JP2002515889A - 改良された診断/治療用薬剤 - Google Patents

改良された診断/治療用薬剤

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Abstract

(57)【要約】 非蛋白質、非ペプチドおよび非多糖類ベクターの一つまたはそれ以上にコンジュゲートされている、気体含有物質または気体発生物質を含むレポーターの水性担体液体中の懸濁液からなる標的設定診断用および/または治療活性を有する薬剤例えば超音波造影剤。

Description

【発明の詳細な説明】 改良された診断/治療用薬剤 本発明は、診断用の、および/または、治療活性を有する薬剤、特に身体内の 特定の位置の診断用造影および/または治療が強化される、身体の内部の部位お よび/または構造と相互作用を示すか、これに対する親和性を有する部分を配合 している、診断用の、および/または治療活性を有する薬剤に関する。特に関連 するものは超音波造影において使用される診断剤であり、これを本明細書では標 的設定超音波造影剤と称する。 超音波造影は、例えば特に心臓撮影における血管系、および組織微小血管構造 の研究において潜在的に価値ある診断手段である。このようにして得られる音響 像を増強するものとして種々の造影剤が提案されており、これらには固体粒子の 懸濁液、乳化液滴、気泡およびカプセル化された気体または液体が包含される。 容易に圧縮できる低密度の造影剤はそれらが発生する音響後方散乱の点で特に効 率的であることが一般的に知られており、このため、気体含有および気体発生の 系の製造が多くの注目を集めている。 気体含有造影媒体はまた磁気共鳴(MR)造影において、例えば、MR信号密度を低 下させる作用を有する感受性造影剤として有効であることが知られている。酸素 含有造影媒体もまた潜在的に有用な常磁性のMR造影剤である。 更に、X線造影の分野では二酸化炭素のような気体がネガ型の経口造影剤また は血管内造影剤として使用できることが判っている。 放射性気体、例えばキセノンのような不活性ガスの放射性同位体の使用もまた 、例えば血液プール造影のためのシンチグラフィーにおいて提案されている。 標的設定超音波造影剤は(i)超音波の照射と相互作用を示し検出可能な信号を 発生することのできるレポーター部分;(ii)身体内部の特定の標的 部位および/または構造に対する、例えば、特定の細胞または患部領域に対する 親和性を有するベクター1つ以上;および(iii)レポーターとベクターが直接連 結していない場合はこれらを連結するリンカー1つ以上を有するものと考えられ る。 薬剤を結合させる分子および/または構造は、今後本明細書では標的と称する 。身体内の選択された領域/構造において特定の造影を行なうかまたは治療効果 を得るためには、標的はその領域/構造中に存在し、使用可能でなければならな い。理想的には関連する領域にのみ発現するものであるが、通常は身体内の他の 位置にも存在し、バックグラウンドの問題を生じさせる場合がある。標的は確定 した分子種(即ち標的分子)または未知の分子またはより複雑な構造(即ち標的構 造)のいずれかであってよく、これは、造影および/または治療すべき領域に存 在し、特定のベクター分子に特異的または選択的に結合することができる。 ベクターはレポーター部分を造影および/または治療すべき領域および/また は構造に結合させるためにこれら領域に結合または連結する。ベクターは選択さ れた標的に特異的に結合するか、または、結合が選択的であるだけで、限定され た数の他の分子/構造に対しても親和性を有し、やはりバックグラウンドの問題 を生じさせる場合がある。 標的設定超音波造影剤に関する従来技術には限界があった。即ち、例えば、US -A-5531980号はレポーターが薄膜状または層状の形態で少なくとも部分的に存在 する膜形成界面活性剤1種以上で安定化された空気または気体の微小気泡の水性 懸濁液を含有し、この界面活性剤が「特定の標的設定目的のために設計された生 物活性種」を有するベクター1種以上に結合する系に関する。これによれば、微 小気泡は界面活性剤物質で直接カプセル化されているのではなく、微小気泡を安 定化させる液体充填リポソーム内に取り込まれているとされている。このような リポソーム中に存在するリン脂質のような薄膜状または層状の界面活性剤物質は 親油性テール部を 「バックトゥーバック」に、そして親水性ヘッド部を内側と外側の両方に有する 脂質二重層の1個以上の形態として存在せざるを得ない(例えばSchneider,M.の「 Liposomes as drug carriers:10 years of research」,Drug Targeting,Nyon ,Switzerland,1984年10月3-5日、Buri,P.and Gummma,A.(Ed),Elservier ,Amsterdam 1984参照)。 EP-A-0727225は被験者の体温で一部気化するような十分な蒸気圧を有する物質 をレポーターが含有する標的設定超音波造影剤を記載している。この物質は界面 活性剤またはアルブミンの担体を伴っており、これにはベクターとしての蛋白系 、ペプチド系または炭水化物系の細胞付着分子リガンドが含まれる。このような 造影剤のレポーター部分はWO-A-9416739に記載されているフェイズシフトコロイ ド系に相当し、現在ではこのようなフェイズシフトコロイドの投与は、恐らくは 、例えば心筋血管構造および脳の潜在的に危険な塞栓を起こす程度まで制御不可 能に成長する微小気泡の発生を起こすと考えられている(例えばSchwarz,Advanc es in Echo-Contrast[1994(3)],pp48-49参照)。 WO-A-9320802は組織特異的超音波像増強が抗体、ペプチド、レクチン等のよう な組織特異的リガンドにコンジュゲートされた音響反射オリゴ薄膜リポソームを 用いて達成されることを記載している。リポソームは気体を含まないように慎重 に選択されるため、気体系超音波造影剤の好都合なエコー源生特性を有しない。 この技術に関する詳細、例えばフィブリン、血栓およびアテローム性動脈硬化部 分に対する標的設定については、Alkanonyuksel,H等の出版物(J.Pharm.Sci. (1996)85(5),486-490;J.Am.Coll.Cardiol.(1996)27(2)Suppl A,298A;およ びCirculation,68 Sci.Sessions,Anaheim,1995年11月13-16日)に記載されて いる。 有意な実際の詳細を示さずに、ベクターとしてのモノクローナル抗体の使用の 可能性および/または細網内皮系により取り込まれ、それにより肝臓のような臓 器の像増強を可能にする物質を含有するレポーターに副次的 に言及している多くの超音波造影剤関連文献があり、例えばWO-A-9300933,WO-A -9401140,WO-A-9408627,WO-A-9428874,US-A-5088499,US-A-5348016およびUS -A-5469854等である。 本発明は、非蛋白質、非ペプチドおよび非多糖類のベクターでコンジュゲート された、ガスを含有しまたガスを発生する診断用のおよび/または治療用の薬剤 が、それらの試験管内および生体内の双方で高度に安定性であるために特に有用 な標的設定剤であるという知見に基づく。ベクターが天然の源泉からではなくて 合成的に得られるこのような生成物では、ウィルス汚染のような問題が回避され また、ベクター分子を明確に規定することができ、それによって生成物の均一性 が増大しまた生成物の情報記録が容易であるという点でこのような生成物は有利 である。 本明細書で用いる場合、「非多糖類」という用語は200単位より少ない、望ま しくは50単位より少ない糖の鎖であって二つまたはそれ以上の異なる糖を含むも のを意味する。さらに好ましいものは、アミノ糖を有する少なくとも一つの置換 基を含む糖鎖でありまたさらに好ましいものは分子量が5000より小さい分枝した 糖鎖である。 本発明の有利な1つの実施態様は、標的への限られた場所への付着が診断用お よび/または治療活性のある薬剤の極めて有用な性質であり、この性質は標的へ の固定的な付着よりはむしろ一時的な保持を与えるベクターを用いて達成される という更に別の知見に基づいている。即ち、このような薬剤は、特定の部位に固 定的に保持されている場合よりも、例えば、その内皮細胞との一過性の相互作用 により血管内皮に沿った遅延血流の形態を効果的に示す。即ちこのような薬剤は 、血管壁上で濃縮され、超音波造影剤の場合には、解剖学的特徴のない血流全体 と比較してそのエコー源生能を強化する。従ってこれにより、微細血管構造を含 む毛管系の造影が増強され、これらは、例えば心臓における正常な組織と潅流の 不十分な組織との間の識別を容易にし、また、クプファー細胞、血栓およびアテ ローム 性動脈硬化患部のような構造を可視化する際に、または、血管新生領域および炎 症を有する組織の領域を可視化するために有用である。本発明は特に、組織壊死 領域に位置する正常な血管内で起こる変化を造影するのに適している。 本発明の一局面に従うと、ガスを含有するまたはガスを発生する物質を含み、 一つまたはそれ以上のベクターとコンジュゲートされたレポーターの水性担持液 体中の、例えば注入可能な担持液体中の懸濁液からなる標的設定可能な診断剤お よび/または治療剤例えば超音波造影剤が提供され、この場合、上記のベクター は非ポリマー性の合成ベクターまたは半合成ベクターおよびオリゴヌクレオチド /ポリヌクレオチドから選択されることを特徴とする。 本発明で使用されるベクターは人体にとって外因性のものであるのが好ましい 。 合成ベクターまたは半合成ベクターに関してここで用いる「非ポリマー性」と いう用語はオリゴマーを排除することを意図するものではない。 本発明で使用するヌクレオチドは例えば10〜500の基本単位を含みうる。オリ ゴヌクレオチドは例えば20〜50の単位を含んでよいが、一方ポリヌクレオチドは 例えば50〜500の単位を含みうる。 本発明の更に別の実施態様によれば、ベクター1つ以上を、ベクターが標的ま たは標的受容体に容易に曝露されないような方法でレポーターに結合するか、あ るいはその内部に取り込ませる。従って、ベクターを曝露する別の方法例えばベ クターを含有する部分の拡散性を調節するために投与後の薬剤を外部超音波に曝 露することにより、組織特異性の向上を達成してよい。 任意の生体適合性気体も本発明の造影剤のレポーター中に存在してよく、本明 細書では「気体」という用語は37℃のヒト正常体温で実質的または完全に気体( 蒸気を含む)の形態である任意の物質(混合物を含む)を包含す るものとする。即ち気体は例えば空気;窒素;酸素;二酸化炭素;水素;不活性 ガス、例えばヘリウム、アルゴン、キセノンまたはクリプトン;フッ化イオウ例 えば六フッ化イオウ、十フッ化二イオウまたは五フッ化トリフルオロメチルイオ ウ;六フッ化セレン;場合によりハロゲン化されたシラン、例えばメチルシラン またはジメチルシラン:低分子量炭化水素(例えば炭素原子7個までを含むもの) 、例えばアルカン、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタンまたはペンタン、 シクロアルカン、例えばシクロプロパン、シクロブタンまたはシクロペンタン、 アルケン例えばエチレン、プロペン、プロパジエンまたはブテン、またはアルキ ンン例えばアセチレンまたはプロピン;エーテル例えばジメチルエーテル;ケト ン;エステル;ハロゲン化低分子量炭化水素(例えば炭素原子7個までを含むも の);またはこれらの混合物を包含する。好都合にはハロゲン化気体中のハロゲ ン原子の少なくとも幾つかは弗素原子である:即ち、生体適合性のあるハロゲン 化炭化水素気体は例えば、ブロモクロロジフルオロメタン、クロロジフルオロメ タン、ジクロロジフルオロメタン、ブロモトリフルオロメタン、クロロトリフル オロメタン、クロロペンタフルオロエタン、ジクロロテトラフルオロエタン、ク ロロトリフルオロエチレン、フルオロエチレン、エチルフロリド、1,1−ジフル オロエタンおよびパーフルオロカーボン、例えばパーフルオロアルカン、例えば パーフルオロメタン、パーフルオロエタン、パーフルオロプロパン、パーフルオ ロブタン(例えば場合によりパーフルオロ−i−ブタンのような他の異性体との 混合物中のパーフルオロ−n−ブタン)、パーフルオロペンタン、パーフルオロ ヘキサンおよびパーフルオロヘプタン;パーフルオロアルケン、例えばパーフル オロプロペン、パーフルオロブテン(例えばパーフルオロブト−2−エン)およ びパーフルオロブタジエン;パーフルオロアルキン、例えばパーフルオロブト− 2−イン;およびパーフルオロシクロアルカン、例えばパーフルオロシクロブタ ン、パーフルオロメチルシクロブタン、パーフルオロジメチルシク ロブタン、パーフルオロトリメチルシクロブタン、パーフルオロシクロペンタン 、パーフルオロメチルシクロペンタン、パーフルオロジメチルシクロペンタン、 パーフルオロシクロヘキサン、パーフルオロメチルシクロヘキサンおよびパーフ ルオロシクロヘプタンから選択することができる。他のハロゲン化気体としては 、塩化メチル、フッ化(例えば過フッ化)ケトン、例えばパーフルオロアセトンお よびフッ化(例えば過フッ化)エーテル、例えばパーフルオロジエチルエーテルが 挙げられる。過フッ化気体、例えば六フッ化イオウおよびパーフルオロカーボン 、例えば、パーフルオロプロパン、パーフルオロブタンおよびパーフルオロペン タンの使用はこのような気体を含有する微小気泡の血流中の安定性が高いことが 解っているため、特に好都合である。 レポーターは都合の良い任意の形、例えばガスを含有するまたはガスを発生す る適当な任意の超音波造影剤処方物でありうる。このような処方物の代表例には 、合体抵抗性の表面膜(例としては、WO-A-8002365に記載されているような例え ばゼラチンによって安定化された(例えば少なくとも部分的にカプセル化された) 、膜形成蛋白質(例としては、例えばUS-A-4718433、US-A-4774958、US-A-484488 2、EP-A-6359246、WO-A-9112823、WO-A-9205806、WO-A-9217213、WO-A-9406477 またはWO-A-9501187に記載されたヒト血清アルブミンのごときアルブミン)、ポ リマー物質(例としては、EP-A-0398935に記載された合成的な生分解性ポリマー 、EP-A-0458745に記載された弾性のある接触面合成ポリマー膜、EP-A-0441468に 記載のような微細粒子状の生分解性ポリアルデヒド、EP-A-0458079に記載のポリ アミノ酸−ポリ環式イミドの微細粒子状のN−ジカルボン酸誘導体またはWO-A-9 317718もしくはWO-A-9607434に記載の生分解性ポリマー)、非重合体のそして非 重合性の壁形成性材料(例としてはWO-A-9607434に記載されたもの)、または界 面活性剤(例としては、Pluronicのようなポリオキシエチレン−ポリオキシプロ ピレンブロックコポリマーであるWO-A-9506518に記 載のようなポリマー界面活性剤、あるいは例えばWO-A-9211873、WO-A-9217212、 WO-A-9222247、WO-A-9428780またはWO-A-9503835に記載のリン脂質のような膜形 成性界面活性剤)がある。 別に有用なガス含有造影剤処方物には、ガスを含有する固体系例えば、ガスを 内部に包含して有するあるいは別な形で同伴する(例としては、例えばEP-A-012 2624、EP-A-0123235、EP-A-0365467、WO-A-9221382、WO-A-9300930、WO-A-93138 02、WO-A-9313808またはWO-A-9313809に記載のようなガスが表面に吸着されたそ して/あるいは中にある空孔、凹所または細孔の内部に含まれる)微小粒子(特 に、微細粒子の集合体)がある。このような微細粒子状の造影剤のエコー発生能 は包含される/同伴されるガスからそして/あるいは固体物質から放出される( 例えば微小粒子構造の分解に際して)ガス(例えば微小気泡)から直接に得られ てよい。 ガスを含有する造影剤処方物に関する上記したすべての文献の開示は参照によ って本記載に加入される。 ガスの微細泡および他のガス含有物質例えば微細粒子は、例えば静脈内注射に よる投与の後肺系を通って自由に流通することができるように10μmを越えない (例えば7μmまたはそれ以下の)初期の平均寸法を有するのが好ましい。 本発明に従ってリン脂質含有組成物が例えばリン脂質で安定化されたガスの微 細泡の形で使用される場合、有用なリン脂質の代表例には、レシチン(即ちホス ファチジルコリン)、例えば天然レシチン、例えば卵黄レシチンまたは大豆レシ チンおよび合成または半合成のレシチン、例えばジミリストイルホスファチジル コリン、ジパルミトイルホスファチジルコリンまたはジステアロイルホスファチ ジルコリン;ホスファチジン酸;ホスファチジルエタノールアミン;ホスファチ ジルセリン;ホスファチジルグリセロール;ホスファチジルイノシトール;カル ジオリピン;スフィンゴミエリン;上記物質の任意のフッ化類縁体;上記物質の 任意の混合物およびコ レステロールのような他の脂質との混合物が包含される。例えば、天然産の(例 えば大豆からまたは卵黄から誘導される)、半合成的な(例えば部分的または完 全に水素化された)そして合成的なホスファチジルセリン、ホスファチジルグリ セロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジック酸および/またはカ ルジオリピンにおけるように、正味の全体的電荷、例えば負の電荷を個々に有す る分子から主として(例えば少なくとも75%)なるリン脂質を使用するのが特に 有利であろう。 気体含有造影剤を調製するために使用してよい更に別の脂質の例には、脂肪酸 、ステアリン酸、パルミチン酸、2−n−ヘキサデシルステアリン酸、オレイン 酸および他の酸含有脂質構造が包含される。このような脂質構造をアミド結合形 成によりアミノ基1個以上を有するアミノ酸にカップリングさせ;得られた脂質 修飾アミノ酸(例えばジパルミトイルリジンまたはジステアロイル−2,3−ジアミ ノプロピオン酸)はベクター分子1個以上のコンジュゲーションのためのカップ リング部位を有する官能化されたスペーサー要素の連結のための有用な前駆体と なる。 その他の有用な安定化剤にはベクター分子1個以上へのカップリングのために 適当に官能化されたペプチドリンカー部分に結合した脂質を有するリポペプチド が包含される。特に好ましいものとしては、負荷電リン脂質または他の界面活性 剤膜により安定化されたレポーター微小気泡と静電相互作用を介して契合できる 正荷電ペプチドリンカー要素が包含される。 本発明の別の実施態様は細胞表面に位置する受容体分子との非特異的な反応の ための反応の基1つ以上を有する官能化された微小気泡を包含する。例えばチオ ール部分を有する微小気泡はジスルフィド交換反応を介して細胞表面受容体に結 合することができる。このような反応が可逆的であることは、微小気泡の流れが 酸化還元の条件を変えることにより制御できることを意味する。同様にN−ヒド ロキシスクシンイミドエステルのような活性化エステルを有する膜を持った官能 化された微小気泡を複数の細胞表面 分子上に存在するアミノ基と反応させるために用いてよい。 本発明で有用でありうるガス含有微細粒子状の物質の代表例には、炭水化物( 例えばブドウ糖、果糖またはガラクトースのような六炭糖;蔗糖、乳糖または麦 芽糖のような二糖類:アラビノース、キシロースまたはリボースのような五炭糖 ;α−,β−およびγ−シクロデキストリン;澱粉、ヒドロキシエチル澱粉、ア ミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、イヌリン、プルラン、デキストラン 、カルボキシメチルデキストラン、デキストランホスフェート、ケトデキストラ ン、アミノエチルデキストラン、アルギネート、キチン、キトサン、ヒアルロン 酸またはヘパリンのような多糖類;およびマンニトールまたはソルビトールのよ うなアルジトールを含む糖アルコール)、無機塩(例えば塩化ナトリウム)、有 機塩(例えばクエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウムまたは酒石酸ナトリウム)、 X線造影剤(例えば、メトリゾイック酸、ジアトリゾイック酸、イオタラミック 酸、イオキサガリック酸、イオヘキソール、イオペントール、イオパミドール、 イオジキサノール、イオプロミド、メトリザミド、イオジパミド、メグルミン、 イオジパミド、メグルミンアセトリゾエートおよびメグルミンジアトリゾエート におけるように、カルボキシル、カルバモイル、N−アルキルカルバモイル、N −ヒドロキシアルキルカルバモイル、アシルアミノ、N−アルキルアシルアミノ またはアシルアミノエチルのような置換基を3位置および/または5位置に有す る少なくとも一つの2,4,6−トリヨードフェニル基を典型的に含有する市販され ていて入手できる任意のカルボン酸および非イオン性アミド造影剤)、そしてポ リペプチドおよび蛋白質(例えばゼラチンまたはヒト血清アルブミンのようなア ルブミン)がある。 レポーターは便利な任意の方法によって、例えばガスを含有するまたはガスを 発生する処方物をつくることによって製造されてよい。代表的な例には、WO 911 5244に記載されているように界面活性剤をガスと接触させそ して水性担体の存在でこれらを混合することによる;あるいはEP512693A1に記載 されているように中空の微細カプセルを得るように、壁を形成する物質の溶液ま たは分散液をガスの存在で霧化することによるガスの微小気泡の懸濁液の製造; US5648095に記載されているような二重乳濁液法による固体の微小球の製造;ま たはEP681843A2に記載のような噴霧乾燥により中空の微小カプセルをつくるため の方法またはUS5469854に記載のような脂質を含む水溶液をガスの存在で振盪す ることによりガスで充填されたリポソームを製造することがある。 