JP2002502621A - 乳腫瘍を伴うムチンに対する特異性のある抗体、その生産方法及び使用方法 - Google Patents

乳腫瘍を伴うムチンに対する特異性のある抗体、その生産方法及び使用方法

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Abstract

(57)【要約】 癌種細胞からのMUC1タンデムリピートの炭水化物構造に特異的に結合する免疫的に活性のあるポリペプチドで、a) 胸部癌患者の腫瘍細胞を含有する腹水からの200 から440 kDaの糖蛋白フラクションへの前記ポリペプチドの親和力と、通常細胞からの未処理のMUC1抗原(400 から440 kDa)への前記ポリペプチドの親和力との商が100 :1以上であり(分子量領域はSDSゲル電気泳動により分析)、b) 前記ポリペプチドはグリコシル化されていないMUC1抗原には結合せず、c) 前記糖蛋白フラクションがノイラミニダーゼで処理されてN−末端ノイラミン酸が解裂するか、又はホルマリンで処理されたときに、前記200 から440 kDaの糖蛋白フラクションへの前記ポリペプチドの結合が10%以下だけ変化し、かつMUC1に特異的で、胸部癌の診断及び治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、乳腫瘍を伴うムチン抗原MUC1に対する新規で特異性のある抗体
、その生産方法、及び診断的又は治療的な使用方法に関する。
【0002】 MUC1腫瘍を伴う抗原(多型質の上皮ムチン、PEM)は、O−結合でセリ
ンとスレオニン残基に接続する多オリゴ糖側鎖を有する高分子糖蛋白(>200 k
Da)である。これらは、染色体1の非常に広く変わり得る遺伝子座(領域21q
)により解読される。MUC1は、細胞表面から200 〜500 nm以上広がる管状上
皮細胞の発光表面の膜透過性の糖蛋白である。それは、主としてアミノ酸20個の
タンデムリピートから成る単一の細胞外ドメインを含む。MUC1中のタンデム
リピート(領域20〜120 、平均60)の数(VNTR、タンデムリピートの可変数
)は、遺伝子の多型質の結果として大きく変化する。各タンデムリピートでは、
4個までのセリン/スレオニン残基がグリコシレーション用に使用される。短い
糖側鎖はN−アセチルガラクトサミン及びガラクトースで始まる(核1構造)。
通常の上皮細胞では、該核1構造はN−アセチルガラクトサミン、フコース及び
シアリン酸の追加で延びていく。
【0003】 ムチン類の生理的機能は十分には解明されていない。多くの器官でムチン類は
pH変化に対し及び機械的及び微生物的ダメージから上皮細胞を保護している可
能性が高い。乳汁中の分化した胸上皮により、及び分泌上皮により他の器官中で
も、ムチン類は大量に分泌される。 腫瘍細胞中でMUC1の発現は多くの重要な変化を示す。これらは、a)分極し
かつ制限された発光発現のロス、b)アップ・レギュレーション及び分泌、c)変形
グリコシル化から生ずる新規な炭水化物エピトープの出現及び隠蔽ヘプチドエピ
トープのアンマスキング、を含む。
【0004】 従ってムチン類は診断的及び治療的アプローチ用のマーカーとして大きなイン
パクトを有する。アンダーグリコシル化のMUC1は、胸部、卵巣、膵臓及び他
の癌細胞で高度に発現し、非MHC制限T細胞としてだけでなくHLA制限T細
胞として認識できる。多くのグループは、MUC1・VNTRのAPDTRエピ
トープが胸部及び他の癌の患者から単離された細胞独Tリンパ球のターゲットで
あると説明している(フィンらの概説、1995年)。更にB細胞免疫応答の存在は
、卵巣癌種及び胸部癌の患者中で証明された(A.ルゲッティら、Cancer Res.
53 (1993) 2457─2461) 。従って、MUC1は細胞の免疫治療の、例えば高い投
与量の化学的治療やPBSCT(辺縁血ステム細胞治療)を受けている胸部癌患
者のCD34富化辺縁血細胞からエキスビボで生成するMUC1−変換された樹枝
状細胞(DCs)のワクチンによる、ターゲットである。他の可能性は、合成M
UC1ペプチド、アンダーグリコシル化のMUC1又はMUC1−DNAによる
活性免疫処置である。他の可能性は、MUC1に対する特異性を有するネズミ、
ヒト化され又はヒトのマブ(mab)、好ましくは癌種細胞により生産されるアンダ
ーグリコシル化ムチンのグリコン又はペプチドエピトープと反応する抗体を使用
する受動的な免疫処置である。
【0005】 1996年11月17〜23日にサンディエゴで開催されたISOBM TD−4研究集
会で、MUC1ムチンに対する56の単クローン抗体が分析された(M.R.プラ
イスらのISOBM TD−4研究集会の総括リポート、「MUC1ムチンに対
する56の単クローン抗体の分析」、Tumor Biol. 19, suppl. 1(1998) 1-20 、ス
イス国バーゼルのS.カーガーAG)。この研究集会には16の研究グループが参
加した。多くの抗体(34/56)はグリコシル化されていないMUC1ムチンの蛋
白質の核の20のアミノ酸タンデムリピートのシーケンス内に位置するエピトープ
を定めた。これらのマブの多くはMUC1蛋白質核の親水性のデターミナントと
反応した。
【0006】 残りの22の抗体の中で、16の抗体のエピトープ中に炭水化物の残基が含まれる
という証拠があった(表1)。免疫原のタイプと各抗体の間には明確な関係はな
かった。直接的な結合のアセッイ又は合成配位子の能力を決定して抗体結合相互
作用を抑制することのいずれかにより、合成ペプチド及び糖ペプチドは、各抗体
とのそれらの反応性を分析された。炭水化物エピトープの特性を明らかにするこ
とはペプチドエピトープの場合より難しかった(O.E.ガラニアら、Tumor Bi
ol. 19, suppl. 1(1998)79−87)。エピトープの接近性を制御することにより、
又はデターミナントをマスクすることにより、又はMUC1蛋白質核内でペプチ
ドエピトープの好ましい配座を安定化することにより、炭水化物残基は多くのエ
ピトープ中に含まれるようになる。従って炭水化物エピトープの特性化は蛋白質
核エピトープの場合より問題であった。
【0007】 小さいオリゴ糖の直鎖状及び分枝状の異性体のための置換の可能性のある数は
1000のうちの10に達することがある(R.A.ライン、Glycobiology, 4 (1994)
1-9) 。この研究集会からの発見は、MUC1に対する抗体用炭水化物エピトー
プ類の割り当て及び定義の幾らかの複雑性において強調される(K.O.ロイド
、Tumor Biol. 19, suppl. 1(1998)118-121)。これらのマブのうちの8個は、溶
性で腫瘍を伴う、ZR75胸部癌種細胞のMUC1と反応しなかった。4個のマブ
のみが、反復するMUC1タンデムリピートペプチドと非反応性であるが、乳汁
中に分泌される乳汁分泌を伴うMUC1に強い結合を有していた。非常に制限さ
れた反応性はクローンFH6により行われるが、シアロシル−Lex 糖脂質特異
性を有するこのマブはT−47D細胞中の膜スポット及びゴルジ・コンプレックス
とのみ弱い反応性を有している(J.フクシら、J. Biol. Chem. 259 (1984) 10
511-10517)。FH6からMUC1への結合はノイラミニダーゼ処理により強く影
響される。
【0008】 抗−MUC1−抗体12H12(G.バステルトら、リガード・ブリュナー・エデ
ィション中の生薬学的研究における免疫欠損動物、バーゼル・カーガー、1987、
224-227)は、全ての胸部癌の96%で発現するTAG12として知られる腫瘍を伴う
抗原と反応する。該抗原は胸部癌組織の細胞質及び細胞膜中及びメタスターゼ中
で高濃度で見出すことができ、腫瘍細胞中に分泌される。 この抗体は、T.H.ブリュメンドルフらにより記述されているように(Canc
er Research 54 (1994) 4162-4168)、ヒトの乳癌種の異種移植片の免疫シンチグ
ラフィー用として使用できた。しかしこれらの抗体の特性の程度も、ルーチンの
診断や治療の用途に適切なものにするためには、十分に高くない。
【0009】 更に、12H12は、骨髄中のミクロ転移腫瘍細胞の分析用のMUC1ペプチド特
異的なMab2E11(J.J.ディール、Natl. Cancer Inst. 88 (1996) 1652-
1658) とともに使用された。骨転移は胸部癌では一般的で、多大な解剖の研究は
その頻度が47〜85%であるという結果を与えている(L.ワイス及びH.A.ギ
ルバート、1981年のボストンのGKホールでの「骨転移」)。胸部癌の免疫的治
療の目的は、最小の半臨床的な腫瘍サイトの破壊であるが、依然としてこのよう
な「ミクロ転移」を検出できるルーチン的な診断法はない。胸部癌は特に骨に転
移する傾向があるため、骨髄中に悪性細胞を見出すための多数の試みが行われて
きた。転移の対象器官としての骨髄は容易に近づけて、比較的少ない危険と患者
の苦痛の下で実施できると期待されている。「悪い箇所の細胞」を検出すること
は、転移カスケードの初期段階に関する情報を提供でき、そして主要な腫瘍の転
移の潜在性を定めることも可能である。
【0010】 胸部癌の患者の骨髄中の腫瘍細胞の混入の分析が患者の成果の強力な予想とな
ることが知られている(J.J.ディール、Natl. Cancer Inst. 88 (1996) 165
2-1658) 。磁気ビーズ上に固定した抗−MUC1抗体を有する珍しい腫瘍細胞を
富化することは、細胞化学的な腫瘍細胞検出の感度を劇的に改良する(S.カー
ルら、Abstract 51, Kongress der Deutschen Gesellscahft fur Gynakologie u
nd Geburtshilfe, Dresden, 1-5, 10.96) 。
【0011】 しかしこのような方法の価値は、使用する抗体の特異性により制限される。ヒ
トの新生胸部組織の異なったエピトープに対する多数の抗体が先行して研究され
ている。これらの多くは、癌治療抗原(F.H.デランドら、J. Nucl. Med. 20
(1979) 1243-1250)、TAG72(M.ラムキら、J. Nucl. Med. 32 (1991) 1326
-1332)、MAbs B6.2 (コルヒャーら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78 (1
981) 3199-3203) のような細胞表面抗原、抗−MME(T.ウィルバンクス、Ca
ncer 48 (1981) 1768-1775) 、又は他の種々のものに関している。胸部癌に使用
されるMAbsの多くは、ムチン分子上のエピトープを認識することが示されて
いる(J.テイラー−パパディミトリュー、Int. J. Cancer 49 (1991)1-5)。し
かし診断及び治療の目的の高度に特異的で感度の良い単クローン抗体は依然とし
て見出されていない(M.J.メリノら、Nucl. Med. Biol. 18 (1991) 437-443
) 。 しかし既知の抗−MUC1抗体は十分高度に特異的でなく、診断及び治療で幅
広く使用するに適していない。
【0012】 本発明の目的は、新規で高度に特異的な抗体、それらの生産方法、及びそれら
の診断的及び治療的使用方法を提供することである。 従って本発明の対象は、腫瘍(癌種)細胞からMUC1の20のアミノ酸のタン
デムリピートの炭水化物構造に特異的に結合した免疫的に活性のあるポリペプチ
ドで、 a) 該ポリペプチドの胸部癌患者の腫瘍細胞を含む腹水からの200 から400 k
Daのアンダーグリコシル化された糖蛋白フラクション(SDS−PAGEによ
り分析)及びヒトの乳汁からの天然のMUC1抗原(400 から440 kDa)の親
和力の間の商が100 :1以上であり、 b) 前記ポリペプチドはグリコシル化されていないMUC1抗原には結合せず
、 c) 前記糖蛋白フラクションがノイラミニダーゼで処理されてN−末端ノイラ
ミン酸が解裂し、又は燐酸緩衝塩(PBS)中でホルマリン、好ましくは3.5 %
のホルマリンで15から30分処理されたときに、前記ポリペプチドの前記200 から
400 kDaの糖蛋白フラクション(SDS−PAGEにより分析)の結合が10%
以下だけ変化する、 ことを特徴とするポリペプチドである。
【0013】 このような抗体活性及び特性を有するポリペプチドは、驚くべきことに腫瘍細
胞により提示されるMUC1に対して高度の特異性を有することが見出されてい
る。従ってこのような抗体は、腫瘍の診断及び治療にとって有用な手段である。 このような抗体が、アンダーグリコシル化MUC1が炭水化物エピトープとの
反応性を有し、かつ胸部癌種や他の癌種により過度に発現しかつ分泌されること
が見出されたのは驚くべきことである。このような抗体は新規な免疫処置のプロ
トコールにより選択できる。進行した胸部癌の患者からの腹水液を抗原の原料と
して使用した。これらの腹水液中のMUC1抗原フラクションを、レクチン親和
性クロマトグラフィー、及びサイズ排除クロマトグラフィーを使用する2段階操
作により富化した。本発明の本質的な態様は、分泌されたMUC1に対する強い
反応性を有するが、通常の乳汁MUC1、脱グリコシル化された乳汁ムチン及び
/又は通常の尿中のムチンに対しては最小の反応性を有する様な抗体の選択に有
利な前述のような本発明に従う操作である。
【0014】 本発明による抗体の特性化のためには、分泌された蛋白質を含む異なった腫瘍
患者からの腹水の混合物からレクチン親和性クロマトグラフィー(好ましくはア
ガロースに結合されたWGA)により単離された、MUC1を含む糖蛋白フラク
ションを使用することが必須である。第2のステップでは、1000kDaの天然の
糖蛋白ピークフラクション(FPLCにより測定、SDSゲル中で200 −440 k
Daに対応する)を単離し、これによりFPLCゲル濾過により免疫グロブリン
を他のものの中から除去する。従来技術による免疫処置は、精製された蛋白質フ
ラクションを使用して実行され、ハイブリドーマクローンがスクリーニングされ
、該ハイブリドーマクローンは次のような性質を有する。 −ヒトの乳汁及び/又は尿から単離した抗原と最小の反応を行う。 −WGAフラクションと最大の反応を行う。 −例えば国際出願第WO90/05142で述べられているように、グリコシ
