JP2002519108A - 反応システムを有する使い捨て処理製品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 表面、装置、人、汚染物質等の物体を処理するため、あるいは反応システムを有するこれらの物体の上または内に、あるいはその近傍に置かれる物質を処理するための使い捨て製品。反応システムは連続的または不連続的に反応することができる。更に本発明の連続的反応システムはフィードバック制御ループを含む。本発明の不連続的反応システムはフィードバック制御ループまたは開ループのいずれかを含むことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 発明の分野 本発明は使い捨て製品に関し、より詳細には、連続的または不連続的に作用す
る反応システムを有する使い捨て処理製品に関する。

【０００２】 発明の背景 今日では、使い捨て製品は種々の目的のために、使用されている表面または使
用されていない表面（ｌｉｖｉｎｇ ａｎｄ ｎｏｎ−ｌｉｖｉｎｇ ｓｕｒｆ
ａｃｅｓ）の処理のために広範囲に使用されている。例えば、また制限なく、パ
ーソナルケア品目、薬剤、および健康管理、乳児養護、テクスタイルケア等の領
域、および家庭用、商業用、および工業用クリーニングの領域において使い捨て
製品が使用されている。これらの使い捨て製品は、クリーニングや、コーティン
グまたは（しみ、塗料、ワックス、条件調節剤等）表面を処理するための他の材
料の塗付、および廃棄物、汚染物質、あるいは他の過度のまたは望ましくない材
料を封じ込めるかあるいは取り除く材料（***物用のおむつ、モップ、ほうき、
手袋等）等の目的のために使用され得るが、これらの目的に制限されない。多く
の場合、これらの製品は、費用、便利さ、および保健衛生等の理由から好ましい
手段として、再使用できる製品に取って代わりつつある。

【０００３】 強度の改良、クリーニングを改善するための活性成分の添加、吸収性を改善す
るために吸収性ゲル化剤の使用等、その効果を改良するために使い捨て製品の分
野において幾多の進歩が為されてきたが、今なお多数の問題が残されている。こ
れらの使い捨て処理製品で経験する問題の中に、除去または隔離することが意図
されている材料の漏れがあり、これは不完全なクリーニングや、製品によって除
去または隔離することが意図されている材料によって処理された表面の汚染等を
生じさせるかもしれない。

【０００４】 別の問題は、現在までの使い捨て処理製品が、特定のタイプの処理が必要な場
合と、特定のタイプの処理が必要ではない場合との間で差別化されていないこと
である。例えば、使い捨てワイプは一般的なクリーニングと、（赤ん坊の皮膚表
面から便を拭い取る等）生物学的汚染物質のために使用できる。赤ん坊の臀部か
ら糞便を取り除くためにデザインされているワイプは殺菌剤または他の活性成分
を含んでおり、それは赤ん坊の顔から食べ物を拭き取ったり、テクスタイル表面
または床からしみを拭き取る等の他の使用のためには必要でなかったり、むしろ
望ましくないかもしれない。更に、使い捨て製品を処分する前に多数回使用する
場合、糞便の除去に関連する皮膚の消毒等、特定の状態を処理するために必要な
活性成分がもはや存在しないかもしれないし、あるいは意図された目的のために
効果的でないかもしれない。

【０００５】 発明の概要 本発明は、材料、状態、発生等の入力に反応して作用し、その入力に直接的ま
たは間接的に関連することができる材料または物体を処理する反応機能を提供す
る反応システムを有する使い捨て処理製品に向けられている。

【０００６】 本発明は、例えば、内蔵型使い捨て処理製品を提供し、それは、 （ｉ）製品に機能的に作用するように接続され、入力を検出するように適合さ
れているセンサーと、 （ｉｉ）前記センサーに機能的に作用するように接続され、前記入力に基づい
て反応機能を実施するように適合されており、前記センサーとは明確に異なる構
成要素を備えているアクチュエーターと、 （ｉｉｉ）任意で、前記センサーが前記入力を検出した時、前記入力に基づい
て前記アクチュエーターが反応機能を実施できるように前記コントローラーが適
合される、フィードバック制御ループとを含む反応システムを備える。

【０００７】 反応システムは好ましくは製品に機能的に作用するように接続されるか、また
は製品全体を構成することができる。好ましくは、製品は更に使い捨て基板、好
ましくは平面基板を備え、任意で使い捨てまたは非使い捨てであってよい更なる
構造要素を備える。反応システムは基板または更なる構造要素に取り付けられて
もよいし、あるいはその上または中に配置されてもよい。好ましくは、反応シス
テムは使い捨てであり、その全部または一部が非使い捨て要素に接続されている
場合、それは取り外しできるか、交換できるように、解放自在に接続される。

【０００８】 明細書は本発明を特に指摘し、明確に請求する特許請求の範囲で結論付けてい
るが、添付図面に関連して為される以下の説明は本発明およびその好ましい実施
形態について記載する。

【０００９】 発明の詳細な説明 本明細書において使用するように、用語「使い捨て」は、洗濯、再装填、再充
填する、あるいはそうでなければ吸収体として復元または再使用することが意図
されていない製品（つまり、それらは１回または数回（概して３回未満）の使用
後に捨てることが意図されている）を説明するために使用され、そして好ましく
は製品の成分、部品、または材料が再生利用される、腐らせて堆肥にされる、あ
るいはそうでない場合は環境と両立できる方法で処分される。）使い捨て製品は
、耐用寿命が尽きた後、そっくりそのまま処分することが意図されている製品、
または一体型製品を形成する、再使用できる部分と使い捨て部分の組合せを有す
る製品であってよく、この場合、使い捨て部分のみが耐用寿命後に処分される。

【００１０】 ここで使用するように、用語「配置された」は製品の一要素（複数の要素）が
、特定の場所または位置において、製品の他の成分と共に単一構造として、また
は製品の別の要素に接合された別個の要素として形成される（接合され、位置付
けられる）ことを意味するために使用される。ここで使用するように、用語「接
合される」は、１つの要素を他の要素に直接添付することによって、要素を直接
別の要素に固定する構成、および１つの要素を中間部材に添付し、それを次に他
の要素に添付することによって、要素を間接的に他の要素に固定する構成を含む
。「一体型」製品とは、使用中に別々の手で操作する部品を必要としないように
、共に結合されて統合体を形成する別々の部品で形成される製品を指す。

【００１１】 用語「吸収体」は、（ガス体を含む）液体または半液体物質を吸収し封じ込め
する装置を指す。吸収体は、制限なく、水吸収性、油吸収性、アルコール吸収性
、または他の流体吸収製品を含む。

【００１２】 ここで使用するように、「処理する」とは、物体を動かす、取り除く、隔離す
る、改良する、あるいはそうでなければ物体に影響を及ぼすことを意味する。処
理することが意図されている物体は生命のないもの、あるいは生命のあるもので
あってよく、制限なく、どのような材料、装置、人、動物、周囲の環境または雰
囲気、あるいはその成分を含む。物体を処理することは、制限なく、表面上に置
かれた材料、あるいは材料または物体内の材料を除去、隔離、または改良するこ
とを含むことができる。「処理」とは、処理する動作を指す。「処理製品」とは
、物体を処理することができる製品を意味する。処理は、例として、また制限な
く、クリーニング、物質の放出、材料（制限なく、汚染物質または刺激物等）の
除去、区画、ボイド、または吸収性材料内にそれを封じ込める、または被覆する
ことによる等の材料の隔離、その生物学的活動、化学的アイデンティティ、構造
、特性、ｐＨ、または形態、物理的状態、物理的形態、あるいは化学的、電気的
、または光学的特性を変化させることによる材料の改質、およびそれらの組み合
わせを包含する。材料または物体の改質は、制限なく、物体に物質（例えば、活
性成分）を放出すること、あるいはエネルギーの印加により、あるいはそれらの
組合せにより達成することができる。

【００１３】 ここで使用するように、内蔵型処理製品の文脈における「内蔵型」とは、製品
がセンサーとアクチュエーターとを備えることを意味し、この場合、アクチュエ
ーターは製品の一体型構造物の一部として反応機能を実施するための、適切な構
造物および／または材料、処理剤、エネルギーを含む。

【００１４】 この製品は、制限なく、パーソナルケア、健康管理、乳児養護、家庭や家族の
ケア、クリーニング製品、消毒および／または衛生用品、テクスタイル処理、パ
ーソナルケア、化粧品、医療、および薬剤等を含む使用分野において使用するこ
とができる。上記の例は、実際のところ、例示目的のためだけであり、多数の製
品を製品の１つ以上のカテゴリーの下に分類できることが自明であろう。例えば
、モップはクリーニング製品および吸収体として分類できる。 センサー 本発明の使い捨て製品は製品に機能的に作用するように接続されるセンサーを
備える。本出願において使用されるように、用語「センサー」とは、入力を検出
することができる装置を意味する。入力とは、事象または事象に関連するパラメ
ーターである。事象に関連するパラメーターとは、システムの基準フレーム内で
の事象の発生に相関する測定可能な信号である。センサーは、電気的、化学的、
生物学的、生化学的、物理的、または機械的特性を含む１つ以上の特殊な入力に
反応するものなら何を含んでいてもよい。本発明のセンサーによって検出するこ
とができる入力の例としては、姿勢、圧力、流量、動き、水分、酵素、バクテリ
ア、ｐＨ、伝導率、抵抗、キャパシタンス、インダクタンス、電界および／また
は電磁界、光、材料または物質の存在、材料または物質の状態の変化、他の特性
または事象（例えば、材料の発生または材料の存在）、あるいはそれらの組合せ
を含むが、それらに制限されない。他の入力のない単なる時間の経過は本発明の
目的に対して入力を構成しない。例えば、電気センサーまたは生物学的センサー
は、材料の成分を探知することにより、（これらに制限されないが、病原体、流
体、***物等の）材料の存在を検出することができる。センサーは１つ以上の事
象、あるいは事象に関連する１つ以上のパラメーターを検出し、アクチュエータ
ーまたはコントローラーに入力を提供することができる。更に、本発明のセンサ
ーは可逆性または不可逆性であってよい。溶解フィルムまたはカプセルが不可逆
性センサーの例である一方、物体の、または物体上の電気活動または静電荷を検
出する電気センサーは、多数の連続的入力信号を受信することができる（つまり
、可逆性である）。

【００１５】 化学センサーまたはバイオセンサーは、これらに制限されないが、汚染物質、
血液、尿、糞便、および唾液、ｐＨ、水等の分泌液および***物、またはバクテ
リア、ウイルス、（バクテリアまたは他の生物学的有機物または材料の破壊また
は分解から引き出されるもの等の）生分解生成物等の他の生物学的入力に典型的
に存在する、酵素または他の成分等の化学的および／または生化学的入力に反応
することができる。化学センサーは検出手段として化学反応を使用してもよいし
、あるいは問題の入力材料内で可溶の材料の溶解を伴ってもよい。化学センサー
または生物学的センサーの例は、特定の化学的、生化学的、または生物学的入力
に反応して、あるいは特定のクラスの化学的、生化学的、または生物学的入力に
反応して溶解または破裂する、可溶性または破裂できるフィルム、カプセル、セ
ル、シール等を含む。機械センサーは動き、姿勢、圧力等に反応することができ
る。機械センサーの例は、物体がセンサーの上に置かれると、その重量がベロー
の上にかかってセンサーの一部を膨張させるベロータイプである。機械的センサ
ーは予め限定される印加圧力の下で壊れるか、または分離されるセンサーまたは
センサーの一部をも含むことができる。これらに制限されないが、水分、尿、糞
便、月経、圧力、抵抗、キャパシタンス、インダクタンス、静電荷等の入力に反
応するために電気センサーも使用することができる。例えば、電気センサーは（
水を含むもの等の）伝導性入力が電気回路を完成させるセンサー、圧力または張
力等の入力が電気接点を閉じて回路を完成させるセンサー、使用中に、またはユ
ーザーまたは着用者によって（例えば動きまたは筋張力から）誘発される圧力を
介して信号を発生させる圧電式センサー、センサーが反応する入力の存在下に抵
抗またはキャパシタンス、またはインダクタンスが変化するセンサー、または皮
膚接触センサー等の接点を通して着用者またはユーザーの体から（例えば、皮下
筋肉から）電気信号を受信するセンサーを含む。温度変化を検出するために熱セ
ンサーも使用されてよい。任意で、センサーは業界で公知のバイオセンサー（例
えば、酵素センサー、細胞内器官センサー、ティッシューセンサー、微生物セン
サー、または電気化学的センサー）であってもよい。センサーは、１９８７年１
月１３日にＫｅｎｊｉ Ｏｇｕｒａらに対して発行され、「トイレ装置（Ｔｏｉ
ｌｅｔ Ａｐｐａｒａｔｕｓ）」と題された米国特許第４，６３６，４７４号に
記載されているような、タンパク質、糖類、胆汁成分等を検出するように適合さ
れていてよい。バイオセンサーは生体認識システム、典型的に、物理化学的トラ
ンスデューサーの表面に固定された抗体等の、酵素または結合タンパク質を備え
ていてよい。バイオセンサーは（例えば、酵素電極を備えるバイオセンサーを介
して）アンモニア、およびフェノール等の***物の成分を検出することができる
。特殊な菌株のバクテリアを、そのバクテリア菌株に対して強められた抗体を使
用するバイオセンサーを介して検出することができる。（例えば尿または糞便中
の）フェノールを検出するために使用できる例示的な酵素電極は、１９９７年１
０月１４日にＪｏｓｅｐｈ Ｗａｎｇらに対して発行され、「遠隔電気化学的セ
ンサー（Ｒｅｍｏｔｅ Ｅｌｅｃｔｒｏｃｈｅｍｉｃａｌ Ｓｅｎｓｏｒ）」と
題された米国特許第５，６７６，８２０号、および１９９２年２月２５日にＡｎ
ｔｈｏｎｙ Ｐ．Ｆ．Ｔｕｒｎｅｒらに対して発行され、「有機溶媒に使用され
る酵素電極（Ａｎ Ｅｎｚｙｍｅ Ｅｌｅｃｔｒｏｄｅ Ｆｏｒ Ｕｓｅ Ｉｎ
Ｏｒｇａｎｉｃ Ｓｏｌｖｅｎｔｓ）」と題された米国特許第５，０９１，２
９９号に各々記載されている、チロシナーゼベースの電極、またはポリフェノー
ルオキシダーゼ酵素電極を含む。

【００１６】 任意で、センサーは、測定される事象に関する変化または信号を検出すること
ができる「順向センサー」であってよい。例えば、これは製品内、または切迫す
る事象の発生に直接関連する、または最低でも相関する***物または汚染物質内
の、着用者の体または被処理表面等の被処理物体内または被処理物体に対する変
化を含み得る。順向センサーは、例えば、排便、排尿、または排出、医学的状態
、昆虫または寄生虫の発生等の切迫した事象、または事象に相関するパラメータ
ーを検出することができる。切迫した事象は***物、着用者またはユーザー、製
品、あるいはその成分に関連することができる。事象に相関するパラメーターは
、システムの基準フレーム内の事象の発生に相関する測定可能な入力信号（つま
り、ユーザーまたは着用者により引き起こされる信号）である。順向センサーは
、各々その状態の兆候に先行するバクテリアまたは皮膚の刺激物の存在を検出す
ることによって、例えば、事象の発生を予知する、または医学的状態（例えば病
気、皮膚の発疹、にきび）の兆候を予測する等、事象に先行する信号を検出する
ことができる。順向センサーは昆虫の卵または胞子を検出することにより昆虫の
発生や、胞子を検出することによりカビ、菌類等の環境効果を予知することがで
きる。製品内の順向センサーは事象を予知するために、多くの異なる入力を測定
することができる。センサーは、例えば、悪臭または細菌性感染症の拡散、ひり
ひりした皮膚を生じさせ得る残留便による汚染（例えば、クリーニングアップ後
に残された便酵素残留物、家に慣らされていない犬によって汚された床、臀部の
周囲の赤ん坊の皮膚等）を検出することができる。高いｐＨや、皮膚のコンダク
タンスの測定可能な上昇またはインピーダンスの測定可能な低下を生じさせる増
大した皮膚の水和作用等の検出を使用して、潜在的な皮膚の刺激を予知すること
ができる。順向センサーの更なる実施形態が、１９９８年６月２９日に出願され
、「順向センサーを有する使い捨て製品（Ｄｉｓｐｏｓａｂｌｅ Ａｒｔｉｃｌ
ｅ Ｈａｖｉｎｇ Ａ Ｐｒｏａｃｔｉｖｅ Ｓｅｎｓｏｒ）」と題された、同
時係属中の米国特許出願番号０９／１０７，５６１号に記載されており、この出
願は参照してここに組み込まれる。

【００１７】 センサーは、検出するためにセンサーが設計されている入力に曝されるであろ
う使い捨て製品のどの部分に配置されてもよいし、機能的に作用するように接続
されてもよい。本発明の目的のために、用語「機能的に作用するように接続され
る」は、センサーが入力を検出した時、製品の一部に合図することができるよう
な通信手段を指す。センサーはセンサー、別のセンサー、アクチュエーター、コ
ントローラー、あるいは製品の他の部分または成分から分離されていてもよいし
、機能的に作用するように接続されていてもよい。「機能的に作用するように接
続される」は、例えば、伝導性ワイヤーまたは部材を介した、無線周波数、赤外
線、または別の送信される周波数通信等の送信される信号を介した、電気接続等
の通信手段を含む。あるいは、センサーは空圧式または水圧式接続等の機械的接
続を介して機能的に作用するように接続されてよい。

