JP2002511735A - アダプター蛋白質frs2および関連する物質および方法 - Google Patents

アダプター蛋白質frs2および関連する物質および方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、一般に、新規に単離されたアダプター蛋白質FRS2および関連する産物および方法に関する。FRS2は細胞において蛋白質キナーゼを活性化パートナーに連結する。本発明はまた、FRS2の部分をコードする核酸分子、FRS2関連核酸分子を含む核酸ベクター、そのような核酸ベクターを含む組換え細胞、そのような組換え細胞から精製されるポリペプチド、そのようなポリペプチドに対する抗体、およびFRS2の天然の結合パートナーとの相互作用を増強または遮断する化合物を同定する方法に関する。また、FRS2関連分子または化合物を用いて、生物において異常状態を診断する方法が開示される。

Description

【発明の詳細な説明】 アダプター蛋白質FRS2および関連する物質および方法 本発明は、概して、新規に単離されたアダプター蛋白質FRS2および関連す る物質および方法に関する。FRS2は、蛋白質キナーゼを活性化パートナーに 結合させる。発明の背景 以下の本発明の背景の記載は、本発明の理解を助けるために提供されるもので あり、本発明に対する先行技術を記載または構成すると認めるものではない。 細胞のシグナル伝達は、細胞外刺激が細胞の内部に中継され、続いて多様な細 胞プロセスを制御する基本的メカニズムである。シグナル伝達の生化学的メカニ ズムの鍵となるものの1つには、蛋白質の可逆的リン酸化が関与している。ポリ ペプチドのリン酸化は、成熟蛋白質の構造および機能を変化させることにより、 成熟蛋白質の活性を制御する。リン酸はほとんどの場合、蛋白質中のアミノ酸で あるセリン、トレオニンまたはチロシンのヒドロキシ部分(OH)に存在する。 細胞のエフェクターのリン酸化を媒介する酵素は、一般に2つのクラスに分類 することができる。第1のクラスは、アデノシン三リン酸から蛋白質基質にリン 酸部分を転移させる蛋白質キナーゼからなる。第2のクラスは、ホスホリル蛋白 質基質からのリン酸部分を加水分解する蛋白質ホスファターゼからなる。蛋白質 キナーゼと蛋白質ホスファターゼの逆の機能は、シグナル伝達プロセスにおいて シグナルの流れを釣り合わせ制御する。 蛋白質キナーゼは、一般に、2つの群、すなわちレセプター型および非レセプ ター型の蛋白質に分けられる。レセプター蛋白質キナーゼは細胞膜に拡がり、細 胞外領域、膜貫通領域および細胞内領域を有する。非レセプター蛋白質キナーゼ は細胞内に存在し、蛋白質キナーゼを細胞内の異なる領域に局在化させうる他の 機能的領域に結合した触媒領域を有する。 蛋白質キナーゼはまた、典型的に、これらが作用するアミノ酸に基づいて3つ の群に分けられる。あるものはセリンまたはトレオニンのみをリン酸化し、ある ものはチロシンのみをリン酸化し、あるものはセリン、トレオニンおよびチロシ ンをリン酸化する。 多くの蛋白質キナーゼ、特にレセプター蛋白質キナーゼは、アダプター蛋白質 に結合することにより機能する。アダプター蛋白質は、蛋白質キナーゼを蛋白質 キナーゼシグナルに対する細胞の反応を引き起こす他の蛋白質に連結させる。例 えば、表皮成長因子レセプター(EGFR)は、EGFリガンドに結合したとき 、自分自身をリン酸化する。得られるEGFRの細胞内領域のリン酸部分は、G rb−2等のアダプター蛋白質を結合する。次にGrb−2はグアニンヌクレオ チド交換因子蛋白質(Sos)を結合し、このことによりRasを活性化する。 その結果、Rasは有糸***促進物質活性化蛋白質キナーゼ(MAPK)カスケ ードを活性化し、細胞の増殖または分化を引き起こす。すなわち、Sosおよび RasはEGFRの直接活性化パートナーであるが、MAPKカスケードのメン バーはEGFRの間接活性化パートナーである。 多くのアダプター蛋白質は、レセプター蛋白質キナーゼ上のリン酸部分に直接 結合するドメインを有する。例えば、Grb−2は、EGFRおよび他のレセプ ター蛋白質キナーゼ中のホスホチロシン部分に強く結合するSrcホモロジー2 ドメイン(SH2ドメイン)を有する(Pawson and Schless inger,1993,Current Biol.3:434−442)。他 のアダプター蛋白質、例えばIRS−1は、ホスホリルチロシン結合ドメイン( PTBドメイン)を介してレセプター蛋白質キナーゼのホスホチロシン部分に結 合することができる(Gustafson et al.,1995,Mol. Cell.Biol.15:2500−2508)。Shc等のアダプターは、 SH2ドメインおよびPTBドメインの両方を有する(Blaikie et al.,1994,J.Biol.Chem.269:32031−32034 )。ある種のアダプター蛋白質、例えばSNT様蛋白質は、それらのヌクレオチ ドおよびアミノ酸配列が知られていないために同定されていないホスホチロシン 結合ドメインを有する(Wang et al.,1996,Oncogene 13:721−729)。 EGFR以外のレセプター蛋白質キナーゼ、例えば繊維芽細胞成長因子レセプ ター蛋白質キナーゼ(FGFR)は、Grb−2に直接結合せずにMAPKカス ケードを刺激することが明らかになっている(Nakafuku et al. ,1992,J.Biol.Chem.267:22963−22966)。し たがって、科学者は、これらの蛋白質キナーゼの活性化のメカニズムを決定する ために、蛋白質キナーゼをその活性化パートナーに結合させるアダプター蛋白質 を探索している。蛋白質キナーゼ活性化メカニズムにおける蛋白質間の相互作用 を増強または排除しうる化合物は、生物において変化した蛋白質キナーゼ機能に より引き起こされる異常状態を防止することができるかもしれず、さらに治療す ることもできるかもしれないため、蛋白質キナーゼ活性化メカニズムに関与する アダプター蛋白質は薬剤の標的である。変化した蛋白質キナーゼ機能により引き 起こされる異常状態の例は、癌および他の細胞増殖性疾患、例えば、関節炎、糸 球体腎炎、糖尿病性腎症、悪性腎硬化、血栓性細小血管症症候群、移植拒絶、糸 球体症、肝硬変、糖尿病性網膜症等の眼科疾患、および再狭窄である。発明の概要 本発明は、新規に同定された、FRS2と名付けられた蛋白質キナーゼアダプ ター蛋白質をコードする核酸分子に関する。本発明はまた、全長蛋白質の一部を コードする核酸分子、そのような核酸分子を有する核酸ベクター、そのような核 酸ベクターを含む細胞、そのような核酸分子によりコードされる精製されたポリ ペプチド、そのような蛋白質およびポリペプチドに対する抗体、およびFRS2 と天然の結合パートナーとの相互作用を増強または遮断する化合物を同定する方 法に関する。また、FRS2関連分子または化合物を用いて生物において異常状 態を診断する方法も開示される。核酸分子、核酸ベクター、宿主細胞、ポリペプ チドおよび抗体は、本明細書に提供される情報を、現在当該技術分野において利 用されているよく知られた標準的技術と組み合わせて用いることにより製造する ことができる。 FRS2(繊維芽細胞成長因子レセプター蛋白質キナーゼ基質2)は、刺激さ れた繊維芽細胞成長因子レセプター(FGFR)をGrb−2/Sos複合体を 介してRas/MAPKカスケードに連結させることにより、細胞分化および細 胞増殖の成長因子による刺激を制御する。したがって、FRS2の発見に基づい て、細胞増殖性疾患および細胞分化疾患の種々の治療が提供される。 本発明のFRS2アダプター蛋白質は、ヒトNIH 3T3細胞から単離され る。本発明はまた、好ましくは哺乳動物組織由来の、より好ましくはヒト組織由 来の、密接に関連したアダプター蛋白質に関する。”密接に関連した”との用語 は、50%より高いアミノ酸同一性または類似する三次元構造を表す。”アミノ 酸同一性”との用語は、本明細書中で記載される。 すなわち、第1の観点において、本発明は、FRS2ポリペプチドをコードす る、単離された、濃縮されたまたは精製された核酸分子を特徴とする。 核酸分子に関連して、”単離された”との用語は、天然に生ずる配列がその通 常の細胞環境から除去されていることを示す。すなわち、配列は無細胞溶液中に あってもよく、異なる細胞環境中に置かれていてもよい。この用語は、その配列 が存在する唯一のヌクレオチド鎖であることを意味するものではなく、これが染 色体DNAまたは蛋白質等の非ヌクレオチド物質を本質的に含まない(少なくと も約90−95%純粋)ことを意味する。 核酸分子に関して、”濃縮された”との用語は、特定のDNAまたはRNA配 列が、正常な細胞または疾患細胞におけるよりも、またはその配列を取り出した 細胞におけるよりも、問題とする細胞または溶液中に存在する総DNAまたはR NAの有意により高い(2−5倍)割合を構成することを意味する。当業者は、 存在する他のDNAまたはRNAの量を優先的に減少させることにより、または 特定のDNAまたはRNAの量を優先的に増加させることにより、あるいはその 両方により、核酸混合物を濃縮することができる。しかし、核酸分子を濃縮する ことは、他のDNAまたはRNAが存在しないことを意味するものではなく、こ の用語は単に、問題とする配列の相対的な量が有意に増加していることを示す。 ”増加した”を限定する”有意に”との用語は、増加のレベルが組換えDNA技 術を実施する者にとって有用であることを示し、一般に、他の核酸に対して相対 的に少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも5−10倍またはそれ以上増加 していることを意味する。この用語もまた、他の起源からのDNAまたはRNA が存在しないことを意味するものではない。他のDNAは、例えば、酵母または 細菌ゲノム、またはクローニングベクターからのDNAを含んでいてもよい。さ ら に、mRNAのレベルは、ウイルス感染または腫瘍成長技術を用いる場合、他の 種のmRNAに対して自然に増加するであろう。”濃縮された”との用語は、所 望の核酸の比率を上昇させるようある者が介入した状況のみを包含することを意 味する。 組換え核酸操作の多くの方法は、これらの分子が精製された形態であることを 必要とする。核酸分子に関して”精製された”との用語は、絶対的な純度(例え ば均一な調製物)を必要とするものではなく、配列がその細胞環境におけるより 比較的精製されていることを示す(このレベルは、天然のレベルと比較して、例 えばmg/mlで少なくとも2−5倍高いものであるべきである)。クローンか ら得られる本発明のDNA分子は、総DNAからまたは総RNAから直接得るこ とができる。cDNAクローンは天然に生ずるものではなく、好ましくは部分的 に精製された天然に生ずる物質(メッセンジャーRNA)の操作を介して得る。 