JP2002365011A - 頭部位置検出システム - Google Patents

頭部位置検出システム

Info

Publication number
JP2002365011A
JP2002365011A JP2001171307A JP2001171307A JP2002365011A JP 2002365011 A JP2002365011 A JP 2002365011A JP 2001171307 A JP2001171307 A JP 2001171307A JP 2001171307 A JP2001171307 A JP 2001171307A JP 2002365011 A JP2002365011 A JP 2002365011A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
distance
electrode
receiving electrode
head
occupant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001171307A
Other languages
English (en)
Inventor
Hironori Sato
弘規 佐藤
Fumio Asakura
史生 浅倉
Shinichiro Matsuoka
紳一郎 松岡
Tsutomu Kamizono
勉 神園
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Nippon Soken Inc filed Critical Denso Corp
Priority to JP2001171307A priority Critical patent/JP2002365011A/ja
Publication of JP2002365011A publication Critical patent/JP2002365011A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air Bags (AREA)
  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Seats For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シート2に座る乗員8の個体差や座り方に係
わらず、乗員8の頭部-受信電極間の距離dを精度良く
計測することができる頭部位置検出システムSの提供。 【解決手段】 頭部位置検出システムSは、シート2に
座った乗員8と高周波的に電気接続される発振電極11
をシート座部21に配し、発振電極11と金属枠との間
に発振出力を印加する発振部1と、発振電極11と対向
する様に車室天井部に受信電極31、41、51を絶縁
配置した距離測定用センサ3、4、5と、乗員8に電気
接続される導体面60から既知の距離だけ離れて、導体
面60と対向して校正用受信電極61、62、63を絶
縁配置して計測するキャリブレーションセンサ6と、そ
の計測結果に基づいて、受信電極31、41、51にお
ける、各距離dと出力電圧とに係る特性曲線を決定し、
各出力電圧の値を、該当する特性曲線に当てはめて、各
距離dを求める処理回路7とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シートに座った乗
員の頭部位置を検出する頭部位置検出システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、安全気運の高まりから、エアバッ
グの高性能化や、高機能化が進んでいる。また、乗員の
体格と位置を検出し、検出した体格と位置とに基づいて
エアバックの展開を制御する仕様が、米国で法制化に向
けて検討中である。
【0003】乗員位置の検出は、従来より、重量セン
サ、赤外線センサ、光学式センサ、静電容量式センサ等
を用いて行っている。この中で、特に、光学式と静電容
量式が有望視されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】光学式は、乗員に向け
て発信部から光を発し、反射光を光検出器で捉え、位置
を検出している。このため、光を反射する反射物や吸収
する遮蔽物(新聞紙、地図、帽子、ヘルメット等)が光
路中に有ると、頭部の位置を正確に検出できない。
【0005】また、静電容量式は、発信部と受信部の間
の静電容量の変化により乗員の位置を検出している。し
かし、下記の理由により、乗員が大人であるか子供であ
るかの判定や、乗員の有無の検出を行うのに留まり、広
い範囲で三次元的に頭部の位置を検出するには至ってい
ない(特開平10- 236269号公報、米国特許第5
691693号公報)。
【0006】発信部の面積を大きくする程、乗員検知を
