JP2002500507A - 新規なネコFcイプシロンレセプタアルファ鎖、核酸分子、たんぱく質、及びこれらの利用法 - Google Patents

新規なネコFcイプシロンレセプタアルファ鎖、核酸分子、たんぱく質、及びこれらの利用法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ネコFcイプシロンレセプタアルファ鎖核酸分子、このような核酸分子によりコードされるたんぱく質、このようなたんぱく質に対して生ずる抗体、及び、このようなたんぱく質の阻害物質に関する。本発明にはさらに、このようなたんぱく質及び抗体を用いてIgEを検出する方法も含まれる。さらに本発明には、このようなたんぱく質、核酸分子、抗体及び/又は阻害化合物を含む治療用組成や、Fcイプシロンレセプタの伝達する生体反応を媒介するための、このような治療用組成の利用が含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】 新規なネコFcイプシロンレセプタアルファ鎖、核酸分子、たんぱく質、及びこれ らの利用法 発明の分野 本発明は、ネコFcイプシロンレセプタアルファ鎖核酸分子、このような核酸分 子によりコードされるたんぱく質、このようなたんぱく質に対して生ずる抗体、 及び、このようなたんぱく質の阻害物質に関するものである。本発明はさらに、 このようなたんぱく質及び抗体を用いてIgEを検出する方法も含む。 発明の背景 疾患の診断と治療効果の判断は医療において重要な手段である。動物における IgE抗体の産生は疾患の指標にすることができ、このような疾患には、例えば 、アレルギー、アトピー性疾患、高IgE症候群、内部寄生生物感染及びB細胞 の異常増殖がある。加えて、治療後の動物のIgE産生を検出すれば、例えばI gEの産生を妨げることを意図した治療法を用いた場合などに、その治療の効果 の指標とすることができる。 IgE抗体は、IgEがFcイプシロンレセプタと複合体を形成したときに免疫 刺激を伝達することができる。Fcイプシロンレセプタは、例えばマスト細胞など 、特定の細胞種の表面上に見られる。マスト細胞はヒスタミン、プロスタグラン ジン及びプロテアーゼを含む生体伝達物質を蓄える。これらの生体伝達物質の放 出は、IgE抗体が細胞表面上のFcイプシロンレセプタと複合体形成したときに 引き起こされる。臨床症状は、動物の組織中にこの生物学的伝達物質が放出され たときに起きるものである。 本発明の発見までは、動物から得た試料中のIgEの検出には、IgEを検出 するのに適した試薬がないという障害があった。様々な化合物がIgE含有組成 中のIgEを検出しようと用いられてきた。具体的には、イプシロンイディオタ イプ抗体に選択的に結合する抗体(即ち抗IgE抗体)を用いてIgEが検出さ れている。しかしながらこれらの抗IgE抗体は、例えばガンマイソタイプ抗体 など、その他の抗体イディオタイプと交差反応することがある。さらに、Fcイプ シロンレセプタ の活性を阻害することのできる試薬の作成には限界があった。 本発明の発見には、新規なネコFcイプシロンレセプタアルファ鎖(FcεRα) たんぱく質、及び、このようなたんぱく質の、推定上のIgE含有組成中にIg Eの存在を検出するための利用、ネコFcεRαたんぱく質が伝達する生体反応の 阻害物質を同定するための利用、及び、ネコFcεRαが伝達する生体反応の結果 起きる臨床症状を防止する又は治療するための治療用化合物としての利用、が含 まれる。IgEを検出するアッセイに用いられる場合は、ネコFcεRαたんぱく 質はIgEを検出する上で、例えば抗IgE抗体に比べて有利であるが、それは なぜなら、ネコFcεRαたんぱく質は、抗IgE結合抗体に比べてより特異的( 即ちイディオタイプ交差反応性は低い)かつより高い感受性(即ち親和性)でI gEに結合することができるからである。 研究者はこれまで、ヒトFcεRアルファ鎖(Kochan et al.,Nucleic Acids Re s.16:3584,1988;Shimizu et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:1907-1911,1988及 びPang et al.,J.Immunol.151:6166-6174,1993)、ヒトFcεRベータ鎖(Kuster et al.,J.Biol.Chem.267:12782-12787,1992)、ヒトFcεRガンマ鎖(Kuster et al.,J.Biol.Chem.265:6448-6452,1990)、及びイヌFcεRα鎖(GenBankTM受け入 れ番号D16413)について核酸配列を開示してきた。ヒトFcεRのサブユニットは 1988年という早い段階で公知であったが、それらがネコFcεRを同定するた めに用いられたことはなかった。同様に、イヌFcεR鎖は1993年から知られ ているが、ネコFcεRを同定するために用いられたことはなかった。さらに、ヒ ト及びイヌFcεレセプタの配列決定は、異なる種、特にネコという種から新規な FcεRα遺伝子をクローニングすることを提示せず、示唆せず、又は予見するも のでもなかった。 このように、本発明の生成物及びプロセスは当業において求められており、ま たそれはIgEの特異的検出及びFcεレセプタの伝達する疾患の治療に資するこ とであろう。 発明の概要 本発明は、IgEを検出し、Fcイプシロンレセプタの伝達する生体反応から動 物を防御する新規な生成物及びプロセスに関するものである。本発明によると、 ネコ FcεRαたんぱく質及びそのミメトープ、このようなたんぱく質をコードするも のを含むネコFcεRα核酸分子、このようなネコFcεRαたんぱく質に対して生ず る抗体(即ち、抗ネコFcεRα抗体)、及び、ネコFcεRαたんぱく質がIgEと 複合体を形成するというその能力を阻害するその他の化合物(即ち阻害化合物又 は阻害物質)が提供される。 本発明はさらに、このようなたんぱく質、ミメトープ、核酸分子、抗体及び阻 害化合物を得るための方法も含む。さらに本発明には、このようなたんぱく質、 ミメトープ、核酸分子、抗体及び/又は阻害化合物を含む治療用組成や、Fcイプ シロンレセプタの伝達する生体反応に対するこのような治療用組成の利用が含ま れる。 本発明の一実施例は、ネコFcεRαたんぱく質をコードする単離された核酸分 子である。ネコFcεRαたんぱく質は好ましくは、配列同定番号NO:2、配列同定 番号NO:7、配列同定番号NO:12及び配列同定番号NO:13のアミノ酸配列を含むたん ぱく質、及び、前記アミノ酸配列のうちのいずれかを含むたんぱく質をコードす る核酸分子の対立遺伝子変異体によりコードされるたんぱく質、を含むとよい。 特に好適なネコFcεRα核酸分子は、配列同定番号NO:1、配列同定番号NO:3、配 列同定番号NO:4、配列同定番号NO:5、配列同定番号NO:6、配列同定番号NO:8、配 列同定番号NO:11、配列同定番号NO:14、配列同定番号NO:15及び配列同定番号NO: 16の核酸配列を含む核酸分子、及び、配列同定番号NO:1、配列同定番号NO:3、配 列同定番号NO:4、配列同定番号NO:5、配列同定番号NO:6、配列同定番号NO:8、配 列同定番号NO:11、配列同定番号NO:14、配列同定番号NO:15及び配列同定番号NO: 16の核酸配列を含む核酸分子の対立遺伝子変異体を含む核酸分子、が含まれる。 本発明にはさらに単離されたネコFcεRαたんぱく質が含まれる。好適なネコF cεRαたんぱく質は、配列同定番号NO:3、配列同定番号NO:5、配列同定番号NO:8 、配列同定番号NO:15及び配列同定番号NO:16を含む核酸配列に緊縮ハイブリダイ ゼーション条件下でハイブリダイズする核酸分子によりコードされるものである 。特に好適なネコFcεRαたんぱく質には、以下のアミノ酸配列、即ち配列同定 番号NO:2、配列同定番号NO:7、配列同定番号NO:12及び配列同定番号NO:13のうち の少なくとも一つが含まれる。 本発明はまた、本発明のネコFcεRα核酸分子を含む組換え分子、組換えウィ ルス及び組換え細胞にも関するものである。さらにこのような核酸分子、組換え 分子、組換えウィルス及び組換え細胞を作成する方法も含まれる。 本発明はさらに、IgEを検出する検出方法及びキットを含む。本発明の一実 施例はIgEを検出する方法であるが、当該方法は、(a)単離されたネコFcε Rα分子を推定上のIgE含有組成に、FcεRα分子:IgE複合体が形成される のに適した条件下で接触させるステップと、(b)FcεRα分子:IgE複合体 を検出することによりIgEの存在を判定するステップであって、前記FcεRα 分子:IgE複合体の存在はIgEの存在の指標となるものである、ステップと を含む。好適なネコFcεRα分子はそのネコFcεRα分子の炭化水素基がビオチン に結合したものである。 本発明のもう一つの実施例は、(a)組換え細胞を推定上のIgE含有組成に 、組換え細胞:IgE複合体の形成にとって適した条件下で接触させるステップ であって、前記組換え細胞がネコFcεRα分子を含む、ステップと、(b)組換 え細胞:IgE複合体を検出することによりIgEの存在を判定するステップで あって、前記組換え細胞:IgE複合体の存在はIgEの存在の指標となるもの である、ステップとを含む、IgEを検出する方法である。IgEを検出するの に好適な方法の一つは、a)FcεRα分子を基質上に固定するステップと、(b )前記FcεRα分子を、推定上のIgE含有組成に、FcεRα分子:IgE複合体 が前記基質に結合した状態で形成されるのに適した条件下で接触させるステップ と、(c)前記基質に結合したFcεRα分子:IgE複合体が維持される条件下 で、前記基質から、結合しなかった物質を取り除くステップと、(d)前記Fcε Rα分子:IgE複合体の存在を検出するステップとを含む。IgEを検出する ための別の好適な方法は、a)特異抗原を基質上に固定するステップと、(b) 前記抗原を、推定上のIgE含有組成に、抗原:IgE複合体が前記基質に結合 した状態で形成されるのに適した条件下で接触させるステップと、(c)前記基 質に結合した抗原:IgE複合体が維持される条件下で、前記基質から、結合し なかった物質を取り除くステップと、(d)前記抗原:IgE複合体を前記Fcε Rα分子に接触させることにより、前記抗原:IgE複合体の存在を検出するス テップとを含むものである。:IgE を検出するためのまた別の好適な方法は、a)IgEに選択的に結合する抗体を 基質上に固定するステップと、(b)前記抗体を、推定上のIgE含有組成に、 抗体:IgE複合体が前記基質に結合した状態で形成されるのに適した条件下で 接触させるステップと、(c)前記基質に結合した抗体:IgE複合体が維持さ れる条件下で、前記基質から、結合しなかった物質を取り除くステップと、(d )前記抗体:IgE複合体を前記FcεRα分子に接触させることにより、前記抗 体:IgE複合体の存在を検出するステップとを含むものである。IgEを検出 するためのまたさらに別の好適な方法は、a)推定上のIgE含有組成を基質上 に固定するステップと、(b)前記組成を、FcεRα分子に、FcεRα分子:Ig E複合体が前記基質に結合した状態で形成されるのに適した条件下で接触させる ステップと、(c)前記基質に結合したFcεRα分子:IgE複合体が維持され る条件下で、前記基質から、結合しなかった物質を取り除くステップと、(d) 前記FcεRα分子:IgE複合体の存在を検出するステップとを含むものである 。 本発明の別の実施例は、(a)蚤アレルゲンを基質上に固定するステップと、 (b)前記蚤アレルゲンを、推定上のIgE含有組成に、抗原:IgE複合体が 前記基質に結合した状態で形成されるのに適した条件下で接触させるステップと 、(c)前記基質に結合した抗原:IgE複合体が維持される条件下で前記基質 から結合しなかった物質を取り除くステップと、(d)前記抗原:IgE複合体 をネコFcεRαたんぱく質に接触させることにより、前記抗原IgE:複合体の 存在を検出するステップと、を含む蚤アレルギー性皮膚炎を検出する方法である 。好ましくは蚤アレルゲンは蚤唾液抗原であるとよく、より好ましくは蚤唾液生 成物及び/又は蚤唾液たんぱくであるとよい。 本発明には、さらに本発明の方法を実施するためのキットが含まれる。ある一 つの実施例は、ネコFcεRαたんぱく質と、IgEを検出する手段とを含む、I gEを検出するためのキットである。もう一つの実施例は、ネコFcεRαたんぱ く質及び蚤アレルゲンを含む、蚤アレルギー性皮膚炎を検出するためのキットで ある。 本発明はさらに、ネコFcεRαたんぱく質とIgEとの間の複合体形成に干渉 する阻害物質を含むが、当該阻害物質は、この複合体形成に干渉するその能力に より同定されるものである。特に好適な阻害物質には、ネコFcεRαたんぱく質 の基質 類似体、ネコFcεRαたんぱく質のミメトープ、及び、ネコFcεRαたんぱく質の 可溶性部分が含まれる。さらに、ネコFcεRαたんぱく質とIgEとの間の複合 体形成に干渉する化合物を同定する方法が含まれるが、この方法は、a)単離さ れたネコFcεRαたんぱく質を、推定上の阻害化合物に、この化合物の不在下で はこのネコFcεRαたんぱく質がIgEと複合体を形成するような条件下で接触 させるステップと、b)前記推定上の阻害化合物が複合体形成を阻害するかどう かを判定するステップとを含む。ネコFcεRαたんぱく質とIgEとの間の複合 体形成に干渉することのできる化合物を同定するための検査キットも含まれ、当 該検査キットには、IgEと複合体を形成することのできる単離されたネコFcε Rαたんぱく質と、推定上の阻害化合物の存在下で複合体形成の干渉の程度を判 定する手段とが含まれる。 本発明のさらに別の実施例は、Fcイプシロンレセプタの伝達する生体反応を減 少させることのできる治療用組成である。このような治療用組成には、以下の治 療用化合物のうちの一つ又はそれ以上が含まれる。即ち、単離されたネコFcεR αたんぱく質、ネコFcεRαたんぱく質のミメトープ、ネコFcεRα遺伝子と緊縮 ハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする単離された核酸分子、ネコ FcεRαたんぱく質に選択的に結合する単離された抗体、及び、ネコFcεRαたん ぱく質とIgEとの間の複合体形成に干渉する阻害物質、である。本発明の方法 には、本発明の治療用組成を動物に投与するステップが含まれる。 本発明のさらに別の実施例は、ネコFcεRαたんぱく質を生成する方法であり 、当該方法は、ネコFcεRαたんぱく質をコードする核酸分子で形質転換させた 細胞を培養するステップを含む。 発明の詳細な説明 本発明は、単離されたネコFcイプシロンレセプタアルファ鎖(FcεRα)たん ぱく質、単離されたネコFcεRα核酸分子、ネコFcεRαたんぱく質に対して生ず る抗体、及び、その他のネコFcεRα活性の阻害物質を提供するものである。こ こで用いられる場合の単離されたネコFcεRαたんぱく質及び単離されたネコFcε Rα核酸分子という術語は、ネコから得られたネコFcεRαたんぱく質及びネコ FcεRα核酸分子を言い、従って、これらの天然源から得られても、あるいは例 えば組換え核 酸技術又は化学合成により生成されたものでもよい。本発明にはさらに、これら のたんぱく質及び抗体を、イプシロン免疫グロブリン(ここではIgE又はIg E抗体と呼ばれる)を検出する方法や、その他の方法、例えば以下に開示したも のに利用することが含まれる。本発明の生成物及びプロセスは有益であるが、そ れはなぜなら、これらにより、IgEの検出や、疾患に伴うIgE又はネコFcε Rαたんぱく質の活性の阻害が可能となるからである。ここで用いられる場合の ネコFcイプシロンアルファ鎖レセプタたんぱく質はFcεRαたんぱく質又はFcεR α鎖たんぱく質を言う場合がある。 本発明の一実施例は、ある一つのネコFcεRαたんぱく質を含む、ある一つの 単離されたたんぱく質である。ここで「ある」(原語:"a")又は「ある」(原語:"a n")物質という術語は、一つ又はそれ以上のその物質を言うことに留意されたい 。例えば、あるたんぱく質とは一つ又はそれ以上のたんぱく質又は少なくとも一 つのたんぱく質を言うものである。従って、「ある」(原語:"a")(又は「ある」 (原語:"an"))、「一つの又はそれ以上の」及び「少なくとも一つの」という術 語はここでは互換可能に用いられている場合がある。さらに、「含む(原語:co mpRising)」、「含む(原語:including)」、及び「有する(原語:having) 」という術語も互換可能に用いられている場合があることに留意されたい。さら に、「のうちのいずれかから選択される」化合物とは、その後に続く化合物のう ち、その二つ又はそれ以上の混合物(即ち組合せ)も含めた、一つ又はそれ以上 を言うものである。本発明によれば、単離された、又は生物学的に純粋なたんぱ く質とは、その天然ミリューから取り出されたたんぱく質である。従って、「単 離された」及び「生物学的に純粋な」とは、必ずしもそのたんぱく質が精製され た程度を反映するものではない。本発明に基づく単離されたたんぱく質はその天 然源から得られても、組換えDNA技術を用いて生成されても、又は化学合成に より生成されてもよい。 ここで用いられる場合の単離されたネコFcεRαたんぱく質は完全長たんぱく 質でも、又はこのようなたんぱく質の相同体でもよい。ここで用いられる場合の たんぱく質はポリペプチドでも又はペプチドでもよい。好ましくは、ネコFcεR αたんぱく質は、IgEに結合する、即ちIgEと複合体を形成することのでき るネコFcεRαたんぱく質部分を少なくとも一つ含むとよい。 本発明のネコFcεRαたんぱく質は、相同体も含め、そのたんぱく質がIgE に結合できる能力により簡単に同定することができる。ネコFcεRαたんぱく質 の相同体の例には、アミノ酸が削除(例えばそのたんぱく質の切端形、例えばペ プチドなど)、挿入、反転、置換及び/又は誘導(例えばグリコシル化、リン酸 化、アセチル化、ミリストイレーション、プレニレーション、パルミトイレーシ ョン、アミド化及び/又はグリセロホスファチジルイノシトールの付加など)さ れた結果、その相同体がIgEに結合可能となったようなネコFcεRαたんぱく 質がある。 ネコFcεRαたんぱく質相同体は、天然の対立遺伝子変異や、又は自然突然変 異の結果生じたものでもよい。さらに本発明のネコFcεRαたんぱく質相同体は 、当該たんぱく質に直接修飾を加える技術や、あるいは、例えば無作為又はター ゲットを定めた突然変異誘発を起こす伝統的な又は組換え核酸技術を用いて当該 たんぱく質をコードする遺伝子に改変を加えることを含め、しかしこれらに限ら ず、当業において公知の技術を用いて作成することができる。 本発明の単離されたネコFcεRαたんぱく質は、ネコFcεRαたんぱく質をコ ードする遺伝子に緊縮ハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする核酸 分子によりコードされるという更なる特徴を有する。ここで用いられる場合の緊 縮ハイブリダイゼーション条件とは、オリゴヌクレオチドを含む核酸分子を用い て類似の核酸分子を同定する場合の標準的ハイブリダイゼーション条件を言う。 このような標準的条件は、例えばSambrook et al.1989,Molecular Cloning;A La boratory Manual,Cold Spring Harbor Labs Pressに開示されている。