JP2002521049A - 感覚伝達に関与するgタンパク質共役型レセプターをコードする核酸 - Google Patents

感覚伝達に関与するgタンパク質共役型レセプターをコードする核酸

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JP2002521049A JP2000562389A JP2000562389A JP2002521049A JP 2002521049 A JP2002521049 A JP 2002521049A JP 2000562389 A JP2000562389 A JP 2000562389A JP 2000562389 A JP2000562389 A JP 2000562389A JP 2002521049 A JP2002521049 A JP 2002521049A
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チャールズ, エス. ザッカー,
ジョン, エリオット アドラー,
ユエルゲン リンデマイエル,
ニック ライバ,
マーク ホーン,
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THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF CARIFORNIA
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    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants

Abstract

(57)【要約】 本発明は、感覚細胞特異的Gタンパク質共役型レセプターの単離された核酸およびアミノ酸配列、このようなレセプターに対する抗体、このような核酸およびレセプターを検出する方法、ならびに感覚細胞特異的Gタンパク質共役型レセプターのモジュレーターのスクリーニング方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願の相互参照) 本出願は、1998年7月28日出願のUSSN60/094,464(その
全体が本明細書中に参考として援用される)に対して優先権を主張する。
【0002】 (連邦政府助成の研究および開発についての声明) 本発明は、国立衛生研究所(National Institutes of
Health)によって授与された助成金番号5R01DC03160の下、
米国政府の支援によってなされた。米国政府は、本発明に一定の権利を有する。
【0003】 (発明の分野) 本発明は、感覚細胞特異的Gタンパク質共役型レセプターの単離された核酸配
列およびアミノ酸配列、このようなレセプターに対する抗体、このような核酸お
よびレセプターを検出する方法、ならびに感覚細胞特異的Gタンパク質共役型レ
セプターのモジュレーターをスクリーニングする方法を提供する。
【0004】 (発明の背景) 味覚伝達は、動物における化学伝達の最も洗練された形態の1つである(例え
ば、Margolskee,BioEssays 15:645−650(19
93);AvenetおよびLindemann,J.Membrane Bi
ol.112:1−8(1989)を参照のこと)。味覚シグナル伝達は、単純
な後生動物から最も複雑な脊椎動物までの動物界全体に見出され;その主な目的
は、不揮発性のリガンドに対する確かなシグナル伝達応答を提供することである
。これらの様式の各々は、レセプターまたはチャネルによって媒介される異なる
シグナル伝達経路によって媒介され、レセプター細胞の脱分極、レセプター電位
または活動電位の発生、および味覚求心性ニューロンシナプスでの神経伝達物質
の放出をもたらすと考えられる(例えば、Roper,Ann.Rev.Neu
rosci.12:329−353(1989)を参照のこと)。
【0005】 哺乳動物は、5つの基本的な味覚様式:甘味、苦味、酸味、辛味および旨味(
unami)(グルタミン酸ナトリウムの味)を有すると考えられている(例え
ば、KawamuraおよびKare,Introduction to Un
ami:A Basic Taste(1987);KinnamonおよびC
ummings,Ann.Rev.Physiol.54:715−731(1
992);Lindemann,Physiol.Rev.76:718−76
6(1996);Stewartら、Am.J.Physiol.272:1−
26(1997)を参照のこと)。ヒトにおける広範な精神物理学的研究は、舌
の異なる領域が、異なる味覚の嗜好性を提示することを報告している(例えば、
Hoffmann,Menchen.Arch.Path.Anat.Phys
iol.62:516−530(1875);Bradleyら、Anatom
ical Record 212:246−249(1985);Miller
およびReedy,Physiol.Behav.47:1213−1219(
1990)を参照のこと)。また、動物における多くの生理学的研究は、味覚レ
セプター細胞が、異なる味覚物質(tastant)に選択的に応答し得ること
を示している(例えば、Akabasら、Science 242:1047−
1050(1988);Gilbertsonら、J.Gen.Physiol
.100:803−24(1992);Bernhardtら、J.Physi
ol.490:325−336(1996);Cummingsら、J.Neu
rophysiol.75:1256−1263(1996)を参照のこと)。
【0006】 哺乳動物において、味覚レセプター細胞は、舌上皮中の異なる乳頭内に分散さ
れる味蕾に集結される。有郭乳頭(舌のちょうど背部に見出される)は、100
個(マウス)〜1000個(ヒト)の味蕾を含み、特に、苦味物質に感受性であ
る。葉状乳頭(舌の後部側縁に局在する)は、何万もの味蕾を含み、特に、酸味
物質および苦味物質に感受性である。単一または2、3個の味蕾を含む茸状乳頭
は、舌の前部に存在し、そして多くの甘味の味覚様式を媒介すると考えられる。
【0007】 各々の味蕾は、種に依存して、50〜150の細胞を含み、これらには、前駆
細胞、支持細胞、および味覚レセプター細胞が挙げられる(例えば、Linde
mann,Physiol.Rev.76:718−766(1996)を参照
のこと)。レセプター細胞は、脳幹および視床におけるシナプスを通って皮質の
味覚中枢に情報を伝達する、求心性神経終末によってこれらの基部で神経支配さ
れる。味覚細胞のシグナル伝達および情報処理の機構を解明することは、味覚の
機能、調節、および「認識」を理解するために重要である。
【0008】 味覚細胞機能の精神物理学および生理学について多くのことが知られているが
、これらの感覚シグナル伝達応答を媒介する分子および経路については、ほとん
ど知られていない(Gilbertson,Current Opn.in N
eurobiol.3:532−539(1993)に論評される)。電気生理
学的研究は、酸味および辛味の味覚物質が、細胞の先端表面上の特異化された膜
チャネルを通るH+イオンおよびNa+イオンの直接的な進入によって、味覚細胞
機能を調節することを示唆する。酸味化合物の場合、味覚細胞の脱分極は、K+
チャネルのH+ブロック(例えば、Kinnamonら、Proc.Nat’l
Acad.Sci.USA 85:7023−7027(1988)を参照の
こと)またはpH感受性チャネルの活性化(例えば、Gilbertsonら、
J.Gen.Physiol.100:803−24(1992)を参照のこと
)から生じることが仮説され;塩の伝達は、アミロライド感受性Na+チャネル
を介するNa+の進入によって、部分的に媒介され得る(例えば、Heckら、
Science 223:403−405(1984);Brandら、Bra
in Res.207−214(1985);Avenetら、Nature
331:351−354(1988)を参照のこと)。
【0009】 甘味、苦味および旨味の伝達は、Gタンパク質共役型レセプター(GPCR)
シグナル伝達経路によって媒介されると考えられる(例えば、Striemら、
Biochem.J.260:121−126(1989);Chaudhar
iら、J.Neuros.16:3817−3826(1996);Wongら
、Nature 381:796−800(1996)を参照のこと)。紛らわ
しくも、甘味および苦味の伝達のためのシグナル伝達経路の多くのモデルが存在
するのと同様に、GPCRカスケードのための多くのエフェクター酵素(例えば
、Gタンパク質サブユニット、cGMPホスホジエステラーゼ、ホスホリパーゼ
C、アデニル酸シクラーゼ;例えば、KinnamonおよびMargolsk
ee、Curr.Opin.Neurobiol.6:506−513(199
6)を参照のこと)が存在する。しかし、味覚伝達に関与する特異的な膜レセプ
ター、または個々の味覚伝達経路によって活性化される多くの個々の細胞内シグ
ナル伝達分子については、ほとんど知られていない。苦味のアンタゴニスト、甘
味のアゴニスト、ならびに辛味および酸味の味覚のモジュレーターのための、多
くの薬理学的適用および食品産業的適用を考えれば、このような分子の同定は、
重要である。
【0010】 味覚レセプター(味覚イオンチャネルを含む)、および味覚シグナル伝達分子
(例えば、Gタンパク質サブユニットおよびシグナル伝達に関与する酵素)の同
定ならびに単離は、味覚伝達経路の薬理学的および遺伝的調節を可能にする。例
えば、レセプターおよびチャネル分子の有効性は、味覚細胞活性の高親和性のア
ゴニスト、アンタゴニスト、逆アゴニストおよびモジュレーターをスクリーニン
グすることを可能にする。次いで、このような味覚調節化合物は、製薬産業およ
び食品産業において、食味をカスタマイズするために使用される。さらに、この
ような味覚細胞特異的分子は、舌の味覚細胞と脳の味覚中枢へと導く味覚感覚ニ
ューロンとの間の関係を解明する、味覚の組織分布地図を作製する貴重なツール
として役立ち得る。
【0011】 (発明の要旨) 従って、本発明が、初めて、味覚細胞特異的Gタンパク質共役型レセプターを
コードする核酸を提供する。これらの核酸およびこれらがコードするポリペプチ
ドは、Gタンパク質共役型レセプター(「GPCR」)B3については「GPC
R−B3」と呼ばれる。これらの味覚細胞特異的GPCRは、味覚伝達経路の構
成要素である。
【0012】 1つの局面において、本発明は、感覚伝達Gタンパク質共役型レセプターをコ
ードする単離された核酸を提供し、このレセプターは、配列番号1、配列番号2
、または配列番号3のアミノ酸配列に対して約70%を超えるアミノ酸同一性を
含む。
【0013】 1つの実施態様において、核酸は、配列番号4、配列番号5、または配列番号
6のヌクレオチド配列を含む。別の実施態様において、核酸は、ストリンジェン
トなハイブリダイゼーション条件下で、以下:IAWDWNGPKW(配列番号
7)およびLPENYNEAKC(配列番号8)からなる群より選択されるアミ
ノ酸配列をコードする縮重プライマーセットと同じ配列に選択的にハイブリダイ
ズするプライマーによって増幅される。
【0014】 別の局面において、本発明は、配列番号4、配列番号5、または配列番号6の
配列を有する核酸に、高度にストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイ
ズする、感覚伝達Gタンパク質共役型レセプターをコードする単離された核酸を
提供する。
【0015】 別の局面において、本発明は、感覚伝達Gタンパク質共役型レセプターをコー
ドする単離された核酸を提供し、このレセプターは、配列番号1、配列番号2、
または配列番号3の配列を有するポリペプチドに対して約70%を超えるアミノ
酸同一性を含み、ここで、上記の核酸は、配列番号4、配列番号5、または配列
番号6のヌクレオチド配列に、中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーシ
ョン条件下で選択的にハイブリダイズする。
【0016】 別の局面において、本発明は、感覚伝達Gタンパク質共役型レセプターの細胞
外ドメインをコードする単離された核酸を提供し、この細胞外ドメインは、配列
番号1の細胞外ドメインに対して約70%を超えるアミノ酸配列同一性を有する
【0017】 別の局面において、本発明は、感覚伝達Gタンパク質共役型レセプターの膜貫
通ドメインをコードする単離された核酸を提供し、この膜貫通ドメインは、配列
番号1の膜貫通ドメインに対して約70%を超えるアミノ酸配列同一性を含む。
【0018】 別の局面において、本発明は、単離された感覚伝達Gタンパク質共役型レセプ
ターを提供し、このレセプターは、配列番号1、配列番号2、または配列番号3
のアミノ酸配列に対して、約70%を超えるアミノ酸配列同一性を含む。
【0019】 1つの実施態様において、このレセプターは、配列番号1、配列番号2、また
は配列番号3に対して生成されたポリクローナル抗体に特異的に結合する。別の
実施態様において、このレセプターは、Gタンパク質共役型レセプター活性を有
する。別の実施態様において、このレセプターは、配列番号1、配列番号2、ま
たは配列番号3のアミノ酸配列を有する。別の実施態様において、このレセプタ
ーは、ヒト、ラット、またはマウス由来である。
【0020】 1つの局面において、本発明は、感覚伝達Gタンパク質共役型レセプターの細
胞外ドメインを含む単離されたポリペプチドを提供し、この細胞外ドメインは、
配列番号1の細胞外ドメインに対して、約70%を超えるアミノ酸配列同一性を
含む。
【0021】 1つの実施態様において、このポリペプチドは、配列番号1の細胞外ドメイン
をコードする。別の実施態様において、この細胞外ドメインは、異種ポリペプチ
ドに共有結合されて、キメラポリペプチドを形成する。
【0022】 1つの局面において、本発明は、感覚伝達Gタンパク質共役型レセプターの膜
貫通ドメインを含む単離されたポリペプチドを提供し、この膜貫通ドメインは、
配列番号1の膜貫通ドメインに対して約70%を超えるアミノ酸配列同一性を含
む。
【0023】 1つの実施態様において、このポリペプチドは、配列番号1の膜貫通ドメイン
をコードする。別の実施態様において、このポリペプチドは、配列番号1の細胞
質ドメインに対して約70%を超えるアミノ酸同一性を含む細胞質ドメインをさ
らに含む。別の実施態様において、このポリペプチドは、配列番号1の細胞質ド
メインをコードする。別の実施態様において、この膜貫通ドメインは、異種ポリ
ペプチドに共有結合されて、キメラポリペプチドを形成する。別の実施態様にお
いて、このキメラポリペプチドは、Gタンパク質共役型レセプター活性を有する
【0024】 1つの局面において、本発明は、配列番号1、配列番号2、または配列番号3
のアミノ酸配列に対して約70%を超えるアミノ酸配列同一性を含むレセプター
に選択的に結合する抗体を提供する。
【0025】 別の局面において、本発明は、配列番号1、配列番号2、または配列番号3の
アミノ酸配列に対して約70%を超えるアミノ酸配列同一性を含むポリペプチド
をコードする核酸を含む発現ベクターを提供する。
【0026】 別の局面において、本発明は、この発現ベクターでトランスフェクトされた宿
主細胞を提供する。
【0027】 別の局面において、本発明は、感覚細胞において感覚シグナル伝達を調節する
化合物を同定するための方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(
i)化合物を感覚伝達Gタンパク質共役型レセプターの細胞外ドメインを含むポ
リペプチドに接触させる工程であって、この細胞外ドメインは、配列番号1、配
列番号2、または配列番号3の細胞外ドメインに対して約70%を超えるアミノ
酸配列同一性を含む、工程;および(ii)この細胞外ドメインに対するこの化
合物の機能的効果を決定する工程。
【0028】 別の局面において、本発明は、感覚細胞において感覚シグナル伝達を調節する
化合物を同定するための方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(
i)化合物を感覚伝達Gタンパク質共役型レセプターの細胞外ドメインを含むポ
リペプチドに接触させる工程であって、この膜貫通ドメインは、配列番号1、配
列番号2、または配列番号3の膜貫通ドメインに対して約70%を超えるアミノ
酸配列同一性を含む、工程;および(ii)この膜貫通ドメインに対するこの化
合物の機能的効果を決定する工程。
【0029】 1つの実施態様において、このポリペプチドは、感覚伝達Gタンパク質共役型
レセプターであり、このレセプターは、配列番号1、配列番号2、または配列番
号3をコードするポリペプチドに対して約70%を超えるアミノ酸同一性を含む
。別の実施態様において、ポリペプチドは、異種ポリペプチドと共有結合されて
、キメラポリペプチドを形成する細胞外ドメインを含む。別の実施態様において
、このポリペプチドは、Gタンパク質共役型レセプター活性を有する。別の実施
態様において、この細胞外ドメインは、固相に、共有結合的または非共有結合的
のいずれかで結合される。別の実施態様において、この機能的効果は、細胞内の
cAMP、IP3、またはCa2+の変化を測定することによって決定される。別
の実施態様において、この機能的効果は、化学的効果である。別の実施態様にお
いて、この機能的効果は、物理的効果である。別の実施態様において、この機能
的効果は、細胞外ドメインと化合物との結合を測定することによって決定される
。別の実施態様において、このポリペプチドは、組換え体である。別の実施態様
において、このポリペプチドは、細胞または細胞膜において発現される。別の実
施態様において、この細胞は、真核生物細胞である。
【0030】 1つの実施態様において、このポリペプチドは、異種ポリペプチドに共有結合
されて、キメラポリペプチドを形成する膜貫通ドメインを含む。
【0031】 1つの局面において、本発明は、感覚伝達Gタンパク質共役型レセプターを作
製する方法を提供し、この方法は、このレセプターをコードする核酸を含む組換
え発現ベクターからこのレセプターを発現させる工程を包含し、ここで、このレ
セプターのアミノ酸配列は、配列番号1、配列番号2、または配列番号3の配列
を有するポリペプチドに対して約70%を超えるアミノ酸同一性を含む。
【0032】 1つの局面において、本発明は、感覚伝達Gタンパク質共役型レセプターを含
む組換え細胞を作製する方法を提供し、この方法は、このレセプターをコードす
る核酸を含む発現ベクターで細胞を形質導入する工程を包含し、ここで、このレ
セプターのアミノ酸配列は、配列番号1、配列番号2、または配列番号3の配列
を有するポリペプチドに対して約70%を超えるアミノ酸同一性を含む。
【0033】 1つの局面において、本発明は、感覚伝達Gタンパク質共役型レセプターをコ
ードする核酸を含む組換え発現ベクターを作製する方法を提供し、この方法は、
このレセプターをコードする核酸を発現ベクターに連結させる工程を包含し、こ
こで、このレセプターのアミノ酸配列は、配列番号1、配列番号2または配列番
号3の配列を有するポリペプチドに対して約70%を超えるアミノ酸同一性を含
む。
【0034】 (発明の詳細な説明) (I.序論) 本発明は、初めて、味覚細胞特異的Gタンパク質共役型レセプターをコードす
る核酸を提供する。これらの核酸およびこれらがコードするレセプターは、Gタ
ンパク質共役型レセプターについては「GPCR」と称し、GPCR−B3と命
名される。これらの味覚細胞特異的GPCRは、味覚伝達経路の構成要素である
。これらの核酸は、この核酸が味覚細胞中で特異的に発現されるので、味覚細胞
の同定のために有益なプローブを提供する。例えば、GPCRポリペプチドおよ
びタンパク質に対するプローブは、味覚細胞のサブセット(例えば、葉状細胞お
よび有郭細胞、または特定の味覚レセプター細胞(例えば、甘味、酸味、辛味お
よび苦味))を同定するために使用され得る。これらはまた、舌の味覚細胞と脳
の味覚中枢へと導く味覚感覚ニューロンとの間の関係を解明する、味覚の組織分
布地図を作製する貴重なツールとして役立つ。さらに、核酸およびそれらがコー
ドするタンパク質は、味覚誘導される挙動を分析するためのプローブとして使用
され得る。
【0035】 本発明はまた、これらの新規な味覚細胞GPCRのモジュレーター(例えば、
アクチベーター、インヒビター、刺激因子、エンハンサー、アゴニストおよびア
ンタゴニスト)をスクリーニングする方法を提供する。味覚伝達のこのようなモ
ジュレーターは、味覚シグナル伝達経路の薬理学的調節および遺伝的調節に有用
である。これらのスクリーニング方法は、味覚細胞活性の高親和性のアゴニスト
およびアンタゴニストを同定するために使用され得る。次いで、このような調節
化合物は、食品産業および製薬産業において、食味をカスタマイズするため使用
される。従って、本発明は、味覚の調節についてのアッセイを提供し、ここで、
GPCR−B3は、味覚伝達に対するモジュレーターの効果についての、直接的
または間接的なレポーター分子として作用する。GPCRは、例えば、イオン濃
度、膜電位、電流、イオン流(ion flux)、転写、シグナル伝達、レセ
プター−リガンド相互作用、セカンドメッセンジャー濃度における変化を、イン
ビトロ、インビボおよびエキソビボで測定するために、アッセイにおいて使用さ
れ得る。1つの実施態様において、GPCR−B3は、第2のレポーター分子(
例えば、緑色蛍光タンパク質)への結合を介して、間接的なレポーターとして使
用され得る(例えば、MistiliおよびSpector,Nature B
iotechnology 15:961−964(1997)を参照のこと)
。別の実施態様において、GPCR−B3は、細胞中で組換え的に発現され、そ
してGPCR活性を介する味覚伝達の調節が、Ca2+レベルにおける変化を測定
することによってアッセイされる。
【0036】 味覚伝達のモジュレーターについてアッセイする方法はとしては、以下が挙げ
られる:GPCR−B3、それらの部分(例えば、細胞外ドメイン)、またはキ
メラタンパク質(GPCR−B3の1つ以上のドメインを含む)を使用するイン
ビトロリガンド結合アッセイ、卵母細胞GPCR−B3発現;組織培養細胞GP
CR−B3発現;GPCR−B3の転写活性化;GPCRのリン酸化および脱リ
ン酸化;GPCRへのG−タンパク質の結合;リガンド結合アッセイ;電位、膜
電位および膜コンダクタンスの変化;イオン流アッセイ;細胞内セカンドメッセ
ンジャー(例えば、cAMPおよびイノシトール三リン酸)における変化;細胞
内カルシウムレベルにおける変化;および神経伝達物質の放出。
【0037】 最後に、本発明は、GPCR−B3の核酸およびタンパク質発現を検出する方
法を提供し、これらは、味覚伝達調節および味覚レセプター細胞の特異的同定を
可能にする。GPCR−B3はまた、父系調査および法医学的調査のための有用
な核酸プローブを提供する。GPCR−B3は、味覚レセプター細胞の亜集団(
例えば、葉状、茸状および有郭の味覚レセプター細胞)を同定するための、有用
な核酸プローブである。GPCR−B3レセプターはまた、味覚レセプター細胞
の同定に有用なモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を作製するための
使用され得る。味覚レセプター細胞は、以下のような技術を使用して同定され得
る:mRNAの逆転写および増幅、全RNAまたはポリA+RNAの単離、ノー
ザンブロッティング、ドットブロッティング、インサイチュハイブリダイゼーシ
ョン、RNaseプロテクション、S1消化、DNAマイクロチップアレイの走
査、ウェスタンブロットなど。
【0038】 機能的に、GPCR−B3は、味覚伝達に関与する7回膜貫通Gタンパク質共
役型レセプターを示し、これは味覚シグナル伝達を媒介するGタンパク質と相互
作用する(例えば、Fong、Cell Signal 8:217(1996
);Baldwin、Curr.Opin.Cell Biol.6:180(
