JP2002514133A - サイクロン分離器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 サイクロン分離器（１）は、垂直ハウジング（２）と取入ダクト（１０）と粒子排出ダクト（１６）とガス取出ダクト（１８）とを含み、垂直ハウジング（２）は、その下端部（４）が開放しその上端部にて中央開口（８）を有するカバー（５）を備え、取入ダクト（１０）は、流動層接触分解設備の上昇管反応器（１５）の取出口（１２）からガスと触媒粒子の混合物を取り込み、粒子排出ダクト（１６）は、垂直ハウジング（２）の開放下端部（４）に連通し、ガス取出ダクト（１８）は、中央開口（８）を通ってカバー（５）内に延びる垂直セクション（２０）を有する。該サイクロン分離器（１）は、開放端パイプ（２３）と渦巻き付与手段（３０）とをさらに含み、開放端パイプ（２３）は、垂直セクション（２０）と開放端パイプ（２３）の間に環状ガス取入導管（２５）を形成するように中央開口（８）内に配置され、渦巻き付与手段（３０）は、環状ガス取入導管（２５）内に配置される。

Description

【発明の詳細な説明】 サイクロン分離器 本発明は、流動層(fluid-bed)接触分解設備を収容する反応器上昇管(riser)の 反応器容器内で分離段階として適用されるサイクロン分離器に関する。 流動層接触分解設備は、反応器容器、垂直な反応器上昇管及び再生器容器を含 み、反応器上昇管は、反応器容器内に配置された分離器システムと流動自在に通 じた上方取出口を有する。通常運転中、再生された触媒粒子と炭化水素原料が、 反応器上昇管の取入口端に供給され、反応器上昇管において、原料の接触分解が 行われてガス状生成物と触媒粒子の混合物が形成される。この混合物は、５００ 〜５４０℃又はそれより高い高温度にて反応器上昇管から出る。ガス状生成物と 触媒粒子の混合物は、分離器システム内に送られ、ガス状生成物が触媒粒子から 分離される。ガス状生成物は、反応器容器の上端部から除去され、触媒粒子は、 反応器容器の下部に排出されてストリッピングされる。ストリッピングされた触 媒粒子は、再生器容器に送られ、ここで分解中に粒子に堆積したコークスが高温 にて焼き取られ、燃焼生成物と再生された触媒が得られる。燃焼生成物は、再生 器容器の上端部から除去され、再生された触媒が再使用される。 このような流動層接触分解設備は、欧州特許出願公開第４８８５４９号に記載 されている。この公知の分離器システムは、サイクロン分離器と補助サイクロン 分離器とを含み、二段階分離を行う。このサイクロン分離器は、垂直ハウジング と取入ダクトと粒子取出ダクトとガス取出ダクトとを含み、該垂直ハウジングは 、その下端部にて開放しその上端部にて中央開口を有するカバーを備え、取入ダ クトは、上昇管反応器の取入口からのガスと触媒粒子の混合物の接線入射(tange ntial entry)を行い、粒子取出ダクトは、垂直ハウジングの開放下端部に連通し 、ガス取出ダクトは、中央開口を通ってカバー内に延びる垂直セクションを有し 、該垂直セクションは、中央開口の直径より小さい外径を有する。中央開口とガ ス取出ダクトの外面は、環状取入ポートを形成する。 サイクロン分離器は、反応器容器の上部に配置され、それにより、通常運転中 、反応器容器内に存在するストリッピングガスが、反応器容器内部とサイクロン 分離器内部間の圧力差により環状取入ポートを介してサイクロン分離器内に引き 入れられ得る。 本発明の目的は、公知のサイクロン分離器の効率、特に分離効率が低いサイク ロン分離器の効率レベルを改善することである。 