JP2002514076A - 散在性腫瘍細胞の検出のための新規プライマー及び方法 - Google Patents

散在性腫瘍細胞の検出のための新規プライマー及び方法

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JP2002514076A JP54346198A JP54346198A JP2002514076A JP 2002514076 A JP2002514076 A JP 2002514076A JP 54346198 A JP54346198 A JP 54346198A JP 54346198 A JP54346198 A JP 54346198A JP 2002514076 A JP2002514076 A JP 2002514076A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、MAGE腫瘍特異的抗原をコードする遺伝子から転写されたメッセンジャーRNAに相補的な核酸分子もしくはその一部またはMAGE腫瘍特異的抗原をコードするその相補鎖に特異的にハイブリダイズするプライマー並びに該抗原を含有してなる診断用組成物に関する。さらに、本発明は、本発明のプライマーを用いる散在性腫瘍細胞を検出する方法ならびに腫瘍アジュバントワクチンの製造方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 散在性腫瘍細胞の検出のための新規プライマー及び方法 本発明は、MAGE腫瘍特異的抗原をコードする遺伝子から転写されるメッセ ンジャーRNAに相補的な核酸分子又はその一部或いはその相補鎖に特異的にハ イブリダイズするプライマー、並びに前記抗原を含有してなる診断用組成物に関 する。本発明はさらに本発明のプライマーを使用する散在性腫瘍細胞を検出する ための方法並びに腫瘍アジュバントワクチンの製造法に関する。 免疫治療法的なアプローチは最小残留疾患の患者に以前適用され、遠位転移( distant metastases)と関連した死亡率及び再発を減少させ 得た。初期の隠れた腫瘍細胞の散在が既に約半分の癌患者に存在しているので、 充分な治療法が残留の腫瘍細胞を排除するために開発されなければならない。組 織発生分化マーカーを使用する多くの免疫細胞学的アッセイ及びPCRに基づく アッセイは専ら、局所腫瘍摘出後に予後を悪化させる微小転移性細胞の検出を、 アジュバント免疫治療用抗原を同定することなく可能にする。腫瘍学的な障害に おけるRT−PCR分析の限界によりマーカー遺伝子の腫瘍特異的発現というよ りむしろ組織特異的な発現となる。従って、散在性腫瘍細胞の検出は類似の組織 学的起源に由来する少ない特定の腫瘍タイプに限定される。さらに、腫瘍細胞は 固有の組織バックグラウンドの前で検出され得るのみであり、そのため、多くの 公表された方法は間葉コンパートメントから取得された試料に依存する。偏在す る転写因子の存在及びバックグラウンド細胞におけるプロモーター配列の最小活 性化により、異常な転写が生ずるかもしれず、またバックグラウンドシグナルと の競合により特異性及び感度が減少するかもしれない。さらに、大部分のアッセ イでは個々の腫瘍細胞間及び細胞内の不均一性を考慮することなく単一のマーカ ー遺伝子のみを測定する。 最近、いくつかの腫瘍拒絶抗原は主要組織適合性複合体(MHC)クラス1分 子上で自己由来の細胞融解性Tリンパ球(CTL)に提供されるということが特 徴づけられた。MAGE遺伝子は全体の相同性が64〜85%である12個の密 に関連した遺伝子のファミリーに属し、「癌精巣抗原」として分類される。 MAGE遺伝子は、様々な腫瘍の検出のためのMAGE1〜4、6及び12に 特異的なプライマーを使用するために先行技術において用いられている(国際公 開第95/23874号パンフレット)。しかしながら、特異的なプライマー並 びにMAGE遺伝子においてそれらがプライムする(prime)領域は、ヒト 試料における散在性腫瘍細胞の診断には不適である。国際公開第96/2943 0号パンフレットでは、隠れた癌細胞又はそれに由来する転移性細胞を含むメラ ノーマ及び乳癌細胞の検出のための遺伝マーカーが開示されている。前記出願に おいて、MAGE−3を含む多くのマーカーがそのような腫瘍の検出に用いられ てよいことがさらに記載されている。しかしながら、この出願に開示されている 方法は、多くの異なる組織学的起源のヒト悪性腫瘍に由来する散在性腫瘍細胞の 検出に適するものであると期待されるものではない。 特に患者における散在性腫瘍細胞の初期における信頼性のある検出は、癌の増 殖の再発を防止するための初期における処置及び/又はワクチン接種を可能にす るので、本発明の基礎をなす技術的課題は、多くの異なる組織学的起源の悪性腫 瘍を持つ患者において散在性腫瘍細胞を検出するための先行技術の方法の感度を 改善することであった。前記課題に対する解決は、請求の範囲に特徴付けられる 具体的態様により達成される。 従って、本発明は、MAGE腫瘍特異的抗原をコードする遺伝子から転写され るメッセンジャーRNAに相補的な核酸分子又はその一部或いはその相補鎖に特 異的にハイブリダイズするプライマーに関するものであり、前記プライマーは、 (i)下記群のプライマーの1つと同じ3’部分を有するプライマー:;及び (ii)(a)又は(b)に示されるプライマー配列とオーバーラップするプラ イマー の群から選択されるものである。 本明細書中における「オーバーラップ」の語は、少なくとも1つのヌクレオチ ドの重なりを意味する。 従って、前記プライマーはRNA、好ましくはmRNA、或いはDNA、好ま しくはcDNAにハイブリダイズすることができる。 本発明により、前記3’末端を有するプライマーは特に先行技術からは知られ ていない感度レベルで多くの異なる組織学的起源の散在性腫瘍細胞を検出するの に有効であることが見出された。さらに、前記核酸配列とオーバーラップし、M AGE遺伝子にハイブリダイズするプライマーはヒト試料における散在性腫瘍細 胞の検出に有効であることが見出された。好ましくは、前記プライマーは前記( a)の下に示された核酸配列とオーバーラップする。本発明のプライマーは15 〜25ヌクレオチドの長さを有することがさらに好ましい。MAGE−3及びM AGE−6を認識するプライマーを除いて、前記プライマーの各々は特異的に1 つのMAGE遺伝子のみの発現を検出する。 従って、本発明は疾患の非常に初期の段階において癌の状態を検出する手段を 提供するものであり、従って散在性腫瘍細胞が検出される患者の時機を得た処置 が可能となる。先行技術の報告とは対照的に、たとえ分析される患者に疾患の臨 床上の証拠がなくとも、多くの異なる組織学的起源の散在性腫瘍細胞を前記プラ イマーを使用して検出することができるということが、驚くべきことに本発明に より見出された。先行技術の方法及びプライマー並びに先行技術に記載される該 プライマーがハイブリダイズするMAGE遺伝子の領域は多くの異なる組織学的 起源の悪性腫瘍を持つ患者の試料における散在性腫瘍細胞を検出するのに適して はいないということを強調せねばならない。というのは、本発明により、前記プ ライマーの感度はそのような分析をするのに充分高くないということが明らかと なったからである。本発明により用いられる「特異的にハイブリダイズする」の 語は、これらのプライマーが高感度のRT−PCRにおいて他のMAGE腫瘍特 異的抗原の遺伝子由来の核酸を交差増幅しないことを意味するように意図されて いる。