JP2002365732A

JP2002365732A - ゴーストが発生しない背面投射型表示スクリーン

Info

Publication number: JP2002365732A
Application number: JP2001379199A
Authority: JP
Inventors: Hoang-Yan Lin; 林晃巌; Pong Lai; 黎邦; Wann-Diing Tyan; 田萬頂
Original assignee: Industrial Technology Research Institute ITRI
Current assignee: Industrial Technology Research Institute ITRI
Priority date: 2001-05-31
Filing date: 2001-12-12
Publication date: 2002-12-18
Also published as: TW567340B; US20020181099A1

Abstract

(57)【要約】【課題】ゴーストを適度に解消または削減することがで
きるが、スクリーンの特性劣化はあまり大きくなくその
上実現が容易な、ゴーストが発生しない背面投射型表示
スクリーンを提供することである。【解決手段】ゴーストが発生しない背面投射型表示スク
リーンにおいて、画像を含む光源を反射鏡によって反射
させて表示スクリーンに投射させ、それには視野レン
ズ、拡散板と拡散面を含ませる。また、視野レンズを反
射鏡の反射光路に位置し、反射鏡が反射した光源を受け
入れ、併せて光源を収斂させた後に出射面から出射さ
せ、拡散板を該視野レンズの出射光路に位置し、光源に
含まれる画像を表示し、光源の視角と利得を変調させ
る。さらに、拡散面を視野レンズの反射鏡に相対した入
射面箇所に位置し、拡散面から反射鏡に反射させ、改め
て拡散面に反射した光束と視野レンズから多重内部反射
により拡散面に戻ってきた光束を拡散させることができ
るようにし、そのうち視野レンズの厚みの減少に対応し
て、視野レンズからの内部重複反射の光束が元の光束と
重なり合うようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、背面投射型表示シ
ステムに応用される背面投射型表示スクリーンに関する
ものであり、特にゴーストが発生しない背面投射型表示
スクリーンについてである。

【０００２】

【従来の技術】背面投射型表示スクリーンは背面投射型
表示システムの最終的な画像の質を決定する鍵となるエ
レメントであり、背面投射型表示システムとは例えば背
面投射モニタ（ｒｅａｒｐｒｏｊｅｃｔｉｏｎｍｏ
ｎｉｔｏｒ）や背面投射型テレビ（ｒｅａｒｐｒｏｊ
ｅｃｔｉｏｎＴＶ）などである。図１に示した通り、
２枚式の背面投射型表示スクリーンはすでに広範に背面
投射型表示システムに応用されており、この種の２枚式
スクリーンでは、そのうちの一つは単純に拡散板３０
（ｄｉｆｆｕｓｉｖｅｐｌａｔｅ）が使用されている
か、またはレンチキュラーレンズ（ｌｅｎｔｉｃｕｌ
ａｒｌｅｎｓ）に拡散板３０が組み合されて使用され
ており、その機能は主に視角（ｖｉｅｗａｎｇｌｅ）
と利得（ｇａｉｎ）の変調である。もう１枚は視野レン
ズ（ｆｉｅｌｄｌｅｎｓ）であり、フレネルレンズ２
０（Ｆｒｅｓｎｅｌｌｅｎｓ）を採用することがで
き、その機能は主に投射光束を収斂させ、投射画面の均
一度（ｕｎｉｆｏｒｍｉｔｙ）を制御することであり、
改めて反射鏡１０（例えばフォールディングミラー（ｆ
ｏｌｄｉｎｇｍｉｒｒｏｒ）であり、以下ではこれを
例として説明する）を組み合わせて、光源７０からフレ
ネルレンズ２０に反射させる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】入射光線７０は反射鏡
１０により反射されて、改めてフレネルレンズ２０を経
由して外部に向けて画像７１を投射する。但し、フレネ
ルレンズ２０（Ｆｒｅｓｎｅｌｌｅｎｓ）は理想的な
レンズではないため、投射画像には欠陥が発生する。こ
の種の欠陥がゴースト（Ｇｈｏｓｔｉｍａｇｅａｒ
ｔｉｆａｃｔｓ）である。ゴーストが形成される原因は
以下の通りである。

