JP2002517070A - 多極イオン案内を有する質量分析法 - Google Patents

多極イオン案内を有する質量分析法

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JP2002517070A
JP2002517070A JP2000551420A JP2000551420A JP2002517070A JP 2002517070 A JP2002517070 A JP 2002517070A JP 2000551420 A JP2000551420 A JP 2000551420A JP 2000551420 A JP2000551420 A JP 2000551420A JP 2002517070 A JP2002517070 A JP 2002517070A
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プラス、 エー. ジュニア. アンドリエン、
エロル イー. ガルシーク
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アナリティカ オブ ブランフォード インコーポレーテッド
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Abstract

(57)【要約】 質量スペクトル計(40)は共通の中心線(5)沿いに整列した組立体内に構成される個々の多極イオン案内(60,62)とともに構成され、ここで組立体内に構成される各多重イオン案内(60,62)の少なくとも一部分は、より高い背景圧力とともに真空領域(72,73)内にある。より高圧の真空領域(72,73)内に構成される上記多重イオン案内(60,62)は、質量対電荷選択とイオン破砕モードで作動する。RF,+/−DCと共鳴周波数波形電圧の個々のセットは、電位を各多重イオン案内の棒へ供給して、イオン伝播作動、イオントラップ、質量対電荷選択とイオン破砕機能を独立的に各イオン案内(60,62)において可能にする。各多重イオン案内直線組立体の一部分に沿ってイオンを中性ガスに衝突させるのに充分な高さに維持される背景圧力の存在は、イオンを一つの多重イオン案内から隣接するイオン案内へ軸方向加速することによって、三重4極イオン機能に類似の、イオンの衝突誘導分離(CID)を実施可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は、1999年1月22日提出された米国特許出願09/235,94
6および1999年1月22日提出されたPCT/US99/01335の優先
権を主張し、これらの両者とも、1998年1月23日提出された米国仮出願6
0/072,374および1998年5月29日提出された米国仮出願60/0
87,246の優先権を主張する。先行出願のすべての優先権が主張され、それ
らの開示はここで参照文献によって完全に統合される。
【0002】 (発明の領域) 本発明は、イオンの質量スペクトル分析の分野に関する。より特別に、それは
高圧真空領域内で作動する多重多極イオン案内組立体の構成と運転使用とに関す
る。
【0003】 (発明の背景) 質量スペクトル計(MS)は、オンラインとオフライン技術の両方で固体、気
体および液体相試料を含む多数の分析問題を解決するために使用されなければな
らなかった。ガスクロマトグラフィー(GC)、液体クロマトグラフィー(LC
)、毛細管電気泳動(CE)およびその他の溶液試料分離システムは、各種のイ
オン源形式とともに構成される質量分析計にオンライン接続される。ある種のイ
オン源形式は大気圧で、または大気圧近くで作動し、かつその他のイオン源形式
は真空内でイオンをつくる。質量スペクトル計は、最良の性能のため異なる真空
背景圧力を必要とする異なる形式の質量分析計を用いて真空内で作動する。本発
明は質量スペクトル計内に構成される一つ以上の多極イオン案内の構成を含む。
発明は任意の数の極を含む多極イオン案内に使用できるが、以下に与えられる発
明の説明は主として4極または4極イオン案内組立体に適用される。4極以上で
構成されるイオン案内の性能と比較されるとき、より高い質量対電荷の分解能は
、4極イオン案内によって得られる。質量対電荷の選択的な共鳴周波数励起も、
より高い数の極を持つイオン案内よりも4極によって容易に使用される。4極イオ
ン案内は単一および三重の4極質量分析計内での主要要素として、かつタイムオ
ブフライト、磁気セクタ、フーリエ変換および三次元の4極イオントラップ質量
分析計を含むハイブリッド質量分析計の部分として構成される。慣例的に、質量
対電荷フィルタとして作動する4極イオン案内は、中性の背景ガス衝突へのイオ
ンを最小にするか、または除去する背景真空圧力内で構成される。非質量対電荷
選択RF専用イオン伝播モードで4極を作動させるとき、より広範な背景圧力が
使用される。ある種の質量スペクトル計装置において、RF専用イオン伝播モー
ドで作動する4極イオン案内は、背景真空圧力を充分高く維持してイオン運動エ
ネルギの衝突減衰またはイオン案内長さを横断するイオンの衝突誘導分離(CI
D)破砕を促進する領域内に構成される。
【0004】 慣例的に、4極質量分析計は電子増倍装置または光検出器とともに、典型的に
は、2×10-4トール範囲以下に維持される背景圧力で、分析的な質量対電荷選
択モードにおいて作動する。しかし、多極イオン案内の作動は、イオン質量対電
荷の分離とともに上昇した背景真空圧力において記述される。ここで参照文献に
よって完全に統合される米国特許第5,401,962および5,613,29
4においてフェランは、小型4配列を電子イオン化(EI)イオン源と、低い質
量対電荷範囲のガス分析器として作動するファラディカップ検出器とともに記述
する。この小型4配列は1×10-2トールほどに高い背景真空圧力で得られる。
この短い4配列の性能は、背景圧力が、イオンの平均自由路が4極棒長さより短い
点へ増大するとき、減少し始める。米国特許第5,179,278においてダグ
ラスは、大気圧イオン化(API)源からイオンを三次元の4極イオントラップ
内に送るべく構成される4極イオン案内を記述する。ここで参照文献によって完
全に統合される米国特許第5,179,278においてダグラスが述べる4極イ
オン案内は、トラップされるイオンを三次元の4極イオントラップ内に解放する
前に、イオンを保持すべきトラップとして作動する。イオントラップ中、この4
極イオン案内の棒または極に加わる電位は、イオントラップへ解放される、イオ
ン質量対電荷の範囲値を制限するように設定される。4極イオン案内は、三次元
のイオントラップ内にトラップされた砕片の導入に先行して、トラップされたイ
オンの共鳴周波数励起衝突誘導分離破砕とともにも作動する。4極イオン案内が
三次元のイオントラップへそれのトラップされたイオンを解放した後、それは、
三次元のイオントラップ質量分析時間に補給される。多真空ポンプ作動工程を通
して連続的に延びる多極イオン案内は、ここで参照文献によって完全に統合され
る米国特許第5,652,427においてホワイトハウス等によって記述される
。多極イオン案内長さの部分は、イオンを中性のガス背景衝突へ保証する1ミリ
トールより大きい背景圧力とともに真空領域内に位置する。ここで参照文献によ
って完全に統合される米国特許第5,689,111においてドレッシュ等は、
ハイブリッド多極イオン案内タイムオブフライト(TOF)質量分析計を記述し
、その際、多極イオン案内はイオンをトラップすべく構成されて作動し、かつト
ラップされたイオン部分をTOF質量分析計のパルス化領域内へ解放する。ここ
で参照文献によって完全に統合される米国特許出願第08/694,542にお
いてホワイトハウス等は、ハイブリッド質量分析計を記述し、その際、少なくと
も一つの多極イオン案内がタイムオブフライト質量分析計とともに構成される。
上述のように、少なくとも一つの4極イオン案内は、イオン伝播、イオントラッ
プ、質量対電荷選択および/またはCID破砕モードまたはタイムオブフライト
質量対電荷分析と結合されるそれの組み合わせで作動する。上述のハイブリッド
4極タイムオブフライト装置と方法は、MS/MSn機能の範囲を実施可能にする
。先行技術を超える改善において、本発明の一つの実施例は、質量分析計のMS
/MSn性能を改善しかつハイブリッドTOF質量分析計の分析能力を越えるハ
イブリッドTOF質量分析計の高圧真空領域内に構成され、かつ作動する多重4
極イオン案内を含む。
【0005】 上昇した圧力においてRF専用モードで作動する多イオン案内は、大気圧源か
ら質量分析計へイオン伝播中、イオン運動エネルギの減衰を得るのに有効な手段
として使用される。10-4トールより大きい背景圧力においてRF専用モードで
作動し、API源から4極質量分析計へイオンを搬送すべく構成される4極イオン
案内は、ここで参照文献によって完全に統合される米国特許4,963,736
においてダグラス等によって記述される。中性の背景ガスとのイオン衝突は、イ
オン案内を通るイオンの伝播中、イオン運動エネルギの減衰に役立つ。中性背景
ガスとのイオン衝突は、主要イオンビーム運動エネルギの拡散を減少し、かつイ
オン案内を通ってイオン案内下流のイオン伝播効率を改善する。上昇した背景圧
力で作動する多極イオン案内は、三重4極ハイブリッド磁気セクタおよびTOF
質量分析計内でのCID破砕のための衝突室として使用されてきた。衝突室とし
て構成される多極イオン案内は、すべての棒に加わる可変DCオフセット電位と
ともにRF専用モードで作動する。ここで参照文献によって完全に統合される米
国特許5,847,386においてトムソン等は、イオン案内軸沿いにDC電界
を創造して衝突室を通るイオンを軸方向に運動させるか、またはイオン案内組立
体長さ沿いにイオンを軸方向に前後へ振動させることによって、衝突室内でのC
ID破砕を促進するように構成される多極イオン案内組立体を記述する。上述の
ように、イオン案内組立体は軸方向電界とともに、4極イオン案内組立体のすべ
ての極に加わる共通RFとともにRF専用モード内で作動する。商業利用可能な
質量分析計内に統合されている、かつ文献内に記述されている多極イオン案内衝
突室は、多衝突室極イオン案内長さ沿いに加わる共通RFとともに個別イオン案
内組立体として構成される。ここで参照文献によって完全に統合される米国特許
4,328,420においてフレンチは、開放構造棒組立体とともに構成される
多極イオン案内を記述する。RF専用モード内で作動するこれらの開放構造棒組
立体は、三重4極での衝突室として、かつ大気圧イオン源をコロナ放電すべく接
続されるとき、分析4極でのガス圧力を減少させるべき手段として構成される。
フレンチは、低い真空背景圧力を有する慣例的な方法で、あらゆる質量フィルタ
分析4極の作動を記述する。本発明において、質量対電荷の選択モードで作動す
る4極イオン案内長さの少なくとも一部分は、イオンと中性背景ガスの間に衝突
が起き得る、より高い背景圧力真空領域内に構成される。発明のこの構成は、以
下に述べられるように、性能能力の増大と装置コストの減少とを可能にする。
【0006】 三重4極質量分析計内に構成される衝突室多極イオン案内は、典型的に、衝突
室多極イオン案内内の局部的により高圧力を維持すべく囲いによって包囲される
。衝突室多極イオン案内を包囲する囲いは、一般に、より低圧力の真空領域内に
位置し、より高圧力衝突室背景ガスの、周囲のより低い真空圧力室内への移動を
最小にすべく構成される。図20に先行技術として示される商業利用可能な三重
4極は、一つの真空ポンピング工程で、三つの多極イオン案内とともに構成され る。衝突室内部の上昇圧力は、衝突室多極イオン案内を包囲する囲い内へ衝突ガ スを漏らすことによって維持される。ガスは、三重4極中心線沿いに構成される 囲いの入口と出口の開口を通して衝突室から外へ漏れる。本発明の一つの実施例 は、個々の4極がイオン質量対電荷の選択および/またはCID破砕モードで作 動するように、構成されるより高い真空圧力の共通領域内に位置する多重4極イ オン案内の構成である。本発明のもう一つの実施例は、上昇した背景真空圧力の 真空領域内で、各4極が、質量対電荷の選択および/またはイオン破砕モードで 作動して、MS/MSn質量分析機能を得られる多重4極イオン案内の構成である 。
【0007】 API源へ接続される慣例的な三重4極質量分析計は、質量分析計真空領域内
で充分な真空ポンピング速さとともに構成されて、背景ガスとのイオン衝突を阻
止または最小にする真空レベルを維持する。低圧真空は、衝突室およびオン源か
らチャンバ内へ制限的なガス漏れがあっても維持される。三重4極衝突室囲い内
の真空圧力は、一般に、0.5ないし8ミリトールに維持され、かつ周囲の分析
計真空チャンバ圧力は、低い10-5ないし10-6トールの範囲に維持される。図
20は、大気圧イオン源560に接続される慣例的な三重4極質量分析計550
の多極イオン案内の構成図である。個々の多極イオン案内組立体558、554
、555および556は、3段真空ポンピングシステム内で同じ中心軸に沿って
整列する。毛細管564は、大気圧電気スプレーイオン源560から第一真空ポ
ンピング工程551内へ漏れを与える。電気スプレー源560内に発生するイオ
ンは、毛細管出口561の真空側に形成される超音速の自由噴射膨張を通して真
空内へ送られる。真空内へ導入されるイオンの部分は、スキマー559内の穴、
多極イオン案内558、電極561内の穴、多極イオン案内554、電極566
内の穴、多極イオン案内555、電極567内の穴、多極イオン案内556、電
極568内の穴を通って検出器565へ続く。真空工程551、552および5
53内の圧力は、典型的に、それぞれ、0.5ないし4トール、1ないし8ミリ
トールおよび1×10-5トールより小さく維持される一方、衝突室557の内部
の圧力は0.5ないし8ミリトールに維持される。三重4極はMSまたは単一の
MS/MS連続質量分析機能を実施すべく構成される。MS/MS実験において
、大気圧またはその近くで発生するイオンは多重真空工程を通して、質量対電荷
の選択が中性衝突に対して少量の、または皆無のイオンとともに4極554内に
生じる低圧真空領域553へ搬送される。質量対電荷の選択されるイオンは、そ
の後、衝突室多極イオン案内555内で上昇した圧力領域内へ加速される。生じ
る少量イオンの集団は低圧真空領域553内に残存する4極556内へ向けられ
る。質量対電荷の選択は、イオン検出器565によって4極556を出る定常軌
道イオンの検出に先行して中性衝突に対して少量の、または皆無のイオンととも
に、4極556を横断するイオン集団上に伝えられる。4極554は、RF専用区
分562および568とともにそれの入口および出口端にそれぞれ構成される。
4極556も、RF専用区分とともにそれの入口および出口端に示される。商業
利用可能なハイブリッド4極TOF質量分析計において、4極556は、第4真空
ポンピング工程内に残存するTOF質量分析計によって置換される。このような
慣例的な三重4極とハイブリッド4極TOF質量分析計は、軸方向DC加速CID
イオン破砕ともに、MSおよびMS/MS質量分析機能しか行うことができない
。質量対電荷の選択は、適当なRFおよびDC電位を4極棒へ加えることによっ
て、第一定常領域の先端近くを作動させて4極内に伝えられる。以下に述べられ
る本発明は、MS、MS/MSおよびMS/MSn質量分析機能を行うべき能力
を、単一または多重の軸方向DC加速CIDイオン破砕または共鳴周波数励起C
IDイオン破砕とともに可能にする。本発明で単一または多重値の4極質量対電
荷の選択は、4極棒へ加わる共鳴周波数イオン射出を使用して、RFおよびDC
電位を4極棒へ加えること、または両者の組み合わせによって得られる。
【0008】 図20に示されるように、慣例的な三重4極の衝突室は真空チャンバ553の
内側に構成される。10-5トールより小さい圧力に維持される真空チャンバ内側
の多重イオン案内衝突室の配置は、真空チャンバ553を排気するポンピング速
さが衝突室557からのガス負荷漏れを除去するのに充分であることを必要とす
る。この追加的な真空ポンピングの重荷はAPI MS/MS質量分析計のコス
トと複雑さを増大する。発明の一つの態様は、CIDイオン破砕を行うべく、大
気圧からのガス漏れが形成する背景圧力を使用して、API源の高圧真空領域内
で多重4極イオン案内を構成することである。質量対電荷の選択とCIDイオン
破砕は、大気圧イオン源質量分析計の第一と第二真空工程で実施されて、真空装
置をさらに負荷するそれの付加的ガスとともに分離衝突室への必要を除去する。
API4極とハイブリッド質量分析計の第一または第二真空工程の高圧領域内で
の多重4極の構成は、装置の真空ポンピング速さ要件とそれの関連コストを低減
する。発明のもう一つの態様は、典型的に、商業利用可能な三重4極またはハイ
ブリッド4極TOF質量分析計内に見出される4極組立体から、極寸法をかなり減
少した多重4極イオン案内を構成することである。中心棒間隔(r0)と長さを横
切って減少する4極棒または極の直径は、各4極組立体軸沿いにイオン伝播時間を
最小にする。これは質量分析機能の範囲に対して質量分析計の分析速さを増大さ
せる。減少した4極寸法は作動の空間と動力をあまり必要とせず、性能を減らさ
ずに、装置の寸法とコストを減少する。発明のもう一つの態様は、APIMS装
置の高圧領域内で少なくともそれの長さ部分にわたって位置する多重4極組立体
へ、連続して多重真空工程内に延びる多重4極イオン案内を構成することである
。多重真空ポンピング工程イオン案内は米国特許第5,652,427において
ホワイトハウス等によって述べられている。以下に述べるように、リニア組立体
内で付加的な4極イオン案内とともに多重真空工程4極イオン案内を構成すること
は、単一の質量分析計装置とともに広範な質量分析機能の実施を可能にする。
【0009】 ここで参照文献によって統合される米国特許第3,410,997においてブ
ルベイカー、米国特許第5,847,386においてトムソン等およびジェーム
ス(1996質量分析に関する第44回会議会議録P.795)によって記述さ
れる4極イオン案内は、単一RF供給から発生するRF電圧をイオン案内組立体
または棒セットのすべての区分に加えるような区分で構成される。ジェームスは
RF専用イオン搬送およびトラップモードでの組立体の作動を述べている。典型
的には、ブルベイカーが述べるように、ACまたはRF専用の入口と出口区分は
、4極を出入りするイオンに対して縁取り(fringing)電界効果を最小
にすべく設定される4極内に構成される。RF電圧は、典型的に、中心棒区分に
供給される一次RFとの容量結合を通して出入口4極区分へ加えられる。オフセ
ット電位、すなわち、与えられた4極区分の4本の極すべてに加わる共通のDC
電圧は、イオンを4極イオン案内組立体の内部で、一つのイオン案内区分から次
のものへ加速するために、各区分に対して独立的に設定することができる。イオ
ン案内区分に加わるオフセット電位は、イオン案内区分の内部でイオンをトラッ
プするように設定される。以下の検討において、4極または多極イオン案内組立
体は区分を含むが、各区分の各棒に加わるすべてのRF電圧は、共通のRF供給
から出発する。発明の一つの態様において、個々の4極組立体へ接続される異な
るRF供給部分は周波数と位相に関して同期して、多重4極組立体を通るイオン
移動効率を最大にする。
【0010】 静電レンズまたは電極は、多重イオン案内組立体を質量分析器内に構成すると
き、個々の多極イオン案内の間に位置する。代替的に、多極イオン案内は、イオ
ン案内組立体の間に位置する静電レンズなしで末端から末端へ整列する。静電レ
ンズ561、566、および567は、4極組立体と、隣接する多極イオン案内
に加わる結合解除RFまたはAC電圧の間のガスコンダクタンスを最小にする二
重目的に対して役立つ。隣接する多極イオン案内組立体の間に位置する電極は、
イオンが一つのイオン案内組立体から次のものへ通過するとき、縁取り電界効果
を最小にすべく、かつ異なるイオン案内セットの間の何らかの容量結合を最小に
して、RF電界の熱周波数ひずみを回避すべく構成される。本発明の一つの態様
として、二つの独立的な、軸方向に整列して隣接する4極組立体の間での連結点
の両側面は、イオンを中性衝突に対して確保すべく充分高く維持される真空圧力
内にある。発明の一つの実施例において、二つの隣接する多極イオン案内組立体
を分離する静電レンズは、独立的なRF専用4極によって個々のRF供給部と置
換される。以下に述べるように、高真空圧力の相互4極連結点と、二つの隣接す
る4極組立体の間で4極レンズ要素の位置決めはともに、慣例的な多重4極構成に
比較するとき、低い装置コストで質量分析機能の実行での融通性を増大させる。
発明の一つの実施例において、個々の4極イオン案内組立体は、イオン質量対電
荷の選択、CIDイオン破砕およびイオントラップ質量分析機能を得るために、
分離したRF、+/−DCおよび補充共鳴またはセキュラ(secular)周
波数電圧供給を必要とする。発明の一つの態様は、二つの間で電極の分割なしに
共通軸沿いに多重4極組立体を構成することである。発明によって構成される各4
極組立体は個別に、質量選択、CID破砕およびイオンのトラップを行うことが
できる。一つ以上の多重工程4極組立体は、発明によって、多重4極組立体内に構
成できる。多重真空工程多重イオン案内は、米国特許第5,652,427,5
,89,111および米国特許出願第08/694,542においてホワイトハ
ウスおよびドレッシュ等によって記述されている。
【0011】 本発明でRF電圧を個々の多重イオン案内組立体へ与える分離したRF電圧供
給部分は共通の周波数と位相で作動して、RF縁取り電界効果を最小にする。各
4極組立体は、質量対電荷の選択中に加わる、異なるRF振幅および/またはイ
オンCID破砕作業を有することができる。4極イオン案内組立体の間での電極
の除去はイオン伝播効率を増大し、かつイオンを4極イオン案内組立体の間で前
後に向ける。多重4極組立体の軸沿いにイオンの効果的な2方向運搬は、広範な
分析機能を単一装置上で運転可能にする。上述のように、発明の一つの態様は、
各分析4極組立体の間に構成されるRF4極を含んで、RF振幅、+/−DC電圧
および共鳴周波数電圧での相互4極の差による何らかの縁取り電界または容量結
合を最小にする。発明の別の態様において、RF専用4極は、隣接する4極イオン
案内RF組立体に容量結合される各4極組立体のRF専用区分として構成される
。発明のさらに別の態様において、個々の4極組立体の間の連結点は、4極組立体
の間の連結点に軸方向の傾斜がほとんど、または全くないような、高圧真空領域
内にある。背景ガスとのイオンの衝突は、定常イオン軌道を4極中心線へ減衰す
るため役立ち、この場合、4極の間の縁取り電界効果は最小に成る。背景ガスに
よる、イオン軌道のこの衝突減衰は、個々の4極イオン案内組立体の間で前後方
向にイオンの伝播を最大化するのを助ける。異なる、加えられたRF、DCおよ
びセキュラ周波数AC電界は隣接する4極の間にある。
【0012】 三重4極、三次元イオントラップ、ハイブリッド4極TOF、ハイブリッド磁気
セクタおよぴフーリエ変換(FTMS)質量分析計は、MS/MS分析を行うべ
く構成されている。イオントラップおよびFTMS質量分析計は、MS/MSn
分析を行うが、イオンCID破砕は比較的低いエネルギの共鳴周波数励起ととも
に行われる。三重4極内およびハイブリッド4極TOF質量分析計内でのCID破
砕は、4極軸沿いにDC加速およびCID破砕として参照される衝突室内へのイ
オンの加速によって得られる。イオンは一般に、4極軸、DC加速、CID破砕
において、二三ないし数十eVで加速される。ハイブリッドまたはタンデム磁気
セクタ質量分析計は、高エネルギDC加速イオン破砕を、数百または数千電子ボ
ルトとともに衝突室内へ加速されるイオンで行う。図20に示されるような慣例
的な三重4極において、かつ三重4極内で第三の4極をTOF質量分析計によって
置換するハイブリッド4極TOF質量分析計においては、単一の電荷対質量範囲
を、第一分析4極内で適当なRFと+/−DC電位を4極棒へ付加することによっ
て選択する。低真空圧力内で作動する4極イオン案内内の質量対電荷の分解能は
、部分的に、4極長さを通る迅速なイオン伝播時間によって制限される。第一の4
極(図20の4極554)とともに連続的なイオンビームから選択される単一の
質量対電荷範囲は、多極イオン案内衝突室(図20の多極イオン案内555)へ
充分なエネルギで加速されてCID破砕を生じる。衝突室を出る砕片イオンは、
第二の分析4極(図20の4極556)またはハイブリッドTOF質量スペクトル
計内のTOF質量分析計によって質量分析される。慣例的な三重4極とハイブリ
ッドTOF装置を使用して行われるMS/MS分析機能は、単一の質量対電荷範
囲選択工程(連続的イオンビーム作動とともにDC加速CID破砕)に制限され
る。
【0013】 三次元イオントラップは、同じイオントラップ容積内でイオン破砕分析工程が
追従する電荷範囲に対する単一または多重質量選択とともに作動する。単一また
は多重のMS/MS分析工程は、三次元4極イオントラップ内で適当なRF、D
Cおよび共鳴周波数射出と励起セキュラAC電位を工程的なシーケンスで加える
ことによって得られる。三次元イオントラップ内でトラップされるイオンの空間
電荷は、三重4極作動の非トラップでは遭遇しない性能制限を与える。三重4極内
で質量フィルタとして作動する4極イオン案内と三次元イオントラップはともに
、タイムオブフライト質量分析計の非スキャニングに比較して、質量スペクトル
トラップ率に関して制限を与える質量分析計をスキャニングする。三重4極はイ
オン源から供給される連続イオンビームとともに作動する。三次元イオントラッ
プはバッチ的方法で分析を行って、イオンが連続ビームイオン源から供給される
とき、使用率(duty cycle)を制限する。典型的に、RFモードで作動する三次元
イオントラップはイオントラップとともに追加される共鳴周波数AC波長を使用
する。質量対電荷の選択は、RFプラス+/−DCを4極棒へ付加することによ
って非トラップモードにおいて三重4極内に伝えられる。三重4極内でのCIDイ
オン破砕はDC加速破砕で行われる。質量対電荷の選択は三次元イオントラップ
内で衝突ガスの存在で行われる一方、三重4極内で質量対電荷の選択を行う4極は
真空領域内で充分に維持される圧力とともに作動して、イオンを中性の衝突へ最
小化または除去する。多重の多極イオン案内は、本発明でより高い背景真空圧力
の領域内に構成される。各多極イオン案内は、トラップモード、質量対電荷の選
択モード、およびRF、+/−DCおよび適用される共鳴AC波形を使用するイ
オン破砕で作動できる。三次元イオントラップ内にトラップされるイオンを検出
するため、イオンは不安定な軌道に入り、かつイオントラップのエンドキャップ
を通して射出されなければならない。反対に、イオントラップモードで作動する
多極イオン案内の末端から軸方向に解放されるイオンは定常軌道内にある。従っ
て、多極イオン案内内にトラップされるイオン部分は解放される一方、イオンは
同じイオン案内に入り続ける。多極イオン案内内にトラップされるイオンは、多
極イオン案内でのトラップを参照するとき、二次元トラップの語を使用するよう
に、イオン案内軸に沿って自由に運動する。以下に与えられる発明の説明で明ら
かとなるように、多極イオン案内内の二次元イオントラップは、三次元イオント
ラップ作業と比較するとき、分析の軟性を増大させる。MS/MSn分析機能は
、共鳴周波数励起またはDC加速CID破砕または両方の組み合わせを使用して
行われる。発明は、分析的三次元イオントラップの充分な範囲と三重4極機能を
一つの範囲内で可能にし、かつ付加的質量分析機能の実施を現在の質量分析で利
用不可能にする。
【0014】 発明の別の実施例で、三重4極の分析的機能性、三次元イオントラップおよび
ハイブリッド4極TOF質量分析計が単一の装置内に構成される。発明は、共鳴
周波数CIDイオン破砕、DC加速CID破砕を含むが、100eV以上のエネ
ルギ、RFおよび+/−DC質量対電荷選択、単一または多重の質量範囲RF振
幅と共鳴周波数イオン放射質量対電荷選択、4極イオン案内でのイオントラップ
およびTOF質量分析に対してさえ限定されない。上述の質量分析能力を使用し
て、発明によるハイブリッド4極TOFがMS/MSn分析法のいくつかを組み合
わせて作動できる。例えば、MS/MSn(n>1)は、各CID工程または共鳴
周波数励起励起とDC加速CIDイオン破砕の組み合わせに対してDC加速破砕を
用いて実施される。質量対電荷選択またはCIDイオン破砕を用いたイオントラ
ップは、各個別4極組立体において連続的イオンビームを停止せずに実施可能で
ある。本発明によるこれらの技術は、以下に述べるように、MS/MS実験中に
