JP2002511340A - 軸方向に移動できるロ−ルを備える圧延スタンド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 この発明は、対に配列された作業ロ−ルと、支持ロ−ルと任意に中間ロ−ルとから成り、異なる材料から成る圧延ストリップを冷間圧延或いは熱間圧延するロ−ルスタンドに関する。少なくとも一対のロ−ル（６）は両側へ軸方向に移動でき、圧延欠陥を補償する適切なプロフィルを有する。移動自在なロ−ルチョックによって軸方向に移動されるロ−ルの不利益は、各移動自在なロ−ル（６）が少なくとも一個の流体力学的油膜軸受（３）を有し、その油膜軸受に軸方向移動を行うように応答できる油圧ユニット（１７）が一体化されていることから、回避される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 この発明は、ロ−ルが少なくとも一個のロ−ル対を両側面へ軸方向に移動でき
且つロ−ル欠陥を補償するのに適したプロフィルを有して、対になって配置され
た作業ロ−ル、支持ロ−ルと場合によっては中間ロ−ルによって種々の材料の圧
延ストリップを熱間圧延或いは冷間圧延する圧延スタンドに関する。

【０００２】 欧州特許第９１５４０号明細書には、第四或いは第六の圧延スタンドとして形
成されるこの種の圧延スタンドが記載されている。第四圧延スタンドの場合には
作業ロ−ルの傍で支持ロ−ルも軸方向に移動でき、支持ロ−ルの移動は作業ロ−
ルと無関係に或いは作業ロ−ルと一緒に行われる。第六圧延スタンドの場合には
作業ロ−ルが設けられ、支持ロ−ルに支持された中間ロ−ルを支持し、作業ロ−
ル及び／又は支持ロ−ル及び／又は中間ロ−ルは互いに軸方向に移動でき且つロ
−ルは少なくとも二つのロ−ル対に全俵長さに渡って延長して湾曲したプロフィ
ルを備えていて、そのプロフィルは凸面領域と凹面領域とから構成され、俵プロ
フィルが反対に支持する或いは協同するロ−ルをこのロ−ルの所定相対軸方向箇
所にだけ補充的に補う。チョックは滑動面を備えており、チョックは相互に或い
は圧延スタンドのビ−ムを滑動し且つ押し棒により軸方向に移動できる。この構
造に必要な据え付け費用はかなりになる。

【０００３】 この発明の課題は、移動自在なチョックを備える解決策に比べて圧延スタンド
のロ−ルの軸方向の移動を簡略化することにある。

【０００４】 この課題は、それぞれの移動自在なロ−ルが少なくとも一個の流体力学的油膜
軸受を有し、その軸受に軸方向移動を生じさせる油圧ユニットが一体化されてい
ることにより解決される。流体力学的油膜軸受におけるロ−ルはチョックの滑動
面の場合の外に流体力学的油膜に浮動しているので、摩擦は軸方向においても僅
かである。それによりロ−ルは僅かな努力で障害なく且つ移行なしに軸方向に位
置決めされ得る。一体化された油圧ユニットは、従来の普通の押し棒と比較して
小さく据え付けでき、また、ロ−ル軸受の構成要素である。

【０００５】 軸受摩擦が僅かなために軸方向調整は負荷の下で実施できる。場所の必要性が
僅かなために油圧ユニットはあらゆるロ−ルタイプ（作業ロ−ル、支持ロ−ルと
中間ロ−ル）の場合に使用できる。

【０００６】 支持ロ−ルには熱間圧延の場合にｎ番目の仕上げが施される。圧延ストリップ
通路の前スタンドでは、特に無端圧延の場合に、作業ロ−ルのサ─マルクラウン
を補償するために、支持ロ−ルが移動される。ＣＶＣ（連続可変クラウン）作業
ロ−ルにより予設定が行われる。

【０００７】 後スタンドでは作業ロ−ル移動が磨耗やサ─マルクラウンを比較緩和するのに
役立つ。ロ−ル隙間形状の調整はロ−ル屈曲により行われる。後スタンドの作業
ロ−ル移動がロ−ル隙間形状の調整用の調整領域を拡張し、狭い軟質ストリップ
並びに幅広い硬質ストリップの場合に特に役立つ。

