JP2002507123A

JP2002507123A - プロバイオティックの有効性を改良する方法、栄養添加物の調製、およびそれを含む動物飼料

Info

Publication number: JP2002507123A
Application number: JP50533299A
Authority: JP
Inventors: タン、アン、ギアン; アラン、ギヨンバルシュ; イサベル、ブロンニャール
Original assignee: ヘキスト、ルセル、ヴェト、ソシエテ、アノニム
Priority date: 1997-06-27
Filing date: 1998-06-25
Publication date: 2002-03-05
Also published as: AU732890C; NO996500L; NZ502365A; AU8344398A; WO1999000022A1; FR2765078A1; NO996500D0; EP0991325A1; US6221404B1; AU732890B2; CA2297256A1; FR2765078B1

Abstract

(57)【要約】本発明は、プロバイオティックおよびリゾチームを動物に、好ましくは同時に投与することにより、Bacillus cereus CIP 5832から構成されるプロバイオティックの畜産遂行能力を改良する方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】プロバイオティックの有効性を改良する方法、栄養添加物の調製、およびそれを含む動物飼料本発明は、Bacillus cereus CIP 5832により構成されるプロバイオティックの畜産遂行能力を改良するための方法、非医薬用栄養添加物の調製物、および、これを含む動物飼料に関するものである。上記プロバイオティックは動物の生産および動物の栄養補給に益々使用される非医用栄養添加物の部類を構成する。プロバイオティックは生きた微生物であって、一度摂取されると哺乳類および鳥類の両方で、動物の畜産遂行能力を改良し得る。畜産家により最も求められる畜産遂行能力は動物の成長および飼料の転換指数（１単位の重量取得を生産するに要する飼料の量）である。細菌、酵母または真菌の多数の種および株がプロバイオティックとして提案されている。プロバイオティックを投与する最も頻繁な方法は、動物の飼料または飲料水中に添加物を混合することである。飼料または飲料水のいずれであっても、プロバイオティックが有効であるためには、それを構成する微生物の生理的完全性が保存され、かつ、微生物が生きて残れることが必要である。従って、特許ＦＲ第2 616 662号公報は、Bacillus cereus CIP 5832が成育性を向上させ、かつ、鳥類および哺乳類の両方の幾つかの動物種の飼料転換指数を低減させることを教示する。これらの畜産遂行能力を達成するには、飼料グラム当たり１００，０００から５，０００，０００の生き得る微生物濃度でプロバイオティックを添加する必要がある。特許ＥＰ第0 399 819号公報は、Bacillus cereus var．toyoiにより構成されるプロバイオティックの有効性は、穀物から得られる一種の炭水化物中にプロバイオティックを配合してその完全性を保護することにより保存できることを教示する。 R．HAVENAARらは（Selection of strains for probiotic use．In Probiotics ．The Scientific Basis．R．FULLER著．Chapman & Hall Ed.，1992，209-224頁）プロバイオティックとして使用できる微生物のin vitroにおける選択基準を記載した。これらの基準の中では、抗生物質および抗菌物質に対する抵抗性が不可欠事項である。リゾチームはヒトおよび動物の多数の器管および体液中、および植物中にさえも見いだされる天然抗菌性ポリペプチドである。従って、リゾチームはヒトの乳、涙液、唾液および鼻粘液から単離できる。このものは乳牛の牛乳および初乳中に見いだされる。カリフラワージュースからリゾチームを単離することも可能であった。しかし、産業的規模でリゾチームを抽出できる最も重要な原料はニワトリの卵白である。リゾチームはペプチドグリカンのＮ−アセチルムラミン酸およびＮ−アセチルグルコサミンの間の結合を溶解し得る酵素（ムラミダーゼ、E．C．3.2.1.17）であり、このものはグラム陽性菌の菌体壁中に大量に見いだされる。リゾチームがグラム陽性菌に対する抗菌作用を有する理由はここにある。この種の細菌群の中で、Bacillus cereusはリゾチームの抑制性活動に感受性である。リゾチームのこの抗菌性が、ヒト栄養物中の保存料としての、および、ヒト薬理学における医薬としての最近のその使用を可能にしている。特許ＦＲ第2 450 110号公報はリゾチームが、哺乳類または鳥類両方の家畜処理に使用できることを教示している。この特許は次のことを特許請求する：１．−活性成分としてリゾチームまたはリゾチームの非毒性塩の一種を含むことを特徴とする、微生物感染動物の治療用組成物。２．−リゾチームおよび／またはリゾチームの少なくとも一種のその非毒性塩を含むことを特徴とする、家畜動物用の固形もしくは液状栄養生産物。３．−リゾチームおよび／またはリゾチームの少なくとも一種の非毒性塩を含むことを特徴とする。家畜用飼料。 K．KOUDELAら（Zivocisna Vyroba，1995，40(7)，313-317）は、飼料のｋｇ当たりのリゾチーム５、１０、１５および２０ミリグラムを摂取するニワトリ（ch ickens）の成長および飼料転換指数にリゾチームが有益な影響を及ぼすことを証明した。成長および飼料転換指数は、ニワトリの血漿コルチコステロン濃度が同一に維持され乍ら、改良された。リゾチームを経口好ましくは同時投与すると、Bacillus cereus CIP 5832はin vitroではリゾチームにより抑制されるが、哺乳類および鳥類の両方で動物のin vivoではプロバイオティックの有益な畜産有効性が著しく増加することが、予想外にも見いだされた。したがって本発明は、Bacillus cereus CIP 5832により構成されるプロバイオティックの畜産的な有効性を増強するためのリゾチームの使用に関する。