JP2002503745A - 顔料インクおよびそれと共に用いるn−(1,2−ジカルボキシエチル)−n−二置換スルホスクシナメート分散剤 - Google Patents

顔料インクおよびそれと共に用いるn−(1,2−ジカルボキシエチル)−n−二置換スルホスクシナメート分散剤

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JP2002503745A
JP2002503745A JP2000531505A JP2000531505A JP2002503745A JP 2002503745 A JP2002503745 A JP 2002503745A JP 2000531505 A JP2000531505 A JP 2000531505A JP 2000531505 A JP2000531505 A JP 2000531505A JP 2002503745 A JP2002503745 A JP 2002503745A
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ジェイ. クオ,リチャード
ジェネット,ジェニファー
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ミネソタ マイニング アンド マニュファクチャリング カンパニー
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    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/32Inkjet printing inks characterised by colouring agents
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Abstract

(57)【要約】 水性媒体、顔料およびN−二置換スルホスクシナメート分散剤、好ましくは四ナトリウムN−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホスクシナメートを含む顔料インクが開示されている。かかる分散剤は、顔料粒子の凝集を減じ、噴射プロセス中の発熱体への異物の堆積を減じる、または排除する。様々な顔料、分散剤、湿潤剤および水性媒体を用いることができる。かかる分散剤は、インクに良好な安定性を与え、コゲーションの問題をほぼなくし、長いデキャップ時間を与え、色同士のにじみがなく、比較的早い乾燥時間を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、水系顔料インク、特に、インクジェット印刷用に用いるインクに関
わる。
【0002】 発明の背景 近年、インクジェットプリンタを様々な用途に用いることが非常に増えてきて
いる。かかるプリンタは、一般的に用紙またはフィルムであるレセプターに噴射
される液体ベースのインクを利用して画像を生成するものである。4原色(シア
ン、マゼンタ、イエロー、ブラック)を様々な組み合わせおよび濃度で用いるこ
とにより、印刷された画像の一部として目視上あらゆる色を生成することができ
る。さらに、インクジェット技術は、高解像度のグラフィック画像、特に、電子
印刷システムを用いて生成されるような画像に非常に好適である。かかるシステ
ムは、一般的に、コンピュータ技術を用いて、画像、テキスト、グラフィックス
等を作成、修正および記憶する。
【0003】 インクジェットおよびその他プリンタに以前から用いられてきたインクの多く
が、有機−または水系キャリア液体に含有された染料から主として構成されてい
る。かかるインクは特定の用途においては満足いく性能を与えるものであるが、
かかる系は屋外やこれに類似の厳しい用途に必要とされる光安定性および耐久性
に劣る画像を生成する傾向があるため、現在はこうした系から離れる傾向にある
【0004】 この問題を解決するために、着色剤として染料の代わりに顔料を用いて調製さ
れたインクが研究されている。
【0005】 インクジェット用途の顔料インクは、いくつかある厳しい要件を満たすもので
なければならない。例えば、顔料の沈降やノズルの詰まりを防ぐために、粒子サ
イズを非常に小さくし、粒子サイズ分布を狭くしなければならない。分散液は、
ノズルの詰まりを防ぎ、良好な貯蔵寿命を得るために、凝集に対して良好な安定
性を有していなければならない。インクは、「コゲーション(kogation
)」を防ぐために、特にサーマルインクジェットプリンタに用いる場合には、良
好な熱安定性を有していなければならない。
【0006】 顔料分散液は、熱力学的に不安定である。懸濁顔料粒子は、ファンデルワール
ス引力により凝集する傾向にある。インクジェットプリンタは、高解像度の画像
を与えるために、非常に小さなジェットノズル(約80マイクロメートル未満)
を利用するため、得られる顔料凝集体はプリンタヘッドを塞ぐ傾向がある。さら
に、サーマルインクジェットシステムの場合には、かかるインクによればまた、
材料がプリンタヘッドのノズル内部の発熱体に沈降し、これをコートする傾向に
ある。これにより、プリントヘッドの熱効率が減じ、小さなインク液滴が形成さ
れ、滴下速度が減じ、画像品質が劣ることになる。この影響は一般に「コゲーシ
ョン」と呼ばれている。
【0007】 上述の問題を回避するために、一般に、分散液を用いて顔料表面に吸着して(
静電的または立体化学的または両方の組み合わせにより)各粒子の周囲に保護層
をつくって引力に対抗している。
【0008】 一つの手法では、米国特許第5,125,968号および第4,959,66
1号に開示されているように、分散液を、親水性部分と疎水性部分を有する界面
活性剤から選択している。
【0009】 他の手法としては、親水性部分と疎水性部分を有するポリマーが用いられてい
る。ランダムおよびブロック構造の両方のポリマー分散液が開示されている。こ
れらの手法の例は、米国特許第4,597,794号および米国特許第5,08
5,698号に記載されている。
【0010】 ポリマー分散剤を用いることを含めたその他の試みもなされている。例えば、