行うことができる範囲を広くできるが、現実には大きさ
に限界があるので、広い検知エリアを確保できない。ま
た、センサとの距離を計算するための特性曲線を決定す
ることが難しいため、三次元的な距離センサとしての利
用が困難である。
【0007】本発明の第1の目的は、シートに座る乗員
の個体差や座り方に係わらず、乗員の頭部- 受信電極間
の距離を精度良く計測することができる頭部位置検出シ
ステムの提供にある。本発明の第2の目的は、広い範囲
で、且つ三次元的に乗員の頭部位置を把握することがで
きる頭部位置検出システムの提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】〔請求項1について〕発
振手段は、シートに座った乗員と高周波的に電気接続さ
れる発振電極をシート座部に配し、この発振電極と床側
の車体接地部材との間に発振出力を印加する。距離測定
手段は、発振電極と受信電極面が対向する様に車室天井
部に距離測定用の受信電極を絶縁(直流的)配置してい
る。
【0009】校正手段は、乗員と電気接続(シートベル
トやシート座部等による)される導体面を有し、この導
体面からそれぞれ異なる既知の距離だけ離れて、導体面
と対向して複数の校正用受信電極を絶縁(直流的)配置
している。特性曲線決定手段は、校正手段の計測結果に
基づいて、乗員の頭部- 受信電極間の距離と、受信電極
- 天井側の車体接地部材間に発生する出力電圧とに係る
特性曲線を決定する。
【0010】距離算出手段は、受信電極- 天井側の車体
接地部材間に発生する出力電圧の値を、特性曲線決定手
段が決定した特性曲線に当てはめて、頭部受信電極間距
離を求める。
【0011】乗員と電気接続される導体面と対向して複
数の校正用受信電極を絶縁(直流的)配置した校正手段
を、発振電極と受信電極面が対向する様に車室天井部に
距離測定用の受信電極を絶縁配置した距離測定手段と別
途に設け、距離算出手段が、受信電極- 天井側の車体接
地部材間に発生する出力電圧の値を、特性曲線決定手段
が決定した特性曲線に当てはめて、乗員の頭部と受信電
極との間の距離を求める構成である。このため、頭部位
置検出システムは、シートに座る乗員の個体差や座り方
に係わらず、乗員の頭部- 受信電極間の距離を精度良く
計測することができる。
【0012】〔請求項2について〕発振手段は、シート
に座った乗員と高周波的に電気接続される発振電極をシ
ート座部に配し、この発振電極と床側の車体接地部材と
の間に発振出力を印加する。距離測定手段は、発振電極
と受信電極面が対向する様に車室天井部の三カ所に距離
測定用の受信電極を絶縁(直流的)配置している。
【0013】校正手段は、乗員と電気接続される導体面
を有し、この導体面からそれぞれ異なる既知の距離だけ
離れて、導体面と対向して三枚の校正用受信電極を絶縁
配置している。特性曲線決定手段は、校正手段の計測結
果に基づいて、それぞれの受信電極における、乗員の頭
部- 受信電極間の距離と、受信電極- 天井側の車体接地
部材間に発生する出力電圧とに係る三つの特性曲線を決
定する。
【0014】乗員と電気接続される導体面と対向して三
枚の校正用受信電極を絶縁配置した校正手段を、発振電
極と受信電極面が対向する様に車室天井部の三カ所に距
離測定用の受信電極を絶縁(直流的)配置した距離測定
手段と別途に設け、距離算出手段が、それぞれの、受信
電極- 天井側の車体接地部材間に発生する出力電圧の値
を、特性曲線決定手段が決定した該当する特性曲線に当
てはめて、それぞれの受信電極と乗員の頭部との間の距
離を求める構成である。このため、頭部位置検出システ
ムは、広い範囲で、且つ三次元的に乗員の頭部位置を把
握することができる。
【0015】〔請求項3について〕受信電極上面に電界
が回り込まない様に、天井側の車体接地部材と電気接続
される天井側台座の下面に、天井側台座と絶縁(直流
的)して受信電極を配置している。また、校正用受信電
極下面に電界が回り込まない様に、床側の車体接地部材
と電気接続される床側台座の上面に、床側台座と絶縁
(直流的)して校正用受信電極を配置している。これに
より、電界の回り込みによる精度低下が防止でき、受信
電極と乗員の頭部との間の距離を高精度で求めることが
できる。
【0016】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の一実施例(請求
項1〜3に対応)を図1〜図17に基づいて説明する。
図1に示す頭部位置検出システムSは、発振電極11を
シート座部21に配した発振部1と、受信電極31、4
1、51を車室天井部に配置した距離測定用センサ3、
4、5と、導体面60と平行に校正用受信電極61、6
2、63を絶縁配置したキャリブレーションセンサ6
と、特性曲線の決定および頭部受信電極間距離dの算出
