JP2002370091A - 生体水に類似する水およびその製造法 - Google Patents

生体水に類似する水およびその製造法

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JP2002370091A
JP2002370091A JP2001178923A JP2001178923A JP2002370091A JP 2002370091 A JP2002370091 A JP 2002370091A JP 2001178923 A JP2001178923 A JP 2001178923A JP 2001178923 A JP2001178923 A JP 2001178923A JP 2002370091 A JP2002370091 A JP 2002370091A
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Shoichi Okochi
正一 大河内
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Aqua Science Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】飲料水や食品の製造等に使用する水、あるいは
浴用水やシャワー水、化粧用の水、ボディーケア用の
水、更には医療用の水等に使用する水を生体水に近い状
態とする生体水に類似した水を提供する。 【解決手段】ORPが、通常大気環境下で平衡となる2
5℃基準で、ORP=0.84−0.047pH未満よ
りORP=−0.059pH以上のORP範囲の還元性
を有し、且つpHが4〜8の範囲にある水を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飲料水や食品の製
造等に使用したり、あるいは浴用水、シャワー水、化粧
用の水、ボディーケア用の水、更には輸液等の医療用の
水に使用する水を、生体水に近い状態とした生体水に類
似した水およびその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人間を含めて動植物、魚介類の生体に関
係する水が、pH値では一部測定されてきたが、ORP
(標準水素電極基準の酸化還元電位で、単位はV)値は
ほとんど測定されてこなかった。仮りに測定されたとし
ても、それらの値の意味するところは明らかでなかっ
た。それ故、生体水が検討されても、その主要な関心は
溶解成分が中心であり、全く新しいORP−pHの観点
からの生体水はこれまで全く予想も、検討もされてこな
かった。
【0003】
【発明の背景および発明が解決しようとする課題】通常
大気環境下にある水は、ORP−pH関係(25℃基
準)で図1に示す上下の実線範囲内に存在する。すなわ
ち、図1の上・下の実線はそれぞれ水が酸化分解
((1)式)および還元分解((2)式)する境界線を
示している。
【0004】
【化1】
【0005】そして、本発明者は、その出願に係る特願
平10−153768号において通常大気環境下で平衡
にある水のORP−pH関係が、図1の破線で示す
(3)式の関係(平衡ORP)で表されることを始めて
明らかにした。
【0006】
【化2】
【0007】このことにより、破線より上の領域は酸化
系、下の領域は還元系、破線上は平衡系を示すことが明
確となり、各種水の評価が可能となった。そこで、本発
明者はこの関係を用いることで温泉水および皮膚のag
ing(老化)評価が可能であることを前記特願平10
−153768号において明らかにしてきた。すなわ
ち、温泉源泉ではpHが約1付近の強酸性から10以上
の強アルカリ性まで広く分布しているが、いずれの温泉
源泉も湧出直後のORPは通常の大気環境と平衡にある
図1の破線((3)式)より低い還元系にあり、時間の
経過にともない酸化されて平衡ORPに近づく結果を得
ている。
【0008】更に、皮膚は弱酸性であることは既に知ら
れているが、図1に示すように皮膚も平衡ORPより低
い還元系にあるということも前記特願平10−1537
68号において明らかにした。すなわち、図1はいずれ
の健常者(図中、印で示す)の皮膚のORPとpHの関
係が、pHでは約4以上7以下にあり、一方ORPはい
