JP2002504388A - 指紋センサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 この発明は、指紋等の構成を測定するための装置であって、指紋の表面に接近して、または接触して配置するようになった少なくとも一つのセンサアレーを含み、このセンサアレーが、例えば、キャパシタンスまたは抵抗率を測定することによって、表面の選択した特性を複数の位置で測定するようになった装置に関する。少なくとも一つのセンサアレーは、上記特性を選択した時間間隔で測定するようになった少なくとも１列のセンサを含み、表面は、センサアレーに対して少なくとも１列のセンサと本質的に垂直な方向に相対運動し、そして少なくとも一つのセンサアレーの外端の少なくとも一つが測定すべき表面の方へ突出して、上記運動の方向に垂直な平面で本質的にＵ字形の断面を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 この発明は、指紋等の構成を測定するための方法および装置で、指紋の表面の
選択した特性、例えば、キャパシタンスまたは抵抗率の、この表面と接触して、
または接近して配置した複数のセンサを含むセンサアレーを使う測定を含む方法
および装置に関する。

【０００２】 指紋を使うことによる身元確認が、パターン認識アルゴリズムの利用可能性の
非常な増大は勿論、例えば、クレジットカードまたはコンピュータシステムに関
するセキュリティに対する必要性の増大の結果として、最近世間の注目を惹くよ
うになった。指紋認識のための幾つかのシステムが既に市場で入手可能になって
いる。指紋を登録するために使う技法は種々ある。

【０００３】 従前に知られている解決策の幾つかは、一つ以上の波長の光を使う光学技術に
基づいている。これらは、指紋とセンサ表面の両方の埃および汚染に敏感で、そ
れで両方の清掃が必要である。

【０００４】 一つの代替案は、米国特許第５，５５９，５０４号、第５，５０３，０２９号
および第４，３９４，７７３号に記載されているような、圧力測定である。しか
し、これは、センサが少なくとも部分的に柔軟な面を有しなければならないので
、センサ表面が機械的摩耗および損傷に敏感になると言う欠点がある。 温度センサも、例えば、米国特許第４，４２９，４１３号および国際特許出願
ＰＣＴ／ＮＯ９６／００８２に提案されている。

【０００５】 指紋センサは、変動する、時には厳しい条件の下で長期間使用にさらされるか
も知れない。従って、センサは、頑丈な表面を有し、出来るだけ指紋およびセン
サの汚染に鈍感であることが必要である。それは、大抵の指紋を、先の使用によ
る潜在指紋によって妨害されることなく読取れ、そして光学センサの問題を意味
する所謂“乾いた指”のイメージもとれなければならない。ある場合、例えば、
クレジットカードまたはコンピュータ・キーボードでは、センサをコンパクトに
作れたら有利だろう。 コストから見て、単純性と部品点数の最少化に対する要求もある。

【０００６】 本発明の目的は、生産が容易で、生産で安価に作り、比較的小さくもあるセン
サを提供することである。 上述の解決策に加えて、キャパシタンスの測定を、指紋を測定する方法として
試みた。その例が米国特許第４，３５３，０５６号および第５，３２５，４４２
号に示されている。指紋の山はセンサ表面に接触するが、谷はセンサ表面と僅か
な距離があり、異なるセンサで測定したキャパシタンスおよび／または伝導に差
を生ずる。湿度が測定値に影響するかも知れないが、もし指紋全体に均一に分布
していれば、測定値間のコントラストの解析がその実態を提供することができる
。

【０００７】 上述の解決策は全て、指紋の大きさに匹敵する寸法の２次元センサアレーに基
づく。これらは、表面を同時に測定する多数のセンサを含むので、高価であり、
生産が困難である。 また、既知のセンサは、フラットセンサ面しか明らかにしない。指紋は湾曲面
であるので、これらのセンサは、指紋の僅かな部分しか測定できず、それで指紋
を面に対して保持する角度に敏感である。

【０００８】 本発明は、指紋等の構成を、例えば、前記請求項１および請求項６に記載する
ような特徴がある、上述の技法の一つを使って測定するための方法および装置を
提供する。

