JP2002356754A - 複合材料の製造方法及び同製造方法により製造された複合材料 - Google Patents

複合材料の製造方法及び同製造方法により製造された複合材料

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雅裕 來田
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正幸 新海
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貴浩 石川
Toshimasa Ochiai
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程を削減及び簡略化するとともに、大
型・複雑形状を有する最終製品に関しても適用可能な、
金属基、金属間化合物基、及び金属と金属間化合物が混
合された状態をマトリックスとした複合材料の製造方
法、並びに当該製造方法により製造された複合材料を提
供する。 【解決手段】 分散材とマトリックスからなる複合材料
の製造方法である。分散材の表面に金属被覆層を形成し
て金属被覆分散材を調製し、金属被覆分散材を所定形状
に調整された治具に充填した後、充填された金属被覆分
散材にAl溶湯を含浸することにより、金属被覆層とA
l溶湯との反応を生起させてマトリックスを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は分散材とマトリッ
クスにより構成される複合材料の製造方法、及び同製造
方法により製造される複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】 複合材料とは、複数素材を巨視的に混
合した組成集合体であり、各素材の持つ機械特性を相補
的に利用して、単独素材では実現できなかった特性発現
を可能にしたものである。基本的には、材料と材料を組
み合わせる技術手法であり、マトリックスと分散材、使
用目的、又はコスト等により、種々の組み合わせが存在
する。
【0003】 その中でも金属基複合材料、及び金属間
化合物基複合材料とは、Al、Ti、Ni、Nb等の金
属、若しくはTiAl、Ti3Al、Al3Ti、NiA
l、Ni3Al、Ni2Al3、Al3Ni、Nb3Al、
Nb2Al、Al3Nb等の金属間化合物をマトリックス
とし、セラミックス等の無機材料を分散材として複合材
料化されたものである。従って、金属基複合材料、及び
金属間化合物基複合材料は、軽量且つ高強度を有すると
いった特性を生かし、宇宙・航空分野や自動車産業へ、
また特に金属基複合材料においては近年、低熱膨張及び
高熱伝導を有する特性を生かし、電子デバイスに代表さ
れるようなエレクトロニクス分野等の多方面への利用が
図られている材料である。
【0004】 金属間化合物基複合材料の製造方法とし
ては、予め金属間化合物粉末をメカニカルアロイング
(MA)等にて製造し、分散材となる繊維及び/又は粒
子等とともに、高温・高圧条件下においてホットプレス
(HP)若しくは熱間等方圧成形(HIP)する方法が
挙げられる。また、金属基複合材料の製造方法としても
固相法となる高温・高圧条件下においてホットプレス
(HP)若しくは熱間等方圧成形(HIP)する方法
や、液相法となる溶融金属を含浸させる加圧含浸法や溶
湯鍛造法等のように高圧を必要とする方法を挙げること
ができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 金属基複合材料、及
び金属間化合物基複合材料を製造する従来の製造方法に
おける問題点として、緻密な複合材料の製造を行うため
には、HP及びHIP等の製造方法によって高温・高圧
を負荷し、緻密なマトリックスを形成する必要性がある
ことの他、製造装置の性能や規模に制約があり、大型、
或いは複雑形状の複合材料の製造が極めて困難であると
ともに、最終製品の形状を考慮したニアネットシェイプ
化を行うことができず、その後の工程において機械加工
処理が必要となるといった問題点をも有している。
【0006】 また、金属間化合物基複合材料の製造に
おける前処理工程として、予めMA等により金属間化合
物粉末を合成する工程が必要であり、製造工程の多段階
・煩雑化といった問題点を有している。従って、上述の
ように、従来の金属基複合材料、及び金属間化合物基複
合材料の製造においては多段階に渡る工程が必要である
とともに、高温・高圧条件下において行う製造方法であ
るために極めて高コストな製造方法である。
【0007】 これらの問題を解消すべく、特許第26
09376号公報、特開平9−227969号公報にお
いては、Al等により還元可能な金属酸化物等からなる
予備成形体を用い、その表面層中において液状のAl等
と反応させ、その場合成にてアルミナイド金属間化合
物、及び酸化物(特にAl23)を合成させる複合材料
の製造方法が開示されている。しかしながら、特許第2
609376号公報、及び、特開平9−227969号
公報に示される製造方法によれば、得られる複合材料中
に分散される分散材の種類が限定されるために、目的と
なる材料設計が特定の組み合わせに限定され、複合材料
特性を変化させることが困難となる。また、用いる材料
の比率を厳密に制御しなければ、金属酸化物等、又はA
l等が残存してしまうといった問題点をも有している。
更には、瞬時に大量の反応熱を生ずるため、反応制御が
困難な場合がある。
【0008】 一方、複合材料の中でも、多数の気孔を
有する多孔質な複合材料(以下、「多孔質複合材料」と
記す。)は緻密な微構造を有する複合材料(以下、「緻
密質複合材料」と記す。)に比して軽量であるととも
に、各種の複合化効果が発揮されている。また、一般的
に、マトリックスに気孔を導入した場合、気孔率の増加
とともにその材料は軽量化されるが、強度、ヤング率等
の機械的特性は低下していく。
【0009】 また従来、中空粒子をAl等の金属と複
合化することにより、上記のように軽量化を図る試みが
なされていたが、その製造プロセスは、Al等の金属を
中空粒子どうしの間隙に含浸する際に加圧操作を要する
加圧含浸法が主なものであった。しかしながら、加圧含
浸法によると、Al等の金属を含浸する際に中空粒子に
つぶれや破断等の不具合が生じ易いという問題点があっ
た。すなわち、溶湯の含浸圧力が高い場合には、中空粒
子が溶湯の静水圧によって破壊されてしまい、中空粒子
内部に溶湯が含浸されることにより、得られる製品を軽
量化することができなかったり、また、中空粒子の破壊
を抑制するために溶湯の含浸圧力を低下させた場合に
は、溶湯が中空粒子の間隙に上手く充填されず、巣が入
る等の内部欠陥等が生ずる場合があった。このため、加
圧含浸法によって得られた複合材料には、軽量である等
の期待された特性が付与されていない場合や、比強度・
比弾性率の向上等がなされていない場合もあった。
【0010】 本発明は、このような従来技術の有する
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、製造工程を削減及び簡略化するとともに、大型
・複雑形状を有する最終製品に関しても適用可能な、金
属基、金属間化合物基、及び金属と金属間化合物が混合
された状態をマトリックスとした複合材料の製造方法、
並びに当該製造方法により製造された複合材料を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】 すなわち、本発明によ
れば、分散材とマトリックスからなる複合材料の製造方
法であって、該分散材の表面に金属被覆層を形成して金
属被覆分散材を調製し、該金属被覆分散材を所定形状に
調整された治具に充填した後、充填された該金属被覆分
散材にAl溶湯を含浸することにより、該金属被覆層と
該Al溶湯との反応を生起させて該マトリックスを形成
することを特徴とする複合材料の製造方法が提供され
る。
【0012】 本発明においては、Niを、Al溶湯と
Niとの合計量に比して4質量%未満使用して、分散材
の平均粒径に比して1%未満の厚みを有するNiからな
る金属被覆層を形成し、マトリックスの全体をAlとす
ることが好ましく、またNiを、Al溶湯とNiとの合
計量に比して4質量%以上、42質量%未満使用して、
分散材の平均粒径に比して1%以上、8%未満の厚みを
有するNiからなる金属被覆層を形成し、マトリックス
の全体をAlとアルミナイド金属間化合物との混合物と
することも好ましく、同様にNiを、Al溶湯とNiと
の合計量に比して42質量%以上、87.8質量%以下
使用して、分散材の平均粒径に比して8%以上、26%
以下の厚みを有するNiからなる金属被覆層を形成し、
マトリックスの全体をアルミナイド金属間化合物とする
ことも好ましい。
【0013】 一方、本発明においては、Tiを、Al
溶湯とTiとの合計量に比して2質量%未満使用して、
分散材の平均粒径に比して1%未満の厚みを有するTi
からなる金属被覆層を形成し、マトリックスの全体をA
lとすることが好ましく、またTiを、Al溶湯とTi
との合計量に比して2質量%以上、36.5質量%未満
使用して、分散材の平均粒径に比して1%以上、12%
未満の厚みを有するTiからなる金属被覆層を形成し、
マトリックスの全体をAlとアルミナイド金属間化合物
との混合物とすることも好ましく、同様にTiを、Al
溶湯とTiとの合計量に比して36.5質量%以上、8
6質量%以下使用して、分散材の平均粒径に比して12
%以上、25%以下の厚みを有するTiからなる金属被
覆層を形成し、マトリックスの全体をアルミナイド金属
間化合物とすることも好ましい。
【0014】 更に、本発明においては、Nbを、Al
溶湯とNbとの合計量に比して4質量%未満使用して、
分散材の平均粒径に比して1%未満の厚み有するNbか
らなる金属被覆層を形成し、マトリックスの全体をAl
とすることが好ましく、またNbを、Al溶湯とNbと
の合計量に比して4質量%以上、53質量%未満使用し
て、分散材の平均粒径に比して1%以上、12%未満の
厚みを有するNbからなる金属被覆層を形成し、マトリ
ックスの全体をAlとアルミナイド金属間化合物との混
合物とすることも好ましく、同様にNbを、Al溶湯と
Nbとの合計量に比して53質量%以上、92.4質量
%以下使用して、分散材の平均粒径に比して12%以
上、25%以下の厚みを有するNbからなる金属被覆層
を形成し、マトリックスの全体をアルミナイド金属間化
合物とすることも好ましい。
【0015】 本発明においては、無電解メッキ、CV
D、PVDとなるイオンプレーティング、スパッタリン
グ、又は真空蒸着のいずれかの方法により金属被覆膜を
形成することが好ましい。
【0016】 一方、本発明によれば、分散材とマトリ
ックスからなる複合材料の製造方法であって、該分散材
の表面に金属酸化物被覆層を形成して金属酸化物被覆分
散材を調製し、該金属酸化物被覆分散材を所定形状に調
整された治具に充填した後、充填された該金属被覆分散
材にAl溶湯を含浸することにより、該金属酸化物被覆
層と該Al溶湯との反応を生起させて該マトリックスを
形成することを特徴とする複合材料の製造方法が提供さ
れる。
【0017】 本発明においては、分散材として繊維、
粒子、ウィスカー、中空粒子、気孔が開気孔である多孔
質体、又は気孔が閉気孔である多孔質体のうちいずれか
の無機材料を用いることが好ましく、更に、殻厚が0.