ずれも破線で示す平衡ORPより低く、ORP=0.8
0−0.047pHとORP=0.40−0.047p
Hに囲まれた範囲に存在することを示している。すなわ
ち、図1の結果は皮膚は弱酸性であると同時に、還元系
であることを表している。
【0009】図2は、平衡ORPと皮膚のORPとの差
をエージング指標AI(Aging Index)とし
て定義し、それら皮膚のAI指標と加齢との関係を示し
たものであり、AI指標は加齢にともないそれらの値は
小さくなり、皮膚が酸化されて平衡系(AI=0)に近
づくということも、前記特願平10−153768号に
おいて明らかにした。図2から明らかなように、●印で
示す各測定者の年齢が進むにつれてAI値は小さくな
り、皮膚の老化は加齢と共に平衡ORPに近づき、皮膚
のエージングが進んでいることを示している。また、前
記AI指標により皮膚だけでなく、先に述べた温泉水も
同様にaging評価ができることを特願平10−15
3768号において明らかにした。
【0010】更に本発明者は、我々生体に関係する水に
ついてもORP−pH関係を測定した。図3に、生体水
として血液の血漿、血液から腎臓で濾過されて生成され
る尿、および唾液についての測定結果を示す。図3から
明らかなように、これら生体に関係する水は弱酸性から
弱アルカリ性にpHは分布し、一方ORPは平衡ORP
より低い還元系であることが判った。また、これまでに
測定されている内臓系(胃、十二指腸、空腸、回腸、盲
腸および直腸)のpHおよびORPについても、図3に
合わせて示すと、pHでは強酸性の胃を除くと、弱酸性
から弱アルカリ性、ORPはいずれも平衡ORPより低
い還元系であった。それ故、生体に関わる水、すなわち
生体水は、強酸性の特殊な胃を除いて皮膚も含めて考察
すると、pHは4以上8未満の範囲で、且つORPはO
RP=0.84−0.047pH未満よりORP=−
0.059pH以上のORP範囲(25℃基準)の還元
性を有するものであると定義することができる。その結
果、前記範囲内にある水は生体水に類似する水であると
いうことができる。
【0011】図4に、魚介類、牛乳および肉類について
の測定結果を示す。図4から明らかなように、pHは弱
酸性から弱アルカリ性、ORPはすべて還元系を示して
いる。これら魚介類、牛乳および肉類も、本発明者が定
義した生体水の範囲にORPおよびpHが納まる結果を
示した。
【0012】更に図5に、野菜および果実類についての
測定結果を示す。図5から明らかなように、pHは野菜
では弱酸性であるが、果実は野菜に比べて酸性が強い傾
向にあった。しかし、いずれもORPは還元系を示し
た。
【0013】前記生体水と我々が日常摂取する水道水、
市販ミネラル水、清涼飲料水、野菜、果物、魚介類、牛
乳、肉類等を含めて、図6にそれらのORP−pH関係
の模式図を示した。水道水は、pHは中性付近である
が、ORPは残留塩素のため平衡ORPより高い酸化系
となっており、浄水器等の活性炭で脱塩素することによ
り、天然水の市販ミネラル水と同じ平衡ORPになる。
それ故、水道水、市販ミネラル水は生体の還元系とは異
なる。
【0014】一方、人工的に加工した清涼飲料水では、
酸化防止を兼ねたアスコルビン酸等が加えられているこ
とから、ORPは還元系であるが、pHは3付近の強酸
性を示した。しかし、緑茶、ウーロン茶や紅茶等の市販
茶系飲料水では、弱酸性で還元系、更に牛乳では中性で
還元系を示し、これらはいずれも図中灰色で示す生体水
の領域に含まれる結果が得られた。
【0015】また、野菜、果物では、pHは一部強酸性
のものがあるが、多くは中性から酸性付近に分布し、O
RPはすべて平衡ORPより低い還元系であった。それ
故、野菜および一部強酸性を除いた果実類も前記生体水
の領域内にあることが判る。
【0016】以上の結果を総合すると、本発明者が定義
した生体水に類似するよう飲料水、食品の製造等に使用
する水、あるいは浴用水、シャワー水、化粧用の水、ボ
ディーケア用の水、更には輸液等の医療用の水に使用す
る水を製造し、その水を使用することにより、生体に刺
激が少なく優しいだけでなく、皮膚および食品等の酸化
を防止し、皮膚では老化を抑制することが期待可能とな
る。それ故、生体水に類似した水は、我々が日常接触ま
たは摂取する水として大変有効な水と考えられるという
観点から、本発明は生体水に類似する水およびその製造