【００１８】 更に、センサーは２つ以上のセンサーを含む感知「システム」を備えていてよ
く、その各々が同じまたは異なる源からの同じまたは異なる信号を検出すること
ができる。例えば感知システムは、特定のタイプの信号が送られるか、あるいは
特定の組み合わせの信号が送られる場合、製品内部のセンサー、アクチュエータ
ーが反応機能を実施するように、１つ以上の外部および／または別のセンサーか
らの電気信号または生物学的信号を検出する製品内部のセンサーを含んでいてよ
い。例えば、あるタイプの流体において生物学的入力が検出され、特定のｐＨを
有する場合、製品はこれら特定の状態の下で効果的であるために選ばれた抗生物
質を解放することができる。感知システムは製品内部、外部の、および／または
製品から分離した成分を含んでいてよい。 アクチュエーター 本発明の製品は更にアクチュエーターも備える。本出願において使用されるよ
うに、用語「アクチュエーター」は、「電位」と「反応機能」を実施または賦活
するためにその電位を変換する手段とを備える装置を指す。アクチュエーターの
電位は、蓄積エネルギー、ポテンシャルエネルギーまたは蓄積された材料を備え
ていてよい。このように、アクチュエーターはポテンシャルエネルギーを運動エ
ネルギーに変換することにより、あるいは蓄積された材料を解放、または放出す
ることにより、反応機能を実施、または賦活することができる。ポテンシャルエ
ネルギーは機械的、電気的、化学的、または熱的エネルギーとして蓄積されてよ
い。本出願において使用されるように、「運動エネルギー」は仕事をする、また
は上述のように反応機能を実施する（例えば、圧縮された装置の拡大、ねじられ
た装置の回転、相を変えるにつれて移動するゲル、材料または物体の被覆または
処理）ための能力を指す。

【００１９】 「反応機能」とは、本発明の目的のために、被処理物体に対して実施される機
能と定義される。被処理物体は物質または材料、製品自体、製品の着用者または
ユーザー、生命のある有機体、装置、またはその成分であってよい。本発明の目
的のために、感知された要素に対して１つの機能が実施されるか、あるいは感知
された要素に関連して直接または間接的に別の要素に対して機能が実施される場
合、その入力に基づいて機能が実施されると考えられる。

【００２０】 発明の典型的な実施形態では、アクチュエーターは以下の反応機能：物体を処
理するために材料を放出する；物体を処理するために電気（ここでは電磁エネル
ギーを含むように定義される）を放出する；物体を処理するために機械エネルギ
ーを放出する；の１つ以上を実施することによって物体を処理するであろう。上
記のカテゴリーに従ったエネルギーの放出は、下記において開示され得るものに
加えて、材料を動かすこと、材料を取り除くこと、材料を隔離することを含むこ
とができる。下記において詳述するように、物体の隔離は、物体を隔離するため
に物体に材料を放出することを含み得る。

【００２１】 本発明によって実施される処理は、広範囲の種類のユーザーに便益のある成果
のためのものであってよく、それはクリーニング、漂白、色付け、着色、消毒、
研磨、脱臭、殺菌、投薬、薬混入、化学的エッチング、表面改質、平滑化、染色
、脱ガム、被覆、カプセル化、材料のピックアップ、化学反応、密封、明るくす
ること、暗くすること、つや消し、グリース塗布、厚くすること、ゲル化、塗装
、インキング、プリンティング、香水をふりかけること（ｓｃｅｎｔｉｎｇ）、
飽和化、乾燥、吸収、吸着、解毒、デスタティック（ｄｅ−ｓｔａｔｉｃ）「フ
ァイング（ｆｙｉｎｇ）」、縮小化（ｄｅ−ｍａｇｎｉｆｙｉｎｇ）、拡大化（
ｍａｇｎｕｇｙｉｎｇ）、粘着付与、デリンティング（ｄｅ−ｌｉｎｔｉｎｇ）
、メッキ、純化、しつけ縫い、拭い取り操作、酸化と還元と中和を含む化学反応
、凝固、液化、硬化、軟化、なめし法、処理、保湿、ローショニング、加塩、希
薄化、スタイリング、保存、潤滑、浄化、および溶解を含むが、これらに制限さ
れない。

【００２２】 アクチュエーター用の例示的な処理機能は、物体を清潔にする、調節する、着
色する、改質する、化学反応させる、物体との化学反応を促進する、物体を消毒
する、殺菌する、滅菌する、（虫や微生物を）殺す、被覆する、そのｐＨを修正
する、生物学的活動を修正する、物体を抑制する、物体を保護するために、活性
成分等の材料の放出を含む。例示的かつ非制限的な特殊な例は、ガラス、床、皮
膚、プレート、器具、テーブル、金属、木材、プラスチック、セラミック等の硬
い表面または柔らかい表面や、布、カーペット、室内装飾品等のテクスタイル等
の材料または物体の処理、および粘度、表面エネルギー、他の物理的特性を変更
すること、あるいは材料との化学反応を促進または生じさせることによってその
物理的特性を変更する化学組成物を添加することにより、材料の物理的性質の変
更を含む。

【００２３】 電気または電磁エネルギーを放出するための例示的な処理機能は、プラズマ表
面処理、磁化、消磁、静電荷の作成、および静電荷の除去（例えば、静電スプレ
ーを介して表面電荷を帯電または中和すること）を含む。

【００２４】 材料または物体を処理するために機械エネルギーを放出するための例示的な処
理機能は、マッサージ、混合、摩滅、展着、または表面に対する付着を緩めるこ
と等によって、材料または物体を物理的に操作することを含む。

【００２５】 物体を除去、隔離するための例示的な処理機能は、流体または排便、汚染物質
、汚れた食物、食物や生分解可能なプラスチックや油等の生分解された材料を除
去または隔離することを含む。

【００２６】 使い捨て製品のアクチュエーターは、例えば、脱臭剤、酵素抑制剤、抗生物質
、抗かび剤、スキンケア組成物、クリーニング剤、表面改良剤、またはｐＨ制御
剤を解放、または放出することができ、体液、***物、汚染物質、汚れ、ほこり
、ごみ、その存在が望ましくない他の物質を捕獲する、拭う、カバーする、トラ
ップする、動かなくする、シールする、ポンプで汲み上げる、保管することがで
き、あるいは***物、着用者、製品、またはその成分に対して、１つ以上のこれ
らの機能またはその他の反応機能を実施するために設計された構造または要素の
解放または作成を開始させることができる。

【００２７】 使い捨て製品のアクチュエーターは、例えば、また上述のように、物体に対し
て材料を放出してもよい。そうするために、アクチュエーターは、これらに制限
されないが、抗生物質、抗かび剤、酵素抑制剤、ｐＨ緩衝液、ｐＨ修正剤、クリ
ーニング剤、条件調節剤、薬剤、吸収材料、化粧品、保護剤（例えば、ワックス
、皮膚や硬い表面用のバリヤークリーム等）、パウダー、坑被着剤（例えばシリ
コーン）、およびレオロジー改良剤よりなる群より選ばれたもの等、１つ以上の
活性成分を物体に対して放出してもよい。好ましくは放出された材料は製品内に
保管される。放出することができる材料および活性成分は、条件調節剤、クリー
ニング剤（例えば、界面活性剤、好ましくはアニオンおよび非イオン界面活性剤
）、殺菌剤、坑かび剤、抗生物質、化学反応物、薬剤、生物学的または生理学的
活性剤（例えば、酵素抑制剤）、レオロジー改良剤（例えば、便改良剤）、ｐＨ
緩衝液または改良剤、染料、加圧ガス、圧縮フォーム、ねじられたフォーム、ポ
ンプ、閉システム液体輸送部材、感電ゲル、ｐＨ感応ゲル、塩濃度感応ゲル等の
１つ以上のものを含むが、それらに制限されない。レオロジー改良剤は便改良剤
、増粘剤（例えばポリマー増粘剤、粘土等）、懸濁化剤、および粘度低下剤を含
むが、それらに制限されない。条件調節剤は、テクスタイル、髪の毛、繊維、皮
膚、および皮を含むが、それらに制限されない、生命のある、または生命のない
物体の調子を整えるために使用される。これらの例はカチオン界面活性剤、カチ
オンポリマー、油、ワックス、光輝剤、シリコーン、炭化水素、皮膚軟化剤、保
湿剤等を含む。

【００２８】 物体を隔離することは、物体を被覆する、物体をボイド、容器、または他の三
次元構造内に捕らえる、あるいは物体を別の場所に動かす（これはその最も近い
場所から物体を取り除くこと、あるいはその元の位置に最も近い場所に留まるが
、その位置を単に調節することを伴ってもよい）ことにより達成できる。

【００２９】 しかしながら、事象が発生したことを示す信号を提供するだけの装置は、本出
願の目的のために定義されるように、「アクチュエーター」とは考えない。

【００３０】 １つの位置（表面等）から材料を取り除く、あるいはそうでなければ物体を隔
離するために、三次元構造の作成をトリガーすることは、製品の成分に対して、
また結局は材料に対して実施される反応機能を伴い得る。取り除くべき物質の捕
獲、または被処理物体の表面またはユーザー、あるいは着用者の皮膚を拭うこと
、または表面または皮膚をクリーニングするか改良する組成物で、物体の表面ま
たはユーザー、着用者の皮膚を処理することは、例えば、汚染物質および／また
は表面、ユーザー、着用者に対して実施される反応機能である。製品の形状寸法
（一次元または二次元、三次元）または物理的特性（例えば、曲げ係数、形状寸
法等）の調整は、製品によって実施できる反応機能の例である。

【００３１】 しかし、介護人および／または着用者に事象が発生したことを合図することは
、反応機能の実施ではない。なぜなら、それは物体に対して機能を実施すること
ではないからである。信号装置は機能を実施するためのアクチュエーターとして
作用するために、システム外部のエージェント（例えば、人間等）を必要とする
。

【００３２】 本発明のアクチュエーターは被処理物体に対して反応機能を実施または賦活す
るために、ポテンシャルエネルギーを解放することができる。被処理物体は生命
のないもの、あるいは生命のあるものであってよく、例えば制限なく、材料、装
置、表面、人、動物、または環境（例えば周囲空気）を含む。ポテンシャルエネ
ルギーの解放は、反応機能を実施するために、機械的、電気的、化学的、または
熱的ポテンシャルエネルギーを、機械的、電気的、または化学的運動エネルギー
に変換する。アクチュエーターはポテンシャルエネルギーを解放して反応機能を
実施するためにしきい値レベルの入力によって始動されてもよいし、あるいは後
述するように、入力に対して連続的に反応してもよい。例えば、圧縮されたフォ
ームは圧縮された機械的ポテンシャルエネルギーを蓄積し、それが解放された時
、機械的運動エネルギーを提供することができる。ねじられたフォームはねじれ
た機械的ポテンシャルエネルギーを蓄積し、それが解放された時、回転等の機械
的運動エネルギーを提供することができる。更に、蓄積された化学的、電気的、
または熱的エネルギーを使用して、電気的、機械的、化学的、または熱的運動エ
ネルギーを解放することができる。

【００３３】 ポテンシャルエネルギーは必要になるまで、それを維持、拘束するのに充分な
方法で保管されてよい。例としては、電池および／またはコンデンサー、未反応
試薬の形態で弾力的に、ねじれにより、圧縮して張力がかけられた材料または構
造物、および物理的または化学的機能を果たすことができる材料（例えば、吸収
剤、皮膚軟化剤、ｐＨ緩衝液、酵素抑制剤、便改良剤、圧縮されたガス等）が挙
げられる。

【００３４】 あるいは、本発明のアクチュエーターは、被処理物体に対して反応機能を実施
または賦活するための能力を有する多数の蓄積材料を備えていてよい。１つの実
施形態では、例えば、アクチュエーターは反応機能を実施する蓄積材料を解放ま
たは放出してよい。この実施形態では、アクチュエーターはしきい値レベルの入
力により始動されて、所定の時間に蓄積材料を不連続的に解放または放出するか
、あるいは連続的に材料を解放、または放出することができる。

【００３５】 代替実施形態では、センサーおよび／またはアクチュエーターは閉システム液
体輸送部材を備えていてよい。「閉システム液体輸送部材」または「輸送部材」
は、入口と出口を有する液体充填部材を備え、それは入口において液体を受け入
れると同時に、出口において液体を解放する。出口から解放された液体は、セン
サーに対する入力信号として作用することができる。例えば、液体は輸送部材が
入口において尿を吸収した時に解放される水であってよく、それは蓄積されてい
る機械エネルギーを解放するためにシールを溶解して材料を放出するか、あるい
はボイドスペースを作り出して材料を隔離する作用をする。あるいは、輸送部材
はそれ自体でアクチュエーターをトリガーしてもよいし（例えば化学反応を実施
するためにエージェントと混合する）、あるいは少なくとも一部のアクチュエー
ターの機能を実施してもよい（例えば、解放された水が特定の形状寸法に配置さ
れた超吸収性ポリマーによって吸収され、それが便用ボイド容量を膨張させて形
成する）。このような輸送部材を通した液体の輸送は、毛細管現象よりはむしろ
直接吸引に基づいている。液体はわずかな量の空気（または他のガス）しか入ら
ない領域を通して輸送される。このような部材を通過して流れる液体用の駆動力
は液体シンク（例えば、毛細管または浸透性吸収構造）、またはその部材と液体
連通する源によって作り出すことができる。このように、液体輸送部材は比較的
高い液体透過率を有していなければならない。

【００３６】 輸送部材内には好ましくは、異なる孔径、すなわち、小さい孔を有する１つ以
上の孔領域と、かなり大きな孔径を有する内部領域の、少なくとも２つの領域が
ある。輸送部材の内部領域は出入口領域の透過率と比べて比較的高い透過率を有
し（高い液体透過率は低い流れ抵抗を提供する）、それは内部、バルク領域と外
接する外部、壁領域の一部であってよい。内部領域用材料として使用するのに適
した高い多孔率の材料の非制限的な例としては、ポリオレフィン、ＰＥＴ、セル
ロース、およびセルロースベースの繊維や、網状フォーム、セルローススポンジ
、ポリウレタンフォーム、およびＨＩＰＥフォーム等の多孔性オープンセルフォ
ームが挙げられる。一実施形態では、内部領域のボイドは基本的に圧縮できない
流体で基本的に完全に埋められる。用語「基本的に完全に」は、入口と出口間の
連続的動力伝達路を設定できるように、内部領域の充分なボイド容量が液体で埋
められる状況を指す。

【００３７】 輸送部材の出入口領域は、輸送液体に対しては透過性であるが、一旦輸送液体
で湿ると、（空気のような）雰囲気ガスに対しては透過性ではない材料を備える
。しばしば、このような材料は膜として説明され、それは液体、ガス、または液
体またはガス内の粒子の懸濁物に対して透過性である領域と定義される。膜は、
例えば、毛細管を通して液体透過率を提供するために微孔のある領域を備えてい
てよい。代替実施形態では、膜はそこを通して液体が発散によって輸送されるブ
ロックコポリマーを備えるモノリシック領域を備えていてよい。出入り口領域用
の例示的な膜としては、１９９２年４月２８日にＷｈｉｔｅに対して発行され、
「吸収体用の膜（Ｍｅｍｂｒａｎｅｓ Ｆｏｒ Ａｂｓｏｒｂｅｎｔ Ａｒｔｉ
ｃｌｅｓ）」と題された米国特許第５，１０８，３８３号に開示されているよう
なセルロースアセテート膜、およびＥＰ−Ａ−０４５１７９７に開示されている
ようなＰＥＴフィルム、ニトロセルロース膜、硝酸セルロース膜、ＰＴＦＥ膜、
ポリアミド膜、およびポリエステルが挙げられる。その他の適切な材料は、ドイ
ツ、Ｇｅｌｄｅｒｎ−ＷａｌｄｂｅｃｋのＶｅｒｓｅｉｄａｇ、またはスイス、
ＲｕｓｃｈｌｉｋｏｎのＳＥＦＡＲから入手できる、ポリアミドまたはポリエチ
レンメッシュ等の織布ポリマーメッシュである。

【００３８】 あるいは、アクチュエーターは電気的に反応するゲルを備えていてもよい。電
気的に反応するゲルとは、水で少なくとも部分的に膨れた時、電流または電界の
印加の下に体積および／または形状寸法を変化させるポリマーゲルネットワーク
である。例えば、特定の部分的にイオン化されたポリアクリルアミドゲルは、ア
セトンと水に浸漬された時、弱い電界（例えば、０．５ボルト／ｃｍ）の下で約
５０％の異方性収縮を経験するであろう。別の感電（電気的に反応する）ゲルは
、水および界面活性剤の存在下に電気的に誘発される曲げを経験するか、あるい
は発振する電界を受けた時、発振する波動運動を経験するかもしれない。電界内
の負帯電ゲルポリマーに、正帯電界面活性剤の分子を集中させることにより、ゲ
ルの一部、例えば、ゲル要素の片側において、局部的な収縮を誘発することがで
きると考えられる。電界の強度および／または極性を変化させると、片側が長さ
を減少させる（例えば、ストリップに形成されたゲルが縮れる）につれてゲル内
に動きを誘発する。感電ゲルは、材料が体積および／または形状寸法を変更する
につれて、材料を解放し、流体が流れるようにし、流体がその材料を通って流れ
るのを防止し、流体を閉じ込める等のための弁を提供するために、矩形、円形、
網状格子等のパターンの様々な形状寸法を備えることができる。便の水分が検出
された時に、例えばストリップに形成された感電ゲルを曲げて便を輸送すること
ができる。図１１の（Ａ）および図１１の（Ｂ）では、例えば、便の水分が接点
４８５を橋かけし、感電ゲルへと電流が流れるようにして、ストリップを曲げる
か、まっすぐにする回路内の、感電ゲルのストリップが示されている。あるいは
、図１２の（Ａ）、図１２の（Ｂ）、および図１２（Ｃ）に示すような網状格子
パターンに形成された感電ゲルは、導電性流体を検出した時に膨張または収縮す
るように電気的に誘発され、製品２０の別の部分に尿が流れるようにするか、も
しくは流れるのを防止する弁を形成することができる。例えば、図１２の（Ａ）
は感電ゲルの網状格子パターンを含む回路を示している。図１２の（Ｂ）および
図１２の（Ｃ）は更に各々収縮した形状と膨張した形状の格子の顕微鏡図を示し
ている。例示的な材料は脆弱に架橋されたＰＡＭＰゲル（ポリ（アクリルアミド
−２−メチルプロパン）スルホン酸）である。このタイプのゲルは表面から取り
除くか隔離すべき物体（例えば糞便）用のボイドスペースの作成、皮膚または他
の表面をぬぐうこと、あるいは化学剤の塗付または放出、材料を放出するための
弁として機能すること等の様々な機能を果たすことができる。その他の例示的な
感電ゲルは、１９９０年３月３１日にＴａｎａｋａに対して発行された米国特許
第５，１００，９３３号およびＷＯ９２０２００５に記載されている。あるいは
、特殊なｐＨまたは塩濃度で各々体積および／または形状寸法を変化させるｐＨ
感応ゲルまたは塩濃度感応ゲル、あるいは他の特性または材料、条件に対して敏
感なゲルも、本発明のアクチュエーターとして使用することができる。