mRNAからのcDNAライブラリの構築は、合成の物質(cDNA)の形成を 含む。個々のcDNAクローンは、cDNAライブラリを有する細胞のクローン 選択により合成ライブラリから単離することができる。すなわち、mRNAから のcDNAライブラリの構築および別々のcDNAクローンの単離を含む工程に より、天然のメッセンジャーは約106倍精製される。すなわち、これらの技術 においては、少なくとも1桁の倍率の精製,好ましくは2から3桁、より好まし くは4または5桁の倍率の精製が好ましい。 ”核酸分子”との用語は、デオキシリボヌクレオチド(DNA)またはリボヌ クレオチド(RNA)のポリマーを記述する。核酸分子は、cDNAクローニン グまたは減法ハイブリダイゼーションにより天然の起源から単離してもよく、手 動で合成してもよい。核酸分子は、トリエステル合成法により手動で合成しても よく、自動化DNA合成機を使用して合成してもよい。 ”cDNAクローニング”との用語は、小さい核酸分子であるプローブが膜に 結合しているゲノムcDNAにハイブリダイズすることを表す。プローブは、c DNAの相補的配列にハイブリダイズ(結合)する。 ”相補的”との用語は、互いに多数の好都合な相互作用を形成しうる2つのヌ クレオチドを記述する。例えば、アデニンとチミジンは2つの水素結合を形成し うるため、アデニンはチミジンに対して相補的である。同様に、グアニンとシト シンは3つの水素結合を形成しうるため相補的である。すなわち、核酸分子の” 相補物”は、チミンのかわりにアデニンを、アデニンの代わりにチミンを、グア ニンの代わりにシトシンを、そしてシトシンの代わりにグアニンを含む分子であ る。相補物は親核酸分子と最適な相互作用を形成する核酸配列を含むため、その ような相補物は高い親和性をもってその親分子に結合する。 ”ハイブリダイズ”との用語は、溶液中またはセルロースもしくはニトロセル ロース等の固体支持体上で核酸プローブをDNAまたはRNA分子と相互作用さ せる方法を表す。核酸プローブがDNAまたはRNA分子に高い親和性をもって 結合する場合、これはDNAまたはRNA分子に”ハイブリダイズ”すると言わ れる。上述したように、プローブとその標的との間の相互作用の強度は、ハイブ リダイゼーション条件のストリンジェンシーを変化させることにより評価するこ とができる。所望の特異性および選択性に依存して、種々の低いまたは高いスト リンジェンシーのハイブリダイゼーション条件を用いることができる。ストリン ジエンシーは、塩または変性剤の濃度を変化させることにより調節される。スト リンジエントなハイブリダイゼーション条件下では、高度に相補的な核酸配列の みがハイブリダイズする。好ましくは、そのような条件は、20個の連続するヌ クレオチド中に1つまたは2つのミスマッチを有する核酸のハイブリダイゼーシ ョンを防止する。 cDNAは、ゲノム起源からのメッセンジャーRNAのフラグメントから逆転 写されうる分子である。これらのフラグメントは核酸分子のcDNAライブラリ を形成する。cDNAライブラリは、天然起源、例えば哺乳動物の血液、***ま たは組織から構築される。 ”減法ハイブリダイゼーション”との用語は、cDNAクローニングに類似す るが、ただし刺激されていない細胞中のmRNAから調製されたcDNAを刺激 されたまたは異なるタイプの細胞中のmRNAに加える方法を表す。次に、cD NA/mRNAを沈殿させて、刺激シグナルまたは異なる細胞タイプに特異的な mRNAを濃縮することができる。 ”FRS2ポリペプチド”との用語は、図1Aに記載されるアミノ酸の少なく とも400個の連続するアミノ酸、より好ましくは少なくとも450個の連続す るアミノ酸、または最も好ましくは少なくとも508個の連続するアミノ酸のア ミノ酸配列を有するポリペプチドを表すか、またはそのような配列に実質的に類 似する。実質的に類似する配列は、図1Aのアミノ酸配列と、好ましくは少なく とも90%(より好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは99−100% )の同一性を有する。FRS2ポリペプチドは、好ましくはGrb−2結合活性 を有し、そのような活性を有する全長FRS2配列のフラグメントは、当該技術 分野においてよく知られる技術、例えば本明細書の実施例に記載されるような配 列比較およびアッセイを用いて同定することができる。 ”同一性”とは、その類似性または関係を評価する配列の特性を表す。同一性 は、同一の残基の数を残基の総数で割り、その商に100を乗じることにより評 価する。すなわち、正確に同じ配列の2つのコピーは100%の同一性を有し、 より低い程度に保存され、欠失、付加または置換を有する配列は、より低い程度 の同一性を有する。当業者は、配列同一性を決定するためのいくつかのコンピュ ータプログラムが利用可能であることを認識するであろう。そのようなプログラ ムは、一般に、無視しなければ2つの配列の間の同一性のパーセンテージの計算 を変更するであろう欠失または付加を無視することにより、最大のアライメント を達成することができる。 好ましい態様は、哺乳動物起源から濃縮、単離または精製されたFRS2に関 連した核酸分子に関する。これらの核酸分子は、例えば、血液、***または組織 から単離することができる。 ”哺乳動物”との用語は、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、好ましくは有尾お よび無尾の猿、より好ましくはヒト等の生物を表す。図1AのFRS2核酸分子 は、NIH 3T3細胞から単離されるが、現在の組換えDNA技術は、他の組 織中の関連する核酸分子を容易に解明することができる。 別の好ましい態様は、図1Aに記載されるアミノ酸配列の少なくとも12個の 連続するアミノ酸をコードする、FRS2に関連した単離された核酸分子に関す る。好ましくは、FRS2配列の少なくとも3,5,10,15,20,25, 30,35,40,50,100,200,300,400,500または50 8個の連続するアミノ酸がコードされる。本発明のこの好ましい態様は、当業者 に知られる日常的な組換えDNA技術を適用することにより行うことができる。 本発明の別の観点は、試料中の、FRS2ポリペプチドをコードする核酸分子 を検出しうる核酸プローブを特徴とする。 ”核酸プローブ”との用語は、図1Aに記載されるものと実質的に同様のアミ ノ酸配列をコードする核酸配列に相補的でありこれに結合しうる核酸分子を表す 。 核酸プローブまたはその相補物は、本発明において記載されるアミノ酸分子の いずれかをコードする。すなわち、核酸プローブは、図1Aに記載される全長配 列の少なくとも3,5,10,15,20,25,30,35,40,50,1 00,200,300,400,500または508個の連続するアミノ酸をコ ードすることができる。 核酸プローブは、1つまたは複数のレポーター分子で標識することができる。 ”レポーター分子”との用語は、核酸プローブにコンジュゲートされるか、また は核酸プローブ中に含まれる分子を表す。レポーター分子は、当該技術分野にお いて用いられる方法によりプローブを検出することを可能とする。レポーター分 子は、ペルオキシダーゼ等の酵素、放射活性要素、またはアビジン分子からなる 群より選択されるが、これらに限定されない。 核酸プローブは、標識されていてもされていなくても、試料中の相補物にハイ ブリダイズするはずである。 核酸プローブは、アミノ酸の保存またはユニーク領域をコードする核酸分子で ありうる。これらの核酸分子は、FRS2に関連するさらなるポリペプチドを同 定およびクローニングするのに、ハイブリダイゼーションプローブとして有用で ある。 ”保存核酸領域”との用語は、FRS2ポリペプチドをコードする2つまたは それ以上の核酸分子中に存在し、より低いストリンジェンシー条件下で特定の核 酸配列がそれにハイブリダイズしうる領域を表す。核酸分子のスクリーニングに 適したより低いストリンジェンシーの条件の例は、Abe,et al.J.B iol.Chem.19:13361(1992)(図面を含め、その全体を本 明細書の一部としてここに引用する。)に記載されている。好ましくは、保存領 域は、20ヌクレオチド中5個以下で異なっている。上述したように、蛋白質チ ロシンキナーゼは、その細胞外ドメインおよび触媒ドメイン中で保存領域を共有 している。 ”ユニーク核酸領域”との用語は、FRS2ポリペプチドをコードする全長核 酸中に存在し、任意の他の天然に生ずるポリペプチドをコードする配列中に存在 しない配列に関する。そのような領域は、好ましくはFRS2ポリペプチドをコ ードする全長核酸配列中に存在する30または45個の連続するヌクレオチドを 含む。特に、ユニーク核酸領域は好ましくは哺乳動物起源のものである。 プローブを用いる方法には、試料をハイブリダイゼーションが生ずるような条 件下で核酸プローブと接触させることにより、試料中におけるFRS2 RNA の存在または量を検出することが含まれる。プローブとFRS2ポリペプチドを コードする核酸配列との間に形成される核酸デュープレックスを、検出された核 酸の配列の同定において用いることができる(例えば、Nelson et a l.,Nonisotopic DNA Probe Techniques, p.275 Academic Press,San Diego(Krick a,ed.,1992)、図面を含め、その全体を本明細書の一部としてここに 引用する。)を参照されたい。そのような方法を実施するためのキットは、核酸 プローブを保持する容器を含むように構築することができる。 さらに別の観点においては、本発明は、FRS2ポリペプチドをコードする核 酸分子および宿主細胞中において転写を開始させるのに有効なプロモーター要素 を含む核酸ベクターに関する。 ”核酸ベクター”との用語は、細胞内にトランスフェクトまたはトランスフォ ームして、独立してまたは宿主細胞ゲノム中で複製しうる一本鎖または二本鎖の 環状核酸分子に関する。環状二本鎖核酸分子は切断することができ、このことに より制限酵素で処理して線状化することができる。ベクターの類別、制限酵素、 および制限酵素が作用するヌクレオチド配列の知識は、当業者には容易に利用可 能である。本発明の核酸分子は、ベクターを制限酵素で切断し、そして2つの断 片を一緒にライゲートすることにより、ベクター中に挿入することができる。 発現構築物を原核生物または真核生物中に形質転換またはトランスフェクショ ンすることを容易にする多くの技術が当業者に利用可能である(Sambroo k,Fritsch,Maniatis,1989,”Molecular C loning”,Cold Spring Harbor Laborator y Press,United States)。”形質転換”および”トラン スフェクション”との用語は、発現構築物を細胞性生物中に挿入する方法を表す 。