ハイブリッド4極TOFの使用率と感度を増大する。代替的に、MS/MSn分析
は、質量選択とイオン破砕工程中に連続的イオンビームのトラップとともに、ま
たはなしに実施可能である。発明によって構成されるハイブリッド4極TOFは
、ここで参照文献によって完全に統合される米国特許第5,652,427と、
5,689,111と、米国特許出願第08/694,542と、60/021
,184内に記述される性能能力とを含む低コストの卓上用装置である。先行技
術API三重4極のエミュレーションと改良性能、三次元イオントラップ、TO
F、そしてハイブリッド4極TOF質量分析計機能は、発明が構成するハイブリ
ッド4極TOF質量分析計によって得られる。発明によって構成される多重4極イ
オン案内組立体は、あらゆる形式の質量分析計、タンデムとハイブリッド装置、
および気体、液体または固体相をつくる大抵のイオン源形式に接続される。
【0015】 電子スプレー(ES)と大気圧化学イオン化(APCI)源とを含む大気圧イ
オン源は、単一と三重4極イオン案内、三次元イオントラップ、磁気セクタ、フ
ーリエ変換、タイムオブフライト、および最近ハイブリッド4極TOF質量分析
計に接続されている。発明の一つの態様として、発明の組み合わせを大気学イオ
ン源に接続可能である。発明の一つの態様として、発明の一つの実施例は単一か
三重4極の質量分析計内に構成されるか、またはハイブリッド三次元イオントラ
ップ、磁気セクタ、フーリエ変換、および大気圧イオン源または真空内にイオン
をつくるイオン源に接続されるタイムオブフライト質量分析計内に構成される。
【0016】 上述のように、発明は多数の実施例を含む。各実施例は、イオンと中性背景ガ
スの間に多重衝突が起きる高い背景圧力真空領域に位置して作動する少なくとも
一つの多極イオン案内を含む。発明は任意数の極を有する多極イオン案内に適用
されるが、説明は主として4極イオン案内を参照する。発明の一つの実施例にお
いて、4極イオン案内は、充分高く維持されてイオン案内長さを横断するイオン
の衝突減衰を生じる背景圧力を持つ真空領域内に構成される。高圧真空領域に位
置する各分析4極イオン案内は、トラップモード、単一通路イオン伝播モード、
単一か多重の、質量対電荷選択モードおよび/または連続的な主イオンビームを
停止させ、またはさせない共鳴周波数CIDイオン破砕モードで作動する。発明
の一つの実施例において、高圧4極イオン案内は、内部の棒半径r0と棒長さによ
って定義される4極容積内で横断するかまたはトラップされる、放射される希望
されないイオンによって、単一か多重の、質量対電荷範囲選択を得るべく作動す
る。希望されないイオン放射は、RF振幅を停止させ、またはさせないで選択さ
れる時間にわたって共鳴またはセキュラ周波数波形をイオン4極棒へ付加するこ
とで得られる。発明のさらに別の実施例において、イオン,+/−DC電位は、
質量対電荷の選択中、4極イオン案内の極に作用する。+/−DC電位は、RF
振幅を停止させ、かつ希望されない、イオン質量対電荷値を放射すべく共鳴周波
数励起波形を付加する間に、4極棒または極へ作用する。発明のもう一つの実施
例において、高圧領域内に位置する、かつ質量対電荷の選択および/またはイオ
ンCID破砕モードで作動する少なくとも一つの4極イオン案内が、区分化され
る多極イオン案内として構成される。区分化されるイオン案内は、RF電圧を共
通のRF電圧供給から全区分に付加するニつ以上の区分を含む。発明の一つの実
施例において、区分化される4極の少なくとも一つの区分がRF専用モードで作
動する一方、少なくとも一つの他の区分が質量対電荷の選択および/またはイオ
ンCID破砕モードで作動する。個々のDCオフセット電位は各区分に独立的に
付加されて、区分化される4極組立体内でイオンのトラップまたは一つの区分か
ら隣接区分へのイオンの運動を許容する。
【0017】 発明のもう一つの実施例において、区分化される多極イオン案内は、少なくと
も一つの区分が連続して多重真空工程内へ延びるように構成される。多重真空工
程多極イオン案内の一部は、イオン案内容積内の圧力が充分高く維持されて、イ
オンが区分化されるイオン案内長さを横断するとき多重イオンを中性衝突へもた
らす真空領域内に位置する。RF電圧は共通のRF電圧供給から多重真空工程多
極イオン案内の全区分に作用する。区分化される多重真空工程多極イオン案内の
少なくとも一つの区分は、イオントラップモード、単一通路イオン伝播モード、
単一か多重の、質量対電荷選択モードおよび/または連続的な主イオンビームを
停止させ、またはさせないで共鳴周波数CIDイオン破砕モードで作動可能であ
る。発明の一つの実施例において、多重真空ポンピング工程イオン案内の少なく
とも一つの区分がRF専用モードで作動する一方、少なくとも一つの区分が質量
対電荷の選択またはイオン破砕モードで作動する。多重真空工程に区分化される
イオン案内の少なくとも一つの区分で行われる質量対電荷選択は、RFと+/−
DC電位をイオン案内極へ付加することによって得られる。代替的に、質量対電
荷選択で希望されないイオンの放射は、RF振幅を停止させ、またはさせないで
共鳴周波数波形を付加することによって得られる。希望されないイオン質量対電
荷値を放射するのに必要な周波数成分の範囲は、イオン質量対電荷選択作業中、
+/−DC電圧を棒へ付加することによって、RF振幅の変化とともに、または
なしに減少する。発明の一つの実施例において、個々のオフセット電位は多重真
空工程多極イオン案内の異なる区分に作用する。オフセット電位を個々のイオン
案内区分に付加して、区分化イオン案内極を包囲することによって定義される容
積の内部でイオンをトラップするか、または一つの区分から次の区分へイオンを
動かす。多重真空工程イオン案内の少なくとも一つの区分沿いに背景真空圧力は
上記区分の軸方向長さ沿いに変化する。
【0018】 発明はいくつかの形式のイオン源とともに構成されるが、ここで述べられる発
明の実施例は、電気スプレー、APCI、誘導結合されるプラズマ(ICP)お
よび大気圧MALDIを含むが、それに限定されない大気圧イオン源に接続され
る質量分析計を含む。上記の実施例で、高圧真空領域内に構成される多極イオン
案内内の背景ガスの一次源は、大気圧イオン源自身からのものである。この構成
は、追加の衝突ガスを低圧真空領域内に位置する分離衝突室へ追加する必要を回
避する。API分析計内の分離衝突室の除去は、真空ポンピング速さ要件、装置
寸法および複雑さを減じる。寸法および複雑さの減少は、性能または分析能力を
減らさずに、質量分析計のコストを低減する。以下の説明から明らかとなるよう
に、発明によって構成されかつ作動する質量分析計は、三重4極、三次元イオン
トラップおよびハイブリッド4極TOF質量分析計とくらべて、増大した性能と
分析範囲とを有する。
【0019】 発明のもう一つの実施例において、個々の多極イオン案内組立体は、二つのの
間の連結点が高圧真空領域内にある共通の中心線沿いに構成される。二つの軸方
向に隣接する多極イオン案内の間の連結点両側で背景ガスとのイオンの衝突は、
定常的なイオン半径軌道を、縁取り電界を最小化する中心線方向へ減衰するのに
役立つ。多極イオン案内の間で前後方向のイオン伝播効率は、二つの多極イオン
案内の間の連結点での縁取り電界効果を最小化することで最大になる。静電レン
ズは組立体の間に位置してもいいし、しなくてもよい。
【0020】 発明のもう一つの態様において、電極は、共通の4極軸沿いに二つの隣接する4
極イオン案内に構成されない。発明によって構成される二つの隣接する4極組立
体は、同じ半径断面の極寸法を有し、かつ極要素は二つの4極イオン案内の間の
連結点で軸方向に整列する。各4極組立体は、独立したセットの、RF、共鳴周
波数、+/−DCおよびオフセットの電圧供給部を有する。発明のもう一つの態
様において、共通のRF周波数と位相および共通のDC極性は、隣接する、かつ
軸方向に整列した、隣接して軸方向に整列する4極イオン案内の極上に維持され
る。RF振幅、共鳴周波数波形、+/−DC振幅、および隣接する4極イオン案
内の極に加わるDCオフセット電位は、各4極イオン案内組立体に対して独立的
に調節される。相対的なDCオフセット電位の調節は、定常的な軌道を有するイ
オンを二つの隣接する4極の間で前後方向に、最小の縁取り電界効果によって高
い伝播効率で運動可能にする。発明のもう一つの態様において、少なくとも一つ
の区分化される4極イオン案内組立体は、もう一つの4極イオン案内組立体ととも
に軸方向に整列して組みたてられ、ここで、二つの4極イオン案内組立体の間の
連結点は高い背景圧力の領域内に位置する。隣接する4極イオン案内の間の連結
点は二次的な電極とともに構成されても、されなくてもよい。代替的に、二つの
隣接する4極組立体の間の連結点はRF専用モードで作動する、軸方向に整列し
た4極組立体とともに構成される。RFとDC電位は、二つの隣接する4極組立体
の電力供給から独立した電力供給からこの連結点4極組立体に供給される。発明
のもう一つの態様において、多重真空ポンピング工程に連続して延びる少なくと
も一つの4極イオン案内は、もう一つの4極イオン案内組立体に隣接して軸方向に
整列して構成される。発明のもう一つの態様として、少なくとも一つの4極の少
なくとも一つの区分は、上述の軸方向に整列した4極組み合わせにおいて質量対
電荷の選択および/またはCIDイオン破砕モードで作動する。一つの4極を横
断する、質量対電荷の選択されるイオンは、CIDイオン破砕をもたらすのに充
分なオフセット電圧振幅差によって一つの4極から隣接する4極へ加速される。二
つの隣接する4極イオン案内の間の連結点の領域内にある背景ガスは、一つの4極
イオン案内から次のものに、軸方向に加速されるイオンへの衝突ガスとして役立
つ。4極組立体の間に与えられる充分なオフセット電圧振幅差での前後方向イオ
ン加速は、DC加速衝突誘導分離によって砕片イオンに対し使用される。
【0021】 多重4極の軸方向に整列した組立体内に構成される各4極イオン案内の少なくと
も一つの区分は、イオントラップまたは単一通路イオン伝播モード、単一または
多重の、質量対電荷選択モードおよび共鳴周波数CIDイオン破砕モードで作動
すべく構成される。MS/MSn分析機能は、DC加速CIDイオン破砕と関連的
に質量対電荷の選択を走らせることによって得られる。DC加速破砕は、帯電イ
オンに対して質量を隣接するイオン案内の間で前後方向に加速して得られる。代
替的に、イオンは、4極のセット内に構成される少なくとも一つのイオン案内内
での区分の内部に定義される容積内で共鳴周波数励起CIDイオン破砕を使用し
て砕片化される。質量対電荷選択のDC加速および共鳴周波数励起CID破砕と
の組み合わせは、高圧真空圧力領域内に構成される軸方向整列多重4極イオン案
内組立体内で走らせて、広い範囲のMS/MSn分析機能を得ることができる。発
明の一つの態様において、MS/MSn分析シーケンスでの最後の質量分析工程は
4極質量分析計を使用して行われる。二重4極イオン案内組立体は、本発明によっ
て三重4極質量分析計の部分として構成される。代替的に、三つの4極イオン案内
組立体は、発明によって、大気圧イオン源から供給される連続イオンビームで機
能作動する、すべての三重4極質量分析計MSとMS/MSを包囲して構成される
【0022】 発明のもう一つの実施例において、多重4極イオン案内の軸方向整列組立体(
二つの隣接するイオン案内の間で少なくとも一つの連結点は高圧真空領域内に位
置する)は、TOF質量分析計とともに構成される。多重4極組立体内の少なく
とも一つの4極イオン案内は、質量対電荷の選択および/またはCIDイオン破
砕モードにおいて作動すべく構成される。発明の一つの態様において、TOF質
量分析計はMS/MSn分析シーケンスの何かの工程で形成される製品イオンの質
量分析を行うべく、構成および作動する。単一工程MS/MS分析は先ず質量対
電荷分析工程を、次にイオン破砕工程を共鳴周波数励起またはDC加速CIDと
ともに発明によって構成される多重4極イオン案内組立体内で行うことによって
得られる。発生するMS/MS生成質量対電荷値イオンの分析は、タイムオブフ
ィルタ質量分析計内で行われる。質量対電荷の選択とMS/MS分析でのイオン
破砕工程は、ビーム内の一次コイルのイオントラップとともに、またはなしに、
かつそれを停止せずに行われる。MS/MSn分析(n>1)は、連続的な質量対
電荷選択とイオン破砕工程とを、発明によって構成される多重4極イオン案内組
立体を使用して行うことによって得られる。質量対電荷の選択とイオン破砕とを
行うための異なる方法は、与えられたMS/MSnシーケンスに組み合わされ、こ
こで、最後の、質量対電荷分析工程または何かの暫定的な質量分析工程はTOF
質量分析計を使用して行われる。発明の一つの実施例において、API源は、発
明によって構成される多重4極TOFハイブリッド質量分析計に接続される。
【0023】 発明のもう一つの実施例において、区分化イオン組立体(少なくとも一つの区
分が多重真空ポンピング工程内に連続して延びる)はTOF質量分析計とともに
構成される。多重真空ポンピング工程区分化多極イオン案内の少なくとも一つの
区分は、イオン質量対電荷の選択とCID破砕とを、イオンのトラップとともに
、またはなしに行うべく構成される。発明の一つの実施例において、少なくとも
一つの多重真空工程区分化4極イオン案内は、TOF質量分析計とともに構成さ
れる多重4極イオン案内組立体内に含まれる。MS/MSn分析機能は、一つ以上
の、イオン質量対電荷の選択とCID破砕工程とを、タイムオブフライト質量分
析計を使用して、製品イオン集団の、質量対電荷分析を行う前に、多重4極イオ
ン案内組立体内で行うことによって得られる。発明の一つの実施例において、4
極組立体の寸法は減少して、卓上型API多重4極TOF質量分析計のコストと
寸法の減少をもたらす。発明の一つの態様において、多重4極TOFハイブリッ
ド質量分析計は作動でき、それによって、イオン質量対電荷の選択と破砕は、三
重4極質量分析計のMSおよびMS/MS質量分析機能を模倣できる方法で行わ
れる。代替的に、同じ多重4極TOFハイブリッド質量分析計は作動でき、それ
によって、イオントラップは、イオン質量対電荷の選択とイオン破砕の単一また
は多重工程とともに、三次元イオントラップ質量分析計のMSおよびMS/MS n 質量分析機能を模倣できる方法で行われる。さらに、発明によって構成される
同じ多重4極TOF質量分析計は、三重4極三次元イオントラップによって、また
は先行技術に記載される他の質量スペクトル計によって行えないMSおよびMS
/MSn質量分析機能とともに作動できる。
【0024】 発明のもう一つの実施例において、発明によって構成されかつ作動する多重4
極イオン案内組立体は、ハイブリッドフーリエ変換、三次元イオントラップまた
は磁気セクタ質量スペクトル計内に含まれる。発明の一つの実施例において、連
続して多重真空ポンピング工程内に延びる区分化多極イオン案内は、フーリエ変
換、三次元イオントラップまたは磁気セクタ質量分析計トラップともに構成され
る。
【0025】 高いイオン伝播効率は、区分化多重真空ポンピング工程多極イオン案内、また
は発明によって構成される多重4極イオン案内組立体内で得られる。イオンは、
定常的な半径軌道内にとどまる一方、高圧真空領域内に位置する、隣接する軸方
向整列4極イオン案内の間の連結点とともに構成される多重イオン案内の間で横
断する。結果として、所望の質量対電荷値の発生損失は、発明によって構成され
る多重4極イオン案内組立体内でのトラップ中、または横断通過中最小である。
発明の一つの実施例において、設置される多重4極の各個々の4極組立体に電位を
供給する個々のRF電圧供給部分の有する振幅は可変であるが、それの一次RF
と位相出力は同じである。結果として、それの質量対電荷値(m/z)が各4極
イオン案内組立体を横断する定常軌道を有するイオンは、すべての多重4極イオ
ン案内組立体長さを通して定常軌道内に残存できる。低い軸方向の並進または運
動エネルギを有するイオンは、多重区分化または非区分化4極イオン案内を通し
て効果的に移動して、質量選択または質量分析作業で高い分解能を可能にする。
イオンはまた、使用率を改善すべく、かつ広い範囲の質量分析作業を得るべく要
求されるとき、各多重区分化または非区分化の選択区分内でトラップされ、かつ
隣接する4極へ、またはTOF質量分析計へ転送される。多重イオン案内または
イオントラップモードで作動する区分化イオン案内の個別区分の重要な特徴は、
イオンがイオン案内または区分の一端から同時に解放される一方、イオンはイオ
ン案内または個別区分の反対端に入り続けるということである。この特徴のため
に、連続的イオンビームを受け取る区分化イオン案内は、イオン案内内に位置す
るイオン部分だけを、軸方向に整列した隣接するイオン案内またはTOFのよう
な他の質量分析計内へ選択的に解放できる。この方法で、イオンは質量分析工程
の間に失われない。イオンはまた、多極イオン案内組立体の間で、または多極イ
オン案内組立体内部の区分の間で前後に転送されて、先行技術の分析計の構成で
は不可能な質量分析作業の配列実施を可能にする。
【0026】 (発明を実施するための最良の形態) 質量分析計装置内に構成される一つの真空ポンピング工程から少なくとも一つ
の付加的な真空ポンピング工程へ延びる多重イオン案内は、米国特許第5,65
2,427内に記述されている。タイムオブフライト質量分析計の飛行管内への
解放イオンのパルス化に続いて多極イオン案内内部でトラップされる少なくとも
一部のイオンの解放と結合される多極イオン案内内部でのイオントラップは、米
国特許第5,689,111内に記述される。MSとMSn分析能力を得るべく
APITOF質量分析計に構成される多極イオン案内の作動は、米国特許出願第
08/694,542内に記述されている。以下の節内に記述される発明は、多
極イオン案内の新しい実施例、多重多極イオン案内組立体の新しい構成および上
記多極イオン案内と質量分析計との新しい作動方法とともに質量分析計内へのこ
れれらの組み込みを含む。発明は、いくつかの実施例で慣例的な質量分析計の構
成とくらべて上記装置の寸法とコストを減らす間に構成される質量分析計の性能
と分析能力を改良する。
【0027】 多極イオン案内は、真空内でのイオンの輸送を含む広い機能範囲に対して、か
つイオントラップ、質量対電荷フィルタとして、かつイオンの砕片化手段として
使用されている。多極イオン案内は、平行な電極のセット、中心点の周りに共通
の半径で一様に間隔あけされる極または棒を含む。正弦波電圧または交流(AC
またはRF)電位と+/−DC電圧が、作動中、イオン案内棒または電極へ作用
する。付加的ACとDC電位は、質量対電荷(m/z)値の選択範囲への棒長さ
の内部容積を通して定常的なイオン軌道を許容すべく設定される。これらの同じ
ACとDC電圧電位は、作動安定性ウインドウの外側に落下するイオン質量対電
荷値に対して、非定常的なイオン軌道を生じるべく設定される。非定常軌道を有
するイオンは、イオンがイオン案内長さを横断する前に、棒や極と衝突すること
によってイオン案内容積から半径方向に放射される。多極イオン案内は、典型的
に、4極、6極、8極など一様な極のセットとともに構成される。奇数の多極イオ
ン案内も記述されるが、商業的な装置では一般に使用されない。作用するACま
たはRF電圧だけで作動する4極、6極および8極は、質量スペクトル計の装置で
の多極イオン案内として構成されている。イオン質量対電荷の選択が必要な場合
、イオン質量対電荷の選択分解能は4極とともに、6極または8極の性能にくらべ
て高く得られる。質量分析計や質量フィルタとして作動する4極イオン案内は、
丸棒とともに、またはさらに理想的な双曲線棒形状とともに構成されている。棒
間隔(r0)に対し与えられる内側の棒に対して、イオンが中心容積から半径外
方向へ阻止または放逐されることなくうまく多極イオン案内へ入れる有効な受け
入れ領域は、極数の増大とともに増大する。RF専用モードで作動する、高い数
の極とともに構成される多極イオン案内は、イオン質量対電荷値の、低い数の極
とともに構成される多極イオン案内よりも広い範囲を定常軌道内で転送可能であ
る。異なる数の極を有する多極イオン案内での性能差のために、イオン案内の適
当な選択はそれの用途に大きく関係する。三重4極という用語は、慣例的に、軸
方向に整列しかつ共通の真空ポンピング工程内に位置する、三つの多極イオン案
内の構成を記述すべく使用されている。三重4極内で個々の多極イオン案内組立
体に作用するRFとDC電位は、分離したRFとDC供給部分から供給される。
”三重4極”の衝突室は、4極、6極または8極イオン案内として構成され、かつ典
型的に、RF専用モードで作動する。
【0028】 発明で記述される多極イオン案内は任意数の極とともに構成される。個々の多
極イオン案内の組立体が構成される場合、4極と6極または8極の混合物が最良の
性能に対して好まれる。多極イオン案内棒組立体は、RF専用モードで作動する
、区分化される、非平行または円錐の棒とともに構成される米国特許第5,84
7,386内にトムソン等によって記述されている。組立体のすべての棒に作用
する単一極性DCとともにRF専用モードで作動するこのような棒材構成は、作
動中、Zまたは軸方向に非対称の電界を生成する。この軸方向電界は、与えられ
た用途に対して非区分化棒の平行なセットで得られるものより迅速に、イオン案
内の長さを通してイオンを押すのを助長する。軸方向電界の存在は、多極イオン
案内容積内にあるより高い背景圧力とともに、多極イオン案内を通してイオンを
運動させるのに有用である。軸方向電界の付加は多極イオン案内を通るイオンの
運動を助長するが、軸方向電界を与えるべく構成される棒形状は、質量対電荷の
選択分解能を損ない、かつ製造の複雑さとコストを増大する。円錐または非対称
の棒組立体は、与えられる多極イオン案内組立体に対してRF専用作動を使用す
る、発明のいくつかの実施例において使用される。与えられる実施例の数を制限
すべき努力において、発明は平行な棒または電極イオン案内組立体とともに構成
される多極イオン案内に対して記述される。与えられる多極イオン案内組立体の
内部の軸方向電界は、いくつかの実施例で記述されるように、RF専用出入口の
極区分を使用して作用する。
【0029】 単一区分化多極イオン案内組立体は、少なくとも一つの区分が一つの真空ポン
ピング工程から連続して少なくとも一つの隣接する真空ポンピング工程へ延びる
ように構成される。発明の一つの態様において、同じ断面形状を有する個々の多
極イオン案内は、多重イオンが中性ガス衝突に対して生じる、高圧真空ポンピン
グ領域内に位置する多極イオン案内組立体の間で少なくとも一つの連結点ととも
に軸方向整列組立体として構成される。高い背景真空圧力領域内で多重多極イオ
ン案内の作動は、イオン質量対電荷の選択も行われる同じ真空ポンピング工程内
でイオンの衝突誘導性分離(CID)のような分析機能を得るべく効果的に使用
される。大気圧イオン源質量スペクトル計装置内で一つの真空ポンピング工程か
ら連続して別のそれへ延びる区分化または非区分化多極イオン案内は、背景圧力
の広い範囲にわたってイオンを効果的に運搬可能である。多極イオン案内は、イ
オンを大気圧イオン源から、TOF、FTMS、4極、三重4極、磁気セクタまた
は三次元イオントラップを含むが、それらに限定はされない質量分析計へ供給で
きる。代替的に、高い真空圧力領域内に位置する多重イオン案内組立体の少なく
とも部分とともに構成される区分化または非区分化多極イオン案内の組立体は、
MSとMS/MS分析能力を有する質量分析計として直接、作動可能である。
【0030】 イオントラップモードで作動する多極イオン案内の重要な特徴は、イオンがイ
オン案内組立体または区分の一端から同時に解放される一方、イオンはイオン案
内組立体または個々の区分の反対端に入るということである。この特徴によって
、連続的なイオンビームを受け取る一方、トラップモードで作動する多極イオン
案内は、別のイオン案内、イオン案内区分または解放されるイオン上で質量分析
を行う別の質量分析計へ、イオン案内に位置するイオンのすべてまたは一部を選
択的に解放できる。この方法で、連続的なイオンビームから多極イオン案内に入
るイオンは、不連続な、またはバッチ的な質量分析工程の間に失われない。発明
の一つの好適な実施例は、API源と、質量対電荷の選択とイオン破砕モードと
で作動する少なくとも二つの4極質量分析計とともに三つの4極イオン案内組立体
と、タイムオブフライト質量分析計とを含むハイブリッドAPI源4極TOF質量
分析計の構成である。このようなハイブリッドAPI源4極TOF質量分析計に
おいて発明によって構成される多重4極イオン案内組立体は、高い感度、高い質
量対電荷分解能および高い質量測定精度とともにMSとMS/MSn分析機能の
広範囲の実施を可能にする。発明の以下の説明において、三つの主要な構成が各
構成に対して説明される代替実施例とともに示される。第一実施例は、多重4極
イオン案内タイムオブフライトハイブリッド質量スペクトル計装置の構成である
。上述のようなハイブリッド装置はTOF質量分析計を含むが、FTMS、磁気
セクタ、三次元イオントラップまたは4極質量分析計は、タイムオブフライト質
量分析計に対して置換され得る。第二実施例は、慣例的な低い真空圧力三重4極
質量分析計に類似のMSとMS/MS分析機能を得るべく高圧真空領域内にある
イオン案内の間で少なくとも一つの連結点とともに個々の4極イオン案内組立体
の構成である。記述される第三実施例は、より高い真空背景圧力内に位置する、
かつ質量対電荷選択モードで作動する4極イオン案内の構成である。第三実施例
は、低い真空圧力で作動する慣例的な単一4極質量分析計に類似のAPIMS質
量分析機能を実施すべく作動する。発明によって構成される、より小寸法の高圧
4極イオン案内は、装置のコストと寸法を減らす一方、性能と分析能力を改良す
ることができる。
【0031】 発明の好適な実施例を図1に示す。3つの独立した4極イオン案内の直線組立
体8は、4つの真空ポンピング工程ハイブリッドAPI源多重4極TOF質量分
析計内に構成される。図1と2を参照して、多重4極イオン案内組立体8は、共
通の軸5沿いに延びる3つの独立した4極イオン案内組立体60,61および6
2を含む。代替的に、4極イオン案内組立体60,61および62は、6、8ま
たはもっと多数の棒や極で構成可能であるが、多極イオン案内を使用して得られ
る、イオン質量対電荷の選択分解能は、極数が増大するにつれて減少する。より
高いイオン質量対電荷選択分解能は、6極(6本のポール)、8極(8本のポール
)または8本より多数の極または奇数本数の極を有するイオン案内とくらべると
、4極(4本のポール)で得られる。結果として、4極は、一般に、質量分析計ま
たは質量フィルタとして使用されている。より広い範囲のm/z安定性ウインド
ウとより大きな有効入口受け入れ面積とを有する6極と8極は、4極にくらべると
き、高低圧力の真空領域内でイオンのトラップとともに、かつなしにRF専用モ
ードで作動する衝突室またはイオン移動多極イオン案内として使用される。所与
の好適実施例で示される多極イオン案内は、4極として説明される。しかし、発
明によって構成されかつ作動するいくつかの実施例に対して、4本より多数の極
とともに構成される多極イオン案内は、記述される実施例に構成される4極イオ
ン案内に対して容易に置換可能である。
【0032】 4極イオン案内組立体60は、4本の平行電極と、共通中心線5の周りに均等
な間隔の極または棒とを含む。各極は二つの区分を含む。区分1の各電極はスキ
マー26の角度に適合すべく輪郭形成されるテーパ入口を有する。電力供給モジ
ュール63は、RF,ACおよびDC電位を区分化4極60の両区分の極へ付加
する。4極組立体60,61および62は、各独立した4極組立体の間の連結点7
と10が高圧真空工程72内に位置する共通軸5沿いに構成される。真空工程7
1,72,73および74は、典型的に、0.5〜3トール、0.1〜10ミリ
トール、1〜8×10-5トールおよび1〜5×10-7トールの圧力にそれぞれ維
持される。イオンは、それらが真空工程72内で4極60,61および62によ
って定義される容積を横断するとき、何回か、中性背景ガス分子との衝突を経験
する。図1に示される実施例では、静電レンズは独立した4極組立体60,61
および62の間の連結点7と10に構成されない。縁取り電界効果を避けるため
に、かつ4極組立体の間のイオン伝播を最大にするために、4極イオン案内組立体
60,61および62は、軸方向に整列した各隣接の極とともに同じ半径断面形
状で構成される。さらに、電力供給モジュール63,64および65内に構成さ
れる独立したRF発電機は、同じRF周波数と位相とを軸方向に整列した隣接の
4極電極へ付加するように構成および調整される。隣接の4極棒の間の位相ずれは
、縁取り電界効果を避けるために、0.05サイクル以下にすべきである。図2