レポーターに所望のベクターを結合するのに好適な方法は、レポーターおよび ベクターの双方の表面上で反応性基を用いることにより、予め作ったレポーター を好適なリンカーによって表面変性することからなる。ベクターを含有する物質 にレポーター物質を工程の任意の段階で物理的に混合することが特に有利であろ う。このような方法では、レポーターへのベクターの取り込みまたは結合が生ま れよう。場合によって行なわれる工程のガスを含有する粒子を洗浄し続いて例え ば浮遊により分離することにより、レポーターに結合していない過剰のベクター が除去されうる。好ましい一つの局面は、ガスを含有する薬剤を生成する前に他 のレポーター分子と所望なら予備的に混合することのできるチオール、マレイミ ドビオチン等のような官能基を含むリポペプチド構造を用いることである。ベク ター分子の結合は下記に示すリンカー反応剤を使用することにより実施されてよ い。 所望のベクターへのレポーター単位の結合は、レポーターおよび/またはベク ター上にある一つまたはそれ以上の官能基との相互干渉を通常伴いながら、共有 結合的または非共有結合的手段によって達成されうる。このために使用してよい 化学的反応性を有する官能基の例には、アミノ、ヒロドキシル、スルフィドリル 、カルボキシルおよびカルボニル基、並びに炭水化物基、ビシナルジオール、チ オエーテル、2−アミノアルコール、2 −アミノチオール、グアニジニル、イミダゾリルおよびフェノール性の基が包含 される。 従って、レポーターとベクターの共有結合カップリングはこのような官能基と 反応できる反応性の部分を有する連結剤を用いて行なってよい。スルフィドリル 基と反応できる反応性部分の例にはX-CH2CO-型(式中X=Br,ClまたはI)のα −ハロアセチル化合物が包含され、これはスルフィドリル基に対して特別の反応 性を示すが、Grud,F.R.N.がMethods Enzymol.(1967)11,532に記載のとおり イミダゾリル、チオエーテル、フェノールおよびアミノ基を修飾するために使用 することもできる。N−マレイミド誘導体もまたスルフィドリル基に対して選択 性を有すると考えられているが、特定の条件下ではアミノ基へのカップリングに おいても有用である。N−マレイミドはKitagawa,T.等がChem.Pharm.Bull.( 1981)29,1130に記載のとおりレポーター−ベクターコンジュゲーションのため の結合系に組み込んでよく、また、Kovacic,P.等がJ.Am.Chem.Soc.(1959) ,81,1887に記載のとおり、気泡安定化のための重合体交叉結合剤として用いて よい。結合がジスルフィド架橋の形成をとおして起こる場合は、アミノ基の変換 によってチオール基を導入する、例えばTraut,R.等がBiochemistry(1973)12 ,3266に記載の2−アミノチオランのような試薬がスルフィドリル試薬と考えら れる。即ち、レポーターまたはベクターの何れかに反応性のジスルフィド結合を 導入する試薬が有用であるのは、結合がベクターとレポーターの間のジスルフィ ド交換によりもたらされるためであり:このような試薬の例にはEllman試薬(DTN B)、4,4'−ジチオジピリジン、メチル−3−ニトロ−2−ピリジルジスルフィド およびメチル−2−ピリジルジスルフィド(Kimura,T.等,Analyt.Biochem.( 1982)122,271)が包含される。 アミノ基との反応が可能な反応性の部分の例にはアルキル化およびアシル化剤 が包含される。代表的なアルキル化剤を以下に示す。 i)反応性チオール基の非存在下でアミノ基に対して特異性を示し、X-CH2CO- (式中X=Cl,BrまたはI)の型のα−ハロアセチル化合物、例えば、Wong,Y- H.H.がBiochemistry(1979)24,5337に記載のもの; ii)マイケル型反応を介して、または、Smyth,D.G.等がJ.Am.Chem.Soc.( 1960)82,4600およびBiochem.J.(1964)91,589に記載の環状カルボニル基への 付加によるアシル化を介して、アミノ基と反応するN−マレイミド誘導体; iii)反応性のニトロハロ芳香族化合物のようなアリールハライド; iv)McKenzie,J.A.等がJ.Protein Chem.(1988)7,581に記載のアルキルハ ライド; v)アミノ基とのシッフ塩基形成が可能なアルデヒドおよびケトンであり、形 成した付加物は通常還元により安定化されて安定なアミンとなるもの; vi)アミノ、スルフィドリルまたはフェノール性ヒドロキシル基と反応するエ ピクロロヒドリンおよびビスオキシランのようなエポキシド誘導体; vii)アミノ、スルフィドリルまたはヒドロキシル基のような親核物質に対し て高い反応性を有するs-トリアジンの塩素含有誘導体; viii)開環によりアミノ基のような親核物質と反応する、例えばRoss,W.C.J. のAdv.Cancer Res.(1954)2,1に記載されているもののような、上記したs− トリアジン化合物系のアジリジン; ix)Tietze,L.F.のChem.Ber.(1991)124,1215に記載のスクワリック(squari c)酸ジエチルエステル;および x)例えばBenneche,T.等がEur.J.Med.Chem(1993)28,463に記載したも ののような、エーテル酸素原子により誘発された活性化のためにノルマルアルキ ルハライドよりも反応性の高いアルキル化剤であるα−ハロアルキルエーテル。 代表的なアミノ反応性アシル化剤の例には以下のものが包含される。 i)Schick,A.F.等がJ.Biol.Chem.(1961)236,2477に記載したもののよう な、安定な尿素およびチオ尿素誘導体をそれぞれ形成し、蛋白交叉結合のために 使用されているイソシアネートおよびイソチオシアネート、特に芳香族誘導体; ii)Herzig.D.J.等がBiopolymers(1964)2,349に記載した、そして、リン カーへの蛍光レポーター基の導入のために有用であるスルホニルクロリド; iii)酸ハロゲン化物; iv)ニトロフェニルエステルまたはN−ヒドロキシスクシンイミジルエステル のような活性エステル; v)混合無水物、対象無水物またはN-カルボキシ無水物のような酸無水物; vi)Bodansky,M.等がPrinciples of Peptide Synthesis(1984)Springer-Ve rlagに記載したようなアミド結合形成のための他の有用な試薬; vii)例えばWetz,K.等がAnal.Biochem.(1974)58,347に記載したような、 アジド基が亜硝酸ナトリウムを用いて予め形成されたヒドラジド誘導体から形成 されるアシルアジド; viii)例えばRasmussen,J.K.がReactive Polymers(1991)16,199に記載し たような、ビスアクリルアミドのような重合体に結合したアズラクトン;および 、 ix)例えばHunter,M.J.とLudwig,M.L.がJ.Am.Chem.Soc.(1962)84,3491 に記載したようなアミノ基との反応により安定なアミジンを形成するイミドエス テル。 アルデヒド官能基のようなカルボニル基は弱塩基と反応させてよい。弱塩基に は、例えばRatner,S.等がJ.Am.Chem.Soc.(1937)59,200に記 載のようなアルデヒド基を有する安定な5員チアゾリジン環を選択的に形成する N−末端システイン残基中に認められるような1,2−アミノチオールが包含され る。フェニルヒドラゾンのような他の弱塩基も、例えばHeitzman,H.等がProc.N atl.Acad.Sci.USA(1974)71,3537に記載のとおり、使用してよい。 アルデヒドおよびケトンはまたアミンと反応させてシッフ塩基を形成してよく 、これは還元的アミノ化により好都合に安定化してよい。アルコキシルアミノ部 分は例えばWebb,R.等がBioconjugate Chem.(1990)1,96に記載のとおり、ケト ンおよびアルデヒドと容易に反応して安定なアルコキシアミンを生成する。 カルボキシル基との反応が可能な反応性の部分の例には、ジアゾアセテートエ ステルおよびジアゾアセトアミドのようなジアゾ化合物が包含され、これらは、 例えばHerriot R.M.がAdv.Protein Chem.(1947)3,169に記載のとおり、高い 選択性で反応してエステル基を生成する。O−アシル尿素形成、次いでアミド結 合形成を介して反応するカルボジイミドのようなカルボン酸修飾試薬もまた有用 に使用され:連結はアミンの添加を通じて促進してよく、あるいは、直接ベクタ ー−受容体カップリングを行なってよい。有用な水溶性カルボジイミドには例え ばZot,H.G.およびPuett,D.がJ.Biol.Chem.(1989)264,15552に記載のとお り、1-シクロヘキシル−3−(2−モルホリニル−4−エチル)カルボジイミド(C MC)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC) が包含される。他の有用なカルボン酸修飾試薬にはイソキサゾリウム誘導体、例 えばWoodwards試薬K;クロロホルメート、例えばp-ニトロフェニルクロロホルメ ート;カルボニルジイミダゾール、例えば1,1'−カルボニルジイミダゾール;お よびN−カルボアルコキシジヒドロキノリン、例えばN−(エトキシカルボニル )−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリンが包含される。 他の潜在的に有用な反応性の部分には、例えばWagner等がNucleic acid Res. (1978)5,4065に記載のとおりグアニジニル基と反応させるために用いてよいp −フェニレンジグリオキサルのようなビシナルジオン;および、例えばIshizaka ,K.およびIshizaka T.がJ.Immunol.(1960)85,163に記載のとおり、親電子置 換反応を起こすジアゾニウム塩が包含される。ビスジアゾニウム化合物は酸性溶 液中亜硝酸ナトリウムでアリールジアミンを処理することにより容易に調製され る。レポーターおよび/またはベクター中の官能基は、当然ながら、例えば別の 反応性または選択性を与えるために、所望により他の官能基に変換した後に反応 させてよい。このために有用な方法の例には、無水ジカルボン酸のような試薬を 用いたアミンからカルボン酸への変換;N−アセチルホモシステインチオラクト ン、無水S−アセチルメルカプトコハク酸、2−イミノチオランまたはチオール 含有スクシンイミジル誘導体のような試薬を用いたアミンからチオールへの変換 ;α−ハロアセテートのような試薬を用いたチオールからカルボン酸への変換; エチレンイミンまたは2−ブロモエチルアミンのような試薬を用いたチオールか らアミンへの変換;カルボジイミド次いでジアミンのような試薬を用いたカルボ ン酸からアミンへの変換;およびトシルクロリドのような試薬を用い、次いでチ オアセテートとのエステル交換および酢酸ナトリウムを用いたチオールへの加水 分解によるアルコールからチオールへの変換が包含される。 ベクター−レポーターカップリングはまた長さゼロ−レングスの架橋剤として 酵素を用いて行ってもよく;即ち、例えば、トランスグルタミナーゼ、パーオキ シダーゼおよびキサンチンオキシダーゼを用いて架橋産物を得てもよい。逆蛋白 分解もまたアミド結合の形成を介した架橋のために用いてよい。 非共有結合ベクター−レポーターカップリングは例えば安定な金属複合体の形 態のキレート形成を介して、または、アビジン/ビオチン結合のよ うな高親和性結合相互作用を介して、ポリリジニル−官能化されたレポーターと ポリグルタミル官能化されたベクターとの間の静電電荷相互作用により行なって よい。 あるいは、ベクターはリン脂質に結合することが判っている蛋白にカップリン グさせてよい。多くの場合、リン脂質の単一の分子をトランスロカーゼのような 蛋白に結合させ、他の蛋白は主にリン脂質のヘッド基よりなる表面に結合してよ く、このことを用いてベクターをリン脂質ミクロスフェアに結合させてよく;そ のような蛋白の一例はβ2−糖蛋白Iである(Chonn,A.,Semple,S.C.およびCu llis,P.R.,Journal of Biological Chemistry(1995)270,25845-25849)。ホ スファチジルセリン結合蛋白は例えばIgarashi,K.等によりJournal of Biologi cal Chemistry 270(49),29075-29078に記載されている。アネキシンは一群のリ ン脂質結合蛋白質でありその多くはホスファチジルセリンに特に強く結合してい る(Raynal,P.およびH.B.Pollardの「Annexins,the problem of assessing the biological role for a gene family of multifunctional calcium-and phosph olipid-binding proteinsl Biochim.Biophys.Acta 1197,63〜93ページ中で論 評されている)。従ってこのようなホスファチジルセリン結合蛋白質とのベクタ ーのコンジュゲートがベクターをホスファチジルセリン−カプセル化微小気泡に 結合するために使用されうる。結合蛋白のアミノ酸配列が既知の場合は、リン脂 質結合蛋白を合成するか、または、単離して、ベクターとのコンジュゲーション に用い、これにより分子の別の場所に位置する可能性のある生物学的活性を回避 することができる。 分子ライブラリを直接スクリーニングしてミクロスフェア結合分子を探すこと によりミクロスフェアの表面に(または「膜」内に)特異的に結合する分子を得る こともできる。例えば、小さい固体ミクロスフェア(約0.02〜2μm、望ましく は約0.05〜0.25μm)の表面上にある小さな分子を掲げる、コンビナトリアルケ ミストリーによるライブラリーがこのような選択 のために使用できるであろう。選択は、ガス充填微小気泡とコンビナトリアルラ イブラリーとを単に混合しそして小さい固体ミクロスフェアを溶離することによ り行なうことができる。あるいは、コンビナトリアルライブラリーは固体表面つ まりマイクロ−タイターウエルの底部上に生成されることができよう。所望によ り「生理学的条件」下(例えば血中)および/または剪断条件下で選択を行なっ てよい。この種の選択方法の利点は、未損傷の浮遊ミクロスフェアに結合した結 合分子だけが表面まで上昇するため、ミクロスフェアの安定性を損なわない結合 分子のみを選択すればよい。安定性を損なう結合分子を選択しないように選択操 作の間ある種の「ストレス」(例えば圧力)を導入することも可能である。このよ うにして生体中にある剪断条件に耐えることのできるバインダーを選択すること が可能であろう。別な利点は、もし生体中での永久的結合を回避せねばならない ならば、親和性の限定された結合部位を選ぶという選択肢があることである。こ のようにして同定される結合部位はベクター分子への化学的コンジュゲーション によって結合されてよく、これは任意のベクター分子を微小泡に結合するための 一般的手段をなす。 膜挿入を媒介することのできる要素を含むペプチド、リポ−オリゴ糖またはリ ポペプチドリンカーと結合するベクターもまた有用である。1つの例は、Leenho uts,J.M.等のFebs Letters(1995)370(3),189-192に記載されている。既知の 膜挿入係留部/信号群よりなる非生物活性分子もまた特定の用途のためのベクタ ーとして使用してよく、その例はXie,Y.およびMorimoto,T.がJ.Biol.Chem. (1995)270(20),11985-11991に記載のNa,K-ATPaseα−サブユニット由来のH1 疎水性セグメントである。係留基は脂肪酸またはコレステロールであってよい。 カップリングはまたアビジンまたはストレプトアビジンを用いて行なってよく 、これらはビオチンに対する高親和性結合部位4個を有している。従ってアビジ ンは、ベクターとレポーターが共にビオチニル化されている 場合にベクターをレポーターにコンジュゲートするために使用される。その例は Bayer,E.A.およびWilchek,M.のMethods Biochem.Anal.(1980)26,1に記載さ れている。この方法を拡張して、気泡の結合を向上させ、結果としてエコー源生 能を増大させる方法である、レポーターとポーターの連結も意図してよい。ある いは、アビジンまたはストレプトアビジンをレポーター微細粒子の表面に直接結 合させてもよい。 非共有結合カップリングもまた二重特異性免疫グロブリンの二官能性の性質を 利用してよい。これらの分子は2個の抗原に特異的に結合できるため、これらを 連結できる。例えば、二重特異性のIgGまたは化学的に構築された2特異性のF(a b)'2フラグメントのいずれかを連結剤として用いて用いてよい。ヘテロ二官能性 二重特異性抗体もまた、例えばBode,C.等,J.Biol.Chem.(1989)264,944およ びStaerz,U.D.等,Proc.Natl.Acad.Sic.USA(1986)83,1453に記載のとお り、2種の異なる抗体に連結することが報告されている。同様に、2種以上の抗 原決定基を有するレポーターおよび/またはベクター(Chen,Aa等,Am.J.Path ol.(1988)130,216等)を抗体分子と交叉結合させ、エコー源生能の向上した 多気泡交叉結合構造体を形成してもよい。 本発明で使用される連結剤は一般的にある程度の特異性でベクターからレポー ターまたはレポーターからレポーターへの連結をもたらすものであり、1種以上 の治療活性薬剤を結合するためにも用いてよい。 場合により、PEGがスペーサーとして機能しない同分子内のレポーターに対し 、ベクターと組合わせて、あるいは直接、安定化剤としてPEG成分を含むことが 好都合である。 本発明の内容においては、レポーター単位は通常はベクターに連結して残存す る。「前標的設定」と称される別な種類の標的設定過程においては、ベクター( 例えば、単糖類またはオリゴ糖類で誘導体化されてよい)のみを投与し;その後 、レポーターを投与し、ベクター分子に特異的に結合す ることのできる部分にカップリングする(ベクターが糖を含有する場合は、レポ ーターはレシチンのような炭水化物結合分子にカップリングされてよい)。この 操作法の利点は、時間の経過により標的に結合しないベクター分子の排除がおこ なわれ、過剰なレポーター−ベクターコンジュゲートの存在に伴うバックグラウ ンドの問題を実質的に小さくする点である。本発明の内容においては、前標的設 定では1種の特異的なベクターを用い、その後、他のベクターおよび第1のベク ターに結合する部分にカップリングするレポーター単位を想定している。 本発明の内容においては、ある場合にはそして特に、規定された領域、例えば 心筋における血液の灌流を評価するために、標的に結合した超音波造影剤が標的 から転位するかまたは遊離する速度を測定することに興味がある。これはベクタ ーのみを投与し、あるいは標的から超音波造影剤を転位させまたは遊離させるこ とのできる別な薬剤を投与することにより制御下で実施することができる。 本発明で用いる超音波造影法は、2次元および3次元の造影方法、例えばBモ ード造影(例えば発せられた超音波パルスの基礎周波数から、その下調波または 高調波から、または、発せられたパルスおよび上記調波に由来の合算周波数また は異なる周波数から発生される信号エンベロープの時間変動増幅を用いる等、基 礎周波数またはその第2調和波から発生する像が好ましい)、カラードプラー造 影およびドプラー増幅造影および後者2者と上記方式(技術)のいずれかとの組 合わせを包含する。意外にも、本発明に従って使用する場合、標的設定単層微細 球からの第2調波信号が優れていることが判った。移動の影響を低減するために 、心臓または腎臓のような組織の連続像を適当な同調方法(例えばECGへのゲー ト開放または対象の呼吸運動)を用いて収集する。微小気泡の停止または遅延に 伴う共鳴周波数または周波数吸収の変化の測定もまた造影剤の検出のために有用 に用いられる。 本発明は所望の部位への生成物のベクター媒介方向設定と組合わせた医療薬デ リバリーのための手段を提供する。「治療」または「薬」という用語はヒトまた は非ヒトの生体における特定の疾患に対する有益な作用を有する薬剤を指す。薬 物と超音波造影剤の組合わせは例えばWO-A-9428873号およびWO-A-9507072号にお いて提案されているが、これらの生成物は特定の部位に対する親和性を有するベ クターを欠いており、このため、薬剤放出の前またはその間の所望の部位におけ る特異的保持が比較的乏しくなる。 本発明で用いる治療化合物は微細泡/微細粒子の内部にカプセル化するか、ま たは、その構造に結合しあるいは構造内に取り込ませることができる。即ち、治 療化合物は例えば共有結合またはイオン結合を介して壁または基質の一部に連結 するか、または、特に薬物がこの物質と同様の極性または溶解度を有する場合は 、カプセル化物質または基質物質に物理的に混入し、これにより、体内で作用す る前に生成物が漏出することを防止する。薬剤の放出は投与後の血液との湿潤接 触のみにより開始されるか、または、他の内的または外的な影響、例えば、酵素 による触媒された溶解過程または超音波の使用の結果として開始される。