JP2002349549A - 動圧軸受モータ - Google Patents

動圧軸受モータ

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JP2002349549A JP2001159571A JP2001159571A JP2002349549A JP 2002349549 A JP2002349549 A JP 2002349549A JP 2001159571 A JP2001159571 A JP 2001159571A JP 2001159571 A JP2001159571 A JP 2001159571A JP 2002349549 A JP2002349549 A JP 2002349549A
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武治 糸永
Shinya Tokunaga
晋也 徳永
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軸受の中心部に滞留しやすい気泡を軸受外部に
排除し、安定した軸支持力を得るとともに、耐久性並び
に信頼性を改善する。 【解決手段】スラスト軸受部の動圧発生溝を、円周方向
に並列状に配設され且つスラストプレートの中心部にお
いて動圧の圧力ピークを発生するポンプインタイプのス
パイラル溝列とする。このスパイラル溝の発生する動圧
の分布形状が軸対称とならないよう、スパイラル溝列の
一部に動圧発生溝が形成されない領域を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸受の中心部付近
に滞留する可能性のある気泡を容易に排除可能なスラス
ト動圧軸受を備えた動圧軸受モータに関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク等の記録ディスクを駆動
するスピンドルモータ等のモータにおいて、ロータに作
用する軸線方向の荷重を支持する軸受手段として、ロー
タの回転時に、軸線方向に対向する2つの平面間に保持
するオイル等の流体に動圧を発生させ、これを荷重支持
圧とするスラスト動圧軸受が利用されている。
【0003】この従来のスラスト動圧軸受において動圧
を発生するために形成される動圧発生溝は、ロータの回
転時にオイルに対して半径方向内方に作用する動圧を誘
起する、いわゆるポンプインタイプのスパイラル溝であ
る。このスパイラル溝によって、軸受の中心部付近に動
圧が極大となる圧力ピークが現れ、半径方向外方に向か
うにしたがい圧力は低下する。動圧軸受では、この圧力
ピーク部分でロータに作用する荷重を支持している。
【0004】スパイラル溝は、一対のスパイラル溝を組
み合わせて形成されるヘリングボーン溝に比べて動圧形
成の効率が良く、またスラスト動圧軸受自体を小径化す
ることが可能であるため回転時の周速を小にすることが
でき、軸受損失を低減することが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
スパイラル溝が形成される部分に気泡が存在していた場
合は、気泡は圧力勾配に従って高い方から低い方へと移
動することから、圧力の低い半径方向外方へと移動する
こととなり、軸受の半径方向外方部分に軸受外部へ連通
する連通孔を配設しておけば気泡を軸受外部へ排出する
ことが可能であるが、圧力分布は軸対称に形成されるの
で中心近傍での圧力勾配は僅かであり、中心部近傍に存
在していた気泡は排除されにくい現象がある。
【0006】このように軸受の中心部付近に気泡が滞留
すると、気泡はオイルよりも熱膨張係数が大であるた
め、軸受外部環境の温度や気圧の変動で体積が増大し、
オイルが軸受外部に流出する。また、低圧環境下でも気
泡が膨張して同様の現象となる。オイルの流出によっ
て、軸受ではオイル保持量の低下による軸受剛性の低下
及びオイルの早期の枯渇による耐久性並びに信頼性の低
下等の問題が発生する。
【0007】本発明は、ポンプインタイプのスパイラル
