JP2002368573A - 超薄板圧電振動子及びその製造方法 - Google Patents

超薄板圧電振動子及びその製造方法

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JP2002368573A
JP2002368573A JP2001173339A JP2001173339A JP2002368573A JP 2002368573 A JP2002368573 A JP 2002368573A JP 2001173339 A JP2001173339 A JP 2001173339A JP 2001173339 A JP2001173339 A JP 2001173339A JP 2002368573 A JP2002368573 A JP 2002368573A
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JP2001173339A
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Osamu Ishii
修 石井
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Toyo Communication Equipment Co Ltd
Original Assignee
Toyo Communication Equipment Co Ltd
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  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 電極膜厚制御が容易で、ワイヤボンディング
による外部との導通を図ることができ、更に、CI値
(クリスタル・インピーダンス)の増大を防止すること
を可能とした電極構造を備えた超薄板圧電振動子を提供
することを目的とする。 【解決手段】 薄肉の振動部と前記振動部の周囲を支持
する厚肉の環状囲繞部とを一体的に構成し、その断面構
造が凹型若しくは逆凹型の超薄板圧電振動子において、
主凹陥部内であって、且つ、平坦側の励振用主電極と対
向する位置に更に副凹陥部を設け、励振用主電極が配置
される部位の圧電素板の厚みを更に薄くせしめた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧電振動子に関し、
殊に100MHz以上の高い基本波共振周波数を有し、
CI値の劣化を防止し、且つ、良好な共振特性を得るに
好適な電極構造を備えた超薄板圧電振動子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種電子機器や伝送通信機器にお
ける情報量の増大と処理速度の高速化に伴って、それら
の機器に用いる基準周波数信号源として機能する圧電振
動子に対して、高周波化及び高い周波数安定度の要求が
著しくなっている。こうした背景のなか、従来から圧電
振動子や圧電フィルタとして多用されてきた一般的なA
Tカット水晶振動子は周波数温度特性は極めて優れてい
るものの、ATカット水晶圧電板の厚みすべり振動を利
用しているため、その共振周波数は板厚に反比例する、
つまり周波数が高くなればなるほどATカット水晶基板
の厚みは薄くなることから、基板の製造技術及び基板の
耐衝撃性等の機械的強度の観点から基板の厚みが約30
μmの55MHz程度が上限であった。
【0003】そこで、更に高い周波数信号を得る手段と
して、ATカット水晶振動子の高調波成分を抽出して基
本波共振周波数の奇数倍の周波数を出力する、所謂オー
バートーン周波数発振回路が知られている。しかし、オ
ーバートーン信号を選択するために、発振回路にコイル
を含むLC同調回路を備える必要があるが、発振回路を
半導体集積回路化して小型化する際、周知の通りコイル
は集積化の上で不都合である。また、オーバートーン発
振回路は、必然的に、ATカット水晶振動子の容量比γ
が大きなるため発振周波数の可変範囲が狭まること、且
つインピーダンスレベルが高くなり発振することが困難
である等のデメリットがあった。
【0004】一方、圧電性を有する基板上に導電性材料
を用いてすだれ状電極(Interdigital Transducer:以
下、IDT)を形成してなる弾性表面波(Surface Acou
sticWave:以下、SAW)共振子を用いて、高い周波数
信号を得る手段も知られている。即ち、SAW共振子
