JP2002370113A - ドリル - Google Patents

ドリル

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JP2002370113A JP2001185409A JP2001185409A JP2002370113A JP 2002370113 A JP2002370113 A JP 2002370113A JP 2001185409 A JP2001185409 A JP 2001185409A JP 2001185409 A JP2001185409 A JP 2001185409A JP 2002370113 A JP2002370113 A JP 2002370113A
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雄二 小山
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次夫 吉川
Akimitsu Hirano
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工状態の安定化を図ることにより、加工精
度及び加工能率を向上することのできるドリルを提供す
る。 【解決手段】 ドリル本体1の外周部には180°以上
の先端角を有しかつ軸方向に段状に並ぶ粗切刃10,2
0が設けられる。ドリル本体1の外周部には粗切刃10
の後方に位置する仕上刃30が設けられる。仕上刃30
がダイヤモンド焼結体又は窒化ほう素焼結体で形成され
る。ドリル本体1の外周部には、穴あけされた穴の内周
面に摺接可能なガイドパット40が設けられる。粗切刃
10,20の先端角が180〜200°の範囲内の角度
に設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドリルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のドリルの一例を述べる。図17に
ドリルの側面図、図18に同じく正面図が示されてい
る。図17に示されたドリルは、直刃ドリルであって、
ドリル本体1に切削部2及びシャンク部4が一体で設け
られている。図18に示すように、切削部2は、2条の
刃部3を備えている。刃部3は、先端から側縁部に延び
る切刃5及びパット部6を有している。切刃5の先端角
5θ(図17参照)は、180°以下、例えば120°
に設定されている。両刃部3の相互間における溝部8
(図18参照)は、切削油を切削部分へ導いたり、切削
された切屑を排出したりする。なお、従来には、上記の
他、上記のドリル(図17及び図18参照)と同様のド
リルの外周部に、前記切刃より後方に位置しかつドリル
の軸線に垂直な平面内に存在する外切刃を設けたものが
ある(例えば、特開昭58−149115号公報参
照)。さらに、上記のドリル(図17及び図18参照)
と同様のドリルの外周部に、前記切刃より後方に位置し
かつドリルの軸線に垂直な平面内に存在する刃工具を設
けたものがある(例えば、特開平9−150315号公
報参照)。しかし、いずれのドリルも、加工開始時に
は、上記のドリル(図17及び図18参照)と同様の切
刃によってドリル加工するものに変わりがない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ドリルの加工状態を模
式図で示した図19において、ドリル加工される被加工
物Wは、例えば、アルミダイカスト製の素材であり、鋳
抜き穴(下穴という)Hを有している。下穴Hは被加工
物Wを貫通する穴であって、その下穴Hの回りの加工代
Pをドリル加工すなわち切削加工する。このような場
合、加工時のドリル(ドリル本体1)と被加工物Wの下
穴Hとの芯ずれは避けられない。
【0004】したがって、加工開始時においては、一方
の切刃5(図17参照)のみによる加工(片刃加工とい
う)となる。このため、ドリル本体1が傾くといった
「ドリル倒れ」(図19中、二点鎖線1参照)が発生し
やすく、また、ドリル(ドリル本体1)の回転が不安定
になって振動が増大しやすい。このように、ドリルの傾
きや振動等によって加工状態が不安定になると、加工精
度が悪化し、加工能率の低下を招くことになる。
【0005】なお、上記被加工物Wの他、図20に断面
図で示す止まり穴のように、有底状の下穴H1の底部H
aを含む加工代Pを有底状にドリル加工する場合におい
