JP2002367445A - アウトガス抑制電線・ケーブル - Google Patents

アウトガス抑制電線・ケーブル

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JP2002367445A
JP2002367445A JP2001170887A JP2001170887A JP2002367445A JP 2002367445 A JP2002367445 A JP 2002367445A JP 2001170887 A JP2001170887 A JP 2001170887A JP 2001170887 A JP2001170887 A JP 2001170887A JP 2002367445 A JP2002367445 A JP 2002367445A
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outgas
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amount
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English (en)
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Mitsunori Yamauchi
光典 山内
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Yazaki Corp
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Yazaki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に半導体製造装置のクリーンルーム用設備
配線に好適であり、有機ガスなどのアウトガスの発生量
を抑えて汚染防止に有効で、半導体の製造効率を高める
ようにする。 【解決手段】 導体上に、オレフィン系樹脂100重量
部をベースにして難燃化剤を40〜200重量部の範囲
で好ましくは80重量部配合した難燃性オレフィン系樹
脂組成物を材料とする絶縁被覆を押出し成形してなって
いる電線・ケーブルであり、特にクリーンルーム設備配
線として使用すると、有機ガスなどのアウトガス量(μ
g/mh)の発生を塩化ビニル樹脂をベースにした従
来の絶縁被覆と比べて少なくとも1/10に抑制するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に半導体製造装
置のクリーンルーム設備配線として、分子状汚染物質に
よる汚染防止に有効で製造効率を高めることができるア
ウトガス抑制電線・ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造装置、高エネルギー実験装置
およびプラズマ実験装置などでは有機材料から発生する
分解ガスを嫌うが、なかでも半導体製造装置のクリーン
ルームの場合、設備配線の電線・ケーブルの絶縁被覆か
ら有機分子が微小に揮発したり、分解した有機ガスが発
生してアウトガスとして汚染する。その結果、半導体ウ
エハなどに吸着汚染などしてデバイス製造にダメージを
与え、品質の歩留まりを悪化させる要因となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、電線・ケーブ
ルは、銅撚り線などの導体上に押出し成形される絶縁体
やシースの絶縁被覆の材料としてこれまで塩化ビニル樹
脂組成物が多用されてきた。しかしながら、塩化ビニル
樹脂組成物を材料とする絶縁体やシースの場合、燃焼し
てハロゲンガスや大量の煙を発生するという問題があ
る。また、柔軟性をもたせるために親和性の有機溶剤で
ある特にフタル酸エステル類のDOP(ジ−2−エチル
ヘキシル)が可塑剤として添加されるが、このDOPの
場合揮発性を有し、有機分子ガスを発生して汚染するの
でクリーンルーム用配線には適さない。
【0004】以上から、本発明の目的は、絶縁体やシー
スの材料としてノンハロゲン難燃性オレフィン系樹脂組
成物に着目し、特に半導体製造装置のクリーンルーム設
備配線として、分子状汚染物質による汚染防止に有効で
製造効率を高めることができるアウトガス抑制電線・ケ
ーブルを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にかかる請求項1に記載のアウトガス抑制電
線・ケーブルは、導体上に、オレフィン系樹脂をベース
にして難燃化剤を配合した難燃性オレフィン系樹脂組成
物を材料とする絶縁被覆を押出し成形してなっているこ
とを特徴とする。
【0006】以上から、導体上に押出し成形される絶縁
被覆の絶縁体やシースの材料に難燃性オレフィン系樹脂