これらの方法は、種々の技術、例えば、細胞を高濃度の塩、電界または界面活 性剤で処理して、宿主細胞の外膜または壁を問題とする核酸分子が透過しうるよ うにする技術を含む。 ”プロモーター要素”との用語は、ベクター中に取り込まれ、ベクターが適当 な細胞の内部に入ったとき、転写因子および/またはポリメラーゼの結合を容易 にし、続いてベクターDNAの一部をmRNAに転写することができるヌクレオ チド配列を表す。プロモーター要素は、FRS2核酸分子がmRNAに転写され るように、FRS2核酸分子の5’末端の前にある。次に、宿主細胞の機構がm RNAをポリペプチドに翻訳する。 当業者は、核酸ベクターがプロモーター要素およびFRS2核酸分子の他に多 くの他の核酸要素を含みうることを認識するであろう。これらの他の核酸要素に は、複製起源、リボソーム結合部位、薬剤耐性酵素またはアミノ酸代謝酵素をコ ードする核酸配列、および分泌シグナル,ペリプラズムまたはペルオキシソーム 局在化シグナルまたはポリペプチド精製に有用なシグナルをコードする核酸配列 が含まれるが、これらに限定されない。 核酸ベクターは、FRS2ポリペプチドの天然の結合パートナーの同定に有用 でありうる。 ”天然の結合パートナー”との用語は、FRS2に結合してシグナル伝達プロ セスにおけるシグナルの伝搬において役割を果たすポリペプチドを表す。”結合 パートナー”との用語はまた、細胞環境中のFRS2に高い親和性をもって結合 するポリペプチドを表す。高い親和性とは、10-6Mのオーダーの平衡結合定数 である。しかし、天然の結合パートナーはまた、FRS2ポリペプチドと過渡的 に相互作用して、これを化学的に修飾することができる。FRS2の天然の結合 パートナーは、srcホモロジ−2(SH2)もしくは3(SH3)ドメイン、 他のホスホリルチロシン結合ドメイン(PTBおよびPHドメイン)、グアニン ヌクレオチド交換因子、およびレセプターおよび非レセプター蛋白質キナーゼま たは蛋白質ホスファターゼからなる群より選択されるが、これらに限定されない 。FRS2の既知の天然の結合パートナーは、SH2を含むGrb−2である。 1つの核酸ベクター中に含まれるcDNAライブラリを他の発現構築物中の所 望のポリペプチドをコードする核酸分子でスクリーニングすることにより、問題 とするポリペプチドの天然の結合パートナーを同定するための方法は当該技術分 野において容易に利用可能である(Vojtek et al.,1993,C ell74:205−214)。これらの技術はしばしば転写因子の半分を2つ 用いる。このうちの一方はcDNAライブラリによりコードされるポリペプチド に融合され、他方は問題とするポリペプチドに融合される。cDNAライブラリ によりコードされるポリペプチドと、問題とするポリペプチドとの間の相互作用 は、かかる相互作用が同時に転写因子の半分を2つ一緒にして相互作用を報告す る遺伝子を活性化する場合に検出される。当該技術分野における標準的な組換え DNA技術を用いることにより、FRS2ポリペプチドをコードする核酸分子の 任意のものを、そのようなスクリーニング方法において用いられる核酸ベクター 中に容易に取り込ませることができる。 本発明の別の観点は、FRS2ポリペプチドをコードする核酸分子を含む組換 え細胞または組織に関する。 ”組換え”との用語は、遺伝子または核酸分子の新たな組み合わせを有する生 物を表す。遺伝子または核酸分子の新たな組み合わせは、当業者に利用可能な広 範な核酸操作技術を用いて生物中に導入することができる。 組換え細胞は、真核生物または原核生物でありうる。 ”真核生物”との用語は、核を含む細胞から構成される生物を表す。真核生物 は、そのゲノムDNAを核内に収容しない”原核生物”から区別される。原核生 物には、単細胞生物、例えば細菌が含まれ、真核生物は酵母、無脊椎動物および 脊椎動物により代表される。 ”生物”との用語は、少なくとも1つの細胞から構成される任意の生き物に関 連する。生物は、1つの真核生物細胞ほどの単純なものであってもよく、哺乳動 物ほど複雑なものであってもよい。 組換え細胞は、ゲノム外の核酸ベクターを有することができる。”ゲノム外” との用語は、細胞ゲノム中に挿入しない核酸ベクターを表す。多くの核酸ベクタ ーは、それ自身の複製起点を有するように設計されており、このため組換え細胞 の複製機構を利用してベクター核酸配列をコピーし増殖させることができる。こ れらのベクターは、組換え細胞のゲノム配列に相同な核酸配列を有することがな いように十分に小さい。すなわち、これらのベクターは、宿主ゲノムとは独立s hて複製し、ゲノムと再結合することもゲノム内にインテグレートすることも必 要ない。 組換え細胞は、核酸ベクターの一部をゲノム内の様式で有することができる。 ”ゲノム内の”との用語は、細胞ゲノム中に取り込まれた核酸構築物を規定する 。当業者に利用可能な多くの核酸ベクターは、特定の生物のゲノムDNA中の核 酸配列に相同な核酸配列を含む。これらの相同配列は、ベクターのの一部をゲノ ムDNA中にインテグレートする組換え事象を引き起こすであろう。当業者は、 ベクター中でゲノム中に取り込まれるべき部分を相同配列に隣接させることによ り、ベクターのどの核酸配列を細胞ゲノム中にインテグレートさせるかを調節す ることができる。 本発明のさらに別の観点は、単離された、濃縮されたまたは精製されたFRS 2ポリペプチドを特徴とする。 ポリペプチドに関して”単離された”との用語は、互いにコンジュゲートした アミノ酸のポリマーを記述し、天然起源から単離されたポリペプチドまたは合成 されたポリペプチドを含む。ある観点においては、図1Aに記載される連続する アミノ酸のほとんどを有するような、より長いポリペプチドが好ましい。 本発明の単離されたポリペプチドは、これらが天然には純粋なまたは分離され た状態で見いだされない点においてユニークである。”単離された”との用語の 使用は、天然に生ずる配列がその通常の細胞環境から除去されていることを示す 。すなわち、配列は無細胞溶液中にあってもよく、または異なる細胞環境に置か れていてもよい。この用語は、配列が存在する唯一のアミノ酸鎖であることを意 味するものではなく、これと天然に関連している非アミノ酸物質を本質的に含ま な い(少なくとも約90−95%純粋)ことを意味する。 ポリペプチドに関して、”濃縮された”との用語は、正常細胞または疾患細胞 におけるより、またはその配列が分離された細胞におけるより、問題とする細胞 または溶液中に存在するアミノ酸の全体の有意に高い(2−5倍)割合を構成す る特定のアミノ酸配列を規定する。当業者は、存在する他のアミノ酸配列の量を 優先的に減少させるか、または問題とする特定のアミノ酸配列の量を優先的に増 加させるか、あるいはその両方を行うことができる。しかし、”濃縮された”と の用語は、他のアミノ酸配列が存在しないことを意味するものではない。濃縮さ れたとは、単に、問題とする配列の相対的な量が有意に増加していることを意味 する。”有意に”との用語は、増加のレベルが、そのような増加を行った者にと って有用であることを示す。この用語はまた、他のアミノ酸と比較して、少なく とも2倍、またはより好ましくは少なくとも5−10倍、またはそれ以上増加し ていることを意味する。この用語はまた、他の起源からのアミノ酸配列がないこ とを意味するものではない。他の起源のアミノ酸配列は、例えば、宿主生物から のアミノ酸配列を含むかもしれない。”濃縮された”とは、所望のアミノ酸配列 の比率を高めるようにある者が介入した状況のみを包含することを意味する。 ポリペプチドに関して”精製された”との用語は、絶対的な純度(例えば均一 な調製物)を必要とするものではなく、アミノ酸配列が細胞環境におけるより比 較的精製されていることを示す。好ましいアミノ酸配列の濃度は、細胞環境にお けるその濃度より少なくとも2−5倍(mg/mlで)高くあるべきである。少 なくとも1桁の倍率の精製、好ましくは2または3桁、より好ましくは4または 5桁の倍率の精製が好ましい。物質は、好ましくは90%、95%、または99 %の純度レベルにより示されるように、夾雑物を含まない。 好ましい態様は、FRS2ポリペプチドのユニークフラグメントであるFRS 2ポリペプチドに関する。 ”ユニークフラグメント”との用語は、FRS2中の、他のアダプター蛋白質 とは異なる配列の連続するアミノ酸のストレッチを表す。FRS2とアダプター 蛋白質IRS−1の密接に関連した領域との間の配列アライメントから、2つの 配列が2つの連続するアミノ酸のみを共有することが示される。したがって、F RS2の全長アミノ酸配列の少なくとも3、5、10、15、20、25、30 、35、40、50、100、200、300、400、500または508個 の連続するアミノ酸はFRS2にユニークである。 FRS2ポリペプチドは、原核生物または真核生物組換え細胞から単離、濃縮 または精製することができる。真核生物細胞は、哺乳動物を含む生物から生ずる ことができる。組換え細胞からのポリペプチドの単離、濃縮または精製を容易に する多くの標準技術が当業者に利用可能である。これらの方法は、典型的には、 組換え細胞を溶解し、当該技術分野において知られる標準的クロマトグラフィー 技術を用いて、残りの細胞ポリペプチド、核酸および脂肪酸系物質から問題とす るポリペプチドを分離することを含む。 本発明の文脈においては、ポリペプチドの単離、濃縮または精製は、ニトロセ ルロース膜上でポンシュー(Ponceau)−S染色により可視化することが できるか、またはドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル上でクマシー または銀染色により可視化することができるようなFRS2の収量を与える技術 により達成することができる。 本発明の別の観点は、FRS2ポリペプチドに対する特異的結合親和性を有す る、モノクローナル抗体もしくはポリクローナル抗体である抗体、または抗体フ ラグメントを特徴とする。 抗体または抗体フラグメントは、他のポリペプチドと結合しうる領域を含むポ リペプチドである。”特異的結合親和性”との用語は、特定の条件下において、 それが他のポリペプチドに結合するよりもより高い親和性をもってFRS2ポリ ペプチドに結合する抗体を記述する。 ”ポリクローナル”との用語は、FRS2ポリペプチドに対して特異的結合親 和性を有する抗体の混合物を表し、一方”モノクローナル”との用語は、FRS 2ポリペプチドに対して特異的結合親和性を有する1種類の抗体を表す。モノク ローナル抗体はFRS2ポリペプチド上の1つの特定の領域に結合するが、抗体 のポリクローナル混合物はFRS2ポリペプチドの多数の領域に結合することが できる。 ”抗体フラグメント”との用語は、抗体の一部、しばしば特定の分子のための 特異的結合親和性を提示する超可変領域および周囲の重鎖および軽鎖の一部を表 す。超可変領域は、ポリペプチド標的に物理的に結合する抗体の部分である。 