そのようなRT−PCRは従来のプロトコルに従い当業者により作出され 得る。特異的なハイブリダイゼーションはストリンジェントな条件下で生ずる。 そのような条件は過度の負担なく通常のプロトコルに従って当業者により作出さ れ得る;例えば「Nucleic Acid Hybridization,A Practical Approach」;HamesとHiggins編、 IRL Press、Oxford 1985年参照。 本発明のプライマーは、所望のMAGE遺伝子又はそのフラグメントに由来す る核酸配列のPCR増幅において有利に使用される。本発明のプライマーはゲノ ムDNAの増幅を回避するが、メッセンジャーRNAの逆転写に由来するDNA 配列を増幅するように作出される。このように、PCR産物は発現したMAGE 遺伝子と明白に相互に関係し得る。PCRは慣用の方法に従って行われてよい。 また、PCR産物は当該分野で確立されるプロトコルに従って検出してよい。 好ましくは、本発明のプライマーは前記の(a)群又は(b)群に示されるプ ライマーである。この具体的態様のプライマーは、多くの異なる組織学的起源の 悪性腫瘍を有する患者の試料における散在性腫瘍細胞を同定するのに特に有効か つ有利である。また、(a)群のプライマーはPCR増幅の第1回目の工程のた めのプライマーとして使用し、一方、(b)群のプライマーはネスティドプライ マーPCR増幅に使用することが特に好ましい。 本発明はさらに、少なくとも4つのプライマーが少なくとも2つの異なる核酸 分子の逆方向の鎖と一対の様式でハイブリダイズする、本発明の少なくとも4つ のプライマーを含有してなる診断用組成物であって、1つの方向の鎖が少なくと も2つの異なるMAGE腫瘍特異的抗原の遺伝子から転写されるメッセンジャー RNAに相補的である、診断用組成物に関する。本発明の診断用組成物は特に様 々なPCRを行うのに有効であり、従って、多くの異なる組織学的起源の悪性腫 瘍を有する患者における散在性腫瘍細胞の存在を明白に同定するのに特に有効で ある。本発明に従って見出されたようにして、調査の診断価値をさらに保証する ためにMAGE−1、−2、−3、−4、−6及び−12の群由来の少なくとも 2つの異なるMAGE遺伝子を発現について調べるべきである。好ましくは、前 記診断用キットは、MAGE−1、−2、−3、−4、−6及び−12遺伝子の 各々に特異的な少なくとも1対のプライマーを含有してなる。試料の分析は、少 なくとも2つの異なるMAGE遺伝子の発現が保証されるまで、本発明のキット により行われることがさらに好ましい。 前記キットにおけるプライマーの封入(bottling)は従来の手順に従 って行う。好ましくは、各プライマーは個々に封入する。一方、各MAGE遺伝 子に特異的なプライマーは第1回目のプライマー反応及びネスティドプライマー 反応用のプライマーが個々に封入されるという理解の下で共に封入する。 さらに本発明は、患者における癌の状態を示す散在性腫瘍細胞を検出する方法 であって、 (a)本発明の少なくとも2つのプライマーを使用して1つ以上の患者試料由来 のmRNAから得られたcDNAについてPCRを行う工程、該プライマーは少 なくともトゥー ワン(two one)のcDNA分子の逆方向の鎖と一対の 様式でハイブリダイズし、その際、1つの方向の鎖は少なくとも1つのMAGE 腫瘍特異的抗原の遺伝子から転写されるメッセンジャーRNAと相補的である; 及び (b)1つ以上のPCR産物を検出する工程、 を含む方法に関する。 「癌の状態」の語は、個細胞における悪性形質転換の開始から遠位の頑強な( solid)転移を含む進行した癌疾患までの全範囲を意味することを意図する ものである。好ましくは、少なくとも2つのMAGE転写物及びその相補鎖に特 異的な少なくとも4つのプライマーが本発明の方法において用いられる。 さらに、本発明は、下記工程: (a)本発明の少なくとも4つのプライマーを使用して1つ以上の患者試料由来 のmRNAから得られたcDNAについてPCRを行う工程、該プライマーは少 なくとも2つの異なる核酸分子の逆方向の鎖と一対の様式でハイブリダイズし、 その際、1つの方向の鎖は少なくとも2つの異なるMAGE腫瘍特異的抗原の遺 伝子から転写されるメッセンジャーRNAと相補的である; (b)得られるPCR産物を検出する工程;及び (c)MHC拘束T細胞エピトープに類似するMAGE抗原由来のペプチド、全 MAGE抗原又はそのフラグメント、MAGEでトランスフェクトした宿主細胞 に基づくアジュバント腫瘍ワクチンの製造のために、少なくとも1つのMAGE 遺伝子産物を使用する工程、前記MAGE遺伝子の発現は工程(b)の結果とし て検出され、DNAワクチン接種法はMAGEをコードするヌクレオチド配列、 或いはMAGE遺伝子産物又はそれらをコードするヌクレオチド配列に基づく他 のいずれかの免疫方法を使用する、 を含む、腫瘍アジュバントワクチンの製造法に関する。 本発明のこの具体的態様は、ヒト試料における散在性腫瘍細胞の存在の積極的 な分析の直接の適用に関する。一旦、前記腫瘍細胞が検出されると、最終的に腫 瘍の増殖に至る前記腫瘍細胞のさらなる増殖についての好適な解毒剤が作出され るべきである。本発明の方法はそのような解毒剤を提供する。腫瘍アジュバント ワクチンは従来のプロトコルに従って調製し得る。特に、本発明の診断用組成物 を使用してこの特定の患者の散在性腫瘍細胞により発現され検出されるそれらM AGE遺伝子のコード配列に由来するペプチドを、患者から単離された樹状突起 細胞に適用することが考えられる。これらペプチドは、この患者のMHC分子へ の結合に適しており、従ってMHC拘束T細胞エピトープに類似する。次いで、 該ペプチドを適用した樹状突起細胞は患者に再注され、二次リンパ器官のT細胞 帯に移動し、そこで、それらはMAGE特異的Tリンパ球にプライムし、その結 果、MAGE陽性の腫瘍細胞に対し免疫応答を示すであろう。 本発明の方法の好ましい具体的態様において、前記cDNAは、 (a)前記患者から分離された1つ以上の試料由来のmRNAを調製する工程; 及び (b)前記mRNAを逆転写する工程、 により得られる。前記mRNAの調製及びその逆転写は簡便に慣用の手順により 行われる。 対応するcDNAを生ずるmRNAの逆転写は、オリゴdTプライミング又は 1つ以上のMAGE−mRNA種に相補的な1つ以上のオリゴヌクレオチドを使 用する特異的プライミングにより実施例3に記載されるようなランダムヘキサヌ クレオチドプライミングにより行われてよい。Mage遺伝子ファミリーの異な るメンバー間の配列相同性の程度が高いため、1つを超えるMage遺伝子のm RNAに、また、最も好ましくは、本発明により使用される全てのMage遺伝 子(Mage−1、−2、−3/6、−4及び−12)に効率的にハイブリダイ ズするcDNA合成のための特異的プライマーが同定されてよい。そのような「 全Mageプライマー」を、コンピューターに基づく配列分析及びラボラトリー マニュアル、例えばSambrook(Molecular Cloning; A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbour Laboratory Press,Cold Spring Harbour,NY(1989))又はHamesとHiggins(Nu cleic acid hybridization;A practical approach,IRL Press,Oxford/Washingto n DC(1985))によって特に示される現状の技術に従って同定し、また 試験することが出来る。 