1994)を参照のこと)。
【0039】 構造的に、GPCR−B3のヌクレオチド配列(例えば、配列番号4〜6(そ
れぞれ、ラット、マウスおよびヒトから単離された)を参照のこと)は、約84
0アミノ酸のポリペプチドをコードし、このポリペプチドは、約97kDaの推
定分子量および92〜102kDaの推定範囲を有する(例えば、配列番号1〜
3を参照のこと)。他の種由来の関連するGPCR−B3遺伝子は、少なくとも
約25アミノ酸長、必要に応じて、50〜100アミノ酸長のアミノ酸領域にわ
たって、少なくとも約70%のアミノ酸同一性を共有する。GPCR−B3は、
葉状細胞および茸状細胞において特に発現され、舌の有郭味覚レセプター細胞に
おいてより低く発現される。GPCR−B3は、オリゴ−dTプライムした有郭
cDNAライブラリー由来の約1/150,000のcDNAに見出される中程
度に希少な配列である(実施例1を参照のこと)。
【0040】 本発明はまた、配列番号1に示される以下のGPCR−B3の多型性改変体を
提供する:改変体#1、アミノ酸33位のロイシン酸残基がイソロイシン残基で
置換されている;改変体#2、アミノ酸84位のグルタミン酸残基がアスパラギ
ン酸残基で置換されている;および改変体#3、アミノ酸90位のアラニン残基
がグリシン残基で置換されている。
【0041】 GPCR−B3のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列の特定の領域は、GP
CR−B3の多型性改変体、種間ホモログおよび対立遺伝子を同定するために使
用され得る。この同定は、インビトロで(例えば、ストリンジェントハイブリダ
イゼーション条件下またはPCR(配列番号7〜8をコードするプライマーを使
用する)および配列決定)なされ得るか、または他のヌクレオチド配列との比較
のためにコンピューターシステム中の配列情報を使用することによってなされ得
る。代表的に、GPCR−B3の多型性改変体および対立遺伝子の同定は、約2
5アミノ酸またはより多く(例えば、50〜100)のアミノ酸のアミノ酸配列
を比較することによってなされる。少なくとも約70%以上、必要に応じて80
%または90〜95%以上のアミノ酸同一性は、代表的に、タンパク質が、GP
CR−B3の多型性改変体、種間ホモログまたは対立遺伝子であることを実証す
る。配列比較は、以下に議論される配列比較アルゴリズムのいずれかを使用して
実施される。GPCR−B3またはその保存領域に特異的に結合する抗体もまた
、対立遺伝子、種間ホモログおよび多型性改変体を同定するために使用され得る
【0042】 GPCR−B3の多型性改変体、種間ホモログおよび対立遺伝子は、推定GP
CR−B3ポリペプチドの味覚細胞特異的発現を試験することによって確認され
る。代表的に、配列番号1〜3のアミノ酸配列を有するGPCR−B3は、GP
CR−B3の多型性改変体または対立遺伝子の同定を実施するために、推定GP
CR−B3タンパク質との比較におけるポジティブコントロールとして使用され
る。この多型性改変体、対立遺伝子および種間ホモログは、Gタンパク質共役型
レセプターの7回膜貫通構造を保持すると予測されている。
【0043】 GPCR−B3のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列の情報はまた、コンピ
ューターシステムにおいて味覚細胞特異的ポリペプチドのモデルを構築するため
に使用される。これらのモデルは、GPCR−B3を活性化または阻害し得る化
合物を同定するために、連続的に使用される。GPCR−B3の活性を調節する
このような化合物は、味覚伝達におけるGPCR−B3の役割を研究するために
使用され得る。
【0044】 GPCR−B3の単離は、Gタンパク質共役型レセプター味覚伝達のインヒビ
ターおよびアクチベーターについてアッセイするための方法を、初めて提供する
。生物学的に活性なGPCR−B3は、例えば、以下を測定するインビボ発現お
よびインビトロ発現を使用して、味覚伝達物質としてのGPCR−B3のインヒ
ビターおよびアクチベーターを試験するために有用である:GPCR−B3の転
写活性化;リガンド結合;リン酸化および脱リン酸化;G−タンパク質への結合
;G−タンパク質活性化;調節分子結合;電位、膜電位および膜コンダクタンス
の変化;イオン流;細胞内セカンドメッセンジャー(例えば、cAMPおよびイ
ノシトール三リン酸);細胞内カルシウムレベル;および神経伝達物質の放出。
GPCR−B3を使用して同定されるこのようなアクチベーターおよびインヒビ
ターは、味覚伝達をさらに研究するため、および特異的な味覚アゴニストおよび
アンタゴニストを同定するために使用され得る。このようなアクチベーターおよ
びインヒビターは、食味をカスタマイズするために薬剤および食品剤として使用
される。
【0045】 GPCR−B3核酸およびGPCR−B3の発現を検出する方法はまた、味覚
細胞を同定するために、ならびに舌および舌の味覚レセプター細胞の脳の味覚感
覚ニューロンに対する関係の組織分布地図を作製するために有用である。ヒトG
PCR−B3をコードする遺伝子の染色***置決定は、GPCR−B3によって
引き起こされ、そして関連する疾患、変異および形質を同定するために使用され
得る。
【0046】 (II.定義) 本明細書中で使用される場合、以下の用語は、他で特定されない限り、これら
に与えられた意味を有する。
【0047】 「味覚レセプター細胞」は、舌の味蕾を形成するためのグループ(例えば、葉
状細胞、茸状細胞および有郭細胞)へと組織化される、神経上皮細胞である(例
えば、Roperら、Ann.Rev.Neurosci.12:329−35
3(1989)を参照のこと)。
【0048】 「GPCR−B3」(また「TR1」と呼ばれる)とは、葉状細胞、茸状細胞
および有郭細胞のような味覚レセプター細胞において、特異的に発現されるGタ
ンパク質共役型レセプターをいう(例えば、Hoonら、Cell 96:54
1〜551(1999)を参照のこと、これはその全体において参考として援用
される)。このような味覚細胞は、それらが特異的分子(例えば、ガストデュー
シン(味覚細胞特異的Gタンパク質))を発現するので、これらの細胞が同定さ
れ得る(McLaughinら、Nature 357:563−569(19
92))。味覚レセプター細胞はまた、形態に基づいて同定され得る(例えば、
Roper、前出を参照のこと)。
【0049】 GPCR−B3は、「Gタンパク質共役型レセプター活性」を有する7つの膜
貫通領域を有するGPCRをコードする。例えば、これらは、細胞外刺激に応答
してGタンパク質に結合し、そして酵素(例えば、ホスホリパーゼCおよびアデ
ニレートシクラーゼ)の刺激を介して、セカンドメッセンジャー(例えば、IP
3、cAMP、およびCa2+)の産生を促進する(例えば、GPCRの構造およ
び機能の説明については、Fong、前出およびBaldwin、前出を参照の
こと)。
【0050】 従って、用語GPCR−B3とは、(1)配列番号1〜3に対して約25アミ
ノ酸、必要に応じて50〜100アミノ酸のウインドウにわたり、約70%のア
ミノ酸配列同一性、必要に応じて、約75%、80%、85%、90%または9
5%のアミノ酸配列同一性を有するか;(2)配列番号1〜3からなる群より選
択されるアミノ酸配列およびその保存的に改変された改変体を含む免疫原に対し
て惹起される抗体に結合するか;(3)配列番号4〜6からなる群より選択され
る配列およびその保存的に改変された改変体に、高度にストリンジェントなハイ
ブリダイゼーション条件下で、特異的にハイブリダイズする(少なくとも約50
0、必要に応じて少なくとも約900ヌクレオチドのサイズで)か;または(4
)配列番号7〜8をコードする縮重プライマーセットと同じ配列に、ストリンジ
ェントなハイブリダイゼーション条件下で、特異的にハイブリダイズするプライ
マーによって増幅される、多型性改変体、対立遺伝子変異体および種間ホモログ
をいう。
【0051】 位相幾何学的に、感覚GPCRは、N末端「細胞外ドメイン」、「膜貫通ドメ
イン」(7つの膜貫通領域および対応する細胞質ループおよび細胞外ループを含
む)、およびC末端「細胞質ドメイン」を有する(図1を参照のこと;Hoon
ら、Cell 96:541〜551(1999);Buck&Axel、Ce
ll 65:175〜187(1991)もまた参照のこと)。これらのドメイ
ンは、当業者に公知の方法(例えば、疎水性ドメインおよび親水性ドメインを同
定する配列分析プログラム(例えば、Kyte&Doolittle、J.Mo
l.Biol.157:105〜132(1982))を用いて構造的に同定さ
れ得る。そのようなドメインは、キメラタンパク質を作製するために、および本
発明のインビトロアッセイのために有用である。
【0052】 従って、「細胞外ドメイン」とは、細胞膜から突出し、そして細胞外リガンド
に結合するGPCR−B3のドメインをいう。この領域は、N末端で始まり、そ
してアミノ酸563位のプラスまたはマイナス約20アミノ酸で保存されたグル
タミン酸でおおよそ終わる。配列番号1のアミノ酸1〜580(ATG開始因子
メチオニンコドンで開始するヌクレオチド1を有するヌクレオチド1〜1740
;図1もまた参照のこと)に対応する領域は、膜貫通ドメインにわずかに伸長す
る細胞外ドメインの1つの実施態様である。この実施態様は、インビトロでのリ
ガンド結合アッセイ、液相および固相の両方で有用である。
【0053】 「膜貫通ドメイン」は、7つの膜貫通領域ならびに対応する細胞質ループおよ
び細胞外ループを含み、GPCR−B3のドメインという。これは、アミノ酸5
63位プラスまたはマイナス約20アミノ酸で保存されるグルタミン酸残基にて
ほぼ開始し、そして812位プラスまたはマイナス約10アミノ酸で保存される
チロシンアミノ酸残基にてほぼ終了する。
【0054】 「細胞質ドメイン」とは、812位プラスまたはマイナス約10アミノ酸で保
存されるチロシンアミノ酸残基にて開始し、そしてポリペプチドのC末端まで続
く。
【0055】 本明細書中に使用される「生物学的サンプル」は、GPCR−B3またはGP
CR−B3タンパク質をコードする核酸を含む、生物学的組織または体液のサン
プルである。このようなサンプルとしては、ヒト、マウス、およびラット(特に
、舌(ton))から単離された組織が挙げられるが、これらに限定されない。
生物学的サンプルはまた、組織学的目的のために採取された凍結切片のような、
組織の切片を含み得る。生物学的サンプルは、代表的には、昆虫、原生動物、鳥
類、魚類、は虫類、および好ましくは哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウシ
、イヌ、モルモットまたはウサギ)、および最も好ましくは、霊長類(例えば、
チンパンジーおよびヒト)のような、真核生物生物体から獲得される。組織とし
ては、舌組織、単離された味蕾、および精巣(testis)組織が挙げられる
【0056】 「GPCR活性」とは、GPCRがシグナルを伝達する能力をいう。このよう
な活性は、GPCR(または、キメラGPCR)をGタンパク質または不規則な
Gタンパク質(例えば、Gα15)のいずれか、および酵素(例えば、PLC)
に結合させて、そして(OffermanおよびSimon,J.Biol.C
hem.270:15175−15180(1995))を使用して、細胞内カ
ルシウムの増加を測定することによって、異種細胞において測定され得る。レセ
プター活性は、蛍光Ca2+指標色素および蛍光定量的画像を使用して、[Ca2+iにおけるリガンド誘導性の変化を記録することによって、効果的に測定され
得る。必要に応じて、本発明のポリペプチドは、感覚伝達、必要に応じて味覚細
胞における味覚伝達に関与する。
【0057】 GPCR−B3媒介味覚伝達を調節する化合物を試験するためのアッセイの文
脈における、句「機能的効果」には、レセプターの影響下で、間接的もしくは直
接的であるいずれかのパラメーターの決定(例えば、機能的、物理的または化学
的効果)を含む。これは、リガンド結合を含み、イオン流、膜電位、電流、転写
、G−タンパク質結合、GPCRリン酸化もしくはGPCR脱リン酸化、シグナ
ル伝達、レセプター−リガンド相互作用、セカンドメッセンジャー濃度(例えば
、cAMP、IP3、または細胞内Ca2+)における、インビトロ、インビボお
よびエキソビボでの変化、ならびに神経伝達物質もしくはホルモンの放出の増加
または減少のような他の生理学的効果をも含む。
【0058】 「機能的効果を決定すること」とは、GPCR−B3の例えば、機能的、物理
的および化学的効果の影響下で、間接的または直接的であるパラメーターを増加
または減少させる化合物についてのアッセイを意味する。そのような機能的効果
は、当業者に公知の任意の手段(例えば、分光学的特徴(例えば、蛍光、吸光、
屈折率)、流体力学(例えば、形状)、クロマトグラフィーまたは溶解性におけ
る変化、パッチクランプ、電位感受性色素、細胞全体の電流、放射性同位体流出
、誘導性マーカー、卵母細胞GPCR−B3発現;組織培養細胞GPCR−B3
発現;GPCR−B3転写活性化;リガンド結合アッセイ;電圧、膜電位および
コンダクタンスの変化;イオン流アッセイ;cAMPおよびイノシトール三リン
酸(IP3)のような細胞内セカンドメッセンジャーにおける変化;細胞内カル
シウムレベルにおける変化;神経伝達物質の放出など)により測定され得る。
【0059】 GPCR−B3の「インヒビター」「アクチベーター」および「モジュレータ
ー」は互換的に使用され、味覚伝達についてのインビトロアッセイおよびインビ
ボアッセイを用いて同定される阻害分子、活性化分子、または調節分子(例えば
、リガンド、アゴニスト、アンタゴニストならびにそれらのホモログおよび模倣
物)をいう。インヒビターは、例えば結合して、刺激を部分的もしくは全体的に
ブロックするか、味覚伝達活性化を減少、妨害、遅延するか、不活化、脱感作、
または下方調節する化合物(例えば、アンタゴニスト)である。アクチベーター
は、例えば結合して、活性化を刺激、増大、開放、活性化、促進、増強するか、
味覚伝達を感作もしくは上方調節する化合物(例えば、アンタゴニスト)である
。モジュレーターは、アクチベーターまたはインヒビターに結合する細胞外タン
パク質(例えば、エブネリン(ebnerin)および疎水性キャリアファミリ
ーの他のメンバー);G−タンパク質;キナーゼ(例えば、レセプターの不活性
化および脱感作に関与するロドプシンキナーゼのホモログおよびβアドレナリン
作用性レセプターキナーゼ);およびアレスチン様タンパク質(これはまたはレ
セプターを不活性化および脱感作する)と、レセプターの相互作用を変更する化
合物を含む。モジュレーターは、GPCR−B3の遺伝的に改変された(例えば
、活性化が改変された)バージョン、ならびに天然に存在するおよび合成のリガ
ンド、アンタゴニスト、アゴニスト、低化学分子などを含む。インヒビターおよ
びアクチベーターについてのそのようなアッセイは、例えば、上記のように、細
胞もしくは細胞膜におけるGPCR−B3を発現する工程、推定モジュレーター
化合物を適用する工程、次いで味覚伝達に対する機能的効果を決定する工程を包
含する。潜在的なアクチベーター、インヒビターまたはモジュレーターを用いて
処理されるGPCR−B3を含むサンプルまたはアッセイは、インヒビター、ア
クチベーターまたはモジュレーターなしのコントロールサンプルと比較されて、
阻害量を調べる。コントロールサンプル(インヒビターで処理されていない)は
、100%の相対的なGPCR−B3活性値に設定される。コントロールに対す
るGPCR−B3の活性値が約80%、必要に応じて50%または25〜0%で
ある場合、GPCR−B3の阻害は、達成される。コントロールに対するGPC
R−B3の活性値が110%、必要に応じて150%、200〜500%、10
00%〜3000%より高い場合、GPCR−B3の活性化は達成される。
【0060】 「生物学的に活性な」GPCR−B3とは、上記のようなGPCR活性を有す
るGPCR−B3をいい、味覚レセプター細胞における味覚伝達に関与する。
【0061】 用語「単離された」「精製された」または「生物学的に純粋な」とは、その天
然の状態で見出されるような、通常それに付随する成分を実質的にまたは本質的
に含まない物質をいう。純度および均一性は、代表的には分析化学技術(例えば
、ポリアクリルアミドゲル電気泳動または高速液体クロマトグラフィー)を用い
て決定される。調製物に存在する優勢種であるタンパク質は、実質的に精製され
る。特に、単離されたGPCR−B3の核酸は、GPCR−B3の遺伝子と隣接
しかつGPCR−B3以外のタンパク質をコードするオープンリーディングフレ
ームから分離される。用語「精製された」とは、核酸またはタンパク質が、電気
泳動ゲルで本質的に一つのバンドを生じることを示す。詳細には、核酸またはタ
ンパク質は、少なくとも85%純粋、必要に応じて少なくとも95%純粋、およ
び必要に応じて少なくとも99%純粋であることを意味する。
【0062】 「核酸」とは、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドおよび一本
鎖もしくは二本鎖のいずれかの形態であるそれらのポリマーをいう。この用語は
、公知のヌクレオチドアナログまたは改変された骨格残基もしくは結合を含む核
酸(これらは、合成したもの、天然に存在するもの、および天然に存在しないも
のであり、参照核酸と類似した結合特性を有し、そして参照ヌクレオチドと類似
した様式で代謝される)を含む。そのようなアナログの例としては、ホスホロチ
オエート、ホスホラミデート、メチルホスホネート、キラルメチルホスホネート
、2−O−メチルリボヌクレオチド、ペプチド−核酸(PNA)が挙げられるが
、これらに限定されない。
【0063】 他に示されることがない限り、特定の核酸配列はまた、保存的に改変されたそ
れらの改変体(例えば、縮重コドン置換体)および相補配列、ならびに明らかに
示される配列を暗に含む。詳細には、縮重コドン置換体は、1つ以上の選択され
た(または全ての)コドンの第3位が混合塩基および/またはデオキシイノシン
残基で置換されている配列を生成することによって達成され得る(Batzer
ら、Nucleic Acid Res.19:5081(1991);Oht
sukaら、J.Biol.Chem.260:2605−2608(1985
);Rossoliniら、Mol.Cell.Probes 8:91−98
(1994))。用語核酸は、遺伝子、cDNA、mRNA、オリゴヌクレオチ
ド、およびポリヌクレオチドと互換的に使用される。
【0064】 用語「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は、本明細書中で
互換的に使用され、アミノ酸残基のポリマーをいう。この用語は、1つ以上のア
ミノ酸残基が、対応する天然に存在するアミノ酸の人工的化学模倣物であるアミ
ノ酸ポリマー、ならびに天然に存在するアミノ酸ポリマーおよび天然に存在しな
いアミノ酸ポリマーに対応して適用する。
【0065】 用語「アミノ酸」とは、天然に存在するアミノ酸および合成アミノ酸、ならび
に天然に存在するアミノ酸に類似した形式で機能するアミノ酸アナログおよびア
ミノ酸模倣物をいう。天然に存在するアミノ酸は、遺伝子コードによりコードさ
れるアミノ酸、ならびに後に改変されるこれらのアミノ酸(例えば、ヒドロキシ
プロリン、γ−カルボキシグルタミン酸、およびO−ホスホセリン)である。ア
ミノ酸アナログとは、天然に存在するアミノ酸と同じ基本化学構造、すなわち、
水素に結合されるα炭素、カルボキシル基、アミノ基、およびR基を有する化合
物(例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニン
メチルスルホニウム)をいう。そのようなアナログは、改変されたR基(例えば
、ノルロイシン)または改変されたぺプチド骨格を有するが、天然に存在するア
ミノ酸と同じ基本化学構造を有する。アミノ酸模倣物とは、アミノ酸の一般的な
化学構造と異なる構造を有するが、天然に存在するアミノ酸と類似した様式で機
能する化学化合物をいう。
【0066】 アミノ酸は、本明細書中で、それらの一般的に公知の三文字の記号またはIU
PAC−IUB Biochemical Nomenclature Com
missionにより推奨される一文字の記号のいずれかで示される。同様にヌ
クレオチドは、それらの一般的に受け入れられている一文字コードにより示され
得る。
【0067】 「保存的に改変された改変体」は、アミノ酸および核酸の両方の配列に適用す
る。特定の核酸配列に関して、保存的に改変される改変体とは、同一または本質
的に同一のアミノ酸配列をコードするか、またはその核酸が本質的に同一な配列
に対するアミノ酸配列をコードしない核酸をいう。遺伝コードの縮重のため、多
数の機能的に同一な核酸は、任意の所定のタンパク質をコードする。例えば、コ
ドンGCA、GCC、GCGおよびGCUの全ては、アミノ酸アラニンをコード
する。従って、アラニンがコドンにより特定化されているいずれの位置で、コド
ンは、コードされるポリペプチドを変更せずに記載された任意の対応コドンに変
更され得る。そのような核酸の改変は、「サイレントな改変」であり、これは保
存的に改変されるバリエーションの1種である。本明細書中の、ポリペプチドを
コードするいずれの核酸配列もまた、核酸の全ての可能なサイレントな改変を記
載する。当業者は、核酸における各コドン(AUG(これは、通常メチオニンを
コードする唯一のコドン)およびTGG(これは、通常、トリプトファンをコー
ドする唯一のコドン)を除く)は、改変されて、機能的に同一な分子を生じ得る
ことを認識する。従って、ポリペプチドをコードする核酸のそれぞれのサイレン
トな改変は、それぞれ記載される配列において黙認される。
【0068】 アミノ酸配列に関して、当業者は、核酸、ペプチド、ポリペプチドもしくはタ
ンパク質配列に対する、個々の置換、欠失または付加(これらは単一のアミノ酸
もしくはコードされる配列中のアミノ酸の小さな割合を改変、付加または欠失す
る)は、「保存的に改変された改変体」であり、ここで、この改変は、化学的に
類似したアミノ酸とのアミノ酸の置換を生じる。機能的に類似するアミノ酸を提
供する保存的置換の表は、当該分野において周知である。そのような保存的に改
変された改変体は、本発明の多型性改変体、種間ホモログ、および対立遺伝子体
を加え、かつそれらを除外しない。
【0069】 以下の8つの群の各々は、互いについての保存的置換体であるアミノ酸を含む
: 1)アラニン(A)、グリシン(G); 2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E); 3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q); 4)アルギニン(R)、リジン(K); 5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V)
; 6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W); 7)セリン(S)、スレオニン(T);および 8)システイン(C)、メチオニン(M) (例えば、Creighton、Proteins(1984)を参照のこと)
【0070】 ポリペプチド構造のような高分子構造は、組織化の種々のレベルの点において
記載され得る。この組織化の一般的考察について、例えば、Albertsら、
Molecular Biology of the Cell(第3版、19
94)ならびにCantorおよびSchimmel、Biophysical
Chemistry Part I:The Conformation o
f Biological Macromolecules(1980)を参照
のこと。「一次構造」とは、特定のペプチドのアミノ酸配列をいう。「二次構造
」とは局所的に整列されたポリペプチド内の三次元構造をいう。これらの構造は
