JP2002368503A - バンドパスフィルタの特性調整方法 - Google Patents

バンドパスフィルタの特性調整方法

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JP2002368503A JP2001177330A JP2001177330A JP2002368503A JP 2002368503 A JP2002368503 A JP 2002368503A JP 2001177330 A JP2001177330 A JP 2001177330A JP 2001177330 A JP2001177330 A JP 2001177330A JP 2002368503 A JP2002368503 A JP 2002368503A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルタ特性を広い範囲に渡り容易に調整す
ることができ、かつ設計の自由度を高め得るバンドパス
フィルタの特性調整方法を提供する。 【解決手段】 誘電体基板2の両面にグラウンド電極
3,4が形成されており、誘電体基板2内のある高さ位
置において、複数の共振器を構成するための金属膜5が
部分的に形成されており、該金属膜5に複数の共振器を
結合するための結合回路としての貫通孔5aが形成され
ており、金属膜5に入出力電極6,7が結合されている
バンドパスフィルタにおいて、金属膜5とグラウンド電
極3,4との間の距離を変化させることによりフィルタ
特性の調整を行う、バンドパスフィルタの特性調整方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマイクロ波やミリ波
帯のような高周波用途で用いられるバンドパスフィルタ
の特性調整方法に関し、例えばマイクロストリップライ
ン構造やトリプレート構造有するバンドパスフィルタの
特性調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高周波領域で用いられるバンドパ
スフィルタとして、デュアルモード・バンドパスフィル
タが種々提案されている(MINIATURE DUAL MODE MICROS
TRIP FILTERS, J.A. Curtis and S.J. Fiedziuszko, 19
91 IEEE MTT-S Digestなど)。
【0003】図11及び図12は、従来のデュアルモー
ド・バンドパスフィルタを説明するための各模式的平面
図である。図11に示すバンドパスフィルタ200で
は、誘電体基板(図示せず)上に円形の導電膜201が
形成されている。この導電膜201に、互いに90°の
角度をなすように、入出力結合回路202及び入出力結
合回路203が結合されている。そして、上記入出力結
合回路203が配置されている部分に対して中心角45
°の角度をなす位置に、先端開放スタブ204が形成さ
れている。これによって共振周波数が異なる2つの共振
モードが結合され、バンドパスフィルタ200は、デュ
アルモード・バンドパスフィルタとして動作するように
構成されている。
【0004】また、図12に示すデュアルモード・バン
ドパスフィルタ210では、誘電体基板上に略正方形の
導電膜211が形成されている。この導電膜211に、
互いに90°の角度をなすように、入出力結合回路21
2,213が結合されている。また、入出力結合回路2
13に対して135°の位置のコーナー部が欠落されて
いる。欠落部分211aを設けることにより、2つの共
振モードの共振周波数が異ならされており、該2つのモ
ードの共振が結合されて、バンドパスフィルタ210
は、デュアルモード・バンドパスフィルタとして動作す
る。
【0005】他方、円形の導電膜に代えて、円環状の導
電膜を用いたデュアルモードフィルタも提案されている
(特開平9−139612号公報、特開平9−1626
10号公報など)。すなわち、円環状のリング伝送路を
用い、図11に示したデュアルモード・バンドパスフィ
ルタと同様に、中心角90°の角度をなすように入出力
結合回路を配置し、かつリング状伝送路の一部に先端開
放スタブを設けてなるデュアルモードフィルタが開示さ
れている。
【0006】また、特開平6−112701号公報に
も、同様のリング状伝送路を用いたデュアルモードフィ
ルタが開示されている。図13に示すように、このデュ
アルモードフィルタ221では、誘電体基板上に円環状