本発明の方法のさらなる好ましい具体的態様においては、前記PCRはネステ ィドPCRである。本発明に従って見出されたように、ネスティドPCRは患者 の疾患状態に関する明白な結果を得るためのさらなる保護手段である。 本発明の方法のさらなる好ましい具体的態様においては、前記プライマーはM AGE腫瘍特異的抗原の遺伝子から転写されるメッセンジャーRNA及びその相 補鎖に相補的な2〜6個の異なる核酸分子にハイブリダイズする。本発明の方法 のさらなる好ましい具体的態様においては、前記MAGE腫瘍特異的抗原はMA GE−1、−2、−3、−4、−6又は−12腫瘍特異的抗原である。本発明に 従って見出されるように、全てのMAGE抗原の中で、前記抗原が最も頻繁に腫 瘍細胞上に現れ、それゆえ転移腫瘍を発達させる癌の危険性を特に示すものであ る。 本発明に従い、2つの異なる吸引部位から試料を分離することがさらに好まし い。本発明に従い見出されるように、両面(double−sided)吸引の 分析は感度を非常に改善する。それゆえ、腫瘍細胞の散在性の日常的な診断では 両面吸引を使用することが望ましい。 本発明の方法のさらなる好ましい具体的態様においては、分析される前記試料 は骨髄吸引液である。本発明に従って驚くべきことに見出されるように、患者の 転移可能性を分析するための原料としての骨髄吸引液の使用は、先行技術により 示唆されるような末梢血液を使用することよりもより高感度である。 さらに好ましくは、前記mRNAの調製が下記工程: (a)RNAの分解を実質的に完全に避けながら、緩衝液中で試料を直ちに溶解 する工程;及び (b)RNアーゼ阻害剤、好ましくはセシウムトリフルオロアセテートをクッシ ョンに用い、溶解物中に得られたmRNAを任意に遠心分離する工程 を含む方法である。本発明のこの具体的態様は有利である。というのは、当該分 野でよく知られているように、エキソヌクレアーゼによる分解に感受性が高いm RNAの損失を防止し、それゆえ、アッセイ方法の感度の損失を防止するためで ある。 さらに、前記方法はTaq−ポリメラーゼを阻害する量以下にRNA調製物中 のヘム濃度を減少させる。これはヘモグロビンが除去されるためであり、高いヘ ム濃度はアッセイ方法の感度を減少させる。「直ちに」の語は、試料を(a)の 下で示される試薬中で患者から分離後数秒以内に溶解することを意味する。前記 試薬は好ましくはグアニジンイソチオシアネート等のグアニジン塩である。試料 の溶解後、前記試料を(b)の下で示されるRNAse阻害剤のクッションに重 層する。前記試薬は好ましくはセシウムトリフルオロアセテート等のセシウム塩 である。mRNAは前記クッションを添加し超遠心分離することにより有利に得 られる。 好ましくは、癌の状態は前立腺癌、非小細胞又は小細胞肺癌又は肉腫又は悪性 メラノーマ又は乳癌又は大腸癌に関する。腫瘍タイプの前記列挙は好ましい実施 例として引用される腫瘍の選抜として理解され得る。他の腫瘍もまた、本発明に 従って、それらの初期の段階で検出されてよい。 図は以下を示す: 図1: MAGE遺伝子配列における特異的オリゴヌクレオチドプライマーの位置。灰 色の囲みは異なるエキソンを示す。矢印はRT−PCR分析のために使用される オリゴヌクレオチドの位置を示す。エクスターナル並びにインターナル増幅にお けるPCR産物の期待される大きさを示す。 図2: 少なくとも1つのMAGEについてのPCRアッセイ及びCK免疫細胞学にお いて陽性の結果を示した肺癌患者由来のBM吸引液の数。 図3: 少なくとも1つのMAGE及びPSAについてのPCRアッセイ、及びBMの 少なくとも1つの吸引部位におけるCK免疫細胞学において陽性の結果を示した 前立腺癌患者の数。 図4: 少なくとも1つのMAGE及びPSAについてのPCRアッセイ、及びBMの 少なくとも1つの吸引部位におけるCK免疫細胞学において陽性の結果を示した 前立腺癌患者の数。 a)原発性腫瘍に関する分析 b)進行性疾患に関する分析 図5: 肺癌患者由来の骨髄試料のMage−1 PCRアッセイ。レーン4〜11は 患者試料1〜8(ZI.JO.、BA.MA.、DE.IV.、NE.WI.、 HO.FR.、MA.JO.、RE.LU.、HE.JO)。コントロール:レ ーン1は模擬調製物、レーン2は血液1ml中の10Mz−2Mel腫瘍細胞、 レーン3は血液1ml中の100Mz−2Mel腫瘍細胞、レーン12は血液1 ml中の1000Mz−2Mel腫瘍細胞。レーンMはDNAラダー。 図6: 肺癌患者由来の骨髄試料のMage−2 PCRアッセイ。レーン4〜11は 患者試料1〜8(FI.RI.、RE.LU.、KU.LU.、KL.JU.、 HE.JO.、HA.AN.、RO.AD.、BE.FR)。コントロール:レ ーン1は模擬調製物、レーン2は血液1ml中の10Mz−2Mel腫瘍細胞、 レーン3は血液1ml中の100Mz−2Mel腫瘍細胞、レーン12は血液1 ml中の1000Mz−2Mel腫瘍細胞。レーンMはDNAラダー。 図7: 肺癌患者由来の骨髄試料のMage−3 PCRアッセイ。レーン4〜11は 患者試料1〜8(HA.HI.、DE.IV.、HO.FR.、MA.RO.、 LA.AL.、AR.JO.、VO.KL.、WE.AL)。コントロール:レ ーン1は模擬調製物、レーン2は血液1ml中の10Mz−2Mel腫瘍細胞、 レーン3は血液1ml中の100Mz−2Mel腫瘍細胞、レーン12は血液1 ml中の1000Mz−2Mel腫瘍細胞。レーンMはDNAラダー。 図8: 肺癌患者由来の骨髄試料のMage−4 PCRアッセイ。レーン3〜8は患 者試料1〜6(HA.AN.、VO.KL.、DE.IV.、BE.FR.、L A.BR.、IN.FR..)。コントロール:レーン1は模擬調製物、レーン 2は血液1ml中の10 LB23−SAR腫瘍細胞、レーン9は血液1ml中 の100 LB23−SAR腫瘍細胞、レーンMはDNAラダー。 図9: 肺癌患者由来の骨髄試料のMage−12 PCRアッセイ。レーン4〜11 は患者試料1〜8(SO.JO.、HA.HI.、HO.FR.、MA.JO. 、LA.BR.、IN.FR.、NI.OS.、FI.RI)。コントロール: レーン1は模擬調製物、レーン2は血液1ml中の10Mz−2Mel腫瘍細胞 、レーン3は血液1ml中の100Mz−2Mel腫瘍細胞、レーン12は血液 1ml中の1000Mz−2Mel腫瘍細胞。レーンMはDNAラダー。 図10: 前立腺癌患者及び健常者由来の骨髄試料のMage−1 PCRアッセイ。レ ーン4〜11は患者試料1〜8(FE.KU.re.、RI.ER.le.、Z O.JO.re.、SC.HO.le.、KN.DI.re.、MA.GU.l e.、ME.JO.le.、BE.WA.le.)。レーン12〜15は健常者 。コントロール:レーン1は模擬調製物、レーン2は血液1ml中の10Mz− 2Mel腫瘍細胞、レーン3は血液1ml中の100Mz−2Mel腫瘍細胞、 レーン16は血液1ml中の1000Mz−2Mel腫瘍細胞。レーンMはDN Aラダー。 図11: 前立腺癌患者及び健常者由来の骨髄試料のMage−2 PCRアッセイ。レ ーン4〜11は患者試料1〜8(SC.GU.le.、WO.JA.re.、P F.LO.le.、SC.AU.le.、FE.KU.le.、ZO.JO.l e.、ST.EB.le.、SC.HO.le.)。レーン12〜15は健常者 。コントロール:レーン1は模擬調製物、レーン2は血液1ml中の10Mz− 2Mel腫瘍細胞、レーン3は血液1ml中の100Mz−2Mel腫瘍細胞、 レーン16は血液1ml中の1000Mz−2Mel腫瘍細胞。