ても、上記と同様の問題が生じた。また、有底状の下穴
H1の底部Haを含む回りの加工代Pを貫通状にドリル
加工する場合においても、上記と同様の問題が生じた。
さらに、図21に断面図で示すように、有底状の下穴H
1の底部Hbを含む回りの加工代Pを底部Hb側から貫
通状にドリル加工する場合においても、上記と同様の問
題が生じた。
【0006】本発明が解決しようとする課題は、加工状
態の安定化を図ることにより、加工精度及び加工能率を
向上することのできるドリルを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題は、特許請求の
範囲の欄に記載された構成を要旨とするドリルにより解
決することができる。すなわち、請求項1に記載された
ドリルによると、ドリル本体の外周部に設けられた粗切
刃が180°以上の先端角を有している。したがって、
被加工物の下穴に対する芯ずれが生じたとしても、加工
開始時の片刃加工を防止することができる。これによ
り、ドリルの加工状態が安定するため、加工精度及び加
工能率を向上することができる。
【0008】また、請求項2に記載されたドリルによる
と、180°以下の先端角を有する底切刃によって、被
加工物の有底状の下穴における底部をドリル加工するこ
とができる。
【0009】また、請求項3に記載されたドリルによる
と、周方向にほぼ等間隔で並ぶ3個以上の粗切刃によっ
て、被加工物の下穴を周方向からバランス良くドリル加
工することができる。
【0010】また、請求項4に記載されたドリルによる
と、粗切刃により切削された被加工物の加工穴の内周面
を仕上刃により高精度に仕上げることができる。
【0011】また、請求項5に記載されたドリルによる
と、ダイヤモンド焼結体又は窒化ほう素焼結体で形成さ
れた仕上刃であるため、加工穴の内周面の性状を向上す
ることができるとともに、仕上刃の寿命を向上すること
ができる。
【0012】また、請求項6に記載されたドリルによる
と、ドリル加工に際し、加工穴の内周面にドリル本体の
ガイドパットが摺接することにより、加工穴の内周面が
バニシュ仕上げされる。これとともに、ドリル本体が自
己保持作用いわゆるセルフブッシング作用を受けること
により、その軸心が定位置に保持される。このため、ド
リルの加工状態を一層安定させることができる。
【0013】また、請求項7に記載されたドリルによる
と、加工穴の拡大代、粗さ及び真円度等の加工性能に優
れたドリルを得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]本発明の実施の
形態1を説明する。本実施の形態1は上記した従来の技
術におけるドリルの先端部形状を変更したものであるか
らその変更部分について詳述し、同一部位には同一符号
を付すことにより重複する説明は省略する。図1にドリ
ルの先端部の正面図、図2に図1のII視側面図、図3
に図1のIII視側面図、図4に図1のIV視側面図が
示されている。
【0015】ドリル本体1の切削部2において、各刃部
3の外周部には、その回転方向(図1中、矢印Y参照)
の前側より後方へ順に、第1の粗切刃10、仕上刃3
0、第2の粗切刃20がそれぞれ形成されている。ま
た、第1の粗切刃10及び第2の粗切刃20はドリル本
体1の軸方向に関し同位置で形成され、仕上刃30は両
粗切刃10,20に対しドリル本体1の軸方向後方へ所
定量ずれて形成されている。なお、ドリル本体1は、例
えば超硬合金により形成されている。
【0016】図4に示すように、前記第1の粗切刃10
は、ドリル本体1の軸線Lを含む一平面上に形成された
すくい面10aと、例えば8°の逃げ角10θAで形成
された逃げ面10bとを有している。さらに、第1の粗
切刃10の先端角10θ(図2参照)は、180°以上
で形成されている。第1の粗切刃10の外形寸法は、外
周部のガイドパッド40(後述する)の外形寸法より小
さく形成されている。
【0017】図2に示すように、前記第2の粗切刃20
は、ドリル本体1の軸線Lを含む一平面上に形成された
すくい面20aと、例えば8°の逃げ角20θAで形成
された逃げ面20bとを有している。さらに、第2の粗
切刃20の先端角20θ(図4参照)は、180°以上
で形成されている。また、第2の粗切刃20の先端角2
0θを180°+α2、前記第1の粗切刃10の先端角
10θ(図2参照)を180°+α1とすると、α2と