【００３９】 本発明の製品の一実施形態は、１つ以上の順向センサーおよび１つ以上のアク
チュエーターを含んでいてよい。切迫した事象に先立つ入力信号を検出すること
により、製品内の反応システムを始動させて、切迫した事象のために準備するこ
とができる。これは***物管理技術が初期には「隠されている」か、目立たない
が、必要になると、あるいは必要になる直前に利用できるようになるような製品
の構成を可能にするであろう。特殊な入力に係わらず、これらの実施形態におけ
る順向センサーは、被処理物体に対する作用を実施するためにアクチュエーター
を始動させ、事象の発生のために準備することができる。例えば、切迫した生物
学的事象（例えば、病気、皮膚の刺激、虫さされ等）を検出する場合、該システ
ムは好ましくは、処理または防止すべき切迫した事象の前兆である、事象の存在
に関連する生物学的信号により始動される（つまり、反応システムが活性化され
る）。

【００４０】 アクチュエーターが反応機能を果たすことができるようにするであろう使い捨
て製品の部分に、アクチュエーター７０を配置および／またはその部分に機能的
に作用するように接続してもよい。アクチュエーター７０は製品２０等の製品内
に完全に包含されてもよいし、製品内に置かれる部分と製品２０の外部に置かれ
る部分とを有していてもよいし、あるいは製品２０の完全に外部にあってもよい
。アクチュエーター７０またはアクチュエーター７０の一部は１つ以上のセンサ
ー６０、１つ以上のコントローラー８０、アクチュエーター７０の別の部分、製
品２０の別の部分に機能的に作用するように接続されてもよい。更に、アクチュ
エーター７０は製品２０と一体的であっても、あるいはユーザーによって設置さ
れてもよい。

【００４１】 製品２０はコントローラーを含んでいてもよい。本出願の目的のために、「コ
ントローラー」とはセンサーからの入力を受信し、１つ以上の動作を取るべきか
どうかを決定する装置と定義される。コントローラー８０はセンサー６０からの
信号を受信し、***物、着用者、製品、またはその成分に対して反応機能を実施
するようにアクチュエーター７０に指示することができる。あるいは、アクチュ
エーター７０はセンサー６０から直接信号を受信して、***物、着用者、製品、
またはその成分に対して反応機能を実施してもよい。コントローラーは化学的ま
たは物理的変化を経験する材料を含んでいてよいし、センサー等からの情報を処
理する化学的、機械的、または電気的装置であってもよい。例えば、水分可溶性
バッグにより真空下に閉じ込められて抑制される圧縮されたプラスチックフォー
ム材料を有する製品において、センサー６０が水分可溶性バッグを備えていてよ
い。フィルムが溶ける前にどのような量の入力がなければならないかを決定する
フィルムの物理的および化学的特徴、つまりポリマーのタイプ、厚み等がコント
ローラー８０として作用し、コントローラー８０がアクチュエーター７０に蓄積
エネルギーを解放させて入力に基づいて反応機能を実施させる前に、満たされな
ければならないしきい値レベルの入力を決定する。アクチュエーター７０は圧縮
されたフォームと真空ロスとの組合せであり、圧縮されたフォームの蓄積された
機械エネルギーの解放を可能にする。この例では、コントローラー８０が１回限
りのスイッチとして作用する。しかしながら、センサー６０から着用者の筋肉の
電気活動等の信号を受信する電気的コントローラー８０が、多数の電気信号を受
信してモニターし、アクチュエーターを繰り返しトリガーしてもよい。コントロ
ーラーはセンサー成分と一体的であっても、アクチュエーター成分と一体的であ
っても、あるいはシステムの分離した成分であってもよい。

【００４２】 コントローラー８０がセンサー６０からの信号を受信してアクチュエーター７
０に信号を提供できるようにするであろう使い捨て製品の部分に、コントローラ
ー８０を配置および／またはその部分に機能的に作用するように接続してもよい
。コントローラー８０は製品２０と一体的であっても、あるいはユーザーによっ
て設置されてもよい。コントローラー８０は製品２０等の製品内に完全に包含さ
れてもよいし、製品内に置かれる部分と製品の外部に置かれる部分とを有してい
てもよいし、製品２０の完全に外部にあってもよい。コントローラー８０または
コントローラー８０の一部は１つ以上のセンサー６０、１つ以上のアクチュエー
ター７０、コントローラー８０の別の部分、または製品２０の別の部分に機能的
に作用するように接続されてもよい。例えば、コントローラー８０はセンサー６
０からの信号を受信して、例えば無線周波数（ｒｆ）送信によって信号をアクチ
ュエーター７０に提供しても良い。

【００４３】 明確に異なる構造要素がセンサー６０、アクチュエーター７０、およびコント
ローラー８０の機能を果たしてもよいが、本発明のセンサー６０、アクチュエー
ター７０および／またはコントローラー８０の機能が明確に異なる構造要素によ
って実施される必要はない。センサー６０およびコントローラー８０の機能は、
例えば、被処理材料の成分、例えば***物と接触して溶解するフィルム等の同じ
構造要素によって実施されてもよい。この例では、フィルムはセンサーとして作
用し、入力に反応する。フィルムが溶ける前にどのような量の入力がなければな
らないかを決定するフィルムの物理的、および化学的特徴、つまりポリマーのタ
イプ、厚み等がコントローラーとして作用し、コントローラーがアクチュエータ
ーに蓄積エネルギーを解放させて反応機能を実施させる前に、満たされなければ
ならないしきい値レベルの入力を決定する。別の実施形態では、反応システムは
目的とする物体を処理するための１つ以上の材料を包含するセルまたはカプセル
を備えていてよい。セルまたはカプセルは、例えば、しきい値圧力レベルの下で
破裂するか、しきい値レベルの所定の液体または***物の他の成分、あるいは他
の汚染物質の存在下に溶解し、保管されている処理材料（例えば、スキンケア組
成物または酵素抑制剤）を解放してもよい。この実施形態では、セルまたはカプ
セルは、例えば圧力レベルを検出するセンサーとして、また例えば保管されてい
る処理材料を解放する前のしきい値圧力レベルを限定するコントローラーとして
作用する。更に別の実施形態では、反応システムは閉システム液体輸送部材を備
えていてもよい。この実施形態では、輸送部材はセンサーおよびアクチュエータ
ーとして作用する、つまり、出口から被処理物体に処理材料を能動的に放出する
。更に、閉システム液体輸送部材は入力の必要なしきい値レベルを決定するコン
トローラーとして作用することもできる。閉システム液体輸送部材が入口で被処
理分泌液を受け入れて、水等の液体が出口から出て、圧縮された弾性材料を保持
している可溶性フィルムを溶解する実施形態では、例えば、閉システム液体輸送
部材がセンサーおよびコントローラーとして作用してよい。この実施形態では、
輸送部材は被処理分泌液（例えば尿）を受け入れることによりセンサーとして作
用し、入口または出口の透過率がコントローラーとして機能して、輸送部材が可
溶性フィルムに液体を放出する前に必要である液体のしきい値量を決定すること
ができる。

【００４４】 本発明の製品２０は好ましくは、フィードバック制御ループを備えた、または
具備しない不連続反応システムを含む。反応システムは、代替的に、フィードバ
ック制御ループを有する連続反応システムを含んでいてもよい。例えば、汚染物
質の***物がセンサーによって感知された時、***物等の汚染物質に作用する反
応システムを吸収体が備えていてもよい。本出願の目的のために、「反応システ
ム」は、センサー６０と、センサー６０が適切なトリガリング入力を検出した時
、被処理物体に対して作用するアクチュエーター７０とを含むシステムと定義さ
れる。所定の入力パラメーターを感知すると同時に、アクチュエーター７０は蓄
積エネルギー、材料の解放を生じさせて反応機能を実施する。

【００４５】 本発明の反応システムは「連続的」または「不連続的」方法で反応してよい。
本出願において使用されるように、「連続的反応システム」は、出力が入力量に
定量的に依存する、つまり、連続的に増大する量の出力をもたらすために、連続
的に増大する量の入力が必要である、あるいは反応システムの出力が蓄積材料の
受動的解放を備える反応システムを意味する。使い捨て吸収体に置かれた超吸収
性ポリマーは、例えば連続的反応を提供し、出力が入力量に定量的に依存する、
つまり、増大する量の液体***物が超吸収性ポリマーと接触するにつれて、ポリ
マーの容量を使い切るまで、増大する量のポリマーがその液体を包含する。化学
量的な化学反応は、増大する出力に対して連続的な反応を有するシステムの別の
例である。この反応において、Ａ＋過剰Ｂ→Ｃ、例えば、Ｃに変換される過剰Ｂ
の量が化学量的であり、従って、システムにおいて利用できるＡの量に関して「
連続的」である。しかしながら、蓄積材料を受動的に解放する反応システムは概
して、被処理物体に対して実施される実際の反応機能が、材料の解放によってで
はなく、材料によって実施されるので、材料自体がどのように解放されるかに係
わらず連続反応を提供する。このように、材料が所定の入力に反応して連続的に
解放されようと、あるいは所定の入力のしきい値が検出された時に１回で不連続
的に解放されようと、解放された材料が使い尽くされるまで、連続的に増大する
量の出力をもたらすために連続的に増大する量の入力が必要であるような方法で
、解放された材料によって実施される反応機能が実施される。

【００４６】 しかしながら、「不連続的な反応システム」は、しきい値レベルを超える入力
量とは基本的に独立している出力関数を有する反応システムを指す。例えば、所
定の入力の１つ以上のしきい値レベルが満たされた時、反応システムはその蓄積
エネルギーの全てまたは予め指定された部分を解放して、特定の反応機能を果た
すことができる。本発明の理想的な実施形態では、出力関数は、図７の（Ａ）に
示すような「ステップ」関数を含む。この実施形態では、入力量がしきい値レベ
ルより上または下である場合に、増大するレベルの入力に対する出力の変化率、
（ｄ（出力）／ｄ（入力））、つまり、出力関数ｆ（ｘ）の傾斜または第１の導
関数ｆ’（ｘ）は好ましくは基本的にゼロである。しかしながら、しきい値レベ
ルでは、変化率（ｄ（出力）／ｄ（入力））は好ましくは無限大に近づく。この
ように、理想的な不連続反応では、ε→０になるにつれての関数ｆ（ｘ−ε）の
限界は、ε→０になるにつれての関数ｆ（ｘ＋ε）の限界と等しくない、つまり
、ｌｉｍ ｆ（ｘ−ε）≠ｌｉｍ ｆ（ｘ＋ε）である。

【００４７】 ε→０ ε→０ しかしながら、本発明は、物理的世界では、しきい値レベルにおける理想的な
瞬時のステップ変化は必要ではなく、多くの場合可能ですらないかもしれないこ
とを認識している。好ましい実施形態では、入力のしきい値レベル付近で、出力
関数が事実上のステップ変化を有し、入力にはほとんど変化がないことだけが必
要である。このように、本発明は、遷移領域において出力関数が少なくとも最低
の相対的急峻性の度合いを有するように、遷移領域において充分に不連続的な方
法で反応する出力関数を有する本発明の不連続反応システムを企図している。不
連続システムを説明するか、またはモデル化する特定の方法に制限したくはない
が、本発明の目的のために定義されるように、所定の出力関数が充分に不連続的
な方法で作動するかどうかを決定する好ましい方法では、変曲点における出力カ
ーブの傾斜が、遷移領域の最初の点と最後の点とを結ぶ線の相対的傾斜と比較さ
れる。例えば、図８は例示的な出力関数の第１の導関数ｆ’（ｘ）と、第２の導
関数ｆ’’（ｘ）と第３の導関数ｆ’’’（ｘ）の整列したグラフと共に、例示
的な出力関数ｆ（ｘ）のグラフを示している。出力関数ｆ（ｘ）は出力または反
応（Ｒ（Ｉ））に対する入力（ｘまたはＩ）の効果を説明する。本発明の目的の
ために、遷移領域は、出力関数ｆ（ｘ）の第２の導関数ｆ’’（ｘ）の相対的最
大値Ｒ（Ｉ_１）と最小値Ｒ（Ｉ_２）間の領域と定義される。相対的最大値Ｒ（Ｉ _１ ）と最小値Ｒ（Ｉ_２）は第３の導関数ｆ’’’（ｘ）がゼロに等しい点である
。変曲点Ｉ_０は、第２の導関数ｆ’’（ｘ）がゼロに等しい遷移領域内の点、つ
まり ｄ^２Ｒ｜ ｜ ＝０ ｄI^２｜I＝I_０ と定義される。遷移領域の最初の点と最後の点を結ぶ線の傾斜と、変曲点におけ
る出力関数の傾斜の比較は、以下の式によって説明することができる： ｄＲ｜ （ΔＲ_Ｔ） ｜ ＝ｋ ｄＩ｜I＝I_０ （ΔＩ_Ｔ） この式において、変曲点におけるｄＲ／ｄＩは、その点における出力関数の第１
の導関数である。項ΔＩ_Ｔは遷移領域の最初の点Ｉ_１と最後の点Ｉ_２間の、反応
システムに対する入力の変化、つまりＩ_２−Ｉ_１であり、項ΔＲ_Ｔは遷移領域の
最初の点と最後の点間の出力関数の反応の変化、つまりＲ（Ｉ_２）−Ｒ（Ｉ_１）
である。係数ｋは、遷移領域の最初の点と最後の点を結ぶ線の傾斜と比べて、変
曲点Ｉ_０における出力関数の傾斜の相対的急峻性を説明する比例定数である。反
応システムが不連続的出力関数を有するためには、比例定数ｋは少なくとも約２
．０でなければならず、好ましくは少なくとも約３．０、より好ましくは少なく
とも約５．０、更に好ましくは少なくとも約１０．０であり、少なくとも約１０
０が最も好ましい。

【００４８】 ある実施形態では、不連続反応システムの遷移領域内の相対的急峻性の程度は
、一連の整数ｎ、等しい時定数を有する一次の時間的ずれを有する制御システム
の伝達関数によってモデル化されてもよい。反応システムの伝達関数は、本発明
の目的のために、入力（攪乱変数）に対する出力（応答変数）のラプラス変換の
比率と定義される。例えば、Ｒｏｂｅｒｔ Ｈ．Ｐｅｒｒｙ ＆ Ｄｏｎ Ｇｒ
ｅｅｎによる、「ペリーの化学工学者ハンドブック（Ｐｅｒｒｙ’ｓ Ｃｈｅｍ
ｉｃａｌ Ｅｎｇｉｎｅｅｒｓ’ Ｈａｎｄｂｏｏｋ）」、第６版、第２２章、
マグローヒル社（ＭｃＧｒａｗ Ｈｉｌｌ，Ｉｎｃ．）１９８４年を参照。図８
Ｂに示すように、出力関数の相対的急峻性の程度は式：ＫＧ（ｓ）＝Ｋ／（Ｔｓ
＋１）^ｎによって近似することができ、式中、ＫＧ（ｓ）は伝達関数であり、Ｋ
は比例要素であり、Ｔはシステムの時定数であり、ｎは一次の時間的ずれの整数
である。このモデルでは、数ｎが増大するにつれて、遷移領域内の出力関数の急
峻性が増大し、モデルは不連続反応システムに近づき始める。ｎが約２５以上で
ある時、本発明の特定の不連続反応システムは、好ましくは上記の式によってモ
デル化され、ｎが約５０以上であることがより好ましく、ｎが約１００以上であ
ることが最も好ましい。

【００４９】 図７の（Ａ）に示すように、本発明の反応システムは１つのしきい値レベルを
含むことができ、そのしきい値レベルにおいて、反応システムはその蓄積エネル
ギーの全てを解放して、特定の反応機能を実施してもよいし、あるいは多数のし
きい値レベルを含み、そのしきい値レベルにおいて、システムが予め指定された
部分の蓄積エネルギーを解放して、各々のしきい値レベルにおいて１つ以上の特
定の反応機能を実施してもよい。１つのしきい値レベルを有する実施形態では、
反応システムはその蓄積エネルギーの全てを解放して、そのしきい値レベルが満
たされた時に、全反応機能を実施してもよい。このような１つのしきい値の実施
形態では、この例では、不連続反応システムがオンまたはオフ等の２つの状態を
有するシステムを含む。***物等のしきい値量の入力が使い捨て処理製品に存在
する場合、反応システムは被処理物体に対して、１つの反応機能を実施すること
ができる。このように、不連続反応システムは、しきい値レベルの入力の存在下
に、１つの状態から別の状態へと変化する１回限りの「スイッチのような」機能
を果たすことができる。