法を提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、ORP(標準
水素電極基準の酸化還元電位で、単位はV)が通常大気
環境下で平衡となる25℃基準で、ORP=0.84−
0.047pH未満の還元性を有し、且つpHが4〜8
の範囲にある水を製造するという手段を採用することに
より、上記課題を解決した。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明は、ORPが、通常大気環
境下で平衡となる25℃基準で、ORP=0.84−
0.047pH未満よりORP=−0.059pH以上
のORP範囲の還元性を有し、且つpHが4〜8の範囲
にある生体水に類似する水およびその製造方法に関する
ものであるが、以下更に詳細に説明する。
【0019】隔膜またはイオン交換膜を有する電解装置
に通水して、水を電解したときに生成される陽極側の酸
性水を、活性炭や活性炭繊維または還元性物質と接触さ
せて、活性塩素や活性酸素を除去し、陰極側のアルカリ
イオン水と一緒に混合するか、または前記電解した陽極
側の酸性水と陰極側のアルカリイオン水を直ちに一緒に
混合した水を、活性炭や活性炭繊維または還元性物質と
接触させて、活性塩素や活性酸素を除去することで、本
発明生体水に類似した水を製造できる。更に、無隔膜の
電解装置に通水して電解した水を、活性炭や活性炭繊維
または還元性物質と接触させて、活性塩素や活性酸素を
除去することで、本発明生体水に類似した水を製造でき
る。
【0020】すなわち、電解の際、陽極ではORPの高
い活性塩素や活性酸素が生成されるが、活性炭や活性炭
繊維あるいは還元性物質に接触させることで、陽極で生
成される水のORPを平衡ORP以下まで下げることが
できる。一方、陰極で生成された水素はORPを低くす
るが、活性炭や活性炭繊維あるいは還元性物質に接触さ
せても、ORPは高くなることはない。そのため、両極
で生成された水を混合した場合、ORPは平衡ORPよ
り低い還元系の水となる。
【0021】前記還元水中には、陰極で水素が生成され
る電極反応の過程で、原子状の活性水素が生成されるこ
とが、白畑等の電解陰極水の研究(Biochem,
Biophys, Res, Comms, 234
269(1997),237,313(1997),
55,110(1999)等)で明らかにされた。更
に、この活性水素の抗酸化能により、活性酸素が消去さ
れ、それ故DNAの酸化損傷の抑制、癌細胞の増殖抑
制、抗糖尿病効果に有効であることを指摘している。こ
のことから、水の電解により生成した生体に類似した還
元系の水には、これまで癌等の病気や老化の原因物質と
考えられている活性酸素を消去する抗酸化性の活性水素
が含まれることから、上記効能が期待できる。特に、イ
オン交換膜を利用した水の電解では、イオン交換膜の間
に電解質水溶液を用いるため、電解効率は高くなり、活
性水素の生成が容易となる。その際の電解質としては、
代表的には塩化ナトリウムがあるが、その他にも硫酸ナ
トリウムや炭酸水素ナトリウム等を用いることが可能で
ある。
【0022】また、水素や、還元性の気体または爆発限
界以下の濃度に空気や二酸化炭素ガス等の他の気体で希
釈した水素を、水道水に溶解させても、還元系の生体に
類似した水を製造することができる。ここで、前記水素
または希釈した水素に、水素分子の結合を切り、原子状
の活性水素が生成するエネルギーを有する紫外線を照射
し、または加熱したタングステンフィラメントに流通さ
せることで生成させたこれら活性水素を含む気体を水と
接触させ、または水素を含む気体を予め水と接触させて
溶解した水に、水素分子の結合を切り、原子状の活性水
素が生成するエネルギーを有する紫外線を照射溶解させ
ることで、抗酸化性を有する活性水素を含む生体水に類
似する水を製造することができる。
【0023】具体的には、水素、または安全のためにア
ルゴン等の不活性気体、あるいは二酸化炭素のように結
合エネルギーが大きい気体で、水素の爆発限界以下の濃
度に希釈した水素混合気体の流路に、H−H間の結合を
切るエネルギーを有する紫外線照射装置を設置し、紫外
線を連続的に照射後、直ちに気液接触装置に導き、回分
式または連続式に水と気−液接触させることで、生体水