FRS2−抗体免疫複合体の形成に適した条件下で試料を抗体で探索し、FR S2ポリペプチドにコンジュゲートした抗体の存在および/または量を検出する ことにより、FRS2ポリペプチドに対する特異的結合親和性を有する抗体また は抗体フラグメントを、試料におけるFRS2ポリペプチドの存在および/また は量を検出するための方法において用いることができる。そのような方法を実施 するための診断キットは、FRS2に特異的な抗体または抗体フラグメント、な らびに抗体の結合パートナーまたは抗体それ自身のコンジュゲートを含むように 構築することができる。 FRS2ポリペプチドに対する特異的結合親和性を有する抗体または抗体フラ グメントは、原核生物または真核生物から単離、濃縮または精製することができ る。当業者に知られる日常的な方法により、原核生物および真核生物のいずれに おいても、抗体または抗体フラグメントを製造することができる。ポリペプチド 分子である抗体の精製、濃縮および単離は、上に述べられている。 本発明の別の観点は、FRS2ポリペプチドに対する特異的結合親和性を有す る抗体を産生するハイブリドーマを特徴とする。”ハイブリドーマ”は、抗体、 例えばFRS2に対する特異的結合親和性を有する抗体を分泌しうる不死化細胞 株である。 本発明の別の観点は、以下のヌクレオチド配列を含む、単離された、濃縮され たまたは精製された核酸分子を特徴とする:(a)図1Aに記載される全長アミ ノ酸配列を有するポリペプチドをコードする;(b)(a)のヌクレオチド配列 の相補物;(c)高度にストリンジェントな条件下で(a)のヌクレオチド分子 にハイブリダイズし、天然に生ずるFRS2蛋白質をコードする;(d)図1A に記載される配列の全長アミノ酸配列を有するFRS2ポリペプチドただし、ア ミノ酸残基1−10,11−152,または153−508のセグメントの1つ またはそれ以上を欠失している;(e)(d)の核酸配列の相補物;(f)図1 Aに記載されるアミノ酸配列のアミノ酸残基1−10,11−152,153− 508を有するポリペプチド;(g)(f)の核酸配列の相補物;(h) 図1Aに記載される全長アミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする、ただ し、ミリスチル化領域、ホスホチロシン結合領域およびC末端領域からなる群よ り選択されるドメインの1つまたはそれ以上を欠失している;(i)(h)の核 酸配列の相補物;(j)チロシン349のフェニルアラニンへの変異またはチロ シン392のフェニルアラニンの変異の1つまたは両方を含む(a),(d)ま たは(f)のポリペプチドをコードする;または(k)(j)の核酸配列の相補 物。 ”ミリスチル化領域”との用語は、全長FRS2アミノ酸配列の、ミリストイ ル脂肪酸部分を有する部分を表す。この領域は好ましくはアミノ酸1から10に わたる。 ”ホスホチロシン結合領域”との用語は、FRS2アミノ酸分子の、他の蛋白 質またはポリペプチド中のホスホチロシン部分に結合しうる部分を表す。この領 域は、好ましくはアミノ酸11から152にわたる。 ”C末端ドメイン”との用語は、FRS2の、ホスホチロシン結合領域の末端 で始まり、FRS2のカルボキシ末端までの部分を表す。この領域は好ましくは アミノ酸153から508にわたる。 FRS2の機能的領域は、FRS2のアミノ酸配列を既知の機能的領域を有す る他のポリペプチドのアミノ酸配列と並列させることにより同定することができ る。FRS2の領域が既知の機能的領域のアミノ酸配列と高いアミノ酸同一性を 共有する場合、当業者は、FRS2がこれらの機能的領域を含むと判定すること ができる。機能的領域は、例えば、当業者に利用可能なコンピュータプログラム および配列情報を用いることにより判定することができる。 シグナル伝達分子のFRS2アミノ酸配列中に存在するかもしれない他の機能 的領域には、プロリンリッチ領域またはホスホリルチロシン領域が含まれるが、 これらに限定されない。これらの領域は、他のシグナル伝達分子の天然の結合パ ートナー、例えばSH2またはSH3ドメインと相互作用することができる。F RS2の2つの可能なSH2結合領域の例は、チロシン349および392であ る。細胞中でこれらのチロシンがリン酸化されれば、Grb−2等のSH2含有 蛋白質は、これらの部位でFRS2に結合することができる。これらのチロシン をフェニルアラニンに変異させると、任意のSH2含有螢白質のこれらの変異部 位における結合が排除されるであろう。 さらに別の態様において、本発明は前記の核酸分子を含んでいる核酸ベクター を包含している。 本発明の別の態様は、前記の核酸分子を含む組換え体細胞または組織に関して いる。 本発明のさらに別の態様においては、本発明はFRS2と天然の結合相手との 間の相互作用を阻止または促進できる化合物の同定法を特色としている。これら の化合物は生物体の異常な状態を診断、予防または処置するために有用である可 能性がある。本方法は以下の工程から成っている:(a)FRS2ポリペプチド 含有細胞に化合物を加え、そして(b)FRS2と天然の結合相手との間の相互 作用の変化を検出する。 用語”化合物”には、オキシインドリノン、キナゾリン、チルホスチン、キノ キサリンを含む(これらに制限されるわけではない)小有機分子および天然起源 の抽出物が含まれる。 用語”相互作用”とは天然の結合相手へのFRS2結合を意味している。本発 明はFRS2がGrb−2に結合することを開示している。従って、相互作用は FRS2アミノ酸とGrb−2のアミノ酸の間で形成される。二つの分子間の相 互作用とは好適には、二つの分子がお互いに結合し、複合体を形成することに関 している。 用語”相互作用を阻止する”とは、二つの分子間で形成される複合体の濃度を 減少させることを意味している。複合体濃度の減少は、二つの分子の内の一つへ 化合物を結合させることによって、二つの分子が複合体を形成する可能性を減少 させることにより達成できる。複合体中の一つの分子へ高い親和性で結合する化 合物は、もし二つの分子間のアミノ酸がお互いに好適な相互作用を形成すること ができる可能性を化合物が減少させるとしたら、分子間に複合体が形成される可 能性を減少できる。 用語”相互作用を促進する”とは、二つの分子間で形成される複合体の濃度を 増加させることを意味している。複合体濃度の増加は、二つの分子の内の一つへ 化合物を結合させることによって、二つの分子が複合体を形成する可能性を増加 させることにより達成しうる。複合体中の一つの分子へ高い親和性で結合する化 合物は、もし二つの分子間のアミノ酸がお互いに好適な相互作用を形成すること ができる可能性を化合物が増加させるとしたら、分子間に複合体が形成される可 能性を増加できる。 用語”異常な状態”とは生物体の細胞または組織中の正常な機能から逸脱した 生物体細胞または組織中の機能を意味している。本発明の文脈において、異常な 状態とはFRS2が含まれているシグナル伝達経路の異常に関連している。異常 な状態は細胞増殖に関係しうる。細胞増殖障害には線維性およびメサンギウム障 害のような癌、異常血管新生および血管叢形成、遅い傷治癒速度、乾鮮、糖尿病 および炎症が含まれる。異常な状態は細胞分化にも関係しうる。細胞分化障害に は神経変性障害、遅い傷治癒速度および遅い組織移植治癒速度が含まれるが、こ れらに制限されるわけではない。 異常な状態は生物体の細胞が生物体内または生物体外に存在している場合に診 断、予防または処置できる。生物体外に存在している細胞は細胞培養皿中で維持 または増殖できる。生物体内に存在している細胞に対しては、化合物を投与する ための多くの技術が本分野に存在し、経口、非経口、経皮および注射投与が含ま れる(これらに制限されるわけではない)。患者の体外の細胞に対しては、化合 物を投与するための多くの技術が本分野に存在し、細胞マイクロインジェクショ ン技術、形質転換技術および坦体技術が含まれる(これらに制限されるわけでは ない)。 用語”シグナル伝達経路”とは細胞外シグナルを細胞膜を通して伝達して細胞 内シグナルとする分子を意味している。このシグナルは次に細胞応答を刺激でき る。シグナル伝達過程に含まれているポリペプチド分子は典型的には、レセプタ ーおよび非レセプター蛋白質キナーゼ、レセプターおよび非レセプター蛋白質ホ スファターゼおよび転写因子である。 シグナル伝達過程に関連した用語”異常”とは、シグナル伝達経路に含まれる FRS2蛋白質または他の蛋白質を意味しており、生物体中で過剰または過少発 現され、触媒活性が野生型分子よりも低いまたは高いように突然変異され、結合 相手ともはや相互作用できないように突然変異され、別の蛋白質キナーゼまたは 蛋白質ホスファターゼによりもはや修飾されず、または結合相手と相互作用でき ないFRS2を含んでいる。 用語”相互作用の変化を検出する”とは、本発明の文脈において、化合物がF RS2と天然の結合相手との間の相互作用を促進または阻止するかどうかを決定 する方法を定義している。FRS2と天然の結合相手との間に形成される複合体 を検出できる多くの方法が本分野に存在する。一つのそのような方法がFRS2 とGrb−2との間に形成される相互作用に関する実施例により本明細書に記載 されている。 FRS2と天然の結合相手との間の相互作用はまた細胞形態学における相違に よっても検出できる。細胞形態学の相違には細胞の増殖速度および分化速度が含 まれる。これらの現象は本分野の方法により簡単に測定される。これらの方法は 典型的には、顕微鏡下で細胞数または細胞の様子を時間に関して(日)観察する ことを含んでいる。 本方法は本発明に開示されている任意の分子に利用できる。これらの分子には 本発明のFRS2ポリペプチドをコードしている核酸分子、核酸ベクター、組換 え体細胞、ポリペプチドまたは抗体が含まれる。 本方法はインビトロ、ならびにインビボで実施できる。インビボ応用には、細 胞群を生物体に導入し、続いて生物体ならびに導入した細胞の状態に対する生物 体に投与された化合物の影響を決定することが含まれる。本技術には生物体へ細 胞群を導入する多数の方法ならびに生物体へ化合物を投与する方法が含まれる。 生物体とは好適にはカエルのような動物、より好適にはマウス、ラットまたはウ サギ、および最も好適にはサル、類人猿またはヒトである。 本発明の別の態様は、生物体中の細胞増殖または細胞分化に関連した異常状態 を診断する方法に関している。異常状態とは、FRS2ポリペプチドと天然の結 合相手との間の相互作用により特徴付けられるシグナル伝達経路における異常に 関連したものでありうる。本方法は異常な相互作用を検出する工程を含んでいる 。 用語”異常な相互作用を検出する”とは、その活性に異常を持つFRS2分子 を同定する方法と定義される。検出は、本発明の抗体または抗体フラグメント、 本発明の核酸プローブまたは本発明の化合物を使用することにより達成される。 この方法を織り込んだ本分野で使用される技術には、インビトロ、インビボお よびインサイチュハイブリダイゼーション技術が含まれる。