上記のSam brook et al.の文献全文を参考文献としてここに編入することとする。緊縮ハイ ブリダイゼーション条件は、典型的には、そのハイブリダイゼーション反応でプ ローブするのに用いられている核酸分子に少なくとも約70%同一の核酸配列を 有する核酸分子の単離が可能なものである。ヌクレオチドのミス対合が30%未 満のハイブリダイゼーションを可能とするのに適したハイブリダイゼーション条 件及び洗浄条件を計算する公式は、例えばMeinkoth et al.1984,Anal.Biochem.1 38,267-284;に開示されているが、このMeinkoth et al.の文献全文を参考文献と してここに編入することとする。 ここで用いられる場合のネコFcεRα遺伝子には、例えばその遺伝子のコード す るネコFcεRαたんぱく質の産生を制御する調節領域(例えば転写、翻訳又は翻 訳後制御領域を含む、しかしこれらに限らない)や、コドン領域自体など、天然 のネコFcERA遺伝子に関連するあらゆる核酸配列が含まれる。ある一つの実施例 では、本発明のネコFcεRα遺伝子は、配列同定番号NO:1、配列同定番号NO:3、 配列同定番号NO:4、配列同定番号NO:5、配列同定番号NO:6、配列同定番号NO:8、 配列同定番号NO:11、配列同定番号NO:14及び/又は配列同定番号NO:15の核酸配 列を含む。配列同定番号NO:1の核酸配列はここでnfelFcε1069と示される相 補DNA(cDNA)核酸分子のコドン鎖の推定される配列を表すが、この核酸分子の 作成法を実施例で開示する。配列同定番号NO:1の相補体(ここでは配列同定番号 NO:3で表される)とは、配列同定番号NO:1を有する鎖に対して相補の鎖の核酸配 列を言い、当業者には容易に決定が可能である。同様に、本発明の何らかの核酸 配列の核酸配列相補体とは、その配列が引用された鎖に対して相補の(即ち完全 な二重らせんを形成できる核酸鎖の核酸配列を言う。 核酸の塩基配列決定技術は完全に誤りがない訳ではないため、配列同定番号NO :1及び配列同定番号NO:3(及びここで提供されたその他の核酸及びたんぱく質の 配列)は、本発明のネコFcεRαたんぱく質をコードする特定の核酸分子の見かけ 上の核酸配列を表したものであることに留意されねばならない。 別の実施例では、ネコFcεRα遺伝子は、配列同定番号NO:1、配列同定番号NO: 3、配列同定番号NO:4、配列同定番号NO:5、配列同定番号NO:6、配列同定番号NO: 8、配列同定番号NO:11、配列同定番号NO:14、配列同定番号NO:15及び/又は配列 同定番号NO:16に対して類似であるが同一でない配列を含む対立遺伝子変異体で あってもよい。ネコFcεRα遺伝子の対立遺伝子変異体とは、配列同定番号NO:1 、配列同定番号NO:3、配列同定番号NO:4、配列同定番号NO:5、配列同定番号NO:6 、配列同定番号NO:8、配列同定番号NO:11、配列同定番号NO:14、配列同定番号NO :15及び/又は配列同定番号NO:16を含む遺伝子と、そのゲノム中で基本的に同じ 一つの遺伝子座(又は複数の遺伝子座)にある遺伝子であるが、しかし例えば突 然変異によって引き起こされた天然の変化又は組換えが原因で、類似はしている が同一でない配列を有するものである。対立遺伝子変異体は、典型的には、それ らが比較される遺伝子のコードするたんぱく質の活性に類似の活性を有するたん ぱ く質をコードしていることが多い。さらに対立遺伝子変異体には、その遺伝子の 5‘又は3’の非翻訳領域に(例えば調節制御領域に)変更が含まれている場合 もある。対立遺伝子変異体は当業者に公知であり、ネコのゲノムは二倍体である ために、ある任意の一匹のネコに、及び/又は、二匹以上のネコの一集団中に、 見られると予測される。本発明はさらに、例えば、しかしこれに限らないが、ポ リメラーゼ連鎖反応による増幅中に生じた変異体など、研究室での操作が原因で 生じた変異体も含む。 本発明のあるFcεRαたんぱく質相同体の最小の大きさは、対応する天然たん ぱく質をコードする核酸分子の相補配列と安定的なハイブリッドを形成すること のできる(即ち緊縮ハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする)核酸 分子によりコードされるのに充分な大きさである。従って、このようなたんぱく 質相同体をコードする核酸分子の大きさは、その核酸分子と、相補配列との間に ある核酸組成及びパーセント・ホモロジーに依存する。安定的なハイブリッドを 形成するのに必要なホモロジーの程度は、その相同配列が、核酸分子全体に散ら ばっているか、又は核酸分子の決まった領域にかたまっている(即ち局在してい る)かに応じて異なっていることがあることにも留意されたい。このような核酸 分子の最小の大きさは、典型的には、その核酸分子がGCリッチであれば少なく とも約12から約15ヌクレオチド長であり、それらがATリッチであれば少な くとも約15から約17塩基長である。従って、本発明のネコFcεRαたんぱく 質相同体をコードするのに用いられる核酸分子の最小の大きさは、約12から約 18ヌクレオチド長である。このように、本発明のネコFcεRαたんぱく質相同 体の最小の大きさは約4から約6アミノ酸長である。このような核酸分子の最大 の大きさには実際的な制限を除いて限界はないが、それはなぜなら、当該核酸分 子には、ある一つの遺伝子の一部、ある遺伝子全体、複数の遺伝子、又はそれら の一部が含まれていてもよいからである。本発明の核酸分子のコードするたんぱ く質の好適な大きさは、このようなたんぱく質の完全長、融合、多価、又は官能 性部分のいずれが所望であるかに依存する。好ましくは、本発明の核酸分子によ りコードされるたんぱく質の好適な大きさは、そのたんぱく質のうちでIgEに 結合する部分が、約30アミノ酸、より好ましくは約35アミノ酸、そしてさら により好ましくは約44アミノ酸長であるとよい。 ここで用いられる場合のネコとは、家ネコ、野生のネコ及び動物園のネコを含 む、あらゆるネコ科の仲間を言う。本発明のネコFcεRαたんぱく質を単離する ネコの例には、(天然たんぱく質の単離、又は組換え又は合成技術によるこのた んぱく質の生成を含め)しかしこれらに限らず、家ネコ、ライオン、トラ、ヒョ ウ、パンサー、クーガー、ボブキャット、オオヤマネコ、ジャガー、チータ、及 びサーバルが含まれるが、家ネコがより好ましく、Felis domesticusネコがさら により好ましい。 本発明のネコFcεRαたんぱく質を単離するのに適したネコ細胞には、FcεRα たんぱく質を有する細胞が含まれる。本発明のネコFcεRαたんぱく質を得るの に好適なネコ細胞には、好塩基球、マスト細胞、肥満細胞腫、樹状細胞、Bリン パ球、マクロファージ、好酸球及び/又は単核細胞が含まれる。本発明のネコFcε Rαは好ましくは肥満細胞腫、マスト細胞又は好塩基球から得られるとよい。 本発明はさらに、本発明のネコFcεRαたんぱく質のミメトープを含む。ここ で用いられる場合の本発明のネコFcεRαたんぱく質のミメトープとは、このよ うなネコFcεRαたんぱく質の活性を模倣することのできる(例えば、IgEに 結合できること)あらゆる化合物を言い、この能力は、そのミメトープがネコFcε Rαたんぱく質を模倣した構造を有することが理由であることが多い。しかし ながら、ミメトープが機能的にネコFcεRαたんぱく質を模倣する以上、そのミ メトープは必ずしもこのたんぱく質に類似の構造を有していなくてもよい。ミメ トープは、分解に対するそれらの感受性が減じられるように修飾が加えられたペ プチド、抗イディオタイプ及び/又は触媒抗体、あるいはそのフラグメント、単 離されたたんぱく質の非たんぱく様免疫原性部分(例えば炭水化物構造)、核酸 を含む合成又は天然の有機又は無機分子、及び/又はその他のペプチド擬態化合 物であってもよいが、これらに限定されるものではない。本発明のミメトープは 、本発明のネコFcεRαたんぱく質の構造をコンピュータで作成したものを用い てデザインされてもよい。更にミメトープは、オリゴヌクレオチド、ペプチド又 はその他の有機分子などの分子の無作為の試料を作成し、このような試料を対応 する結合対(例えばネコIgE Fcドメイン又は抗ネコFcεRα抗体)を用いたア フィニティ・クロマトグラフィ技術によりふるい分けすることにより得られても よい。またミメトープを、例えば合理的なドラッグデザインにより得てもよい。 合理的なドラッグデザインの手法におい ては、本発明に基づくある化合物の三次元構造を、例えば核磁気共鳴法(NMR )又はx線クリスタログラフィにより分析することができる。こうしてこの三次 元構造を用い、例えばコンピュータモデリングを行えば、ミメトープと考えられ る物質の構造を予測することができる。こうして予測されたミメトープの構造を 、例えば化学合成、組換えDNA技術や、又はミメトープを天然源から分離する などして、作成することが可能である。ネコFcεRαミメトープの具体的な例に は、抗イディオタイプ抗体、Selex技術を用いて生成されるオリゴヌクレオチド 、ペプチドライブラリを無作為にスクリーニングして同定されるペプチド、及び 、ファージ展示技術を用いて同定されるたんぱく質がある。好適なミメトープは 、本発明のネコFcεRαたんぱく質に、特にこのネコFcεRαたんぱく質のIgE Fcドメイン結合部位に構造上及び/又は機能上類似のペプチド擬態化合物であ る。ここで用いられる場合に限り、ある抗体のFcドメインとは、Fcレセプタ結合 エフェクタ機能を有する免疫グロブリン部分を言う。典型的には、ある一つのI gEのFcドメインは重鎖恒常領域のCH2及びCH3ドメインを含む。 本発明によると、本発明のネコFcεRα分子とは、ネコFcεRαたんぱく質、特 に可溶性のネコFcεRαたんぱく質、ネコFcεRα相同体、ネコFcεRαミメトー プ、ネコFcεRα基質類似体、又はネコFcεRαペプチドを言う。好ましくは、ネ コFcεRα分子はIgEに結合するとよい。 本発明のネコFcεRαたんぱく質の一実施例は、一つ又はそれ以上の融合部分 に結合させたネコFcεRαたんぱく質含有ドメインを含んだ融合たんぱく質であ る。本発明に用いるのに適した融合部分には、たんぱく質の安定性を高める、ネ コFcεRαたんぱく質に対する免疫反応を高める免疫強化物質として働く、及び /又は、ネコFcεRαたんぱく質の(例えばアフィニティ・クロマトグラフィに よる)精製の助けとなる、ことのできる部分が含まれるが、その働きはこれらに 限定されない。適した融合部分は所望の働き(例えば安定性を高める、たんぱく 質の免疫原性を高める、及び/又は、たんぱく質の精製を容易にする、など)を 有するいかなる大きさのドメインでもよい。融合部分は当該たんぱく質のネコFcε Rα含有ドメインのアミノ末端及び/又はカルボキシル末端に結合させてもよ く、あるいは、ネコFcεRαたんぱく質が簡単に回収できるように開裂し易くし てもよい。融合たんぱく質 は、好ましくは、この融合部分をネコFcεRα含有ドメインのカルボキシル末端 及び/又はアミノ末端のいずれかに結合させた状態で含む、あるたんぱく質をコ ードする融合核酸分子で形質転換させた組換え細胞を培養することで生成される とよい。好適な融合部分には、金属結合ドメイン(例えばポリヒスチジン部分) 、免疫グロブリン結合ドメイン(例えばプロテインA、プロテインG、T細胞、 B細胞、Fcレセプタ、又は補体系たんぱくの抗体結合ドメインなど)、糖結合ド メイン(例えばマルトース結合ドメイン)、「タグ」ドメイン(例えばβ−ガラ クトシダーゼの少なくとも一部分、strepタグペプチド、その他、モノクローナ ル抗体など、そのドメインに結合する化合物を用いて精製の可能なドメイン、な ど)、及び/又はリンカー及び酵素ドメイン(例えばリンカーによりネコFcεR αたんぱく質に接続されたアルカリホスファターゼドメイン)、が含まれる。よ り好適な融合部分には、ポリヒスチジン部分などの金属結合ドメイン、マルトー ス結合ドメイン、フロリダ州タンパのBiometra社から入手可能なものなどのstre pタグペプチド、及びファージT7 S10ペプチドが含まれる。 本発明の好適なネコFcεRαたんぱく質は、以下の核酸分子のうちの少なくと も一つと緊縮ハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする核酸分子によ りコードされるものである。即ち、nfel Fcε1069、nfel Fcε789、nfel Fcε714、nfel Fcε597及びnfel Fcε522である。好ましくは、このネ コFcεRαたんぱく質がIgEに結合するものであるとよい。更に好適な単離さ れたたんぱく質は、配列同定番号NO:3、配列同定番号NO:5、配列同定番号NO:8、 配列同定番号NO:15及び配列同定番号NO:16の核酸配列を有する核酸分子に緊縮ハ イブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする核酸分子によりコードされる ものである。 配列同定番号NO:1を翻訳すると、核酸分子nfel Fcε1069は、開始(スター ト)コドンが配列同定番号NO:1の約ヌクレオチド65番から約ヌクレオチド67 番にあり、停止(ストップ)コドンが配列同定番号NO:1の約ヌクレオチド854 番から約856番にある開放読み取り枠を想定したときに、配列同定番号NO:2で 表される、ここでPfel Fcε263と呼ばれる約263個のアミノ酸から成る完 全長ネコたんぱく質をコードしていることが分かる。Pfel Fcε263をコード するコドン領 域は核酸分子nfel Fcε789で表され、この分子は核酸配列が配列同定番号NO: 4で表されるコドン鎖と、核酸配列が配列同定番号NO:5で表される相補鎖とを有 している。配列同定番号NO:2を分析すると、約アミノ酸1番から約アミノ酸25 番のアミノ酸に渡ってコードされたシグナルペプチドが存在することが示される 。ここでPfel Fcε238と表される提案される成熟たんぱく質は、ここで配列 同定番号NO:7で表される約238個のアミノ酸を含有する。Pfel Fcε238は 、核酸配列が配列同定番号NO:6で表されるコドン鎖と、核酸配列が配列同定番号 NO:8で表される相補鎖とを有する核酸分子nfel Fcε714によりコードされる 。Pfel Fcε238のアミノ酸配列(即ち配列同定番号NO:7)から、Pfel FcεR α238の推定分子量が約30.2kDであり、推定pIが約9.51であること が予測される。 配列同定番号NO:2のアミノ酸配列(即ちPfel Fcε263のアミノ酸配列)をG enBankTMに報告されているアミノ酸配列と比較すると、配列同定番号NO:2はその 最大のホモロジー、即ち約54%の同一性、を、Homo SapiensのFcイプシロンレ セプタアルファ鎖たんぱく質(GenBank受け入れ番号J03605)との間に有してい ることが分かる。 本発明においてより好適なネコFcεRαたんぱく質には、配列同定番号NO:2、 配列同定番号NO:7、配列同定番号NO:12、及び/又は配列同定番号NO:13のアミノ 酸配列に対して少なくとも約60%、好ましくは少なくとも約65%、より好ま しくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約75%、より好ましく は少なくとも約80%、そしてさらにより好ましくは少なくとも約85%同一で あるアミノ酸配列を含むたんぱく質が含まれる。 本発明においてより好適なネコFcεRαたんぱく質には、nfel Fcε1069、n fel Fcε789、nfel Fcε714、nfel Fcε597及びnfel Fcε522の少 なくとも一部分を含む核酸分子、又はこのような核酸分子の対立遺伝子変異体の 少なくとも一部分を含む核酸分子によりコードされるたんぱく質であって、ただ しこの部分がIgEに結合できるものである、たんぱく質が含まれる。より好適 なのは、nfel Fcε1069、nfel Fcε789、nfel Fcε714、nfel Fcε597 及びnfel Fcε522により、又はこのような核酸分子の対立遺伝子変異体に よりコードされるネコFcεRαたんぱく質である。特に好適なネコFcεRαたんぱ く質はPfel Fcε238、Pfel Fcε263、Pfel Fcε199及びPfel Fcε174である。 ある一つの実施例では、本発明の好適なネコFcεRαたんぱく質は、配列同定 番号NO:1、配列同定番号NO:4、配列同定番号NO:6、配列同定番号NO:11及び/又 は配列同定番号NO:14の少なくとも一部分によりコードされ、従って配列同定番 号NO:2、配列同定番号NO:7、配列同定番号NO:12及び/又は配列同定番号NO:13の 少なくとも一部分を含むアミノ酸配列を有するものである。 さらに、配列同定番号NO:1、配列同定番号NO:4、配列同定番号NO:6、配列同定 番号NO:11及び/又は配列同定番号NO:14の少なくとも一部分を含む核酸分子の対 立遺伝子変異体によりコードされるネコFcεRαたんぱく質も好適である。本発 明で特に好適なネコFcεRαたんぱく質には、配列同定番号NO:2、配列同定番号N O:7、配列同定番号NO:12及び配列同定番号NO:13(このような配列から成るたん ぱく質、融合たんぱく質及び多価たんぱく質を含め、しかしこれらに限らず)や 、配列同定番号NO:2、配列同定番号NO:7、配列同定番号NO:12及び/又は配列同 定番号NO:13をコードする核酸分子の対立遺伝子変異体によりコードされるたん ぱく質が含まれる。 本発明の別の実施例では、ネコFcεRα遺伝子と緊縮ハイブリダイゼーション 条件下でハイブリダイズする単離された核酸分子である。このような遺伝子を同 定する特徴は前述されている。本発明の核酸分子には、単離された天然のネコFcε Rα遺伝子又はその相同体を含めることができるが、後者については以下に詳 述することとする。本発明の核酸分子には一つ又はそれ以上の調節領域、完全長 又は部分的コドン領域、又はこれらの組合せが含まれていてもよい。本発明の核 酸分子の最小の大きさは、ネコFcεRα遺伝子と緊縮ハイブリダイゼーション条 件下で安定的なハイブリッドを形成することのできる最小の大きさである。 本発明に基づくと、単離された核酸分子は、その天然ミリューから取り出され た(即ち人為的操作を受けた)核酸分子であり、DNA、RNA、あるいはDN A又はRNAのいずれかの誘導体をこれに含めることができる。従って「単離さ れた」という術語は、必ずしもその核酸分子が精製された程度を反映するもので はない。本発明に基づく単離されたネコFcεRα核酸分子はその天然源から単離 されても、組換えDNA技術(例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅法、 クローニング) を用いて生成されても、又は化学合成により生成されてもよい。単離されたネコ FcεRα核酸分子には、例えば、天然の対立遺伝子変異体や、ヌクレオチドの挿 入、削除、置換、及び/又は反転を行なうことで改変された核酸分子を含めるこ とができるが、ただしこの改変は、本発明のネコFcεRαたんぱく質をコードす る能力又は緊縮条件下で天然遺伝子単離体と安定したハイブリッドを形成すると いったその核酸分子の能力に大きく干渉しないような態様で行なわれるものであ る。 