溝によって動圧を発生するスラスト動圧軸受において、
簡易な構成で軸受の中心部に滞留しやすい気泡を軸受外
部に排除することで安定した軸支持力を得ることが可能
であるとともに、オイル内に混入した気泡が容易に排除
されることで、耐久性並びに信頼性に優れた動圧軸受モ
ータを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の動圧軸受モータ
は、円板状のスラストプレートと、該スラストプレート
の平面部と軸線方向に間隙を介して対向するカウンタプ
レートと、該スラストプレートとカウンタプレートとの
間に規定される軸線方向の間隙中に保持されたオイル
と、該オイルに対して動圧を誘起する動圧発生溝とを有
するスラスト動圧軸受を備えた動圧軸受モータであっ
て、前記動圧発生溝を、円周方向に並列状に配設され且
つ前記スラストプレートの中心部において動圧の圧力ピ
ークを発生するポンプインタイプのスパイラル溝列と
し、また、該スパイラル溝の発生する動圧の分布形状が
軸対称とならないよう、該スパイラル溝列の一部に動圧
発生溝が形成されない領域が設けられることを特徴とす
る(請求項1)。
【0009】この構成において、動圧軸受部に周方向に
形成される動圧溝列の一部に動圧溝を形成しない領域を
設けることで、軸受部で発生する動圧の圧力分布に高低
が生じる。オイル内に混入した気泡は、圧力の高い方か
ら低い方へ移動することから、動圧溝が形成される領域
に比べて圧力の低い、動圧溝が形成されない領域を通じ
て軸受部から排出されることとなる。
【0010】このように、オイル内に混入る気泡を確実
且つ容易に排除することが可能となることで、ポンプイ
ンタイプのスパイラル溝による軸受中心部方向へのオイ
ルの移動が円滑に行われ、安定した軸支持力を得ること
ができるとともに、気泡に起因するオイルの流出も阻止
されることから、軸受としての信頼性及び耐久性を向上
することができる。
【0011】尚、スパイラル溝は、形成する動圧発生溝
の形状に対して比較的に加工の自由度の大きい電解加工
によって形成可能である。
【0012】また、前記動圧溝が形成されない領域は、
周方向等間隔に複数形成する(請求項2)ことで、動圧
溝が形成される領域も周方向等間隔に位置することとな
り、動圧の高い領域も周方向等間隔に位置することとな
るので、軸支持の安定性を欠くことはない。すなわち、
軸受部から気泡の排出が可能で且つ安定したモータの回
転を得ることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態につい
て図1乃至図3を参照して説明する。尚、図1は、本発
明に係る動圧軸受モータをハードディスク等の記録ディ
スクを駆動するスピンドルモータに適用した場合の実施
形態を示す断面図であり、図2は、図1に示すスピンド
ルモータの下部スラスト軸受部に形成されるスパイラル
溝を示すカウンタプレートの平面図、更に図3は、図1
に示すスピンドルモータにおけるのスラストプレートま
わりの構成を拡大して示す部分拡大断面図である。
【0014】図1において、シャフト2とこのシャフト
2の下端部の外周面から半径方向外方に同軸状に突出す
る円板状のスラストプレート4とが一体的に形成されて
いる。シャフト2の上端部は、シャフト2の外径が上方
に向かって漸次縮小するテーパ状の傾斜面を有する第1
の環状溝2aが形成されている。シャフト2の外周面の
軸線方向中間部にはシャフト2の軸線方向中央部方向に
向かって傾斜する一対の傾斜面を有する第2の環状溝2
bが形成されている。シャフト2のスラストプレート4
側の端部とは反対側の端部は、カップ状のロータハブ6
に取付けられる。ロータハブ6の内周面にはロータマグ
ネット8が装着される。
【0015】シャフト2は、固定の円筒状スリーブ10
内に設けられた貫通孔内に挿通されている。貫通孔の一
方の端部には、スラストプレート4と協働して後に詳述
する上部スラスト軸受部を構成する段部が設けられてい
る。また、スリーブ10の貫通孔の段部が形成される側
の開口は、スラストプレート4の下面と協働して後に詳