外的超 音波を用いた気体含有微細粒子の崩壊は例えばWO-A-9325241号に記載のとおり、 超音波造影剤に関する良く知られた現象であり;薬物の放出速度はトランスデュ ーサーから生じる超音波エネルギーの特定の量を用いて、治療用途の種類に応じ て変化させられる。 治療薬は例えば本明細書に記載する適当な連結剤を用いて膜または基質の表面 に共有結合させてよい。即ち例えば、まずリン脂質またはリポペプチドの誘導体 を調製し、これに生体分解正の結合またはリンカーを介して薬物を結合させ、次 にこの誘導体を前述のとおり、レポーターを調製するために使用する物質に配合 する。別法として、生成物が治療薬なしでまず調製され、次いで使用に先立って 微小気泡または微小粒子にカップリング されあるいはコートされてもよい。従って、例えば、微小気泡または微小粒子に 治療薬を結合または付着するために、これらの水性媒体中の懸濁液に治療薬を添 加することができよう。 本発明の薬物デリバリー組成物中で用いるのに適する代表的な治療薬には、酸 化条件下でチオール含有微小気泡にカップリングしてジスルフィド基を形成する チオール基を有する知られた治療薬またはその活性類縁体が包含される。ベクタ ーとの組合せにより、このような薬物/ベクター修飾微小気泡は標的組織に蓄積 され;次に還元グルタチオンのような還元剤を投与することにより、薬物の分子 を標的細胞近隣の標的設定微小気泡から遊離させ、これにより薬物の局所濃度を 増大させ、その治療効果を強化させる。あるいは、組成物をまず治療薬を用いず に調製し、その後治療薬を使用直前の微小気泡上にカップリングまたはコーティ ングしてよく;即ち、例えば、治療薬を水性媒体中の微小気泡の懸濁液に添加し 、そして治療薬を微小気泡に結合または付着させるために振とうしてよい。 他の薬物デリバリーシステムには標的設定ベクターと組合わせてポリ−L−リ ジンまたはポリ−D−リジン鎖を有するリポペプチド構造でドープされたベクタ ー修飾リン脂質膜が包含される。特にレセプター媒介薬物デリバリーによる遺伝 子治療/アンチセンス技術に合わせて、微小気泡担体をカチオン性ポリリジンと の静電相互作用によりDNAまたはRNAと縮合させる。この方法の利点は、標的設定 デリバリーに用いるベクターがポリリジン担体部分に直接結合していない点にあ る。ポリリジン鎖はまた脂質鎖の存在によりより堅固に微小気泡膜に契合される 。デリバリーの効果を高める超音波の使用もまた有用でる。 あるいは、遊離のポリリジン鎖をまず薬物またはベクター分子で修飾し、その 後、標的設定微小気泡の負荷電表面に縮合させる。 本発明において有用な薬物の代表的な例(これらに限定されるものではない) には、抗新生物剤、例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビン デシン、ブスルファン、クロラムブシル、スピロプラチン、シスプラチン、カル ボプラチン、メトトレキセート、アドリアマイシン、ミトマイシン、ブレオマイ シン、シトシンアラビノシド、アラビノシルアデニン、メルカプトプリン、マイ トテン、プロカルバジン、ダクチノマイシン(アンチノマイシンD)、ダウノル ビシン、塩酸ドキソルビシン、タキソール、プリカマイシン、アミノグルテシミ ド、エストラムスチン、フルタミド、ロイプロリド、酢酸メゲストロール、タモ キシフェン、テストラクトン、トリロスタン、アムサクリン(m-AMSA)、アスパラ ギナーゼ(L−アスパラギナーゼ)、エトポシド、インターフェロンa−2aお よび2b、血液製剤例えばヘマトポルフィリンまたはその誘導体;生物学的応答 調節剤、例えばムラミルペプチド;抗カビ剤例えばケトコナゾール、ニスタチン 、グリセオフルビン、フルシトシン、ミコナゾールまたはアンホテリシンB;ホ ルモンまたはホルモン類縁体、例えば成長ホルモン、メラノサイト刺激ホルモン 、エストラジオール、ベクロメタゾンジプロピオネート、ベタメタゾン、酢酸コ ーチゾン、デキサメタゾン、フルニソリド、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニ ゾロン、酢酸パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン または酢酸フルドロコルチゾン;ビタミン、例えばシアノコバラミンまたはレチ ノイド;酵素、例えばアルカリホスファターゼまたはマンガンスーパーオキシド ジスムターゼ;抗アレルギー剤、例えばアメレキサノクス;組織因子抑制剤、例 えばモノクローナル抗体およびそのFabフラグメント、合成ペプチド、非ペプチ ドおよび組織因子発現をダウンレギュレーションする(downregulating)化合物; 血小板抑制剤、例えばGPIa,GPIbおよびGPIIb-IIIa,ADP受容体、トロンビン受 容体、vonWillbrand因子、プロスタグランジン、アスピリン、チクロピジン、ク ロピゴグレルおよびレオプロ;凝固蛋白標的抑制剤、例えば、FIIa、FVa、FVIIa 、FVIIIA、FIXa、組織因子、ヘパリン、ヒルジン、ヒルログ、アルガトロバン、 DEGR-rFVIIaおよびアネキシンV:フィブリン形成抑制剤お よびフィブリノリシス促進剤、例えばt−PA、ウロキナーゼ、プラスミン、スト レプトキナーゼ、rt−プラスミノーゲン活性化剤およびrスタフィロキナーゼ; 抗血管新生促進因子、例えばメドロキシプロゲステロン、五硫酸ペントサン、ス ラミン、タキソール、タリドミド、アンジオスタチン、インターフェロン−アル ファ、メタロプロテイナーゼ阻害剤、血小板因子4、ソマトスタチン、トロンボ スポンジン;循環系薬物、例えばプロプラノロール;代謝強化剤、例えばグルタ チオン;抗結核剤例えばp−アミノサリチル酸、イソニアジド、硫酸カプレオマ イシン、シクロセキシン、エタンブトール、エチオナミド、ピラジナミド、リフ ァンピンまたは硫酸ストレプトマイシン;抗ウイルス剤、例えばアシクロビル、 アマンタジン、アジドチミジン、リバビリン、またはビダラビン;血管拡張剤、 例えばジルチアゼム、ニフェジピン、ベラパミル、四硝酸エリスリトール、二硝 酸イソソルビド、ニトログリセリンまたは四硝酸ペンタエリスリトール/抗生物 質、例えばダプソン、クロラムフェニコール、ネオマイシン、セファクロル、セ ファドロキシル、セファレキシン、セファラジン、エリスロマイシン、クリンダ マイシン、リンコマイシン、アモキシリン、アンピシリン、バカンピシリン、カ ルベニシリン、ジクロキサシリン、シクラシリン、ピクロキサシリン、ヘタシリ ン、メチシリン、ナフシリン、ペニシリン、ポリミキシンまたはテトラサイクリ ン;抗炎症剤、例えばジフルニサル、イブプロフェン、インドメタシン、メクレ フェナメート、メフェナミック酸、ナプロキセン、フェニルブタゾン、ピロキシ カム、トルメチン、アスピリンまたはサリシレート;抗原生動物剤、例えばクロ ロキン、メトロニダゾール、キニンまたはアンチモン酸メグルミン;抗リューマ チ剤、例えばペニシラミン;麻酔剤、例えばパレゴリック;アヘン剤、例えばコ デイン、モルヒネまたはアヘン;強心配糖体、例えばデスラネシド、ジギトキシ ン、ジゴキシン、ジギタリンまたはジギタリス;神経筋ブロッカー、例えばアト ラクリウムメシレート、ガラミントリエチオジド、ヘキサフルオ レニウムブロミド、ヨウ化メトクリン、臭化パンクロニウム、塩化スクシニルコ リン、塩化ツボクラリンまたは臭化ベクロニウム;沈静剤、例えばアモバルビタ ール、アモバルビタールナトリウム、アプロプバルビタール、ブタバルビタール ナトリウム、抱水クロラール、エトクロルビノール、エチナメート、塩酸フルラ ゼパム、グルテシミド、塩酸メトトリメプラジン、メチプリロン、塩酸ミダゾラ ム、パラアルデヒド、ペントバルビタール、セコバルビタールナトリウム、タル ブタール、テマゼパムまたはトリアゾラム;局所麻酔剤、例えばブピバカイン、 クロロプロカイン、エチドカイン、リドカイン、メピバカイン、プロカインまた はテトラカイン;全身麻酔剤、例えばドロペリドール、エトミデート、クエン酸 フェンタニル+ドロペリドール、塩酸ケタミン、メトヘキシタールナトリウムま たはチオペンタールおよび医薬的に許容しうる塩(例えば酸付加塩例えば塩酸塩 または臭化水素酸塩、または塩基塩例えばナトリウム、カルシウムまたはマグネ シウム塩)またはその誘導体(例えば酢酸塩)が包含される。治療薬の他の例には 遺伝子物質、例えば、核酸、RNA、および天然または合成のDNA、例えば組み換え RNAおよびDNAが包含される。特定の蛋白質をコードするDNAは種々の疾患の治療 で使用される。例えば、腫瘍壊死因子またはインターロイキン−2遺伝子を用い て進行ガンを治療してよく;チミジンキナーゼ遺伝子を用いて卵巣ガンまたは脳 腫瘍を治療してよく;インターロイキン−2遺伝子を用いて、神経芽腫、悪性黒 色腫または腎臓ガンを治療してよく;そしてインターロイキン−4遺伝子を用い てガンを治療してよい。 疎水相互作用により微小気泡膜に結合している薬物の親油性の誘導体は例えば 超音波を使用することにより微小気泡の一部として、または微小気泡から放出さ れた後に治療効果を示す。薬物が所望の物理的特性を有しない場合は、親油性の 基を導入して薬物を膜に係留してよい。好ましくは、親油性の基は分子のin viv oの力価に影響しないような状態で導入するこ とが必要であり、あるいは、親油性の基が分解されて活性薬物を放出するように してもよい。親油性の基は薬物分子中で使用可能な官能基により異なる種々の化 学的方法で導入してよい。共有結合カップリングは適切に官能基化された親油性 化合物と反応できる薬物分子中の官能基を用いて行なってよい。親油性部分の例 には、分枝鎖または非分枝鎖のアルキル鎖、環状化合物、芳香族残基および縮合 した芳香族および非芳香族の環系が包含される。場合により、親油性部分は適当 に官能化されたステロイド、例えばコレステロールまたは関連化合物よりなる。 誘導体化に特に適する官能基の例はアミノ、ヒドロキシおよびスルフィドリル基 のような親核性の基である。カプトプリルのようなスルフィドリル基を有する任 意の薬物の親油性誘導体化のための適当な方法には、直接アルキル化、例えば塩 基性条件下のアルキルハライドとの反応、および、活性カルボン酸との反応によ るチオールエステル形成が包含される。カルボキシル官能基を有する任意の薬物 、例えばアテノロールまたはクロランブシルの誘導体化の代表的な例には、適切 な物理的特性を有するアミンおよびアルコールそれぞれとのカップリングによる アミドおよびエステルの形成が包含される。好ましい実施態様は分解性エステル 結合を形成することによる治療化合物へのコレステロールの結合が包含される。 本発明の好ましい適用は血管新生に関するものであり、これは既存血管からの 分枝による新しい血管の形成を意味する。この過程のための第1の刺激は組織中 の細胞への栄養および酸素の不十分な供給(低酸素)である。細胞は血管新生促進 因子分泌により応答するが、そのような因子は数多く存在し、その1つの例は、 血管内皮生育因子である。これらの因子は基底膜の蛋白を分解する蛋白分解酵素 、並びに、このような潜在的に有害な酵素の作用を制限する阻害剤の分泌を開始 させる。結合の消失と血管新生促進因子に対する受容体から発生される信号との 複合作用は、内皮細胞を移動させ、複製させ、そしてそれらを再配置させ、最終 的に新しい血管の周 囲の基底膜を合成する。 腫瘍はその生育速度を維持するためにはミリメートルの大きさに達した段階で 血管新生を開始させなければならない。血管新生には内皮細胞とその環境の特徴 的な変化が伴い、この工程は治療介入の有望な標的となる。この目的にとって役 立つ非ペプチド化合物は最近開示されているものの多くに記載されている。血管 新生を伴う形質変換はまた診断にとって極めて有望なものであり、そのよい例は 悪性疾患であるが、この原理は炎症および種々の炎症関連疾患においても大変有 用である。これらの因子はまた、短時間で狭窄が開放される際に起こる心筋の梗 塞部における再血管形成に関与している。 血管新生に関係する多くの知られた受容体/標的を後に示す表中に記載する。 本明細書に記載した標的設定原理を用いて、医療で使用されている造影技術の大 部分により血管新生を検知してよい。造影剤増強超音波は更に別の利点も有して おり、造影媒体は血管の内部に留められるミクロスフェアである。標的抗原が多 くの種類の細胞上にみとめられる場合でも、ミクロスフェアは内皮細胞に限定的 に結合する。 いわゆるプロドラッグもまた本発明の薬剤で使用してよい。即ち、物理化学的 性質を変化させ、レポーター中に含有するのに適するように薬物を誘導体化して よく;このように誘導体化された薬物をプロドラッグとみなし、通常は誘導体化 のための基の切断により薬物の活性型が生じるまで不活性である。 プロドラッグ活性化酵素を含有するる気体充填微小気泡を患部に向けて標的設 定することにより、酵素の標的設定を造影してよく、微小気泡が患部領域に適切 に標的設定され、同時に非標的領域から消失している場合に、可視化することが できる。この方法により患者個体へのプロドラッグの注入の至適時間を決定でき る。 別の方法はプロドラッグ、プロドラッグー活性化酵素およびベクターを、 プロドラッグのみが同じ外来性刺激の後に活性化される系の同じ微小気泡に取り 込む方法である。このような刺激は、例えば、上記した腫瘍特異的プロテアーゼ 、または、所望の標的設定が達成された後の外部からの超音波による微小気泡の 破裂であってよい。 治療薬は、心臓、全身血管を含めて患部領域または壊死領域に、そして肝臓、 脾臓、腎臓および他の領域、例えば、リンパ系、体腔または胃腸系に対し、本発 明に従って、容易にデリバリーすることができる。 本発明の生成物はin vivoまたはin vitroの何れかの標的設定治療薬デリバリ ーのために使用してよい。後者の場合は、プロドラッグは種々の疾患の診断また は血液または組織の試料中の種々の成分の同定のためのキットのようなin vitro の系において有用である。 本発明の薬剤中のレポーター単位の低い密度を利用して浮遊および反復洗浄に より気体含有物質の分離を行ないながら、特定の血液成分または細胞をin vitro の重合体粒子(例えば単分散磁性粒子)に結合させて試料から分離させる際に用 いる方法と同様の方法を本発明で使用してよい。 別の連結剤の導入を行なうことなく2種の反応性の化学基の直接共有結合をも たらすいわゆるゼロ−レングスの連結剤(例えばカルボジイミドを用いた、ある いは酵素によるアミド結合の形成の場合等)は、所望により、非共有結合レポー ター−ベクター連結をもたらすビオチン/アビジン系のような薬剤および疎水性 または静電気的相互作用をもたらす薬剤と同様、本発明に従って使用してよい。 しかしながら、最も一般的には、連結剤はスペーサー要素により連結された、 例えば上記したような2種以上の反応性の部分を有する。このようなスペーサー の存在により、二官能性のリンカーは分子内または2種の異なる分子間の特定の 官能基と反応することができ、これにより、これら2 成分間の結合が起こり、レポーター−ベクターコンジュゲート内に外来性のリン カー由来物質が導入される。連結剤中の反応性の部分は同じ(ホモ二官能性物質 )かまたは異なって(ヘテロ二官能性物質または数種の異なる反応性の部分が存 在する場合はヘテロ多官能性物質)いてよく、これにより分子内または分子間の 何れの化学種の間も共有結合できる多様な試薬が得られる。 連結剤により導入される外来性物質の性質は、標的設定能力および最終生成物 の全般的安定性に対し、重要な関連性を有している。即ち、生物分解性または化 学的に感受性が高いか、または、酵素切断部位を有するスペーサーを例えば用い ることにより不安定な連結を導入することが望ましい。あるいは、スペーサーは 、例えば界面活性剤として機能し、気泡安定性を向上させるために重合体成分を 含んでもよい。スペーサーはまた、表面の交叉結合を増強させるために例えば上 記したような反応性の部分を含んでいてもよく、または、蛍光プローブ、スピン ラベルまたは放射性物質のようなトレーサー要素を含んでいてもよい。 従って、X線造影剤、光造影プローブ、スピンラベルまたは放射性単位のよう な造影要素をレポーターユニットに容易に配合または結合できるため、本発明の 造影剤は全ての造影方法において有用である。 スペーサー要素は典型的には、距離5〜30Åでリンカーの反応部分を効果的に 分ける脂肪族鎖よりなる。これは、ポリ(エチレングリコール)のような巨大分 子構造であってもよい。以下にPEGと称するこのようなポリマー構造は生物工学 および生物医学の用途において大きく注目されている単純な中性のポリエステル である。(例えばMilton Harris,J.(ed),“Poly(ethylene glycol)chemistry, biotechnical and biomedical applications”,Plenum Press,New York,1992 参照)。PEGは水などのほとんどの溶媒中に可溶であり、2または3個の水分子が 各エチレングリコールセグメントに結合しながら水性条件で高度に水和しており ;これ は他の重合体または蛋白のPEG修飾表面への吸着を阻止する作用を有する。PEGは 非毒性であり活性蛋白または細胞に対して無害であることが判っており、また、 共有結合PEGは非免疫原性および非抗原性であることが判っている。PEGは更に、 その化学特性に殆ど影響するこなく容易に修飾し他分子に結合することができる 。その好都合な溶解性と生物学特性はPEGおよびPEG−ポリウレタンおよびPED− ポリプロピレンのようなブロック共重合体を含むその共重合体の用途が広いこと から明らかである。 本発明で使用するPEGスペーサーの適切な分子量は例えば120ダルトン〜20kダ ルトンである。 網内系(RES)細胞による粒子の取り込みの主要な機序は血中の血漿蛋白による オプソニン作用であり;これらがマークした外来性粒子が次いでRESに取り込ま れる。本発明で使用するPEGスペーサー要素の生物学的性質はPEG化されたリポソ ームで観察されるものと同様の造影剤循環時間を延長させることである(例えばK libanov,A.L.等,FEBS Leters(1990)268,235-237およびBlume,G.およびCe vc,G.Biocim.Biophys.Acta(1990)1029,91-97参照)。対象となる領域への カップリング効率の増強はまたPEGスペーサーの末端に結合した抗体を用いて行 なってよい(例えばMaruyama.K.等,Biochim.Biophys.Acta(1995)1234,74 -80およびHansen,C.B.等,Biochim.Biophys.Acta(1995)1239,133-144参照 )。 場合により、PEGがスペーサーとして機能しない同分子内のレポーターに対し 、ベクターと組合わせて、あるいは直接、安定化剤としてPEG成分を含むことが 好都合である。 他の代表的なスペーサー要素には、構造型多糖類、例えばポリガラクツロン酸 、グリコサミノグリカン、ヘパリノイド、セルロースおよび水産多糖類、例えば アルギネート、キトサンおよびカラギーナン;保存型多糖類、 例えば澱粉、グリコーゲン、デキストランおよびアミノデキストラン;リジン、 グルタミン酸およびアスパラギン酸のホモおよびコポリマーの場合のように、ポ リアミノ酸およびそのメチルおよびエチルエステル;および酵素切断部位を有す るかまたは有しないポリペプチド、およびオリゴ糖が包含される。 一般的にスペーサー要素はビシナルグリコール、アゾ、スルホン、エステル、 チオエステルまたはジスルフィド基のような切断可能な基を有する。 下記式: -(Z)m.Y.X.C(R1R2)X.Y.(Z)n- [式中、XおよびZは-O-,-S-および-NR-(Rは水素または有機性の基)から選択 され:Yは各々カルボニル、チオカルボニル、スルホニル、ホスホリルまたは同 様の酸形成基であり;mおよびnは各々0または1であり;そしてR1およびR2は 各々、水素、有機性の基または基-X.Y.(Z)m-であるか一緒になって2価の有機性 の基を形成する]の生物分解性メチレンジエステルまたはジアミド基含有のスペ ーサーも有用であり;例えばWO-A-9217436に記載のとおり、このような基は例え ばin vivoでエステラーゼの存在下容易に生物分解されるが、このような酵素の 非存在下では安定である。従ってこれらは、好都合に治療薬と結合させてその放 出を遅延させることができる。 ポリ[N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド]は細胞および組織との相 互作用の程度が低いため潜在的に有用なスペーサー物質である(例えばVolfova ,I.,Rihova,B.およびV.R.およびVetvicka,P.,J.Bioact.Comp.Polymers (1992)7,175-190参照)。主として密接に関連する2−ヒドロキシプロピル誘 導体よりなる類似の重合体に関する研究によれば、更に低い程度までのみ単核食 細胞系によるエンドサイト−シスは低い程度にしか起こらないことが判っている (Goddard,P.,Williamson,I.,Bron,J.,Hutchkinson,L.E.,Nicholls,J. およびPetrak,K.,J. Bioct.Compat.Polym.(1991)6,4-24参照)。 他の潜在的に有用な重合体スペーサー物質には以下のものが包含される。 i)メチルメタクリレートとメタクリル酸の共重合体、即ち浸潤崩壊可能であ り(Lee,P.I.,Pharm.Res.(1993)10,980参照)、カルボキシレート置換基は中 性の重合体と比較してより高い水準の膨潤を起こすもの; ii)ポリメタクリレートと生物分解性ポリエステルのブロック共重合体(例え ばSanRoman,J.