に示される実施例で、一次RF周波数は、4極60への共鳴周波数作動点と、電
力供給モジュール63内のRF電力供給とによって確定する。一次RF周波数は
、コントローラ80内へフィードバックされ、かつそれぞれ4極組立体61と6
2へ電位を付加する供給モジュール64と65へ参照発振機周波数として分配さ
れる。調節式のRF位相ずらし器89と90は、それぞれ、軸方向整列したイオ
ン案内極が同じRF周波数と作用する位相とを有するように、電力供給モジュー
ル64と65からのRF出力の位相を調節する。4極組立体60,61を駆動す
るのに必要なRF電力を減らすために、可変容量負荷92と93は、4極組立体
61と62に対してそれぞれ所望のRF周波数を共鳴誘導および容量負荷と適応
させるように調節される。同じ極性DCは電力供給モジュール63,64および
65によって軸方向に整列した棒へ供給されて、縁取り電界効果を最小にする。
電力供給モジュール63と65は,共鳴波形またはセキュラ周波数AC(図2に
SFとして示す)を4極組立体60と62へそれぞれ供給する。電力供給モジュ
ール63,64および65はまた、共通のオフセットDCを4極60,61およ
び62の棒へそれぞれ供給する。+/−DC,SFとオフセットDC電位は、多
重供給部からの回路をスイッチで切り替えることによって4極棒へ迅速に付加さ
れ、または電圧がディジタルからアナログへの(DAC)入力制御によって変化
する。電力供給モジュール60が供給するオフセットDCは、何かの分析機能に
対して迅速に変化する必要がある。これは、多重プレセットの+/−DC電力供
給部の間のスイッチ操作によって達成されて、DC電力供給部へのDAC入力変
化の定着時間を回避する。作用する+/−DCで作動するとき、DCオフセット
電位は、対称的な+と−DC振幅を付加することによって得られる。多重DC電
力供給部出力は、以下に述べられる分析機能を得るために、+/−DC電力供給
部モジュール66と67を通してそれぞれレンズ83,26,33,34,41
および42へ迅速に切り替えられる。
【0033】 個々の4極イオン案内組立体60と62は、独立して、質量対電荷選択とイオ
ン破砕モードで作動して、タイムオブフライト質量分析とともにMS/MSn
能を得る。区分化イオン案内60は、同じRF電圧供給63がRF電圧を区分1
と2へ接続部68と69を通してそれぞれ付加するように構成される。区分1と
2の間の連結点6は、隣接する軸方向整列の極の間にある程度の容量結合を許容
すべく構成される。区分1へのRF電位はこの容量結合を通して供給されるか、
または電力供給部モジュール63から直接供給される。区分化イオン案内60の
区分1と2へ作用する、異なるDCオフセット電位は、区分化多極イオン案内6
0を通るイオン運動を方向付けるか、または区分1または2または両方の内部で
イオンをトラップする。4極組立体60の区分1は典型的にRF専用モードで作
動して、4極60の区分2が質量対電荷選択またはイオン破砕モードで作動する
とき、イオンの入る区分2に対して縁取り電界効果を最小にする。それぞれ4極
組立体60と61および61と62の間の連結点7と10が発明によって構成さ
れて、容量結合または独立して作動する4極組立体60と61に作用する共鳴周
波数波形を最小化する。作用する共鳴波形への建設的または破壊的な干渉は、イ
オン質量対電荷の選択と破砕作業中、4極組立体60と62の間の容量結合を最
小化することによって回避される。独立的なRFとDC電力供給部64とともに
4極組立体61は、4極組立体60と62の間の容量結合を防止するか、または最
小にする一方、多重4極組立体軸5沿いにイオン移動効率を最小にする。代替的
に図5に示されるように、4極組立体61は、4極組立体60と62を電気絶縁す
べく作用するDCとともに中心線5上に心出しされる開口を含む単一平坦電極と
して構成される。図1に示されるような好適な実施例は、軸方向に整列した極と
ともに4極組立体60と62と同じ半径断面を有する4極組立体61の構成を含む
【0034】 理想的な4極イオン案内において、極の形状は双曲線であるが、一般には製造
の容易さのために丸棒が使用される。丸棒104,105,106および107
とともに4極の断面が図13に示される。同じRF,SFおよびDC電位が、反
対極セット(104,106および105,107)へほとんどの4極作動モー
ドのために作用する。隣接する極は同じ一次RF周波数と振幅を有するが、18
0°の異なる位相差を有する。オフセットまたは共通のDC電位がマイナスされ
るとき、一般に、隣接する極の振幅は同じであるが、作用する極性DC電位は反
対である。一次RF電位に加えて、多重共鳴周波数AC波形電圧が4極棒へ付加
されて、イオン質量対電荷の選択とイオン破砕機能を得る。共通のDCオフセッ
トもすべての棒104,105,106および107へ作用する。一次RF、反
対の+/−DC、共通のDCおよび共鳴周波数AC電位は、同時に、または個別
に区分化される4極イオン案内の極へ付加されて、分析機能の範囲を得る。区分
化イオン案内組立体において、各棒または極の各区分は電気的に絶縁されて、異
なる振幅RF、SFおよび区分化イオン案内組立体の各区分へ作用する +/−
DCを可能にする。図1において、連結点6,7および10は電気的絶縁を与え
るべく構成される一方、棒によって境界付けられる領域の内部で電界をゆがめる
何らかの空間電荷オフセットを最小にする。4極組立体60と61および61と
62の間で連結点6,7および10もそれぞれRF電界ひずみを最小にすべく構
成されて、多重イオン案内組立体8内で個々の4極イオン案内60,61および
62の間の安定的なイオン伝播効率を最大にする。
【0035】 図1に示される実施例で、区分化4極組立体60、4極組立体61および多重真
空工程4極組立体62の入口端は、作動背景圧力が1×10-4トールより大きい
第二真空ポンピング工程72内に位置する。典型的に、1〜10ミリトール範囲
内に維持される1×10-4トールより大きい背景圧力で多重4極組立体長さを横
断するイオンは、中性背景ガスとの衝突に遭遇する。多重4極イオン案内組立体
8の一つ以上の4極組立体は、質量対電荷の選択モードで作動する。質量対電荷
の選択は、RFとDC電位の組み合わせを付加することによって得られ、希望し
ないイオンm/z値を阻止すべく個々の共鳴周波数を十分な振幅で付加する。真
空工程72の高圧領域内に位置する多重4極案内組立体8のそれらの部分はまた
、イオン移動、イオントラップおよび衝突誘導分離破砕モードならびにm/z選
択モードにおいて、またはこれら個々の作動モードの何かの組み合わせで作動す
べく構成される。APIMSシステム内の高い背景圧力において、多極イオン案
内部分を作動させることは、米国特許第5,652,427と4,963,73
6に説明されるように、イオン伝播効率を改善する。質量対電荷フィルタまたは
質量対電荷選択作動モードにおいて、イオンが単一通過または多重通過イオント
ラップモードで多極イオン案内長さを横断するにつれて、イオンは、ゆっくりと
、選択されるイオンm/z軌道の下方で半径および軸方向に背景ガスと衝突する
。多極イオン案内内で増大した時間を費やすイオンは、増大した数のRFサイク
ルにさらされる。この方法で、ゆっくりした背景圧力衝突のない単一通過の無ト
ラップモードでの、多数の慣例的な作動方法とともに4極質量分析計を使用して
得られるよりも高いm/z選択分解能が、より短い多極イオン案内長さに対して
得られる。高圧背景ガス内の質量選択モードにおいて多極イオン案内を作動させ
ることは、真空ポンピング速さ要件の減少とともにより小型の質量分析計装置の
構成を可能にする。小型の多極イオン案内構成はRF電力供給装置のコストを低
減し、かつより高い圧力作動は真空装置のコストを減らす。区分化多極イオン案
内とともに構成される装置は、より高い背景圧力でイオン質量対電荷選択とイオ
ン破砕機能を実施する一方、発生するイオン集団を低真空圧力領域内へ高いイオ
ン伝播効率で供給可能にする。
【0036】 図1に示す電気スプレープローブ15は、25nl/min以下から1ml/
min以上にわたる、プローブ先端16への溶液流量に適応すべく構成される。
代替的に、図1に示すAPIMS実施例は、大気圧化学イオン化(APCI)源
、誘導結合プラズマ(ICP)源、グロー放電(GD)源、大気圧(MALDI
)源または他の大気圧イオン源形式とともに構成される。API源は、米国特許
出願08/( )に説明されるように、一つの源内で多重プローブまたは異
なるプローブの組み合わせとともに構成される。化学イオン化(CI)、電子イ
オン化(EI)、高速原子衝撃(FAB)、流動化FAB、レーザ脱離(LD)
、マトリックス関連レーザ脱離イオン化(MALDI)、熱スプレー(TS)お
よび粒子ビーム(PB)を含むが、それらに制限されない真空または部分真空で
作動するイオン源も、図1に示すハイブリッド質量分析計装置とともに構成され
る。試料保持液は各種の液体供給装置を使用してESプローブ15内へ導入され
る。液体供給装置は、自動噴射器を付きの、またはそれなしの液体ポンプ、液体
クロマトグラフィーまたは毛細管電気泳動のような分離装置、注射器ポンプ、圧
力容器、重力供給容器または溶液タンクを含むが、それらに制限されない。ES源
12は、円筒電極17、端板電極18および毛細管入口電極19へ電位を付加す
ることによって作動する。反対流乾燥ガス21は、ヒータ20を通り、端板突起
片24の穴22を通って、かつES源チャンバ内へ流れるように方向付けられる。
誘電体毛細管23を通る穴またはチャンネル57は、入口穴13と出口穴14と
を含む。誘電体毛細管23を通って真空内へ泳動するイオンの電位は、米国特許
第4,542,293に説明されるように、接地に相対的に電位をそこで変化さ
せる。イオンは、それぞれ、出入り口電極電位にほぼ相当する位置エネルギで誘
電体毛細管を出入りする。誘電体毛細管23の使用は、作業中、異なる電位を毛
細管の出入り口端に付加可能にする。これは、真空領域からAPI源を物理的に
も静電的にも効果的に切り離して、両領域の独立的な最良化調整を可能にする。
正イオンをつくるために、負のキロボルト電位が、円筒電極17、付着した電極
突起片24とともに端板電極18および毛細管入口電極19へ作用する。ESプ
ローブ15は、作業中、接地電位にとどまる。負イオンをつくるために、電極1
7、18および19は、接地電位にとどまるESプローブ15とともに逆にされ
る。代替的に、ノズルまたは伝導性(金属)毛細管が穴として真空内へ使用され
ると、キロボルト電位が作業中、円筒電極17、端板電極18および電極19へ
作用する低電位とともに、ESプローブ15へ作用する。伝導性の穴または毛細
管によって、入り口と出口の電位は等しいから、API源電位は真空領域電位か
らもはや切り離されない。熱せられる毛細管は、反対流乾燥ガスとともに、また
はそれなしに使用される真空内への穴として構成される。毛細管出口ヒータ25
は誘電体毛細管23とともに構成されて、毛細管23の出口を独立的に加熱する
【0037】 ES源12内への要素に作用する適当な電位とともに、電気スプレーで帯電し
た小滴は、ESプローブ先端16へ供給される溶液からつくられる。ESプロー
ブ先端16を出る溶液からの電気スプレー帯電小滴は、ESプローブ15および
ESチャンバ電極17,18および19へ作用する相対電位によって形成される
電界によって反対流乾燥ガス21に対して追いやられる。噴霧ガス48は試料導
入の第一薄層管を包囲する第二薄層管を通して付加されて、帯電液小滴の形成に
おける電気スプレー工程を助ける。小滴の蒸発につれて、イオンが形成され、か
つこれらのイオン部分は毛細管穴57を通って真空内へ泳動する。真空隔壁53
は誘電体毛細管23とともに真空シールを含む。熱せらた毛細管がヒータ25と
ともに真空内への穴として反対流乾燥ガスとともに、またはそれなしに構成され
ると、帯電小滴の蒸発とイオンの生成は、帯電小滴が第一真空ポンピング工程7
1へ向けて毛細管23の長さを横断するにつれて、毛細管穴57内で起きる。中
立背景ガスは、それが毛細管出口穴14から真空内へ膨張し、かつ膨張中、多重
衝突を通してイオンを泳動させるとき、超音速噴射を形成する。、第一真空工程
71ヘ入るイオン部分は、穴27を通して、かつ第ニ真空工程72内へ向けられ
る。
【0038】 図1に示すハイブリッド4極TOF質量分析計は四つの真空ポンピング工程と
ともに構成されて、作業中、関係のあるイオンがAPI源から各真空工程を通っ
て横断するとき、背景中性ガスを取り去る。API/MS装置のコストと寸法は
、それが多重真空ポンピング工程とともに構成されると、減少し、かつ各工程に
必要なポンピング速さは最小になる。典型的に、3ないし4の、かつ場合によっ
ては4以上の真空ポンピング工程が、API/MS装置で使用される。中間工程
ターボ分子真空ポンプの発達とともに、3工程(および4工程でも)真空装置は
、各工程で充分な背景圧力を得るために、一つのロータリーと、一つか二つのタ
ーボ分子ポンプとを必要とするだけである。ACまたはRF専用モードで作動す
る多極イオン案内はAPI/MS装置内に構成されて、イオンを第二および/ま
たは第三真空ポンピング工程72と73を通してそれぞれ運搬する。図1に示す
四つの真空ポンピング工程実施例において、ロータリー真空ポンプはポンピング
ポート28を通して第一真空工程71を排気すべく使用され、かつ背景圧力は第
一真空工程71内に維持され、典型的に、0.2と3トールの間に維持される。
スキマー26は真空隔壁52の部分を形成して、第一と第二真空ポンピング工程
71と72を分割する。第二真空工程72内の背景圧力は、典型的に、真空ポン
ピングポート29を通して第二真空工程72内で使用されるスキマー穴27の寸
法とポンピング速度とに依存して10-4から2×10-1トールまでの範囲内にあ
.る。
【0039】 スキマー穴27を通して第二真空工程72に入るイオンは、区分化4極イオン
案内組立体60に入り、ここで4極棒に作用する電界によって半径方向にトラッ
プされる。区分化4極組立体60の区分1の入口領域9内の、局部的に高い圧力
は、それらが4極RF縁取り電界を通過するとき、イオン軌道を減衰する。この
局部的に高い圧力領域9内のイオン軌道を減衰する衝突は、4極組立体60に入
るイオンへ高いトラップ効率をもたらす。作動安定性ウインドウの内部にくるイ
オンm/z値は、4極組立体60の棒によって記述される内部容積の内部で半径
方向に閉じ込められたままである。4極区分1の棒に作用する電位が定義する安
定性ウインドウの内部にくるイオンの軌道は中心線5へ向けて減衰する一方、区
分1の長さを横断する。区分1内の軌道へ減衰されるイオン軌道は、適当な相対
的バイアス電圧を区分1と2の間に付加するとき、4極組立体60の区分2へ効
果的に移動する。多数の用途に対して、4極組立体60の区分1はRF専用モー
ドで作動する。同様に、適当な相対的なバイアスまたはオフセット電位が4極組
立体60の区分2の棒と、4極61と62の棒3と4との間にそれぞれ作用する
とき、4極60の区分2を横断するイオンは4極組立体62内へ4極61を通過す
ることができる。イオンは第三真空ポンピング工程内へ通る一方、4極組立体6
2の長さを横断する。4極組立体62の各棒4は真空隔壁32を通過するが、そ
れから電気的に絶縁される。第三真空工程73は真空ポンピングポート30を通
して排気される。イオンは、出口端11で多重4極組立体8を出て、タイムオブ
フライト質量分析計40の直交パルス化領域37内へ、静電レンズ33,34お
よび35を通過する。レンズ33は、第三と第四真空ポンピング工程73と74
の間で真空隔壁36の一部分として構成される。
【0040】 タイムオブフライト質量分析計40は第四真空工程74で構成され、かつこの
真空工程はポンピングポート31を通して排気される。第四真空工程74は、典
型的に、低い10-6ないし低い10-7トールの真空圧力領域内に維持される。T
OFパルス化領域37は静電レンズ41と42によって境界付けられる。多重4
極組立体8から出るイオンは、TOFパルス化領域37内へ運動する。パルス化
領域37を横断するイオンはTOF浮遊領域58内へパルス化されるか、または
パルス化領域37を通してレンズ54内の穴55を通過し続ける。レンズ54、
電子増倍検出器38、変換ダイノード39およびファラディーカップ56へ適当
な電圧を付加することによって、穴55を通過するイオンは変換ダイノード39
に衝突するように向かうか、またはファラディーカップ56上に集合する。イオ
ン衝撃後、変換ダイノード39から解放される二次電子または光子は電子増倍検
出器38によって検出される。図1に示すハイブリッド質量分析計実施例で、T
OFパルス化領域37に入るイオンは、TOF質量分析され、電子増倍検出器3
8によって検出されるか、またはファラディーカップ56で検出される。イオン
は、レンズ41、42および43がほぼ同じ電位に設定されるとき、TOFパル
ス化領域37に入る。図1に示すTOF構成において、TOF浮遊領域58は、
適当な電圧をレンズ60へ付加するとき、キロボルト電位に維持される。TOF
作動中、負電圧が正極性イオンに対してレンズ60へ付加され、かつ正電圧が負
極性イオンに対してレンズ60へ作用する。キロボルト電位に維持されるTOF
浮遊領域58によって、接地周辺の電圧値は、パルスがパルス化領域37へ入る
とき、パルス化レンズ41、42および43へ作用する。正イオンは、パルス化
レンズ41の電位を一定の正電圧へ上げ、42をその正電圧のほぼ半分に上げ、
かつ接地電位をレンズ43へ付加することによって、TOF浮遊領域58内へ加
速またはパルス化される。正イオンはパルス化領域37から外へ、かつTOF浮
遊領域58の入口領域49内へ加速される。浮遊領域58を横断するイオンの速
度は、イオンが入口点51でイオン反射体50に入るまで、一定のままである。
イオン反射体50に入るイオンは、最初減速してから再加速され、点45で始ま
り、点45で反射体50を出る。逆方向にTOF浮遊領域を横断するイオンは、
点46から、それらを検出する検出器47の表面上へ加速される。負イオンはパ
ルス化領域37からパルス化され、かつ似た方法で電圧極性を逆にすることによ
って検出器47の表面ヘ向く。検出されているイオンの最高m/z値の飛行時間
によって制限されて、イオンは、典型的に、20,000回/秒までのパルス化
速度で、パルス化領域37からパルス化される。TOFパルス当たりの、発生す
る個々の質量スペクトルは、コンピュータ内のディスクへ保存される合計質量ス
ペクトルをつくるべく合算される。100回/秒以上の合計スペクトルをディス
クへ保存可能なTOF質量分析計が開発されている。検出器47が発生する信号
は、アナログ・ディジタル(A/D)変換器または時間・ディジタル変換器(T
DC)を使用してデータ取得システムで記録される。タイムオブフライト質量分
析計40は、パルス化領域37を横断するイオンの全m/z値の充分な質量スペ
クトルを検出する能力を有する。浮遊領域58内へイオンの直交パルスで始まる
TOF質量分析工程は、パルス化領域37に入る発生イオン集団に先行して多重
4極組立体8内で起きる、何らかのトラップ、非トラップ、質量選択またはイオ
ン破砕工程から切り離される。TOF質量分析計40は、多重4極組立体8内で
行われる、イオン質量対電荷選択またはイオン破砕工程から独立的な、迅速なス
ペクトル取得速度とともに、最大の分解能と感度で充分な質量スペクトルを取得
できる。
【0041】 パルス化領域37に供給されるイオン集団を最小のエネルギ軸方向成分で合焦
すると、分析機能の範囲が、パルス化領域37の上流にTOF質量分析計40の
最良の調整を変更せずに得られる。図1に示すハイブリッド質量分析計の実施例
は、多数の異なるイオン質量対電荷選択とイオン破砕技術を使用して、各種のM
SとMS/MSn実験を実施可能なように構成される。m/z選択と、イオン破
砕と、質量分析と、のいくつかの組み合わせは、図1に示す実施例を使用して連
続または同時に行うことができる。少なくとも五つの、以下の個々の技術が、衝
突で誘導される分離イオン破砕を行うべく使用される。
【0042】 1. スキマー領域へ毛細管内の高圧ガスによるDCイオン加速。 2. イオントラップとともに、またはなしに4極イオン案内60または62内
で単一または多重イオン共鳴周波数励起破砕。 3. イオントラップとともに、またはなしに一つの4極からもう一つへ、また
は一つの4極区分からもう一つへ多重4極組立体8内で軸方向にDCイオン加速。 4. 出口レンズ33と34へ作用する電位をスイッチ切り換えすることによ
って、多重4極組立体8内へ高エネルギの逆DCイオン加速、または 5. CID破砕が起きるまで、イオントラップ中、4極案内60または62の
過充填。
【0043】 これらのイオンCID破砕技術のそれぞれは、個別に、または組み合わせて、
多重4極組立体8内で使用される。
【0044】 少なくとも四つの、個々の単一または多重の、イオン質量対電荷値の選択技術
が、以下の四つを含む、多重4極組立体8とともに使用される。
【0045】 1. 与えられる4極組立体または区分化4極組立体の区分内でトラップととも
に、または なしに、希望されない質量対電荷値の共鳴周波数を阻止すること。 2. 4極組立体または区分化4極組立体の区分の棒へ、ACと+/−DC電位
を付加して、トラップとともに、またはなしにイオン質量対電荷選択を得ること
。 3. RF振幅または周波数を走査して、トラップとともに、またはなしに4
極組立体または区分化4極組立体の区分から、希望されない、イオン質量対電荷
値を除去すること。 4. 米国特許第5,689,111に記述されるように、TOFパルス化領
域37内へのトラップされるイオンの解放を制御すること。
【0046】 上に示した質量対電荷選択記述は、それぞれ個々に、または組み合わせて、図
1に示すハイブリッド4極TOF内で使用される。m/z選択と破砕技術の組み合
わせは、与えられる分析用途に対して性能を最良にすべく作動可能である。最良
のMSまたはMS/MSnを得るために組み合わせ技術のいくつかの例を以下に
与える。
【0047】 質量対電荷選択またはイオン破砕は、イオントラップとともに、4極イオン案
内において実施される。イオントラップとともに質量対電荷選択は、一次イオン
ビーム内のイオンが、イオン質量対電荷選択またはイオンCID破砕が行われる
4極に入ることを阻止しつつ、または阻止せずに行われる。電気スプレー源12
は連続イオンビームを真空内へ供給する。多重4極組立体8内のイオンのトラッ
プと解放によって、ES源12からの連続イオンビームは、米国特許第5,68
9,111に記述されるように、TOFパルス化領域37内へ、非常に高い使用
率とともにパルス化イオンビームに効果的に変換される。多重4極組立体8は、
個々の4極または区分化4極の区分が、トラップまたは非トラップモードで選択的
に作動する非トラップまたはトラップモードで作動可能である。区分化イオン案
内作動モードの特別な例を、イオントラップとともに、およびなしに、MS,M
S/MSとMS/MSn分析機能を得る手段として以下に説明する。最も簡単な
場合、多重4極組立体8は、同じACとDC電位を4極組立体60、61および6
2の全区分へ付加することによって区分化イオン案内として効果的に作動可能で
ある。単一4極MSとMS/MSnTOF作動シーケンスは米国特許出願08/6
94,542に記述され、かつここで参照文献によって包含される。イオン質量
対電荷選択とイオン破砕モードで作動する多重4極を使用する分析シーケンスを
、以下に説明する。
【0048】 イオン破砕とともに、かつなしにMS実験が多数の分析変種とともに行われる
。イオン質量対電荷の特別な範囲が関係するとき、多重4極イオン案内組立体8
内の、一つ以上の4極イオン案内がm/z選択モードで作動できる。4極組立体6
0または62を使用する質量対電荷選択の作動は、イオントラップまたは単一通
過非トラップモードで行われる。TOFパルス化領域37に入るイオンのm/z
電荷範囲を狭くすることは、使用率とTOF装置の性能を改善する。パルス的に
、TOF浮遊領域58内への質量対電荷値イオンの範囲を減らすことは、非トラ
ップイオン案内作業でのTOFパルス速度と使用率とを増大させる。広範囲のイ
オンm/z値がTOF浮遊領域58内へパルス化されるとき、パルス速度は最も
重いイオンm/zの飛行時間によって制限される。次のTOFパルスが発生して
から、先行パルスからの全イオンが検出器17に衝突するとき、先行パルスから
のイオンは、後続パルスの取得中に到達して、取得される質量スペクトル内に信
号ノズルをもたらす。TOF浮遊領域58に入るイオンm/zの範囲を制限する
ことは、最大TOF速度の設定を可能にする一方、隣接パルスからの化学的ノイ
ズ寄与を除去する。希望されないイオンm/z値がTOF浮遊領域58に入るの
を阻止することは、関係あるそれらイオンm/z値へのより効果的な検出器応答
を可能にする。イオンが多チャンネル板(MCP)のチャンネルを衝撃するとき
、そのチャンネルは、電荷減少を取り返すために一定の回復時間を必要とする。
電荷減少取り返し時間は1ミリ秒程度であり、その間にこのチャンネル上に衝突
するイオンは検出されないか、または二次電子収量が減少する。例えば、低いm
/z値を有する強い溶剤ピーク信号からのイオンの到達は、特別な分析実験に無
関係であるが、同じパルス内で高いm/z値の到達に先行するTOF各パルス内
で重要な数の検出器チャンネルを弱める。検出器上に溶剤ピークm/zイオンの
衝突は後続の到達イオンからの信号を不完全にする。与えられる用途に対して分
析に関係のあるそれらのm/z値にのみ飛行管浮遊領域56内へパルス化される
イオン集団を制限すべくTOFパルス化に先行して多極イオン案内からの、希望
されないm/z値イオンを半径方向に放射することは、TOF感度、検出器応答
での整合性の改善に役立ち、かつ検出器の寿命を向上させる。
【0049】 非トラップまたはトラップの質量対電荷選択は、4極組立体60と62内で行
われる。TOFパルス化領域37に入るイオンのm/zを300から500m/
zまでの範囲に制限することが望ましい例を考慮する。これは、以下の例に記述
される多数の方法によって得られる。 1. 区分化4極組立体60は、適当なRFと+/−DCを区分2の極へ付加
することによって300m/zの低い質量カットオフとともに作動する。4極組
立体61は非トラップRF専用モードで作動し、かつ4極組立体62は500m
/zの高い質量カットオフとともにトラップモードで作動する。4極組立体62
内での、高い質量対電荷のカットオフ作動は、多極共鳴周波数イオン放射ととも
に4極棒4へ付加することによって得られる一方、適当なRFと+/−DC振幅
を付加することによってm/z値のためのm/z安定性ウインドウを500m/
z以下に保持する。イオンはトラップされる4極組立体62であり、かつ出口端
11から外へイオンをゲート制御することによってTOFパルス化領域37内へ
解放される。レンズ33に作用する電位は4極組立体62内のイオンをトラップ
すべき電位に切り替えられ、かつイオンを解放すべき低い電位に切り替えられる
。代替的に、レンズ33と34の両方に個々の高低電位の切り替えによる、また
は4極組立体62オフセット電圧値の切り替えによる組み合わせが、それぞれ4極
組立体62からのイオンをトラップし、かつ解放するために使用される。このよ
うなイオントラップと解放の技術は、米国特許第5,689,111に記述され
る。4極組立体62内にトラップされるイオンは、適当な相対的オフセット電位
を4極組立体61の極3と4極組立体60の区分2の極へ付加することによって4
極組立体60内に戻ることを阻止される。この方法で、500以上と300以下
の、質量対電荷値を有する多極4極イオン案内組立体60を通過するイオンは、
TOFパルス化領域37に入る前に阻止される。 2. 区分化4極組立体60の区分1は、非トラップRF専用モードで作動して
、区分2内へのイオン伝播を最大にする。RFと+/−DC振幅値は、質量対電
荷値を300と500の間の範囲内のイオンを通すべく区分2の極へ作用する。
4極イオン案内組立体62はRF専用のトラップおよび解放モードで作動し、こ
こで、イオンゲート解放とTOFパルス遅延のタイミングは、10,000Hz
の速度でパルス作動するTOF浮遊領域58内へ300から500までの範囲の
パルスm/z値に設定される。4極組立体60の区分1と2の棒、4極組立体61
の棒3および4極組立体62の棒4上に作用する個々のDCオフセット電位は、
多重多極組立体8の入口領域9から4極組立体62へのイオンの伝播を許容すべ
く設定される。各区分と4極連結点を横断するDCオフセット電位差は、イオン
が一つの区分または4極から後続区分または4極組立体内へ加速されるとき、DC
加速CID破砕を回避するため充分低く設定される。 3. 区分化4極組立体60の区分1は、非トラップRF専用モードで作動して