ネコFcεRα核酸分子相同体は、当業者に公知の数多くの方法を用いて作成が 可能である(例えば、上述したSambrook et al.の文献を参照されたい)。例え ば、核酸分子には、伝統的な変異誘発及び組換えDNA技術(例えば位置指定突 然変異誘発、化学処理、制限酵素による切断、核酸断片の結紮及び/又はPCR 増幅法)、オリゴヌクレオチド混合物を合成してから混合群を結紮して核酸分子 及びその組合せの混合物を「構築する」という技術を含め、しかしこれらに限ら ず、様々な技術を用いて改変が可能である。核酸分子相同体は、ネコFcεRα遺 伝子とのハイブリダイゼーションや、その核酸分子によりコードされるたんぱく 質の機能(例えば、あるネコFcεRαたんぱく質がIgEに結合する能力)をス クリーニングすることにより、選別が可能である。 本発明の単離された核酸分子には、本発明の少なくとも一つのネコFcεRαた んぱく質をコードする核酸配列が含まれていてよく、このようなたんぱく質の例 はここで開示されている。「核酸分子」という文言は主に物理的核酸分子を言い 、「核酸配列」という文言は主にその核酸分子上のヌクレオチドの配列を言うが 、この二つの文言は互換可能に用いられている場合もあり、特にあるネコFcεR αたんぱく質をコードすることのできる核酸分子、又は核酸配列に関してはそう である。 本発明の一実施例は、核酸分子nfel Fcε1069と、好ましくは配列同定番号 NO:1及び/又は配列同定番号NO:3の核酸配列を有する核酸分子と緊縮ハイブリダ イゼーション条件下でハイブリダイズするネコFcεRα核酸分子である。 配列同定番号NO:1の核酸配列(即ちnfel Fcε1069のコドン鎖の核酸配列) をGenBankに報告されている核酸配列と比較すると、配列同定番号NO:1はその最 大のホモロジー、即ち約77%の同一性、を、イヌFcイプシロンレセプタアルフ ァ鎖遺伝子との間に有していることが分かる。 好適なネコFcεRα核酸分子には、配列同定番号NO:1、配列同定番号NO:3、配 列同定番号NO:4、配列同定番号NO:5、配列同定番号NO:6、配列同定番号NO:8、配 列同定番号NO:11、配列同定番号NO:14、配列同定番号NO:15及び/又は配列同定 番号NO:16の核酸配列に対して少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約8 5%、より好ましくは少なくとも約90%、そしてさらにより好ましくは少なく とも約95%同一である核酸配列を有する核酸分子が含まれる。 本発明において別の好適な核酸分子は、本発明のネコFcεRα遺伝子にハイブ リダイズすることのできる、配列同定番号NO:1、配列同定番号NO:3、配列同定番 号NO:4、配列同定番号NO:5、配列同定番号NO:6、配列同定番号NO:8、配列同定番 号NO:11、配列同定番号NO:14、配列同定番号NO:15及び/又は配列同定番号NO:16 の核酸配列や、その対立遺伝子変異体の少なくとも一部分が含まれる。より好適 な核酸分子には、配列同定番号NO:1、配列同定番号NO:3、配列同定番号NO:4、配 列同定番号NO:5、配列同定番号NO:6、配列同定番号NO:8、配列同定番号NO:11、 配列同定番号NO:14、配列同定番号NO:15及び/又は配列同定番号NO:16の核酸配 列や、このような核酸分子の対立遺伝子変異体が含まれる。このような核酸分子 には、前記の配列同定番号に含まれたものに加え、例えば、しかしこれらに限ら ず、完全長遺伝子、完全長コドン領域、融合たんぱく質をコードする核酸分子、 又は多価防御化合物をコードする核酸分子などのヌクレオチドが含まれていても よい。特に好適な核酸分子には、nfel Fcε1069、nfel Fcε789、nfel Fcε714、nfel Fcε597及びnfel Fcε522が含まれる。 本発明には、さらに、配列同定番号NO:2、配列同定番号NO:7、配列同定番号NO :12及び配列同定番号NO:13の少なくとも一部分を有するたんぱく質をコードする 核酸分子が、このような核酸分子を発言させようとする細胞のコドン使用頻度に 合うように改変された核酸分子も含め、含まれる。 本発明の特定のネコFcεRα核酸分子の核酸配列を知ることで、当業者であれ ば、例えば(a)これらの核酸分子のコピーを作成する、(b)このような核酸 分子の少なくとも一部分を含む核酸分子(例えば完全長遺伝子、完全長コドン領 域、調節制御配列、切端されたコドン領域を含む核酸分子)を得る、及び(c) その他のネコからネコFcεRα核酸分子を得る、ことができる。このような核酸 分子は様々な 方法で得ることができ、その方法の中には、適当な発現ライブラリを本発明の抗 体でスクリーニングする方法、本発明のオリゴヌクレオチド・プローブを用いて 適当なライブラリ又はDNAをスクリーニングする伝統的なクローニング技術、 及び、本発明のオリゴヌクレオチド・プライマを用いて、適当なライブラリ又は DNAをPCR増幅する方法、がある。核酸分子をスクリーニングしたり、又は 核酸分子を増幅するのに好適なライブラリには、ネコ好塩基球、マスト細胞、肥 満細胞腫細胞、樹状細胞、Bリンパ球、マクロファージ、好酸球、及び/又は単 核細胞cDNAライブラリや、ゲノムDNAライブラリが含まれる。同様に、核 酸分子をスクリーニングしたり、又は核酸分子を増幅するのに好適なDNA源に は、ネコ好塩基球、マスト細胞、肥満細胞腫細胞、樹状細胞、Bリンパ球、マク ロファージ、好酸球、及び/又は単核細胞cDNA及びゲノムDNAが含まれる 。遺伝子をクローンする技術及び増幅する技術は例えば上述したSambrook et al .に開示されている。 本発明には、さらに、ネコFcεRα遺伝子又はその他のネコFcεRα核酸分子を 含むものなど、その他の、好ましくはより長い、本発明の核酸分子の相補領域に 緊縮ハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることのできるオリゴヌ クレオチドである核酸分子が含まれる。本発明のオリゴヌクレオチドは、RNA でも、DNAでも、又はいずれかの誘導体であってもよい。このようなオリゴヌ クレオチドの最小の大きさは、あるオリゴヌクレオチドと、本発明の一核酸分子 上にある相補配列との間で、安定したハイブリッドが形成されるのに必要な大き さである。最小の大きさの特徴はここに開示されている。本発明には、例えば核 酸分子を同定するプローブとして、核酸分子を生成するプライマとして、又は、 ネコFcεRαたんぱく質の産生又は活性を阻害する治療用試薬(例えばアンチセ ンス−、三重形成−、リボザイム、及び/又はRNA薬−を基にした試薬)とし て利用の可能なオリゴヌクレオチドが含まれる。さらに本発明には、このような 技術の一つ又はそれ以上を用いた、疾患から動物を防御する際のこのようなオリ ゴヌクレオチドの利用が含まれる。適切なオリゴヌクレオチド含有治療用組成は 、当業者に公知の技術を用いて動物への投与が可能である。 本発明の一実施例には組換えベクタがあるが、この組換えベクタには本発明の 単離された核酸分子が少なくとも一つ含まれ、この分子は、ホスト細胞へ当該核 酸分 子を送達可能な何らかのベクタに挿入される。このようなベクタは異種の核酸配 列、即ち、天然では本発明の核酸分子に隣接して見られることのない、好ましく は当該核酸分子が由来とする種とは異なる種を由来とする核酸配列、を含んでい る。ベクタはRNAでもDNAでも、また原核性でも真核性でもよいが、典型的 にはウィルス又はプラスミドである。本発明のネコFcεRα核酸分子のクローニ ング、塩基配列決定、及び/又は操作に、組換えベクタを用いることができる。 ここで組換え分子と呼ばれる、組換えベクタの一種類は、発現ベクタに有効に 連結された本発明の核酸分子を含む。有効に連結されたという文言は、ある核酸 分子を発現ベクタに挿入することを言うが、その際にその分子が、ホスト細胞内 に形質転換されたときに発現可能であるように挿入されることを言う。ここで用 いられる場合の発現ベクタは、ホスト細胞を形質転換可能であると共に特定の核 酸分子の発現を行なわせることができるDNAベクタ又はRNAベクタである。 好ましくは、発現ベクタがさらにホスト細胞内で複製可能であるとよい。発現ベ クタは原核性又は真核性のいずれでもよく、また典型的にはウィルス又はプラス ミドである。本発明の発現ベクタには、バクテリア、真菌、内部寄生生物、昆虫 、その他の動物、及び植物の細胞を含む、本発明の組換え細胞内で機能する(即 ち遺伝子発現を命令する)あらゆるベクタが含まれる。好適な本発明の発現ベク タは、バクテリア、酵母、昆虫及びほ乳類の細胞内、そしてより好ましくはここ で開示した細胞種内で遺伝子発現を命令できるものである。 具体的には、本発明の発現ベクタは、組換え細胞と適合性があると共にまた本 発明の核酸分子の発現を制御するような、例えば転写制御配列、翻訳制御配列、 複製開始点、及びその他の調節配列などの調節配列を含有する。特に、本発明の 組換え分子は転写制御配列を含む。転写制御配列とは、転写の開始、伸長、及び 終了を制御する配列である。特に重要な転写制御配列は、例えばプロモータ、エ ンハンサ、オペレータ及びリプレッサ配列など、転写の開始を制御するものであ る。適した転写制御配列には、本発明の組換え細胞の少なくとも一つの中で機能 することのできるあらゆる転写制御配列が含まれる。このような転写制御配列は 様々なものが当業者に公知である。好適な転写制御配列には、バクテリア、酵母 、昆虫及びほ乳類の細胞中で機能するもの、例えば、しかしこれらに限らず、ta c、lac、trp、trc、oxy-pro、 omp/lpp、rrnB、バクテリオファージラムダ(例えばラムダpL及びラムダpRや 、このようなプロモータを含む融合株)、バクテリオファージT7、T7lac、バク テリオファージT3、バクテリオファージSP6、バクテリオファージSPO1、メタロ チオネイン、アルファ接合因子、ピチアアルコールオキシダーゼ、アルファウィ ルスサブゲノムプロモータ(例えばSindbisウィルスサブゲノムプロモータ)、 抗生物質耐性遺伝子、バキュロウィルス、Heliothis zea昆虫ウィルス、ワクシ ニアウィルス、ヘルペスウィルス、アライグマポックスウィルス、その他のポッ クスウィルス、アデノウィルス、サイトメガロウィルス(例えば中間初期プロモ ータ)、シミアンウィルス40、レトロウィルス、アクチン、レトロウィルスの 長い末端繰返し配列、ラウス肉腫ウィルス、熱ショック、リン酸及び硝酸塩の転 写制御配列や、原核又は真核細胞で遺伝子発現を制御可能なその他の配列がこれ に含まれる。その他の適した転写制御配列には、組織特異的プロモータ及びエン ハンサや、リンフォカイン誘導プロモータ(例えばインターフェロン又はインタ ーロイキンにより誘導可能なプロモータなど)が含まれる。本発明の転写制御配 列にはさらに、ネコに天然の関係のある天然発生型の転写制御配列を含めること ができる。 本発明の組換えベクタに含めるのに適したかつ好適な核酸分子はここに開示さ れた通りである。組換えベクタ、特に組換え分子に含めるのに特に好適な核酸分 子には、nfel Fcε1069、nfel Fcε789、nfel Fcε714、nfel Fcε597 及びnfel Fcε522が含まれる。本発明において特に好適な組換え分子には 、pVL-nfel Fcε597が含まれるが、この生成法は実施例の項で説明すること とする。 本発明の組換え分子は、さらに、(a)発現された本発明のネコFcεRαたん ぱく質が、このたんぱく質を産生する細胞から分泌可能であるようにする分泌シ グナル(即ち、シグナル部分の核酸配列)を含んでいても、及び/又は(b)融 合たんぱく質として本発明の核酸分子を発現させる融合配列を含んでいてもよい 。適したシグナル部分の例には、本発明のある一つのたんぱく質の分泌を命令す ることのできるあらゆるシグナル部分が含まれる。好適なシグナル部分には、組 織プラスミノゲンアクチベータ(t-PA)、インターフェロン、インターロイキン 、成長ホルモン、組織適合性及びウィルス膜糖たんぱくのシグナル部分や、天然 のシグナル部分があるが、これらに限らない。融合部分の核酸にコードさせるの に適した融合部分はこ こに開示されている。加えて、本発明の核酸分子を、ユビキチン融合部分など、 コードされたたんぱく質に生体沈殿を命令する融合部分に接合してもよい。組換 え分子にはさらに、介在及び/又は翻訳されない配列が本発明の核酸分子の核酸 配列の周囲及び/又は内側に含まれていてもよい。 本発明のもう一つの実施例には、本発明による一つ又はそれ以上の組換え分子 で形質転換させたホスト細胞を含む組換え細胞がある。細胞内への核酸分子の形 質転換は、細胞内に核酸分子を挿入可能なあらゆる方法によっても達成が可能で ある。形質転換技術には、トランスフェクション、電気穿孔法、顕微注入法、リ ポフェクション、吸着法、及びプロトプラスト融合法があるが、これらに限定さ れるものではない。組換え細胞は単細胞のままでも、又は、組織、臓器又は多細 胞の有機体に成長させてもよい。本発明による形質転換させた核酸分子は染色体 外のままでも、又はそれらの発現能力が維持されるような態様で、形質転換させ た(即ち組換え)細胞の染色体の一つ又はそれ以上の部位に組み込まれてもよい 。細胞を形質転換させるのに好適な核酸分子には、ここで開示されたネコFcεR α核酸分子が含まれる。細胞を形質転換させるのに特に好適な核酸分子には、nf el Fcε1069、nfel Fcε789、nfel Fcε714、nfel Fcε597及びnfe l Fcε522が含まれる。 形質転換させるのに適したホスト細胞には、本発明の核酸分子で形質転換の可 能なあらゆる細胞が含まれる。ホスト細胞は、形質転換されていない細胞でも、 又は少なくとも一つの核酸分子(例えば本発明の一つ又はそれ以上のたんぱく質 、及び/又は多価ワクチンを生成するのに有用なその他のたんぱく質、をコード する核酸分子)で既に形質転換されている細胞でもよい。本発明に基づくホスト 細胞は、本発明のネコFcεRαたんぱく質を内生的(即ち天然で)産生できるも のでも、又は、少なくとも一つの本発明による核酸分子で形質転換させた後にこ のようなたんぱく質を産生できるようになったもの、のいずれでもよい。本発明 に基づくホスト細胞は本発明の少なくとも一つのたんぱく質を産生できればいか なる細胞でもよく、バクテリア、(酵母を含む)真菌、その他の昆虫、その他の 動物及び植物の細胞がこれに含まれる。適したホスト細胞には、バクテリア、マ イコバクテリア、酵母、寄生生物、昆虫及びほ乳類の細胞が含まれる。より好適 なホスト細胞には、Salmonella,Escherichia,Bacillus,Listeria,Saccharom yces,Spodoptera, Mycobacteria,Trichoplusia,BHK(ベビー・ハムスター腎臓)細胞、MDCK細胞(イ ヌヘルペスウィルス培養用の正常イヌ腎臓細胞株)、CRFK細胞(ネコヘルペスウ ィルス培養用の正常ネコ腎臓細胞株)、CV-1細胞(例えばアライグマポックスウ ィルスを培養するためなどに用いられるアフリカザル腎臓細胞株)、COS(例え ばCOS-7)細胞、及びベロ細胞が含まれる。特に好適なホスト細胞はE.coliK-12 誘導体を含むEscherichia coli、UK-1x3987及びSR-11x4072などの弱毒化株を含 むSalmonella typhi;Salmonella typhimurium、Spodoptera frugiperda、Tri choplusia ni、BHK細胞、MDCK細胞、CRFK細胞、CV-1細胞、COS細胞、ベロ細胞、 及び、非腫瘍原性のマウス筋原G8細胞(例えばATCC CRL1246)である。その他の 適切なほ乳類細胞ホストには、その他の腎細胞株、その他の線維芽細胞株(例え ばヒト、マウス又はニワトリの胚性線維芽細胞株)、骨髄腫細胞系、チャイニー ズ・ハムスター卵巣細胞、マウスNIH/3T3細胞、LMTK31細胞及び/又はHeLa細胞 が含まれる。ある一つの実施例では、当該たんぱく質を、免疫グロブリンプロモ ータを用いることにより骨髄腫細胞系で異種たんぱく質として発現させてもよい 。 組換え細胞は、一つ又はそれ以上の転写制御配列を含有する発現ベクタに有効 に連結された本発明の一つ又はそれ以上の核酸分子をそれぞれが含んだ一つ又は それ以上の組換え分子でホスト細胞を形質転換させることにより作成されること が好ましい。有効に連結されたという文言は、ある核酸分子をホスト細胞内に形 質転換させたときにその分子が発現可能であるような態様で、その分子を発現ベ クタに挿入することを言う。 本発明の組換え分子は、上に説明された核酸分子のうちの少なくとも一つを含 むことのできる分子であって、形質転換しようとする細胞内で前記核酸分子の発 現を効果的に調節することのできる少なくとも一つの何らかの転写制御配列に有 効に連結されたものであるが、その例はここで開示されている。特に好適な組換 え分子にはpVL-nfelFcεRα597が含まれる。 本発明の組換え細胞には、本発明のあらゆる核酸分子のうちの少なくとも一つ で形質転換させたあらゆる細胞が含まれる。細胞を形質転換させるのに適したか つ好適な核酸分子や、適したかつ好適な組換え分子はここに開示されている。特 に好適 な組換え細胞には、S.frugiperda:pVL-nfelFcεRα597が含まれる。この組換え 細胞の作成に関する詳細はここに開示されている。 組換えDNA技術を用い、例えば、ホスト細胞内での核酸分子のコピー数を操 作する、それらの核酸分子が転写される効率を操作する、その結果得られる転写 物が翻訳される効率を操作する、そして翻訳後修飾の効率を操作するなどすれば 、形質転換させた核酸分子の発現を向上させることができる。本発明の核酸分子 の発現を向上させるのに有用な組換え技術には、高コピー数のプラスミドに核酸 分子を有効に連結する、当該核酸分子を、ホスト細胞内の一つ又はそれ以上の染 色体に組み込む、ベクタ安定性配列をプラスミドに添加する、転写制御配列(例 えばプロモータ、オペレータ、エンハンサ)の置換又は修飾、翻訳制御シグナル (例えばリボソーム結合部位、シャイン・ダルガルノ配列)の置換又は修飾、ホ スト細胞のコドン使用頻度に対応するように本発明の核酸分子を改変する、転写 物を不安定にする配列を削除する、そして発酵中に組換え酵素産生から組換え細 胞の成長を一時的に切り離す制御シグナルを利用する、などがあるが、これらに 限定されるものではない。発現された本発明の組換えたんぱく質の活性は、この ようなたんぱく質をコードする核酸分子を断片化する、修飾する、又は誘導する ことで高められてもよい。 単離された本発明のネコFcεRαたんぱく質は、天然たんぱく質の生成及び回 収、組換えたんぱく質の生成及び回収、及び、たんぱく質の化学合成を含む様々 な方法で生成が可能である。ある一つの実施例としては、単離された本発明のた んぱく質は、当該たんぱく質を発現可能な細胞を、このたんぱく質の産生にとっ て効果的な条件下で培養し、このたんぱく質を回収することにより、生成される 。培養に好適な細胞は本発明による組換え細胞である。効果的な培養条件には、 たんぱく質産生の可能な効果的な培地、バイオリアクタ、温度、pH及び酸素条 件があるが、これらに限らない。効果的な培地とは、本発明のネコFcεRαたん ぱく質を生成させるべく細胞が培養されるあらゆる培地を言う。このような培地 は典型的には、同化可能な炭素、窒素及びリン酸源を有する水性培地と、適した 塩、ミネラル、金属及びその他ビタミンなどの栄養素とを含む。