これらの技術は本発 明の核酸プローブを利用する。 本発明の好適な態様は、哺乳類である生物体に関連した診断法である。 上に記載されている本発明の要約は制限を意図してるものではなく、本発明の 他の特色および利点は以下の本発明の詳細な説明および請求の範囲から明らかに なるであろう。図面の簡単な説明 図1AはNIH 3T3細胞から単離されたFRS2蛋白質のアミノ酸配列で ある。アミノ酸配列中の四つのトリプシンペプチドには下線が引かれている。ミ リスチル化配列はN末端で平行下線が引かれている。FRS2蛋白質のホスホチ ロシン結合ドメイン(PTBドメイン)に対応する部分は図において線で囲まれ ている。FRS2の推定SH2結合領域はボールド体で示されている。 図1Bは別のアダプター蛋白質(IRS−1)のPTBドメイン配列とFRS −2のその配列を並べたものである。二次構造要素(α−ヘリックスおよびβ− シートを含む)は線で囲まれている。垂直の線は二つの蛋白質間で共有されてい る同一のアミノ酸を示している。二つの蛋白質でたった二つの隣接アミノ酸が同 一である。発明の詳細な説明 本発明は細胞中で蛋白質キナーゼを活性化蛋白質に連結するFRS2と称され るアダプター蛋白質をコードしている核酸分子の単離および特徴付けに一部基づ いている。本発明はまた、FRS2ポリペプチドの一部をコードしている核酸分 子、少なくとも一つのFRS2機能性部分をコードしている核酸分子、そのよう な核酸分子を含んでいる核酸ベクター、そのような核酸ベクターを含んでいる組 換え体細胞、そのような核酸分子によりコードされている精製ポリペプチド、そ のようなポリペプチドに対する抗体、およびFRS2と天然の結合相手との間の 相互作用を促進または阻止する化合物の同定法にも関している。また、FRS2 関連分子または化合物を用いて生物体の異常状態を診断する方法も開示されてい る。 本明細書において実施例により報告されている実験は、FRS2がGrb−2 /Sosを経てFGFRを活性化Ras/MAPK経路に関係付けていることを 示している。文献の意見は、生物体の疾患状態へ導くFGFR機能の変化として FGFR−FRS2相互作用の重要性を強調している。 多くのFGFRIおよびFGFR2中の突然変異は重度の頭蓋顔面奇形および 足、親指および足指の特徴的奇形を導く。これらの突然変異はファイファー、ジ ャクソン−ヴァイスおよびクルーゾン症候群の原因である(Muenke et al.,1994,Nature Genetics 8:269−274; Jabs et al.,1994,Nature Genetics 8:2 75−279;Rutland et al.,1995,Nature Ge netics 9:173−176)。FGFRI遺伝子欠損させたマウスでの 実験により胎児成長および軸性原腸胚形成におけるこのレセプターの中心的役割 が確認された(Yamaguchi et al.,1994,Gene & Dev.8:3032−3044;Deng et al.,1994,Gen e & Dev.8:3045−3057)。 骨格形成異常および軟骨異形性を導く突然変異がFGFR3でも同定されてい る(Tavormina et al.,1995,Hum.Mol.Gene tics 4:2175−2177;Bellus et al.,1995, Nature Genetics 10:357−359)。FGFR3中の一 つの突然変異はヒト小人症の最も普通の型の原因であり(Shiang et al.,1994,Cell 78:335−342)、見かけ上FGFレセプ ターの固有の蛋白質キナーゼ活性の構成的活性化を導く機能増大突然変異の結果 である(Webster and Donoghue,1996,EMBO 1 5:520−527)。マウスにおけるFGFR3遺伝子の不活性化は促進され た骨成長を伴う重度の骨異形性を起こす(Deng et al.,1996, Gene & Dev.8:3045−3057)。 FGFレセプターのC.エレガンス相同体で同定された機能喪失突然変異もま た重度の発育障害を導いている(DeVore et al.,1995,Ce 11 83:611−620)。従って、FRS2はこれらの疾患のための薬物 設計標的である。加えて、FGFRは細胞増殖および分化経路においての重要な 制御分子であるので、FRS2は生物体の他の異常な状態のための薬物設計標的 でもある。 本発明の種々の他の特色および態様は:FRS2ポリペプチドをコードしてい る核酸分子;核酸分子を操作するための組換え体DNA技術;FRS2の検出の ための核酸プローブ;他の生物体におけるFRS2メッセージを検出するための プローブに基づいた方法およびキット;FRS2核酸分子を含むDNA構築物、 およびこれらの構築物を含んでいる細胞;FRS2ポリペプチドを単離、濃縮ま たは精製する方法;FRS2抗体およびハイブリドーマ;FRS2を検出するた めの抗体に基づいた方法およびキット;試薬の同定;FRS2ポリペプチドと相 互作用する化合物の単離;FRS2およびFRS2分子と相互作用する化合物の 組成物;化合物の医薬処方の調剤;生物体への化合物の投与様式;複合体の精製 および製造;複合体の誘導体;複合体の抗体;FRS2蛋白質複合体の崩壊;F RS2核酸構築物を含んでいるトランスジェニック動物;アンチセンスおよびリ ボザイム法、遺伝子治療;および障害の評価である。複合体になされる修飾はそ の複合体中の分子の修飾で示すことができることを当業者は理解している。従っ て、本発明は核酸分子、ポリペプチド、抗体または複合体中の化合物への任意の 修飾を含んでいる。これらの特色および態様のすべてはPCT公開WO96/1 8738(図を含んで全文が本明細書において援用される)においてPYK−2 に関して詳細に説明されている。当業者はそのような記述が同様にFRS2に容 易に適用でき、本発明に等しく応用可能であることを理解するであろう。実施例 以下の実施例は本発明の種々の態様および特色を単に代表するものであり、制 限するものではない。以下の実施例は新規蛋白質FRS2の単離および特徴付け を示している。実施例に記述された実験で利用された材料および方法は以下の様 である: 細胞株:FGFR1を発現しているPC12細胞(Spivak−Kroiz man et al.,1994,J.Biol.Chem.269:144 19−14423)およびL6筋原細胞(Mohammadi et al., 1992,Nature 358:684−684)は以前に記載されている。 HER14細胞はヒトEGFレセプター(EGFR)を過剰発現しているNIH 3T3細胞である(Honegger et al., 1987,Cell 51:199−209)。 抗体およびGST融合蛋白質:抗Grb2(N−SH3ドメイン)、抗Sos 1、抗ホスホチロシン(抗pY)、抗Shcおよび抗FGFRは以前に記載され ている(Lowenstein et al.,1992,Cell 70:4 31−443;Spivak−Kroizman et al.,1994,J .Biol.Chem.269:14419−14423)。抗EGFR(Ho negger et al.,1987,Cell 51:199−209)お よび抗GST(Batzer et al.,1994,Mol.Cell.B iol.14:5192−5201)抗体もまた以前に記載されている。抗FR S2抗体は本蛋白質のC末端部分(FRS2のアミノ酸400−508)を含む GST融合蛋白質に対して発生させた。Grb2のGST融合蛋白質、ならびに いくつかのGrb2突然変異体の融合蛋白質、GST−Grb2−SH2、GS T−Grb2(P49L)、GST−Grb2 FLVR(R86K)(Low enstein et al.,1992,Cell 70:431−443; Clark et al.,1992,Nature 356:340−344 ;Skolnik et al.,1993,Science 260:195 3−1955)は以前に記載されているように発生させた。 免疫沈降およびイムノブロッティング分析:FGFRまたはEGFRを発現し ているトランスフェクトされた細胞を一夜飢餓状態にした:L6細胞は0.5% ウシ胎児血清(FCS)を含む増殖培地、およびPC12細胞は0.5%FCS および0.5%ウマ血清を含む培地。飢餓状態にした細胞は5nM aFGFお よび5μg/mlヘパリン、または16nM EGFで処理し、37℃で5分間 または指示された時間インキュベートした。細胞を溶解し、以前に記載されてい るように(Spivak−Kroizman et al.,1994,J.B iol.Chem.269:14419−14423)免疫沈降およびイムノブ ロッティング分析にかけた。 FRS2の精製:FRS2は以前に記載されているように(Spivak−K roizman et al.,1994,J.Biol.Chem.269: 14419−14423)、aFGFおよびヘパリンで刺激されているNIH 3T3細胞から精製された。細胞を溶解し、溶解物はGrb2−SH2 Aff igel−10カラム(100mgのSH2蛋白質が1mlのAffigel 10に架橋されている、Bio−Rad)と4℃で3時間インキュベートした。 カラムは3回HNTG(20mM ヘペス、150mM NaCl、1%トリト ンX−100、10%グリセロール)で洗浄し、蛋白質は1%SDSおよび2. 5%(v/V)β−メルカプトエタノールを含む10mMトリス(pH7.5) で溶出した。カラムは溶出緩衝液と100℃で10分間インキュベートした。溶 出液は次にHNTGで50倍に希釈し、希釈した蛋白質はプロテイン−Aセファ ロースに結合されたアフィニティ精製抗ホスホチロシン抗体(抗−P−Tyr) と4℃で5時間インキュベートした。FRS2は抗体カラムから100mMフェ ニルホスフェートを含む10mMトリス(pH7.5)で溶出した。試料は8% SDSゲルで分離し、ニトロセルロースフィルターに移してPonceau S で染色して可視化した。 蛋白質配列決定:FRS2に対応するバンドをニトロセルロースフィルターか ら切り出した。ニトロセルロースフィルターは2平方cmの小片に切断し、メタ ノールで湿らせ、200μlの10mM DTT、200mMトリス(pH9. 2)、5mM EDTAを用いて50℃で1時間還元し、1/10容量の250 mM 4−ビニルピリジンのアセトニトリル溶液を加え、室温で30分間アルキ ル化した。ニトロセルロースは次に10%アセトニトリル水溶液で5回洗浄し、 50μlの100mMトリス(pH8.2、1%オクチルグルコシド、10%ア セトニトリル、200ngの修飾ブタトリプシン(Promega)を含む)を 加え、試料は一定に振盪させながら37℃で18時間インキュベートした。ニト ロセルロースから遊離されたペプチドを含む上清はペプチド分離のために直接逆 相HPLCに注入された。