は、共振周波数とIDTのピッチとが反比例の関係に有
り、近年のフォトリソグラフィ技術の進歩によって高精
細なIDTを形成することが可能であることから、共振
周波数は1〜2GHz程度まで可能となった。しかし、
SAW共振子に用いる圧電基板の周波数温度特性がAT
カット水晶基板の周波数温度特性に比べて著しく劣るた
め、高い周波数安定度を必要とする基準周波数信号源に
は適用できなかった。
【0005】そこで、本願出願人は、前述したATカッ
ト水晶振動子の基本波共振周波数上限55MHzを上げ
るために、フォトリソグラフィ技術やエッチング等の技
法を用いて図3に示すような凹陥型の水晶基板からなる
高周波圧電振動子を提案し、超薄板圧電振動子として既
に量産中である。図3(a)は超薄板圧電振動子の構成
を示す平面図であり、図3(b)はそのA−Aにおける
断面図である。ATカット水晶基板1は、凹陥部2の内
底面の振動部3と前記振動部3の周囲を支持する環状囲
繞部4との一体形成からなり、更に、ATカット水晶基
板1の平坦側の主面上に、振動部3に対向する所定の部
位に励振用主電極5、前記励振用主電極5から延出した
リード電極6、リード電極6と接続したワイヤボンディ
ング用パッド電極7とを形成し、凹陥部2の側壁を含む
凹陥側の全面には全面電極8を形成している。
【0006】以下に、図4に従って、前記超薄板圧電振
動子の製造工程について説明する。図4(a)に示すよ
うにATカット水晶基板9の両主面にフォトリソグラフ
ィ技術により保護膜10を形成し、凹陥を形成すべき所
定の部位11のみ水晶基板を露出させる。図4(b)に
示すように水晶基板が露出した部位11にエッチングを
施し凹陥せしめ、該凹陥部2の内底面の厚さを所望の厚
みになるまでエッチングし、超薄肉の振動部3を形成す
ると共に、該振動部3の周囲を支持する厚肉の環状囲繞
部4を一体的に形成した後、保護膜10を剥離する。
【0007】尚、超薄肉の振動部3のエッチングされた
平面は水晶基板1の他方の主面と平行にエッチングされ
る性質があるため、良好な平面度、平行度を有する振動
部3を形成することができる。
【0008】次に、図4(c)に示すように、凹陥部2
側全面に真空蒸着やスパッタ成膜等により導体膜を形成
し全面電極8とし、平坦側の主面上には、真空蒸着、ス
パッタ成膜、フォトリソグラフィ技法等を用いて、振動
部3のほぼ中央部に主電極5、該主電極5から延出する
リード電極6及び外部との電気的接続を図るためのワイ
ヤボンディング用パッド電極7を同時に形成し、共振周
波数の極めて高いATカット水晶振動子を実現してい
る。
【0009】前述したように厚み滑り振動をするATカ
ット水晶振動子の共振周波数fは、振動部3の厚みtに
反比例し、その関係式は、周知の通り、次式で表すこと
ができる。 f=k/t 尚、共振周波数fの単位はMHz、厚みtの単位はμm
であり、定数kは、ATカット水晶基板の場合、167
0MHz・μmである。
【0010】例えば、基本波共振周波数100MHzの
超薄板圧電振動子を実現するためには、ATカット水晶
基板の厚みtは約17μmとなり、前記ATカット水晶
基板1の一方の主面の中央部に形成する凹陥部2の内底
面、つまり振動部3の厚みtが約17μmとなるまでエ
ッチングすることになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ATカット水晶振動子
において、質量負荷効果により圧電基板に設けた電極部
分のみに振動エネルギーを閉じ込めた「エネルギー閉じ
込め型圧電振動子」が研究され、実用化されていること
は周知の通りである。
【0012】上述した如き高周波化を可能とした超薄板
圧電振動子において、「振動エネルギー閉じ込め型圧電
振動子」を適用する場合、薄くなった振動部の板厚、つ
まりATカット水晶基板1の凹陥部2の内底面に位置す
る振動部3の板厚に準じて、電極膜厚も薄くする必要が
ある。
【0013】即ち、100MHz以上の基本波共振周波
数が振動するよう、エネルギー閉じ込め効果を考慮して
設計を行うと、電極膜厚は30nm以下の超薄膜とな
る。
【0014】しかしながら、現在の製造プロセスにおい
ては、圧電基板へ導電膜を成膜する際の膜厚コントロー
ルが非常に困難であるという問題や前記ワイヤボンディ
ング用パッド電極7と外部との間で信号を導出或は導入
するためにワイヤボンディングによって結線を行うため
には、少なくとも50nm以上の電極膜厚が必要であり
ワイヤボンディングの工程で支障をきたすという問題が
あった。