組成物を用いることで、特にクリーンルーム設備配線と
して使用すると、有機ガスなどのアウトガスの発生を抑
制して汚染防止に有効である。
【0007】また、請求項2に記載のアウトガス抑制電
線・ケーブルは、前記難燃性オレフィン系樹脂組成物
が、ハロゲン元素を含まないノンハロゲンのものである
ことを特徴とする。
【0008】ハロゲン元素を含む従来の塩化ビニル系樹
脂組成物の場合、燃焼してハロゲンガスや大量の煙を発
生するので、そうしたハロゲン元素を含まないノンハロ
ゲン難燃性オレフィン系樹脂組成物が絶縁体やシースな
どの絶縁被覆として好ましい。
【0009】また、請求項3に記載のアウトガス抑制電
線・ケーブルは、前記オレフィン系樹脂の100重量部
に対して、難燃化剤を40〜200重量部の範囲で、好
ましくは80重量部配合してなっていることを特徴とす
る。
【0010】以上から、ベースのオレフィン系樹脂10
0重量部に対して難燃化剤を例えば80重量部配合した
絶縁被覆にすると、塩化ビニル樹脂をベースにした従来
の絶縁被覆と比べてアウトガス量(μg/mh)を例
えば少なくとも1/10に抑制することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるアウトガス
抑制電線・ケーブルの実施の形態について、図面を参照
して詳細に説明する。
【0012】本実施の形態にかかる電線・ケーブルで
は、絶縁被覆としての絶縁体やシースの材料にオレフィ
ン系樹脂組成物が使用されている。オレフィン系樹脂と
してはポリエチレン(PE),エチレン−エチルアクリ
レート共重合体(EEA),エチレン−酢酸ビニル共重
合体(EVA)などを使用できる。これらのオレフィン
系樹脂を用いる場合、ポリマー製造時にジブチルパラク
レゾール(BHT)など比較的揮発性の高い酸化防止剤
を用いていないもの、さらにはリン(有機リン化合物)
やシリコン(有機シリコン)を含んでいないことが好ま
しく、さらにまた低分子ポリマーの使用量を極力抑えた
ものが好ましい。
【0013】また、オレフィン系樹脂は単独では難燃性
を備えていないため、難燃化剤や難燃化助剤を配合した
組成物とする必要がある。難燃化剤や難燃化助剤は、必
要な難燃性を備えるうえで必要な量だけが配合され、環
境を配慮してノンハロゲン系のたとえば水酸化マグネシ
ウムや水酸化アルミニウムなどの使用が好ましい。特
に、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物であることは、汚染
ガス(アウトガス)の発生を抑制できる点で望ましい。
また、難燃化剤としてリン系やリン化合物の使用は避け
る。その他の添加剤についても、リン系やリン化合物,
シリコンやシリコン化合物,上記BHTのような比較的
に揮発性の高い酸化防止剤、そして可塑剤としてフタル
酸エステル類のDOPのように低揮発性オイルの使用は
好ましいとはいえない。
【0014】実施例:表1は、絶縁被覆としての絶縁体
やシースの材料にオレフィン系樹脂をベースとした実施
例1,2,3,4の各電線・ケーブルと、塩化ビニル系
樹脂組成物を用いた比較例の電線・ケーブルについて、
清浄度に影響を及ぼすアウトガスの測定を行った結果を
示す。
【0015】
【表1】
【0016】クリーンルームの清浄度の管理規定や指針
を示すものとして、社団法人日本空気清浄協会のシンポ
ジウム『クリーンルーム構成材料から発生する分子状汚
染物質の測定方法指針(案):1999.2』(附属書2)で
は、クリーンルーム内装材・設備機械から発生する分子
状汚染物質の低減を目的とした材料選択を行うための発
生ガス評価法(スクリーニングテスト)について規定し
ている。その規定された評価用の設備・装置において、
上記実施例1〜4と比較例の電線・ケーブルから発生す
るアウトガスを測定した。
【0017】材料から発生するガス量に影響を与える因
子としては、「試料サイズ」,「温度」,「湿度」,
「時間」,「流速」,「キャリヤガス種」,「換気回
数」,「ローティングファクタ」などがあるが、これら
の各因子を実験パラメータにしてデータ解析を行った。
測定データは、バックグランドで得られたデータ値から
判断される定量下限界をもとにして評価する。発生ガス
速度は、発生ガス量を測定したデータを用い、次式
(1)によって発生ガス速度を算出する。 R=C/At ・・・・・(1) R:発生ガス速度〔μg/mh〕または〔μg/kg
h〕 C:発生ガス量〔μg〕 A:試料表面積〔m〕または試料重量〔kg〕 t:時間〔h〕
【0018】表1中の評価欄で「アウトガス量」とある
のは、上記(1)式において発生ガス速度:R〔μg/
h〕の単位で示したものである。また、表1におい
て、実施例1〜4のベース材料であるオレフィン系樹脂
には、柔軟性に富むエチレン−酢酸ビニル共重合体(E