ル化されていない(合成)ペプチドに結合しない。 −ノイラミニダーゼ又はホルマリンによりN−末端ノイラミン酸がWGAフラ
クションから分離された後でも、WGAフラクションに結合する。 −腫瘍細胞からMUC1の20アミノ酸タンデムリピートの炭水化物構造に結合
する。
【0015】 本発明の趣旨における「特異的な結合」とは、本発明による抗体がMUC1の
ペプチド構造に結合せず、ヒトの乳汁からのMUC1の炭水化物構造には僅かに
結合し、一方腫瘍細胞からのMUC1の炭水化物構造には強く結合することを意
味する。 腹水からのWGAフラクション(アンダーグリコシル化されたMUC1)は、
それが非常に僅かな、天然の完全にグリコシル化された抗原(400 から440 kD
a)を含むが、SDSゲル中で200 から220 kDa間に強いバンドを示すことで
本質的に特徴付けられる。分子量におけるこの差異はハイポグリコシル化(アン
ダーグリコシル化)に起因する。分子ベースの「アンダーグリコシル化」は、1
又は2以上のタンデムリピートにおいて1又は2以上のグリコシル化サイトがグ
リコシル化されていないか、又は天然の分子の場合のように糖残基で占められて
いないことを意味する。
【0016】 MUC1中に含まれるリピートの平均数は約60であり最大で3個の糖鎖が各リ
ピートに位置することになるため、完全にグリコシル化されたMUC1は約150
から200 の糖側鎖を有する。側鎖当たりの糖残基の平均数は約10である。アンダ
ーグリコシル化されたMUC1では、各アンダーグリコシル化されたグリコシル
化サイトは本発明の抗体の潜在的な結合サイトである。糖側鎖のグリコシル化が
少なくなると、結合できる抗体の数が増加する。既に少なくとも10、好ましくは
少なくとも20の糖側鎖が失われ又はアンダーグリコシル化されている場合、本発
明による抗体のMUC1へのかなりの結合が観察されるはずである。
【0017】 本発明の他の対象は、200 から400 kDa、好ましくは200 から220 kDa(
SDS−PAGEにより分析)の分子量を有する腫瘍細胞からのハイパーグリコ
シル化されたMUC1フラクションに特異的に結合する免疫学的に活性なポリペ
プチドの生産方法であって、糖蛋白が、レクチン親和性クロマトグラフィーによ
り胸部癌患者の腫瘍細胞含有腹水から単離され、該糖蛋白が必要に応じてlg蛋
白質から分離され、このようにして得られたフラクションが、動物の免疫処置に
使用され、抗血清が得られ、ポリペプチドがそこから単離される方法で、該ポリ
ペプチドが、 a) 該ポリペプチドの胸部癌患者の腫瘍細胞を含む腹水からの200 から400 k
Daのアンダーグリコシル化された糖蛋白フラクション(SDS−PAGEによ
り分析)及びヒトの乳汁からの天然のMUC1抗原(400 から440 kDa)の親
和力の間の商が100 :1以上であり、 b) 前記ポリペプチドはグリコシル化されていないMUC1抗原には結合せず
、 c) 前記糖蛋白フラクションがノイラミニダーゼで処理されてN−末端ノイラ
ミン酸が解裂し、又はホルマリンで処理されたときに、前記ポリペプチドの前記
200 から400 kDaの糖蛋白フラクション(SDS−PAGEにより分析)の結
合が10%以下だけ変化する、 という特徴を有している。
【0018】 本明細書で使用する「免疫学的に活性なポリペプチド又は抗体」とは、抗体遺
伝子により実質的に解読される1又は2以上のポリペプチドから成る蛋白質を意
味する。認識された抗体遺伝子は、無数の抗体変化領域遺伝子に加えて、異なっ
た一定領域遺伝子を含む。抗体は種々の形態で、例えば単一鎖に加えて、Fv、
Fab及びF(ab)2 を含む形態で存在する(例えばヒューストンら、PNAS U
SA 85 (1988) 5879-5883及び、一般に、フードら、Immunology, ベンジャミン、
ニューヨーク、第2版(1984)及びフンカピラー及びフード、Nature 323 (1986
) 15-16)。本発明による好ましい抗体は単クローン抗体及びそのフラグメントで
ある。 抗MUC1抗体の相対親和性は、K50値の分析で決定されたが、この値は最大
値の半分でMUC1への結合が達成される抗体濃度である(V.カラニカスら、
Tumor Biol. 19, suppl. 1(1998) 71-78) 。ELISA結合アッセイの親和性で
は、精製されたMUC1抗原がミクロタイターウェル中で被覆された。IgGに
ついて160000の分子量を使用すると、7F11のK50値は10-10 Mで、腹水及びT
−47D胸部癌細胞からの腫瘍を伴う抗原を有していた。
【0019】 進行した胸部癌を有する患者の腹水から精製されたMUC1抗原フラクション
による免疫処置の後に、ネズミ単クローン抗体1E4及び7F11が選択された。
該抗体は、胸部及び他の癌種により過度に発現し分泌されるアンダーグリコシル
化されたMUC1の炭水化物エピトープとの反応性を有する。該抗体は腫瘍の診
断と治療用として有用な手段である。 本発明による抗体、好ましくは抗体7F11及び1E4は、MUC1に対する単
クローン抗体に関するISOBM TD−4国際研究集会(1996年)で提示され
た全部で16個の炭水化物特異性マブから明確に区別される。両マブは、異なった
ソース(初期腫瘍、転移細胞、分泌抗原)からの腫瘍を伴うMUC1と高い親和
力(K50=10-10 M)で反応する。TD−4マブ(表1)と対照的に、7F11及
び1E4は、通常の完全にグリコシル化された乳汁MUC1と反応しない。それ
らは、クロ−ンFH6と、完全に異なった着色パターンと、FH6免疫反応性が
MUC1の脱シアリル化(ノイラミニダーゼ又はホルマリンによる処理)により
損なわれるという事実により区別される。
【0020】 適切な手法でMUC1に結合している限り、抗体は、全単クローン抗体、それ
らのフラグメント(例えばFv、(Fv)2 、Fab、Fab′及びF(ab) 2 )、キメラの、ヒト化された又はヒトの抗体として使用できる。MUC1への
特異的な結合を与えるCDR領域又はその部分のみを含む短鎖抗体フラグメント
も、特に抗体がラベルされたものであるときは、好適である。lgG1アイソト
ープの抗体も好ましい。単クローン抗体の生産に関しては、例えばE.ハーロー
及びD.レインの「抗体:実験室マニュアル」(コールド・スプリング・ハーバ
ー・プレス(1988)、ベスラーら、Immunobiol. 170 (1985) 239-244、及びユン
クら、Angewandte Chemie 97 (1985)883又はシアンフリグリアら、Hybridoma Vo
l.2 (1993) 451-457を参照のこと。 本発明の抗体の診断用の使用は免疫学的決定プロセスによる既知方法として実
施する。このタイプのプロセスは周知で、これ以上の説明は不要である。本発明
による得られる抗体はラベルされない及び/又は固定された受容体として使用で
きる。
【0021】 固定された受容体は患者の体の組織からの腫瘍細胞又は分泌されたMUC1抗
原を除去するための方法用として使用でき、ここで請求項1又は2でクレームし
ているように、体の組織は固定された抗体と接触させられ、腫瘍細胞つまり前記
分泌されたMUC1抗原は固定された抗体に結合され、そしてこのように固相に
結合された腫瘍細胞つまり前記分泌されたMUC1は体の組織から、固相ととも
に分離される。 このような診断用免疫方法の各場合において、本発明による少なくとも1個の
抗体の結合後に、シグナルの変化を評価する。
【0022】 本発明による方法で得られる単クローン抗体は腫瘍細胞の表面に結合するので
、ヒトの生体中で使用できる。従って本発明は、1又は2以上の本発明による抗
体を含んで成る薬学的組成物を提供することもでき、必要に応じて従来の薬学的
キャリア、補助薬、充填用又は付加的物質とともに使用することもできる。本発
明よぱる薬剤の投与は、ミクロ転移の処理、特に胸部癌の処理に有用である。 治療用処理のための本発明による抗体の投与量は、約2μgから20mg、好まし
くは2μgから20mg/kg−人体の重量であり、この投与は繰り返して行われるべ
きである。
【0023】 本発明による抗体で胸部癌種の患者を処理するためには、外科的処置の後に、
確立した補助薬による化学療法(月経閉止期前)又はホルモン療法(月経閉止期
後)をリンパ−ノードがポジティブな患者に行う(約45%)ことが好ましい。次
のステップでは、骨髄中の腫瘍細胞の存在を診断する。これは、本発明の抗体の
使用により好ましく行えるが、通常の腫瘍マーカー(シトケセラチン等)を識別
する他のテストでも達成できる。骨髄反応がプラスであると、好ましくは6から
8の免疫処置が、1から4週のインターバルで本発明の抗体を使用して行われる
。使用する抗体の量は1回の免疫処置当たり0.2 から50mgの範囲内である。この
抗体治療は補助約ホルモン治療中又は化学療法後に行われる。ホルモン治療の場
合、それは好ましくはパラレルな手法で行われる(後者の場合に免疫岳的抑制が
ない)。本発明による抗MUC1抗体に対する抗体の展開は、本発明による抗体
での免疫処置フェーズ間に、又はヒト抗マウス抗体(HAMA)用の確立された
テストにより追跡されている。望ましい治療レベルは抗体滴定量が約3から4カ
月安定であることである。骨髄中の腫瘍細胞の他の測定は、最後の免疫処置の3
ヶ月後に行う。少なくとも6×106 個の骨髄細胞が腫瘍細胞への混入として分析
される。本発明の抗体を使用すると、18人のうち17人の患者が骨髄中の腫瘍細胞
のアッセイでネガティブな反応を示すことが見出され、これは本発明の抗体の治
療への適用の結果として骨髄中の腫瘍細胞が明らかに破壊されたことを示唆して
いる。驚くべきことに、本発明の抗体はエフェクター作用も示し、これは腫瘍細
胞に結合した後に、腫瘍細胞が外来性細胞として認識され、補体、抗痴呆抗体、
活性化されたNK−細胞又はT−細胞、又はこれらの組合せによる活性化で恐ら
く除去される。
【0024】 本発明の抗体はリンパ液等の体液中の分泌されたMUC1にも結合することが
示されており、これは、体液又は細胞による免疫認識による、MUC1に起因す
る免疫岳的抑制が除去されるという治療的効果又は免疫岳的抑制薬としての効果
を有することである。これも治療に利用できる。 更にMUC1は、卵巣(>80%)、肺(60%)、前立腺(50%)、膵臓(100
%)、腎臓及び結腸の腫瘍細胞中でも過度に発現することが見出された。本発明
の抗体はこのようなものの診断及び治療用にも利用できる。 治療の目的で、エフェクター機能を与える細胞毒の抗体(ADCC、CDC)
(ブリュッゲマンら、J. Exp. Med. 166 (1987) 1357─1361) を使用することが
特に好ましい。
【0025】 他のアプローチでは、抗体又はその一部を毒素分子(免疫毒素)に接合し又は
移動し結合して腫瘍細胞を特異的に殺す効果を生じさせ(ブリンクマンら、Proc
. Natl. Acad. Sci. USA 88 (1991) 8616 ─8620, パスタンら、Cancer Res. 51
(1991) 3781─3787, フィッツジェラルド及びパスタン、J. Natl. Cancer 81 (
1989) 1455─1461) 、又抗体又はその一部はサイトカイン又はインターロイキン
に接合しても良い。本発明の他の好ましい態様では、腫瘍治療に2特異的抗体を
使用し(ボニノら、BFE 9 (1992) 719─723)、これは雑種ハイブリドーマ発生又
はディアボデーの構築によるペプチド鎖の生体外での再構成により行われる(ホ
リガーら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90 (1993) 6444 ─6448, ホリガー及び
ウィンター、Current Opin. Biotechnol. (1993) 446─449)。
【0026】 イムノトキシンに関しては、本発明の抗体を、例えばシュードモナス属菌体外
毒素、ジフテリア毒素又は他の毒素のような毒素と結合させることが好ましい(
フィッツジェラルド及びパスタン、J. Natl. Cancer 81 (1989) 1455-1461)。抗
体を、例えば細胞毒の効果を有するドクソルビシン、又は放射能でラベルした物
質のような化学療法剤に結合させることも好ましい。 本発明の抗体、特に生体内でイメージするためで例えば放射活性又は蛍光物質
を使用するヒト抗体の複合物も好ましい。 イムノトキシンは2種類の原理的に異なった方法のいずれかで好ましく生産で
きる。
【0027】 第1の方法は、抗体又はそのフラグメント(蛋白質分解により通常生成する、
例えばFab フラグメント) を生体外で毒素又は毒素のフラグメントに化学的に結
合させる。実際上の理由で、このタイプのイムノトキシンはの抗体部分は、完全
な抗体(2本の軽い及び2本の重い鎖から成る)、又はより好ましいFab フラグ
メント(1本の軽い鎖と重い鎖のVH−及びCH1領域から成る)のいずれかで
ある。 他の方法では、イムノトキシンは、どのような場合にも定義された均一な分子
が得られる組換えDNA技術により生成する。抗体部分のサイズは可能な限り小
さくして良好な組織透過性を有する小さいイムノトキシンを得る。この方法では
、実際に入手できる最小の抗体フラグメントはFab フラグメントではなく、重い
鎖のVH−領域及び軽い鎖のVL−領域のみから成る抗体の機能変化可能なドメ
インである。VH及びVL−領域(各々約100 個のアミノ酸のポリペプチド鎖)
は、機能的なアセンブリあるいは抗原結合を与える変化可能なドメインを形成し
なければならない。抗体に残りの部分が存在しないと、VH及びVL領域は非常
に不安定な錯体のみを形成する。従ってこれらの錯体は共有結合で安定化させる
ことが好ましい。
【0028】 1つの可能性はVH−領域及びVL−領域をDNAレベルに(又はその逆に)
縮合させることで、毒素について同様にする。発現後に、単一のポリペプチド鎖
が形成され、ここではペプチドリンカーで接続されたVH−及びVL−領域が安
定で変化可能なドメイン中に組み込まれ、一方毒素は、第2のペプチドリンカー
を介して例えばVLに縮合している(ブリンクマンら、Proc. Natl. Acad. Sci.