に類似した水を製造できる。生成される活性水素の濃度
は、紫外線の強度、紫外線照射時間、水素および水素混
合気体の流量、気−液接触効率、温度等を変えること
で、調整可能である。
【0024】なお、二酸化炭素のC=O結合のエネルギ
ーは688〜731KJ/molと大きく、これは16
4〜174nmの波長に相当することから、紫外線照射
に低圧水銀灯(波長254nm)を用いれば、H−H結
合のみが切れて活性水素を生成する。しかし、希釈ガス
の二酸化炭素のC=O結合は切れない。それ故、二酸化
炭素はアルゴン等の不活性ガスより、非常に安価であ
り、希釈ガスとして有効と思われる。また、予め水素を
含む気体を水と接触させて溶解した水に、前記紫外線を
照射溶解させることにより抗酸化性を有する活性水素水
を含む生体水に類似する水を製造することができる。
【0025】一方、加熱したタングステンフィラメント
に前記水素や水素希釈ガスを流通させることで、活性水
素が生成されることから、直ちに気液接触装置に導き、
回分式または連続式に水と気−液接触させることで、抗
酸化性を有する活性水素水を含む生体に類似した水を製
造できる。活性水素の濃度は、フィラメントとガスの接
触時間や接触効率を、流量や水素濃度を変えることでコ
ントロール可能である。更に、水に200nm以下の強
力な紫外線を照射することにより、水が分解して水素と
水酸基ラジカルを生成する。そこで、200nm以下の
高圧水銀灯(波長185nm)を用いた紫外線照射装置
に通水し、活性炭や活性炭繊維または還元性物質と接触
させることで、水酸基ラジカルを含む活性酸素および活
性塩素等が除去されることで、活性水素を含む本発明の
生体水に類似した水を製造できる。
【0026】また、活性炭や活性炭繊維に接触させた水
道水を、ORPを下げる還元性物質と接触させて、ある
いは水道水を還元性物質と接触させることにより、還元
系の水を製造することができる。
【0027】前記ORPを下げる還元性物質としては、
亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩等の無機系還元
物質、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム等の
有機系還元物質、カテキン類、ポリフェノール類、フラ
ボノイド類、リコベン、アントシアニン、キサントフィ
ル等の各種植物および生薬系還元物質、更には水素等の
還元性気体を採用した。すなわち、前記物質はいずれも
還元性を有する物質であるため本発明に採用できる。ま
た、特に前記無機系還元物質は電解質としても有効であ
る。
【0028】前記各方法により製造された還元系の水の
pH調整には、酸またはアルカリ物質、電解質またはミ
ネラルを溶出する岩石や鉱物、イオン交換樹脂、更には
二酸化炭素ガスの単独または2つ以上の組み合わせを用
いることで前記還元系の水のpHを4〜8に調整を行
い、本発明生体水に類似した水を製造することができ
る。特に、二酸化炭素ガスを用いる場合、皮膚の血流量
の増加が期待できる60ppm以上の濃度、好ましくは
温泉法で炭酸泉として定義されている250ppm以上
の濃度、更に好ましくは療養泉として定義されている1
000ppm以上の濃度で溶解させることにより、弱酸
性から弱アルカリ性で、且つ還元系の天然炭酸泉に類似
した水となる。
【0029】本発明による生体水に類似した水は、飲料
水や食品関連の水として応用するだけではなく、シャワ
ー装置または温水循環器、あるいはそれらの両方または
一方を備えた浴槽および洗面台等の水に応用すること
で、皮膚の酸化防止や皮膚の老化抑制に有効性が期待で
きる。更には、生体に類似した水であることから輸液等
の医療用の水としても期待できる。
【0030】
【実施例1】通常のアルカリイオン水製造用電解槽を用
い、陽極側で造られる酸性水と陰極側で造られるアルカ
リイオン水を、それぞれ流量を調整し混合して得られた
電解水を、活性炭ろ過することにより活性塩素および活
性酸素を除去した。図7に水道水を用いた結果の一例を
示した。酸性水は、図7に示すようにpHは酸性で、O
RPは破線の平衡ORPより高い酸化系にあるが、活性
炭ろ過により、ORPは平衡ORPに低下する。一方、
アルカリイオン水のpHはアルカリ性であるが、ORP
は平衡ORPより低い還元系にあり、アルカリイオン水