スチレン−アクリル酸コポリマーのような水溶性ポリマーも検討されているが、
部分的にのみしか成功していない。特に、かかる系は、有望ではあるが、不均一
に印刷されたブロックの塗り潰しブロック画像を生成する傾向がある。印刷画像
の均一性の欠如は、印刷が長くなると特に顕著であるが、これは、画像領域にお
けるレセプター表面の被覆が不完全であることによる。
【0011】 この問題は、一般に「バンディング」と呼ばれ、印刷ジョブの最中の漸次噴射
される小さなインク液滴によるものである。この影響は、印刷カートリッジ内の
発熱体上に断熱材が堆積することにより引き起こされるコゲーションの結果と考
えられる。その結果、インクへの熱転写効率が減じ、印刷プロセスに必要とされ
る適切なサイズのインク泡を生成する能力が減じる。堆積した材料が熱導電性で
あっても、加熱中ヒーター表面で核形成挙動が変化する恐れがあり、これはまた
、泡の形成にも悪影響を及ぼす恐れがある。ポリマー分散剤に関連してよく見受
けられるその他の問題は、インクがノズル先端で固化して閉塞を生じるというこ
とである。
【0012】 顔料インクジェットインクのその他の重要な要件は、インク組成物のクラスタ
化が印刷中またはプリンタが休止中のときにノズルプレートで生じないよう、デ
キャップ(decap)時間が長いことである。
【0013】 「デキャップ時間」とは、インク液滴がその意図する目標で噴出されるように
空気に晒したときノズル開口部においてインクが流体のままである時間の長さと
定義される。ノズルプレートのクラスタ化の結果、印刷品質が劣り、さらに悪く
するとノズルが完全に詰まって完全に印刷が不具合となる恐れがある。湿潤剤を
加えてデキャップ時間を長くしてもよいが、顔料インク分散液の凝結もコゲーシ
ョンの促進もしないよう、注意して選択しなければならない。
【0014】 顔料インクの3つ目の大切な特性は、目的の画像を生成すべく、インク液滴が
レセプターについたら迅速に乾燥する能力である。迅速な乾燥は、プリンタの生
産性を決める重要なファクターの一つであるため重要である。
【0015】 長いデキャップ時間の要件と、印刷画像の迅速な乾燥の要件とはしばしば対立
するものである。例えば、クラスタ化の問題を回避し、デキャップ時間を改善す
るためには、蒸発速度を減じるべく、エチレングリコールやジエチレングリコー
ルのような高沸点のコソルベントをインク組成物中に、通常、大量に用いる。し
かしながら、これらのタイプのコソルベントは、印刷画像の乾燥速度を大幅に減
じる傾向にあり、これが印刷画像の迅速な乾燥の要件を損なわせる。
【0016】 発明の概要 上記を鑑みると、インクジェット用途について水系顔料インクが、(1)顔料
粒子の凝集や凝結を減じ、(2)噴射プロセス中、発熱体に異物が堆積するのを
減じ、(3)「デキャップ時間」が長く、インクジェットプリンタノズルプレー
トに許容される時間にわたってクラスタ化を生じず、(4)印刷画像が迅速に乾
燥し、(5)良好な画像品質を示すことが必要とされている。
【0017】 また、短期間と長期間の両方について安定性を与えるインクも望まれている。
【0018】 本発明は、(a)水性媒体と、(b)顔料と、(c)N−(1,2−ジカルボ
キシエチル)−N−二置換スルホスクシナメートを含む分散剤とを含むインクを
提供することにより、業界におけるこれらの問題を解決するものである。
【0019】 本発明のインクは、1種類の顔料または顔料を組み合わせたものを含むことが
できる。特に、本発明のインクに、ブラック、シアン、イエローおよびマゼンタ
顔料を与えてもよい。個々の色密度および重ねる単色画像を変えることによって
、適切な基材に目視上あらゆる色を与えることができる。電子グラフィック画像
システムと組み合わせると、電子的に作成または記憶可能な目視上あらゆる画像
をインクジェットプリンタを用いて再生することができる。当然のことながら、
本発明は上述の4色のインクに限定されるものではない。むしろ、電子グラフィ
ック画像システムと互換性のあるいかなる顔料を用いたインクを用いても構わな
い。
【0020】 特に、本発明のインクは、分散剤または分散剤の組み合わせとして、特定のN
−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−二置換スルホスクシナメートを含む。
意外にも、N−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−二置換スルホスクシナメ
ートは、色同士のにじみや色同士のフェザーリングが少なく、マッドクラッキン
グによる画像の欠陥の少ない多色画像をインクレセプターフィルム上に印刷する
。N−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−二置換スルホスクシナメート分散
剤を含有するインクは、粘度や表面張力について広範な望ましい特性を示し、ノ
ズルの詰まりに対して抵抗を示し、良好な色品質で印刷画像を迅速に乾燥し、長
期にわたって安定なインクを与えるべく処方することができる。
【0021】 インクとしては、サーマル顔料インクジェットインク、ピエゾインクジェット
顔料インク、バブルジェット顔料インク、マーカーインク、極細ボールペン、製
図用ペンインク、万年筆インク等が例示されるがこれに限られるものではない。
【0022】 特に、四ナトリウムN−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシル
スルホスクシナメートを用いると、優れた水系顔料インクジェットインク分散液
を生成できる。四ナトリウムN−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタ
デシルスルホスクシナメートは、長期にわたって凝集や凝結のない非常に安定な
コロイド分散液を形成するための顔料粒子を安定化させるのに効果的である。
【0023】 非常に意外なことに、四ナトリウムN−(1,2−ジカルボキシエチル)−N
−オクタデシルスルホスクシナメートを分散剤として処方された水系顔料インク