を行う処理回路7とを備える。
【0017】発振部1は、運転席のシート2の内部に設
置した発振回路12を有し、発振電極11とシート2の
金属枠(床側の車体接地部材)との間に、発振回路12
の発振出力(本実施例では、振幅10Vで周波数40k
Hzの正弦波)を印加している(図2参照)。
【0018】発振電極11は、例えば、銅線をメッシュ
に編んでシート座部21内に埋め込んだものであり、シ
ート2に座った乗員8と高周波的に電気接続している。
なお、発振電極11は、シート2の車体接地部材(金属
部分)からも直流的に絶縁されている(図2参照)。な
お、発振電極11は、その他、板状や箔状にした、鉄、
アルミニウム等の導電性金属や、導電性プラスチック等
が使用できる。
【0019】距離測定用センサ3、4、5は、受信電極
31、41、51と、処理回路部32、42、52とを
備える(図3、図5参照)。受信電極31、51は、そ
の受信電極面と発振電極11とが略平行になる様に、台
座30、50の下面前側に絶縁(直流的)して配置され
ている。なお、下面後側は凸設部36、56となってい
る。
【0020】受信電極41は、その受信電極面と発振電
極11とが略平行になる様に、台座40の下面後側に絶
縁(直流的)して配置されている。なお、下面前側は凸
設部46となっている。これら受信電極31、41、5
1は、シート2に座った乗員8の頭部81の上面中央点
が三角形の重心位置に来る様に二等辺三角形状に配置さ
れている。
【0021】台座30、40、50は、車室天井側の車
体接地部材に電気接続(直流的)され、空洞部分に処理
回路部32、42、52を配設している。処理回路部3
2、42、52は、増幅回路33、43、53、バンド
パスフィルタ34、44、54、およびピークホールド
回路35、45、55を有する。
【0022】なお、S/N比の向上と、安定した出力電
圧を得るため、受信電極上面(測定面ではない面)と、
処理回路部32、42、52とを、車体接地部材に電気
接続(直流的)した台座30、40、50によって電界
から遮断している。
【0023】本実施例では、受信電極31、41、51
は、直径20mmの円形の銅板である。なお、受信感度
が鈍らず、無指向性を保持するため、受信電極31、4
1、51は、直径10mm〜30mm程度の金属板(鉄
やアルミニウム等)が好適である。
【0024】キャリブレーションセンサ6は、導体面6
0と、校正用受信電極61、62、63と、処理回路部
65、66、67とを備え、シート2の内部に配設され
ている(図4参照)。処理回路部65、66、67は、
増幅回路、バンドパスフィルタ、およびピークホールド
回路を有する(図4参照)。
【0025】導体面60は、シートベルト80に接続線
82によって電気接続(直流的)される長方形の銅板で
あり、乗員8と導体面60とが電気接続される。なお、
導体面60は、台座64と絶縁(直流的)して配設され
ている。
【0026】校正用受信電極61、62、63は、受信
電極面と導体面60とが平行になる様に、階段構造を呈
し既知の距離差を設けた台座64の上面に絶縁(直流
的)して配置されている。これにより、校正用受信電極
61、62、63には、異なった電圧が発生し、距離と
出力電圧との組を三組得ることができる。台座64は、
床側の車体接地部材に電気接続(直流的)され、空洞部
分に処理回路部65、66、67を配設している。
【0027】処理回路部65、66、67は、増幅回
路、バンドパスフィルタ、ピークホールド回路を有す
る。
【0028】なお、S/N比の向上と、安定した出力電
圧を得るため、受信電極下面(測定面ではない面)と、
処理回路部65、66、67とを、車体接地部材に電気
接続(直流的)した台座64によって電界から遮断して
いる。
【0029】本実施例では、校正用受信電極61、6
2、63は、直径20mmの円形の銅板である。なお、
受信感度が鈍らず、無指向性を保持するため、校正用受
信電極61、62、63は、直径10mm〜30mm程
度の金属板(鉄やアルミニウム等)が好適である。
【0030】図5に、各処理回路の概要を示す。各受信
電極に発生する出力電圧を増幅回路で増幅し、BPFお
よびピークホールド回路を経由して得られた電圧をマイ
クロコンピュータで演算する。
【0031】マイクロコンピュータは、キャリブレーシ
ョンセンサ6の処理回路部65、66、67の出力から
特性曲線を決定し、距離測定用センサ3、4、5の処理
回路部32、42、52の出力から、図16に示す三角
測量法等を使って頭部の位置を演算する。
【0032】頭部位置検出システムSの動作原理を図6
に基づいて説明する。乗員8が運転席のシート2に座る
と、乗員8は、図6の等価回路のインピーダンスZ1
5 を示し、発振回路12と交流的に接続される。な
お、乗員8の座り方および発汗状態が変化しない限りイ