この目的のため、本発明によるサイクロン分離器は、垂直ハウジングと取入ダ クトと粒子排出ダクトとガス取出ダクトとを含み、垂直ハウジングは、その下端 部にて開放しその上端部にて中央開口を有するカバーを備え、取入ダクトは、流 動層接触分解設備の上昇管反応器の取出口からのガスと触媒粒子の混合物の接線 入射を行い、粒子排出ダクトは、垂直ハウジングの開放下端部に連通し、ガス取 出ダクトは、中央開口を通ってカバー内に延びる垂直セクションを有し、該サイ クロン分離器は、開放端パイプと渦巻き付与手段とをさらに含み、開放端パイプ は、ガス取出ダクトの垂直セクションの少なくとも一部の外面と開放端パイプの 内面の間に環状ガス取入導管を形成するように、中央開口内に配置され、渦巻き 付与手段は、環状ガス取入導管内に配置される。 本発明は、以下例として、本発明のサイクロン分離器の長手方向部分断面を略 示する添付図面を参照してより詳細に説明される。 本発明のサイクロン分離器１は、垂直ハウジング２を含み、該垂直ハウジング ２は、その下端部４に排出開口３を有し、その上端部６にカバー５を備える。カ バー５は、中央開口８を有する。 サイクロン分離器１は、取入ダクト１０をさらに含み、該取入ダクト１０は、 上昇管反応器１５の上方取出開口１２とサイクロン分離器１の取入開口１４の間 に延在し、ガスと触媒粒子の混合物をサイクロン分離器１内に接線入射する。サ イクロン分離器１は、垂直ハウジング２の下端部４内の排出開口３に連通する粒 子排出ダクト１６、及びガス取出ダクト１８をも含む。 ガス取出ダクト１８は、中央開口８を通ってカバー５内に延びる垂直直線セク ション２０を有する。 サイクロン分離器は、中央開口８内に固定された開放端パイプ２３をさらに含 み、環状ガス取入導管２５が、ガス取出ダクト１８の垂直セクション２０の下部 の外面と開放端パイプ２３の内面の間に形成される。環状ガス取入導管２５内に 、渦巻き翼３０の形態をなした渦巻き付与手段が配置される。 本発明のサイクロン分離器１は、反応器容器の上部２３内に配置される。この ような反応器容器は周知であるので、詳細には説明せずそのルーフ３５のみ図示 する。流動層接触分解設備は周知であるので、このような設備の他の部分は図示 されてない。 通常運転中、ガス状生成物と触媒粒子の混合物が、開口１２を通って反応器上 昇管１５から出る。混合物がサイクロン分離器１のハウジング２の上端部６内に 接線入射するように、該混合物はハウジング２内に開放した取入ダクト１０内に 引き入れられる。その結果、ハウジング２内に渦巻き混合物が存在し、ガス状生 成物はガス取出ダクト１８を介してハウジング２から除去される。触媒粒子はハ ウジング２の下端部４に降下し、粒子排出ダクト１６を介して排出される。排出 された触媒粒子は、反応器容器の下部（図示せず）にて収集され、粒子に固着し た生成物が、反応器容器の下部に供給されるストリッピングガスによりはぎ取ら れる。その結果、ストリッピング蒸気とストリッピングされた生成物の混合物が 、ルーフ３５下の反応器容器の上部における希釈フェーズゾーンに向けて上方に 送られる。 このガス状混合物は、伴出された少量の触媒粒子も含み、これらの触媒粒子は 、ガス状混合物から除去されなければならない。このために、ガス状混合物が、 環状ガス取入導管２５を介してハウジング２の上端部６内に引き入れられる。渦 巻き翼３０の形態をなした渦巻き付与手段が、ガス状混合物に渦巻き運動を付与 し、この様にして伴出された触媒粒子の初期分離が行われ、この分離は混合物が ハウジング２内を降下しながら続けられる。 適切には、渦巻き付与手段３０は、それが付与する回転方向が反応器上昇管１ ５からのガス状生成物と触媒粒子の混合物の回転方向と同じになるよう配置され 、それにより、後者の渦巻きは増幅され、そのことによりサイクロン分離器１の 全体効率がさらに改善される。 中央開口８の直径に対する垂直セクション２０の外径の比は、０．３〜０．７ の範囲とするのが適切である。 ガス取出ダクト１８の下端３７は、取入開口１４の下縁３９より下に配置され る。しかしながら、開放端導管２３は、サイクロン分離器１内に長く延びている のではなく、取入開口１４の高さの一部まで延びているにすぎない。開放端導管 ２３の下端４０と取入開口１４の上縁４１間の距離は、取入開口１４の高さの１ ０％〜６０％である。このことは、渦巻き付与手段３０により付与された回転が 流体放出開口１４にて有する効果を最大にするために行われる。 