオシアネート、ヘキスト33258、ヘキスト33342、プロピジウ
    ムヨーダイド、キナクリン、フルオレセインファロイジン、レゾルフィン、ヘマ
    トキシリン、オレンジG、ライトグリーンSF、ロマノフスキー−ギームザ、メ
    イ−グリュンワルド、ブルー対比染色剤、エチルグリーン、フォイルゲンナフト
    ールイエローS、ギームザ、メチレンブルー、メチルグリーン、ピロニン、ナフ
    トールイエロー、ニュートラルレッド、パパニコラウ染色剤、レッド対比染色剤
    C及びシリウスレッドからなる群から選択されたものである、請求項1に記載の
    方法。
  30. 【請求項30】 前記第一DNA倍数性染色剤及び前記第二DNA倍数性染
    色剤が、各々独立的にクロモマイシンA3、DAPI、アクリフラビン−フォイ
    ルゲン反応、オーラミンO−フォイルゲン反応、エチジウムブロミド、プロピジ
    ウムヨーダイド、高アフィニティDNA蛍光体、DNA結合タンパク質に融合し
    たグリーン蛍光タンパク質、ACMA、キナクリンオレンジ及びアクリジンオレ
    ンジ、フォイルゲン試薬、ガロシアニンクロムミョウバン、ガロシアニンクロム
    ミョウバン及びナフトールイエローS、メチルグリーンピロニンY並びにチオニ
    ン−フォイルゲン試薬からなる群から選択されたものである、請求項1に記載の
    方法。
  31. 【請求項31】 生物試料のインサイチュ分析方法であって、 (a)生物試料を、第一染色剤が第一免疫組織化学染色剤と、第一組織染色剤と
    、第一DNA倍数性染色剤とからなる群から選択されたものであり、第二染色剤
    が第二免疫組織化学染色剤と、第二組織染色剤と、第二DNA倍数性染色剤とか
    らなる群から選択されたものである、複数の染色剤で染色する工程であって、但
    し、 (i)前記第一染色剤が前記第一免疫組織化学染色剤である場合には、前記第
    二染色剤は、前記第二組織染色剤又は前記第二DNA倍数性染色剤であり、 (ii)前記第一染色剤が前記第一組織染色剤である場合には、前記第二染色
    剤は、前記第二免疫組織化学染色剤又は前記第二DNA倍数性染色剤であり、一
    方、 (iii)前記第一染色剤が前記第一DNA倍数性染色剤である場合には、前
    記第二染色剤は、前記第二免疫組織化学染色剤又は前記第二組織染色剤である、
    工程と、 (b)スペクトルデータ採取装置を用いて前記生物試料からスペクトルデータを
    採取する工程であって、前記スペクトルデータ採取装置と前記複数種の染色剤を
    、前記複数種の染色剤の各々に関連したスペクトル成分を採取できるように選択
    する工程と、 を含む方法。
  32. 【請求項32】 前記スペクトルデータ採取装置を、干渉計系スペクトルデ
    ータ採取装置と、フィルター系スペクトルデータ採取装置と、分散要素系スペク
    トルデータ採取装置とからなる群から選択されたものである、請求項31に記載
    の方法。
  33. 【請求項33】 前記第一免疫組織化学染色剤及び前記第二免疫組織化学染
    色剤が、各々独立的に一次抗体を含む、請求項31に記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記一次抗体が、抗エストロゲンレセプター抗体、抗プロ
    ゲステロンレセプター抗体、抗p53抗体、抗Her−2/neu抗体、抗EG
    FR抗体、抗カテプシンD抗体、抗Bcl−2抗体、抗Eカドヘリン抗体、抗C
    A125抗体、抗CA15−3抗体、抗CA19−9抗体、抗c−erbB−2
    抗体、抗P−糖タンパク質抗体、抗CEA抗体、抗網膜芽細胞腫タンパク質抗体
    、抗ras腫瘍タンパク質抗体、抗ルイスX抗体、抗Ki−67抗体、抗PCN
    A抗体、抗CD3抗体、抗CD4抗体、抗CD5抗体、抗CD7抗体、抗CD8
    抗体、抗CD9/p24抗体、抗CD10抗体、抗CD11c抗体、抗CD13
    抗体、抗CD14抗体、抗CD15抗体、抗CD19抗体、抗CD20抗体、抗
    CD22抗体、抗CD23抗体、抗CD30抗体、抗CD31抗体、抗CD33
    抗体、抗CD34抗体、抗CD35抗体、抗CD38抗体、抗CD41抗体、抗