ンピーダンスZ1 〜Z5 は一定である。
【0033】よって、乗員8の体表面には、Z2 の分だ
け減衰した振幅一定の電圧が生じ、乗員8とセンサとの
間に電界が発生する。これは、乗員8の体表面全体が非
常に大きな電極となり、センサ側が対向するもう一つの
電極の働きをし、その電極間が空気で満たされたコンデ
ンサと見なすことができる。コンデンサの静電容量は、
電極間の距離に反比例するので、乗員8- センサ間の距
離に反比例する形で出力電圧が変化する。
【0034】距離と出力電圧との関係は、図6の式の
様に表される。図6の条件のZ3 を、図6の式に代
入して式を整理すると、最終的には図6の(1) 式の様に
表される。
【0035】シート2の着座状態の違い(座っていない
場合、正常な姿勢、前屈み)による出力電圧の変化を図
7に示す。乗員8が運転席のシート2に座ると、センサ
に出力が現れ、乗員8の有無が判定できる。なお、図7
のグラフは処理回路を通る前の受信電極の出力波形であ
る。
【0036】乗員8(手や頭部)と受信電極との距離d
と、出力電圧Vout との関係を調べる様子を図8に示
す。そして、距離dと、出力電圧V(mVp−p)との
関係を図9に示す。なお、出力電圧V(mVp−p)
は、処理回路を通る前で測定した。
【0037】図6の(1) 式を、k、h、αイコールの形
に変形した式を図10の上側に示す。図9における実測
の特性曲線上の三点の代表値を、図6の(1) 式に代入し
て、三つの未定係数k、h、αを決定することにより、
図10の下側に示す実測値と同等の、“計算値”の特性
曲線が得られる。
【0038】図11に、受信電極に手の平を近づけた場
合(a)、頭部を近づけた場合(b)、および手の平を
受信電極に接触させた場合(c)における、発振電圧波
形と出力電圧の波形とを示す。なお、出力電圧の波形
は、処理回路を通る前で測定した。何れも、発振電圧波
形と出力電圧の波形との間に位相差が無く、人体は一様
な導体であり、人間全体が等電位であると見なすことが
できる。
【0039】手の平を校正用センサに接触させた場合
(a)と、手の平を校正用センサに或る距離に近づけた
場合(b)とにおける、発振電圧波形と出力電圧の波形
との比較を図12に示す。なお、出力電圧の波形は、処
理回路を通る前で測定した。何れも、発振電圧波形と出
力電圧の波形との間に位相差が無いことが確認された。
【0040】つまり、図11と図12との結果より、乗
員8(人体)に接触する部分の何れか(シートベルトの
接合部、シート座部、シート背持たれ等)に導体を設
け、その導体と、キャリブレーションセンサ6の導体面
60(図4に示す)とを接続すれば良いことが判る。
【0041】これにより、導体と導体面60とが等電位
になり、キャリブレーションセンサ6を受信面に平行
に、乗員8(人体)と既知の距離を隔てて直接、設置し
た状態と等価な状態となり、キャリブレーションセンサ
6の搭載位置を限定することなくシステムを構成して特
性曲線を得ることができる。
【0042】図13に、キャリブレーションセンサ6お
よび距離測定用センサ3における、距離と出力電圧V
out (mVp−p)との特性曲線の比較を示し、両者の
特性曲線に差が殆ど無いことが確認できる。なお、処理
回路を通る前で出力電圧の波形を測定した。
【0043】つまり、キャリブレーションセンサ6によ
って特性曲線を決定し、その曲線を用いて距離測定用セ
ンサ3、4、5で距離を計測することができることを意
味する。
【0044】図14の(a)に示す等価回路のキャリブ
レーションセンサ6が出力する三種類の、距離と出力電
圧Vout (mVp−p)との特性曲線(b)について、
距離差を補正した結果をグラフ(c)に示す。
【0045】頭部位置検出システムSの処理1(校正)
および処理2(距離測定)にかかる手順を図15の
(a)、(b)、(c)に示す。また、三角測量法の原
理を図16に示す。
【0046】以下、頭部位置検出システムSの全体の作
動について述べる。図2に示すシート2のシート座部2
1に、図7の(b)、(c)に示す様に乗員8が運転席
のシート2に座ると、天井部に配される距離測定用セン
サ3、4、5(図1参照)に出力が現れる。
【0047】これは、人間(乗員8)が座ったことによ
り、受信電極と人間とが交流的に接続され、人間の体表
面と距離測定用センサ3、4、5の受信電極31、4
1、51との間に電界が発生するためである。あたか
も、人間全体が大きな発振電極の様に振る舞い、30c
m×30cm以上のエリアで検知を行うことができる。
なお、頭部位置検出システムSと従来の検知システムと
の検知エリアの違いを図17に示す。
【0048】天井の三箇所に、距離測定用センサ3、
4、5(図1参照)を配置しているので、距離測定用セ
ンサ3、4、5からそれぞれ電圧が出力され、三つの出
力が得られる。