、区分2内へのイオン伝播を最大にする。共鳴励起周波数範囲は区分2の棒に作
用するRF電位へ付加されて、m/z500以上とm/z300以下のイオンを
阻止する。区分4は10,000Hzの速度でパルス作動する専用のトラップと
解放モードで作動する。各区分または4極連結点を横断するDCオフセット電位
差は、イオンのDC加速CID破砕を生じることなく、多重4極組立体8を通し
て前進方向にイオンを動かすべく設定される。
【0050】 多重4極8の作動の他の組み合わせは、TOF浮遊領域58内へ供給される選
択された質量対電荷値を得るべく実施される。分析の目的に基づいて、各多重イ
オン案内区分でのm/z選択または破砕の選択は、とくに、伝播効率に関して性
能を最大にすべく行われるべきである。4極内で質量選択を得るべくRFと+/
−DCの付加は有効な入口イオン受け入れ開口を減らして、関係のあるイオン質
量対電荷値へのイオン伝播効率を大きく減少させる。質量対電荷選択が希望され
ないイオンの共鳴周波数励起放射とともに得られるとき、4極は、有効な入口イ
オン受け入れ面積または開口が減らないように本質的にRF専用で作動する。希
望されないイオンの共鳴周波数励起放射とともに質量対電荷選択もまた、選択さ
れるイオンm/z値の間にくるイオンm/z値を放射する分離多重イオンm/z
値の選択を許容する。もしも狭いイオンm/z値、例えば、上に与えられる20
0m/zの範囲よりむしろ、MS/MS実験に対して1質量対電荷単位幅が希望
されるなら、最高の伝播効率を与えるm/z選択技術が選択される。より高い分
解能m/zを選択すべく、共鳴周波数励起放射、またはトラップとともにRFと
DCm/z選択技術の組み合わせが、一様に、または組み合わせて、個々の4極
組立体60,61および62または4極組立体60の単一または多重区分に作用
する。イオン質量対電荷選択中のイオントラップは、与えられる区分または4極
内のイオン集団に、より多数のRFサイクルを与えて、隣接する区分へ解放し、
質量対電荷選択の分解能を効果的に増大させる。第二真空工程内で背景中性ガス
圧力とのイオン衝突は、イオン案内安定性ウインドウ内にくるそれらのイオンに
対して多重4極8内で安定的なイオン軌道の維持に役立つ。与えられる区分また
は4極組立体内のイオントラップは、イオンの存在内で4極容積から中性ガス衝突
へ放射されるべく、極または各区分または4極組立体に作用する電圧によって確
定される、安定性ウインドウの外側にくるイオンへの時間を与える。4極組立体
62の出口端は中性衝突へのイオンが最小化するか、または除去される低圧領域
内にある。4極組立体62の、この低圧部分内での衝突減衰効果の不足によって
、安定性領域にこないイオンm/z値は、イオン案内容積からより迅速に放射さ
れる。
【0051】 異なるRF周波数は多重4極イオン案内8の各区分または4極組立体の棒に作用
するが、同じRF周波数と位相を4極組立体60,61および62へ付加するこ
とは、区分または4極組立体の間でイオンの横断が経験する縁取り電界効果を最
小にし、かつ一つの区分または4極から次のそれへのイオン移動効率を最大にす
る。しかし、区分RF振幅は、各区分または4極組立体に対して異なる値に設定
されて、一つの4極組立体から次のそれへ異なる分析機能を行う。各4極組立体6
0,61および62の少なくとも一部分は、各4極組立体が、個々に、または連
結して、質量対電荷および/またはCIDよりイオン破砕を行えるように、高い
背景真空圧力の領域内に位置する。電子的コストは、多重4極組立体8内の各4極
組立体に作用するRF電位が単一のRF電力供給部から供給されるとき、減少す
る。しかし、単一RF電力供給部は、図1に示すハイブリッドTOFへの分析能
力の範囲を減少する。装置コストと装置性能の間の妥協条件は、個々の分析用途
の要求に基づいて決定される。大抵の分析能力を有する装置では、多重4極組立
体8の各4極組立体60,61および62の極のセットは、個々の、かつ独立し
て制御される+/−DC,RFおよびセキュラまたは共鳴周波数供給部へ図2に
示すように接続される。分析機能の範囲は、RF周波数、振幅、オフセットDC
振幅、+/−DC振幅および共鳴周波数振幅と周波数スペクトルを独立的に制御
することによって得られる。図2の電力供給ユニット63,64および65にお
いて独立波形発電機から供給される共鳴波形の振幅と周波数成分は、4極60,
61および62の極へ、簡単または複雑なAC波形を付加すべく使用される。セ
キュラ周波数波形の付加セットは、同時または連続的な、質量対電荷選択の範囲
および/またはCID破砕分析機能を得るべく作用する。最小的には、各4極イ
オン案内組立体の各区分は、DCオフセット値を、分析シーケンス中、各4極組
立体の与えられる区分に対して迅速に切り換える、独立的なDCオフセット電力
供給部を有する。
【0052】 検出器55とともに変換ダイノード39は、パルス化領域37を横断する、か
つTOF浮遊領域58内へパルス化されないイオンを検出すべく構成される。多
重4極組立体8の4極組立体60または4極組立体62の区分2は、検出器38が
検出するイオンとともに、非トラップの、質量対電荷選択走査モードで作動する
。代替的に、イオンは、質量対電荷が4極62を走査する間に、4極組立体60内
で共鳴周波数励起とともに破砕される。多重4極組立体8は、4極組立体60内で
イオン質量対電荷値を選択し、選択された質量対電荷を4極61内へDC加速し
、走査するCID破砕および質量対電荷をもたらすべく充分なエネルギで4極6
2をRF専用モードで作動させ、かつ破砕イオンピークを検出器38で検出する
ことによって三重4極モード的に作動可能である。区分を出るイオンは、TOF
パルス化領域37と、レンズ54の開口部55とを通って検出器38上で検出さ
れる。代替的にイオンは、ファラディーカップ56を使用して検出される。4極
組立体62を出てくるイオンから十分な質量スペクトルを発生すべくTOFの使
用は、多重4極イオン案内組立体8の4極62の、質量対電荷走査を利用する分析
技術とくらべて、より高い分析使用率を与える。
【0053】 多重4極組立体8内に構成される4極組立体60,61および62は、個々に、
または連結して、トラップと非トラップの両モードにおいて、DC加速破砕、共
鳴周波数励起CID、RFと+/−DCとともに破砕と質量対電荷選択および希
望されないイオンの共鳴周波数放射とともに作動する。最良の4極形状、分割、
ガス圧力と成分、RFと+/−DC振幅および付加セキュラ周波数およびRFと
+/−DCとSF電位付加のタイミングは、上述の各分析機能に対して同じでは
なく、かつ関係する質量対電荷値イオンとともに変化する。最良化を必要とする
個々の変数と作動条件は、以下のものに限定されない。 1. 4極の形状 移動すべきイオンへの共鳴周波数励起の質量対電荷選択において4極イオン容
積から放射される前に、棒間隔( r 0)に対して比較的小さい棒はより短い距離
を与える。より小さいr 0はまた、多重真空工程イオン案内によってより小さい
中性ガスコンダクタンスを許容する。逆に、棒間隔に対して比較的小さい棒は4
極トラップ容積を非常に減じて、トラップモードでの空間電荷効果をより迅速に
増大させる。非双曲線的な4極棒は、正弦波的電位を付加するとき、4極イオン案
内容積内で非4極または高次の(6極、8極等の電界成分)電界を創り出す。性能
を改善すべく、より高い多極電界の付加は三次元のイオントラップ構造と作動に
おいて広く実施されている。各4極区分または組立体長さは、単一通過モードで
イオンを曝露するRFサイクルの数に影響をおよぼす。 2. 中性ガス成分 DC加速CID破砕では比較的重い中性ガスが好まれて、与えられるイオン加
速エネルギへのイオン破砕効率を改善する。共鳴周波数励起CIDイオン破砕で
は比較的軽い中性ガスが好まれて、質量振動エネルギの中心と砕片イオン散乱か
らの電位損失を減少させる。発明は、部分的な変化イオン衝突ガスを許容すべく
図4に示すような第二真空工程での補充ガスの追加を含み、かつそれが分析の用
途で必要なら、反応ガスを導入する。 3. 中性ガス圧力 衝突またはより低い圧力の間の、より長い平均自由行路は、早過ぎる破砕なし
で希望されないm/z値イオンの放射に対して好都合である。より短い平均自由
行路は、DC加速破砕に対して好適である。 4. 可変周波数と振幅セキュラ周波数波形 セキュラ波形の周波数と振幅成分の最良化および上記波形を付加してイオン質
量対電荷絶縁と共鳴周波数励起CIDイオン破砕のための性能を最大にすべきタイ
ミングシーケンスは、分析の用途に大きく依存する。 5. RFと+/−DC振幅 与えられる4極の棒に作用するRFと+/−DC電位の振幅は、イオン質量対
電荷イオン絶縁または共鳴周波数CIDイオン破砕中、与えられる質量対電荷値
イオンの共鳴周波数を効果的に移動するように変化する。 6. 4極組立体の間で異なるDCオフセット 背景ガスを通してイオンのより長時間の加速は、ある種の用途での、簡単な、
迅速な加速と比較するとき、生じる散乱損失をより少なくする。多重区分はRF
電界の存在においてイオンの漸進的な加速を許容する。
【0054】 ここに記述される発明の代替実施例は、異なる分析用途に対して上に示される
変数を最良にするための異なる妥協を与える。
【0055】 より高い分解能の質量対電荷選択は一般に、上述のようなMS分析でMS/M
n機能を実施することが必要なとき、要求される。分解能は、安定的な軌道に
おいて通過可能であるか、または4極イオン案内から放射されるそれらのイオン
質量対電荷値と比較されて、4極イオン案内内にトラップされるイオン質量対電
荷値の機能である。典型的に、多重組立体8の4極60,61および62は、図
12に示すような第一安定領域102で安定な質量対電荷値とともにイオンを通
過させ、またはトラップすべく作動する。”4極質量スペクトル計とその応用”
(1976年、ニューヨーク、エルビア科学出版社)の第二章でDawsonが
説明するように、4極イオン案内でのイオン運動の方程式を解くと、第一安定領
域は、マシュ−・パラメータAuとQuの解によって決定される。 au= ax = -ay = 4zU/mw2r0 2 (1) qu= qx = -qy = 2zV/mw2r0 2 (2) Uは+/−DC振幅、mはイオン質量、zはイオン電荷、VはRF振幅、r0
は中心線から4極棒まで表面内側での距離、ω(=2πf)は作用するRF電界
の角周波数である。プロットされる運動方程式の解は、AuとQuの機能が図12
に与えられるとき、o-β線である。図12に示すように作動安定領域102の
内部にくる質量対電荷値を持つそれらのイオンだけが、4極イオン案内において
イオントラップまたはイオン伝播作動モード中、XとY(半径)方向に安定した
軌道を有する。低い真空圧力の4極イオン案内作動において、質量対電荷の選択
は、典型的に、安定領域102の頂上100の近くで作動することによって行わ
れ、ここでAu=0.23699、Qu=0.70600である。Dawsonが
示すように、安定図境界に接近する質量対電荷値を持つイオンは半径方向振動の
大きさを増大させて、棒との衝突によるイオンの損失をもたらす。安定領域10
2の頂上100の近くで4極イオン案内の作動は、+/−DCとRF質量対電荷
選択での分解能を増大させるが、選択される質量対電荷値のイオンの損失をもた
らす。個々のイオン質量対電荷への安定境界の正確な位置は、物理的、電気的お
よびイオン空間電荷要因によって修正される。非理想的な寸法や形状または電子
制御許容差、4極電界内のイオン位置および4極イオン案内内の空間電荷に起因
する4極イオン案内容積内部の電界内の不完全性は、与えられるイオンに対する
安定領域境界の正確な位置での不正確さの原因である。例えば、丸い形状の棒は
高次の電界を4極容積の内部に発生させて、安定領域102の境界をゆがませる
。ここで開示する発明において、質量対電荷の選択は、安定領域境界の近くで作
動するとき、セキュラ周波数振幅振動の増大を経験する質量対電荷値とともに、
イオンのCID破砕をもたらす背景ガスの存在において行われる。三次元イオン
トラップにおいて質量対電荷の選択または絶縁で知られるように、希望されない
CID破砕は共鳴周波数イオン放射でも発生する。いくつかの作動技術が、高分
解能の質量対電荷の選択を得るべく、選択されるイオンの最小損失とともに三次
元イオントラップRF専用作動において開発されている。4極イオン案内内で横
断したりトラップされたりする半径方向イオン運動の共鳴またはセキュラ周波数
S0は、β<0に対して以下の近似式で表現される。 s0= quw0/(8 (3) 与えられる質量対電荷値に対して正確なセキュラ周波数は、安定境界を生じる
同じ物理的、電気的およびイオン空間電荷要素によってもたらされる。
【0056】 背景ガスの存在において4極イオン質量対電荷の選択作業中、半径方向トラッ
プエネルギを充分深く維持して、イオンを効果的にトラップする一方、選択され
るイオンのセキュラ周波数振動振幅を最小にすることが好ましい。一つ以上の作
動技術がこれらの目的達成のため使用され、かつ好適な方法は行われる個々の質
量分析に依存する。多重の質量対電荷イオンを同時に選択することが望ましいと
き、Au=0またはRF専用ラインに沿って作業を行って、多重のノッチ共鳴周波
数波形を4極棒へ付加し、非選択イオンm/z値のセキュラまたは共鳴周波数励
起放射をもたらすことが好ましい。一つだけの質量対電荷値イオンを選択または
絶縁するとき、単一ノッチ共鳴周波数波形を付加するほかに、小さな振幅の+/
−DCを4極棒へ付加して、非選択イオンm/z値のセキュラ周波数励起イオン
放射をもたらすことが好ましい。+/−DC振幅を増すことは所望イオンへの半
径方向トラップエネルギウエル深さを減らすが、必要なセキュラ周波数の範囲を
減らすことによって、非選択の、より低くかつより高い質量対電荷値イオンを除
去するための有効な手段を与える。発明に基づく方法を用いて、単一の質量対電
荷値イオン選択とともにMS/MSMモードにおいて図1に示すようなハイブリッ
ドTOFの作動の一例を以下に説明する。
【0057】 図1に示すようなハイブリッドTOFで構成される多重4極組立体8は、4極
組立体60の区分1内へ供給される連続イオンビームとともにMS/MSMモー
ドにおいて作動する。イオン質量対電荷の選択は、反復的なイオントラップと解
放の作動中、RF電位の振幅を変化させる一方、+/−DCと単一ノッチ共鳴周
波数波形を付加することによって、4極組立体60の区分2内で行われる。選択
されるイオンのDC加速CID破砕は、4極組立体61を通して、かつ4極組立
体62内へ4極組立体60の区分2からのイオンの加速によって行われる。4極
組立体62は米国特許第5,689,111内に技術されるようなトラップと解
放モードで作動し、かつ破砕イオンの質量対電荷分析はTOF質量分析計40内
で行われる。図3は、MS/MS分析中に多重4極組立体8とTOFパルス化領
域37に作用する電位を示す。4極組立体60の区分1はRF専用モードで作動
する。図3を参照して、毛細管出口電極112とスキマー26に作用する、異な
るDC電位と、4極組立体60の区分1と2の極と4極組立体62の極4に作用
する、異なるDCオフセット電位は、MS/MS作業中に固定のままである。ス
キマー電位に対して毛細管は、スキマー領域への毛細管内でDC加速CID破砕
を生じることなく、目標イオン伝播効率を最大にすべく設定される。4極組立体
60の区分1と2に作用するDCオフセット電位は、イオンを区分1から区分2
へ、CID破砕なしに効果的に伝播すべく設定される。区分1と2内でのイオン
運動エネルギの衝突減衰によって、源(parent)イオンビームのエネルギは、区分
2のDCオフセット電位によって決定される。4極組立体60の区分1と2に作
用するRF電位の周波数と振幅は、安定図102の内部で、かつβy=0、βx=1
の安定領域境界から遠くへ選択されるイオン質量対電荷値ウエルに対して半径方
向イオントラップ作動を維持すべく設定される。DC電位合成曲線143は、イ
オン伝播モード中、4極組立体61,62に作用するDCオフセット電位を示す
。4極組立体1、4極61および4極62の区分2の極に作用するDCオフセッ
ト電位146,147および148の異なる値DCはそれぞれ4極組立体62内
に加速されるイオンのDC加速CID破砕を生ずるに充分な領域107と110
内にDC加速電界をつくり出す。選択されるイオンDC加速衝突エネルギは、4
極組立体60、4極61および4極62の区分2の極へ作用する相対的DCオフ
セット電位によって設定される。選択されるイオン内部エネルギは、スキマー領
域へ毛細管内の点114と127の間の、点127と109の間の、または4極
組立体60の区分1と2の間の点109でのDC電界を増すことによって4極組
立体62内への加速に先行して高められる。選択されるイオンの内部エネルギは
また、イオン質量対電荷選択中、4極60の区分2内である程度の共鳴周波数励
起によっても増す。4極組立体62内への加速に先行して選択されるイオンの質
量対電荷の内部エネルギの増大はイオン破砕に必要なDC加速エネルギの量を減
らす。
【0058】 4極組立体62は、関係のある破砕イオンの質量対電荷値に対してイオントラ
ップと伝播効率を最大にすべく設定されるRF専用モードで作動する。例えば、
4極組立体60内で選択されるイオンが多重的に帯電するとき、若干の砕片イオ
ンの質量対電荷は、選択されるイオン源ビームより高くなる。4極組立体60内
で選択される簡単な帯電イオンへのすべての砕片イオンの質量対電荷は、イオン
源ビームより低くなる。多重帯電イオンを破砕するとき、4極組立体62の極4
へ作用するRF電位の振幅は、類似の質量対電荷値の簡単帯電イオンを破砕する
ときより高い値に設定される。4極組62の棒に作用するRF電位は、三次元イ
オントラップで行われるような共鳴周波数励起CID破砕に固有の低いm/z値
イオンに対して遮断される高いm/zと異なり、低いm/z値イオンに、安定軌
道内にとどまることを許容する。RF専用モードで作動する4極組立体61の極
3へ作用するRF電位の振幅は、相互4極連結点7と10での縁取り電界効果を
最小にすべく、4極組立体60と62に設定されるRF振幅値の間にくるように
設定される。4極組立体60,61および62の、整列した、RF電位作用する
極は同じ周波数と位相を有して、連結点6、7および10での縁取り電界効果を
最小にする。DC波形143は、レンズ33,34,35,41および42へ作
用するDC電位は、からTOFパルス化領域37内へのイオン伝播を許容するよ
うに設定されることを示す。とくに、レンズ41へ作用する電位151は、接地
電位近くに設定される。点11,13,134,135および141の間の電界
は、TOFパルス化領域37内でエネルギと形状的にビームイオンを最良にすべ
く設定される。DC曲線143は、図3に示すタイミング図156を通して引か
れる点153に相当する。
【0059】 4極組立体62の入口端71内の背景圧力は、最初、DC加速CIDイオン破
砕の衝突ガスとして、その後、4極組立体62の長さを横断する母体および砕片
イオン集団への、イオン運動エネルギ減衰ガスとして働く。レンズ33を出るべ
く作用するDC電位は4極組立体62の出口端11からのイオンをトラップしか
つ解放すべく働く。トラップされたイオンは、4極組立体62の出口端11から
、それらをTOF浮遊領域58内へパルス化しかつ質量対電荷分析するTOFパ
ルス化領域37内へ解放またはゲート制御される。4極組立体62内でのイオン
トラップは、イオンに、ゲートを去る前に、4極組立体62の長さを通して前後
への多重通路を選択させる。トラップされたイオンが4極組立体62の入口端7
1の方へ戻ると、それらは、イオン運動エネルギの衝突減衰が起きる入口端71
内にある高圧の背景ガスを通過する。CID破砕を惹起するのに充分な、4極組
立体62内への高いエネルギイオン加速に対してさえ、発生する砕片イオン運動
エネルギの拡散は減衰されて,熱エネルギ拡散を閉鎖する4極イオン案内組立体
62内にモノエネルギ的なイオン集団をつくり出す。4極組立体62を横断する
イオンの平均位置エネルギは、4極組立体62の極4へ作用するDCオフセット
電位によって決定される。第三真空工程73での背景圧力は10-5トール範囲以
下に維持される結果、出口端11を通って4極組立体62を出るイオンはTOF
パルス化領域37内へ運動するとき、もはや背景ガスと衝突しない。この領域内
でのイオン分子衝突は、TOFパルス化領域37内へ移動しているイオンビーム
の散乱と焦点ぼけをもたらしてTOF性能を低下させる。
【0060】 4極組立体60の区分2内の質量対電荷を選択するために、共鳴またはセキュ
ラ周波数波形の振幅+/−DC電位、RFおよび混合物が4極組立体60の棒、
区分2へ作用する。時間にわたって作用する+/−DC電位、RFおよびセキュ
ラ周波数波形は、それぞれタイミング図156内で電位曲線137,138およ
び136に示される。共鳴波形136内で各セキュラ周波数の振幅、位相および
周波数成分は、4極組立体60の区分2内でのイオン質量対電荷選択中、一定の
ままである。作用するセキュラ周波数波形136の周波数と振幅成分は、三次元
4極イオントラップでの質量対電荷に対して米国特許第5,521,380によ
って記述される多数の補助範囲を含む。RF振幅の変調と結合されるセキュラ周
波数の多重補助範囲セットをつくり出すことは、非選択イオンm/z値を放射す
るため必要なセキュラ周波数成分の数を最小にし、かつ単一または多重イオン質
量対電荷選択中、共鳴周波数励起から選択されるイオン損失を最小にする。周波
数共鳴周波数成分の間隔は補助範囲内にとどまる。周波数ノッチは、周波数が選
択される質量対電荷ノッチに接近するとき、周波数ノッチ側かまたは振幅内の隙
間テーパで、選択されるイオン質量対電荷値と周波数成分の振幅との周りに維持
される。RF振幅は4極組立体60の区分2を横断するイオンとしてランプ(r
amp)されて、与えられるイオン質量対電荷値への共鳴周波数を効果的に変化
させる。より低い、またはより高い共鳴周波数から、選択されるイオンの共鳴周
波数に接近するとき、曲線138に示すようなRF振幅ランプ波形は、共鳴周波
数からのエネルギ蓄積の非対称性を考慮して非対称である。この非対称性はイオ
ン質量対電荷選択または絶縁作動中、4極組立体60の区分2内にある高次極電
界成分の作用に起因する。RF振幅のランプ作用は、4極組立体60の区分2に
固有であって近共鳴周波数にさらされる、選択されるイオンの消費時間はどの程
度か、の制御を許容する。所望イオンへの損失が最小の、より高い分解能の質量
対電荷選択が、最良のRF振幅ランプ作用と結合される共鳴またはセキュラ合成
波形の周波数、位相および振幅成分の注意深い選択で得られる。
【0061】 関係のあるイオン集団が区分2に固有の、より多い時間を費やすとき、より高
い分解能の質量対電荷選択が、4極組立体60の区分2の棒に作用する上述のよ
うな適当な電界とともに得られる。より多くのRFと共鳴周波数サイクルへ非選
択の質量対電荷値イオンの露出を増すことは、背景ガスの存在で4極組立体60
の区分2からの、選択されないイオン放射の効率を改善する。同じ背景ガスは、
4極組立体60の中心線5に対して、選択される非励起イオンの半径方向振動を
効果的に減衰する。4極組立体62内へ中心線5に対して減衰されるイオンのD
C加速は、母体および砕片イオンの散乱損失を最小にする。4極組立体60の区
分2内で選択されるイオン内在時間を増大させるべく、イオンは、区分2内でト
ラップされるか、または4極組立体61の棒へ作用するオフセット電位を変化さ
せたり、切り換えたりすることによって、繰り返してそこから解放される。空間
帯電による、選択されるイオンの共鳴周波数へおよぼすどんな影響も、適当な充
填と放散のサイクル周期を選択することによって最小または除去できる。曲線1
39,140および142は、レンズ41へ作用するTOFパルス化電圧で同期
される4極組立体60と62内のイオンのトラップと解放タイミングの例を示す
。曲線139は、MS/MS作動中、4極組立体61の棒3に作用するオフセッ
ト電位を示す。オフセット電位148を付加するとき、イオンは4極組立体60
の区分2内でトラップされる。イオンは区分2から解放され、かつ4極組立体6
1を通して4極組立体62内へ充分なエネルギとともに加速されて、DCオフセ
ット電位147を4極組立体61の棒3へ付加するとき、CIDパルス破砕を生
じる。4極組立体61へ作用するDCオフセットトラップ電位を増大するとき、
暫定電圧149は、区分2の棒へ作用するオフセット電位の上で4極組立体62
内へ加速される上記イオンの運動エネルギを充分増すことなく、4極組立体61
の容積からイオンを除去すべく短時間作用する。DCオフセット電位149は区
分2のオフセット電位の直上の値に設定されて、イオンが4極組立体61へ入る
のを阻止する一方、4極組立体61内のイオンが4極組立体62内へ加速される
のを許容する。4極組立体61の容積内のイオンには、DCオフセット電位15
8を付加するとき、砕片化しない区分2へ戻るものもある。希望されるなら、4
極組立体61の棒へ付加するオフセット電位は、前方の4極組立体62内へ、ま
たは後方の4極組立体60内へ、適当なタイミングと電圧振幅をトラップと解放
DCオフセット電位へ付加することによって加速されるイオンの位置エネルギを
増すように使用される。このパルス化されたイオン運動エネルギの増加は、米国
特許出願08/694,542に記述される、レンズ33と34に作用する切り
換え電位を使用する後方DC加速CIDイオン破砕に似ている。
【0062】 4極組立体61のDCオフセット電圧の切り換えは、TOF浮遊領域58内で
イオンの飛行時間中、電圧の切り換えが起きないように、TOF浮遊領域58内
でのTOFイオンパルス化とイオン飛行時間とによって同期される。これは電気
的なノイズピークが、取得される質量スペクトル内に発生することを回避する。
DC電位曲線144はタイミング図156を通して引かれる時間線144に生じ
る。DC電圧曲線144は、4極組立体61とレンズ3の棒へそれぞれ作用する
一方、TOFパルス化レンズ41へ作用するDC電位152が上昇してイオンを
TOF浮遊領域58へ加速するDCトラップ電位148と150を示す。TOF
質量分析はTOF浮遊領域58内へパルス化されるイオン上で行われる。TOF
質量分析に続く4極イオン案内組立体62からのイオンのなトラップと解放は米
国特許第5,689,111に記述される。MS/MS分析はRF,SFおよび
DC電位の付加を使用し、かつ上述のように、高い効率のイオン質量対電荷選択
とDC加速CID破砕を用いて、シーケンスを切り換えることによって行われる
。MS/MSシーケンスは、TOF質量分析計とともに構成される小型の多重4
極組立体を使用して行われる。代替的方法は記述される個々の技術から有効なM
S/MS分析を得るように使用される。例えば、共鳴周波数波形136は除去さ
れ、かつ区分2の棒へ作用するより高い+/−DC振幅である。RFの反復的ラ
ンプ作用の振幅は安定図102を横断して前後に選択されるイオンm/z値を動
かすように設定されて、m/z値がβy =0とβx =1の安定領域境界の近くで消
費する時間を最小にする。この技術で、選択されるm/z値イオンの上下にくる
イオン質量対電荷値イオンが4極から放射される一方、最小の励起エネルギを選
択されるイオンへ与える。代替的に、励起共鳴周波数は、選択的に母体イオンの
破砕を助けるべく選択される母体イオンm/z値に整合する4極組立体62の棒
へ作用する。4極組立体60と62はイオン単一通過非トラップモードで作動す
ることもできる。MS/MSn分析機能を実行するための付加的技術を以下に説
明する。
【0063】 RF,SFおよびDC電位の最良化と、多重4極組立体8の極に作用する電位
切り換えとランプ作用のシーケンスは、図1に示すような第二真空ポンピング工
程72内に維持される背景圧力によって行われる。背景ガスとイオンの衝突は、
所望破砕と不所望破砕とをもたらし、イオン放射の不安定軌道の時間を増大し、
安定イオン軌道を4極中心線へ減衰し、4極長さを通るイオン移動時間を減らし
、かつ中性気体相の反応調べのためイオンへの反応媒体を与える。背景圧力が高
いほど、発生する、中性ガス衝突への時間当たりイオン数は大きくなる。適当な
スキマー穴27の寸法と、真空ポート29を通る適当な真空ポンピング早さとを
構成することによって、第二真空ポンピング工程72内の背景圧力は、1×10 -4 トールと500ミリトールとの間で変化可能である。以下に述べる多数の作動
シーケンスに対して背景圧力は、イオンが各4極長さを横断するとき、イオンと
背景ガスの間に多重衝突が発生する真空工程72内に維持されるべきである。平
均自由行程は、有効な安定イオン軌道減衰が発生し、有効なDC加速と共鳴周波
数励起CIDイオン破砕は発生するが、軌道減衰は実験的に有用な時間枠域内で