【0015】更には、電極膜厚が30μm以下と非常に
薄い薄膜であることから、抵抗損失が大きく、更にリー
ド電極6においては他の電極より細幅であるために抵抗
損失がより大きくなってしまう。即ち、電極膜厚の薄さ
に起因する抵抗損失によって、超薄板圧電振動子のCI
値(クリスタル・インピーダンス=水晶振動子の等価抵
抗)が大きくなってしまうという問題があった。
【0016】そこで、30μm以下という非常に薄い電
極膜厚に鑑みて、凹陥型の水晶基板の平坦側に形成した
励振電極直下のみに更に副凹陥部を設けることによっ
て、エネルギー閉じ込め効果を得ると共に、50nm以
上の電極膜厚を可能とした構造も提案されている。しか
し、ATカット水晶基板には、結晶軸方向により異方性
を有するため、エッチングを行い凹陥部を形成した時、
図5(b)に示すようにX軸方向のA−A断面図におけ
る凹陥部側壁の傾斜度θAと図5(c)に示すように
Z'軸方向のB−B断面図における凹陥部側壁の傾斜度
θBでは、傾斜度が異なり、θB<θAとなる性質を有
している。
【0017】即ち、副凹陥部内底面に形成した励振用電
極からボンディング用パッド電極まで延出して形成した
リード電極が凹陥部側壁で、水晶の結晶軸方向によって
は断線してしまうという問題があり、量産に当たって、
結晶軸方向を管理する工程を加えなければならなかっ
た。
【0018】よって、本発明は、上述した従来の超薄板
圧電振動子に関する諸問題を解決するためになされたも
のであって、現在の製造プロセスにおいて充分成膜コン
トロールが可能であり、ワイヤボンディングも可能な電
極膜厚を有し、且つ、電極の薄膜化による抵抗損失も防
止した電極構造を備えた超薄板圧電振動子を提供するこ
とを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る超薄板圧電振動子及びその製造方法の請
求項1記載の発明は、薄肉の振動部と前記振動部の周囲
を支持する厚肉の環状囲繞部とを一体的に構成し、その
断面構造が凹型若しくは逆凹型の超薄板圧電振動子にお
いて、主凹陥部内であって、且つ、平坦側の励振用主電
極と対向する位置に更に副凹陥部を設け、励振用主電極
が配置される部位の圧電基板の厚みを更に薄くしたこと
を特徴としている。
【0020】請求項2記載の発明は、薄肉の振動部と前
記振動部の周囲を支持する厚肉の環状囲繞部とを一体的
に構成し、その断面構造が凹型若しくは逆凹型の超薄板
圧電振動子において、主凹陥部内であって、且つ、平坦
側の励振用主電極と対向する位置に更に副凹陥部を設
け、励振用主電極が配置される部位の圧電基板の厚みを
更に薄くし、凹陥側全面を全面電極としたことを特徴と
している。
【0021】請求項3記載の発明は、薄肉の振動部と前
記振動部の周囲を支持する厚肉の環状囲繞部とを一体的
に構成し、その断面構造が凹型若しくは逆凹型のATカ
ット水晶基板を用いた超薄板圧電振動子において、主凹
陥部内であって、且つ、平坦側の励振用主電極と対向す
る位置に更に副凹陥部を設け、励振用主電極が配置され
る部位の圧電基板の厚みを更に薄くしたことを特徴とし
ている。
【0022】請求項4記載の発明は、薄肉の振動部と前
記振動部の周囲を支持する厚肉の環状囲繞部とを一体的
に構成し、その断面構造が凹型若しくは逆凹型のATカ
ット水晶基板を用いた超薄板圧電振動子において、主凹
陥部内であって、且つ、平坦側の励振用主電極と対向す
る位置に更に副凹陥部を設け、励振用主電極が配置され
る部位の圧電基板の厚みを更に薄くし、凹陥側全面を全
面電極としたことを特徴としている。
【0023】請求項5記載の発明は、薄肉の振動部と前
記振動部の周囲を支持する厚肉の環状囲繞部とを一体的
に構成し、その断面構造が凹型若しくは逆凹型の超薄板
圧電振動子において、圧電基板の所定の位置に所望の寸
法と深さの副凹陥部に相当する凹陥をフォトリソグラフ
ィ及びエッチング技法により形成する工程と、前記凹陥
を含む前記圧電基板主面に所望の大きさの主凹陥部をフ
ォトリソグラフィ及びエッチング技法により形成する工
程と、平坦側主面の副凹陥部に対向する部位に該副凹陥
部の外形とほぼ同一の寸法、且つ、所望の膜厚を有する
励振用主電極、該励振用主電極から延出したリード電
極、及び前記主面端部の所望部位に位置し前記リード電
極に接続したパッド電極とを一体形成する工程と、凹陥
側全面に全面電極を形成する工程とを備えたことを特徴
とする超薄板圧電振動子の製造方法である。
【0024】請求項6記載の発明は、薄肉の振動部と前
記振動部の周囲を支持する厚肉の環状囲繞部とを一体的
