JP2002501437A - 金属ストリップの鋳造 - Google Patents

金属ストリップの鋳造

Info

Publication number
JP2002501437A
JP2002501437A JP50111699A JP50111699A JP2002501437A JP 2002501437 A JP2002501437 A JP 2002501437A JP 50111699 A JP50111699 A JP 50111699A JP 50111699 A JP50111699 A JP 50111699A JP 2002501437 A JP2002501437 A JP 2002501437A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
casting
coating
metal
steel
roll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP50111699A
Other languages
English (en)
Inventor
ストレッチョフ レイザー
Original Assignee
石川島播磨重工業株式会社
ビーエイチピー スティール(ジェイエルエイ)プロプライエタリ リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 石川島播磨重工業株式会社, ビーエイチピー スティール(ジェイエルエイ)プロプライエタリ リミテッド filed Critical 石川島播磨重工業株式会社
Publication of JP2002501437A publication Critical patent/JP2002501437A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21DWORKING OR PROCESSING OF SHEET METAL OR METAL TUBES, RODS OR PROFILES WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21D11/00Bending not restricted to forms of material mentioned in only one of groups B21D5/00, B21D7/00, B21D9/00; Bending not provided for in groups B21D5/00 - B21D9/00; Twisting
    • B21D11/06Bending into helical or spiral form; Forming a succession of return bends, e.g. serpentine form
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/06Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths into moulds with travelling walls, e.g. with rolls, plates, belts, caterpillars
    • B22D11/0637Accessories therefor
    • B22D11/0648Casting surfaces

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Continuous Casting (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 鋳造溜め(30)から鋳造ロール(16)の移動鋳造表面上への溶融金属の凝固により、金属ストリップ(20)が連続鋳造される。各鋳造表面は伝熱体上への固体被覆により提供され、被覆は、鋳造表面での溶融金属の濡れ角が40°以下であるような材料で形成される。鋳造はアモルファスとすることができ、例えば燐とニッケル等の2金属の合金で構成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 金属ストリップの鋳造 技術分野 本発明は金属ストリップの鋳造に関する。特に、鉄系金属ストリップ鋳造への 適用に関連するが、これに限定されるものではない。 双ロール鋳造機で連続鋳造することにより金属ストリップを鋳造することが公 知である。この技術では、冷却されて相互方向に回転する一対の水平鋳造ロール 間に溶融金属を導入し、移動ロール表面上で金属殼を凝固させ、ロール間隙にて それら金属殻を合体させ、凝固したストリップ品としてロール間隙から下方へ送 給する。本書では、「ロール間隙」という語はロール同士が最接近する領域全般 を指すのに使われる。溶融金属は取鍋から小容器へと注がれ、更にはそこからロ ール間隙上方に位置した金属供給ノズルに流れてロール間隙へと向かい、その結 果、ロール間隙直上のロール鋳造表面に支持されロール間隙長さ方向に延びる溶 融金属の鋳造溜めを形成することができる。通常、この鋳造溜めは、ロール端面 に摺動係合して保持されて鋳造溜めの両端からの溢流を防ぐ側部プレート又は堰 間に画成されるが、電磁バリヤ等の代替手段も提案されている。 双ロール鋳造は、冷却によって急速に凝固する非鉄系金属にはある程度の成功 をおさめているが、鉄系金属の鋳造技術に適用するには問題がある。一つの格別 な問題は、ロール鋳造表面上で金属の十分急速且つ均一な冷却を達成することで ある。 我々のアメリカ特許第5,520,243号(国際特許出願第PCT/AU9 3/00593号)は、鋳造溜めの溶融金属とロール鋳造表面との間の相対動に 関連してロール表面がある程度の滑らかさを確保するよう手段を取ることによっ てロール鋳造表面での金属冷却を劇的に改良できるよ うにした開発を開示している。特にその特許は、選ばれた周波数と振幅の振動を 加えれば金属凝固プロセスに全く新しい効果を達成して、凝固する溶融金属から の伝熱を劇的に改良でき、その改良により、同一鋳造速度で鋳造される金属厚を 非常に顕著に増加させるか又は同一金属厚での鋳造速度を大幅に増加させること ができることを開示している。伝熱が改良されることが、鋳造金属の表面構造が 非常に顕著に精練されることと関連がある。 我々のアメリカ特許第5,584,338号も、鋳造溜めの溶融金属に音波を 当てることにより鋳造溜めの溶融金属と鋳造表面との間の有効な相対振動を引き 起こすことができ、非常に低パワーレベルの音域の音波を当てるだけで、伝熱増 加及び凝固構造の精製を達成できるという、更なる発展を開示している。 我々の更なるアメリカ特許第5,720,336号は、鋳造表面と鋳造溜めの 溶融金属との界面で生じる伝熱機構の研究結果を開示しており、金属凝固温度に おいて少なくとも部分的に液体である材料層で鋳造面各々を確実に被覆すること により凝固時の熱流束を制御し、増大させることができ、そうすれば、鋳造溜め とロールとの間の相対振動を必ずしも発生させることなく伝熱改良を達成できる ことを開示している。 以下の記述では、ロール表面の滑らかさの量的尺度に言及する必要がある。我 々の実験作業に用いられ、本発明の範囲を限定するのに有用な1つの特定の尺度 は、一般に記号Raで示され算術平均粗度(Arithmetical MeanRoughness Value) として知られている標準尺度である。この値は、プロフィールの中心線から測定 長さlm以内の粗さプロフィールの全絶対距離の相加平均値として定義される。 プロフィールの中心線とは、その線のまわりで粗さが測定される線であり、それ とその両側にあるプロフィール部分 との間に含まれる面積の合計が等しくなるよう粗さ−幅カットオフ(roughness- width cut-off)の限度内でのプロフィールの全般の方向に平行な線である。算 術平均粗度は次のように定義できる。 上記した発展により、鉄系金属ストリップの鋳造で高速の凝固速度が達成でき たが、「鰐皮」(crocodile skin)として知られている表面欠陥を示さないストリ ップを製造するのが非常に困難であることが判明している。この欠陥は、凝固殻 を通る熱流束に変動がある環境の下で双ロール鋳造機のロール鋳造表面の殻内で δ鉄相及びγ鉄相が同時に凝固する場合に生じる。δ鉄相及びγ鉄相は異なる高 温強度特性を有しており、従って、熱流束の変動により、鋳造ロールのロール間 隙で合わせられる凝固殻に局部歪みが生じて、結果としてのストリップの表面に 鰐皮欠陥が生じる。従来、この問題は、複雑なロール清掃装置により鋳造ロール 上の酸化物形成を厳密な限度内に保つよう試みることで対処されてきた。 酸化物の堆積が軽度なら、鋳造ロール表面への金属凝固時に均一な流束を制御 して確保するのに有益となり得る。ロール表面が溶融金属鋳造溜めに入るときに 酸化堆積物が溶融し、鋳造表面と鋳造溜めの溶融金属との間に薄い液体界面層を 確立する助けとなって良好な熱流束を促進する。