【０００９】 センサアレーの表面は小さく、既知の解決策に比べて僅かなセンサしか含まな
いので、それは安価で、製造が比較的簡単である。センサアレーを横切って測定
すべき指紋を動かすので、それは自浄式であり、先のユーザからの潜在指紋が残
らず、既知の指紋センサに対してもう一つの利点を与える。

【００１０】 湾曲したまたは本質的にＵ字形のセンサ列を一体に、または二つ若しくは三つ
の線形センサアレーを組合わせることによって作ってもよい。そのような線形ア
レーの例は、ヨーロッパ特許第７３５，５０２号に記載されている。

【００１１】 指紋の細部は小さいので、検出器のセンサを十分小さく作ることも困難である
。好適実施例では、この発明による装置および方法が測定点の二つ以上の平行な
列を含み、測定点の各列が測定点の間の距離より小さい距離で縦方向にずらされ
、センサアレーが等間隔の二つ以上の平行な列を、好ましくはセンサアレーの縦
方向にずらされて含む。これは、センサの間隔より小さい指紋の構成を測定する
可能性をもたらす。これは、既知の検出器システムのどれによっても可能ではな
い。 それで、“本質的に１次元のアレー”という用語は、本文では幅より長さが遙
かに大きいアレーを指し、１列を超えるセンサを含んでもよいことを理解すべき
である。

【００１２】 以下に、この発明の一つの可能性ある実施例を示す添付の図面を参照して、発
明を説明する。

【００１３】 図１ａに、センサの単一線形アレー１を示す。これらのセンサは、圧力センサ
または温度センサのように、種類が異なってもよいが、それらは指紋の異なる部
分の伝導、インピーダンスまたはキャパシタンスを測定する可能性をもたらす電
気伝導体であるのが好ましい。測定すべき表面は、このセンサ列に対して垂直方
向に動かされる。

【００１４】 好適実施例では、センサ１がエポキシのような絶縁材料３によって分離された
電気伝導体である。図示の実施例では、導電性材料２がセンサを囲み、この材料
を基準電位を与えるために用いてもよい。もし、キャパシタンスを測定すべきな
ら、伝導体を絶縁層で覆う。この様にして、各センサ１と周囲基準レベルとの間
で指紋を通る伝導、インピーダンスまたはキャパシタンスを測定することができ
る。

【００１５】 指紋の構成を測定するためには、アレーが典型的には長さ１０〜１５ｍｍ、解
像度５０μｍである。これを単一列のセンサを使って得ることは困難または高価
である。図１Ｂは発明の好適な実施例を示し、この例では、センサアレーが互い
に対して僅かにずれた２列のセンサ１から成る。表面をこのセンサアレーを横切
って動かすとき、第２列の各センサの測定値は、第１列の測定点の間に入り、セ
ンサ間の距離が大きくても必要な解像度が得られる。解像度を更に改善するため
に３列以上も可能であるが、列間の距離およびその結果の最初と最後の列の測定
の間の経過時間のために、５列を超えると実際的でないだろう。また、多くの列
を使う装置は、指を動かす方向に敏感だろう。

【００１６】 図１Ｂに示すように、二つ以上のセンサ列を含むセンサアレーを使うとき、異
なる列の測定値を組合わせて一つの単一列のセンサに相当する信号を与えねばな
らない。これをするためには、センサからの信号を、異なる列のセンサからの信
号間の遅延時間に対して調整しなければならない。これをするためには、センサ
アレーに対する指の運動を、指またはセンサを選択した速度で動かすか、または
指の運動を測定することによって、知らねばならない。

【００１７】 センサ素子の２以上の連続列を使う代りに、センサ素子を、例えば、システム
の必要なセキュリティまたは利用できるデータに依って、指紋の選択した領域の
形態を測定するグループに配置してもよい。

【００１８】 また、センサに対する指紋の速度は、この指紋の運動方向に配置した単一、独
立のセンサ素子によって測定してもよい。速度は、別の時間に別のセンサ素子で
測定した類似の形態と相関付けることによって見出してもよい。

【００１９】 センサ列の詳細な説明は、ノルウェー国特許出願第９７．２７５９号に見出す
ことができる。マイクロチップに接続した多数の導体を使うその解決策は、本発
明のセンサアレーの好適実施例を提供する。これらの導体がマイクロチップから
センサ表面まで伸び、それらの端がセンサ素子を構成する。