は、NovaJet IIIプリンタ(Encad Corporation(
米国、カリフォルニア州、サンディエゴ))のようなインクジェットプリンタを
用いて、3Mスコッチプリント(登録商標)不透明画像形成媒体(製品番号36
57−10、ミネソタマイニング・アンド・マニュファクチュアリングカンパニ
ー(3M)(米国、ミネソタ州、セントポール))のようなインクジェットレセ
プターフィルム上にシアン、マゼンタおよびイエローインクの個々の色を様々な
比率で混ぜることにより、カラーグラフィックを生成したときによく起こる色同
士のにじみや色同士のフェザーリングという問題を解決するものである。サーマ
ルインクジェットインクの多くが、インクジェットレセプター上に様々な色で印
刷されるとき、互いににじむ傾向にある。一つの色が他の色に浸入しないきれい
な境界が複数の色の間にあるのが極めて望ましい。
【0024】 さらに、本発明のインクを用いると、本発明のインクセットによりインクジェ
ットレセプターフィルム上に印刷されるカラー画像には、重いインクレイダウン
が使われたとしてもマッドクラッキングという問題を生じない。
【0025】 本発明の他の態様は、本発明の顔料インクと、インクジェット送出システムと
してのインクジェットカートリッジとの組み合わせである。
【0026】 本発明の一つの特徴は、使用に際してインクジェットインクを処方でき容易と
いうことである。
【0027】 本発明の利点は、四ナトリウムN−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オ
クタデシルスルホスクシナメート分散剤が、顔料粒子の凝集または凝結を減じ、
噴射プロセス中発熱体に異物が堆積するのを減じるということである。
【0028】 本発明の他の利点は、N−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−二置換スル
ホスクシナメート分散剤が、顔料粒子の凝集または凝結を生じさせないというこ
とである。
【0029】 本発明の他の利点は、短期間と長期間の両方について安定性を与えるインクジ
ェットインクであるというこである。
【0030】 他の特徴および利点は、本発明の実施形態により説明される。
【0031】 発明の実施形態 本発明の顔料インクジェットインクの各要素は、以下のパラメータ内で当業者
の要求に従って変えることができる。
【0032】 顔料: カラー画像印刷のための一組の着色インクを処方するのに重要な要因は、イン
ク同士の相容性である。第2の色を生成するとき、印刷プロセス中に、インクは
合わせて混合するか、最低でも互いに接触するため、このことは重要である。相
容性のないインクを合わせて混合すると、それらインクは合着して、特に塗り潰
し充填領域においては色むらのある不均一な表面を示す。合着および色むらの可
能性により、得られる印刷画像の品質が大幅に減じる。それ自体で、多色印刷プ
ロセス(4色プロセスのような)において用いるときは、様々な着色インクのそ
れぞれを、相容性のある、好ましくは同一の処方を用いて処方するのが望ましい
。当然のことながら、処方のそれぞれにおいて顔料は異なる。しかしながら、残
念なことに、異なる顔料は異なる表面特性をもつ傾向にあるため、安定な顔料懸
濁液を同じ分散剤を用いて処方できるようなインクを形成することは非常に難し
いことが多い。それにもかかわらず、後述する分散剤は、4原色の印刷色のそれ
ぞれにおける少なくとも1つの顔料と相容性があることが分かった。
【0033】 ブラックインクについては、カーボンブラックをブラック顔料として用いるこ
とができる。本発明に用いるのに好適なカーボンブラックは、主に、表面酸化(
非常に「揮発性」であるのが好ましい)および顔料の黒度(ジェットネスとも呼
ばれる)の程度を考慮して選択される。表面の酸化物含量の多い顔料はより親水
性であるため、分散がより容易である。黒度またはジェットネスの程度の高い顔
料は高品質の印刷画像を与える。
【0034】 ブラック顔料としては、スペシャルブラック4、スペシャルブラック5、スペ
シャルブラック6、スペシャルブラック4A、カラーブラックFW200および
カラーブラックFW2顔料(全てDegussa Corporation(ニ
ュージャージー州、リッジフィールド)製);レイベン1200カーボンブラッ
ク、レイベン1170カーボンブラック、レイベン3500カーボンブラックお
よびレイベン5750カーボンブラック顔料(全てColumbian Che
mical Corp(ジョージア州、アトランタ)より入手可能);モーグル
LカーボンブラックおよびスターリングNSカーボンブラック顔料(両者ともC
abot Corp(マサチューセッツ州、ボストン)より入手可能);および
カーボンブラックMA−100顔料(三菱化成(日本、東京)より入手可能)が
例示されるがこれに限られるものではない。
【0035】 イエロー顔料としては、ファンチョンファストY−5700 PY139およ
びファンチョンファストイエローY−5688 C.I.ピグメントイエロー1
50顔料(Bayer Corp(サウスカロライナ州、ロックヒル)より入手
可能);サンブライトイエロー14プレスケークおよびスペクトラパックイエロ
ー83顔料(両者ともSun Chemical Corp(オハイオ州、シン
シナティ)より入手可能);サンドリンイエロー6GL(Clariant C
orp(ノースカロライナ州、シャーロット)より入手可能);およびイルガジ
ンイエロー2RLT PY 110、イルガジンイエロー2GLTN PY 1
09、イルガジンイエロー2GLTE PY 109およびイルガジンイエロー
3RLTN PY 110顔料(全てチバガイギーより入手可能)が例示される
がこれに限られるものではない。イエロー顔料を選択するための主たる要件は、
屋外での用途に適用できるグラフィック画像を生成するのに非常に望ましいこと
から、光堅牢度である。他の要件は、顔料の明度である。グリーンの明度のイエ
ロー顔料をこの種の用途に用いるのが通常好ましい。上に挙げた全ての例のうち
、ファンチョンファストイエローY−5688 C.I.ピグメントイエロー1