しかしながら、あまりたくさん の酸化物が生成すると、酸化物の溶融により非常に高い熱流束が生み出されるが 、次いで酸化物が再凝固するため、熱流束は急激に減少する。結果として、凝固 殻内での熱流束の変動により局部歪みが生じて、鰐皮表面欠陥となる。 溶融金属による鋳造表面の非常に良好な濡れを生み出すようロール鋳造表面を 鋳造溜めの溶融金属に対して高い親和性を有する材料で形成すれば、金属酸化生 成物の有害な効果が避けられ非常に高速な凝固速度が達成できることを我々は今 回決定した。溶融金属による十分良好な濡れがあれば、凝固が非常に急速に進む ので、有意な量の酸化物が形成されるのには時間が不十分となる。溶鋼の場合に は、溶鋼が急速に凝固して単層固形構造となるので、鰐皮欠陥の可能性を有効に 避けられる。発明の開示 本発明によれば、溶融金属の鋳造溜めが、金属が溜めから移動鋳造表面上へと 凝固するよう、移動鋳造表面との接触で形成される種類の金属ストリップ連続鋳 造方法において、鋳造表面が伝熱体上への固体被覆で提供され、被覆は、鋳造表 面での前記溶融金属の濡れ角が40°以下であるような、金属凝固時の鋳造表面 温度よりも高い溶融温度を有する材料で形成されることからなる金属ストリップ 連続鋳造方法が提供される。 更に好ましくは、被覆は、鋳造表面での前記溶融金属の濡れ角が20°以下で あるような材料で形成される。 好ましくは、被覆表面は10ミクロン以下の算術平均粗度(Ra)を有する。 被覆材料は、凝固時の鋳造表面温度で前記溶融金属中に溶解しないように選ぶ べきである。 好ましくは、被覆材料は少なくとも部分的にアモルファスである。例えば、2 金属のアモルファス合金で構成することができる。これらの金属の1つを、燐を 含むものとすることができる。 より明細には、被覆材料を約10%の燐を含むアモルファスなニッケル−燐合 金で構成することができる。 伝熱体は銅又は銅合金体とすることができる。 溶融金属は鉄系金属とすることができる。 より明細には、溶融金属は溶鋼とすることができる。この場合、溶鋼が低い濡 れ角を有する被覆材料を選ぶことにより、鋼を鋳造表面に単相固体組織へと凝固 させることができる。 本発明によれば、又、溶鋼の鋳造溜めが、鋼が溜めから移動鋳造表面上へと凝 固するよう、移動鋳造表面との接触で形成される種類の鋼ストリップ連続鋳造方 法において、鋳造表面が伝熱体上への固体被覆で提供され、被覆は、鋳造表面で の前記溶鋼の濡れ角が40°以下であるような、金属凝固時の鋳造表面温度より も高い溶融温度を有する材料で形成されることからなり、鋼が鋳造表面上で単相 固体組織へと凝固して、その相はストリップが鋳造表面を離れる前には変態しな い金属ストリップ連続鋳造方法が提供される。 本発明の方法は双ロール鋳造機で実施し得る。 本発明によれば、更に、溶融金属が一対の平行な鋳造ロール間のロール間隙へ と、ロール間隙上方に配した金属供給ノズルを介して導入されて、ロール間隙直 上のロール鋳造表面に支持された溶融金属の鋳造溜めを創り出す種類の金属スト リップ連続鋳造方法において、ロールの鋳造表面が伝熱ロール体上への固体被覆 で提供され、被覆は、ロール鋳造表面での前記溶融金属の濡れ角が40°以下で あるような、金属凝固時の鋳造表面温度よりも高い溶融温度を有する材料で形成 されることからなる金属ストリップ連続鋳造方法が提供される。図面の簡単な説明 本発明を更に充分に説明するため、現在まで行われた実験的作業の結果を添付 図面に関して記述する。 図1は、双ロール鋳造機の状態をシミュレートした状態での金属凝固速度を測 定する実験装置を示す。 図2は、図1の実験装置に組込まれた浸漬パドルを示す。 図3は、実験装置内で典型的な鋼見本の凝固時に得られる熱抵抗値を示す。 図4は、界面層の濡れ性(wettabllity)と測定した熱流束と界面抵抗との関 係を示す。 図5は、核形成(nucleation)抵抗に対する濡れ性の効果を示す。 図6は、クロム基質に堆積した鋼殻で起きる殻表面温度を示す。 図7は、ニッケル−燐基質とクロム基質とに堆積した鋼殻についての熱流束測 定の結果をグラフに描いたものである。 図8は、ニッケル−燐合金基質とクロム基質を用いた浸漬試験で堆積した鋼殻 のK値測定値をグラフに描いたものである。 図9及び10は、図8で言及した浸漬試験で堆積した鋼殻の顕微鏡写真である 。 図11は、種々の基質と溶鋼組成物を用いた更なる浸漬試験で堆積した鋼殻の K値測定値をグラフに描いたものである。 図12乃至16は、図11で言及した浸漬試験時に堆積した鋼殻の顕微鏡写真 である。 図17は、本発明により作動可能な連続ストリップ鋳造機の平面図である。 図18は図17で示したストリップ鋳造機の側部立面図である。 図19は図17の19−19線における縦断面図である。 図20は図17の20−20線における縦断面図である。 図21は図17の21−21線における縦断面図である。好適な実施の形態の詳細な説明 図1及び図2は、40mm×40mmの被冷却ブロックを溶融鋼の浴へと、双 ロール鋳造機の鋳造表而での状態を密にシミュレートするような速度で進める金 属凝固試験道具を示している。被冷却ブロックが溶融浴内を動くにつれて鋼が被 冷却ブロック上に凝固してブロック表面に凝固鋼の層を造る。この層の厚みをそ の領域中の諸点で計測して、凝固速度の変動を、従って種々位置での熱伝達の有 効速度をマッピングできる。従って、全体凝固速度並びに全熱流束の計測が可能 である。ストリップ表面の微視組織を調べて凝固微視組織の変化を、観測した凝 固速度及び伝熱値の変化と関連付けることも可能である。 図1及び図2に示された実験道具を構成する導入炉1は、例えばアルゴン又は 窒素ガスにより提供され得る不活性雰囲気中に溶融金属2の溶湯を含む。全体に 3で示した浸漬パドルが取付けられるスライダ4は選択した速度で溶湯2内に進 めることができ、後で、コンピュータ制御したモータ5の作動により引込めるこ とができる。 浸漬パドル3を構成する鋼体6は、径が46mm、厚みが18mmのクロムメ ッキした銅板である基質7を含む。基質は銅円板である。それには、熱流束の測 定値を提供する基質の温度上昇を監視するため、熱電対を計装する。 図1及び図2で示された実験道具で実施された試験により立証されたことは、 観測された凝固速度及び熱流束値並びに凝固殻の微視組織は凝固時に殻/基質界 面の状態に大いに影響されるということである。試験により示されたことは、高 い熱流束と凝固速度は滑らかな基質表面により達成でき、これにより凝固金属の 精練された粒構造を生じることができる。 凝固時の、溶湯からの基質(熱シンク)への流れに対する全抵抗は、凝 固する殻及び殻/基質界面の熱抵抗により支配される。凝固が30分程で完了す る従来の連続鋳造セクション(スラブ、ブルーム又はビレット)の条件の下では 、伝熱抵抗は凝固殻抵抗により支配される。しかしながら、我々の実験作業から 、凝固が1秒以下で完了する薄板ストリップ鋳造条件の下では伝熱抵抗が基質表 面での界面熱抵抗により支配されることが証明された。 伝熱抵抗は次のように定義される。 R(t)=ΔT(t)/ΔQ(t) 但し、Q、ΔT及びtは、それぞれ、熱流束、溶湯と基質との温度差、及び時間 である。 図3は、実験道具中で、典型的なマンガンキルド低炭素鋼サンプルを凝固させ たときに得られる熱抵抗値を示す。これが示しているのは、殻熱抵抗は全熱抵抗 の極く一部にしか貢献せず、全熱抵抗は界面熱抵抗により支配されているという ことである。界面抵抗は、最初は溶湯/基質界面抵抗により決められ、後には殻 /基質界面抵抗により決められる。更に又、界面熱抵抗は経時的に大きく変化し ないことが見て取れ、それは界面熱抵抗が初期の溶湯/基質接触時の溶湯/基質 熱抵抗により支配されることを示している。 2構成要素システム(溶湯と基質)では、溶湯/基質界面抵抗と熱流束はその 基質上での溶湯の濡れ性によって決まる。このことが図4に示されており、図4 は、濡れ性減少に相当する濡れ角の増加につれてどのように界面抵抗が増加し、 熱流束が減少するかを示している。 溶湯により基質が濡れることの重要性は、振動の適用を開示している前記した 我々のアメリカ特許第5,520,243号(国際特許出願PCT/AU93/ 00593)に記述されている開発的作業で論証されている。 振動を適用するのは、基質の濡れを促進し、溶湯凝固のための核形成密度を増加 させる目的のためである。その件の8ページに記述された数学的モデルは、完全 な濡れが要求され、これを達成するのに振動エネルギが考慮されることを基にし て進行した。この分析を実証する実験作業では、熱流束の有意な改良は基質が滑 らかでなければ得られないことが示された。より明細には、たとえ振動エネルギ を適用する場合であっても、基質の完全な濡れを得るためには基質が5ミクロン 以下の算術平均粗度(Ra)を持つ必要がある。これらの結果は、鋼の溶湯が適 度に良好な濡れ性を有するクロム基質の場合に適切である。