USA 89 (1992) 3075-3079参照)。両ペプチドリンカーの長さは可変で、場合に
よっては単一のペプチド結合にまで減少しても良い。このタイプの分子は、「単
一鎖抗体」という用語あるいはscFVと類縁にある「単一鎖イムノトキシン」の用
語で示され、この用語はペプチドリンカー又は結合により接続されたVH及びV
Lの両者を含む単一ポリペプチド鎖用として使用される。
【0029】 VH及びVLアセンブリーを安定化させる他の可能性がブリンクマンらにより
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90 (1993) 7538-7542に記載されている。この技術
では、VH及びVLのアミノ酸がコンピューターによるモデリングにより定義さ
れ、それらはVH−VL錯体中で互いに隣接していた。次いでこれらのポジショ
ンで天然に産出するアミノ酸は各々システインによりDNAレベルで置換された
。この場合に機能的なイムノトキシンを得るためには、2本の分離されたポリペ
プチド鎖が現れ、(分離した細胞中、例えば原核細胞、例えばE.Coli) 、一方は
VH−領域のみで、他方は毒素部分にペプチドリンカーで結合したVL−領域で
ある。これら2本のポリペプチド鎖は、適切な条件下で混合され、これにより機
能的なイムノトキシンに組み入れられ、ここでは可変抗体ドメイン中のVH及び
VLは遺伝子工学により導入された2個のシステイン間のジスルフィド結合によ
り接続されている。このタイプのイムノトキシンの抗体部分はdsFVと表記され、
従って全体の分子は「dsFV−イムノトキシン」と表記される。
【0030】 勿論イムノトキシンを組換えDNA技術により、例えば大きなFab-フラグメン
ト(VL−CLに非共有結合的に組み入れられたVH−CH1、又それらの一方
はペプチドリンカーにより毒素に結合している)を使用して生産する他の可能性
は存在する。しかしブリンクマンらによりProc. Natl. Acad. Sci. USA 89 (199
2) 3075-3079及びブリンクマンらによりProc. Natl. Acad. Sci. USA 90 (1993)
7538-7542に記載された可能性が好ましい。 イムノトキシンの毒素部分に関しては、シュードモナス属菌体外毒素(PE)
の好ましいフラグメントは、PE38及びPE40及びゆれらの誘導体である(
I.パスタンら、WO92/07271及びWO90/12592)。 単一鎖Fv−鎖イムノトキシンは、T7RNAホリメラーゼ発現システムを使
用するE.Coli中の単一ポリペプチド鎖として好ましく生産できる。該ポリペプチ
ドは不活性な形態で得られ、生体外再生により活性化されなければならない。
【0031】 ペプチド結合の単一鎖イムノトキシン類の生産のための他の方法が、WO88
/09344に記載されている。軽い鎖及び重い鎖間のペプチドリンカーを有す
る単一鎖抗体がWO88/01649に記載されている。重い又は軽い鎖の可変
領域を少なくとも含んで成りこれによりこれらの鎖の一方がペプチド結合により
非lg分子にリンクしているキメラ抗体の生産がEP−B0193276に記載
されている。T7RNAポリメラーゼ発現システムが米国特許第7,648,9
71号、4,952,496号及び6,595,016号に記載されている。 本発明のポリヌクレオチド及び本発明の組換え的に生産される抗体は、既知の
方法によりかつサンブロックらの「分子クローニング、実験室マニュアル第2版
」(ニューヨークのコールド・スプリング・ハーバー・プレス(1989)、及びベ
ルガー及びキンメルの「酵素学の方法、152 巻、分子クローニング技術(1987 年
) 」カリフォルニア州サンディエゴのアカデミック・プレス・インコーポレーテ
ッドに記載されたシーケンスデータに基づいて調製され、これらの文献は参考文
献としてここに組み入れられる。好ましくは本発明のポリヌクレオチドは、合成
オリゴヌクレオチドから形成される。
【0032】 このような組換えポリペプチドは、公知の標準方法により真核又は原核ホスト
細胞中で発現でき、好ましくはリンパ球細胞ラインのような哺乳類の細胞がホス
ト細胞として使用できる。典型的にはこのようなポリヌクレオチド構造は、本発
明による抗体のアミノ酸シーケンス、重い及び/又は軽い鎖の可変領域をそれぞ
れに少なくとも有する完全なヒト抗体の重い鎖及び/又は完全なヒト抗体の軽い
鎖を解読する。前記抗体鎖と天然に存在するシーケンス以外の、ヒトの一定な領
域アイソトープを含む代替のヒトの一定領域シーケンスは置換でき、このような
代替のヒトの一定の領域シーケンスは種々の文献源から当業者により選択される
ことができ、該文献はE.A.カバトらの「免疫学的興味のある蛋白質のシーケ
ンス(1987)」(メリーランド州のベセスタのナショナル・インスティチュート
・オブ・ヘルス)に挙げられたものを含むがこれらの限定されない。本発明の一
態様では、本発明による抗体の軽い鎖の可変領域へのアミノ末端ペプチド結合(
つまりフレーム内結合)を有するヒトの軽い鎖、及び対応する重い鎖が現れ、軽
い/重い鎖ダイマー及び他のタイプの抗体を形成する。
【0033】 一般に原核細胞は本発明による抗体鎖を海賊するDNAシーケンスのクローニ
ングに使用できる。E.Coliは本発明のDNAシーケンスをクローニングするため
に特に有用な原核ホスト細胞である。その代わりに、ホスホロアミダイト合成を
含む種々の方法でオリゴヌクレオチドを化学的に合成しても良い。 ポリヌクレオチド構造は、天然に存在する又は異種組織プロモーター領域を含
むコーディングシーケンスに機能するように結合した発現制御シーケンスを典型
的に含んでいる。好ましくは該発現制御シーケンスは、真核ホスト細胞を変換し
又はトランスフェクトできるベクトル中の真核プロモーターシステムである。一
旦ベクトルが好適なホスト中に組み入れられると、該ホストは、ヌクレオチドシ
ーケンスの高レベル発現と本発明による抗体の収集及び精製に適した条件下に維
持される。真核ホスト細胞として、哺乳類の組織細胞の培養液も本発明のポリペ
プチドの生産に使用できる。哺乳類の細胞は実際に好ましく、これは天然の異種
組織蛋白質を分泌できる好適な多数のホスト細胞ラインが従来から開発されたか
らであり、、これらはCHO細胞ライン、種々のCOS細胞ライン、HeLa細
胞、骨髄腫細胞ライン等を含む。
【0034】 典型的には本発明による抗体の重い及び/又は軽い鎖を解読するポリヌクレオ
チドシーケンスは抗体をグリコシル化するグリコシル化細胞中に導入されかつ発
現される。ここで使用される「グリコシル化細胞」とは蛋白質をグリコシル化で
きる細胞であり、特に細胞中で発現される少なくとも1個のポリペプチド,特に
分泌された蛋白質中の少なくとも1個のグリコシル化サイトシーケンスに、少な
くとも1個のマンノース残基を含むN−結合の「核オリゴ糖」を追加でき及び/
又はO−結合糖を追加できる真核細胞である。従ってグリコシル化細胞は、蛋白
質又はポリペプチド中でグリコシル化サイトシーケンスに糖残基を付けることを
触媒する少なくとも1個の酵素的活性体を含み、前記細胞は少なくとも1個の発
現したポリペプチドを実際にグリコシル化する。例えば限定されるものではない
が、哺乳類の細胞は典型的にはグリコシル化細胞である。昆虫の細胞や酵母もグ
リコシル化細胞である。
【0035】 一旦発現すると本発明による抗体は、HPLC精製、分別カラムクロマトグラ
フィー、ゲル電気泳動等を含む従来技術の標準的な手法により精製できる〔R.