、ドメインとして一般的に公知である。ドメインは、ポリペプチドの緻密なユニ
ットを形成し、かつ代表的には50〜350のアミノ酸長である、ポリペプチド
の一部である。典型的なドメインは、β−シートおよびα−ヘリックスのストレ
ッチのようなより小さい組織化の区画からなる。「三次構造」とは、ポリペプチ
ドモノマーの完全な三次元構造をいう。「四次構造」とは、独立した三次ユニッ
トの非共有結合的会合により形成される三次元構造をいう。異方性用語はまた、
エネルギー用語として公知である。
【0071】 「標識」または「検出可能な部分」は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫
化学的、または化学的手段によって検出可能な組成物である。例えば、有用な標
識としては、32P、蛍光色素、電子密度試薬、酵素(例えば、ELISAにおい
て一般的に使用されるような)、ビオチン、ジゴキシゲニン、またはハプテンお
よび上記の7つ(ant or 7)が、例えば、放射性標識をそのペプチドへ
組込むことによって検出可能にされ得、そしてそのペプチドと特異的に反応する
抗体を検出するために使用されるタンパク質が挙げられる。
【0072】 「標識された核酸プローブまたはオリゴヌクレオチド」は、リンカーもしくは
化学結合により共有結合的に、またはイオン結合、ファンデルワールス結合、静
電結合、もしくは水素結合により非共有結合的にのいずれかで標識に結合される
ものであり、その結果、プローブの存在が、そのプローブへ結合した標識の存在
を検出することによって検出され得る。
【0073】 本明細書中で使用される場合、「核酸プローブまたはオリゴヌクレオチド」は
、1種以上の化学結合(通常は相補的塩基対形成(通常は水素結合形成を介して
)を介して)を介して、相補配列の標的核酸へ結合し得る核酸として定義される
。本明細書中で使用される場合、プローブは、天然の塩基(すなわち、A、G、
C、またはT)または改変塩基(7−デアザグアノシン、イノシン、など)を含
み得る。さらに、プローブ中の塩基は、これがハイブリダイゼーションを干渉し
ない限り、ホスホジエステル結合以外の結合により結合され得る。従って、例え
ば、プローブは、構成塩基がホスホジエステル結合よりもむしろペプチド結合に
より結合されているペプチド核酸であり得る。プローブが、ハイブリダイゼーシ
ョン条件のストリンジェンシーに依存して、そのプローブ配列と完全な相補性を
欠く標的配列を結合し得ることが当業者に理解される。このプローブは、必要に
応じて、同位体、発色団、発光団、色素原を用いて直接的に標識されるか、また
はストレプトアビジン複合体が後に結合し得るようなビオチンを用いて間接的に
標識される。プローブの存在または非存在についてのアッセイによって、選択配
列もしくは部分配列の存在または非存在を検出し得る。
【0074】 例えば、細胞または核酸、タンパク質、もしくはベクターに対して使用される
場合、用語「組換え」は、細胞、核酸、タンパク質またはベクターが異種の核酸
もしくはタンパク質の導入か、または天然の核酸もしくはタンパク質の変更によ
って改変されていることか、あるいはその細胞が、そのように改変された細胞に
由来することを示す。従って、例えば、組換え細胞は、細胞の天然(非組換え)
形態内で見出される遺伝子を発現するか、またはそうでなければ異常に発現され
るか、過小発現されるか、もしくは全く発現されない天然の遺伝子を発現する。
【0075】 核酸の一部に対して使用される場合、用語「異種」とは、核酸が天然で互いに
同じ関係で見出されない2つ以上の部分配列を含むことを示す。例えば、核酸は
、代表的には組換え的に産生され、新規の機能的核酸を作製するようアレンジさ
れた非関連の遺伝子からの2つ以上の配列(例えば、1つの供給源由来のプロモ
ーターおよび別の供給源由来のコード配列)を有する。同様に、異種タンパク質
は、タンパク質が天然では互いに同じ関係で見出されない2つ以上の部分配列を
含む(例えば、融合タンパク質)ことを示す。
【0076】 「プロモーター」は、核酸の転写を指向する核酸制御配列のアレイとして規定
される。本明細書中で使用される場合、プロモーターは、転写開始部位付近の必
要な核酸配列(例えば、ポリメラーゼII型プロモーターの場合、TATAエレ
メント)を含む。プロモーターはまた、遠位のエンハンサーまたはリプレッサー
エレメントを必要に応じて含み、これは、転写開始部位から数千の塩基対程度で
配置され得る。「構成的」プロモーターは、ほとんどの環境条件および発生条件
下で活性化するプロモーターである。「誘導性」プロモーターは、環境的または
発生的調節下で活性化するプロモーターである。用語「作動可能に連結される」
とは、核酸発現制御配列(例えば、プロモーター、または転写因子結合部位のア
レイ)と第二の核酸配列との間の機能的結合をいい、ここで、この発現制御配列
は、第二の配列に対応する核酸の転写を指向する。
【0077】 「発現ベクター」は、核酸構築物であり、宿主細胞中で特定の核酸の転写を許
容する一連の特定化された核酸エレメントを用いて組換え的にまたは合成的に作
製される。発現ベクターは、プラスミド、ウイルス、または核酸フラグメントの
一部であり得る。代表的には、この発現ベクターは、プロモーターに作動可能に
連結されて転写される核酸を含む。
【0078】 2つ以上の核酸またはポリペプチド配列の文脈において、用語「同一」または
%「同一性」とは、比較ウインドウ上の最大一致性(maximum corr
espondence)について比較および整列されたか、または以下の配列比
較アルゴリズムの1つを用いてかもしくは手動のアラインメントおよび視覚的検
査によって測定される領域を設計した場合、同じか、またはアミノ酸残基もしく
はヌクレオチドの同じ特定化%を有する(すなわち、特定された領域にわたって
70%の同一性、必要に応じて、75%、80%、85%、90%、または95
%の同一性)、2つ以上の配列または部分配列をいう。次いで、そのような配列
は、「実質的に同一である」といわれる。この定義はまた、試験配列の相補体(
compliment)をいう。必要に応じて、同一性は、少なくとも約50ア
ミノ酸長もしくはヌクレオチド長の領域にわたって、またはより好ましくは75
〜100アミノ酸長もしくはヌクレオチド長である領域にわたって存在する。
【0079】 配列の比較について、代表的には、1つの配列は、試験配列と比較される参照
配列として作用する。配列比較アルゴリズムを用いる場合、試験配列および参照
配列は、コンピューター中に入力され、部分配列の座標が設計され、そして必要
な場合、配列アルゴリズムプログラムのパラメータが設計される。デフォルトプ
ログラムのパラメータが使用され得るか、または代替的パラメータが設計され得
る。次いで、配列比較アルゴリズムは、プログラムパラメータに基づいて参照配
列に対する試験配列についての配列同一性%を計算する。
【0080】 本明細書中で使用される場合、「比較ウインドウ」は、20〜600、通常に
は約50〜約200、より通常には約100〜約150からなる群より選択され
る連続する位置の数のいずれか1つのセグメントに対する参照を含み、ここで、
配列は、2つの配列が最適に整列された後、同じ数の連続する位置の参照配列と
比較され得る。比較のための配列アラインメントの方法は、当該分野において周
知である。比較のための最適な配列のアラインメントは、例えば、Smithお
よびWaterman Adv.Appl.Math.2:482(1981)
の局在相同性アルゴリズムによるか、NeedlemanおよびWunsch,
J.Mol.Biol.48:443(1970)の相同性アラインメントアル
ゴリズムによるか、PearsonおよびLipman、Proc.Nat’l
.Acad.Sci.USA 85:2444(1988)の類似性検索方法に
よるか、これらのアルゴリズムのコンピューター化されたインプリメンテーショ
ン(Winsconsin Genetics Software Packa
ge,Genetics Computer Group、575 Scien
ce Dr.,Madison WIのGAP、BESTFIT、FASTA、
およびTFASTA)によるか、または手動アラインメント化および可視的検査
により(例えば、Current Protocols in Molecul
ar Biology(Ausubelら編、1995、補遺を参照のこと)、
行われ得る。
【0081】 有用なアルゴリズムの1つの例は、PILEUPである。PILEUPは、関
係および配列同一性%を示すために、進行性の一対のアラインメントを用いて、
関連した配列の群から複数配列のアラインメントを作製する。それはまた、その
アラインメントを作製するために使用されるクラスター関係を示す系図または系
統図をプロットする。PILEUPは、FengおよびDoolittle、J
.Mol.Evol.35:351−360(1987)の進行性のアラインメ
ント方法の単純化を使用する。使用されるこの方法は、HigginsおよびS
harp、CABIOS5:151−153(1989)により記載される方法
と類似している。このプログラムは、各々最大の長さが5,000ヌクレオチド
またはアミノ酸の、300個の配列まで整列させ得る。この複数アラインメント
手順は、2つの最も類似した配列の一対のアラインメントで始まり、2つの整列
された配列のクラスターを生成する。次いで、このクラスターは、次の最も関連
した配列かまたは整列された配列のクラスターに整列される。配列の2つのクラ
スターは、2つの個々の配列の一対のアラインメントの単純な伸長によって整列
される。最後のアラインメントは、一連の進行性の一対のアラインメントによっ
て達成される。このプログラムは、特定の配列および配列比較の領域についてそ
れらのアミノ酸もしくはヌクレオチドの座標を指定することによって、およびプ
ログラムパラメーターを指定することによって実行される。PILEUPを用い
て、参照配列は、以下のパラメータを用いた配列同一性%の関連性を決定するた
めに他の試験配列と比較される:デフォルトギャップ重量(3.00)、デフォ
ルトギャップ長重量(0.10)、および加重終止ギャップ(weighted
end gap)。PILEUPは、GCG配列解析ソフトウェアパッケージ
(例えば、バージョン7.0(Devereauxら、Nuc.Acids R
es.12:387−395(1984))から入手され得る。
【0082】 配列同一性%および配列類似性%を決定するのに適切な別のアルゴリズムの例
は、BLASTおよびBLAST2.0アルゴリズムであり、これらは、それぞ
れAltschulら、Nuc.Acids Res.25:3389−340
2(1977)およびAltschulら、J.Mol.Biol.215:4
03−410(1990)において記載されている。BLAST解析を実施する
ためのソフトウェアは、National Center for Biote
chnology Information(http://www.ncbi
.nlm.nih.gov/)を通じて公に利用可能である。このアルゴリズム
は、問い合わせ配列における長さWの短いワード(単語)(word)を同定す
ることによって、高スコア配列対(HSP)を第1に同定することを含み、この
HSPは、データベース配列中の同じ長さのワードと整列される場合、いくつか
の正の値の閾値スコアに一致するかまたはそれを満たすかのいずれかである。T
は、隣接ワードスコア閾値と呼ばれる(Altschulら、前出)。これらの
最初の隣接ワードヒットは、それらを含むより長いHSPを見出すための検索を
開始するためのシードとして作用する。このワードヒットを、累積アラインメン
トスコアが増大し得る限り、各配列に沿って両方向に伸長する。累積スコアは、
ヌクレオチド配列について、パラメータM(一致した残基対の報酬(rewar
d)スコア;常に0より大きい)およびN(一致しない残基のペナルティースコ
ア;常に0より小さい)を用いて算出される。アミノ酸配列について、スコア付
けマトリクスが、累積スコアを算出するために使用される。各方向におけるその
ワードヒットの伸長は、以下の場合停止される:累積アラインメントスコアが、
最大達成値から量Xが減少する場合;1つ以上の負のスコア残基アラインメント
の蓄積に起因して、累積スコアが、ゼロ以下になる場合;または、いずれかの配
列の末端が届いた場合。BLASTアルゴリズムパラメータW、T、およびXは
、アラインメントの感度および速さを決定する。BLASTNプログラム(ヌク
レオチド配列について)は、デフォルトとして11のワード長(W)、10の期
待値(E)、M=5、N=−4および両鎖の比較を使用する。アミノ酸配列につ
いて、BLASTPプログラムは、デフォルトとして3のワード長、10の期待
値(E)、および50のBLOSUM62のスコア付けマトリクス(Henik
offおよびHenikoff、Proc.Natl.Acad.Sci.US
A 89:10915(1989)を参照のこと)アラインメント(B)、10
の期待値(E)、M=5、N=−4、および両鎖の比較を用いる。
【0083】 BLASTアルゴリズムはまた、2つの配列間の類似性の統計分析を行う(例
えば、KarlinおよびAltschul、Proc.Nat’l.Acad
.Sci.USA 90:5873−5787(1993)を参照のこと)。B
LASTアルゴリズムによって提供される類似性の尺度の1つは、最小合計確率
(P(N))であり、これは、2つのヌクレオチド配列またはアミノ酸配列の間
の一致が偶然生じる確率の指標を提供する。例えば、核酸は、参照核酸と試験核
酸との比較における最小合計確率が、約0.2未満、より好ましくは約0.01
未満、および最も好ましくは約0.001未満である場合、参照配列と類似であ
ると考えられる。
【0084】 2つの核酸配列またはポリペプチドが実質的に同一であることの指標は、第1
の核酸にコードされるポリペプチドが、以下に記載されるように、第2の核酸に
よりコードされるポリペプチドに対して惹起された抗体と免疫交差反応性である
。従って、ポリペプチドは、代表的には第2のポリペプチドと実質的に同一であ
り、例えば、ここでこの2つのペプチドは、保存的置換体のみ異なる。2つの核
酸配列が実質的に同一であるという別の指標は、この2つの分子またはそれらの
相補体が、以下に記載されるように、ストリンジェントな条件下で互いにハイブ
リダイズすることである。2つの核酸配列が実質的に同一であるというなお別の
指標は、同じプライマーがその配列を増幅するために使用され得るということで
ある。
【0085】 句「〜に選択的に(または特異的に)ハイブリダイズする」とは、配列が複合
混合物(例えば、細胞性DNAもしくは細胞性RNAまたはライブラリーDNA
もしくはライブラリーRNAの全体)中に存在する場合、ストリンジェントなハ
イブリダイゼーション条件下で特定のヌクレオチド配列のみに分子を結合、二重
鎖形成、またはハイブリダイズすることをいう。
【0086】 句「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、プローブが代表
的には核酸の複合混合物中のその標的部分配列にハイブリダイズするが、他の配
列にはハイブリダイズしない条件をいう。ストリンジェントな条件は、配列依存
性であり、そして異なる状況において異なる。より高い温度であればあるほど、
より長い配列が特異的にハイブリダイズする。核酸のハイブリダイゼーションに
対する広範な手引書は、Tijssen、Techiques in Bioc
hemistry and Molecular Biology−−Hybr
idization With Nucleic Probes、「Overv
iew of principles of hybridization a
nd the strategy of nucleic acid assa
ys」(1993)において見出される。一般に、ストリンジェントな条件は、
規定のイオン強度pHでの特定の配列を熱融点(Tm)より約5〜10℃低くな
るように選択される。Tmは、標的に相補的なプローブの50%が、平衡状態(
mで標的配列が過剰に存在する場合、プローブの50%が平衡状態で占められ
る)で標的配列にハイブリダイズする温度(規定のイオン強度、pH、および核
酸濃度の下)である。ストリンジェントな条件は、塩濃度が、pH7.0〜8.
3にて約1.0M未満のナトリウムイオン濃度、代表的には約0.01〜1.0
Mナトリウムイオン濃度(または他の塩)であり、かつ温度が、短いプローブ(
例えば、10〜50ヌクレオチド)について少なくとも約30℃、および長いプ
ローブ(例えば、50ヌクレオチドより大きい)について少なくとも約60℃で
ある条件である。ストリンジェントな条件はまた、ホルムアミドのような不安定
化剤の添加により達成され得る。選択的または特異的なハイブリダイゼーション
について、陽性シグナルは、バックグラウンドの少なくとも2倍、必要に応じて
10倍のバックグラウンドのハイブリダイゼーションである。例証的なストリン
ジェントなハイブリダイゼーション条件は、以下であり得る:50%ホルムアミ
ド、5×SSC、および1%SDSで42℃にてインキュベーション、または5
×SSC、1%SDSで65℃にてインキュベーション、ならびに0.2×SS
Cおよび0.1%SDS中で65℃にて洗浄。
【0087】 ストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズしない核酸は、それらがコ
ードするポリペプチドが実質的に同一である場合、なお実質的に同一である。こ
れは、例えば、核酸の複製が遺伝コードにより許容される最大のコード縮重を用
いて作製される場合、生じる。そのような場合、核酸は、中程度のストリンジェ
ントなハイブリダイゼーション条件下で代表的にハイブリダイズする。例証的な
「中程度のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」は、40%ホルム
アミド、1M NaCl、1%SDSの緩衝液中37℃にてのハイブリダイゼー
ション、および1×SSC中45℃にて洗浄を含む。陽性ハイブリダイゼーショ
ンは、バックグラウンドの少なくとも2倍である。当業者は、代替的なハイブリ
ダイゼーションおよび洗浄条件を利用して、類似したストリンジェンシーの条件
を提供することを認識する。
【0088】 「抗体」は、抗原に特異的に結合しそして抗原を認識する免疫グロブリン遺伝
子からの読み枠領域を含むポリペプチドまたはそのフラグメントをいう。認識さ
れる免疫グロブリン遺伝子としては、κ、λ、α、γ、δ、ε、およびμの定常
領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子が挙げられる。軽鎖
は、κまたはλのいずれかとして分類される。重鎖は、γ、μ、α、δ、または
εとして分類され、これらは順にそれぞれ免疫グロブリンのクラス、IgG、I
gM、IgA、IgDおよびIgEと定義される。
【0089】 例示的な免疫グロブリン(抗体)構造単位は、四量体を含む。各四量体は、ポ
リペプチド鎖の2つの同一の対からなり、その各対は、1つの「軽」鎖(約25
kDa)および1つの「重」鎖(約50〜70kDa)を有する。各鎖のN末端
は、抗原の認識に主に寄与する約100〜110アミノ酸以上の可変領域を規定
する。用語、可変軽鎖(VL)および可変重鎖(VH)はそれぞれ、これらの軽鎖
および重鎖をいう。
【0090】 抗体は、例えば、インタクトな免疫グロブリンとして、または種々のペプチダ
ーゼを用いた消化により生成されるよく特徴付けられた多くのフラグメントとし
て存在する。従って、例えば、ペプシンは、ヒンジ領域におけるジスルフィド結
合のもとで抗体を消化し、F(ab)’2を生成する。F(ab)’2は、それ自
体がジスルフィド結合によりVH−CH1に結合された軽鎖であるFabの二量体
である。このF(ab)’2は、ヒンジ領域におけるジスルフィド結合を破壊す
るために穏かな条件下で還元され得、それによってF(ab)’2二量体はFa
b’単量体に転換される。Fab’単量体は、ヒンジ領域の部分を有する本質的
なFabである(Fundamental Immunology(Paul編
、第3版、1993を参照のこと)。種々の抗体フラグメントがインタクトな抗
体の消化の点において規定されるが、当業者は、そのようなフラグメントが化学
的もしくは組換えDNA方法論を用いてのいずれかにより新規に合成され得るこ
とを理解する。従って、本明細書中で使用される場合、用語抗体はまた、抗体全
体の改変により生成される抗体フラグメントか、または組換えDNA方法論(例
えば、単鎖Fv)を用いて新規に合成される抗体フラグメントか、またはファー
ジ提示ライブラリー(例えば、McCaffertyら、Nature 348
:552−554(1990)を参照のこと)を用いて同定される抗体フラグメ
ントのいずれかを含む。
【0091】 モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体の調製のために、当該分野で公
知の任意の技術が使用され得る(例えば、Kohler&Milstein、N
ature 256:495〜497(1975);Kozborら、Immu
nology Today 4:72(1983);Coleら、Monocl
onal Antibodies and Cancer Therapy(1
985)の77〜96頁を参照のこと)。単鎖抗体の産生のための技術(米国特
許第4,946,778号)は、本発明のポリペプチドに対する抗体を産生する
ために適用され得る。また、トランスジェニックマウス、または他の生物(例え
ば、他の哺乳動物)を使用して、ヒト化抗体を発現し得る。あるいは、ファージ
ディスプレイ技術を使用して、選択された抗原に特異的に結合する抗体、および
ヘテロマーのFabフラグメントを同定し得る(例えば、McCafferty
ら、Nature 348:552〜554(1990);Marksら、Bi
otechnology 10:779〜783(1992)を参照のこと)。
【0092】 「キメラ抗体」は、(a)定常領域、またはその一部が、変更、置換または交
換され、その結果、抗原結合部位(可変領域)が異なるまたは変更されたクラス
、エフェクター機能および/もしくは種の定常領域に、またはキメラ抗体に対す
る新たな特性を付与する全く異なる分子(例えば、酵素、毒素、ホルモン、増殖
因子、薬物など)に連結されるか;あるいは(b)可変領域、またはその一部が
、異なるまたは変更された抗原特異性を有する可変領域で変更、置換、または交
換される、抗体分子である。
【0093】 「抗−GPCR−B3」抗体は、GPCR−B3遺伝子、cDNA、またはそ
の部分配列によってコードされるポリペプチドを特異的に結合する、抗体または
抗体フラグメントである。
【0094】 用語「イムノアッセイ」は、抗原を特異的に結合する抗体を使用するアッセイ
である。イムノアッセイは、抗原を単離、標的、および/または定量するために
、特定の抗体の特異的結合特性を使用することによって特徴付けられる。
【0095】 句、抗体に「特異的に(または選択的に)結合する」、または「〜と特異的に
(または選択的に)免疫反応性」とは、タンパク質またはペプチドに対して言及
される場合、タンパク質および他の生物製剤の異種集団においてそのタンパク質
の存在を決定する結合反応をいう。従って、指定されたイムノアッセイ条件下で
は、特定の抗体は、バックグラウンドの少なくとも2倍、特定のタンパク質に結
合し、そして実質的に、サンプル中に存在する他のタンパク質に対して有意な量
で結合しない。このような条件下での抗体への特異的な結合は、特定のタンパク
質に対するその特異性について選択される抗体を必要とし得る。例えば、ラット
、マウス、またはヒトのような特定の種由来のGPCR−B3に対して惹起され
るポリクローナル抗体は、GPCR−B3と特異的に免疫反応性でありかつGP
CR−B3の多型性改変体および対立遺伝子を除く他のタンパク質と特異的に免
疫反応性でない、ポリクローナル抗体のみを得るために選択され得る。この選択