1〜30μmである中空粒子を用いることが好ましい。
なお、Al23、AlN、SiC、又はSi34のいず
れかの無機材料を用いることが好ましい。
【0018】 本発明においては、複合材料に占める分
散材の体積率を20〜80%とすることが好ましい。一
方、金属被覆分散材を調製した後、金属被覆分散材を治
具に充填する前に、金属被覆分散材に金属粉末を混合す
ることが好ましく、また、分散材の平均粒径に対して
0.05〜80%である金属粉末を用いることが好まし
い。
【0019】 一方、本発明によれば、分散材とマトリ
ックスからなる複合材料であって、該分散材の表面に金
属被覆層が形成されてなる金属被覆分散材が調製され、
該金属被覆分散材が所定形状に調整された治具に充填さ
れ、充填された該金属被覆分散材にAl溶湯が含浸され
ることにより、該金属被覆層と該Al溶湯との反応が生
起され、該マトリックスが形成されてなることを特徴と
する複合材料が提供される。
【0020】 本発明においては、金属被覆層がNiで
あり、Niの使用量がAl溶湯とNiとの合計量に比し
て4質量%未満、金属被覆層の厚さが分散材の平均粒径
の1%未満であるとともに、マトリックスの全体がAl
であることが好ましく、また、Niの使用量がAl溶湯
とNiとの合計量に比して4質量%以上、42質量%未
満、金属被覆層の厚さが分散材の平均粒径の1%以上、
8%未満であるとともに、マトリックスの全体がAlと
アルミナイド金属間化合物との混合物であることも好ま
しく、同様に、Niの使用量がAl溶湯とNiとの合計
量に比して42質量%以上、87.8質量%以下、金属
被覆層の厚さが分散材の平均粒径の8%以上、26%以
下であるとともに、マトリックスの全体がアルミナイド
金属間化合物であることも好ましい。
【0021】 一方、本発明においては、金属被覆層が
Tiであり、Tiの使用量がAl溶湯とTiとの合計量
に比して2質量%未満、金属被覆層の厚さが分散材の平
均粒径の1%未満であるとともに、マトリックスの全体
がAlであることが好ましく、また、Tiの使用量がA
l溶湯とTiとの合計量に比して2質量%以上、36.
5質量%未満、金属被覆層の厚さが分散材の平均粒径の
1%以上、12%未満であるとともに、マトリックスの
全体がAlとアルミナイド金属間化合物との混合物であ
ることも好ましく、同様に、Tiの使用量がAl溶湯と
Tiとの合計量に比して36.5質量%以上、86質量
%以下、金属被覆層の厚さが分散材の平均粒径の12%
以上、25%以下であるとともに、マトリックスの全体
がアルミナイド金属間化合物であることも好ましい。
【0022】 更に、本発明においては、金属被覆層が
Nbであり、Nbの使用量がAl溶湯とNbとの合計量
に比して4質量%未満、金属被覆層の厚さが分散材の平
均粒径の1%未満であるとともに、マトリックスの全体
がAlであることが好ましく、また、Nbの使用量がA
l溶湯とNbとの合計量に比して4質量%以上、53質
量%未満、金属被覆層の厚さが分散材の平均粒径の1%
以上、12%未満であるとともに、マトリックスの全体
がAlとアルミナイド金属間化合物との混合物であるこ
とも好ましく、同様に、Nbの使用量がAl溶湯とNb
との合計量に比して53質量%以上、92.4質量%以
下、金属被覆層の厚さが分散材の平均粒径の12%以
上、25%以下であるとともに、マトリックスの全体が
アルミナイド金属間化合物であることも好ましい。
【0023】 一方、本発明によれば、分散材とマトリ
ックスからなる複合材料であって、該分散材の表面に金
属酸化物被覆層が形成されてなる金属酸化物被覆分散材
が調製され、該金属酸化物被覆分散材が所定形状に調整
された治具に充填され、充填された該金属被覆分散材に
Al溶湯が含浸されることにより、該金属酸化物被覆層
と該Al溶湯との反応が生起され、該マトリックスが形
成されてなることを特徴とする複合材料が提供される。
【0024】 本発明においては、分散材が繊維、粒
子、ウィスカー、中空粒子、気孔が開気孔である多孔質
体、又は気孔が閉気孔である多孔質体のうちいずれかの
無機材料であることが好ましく、更に、中空粒子の殻厚
が0.1〜30μmであることが好ましい。なお、前記
無機材料がAl23、AlN、SiC、又はSi34
いずれかであることが好ましい。
【0025】 本発明においては、複合材料に占める分
散材の体積率が20〜80%であることが好ましい。一
方、金属被覆分散材が調製された後、該金属被覆分散材
が治具に充填される前に、該金属被覆分散材に金属粉末
が混合されることが好ましく、また、前記金属粉末の平
均粒径が分散材の平均粒径の0.05〜80%であるこ
とが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】 以下、本発明を実施態様に基づ
き詳しく説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定
されるものではない。
【0027】 本発明の第1の側面は、分散材とマトリ
ックスからなる複合材料の製造方法であって、分散材の
表面に予め金属被覆層を形成し、得られた金属被覆分散
材を所定形状に調整された治具に充填し、次いで、充填
された金属被覆分散材にAl溶湯を含浸することによ
り、金属被覆層とAl溶湯との反応を生起させて、in
−situ(その場)合成でマトリックスを形成するこ
とを特徴とする複合材料の製造方法に関するものであ
る。すなわち、自己燃焼反応等の反応によりマトリック
スの形成が進行するため、従来の製造方法であるHP若
しくはHIPのような複合材料の製造に際して課してい
た条件によらず、無加圧浸透による複合材料の製造が可
能である。以下、更にその詳細について説明する。
【0028】 本発明においては、Al溶湯と金属被覆
層との反応により、反応系内が瞬間的に高温に保持され
る。このため、Al溶湯が反応を生起しながら分散材間
隙中に無加圧浸透され、高圧を負荷せずに緻密な複合材
料を製造することが可能である。従って、製造装置の性
能上困難であった大型、及び/又は複雑な形状を有する
複合材料の製造が可能となる。
【0029】 例えば、分散材の表面にNi、Ti、N
bのいずれかにより金属被覆層を形成して作製、及び成
形後にAl溶湯を含浸すると、Al溶湯と金属被覆層が
反応し、Al溶湯の分散材に対する濡れ性が向上する。
このときの反応の代表例を下記式(数1〜数3)に示
す。
【0030】
【数1】3Al+Ni→Al3Ni:ΔH298=−150
kJ/mol ΔH:生成反応熱(ΔH<0にて発熱反応)
【0031】
【数2】3Al+Ti→Al3Ti:ΔH298=−146
kJ/mol ΔH:生成反応熱(ΔH<0にて発熱反応)
【0032】
【数3】3Al+Nb→Al3Nb:ΔH298=−160
kJ/mol ΔH:生成反応熱(ΔH<0にて発熱反応)
【0033】 上記式において示す通り、このときの反
応は化合物生成熱を伴った発熱反応であり、本発明の製
造方法においてはこの反応熱を利用することによって、
複合材料の形成が推進されることになる。従って、HP
等においてより緻密な複合材料を製造するために必要で
あった高温・高圧力条件は不必要となるため、製造装置
の性能上困難であった大型及び/又は複雑な形状を有す
る複合材料の製造が可能となる。
【0034】 なお、分散材に被包形成する金属被覆層
の厚さ、及び用いる金属の量を厳密に規定した場合、分
散材の周囲に形成されるマトリックスの組成を制御する
ことが可能である。すなわち、マトリックスをAlを主
成分とすること、又はAlと金属間化合物との混合物と
すること、或いはマトリックス全体をアルミナイド金属
間化合物にすることが可能であり、製造され得る複合材
料の使用目的等に応じて適宜マトリックスを選択すれば
よい。
【0035】 また、特許第2609376号公報、及
び、特開平9−227969号公報に示される製造方法
とは異なり、in−situで合成するのはマトリック
スのみである。従って、分散材の種類については自由に
選択可能であり、所望の特性を有する複合材料を任意に
選択し、且つ、所望の物理的特性を有する複合材料を製
造することができる。更に、分散材の種類、及び使用量
を任意に選択・設定することにより、反応熱を制御する
ことも容易であるために、工業的な製造工程にも適用可
能である。
【0036】 本発明においては、NiをAl溶湯とN
iとの合計量に比して4質量%未満使用して、分散材の
平均粒径に比して1%未満の厚みを有するNiからなる
金属被覆層を形成し、反応により形成されるマトリック
スの全体をAlとすることが好ましい。なお、Niの使
用量はAl溶湯とNiとの合計量に比して3.5質量%
未満であることが更に好ましく、3質量%未満であるこ
とが特に好ましい。また、金属被覆層の厚みは分散材の
平均粒径に比して0.8%未満であることが更に好まし
く、0.7%未満であることが特に好ましい。
【0037】 Niの使用量をAl溶湯とNiとの合計
量に比して4質量%以上使用して、分散材の平均粒径に
比して1%以上の厚みを有するNiからなる金属被覆層
を形成した場合には、マトリックス中にNiとAlから
生成される金属間化合物の残存量が、体積率で概ね1.