    LCA/CD45抗体、抗CD45RO抗体、抗CD45RA抗体、抗CD39
    抗体、抗CD100抗体、抗CD95/Fas抗体、抗CD99抗体、抗CD1
    06抗体、抗ユビキチン抗体、抗CD71抗体、抗c−myc抗体、抗サイトケ
    ラチン抗体、抗ビメンチン抗体、抗HPVタンパク質抗体、抗カッパL鎖抗体、
    抗ラムダL鎖抗体、抗メラノソーム抗体、抗前立腺特異的抗原抗体、抗S−10
    0抗体、抗タウ抗原抗体、抗フィブリン抗体、抗ケラチン抗体及び抗Tn抗原抗
    体からなる群から選択されたものである、請求項33に記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記一次抗体が、検出可能成分で標識したものである、請
    求項33に記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記検出可能成分が、蛍光染料である、請求項35に記載
    の方法。
  37. 【請求項37】 前記蛍光染料が、フルオレセイン、ローダミン、テキサス
    レッド、Cy2、Cy3、Cy5、VECTORレッド、ELF(商標)(酵素
    標識フルオレセンス)、Cy0、Cy0.5、Cy1、Cy1.5、Cy3、C
    y3.5、Cy5、Cy7、FluorX、カルセイン、カルセイン−AM、C
    RYPTOFLUOR(商標)(オレンジ(42kDa)、タンジェリン(35
    kDa)、ゴールド(31kDa)、レッド(42kDa)、クリムソン(40
    kDa))、BHMP、BHDMAP、Br−オレゴン、ルシフェルイエロー、
    アレクサ染料類、N−[6−(7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾ
    ール−4−イル)アミノ]カプロイル](NBD)、BODIPY(商標)、ボ
    ロンジピロメテンジフルオリド、オレゴングリーン、MITOTRACKER(
    商標)レッド、DiOC(3)、DiIC18、フィコエリトリン、フィコビ
    リタンパク質BPE(240kDa)RPE(240kDa)CPC(264k
    Da)APC(104kDa)、スペクトルブルー、スペクトルアクア、スペク
    トルグリーン、スペクトルゴールド、スペクトルオレンジ、スペクトルレッド、
    NADH、NADPH、FAD、赤外(IR)染料、環状GDPリボース(cG
    DPR)、カルコフラワーホワイト、チロシン及びトリプトファンからなる群か
    ら選択されたものである、請求項36に記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記検出可能成分が、非蛍光染料である、請求項35に記
    載の方法。
  39. 【請求項39】 前記非蛍光染料が、重金属を含むものである、請求項38
    に記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記検出可能成分が、実質的に不溶性の呈色反応生成物を
    有する基質の比色反応を触媒する酵素である、請求項35に記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記酵素が、アルカリ性ホスファターゼと、ホースラディ
    ッシュペルオキシダーゼと、β−ガラクトシダーゼと、グルコースオキシダーゼ
    とからなる群から選択されたものである、請求項40に記載の方法。
  42. 【請求項42】 前記基質が、アルカリ性ホスファターゼ基質と、ホースラ
    ディッシュペルオキシダーゼ基質と、グルコースオキシダーゼ基質と、β−ガラ
    クトシダーゼ基質とからなる群から選択されたものである、請求項40に記載の
    方法。
  43. 【請求項43】 前記検出可能成分が、発光できるか、少なくとも一種の追
    加の基質との第二反応であり且つ発光生成物を有する第二反応と化学的に関わり
    合うことができる、実質的に不溶性の反応生成物を有する基質の発光反応を触媒
    する酵素である、請求項35に記載の方法。
  44. 【請求項44】 前記酵素が、アルカリ性ホスファターゼと、ホースラディ
    ッシュペルオキシダーゼと、β−ガラクトシダーゼと、グルコースオキシダーゼ