およびGuillen-Garcia,P.,Biomaterials(1991)12,236-241 参照); iii)シアノアクリレート、即ち、2−シアノアクリル酸のエステルの重合体 で、生物分解性であり、選択的薬物デリバリーのためにナノ粒子の形態で使用さ れているもの(Forestier,F.,Gerrier,P.,Chaumard,C.,Quero,A.M.,Couv reur,P.およびLabarre,C.,J.Antimicrob.Chemoter.(1992)30,173-179参 照); iv)水溶性で一般的に生体適合性であると考えられているポリビニルアルコー ル(例えばLanger,R.,J.Control.Release(1991)16,53-60参照); v)生物浸潤崩壊性であるとされているビニルメチルエーテルと無水マレイン 酸との共重合体(Finne,U.,Hannus,M.およびUrtti,A.,Int.J.Pharma.(1 992)78,237-241参照); vi)腎臓で急速に濾過される例えば分子量約25,000未満のポリビニルピロリド ン(Hespe,W.,Meier,A.M.およびBlankwater,Y.M.,Arzeim.-Forsch./Drug Res.(1977)27,1158-1162参照); vii)グリコール酸、乳酸、酪酸、吉草酸およびカプロン酸のような短鎖脂肪 族ヒドロキシ酸の重合体および共重合体(例えばCarli,F.,Chim.Ind.(Milan) (1993)75,494-9参照)、例えば分解速度を高めるために芳香族ヒドロキシ酸を 配合した共重合体(Imasaki,K.,Yoshida,M., Fukuzaki,H.,Asano,M.,Kumakura,M.,Mashimo,T.,Yamanaka,HおよびNag ai.T.のInt.J.Pharm.(1992)81,31-38参照); viii)非分解性であるが生体適合性の高いDacron Rのようなエチレングリコー ルとテレフタル酸の交互単位よりなるポリエステル; ix)脂肪族ヒドロキシ酸重合体の生物分解性セグメントを有するブロック共重 合体(例えばYounes,H.,Nataf,P.R.,Cohn,D.,Appelbaum,Y.J.,Pizov,G. およびUretzky,G.,Biomater.Artif.Cells Artif.Organs(1988)16,705-7 19参照)、例えばポリウレタンと組合わせたもの(Kobayashi,H.,Hyon,S.H.お よびIkada,Y.,“Water-curable and biodegradable prepolymers”-J.Biomed .Mater.Res.(1991)25,1481-1494参照)。 x)移植片中で許容性の高いことが判っており、例えばポリ(テトラメチレン グリコール)、ポリ(プロピレングリコール)またはポリ(エチレングリコール)を 含有する可撓性の「ソフト」セグメントおよび例えば4,4'−メチレンビス(フェニ レンイソシアネート)を含有する芳香族「ハード」セグメントと組合わせてよい ポリウレタン(例えばRatner,B.D.,Johnston,A.B.およびLenk,T.J.,J.Bio med.Mater.Res:Applied Biomaterials(1987)21,59-90;Sa Da Costa,V.等, J.Coll.Interface Sci.(1981)80,445-452およびAffrossman,S.等,Clinical Materials(1991)8,25-31参照); xi)加水分解性エステル結合のために生物分解性エステルであると考えられて おり(例えばSong,C.X.,Cui,X.M.およびSchindler,A.,Med.Biol.Eng.Com put.(1993)31,S147-150参照)、吸収性を向上させるためにグリコリド単位を含 んでいてよい(Bezwada,R.S.,Shalaby,S.W.およびNewman,H.D.J.,Agricult ural and synthetic polymers:Biodegradability and utilization(1990)(ed Glass,J.E.およびSwift,G.),167-174-ACS symposium Series,#433,Washi ngton D.C., USA-American Chemical Society)ポリ(1,4−ジオキサン−2−オン); xii)ウサギ(Brem,H.,Kader,A.,Epstein,J.I.,Tamargo,R.J.,Domb,A .,Langer,R.およびLeong,K.W.,Sel.Cancer Ther.(1989)5,55-65参照)お よびラット(Tamargo,R.J.,Epstein,J.I.,Reinhard,C.S.,Chasin,M.およ びBrem,H.,J.Biomed.Mater.Res.(1989)23,253-266)における試験で明ら かな毒性作用を伴うことなく薬物の脳内制御放出に有用であることが判っている セバシン酸(オクタンジ酸)とビス(4−カルボキシ−フェノキシ)プロパンの共重 合体のようなポリ無水物; xiii)in vivoの制御放出のために用いられているオルトエステル基を有する 生物分解性重合体(Maa,Y.F.およびHeller,J.,J.Control.Release(1990)1 4,21-28);および、 xiv)交互に存在するリンおよび窒素原子よりなる無機重合体であるポリホス ファゼン(Crommen,J.H.,Vandorpe,J.およびSchacht,E.H.,J.Control.Rel ease(1993)24,167-180参照)。 以下の表は本発明の標的設定薬剤を調製する際に有用な連結剤と蛋白修飾のた めの薬剤を挙げたものである。ヘテロ二官能性連結剤 注記:(1)=ヨウ素化可能; (2)=蛍光ホモ二官能性連結剤 注記:(1)=ヨウ素化可能ビオチニル化剤 注記:DPPE=ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン; LC=長鎖蛋白修飾のための薬剤 脱グリコシド化は肝臓、脾臓、マクロファージ等による取込を低下させる場合 が多いが、蛋白の新しいグリコシル化は肝臓およびマクロファージによる取込を 増大させる場合が多いので、他の潜在的に有用な蛋白修飾の例には、グリコシタ ーゼノイラミニダーゼ、エンドグリコシダーゼまたは過ヨウ素酸塩による部分的 または完全な脱グリコシド化;大きさの減少と循環における半減期の短縮をもた らす蛋白分解的切断による末端切断形態の調製;および、例えばKumagi等.,J. Biol.Chem.(1987)262,15214-15219;Triguero等.,Proc.Natl.Acad.Sci.U SA(1989)86,4761-4765;Pardridge等.,J.Pharmacol.Exp.Therap.(1989)2 51,821-826およびPardridgeおよびBoado,Febs Lett.(1991)288,30-32に記載 のカチオン化が包含される。 本発明の標的設定薬剤中で有用に使用されるベクターには以下のものが包含さ れる。ただし、必要な場合には非生物活性の類似体の形でありうる。 i)細胞付着分子、サイトカイン、成長因子およびペプチドホルモンに対する 受容体の非ペプチドアゴニスト/拮抗剤またはバインダー。この範 疇はアゴニストでも拮抗剤でもないがなお価値ある標的設定能力を示す非生物活 性ベクターを包含する。 ii)ワトソン−クリックまたは他の型の塩基対を介してDNAまたはRNAに結合す るオリゴヌクレオチドおよび修飾オリゴヌクレオチド。DNAが細胞外の空間に存 在するのは通常は細胞の損傷の結果としてのみであるため、通常は非生物活性で ある上記オリゴヌクレオチドは例えば、多くの種類の病的状態に伴う壊死領域を 標的設定するために有用である。ノリゴヌクレオチドはまた特定のDNA−またはR NA−結合蛋白、例えば、腫瘍細胞または活性化免疫または内皮細胞で過剰発現す るかまたは活性化されることの多い転写因子に結合するように設計してよい。コ ンビナトリアルライブラリを用いて何れかの可能な標的分子に特異的に結合し( 蛋白の実施例からカフェインの実施例まで)、そのために標的設定のためのベク ターとして使用してよいオリゴヌクレオチドを選択してよい。 iii)DNA−結合薬物はオリゴヌクレオチドと同様の挙動を示す場合があるが、 細胞に取り込まれた場合には生物活性および/または毒性作用を示す場合がある 。 iv)プロテアーゼ基質/阻害剤。プロテアーゼは多くの病的状態に関与してお り、またこのようなプロテアーゼの基質/阻害剤はしばしば非ペプチドである。 低分子量のいくつかのプロテアーゼの基質および阻害剤は非生物活性であること が知られている。 v)非ペプチドベクター分子、例えばアプタマー(核酸分子)は、領域/構造に 結合している、造影されるべき分子を機能的に選ぶ(インビトロ、エクスビボま たはインビボ)ことにより、分子標的を必ずしも正確に知る必要なく、コンビナ トリアルライブラリーから作成されてよい。標的構造は糖、脂質、ペプチド、蛋 白または核酸であってよい。 vi)種々の生物学的受容体に結合することが判っている生物活性化合物を包含 する種々の小型分子。このようなベクターまたはその標的を用いて 同じ標的に結合する非生物活性化合物を発生させてよい。 以下の表は特定の種類の標的に標的設定してよい種々のベクターおよびそのよ うなベクターを含む本発明の標的設定可能な診断薬および/または治療剤の使用 を意図する領域を示す。必要な場合にはこのようなベクターの非生物活性類縁体 を使用すべきことが理解されるであろう。サイトカイン/成長因子/ペプチドホルモン/細胞付着分子のための受容体の非 ペプチドアゴニスト/拮抗剤または非生物活性バインダーを含むベクター オリゴヌクレオチドベクター 修飾オリゴヌクレオチドベクター(in vivoの安定性を増大するための修飾) ヌクレオシドおよびヌクレオチドベクター DNA 結合薬を含有する受容体 プロテアーゼ基質を含有する受容体 プロテアーゼ阻害剤を含有する受容体 抗血管新生因子を含むベクター 血管新生因子を含むベクター コンビナトリアルライブラリ由来のベクター 非ポリマー炭水化物ベクター 小型分子ベクター 以下の非限定的な実施例は本発明を説明するものである。生成物の微細粒子の 性質の確認はWO-A-9607434に記載の顕微鏡観察により行なう。超音波伝達測定は 、広帯域の変換器を用いて、標準物質と比較して増大した音波減衰を与える微小 気泡懸濁液を示すことにより行なってよい。生成物のフローサイトメトリーによ る分析を用いて巨大分子の結合を確認することができる。標的を発現する細胞に 特異的に結合する標的設定微小気泡の能力は、顕微鏡観察および/または固定化 細胞を有するフローチャンバーを用いて、例えば標的構造を発現する細胞集団お よび標的を発現しない細胞集団を用いながら、検討してよい。放射、蛍光または 酵素標識ストレプトアビジン/アビジンを用いてビオチン結合を分析してよい。 実施例 1 ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリンおよびビオチンアミドカプロエー ト−PEG3400-Ala−コレステロールでカプセル化された気体充填微小気泡 a)Z-Ala−コレステロール(3−O−(カルボベンジルオキシ−L−アラニル)コ レステロール)の合成 コレステロール(4ミリモル)、Z−アラニン(5ミリモル)およびジメチルアミ ノピリジン(4ミリモル)をジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン(20ml+ 5ml)に溶解し、ジシクロヘキシルカルボジイミドを添加した。反応混合物を周 囲温度で一夜攪拌した。ジシクロヘキシル尿素を濾去し、溶媒をロータリーエバ ポレーターで蒸発させた。残存物をクロロホルムに溶解し、未溶解のジシクロヘ キシル尿素を濾去し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。残存物をシ リカゲルカラム上に置き、Z-Ala−コレステロールをトルエン/石油エーテル(20 :2)次いでトルエン/ジエチルエーテル(20:2)で溶離した。標題化合物を含 有する画分を合わせ、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。生成物の構 造はNMRで確認した。 b)Ala−コレステロール(3−O−(L−アラニル)コレステロール)の合成 Z-Ala−コレステロール(0.48ミリモル)をテトラヒドロフラン(20ml)および氷 酢酸(3ml)中に入れ、2時間5%Pd/Cの存在下水素添加する。反応混合物を濾 過し、真空下に濃縮する。 c)Boc-NH-PEG3400-Ala−コレステロールの合成 Ala−コレステロールをクロロホルム中のBoc-NH-PEG3400-SC(t−ブチルカー バメートポリ(エチレングリコール)スクシンイミジルカーボネート)(shearwater )の溶液に添加し、次いでトリエチルアミンを添加する。懸濁液を10分間41℃で 攪拌する。粗生成物をクロマトグラフィーで精製する。 d)H2N-PEG3400-Ala−コレステロールの合成 Boc-NH-PEG3400-Ala−コレステロールを周囲温度で2.5時間ジオキサン中4M 塩酸中で攪拌する。溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残存物をクロロ ホルムに溶解し、水で洗浄する。有機層をロータリーエバポレーターで蒸発乾固 させる。粗生成物はクロマトグラフィーで精製してよい。 e)ビオチンアミドカプロエート−PEG3400-Ala−コレステロールの合成 テトラヒドロフラン中のビオチンアミドカプロエートN−ヒドロキシスクシン イミドエステルの溶液をテトラヒドロフランおよびpH7.5の0.1Mリン酸ナトリウ ム緩衝液(2ml)に溶解したH2N-PEG3400-Ala−コレステロールに添加する。反応 混合物を30℃に加熱し、反応をTLCで完了が確認できるまで継続し、その後溶媒 を蒸発させる。 f)ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリンおよびビオチンアミドカプロ エート−PEG3400-Ala−コレステロールでカプセル化された気体充填微小気泡の 調製 ホスファチジルセリンおよびホスファチジルコリン(合計90〜99.9モル %)およびビオチンアミドカプロエート−PEG3400-Ala−コレステロール(10−0 .1モル%)の混合物に、水中5%プロピレングリコールーグリセロール(1ml)を 添加する。分散液を5分間80℃以下で加熱し、次に周囲温度に冷却した。次に分 散液(0.8ml)をバイアル(1ml)に移し、ヘッドスペースをパーフルオロブタンで フラッシュする。バイアルを45秒間キャップミキサー中で振とうし、その後、試 料をローラーテーブル上に乗せる。遠心分離後、下部清澄液を水と交換し、洗浄 操作を反復する。 g)ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリンおよびビオチンアミドカプロ エート−PEG3400-Ala−コレステロールでカプセル化された気体充填微小気泡の 調製の別法 ホスファチジルセリンおよびホスファチジルコリンの混合物(5mg)を水中5% プロピレングリコール−グリセロール(1ml)に添加する。分散液を5分間80℃以 下に加熱し、次いで周囲温度に冷却する。次に分散液(0.8ml)をバイアル(1ml) に移し、ヘッドスペースをパーフルオロブタンでフラッシュする。バイアルを45 秒間キャップミキサー中で振とうし、その後、試料をローラーテーブル上に乗せ る。遠心分離後、下部清澄液を水と交換する。水に溶解したビオチンアミドカプ ロエート−PEG3400-Ala−コレステロールを洗浄した微小気泡に添加し、これを 数時間ローラーテーブル上に置く。微小気泡膜内にビオチンアミドカプロエート −PEG3400-Ala−コレステロールを取り込んだ後、洗浄操作を反復する。 実施例 2 ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリン、ビオチンアミドカプロエート− PEG3400-Ala−コレステロールおよび薬物−コレステロールを含有する気体含有 微小気泡 a)薬物−コレステロールの合成 コレステロール(4ミリモル)、酸基を有する薬物(コレステロールから誘導さ れた薬物の一覧表については実施例4(b)を参照)およびジメチル アミノピリジン(4ミリモル)をジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン(20m l+5ml)に溶解し、ジシクロヘキシルカルボジイミドを添加する。反応混合物を 周囲温度で一夜攪拌する。ジシクロヘキシル尿素を濾去し、溶媒をロータリーエ バポレーターで蒸発させる。標題化合物をクロマトグラフィーで精製する。 b)ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリン、ビオチンアミドカプロエー ト−PEG3400-Ala−コレステロールおよび薬物−コレステロールを含有する気体 充填微小気泡の調製 ホスファチジルセリンおよびホスファチジルコリン(合計90〜99.9モル%)およ びビオチンアミドカプロエート−PEG3400-Ala−コレステロール(実施例1のと おり調製)および薬物−コレステロール(合計10〜0.1モル%)の混合物(5mg)に 、水中5%プロピレングリコール−グリセロール(1ml)を添加する。分散液を5 分間80℃以下で加熱し、次に周囲温度に冷却する。分散液(0.8ml)をバイアル(1 ml)に移し、ヘッドスペースをパーフルオロブタンでフラッシュする。バイアル を45秒間キャップミキサー中で振とうし、その後、試料をローラーテーブル上に 乗せる。遠心分離後、下部清澄液を水と交換し、洗浄操作を反復する。 実施例 3 気泡充填微小気泡に結合したビオチン ビオチンは種々の方法、例えばCorley,P.およびLoughrey,H.C.,(1994),Bi ochim.Biophys.Acta 1195,149-156に記載の方法と同様にして、微小気泡に結 合してよい。形成した泡は例えばビオチンの気泡への結合を検出するため蛍光ス トレプトアビジンを用いてフローサイトメトリーにより分析する。あるいは、放 射標識または酵素標識ストレプトアビジン/アビジンを用いてビオチンの結合を 分析する。 実施例 4 1,2−ジスアロイル−sn−グリセロ−3−〔ホスホ−L−セリン〕およびビ オチン−DPPEでカプセル化されたガス充填微小気泡 1,2−ジスアロイル−sn−グリセロ−3−〔ホスホ−L−セリン〕およびビオチ ン−DPPE 1,2−ジスアロイル−sn−グリセロ−3−〔ホスホ−L−セリン〕(Avantiのロ ット番号180PS-12、22.6mg)を水中4%のプロピレングリコール−グリセロール( 4ml)に添加した。分散液を80℃以下に5分間加熱し、次いで周囲温度に冷却し た。4%のプロピレングリコール−グリセロールI(1ml)中のビオチン−DPPE(Pi erceのロット番号96092472、1.5mg)の水性分散液を添加しそして試料を1〜2時 間ローラーテーブル上に置いた。懸濁液をバイアルに充填し、ヘッドスペースを パーフルオロブタンでフラッシュした。バイアルを45秒間振とうし、その後、ロ ーラーテーブル上に置いた。7分間遠心分離後、下部清澄液を水と交換し、洗浄 操作を2回反復した。 蒸発光分散検出器を用いた正相HPLCによれば、微小気泡の膜は4モル%のビオ チン−DPPEを含有していることが確認された。微小気泡の平均粒径はクールター カウンター(Coulter Counter)で測定したところ4μmであった。3.5mHz広帯域変 換器を用いて測定した超音波伝導によれば<2mg/mlの粒子の分散が5dB/cmよ り高度な音波の減衰を示した。 実施例 5 ホスファチジルセリンおよびストレプトアビジン−Succ-PEG-DSPEに非共有結合 したビオチニル化抗体によりカプセル化された気体充填微小気泡 a)Succ-PEG3400-DSPEの合成 NH2-PEG3400-DSPE(実施例1に記載のとおり調製)を例えばNayer,R.およびSch roit,A.J.,Biochemistry(1985)24,5967-71に記載の方法と同様にして無水 コハク酸を用いてカルボキシル化する。 b)ホスファチジルセリンおよびSucc-PEG3400-DSPEでカプセル化された気体充 填微小気泡の調製 ホスファチジルセリン(90〜99.9モル%)およびSucc-PEG3400-DSPE(10〜 0.1モル%)の混合物(5mg)に水中5%プロピレングリコール−グリセロール(1m l)を添加する。分散液を5分間80℃以下で加熱し、次に周囲温度に冷却する。分 散液(0.8ml)をバイアル(1ml)に移し、ヘッドスペースをパーフルオロブタンで フラッシュする。バイアルを45秒間キャップミキサー中で振とうし、その後、試 料をローラーテーブル上に乗せる。遠心分離後、下部清澄液を水と交換し、洗浄 操作を反復する。あるいは、微小気泡は実施例1(f)に記載のとおり調製しても よい。 c)ホスファチジルセリンおよびSucc-PEG3400-DSPEでカプセル化された気体充 填微小気泡へのストレプトアビジンのカップリング 水溶性カルボジイミドを用いた標準カップリング法により膜内のSucc-PEG3400 -DSPEにストレプトアビジンを共有結合させる。反応中は試料をローラーテーブ ル上に置く。遠心分離後、下部清澄液を水と交換し、洗浄操作を反復する。結合 したストレプトアビジンの官能基は例えば蛍光標識ビオチン、ビオチニル化抗体 (蛍光標識二次抗体で検出)またはビオチニル化され蛍光標識または放射標識され たオリゴヌクレオチドに結合させることにより分析する。分析は蛍光顕微鏡観察 またはシンチレーション計数により行なう。 