【００２０】 図２は、発明の最も簡単な実施例を示し、センサアレー２０がＵ字形表面を有
し、その曲率が測定すべき指の大きさに適合している。この解決策は、既知の、
直線または平面の装置より大きい面積の指紋表面の測定をもたらすが、それは、
指の大きさが人毎に変るのに、曲率が固定であるという欠点を有する。また、こ
のセンサは、例えば、事故の場合に、冗長度を与えるために、人のどの指の指紋
も測定できるべきである。 この問題を克服する一つの方法は、センサアレーを指の形状に倣う可撓性材料
に取付けることであろう。

【００２１】 図３に、第１の、幾分Ｖ字形に近いセンサアレー３０を含み、この第１アレー
３０から選択した距離に配置した第２の、線形センサアレー３１も含む、もう一
つの固定解決策を示す。この場合、Ｕ字形センサアレーは、指の側面のイメージ
をとり、一方、平面センサは指の底面のイメージをとるだろう。二つのセンサア
レーは、勿論、部分的に指紋の同じ部分を測定するだろう。これらの組のデータ
の相関付けを使って、それらの間の距離が既知であるので、これらのセンサアレ
ー上の指の速度を見出してもよい。

【００２２】 より柔軟な解決策を図４に示し、それは一緒になってＵ字形を形成する二つの
センサアレー４０，４１を含む。部品４０，４１は、互いに柔軟に結合され、そ
れらの間の相対運動を可能にする。これら部品間の結合は、それらが指の形状に
追従するようにばね掛け式でもよく、またはユーザの指の大きさに従って選択し
た位置にロックしてもよい。部品４０，４１間の相対位置をモニタして、これら
センサアレーからの信号を組合わせるときデータ処理を容易にしてもよい。

【００２３】 図４に示す実施例は、第３センサ列４２を含んでもよい。図３に示す実施例の
ように、同じ形態が通過する間の時間経過を見出すためのセンサ列間の距離およ
び信号の相関付けを使って、この指紋センサを通す指の速度を見出してもよい。 図５に示す同様な実施例では、部品５０，５１，５２が軸５３の周りに互いに
対して回転する。再び、これらのセンサ部品間の相対角度を測定して、指紋の表
示を得るために測定したデータの組合せを支援してもよい。代替実施例では、中
間部品５１を省略してもよい。 図示する全ての実施例で、センサアレーは、図１Ａに示すように、単一列のセ
ンサ素子を含んでも、または図１Ｂに示すように、２以上の、好ましくはずらし
た、列のセンサ素子を含んでもよい。

【００２４】 この発明は、標準的技法を使う生産が簡単で、従って安い、センサ装置を提供
する。それは、コンパクトで頑丈でもある。もし、使用する測定技術が導電度に
基づくものであれば、センサは耐久性がある、何故ならば、この場合導体と同じ
であるセンサがそれらおよび周囲のエポキシが摩耗するときに、それらの特性を
変えないからである。もし、キャパシタンスを測定すべきなら、導体を絶縁性の
耐久力がある層で覆う。 センサの好適レイアウトは、解像度をセンサ間の距離よりも良くもし、センサ
間のクロストークを減少する。

【００２５】 指の運動を制御するために、センサは、センサアレーと指紋の間の上記運動の
方向に対応する、少なくとも１列のセンサに本質的に垂直な方向の溝を含んでも
よい。溝が指を案内し、必要な方向以外の方向の運動を避けるだろう。

【００２６】 この発明による方法および装置は、勿論、多くの異なる方法で利用してもよく
、測定した表面の表示を提供するために、キャパシタンスおよび／または導電度
の他に異なる特性を測定してもよい。指紋の反射像を、例えば、コントラストお
よび／または色に関係なく分析できるように、光検出器、好ましくは送信器を使
ってもよい。 センサは、上に簡単に述べたように、キャパシタンスおよび／または導電度を
測定するための手段に接続した導体の端、または半電導性材料で作ったセンサで
もよい。コストが最も重要であるときの好適半電導性材料は、シリコンであろう
。 この発明の範囲内のもう一つの可能な実施例は、指紋の選択した部分を測定す
るために配置した、等間隔センサでないセンサ列を含む。