【０００４】１．第一種のゴースト７２はフレネルレン
ズ２０（Ｆｒｅｓｎｅｌｌｅｎｓ）の前後両面間の多
重内部反射（ｍｕｌｔｉｐｕｌｅｉｎｔｅｒｎａｌ
ｒｅｆｌｅｃｔｉｏｎ）が原因であり、発生するのは主
画像傍（つまり投射画像７１）の多重ゴーストである。
この種のゴーストはフレネルレンズ２０（Ｆｒｅｓｎｅ
ｌｌｅｎｓ）の焦点距離が短ければ短いほど顕著とな
る。背面投射型表示スクリーンを詳細に観察すると、こ
の種のゴーストを発見することができる。特にパターン
生成器（ｐａｔｔｅｒｎｇｅｎｅｒａｔｏｒ）で特殊
なパターンを生成する際に観察はより容易となる。

【０００５】２．第二種のゴースト７３はフレネルレン
ズ２０（Ｆｒｅｓｎｅｌｌｅｎｓ）の後平面（つまり
反射鏡１０の反射光線を受ける面）と反射鏡１０の間の
反射が原因であり、発生するのは平行移動して歪んだゴ
ーストである。通常は表示スクリーンの上半分に位置す
る画像であり、上記反射によりゴーストが発生する。３．第三種のゴースト７４はフレネルレンズ２０（Ｆｒ
ｅｓｎｅｌｌｅｎｓ）前面のレンズ（ｌｅｎｓ）面２
１（作動（ａｃｔｉｖｅ）面とも呼ばれる）と反射鏡１
０の間の反射が原因であり、フレネルレンズ２０（Ｆｒ
ｅｓｎｅｌｌｅｎｓ）前面のレンズ面２１で反射され
ることにより、捩れたゴーストが発生する。通常は表示
スクリーンの下半分に位置する画像である。また第二種
のゴースト７３と第三種のゴースト７４はコンパクト
（ｃｏｍｐａｃｔ）に組み立てられた背面投射型モニタ
（ｒｅａｒｐｒｏｊｅｃｔｉｏｎｍｏｎｉｔｏｒ）
で比較的顕著であり、背面投射型テレビ（ｒｅａｒｐ
ｒｏｊｅｃｔｉｏｎＴＶ）ではあまり発生しない。

【０００６】第一種のゴースト７２については、Ｗａｎ
ｇ，Ｙ．−Ｆ．，Ｍａｓｕｄａ，Ｍ．，Ｎｉｓｈｉｇｕ
ｃｈｉ，Ｔ．，ａｎｄＡｋｉｙａｍａ，Ｈ．，Ｏｐｔ
ｉｍｉｚｉｎｇｔｈｅｃｕｔｔｉｎｇｐｒｏｃｅ
ｓｓｅｓｏｆｍｏｌｄＤｉｅｓｔｏｉｍｐｒｏ
ｖｅｔｈｅｏｐｔｉｃａｌｃｈａｒａｃｔｅｒｉ
ｓｔｉｃｓｏｆＦｒｅｓｎｅｌｓｃｒｅｅｎｓ
（ＪＳＭＥＩｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌＪｏｕｒｎ
ａｌ，ｓｅｒｉｅｓＣ，Ｖｏｌ．４１，ｐｐ．９３
８〜９４６，１９９８）論文で、関連事項が検討されて
おり、フレネルレンズ２０（Ｆｒｅｓｎｅｌｌｅｎ
ｓ）のレンズ面２１（作動面）のアラインメント機能を
維持するため、フレネルレンズ２０（Ｆｒｅｓｎｅｌ
ｌｅｎｓ）の非レンズ（ｎｏｎ−ｌｅｎｓ）面２２（ま
たはｐａｓｓｉｖｅ面）に粗面化加工を施すことが記載
されている。図２に示されているのは、フレネルレンズ
２０の成形金型２７に粗面化処理を施したものであるが
（例えばカッター５０で非レンズ面２２に相対する位置
をカットして粗面２３とする）、この種の加工は成形金
型２７段階での加工であるため、正確性は相当高度に制
御しなければならず、コストも比較的高くなる。また一
部では非レンズ（ｎｏｎ−ｌｅｎｓ）面２２（またはｐ
ａｓｓｉｖｅ面）にブラック化処理２４を施すことも提
案されているが（図３参照）、これも実際面で実現には
一部困難が伴っている。フレネルレンズ２０の後面に抗
反射表面を形成したならば（図中では未表示）、理論上
では第一種ゴースト７２、第二種ゴースト７３と第三種
ゴースト７４を削減することができるが、大画面の表示
スクリーンの場合には、抗反射表面を製作することはコ
ストが高いばかりではなく、技術面でも困難である。