【0049】それと同時に、キャリブレーションセンサ
6(図4参照)に、三種類の電圧が出力される。この三
種類の電圧は、キャリブレーションセンサ6の校正用受
信電極61、62、63と平行で、且つ、既知の距離だ
け離れた導体面60と、校正用受信電極61、62、6
3との間に発生した電界によるものである(図4参
照)。導体面60と校正用受信電極61、62、63と
は、段差構造で異なる距離差を持つため、三種類の異な
る電圧が発生する。
【0050】図11の結果より、乗員8(人体)は、一
様な等電位の導体と見なせる。乗員8(人体)自体が導
体に近づいても、乗員8(人体)に接触した導体を近づ
けても、離れている距離が同じであれば、キャリブレー
ションセンサ6は同じ電圧を出力する(図12参照)。
【0051】つまり、図13に示す原理により、図3の
構成の距離測定用センサ3が出力する距離- 出力電圧特
性と、図4の構成のキャリブレーションセンサ6の校正
用受信電極63が出力する距離- 出力電圧特性とは何方
も同様の特性である。
【0052】以上、図11、図12、図13の結果か
ら、キャリブレーションセンサ6の出力電圧は、乗員8
(人体)の頭部側に配される、距離測定用センサ3、
4、5を、段差構造の距離分離によって得られた三種類
の出力電圧に等しい。
【0053】頭部位置検出システムSでは、乗員8(人
体)と接する、シートベルト80やシート座部21等の
電位をそのままキャリブレーションセンサ6に印加して
いるので、キャリブレーションセンサ6を何処に配置し
ても、段差構造の距離差によって発生する三つの出力電
圧に等しくなる。
【0054】こうして得られた三つの距離- 出力電圧特
性の組を用いて、車室内の乗員8(人体)が任意の座り
方をしている時の距離- 出力電圧特性を得ることがで
き、距離を把握することができる。
【0055】図6に示す原理から、距離- 出力電圧の関
係は、図6の(1) 式となる。そこで、上記三組を、図1
0の手順で代入すると、図6の(1) 式の三つの未定係数
α、k、hが決まり、不特定の人間が任意の座り方をし
ても、その状態に対応した特性曲線を決定することがで
きる。
【0056】図6の(1) 式により決定した、図13に示
す距離- 出力電圧特性は、図8に示す測定条件で、図9
に示す距離測定用センサ3、4、5の実測の特性曲線と
一致する。天井の三箇所に配置した、距離測定用センサ
3、4、5の各出力に基づき、各センサからの距離をマ
イクロコンピュータによって演算して求める。更に、各
センサからの距離情報に基づき、図16に示す三角測量
法等を用いて、基準点からの距離をマイクロコンピュー
タによって演算して、頭部の三次元的な位置座標を求め
る。
【0057】つぎに、頭部位置検出システムSの利点を
述べる。 [ア]発振電極11により乗員8を電極として用い、キ
ャリブレーションセンサ6を採用し、シート2に座った
乗員8の頭部81の上面中央点が三角形の重心位置に来
る様に距離測定用センサ3、4、5の受信電極31、4
1、51を二等辺三角形状に配置し、図16に示す三角
測量法を用いているので、乗員8の個体差や座り方に係
わらず、乗員8の頭部81の三次元位置を広い範囲で精
度良く計測することができる。これにより、乗員8の頭
部81が保護される様にエアバックの展開を的確に行う
ことができる。
【0058】[イ]車両の天井部に電気接続される台座
30、40、50(天井側台座)の下面に、台座30、
40、50と直流的に絶縁して受信電極31、41、5
1を配置しているので、受信電極上面に電界が回り込ま
ない。また、床側の車体接地部材に電気接続される台座
64の階段構造の上面に、台座64と直流的に絶縁して
校正用受信電極61、62、63を配置しているので、
校正用受信電極下面に電界が回り込まない。これによ
り、電界の回り込みによる、受信電極31、41、51
と乗員8の頭部81との間の距離計測の精度低下を防止
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る頭部位置検出システム
の説明図である。
【図2】その頭部位置検出システムのシート周りの説明
図である。
【図3】その頭部位置検出システムの距離測定用センサ
の説明図である。
【図4】その頭部位置検出システムのキャリブレーショ
ンセンサの説明図である。
【図5】その頭部位置検出システムの処理回路周りの説
明図である。
【図6】その頭部位置検出システムの動作原理を示す説
明図である。
【図7】乗員のシートへの着座状態の違い{座っていな
い場合(a)、正常な姿勢(b)、前屈み(c)}によ
る出力電圧の変化を示す説明図である。
【図8】乗員と受信電極との距離dと、出力電圧Vout
との関係を調べる様子を示す説明図である。
【図9】距離測定用センサの実測の、距離dと出力電圧
