JP2002347360A - 多色画像形成材料及び多色画像形成方法 - Google Patents

多色画像形成材料及び多色画像形成方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】高品位・高安定性で、印刷一致性に優れた大サ
イズのDDCPを提供すること。 【解決手段】受像層を有する受像シートと、支持体上に
少なくとも光熱変換層と画像形成層とを有する少なくと
も4種類以上の色の異なる熱転写シートを用い、各熱転
写シートの画像形成層と前記受像シートの受像層とを対
向して重ね合わせ、レーザー光を照射して、画像形成層
のレーザー光照射領域を受像シートの受像層上へ転写し
て画像記録する多色画像形成材料において、 前記各熱
転写シートの画像形成層の層厚が0.01〜1.5μm
であり、かつレ−ザ−ビ−ムスポットの2次元エネルギ
−分布を主走査方向に積分し、副走査方向でのエネルギ
−分布にしたものの半値半幅のに対して、レ−ザ−転写
された画像の線幅が0.8〜2.0倍であることを特徴
とする多色画像形成材料及びそれを用いた多色画像形成
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光を用い
て高解像度のフルカラー画像を形成する多色画像形成材
料と多色画像形成方法に関する。特に、本発明はデジタ
ル画像信号からレーザー記録により、印刷分野における
カラープルーフ(DDCP:ダイレクト・ディジタル・
カラープルーフ)、あるいはマスク画像を作製するのに
有用な多色画像形成材料と多色画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】グラフィックアート分野では、カラー原
稿からリスフィルムを用いて作製された一組の色分解フ
ィルムを使用して印刷版の焼付けが行われるが、一般
に、本印刷(実際の印刷作業)の前に色分解工程での誤
りや色補正の必要性等をチェックするために、色分解フ
ィルムからカラープルーフを作製している。カラープル
ーフには、中間調画像の高再現性を可能とする高解像力
の実現や、高い工程安定性等の性能が望まれている。ま
た、実際の印刷物に近似したカラープルーフを得るため
に、カラープルーフに使用される材料としては、実際の
印刷物に使用される材料、例えば基材としては印刷本紙
を、色材としては顔料を用いることが好ましい。また、
カラープルーフの作製方法としては、現像液を用いない
乾式の方法の要望が高い。
【0003】乾式のカラープルーフ作製法として、最近
の印刷前工程(プリプレス分野)における電子化システ
ムの普及に伴い、デジタル信号から直接カラープルーフ
を作製する記録システムが開発されている。このような
電子化システムは、特に高画質のカラープルーフを作製
するのが目的であり、一般的には、150線/インチ以
上の網点画像を再現する。デジタル信号から高画質のプ
ルーフを記録するためには、デジタル信号により変調可
能で、かつ記録光を細く絞り込むことが可能なレーザー
光を記録ヘッドとして用いる。このため、レーザー光に
対して高い記録感度を示し、かつ、高精細な網点を再現
可能にする高解像力を示す画像形成材料の開発が必要と
なる。
【0004】レーザー光を利用した転写画像形成方法に
用いられる画像形成材料としては、支持体上に、レーザ
ー光を吸収して熱を発生する光熱変換層、及び顔料が熱
溶融性のワックス、バインダー等の成分中に分散された
画像形成層をこの順に有する熱溶融転写シート(特開平
5−58045号公報)が知られている。これらの画像
形成材料を用いる画像形成方法では、光熱変換層のレー
ザー光照射領域で発生した熱によりその領域に対応する
画像形成層が溶融し、転写シート上に積層配置された受
像シート上に転写され、受像シート上に転写画像が形成
される。
【0005】また、特開平6−219052号公報に
は、支持体上に、光熱変換物質を含む光熱変換層、非常
に薄層(0.03〜0.3μm)の熱剥離層、色材を含
む画像形成層がこの順に設けられた熱転写シートが開示
されている。この熱転写シートでは、レーザー光を照射
されることによって、前記熱剥離層の介在により結合さ
れている画像形成層と光熱変換層との間の結合力が、低
減され、熱転写シート上に積層配置した受像シート上
に、高精細な画像が形成される。前記熱転写シートを用
いた画像形成方法は、所謂「アブレーション」を利用し
ており、具体的には、レーザー光の照射を受けた領域
で、熱剥離層が一部分解し、気化するため、その領域で
の画像形成層と光熱変換層との間の接合力が弱まり、そ
の領域の画像形成層が上に積層した受像シートに転写さ
れる現象を利用している。
【0006】これらの画像形成方法は、受像シート材料
として受像層(接着層)を付設した印刷本紙を用いるこ