α1とは、α2≦α1の関係に設定されている。なお、
第2の粗切刃20と第1の粗切刃10とは、軸方向に関
し同位置に形成されている。また、第2の粗切刃20と
第1の粗切刃10は2個ずつ計4個形成されており、そ
の4個の粗切刃が周方向にほぼ等間隔で並んでいる。
【0018】図3に示すように、前記仕上刃30は、ド
リル本体1の軸方向の先端の両粗切刃10,20の後方
に位置し、すくい面30aと、例えば10°の角30θ
Aで形成された切れ刃を有している。仕上刃30の外形
寸法は、両粗切刃10,20の外形寸法より大きく形成
されている。また、仕上刃30は、ダイヤモンド焼結体
又は窒化ほう素焼結体で形成されている。その仕上刃3
0は、刃部3に一体形成しても良いし、別体で形成した
ものを刃部3にろう付け等の固定手段により取付けても
よい。ちなみに、被加工物がアルミ材料の場合には、仕
上刃30をダイヤモンド焼結体で形成するとよい。ま
た、被加工物が硬度の高い鋳鉄材料等の場合には、仕上
刃30を窒化ほう素焼結体で形成するとよい。
【0019】図1に示すように、前記ドリル本体1の外
周部には、前記第1の粗切刃10、前記第2の粗切刃2
0及び前記仕上刃30にそれぞれ連続する計6点のガイ
ドパット40が形成されている。各ガイドパット40
は、被加工物の穴あけされた穴(加工穴という)の内周
面に摺接可能に形成されている。
【0020】上記したドリルにより被加工物の穴加工を
行う場合を説明する。ドリルの加工状態を模式図で示し
た図5において、加工開始時には、被加工物Wの下穴H
に対するドリル(ドリル本体1)の芯ずれの有無に関係
なく、第1の粗切刃10及び第2の粗切刃20(図1参
照)による周方向からバランスの良い切削加工により、
ドリル(ドリル本体1)が被加工物Wに所定の位置に位
置決めされる。このとき、ドリル本体1の第1の粗切刃
10が180°以上の先端角10θ(図2参照)を有
し、また第2の粗切刃20が180°以上の先端角20
θ(図4参照)を有している。これにより、片刃加工を
防止することができ、ドリルの加工状態が安定する。
【0021】そして、上記安定した加工状態でのドリル
加工の進行にともない、両粗切刃10,20(図1参
照)により切削された被加工物Wの下穴Hすなわち加工
穴H2(図5参照)の内周面が、仕上刃30(図1参
照)により狙い径に切削される。
【0022】また、計6点のガイドパット40(図1参
照)が被加工物Wの加工穴H2(図5参照)の内周面に
摺接する。これにより、加工穴H2の内周面がバニシュ
仕上げ加工(いわゆる研磨加工)される。これととも
に、ドリル本体1が自己保持作用いわゆるセルフブッシ
ング作用を受けることにより、その軸心(軸線L)が定
位置に保持されるため、ドリルの加工状態が安定する。
その後、所定の位置までドリルを進行させれば良い。
【0023】また、前記ドリル本体1の溝部8(図1参
照)を通じて切削部分に切削油等の油剤が供給されるこ
とにより、潤滑・冷却効果を得ることができる。
【0024】上記したドリルと従来のドリル(図17及
び図18参照)との比較試験により有効性が認められた
性能について以下に列記する。図6に加工穴入口部の真
円度の特性線図が示されている。図6において、横軸は
加工穴H2(図5参照)の入口からの深さ(mm)を示
し、縦軸は加工穴入口部の真円度(μm)を示してい
る。そして、特性線L1は本実施の形態のドリルによる
加工穴入口部の真円度の測定結果であり、特性線L2は
従来のドリル(図17及び図18参照)による加工穴入
口部の真円度の測定結果である。
【0025】図6から明らかなように、本実施の形態の
ドリルによると、従来のドリルに比べて、加工穴入口部
の真円度において約2倍の精度向上が認められた。これ
は、第1の粗切刃10及び第2の粗切刃20による成果
と考えられる。
【0026】また、図7に加工穴の位置精度の比較図が
示されている。図7において、横軸及び縦軸は加工原点
を「0」(ゼロ)とする加工穴の位置ずれ量(μm)を
示している。また、点L3は、下穴H(図5参照)の中
心位置(下穴位置と称する)を示している。そして、◆
印は本実施の形態のドリルによる加工穴の位置ずれ量の
測定結果であり、▲印は従来のドリル(図17及び図1
8参照)による加工穴の位置ずれ量の測定結果である。
【0027】図7から明らかなように、本実施の形態の
ドリルによると、従来のドリルに比べて、加工穴の位置
ずれ量において約5倍強の精度向上が認められた。これ