    とからなる群から選択されたものである、請求項43に記載の方法。
  45. 【請求項45】 前記第一基質及び前記少なくとも一種の追加の基質が、各
    々独立的にアルカリ性ホスファターゼ基質と、ホースラディッシュペルオキシダ
    ーゼ基質と、β−ガラクトシダーゼ基質と、グルコースオキシダーゼ基質とから
    なる群から選択されたものである、請求項43に記載の方法。
  46. 【請求項46】 前記第一免疫組織化学染色剤及び前記第二免疫組織化学染
    色剤が、各々独立的に一次抗体及びシグナル増幅機構を含む、請求項31に記載
    の方法。
  47. 【請求項47】 前記シグナル増幅機構が、前記一次抗体の定常部を結合で
    きる二次抗体と、前記一次抗体に接合されているビオチンを結合できるアビジン
    又はストレプトアビジンと、前記一次抗体に接合したアビジン又はストレプトア
    ビジンを結合できるビオチンとからなる群から選択されたものである、請求項4
    6に記載の方法。
  48. 【請求項48】 前記二次抗体、アビジン、ストレプトアビジン及びビオチ
    ンが、各々独立的に検出可能成分で標識したものである、請求項44に記載の方
    法。
  49. 【請求項49】 前記検出可能成分が、蛍光染料である、請求項48に記載
    の方法。
  50. 【請求項50】 前記蛍光染料が、フルオレセイン、ローダミン、テキサス
    レッド、Cy2、Cy3、Cy5、VECTORレッド、ELF(商標)(酵素
    標識フルオレセンス)、Cy0、Cy0.5、Cy1、Cy1.5、Cy3、C
    y3.5、Cy5、Cy7、FluorX、カルセイン、カルセイン−AM、C
    RYPTOFLUOR(商標)(オレンジ(42kDa)、タンジェリン(35
    kDa)、ゴールド(31kDa)、レッド(42kDa)、クリムソン(40
    kDa))、BHMP、BHDMAP、Br−オレゴン、ルシフェルイエロー、
    アレクサ染料類、N−[6−(7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾ
    ール−4−イル)アミノ]カプロイル](NBD)、BODIPY(商標)、ボ
    ロンジピロメテンジフルオリド、オレゴングリーン、MITOTRACKER(
    商標)レッド、DiOC(3)、DiIC18、フィコエリトリン、フィコビ
    リタンパク質BPE(240kDa)RPE(240kDa)CPC(264k
    Da)APC(104kDa)、スペクトルブルー、スペクトルアクア、スペク
    トルグリーン、スペクトルゴールド、スペクトルオレンジ、スペクトルレッド、
    NADH、NADPH、FAD、赤外(IR)染料、環状GDPリボース(cG
    DPR)、カルコフラワーホワイト、チロシン及びトリプトファンからなる群か
    ら選択されたものである、請求項49に記載の方法。
  51. 【請求項51】 前記検出可能成分が、非蛍光染料である、請求項48に記
    載の方法。
  52. 【請求項52】 前記非蛍光染料が、アルカリ性ホスファターゼ基質と、ホ
    ースラディッシュペルオキシダーゼ基質と、グルコースオキシダーゼ基質と、β
    −ガラクトシダーゼ基質とからなる群から選択されたものである、請求項51に
    記載の方法。
  53. 【請求項53】 前記検出可能成分が、実質的に不溶性の呈色反応生成物を
    有する基質の比色反応を触媒する酵素である、請求項48に記載の方法。
  54. 【請求項54】 前記酵素が、アルカリ性ホスファターゼと、ホースラディ
    ッシュペルオキシダーゼと、β−ガラクトシダーゼと、グルコースオキシダーゼ
    とからなる群から選択されたものである、請求項53に記載の方法。
  55. 【請求項55】 前記基質が、アルカリ性ホスファターゼ基質と、ホースラ
    ディッシュペルオキシダーゼ基質と、β−ガラクトシダーゼ基質と、グルコース
    オキシダーゼ基質とからなる群から選択されたものである、請求項53に記載の
    方法。
  56. 【請求項56】 前記検出可能成分が、発光できるか、発光生成物を有する
    第二基質の第二反応を導くことができる、実質的に不溶性の反応生成物を有する