VA)を成分とするNUC−3765D(日本ユニカー
製)を用いた。この100重量部に対して、難燃化剤に
は水酸化マグネシウム成分のキスマ5A(協和化学製)
を用いて40〜200重量部の範囲で80重量部配合し
た。
【0019】実施例3,4については、酸化防止剤とし
て比較的揮発性の高いBHTの微量0.2重量部を配合
し、それを配合しない実施例1,2の場合と対比してア
ウトガス量を測定した。また、実施例2,4について
は、滑剤にジメチルシリコンを0.5重量部ずつ配合
し、配合しない実施例1,3の場合と対比してアウトガ
ス量を測定した。
【0020】一方、比較例については、ベース材料であ
る塩化ビニル樹脂100重量部に対して、可塑剤(DO
P)を50重量部、Pb(鉛)系安定剤を4重量部、物
性改良目的などの充填材として炭酸カルシウム40重量
部をそれぞれ配合した。
【0021】評価:表1から、実施例1,2,3,4の
それぞれアウトガスの発生量は、順番に400,65
0,800,900(μg/mh)である。それに対
して、比較例のアウトガス量は7000(μg/m
h)で各実施例の10倍もしくはそれ以上の倍率の量
を測定した。すなわち、オレフィン系樹脂をベースにし
た実施例1〜4の場合、塩化ビニル樹脂をベースにした
比較例と比べてアウトガスの発生量を少なくとも1/1
0に抑えることができる。
【0022】また、実施例1,2,3,4を互いに対比
する意味で、添加剤の配合有無でアウトガス量がどのよ
うに変化するか測定を試みた、酸化防止剤としてBHT
を微量0.2重量部配合した実施例3,4の場合、アウ
トガス量は800,900(μg/mh)であり、そ
れを配合しない例えば実施例1の400(μg/m
h)と比較すると、ほぼ2倍以上に増加することがわ
かる。また、酸化防止剤のBHTを配合せず、滑剤とし
てジメチルシリコンの0.5重量部を配合した実施例2
の場合、アウトガス量は650(μg/mh)であ
り、それを配合しない場合の実施例1の400(μg/
h)と比べて250(μg/mh)だけ増加す
る。
【0023】このように、実施例1〜4にあっても、添
加剤として酸化防止剤や滑剤を微量配合するとアウトガ
ス量の増加が見られ、その点に関して難燃化剤の80重
量部だけを配合した実施例1がアウトガス量を最小に抑
えられる意味でも最適といえる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる請
求項1に記載のアウトガス抑制電線・ケーブルは、導体
上に押出し成形される絶縁被覆の絶縁体やシースの材料
に難燃性オレフィン系樹脂組成物を用いることで、特に
クリーンルーム設備配線として使用すると、有機ガスな
どのアウトガスの発生を抑制して汚染防止に有効であ
る。
【0025】また、請求項2に記載のアウトガス抑制電
線・ケーブルは、ハロゲン元素を含む従来の塩化ビニル
系樹脂組成物の場合、燃焼してハロゲンガスや大量の煙
を発生するので、そうしたハロゲン元素を含まないノン
ハロゲン難燃性オレフィン系樹脂組成物が絶縁体やシー
スなどの絶縁被覆として好ましい。
【0026】また、請求項3に記載のアウトガス抑制電
線・ケーブルは、ベースのオレフィン系樹脂100重量
部に対して難燃化剤を例えば80重量部配合した絶縁被
覆にすると、塩化ビニル樹脂をベースにした従来の絶縁
被覆と比べてアウトガス量(μg/mh)を例えば少
なくとも1/10に抑制することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体上に、オレフィン系樹脂をベースに
    して難燃化剤を配合した難燃性オレフィン系樹脂組成物
    を材料とする絶縁被覆を押出し成形してなっていること
    を特徴とするアウトガス抑制電線・ケーブル。
  2. 【請求項2】 前記難燃性オレフィン系樹脂組成物が、
    ハロゲン元素を含まないノンハロゲンのものであること
    を特徴とする請求項1に記載のアウトガス抑制電線・ケ
    ーブル。
  3. 【請求項3】 前記オレフィン系樹脂の100重量部に
    対して、難燃化剤を40〜200重量部の範囲で、好ま
    しくは80重量部配合してなっていることを特徴とする
    請求項1または2に記載のアウトガス抑制電線・ケーブ
    ル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006147236A (ja) * 2004-11-17 2006-06-08 Shimizu Corp 低アウトガスケーブル
CN102097186A (zh) * 2011-03-07 2011-06-15 无锡市长城电线电缆有限公司 一种500kv特高压电力电缆绝缘制造净化室

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