1x150mmReliasil C−18カラムが Michrom HPLCで使用された。溶液はA=0.1%TFA含有アセト ニトリル/水(3:97)、B=0.9%アセトニトリル/水(97:3)であ った。カラムは5%Bで平らなベースラインが得られるまで洗浄し、続いて60 分で5から65%Bとなる濃度勾配を用いて溶出した。214nmでモニターし 、ピークは深いウェルのポリプロピレンマイクロタイタープレートに集め、凍結 して保存した。配列決定は製造元からの標準試薬およびプログラムを用いてAp plied Biosystems 494で実施した。 FRS2のcDNAクローニング:一対の縮重プライマーがトリプシンペプチ ド#2(VYENINGLSIPSASGV)のアミノ酸配列に基づいて合成さ れた。PCRは3T3細胞から単離されたmRNAからのcDNAを用いてこれ ら二つのプライマーにより実施された。この反応の60塩基対長生成物が配列決 定され、正しいアミノ酸配列を持っていることが観察された。二回目のPCRが 同一のcDNAに対し、最初の60bp反応生成物の配列から選択された一つの プライマーおよびFRS2のトリプシンペプチド#1の配列(FVLGPTPV QK)に基づいた第二の縮重プライマーを用いて実施された:この反応は170 塩基対生成物を与えた。三回目のPCRはこの170bpからの一つのプライマ ーおよびBluescriptベクターからのT3プライマーで実施された。こ の反応の1.2kb生成物はペプチド#1の配列を含んでいた。最後に、1.2 kb断片がSwiss 3T3細胞から発生させたλcDNAライブラリー(S tratagene)のスクリーニングのためのプローブとして使用された。λ p90−1およびλp90−2の二つのファージクローンが単離され、さらに分 析された。これら二つのクローンの演繹されたアミノ酸配列の決定は、精製され たFRS2から単離された四つのトリプシンペプチドの配列に含まれている長い 読み取り枠を明らかにした。 293細胞における過渡的発現:293細胞は10cm組織培養皿で70%コ ンフルエントになるまで増殖させた。細胞はリポフェクタミン試薬(Gibco BRL)を使用し、種々の発現ベクター(図に示されているような)で過渡的 にトランスフェクトした。空発現ベクターが、各々のプレートへトランスフェク トされたDNA量を一定の10μgに合わせるために使用された。 3H]ミリスチン酸標識:サブコンフルエントの293細胞を野生型tp FRS2またはG2A突然変異体でトランスフェクトした;トランスフェクショ ン36時間後、細胞を2%透析FCSを補給したDMEMで2度洗浄し、100 μCi/mlの[3H]ミリスチン酸(Amersham)を加えた同一の培地 中、37℃で3時間インキュベートした。続いて細胞を溶解させ、抗FRS2抗 体で免疫沈降させた。免疫沈降物は8%SDS−PAGEで分離し、使用説明書 に従ってENTENSIFY溶液(Dupont)でゲルを処理した。ゲルは乾 燥させ、オートラジオグラフィーにより分析した。加えられた蛋白質を規格化す るための対照として、各々の免疫沈降物の10%をニトロセルロースフィルター に移し、抗FRS2抗体でイムノブロットした。 免疫蛍光分析:ヒーラー細胞をFRS2またはそのG2A突然変異体のHA− 標識構築物で過渡的にトランスフェクトした。トランスフェクションの24−4 8時間後、ポリ−L−リジンで被覆したガラスカバースリップ上に細胞を置いた 。16時間後、細胞を4%パラホルムアルデヒドを含むPBSで固定し、0.2 %トリトンX−100を含むPBSを、室温で20分間浸透させた。次に5%ヤ ギ血清および5%ウマ血清を含むブロッキング溶液(Vector Labor atories,CA)で細胞を処理し、抗HA抗体および二次フルオレセイン 結合ヤギ抗マウス抗体で染色した。 安定にFRS2を発現しているPC12細胞の発生:FRS2 cDNAをL XSN発現ベクター内へクローン化し、以前に記載されているようにウイルスの 高力価貯蔵物が製造された。Rozakis−Adcock et.al.,1 992,Nature 360:689−692。親細胞を、野生型FRS2お よびネオマイシン耐性遺伝子を結合させたウイルスで感染させ、ゲネチシンを補 充した培地(500μg/ml)で1週間選択した。Ras(N17)を発現す るPC12細胞を、選択マーカーとしてヒスチジノールデヒドロゲナーゼを含む FRS2発現ウイルスに感染させた。続いて細胞はヒスチジノール(800μg /ml)で2週間選択した。選択された培養物のプールが研究に使用された。R as(N17)の発現は2μMのデキサメタゾンで一夜処理することにより誘導 された。 PC12細胞分化の分析:FRS2ウイルスに感染したPC12細胞を60 mm組織培養皿当たり105細胞の密度で播種した。細胞は10%ウシ胎児血清 および10%ウマ血清を含むDMEM中で、24時間増殖させた。培地にaFG F(2.5nM)およびヘパリン(5μg/ml)を加え、さらに48時間イン キュベートした。FRS2およびRas(N17)を同時に発現する細胞を2μ Mのデキサメタゾンの添加により処理した。神経突起成長は200細胞の無作為 群での長さを記録し、すべての処理での細胞当たりの平均の長さを決定すること により定量された。実施例1:FRS2に結合するGRB2のSH2ドメイン Grb−2は二つのSH3ドメインが隣接する一つのSH2ドメインを含んで いる。Lowenstein et al.,1992,Cell 70:43 1−443。チロシンリン酸化FRS2はGrb2に結合するので、そのSH2 ドメインのみと相互作用する能力が試験された。Grb2 SH2ドメインのグ ルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)融合蛋白質がFGF刺激細胞の 溶解物から会合蛋白質を沈殿させるために使用された。抗pY抗体による分析は 、チロシンリン酸化ShcおよびFRS2の両方がGrb2 SH2ドメインと FGF依存性様式で会合していることを示した。対照的に、Grb2 SH2の 突然変異した結合欠陥形(R86K)とのGST融合蛋白質は両方の蛋白質を沈 殿させなかった。 FRS2およびGrb2のSH2ドメイン間の相互作用が直接的であるかどう かを決定するためにファーウェスタン技術が応用された。FGF刺激または非刺 激細胞からの溶解物が抗Grb2かまたは抗pY抗体で免疫沈降され、GST( 対照として)、GST−Grb2またはGST−Grb2(P49L)(Sem −5機能喪失対立遺伝子に対応するN末端SH3ドメイン中の点突然変異体、C lark et al.,1992,Nature 359:340−344) によるブロッティングにより分析された。GST−Grb2および突然変異した SH3ドメインを持つ形の両方が直接的にチロシンリン酸化FRS2に結合し( データは示されていない)、Grb2 SH2ドメインを含む直接相互作用のさ らなる確認が得られた。実施例2:FGF刺激細胞においてGRB2/FRS2複合体はSOSに結合 されている Grb2はその二つのSH3ドメインを通してグアニン−ヌクレオチド放出因 子Sos1へ結合する。Schlessinger,1994,Curr.Op in.Gen.Dev.Biol.4:25−30。FRS2およびGrb2間 で形成された複合体がSos1とも相互作用するかどうかを決定するために実験 が行われた。aFGF刺激または非刺激細胞の溶解物をFGFR1、Grb2ま たはSos1に対する抗体で免疫沈降した。免疫沈降物はSDS−PAGEで分 離し、抗ホスホチロシン抗体でイムノブロットした。チロシンリン酸化FRS2 はFGF刺激細胞においてGrb2およびSos1の両方と会合しているようで あるが、抗FGFR1(または抗Shc)免疫沈降物では検出されなかった。こ の実験は、Grb2、Sos1およびFRS2から成る三重複合体がaFGF刺 激に応答して形成されたことを示している。ファーウェスタンブロッティング実 験からもまたFRS2、Grb2およびSos1を含んでいる複合体の存在が確 認された。実験は、Grb2およびFRS2間の会合はGrb2のSH2ドメイ ンにより媒介され、FGF刺激に依存的であったことを示唆している。Sos1 およびGrb2間の会合は構成的であり、SH3ドメインにより媒介された。実施例3:FRS2の精製 実施例1の実験はGrb2のSH2ドメインがチロシンリン酸化FRS2へ結 合することを示している。この情報がFRS2精製のためのアフィニティークロ マトグラフィー法の開発に使用された。NIH 3T3細胞をaFGFで刺激し て溶解し、細胞溶解物を固定化されたGrb2 SH2ドメインを含んでいるa ffigelアフィニティーマトリックスに加えた。チロシンリン酸化FRS2 はSH2 affigelマトリックスに結合され、SDSおよび還元剤存在下 で煮沸することによりマトリックスから放出された。FRS2含有試料は次に抗 ホスホチロシン抗体を用いる第二のアフィニティークロマトグラフィー精製工程 にかけられた。チロシンリン酸化FRS2は抗ホスホチロシン抗体に結合され、 複合体はプロテインA−セファロースカラムに負荷された。リン酸化FRS2は 100mMフェニルホスフェートを用いてカラムから溶出された。 溶出された蛋白質はSDS−PAGEにより分析された。ニトロセルロースへ 移した後、Ponceau−S染色はFRS2に対応する92/95kDaの見 かけの分子量のダブレットを明らかにした。精製されたFRS2蛋白質バンドは フィルターから切り出し、トリプシンで消化し、トリプシンペプチドを逆相HP LCで分離した。四つのトリプシンペプチドのアミノ酸配列は固相マイクロシー クエンサーを用いて決定された。実施例4:FRS2のcDNAクローニング FRS2からのペプチド配列が、NIH−3T3細胞から単離されたmRNA で調製されたcDNAのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による増幅のためのオ リゴヌクレオチドの設計に使用された。1.2kbPCR生成物はFRS2から の蛋白質分解性ペプチド#1(FVLGPTPVQK)およびペプチド#2(V YENINGLSIPSASGV)を含んでいる。1.2kbPCR生成物は次 にNIH−3T3細胞からのcDNAライブラリーのスクリーニング用プローブ として使用された。二つの重複クローン、λp90−1およびλp90−2が単 離された。二つのクローンのヌクレオチド配列決定は、λp90−2がFRS2 から単離された四つすべてのトリプシンペプチドの配列を含んでおり、およびλ p90−2はFRS2の完全長cDNAクローンであることを示した。 クローンλp90−2から決定されたFRS2の演繹アミノ酸配列は図1Aに 示されている。FRS2のコード配列はヌクレオチド番号308で始まっている 。