本発明の細胞は 従来の発酵バイオリアクタ、震盪フラスコ、試験管、マイクロタイタ・ディッシ ュ、及びペトリ皿で培養してよい。培養は、組換え細胞にとって適した温度、p H、及び酸素含有量で行なってよ い。このような培養条件は当業者の知見の範囲内である。適した条件の例は実施 例の項に含まれている。 生成に用いたベクタ及びホスト系に応じて、その結果得られる本発明のたんぱ く質は組換え細胞内に留められたままでも、発酵培地に分泌されても、E.coliの ペリプラスム間隙などの二つの細胞膜間の間隙に分泌されても、又は細胞又はウ ィルス膜の外表面上に保持されてもよい。「たんぱく質を回収する」という文言 や同様の文言は、当該たんぱく質を含有する発酵培地全体を回収することを言い 、必ずしも分離又は精製のための更なるステップを意味するものではない。本発 明のたんぱく質は、例えば、しかしこれらに限らず、アフィニティ・クロマトグ ラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、濾過、電気泳動法、疎水性相互作用クロ マトグラフィ、ゲル濾過クロマトグラフィ、逆相クロマトグラフィ、コンカナバ リンAクロマトグラフィ、クロマトフォーカシング及び吸収率較差法など、様々 な標準的たんぱく質精製技術を用いれば精製が可能である。本発明のたんぱく質 は、好ましくは、「概ね純粋な形で」取り出されるとよい。ここで用いられる場 合の「概ね純粋な」とは、当該たんぱく質を治療用組成又は診断薬として効果的 に利用できるような純度を言う。動物用の治療用組成は、例えば、大きな呈して はならない。 本発明はさらに、本発明のネコFcεRαたんぱく質又はそのミメトープに選択 的に結合する単離された(即ちその天然ミリューから取り出された)抗体(即ち 抗ネコFcεRα抗体)を含む。ここで用いられる場合のネコFcεRαたんぱく質に 「選択的に結合する」という術語は、本発明の抗体が、明示された本発明のたん ぱく質又はそのミメトープに優先的に結合できるという能力を言う。結合は、酵 素免疫検定法(例えばELISA)、免疫ブロット検定法、等々、を含む当業に おける様々な標準的方法を用いれば測定が可能であり、例えば上記のSambrook e t al.の文献を参照されたい。抗ネコFcεRα抗体は、好ましくは、ネコFcεRα たんぱく質に、このたんぱく質の活性を減じるような態様で選択的に結合すると よい。 単離された本発明の抗体には、体液(例えば、しかしこれに限らず、血清)中 の抗体、又は様々な程度に精製された抗体を含めることができる。本発明の抗体 はポリクローナルでもモノクローナルでもよい。(一本鎖の抗体や、二つ以上の エピトープに結合することのできるキメラ抗体を含む)抗体フラグメント及び遺 伝子操作 された抗体など、このような抗体の機能的等価物も本発明の包含するところであ る。 本発明の抗体を生成するのに好適な方法は、(a)動物に、本発明の一たんぱ く質、ペプチド、又はこれらのミメトープを有効量投与して抗体を生成させるス テップと、(b)同抗体を回収するステップとを含む。別の方法では、本発明の 抗体は、上に開示されたような本発明のネコFcεRαたんぱく質を生成するため の技術を用いて組換えにより生成される。規定されたたんぱく質又はミメトープ に対して生ずる抗体は有利であるが、それはなぜなら、このような抗体は、診断 的検定法で干渉を起こしたり、治療用組成として用いた場合に副作用を起こしか ねないその他の物質に対する抗体で著しく汚染されていることがないからである 。 本発明の抗体には様々な潜在的用途があるが、このような用途は本発明の範囲 の包含するところである。例えば、このような抗体を、(a)IgEの存在下又 は不在下でFcイプシロンレセプタを検出するためのツールとして、及び/又は( b)発現ライブラリをスクリーニングするツールとして、及び/又は、たんぱく 質及びその他の汚染物質の混合物から本発明の所望のたんぱく質を回収するため のツールとして、用いることができる。さらに、本発明の抗体は、ここで開示さ れたようにFcイプシロンレセプタを有する細胞に細胞毒性物質をターゲットして このような細胞を殺すためにも利用することができる。ターゲティングは、当業 者に公知の技術を用いてこのような抗体を細胞毒性物質に結合(即ち安定的に接 合)することにより達成可能である。適した細胞毒性物質は当業者に公知である 。さらに本発明の抗体は、そのFcεRα結合部分も含め、例えばIgEがFcイプ シロンレセプタに結合するのを阻害したり、抗ネコFcεRαイディオタイプ抗体 を生成したり、ネコFcεRαたんぱく質を有する細胞を精製したり、ネコFcεRα を通じた細胞間シグナル伝達を刺激したり、及び、ネコFcεRαたんぱく質を有 する細胞を同定したりするのに、用いることができる。 本発明のネコFcεRα分子には、IgEに結合するネコFcεRα分子の部分と、 第二分子とを含むキメラ分子を含めることができ、ただしこの第二分子は、この キメラ分子にこの第二分子があることで、基質に結合していないFcεRα分子と 基本的に同じ態様で前記FcεRα分子部分がIgEに結合するよう、このキメラ 分子が基質に結合することができるといったものである。適した第二分子の例に は、免疫 グロブリン分子の一部分や、適した結合対、例えばビオチンとアビジン、又は、 金属結合たんぱく質と金属(例えばHis)、又は、糖結合たんぱく質と糖(例え ばマルトース)など、を有する、基質上に固定することの可能なその他のリガン ド、が含まれる。 本発明のネコFcεRα分子は、ここでFcεRα分子製剤と呼ばれる製剤中に含 有させることができる。例えば、ネコFcεRα分子を、ネコFcεRα分子が可溶化 された緩衝液、及び/又は、担体と配合することができる。適した緩衝剤及び担 体は当業者に公知である。適した緩衝剤の例には、ネコFcεRα分子がIgEに 選択的に結合する働きを行えるあらゆる緩衝液が含まれるが、例えば、しかしこ れらに限らず、リン酸緩衝生理食塩水、水、生理食塩水、リン酸緩衝液、重炭酸 緩衝液、HEPES緩衝液(N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N‘−2−エタ ンスルホン酸緩衝生理食塩水)、TES緩衝液(Tris-EDTA緩衝生理食塩水)、Tris 緩衝液、及びTAE緩衝液(Tris酢酸−EDTA)がある。担体の例には、ポリマーマ トリックス、トキソイド、及び例えばウシ血清アルブミンなどの血清アルブミン があるが、これらに限定されるものではない。担体をネコFcεRα分子と混合し ても、又は、ネコFcεRα分子がIgEに選択的に結合できる能力に大きく干渉 しないような態様でネコFcεRα分子に結合(即ち付着)させてもよい。 本発明のネコFcεRαたんぱく質を、ネコFcεRαたんぱく質を含む細胞の表面 に結合させてもよい。好適なネコFcεRαたんぱく質保有細胞には、本発明のネ コFcεRαたんぱく質をコードする核酸分子を含む組換え細胞がある。本発明に おいてより好適な組換え細胞は、以下のたんぱく質、Pfel Fcε238及びPfel Fcε263、のうちの少なくとも一方をコードする核酸分子を含む。さらにより 好適な組換え細胞は、nfel Fcε1069、nfel Fcε789及びnfel Fcε714 を含む核酸分子を含むものであるが、配列同定番号NO:1、配列同定番号NO:4又は 配列同定番号NO:6を含む核酸配列を含む核酸分子か、又は、配列同定番号NO:1、 配列同定番号NO:4又は配列同定番号NO:6を含む核酸分子の対立遺伝子変異体を含 む核酸分子、を含む組換え細胞がさらにより好ましい。 加えて、本発明のネコFcεRα分子製剤にはネコFcεRα分子だけでなく、Ig Eを検出するのに有用な一つ又はそれ以上の別の抗原又は抗体を含めることがで き る。ここで用いられる場合の抗原とは、ある抗体が選択的に結合することのでき るあらゆる分子を言う。ここで用いられる場合の、第一の分子の第二の分子への 選択的結合とは、この第一の分子が、この第一の分子が第三の分子に結合する際 の能力に比して第二の分子に優先的に結合(例えば高親和性の高結合力を有して )できることを言う。第一の分子は必ずしも第二の分子の天然のリガンドでなく ともよい。このような抗体の例には、IgE重の恒常領域に選択的に結合する抗 体(即ち抗IgEイソタイプ抗体)又は特異抗原特異性を有するIgEに選択的 に結合する抗体(即ち抗IgEイディオタイプ抗体)があるが、これらに限られ ることはない。本発明の製剤中に使用するのに適した抗IgE抗体は、二つ又は それ以上のIgE抗体に架橋結合できないものである。好適な抗IgE抗体には 、(上記のJaneway et al.が定義した通りの)抗体のFabフラグメントが含まれ る。このような抗原の例には、IgEの産生を誘起することの知られたあらゆる 抗原が含まれる。好適な抗原にはアレルゲン及び寄生生物抗原が含まれる。本発 明のアレルゲンは、好ましくは、真菌、高木、雑草、低木、稲科植物、コムギ、 トウモロコシ、ダイズ、米、卵、牛乳、チーズ、ウシ(原語:bovines)(又は ウシ(原語:cattle))、家禽、ブタ、ネコ、ヒツジ、酵母、蚤、ハエ、蚊、ユ スリカ、ヌカカ、ブヨ、シラミ、蜂、黄蜂、アリ、ナンキンムシ及びマダニを由 来とするものであるとよい。適した蚤アレルゲンには、蚤、特に蚤の唾液抗原を 由来とするアレルゲンがある。好適な蚤アレルゲンには、蚤唾液抗原がある。好 適な蚤唾液抗原には、例えば1996年4月18日公開のフランク氏らによるP CT特許公報WO96/11271号(この公報全文を参考文献としてここに編 入することとする)に開示されたものなどの抗原があるが、蚤唾液生成物及び蚤 唾液たんぱくが特に好適である。本発明によれば、蚤唾液たんぱくには、組換え DNA法により作成されたたんぱく質や、PCT特許公報WO96/11271 号に開示のその他の方法により単離されたたんぱく質が含まれる。 好適な一般的アレルゲンには、稲科植物、ヒロハノウシノケグサ,カーリード ック(原語:Curly Dock),オオバコ、メキシカンファイアブッシュ(原語:Me xican Firebush),シロザ,アカザ、ブタクサ、セージ、ニレ、オナモミ、ネグ ンドカエデ,クルミ、ボプラ、トネリコ、カバ、セイヨウスギ、オーク、クワ、 ゴキブリ、 ヒョウヒダニ,アルテルナリア属、アスペルギルス属、クラドスポリウム属、フ ザリウム属、ヘルミントスポリウム属、ケカビ属、ペニシリウム属、Pullularia 属クモノスカビ属及び/又はTricophyton属を由来とするものが含まれる。より 好適な一般的アレルゲンには、ヒメモロコシ,ナガハグサ,ヒロハノウシノケグ サ,カモガヤ,多年生ライグラス,コヌカグサ,オオアワガエリ,ギョウギシバ ,チャヒキ,カーリードック(原語:Curly Dock),ヘラオオバコ,メキシカン ファイアブッシュ(原語:Mexican Firebush),シロザ,ラフピッグウィードシ ョートラグウィード(原語:Rough Pigweed Short Ragweed),ウォームウッド セージ(原語:Wormwood Sage),アメリカニレ,コモンコックルバー(原語:C ommon Cocklebur),ネグンドカエデ,クログルミ,イースタンコットンウッド (原語:Eastern Cottonwood),グリーンアッシュ(原語:Green Ash),フロ リダカンバ,エンピツビャクシン,アカガシワ,アカミグワ,ゴキブリ、Dermat aphagoides farinae,Alternaria alternata,Aspergillus fumigatus,Cladospor ium herbarum,Fusarium vasinfectum,Helminthosporium sativum,Mucor re cemosus,Penicillium notatum,Pullularia pullulans,Rhizopus nigricans及 び/又はTricophyton種を由来とするものが含まれる。好適な寄生生物抗原には 、蠕虫抗原、特に、例えば(ここにその全文を参考文献として編入することとす る、Grieve氏らによる1996年9月18日出願の米国特許出願第08/715 ,628号に説かれた)Di33などのイヌ糸状虫抗原が含まれるが、これに限 られるものではない。「由来とする」という術語は、このような植物又は生物の 天然アレルゲン(即ちこのような植物又は生物から直接単離されるアレルゲン) や、あるアレルゲンに対して免疫反応を誘起することのできるエピトープを少な くとも一つ持ったこのような植物又は生物の非天然アレルゲン(例えば組換えD NA技術又は化学合成により作成されるものなど)を言う。 本発明の一実施例は、(a)単離されたネコFcεRα分子を推定上のIgE含 有組成に、ネコFcεRα分子:IgE複合体が形成されるのに適した条件下で接 触させるステップと、(b)前記ネコFcεRα分子:IgE複合体を検出するこ とによりIgEの存在を検出するステップと、を含む、IgEを検出する方法で ある。このようなネコFcεRα分子:IgE複合体の存在は、その動物がIgE を産生して いることの指標となるものである。ネコFcεRα分子を用いて検出を行うのに好 適なIgEには、ネコIgE、イヌIgE、ウマIgE及びヒトIgEがあるが 、ネコIgEが特に好適である。本方法にはさらに、ネコFcεRα分子と複合体 を形成したIgEが非耐熱性であるかどうかを判定するステップを含めてもよい 。 好ましくは、非耐熱性IgEは約56℃で約3又は4時間インキュベートする ことで決定されるとよい。理論に縛られる訳ではないが、非耐熱性の型のIgE は特定のアレルゲンに結合し、耐熱成型のIgEはその他のタイプのアレルゲン に結合すると本発明者は考える。従って、耐熱性のIgEに比較して非耐熱性の IgEを検出する方法を用いれば、アレルゲン感受性を判別することができる。 例えば、特定の蚤アレルゲン及びイヌ糸状虫アレルゲンに結合するIgE抗体は 非耐熱性であるが、特定の植物アレルゲンに結合するIgE抗体は耐熱性である と本発明者は考える。従って、耐熱性のIgEが存在することは、動物が特定の 植物アレルゲンに感受性があるが特定の蚤又はイヌ糸状虫アレルゲンには感受性 がないということを示しているかも知れない。さらに、ネコFcεRαたんぱく質 を用いた非耐熱性IgE及び耐熱性IgEの同定は、公知のIgE抗体に概ね類 似の構造を持っている又は持っていないかも知れない別々のIgEの小集団が存 在することを示唆するものであると本発明者は考える。このように、本発明のネ コFcεRαたんぱく質は、ネコFcεRαたんぱく質が結合した分子でありながら、 公知のIgEとは同一ではない分子を検出する上で有用かも知れない。 ここで用いられる場合のイヌとは、家イヌ、野生のイヌ、及び、動物園のイヌ を含めたあらゆるイヌ科の仲間を言う。イヌの例には、家イヌ、野生のイヌ、キ ツネ、オオカミ、ジャッカル及びコヨーテが含まれるが、これらに限らない。こ こで用いられる場合のウマとは、ウマ、ロバ、ラバ及びシマウマを含めたあらゆ るウマ科の仲間を言う。 ここで用いられる場合の「接触させる」という術語は、この場合は推定上のI gE含有組成をネコFcεRα分子に配合又は混合することを言う。ネコFcεRα分 子とIgEとの間の複合体の形成とは、測定(即ち検出)の可能な安定した複合 体を形成すべくネコFcεRα分子がIgEに選択的に結合することができること を言う。ここで用いられる場合のIgEに選択的に結合するという術語は、本発 明のネコFc ε Rα分子がその他の抗体イソタイプには大きく結合することができない状態で IgEに優先的に結合することができることを言う。ネコFcεRα分子とIgE との間の結合は、複合体の形成にとって適した条件下で行われるが、このような 条件(例えば適した濃度、緩衝剤、温度、反応時間)や、このような条件を最適 化する方法は当業者に公知であり、その例はここで開示されている。複合体形成 条件の例はさらに、例えば上述のSambrook et al.に開示されている。 ここで用いられる場合の「複合体の形成を検出する」という術語は、何らかの 複合体が形成されていないか判断する、即ち複合体の存在(即ち存在)について 検定することを言う。複合体が形成されていれば、形成された複合体の量を調べ てもよいが、必ずしも調べなくともよい。ネコFcεRα分子と組成中の何らかの IgEとの間の複合体の形成、又は選択的結合は当業において標準的な様々な方 法(例えば上述のSambrook et alを参照されたい)を用いて測定(即ち検出、判 定)が可能であるが、その例はここに開示されている。 ある一つの実施例では、本方法の推定上のIgE含有組成には動物から採った 生体試料が含まれる。適した生体試料には体液組成又は細胞組成があるが、これ らに限定されるものではない。体液とは、動物から採取(即ち得る)することの 可能なあらゆる流体を言い、その例には、血液、血清、血漿、尿、涙液、房水、 脳脊髄液(CSF)、唾液、リンパ液、鼻分泌液、乳汁、及び糞尿が含まれるが、 これらに限らない。本発明のこのような組成を予処理して、非IgEイソタイプ の免疫グロブリン、及び/又は、体液中に存在するその他のたんぱく質、例えば アルブミンなど、の少なくともいくつかを除去してもよいが、必ずしも除去しな くともよい。このような除去には、体液を、例えばプロテインGなどの物質に接 触させてIgG抗体を取り除くこと、及び/又は、体液を例えばコンカナバリン Aなどに暴露することで体液のその他の成分からIgE抗体を親和性精製するこ と、が含まれるが、これらに限定されるものではない。別の実施例では、組成に は、採集された体液であって、その体液中に含まれた免疫グロブリンを濃縮する ように予処理されたものがある。例えば、体液中に含まれた免疫グロブリンは硫 安を用いることでその他のたんぱく質から沈殿させることができる。本方法にお いて好適な組成は血清である。 別の実施例では、本方法のIgE含有組成にはIgEを産生する細胞が含まれ る。 このような細胞は、IgEを細胞表面に結合させていたり、及び/又は、IgE を分泌するものでもよい。このような細胞の例には骨髄腫細胞がある。IgEは 細胞膜に直接結合していたり、細胞表面に結合した分子(例えば抗原)に結合す ることで、細胞表面に結合しているものでもよい。 複合体の検出は以下の検定法のうちの一つ又はそれ以上の利用を含め、しかし 、これらに限らず、様々な方法で行うことができる。即ち、酵素結合免疫検定法 、ラジオイムノアッセイ、蛍光免疫検定法、化学発光検定法、ラテラルフロー検 定法、凝集反応検定法、微粒子を基にした検定法(例えば磁気粒子又は例えばラ テックス又はポリスチレン・ビードなどのプラスチック性ポリマーなど、しかし これらに限らず、微粒子を用いる)、免疫沈降検定法、BioCoreTM検定法(金コ ロイドを用いる)及び免疫ブロット検定法(例えばウェスタンブロット)である 。このような検定法は当業者に公知である。検定法を用いれば、それらがどのよ うに用いられるかに応じて定性的又は定量的結果を出すことができる。検定の中 には、例えば凝集反応法、微粒子分離法、及び免疫沈降法など、検出可能マーカ を必要とせずに視覚的(例えば肉眼で、又はデンシトメータ又は分光光度計など の機械を用いて)に観察が可能なものもある。他の検定法では、検出可能マーカ を、ネコFcεRα分子に、又はネコFcεRα分子に選択的に結合する試薬に、ある いは検出しようとするIgEに(以下に詳述する)結合させる(つなげる)と、 複合体の形成を検出する上で便利である。