は、他の種由来のGPCR−B3分子と交叉反応する抗体を減じることによって
達成され得る。種々のイムノアッセイ形式は、特定のタンパク質と特異的に免疫
反応性である抗体を選択するために使用され得る。例えば、固相ELISAイム
ノアッセイは、タンパク質と特異的に免疫反応性である抗体を選択するために慣
用的に使用される(特異的な免疫反応性を決定するために使用され得るイムノア
ッセイ形式および条件の記載については、例えば、Harlow&Lane、A
ntibodies、A Laboratory Manual(1988)を
参照のこと)。代表的に、特異的または選択的反応は、バックグラウンドのシグ
ナルまたはノイズの少なくとも2倍であり、そしてより代表的には、バックグラ
ウンドの10〜100倍を超える。
【0096】 句「〜と選択的に会合する」とは、上記で定義されるように、核酸が別の核酸
と「選択的にハイブリダイズする」能力、または上記で定義されるように、抗体
がタンパク質に「選択的に(または特異的に)結合する」能力をいう。
【0097】 「宿主細胞」は、発現ベクターを含み、そして発現ベクターの複製または発現
を支持する細胞を意味する。宿主細胞は、原核生物細胞(例えば、E.coli
)、または真核生物細胞(例えば、酵母細胞、昆虫細胞、両生類細胞、もしくは
哺乳動物細胞(例えば、CHO、HeLaなど)(例えば、培養細胞、外植片、
およびインビボ細胞))であり得る。
【0098】 (III.GPCR−B3をコードする核酸の単離) (A.一般的な組換えDNA方法) 本発明は、組換え遺伝学の分野における慣用的な技術に依存する。本発明にお
ける使用の一般的方法を開示する基本的なテキストとしては、Sambrook
ら、Molecular Cloning、A Laboratory Man
ual(第2版、1989);Kriegler、Gene Transfer
and Expression:A Laboratory Manual(
1990);およびCurrent Protocols in Molecu
lar Biology(Ausubelら編、1994)が挙げられる。
【0099】 核酸について、サイズは、キロベース(kb)または塩基対(bp)のいずれ
かで与えられる。これらは、アガロースゲル電気泳動もしくはアクリルアミドゲ
ル電気泳動から、配列決定された核酸から、または公開されたDNA配列から推
定される。タンパク質について、サイズは、キロダルトン(kDa)またはアミ
ノ酸残基数で与えられる。タンパク質サイズは、ゲル電気泳動から、配列決定さ
れたタンパク質から、由来されるアミノ酸配列から、または公開されたタンパク
質配列から推定される。
【0100】 市販されていないオリゴヌクレオチドは、Van Devanterら、Nu
cleic Acids Res.12:6159〜6168(1984)に記
載されるように、自動合成装置を使用して、Beaucage&Caruthe
rs、Tetrahedron Letts.22:1859〜1862(19
81)に最初に記載された固相ホスホロアミダイトトリエステル法に従って化学
的に合成され得る。オリゴヌクレオチドの精製は、Pearson&Reani
er、J.Chrom.255:137〜149(1983)に記載されるよう
に、未変性アクリルアミドゲル電気泳動またはアニオン交換HPLCのいずれか
による。
【0101】 クローン化された遺伝子および合成オリゴヌクレオチドの配列は、例えば、W
allaceら、Gene 16:21〜26(1981)の二重鎖テンプレー
トを配列決定するための鎖終結法を使用してクローン化した後に確認され得る。
【0102】 (B.GPCR−B3をコードするヌクレオチド配列の単離のためのクローニ
ング方法) 一般に、GPCR−B3をコードする核酸配列および関連する核酸配列ホモロ
グは、プローブとのハイブリダイゼーションによりcDNAおよびゲノムDNA
ライブラリーからクローン化されるか、またはオリゴヌクレオチドプライマーを
用いる増幅技術を使用して単離される。例えば、GPCR−B3配列は、代表的
に、核酸プローブとのハイブリダイゼーションによって、哺乳動物核酸(ゲノム
またはcDNA)ライブラリーから単離され、この配列は、配列番号4〜6に由
来し得る。GPCR−B3 RNAおよびcDNAが単離され得る適切な組織は
舌組織であり、必要に応じて、味蕾組織または個々の味覚細胞である。
【0103】 プライマーを使用する増幅技術もまた、DNAまたはRNAからGPCR−B
3を増幅および単離するために使用され得る。以下のアミノ酸配列をコードする
縮重プライマーもまた、GPCR−B3:配列番号7〜8の配列を増幅するため
に使用され得る(例えば、Dieffenfach&Dveksler、PCR
Primer:A Laboratory Manual(1995)を参照
のこと)。これらのプライマーは、例えば、全長配列、または数百のヌクレオチ
ドに対する1つのプローブのいずれかを増幅するために使用され得る。次いで、
これは、全長GPCR−B3についての哺乳動物ライブラリーをスクリーニング
するために使用される。
【0104】 GPCR−B3をコードする核酸はまた、プローブとして抗体を使用する発現
ライブラリーから単離され得る。このようなポリクローナル抗体またはモノクロ
ーナル抗体は、配列番号1〜3の配列を使用して惹起され得る。
【0105】 GPCR−B3と実質的に同一であるGPCR−B3の多型性改変体、対立遺
伝子、および種間ホモログは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件
下でライブラリーをスクリーングすることにより、GPCR−B3核酸プローブ
、およびオリゴヌクレオチドを使用して単離され得る。あるいは、発現ライブラ
リーは、発現されたホモログをGPCR−B3に対して作製された抗血清または
精製抗体(これらはまた、GPCR−B3ホモログを認識し、そしてGPCR−
B3ホモログに特異的に結合する)を用いて免疫学的に検出することによって、
GPCR−B3およびGPCR−B3の多型性改変体、対立遺伝子、および種間
ホモログをクローン化するために使用され得る。
【0106】 cDNAライブラリーを作製するために、GPCR−B3 mRNAにおいて
富化である供給源(例えば、舌組織、または単離された味蕾)を選択すべきであ
る。次いで、mRNAは、逆転写酵素を使用してcDNAになり、組換えベクタ
ーへ連結され、そして増殖、スクリーニングおよびクローニングのために組換え
宿主へトランスフェクトされる。cDNAライブラリーを作製およびスクリーニ
ングする方法は、周知である(例えば、Gubler&Hoffman、Gen
e 25:263〜269(1983);Sambrookら、前出;Ausu
belら、前出を参照のこと)。
【0107】 ゲノムライブラリーについて、DNAは、組織から抽出され、そして約12〜
20kbのフラグメントを生じるように、機械的に剪断されるかまたは酵素的に
消化されるかのいずれかである。次いで、フラグメントは、勾配遠心分離によっ
て所望されないサイズと分離され、そしてバクテリオファージλベクター中に構
築される。これらのベクターおよびファージは、インビトロでパッケージされる
。組換えファージは、Benton&Davis、Science 196:1
80〜182(1977)に記載されるように、プラークハイブリダイゼーショ
ンによって分析される。コロニーハイブリダイゼーションは、一般に、Grun
steinら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、72:396
1〜3965(1975)に記載されるように実施される。
【0108】 GPCR−B3核酸およびそのホモログを単離する代替方法は、合成オリゴヌ
クレオチドプライマーの使用およびRNAまたはDNAテンプレートの増幅を組
み合わせる(米国特許第4,683,195号および同第4,683,202号
;PCR Protocols:A Guide to Methods an
d Applications(Innisら編、1990)を参照のこと)。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)およびリガーゼ連鎖反応(LCR)のような方
法は、mRNAから、cDNAから、ゲノムライブラリーまたはcDNAライブ
ラリーから直接的にGPCR−B3の核酸配列を増幅するために使用され得る。
縮重オリゴヌクレオチドは、本明細書で提供される配列を使用してGPCR−B
3ホモログを増幅するために設計され得る。制限エンドヌクレアーゼ部位は、プ
ライマーへ組み込まれ得る。ポリメラーゼ連鎖反応または他のインビトロ増幅方
法もまた、例えば、発現されるべきタンパク質をコードする核酸配列をクローン
化するために、生理学的サンプル中のmRNAをコードするGPCR−B3の存
在を検出するためのプローブとして使用するための核酸を作製するために、核酸
の配列決定のために、または他の目的のために、有用であり得る。PCR反応に
よって増幅された遺伝子は、アガロースゲルから精製され得、そして適切なベク
ターへクローン化され得る。
【0109】 GPCR−B3の遺伝子発現はまた、当該分野で公知の技術(例えば、mRN
Aの逆転写および増幅、総RNAまたはポリA+RNAの単離、ノーザンブロッ
ティング、ドットブロッティング、インサイチュハイブリダイゼーション、RN
aseプロテクション、プロービング(probing)DNAマイクロチップ
アレイなど)によって分析され得る。1つの実施態様において、高密度オリゴヌ
クレオチド分析技術(例えば、GeneChipTM)は、本発明のGPCRのホ
モログおよび多型性改変体を同定するために使用される。同定されるホモログが
既知の疾患に関連している場合、それらは、生物学的サンプル中で疾患を検出す
る際の診断手段としてGeneChipTMとともに使用され得る(例えば、Gu
nthandら、AIDS Res.Hum.Retroviruses 14
:869〜876(1998);Kozalら、Nat.Med.2:753〜
759(1996);Matsonら、Anal.Biochem.224:1
10〜106(1995);Lockhartら、Nat.Biotechno
l.14:1675〜1680(1996);Gingerasら、Genom
e Res.8:435〜448(1998);Haciaら、Nucleic
Acids Res.26:3865〜3866(1998)を参照のこと)
【0110】 合成オリゴヌクレオチドは、プローブとしての使用のため、またはタンパク質
の発現のために組換えGPCR−B3遺伝子を構築するために使用され得る。こ
の方法は、遺伝子のセンス鎖および非センス鎖の両方を示す、通常40〜120
bp長の一連の重複オリゴヌクレオチドを使用して実施される。次いで、これら
のDNAフラグメントは、アニールされ、連結され、そしてクローン化される。
あるいは、増幅技術は、GPCR−B3核酸の特定の部分配列を増幅するために
、正確なプライマーを用いて使用され得る。次いで、特定の部分配列は、発現ベ
クターへ連結される。
【0111】 GPCR−B3をコードする核酸は、代表的に、複製および/または発現のた
めの原核生物細胞もしくは真核生物細胞への形質転換の前に、中間体ベクターへ
クローン化される。これらの中間体ベクターは、代表的に、原核生物ベクター(
例えば、プラスミド)、またはシャトルベクターである。
【0112】 必要に応じて、GPCR−B3またはそのドメインを含むキメラタンパク質を
コードする核酸は、標準的な技術に従って作製され得る。例えば、ドメイン(例
えば、リガンド結合ドメイン、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン(例えば、7つ
の膜貫通領域およびサイトゾルループを包含するもの)、膜貫通ドメインおよび
細胞質ドメイン)、活性部位、サブユニット会合領域などは、異種タンパク質に
共有結合的に連結され得る。例えば、細胞外ドメインは異種GPCR膜貫通ドメ
インに連結され得るか、または異種GPCR細胞外ドメインは膜貫通ドメインに
連結され得る。他の選り抜きの異種タンパク質としては、例えば、緑色蛍光タン
パク質、β−gal、グルタミン酸レセプター、およびロドプシンプレ配列(r
hodopsin presequence)が挙げられる。
【0113】 (C.原核生物および真核生物における発現) クローン化された遺伝子または核酸(例えば、GPCR−B3をコードするc
DNA)の高レベルの発現を得るために、代表的には、GPCR−B3を、転写
を指向する強力なプロモーター、転写/翻訳ターミネーター、およびタンパク質
をコードする核酸に対する場合には、翻訳開始のためのリボソーム結合部位を含
む発現ベクターへサブクローン化する。適切な細菌性プロモーターは、当該分野
で周知であり、そして例えば、SambrookらおよびAusubelらに記
載されている。GPCR−B3タンパク質を発現するための細菌性発現系は、例
えば、E.coli、Bacillus sp.およびSalmonellaに
おいて利用可能である(Palvaら、Gene 22:229〜235(19
83);Mosbachら、Nature 302:543〜545(1983
))。このような発現系のためのキットは市販されている。哺乳動物細胞、酵母
、および昆虫細胞のための真核生物発現系は、当該分野で周知であり、そしてま
た、市販されている。1つの実施態様において、真核生物発現ベクターは、アデ
ノウイルスベクター、アデノ随伴ベクター、またはレトロウイルスベクターであ
る。
【0114】 異種核酸の発現を指向するために使用されるプロモーターは、特定の適用に依
存する。プロモーターは、必要に応じて、異種転写開始部位から、その天然の設
定における転写開始部位からとほぼ同じ距離に配置される。しかし、当該分野で
公知であるように、この距離におけるいくらかの改変は、プロモーター機能を欠
失することなく適応され得る。
【0115】 プロモーターに加えて、発現ベクターは、代表的に、宿主細胞においてGPC
R−B3をコードする核酸の発現について必要とされるさらなるエレメントを全
て含む転写ユニットまたは発現カセットを含む。従って、代表的な発現カセット
は、GPCR−B3をコードする核酸配列に作動可能に連結されるプロモーター
、ならびに転写物の効率的なポリアデニル化に必要とされるシグナル、リボソー
ム結合部位、および翻訳終結を含む。GPCR−B3をコードする核酸配列は、
代表的に、形質転換された細胞によって、コードされたタンパク質の分泌を促進
するために、切断可能なシグナルペプチド配列に連結され得る。このようなシグ
ナルペプチドは、とりわけ、組織プラスミノーゲンアクチベーター、インスリン
、および神経成長因子、ならびにHeliothis virescensの若
年性ホルモンエステラーゼ由来のシグナルペプチドを含む。カセットのさらなる
エレメントとしては、エンハンサー、そしてゲノムDNAが構造遺伝子として使
用される場合には、機能的スプライスドナー部位およびアクセプター部位を有す
るイントロンが挙げられ得る。
【0116】 プロモーター配列に加えて、発現カセットはまた、効率的な終結を提供するた
めに構造遺伝子の下流に転写終結領域を含むべきである。終結領域は、プロモー
ター配列と同じ遺伝子から得られてもよいし、または異なる遺伝子から得られて
もよい。
【0117】 遺伝情報を細胞へ輸送するために使用される特定の発現ベクターは、特に重要
ではない。真核生物細胞または原核生物細胞における発現のために使用される任
意の従来のベクターが、使用され得る。標準的な細菌性発現ベクターとしては、
プラスミド(例えば、pBR322ベースのプラスミド、pSKF、pET23
D)、および融合発現系(例えば、GSTおよびLacZ)が挙げられる。エピ
トープタグもまた、簡便な単離方法を提供するために組換えタンパク質に付加さ
れ得る(例えば、c−myc)。
【0118】 真核生物ウイルス由来の調節エレメントを含む発現ベクターは、代表的に、真
核生物発現ベクター(例えば、SV40ベクター、パピローマウイルスベクター
、およびエプスタイン−バーウイルス由来のベクター)において使用される。他
の例示的な真核生物ベクターとしては、pMSG、pAV009/A+、pMT
O10/A+、pMAMneo−5、バキュロウイルスpDSVE、およびSV
40初期プロモーター、SV40後期プロモーター、メタロチオネインプロモー
ター、マウス乳腺癌ウイルスプロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、
ポリへドリン(polyhedrin)プロモーター、または真核生物細胞にお
ける発現に有効であると示される他のプロモーターの指向下でタンパク質の発現
を可能にする任意の他のベクターが挙げられる。
【0119】 いくつかの発現系は、遺伝子増幅を提供するマーカー(例えば、チミジンキナ
ーゼ、ハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ、およびジヒドロ葉酸レダ
クターゼ)を有する。あるいは、昆虫細胞におけるバキュロウイルスベクター(
ポリへドリンプロモーターまたは他の強力なバキュロウイルスプロモーターの指
向下でGPCR−B3をコードする配列を有する)を使用するような、遺伝子増
幅に関与しない高収率発現系もまた適切である。
【0120】 代表的に発現ベクターに含まれるエレメントはまた、E.coli中で機能す
るレプリコン、組換えプラスミドを保有する細菌の選択を許容するための抗生物
質耐性をコードする遺伝子、および真核生物の配列の挿入を可能にするためのプ
ラスミドの非必須領域中の固有の制限部位を含む。選択される特定の抗生物質耐
性遺伝子は重要ではなく、当該分野で公知の多くの任意の耐性遺伝子が適切であ
る。真核生物の配列は、必要に応じて、選択され、その結果、それらは、真核生
物細胞中のDNAの複製を妨害しない。
【0121】 標準的なトランスフェクション方法は、大量のGPCR−B3タンパク質を発
現する細菌細胞株、哺乳動物細胞株、酵母細胞株または昆虫細胞株を生成するた
めに使用され、次いで、このタンパク質は、標準的な技術を使用して精製される
(例えば、Colleyら、J.Biol.Chem.264:17619〜1
7622(1989);Guide to Protein Purifica
tion、Methods in Enzymology、第182巻(Deu
tscher編、1990)を参照のこと)。真核生物細胞および原核生物細胞
のトランスフェクションは、標準的な技術に従って実施される(例えば、Mor
rison、J.Bact.132:349〜351(1977);Clark
−Curtiss&Curtiss、Methods in Enzymolo
gy 101:347〜362(Wuら編、1983)を参照のこと)。
【0122】 外来ヌクレオチド配列を宿主細胞へ導入するための任意の周知の手順が、使用
され得る。これらとしては、リン酸カルシウムトランスフェクション、ポリブレ
ン、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、リポソーム、マイクロイン
ジェクション、血漿ベクター、ウイルスベクター、およびクローン化されたゲノ
ムDNA、cDNA、合成DNAまたは他の外来遺伝物質を宿主細胞へ導入する
ための任意の他の周知の方法(例えば、Sambrookら、前出を参照のこと
)の使用が挙げられる。使用される特定の遺伝子操作手順は、少なくとも1つの
遺伝子を、GPCR−B3を発現し得る宿主細胞へ首尾よく導入し得ることが必
要であるのみである。
【0123】 発現ベクターが細胞へ導入された後、トランスフェクトされた細胞は、GPC
R−B3の発現を支持する条件下で培養され、このGPCR−B3は、以下で同
定される標準的な技術を使用して培養物から回収される。
【0124】 (IV.GPCR−B3の精製) 天然に存在するGPCR−B3または組換えGPCR−B3のいずれかは、機
能的アッセイにおける使用のために精製され得る。必要に応じて、組換えGPC
R−B3が精製される。天然に存在するGPCR−B3は、例えば、哺乳動物組
織(例えば、舌組織)、およびGPCR−B3ホモログの任意の他の供給源から
精製される。組換えGPCR−B3は、任意の適切な発現系(例えば、細菌)お
よび真核生物発現系(例えば、CHO細胞または昆虫細胞)から精製される。
【0125】 GPCR−B3は、標準的な技術(硫酸アンモニウムのような物質を用いる選
択的沈殿;カラムクロマトグラフィー、免疫精製(immunopurific
ation)法などを含む)によって実質的に純粋まで精製され得る(例えば、
Scopes、Protein Purification:Principl
es and Practice(1982);米国特許第4,673,641
号;Ausubelら、前出;およびSambrookら、前出を参照のこと)
【0126】 多くの手順は、組換えGPCR−B3が精製されている場合に利用され得る。
例えば、確立された分子接着特性を有するタンパク質は、可逆的にGPCR−B
3に融合され得る。適切なリガンドを用いて、GPCR−B3は、選択的に精製
カラムに吸着され得、次いで、比較的純粋な形態でカラムから遊離され得る。次
いで、融合されたタンパク質は、酵素活性によって除去される。最終的に、GP
CR−B3は、イムノアフィニティーカラムを使用して精製され得る。
【0127】 (A.組換え細胞からのGPCR−B3の精製) 組換えタンパク質は、大量で、代表的にはプロモーター誘導後に、形質転換さ
れた細菌細胞または真核生物細胞(例えば、CHO細胞もしくは昆虫細胞)によ
って発現される;しかし、発現は構成的であり得る。IPTGを用いるプロモー
ター誘導は、誘導性プロモーター系の一例である。細胞は、当該分野で標準的な
手順に従って増殖される。新鮮細胞または凍結細胞が、タンパク質の単離のため
に使用される。
【0128】 細菌において発現されるタンパク質は、不溶性の凝集物(「封入体」)を形成
し得る。いくつかのプロトコルは、GPCR−B3封入体の精製のために適切で
ある。例えば、封入体の精製は、代表的に、細菌細胞の破壊による(例えば、5
0mM TRIS/HCL pH7.5、50mM NaCl、5mM MgC
2、1mM DTT、0.1mM ATP、および1mM PMSFの緩衝液
中でのインキュベーションによる)封入体の抽出、分離および/または精製を包
含する。細胞懸濁液は、French Pressに2〜3回通過させて溶解さ
れ得るか、Polytron(Brinkman Instruments)を
使用してホモジナイズされ得るか、または氷上で音波破砕され得る。細菌を溶解
する代替方法は、当業者に明らかである(例えば、Sambrookら、前出;
Ausubelら、前出を参照のこと)。
【0129】 必要であれば、封入体は可溶化され、そして溶解された細胞懸濁液は、代表的
に、望ましくない不溶性物質を除去するために遠心分離される。封入体を形成し
たタンパク質は、適合性の緩衝液を用いて希釈または透析することによって再生
され得る。適切な溶媒としては、尿素(約4M〜約8M)、ホルムアミド(少な
くとも約80%、容量/容量基準)、およびグアニジン塩酸塩(約4M〜約8M
)が挙げられるが、これらに限定されない。凝集物形成タンパク質を可溶化し得
るいくつかの溶媒(例えば、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、70%ギ酸)
は、免疫原性および/または活性の欠失に付随する、タンパク質の不可逆変性の
可能性に起因して、この手順での使用に不適切である。グアニジン塩酸塩および
類似の薬剤は変性剤であるが、この変性は不可逆的ではなく、そして、変性剤の
除去(例えば、透析による)または希釈によって、再生が生じ、免疫学的および
/または生物学的に活性なタンパク質の再形成を可能にする。他の適切な緩衝液
は、当業者に公知である。GPCR−B3は、標準的な分離技術(例えば、Ni
−NTAアガロース樹脂を用いる)によって、他の細菌性タンパク質から分離さ