【００５０】 あるいは、図７の（Ｂ)に示すように、反応システムは、多数のしきい値レベ
ルを有していてもよく、そのしきい値において、各々のしきい値レベルが満たさ
れた時、システムが所定「分量」のエネルギーを解放して、あるいは所定量の材
料を放出して、特定の反応機能を実施してもよい。この実施形態では、各々のし
きい値レベルが満たされた時、全反応機能の一部を実施してもよいし、および／
または異なるしきい値レベルが満たされたことに反応して、異なる別個の反応機
能を実施してもよい。例えば、反応システムは便酵素をモニターすることができ
、各しきい値酵素レベルが満たされた時、等しい量または等しくない量の酵素抑
制剤を放出してもよいし、あるいは第１のしきい値レベルにおいて（例えば、製
品の蓄積成分を膨張または拡大させるか、またはｐＨ緩衝液を放出する等）第１
の反応機能を実施し、第２のしきい値レベルにおいて、（例えば多量の酵素抑制
剤の放出等）別の反応機能を実施してもよい。各遷移領域において、反応システ
ムは上述の１つのしきい値の実施形態における遷移領域と基本的に同じように反
応する。

【００５１】 更に、反応システムは多数の入力をモニターして、異なる入力のしきい値レベ
ルが満たされた時に、１つ以上の反応機能を実施してもよいし、あるいは異なる
入力の２つ以上のしきい値レベルが満たされた時に、１つの反応機能のみを実施
してもよい。このように、コントローラーは多数の異なる入力をモニターして、
異なる入力のしきい値レベルが満たされた時、異なる反応機能を実施することが
できる。あるいは、コントローラーは、多数の入力の１つ以上のしきい値レベル
が満たされた時に反応機能が実施されるように、論理ＯＲゲートタイプの機能を
果たすことができる。更に、コントローラーは、２つ以上の異なる入力の各しき
い値レベルが満たされた時に反応機能が実施されるように、論理ＡＮＤゲートタ
イプの機能を果たしてもよい。

【００５２】 反応システムは「閉ループ」システムまたは「開ループ」システムを備えてい
てよい。「閉ループ」システムは、「フィードバック制御ループ」システムとも
称され、明確に異なるセンサー６０とアクチュエーター７０成分を含み、入力に
基づいて反応機能を実施する。ある好ましい実施形態では、システムは入力に基
づいて実施される反応機能の少なくとも１つのトリガーとして、出力状態の要素
またはパラメーターの検出または測定を使用してもよい。出力状態とは、アクチ
ュエーター７０が入力状態に基づいて反応機能を実施する機会を持った後の、そ
の入力状態であってよい。例えば、センサー６０が表面または他の被処理物体の
ｐＨをモニターしており、汚染物質が製品２０内へと排出されてシステムのｐＨ
を変化させる、つまり反応システムの出力状態を変化させた場合、反応システム
は所定量のｐＨ緩衝液を解放して、システムのｐＨを所望の目標ｐＨまたはｐＨ
範囲に戻してもよいし、あるいはｐＨが目標ｐＨまたはｐＨ範囲に戻るまで緩衝
液を解放してもよい。しかしながら、液体が全て吸収されてしまうか、あるいは
ポリマーの容量に達するまで液体入力を連続的に吸収する、超吸収性ポリマー等
の吸収性材料は閉ループシステムを備えているとは考えられない。なぜなら、吸
収性材料は明確に異なるセンサー６０とアクチュエーター７０の成分を有してい
ないからである。反応機能は、出力状態がしきい値レベルに達した時に実施され
てもよいし、あるいは出力状態と１つ以上の他の条件が満たされた時にのみ実施
されてもよい。入力に基づいて作用することは、感知された要素に基づく作用、
例えば、ｐＨを感知してｐＨに対して作用することを含んでもよいし、あるいは
感知された要素が一体的な成分である組成物に対して作用すること、例えば、便
の酵素または便の水分を感知して便に対して作用することを含んでもよい。上述
のように、フィードバック制御ループシステムは少なくとも２つの明確に異なる
成分、つまりセンサー６０とアクチュエーター７０を含む。センサー６０は事象
、または事象に関連するパラメーターを検出する。アクチュエーター７０は信号
を受信して、センサー６０によって検出された入力状態に基づいて反応機能を実
施する。フィードバック制御ループは更にコントローラー８０を含んでいてもよ
い。この場合、センサー６０がコントローラー８０に信号を提供し、コントロー
ラー８０は入力状態に基づいて反応機能を実施するようにアクチュエーター７０
に指示することができる。コントローラー８０は反応システムの別の成分であっ
てもよいし、あるいはコントローラー機能がセンサー６０および／またはアクチ
ュエーター７０によって実施されてもよい。

【００５３】 フィードバック制御ループは「非変調型」または「変調型」であってもよい。
「非変調型」フィードバック制御ループ反応システムでは、反応システムが１回
きりのスイッチとして作用し、出力状態のしきい値レベルが満たされた場合、ア
クチュエーターがその入力に基づいて反応機能を実施する。例えば、センサー６
０は特定の便酵素を検出し、アクチュエーター７０が汚染物質内に検出された酵
素に基づいて作用する酵素抑制剤を解放してもよい。あるいは、センサー６０が
液体汚染物質を検出し、それに答えて、拡大するにつれて材料内へと水分を引き
寄せる、圧縮フォームまたは吸収性材料を解放してもよい。更に、センサー６０
が不快なにおいを生じさせる揮発性ガスを検出し、それに答えて、アクチュエー
ター７０が揮発性ガスのにおいを除去する脱臭剤を解放してもよい。これら各々
の例において、アクチュエーター７０はセンサー６０によって検出された入力に
基づいて作用する。しかしながら、センサー６０が液体汚染物質を検出し、アク
チュエーター７０が圧縮フォーム材料を解放して、便を包含するのに充分な量の
造形空間を作成する場合、アクチュエーター７０はセンサー６０によって検出さ
れた入力以外のものに作用する、つまり尿の代わりに便に対して作用し、従って
フィードバック制御ループではない。しかしながら、「変調型」フィードバック
制御ループはセンサー６０と、アクチュエーター７０と、コントローラー８０と
を含む。変調型フィードバック制御ループでは、出力状態が絶えず、または繰り
返しモニターされ、出力状態を所望の設定点に維持する、または所望の範囲内に
維持するために、コントローラー８０は入力に基づいて反応機能を実施するよう
にアクチュエーターに指示する。変調型反応システムは***物内のｐＨを絶えず
、または繰り返し測定し、***物のｐＨがしきい値ｐＨレベル以上であると検出
される度に、所定量のｐＨ制御剤（ｐＨ緩衝液またはｐＨ低下剤等）を解放して
、フィードバック制御ループ反応システムを提供することができる。

【００５４】 しかしながら、「開」ループ」システムは、フィードバックを使用せずに反応
機能を実施するために入力に答えるシステム、つまり、感知された入力がシステ
ムに入ることに対して出力が何の影響も有さないシステムである。開ループシス
テムはセンサー６０とアクチュエーター７０両方の機能を果たす１つの装置を有
するか、あるいは明確に異なるセンサー６０とアクチュエーター７０の成分を有
し、アクチュエーターが入力以外のものに作用することができる反応システムを
含んでいてよい。使い捨て吸収体の吸収性コアに置かれる超吸収性ポリマーは、
例えば、開ループ反応を提供する。なぜなら、ポリマーはセンサー６０とアクチ
ュエーター７０の機能を果たす１つだけの装置を含むからである。あるいは、開
ループ反応システムは汚染物質を検出するセンサー６０と、センサー６０によっ
て検出される入力以外のものに基づいて、連続的または不連続的な方法で反応機
能を果たすアクチュエーター７０とを含むことができる。例えば、センサー６０
が殺菌剤またはクリーニング剤を検出し、アクチュエーター７０が汚染物質を捕
捉または保管してよい。尿等の液体がガス放出材料と接触する時、膨張可能なス
ペーサーが膨張して、化学量的な化学反応を介して便を保管するためのボイド容
量を提供する、連続的な開ループ反応システムの一例、つまり、連続的な反応シ
ステムが、１９９４年７月１９日にＧａｒｙ Ｄ．Ｌａｖｏｎらに対して発行さ
れた「膨張可能なスペーサーを有する使い捨て吸収体（Ｄｉｓｐｏｓａｂｌｅ
Ａｂｓｏｒｂｅｎｔ Ａｒｔｉｃｌｅ Ｈａｖｉｎｇ Ａｎ Ｉｎｆｌａｔａｂ
ｌｅ Ｓｐａｃｅｒ）」と題された米国特許第５，３３０，４５９号に記載され
ており、この特許は参照してここに組み込まれる。

【００５５】 本発明は開ループであろうと閉ループであろうと、不連続反応を提供する反応
システムを含む。更に、本発明は連続的反応を提供する反応システムを含み、ま
たフィードバック制御ループ（つまり、閉ループシステム）をも含む。これらの
タイプの反応システムの各々は、業界で公知の連続的開ループ反応システムに優
る明確な利点を提供する。

【００５６】 本発明の一実施形態では、使い捨て処理製品がバッグ内に圧縮して保持される
圧縮された弾性材料等の汚染物質隔離装置を備え、その少なくとも一部が水溶性
である。好ましくは、圧縮された弾性材料はバッグ内で真空圧縮して保持される
。しきい値レベルの水分が水溶性領域の一部を溶解し、不連続的に真空状態を解
除すると、圧縮された材料が拡大して、１つ以上の汚染物質に対して反応機能を
実施することができる。圧縮された材料は、例えば、固体汚染物質を捕らえるの
に充分な体積の造形された空間を有する弾性プラスチックフォームであってよい
。この実施形態では、可溶性バッグが汚染物質から引き出された水分の汚染に反
応し、図１の（Ａ)及び（Ｂ）に示すように、隔離装置が水分に反応して固体汚
染物質を捕捉すると、反応システムはしきい値レベルの入力が存在する時に、不
連続的な方法で感知された入力に基づいて作用するので、不連続的閉ループ反応
システムを備えていることになる。しかしながら、可溶性バッグが湿気に反応す
る場合、反応システムは不連続的開ループ反応システムを備えていることになる
。なぜなら、反応システムは入力以外のものに対して作用する、つまり、システ
ムは湿気の代わりに汚染物質を捕捉するからである。あるいは、圧縮された材料
は、拡大するにつれてその本体に分泌液を引き寄せることにより、ポンプとして
機能する吸収材料であってもよい。例えば、図１０の（Ａ）〜図１０の（Ｃ)に
図示するように、上述したような高い多孔率の、大きなセルの弾性フォーム３９
４が、少なくとも可溶性部分３９２と、不溶性バッキング３９３とを有するフィ
ルム、外皮、バッグ、またはカプセル内に圧縮され、封じ込められていてよい。
図１０の（Ａ）は本発明の例示的な機械的ポンプを示す。図１０の（Ｂ）は構造
上の便を示し、図１０の（Ｃ）は便が吸収された後の構造を示す。好ましくは、
圧縮されたフォームを備える各セルが別個に真空状態に保持される。液体（例え
ば、尿または他の分泌液等の液体汚染物質）が可溶性フィルムと接触すると、フ
ィルムが溶解し、汚染物質と接触したセル内の圧縮されたフォームが拡大し、拡
大するにつれてフォーム内に分泌液を引き寄せることができるようにする。一実
施形態では、吸収性材料は、上に重なる***物と共に吸引力を維持するために、
個々に真空密封される多数のセルを含むことができる。この実施形態では、反応
システムが可溶性材料によって検出される分泌液をポンプで汲み上げる場合、反
応システムはセンサーによって検出された入力に基づいて作用するので、不連続
的閉ループ反応システムを備えていることになる。圧縮された材料は拡大するに
つれて、代替的または付加的に（上述したもの等の）活性剤を表面に放出してよ
い。

【００５７】 センサー６０は製品２０と一体的であってもよいし、あるいは介護人または着
用者によって設置されてもよい。センサー６０は製品２０等の製品内に完全に含
まれてもよいし、あるいは所望の入力と接触するように製品内に置かれる受入部
分と、製品内または製品外に置かれる伝達部分等の別の部分とを有していてもよ
い。センサー６０は製品２０の外部にあるが、センサー６０が製品２０外部の入
力を検出し、コントローラー８０および／またはアクチュエーター７０に信号を
提供できるように、製品２０の一部に機能的に作用するように接続されていても
よい。ある実施形態では、センサーは製品から分離されていてよく、例えば、着
用者の一部に別個に適用されてもよいし、あるいは製品とは別の１つ以上の成分
を有していてもよい。

【００５８】 本発明の実施形態は、制限なく、液体、半液体、および固体を含む、本発明の
製品によって取り除かれるべき材料を受け入れて包含するための保持領域を含ん
でいてもよい。このような保持構造の例は、吸収構造内のタンクやポケット（例
えば粉砕木材パルプまたは他の吸収性材料）、製品内に保持された材料の動きを
制限するためのバリヤー、ボイド（空所）、製品内に置かれた材料を受け入れて
包含する区画等、またはそれらの組合せを含む。図２の（Ａ）および図３の（Ａ
）に示した汚染物質隔離装置の実施形態では、バッグ９２内に圧縮されて保持す
ることができ、また強制力の解除後に、かなりの割合のその元の高さを、好まし
くは少なくとも約７５％を回復することができるように、圧縮された材料９４は
、適切な圧縮、回復特性を有する弾性フォームを備えていてよい。少なくとも一
部のバッグ９２は可溶性領域または可溶性シールを備える。可溶性領域、シール
は、例えば、汚染物質または汚染物質と関連するか、あるいは汚染物質の前兆と
なる他の材料、例えば、水、尿、便酵素、バクテリア等と接触して溶解すること
ができる。バッグ９２の可溶性領域の一部が充分に（つまり、しきい値レベルの
水が検出されるまで）溶解して、不連続的に真空を解除するまで、バッグ９２は
好ましくは圧縮された材料９４を真空圧縮状態に保持する。一旦拡大すると、フ
ォームは、例えば、フォームがあまり圧縮しない、好ましくは約５０％未満しか
圧縮せず、捕捉した汚染物質を解放しないように、使用中それに印加される圧力
または力に耐える程度に充分堅くなることが好ましい。例えば、ＳＩＦ／２１０
ＰＰ１またはアクアゾーン（Ａｑｕａｚｏｎｅ）８０Ａフォームという名称でペ
ンシルバニア州エディストーン（Ｅｄｄｙｓｔｏｎｅ，Ｐｅｎｎｓｙｌｖａｎｉ
ａ）のフォーメックス社（Ｆｏａｍｅｘ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ）から入手で
きるものや、ＭＣ１９００ ＥＶＡ ２ ｌｂ／ｆｔ^３という名称でマサチュー
セッツ州ヒアニス（Ｈｙａｎｎｉｓ，ＭＡ）のセンティネル、プロダクツ社（Ｓ
ｅｎｔｉｎｅｌ Ｐｒｏｄｕｃｔｓ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ）から入手できる
もの、あるいは１９９３年１１月９日にＤｅｓＭａｒａｉｓらに対して発行され
、「水性体液用の吸収性フォーム材料およびこのような材料を含む吸収体（Ａｂ
ｓｏｒｂｅｎｔ Ｆｏａｍ Ｍａｔｅｒｉａｌｓ Ｆｏｒ Ａｑｕｅｏｕｓ Ｂ
ｏｄｙ Ｆｌｕｉｄｓ ａｎｄ Ａｂｓｏｒｂｅｎｔ Ａｒｔｉｃｌｅｓ Ｃｏ
ｎｔａｉｎｉｎｇ Ｓｕｃｈ Ｍａｔｅｒｉａｌｓ）」と題された米国特許第５
，２６０，３４５号や、１９９５年２月７日にＤｙｅｒらに対して発行され、「
水性体液用の湿るまで薄い吸収性フォーム材料およびこのような製品の製造方法
（Ｔｈｉｎ−Ｕｎｔｉｌ−Ｗｅｔ Ａｂｓｏｒｂｅｎｔ Ｆｏａｍ Ｍａｔｅｒ
ｉａｌｓ Ｆｏｒ Ａｑｕｅｏｕｓ Ｂｏｄｙ Ｆｌｕｉｄｓ Ａｎｄ Ｐｒｏ
ｃｅｓｓ Ｆｏｒ Ｍａｋｉｎｇ Ｓａｍｅ）」と題された米国特許第５，３８
７，２０７号や、１９９７年７月２２日にＤｅｓＭａｒａｉｓらに対して発行さ
れ、「非常に高い水／油比を有する内部層乳剤から作成される水性体液用の吸収
性フォーム材料（Ａｂｓｏｒｂｅｎｔ Ｆｏａｍ Ｍａｔｅｒｉａｌｓ Ｆｏｒ
Ａｑｕｅｏｕｓ Ｆｌｕｉｄｓ Ｍａｄｅ Ｆｒｏｍ ｈｉｇｈ Ｉｎｔｅｒ
ｎａｌ Ｐｈａｓｅ Ｅｍｕｌｓｉｏｎｓ Ｈａｖｉｎｇ Ｖｅｒｙ Ｈｉｇｈ
Ｗａｔｅｒ−Ｔｏ−Ｏｉｌ Ｒａｔｉｏｓ）」と題された米国特許第５，６２
５，２２２号に記載されているフォーム等のＥＶＡフォームを、便捕捉用圧縮材
料９４として使用することができる。図２の（Ａ）に示すように、圧縮材料９４
は、圧縮材料９４が圧縮された時に開かれている孔を含むことができる。圧縮材
料９４が拡大した時、図３の（Ａ）に示すように、孔は圧縮材料９４の周囲によ
って閉じられてよい。これは、ユーザーまたは表面または被処理物体から離して
、圧縮材料の孔内部に***物を捕らえるか、包み込むことができるようにする。
あるいは、図４の（Ａ）に示すように、圧縮材料９４は、スペーサーとして作用
し、また製品２０内に汚染物質を保管するのに充分な体積を有するボイドスペー
スを提供する、開かれた孔を有していてもよい。これは、圧縮材料９４が拡大し
た後、圧縮材料９４が多数回汚染物質を受け入れて捕捉することができるように
する。