は活性炭ろ過により影響されないことから、この両者を
混合比率を変えて混合することにより、弱酸性から弱ア
ルカリ性で、且つ還元系の図中灰色で示す領域内にある
生体水に類似した水を製造することができた。そして、
流量、電解強度、水道水中に添加する電解質濃度および
酸性水とアルカリイオン水の混合比率を変えることで、
pHおよびORPを自由に変化させた生体水に類似した
水の製造が可能となった。また、上記電解槽に温水を用
いる場合は、浴槽水およびシャワー水としても使用可能
で、浴槽の場合温度をコントロールする加熱器を電解槽
と組み合せてもよく、皮膚の酸化防止および老化抑制が
期待できる生体水に類似した水による入浴が可能とな
る。
【0031】
【実施例2】前記実施例1の電解槽の隔膜を除去した無
隔膜電解槽の出口側に活性炭ろ過槽を連結した。この無
隔膜電解槽に水道水を通し電解した結果の一例を図8に
示した。弱アルカリ性で残留塩素により平衡ORPより
高い酸化系の水道水は、無隔膜電解により、弱アルカリ
性から中性の還元系の電解水となった。この電解水を必
要な場合、pHの調整をすることで、図中灰色で示す領
域内にある生体水に類似した水が製造できた。pHの調
整法としては、コハク酸等の酸性物質による方法、弱塩
基性陰イオン交換樹脂で水中のOHイオンをSOやC
lイオン等と交換させる方法、二酸化炭素ガスを溶解さ
せる方法等がある。そして、流量、電解強度、水道水中
に添加する電解質濃度、更にはpH調整方法を変えるこ
とで、pHおよびORPを自由に変化させた生体水に類
似した水の製造が可能となった。また、実施例1で述べ
た入浴やシャワーも当然可能である。特に、二酸化炭素
ガスを用いる場合、皮膚の血流量の増加が期待できる6
0ppm以上の濃度、好ましくは温泉法で炭酸泉として
定義されている250ppm以上の濃度、更に好ましく
は療養泉として定義されている1000ppm以上の濃
度で溶解させることにより、弱酸性から弱アルカリ性
で、且つ還元系の天然炭酸泉に類似した水となる。
【0032】
【実施例3】水素を爆発限界以下の濃度に炭酸ガスで希
釈したボンベ(2%水素含有)を用い、この混合気体を
低圧水銀灯により254mmの紫外線を照射後、それら
を浴槽水(41℃)に溶解した結果の一例を、図9に示
した。弱アルカリ性で、酸化系の浴槽水は水素含有の二
酸化炭素ガスを溶解させることにより、弱酸性で還元系
の図中灰色で示す領域内にある生体水に類似した浴槽水
となった。そして、二酸化炭素ガスの溶解量を変えるこ
とで、pHおよびORPを自由に変化させた活性水素を
含む生体水に類似した水の製造が可能となった。特に、
二酸化炭素ガスを用いる場合、皮膚の血流量の増加が期
待できる60ppm以上の濃度、好ましくは温泉法で炭
酸泉として定義されている250ppm以上の濃度、更
に好ましくは療養泉として定義されている1000pp
m以上の濃度で溶解させることにより、弱酸性から弱ア
ルカリ性で、且つ還元系の天然炭酸泉に類似した水とな
る。
【0033】
【発明の効果】本発明は上述のようであるから、本発明
生体水に類似する水は、その目的に応じて極めて簡単に
製造することができると共に、本発明製造方法によって
得られた生体水に類似した水を飲料水や食品関連の水と
して応用することにより、生体に刺激が少ない優しい水
となり、更に、シャワー水や浴用水を生成するシャワー
装置または温水循環器、あるいはそれらの両方または一
方を備えた浴槽および洗面台等の水に応用すると共に、
化粧用水やボディーケア用の水として使用することで、
皮膚の酸化防止や老化抑制を期待できる水となる。ま
た、二酸化炭素ガスを使用する場合、弱酸性から弱アル
カリ性の範囲で、且つ還元系の天然炭酸泉に類似した水
ができるので、一般家庭で天然炭酸泉と同様の効能を有
する浴槽水とすることができる。更には、生体に類似し
た水であることから輸液等の医療用の水としても有効で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】水のORPとpHの関係と人間の皮膚のORP
とpHの関係とを合わせて示す図である。
【図2】皮膚のエージング(老化)指標AIとages
(年齢)の関係を示す図である。
【図3】人間の血漿、だ液、尿および内蔵のORPとp
Hの関係を示す図である。