の導電膜222が形成されているリング共振器が構成さ
れている。ここでは、円環状の導電膜222に対して、
互いに90°をなすように4個の端子223〜226が
構成されている。4個の端子のうち、互いに90°の角
度をなす位置に配置された2個の端子223,224が
入出力結合回路227,228に結合されており、残り
の2個の端子225,226が帰還回路230を介して
接続されている。
【0007】上記構成により、1つのストリップ線路か
らなるリング共振器において、互いに結合しない直交モ
ード共振を生じさせ、上記帰還回路230により結合度
を制御することが可能である旨が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図11及び図12に示
した従来のデュアルモード・バンドパスフィルタでは、
1つの導電膜パターンを形成することにより2段のバン
ドパスフィルタを構成することができ、従ってバンドパ
スフィルタの小型化を図り得る。
【0009】しかしながら、円形や正方形の導電膜パタ
ーンにおいて、上記特定の角度を隔てて入出力結合回路
を結合する構成を有するため、結合度を大きくすること
ができず、広い通過帯域を得ることができないという欠
点があった。
【0010】また、図11に示されているバンドパスフ
ィルタでは、導電膜201が円形であり、図12に示す
バンドパスフィルタでは、導電膜211がほぼ正方形と
形状が限定されている。従って、設計の自由度が低いと
いう問題もあった。
【0011】また、特開平9−139612号公報や特
開平9−162610号公報に記載のようなリング状共
振器を用いたデュアルモードバンドパスフィルタにおい
ても、同様に結合度を大きくすることが困難であり、か
つリング状共振器の形状が限定されるという問題があっ
た。
【0012】他方、前述した特開平6−112701号
公報に記載のデュアルモードフィルタ221では、帰還
回路230を用いることにより、結合度の調整が行わ
れ、広帯域化が図られるとされている。しかしながら、
この先行技術に記載のデュアルモードフィルタでは、帰
還回路230が必要であり、回路構成が煩雑化するとい
う問題があった。加えて、やはり、リング状共振器の形
状が円環状と限定され、設計の自由度が低いという問題
があった。
【0013】本発明の目的が、上述した従来技術の欠点
を解消し、結合度を大きくすることができ、さらに結合
度の調整が容易であり、さまざまな特性を容易に実現す
ることができるバンドパスフィルタの特性調整方法を提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係るバンドパス
フィルタの特性調整方法は、第1,第2の主面を有する
誘電体基板と、前記誘電体基板のある高さ位置において
部分的に形成された複数の共振器と、前記共振器を結合
するための結合回路と、前記共振器に結合された入出力
回路部と、前記共振器と誘電体基板層と介して対向する
ように、誘電体基板の第1,第2の主面または誘電体基
板内部に形成されたグラウンド電極とを備えるバンドパ
スフィルタの特性調整方法であって、前記共振器と前記
グラウンド電極との間の距離を変化させることにより、
特性を調整することを特徴とする、バンドパスフィルタ
の特性調整方法。
【0015】本発明の特定の局面では、上記複数波の共
振器が、2つの共振モードを発生させる1枚の金属膜に
より構成されており、かつ2つの共振モードを結合させ
るための結合回路が、上記金属膜に設けられる貫通孔に
より構成されており、それによってデュアルモード・バ
ンドパスフィルタが構成されている。
【0016】本発明の他の特定の局面では、前記複数の
共振器の高さ方向両側において、誘電体基板層を介して
それぞれグラウンド電極が形成されており、一方のグラ
ウンド電極と共振器との間の距離が、他方のグラウンド
電極と共振器との間の距離と異ならされている。
【0017】また、本発明の別の特定の局面では、共振
器とグラウンド電極との間の距離が部分的に異ならされ
ており、それによって異ならせ方を工夫することによ
り、バンドパスフィルタの特性をより広い範囲に渡り調
整することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
バンドパスフィルタの特性調整方法の具体的な実施形態