レーンMはDN Aラダー。 図12: 前立腺癌患者由来の骨髄試料のMage−3 PCRアッセイ。レーン4〜1 1は患者試料1〜8(RI.ER.le.、SC.GU.le.、BA.GI. re.、BE.WA.le.、WO.JA.le.、FE.KU.re.、KN .DI.re.、RI.FE.re.)。コントロール:レーン1は模擬調製物 、レーン2は血液1ml中の10Mz−2Mel腫瘍細胞、レーン3は血液1m l中の100Mz−2Mel腫瘍細胞、レーン12は血液1ml中の1000M z−2Mel腫瘍細胞。レーンMはDNAラダー。 図13: 前立腺癌患者及び健常者由来の骨髄試料のMage−4 PCRアッセイ。レ ーン4〜11は患者試料1〜8(PF.LO.le.、HI.ER.le.、S C.HO.re.、HE.RU.re.、LU.VO.le.、MA.GU.l e.、WI.JA.le.、LE.DI.re.)。レーン12〜15は健常者 。コントロール:レーン1は模擬調製物、レーン2は血液1ml中の10 LB 23−SAR腫瘍細胞、レーン3は血液1ml中の100 LB23−SAR腫 瘍細胞、レーン16は血液1ml中の1000 LB23−SAR腫瘍細胞。レ ーンMはDNAラダー。 図14: 前立腺癌患者由来の骨髄試料のMAGE−12 PCRアッセイ。レーン4〜 11は患者試料1〜8(WO.JA.le.、RI.ER.le.、LU.VO .re.、GE.CH.le.、BA.GI.re.、WE.HJ.le.、H I.ER.le.、BI.GU.re.)。コントロール:レーン1は模擬調製 物、レーン2は血液1ml中の10Mz−2Mel腫瘍細胞、レーン3は血液1 ml中の100Mz−2Mel腫瘍細胞、レーン12は血液1ml中の1000 Mz−2Mel腫瘍細胞。レーンMはDNAラダー。 図15: 肉腫患者H.M.の一次腫瘍のMAGE PCRアッセイ;(表4cも参照) PCRアッセイは同じものについて4回行った。(a)MAGE−1の発現。レ ーン3〜6は腫瘍試料。コントロール:レーン8は模擬調製物、レーン1、6、 7は腫瘍細胞株Mz−2Mel。レーンMはDNAラダー。(b)MAGE−2 及びMAGE−3の発現。Mage−2に対応しており、レーン4〜7は腫瘍試 料、レーン2、3及び8は腫瘍細胞株Mz−2Mel、レーン1は模擬調製物。 Mage−3に対応しており、レーン12〜15は腫瘍試料、レーン10、11 、及び16は腫瘍細胞株Mz−2Mel、レーン9は模擬調製物。レーンMはD NAラダー。(c)MAGE−4及びMAGE−12の発現。MAGE−4に対 応しており、レーン4〜7は腫瘍試料、レーン2、3及び8は腫瘍細胞株LB2 3−SAR、レーン1は模擬調製物。MAGE−12に対応しており、レーン1 2〜15は腫瘍試料、レーン10、11、及び16は腫瘍細胞株Mz−2Mel 、レーン9は模擬調製物。レーンMはDNAラダー。 実施例により本発明を説明する。 実施例1:細胞株および患者 MAGE発現について、全28種の腫瘍細胞株を試験した。それらのうち17 種は、上皮(MCF−7、BT20、SkBr3、MDA−MB:胸部;LNC aP:前立腺、SkCo、HT29、LS180、SW480:大腸;A498 、Caki 1:腎臓;HepB3、HepG2:肝臓;Panc−Tu:膵臓 ;Kato:胃、A427:肺およびA431:皮膚)であり、2種は間葉起源 (HT1080、LB23−SAR)である。3種の造血細胞株(U937、R aji、K562)および神経外胚葉組織由来の6種の腫瘍細胞株(A172、 U138:グリア芽細胞腫;Mel−Juso、Mel−Mei、A375、M z−2Mel:メラノーマ)を分析した。メラノーマ細胞株Mz−2Melおよ び肉腫細胞株LB23−SARは、Francis Brasseur〔Lud wig Institute、Brussels〕の供与であった。調査母集団 は、前立腺癌の30患者の両面(double−sided)BM吸引液(n= 60吸引液)からなった;単面(single−sided)BM吸引液は、非 小(non−small)および小(small)肺癌の34患者(n=34吸 引液)ならびに肉腫の6患者(n=6吸引液)から得られた。さらに、我々は前 立腺癌の12患者(n=12試料)、肉腫の6患者(n=6試料)および悪性メ ラノーマの12患者(n=12試料)由来の末梢血液試料を分析した。前立腺癌 および肺癌の全患者は、遠位の明白な転移が無いもの(M0)として病期分類さ れた。対照的に、肉腫および悪性メラノーマの患者は、進行した疾患または他の 器官における転移を患っていた。患者は、組織病理学的試験により悪性度分類さ れ、TNM分類(第4版、1987)に従って病期分類された。MAGE PC Rアッセイの特異性を試験するため、67人の非悪性患者:トラウマ、良性腫瘍 、炎症疾患または健常者ドナーの過去のある20BM吸引液および20末梢血試 料からなる「陰性」対照群を、調査に採用した;さらに27の健常な同種異型の 骨髄ドナーの骨髄をMage遺伝子産物の発現に関して分析した。ヘパリンを抗 凝固剤として用い、化学療法中の前立腺癌および肉腫の患者における局所麻酔の 下または腫瘍除去前の肺癌患者における全身麻酔の下、上部腸骨稜の片側もしく は両側からBMを吸引した。 実施例2:組織のサンプリングおよび調製 RNAの分解を避けるため、1mlの未変性試料を、数秒以内に直ちに5ml の核酸抽出緩衝液(4Mグアニジンイソチオシアネート、0.5%サルコシル( N−ラウリルサルコシン ナトリウム塩)、25mMクエン酸ナトリウム、pH =7.0)および0.7% 2−メルカプトエタノールと混合した。強くボルテ ックスしたのち、該試料を容易にかつRNA分解の危険性なしに必要時まで−2 0℃で保存することができた。全RNAを精製するため、岡山らの方法を下記の ように改変した:溶解物をジエチルピロカーボネート(DEPC)処理されオー トクレーブされたSW40遠心管中CsTFA溶液〔セシウムトリフルオロアセ テート(Pharmacia、Freiburg、Germany)および0. 25M EDTA、pH=7.0〕の5mlのクッションに穏やかに重層し、3 5,000rpmで18時間15℃で遠心分離した。遠心分離後、核酸抽出緩衝 液/BMまたは血液混合物の上層とCsTFA溶液の下層とを吸引により分離し 、捨てた。該遠心管を素早くひっくり返し、ペーパータオルに置いて2分間排液 し、該遠心管の底部1cmをメスで切り離した。該底部を再度ひっくり返し、氷 床に置き、RNAペレットを全部で300μlのDEPC処理HPLC水に溶解 した。ついで、試料を300μlのフェノール−クロロホルム−イソアミルアル コール混合物(25:24:1、体積:体積:体積)の入った新しい試験管に移 した。再度ボルテックスおよび遠心分離(1分、14,000rpm)した後、 上層を300μlのクロロホルムで再抽出した。ついで、RNAを300μlの イソプロパノール、40μlの3M酢酸ナトリウム、pH=5.0および20μ gのグリコーゲンにより−20℃で一晩沈澱させた。遠心分離後、RNAペレッ トを70%エタノールで洗浄し、4分間乾燥し、5μlのDEPC処理HPLC 水に溶解した。PCRアッセイの感度を決定するために、Mz−2MelとLB 23−SARとを組織培養フラスコから回収し、これらの細胞株の個細胞を顕微 鏡の下ピペットで取り出し、健常者ドナーの1mlの末梢血液に混合した。RN A調製は前記のように行なった。PCRへの持込みの可能性を最小限にするため 、全試料をPCR産物の増幅および電気泳動から離れた位置で扱った。 