しかしながら、本発 明によれば、ロール鋳造表面を鋼溶湯に対して遥かに高い親和性を有する材料で 造ることができて、クロム表面で達成できるよりも遥かに良好な濡れを達成でき る。これらの状況では、基質の滑らかさは特に重要ではない。とはいえ、適度に 良好な表面仕上げと精練された微視組織とを持つストリップを製造するためには 実際には鋳造表面が10ミクロン以下の算術平均粗度(Ra)を持つのが望まし い。 滑らかな基質上に金属を凝固させる場合、凝固は基質じゅうの異質核生成地で 進行すると仮定できる。そのような古典的な異質核生成理論に従った核生成の無 次元自由エネルギでの濡れ角の効果が図5に示されている。図5は、濡れ角の増 加、即ち、濡れ効力の減少につれて、無次元自由エネルギバリヤ因子が増加する 仕方を示している。40°以下の濡れ角は非常に良好な濡れ効力を呈し、凝固に 対するエネルギバリヤは無視できる。75°以上の濡れ角は不十分な濡れを呈し 、金属凝固に対する著しいエネルギバリヤがある。 鉄系金属を鋳造する双ロールストリップ鋳造機は、一般にメッキにより製造さ れるクロム又はニッケル鋳造表面を有する鋳造ロールを伝統的に用 いている。そのような表面は頑丈で、ストリップ鋳造に関連した熱応力に一般に 耐えることができる。更に又、鋼溶湯はクロム及びニッケル表面での適度に良好 な濡れ性を有しているので、有効な熱流束値を達成することができる。我々は、 又、ストリップ鋳造に使われる典型的な鋼溶湯から堆積した金属酸化物がクロム 及びニッケルと高い親和性を有しているので、斯かる鋳造表面に対し良好な濡れ 性、即ち、非常に低い濡れ角を呈することを測定した。これは、鋳造が進むにつ れて酸化物被覆が鋳造表面にわたって拡がって確立する非常に強い傾向があると いうことである。 図6は、きれいな基質表面及び多量の酸化物の堆積した表面の両方について図 1及び2で示された浸漬試験でのクロム表面に堆積した鋼殻において起きる殻表 面温度測定値を示している。滑らかな基質表面では凝固が進むにつれて凝固殻表 面温度が低下するのが見られる。基質に多量の酸化物被覆がある場合には、殻は 最初1200℃近くまで温度低下が進行し、その段階で急激な逆転が生じて殻温 度が上昇する。酸化物が液状の間は温度降下が進むが、1200℃近くになると 酸化物が凝固して金属凝固のための核生成地を提供すると考えられる。しかしな がら、固体の酸化物は次いで熱流束に対するバリヤを提供するので、結果として 、冷却の有効性が損なわれて殻の表面温度が増加する。以前は、この効果には、 鋳造時にロールを注意深く清掃して酸化物のレベルを非常に厳格な範囲内に維持 することによってのみ打ち勝つことができると考えられた。しかしながら、我々 が今回測定したことによれば、鋼溶湯により非常に良好な濡れを引き起こす代替 材料で鋳造表面を形成することによって、液相温度以下に著しく温度低下するこ となしに鋼溶湯の凝固を引き起こすことが可能である。斯かる冷却が非常に急速 に進行するので、酸化物が鋳造表面上に形成される程の時間がなく、従って、堆 積した酸化物による著しい干渉を受けることな く凝固が進行する。明細には、これらの結果は、10%の燐を含むニッケル−燐 合金の冷却基質を用いて行った図1及び2に示した装置での浸漬試験により立証 された。この合金は、非電着性金属析出プロセスにより冷却ロールに被覆でき、 鋼溶湯による非常に良好な濡れを促進する。大抵の鋼溶湯に対し、この被覆での 濡れ角は25°程又はそれ以下である。 図7は、ニッケル−燐合金の基質上での炭素鋼の凝固時に得られる熱流束測定 値を、クロム基質上で同じ鋼を凝固させたときに得られる熱流束測定値との比較 でグラフに描いている。これらの試験での炭素鋼は次のような組成を持ち、我々 はそれをMO6鋼と呼ぶ。 図8は、上記組成の炭素鋼溶湯を用い、ニッケル−燐合金基質とクロム基質で の多重浸漬試験でのK値(熱流束の示度)の測定結果を提供する。図7及び8の 両方の結果から、ニッケル−燐合金の方が通常のクロム基質よりも高い熱流束と いう結果となることが立証されるのがわかる。ニッケル−燐合金基質の場合、相 異なる試験で熱流束に変動があり、特に、図8に示した結果では連続する浸漬試 験でK値が減少している。これらの変動は、試験が進行するにつれてのニッケル −燐合金の溶融によるものであった。従って、高溶融温度で鋼ストリップを鋳造 する商業的なストリップ鋳造機で長寿命の被覆を達成するには、溶融温度を増加 させるためにこの特定の合金組成を修正するのが望ましい。しかしながら、試験 により、低濡れ角で達成できる劇的に改良された結果が立証され、試験したニッ ケル− 燐合金が銅等の他金属の鋳造に完全に適することが立証された。 図9及び10は、図9の場合にはニッケル−燐合金の基質に、図10の場合に は伝統的なクロム基質に堆積したMO6鋼殻顕微鏡写真であり、どちらの顕微鏡 写真も倍率x100で示してある。ニッケル−燐合金基質上に堆積した殻がクロ ム基質上に堆積した殻のほぼ2倍の厚みであり、ニッケル−燐合金基質で得られ る、はるかに高い熱流束及びより急速な凝固を反映している。このことが、非常 に高速な凝固速度を得ることができることと、従って、本発明により今まで可能 と考えられてきたよりも劇的に高速な製造速度でストリップ鋳造が進行できるこ とを証明している。更に又、ニッケル−燐合金基質に堆積した殻の微視組織が伝 統的なクロム基質に堆積するそれよりもはるかに微細であり、更には又、殻全体 にわたって著しく均一であることがわかる。この微視組織が正確に後で樹枝状粒 境界となる先行オーステナイト粒境界を呈して、液体炭素鋼が凝固して直接オー ステナイトになることを証明している。この凝固プロセスでは、鰐皮欠陥の発達 する可能性はない。というのも、これらの欠陥は凝固する鋼殻中にδ相とγ相が ある場合にのみ起きるからである。 ニッケル−燐合金の濡れ性が高いのはそのアモルファス組織のためであること が判明している。液体が他の液体に対して全般に高い表面親和性を有するのは液 体には優先方向性がないからであり、我々は、アモルファス固体を濡らす場合に 同様の効果が生じ得ることを今回見出した。従って、鋳造表面への液体金属の濡 れ性は被覆材料が全くアモルファスである場合に劇的に増加し得る。図8及び9 に関した試験で使われたような燐成分が10%のニッケル−燐合金は本質的に共 融の組成であり、実際上完全にアモルファスな組織を得るよう非電着性金属析出 プロセスにより容易に堆積させることができる。共融組成から著しく逸脱するよ うに燐成分を変えれ ば、堆積する2金属合金被覆は完全にアモルファスではなく部分的に結晶質の組 織を呈することになる。更に又、結晶質の組織は被覆を堆積後に高温で焼きなま すことによって造ることもできる。何らかの被覆を施す時に硬度を増加させるの に利用される現象である。 本発明によればアモルファス被覆に濡れ性と熱流束を高める効果があることを 立証するため、我々は一連の更なる試験を行い、燐組成を異ならせたニッケル− 燐合金基質上で、試験前に高温で焼きなましたニッケル−燐合金基質上で、そし て標準又は照査規準データを提供する滑らかなニッケル基質上でも、鋼溶湯を凝 固させた。更に又、本発明により鋼が直接凝固してオーステナイト樹枝状結晶と なることを更に証明するために、更なる試験に包晶等級鋼(peritectic grade s teel)からの殻の堆積を含めた。包晶等級鋼は、凝固時にδ相及びγ相へと同時 に凝固するため通常著しい歪みを生じるからである。この更なる試験の結果は図 11乃至16に示される。 図11は多重浸漬試験でのK値の測定結果を提供する。浸漬試験1〜27では 全て上記したMO6組成を有する鋼溶湯を用いた。試験1〜9では鋼殻はRa値 が5.6の滑らかなニッケル基質と燐成分が10%で平均粗度(Ra)が8.7 のニッケル−燐基質との両方に堆積された。 試験1〜9で使われるニッケル−燐基質は非電着性金属析出プロセスで堆積さ れ、焼きなましされなかった。この基質では対照規準として使われる滑らかなニ ッケル基質に比べて非常に高いK値が達成される。これらの結果は図8で示した ものと全く同様であった。 図8が更に結果を示している試験10〜15では、ニッケル基質が、燐成分が 5%で算術平均粗度(Ra)が6.6であるニッケル−燐合金基質上への凝固結 果に対する対照規準比較として保持された。5%燐合金で達 成されるK値が、比較的滑らかな基質が用いられたにせよ、試験1〜9の10% 燐合金でのそれよりもはるかに小さく、5%燐合金中で避けられない部分的な晶 質組織が濡れ性と全熱流束とを減らすことを立証している。 図11が更に結果を示している試験16〜23では、MO6鋼殻が滑らかなニ ッケル−燐合金基質に堆積され、これらの基質はいずれも10%の燐成分を有す るが、そのうち1つの基質が非電着性金属析出の堆積後に400℃で1.5時間 焼きなましを受けたものであり、それ以外の基質は焼きなましを受けていないも のであった。焼きなましを受けていない基質は試験1〜9で既に経験したような 高いK値を生じたが、焼きなましされた基質は普通のニッケル基質で達成される ものに比べはるかに低いK値を生じた。