スコープスの「蛋白質精製(1982年)」(ニューヨークのスプリンガー・フェア
ラーク)参照〕。 本発明の治療化合物は、薬学技術で知られている形態を使用して、血管内へ、
腹膜内へ、皮下注射で、筋肉内へ、のような非経口的方法で投与できる。本発明
の活性な薬成分は液体、粉末又は親液性の形態で使用でき、かつ水、塩水、右旋
糖水、緩衝液等の好適な希釈剤やキャリアと組み合わせても良い。保存剤を添加
しても良い。
【0036】 選択された投与経路にかかわらず、本発明の化合物は当業者に既知の従来法に
より薬学的に受け入れられる投与形態に配合される。該化合物は薬学的に受け入
れられる酸又は塩基添加塩を使用して配合しても良い。更に該化合物又はそれら
の塩を好適な加水形態で使用しても良い。 選択された投与経路にかかわらず、毒性はないが治療上有効な量の1又は2以
上の本発明の化合物を任意の処理に使用する。処理のための投与方法は、患者の
タイプ、年令、体重、性別及び医学的な状態、腫瘍のタイプ、投与経路及び処理
で使用される特殊な化合物を含む種々の因子により選択する。通常の技能を有す
る医者は、既知の抗体治療のアプローチに関して要求される薬品の効果的な量を
容易に決定し処方できる。そのような過程において、医者はまず比較的低い投与
量を使用し、続いて最大の応答が得られるまで、投与量を増加することができた
【0037】 本発明による抗体を含んで成る薬学的組成物を局所的又は非経口的投与、つま
り、皮下へ、筋肉内へ、静脈内へ、又は皮膚を通しての投与に有用である。非経
口投与のための組成物は、一般に受け入れられるキャリア、好ましくは水性キャ
リア中に溶解した前記抗体の溶液を含んで成る。種々の水性キャリア、例えば水
、緩衝水、0.4 %の塩水、0.3 %のグリシン等が使用できる。該溶液は無菌状態
で一般に粒子状物体が存在しない。前記組成物は従来の周知の技術により無菌状
態にする。該組成物は、例えば酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム
、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム等のpH調整及び緩衝剤、毒性調整剤のよう
なほぼ適切な生理学的状態にするために要求され、薬学的に受け入れられる補助
物質を含んでいても良い。これらの配合物中の本発明による抗体の濃度は、広く
変化することができ、例えば約0.01%未満通常は少なくとも約0.1 %から5重量
%まで高くした範囲で、主として液体量、粘度等に基づいて、又は選択された投
与の特別なモードに従って変化する。
【0038】 従って筋肉注射用の典型的な薬学的組成は1mlまでの無菌緩衝水と約1から50
mgの本発明による抗体から成るものとすることができた。 本発明による抗体は貯蔵のために親液性とし、使用に先立って適切なキャリア
中で再構成しても良い。従来の親液化及び再構成技術を使用できる。親液化及び
再構成は生物的活性のロスの程度を変化させられること及び使用レベルは補償の
ために調節されなければならないことは当業者により理解できる。
【0039】 本発明による抗MUC1抗体の安全性、投与量及び治療上の能力を55人の胸部
癌患者に対する臨床的なケーススタディで評価した。最小の残留疾患(n=47)
及び転移疾患(n=8)の患者がスタディーに参加した。標準的な補助薬による
治療及び抗体7F11による治療の前に、全ての患者は初期の操作時に骨髄の腫瘍
細胞による汚染を証明した。18人の患者は、4週間ごとに50mgの天然の7F11の
多数の点滴を受けた。進行した転移胸部癌種を有する1人の患者は1週間のイン
ターバルで4回の50mg投与を受けた。14人の患者の第2のグループは、7F11の
20mg投与で処置され、他方22人の患者の第3のグループは2.5 mg処置を受けた。
一般に抗体点滴は良好に耐えられた。6人の患者のみが迅速な(2時間)7F11
の50mg点滴を受け、直ちに軽いアレルギー反応を見せた。これらの副作用は50mg
投与の点滴時間を8時間に延ばすことにより、回避できた。システム的な副作用
には遭遇しなかった。点滴時間がそれぞれ4及び1時間である20mg及び2.5 mg処
置グループでは悪い副作用は観察されなかった。ヒト抗マウス抗体(HAMA)
が1〜100 μg/mlの範囲で安定した滴定量になり、抗7F11抗体(ab2 )ゅ
安定した滴定量となるまで、免疫処置を繰り返した。3ヶ月後に、骨髄を分析し
てミクロ転移細胞の検出と検定を行った。ここまでで、24人の患者の骨髄を7F
11治療中及びその後に再検査し、他の患者は依然として治療中である。M0グル
ープの18人の患者は骨髄中に汚染した腫瘍細胞が存在しないことが見出され、1
人の患者では106 の骨髄細胞中、3から7への腫瘍細胞の増加が記録された。追
跡調査の間、全ての免疫された患者は腫瘍のないまま維持された。ところで、こ
れらの患者のうちの7人は維持処置として予防の増強免疫処置を受け、結果とし
てHAMA及び7F11滴定量の劇的な増加を示した。これらの増強免疫処置は不
利な出来事を生じさせることなく耐えられ、そしてネズミ7F11による維持処置
はHAMA及び7F11滴定量の増加にもかかわらず実施可能であることを示して
いる。
【0040】 臨床的に証明された7F11治療前の局部疾患又は転移を有する患者のグループ
では、2種類のケースで骨髄の腫瘍細胞の除去が見られ、減少が2人の患者で記
録され、腫瘍細胞の増加は他の1人の患者で見られた。3人の患者は依然として
治療中である。 進行した胸部癌種を有する1人の患者は週間的インターバルで7F11の50mg点
滴を受けた。第1処置のリンパ球の24時間後に、骨髄及び腹水液を7F11の生
物的分布を分析した。10μg/mlのリンパ球7F11レベルが、それぞれ骨髄中の
8μg/ml及び腹水中の6μg/mlを生じさせた。これらの条件下で、骨髄中の
腫瘍細胞(>100 /106 通常の骨髄細胞)及び腹水中の腫瘍細胞(10細胞/ml)
は細胞膜及び細胞質の均一で強い7F11ラベリングを証明した。
【0041】 全体として臨床的研究は、最小の残留疾患を有する胸部癌患者に本発明による
抗MUC1骨髄の多数回投与にする差異の安全性、耐性、薬学的動力学を示す。
骨髄中のミクロ転移腫瘍細胞はM0グループの18人の患者及びロコ領域的疾患を
有する2人の患者で除去された。前記研究は、本発明による接合していない骨髄
を有する胸部癌癌の処置は、直接的な細胞毒の受動的なエフェクター機構又は精
神疾患ネットワーク応答のいずれかにより、骨髄中の腫瘍細胞を除去できること
を示している。更に骨髄中のミクロ転移細胞の追跡は、補助薬腫瘍治療の効能を
ついせきするためお極度に感度の良い代用マーカーとして提示される。
【0042】 腫瘍を伴うGA733−2(CO17−1A)のような抗原(TAA)に対す
る免疫性の導入は、腫瘍細胞を除去し、又は疾患の再発生を遅らせる。高投与量
(500 mg)で繰り返し浸される天然のmAb17−1Aを使用する結腸癌の患者に
関する研究は、死亡率を30%まで減少させた(G.リートミュラー、Lancet 343
(1994) 1177-1183)。17−1Aで処置した進行した結腸癌の患者のグループ中の
J.ファゲルベルクらのCancer Immunol. Immunother. 38 (1994) 149-159 から
の最近の結果は、a)重要なab2応答を有する患者は長い生存時間を有したこと
、b)短いインターバルで投与された2gのレンジの天然のmAbの高い全投与量
はヒトab2の低い濃度を導いたこと、及びc)組換えヒト化17−1Aは抗精神
疾患抗体の滴定量を大きく減少させた、ことを示している。
【0043】 胸部ムチンは、染色体1q上の遺伝子MUC1によりコード化された高度にグ
リコシル化された蛋白質である。抗原は、胸部及び卵巣癌種中で過度に発現し、
変型してグリコシル化されている。腫瘍を伴うムチンは、細胞質、細胞膜及び分
泌成分中で見出される。 これらの細胞膜及び分泌されたTAAは、胸部癌患者に体液性(A.ルゲッテ
ィら、Cancer Res. 53 (1993) 2457─2461) 及び細胞性免疫(H.R.ジェロー
ム、J. Immunol. 151 (1993) 1654-1662) を導入する。従ってMUC1特異性を
有するマブは免疫治療への介入の選択の候補である(概説はV.アポストロボウ
ロス及びF.C.マッケンジーのCritical Rev. Immunology 14 (1994) 293-309
) 。
【0044】 我々の研究グループは、ヒトの胸部ムチン(BM)の異なったエピトープに対
する多数の単クローン抗体(mAbs)を開発した。ヒト胸部ムチンMUC1の
タンデムリピート領域の炭水化物/ペプチド結合サイトに特異的なMAb7F11
は胸部癌種の96%を越えるものと反応性を有する。 固体腫瘍及び転移中の7F11着色パターンは着色した腫瘍細胞の通常80%以上
と均質である。従って7F11は骨髄中の腫瘍細胞の分析用及び免疫シンチグラフ
用として使用できる。
【0045】 流れ細胞学分析及び組織学的分析は高い腫瘍選択性とMab7F11用の異なっ
た組織の通常細胞との最小の交差反応性を証明した。この理由から、最小の残留
疾患を有する胸部癌患者の免疫治療処置用としてmAbが選択された。本免疫処
置プロトコールは、 a) 精神疾患ネットワーク活性化、 b) B−細胞活性化、 c) T−細胞活性化、又は d) 抗体依存細胞毒性(ADCC) 用に設計された。 従って7F11は4週間のインターバルで比較的低い投与量である2.5 、20及び
50mgで投与された。アレルギー反応以外の毒性のある副作用は55人の患者グルー
プ中で遭遇しなかった。特にアナフラキシー反応は見られなかった。3人の患者
が全部で450 mgの7F11を投与された。
【0046】 研究グループの全ての患者が3から10回の免疫処置の後に、HAMA及び抗7
F11抗体の安定で長く続く滴定量を得て、1人の患者は1回の免疫処置後に安定
な滴定量を得た(平均5.6 回)。従って免疫処置の数は、個々の患者及び安定で
長く続く抗体の滴定量を得るための患者の能力に依存して、適切には1〜10、好
ましくは8〜9、最も好ましくは6〜8である。最大のHAMA滴定量は、最後
の免疫処置の後で5ヶ月の平均リンパ球半減期を有する、10から100 μm/mlの
範囲内である。4人の患者では(表1の患者1、2、4及び5)25〜40%の抗精
神疾患応答は抗原結合サイトに従ってab2β−タイプに関している。
【0047】 最後の免疫処置の3ヶ月後に、患者は骨髄中の腫瘍細胞汚染のための再検査を
受けた。各患者の骨髄細胞を免疫細胞学的に及び自動画分析により、少なくとも
6個の細胞スピンで分析した。M0グループの18人の患者及び局部疾患の2人の
患者はミクロ転移腫瘍細胞に関してネガティブであった。M0グループの1人患
者のみが骨髄中の腫瘍細胞を増加させていた。これらの結果は、7F11により受
動的な免疫治療が、補助薬を使用する状況の大部分の胸部癌患者の骨髄中の個々
のミクロ転移腫瘍細胞を除去できることを明瞭に示している。接合していないネ
ズミmAbs7F11は異なった手法でヒトの免疫システムに影響を与える。直接
的な機構は腫瘍細胞のラベリングに依存し、抗体依存の細胞毒性、相補−依存細
胞毒性及びアポトシスにより引き起こされる。間接的機構は免疫ネットワークを
通して起こる。治療用マウス抗体の超可変領域に結合する抗精神疾患抗体(ab
2β)は、T−細胞(T2)を導き、抗抗精神疾患抗体(ab3)及びT−細胞
(T3)クローンの発展を誘発する。ab2βを識別するヒトab3抗体及び治
療マウス抗体により定義されるヒトの胸部ムチンの通常の抗原エピトープは免疫
された患者の有利な結果用に応答する。
【0048】 結論として、7F11治療は補助薬状況での胸部癌患者の骨髄中のミクロ転移胸
部腫瘍細胞の劇的な減少又は根絶を生じさせた。 抗体7F11(1)及び1E4(2)を分泌する本発明で述べた細胞ラインDSM
ACC2329(1)及びDSM ACC2328(2)は、1997年10月31日に、ドイツ国ブ
ラウンシュバイク、Dー38124、マシェローダー・ベク1bのドイッチェ・
サムルンク・フォン・ミクロオルガニスメン・ウント・ツェルクルツーレン・ゲ
ーエムベーハー(DSM)とベーリンガー・マンハイム・ゲーエムベーハーによ
り市場に出された。 以下の表、実施例、参考文献、シーケンスリスト及び図面は本発明の理解を助
けるために提供されるもので、本発明の真の範囲は添付した特許請求の範囲に記
載されている。本発明の精神から離れることなく、記載された操作において修正
が可能であることは理解すべきである。
【0049】省略のリスト HAMA =ヒト抗マウス抗体 PBS =燐酸塩緩衝塩水 APAAP技術 =アルカリホスファターゼ抗アルカリホスファターゼ錯体 TCD =腫瘍細胞の数 TAA =腫瘍を伴う抗原 PUM =多形尿ムチン状糖蛋白 EIA =酵素免疫アッセイ PMSF =フッ化フェニルメチルスルホニル WGA =コムギ麦芽凝集素 BSA =ウシ血清アルブミン PP =燐酸緩衝液 TFMSA =トリフルオロメタンスルホン酸 MAPS =単クローン抗体結合溶液(BioRad) PE =フィコエリトリン PECy5 =タンデム接合フィコエリトリン及びシアニン5
【0050】
【表1】
【0051】 実施例1 抗体の同定と精製 単クローン抗体1E4 クローン1E4(lgG1、k)を、3人の患者からのMUC1フラクション