第一のメチオニンはコザック共通配列内にあり、1527塩基対の読み取り枠 (ORF)が続き、ヌクレオチド1834の終止コドンで終わっている。このOR Fは508アミノ酸を含む蛋白質をコードしており、予想される分子量は568 00ダルトンである。FRS2の配列は分子のアミノ末端MGSCCSに共通ミ リスチル化配列(MGXXXS/T)を含んでいる。Resh,1994,Ce ll 76:411−413。加えて、FRS2はISR1のPTB(ホスホチ ロシン結合)ドメインと29%の配列同一性を持つ120アミノ酸配列(残基1 1から139)を含んでいる(図1B)。Sun et.al.,1991,n ature 353:7377。ISR1のPTBドメインはインスリンレセプ ターの膜近傍領域中のチロシン−リン酸化NPXXp配列へ結合することが示さ れている。White et.al.,1988,Cell 54:641−6 4 9。FRS2はまた二つのGrb2結合可能性部位も含んでいる(NYENおよ びNYVN)(図1B)。 FRS2の組織発現パターンが、成体マウス組織から単離されたmRNAのノ ーザンブロット分析により試験された。FRS2は至る所で、および最も豊富に は脳、腎臓、卵巣および精巣で発現された。FRS2蛋白質を特徴付けるため、 GST融合蛋白質として大腸菌で発現されたFRS2のC末端部分に対してウサ ギでポリクローナル抗体を生じさせた。抗FRS2抗体はNIH−3T3細胞な らびにPC12細胞からの蛋白質を沈降させ、それはSDS−PAGEにおいて 92−95kDaのダブレットとして移動した。予測されるFRS2の分子量( 56,800ダルトン)とSDSゲルでの移動の相違は一部、翻訳後修飾による ものであろう。 NIH−3T3細胞からの溶解物中のGrb2およびFRS2間の会合も抗F RS2抗体を使用して試験された。NIH−3T3細胞はaFGFで刺激され、 非刺激または刺激細胞から調製された溶解物はGrb2、FRS2、Sos1、 ShcまたはFGFR1に対する抗体で免疫沈降され、続いていくつかの異なっ た抗体でイムノブロッティングされた。この実験は、aFGF刺激細胞における Grb2とチロシンリン酸化FRS2のリガンド依存性会合を示した。同様に、 Sos1はaFGF刺激細胞においてのみFRS2と会合することが観察された 。興味あることに、aFGF刺激細胞の溶解物でより明白なGrb2およびSo s1の同時沈降が検出され、Grb2およびチロシンリン酸化FRS2間の相互 作用はGrb2およびSos1間の複合体形成を安定化するであろうことを示唆 している。FGF刺激または非刺激細胞におけるFRS2とFGFR間のまたは FRS2およびShc間の会合は検出されなかった。同様に、FRS2とNck 、ホスホリパーゼCλ、またはp85(PI−3キナーゼの制御サブユニット) のような他のシグナル伝達物質間の会合も検出されなかった。これらのことを一 緒にすると、これらの実験はaFGF刺激はFRS2のチロシンリン酸化を導き 、それは次にGrb2/Sos1と結合し、FGF依存性三重複合体を形成する ことを示している。実施例5:FRS2はミリスチル化されおよび細胞膜を標的とする FRS2のアミノ末端は推定ミリスチル化配列、続いてIRS1のPTBドメ インに類似のホスホチロシン結合ドメイン(PTBドメイン)を含んでいる。R esh,1994,Cell 76:411−413。推定ミリスチル化配列の 役割は、共通配列中の鍵となるグリシン残基がアラニンに置き換えられている点 突然変異体(G2A)を発生させることにより試験された。野生型FRS2また は突然変異体G2Aの合成を指示する発現ベクターがヒト293細胞で過渡的に 発現された。トランスフェクトされた細胞は[3H]ミリスチン酸で標識され、 溶解され、抗FRS2抗体で免疫沈降され、8%SDS−PAGEおよびオート ラジオグラフィーにより分析された。[3H]ミリスチン酸の取り込みは野生型 FRS2では検出されたがG2A点突然変異体では検出されなかった。 FRS2の細胞分布がトランスフェクト細胞で分析された。ヒーラー細胞が、 野生型FRS2または点突然変異体(G2A)のHA標識形の合成を指示する発 現ベクターで過渡的にトランスフェクトされた。トランスフェクト細胞は浸透化 され、フルオレセイン標識抗HA抗体で標識された。共焦点蛍光顕微鏡による可 視化は、野生型FRS2は主として細胞膜に付随しているが、G2A突然変異体 は細胞質全体に分布していたことを示した。この実験は野生型は細胞膜を標的と していること、およびこの局在化にミリスチル化が必要とされることを示してい る。 細胞分画法が野生型FRS2およびG2A突然変異体の分布研究に使用された 。非処理またはaFGF処理細胞から粒子および可溶性分画が調製され、FRS 2が両方の細胞分画から免疫沈降された。分画プロトコールが膜結合蛋白質から 細胞質を正しく分画したことを確認するため、FGFR1がマーカーとして使用 された。FGFR1はもっぱら粒子分画で同定され、aFGF刺激細胞ではチロ シン残基がリン酸化される。内在性FRS2は粒子分画にもっぱら付随している ことが観察され、aFGF刺激はFRS2のチロシンリン酸化およびGrb2へ の結合を導いていた。対照的に、FRS2の非ミリスチル化突然変異体(G2A )は可溶性分画に観察され、FGF刺激細胞でチロシンリン酸化されていなかっ た。非ミリスチル化形の電気泳動的移動度はFGF刺激細胞では変化しており、 aFGFが突然変異体FRS2蛋白質のSer/Thrリン酸化を誘導している であ ろうことを示唆している。本研究はFRS2がミリスチル化されていること、お よびミリスチル化はFRS2の細胞膜標的化、FRS2のチロシンリン酸化およ びGrb2の供給に必須であることを示している。実施例6:FRS2の過剰発現によるMAPK経路の活性化 aFGF刺激に応答してGrb2を細胞膜へ補充するFRS2の能力は、その生 理学的役割がFGFレセプター活性化をRas/MAPキナーゼシグナル伝達経 路へ連結するという可能性を生じさせた。この可能性を探求するため、293細 胞において一定量のFGFレセプターおよびHA標識ERK1の発現と共にFR S2を過渡的に過剰発現させて濃度を上昇させた。ERK1の活性は基質として ミエリン塩基性蛋白質(MBP)を用いる免疫複合体アッセイ(Dikic e t al.,1996,J.Biol.Chem.270:15125−151 29)で測定された。FRS2の過剰発現はMAPキナーゼのチロシンリン酸化 およびMBPのリン酸化の比例した増加を導いた。 野生型FRS2の過剰発現はMAPキナーゼの強い活性化を導いたが、非ミリ スチル化突然変異体の過剰発現はMAPキナーゼ活性化を劇的に減少させた。非 ミリスチル化突然変異体の過剰発現によるMAPキナーゼ活性化は、これらの細 胞中で発現された内在性FRS2分子により誘導されたバックグラウンド活性化 を差し引いた後、野生型FRS2の過剰発現により誘導される活性化と比較する とほとんど70%減少していた。チロシンがリン酸化され、およびそれによって Grb2へ結合する野生型FRS2と異なり、非ミリスチル化FRS2突然変異 体はFGFR活性化に応答してのチロシンリン酸化が行われない。 この過程におけるRasの役割を試験するため、優性妨害突然変異体Ras( N17)存在下でのMAPキナーゼ活性に対するFRS2過剰発現の影響が分析 された。この実験は、Rasの優性妨害突然変異体の発現はFRS2誘導MAP キナーゼ活性化を効果的に阻止することを示した。しかしながら、FRS2のチ ロシンリン酸化およびそのGrb2との会合は、優性妨害Ras(N17)突然 変異体の発現によって影響されなかった。従ってこれらの実験は、FRS2は活 性化FGFレセプターとRas/MAPキナーゼカスケードとの間の連結物とし て機能しており、FRS2はこの経路においてRasの上流で作用していること を 示している。実施例7:FRS2の過剰発現はPC12細胞において神経突起成長を促進する PC12細胞を野生型FRS2かまたは非ミリスチル化G2A突然変異体の合 成を指示する発現ベクターで安定にトランスフェクトした。親PC12細胞に弱 い、わずかに検出可能な神経突起成長を誘導する低濃度のaFGFおよびヘパリ ンで細胞をインキュベートした。この実験はFRS2の過剰発現がこれらのPC 12細胞におけるaFGF誘導神経突起成長の強い増強を導くことを示した。対 照的に、非ミリスチル化FRS2突然変異体はトランスフェクト細胞においてa FGF誘導神経突起成長には影響しなかった。 この研究で使用されたPC12細胞株は内在性FRS2および低レベルの内在 性FGFレセプターを発現することに注目すべきである。それ故、aFGF刺激 は対照細胞の平板化、付着および弱い神経突起成長を促進した。免疫沈降および イムノブロッティング実験により、内在性およびトランスフェクトされた野生型 FRS2は両方ともチロシンがリン酸化されていること、一方、非ミリスチル化 FRS2突然変異体ではaFGF刺激に応答してチロシンがリン酸化されないこ とが確認された。 FRS2誘導神経突起成長におけるRasの役割がデキサメタゾン誘導可能優 勢妨害突然変異体Ras(N17)のPC12細胞での条件付け発現により試験 された。Ras(N17)の過剰発現は、FRS2の発現およびFRS2のチロ シンリン酸化のどちらにも影響しなかった。しかしながら、FRS2誘導神経突 起成長はRas(N17)の過剰発現により完全に阻止され、それがRas活性 化に依存していることを示している。 いくつかの態様および実施例が本発明を説明するために使用されてきたが、本 発明の範囲および精神から離れることなく示された態様および実施例に変更を加 えることができることを当業者は理解するであろう。 前に本明細書で援用されなかった文献(特許および非特許文献を含む)も、す べての目的のため、明白に本明細書において援用される。 他の態様は以下の請求の範囲に包含される。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成11年1月12日(1999.1.12) 【補正内容】 請求の範囲 1. 図1Aに示されるアミノ酸配列の少なくとも10個の連続するアミノ酸を 含むFRS2ポリペプチドをコードする単離された核酸。 2. FRS2ポリペプチドが、図1Aに示されるアミノ酸配列の少なくとも1 5個の連続するアミノ酸を含む。請求項1記載のFRS2ポリペプチド。 3. FRS2ポリペプチドが、図1Aに示されるアミノ酸配列の少なくとも2 5個の連続するアミノ酸を含む、請求項1記載のFRS2ポリペプチド。 4. FRS2ポリペプチドが、図1Aに示されるアミノ酸配列の少なくとも3 5個の連続するアミノ酸を含む、請求項1記載のFRS2ポリペプチド。 5. FRS2ポリペプチドが、図1Aに示されるアミノ酸配列の少なくとも5 0個の連続するアミノ酸を含む、請求項1記載のFRS2ポリペプチド。 6. FRS2ポリペプチドが、図1Aに示されるアミノ酸配列に対して少なく とも90%の同一性を含む、請求項1記載のFRS2ポリペプチド。 