れる。
【0130】 あるいは、細菌ペリプラズムからのGPCR−B3の精製が、可能である。細
菌の溶解後、GPCR−B3が細菌のペリプラズムへ輸出される(export
)場合、この細菌のペリプラズムの画分は、当業者に公知の他の方法に加えて、
低温浸透圧ショックによって単離され得る。ペリプラズムから組換えタンパク質
を単離するために、細菌細胞は、ペレットを形成するために遠心分離される。こ
のペレットは、20%スクロースを含有する緩衝液中に再懸濁される。細胞を溶
解するために、細菌は遠心分離され、そしてペレットは氷冷の5mM MgSO 4 中に再懸濁され、そして約10分間氷浴中に保存される。細胞懸濁液は遠心分
離され、そして上清はデカントされそして保管される。この上清中に存在する組
換えタンパク質は、当業者に周知の標準的な分離技術によって宿主タンパク質か
ら分離され得る。
【0131】 (B.GPCR−B3を精製するための標準的なタンパク質分離技術) (溶解度分画) しばしば最初の工程として、特に、タンパク質混合物が複合体である場合、最
初の塩分画は、目的の組換えタンパク質から、望ましくない宿主細胞タンパク質
(または細胞培養培地由来のタンパク質)の多くを分離し得る。1つの実施態様
において、塩は、硫酸アンモニウムである。硫酸アンモニウムは、タンパク質混
合物中の水分量を効率的に減少させることによってタンパク質を沈殿させる。次
いで、タンパク質は、これらの溶解度に基づいて沈殿される。タンパク質が疎水
性になるにつれ、このタンパク質はより低い硫酸アンモニウム濃度でより多く沈
殿するようである。代表的なプロトコルとしては、結果として生じる硫酸アンモ
ニウム濃度は、20〜30%の間であるように、タンパク質溶液に対して飽和硫
酸アンモニウムを添加することが挙げられる。この濃度は、ほとんどの疎水性の
タンパク質を沈殿させる。次いで、沈殿物が廃棄され(目的のタンパク質が疎水
性でないかぎり)、そして目的のタンパク質を沈殿させることが既知な濃度まで
、硫酸アンモニウムがこの上清に添加される。次いで、沈殿物は、緩衝液中に可
溶化され、そして、必要であれば、透析またはダイアフィルトレーションのいず
れかによって、過剰な塩が除去される。タンパク質の溶解度に依存する他の方法
(例えば、冷エタノール沈殿)は当業者に周知であり、そして複合体タンパク質
混合物を分画するために使用され得る。
【0132】 (サイズ差(size differential)濾過) GPCR−B3の分子量は、異なる孔サイズの膜(例えば、Amiconの膜
またはMilliporeの膜)による限外濾過を使用して、GPCR−B3を
、より大きなサイズおよびより小さなサイズのタンパク質から単離するために利
用され得る。第1工程として、タンパク質混合物は、目的のタンパク質の分子量
よりも低分子量のカットオフを有する孔サイズを有する膜によって限外濾過され
る。次いで、限外濾過の残留物(retentate)は、目的のタンパク質の
分子量よりも大きな分子カットオフを有する膜に対して限外濾過される。組換え
タンパク質は、その膜を通過して濾液となる。次いで、濾液は、以下で記載され
るようにクロマトグラフィーされ得る。
【0133】 (カラムクロマトグラフィー) GPCR−B3はまた、そのサイズ、正味の表面電荷、疎水性、およびリガン
ドに対する親和性に基づいて他のタンパク質から分離され得る。さらに、タンパ
ク質に対して惹起される抗体は、カラムマトリクスに結合体化し得、そしてタン
パク質が免疫精製(immunopurify)される。これらの方法の全ては
、当該分野で周知である。クロマトグラフィー技術が任意のスケールで実施され
得、そして多くの異なる製造業者(例えば、Pharmacia Biotec
h)からの装置を使用し得ることは、当業者に明らかである。
【0134】 (V.GPCR−B3の免疫学的検出) GPCR−B3遺伝子の検出、および核酸ハイブリダイゼーション技術を使用
する遺伝子発現に加えて、GPCR−B3を検出するために(例えば、味覚レセ
プター細胞およびGPCR−B3の改変体を同定するために)イムノアッセイも
また使用され得る。イムノアッセイは、GPCR−B3を定性的または定量的に
分析するために使用され得る。適用可能な技術の一般的な概要は、Harlow
&Lane、Antibodies:A Laboratory Manual
(1988)に見出され得る。
【0135】 (A.GPCR−B3に対する抗体) GPCR−B3と特異的に反応するポリクローナル抗体およびモノクローナル
抗体を産生する方法は、当業者に公知である(例えば、Coligan、Cur
rent Protocols in Immunology(1991);H
arlow&Lane、前出;Goding、Monoclonal Anti
bodies:Principles and Practice(第2版、1
986);ならびにKohler&Milstein、Nature 256:
495〜497(1975)を参照のこと)。このような技術としては、ファー
ジまたは類似のベクターにおける組換え抗体のライブラリーからの抗体の選択に
よる抗体の調製、ならびにウサギまたはマウスを免疫化することによるポリクロ
ーナル抗体およびモノクローナル抗体の調製が挙げられる(例えば、Huseら
、Science 246:1275〜1281(1989);Wardら、N
ature 341:544〜546(1989)を参照のこと)。
【0136】 免疫原を含む多くのGPCR−B3は、GPCR−B3と特異的に反応する抗
体を産生するために使用され得る。例えば、組換えGPCR−B3またはその抗
原性フラグメントは、本明細書で記載されるように単離される。組換えタンパク
質は、上記のように真核生物細胞または原核生物細胞において発現され得、そし
て一般に上記のように精製され得る。組換えタンパク質は、モノクローナル抗体
またはポリクローナル抗体の産生のための免疫原の1つの実施態様である。ある
いは、本明細書に開示される配列に由来し、そしてキャリアタンパク質に結合体
化される合成ペプチドは、免疫原として使用され得る。天然に存在するタンパク
質はまた、純粋な形態または不純な形態のいずれかにおいて使用され得る。次い
で、この生成物は、抗体を産生し得る動物へ注射される。モノクローナル抗体ま
たはポリクローナル抗体のいずれかが、タンパク質を測定するためのイムノアッ
セイにおける引き続く使用のために、産生され得る。
【0137】 ポリクローナル抗体を産生する方法は、当業者に公知である。マウスの近交系
系統(例えば、BALB/Cマウス)またはウサギの近交系系統を、標準的なア
ジュバント(例えば、フロイントアジュバント)および標準的な免疫プロトコー
ルを使用して、タンパク質で免疫する。免疫原性調製物に対する動物の免疫応答
を、試験採血を行うことおよびGPCR−B3に対する反応性の力価を測定する
ことによってモニターする。この免疫原に対して適切な高力価の抗体が得られた
場合、この動物から血液を採集し、そして抗血清を調製する。所望される場合に
は、タンパク質に対して反応性の抗体を富化させるために、抗血清のさらなる分
画が実施され得る(HarlowおよびLane、前出を参照のこと)。
【0138】 モノクローナル抗体は、当業者に周知の種々の技術によって獲得され得る。簡
潔には、所望される抗原で免疫された動物由来の脾臓細胞を、一般的には骨髄腫
細胞との融合によって不死化する(KohlerおよびMilstein、Eu
r.J.Immunol.6:511−519(1976)を参照のこと)。不
死化の代替の方法としては、エプスタイン−バーウイルス、オンコジーン、もし
くはレトロウイルスでの形質転換、または当該分野において周知の他の方法が挙
げられる。単一の不死化細胞から生じたコロニーを、所望の特異性の抗体の産生
および抗原に対する親和性についてスクリーニングする。そしてこのような細胞
によって産生されるモノクローナル抗体の収率は、種々の技術(脊椎動物宿主の
腹膜腔内への注射を含む)によって増大され得る。あるいは、モノクローナル抗
体またはその結合フラグメントをコードするDNA配列を、Huseら、Sci
ence 246:1275−1281(1989)によって概説された一般的
プロトコールに従って、ヒトB細胞由来のDNAライブラリーをスクリーニング
することによって単離し得る。
【0139】 モノクローナル抗体およびポリクローナル血清は収集され、そしてイムノアッ
セイ(例えば、固体支持体に固定された免疫原を用いる固相イムノアッセイ)に
おいて、免疫原タンパク質に対して滴定する。代表的には、104以上の力価を
有するポリクローナル抗血清が選択され、そして競合的結合イムノアッセイを使
用して、非GPCR−B3タンパク質に対するそれらの交叉反応性、または他の
生物由来の他の関連タンパク質に対する交叉反応性でさえも試験した。特異的な
ポリクローナル抗血清およびモノクローナル抗体は、通常は、少なくとも約0.
1mM、より通常は少なくとも約1μM、必要に応じて少なくとも約0.1μM
以下、そして必要に応じて0.01μM以下のKdで結合する。
【0140】 一旦、GPCR−B3特異的抗体が利用可能になると、GPCR−B3は、種
々のイムノアッセイ方法によって検出され得る。免疫学的手順およびイムノアッ
セイ手順の概説については、Basic and Clinical Immu
nology(StitesおよびTerr編、第7版、1991)を参照のこ
と。さらに、本発明のイムノアッセイは、いくつかの立体配置のいずれでも実施
され得る。この立体配置は、Enzyme Immunoassay(Magg
io編、1980);およびHarlow&Lane(前出)に広範に概説され
る。
【0141】 (B.免疫学的結合アッセイ) GPCR−B3は、十分に容認された多くの免疫学的結合アッセイ(例えば、
米国特許第4,366,241号;同第4,376,110号;同第4,517
,288号;および同第4,837,168号を参照のこと)のいずれかを使用
して、検出および/または定量化され得る。一般的なイムノアッセイの概説につ
いては、Methods in Cell Biology:Antibodi
es in Cell Biology、第37巻(Asai編、1993);
Basic and Clinical Immunology(Stites
およびTerr編、第7版、1991)もまた参照のこと。免疫学的結合アッセ
イ(すなわち、イムノアッセイ)は、代表的に、選択されたタンパク質または抗
原(この場合、GPCR−B3またはその抗原性部分配列)に特異的に結合する
抗体を使用する。抗体(例えば、抗GPCR−B3)は、当業者に周知のおよび
上記のような多くの手順のいずれかによって産生され得る。
【0142】 イムノアッセイはまた、しばしば、抗体および抗原によって形成される複合体
に特異的に結合し、そしてそれを標識する標識化剤を使用する。標識化剤は、そ
れ自体、抗体/抗原複合体を含む1つの部分であり得る。従って、標識化剤は、
標識されたGPCR−B3ポリペプチドまたは標識された抗GPCR−B3抗体
であり得る。あるいは、標識化剤は、抗体/GPCR−B3複合体に特異的に結
合する二次抗体のような第3の部分であり得る(二次抗体は、代表的に、一次抗
体が由来する種の抗体に特異的である)。免疫グロブリンの定常領域に特異的に
結合し得る他のタンパク質(例えば、プロテインAまたはプロテインG)もまた
、標識化剤として使用され得る。これらのタンパク質は、種々の種由来の免疫グ
ロブリン定常領域との強力な非免疫原性反応性を示す(例えば、Kronval
ら、J.Immunol.111:1401−1406(1973);Aker
stromら、J.Immunol.135:2589−2542(1985)
を参照のこと)。標識化剤は、別の分子(例えば、ストレプトアビジン)が特異
的に結合し得る検出可能部分(例えば、ビオチン)で改変され得る。種々の検出
可能部分が当業者に周知である。
【0143】 アッセイ全体を通して、試薬の各配合の後に、インキュベーション工程および
/または洗浄工程が必要とされ得る。インキュベーション工程は、約5秒間から
数時間まで、必要に応じて、約5分間から約24時間まで変動し得る。しかし、
インキュベーション時間は、アッセイの様式、抗原、溶液の容量、濃度などに依
存する。通常、アッセイは、周辺温度にて実施されるが、これは、一定範囲の温
度(例えば、10℃〜40℃)にわたって実施され得る。
【0144】 (非競合的アッセイ様式) サンプル中のGPCR−B3を検出するためのイムノアッセイは、競合的また
は非競合的のいずれかであり得る。非競合的アッセイとは、抗原の量が直接的に
測定されるアッセイである。1つの好ましい「サンドウィッチ」アッセイにおい
て、例えば、抗GPCR−B3抗体は、固体基材に直接結合され得、この固体支
持体上で抗体が固定される。次いで、これらの固定化抗体は、試験サンプル中に
存在するGPCR−B3を捕捉する。次いで、このように固定化されたGPCR
−B3を、標識化剤(例えば、標識を保有するGPCR−B3二次抗体)に結合
させる。あるいは、二次抗体は標識を欠いてもよいが、これは、次いで、二次抗
体が由来する種の抗体に対して特異的な標識化三次抗体に結合され得る。二次抗
体または三次抗体は、代表的には、別の分子(例えば、ストレプトアビジン)が
特異的に結合する検出可能部分(例えば、ビオチン)で改変されて、検出可能部
分を提供する。
【0145】 (競合的アッセイ様式) 競合的アッセイにおいては、サンプル中に存在するGPCR−B3の量は、サ
ンプル中に存在する未知のGPCR−B3によって、抗GPCR−B3抗体から
置換される(競合により取り除かれる(competed away))既知の
添加された(外因性)GPCR−B3の量を測定することによって、間接的に測
定される。1つの競合的アッセイにおいて、既知の量のGPCR−B3がサンプ
ルに添加され、次いでこのサンプルを、GPCR−B3に特異的に結合する抗体
と接触させる。この抗体に結合する外因性のGPCR−B3の量は、サンプル中
に存在するGPCR−B3の濃度に反比例する。1つの実施態様において、抗体
は固体基材に固定される。抗体に結合するGPCR−B3の量は、GPCR−B
3/抗体複合体中に存在するGPCR−B3の量を測定することによって、ある
いは残存している非複合体化タンパク質の量を測定することによってのいずれか
で決定され得る。GPCR−B3の量は、標識されたGPCR−B3分子を提供
することによって検出され得る。
【0146】 ハプテン阻害アッセイは、別の好ましい競合的アッセイである。このアッセイ
においては、既知のGPCR−B3が固体基材上に固定される。既知の量の抗G
PCR−B3抗体がサンプルに添加され、次いでこのサンプルを、固定化された
GPCR−B3と接触させる。既知の固定化されたGPCR−B3に結合した抗
GPCR−B3抗体の量は、サンプル中に存在するGPCR−B3の量と反比例
する。再度、固定化された抗体の量は、抗体の固定化された画分または溶液中に
残存する抗体の画分のいずれかを検出することによって検出され得る。検出は、
直接的であり得るか(ここで、抗体は標識されている)、または上記のように抗
体に特異的に結合する標識化部分の引き続く添加によって間接的であり得る。
【0147】 (交叉反応性の測定) 競合的結合様式におけるイムノアッセイはまた、交叉反応性の測定のために使
用され得る。例えば、配列番号1〜3によって少なくとも部分的にコードされる
タンパク質が、固体支持体上に固定化され得る。タンパク質(例えば、GPCR
−B3のタンパク質およびホモログ)は、この固定化された抗原への抗血清の結
合について競合するアッセイに添加される。添加されたタンパク質が、固定化タ
ンパク質への抗血清の結合について競合する能力は、配列番号1〜3によってコ
ードされるGPCR−B3がそれ自身と競合する能力と比較される。上記のタン
パク質についての交叉反応性の百分率は、標準的な計算を使用して算出される。
上記に列挙される添加されたタンパク質の各々と10%未満の交叉反応性を有す
る抗血清を選択し、そしてプールする。必要に応じて、交叉反応性抗体は、添加
される考慮されたタンパク質(例えば、遠縁のホモログ)での免疫吸収によって
、プールされた抗血清から取り除かれる。
【0148】 次いで、免疫吸着されそしてプールされた抗血清を、上記のような競合的結合
イムノアッセイに用いて、免疫原タンパク質(すなわち、配列番号1〜3のGP
CR−B3)に対して、おそらくGPCR−B3の対立遺伝子改変体または多型
性改変体と考えられる第2のタンパク質と比較する。この比較をなすために、2
つのタンパク質は各々、広範な濃度でアッセイされ、そして固定化タンパク質へ
の抗血清の結合の50%を阻害するのに必要とされる各タンパク質の量が決定さ
れる。結合の50%を阻害するために必要とされる第2のタンパク質の量が、結
合の50%を阻害するために必要とされる配列番号1〜3によってコードされる
タンパク質の量の10倍未満である場合、この第2のタンパク質はGPCR−B
3免疫原に対して産生されたポリクローナル抗体に特異的に結合するといわれる
【0149】 (他のアッセイ様式) ウェスタンブロット(イムノブロット)分析が、サンプル中のGPCR−B3
の存在を検出および定量化するために使用される。この技術は一般に、以下の工
程を包含する:分子量に基づいてゲル電気泳動によってサンプルのタンパク質を
分離させる工程、分離されたタンパク質を適切な固体支持体(例えば、ニトロセ
ルロースフィルター、ナイロンフィルター、または誘導体化されたナイロンフィ
ルター)に転写する工程、およびGPCR−B3を特異的に結合する抗体とサン
プルをインキュベートする工程。抗GPCR−B3抗体は、固体支持体上のGP
CR−B3に特異的に結合する。これらの抗体は、直接標識され得るか、あるい
は抗GPCR−B3抗体に特異的に結合する標識化抗体(例えば、標識されたヒ
ツジ抗マウス抗体)を用いて、引き続き検出され得る。
【0150】 他のアッセイ様式としては、リポソームイムノアッセイ(LIA)が挙げられ
、これは特定の分子(例えば、抗体)に結合して、カプセル化された試薬または
マーカーを放出するように設計されたリポソームを使用する。次いで、この放出
された化学薬品が、標準的技術に従って検出される(Monroeら、Amer
.Clin.Prod.Rev.5:34−41(1986)を参照のこと)。
【0151】 (非特異的結合の削減) 当業者は、イムノアッセイにおいて非特異的結合を最小化することがしばしば
所望されることを理解する。特に、アッセイが固体基材に固定化された抗原また
は抗体を含む場合、この基材への非特異的結合の量を最小化することが所望され
得る。このような非特異的結合を削減する手段は、当業者に周知である。代表的
には、この技術は、基板を蛋白様組成物でコーティングすることを含む。特に、
ウシ血清アルブミン(BSA)、脱脂粉乳、およびゼラチンのようなタンパク質
組成物が広範に用いられる。
【0152】 (標識) このアッセイで使用される特定の標識または検出可能な基は、それがこのアッ
セイにおいて使用される抗体の特異的結合を有意に阻害しない限り、本発明の重
要な局面ではない。検出可能な基は、検出可能な物理的特性または化学的特性を
有する任意の物質であり得る。このような検出可能な標識は、イムノアッセイの
分野において開発されており、そして一般的に、このような方法において有用な
大半の任意の標識が、本発明に適用され得る。従って、標識は、分光学的手段、
光化学的手段、生化学的手段、免疫化学的手段、電気的手段、光学的手段、また
は化学的手段によって検出され得る任意の組成物である。本発明において有用な
標識としては、以下が挙げられる;磁気ビーズ(例えば、DYNABEADSTM )、蛍光色素(例えば、フルオレセインイソチオシアネート、テキサスレッド、
ローダミンなど)、放射性標識(例えば、3H、125I、35S、14C、または32
)、酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、お
よびELISAにおいて一般的に使用される他の酵素)、および比色標識(例え
ば、金コロイド、または着色ガラスビーズもしくは着色プラスチックビーズ(例
えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)。
【0153】 標識は、当該分野において周知の方法に従って、アッセイの所望の成分に対し
て、直接的または間接的に結合され得る。上記のように、広範な種々の標識が使
用され得、ここで標識の選択は、必要とされる感度、化合物との結合の容易さ、
安定性の要求度、利用可能な装置、および廃棄設備に依存する。
【0154】 非放射能性標識は、しばしば間接的手段によって結合される。一般的に、リガ
ンド分子(例えば、ビオチン)が、この分子に共有結合される。次いで、このリ
ガンドは、別の分子(例えば、ストレプトアビジン)に結合される。この別の分
子は、固有に検出可能であるか、またはシグナル系(例えば、検出可能な酵素、
蛍光化合物、または化学発光化合物)に共有結合されるかのいずれかである。リ
ガンドおよびそれらの標的は、GPCR−B3を認識する抗体、または抗GPC
R−B3を認識する二次抗体との任意の適切な組み合わせにおいて使用され得る
【0155】 この分子はまた、シグナルを生成する化合物に直接的に結合体化され得る(例
えば、酵素または発蛍光団と結合体化することによって)。標的としての目的の
酵素は主に、加水分解酵素、特にホスファターゼ、エステラーゼ、およびグリコ
シダーゼ、またはオキシドレダクターゼ(oxidotase)、特にぺルオキ
シダーゼである。蛍光化合物としては、フルオレセインおよびその誘導体、ロー
ダミンおよびその誘導体、ダンシル、ウンベリフェロンなどが挙げられる。化学
発光化合物としては、ルシフェリン、および2,3−ジヒドロフタラジンジオン
、例えば、ルミノールが挙げられる。使用され得る種々の標識系またはシグナル
生成系の概説としては、米国特許第4,391,904号を参照のこと。
【0156】 標識を検出する手段は、当業者に周知である。従って、例えば、標識が放射性
標識である場合、検出のための手段は、オートラジオグラフィーにおける場合の
ようなシンチレーションカウンターまたは写真フィルムを含む。標識が蛍光標識
である場合、これは適切な波長の光で蛍光色素を励起すること、および生じた蛍
光を検出することによって検出され得る。蛍光は、写真フィルムを利用して、電
荷結合素子(CCD)または光電子増倍管などのような電子検出器の使用によっ
て、可視的に検出され得る。同様に、酵素標識は、その酵素に適切な基質を提供
することおよび生じた反応産物を検出することによって検出され得る。最後に、
単純な比色標識は、標識に関連する色を観察することによって単純に検出され得
る。従って、種々のディップスティックアッセイにおいて、結合体化された金は
しばしばピンクのように見え、一方で種々の結合体化されたビーズはそのビーズ
の色に見える。
【0157】 いくつかのアッセイ様式は、標識された成分の使用を必要としない。例えば、
凝集体化アッセイは、標的抗体の存在を検出するために使用され得る。この場合
、抗原をコーティングされた粒子が、標的抗体を含有するサンプルによって凝集
体化される。この様式においては、いかなる成分も標識される必要がなく、そし
て標的抗体の存在は、単純な可視的検査によって検出される。
【0158】 (VI.GPCR−B3のモジュレーターについてのアッセイ) (A.GPCR−B3活性についてのアッセイ) GPCR−B3ならびにその対立遺伝子改変体および多型性改変体は、味覚伝
達に関与するGタンパク質共役型レセプターである。GPCR−B3ポリペプチ
ドの活性は、機能的効果、化学的効果、および物理的効果を測定する種々のイン
ビトロアッセイおよびインビボアッセイ(例えば、リガンド結合(例えば、放射
性リガンド結合)、セカンドメッセンジャー(例えば、cAMP、cGMP、I
3、DAG、またはCa2+)、イオン流、リン酸化レベル、転写レベル、神経
伝達物質レベルなどを測定すること)を使用して、アッセイされ得る。さらに、