0%以上となり、マトリックスの全体を均質なAlとす
ることが困難となるために好ましくない。なお、本発明
の特徴である反応熱を利用するためには、Niの使用量
をAl溶湯とNiとの合計量に比して1質量%以上、及
び、金属被覆層の厚みを分散材の平均粒径に比して0.
28%以上とすればよい。
【0038】 なお、本発明でいう「マトリックスの全
体をAlとする」とは、分散材の表面の金属被覆層の厚
みと量を制御することにより、マトリックスの全体を積
極的にAlとすることを意味する。ただし、この場合マ
トリックスを構成するAlには、不可避的に生成される
金属間化合物相が若干混在しているが、マトリックスに
占める割合が、体積率で概ね3%以下であれば、マトリ
ックスの全体がAlにより構成されているものとした。
【0039】 Niを、Al溶湯とNiとの合計量に比
して4質量%以上、42質量%未満使用して、分散材の
平均粒径に比して1%以上、8%未満の厚みを有するN
iからなる金属被覆層を形成し、反応により形成される
マトリックスの全体をAlとアルミナイド金属間化合物
との混合物とすることが好ましい。なお、Niの使用量
はAl溶湯とNiとの合計量に比して6〜40質量%で
あることが更に好ましく、8〜38質量%であることが
特に好ましい。また、金属被覆層の厚みは分散材の平均
粒径に比して2〜7%であることが更に好ましく、3〜
6%であることが特に好ましい。
【0040】 Niの使用量をAl溶湯とNiとの合計
量に比して4質量%未満使用して、分散材の平均粒径に
比して1%未満の厚みを有するNiからなる金属被覆層
を形成した場合には、マトリックスの全体をAlとアル
ミナイド金属間化合物との混合物とすることが困難とな
るために好ましくない。一方、Niの使用量をAl溶湯
とNiとの合計量に比して42質量%以上使用して、分
散材の平均粒径に比して8%以上の厚みを有するNiか
らなる金属被覆層を形成した場合にも同様に、マトリッ
クスの全体をAlとアルミナイド金属間化合物との混合
物とすることが困難となるために好ましくない。
【0041】 なお、本発明でいう「マトリックスの全
体をAlとアルミナイド金属間化合物との混合物とす
る」とは、分散材の表面の金属被覆層の厚みと量を制御
することにより、マトリックスの全体を積極的にAlと
アルミナイド金属間化合物相が混在した状態とすること
を意味する。
【0042】 Niを、Al溶湯とNiとの合計量に比
して42質量%以上、87.8質量%以下使用して、分
散材の平均粒径に比して8%以上、26%以下の厚みを
有するNiからなる金属被覆層を形成し、反応により形
成されるマトリックスの全体をアルミナイド金属間化合
物とすることが好ましい。なお、Niの使用量はAl溶
湯とNiとの合計量に比して45〜85質量%であるこ
とが更に好ましく、48〜83質量%であることが特に
好ましい。また、金属被覆層の厚みは分散材の平均粒径
に比して10〜24%であることが更に好ましく、12
〜22%であることが特に好ましい。
【0043】 Niの使用量をAl溶湯とNiとの合計
量に比して42質量%未満使用して、分散材の平均粒径
に比して8%未満の厚みを有するNiからなる金属被覆
層を形成した場合には、マトリックスの全体をアルミナ
イド金属間化合物とすることが困難となるために好まし
くない。一方、Niの使用量をAl溶湯とNiとの合計
量に比して87.8質量%超使用して、分散材の平均粒
径に比して26%超の厚みを有するNiからなる金属被
覆層を形成した場合には、マトリックスの全体をアルミ
ナイド金属間化合物とすることが困難となり、マトリッ
クス中に金属被覆層たる金属が多量に、具体的には体積
率で5%超残存してしまうために好ましくない。
【0044】 ここで、金属間化合物の特徴の一つであ
る脆性的な挙動を、延性を有する若干の金属被覆層を残
存させることにより改善するという効果を狙い、マトリ
ックス中に残存する金属の量が体積率で5%以下であれ
ば問題なく適用することができる。
【0045】 なお、本発明でいう「マトリックスの全
体をアルミナイド金属間化合物とする」とは、分散材の
表面の金属被覆層の厚みと量を制御することにより、マ
トリックスの全体を積極的にアルミナイド金属間化合物
とすることを意味する。ただし、この場合マトリックス
を構成するアルミナイド金属間化合物には、不可避的に
残留する金属被覆層たる金属が若干混在している場合も
想定されるが、マトリックスに占める割合が、体積率で
概ね3%以下であれば、マトリックスの全体がアルミナ
イド金属間化合物により構成されているものとした。
【0046】 本発明においては、TiをAl溶湯とT
iとの合計量に比して2質量%未満使用して、分散材の
平均粒径に比して1%未満の厚みを有するTiからなる
金属被覆層を形成し、反応により形成されるマトリック
スの全体をAlとすることが好ましい。なお、Tiの使
用量はAl溶湯とTiとの合計量に比して1.5質量%
未満であることが更に好ましく、1質量%未満であるこ
とが特に好ましい。また、金属被覆層の厚みは分散材の
平均粒径に比して0.9%未満であることが更に好まし
く、0.8%未満であることが特に好ましい。
【0047】 Tiの使用量をAl溶湯とTiとの合計
量に比して2質量%以上使用して、分散材の平均粒径に
比して1%以上の厚みを有するTiからなる金属被覆層
を形成した場合には、マトリックス中にTiとAlから
生成される金属間化合物の残存量が、体積率で概ね3%
以上となり、マトリックスの全体を均質なAlとするこ
とが困難となるために好ましくない。なお、本発明の特
徴である反応熱を利用するためには、Tiの使用量をA
l溶湯とTiとの合計量に比して0.5質量%以上、及
び、金属被覆層の厚みを分散材の平均粒径に比して0.