実施例3:逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応 全RNAの半分を5分間70℃で変性し、直ちに氷上で凍結させ、ランダムヘ キサマープライマーズ(Boehringer Mannheim、Mannh eim、Germany)を用いて逆転写した。合成は、スーパースクリプトI I(Gibco)を50mM Tris(pH=8.3)、75mM Kcl、 3mM MgCl2、10mM DTT、0.5mM全dNTP、1.6μgの ランダムプライマーおよび100ユニットのスーパースクリプトIIを含む最終 容量10μl中に含むファースト−ストランドcDNAシンセシスキット(Gi bco、Eggenstein、Germany)を用いて行なった。RNAの 添加後、試料を40℃で1時間インキュベートし、ついで10μlのHPLC水 で希釈した。 PCR反応混合液(10μl)は、1μlのcDNA、1μlの10×PCR 緩衝液(100mMトリス、pH8.3、500mM KCl、10mM Mg Cl2)、40μM dNTP、各0.4μMの2つのプライマー、5μgのB SA(Boehringer Mannheim、Mannheim、Germ any)、0.6ユニットのTaq DNAポリメラーゼ(Boehringe r Mannheim、Mannheim、Germany)から構成され、1 2.5μlのミネラルオイルが重層された。MAGE遺伝子のプライマーは、以 前発表されていた配列(表1、図1)からデザインされ、交差増幅を避けるため 、異なるMAGE配列間のミスマッチ、特に3’領域におけるミスマッチを最大 にするように選択された。MAGE遺伝子1、2、4および12の同一性のパー センテージが64〜85%の間で変化するため、特異的PCRアッセイは、これ らの遺伝子について可能であった。対照的に、Mage−6の配列は、Mage −3の配列と99%同一であろことが見出された。したがって、Mage−3/ 6用の我々のプライマーは、両方の遺伝子にハイブリダイズし、PCRにより、 Mage−3および/またはMage−6発現を検出することができる。19〜 22塩基の範囲の短いプライマーおよび約60℃のアニーリング温度は、最も効 果的である。さらに、2つのエキソンにまたがるジャンクションプライマーは、 驚くべき効率の結果を示した。近年発表されたように、我々は1.6キロ塩基の イントロンをまたぎ、3つの異なるPSA cDNAを増幅する、エキソン2お よび3上のPSA(表1)のプライマーを適用した。各試料におけるcDNAテ ンプレートの存在を確認するため、p53に特異的なプライマー(Thomas Blankenstein、Munchenにより快く提供された、表1)を 用いての唯一発現された「ハウスキーピング」遺伝子を共増幅した。オリゴヌク レオチドプライマーをGenset、Parisで合成し、精製した。MAGE のエクスターナル(external)フラグメント増幅のために、下記サイク ルプロフィールのPCRアッセイを用いた:1回目のサイクルとして、94℃6 分間の変性、60℃30秒間のアニーリングおよび72℃2分間の伸長;93℃ 40秒間の変性、60℃30秒間のアニーリングおよび72℃20秒間の伸長を 14サイクル;93℃40秒間の変性、60℃30秒間のアニーリングおよび7 2℃30秒間の伸長を50サイクル;72℃2分間の終わりの伸長と30℃1分 間の冷却。ついで、1μlの反応物を前記PCR混合物を含む別のチューブへ移 した。隣接フラグメントの増幅のために、72℃2分間の最後の伸長および30 ℃1分間の冷却を伴い、93℃(40秒)、58℃(30秒)および72℃(3 0秒)で30サイクル以上行なった。PSAのためのサイクル条件は、常法のワ ンーステージPCRを用いること、および14サイクルを64℃のアニーリング 温度の7サイクルと57℃の7サイクルとに分け、57℃の50サイクルを続け ることにより変化させた。増幅は、ハイバイドサーマルリアクター(Biome tra、Goettingen、Germany)でプレートコントロールを用 いて行なった。重要なことに、全てのピペッティングは、層状エアフローベンチ の下、フィルター付きピペットチップを用いて氷上で行ない、エクスターナルお よび隣接フラグメントの増幅は潜在的なDNA交差汚染を避けるため別室で行な った。RNA調製のための陰性対照反応(模擬反応)とRT−PCRとを一連の 操作で行なった。PCR産物を1.8%アガロース上でゲル電気泳動し、エチジ ウムブロマイド染色の後、UV光の下で直接可視化して分析した。1kb DN Aラダー(Gibco BRL、Eggenstein、Germany)を全 てのアッセイの参照マーカーとして用いた。得られた増幅産物の特異性をDNA 配列決定によってモニターした。このアプローチを用いて、異なるMAGE遺伝 子に関するRT−PCRアッセイにより、1mlの正常な全血と混合された悪性 腫瘍細胞株の10細胞を検出することができた。ネスティドPCRアッセイの再 現性は100%であった。 実施例4:免疫細胞学 PCR分析用の1mlの全BMおよび血液の分離後、Ficoll−Hypa que(Pharmacia、Freiburg、Germany)を介する、 400g30分間の密度勾配遠心分離により、残存吸引液由来の単核細胞(MN C)を単離し、界面の細胞をガラススライド上に150g5分間細胞遠心分離し た(スライドあたり5×105細胞)。サイトケラチン構成物における共通のエ ピトープを検出する、モノクローナル抗体CK2〔M.Osborn博士、Ma x Planck Institut Gottingenにより快く提供され 、後にH.Bodenmuller博士、Boehringer Mannhe im、Tutzing、Germanyから得た;これらならびに本出願の実施 例部分に用いられた他の全ての抗体は常法の手法に従って調製された。本明細書 で用いた特異的抗体は本発明を実施するのに必須ではない〕およびA−45−B /B3(Micromet GmbH、Martinsried、German yより快く提供された)で、BM生検を染色した。抗体反応は、抗体結合を可視 化するNeufuchsin法と組み合わせたアルカリホスファターゼ抗アルカ リホスファターゼ(APAAP)技術により顕現させた。簡単にいえば、1次抗 体とのインキュベーション後、多価ラビット抗マウスIg抗血清(Z259、D ako、Hamburg、Germany)および実施したアルカリホスフアタ ーゼとモノクローナル抗アルカリホスファターゼ抗体(D651、Dako、H amburg、Germany)との複合体を用いて製造者(Dakopott s、Hamburg、Germany)により推奨された希釈律で用いた。各B M吸引液に関して、全106MNCを含む2つのスライドを評価した。 実施例5:他のマーカーに対する正常な骨髄および血液におけるMAGE遺伝子 の発現 RNAを対照患者のBMから抽出し、数種の組織発生分化マーカーと腫瘍関連 抗原とから由来のプライマーを用いてRT−PCR増幅に供した(表2)。50 サイクルの増幅の後、PSAとMAGE遺伝子とを除いて、悪性腫瘍で発現する ことが知られているこれらの全ての候補遺伝子の産物が見られた。それにもかか わらず、PSA発現は前立腺における悪性腫瘍に限定され、散在性の腫瘍細胞の フラクションにダウンレギュレートされるように思われる。