【０００７】当然、一部の特性を犠牲にする形での解決
法も存在している。例えば、焦点距離が長いフレネルレ
ンズ２０'を使用すると、第一種ゴースト７２は削減さ
れ（図４参照）、投射画像７１'が上に向けて偏移する
と、第一種ゴースト７２'も投射画像７１'に向けて平行
に移動するため、第一種ゴースト７２は削減される。し
かし画面の均一度は劣化する結果となる。また幾何光学
的シミュレーションによれば、第一種ゴースト７２、第
二種ゴースト７３と第三種ゴースト７４はフレネルレン
ズ２０の設計または表示スクリーンと反射鏡１０の相対
的位置によっては解消することができないことが示され
ている。以上で言及した方法は、コストは高くないが、
その実現には困難が伴っている。

【０００８】本発明は、上記問題点を解決するためにゴ
ーストが発生しない背面投射型表示スクリーンを提供す
るものであり、ゴーストを適度に解消または削減するこ
とができるが、スクリーンの特性劣化はあまり大きくな
く、その上実現は容易である。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明で紹介されている
ゴーストが発生しない背面投射型表示スクリーンは、画
像を含む光源を反射鏡によって反射させて表示スクリー
ンに投射するものであり、それには視野レンズ、拡散板
と拡散面が含まれる。視野レンズは反射鏡の反射光路に
位置し、反射鏡が反射した光源を受け入れ、併せて光源
を収斂させた後に出射面から出射する。拡散板は該視野
レンズの出射光路に位置し、光源に含まれる画像を表示
し、光源の視角と利得を変調する。拡散面は視野レンズ
の反射鏡に相対した入射面箇所に位置し、拡散面から反
射鏡に反射し、改めて拡散面に反射した光束と視野レン
ズから多重内部反射により拡散面に戻ってきた光束を拡
散させることができ、そのうち視野レンズの厚みの減少
に対応して、視野レンズからの内部重複反射の光束は元
の光束と重なり合うため、ゴーストを効果的に解消また
は削減することができ、その上相当容易に実現すること
が可能である。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の目的、構造面での特徴と
その機能に対する理解の促進を図るため、以下では図面
に基づき詳細な説明を実施する。

【００１１】本発明で紹介されているゴーストが発生し
ない背面投射型表示スクリーンには視野レンズ（例えば
フレネルレンズ２０）、拡散板３０（またはレンチキュ
ラーレンズに拡散板３０が組み合されて使用される）と
拡散面４０が含まれる。図６では、画像を含む光源が反
射鏡１０で反射され表示スクリーンに投射されている。
そのうち拡散面４０はフレネルレンズ２０の反射鏡１０
に相対した入射面箇所に位置している。