不安定軌道内でのイオンの放射を阻止しない平衡に維持されるべきである。典型
的に、4と8ミリトールの間で背景圧力が、作業中、真空工程72内で維持され
る。ガス成分は、大気圧イオン源から与えられる背景ガスの供給だけでの窒素で
ある。背景ガス成分は、図2に示す本発明の実施例のように、真空工程72内へ
ヘリウムやアルゴンのような二次的ガスを付加することによって変更できる。反
応ガスを、イオンと中性ガスの反応を調べるために真空工程72へ追加してもよ
い。発明の一実施例において、多重4極組立体8は、1.25mmのr0で構成
され、かつ約5MHzのRF周波数で作動する。
【0064】 最良の背景真空圧力とガス成分は、極対極の間隔と、個々の区分または4極組
立体長さと、装置が実行すべく要求されるMS/MSn機能の範囲とを含む多重
イオン案内形状の機能である。検討の目的のため、第二真空工程72内の背景圧
力は1と10ミリトールの間の圧力に維持されるものと考える。1〜10ミリト
ールは、三重4極の三次元4極トラップと4極イオン案内衝突室内に見られる典
型的な作動圧力である。三次元イオントラップ内の背景ガスは典型的にヘリウム
であり、かつ三重4極の衝突室内へ導入される背景ガスは典型的にはアルゴンで
ある。第二真空工程72内のガス負荷は、主として、ES源12からの反対流乾
燥ガス21から構成される。反対流乾燥ガス21は典型的には窒素であるが、分
析用途に依存して、二酸化炭素、六フッ化イオウ、酸素および試料溶液からの残
留溶剤を含んでもよい。第二真空工程72内の背景ガスの圧力と成分は制御され
、かつMS作業中は一定に維持されて、作用する電位を最良化する。ES源12
の大気圧室内の圧力は大気圧近くに維持され、かつ毛細管穴57内の温度はMS
作業中は定常状態であるから、毛細管穴57を通る濃密なガス流束はMS作業に
対して調和的である。図1に示す実施例で、スキマー穴27は典型的には通常衝
撃無音上流の超音速自由噴射圏の内側に位置する。結果的に、第二真空工程72
内へのガス流束はMS作業中の時間にわたって調和的である。第二真空工程72
内での背景圧力調和性は、主として真空ポート29を通る真空ポンピング速さに
よって決定される。第二工程72を排気すべきターボ分子的真空ポンプの使用は
、延長時間にわたって調和的なンピング速さを与える。ターボ分子的ポンプRP
Mを監視する能力と、真空工程72内の背景真空圧力の直接測定とによって、背
景圧力は延長時間にわたって一定に維持される。第二真空工程72内の中性背景
ガスへの調和的な成分と圧力によって、再現性のある結果が実施される広範な実
験シーケンスに対して得られる。
【0065】 第二真空工程72内にあるイオンの背景圧力は、CID工程によるイオン破砕
に対して使用するのに充分な高さであるが、m/z選択性能またはイオン伝播効
率が妥協されるほどに高くはない。図1に示すTOF質量分析と組み合わされる
区分化多極イオン案内8の構成は、三重4極のすべてのMSとMS/MS機能と
、三次元イオントラップのすべてのMSとMS/MSn機能シーケンスとの実施
を考慮し、かつ三重4極または三次元4極イオントラップのどちらでも不可能な
、いくつかのMSとMS/MSn機能を実施できる。図1に示すハイブリッドT
OF実施例で実施可能なMS/MSn機能の若干の例を以下に説明する。
【0066】 四つの非トラップ単一通過一次MS/MS作動モードは、CID破砕を得るべ
く、RF専用衝突室内へのDCイオン加速を使用する三重4極において使用され
る。これら四つの作動モードは以下のものを含む。 1. 4極3を走査する一方、RF専用衝突室内で選択されるイオンを破砕す
る4極1内で単一の選択されるm/zの伝播。 2. 4極1と3が、RF専用衝突室内で母体イオンの破砕を伴う固定のm/
zオフセットとともに同時に走査される中性損失走査。 3. 4極1を走査する一方、RF専用衝突室内で母体イオンの破砕を伴う選
択されるm/z範囲を通過すべき4極3の設定。 4. 選択される結果を監視すべくRF専用衝突室内で母体イオンの破砕を伴
う走査なしに、異なるm/z値を通すべき両4極1と3の設定。
【0067】 図1に示すハイブリッドTOFの実施例で、完全な砕片イオンスペクトルが、
三重4極作動で得られるよりも高い感度と分解能性能を生じる走査なしに、TO
F分析計内に記録される。図1に示すようなハイブリッドTOFMSは、第三4
極単一質量選択と質量走査分析機能に入れ替わって、取得される完全なTOF質
量スペクトルとともに三重4極性能を模倣すべく作動する。MS/MSは、質量
対電荷の選択と、選択される質量対電荷母体イオンの破砕と、第一発生砕片また
は製品イオンの質量分析との工程を必要とする。何か与えられるMS/MSシー
ケンスでの最後の質量対電荷選択工程は、質量分析計40で実施される。質量対
電荷選択とイオン破砕工程は、必要なとき、スキマー領域へ毛細管内で実施され
る付加的イオン破砕を伴って多重4極組立体イオン案内8内で実施される。先行
の節で記述したようなMS/MS実験シーケンスが行われ、これは上述の三重4
極MS/MS作動モード1でつくられるものに似た破砕イオンをもたらす。代替
的に、異なる実験シーケンスを使用して、砕片イオン集団は、イオントラップM
S/MS実験でつくられるものへの類似物を生じる。
【0068】 図1に示すようなハイブリッド多重4極TOFは、三重4極の4極1と3をデ
ータ取得中に走査する、上述のような三重4極中性損失MS/MS作動モード2
をシミュレートするように作動する。4極3の走査に取って代わるTOF作動は
砕片イオンの完全なTOFスペクトルをつくり出す。構成変更されるイオンクロ
マトグラフ(RIC)は、完全取得のTOFスペクトルからつくり出されて、中
性損失MS/MSデータと同様に、三重4極に適応する。この中性損失データの
補助セットを得るべく、図1に示すハイブリッド多重4極TOFの実施例は以下
のように作動可能である。 1. 4極組立体60の区分1は、CID破砕を伴わずに、低いエネルギでイ
オンを区分2内へ通過させる、付加的なDCオフセット電位とともに非トラップ
RF専用モードで作動する。 2. 4極組立体60の区分2は、前節で述べたような、変調RF,+/−D
Cと適当な合成共鳴周波数波形の付加とともに、非トラップイオンm/z選択モ
ードで作動する。三重4極質量分析計の第一4極の走査をシミュレートすべく、
所望のm/z範囲が網羅されるまで、区分2のm/z選択ウインドウを周期的に
新しい値へ進める。区分1のm/zウインドウ行程は、何か与えられる第一世代
砕片の母体イオン質量対電荷が判明するように、TOFスペクトル取得と同期す
る。 3. 区分3は、トラップRF専用モードで作動する。4極60、4極61お
よび62の区分2の極に作用する異なるDCオフセット電位は、区分2から4極
62内へ充分なエネルギとともに加速されて、所望の量のCIDイオン破砕を選
択される母体イオンから生じるように設定される。4極62の出口端から解放さ
れるか、またはゲート制御され、かつTOFパルス化領域37内へ移動するイオ
ンは、TOF浮遊領域58内へパルス化され、かつ質量分析される。
【0069】 400から800までの母体質量対電荷範囲にわたって中性損失走査を考える
。母体4極m/zウインドウが組立体60の区分2によって選択される4m/z
の幅であるなら、100の行程が400から800までのm/zを網羅するため
必要である。TOF質量分析計が、記憶すべく保存される各質量スペクトルへ作
用する1,000のパルスとともに、毎秒10,000回の速度でパルス化され
るとき、毎秒10質量スペクトルが記録される。これらのTOFデータ取得条件
下に、完全シミュレートの中性損失走査は、取得するのに10秒を要する。TO
Fスペクトルが毎秒40スペクトルの速度で得られるなら、各完全シミュレート
の中性損失走査への合計取得時間は、三重4極中性損失走査で使用される典型的
な走査速度に近い、2.5秒である。上述の走査シーケンスで得られるTOF完
全スペクトルデータは、三重4極中性損失走査から記録される制限的情報または
第一4極を固定の第三4極m/z範囲選択で走査する場合と異なり、完全破砕イ
オン情報を含む。結果的に、どれかの三重4極実験が、上述の区分化イオン案内
TOF作動シーケンスでシミュレートされる。上のシーケンスでの変化は同じ目
的を得るために使用できる。例えば、m/z範囲選択は、トラップまたは非トラ
ップモードにおいて、4極組立体60の区分1または区分1と2内で行われる。
4極イオン案内組立体62はトラップまたは非トラップモードにおいて作動する
。トラップモードにおいてレンズ33へ作用するトラップ電圧は、4極60区分
1または2内のm/z範囲を切り換えるとき、低く保持される。その時、先行す
る母体m/z値から形成されたトラップされるイオン砕片は、4極62が形成す
るトラップを出るようになる。TOFパルス化の再開に先行して、区分4のトラ
ップを充填すべきm/z範囲選択工程の後に、小さい遅れ時間が作用する。代替
的に、母体イオンはイオン案内60の区分2内でトラップされる一方、先行する
母体質量対電荷値からの砕片イオンは、4極62からTOFパルス化領域37内
へゲート制御される。区分2内にトラップされるm/zの選択される母体イオン
は、先行する母体イオンセットからの砕片イオンがTOFパルス化領域37内へ
ゲート制御された後、4極62内へ加速される。母体イオンの、新しい質量対電
荷値セットは、しかるとき、4極60区分2内で絶縁される。4極61の棒へ作
用するDCオフセット電位が部分イオン集団と異なるとき、区分2の内部でトラ
ップされるすべてのイオンの移動は、先行する節で説明されるように、解放する
。しかし、連続的なイオンビームは4極組立体60の区分1内へどちらかの作動
モードで加速されて、全体的な使用率を最大にする。
【0070】 上述の、シミュレートされる三重4極中性損失走査作動モードで、DCイオン
加速は、CID第一世代イオン破砕を得るべく使用される。代替的に、共鳴周波
数励起CID破砕は4極組立体61と62またはDCイオン加速と共鳴周波数励
起の組み合わせで使用される。好適な破砕技術は所望の分析情報に依存する。共
鳴周波数励起は選択されるイオン、とくに破砕製品イオンを、非選択m/z値へ
付加的内部エネルギなしに破砕すべく使用される。DCイオン加速CIDでつく
られるすべてのイオンによって経験される多重衝突のために、すべての加速され
るイオンの内部エネルギは、つくられる破砕イオンのそれを含めて増大する。共
鳴周波数励起は、破砕エネルギを増大させるために、共鳴周波数の振幅が増大す
るという欠点を有する。励起されているイオンを半径方向にトラップするため、
RF振幅は比例的に増大して、低いm/z遮断を増大的に生じなければならない
。典型的に、MS/MSモードでイオントラップを作動させるとき、m/zスケ
ールの底部3分の1以上が放射されて、関係ある母体イオンの充分な共鳴周波数
励起破砕が得られる。DCイオン加速と共鳴周波数励起の両者が同時または連続
的に組み合わされて、質量対電荷スケールのより低い部分を放射せずに、最良の
MS/MSまたはMS/MSn性能が得られる。図1に示すハイブリッド区分化
イオン案内TOF実施例は、上述されたようなすべての三重4極と、イオントラ
ップMS/MSn機能とを、DC加速と、三重4極またはイオントラップのどち
らでも行われない共鳴周波数励起CIDイオン破砕作動との組み合わせとともに
得るように構成される。
【0071】 広範囲のMS/MSn分析機能は図1に示すハイブリッドTOF実施例を使用
して行われる。個々のMS/MSn機能を行うのに必要な作動シーケンスの説明
を簡単にするため、使用技術は二つのグループに分割される。第一グループは、
一次イオンビームを発生する連続イオン源の切断を必要とするものと、作業中、
一次イオンビーム内での遮断を必要としないものとを含む。電気スプレーイオン
源12から連続イオンビームを受け入れる第一の、いくつかのMS/MSn技術
を、以下に説明する。
【0072】 図1に示す実施例とともにMS/MS2実験の作動を考える。もっとも簡単な
機能シーケンスは、DC加速イオン破砕が4極組立体60の区分1と2の間に生
じる上述のMS/MS事例の延長である。とくに、ハイブリッド多重4極TOF
はMS/MS2質量分析を得るべく、以下のシーケンスで作動する。 1. 4極組立体60の区分1は質量対電荷選択モードで作動する。選択され
る質量対電荷イオンを、区分2内へ区分1と2の間に作用する充分なDCオフセ
ット電位で加速して、m/zの選択されるイオンのCIDイオン破砕をもたらす
。 2. 4極組60の区分2は、一つ以上の第一世代製品イオンを選択するトラ
ップまたは非トラップ質量対電荷選択モードで作動する。その後、m/zの選択
される第一世代製品イオンを、4極61を通して、かつ4極62内へ加速し、適
当な相対的DCオフセット電位を区分2の極と4極61と62へ付加して、選択
される第一世代砕片イオンのCIDイオン破砕をもたらす。 3. 4極62は、第二世代破砕イオンをTOFパルス化領域37内へゲート
制御するRF専用トラップモードで作動する。続いて、第二世代破砕イオンをT
OF浮遊領域58内へパルス化し、かつ質量対電荷を分析する。
【0073】 4極組立体60のセグメンド1と2内でのイオン質量対電荷選択作動は、希望
されないm/zイオンの、変調RFと+/−DC質量ろ過、または上述のような
合成共鳴周波数波形放射または両者の組み合わせを使用する。異なるRFと+/
−DCと、合成共鳴周波数波形AC電位と、共通のRF電位とを、同時に区分1
と2の極に付加する。イオン破砕は、4極60と4極61と62の区分2内でD
Cイオン加速破砕の代わりに、またはそれと関連して共鳴周波数波形を用いて得
られる。共鳴周波数励起は、区分2の極に作用する合成共鳴周波数波形内での適
当な周波数ノッチと振幅変化とを含むことによって、4極組立体60の区分2内
でイオンm/z選択と同時に発生できる。区分2は、適当な相対的DCオフセッ
ト電位を4極組立体61の極へ付加して、4極組立体60の区分2内のイオンを
トラップしたり、またはイオンを区分2から4極組立体62内へ解放することに
よってトラップモードて作動する。すべてのMS/MSn実験において、スキマ
ーに対する毛細管の相対電位は、一次イオンビーム内でのイオンの内部エネルギ
を増大して上昇させ、多重4極イオン案内組立体8内のイオン破砕を容易にする
【0074】 MS/MS2は代替的にDCイオン加速と共鳴周波数励起イオン破砕技術とを
混合して、多重4極イオン案内組立体8を以下のモードで作動させることによっ
て得られる。 1. 4極組立体60の区分1は、RF専用イオン伝播モードで作動する。イ
オンは、低いエネルギで、かつイオン破砕なしに、区分1から区分2へ移動する
。 2. 4極組立体60の区分2は、イオン質量対電荷選択とともにトラップモ
ードで作動する。区分2から解放されるとき、イオンは4極61を通して、かつ
4極62内へ充分なエネルギで区分2から加速されて、m/zの選択されるイオ
ンのCID破砕をもたらす。 3. 4極組立体62は、選択される第一世代イオンの2段階m/z選択と共
鳴周波数励起破砕とともにイオントラップモードで作動する。第二世代砕片また
は製品イオンはTOFパルス化領域37内へゲート制御され、続いて質量がTO
F分析される。m/z選択とイオンCID破砕工程は、TOF質量分析の開始に
先行して連続的に行う。母体イオンは、第一世代イオンm/z絶縁と4極組立体
62内で行われる破砕工程中、セグメント2内でトラップかつ蓄積される。第二
世代砕片イオン集団を4極62から解放しかつTOF質量対電荷を分析した後、
新しいセットの、選択される質量対電荷値イオンを4極62内へ加速する。新し
い第一世代砕片イオン集団は4極62内でトラップされ、かつシーケンス的な質
量対電荷絶縁、イオン破砕およびTOF質量分析工程を引き受ける。
【0075】 準MS/MSn実験は、米国特許出願08,694,542内に記述される技
術を使用して連続的な一次イオンビームで得られる。この技術では、イオン破砕
に先行して真実のm/z選択は行われない。二つのスペクトルの代わりに、第一
のものが母体または破砕イオンの組み合わせと、かつ第二のものが次世代砕片イ
オンとともに、連続して得られる。得られる第一TOF質量スペクトルは、MS
/MSn砕片イオンのピークを含むスペクトルを与えるべき第二のものから抽出
される。この方法はCID励起イオン破砕を行うための多重成分共鳴周波数励起
波形を必要とする。この技術を使用して、MS/MS4実験は、以下に述べるよ
うな、図1に示すハイブリッド4極TOFで行われる。
【0076】 質量スペクトル1は、多重4極イオン案内組立体8とともに行われる以下の作
動シーケンスで得られる。 1. 4極組立体60の区分1は質量対電荷選択モードで作動する。発生イオ
ン集団は区分2内へ充分なエネルギで加速されて、CID破砕をもたらす。 2. 二成分の共鳴周波数励起が区分2の極へ付加されて、選択される第二と
第三世代のイオンのCID破砕を誘導する。製品イオンは4極組立体61を通り
、さらなる破砕なしに、4極組立体62内へ通りぬける。 3. 4極組立体62はTOFパルス化領域37内へ移動するイオンとともに
トラップまたは非トラップRF専用モードで作動する。イオンは続いてTOF質
量分析計40の浮遊領域58内へパルス化され、かつ質量対電荷が分析される。
【0077】 第二TOF質量スペクトルは、区分2へ作用する三成分共鳴周波数励起または
4極組立体62の極4へ作用する単一共鳴励起周波数とともに発生して、整合的
な共鳴励起周波数を有する、選択される第三世代製品イオンを破砕する。得られ
る第一質量スペクトルは、第四世代の破砕または製品イオンと、これらの個々の
母体イオンとを含む質量スペクトルを生じる第二質量スペクトルから抽出される
【0078】 個々の分析用途に依存する、連続的または非連続的な一次イオンビームを使用
する代替的なMS/MSn分析技術が使用される。この技術によって、イオンは
一つの区分または4極組立体から、隣接する区分またはブロック内の4極組立体
へ運動する。1つの区分または4極内にトラップされるすべてのイオンは、先行
する区分または4極組立体からイオンの新しい集団へ接近する前に、次の連続区
分または4極イオン案内組立体へ移動する。各区分または4極組立体は、イオン
が区分または4極組立体の間に移動するとき、独立的に、単一または多重m/z
選択および/または共鳴周波数励起CIDイオン破砕機能を実行でき、またはイ
オンはDC加速CIDを使用して破砕される。この技術を使用するMS/MS3
分析の工程を以下に述べる。 1. 4極組立体60の区分1は、希望されないイオンの多重周波数合成波形
共鳴周波数放射を使用して、イオンm/z選択または絶縁とともにRF専用モー
ドで作動する。4極組立体60の区分1と2の極に作用する相対的DCオフセッ
ト電位は、区分1からのイオンを区分2内へ充分な運動エネルギで加速してDC
加速CIDイオン破砕を生じるように設定される。一次ビームはつねに放射され
続け、かつイオンは連続して区分1へ入る。 2. 4極組立体60の区分2の棒に作用する相対的DCオフセット電位は、
与えられる時間の間、区分2内でイオンをトラップすべく設定される。区分2は
m/z選択モードで作動し、かつ選択されるm/z値の第一世代破砕イオンは、
与えられる時間の間、区分2内にトラップされる。 3. 4極組立体61の棒3へ作用するDCオフセット電位はその後、単一通
過モードで作動する連続的一次イオンビームのレベルへトラップされるイオンの
区分2をほぼからにするのに充分な持続時間の間、4極組立体60の区分2から
4極61を通して4極62内へイオンを通すように低く切り換えられる。イオン
は、4極組立体60の区分2から4極61を通して4極62内へ充分な運動エネ
ルギで加速されてDC加速CIDイオン破砕を生じるように加速される。イオン
が周期を移動した後、4極61の極3に作用するDCオフセット電位は高く切り
換えられて、区分2内のイオンをトラップし、かつトラップされたイオンが反対
方向に4極組立体60の区分2に再び入ることを4極42に阻止させる。 4. 4極組立体62は、最初、イオンが区分2から4極61を通して4極6
2内へ移動する間に、m/z値選択モードで作動する。レンズ33へ作用する電
位は、最初、4極組立体62内のイオンをトラップおよび保持すべく設定される
。4極組立体61の極3へ作用するDCオフセット電位が4極組立体60の区分
2からのイオン流を停止すべく上げられた後、4極組立体62の極4へ作用する
電位は、4極62が、選択されるm/z値の、4極62内にトラップされる第二
世代破砕イオンの共鳴周波数励起CID破砕とともにRF専用モードで作動する
ように切り換えられる。MS/MS3実験が所望のとき、4極62内にトラップ
される、発生する、第三世代製品または砕片イオンは、レンズ33へ作用する電
圧を切り換えることによって、ゲート制御されるイオンピーク内でTOFパルス
化領域37内へ解放され、かつ続いてTOFが分析される。より高次のMS/M
n工程が必要なとき、付加的な連続m/z選択とCID破砕工程が、TOFパ
ルス化領域37内へイオンの解放に先行して、解放4極組立体62内でトラップ
されるイオンとともに続けられる。製品イオンの一部分のTOFスペクトルは、
各MS/MS工程で、またはMS/MSnシーケンスの末端で得られる。MS/
MS工程は4極組立体62内でトラップされるイオンとともに行われる一方、選
択される第一世代製品イオンは、4極組立体60の区分2内に蓄積し続ける。 5. 4極組立体62内にトラップされるすべてのn世代製品イオンをTOF
パルス化領域37と続いて分析されるTOF質量内へゲート制御するとき、4極
組立体61の極3へ作用するDCオフセット電位を引き下げ、かつ上記の工程3
と4を繰り返す。
【0079】 MS/MSn分析機能は非連続的な一次イオンビームとともに作動して、図1
に示すハイブリッドTOFを用いて運転可能である。いくつかの機能シーケンス
が、非連続的な一次イオンビームによってMS/MSn分析を行うべく多重4極
組立体8とTOF質量分析計40で可能である。米国特許出願08/684,5
42は多重イオン案内TOF質量分析計の構成を記述し、ここでは多極イオン案
内がシーケンス的なm/zイオン選択と共鳴周波数励起CIDイオン破砕工程と
ともにTOF質量分析に先行してトラップモードで作動する。高い背景圧力領域
内で構成される多重区分の付加と付加的な4極組立体は、非連続的な一次イオン
ビームとともに単一区分ニ次元トラップTOFでのMS/MSn質量分析シーケ
ンスを行うときは不可能な作動と分析の変動を許容する。三次元イオントラップ
またはFTMS質量分析計と異なり、ハイブリッド多重4極組立体TOF構成は
、各イオンm/z選択と破砕工程において、より高いエネルギDC加速イオン破
砕とともにMS/MSn機能性を得るべく構成され、かつ作動する。代替的に、
多重4極イオン案内組立体8は、MS/MSn実験中、共鳴周波数励起破砕また
は両CID破砕技術の組み合わせを行って、与えられる質量分析への性能を最良
にするように構成される。図1に示す多重4極イオン案内TOFハイブリッドを
用いて、DC加速CIDイオン破砕で行われるMS/MSn実験の一例を、以下
に説明する。 1. 4極組立体60の区分1は破砕を伴わない区分2内へ移動するイオンと
ともにRF専用非質量選択モードで作動する。 2. 4極組立体60の区分2はトラップまたは非トラップの質量対電荷選択
モードで作動し、かつ発生するイオン集団は4極61を通して、かつ4極組立体
62内へ充分な運動エネルギで加速されてCID破砕を生じる。 3. 4極イオン案内62はトラップの質量対電荷選択モードで作動し、かつ
選択されるm/z範囲の第一世代砕片イオンを、パルス化領域37内へ僅少また
は皆無のイオンゲート制御とともに4極62内に集める。選択されるm/z範囲
の第一世代砕片イオンを特定時間の間、またはイオン集団の時折りのTOF監視
とともに、4極62内に集めた後、スキマー26へ作用する電位に相対的な毛細
管出口連続112上の電位を減らすことによって、一次イオンビームが区分1の
4極組立体60に入るのを阻止する。毛細管内でスキマー領域へ作用する遅延性
電界に起因して、イオン出口毛細管23はスキマー27を通過するのを阻止され
る。 4. 4極イオン案内62内でトラップされるイオンを、その後、適当な相対
的DCオフセット電位を区分2の棒、4極61と4極62へ付加することによっ
て逆方向に4極イオン案内61を通して、かつ4極組立体60の区分2内へ加速
して、区分2内へ加速されるイオンのCID破砕を生じる。逆方向に区分2内へ
加速されるイオンは、区分1と2の相対的DCバイアス電位を増すことによって、
区分1に入るのを阻止される。短いMS/MSn分析時間が必要とされるなら、
イオンは区分1に入るのを阻止されて、各MS/MS工程でイオンの区分2をか
らにするのに必要な時間を減らす。代替的に、イオンは区分1の容積を増すよう
に、区分2の延長として区分1へ入ることができる。イオンはスキマー26と区
分1の極の間でDC遅延性電界を付加することによって、入口端9を通して逆方
向に区分1へ入るを阻止される。スキマー27を通して第二真空工程72へ入り
続ける自由噴射膨張からの中性ガス分子との衝突はイオンの逆方向軸軌道を減衰
するのに寄与し、かつトラップされるイオンが4極組立体60の入口端9を通し
て失われるのを阻止する。4極62からのイオン集団を受け入れる直前に区分2
と区分1の棒へ作用する電位は、区分1と区分2がイオンm/z選択モードで作
動するように切り換えられる。 5. 第二世代砕片イオンの選択されるm/z範囲は、4極組立体60の区分
2内に集められる。第二世代砕片イオンの発生集団は、4極イオン案内61を通
して、かつ4極イオン案内62内へ充分な運動エネルギととに再加速されて、選
択される第二世代砕片イオンのCID破砕を生じる。 6. 4極イオン案内62内は再びイオントラップモードで作動する。実験が
第三世代イオンで終了するなら、4極62内の発生イオン集団はTOF質量分析
される。MS/MS3以上のn世代製品イオンが必要なら、工程4または工程4
と5は、MS/MSn世代砕片をつくり出すべく、またはイオンなどをつくり出
すべく反復される。トラップされるイオン集団は各MS/MS工程でサンプリン
グされ、かつTOF質量分析されて、少量のトラップされるイオン集団を消費す
るだけである。TOF質量分析は、最後のMS/MSnth工程後、全イオン集団
が多重4極イオン案内組立体8の4極62から空にされるまで、行われる。 7. 毛細管出口レンズ11214へ作用する電圧を上昇して、一次イオンビ
ーム内でのイオンを、再びスキマー開口27を通して、4極イオン案内組立体6
0の入口端9の区分1内へ通過させる。 8. シーケンス工程1〜7を繰り返す。何かの数のMS/MSn工程を、質
量分析とともにこの方法で構成する。
【0080】 共鳴周波数励起破砕とDCイオン加速CID破砕との混合物を利用する、MS
/MSn分析のもう1つの例を以下に説明する。 1. 4極組立体60の区分1を非m/z選択RF専用モードで作動させて、
CID破砕なしにイオンを区分2内へ通過させる。 2. 区分2をトラップおよび非トラップとともに質量選択モードで作動させ
て、選択されるm/zイオンを、4極イオン案内61を通過させ、かつDC加速
破砕なしで4極イオン案内62内へ通過させる。 3. 4極イオン案内62をm/zの選択される母体イオンの共鳴周波数励起
破砕とともにトラップモードで作動させる。共鳴周波数の補充セットを同時に付
加して、希望されない第一世代砕片イオンを阻止する一方、選択される第一世代
砕片m/z値イオンを維持する。m/z値の選択される第一世代砕片イオンの内
部エネルギは、母体イオンCID破砕中、4極イオン案内62において増大する
。選択される第一世代砕片m/z値イオンは、設定される時間周期の間、または
所望のイオン集団密度に到達し、短い時間のTOF質量分析によってチェックさ
れるまで、4極62内に蓄積される。 4. 4極イオン案内62を所望のイオン密度レベルへ充填するとき、一次イ
オンビームは、毛細管出口電極112へ作用する電位を下げることによってスキ
マー穴27の通過を阻止される。 5. 選択される第一世代砕片イオンは逆方向に4極イオン案内62から4極
イオン案内61を通して、かつ4極イオン案内60の区分2内へ充分な運動エネ
ルギで加速されてCID破砕をもたらす。 6. 第一世代砕片イオンと第二世代砕片イオンの受け入れに先行して、区分
2の極へ作用する電位は、第二世代砕片イオンのm/z選択への質量対電荷選択
モードで作動すべくスイッチ切り換えされる。 7. 別のMS/MS分析シーケンスが所望ならば、工程2〜6を繰り返す。
付加的MS/MS工程を望まないなら、4極組立体61と62を通して一層の破
砕なしにイオンを移動することによって、4極イオン案内60の区分2内でトラ
ップされる全イオン集団上で所望のTOF質量分析を行う。 8. TOF質量分析を完了し、かつ多重4極イオン案内組立体8をからにす