50およびサンドリンイエロー6GLが、この2つの要件を満たすため最も好ま
しい。
【0036】 マゼンタインクについては、同様に光堅牢度が主たる要件である。キナクリド
ンマゼンタ顔料は、良好な光堅牢度を有することが知られており、従って好まし
いマゼンタ顔料の一つである。マゼンタ顔料としては、クインドマゼンタRV−
6828ピグメントレッド122、クインドマゼンタRV−6831ピグメント
レッド122プレスケーク、クインドレッドR−6713 PV 19およびク
インドマゼンタRV6843ピグメントレッド202顔料(全てBayer C
orpより入手可能);およびサンファストマゼンタ122およびファストマゼ
ンタ202顔料(両者ともSun Chemical Corpより入手可能)
が例示されるがこれに限られるものではない。
【0037】 シアンインクについては、上記の要件(すなわち、光堅牢度、耐久性等)が同
様に適用される。シアン顔料として銅フタロシアニンを用いて様々な十分な特性
が得られるため、かかる顔料を含むインクが一つの好ましい実施形態である。シ
アン顔料としては、パロマーブルーB−4810 PB 15:3、パロマーブ
ルーB−4710 PB 15:1およびパロマーブルーB−4900顔料(全
てBayer Corpより入手可能);およびサンファストブルー15:3プ
レスケークおよびサンファストブルー15:3粉末(Sun Chemical Corpより入手可能)が例示されるがこれに限られるものではない。
【0038】 分散剤: 本発明のインクは、インクの総重量の約0.01〜約6重量パーセント、好ま
しくは約0.05〜約3重量パーセントの量でインク処方に存在するN−(1,
2−ジカルボキシエチル)−N−二置換分散剤を含有することができる。
【0039】 N−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−二置換スルホスクシナメート分散
剤としては、四ナトリウムN−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデ
シルスルホスクシナメート、四ナトリウムN−(1,2−ジカルボキシエチル)
−N−デシルスルホスクシナメート、四ナトリウムN−(1,2−ジカルボキシ
エチル)−N−ヘキサデシルスルホスクシナメート、四アンモニウムN−(1,
2−ジカルボキシエチル)−N−ドデシルスルホスクシナメート、四アンモニウ
ムN−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−テトラデシルスルホスクシナメー
トおよびこれらの組み合わせが例示されるがこれに限られるものではない。
【0040】 通常、本発明に有用な分散剤は、以下の式(I)に分類されるものである。
【化3】 式中、Mは水素イオン、アルカリ金属イオンおよび第四級アンモニウムイオンの
群より選択され、Rはアルキル、アルケニル、アラルキルまたはアリール基であ
る。
【0041】 式(I)のN−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−二置換スルホスクシナ
メート分散剤は、様々な供給源より市販されている。市販の銘柄の分散剤として
は、Cytec Industries(ニュージャージー州、モリスタウン)
製エアロゾル−22およびMona Industries Inc.(ニュー
ジャージー州、パターソン)製モナウェットSNO−35が例示されるがこれに
限られるものではない。
【0042】 水性媒体: 顔料および分散剤に加えて、本インクは顔料懸濁剤として作用する水性媒体と
して主に水を含む。水性媒体中の水に加え、その他の添加剤が様々な特性を与え
る。
【0043】 例えば、多価アルコールのような高沸点の水混和性有機コソルベントを用いて
、乾燥速度を制御するのを補助してもよい。好適な高沸点コソルベントしては、
例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ト
リエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、
ヘキシレングリコールおよびジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、
トリメチロールエタン、ソルビトール;グリセロール、およびエチレングリコー
ルモノメチルまたはモノエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルまたはエ
チルエーテルおよびトリエチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテ
ルのような低級アルキルエーテルが挙げられる。ジエチレングリコールのような
アルキレングリコールが好ましい多価アルコールである。同様に乾燥速度を制御
するのを補助するその他の有用な添加剤としては、尿素およびその誘導体、アミ
ド、ブチルカルビトールまたはセルソルブのようなヒドロキシエーテル誘導体、
アミノアルコールおよびその他水溶性または水混和性材料およびこれらの混合物
が挙げられる。
【0044】 ポリオールは、約5〜約60重量パーセント、好ましくは約8〜約40重量パ
ーセントの水性媒体を含むことができる。
【0045】 任意の添加剤: 本発明のインクは、濡れ性を改善し、インク系の表面張力を減じるためにイオ
ン性および非イオン性界面活性剤を用いることができる。イオン性界面活性剤と
しては、エアロゾル0T界面活性剤(American Cyanamid(ニ
ュージャージー州、ウェストパターソン)より入手可能);およびダーバンNo
.1およびダーバンNo.7界面活性剤(両者ともT.T. Vanderbi
lt Co.(コネチカット州、ノルウォーク)より入手可能)が例示されるが
これに限られるものではない。
【0046】 非イオン界面活性剤としては、トリトンX−100、トリトンX−102、ト
リトンX−114、トリトンX−101およびトリトンCF−10界面活性剤(
全てUnion Carbide Corp.より入手可能);スルフィノール