図12は試験番号11のニッケル基質に 堆積した殻の顕微鏡写真であり、図13は浸漬試験番号18の焼きなましされた 基質に堆積した殻の顕微鏡写真であり、図14は同じ浸漬試験番号18の焼きな ましされないニッケル−燐合金に堆積した殻の顕微鏡写真である。試験11のニ ッケル基質と試験18の焼きなましした基質とに堆積した殻の微細組織が同様で あることがわかる。いずれの場合も、殻は比較的薄く、粗い微細組織を有してお り、初期凝固してフェライトになることを呈している。焼きなまししていない合 金基質に堆積した図14の殻は非常に厚く、初期凝固が直接オーステナイトとな る本発明で達成できる非常な高凝固速度に関連した細かい微細組織を呈する。 図8は更に、前に試験1〜15で使われた対照規準のニッケル基質との比較で 、10%の燐成分を有するが、400℃で45分間部分的にのみ焼きなましした ニッケル−燐合金に殻が堆積した試験24〜27の結果を提供する。部分的に焼 きなましした基質が全般に試験16〜23の焼きなまししない基質と焼きなまし した基質との間のK値となることがわかり、更 に、晶質組織が被覆中にある度合に応じたアモルファス被覆の効果とK値及び熱 流束の段階的減少を示している。 図11も、炭素成分が0.13%の包晶鋼組成物から殻を燐成分10%のニッ ケル−燐合金基質に堆積させる試験29〜31から得られた結果を提供している 。通常、そのような組成の鋼は直接薄板ストリップ鋳造技術により良好な表面品 質で鋳造することができない。なぜなら、鋼がδフェライト相及びγフェライト 相へと同時に凝固し、凝固殻に著しい歪みを生じるからである。しかしながら、 今回の試験では、包晶鋼組成物がニッケル−燐合金基質上でMO6鋼で以前に達 成されたのと同じ微細組織、同じK値を呈する殻を生じ、凝固時の同様の熱流束 を証明している。 試験番号30で造られた包晶鋼の殻の凝固組織を図15に示し、きめを付けた (textured)クロム基質に堆積した同じ鋼の殻の凝固組織を図16に示す。図1 5の組織が図9及び14で示されたのと全く同じであり、先行するオーステナイ ト粒境界を示し、液体炭素鋼が直接にオーステナイトへと凝固することを証明し ている。更に又、凝固が進行して冷却速度が減少する段階になった後でもフェラ イトが成長する兆しがない。このことは、ストリップ鋳造方法において本発明に よりオーステナイト凝固が開始されると、オーステナイトへの完全な変態となっ てフェライト成長へは戻らないことを示している。勿論、ストリップが鋳造表面 を離れた後、低温での後変態はあるが。 本発明の実施においては、ロール鋳造表面の材料は、金属凝固中の鋳造表面の 温度より高い溶融温度を有しなければならない。鋳造表面の温度は鋳造表面上の 溶融金属の濡れ角により左右される。より明細には、鋳造表面被覆が経験する温 度は濡れ角が減少するにつれて高くなる。従って、被覆材料は、高い熱流束と急 速な凝固とのバランス及び被覆の溶融温度より 間違いなく低い被覆温度の維持を提供するよう選択することができる。 焼きなまししていないニッケル−燐基質に関して図8及び11に示した結果は 、被覆の侵食による性能の漸進的な損失を示している。高温鋼鋳造については、 本発明によれば他の2つの金属アモルファス被覆を用いることができる。適当な 被覆を選ぶためには、被覆の溶融温度、鋳造時の界面温度及び被覆の焼きなまし 温度を考慮に入れる必要がある。表1は、薄板ストリップ鋼の鋳造において本発 明により使用することができる多数の可能な合金被覆の相関的な規準を示してい る。 表1では、25℃の被覆により1650℃で鋼金属が完全に接触するという前 提で、界面温度が計算されている。 図17〜21は本発明により操業し得る双ロール連続ストリップ鋳造機を示し ている。この鋳造機は、工場床12から立上がった主機械フレーム11を有する 。フレーム11が支持する鋳造ロール台車13はアセンブリステーション14と 鋳造ステーション15との間を水平に移動可能である。台車13が担持する一対 の平行な鋳造ロール16には、鋳造時に取鍋17からタンディッシュ18、供給 ノズル19を介して溶融金属が供給されて鋳造溜め30を創り出す。鋳造ロール 16は水冷されているので、移動ロール表面16Aに金属殻が凝固してロール間 隙にて合わされて、ロール出口で凝固ストリップ品20が造られる。この品を標 準コイラ21に送って、次いで第2コイラ22に送給し得る。容器23が鋳造ス テーションに隣接して主機械フレームに取付けられ、溶融金属はこの容器へと、 タンディッシュの溢れ口24を介して、又は鋳造作業中の製品の甚だしい変形等 の重大な不都合が起きた場合にはタンディッシュ片側の緊急プラグ25を引き抜 くことにより、移すことができる。 ロール台車13を構成する台車フレーム31がホイール32によりレール33 に載り、レール33は主機械フレーム11の一部に沿って延びているので、ロー ル台車13全体がレール33に移動可能に載っていることになる。台車フレーム 31が担持する一対のロールクレードル34にロール16が回転可能に取付けら れる。ロールクレードル34は、相補的な摺動部材35,36を相互結合させる ことにより台車フレーム31に取付けられ、油圧シリンダユニット37,38の 影響のもとに台車上を動いて、鋳造ロール16間のロール間隙を調節することが できるとともに以下でより詳細に説明する如きストリップ弱下横断線を形成する 必要がある場合にロールを短時間で迅速に相互離反動させることができるように する。台車全体をレール33に沿って移動させることができるよう作動する複動 油圧ピ ストンシリンダ装置39はロール台車の駆動ブラケット40と主機フレームとの 間に接続されて、ロール台車をアセンブリステーション14から鋳造ステーショ ン15へ、又その逆へ移動させることができるよう作動するようになっている。 鋳造ロール16は電動モータからの駆動軸41と台車フレーム31上のトラン スミッションとを介して相互方向に回転される。ロール16が有する銅製周壁に 形成され長手方向に延び周方向に離間した一連の水冷通路には、回転グランド4 3を介して供給ホース42に連結されたロール駆動軸41内の給水導管からロー ル端を介して冷却水が供給される。2000mm幅のストリップ成品を生産でき るようにするためには、ロールは典型的には径を約500mmとし、長さを20 00mmまでとすることができる。 取鍋17は全く従来の構成であって、ヨーク45を介し天井クレーンで支持さ れており、高温金属受けステーションから定位置へと移すことができる。取鍋に 備えたストッパロッド46をサーボシリンダで作動させることによって、溶融金 属を取鍋から出口ノズル47と耐火シュラウド48とを介してタンディッシュ1 8へと流すことができる。 タンディッシュ18も従来の構成であり、酸化マグネシウム(MgO)等の耐 火物で造られた広皿状に形成される。タンディッシュの一側は取鍋からの溶融金 属を受け、又、前記溢れ口24及び緊急プラグ25が備えられている。タンディ ッシュの他側には長手方向に離間した一連の金属出口開口52が備えられている 。タンディッシュ下部が担持する取付ブラケット53はタンディッシュをロール 台車フレーム31に取付けるためのものであって、取付ブラケットに備えた開口 で台車フレームの位置合わせペグ54を受けてタンディッシュを正確に位置決め するようになっている。 供給ノズル19はアルミナグラファイト等の耐火材料で造られた細長体 として形成され、下部がテーパ状になっていて内方下向きにすぼまっているので 、鋳造ロール16のロール間隙に突入できる。ノズルには取付ブラケット60が 備えられていてノズルをロール台車フレーム上に支持し、ノズル上部には、取付 ブラケット上に位置する外方突出の側部フランジ55が形成される。 ノズル19は一連の、水平方向に離間し全般に上下に延びる流路を有するもの であって、ロール全幅にわたる金属の適宜の低速放出流を生み出し、初期凝固の 起きるロール表面に直接当てることなく溶融金属をロール間隙へ送給することが できる。若しくは、ノズルが単一の連続長孔出口を有して、低速のカーテン状の 溶融金属を直接ロール間隙へと送給するようにしてもよく、そして/又は、ノズ ルが溶融金属溜めに浸漬されていてもよい。 溜めをロール端で境界づける一対の側部閉止板56はロール台車が鋳造ステー ションにある場合にロールの段付端57へ保持される。側部閉止板56は窒化ほ う素等の強い耐火材料で造られ、ロールの段付端57の曲面に合ったスカロップ 側端81を有する。側部板を内に取付けできる板ホルダ82は鋳造ステーション で一対の油圧シリンダユニット83の作動により可動であって、側部板が鋳造ロ ールの段付端に係合されて、鋳造作業時に鋳造ロール上に形成される溶融溜めの 端部閉止部を構成する。 鋳造作業時に取鍋ストッパロッド46が作動されて、溶融金属を取鍋からタン ディッシュへと注いで金属供給ノズルを介し鋳造ロールへと流れさせる。