は、第1の粗切刃10及び第2の粗切刃20と6点のガ
イドパット40とによる成果と考えられる。
【0028】また、図8に加工精度と加工能率との関係
の比較図が示されている。図8において、横軸は加工精
度を示し、縦軸は加工能率を示している。そして、●印
は本実施の形態のドリルによる位置ずれ量の測定結果で
あり、○印は従来のドリル(図17及び図18参照)に
よる位置ずれ量の測定結果である。
【0029】図8から明らかなように、本実施の形態の
ドリルによると、従来のドリルに比べて、加工能率を高
くしても、加工精度が悪くならずに良くなることがわか
る。これは、第1の粗切刃10及び第2の粗切刃20と
6点のガイドパット40と仕上刃30とによる成果と考
えられる。
【0030】上記したドリルによると、ドリル本体1の
外周部に設けられた粗切刃10,20(図1参照)が1
80°以上の先端角10θ(図2参照),20θ(図4
参照)を有している。したがって、被加工物W(図5参
照)の下穴Hに対する芯ずれが生じたとしても、加工開
始時の片刃加工を防止することができる。これにより、
ドリルの加工状態が安定するため、加工精度及び加工能
率を向上することができる。
【0031】また、軸方向にほぼ等間隔で並ぶ粗切刃1
0,20(図2参照)によって、被加工物W(図5参
照)の下穴Hを周方向からバランス良くドリル加工する
ことができる。
【0032】また、粗切刃10,20(図1参照)によ
り切削された被加工物Wの加工穴H2(図5参照)の内
周面を仕上刃30(図1参照)により高精度に仕上げる
ことができる。
【0033】また、ダイヤモンド焼結体又は窒化ほう素
焼結体で形成された仕上刃30(図1参照)であるた
め、被加工物Wの加工穴H2(図5参照)の内周面の性
状を向上することができるとともに、仕上刃30の寿命
を向上することができる。
【0034】また、ドリル加工に際し、加工穴H2(図
5参照)の内周面にドリル本体1のガイドパット40が
摺接することにより、加工穴H2の内周面がバニシュ仕
上げされる。これとともに、ドリル本体1が自己保持作
用いわゆるセルフブッシング作用を受けることにより、
その軸心が定位置に保持される。このため、ドリルの加
工状態を一層安定させることができる。
【0035】また、粗切刃10(又は20)の先端角1
0θ(図2参照)(又は20θ(図4参照))が、18
0〜200°の範囲内の角度に設定されることによっ
て、加工穴H2(図5参照)の拡大代、粗さ及び真円度
等の加工性能に優れたドリルを得ることができる。詳し
くは、図9に粗切刃10(又は20)の先端角10θ
(又は20θ)と加工穴H2(図5参照)の拡大代との
関係の特性図が示されている。図9において、横軸は粗
切刃先端角(°)を示し、縦軸は加工穴の拡大代(μ
m)を示している。なお、拡大代とは、ドリル加工を行
った加工穴の径と仕上刃30の直径との差である。
【0036】また、図10に粗切刃10(又は20)の
先端角10θ(又は20θ)と加工穴の粗さとの関係の
特性図が示されている。図10において、横軸は粗切刃
の先端角(°)を示し、縦軸は加工穴の粗さRzを示し
ている。なお、粗さRzとは、ドリル加工を行った加工
穴の内周面の粗さである。
【0037】また、図11に粗切刃10(又は20)の
先端角10θ(又は20θ)と加工穴の真円度との関係
の特性図が示されている。図11において、横軸は粗切
刃の先端角(°)を示し、縦軸は加工穴の真円度(μ
m)を示している。なお、図9〜図11の刃先角におけ
る「従来」とは、刃先角が例えば120°のドリルを示
している。
【0038】図9〜図11から明らかなように、第1の
粗切刃10の先端角10θ(図2参照)及び/又は第2
の粗切刃20の先端角20θ(図4参照)を180〜2
00°の範囲内の角度に設定することによって、加工穴
の拡大代、粗さ及び真円度等の加工性能に優れたドリル
を得ることができる。
【0039】また、実施の形態1のドリルによると、図
21に示すような被加工物Wの有底状の下穴H1におけ
る底部Hbを含む回りの加工代Pを貫通状にドリル加工
する場合においても、上記と同様の作用・効果が得られ
る。
【0040】[実施の形態2]本発明の実施の形態2を
説明する。実施の形態2は、上記した実施の形態1の一
部を変更したものであるからその変更部分について詳述
し、重複する説明は省略する。図12にドリルの先端部
の正面図、図13に図12のXIII視側面図、図14