述する下部スラスト軸受部を構成するカウンタプレート
12によって閉塞される。スリーブ10の貫通孔の上方
側開口は、シャフト2の第1の環状溝2aの傾斜面との
間に規定されるテーパ状シールS1において外気に開放
されている。また、スリーブ10の外周部はブラケット
16に設けられた環状の円筒壁16a内に装着される。
円筒壁16aの外周部にはステータ18が取付けられ、
ロータマグネット8と半径方向に対向する。
【0016】スリーブ10の貫通孔の内周面は、シャフ
ト2の外周面に形成された第2の環状溝2bと半径方向
に対向して、スリーブ10の貫通孔の内周面とシャフト
2の外周面との間の半径方向の微小間隙が拡大する間隙
拡大部20が規定されている。スリーブ10には、間隙
拡大部20を軸受外部に開放するために半径方向に延設
される第1の通気孔10aが設けられている。間隙拡大
部20には、第1の通気10aを通じて取り込まれた空
気が保持されている。
【0017】間隙拡大部20の軸線方向上下部には、シ
ャフト2の外周面とスリーブ10の貫通孔の内周面との
間にオイルが保持されて、それぞれ上部ラジアル軸受部
22と下部ラジアル軸受部24とが構成されている。ス
リーブ10の貫通孔の内周面のシャフト2の外周面との
間に上部ラジアル軸受部22を規定する部分には、スリ
ーブ10の内周面に、動圧発生溝として中心位置(溝の
曲折部分の位置)が上部ラジアル軸受部22の軸線方向
中間位置に位置するよう形成される軸線方向に対称な形
状のヘリングボーン溝22aが設けられており、モータ
の回転時には、このヘリングボーン溝22aによって上
部ラジアル軸受部22に保持されたオイルにヘリングボ
ーン溝22aの両端側(軸線方向上下部側)から溝の曲
折部分に向かって作用する動圧が発生する。つまり、上
部ラジアル軸受部22では、軸線方向中間位置において
圧力ピークが発生し、両端部において最も圧力が低くな
るよう構成されている。
【0018】また、スリーブ10の貫通孔の内周面のシ
ャフト2の外周面との間に下部ラジアル軸受部24を規
定する部分には、スリーブ10の内周面に、動圧発生溝
として中心位置(溝の曲折部分の位置)が下部ラジアル
軸受部24の下方に偏倚して位置するよう形成される軸
線方向に非対称な形状のヘリングボーン溝24aが設け
られており、モータの回転時には、ヘリングボーン溝2
4aによって下部ラジアル軸受部24に保持されたオイ
ルにヘリングボーン溝24aの両端側(上下部側)から
溝の曲折部分に向かって作用する動圧が発生する。つま
り、下部ラジアル軸受部24では、軸線方向下端部近傍
において圧力ピークが発生し、上端部において最も圧力
が低くなるよう構成されている。
【0019】上部ラジアル軸受部22の上側には第1の
テーパ状シールS1が位置しており、スリーブ10の貫
通孔の内周面とシャフト2の外周面との間の間隙の半径
方向寸法が軸線方向上方に向かうにつれて漸次拡大す
る。また、上部ラジアル軸受部22の下側と下部ラジア
ル軸受部24の上側との間には、シャフト2の外周面に
一対の傾斜面を有する第2の環状溝2bが位置してお
り、第2の環状溝2bの一対の傾斜面とスリーブ10の
貫通孔の内周面との間に規定される間隙拡大部20は、
スリーブ10の貫通孔の内周面の第1の通気孔10aの
開口部から軸線方向上下方向に向かって間隙寸法が漸次
縮小し、それぞれ第2のテーパ状シールS2と第3のテ
ーパ状シールS3とが規定される。これら第1、第2及
び第3のテーパ状シール部S1,S2及びS3におい
て、上部及び下部ラジアル軸受部22,24に保持され
るオイルの内部圧力と外気圧とがバランスして気液界面
が形成される。
【0020】上部ラジアル軸受部22に保持されるオイ
ルが長期間にわたる使用によって減少した場合には、第
1のテーパ状シールS1側のオイルと空気との気液界面
と第2のテーパ状シールS2側のオイルと空気との気液
界面とに作用する空気の表面張力による圧力が等しくな
るよう作用し、これら気液界面がそれぞれ上部ラジアル
軸受部22側へ移動する。従って、第1及び第2のテー