検出可能マーカの例には、放射性標識 、酵素、蛍光標識、化学発光標識、色素産生標識又はリガンドがあるが、これら に限られるものではない。リガンドとは、別の分子に選択的に結合する分子を言 う。好適な検出可能マーカには、フルオレセイン、放射性同位体、ホスファター ゼ(例えばアルカリホスファターゼ)、ビオチン、アビジン、ペルオキシダーゼ (例えば西洋ワサビペルオキシダーゼ)及びビオチン関連化合物又はアビジン関 連化合物(例えばストレプトアビジン又はイ があるが、これらに限定されるものではない。本発明に基づくと、検出可能マー カは、例えば化学的結合又は組換えDNA技術(例えばここで金属結合ドメイン 、免疫グロブリン結合、糖結合ドメイン、及び「タグ」ドメインに関して説明し た融合部分の接続など)を用いて接続することができる。好ましくは、ネコFcε Rα分子 の炭化水素の基をビオチンに化学的に結合させるとよい。 ある一つの実施例では、複合体は、検出可能マーカに結合させたネコFcεRα 分子に推定上のIgE含有組成を接触させることにより、検出される。ネコFcε Rα分子に結合させるのに適した検出可能マーカには、放射性標識、蛍光標識、 酵素標識、化学発光標識、色素産生標識又はリガンドがあるが、これらに限定さ れるものではない。検出可能マーカをネコFcεRα分子に結合させるときには、 ネコFcεRα分子が、検出しようとするIgEに結合する能力を遮断しないよう な態様で行われる。好ましくは、ネコFcεRα分子の炭化水素基をビオチンに結 合させるとよい。 別の実施例では、ネコFcεRα分子:IgE複合体は、推定上のIgE含有組 成をネコFcεRα分子に接触させ、その後この複合体を指示分子に接触させるこ とにより検出される。本発明において適した指示分子には、ネコFcεRα分子又 はIgE抗体のいずれかに結合することのできる分子が含まれる。従って、ネコ FcεRα分子:IgE複合体のどの部分を検出しようとするかに応じて、指示分 子には、例えば抗原、抗体及びレクチンを含めることができる。抗体である指示 分子で好適なものには、例えば抗IgE抗体及び抗ネコFcεRα抗体が含まれる 。好適なレクチンには、高マンノース基に結合するようなレクチンが含まれる。 より好適なレクチンは、昆虫細胞で産生される、本発明のネコFcεRαたんぱく 質上に存在する高マンノース基に結合するものである。指示分子それ自体を本発 明の検出可能マーカに結合させてもよい。例えば、抗体をビオチン、西洋ワサビ ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ又はフルオレセインに結合させても よい。 ある好適な実施例では、ネコFcεRα分子:IgE複合体は、この複合体を、 本発明のネコFcεRα分子に選択的に結合する指示分子に接触させることにより 、検出される。このような指示分子の例には、ネコFcεRα分子に選択的に結合 する抗体(ここでは抗ネコFcεRα抗体と呼ぶこととする)、又は、ネコFcεRα 分子に結合させた検出可能マーカに選択的に結合する化合物、があるが、これら に限らない。ビオチンに結合させたネコFcεRα分子は、好ましくは、ストレプ トアビジンを用 ロックフォード、ピアス社から入手可能)を用いて検出されるとよい。 別の好適な実施例では、ネコFcεRα分子:IgE複合体は、この複合体を、 I gE抗体に選択的に結合する指示分子(ここでは抗IgE試薬と呼ぶこととする )に接触させることにより、検出される。このような抗IgE抗体の例には、抗 イソタイプ抗体である二次抗体(例えばIgEの恒常領域に選択的に結合する抗 体)、抗体結合バクテリア表面たんぱく(例えばプロテインA又はプロテインG )、抗体結合細胞(例えばB細胞、T細胞、ナチュラルキラー細胞、多形核白血 球細胞、単核細胞又はマクロファージ細胞)、抗体結合真核細胞表面たんぱく( 例えばFcレセプタ)、及び抗体結合補体たんぱく、があるが、これらに限られる ものではない。好適な指示分子には抗ネコIgE抗体が含まれる。ここで用いら れる場合において、抗IgE抗体には、完全な抗体だけでなく、IgE重鎖恒常 領域に選択的に結合することのできる、あらゆるそのサブユニット又は部分が含 まれる。例えば、抗IgE試薬には、両者ともJaneway et al.Immunobiology,th e Immune System in Health and Disease,Garland Publishing,Inc.,NY,1996( この文献全体を参考文献としてここに編入することとする)に詳細に説明されて いるFabフラグメント又はF(ab‘)2フラグメントを含めることができる 。 ある一つの実施例では、複合体を溶液中で形成かつ検出してよい。別の実施例 では、複合体の形成は、その複合体の一つ又はそれ以上の構成員を基質上に固定 (例えば被膜)した状態で行わせてもよい。固定技術は当業者には公知である。 適した基質材料には、プラスチック、ガラス、ゲル、セルロイド、紙、PVDF (ポリフッ化ビニリデン)、ナイロン、ニトロセルロース、及び、例えばラテッ クス、ポリスチレン、ナイロン、ニトロセルロース、アガロース及び磁気樹脂な どの微粒子材料が含まれるが、これらに限定されるものではない。基質材料にと って適した形状には、ウェル(例えばマイクロタイタ・ディッシュのウェル)、 プレート、ディップスティック、ビード、ラテラルフロー装置、メンブラン、フ ィルタ、試験管、ディッシュ、セルロイド型マトリックス、磁気粒子、及びその 他の微粒子が含まれるが、これらに限定されるものではない。特に好適な基質に はELISAプレート、ディップスティック、ラジオイムノアッセイ・プレート 、アガロース・ビード、プラスチック・ビード、ラテックス・ビード、免疫ブロ ットメンブラン及び免疫ブロットペーパが含まれる。ある実施例では、微粒子な どの基質に検出可能マーカを含めることができる。 IgEを検出するのに好適な方法の一つは免疫吸着検定法である。本発明の免 疫吸着検定法は捕獲分子及び指示分子を含む。本発明の捕獲分子は、IgEが基 質上に固定されるような態様でIgEに結合する。従って、捕獲分子は、好まし くは、この捕獲分子を推定上のIgE含有組成に暴露する前に予め本発明の基質 に固定しておくとよい。本発明の指示分子は、捕獲分子に結合したIgEの存在 を検出するものである。従って、指示分子は、好ましくは、捕獲分子を推定上の IgE含有組成に暴露する前に捕獲分子と同じ基質には固定されていないとよい 。 好適な免疫吸着検定法は、(a)ネコFcεRα分子を推定上のIgE含有組成 に接触させる前に、ネコFcεRα分子を基質上に固定して、ネコFcεRα分子が固 定された基質を形成するステップ、及び(b)ネコFcεRα分子を推定上のIg E含有組成に接触させる前に、推定上のIgE含有組成を基質に結合させて、推 定上のIgE含有組成が結合した基質を形成するステップ、のいずれかを含む。 好ましくは、この基質は、被膜されていない基質、ネコFcεRα分子が固定され た基質、抗原が固定された基質又は抗IgE抗体が固定された基質を含むとよい 。 本発明による捕獲分子及び指示分子の両方がIgEに結合可能である。好まし くは、捕獲分子が指示分子とは異なるIgE領域に結合するとよく、これにより 、捕獲分子と指示分子とを同時にIgEに結合させることが可能となる。試薬を 捕獲分子として利用するか、又は指示分子として利用するかは、その分子をIg E分子に暴露するときにその分子を基質上に固定しておくかによる。例えば、本 発明のネコFcεRα分子は、このネコFcεRα分子を基質に結合させる場合には捕 獲分子として用いられる。その代わりに、このネコFcεRα分子を基質に結合さ せない場合には、ネコFcεRα分子は指示分子として用いられることとなる。捕 獲分子又は指示分子として利用するのに適した分子には、本発明のネコFcεRα 分子、本発明の抗原試薬又は抗IgE抗体試薬があるが、これらに限らない。 本発明の免疫吸着検定法にはさらに、指示分子の存在を検出できる、一つ又は それ以上の層及び/又は種類の第二分子又はその他の結合分子を含めてもよい。 例えば、指示分子に選択的に結合する無標識の(即ち検出可能マーカに結合させ ていない)二次抗体を、この二次抗体に選択的に結合する標識付(即ち検出可能 マーカに結合させた)三次抗体に結合させてもよい。適した二次抗体、三次抗体 及びその他 の第二又は第三分子は当業者には選択可能である。本発明において好適な第二分 子には、抗原、抗IgEイディオタイプ抗体及び抗IgEイソタイプ抗体が含ま れる。好適な第三分子は、第二分子の性質に応じて当業者であれば選択可能であ る。同じ戦略がその次の層にも当てはまる。 ある一つの実施例では、ある一つの特異抗原を、例えばマイクロタイタ・ディ ッシュのウェル又はディップスティックなどの基質上に固定されることにより、 捕獲分子として用いる。好適な抗原にはここに開示したものが含まれる。動物か ら採取した生体試料をこの基質に施し、抗原:IgE複合体が基質に結合した状 態(即ち試料中のIgEが、基質上に固定された抗原に結合する)で形成される のに適した(即ち充分な)条件下でインキュベートする。結合しなかった余分な 物質(即ち生体試料を由来とする物質で抗原に結合しなかったもの)があれば、 基質に結合した抗原:IgE複合体が維持されるような条件下で基質から取り除 かれる。好適な条件は上述したSambrook et alに概ね開示されている。抗原に結 合したIgEに選択的に結合することができる指示分子を基質に加えてインキュ ベートすることで、この指示分子と抗原:IgE複合体との間の複合体を形成さ せる。過剰な指示分子を取り除き、必要に応じて現像主薬を加え、基質を検出装 置にかけて分析する。この実施例のために好適な指示分子はネコFcεRα分子で あるが、好ましくはビオチン、蛍光標識又は酵素標識に結合されたものであると よい。 ある一つの実施例では、ネコFcεRα分子が、例えばマイクロタイタ・ディッ シュのウェル又はディップスティックなどの基質上に固定されることにより、捕 獲分子として用いられる。動物から採取した生体試料をこの基質に施し、ネコFcε Rα分子:IgE複合体が基質に結合した状態で形成されるのに適した条件下 でインキュベートする。結合しなかった余分な物質があれば、基質に結合したネ コFcεRα分子:IgE複合体が維持されるような条件下で基質から取り除かれ る。ネコFcεRα分子に結合したIgEに選択的に結合することができる指示分 子を基質に加え、インキュベートすることで、この指示分子と、FcεRα分子: IgE複合体との間の複合体を形成させる。好ましくは、この指示分子を検出可 能マーカ(好ましくは酵素標識、比色標識、蛍光標識、放射性同位体、又はビオ チン又はアビジン系などのリガンド)に結合させるとよい。過剰な指示分子を取 り除き、必要に応じて現像主 薬を加え、基質を検出装置にかけて分析する。この実施例のために好適な指示分 子は、生体試料中のIgE又は抗IgEイソタイプ又はイディオタイプ抗体に結 合することとなる抗原であるとよいが、いずれの場合もフルオレセイン又はビオ チンに結合させることが好ましい。 ある一つの実施例では、抗IgE抗体(例えばイソタイプ又はイディオタイプ 特異抗体)が、例えばマイクロタイタ・ディッシュのウェル又はディップスティ ックなどの基質上に固定されることにより、捕獲分子として用いられる。動物か ら採取した生体試料をこの基質に施し、抗IgE抗体:IgE複合体が基質に結 合した状態で形成されるのに適した条件下でインキュベートする。結合しなかっ た余分な物質があれば、基質に結合した抗IgE抗体:IgE複合体が維持され るような条件下で基質から取り除かれる。ネコFcεRα分子を基質に加え、イン キュベートすることで、このネコFcεRα分子と、抗IgE抗体:IgE複合体 との間の複合体を形成させる。好ましくは、このネコFcεRα分子を検出可能マ ーカ(好ましくはビオチン、酵素標識又は蛍光標識)に結合させるとよい。過剰 なネコFcεRα分子を取り除き、必要に応じて現像主薬を加え、基質を検出装置 にかけて分析する。 一実施例では、本発明の免疫吸着検定法は捕獲分子を利用しない。この実施例 では、動物から採取した生体試料を基質、例えばマイクロタイタ・ディッシュの ウェル又はディップスティックなどに施し、IgEが基質に結合するのに適した 条件下でインキュベートする。体液中に存在する何らかのIgEが基質上に固定 される。結合しなかった余分な物質があれば、基質に結合したIgEが維持され るような条件下で基質から取り除かれる。ネコFcεRα分子を基質に加え、イン キュベートすることで、このネコFcεRα分子とIgEとの間の複合体を形成さ せる。好ましくは、このネコFcεRα分子を検出可能マーカ(好ましくはビオチ ン、酵素標識又は蛍光標識)に結合させるとよい。過剰なネコFcεRα分子を取 り除き、必要に応じて現像主薬を加え、基質を検出装置にかけて分析する。 IgEを検出するもう一つの好適な方法はラテラルフロー検定法であるが、そ の例はPronovost氏らによる1995年6月13日発行の米国特許第5,424 ,193号、Imrich氏らによる1995年5月16日発行の米国特許第5,41 5,994号、Miller氏らによる1994年12月22日公開のWO94/29 696号、 及びPawlak氏らによる1994年1月20日公開のWO94/01775号に開 示されており、これらの各特許公報の全文を参考文献としてここに編入しておく 。ある一つの実施例では、生体試料をラテラルフロー装置に配するが、このラテ ラルフロー装置には以下の構成要素が含まれる。即ち(a)流路を規定する支持 構造、(b)抗原に結合させたビードを含む標識試薬、この標識試薬は支持構造 の標識域内に含浸されている、及び(c)IgE結合組成を含む捕獲試薬、であ る。好適な抗原にはここに開示されたものが含まれる。捕獲試薬は、標識試薬が 標識域から捕獲域に流れ込めるような態様で、標識域に流体的に接続する、標識 試薬の下流にあたる捕獲域内に配置される。支持構造は、標識域から捕獲域へと いうビードの流れを妨げない材料を含む。支持構造として用いるのに好適な材料 にはイオン(即ち陰イオン又は陽イオン)材料が含まれる。このような材料の例 には、ニトロセルロース(NC)、PVDF、カルボキシメチルセルロース(C M)があるが、これらに限定されるものではない。支持構造は左右の流路を規定 すると共に複数の域、即ち標識域及び捕獲域、に分割されている。この装置には 、さらに、流路に沿って配された試料受容域を含めることができ、より好ましく はこの試料受容域は標識試薬の上流に来るとよい。支持構造内の流路は、捕獲域 の下流、好ましくは流路の終点になる支持構造部分を、標識域及び捕獲域から余 分な液体を吸収することのできる吸収剤に接触させることにより、形成される。 この実施例では、生体試料は、支持構造の一部を含む試料受容域に施される。 標識域が試料を試料受容域から受け取ると、この試料は流路により下流に向けら れる。標識域はIgEに結合する標識試薬を含む。好適な標識試薬は、例えばラ テックス・ビードなどのプラスチック製ビードの基質に、直接又はリンカーを介 して結合させた抗原である。基質にはさらに検出可能マーカ、好ましくは比色マ ーカが含まれる。典型的には、標識試薬は乾燥又は凍結乾燥により支持構造に含 浸される。試料構造はさらに標識域の下流にある捕獲域を含む。この捕獲域が標 識試薬を標識域から受け取ると、この試薬は流路により下流に向けられる。捕獲 域は捕獲試薬、この場合には上に開示したようにネコFcεRα分子を含有し、こ のネコFcεRα分子により、抗原と複合体を形成したIgEが捕獲域に固定され る。捕獲試薬は、好ましくは乾燥又は凍結乾燥により支持構造に固定されるとよ い。標識試薬は捕獲域内に 蓄積するが、この蓄積を、視覚又は光学的検出装置により評価する。 別の実施例では、IgEを検出するのに用いるラテラルフロー装置は、(a) 流路を規定する支持構造、(b)上述したようなネコFcεRα分子を含む標識試 薬、ただしこの標識試薬は支持構造の標識域内に含浸されている、及び(c)抗 原を含む捕獲試薬、ただしこの捕獲試薬は、標識試薬が標識域から捕獲域に流れ 込めるような態様で、標識域に流体的に接続する、標識試薬の下流にあたる捕獲 域内に配置される、を含む。この装置は好ましくは、流路に沿って、好ましくは 標識試薬の上流に、試料受容域をさらに含むとよい。またこの装置がさらに、流 路の終点に配置された吸収剤を含むことが好ましい。 本発明の一実施例は阻害検定法であり、この方法では、推定上のIgE含有組 成中のIgEの存在は、このような組成を、本発明のネコFcεRα分子と、この ネコFcεRα分子に結合することが公知の単離されたIgEとに、加えることに より判定される。公知のIgEへのネコFcεRα分子の結合がないことは、この 推定上のIgE含有組成にIgEが存在することの指標となる。この公知のIg Eは好ましくは検出可能マーカに結合させるとよい。 本発明はさらに、開示された検出方法のそれぞれに基づいてIgEを検出する ためのキットが含まれる。一実施例は、ネコFcεRαたんぱく質と、IgEを検 出する手段とを含む、IgEを検出するためのキットである。適したかつ好適な ネコFcεRαたんぱく質はここに開示されている。適した検出手段には、ネコFcε Rαたんぱく質又はIgEのいずれかに結合する、ここで開示された化合物が 含まれる。本発明において好適なキットには、ここで開示された抗原、IgEに 選択的に結合することのできるここで開示された抗体、及び/又は、ネコFcεR αたんぱく質に結合させた検出可能マーカに結合可能な化合物(例えば、検出可 能マーカがビオチ のうちの一つ又はそれ以上を含む検出手段がさらに含まれる。このような抗原は 、好ましくは、イヌ、ネコ及び/又はウマを含む動物中でIgE抗体の産生を誘 起するものであるとよい。 本発明のキットの好適な実施例は、例えばここで開示されたもののような蚤ア レルゲンを含む蚤アレルゲンキットである。蚤アレルゲンキットで用いるのに特 に好 適な蚤アレルゲンには、蚤唾液生成物及び/又は単離された蚤唾液たんぱく質が ある。 本発明において別の好適なキットは、合衆国のあらゆる地域に共通のアレルゲ ンと、本発明のネコFcεRαたんぱく質とを含む一般的アレルゲンキットである 。ここで用いられる場合の「一般的アレルゲン」キットとは、(即ち、基本的に は合衆国の特定の地域に限られるのではなく)概ね合衆国全体を通じて見られる アレルゲンを含むキットを言う。一般的アレルゲンキットは、一個のキットを用 いれば、合衆国の大部分の地理的位置で動物を調べることができるため、地域ア レルゲンキットに比べて有利である。本発明の一般的アレルゲンキットで用いる のに適したかつ好適な一般的アレルゲンには、ここで開示されたような一般的ア レルゲンが含まれる。 本発明のもう一つの好適なキットは、牛肉、鶏肉、豚肉、例えばタラ、ハリバ 又は及びマグロなどの魚肉の混合物、卵、牛乳、ビール酵母、全粒小麦、トウモ ロコシ、ダイズ、チーズ及び米を含む食物アレルゲンと、本発明のネコFcεRα 分子とを含む食物アレルゲンキットである。好ましくは、牛肉、鶏肉、豚肉、魚 肉、トウモロコシ及び米は調理されたものであるとよい。 本発明の好適なキットには、アレルゲンが基質に固定されたものが含まれる。 キットが二つ又はそれ以上の抗原を含む場合、このキットには、それぞれが一つ の抗原を含む一つ又はそれ以上の組成を含めることができる。従って、各抗原を 別々に調べることが可能である。