    基質の発光反応を触媒する酵素である、請求項48に記載の方法。
  57. 【請求項57】 前記酵素が、ルシフェラーゼとエクオリンとからなる群か
    ら選択されたものである、請求項56に記載の方法。
  58. 【請求項58】 前記第一基質及び前記第二基質が、各々独立的にルシフェ
    リンと、ATPと、コエレンテラジンと、Ca++とからなる群から選択された
    ものである、請求項56に記載の方法。
  59. 【請求項59】 前記第一組織染色剤及び前記第二組織染色剤が、各々独立
    的に4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール、エオシン、フルオレセイ
    ンイソチオシアネート、ヘキスト33258、ヘキスト33342、プロピジウ
    ムヨーダイド、キナクリン、フルオレセインファロイジン、レゾルフィン、ヘマ
    トキシリン、オレンジG、ライトグリーンSF、ロマノフスキー−ギームザ、メ
    イ−グリュンワルド、ブルー対比染色剤、エチルグリーン、フォイルゲンナフト
    ールイエローS、ギームザ、メチレンブルー、メチルグリーン、ピロニン、ナフ
    トールイエロー、ニュートラルレッド、パパニコラウ染色剤、レッド対比染色剤
    C及びシリウスレッドからなる群から選択されたものである、請求項31に記載
    の方法。
  60. 【請求項60】 生物試料のインサイチュ分析方法であって、 (a)生物試料を、少なくとも4種の異なる免疫組織化学染色剤で染色する工程
    と、 (b)スペクトルデータ採取装置を用いて前記生物試料からスペクトルデータを
    採取する工程であって、前記スペクトルデータ採取装置と前記少なくとも4種の
    免疫組織化学染色剤を、前記少なくとも4種の免疫組織化学染色剤の各々に関連
    したスペクトル成分を採取できるように選択する工程と、 を含む方法。
  61. 【請求項61】 生物試料のインサイチュ分析方法であって、 (a)生物試料を、少なくとも一種の染色剤が免疫組織化学染色剤であり、少な
    くとも一種のさらなる染色剤が組織染色剤又はDNA倍数性染色剤である、少な
    くとも3種の染色剤で染色する工程と、 (b)スペクトルデータ採取装置を用いて前記生物試料からスペクトルデータを
    採取する工程であって、前記スペクトルデータ採取装置と前記少なくとも3種の
    染色剤を、前記少なくとも3種の染色剤の各々に関連したスペクトル成分を採取
    できるように選択する工程と、 を含む方法。
  62. 【請求項62】 生物試料のインサイチュ分析方法であって、 (a)生物試料を、第一染色剤が免疫組織化学染色剤であり、第二染色剤が組織
    染色剤であり、第三染色剤がDNA倍数性染色剤である、少なくとも3種の染色
    剤で染色する工程と、 (b)スペクトルデータ採取装置を用いて前記生物試料からスペクトルデータを
    採取する工程であって、前記スペクトルデータ採取装置と前記少なくとも3種の
    染色剤を、前記少なくとも3種の染色剤の各々に特異的に関連したスペクトル成
    分を採取できるように選択する工程と、 を含む方法。
  63. 【請求項63】 少なくとも4種の異なる免疫組織化学染色剤を含み、各免
    疫組織化学染色剤がそれぞれの細胞学的マーカーを染色するためのものであり、
    且つ各免疫組織化学染色剤がスペクトルデータ採取装置を用いて全ての他の免疫
    組織化学染色剤の存在下で個々に検出されることができるものである、免疫組織
    化学組成物。
JP2000562556A 1998-07-27 1999-07-23 細胞のインサイチュ分析方法 Pending JP2002521682A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/122,704 US6007996A (en) 1995-12-12 1998-07-27 In situ method of analyzing cells
US09/122,704 1998-07-27
PCT/US1999/016629 WO2000006774A1 (en) 1998-07-27 1999-07-23 In situ method of analyzing cells