に構成し、その断面構造が凹型若しくは逆凹型のATカ
ット水晶基板を用いた超薄板圧電振動子において、圧電
基板の所定の位置に所望の寸法と深さの副凹陥部に相当
する凹陥をフォトリソグラフィ及びエッチング技法によ
り形成する工程と、該凹陥を含む前記圧電基板主面に所
望の大きさの主凹陥部をフォトリソグラフィ及びエッチ
ング技法により形成する工程と、平坦側主面の副凹陥部
に対向する部位に該副凹陥部の外形とほぼ同一の寸法、
且つ、所望の膜厚を有する励振用主電極、該励振用主電
極から延出したリード電極、及び前記主面端部の所望部
位に位置し前記リード電極に接続したパッド電極とを一
体形成する工程と、凹陥側全面に全面電極を形成する工
程とを備えたことを特徴とする超薄板圧電振動子の製造
方法である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図示した実施の形態例に基
づいて本発明を詳細に説明する。図1は、本発明に係る
超薄板圧電振動子の電極構造を示す図であって、図1
(a)はその平面図であり、図1(b)はそのA−Aに
おける断面図である。ATカット水晶基板12は、主凹
陥部13、主凹陥部13の内底面に形成された副凹陥部
14、及び主凹陥部13の内底面の超薄肉部の周囲を支
持する厚肉の環状囲繞部15との一体形成からなり、更
に、ATカット水晶基板12の平坦側の主面上に、副凹
陥部14に対向する部位に副凹陥部の外形と同寸法(L
1,L2)の励振用主電極16、前記励振用主電極16
から延出したリード電極17、リード電極17と接続し
たワイヤボンディング用パッド電極18とを形成し、凹
陥側全面には全面電極19を形成している。
【0026】以下に、図2に従って、前記超薄板圧電振
動子の製造工程について説明する。図2(a)の如くA
Tカット水晶基板20の両主面にフォトリソグラフィ技
術により保護膜21を形成し、副凹陥部14に相当する
凹陥を形成する所定の部位22のみ水晶基板を露出させ
る。図2(b)の如く水晶基板が露出した部位22に所
要の深さまでエッチングを行い凹陥部23を形成後、図
2(c)に示すように保護膜21を剥離する。次に、図
2(d)の如くATカット水晶基板24の両主面にフォ
トリソグラフィ技術により保護膜25を形成し、前記凹
陥部23を含む所定の部位26のみ水晶基板を露出させ
る。そして、図2(e)の如く水晶基板が露出した部位
26に所要の深さまでエッチングを行い、図2(f)に
示すような超薄肉部27とその周囲を支持する厚肉の環
状囲繞部28を一体的に形成した後、保護膜25を剥離
する。このとき、ATカット水晶基板12には、主凹陥
部13とその内底面に副凹陥部14が形成されている。
【0027】エッチングされた凹陥側の平面は水晶基板
12の平坦側の主面と平行にエッチングされる性質があ
るので、主凹陥部13を形成した時、図2(c)の凹陥
部23に相当する副凹陥部14を確実に形成することが
できる。尚、凹陥形成において、本実施例においてエッ
チング技法を用いているが、本発明は、これに限定され
るものではなく機械加工等の技術によって凹陥を形成し
てもよい。
【0028】ここで、ATカット水晶基板20に、先ず
副凹陥部に相当する凹陥23を形成して、その後に主凹
陥部13を形成した理由は、初めに主凹陥部13を形成
した後に副凹陥部14を形成する工法では、主凹陥部1
3形成後の副凹陥部14を形成するためのフォトリソグ
ラフィを行う際に保護膜を塗布する工程で、ATカット
水晶基板に形成された主凹陥部の深さが副凹陥部の深さ
に比べて、極めて大きいために均一に保護膜を形成でき
ず保護膜にムラができてしまい、結果的に高精度なバラ
ツキのない副凹陥部を形成できないという問題があるか
らである。
【0029】次に、図2(g)に示すように、凹陥側全
面に真空蒸着やスパッタ成膜等により導体膜を形成し全
面電極19とし、平坦側の主面上には、電極形状がかた
どられたマスク等を用いた真空蒸着やスパッタ成膜、或
はフォトリソグラフィ技法等を用いて、副凹陥部14に
対向する部位に副凹陥部14の外形とほぼ同寸法(L
1,L2)の励振用主電極16、該励振用主電極16か
ら延出するリード電極17及び外部との電気的接続を図
るためのワイヤボンディング用パッド電極18を同時に
形成する。
【0030】尚、副凹陥部の深さ、つまりエッチング量
Δtは以下の式によって求めることができる。 Δt=(te1−te2)×(ρe/ρx) ここで、上記各パラメータは、Δt:エッチング量,t