CT−136(実際は陰イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤の混合物)
、スルフィノール104、スルフィノール465およびスルフィノールTG界面
活性剤(全てAir Products and Chemicals(ペンシ
ルバニア州、アレンタウン)より入手可能);およびタージトールNP−9およ
びタージトールNP−10界面活性剤(両者ともUnion Carbide
Chemicals and Plastics Co.(コネチカット州、ダ
ンベリー)より入手可能)が例示されるがこれに限られるものではない。
【0047】 界面活性剤は、約0.01〜約6重量パーセント、好ましくは約0.05〜約
4重量パーセントの水性媒体を含むことができる。
【0048】 上述の水、顔料および分散剤に加えて、本インクはまた、様々な特性を与える
他の成分も一般に含有することができる。例えば、インクの乾燥速度を制御する
ために、ジエチレングリコールのようなグリコールを、硫酸化ポリエチレンオキ
シド(米国特許第5,725,647号(Carlsonら)に開示されている
)、尿素、トリメチロールプロパン、1,4−ブタンジオール、1,2,4−ブ
タントリオールおよびその他といった様々な湿潤剤と組み合わせて用いてもよい
【0049】 殺生物剤、殺菌剤、消泡剤、腐蝕防止剤、粘度調節剤、pHバッファ、浸透液
、金属イオン封鎖剤等をはじめとする業界に一般的に知られているその他のイン
ク添加剤を用いることもできる。
【0050】 その他のインク添加剤としては、Hampshire Chemical C
orp(マサチューセッツ州、レキシントン)より市販されているアルデヒドナ
フタレンスルホネート分散剤のようなその他の分散剤を挙げることができる。こ
れらのスルホネート分散剤は、業界のニーズに応えるのをさらに助けるものであ
る。
【0051】 インク処理: 顔料分散液の処理のための現在のコンパウンディング技術は数多くの処理技術
を用いている。このような技術の一つに、混合および微粒子の解膠を行うために
超音波エネルギーを利用するものがある。その他の技術には、ボールミル、サン
ドミルまたはアトライターのような媒体ミルを用いるものがある。媒体ミルは、
顔料混合物に高強度マイクロシェアリングおよびカスケーディングを施して、顔
料粒子の凝集体を破砕することにより、許容される顔料分散液を得るものである
【0052】 ホモジナイザおよび乳化機もインクコンパウンディングに用いることができる
。これらのシステムは、一般に、固体と液体のプリミックスに力を加えて、表面
または自身に対して衝突させることにより機能するものである。
【0053】 材料を処理のために極めて粘性のペーストに処方した後、希釈(let−do
wn)工程により最終インクを生成できるのであれば、従来の2本ロールミルお
よび3本ロールミル処理技術が顔料粒子の分散に有効な技術である。
【0054】 さらに他の処理方法において、顔料分散液は、約150マイクロメートル〜約
1000マイクロメートルの直径の一連の小さなノズルに押し込められる。かか
るシステムは、高流体速度で非常な高圧に耐えることができるものでなければな
らない。かかるシステムには、a)直径の減少していくオリフィスをもつ「くさ
び」構成、b)オリフィスがキャビテーション増大デバイスを有する「くさび」
構成およびc)分散液噴流が少なくとも2つの要素に分離されて、各噴流がオリ
フィスを通過してジェットをつくり、ジェット噴流が互いに衝突することにより
再結合する「衝突ジェット」構成の3つの異なる構成が用いられる。これらのシ
ステムはそれぞれ、水系顔料インクを処理すると満足いく結果をもたらすことが
分かった。これらのプロセスの例は、米国特許第5,482,077号(Ser
afinら)およびPCT特許出願公開WO96/14925号およびWO96
/14941号(共にSerafinら)にある。
【0055】 インクを処理した後、例えば、5マイクロメートルのWhatman Pol
ycap 36 HDカートリッジタイプのフィルタ(Arbor Techn
ology(ミシガン州、アナーバー)より入手可能)を用いてろ過する。Ma
sterflexぜん動ポンプ(Barnant Co.(イリノイ州、バリン
トン)より入手可能)のようなポンプを用いて、フィルタを通してインクを供給
する。背圧約3psi(0.21kg/cm2距離)で1分当たり約120ミリ リットルの流速が好ましい。
【0056】 発明の有用性 本手法に記載したインクは、印刷一般、特にインクジェット印刷用途に有用で
ある。
【0057】 水系顔料インクジェットインクについては従来から知られた様々な分散液があ
るが、それらには特定の問題があった。例えば、良好な分散安定性を与えること
ができる限りは、多くの分散剤が非常に選択的である。多くの場合、異なる種類
の顔料は異なる表面特性をもつ傾向にあるため、安定な顔料分散液を同じ分散剤
を用いて処方できるようなインクを形成することは難しいことが多い。異なる顔
料についての分散剤の選択性のために、一組の多色インクはいくつかの異なる分
散剤を必要とすることがある。これが、インク同士が相容しないというリスクを
高くする。相容性のないインクだと、印刷画像品質が劣ることとなる。ポリマー
分散剤に関連してよく見受けられるその他の問題は、得られるインクに望ましく
ない高粘度を与える傾向にあるということである。さらに、ポリマー分散剤で作
成したインクは、ノズル先端で固化して、閉塞を生じる傾向にある。従って、顔
料インク用の分散剤に対しては依然として改善の必要性があった。
【0058】 印刷の3原色、シアン、マゼンタ、イエローのうち少なくとも1つの顔料が、
本発明の好ましい四ナトリウムN−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オク
タデシルスルホスクシナメート分散剤と相容性があることが分かった。この化学
物質を分散剤として用いると、一組の安定な水系シアン、マゼンタ、イエロー顔
料インクが処方される。