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002521682A true JP2002521682A (ja) 2002-07-16
JP2002521682A5 JP2002521682A5 (ja) 2006-08-31

Family

ID=22404245

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000562556A Pending JP2002521682A (ja) 1998-07-27 1999-07-23 細胞のインサイチュ分析方法

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP1100966A4 (ja)
JP (1) JP2002521682A (ja)
AU (1) AU5123899A (ja)
IL (1) IL140851A0 (ja)
WO (1) WO2000006774A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005114147A1 (ja) * 2004-05-20 2005-12-01 Olympus Corporation 着色された光透過性の試料を撮像して得られた画像を処理する画像処理装置
JP2011179924A (ja) * 2010-02-26 2011-09-15 Olympus Corp 顕微鏡システム、標本観察方法およびプログラム
US8937653B2 (en) 2010-08-09 2015-01-20 Olympus Corporation Microscope system, specimen observing method, and computer-readable recording medium

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7151847B2 (en) 2001-02-20 2006-12-19 Cytokinetics, Inc. Image analysis of the golgi complex
US6743576B1 (en) 1999-05-14 2004-06-01 Cytokinetics, Inc. Database system for predictive cellular bioinformatics
US6651008B1 (en) 1999-05-14 2003-11-18 Cytokinetics, Inc. Database system including computer code for predictive cellular bioinformatics
US7218764B2 (en) 2000-12-04 2007-05-15 Cytokinetics, Inc. Ploidy classification method
US7016787B2 (en) 2001-02-20 2006-03-21 Cytokinetics, Inc. Characterizing biological stimuli by response curves
US6956961B2 (en) 2001-02-20 2005-10-18 Cytokinetics, Inc. Extracting shape information contained in cell images
DE60237242D1 (de) * 2002-11-07 2010-09-16 Fujitsu Ltd Hilfsverfahren, hilfsprogramm und hilfsvorrichtung zur bildanalyse
US7235353B2 (en) 2003-07-18 2007-06-26 Cytokinetics, Inc. Predicting hepatotoxicity using cell based assays
US20050014217A1 (en) 2003-07-18 2005-01-20 Cytokinetics, Inc. Predicting hepatotoxicity using cell based assays
GB2423988A (en) 2003-07-18 2006-09-13 Cytokinetics Inc Characterizing biological stimuli by response curves
US7323318B2 (en) 2004-07-15 2008-01-29 Cytokinetics, Inc. Assay for distinguishing live and dead cells
CN103384825B (zh) * 2010-12-23 2017-05-24 霍夫曼-拉罗奇有限公司 通过二价结合剂检测经翻译后修饰的多肽
WO2013179581A1 (ja) 2012-05-30 2013-12-05 パナソニック株式会社 画像計測装置、画像計測方法及び画像計測システム
US9459201B2 (en) 2014-09-29 2016-10-04 Zyomed Corp. Systems and methods for noninvasive blood glucose and other analyte detection and measurement using collision computing
US9554738B1 (en) 2016-03-30 2017-01-31 Zyomed Corp. Spectroscopic tomography systems and methods for noninvasive detection and measurement of analytes using collision computing
EP3907497B1 (en) * 2020-05-08 2023-08-02 Leica Microsystems CMS GmbH Apparatus and method for displaying and/or printing images of a specimen including a fluorophore
US20240230485A1 (en) * 2021-06-01 2024-07-11 Huimin Zhang Use of methylene blue and fluorescein sodium double-staining in live cell imaging