ストリ ップ成品20のきれいな頭端がエプロンテーブル96の作動によってコイラ21 顎部へと導かれる。エプロンテーブル96は主フレーム上のピボット取付具97 から吊り下がっており、きれいな頭端が形成された後に油圧シリンダユニット9 8の作動によりコイラの方へと旋回できる。ピストンシリンダユニット101に よって作動される上部ストリップ ガイドフラップ99に対してエプロンテーブル96が作動でき、ストリップ成品 を一対の縦サイドロール102間に閉じ込めることができる。頭端がコイラ顎部 にガイドされたら、コイラを回転させてストリップ成品20を巻取り、エプロン テーブルが逆方向へ旋回動して非作動位置へ戻るようにし、コイラ21に直接巻 取られているストリップ成品から離されて単に主機フレームから吊り下げられた 状態とする。結果としてのストリップ成品20は後でコイラ22に送られて、鋳 造機から運び出される最終巻取品となることができる。 図11〜15に示した種類の双ロール鋳造機の十分な詳細は、我々のアメリカ 特許第5,184,668号及び第5,277,243号及び国際特許出願PC T/AU93/00593に更に十分詳細に記述されている。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成11年3月23日(1999.3.23) 【補正内容】 金属酸化生成物の有害な効果が避けられ非常に高速な凝固速度が達成できること を我々は今回決定した。溶融金属による十分良好な濡れがあれば、凝固が非常に 急速に進むので、有意な量の酸化物が形成されるのには時間が不十分となる。溶 鋼の場合には、溶鋼が急速に凝固して単層固形構造となるので、鰐皮欠陥の可能 性を有効に避けられる。発明の開示 本発明によれば、溶融金属の鋳造溜めが、金属が溜めから移動鋳造表面上へと 凝固するよう、移動鋳造表面との接触で形成される種類の金属ストリップ連続鋳 造方法において、鋳造表面が伝熱体上への固体被覆で提供され、被覆は、鋳造表 面での前記溶融金属の濡れ角が40°以下であるような、金属凝固時の鋳造表面 温度よりも高い溶融温度を有する材料で形成されることからなる金属ストリップ 連続鋳造方法が提供される。 更に好ましくは、被覆は、鋳造表面での前記溶融金属の濡れ角が20°以下で あるような材料で形成される。 好ましくは、被覆表面は10ミクロン以下の算術平均粗度(Ra)を有する。 被覆材料は、凝固時の鋳造表面温度で前記溶融金属中に溶解しないように選ぶ べきである。 好ましくは、被覆材料は少なくとも部分的にアモルファスである。例えば、ア モルファス合金で構成することができる。これらの金属の1つを、 燐を含むものとすることができる。 より明細には、被覆材料を約10%の燐を含むアモルファスなニッケル−燐合 金で構成することができる。 伝熱体は銅又は銅合金体とすることができる。 溶融金属は鉄系金属とすることができる。 より明細には、溶融金属は溶鋼とすることができる。この場合、溶鋼が低い濡 れ角を有する被覆材料を選ぶことにより、鋼を鋳造表面に単相固体組織へと凝固 させることができる。 本発明によれば、又、溶鋼の鋳造溜めが、鋼が溜めから移動鋳造表面上へと凝 固するよう、移動鋳造表面との接触で形成される種類の鋼ストリップ連続鋳造方 法において、鋳造表面が伝熱体上への固体被覆で提供され、被覆は、鋳造表面で の前記溶鋼の濡れ角が40°以下であるような、金属凝固時の鋳造表面温度より も高い溶融温度を有する材料で形成されることからなり、鋼が鋳造表面上で単相 固体組織へと凝固して、その相はストリップが鋳造表面を離れる前には変態しな い金属ストリップ連続鋳造方法が提供される。 本発明の方法は双ロール鋳造機で実施し得る。 本発明によれば、更に、溶融金属が一対の平行な鋳造ロール間のロール間隙へ と、ロール間隙上方に配した金属供給ノズルを介して導入されて、 流束測定の結果をグラフに描いたものである。 図8は、ニッケル−燐合金基質とクロム基質を用いた浸漬試験で堆積した鋼殼 のK値測定値をグラフに描いたものである。 図9及び10は、図8で言及した浸漬試験で堆積した鋼殻の顕微鏡写真である 。 図11は、種々の基質と溶鋼組成物を用いた更なる浸漬試験で堆積した鋼殻の K値測定値をグラフに描いたものである。 図12乃至16は、図11で言及した浸漬試験時に堆積した鋼殻の顕微鏡写真 である。 図17は、本発明により作動可能な連続ストリップ鋳造機の平面図である。 図18は図17で示したストリップ鋳造機の側部立面図である。 図19は図17の19−19線における縦断面図である。 図20は図17の20−20線における縦断面図である。 図21は図17の21−21線における縦断面図である。好適な実施の形態の詳細な説明 図1及び図2は、40mm×40mmの被冷却ブロックを溶融鋼の浴へと、双 ロール鋳造機の鋳造表面での状態を密にシミュレートするような速度で進める金 属凝固試験道具を示している。被冷却ブロックが溶融浴内を動くにつれて鋼が被 冷却ブロック上に凝固してブロック表面に凝固鋼の層を造る。この層の厚みをそ の領域中の諸点で計測して、 験により立証された。この合金は、非電着性金属析出プロセスにより冷却ロール に被覆でき、鋼溶湯による非常に良好な濡れを促進する。大抵の鋼溶湯に対し、 この被覆での濡れ角は25°程又はそれ以下である。 図7は、ニッケル−燐合金の基質上での炭素鋼の凝固時に得られる熱流束測定 値を、クロム基質上で同じ鋼を凝固させたときに得られる熱流束測定値との比較 でグラフに描いている。これらの試験での炭素鋼は次のような組成を持ち、我々 はそれをMO6鋼と呼ぶ。 図8は、上記組成の炭素鋼溶湯を用い、ニッケル−燐合金基質とクロム基質で の多重浸漬試験でのK値(熱流束の示度)の測定結果を提供する。図7及び8の 両方の結果から、ニッケル−燐合金の方が通常のクロム基質よりも高い熱流束と いう結果となることが立証されるのがわかる。ニッケル−燐合金基質の場合、相 異なる試験で熱流束に変動があり、特に、図8に示した結果では連続する浸漬試 験でK値が減少している。これらの変動は、試験が進行するにつれてのニッケル −燐合金の溶融によるものであった。従って、高溶融温度で鋼ストリップを鋳造 する商業的なストリップ鋳造機で長寿命の被覆を達成するには、溶融温度を増加 させるためにこの特 定の合金組成を修正するのが望ましい。しかしながら、試験により、低濡れ角で 達成できる劇的に改良された結果が立証され、試験したニッケル−燐合金が銅等 の他金属の鋳造に完全に適することが立証された。 図9及び10は、図9の場合にはニッケル−燐合金の基質に、図10の場合に は伝統的なクロム基質に堆積したMO6鋼殻顕微鏡写真であり、どちらの顕微鏡 写真も倍率x100で示してある。ニッケル−燐合金基質上に堆積した殻がクロ ム基質上に堆積した殻のほぼ2倍の厚みであり、ニッケル−燐合金基質で得られ る、はるかに高い熱流束及びより急速な凝固を反映している。このことが、非常 に高速な凝固速度を得ることができることと、従って、本発明により今まで可能 と考えられてきたよりも劇的に高速な製造速度でストリップ鋳造が進行できるこ とを証明している。更に又、ニッケル−燐合金基質に堆積した殻の微視組織が伝 統的なクロム基質に堆積するそれよりもはるかに微細であり、更には又、殻全体 にわたって著しく均一であることがわかる。この微視組織が正確に後で樹枝状粒 境界となる先行オーステナイト粒境界を呈して、液体炭素鋼が凝固して直接オー ステナイトになることを証明している。この凝固プロセスでは、鰐皮欠陥の発達 する可能性はない。というのも、これらの欠陥は凝固する鋼殻中にδ相とγ相が ある場合にのみ起きるからである。 ニッケル−燐合金の濡れ性が高いのはそのアモルファス組織のためであること が判明している。液体が他の液体に対して全般に高い表面親和性を有するのは液 体には優先方向性がないからであり、我々は、アモルファス固体を濡らす場合に 同様の効果が生じ得ることを今回見出した。従って、鋳造表面への液体金属の濡 れ性は被覆材料が全くアモルファスである場合に劇的に増加し得る。図8及び9 に関した試験で使われたような燐成分が10%のニッケル−燐合金は本質的に共 融の組成であり、実際上完全にアモルファスな組織を得るよう非電着性金属析出 プロセスにより容易に堆積させることができる。共融組成から著しく逸脱するよ うに燐成分を変えれば、堆積するニッケル−燐合金被覆は完全にアモルファスで はなく部分的に結晶質の組織を呈することになる。更に又、結晶質の組織は被覆 を堆積後に高温で焼きなますことによって造ることもできる。何らかの被覆を施 す時に硬度を増加させるのに利用される現象である。 本発明によればアモルファス被覆に濡れ性と熱流束を高める効果があることを 立証するため、我々は一連の更なる試験を行い、燐組成を異ならせたニッケル− 燐合金基質上で、試験前に高温で焼きなましたニッケル−燐合金基質上で、そし て標準又は照査規準データを提供する滑らかなニッケル基質上でも、鋼溶湯を凝 固させた。