このようなアッセイは、GPCR−B3のインヒビターおよびアクチベーターを
試験するために使用され得る。モジュレーターはまた、GPCR−B3の遺伝的
に改変されたバージョンであり得る。味覚伝達活性のこのようなモジュレーター
は、味覚をカスタマイズするために有用である。
【0159】 アッセイのGPCR−B3は、配列番号1〜3の配列を有するポリペプチドま
たはその保存的に改変された改変体から選択される。あるいは、アッセイのGP
CR−B3は真核生物に由来し、そしてこれは配列番号1〜3にアミノ酸配列同
一性を有するアミノ酸部分配列を含む。一般的に、アミノ酸配列同一性は、少な
くとも70%、必要に応じて、少なくとも85%、必要に応じて少なくとも90
〜95%である。必要に応じて、アッセイのポリペプチドは、細胞外ドメイン、
膜貫通ドメイン、細胞質ドメイン、リガンド結合ドメイン、サブユニット関連ド
メイン、活性部位などのようなGPCR−B3のドメインを含む。GPCR−B
3またはそのドメインのいずれかは、異種タンパク質に共有結合されて、本明細
書中に記載のアッセイにおいて使用されるキメラタンパク質を作製し得る。
【0160】 GPCR−B3活性のモジュレーターは、上記のように、組換えによって生じ
るかまたは天然に存在するかのいずれかであるGPCR−B3ポリペプチドを使
用して試験される。組換えによって生じるかまたは天然に存在するかのいずれか
であるタンパク質は単離され得、細胞において発現され得、細胞由来の膜におい
て発現され得、組織または動物中で発現され得る。例えば、舌の切片、舌から解
離された細胞、形質転換された細胞、または膜が使用され得る。調節は、本明細
書中に記載のインビトロアッセイまたはインビボアッセイのうちの1つを使用し
て試験される。味覚伝達はまた、異種のシグナル伝達ドメインに共有結合された
レセプターの細胞外ドメイン、またはレセプターの膜貫通ドメインおよび細胞質
ドメインに共有結合された異種の細胞外ドメインのようなキメラ分子を用いて、
可溶性反応または固体反応でインビトロにおいて試験され得る。さらに、目的の
タンパク質のリガンド結合ドメインを、可溶性反応または固体反応においてイン
ビトロで使用して、リガンド結合についてアッセイし得る。
【0161】 GPCR−B3、ドメイン、キメラタンパク質へのリガンド結合は、溶液にお
いて、二重層膜において、固相に付着されて、脂質単層において、またはビヒク
ルにおいて試験され得る。モジュレーターの結合は、例えば、分光学的特徴(例
えば、蛍光、吸着、屈折率)、流体力学特性(例えば、形状)、クロマトグラフ
ィーの特性、または可溶性特性おける変化を使用して試験され得る。
【0162】 レセプター−Gタンパク質の相互作用もまた試験され得る。例えば、レセプタ
ーへのGタンパク質の結合、またはレセプターからのGタンパク質の放出を試験
し得る。例えば、GTPの非存在下において、アクチベーターは、Gタンパク質
(3つすべてのサブユニット)とレセプターとの堅固な複合体の形成を導く。こ
の複合体は、上記に述べたような種々の方法において検出され得る。このような
アッセイは、インヒビターを検索するために改変され得る。GTPの非存在下で
レセプターおよびGタンパク質にアクチベーターを添加し、堅固な複合体を形成
し、次いでレセプター−Gタンパク質複合体の解離を観察することによってイン
ヒビターをスクリーニングする。GTPの存在下では、Gタンパク質の他の2つ
のGタンパク質サブユニットからのαサブユニットの放出を、活性化の判断基準
として使用する。
【0163】 活性化されたGタンパク質または阻害されたGタンパク質は、また、標的酵素
、チャネル、および他のエフェクタータンパク質の特性を改変する。伝統的は例
は、視覚系におけるトランスデューシンによるcGMPホスホジエステラーゼの
活性化、刺激Gタンパク質によるアデニル酸シクラーゼの活性化、Gqおよび他
の同属Gタンパク質によるホスホリパーゼCの活性化、ならびにGiタンパク質
および他のGタンパク質による多岐チャネルの調節である。下流の結果(例えば
、ホスホリパーゼCによるジアシルグリセロールおよびIP3の生成、次いでI
P3によるカルシウム流動化)もまた試験され得る。
【0164】 活性化されたGPCRレセプターは、レセプターのC末端のC末端尾部(ta
il)(そしておそらく、他の部位でも同様)をリン酸化するキナーゼの基質と
なる。従って、アクチベーターは、γ標識されたGTPからレセプターへの32
の転移を促進し、これは、シンチレーションカウンターでアッセイされ得る。C
末端尾部のリン酸化は、アレスチン様のタンパク質の結合を促進し、そしてGタ
ンパク質の結合を阻害する。キナーゼ/アレスチン経路は、多くのGPCRレセ
プターの脱感受性において重要な役割を果たす。例えば、味覚レセプターが活性
にとどまる持続期間を調節する化合物は、所望される味覚を延長するか、または
不快な味覚を断つ手段として有用である。GPCRシグナル伝達およびシグナル
伝達をアッセイする方法の一般的概説については、例えば、Methods i
n Enzymology、第237巻および第238巻(1994)および第
96巻(1983);Bourneら、Nature 10:349:117−
27(1991);Bourneら、Nature 348:125−32(1
990);Pitcherら、Annu.Rev.Biochem.67:65
3−92(1998)を参照のこと。
【0165】 有望なGPCR−B3のインヒビターまたはアクチベーターで処理されるサン
プルまたはアッセイは、調節の程度を調べるために、試験化合物を伴わないコン
トロールサンプルと比較される。コントロールサンプル(アクチベーターまたは
インヒビターで処理されていない)は、相対的GPCR−B3活性値100を割
り当てられる。GPCR−B3の阻害は、コントロールと相対的なGPCR−B
3活性値が約90%、必要に応じて50%、必要に応じて25〜0%である場合
に達成される。GPCR−B3の活性化は、コントロールと相対的なGPCR−
B3活性値が110%、必要に応じて150%、200〜500%、または10
00〜2000%である場合に達成される。
【0166】 イオン流における変化は、GPCR−B3を発現する細胞または膜の分極(す
なわち、電位)における変化を測定することによって評価され得る。細胞の分極
における変化を測定するための1つの手段は、電圧固定およびパッチクランプ技
術(例えば、「細胞接着」様式、「裏返し(inside−out)」様式、お
よび「全細胞」様式(例えば、Ackermanら、New Engl.J.M
ed.336:1575−1595(1997)を参照のこと))を用いて、電
流の変化を測定する(それによって分極における変化を測定する)ことによるも
のである。全細胞の電流は、標準的技術(例えば、Hamilら、PFluge
rs.Archiv.391:85(1981)を参照のこと)を用いて、簡便
に測定される。他の公知のアッセイとしては、以下が挙げられる:放射性標識イ
オン流アッセイおよび電圧感受性色素を用いる蛍光アッセイ(例えば、Vest
ergarrd−Bogindら、J.Membrane Biol.88:6
7−75(1988);Gonzales&Tsien、Chem.Biol.
4:269−277(1997);Danielら、J.Pharmacol.
Meth.25:185−193(1991);Holevinskyら、J.
Membrane Biology 137:59−70(1994)を参照の
こと)。一般的に、試験される化合物は、1pM〜100mMの範囲で存在する
【0167】 ポリペプチドの機能に対する試験化合物の効果は、上記のパラメーターのいず
れかを試験することによって測定され得る。GPCR活性に作用する任意の適切
な生理学的変化を使用して、本発明のポリペプチドに対する試験化合物の影響を
評価し得る。機能的な結果がインタクトな細胞または動物を用いて測定される場
合、伝達物質放出、ホルモン放出、既知の遺伝的マーカーおよび特徴付けられて
いない遺伝的マーカーの両方に対する転写の変化(例えば、ノーザンブロット)
、細胞増殖またはpH変化のような細胞代謝における変化、および細胞内セカン
ドメッセンジャー(例えば、Ca2+、IP3、またはcAMP)における変化の
ような種々の効果また測定され得る。
【0168】 Gタンパク質共役型レセプターについてのアッセイは、レセプター活性をレポ
ートするためのイオンまたは電圧感受性色素を載せた細胞を含む。このようなレ
セプターの活性を決定するためのアッセイはまた、試験される化合物の活性を評
価するために、ネガティブコントロールまたはポジティブコントロールとして、
レセプターに結合された他のGタンパク質共役型レセプターに対する公知のアゴ
ニストおよびアンタゴニストを使用し得る。調節化合物(例えば、アゴニスト、
アンタゴニスト)を同定するためのアッセイにおいて、細胞質におけるイオンの
レベルまたは膜電圧は、イオン感受性、または膜電圧蛍光インジケーターをそれ
ぞれ用いてモニターされる。イオン感受性インジケーターおよび電圧プローブの
中で用いられ得るのは、Molecular Probes 1997カタログ
に開示されるものである。Gタンパク質共役型レセプターについて、不規則な(
promiscuous)Gタンパク質(例えば、Gα15およびGα16)は
、選り抜きのアッセイに用いられ得る(Wilkieら、Proc.Nat’l
Acad.Sci.USA 88:10049−10053(1991))。
このような不規則なGタンパク質は、広範囲のレセプターのカップリングを可能
にする。
【0169】 レセプターの活性化は、代表的には、引き続く細胞内事象を開始する(例えば
、細胞内貯蔵物のカルシウムイオンを放出する、IP3のようなセカンドメッセ
ンジャーを増加させる)。いくつかのGタンパク質共役型レセプターの活性化は
、ホスファチジルイノシトールのホスホリパーゼC媒介加水分解を通じてイノシ
トール三リン酸(IP3)の形成を刺激する(BerridgeおよびIrvi
ne,Nature 312:315−21(1984))。次いで、IP3は
、細胞内カルシウムイオン貯蔵物の放出を刺激する。従って、細胞質カルシウム
イオンレベルにおける変化、またはセカンドメッセンジャー(例えばIP3)レ
ベルにおける変化は、Gタンパク質共役型レセプター機能を評価するために用い
られ得る。このようなGタンパク質共役型レセプターを発現する細胞は、細胞内
貯蔵物およびイオンチャネルの活性化経由の両方による寄与の結果として、増加
した細胞質カルシウムレベルを示し得る。この場合、内部貯蔵物からのカルシウ
ム放出から生じる蛍光応答を区別するために、必要に応じて、キレート剤(例え
ば、EGTA)を補充した無カルシウム緩衝液においてこのようなアッセイを行
うことは、必須ではないが、所望され得る。
【0170】 他のアッセイは、活性化された場合に、アデニル酸シクラーゼのような酵素を
活性化するかまたは阻害することによって、細胞内環状ヌクレオチド(例えば、
cAMP、またはcGMP)のレベルの変化を生じるレセプターの活性を決定す
ることに関与し得る。環状ヌクレオチド型イオンチャネル(例えば、杆状体光受
容細胞チャネル)およびcAMPまたはcGMPの結合による活性化の際に、カ
チオンに透過性である嗅覚ニューロンチャネルが存在する(例えば、Alten
hofenら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.88:9
868−9872(1991)およびDhallanら、Nature 347
:184−187(1990)を参照のこと)。環状ヌクレオチドレベルの減少
を生じるレセプターの活性化の場合、アッセイにおいて細胞にレセプター活性化
化合物を加える前に、細胞内環状ヌクレオチドレベルを増加させる薬剤(例えば
、フォルスコリン)に、細胞を曝露することが好適であり得る。この型のアッセ
イのための細胞は、環状ヌクレオチド型イオンチャネルをコードするDNA、G
PCRホスファターゼ、およびレセプター(例えば、特定のグルタミン酸レセプ
ター、ムスカリン性アセチルコリンレセプター、ドーパミンレセプター、セロト
ニンレセプターなど)(これは、活性化された場合に、細胞質中の環状ヌクレオ
チドのレベルに変化をもたらす)をコードするDNAを用いた宿主細胞の同時ト
ランスフェクトによって作製され得る。
【0171】 1つの実施態様において、GPCR−B3活性は、このレセプターをホスホリ
パーゼCシグナル伝達経路に結び付ける不規則なGタンパク質(Offerma
nnsおよびSimon,J.Biol.Chem.270:15175−15
180(1995)を参照のこと)を有する異種細胞においてGPCR−B3を
発現させることによって測定される。必要に応じて、この細胞株は、HEK−2
93(これはGPCR−B3を天然で発現しない)であり、および不規則なGタ
ンパク質は、Gα15(OffermannsおよびSimon、前出)である
。味覚伝達の調節は、細胞内Ca2+レベルの変化を測定することによってアッセ
イされる。これはGPCR−B3と会合する分子の投与を介したGPCR−B3
シグナル伝達の調節に応じて変化する。Ca2+レベルにおける変化は、必要に応
じて蛍光Ca2+インジケーター色素および蛍光比色画像化を用いて測定される。
【0172】 1つの実施態様において、細胞内cAMPまたはcGMPにおける変化は、イ
ムノアッセイを用いて測定され得る。OffermannsおよびSimon,
J.Biol.Chem.270:15175−15180(1995)に記載
される方法は、cAMPのレベルを決定するために用いられ得る。Felley
−Boscoら、Am.J.Resp.Cell and Mol.Biol.
11:159−164(1994)に記載される方法もまた、cGMPのレベル
を決定するために用いられ得る。さらに、cAMPおよび/またはcGMPを測
定するためのアッセイキットは、米国特許第4,115,538号(本明細書中
で参考として援用される)に記載される。
【0173】 別の実施態様において、ホスファチジルイノシトール(PI)加水分解は、米
国特許第5,436,128号(本明細書中で参考として援用される)に従って
分析され得る。簡単には、このアッセイは、48時間以上の3H−ミオイノシト
ールでの細胞の標識に関与する。この標識細胞は、試験化合物を用いて1時間処
理される。処理された細胞は、溶解され、そしてクロロホルム−メタノール−水
において抽出され、その後、イノシトールリン酸は、イオン交換クロマトグラフ
ィーによって分離され、そしてシンチレーション計数によって定量された。折り
たたみ刺激(fold stimulation)は、緩衝液コントロールの存
在下でのcpmに対する、アゴニストの存在下でのcpmの比を計算することに
よって決定される。同様に、折りたたみ阻害は、緩衝液コントロール(これは、
アゴニストを含んでもよいし、含まなくてもよい)の存在下でのcpmに対する
、アンタゴニストの存在下でのcpmの比を計算することによって決定される。
【0174】 別の実施態様において、転写レベルは、シグナル伝達に対する試験化合物の効
果を評価するために測定され得る。目的のタンパク質を含む宿主細胞は、任意の
相互作用をもたらすのに十分な時間、試験化合物と接触され、次いで遺伝子発現
のレベルが測定される。このような相互作用をもたらすための時間量は、例えば
、時間経過を進め、そして時間の関数として転写のレベルを測定することによっ
て、経験的に決定され得る。この転写の量は、当業者に公知の適切である任意の
方法を用いることによって、測定され得る。例えば、目的のタンパク質のmRN
A発現は、ノーザンブロットを用いて検出され得るか、またはこれらのポリペプ
チド産物は、イムノアッセイを用いて同定され得る。あるいは、レポーター遺伝
子を用いる転写に基づくアッセイは、本明細書中で参考として援用される米国特
許第5,436,128号に記載されるように用いられ得る。このレポーター遺
伝子は、例えば、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、ホタルル
シフェラーゼ、細菌ルシフェラーゼ、βガラクトシダーゼおよびアルカリホスフ
ァターゼであり得る。さらに、目的のタンパク質は、緑色蛍光タンパク質のよう
な第2のレポーターへの付着を介して間接的レポーターとして用いられ得る(例
えば、MistiliおよびSpector,Nature Biotechn
ology 15:961−964(1997)を参照のこと)。
【0175】 次いで、この転写の量は、試験化合物の非存在下での同じ細胞における転写の
量か、または目的のタンパク質を欠く実質的に同一の細胞における転写の量のい
ずれかと比較され得る。実質的に同一の細胞は、組換え細胞が調製された細胞で
あるが、異種DNAの導入によって改変されていなかった同じ細胞に由来し得る
。転写の量におけるいずれの差異も、試験化合物が、何らかの様式で目的のタン
パク質の活性を変化させたことを示す。
【0176】 (B.モジュレーター) GPCR−B3のモジュレーターとして試験される化合物は、任意の低分子化
学物質か、または生物学的実体(例えば、タンパク質、糖、核酸または脂質)で
あり得る。あるいは、モジュレーターは、GPCR−B3の遺伝子操作されたバ
ージョンであり得る。代表的には、試験化合物は、低分子化学分子およびペプチ
ドである。本質的に任意の化学物質が、本発明のアッセイにおいて有望なモジュ
レーターまたはリガンドとして使用され得るが、最も頻繁には、水溶液または有
機(特にDMSO−ベース)溶液中に溶解され得る化合物が用いられる。このア
ッセイは、アッセイ工程を自動化し、そして任意の都合の良い供給源からアッセ
イに化合物を提供することによって大きな化学ライブラリーをスクリーニングす
るために設計される。これは、代表的には、並行して(例えば、ロボットアッセ
イにおいてマイクロタイタープレート上のマイクロタイター形式において)実行
される。Sigma(St.Louis,MO)、Aldrich(St.Lo
uis,MO)、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)、F
luka Chemika−Biochemica Analytika(Bu
chs Switzerland)などを含む多くの化学物質の供給業者が存在
することは明らかである。
【0177】 1つの実施態様において、高処理能スクリーニング法は、多数の潜在的な治療
用化合物(潜在的モジュレーターまたはリガンド化合物)を含むコンビナトリア
ル化学ライブラリーまたはコンビナトリアルペプチドライブラリーを提供するこ
とに関する。次いで、このような「コンビナトリアル化学ライブラリー」または
「リガンドライブラリー」は、本明細書中に記載されるような、1つ以上のアッ
セイにおいてスクリーニングされて、所望の特徴的な活性を提示するこれらのラ
イブラリーのメンバー(特定の化学種またはサブクラス)を同定する。従って、
同定された化合物は、従来の「リード化合物(lead compound)」
として役割を果たし得るか、またはそれ自身が潜在的もしくは実際の治療剤とし
て用いられ得る。
【0178】 コンビナトリアル化学ライブラリーは、化学合成かまたは生合成のいずれかに
より、多数の化学的「基礎単位」(例えば、試薬)を組み合わせることによって
生成される多様な化学物質の収集物である。例えば、一次コンビナトリアル化学
ライブラリー(例えば、ポリペプチドライブラリー)は、所定の化合物長(すな
わち、ポリペプチド化合物におけるアミノ酸の数)について可能なあらゆる方法
において、一組の化学的基礎単位(アミノ酸)を組み合せることによって形成さ
れる。何百万もの化学物質は、化学的基礎単位のこのようなコンビナトリアル混
合によって合成され得る。
【0179】 コンビナトリアル化学ライブラリーの調製およびスクリーニングは、当業者に
周知である。このようなコンビナトリアル化学ライブラリーとしては、ペプチド
ライブラリー(例えば、米国特許第5,010,175号、Furuka,In
t.J.Pept.Prot.Res.37:487−493(1991)およ
びHoughtonら、Nature 354:84−88(1991)を参照
のこと)が挙げられるがこれに限定されない。化学的に多様なライブラリーを作
製するための他の化学もまた、用いられ得る。このような化学としては、以下が
挙げられるがこれらに限定されない:ペプトイド(例えば、PCT国際公開番号
WO91/19735)、コード化ペプチド(例えば、PCT国際公開番号
WO93/20242)、ランダムバイオオリゴマー(例えば、PCT国際公開
番号 WO92/00091)、ベンゾジアゼピン(例えば、米国特許第5,2
88,514号)、ダイバーソマー(diversomer)(例えば、ヒダン
トイン、ベンゾジアゼピンおよびジペプチド(Hobbsら、Proc.Nat
.Acad.Sci.USA 90:6909−6913(1993))、ビニ
ローグ(vinylogous)ポリペプチド(Hagiharaら、J.Am
er.Chem.Soc.114:6568(1992))、グルコース骨格を
有する非ペプチド性のペプチド模倣物(Hirschmannら、J.Amer
.Chem.Soc.114:9217−9218(1992))、低分子化合
物ライブラリーのアナログ有機合成(Chenら、J.Amer.Chem.S
oc.116:2661(1994))、オリゴカルバメート(Choら、Sc
ience 261:1303(1993))、および/またはペプチジルホス
ホネート(Campbellら、J.Org.Chem.59:658(199
4))、核酸ライブラリー(Ausubel,BergerおよびSambro
ok、全て前出、を参照のこと)、ペプチド核酸ライブラリー(例えば、米国特
許第5,539,083号を参照のこと)、抗体ライブラリー(例えば、Vau
ghnら、Nature Biotechnology,14(3):309−
314(1996)およびPCT/US96/10287を参照のこと)、糖質
ライブラリー(例えば、Liangら、Science,274:1520−1
522(1996)および米国特許第5,593,853号を参照のこと)、有
機低分子ライブラリー(例えば、ベンゾジアゼピン、Baum C&EN,1月
18日、33頁(1993));イソプレノイド、米国特許第5,569,58
8号;チアゾリジノンおよびメタチアザノン、米国特許第5,549,974号
;ピロリジン、米国特許第5,525,735号および同第5,519,134
号;モルホリノ化合物、米国特許第5,506,337号;ベンゾジアゼピン、
米国特許第5,288,514号などを参照のこと)。
【0180】 コンビナトリアルライブラリーの調製のための装置は、市販されている(例え
ば、357 MPS、390 MPS、Advanced Chem Tech
,Louisville KY,Symphony,Rainin,Wobur
n,MA、433A Applied Biosystems,Foster
City,CA,9050およびMillipore,Bedford,MAを
参照のこと)。さらに、多数のコンビナトリアルライブラリーは、それ自身が市
販されている(例えば、ComGenex,Princeton,N.J.,T
ripos,Inc.,St.Louis,MO,3D Pharmaceut
icals,Exton,PA,Martek Biosciences,Co
lumbia,MDなどを参照のこと)。
【0181】 (C.固体高処理能アッセイおよび可溶性高処理能アッセイ) 1つの実施態様では、本発明は、分子(例えば、リガンド結合ドメイン、細胞
外ドメイン、膜貫通ドメイン(例えば、あるものは、7つの膜貫通領域およびサ
イトゾルループを含む)、膜貫通ドメインおよび細胞質ドメイン、活性部位、サ
ブユニット会合領域などのようなドメイン;キメラ分子を生成するために異種タ
ンパク質に共有結合されるドメイン;GPCR−B3;または天然に存在するか
または組換えのいずれかのGPCR−B3を発現する細胞もしくは組織)を用い
る可溶性アッセイを提供する。別の実施態様では、本発明は、ドメイン、キメラ