7. 核酸が哺乳動物から単離されたものである、請求項1記載の核酸分子。 8. 核酸が、図1Aに示される全長アミノ酸配列の少なくとも5個の連続する アミノ酸をコードする、請求項1記載の核酸分子。 9. 試料中においてFRS2ポリペプチドをコードする核酸分子を検出するた めの核酸プローブであって、図1Aに示されるアミノ酸配列の少なくとも10個 の連続するアミノ酸を含む核酸プローブ。 10. 図1Aに示されるアミノ酸配列の少なくとも10個の連続するアミノ酸 を含むFRS2ポリペプチドをコードする核酸分子および宿主細胞において転写 を開始させるのに有効なプロモーターを含む核酸ベクター。 11. 図1Aに示されるアミノ酸配列の少なくとも10個の連続するアミノ酸 を含むFRS2ポリペプチドをコードする核酸分子を含む、組換え細胞または組 織。 12. 図1Aに示されるアミノ酸配列の少なくとも10個の連続するアミノ酸 を含む、単離されたFRS2ポリペプチド。 13. 前記ポリペプチドが、図1Aに示される全長アミノ酸配列中に存在する 少なくとも15個の連続するアミノ酸を含むフラグメントである、請求項12記 載の単離されたFRS2ポリペプチド。 14. 図1Aに示されるアミノ酸配列の少なくとも10個の連続するアミノ酸 を含むFRS2ポリペプチドに対する特異的結合親和性を有する抗体または抗体 フラグメント。 15. 図1Aに示されるアミノ酸配列の少なくとも10個の連続するアミノ酸 を含むFRS2ポリペプチドに対する特異的結合親和性を有する抗体を産生する ハイブリドーマ。 16. (a) 図1Aに記載される全長アミノ酸配列を有するポリペプチドを コードする; (b) (a)の核酸配列の相補物である; (c) 図1Aに記載される配列の全長アミノ酸配列を有するが、ただし、以下 のアミノ酸残基のセグメント:1−10、11−152または153−508の 1つまたはそれ以上を欠失しているがすべてを欠失しているわけではないFRS 2ポリペプチドをコードする; (d) (c)の核酸配列の相補物である; (e) 図1Aに記載されるアミノ酸配列のアミノ酸残基1−10、11−15 2または153−508を有するポリペプチドをコードする; (f) (e)の核酸配列の相補物である; (g) 図1Aに記載される全長アミノ酸配列を有するが、ただし、ミリスチル 化領域、ホスホチロシン結合領域、およびC−末端領域からなる群より選択され るドメインの1つまたはそれ以上を欠失しているがすべてを欠失しているわけで はないポリペプチドをコードする; (h) (g)の核酸配列の相補物である; (i) チロシン349のフェニルアラニンへの変異またはチロシン392のフ ェニルアラニンへの変異の一方または両方を含む、(a)、(c)、または(e )のポリペプチドをコードする;または (j) (i)の核酸配列の相補物である; のいずれかのヌクレオチド配列を含む、請求項1記載の単離された核酸分子。 17. 高度にストリンジェントな条件下で、図1Aに記載される全長アミノ酸 配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド分子にハイブリダイズし、 このことにより、そのようなハイブリダイゼーション条件が20個の連続するヌ クレオチド中の1つまたは2つのミスマッチを有する核酸のハイブリダイゼーシ ョンを防止する、請求項15記載のヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分 子。 18. 請求項16記載の核酸分子を含む核酸ベクター。 19. 請求項16記載の核酸分子を含む組換え細胞または組織であって、前記 核酸分子が細胞または組織に導入されている細胞または組織。 20. 生物における異常な状態の診断、予防または治療に有用な、図1Aに示 されるアミノ酸配列の少なくとも10個の連続するアミノ酸を含むFRS2ポリ ペプチドと天然の結合パートナーとの間の相互作用を遮断または増強することが できる化合物を同定する方法であって、 (a) 化合物を前記FRS2ポリペプチドを含有する細胞に加え;そして (b) 前記FRS2ポリペプチドと天然の結合パートナーとの間の相互作用の 変化を検出する、 の各工程を含む方法。 21. 生物において異常な状態を診断する方法であって、前記異常な状態は、 癌、異常血管新生および血管叢形成、遅い傷治癒速度、乾鮮、糖尿病、炎症、神 経変性障害および遅い組織移植治癒速度からなる群より選択され、ここで、異常 な状態は、FRS2ポリペプチドと天然の結合パートナーとの間の相互作用によ り特徴づけられるシグナル伝達経路の異常により引き起こされ、かつ、前記FR S2ポリペプチドは、図1Aに示されるアミノ酸配列の少なくとも10個の連続 するアミノ酸を含み、 該方法は、異常な相互作用を検出することを含み、抗体、核酸プローブ、または 化合物媒介性検出からなる群より選択される、 ことを特徴とする方法。 22. 生物が哺乳動物である、請求項15記載の方法。 23. 第2のポリペプチドに結合された請求項12記載のFRS2ポリペプチ ドを含む融合ペプチド。 24. 前記第2のペプチドが、GST、HAまたはマルトース結合蛋白質であ る、請求項23記載の融合ペプチド。 25. 請求項24記載の融合蛋白質をコードする核酸分子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 19/02 A61P 29/00 29/00 35/00 35/00 37/06 37/06 C07K 14/47 C07K 14/47 16/18 16/18 19/00 19/00 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12Q 1/02 5/10 1/68 A C12Q 1/02 G01N 33/15 1/68 33/50 Z G01N 33/15 33/566 33/50 C12N 15/00 ZNAA 33/566 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 コーハラ,ハルヒク アメリカ合衆国ニュージャージー州07024, フォート・リー,ウエスト・ゲイト・ドラ イブ 1452 (72)発明者 スピバック−クロイツマン,タリー アメリカ合衆国ジョージア州30329,アト ランタ,カリバー・ウッズ・ドライブ 520 (72)発明者 ラックス,アイリット アメリカ合衆国ニュージャージー州07410, フェアー・ローン,レノックス・ドライブ 3401 (72)発明者 シュレジンガー,ジョーゼフ アメリカ合衆国ニューヨーク州10011,ニ ューヨーク,ウエスト,ワシントン・スク エアー 37

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. FRS2ポリペプチドをコードする、単離された、濃縮されたまたは精製 された核酸。 2. 核酸分子が、哺乳動物から単離された、濃縮されたまたは精製されたもの である、請求項1記載の核酸分子。 3. 核酸が、図1Aに示される全長アミノ酸配列の少なくとも3個の連続する アミノ酸をコードする、請求項1記載の核酸分子。 4. 試料中の、FRS2ポリペプチドをコードする核酸分子を検出するための 核酸プローブ。 5. FRS2ポリペプチドをコードする核酸分子および宿主細胞において転写 を開始するのに有効なプロモーターを含む核酸ベクター。 6. FRS2ポリペプチドをコードする核酸分子を含む組換え細胞または組織 。 7. 単離された、濃縮されたまたは精製されたFRS2ポリペプチド。 8. 単離された、濃縮されたまたは精製されたFRS2ポリペプチドであって 、図1Aに示される全長アミノ酸配列中に存在する少なくとも3個の連続するア ミノ酸を含むユニークフラグメントであることを特徴とするポリペプチド。 9. FRS2ポリペプチドに対する特異的結合親和性を有する抗体または抗体 フラグメント。 10. FRS2ポリペプチドに対する特異的結合親和性を有する抗体を産生す るハイブリドーマ。 11. 単離された、濃縮されたまたは精製された核酸分子であって、 (a) 図1Aに示される全長アミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする ; (b) (a)の核酸配列の相補物; (C) 高度にストリンジェントな条件下で(a)のヌクレオチド分子にハイブ リダイズし、かつ天然に生ずるFRS2蛋白質をコードする; (d) 図1Aに記載される配列の全長アミノ酸配列を有するFRS2ポリペプ チド、ただし、アミノ酸残基1−10、11−152、または153−508の セグメントの1つまたはそれ以上を欠失しており; (e) (d)の核酸配列の相補物; (f) 図1Aに記載されるアミノ酸配列のアミノ酸残基1−10、11−15 2、153−508を有するポリペプチド; (g) (f)の核酸配列の相補物; (h) 図1Aに記載される全長アミノ酸配列を有するポリペプチドをコードす る、ただし、ミリスチル化領域、ホスホチロシン結合領域、およびC末端領域か らなる群より選択されるドメインの1つまたはそれ以上を欠失しており; (i) (h)の核酸配列の相補物; (j) チロシン349のフェニルアラニンへの変異またはチロシン392のフ ェニルアラニンへの変異の一方または双方を含む、(a)、(d)または(f) のポリペプチドをコードする;または (k) (j)の核酸配列の相補物、 のいずれかのヌクレオチド配列を含む核酸分子 12. 請求項11記載の核酸分子を含む核酸ベクター。 13. 請求項11記載の核酸分子を含む組換え細胞または組織。 14. 生物において異常状態を診断、予防または治療するのに有用な、FRS 2と天然の結合パートナーとの間の相互作用を遮断または増強しうる化合物を同 定する方法であって、 (a) 化合物をFRS2ポリペプチドを含む細胞に加え;そして (b) FRS2と天然の結合パートナーとの間の相互作用の変化を検出する の各工程を含む方法。 15. 生物において細胞増殖または細胞分化に関連する異常状態を診断する方 法であって、該異常状態はFRS2ポリペプチドと天然の結合パートナーとの間 の相互作用により特徴づけられるシグナル伝達経路の異常に起因しており、異常 な相互作用を検出する工程を含む方法。 16. 生物が哺乳動物である、請求項15記載の方法。 17. 第2のポリペプチドに結合された請求項7記載のFRS2ポリペプチド を含む融合ペプチド。 18. 前記第2のペプチドが、GT、HA、マルタス(multus)結合螢 白質、または前記第2のポリペプチドのいずれかのフラグメントである、請求項 17記載の融合ペプチド。 19. 請求項18記載の融合蛋白質をコードする核酸分子。
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