【図面の簡単な説明】

【図１Ａ】 センサ列の概略図を示す。

【図１Ｂ】 センサ列の変形例の概略図を示す。

【図２】 発明の第１実施例の斜視図を示す。

【図３】 発明の第２実施例の斜視図を示す。

【図４】 発明の第３実施例の斜視図を示す。

【図５】 発明の第４実施例の斜視図を示す。

【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書

【提出日】平成１２年４月１９日（２０００．４．１９）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【特許請求の範囲】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ) ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ， ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，Ｄ Ｋ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ， ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，Ｌ Ｔ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ， ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，Ｕ Ａ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者 マチアセン、スベイン ノルウェー国 ヘッゲダル、ホマンスビイ ベイエン ４ Ｆターム(参考） 4C038 FF01 5B047 AA25 BB02 BC01

Claims (13)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 指紋等の構成を測定するための装置であって、指紋の表面に
   接近して、または接触して配置するようにされた少なくとも一つのセンサアレー
   を含み、このセンサアレーが、例えば、キャパシタンスまたは抵抗率を測定する
   ことによって、表面の選択した特性を複数の位置で測定するようになった装置に
   於いて、この少なくとも一つのセンサアレーが上記特性を選択した時間間隔で測
   定するようにされた少なくとも１列のセンサを含み、表面がセンサアレーに関し
   て少なくとも１列のセンサと本質的に垂直な方向に相対運動し、 少なくとも一つのセンサアレーの外端の少なくとも一つが測定すべき表面の方
   へ突出して、上記運動の方向に垂直な平面で本質的にＵ字形の断面を呈すること
   を特徴とする装置。
2. 【請求項２】 請求項１による装置に於いて、指を受けるようにされた本質
   的にＵ字形断面のくぼみを含み、センサアレーをこのくぼみの表面に設けたこと
   を特徴とする装置。
3. 【請求項３】 請求項１または請求項２による装置に於いて、指を引張る方
   向を案内するために、センサアレーと指紋の間の上記運動方向に相当する、少な
   くとも１列のセンサと本質的に垂直な方向の溝を含むことを特徴とする装置。
4. 【請求項４】 請求項１から請求項３のいずれか一項による装置に於いて、
   表面の特性の分割した２次元表示を得るために、異なる時間間隔での測定値を組
   合わせるための手段を含むことを特徴とする装置。
5. 【請求項５】 請求項１から請求項４のいずれか一項による装置に於いて、
   本質的に１次元のセンサアレーが本質的に等間隔のセンサの二つ以上の平行な列
   を、好ましくは、これらのセンサ間の距離に等しくない距離だけセンサアレーの
   縦方向にずらして含むことを特徴とする装置。
6. 【請求項６】 請求項１から請求項５のいずれか一項による装置に於いて、
   センサアレーに対する表面の運動を測定するための測定手段を含むことを特徴と
   する装置。
7. 【請求項７】 請求項６による装置に於いて、異なるセンサ列における類似
   の構成間の時間経過または空間ずれを見出すために異なるセンサ列からの信号を
   相関付けるための手段を含むことを特徴とする装置。
8. 【請求項８】 請求項１から請求項７のいずれか一項による装置に於いて、
   センサがセンサ列に沿うキャパシタンスの変化を測定するようになった容量セン
   サであることを特徴とする装置。
9. 【請求項９】 請求項１から請求項８のいずれか一項による装置に於いて、
   センサがセンサ列に沿う電気抵抗の変化を測定できる電極を含むことを特徴とす
   る装置。
10. 【請求項１０】 請求項１から請求項６の何れか一項による装置に於いて、
    センサが光検出器、好ましくは光送信器を含むことを特徴とする装置。
11. 【請求項１１】 請求項１から請求項１０のいずれか一項による装置に於い
    て、センサアレーを半電導性材料、好ましくはシリコンで作ることを特徴とする
    装置。
12. 【請求項１２】 請求項１から請求項１１のいずれか一項による装置に於い
    て、互いに対して動き得る、二つ以上のセンサアレーを含むことを特徴とする装
    置。
13. 【請求項１３】 請求項１から請求項１２のいずれか一項による装置に於い
    て、可撓性材料に取付けることを特徴とする装置。