27%以上とすればよい。
【0048】 Tiを、Al溶湯とTiとの合計量に比
して2質量%以上、36.5質量%未満使用して、分散
材の平均粒径に比して1%以上、12%未満の厚みを有
するTiからなる金属被覆層を形成し、反応により形成
されるマトリックスの全体をAlとアルミナイド金属間
化合物との混合物とすることが好ましい。なお、Tiの
使用量はAl溶湯とTiとの合計量に比して4〜34質
量%であることが更に好ましく、6〜32質量%である
ことが特に好ましい。また、金属被覆層の厚みは分散材
の平均粒径に比して2〜10%であることが更に好まし
く、3〜8%であることが特に好ましい。
【0049】 Tiの使用量をAl溶湯とTiとの合計
量に比して2質量%未満使用して、分散材の平均粒径に
比して1%未満の厚みを有するTiからなる金属被覆層
を形成した場合には、マトリックスの全体をAlとアル
ミナイド金属間化合物との混合物とすることが困難とな
るために好ましくない。一方、Tiの使用量をAl溶湯
とTiとの合計量に比して36.5質量%以上使用し
て、分散材の平均粒径に比して12%以上の厚みを有す
るTiからなる金属被覆層を形成した場合にも同様に、
マトリックスの全体をAlとアルミナイド金属間化合物
との混合物とすることが困難となるために好ましくな
い。
【0050】 Tiを、Al溶湯とTiとの合計量に比
して36.5質量%以上、86質量%以下使用して、分
散材の平均粒径に比して12%以上、25%以下の厚み
を有するTiからなる金属被覆層を形成し、反応により
形成されるマトリックスの全体をアルミナイド金属間化
合物とすることが好ましい。なお、Tiの使用量はAl
溶湯とTiとの合計量に比して38〜84質量%である
ことが更に好ましく、40〜82質量%であることが特
に好ましい。また、金属被覆層の厚みは分散材の平均粒
径に比して14〜23%であることが更に好ましく、1
6〜20%であることが特に好ましい。
【0051】 Tiの使用量をAl溶湯とTiとの合計
量に比して36.5質量%未満使用して、分散材の平均
粒径に比して12%未満の厚みを有するTiからなる金
属被覆層を形成した場合には、マトリックスの全体をア
ルミナイド金属間化合物とすることが困難となるために
好ましくない。一方、Tiの使用量をAl溶湯とTiと
の合計量に比して86質量%超使用して、分散材の平均
粒径に比して25%超の厚みを有するTiからなる金属
被覆層を形成した場合には、マトリックスの全体をアル
ミナイド金属間化合物とすることが困難となり、マトリ
ックス中に金属被覆層たる金属が多量に、具体的には体
積率で5%超残存してしまうために好ましくない。
【0052】 ここで、金属間化合物の特徴の一つであ
る脆性的な挙動を、延性を有する若干の金属被覆層を残
存させることにより改善するという効果を狙い、マトリ
ックス中に残存する金属の量が体積率で5%以下であれ
ば問題なく適用することができる。
【0053】 本発明においては、NbをAl溶湯とN
bとの合計量に比して4質量%未満使用して、分散材の
平均粒径に比して1%未満の厚みを有するNbからなる
金属被覆層を形成し、反応により形成されるマトリック
スの全体をAlとすることが好ましい。なお、Nbの使
用量はAl溶湯とNbとの合計量に比して3.5質量%
未満であることが更に好ましく、3質量%未満であるこ
とが特に好ましい。また、金属被覆層の厚みは分散材の
平均粒径に比して0.8%未満であることが更に好まし
く、0.7%未満であることが特に好ましい。
【0054】 Nbの使用量をAl溶湯とNbとの合計
量に比して4質量%以上使用して、分散材の平均粒径に
比して1%以上の厚みを有するNbからなる金属被覆層
を形成した場合には、マトリックス中にNbとAlから
生成される金属間化合物の残存量が、体積率で概ね3%
以上となり、マトリックスの全体を均質なAlとするこ
とが困難となるために好ましくない。なお、本発明の特
徴である反応熱を利用するためには、Nbの使用量をA
l溶湯とNbとの合計量に比して0.9質量%以上、及
び、金属被覆層の厚みを分散材の平均粒径に比して0.
26%以上とすればよい。
【0055】 Nbを、Al溶湯とNbとの合計量に比
して4質量%以上、53質量%未満使用して、分散材の
平均粒径に比して1%以上、12%未満の厚みを有する
Nbからなる金属被覆層を形成し、反応により形成され
るマトリックスの全体をAlとアルミナイド金属間化合
物との混合物とすることが好ましい。なお、Nbの使用
量はAl溶湯とNbとの合計量に比して6〜50質量%
であることが更に好ましく、8〜48質量%であること
が特に好ましい。また、金属被覆層の厚みは分散材の平
均粒径に比して2〜11%であることが更に好ましく、
3〜10%であることが特に好ましい。
【0056】 Nbの使用量をAl溶湯とNbとの合計
量に比して4質量%未満使用して、分散材の平均粒径に
比して1%未満の厚みを有するNbからなる金属被覆層
を形成した場合には、マトリックスの全体をAlとアル
ミナイド金属間化合物との混合物とすることが困難とな
るために好ましくない。一方、Nbの使用量をAl溶湯
とNbとの合計量に比して53質量%以上使用して、分
散材の平均粒径に比して12%以上の厚みを有するNb
からなる金属被覆層を形成した場合にも同様に、マトリ
ックスの全体をAlとアルミナイド金属間化合物との混
合物とすることが困難となるために好ましくない。
【0057】 Nbを、Al溶湯とNbとの合計量に比
して53質量%以上、92.4質量%以下使用して、分
散材の平均粒径に比して12%以上、25%以下の厚み
を有するNbからなる金属被覆層を形成し、反応により
形成されるマトリックスの全体をアルミナイド金属間化
合物とすることが好ましい。なお、Nbの使用量はAl
溶湯とNbとの合計量に比して55〜90質量%である
ことが更に好ましく、58〜87質量%であることが特
に好ましい。また、金属被覆層の厚みは分散材の平均粒
径に比して14〜23%であることが更に好ましく、1
5〜20%であることが特に好ましい。
【0058】 Nbの使用量をAl溶湯とNbとの合計
量に比して53質量%未満使用して、分散材の平均粒径
に比して12%未満の厚みを有するNbからなる金属被
覆層を形成した場合には、マトリックスの全体をアルミ
ナイド金属間化合物とすることが困難となるために好ま
しくない。一方、Nbの使用量をAl溶湯とNbとの合
計量に比して92.4質量%超使用して、分散材の平均
粒径に比して25%超の厚みを有するNbからなる金属
被覆層を形成した場合には、マトリックスの全体をアル
ミナイド金属間化合物とすることが困難となり、マトリ
ックス中に金属被覆層たる金属が多量に、具体的には体
積率で5%超残存してしまうために好ましくない。
【0059】 ここで、金属間化合物の特徴の一つであ
る脆性的な挙動を、延性を有する若干の金属層を残存さ
せることにより改善するという効果を狙い、マトリック
ス中に残存する金属の量が体積率で5%以下であれば問
題なく適用することができる。
【0060】 ここで、製造された複合材料の物理的特
性に着目すると、一例を挙げると、分散材の種類及び粒
子体積率が同一であれば、マトリックス中のAl含有量
が多いほど、熱伝導率・熱膨張係数・破壊靭性値は高く
なる。また、分散材の種類を変化した場合、熱伝導率は
Si34、AlN、SiCの順、熱膨張係数はSi
34、SiC、AlNの順に高くなる。従って、本発明
の複合材料の製造方法によれば、使用する分散材や金属
等の種類や量を適宜選択することによって、所望の物理
的特性を有する複合材料を簡便に製造することが可能で
ある。
【0061】 次に、製造方法の一例を挙げて本発明の
詳細を説明する。まず、所定の形状を有する分散材を用
意し、所定の手段によって当該分散材の表面に金属被覆
層を形成する。このとき、本発明においては無電解メッ
キ、CVD、PVDとなるイオンプレーティング、スパ
ッタリング、又は真空蒸着のいずれかの方法により金属
被覆膜を形成することが好ましい。これらの方法を用い
ることにより、金属被覆層を適当な厚さに設定すること
が可能であり、前述の如く、マトリックスの種類をAl
を主成分とするものからアルミナイド金属間化合物であ
るものへと、適宜制御することが可能となる。
【0062】 また、本発明によれば、同じく分散材と
マトリックスからなる複合材料の製造方法であって、分
散材の表面に金属酸化物被覆層を形成して金属被覆分散
材を調製し、当該金属被覆分散材を所定形状に調整され
た治具に充填した後、充填された金属被覆分散材にAl
溶湯を含浸することにより、金属酸化物被覆層とAl溶
湯に反応を生起させてマトリックスを形成することを特
徴とする複合材料の製造方法が提供される。すなわち、
前述の金属被覆層に代えて、金属酸化物被覆層を形成す
ることによっても、マトリックスがin−situ合成
されてなる複合材料を製造することができる。なお、こ
こで用いる金属酸化物被覆層は、含浸するAlと反応性
を示す化合物、すなわち、Alにより還元可能な化合物
からなるものであればよい。
【0063】 更に、本発明においては分散材として繊
維、粉末、ウィスカー、中空粒子、気孔が開気孔である
多孔質体、又は気孔が閉気孔である多孔質体のうちいず
れかの無機材料を用いることが好ましい。このような無
機材料を用いることにより、最終製品としての使用用途
に沿った強度や特徴を有する複合材料を製造することが
できる。
【0064】 なお、本発明において、分散材として中