るとき、一次イオンビームは再びスキマー穴27を通して、4極組立体60の区
分1内へ通過する。工程1〜7を繰り返して、MS/MSn分析とともにデータ
取得を続ける。
【0081】 米国特許出願08/694,542に記述されるように,より高いエネルギC
ID破砕が、第三真空ポンピング工程73の低圧領域内に構成される出口端11
から4極イオン案内62内へイオンを加速して戻すことによって得られる。レン
ズ33と34の間のすきま内へゲート制御されるイオンの電位は、レンズ33と
34へ作用する電圧を急増することによって上昇する。レンズ33へ作用する電
位は、その後、多重4極イオン案内組立体8へイオンを加速して戻すべく減少す
る。逆方向のDC加速されるイオンは、多重4極組立体8または個々の4極組立
体60,61および62の長さを横断するとき、多重4極イオン案内組立体8内
で背景ガスに衝突する。似た方法で、4極イオン案内61または4極イオン案内
61と62の組み合わせは、イオン集団の内部エネルギを急増するために、4極
組立体60の区分2内へイオンを逆に繰り返して加速すべく使用される。しかし
、4極イオン案内組立体61からのイオン加速は、得られるイオンの最終速度が
イオン案内出口端1での衝突自由域からイオンを逆加速することによって得られ
る速度より低いような背景衝突ガスの存在で起きる。MS/MSn質量分析モー
ドで作動する三次元イオントラップまたはFTMS質量分析計と異なり、図1に
示す多重4極イオン案内TOFハイブリッドは各MS/MS工程でイオン破砕を
得るためにより広範な衝突エネルギを供給することができる。MS/MSn機能
シーケンスの制御は共鳴周波数波形を計算し、かつ各区分と4極組立体に作用す
るRF,DC電位を制御するプログラム式ソフトウエア機能で簡単化される。図
2に示すようなソフトウエア指令式制御器80は、波形、振幅、スイッチタイミ
ングおよびその他の制御情報を、制御接点81,77,78,79,82を通し
て、DC,RF,SF,+/−DC電力供給およびスイッチユニット66,63
,64,65,67へそれぞれ送り出す。出力接点85,86,68,69,7
0,87,75,76,88,84は、適当な電位を毛細管出口レンズ112、
スキマー26、多重4極組立体8の棒、出口レンズ33,34,35およびTO
Fパルス化レンズ41,42へそれぞれ付加する。
【0082】 DCオフセット電位の急速なスイッチ切り換えは、適当な電位に設定される二
つの個々のDC電力供給部を操作することによって行われる。各区分または4極
組立体の極は、+/−DC電力供給部と波形発電機のセットへすを経て接続され
る。一次側RFは、電力供給ユニット63,64,65内に構成される個々のR
F供給から直接に容量結合を通して各4極組立体の極へ作用する。+/−DC電
位は、RF結合容量と共鳴周波数AC波形を個々にRF結合部内へ、各4極組立
体の各区分の適当な極に結合した後、作用する。代替的に、共鳴周波数AC波形
は各4極組立体の各区分の少なくとも二つの極に容量的に作用する。各スイッチ
の状態は、装置状態を変化させるために必要な全スイッチの状態を同期的に変化
させるコンピュータプログラムからの制御器80によって制御される。RF,S
F,DCの電力供給振幅は、同じコンピュータ制御プログラムを使用してディジ
タル対アナログ変換器のようなインタフェースによって設定される。このような
コンピュータ制御システムによって、MS/MSn実験シーケンスは、スイッチ
、制御信号および遅延パターンのプログラミングのセットによって得られる。制
御シーケンスは、プリセット値に基づいて、または受け取るデータに基づいて運
転中、データ取得運転と状態変化の開始をプログラミングする前、ユーザによっ
て選択される。データ依存的なソフトウエア制御決定は、例えば、母体質量スペ
クトル内により大きなスペクトルを含むイオンを選択および破砕すべく使用され
る。与えられる質量スペクトルに対して検出される、より大きな振幅母体ピーク
をもたらすイオンは、その後、m/z選択され、かつ続いて、自動化ソフトウエ
ア制御シーケンスにおいてプログラム化データ内で破砕される。
【0083】 多重4極組立体8の4極イオン案内組立体61は、4極イオン案内60と62
を電気的にも機能的にも分離するのに役立つ。イオンは4極組立体60の区分2
内にトラップされ、かつ4極イオン案内61の極3へ作用するDCオフセット電
位が、トラップイオンへ増し、かつ4極イオン案内61内へ、区分2からイオン
を通すべく減るとき、解放される。多重4極組立体8は、より大きな範囲の分析
能力を生じる大きな装置柔軟性を得るべく、4極組立体当たり大きな数の区分と
ともに、または大きな数の区分とともに構成される。装置柔軟性とある程度の複
雑さは、図4に示すようなハイブリッド4極TOFで構成される多重4極イオン
案内組立体160当たりの4極組立体と区分との数を増すことによって付加的な
機能性を得るべく増大する。多重4極イオン案内組立体160は、四つの4極組
立体161〜164を含む。二つのの区分の4極組立体161は、対称的区分1
65と出口区分166とを含む。二つのの区分の4極組立体162は、対称的区
分167と出口区分168とを含む。単一区分の4極組立体163は、区分16
9と、区分170〜173を含む四つの区分4極組立体164とを含む。各四つ
の区分4極組立体の棒は、それの出力RF波形は共通の周波数と位相とを有する
四つの独立したRF電力供給部に接続される。各四つの4極組立体の棒は、独立
した共鳴、またはセキュラ周波数成分波形供給部に接続される。各4極組立体の
各区分の棒は、独立したDC オフセットまたは+/−DC電圧供給部に接続さ
れる。代替的に、分析能力的にやや減少するとともに装置コストと複雑さを減ら
すために、共通のRF供給部は、多重4極組立体160のすべての4極組立体に
接続される。共通のRF供給部を使用する時の作動中に個々の4極区分へのDC
とSFを変えるとき、電気抵抗を切り離すことに注意が必要である。急速にスイ
ッチ操作されるDC電位のRF電位内への不注意な結合は、4極容積から急速で
好ましくないイオン放射をもたらす。補助的背景ガスがチャンネル178を通し
て第二真空ポンピング工程198内へ付加されて、多重4極組立体160内の背
景ガス成分を変調させる。弁199は、チャンネル178を通して真空工程19
8内への補助的ガスの流速を制御する。ヘリウムが衝突ガスの質量を減らすべく
付加され、アルゴンは衝突ガスの質量を増すべく付加され、または反応ガスは中
性ガス相に対してイオンを調べるため作用する。各4極組立体の各隣接する区分
と各隣接する4極組立体は電気的に絶縁されて、各隣接する区分の棒または極へ
作用する、異なる電位を隔離する。4極組立体161,162,163,164
は、中心線に沿ってシーケンス的に構成される。多重4極組立体160は直線構
成的に示される。代替的に、多重4極組立体160は、曲線棒または極を含む4
極組立体とともに構成される。
【0084】 図1に示す多重4極組立体8の構成にくらべて、効果的に多重の、第三の独立
した4極組立体161が多重4極組立体160へ付加されている。真空ポンピン
グ工程198の高い背景圧力領域内に構成される付加的な4極組立体161は、
独立した質量選択および/またはイオンのトラップとともに破砕工程の実施を可
能にする。イオンは独立的に、多重4極組立体160において、4極組立体16
1,162,163,164からトラップおよび解放される。4極組立体161
の区分166の棒に作用する、個々のDC オフセット電位は、区分165内の
イオンをトラップすべく、または4極組立体162の区分167内への区分16
5からイオンを解放すべく設定される。質量対電荷の選択と共鳴周波数励起DC
イオン破砕は、4極組立体161,162,164内に構成される。イオンは、
前向きの4極イオン案内組立体と逆向きのそれの間で適当なDC オフセット電
位を各多重4極イオン案内組立体の個々の区分へ付加することによって移動する
。出口区分168と二つの入口区分170,171は、4極組立体162,16
4の間にそれぞれ作用する。これらの付加区分は4極組立体163と一緒に、4
極組立体162と164の間で加速連結的に五つの工程を与える。高エネルギD
C加速CIDイオン破砕は、付加的な4極区分が与える長い加速路を使用して、
とくに高い背景圧力において得られる。多重通路は五つの設定連結点を通ってつ
くられて、破砕に、通じるイオン内部エネルギを増大する。
【0085】 ハイブリッドTOF170内で多重4極組立体160へ第三4極組立体161
の追加は、図1に示すハイブリッドTOF質量分析計にくらべて行われる分析機
能の範囲を増大する。ハイブリッドTOF170は、図1に示すようなハイブリ
ッドTOF質量分析計、三重4極または三次元イオントラップ質量分析計を使用
できないMS/MSn分析機能を行うように使用される。各MS/MS工程に対
して連続イオンビームとDC加速CIDイオン破砕とともに新しいMS/MS2
機能シーケンスシーケンスの例を、ハイブリッドTOF170とともに以下に説
明する。 4極組立体161は、反復的なイオントラップおよび解放とともに、またはな
しに質量対電荷の選択で作動する。 1. 4極組立体161を反復的なイオンのトラップおよび解放とともに、ま
たはなしに質量対電荷選択モードで作動させる。 2. 4極組立体161内に選択される母体イオン質量対電荷を充分な運動エ
ネルギで4極組立体162内へ加速して、DC加速CID破砕を生じさせる。 3. 4極組立体162を質量対電荷選択モードで作動させて、少なくとも一
つの第一世代砕片イオンを、反復的なイオンのトラップおよび解放モードととも
に、またはなしに選択する。 4. 4極組立体162内に選択される第一世代砕片イオンの質量対電荷を、
4極組立体163を通して、かつ4極組立体164内へ充分な運動エネルギで加
速して、DC加速CIDイオン破砕を生じる。4極組立体164を、RF専用イ
オントラップと解放モードで作動させて、第二世代砕片イオンをトラップする。 5. 第二世代砕片イオンを4極イオン案内164からパルス化領域175内
へ移動して、ここで、TOF浮遊領域176内へパルス化しかつ質量対電荷を分
析する。
【0086】 区分173を4極イオン案内組立体164の出口端174へ付加して、4極イ
オン案内164内でイオンを補足し、かつTOFパルス化領域1754内へ4極
164からのイオンをゲート制御するための代替的手段として役立てる。イオン
を4極組立体164内で、区分173の棒へ作用するDCオフセット電位を上げ
ることによってトラップする。区分173の極へ作用するDCオフセット電位で
トラップすることは、レンズ179へ作用するDC復旧電位の使用とくらべて、
出口端174で起きる縁取り電界効果によって起きる何かの焦点ぼけ作用を減ら
す。区分173は、主としてRF専用イオン移動モードで作動して、4極イオン
案内164の出口端174にある対称的なDC縁取り電界効果を減少または最小
にする。区分173は、出口レンズ179と関係して、または出口レンズ179
の代わりに、イオントラップまたは逆イオン加速機能のために作動するように構
成される。当業者には明らかなように、いくつかのユニークな分析機能シーケン
スが、図4に示す四つの4極イオン案内組立体ハイブリッドTOF170ととも
に、上に与えられる例のほかに可能である。高い背景圧力領域171内に構成さ
れる4極組立体161,162,164は、独立的に質量対電荷選択モードおよ
び/または共鳴周波数励起CIDイオン破砕モードで作動する。4極組立体16
1,162,163,164は、DC加速CIDイオン破砕を得るべく互いに関
連的に作動する。広範な機能が、与えられる分析用途に対しハイブリッド4極T
OF170を使用してMS/MSn質量分析を得るために行われる。
【0087】 AOI源ハイブリッド4極TOF170への代替実施例を図5に示す。図5を
参照して、4極TOF194内に構成される多重4極組立体180は、静電レン
ズ192と193と間隔をあけて個々の4極組立体181,182,183を含
む。静電レンズ192は、4極組立体181と182の間の連結点内に構成され
、かつ静電レンズ19は4極組立体182と183の間の連結点内に構成される
。静電レンズ192は、図4に示すように、多重4極組立体160内の4極組立
体163に入れ替わる。静電レンズ192と193は、DC電力供給に接続され
て、隣接する4極組立体からのイオンのトラップと解放を許容する。イオンは、
なお、多重4極組立体180内で前方と逆方向に4極組立体の間で運動できるが
、相互4極連結点内でDCレンズの存在は、隣接する4極組立体の末端に付加的
なRFラジアルトラップ電界と共鳴AC電界の若干のひずみを生じる。このRF
とAC電界ひずみに加えてレンズ192と193での穴195と196の減少し
た伝播面積はそれぞれ、4極組立体の間にイオン伝播損失をもたらして感度を低
減する。性能は、RF電力供給の除去からコストが大きく減少する一方、4極イ
オン案内組立体181,182,183内で独立的にイオンをトラップかつ解放
する能力を維持することに対して妥協的に均衡する。代替的に、静電レンズ19
2および/または193は多重レンズセットとして構成され、イオンは4極イオ
ン案内組立体の間の連結点を横断するから、それらの静電的な合焦または加速を
可能にする。RF,+/−DCと共鳴周波数波形電力供給の三つの個々のセット
は、それぞれ電位を4極組立体181,182,183の棒へ付加する。分離し
たDCオフセット電位は、多重4極組立体180の各区分184,185,18
6,187,188,189,190,191へ作用する。4極組立体181,
182と、4極組立体183の一部は、より高い背景圧力真空工程197内に構
成される。独立的な質量対電荷選択と共鳴周波数励起CIDイオン破砕は、4極
組立体181,182,183内で行われる。DC加速CIDイオン破砕は、4
極組立体内部で区分の間のイオン加速によって、または前と逆方向に4極組立体
181と182,182と183の間のイオン加速によって得られる。代替的に
イオンは、DC加速CIDイオン破砕を得るべく逆方向に4極組立体183の出
口端から4極組立体183内へ加速される。図1と4に示すハイブリッド4極T
OF実施例への上述の説明から明らかなように、API源ハイブリッド4極TO
F194は、各MS/MS工程において、質量対電荷選択とイオン破砕を得るべ
く異なる方法を使用するオプションとともに、MS/MSn質量分析機能の範囲
を行うように作動する。ハイブリッド4極TOF194は、三重4極と三次元4
極イオントラップ質量分析を行うように使用され、かつ三重4極や三次元イオン
トラップのどちらをも使用できない質量分析機能を行うことができる。
【0088】 あまり複雑でない単一または多重の4極組立体が、装置コストを下げかつ運転
の複雑さを減らすべくハイブリッド4極TOF装置で構成できる。作動と分析能
力における柔軟性は、多重4極の構成は簡単であるから、所望の用途に依存して
減少する。多重4極組立体8の4極イオン案内組立体61は、4極イオン案内6
0と62を、電気的にも機能的にも分離すべく作用する。4極イオン案内61の
極3へ作用するDCオフセット電位がイオンをトラップすべく増大し、かつ区分
2から4極イオン案内61内へイオンを通すべく低減するとき、イオンは、4極
組立体60の区分2内でトラップされ、かつ解放される。図6は、電気スプレー
イオン源212、四つの真空ポンピング工程208,209,210,211、
多重4極組立体64およびTOF質量分析計216を含むハイブリッド多重4極
イオン案内TOF装置215の代替実施例を示す。多重イオン案内204は,個
々のRF,+/−DCと共鳴波形電力供給とを有する共通中心線205沿いに位
置する、個々の4極組立体201,202,203を含んで、各4極組立体とと
もに独立的な質量選択とイオン破砕機能との実施を許容する。発明の1つの態様
において、三つすべてのRF電力供給は共通の周波数と位相出力で作動する。共
通の周波数と位相は、多重4極組立体204内で各4極組立体201,202,
203の軸方向に整列した棒に付加されて、4極組立体の間のイオン移動効率を
最大にする。4極組立体203は、高い背景圧力真空ポンピング工程209から
連続して低い背景圧力真空工程210内へ延びる。上に与えられるTOF質量分
析とともに、質量対電荷選択と破砕工程に導かれる多重4極イオン案内組み合わ
せの例は、ハイブリッド多重4極イオン案内TOF装置215内に構成される多
重4極組立体204へ作用する。
【0089】 代替的に、個々の4極組立体201と202は、両区分の棒へ作用するRF電
位が共通のRF電力供給から出発する4極組立体の二つの区分として構成される
。この代替実施例で多重4極組立体204は二つの4極組立体を含み、その第一
4極組立体は区分201と202を含み、かつ第二4極203は単一区分を含む
。独立した+/−DC(オフセットDCを含む)と共鳴周波数波形は、4極区分
と組立体201,202,203の棒へ付加されて、独立的な質量対電荷選択と
イオン破砕機能との実施を各4極区分または組立体内で許容する。この代替実施
例を図1に示すような多重4極組立体8とくらべると、4極組立体61は二重4
極組立体204では除去されている。4極組立体62の区分化イオン案内8の除
去は作動シーケンスを簡単にし、かつ電子部品コストを低減する。図1に示す実
施例を使用して説明される多数のMS/MSnシーケンスは、図2に示すような
二重4極組立体202とともに運転可能である。4極区分および/または組立体
201,202,203の間に適当な相対的DCオフセット電位を設定すること
によって、DC加速CIDイオン破砕が、4極区分または個々の4極組立体の間
で連結点206および/または207を通して前と逆方向に、または4極203
の出口端から逆方向にイオンを加速することによって発生する。真空第二工程2
09内の背景圧力は0.1ミリトール以上に維持されて、安定軌道イオンエネル
ギの衝突減衰を許容し、かつ各多重イオン案内区分または組立体内でのイオンの
CIDイオン破砕を可能にする。区分または4極201の入口端203での局部
圧力は、自由噴射膨張のためにより高く、かつ多重4極組立体204の入口での
イオン案内効率を高めることに役立つ。独立的な4極組立体61または区分20
2と4極203の間の連結点内の区分の除去は、区分202と4極203の両方
において異なるイオン集団のイオンを同時にトラップすることでの柔軟性を減少
する。この減少した機能性は、装置の作業とコストを、変数と部品の減少によっ
て簡単にする。図1〜5に示す発明の態様を組み合わせると、発明の代替実施例
がハイブリッドTOF215内へ構成される。例えば、静電レンズが連結点20
6と207内に含まれて、区分または4極内でのイオンのトラップまたは連結点
206と207を横断するイオンの移動を可能にする。静電はまた、4極組立体
の間で電界の容量結合を分離するためにも役立つ。多重4極組立体204は、一
つの電力供給部から出発して三つの区分全部の極に作用するRFとともに三区分
イオン案内としても働く。いくつかのMS/MSn質量分析機能が、電気部品の
複雑さとコストを低減してこの単一RF供給実施例で行われる。
【0090】 ハイブリッド4極TOFで構成されるquide組立体の構成は、MS/MS n 分析機能の実施能力を維持しつつさらに簡単になる。発明の代替実施例を示す
図7においては、三つの区分の4極イオン案内408が、ハイブリッドAPIT
OF質量分析:計内に構成される。最も簡単な実施例で、RF電位は、各区分へ
作用する分離したDCオフセットとともに共通の電力供給部RFから三つの区分
401,402,403の棒に作用する。個々の+/−DCと共鳴波形は区分4
01と402の棒へ付加されて、質量対電荷選択と選択されるイオンの共鳴周波
数励起CID破砕と行なう。三区分多極イオン案内408は、より高い背景圧力
真空工程411からより低い背景圧力真空工程412内へ延びる。区分402は
、RF専用モードで、または米国特許出願08/694,542に記述されるよ
うなTOF質量分析と結合されるとき、完全なMS/MSn機能能力とともに構
成される二次元トラップとして作動して、イオンをTOFパルス化領域415内
へ移動する。図4の実施例は、米国特許出願08/694,542に記述されな
い4極組立体408内に構成される二つの付加的区分を含む。区分401と40
3は、質量対電荷選択とイオン破砕作業モード中、区分408に作用する電位の
縁取り電界効果を分離するか最小化するのに役立つモードで作動する。縁取り電
界効果の最小化は、4極イオン案内408を入口と出口端416と417におい
て出入りするイオンの軌道の最良化を可能にする。例えば、区分401はRF専
用モードで作動して、効果的にイオンを入口領域416から区分408内へ移動
する。入口端416で多極イオン案内408に入るイオンの運動エネルギと軌道
は、背景ガスとの衝突によって減衰する。区分401を横断するイオンは、イオ
ン伝播効率に及ぼすDC縁取り電界の焦点ぼけの影響が最小である、中心線41
8近くの区分408に入る。区分403に作用するDCオフセット電位は、区分
402内のイオンをトラップすべく、またはTOFパルス化領域415内へ区分
402からのイオンをゲート制御すべく切り換えられる。パルス化領域415を
横断するイオンはTOF浮遊領域414内へパルス化され、かつ質量分析される
。直線的TOF飛行管形状を、イオン反射体形状を含むTOF飛行管形状への代
替実施例として図7に示す。
【0091】 RF専用モードで作動する区分403は、区分402の異なる作動モード中に
発生する区分2の出口端で非均一縁取り電界を遮蔽することによって、多極イオ
ン案内出口領域417からTOFパルス化領域415内へ移動するイオンに対し
て整合的イオン軌道を与える。区分401はまた、m/z選択および/または破
砕モードで作動でき、かつ母体または製品イオンは、前方へ、または区分401
と402の間で逆方向に移動できる。結果として、イオンは区分401と402
の間で、先行実施例と米国特許出願08/694,542に説明される共鳴周波
数CID機能を完全にするDCイオン加速で破砕される。区分403を横断する
イオンは区分402内へ加速的に戻されて、真空工程411内へ延びる区分40
2のその部分内で、CIDイオン破砕をもたらす。区分403から402へ逆方
向にイオンのパルス化は、区分403とレンズ419の極に作用するDC電位を
同期的に切り換えて、出口領域417内のイオンのエネルギを高めてから、イオ
ンを逆方向に4極中心線418沿いにへ加速することによって行われる。レンズ
419と区分402の極から区分403内へDC電界貫通は、二つの要素の間に
作用するDC電圧差によって生じて、区分403から402内へイオン加速を助
ける。図4に示す実施例は、機能的柔軟性での一定の妥協とともに、数が減少し
た多重イオン案内区分またはより高圧の真空領域内で作動する個々の4極組立体
のおかげて、コスト的に有効な構成での充分なMS/MSn機能性を可能にする
【0092】 図8に示す三次元多極イオン案内の代替実施例は、区分化多極イオン案内44
8が第一真空ポンピング工程450内に延びるように構成される。電気スプレー
イオン源452内につくられるイオンは、毛細管453を通して第一真空ポンピ
ング工程450内に運動する。出口端454で毛細管453を出るイオンは、第
一多極イオン案内441に入り、ここでイオンは区分441上の極へ作用するR
F電界によって半径方向に制限される。区分441の極へ作用する電界が決定す
る安定性ウインドウの域内にくるm/z値を有するイオンは区分441を通りぬ
け、かつ区分442内へ移動する。TOF質量対電荷分析とともにMS/MSn
機能は、図7に示す三区分イオン案内へ記述されるものに似た技術を使用して得
られる。区分化イオン案内448への代替物は真空工程450内へ延長区分44
2を含む。付加的な多極イオン案内区分は、真空工程454内へ延びる多極イオ
ン案内448のその部分に付加される。この構成は、ある種の分析用途に対する
より低い圧力作動に対して好適なより高い背景圧力で質量対電荷選択とイオン破
砕機能とを可能にする。ハイブリッド4極TOF質量分析計で構成される多重4
極または多重区分4極組立体の付加的構成を、図9〜11に示す。
【0093】 図9に示す、独立した4極または区分化多極イオン案内組立体502は、TO
Fパルス化領域507内へ延びる。多極イオン案内508の長さを横断するイオ
ンは、独立した4極組立体または区分501,502,503を通過し、かつ4
極または区分507内へ移動する。区分503,504とレンズ506の極へ作
用する相対的DC電圧は4極組立体504内のイオンをトラップする。区分50
4内でトラップされるイオンは、ここで参照文献によって完全に統合される、米
国特許第5,763,878に記述されるように、RF電圧成分を遮断し、かつ
非対称DC電位を区分504の極へ付加して、2本の極間のすきまを通してイオ
ンをパルス半径方向に加速することによってTOF浮遊領域510内へパルス化
される。”質量分析法とイオン物理学に関する第44回ASMS会議1996”
の予稿p.795で、ジェームス,C.Fは、4極504からTOF浮遊領域内
へトラップされるイオンの横方向イオン抽出を有する4極イオン案内とともにト
ラップレンズ506の取り換えを記述する。
【0094】 TOF質量対電荷分析式の完全なMS/MSnは、図9に示すハイブリッドT
OF実施例を使用して得られる。個々の4極組立体または区分501,502,
503は、個別に、または補充的な方法で作動してTOF質量対電荷分析に先行
して質量対電荷選択および/またはイオンCID破砕を得る。上述の実施例に似
て、多重4極組立体508は、共通のRF周波数および位相とともに個々の4極
組立体501,502,503,504の棒へ異なる電位を供給する、RF、+
/−DCおよび共鳴周波数波形電力供給部の四つの独立したセットで構成される
。高圧真空工程512に位置する各4極組立体501,502,503は、独立
して協働的に、質量対電荷選択および/またはイオン破砕モードで作動して、T
OF質量対電荷分析とともにMS/MSn質量分析のMS/MS工程を行なう。
4極507は、中性背景ガスとともに生じるイオン衝突が僅少または皆無である
低圧真空領域内に構成される。結果として、TOF浮遊領域510内へ横方向パ
ルス化に先行して4極組立体504内にトラップされるイオンに対して生じる衝
突減衰は皆無である。
【0095】 TOF浮遊領域510内へ横方向パルス化に先行して4極組立体504内にト
ラップされるイオンは、4極組立体504の長さ沿いに軸方向のいずれか方向に
横断している。4極組立体504の反対方向に運動するイオンの軸方向軌道は、
TOF検出器にぶつけるようにレンズ511の操作によって同時に命令すること
は出来ない。TOF管内の検出器にぶつけるべく必要な軌道を有するイオンの数
を増すには、4極イオン案内504に入るイオンの最初の通行中、イオンを4極
組立体504から横方向に加速するか、またはイオンを4極504内へ非常に低
い軸方向運動エネルギで移動する必要がある。後者の有する欠点として、パルス
化領域充填時間は非常に長くて、TOFパルス速度の減少をもたらす。減衰せず
にRF電界によって4極組立体504内で半径方向のイオン運動は、横方向にT
OF浮遊領域510内へ加速されるイオンの空間およびエネルギ的拡散の原因と
なる。TOFパルス化領域内に構成される二次元的トラップとともに作動すると
き考慮されるべき付加的な制約は、TOF分析器内で共通に使用される多チャン
ネル板検出器は、典型的には100のオーダでの、制限的な瞬間帯電降下リニア
動的範囲応答性を有するということである。もしもm/zのような非常に多数の
イオンが2ナノ秒時間ウインドウ以内に検出器に達したとすると、検出器出力は
、信号振幅ひずみをもたらす飽和に到達する。OF浮遊領域510内へトラップ
されるイオンのパルス化に先行して4極504内でイオン蓄積時間の減少は、検
出器の飽和を回避するのに役立つ。レンズセット511を操作するため作用する
電位は最良化されて、TOF検出器にぶつかる4極504からパルス化されるイ
オンの数を最大にする。
【0096】 図10は、ハイブリッドAPI源多極イオン案内TOFの代替実施例を示す。
図10を参照して、付加的多極イオン案内610は、区分化4極イオン案内組立
体608とTOFパルス化領域611の間に構成される。多極イオン案内610
は、4極イオン案内として構成される隔壁614によって包囲されるかまたは4
極イオン案内として構成される衝突室組立体612へガスを付加するとき、衝突
室として作動し、また質量対電荷選択モードで作動する。4極イオン案内608
を含む区分601,602,603は、個別に、または集合的に質量対電荷選択
および/またはCIDイオン破砕モードで作動して、TOF質量対電荷分析とと
もにMS/MSn機能を得る。多極イオン案内608の各区分は単一通過または