で順に8回4〜6週間ごとに免疫したBALB/cマウスから選択した。スプリ
ーノサイトを、PEG6000を使用する確立された方法(1)によってX63−P3
X 63Ag8.653 (ATCC CRL1580)マウス骨髄腫細胞に接合した。マ
ウス大食細胞をフィーダー細胞として使用して、10個の96−ウェル・プレート中
でハイブリドーマを選択した。上澄みをELISA及び免疫細胞学的手法により
スクリーニングした。強いMUC1反応性を有する19個のハイブリドーマクロー
ン同定しかつクリオ保存した。クローン1E4のための主たる選択基準は、種々
の腫瘍を伴う抗原フラクションと強い反応性を有し、免疫的優越性のMUC1−
VNTRペプチドシーケンスAPDTR(SEQ ID NO:5)との反応性
を有せず、かつ通常の乳汁MUC1、脱グリコシル化MUC1及び通常の尿のム
チン(多形質の尿のムチン状の糖蛋白PUM)と最小の反応性を有することとし
た。
【0052】単クローン抗体7F11 クローン7F11(lgG1、k)を、2人の患者からの腹水と胸部癌細胞ライ
ンT47−Dから精製したMUC1フラクションで、BALB/cマウスを8回免
疫処置して誘導した。スプリーノサイトのP3X63Ag8.653 骨髄腫細胞との
接合の後に、MUC1特異性を有する9個のハイブリドーマを同定した。選択基
準は1E4と同じで、つまり分泌したMUC1と強い反応性を有するが通常の乳
汁MUC1、脱グリコシル化MUC1及びPUMとは最小の反応性を有すること
とした。
【0053】方法 1.細胞 マイコプラスムを有しない骨髄腫P3X63Ag8.653 を使用した。ネズミl
gを生産しない細胞ラインを、4.5 g/lの(D+)グルコース、0.7 g/lの
NaHCO3 、10%の救命用ウシ血清(FCS)、15mMのHEPES、0.5 %
のペリシリン−ストレプトマイシン及び2mMのグルタミン(DMEM、全てド
イツのエッゲンシュタインのギブコ社)を有するドゥルベコス修正したイーグル
ス媒体の中で成長させた。
【0054】 胸部癌ラインT47D(HTB133 )、SKBR3(HTB30)、MCF7(
HTB22)及びZR75(CRL1500)をATCCから受け取った。KS
、WA、AR、KM22及びHG15の胸部癌ラインは腹水(KS)、初期癌種
(WA、AR)及び骨髄(胸部癌患者のKM22及びHG15)を使用して確立さ
せた。ムチンのネガティブな制御細胞ラインSW1116(CCL233)及び
LS174T(CCL188)は前記ATCCからのものである。ヒトの繊維芽
細胞は胸部癌患者の結合組織から単離した。卵巣癌種細胞ラインHI及びOCは
腹水液を使用して確立した。
【0055】 2.腹水液及び胸膜の浸出液からのMUC1糖蛋白フラクションの精製 進行している胸部癌の26人の患者から腹水及び胸膜浸出液を集め、膜濾過で清
澄化し、EIAでMUC1含有量を分析した。個々の患者からの2〜3リットル
の高度にポジティブをサンプルを−20℃で凍結させ、抗原精製に使用した。
【0056】 3.胸部癌ラインKS及びT47−Dからの標準抗原(BMA)の生産 T47−D細胞(悪性の胸膜浸出液、胸部癌種、ATCC HTB133)及
び細胞ラインKSをヌンク工場(ドイツのビースバーデンのヌンク)で成長させ
た。2×109 個の細胞のバッチをトリプシネーションで集めPBSで2回洗浄し
た。細胞は一定の攪拌下、4℃で1時間、500 mlの溶解用緩衝液(10mMのTR
IS/HCl、pH7.6 、2mMのEDTA、1%のトリトン(登録商標)X−
100 、1%のアプロチニン、及び1mMのPMSF)中で均一化した。10000 g
で15分間遠心分離して核は除去し、上澄み(細胞質ゾル)は−70℃で保存するか
抗原精製に使用した。
【0057】 4.MUC1の精製 4.1 ハイブリドーマ生産のための抗原精製 4.1.2 レクチン親和性クロマトグラフィー 細胞質ゾル、腹水マブ胸膜浸出液を、流速2〜5ml/分の2×30cmカラム中の
コムギ麦芽凝集素(WGA)セファロース(ドイツのフライブルクのファーマシ
ア社)上でのレクチン親和性クロマトグラフィーにより精製した。カラムは低濃
度及び高濃度の塩(2M塩化ナトリウム)PBSで洗浄し、糖蛋白を1ml/分の
流速のN−アセチルグルコサミン(125 mg/ml)で溶出させ、PBSに対して透
析させ、YM100 膜(ドイツのバイデンのアミコン社)で超遠心で10回濃縮した
。蛋白質含有量はローリー(ドイツのミュンヘンのビオラッド社)によるミクロ
アッセイを使用して分析した。
【0058】 4.1.3 ゲル排除クロマトグラフィー 腹水及び細胞質ゾル蛋白質のレクチン親和性フラクションを、2.5 ×100 cmの
絡む中でスペロース6迅速蛋白質液体クロマトグラフィー(FPLC、ファーマ
シア社)により精製した。 200 から1000kDaの分子量領域中のMUC1ポジティブフラクションをEI
Aで分析し、2〜10μg/mlに調節し、BALB/cマウスの免疫処置及びハイ
ブリドーマ上澄みの特異性テストに使用した。抗原は−20℃で貯蔵した。
【0059】 4.2 免疫親和性クロマトグラフィー 天然の及びグリコシル化MUC1との反応性を有するマブ2E11を、ゲル1ml
当たり抗体10mgの濃度になるようにアフィ−ゲル10(ビオラッド社)に結合させ
た。細胞質ゾルを250 mlのバッチとして、1ml/分の流速で抗体カラムに供給し
、次いでPBS及びPBS−2M塩化ナトリウムで十分に洗浄した。結合した抗
原は流速0.5 ml/分でpH6の7Mの尿素で溶出させ、5IPBSに対して1晩
透析した。次いで精製した抗原は5mlのヤギ抗マウスlgG−アガロース(ドイ
ツのダイゼンホーフェンのジクマ社)カラムを通し痕跡量の2E11を除去した。
蛋白質をローリー(ビオラッド社)により分析し、200 μg蛋白質/mlに調節し
た。この胸部ムチン抗原(BMA)は、500 U標準値のための1:35〜1:100
の希釈におけるMUC1アッセイの標準として使用できる。
【0060】 5.SDS−PAGE及びウェスタン免疫ブロッティング 蛋白質を7.5 %のアクリルアミドゲル(16×16cm、ビオラッド社のプロテアン
)中の還元条件下でレムリに従って分離し、クリシン/メタノール緩衝液中、30
0 mAで4時間、ニトロセルロースに変換した。ニトロセルロースはPBS、0.1
%のトゥウィーン(Tween)20及び2%のドライミルク粉末で1時間、ブロッキン
グを行った。精製した抗原フラクション及び異なったソースの脱グリコシル化抗
原はビオチン化されたマブ(1μg/mlのPBS、及び1%のBSA)で1時間
検査し、ストレパビディン・パーオキシダーゼ及び4−クロロ−1−ナフトール
を基質として使用して検出した。
【0061】 6.MUC1の酵素的及び化学的脱グリコシル化 親和性で精製したMUC1のサンプルを0.1 MのPP、pH5.5 (ノイラミニ
ダーゼ)又は0.1 MのPP、pH6.0 (O−グリカナーゼ)に対して透析し、ノ
イラミニダーゼ(2、5、10、20mU、ドイツのマンハイムのベーリンガー−マ
ンハイム・ゲーエムベーハーのビブリオ・コレレ)又はO−グリカナーゼ(2、
20及び200 mU、ベアリンガー社のディピオコクス・ニューモニー)を使用して
37℃で24時間、培養した。消化はサンプルを100 ℃に5分間加熱することにより
停止させた。 TFMSAによる化学的脱グリコシル化は、A.S.B.エッジらによるAnal
. Biochem. 118 (1981) 131-137 の記載に従って行った。精製した抗原(0.1 mg
)を親液性とし、200 μlのTFMSAD 1〜3時間4℃で培養し、−80℃に
冷却し、50%の水性ピリジンで中和し、0.1 %の重炭酸アンモニウムに対して透
析した。
【0062】 7.MUC1ペプチド特異的なマブ2E11の展開 スペロース6ゲル排除クロマトグラフィーにより、T47−D細胞質ゾル蛋白質
を部分的に精製した。確立された方法に従って、1〜2×106 Daの高分子量フ
ラクションを使用してBALB/cマウスの免疫処置を行った。最後の免疫処置
はノイラミニダーゼ及びO−グリカナーゼで処置した抗原で行った。スプリーノ
サイトをX63Ag853抗原腫細胞と接合した。ハイブリドーマ2E11をEL
ISA、細胞学的及び組織学的に選択した。マブ(lgG3、k)は胸部及び他
の癌種のホルマリン耐性エピトープと強くかつ幅広い反応性を示した。抗体は、
リンパMUC1レベルの定量的決定のために単独で、又は7F11及び1E4との
組合せで使用できた。被覆として7F11を有しパーオキシダーゼでラベルされた
2E11を有する2サイトサンドイッチ型EIAテストを、MUC1定量のために
展開した。マブ2E11は制限希釈を11回行ってクローン化した。
【0063】 8.クローン1E4の免疫処置及び選択 MUC1を、患者FO、OC及びSTの腹水から、WGA−クロマトグラフィ
ー及びスペロース6ゲル濾過により精製した。雌のBALB/cマウスに、異な
った患者からの抗原を使用して、順に8回4〜6週間ごとに免疫処置を行った。
スプリーノサイトを増強免疫処置の後の4日で除去し、PEG6000を使用する確
立された方法(S.カウル、「哺乳類細胞に対する特異性を有する単クローン抗
体の発展」、フランクフルト大学生物化学センターの視覚取得論文、1983年)を
使用してX63−Ag853マウス骨髄腫細胞に接合した。マウスのマクロファ
ージ(PM)をフィーダー細胞として使用し、10個の96−ウェルプレート中でハ
イブリドーマを選択した。2週間後に、ELISA及び細胞学的手法を使用して
上澄みをスクリーニングした。強いMUC1反応性を有する19個のハイブリドー
マクローンを同定しクリオ保存した。クローン1E4のための主とする選択基準
は、通常の乳汁MUC1、脱グリコシル化MUC1及び通常の尿のムチン(多形
質の尿のムチン状の糖蛋白PUM)と最小の反応性を有し、胸部癌細胞ラインY
47D及びKSと強い細胞学的反応性を有し、ヒトの繊維芽細胞と最小の交差反
応性を有することであった。1E4は制限希釈8回でクローン化した。
【0064】 9.クローン7F11の免疫処置及び選択 MUC1を、患者ST及びZEびSTの腹水から及び胸部癌細胞ラインT47
−Dから、WGA−クロマトグラフィー及びスペロース6ゲル濾過により精製し
た。BALB/cマウスに、異なった抗体フラクションで順に8回免疫処置を行
った。スプリーノサイトをX63−Ag853骨髄腫細胞に接合した後、MUC
1特異性を有する9このハイブリドーマを同定した。クローン7F11(lgG1
、k)はELISA及び細胞学的手法を使用して選択され、通常の乳汁MUC1
、脱グリコシル化MUC1及びPUMと最小の反応性を有し、リンパからのMU
C1、腹水及び腫瘍細胞と強い反応性を有していることにより特徴付けられた。
マブ7F11は制限希釈12回でクローン化した。
【0065】 10.クローン5A6の免疫処置及び選択 MUC1を、患者ZIのリンパから及びT47−D細胞の分泌されたMUC1
(組織培養上澄み)から、WGA−クロマトグラフィー及びスペロース6ゲル濾
過により精製した。両抗原フラクションは混合し、BALB/cマウスの3回の
免疫治療用に使用した。スプリーノサイトをX63−Ag853骨髄腫細胞に接
合した(1990年2月)後、MUC1特異性を有する24個のハイブリドーマを同定
した。クローン5A6(lgG1、k)はリンパ、腹水、腫瘍細胞及び通常細胞
からの天然及び脱グリコシル化した抗原フラクションを使用するELISA及び
細胞学的手法により選択された。5A6は制限希釈10回でクローン化した。
【0066】 11. ハイブリドーマのクローニング 安定な高生産能力のクローンを選択するために、フィーダー細胞として1×10 4 PMを含む96のウェルプレート中に10%のFCS、50Uのペニシリン/ml、50
μgのストレプトマイシン/mlを有するDMEM中に0.5 、1、2及び5細胞ウ
ェルの密度で種を形成した。6日後に前記プレートを顕微鏡で検査して単一のハ
イブリドーマクローンを同定した。抗原被覆プレート中、EIAにより特定の抗
体生産についてテストした。各クローニングステップから6〜8個の高生産性ク
ローンが嵩高い培養地として成長し、液体窒素中に凍結した。全てのクローンは
、トランスフェリン、インシュリン、ゼレン(ベーリンガー・マンハイム・ゲー
エムベーハーの商品)及び0.5 %ウシ血清アルブミン(ギプコ社のアルブマック
ス)(完全なD/H媒体)を補填した、15mMのHEPES、0.8 gのNaHC
3 /リットル、4.5 g/リットルノグルコース、2.5 %のFCS(ギプコ社、
原産はアメリカ合衆国)を有する、抗生物質のないDMEM/栄養剤ミックスF
12(ギプコ社)中で最終的に成長させた。D/H媒体中の2E11、1E4:7F
11及び5A6のlg生産は静止培養地で15〜25μg/mlの範囲であった。
【0067】 12.抗体の生産 中空繊維を有するタイプ3570のバイオリアクター(70kDa膜)を使用して、
抗体をセルファームル・ユニット(ドイツのヘラウスのウニジン社)中で生産し
た。2×109 個のハイブリドーマ細胞が2.5 %のFCSを有する完全なD/H媒
体中で接種した。リンパは3週間で1%まで減少した。生産の間、ハイブリドー
マは媒体供給速度4リットル/日で成長した。毎日100 〜200 mlの上澄みを採取
し、lg含有量を分析し、膜ろ過で清澄化し、−20℃で貯蔵した。2から3カ月