キットにはさらに、IgEのための二つ又はそ れ以上の診断試薬、別の単離されたIgE抗原、及び/又は、ここで開示された ような抗体を含めてもよい。特に好適なのは、ラテラルフロー検定フォーマット で用いられるキットである。ラテラルフロー検定キットに、一つ又はそれ以上の ラテラルフロー検定装置を含めることができることは本発明の範囲内である。複 数のラテラルフロー装置をそれぞれの一端に相互に取り付けることで扇のような 構造を形成してもよい。 具体的には、本発明の方法及びキットは、IgEのレベルが変化することに関 連した、動物の異常な状態を診断するのに有用である。診断するのに特に好適な 状態には、アレルギー、寄生生物感染及び新形成がある。例えば、本発明の方法 及びキ ットは、このような方法又はキットが蚤唾液抗原の利用を含む場合、蚤アレルギ ー性皮膚炎(FAD)を検出するのに特に便利である。FADは蚤に噛まれるこ とに対する過敏反応であると定義されている。好ましくは、推定上のIgE含有 組成は、FADを有すると疑われる動物から得られるとよい。好適な動物にはこ こで開示されたものがあるが、イヌ及びネコがより好ましい。加えて、本発明の 方法及びキットは、このような方法又はキットに、例えばDi33などの蠕虫抗 原の利用が含まれる場合、蠕虫感染、特にイヌ糸状虫感染を検出するのに特に有 用である。好ましくは、推定上のIgE含有組成は、蠕虫感染の疑われる動物か ら得られるとよい。好適な動物にはここで開示されたものがあるが、イヌ及びネ コがより好ましい。 本発明の一実施例は、効果的な態様で動物に投与されたときに、Fcレセプタ機 能の関与する生体反応に関連する疾病を伴う、Fcレセプタの伝達する反応を減少 させることのできる治療用組成である。本発明の治療用組成には、単離されたネ コFcεRαたんぱく質、又はその相同体、ネコFcεRαたんぱく質のミメトープ、 ネコFcεRα遺伝子と緊縮ハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする 単離された核酸分子、ネコFcεRαたんぱく質に選択的に結合する単離された抗 体、及び/又は、ネコFcεRαたんぱく質とIgEとの間の複合体形成に干渉す る阻害物質、を含めることができる。 本発明の治療用組成の一実施例は、本発明のネコFcεRα分子を含む、IgE に結合する治療用化合物である。本発明に基づくと、ネコFcεRα分子が、天然 発生型のFcイプシロンレセプタ、特に肥満細胞腫細胞、マスト細胞、又は好塩基 球にあるものとIgEをめぐって競合する結果、IgEはこの投与されたネコFcε Rα分子に結合してしまい、細胞上のFcイプシロンレセプタに結合することが できず、生体反応の伝達が阻害される。治療用組成への利用に好適なネコFcεR α分子は、IgEに結合する、ここで開示されたようなネコFcεRαたんぱく質 、又はその相同体、特にこれらのフラグメントを含む。治療用組成に用いるネコ FcεRα分子は、そのネコFcεRα分子がIgEに結合さえできれば一価型及び/ 又は多価型でもよい。治療用組成に用いるのに特に好適なネコFcεRα分子には 、ネコFcεRαたんぱく質の可溶性フラグメントが含まれる。好適なネコFcεRα たんぱく質は、nfel Fcε522によりコードされるものであるが、さらにより 好適なネコFcεRαたんぱく 質はPfel Fcε174である。 本発明の治療用組成に用いるのに好適な核酸分子の例はここに開示されている 。 本発明の治療用組成の別の実施例には、ネコFcεRαたんぱく質とIgEとの 間の複合体形成に、多くの場合ネコFcεRαたんぱく質のIgE結合部位に結合 する、相互作用する、又はこれを修飾することにより干渉する治療用化合物が含 まれる。ネコFcεRαたんぱく質阻害物質はまた、例えばアロステリック相互作 用によるなど、ネコFcεRαたんぱく質活性を阻害するのにネコFcεRαたんぱく 質のその他の領域と相互作用するものでもよい。ネコFcεRαたんぱく質の阻害 物質は、FcεRαたんぱく質及びIgEの複合体形成に、例えばFcεRαたんぱく 質とIgEとの複合体形成を妨げる、又は、既存のFcεRαたんぱく質とIgE との複合体を破壊してFcεRαたんぱく質とIgEとを解離させるなどすること により干渉するものでもよい。ネコFcεRαたんぱく質の阻害物質は通常は比較 的に小型である。好ましくは、本発明に基づくネコFcεRαたんぱく質阻害物質 は、ネコFcεRαたんぱく質に結合する、又は相互作用することで、ネコFcεRα たんぱく質とIgEとの複合体形成に干渉するというその能力により同定される とよい。 本発明のネコFcεRαたんぱく質の好適な阻害物質には、ネコFcεRαたんぱく 質の基質類似体、ネコFcεRαたんぱく質のミメトープ、IgEに結合するネコF cεRαたんぱく質の可溶性(即ちネコFcεRαたんぱく質の分泌型)部分や、ネ コFcεRαたんぱく質のIgE結合活性が阻害されるような態様でネコFcεRαた んぱく質(例えばアロステリック部位)に結合するその他の分子が含まれるが、 これらに限定されることはない。ネコFcεRαたんぱく質の基質類似体とは、ネ コFcεRαたんぱく質のIgE結合部位と相互作用する(例えば結合する、会合 する、修飾する)化合物を言う。好適なネコFcεRαたんぱく質基質類似体はネ コFcεRαたんぱく質のIgE結合活性を阻害するものである。ネコFcεRαたん ぱく質基質類似体は無機又は有機の組成であってもよく、従ってペプチド、核酸 、及びペプチド擬態化合物であってもよく、しかしこれらに限られるものではな い。ネコFcεRαたんぱく質の基質類似体は、それらが活性部位(例えばネコFc εRαのIgE結合部位)と相互作用が可能であることを条件として、ネコFcεR αたんぱく質の天然の基質(例えばIgE)に構造上類似であってもよいが、必 ずしもそうでな くともよい。ネコFcεRαたんぱく質基質類似体は、本発明のネコFcεRαたんぱ く質の構造をコンピュータで作成したものや、又は、例えばIgEのFcドメイン のコンピュータ構造を利用してデザインすることができる。基質類似体はさらに 、分子(例えばオリゴヌクレオチド、ペプチド、ペプチド擬態化合物、又はその 他の無機又は有機分子)の無作為試料を作成し、このような試料を、対応する結 合対(例えばネコFcεRαたんぱく質又は抗ネコFcεRαイディオタイプ抗体)を 用いたアフィニティ・クロマトグラフィ技術によりふるい分けすることで、得る ことができる。好適なネコFcεRαたんぱく質基質類似体はペプチド擬態化合物 (即ち、本発明のネコFcεRαたんぱく質の天然の基質に、特にその基質のネコF cεRαたんぱく質に結合する領域に、構造上及び/又は機能的に類似であるが、 IgE結合部位と相互作用するとIgEの結合を阻害するような化合物)である 。 ネコFcεRα分子や、その他の阻害物質及び治療用化合物は、動物を治療する 上で本発明の組成中の化合物として、治療を施そうとする動物にとってこのよう な化合物が有害でない限り、直接用いることができる。 本発明はさらに、本発明による一つ又はそれ以上の治療用化合物を含む治療用 組成を含む。このような治療用化合物の例はここに開示されている。 ある一つの実施例では、本発明の治療用組成を、このような組成を動物に投与 することにより、動物においてFcイプシロンレセプタの伝達する生体反応を減少 させるために用いることができる。好ましくは、治療用化合物(例えばネコFcε Rαたんぱく質の阻害物質、好ネコFcεRα抗体、IgEの阻害物質、又はネコFc εRαたんぱく質をコードする核酸分子)が、その動物のIgE又はFcイプシロ ンレセプタに結合するような態様で、本発明の治療用組成を動物に投与すること で動物を治療するとよい。このような投与は、皮下、皮内、静脈内、鼻腔内、経 口、経皮、筋肉内経路及びその他の非経口経路を含め、しかしこれらに限らず、 当業者に公知の様々な経路によって行なうことができるであろう。 本発明の組成は、本発明の治療用化合物に、又は治療用組成に含まれた核酸分 子によりコードされるたんぱく質に結合するFcイプシロンレセプタ又はIgEを 有していれば、いかなる動物にも投与が可能である。治療に好適な動物には、ネ コ、イヌ、ウマ、ヒト及びその他のペット、使役及び/又は経済的家畜動物を含 むほ乳 類及び鳥類が含まれる。防御するのに特に好適な動物はネコ及びイヌである。 本発明の治療用組成は、処置を受ける動物が耐えられる賦形剤中に調製してよ い。このような賦形剤の例には、水、生理食塩水、リンガー溶液、デキストロー ス溶液、ハンクス溶液、及びその他の水性の生理学的平衡塩類溶液が含まれる。 固定油、ゴマ油、オレイン酸エチル、又はトリグリセリドなどの非水性の伝播体 も用いてよい。その他の有用な製剤には、カルボキシメチルセルロースナトリウ ム、ソルビトール、又はデキストランなどの増粘剤を含有する懸濁液がある。さ らに賦形剤には少量の添加剤、例えば等張性及び化学的安定性を高めるような物 質を含めてもよい。緩衝液の例には、リン酸緩衝液、重炭酸緩衝液及びTris緩衝 液が含まれ、保存剤の例にはチメロサール、-又はo-クレゾール、ホルマリン及 びベンジルアルコールが含まれる。標準的製剤は注射可能な液体でも、又は注射 用に懸濁液又は溶液として適した液体に取り込ませることのできる固体でもよい 。このように、非液体の製剤では、賦形剤にはデキストロース、ヒト血清アルブ ミン、保存剤、等々を含め、これに無菌水又は生理食塩水を投与前に加えてもよ い。 本発明のある一つの実施例では、治療用組成にアジュバントを含めることがで きる。アジュバントは、特異抗原に対する動物の免疫反応を高めることができる 薬剤である。適したアジュバントには、サイトカイン、ケモカイン、及びサイト カイン及びケモカインの産生を誘起する化合物(例えば顆粒球マクロファージコ ロニー刺激因子(GM-CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、マクロファー ジコロニー刺激因子(M-CSF)、コロニー刺激因子(CSF)、エリスロポエチン( EPO)、インターロイキン2(IL-2)、インターロイキン-3(IL-3)、インター ロイキン4(IL-4)、インターロイキン5(IL-5)、インターロイキン6(IL-6 )、インターロイキン7(IL-7)、インターロイキン8(IL-8)、インターロイ キン10(IL-10)、インターロイキン12(IL-12)、インターフェロンガンマ 、インターフェロンガンマ誘発因子I(IGIF)、形質転換成長因子ベータ、RANT ES(活性化後調節を受ける、正常T細胞で発現され、おそらくは分泌される)、 マクロファージ炎症性たんぱく質(例えばMIP-1アルファ及びMIP-1ベータ)、及 びリーシュマニア伸長開始因子(LEIF)、バクテリア構成成分(例えばエンドト キシン、特にスーパー抗原、エキソトキシン及び細胞壁成分)、アルミニウムを 基にした塩類、カルシウム を基にした塩類、シリカ、ポリヌクレオチド、トキソイド、血清たんぱく、ウィ ルス膜たんぱく、ブロック共重合体アジュバント(例えばHunter's TitermaxTM アジュバント、(ジョージア州ノークロス、VaxcelTM社)、Ribiアジュバント( マサチューセッツ州ハミルトン、Ribi ImmunoChem Research社)、及びサポニン 及びそれらの誘導体(例えばQuil A(デンマークSuperfos Biosector A/S社)が あるが、これらに限定されるものではない。本発明のたんぱく質アジュバントは 、ここに説明した方法を用いて、それらたんぱく質自体の形で送達しても、又は このようなたんぱく質をコードする核酸分子の形で送達してもよい。 本発明の一実施例では、治療用組成に担体を含めることができる。担体には、 処置を受ける動物における治療用組成の半減期を上昇させる化合物が含まれる。 適した担体にはポリマー製の制御放出伝播体、生分解性インプラント、リポソー ム、バクテリア、ウィルス、その他の細胞、油脂、エステル及びグリコールが含 まれるが、これらに限定されるものではない。 本発明の一実施例は、本発明の組成を動物にゆっくりと放出できる制御放出製 剤である。ここで用いられる場合の制御放出製剤は、制御放出伝播体中に本発明 の組成を含む。適した制御放出伝播体には、生適合性ポリマー、その他のポリマ ーマトリックス、カプセル、マイクロカプセル、マイクロ粒子、巨丸剤、浸透圧 ポンプ、拡散装置、リポソーム、リポスフィア、及び経皮送達系があるが、これ らに限らない。本発明のその他の制御放出製剤には、動物に投与されたときに固 体又はゲルをin situで形成する液体が含まれる。好適な制御放出製剤は生分解 性(即ち生侵食性)である。 本発明の好適な制御放出製剤は、本発明の組成を、動物の血中に、その動物に おいてFcイプシロンレセプタの伝達する生体反応を減じるべく治療的用量の本組 成を達成するのに充分な速度で放出することができるものである。ここで用いら れる場合のFcイプシロンレセプタの伝達する生体反応とは、Fcイプシロンレセプ タがIgEと複合体を形成したときに発生する細胞反応を言う。例えば、Fcイプ シロンレセプタの伝達する生体反応には、ヒスタミン、プロスタグランジン及び /又はプロテアーゼなど、アレルギーの臨床症状を引き起こすことのできる生体 伝達物質の放出が含まれる。本治療用組成は、好ましくは約1から約12カ月の 範囲の期間に わたって放出されるとよい。本発明の好適な制御放出製剤は、好ましくは少なく とも約1カ月、より好ましくは少なくとも約3カ月、さらにより好ましくは少な くとも約6カ月、さらにより好ましくは少なくとも約9カ月、そしてさらにより 好ましくは少なくとも約12カ月の間、処置を行なえるものであると好ましい。 本発明の治療用組成を効果的な態様で投与するための容認可能なプロトコルに は、個々の用量の大きさ、用量の数、用量の投与頻度、及び投与の形態が含まれ る。このようなプロトコルの決定は当業者であれば可能である。適した一回当り の用量は適した期間にわたって一回又はそれ以上の回数投与されたときに疾患か ら動物を防御(即ち防止又は治療)可能な用量である。ある治療用組成をさらに 付加的に投与する必要があるかどうかは、ある患者の容態に基づいて当業者であ れば決定が可能である。例えば、抗原特異的なFcイプシロンレセプタの伝達する 反応を調節するには、患者の環境に抗原が大量にある場合には、治療用組成はよ り頻回投与されるであろうし、存在する抗原が少ない場合には頻度は小さくなる であろう。 ある一つの実施例では、本発明の核酸分子を、動物において当該核酸分子がネ コFcεRαたんぱく質又はネコFcεRα RNA(例えばアンチセンスRNA、リ ボザイム、三重らせん形又はRNA薬)に発現可能となるような態様で、動物に 投与することができる。様々な方法を用いて核酸分子を動物に送達することがで きるが、その方法には、しかしこれらに限らず、(a)裸の(即ちウィルス膜又 は細胞膜内にパッケージせずに)核酸分子(例えばWolff et al.,1990,Science 247,1465-1468で教示されたような裸のDNA又はRNA分子として)を投与す る、又は(b)組換えウィルス又は組換え細胞としてパッケージされた核酸分子 を投与する(即ち、核酸分子をウィルス又は細胞伝播体により送達する)方法が 含まれる。 本発明の裸の核酸分子は本発明の核酸分子を含むが、好ましくは本発明の組換 え分子を含むとよく、またこの組換え分子は複製又は増幅能力があると好ましい 。本発明の裸の核酸には、本発明の一つ又はそれ以上の核酸分子が、例えば一つ 又はそれ以上の内側リボソーム進入部位を有する、例えばニシストロン組換え分 子の形で含まれていてもよい。好適な裸の核酸分子には、ウィルスゲノム(即ち ウィルスベクタ)の少なくとも一部分が含まれる。好適なウィルスベクタには、 アルファウィルス、ボックスウィルス、アデノウィルス、ヘルペスウィルス、ピ コルナウィルス 及びレトロウィルスを基にしたものが含まれるが、アルファウィルス(例えばSi ndbis又はSemlikiウィルスなど)、種特異的ヘルペスウィルス及び種特異的ポッ クスウィルスを基にしたものが特に好ましい。たんぱく質産生に適しているとし て開示したものを含め、適した転写制御配列を用いることが可能である。特に好 適な転写制御配列には、サイトメガロウィルス中間初期配列(好ましくはイント ロンAと連結したもの)、ラウス肉腫ウィルスの長い末端繰返し配列、及び組織 特異的転写制御配列や、ウィルスベクタを用いた場合はウィルスベクタにとって 内生の転写制御配列が含まれる。「強力な」poly(A)配列の組み込みも好ましい 。 本発明の裸の核酸分子は、様々な方法で投与が可能である。適した送達方法に は、例えば、筋肉内注射、皮下注射、経皮注射、経皮乱刺、粒子照射、経口適用 、及び鼻腔適用が含まれるが、筋肉内注射、経皮注射、経皮乱刺及び粒子照射が 好ましい。裸のDNA分子の好適な一回当りの用量は、当業者には決定可能であ るように、投与経路及び/又は送達の方法に応じて、約1ナノグラム(ng)か ら約1ミリグラム(mg)の範囲である。投与方法の例は、例えばBruner et al による1993年4月20日発行の米国特許第5,204,253号、McCabeの1995 年7月27日公開のPCT公報WO95/19799号、及びCarson,etal.の1995年3月 2日公開のPCT公報WO95/05853号に開示されている。本発明の裸のDNA分子は 水性の賦形剤(例えばリン酸緩衝生理食塩水)のみに含めたり、及び/又は担体 (例えば脂質を基にした伝播体)と共に含めたり、又はマイクロ粒子(例えば金 粒子)に結合させることができる。 本発明の組換えウィルスは、ウィルス膜内に梱包された、投与後に動物で発現 が可能な本発明の組換え分子を含む。好ましくはこの組換え分子はパッケージン グに欠陥がある、及び/又は、弱毒化ウィルスをコードしているとよい。アルフ ァウィルス、ポックスウィルス、アデノウィルス、ヘルペスウィルス、ピコルナ ウィルス及びレトロウィルスに基づくものを含む、しかしこれらに限らず、数多 くの組換えウィルスを利用することができる。好適な組換えウィルスは、アルフ ァウィルス(例えばSindbisウィルスなど)、アライグマポックスウィルス、種特 異的ヘルペスウィルス及び種特異的ポックスウィルスに基づくものである。アル ファウィルスの組換えウィルスの作成及び利用方法の一例は、Xiong et al.に よる、1994年8月 18日に公開されたPCT公報WO94/17813号に開示されており、この文献の全 文を参考文献としてここに編入することとする。 本発明の組換えウィルスは、動物に投与されると、レシピエント動物の細胞に 感染し、その動物においてFcイプシロンレセプタの伝達する生体反応を減少させ ることのできる一たんぱく質又はRNA核酸分子の産生を命令する。例えば、本 発明のネコFcεRα核酸分子を含む組換えウィルスは、ある一つのプロトコルに 従って投与されるが、その結果、その動物において、Fcイプシロンレセプタの伝 達する生体反応を減少させるのに充分な量のたんぱく質又はRNAが産生される こととなる。本発明の組換えウィルスの好適な一回当りの用量は、動物の体重1 キログラム当り、約1×104から約1×107ウィルスプラーク形成単位(pfu )である。投与のプロトコルはここでたんぱく質を基にした組成について説明し たものと同様であり、皮下、筋肉内、鼻腔内、及び経口といった投与経路が好ま しい。 本発明の治療用組成において有用な組換え細胞には、本発明の少なくとも一つ のネコFcεRαを含む本発明の組換え細胞が含まれる。