空粒子を用いた場合、得られる複合材料を低密度にして
軽量化することができ、且つ、優れた断熱性・衝撃吸収
性等の特性を付与することができる。また、用いる中空
粒子の殻厚を適度に調整することによって、得られる複
合材料の比強度・比弾性率を向上させ、熱膨張率の低減
をも図ることができる。すなわち、通常、気孔を導入す
ることにより作製された多孔質複合材料は、強度及びヤ
ング率が低下し易くなる。しかし、本発明においては分
散材として中空粒子を使用し、当該中空粒子の殻厚が適
当であるものを用いて多孔質複合材料とすることによ
り、多孔質複合材料の軽量性を重視しつつ、強度・ヤン
グ率等の物性値の低下を抑制することができ、比強度・
比弾性率が向上した多孔質複合材料を提供することが可
能である。
【0065】 また、本発明においては、治具に充填さ
れた金属被覆分散材に、Al溶湯を無加圧浸透させるこ
とから、中空粒子につぶれや破断等の不具合が生じ難
く、得られた多孔質複合材料には期待された特性(軽
量、高断熱性、高衝撃吸収性等)が付与される。更に、
最終製品の形状を考慮したニアネットシェイプ化が可能
であることから、製造工程の削減が可能であり、製造コ
ストの削減が同時に達成される。
【0066】 なお、本発明においては前述の中空粒子
として、殻厚が0.1〜30μmである中空粒子を用い
ることが好ましく、0.5〜10μmである中空粒子を
用いることが更に好ましい。殻厚が0.1μm未満であ
る中空粒子を用いた場合には、得られる複合材料の強度
やヤング率が低くなり、殻厚が30μm超である中空粒
子を用いた場合には、軽量化が阻害される場合があるた
めに好ましくない。なお、本発明において使用される中
空粒子としてはシラスバルーン、パーライト、ガラスバ
ルーン、フライアッシュ、ジルコニアバルーン、アルミ
ナバルーン、カーボンバルーン等を挙げることができ
る。
【0067】 また、本発明においては、Al23、A
lN、SiC、Si34のいずれかを無機材料として使
用することが好ましい。複合材料は、それを構成するマ
トリックスと分散材との組み合わせにより、種々の特性
を示すことになる。表1に、各種の無機材料からなる分
散材を使用して製造した複合材料の代表的な特徴を示
す。このように、種々の無機材料を分散材として選択す
ることによって、用途に応じた複合材料を適宜製造する
ことができる。
【0068】
【表1】
【0069】 次いで、前記金属被覆分散材を所定の治
具中に充填し、その上にAl(市販の純Al)を設置す
る。このとき用いるAlは純Alに限らず、約90%以
上の純度であれば差し支えなく使用することができ、ま
た、各種Al合金を使用してもよい。続いて真空下でA
lが溶解する温度(約660℃)より数十℃上となる約
700℃まで加熱し、金属被覆分散材の間隙にAl溶湯
を含浸する。この際に、金属被覆層とAl溶湯との反応
に誘起された毛細管浸透が生じて、目的とする複合材料
のマトリックスが瞬時に合成される。マトリックスの合
成自体は非常に短時間にて完了するため、具体的には数
分程度の時間にて十分なものである。
【0070】 更に、反応が終了した後に、得られた複
合材料のマトリックスの均質化及び安定化を図るため
に、必要に応じて等温保持や加熱保持を行ってもよい。
このときの保持温度及び保持時間は材料系によって若干
左右されるが、反応が生じた温度と同一な温度から約4
00〜500℃程度高い温度が好ましく、また保持時間
としては30分程度から場合によって数時間施してもよ
い。
【0071】 製造する複合材料のマトリックスの全て
をアルミナイド金属間化合物とする場合、前記含浸する
Al溶湯と金属被覆層を形成する金属は、表2に基づく
組成からなるアルミナイド金属間化合物となるように調
合を行えばよい。目的とするアルミナイド金属間化合物
に関しては、例えばTi−Al系についてみてみると、
代表的にはAl−rich側からAl3Ti、TiA
l、Ti3Alの3相が存在し、これらの単相材及び2
相材等が得られることから、必要となる材料特性に応じ
てマトリックスとなる金属間化合物を選択することがで
きる。表2に示す割合に従ってAlと各種金属粉末を反
応させることにより、マトリックスを低融点のAlか
ら、高融点のアルミナイド金属間化合物へと置換するこ
とができる。
【0072】
【表2】
【0073】 すなわち、アルミナイド金属間化合物を
予め調製する工程が不要になるとともに、Alの融点域
において強度低下等の現象を起こさない複合材料を製造
することができる。なお、反応にともなうAlのアルミ
ナイド金属間化合物への置換に関しては、微視的な残存
Alによる強度低下等の特性面での劣化が生じないもの
であれば問題はない。具体的には、X線回折若しくは後
述するDTA等の熱分析にて残存Alのピークが確認さ
れないものであれば差し支えないものである。
【0074】 本発明においては、最終製品である複合
材料に占める分散材の体積率を20〜80%とすること
が好ましく、25〜75%とすることが更に好ましく、
30〜70%とすることが特に好ましい。分散材の体積
率が20%未満の場合には複合材料として十分な強度を
発現することができず、また、80%を超える場合には
Al溶湯の含浸に不具合が生じ、アルミナイド金属間化
合物への合成が困難となるからである。従って、本発明
は一般的な複合材料を構成する分散材の含有率において
好適に採用することができる製造方法である。
【0075】 一方、本発明においては、金属被覆分散
材を調製した後、当該金属被覆分散材を治具に充填する
前に、当該金属被覆分散材に金属粉末を混合することが
好ましい。このことにより、マトリックスがアルミナイ
ド金属間化合物であるとともに、分散材の体積率がより
高い複合材料を容易に製造することが可能である。
【0076】 なお、このとき使用する金属粉末の平均
粒径が分散材の平均粒径の0.05〜80%であること
が好ましく、10〜70%であることが更に好ましく、
20〜60%であることが特に好ましい。金属粉末の平
均粒径が分散材の平均粒径の0.05%未満である場合
には、金属粉末自体の入手が困難及び粉塵爆発の危険性
が伴ってくる点から取り扱いが不便となり、80%超で
ある場合には、反応の活性度が十分に高められず、生成
する金属間化合物基複合材料の緻密化をなし得ることが
できないためである。
【0077】 なお、本発明において「平均粒径10〜
150μmの分散材」というときは、分散材が粒子状の
場合にあっては、「平均粒径10〜150μmの粒子」
のことをいい、また分散材が粒子状ではなく、繊維、ウ
ィスカー等の場合にあっては、「繊維長さ/繊維径の比
が150未満の場合で、繊維径が0.1〜30μmの繊
維、ウィスカー等」、若しくは「繊維長さ/繊維径の比
が150以上の場合で、繊維径が0.5〜500μmの
繊維及びウィスカー等」のことをいう。
【0078】 一方、本発明の第2の側面は、分散材と
マトリックスからなる複合材料であって、分散材の表面
に金属被覆層が形成されてなる金属被覆分散材が調製さ
れ、当該金属被覆分散材が所定形状に調整された治具に
充填され、充填された金属被覆分散材にAl溶湯が含浸
されることにより、金属被覆層とAl溶湯との反応が生
起され、マトリックスが形成されてなることを特徴とす
る複合材料に関するものであり、上述してきた、本発明
の複合材料の製造方法により製造可能である。
【0079】 また、前述の金属被覆層に代えて、金属
酸化物被覆層が形成されることによっても、Al溶湯と
の反応が生起され、マトリックスが形成されてなること
を特徴とする複合材料が提供される。
【0080】
【実施例】 以下、実施例を挙げて本発明を説明する
が、本発明はこれらの例により何等制限されるものでな
いことはいうまでもない。
【0081】(実施例1)分散材として、平均粒径が4
7μmであるAl23粒子(粉砕粒)、金属被覆層とな
るNiを用意し、粒子体積率が30〜80体積%、金属
被覆層の量が<4〜42質量%となるように、無電解メ
ッキ処理により分散材表面に金属被覆層を形成して金属
被覆分散材(金属被覆粒子)を作製した。次に、前記金
属被覆粒子を所定の治具中に充填し、その上にAl(市
販の純Al(A1050、純度>99.5%))を設置
した。0.00133Paの真空下でしばらく保持した
後、同圧力下700℃まで加熱してAlを含浸し、3分
〜1時間保持後に徐冷して表3に示す複合材料を製造し
た。
【0082】 なお、図1は分散材であるAl23粒子
(粉砕粒)のミクロ組織を示す走査型電子顕微鏡写真で
ある。また、図2は金属被覆層(厚さ<1μm、使用
量:4質量%)を形成した分散材であるAl23粒子
(粉砕粒)、図3は金属被覆層(厚さ<1μm、使用
量:4質量%)を形成した分散材であるAl23粒子
(粉砕粒)のミクロ組織を示す走査型電子顕微鏡写真で
ある。また、図4〜図7は、実施例1において製造した
粒子体積率40体積%の複合材料のミクロ組織を示す走
査型電子顕微鏡写真であって、図4は金属:金属間化合
物(体積比)=10:0、図5は金属:金属間化合物
(体積比)=5:5、図6は金属:金属間化合物(体積
比)=2:8、図7は金属:金属間化合物(体積比)=
0:10である。
【0083】 ここで、以降の表における記載中「金
属:金属間化合物(体積比)」とは、XRD分析にて予
め所定の体積比に調整した金属及び金属間化合物の混合
粉末を用いて検量線を作成しておき、これを元にして、
マトリックス組成を変化させた試料をXRD分析するこ