更に又、本発明により鋼が直接凝固してオーステナイト樹枝状結晶と なることを更に証明するために、更なる 試験に包晶等級鋼(peritectic grade steel)からの殻の堆積を含めた。包晶等 級鋼は、凝固時に6相及びγ相へと同時に凝固するため通常著しい歪みを生じる からである。この更なる試験の結果は図11乃至16に示される。 図11は多重浸漬試験でのK値の測定結果を提供する。浸漬試験1〜27では 全て上記したMO6組成を有する鋼溶湯を用いた。試験1〜9では鋼殻はRa値 が5.6の滑らかなニッケル基質と燐成分が10%で平均粗度(Ra)が8.7 のニッケル−燐基質との両方に堆積された。 試験1〜9で使われるニッケル−燐基質は非電着性金属析出プロセスで堆積さ れ、焼きなましされなかった。この基質では対照規準として使われる滑らかなニ ッケル基質に比べて非常に高いK値が達成される。これらの結果は図8で示した ものと全く同様であった。 図8が更に結果を示している試験10〜15では、ニッケル基質が、燐成分が 5%で算術平均粗度(Ra)が6.6であるニッケル−燐合金基質上への凝固結 果に対する対照規準比較として保持された。5%燐合金で達成されるK値が、比 較的滑らかな基質が用いられたにせよ、試験1〜9の10%燐合金でのそれより もはるかに小さく、5%燐合金中で避けられない部分的な晶質組織が濡れ性と全 熱流束とを減らすことを立証している。 図11が更に結果を示している試験16〜23では、MO6鋼殻が滑らかなニ ッケル−燐合金基質に堆積され、これらの基質はいずれも10%の 燐成分を有するが、そのうち1つの基質が非電着性金属析出の堆積後に400℃ で1.5時間焼きなましを受けたものであり、それ以外の基質は焼きなましを受 けていないものであった。焼きなましを受けていない基質は試験1〜9で既に経 験したような高いK値を生じたが、焼きなましされた基質は普通のニッケル基質 で達成されるものに比べはるかに低いK値を生じた。図12は試験番号11のニ ッケル基質に堆積した殻の顕微鏡写真であり、図13は浸漬試験番号18の焼き なましされた基質に堆積した殻の顕微鏡写真であり、図14は同じ浸漬試験番号 18の焼きなましされないニッケル−燐合金に堆積した殻の顕微鏡写真である。 試験11のニッケル基質と試験18の焼きなましした基質とに堆積した殻の微細 組織が同様であることがわかる。いずれの場合も、殻は比較的薄く、粗い微細組 織を有しており、初期凝固してフェライトになることを呈している。焼きなまし していない合金基質に堆積した図14の殼は非常に厚く、初期凝固が直接オース テナイトとなる本発明で達成できる非常な高凝固速度に関連した細かい微細組織 を呈する。 図8は更に、前に試験1〜15で使われた対照規準のニッケル基質との比較で 、10%の燐成分を有するが、400℃で45分間部分的にのみ焼きなましした ニッケル−燐合金に殻が堆積した試験24〜27の結果を提供する。部分的に焼 きなましした基質が全般に試験16〜23の焼きなま ししない基質と焼きなましした基質との間のK値となることがわかり、更に、晶 質組織が被覆中にある度合に応じたアモルファス被覆の効果とK値及び熱流束の 段階的減少を示している。 図11も、炭素成分が0.13%の包晶鋼組成物から殻を燐成分10%のニッ ケル−燐合金基質に堆積させる試験29〜31から得られた結果を提供している 。通常、そのような組成の鋼は直接薄板ストリップ鋳造技術により良好な表面品 質で鋳造することができない。なぜなら、鋼がδフェライト相及びγフェライト 相へと同時に凝固し、凝固殻に著しい歪みを生じるからである。しかしながら、 今回の試験では、包晶鋼組成物がニッケル−燐合金基質上でMO6鋼で以前に達 成されたのと同じ微細組織、同じK値を呈する殻を生じ、凝固時の同様の熱流束 を証明している。 試験番号30で造られた包晶鋼の殻の凝固組織を図15に示し、きめを付けた (textured)クロム基質に堆積した同じ鋼の殻の凝固組織を図16に示す。図1 5の組織が図9及び14で示されたのと全く同じであり、先行するオーステナイ ト粒境界を示し、液体炭素鋼が直接にオーステナイトへと凝固することを証明し ている。更に又、凝固が進行して冷却速度が減少する段階になった後でもフェラ イトが成長する兆しがない。このことは、 ストリップ鋳造方法において本発明によりオーステナイト凝固が開始されると、 オーステナイトへの完全な変態となってフェライト成長へは戻らないことを示し ている。勿論、ストリップが鋳造表面を離れた後、低温での後変態はあるが。 本発明の実施においては、ロール鋳造表面の材料は、金属凝固中の鋳造表面の 温度より高い溶融温度を有しなければならない。鋳造表面の温度は鋳造表面上の 溶融金属の濡れ角により左右される。より明細には、鋳造表面被覆が経験する温 度は濡れ角が減少するにつれて高くなる。従って、被覆材料は、高い熱流束と急 速な凝固とのバランス及び被覆の溶融温度より間違いなく低い被覆温度の維持を 提供するよう選択することができる。 焼きなまししていないニッケル−燐基質に関して図8及び11に示した結果は 、被覆の侵食による性能の漸進的な損失を示している。高温鋼鋳造については、 本発明によれば他の2つの金属アモルファス被覆を用いることができる。適当な 被覆を選ぶためには、被覆の溶融温度、鋳造時の界面温度及び被覆の焼きなまし 温度を考慮に入れる必要がある。表1は、薄板ストリップ鋼の鋳造において本発 明により使用することができる多数の可能な合金被覆の相関的な規準を示してい る。請求の範囲 1. 溶融金属の鋳造溜めが、金属が溜めから移動鋳造表面上へと凝固するよ う、移動鋳造表面との接触で形成される種類の金属ストリップ連続鋳造方法にお いて、鋳造表面が伝熱体上への固体被覆で提供され、被覆は、鋳造表面での前記 溶融金属の濡れ角が40°以下であるような、金属凝固時の鋳造表面温度よりも 高い溶融温度を有する材料で形成されることからなる金属ストリップ連続鋳造方 法。 2. 被覆が、鋳造表面での溶融金属の濡れ角が20°以下であるような材料 で形成される、請求項1で請求の方法。 3. 被覆表面が10ミクロン以下の算術平均粗度(Ra)を有する、請求項 1又は請求項2で請求の方法。 4. 溶融金属が溶鋼である、先述した請求項のいずれかで請求の方法。 5. 鋼が鋳造表面上で単相固体組織へと凝固する、請求項4で請求の方法。 6. 被覆材料が少なくとも部分的にアモルファスである、先述した請求項の いずれかで請求の方法。 7. 被覆材料が本質的に完全にアモルファスである、請求項6で請求の方法 。 8. 被覆材料が2成分の合金で構成される、先述した請求項のいずれかで請 求の方法。 9. 前記合金の成分のうちの一方が燐を含む、請求項8で請求の方法。 10. 前記合金の他方の成分がニッケルである、請求項9で請求の方法。 11. 前記合金が本質的に共晶合金である、請求項8乃至10のいずれかで請 求の方法。 12. 溶融金属が本質的に共晶組成を有する、先述した請求項のいずれかで請 求の方法。 13. 伝熱体が銅又は銅合金体である、先述した請求項のいずれかで請求の方 法。 14. 溶鋼の鋳造溜めが、鋼が溜めから移動鋳造表面上へと凝固するよう、移 動鋳造表面との接触で形成される種類の鋼ストリップ連続鋳造方法において、鋳 造表面が伝熱体上への固体被覆で提供され、被覆は、鋳造表面での溶融金属の濡 れ角が40°以下であるような、金属凝固時の鋳造表面温度よりも高い溶融温度 を有する材料で形成されることからなり、鋼が鋳造表面上で単相固体組織へと凝 固して、その相はストリップが鋳造表面を離れる前には変態しない、金属ストリ ップ連続鋳造方法。 15. 鋼が0.13重量%以下の炭素相当成分を有し、前記単相組織が固体オ ーステナイトの樹枝状結晶からなる、請求項14で請求の方法。 16. 鋼が本質的に包晶組成を有する、請求項15で請求の方法。 17. 鋼が約0.13重量%の炭素成分を有する、請求項16で請求の方法。 18. 被覆材料が2成分のアモルファス合金で構成される、請求項14 乃至17のいずれかで請求の方法。 19. 合金の成分の一方が燐を含む、請求項18で請求の方法。 20. 被覆が約10%の燐を含むニッケル−燐合金である、請求項19で請求 の方法。 21. 伝熱体が銅又は銅合金体である、請求項14乃至20のいずれかで請求 の方法。 22. 移動鋳造表面が、間にロール間隙を形成する一対の鋳造ロールの表面で ある一対の斯かる表面の1つであり、鋳造溜めはロール間隙上方で鋳造ロール上 に支持され、ストリップが前記単相固体組織でロール間隙から下方に送給される 、請求項14乃至21のいずれかで請求の方法。 23. 溶融金属の鋳造溜めが、金属が溜めから移動鋳造表面上へと凝固するよ う、移動鋳造表面との接触で形成される種類の金属ストリップ連続鋳造方法にお いて、金属が包晶組成であり、鋳造表面が伝熱体上への固体被覆で提供され、被 覆は、鋳造表面での前記溶融金属の濡れ角が40°以下であるような、金属凝固 時の鋳造表面温度よりも高い溶融温度を有する材料で形成されることからなり、 金属が鋳造表面上で単相固体組織へと凝固して、その相はストリップが鋳造表面 を離れる前には変態しないことから成る、金属ストリップ連続鋳造方法。 