【0059】 四ナトリウムN−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホ
スクシナメートを顔料インクジェットインクセットを作成するための分散剤とし
て用いるといくつかの利点がある。最も意外な利点は、3Mスコッチプリント(
登録商標)不透明画像形成媒体(製品番号3657−10)のようなインクジェ
ットレセプターフィルム上に様々な色を印刷するとき、多くのサーマルインクジ
ェットインクで一般的に観察される色同士のにじみが全くないことである。ある
色から他の色への浸入がないことにより、色間に明瞭な境界ができ、品質の優れ
たカラー画像が印刷できる。他の意外な利点は、300パーセントのインクレイ
ダウンで3色ブラック画像領域においてもマッドクラッキングの問題が全くない
ことである。画像品質を下げるマッドクラッキングという問題は、顔料インクを
用いてインクジェットレセプターフィルム上に画像を生成するときに一般に見受
けられる。マッドクラッキングのないインクセットは非常に望ましい。
【0060】 本発明の特定の実施形態を以下の実施例に示す。
【0061】 実施例 一組のシアン、マゼンタおよびイエロー水系顔料インクを次のようにして作成
した。 実施例1(シアン): 顔料シアンインクを、以下の手順に従って調製した。8oz.(228ml)
のガラスびんにおいて、次の成分を混合した。尿素(Aldrich Chem
ical Co.より入手)6.0グラム、トリメチロールプロパン(Aldr
ich Chemical Co.より入手)8.0グラム、1,4−ブタンジ
オール(Aldrich Chemical Co.より入手)8.0グラム、
ジエチレングリコール(Aldrich Chemical Co.)20.0
グラム、脱イオン水145.6グラム。
【0062】 均一な溶液が得られるまで、この混合物を軽く振とうしながら混合した。
【0063】 エアロゾル−22N−二置換スルホスクシナメート(35%固体、Cytec Industries Inc.(ニュージャージー州、ウェストパターソン
)より入手)4.6グラムを、均一な溶液となるまでさらに軽く振とうして上記
の溶液に加えた。
【0064】 次に、サンファストブルー15:3水性プレスケーク着色剤(51%固体、S
un Chemical Corp.(オハイオ州、シンシナティ)より入手)
7.8グラムを上記の溶液に加えた。
【0065】 この混合物をローラーミキサーで低rpmで約3時間混合し、プレスケークの
塊を砕いた。ここで、得られた混合物のpHを測定したところ7.7であった。
【0066】 混合物のpHを1NのNaOH溶液を滴下して加えることにより8.8に調整
した。
【0067】 顔料をMisonix型番XL2020音波破砕器(Misonix Inc
orporated(ニューヨーク州、ファーミンデール))を用いて合計で8
分間、176ワットの設定で分散した。
【0068】 分散液を作業台の上に15時間静置させて、大きな粒子を沈降させた。分散液
の上澄みを約120グラム、清浄な8oz.(228ml)のガラスびんに注意
深く移し、大きな粒子を取り除いた。約80グラムを用いて、異なる印刷試験の
ために2つの空のHP 51626Aデスクジェットカートリッジに詰め、残り
の40グラムを、表面張力、粘度、最終pH、ヒートエージング前後の粒子サイ
ズといった他の試験に用いた。
【0069】 実施例2(マゼンタ): 顔料マゼンタインクを、以下の手順に従って調製した。 8oz.(228ml)のガラスびんにおいて、次の成分を混合した。尿素(
Aldrich Chemical Co.)6.0グラム、トリメチロールプ
ロパン(Aldrich Chemical Co.)8.0グラム、1,4−
ブタンジオール(Aldrich Chemical Co.)8.0グラム、
ジエチレングリコール(Aldrich Chemical Co.)20.0
グラム、脱イオン水138.4グラム。
【0070】 均一な溶液が得られるまで、この混合物を軽く振とうしながら混合した。
【0071】 エアロゾル−22N−二置換スルホスクシナメート(35%固体、Cytec Industries Inc.(ニュージャージー州、ウェストパターソン
)より入手)5.3グラムを、均一な溶液となるまでさらに軽く振とうして上記
の溶液に加えた。
【0072】 次に、クインドマゼンタRV6831ピグメントレッド122水性プレスケー
ク着色剤(32%固体、Bayer Corp.(サウスカロライナ州、ロック
ヒル)より入手)14.4グラムを上記の溶液に加えた。
【0073】 この混合物をローラーミキサーで低rpmで約3時間混合し、プレスケークの
塊を砕いた。ここで、得られた混合物のpHを測定したところ7.76であった
【0074】 混合物のpHを1NのNaOH溶液を滴下して加えることにより8.7に調整
した。
【0075】 顔料をMisonix型番XL2020音波破砕器(Misonix Inc
orporated(ニューヨーク州、ファーミンデール))を用いて合計で8
分間、176ワットの設定で分散した。
【0076】 分散液を作業台の上に15時間静置させて、大きな粒子を沈降させた。分散液
の上澄みを約120グラム、清浄な8oz.(228ml)のガラスびんに注意
深く移し、大きな粒子を取り除いた。約80グラムを用いて、異なる印刷試験の
ために2つの空のHP 51626Aデスクジェットカートリッジに詰め、残り
の40グラムを、表面張力、粘度、最終pH、ヒートエージング前後の粒子サイ
ズといった他の試験に用いた。
【0077】 実施例3(イエロー): 顔料イエローインクを、以下の手順に従って調製した。 8oz.(228ml)のガラスびんにおいて、次の成分を混合した。尿素(
Aldrich Chemical Co.)6.0グラム、トリメチロールプ
ロパン(Aldrich Chemical Co.)8.0グラム、1,4−
ブタンジオール(Aldrich Chemical Co.)8.0グラム、
ジエチレングリコール(Aldrich Chemical Co.)20.0
グラム、脱イオン水147.3グラム。