イオントラップモードで作動する。さらにイオンは、多極イオン案内610内で
DC加速または共鳴周波数励起CIDイオン破砕とともに質量対電荷的に選択さ
れることを要する。多極イオン案内608は連続的に高い背景圧力真空工程61
3から、区分603から存在するイオンが中性背景ガス分子との衝突からの散乱
作用を受けない低圧真空工程615内へ延びる。多極イオン案内610内へのイ
オン移動効率は、イオンが区分601と、真空ポンピング工程613内にある区
分602の部分とを横断するとき、イオンの衝突減衰によって助けられる。多極
イオン案内610を含む分離衝突室組立体612の構成は、衝突または反応性背
景ガスの導入を許容する。図1に示すハイブリッドTOF実施例は、ガス相イオ
ン中性反応の調査または完全MS/MSn質量分析能力とともにイオンのCID
破砕に対して異なるガスの使用を可能にする。多極イオン案内610は、TOF
パルス化領域611内へのイオンのゲート制御とともに、単一通過またはイオン
トラップと解放モードで作動する。付加的RF多極イオン案内は、真空工程61
5内で衝突室内に構成される多極イオン案内610と、TOFパルス化領域61
1の間に構成されて、CID領域612と、低い背景圧力に維持される第4真空
工程618の間の背景圧力を減少させる。多極イオン案内608は、ここで参照
文献によって統合される、米国特許出願60/017,619に記述されるよう
に、イオン案内610の極内へ延びるように構成されて伝播効率を改善する。図
10に示す二重多極イオン案内実施例は、MS/MSまたはMS/MSn質量分
析シーケンスでの二つの分離衝突ガスを使用するような特殊作動モードを可能に
する。図10に示すようなハイブリッドTOF実施例は、異なる断面で構成され
、かつ各4極の棒へ作用する、異なる+/−DCとRF周波数、位相および振幅
電位を有する4極イオン案内組立体608または610のいずれかでの、イオン
質量対電荷選択および/またはCIDイオン破砕機能の実施をも可能にする。イ
オンは、前方と逆方向に4極組立体608と610の間で加速されて、DC加速
CIDイオン破砕をもたらす。
【0097】 図11は、MS/MSn分析モードで作動可能な多極イオン案内ハイブリッド
TOF質量分析計への代替実施例を示す。区分化4極イオン案内組立体708は
区分701,702,703とともに構成されて、高い背景圧力真空工程710
内に位置する。低い背景圧力真空工程711内に位置する第二4極イオン案内組
立体704は、ガス仕切713によって包囲される。ガス仕切713は、イオン
案内704を衝突室として作動させることが望ましいとき、領域713内へ衝突
ガスを付加して、領域713内の圧力を真空工程711内の背景圧力以上に上昇
させる。第三の多極イオン案内714は真空工程711内に位置して、多極イオ
ン案内704からパルス化712内へイオンを効果的に移動して、充分な真空ポ
ンピングを、高圧衝突領域713と低圧TOFパルス化領域712の間に可能に
する。4極イオン案内704は、単一通過またはイオントラップモードでTOF
パルス化領域712内へイオンのゲート制御とともに作動する。4極イオン案内
組立体708と704を分離の真空工程に配置すると、多極イオン案内形状の構
成での柔軟性が、とくに4極組立体708に対して増大可能となる。一つ以上の
真空工程に延びる多極イオン案内は、比較的小さい内径r0とともに構成されて
、一つの真空工程から次への中性ガスコンダクタンスを最小にする。ガスコンダ
クタンスの最小化は、与えられる背景目標圧力への真空ポンピングコストを低減
する。多極イオン案内組立体708,704,714の極は、真空工程710と
711をそれぞれ開始および終了するから、いかなる多極イオン案内の形状にも
真空ポンピングの制約は課せられない。イオン案内708,704,714の内
径r0は、図7に示す実施例での真空ポンピング条件によって制約されない。
【0098】 先に述べた実施例に似て、真空工程710内の背景圧力を十分高く維持して、
イオンが4極組立体708の長さを横断するとき、背景ガスとイオンの間に衝突
が起きることを確実にする。真空工程710内の背景圧力は、共鳴周波数励起ま
たは内部区分DCイオン加速技術を使用して、多極イオン案内708を横断する
イオンのCIDイオン破砕を可能ならしめる。多極イオン案内708内の各区分
は、独立して、または他の区分と関係して、m/z選択またはCIDイオン破砕
作業モードで作動する。真空仕切と静電レンズ707に作用する電圧は、区分7
03から多極イオン案内704へ通過するように設定され、または多極イオン案
内708内でイオンをトラップするように設定される。多極イオン案内708内
の各区分は、適当な相対的DCオフセット電位を隣接する区分の極へ付加するこ
とによってトラップまたは非トラップモードで作動する。類似の多極イオン案内
704は、イオンm/z選択モードで低または高背景圧力とともに、または衝突
ガスが領域713内にあるとき、共鳴周波数励起CIDイオン破砕モードで作動
する。イオンはまた、多極イオン案内704内へ十分な運動エネルギでDC加速
されて、CID破砕をもたらす。イオンは、前方または逆方向に4極または多極
イオン案内組立体708と704の間に十分な運動エネルギで加速されて、DC
加速CIDイオン破砕をもたらす。イオンm/z選択とCIDイオン破砕機能の
組み合わせは4極イオン案内組立体708と704で行われて、TOF質量分析
とともに各種のMS/MSn分析機能を得る。図10に示す衝突室612の実施
例として、衝突ガスまたは反応ガスが、真空工程710内の背景ガスの成分と異
なる成分で領域713内へ導入される。選択されるイオン・分子反応は、適当な
反応ガスを衝突室領域713内へ付加することによって調べられる。反応製品イ
オンは、質量対電荷的に選択され、または4極イオン案内704または708の
いずれかでの一つ以上の工程で砕片化される。多極イオン案内704を最終的に
流れて通るか、またはトラップされる発生イオン集団は、続いてTOF質量分析
される。
【0099】 図1〜11に示す発明の実施例は、ハイブリッド多重4極イオン案内TOF質
量分析計の構成と作動の、若干の実施例であって、イオンの質量対電荷選択とイ
オン破砕は、高圧真空領域内に位置する少なくとも一つの4極イオンを使用して
行われる。イオンと中性背景ガス分子の間の多重衝突は、高圧真空領域内に構成
される4極イオン案内内で生じる。発明は図示される実施例と記述される技術に
限定されない。例えば、区分化される4極イオン案内が記述され、個々の4極イ
オン案内は高い背景圧力領域内に位置し、かつ独立的に、またはm/zと調和的
にイオン破砕工程をMS/MSn分析で行なうべく使用される。好適な実施例は、
同じRF周波数と位相を、異なる同期したRF電力供給から、組立体内の個々の
4極イオン案内へ付加することである。RF振幅、+/−DC(DCオフセット
を含む)および共鳴周波数波形が、このような組立体内で各4極イオン案内に対
して独立的に変化する。代替的に、RFは異なる周波数と位相とともに、独立的
に、組立体を含む個々の4極イオン案内へ作用する。4極イオン案内の間に非同
期のRF周波数と位相とを有する一つの好適な実施例は、二つの隣接する4極イ
オン案内の間の連結点内での静電レンズの構成であって、イオン案内の間で横断
するイオンに対して縁取り電界効果を最小にする。
【0100】 図示される4真空ポンピング工程の実施例は、m/z選択および/またはCI
D破砕とともに2、3または5工程真空システムとして構成変更され、高い背景
圧力真空領域内に位置する少なくとも一つの多極イオン案内とともに行われる。
異なるイオン源がハイブリッド多重4極イオン案内TOFハイブリッド装置とと
もに構成される。真空または部分真空で作動する均等なイオン源は、高い背景真
空圧力で作動する多極イオン案内とともに構成される。真空内で作動するイオン
源とともに多極イオン案内を含むガスが真空領域へ付加されて、高圧のm/z選
択およびイオン破砕モードで作動する。発明はTOF質量分析計形状の変種に作
用する。例えば、TOF質量分析計は、直列パルス化領域、多重電界イオン反射
体または離散的ダイノード増倍器とともに構成される。代替実施例において、高
圧真空領域内に位置する区分化多極イオン案内または個別の多極イオン案内の部
分も構成されて、イオンの移動、イオンのトラップおよび何らかの上述のCID
破砕モードで、ならびにm/z走査またはm/z選択モードで、またはこれらの
個々の作動モードの組み合わせで作動する。発明の実施例で記述されるCIDイ
オン破砕、イオン質量対電荷選択、およびMS/MSnの方法が、発明の代替実
施例に含まれる。発明の一つのこのような代替実施例において、MS/MSまた
はMS/MSnシーケンスのいずれかの、最後の質量分析工程が4極イオン案内
によって行われる。
【0101】 図1に示す検出器38は、TOF質量分析に先行してイオンを検出すべく使用
される。発明の一つの態様は、イオンと中性ガス分子の間に多重衝突が発生する
高圧真空真空領域内で構成され、かつ作動する少なくとも一つの、または一部分
の、一つの4極イオン案内の構成と作動である。上述のように、多重イオン案内
の重要な特徴は、安定軌道内のイオンが単一通過またはイオントラップモードで
作動しているイオン案内またはイオン案内区分の一端から同度に開放される一方
、イオンが多極イオン案内の反対端まは個々の区分に入るということである。こ
の特徴によって、連続的イオンビームを受ける区分化イオン案内は、イオン案内
内に位置する一部分のイオンだけをもう一つの多極イオン案内または解放される
イオン上で質量分析を行なう他の質量分析計内へ選択的に解放できる。この方法
で、連続的なイオンで供給されるイオンは、離散的な質量分析工程の間に失われ
ない。発明の別の態様は、多極イオン案内が付加的な4極質量分析計または多極
イオン案内衝突室とともに構成され、またはされない高圧真空領域内に位置する
区分化多極イオン案内とともにAOI源の構成である。区分化4極イオン案内は
、10-4トール以上の背景真空圧力で作動する区分化イオン案内長さの部分とと
もにMS/MSまたはMS/MSn質量分析計として構成される。発明が構成す
る4極質量分析計とともにに構成される電子増倍イオン検出器は、低または高背
景圧力真空領域内に位置しかつ作動する。高圧真空領域内で作動する、質量分析
計として、または多重多極質量分析計の一部として構成される単一または多極真
空工程区分化多極イオン案内は、慣例的な4極質量分析計の構成で得られるより
も低いコストと装置複雑さに対して広範囲のMS/MSまたはMS/MSn分析
機能を行なうべく使用される。高い真空背景圧力でのAPI源4極質量分析計の
作動は、真空ポンピング速さ要件を減らすことによって装置の寸法とコストを低
減できる。
【0102】 図14に示す発明実施例では、多重4極組立体1010が、API4極質量分
析計内に構成される四つの独立した4極イオン案内組立体を含む。4極イオン案
内1008は区分1001と1002とともに構成される。個々の4極組立体1
003,1004,1005は各一つの区分とともに構成される。区分1001
と1002および4極組立体1008,1003,1004,1005は、各区
分または4極組立体をそれぞれ分離する絶縁性の連結点1018,1019,1
020,1021とともに共通の中心線1011沿いに構成される。第三真空工
程1017、電気スプレー源1012、区分化4極イオン案内1008、4極組
立体1003,1004および真空ポンピング工程1015,1016,101
7における連結点1021までは、図1に示すようなハイブリッド4極TOF実
施例の共通の要素に似て構成されかつ作動する。図1のTOF質量分析計40は
、図14に示す発明実施例で4極組立体1005によって置換される。
【0103】 図2に示すように、個々の電力供給ユニットはそれぞれ、RF、+/−DC(
DCオフセットを含む)と共鳴周波数波形電位とを4極組立体1008,100
3,1004の棒へ供給する。独立的なRFと+/−DC電力供給ユニットはま
た、4極組立体1005の棒への電位をも供給する。発明の好適実施例において
、同じ周波数と位相がすべての整列した棒へ多重4極組立体1010で付加され
て、前または逆方向に4極組立体の間の安定した軌道でのイオンの移動効率を最
大にする。異なるRF振幅、+/−DC(DCオフセットを含む)および共鳴周
波数波形は、各個々の4極組立体の棒へ作用する。異なるDCオフセットと共鳴
周波数波形は、イオン案内組立体1008の異なる区分1001と1002に作
用する。代替的に、異なる周波数と位相を有するRF電位は、質量分析作業中、
個々の4極組立体1008,1003,1004,1005へ作用する。異なる
4極に作用する非同期のRFを用いて、4極組立体1003を静電レンズと置換
し、かつ4極組立体1004と1005の間の連結点1021内に静電レンズを
含むことが望ましい。代替的に、RF電位は、共通のRF供給部から区分100
1,1002の棒と4極イオン案内1003,1004へ作用する。
【0104】 第二真空工程1016は、イオンが多重4極組立体1010の長さを横断する
とき、多重衝突がイオンと中性ガス分子の間で起きる10-4トール以上に制限さ
れる背景圧力で作動する。4極イオン案内組立体1005は、イオンが4極組立
体1005の長さを横断するとき、ほとんど衝突がイオンと背景ガス分子の間で
起きない10-4トール以下の背景圧力に維持される第三真空工程1017内に構
成される。4極イオン案内1005は質量対電荷走査用の、または選択されるイ
オン監視モードで作動する。図10に示す実施例は、図20に示すような慣例的
な三重4極構成が行なうすべてのMSとMS/MS分析機能ならびに付加的なM
S/MS分析機能を行なうことができる。四つの基本的なMS/MS三重4極作
動モードは先行の節に示される。
【0105】 先に示したMS/MS三重4極質量分析機能は、以下の作動シーケンスを使用
して、図14に示すAPI多重4極実施例で行われる。 1. 区分1001は、所望のm/z値範囲を通るように設定される付加的な
RF振幅とともにイオン単一通過(非トラップ)RF専用モードで作動する。区
分1001と1002の極に作用する相対的DCオフセット電位は、イオンを、
区分1001から区分1002へDC加速イオン破砕なしに移動するように設定
される。 2. 区分1002は、イオン単一通過(非トラップ)イオン質量対電荷選択
モードで作動する。イオン質量対電荷選択は、図1に示すような4極組立体60
の区分2に対して説明される質量対電荷選択技術を使用する区分1002を使用
して行われる。RF振幅は、適当な+/−DC電位を区分1002の棒へ付加す
る間に変調される。代替的に、RF変調は区分1002の棒へ作用する+/−D
Cと共鳴周波数波形とともに使用されて、単一通過イオン質量対電荷選択を行な
う。4極1008について質量対電荷走査を必要とするMS/MS付加のため同
じ質量対電荷分離技術を使用して、RF変調とともに、またはなしに所望の質量
対電荷範囲を通じてRFと+/−DC振幅電位または共鳴波形m/z励起周波数
のノッチを付ける。 3. 4極組立体1003と1004は、RF専用モードで作動する。組立体
1002と4極組立体1003とに作用する相対的DCオフセット電位を、充分
なエネルギで、組立体1002から4極1003と1004を通して、かつ4極
イオン案内1005内へ、質量対電荷の選択されるイオンを加速するように設定
して、加速されたイオンのCID破砕を4極イオン案内1003と1004へ生
じる。イオン破砕が起きて、4極イオン案内1005内へ移動する低い運動エネ
ルギ拡散のイオンビームが生じた後、中心線へのイオン軌道を減衰すべく4極1
004の入口端内の背景圧力を充分高く維持する。破砕の充分なイオン運動エネ
ルギ衝突減衰とともに、4極1005へ入るイオンの運動エネルギは、4極10
04と1005へ作用する相対的DCオフセット電位によって決定される。4極
1005を横断する低速イオンはより多いRFサイクルにさらされて、質量対電
荷の選択分解能を改善する。 4. 区分1005は質量対電荷の選択モードで作動する。他のMS/MS作
動モードで必要とされるとき、質量対電荷値選択の範囲を、三重4極MS/MS
作動モードで固定するものがある。4極組立体1005内のイオン質量対電荷選
択を、区分1005の棒へ付加するRFと+/−DC振幅の、より慣例的なラン
プ作用を使用して行う。区分1002と1005のm/z選択走査ランプを同期
化して、選択される破砕結果の中性損失走査または監視を行なう。 5. レンズ1006を経て4極イオン案内1005からのイオン伝播は変換
ダイノード1007へ加速される。発生する二次電子と光子は、電子または光増
倍器1024で検出される。代替的に、イオンは直接に電子増倍器1024へ加
速され、かつ検出される。
【0106】 図14に示す発明の実施例は、第一と第三の分析4極554と556がそれぞ
れ低圧真空領域で作動して背景ガスとのイオン衝突を最小にする、図20に示す
ような慣例的な三重4極構成では不可能な付加的分析機能を行なうことができる
。例えば、非トラップの連続的なイオンビームMS/MS2分析は、区分100
1を質量対電荷モードで作動させ、かつ選択されるイオンを区分1002内に充
分なエネルギで加速して、4極組立体1008の区分2内にDC加速CID破砕
をもたらすことによって得られる。区分1001は、静止または走査イオン質量
対電荷選択モードで作動する。代替的にMS/MS2分析は、破砕イオンの内部
エネルギを増すことが望ましくないとき、母体イオンの共鳴周波数励起CIDイ
オン破砕で行われる。これは走査または非破砕モードで以下のように得られる。 1. 区分1001は、単一通過(非破砕)RF専用モードで、m/z値の所
望範囲を通過すべく設定される付加的なRF振幅とともに作動する。 2. 区分1002は、単一通過(非破砕)m/z選択モードで作動する。イ
オン質量対電荷選択は、静止の単一範囲イオンm/z選択とともに、または所望
の走査速さでイオン質量対電荷値の範囲にわたって反復走査とともに行われる。
共鳴周波数励起放射の質量対電荷選択作動とともに、多重母体イオンm/z値を
同時に選択する。 3. 区分1002と4極イオン案内1003と1004の棒に作用する相対
的なDCオフセット電位は、質量対電荷の選択されるイオンを4極1003を経
て、かつ4極1004へDC加速CIDイオン破砕を生じることなく加速するよ
うに設定される。4極1004は共鳴周波数励起CIDイオン破砕モードで作動
して、区分1002内に選択される母体イオンm/z値イオンを破砕する。4極
1004内につくられる第一世代砕片イオンは、設定される適当な相対的DCオ
フセット電位とともに、イオンが最大m/z選択分解能とともに4極イオン案内
1005を通過すべく、4極イオン案内1005内へ通る。4極組立体1004
の入口端内の背景圧力は、低いエネルギ拡散とともに中心線1011へ半径方向
に減衰されるイオンビームを得るべく破砕後、イオン軌道を減衰するのに充分高
く維持される。この方法で、区分1005へ入るイオンの運動エネルギは、4極
組立体1004と1005の棒へ作用する相対的なDCオフセット電位によって
決定される。 4. 4極イオン案内1005は質量対電荷選択モードで作動する。イオン質
量対電荷値の選択範囲は、他の用途で必要とされるとき、若干の三重4極選択M
S/MS用途内に固定される。組立体1002の4極1005のイオン質量対電
荷選択走査ランプは、中性損失走査または選択される破砕結果の監視によって実
施すべく同期化される。 5. 連続1006を経て4極イオン案内1005からのイオン伝播は、変換
ダイノード1007内へ加速される。発生する二次電子と光子は、電子または光
増倍器1024で検出される。代替的に、イオンは電子増倍器1024内へ直接
加速され、または検出される。
【0107】 四つ全部の4極組立体へ作用するRF周波数と位相での好適実施例において、
イオンは、4極イオン案内1004から4極1005へ低い運動エネルギで効果
的に移動して、4極1005内で高い分解能の質量対電荷走査を選択する。イオ
ンは、一時的に、イオン滞留時間を増すように4極イオン案内1008,100
3,1004内にトラップされる。イオン滞留時間の増大はイオンにRFサイク
ル数を増大させて、イオン質量対電荷選択分解能の改善またはより有効な共鳴周
波数励起CIDイオン破砕をもたらす。質量対電荷選択走査速さは、例えば、離
散的m/z値走査段階とともにイオン走査または解放速度に整合して、MS/M
n性能を改善する。静電レンズは4極組立体1004と1005の間の連結点1
021内に構成される。上記静電レンズは、4極組立体1004の棒へ作用する
電位の影響から、質量対電荷選択走査中に、4極1005の棒へ作用するRFと
+/−DC電位の何らかの急速な変化を分離するのに役立つ。付加的な静電レン
ズも連結点1021内で何らかの縁取り電界効果を減じて、異なるRF周波数、
位相および振幅電位を4極1004と1005へ作用させせる。高い背景圧力で
作動可能な検出器を使用するとき、すべての多重4極イオン案内組立体1008
は、単一の高い背景圧力真空工程内に構成される。真空ポンピング工程の除去は
、装置コスト、寸法および複雑さを減少する一方、システムの柔軟性や性能をほ
とんど、または全く減らさない。単一真空ポンピング工程内で区分的な多極イオ
ン案内1008の構成は、内径への何らかの寸法的制約を除いて、多重真空ポン
ピング工程の間の中性ガスコンダクタンスを最小にする。代替的に、多重4極イ
オン案内組立体1008は、二三の真空工程システムで第一真空工程1015内
へ延長するように構成してもよい。高圧真空領域内で質量対電荷選択モードで作
動する少なくとも一つの4極イオン案内とともに、多重4極イオン案内組立体で
構成される質量分析計に類似の三重4極へのさらなる代替実施例を、図15〜1
7に示す。
【0108】 図15の、発明の代替実施例において、二重の4極イオン案内組立体1110
は、低い背景圧力真空工程1117内に構成される付加的な4極イオン案内区分
1104とともに構成される。図15に示す三重4極質量分析計実施例での4極
区分104の構成は、図14に示す実施例の変種である。図15に示す発明の実
施例で4極1104は、多重4極組立体1110の棒組立体の断面の形状寸法と
は異なる断面を有する棒とともに構成される。多重4極組立体1110は、二つ
の区分1108と、4極組立体1103とを含む。区分1101と1102は、
RF専用モードで作動する4極組立体103内でイオンのCID破砕とともに質
量対電荷選択モードで作動する。区分1101と1102と4極イオン案内11
03の入口端は、高い背景圧力真空ポンピング工程1116内に構成される。静
電レンズ1105は、4極1103と4極1104の間の連結点1118内に構
成される。レンズ1103は、異なるRF周波数、位相と振幅および作動中、棒
または隣接する4極1103と4極1104の棒へ作用する差+/−DCによっ
てつくられる連結点1118内で縁取り電界効果の影響を最小にする。静電レン
ズも4極組立体103と1104の間のRFまたは共鳴波形電位の何らかの結合
を容量最小にする。代替的に、単一静電レンズ1105は複数の静電レンズとし
て構成されて、4極組立体103と1104の間に移動するイオンの、焦点合わ
せまたは多重段階加速を可能にする。多重イオン案内1104が多重4極組立体
1108の断面寸法とくらべて異なる幾何学的断面を持つと否とにかかわらず、
4極1104は4極イオン案内1103に作用するものと異なるRF周波数で作
動する。三重4極MSとMS/MS機能分析は、前述の技術と方法を使用して図
15に示す発明の実施例で得られる。
【0109】 図16に示す発明の代替実施例において、多重4極イオン案内1208は高い
真空圧力工程1210内に構成され、かつ分離多極イオン案内1204によって
記述される棒容積内へ延びる。4極イオン案内組立体1203は、出口レンズ1
205内へ延び、ここを通ってイオンは、運動エネルギが低くても、効果的に多
極イオン案内1204内へ移動する。完全な三重4極MSとMS/MSの機能は
、上の節で述べたような、走査と静止イオンm/z選択とCID破砕モードで、
組立体201,1202と、4極1203,1204とを作動させることによっ
て得られる。
【0110】 図17に示す発明の代替実施例において、付加的な多極イオン案内衝突室13
12が三つの真空ポンピング工程多重4極イオン案内質量分析計に付加される。
二つか三つの区分4極案内組立体1308は、低い真空圧力真空工程1315内
へ延びる高い真空圧力真空工程1314内に構成される。選択される質量対電荷
および/または砕片イオンは、4極イオン案内1309から、ガス隔壁1313
によって包囲される衝突領域1312内に構成される4極イオン案内1310内
へ移動する。多極イオン案内1304は、イオンが検出器1305で検出される
前に、最後の質量分析計として役立つ。図10または11に示すハイブリッドA
PI4極TOFハイブリッド実施例に示される付加的な多極イオン案内に似て、
衝突または反応ガスは、真空工程1314内の背景ガス成分と異なる成分を有す
る領域1312内へ導入される。独立した衝突領域1312内に位置する多極イ
オン案内1310は、MS/MSn分析での実験柔軟性を増大させる。連続ビー
ムMS/MS3は、区分1301、4極イオン案内1309および1304内で
の質量対イオン電荷選択、および区分1302と多極イオン案内1310内でD
C加速または共鳴周波数励起CIDイオン破砕で作動する、図17に示す実施例
で得られる。与えられる振幅分析計の作動に対してMS専用機能を必要とすると
き、発明の類似実施例は装置コスト、寸法および複雑さを減少すべく構成される
【0111】 発明の一つの態様において、区分化または非区分化4極イオン案内の少なくと
も一部分は、イオンと背景中性ガス分子との多重衝突が起きる高圧真空工程で構
成される。図18は、高圧の非区分化4極イオン案内または、背景圧力を検出器
1403の位置する第三真空工程1402内へ1×10-4トール以上に維持する
第二真空ポンピング工程1401から連続的に延びる質量分析計1400を示す
。図18に示す4極イオン案内組立体1400は、四つの平行な極または共通の
中心線1402の周りに均等に間隔あけされる棒を含む。理想的な4極質量分析
計において、各断面は双曲線形状を有するが、一般に、製造の容易さのため、丸
棒が使用される。丸棒104,105,106,107とともに4極の断面を図
13に示す。同じRFと+/−DC電位を大抵の4極作動モードに対して向き合
う棒104,106と、105,107へそれぞれ与える。隣接する棒は同じR
FとDC振幅を有するが、それらの極性は反対である。さらに、共通のDCオフ
セットは全部の棒104,105,106,106へ作用する。多重周波数共鳴
波形がダイポールとして向き合う棒へ作用するか、またはより複合的な共鳴波形
が誘導的または容量的に四つの棒全部に作用する。
【0112】 図18に示す発明の実施例で、非区分化4極イオン案内1400は第二ポンピ
ング工程1401で始まり、ここでの圧力は充分高く維持され、多極イオン案内
1400の長さを横断するイオンが中性背景ガス分子と衝突する。4極イオン案
内1400は上述のようなRF振幅変調とともに、まははなしに、RFと+/−
DCまたは共鳴周波数励起イオン放射波形を加えることによってイオンの質量対
電荷選択を行なうべく作動する。イオン質量対電荷選択走査は、慣例的なRFと
+/−DC電圧振幅走査によって、またはRFと+/−DCと共鳴周波数波形ノ
ッチ周波数とを適当な範囲にわたって質量分析計へ所望の質量対電荷範囲に対し
て付けることによって、またはこれらの方法の組み合わせによって行われる。m
/z加速またはm/z選択作動モードにおいて、イオンは背景ガスとゆっくり選
択されるイオンm/z軌道下方に、半径および軸方向に衝突する。4極イオン案
内1400内で時間の増大を費やしたイオンは、増大したRFサイクル数にさら
される。この方法で、低い背景圧力で作動する慣例的方法とともに4極質量分析
計を使用して得られるよりも高いm/z選択分解能が短い多極イオン案内長さに
対して得られる。図18に示すAPIMS分析計内で高圧背景ガスを伴う分析モ
ードでの多極イオン案内の作動は、真空ポンピング速さ要件の減少とともにより
小型の質量分析計システムの構成を可能にする。より小型の4極イオン案内寸法
は、ドライバ゜電子部品のコストを低減し、かつより高圧作動は真空装置のコス
トを引き下げる。このようなシステムは、中性背景ガスとのイオンの衝突を、充
分に回避または最小にすべく維持される背景圧力で作動する4極質量分析計を含
む装置にくらべて、APIMSシステム性能を改良する。
【0113】 大気圧化学イオン化(APCI)源1405は、APCI噴霧器1417の先
端1406へ毎分500nl以下ないし毎分2ml以上の流速で供給される溶剤