d)ホスファチジルセリンおよびストレプトアビジン−Succ-PEG-DSPEに非共有 結合したビオチンによりカプセル化された気体充填微小気泡の調製 上記(c)の微小気泡をビオチニル化ベクター、例えばビオチニル化薬物、炭水 化物、修飾されたオリゴ、阻害剤等を含有する溶液中でインキュベートする。ベ クターコーティング微小気泡を上記したとおり洗浄する。 実施例 6 ホスファチジルセリンおよびストレプトアビジン−Succ-PEG-DSPEに非共有結合 したビオチニル化オリゴヌクレオチドによりカプセル化された気体充填微小気泡 a)Succ-PEG3400-DSPEの合成 NH2-PEG3400-DSPE(実施例1に記載のとおり調製)を例えばNayer,R.およびSch roit,A.J.,Biochemistry(1985)24,5967-71に記載の方法と同様にして無水 コハク酸を用いてカルボキシル化する。 b)ホスファチジルセリンおよびSucc-PEG3400-DSPEでカプセル化された気体充 填微小気泡の調製 ホスファチジルセリン(90〜99.9モル%)およびSucc-PEG3400-DSPE(10〜0.1モ ル%)の混合物(5mg)に水中5%プロピレングリコール−グリセロール(1ml)を 添加する。分散液を5分間80℃以下で加熱し、次に周囲温度に冷却する。分散液 (0.8ml)をバイアル(1ml)に移し、ヘッドスペースをパーフルオロブタンでフラ ッシュする。バイアルを45秒間キャップミキサー中で振とうし、その後、試料を ローラーテーブル上に乗せる。遠心分離後、下部清澄液を水と交換し、洗浄を反 復する。あるいは、微小気泡は実施例1(f)に記載のとおり調製してもよい。 c)ホスファチジルセリンおよびSucc-PEG3400-DSPEでカプセル化された気体充 填微小気泡へのストレプトアビジンのカップリング 水溶性カルボジイミドを用いた標準カップリング法により微小気泡内のSucc-P EG3400-DSPEにストレプトアビジンを共有結合させる。反応中は試料をローラー テーブル上に置く。遠心分離後、下部清澄液を水と交換し、洗浄を反復する。結 合したストレプトアビジンの官能基は例えば蛍光標識ビオチン、ビオチニル化抗 体(蛍光標識二次抗体で検出)またはビオチニル化され蛍光標識または放射標識さ れたオリゴヌクレオチドに結合させることにより分析する。分析は蛍光顕微鏡観 察またはシンチレーション計数により行なう。 d)ホスファチジルセリンおよびストレプトアビジン−Succ-PEG-DSPEに非共有 結合したビオチニル化オリゴヌクレオチドによりカプセル化された気体充填微小 気泡の調製 上記(c)の微小気泡をビオチニル化オリゴヌクレオチドを含有する溶液中でイ ンキュベートする。オリゴヌクレオチドコーティング気泡を上記のとおり洗浄す る。気泡へのオリゴヌクレオチドの結合は例えば気泡への結合のための蛍光標識 オリゴヌクレオチドを用いるか、結合したオリゴヌクレオチドを標識された(蛍 光または放射性)相補オリゴヌクレオチドにハイブリダイズするかして検出する 。オリゴヌクレオチド担持微小気泡の官能基は、例えば結合したオリゴヌクレオ チドに対して相補的な配列を含む固定化DNAで気泡をハイブリダイズすることに より、分析する。例えば(一倍性ゲノムあたりのコピーが多数存在する)リボソー ムDNAに相補的なオリゴヌクレオチドおよび(rasの一倍性ゲノムあたりのコピー が多数存在する)オリコジーンに相補的なオリゴヌクレオチドを使用してよい。 実施例 7 ホスファチジルセリンおよび葉酸(folate)-PEG-Succ-DSPEでカプセル化された気 体充填微小気泡 a)葉酸(folate)-PEG-Succ-DSPEの合成 葉酸(folate)-PEG-Succ-DSPEはLee,R.J.およびLow,P.S.,(1995)Biochimica .Biophysica.Acta 1233,134-144に記載のとおり合成する。 b)ホスファチジルセリンおよび葉酸(folate)-PEG-Succ-DSPEでカプセル化され た気体充填微小気泡の調製 ホスファチジルセリン(90〜99.9モル%)および葉酸(folate)-PEG-Succ-DSPE(1 0〜0.1モル%)の混合物(5mg)に水中5%プロピレングリコール−グリセロール( 1ml)を添加する。分散液を5分間80℃以下で加熱し、次に周囲温度に冷却する 。分散液(0.8ml)をバイアル(1ml)に移し、ヘッドスペースをパーフルオロブタ ンでフラッシュする。バイアルを45秒間キャップミキサー中で振とうし、その後 、試料をローラーテーブル上に乗せる。遠心分離後、下部清澄液を水と交換し、 洗浄を反復する。あるいは、微小気泡は実施例1(e)または(f)に記載のとおり調 製する。葉酸の結合の分析 は例えば種々の濃度で葉酸受容体を発現する細胞への葉酸含有微小気泡の結合を 顕微鏡観察することにより行なってよい。 実施例 8 エチリデンビス(16−ヒドロキシヘキサデカノエート)およびアシポイルクロライ ドからのポリマーとこのポリマーに共有結合的に結合しているビオチン−アミド カプロエート−Alaとを含むガス含有微細粒子 a)Z-Ala−ポリマー(3−O−(カルボベンジルオキシ−L−アラニル)−ポリマ ー)の合成 このポリマーはエチリデンビス(16−ヒドロキシヘキサデカノエート)とアジ ポイルクロライドとからWO-A-9607434に記載のように製造し、また分子量が1000 0であるポリマー画分をゲル浸透クロマトグラフィーを用いて精製した。この物 質10g(OH基1ミリモルに相当する)、Z−アラニン(5ミリモル)およびジメチル アミノピリジン(4ミリモル)を乾燥ジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン 中に溶解し、次いでジシクロヘキシルカルボジイミドを添加した。反応混合物を 周囲温度で一晩撹拌した。ジシクロヘキシル尿素を濾過して除去しそして回転乾 燥を用いて溶媒を除去した。クロマトグラフィーにより生成物を精製し、標題の 化合物を含有する画分を一緒にしそして回転蒸発器を用いて溶媒を除去した。生 成物の構造をNMRにより確認した。 b)Ala−ポリマー(3−O−(L−アラニル)−ポリマー)の合成 Z-Ala−ポリマー(0.1ミリモル)をトルエン/テトラヒドロフランおよび氷酢酸 (全容積の15%)中で撹拌しそして木炭上の5%パラジウムの存在で2時間水素 化した。反応混合物を濾過しそして真空濃縮した。 c)ビオチンアミドカプロエート−Ala−ポリマーの合成 テトラヒドロフラン中のビオチンアミドカプロエートN−ヒドロキシスクシン イミドエステルの溶液を、テトラヒドロフランとジメチルホルムアミドとの混合 物およびpHが7.5である0.1Mの燐酸ナトリウムの中に溶解し たH2N-Ala−ポリマーに添加した。反応混合物を30℃に加熱しそして激しく撹拌 した。TLCによって反応の完結を追跡した。溶媒を蒸発しそして粗生成物をさら に精製しないで使用した。 d)ビオチンアミドカプロエート−Ala−ポリマーとPEG 10000メチルエーテル16 −ヘキサデカノイルオキシヘキサデカノエートとを含むガス含有粒子 60℃に保たれた(−)−カンフェン中のビオチン−アミドカプロエート−Ala− ポリマーの5重量/重量%溶液10mlを、同じ温度のPEG 10000メチルエーテル16 −ヘキサデカノイルオキシヘキサデカノエート(WO-A-9607434中に記載のように 製造した)の1重量/重量%の水溶液30mlに添加した。 し、その後、乾燥した氷/メタノールの浴中で凍結しそして48時間凍結乾燥し、 標題の生成物を白色粉末として得た。 e)生成物の音響的特性および検鏡 WO-A-9607434に記載のように、光学顕微鏡を使用して、生成物の微細粒子的性 質の確認を行った。3.5MHzの広域変換器を使用して超音波透過測定をすると、2 mg/mlより少ない粒子懸濁液が少なくとも5dB/cmの音波ビーム減衰が得られた 。 実施例 9 ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリンおよび3β−〔N−(N',N'−ジメ チルアミノエタン)カルバモイル〕コレステロールでカプセル化されたガス充填 微小気泡 パーフルオロブタンを含有する単層−カプセル化微小気泡を10%のホスファチ ジルセリン、50〜80%のホスファチジルコリン(PC)および10〜40%の3β−〔N −(N',N'−ジメチルアミノエタン)−カルバモイル〕コレステロール(DC-chol)の 混合物から作った。(Farhood,H.,Gao,X,Barsoum,JおよびHuang,L.,Anal .Biochem.225,89〜93ページ(1995 年))。 実施例 10 ガス充填アルブミンミクロスフェア(GAM)のビオチンによる官能性付与 すべての操作を室温で実施して、5mg/mlのアルブミン中のGAMの均質な懸濁 液(6×108粒子/ml)を使用した。二つの10mlの一部分量を遠心分離して(170 g、5分)、ミクロスフェアの浮遊を促進しそして下にある8mlの下部清澄部を 注意深く吸引することにより除去しそして等容量の空気で飽和され燐酸塩で緩衝 された塩水でおきかえ、調製物を15〜20分回転してミクロスフェアを再び懸濁し た。この操作を2度反復したが、その後はほんの無視可能な量でしか遊離のミク ロスフェアを同伴しないアルブミンは残留しないと考えられた。 一部分量の一つにNHS−ビオチン(ジメチルスルホキシド中の10mM)を50μl添 加した(最終的な濃度は50μl)。他の(対照用の)一部分量には50μlのジメチルス ルホキシドを入れた。試料の入ったいくつかの管を1時間回転し、その後、50% のグルタルアルデヒド水溶液の20μlの部分をそれぞれの管に添加してミクロス フェアを架橋した。さらに1時間回転した後、管を垂直にして一晩放置してミク ロスフェアを浮遊させた。次の日、懸濁液を1mlあたり1mgのヒト血清アルブミ ンを含有する燐酸塩で緩衝された塩水(PBS/HSA)で2回洗浄しそして最後の遠心 分離の後、PBS/HSA中で再び懸濁した。 ミクロスフェアに同伴するビオチンの存在を知るために、西洋ワサビペルオキ シダーゼにコンジュゲートされたストレプタビジン(strep-HRP)を両方の懸濁液 に添加しそして反応させるために管を1時間回転した。次にミクロスフェアを3 回洗浄し、0.1mg/mlのフェニレンジアミンジハイドロクロライドと0.01%の過 酸化水素を含有する100mlのくえん酸塩−燐酸塩緩衝液(pH5)中に再び懸濁し、 そして10分間回転した。黄緑色の発現は 酵素の存在を示した。以下の結果を得た。 試料 発色 ビオチニル化されたミクロスフェア+strp-HRP 2+ 対照ミクロスフェア+strp-HRP + 以上によりGAMがビオチニル化されたことが確認された。 実施例 11 診断治療的応用のための、カプトプリル含有分子を含むジステアロイルホスファ チジルセリンでカプセルにつめたガス充填微小気泡 a)カプトプリルで官能性を付与されたリポペプチドの合成 上記構造は0.125ミリモルスケール上Fmoc保護Rink Amide MBHA樹脂(Novabioch em)を出発物質としマニュアルの窒素バブラー法を用いて合成した。アミノ酸は すべてNovabiochemから、またパルミチン酸はFlukaから購入した。標準的なTBTU /HOBt/DIEA法を用いてカップリングを行った。ブロモ酢酸をDIC予備活性化を 用いて対象無水物としてLysの側鎖を介してカップリングさせた。DMFに溶解した カプトプリルを塩基としてDBUを用いながら固相上に導入した。樹脂からのペプ チドの除去および側鎖保護基の脱保護は、2時間5%EDT、5%水および5%エ チルメチルスルフィドを含有するTFA中で同時に行った。粗生成物の内10mgを、 流量10ml/分で60分間にわたり70〜100%B(A=0.1%TFA/水およびB=0.1%T FA/アセト ニトリル)の勾配による調製用HPLCで精製した。凍結乾燥の後、純粋な物質2mg を得た(分析用HPLC、勾配70〜100%B,20分間、A=0.1%TFA/水、B=0.1% TFA/アセトニトリル、流量1ml/分、検出−UV214nm−保持時間26分)。更に同 定するためにMALDI質量スペクトル分析を行ったところ、M+Hの理論値1265が得ら れた。 b)カプトプリルを含有する化合物を含むジステアロイル−ホスファチジルーセ リンのガス含有微小気泡の調製 ジステアロイル−ホスファチジル−セリン(Avanti,4.5mg)とa)の生成物(0.5m g)とのバイアル中の混合物に1.4%プロピレングリコール/2.4%グリセロールの 溶液(1.0ml)を添加した。混合物を5分間超音波処理し次いで5分間80℃に温め た(加温中にバイアルを振盪した)。バイアルを冷却しそしてヘッドスペースをパ ーフルオロブタンガスでフラッシュした。バイアルをキャップミキサー内で45秒 間振盪し、続いて蒸溜水で十分に洗浄した。MALDI質量分析法によると、最終的 な洗浄溶液中のa)の化合物の水準が検出不能であることが示された。 カプトプリル含有リポペプチドが気泡内に含まれていることは以下のようにし てMALDI質量分析法によって確認した。約100μlの90%メタノールの入ったバイ アルに約50μlの微小気泡を移し入れた。混合物を30秒間超音波処理しそしてMAL DI質量分析法を行ない、a)のリポペプチドに相当するM+Hピークを得た。 実施例 12 診断および治療に応用するための、アドレナリン作動性受容体との親和性のある ベクターを含むホスファチジル−セリンでカプセル化されたガス充填微小気泡 a)固相カップリングに適する保護アテノロール誘導体の合成 i)メチル4−[(2,3−エポキシ)プロポキシ]−フェニルアセテートの合成 メチル4−ヒドロキシフェニルアセテート(4.98g,0.030モル)、エピクロロ ヒドリン(23.5ml,0.30モル)およびピリジン(121μl,1.5ミリモル)の混合物を 2時間85℃で攪拌した。反応混合物を冷却し、過剰のエピクロロヒドリンを留去 した(ロタベーパー(rotavapor))。残存物を酢酸エチルに溶解し、塩水で洗浄し 、乾燥(Na2SO4)した。溶液を濾過し、濃縮した。暗色の残存物をクロマトグラフ ィー(シリカ、ヘキサン/酢酸エチル7:3)に付し、無色油状物2.25g(34%) を得た。1H(300MHz)および13CNMR(75MHz)のスペクトルは構造と合致していた。 ii)メチル4−[2−ヒドロキシ−3−[(1−メチルエチル)アミノ]プロポキシ ]フェニルアセテートの合成 メチル4−[(2,3−エポキシ)プロポキシ]フェニルアセテート(2.00g,9.00ミ リモル)、イソプロピルアミン(23ml,0.27モル)および水(1.35ml,74.7ミリモル )の混合物を一夜室温で攪拌した。反応混合物を濃縮(ロタベーパー)し油状の残 存物をクロロホルムに溶解し、乾燥(Na2SO4)した。濾過し、濃縮して定量的に得 られた黄色油状物を更に精製することなく次段階で使用した。構造は1Hおよび13 CNMR分析で確認された。 iii)4−[2−ヒドロキシ−3−[(1−メチルエチル)アミノ]プロポキシ]フェ ニル酢酸塩酸塩の合成 メチル4−[2−ヒドロキシ−3−[(1−メチルエチル)アミノ]プロポキシ]フ ェニルアセテート(563mg,2.00ミリモル)の6M塩酸(15ml)中の溶液を4時間100 ℃で加熱した。反応混合物を濃縮(ロタベーパー)し、残存物を水に溶解し、凍結 乾燥した。1Hおよび13C NMRのスペクトルは構造と合致しており、MALDI質量スペ クトル分析によりれば理論値どおりM+H 268であった。 iv)N-Boc−4−[2−ヒドロキシ−3−[(1−メチルエチル)アミノ]プロポキシ ]フェニル酢酸の合成 水(2ml)中4−[2−ヒドロキシ−3−[(1−メチルエチル)アミノ]プ ロポキシ]フェニル酢酸塩酸塩(2.0ミリモル)の溶液を水/ジオキサン(2:1,1 5ml)中の重炭酸ナトリウム(0.60g,7.2ミリモル)の溶液に添加した。ジオキサン (5ml)中のジ−t−ブチルジカーボネート(0.48g,2.2ミリモル)の溶液を添加 した。TLC分析(シリカ、CHCl3/MeOH/AcOH 85:10:5)により反応の進行をモ ニターし、変換が終了するまでジ−t−ブチルジカーボネートを少しづつ添加し た。反応混合物を硫酸水素カリウムで飽和した水上に注ぎこみ、有機物を酢酸エ チルに抽出した。有機相を水および塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、粗 製物質0.6gを得た。生成物をクロマトグラフィー(シリカ、CHCl3/MeOH/AcOH 85:10:5)で精製した。溶液を濃縮し、残存物を氷酢酸に溶解し、凍結乾燥し た。収量415mg(56%)、白色固体。構造は1Hおよび13CNMR分析で確認した。 b)アテノロールで官能性付与されたリポペプチドの合成 上記構造はマニュアルのバブラー法によりFmoc−保護RinkアミドMBHA樹脂(Nov abiochem)を出発物質として、0.125ミリモルスケール上で、Novabiochemのアミ ノ酸、Flukaのパルミチン酸および段階(a)の化合物を用いて合成した。標準的な TBTU/HOBt/DIEA法を用いてカップリングを行った。樹脂からのペプチドの除去 と側鎖保護基の脱保護は、5%EDTおよび5%水を含有するTFA中で2時間同時に 行なった。粗製物質をエーテルから沈殿させ、流量10ml/分で60分間にわたり70 〜100%B(A=0.1%TFA/水およびB=0.1% THF/アセトニトリル)の勾配によ る調製用液体クロマトグラフィー(Vydac 218TP1022カラム)で精製した。凍結乾 燥の後、純粋な物質38mgを得た(分析用HPLC、20分間にわたり70〜100%Bの勾配 、 A=0.1% TFA/水、B=0.1% THF/アセトニトリル、流量1ml/分、検出UV21 4nm、保持時間25分)。更に同定するためにMALDI質量スペクトル分析(ACHマトリ ックス)を行ったところ、理論値1257のところ実測値はM+H1258であった。 c)DSPSおよびアテノロール含有リポペプチドを含むジステアロイル−ホスファ チジル−セリンの気体含有微小気泡の調製 1.4%プロピレングリコール/2.4%グリセロールの溶液(1.0ml)をバイアル中 のDSPS(4.5mg)および段階(b)の生成物(0.5mg)の混合物に添加した。混合物を5 分間音波処理し、5分間80℃に加熱し(加温中はバイアルを振とう)、次に冷却 した。ヘッドスペースをパーフルオロブタンガスでフラッシュし、バイアルを45 秒間キャップミキサー中で振とうし、その後、内容物を脱イオン水で十分洗浄し た。MALDI質量スペクトル分析によれば、最終洗液には段階(b)の化合物は検出可 能な濃度では存在しなかった。 MALDI-MSにより微小気泡へのアテノロール含有リポペプチドの取込を確認する ために、約50μlの微小気泡を90%メタノール約100μlの入った新しいバイアル に入れた。混合物を30秒間音波処理し、MALDI-MS(ACH−マトリックス)で分析し たところ、段階(b)のリポペプチドに相当する1259のM+Hピークがみとめられた。 d)アテノールを含有するリポペプチドで「ドープされた」ジステアロイル−ホ スファチジル−セリンのガス含有微小気泡のインビトロ研究 正常な臍帯から得たヒト内皮細胞系ECV304(ATCC CRL-1998)を、260mlのNunc培 養フラスコ内で、L−グルタミン(200mM)、ペニシリン/ストレプトマイシン(10 ,000U/mlおよび10,000mcg/ml)および10%ウシ胎児血清(Hycloneロット番号AF E 5183)を添加したRPMI 1640培地(Bio Whittaker)中で培養した。集密状態に達 する時のスプリット比を1:5〜1:7として細胞を継代培養した。直径22ミリ のカバーガラスを滅菌し、そして12ウエルの培養プレート(Costar)の底部に置い た後、血清を加えた 完全培地0.5ml中の細胞をプレート上に添加した。細胞が集密状態に達した時、 特注でつくったフローチャンバー内にカバースリップを入れた。このチャンバー はそれにつくりこまれたガラス板に切り込まれた溝を有する。細胞の付いたカバ ースリップを、細胞が溝に向かいあうようにこの板の上におき、これによって流 路を形づくった。 上記のc)からの微小気泡を37℃に保ったリザーバーからフローチャンバーに通 しそして蠕動ポンプを経てリザーバーに戻した。流量は生理学的に妥当な任意の 剪断速度を模擬するように調節可能であった。フローチャンバーを顕微鏡下にお いたので、ミクロスフェアと細胞との相互作用を直接視認できた。顕微鏡に取付 けたカメラをカラービデオプリンターおよびモニターに接続した。 細胞への微小気泡の蓄積が流速に依存しつつ徐々に起きた。流速を増加すると 、細胞がカバースリップから離脱しはじめたが、微小気泡は依然として細胞に結 合していた。ベクターを担持していない対照の気泡は内皮細胞に付着せず、また 最少流量の条件下で細胞から消失した。 実施例 13 診断および/または治療に応用するための、アドレナリン作動受容体に対する親 和性を有するアテノロールの親油性誘導体を含むホスファチジルセリンでカプセ ル化されたガス充填微小気泡 a)N−ヘキサデシル−4−[2−ヒドロキシ−3−[(1−メチルエチル)アミノ ]プロポキシ]フェニルアセトアミドの合成 DMF(5ml)中のN-Boc−4−[2−ヒドロキシ−3−[(1−メチルエチル)アミノ ]プロポキシ]フェニル酢酸(実施例12で調製したもの)(92mg,0.25ミリモル)およ びヘキサデシルアミン(60mg,0.25ミリモル)の溶液を0℃に冷却した。HOBt(39m g,0.25ミリモル)およびN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N'−エチルカルボ ジイミド塩酸塩(水溶性カルボジイミド)(48mg,0.25ミリモル)を添加した。