対照的に、MAGE 遺伝子は、悪性腫瘍で唯一発現され、高感度なネスティドPCRの後の増幅産物 、分析された20のBM吸引液および20の末梢血試料のいずれにおいても見ら れなかった。この結果は、27人の健常者の骨髄吸引液を分析した際に確認され た。同種異系の骨髄ドナー由来の該吸引液のいずれも、MAGE遺伝子を発現し ていなかった、表5を参照のこと。 腫瘍関連分子とは対照的に腫瘍抗原の高度に限定された発現パターンは、MA GE遺伝子が、最小の残留疾患のPCRに基づく検出のための興味深い候補であ ろうことを強く支持する。 実施例6:異なるタイプの腫瘍を患った患者の骨髄試料におけるMAGE遺伝子 の発現 本研究の目的は異なる組織学的起源の散在性腫瘍細胞の検出のためのPCRア ッセイを確立することにあった。原発性腫瘍は、表6における前立腺癌に関して 示されるように、種々のMAGE遺伝子(1,2,3,4,6,12)の異種発 現パターンを示したので、我々は、最初に我々のイン・ビトロでのマルチマーカ ーRT−PCRアッセイを評価し、上皮、間葉、造血および神経外胚葉起源の2 8細胞株をスクリーニングした(表3)。35サイクルのワンーステージPCR を行なったところ、28中27細胞株が少なくとも1つのMAGEの発現を呈し 、したがって該PCRにおいて陽性をスコアした。腎臓細胞肉腫(A498)の 1つのみが完全に陰性であった。65サイクルを行なうことによる感度の増加に より、MAGE−2および−4発現を示した。正常造血組織における発現の完全 な欠如を伴うMAGE遺伝子のこの異質発現パターンは、我々が異なる組織学的 起源の悪性腫瘍を患った患者由来のBM吸引液および末梢血試料を評価すること を促した。結果および患者の特徴を表4a〜cと表7とに記載。Mage PC R産物のゲル電気泳動は、図5〜14の実施例に示した。前立腺癌 まず、BM吸引液を前立腺癌の患者の腸骨稜の両方の部位から得た(表4a、 表7)。30患者のうち、MAGE−1の転写物は12患者(40%)に観察さ れ、MAGE−2は3患者(17%)に、MAGE3/6は5患者(17%)に 、MAGE−4は6患者(20%)に、MAGE−12は5患者(17%)に観 察された。1患者における少なくとも1つのMAGE遺伝子の発現の全体の確率 は18(60%)であった。16患者が異質発現を顕現していたが、興味深いこ とに、2患者のみが両方の吸引部位におけるMAGE遺伝子の一致した発現パタ ーンを示した。原発性腫瘍期、組織病理学的悪性度分類または血清における平均 PSA濃度とPCRアッセイにおけるMAGEの確実性との間に相関関係はなか った。肺癌 我々が興味を持った二番目の上皮腫瘍の存在は非小および小肺癌であった(表 4b)。我々は、MAGE−1が5吸引液(15%)、MAGE−2が4吸引液 (12%)、MAGE3/6が3吸引液(9%)、MAGE−4が3吸引液(9 %)およびMAGE−12が4吸引液(12%)であるという陽性結果の34人 の癌患者の単面(single−sided)BM吸引液を分析した。少なくと も1つのMAGE発現が12吸引液(35%)に見出された。MAGE−PCR は、鱗状細胞癌の患者の19BM吸引液中7つと腺癌の患者の10の分析したB M吸引液中3つとにおいて陽性シグナルを顕現した。肉腫 間葉腫瘍細胞株が、種々のMAGE遺伝子を発現するので、我々は、高感度な MAGE PCRアッセイを用いてM1に病期分類された6人の肉腫患者の単面 (single−sided)BM吸引液を分析した(表4c)。MAGE1、 2、4、12が2つの腫瘍試料でそれぞれ陽性であり、かつMAGE3/6が1 つの試料で陽性であったが、5つの試料は少なくとも1つのMAGE遺伝子の発 現を示した。全てのMAGE遺伝子の転写物は、浸潤性骨髄転移を伴う横紋筋肉 腫を患った患者T.C.,のBM吸引液に見出された。 実施例7:MAGE発現と他の腫瘍細胞散在マーカーとの相関関係 肺および前立腺の悪性腫瘍を患った患者の全てのBM吸引液を、MAGE R T−PCRとサイトケラチン類に対するmAbを用いた十分に確立された免疫組 織学的アッセイとの両方により評価した。少なくとも1つのMAGE遺伝子の発 現および34の分析した肺癌試料のCK状態を図2に示す。8吸引液は、CK陽 性細胞を顕現したが、12の吸引液はMAGE PCRアッセイで陽性の結果を 示した。6吸引液は、一致して陽性であることが見出され、それら全ての鱗状細 胞癌の患者から取得された。MAGE PCRは、腺癌の10患者のうち3患者 に陽性結果を示したが、一方、免疫組織学はこの組織学的なサブタイプにおいて CK陽性細胞を顕現しなかった。 さらに前立腺癌の患者を、MAGE RT−PCRと、CK免疫組織学と三番 目のアッセイ:PSAの高感度RT−PCRを用いて分析した。図3は、MAG EとPSAとのPCRアッセイの結果およびCK免疫組織学の結果を示す。前記 したように、前立腺癌の30患者のうち、18患者は、少なくとも1つのMAG A遺伝子の発現を示した。PSA発現は、8患者で観察されたが、一方、CK免 疫染色細胞は9患者に見出された。興味深いことに、全てのPSA陽性患者およ び9人中7人のCK陽性患者は、MAGE PCRアッセイの陽性結果により確 認された。比べて、CK免疫染色細胞は、4人のPSA陽性患者にのみ見出され た。さらに7人のPSA−およびCK−陰性患者は、散在性腫瘍細胞の指標とし てMAGE発現を顕現した。 実施例8:骨髄試料に比較した血液試料における発現 近年発表されたPCRアッセイのほとんどが、循環性腫瘍細胞を検出すること を要求し、高い感受性を予想する;それでもなお、CK免疫組織学で得られたP B試料の分析の結果は約束されていない。我々は、BM吸引液と並行して採取さ れた、前立腺癌(n=12)および肉腫(n=6)の患者の18血液試料を分析 した。表4aに記載したように、MAGE−1およびMAGE−3/6転写物が 1人の患者に見出されたが、一方MAGE−4発現は、前立腺癌の2患者に観察 することができた。興味深いことに、血液におけるMAGE発現を有する2患者 は、骨髄における異なるパターンを呈した。PSA−PCRアッセイは、全ての 分析されたPB試料に関して完全に陰性であった。末梢血液を用いたアッセイの 明らかな低い感度は、肉腫の患者を分析することにより確認された(表4c)。 2患者のみがMAGE−2および3/6発現を顕現するが、一方BM吸引液にお ける種々のMAGE遺伝子の発現を再現することができなかった。さらに、我々 は、高感度MAGE RT−PCRアッセイを用いて進行した転移悪性メラノー マの12患者を分析した。少なくとも1つのMAGE遺伝子の発現は、2つの試 料においてMAGE−1、2、3/6および12の陽性結果および1つの試料に おいてMAGE−4の陽性結果の5患者のみに観察された。局在または進行疾患 の患者において、循環細胞を検出できないことは、散在性腫瘍細胞を検出するた めの好ましい指標コンパートメントとして骨髄を指示すると思われる。 実施例9:前立腺癌患者の原発性腫瘍におけるMAGE遺伝子の異なる発現 全RNAをChomczynski、Analytical Biochem istry 162(1987)156−159に従って原発性腫瘍から調製し た。つづいて、cDNAを実施例6に記載のように合成した。表6に示すように 、20中7腫瘍は、MAGE−1陽性であり、20中6腫瘍はMAGE2および −12それぞれに陽性であり、20中10腫瘍はMAGE3/6に陽性であり、 20中4がMAGE−4に陽性であった:全体として、20中14腫瘍(70% )は少なくとも1つのMAGE遺伝子産物に関して陽性であった。 