24. 溶融金属の鋳造溜めに接触する鋳造表面を有する鋳造ロールと鋳 造ロールの鋳造表面を冷却して金属をその上に凝固させる手段とから成り、ロー ル表面がロールの伝熱体への固体被覆により形成され、被覆が2成分の本質的に アモルファス合金で構成されて成る、金属ストリップ連続鋳造装置。 25. 合金の成分のうちの1つが燐を含む、請求項24で請求の装置。 26. 被覆合金がニッケル−燐合金である、請求項25で請求の装置。 27. 被覆合金が約10%の燐を含む、請求項26で請求の装置。 28. 円筒形金属鋳造表面を限定する固体被覆で被われた伝熱円筒ロール体か ら成り、被覆が2成分の本質的にアモルファス合金で構成されて成る、鋳造ロー ル。 29. 合金の成分のうちの1つが燐を含む、請求項28で請求の鋳造ロール。 30. 鋳造合金がニッケル−燐合金である、請求項29で請求の鋳造ロール。 31. 被覆合金が約10%の燐を含む、請求項29で請求の鋳造ロール。 32. 0.13重量%以下の炭素相当成分を有し、後の低温変態前に溶融金属 からオーステナイトへ直接凝固することから生じる微細組織を有する鋼からの連 続鋳造で造られる鋳造鋼ストリップ。 33. 鋼が本質的に包晶組成を有する、請求項32で請求の鋳造鋼ストリップ 。 34. 鋼が約0.13重量%の炭素成分を有する、請求項33で請求の鋳造鋼 ストリップ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 溶融金属の鋳造溜めが、金属が溜めから移動鋳造表面上へと凝固するよ う、移動鋳造表面との接触で形成される種類の金属ストリップ連続鋳造方法にお いて、鋳造表面が伝熱体上への固体被覆で提供され、被覆は、鋳造表面での前記 溶融金属の濡れ角が40°以下であるような、金属凝固時の鋳造表面温度よりも 高い溶融温度を有する材料で形成されることからなる金属ストリップ連続鋳造方 法。 2. 被覆が、鋳造表面での溶融金属の濡れ角が20°以下であるような材料 で形成される、請求項1で請求の方法。 3. 被覆表面が10ミクロン以下の算術平均粗度(Ra)を有する、請求項 1又は請求項2で請求の方法。 4. 溶融金属が溶鋼である、先述した請求項のいずれかで請求の方法。 5. 鋼が鋳造表面上で単相固体組織へと凝固する、請求項4で請求の方法。 6. 被覆材料が少なくとも部分的にアモルファスである、先述した請求項の いずれかで請求の方法。 7. 被覆材料が本質的に完全にアモルファスである、請求項6で請求の方法 。 8. 被覆材料が2金属の合金で構成される、先述した請求項のいずれかで請 求の方法。 9. 前記2金属のうちの一方が燐を含む、請求項8で請求の方法。 10. 前記2金属の他方がニッケルである、請求項9で請求の方法。 11. 前記合金が本質的に共晶合金である、請求項8乃至10のいずれかで請 求の方法。 12. 溶融金属が本質的に共晶組成を有する、先述した請求項のいずれ かで請求の方法。 13. 伝熱体が銅又は銅合金体である、先述した請求項のいずれかで請求の方 法。 14. 溶鋼の鋳造溜めが、鋼が溜めから移動鋳造表面上へと凝固するよう、移 動鋳造表面との接触で形成される種類の鋼ストリップ連続鋳造方法において、鋳 造表面が伝熱体上への固体被覆で提供され、被覆は、鋳造表面での溶融金属の濡 れ角が40°以下であるような、金属凝固時の鋳造表面温度よりも高い溶融温度 を有する材料で形成されることからなり、鋼が鋳造表面上で単相固体組織へと凝 固して、その相はストリップが鋳造表面を離れる前には変態しない、金属ストリ ップ連続鋳造方法。 15. 鋼が0.53重量%以下の炭素相当成分を有し、前記単相組織が固体オ ーステナイトの樹枝状結晶からなる、請求項14で請求の方法。 16. 鋼が本質的に包晶組成を有する、請求項15で請求の方法。 17. 鋼が約0.13重量%の炭素成分を有する、請求項16で請求の方法。 18. 被覆材料が2金属のアモルファス合金で構成される、請求項14乃至1 7のいずれかで請求の方法。 19. 2金属の一方が燐を含む、請求項18で請求の方法。 20. 被覆が約10%の燐を含むニッケル−燐合金である、請求項19で請求 の方法。 21. 伝熱体が銅又は銅合金体である、請求項14乃至20のいずれかで請求 の方法。 22. 移動鋳造表面が、間にロール間隙を形成する一対の鋳造ロールの表面で ある一対の斯かる表面の1つであり、鋳造溜めはロール間隙上方で鋳造ロール上 に支持され、ストリップが前記単相固体組織でロール間隙か ら下方に送給される、請求項14乃至21のいずれかで請求の方法。 23. 溶融金属の鋳造溜めが、金属が溜めから移動鋳造表面上へと凝固するよ う、移動鋳造表面との接触で形成される種類の金属ストリップ連続鋳造方法にお いて、金属が包晶組成であり、鋳造表面が伝熱体上への固体被覆で提供され、被 覆は、鋳造表面での前記溶融金属の濡れ角が40°以下であるような、金属凝固 時の鋳造表面温度よりも高い溶融温度を有する材料で形成されることからなり、 金属が鋳造表面上で単相固体組織へと凝固して、その相はストリップが鋳造表面 を離れる前には変態しないことから成る、金属ストリップ連続鋳造方法。 24. 溶融金属の鋳造溜めに接触する鋳造表面を有する鋳造ロールと鋳造ロー ルの鋳造表面を冷却して金属をその上に凝固させる手段とから成り、ロール表面 がロールの伝熱体への固体被覆により形成され、被覆が2金属の本質的にアモル ファス合金で構成されて成る、金属ストリップ連続鋳造装置。 25. 2金属のうちの1つが燐を含む、請求項24で請求の装置。 26. 被覆合金がニッケル−燐合金である、請求項25で請求の装置。 27. 被覆合金が約10%の燐を含む、請求項26で請求の装置。 28. 円筒形金属鋳造表面を限定する固体被覆で被われた伝熱円筒ロール体か ら成り、被覆が2金属の本質的にアモルファス合金で構成されて成る、鋳造ロー ル。 29. 2金属のうちの1つが燐を含む、請求項28で請求の鋳造ロール。 30. 鋳造合金がニッケル−燐合金である、請求項29で請求の鋳造ロール。 31. 被覆合金が約10%の燐を含む、請求項29で請求の鋳造ロール。 32. 0.53重量%以下の炭素相当成分を有し、後の低温変態前に溶 融金属からオーステナイトへ直接凝固することから生じる微細組織を有する鋼か らの連続鋳造で造られる鋳造鋼ストリップ。 33. 鋼が本質的に包晶組成を有する、請求項32で請求の鋳造鋼ストリップ 。 34. 鋼が約0.13重量%の炭素成分を有する、請求項33で請求の鋳造鋼 ストリップ。
JP50111699A 1997-06-02 1998-06-02 金属ストリップの鋳造 Pending JP2002501437A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
AUPO7104A AUPO710497A0 (en) 1997-06-02 1997-06-02 Casting metal strip
AU7104 1997-06-02
PCT/AU1998/000412 WO1998055251A1 (en) 1997-06-02 1998-06-02 Amorphous or glassy alloy surfaced rolls for the continuous casting of metal strip

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002501437A true JP2002501437A (ja) 2002-01-15

Family

ID=3801395

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50111699A Pending JP2002501437A (ja) 1997-06-02 1998-06-02 金属ストリップの鋳造

Country Status (12)

Country Link
EP (1) EP0986443B1 (ja)
JP (1) JP2002501437A (ja)
KR (1) KR20010013319A (ja)
CN (2) CN1096900C (ja)
AT (1) ATE256516T1 (ja)
AU (1) AUPO710497A0 (ja)
BR (1) BR9811107A (ja)
CA (1) CA2288754A1 (ja)
DE (1) DE69820618D1 (ja)
ID (1) ID24078A (ja)
NZ (1) NZ500871A (ja)