反応 混合物を1時間0℃で、次いで一夜 室温で攪拌した。反応混合物を炭酸ナトリウム(2.5g)および塩化ナトリウム(4. 0g)を含有する水(25ml)に注ぎこんだ。沈殿した物質を濾過し、水で洗浄、クロ ロホルムに溶解した。クロロホルム相を5%炭酸ナトリウムおよび水で洗浄し、 乾燥(Na2SO4)した。溶液を濾過し、濃縮して黄白色の粗製物質150mgを得た。生 成物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、クロロホルム/メタノール95:5)で 精製し、白色物質118mg(80%)を得た。構造は1H(500MHz)および13C(125MHz)NMR で確認した。この生成物をMALDI質量スペクトルで更に同定したところM+Naのピ ークが理論値の614でみとめられた。 vi)N−ヘキサデシル−4−[2−ヒドロキシ−3−[(1−メチルエチル)アミノ ]プロポキシ]フェニルアセトアミドの合成 ジクロロメタン(9ml)中のN'-Boc−N−ヘキサデシル−4−[2−ヒドロキシ −3−[(1−メチルエチル)アミノ]プロポキシ]フェニルアセトアミド(10mg)の 溶液に、トリフルオロ酢酸(1ml)を添加した。反応混合物を2時間室温で攪拌し た。TLC(シリカ、クロロホルム/メタノール95:5)によれば、出発物質の完全 な変換がみとめられた。溶媒を蒸発させて除去し、残存物を水/アセトニトリル に溶解し、凍結乾燥して定量的な収量で白色固体を得た。構造は1H(500MHz)およ び13C(125MHz)のNMR分析で確認し、更にMALDI質量スペクトルで同定したところ 理論値どおりM+Hが492、M+Naが514にみとめられた。 b)診断治療用途のためのDSPSおよびN−ヘキサデシル−4−[2−ヒドロキシ −3−[(1−メチルエチル)アミノ]プロポキシ]フェニルアセトアミドを含有す る気体充填微小気泡の調製 1.4%プロピレングリコール/2.4%グリセロールの溶液(1.0ml)をバイアル中 のDSPS(4.5mg)およびN−ヘキサデシル−4−[2−ヒドロキシ−3−[(1−メチ ルエチル)アミノ]プロポキシ]フェニルアセトアミド(0.5mg)の混合物に添加した 。混合物を5分間音波処理し、次に5分間80℃に加熱 した(加温中はバイアルを振とう)。溶液を濾過し、冷却した。ヘッドスペースを パーフルオロブタンガスでフラッシュし、バイアルを45秒間キャップミキサー中 で振とうし、その後、内容物を脱イオン水で十分洗浄した。 MALDI-MSにより微小気泡への段階(a)の化合物の取込を確認するために、約50 μlの微小気泡を90%メタノール約100μlの入った新しいバイアルに入れた。混 合物を30秒間音波処理し、MALDI-MSで分析したところ、N−ヘキサデシル−4− [2−ヒドロキシ−3−[(1−メチルエチル)アミノ]プロポキシ]フェニルアセ トアミドに相当する492にM+Hのピークがみとめられた。 実施例 14 診断用途のための、ホスファチジル−セリンおよび葉酸含有化合物でカプセル化 された気体充填微小気泡 a)葉酸を含有するリポペプチドの合成 上記構造はマニュアルのバブラー法によりFmoc−保護RinkアミドMBHA樹脂(No vabiochem)を出発物質として、0.125ミリモルスケールで、Novabiochemのアミ ノ酸、Flukaのパルミチン酸およびAcrosの葉酸を用いて合成した。標準的なTBTU /HOBt/DIEA法を用いてカップリングを行った。樹脂からのペプチドの除去と側 鎖保護基の脱保護は、5%EDTおよび5%水を含有するTFA中で2時間同時に行な った。粗製物質をエーテルから沈殿させ、MALDI質量スペクトル分析をおこなっ たところ理論値1430に対し1435に構造に相当するM+Hピークがみとめられた。物 質を更に分析用HPLC で20分間にわたり70〜100%B勾配、A=0.1% TFA/水およびB=0.1% TFA/ アセトニトリル、流量1.0ml/分の条件で同定したところ、UV368nmで検出される 保持時間27分の生成物のピークがみとめられた。 b)葉酸含有リポペプチドを含むジステアロイル−ホスファチジル−セリンの気 体含有微小気泡の調製 1.4%プロピレングリコール/2.4%グリセロールの溶液(1.0ml)をバイアル中 のDSPS(4.5mg)および段階(a)の生成物(0.5mg)の混合物に添加した。希アンモニ ア(pH8まで)およびDMSO(40μl)を添加し、混合物を5分間音波処理し、次に5 分間80℃に加熱した(加温中はバイアルを振とう)。溶液を濾過し、冷却した。ヘ ッドスペースをパーフルオロブタンガスでフラッシュし、バイアルを45秒間キャ ップミキサー中で振とうし、その後、内容物を脱イオン水で十分洗浄した。MALD I-MSにより微小気泡への段階(a)の構造の取込を確認するために、約50μlの微小 気泡を90%メタノール約100μlの入った新しいバイアルに入れた。混合物を30秒 間音波処理し、MALDI-MS(ACH−マトリックス)で分析したところ、段階(a)の構造 に相当する1238にM+Hのピークがみとめられた。 c)葉酸含有リポペプチドで「ドープ」されたジステアロイル−ホスファチジル −セリンのガス含有微小気泡のインビトロ研究 ヒト内皮細胞系ECV 304を実施例12に記載したように増殖させた。直径22ミリ のカバーガラスを滅菌し、そして12ウエルの培養プレート(Costar)の底部に置い た後、血清を加えた完全培地0.5ml中の細胞をプレート上に添加した。 細胞が集密状態に達した時、特注でつくったフローチャンバー内にカバースリ ップを入れた。このチャンバーはそれにつくりこまれたガラス板に切り込まれた 溝を有する。細胞の付いたカバースリップを、細胞が溝に向かいあうようにこの 板の上におき、これによって流路を形づくった。 上記のb)からの微小気泡を37℃に保ったリザーバーからフローチャンバーを通 しそして蠕動ポンプを経てリザーバーに戻した。流量は生理学的に妥当な任意の 剪断速度を模擬するように調節可能であった。フローチャンバーを顕微鏡下にお いたので、ミクロスフェアと細胞との相互作用を直接視認できた。顕微鏡に取付 けたカメラをカラービデオプリンターおよびモニターに接続した。 細胞への微小気泡の蓄積が流速に依存しつつ徐々に起きた。流速を増加すると 、細胞がカバースリップから離脱しはじめたが、微小気泡は依然として細胞に結 合していた。ベクターを担持していない対照の気泡は内皮細胞に付着せず、また 最少流量の条件下で細胞から消失した。 実施例 15 診断および/または治療に応用するための、クロラムブシルのコレステアリルエ ステルを含有するジステアロイル−ホスファチジル−セリンのガス充填微小気泡 a)コレステリル4−[4−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニル]ブタノ エートの合成 DIC(170μ,1.10ミリモル)を乾燥ジクロロメタン(15ml)中のクロラムブシル(6 69mg,2.20ミリモル)の溶液に添加した。混合物を室温で0.5時間攪拌し、ジクロ ロメタン(10ml)中のコレステロール(387mg,1.00ミリモル)およびDMAP(122mg ,1.00ミリモル)の溶液に添加した。反応混合物を一夜攪拌し、次に5%重炭酸 ナトリウムに注ぎ込んだ。相を分離させ、有機相を塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4) した。溶液を濾過し、濃縮し、生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、ク ロロホルム)で精製し、無色油状物560mg(83%)を得た。生成物をMALDI質量スペ クトルで同定し、理論値どおり674にM+Hがみとめられた。1H(500MHz)および13C( 125NHz)のNMRで更に同定したところ、構造に応じたスペクトルが得られた。 b)診断および/または治療に応用するための、クロラムブシルのコレス テリルエステルを含むジステアロイル−ホスファチジル−セリンのガス含有微小 気泡の調製 1.4%プロピレングリコール/2.4%グリセロールの溶液(1.0ml)をバイアル中 のジステアロイル−ホスファチジル−セリン(Avanti,4.5mg)および段階(a)の生 成物(0.5mg)の混合物に添加した。混合物を5分間音波処理し、次に5分間80℃ に加熱し(加温中はバイアルを振とう)、冷却した。ヘッドスペースをパーフル オロブタンガスでフラッシュし、バイアルを45秒間キャップミキサー中で振とう し、その後、内容物を脱イオン水で十分洗浄した。MALDI質量スペクトルによれ ば最終洗液中には段階(a)の化合物は検出可能な濃度では存在しなかった。 MALDI-MSにより微小気泡へのクロラムブシルコレステリルエステルの取込を確 認するために、約50μlの微小気泡を90%メタノール約100μlの入った新しいバ イアルに入れた。混合物を30秒間音波処理し、MALDI-MSで分析したところ、段階 (a)の構造に相当する668にM+Hのピークがみとめられた。 実施例 16 診断および治療に応用するための、アテノロールを含有するリポペプチドとクロ ラムブシルのコレステロール誘導体を含むホスファチジル−セリンでカプセルに つめられたガス充填微小気泡 本例は標的設定のための非ペプチドベクターに加えて治療用の部分を含む微小 気泡を提供することに関する。 アテノロールで官能性付与されたリポペプチドを実施例12のように合成しそし てクロラムブシルのコレステロールエステルを実施例15におけるように合成した 。 a)アテノロールを含有するリポペプチドとクロラムブシルのコレステリルエス テルを含むホスファチジル−セリンでカプセルにつめられた微小気泡の調製 1.4%プロピレングリコール/2.4%グリセロールの溶液(1.0ml)を、バイアル 中のジステアロイル−ホスファチジル−セリン(Avanti,5.0mg)、アテノロール で官能性付与されたリポペプチド(0.5mg)およびクロラムブシルコレステリルエ ステル(0.5mg)の混合物に添加した。混合物を5分間超音波処理し次いで80℃に 5分間温めた(加温中バイアルを振盪した)。溶液を濾過しそして冷却した。ヘッ ドスペースをパーフルオロブタンガスでフラッシュしそしてバイアルをキャップ ミキサー中で45秒間振盪し、続いて蒸溜水で十分に洗浄した。 アテノロールを含有するリポペプチドとクロラムブシルコレステリルの気泡へ の取り込みは以下のようにMALDI質量分析法によって確認した。約50μlの微小気 泡を、約100μlの90%メタノールの入った清浄なバイアルに移し入れた。混合物 を30秒間超音波処理しそしてACH−基質を用いてMALDI質量分析法によって分析し た。 b)診断および治療に応用するための、アテノロールを含有するリポペプチドと クロラムブシルのコレステロール誘導体を含むホスファチジル−セリンでカプセ ルにつめられたガス含有微小気泡のin vitro分析 ヒト内皮細胞系ECV 304を実施例12に記載したように増殖した。直径22ミリの カバーガラスを滅菌し、そして12ウエルの培養プレート(Costar)の底部に置いた 後、血清を加えた完全培地0.5ml中の細胞をプレート上に添加した。 細胞が集密状態に達した時、特注でつくったフローチャンバー内にカバースリ ップを入れた。このチャンバーはそれにつくりこまれたガラス板に切り込まれた 溝を有する。細胞の付いたカバースリップを、細胞が溝に向かいあうようにこの 板の上におき、これによって流路を形づくった。 上記のa)からの微小気泡を37℃に保ったリザーバーからフローチャンバーに通 しそして蠕動ポンプを経てリザーバーに戻した。流量は生理学的に妥当な任意の 剪断速度を模擬するように調節可能であった。フローチャン バーを顕微鏡下においたので、ミクロスフェアと細胞との相互作用を直接視認で きた。顕微鏡に取付けたカメラをカラービデオプリンターおよびモニターに接続 した。 流速に依存しつつ微小気泡が細胞に徐々に蓄積した。流速を増加すると、細胞 がカバースリップから離脱しはじめたが、微小気泡は依然として細胞に結合して いた。ベクターを担持していない対照の気泡は内皮細胞に付着せず、また最少流 量の条件下で細胞から消失した。 実施例 17 診断および治療に応用するための、アテノロールのコレステロール誘導体を含む ホスファチジル−セリンでカプセルにつめられたガス充填微小気泡 a)コレステリルN-Boc−β−アラニネートの合成 DIC(510μl)を不活性雰囲気下ジクロロメタン(15ml)中のBoc-β-Ala-OH(1.25 g,6.60ミリモル)の溶液に添加した。反応混合物を30分間攪拌し、次にジクロ ロメタン(15ml)中のコレステロール(1.16g,3.00ミリモル)およびDMAP(367mg ,3.00ミリモル)の溶液の入ったフラスコに移した。反応混合物を2時間攪拌し 、次に硫酸水素カリウムの水溶液に注ぎこんだ。相を分離させた後、水相をクロ ロホルムで抽出した。合わせた有機相を硫酸水素カリウム水溶液および水で洗浄 し、乾燥(MgSO4)した。濾過および蒸発させた後、粗生成物をクロマトグラフィ ー(シリカ、クロロホルム/メタノール99:1)に付し、白色固体1.63g(97%)を 得た。構造は1H NMR(500MHz)で確認した。 b)コレステリルβ−アラニネート塩酸塩の合成 1,4−ジオキサン中1M塩酸(5ml)中の段階(a)の化合物(279mg,0.500ミリモ ル)の溶液を4時間室温で攪拌した。反応混合物を濃縮し、定量的な収率でコレ ステリルβ−アラニネート塩酸塩を得た。構造は1H NMR(500MHz)分析で確認し、 MALDI質量スペクトルによれば理論値481のところ 482にM+Naのピークが得られた。 c)コレステリルN-Boc−4−〔2−ヒドロキシ−3−〔(1−メチルエチル)ア ミノ〕プロポキシ〕フェニルアセチル−β−アラニネートの合成 DMF(5ml)中のN-Boc−4−〔2−ヒドロキシ−3−〔(1−メチルエチル)アミ ノ〕プロポキシ〕フェニル酢酸(55mg,0.15ミリモル)(実施例12で合成したもの) とコレステリル−β−アラニネート塩酸塩(74mg,0.15ミリモル)の溶液にDIEA(2 6ml、0.15ミリモル)を添加した。HOBt(23mg,0.15ミリモル)と水溶性カルボジ イミド(WSC)(29mg,0.15ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し 次いで炭酸ナトリウム(2.5g)と塩化ナトリウム(4.0g)とを含有する水(25ml)に 注入した。沈澱した物質をクロロホルム中に抽出した。有機相を水洗しそして乾 燥した(MgSO4)。濾過および濃縮の後、粗生成物をカラムクロマトグラフィー( シリカ、クロロホルム/メタノール/酢酸、95:4:1)によって精製した。プ ールした画分を濃縮し、氷酢酸中に取り込みそして凍結乾燥した。黄白色の固体 の収量は83mg(69%)であった。1H NMR分析により構造を確認した。 d)コレステリル4−〔2−ヒドロキシ−3−〔(1−メチルエチル)アミノ〕プ ロポキシ〕フェニルアセチル−β−アラニネートトリフルオロアセテートの合成 乾燥ジクロロメタン(4ml)中のN-Boc−4−〔2−ヒドロキシ−3−〔(1−メ チルエチル)アミノ〕プロポキシ〕フェニルアセチル−β−アラニネート(40mg, 0.05ミリモル)の溶液にトリフルオロ酢酸(2ml)を添加した。反応混合物を2時 間撹拌し次いで濃縮した。アセトニトリル/水から生成物を凍結乾燥して白黄色 物質を定量的収量で得た。生成物をMALDI質量分析により特性把握すると、予想 通りに708にM+Hピークを得た。 e)診断および治療に応用するための、アテノロールのコレステロール誘導体を 含有するホスファチジル−セリンでカプセル化したガス含有微小気泡の調製 1.4%プロピレングリコール/2.4%グリセロールの溶液(1.0ml)を、バイアル 中のジステアロイル−ホスファチジル−セリン(Avanti,4.5mg)とd)の生成物(0. 5mg)の混合物に添加した。混合物を5分間音波処理し次いで80℃で5分間加熱し (加温中バイアルを振とうして)、そして冷却した。ヘッドスペースをパーフルオ ロブタンガスでフラッシュしそしてバイアルをキャップミキサー内で45秒間振盪 し、続いて蒸溜水で十分に洗浄した。MALDI質量分析法によると、最終的な洗浄 溶液中のb)の化合物が検出可能な水準にあることが示された。 d)の化合物の気泡への取り込みはMALDI質量分析法によって確認した。 j)アテノロールを含有するリポペプチドでドープしたジステアロイル−ホスフ ァチジル−セリンのガス含有微小気泡のインビトロ研究 ヒト内皮細胞系ECV 304を実施例12に記載したように増殖させた。直径22ミリ のカバーガラスを滅菌し、そして12ウエルの培養プレート(Costar)の底部に置い た後、血清を加えた完全培地0.5ml中の細胞をプレート上に添加した。 細胞が集密状態に達した時、特注でつくったフローチャンバー内にカバースリ ップを入れた。このチャンバーはそれにつくりこまれたガラス板に切り込まれた 溝を有する。細胞の付いたカバースリップを、細胞が溝に向かいあうようにこの 板の上におき、これによって流路を形づくった。 上記のd)からの超音波微小気泡を37℃に保ったリザーバーからフローチャンバ ーに通しそして蠕動ポンプを経てリザーバーに戻した。流量は生理学的に妥当な 任意の剪断速度を模擬するように調節可能であった。フローチャンバーを顕微鏡 下においたので、ミクロスフェアと細胞との相互作用を直接視認できた。顕微鏡 に取付けたカメラをカラービデオプリンターおよびモニターに接続した。 細胞への微小気泡の蓄積が流速に依存しつつ徐々に起きた。流速を増加すると 、細胞がカバースリップから離脱しはじめたが、微小気泡は依然と して細胞に結合していた。ベクターを担持していない対照の気泡は内皮細胞に付 着せず、また最少流量の条件下で細胞から消失した。 実施例 18 診断および治療に応用するための、アテノロール含有リポペプチドとカフトプリ ルの親油性誘導体とを含むホスファチジル−セリンのガス充填微小気泡 a)アテノロールで官能性付与されたリポペプチドの合成 上記の構造は実施例12に記載した手作業によるバブラー法によって作成した。 b)N−〔(S)−3−ヘキサデシルチオ−2−メチルプロピオニル〕プロリンの 合成 DIEA(188μl,1.10ミリモル)をテトラヒドロフラン(5ml)中の1−ヨードヘキ サデカン(176mg,0.500ミリモル)、カプトプリル(120mg,0.550ミリモル)および DBU(165μl,1.10ミリモル)の溶液に添加した。混合物を2時間70℃で加熱した 後、濃縮した。残存物を硫酸水素カリウムで飽和した水に注ぎこみ、有機相をク ロロホルムに抽出した。有機相を水で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。生成物をクロ マトグラフィー(シリカ、CHCl3/MeOH/AcOH 85:10:5)により精製し、凍結乾 燥して白色固体105mg(48%)を得た。構造を1H NMR(500MHz)および13C(125MHz)の NMR分析で確認し、さらにMALDI質量スペクトルで同定したところ、理論値どおり m/z 440に負モードのM-Hが認められた。 c)診断および治療に応用するための、アテノロール含有ペプチドとカプ トプリルの親油性誘導体を含むホスファチジル−セリンでカプセル化したガス含 有微小気泡の調製 1.4%プロピレングリコール/2.4%グリセロールの溶液(1.0ml)をバイアル中 のジステアロイル−ホスファチジル−セリン(Avanti,4.5mg)および段階(a)(0.5 mg)および(b)の生成物(0.5mg)の混合物に添加した。混合物を5分間音波処理し 、次に5分間80℃に加熱し(加温中はバイアルを振とう)、冷却した。ヘッドス ペースをパーフルオロブタンガスでフラッシュし、バイアルを45秒間キャップミ キサー内で振とうし、その後、内容物を脱イオン水で十分洗浄した。MALDI質量 スペクトルによれば、最終洗液中に段階(a)または(b)の化合物は検出可能な濃度 では存在しなかった。MALDI-MSにより微小気泡への化合物(b)および(c)の取込み を確認するために、約50μlの微小気泡を90%メタノール約100μlの入った新し いバイアルに入れた。混合物を30秒間超音波処理し、MALDI-MS(ACH−マトリック ス)で分析したところ、構造(a)および(b)に相当するM+Hのピークが認められた。 d)診断および治療に応用するための、アテノロール含有リポペプチドとカプト プリルの親油性誘導体を含むホスファチジル−セリンのガス含有微小気泡のイン ビトロ研究 ヒト内皮細胞系ECV 304を実施例12に記載したように増殖させた。直径22ミリ のカバーガラスを滅菌し、そして12ウエルの培養プレート(Costar)の底部に置い た後、血清を加えた完全培地0.5ml中の細胞をプレート上に添加した。 細胞が集密状態に達した時、特注でつくったフローチャンバー内にカバースリ ップを入れた。このチャンバーはそれにつくりこまれたガラス板に切り込まれた 溝を有する。細胞の付いたカバースリップを、細胞が溝に向かいあうようにこの 板の上におき、これによって流路を形づくった。 上記のc)からの微小気泡を37℃に保ったリザーバーからフローチャンバ ーに通しそして蠕動ポンプを経てリザーバーに戻した。流量は生理学的に妥当な 任意の剪断速度を模擬するように調節可能であった。フローチャンバーを顕微鏡 下においたので、ミクロスフェアと細胞との相互作用を直接視認できた。顕微鏡 に取付けたカメラをカラービデオプリンターおよびモニターに接続した。 細胞への微小気泡の蓄積が流速に依存しつつ徐々に起きた。