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4888278A (en) * 1985-10-22 1989-12-19 University Of Massachusetts Medical Center In-situ hybridization to detect nucleic acid sequences in morphologically intact cells
US4998284A (en) * 1987-11-17 1991-03-05 Cell Analysis Systems, Inc. Dual color camera microscope and methodology for cell staining and analysis
US5719024A (en) * 1993-08-18 1998-02-17 Applied Spectral Imaging Ltd. Method for chromosome classification by decorrelation statistical analysis and hardware therefore

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005114147A1 (ja) * 2004-05-20 2005-12-01 Olympus Corporation 着色された光透過性の試料を撮像して得られた画像を処理する画像処理装置
JP2005331394A (ja) * 2004-05-20 2005-12-02 Olympus Corp 画像処理装置
US7826648B2 (en) 2004-05-20 2010-11-02 Olympus Corporation Image processing apparatus which processes an image obtained by capturing a colored light-transmissive sample
JP2011179924A (ja) * 2010-02-26 2011-09-15 Olympus Corp 顕微鏡システム、標本観察方法およびプログラム
US9110305B2 (en) 2010-02-26 2015-08-18 Olympus Corporation Microscope cell staining observation system, method, and computer program product
US8937653B2 (en) 2010-08-09 2015-01-20 Olympus Corporation Microscope system, specimen observing method, and computer-readable recording medium

Also Published As

Publication number Publication date
IL140851A0 (en) 2002-02-10
EP1100966A4 (en) 2006-03-22
WO2000006774A1 (en) 2000-02-10
EP1100966A1 (en) 2001-05-23
AU5123899A (en) 2000-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1131631B1 (en) In situ method of analyzing cells
US6007996A (en) In situ method of analyzing cells
JP2002521682A (ja) 細胞のインサイチュ分析方法
JP2002521682A5 (ja)
JP6550433B2 (ja) 多重化組織用のデジタル的に強化された顕微鏡
US9240043B2 (en) Reproducible quantification of biomarker expression
JP4376058B2 (ja) 定量的ビデオ顕微鏡法とそれに関連するシステム及びコンピューターソフトウェアプログラム製品
US8655037B2 (en) Compartment segregation by pixel characterization using image data clustering
US20150065371A1 (en) Immunofluorescence and fluorescent-based nucleic acid analysis on a simgle sample
US8135187B2 (en) Method and apparatus for removing tissue autofluorescence
US20150141278A1 (en) Multiplexed assay method for lung cancer classification
JP2002296275A (ja) 少なくとも2種の異なる分子マーカーを同時に測定することによって腫瘍およびそれらの前駆体段階を検出する場合に臨床的特異性を増強する方法
CN116868054A (zh) 包括用一个或多个可检测部分标记的一种或多种生物标志物的染色生物学样本
US20120264110A1 (en) Automated pap screening using a plurality of biomarkers and multi-spectral imaging
Katzilakis et al. Spectral characteristics of acute lymphoblastic leukemia in childhood
WO2013179279A2 (en) Method and device for analyzing biological sample
Masin et al. Cytophotometric data on fluorochromed cervical cells
JP2024516380A (ja) 形態学的マーカー染色
Bacus et al. Dual wavelength imaging microdensitometry for immunocytochemical assays in microscopy
Frank Measuring Drug-DNA Adducts in Individual Cells

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060707

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090203

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090424

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090507

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090728