JP2002353478A - 太陽電池素子およびそれを用いた太陽電池モジュール - Google Patents
太陽電池素子およびそれを用いた太陽電池モジュールInfo
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Abstract
極と銀電極との重なり部分で割れが発生しても出力損失
を最小限に抑えることを目的とする。 【解決手段】 半導体基板の一主面側と他の主面側に異
なる導電領域を形成し、この一主面側に帯状の出力取出
用バスバー部と集電用フィンガー部とから成る表面電極
を形成し、他の主面側に帯状の出力取出用バスバー部と
この出力取出用バスバー部が形成された領域以外の略全
面に形成された集電部とから成る裏面電極を形成した太
陽電池素子において、前記他の主面側の帯状の出力取出
用のバスバー部をこの他の主面側の集電部の略中央部に
形成すると共に、この集電部の対向する両端部に形成し
た。
Description
に出力取出用バスバー部が設けられた太陽電池素子とそ
れを用いた太陽電池モジュールに関する。
素子の一般的な構造を図4に示す。図4(a)は断面
図、図4(b)は裏側から見た図である。図4(a)
(b)において、11は一導電型(例えばP型)を示す
半導体基板、11aは半導体基板11の表面部分にリン
原子が高濃度に拡散され他の導電型を呈する領域、12
は一主面側の反射防止膜、13は半導体接合部である。
この反射防止膜12は電極に相当する部分がエッチング
されもしくはその上から電極が形成される。14は裏面
から出力を取り出すための銀電極、15は裏面アルミニ
ウム電極であり、これがシリコン基板11に焼き付けら
れた際には裏面で発生したキャリアが再結合することを
防ぐ裏面電界層としての効果があることも知られてい
る。裏面では銀を主成分とする電極14とアルミニウム
を主成分とする電極15が形成されるが、両者は電気的
伝導を保つために、互いの一部分が重なり合うことが必
要になる。16は隣接する太陽電池同志を接続する配線
部材がハンダ付けされる表面電極の出力取出用バスバー
部であり、この出力取出用バスバー部16と垂直に集電
用フィンガー電極17が多数設けられている。表面電極
16、17及び裏面電極14、15の配置は、両者が半
導体基板11を挟んで重なる位置に配置するようにす
る。
バー部14、16には出力取出用銅箔等(不図示)を半
田付けするためにあらかじめ半田被覆されている。この
半田被覆は、ディップ法、噴流式等が採用される。とこ
ろで銀を主成分とする裏面電極の出力取出用バスバー部
14とアルミニウムを主成分とする裏面電極の集電部1
5は、両者が重なり合う部分では基板材料のシリコン、
出力取出用バスバー部材料の銀、集電部用材料のアルミ
ニウムという熱膨張率の異なるものが集まるために、焼
成した後に応力の集中が起こり、太陽電池素子にクラッ
クが発生したり、割れたりするという問題があった。銀
から成る出力取出用バスバー部14とアルミニウムから
成る集電部15とが重なり合う部分で割れなどが発生し
た場合には、この部分の出力は取り出すことができず、
出力の損失を引き起こすという問題があった。
あり、裏面電極の出力取出用バスバー部と集電部の重な
り部分で割れが発生しても出力損失を最小限に抑えるこ
とを目的とする。
に、本発明に係る太陽電池素子では、半導体基板の一主
面側と他の主面側に異なる導電領域を形成し、この一主
面側に帯状の出力取出用バスバー部と集電用フィンガー
部とから成る表面電極を形成し、他の主面側に帯状の出
力取出用バスバー部とこの出力取出用バスバー部が形成
された領域以外の略全面に形成された集電部とから成る
裏面電極を形成した太陽電池素子において、前記他の主
面側の帯状の出力取出用のバスバー部をこの他の主面側
の集電部の略中央部に形成すると共に、この集電部の対
向する両端部に形成した。
詳細に説明する。図1は本発明の太陽電池素子の構造を
示す図であり、(a)は断面図、(b)は太陽電池素子
を裏面側から見た図である。図1(a)(b)におい
て、1は一導電型(例えばP型)を示す半導体基板、1
aは半導体基板1の表面部分にリン原子が高濃度に拡散
され他の導電型を呈する領域、2は一主面側の反射防止