流速を増加すると 、細胞がカバースリップから離脱しはじめたが、微小気泡は依然として細胞に結 合していた。ベクターを担持していない対照の気泡は内皮細胞に付着せず、また 最少流量の条件下で細胞から消失した。 実施例 19 診断および治療に応用するための、クロラムブシル含有リポペプチドを含むジス テアロイル−ホスファチジル−セリンでカプセルにつめられたガス充填微小気泡 a)クロラムブシル含有リポペプチドの合成 上記構造はマニュアルのバブラー法によりFmoc−保護RinkアミドMBHA樹脂(Nov abiochem)を出発物質として、0.125ミリモルスケール上で合成した。標準的なア ミノ酸はNovabiochemからそしてパルミチン酸はFlukaから購入した。標準的なTB TU/HOBt/DIEA法を用いてカップリングを行った。クロラムブシルはDIC予備活 性化を用いて対掌無水物としてLys側鎖を介してカップリングした。樹脂からの ペプチドの除去と側鎖保護基の脱保護は、5%EDT、5%水および5%エチルメ チルスルフィドを含有するTFA中で2時 間同時に行なった。粗製物質の内10mgを、流量10ml/分で60分間にわたり70〜10 0%B(A=0.1% TFA/水およびB=0.1%TFA/アセトニトリル)の勾配による調 製用液体クロマトグラフィーで精製した。凍結乾燥の後、純粋な物質30mgを得た (分析用HPLC、20分間にわたり70〜100% Bの勾配、A=0.1% TFA/水、B=0 .1% TFA/アセトニトリル、流量1ml/分、検出UV214nm、保持時間26.5分)。 更に同定するためにMALDI質量スペクトル分析を行ったところ、理論値1294のと ころ実測値はM+H1295であった。 b)診断および治療に応用するための、クロラムブシル含有ポリペプチドを含む ガス充填微小気泡の調製 1.4%プロピレングリコール/2.4%グリセロールの溶液(1.0ml)をバイアル中 のジステアロイル−ホスファチジル−セリン(Avanti,4.5mg)および段階(a)の生 成物(0.5mg)の混合物に添加した。混合物を5分間音波処理し、次に5分間80℃ に加熱し(加温中はバイアルを振とう)、冷却した。ヘッドスペースをパーフル オロブタンガスでフラッシュし、バイアルを45秒間キャップミキサー中で振とう し、その後内容物を脱イオン水で十分洗浄した。MALDI質量スペクトルによれば 、最終洗液中に段階(a)の化合物は検出可能な濃度では存在しなかった。MALDI-M Sにより気泡へのクロラムブシル含有リポペプチドの取込を確認するために、約5 0μlの微小気泡を90%メタノール約100μlの入った新しいバイアルに入れた。混 合物を30秒間音波処理し、MALDI-MS(ACH−マトリックス)で分析したところ、理 論値1294のところ1300のM+Hのピーク、理論値1317のところ1324にM+Naのピーク がみとめられた。 c)診断および治療に応用するための、クロラムブシル含有リポペプチドでドー プされたジステアロイル−ホスファチジル−セリンのガス充填微小気泡のインビ トロ研究 ヒト内皮細胞系ECV 304を実施例12に記載したように増殖した。直径22ミリの カバーガラスを滅菌し、そして12ウエルの培養プレート(Costar)の 底部に置いた後、血清を加えた完全培地0.5ml中の細胞をプレート上に添加した 。 細胞が集密状態に達した時、特注でつくったフローチャンバー内にカバースリ ップを入れた。このチャンバーはそれにつくりこまれたガラス板に切り込まれた 溝を有する。細胞の付いたカバースリップを、細胞が溝に向かいあうようにこの 板の上におき、これによって流路を形づくった。 上記のb)からの微小気泡を37℃に保ったリザーバーからフローチャンバーに通 しそして蠕動ポンプを経てリザーバーに戻した。流量は生理学的に妥当な任意の 剪断速度を模擬するように調節可能であった。 フローチャンバーを顕微鏡下においたので、ミクロスフェアと細胞との相互作 用を直接視認できた。顕微鏡に取付けたカメラをカラービデオプリンターおよび モニターに接続した。 細胞への微小気泡の蓄積が流速に依存しつつ徐々に起きた。流速を増加すると 、細胞がカバースリップから離脱しはじめたが、微小気泡は依然として細胞に結 合していた。ベクターを担持していない対照の気泡は内皮細胞に付着せず、また 最少流量の条件下で細胞から消失した。 実施例 20 診断および治療に応用するための、ビオチンアミド−PEG−β−Ala−コレステロ ールとクロラムブシルのコレステリルエステルを含むホスファチジルセリンでカ プセルにつめられたガス充填微小気泡 a)コレステリルβ−アラニネートの合成 実施例17におけるようにコレステリルβ−アラニネート塩酸塩を合成した。 b)ビオチン−PEG3400−β−Ala−コレステロール クロロホルム/湿メタソール(2.6:1、3ml)中のコレステリルβ−アラニネ ート塩酸塩(15mg,0.03ミリモル)の溶液にトリエチルアミン(42μl,0.30ミリモ ル)を添加した。混合物を室温で10分間撹拌しそして1,4−ジオ キサン(1ml)中のビオチン−PEG3400-NHS(100mg,0.03ミリモル)の溶液を滴下し て添加した。室温で3時間撹拌した後、混合物を蒸発乾固しそして残存物をフラ ッシュクロマトグラフィーによって精製して白色結晶を得た。収量は102mgであ った(89%)。構造はMALDI-MSおよびNMR分析により確かめた。 c)コレステリル4−〔4−〔ビス(2−クロロエチル)アミノ〕フェニル〕ブタ ノエートの合成 乾燥ジクロロメタン(15ml)中のクロラムブシル(Sigma,669mg,2.20ミリモル) の溶液にDIC(170μl,1.10ミリモル)を添加した。混合物を室温で0.5時間撹拌し そしてジクロロメタン(10ml)中のコレステロール(Aldrich,387mg,1.00ミリモ ル)とDMAP(122mg,1.00ミリモル)の溶液に添加した。反応混合物を一晩撹拌し次 いで5%重炭酸ナトリウム中に注入した。相分離を行ないそして有機相を塩水で 洗浄しそして乾燥した(MgSO4)。溶液を濾過しそして濃縮しそしてカラムクロマ トグラフィー(シリカ、クロロホルム)によって生成物を精製して無色油状物を収 量560mg(83%)で得た。生成物をMALDI質量分析法によって特性把握し、予想通 りに674にM+Hピークを得た。1H(500MHz)NMR分析および13C(125MHz)NMR分析を用 いてさらに特性把握を行ない構造に合致するスペクトルを得た。 d)ガス充填微小気泡の調製 1.4%プロピレングリコール/2.4%グリセロールの溶液(1.0ml)をバイアル中 のジステアロイル−ホスファチジル−セリン(Avanti,5mg)とb)の生成物(0.5mg )およびc)の生成物(0.5mg)の混合物中に添加した。混合物を5分間超音波処理し 次いで80℃で5分間加熱し(加温中バイアルを振盪した)そして冷却した。ヘッ ドスペースをパーフルオロブタンガスでフラッシュしそしてバイアルをキャップ ミキサー内で45秒間振盪し、続いて蒸溜水で十分に洗浄した。MALDI質量分析法 によると、最終的な洗浄溶液中のb)およびc)の化合物が検出可能な水準にあるこ とが示された。 b)およびc)の化合物の気泡への取り込みはMALDI-MSにより以下のように確認し た。約50μlの微小気泡を90%メタノールが100μlの入った清浄なバイアルに移 し入れた。混合物を30秒間超音波処理しそしてMALDI-MS(ACH−基質)によって分 析した。 実施例 21 超音波造影のためのチオールで官能性付与されたガス充填微小気泡の調製 本例は複数の細胞標的への結合を行なう二硫化物交換反応を主として利用する ことによる、非特異的結合のための反応性基を表面上に有する微小気泡の調製に 関する。 a)チオールで官能性付与された脂質分子:ジパルミトイル−Lys-Lys-Lys−6 −アミノ−カプロン酸−Cysの調製 1ミリモルアミノ酸カートリッジを用いて0.25ミリモルスケール上にFmoc-Cys (Trt)-Wang樹脂(Novabiochem)を出発物質としてABI 433A自動ペプチド合成装置 上で脂質構造を合成した。全アミノ酸およびパルミチン酸はHBTUカップリング化 学操作を用いて予備活性化させた。樹脂からのペプチドの除去と側鎖保護基の脱 保護は、5%EDTおよび5%水を含有するTFA中で2時間同時に行ない、250mgの 収量で粗生成物を得た。粗生成物の内40mgを、流量9ml/分で50分間にわたり90 〜100%B(A=0.1%TFA/水およびB=MeOH)の勾配による調製用HPLC(Hydac 21 8TP1022カラム)で精製した。凍結乾燥の後、純粋な物質24mgを得た(分析用肝LC 、70〜100%Bの勾配、B=0.1% TFA/アセトニトリル、A=0.01%TFA/水: カラム− Vydac 218TP54:検出−UV214nm−生成物の保持時間=23分)。更に生成物を同定 するためにMALDI質量スペクトル分析を行った。M+H理論値1096、実測値1099。 b)チオールで官能性付与されたガス充填微小気泡の調製 ジステアロイル−ホスファチジル−セリン(Avanti,5.0mg)と実施例15のa)の チオールを含む脂質構造物(1.0mg)を秤量して清浄なバイアルに入れそして1.4% プロピレングリコール/2.4%グリセロールを水中に含有する溶液0.8mlを添加し た。混合物を80℃に5分間温め(加温中バイアルを振盪した)そしてまだ温かいう ちに40ミクロンのフィルターを通して濾過した。試料を室温に冷却しそしてヘッ ドスペースをパーフルオロブタンガスでフラッシュした。バイアルを45秒間キャ ップミキサー中で振とうし、一夜ローラーテーブル上に置いた。得られた微小気 泡を脱イオン水で数回洗浄し、Ellmans試薬を用いてチオール基の取込を分析し た。 実施例 22 プラスミドpBR322からのフルオレセインで標識したDNA断片に複合体化されたポ リ−L−リジンでコートされた微小気泡の調製 本例は遺伝子治療/アンチーセンスに応用するための微小気泡の調製に関する 。特異的標的設定は、実施例1に記載したベクター変性脂質構造物で微小気泡膜 をさらにドープすることにより達成できると考えた。 a)ホスファチジル−セリンでカプセルにつめられたガス含有微小気泡の調製 ジステアロイル−ホスファチジル−セリン(Avanti,4.5mg)を清浄なバイアル 中に秤量して入れた。1.4%プロピレングリコール/2.4%グリセロールの溶液を 1.0ml添加しそして混合物を2分間超音波処理し、次いで80℃に5分間加温した 。加温の直後に溶液を4ミクロンのフィルターを通じて濾過した。試料を室温に 冷却しそしてヘッドスペースをパーフルオロブタンガスでフラッシュした。バイ アルをキャップミキサー内で45秒間振 とうした。次に気泡を蒸溜水で1回洗浄しそして下部清澄液を廃棄した。次いで 微小気泡を0.5mlの水中に再び懸濁した。 b)ポリ−L−リジン/DNA複合体の調製およびホスファチジル−セリン微小気 泡への装荷 清浄なバイアル中の1mgのポリ−L−リジン(70〜150kD)に、TE緩衝液(10mM トリス−HCl、pH8)中に溶解したプラスミドpBR322(Biorad)のフルオレセイン で標識した消化物を0.1ml添加した。水を添加することにより溶液を全体で0.6ml にしそしてpHを8に調整した。複合体を1時間進行させ次いで0.05mlのポリリジ ン−DNA溶液を上記のa)の微小気泡懸濁液に添加した。1時間後、顕微鏡観察を 行なうと、気泡が蛍光性であることが示され、DNAの存在を確認した。 実施例 23 細胞の標的設定のためのアテノロールを含有するリポペプチドと治療用のカプト プリルの親油性チオールエステルを含むホスファチジル−セリンのガス充填微小 気泡 a)カプトプリルのコラン酸チオールエステルの合成 ジクロロメタン(5ml)中の5−β−コラン酸(Sigma,361mg,1.00ミリモル)と DIC(77μl,0.50ミリモル)との混合物を10分間撹拌し、次いでジクロロメタン(1 0ml)中のカプトプリル(Sigma,130mg,0.600ミリモル)とDBU(180μl,1.20ミリ モル)の溶液に添加した。反応混合物を一晩撹拌し、次いで稀塩酸中に注入した 。クロロホルム(30ml)を添加した。相分離を行ないそして有機相を水および塩水 で洗浄しそして乾燥(MgSO4)した。濾過および濃縮の後、粗製物質をクロマトグ ラフィー(シリカ、クロロホルム/メタノール/酢酸95:4:1)にかけた。アセ トニトリル/水/エタノール混合物から生成物を凍結乾燥した。純白ではない固 体の収量は137mg(49%)であった。1H(500MHz)および13C(125MHz)のNMRスペクト ル分析法によって構造を確かめた。MALDI質量分析を用いてさらに特性把握を行 ない、 m/z 584に正モードのM+Naピークを得た。 b)細胞標的設定のためのアテノロール含有リポペプチドと治療用のカプトプリ ルの親油性チオールエステルを含むホスファチジル−セリンのガス充填微小気泡 の調製 1.4%プロピレングリコール/2.4%グリセロール(1.0ml)を、バイアル中のジ ステアロイル−ホスファチジル−セリン(Avantic,5.0mg)とa)の生成物(0.5mg) と実施例12のアテノロール含有リポペプチド(0.5mg)の混合物に添加した。混合 物を5分間超音波処理し次いで80℃で5分間加熱し(加温中バイアルを振盪した )そして冷却した。ヘッドスペースをパーフルオロブタンガスでフラッシュしそ してバイアルをキャップミキサー中で45秒間振盪し、続いて蒸溜水で十分に洗浄 した。MALDI質量分析法によると、最終的な洗浄溶液中のb)およびc)の化合物が 検出不能な水準にあることが示された。 a)の化合物とアテノロール含有リポペプチドとの気泡への取り込みをMALDI-MS によって確認した。 c)アテノロール含有リポペプチドで「ドープ」されたホスファチジルーセリンの ガス含有微小気泡のインビトロ研究 ヒト内皮細胞系ECV 304を実施例12に記載したように増殖した。直径22ミリの カバーガラスを滅菌し、そして12ウエルの培養プレート(Costar)の底部に置いた 後、血清を加えた完全培地0.5ml中の細胞をプレート上に添加した。 細胞が集密状態に達した時、特注でつくったフローチャンバー内にカバースリ ップを入れた。このチャンバーはそれにつくりこまれたガラス板に切り込まれた 溝を有する。細胞の付いたカバースリップを、細胞が溝に向かいあうようにこの 板の上におき、これによって流路を形づくった。 上記のb)からの微小気泡を37℃に保ったリザーバーからフローチャンバーに通 しそして蠕動ポンプを経てリザーバーに戻した。流量は生理学的に 妥当な任意の剪断速度を模擬するように調節可能であった。フローチャンバーを 顕微鏡下においたので、ミクロスフェアと細胞との相互作用を直接視認できた。 顕微鏡に取付けたカメラをカラービデオプリンターおよびモニターに接続した。 細胞への微小気泡の蓄積が流速に依存しつつ徐々に起きた。流速を増加すると 、細胞がカバースリップから離脱しはじめたが、微小気泡は依然として細胞に結 合していた。ベクターを担持していない対照の気泡は内皮細胞に付着せず、また 最少流量の条件下で細胞から消失した。 実施例 24 診断および治療に応用するための、ベスタチンの誘導体を含有するリポペプチド を含むホスファチジル−セリンでカプセルにつめられたガス充填微小気泡 a)ベスタチンの誘導体を含有するリポペプチドの合成 上記構造はマニュアルのバブラー法によりFmoc−保護RinkアミドMBHA樹脂(No vabiochem)を出発物質として、0.125ミリモルスケール上で、Novabiochemのア ミノ酸およびFlukaのパルミチン酸を用いて合成した。標準的なTBTU/HOBt/DIE A法を用いてカップリングを行なった。樹脂からのペプチドの除去と側鎖保護基 の脱保護は、5%EDTおよび5%水を含有するTFA中で2時間同時に行なった。粗 製物をエーテルから沈殿させ、流量10ml/分で60分間にわたり70〜100%B(A= 0.1%TFA/水およびB=0.1% TFA/アセトニトリル)の勾配による調製用液体ク ロマトグラフィー(Vydac 218TP1022カラム)で精製した。凍結乾燥の後、純粋 な物質12mgを 得た(分析用HPLC、20分間にわたり70〜100%Bの勾配、A=0.1% TFA/水、B =0.1% TFA/アセトニトリル、流量1ml/分、検出UV214nm、保持時間25分)。 更に同定するためにMALDI質量スペクトル分析(ACHマトリックス)を行なったとこ ろ、理論値1314のところ実測値はM+H 1315であった。 b)診断および治療に応用するためのベスタチンの誘導体を含有するリポペプチ ドを含むガス充填微小気泡の調製 1.4%プロピレングリコール/2.4%グリセロールの溶液(1.0ml)をバイアル中 のジステアロイル−ホスファチジル−セリン(Avanti,4.5mg)および段階(a)の生 成物(0.5mg)の混合物に添加した。混合物を5分間音波処理し、次に5分間80℃ に加熱し(加温中はバイアルを振とう)、冷却した。ヘッドスペースをパーフル オロブタンガスでフラッシュし、バイアルを45秒間キャップミキサー中で振とう し、内容物を脱イオン水で十分洗浄した。MALDI質量スペクトルによれば、最終 洗液中に段階(b)の化合物は検出可能な濃度では存在しなかった。 MALDI-MSにより微小気泡へのアテノロール含有リポペプチドの取込を確認する ために、約50μlの微小気泡を90%メタノール約100μlの入った新しいバイアル に入れた。混合物を30秒超音波処理し、MALDI-MS(ACH−マトリックス)で分析し たところ、段階(a)のリポペプチドに相当する理論値1314のM+Hピークが1320にみ とめられた。 c)診断および治療に応用するための、ベスタチンの誘導体を含有するリポペプ チドでドープされたジステアロイル−ホスファチジル−セリンのガス充填微小気 泡のインビトロ研究 ヒト内皮細胞系ECV 304を実施例12に記載したように増殖した。直径22ミリの カバーガラスを滅菌し、そして12ウエルの培養プレート(Costar)の底部に置いた 後、血清を加えた完全培地0.5ml中の細胞をプレート上に添加した。 細胞が集密状態に達した時、特注でつくったフローチャンバー内にカバースリ ップを入れた。このチャンバーはそれにつくりこまれたガラス板に切り込まれた 溝を有する。細胞の付いたカバースリップを、細胞が溝に向かいあうようにこの 板の上におき、これによって流路を形づくった。 上記のb)からの微小気泡を37℃に保ったリザーバーからフローチャンバーに通 しそして蠕動ポンプを経てリザーバーに戻した。流量は生理学的に妥当な任意の 剪断速度を模擬するように調節可能であった。フローチャンバーを顕微鏡下にお いたので、ミクロスフェアと細胞との相互作用を直接視認できた。顕微鏡に取付 けたカメラをカラービデオプリンターおよびモニターに接続した。 細胞への微小気泡の蓄積が流速に依存しつつ徐々に起きた。流速を増加すると 、細胞がカバースリップから離脱しはじめたが、微小気泡は依然として細胞に結 合していた。ベクターを担持していない対照の気泡は内皮細胞に付着せず、また 最少流量の条件下で細胞から消失した。 実施例 25 標的設定超音波造影のためのエンドセリン受容体に対する親和性のあるベクター を含有するリポペプチドを含むジステアロイル−ホスファチジル−セリンのガス 充填微小気泡 a)4'−〔(3,4−ジメチル−5−イソキサゾリル)−スルファモイル〕スクシン アニリン酸の合成 DMF(10ml)中のスルフィソキサゾール(267mg,1.00ミリモル)の溶液に無水コハ ク酸(1.00g,10.0ミリモル)と4−ジメチルアミノピリジン(122mg,1.00ミリモ ル)を添加した。反応混合物を80℃で2時間撹拌しそして濃縮した。残存物を重 炭酸ナトリウムの5%水溶液中に取り込みそしてエチルアセテートで抽出した。 水溶液を稀塩酸で酸性化しそして有機物質をエチルアセテート中に抽出した。有 機相を稀塩酸、水および塩水で洗浄し、活性炭で処理しそして乾燥(MgSO4)した 。溶液を濾過しそして濃縮して白色 固体を280mg(76%)得た。1H(300MHz)および13C(75MHz)のNMRスペクトル分析法に よって構造を確かめた。MALDI質量分析法(ACH基質)を用いてさらに特性把握し、 予想通りにm/z 390にM+Naピークをまたm/z 406にM+Kピークを得た。 b)スルフィソキサゾールで官能性付与されたリポペプチドの合成 上記構造はマニュアルの窒素バブラー装置上でFmoc−保護RinkアミドBMHA樹脂 を出発物質として、0.125ミリモルスケール上で、適切なアミノ酸、パルミチン 酸および段階(a)の化合物を用いて合成した。標準的なTBTU/HOBt/DIEA法を用 いてカップリングを行った。樹脂からのペプチドの除去と側鎖保護基の脱保護は 、5%EDTおよび5%水を含有するTFA中で2時間同時に行なった。粗製物質をエ ーテルから沈殿させた。生成物は分析用HPLCにより、20分間にわたり70〜100% Bの勾配、A=0.1% TFA/水、B=0.1% TFA/アセトニトリル、流量1ml/分 、検出UV214nm、保持時間27分の条件で分析した。更に同定するためにMALDI質量 スペクトル分析を行ったところ、理論値1356のところ実測値M+Hはm/z 1359であ った。 c)(b)の化合物を含むガス充填微小気泡の調製 1.4%プロピレングリコール/2.4%グリセロールの溶液(1.0ml)をバイアル中 のDSPS(4.5mg)および段階(b)の生成物(0.5mg)の混合物に添加した。混合物を5 分間超音波処理し、次に5分間80℃に加熱し(加温中はバイアルを振とう)、冷 却した。ヘッドスペースをパーフルオロブタンガスでフラッシュし、バイアルを 45秒間キャップミキサー中で振とうし、その後、脱イオン水で十分洗浄した。