e1:電極膜厚,te2:エネルギー閉じ込めに要する
設計上の電極膜厚,ρe:電極材料の密度,ρx:水晶
の密度である。
【0031】一例として、数値を用いて説明するなら
ば、基本波共振周波数が100MHzのATカット水晶
振動子を設計する場合、電極材料を金、電極膜厚te1
を100nm、エネルギー閉じ込めに要する設計上の電
極膜厚te2を30nm、金の密度ρeを19.3kg
/m、水晶の密度ρxを2.65kg/mとすれ
ば、前述の式から、エッチング量Δtは約510nmと
求めることができる。
【0032】上述の如く構成することによって、平坦側
に形成する励振用主電極16,リード電極17,及びボ
ンディング用パッド電極18の電極膜厚を、導電膜を成
膜する工程においては成膜コントロール可能な範囲内
で、そしてワイヤボンディンク工程においてはボンディ
ングが可能である50nm以上の電極膜を備えた共振周
波数の極めて高いATカット水晶振動子を実現すること
ができる。
【0033】更に、電極膜厚を50nm以上とすること
が可能となったので、抵抗損失の増大を招くことなくC
I値の劣化も防止することができる。
【0034】また、本発明では、励振用主電極からボン
ディング用パッド電極まで延出したリード電極はATカ
ット水晶基板の平坦側に形成されているので断線するこ
とはなく、また凹陥側も全面電極としたので水晶の結晶
軸によらないため断線することはない。
【0035】以上、ATカット水晶基板を用いた超薄板
圧電振動子を本発明の実施例として説明したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、他の圧電材料、例え
ばランガサイト(LaGaSiO14)や四ホウ酸
リチウム(Li)などの圧電材料についても
本発明を適用することができるのは言うまでもない。
【0036】
【発明の効果】本発明に係るプリント基板は、以上説明
した如く構成したので下記の如く優れた効果を奏する。
請求項1乃至4の発明は、平坦側に形成する励振用主電
極,リード電極,及びボンディング用パッド電極の電極
膜厚を、現在の製造プロセスにおいて成膜コントロー
ル、及びワイヤボンディングが可能である50nm以上
の電極膜構造とすることができるという優れた効果を奏
する。
【0037】更に、電極膜厚が50nm以上であるた
め、抵抗損失の増大を招くことがないのでCI値の劣化
も防止することができるという優れた効果を奏する。
【0038】従って、CI値の小さなエネルギー閉じ込
め型の超薄板圧電振動子を提供することができるという
優れた効果を奏する。
【0039】また、励振用主電極からボンディング用パ
ッド電極まで延出したリード電極は圧電基板の平坦側に
形成され、且つ、凹陥側も全面電極としたので圧電基板
の結晶軸によらないことから断線が生じないという優れ
た効果を奏する。
【0040】請求項5乃至6の発明は、従来の製造工程
を大幅に変えることなく、共振特性の優れたバラツキの
ない、且つ、良品率の高い超薄板圧電振動子をバッチ処
理で製造することが可能となるため、大量生産に好適で
あるという優れた効果を奏する。
【0041】従って、高周波帯の基本波振動で動作する
超薄板圧電振動子を低価格で提供することができるとい
う優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態を説明するための図であ
って、(a)は超薄板圧電振動子の平面図、(b)はそ
の断面図である。
【図2】(a)乃至(g)は、本発明に係る超薄板圧電
振動子の製造工程を説明するための断面図である。
【図3】(a)は従来の超薄板圧電振動子の平面図、
(b)はその断面図である。
【図4】(a)乃至(c)は、従来の超薄板圧電振動子
の製造工程を説明するための断面図である。
【図5】圧電基板の結晶軸方向の異方性とエッチングと
の関係を説明するための図であって、(a)は圧電基板
の平面図、(b)はそのA−A断面図、(c)は、その
B−B断面図である。
【符号の説明】
1 圧電基板 2 凹陥部 3 振動部 4 環状囲繞部 5 主電極 6 リード電極 7 ボンディング用パッド電極 8 全面電極 9 圧電基板 10 保護膜 11 露出面 12 圧電基板 13 主凹陥部 14 副凹陥部 15 環状囲繞部 16 主電極 17 リード電極 18 ボンディング用パッド電極 19 全面電極 20 圧電基板 21 保護膜 22 露出面 23 凹陥 24 圧電基板 25 保護膜 26 露出面 27 超薄肉部 28 環状囲繞部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄肉の振動部と前記振動部の周囲を支持