本発明者らが知る限りにおいて、リゾチームとBacillus間のこの相乗効果は従来開示がなく、当然乍ら、この相乗作用を説明できる機構も知られていない。 Bacillus cereus CIP 5832により構成されるプロバイオティックの用量は、プロバイオティックの場合に最近使用される用量、すなわち、飼料のグラム当たり１００，０００から５，０００，０００の生き得る微生物濃度である。リゾチームまたはその塩類の一つの投与量は、所望する技術的効果および経済的効果に応じて、飼料ｋｇ当たり５から２００ミリグラム、好ましくは飼料のｋｇ当たり１から１００ミリグラムである。次に実施例により本発明を記載するが、なんらの制限を意図するものではない。実施例１：ＰＣＡ平板カウント用寒天（Biokar，Beauvais，フランス）を二つのペトリ皿に注ぎ、固化後、１培養のBacillus cereus CIP 5832で表面接種した。中空ポンチを使用して、１０ｍｍ直径の５個のウエルを各ペトリ皿の寒天中にパンチした。水１２５μｌを各ペトリ皿の最初のウエル中に導入し、次いでそれぞれ１０、５０、１００および１０００ｍｇ／Ｌの力価を有するリゾチーム・ＨＣｌ水溶液（Ovonor，Bethune，フランス）１２５μｌを残った四つのウエル中に導入する。ペトリ皿を３７℃のオーブン中で４８時間保温する。保温後、次の結果が得られる：Bacillus cereus CIP 5832の特徴的コロニーが寒天面に生じた。リゾチーム溶液を含むウエル周辺には透明帯域が観察され、Bacillusのある種の抑制を示す。水のみを含むウエル周りには、この種帯域は存在しない。この帯域の直径は次のようである：実施例２：完全に健康な子豚９６匹を各３２匹の均一系３群に分ける。２７日間の実験期間中、３種の餌のうち１種を各群に与えるが、この餌は同一の基本組成であるが添加物を用いた補足分が異なっている。次の栄養分を与えるために基本飼料を処方した。これら３群に、添加物を用いて次の補足分を与える。第１群： Bacillus cereus CIP 5832 （Paciflor C10、N．D．Prodera、Varmes、フランス）飼料グラム当たり１，０００，０００の生き得る微生物第２群： Bacillus cereus CIP 5832 飼料グラム当たり１，０００，０００の生き得る微生物およびリゾチーム・塩酸（Ovonor、Bethune、フランス）飼料のｋｇ当たり１０ｍｇ第３群 Bacillus cereus CIP 5832 飼料グラム当たり１，０００，０００の生き得る微生物およびリゾチーム・塩酸。飼料のｋｇ当たり５０ｍｇ実験中、これらの子豚に自由に餌と水を与えた。測定した畜産遂行能力は次のようであった： −初期の生体重および最後の生体重（毎日取得された平均体重で表した成長速度はこれから計算できる）、および −取得された体重で除した飼料の消費量（これから飼料の転換指数が得られる）。上記２７日間の実験で得られた平均結果は次のようである：これらの結果は、Bacillus cereus CIP 5832をリゾチームト組み合わせるとBa cillus cereus CIP 5832のみの場合に得られる結果に比べて子豚の畜産遂行能力が一層良好であることを示す。これらの実験の子豚は完全に健康であり、上記特許ＦＲ第2 450 110号記載の特許請求の範囲記載のような、微生物感染を起こした動物は見られないことに注目すべきである。実施例３：生後１日目のオスニワトリ２４０羽を各６０羽の４群に分けた。収容密度２０羽／ケージでワイヤー製メッシュケージ中に鳥を収容し、自由に飼料と水を与える。２１日間の実験中、ヒナ（chicks）の４群の各群に、基本処方は同一であるが、補足分が異なる４種の実験飼料の一種を与える。基本処方は次の栄養分を供給する：補足分は次のようである：群１：無添加物（負の対照）群２：飼料グラム当たり５００，０００の生き得る微生物の濃度におけるBaci llus cereus CIP 5832 群３：飼料ｋｇ当たりリゾチーム・塩酸１０ミリグラム群４：飼料グラム当たり５００，０００の生き得る微生物の濃度におけるBaci llus cereus CIP 5832および飼料ｋｇ当たりリゾチーム・塩酸１０ミリグラム Bacillus cereus CIP 5832およびリゾチーム・塩酸は上記実施例のような同一供給者から供給された。２１日間の実験期間後、最終字重量で表した動物の成長および飼料転換指数は次のようである：これらの結果は次のことを証明する： − Bacillus cereus CIP 5832単独ではヒナ（群１と比較した群２）の畜産遂行能力を改良する； − リゾチーム単独ではヒナの成長を改良しなかったし、かつ飼料転換指数に及ぼすその影響は極めて低い（群１と比較した群３）； − リゾチームを同時に投与するとプロバイオティックの畜産遂行能力が改良される（群２と比較した群４）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＧＷ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ

Claims

【特許請求の範囲】１． Bacillus cereus CIP 5832により構成されるプロバイオティックの畜産遂行能力を改良する方法であって、プロバイオティック、および、リゾチームまたはその塩の一種を経口で動物に投与することを特徴とする方法。２．上記投与が、飼料グラム当たり１００，０００から５，０００，０００の生き得るBacillus cereus CIP 5832微生物、および、飼料キログラム当たりリゾチームまたはその塩の一種を２００ミリグラムの量で動物に供給することを特徴とする、請求項１記載の方法。３．上記プロバイオティック、および、リゾチームまたはその塩の一種を同時投与することを特徴とする、請求項１又は２記載の方法。４． Bacillus cereus CIP 5832、および、リゾチームまたはその塩の一種を含有することを特徴とする、非医薬用栄養添加物の調製物。５． Bacillus cereus CIP 5832がリゾチームまたはその塩の一種と共に含有されてなる、動物飼料。