膜、3は半導体接合部である。この反射防止膜2は電極
に相当する部分がエッチングされもしくはその上から電
極が形成される。4は裏面から出力を取り出すための銀
電極、5は裏面アルミニウム電極であり、一般にこれが
シリコン1に焼き付けられた際には裏面で発生したキャ
リアが再結合することを防ぐ裏面電界層としての効果が
あることも知られている。裏面では銀を主成分とする電
極4とアルミニウムを主成分とする電極5が形成される
が、両者は電気的伝導を保つために、互いの一部分が重
なり合うことが必要になる。6は隣接する太陽電池同志
を接続する配線部材がハンダ付けされる表面電極のバス
バー部、図示されていないが反射防止膜2の表面に沿っ
てバスバー部6と垂直にフィンガー電極7が設置されて
いる。表面電極6、7及び裏面電極4、5の配置は、両
者が半導体基板1を挟んで重なる位置に配置するように
する。
面銀電極の配置パターンを半導体基板1の裏面側の中央
に一本4bと半導体基板の対向する両端に一本ずつ4
a、4cを配置する。アルミニウムの配置パターン5は
裏面銀電極4bの両端と裏面銀電極4a、4cの内側だ
けで重なればよい。
るのは中央の銀電極4bの両端とセル両端に配置した銀
電極4a、4cの内側であるが、同時に2箇所以上で割
れが発生しなければ、何れの位置で割れが発生しても出
力を取り出すことが可能となり、出力の損失を最低限に
抑える効果がある。
発生しやすい個所は図の〜線で示した箇所である。
6(2本)と裏面電極4(3本)の合計5本であるが、セルの
割れが同時に2箇所以上割れるというのは、と、、
のいずれかが割れるとか、と、のいずれかが割
れるということである。が割れたとき出力は中央の銀
電極4bと他方端部の銀電極4cにより取り出すことが
できる。また、が割れたときには裏面銀電極4bは裏
面銀電極4c側のセルと裏面銀電極4a側のセルの2つ
に分かれているが、一方は裏面銀電極4aのみでもう一
方は裏面銀電極4bと裏面銀電極4cで出力を取り出す
ことができる。
ある。が割れたときにはが割れたときと同じであ
る。
いときは、で割れが発生すると、−にかけての出
力を取り出すことができなくなる。これは裏面電極が2
本の場合には、電極の配置をどのようにしても必ず起こ
る。
部を連続した一本のパターンで示したが、必ずしも連続
でなくてもよく、直線状に並んだドットパターンなどで
もよい。
素子の製造方法を説明する。
(a)参照)。この半導体基板1は、単結晶又は多結晶
シリコンなどから成る。この半導体基板1は、ボロン
(B)などの一導電型半導体不純物を1×1016〜10
18atoms/cm3程度含有し、比抵抗1.5Ωcm
程度の基板である。単結晶シリコンの場合は引き上げ法
などによって形成され、多結晶シリコンの場合は鋳造法
などによって形成される。多結晶シリコンは、大量生産
が可能で製造コスト面で単結晶シリコンよりも有利であ
る。引き上げ法や鋳造法によって形成されたインゴット
を300μm程度の厚みにスライスして、10cm×1
0cmまたは15cm×15cm程度の大きさに切断し
てシリコン基板1とする。次に、この基板1の切断面を
清浄化するために表面をフッ酸やフッ硝酸などでごく微
量エッチングする。
て、オキシ塩化リン(POCl3)などの中で加熱する
ことによって、半導体基板1の表面部分にリン原子を拡
散させてシート抵抗が30〜300Ω/□の他の導電型
を呈する領域1aを形成し、半導体接合部3を形成する
(図3(b)参照)。
型を呈する領域1aのみを残して他の部分を除去した後
に、純水で洗浄する(図3(c)参照)。この半導体基
板1の一主面側以外の他の導電型を呈する領域1aの除
去は、半導体基板1の一主面側にレジスト膜を塗布し、
フッ酸と硝酸の混合液を用いてエッチング除去した後、
レジスト膜を除去することにより行なう。
膜2を形成する(図3(d)参照)。この反射防止膜2
は例えば窒化シリコン膜などから成り、例えばシラン
(SiH4)とアンモニア(NH3)との混合ガスをグロ
ー放電分解でプラズマ化させて堆積させるプラズマCV
D法などで形成される。この反射防止膜2は、半導体基
板1との屈折率差などを考慮して、屈折率が1.8〜
2.3程度になるように形成され、厚み500〜100