この実施例のために好適 な組換え細胞には、Salmonella,E.coli,Listeria,Mycobacterium,S.frugiperda ,酵母(Saccharomyces cerevisiaeを含む)、BHK、CV-1、筋原細胞G8、COS(例 えばCOS-7)、ベロ、MDCK及びCRFK組換え細胞が含まれる。本発明の組換え細胞 は、様々な方法で投与することができるが、好ましくは体重1キログラム当り約 108から約1012個の細胞の範囲の用量で経口投与することができるという長 所を有する。投与のプロトコルは、たんぱく質組成についてここに解説したもの と同様である。組換え細胞には細胞全体を含めても、細胞壁を剥がした細胞を含 めても、又は細胞溶解産物を含めてもよい。 本発明の一実施例は、(a)動物に対し、ネコFcεRαの阻害物質及びネコFc εRαたんぱく質(相同体も含む)のうちのいずれかから選択される治療用組成 を有効量投与するステップであって、前記ネコFcεRαがIgEに結合可能であ る、ステップを含む免疫治療の方法である。適した治療用組成及び投与方法はこ こに開示されている。本発明に基づくと、Fcイプシロンレセプタが伝達する生体 反応に関連する症状を防止又は軽減するために、本発明の治療用組成及び方法を 用いることができる。 Fcイプシロンレセプタの伝達する生体反応をもたらす上での本発明の治療用組 成の効験は、即時型過敏症、遅延型過敏症、抗体依存性細胞障害作用(ADCC)、免 疫複合体活性、***促進性活性、ヒスタミン放出検定法、及び上記のJaneway et alに述べられたものなどのその他の方法を含む、しかしこれらに限らず、Fcレ セプタの伝達する免疫性を検出するための標準的方法を用いてテストすることが できる。 ネコFcεRα活性の阻害物質は、本発明のネコFcεRαたんぱく質を用い、ある 阻害物質が、ネコFcεRαたんぱく質とIgEとの間の複合体形成を防止又は破 壊することができるかどうかを判断することにより、同定が可能である。本発明 の一実施例は、ネコFcεRα活性を阻害することのできる化合物を同定する方法 である。このような方法は、(a)単離されたネコFcεRαたんぱく質を推定上 の阻害化合物に、同化合物の不在下では、このネコFcεRαたんぱく質がIgE 結合活性を有するような条件下で接触(例えば配合、混合)するステップと、( b)この推定上の阻害化合物がこのIgE結合活性を阻害するかを判断するステ ップとを含む。スクリーニングの対象となる推定上の阻害化合物には、小型の有 機分子、抗体(そのミメトープも含む)及び基質類似体が含まれる。IgE結合 活性を調べる方法は当業者に公知である。 本発明はさらに、ネコFcεRα活性を阻害することのできる化合物を同定する ための検査キットを含む。このような検査キットには、IgE結合活性を有する 単離されたネコFcεRαたんぱく質又はネコFcεRαたんぱく質とIgEとの複合 体、推定上の阻害化合物の存在下で(即ちこれによりもたらされる)IgE結合 活性の阻害の程度を判定するための手段とが含まれる。このような化合物をさら にふるい分けして、動物において大きな毒性のないものを同定する。 以下の実施例は、実例を挙げることを目的として提供されるものであり、本発 明の範囲を限定することを意図されてはいない。 実施例 本実施例は、当業において公知であると見なされる数多くの分子生物学、微生 物学、免疫学及び生化学の技術を含むことに留意されたい。このような技術の開 示は、例えば上記のSambrook et al.及び関連する文献に見ることができる。 実施例1 本実施例では、Felis domesticusからの、ネコFcイプシロンレセプタアルファ 鎖(FcεRα)たんぱく質をコードする核酸分子のDNAハイブリダイゼーショ ンによる単離を説明する。 ネコFcεRα核酸分子を、ネコ(Felis domesticus)肥満細胞腫cDNAライ ブラリから、このライブラリと、それぞれヒト及びイヌFcイプシロンレセプタア ルファ鎖をコードする32Pで標識したcDNA分子の混合物とをハイブリダイズ することにより単離した。ネコ肥満細胞腫のcDNAライブラリは以下のように 作成した。全RNAを、Chomzynski et al.,1987,Anal.Biochem.162,156-159に より説かれたのと同様な酸−グアニジウム−フェノール−クロロホルム法を用い 、新しく取り出されたネコ肥満細胞腫の約1.5グラムの組織から抽出した。po ly+で選別されるRNAをこの全RNAプレパラートから、mRNA精製キット (ニュージャージー州ニューアーク、ファーマシア・バイオテック社から入手可 能、により、このメーカの推奨する方法に基づき)、オリゴ−dTセルロース・ク ロマトグラフィにより、分離した。ネコ肥満細胞腫cDNAライブラリは、Stra tagene社のZAP-cDNA合成キットプロトコルを用いてラムダ−ユニ−ZAPTMXRベク タ(カリフォルニア州ラホーラ、Stratagene Cloning Systems社から入手可能) 中に構成した。約5μgのネコ肥満細胞腫Poly+RNAを用いてネコ細胞腫cDNAライ ブラリを作成した。このcDNA合成キットに述べられたプロトコルの改良版を用い 、それぞれヒトFcイプシロンレセプタアルファ鎖(Kochan et al.,Nucleic Acid s Res.,16:3584,1988)及びイヌFcイプシロンレセプタアルファ鎖(Hayashi et a.,GenBank受け入れ番号D16413、1993)をコードする32Pで標識したcDNAの混 合物で複式のプラークリフトを用いてネコ肥満細胞腫cDNAライブラリをスクリー ニングした。プラーク精製された、上述のスクリーニング法で同定されたクロー ンを、ZAP-cDNA合成キット(Stratagene社から入手可能)に説かれた生体内切断 プロトコルに基づき、ExAssistTMヘルパファージ及びSOLRTME.coli.を用いて、 ここでnfelFcε1069と呼ばれる二本鎖組換え分子に変換した。二本鎖プラス ミドDNAを、例えば上記のSambrook et alに説かれた方法などのアルカリ溶解 プロトコルを用いて作成した。 実施例2 本実施例では、nfelFcε1069を含有するプラスミドDNAの配列決定を説 明する。nfelFcε1069を含有するプラスミドDNAを、サンガージデオキシ鎖終 了法により、Ampli Taq DNAポリメラーゼ、FSを用いたPRISMTMレディ・ダイ・タ ーミネータ・サイクル配列決定キット(コネチカット州ノーウォーク、Perkm-El mer Corporationから入手可能)を利用して配列決定した。PCR延長法はGeneAmpT M PCRシステム9600(Perkin-Elmerら入手可能)で行なった。余分なダイ・ターミ ネータは、CentriflexTMゲル・フィルトレーション・カートリッジ(メリーラン ド州ガイザーズバーグ、Advanced Genetics Technologies Corporationから入手 可能)を用いて、このメーカの標準プロトコルに従い延長産物から取り除いた。 試料をABIプロトコルに基づいて再懸濁させ、Perkin-ElmerのABIPRISMTM377自動 DNAシークエンサにかけた。DNAの配列分析は、配列の編纂及び開放読み取 り枠の決定も含め、MacVectorTMプログラム(コネチカット州ニューヘイブン、E astman Kodak Company社から入手可能)又はDNAsisTMプログラム(カリフォルニ ア州サン・ブルーノ、日立ソフトウェア社から入手可能)を用いて行なった。た んぱく質の配列分析は、分子量及び等電点(pI)の決定を含め、MacVectorTM プログラムを用いて行なった。 全nfelFcεRα1069DNAのうち、約1069ヌクレオチドのコンセンサス配列を決定し た。二つの相補鎖の配列を配列同定番号NO:1(コドン鎖)及び配列同定番号NO:3 (相補鎖)として提供する。nfelFcεRα1069の配列は、完全長コドン領域を含 有する。見かけ上の開始(スタート)コドンは配列同定番号NO:1の約ヌクレオチ ド65番から約ヌクレオチド67番に、そして見かけ上の終了(ストップ)コド ンは約ヌクレオチド854番から約ヌクレオチド856番に、それぞれある。推 定上のポリアデニレーションシグナル(5'AATAAA3')は配列同定番号NO:1の約ヌ クレオチド1032番から約ヌクレオチド1037番までの領域に位置している 。 配列同定番号NO:1を翻訳すると、PfelFcεRα263で表される約263個のアミノ 酸から成るたんぱく質になるが、このたんぱく質のアミノ酸配列を配列同定番号 NO:2に提供する。PfelFcεRα263をコードするコドン領域から成る核酸分子はこ こでは、nfelFcεRα789と呼ばれ、この分子の核酸配列は配列同定番号NO:4(コ ドン鎖)及び配列同定番号NO:5(相補鎖)で表される。PfelFcεRα263のアミノ 酸 配列(即ち配列同定番号NO:2)から、PfelFcεRα263の推定分子量が約30.2kDで あり、推定pIが約9.51であることが予測される。配列同定番号NO:2を分析すると 、約アミノ酸1番から約アミノ酸25番までのアミノ酸の連なりによりコードさ れるシグナルペプチドの存在が分かる。ここでPfelFcεRα238と表される、提案 される成熟たんぱく質は、ここで配列同定番号NO:7で表される約238個のアミ ノ酸を含有する。PfelFcεRα238のアミノ酸配列(即ち配列同定番号NO:7)から 、PfelFcεRα238の推定分子量が約27.5kDであり、推定pIが約9.59であり、アス パラギンで結合した5つのグリコシレーション部位が、それぞれ約アミノ酸30 番から32番、36番から38番、43番から45番、136番から138番、 そして141番から143番に延びていることが予測される。 BLASTネットワークを用い、ナショナル・センター・フォー・バイオテクノロ ジー・インフォメーションを通じてたんぱく質及びヌクレオチド配列の重複のな いデータベースでホモロジー調査を行なった。たんぱく質のデータベースにはSw issProt+PIR+SPUpdate+Genpept+GPUpdateが含まれる。ヌクレオチドのデータベ ースにはGenBank+EMBL+DDBJ+PDBが含まれる。アミノ酸レベルでのこのホモロジ ー調査で最も得点の高かったマッチはGenBank受け入れ番号J03605のHomo Sapien sであり、配列同定番号NO:2に対して約54%同一であった。ヌクレオチドレベ ルでは、この調査は配列同定番号NO:1を用いて行なったが、この配列はGenBank 受け入れ番号D16413の、免疫グロブリンEれせぷたアルファ鎖のためのイヌ(即 ちイヌ)mRNAに最も類似しており、約77%の同一性がネコとイヌの配列間にあ った。 実施例3 本実施例では、分泌ネコFcεRα鎖たんぱく質の真核細胞での産生を実証する 。 ネコFcεRα鎖の細胞外ドメインの分泌型を生成するために、nfelFcεRα1069 によりコードされるネコFcεRα鎖の疎水性の膜貫通ドメインと細胞質側の尾と を以下のように取り除いた。ネコFcεRα鎖の細胞外ドメイン核酸分子を含有す る約597個のヌクレオチド断片を、nfelFcεRα1069から、核酸配列5'CGC GAA TTC TATAAA TAT GCC GGT TTT CCT GGG AGG CCCTGC3'(配列同定番号NO:9、EcoR I部位を太字で示す)を有するセンスプライマFelIgEr FWDと、核酸配列5' GCG AGA TCT TTA GGA ATC TTT TCT CAC AAC GAT GTT GAG G3'(配列同定番号NO: 10、BglII部位を太字で示す)を有するアンチセンス・プライマfelIgEr REVとを 用いてPCR増幅した。その結果得られたPCR産物(Bv-nfel FcεRα597と呼ぶ)をE coRI及びBglIIで消化させ、pVL1392バキュロウィルスシャトルプラスミド(カリ フォルニア州サンディエゴ、Pharmingen社から入手可能)のEcoRI及びBglII部位 で非反復配列にサブクローンしてここでpVL-nfelFcεRα597と呼ばれる組換え分 子を作成した。核酸分子Bv-nfelFcεRα597は、ネコFcεRα鎖の細胞外ドメイン をコードする約597個のヌクレオチド断片を含んでいたが、この断片は配列同 定番号NO:1の約ヌクレオチド65番から約661番までにある、ここで核酸分子 nfelFcεRα597と呼ばれる分子であり、この分子のコドン鎖は配列同定番号NO:1 1の核酸配列を有している。配列同定番号NO:11を翻訳すると、核酸分子nfel FcE Rα597は、ここでPfelFcεRα199と呼ばれる、約199個のアミノ酸から成ると 共に配列同定番号NO:12のアミノ酸配列を有するある一つのFcεRαたんぱく質を コードしていることが分かる。核酸分子nfel FcεRα597は分泌型のネコFcεRα 鎖をコードしている。nfel FcεRα597のコードする、プロセシング後のたんぱ く質生成物は約174個のアミノ酸であり、リーダ配列又は膜貫通ドメインを持 たない。このようなプロセシング後のたんぱく質をここではPfelFcεRα174と表 し、そのアミノ酸配列を配列同定番号NO:13に表す。PfelFcεRα174のコドン領 域はnfelFcεRα522で表され、そのコドン鎖が有する核酸配列は配列同定番号NO :14で表される。配列同定番号NO:14の相補体はここでは配列同定番号NO:15で表 される。 結果的に得られた組換え分子pVL-nfelFcεRα597を、制限マッピングによりイ ンサートの方向が正しいかどうか確認した。このような組換え分子を線形バキュ ロゴールドバキュロウィルスDNA(Pharmingen社から入手可能)に同時トランスフ ェクトさせてS.frugiperda Sf9細胞(In Vitrogen社から入手可能)に入れ、組 換え細胞S.frugiperda:pVL-nfel FcεRα597を形成した。S.frugiperda:pVL-nfe l FcεRα597を当業者に公知の技術を用いて培養してネコFcεRαたんぱく質Pfe lFcεRα199を産生させる。 以上、本発明の様々な実施例を詳細に述べてきたが、このような実施例への変 更 及び応用は当業者に想到されようことは明白である。しかしながら、このような 変更及び応用は、以下の請求の範囲に記載された本発明の範囲の包含するところ であることを明示しておく。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 17/00 171 C07K 14/705 37/08 16/18 C07K 14/705 16/28 16/18 C12N 1/15 16/28 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 7/00 1/21 C12Q 1/68 A 5/10 G01N 33/53 N 7/00 33/566 C12Q 1/68 C12N 15/00 ZNAA G01N 33/53 5/00 A 33/566 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ラッシュロー キース イー. アメリカ合衆国 80525 コロラド州 フ ォートコリンズ、ドッグウッドコート 1600 (72)発明者 ワッサム ドナルド エル. アメリカ合衆国 80524 コロラド州 フ ォートコリンズ、イーグルレイクドライブ 4615 (72)発明者 ウェーバー エリック アール. アメリカ合衆国 80525 コロラド州 フ ォートコリンズ、シルバークリークドライ ブ 2625

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. ネコFcεRαたんぱく質をコードする単離された核酸分子。 2. 配列同定番号NO:1、配列同定番号NO:3、配列同定番号NO:4、配列同定番号 NO:5、配列同定番号NO:6、配列同定番号NO:8、配列同定番号NO:11、配列同定番 号NO:14、配列同定番号NO:15及び配列同定番号NO:16のうちのいずれかから選択 される核酸配列を含む核酸分子、及び、配列同定番号NO:1、配列同定番号NO:3、 配列同定番号NO:4、配列同定番号NO:5、配列同定番号NO:6、配列同定番号NO:8、 配列同定番号NO:11、配列同定番号NO:14、配列同定番号NO:15及び配列同定番号N O:16のうちのいずれかから選択される核酸配列の対立遺伝子変異体を含む核酸分 子、のうちのいずれかから選択される単離された核酸分子。 3. 単離されたネコFcεRαたんぱく質。 4. ネコFcεRαたんぱく質を生成する方法であって、前記方法が、ネコFcεR αたんぱく質をコードする核酸分子で形質転換させた細胞を培養するステップを 含む、方法。 5. (a)単離されたネコFcεRα分子を、推定上のIgE含有組成に、FcεR α分子:IgE複合体の形成にとって適した条件下で接触させるステップと、 (b)前記FcεRα分子:IgE複合体を検出することによりIgEの存在を 判定するステップであって、前記FcεRα分子:IgE複合体の存在はIgEの 存在の指標である、ステップと を含む、IgEを検出する方法。 6. (a)組換え細胞を、推定上のIgE含有組成に、組換え細胞:IgE複 合体の形成にとって適した条件下で接触させるステップであって、前記組換え細 胞がネコFcεRα分子を含む、ステップと、 (b)前記組換え細胞:IgE複合体を検出することによりIgEの存在を判 定するステップであって、前記組換え細胞:IgE複合体の存在はIgEの存在 の指標である、ステップと を含む、IgEを検出する方法。 7. ネコFcεRαたんぱく質と、IgEを検出する手段とを含む、IgEを検 出するためのキット。 8. (a)蚤アレルゲンを基質上に固定するステップと、 (b)前記蚤アレルゲンを、推定上のIgE含有組成に、アレルゲン:I gE複合体が前記基質に結合した状態で形成されるのに適した条件下で接触させ るステップと、 (c)前記基質に結合したアレルゲン:IgE複合体が維持される条件下 で前記基質から結合しなかった物質を取り除くステップと、 (d)前記アレルゲン:IgE複合体をネコFcεRαたんぱく質に接触さ せることにより、前記アレルゲンIgE:複合体の存在を検出するステップと を含む、蚤アレルギー性皮膚炎を検出する方法。 9. ネコFcεRαたんぱく質及び蚤アレルゲンを含む、蚤アレルギー性皮膚炎 を検出するためのキット。 10. ネコFcεRαたんぱく質とIgEとの間の複合体形成に干渉する阻害物 質であって、前記阻害物質は、前記複合体形成に干渉するその能力により同定さ れるものである、阻害物質。 11. a)単離されたネコFcεRαたんぱく質を、推定上の阻害化合物に、 前記化合物の不在下では前記ネコFcεRαたんぱく質がIgEと複合体を形成す るような条件下で接触させるステップと、 b)前記推定上の阻害化合物が前記複合体形成を阻害するかどうかを判定 す るステップと を含む、ネコFcεRαたんぱく質とIgEとの間の複合体形成に干渉する化合物 を同定する方法。 12. ネコFcεRαたんぱく質とIgEとの間の複合体形成に干渉することの できる化合物を同定するための検査キットであって、IgEと複合体を形成する ことのできる単離されたネコFcεRαたんぱく質と、推定上の阻害化合物の存在 下で前記複合体形成の干渉の程度を判定する手段とを含む、検査キット。 