out との関係に係わる特性曲線を示すグラフである。
【図10】図6の(1) 式を、k、h、αイコールの形に
変形した式、および校正と実測とに係る各特性曲線を比
較したグラフである。
【図11】受信電極に手の平を近づけた場合(a)、頭
部を近づけた場合(b)、および手の平を受信電極に接
触させた場合(c)における、発振電圧波形と出力電圧
の波形とを示すグラフである。
【図12】手の平を校正用センサに接触させた場合
(a)と、手の平を校正用センサに或る距離に近づけた
場合(b)とにおける、発振電圧波形と出力電圧の波形
とを比較した説明図である。
【図13】図3の構成の距離測定用センサ3が出力する
距離- 出力電圧特性と、図4の構成のキャリブレーショ
ンセンサ6の校正用受信電極が出力する距離- 出力電圧
特性を比較した説明図である。
【図14】(a)はキャリブレーションセンサの等価回
路、(b)はキャリブレーションセンサが出力する三種
類の、距離と出力電圧Vout (mVp−p)との特性曲
線を示すグラフ、(c)は距離差を補正した結果のグラ
フである。
【図15】(a)は頭部位置検出システムの校正に係る
処理1のフローチャート、(b)は頭部位置検出システ
ムの距離測定に係わる処理2のフローチャート、(c)
は処理1、2に係る手順を示すフローチャートである。
【図16】各センサからの距離情報に基づき、基準点か
らの距離をマイクロコンピュータによって演算して頭部
の三次元的な位置座標を求める原理を説明した説明図で
ある。
【図17】本発明の頭部位置検出システムと従来の検知
システムとの検知エリアの違いを示す説明図である。
【符号の説明】
1 発振部(発振手段) 2 シート 3、4、5 距離測定用センサ(距離測定手段) 6 キャリブレーションセンサ(校正手段) 7 処理回路(特性曲線決定手段、距離算出手段) 8 乗員 11 発振電極 21 シート座部 30、40、50 台座(天井側台座) 31、41、51 受信電極 60 導体面 61、62、63 校正用受信電極 64 台座(床側台座) d 距離(頭部受信電極間距離) S 頭部位置検出システム V 出力電圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅倉 史生 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 松岡 紳一郎 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 神園 勉 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 2F063 AA04 BA29 BB08 DA01 DC08 HA04 KA01 LA06 LA29 3B087 DE08 3D054 AA07 AA21 EE10 EE11 EE13 EE14 EE16

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートに座った乗員と高周波的に電気接
    続される発振電極をシート座部に配し、該発振電極と床
    側の車体接地部材との間に発振出力を印加する発振手段
    と、 前記発振電極と受信電極面が対向する様に車室天井部に
    距離測定用の受信電極を絶縁配置した距離測定手段と、 前記乗員と電気接続される導体面を有し、該導体面から
    それぞれ異なる既知の距離だけ離れて、前記導体面と対
    向して複数の校正用受信電極を絶縁配置した校正手段
    と、 該校正手段の計測結果に基づいて、前記乗員の頭部- 受
    信電極間の距離と、受信電極- 天井側の車体接地部材間
    に発生する出力電圧とに係る特性曲線を決定する特性曲
    線決定手段と、 前記乗員の頭部と受信電極との間の頭部受信電極間距離
    を求める距離算出手段とを備え、 該距離算出手段は、受信電極- 天井側の車体接地部材間
    に発生する出力電圧の値を、前記特性曲線決定手段が決
    定した特性曲線に当てはめて、前記頭部受信電極間距離
    を求めることを特徴とする頭部位置検出システム。
  2. 【請求項2】 シートに座った乗員と高周波的に電気接
    続される発振電極をシート座部に配し、該発振電極と床
    側の車体接地部材との間に発振出力を印加する発振手段
    と、 前記発振電極と受信電極面が対向する様に車室天井部の
    三カ所に距離測定用の受信電極を絶縁配置した距離測定
    手段と、 前記乗員と電気接続される導体面を有し、該導体面から
    それぞれ異なる既知の距離だけ離れて、前記導体面と対
    向して三枚の校正用受信電極を絶縁配置した校正手段
    と、 該校正手段の計測結果に基づいて、それぞれの受信電極
    における、前記乗員の頭部- 受信電極間の距離と、受信