【００５９】 バッグ９２は、水、体液、便酵素、ｐＨレベル等の１つ以上の異なるタイプの
入力の存在下に可溶性であってよく、またバッグを溶解するのに必要な入力のし
きい値レベルを設定するために設計されてよい物理的および／または化学的特徴
（例えば、厚み）を有することができる。可溶性バッグ９２は、例えば、モノゾ
ル（ＭＯＮＯＳＯＬ）Ｍ７０３１フィルムとして、イリノイ州サウスホランド（
Ｓｏｕｔｈ Ｈｏｌｌａｎｄ，ＩＬ）のクリスクラフト・インダストリアル・プ
ロダクツ社（Ｃｈｒｉｓ−Ｃｒａｆｔ Ｉｎｄｕｓｔｒｉａｌ Ｐｒｏｄｕｃｔ
ｓ，Ｉｎｃ．）によって、あるいはＨＬ１６３６またはＨＬ１６６９−Ｘとして
ミネソタ州セントポール（Ｓｔ．Ｐａｕｌ，Ｍｉｎｎｅｓｏｔａ）のＨ．Ｂ．フ
ラー社（Ｈ．Ｂ．Ｆｕｌｌｅｒ Ｃｏｍｐａｎｙ）によって供給されるＰＶＡフ
ィルム等の水溶性であるプラスチックフィルムを備えていてよい。フィルムの厚
みは、例えば、所望の活性化を提供するために変更されてもよい。使用されるフ
ィルムは、例えば、約０．０００５〜約０．００１５インチの範囲の厚みを有す
ることができる。約０．００１インチの厚みを有するＨＬ１６３６フィルムは、
例えば、平方インチあたり約０．０４９グラムの含湿量で活性化するであろう。

【００６０】 この実施形態では、隔離装置９０は非変調型不連続反応システムとして動作す
る。バッグ９２の可溶性部分は特定の入力に反応するセンサーとして作用する。
センサーは、例えば、汚染物質内の水または被隔離物体内のスピルまたは別の成
分、例えば便内の酵素に反応することができる。バッグ９２の可溶性部分がしき
い値レベルの入力と接触すると、バッグ９２の可溶性部分が溶解して圧縮材料を
解放し、それは拡大して汚染物質を捕らえるか、囲んで包み込む。バッグ９２を
形成するために使用される材料の物理的、および化学的特徴が入力のしきい値レ
ベルを限定し、圧縮材料９４を解放すべき時を決定するコントローラーとして作
用する。バッグが溶解すると、真空解除および圧縮材料９４の拡大が汚染物質を
捕らえるためのアクチュエーターとして機能する。このように、隔離装置９０は
、所定の入力のしきい値レベルが検出された時、圧縮材料９４の蓄積された機械
エネルギーを解放する一回限りの不連続スイッチとして作用する。反応システム
の有用なエネルギーは、（蓄積エネルギー）−（ヒステリシス損）を含む。使用
される圧縮材料９４は、好ましくは最小のヒステリシス損と最大の復元率を有す
る。より好ましくは、解放されたときの復元率が少なくとも約７５％以上である
ように、圧縮ヒステリシス損は約２５％未満である。

【００６１】 代替反応システムでは、圧縮材料が拡大する時、ボイドを形成しないが、代わ
りに物体を処理するための材料（例えば、活性剤）を解放し、活性剤が圧縮材料
内部または圧縮材料の上に保管される点を除き、図２の（Ａ）と図３の（Ａ）に
示したものと同様の圧縮装置が提供される。圧縮材料の活性化と同時に、その目
的とする機能を果たすために活性材料が解放される。このタイプの圧縮装置は圧
縮活性材料解放装置と称することができ、上述のセンサーと協力して使用するこ
とができる。

【００６２】 本発明の連続的閉ループの実施形態はｐＨ緩衝液システムのまわりに外皮を形
成する、ｐＨ感応性の水溶性フィルムを備えていてよい。上述の可溶性材料がｐ
Ｈ感応性であってよい。そういうものとして、可溶性材料はｐＨしきい値を有し
ていてよい。可溶性材料の「ｐＨ閾値」とは、そのｐＨにおいて材料が可溶性か
ら不溶性に変化する、あるいはその逆に変化するｐＨである。例えば、可溶性材
料は６未満のｐＨでは実質的に不溶性であるが、６より高いｐＨでは可溶性であ
ってよい。従ってその材料のｐＨ閾値はｐＨ６である。本発明の好ましい実施形
態では、可溶性材料のｐＨ閾値は好ましくは約５と約９の間であり、他のｐＨ閾
値も企図されるが、好ましくは約５．５と約８．５の間である。ｐＨの変化は可
溶性材料の溶解の原因またはトリガーとなり得るが、汚染物質通過部材の溶解率
を増減させる助けをするためにも使用されてよい。このように、汚染物質のタイ
プおよび量等の要素に応じて、汚染物質通過部材の性能を変化させることができ
る。***物および他の目的に適した汚染物質通過部材は更に、１９９８年６月２
９日に出願され、「使い捨て吸収体と共に使用される方向的に優先的な***物通
過部材（Ｄｉｒｅｃｔｉｏｎａｌｌｙ Ｐｒｅｆｅｒｅｎｔｉａｌ Ｗａｓｔｅ
Ｐａｓｓａｇｅ Ｍｅｍｂｅｒ Ｆｏｒ Ｕｓｅ Ｗｉｔｈ Ｄｉｓｐｏｓａ
ｂｌｅ Ａｂｓｏｒｂｅｎｔ Ａｒｔｉｃｌｅ）」と題された、米国特許出願番
号０９／１０６，４２３号に記載されており、この出願は参照してここに組み込
まれる。適切なｐＨ感応性フィルムは、例えば、約５〜７の範囲のｐＨ閾値を有
する。ｐＨ緩衝液は、例えば、ニューヨーク州コーニングのコーニング社（Ｃｏ
ｒｎｉｎｇ，Ｉｎｃ．，Ｃｏｒｎｉｎｇ，ＮＹ）から入手できるｐＨ７のリン酸
緩衝液（カタログＮｏ．４７３６５０）であってよい。しきい値ｐＨに達した時
、ｐＨ緩衝液が解放され、化学量的な化学反応を介して連続的な方法で機能する
。このシステムはｐＨを検出して、ｐＨに基づいて、つまり入力に基づいて作用
するので、このシステムは閉ループである。

【００６３】 本実施形態は更に開ループ反応システムまたはフィードバック制御ループ反応
システムを備えていてよい。バッグ９２が水中で溶解し、装置９０が汚染物質（
例えば便等）を捕捉する場合、例えば、反応システムは開ループシステムを備え
ていることになる。なぜなら、システムの出力、つまり汚染物質が入力、つまり
、水に影響しないからである。しかしながら、バッグが汚染物質（例えば、便の
水分または便の酵素）に反応する場合、反応システムはフィードバック制御ルー
プを備えていることになる。なぜなら、システムは出力分量を使用するからであ
る。この例では、フィードバック制御ループ反応システムは、１回きりのスイッ
チとして作用し、出力用の所望の設定点レベルを維持するために、連続的にまた
は繰り返して入力を変更しないので、非変調型である。

【００６４】 本発明の別の実施形態では、上述の例において説明したようなフォーム、また
は別の弾性材料をねじって、ねじり機械的ポテンシャルエネルギーを作り出し、
上述のように可溶性フィルムの外皮、バッグ、またはカプセルに封じ込めてもよ
い。好ましくは、ねじられた弾性材料は可溶性フィルム、外皮、バッグ、または
カプセル内に真空状態でねじられた位置に保持される。この実施形態では、しき
い値レベルの水分、ｐＨ等が検出されると、フィルムまたはカプセルが溶解して
、不連続的に真空を解除し、フォームを解放する。蓄積されたねじり機械的ポテ
ンシャルエネルギーがフォームを解き放ち、汚染物質を保管、捕捉または捕らえ
る、物体の表面をぬぐう、活性剤を物体に塗る等の反応機能を果たすことができ
る。この実施形態では、反応システムが非変調型の不連続反応を提供する。しか
しながら、システムは入力以外のものに作用する、つまり着用者の皮膚に対して
作用するので、この反応システムは開ループシステムを備えている。

【００６５】 更に別の実施形態では、ｐＨ制御剤がフィルムまたは粒剤に埋め込まれるか、
または予め指定されたｐＨ以下（例えば、約６．０未満のｐＨ）では不溶性であ
る、つまり固体であるが、そのｐＨレベル以上では可溶であるｐＨ感応材料のフ
ィルムの下に、保持されてもよい。しきい値ｐＨレベル以上の検出と同時に、ｐ
Ｈ感応性の埋め込み材料または上にある材料が溶解して、ｐＨ制御剤を解放し、
目的とする物体を処理する。埋め込まれたｐＨ制御剤の場合、埋め込み材料が溶
解するにつれて、反応システムは連続的な方法でエージェントを解放する。フィ
ルムの下に保持されているｐＨ制御剤の場合、反応システムはフィルムが溶解し
た後、不連続的な方法でエージェントを解放する。ｐＨ制御剤は緩衝液、酸等の
ｐＨ低下剤、または塩基等のｐＨ上昇剤であってよい。本実施形態の変形は、汚
染物質に存在するかもしれない１つ以上の標的酵素または他の成分による加水分
解と同時に、ｐＨ変動を生じさせるであろう基板を含んでいてもよい。標的酵素
または他の成分が基板と反応した時、その反応がｐＨ変動を生じさせ、それが上
述のものと同様のｐＨ感応材料と反応して、ｐＨ制御剤を解放することができる
。酵素抑制剤がｐＨ感応材料に埋め込まれていてもよい。標的酵素、例えば便酵
素の存在が基板の変換とｐＨの変動を生じさせ、ｐＨ感応材料の溶解と酵素抑制
剤の解放を生じさせ、便またはユーザーの皮膚や他の表面等の他の物体を処理し
てもよい。例示的なｐＨ感応材料は業界で公知であり、ポリアクリルアミド、フ
タレート誘導体、形式化ゼラチン、シェラック、ケラチン、酸化セルロース等の
セルロース誘導体、およびポリアクリル酸誘導体を含む。好ましい材料はセルロ
ースアセテートフタレート、ビニルアセテート、ポリビニルアセテートフタレー
ト、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、およびアクリル酸／アク
リル酸エステルコポリマーとブレンドされたポリメタクリレートを含む。その他
の例示的な材料は、参照してここに組み込まれる、「ｐＨによりトリガーされた
浸透性バースティング送出装置（ｐＨ Ｔｒｉｇｇｅｒｅｄ Ｏｓｍｏｔｉｃ
Ｂｕｒｓｔｉｎｇ Ｄｅｌｉｖｅｒｙ Ｄｅｖｉｃｅｓ）」と題されたＥＰ６１
２，５２０ Ａ２号に記載されている。

【００６６】 本発明の反応システムの更なる実施形態は、入力、汚染物質、着用者、ユーザ
ー、またはその入力が反応機能を実施するための成分である製品を含む被処理物
体に対してエージェントを放出する、つまり能動的に輸送することができる。こ
の実施形態では、例えば、センサーが入力を検出した時、被処理物体に対してエ
ージェントを放出する、圧縮された弾性フォームまたは閉システム液体輸送部材
をアクチュエーター７０が備えていてよい。

【００６７】 ｐＨ感応材料の溶解に反応してｐＨ制御剤を解放または放出する上述した本発
明の実施形態は、閾値ｐＨレベルに達した後、ｐＨレベルに基づいて作用するフ
ィードバック制御ループを有する反応システムを備える。これらの実施形態は変
調型または非変調型であってよい。例えば、解放されたｐＨ制御剤がｐＨ上昇成
分とｐＨ低下成分の両方を含む緩衝液である場合、該システムは製品内で連続的
にｐＨをモニターし、ｐＨを上昇または低下させて、所望の設定点に、または緩
衝液の目標範囲内に製品内のｐＨレベルを維持する変調型フィードバック制御ル
ープシステムを備える。しかしながら、例えば、反応システムが最初のｐＨしき
い値レベルにおいてｐＨ低下剤のみを解放する場合、システムは非変調型フィー
ドバック制御ループシステムを備える。なぜならエージェントが使い尽くされ、
所望のｐＨレベルに、または目標ｐＨ範囲内にシステムのｐＨを維持しなくなる
まで、ｐＨ低下剤がシステムのｐＨを低下させるからである。しかしながら、製
品と接触する汚染物質がｐＨレベルを上昇させ、製品内のｐＨレベルがしきい値
ｐＨレベルに達する度に、システムが所定量のｐＨ低下剤を解放することが公知
である場合、システムは製品のｐＨがシステムの所望の設定点を超える時はいつ
でも、ｐＨ制御剤を繰り返し解放するので、このシステムは変調型フィードバッ
ク制御ループシステムを備えていてよい。しかしながら、閾値レベルに達したｐ
Ｈレベルに反応してｐＨレベル以外のものに作用するエージェント（例えば、便
酵素抑制剤）を解放または放出する上記の例は、開ループ反応システムを備える
。これらの例では、反応システムはモニターされている入力状態、つまりｐＨレ
ベルに影響を及ぼさないエージェントを解放する。

【００６８】 本発明の製品は反応機能として、センサーによって便物質が検出された時、あ
るいは入力が排便の切迫した発生を示す場合、１つ以上の便改良剤（ＦＭＡ）、
「粘性***物改良剤」、「改良剤」、または「エージェント」）を解放、または
放出することができる。ＦＭＡは便や月経等の粘性***物の化学的または物理的
特性を改良するために効果的な量で使用される。これは便物質の硬化、便の効果
的な粘性の増減、便の脱水のしやすさの増減、便の粘着性の減少、便の付着性の
減少、または上記の組合せを含むことができる。

【００６９】 本明細書において使用する、ＦＭＡの「効果的な濃度」は便物質の粘度または
硬度に対して測定可能な効果を有するために必要なエージェントの相対量を指す
。好ましくは、処理すべき便の少なくとも約０．０１重量％のＦＭＡの濃度が望
ましく、典型的には便の約０．１と約５０重量％の間の濃度が望ましい。

【００７０】 本発明の便改良剤は便の固体構造から便の液体部分（つまり水分）を分離する
ことができる、および／または固体便成分に対する便水分の「結合」度を減少さ
せることができる１つ以上の「水分遊離」剤を含むことができる。

【００７１】 上述のように便の粘度を減少させる作用をする便改良剤は、有機、および無機
凝集剤等を含むが、これらに制限されない。無機凝集剤は、鉄、アルミニウム、
カルシウム、ナトリウム、およびその混合物の塩を含むが、これらに制限されな
い二価および三価金属塩を含むが、これらに制限されない。このような塩は加水
分解生成物を形成し、それは便のコロイド構造内の特定の物質の帯電表面と関連
し、凝集（つまり、上記の機構のいずれかを介した凝集）を生じさせると考えら
れている。幾つかの例としては、塩化第１鉄、塩化第二鉄、硫酸アルミニウム、
塩化アルミニウム水酸化物、アルミン酸ナトリウム、硫酸カルシウム、ポリ−ア
ルミニウム−ケイ酸塩−硫酸塩（ＰＡＳＳという商標名でケベックのハンディ・
ケミカル社（Ｈａｎｄｙ Ｃｈｅｍｉｃａｌ，Ｑｕｅｂｅｃ）から入手できる）
、硫酸第一鉄、炭酸カルシウム等が挙げられる。

【００７２】 有機凝集剤はアルブミン、キサンタンガム、およびグアーガム等の天然物質を
含むが、これらに制限されない。合成凝集剤は概して非架橋型の水溶性分子また
はポリマーであり、アクリルポリマーとアクリルアミドポリマーおよびその誘導
体（非常に低い濃度で（数百分の１重量％））、ポリビニルピロリドン、ポリメ
タクリレート、ポリアミン、ポリエチレンオキシド、およびアリルアミンポリマ
ーを含むことができる。好ましくは、これらはカチオン型ポリマー種である。（
出願人は理論に縛られたくはないが、これらのエージェントは便の微粒子分画の
負帯電領域と関連し、正味微粒子間反発電荷を減少させることによって機能する
と考えられる。）合成凝集剤の一部は高い濃度で使用された場合、水溶液の粘度
を上昇させる作用をすることができ、これについては下記において便増粘剤とし
て説明する。一部の無機凝集剤があまりに高い濃度で使用されると、この効果が
逆転するかもしれない。従って、帯電微粒子と関連して必要な過度の量で使用さ
れる場合、これらのエージェントがゲルを形成する傾向があるために、便によっ
てよりしっかりと水分を保持してもよい。

【００７３】 一部の合成有機凝集剤の架橋誘導体（例えばポリアクリレート）またはその誘
導体は、業界において超吸収性ポリマーとして公知であり、尿および月経等の非
常に低い粘度の水性***物と接触すると同時に、水不溶性ゲルを形成する機能を
果たす。しかし、これらの架橋種は容易に解離（つまり溶解）できないし、また
便基質内で微粒子種に吸着するので、それらは凝集剤として機能しない。