【0078】 均一な溶液が得られるまで、この混合物を軽く振とうしながら混合した。
【0079】 エアロゾル−22N−二置換スルホスクシナメート(35%固体、Cytec Industries Inc.(ニュージャージー州、ウェストパターソン
)より入手)5.7グラムを、均一な溶液となるまでさらに軽く振とうして上記
の溶液に加えた。
【0080】 ファンチョンファストイエローY−5688C.I.ピグメントイエロー粉末
(Bayerより入手)5.0グラムを上記の溶液に加えた。
【0081】 この混合物をローラーミキサーで低rpmで約3時間混合した。ここで、得ら
れた混合物のpHを測定したところ7.4であった。
【0082】 混合物のpHを1NのNaOH溶液を滴下して加えることにより8.5に調整
した。
【0083】 顔料をMisonix型番XL2020音波破砕器(Misonix Inc
orporated(ニューヨーク州、ファーミンデール))を用いて合計で8
分間、176ワットの設定で分散した。
【0084】 分散液を作業台の上に15時間静置させて、大きな粒子を沈降させた。分散液
の上澄みを約120グラム、清浄な8oz.(228ml)のガラスびんに注意
深く移し、大きな粒子を取り除いた。約80グラムを用いて、異なる印刷試験の
ために2つの空のHP 51626Aデスクジェットカートリッジに詰め、残り
の40グラムを、表面張力、粘度、最終pH、ヒートエージング前後の粒子サイ
ズといった他の試験に用いた。
【0085】 インク特性 UL−アダプターの付いたブルックフィールド型番DV−II+粘度計(Br
ookfield Engineering Laboratories, I
nc.(マサチューセッツ州、ストウトン))で粘度を測定した。表面張力は、
フィッシャーサイエンティフィック型番21Tensiomat(Fisher Scientific(ペンシルバニア州、ピッツバーグ))で測定した。p
Hはコーニングイオンアナライザー250を用いて測定した。粒子サイズの測定
は、ホリバLA−910アナライザー(Horiba Instruments Inc.(カリフォルニア州、イルヴィン))で行った。実施例1〜3に記載
したインクの粘度、表面張力、pH、粒子サイズおよび粒子サイズ分布を表1に
まとめてある。
【0086】
【表1】
【0087】 インク性能 インクジェットインクの好適性について主たる基準は分散安定性である。試験
は、分散液を65℃のオーブンに7日間保管して、その前後の粒子サイズを観察
するものである。合格するのに簡単な試験ではないが、分散剤として四ナトリウ
ムN−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホスクシナメー
トを用いて作成したインクは表2に示すように試験に合格した。これは恐らく、
分散剤の各分子が顔料表面に強固に吸着する実質的に疎水性部分であるオクタデ
シル炭化水素鎖を含有していて、各分子がイオン化可能な4つの基により、各顔
料粒子に強い負の電荷を与えて凝集または凝結を防ぐためである。
【0088】
【表2】
【0089】 印刷試験は全てノバジェットIIIプリンタを用いて行った。インクを3Mス
コッチプリント(登録商標)不透明インクジェットフィルム(製品番号3657
−10)上に連続的に印刷して、カートリッジが空になるまで塗り潰し画像のブ
ロックを作成することにより印刷試験を行った。実施例1〜3に記載した3つの
インクは全て、良好な品質の均一な塗り潰し画像を生成し、何ら問題なく連続し
て印刷された。全印刷プロセス中ノズルの詰まりは観察されず、印刷画像にバン
ディングは目視されず、各色密度の外観は塗り潰し印刷ブロックの最初から最後
まで同一のままであった。
【0090】 各色の3色の塗り潰し充填円(直径5cm)を、各円の周囲を他の2つの円の
中心を通過させて3つの円を部分的に重ねて印刷することにより色同士のにじみ
を評価した。シアン、マゼンタおよびイエローの円を組み合わせて印刷すると、
ブルー(シアンとマゼンタの重なり)、グリーン(シアンとイエローの重なり)
、レッド(マゼンタとイエローの重なり)およびブラック(シアン、マゼンタお
よびイエローの3色の重なるブラック)の塗り潰し画像が生成される。実施例1
〜3に記載したインクセットについて、3Mスコッチプリント(登録商標)不透
明インクジェットフィルム(製品番号3657−10)と、米国特許第4,53
9,256号(Shipman)に従って作成したインクジェットレセプター媒
体の両方で、流体管理システムと顔料管理システムにより、色同士のにじみを試
験した。インクジェットレセプターフィルムのいずれにおいても、いかなる色の
組み合わせについて色のにじみは観察されなかった。色の組み合わせの境界はす
べて非常に明瞭で、ある色の他の色への浸入は全くなかった。
【0091】 ウェブ方向に垂直に、色の一連の7つの片を印刷することにより他の試験を行
った。各片の幅(ウェブ下方向)は3.2cmであった。各片の長さ(ウェブ交
差方向)は、用いるレセプターフィルムにより異なる。3Mスコッチプリント(
登録商標)不透明インクジェットフィルム(製品番号3657−10)は85c
m、上述のWallerらのフィルムは30cmである。色の片を、イエロー、
マゼンタ、シアン、ブルー、グリーン、3色ブラックおよびレッドの順序で印刷
した。インクレイダウンの量は、イエロー=100%、マゼンタ=100%、シ
アン=100%、ブルー=200%(100%マゼンタ+100%シアン)、グ
リーン=200%(100%シアン+100%イエロー)、3色ブラック=30
0%(100%イエロー+100%シアン+100%マゼンタ)、レッド=20
0%(100%マゼンタ+100%イエロー)であった。色の片はすべて、両方
のインクレセプターフィルムについて優れた印刷品質を示している。各片は、均
一で滑らかな、そして鮮明な色を与え、バンディング、合着、マッドクラッキン
グおよびその他の問題といった欠陥は全くない。300%のインクレイダウン(
3色ブラック)でさえも、3Mスコッチプリント(登録商標)不透明インクジェ
ットフィルム(製品番号3657−10)上に全くマッドクラッキングがないこ