ハウジング２及びガス取出ダクト１８の熱膨張の差を吸収するために、渦巻き 付与手段３０は、開放端パイプ２３の内面又はガス取出ダクト１８の垂直セクシ ョン２０の外面のどちらかに固定されるが、両方の面には固定されない。 渦巻き翼３０の数は、適切には２〜８であり、さらに適切には３〜６である。 ガス取出ダクト１８は、ルーフ３５を通って延びるガス取入口（図示せず）を 備えたプレナムチャンバー（図示せず）に直接連結され得、この場合には、分離 器システムは１つの分離段階のみを含む。別の実施態様では、ガス取出ダクト１ ８は、そのガス取出口がプレナムチャンバー内に開放した補助サイクロン分離器 （図示せず）に連結され得、この場合には、分離器システムは２つの分離段階を 含む。 反応器上昇管１５の上端部は、（図示されたように）反応器容器内に配置され 得、又は反応器容器の外側に配置され得、その場合には、取入ダクトは反応器容 器の側壁を通って延びなければならない。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１０年９月４日（１９９８．９．４） 【補正内容】 明細書 この目的のため、本発明によるサイクロン分離器は、垂直ハウジングと取入ダ クトと粒子排出ダクトとガス取出ダクトとを含み、垂直ハウジングは、その下端 部にて開放しその上端部にて中央開口を有するカバーを備え、取入ダクトは、流 動層接触分解設備の上昇管反応器の取出口からのガスと触媒粒子の混合物の接線 入射を行い、粒子排出ダクトは、垂直ハウジングの開放下端部に連通し、ガス取 出ダクトは、中央開口を通ってカバー内に延びる垂直セクションを有し、該サイ クロン分離器は、開放端パイプと渦巻き付与手段とをさらに含み、開放端パイプ は、ガス取出ダクトの垂直セクションの少なくとも一部の外面と開放端パイプの 内面の間に環状ガス取入導管を形成するように、中央開口内に配置され、渦巻き 付与手段は、環状ガス取入導管内に配置される。 ＵＳ−Ａ−５３６２３７９に開示されたサイクロン分離器は、流動層接触分解 設備の上昇管反応器の取出口からのガスと固体粒子の混合物の接線入射を行うた めの取入ダクトを備えた垂直ハウジングを含む。該サイクロン分離器は、カバー の中央開口内に配置された開放端パイプを含み、ガス取出ダクトの垂直セクショ ンの少なくとも一部の外面と開放端パイプの内面の間に環状ガス取入導管を形成 する。この刊行物によるストリッピングガスは、固体リッチ(solids-rich)ガス 領域から離れて分離器内に向けられる。その結果、ストリッピングガス内に存在 する固体は、本発明によるサイクロン分離器のようにサイクロン内のガス状スト リームから効果的に分離されない。 ＤＥ−Ａ−４１３６９３５に開示されたサイクロン分離器は、ガスと固体粒子 の混合物の接線入射を行うための取入ダクトを備えた垂直ハウジングを含む。該 サイクロンは、サイクロンの運転中にガス取出管の開口の近隣にて圧力及びフロ ーパターンを変える手段をさらに備える。これらの手段は、例えば垂直ガス取出 管の周りの環状空間内の下方向ガスフローである。この環状空間は、渦巻き付与 手段を備え得る。 本発明は、以下例として、本発明のサイクロン分離器の長手方向部分断面を略 示する添付図面を参照してより詳細に説明される。 本発明のサイクロン分離器１は、垂直ハウジング２を含み、該垂直ハウジング ２は、その下端部４に排出開口３を有し、その上端部６にカバー５を備える。カ バー５は、中央開口８を有する。 サイクロン分離器１は、取入ダクト１０をさらに含み、該取入ダクト１０は、 上昇管反応器１５の上方取入開口１２とサイクロン分離器１の取入開口１４の間 に延在し、ガスと触媒粒子の混合物をサイクロン分離器１内に接線入射する。サ イクロン分離器１は、垂直ハウジング２の下端部４内の排出開口３に連通する粒 子排出ダクト１６、及びガス取出ダクト１８をも含む。 ガス取出ダクト１８は、中央開口８を通ってカバー５内に延びる垂直直線セク ション２０を有する。 