実施例10:本発明の方法により決定された同一患者の原発性腫瘍および骨髄に おけるMAGE遺伝子の異なる発現 全RNAをChomczynski、Analytical Biochem istry 162(1987)156−159に従って、肉腫患者H.M(表 4cもまた参照のこと)の原発性腫瘍から調製した。つづいて、cDNAを実施 例3に記載されたように合成し、ついでMAGE 1、2、3/6、4および1 2のための35サイクルのワン−ステップPCRを実施例6に記載のように行な った。 患者H.Mの骨髄試料のMAGE分析を本発明の方法に従って行なった。原発 性腫瘍の分析(結果を図15に示す)は、MAGE−1の優勢な発現およびMA GE−4と12とを含む他のMAGE遺伝子の極弱くかつ一致しない発現を顕現 した。しかしながら、骨髄の分析はMage−4および−12の発現を顕現する のみであり、MAGE−1の発現は全く顕現されなかった(表4c)。したがっ て、全身性の散在性腫瘍細胞のMAGE発現パターンは、対応する原発性腫瘍の ものと必ずしも適合しない。したがって、全身散在性腫瘍細胞を除去し、したが って将来の遠位転移を妨げる請求項5記載の治療的アプローチは、好ましくは、 原発性腫瘍のMAGE発現パターンの分析よりもむしろ適切な指標である骨髄の ような組織における該細胞のMAGE発現パターンの分析に基づくべきである。 実施例11:前立腺癌患者のリスク分析 30人中18人の前立腺癌患者において、散在性腫瘍細胞を本発明の方法にし たがって骨髄分析により検出することができた。少なくとも1つのMAGE−1 、−2、−3/6、−4または−12に特異的なPCR産物が、右及び左の腸骨 稜のそれぞれから採取された2つの骨髄吸引液の少なくとも1つにおいて検出で きた場合、患者は、MAGE陽性であるとみなされた。患者の臨床データを表7 及び4aに記載した(表7において、同じ30人の前立腺癌患者が表4aに記載 される。しかしながら、表4aは、より予備的な臨床データを含むので、腫瘍病 期分類および段階分類に関して表7にいくつかの不一致がある。さらに、表4a に示されたPSA値は骨髄吸引時のものであり、したがって、表7に示された前 立腺癌の初診時の開始PSA値と同一ではない。最後に、CK免疫組織学データ の再評価は、SSC.FR.およびLE.DI.のそれぞれの患者の左骨髄の吸 引試料の陽性結果および右骨髄の吸引試料の陰性結果を顕現する;さらに患者J U.HA.は両方の吸引部位に関してCK陽性であることが分かった。前立腺癌 患者のリスク分析のために、表7からデータを排除的に得た)。前立腺癌の初診 時または治療用に意図した前立腺切除または照射前のそれらの原発性腫瘍のネオ アジュバント療法の間に、30人の患者中22人においてMAGE発現を分析し た(結果を図4aに示す)。分析した残りの8患者は、増加したPSAの血液濃 度または局所再発により規定されたように分析時に進行性疾患を有していた;し かしながら、これらの患者は、誰もMAGE分析の時に遠位転移の臨床サインを 有していなかった。それは、当該分野でよく確立されているように、これらの患 者は将来の遠位転移の非常に高いリスクを有している(Zietman,Can cer Supplement 71(1993),959〜969;Fuks ,Int.J.Radiation Oncology Biol.Phys. 21(1991),537−547;Pound,Urol.Clin.Nor th Am 24(1997),395−406);したがって、臨床顕性の遠 位転移がまだ進行していないが、おそらく将来、これら散在性の腫瘍の個細胞の なかから成長するであろう場合、それらのほとんどは、MAGE分析の時、すで に癌細胞の全身散在がなされていたことが予想されるであろう。事実、遠位転移 の高いリスクのこれらの8患者中7人(87.5%)はMAGE陽性であること を証明した。対照的に、原発性腫瘍と一時期関連し、したがって将来の遠位転移 による高リスクおよび低リスク患者の両方を示す分析された22患者中11人( 50.0%)のみでMAGE陽性であることが見出された。興味深いことに、後 者の群(5/22)の患者の22.7%のみが、両方の吸引部位に関してMAG E陽性であることは見出され、比べて50%が高リスク群(4/8)に見出され た。これらのデータは、少なくとも1つの骨髄試料における検出可能なMAGE 発現は、多くが全身散在性腫瘍細胞の存在によるであろう将来の遠位転移の高リ スクに関連する。したがって、癌、特に将来の遠位転移のリスクが高い前立腺癌 を患った患者のサブグループは、本発明の方法により同定されるであろう。この サブグループは、全身散在性の癌の個細胞由来の遠位転移の生成を妨げるため請 求項5記載のアジュバント癌療法またはいかなる他のアジュバント手法に優先的 に供されるであろう。 表7−説明: 前立腺癌の30人の患者の臨床学的データおよび左右腸骨稜由来の骨髄試料の分 析により得られたMAGE RT-PCR、PSA RT-PCRおよびCK免疫細胞学それぞれの対応 する結果。 表の記載:患者、臨床ステージA〜D、初診の時期、組織学(腺癌=ADENO 、神経内分泌細胞癌=NEURO)および対応する段階(1=よく分化した、2 =適度に分化した、3=ほとんど分化していない)、生検材料とリンパ節切除と に関連した(=b)または前立腺切除とリンパ節切除とに関連した(=p)TN Mステージ、治療前のPSAレベル(=初期PSA)、免疫細胞学およびRT− PCRの結果、吸引の時期(0=進行性疾患であるが臨床顕性の遠位転移はない 時期の骨髄吸引、x=前立腺癌の初診時または治療用に意図した前立腺切除また は照射前の原発性腫瘍のネオアジュバント療法の間の骨髄吸引)、治療モダリテ ィー(A=ネオアジュバント抗男性ホルモン療法およびつづく前立腺切除、B= ネオアジュバント抗男性ホルモン療法およびつづく照射、C=経尿道切除、D= 1次抗男性ホルモン療法、E=前立腺切除およびアジュバント抗男性ホルモン療 法、F=ネオアジュバント抗男性ホルモン療法+化学療法、およびつづく前立腺 切除、G=前立腺切除)ならびに最後の臨床追跡調査の時期と結果(NR=再発 なし、BCR=時期の延長された期間にわたる連続的なPSAレベルにより決め られた生化学的再発、iBCR=追跡調査の終了前の時期の短期間にわたる最初 に増加したPSAレベル、LR=局所再発、DM=臨床顕性の遠位転移)。n. a=調査できず。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成11年4月27日(1999.4.27) 【補正内容】 請求の範囲 1. MAGE腫瘍特異的抗原をコードする遺伝子から転写されるメッセンジャ ーRNAに相補的な核酸分子又はその一部或いはその相補鎖に特異的にハイブリ ダイズするプライマーであって、 (i)下記群のプライマーの1つと同じ3’部分を有するプライマー: ;及び (ii)配列番号:2、3、6、7、8、9、10、12、13、14、15、 16、17、18、19又は20により特徴付けられるプライマー配列とオーバ ーラップするプライマー の群から選択されるプライマー。 2. (a)群又は(b)群のいずれかに示されるプライマーである請求項1記 載のプライマー。 3. 少なくとも4つのプライマーを含有してなる診断用組成物であって、 (i)下記群のプライマーの1つと同じ3’部分を有するプライマー: ;及び (ii)(a)又は(b)に示されるプライマー配列とオーバーラップするプラ イマー;或いは(a)群又は(b)群のいずれかに示されるプライマー、前記少 なくとも4つのプライマーは少なくとも2つの異なる核酸分子の逆方向の鎖と一 対の様式でハイブリダイズし、その際、1つの方向の鎖が少なくとも2つの異な るMAGE腫瘍特異的抗原の遺伝子から転写されるmRNAに相補的である、の 群から選択される少なくとも4つのプライマーを含有してなる診断用組成物。 