に図12のXIV視側面図、図15に図12のXV視側
面図が示されている。
【0041】本実施の形態のドリルは、実施の形態1に
おけるドリルの粗切刃10、20の内周部に底切刃50
が設けられている。底切刃50は、180°以下の先端
角50θ(図13参照)を有しかつ両粗切刃10,20
より先方(図13〜図15において上方)へ突出されて
いる。底切刃50は、従来のドリルにおける切刃5(図
18参照)とほぼ同様の構成を有している。
【0042】実施の形態2のドリルによると、180°
以下の先端角50θ(図13参照)を有する底切刃50
によって、例えば、図16に断面図で示すような被加工
物Wの有底状の下穴H1における底部Haを切削すなわ
ちドリル加工することができる。
【0043】本発明は上記した実施の形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における
変更が可能である。例えば、粗切刃10,20は、上記
実施の形態では、どちらか一方のみの粗切刃としてもよ
いし、あるいは同様に3個以上設けることができる。ま
た、仕上刃30及び/又はガイドパット40は省略する
ことも可能である。また、刃部3は2条に限定されるも
のではなく3条以上にしてもよい。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のドリルによ
れば、加工状態が安定するため、加工精度及び加工能率
を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるドリルを示す正
面図である。
【図2】図1のII視側面図である。
【図3】図1のIII視側面図である。
【図4】図1のIV視側面図である。
【図5】ドリルの加工状態を示す模式図である。
【図6】加工穴入口部の真円度を示す特性線図である。
【図7】加工穴の位置精度を示す比較図である。
【図8】加工精度と加工能率との関係を示す比較図であ
る。
【図9】粗切刃の先端角と加工穴の拡大代との関係を示
す特性図である。
【図10】粗切刃の先端角と加工穴の粗さとの関係を示
す特性図である。
【図11】粗切刃の先端角と加工穴の真円度との関係を
示す特性図である。
【図12】本発明の実施の形態2にかかるドリルを示す
正面図である。
【図13】図12のXIII視側面図である。
【図14】図12のXIV視側面図である。
【図15】図12のXV視側面図である。
【図16】被加工物の下穴を示す断面図である。
【図17】従来にかかるドリルを示す側面図である。
【図18】同じく、正面図である。
【図19】ドリルの加工状態を示す模式図である。
【図20】被加工物の下穴の別例を示す断面図である。
【図21】被加工物の下穴の別例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ドリル本体 10 第1の粗切刃(粗切刃) 10θ 先端角 20 第2の粗切刃(粗切刃) 20θ 先端角 30 仕上刃 40 ガイドパット 50 底切刃 50θ 先端角
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年6月29日(2001.6.2
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】図4に示すように、前記第1の粗切刃10
は、ドリル本体1の軸線Lを含む一平面上に形成された
すくい面10aと、例えば8°の逃げ角10θAで形成
された逃げ面10bとを有している。さらに、第1の粗
切刃10の先端角10θ(図2参照)は、180°以上
で形成されている。第1の粗切刃10の外径寸法は、外
周部のガイドパッド40(後述する)の外径寸法より小
さく形成されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】図3に示すように、前記仕上刃30は、ド
リル本体1の軸方向の先端の両粗切刃10,20の後方
に位置し、すくい面30aと、例えば10°の角30θ
Aで形成された切れ刃を有している。仕上刃30の外径
寸法は、両粗切刃10,20の外径寸法より大きく形成
されている。また、仕上刃30は、ダイヤモンド焼結体
又は窒化ほう素焼結体で形成されている。その仕上刃3
0は、刃部3に一体形成しても良いし、別体で形成した
ものを刃部3にろう付け等の固定手段により取付けても
よい。ちなみに、被加工物がアルミ材料の場合には、仕