とにより得られた測定結果のX線強度より算出した値を
示す。ただし、本発明においてはマトリックス組成を自
由変化させることが可能であるため、不可避的に存在す
る金属相又は金属間化合物相が残留する場合がある。従
って、数値が「0」とは、XRDにてほとんどピークが
確認されないものを示し、具体的には体積率で1.0%
以下であることをいう。
【0084】
【表3】
【0085】 表3、及び図4〜7において明らかなよ
うに、Al23粒子へのNi被覆量を変化させることに
より、マトリックスを所望の組成とする複合材料を製造
することができるとともに、高温曲げ強度の測定値の高
い、すなわち、マトリックス全体が金属間化合物となっ
た複合材料(金属:金属間化合物(体積比)=0:1
0)についても製造可能であることを確認した。
【0086】(実施例2)分散材として、平均粒径が4
7μmであるAl23粒子(粉砕粒)、金属被覆層とな
るNiを用意し、粒子体積率が30〜80体積%、金属
被覆層の量が<4〜42質量%となるように、無電解メ
ッキ処理により分散材表面に金属被覆層を形成した。次
いで、これに平均粒径10μmのNi粉末を混合させる
ことによって金属被覆粒子と金属粉末との混合物を作製
し、実施例1と同様の操作によりAlを含浸して複合材
料を製造した。結果を「ハイブリッド型」として、実施
例1と同じく表3に示す。
【0087】 表3に示す通り、実施例1における製造
方法においては製造し得なかった、粒子体積率60及び
70体積%である複合材料(金属:金属間化合物(体積
比)=0:10)についても製造可能であることを確認
することができた。
【0088】(実施例3)分散材として、平均粒径が5
4μmであるSiC、50μmのAlN、47μmのS
34粒子(粉砕粒)、金属被覆層となるNiを用意
し、粒子体積率が50体積%、金属被覆層の量が<4〜
42質量%となるように無電解メッキ処理により分散材
表面に金属被覆層を形成して金属被覆粒子を作製した。
次いで、実施例1と同様の操作によりAlを含浸して複
合材料を製造した。結果を表4に示す。
【0089】
【表4】
【0090】 表4に示す通り、各種の無機材料を分散
材とした場合においても、マトリックスの組成を任意に
変化させた複合材料を製造し得ることを確認することが
できた。
【0091】(実施例4)分散材として、平均粒径が4
7μmであるAl23、54μmであるSiC、50μ
mのAlN、47μmのSi34粒子(粉砕粒)、金属
被覆層となるTi、Nbを用意し、粒子体積率が50体
積%、金属被覆層の量がTiに関しては<2〜36.5
質量%、Nbに関しては<4〜53質量%となるように
スパッタリングにより分散材表面に金属被覆層を形成し
て金属被覆粒子を作製した。次いで、実施例1と同様の
操作によりAlを含浸して複合材料を製造した。結果を
表5に示す。
【0092】
【表5】
【0093】 表5に示す通り、金属被覆層を形成する
金属に関して、Ni以外の金属であるTi、Nbを用い
た場合においても、マトリックスの組成を任意に変化さ
せた複合材料を製造し得ることを確認することができ
た。
【0094】(実施例5)分散材として、平均粒径が4
7μmであるAl23粒子(粉砕粒)、金属被覆層とな
るNiを用意し、粒子体積率が40〜70体積%、金属
被覆層の量が<4〜86質量%となるように無電解メッ
キ処理により分散材表面に金属被覆層を形成して金属被
覆粒子を作製した。次いで、実施例1と同様の操作によ
りAlを含浸して複合材料を製造した(試料No.1〜
16)。結果を表6に示す。
【0095】 なお、得られた複合材料(試料No.1
〜16)、及び市販材であるA2000、A6000、
A7000番系のAl合金(比較例1)に関して、所定
の形状の試験片を切り出し、400℃における4点曲げ
試験強度(JISR 1601)の測定を行った。結果
を表6に示す。ここで、試験温度として400℃を選択
した理由は、含浸に用いるAl又はAl合金が比較的容
易に変形してしまい、強度が発現しにくい温度域である
ためであり、得られた複合材料を構成するマトリックス
の置換状況を定量的に判断することが可能となるからで
ある。
【0096】 また、各複合材料から試験片を切り出
し、不活性ガス雰囲気にて差動型示差熱天秤装置TG−
DTA(RIGAKU製、TG8120型)を用いて熱
分析を行ったところ、試料No.1〜8についてはマト
リックス中に存在するAlの溶解反応にともなう吸熱反
応のピークが確認されたのに対して、試料No.9〜1
6についてはAlの溶解反応にともなう吸熱反応は測定
されず、合成後の生成相となるアルミナイド金属間化合
物からのピークのみが測定された。すなわち、試料N
o.1〜8についてはマトリックス中にAlが存在する
金属基複合材料、また試料No.9〜16についてはマ
トリックス全体が反応によりAlからアルミナイド金属
間化合物へと完全に置換された金属間化合物基複合材料
であることを確認した。
【0097】
【表6】
【0098】 表6に示す通り、金属被覆層の量を制御
することにより、生成するマトリックスの組成をAl−
rich〜アルミナイド金属間化合物へと任意に変化し
得ることを確認することができた。また、製造した複合
材料は、いずれも十分な高温曲げ強度を有していること
を確認することができた。
【0099】(製造した複合材料に関する各種物性値の
測定及び試験) 1.物性値の測定(Al23/Al−Ni系複合材料) 分散材として、平均粒径が47μmであるAl23粒子
(粉砕粒)、金属被覆層としてNiを使用し、粒子体積
率が40〜70体積%、金属:金属間化合物(体積比)
=10:0、2:8、0:10である複合材料を実施例
1の方法に従って製造した。次いで、各複合材料つい
て、熱伝導率、熱膨張率、破壊靭性値を測定した。結果
を表7、8、9に示す。なお、前記各物性値の測定方法
は、以下に示す通りである。また、各表の記載中、
「−」は製造未実施、「×」は複合材料化不可(製造不
可)を意味する。
【0100】[熱伝導率の測定]:得られた複合材料よ
り所定の形状の試料を切り出した後、熱定数測定装置
(真空理工製:TC−7000)を用いて、レーザーフ
ラッシュ法に従って熱伝導率を測定した。なお、測定は
室温にて行った。
【0101】[熱膨張率の測定]:得られた複合材料よ
り所定の形状の試料を切り出した後、熱膨張計(マック
サイエンス製:TD−5000S)を用いて、Arガス
雰囲気中にて室温から800℃までの測定を行った。
【0102】[破壊靭性値の測定]:得られた複合材料
より切り込み(ノッチ)が導入された所定の形状の試料
を用い、4点曲げ試験強度を測定し、シェブロンノッチ
法に従い破壊靭性値の算出を行った。
【0103】
【表7】
【0104】
【表8】
【0105】
【表9】
【0106】 表7〜9に示す通り、本発明の実施によ
り製造した複合材料は、マトリックスの金属:金属間化
合物の比率(体積比)や粒子体積率を変化させることに
よって、その複合材料特性が可変であることを確認する
ことができた。
【0107】2.物性値の測定(SiC、AlN、Si
34/Al−Ni複合材料) 分散材として、平均粒径が54μmであるSiC、50
μmのAlN、47μmのSi34粒子(粉砕粒)、金
属被覆層としてNiを使用し、粒子体積率が50体積
%、金属:金属間化合物(体積比)=10:0、2:
8、0:10である複合材料を実施例3の方法に従って
製造した。次いで、各複合材料ついて、高温強度、熱伝
導率、熱膨張率を測定した。結果を表10に示す。な
お、前記各物性値の測定方法は、既述の通りである。ま
た、表の記載中、「−」は製造未実施を意味する。
【0108】
【表10】
【0109】 表10に示す通り、本発明の実施により
製造した複合材料はマトリックスの金属:金属間化合物
の比率(体積比)を変化させるだけでなく、分散材の種
類を選択することによっても、任意の複合材料特性を得
ることが可能であることが確認された。
【0110】3.耐酸化性・耐磨耗試験(Al23/A
l−Ni系複合材料) 分散材として、平均粒径が47μmであるAl23粒子
(粉砕粒)、金属被覆層としてNiを使用し、粒子体積
率が50体積%、金属:金属間化合物(体積比)=1
0:0、2:8、0:10である複合材料を実施例1の
方法に従って製造した。次いで、各複合材料ついて、耐
酸化試験、耐磨耗試験を実施した。結果を表11、12
に示す。なお、前記各物性値の測定方法は、以下に示す
通りである。また、耐磨耗試験に関しては、Al合金の
中でも共晶のSi相が存在することによって耐摩耗性に
優れている市販のAl合金(AC8A)についても複合
材料と同様の試験を実施し、比較例2とした。
【0111】[耐酸化試験]:得られた複合材料を大気
中にて、900℃×100時間保持を行い、試験前後で
の試料の重量変化について測定を行った。
【0112】[耐磨耗試験]:得られた複合材料より所
定の形状のサンプルを切り出し、室温にて摩擦磨耗試験
機(神鋼造機株式会社製)により耐磨耗試験を行った。
【0113】
【表11】
【0114】
【表12】
【0115】 表11、12に示す通り、本発明の実施
により製造した複合材料は、耐酸化試験においてはマト
リックスの金属:金属間化合物の比率(体積比)を0:
10にすることにより、マトリックスが、低融点のAl
からアルミナイド金属間化合物に変化するため、部分溶
解を起こさず、重量変化も少ないものであった。また、