を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0019】図1(a),(b)は、本発明の第1の実
施形態において特性が調整されるバンドパスフィルタを
示す模式的平面断面図及び正面断面図である。本発明で
用いられるデュアルモード・バンドパスフィルタ1は、
トリプレート構造を有する。すなわち、デュアルモード
・バンドパスフィルタ1は、2.5mm×1.6mm×
厚み0.6mmの矩形板状の誘電体基板2を有する。本
実施形態では、誘電体基板2は、比誘電率=7、及びt
anδ=0.001(30GHzにおける値)のMg−
Si−B−O系ガラスセラミックスにより構成されてい
る。もっとも、誘電体基板2は、他のセラミック材料
や、合成樹脂などにより構成されていてもよい。
【0020】上記誘電体基板2の上面2a及び下面2b
には、それそれ、全面にグラウンド電極3,4が形成さ
れている。他方、誘電体基板2の中間高さ位置には、金
属膜5が形成されている。バンドパスフィルタの中心周
波数が約22GHzとなるように、金属膜5は本実施形
態では、1.6×1.2mmの寸法の長方形の形状を有
し、かつ該金属膜5の中心に1.5×0.6mmの長方
形の貫通孔5aが形成されている。この金属膜5は、2
つの共振器を構成するものであり、かつ上記貫通孔5a
の形成により、長方形の金属膜5の長辺方向及び短辺方
向に伝搬する2つの共振モードが結合され、デュアルモ
ード・バンドパスフィルタとしての特性が得られるよう
に構成されている。
【0021】すなわち、上記貫通孔5aは、本発明にお
ける結合回路を構成するために設けられている。誘電体
基板2内においては、金属膜5が形成されている高さ位
置において、金属膜5の短辺側の端縁5b,5cと所定
距離を隔てて、入出力電極6,7が形成されている。入
出力電極6,7は、金属膜5に容量結合されている。す
なわち、入出力電極6,7の金属膜5の短辺側の端縁5
b,5cに対向している端縁6a,7aと、該端縁5
b,5cとの対向距離を調整することにより、入出力電
極6,7が、金属膜5に容量結合されている。本実施形
態では、入出力電極6,7の端縁6a,7a金属膜5の
端縁5b,5cの端縁との対向距離は40μmとされて
いる。
【0022】入出力電極6,7は、誘電体基板2の一対
の短辺側の側面2c,2dに引き出されており、かつ側
面2c,2dにおいて下方に延ばされている。もっと
も、入出力電極6,7は、グラウンド電極4と電気的に
分離されている必要がある。従って、入出力電極6,7
の側面2c,2dに至っている部分は、誘電体基板2の
下面2bには至らない長さとされている。
【0023】また、上記入出力電極6,7の金属膜5と
同じ高さ位置にある電極部分は、0.4×0.3mmの
長方形の形状とされている。上記入出力電極6,7のう
ち誘電体基板2の側面2c,2dに至っている部分は、
幅300μm、高さ方向寸法0.2mmとされている。
【0024】上記入出力電極6,7は、外部に電気的に
接続され、入出力電極6から入力信号が加えられ、入出
力電極7から出力が取り出されるように構成されてい
る。上記誘電体基板2内には、入出力電極6,7が設け
られている部分の両側に、ビアホール電極8,9が形成
されている。ビアホール電極8,9は、誘電体基板2の
上面2aから下面2bに至るように形成されており、グ
ラウンド電極3とグラウンド電極4とを電気的に接続し
ている。
【0025】本実施形態のデュアルモード・バンドパス
フィルタ1では、入出力電極6,7のうち、一方の入出
力電極6から入力信号が引加されると、金属膜5が共振
する。この場合、入出力電極6,7を結ぶ方向、すなわ
ち金属膜5の長辺方向に伝般する共振と、短辺方向に伝
般する共振とが生じる。そして、上記金属膜5aが形成
されているため、この2つの共振モードが結合され、デ
ュアルモード・バンドパスフィルタとしての特性を得る
ことができる。
【0026】図2は、デュアルモード・バンドパスフィ
ルタの周波数特性を示す図であり、図2において、実線
は反射特性を、波線は通過特性を示す。図2から明らか
なように、上記デュアルモード・バンドパスフィルタで
は、金属膜5において生じた2つの共振モードが貫通孔
5aにより結合され、バンドパスフィルタとしての通過
帯域を得ることができることがわかる。
【0027】なお、図3は、上記貫通孔5aを設けず
に、金属膜5において、長辺方向に伝般する共振モード
と短辺方向に伝般する共振とを分離した場合の金属膜5