上刃30をダイヤモンド焼結体で形成するとよい。ま
た、被加工物が硬度の高い鋳鉄材料等の場合には、仕上
刃30を窒化ほう素焼結体で形成するとよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】また、図8に加工精度と加工能率との関係
の比較図が示されている。図8において、横軸は加工精
度を示し、縦軸は加工能率を示している。そして、●印
は本実施の形態のドリルあり、○印は従来のドリル
(図17及び図18参照)ある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】図8から明らかなように、本実施の形態の
ドリルによると、従来のドリルに比べて、加工能率を高
くしても、加工精度が悪くならずに良くなることがわか
る。これは、第1の粗切刃10及び第2の粗切刃20と
6点のガイドパット40と仕上刃30とによる成果と考
えられる。すなわち、従来のドリルで加工精度を良くす
るためには加工能率を低くならざるを得ないのに対し、
本実施の形態のドリルは図6及び図7からも明らかなよ
うに加工精度が大幅に向上される。このことから、図8
では、本実施の形態のドリルによれば、加工能率を高く
しながらも加工精度が良くなることを示している。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】実施の形態2のドリルによると、180°
以下の先端角50θ(図13参照)を有する底切刃50
によって、例えば、図16に断面図で示すような被加工
物Wの有底状の下穴H1における底部Haを切削すなわ
ちドリル加工することができる。なお、底切刃50の外
径寸法は、下穴H1の内周面を加工しない寸法に設定し
ている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北村 達哉 愛知県大府市共和町一丁目1番地の1 愛 三工業株式会社内 (72)発明者 小山 雄二 愛知県大府市共和町一丁目1番地の1 愛 三工業株式会社内 (72)発明者 吉川 次夫 愛知県刈谷市宝町6丁目31番地 日本超硬 株式会社内 (72)発明者 平野 昭光 愛知県刈谷市宝町6丁目31番地 日本超硬 株式会社内 Fターム(参考) 3C037 BB01 CC08 DD03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドリル本体の外周部には、180°以上
    の先端角を有する粗切刃が設けられたことを特徴とする
    ドリル。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のドリルであって、 前記粗切刃の内周部には、180°以下の先端角を有し
    かつ粗切刃より先方へ突出する底切刃が設けられたこと
    を特徴とするドリル。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のドリルであっ
    て、 前記ドリル本体の外周部には、周方向にほぼ等間隔で並
    ぶ3個以上の前記粗切刃が設けられたことを特徴とする
    ドリル。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3に記載のドリルであ
    って、 前記ドリル本体の外周部には、前記粗切刃の後方に位置
    する仕上刃が設けられたことを特徴とするドリル。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のドリルであって、 前記仕上刃が、ダイヤモンド焼結体又は窒化ほう素焼結
    体で形成されたことを特徴とするドリル。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1つに記載のド
    リルであって、 前記ドリル本体の外周部には、穴あけされた穴の内周面
    に摺接可能なガイドパットが設けられたことを特徴とす
    るドリル。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1つに記載のド
    リルであって、 前記粗切刃の先端角が、180〜200°の範囲内の角
    度に設定されたことを特徴とするドリル。
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