耐磨耗試験においては、市販のAl合金よりも磨耗損失
が低下し、更にマトリックスの金属間化合物化により、
耐磨耗性が一層向上することが確認された。
【0116】(実施例6〜8)平均粒径47μmのAl
23粒子(粉砕粒)を中実粒子として、及び、平均粒径
約100μm、平均殻厚約1μm以下のシラスバルーン
(宇部マテリアルズ製)と平均粒径約100μm、平均
殻厚約5〜10μmのフライアッシュバルーン(太平洋
セメント製)からなる中空粒子の計3種類の分散材、並
びに、金属被覆層となるNiを用意し、粒子体積率が5
0体積%、金属被覆層の量が4質量%以下となるように
無電解メッキ処理により分散材表面に金属被覆層を形成
して金属被覆粒子を作製した。次いで、実施例1と同様
の操作によりAlを含浸して複合材料を製造した(実施
例6〜8)。
【0117】 得られた複合材料(試料No.1〜1
6)、及び市販のAl合金(A5052、比較例1)の
各々について所定形状の試験片を切り出し、密度、比弾
性率、及び熱膨張率の測定を行った。なお、密度の測定
はアルキメデス法によって行い、比弾性率の測定は以下
に示す方法により行った。また、図8、9は、実施例
7、8の複合材料のミクロ組織を示す走査型電子顕微鏡
写真である。
【0118】[比弾性率の計算]:前述した4点曲げ試
験によりヤング率を測定し、得られた値を密度で割るこ
とによって算出した。
【0119】
【表13】
【0120】 表13に示す通り、分散材として中空粒
子を用いた本発明に係る多孔質複合材料(実施例7、
8)は、その密度がAl合金(比較例3)の約半分であ
ることを確認することができた。また、平均殻厚が約5
〜10μmである中空粒子を用いた多孔質複合材料(実
施例8)は、平均殻厚が<約1μmである中空粒子を用
いた多孔質複合材料(実施例7)に比して比弾性率が顕
著に増加し、また、その熱膨張係数の値が、中実粒子を
用いた場合(実施例6)と同レベルにまで低下している
ことが判明した。
【0121】(実施例9、10)比弾性率が顕著に増加
した、実施例8で用いた平均粒径約100μm、平均殻
厚約5〜10μmのフライアッシュバルーン(太平洋セ
メント製)からなる中空粒子を分散材として、及び金属
被覆層となるNiを用意し、粒子体積率が50体積%、
金属被覆層の量が24質量%、及び42質量%となるよ
うに無電解メッキ処理により分散材表面に金属被覆層を
形成して二種類の金属被覆粒子を作製した。次いで、実
施例1と同様の操作によりAlを含浸して複合材料を製
造した(実施例9、10)。
【0122】 その結果、中空粒子を用いた場合におい
ても、マトリックスがAl+Al3Niの混相(実施例
9)からAl3Ni単相(実施例10)にまで変化した
多孔質複合材料の合成が可能であることが判明した。
【0123】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明の複合材
料の製造方法によれば、各種分散材の表面に金属被覆層
を形成しているために、金属被覆層とAl溶湯との反応
が生起される。このため、従来の製造方法に比して低
温、且つ、無加圧条件下で複合材料を製造することがで
きる。また、in−situ(その場)でアルミナイド
金属間化合物を合成し、また、金属被覆層の厚さと使用
量を制御することにより、マトリックスをAl、Alと
アルミナイド金属間化合物との混合物、若しくはアルミ
ナイド金属間化合物のいずれかに適宜設定することが可
能である。更に、最終製品の形状を考慮したニアネット
シェイプ化が可能であることから、製造工程の削減が可
能であるとともに、製造コストの削減が同時に達成され
る。一方、上述した製造方法に従って製造した本発明の
複合材料は、所望の物理的特性を具備した複合材料であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 分散材であるAl23粒子(粉砕粒)のミク
ロ組織を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】 金属被覆層(厚さ<1μm、使用量<4質量
%)を形成した分散材であるAl23粒子(粉砕粒)の
ミクロ組織を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】 金属被覆層(厚さ<1μm、使用量<4質量
%)を形成した分散材であるAl23粒子(粉砕粒)の
ミクロ組織を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図4】 実施例1において製造した粒子体積率40体
積%、金属:金属間化合物(体積比)=10:0の複合
材料のミクロ組織を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】 実施例1において製造した粒子体積率40体
積%、金属:金属間化合物(体積比)=5:5の複合材
料のミクロ組織を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図6】 実施例1において製造した粒子体積率40体
積%、金属:金属間化合物(体積比)=2:8の複合材
料のミクロ組織を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図7】 実施例1において製造した粒子体積率40体
積%、金属:金属間化合物(体積比)=0:10の複合
材料のミクロ組織を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図8】 実施例7の複合材料のミクロ組織を示す走査
型電子顕微鏡写真である。
【図9】 実施例8の複合材料のミクロ組織を示す走査
型電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 29/12 C22C 29/12 Z 29/16 29/16 H 47/10 47/10 49/06 49/06 // C22C 101:04 101:04 101:14 101:14 101:16 101:16 101:18 101:18 121:02 121:02 (72)発明者 石川 貴浩 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 落合 敏正 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 Fターム(参考) 4K020 AA01 AA21 AC01 BA01 BB02

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散材とマトリックスからなる複合材料
    の製造方法であって、該分散材の表面に金属被覆層を形
    成して金属被覆分散材を調製し、該金属被覆分散材を所
    定形状に調整された治具に充填した後、充填された該金
    属被覆分散材にAl溶湯を含浸することにより、該金属
    被覆層と該Al溶湯との反応を生起させて該マトリック
    スを形成することを特徴とする複合材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 Niを、該Al溶湯と該Niとの合計量
    に比して4質量%未満使用して、該分散材の平均粒径に
    比して1%未満の厚みを有するNiからなる該金属被覆
    層を形成し、該マトリックスの全体をAlとする請求項
    1に記載の複合材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 Niを、該Al溶湯と該Niとの合計量
    に比して4質量%以上、42質量%未満使用して、該分
    散材の平均粒径に比して1%以上、8%未満の厚みを有
    するNiからなる該金属被覆層を形成し、該マトリック
    スの全体をAlとアルミナイド金属間化合物との混合物
    とする請求項1に記載の複合材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 Niを、該Al溶湯と該Niとの合計量
    に比して42質量%以上、87.8質量%以下使用し
    て、該分散材の平均粒径に比して8%以上、26%以下
    の厚みを有するNiからなる該金属被覆層を形成し、該
    マトリックスの全体をアルミナイド金属間化合物とする
    請求項1に記載の複合材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 Tiを、該Al溶湯と該Tiとの合計量
    に比して2質量%未満使用して、該分散材の平均粒径に
    比して1%未満の厚みを有するTiからなる該金属被覆
    層を形成し、該マトリックスの全体をAlとする請求項
    1に記載の複合材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 Tiを、該Al溶湯と該Tiとの合計量
    に比して2質量%以上、36.5質量%未満使用して、
    該分散材の平均粒径に比して1%以上、12%未満の厚
    みを有するTiからなる該金属被覆層を形成し、該マト
    リックスの全体をAlとアルミナイド金属間化合物との
    混合物とする請求項1に記載の複合材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 Tiを、該Al溶湯と該Tiとの合計量