の反射特性を示す。図3から明らかなように、矢印Aで
示す共振モードと、矢印Bで示す共振モードとが現れて
いる。矢印Aで示す低周波数側の共振モードが、金属膜
5の長辺方向に伝般する共振であり、矢印Bで示す共振
が、短辺方向に伝般する共振である。
【0028】本願発明者は、図3に示す共振特性が得ら
れた構造、すなわち貫通孔5aが設けられていないこと
を除いては、図1に示したデュアルモード・バンドパス
フィルタ1と同様に構成された構造において、金属膜5
とグラウンド電極3,4との間の距離を変化させ、それ
によって共振器としての金属膜5の外部Q値、すなわち
外部線路との結合の程度と、無負荷Q値とがどのように
変化するかを調べた。
【0029】まず、金属膜5の位置を変化させず、誘電
体基板2の厚みのみを変化させた。すなわち、グラウン
ド電極3と金属膜5との間の距離及びグラウンド電極4
と金属膜5との間の距離が同じように変化する場合の共
振器の外部Q値を及び無負荷Q値の変化を調べた。この
ようにして、誘電体基板2の厚みを変化させた場合の無
負荷Q値の変化を図4に示す。なお、図4においては、
図3に示した2つの共振のうち、矢印Aで示す共振モー
ドについての結果のみが示されている。矢印Bに示され
ていた短辺方向に伝般する共振モードについての結果は
示さないが、矢印Aで示す共振モードと同様に変化する
傾向があることが確かめられている。
【0030】図4から明らかなように、誘電体基板2の
厚みが増加するにつれて、すなわち金属膜5とグラウン
ド電極3,4との間の距離が広がるにつれて、無負荷Q
値が大きくなることがわかる。
【0031】他方、外部Q値の直接的な評価は困難であ
るため、代わりに、外部線路と共振器5との結合の強弱
を以下の方法で評価した。すなわち、誘電体基板2の厚
みが増減したとしても、共振器の反射損失のピーク値が
一定となるように、すなわち外部線路との整合状態が一
定となるように調節して、外部線路と共振器との結合の
程度を評価した。なお、整合状態を一定とするための調
節は、入出力電極6,7と共振器を構成する金属膜5と
の間の対向距離を変化させることにより行った。このよ
うにして、誘電体基板2の厚みを増減させた時の入出力
電極6,7と金属膜5との間の対向距離の変化を図5に
示す。
【0032】図5から明らかなように、誘電体基板2の
厚みが小さくなり、金属膜5とグラウンド電極3,4と
の間の距離が小さくなる程、入出力電極6,7と金属膜
5との間の対向距離を小さくする必要のあることがわか
る。すなわち、金属膜5とグラウンド電極3,4との距
離が小さくなる程、外部線路と共振器との結合が弱くな
るため、一定の結合量を得るには、上記入出力電極6,
7と金属膜5との対向距離を小さくする必要のあること
がわかる。従って、金属膜5とグラウンド電極3,4と
の間の距離を小さくすることにより、外部Q値が大きく
なり、結果として負荷Qが大きくなることがわかる。
【0033】図4及び図5の結果から、誘電体基板2厚
みを大きくし、金属膜5とグラウンド電極3,4との間
の距離を大きくすることにより、共振器の無負荷Q値が
大きく、負荷Q値が小さくなること、並びに金属膜5と
グラウンド電極3,4との間の距離を小さくすることに
より、無負荷Q値が小さくなり、負荷Q値が大きくなる
ことが確かめられた。
【0034】上記のように、金属膜5とグラウンド電極
3,4との間の距離を変化させた場合のデュアルモード
・バンドパスフィルタ1の特性を確認した。前述したよ
うに、誘電体基板2の厚みが0.6mmである図1に示
したデュアルモード・バンドパスフィルタ1では、図2
に示すフィルタ特性が得られていた。そこで、誘電体基
板2の厚みを0.6mmから0.8mmに大きくしたこ
とを除いては、図1に示したデュアルモード・バンドパ
スフィルタ1と同様にして構成されたデュアルモード・
バンドパスフィルタを作製し、そのフィルタ特性を測定
した。結果を図6に示す。
【0035】図2と図6とを比較すれば明らかなよう
に、誘電体基板2の厚みが0.6mmである場合の特性
(図2に示した特性)では挿入損失が大きく、狭帯域で
あるのに対し、誘電体基板2の厚みを0.8mmにした
場合には図7に示されているように、挿入損失が小さ
く、かつ広帯域になっていることがわかる。
【0036】図2及び図6の結果は、前述した共振器に
おける無負荷Q値及び負荷Q値の場合の誘電体基板2の
厚みの変化による結果と一致している。すなわち、金属