4. 患者における癌の状態を示す散在性腫瘍細胞を検出する方法であって、 (a)少なくとも1つのcDNA分子の逆方向の鎖と一対の様式でハイブリダイ ズする請求項1又は2記載の少なくとも2つのプライマーを使用して1つ以上の 患者試料由来のmRNAから得られたcDNAについてPCRを行う工程、その 際、1つの方向の鎖は少なくとも1つのMAGE腫瘍特異的抗原の遺伝子から転 写されるmRNAに相補的である;及び (b)1つ以上のPCR産物を検出する工程 を含む方法。 5. 下記工程: (a)少なくとも2つの異なる核酸分子の逆方向の鎖と一対の様式でハイブリダ イズする請求項1又は2記載の少なくとも4つのプライマーを使用して1つ以上 の患者試料由来のmRNAから得られたcDNAについてPCRを行う工程、そ の際、1つの方向の鎖は少なくとも2つの異なるMAGE腫瘍特異的抗原の遺伝 子から転写されるメッセンジャーRNAに相補的である; (b)得られるPCR産物を検出する工程;及び (c)MHC拘束T細胞エピトープに類似するMAGE抗原由来のペプチド、全 MAGE抗原又はそのフラグメント、MAGEでトランスフェクトした宿主細胞 に基づくアジュバント腫瘍ワクチンの製造のために、少なくとも1つのMAGE 遺伝子産物を使用する工程、前記MAGE遺伝子の発現は工程(b)の結果とし て検出され、DNAワクチン接種法はMAGEをコードするヌクレオチド配列、 或いはMAGE遺伝子産物又はそれらをコードするヌクレオチド配列に基づく他 のいずれかの免疫方法を使用する、 を含む腫瘍アジュバントワクチンの製造法。 6. 前記cDNAが、 (a)前記患者から分離された1つ以上の試料由来のmRNAを調製する工程; 及び (b)前記mRNAを逆転写する工程 により得られる、請求項4又は5記載の方法。 7. 前記PCRがネスティドPCRである請求項4〜6のいずれか1つに記載 の方法。 8. 前記プライマーがMAGE腫瘍特異的抗原の遺伝子から転写されるmRN A及びその相補鎖に相補的な2〜6個の異なる核酸分子にハイブリダイズする、 請求項4〜7のいずれか1つに記載の方法。 9. 前記MAGE腫瘍特異的抗原がMAGE−1、−2、−3、−4、−6又 は−12腫瘍特異的抗原である、請求項4〜8のいずれか1つに記載の方法。 10. 前記試料が2つの異なる吸引部位から分離されるものである、請求項4 〜9のいずれか1つに記載の方法。 11. 前記試料が骨髄吸引液である請求項4〜10のいずれか1つに記載の方 法。 12. 前記mRNAの調製が、下記工程: (a)RNAの分解を実質的に完全に避けながら、緩衝液中で試料を直ちに溶解 する工程;及び (b)RNアーゼ阻害剤、好ましくはセシウムトリフルオロアセテートをクッシ ョンに用いて、溶解物中に得られたmRNAを任意に遠心分離する工程 を含む請求項4〜11のいずれか1つに記載の方法。 13. 前記癌の状態が前立腺癌、非小(non−smal1)肺癌又は小(s mall)肺癌、肉腫、悪性メラノーマ、乳癌又は大腸癌に関する、請求項4〜 12のいずれか1つに記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. MAGE腫瘍特異的抗原をコードする遺伝子から転写されるメッセンジャ ーRNAに相補的な核酸分子又はその一部或いはその相補鎖に特異的にハイブリ ダイズするプライマーであって、 (i)下記群のプライマーの1つと同じ3’部分を有するプライマー: ;及び (ii)(a)又は(b)に示されるプライマー配列とオーバーラップするプラ イマー の群から選択されるプライマー。 2. (a)群又は(b)群のいずれかに示されるプライマーである請求項1記 載のプライマー。 3. 少なくとも4つのプライマーが少なくとも2つの異なる核酸分子の逆方向 の鎖と一対の様式でハイブリダイズする、請求項1又は2記載の少なくとも4つ のプライマーを含有してなる診断用組成物であって、1つの方向の鎖が少なくと も2つの異なるMAGE腫瘍特異的抗原の遺伝子から転写されるmRNAに相補 的である、診断用組成物。 4. 患者における癌の状態を示す散在性腫瘍細胞を検出する方法であって、 (a)少なくとも1つのcDNA分子の逆方向の鎖と一対の様式でハイブリダイ ズする請求項1又は2記載の少なくとも2つのプライマーを使用して1つ以上の 患者試料由来のmRNAから得られたcDNAについてPCRを行う工程、その 際、1つの方向の鎖は少なくとも1つのMAGE腫瘍特異的抗原の遺伝子から転 写されるmRNAに相補的である;及び (b)1つ以上のPCR産物を検出する工程 を含む方法。 5. 下記工程: (a)少なくとも2つの異なる核酸分子の逆方向の鎖と一対の様式でハイブリダ イズする請求項1又は2記載の少なくとも4つのプライマーを使用して1つ以上 の患者試料由来のmRNAから得られたcDNAについてPCRを行う工程、そ の際、1つの方向の鎖は少なくとも2つの異なるMAGE腫瘍特異的抗原の遺伝 子から転写されるメッセンジャーRNAに相補的である; (b)得られるPCR産物を検出する工程;及び (c)MHC拘束T細胞エピトープに類似するMAGE抗原由来のペプチド、全 MAGE抗原又はそのフラグメント、MAGEでトランスフェクトした宿主細胞 に基づくアジュバント腫瘍ワクチンの製造のために、少なくとも1つのMAGE 遺伝子産物を使用する工程、前記MAGE遺伝子の発現は工程(b)の結果とし て検出され、DNAワクチン接種法はMAGEをコードするヌクレオチド配列、 或いはMAGE遺伝子産物又はそれらをコードするヌクレオチド配列に基づく他 のいずれかの免疫方法を使用する、 を含む腫瘍アジュバントワクチンの製造法。 6. 前記cDNAが、 (a)前記患者から分離された1つ以上の試料由来のmRNAを調製する工程; 及び (b)前記mRNAを逆転写する工程 により得られる、請求項4又は5記載の方法。 7. 前記PCRがネスティドPCRである請求項4〜6のいずれか1つに記載 の方法。 8. 前記プライマーがMAGE腫瘍特異的抗原の遺伝子から転写されるmRN A及びその相補鎖に相補的な2〜6個の異なる核酸分子にハイブリダイズする、 請求項4〜7のいずれか1つに記載の方法。 9. 前記MAGE腫瘍特異的抗原がMAGE−1、−2、−3、−4、−6又 は−12腫瘍特異的抗原である、請求項4〜8のいずれか1つに記載の方法。 10. 前記試料が2つの異なる吸引部位から分離されるものである、請求項4 〜9のいずれか1つに記載の方法。 11. 前記試料が骨髄吸引液である請求項4〜10のいずれか1つに記載の方 法。 12. 前記mRNAの調製が、下記工程: (a)RNAの分解を実質的に完全に避けながら、緩衝液中で試料を直ちに溶解 する工程;及び (b)RNアーゼ阻害剤、好ましくはセシウムトリフルオロアセテートをクッシ ョンに用いて、溶解物中に得られたmRNAを任意に遠心分離する工程 を含む請求項4〜11のいずれか1つに記載の方法。 13. 前記癌の状態が前立腺癌、非小(non−small)肺癌又は小(s mall)肺癌、肉腫、悪性メラノーマ、乳癌又は大腸癌に関する、請求項4〜 12のいずれか1つに記載の方法。
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