分子、GPCR−B3、またはGPCR−B3を発現する細胞もしくは組織が、
固相基材に付着される場合、固相に基いたインビトロアッセイを高処理能形式で
提供する。
【0182】 本発明の高処理能アッセイでは、一日で数千までの異なるモジュレーターまた
はリガンドをスクリーニングすることが可能である。詳細には、マイクロタイタ
ープレートの各ウェルを用いて、選択される潜在的モジュレーターに対して別々
のアッセイを実行し得るか、または濃度もしくはインキュベーション時間の効果
が観察されるべきである場合には、5〜10ウェルごとに単一モジュレーターを
試験し得る。従って、単一の標準的なマイクロタイタープレートは、約100(
例えば、96)モジュレーターをアッセイし得る。1536ウェルプレートが用
いられる場合、単一のプレートは、約100〜約1500の異なる化合物を容易
にアッセイし得る。一日当たり数枚の異なるプレートをアッセイすることが可能
であり;約6,000〜20,000までの異なる化合物についてのアッセイス
クリーニングは、本発明の統合システムを用いて可能である。最近では、試薬操
作に対するマイクロフルイデック(maicrofluidic)アプローチが
、例えば、Caliper Technologies(Palo Alto,
CA)によって開発されている。
【0183】 目的の分子は、固体成分に、直接的にかまたは間接的に、共有結合もしくは非
共有結合を介して(例えば、タグを介して)結合され得る。このタグは、任意の
種々の成分であり得る。一般に、タグを結合する分子(タグバインダー)は、固
体支持体に固定され、そして目的のタグ化分子(例えば、目的の味覚伝達分子)
は、タグとタグバインダーの相互作用によって固体支持体に付着される。
【0184】 多数のタグおよびタグバインダーが、文献に十分に記載される公知の分子相互
作用に基づいて用いられ得る。例えば、タグが天然のバインダー(例えば、ビオ
チン、プロテインA、またはプロテインG)を有する場合、それは、適切なタグ
バインダー(アビジン、ストレプトアビジン、ニュートラビジン(neutra
vidin)、免疫グロブリンのFc領域など)との結合において用いられ得る
。ビオチンのような天然のバインダーを有する分子に対する抗体はまた、広く入
手可能でかつ適切なタグバインダーである;SIGMA Immunochem
icals 1998カタログ(SIGMA,St.Louis MO)を参照
のこと。
【0185】 同様に、任意のハプテン化合物または抗原性化合物は、タグ/タグバインダー
対を形成するために適切な抗体と組み合わせて用いられ得る。数千の特異的抗体
が市販されており、そして多くのさらなる抗体が文献に記載される。例えば、1
つの共通の立体配置では、このタグは、一次抗体であり、そしてタグバインダー
は、一次抗体を認識する二次抗体である。抗体−抗原相互作用に加えて、レセプ
ター−リガンド相互作用もまた、タグおよびタグバインダー対として適切である
。例えば、細胞膜レセプターのアゴニストおよびアンタゴニスト(例えば、トラ
ンスフェリン、c−kit、ウイルスレセプターリガンド、サイトカインレセプ
ター、ケモカインレセプター、インターロイキンレセプター、免疫グロブリンレ
セプターおよび抗体、カドヘリンファミリー、インテグリンファミリー、セレク
チンファミリーなどのような細胞レセプター−リガンド相互作用;例えば、Pi
gottおよびPower,The Adhesion Molecule F
acts Book I(1993)を参照のこと)。同様に、毒素および毒液
、ウイルスエピトープ、ホルモン(例えば、アヘン剤、ステロイドなど)、細胞
内レセプター(例えば、これは、ステロイド、甲状腺ホルモン、レチノイドおよ
びビタミンDを含む、種々の小リガンドの効果を媒介する;ペプチド)、薬物、
レクチン、糖、核酸(直鎖立体配置および環状ポリマー立体配置の両方)、オリ
ゴサッカリド、タンパク質、リン脂質および抗体は、種々の細胞レセプターと全
て相互作用し得る。
【0186】 合成ポリマー(例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポ
リウレア、ポリアミド、ポリエチレンイミン、ポリアリーレンスルフィド、ポリ
シロキサン、ポリイミド、およびポリアセテート)はまた、適切なタグまたはタ
グバインダーを形成し得る。多くの他のタグ/タグバインダー対はまた、この開
示のレビューの際に当業者に明らかであるように、本明細書中に記載されるアッ
セイシステムにおいて有用である。
【0187】 共通のリンカー(例えば、ペプチド、ポリエーテルなど)はまた、タグとして
の役割を果たし得、そしてポリペプチド配列(例えば、約5〜200アミノ酸の
ポリgly配列)を含む。このような可撓性リンカーは、当業者に公知である。
例えば、ポリ(エチレン(ethelyne)グリコール)リンカーは、She
arwater Polymers,Inc.Huntsville,Alab
amaから入手可能である。これらのリンカーは、必要に応じて、アミド結合、
スルフヒドリル結合、またはヘテロ官能基結合を有する。
【0188】 タグバインダーは、現在利用可能な種々の方法のいずれかを用いて固体基材に
固定される。固体基材は、タグバインダーの一部と反応性である表面に化学基を
固定する化学薬品へ基材の全部または一部を曝露することによって、一般に誘導
体化もしくは官能化される。例えば、より長い鎖の部分に付着するのに適してい
る基としては、アミン基、ヒドロキシル基、チオール基、およびカルボキシル基
が挙げられる。アミノアルキルシランおよびヒドロキシアルキルシランは、種々
の表面(例えば、ガラス表面)を官能化するために用いられ得る。このような固
相バイオポリマーアレイの構築は、文献に十分に記載される。例えば、Merr
ifield,J.Am.Chem.Soc.85:2149−2154(19
63)(例えば、ペプチド、の固相合成を記載する);Geysenら、J.I
mmun.Meth.102:259−274(1987)(ピン上での固相成
分の合成を記載する);FrankおよびDoring,Tetrahedro
n 44:60316040(1988)(セルロースディスク上での種々のペ
プチド配列の合成を記載する);Fodorら、Science,251:76
7−777(1991);Sheldonら、Clinical Chemis
try 39(4):718−719(1993);およびKozalら、Na
ture Medicine 2(7):753759(1996)(全てが、
固体基材に固定されるバイオポリマーのアレイを記載する)を参照のこと。基材
にタグバインダーを固定するための非化学的アプローチとしては、他の一般的方
法(例えば、熱、UV照射による架橋など)が挙げられる。
【0189】 (D.コンピューターに基づくアッセイ) GPCR−B3活性を調節する化合物についてのなお別のアッセイは、コンピ
ューターを使った薬物設計に関する。これは、コンピュータシステムを用いて、
アミノ酸配列によってコードされる構造情報に基づいてGPCR−B3の三次元
構造を作製する。入力アミノ酸配列は、タンパク質の二次、三次、および四次構
造のモデルを得るために、コンピュータープログラム中の予め確立されたアルゴ
リズムを用いて直接かつ能動的に相互作用する。次いで、タンパク質構造のモデ
ルは、例えば、リガンド、に結合する能力を有する構造の領域を同定するために
試験される。次いで、これらの領域は、タンパク質に結合するリガンドを同定す
るために用いられる。
【0190】 このタンパク質の三次元構造モデルは、コンピューターシステムへ少なくとも
10アミノ酸残基のタンパク質アミノ酸配列または対応するGPCR−B3ポリ
ペプチドをコードする核酸配列を入力することによって作製される。ポリペプチ
ドのアミノ酸配列またはポリペプチドをコードする核酸は、配列番号1〜3また
は配列番号4〜6およびそれらの保存的改変型からなる群から選択される。この
アミノ酸配列は、タンパク質の一次配列または部分配列を表し、これは、タンパ
ク質の構造情報をコードする。少なくとも10残基のアミノ酸配列(または10
アミノ酸をコードするヌクレオチド配列)が、コンピューターキーボード、コン
ピューターで読み取り可能な基体(これは、電子記憶媒体(例えば、磁気ディス
ク、磁気テープ、磁気カートリッジ、および磁気チップ)、光学媒体(例えば、
CD ROM)、インターネットサイトによって配布される情報、およびRAM
によって配布される情報を含むが、これらに限定されない)から、コンピュータ
ーシステム中に入力される。次いで、タンパク質の三次元構造モデルは、当業者
に公知のソフトウェアを用いて、アミノ酸配列とコンピューターシステムとの相
互作用によって作製される。
【0191】 アミノ酸配列は、目的のタンパク質の二次、三次、および四次構造を形成する
ために必要な情報をコードする一次構造を表す。このソフトウェアは、構造モデ
ルを作製するための一次配列によってコードされる特定のパラメーターを調べる
。これらのパラメーターは、「エネルギー条件(energy term)」と
いわれ、そしてこれらとしては、静電的ポテンシャル、疎水的ポテンシャル、溶
媒に接近可能な表面、および水素結合が主に挙げられる。第二のエネルギー条件
としては、ファンデルワールスポテンシャルが挙げられる。生物学的分子は、累
積的な様式においてエネルギー条件を最小にする構造を形成する。従って、この
コンピュータープログラムは、二次構造モデルを作製するための一次構造または
アミノ酸配列によってコードされるこれらの条件を用いるものである。
【0192】 次いで、二次構造によってコードされるタンパク質の三次構造は、二次構造の
エネルギー条件に基づき形成される。この時点で使用者は、さらなる変数(例え
ば、タンパク質が膜に結合されるかまたは可溶性か否か、体内でのその位置、お
よびその細胞内配置(例えば、細胞質、表面、もしくは核))を入力し得る。二
次構造のエネルギー条件と共にこれらの変数は、三次構造のモデルを形成するた
めに用いられる。三次構造のモデリングにおいて、コンピュータープログラムは
、二次構造の疎水性表面と同様のものとを一致させ、そして二次構造の親水性表
面と同様のものとを一致させる。
【0193】 一旦、この構造が作製されたら、潜在的リガンド結合領域が、コンピューター
システムによって同定される。潜在的リガンドについての三次元構造は、上記の
ようにアミノ酸配列もしくヌクレオチド配列または化合物の化学式を入力するこ
とによって作製される。次いで、潜在的リガンドの三次元構造は、GPCR−B
3に結合するリガンドを同定するためにGPCR−B3タンパク質の三次元構造
と比較される。タンパク質とリガンドとの間の結合親和性は、どのリガンドが、
このタンパク質に結合する増大された可能性を有するかを決定するためにエネル
ギー条件を使用して決定される。
【0194】 コンピューターシステムはまた、GPCR−B3遺伝子の変異、多型性改変体
、対立遺伝子および種間ホモログをスクリーニングするために用いられる。この
ような変異は、疾患状態または遺伝形質に関連し得る。上記のように、Gene
ChipTMおよび関連した技術もまた、変異、多型性改変体、対立遺伝子および
種間ホモログをスクリーニングするために用いられ得る。一旦改変体が同定され
ると、診断アッセイは、このような変異遺伝子を有する患者を同定するために用
いられ得る。変異GPCR−B3遺伝子の同定は、配列番号1〜3または配列番
号4〜6ならびにそれらの保存的改変型からなる群から選択される、GPCR−
B3をコードする第一の核酸配列またはアミノ酸配列の入力を受けることを伴う
。この配列は、上記のようにコンピューターシステムに入力される。次いで、第
一の核酸配列またはアミノ酸配列は、第一の配列と実質的な同一性を有する第二
の核酸配列またはアミノ酸配列と比較される。この第二の配列は、上記の様式で
コンピューターシステムへと入力される。一旦、第一および第二の配列が比較さ
れると、配列間のヌクレオチドまたはアミノ酸の差異が同定される。このような
配列は、GPCR−B3遺伝子における対立遺伝子の差異、ならびに疾患状態お
よび遺伝形質に関連する変異を表し得る。
【0195】 (VIII.キット) GPCR−B3およびそのホモログは、味覚レセプター細胞を同定するための
、法医学的判定および父系判定のための、および味覚伝達を試験するための有用
なツールである。GPCR−B3核酸に特異的にハイブリダイズするGPCR−
B3に特異的な試薬(例えば、GPCR−B3プローブおよびプライマー)、な
らびにGPCR−B3タンパク質に特異的に結合するGPCR−B3に特異的な
試薬(例えば、GPCR−B3抗体)は、味覚細胞発現および味覚伝達調節を試
験するために用いられる。
【0196】 サンプル中のGPCR−B3 DNAおよびRNAの存在についての核酸アッ
セイとしては、当業者に公知である多くの技術(例えば、サザン分析、ノーザン
分析、ドットブロット、RNaseプロテクション(保護)、S1分析、PCR
およびLCRのような増幅技術、およびインサイチュハイブリダイゼーション)
が挙げられる。インサイチュハイブリダイゼーションでは、例えば、標的核酸は
、引き続く解釈および分析のために細胞形態を保存しながら、細胞内でのハイブ
リダーゼーションに利用可能であるようにその細胞環境から遊離される。以下の
論文は、インサイチュハイブリダイゼーションの分野の概要を提供する:Sin
gerら、Biotechniques 4:230−250(1986);H
aaseら、Methods in Virology,第VII巻、189−
226(1984);およびNucleic Acid Hybridizat
ion:A Practical Approach(Hamesら編、198
7)。さらにGPCR−B3タンパク質は、上記の種々のイムノアッセイ技術を
用いて検出され得る。この試験サンプルは、代表的にはポジティブコントロール
(例えば、組換えGPCR−B3を発現するサンプル)およびネガティブコント
ロールの両方と比較される。
【0197】 本発明はまた、GPCR−B3のモジュレーターをスクリーニングするための
キットを提供する。このようなキットは、容易に入手可能な材料および試薬から
調製され得る。例えば、このようなキットは、1つ以上の以下の材料のいずれか
を含み得る:GPCR−B3、反応チューブ、およびGPCR−B3活性を試験
するための取り扱い説明書。必要に応じて、このキットは、生物学的に活性なG
PCR−B3を含む。広範な種々のキットおよび成分が、本発明に従って調製さ
れ得、これらはキットの対象とする使用者および使用者の特定の必要性に依存す
る。
【0198】 (IX.投与および薬学的組成物) 味覚モジュレーターは、インビボでの味覚の調節のために哺乳動物被験体に直
接投与され得る。投与は、処置されるべき組織(例えば、舌または口)との最終
的な接触へとモジュレーター化合物を導入するために通常用いられる任意の経路
による。味覚モジュレーターは、必要に応じて薬学的に受容可能なキャリアと共
に、任意の適切な様式で投与される。このようなモジュレーターを投与する適切
な方法は、利用可能かつ当業者に周知であり、そして1を超える経路が特定の組
成物を投与するために用いられ得るが、特定の経路は、別の経路よりも迅速かつ
効果的な反応をしばしば提供し得る。
【0199】 薬学的に受容可能なキャリアは、投与される特定の組成物によって、およびこ
の組成物を投与するために用いられる特定の方法によって一部決定される。従っ
て、本発明の薬学的組成物の広範な種々の適切な処方が存在する(例えば、Re
mington’s Pharmaceutical Sciences,第1
7版、1985を参照のこと)。
【0200】 味覚モジュレーター(単独または適切な他の成分との組み合わせ)は、吸入を
介して投与されるエーロゾル処方物(すなわち、これらは「霧状」にされ得る)
にされ得る。エーロゾル処方物は、加圧された受容可能な噴霧剤(例えば、ジク
ロロジフルオロメタン、プロパン、窒素など)中に配置され得る。
【0201】 投与に適切な処方物としては、水溶液および非水溶液、滅菌等張液が挙げられ
る。これらは、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、および処方物に等張性を与える溶質
、ならびに滅菌水性懸濁液および滅菌非水性懸濁液(懸濁剤、可溶化剤、増粘剤
、安定化剤、および防腐剤を含み得る)を含み得る。本発明の実施において、組
成物は、例えば、経口的、局所的、静脈内、腹腔内、膀胱内または髄腔内に投与
され得る。必要に応じて、この組成物は、経口投与または鼻腔内投与される。化
合物の処方は、単位投与または複数投与密閉容器(例えば、アンプルおよびバイ
アル)中に存在し得る。溶液および懸濁液は、以前に記載の種類の滅菌粉末、顆
粒、および錠剤から調製され得る。モジュレーターはまた、加工食品または薬物
の一部として投与され得る。
【0202】 本発明の状況において、患者に投与される用量は、経時的に、被検体において
有利な応答をもたらすのに十分であるべきである。この用量は、用いられる特定
の味覚モジュレーターの効果および被験体の条件、ならびに体重または処置され
るべき領域の表面積によって決定される。用量のサイズはまた、特定の被験体に
おける特定の化合物またはベクターの投与に伴う任意の有害な副作用の存在、性
質、および程度によって決定される。
【0203】 医師によって投与されるべきモジュレーターの有効量を決定することにおいて
、モジュレーターの循環血漿レベル、モジュレーター毒性、および抗モジュレー
ター抗体の産性を評価し得る。一般に、モジュレーターの用量等量は、代表的な
被験体について約1ng/kg〜10mg/kgである。
【0204】 投与について、本発明の味覚モジュレーターは、被験体の質量および全体的な
健康に適用されるように、モジュレーターのLD−50、および種々の濃度での
インヒビターの副作用によって決定される速度で投与され得る。投与は、単回用
量または分割用量によって達成され得る。
【0205】 本明細書中で引用される全ての刊行物および特許出願は、個々の刊行物または
特許出願が参考として援用されるべきであると具体的にかつ個々に指示されるか
のように、本明細書中で参考として援用される。
【0206】 前述の発明は、明確な理解を目的として、説明および実施例によって、いくぶ
ん詳細に記載されているが、添付の特許請求の範囲の精神または範囲を逸脱する
ことなく、特定の変更および改変がそれらに対してなされ得ることは、本発明の
教示を考慮して当業者に容易に理解される。
【0207】 (実施例) 以下の実施例は、制限を目的としてではなく、例示のみを目的として提供され
る。当業者は、本質的に類似する結果を得るために変更または改変され得る種々
の重大でないパラメーターを容易に認識する。
【0208】 (実施例I:GPCR−B3のクローニングおよび発現) 味覚の伝達は、舌の味蕾および口蓋上皮に見出される味覚レセプター細胞で起
こるので、全長cDNAライブラリーをラットの味覚乳頭から生成した。このラ
イブラリーを、標準的な分子生物学の手順(例えば、Ausubelら、Cur
rent Protocols in Molecular Biology(
1995)、を参照のこと)に従って、指向性1ZAPベクター(Strata
gene Inc;Hoon&Ryba,J.Dent.Res.76:831
〜838(1997))を用いて、数百のラットの有郭乳頭から単離したポリA
+RNAのオリゴdTプライミングにより作製した。単一細胞および単一味蕾の
cDNAライブラリーの収集をまた、Dulac&Axel,Cell 83:
195〜206(1995)の方法に従って、ラットおよびマウスの有郭乳頭、
葉状乳頭および茸状乳頭から個々に単離された味覚レセプター細胞および味蕾か
ら生成した。味蕾および単一の味覚レセプター細胞を、成体ラットおよびマウス
由来の舌上皮の酵素消化および微小切開により単離した。味蕾調製物における溶
解効率を最大化するため、溶解緩衝液容量を10倍に増加させた(Dulac&
Axel,前出)。
【0209】 GPCR−B3を、味覚組織に発現された配列を富化したサブトラクトしたラ
イブラリーを最初に生成することにより、1ZAP有郭cDNAライブラリーか
ら単離した。味覚レセプター細胞をサブトラクトしたcDNAライブラリーの構
築および最初の分析は、Hoon&Ryba(前出)の記載と同じであった。味
覚特異的転写物のさらなる富化を、非味覚のcDNAプローブを用いてcDNA
クローンのドット−ブロットスクリーニングにより達成した。非味覚プローブは
、味蕾組織、筋組織、肝組織、および脳組織を欠く舌上皮組織を含んだ。Aus
ubelら(前出)に記載のランダムプライミング方法を用いて、第1鎖のcD
NAを調製し、それを標識することにより、個々のハイブリダイゼーションプロ
ーブを生成した。ハイブリダイゼーション条件および洗浄は、ハイブリダイゼー
ションについては65℃、2×SSCであり、そして洗浄については65℃、0
.1×SSCであった。
【0210】 味覚組織および非味覚組織を用いた示差的スクリーニングにおいて味覚組織の
富化を示したすべてのcDNAを、標準的ジデオキシ終止方法、および自動AB
I配列決定機を用いるDNA配列決定分析のために選び取った。DNA配列を、
種々の相同性プログラムおよび構造予想プログラム(例えば、http://w
ww.ncbi.nlm.nih.gov/のblast、http://do
t.imgen.bcm.tmc.edu:9331/seq−search/
struc−predict.htmlのTmpred)を用いてデータ分析に
供した。新規の配列、既知のシグナル伝達成分に何らかの類似性を有する配列、
複数の推定膜貫通ドメインを有する配列、またはSH2、SH3、PDZなどの
ような既知のモチーフを有する配列をコードする個々のcDNAクローン(例え
ば、http://pfam.wustl.edu/のpfamを参照のこと)
を、さらなる分析のための候補として選択した。
【0211】 候補cDNAを、ラット舌の組織切片に対するインサイチュハイブリダイゼー
ションにより味覚細胞発現についてアッセイした。組織を成体ラットから得た。
新鮮凍結切片(14mm)を、RybaおよびTirindelli,Neur
on 19:371〜379(1997)に記載のように、シラン処理したスラ
イドに付着させ、そしてインサイチュハイブリダイゼーションのために調製した
。すべてのインサイチュハイブリダイゼーションを高ストリンジェンシー(5×
SSC、50%ホルムアミド、72℃)で実行した。単一標識の検出のために、
RybaおよびTirindelli(前出)に記載の様に、ジゴキシゲニンに
対するアルカリホスファターゼ結合体化抗体、および標準的色素生産性基質(B
oehringer Mannheim)を用いてシグナルを顕色させた。部分
的DNA配列決定反応を、約2000のサブトラクトされかつ単一細胞のcDN
Aクローンで実行し、そしてインサイチュハイブリダイゼーションを、約400
の異なる候補cDNAで実行した。このスクリーニングにより、GPCR−B3
の3’フラグメントをコードする単一クローンを含む、味覚レセプター細胞で発
現した多数の遺伝子を同定した。
【0212】 標準的プラークハイブリダイゼーションプロトコール(Ausubelら、(
前出))に従って、lZAPラット有郭cDNAライブラリーから、全長ラット
GPCR−B3を単離した。約2.5×106のクローンをLBプレートに高密
度で(約100,000ファージ/プレート)プレートし、そして複製フィルタ
ーを、放射標識したGPCR−B3プローブを用いて、高ストリンジェンシー(
65℃、2×SSC)でハイブリダイズした。陽性クローンを拾い上げ、再試験
し、精製し、そしてDNA制限マッピングおよび配列決定分析により特徴付けし
た。いくつかの全長GPCR−B3クローンを単離し、そして特徴付けた(配列
番号4〜6およびそれらがコードするアミノ酸配列、配列番号1〜3を参照のこ
と)。
【0213】 ラットGPCR−B3のマウス種間ホモログを、マウスゲノムBacおよび1