【図4】魚介類、牛乳および肉類のORPとpHの関係
を示す図である。
【図5】野菜および果実類のORPとpHの関係を示す
図である。
【図6】生体水と日常摂取する飲料水および食品とのO
RPとpHの関係を模式的に示す図である。
【図7】酸性水、活性炭ろ過酸性水並びにアルカリイオ
ン水のORPとpHとの関係および前記活性炭濾過酸性
水とアルカリイオン水を2種類流量比率を変えて混合さ
せたときに生成される水のORPとpHの関係を示す図
である。
【図8】無隔膜電解で電解し、活性炭濾過した電解水と
pHをそれぞれコハク酸、二酸化炭素ガスおよび弱塩基
性陰イオン交換樹脂(Cl型)で変化させたときのOR
PとpHの関係を示す図である。
【図9】水素2%含有二酸化炭素ガスボンベより、これ
らガスを紫外線照射して浴槽(41℃)に溶解させたと
きのORPとpHの関係を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年6月15日(2001.6.1
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】
【実施例3】水素を爆発限界以下の濃度に炭酸ガスで希
釈したボンベ(2%水素含有)を用い、この混合気体を
低圧水銀灯により254mの紫外線を照射後、それら
を浴槽水(41℃)に溶解した結果の一例を、図9に示
した。弱アルカリ性で、酸化系の浴槽水は水素含有の二
酸化炭素ガスを溶解させることにより、弱酸性で還元系
の図中灰色で示す領域内にある生体水に類似した浴槽水
となった。そして、二酸化炭素ガスの溶解量を変えるこ
とで、pHおよびORPを自由に変化させた活性水素を
含む生体水に類似した水の製造が可能となった。特に、
二酸化炭素ガスを用いる場合、皮膚の血流量の増加が期
待できる60ppm以上の濃度、好ましくは温泉法で炭
酸泉として定義されている250ppm以上の濃度、更
に好ましくは療養泉として定義されている1000pp
m以上の濃度で溶解させることにより、弱酸性から弱ア
ルカリ性で、且つ還元系の天然炭酸泉に類似した水とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/28 C02F 1/32 4D061 1/32 1/42 B 1/42 1/68 510B 1/68 510 520B 520 520C 520G 520K 530B 530 540A 540 540C 540E 9/00 502H 9/00 502 502J 502L 502M 502Z 503A 503 504B 504 A23L 2/00 V Fターム(参考) 4B017 LK02 LP08 LP10 LP11 4C083 AB051 CC01 CC02 CC04 CC25 DD27 EE06 EE12 4D024 AA02 BA02 DB09 DB10 DB19 DB26 DB29 DB30 4D025 AA01 DA03 DA04 DA06 DA09 DA10 4D037 AA02 BA18 CA01 CA04 CA13 CA15 4D061 DA03 DA07 DA08 EA02 EB13 EB37 EB39 FA06 FA07 FA08 FA12 FA20 GA23 GC18

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ORP(標準水素電極基準の酸化還元電位
    で、単位はV)が、通常大気環境下で平衡となる25℃
    基準で、ORP=0.84−0.047pH未満よりO
    RP=−0.059pH以上のORP範囲の還元性を有
    し、且つpHが4〜8の範囲にあることを特徴とする生
    体水に類似する水。
  2. 【請求項2】pHおよびORP調整を、酸またはアルカ
    リ物質、電解質またはミネラルを溶出する岩石や鉱物、
    イオン交換樹脂、更には二酸化炭素ガスの単独または2
    つ以上の組み合わせで行うことを特徴とする請求項1記
    載の生体水に類似する水。
  3. 【請求項3】二酸化炭素ガスを60ppm以上の濃度で
    溶解させることを特徴とする請求項1または2記載の生
    体水に類似する水。
  4. 【請求項4】隔膜またはイオン交換膜を有する電解装置
    に通水して、水を電解したときに生成される陽極側の酸