の生産サイクルの間にlg合成率に低下はなかった。
【0068】 13.抗体の精製 マブは「プロテインA−セファロース4−ファースト−フロー(ファーマシア
社)により精製した。バイオリアクターの上澄みは、pH8.9 の同量の結合緩衝
液(ビオラド社のMAPS)と混合し、250 mgのマウスlgを含むバッチを1ml
/時の流速で20mlの蛋白質Aゲルに加えた(ファーマシア社のFPLCシステム
)。lGをpH3.9 の0.1 Mのクエン酸緩衝液で溶出し、pH9.0 の2MのHE
PESで中和し、PBS又はpH8.4 の0.1 MのNaHCO3 のいずれかに対し
て透析した。スーパーデックス200 (ファーマシア社)にぱるゲル濾過、及び15
%のアクリルアミドゲル(ビオラド社のレディゲル)及び銀着色(ビオラド社)
を使用するSDS−PAGEにより、純度を分析した。単クローン抗体が膜濾過
で無菌化され1、2及び5mg/mlの濃度で−20℃にのいて貯蔵された。
【0069】 14.マブのラベリング 細胞学的手法、組織学的手法及びEIAのために、抗体をビオチン(長腕NH
S−ビオチン、アメリカ合衆国バーリンゲームのベクトル社)及びバーオキシダ
ーゼ(ドイツのベーリンガー・マンハイム・ゲーエムベーハー)を使用し生産者
の指示に従ってラベルした(5mg、0.1 MのNaHCO3 中、pH8.4 )。FA
CS分析用のFITC、PE(影付き)及びPECy5によるマブのラベリング
をシムバス(ドイツのハンブルクのディアノバ社)により行った。
【0070】 15.2サイト酵素免疫アッセイ(EIA)によるMUC1の定量化 最大吸着免疫プレート(Nunc)を、燐酸緩衝食塩水(PBS、pH7.6 )
を使用して、ムチン−グリコン特異的マブ7F11(500 ng/ウェル)により37℃
で1時間で被覆した。プレートはPBSで洗浄し、PBS及び1%のウシ血清ア
ルブミン(BSA)で1時間ブロックし、緩衝水(WB、150 mMの塩化ナトリ
ウム、p7.6 の50mMのトリス、及び0.05%のトゥウィーン20)で3回洗浄した
。テストサンプル及び標準抗体(100 yl) を、37℃で1時間、PBS、0.5 %の
BSA、0.5 %のトリトンX100 (AD、抗体希釈剤)中に適切な希釈率で加え
た。プレートをWBで4回洗浄し、パーオキシダーゼ(2E11−PO、AD中、
2mg/ml、1:40000 、30分、37℃)でラベルしたペプチド(APDTR)特異
的なマブ2E11を使用してMUC1を決定した。100 μgの基質BM−ブルー(
ベーリンガー社)を37℃で30分間で加えた。標準抗原(BMA、胸部ムチン抗原
)は胸部癌ラインKS及びT47−Dから精製された免疫親和性がある物質であ
った。
【0071】 16.合成MUC1−VNTRペプチド MUC1タンデムリピート構造の合成ペプチドを、固体ペプチド合成体(ハン
ブルク/ザール大学のナスタインジク博士)上で合成し、pH9.4 の0.1 M炭酸
塩緩衝液を使用し、100 ng/ウェルの濃度のEIAプレート(ヌンクのマキシソ
ーブ)に被覆した。 ペプチドM20(APDTRPAPGSTAPPAHGVTS) SEQ ID NO:1 P24(APDTRPAPGSTAPPAHGVTSPDRT) SEQ ID NO:2, M5−15(PAPGSTAPPA)SEQ ID NO:3、及び M6−17(APGSTAPPAHG)SEQ ID NO:4をエピトープ
分析のために使用した。
【0072】 17.フローサイトメトリー及び競争的ELISAによるエピトープの特性化 KS及びT47−D細胞(胸部癌種、MUC1ポジティブ)、LS174T(結
腸癌種、MUC1ネガティブ)への結合を、天然、又は直接FITC、PE(影
付き)又はPE−Cy5に接合した7F11及び1E4でメタノール固定細胞でラ
ベルした後、フローサイトメトリーで分析した。エピトープの特性化のために、
本発明の抗体を、市販の抗MUC1抗体であるHMFG1、HMFG2、Ma5
52、Ma695、b12、DF3、115D8、BC2、BC3、SM3、V
U11E2、VU12E1、KC4及びMF06と競争させた。
【0073】 本発明の抗MUC1抗体により同定されるエピトープに関する一般的な情報は
、異なった抗原のソースを使用するELISAにより得られた。胸部及び卵巣癌
患者の腹水、胸部癌患者からのリンパ、ヒト乳汁、ヒトの尿、KS、T47−D
及びLS174Tからの細胞質ゾルは、4.1.2 及び4.1.3 により精製された。最
大吸着免疫プレート(ヌンク)をpH9.6 の炭酸塩緩衝液中、室温で18時間、ウ
ェル当たり0.1 μgの抗原で被覆した。PBSで洗浄した後、特定されない結合
をPBS及び1%のBSAで培養することによりブロックした。本発明の抗体を
、5、10及び20ng/ウェルの濃度のビオチン化試薬として使用した。競争反応の
ため、ラベルしていない抗MUC1抗体を1〜100 ng/ウェルの濃度領域で添加
した。プレートを37℃で2時間培養した。洗浄後、ストレパビディン・パーオキ
シダーゼ(1.20000 、ドイツのハンブルクのディアノバ社)を20分間室温で添加
した。洗浄後、BMブルーPOD(ドイツのベーリンガー−マンハイム社)基質
を有するODを20分の培養後に450 nmで決定した。
【0074】結果 1.1E4及び7F11のエピトープ特異性 1E4及び7F11のエピトープ特異性を、異なった通常の及び腫瘍ソースから
単離したMUC1フラクションの大きなパネル上で分析した(表2)。免疫優越
性のMUC1ペプチドエピトープFDTR(HMFG1、HMFG2、b12、
DF3)に特異性を有する2E11及び他の良好に特性化されたマブとは対照的に
、マブ1E4及び7F11はPDTRシーケンスを含むいくつかのオーバーラップ
するペプチドに完全にネガティブである。該抗体は通常のヒトの尿(PUM)及
びヒト乳汁からの糖蛋白とは反応しない。両抗体のエピトープは、マイルドな蛋
白質分解処理(トリプシン)及びノイラミニダーゼによる過度の脱グリコシル化
に対する感度が低いが、精製されたMUC1をノイラミニダーゼ及びO−グリカ
ナーゼで処理することにより、抗体の反応性は完全に消滅する。SDS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動及びウェスタン免疫ブロッティングにより分離される
MUC1の分析は、高(400 〜440 kDa)及び低(180 、200 〜220 kDa)
分子量フラクションを有する両マブの反応性を示している。更に、1E4及び7
F11は、進行した疾患の胸部癌患者のリンパ及び腹水からの未精製MUC1とは
完全に異なった着色プロフィールを示した。一般に180 〜440 kDaの分子量領
域では抗原との幅広い反応性がある。これらのデータは、1E4及び7F11は、
癌種中に過度に発現し及び分泌され、通常(上皮)細胞のMUC1中には存在し
ないか偶然でのみ発現するアンダーグリコシル化MUC1フラクション中に存在
するエピトープと反応することを示唆している。両マブは、リンパ、腹水及び胸
膜浸出液中に分泌される抗原と強い反応性を有することにより特徴付けられる。
【0075】 2.マブ2E11、1E4、7F11及び5A6の比較上の組織学的分析 2.1 通常組織 抗体1A6及び1E11に加えて、MUC1特異的マブ7F11及び1E4も、通
常組織及び異なった器官の癌種の大きなパネル上で特異性のためにスクリーニン
グを行った。人間、又は自動化した免疫着色装置(ダコ・テクメート)のいずれ
かにより、ビオチン化されたマブ(0.5 μg/ml)及び新規なフクシンを気質と
して有するストレパビディン−アルカリ性のパーオキシダーゼで着色が行われた
【0076】 表3から分かるように、通常の細胞及び皮膚の組織、辺縁血、結合及び脂肪組
織、平滑及び横紋筋、血管、軟骨、骨、心臓、肝臓、舌、脾臓、腎臓及び脳は全
ての場合に全ての抗体に対しネガティブである。胸部(アシーニ、管)、結腸(
エンテロシット)、子宮内膜、脾臓(アシーニ、管)、前立腺、胎盤、胃(壁細
胞)、腎臓(遠位の管、集合管)及び肺(繊毛上皮)では、分泌細胞の頂きの境
界で及び分泌された生成物中でMUC1はペプチド特異性のマブ2E11とともに
検出される。PDTRペプチド特異性の殆ど全てのマブ(HMFG1、HMFG
2、115D8、DF3、F36/22、M26、b12、概説は、M.R.プ
ライスらのISOBM TD−4研究集会の総括リポート、「MUC1ムチンに
対する56の単クローン抗体の分析」、Tumor Biol. 19, suppl. 1(1998) 1-20 )
は、この着色パターンにより特徴付けられる。MUC1発現も、赤芽細胞及び骨
髄のプラズマ細胞の小さいフラクション中でマブ2E11について証明された。 これとは対照的に、7F11及び1E4では通常の上皮細胞とはより限定された
反応性を示した。通常の胸部では、7F11は、個々の場合に不均一着色の4から
12の場合にアシーニ及び管とポジティブであった。1E4はアシーニ、単一上皮
細胞及び分泌生成物と偶然にのみ反応した。結腸、子宮内膜、肺、脾臓及び胎盤
では、7F11は上皮細胞の頂きの膜と弱く反応するのみで、他方1E4は完全に
ネガティブであった。2E11及び7F11と首尾一貫して強い反応性を有する器官
は腎臓のみで、1E4は3種の場合に管状の膜について弱くポジティブであった
【0077】2.2 腫瘍組織 マブ2E11、5A6、1E4及び7F11の腫瘍反応性を表4に示す。ホルマリ
ンで固定され、パラフィンが埋設された組織へのルーティン的な免疫組織学的着
色は、2E11及び7F11は初期胸部癌種と96%を越える反応性を有し、他方1E
4は初期胸部癌種と90%を越える反応性を有することを示している。胸部及び他
の種々の癌種を有するMUC1−ペプチド特異的なマブ(2E11、HMFG1)
の均一な着色パターンと対照的に、マブ7F11、1E4及び5F2は個々の組織
でのより不均一な着色パターンにより特徴付けられる。典型的には50%の場合に
、同じ腫瘍中でそれぞれのエピトープの比較的弱い発現エリアと非常に強い発現
エリアが存在する。約40%の1E4ポジティブな腫瘍は、ゴルジ錯体の中心の細
胞質の着色を示し、他方強い反応性は小さい腫瘍エリア、単一の細胞及び分泌生
成物のみで見られる。
【0078】2.3 骨髄中のミクロ転移腫瘍細胞の分析 骨髄中のミクロ転移腫瘍細胞の比較分析が、APAAP技術(ダコ・テクメー
ト)により2E11、7F11及び1E4(0.5 μg/ml)を使用してホルマリン/
メタノールで固定された細胞スピン(1×106 細胞/スライド)で行われた。画
像発見分析(ベクトン・ディキソン)によりすふべてのスライドを評価した。腫
瘍細胞分析用のコントロール抗体は、CAM5.2 (シトケラチン8/18)及び5D
3(シトケラチン8/18/19 )であった。2E11、1E4及び7F11は腫瘍細胞の
強いラベリングを示した。2E11の適用は、赤芽細胞及びプラズマ細胞との大き
な交差反応性により妨害され、7F11は赤芽細胞とさほど強くない反応性のみを
有し、1E4は、通常の骨髄細胞(n=12)及び通常の辺縁血のリンパ球(n=
48)との交差反応性を示さず、他に血液の疾患を有する非腫瘍性の42人の患者が
いた。マブ7F11及び1E4による標準的な細胞の感度は106 個の骨髄細胞又は
PBL中に1個の腫瘍細胞の領域であった。初期胸部癌の416 人の患者の骨髄中
のミクロ転移腫瘍細胞の比較分析が表5に示されている。2個の細胞スピン(2
×106 BM細胞)が各々のマブで着色された。画像分析によるスライドの評価は
、ミクロ転移細胞の検出及び定量用として、ムチン特異的な7F11、1E4、及
びシトケラチン特異的な5D3を比較できる感度と特異性を示した。 両ムチン特異的なマブは、免疫細胞学式手法、ELISA、フローサイトメト
リー、免疫磁気学的に腫瘍細胞を富化することによる希な細胞の検出の改良のた
めの、及び辺縁血のステム細胞中の希な腫瘍細胞を効果的に清澄化する開発のた
めの新規な見通しを提供する。
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】
【表5】
【0083】実施例2 最小の残留疾患を有する胸部癌患者の免疫治療の臨床研究 患者 標準的な治療の後の最小の残留疾患を有する胸部癌患者(表6)を含めた。49
人の患者には臨床的転移(MO)の証拠はなかった。患者に含めた基準は、初期
診断又は/及び標準的な補助薬治療後に、骨髄に腫瘍細胞の汚染が証明されたこ
とであった。
【0084】 臨床的プロトコール インフォームド・コンセントの後、患者は婦人科で処置され、医学的な監視の
下に置かれた(50mgと20mgの処置グループ)。予備処置は、2mgのクレマスチン
ハイドロジェンフマラト(タベギル)の点滴及び500 mgのカルシウムの経口投与
とした。次いで患者は、等張力のNaClに希釈された50mgの7F11(1mg/ml
)を8時間掛けて投与された。20mgの投与分は500 mlのNaClに希釈され4時
間掛けて点滴された。これらの患者は1時間後に病院を後にすることができた。
2.5 mgの患者は予備的な薬物治療を受けず、250 mlのNaCl中の抗体を1時間
掛けて点滴で投与され、1時間後に病院を後にすることができた。
【0085】 処置に先立って、静脈血のサンプルを集め、a)免疫状態、腫瘍マーカー(CA
153 CEA BM27)、HAMA及び抗7F11のための分析を行った。選