WO (1) WO1998055251A1 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2291995T5 (es) 2000-05-12 2013-06-11 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Un tambor de enfriamiento para colada continua de plancha delgada y un método de colada continua con el mismo
US7048033B2 (en) 2001-09-14 2006-05-23 Nucor Corporation Casting steel strip
US7485196B2 (en) 2001-09-14 2009-02-03 Nucor Corporation Steel product with a high austenite grain coarsening temperature
EP1439926B1 (en) * 2001-09-14 2011-05-18 Nucor Corporation Casting steel strip method and strip as such
US7690417B2 (en) 2001-09-14 2010-04-06 Nucor Corporation Thin cast strip with controlled manganese and low oxygen levels and method for making same
NZ541204A (en) 2003-01-24 2007-04-27 Nucor Corp Casting steel strip
US20040144518A1 (en) 2003-01-24 2004-07-29 Blejde Walter N. Casting steel strip with low surface roughness and low porosity
US9149868B2 (en) 2005-10-20 2015-10-06 Nucor Corporation Thin cast strip product with microalloy additions, and method for making the same
US10071416B2 (en) 2005-10-20 2018-09-11 Nucor Corporation High strength thin cast strip product and method for making the same
US9999918B2 (en) 2005-10-20 2018-06-19 Nucor Corporation Thin cast strip product with microalloy additions, and method for making the same
AU2008100847A4 (en) 2007-10-12 2008-10-09 Bluescope Steel Limited Method of forming textured casting rolls with diamond engraving
WO2011100798A1 (en) 2010-02-20 2011-08-25 Bluescope Steel Limited Nitriding of niobium steel and product made thereby
US8505611B2 (en) 2011-06-10 2013-08-13 Castrip, Llc Twin roll continuous caster
CN111036865B (zh) * 2020-01-10 2024-04-30 中冶赛迪技术研究中心有限公司 一种电液直驱小方坯连铸结晶器振动驱动装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57130750A (en) * 1981-02-05 1982-08-13 Nittetsu Hard Kk Roll for continuous casting
JPS60196209A (ja) * 1984-03-19 1985-10-04 Sumitomo Metal Ind Ltd 3層メツキ熱間圧延ロ−ル
JPS6260879A (ja) * 1985-09-10 1987-03-17 Ngk Insulators Ltd 耐摩耗性銅合金部材
DE3742594A1 (de) * 1987-12-16 1989-06-29 Schenzel Heinz Guenther Dipl I Verfahren zur erhoehung der korrosionsfestigkeit von metallischen werkstuecken und metallisches werkstueck mit einer korrosionsschutzschicht an der oberflaeche
JPH02160145A (ja) * 1988-12-10 1990-06-20 Kawasaki Steel Corp 急冷薄帯製造用の冷却ロール及びその製造方法
MY111637A (en) * 1992-11-30 2000-10-31 Bhp Steel Jla Pty Ltd Metal strip casting
DE69419593T3 (de) * 1993-11-18 2005-06-09 Castrip, Llc (N.D.Ges.D. Staates Delaware) Giessen eines kontinuierlichen stahlbandes auf eine oberfläche mit bestimmter rauhigkeit
AUPN176495A0 (en) * 1995-03-15 1995-04-13 Bhp Steel (Jla) Pty Limited Casting of metal

Also Published As

Publication number Publication date
ID24078A (id) 2000-07-06
NZ500871A (en) 2001-02-23
EP0986443A1 (en) 2000-03-22
AUPO710497A0 (en) 1997-06-26
CN1258239A (zh) 2000-06-28
KR20010013319A (ko) 2001-02-26
EP0986443A4 (en) 2001-01-03
EP0986443B1 (en) 2003-12-17
DE69820618D1 (de) 2004-01-29
BR9811107A (pt) 2000-07-18
CN1445033A (zh) 2003-10-01
CN1096900C (zh) 2002-12-25
ATE256516T1 (de) 2004-01-15
WO1998055251A1 (en) 1998-12-10
CA2288754A1 (en) 1998-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5720336A (en) Casting of metal
US8016021B2 (en) Casting steel strip with low surface roughness and low porosity
AU662854B2 (en) Metal strip casting
JP2002501437A (ja) 金属ストリップの鋳造
US6942013B2 (en) Casting steel strip
EP1100638B1 (en) Casting steel strip
JPH08505811A (ja) 鋼ストリップ鋳造
JP4734496B2 (ja) 鋼ストリップ連続鋳造方法
US20030062146A1 (en) Amorphous or glassy alloy surfaced rolls for the continuous casting of metal strip
AU730375B2 (en) Amorphous or glassy alloy surfaced rolls for the continuous casting of metal strip
AU746006B2 (en) Casting steel strip
NZ508869A (en) Cast steel strip formed with austentite dendrites
NZ508868A (en) Apparatus and amorphous or glassy alloy surfaced rolls for the continuous casting of metal strip
MXPA99010897A (en) Amorphous or glassy alloy surfaced rolls for the continuous casting of metal strip
MXPA01001045A (en) Casting steel strip