とは全く意外であった。色片同士の色のにじみやフェザーリングはいずれもない
。同様に、この結果によれば、3色ブラック(シアン+マゼンタ+イエロー)は
優れた品質の本物のブラック色を与えている。
【0092】 実施例4(シアン):四ナトリウムN−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−
オクタデシルスルホスクシナメートとアルデヒドナフタレンスルホネートの組み
合わせ 顔料シアンインクを、以下の手順に従って調製した。 8oz.(228ml)のガラスびんにおいて、次の成分を混合した。Dex
ad 17アルデヒドナフタレンスルホネート分散剤(Hampshire C
hemical Corp.(マサチューセッツ州、レキシントン)より入手)
1.27グラム、尿素(Aldrich Chemical Co.より入手)
6.0グラム、トリメチロールプロパン(Aldrich Chemical
Co.より入手)8.0グラム、スルホネート化ポリエチレンオキシド(米国特
許第5,725,647号記載)7.0グラム、ジエチレングリコール(Ald
rich Chemical Co.)18.0グラム、脱イオン水147.0
グラム。
【0093】 均一な溶液が得られるまで、この混合物を軽く振とうしながら混合した。
【0094】 エアロゾル−22N−二置換スルホスクシナメート(35%固体、Cytec Industries Inc.(ニュージャージー州、ウェストパターソン
)より入手)1.6グラムを、均一な溶液となるまでさらに軽く振とうして上記
の溶液に加えた。
【0095】 次に、サンファストブルー15:3水性プレスケーク着色剤(51%固体、S
un Chemical Corp.(オハイオ州、シンシナティ)より入手)
11.1グラムを上記の溶液に加えた。
【0096】 この混合物をローラーミキサーで低rpmで約3時間混合し、プレスケークの
塊を砕いた。
【0097】 顔料をMisonix型番XL2020音波破砕器(Misonix Inc
orporated(ニューヨーク州、ファーミンデール))を用いて合計で8
分間、176ワットの設定で分散した。
【0098】 分散液を室温まで冷やした後、1NのNaOH溶液を滴下して加えることによ
り分散液のpHを約8に調整した。
【0099】 分散液を作業台の上に15時間静置させて、大きな粒子を沈降させた。分散液
の上澄みを約120グラム、清浄な8oz.(228ml)のガラスびんに注意
深く移し、大きな粒子を取り除いた。
【0100】 本発明はこれらの実施形態に限られるものではない。請求の範囲が添付される
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V N,YU,ZW Fターム(参考) 2C056 FC01 2H086 BA01 BA02 BA53 BA59 BA62 4J039 AE01 BA04 BA29 BC07 BC09 BC13 BC19 BC33 BC36 BC54 BC60 BE01 BE12 BE16 BE19 BE22 BE23 BE30 CA06 DA02 DA08 EA10 EA15 EA16 EA17 EA19 EA35 EA41 EA42 EA44 GA24 GA26 GA27 GA28

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)水性媒体と、(b)顔料と、(c)以下の式 【化1】 (式中、Mは水素イオン、アルカリ金属イオンおよび第四級アンモニウムイオン
    からなる群より選択され、Rはアルキル、アルケニル、アラルキルまたはアリー
    ル基である)により表されるスルホスクシナメートを含む分散剤とを含むインク
  2. 【請求項2】 前記分散剤は、インクの総重量の約0.01〜約6重量パー
    セントの量で存在する四ナトリウムN−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−
    オクタデシルスルホスクシナメートである請求項1記載のインク。
  3. 【請求項3】 湿潤剤およびアルデヒドナフタレンスルホネート分散剤をさ
    らに含む請求項1記載のインク。
  4. 【請求項4】 界面活性剤、殺生物剤、殺菌剤、消泡剤、腐蝕防止剤、粘度
    調節剤、pHバッファ、浸透液、金属イオン封鎖剤およびこれらの組み合わせか
    らなる群より選ばれる添加剤をさらに含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    インク。
  5. 【請求項5】 (a)水性媒体と、(b)顔料と、(c)以下の式 【化2】 (式中、Mは水素イオン、アルカリ金属イオンおよび第四級アンモニウムイオン
    からなる群より選択され、Rはアルキル、アルケニル、アラルキルまたはアリー
    ル基である)により表されるスルホスクシナメートを含む分散剤とを混合する工
    程を含む顔料インクを製造する方法。
  6. 【請求項6】 前記スルホスクシナメートは四ナトリウムN−(1,2−ジ
    カルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホスクシナメートである請求項5記
    載の方法。
  7. 【請求項7】 湿潤剤、界面活性剤、殺生物剤、殺菌剤、消泡剤、腐蝕防止
    剤、粘度調節剤、pHバッファ、浸透液、金属イオン封鎖剤およびこれらの組み
    合わせからなる群より選ばれる添加剤を混合する工程をさらに含む請求項5また
    は6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクを含むインクジ
    ェットインクをカートリッジから媒体へ噴射する工程を含む顔料インクの使用。
  9. 【請求項9】 インクジェットカートリッジと請求項1〜7のいずれか1項
    に記載のインクジェットインクとを含むインク送出システム。
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