0Å程度の厚みに形成される。この窒化シリコン膜は形
成する際にパッシベーション効果があり、反射防止の機
能と併せて太陽電池の電気特性を向上させる効果があ
る。
ための銀電極材料を塗布して乾燥した後(図3(e)参
照)、裏面アルミニウム電極5を上記裏面銀電極材料の
一部を覆わないように塗布して乾燥させる(図3(f)
参照)。なお、この裏面電極の銀材料とアルミニウム材
料を塗布する順番はこの逆でもよい。次に、表面電極材
料6および7を塗布して乾燥する(図3(g)参照)。
クルとガラスフリットをアルミニウム100重量部に対
してそれぞれ10〜30重量部、0.1〜5重量部を添
加してペースト状にしたものを、電極材料4、6は、銀
と有機ビヒクルとガラスフリットを銀100重量部に対
してそれぞれ10〜30重量部、0.1〜5重量部を添
加してペースト状にしたものをスクリーン印刷法で印刷
する。これら電極材料4、5、6は乾燥後に同時に60
0〜800℃で1〜30分程度焼成することにより焼き
付けられる。
の太陽電池の表面電極と隣接する太陽電池の裏面電極を
順次接続して、表面側にガラスなどの透光部材を配設す
るとともに、裏面側にポリエチレンのシートやアルミ箔
などを配設して全体をエチレンビニルアセテートなどの
透光性樹脂で接着して太陽電池モジュールを形成する。
裏面電極の裏面アルミニウム5と銀4の重なり部分で割
れが発生しても出力損失を最小限に抑える太陽電池を用
いて、太陽電池モジュールを作成する。
て15cm角で厚さ0.3mm、比抵抗1.5Ω・cm
のP型シリコン基板を準備した。そして熱拡散法でオキ
シ塩化リン(POCl3)を拡散源として、深さ0.5
μmのN型拡散層を形成した。
ンの反射防止膜を800Åの厚さで形成し、不要部のN
型拡散層を除去した。
のパターン(2本)と本発明に係るパターン(3本)で
塗布し、その後それぞれのパターンに応じたアルミニウ
ムのパターンを印刷して表面にも銀ペーストをスクリー
ン印刷して750度15分で焼き付けた後、上記集電極
表面を半田被覆して太陽電池を製造した。セル割れが発
生した場合(1個所)の出力損失の比較を行った。その
結果を表1に示した。
の出力損失は、従来パターンでは73.8%であった
が、本発明によれば94.5%に抑えることができた。
素子によれば、半導体基板の他の主面側の帯状の出力取
出用のバスバー部をこの他の主面側の集電部の略中央部
に形成すると共に、この集電部の対向する両端部に形成
したことから、セル割れが発生する可能性があるのは中
央の銀電極の両端とセル両端に配置した銀電極の内側で
あるが、同時に2箇所以上での割れが発生しなければ、
何れの位置で割れが発生しても出力を取り出すことが可
能となり、出力の損失を最低限に抑える効果がある。
によれば、上記太陽電池素子を複数用意して隣接する太
陽電池素子同志を接続線で接続して一主面側に透光性部
材を配設すると共に、他の主面側に裏面部材を配設して
一体化することから、出力損失を極力低減した太陽電池
モジュールとなる。
失との関係を示す図である。
である。
反射防止膜、3:半導体接合部、4:裏面電極の出力取
出用バスバー部、5:裏面電極の集電部、6:表面電極
の出力取出用バスバー部、7:表面電極の集電用フィン
ガー部
Claims (2)
- 【請求項1】 半導体基板の一主面側と他の主面側に異
なる導電領域を形成し、この一主面側に帯状の出力取出
用バスバー部と集電用フィンガー部とから成る表面電極
を形成し、他の主面側に帯状の出力取出用バスバー部と
この出力取出用バスバー部が形成された領域以外の略全
面に形成された集電部とから成る裏面電極を形成した太
陽電池素子において、前記他の主面側の帯状の出力取出
用のバスバー部をこの他の主面側の集電部の略中央部に
形成すると共に、この集電部の対向する両端部に形成し
たことを特徴とする太陽電池素子。 - 【請求項2】 前記太陽電池素子を複数用意して隣接す
る太陽電池素子同志を接続線で接続して一主面側に透光
性部材を配設すると共に、他の主面側に裏面部材を配設
して一体化した太陽電池モジュール。
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