    する厚肉の環状囲繞部とを一体的に構成し、その断面構
    造が凹型若しくは逆凹型の超薄板圧電振動子において、
    主凹陥部内であって、且つ、平坦側の励振用主電極と対
    向する位置に更に副凹陥部を設け、励振用主電極が配置
    される部位の圧電基板の厚みを更に薄くしたことを特徴
    とする超薄板圧電振動子。
  2. 【請求項2】 薄肉の振動部と前記振動部の周囲を支持
    する厚肉の環状囲繞部とを一体的に構成し、その断面構
    造が凹型若しくは逆凹型の超薄板圧電振動子において、
    主凹陥部内であって、且つ、平坦側の励振用主電極と対
    向する位置に更に副凹陥部を設け、励振用主電極が配置
    される部位の圧電基板の厚みを更に薄くし、凹陥側全面
    を全面電極としたことを特徴とする超薄板圧電振動子。
  3. 【請求項3】 薄肉の振動部と前記振動部の周囲を支持
    する厚肉の環状囲繞部とを一体的に構成し、その断面構
    造が凹型若しくは逆凹型のATカット水晶基板を用いた
    超薄板圧電振動子において、主凹陥部内であって、且
    つ、平坦側の励振用主電極と対向する位置に更に副凹陥
    部を設け、励振用主電極が配置される部位の圧電基板の
    厚みを更に薄くしたことを特徴とする超薄板圧電振動
    子。
  4. 【請求項4】 薄肉の振動部と前記振動部の周囲を支持
    する厚肉の環状囲繞部とを一体的に構成し、その断面構
    造が凹型若しくは逆凹型のATカット水晶基板を用いた
    超薄板圧電振動子において、主凹陥部内であって、且
    つ、平坦側の励振用主電極と対向する位置に更に副凹陥
    部を設け、励振用主電極が配置される部位の圧電基板の
    厚みを更に薄くし、凹側全面を全面電極としたことを特
    徴とする超薄板圧電振動子。
  5. 【請求項5】 薄肉の振動部と前記振動部の周囲を支持
    する厚肉の環状囲繞部とを一体的に構成し、その断面構
    造は凹型若しくは逆凹型であり、主凹陥部内であって、
    且つ、平坦側の励振用主電極と対向する位置に更に副凹
    陥部を設け、励振用主電極が配置される部位の圧電基板
    の厚みを更に薄くした超薄板圧電振動子の製造方法にお
    いて、圧電基板の所定の位置に所望の寸法と深さの副凹
    陥部に相当する凹陥をフォトリソグラフィ及びエッチン
    グ技法により形成する工程と、前記凹陥を含む前記圧電
    基板主面に所望の大きさの主凹陥部をフォトリソグラフ
    ィ及びエッチング技法により形成する工程と、平坦側主
    面の副凹陥部に対向する部位に該副凹陥部の外形とほぼ
    同一の寸法、且つ、所望の膜厚を有する励振用主電極、
    該励振用主電極から延出したリード電極、及び前記主面
    端部の所望部位に位置し前記リード電極に接続したパッ
    ド電極とを一体形成する工程と、凹陥側全面に全面電極
    を形成する工程とを備えたことを特徴とする超薄板圧電
    振動子の製造方法。
  6. 【請求項6】 薄肉の振動部と前記振動部の周囲を支持
    する厚肉の環状囲繞部とを一体的に構成し、その断面構
    造は凹型若しくは逆凹型であり、主凹陥部内であって、
    且つ、平坦側の励振用主電極と対向する位置に更に副凹
    陥部を設け、励振用主電極が配置される部位の圧電基板
    の厚みを更に薄くしたATカット水晶基板を用いた超薄
    板圧電振動子の製造方法において、圧電基板の所定の位
    置に所望の寸法と深さの副凹陥部に相当する凹陥をフォ
    トリソグラフィ及びエッチング技法により形成する工程
    と、前記凹陥を含む前記圧電基板主面に所望の大きさの
    主凹陥部をフォトリソグラフィ及びエッチング技法によ
    り形成する工程と、平坦側主面の副凹陥部に対向する部
    位に該副凹陥部の外形とほぼ同一の寸法、且つ、所望の
    膜厚を有する励振用主電極、該励振用主電極から延出し
    たリード電極、及び前記主面端部の所望部位に位置し前
    記リード電極に接続したパッド電極とを一体形成する工
    程と、凹陥側全面に全面電極を形成する工程とを備えた
    ことを特徴とする超薄板圧電振動子の製造方法。
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