【００１２】第一種ゴースト７２を解消する方法は、フ
レネルレンズ２０の厚みを薄くしてゴースト現象を低減
させることにより実現される。図５に示した通りであ
る。レンズの厚みが厚みｔから厚みｔ'に変化すると、
投射画像７１と第一種ゴースト７２間の距離ｄがほぼリ
ニアに正比例して距離ｄ'に変化し、フレネルレンズ２
０の厚みが０．５ｍｍ以下になると、第一種ゴースト７
２と投射画像７１はほぼ重なり合ってゴースト現象は現
れなくなり、このようにして第一種ゴースト７２は解消
される。言い換えると、フレネルレンズ２０の前後両面
間の多重内部反射が原因となり、発生する多重ゴースト
現象が解消されるのである。

【００１３】また、拡散面４０（ｄｉｆｆｕｓｅｒ）を
利用すると、第二種ゴースト７３、第三種ゴースト７４
を解消することができ、拡散面４０はフレネルレンズ２
０の平面部分に位置している（つまり反射鏡１０に相対
した入射面箇所）。図６の通りである。拡散面４０には
散乱作用が備わっているため、フレネルレンズ２０のレ
ンズ面で反射されて戻ってきた光束７７と拡散面４０で
反射鏡に反射されて更に戻ってきた光束７８を散乱させ
ることができ、そのためにゴースト現象は解消される。
但し拡散面の散乱効果をあまり強くすることはできな
い。スクリーンの解像度が低下するからである。

【００１４】この方法を応用する上でのもう一つの利点
はスペックル現象（ｓｐｅｃｋｌｅ）を低減させること
ができる点である。この拡散面４０とスクリーンの拡散
板３０は、二重散乱を形成しているため、スペックル現
象を解消することができるのである。この二重散乱によ
るスペックルの解消原理は、Ｇｏｌｄｅｎｂｅｒｇ，
Ｊ．Ｆ．，ＨｕａｎｇＱ．，ａｎｄＳｈｉｍｉｚ
ｕ，Ｊ．Ａ．Ｒｅａｒｐｒｏｊｅｃｔｉｏｎｓｃｒ
ｅｅｎ．Ｐｒｏｃ．ＳＰＩＥＶｏｌ．３０１３，１
９９７論文中で一部検討されている。

【００１５】拡散面４０は拡散モアレまたはつや消し面
など散乱効果を備えた面とすることができる。拡散モア
レを例にとると、先ず拡散モアレを金属板の表面上に記
録して金型とし、射出成形、圧下成形、ＡＢ樹脂成形ま
たは紫外線硬化（ＵＶｃｕｒｉｎｇ）成形方法によ
り、金属板の拡散モアレを異なるプラスチック材料上に
転写するのである。拡散面４０の拡散効果の定義は、光
学機器の規格と密接に関連している。例えば投射システ
ムとスクリーンの距離が短い場合には、拡散効果が比較
的強力な拡散面４０が必要であり、投射システムとスク
リーンの距離が長い場合には、拡散効果が比較的弱い拡
散面４０で十分である。

【００１６】以上では、本発明の適切実施例について言
及したに過ぎないため、それにより本発明の実施範囲が
限定されるものではない。従って本発明の特許出願範囲
に基づき、それに変更や修飾を加えたものは、すべて本
発明の特許出願範囲のカバーするところである。

【００１７】

【発明の効果】本発明は、フレネルレンズの厚み減少に
より、第一種ゴーストと投射画像を重ね合わせて、第一
種ゴーストの発生を解消するものであり、フレネルレン
ズの反射鏡光源を受け取る面に配置された拡散面には、
散乱効果が備わっているため、フレネルレンズの内部重
複反射により拡散面に至った光束と拡散面から反射鏡に
反射した後、再度拡散面に反射してきた光束は散乱し、
第二種と第三種のゴーストは解消される。更に拡散面に
拡散板を組み合わせるとスペックル現象を解消すること
もできる。このようにゴーストを適度に解消または削減
することができるが、スクリーンの特性劣化はあまり大
きくなく、その上、実現は容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】公知の背面投射型表示スクリーンとそのゴース
ト発生の見取図