サイクロン分離器は、中央開口８内に固定された開口端パイプ２３をさらに含 み、環状ガス取入導管２５が、ガス取出ダクト１８の垂直セクション２０の下方 部の外面と開放端パイプ２３の内面の間に形成される。環状ガス取入導管２５内 に、渦巻き翼３０の形態をなした渦巻き付与手段が配置される。 請求の範囲 １． 垂直ハウジングの下端部にて開放し垂直ハウジングの上端部にて中央開口 を有するカバーを備えた前記垂直ハウジングと、流動層接触分解設備の上昇管反 応器の取出口からのガスと触媒粒子の混合物の接線入射を行うための取入ダクト と、垂直ハウジングの開放下端部に連通した粒子排出ダクトと、中央開口を通っ てカバー内に延びた垂直セクションを有するガス取出ダクトとを含むサイクロン 分離器であって、開放端パイプと渦巻き付与手段とをさらに含み、開放端パイプ は、ガス取出ダクトの垂直セクションの少なくとも一部の外面と開放端パイプの 内面の間に環状ガス取入導管を形成するように中央開口内に配置され、渦巻き付 与手段は、環状ガス取入導管内に配置される、サイクロン分離器。 ２． カバーにおける中央開口の直径に対するガス取出ダクトの垂直セクション の外径の比が、０．３〜０．７の範囲にある、請求の範囲第１項記載のサイクロ ン分離器。 ３． ガス取出ダクトの下端が、ガスと触媒粒子の混合物の接線入射を行うため の取入ダクトの下縁より下に配置される、請求の範囲第１項又は第２項に記載の サイクロン分離器。 ４． 開放端パイプが、ガスと触媒粒子の混合物の接線入射を行うための取入ダ クトの高さの一部まで延びる、請求の範囲第１項〜第３項のいずれか一項に記載 のサイクロン分離器。 ５． 開放端パイプの下端からガスと触媒粒子の混合物の接線入射を行うための 取入ダクトの上縁までの距離が、前記取入ダクトの高さの１０％〜６０％である 、請求の範囲第４項記載のサイクロン分離器。 ６． 渦巻き付与手段が、開放端パイプの内面又はガス取出ダクトの垂直セクシ ョンの外面のどちらかに固定され、両方の面には固定されない、請求の範囲第１ 項〜第５項のいずれか一項に記載のサイクロン分離器。 ７． 渦巻き付与手段が２〜８個の渦巻き翼である、請求の範囲第１項〜第６項 のいずれか一項に記載のサイクロン分離器。 ８． 請求の範囲第１項〜第７項のいずれか一項に記載のサイクロン分離器にお いて流動層接触分解上昇管反応器から出るガス状生成物から触媒粒子を分離する 方法であって、サイクロン分離器は、反応器容器の上部に配置され、ガス状生成 物は、ガス状生成物の接線入射を行うための取入ダクトを介してサイクロンに送 られ、ガス状生成物は、ガス取出ダクトを介してサイクロンから除去され、触媒 粒子は、粒子排出ダクトを介してサイクロンから除去され、その後、排出された 触媒粒子は、反応器容器の下部にて収集され、該粒子に固着した生成物は、反応 器容器の下部に供給されるストリッピングガスによりはぎ取られ、ストリッピン グ蒸気とストリッピングされた生成物と触媒粒子のガス状混合物が、反応器容器 の上部の希釈フェーズゾーンに向けて上方に送られ、ガス状混合物は、環状ガス 取入導管を通ってサイクロン内に引き入れられる方法。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 垂直ハウジングの下端部にて開放し垂直ハウジングの上端部にて中央開口 を有するカバーを備えた前記垂直ハウジングと、流動層接触分解設備の上昇管反 応器の取出口からのガスと触媒粒子の混合物の接線入射を行うための取入ダクト と、垂直ハウジングの開放下端部に連通した粒子排出ダクトと、中央開口を通っ てカバー内に延びた垂直セクションを有するガス取出ダクトとを含むサイクロン 分離器であって、開放端パイプと渦巻き付与手段とをさらに含み、開放端パイプ は、ガス取出ダクトの垂直セクションの少なくとも一部の外面と開放端パイプの 内面の間に環状ガス取入導管を形成するように中央開口内に配置され、渦巻き付 与手段は、環状ガス取入導管内に配置される、サイクロン分離器。