【００７４】 上述のように便の粘度を低下させる作用をする便改良剤は還元剤を含んでいて
もよい。例えば、概して（ジスルフィド結合により結合される高分子糖蛋白質）
を備える結腸粘液コロミン粘液（ｃｏｌｏｎｉｃ ｍｕｃｏｕｓ ｃｏｌｏｍｉ
ｎ ｍｕｃｏｕｓ）に見出されるようなジスルフィド結合（−Ｓ−Ｓ−ボンド）
を還元するエージェントは、高い粘液含有量を有する便においてかなりの粘度低
下をもたらすことができる。理論に縛られたくはないが、（ムチンポリマーチェ
イン間のクロスリンクとして機能する）ムチンジスルフィド結合の還元が、流れ
やすい便等、便における糖蛋白質構造の平均分子量を、ムチンの「ゲル化点」以
下のレベルまでかなり減少させる（つまり、比較的小さなサイズの糖蛋白質のた
めに長距離構造が不可能になる）と考えられる。例示的な還元剤としては、亜硫
酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、および亜ジチオン酸ナトリウムなどの亜
硫酸、チオールおよびチオールアルコール（例えば、２−メルカプトエタノール
、ジチオトレイトールおよびジチオエリトリトール）、メルカプト酢酸、チオグ
リコール酸ナトリウム、チオ乳酸、チオグリコアミド、モノチオグリコール酸グ
ルセロール、ホウ化水素（例えば水素化ホウ素ナトリウム）、三元アミン、チオ
シアン酸ナトリウム等のチオシアン酸塩、チオ硫酸ナトリウム等のチオ硫酸塩、
シアン化ナトリウム等のシアン化物、チオリン酸ナトリウム等のチオリン酸塩、
亜ヒ酸ナトリウム等の亜ヒ酸塩、トリフェニルホスフィン等のホスフィン、チオ
フェノールやｐ−ニトロフェノール等のフェノール、ベタインが挙げられ、その
他リチウムアルミニウムヒドリド、塩化アルミニウム、塩酸グアニジン、塩化第
一すず、ヒドロキシルアミン、ＬｉＨＢ（Ｃ_２Ｈ_５）_３を含むが、それらに制限
されない。

【００７５】 本発明の他の特に好ましい実施形態では、水分結合度を上昇させることによっ
て、概して便の構造を増大させる改良剤を使用して粘度を増し、便の移動性を低
下させる。これは適切な濃度で増粘剤を使用することによって達成される。増粘
剤は天然または合成であってよく、概して、ＣＭＣ（カルボキシメチルセルロー
ス）、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポ
リアクリル酸およびその誘導体、カラゲナン、ポリアクリルアミドおよびその誘
導体、（ポリエチレン）イミン、（キサンタン、グアー、カラヤ、アガー、ロー
カストビーンガム、ペクチン、およびガムガッティ（ｇｕｍ ｇｈａｔｔｉ）、
またはその混合物等の）ガム、および他の同様の材料等、水溶性の（典型的に非
架橋）ポリマーである。便のバクテリアおよびバイオポリマーのアニオン性表面
のために、カチオンポリマーが好ましい。増粘剤は便内の自由な水分に溶解する
ことによって便の粘度を増し、浸透して水分を「束縛」し、それによって便の固
体「構造」を増す。概して、従来の超吸収体等の大きな不溶性の高分子電解質ポ
リマー粒子は、便の自由な水分内で溶解することができず、分子レベルで便内に
マトリックスを形成する。一部のＦＭＡは異なるタイプの便に対して異なる風に
作用する（例えば、１つのタイプの便に対して凝集剤として作用するＦＭＡは、
特殊なタイプの便の構造的性質の相違により、別のタイプの便に対して増粘剤と
して作用することができる）。この１つの例は水酸化カルシウムであり、それは
流れやすい便の相似形に対しては凝集剤として機能するが、同じ濃度の糊状の便
の相似形に対しては増粘剤として機能する。

【００７６】 更に他の好ましい実施形態では、改良剤はイオン錯化剤を備える。イオン錯化
剤はそれ自体で、または便内の水分、他の化学的構成要素と結合してキレートを
作り、増大した構造と剛性の領域を便内に形成する１つの成分を含むことができ
る。結果的に生じる錯体は便内で水分を安定させるか、またはしっかりと拘束す
る作用をする。例示的なイオン錯化剤は、ＺｎＯ、ＭｇＯ、ＭｎＯ、ＣａＯ、水
酸化カルシウム、Ａｌ_２Ｏ_３、アルミニウム塩、酢酸亜鉛やグルカン酸亜鉛（ｚ
ｉｎｃ ｇｌｕｃａｎａｔｅ）等の亜鉛塩、ゼラチン、四級アンモニウム塩、エ
タノールアミン、アルギン酸、セチルトリメチル臭化アンモニウム等）が挙げら
れる。あるいは、イオン錯化剤は２（またはそれ以上の）成分システムを備えて
いてもよく、錯体（つまり、長い方の構造）が２つの付加された成分（例えば、
アルミニウム、カルシウム、亜鉛塩プラスアルギン酸および／またはその塩）の
相互作用によって作成される。イオン錯化剤は水と結合してキレートを作る場合
、結晶水化物を形成することができる。概して、カルシウム含有化合物または系
（例えば、ＣａＯ、水酸化カルシウム、アルギン酸カルシウム等）が最も効果的
な便改良剤の一部である。

【００７７】 様々な実施形態において、ＦＭＡは有機または無機であってよく、性質が低分
子量分子またはポリマーであってよく、および／または液体、固体（例えば粉末
、繊維、フィルム、ウェブ）、または半固体、あるいはその組合せであってよい
。ＦＭＡは水／油または油／水乳剤、懸濁物、またはその混合物において呈示さ
れてよい。別の実施形態では、電解水がスイッチとして回路を完成して、電池等
の蓄積エネルギー源から電流を生じさせ、相転移等の化学反応を開始させる場合
、（例えば、液体汚染物質または便からの）充分な量の水含有電解液を電気セン
サーによって検出してもよい。例えば、電流を感電ゲルに印加して、感電ゲルの
形状寸法を変化させ、製品内の汚染物質用のボイドスペースを作成してもよい。
やはりこの実施形態も、感知された入力が反応システムによって影響されるかど
うかに応じて、開ループまたはフィードバック制御ループシステムであってよい
不連続反応システムを備える。センサーが液体汚染物質、例えば尿内の水分を検
出した場合、便を受け入れるためのボイドスペースを作成する反応システムは開
ループシステムを備えていることになる。しかしながら、センサーが便の水分を
検出する場合、反応システムは感知された入力に作用するので、フィードバック
制御ループシステムを備えていることになる。この例では、ボイドスペースが便
と共に便の水分を捕捉し、水分が蒸発するか、またはセンサー要素から離して引
き寄せられ、それによって回路を開き、センサーが便の水分を再び検出した時、
コントローラーが別のボイドスペースを賦活する場合、フィードバック制御ルー
プシステムは更に変調型システムを備えていてよい。

【００７８】 本発明の更なる実施形態では、閾値レベルの膨張が発生した時、電気回路を完
成するために一対の電気接点を機械的に閉じるセンサーとして、液体を吸収した
時に膨張する吸収性材料を使用してもよい。この実施形態では、電気回路が不連
続的な方法でアクチュエーターをトリガーし、***物、着用者、製品、またはそ
の成分に対して反応機能を果たしてもよい。例えば、アクチュエーターが弁を開
いて、製品の別の部分へと液体を流し、製品の別の部分へと液体をポンプで送り
、感電ゲルの形状寸法の変化を生じさせて形状寸法を変化させてボイドスペース
を作成し、スキンケア組成物またはｐＨ制御剤、脱臭剤を解放してもよい。

【００７９】 固体汚染物質（例えば、便等の***物）またはその汚染物質の成分等の汚染物
質に反応する材料によって、繊維、フィルム、不織布、または他のセル形構造等
の材料を所定の形状に抑制してもよい。固体汚染物質が抑制材料と接触すると、
抑制材料は繊維、フィルム、不織布、または他のセル形構造を解放して、汚染物
質を表面（例えば、床表面または他の固い表面、またはユーザーまたは着用者の
皮膚）等の物体から離して捕らえるか、または隔離することができる。（隔離さ
れた同じ汚染物質であってもよいし、あるいはそれと関連する別の汚染物質であ
ってもよい）汚染物質に反応して溶解するか、弱められる材料によって、製品内
のボイドスペースから離れた２つの抑制点において、例えば、弾性バリヤーが抑
制されてもよい。固体汚染物質がボイドスペース内に置かれ、一方または両方の
抑制点にある抑制材が溶解すると、弾性バリヤーが不連続的な方法でボイドスペ
ースと接触し、ボイドスペースをカバーして、固体汚染物質を隔離することがで
きる。

【００８０】 別の実施形態では、反応システムは上昇した「非目標」ｐＨ水内において連続
的に溶解してｐＨ緩衝液の連続的解放を可能にするｐＨ感応材料に埋め込まれた
ｐＨ緩衝液を備えていてよい。非目標ｐＨレベルを有する水分がｐＨ感応材料と
接触するにつれて、材料が連続的に溶解し、多量のｐＨ緩衝液を解放し、それが
水分のｐＨレベルを目標ｐＨレベルに変化させる、つまり、反応システムが入力
に基づいて作用する。非目標ｐＨレベルを有する増大する量の水分がｐＨ感応材
料と接触するにつれて、材料が増大する量のｐＨ緩衝液を解放する。従って、反
応システムは連続的閉ループ反応システムを備える。

【００８１】 更に別の実施形態では、酵素分解可能なフィルムまたはカプセル等のセンサー
によって、あるいは上述のようなバイオセンサーによって１つ以上の酵素または
微生物を検出し、別のアクチュエーター、例えば電気的に操作される弁を始動さ
せて、皮膚を処理するために酵素抑制剤を解放することができる。例示的な酵素
抑制剤は、１９９８年３月１２日に出願され、「酵素抑制剤を含有するスキンケ
ア組成物を有する使い捨て吸収体（Ｄｉｓｐｏｓａｂｌｅ Ａｂｓｏｒｂｅｎｔ
Ａｒｔｉｃｌｅ Ｈａｖｉｎｇ Ａ Ｓｋｉｎ Ｃａｒｅ Ｃｏｍｐｏｓｉｔ
ｉｏｎ Ｃｏｎｔａｉｎｉｎｇ Ａｎ Ｅｎｚｙｍｅ Ｉｎｈｉｂｉｔｏｒ）」
と題された米国特許出願番号０９／０４１，２６６号に開示されており、この出
願は参照してここに組み込まれる。更に別の実施形態では、ｐＨ感応ゲルを使用
して特定のｐＨ状態を検出してもよく、このゲルは皮膚を処理するために、弁を
開いてｐＨ制御剤を解放することができる。別の実施形態では、予め限定された
圧力しきい値を検出して、カプセルまたは「バブル」の破壊を引き起こし、スキ
ンケア処理剤または組成物の解放をもたらす。

【００８２】 例示的なスキンケア組成物（またはローション）は、１９９７年３月４日にＤ
ｏｎａｌｄ Ｃ．Ｒｏｅに対して発行され、「皮膚軟化剤とポリオールポリエス
テル固定化剤とを含む、ローション付きトップシートを有する使い捨て吸収体（
Ｄｉｓｐｏｓａｂｌｅ Ａｂｓｏｒｂｅｎｔ Ａｒｔｉｃｌｅ Ｈａｖｉｎｇ
Ａ Ｌｏｔｉｏｎｅｄ Ｔｏｐｓｈｅｅｔ Ｃｏｎｔａｉｎｉｎｇ Ａｎ Ｅｍ
ｏｌｌｉｅｎｔ ａｎｄ ａ Ｐｏｌｙｏｌ Ｐｏｌｙｅｓｔｅｒ Ｉｍｍｏｂ
ｉｌｉｚｉｎｇ Ａｇｅｎｔ）」と題された米国特許第５，６０７，７６０号、
１９９７年３月１１日にＤｏｎａｌｄ Ｃ．Ｒｏｅに対して発行され、「液体ポ
リオールポリエステル皮膚軟化剤と固定化剤とを含む、ローショントップシート
を有するおむつ（Ｄｉａｐｅｒ Ｈａｖｉｎｇ Ａ Ｌｏｔｉｏｎ Ｔｏｐｓｈ
ｅｅｔ Ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ Ａ Ｌｉｑｕｉｄ Ｐｏｌｙｏｌ Ｐｏｌｙｅ
ｓｔｅｒ Ｅｍｏｌｌｉｅｎｔ Ａｎｄ Ａｎ Ｉｍｍｏｂｉｌｉｚｉｎｇ Ａ
ｇｅｎｔ）」と題された米国特許第５，６０９，５８７号、１９９７年６月３日
にＤｏｎａｌｄ Ｃ．Ｒｏｅらに対して発行され、「ポリシロキサン皮膚軟化剤
を含む、ローション付きトップシートを有するおむつ（Ｄｉａｐｅｒ Ｈａｖｉ
ｎｇ Ａ Ｌｏｔｉｏｎｅｄ Ｔｏｐｓｈｅｅｔ Ｃｏｎｔａｉｎｉｎｇ Ａ
Ｐｏｌｙｓｉｌｏｘａｎｅ Ｅｍｏｌｌｉｅｎｔ）」と題された米国特許第５，
６３５，１９１号、および１９９７年７月１日にＤｏｎａｌｄ Ｃ．Ｒｏｅらに
対して発行され、「ローション付きトップシートを有するおむつ（Ｄｉａｐｅｒ
Ｈａｖｉｎｇ Ａ Ｌｏｔｉｏｎｅｄ Ｔｏｐｓｈｅｅｔ）」と題された米国
特許第５，６４３，５８８号、および各々１９９７年９月１０日に出願された米
国特許出願番号０８／９２６，５３２号および０８／９２６，５３３号に開示さ
れており、上記の特許および出願の各々が参照してここに組み込まれる。

【００８３】 好ましい実施形態では、これらに制限されないが、基板内または上に組み込ま
れた反応システムを有する不織布、織布繊維状または非繊維状材料のティッシュ
ー、タオル、ワイプ等の、使い捨ての平面基板が提供される。

【００８４】 繊維状基板は天然繊維、合成繊維、天然繊維と合成繊維の混合物を含む。適切
な天然繊維は木材パルプ繊維、綿、麻、ウール、およびレーヨン等のセルロース
繊維を含むが、それらに制限されない。適切な合成繊維は一般にテクスタイルに
使用される繊維を含み、ポリエステルおよびポリプロピレン繊維を含むが、これ
らに制限されない。

【００８５】 様々な成形方法を使用して、代替的に時にはウェブとも称される、適切な繊維
状平面基板を形成することができる。例えば、エアレイ等の不織布の乾燥成形技
術によって、あるいは紙製造機上でのウェットレイによって、ウェブを作成する
ことができる。メルトブロウン、スパンボンド、ニードルパンチ、ハイドロエン
タングル方法を含むが、それらに制限されないその他の不織製造技術を使用して
もよい。

【００８６】 １つの実施形態では、乾燥した繊維状ウェブが、天然繊維と、ステープル長の
合成繊維と、ラテックスバインダーとの組合せを備えるエアレイ不織布ウェブで
あってよい。乾燥した繊維状ウェブは、例えば、約２０〜８０重量％が木材パル
プ繊維で、１０〜６０重量％がステープル長のポリエステル繊維で、約１０〜２
５重量％がバインダーであってよい。

【００８７】 乾燥した繊維状ウェブは、制限なく、平方メートルあたり約４０〜約８０グラ
ムの斤量を有する。乾燥ウェブの密度は、例えば、立法センチメートルあたり約
０．１２グラム未満であってよい。密度は、一貫した単位で測定される乾燥ウェ
ブの厚みによって分けられる乾燥ウェブの斤量であり、乾燥ウェブの厚みは約２
平方インチの面積を有し、平方インチあたり約９５グラムの封圧を提供する円形
荷重足部を使用して測定される。一実施形態では、乾燥ウェブが平方メートル当
たり約６４グラムの斤量と、約０．０６ｃｍの厚みと、立法センチメートル当た
り約０．１１グラムの密度を有することができる。

【００８８】 一実施形態では、乾燥した繊維状ウェブは少なくとも５０重量％の木材パルプ
繊維を備え、より好ましくは、少なくとも７０重量％の木材パルプ繊維を備える
。本発明において使用するのに適した１つの特定のエアレイド不織布ウェブは、
約７３．５重量％のセルロース繊維（約２．６ｍｍの平均繊維長を有するサザー
ンソフトウッドクラフト（Ｓｏｕｔｈｅｒｎ ｓｏｆｔｗｏｏｄ Ｋｒａｆｔ）
）と、約１．３５ｇ／９０００ｍの繊維長と約０．８５インチのステープル長の
デニールを有する約１０．５重量％のポリエステル繊維と、スチレン、ブタジエ
ンコポリマーを備える約１６重量％のバインダー組成物とを備える。バインダー
組成物はノースカロライナ州シャルロッテ（Ｃｈａｒｌｏｔｔｅ，Ｎ．Ｃ．）の
マラード、クリーク、ポリマーズ（Ｍａｌｌａｒｄ Ｃｒｅｅｋ Ｐｏｌｙｍｅ
ｒｓ）から入手できるロヴェーン５５５０（Ｒｏｖｅｎｅ ５５５０）（４９％
固体スチレンブタジエン）として市販されているラテックス接着剤を使用して作
成することができる。

【００８９】 本発明において使用するのに適した１つのエアレイド不織布ウェブは、オハイ
オ州シンシナティ（Ｃｉｎｃｉｎａｔｉ、Ｏｈｉｏ）のザ、プロクター、アンド
、ギャンプル社（Ｔｈｅ Ｐｒｏｃｔｅｒ ＆ Ｇａｍｂｌｅ Ｃｏｍｐａｎｙ
）によって市販されているパンパースベビーフレッシュ（ＰＡＭＰＥＲＳ ＢＡ
ＢＹ ＦＲＥＳＨ（商標））において使用されているエアレイド不織布ウェブで
ある。