パ状シールS1,S2に保持されていたオイルが、上部
ラジアル軸受部22に補充される。
【0021】スラストプレート4の上面とこれと軸線方
向に対向するスリーブ10の段部の下面との間には、下
部ラジアル軸受部に連続してオイルが保持されると共
に、スリーブ10の段部の下面に動圧発生溝としてポン
プイン型のスパイラル溝26aが形成されて上部スラス
ト軸受部26が構成される。
【0022】また、スラストプレート4の下面とこれと
軸線方向に対向するカウンタプレート12の上面との間
にはオイルが保持されると共に、カウンタプレート12
の上面には、動圧発生溝として、上部スラスト軸受部2
6と同様にポンプイン型のスパイラル溝28aが形成さ
れて下部スラスト軸受部28が構成される。
【0023】モータの回転時には、スパイラル溝26
a,28aによって、上部及び下部スラスト軸受部26
及び28に保持されたオイルに半径方向内方に向かって
圧力が高くなるよう作用する動圧が発生する。
【0024】上部スラスト軸受部26に保持されるオイ
ルには、モータの回転時にスパイラル溝26aによって
半径方向内方に作用する動圧が発生するが、スラストプ
レート4の回転中心側にはシャフト2が位置するため、
スパイラル溝26aによるオイルに対する半径方向内方
への作用は、このシャフト2によって阻止される。しか
しながら、上部スラスト軸受部26に隣接する下部ラジ
アル軸受部24には、軸線方向下端部近傍において圧力
ピークが発生するよう軸線方向にアンバランスなヘリン
グボーン溝24aが形成されていると共に、下部ラジア
ル軸受部24と上部スラスト軸受部26との間には連続
してオイルが保持されていることから、これら下部ラジ
アル軸受部24と上部スラスト軸受部26との境界部近
傍において、オイルに作用する動圧の圧力ピークが発生
する。従って、下部ラジアル軸受部24と上部スラスト
軸受部26とは、協働してロータハブ6とともに回転す
るシャフト2並びにスラストプレート4を支持するため
に必要な動圧を発生する。
【0025】また、下部スラスト軸受部28において
は、スパイラル溝28aによるオイルに対する半径方向
内方への作用によってシャフト2の軸芯近傍においてオ
イルに作用する動圧の圧力ピークが発生し、スパイラル
溝28aを円周方向に形成される動圧発生溝列とした場
合、その分布形状は概ね軸心に関して対称である。しか
しながら、動圧の圧力ピークが軸心に対して略対称とな
ると、下部スラスト軸受部28の中心部付近に滞留する
気泡は、圧力の低い軸受の外周側に移動することができ
ず、滞留し続けることとなる。このため、下部スラスト
軸受部28には、図2に示すように、スパイラル溝28
aからなる動圧発生溝列内に動圧発生溝が形成されない
領域28bが形成されている。
【0026】これら領域28bにおいては、回転シャフ
ト部12の回転時といえども動圧が誘起されない。つま
りこの領域28bが位置する側からは、オイルを半径方
向内方に積極的に押圧する作用が生じないので、下部ス
ラスト軸受部28の動圧の分布形状は軸心に関して非対
称となる。
【0027】これにより、下部スラスト軸受部28での
周方向の動圧のバランスが崩れ、部分的に高圧となる領
域が発生することで、例えば回転シャフト部12の静止
時に軸受の中心部付近のオイル中に気泡が存在していた
場合、この気泡は、スパイラル溝28aによって形成さ
れる高圧な領域側から、これよりも低圧な動圧発生溝が
形成されない領域28b側へと送られ、さらに低圧なス
ラストプレート12bの外周部分へと順次移送されるこ
ととなり、下部スラスト軸受部28から排除される。
【0028】この場合、動圧発生溝が形成されない領域
28bを円周方向等間隔に配置することで、回転シャフ
ト部12を軸支持する動圧の高圧となる領域も円周方向
等間隔にあらわれることとなるので、下部スラスト軸受
部28中に低圧となる領域28bを形成しても回転シャ
フト部12の軸支持が不安定になることはない。
【0029】スラストプレート4の外周面には、図3に
図示するとおり、上部スラスト軸受部26を構成するス