    性水を、活性炭や活性炭繊維、または還元性物質と接触
    させて、活性塩素や活性酸素を除去した後、陰極側のア
    ルカリイオン水と一緒に混合して得られた電解水の、ま
    たは前記電解した陽極側の酸性水と陰極側のアルカリイ
    オン水とを直ちに一緒に混合した水を、活性炭や活性炭
    繊維、または還元性物質と接触させて、活性塩素や活性
    酸素を除去して得られた電解水の、それぞれのORP
    が、通常大気環境下で平衡となる25℃基準で、ORP
    =0.84−0.047pH未満よりORP=−0.0
    59pH以上のORP範囲の還元性を有し、且つpHが
    4〜8の範囲にあることを特徴とする生体水に類似する
    水の製造法。
  5. 【請求項5】無隔膜の電解装置に通水して電解した水
    を、活性炭や活性炭繊維、または還元性物質と接触させ
    て、活性塩素や活性酸素を除去した電解水のORPが、
    通常大気環境下で平衡となる25℃基準で、ORP=
    0.84−0.047pH未満よりORP=−0.05
    9pH以上のORP範囲の還元性を有し、且つpHが4
    〜8の範囲にあることを特徴とする生体水に類似する水
    の製造法。
  6. 【請求項6】水素または還元性の気体、あるいは爆発限
    界以下の濃度に空気や二酸化炭素ガス等の他の気体で希
    釈した水素を、水に溶解させて、ORPが、通常大気環
    境下で平衡となる25℃基準で、ORP=0.84−
    0.047pH未満よりORP=−0.059pH以上
    のORP範囲の還元性を有し、且つpHが4〜8の範囲
    にあることを特徴とする生体水に類似する水の製造法。
  7. 【請求項7】水素または爆発限界以下の濃度に他の気体
    で希釈した水素に、水素分子の結合を切り、原子状の活
    性水素が生成するエネルギーを有する紫外線を照射させ
    た気体を、または加熱したタングステンフィラメントに
    流通させた水素を含む気体を、水と接触させることで、
    あるいは水素を含む気体を予め水と接触させて溶解した
    水に、水素分子の結合を切り、原子状の活性水素が生成
    するエネルギーを有する紫外線を照射させることで、こ
    れらの水のORPが、通常大気環境下で平衡となる25
    ℃基準で、ORP=0.84−0.047pH未満より
    ORP=−0.059pH以上のORP範囲の還元性を
    有し、且つpHが4〜8の範囲にあることを特徴とする
    生体水に類似する水の製造法。
  8. 【請求項8】水を水素および水酸基ラジカルに分解する
    200nm以下の強力なエネルギーを有する紫外線を水
    に照射し、活性炭や活性炭繊維、または還元性物質と接
    触させて、水酸基ラジカルを含めた活性酸素や活性塩素
    を除去した水のORPが、通常大気環境下で平衡となる
    25℃基準で、ORP=0.84−0.047pH未満
    よりORP=−0.059pH以上のORP範囲の還元
    性を有し、且つpHが4〜8の範囲にあることを特徴と
    する生体水に類似する水の製造法。
  9. 【請求項9】活性炭や活性炭繊維に接触させた水を、還
    元性物質と接触させ、または水を還元性物質と接触させ
    て、それらの水のORPが、通常大気環境下で平衡とな
    る25℃基準で、ORP=0.84−0.047pH未
    満よりORP=−0.059pH以上のORP範囲の還
    元性を有し、且つpHが4〜8の範囲にあることを特徴
    とする生体水に類似する水の製造法。
  10. 【請求項10】pHおよびORP調整を、酸またはアル
    カリ物質、電解質またはミネラルを溶出する岩石や鉱
    物、イオン交換樹脂、更には二酸化炭素ガスの単独また
    は2つ以上の組み合わせで行うことを特徴とする請求項
    4〜9のいずれかに記載の生体水に類似する水の製造
    法。
  11. 【請求項11】二酸化炭素ガスを60ppm以上の濃度
    で溶解させることを特徴とする請求項4〜10のいずれ
    かに記載の生体水に類似する水の製造法。
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