とともに構成され、かつそれとともに作動する。図18に示すAPIMSの実施
例は、以下のいずれかの代替源とともに構成変更されるが、電気スプレー、誘導
結合プラズマ、グロー放電源、多重プローブ取付けの一つのAPI源、または一
つのAPI源に構成される異なるプローブの組み合せに限定されない。試料保持
液は、圧力または正変位液体供給装置でAPCI源1405内へ導入される。液
体供給装置は、自動噴射器、液体クロマトグフィーまたは毛細管電気泳動のよう
な分離装置、注射器ポンプ、圧力容器、重力供給容器または溶液タンクとともに
、またはなしに液体ポンプを含むが、それに限定されない。APCI源1405
は、電位を円筒電極1407とコロナ針1408、端板電極1409および毛細
管入口電極1410へ付加することによって作動する。反対流乾燥ガス1411
は、ヒータ1412を通って、かつAPCI源室1405内へ、端板突片141
3の穴1414を経て流れるように方向付けられる。図18に示すような真空内
への穴は、入口穴1416とともに誘電体毛細管1415である。誘電体毛細管
1415を通して真空内へ流れるイオンの電位は、米国特許第4,542,29
3に記述される。正イオンをつくるために、負のキロボルト電位が付着電極突片
1413および毛細管入口電極1410とともに端板電極1409へかけられ、
かつ正のキロボルト電位が円筒電極1407とコロナ針1408へかけられる。
APCI噴霧器1417とAPCIヒータ1418は、作動中、接地電位にとど
まる。負イオンをつくるために、上述の電極の極性は逆にされる。代替的に、ノ
ズルまたは伝導性(金属)毛細管を真空内への穴として使用するなら、作動中、
キロボルト電位をAPCIコロナ針1408と円筒電極1407へかける。加熱
される毛細管は、反対流乾燥ガスとともに、またはなしに真空内への穴として構
成される。
【0114】 ES源と異なり、APCI源はイオン化に先行して試料および溶剤分子蒸気を
つくり出す。APCIイオン化源は電気スプレーと異なり、ガス相分子イオン電
荷交換反応を必要とする。試料液は接続管1420を通してAPCIプローブ1
417へ導入され、かつ空気噴霧化とともにAPCI入口プローブ先端1406
からスプレーされる。噴霧化した液体滴は空洞1421を横断し、かつAPCI
気化器1418内へ流れる。図示される実施例では、空洞1421は滴分離球と
ともにとともに構成される。滴分離球1424は、噴霧器入口プローブによって
つくられるスプレーから大きな滴を除去して、それらが気化器1418へ入るの
を阻止する。滴分離球1424は、感度を良好にすべく導入される液の流速がよ
り低いとき、取り除かれる。液体滴は気化器1418内で気化して、コロナ放電
針先端1423の周りに,および/またはそれの下流にコロナ放電領域1422
に入るに先立って蒸気を形成する。付加的な構造のガス流は、独立的に、または
APCI入口プローブ組立体を通して付加されて、液体滴の搬送を支援し、かつ
APCI源組立体を通して蒸気を生じる。電界が、円筒レンズ1407、コロナ
放電針1408、突片1413とともに端板1409および毛細管入口電極14
10へ電位をかけることによってAPCI源1405内に形成される。付加され
る電位、反対ガス流1411および気化器1418を通して全ガス流が、領域1
422内に安定したコロナ放電をコロナ針先端1423の周りに、および/また
はその下流に確保すべく設定される。大気圧化学イオン化によってコロナ放電領
域1422内につくられるイオンは、電界によって反対流浴ガス1411に対し
て毛細管穴1416に向けて追いやられる。イオンは毛細管穴1416を通して
真空内へ泳動し、かつ毛細管1415を経て第一真空工程1425内へ通りぬけ
る。毛細管が真空内への穴として反対流乾燥ガスとともに、またはなしにヒータ
1426とともに構成されるなら、付加的なエネルギが毛細管内のガスとイオン
へ移動する。この付加的エネルギは付加的な乾燥またはイオン内部エネルギを高
めて、イオン破砕を助長するのに有益である。第一真空工程1425へ入るイオ
ンの一部分は、スキマー1427を経て、かつ第二真空工程1401へ方向付け
らる。
【0115】 イオンは大気圧イオン源1405内の試料保持液から大気圧に、またはその近
くにつくられる。イオンは中性背景ガスによって支えられる真空隔壁1428を
通して誘電体毛細管1415を経て真空内へ供給される。中性背景ガスは、それ
が出口穴1429から真空内へ膨張しかつ膨張中に多重衝突を通して連行される
イオンを加速するとき、超音速の噴射を生成する。自由噴射膨張の一部分は、真
空隔壁1431の部分であるスキマー1427を経て、かつスキマー穴1423
の寸法とポンプ口1433を経て第二真空工程1401で使用されるポンピング
速さに依存して、背景圧力が10-4トールから10-1トールの範囲にある第二真
空工程1401内へ通りぬける。ひとつ以上の真空ポンピング工程を統合する真
空装置は関係するイオンがAPI源から質量分析計入口へ横断するとき、背景中
性ガスを運動させるべく構成される。API/MS装置のコストと寸法は、最小
数の多重真空ポンピング工程が構成され、かつ各工程に必要なポンピング速さが
最小となるとき、減少する。典型的に、三ないし四の真空ポンピング工程が低コ
ストまたぱ卓上型のAPI/MS装置に対して使用される。イオンは、真空隔壁
1434を通過する4極イオン案内1400を経て第三真空ポンピング工程14
02に供給される。真空工程1402はポンピング口1435を経て排気される
。4極イオン案内1400を出るイオンは、レンズ1437と検出器1403の
間の領域内でイオンの焦点合わせを行う出口レンズ1436を通過する。レンズ
1437は、変換ダイノードとして、またはイオンを引き付けるかまたは検出器
1403内へ撥ね返す反撥板として作動する。4極イオン案内は、イオン質量対
電荷走査モードまたは単一または多重選択のイオン監視作動モードの間に、単一
通過またはイオントラップと解放モードで作動する。選択される質量対電荷値イ
オン破砕作動は、上述のような、共鳴周波数波形励起CID法を使用して行われ
る。
【0116】 発明の代替実施例を図19に示す。区分化または多重4極イオン案内区分15
00は、真空工程1514,1501,1502とともに三段階真空システムで
構成される。三区分の4極イオン案内組立体1500は、高い背景圧力の第二真
空ポンピング工程1501から背景圧力の真空工程1502へ連続して延びる。
区分の棒または独立の4極1503,1504,1505へ電位を供給する適当
な、個々の、または共有のRF,+/−DCまたは共鳴周波数励起波形電力供給
部とともに、MSまたはMS/MS機能の範囲が多重4極組立体1500を使用
して行われる。連続的なイオンビームMS/MS実験が以下の作動条件を使用し
て行われる。 1. 4極1503は上述の方法を使用して、分析の用途に依存して、単一値
、または走査するイオン質量対電荷選択モードで作動する。 2. 4極1504はRF専用モードで作動する。質量対電荷の選択される母
体イオンを4極1503から4極1504内へ加速する。適当な相対的DCオフ
セット電位を、イオンが連結点1507を横断して充分な速度で加速されて、DC
加速CIDイオン破砕を生じるように4極1503と1504の棒へ付加する。
代替的または組み合わせ的に、共鳴励起周波数を4極1504の棒へ付加して、
母体および/または砕片イオンのCIDイオン破砕を4極1504内に生じる。 3. 砕片イオンは連結点1508を横断して破砕無しに4極1505内へ移
動する。 4. 4極1505は単一値の質量対電荷を走査する質量対電荷選択モードで
作動する。4極1503と1505のイオン質量対電荷選択走査ランプを同期化
して、中性損失走査を行なうか、または選択される破砕結果を監視する。 5. レンズ1517を経て4極イオン案内1505からのイオン伝播を、変
換ダイノード1518へ加速する。発生する二次電子と光子を、電子または光増
倍器1519で検出する。代替的に、イオンは電子増倍器1519内へ直接に加
速され、かつ検出される。
【0117】 静電レンズは、4極イオン案内1503と1504とを絶縁する連結点150
7内に、かつ4極イオン案内1504と1505とを絶縁する連結点1508内
に付加される。上記静電レンズは、4極組立体1504の棒へ作用する電位の影
響から、質量対電荷走査中に4極1503と1505の棒に作用するRFと+/
−DC電位の、何かの急速な変化を切り離すのに役立つ。付加される静電絶縁レ
ンズはまた、イオン横断連結点1507および/または1508への何かの縁取
り電界効果をも減少して、異なるRF周波数、位相および振幅電位を多重4極組
立体1500の4極1503,1504,1505の棒へ付加可能にする。図1
9に示す三重4極質量分析計は、電極1511と1512、試料ガス出入口15
10およびポンピング口1514を含む媒体圧グロー放電イオン源とともに構成
される。グロー放電源内につくられるイオンの一部は、スキマー1513を通っ
て、かつ多重4極質量分析計組立体1500内へ通り抜ける。代替的に、図19
に示すような三重4極1500は、三つの真空工程装置の第一真空工程としてグ
ロー放電源真空工程とともに電気スプレーとAPCI大気圧イオン源で構成され
る。
【0118】 多重4極イオン案内組立体1500は、図21に示すような発明の代替実施例
での単一真空ポンピング工程で再構成される。個々の4極組立体1715,17
17,1719は、高い背景圧力真空ポンピング工程1702で共通の中心線に
沿って構成される。図21に示すような三重4極質量分析計は、真空ポンピング
ポート1711,1712,1713によってそれぞれ排気される真空工程17
01,1702,1703とともに三つの真空ポンピング工程システムで構成さ
れる。真空隔壁1705の部品として構成されるが電気絶縁される出口レンズ1
704は、変換ダイノードと電子増倍検出器1706が構成される第三真空工程
1703内への中性ガスコンダクタンスを最小にする。これは、より小さい、減
少した真空ポンピング速さとより低コストのポンプとともに真空工程1703内
で低い背景圧力真空の維持を可能にする。真空隔壁1710から電気絶縁される
スキマー1709内の穴を通して三重4極組立体1700に入るイオンは、図1
9に示す三重4極組立体1500に対して上述されるような作動方法を使用して
MSまたはMS/MS分析を引き受ける。代替的に、三重4極組立体1500に
対して上述されるように、静電レンズが連結点1716と1718内に構成され
て、4極1715と1719を4極1717から絶縁する。DC電圧は連結点1
716と1718内に構成される上記付加的静電レンズへ切り換えられて、個々
の分析用途に対して4極1715,1717,1719からイオンの独立的なト
ラップと解放を可能にする。多重共鳴周波数放射と励起波形は、4極1715,
1717および/または1719の棒へ付加されて、以前の節で述べたように、
準MS/MSn質量分析を達成する。例えば、準MS/MS3質量分析を行なうた
めに、4極1715内で行われる母体イオン質量対電荷選択とともにMS/MS
作動モードを使用して第一質量スペクトルを得る。母体イオンは4極1717内
で単一質量範囲共鳴周波数励起CIDイオン破砕作業またはDC加速CIDイオ
ン破砕または両者の組み合わせを使用して破砕され、かつ質量対電荷走査が4極
1719で行われる。第二質量スペクトルは4極1717内で行われる二つの質
量範囲共鳴周波数励起CIDイオン破砕で得られ、ここで第二世代イオンは母体
イオンと第一世代イオンのCID破砕を同時に行なうことによってつくられる。
代替的に、母体イオンのDC加速CID破砕と組み合わせられる第一世代砕片イ
オンの単一質量範囲共鳴周波数励起CIDイオン破砕が、4極1717内で行わ
れる一方、第二質量スペクトルは4極1719の走査によって得られる。第一取
得質量スペクトルはその後、第二取得質量スペクトルから抽出されて、第二世代
砕片イオンの準MS/MS3質量スペクトルを得る。
【0119】 APIMS分析計コストと複雑さは、本発明によって高圧真空工程内にイオン
検出器を構成することでさらに減少する。小さい直径と短い長さのチャンネルを
含む薄板の構成によって1×10-4トールより高い圧力で作動可能な多チャンネ
ル板検出器が利用できる。上記多チャンネル板検出器で、検出器チャンネル内の
衝撃から生じるカスケード選択行程は背景圧力平均自由行程よりも短くて、電子
の散乱と信号の損失を最小にする。単一区分4極イオン案内1800は、図22
に示すような、発明によって構成される二つの真空ポンピング工程の電気スプレ
ー質量分析計で構成される。第一真空工程1801は、典型的に、回転ポンプに
よって戻されるポンピングポート1811を通して排気される。第二真空工程1
801は、小さいターボ分子ポンプまたは回転真空ポンプによって戻されるポン
ピングポート1812を通して排気される。4極イオン案内1800は出口レン
ズ1804と多チャンネル板検出器1806とともに高圧真空工程1802内に
構成される。スキマー1809内の穴を通過するイオンは、上述のように、単一
値または選択されるイオンを監視するイオン質量対電荷選択作動または走査する
質量対電荷選択作動を用いて、4極1800内で質量対電荷分析される。図22
に示すような発明の実施例は完全なMS分析能力を保持しつつ、小型の低コスト
装置として構成される。MS/MSと、同等の準MS/MSn質量分析機能は図
23に示すような発明の三重4極実施例を用いて行われる。
【0120】 個々の4極組立体1913,1915,1917は、高い背景圧力真空工程1
902内で共通の中心線に沿って構成される。図23に示すような電気スプレー
MS分析計はそれぞれ真空ポート1911と1912を通して排気される二つの
真空ポンピング工程1901と1902とともに構成される。三重4極イオン案
内組立体1900、出口レンズ1904および多チャンネル板検出器1806は
、第二真空ポンピング工程1902内に構成される。図21と19に示すように
構成される多重4極イオン案内への記述方法を用いて、MS/MSと準MS/M
n質量分析機能の範囲は、図23に示すような発明の実施例を用いて行われる
。個々の4極組立体1913,1915,1917は、単一通過またはイオント
ラップと解放モードで、隣接する4極とスキマー1909と出口レンズ1904
へ作用するDCオフセット電位の整合によって作動する。代替的に静電レンズは
、4極1913,1915と4極1915,1917の間の連結点1914、1
917内にそれぞれ構成されて、独立的なイオントラップと解放作動を個々の4
極1913,1915と1917内に許容する。連結点1914、1917内の
静電レンズの構成は、MSとMS/MS機能中に各4極の棒に作用する異なるR
F周波数、位相および振幅とともに三つの4極全部の作動をも可能にする。図2
3に示すような発明の実施例は、小型で低コストのAPI源三重4極質量分析計
の構成を可能にする。MS、MS/MSおよび準MS/MSn質量分析作動の範
囲は発明によって構成される上記API源三重4極質量分析計を用いて行われる
【0121】 本発明を特別な好適実施例によって記述したが、各種の修正と置換が添付の請
求項に定義されるように発明の範囲内に含まれることは普通の当業者に明白で理
解される。とくに、慣例的な4極、磁気セクタ、フーリエ変換三次元イオントラ
ップおよび飛行時間質量分析計を含むが限定はされない他の形式の質量分析計が
、ここに述べるような発明の実施例で構成される。ここに述べる大気圧イオン源
を含むが限定されないイオン源は何でも、かつ上述の説明の真空内にイオンをつ
くるイオン源は、ここに記述される発明の実施例と調和可能である。さらに、本
出願の開示に関係ある各種の参照文献が上に引用されて、参照文献によって統合
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 共通の軸に沿って直列に位置する、三つの独立した多極イオン案内とともに構
成されるイオン反射体を有する電気スプレーイオン源直交パルス式タイムオブフ
ライト質量分析計の図である。第3多極イオン案内は第2真空工程から第3真空
工程へ連続的に延びる。
【図2】 図1に示される、三つの多極イオン案内組立体と周囲の電極とに対する電圧供
給ユニットと制御モジュールとの構成図である。
【図3】 MS/MS分析中、図1に示される4極要素に作用する電位の図である。
【図4】 TOF質量分析計内で直交パルス発生とともに構成される、かつ三つの4極イ
オン案内組立体とともに構成される大気圧イオン源ハイブリッドTOF質量分析
計の代替実施例の図である。
【図5】 隣接する多極イオン案内の間の連結点内に位置する静電レンズとともに構成さ
れる大気圧イオン源ハイブリッドTOF質量分析計の代替実施例の図である。
【図6】 三つの多極イオン案内とともに構成されるイオン反射体飛行管形状を有する電
気スプレーイオン源直交パルス式タイムオブフライト質量分析計の図である。
【図7】 一つの区分が連続して二つの真空ポンピング工程へ延びる、三区分多極イオン
案内とともに構成される直線飛行管形状を有する電気スプレーイオン源直交パル
ス式タイムオブフライト質量分析計の図である。
【図8】 三つの4極イオン案内組立体ととともに構成され上記多重4極組立体は三つの真
空ポンピング工程へ延びる、電気スプレーイオン源直交パルス式タイムオブフラ
イト質量分析計の図である。
【図9】 それの2番目は第2真空工程から第3真空工程へ延びる、かつ3番目はTOF
質量分析計の直交パルス領域である、三つの4極イオン案内組立体ととともに構
成されるAPITOF直交パルス式質量分析計の図である。
【図10】 それの1番目は2番目と3番目の真空ポンピング工程へ延びる3区分多極イオ
ン案内として構成される、かつそれの2番目は第3真空工程でのイオン衝突室と
して構成される、ニつの多極イオン案内組立体とともに構成される直交パルス式
のAPI源TOF質量分析計の代替実施例の図である。
【図11】 第2真空工程内に位置する3区分4極イオン案内組立体と、第3真空工程内に
位置する第2と第3多極イオン案内組立体とともに構成されるAPITOF直交
パルス式質量分析計の図である。
【図12】 4極イオン案内への安定ダイアグラムの一部分の図である。
【図13】 丸棒とともに構成される4極イオン案内の断面図である。
【図14】 2番目から3番目の真空ポンピング工程へ連続的に延びる第2の4極イオン案内
を有する三つの4極イオン案内とともに構成される電気スプレーイオン源4極質量
分析計の図である。
【図15】 三つの4極イオン案内とともに構成される電気スプレー源4極質量分析計の図で
ある。3番目の4極イオン案内は、隣接する第2と第3の4極組立体の間の連結点
内に構成される静電レンズとともに低圧の第3真空工程内に位置する。
【図16】 低圧の第3真空工程内に位置する第2イオン案内へ延びるそれの出口端ととも
に、高圧の第2真空ポンピング工程内に位置する二つの4極イオン案内組立体と
ともに構成される電気スプレー源4極質量分析計の図である。
【図17】 第2から第3真空ポンピング工程へ連続して延びる、かつ第2と第3の多極イ
オン案内および第3真空工程内に位置する検出器とともに構成される組立体区分
上で、第2の4極を有する二重の4極組立体とともに構成される電気スプレー源多
重4極質量分析計の図である。
【図18】 第2から第3真空ポンピング工程へ連続して延びる4極イオン案内とともに構
成される大気圧化学イオン化源単一4極質量分析計の図である。
【図19】 第2から第3真空ポンピング工程へ連続して延びる第3の4極イオン案内とと
もに構成されるグロー放電イオン源三4極質量分析計の図である。
【図20】 慣例的な三重4極質量分析計に接続される電気スプレーイオン源の図である。
【図21】 三重4極質量分析計の図であって、ここでは三つ全部の4極イオン案内組立体が
、高背景圧力の第2真空工程内に低背景圧力の第3真空工程内に構成される検出
器とともに構成される。
【図22】 単一4極イオン案内質量分析計に接続される電気スプレーイオン化源の図であ
って、ここでは上記の4極イオン案内とイオン検出器は、高背景圧力真空工程内
に構成される。
【図23】 三重4極質量分析計に接続される電気スプレーイオン化源の図であって、ここ
では上記の三重4極イオン案内質量分析計とイオン検出器は、高背景圧力真空工
程内に構成される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE,G H,GM,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 アンドリエン、 プラス、 エー. ジュ ニア. アメリカ合衆国、 コネティカット州 06405 ブランフォード、 ビジネス パ ーク ドライブ 29、 アナリティカ オ ブ ブランフォード インコーポレーテッ ド (72)発明者 ガルシーク エロル イー. アメリカ合衆国、 コネティカット州 06405 ブランフォード、 ビジネス パ ーク ドライブ 29、 アナリティカ オ ブ ブランフォード インコーポレーテッ ド Fターム(参考) 5C038 FF04 JJ06

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学種の分析装置であって、 (a)イオンを試料物質からつくるべく実質的に大気圧で作動のためのイオン源
    と、 (b)少なくとも一つの真空ポンピング工程とともに真空装置と、 (c)上記真空ポンピング工程の少なくとも一つに構成される検出器と、 (d)少なくとも一つの上記真空ポンピング工程内に少なくとも二つの多極イオ
    ン案内の構成とを含み、各上記多極イオン案内の少なくとも一部分が、少なくと
    も一つの上記真空ポンピング工程内に位置し、上記真空工程内の背景圧力を、衝
    突が上記イオンと中性ガス分子の間に上記二つの多極イオン案内内のイオンとと
    もに起きる程度に充分高く維持し、かつ (e)少なくとも一つの上記多極イオン案内内で質量対電荷を選択するための手
    段とを含む装置。
  2. 【請求項2】 上記イオン源が電気スプレーイオン源である請求項1記載の
    装置。
  3. 【請求項3】 上記イオン源が大気圧の化学イオン化イオン源である請求項
    1記載の装置。
  4. 【請求項4】 上記イオン源が誘導結合プラズマイオン源である請求項1記
    載の装置。
  5. 【請求項5】 上記イオン源がグロー放電イオン源である請求項1記載の装
    置。
  6. 【請求項6】 上記多極イオン案内が4極である請求項1記載の装置。
  7. 【請求項7】 上記多極イオン案内が6極である請求項1記載の装置。
  8. 【請求項8】 上記多極イオン案内が8極である請求項1記載の装置。
  9. 【請求項9】 上記多極イオン案内が8極よりも多い請求項1記載の装置。
  10. 【請求項10】 化学種の分析装置であって、 (a)イオンを試料物質からつくるべく実質的に大気圧で作動のためのイオン源
    と、 (b)少なくとも一つの真空ポンピング工程とともに真空装置と、 (c)上記真空ポンピング工程の少なくとも一つに構成される検出器と、 (d)質量対電荷分析を行なうための質量分析計と、 (e)少なくとも一つの上記真空ポンピング工程内に上記少なくとも二つの多極
    イオン案内の構成とを含み、各上記少なくとも二つの多極イオン案内の少なくと
    も一部分が少なくとも一つの上記真空ポンピング工程内に位置し、上記真空工程
    内の背景圧力を、衝突が上記イオンと中性ガス分子の間に上記二つの多極イオン
    案内内のイオンとともに起きる程度に充分高く維持し、かつ (f)少なくとも一つの上記多極イオン案内内で質量対電荷を選択するための手
    段と、 (g)上記質量分析計内で質量対電荷分析を実施することを含む装置。
  11. 【請求項11】 上記少なくとも二つの多極イオン案内を共通の中心線に沿
    って連続して構成し、上記イオンが一つの多極イオン案内から次のものへ移動す
    る請求項10記載の装置。
  12. 【請求項12】 上記質量分析計が4極質量スペクトル計である請求項10
    記載の装置。
  13. 【請求項13】 上記質量分析計が4極質量分析計である請求項10記載の
    装置。
  14. 【請求項14】 上記少なくとも二つの多極イオン案内を上記質量分析計と
    ともに構成して、三重4極質量分析計を形成する請求項10記載の装置。
  15. 【請求項15】 上記質量分析計が磁気セクタ質量スペクトル計である請求
    項10記載の装置。
  16. 【請求項16】 上記質量分析計がフーリエ変換質量スペクトル計である請
    求項10記載の装置。
  17. 【請求項17】 上記質量分析計がイオントラップ質量スペクトル計である
    請求項10記載の装置。
  18. 【請求項18】 上記質量分析計がタイムオブフライト質量スペクトル計で
    ある請求項10記載の装置。
  19. 【請求項19】 上記質量分析計が直交パルス式タイムオブフライト質量ス
    ペクトル計である請求項10記載の装置。
  20. 【請求項20】 上記質量分析計が直線パルス式タイムオブフライト質量ス
    ペクトル計である請求項10記載の装置。
  21. 【請求項21】 上記質量分析計がイオン反射体を含むタイムオブフライト
    質量スペクトル計である請求項10記載の装置。
  22. 【請求項22】 化学種の分析装置であって、 (a)イオンを試料物質からつくるべく実質的に大気圧で作動のためのイオン源
    と、 (b)少なくとも一つの真空ポンピング工程とともに真空装置と、 (c)上記真空ポンピング工程の少なくとも一つに構成される検出器と、 (d)少なくとも一つの上記真空ポンピング工程内に上記少なくとも二つの多極
    イオン案内の構成とを含み、各上記多極イオン案内の少なくとも一部分が、少な
    くとも一つの上記真空ポンピング工程内に位置し、上記真空工程内の背景圧力を
    、衝突が上記イオンと中性ガス分子の間に上記二つの多極イオン案内内のイオン
    とともに起きる程度に充分高く維持し、かつ (e)少なくとも一つの上記多極イオン案内内で質量対電荷を選択するための手
    段と、 (f)少なくとも一つの上記多極イオン案内内に衝突誘導性分離イオンを破砕す
    るための手段とを含む装置。
  23. 【請求項23】 化学種の分析装置であって、 (a)イオンを試料物質からつくるべく実質的に大気圧で作動のためのイオン源
    と、 (b)少なくとも一つの真空ポンピング工程とともに真空装置と、 (c)上記真空ポンピング工程の少なくとも一つに構成される検出器と、 (d)質量対電荷分析を行なうための質量分析計と、 (e)少なくとも一つの上記真空ポンピング工程内に上記少なくとも二つの多極
    イオン案内の構成とを含み、各上記少なくとも二つの多極イオン案内の少なくと
    も一部分が少なくとも一つの上記真空ポンピング工程内に位置し、上記真空工程
    内の背景圧力を、衝突が上記イオンと中性ガス分子の間に上記二つの多極イオン
    案内内のイオンとともに起きる程度に充分高く維持し、かつ (f)少なくとも一つの上記多極イオン案内内で質量対電荷を伝えるための手段
    と、 (g)少なくとも一つの上記多極イオン案内内に衝突誘導性分離イオンを破砕す
    るための手段と、 (h)上記質量分析計内で質量対電荷分析を実施することを含む装置。
  24. 【請求項24】 イオン源と、少なくとも一つの真空ポンピング工程ととも
    に真空装置と、質量分析計と、少なくとも一つの上記真空工程内で共通の中心線
    に沿って隣接する整列内に構成される少なくとも二つの多極イオン案内と、検出
    器とを利用する化学種の分析方法であって、上記方法が、 (a)上記イオン源内でイオンをつくる工程と、 (b)上記イオンを上記少なくとも一つの多極イオン案内内へ供給する工程と、
    (c)少なくとも一つの上記真空工程内の背景圧力で上記少なくとも二つの多極
    イオン案内の少なくとも一部分を作動させ、衝突が上記少なくとも一つの上記多
    極イオン案内を横断する上記イオンに対して上記イオンと中性背景分子の間で起
    きる工程と、 (d)上記イオンの質量対電荷を少なくとも一つの上記多極イオン案内内で選択
    する工程と、 (e)衝突誘導的に少なくとも一つの上記多極イオン案内を分離する工程と、 (f)上記イオンを第一の上記多極イオン案内から第二の上記多極イオン案内内
    に移動する工程と、 (g)上記質量対電荷の選択から生じるイオン集団の質量分析と、上記第一と第
    二の多極イオン案内内で行われる上記イオン破砕段階を実施する工程とを含む方
    法。
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