択された患者中で7F11の薬剤動力学を、薬剤投与の4、12、48及び72時間後に
リンパ中で分析した。点滴の間、血圧を1時間ごとに測定した。 静脈血のサンプルを、HAMA、ab2 ab2β及びab3用の各免疫処置
の2及び4週間後に分析した。 辺縁血からの単核細胞を免疫処置に先立って調製し、その時点は重要なab2
滴定量が減少し、増強免疫処置の前、及び7日後であった。細胞は、将来の表現
型実現、B−細胞及びT−細胞培養及びFACS分析のために液体窒素中で凍結
させた。
【0086】 骨髄中のミクロ転移腫瘍細胞の検出 骨髄のサンプルをフィコール密度遠心分離で分離し、単核細胞をスライド当た
り1×106 個の骨髄細胞を有するような細胞スピンスライドを調製するために使
用した。細胞を空気乾燥し、3.5 %の中性緩衝ホルマリンで15分間固定し、PB
Sで洗浄し、次いで更に5分間、冷却した(−20℃)100 %メタノールで固定し
た。スライドをPBSで洗浄し、貯蔵用緩衝液(60g/リットルのサッカロース
を含むPBS、0.4 g/リットルの塩化マグネシウム、43%のグリセリン)に移
し、−20℃で貯蔵した。ビオチン化された7F11(0.5 μg/ml)、5D3−ビ
オチン(ノボカストラ、1:100 )及びMOC31(ビオジェネックスの抗上皮特
異性抗原、1:300 )を使用する免疫細胞学的手法により、アルカリ性のホスフ
ァターゼ(20%の酢酸で10分、2.3 %のNaJO4 で10分)及び通常のリンパ(
ビオチン化された初期の抗体用の5%の通常のマウスリンパ、APAAP技術の
ための5%のヒトリンパ)をブロックするステップの後、上皮腫瘍細胞を着色し
た。ステレプタビディン−アルカリ性ホスファターゼ、ヤギ抗マウスlgGアル
カリ性ホスファターゼF(ab)2 (クルター、1:250 )又はAPAAPシス
テム(ダコ)のいずれか、及び新規なフクチンを基質として有するダコ・テクノ
メート500 免疫着色剤を使用して、スライドを処理した。腫瘍細胞は、画像発見
分析システム(ベクトン・ディキンソン)により評価しかつ定量した。7F11で
免疫した患者の腫瘍細胞は、B−細胞及びアイソトープ(マウスlgG1及び7
F11)特異性を有するプラズマ細胞を排除するために、ベクター・レッド(ビオ
チン化された初期抗体)及びベクター・ブルー(APAAP技術)(アメリカ合
衆国のバーリンゲームのベクター)を有するアルカリ性ホスファターゼキットを
使用する付加的な二重着色技術によりコントロールした。
【0087】 少なくとも6個のスライドからの結果を106 個の骨髄細胞当たりの腫瘍細胞( TCD)として表した 体液免疫応答の分析 HAMAを、マウスlgGで被覆したELISAによりアッセイした。リンパ
を1:20から1:1000へ二重に希釈し、生産者(ドイツのハンブルクのメダック
社)の指示に従って、結合をパーオキシダーゼでラベルしたマウスlgGにより
アッセイした。
【0088】 抗−7F11抗体 患者のリンパをマウスlgG−アガラーゼに18時間掛けて吸着させ、予備吸着
されたリンパを7F11−F(ab)2 フラグメントで被覆したELISAプレー
トに添加した。ヒトab2抗体をパーオキシダーゼでラベルした7F11で決定し
た。低HAMAであるが高い7F11滴定量を示す患者のリンパを集めたものから
標準抗原を調製した。生産者の指示に従って、5mg/mlの濃度で、7F11をアフ
ィゲル10(ビオラッド社)に結合させた。高抗−7F11滴定量のヒトリンパをp
H8.9 の結合緩衝液で1:2に希釈し、0.2 ml/分の流速で7F11のゲルに加え
た。ヒト抗−7F11lgをpH3.0 の0.1 Mクエン酸緩衝液で溶出し、PBSに
対して透析し、かつ500 から2.5 ng/mlの濃度範囲で標準抗原として使用した。
ab2β分析のために、lgGフラクションはマウスlgGアガローゼを使用し
て親和精製した。
【0089】 ab2β決定のための競争ELISA マウスlgG予備吸着したリンパを、0.1 から10μg/mlの濃度の7F11−F
(ab)2 被覆されたミクロ滴定プレート中で培養した。競争のために、濃度領
域500 ユニット/ml中で精製したMUC1抗原で18時間培養した。ヒトab2β
を、パーオキシダーゼでラベルしたヤギ抗−ヒトlgGを使用して決定した。
【0090】 ヒト抗−MUC1の反応性 胸部癌細胞ラインKS及びT47─DからWGA−セファローゼ−クロマトグラ
フィーで精製した天然のMUC1で、ELISAプレートを被覆した。コントロ
ール抗原は、MUC1天然SW1116結腸癌種細胞からの細胞質ゾルであった。V
NTR(p24)の合成MUC1ペプチドは、1μg/mlの濃度で被覆した。各免
疫処置の前、及び2週間後に集めたリンパは、抗−MUC1反応性用のスクリー
ニングを行った。リンパを、37℃で1時間、1:25の希釈で追加した。ヒトlg
G及びlgMは、パーオキシダーゼ(ドイツのハンブルクのディアノバ社)でラ
ベルした球特異性のヤギ抗−ヒト抗原、及び基質としてのBM−ブルーで同定し
た。
【0091】 免疫表現型 治療の間のリンパ球の活性化は、4色フローサイトメトリー(クルター・エピ
ックス社)によるCDマーカーのパネルを使用して分析した。
【0092】臨床的態様 患者 55人の胸部癌患者をネズミmAb7F11で繰り返し免疫した。治療前後の骨髄
腫瘍細胞(TCD)の数及び7F11の免疫処置及び投与の回数を表6に示す。全
ての患者の平均TCDは、治療前の106 個の単核骨髄細胞当たり3.2 腫瘍細胞で
ある。腫瘍の段階、タイプ及び研究グループの予備処置の臨床データを表2に示
す。腫瘍の段階化はTNM分級に従って行った。27人の患者はリンパのノードが
ネガティブで、28人の患者はポジティブであった。32の場合に補助薬を使用する
化学治療を、7F11治療より優先し、18人の患者は7F11処置の間に標準的なホ
ルモン治療を続けた。
【0093】 7F11免疫処置 最初に50mgの処置投与量を120 分掛けて点滴した。この50mg処置グループの5
陳の患者は直ちに緩やかなアレルギー反応を起こした(発疹、低血圧症、熱)。
全ての徴候は<24時間続き、特別な治療を行うことなく、自然に解決した。患者
番号8は、発疹、低熱、低血圧及びブロコスパスムの徴候が進行した。副作用は
、8mgのみのデキサメタソン(フォーテコルチン)の点滴により完全に逆にでき
た。次いで500 mgの処置投与量を8時間以上掛けて点滴した。このような条件下
では、第1の免疫処置の間にアレルギーの徴候を示した患者でも、アレルギー性
の副作用は回避できた。長く続く毒性のある副作用はどの患者も示さなかった。
現在までのところ、7人の患者が、副作用を生じさせることなく、50mgの7F11
の強い維持免疫処置を受けている。20mg投与(点滴時間4時間)グループの全て
の12人の患者及び2.5 mgの処置グループ(点滴時間1時間)の全ての21人の患者
は逆の薬効を示さなかった。
【0094】 7F11の薬学的動力学 リンパ中の天然のネズミmAb7F11の薬学的動力学を表7に示す。50mgの7
F11を受けた患者は、点滴後の4時間に6〜18μg/mlの領域の領域ピーク濃度
を有した。12時間後に8μg/ml及び48時間後に6μg/mlというむしろ遅い減
少があった。7F11のピークのリンパ濃度は上昇するHAMA及びヒト抗−7F
11滴定量と平行に減少した。
【0095】 HAMA及びab2抗体 現状では、50mgグループの18人の患者及び50/20mgグループの6人の患者が、
免疫処置を終えている。これらの処置グループ中のHAMAは、時間及び滴定量
で大きな変化を示した。3人の患者で、処置前に僅かに上昇したレベルが記録さ
れた。処置中に、患者の1つのグループ(患者3、6、11、13、14及び20)は、
1μg/mlを越えない非常に遅い増加と非常に安定したHAMAの滴定により特
徴付けられた。しかし4から6回の免疫処置の後に、多くの患者は連続するHA
MAの上昇を示し、10μg/mlより大きい滴定量を生じさせた。 これと対照的に、抗7F11の滴定量は第2回の免疫処置で大きく上昇した。治
療の間、M0グループの全ての患者は、引き続く免疫処置の間に2〜8μg/ml
の領域で安定した滴定量を示した。7F11治療の間の個々の患者の典型的なHA
MAと抗−7F11滴定離農を図2及び3図3に示す。20mg及び2.5 mg抗体の処置
グループ中のHAMA及び抗−7F11滴定量は50mgのグループのものから大きく
異なってはいなかった。
【0096】 一般に、患者の殆どに関して、HAMA及び7F11は免疫治療中に同じ経路を
示した。治療後に、リンパ滴定量は、半減期が4から6カ月の遅い減少を示した
。1年後の増強免疫処置(7人の患者)は劇的な増加と保持されたHAMA及び
7F11滴定量を示した。 選択された患者(番号1、2、4及び5)中の競争用としての精製ムチン7F
11を使用する抑制アッセイは、ab2抗体のかなりのフラクションが、治療mA
b7F11(ab1)従ってab2β抗体の可変領域に特異的であったことを明瞭
に示した。
【0097】 骨髄中のミクロ転移の腫瘍細胞(TCD)の代用マーカーの分析及び追跡 M0グループの19人の患者が免疫治療の試みを完了した。治療前(平均値は3.
3 腫瘍細胞)と治療後のTCDの比較を表6に示す。2人の患者(番号1及び3
)は治療後に2度分析した。他の患者は表に示した時点で分析した。各場合に、
6×106 骨髄細胞を有する少なくとも6個のサイトプシン調製物を、サイトケラ
チン(5D3)及びMUC1(7F11、1E4)及びヒト上皮−特異性抗原(M
OC31)に対する抗体で着色した。アイソトープ反応性を示した場合を付加的な
二重着色により分析した。M0グループの18人の患者の骨髄吸引は7F11治療の
後にネガティブと記録され、他方かなりの抗−マウス反応性を有する1人の患者
はポジティブ(71×106 )と記録され、将来再分析される。
【0098】 証明された転移を有する患者は7F11免疫処置のプロトコールに含められた。
治療前に、腫瘍マーカーCA153 (患者番号34)、CEA(患者番号27)及びC
a125 (患者番号16)の増加したリンパレベルを有する3人の患者は顕著な遅く
かつ遅れたHAMA及び抗−7F11滴定量の展開(表7)を示した。 現在までのところ、このグループの6人の患者が免疫治療の間及び後にTCD
用分析ができた。骨髄中の腫瘍細胞の除去が、2つの場合(番号12、局部疾患、
及び番号17)に見られ、他の患者(番号10、局部疾患)では変化が記録されなか
った。治療前に証明された骨転移及びCA125 の増加した腫瘍マーカーレベルを
有する第3の患者(番号16)では、TCDの堅実な増加が記録された。
【0099】 実施例3 3.1 2.5 mg投与用の処置スキーム ポジティブな骨髄発見を有する患者は4週間のインターバルで6〜8回免疫さ
れた。目的は安定したHAMAの滴定量。
【0100】実験室テスト用の血の回収 各7F11処置の前に 1) 血のカウント 2) 患者を伴う腫瘍マーカーのための1個の白いモノベット 3) HAMA、抗7F11を決定するための1個の白いモノベット 4) 免疫状態を決定するための1個の青いモノベット
【0101】予備処置 なし
【0102】7F11の用途 抗体7F11は、1mg/mlの濃度の生理食塩水中に存在する。静脈の用途のため
に、2.5 mlの抗体溶液を250 ml中の生理食塩水中で希釈する。1時間以上掛けて
点滴を行う。血圧を1時間後にチェックする。1時間の追跡時間の後に、患者を
病院を去ることができる。
【0103】最後の免疫処置 各患者は免疫処置の4週間後の最後の免疫処置の日に、更なる血の回収のため
のモノベット(白)を含む封筒を受け取る。臨床コントロール試験のための日時
の調節。最後の免疫処置の3ヶ月後に骨髄コントロール試験の日を固定。
【0104】3.2 20mg投与のための処置スキーム ポジティブな骨髄を発見された患者は4週間のインターバルで6〜8回免疫処
置を行う。目的は安定したHAMA滴定量。 実験室テスト用の血の回収 各7F11処置の前に 1) 血のカウント 2) 患者を伴う腫瘍マーカーのための1個の白いモノベット 3) HAMA、抗7F11を決定するための1個の白いモノベット 4) 免疫状態を決定するための1個の青いモノベット
【0105】予備処置 1) 2タブレットのカルシウム 2) タベギルによる短い点滴。100 mlのNaCl中の5mlの2mgの1アンプル
【0106】7F11の用途 抗体7F11は、1mg/mlの濃度の生理食塩水中に存在する。静脈の用途のため
に、20mlの抗体溶液を500 ml中の生理食塩水中で希釈する。1時間以上掛けて点
滴を行う。血圧を1時間後にチェックする。1時間の追跡時間の後に、患者を病
院を去ることができる。
【0107】最後の免疫処置 各患者は免疫処置の4週間後の最後の免疫処置の日に、更なる血の回収のため
のモノベット(白)を含む封筒を受け取る。臨床コントロール試験のための日時
の調節。最後の免疫処置の3ヶ月後に骨髄コントロール試験の日を固定。
【0108】 実施例4 鋭い効果の評価 MUC1抗体の鋭い毒性効果の試験のために、9.5 mg/kgに対応する1.2 mlの
PBS中の2.28mgの抗体を12匹のメスのスプラーグ・ダウリー・ラット(チャー
ルズ・リバー・ウィガより入手、年令:8〜9週間、体重:231 ±9g)中に静
脈注射した。この投与量は女性患者用に意図した投与量の薬25杯に対応する(0.