MA LDI質量スペクトル分析によれば、最終洗 液には段階(b)の化合物は検出可能な濃度では存在しなかった。MALDI-MSにより 微小気泡へのイソキサゾール含有リポペプチドの取込を確認するために、約50μ lの微小気泡を90%メタノール約100μlの入った新しいバイアルに移した。混合 物を30秒間超音波処理し、MALDI-MS(ACH−マトリックス)で分析したところ、段 階(b)のリポペプチドに相当するm/z 1359にm+Hのピークがみとめられた。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成11年1月21日(1999.1.21) 【補正内容】 本発明で使用されるベクターは人体にとって外因性のものであるのが好ましい 。 合成ベクターまたは半合成ベクターに関してここで用いる「非ポリマー性」と いう用語はオリゴマーを排除することを意図するものではない。 本発明で使用するヌクレオチドは例えば10〜500の基本単位を含みうる。オリ ゴヌクレオチドは例えば20〜50の単位を含んでよいが、一方ポリヌクレオチドは 例えば50〜500の単位を含みうる。 本発明の更に別の実施態様によれば、ベクター1つ以上を、ベクターが標的ま たは標的受容体に容易に曝露されないような方法でレポーターに結合するか、あ るいはその内部に包含させる。従って、ベクターを曝露する別の方法例えばベク ターを含有する部分の拡散性を調節するために投与後の薬剤を外部超音波に曝露 することにより、組織特異性の向上を達成してよい。 任意の生体適合性気体も本発明の造影剤のレポーター中に存在してよく、本明 細書では「気体」という用語は37℃のヒト正常体温で実質的または完全に気体( 蒸気を含む)の形態である任意の物質(混合物を含む)を包含するものとする。即 ち気体は例えば空気;窒素;酸素;二酸化炭素;水素;不活性ガス、例えばヘリ ウム、アルゴン、キセノンまたはクリプトン;フッ化イオウ例えば六フッ化イオ ウ、十フッ化二イオウまたは五フッ化トリフルオロメチルイオウ;六フッ化セレ ン;場合によりハロゲン化されたシラン、例えばメチルシランまたはジメチルシ ラン;低分子量炭化水素(例えば炭素原子7個までを含むもの)、例えばアルカン 、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタンまたはペンタン、シクロアルカン、 例えばシクロプロパン、シクロブタンまたはシクロペンタン、アルケン例えばエ チレン、プロペン、プロパジエンまたはブテン、またはアルキンン例えばアセチ レンまたはプロピン;エーテル例えばジメチルエーテル;ケトン;エステル;ハ ロゲン化低分子量炭化水素(例えば炭素原子7個までを含むもの);ま たはこれらの混合物を包含する。修飾オリゴヌクレオチドベクター (in vivoの安定性を増大するための修飾) 請求の範囲 1.気体含有または気体発生物質からなり、一つまたはそれ以上の非蛋白質、非 ペプチドおよび非多糖類のベクターにコンジュゲートされているレポーターの水 性担担体液体中の懸濁液からなる標的設定診断用および/または治療活性を有す る薬剤。 2.気体が空気、窒素、酸素、二酸化炭素、水素、不活性気体、フッ化イオウ、 六フッ化セレン、低分子量炭化水素、ケトン、エステル、ハロゲン化低分子量炭 化水素またはこれらの混合物を包含する請求項1記載の薬剤。 3.気体が過フッ化ケトン、過フッ化エーテルまたはパーフルオロカーボンであ る請求項2記載の薬剤。 4.気体が六フッ化イオウ、パーフルオロプロパン、パーフルオロブタンまたは パーフルオロペンタンを含有する請求項2記載の薬剤。 5.耐癒着性表面膜、膜形成性蛋白質、重合体物質、非重合体および非重合性の 壁形成性物質または界面活性剤によって安定化されている微小気泡を含む上記請 求項のいずれかに記載の薬剤。 6.界面活性剤が少なくとも一つのリン脂質からなる請求項5記載の薬剤。 7.界面活性剤物質の少なくとも75%が、正味の全電荷を個々に有するリン脂質 分子からなる請求項6記載の薬剤。 8.膜形成性界面活性剤物質の少なくとも75%がホスファチジルセリン、ホスフ ァチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジック酸およ びカルジオリピンから選択される一つまたはそれ以上のリン脂質である請求項7 記載の薬剤。 9.リン脂質の少なくとも80%がホスファチジルセリンである請求項8記載の薬 剤。 10.ベクターが非重合性で合成または半合成のものである上記請求項のい ずれかに記載の薬剤。 11.ベクターが人体にとって外因性のものである請求項10記載の薬剤。 12.ベクターがオリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドから選択される請求 項1〜9のいずれかに記載の薬剤。 13.ベクターが非ペプチドアゴニスト/拮抗剤そして細胞接着分子のための受容 体のバインダー、サイトカイン、成長因子およびペプチドホルモン;オリゴヌク レオチドおよび修飾されたオリゴヌクレオチド;DNA−結合薬;プロテアーゼ基 質/阻害剤;コンビナトリアルライブラリーから得られた非ペプチド分子;およ び小型生物活性分子から選択される、請求項1〜9のいずれかに記載の薬剤。 14.ベクターが、薬剤が標的に対する相互作用を示すがこれと固定的に結合しな い程度の上記標的に対する親和性を有する上記請求項のいずれかに記載の薬剤。 15.ベクターが、細胞接着蛋白質のための非蛋白、非ペプチドおよび非多糖類リ ガンドから選択される請求項14記載の薬剤。 16.ベクターが標的に容易に曝露されないように位置づけられている上記請求項 のいずれかに記載の薬剤。 17.ベクターがレポーターに共有結合的または非共有結合的にカップリングまた は結合されている上記請求項のいずれかに記載の薬剤。 18.ベクターが静電気的電荷相互作用によってレポーターにカップリングまたは 結合されている請求項1から16のいずれかに記載の薬剤。 19.ベクターがアビジン−ビオチンおよび/またはストレプトアビジン−ビオチ ン相互作用によりレポーターにカップリングまたは結合されている請求項1〜16 のいずれかに記載の薬剤。 20.放射性の、または、X線造影剤、光造影プローブまたはスピン標識として有 効な部分を更に含んでいる前記請求項のいずれかに記載の薬剤。 21.治療化合物を更に含有する前記請求項のいずれかに記載の薬剤。 22.治療化合物が抗新生物薬、血液製剤、生物学的応答調節剤、抗カビ剤、ホル モンまたはホルモン類縁体、ビタミン、酵素、抗アレルギー剤、組織因子抑制剤 、血小板抑制剤、凝固蛋白標的抑制剤、フィブリン形成抑制剤、フィブリン溶解 促進剤、抗血管新生剤、循環薬、代謝強化剤、抗結核剤、抗ウイルス剤、血管拡 張剤、抗生物質、抗炎症剤、抗原虫剤、抗リューマチ剤、麻酔剤、アヘン剤、強 心配糖体、神経筋ブロッカー、鎮静剤、局所麻酔薬、全身麻酔薬または遺伝子物 質である請求項21記載の薬剤。 23.上記治療化合物がジスルフィド基を介してレポーターに共有結合的にカップ リングまたは結合している請求項21または22に記載の薬剤。 24.親油性であるかまたは親油性になるように誘導化された治療化合物が疎水性 相互作用を介してレポーターに結合された請求項21または22に記載の薬剤。 25.下記成分: i)選択された標的に対する親和性を有する前標的設定ベクターを有する第 1の投与可能な組成物;および ii)前記請求項のいずれかに記載の薬剤を含有し、その薬剤が上記前標的設 定ベクターに対する親和性を有するベクターからなる第2の投与可能な組成物 を含有する複合製剤。 26.前標的設定ベクターが誘導された単糖類またはオリゴ糖類からなる請求項25 記載の複合製剤。 27.下記成分: i)請求項1〜24のいずれか1項に記載の薬剤を含む投与可能な第1の組成 物、 ii)薬剤をその標的から置き換えまたは放出させることのできる物質を含有 する投与可能な第2の組成物 を含有する複合製剤。 28.下記成分: i)請求項23に記載の薬剤を含む投与可能な第1の組成物、 II)この投与可能な第1の組成物の薬剤中の治療用化合物とレポーターとを カップリングまたは結合するジスフィド基を還元的に切断することのできる還元 剤を含む投与可能な第2の組成物 を含有する複合製剤。 29.少なくとも一つの非蛋白質、非ペプチドおよび非多糖類のベクターを気体含 有または気体発生物質からなるレポーターにカップリングまたは結合することか らなる、請求項1記載の標的設定診断用および/または治療活性を有する薬剤を 調製するための方法。 30.治療化合物もまたレポーターと配合させる請求項29記載の方法。 31.標的設定超音波造影剤としての請求項1〜24のいずれかに記載の薬剤の使用 。 32.請求項1〜24のいずれかに記載の薬剤をヒトまたはヒト以外の動物の身体に 投与し、そして、上記身体の少なくとも一部の、超音波、磁気共鳴、X線、放射 線または光による像を発生させることからなる上記身体の増強された像を発生さ せる方法。 33.下記工程: i)選択された標的に対する親和性を有する前標的設定ベクターを上記身体 に投与すること;および、その後、 ii)上記前標的設定ベクターに対する親和性を有するベクターを含有する請 求項1〜24のいずれかに記載の薬剤を投与すること からなる請求項32記載の方法。 34.前標的設定ベクターが誘導された単糖類またはオリゴ糖類を包含する請求項 33記載の方法。 35.下記工程: i)請求項1〜24のいずれかに記載の薬剤を上記身体に投与し、そしてその 後、 ii)上記薬剤をその標的から置き換えまたは放出させることのできる物質を 投与する ことからなる請求項32記載の方法。 36.薬剤が更に治療化合物を含有する請求項32〜35のいずれかに記載の方法。 37.上記治療化合物がジスルフィド基を介してレポーターに共有結合的にカップ リングまたは結合されており、上記ジスルフィド基を還元的に切断することので きる還元剤を含有する組成物を後に投与する請求項36記載の方法。 38.標的を発現する細胞がフローチャンバー内に固定的に位置付けられており、 担体液体中の薬剤の懸濁液が上記チャンバーを通過し、上記薬剤の上記細胞への 結合を測定する請求項1〜24のいずれかに記載の薬剤による標的設定のin vitro 検査のための方法。 39.担体液体の流量を制御してin vivoで生じるせん断速度を擬似的に具現化す る請求項38記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/14 A61K 47/14 47/20 47/20 47/24 47/24 47/42 47/42 49/00 49/00 C (31)優先権主張番号 9622367.2 (32)優先日 平成8年10月28日(1996.10.28) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (31)優先権主張番号 9700699.3 (32)優先日 平成9年1月15日(1997.1.15) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (31)優先権主張番号 9708265.5 (32)優先日 平成9年4月24日(1997.4.24) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (31)優先権主張番号 9711842.6 (32)優先日 平成9年6月6日(1997.6.6) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (31)優先権主張番号 9711845.9 (32)優先日 平成9年6月6日(1997.6.6) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ロングヴェド,ポール ノールウエー国エン―0401 オスロ.ピ ー・オー・ボツクス 4220トルシヨヴ.ニ ユコヴエイエン2.ニユコメド・イメージ ング・アクシエセルカペト (72)発明者 ヘーグセト,アンダース ノールウエー国エン―0681 オスロ.トレ シェヴン32アー (72)発明者 トーレスハウグ,ヘルジェ ノールウエー国エン―0401 オスロ.ピ ー・オー・ボツクス 4220トルシヨヴ.ニ ユコヴエイエン2.ニユコメド・イメージ ング・アクシエセルカペト (72)発明者 ゴダール,アスラーク ノールウエー国エン―0365 オスロ.ネー ドレシルケストロー 16 (72)発明者 レーヴハウグ,ダーグフィン ノールウエー国エン―0401 オスロ.ピ ー・オー・ボツクス 4220トルシヨヴ.ニ ユコヴエイエン2.ニユコメド・イメージ ング・アクシエセルカペト (72)発明者 スールバーケン,マグネ ノールウエー国エン―0401 オスロ.ピ ー・オー・ボツクス 4220トルシヨヴ.ニ ユコヴエイエン2.ニユコメド・イメージ ング・アクシエセルカペト (72)発明者 カスバートソン,アラン ノールウエー国エン―0401 オスロ.ピ ー・オー・ボツクス 4220トルシヨヴ.ニ ユコヴエイエン2.ニユコメド・イメージ ング・アクシエセルカペト

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.気体含有または気体発生物質からなり、一つまたはそれ以上の非蛋白質、非 ペプチドおよび非多糖類のベクターにコンジュゲートされているレポーターの水 性担担体液体中の懸濁液からなる標的設定診断用および/または治療活性を有す る薬剤。 2.気体が空気、窒素、酸素、二酸化炭素、水素、不活性気体、フッ化イオウ、 六フッ化セレン、低分子量炭化水素、ケトン、エステル、ハロゲン化低分子量炭 化水素またはこれらの混合物を包含する請求項1記載の薬剤。 3.気体が過フッ化ケトン、過フッ化エーテルまたはパーフルオロカーボンであ る請求項2記載の薬剤。 4.気体が六フッ化イオウ、パーフルオロプロパン、パーフルオロブタンまたは パーフルオロペンタンを含有する請求項2記載の薬剤。 5.耐癒着性表面膜、膜形成性蛋白質、重合体物質、非重合体および非重合性の 壁形成性物質または界面活性剤によって安定化されている微小気泡を含む上記請 求項のいずれかに記載の薬剤。 6.界面活性剤が少なくとも一つのリン脂質からなる請求項5記載の薬剤。 7.界面活性剤物質の少なくとも75%が、正味の全電荷を個々に有するリン脂質 分子からなる請求項6記載の薬剤。 8.膜形成性界面活性剤物質の少なくとも75%がホスファチジルセリン、ホスフ ァチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジック酸およ びカルジオリピンから選択される一つまたはそれ以上のリン脂質である請求項7 記載の薬剤。 9.リン脂質の少なくとも80%がホスファチジルセリンである請求項8記載の薬 剤。 10.ベクターが非重合性で合成または半合成のものである上記請求項のい ずれかに記載の薬剤。 11.ベクターが人体にとって外因性のものである請求項10記載の薬剤。 12.ベクターがオリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドから選択される請求 項1〜9のいずれかに記載の薬剤。 13.ベクターが非ペプチドアゴニスト/拮抗剤そして細胞接着分子のための受容 体のバインダー、サイトカイン、成長因子およびペプチドホルモン;オリゴヌク レオチドおよび修飾されたオリゴヌクレオチド;DNA−結合薬;プロテアーゼ基 質/阻害剤;コンビナトリアルライブラリーから得られた非ペプチド分子;およ び小型生物活性分子から選択される、請求項1〜9のいずれかに記載の薬剤。 14.ベクターが、薬剤が標的に対する相互作用を示すがこれと固定的に結合しな い程度の上記標的に対する親和性を有する上記請求項のいずれかに記載の薬剤。 15.ベクターが、細胞接着蛋白質のためのリガンドおよび内皮細胞表面上に相当 するリガンドを有する細胞接着蛋白質からまたは細胞接着蛋白質のための非ペプ チドリガンドから選択される請求項14記載の薬剤。 16.ベクターが標的に容易に曝露されないように位置づけられている上記請求項 のいずれかに記載の薬剤。 17.ベクターがレポーターに共有結合的または非共有結合的にカップリングまた は結合されている上記請求項のいずれかに記載の薬剤。 18.ベクターが静電気的電荷相互作用によってレポーターにカップリングまたは 結合されている請求項1から16のいずれかに記載の薬剤。 19.ベクターがアビジン−ビオチンおよび/またはストレプトアビジン−ビオチ ン相互作用によりレポーターにカップリングまたは結合されている請求項1〜16 のいずれかに記載の薬剤。 20.放射性の、または、X線造影剤、光造影プローブまたはスピン標識として有 効な部分を更に含んでいる前記請求項のいずれかに記載の薬剤。 21.治療化合物を更に含有する前記請求項のいずれかに記載の薬剤。 22.治療化合物が抗新生物薬、血液製剤、生物学的応答調節剤、抗カビ剤、ホル モンまたはホルモン類縁体、ビタミン、酵素、抗アレルギー剤、組織因子抑制剤 、血小板抑制剤、凝固蛋白標的抑制剤、フィブリン形成抑制剤、フィブリン溶解 促進剤、抗血管新生剤、循環薬、代謝強化剤、抗結核剤、抗ウイルス剤、血管拡 張剤、抗生物質、抗炎症剤、抗原虫剤、抗リューマチ剤、麻酔剤、アヘン剤、強 心配糖体、神経筋ブロッカー、鎮静剤、局所麻酔薬、全身麻酔薬または遺伝子物 質である請求項21記載の薬剤。 23.上記治療化合物がジスルフィド基を介してレポーターに共有結合的にカップ リングまたは結合している請求項21または22に記載の薬剤。 24.親油性であるかまたは親油性になるように誘導化された治療化合物が疎水性 相互作用を介してレポーターに結合された請求項21または22に記載の薬剤。 25.下記成分: i)選択された標的に対する親和性を有する前標的設定ベクターを有する第 1の投与可能な組成物;および ii)前記請求項のいずれかに記載の薬剤を含有し、その薬剤が上記前標的設 定ベクターに対する親和性を有するベクターからなる第2の投与可能な組成物 を含有する複合製剤。 26.前標的設定ベクターが誘導された単糖類またはオリゴ糖類からなる請求項25 記載の複合製剤。 27.下記成分: i)請求項1〜24のいずれか1項に記載の薬剤を含む投与可能な第1の組成 物、 ii)薬剤をその標的から置き換えまたは放出させることのできる物質 を含有する投与可能な第2の組成物 を含有する複合製剤。 28.下記成分: i)請求項23に記載の薬剤を含む投与可能な第1の組成物、 ii)この投与可能な第1の組成物の薬剤中の治療用化合物とレポーターとを カップリングまたは結合するジスフィド基を還元的に切断することのできる還元 剤を含む投与可能な第2の組成物 を含有する複合製剤。 29.少なくとも一つの非蛋白質、非ペプチドおよび非多糖類のベクターを気体含 有または気体発生物質からなるレポーターにカップリングまたは結合することか らなる、請求項1記載の標的設定診断用および/または治療活性を有する薬剤を 調製するための方法。 30.治療化合物もまたレポーターと配合させる請求項29記載の方法。 31.標的設定超音波造影剤としての請求項1〜24のいずれかに記載の薬剤の使用 。 32.請求項1〜24のいずれかに記載の薬剤をヒトまたはヒト以外の動物の身体に 投与し、そして、上記身体の少なくとも一部の、超音波、磁気共鳴、X線、放射 線または光による像を発生させることからなる上記身体の増強された像を発生さ せる方法。 33.下記工程: i)選択された標的に対する親和性を有する前標的設定ベクターを上記身体 に投与すること;および、その後、 ii)上記前標的設定ベクターに対する親和性を有するベクターを含有する請 求項1〜24のいずれかに記載の薬剤を投与すること からなる請求項32記載の方法。 34.前標的設定ベクターが誘導された単糖類またはオリゴ糖類を包含する請求項 33記載の方法。 35.下記工程: i)請求項1〜24のいずれかに記載の薬剤を上記身体に投与し、そしてその 後、 ii)上記薬剤をその標的から置き換えまたは放出させることのできる物質を 投与する ことからなる請求項32記載の方法。 36.薬剤が更に治療化合物を含有する請求項32〜35のいずれかに記載の方法。 37.上記治療化合物がジスルフィド基を介してレポーターに共有結合的にカップ リングまたは結合されており、上記ジスルフィド基を還元的に切断することので きる還元剤を含有する組成物を後に投与する請求項36記載の方法。 38.標的を発現する細胞がフローチャンバー内に固定的に位置付けられており、 担体液体中の薬剤の懸濁液が上記チャンバーを通過し、上記薬剤の上記細胞への 結合を測定する請求項1〜24のいずれかに記載の薬剤による標的設定のin vitro 検査のための方法。 39.担体液体の流量を制御してin vivoで生じるせん断速度を擬似的に具現化す る請求項38記載の方法。
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GB9622367.2 1997-06-06
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GB9708265.5 1997-06-06
GB9711842.6 1997-06-06
GB9622366.4 1997-06-06
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GB9622365.6 1997-06-06
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GB9711845.9 1997-06-06
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