【００９０】 ウェブに関して、以下の特許も参照してここに組み込まれる：１９７５年１月
２８日に発行された米国特許第３，８６２，４７２号、１９７６年９月２８日に
発行された米国特許第３，９８２，３０２号、１９７７年１月２５日に発行され
た米国特許第４，００４，３２３号、１９７７年１１月８日に発行された米国特
許第４，０５７，６６９号、１９７８年７月４日に発行された米国特許第４，０
９７，９６５号、１９７９年１２月４日に発行された米国特許第４，１７６，４
２７号、１９７８年１２月２６日に発行された米国特許第４，１３０，９１５号
、１９７９年１月１６日に発行された米国特許第４，１３５，０２４号、１９８
０年２月２６日に発行された米国特許第４，１８９，８９６号、１９８０年６月
１０日に発行された米国特許第４，２０７，３６７号、１９８１年１０月２０日
に発行された米国特許第４，２９６，１６１号、１９８２年１月２５日に発行さ
れた米国特許第４，３０９，４６９号、１９８７年７月２８日に発行された米国
特許第４，６８２，９４２号、および米国特許第４，６３７，８５９号、第５，
２２３，０９６号、第５，２４０，５６２号、５，５５６，５０９号、および５
，５８０，４２３号。

【００９１】 平面基板はシングルプライまたはマルチプライであっても、単密度または多密
度であっても、単斤量または多斤量であってもよい。多密度および斤量の基板が
、例えば、参照してここに組み込まれる。

【００９２】 多密度のウェブは業界で公知のプロセスによって作られてよい。以下の特許：
Ｔｒｏｋｈａｎに対して１９８５年７月１６日に発行された米国特許第４，５２
９，４８０号、Ｔｒｏｋｈａｎに対して１９８７年１月２０日に発行された米国
特許第４，６３７，８５９号、Ｓｍｕｒｋｏｓｋｉらに対して１９９４年１１月
１５日に発行された米国特許第５，３６４，５０４号、Ｔｒｏｋｈａｎらに対し
て１９９６年６月２５日に発行された米国特許第５，５２９，６６４号、Ｒａｓ
ｃｈらに対して１９９７年１０月２１日に発行された米国特許第５，６７９，２
２２号、Ａｙｅｒｓらに対して１９９８年２月３日に発行された米国特許第５、
７１４，０４１号、Ｔｒｏｋｈａｎに対して１９９９年５月２５日に発行された
米国特許第５，９０６，７１０号は、本発明において使用できるウェブの作成に
適したプロセスを開示しており、全て米国オハイオ州シンシナティのザ、プロク
ター、アンド、ギャンプル社に一般に譲渡されており、その開示は参照してここ
に組み込まれる。

【００９３】 多斤量ウェブおよびその作成方法は、Ｔｒｏｋｈａｎらに対して１９９６年４
月２日に発行された米国特許第５，５０３，７１５号、Ｐｈａｎらに対して１９
９７年３月２５日に発行された米国特許第５，６１４，０６１号、Ｐｈａｎらに
対して１９９８年９月８日に発行された米国特許第５，８０４，２８１号、およ
びＨｕｓｔｏｎに対して１９９９年５月４日に発行された米国特許第５，９００
，１２２号に開示されており、その開示は参照してここに組み込まれる。

【００９４】 １つの代替実施形態では、基板は平方メートルあたり約６２グラムの斤量を有
し、約５０重量％のレーヨン繊維と約５０重量％のポリエステル繊維、ポリプロ
ピレン繊維またはその組合せを備える、ハイドロエンタングルウェブを備えるこ
とができる。別の代替実施形態では、基板は平方メートルあたり約３０グラムの
斤量を有し、内部束縛層に接合されたポリエステル繊維の不織布ウェブ等、２つ
の外部ハイドロエンタングルウェブのラミネートを備えることができ、それは加
熱と同時に収縮して外層に表面テクスチャを提供する、ネット状のスクリム材料
の形態であってよい。

【００９５】 図１の（Ａ）はクリーニングし、表面から汚染物質を取り除くのに適した平面
基板３０、例えば、赤ん坊の皮膚から便や尿を拭い取るのに適したベビーワイプ
である、本発明の製品２０の斜視図である。こぼれまたはそっくり拭い取るのに
適したペーパータオルまたはティッシュー。基板３０は織布または不織布の繊維
状材料またはオープンセルフォームであってよい。好ましくはポリエチレンまた
はポリプロピレン、その組合せ等のセルロースまたは合成ポリマー材料等の繊維
状材料である。平面基板３０は厚み２７を有し、それは目的とする使用および構
成材料に応じて変化してよいが、概して約０．０５ｃｍ〜約２５ｃｍであり、よ
り一般的には約０．１ｃｍ〜約５ｃｍである。基板３０はどのような幅と長さの
ものであってもよく、連続的ロールであってもよい。基板３０はその上に置かれ
る汚染物質隔離装置９０を備えた上面９２を有する。汚染物質隔離装置９０は例
えば糊付けによって業界で公知の技術によって基板３０に取り付けることができ
る。汚染物質隔離装置９０は図２の（Ａ）および図３の（Ａ）に示され、また上
記において詳述したようなものであってよい。あるいは、汚染物質隔離装置は、
上述したような活性材料を解放する圧縮装置、または本発明によって包含される
他のアクチュエーター装置と取り替えられてもよい。

【００９６】 図１の（Ｂ）は１つの大きな汚染物質隔離装置の代わりに、この実施形態は図
１の（Ａ）において説明したようなものであってよい複数の圧縮装置９１を備え
た基板３０を示している以外は、図１の（Ａ）と同様の製品を示している。

【００９７】 本発明の使い捨て製品用の他の基板と共に、ベビーワイプ、スキンワイプ、硬
い表面用クリーニングワイプ等のワイプは、皮膚軟化剤、ローション、トニック
、殺菌液、消毒液、または浄化液、あるいは処理すべき物体に適用するのに適し
た他の液体で予め湿らせておくことができる。この液体は水であっても、親水性
液体（例えばエタノール）、および親油性液体（シリコーン、炭化水素、油等）
であってよい。

【００９８】 この液体は、例えば水溶性シリコンベースの界面活性剤を備えることができる
。一実施形態では、ローションがアニオンシリコンベースのスルホコハク酸界面
活性剤を備える。適切な対イオンは、アルカリ金属（例えば、ナトリウム、カリ
ウム）、アルカリ土類金属（例えば、マグネシウム、カルシウム）、アンモニア
、およびアルカノールアミン（例えば、モノ−、ジ−、トリ−エタノールアミン
）から誘導されるものを含む。

【００９９】 本発明の一実施形態では、水、およびジナトリウムジメチコンコポリオールス
ルホコハク酸とジアンモニウムジメチコンコポリオールスルホコハク酸よりなる
群より選ばれる、シリコンコポリオールスルホコハク酸を備えるローションが提
供される。

【０１００】 ローションは好ましくは約１．００重量％未満のシリコーンベースのスルホコ
ハク酸を備える。特に、ローションは約０．２０重量％未満のシリコーンベース
のスルホコハク酸を備えることができ、実施形態では、約０．０８と約０．１０
重量％の間のシリコーンベースのスルホコハク酸を備える。好ましくは、ローシ
ョンはシリコーンベースのスルホコハク酸を含む、約１．００重量％以下の全界
面活性剤固形物を備える。

【０１０１】 適切な二ナトリウムジメチコンコポリオールスルホコハク酸は、イリノイ州ユ
ニバーシティパーク（Ｕｎｉｖｅｒｓｉｔｙ Ｐａｒｋ，Ｉｌｌｉｎｏｉｓ）の
マッキンタイヤグループ社（ＭｃＩｎｔｙｒｅ Ｇｒｏｕｐ，ＬＴＤ．）から入
手できるマッカネートＤＣ−３０（ＭＡＣＫＡＮＡＴＥ ＤＣ−３０）およびマ
ッカネートＤＣ−５０（ＭＡＣＫＡＮＡＴＥ ＤＣ−５０）ブランドのスルホコ
ハク酸界面活性剤として市販されている。ジメチコンコポリオールスルホコハク
酸に関連して、Ｍａｘｏｎに対して１９８９年７月１８日に発行された米国特許
第４，８４９，１２７号を参照してここに組み込む。

【０１０２】 ワイプを予め湿らせるために使用される液体も、以下のもの：効果的な量の防
腐剤、効果的な量の湿潤剤、効果的な量の皮膚軟化剤、効果的な量の芳香剤、効
果的な量の芳香剤可溶化剤の１つ以上を備えることができる。

【０１０３】 ここで使用するように、皮膚軟化剤は従来の脂質材（例えば、脂肪、ワックス
）、極性脂質（それらをより水溶性にするために親水性にするように改質された
脂質）、シリコーン、アロエベラ等のアロエエキス、炭化水素、および他の溶媒
材料を含むが、それらに制限されない。本発明において有用な皮膚軟化剤は石油
ベース、脂肪酸エステルタイプ、アルキルエトキシレートタイプ、脂肪酸エステ
ルエトキシレート、脂肪アルコールタイプ、ムコ多糖体、その混合物であってよ
い。

【０１０４】 湿潤剤は皮膚を水和させるために、角皮層に水分を引き寄せる機能を果たす吸
湿性材料である。水分は真皮から、または環境からのものであってよい。湿潤剤
の例としては、グリセリン、プロピレングリコール、およびリン脂質が挙げられ
る。

【０１０５】 香料等の芳香成分は、芳香油を含む水不溶性油を含むが、それに制限されない
。

【０１０６】 芳香剤可溶化剤は水不溶性芳香成分がローションから沈殿する傾向を減少させ
る成分である。芳香剤可溶化剤の例としては、エタノール、イソプロパノール、
ベンジルアルコール、およびフェノキシエタノール等のアルコールや、ポリソル
ベートを含むが、それに制限されない高ＨＬＢ（１３より高いＨＬＢ）乳化剤や
、高度にエトキシ化された酸およびアルコールが挙げられる。

【０１０７】 防腐剤は液体ローションおよび／または基板内の微生物の成長を防止する。概
して、このような防腐剤は疎水性または親水性の有機分子である。適切な防腐剤
としては、メチルパラベン、プロピルパラベン、およびその組合せ等のパラベン
が挙げられるが、それらに制限されない。

【０１０８】 ワイプを予め湿らせるために使用される液体、あるいはワイプ自体が、皮膚の
治癒を鼓舞する機能を提供するために、効果的な量のケロトリティック（ｋｅｒ
ｏｔｏｌｙｔｉｃ）を備えることができる。特に好ましいケロトリティックは、
アラントイン（Ａｌｌａｎｔｏｉｎ）（２，５−ジオキソ−４−イミダゾリジニ
ル）ウレア）、化学式Ｃ_４Ｈ_６Ｎ_４Ｏ_３を有する複素環有機化合物である。アラ
ントインはニュージャージー州エマーソン（Ｅｍｅｒｓｏｎ，Ｎｅｗ Ｊｅｒｓ
ｅｙ）のトリ−Ｋ、インダストリーズ（Ｔｒｉ−Ｋ Ｉｎｄｕｓｔｒｉｅｓ）に
よって市販されている。

【０１０９】 予め湿らせたワイプにおいて使用される付加的な成分を開示するために、１９
９６年７月９日に発行された米国特許第５，５３４，２６５号、１９９１年８月
２７日に発行された米国特許第５，０４３，１５５号、１９９７年７月１５日に
発行された米国特許第５，６４８，０８３号が参照してここに組み込まれる。１
９９０年２月２７日にＹｏｈに対して発行された米国特許第４，９０４，５２４
号は、水性ローション、および基板の表面付近に濃縮されたポリマービーズ（例
えば、マイクロスポンジ、マイクロカプセル）内に捉えられた疎水性の機能成分
（例えば、ジメチコン）を染み込ませた平面基板を備える代替ベビーワイプを開
示している。

【０１１０】 ワイプは（１９８１年１１月１７日にＣａｒｓｔｅｎｓに対して発行された）
米国特許第４，３００，９８１号、（１９７８年９月５日にＤａｋｅらに対して
発行された）米国特許第４，１１２，１６７号、（１９８４年１１月６日にＡｌ
ｌｅｎに対して発行された）米国特許第４，４８１，２４３号、（１９８５年４
月２３日にＬａｖａｓｈに対して発行された）米国特許第４，５１３，０５１号
、および（１９９８年１１月２４日にＴｒｏｋｈａｎらに対して発行された）米
国特許第５，８４０，４０３号に記載されており、これらの特許は参照してここ
に組み込まれる。

【０１１１】 予め湿らせたワイプは、好ましくは、乾燥繊維状ウェブ１ｇあたり少なくとも
１ｇの予備湿潤液で乾燥した基板を湿らせることによって作成することができる
。好ましくは、乾燥繊維状ウェブ１ｇあたり少なくとも約２．０ｇ、より好まし
くは少なくとも約２．５ｇの液体で乾燥基板を湿らせる。

【０１１２】 本発明の反応システムと関連して種々の他の装置および基板を使用することが
できる。その材料、形態、デザインは製品のタイプおよびその目的とする使用に
依存する。例として、使用できる非制限的な材料としては、スポンジ、閉セルフ
ォーム、開セルフォーム、ラテックス、ゴム、ポリマー材料（例えば、プラスチ
ック、特に生分解可能なプラスチック）、木材、および吸収性ウェブ（任意で超
吸収性ポリマーゲル化材を含有する）が挙げられる。更に、上述のもの等のワイ
プの基板と関連して使用される上述の活性成分を、反応システムの活性材料とし
て使用することから排除することは意図していないし、このような使用も本発明
によって成就されることが意図されている。

【０１１３】 モップやスクラビング装置、スポンジ等のクリーニング装置が本発明の好まし
い実施形態である。これらはウェットクリーニング装置とドライクリーニング装
置両方を含み、後者は水性クリーニング液を必要としない物体のクリーニング、
あるいは比較的少量の水性クリーニング液を使用する場合に適している。このよ
うな装置は典型的に再使用できる基板を備え、第２の使い捨て基板が使用中に第
１の基板の上、またはまわりに、あるいは全体に置かれ、第２の基板は全ての、
あるいは少なくとも一部の反応システムを含む。あるいは、１つだけの基板があ
り、その場合、前記基板が全ての、あるいは少なくとも一部の反応システムを含
む。装置の使い捨て部分が、反応システムの一部として、あるいは従来の方法で
、物体を処理する際に使用される種々の他の材料を含むことができる。更に装置
の機能発揮処理を助けるために、装置が種々の他の構造成分を含んでいてもよい
。これらの要素はデザインや装置の最終用途に依存し、当業者の希望に従って選
択し利用することができる。

【０１１４】 例えば、本発明はここで説明するような方法で、物体を処理することができる
ハンドカバーまたは手袋等の体カバーまたは一部体カバーを備えていてよい。ハ
ンドカバーは部分的または完全に手をカバーすることができる。体カバー、ある
いは体を部分的にカバーするか、または体の部分をカバーする製品も企図される
。好ましくは、反応システムは該して外部表面の少なくとも一部に、またはその
近傍に配置される。ハンドカバーの例示的な形態は、指サック、手袋、ミトン、
およびハンドラップを含むが、これらに制限されない。好ましくはこのような体
カバーは使い捨てである。このようなカバーは医療およびアセスメント、動物お
よび獣医の治療、植物または畜産物に関連する農作業、人間または他の生物によ
る消費のために商業的にまたは家庭内における食品調理および処理に使用するこ
とができる。

【０１１５】 図１３に示した実施形態では、表面５０８、指５０２、親指５０４、および手
のひら５０６を有する使い捨て手袋５００である。表面５０８は平面基板に関し
て上述したような、織布、不織布材料の一枚の層で構成できるが、好ましくはラ
テックスで構成される。指５０２、親指５０４、および手のひら５０６は、球５
００上での適切なフィットに適したサイズにされるが、図２の（Ａ）および図３
の（Ａ）、あるいは他の反応システム（例えば、上述したような圧縮−活性成分
解放装置）に関して説明したようなもの等の手袋汚染物質隔離装置の手のひら５
０６側に配置される。反応システム装置は、手のひらおよび手のひらの反対側を
含むが、それらに制限されない、手袋の所望の他の場所に位置付けることができ
る。

【０１１６】 ボディアパレルの他の形態は、ミトンやソックスを含むが、それらに制限され
ない。例えば、発汗を感知し、アクチュエーターを介して発汗抑制剤を解放する
か、あるいは汗隔離装置または吸収性ウェブを賦活するように、靴やソックスを
デザインすることができる。

【０１１７】 別の好ましい実施形態では、図１４の（Ａ）に例示したもの等、反応システム
を有する使い捨てモップ６００が提供され、モップ６００は細長いハンドル６０
４と、ブラケット６０６を介して細長いハンドル６０４の一端に接続されるモッ
プヘッド６０２を備える。この実施形態では、モップヘッドが使い捨てであり、
モップヘッドの基板は、不織布繊維状ウェブ等の生分解可能な材料で作られる。
ブラケット６０６はねじ山付きのオリフィス６１０を有し、そこを通ってねじ６
０８がモップヘッド６０２を通って上向きに伸び、それによってモップヘッドを
ブラケットに固定する。細長いハンドル６０４は、ブラケット内へとねじこむこ
と等により、くぎ、ステープル、糊等、業界で公知の適切な手段によって、ブラ
ケット６０６に接続することができる。図１４の（Ｂ）において、モップヘッド
６０２の底面６１２が示されており、それは通常の使用中に被処理表面と典型的
に接触するであろうモップヘッドの部分である。底面６１２は図２の（Ａ）およ
び図３の（Ａ）において開示したような汚染物質隔離装置９０を有する。ねじ６
０８がモップヘッド６０２から上向きにブラケット６０６へと伸び、そこでねじ
山付きオリフィス６１０によって適所に貼付される。好ましくは、ねじ６０８が
被処理表面と接触しないように、ねじ６０８はモップヘッド６０２内へと窪めら
れる。