【０００８】 支持ロ−ルには冷間圧延の場合にｘ２の欠陥を補整するＣＶＣ仕上げが平滑性
の欠陥を補償するために施される。第六スタンドにおける作業ロ−ル或いは中間
ロ−ルはｘｎの欠陥を補整するＣＶＣ仕上げを有する。

【０００９】 第六スタンドの場合では支持ロ−ルはｘ２の欠陥を補整するＣＶＣ仕上げを有
し、ｘｎの欠陥を補整する中間ロ−ルと作業ロ−ルとは”エッジドロップ（板端
部の急激な板厚の落ち込み）”現象を補整する手段を有する。

【００１０】 油圧ユニットが圧延スタンドに固定する環状シリンダを有し、そのシリンダに
はロ−ルに固定する環状ピストンが一体化リングにより気密に案内されることに
よって、油圧ユニットは流体力学的油膜軸受の形状に特に良く適合する。その直
径は流体力学的油膜軸受の軸受スリ─ブの直径より大きいことが重要ではない。

【００１１】 環状ピストンのリングの両側の圧力作用性により両方向におけるロ−ルの移動
が可能である。環状ピストンの両油圧接続部により、環状ピストンに両運動方向
用の油圧油が選択的に供給される。

【００１２】 位置検出器は軸方向移動自在なロ−ルのそれぞれの軸方向位置を測定するのに
役立つ。この位置は油圧ユニットによって圧延スタンドの調整回路を介して位置
検出器の信号を使用して制御される。

【００１３】 この発明の特有な利点は、流体力学的油膜軸受が油圧ユニットと共に交換部品
として使用されることにある。それにより古い装備の交換の際に現存のロ−ルチ
ョックが使用され得る。それで、流体力学的油膜軸受だけを交換しさえすればよ
い。圧延スタンドコラムにおける空間を必要とする移動機構が省略できる。

【００１４】 この発明の他の特徴は、次の説明と、この発明の実施例が概略的に図示される
図面とから明らかになる。

【００１５】 唯一の図は右端位置における油圧ユニットを備える流体力学的油膜軸受を通る
長手方向断面を示す。その図には圧延スタンドコラム（１）（或いはロ−ルチョ
ック）が図示され、その圧延スタンドには流体力学的油膜軸受（３）の軸受ブッ
シュ（２）が配置されている。その軸受に付属するジャ−ナルブッシュ（４）は
締め付け円錐体によりロ−ル（６）のロ−ルジャ−ナル（５）に位置する。

【００１６】 圧延スタンドコラム（１）には環状シリンダ（７）が固定されており、このシ
リンダ内に環状ピストン（８）が気密に案内されている。このピストンは円錐こ
ろ軸受（９）を介してロ−ルジャ−ナル（５）と結合されている。環状ピストン
（８）はその周辺にリング（１０）を有し、そのリングは環状シリンダ（７）の
溝（１１）内で環状ピストン（８）と共に軸方向に移動できる。

【００１７】 溝（１１）は環状ピストン（８）と一緒に環状空間（１２）を形成し、その空
間はリング（１０）により分割される。環状空間（１２）の部分は別々の油圧接
続部（１３）を介して圧延スタンドの制御油圧手段と接続している。

【００１８】 ロ−ルジャ−ナル（５）の自由端はカバ−（１４）によって油密に覆われてい
る。このカバ−には位置検出器（１５）が固定されており、この位置検出器は接
続ロッド（１６）を介してロ−ルジャ−ナル（５）の自由端と結合されている。
環状シリンダ（７）、環状ピストン（８）と位置検出器（１５）は油圧ユニット
（１７）を形成する。