    電極- 天井側の車体接地部材間に発生する出力電圧とに
    係る三つの特性曲線を決定する特性曲線決定手段と、 それぞれの、受信電極と乗員の頭部との頭部受信電極間
    距離を求める距離算出手段とを備え、 該距離算出手段は、それぞれの受信電極- 天井側の車体
    接地部材間に発生する出力電圧の値を、前記特性曲線決
    定手段が決定した該当する特性曲線に当てはめて、それ
    ぞれの頭部受信電極間距離を求めることを特徴とする頭
    部位置検出システム。
  3. 【請求項3】 前記受信電極は、前記天井側の車体接地
    部材と電気接続される天井側台座の下面に、該天井側台
    座と絶縁して配置され、 前記校正用受信電極は、床側の車体接地部材と電気接続
    される床側台座の上面に、該床側台座と絶縁して配置さ
    れることを特徴とする請求項1および請求項2に記載の
    頭部位置検出システム。
JP2001171307A 2001-06-06 2001-06-06 頭部位置検出システム Withdrawn JP2002365011A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001171307A JP2002365011A (ja) 2001-06-06 2001-06-06 頭部位置検出システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001171307A JP2002365011A (ja) 2001-06-06 2001-06-06 頭部位置検出システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002365011A true JP2002365011A (ja) 2002-12-18

Family

ID=19013093

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001171307A Withdrawn JP2002365011A (ja) 2001-06-06 2001-06-06 頭部位置検出システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002365011A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006062098A1 (ja) * 2004-12-09 2006-06-15 Toyota Boshoku Kabushiki Kaisha ヘッドレスト制御システム
JP2010054350A (ja) * 2008-08-28 2010-03-11 Fujikura Ltd 乗員姿勢検知装置および乗員姿勢検知方法
JP2010167909A (ja) * 2009-01-22 2010-08-05 Honda Motor Co Ltd 車両用乗員検出装置
JP2010175443A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Fujikura Ltd 乗員姿勢検知装置および乗員姿勢検知方法
JP2011030869A (ja) * 2009-08-04 2011-02-17 Denso Corp 車両用生体センシング装置
JP2013545655A (ja) * 2011-01-31 2013-12-26 カイパー ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー 車両シート用アクチュエータ及び車両シート
JP2014167415A (ja) * 2013-02-28 2014-09-11 Tokai Rubber Ind Ltd 静電容量式近接センサ装置

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006062098A1 (ja) * 2004-12-09 2006-06-15 Toyota Boshoku Kabushiki Kaisha ヘッドレスト制御システム
US7963598B2 (en) 2004-12-09 2011-06-21 Toyota Boshoku Kabushiki Kaisha Head rest control systems
JP2010054350A (ja) * 2008-08-28 2010-03-11 Fujikura Ltd 乗員姿勢検知装置および乗員姿勢検知方法
JP2010167909A (ja) * 2009-01-22 2010-08-05 Honda Motor Co Ltd 車両用乗員検出装置
JP2010175443A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Fujikura Ltd 乗員姿勢検知装置および乗員姿勢検知方法