    に比して36.5質量%以上、86質量%以下使用し
    て、該分散材の平均粒径に比して12%以上、25%以
    下の厚みを有するTiからなる該金属被覆層を形成し、
    該マトリックスの全体をアルミナイド金属間化合物とす
    る請求項1に記載の複合材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 Nbを、該Al溶湯と該Nbとの合計量
    に比して4質量%未満使用して、該分散材の平均粒径に
    比して1%未満の厚み有するNbからなる該金属被覆層
    を形成し、該マトリックスの全体をAlとする請求項1
    に記載の複合材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 Nbを、該Al溶湯と該Nbとの合計量
    に比して4質量%以上、53質量%未満使用して、該分
    散材の平均粒径に比して1%以上、12%未満の厚みを
    有するNbからなる該金属被覆層を形成し、該マトリッ
    クスの全体をAlとアルミナイド金属間化合物との混合
    物とする請求項1に記載の複合材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 Nbを、該Al溶湯と該Nbとの合計
    量に比して53質量%以上、92.4質量%以下使用し
    て、該分散材の平均粒径に比して12%以上、25%以
    下の厚みを有するNbからなる該金属被覆層を形成し、
    該マトリックスの全体をアルミナイド金属間化合物とす
    る請求項1に記載の複合材料の製造方法。
  11. 【請求項11】 無電解メッキ、CVD、PVDとなる
    イオンプレーティング、スパッタリング、又は真空蒸着
    のいずれかの方法により該金属被覆膜を形成する請求項
    1〜10のいずれか一項に記載の複合材料の製造方法。
  12. 【請求項12】 分散材とマトリックスからなる複合材
    料の製造方法であって、 該分散材の表面に金属酸化物被覆層を形成して金属酸化
    物被覆分散材を調製し、該金属酸化物被覆分散材を所定
    形状に調整された治具に充填した後、充填された該金属
    被覆分散材にAl溶湯を含浸することにより、該金属酸
    化物被覆層と該Al溶湯との反応を生起させて該マトリ
    ックスを形成することを特徴とする複合材料の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 該分散材として繊維、粒子、ウィスカ
    ー、中空粒子、気孔が開気孔である多孔質体、又は気孔
    が閉気孔である多孔質体のうちいずれかの無機材料を用
    いる請求項1〜12のいずれか一項に記載の複合材料の
    製造方法。
  14. 【請求項14】 殻厚が0.1〜30μmである該中空
    粒子を用いる請求項13に記載の複合材料の製造方法。
  15. 【請求項15】 Al23、AlN、SiC、又はSi
    34のいずれかの該無機材料を用いる請求項13又は1
    4に記載の複合材料の製造方法。
  16. 【請求項16】 該複合材料に占める該分散材の体積率
    を20〜80%とする請求項1〜15のいずれか一項に
    記載の複合材料の製造方法。
  17. 【請求項17】 該金属被覆分散材を調製した後、該金
    属被覆分散材を治具に充填する前に、該金属被覆分散材
    に金属粉末を混合する請求項1〜16のいずれか一項に
    記載の複合材料の製造方法。
  18. 【請求項18】 該分散材の平均粒径に対して0.05
    〜80%である該金属粉末を用いる請求項17に記載の
    複合材料の製造方法。
  19. 【請求項19】 分散材とマトリックスからなる複合材
    料であって、 該分散材の表面に金属被覆層が形成されてなる金属被覆
    分散材が調製され、該金属被覆分散材が所定形状に調整
    された治具に充填され、充填された該金属被覆分散材に
    Al溶湯が含浸されることにより、該金属被覆層と該A
    l溶湯との反応が生起され、該マトリックスが形成され
    てなることを特徴とする複合材料。
  20. 【請求項20】 該金属被覆層がNiであり、該Niの
    使用量が、該Al溶湯と該Niとの合計量に比して4質
    量%未満、該金属被覆層の厚さが該分散材の平均粒径の
    1%未満であるとともに、該マトリックスの全体がAl
    である請求項19に記載の複合材料。
  21. 【請求項21】 該金属被覆層がNiであり、該Niの
    使用量が、該Al溶湯と該Niとの合計量に比して4質
    量%以上、42質量%未満、該金属被覆層の厚さが該分
    散材の平均粒径の1%以上、8%未満であるとともに、
    該マトリックスの全体がAlとアルミナイド金属間化合
    物との混合物である請求項19に記載の複合材料。
  22. 【請求項22】 該金属被覆層がNiであり、該Niの
    使用量が、該Al溶湯と該Niとの合計量に比して42
    質量%以上、87.8質量%以下、該金属被覆層の厚さ
    が該分散材の平均粒径の8%以上、26%以下であると
    ともに、該マトリックスの全体がアルミナイド金属間化
    合物である請求項19に記載の複合材料。
  23. 【請求項23】 該金属被覆層がTiであり、該Tiの
    使用量が、該Al溶湯と該Tiとの合計量に比して2質
    量%未満、該金属被覆層の厚さが該分散材の平均粒径の
    1%未満であるとともに、該マトリックスの全体がAl
    である請求項19に記載の複合材料。
  24. 【請求項24】 該金属被覆層がTiであり、該Tiの
    使用量が、該Al溶湯と該Tiとの合計量に比して2質
    量%以上、36.5質量%未満、該金属被覆層の厚さが
    該分散材の平均粒径の1%以上、12%未満であるとと
    もに、該マトリックスの全体がAlとアルミナイド金属
    間化合物との混合物である請求項19に記載の複合材
    料。
  25. 【請求項25】 該金属被覆層がTiであり、該Tiの
    使用量が、該Al溶湯と該Tiとの合計量に比して3
    6.5質量%以上、86質量%以下、該金属被覆層の厚
    さが該分散材の平均粒径の12%以上、25%以下であ
    るとともに、該マトリックスの全体がアルミナイド金属
    間化合物である請求項19に記載の複合材料。
  26. 【請求項26】 該金属被覆層がNbであり、該Nbの
    使用量が、該Al溶湯と該Nbとの合計量に比して4質
    量%未満、該金属被覆層の厚さが該分散材の平均粒径の
    1%未満であるとともに、該マトリックスの全体がAl
    である請求項19に記載の複合材料。
  27. 【請求項27】 該金属被覆層がNbであり、該Nbの
    使用量が、該Al溶湯と該Nbとの合計量に比して4質
    量%以上、53質量%未満、該金属被覆層の厚さが該分
    散材の平均粒径の1%以上、12%未満であるととも
    に、該マトリックスの全体がAlとアルミナイド金属間
    化合物との混合物である請求項19に記載の複合材料。
  28. 【請求項28】 該金属被覆層がNbであり、該Nbの
    使用量が、該Al溶湯と該Nbとの合計量に比して53
    質量%以上、92.4質量%以下、該金属被覆層の厚さ
    が分散材の平均粒径の12%以上、25%以下であると
    ともに、マトリックスの全体がアルミナイド金属間化合
    物である請求項19に記載の複合材料。
  29. 【請求項29】 分散材とマトリックスからなる複合材
    料であって、 該分散材の表面に金属酸化物被覆層が形成されてなる金
    属酸化物被覆分散材が調製され、該金属酸化物被覆分散
    材が所定形状に調整された治具に充填され、 充填された該金属被覆分散材にAl溶湯が含浸されるこ
    とにより、該金属酸化物被覆層と該Al溶湯との反応が
    生起され、該マトリックスが形成されてなることを特徴
    とする複合材料。
  30. 【請求項30】 該分散材が繊維、粒子、ウィスカー、
    中空粒子、気孔が開気孔である多孔質体、又は気孔が閉
    気孔である多孔質体のうちいずれかの無機材料である請
    求項19〜29のいずれか一項に記載の複合材料。
  31. 【請求項31】 該中空粒子の殻厚が0.1〜30μm
    である請求項30に記載の複合材料。
  32. 【請求項32】 該無機材料がAl23、AlN、Si
    C、又はSi34のいずれかである請求項30又は31
    に記載の複合材料。
  33. 【請求項33】 該複合材料に占める該分散材の体積率
    が20〜80%である請求項19〜32のいずれか一項
    に記載の複合材料。
  34. 【請求項34】 該金属被覆分散材が調製された後、該
    金属被覆分散材が治具に充填される前に、該金属被覆分
    散材に金属粉末が混合される請求項19〜33のいずれ
    か一項に記載の複合材料。
  35. 【請求項35】 該金属粉末の平均粒径が該分散材の平
    均粒径の0.05〜80%である請求項34に記載の複
    合材料。
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