ライブラリー(Genome Systems)を、低ストリンジェンシーおよ
び中程度ストリンジェンシー(48℃、7×SSCおよび55℃、5×SSC)
でスクリーニングすることにより、単離した。このクローンを制限マッピングお
よびDNA配列決定により特徴付けた。マウスcDNAを、マウス有郭乳頭およ
び葉状乳頭から単離したRNAから調製した第1鎖cDNAを用いてRACE反
応(Marathon Kit、Clonetech)を行うことにより単離し
た。嗅覚レセプターおよび視覚レセプターのような他の感覚レセプターが、精巣
において発現されることを観察したことに従い、GPCR−B3のヒトホモログ
をヒト精巣ライブラリー(Clonetech Inc.)から単離した(Ax
elおよびDulac、前出)。GPCR−B3の位相学的マップについては、
図1を参照のこと。これは、細胞外ドメイン、7回膜貫通ドメイン、および細胞
内ドメインまたはC末端ドメインを示している。
【0214】 (実施例II:ウエスタンブロットおよびインサイチュ分析) 味覚細胞におけるGPCR−B3タンパク質の特異的発現を実証するため、短
いペプチドおよびGPCR−B3融合タンパク質に対して抗体を生成した。この
ペプチドは、GPCR−B3推定タンパク質のN末端またはC末端由来の18ア
ミノ酸残基からなった(例えば、配列番号1および2を参照のこと)。この融合
タンパク質は、全N末端ドメインを包含するGST融合ポリペプチドまたは少な
くとも3つの推定膜貫通セグメントおよびC末端領域からなった。標準的分子技
術を用いて融合を生成した(HarlowおよびLane、Antibodie
s(1988))。Cassillら、Proc.Nat’l Acad.Sc
i.USA 88:11067〜11070(1991)に記載の様に、ペプチ
ドをキャリアタンパク質に融合し、ウサギに免疫し、そして血清をアフィニティ
ー精製し、そしてアッセイした。
【0215】 抗体を、有郭乳頭または茸状乳頭由来のタンパク質ホモジネートのウエスタン
ブロット分析により、特異性について試験した。このブロットはまた、ネガティ
ブコントロールとして、肝臓および脳のタンパク質抽出物を含んだ。10%のロ
バ免疫グロブリン、1%ウシ血清アルブミン、0.3%Triton X−10
0をブロッキング反応に用いたことを除いて、インサイチュハイブリダイゼーシ
ョンに関して、RybaおよびTirindelli(前出)に記載の様に、免
疫組織化学用の凍結切片を調製した。切片を抗TR1(1:100)の適切な希
釈中で、12〜18時間インキュベートし、そしてフルオレセイン−結合体化ロ
バ抗ウサギ二次抗体(Jackson Immunolaboratory)を
用いて検出した。FアクチンマーカーBODIPYRTR−X phallac
idin(Molecular Probes)を用いて、味蕾を対比染色した
。これらの研究のコントロールとして、抗NCAM抗体も用いた。アルゴン−ク
リプトンレーザーを備えたLeica TSC共焦点顕微鏡を用いて蛍光性画像
を得た。ペプチド免疫原での抗体の前処置により染色は消滅した。ウエスタンブ
ロットおよびインサイチュ分析については、それぞれ図2および図3を参照のこ
と。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ラットGPCR−B3アミノ酸配列のアミノ酸1からアミノ酸約58
0(残基1として規定されるATG開始因子メチオニンを有する、ラット配列の
ヌクレオチド残基1〜1740に対応する)までにわたる大きな細胞外ドメイン
および7回膜貫通ドメインを有する、GPCR−B3の提唱されたトポロジーを
示す。この大きな細胞外ドメインは、第1の膜貫通ドメインまで伸長し得る。黒
い残基は、GPCR−B3とGPCR−B4との間の同一であるものを示す(G
PCR−B4の説明については、例えば、USSN60/095,464(19
98年7月28日出願)、およびUSSN60/112,747(1998年1
2月17日出願)を参照のこと;またHoonら、Cell 96:541〜5
51(1990)を参照のこと)。
【図2】 図2は、味蕾におけるGPCR−B3タンパク質の発現を示すウェスタンブロ
ットであるが、非味覚組織においてはその発現が示されていない。PCRアッセ
イを用いて、以下の非舌組織−−脳、肝臓、嗅上皮、VNO、および心臓を、G
PCR−B3発現についてスクリーニングした。GPCR−B3は、味覚組織に
おいてのみ発現した(データは示さず)。
【図3】 図3は、味蕾の味覚レセプター細胞におけるGPCR−B3の標識化を示す舌
組織切片のインサイチュハイブリダイゼーションを示すが、隣接する非味覚組織
においては、その標識化は示されていない。
【図4】 図4は、マウスmGluR1レセプターの細胞外ドメインの全体および膜貫通
ドメイン(7つの膜貫通領域および対応細胞質ゾルループを含む)、およびマウ
スGPCR−B3からのC末端を含むキメラレセプターを示す。
【図5】 図5は、図4に記載されるキメラグルタミン酸/GPCR−B3レセプターで
トランスフェクトされたHEK細胞を示す。図5は、グルタミン酸に対するカル
シウムの応答を示し、これは、ホスホリパーゼCへのキメラレセプターの頑強な
結合を実証する。これらの結果は、キメラグルタミン酸/GPCR−B3が、無
差別のGタンパク質Gα15と結合し得、そして誘導因子Fura−2を用いて
検出可能なカルシウム応答を引き起こし得ることを示す。
【手続補正書】
【提出日】平成13年12月25日(2001.12.25)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、マウスGPCR−B3アミノ酸配列のアミノ酸1からアミノ酸約58
0(残基1として規定されるATG開始因子メチオニンを有する、マウス配列の
ヌクレオチド残基1〜1740に対応する)までにわたる大きな細胞外ドメイン
および7回膜貫通ドメインを有する、GPCR−B3(配列番号2)の提唱され
たトポロジーを示す。この大きな細胞外ドメインは、第1の膜貫通ドメインまで
伸長し得る。黒い残基は、GPCR−B3とGPCR−B4との間の同一である
ものを示す(GPCR−B4の説明については、例えば、USSN60/095
,464(1998年7月28日出願)、およびUSSN60/112,747
(1998年12月17日出願)を参照のこと;またHoonら、Cell 9
6:541〜551(1990)を参照のこと)。
【図2】 図2は、味蕾におけるGPCR−B3タンパク質の発現を示すウェスタンブロ
ットであるが、非味覚組織においてはその発現が示されていない。PCRアッセ
イを用いて、以下の非舌組織−−脳、肝臓、嗅上皮、VNO、および心臓を、G
PCR−B3発現についてスクリーニングした。GPCR−B3は、味覚組織に
おいてのみ発現した(データは示さず)。
【図3】 図3は、味蕾の味覚レセプター細胞におけるGPCR−B3の標識化を示す舌
組織切片のインサイチュハイブリダイゼーションを示すが、隣接する非味覚組織
においては、その標識化は示されていない。
【図4】 図4は、マウスmGluR1レセプターの細胞外ドメインの全体および膜貫通
ドメイン(7つの膜貫通領域および対応細胞質ゾルループを含む)、およびマウ
スGPCR−B3からのC末端を含むキメラレセプター(配列番号2)を示す。
【図5】 図5は、図4に記載されるキメラグルタミン酸/GPCR−B3レセプターで
トランスフェクトされたHEK細胞を示す。図5は、グルタミン酸に対するカル
シウムの応答を示し、これは、ホスホリパーゼCへのキメラレセプターの頑強な
結合を実証する。これらの結果は、キメラグルタミン酸/GPCR−B3が、無
差別のGタンパク質Gα15と結合し得、そして誘導因子Fura−2を用いて
検出可能なカルシウム応答を引き起こし得ることを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12P 21/02 C 4H045 5/10 21/08 C12P 21/02 C12Q 1/68 A 21/08 G01N 33/15 Z C12Q 1/68 33/50 Z G01N 33/15 33/53 D 33/50 M 33/53 33/566 (C12P 21/02 C 33/566 C12R 1:91) //(C12P 21/02 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:91) 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 アドラー, ジョン, エリオット アメリカ合衆国 カリフォルニア 92109, パシフィック ビーチ, ターコイズ ナンバー 10 1099 (72)発明者 リンデマイエル, ユエルゲン ドイツ国 デー−59457 ベール, フラ ンツィスカネランゲル 2 (72)発明者 ライバ, ニック アメリカ合衆国 メリーランド 20817, ベセスダ, ランディジェン コート 9202 (72)発明者 ホーン, マーク アメリカ合衆国 メリーランド 20895, ケンジントン, ワーナー ストリート 4218 Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 AA40 CB01 CB17 DA12 DA13 DA14 DA36 DA77 FB02 FB03 4B024 AA11 BA43 BA44 BA63 CA04 DA02 EA04 GA11 HA01 HA12 HA15 4B063 QA01 QQ42 QR32 QS25 QS33 QS34 4B064 AG20 AG27 CA10 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA90X AA91Y AA93Y AB01 BA02 CA24 CA25 CA46 4H045 AA10 AA11 BA10 CA40 DA50 DA76 EA54 FA74

Claims (63)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感覚伝達Gタンパク質共役型レセプターをコードする単離さ
    れた核酸であって、該レセプターが配列番号1、配列番号2、または配列番号3
    のアミノ酸配列に対する約70%を超えるアミノ酸同一性を含む、単離された核
    酸。
  2. 【請求項2】 前記核酸が、配列番号1、配列番号2、または配列番号3に
    対して生成されたポリクローナル抗体に特異的に結合するレセプターをコードす
    る、請求項1に記載の単離された核酸。
  3. 【請求項3】 前記核酸がG共役タンパク質レセプター活性を有するレセプ
    ターをコードする、請求項1に記載の単離された核酸。
  4. 【請求項4】 前記核酸が配列番号1、配列番号2、または配列番号3のア
    ミノ酸配列を含むレセプターをコードする、請求項1に記載の単離された核酸。
  5. 【請求項5】 前記核酸が、配列番号4、配列番号5、または配列番号6の
    ヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の単離された核酸配列。
  6. 【請求項6】 前記核酸がヒト、マウスまたはラット由来である、請求項1
    に記載の単離された核酸。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の単離された核酸であって、該核酸が以下: IAWDWNGPKW(配列番号7)および LPENYNEAKC(配列番号8)、 からなる群より選択されるアミノ酸配列をコードする縮重プライマーセットと同
    じ配列に対して、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で選択的に
    ハイブリダイズするプライマーにより増幅される、単離された核酸。
  8. 【請求項8】 前記核酸が、約92kDa〜約102kDaの分子量を有す
    るレセプターをコードする、請求項1に記載の単離された核酸。
  9. 【請求項9】 感覚伝達Gタンパク質共役型レセプターをコードする単離さ
    れた核酸であって、ここで該核酸は、配列番号4、配列番号5、または配列番号
    6の配列を有する核酸に対して、高度にストリンジェントな条件下で特異的にハ
    イブリダイズする、単離された核酸。
  10. 【請求項10】 感覚伝達Gタンパク質共役型レセプターをコードする単離
    された核酸であって、該レセプターは、配列番号1、配列番号2、または配列番
    号3の配列を有するポリペプチドに対する約70%を超えるアミノ酸同一性を含
    み、ここで該核酸が、配列番号4、配列番号5、または配列番号6のヌクレオチ
    ド配列に対して、中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で
    選択的にハイブリダイズする、単離された核酸。
  11. 【請求項11】 感覚伝達Gタンパク質共役型レセプターの細胞外ドメイン
    をコードする単離された核酸であって、該細胞外ドメインは、配列番号1の細胞
    外ドメインに対する約70%を超えるアミノ酸配列同一性を有する、単離された
    核酸。
  12. 【請求項12】 前記核酸が、異種ポリペプチドをコードする核酸に連結さ
    れた細胞外ドメインをコードし、キメラポリペプチドを形成する、請求項11に
    記載の単離された核酸。
  13. 【請求項13】 前記核酸が、配列番号1の細胞外ドメインをコードする、
    請求項11に記載の単離された核酸。
  14. 【請求項14】 感覚伝達Gタンパク質共役型レセプターの膜貫通ドメイン
    をコードする単離された核酸であって、該膜貫通ドメインは、配列番号1の膜貫
    通ドメインに対する約70%を超えるアミノ酸配列同一性を含む、単離された核
    酸。
  15. 【請求項15】 前記核酸が、異種ポリペプチドをコードする核酸に連結さ
    れた膜貫通ドメインをコードし、キメラポリペプチドを形成する、請求項14に
    記載の単離された核酸。
  16. 【請求項16】 前記核酸が、配列番号1の膜貫通ドメインをコードする、
    請求項14に記載の単離された核酸。
  17. 【請求項17】 前記核酸が、配列番号1の細胞質ドメインに対する約70
    %を超えるアミノ酸同一性を含む細胞質ドメインをさらにコードする、請求項1
    4に記載の単離された核酸。
  18. 【請求項18】 前記核酸が、配列番号1の細胞質ドメインをコードする、
    請求項17に記載の単離された核酸。
  19. 【請求項19】 単離された感覚伝達Gタンパク質共役型レセプターであっ
    て、該レセプターは、配列番号1、配列番号2、または配列番号3のアミノ酸配
    列に対する役70%を超えるアミノ酸配列同一性を含む、単離されたレセプター
  20. 【請求項20】 前記レセプターが、配列番号1、配列番号2、または配列
    番号3に対して生成されたポリクローナル抗体に特異的に結合する、請求項19
    に記載の単離されたレセプター。
  21. 【請求項21】 前記レセプターが、Gタンパク質共役型レセプター活性を
    有する、請求項19に記載の単離されたレセプター。
  22. 【請求項22】 前記レセプターが、配列番号1、配列番号2、または配列
    番号3のアミノ酸配列を有する、請求項19に記載の単離されたレセプター。
  23. 【請求項23】 前記レセプターが、ヒト、ラット、またはマウス由来であ
    る、請求項19に記載の単離されたレセプター。
  24. 【請求項24】 感覚伝達Gタンパク質共役型レセプターの細胞外ドメイン
    を含む単離されたポリペプチドであって、該細胞外ドメインは、配列番号1の細
    胞外ドメインに対する約70%を超えるアミノ酸配列同一性を含む、単離された
    ポリペプチド。
  25. 【請求項25】 前記ポリペプチドが、配列番号1の細胞外ドメインをコー
    ドする、請求項24に記載の単離されたポリペプチド。
  26. 【請求項26】 前記細胞外ドメインが、異種ポリペプチドに共有結合され
    、キメラポリペプチドを形成する、請求項24に記載の単離されたポリペプチド
  27. 【請求項27】 感覚伝達Gタンパク質共役型レセプターの膜貫通ドメイン
    をを含む単離されたポリペプチドであって、該膜貫通ドメインは、配列番号1の
    膜貫通ドメインに対する約70%を超えるアミノ酸配列同一性を含む、単離され
    たポリペプチド。
  28. 【請求項28】 前記ポリペプチドが、配列番号1の膜貫通ドメインをコー
    ドする、請求項27に記載の単離されたポリペプチド。
  29. 【請求項29】 配列番号1の細胞質ドメインに対する約70%を超えるア
    ミノ酸同一性を含む細胞質ドメインをさらに含む、請求項27に記載の単離され
    たポリペプチド。
  30. 【請求項30】 前記ポリペプチドが、配列番号1の細胞質ドメインをコー
    ドする、請求項29に記載の単離されたポリペプチド。
  31. 【請求項31】 前記膜貫通ドメインが、異種ポリペプチドに共有結合され
    、キメラポリペプチドを形成する、請求項27に記載の単離されたポリペプチド
  32. 【請求項32】 前記キメラポリペプチドが、Gタンパク質共役型レセプタ
    ー活性を有する、請求項31に記載の単離されたポリペプチド。
  33. 【請求項33】 請求項19に記載のレセプターに選択的に結合する、抗体
  34. 【請求項34】 請求項1に記載の核酸を含む、発現ベクター。
  35. 【請求項35】 請求項34に記載のベクターでトランスフェクトされた、
    宿主細胞。
  36. 【請求項36】 感覚細胞における感覚シグナル伝達を調節する化合物を同
    定するための方法であって、該方法は以下の工程: (i)該化合物を感覚伝達Gタンパク質共役型レセプターの細胞外ドメインを
    含むポリペプチドと接触させる工程であって、該細胞外ドメインは配列番号1、
    配列番号2、または配列番号3の細胞外ドメインに対する約70%を超えるアミ
    ノ酸配列同一性を含む、工程;および (ii)該細胞外ドメインに対する該化合物の機能的効果を決定する工程、 を包含する、方法。
  37. 【請求項37】 請求項36に記載の方法であって、前記ポリペプチドが感
    覚伝達Gタンパク質共役型レセプターであり、該レセプターは、配列番号1、配
    列番号2、または配列番号3をコードするポリペプチドに対する約70%を超え
    るアミノ酸同一性を含む、方法。
  38. 【請求項38】 前記ポリペプチドが、異種ポリペプチドに共有結合されて
    いる細胞外ドメインを含み、キメラポリペプチドを形成する、請求項37に記載
    の方法。
  39. 【請求項39】 前記ポリペプチドが、Gタンパク質共役型レセプター活性
    を有する、請求項37または38に記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記細胞外ドメインが固相に結合している、請求項36に
    記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記細胞外ドメインが固相に共有結合している、請求項4
    0に記載の方法。
  42. 【請求項42】 前記機能的効果が細胞内cAMP、IP3またはCa2+
    変化を測定することにより決定される、請求項37または38に記載の方法。
  43. 【請求項43】 前記機能的効果が化学的効果である、請求項36に記載の
    方法。
  44. 【請求項44】 前記機能的効果が物理的効果である、請求項36に記載の
    方法。
  45. 【請求項45】 前記機能的効果が、前記細胞外ドメインへの前記化合物の
    結合を測定することにより決定される、請求項36に記載の方法。
  46. 【請求項46】 前記ポリペプチドが組換え体である、請求項36に記載の
    方法。
  47. 【請求項47】 前記ポリペプチドが、ラット、マウス、またはヒト由来で
    ある、請求項36に記載の方法。
  48. 【請求項48】 前記ポリペプチドが、配列番号1、配列番号2、または配
    列番号3のアミノ酸配列を含む、請求項37に記載の方法。
  49. 【請求項49】 前記ポリペプチドが、細胞または細胞膜において発現され
    る、請求項37または38に記載の方法。
  50. 【請求項50】 前記細胞が真核生物細胞である、請求項49に記載の方法
  51. 【請求項51】 感覚細胞における感覚シグナル伝達を調節する化合物を同
    定するための方法であって、該方法は以下の工程: (i)該化合物を感覚伝達Gタンパク質共役型レセプターの膜貫通ドメインを
    含むポリペプチドと接触させる工程であって、該膜貫通ドメインは配列番号1、
    配列番号2、または配列番号3の膜貫通ドメインに対する約70%を超えるアミ
    ノ酸配列同一性を含む、工程;および (ii)該膜貫通ドメインに対する該化合物の機能的効果を決定する工程、 を包含する、方法。
  52. 【請求項52】 前記ポリペプチドが、異種ポリペプチドに共有結合されて
    いる膜貫通ドメインを含み、キメラポリペプチドを形成する、請求項51に記載
    の方法。
  53. 【請求項53】 前記キメラポリペプチドが、Gタンパク質共役型レセプタ
    ー活性を有する、請求項52に記載の方法。
  54. 【請求項54】 前記機能的効果が細胞内cAMP、IP3またはCa2+
    変化を測定することにより決定される、請求項51に記載の方法。
  55. 【請求項55】 前記機能的効果が化学的効果である、請求項51に記載の
    方法。
  56. 【請求項56】 前記機能的効果が物理的効果である、請求項51に記載の
    方法。
  57. 【請求項57】 前記ポリペプチドが組換え体である、請求項51に記載の
    方法。
  58. 【請求項58】 前記ポリペプチドが、ラット、マウス、またはヒト由来で
    ある、請求項51に記載の方法。
  59. 【請求項59】 前記ポリペプチドが、細胞または細胞膜において発現され
    る、請求項51または52に記載の方法。
  60. 【請求項60】 前記細胞が真核生物細胞である、請求項59に記載の方法
  61. 【請求項61】 感覚伝達Gタンパク質共役型レセプターを作製する方法で
    あって、該方法は、該レセプターをコードする核酸を含む組換え発現ベクターか
    ら該レセプターを発現させる工程を包含し、ここで該レセプターのアミノ酸配列
    は、配列番号1、配列番号2、または配列番号3の配列を有するポリペプチドに
    対する約70%を超えるアミノ酸同一性を含む、方法。
  62. 【請求項62】 感覚伝達Gタンパク質共役型レセプターを含む組換え細胞
    を作製する方法であって、該方法は、該レセプターをコードする核酸を含む発現
    ベクターで細胞を形質導入する工程を包含し、ここで該レセプターのアミノ酸配
    列は、配列番号1、配列番号2、または配列番号3の配列を有するポリペプチド
    に対する約70%を超えるアミノ酸同一性を含む、方法。
  63. 【請求項63】 感覚伝達Gタンパク質共役型レセプターをコードする核酸
    を含む組換え発現ベクターを作製する方法であって、該方法は、発現ベクターに
    該レセプターをコードする核酸を連結する工程を包含し、ここで該レセプターの
    アミノ酸配列は、配列番号1、配列番号2、または配列番号3の配列を有するポ
    リペプチドに対する約70%を超えるアミノ酸同一性を含む、方法。
JP2000562389A 1998-07-28 1999-07-27 感覚伝達に関与するgタンパク質共役型レセプターをコードする核酸 Withdrawn JP2002521049A (ja)

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