US8676447B2 (en) 2009-01-30 2014-03-18 Fujikura Ltd. Occupant posture sensing apparatus and occupant posture sensing method
JP2011030869A (ja) * 2009-08-04 2011-02-17 Denso Corp 車両用生体センシング装置
JP2013545655A (ja) * 2011-01-31 2013-12-26 カイパー ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー 車両シート用アクチュエータ及び車両シート
KR101547481B1 (ko) 2011-01-31 2015-08-26 존슨 컨트롤즈 컴포넌츠 게엠베하 운트 코. 카게 차량 시트용 액추에이터, 및 차량 시트
US9193283B2 (en) 2011-01-31 2015-11-24 Keiper Gmbh & Co. Kg Actuator for a vehicle seat, and vehicle seat
JP2014167415A (ja) * 2013-02-28 2014-09-11 Tokai Rubber Ind Ltd 静電容量式近接センサ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4076920B2 (ja) 乗員判別装置及び乗員判別方法
KR100926213B1 (ko) 상대적인 임피던스 측정을 이용하는 차량 점유자 검출
KR100491187B1 (ko) 차량승객감지시스템및방법
JP4539614B2 (ja) 乗員検知システム
US8237455B2 (en) Occupant detection system with environmental compensation
CA2341770C (en) Apparatus for detecting seated condition
US5914610A (en) Apparatus and method for characterizing movement of a mass within a defined space
EP1427612B1 (en) Conductive e-field occupant sensing
US6696948B2 (en) Wet seat protection for air bag control occupant detection
US20150265200A1 (en) Safety belt arrangements and methods for determining information with respect to the cardiac and/or respiratory activity of a user of a safety belt
US8882142B2 (en) Capacitive occupant detection system
EP2515715B1 (en) Capacitive occupant sensing system and method
EP1012530B1 (en) Displacement-current method and apparatus for resolving presence, orientation and activity in a defined space
KR20020070848A (ko) 에어백 전개 제어를 위한 다중 센서 차량 점유자 검출
US20030222440A1 (en) Three dimensional occupant position sensor
JP2006201129A (ja) 静電容量式センサおよび乗員検知システム
JP2002538469A (ja) 近接センサ
US6989496B2 (en) Vehicle occupant weight estimation apparatus
WO2009034074A1 (en) Method and system for detecting an occupancy state of a vehicle seat
CN110383084A (zh) 静电电容传感器和握持传感器
WO2012017901A1 (ja) ヒータ及びヒーティングシステム
JP2002365011A (ja) 頭部位置検出システム
JP7156621B2 (ja) 車両用心電検出装置
JP2004077315A (ja) 静電容量センサ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080902