ラストプレート4の上面側からスラストプレート4の厚
み方向中央部に向かってスリーブ10に設けられた段部
の内周面との間に規定される半径方向の間隙の間隙寸法
が拡大するテーパ状の傾斜面と下部スラスト軸受部28
を構成するスラストプレート4の下面側からスラストプ
レート4の厚み方向中央部に向かってスリーブ10に設
けられた段部の内周面との間に規定される半径方向の間
隙の間隙寸法が拡大するテーパ状の傾斜面とから構成さ
れる断面形状が略V字状の第3の環状溝4aが設けられ
ている。これら第3の環状溝4aを規定する一対の傾斜
面は、それぞれスラストプレート4の上面及び下面側か
らスラストプレート4の厚み方向の略中央部に向かって
実質的に同一の傾斜角をもって傾斜している。
【0030】スリーブ10には、スリーブ10の段部の
内周面及びスリーブ10の外周面に開口するよう半径方
向に延設される複数の第2の通気孔10bが設けられて
おり、各第2の通気孔10bは、ブラケット16に設け
られた環状の円筒壁16aの内周面に全周にわたって形
成された環状凹溝16a1によって連結されている。ま
た、この環状凹溝16a1に連続するようにスリーブ1
0の外周面の一部には軸線方向の切欠き10b1が設け
られており、これら切欠き10b1、環状凹溝16a1
及び第2の通気孔10bを通じて、第3の環状溝4aと
スリーブ10に設けられた段部の内周面との間に規定さ
れる一対のテーパ状の空間内に外気が取り入れられ保持
されている。上部スラスト軸受部26及び下部スラスト
軸受部28に保持されるオイルと外気との気液界面は、
この第3の環状溝4aとスリーブ10の段部の内周面と
の間に規定される一対のテーパ状の空間において形成さ
れる。すなわち、第3の環状溝4aとスリーブ10の段
部の内周面との間に規定される一対のテーパ状の空間
は、それぞれ第4のテーパ状シールS4及び第5のテー
パ状シールS5とを規定する。
【0031】上記のようにスラストプレート4の外周面
に設けられた第3の環状溝4aは、実質的に同一の傾斜
角を有する一対の傾斜面から構成されるので、第4及び
第5のテーパ状シールS4,S5も実質的に同一のテー
パ角及びシール長(シール機能を発揮する領域の寸法)
を有している。また、上部スラスト軸受部26に連続し
てオイルが保持される下部ラジアル軸受部24に保持さ
れるオイルの端部である、第3のテーパ状シールS3
は、第4並びに第5のテーパ状シールS4,S5内に保
持されるオイルとオイルの内部圧力が等しくなるようバ
ランス可能な形状を有する。従って、スラストプレート
4の外周部に保持されるオイルは、スラストプレート4
の厚み方向略中央部を介して実質的に均等となるよう分
離されており、そのため下部ラジアル軸受部22、上部
スラスト軸受部26並びに下部スラスト軸受部28に保
持されるオイルのバッファオイルとして機能するオイル
の量にアンバランスが生じることはない。
【0032】次に、各軸受部からの気泡排出について説
明する。上部ラジアル軸受部22には、ヘリングボーン
溝22a軸線方向略中央部に、上部ラジアル軸受部22
において動圧の圧力ピークが発生する曲折部が設けられ
ており、そのためモータの回転時には、上部ラジアル軸
受部22に保持されるオイル内に混入した気泡は、最も
圧力の高い軸受の軸線方向略中央部から圧力の低い軸受
の軸線方向両端部側へと順次移動し、第1及び第2のテ
ーパ状シールS1,S2内に形成される気液界面から外
気に開放される。
【0033】また、下部ラジアル軸受部24とこれに連
続してオイルが保持される上部スラスト軸受部26との
間は、下部ラジアル軸受部24に形成された軸線方向に
アンバランスなヘリングボーン溝24aと上部スラスト
軸受部26に形成されたポンプイン型のスパイラル溝2
6aの作用によって、両軸受部の境界部近傍において圧
力ピークが発生し、半径方向間隙拡大部18及び呼吸孔
34側に向かうにつれて圧力が低下することから、下部
ラジアル軸受部24及び上部スラスト軸受部26に保持
されるオイル内に混入した気泡は、最も圧力の高いこれ
ら軸受部の境界部近傍から圧力の低い第3及び第4のテ