膜5とグラウンド電極3,4との間の距離を変化させる
ことにより、共振器の無負荷Q値及び負荷Q値を変化さ
せ、バンドパスフィルタの特性を調整し得ることがわか
る。
【0037】次に、上記金属膜5の高さ方向位置を変化
させた実施形態を説明する。ここでは、グラウンド電極
3と金属膜5との間の距離と、グラウンド電極4と金属
膜5との間の距離を異ならせた。
【0038】すなわち、図1に示したバンドパスフィル
タ1おいて、金属膜5の高さ方向位置を、中心から±1
00μmの範囲で変化させた。この場合の無負荷Q値の
変動及び外部線路との整合状態を一定とした場合の入出
力電極6,7と金属膜5の間の対向距離の変化を図7及
び図8に示す。なお、図7,図8の横軸は、誘電体基板
内の金属膜の高さ位置を示す。
【0039】図7から明らかなように、金属膜5の位置
が誘電体基板2の中心位置からずれた場合、無負荷Q値
が小さくなり、かつ同じ結合量を得ようとした場合に
は、入出力電極6,7と金属膜5との間の対向距離が小
さくなることがわかる。従って、金属膜5の位置を変え
ることによっても、金属膜5とグラウンド電極3,4と
の間の距離を調整することにより、共振器の無負荷Q値
及び負荷Q値を調節でき、それによって、バンドパスフ
ィルタの特性を調整し得ることがわかる。
【0040】なお、本発明においては、バンドパスフィ
ルタを構成するための前述した2つの共振モードの無負
荷Q値と負荷Q値とを独立に調整することもできる。こ
のような変形例を、図9及び図10を参照して説明す
る。
【0041】図9(a),(b)は、金属膜5において
長辺方向に伝般する共振モードを及び短辺方向に伝般す
る共振モードが生じる場合の共振電界分布を示す図であ
る。図9(a),(b)において、斜線のハッチングを
付して示す部分が共振電界の強い部分である。
【0042】図9(a),(b)の共振電界の分布を考
慮すれば、図10(a),(b)に略図的に示すよう
に、グラウンド電極3とビアホール電極11,12によ
り接続される内部電極13,14を上記共振電界の強い
部分に対向するように形成すれば、図9(a)に示す共
振電界の分布を変動させることができる。すなわち、上
記内部電極13,14の形成により、図9(a)に示す
共振電界の分布が影響を受け、長辺方向に伝般する共振
モードについての無負荷Q値及び負荷Q値を調節し得る
ことがわかる。なお、図10(a)では、金属膜5の形
成されている高さ位置の平面が示されているが、より上
方に位置される内部電極13,14の形成される位置及
び形状を破線で模式的に示す。
【0043】すなわち、グラウンド電極3と金属膜5と
の間の距離を部分的に異ならせることにより、1つの共
振モードについてのみ無負荷Q値及び負荷Q値を調節し
得ることがわかる。
【0044】なお、上記内部電極13,14は長方形の
形状とされているが、上記共振電界の強い部分に対向さ
れる限り、他の形状でもよい。前述した実施形態では、
トリプレート構造のデュアルモード・バンドパスフィル
タにつき説明したが、本発明は、トリプレート構造を有
するものに限らず、共振器と誘電体基板層を介して対向
するようにグラウンド電極が形成された適宜の誘電体共
振器構造を有するバンドパスフィルタの特性調整に広く
適用することができる。
【0045】
【発明の効果】本発明に係る特性調整方法では、共振器
とグラウンド電極との間の距離を変化させることによ
り、フィルタ特性が調整される。従って、バンドパスフ
ィルタの挿入損失や帯域幅特性の自由度を高めることが
でき、従来得ることができなかったフィルタ特性を実現
することができる。
【0046】複数の共振器が、2つの共振モードを発生
させる1枚の金属膜により構成されており、2つの共振
モードを結合させるための結合回路が金属膜に設けられ
た貫通孔により構成されている場合には、該貫通孔が設
けられた金属膜の位置や、金属膜の高さ位置などを調整
することにより、より一層広い範囲に渡りフィルタ特性
を調整することができ、かつバンドパスフィルタの設計
の自由度をより一層高めることができる。
【0047】共振器とグラウンド電極との間の距離を部
分的に異ならせた場合には、特性の調整対称である共振
モードの際に発生する共振電界を上記共振器とグラウン
ド電極との間の距離を調節することにより変化させるこ
とができるので、調整しようとする共振モードについて
無負荷Q値及び負荷Q値を調節でき、例えば2つの共振
モードの一方の共振モードの無負荷Q値及び負荷Q値の