【図２】公知の背面投射型表示スクリーンの視野レンズ
に対する粗面化加工の見取図

【図３】公知の背面投射型表示スクリーンの視野レンズ
に対するブラック化加工の見取図

【図４】公知の長焦点距離のフレネルレンズを使用して
ゴースト現象を改善した場合の光路見取図

【図５】本発明における視野レンズの厚みを減少させた
場合の光路見取図

【図６】本発明における拡散面の光路見取図

【符号の説明】

１０・・・反射鏡２０・・・フレネルレンズ２０'・・長焦点距離フレネルレンズ２１・・・レンズ面２１'・・長焦点距離フレネルレンズのレンズ面２２・・・非レンズ面２３・・・粗面２４・・・ブラック化処理２７・・・成形金型３０・・・拡散板４０・・・拡散面５０・・・カッター７０・・・入射光源７１、７１'・・投射画像７２、７２'・・第一種ゴースト７３・・・第二種ゴースト７４・・・第三種ゴースト７７、７８・・光束ｔ、ｔ'・・・厚みｄ、ｄ'・・・距離

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Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】画像を含む光源を反射鏡によって反射させ
表示スクリーンに投射する背面投射型表示スクリーンで
あり、反射鏡の反射光路に位置し、該反射鏡が反射した
光源を受け入れ、併せて光源を収斂させた後に出射面か
ら出射する視野レンズと、該視野レンズの出射光路に位
置し、光源に含まれる画像を表示し、光源の視角と利得
を変調する拡散板と、該視野レンズの反射鏡に相対した
入射面箇所に位置し、該拡散面から該反射鏡に反射し、
改めて該拡散面に反射した光束と該視野レンズから多重
内部反射により該拡散面に戻ってきた光束を拡散させる
拡散面とを備えていることを特徴とするゴーストが発生
しない背面投射型表示スクリーン。
【請求項２】該拡散板にはレンチキュラーレンズも組み
合されていることを特徴とする請求項１記載のゴースト
が発生しない背面投射型表示スクリーン。
【請求項３】該視野レンズはフレネル（Ｆｒｅｓｎｅ
ｌ）レンズであることを特徴とする請求項１記載のゴー
ストが発生しない背面投射型表示スクリーン。
【請求項４】該フレネルレンズの厚みを減少させると、
該フレネルレンズから内部重複反射により反射される光
束と元の光束を重ね合わせることができることを特徴と
する請求項３記載のゴーストが発生しない背面投射型表
示スクリーン。
【請求項５】フレネルレンズの厚みは０．５ｍｍを下回
っていることを特徴とする請求項４記載のゴーストが発
生しない背面投射型表示スクリーン。
【請求項６】該拡散面は拡散モアレを備えた表面である
ことを特徴とする請求項１記載のゴーストが発生しない
背面投射型表示スクリーン。
【請求項７】該拡散モアレを備えた表面は拡散モアレを
備えた金型を利用して射出成形されることを特徴とする
請求項６記載のゴーストが発生しない背面投射型表示ス
クリーン。
【請求項８】該拡散モアレを備えた表面は圧下成形によ
り形成されることを特徴とする請求項６記載のゴースト
が発生しない背面投射型表示スクリーン。
【請求項９】該拡散モアレを備えた表面はＡＢ樹脂成形
により形成されることを特徴とする請求項６記載のゴー
ストが発生しない背面投射型表示スクリーン。
【請求項１０】該拡散モアレを備えた表面は紫外線硬化
成形（ＵＶｃｕｒｉｎｇ）により形成されることを特
徴とする請求項６記載のゴーストが発生しない背面投射
型表示スクリーン。
【請求項１１】該拡散面はつや消し面であることを特徴
とする請求項１記載のゴーストが発生しない背面投射型
表示スクリーン。