ーパ状シール部S3,S4内に形成される気液界面を通
じて外気に開放される。
【0034】更に、下部スラスト軸受部28において
は、軸受部の略中央部付近で動圧の圧力ピークが発生す
るものの、その分布は軸心に対して非対称となる。この
ため、上述したとおり、軸受中心部付近に滞留する気泡
も圧力の低い領域26bを通じて軸受の外周部側へと移
動し、その後最も低圧な第4のテーパ状シール部S4に
形成される気液界面を通じて外気に開放される。
【0035】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明はかかる実施形態に限定されるものではな
く、発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正
が可能である。
【0036】例えば、図2において、下部スラスト軸受
部28における動圧発生溝が形成されない領域28bを
4箇所形成しているが、領域28bは、発生する動圧が
必要以上に低下しない範囲で周方向等間隔に形成するこ
とが可能な数であればよい。
【0037】また、上部及び下部ラジアル軸受部22,
24に形成されるヘリングボーン溝22a,24a並び
に上部及び下部スラスト軸受部26,28に形成される
スパイラル溝26a,28aについては、電解加工によ
って形成することで、所望の形状の溝パターンを容易に
得ることができるが、これ以外にもボール転造やコイニ
ング等の加工方法によっても形成可能である。
【0038】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載の動圧軸受モー
タでは、排除が困難な軸受中心部に存在する気泡を確実
に排除することが可能となり、安定した軸支持力を得る
ことができるとともに、気泡に起因するオイルの流出も
阻止されることから、軸受としての信頼性及び耐久性を
向上することができる。
【0039】本発明の請求項2に記載の動圧軸受モータ
では、軸支持の安定性を欠くことなく、軸受部から気泡
を排出することができ、また安定したモータの回転を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の動圧軸受モータをスピンドル
モータとして適用した場合の概略構成を示す断面図であ
る。
【図2】図1のスピンドルモータの下部スラスト軸受部
に形成されるスパイラル溝を示すカウンタプレートの平
面図である。
【図3】図1に示すスピンドルモータのスラストプレー
トまわりの構成を拡大して示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
4 スラストプレート 12 カウンタプレート 26、28 スラスト軸受部 26a、28a スパイラル溝 28b 動圧溝が形成されない領域

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円板状のスラストプレートと、該スラス
    トプレートの平面部と軸線方向に間隙を介して対向する
    カウンタプレートと、該スラストプレートとカウンタプ
    レートとの間に規定される軸線方向の間隙中に保持され
    たオイルと、該オイルに対して動圧を誘起する動圧発生
    溝とを有するスラスト動圧軸受を備えた動圧軸受モータ
    であって、 前記動圧発生溝を、円周方向に並列状に配設され且つ前
    記スラストプレートの中心部において動圧の圧力ピーク
    を発生するポンプインタイプのスパイラル溝列とし、ま
    た、該スパイラル溝の発生する動圧の分布形状が軸対称
    とならないよう、該スパイラル溝列の一部に動圧発生溝
    が形成されない領域が設けられることを特徴とする動圧
    軸受モータ。
  2. 【請求項2】 前記動圧発生溝が形成されない領域は、
    円周方向等間隔に複数形成されていることを特徴とする
    請求項1に記載の動圧軸受モータ。
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