みを独立に調整することができる。従って、より一層さ
まざまなフィルタ特性のバンドパスフィルタを容易に提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は、本発明の1実施形態におい
て特性が調整されるバンドパスフィルタを説明するため
の平面断面図及び正面断面図。
【図2】図1に示したデュアルモード・バンドパスフィ
ルタの周波数特性を示す図。
【図3】図1に示したデュアルモード・バンドパスフィ
ルタの共振器において生じる2つの共振モードを説明す
るための図。
【図4】誘電体基板の厚みを変化させた場合の無負荷Q
値の変化を示す図。
【図5】誘電体基板の厚みを変化させた場合の外部Q値
の変化を説明するための図。
【図6】図1に示したデュアルモード・バンドパスフィ
ルタにおいて誘電体基板の厚みを0.8mmと増加させ
た場合のフィルタ特性を示す図。
【図7】誘電体基板の厚みを0.6mmとし、金属膜の
高さ方向位置を変化させた場合の無負荷Q値の変化を示
す図。
【図8】誘電体基板の厚みを0.6mmとし、金属膜の
高さ方向位置を変化させ、外部回路と共振器との結合量
を一定とした場合の入出力電極と金属膜との間の対向距
離の変化を示す図。
【図9】(a),(b)は、金属膜の長辺方向及び短辺
方向に伝般する共振モードが生じる場合の共振電界分布
を説明するための図。
【図10】(a),(b)は、長辺方向に伝般する共振
モードの特性を調整するためにグラウンド電極と金属膜
との距離が部分的に異ならされたデュアルモード・バン
ドパスフィルタを説明するための略図的平面断面図及び
正面断面図。
【図11】従来のデュアルモード・バンドパスフィルタ
の一例を示す模式的平面図。
【図12】従来のデュアルモード・バンドパスフィルタ
の他の例を示す模式的平面図。
【図13】従来のデュアルモード・バンドパスフィルタ
のさらに他の例を示す模式的平面図。
【符号の説明】
1…デュアルモード・バンドパスフィルタ 2…誘電体基板 2a…上面(第1の主面) 2b…下面(第2の主面) 2c,2d…側面 3,4…グラウンド電極 5…金属膜(共振器) 5a…貫通孔 6,7…入出力電極 11,12…ビアホール電極 13,14…内部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡村 尚武 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 5J006 HB04 JA01 JA14 LA11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1,第2の主面を有する誘電体基板
    と、 前記誘電体基板のある高さ位置において部分的に形成さ
    れた複数の共振器と、 前記複数の共振器により生じる複数の共振モードを結合
    するための結合回路と、 前記共振器に結合された入出力回路部と、 前記共振器と誘電体基板層を介して対向するように、誘
    電体基板の第1,第2の主面または誘電体基板内部に形
    成されたグラウンド電極とを備えるバンドパスフィルタ
    の特性調整方法であって、 前記共振器と前記グラウンド電極との間の距離を変化さ
    せることにより、特性を調整することを特徴とする、バ
    ンドパスフィルタの特性調整方法。
  2. 【請求項2】 前記複数の共振器が、2つの共振モード
    を発生させる1枚の金属膜により構成されており、かつ
    2つの共振モードを結合させるための結合回路が、前記
    金属膜に設けられた貫通孔である、請求項1に記載のバ
    ンドパスフィルタの特性調整方法。
  3. 【請求項3】 前記複数の共振器の高さ方向両側におい
    て、誘電体基板層を介してそれぞれグラウンド電極が形
    成されており、一方のグラウンド電極と共振器との間の
    距離を、他方のグラウンド電極と共振器との間の距離と
    異ならせることを特徴とする、請求項1または2に記載
    のバンドパスフィルタの特性調整方法。
  4. 【請求項4】 前記共振器とグラウンド電極との間の距
    離を部分的に異ならせることを特徴とする、請求項1〜
    3のいずれかに記載のバンドパスフィルタの特性調整方
    法。
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