38mg/kg=65kgの体重当たり25mg)。
【0109】 この外部からの使用にもがかわらず、このマウス抗体の静脈注射の間、挙動の
変化、耐性の臨床的サイン及び特にアレルギー反応の徴候(ショック、呼吸数の
変化は見られなかった。麻酔から目覚めた後の動物の挙動(注射の3〜4分後、
麻酔剤:N2 O、O2 、ハロタン)は例外なく完全に注意を引くものではなかっ
た。このことから、上述のように特定した投与量で投与したときのマウス抗体B
M−7はラットの心血管系システムに鋭い効果を与えないことを示している。
【0110】
【表6】
【表6の続き】
【表7】
【0111】 参考文献のリスト V.アポストロボウロス及びF.C.マッケンジー、Critical Rev. Immunolo
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【0113】 O.E.ガラニアら、Tumor Biol. 19, suppl.1 (1998)79-87 ホリガー及びウィンター、Current Opin. Biotechnol. (1993) 446─449 ホリガーら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90 (1993) 6444 ─6448 フードら、Immunology, ベンジャミン、ニューヨーク、第2版(1984 ヒューストンら、PNAS USA 85 (1988) 5879-5883 フンカピラー及びフード、Nature 323 (1986) 15-16) M.R.プライスらのISOBM TD−4研究集会の総括リポート、「MU
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【0115】 G.リートミュラー、Lancet 343 (1994) 1177-1183 A. ルゲッティら、Cancer Res. 53 (1993) 2457-2461 サンブロックらの「分子クローニング、実験室マニュアル第2版」(ニューヨ
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転移」 T.ウィルバンクス、 Cancer 48 (1981) 1768-1775 WO 90/12592 WO 88/01649 WO 88/09344 WO 90/05142 WO 92/07271
【0116】シーケンスのリスト (1)一般的な情報 (i)出願人 (A)氏名:バステルト・ギュンター、医学部教授、博士 (B)通り名:フォスシュトラーセ 9 (C)都市名:ハキデルベルク (E)国名:ドイツ国 (F)郵便番号(ジップ):D−69115
【0117】 (ii) 発明の名称:乳腫瘍を伴うムチンに対する特異性のある抗体、その生産
方法及び使用方法 (iii) シーケンスの数:5 (iv) コンピューターで読み取れる形態 (A)媒体タイプ:フロッピーディスク (B)コンピューター:IBM PC コンパティブル (C)操作システム:WINDOW NT 40 (D)ソフトウェア:MICROSOFT WORD7
【0118】 (2) シーケンスID番号1の情報 (i)シーケンス特性 (A)長さ:20アミノ酸 (B)タイプ:アミノ酸 (C)ストランド:シングル (D)トポロジー:直線状 (ii) 分子タイプ:ペプチド (iii) シーケンスの説明:シーケンスID番号1
【化1】
【0119】 (3) シーケンスID番号2の情報 (i)シーケンス特性 (A)長さ:24アミノ酸 (B)タイプ:アミノ酸 (C)ストランド:シングル (D)トポロジー:直線状 (ii) 分子タイプ:ペプチド (iii) シーケンスの説明:シーケンスID番号2
【化2】
【0120】 (4) シーケンスID番号3の情報 (i)シーケンス特性 (A)長さ:10アミノ酸 (B)タイプ:アミノ酸 (C)ストランド:シングル (D)トポロジー:直線状 (ii) 分子タイプ:ペプチド (iii) シーケンスの説明:シーケンスID番号3
【化3】
【0121】 (5) シーケンスID番号4の情報 (i)シーケンス特性 (A)長さ:11アミノ酸 (B)タイプ:アミノ酸 (C)ストランド:シングル (D)トポロジー:直線状 (ii) 分子タイプ:ペプチド (iii) シーケンスの説明:シーケンスID番号4
【化4】
【0122】 (6) シーケンスID番号5の情報 (i)シーケンス特性 (A)長さ:5アミノ酸 (B)タイプ:アミノ酸 (C)ストランド:シングル (D)トポロジー:直線状 (ii) 分子タイプ:ペプチド (iii) シーケンスの説明:シーケンスID番号4
【化5】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 異なったWGA精製MUC1ムチンとのmab7F11の反応性。抗原は実施例
1で述べたようにWGA−セファロースクロマトグラフィーで精製し、7.5 %S
DS−PAGE及びウェスタンブロッティングを受けさせた(20μl中の50U)
。T47−D上澄み(トラック1)、T47−D細胞質ゾル(トラック2)、P1.1
腹水(トラック3)、P1.2 胸膜流出分(トラック4)、P1.3 腹水(トラック
5)、P1.4 腹水(トラック6)、P1.5 腹水(トラック7)、P1.6 腹水(ト
ラック8)、P1.6 腹水(トラック9)、P1.7 腹水(トラック10)、P1.8 腹
水(トラック11)、(Pは患者)。 ST、キロダルトン中の標準分子量。高度にグリコシル化され又はアンダーグ
リコシル化されたMUC1フラグメントの検出。レーン1、2、5及び7の400
〜440 kDの二重バンド。レーン2、5、6、8、9、10及び11の200 〜220 k
Da領域のアンダーグリコシル化されたMUC1フラグメント。
【図2】 患者No.1:7F11薬学的動力学及び体液性免疫、胸部癌T1b、N0、M0 。
【図3】 患者No.2:7F11薬学的動力学及び体液性免疫、胸部癌T1b、N1b、M 0。
【図4】 7F11薬学的動力学。第1、第2及び第3の免疫処置。
【図5】 50、20及び2.5 gの7F11で免疫された患者中で成長したHAMA。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 21/08 G01N 33/574 A G01N 33/574 33/577 A 33/577 C12N 15/00 C (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 AA12 BA36 BA45 GA03 GA18 GA23 HA15 4B064 AG27 CA10 CA20 CC24 CE06 CE07 CE12 DA05 DA14 4C085 AA13 BB01 BB12 CC03 DD21 DD32 DD62 EE01 EE03 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA53 BA72 CA41 DA76 DA86 EA28 EA50 FA71 FA74 GA22 GA26

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 癌種細胞からのMUC1タンデムリピートの炭水化物構造に
    特異的に結合する免疫的に活性のあるポリペプチドで、 a) 胸部癌患者の腫瘍細胞を含有する腹水からの200 から440 kDaの糖蛋白
    フラクションへの前記ポリペプチドの親和力と、通常細胞からの天然のMUC1
    抗原(400 から440 kDa)への前記ポリペプチドの親和力との商が100 :1以
    上であり(分子量領域はSDSゲル電気泳動により分析)、 b) 前記ポリペプチドはグリコシル化されていないMUC1抗原には結合せず
    、 c) 前記糖蛋白フラクションがノイラミニダーゼで処理されてN−末端ノイラ
    ミン酸が解裂するか、又はホルマリンで処理されたときに、前記200 から440 k
    Daの糖蛋白フラクションへの前記ポリペプチドの結合が10%以下だけ変化する
    、 ことを特徴とする免疫的に活性のあるポリペプチド。
  2. 【請求項2】 細胞系統DSM ATCC2328又はDSM ATCC2
    329から得ることができる請求項1に記載の免疫的に活性のあるポリペプチド
  3. 【請求項3】 ハイポグリコシル化MUC1に特異的に結合した抗体、特に
    200 から440 kDaの分子量を有し腫瘍細胞からの癌種細胞フラクションの生産
    方法であり、糖蛋白を、腫瘍細胞を含有する体液、特に癌種細胞を含有する体液
    、特に胸部癌患者の癌種細胞を含有する腹水から、レクチン親和性クロマトグラ
    フィーにより単離し、前記糖蛋白がlg蛋白質から単離されても良く、かつその
    ようにして得られるフラクションが動物の免疫処置に使用され、抗血清が得られ
    、抗体がそこから単離されることを特徴とする抗体の生産方法。
  4. 【請求項4】 前記抗体が、 a) 腫瘍細胞を含有する、特に癌種患者の癌種細胞の腹水からの200 から440
    kDaの糖蛋白フラクションへのポリペプチドの親和力と、通常細胞からの天然
    のMUC1抗原(420 から440 kDa)への前記ポリペプチドの親和力との商が
    100 :1以上であり、 b) 前記ポリペプチドはグリコシル化されていないMUC1抗原には結合せず
    、 c) 前記糖蛋白フラクションがノイラミニダーゼで処理されてN−末端ノイラ
    ミン酸が解裂するか、又はホルマリンで処理されたときに、前記200 から440 k
    Daの糖蛋白フラクションへの前記ポリペプチドの結合が10%以下だけ変化する
    、 ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 胸部癌患者用として使用される請求項3又は4に記載の方法
  6. 【請求項6】 前記ポリペプチドが、原核又は真核ホスト細胞中の前記ポリ
    ペプチド用の組換え核酸コード化の発現、そして引き続くホスト細胞又は上澄み
    から所望のポリペプチドの単離により生産される、請求項1から5までのいずれ
    かに記載の免疫学的に活性なポリペプチドの生産方法。
  7. 【請求項7】 腫瘍細胞特に患者の癌種細胞の増殖抑制抗体であって、薬学
    的に効果的な量の請求項1から6までのいずれかに記載の抗体を患者に使用する
    ことを特徴とする抗体。
  8. 【請求項8】 腫瘍細胞特に患者の癌種細胞の増殖を抑制するための薬学的
    組成物の生産方法であって、該薬学的組成物が、薬学的に効果的な量の請求項1
    から7までのいずれかに記載した抗体を必須成分として含むことを特徴とする薬
    学的組成物の生産方法。
  9. 【請求項9】 抗体が週インターバル又は月インターバルで1回から10回使
    用される請求項7又は8に記載の抗体。
  10. 【請求項10】 2μgから20mg/kg−体重の量の抗体を使用する請求項7
    から9のいずれかに記載の抗体。
  11. 【請求項11】 患者の体液中の前記抗体の滴定量が3ヶ月を越える期間に
    亘って安定したレベルに保持されるように、抗体が使用される請求項7から10
    のいずれかに記載の抗体。
  12. 【請求項12】 腫瘍細胞、特に患者の体物質からの癌種細胞又は分泌され
    たMUC1抗原の除去用である先行する請求項のいずれかに記載された抗体であ
    って、前記体物質が前記請求項の固定された抗体に接触され、前記腫瘍細胞又は
    前記分泌されたMUC1抗原が前記固定された抗体に結合され、固体相に結合さ
    れた前記腫瘍細胞又は前記分泌されたMUC1抗原が体物質から前記固体相とと
    もに分離されることを特徴とする抗体。
  13. 【請求項13】 先行する請求項のいずれかの抗体を患者に使用して、腫瘍
    患者のT−細胞の活性に影響を与えることを特徴とする方法。
  14. 【請求項14】 毒素又は細胞毒素物質に共有結合した請求項1又は2に記
    載のポリペプチドから成る接合体。
  15. 【請求項15】 請求項1又は2に記載のポリペプチドを有する患者からの
    サンプルを培養することにより腫瘍細胞特に癌種細胞を決定する方法であって、
    抗体のMUC1への結合を測定することを特徴とする方法。
  16. 【請求項16】 請求項1又は2に記載のポリペプチドを含む、体液中のM
    UC1を決定するための組成物。
  17. 【請求項17】 通常細胞と腫瘍細胞、特に癌種細胞とを組織的に区別する
    方法であって、請求項1又は2に記載のポリペプチドの細胞への結合を調査する
    ことを特徴とする方法。
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