【００１９】 この発明の配置は次のように機能する；ロ−ル（６）の必要な軸方向移動の場
合には望まれた調整方向に基づいて右或いは左油圧接続部が圧力油を作用される
。この圧力油は、とりわけリング（１０）の環状面に作用し、それにより軸方向
力を及ぼし、その軸方向力は円錐ころ軸受（９）を介してロ−ル（６）のロ−ル
ジャ−ナル（５）へ摩擦なしに伝動される。ロ−ルジャ−ナル（５）の軸方向移
動は接続ロッド（１６）を介して位置検出器（１５）に伝動され、この位置検出
器は更に望まれた圧延位置を達成するために圧力油流れを制御する。

【００２０】 この発明の配置は、簡単で、確実で且つ場所を節約した軸方向移動装置を提供
し、この軸方向移動装置はその完全カプセル化のために全く注意を必要としない
。この軸方向移動装置は、この特性のために、現存の圧延スタンドのロ−ルチョ
ックへの後での据え付けにも適している。

【図面の簡単な説明】

【図１】 右端位置における油圧ユニットを備える流体力学的油膜軸受を通る長手方向断
面を示す。

【符号の説明】

１．．．．．圧延スタンドコラム ２．．．．．軸受ブッシュ ３．．．．．流体力学的油膜軸受 ４．．．．．ジャ−ナルブッシュ ５．．．．．ジャ−ナル ６．．．．．ロ−ル ７．．．．．環状シリンダ ８．．．．．環状ピストン ９．．．．．円錐ころ軸受 １０．．．．リング １１．．．．溝 １２．．．．環状空間 １３．．．．油圧接続部 １４．．．．カバ− １５．．．．位置検出器 １６．．．．接続ロッド

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レーイング・コンラート ドイツ連邦共和国、57271 ヒルヒェンバ ッハ、アウフ・デア・ハイデ、１ (72)発明者 ミュラー・カール−フリードリヒ ドイツ連邦共和国、57338 エルンテブリ ュック、イム・シュトライトプラッツ、３

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロ−ル（６）が少なくとも一個のロ−ル対を両側面へ軸方向に移
   動でき且つロ−ル欠陥を補償するのに適したプロフィルを有して、対になって配
   置された作業ロ−ル、支持ロ−ルと場合によっては中間ロ−ルによって種々の材
   料の圧延ストリップを熱間或いは冷間圧延する圧延スタンドにおいて、各移動で
   きるロ−ル（６）が少なくとも一個の流体力学的油膜軸受（３）を有し、軸方向
   移動を生じさせる油圧ユニット（１７）が油膜軸受に一体化されることを特徴と
   する圧延スタンド。
2. 【請求項２】 油圧ユニット（１７）は圧延スタンドに固定した環状シリンダ（
   ７）を有し、この環状シリンダにはロ−ルに固定した環状ピストン（８）が一体
   化されたリング（１０）により密封的に案内されることを特徴とする請求項１に
   記載の圧延スタンド。
3. 【請求項３】 環状ピストン（８）のリング（１０）は両側で圧力を作用できる
   ことを特徴とする請求項２に記載の圧延スタンド。
4. 【請求項４】 環状シリンダ（７）は二つの油圧接続部（１３）を有することを
   特徴とする請求項２或いは請求項３に記載の圧延スタンド。
5. 【請求項５】 各移動自在なロ−ル（６）に対して位置検出器（１５）が設けら
   れていることを特徴とする請求項１乃至請求項４のいずれか一項或いは複数項に
   記載の圧延スタンド。
6. 【請求項６】 移動自在なロ−ル（６）の軸方向位置は油圧ユニット（１７）に
   よって圧延スタンドの調整回路を介して位置検出器（１５）の信号を使用して制
   御できることを特徴とする請求項５に記載の圧延スタンド。
7. 【請求項７】 流体力学的油膜軸受（３）は油圧ユニット（１７）と共に交換部
   品として使用できることを特徴とする請求項１乃至請求項６のいずれか一項或い
   は複数項に記載の圧延スタンド。
8. 【請求項８】 流体力学的油膜軸受（３）は油圧ユニット（１７）と共に熱間圧
   延機及び／又は冷間圧延機の前スタンド及び／又は後スタンドに据え付けできる
   ことを特徴とする請求項１乃至請求項７のいずれか一項或いは複数項に記載の圧
   延スタンド。