13. 動物に投与されたときに、Fcイプシロンレセプタの伝達する生体反応を 減少させる治療用組成であって、単離されたネコFcεRαたんぱく質、ネコFcεR αたんぱく質のミメトープ、ネコFcεRα遺伝子と緊縮ハイブリダイゼーション 条件下でハイブリダイズする単離された核酸分子、ネコFcεRαたんぱく質に選 択的に結合する単離された抗体、及び、ネコFcεRαたんぱく質とIgEとの間 の複合体形成に干渉する阻害物質、のうちのいずれかから選択される治療用化合 物を含む、治療用組成。 14. 動物におけるFcイプシロンレセプタの伝達する生体反応を減少させる方 法であって、単離されたネコFcεRαたんぱく質、ネコFcεRαたんぱく質のミメ トープ、ネコFcεRα遺伝子と緊縮ハイブリダイゼーション条件下でハイブリダ イズする単離された核酸分子、ネコFcεRαたんぱく質に選択的に結合する単離 された抗体、及び、ネコFcεRαたんぱく質とIgEとの間の複合体形成に干渉 する阻害物質、のうちのいずれかから選択される治療用化合物を含む治療用組成 を動物に投与するステップを含む、方法。 15. 前記ネコFcεRαたんぱく質が、配列同定番号NO:2、配列同定番号NO:7 、配列同定番号NO:12及び配列同定番号NO:13のうちのいずれかから選択されるア ミノ酸配列を含むたんぱく質、及び、配列同定番号NO:2、配列同定番号NO:7、配 列同定番号NO:12及び配列同定番号NO:13のうちのいずれかから選択されるアミ ノ酸配列を含むたんぱく質をコードする核酸分子の対立遺伝子変異体によりコー ドされるたんぱく質、のうちのいずれかから選択される、請求項1又は3に記載 の本発明。 16. 前記核酸分子が、配列同定番号NO:1、配列同定番号NO:3、配列同定番号 NO:4、配列同定番号NO:5、配列同定番号NO:6、配列同定番号NO:8、配列同定番号 NO:11、配列同定番号NO:14、配列同定番号NO:15及び配列同定番号NO:16のうちの いずれかから選択される核酸分子と緊縮ハイブリダイゼーション条件下でハイブ リダイズする、請求項1に記載の核酸分子。 17. 前記核酸分子が、nfel Fcε1069、nfel Fcε789、nfel Fcε7 14 、nfel Fcε597及びnfel Fcε522のうちのいずれかから選択される、請 求項1、2、4、13又は14に記載の本発明。 18. 前記核酸分子が、配列同定番号NO:1、配列同定番号NO:3、配列同定番号 NO:4、配列同定番号NO:5、配列同定番号NO:6、配列同定番号NO:8、配列同定番号 NO:11、配列同定番号NO:14、配列同定番号NO:15及び配列同定番号NO:16のうちの いずれかから選択される核酸配列を含む核酸分子、及び、配列同定番号NO:1、配 列同定番号NO:3、配列同定番号NO:4、配列同定番号NO:5、配列同定番号NO:6、配 列同定番号NO:8、配列同定番号NO:11、配列同定番号NO:14、配列同定番号NO:15 及び配列同定番号NO:16のうちのいずれかから選択される核酸配列を含む核酸分 子の対立遺伝子変異体を含む核酸分子、のうちのいずれかから選択される、請求 項1又は4に記載の核酸分子。 19. 転写制御配列に有効に連結された請求項1に記載の核酸分子を含む組換 え分子。 20. 請求項1に記載の核酸分子を含む組換えウィルス。 21. 請求項1に記載の核酸分子を含む組換え細胞。 22. 前記核酸分子が、配列同定番号NO:6、配列同定番号NO:8、配列同定番号 NO:11、配列同定番号NO:14、配列同定番号NO:15及び配列同定番号NO:16のうちの いずれかから選択される核酸配列を含む核酸分子、及び、配列同定番号NO:6、配 列同定番号NO:8、配列同定番号NO:11、配列同定番号NO:14、配列同定番号NO:15 及び配列同定番号NO:16のうちのいずれかから選択される核酸配列の対立遺伝子 変異体を含む核酸分子、のうちのいずれかから選択される、請求項2に記載の核 酸分子。 23. 前記たんぱく質が、配列同定番号NO:3、配列同定番号NO:5、配列同定番 号NO:8、配列同定番号NO:15及び配列同定番号NO:16のうちのいずれかから選択さ れる核酸配列に緊縮ハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする核酸分 子によりコードされる、請求項3、又は、7乃至14に記載の本発明。 24. 前記たんぱく質が、配列同定番号NO:1、配列同定番号NO:4、配列同定番 号NO:6、配列同定番号NO:11及び配列同定番号NO:14のうちのいずれかから選択さ れる核酸配列を有する核酸分子によりコードされるたんぱく質、及び、配列同定 番号NO:1、配列同定番号NO:4、配列同定番号NO:6、配列同定番号NO:11及び配列 同定番号NO:14のうちのいずれかから選択される核酸配列を含む核酸分子の対立 遺伝子変異体を含む核酸分子によりコードされるたんぱく質、のうちのいずれか から選択される、請求項3、又は、7乃至14に記載の本発明。 25. 前記FcεRαたんぱく質が、nfel Fcε1069、nfel Fcε789、nfel Fcε714、nfel Fcε597及びnfel Fcε522のうちのいずれかから選択 される核酸分子によりコードされる、請求項3、又は、7乃至14に記載の本発 明。 26. 前記ネコFcεRαたんぱく質が、Pfel Fcε238、Pfel Fcε263、P fel Fcε199及びPfel Fcε174のうちのいずれかから選択されるたんぱく 質を含む、 請求項3、又は、7乃至14に記載の本発明。 27. 請求項3に記載のたんぱく質に選択的に結合する単離された抗体。 28. 前記細胞がS.frugiperda:pVL-nfel Fcε597である、請求項4に記載 の方法。 29. 前記FcεRα分子がネコFcεRαたんぱく質である、請求項5又は6に記 載の方法。 30. 前記FcεRα分子が、Pfel Fcε238、Pfel Fcε263、Pfel FcεR α199及びPfel Fcε174のうちのいずれかから選択されるたんぱく質を含む、 請求項5又は6に記載の方法。 31. 前記FcεRα分子が、nfel Fcε1069、nfel Fcε789、nfel FcεR α714、nfel Fcε597及びnfel Fcε522のうちのいずれかから選択される 核酸分子によりコードされる、請求項5又は6に記載の方法。 32. 前記FcεRα分子が検出可能なマーカに結合される、請求項5に記載の 方法。 33. 前記FcεRα分子が、放射性標識、酵素、蛍光標識、化学発光標識、色 素産生標識及びリガンドのうちのいずれかから選択される検出可能なマーカに結 合される、請求項5に記載の方法。 34. 前記FcεRα分子が、フルオレセイン、放射性同位体、ホスファターゼ 、ビオチン、ビオチン関連化合物、アビジン、アビジン関連化合物及びベルオキ シダーゼのうちのいずれかから選択される検出可能なマーカに結合される、請求 項5に記載の方法。 35. 前記検出可能なマーカが、化学結合又は組換えDNA技術により前記Fcε Rα分子に接続される、請求項32に記載の方法。 36. 前記FcεRα分子の炭化水素基がビオチンに結合される、請求項5に記 載の方法。 37. 前記推定上のIgE含有組成が、血液、血清、血漿、尿、涙液、房水、 脳脊髄液、唾液、リンパ液、鼻腔分泌液、乳汁及び糞尿のうちのいずれかから選 択される組成を含む、請求項5又は8に記載の方法。 38. 前記推定上のIgE含有組成が血清を含む、請求項5又は8に記載の方 法。 39. 前記推定上のIgE含有組成がIgEを産生する細胞を含む、請求項5 又は8に記載の方法。 40. 前記推定上のIgE含有組成が骨髄腫細胞を含む、請求項5又は8に記 載の方法。 41. (a)のステップを行なう前に基質上に前記FcεRα分子を固定して、F cεRα分子の固定された基質を形成するステップ、及び、(a)のステップを行 なう前に前記推定上のIgE含有組成を基質上に結合させて、推定上のIgE含 有組成の結合した基質を形成するステップ、のうちのいずれかから選択されるス テップをさらに含み、前記基質が、被膜を形成されていない基質、FcεRα分子 の固定された基質、抗原の固定された基質、及び、抗IgE抗体の固定された基 質、のうちのいずれかから選択される、請求項5に記載の方法。 42. 前記抗原が、アレルゲン及び寄生生物抗原のうちのいずれかから選択さ れる、請求項41に記載の方法。 43. 前記基質に結合した抗原又は抗体が維持されるような条件下で、前記抗 原の固定された基質又は前記抗IgE抗体の固定された基質から、結合しなかっ た物質を取り除くステップをさらに含む、請求項41に記載の方法。 44. 前記基質が、プラスチック、ガラス、ゲル、セルロイド、ペーパ及び微 粒子材料のうちのいずれかから選択される材料を含む、請求項8又は41に記載 の方法。 45. 前記基質材料が、ラテックス、ポリスチレン、ナイロン、ニトロセルロ ース、アガロース及び磁気樹脂のうちのいずれかから選択される、請求項8又は 41に記載の方法。 46. 前記基質が、ウェル、プレート、ディップスティック、ビード、ラテラ ルフロー装置、メンブラン、フィルタ、試験管、ディッシュ、セルロイド型マト リックス及び磁気粒子のうちのいずれかから選択される形状を含む、請求項8又 は41に記載の方法。 47. 前記基質が、ELISAプレート、ディップスティック、ラジオイムノアッ セイ・プレート、アガロース・ビード、プラスチック・ビード、ラテックス・ビ ード、免疫ブロットメンブラン及び免疫ブロット・ペーパを含む、請求項8又は 41に記載の方法。 48. 前記検出するステップが、酵素結合免疫検定法、ラジオイムノアッセイ 、免疫沈降法、蛍光免疫検定法、化学発光検定法、免疫ブロット検定法、ラテラ ルフロー検定法、凝集反応検定法及び微粒子を基にした検定法のうちのいずれか から選択される検定法を行なうステップを含む、請求項5に記載の方法。 49. 前記検出するステップが、 (a)前記FcεRα分子:IgE複合体を、前記FcεRα分子:IgE複合体に 選択的に結合する指示分子に接触させるステップと、 (b)FcεRα分子:IgE複合体に選択的に結合しない前記指示分子を概ね すべて取り除くステップと、 (c)前記指示分子を検出するステップであって、前記指示分子の存在はIg Eの存在の指標となる、ステップと を含む、請求項5に記載の方法。 50. 前記指示分子が、抗原、抗体及びレクチンのうちのいずれかから選択さ れる化合物を含む、請求項49に記載の方法。 51. 前記方法が、 (a)前記FcεRα分子を基質上に固定するステップと、 (b)前記FcεRα分子を、前記推定上のIgE含有組成に、FcεRα分子:I gE複合体が前記基質に結合した状態で形成されるのに適した条件下で接触させ るステップと、 (c)前記基質に結合したFcεRα分子:IgE複合体が維持されるような条 件下で、前記基質から、結合しなかった物質を取り除くステップと、 (d)前記FcεRα分子:IgE複合体の存在を検出するステップと を含む、請求項5に記載の方法。 52. 前記FcεRα分子:IgE複合体の存在が、前記FcεRα分子:IgE複 合体を、抗原、及び、IgEに選択的に結合する抗体、のうちのいずれかから選 択される化合物に接触させることにより検出される、請求項51に記載の方法。 53. 前記化合物が検出可能なマーカを含む、請求項52に記載の方法。 54. 前記方法が、 (a)特異抗原を基質上に固定するステップと、 (b)前記抗原を、前記推定上のIgE含有組成に、抗原IgE複合体が前記 基質に結合した状態で形成されるのに適した条件下で接触させるステップと、 (c)前記基質に結合した抗原:IgE複合体が維持されるような条件下で、 前記基質から、結合しなかった物質を取り除くステップと、 (d)前記抗原:IgE複合体の存在を、前記抗原:IgE複合体を前記Fcε Rα分子に接触させることにより、検出するステップと を含む、請求項5に記載の方法。 55. 前記方法が、 (a)IgEに選択的に結合する抗体を基質上に固定するステップと、 (b)前記抗体を、前記推定上のIgE含有組成に、抗体:IgE複合体が前 記基質に結合した状態で形成されるのに適した条件下で接触させるステップと、 (c)前記基質に結合した抗体:IgE複合体が維持されるような条件下で、 前記基質から、結合しなかった物質を取り除くステップと、 (d)前記抗体:IgE複合体の存在を、前記抗体:IgE複合体を前記Fcε Rα分子に接触させることにより、検出するステップと を含む、請求項5に記載の方法。 56. 前記FcεRα分子が、フルオレセイン、放射性同位体、ホスファターゼ 、ビオチン、ビオチン関連化合物、アビジン、アビジン関連化合物及びペルオキ シダーゼのうちのいずれかから選択される検出可能なマーカに結合される、請求 項54又は55に記載の方法。 57. 前記方法が、 (a)前記推定上のIgE含有組成を基質上に固定するステップと、 (b)前記組成を、前記FcεRα分子に、FcεRα分子:IgE複合体が前記基 質に結合した状態で形成されるのに適した条件下で接触させるステップと、 (c)前記基質に結合したFcεRα分子:IgE複合体が維持されるような条 件下で、前記基質から、結合しなかった物質を取り除くステップと、 (d)前記FcεRα分子:IgE複合体の存在を検出するステップと を含む、請求項5に記載の方法。 58. 前記FcεRα分子:IgE複合体の存在が、前記FcεRα分子:IgE複 合体を、抗ネコFcεRα抗体、抗原及びレクチンのうちのいずれかから選択され る指示分子に接触させることにより検出される、請求項57に記載の方法。 59. 前記FcεRα分子が検出可能なマーカを含む、請求項57に記載の方法 。 60. 前記方法が溶液中で行われる、請求項5に記載の方法。 61. 前記FcεRα分子が、配列同定番号NO:1、配列同定番号NO:4及び配列同 定番号NO:6のうちのいずれかから選択される核酸配列を含む核酸分子、及び、配 列同定番号NO:1、配列同定番号NO:4及び配列同定番号NO:6のうちのいずれかから 選択される核酸配列を含む核酸分子の対立遺伝子変異体を含む核酸分子、のうち のいずれかから選択される核酸分子によりコードされる、請求項6に記載の方法 。 62. 前記検出手段がアレルゲン及び寄生生物抗原のうちのいずれかから選択 される抗原をさらに含み、前記抗原が動物中のIgE抗体の産生を誘起する、請 求項7に記載のキット。 63. 前記検出手段が、IgEに選択的に結合する抗体を含む、請求項7に記 載のキット。 64. 前記検出手段が前記FcεRαたんぱく質を検出する、請求項7に記載の キット。 65. 前記FcεRαたんぱく質が、化学結合又は組換えDNA技術により検出可能 なマーカに接続される、請求項7に記載のキット。 66. 前記FcεRαたんぱく質がビオチンに結合される、請求項7乃至9、又 は12に記載の本発明。 67. 前記抗原が基質上に固定される、請求項62に記載のキット。 68. 前記基質が、プラスチック、ガラス、ゲル、セルロイド、ペーパ及び微 粒子材料のうちのいずれかから選択される材料を含む、請求項67に記載のキッ ト。 69. 前記基質が、ウェル、プレート、ディップスティック、ビード、ラテラ ルフロー装置、メンブラン、フィルタ、試験管、ディッシュ、セルロイド型マト リックス及び磁気粒子のうちのいずれかから選択される形状を含む、請求項67 に記載のキット。 70. 前記FcεRαたんぱく質が検出可能なマーカに結合される、請求項7に 記載のキット。 71. 前記FcεRαたんぱく質が、放射性標識、酵素、蛍光標識、化学発光標 識、色素産生標識及びリガンドのうちのいずれかから選択される検出可能なマー カに結合される、請求項7に記載のキット。 72. 前記FcεRαたんぱく質が、フルオレセイン、放射性同位体、ホスファ ターゼ、ビオチン、ビオチン関連化合物、アビジン、アビジン関連化合物及びペ ルオキシダーゼのうちのいずれかから選択される検出可能なマーカに結合される 、請求項7に記載のキット。 73. 前記FcεRαたんぱく質の炭化水素基がビオチンに結合される、請求項 7に記載のキット。 74. 前記アレルゲンが、真菌、高木、雑草、低木、稲科植物、コムギ、トウ モロコシ、ダイズ、米、卵、牛乳、チーズ、ネコ、ウシ、家禽、ブタ、ヒツジ、 酵母、蚤、ハエ、蚊、ユスリカ、ヌカカ、ブヨ、シラミ、蜂、黄蜂、アリ、ナン キンムシ及びマダニのうちのいずれかから選択される物質を由来とする、請求項 62に記載のキット。 75. 前記蚤アレルゲンが蚤唾液抗原である、請求項74に記載のキット。 76. 前記寄生生物抗原がイヌ糸状虫抗原である、請求項62に記載のキット 。 77. (a)流路を規定する支持構造と、 (b)前記抗原に結合されたビードを含む標識試薬であって、支持構造内の標 識域に含浸されている、標識試薬と、 (c)前記FcεRαたんぱく質を含む捕獲試薬であって、前記標識域に流体的 に接続する、前記標識試薬の下流にあたる捕獲域内に、前記標識試薬が前記標識 域から前記捕獲域内に流れ込むことができるような態様で配置されている、捕獲 試薬とを含む装置をさらに含む、請求項7に記載のキット。 78. 前記装置が、前記流路に沿って配置された試料受容域をさらに含む、請 求項77に記載のキット。 79. 前記装置が、前記流路の終点に配置された吸収剤をさらに含む、請求項 77に記載のキット。 80. 前記試料受容域が、前記標識試薬の上流に配置される、請求項78に記 載のキット。 81. 前記支持構造が、前記標識域から前記捕獲域へという前記ビードの流れ を妨げない材料を含む、請求項77に記載のキット 82. 前記支持構造がイオン材料を含む、請求項77に記載のキット。 83. 前記支持構造が、ニトロセルロース、PVDF及びカルボキシメチルセルロ ースのうちのいずれかから選択される材料を含む、請求項77に記載のキット8 4. 前記ビードがラテックス・ビードを含む、請求項77に記載のキット。 85. 前記標識試薬が前記標識域内で乾燥され、前記捕獲試薬が前記捕獲域内 で乾燥されている、請求項77に記載のキット。 86. 前記蚤アレルゲンが蚤唾液生成物を含む、請求項8又は9に記載の本発 明。 87. 前記阻害物質が前記複合体の形成を阻害する、請求項10に記載の阻害 物質。 88. 前記阻害物質が細胞によるヒスタミンの放出を、前記ネコFcεRαたん ぱく質が前記細胞に結びついている場合に妨げる、請求項10に記載の阻害物質 。 89. 前記阻害物質が、ネコFcεRαたんぱく質の基質類似体、ネコFcεRαた んぱく質のミメトープ、及び、ネコFcεRαたんぱく質のIgEに結合する可溶 性部分、のうちのいずれかから選択される、請求項10、13又は14に記載の 本発明。 90. 前記阻害物質がペプチド擬態化合物を含む、請求項10に記載の阻害物 質。 91. 前記ネコFcεRαたんぱく質が、IgEに結合するネコFcεRαたんぱく 質のペプチド、及び、ネコFcεRαたんぱく質のIgEに結合する可溶性部分、 のうちのいずれかから選択される、請求項13又は14に記載の本発明。 92. 前記組成が、賦形剤、アジュバント、及び担体のうちのいずれかから選 択される構成成分をさらに含む、請求項13又は14に記載の本発明。
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