【０１１８】 図１５の（Ａ）は別の使い捨てモップの実施形態を示している。図１５の（Ａ
）は図１４の（Ａ）と同様の図であるが、図１５の（Ｂ）においては、モップヘ
ッド６０２に嵌合する使い捨てモップヘッドカバー７００が設けられる。モップ
ヘッドカバー７００は、前述したような平面基板から作られるが、この実施形態
では、好ましくはポリマー閉セルまたは開セルフォームであり、更に第１の縁７
０８と、第２の縁７１０と、例えば糊によって汚染物質隔離装置９０が取り付け
られた外向きの面７１２とを有する。モップヘッドカバー７００は図１５の（Ｃ
）に示すようにモップヘッド６０２のまわりを包み込み、第１の縁７０８が第２
の縁７１０の上に重なり、外面７１２から基板の反対側の面に、第１の縁７０８
の近傍に置かれるフックおよびループファスナー７０２のフック部分と、外面７
１２に第２の縁７１０の近傍に置かれるフックおよびループファスナー７０２の
ループ部分によって適所に保持される。ハンドルオリフィス７０６がハンドル６
０４まわりの優れた嵌合を容易にする。

【０１１９】 本発明と共に使用するのに適した、および特にドライモップ等のクリーニング
装置に適した平面基板は、１９９８年５月２０日に出願され、「クリーニングシ
ートとして有用な新規の構造（Ｎｏｖｅｌ Ｓｔｒｕｃｔｕｒｅｓ Ｕｓｅｆｕ
ｌ Ａｓ Ｃｌｅａｎｉｎｇ Ｓｈｅｅｔｓ）」と題された米国特許出願番号０
９／０８２，３４９号、および１９９８年５月２０日に出願され、「クリーニン
グシートとして有用な新規の三次元構造（Ｎｏｖｅｌ Ｔｈｒｅｅ Ｄｉｍｅｎ
ｓｉｏｎａｌ Ｓｔｒｕｃｔｕｒｅｓ Ｕｓｅｆｕｌ Ａｓ Ｃｌｅａｎｉｎｇ
Ｓｈｅｅｔｓ）」と題された米国特許出願番号０９／０８２，３９６に記載さ
れており、これらの出願は参照してここに組み込まれる。上記のシートが好まし
いが、他のシートも本発明と共に使用するのに同様に適しているかもしれないこ
とを理解すべきである。

【０１２０】 本発明の特定の非制限的な実施形態および例を図示し説明してきたが、本発明
の精神および範囲から逸脱することなく、幾多の変更および修正を行えることが
当業者には自明であろう。例えば、主として使い捨ておむつに関連して本発明を
図示し説明してきたが、本発明はこの実施形態に制限されない。従って、本発明
の範囲内にあるこのような変更および修正の全てを添付の請求の範囲においてカ
バーすることが意図されている。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１の（Ａ）は、本発明に従って作成された製品の斜視図であり、製品はテッ
シューまたはペーパータオル、ワイプ等の平面基板である；そして、 図１の（Ｂ）は、本発明に従って作成された製品の斜視図であり、製品は平面
基板の代替実施形態である。

【図２】 図２の（Ａ）は、活性化前の、圧縮状態にある本発明の汚染物質隔離装置の斜
視図であり；そして、 図２の（Ｂ）は図２の（Ａ）の線Ｂ−Ｂに沿って取られた断面図である。

【図３】 図３の（Ａ）は、活性化後の図２の（Ａ）の一実施形態の斜視図であり；そし
て、 図３の（Ｂ）は、図３の（Ａ）の線Ｂ−Ｂに沿って取られた図３の（Ａ）の断
面図である。

【図４】 図４の（Ａ）は、活性化後の図２の（Ａ）の代替実施形態の斜視図であり；そ
して、 図４の（Ｂ）は、図４の（Ａ）の線Ｂ−Ｂに沿って取られた図４の（Ａ）の断
面図である。

【図５】 図５は可溶性カプセルを含む本発明の一実施形態の斜視図である。

【図６】 図６の（Ａ）は、例示的な開ループ反応システムのブロック図であり； 図６の（Ｂ）は、例示的な閉ループ反応システムのブロック図であり； 図６の（Ｃ）は、コントローラーを含む例示的な開ループ反応システムのブロ
ック図であり；そして、 図６の（Ｄ）は、コントローラーを含む例示的な閉ループ反応システムのブロ
ック図である。

【図７】 図７の（Ａ）は、１つのしきい値レベルを有する本発明の不連続反応システム
の理想的な出力関数を示しており；そして、 図７の（Ｂ）は多数の閾値レベルを有する本発明の不連続反応システムの理想
的な出力関数を示している。

【図８】 図８は、出力関数の第１、第２、および第３の導関数と共に、本発明の不連続
反応システムの例示的な出力関数を示している。

【図９】 図９は、等しい時定数を有する一連の第１オーダーの時間のずれを有する、制
御システムの伝達関数を示している。

【図１０】 図１０の（Ａ），（Ｂ），そして（Ｃ)は、本発明の機械的ポンプを含む反応
システムの一実施形態の断面図を示す。

【図１１】 図１１の（Ａ）および図１１（Ｂ）は、電気に反応するゲルを含む、本発明の
反応システムの一実施形態を示す。

【図１２】 図１２の（Ａ）、図１２の（Ｂ）、そして図１２の（Ｃ）は、電気に反応する
ゲルを含む、本発明の反応システムの別の実施形態を示す。

【図１３】 図１３は、本発明の代替実施形態の上面図であり、製品は使い捨て手袋である
。

【図１４】 図１４の（Ａ）および図１４の（Ｂ）は、本発明の別の代替実施形態を示して
おり、図示された製品は使い捨てモップヘッドを備えたモップである。図１４の
（Ａ）は上面斜視図であり、図１４の（Ｂ）はモップヘッドの下部平面図である
。

【図１５】 図１５の（Ａ）、図１５の（Ｂ）、および図１５の（Ｃ）は、本発明の別の代
替実施形態を示しており、図示された製品は使い捨てモップヘッドカバーを備え
たモップである。図１５の（Ａ）は上面斜視図であり、図１５の（Ｂ）はモップ
ヘッドカバーの平面図である。図１５の（Ｃ）は図１５の（Ａ）の上面斜視図で
あり、モップヘッドカバーがモップヘッド上の適所に位置決めされている。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 ６０／０９０，９９３ (32)優先日 平成10年６月29日(1998．6．29) (33)優先権主張国 米国（ＵＳ） (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，Ｅ Ａ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ， ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，Ｇ Ｅ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ， ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，Ｍ Ｎ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ， ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，Ｚ Ｗ (71)出願人 ＯＮＥ ＰＲＯＣＴＥＲ ＆ ＧＡＮＢＬ Ｅ ＰＬＡＺＡ，ＣＩＮＣＩＮＮＡＴＩ， ＯＨＩＯ，ＵＮＩＴＥＤ ＳＴＡＴＥＳ ＯＦ ＡＭＥＲＩＣＡ (72)発明者 アレン、パトリック・アレン アメリカ合衆国、オハイオ州 45249 シ ンシナティ、アークトゥルス・ドライブ 8667 (72)発明者 エールンシュペルガー、ブルーノ・ヨハネ ス ドイツ連邦共和国、デー − 65936 フ ランクフルト、ベスターバッハシュトラー セ 89 (72)発明者 シュミット、マティアス ドイツ連邦共和国、デー − 65510 イ トシュタイン、アルトケーニヒベーク ３ Ｆターム(参考） 2G060 AA07 AE07 AE11 AE18 AF06 AF10 HC06 3B074 AA01 AA02 AA08 AB00 AB01 AB02 AB04 AC03

Claims (34)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 反応システムを備え物体を処理するのに適した使い捨て製品
   であって、前記反応システムは、 （ｉ）製品に機能的に作用するよう接続され、入力を検出するように適用され
   ているセンサーと、 （ｉｉ）前記センサーに機能的に作用するように接続され、前記入力に基づい
   て反応機能を実施するように適用されていて、前記センサーとは異なる構成要素
   を備えているアクチュエーターと、 を備えている、反応システムを備え物体を処理するのに適した使い捨て製品。
2. 【請求項２】 前記反応システムはフィードバック制御ループをさらに備え
   ており、フィードバック制御ループにおいては、前記センサーが前記入力を検出
   した時に前記アクチュエーターが前記入力に基づいて反応機能を実施することを
   許容するよう前記コントローラーが適用されている、請求項１に記載の反応シス
   テムを備え物体を処理するのに適した使い捨て製品。
3. 【請求項３】 前記アクチュエーターが連続的な方法で前記反応機能を実施
   する、請求項１に記載の反応システムを備え物体を処理するのに適した使い捨て
   製品。
4. 【請求項４】 前記アクチュエーターが不連続的な方法で前記反応機能を実
   施する、請求項１に記載の反応システムを備え物体を処理するのに適した使い捨
   て製品。
5. 【請求項５】 前記不連続な反応システムがステップタイプの反応システム
   を備える、請求項４に記載の反応システムを備え物体を処理するのに適した使い
   捨て製品。
6. 【請求項６】 前記不連続な反応システムが以下の式によってモデル化され
   得る１つの出力関数を有するよう前記不連続的反応機能が実施され： ｄＲ｜ （ΔＲ_Ｔ） ｜ ＝ｋ ｄＩ｜Ｉ＝Ｉ_０ （ΔＩ_Ｔ） 式中、前記係数ｋは約２．０,約３．０,約５．０,約１０．０,そして約１００
   の群から選ばれる値よりも大きいか、または等しい、請求項４に記載の反応シス
   テムを備え物体を処理するのに適した使い捨て製品。
7. 【請求項７】 前記不連続な反応システムが式：ＫＧ（ｓ）＝Ｋ／（Ｔｓ＋
   １）^ｎの伝達関数を有する制御システムによってモデル化され得る１つの出力関
   数を有するように前記不連続な反応機能が実施され、式中、前記ｎの値は約２５
   ,約５０,および約１００の群から選ばれる値よりも大きいか、またはそれに等し
   い、請求項４に記載の反応システムを備え物体を処理するのに適した使い捨て製
   品。
8. 【請求項８】 コントローラーを更に備えており、前記コントローラーは、
   前記センサーからの信号を受信し、前記センサーが前記入力を検出した時、前記
   アクチュエーターが前記反応機能を実施することを許容するように適用されてい
   る、請求項１に記載の反応システムを備え物体を処理するのに適した使い捨て製
   品。
9. 【請求項９】 前記コントローラーは前記センサーおよび前記アクチュエー
   ターとは明確に異なる構成要素である、請求項８に記載の反応システムを備え物
   体を処理するのに適した使い捨て製品。
10. 【請求項１０】 前記フィードバック制御ループは、変調型フィードバック
    制御ループおよび非変調型フィードバック制御ループよりなる群から選択されて
    いる、請求項１に記載の反応システムを備え物体を処理するのに適した使い捨て
    製品。
11. 【請求項１１】 第２のセンサーをさらに備えており、前記第２のセンサー
    は第２の入力を検出するように適用されている、請求項１に記載の反応システム
    を備え物体を処理するのに適した使い捨て製品。
12. 【請求項１２】 前記センサーが前記入力を検出した時、あるいは前記第２
    のセンサーが前記第２の入力を検出した時、前記反応機能を実施するように前記
    アクチュエーターが適用されている、請求項１１に記載の反応システムを備え物
    体を処理するのに適した使い捨て製品。
13. 【請求項１３】 前記反応機能は、ポテンシャルエネルギーを運動エネルギ
    ーに変換すること、材料を放出すること、材料を除去すること、そして材料を隔
    離することから選ばれた群の１つまたはそれ以上を備える、請求項１に記載の反
    応システムを備え物体を処理するのに適した使い捨て製品。
14. 【請求項１４】 前記アクチュエーターは前記反応機能を実施するためにポ
    テンシャルエネルギーを変換するように適用されており、前記ポテンシャルエネ
    ルギーは、蓄積された機械的エネルギー、圧縮された機械的エネルギー、ねじら
    れた機械的エネルギー、蓄積された化学エネルギー、蓄積された電気エネルギー
    、および電池の群の１つまたはそれ以上から選ばれる、請求項１に記載の反応シ
    ステムを備え物体を処理するのに適した使い捨て製品。
15. 【請求項１５】 前記アクチュエーターは、抗生物質、抗かび剤、生物学的
    活性剤、生理学的活性剤、化学反応物、ｐＨ緩衝液、ｐＨ修正剤、クリーニング
    剤、条件調節剤、化粧品、薬剤、吸収性材料、およびレオロジー改良剤よりなる
    群から選ばれた１つまたはそれ以上の活性成分を放出する、請求項１４に記載の
    反応システムを備え物体を処理するのに適した使い捨て製品。
16. 【請求項１６】 前記活性成分が酵素抑制剤および便改良剤よりなる群の１
    つまたはそれ以上から選ばれる、請求項１６に記載の反応システムを備え物体を
    処理するのに適した使い捨て製品。
17. 【請求項１７】 アクチュエーターが隔離装置を備える、請求項１に記載の
    反応システムを備え物体を処理するのに適した使い捨て製品。
18. 【請求項１８】 前記センサーは、電気センサー、機械的センサー、化学セ
    ンサー、バイオセンサー、および閉システム液体輸送部材の群から選ばれる、請
    求項１に記載の反応システムを備え物体を処理するのに適した使い捨て製品。
19. 【請求項１９】 前記アクチュエーターは、電気ポンプ、電気的に反応する
    ゲル、および電気的に活性化された弁の群から選ばれる、請求項１に記載の反応
    システムを備え物体を処理するのに適した使い捨て製品。
20. 【請求項２０】 前記入力は、水、ｐＨ、電気活性、微生物、および酵素の
    群から選ばれる、請求項１に記載の反応システムを備え物体を処理するのに適し
    た使い捨て製品。
21. 【請求項２１】 前記製品がクリーニング装置である、請求項１に記載の反
    応システムを備え物体を処理するのに適した使い捨て製品。
22. 【請求項２２】 前記製品が平面基板をさらに備えており、前記反応システ
    ムが前記基板の上に置かれるか、あるいは基板内に組み込まれている、請求項１
    に記載の反応システムを備え物体を処理するのに適した使い捨て製品。
23. 【請求項２３】 前記製品は、ティッシュー、タオル、ワイプ、スポンジ、
    モップ、および手袋よりなる群から選ばれる、請求項１に記載の反応システムを
    備え物体を処理するのに適した使い捨て製品。
24. 【請求項２４】 前記センサーがプロアクティブセンサーである、請求項１
    に記載の反応システムを備え物体を処理するのに適した使い捨て製品。
25. 【請求項２５】 コントローラーをさらに備えており、前記コントローラー
    は、前記センサーからの信号を受信し、前記入力の閾値レベルが満たされた時に
    前記アクチュエーターが前記反応機能を実施することを許容するように適用され
    ている、請求項１に記載の反応システムを備え物体を処理するのに適した使い捨
    て製品。
26. 【請求項２６】 物体を処理するのに適した使い捨て製品であって、 （ａ）反応システムと、 （ｂ)基板と、 を備えており、 前記反応システムは： （ｉ）前記製品に機能的に作用するように接続され、入力を検出するように適
    用されているセンサー、および （ｉｉ）前記センサーに機能的に作用するように接続され、前記入力に基づい
    て反応機能を実施するように適用されており、前記センサーとは明確に異なる構
    成要素を備えている、アクチュエーター、 を含んでおり、 前記反応システムの少なくとも一部が、前記基板に機能的に作用するように接
    続されている、物体を処理するのに適した使い捨て製品。
27. 【請求項２７】 前記基板が平面基板である、請求項２６に記載の物体を処
    理するのに適した使い捨て製品。
28. 【請求項２８】 前記反応システムが不連続的である、請求項２６に記載の
    物体を処理するのに適した使い捨て製品。
29. 【請求項２９】 物体を処理するのに適した使い捨て製品であって、 （ａ）反応システムと、 （ｂ）基板と、 を備えており、 前記反応システムは、 （ｉ）前記製品に機能的に作用するように接続され、入力を検出するように適
    用されているセンサー、および （ｉｉ）前記センサーに機能的に作用するように接続され、前記入力に基づい
    て反応機能を実施するように適用されており、前記センサーとは明確に異なる構
    成要素を備えているアクチュエータと、 を含んでおり、 前記反応システムの少なくとも一部が、前記基板に機能的に作用するように接
    続されており、 前記反応システムは、動作前には圧縮状態にあり、動作により三次元構造を形
    成する圧縮材料を備える、物体を処理するのに適した使い捨て製品。
30. 【請求項３０】 形成された前記三次元構造は、材料を隔離するのに適して
    いる、請求項２９に記載の物体を処理するのに適した使い捨て製品。
31. 【請求項３１】 物体を処理するのに適した使い捨て製品であって、 （ａ）反応システムと、 （ｂ）基板と、 を備えており、 反応システムは、 （ｉ）前記製品に機能的に作用するように接続され、入力を検出するように適
    用されているセンサー、および、 （ｉｉ）前記センサーに機能的に作用するように接続され、前記入力に基づい
    て反応機能を実施するように適用されていて、前記センサーとは明確に異なる構
    成要素を備えている前記アクチュエーター、 を含んでおり、 前記反応システムの少なくとも一部が前記基板に機能的に作用するように接続
    されており、 前記アクチュエーターは、前記物体を処理するための処理材料をさらに備えて
    いて、それによって、前記処理材料は前記反応システムの動作により解放される
    、ことを特徴とする、物体を処理するのに適した使い捨て製品。
32. 【請求項３２】 前記アクチュエーターは、圧縮材料と前記圧縮材料に置か
    れた処理材料とを備えており、それによって、動作により前記圧縮材料が前記処
    理材料を解放する、請求項３１に記載の物体を処理するのに適した使い捨て製品
    。
33. 【請求項３３】 前記反応システムが不連続的である、請求項２９に記載の
    物体を処理するのに適した使い捨て製品。
34. 【請求項３４】 前記反応システムが不連続的である、請求項３１に記載の
    物体を処理するのに適した使い捨て製品。