とができること、色の異なる画像を次々と受像シート上
に転写することによって多色画像が容易に得られること
等の利点を有し、特にアブレーションを利用する画像形
成方法は、高精細な画像が容易に得られるという利点を
有し、カラープルーフ(DDCP:ダイレクト・ディジ
タル・カラープルーフ)、あるいは高精細なマスク画像
を作製するのに有用である。
【0007】DTP環境が進む中、CTP(Compu
ter To Plate)使用先は中間のフィルム出
し工程がなくなり、校正刷りやアナログ方式のプル−フ
からDDCP方式によるプルーフニーズが強くなってき
ているが、近年さらに高品位・高安定性で、印刷一致性
に優れた大サイズのDDCPが望まれている。レーザー
熱転写方式は高解像度での印画が可能であり、従来から
レーザー昇華方式、レーザーアブレーション方式、
レーザー溶融方式等のシステムがあるが、いずれも記
録網点形状がシャープでないという問題があった。の
レーザー昇華方式は色材として染料を用いているため、
印刷物近似性が十分ではなく、かつ色材が昇華する方式
であるため網点の輪郭がぼやけてしまい、解像度が十分
高くないという問題があった。一方、レーザーアブレー
ション方式は色材として顔料を用いているため印刷物近
似性は良好であるが、色材が飛散する方式であるため昇
華方式と同様に網点の輪郭がぼやけてしまい、解像度が
十分高くないという問題があった。更に、のレーザー
溶融方式も溶融物が流動するのでクリアーな輪郭が出な
いという問題があった。
【0008】また、特にカラープルーフ用途として熱転
写シートを用いたとき、必要な反射ODを本紙転写画像
に得るためには画像形成層の厚みを厚くしなければなら
ず、その結果、画像形成層の熱容量が大きくなり記録感
度の低下や解像力の低下を引き起こすという問題があ
る。特開平8−300829号公報及び同8−3008
30号公報には、充分な黒色度を有する転写像を得るた
めにカーボンブラックの着色力指数を120以下または
125以下に制御する方法を開示している。着色力指数
とは、標準ブラックの着色力を100としたときの条件
下、ASTM N−440にて測定した値であり、30
〜100であることが更に好ましい旨の記載がある。し
かし、このような指標を用いても上記課題は解決できな
かった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける問題を解決し、以下の目的を達成することを課題
とする。即ち、本発明の目的は高品位・高安定性で、印
刷一致性に優れた大サイズのDDCPを提供することで
あり、具体的には本発明は、1)熱転写シートは顔料色
材、印刷物との比較でも照明光源の影響を受けない、色
材薄膜の転写で、網点のキレ、安定性に優れること、
2)受像シートはレーザーエネルギー熱転写シートの画
像形成層を安定、確実に受像できること、3)アート
(コート)紙、マット紙、微塗工紙等少なくとも64〜
157g/m2 の範囲に対応して本紙転写可能、微妙な
質感描写や正確な紙白(ハイキー部)再現が出来るこ
と、4)更にきわめて安定した転写剥離性が得られるこ
とが目的である。異なる温湿度条件下において、マルチ
ビームであるレーザー光により、高エネルギーでレーザ
ー記録した場合も、画質が良好であり、安定した転写濃
度の画像を受像シート上に形成し得る、多色画像形成材
料及び多色画像形成方法を提供することを目的とする。
【0010】特に、高品位なカラープルーフは、その用
途上、印刷物近似性が重要になってくる。すなわち、印
刷物との色相をほぼ一致させることが重要であり、ま
た、蛍光灯や白熱灯など照明光源による色の見え方の変
化が印刷物と同様である必要がある。したがって、本発
明は、顔料色材と印刷物との比較において照明光源の影
響を受けず、印刷物近似性に優れた記録画像を得ること
ができる多色画像形成材料を提供することを目的とす
る。又、本発明は、記録感度及び解像力が高く、かつ安
定して高い反射光学濃度(ODr)の熱転写画像が提供
できる多色画像形成材料を提供することも目的とする。
更に、本発明の目的は、安定して良好な解像度を有した
熱転写画像を提供できる多色画像形成材料を提供するこ
とである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は下記
(1)〜(33)により達成された。 (1) 受像層を有する受像シートと、支持体上に少な
くとも光熱変換層と画像形成層とを有するイエロー、マ
ゼンタ、シアン、及びブラックを含む少なくとも4種類
以上の色の異なる熱転写シートを用い、各熱転写シート
の画像形成層と前記受像シートの受像層とを対向して重
ね合わせ、レーザー光を照射して、画像形成層のレーザ
ー光照射領域を受像シートの受像層上へ転写して画像記
録する多色画像形成材料において、前記各熱転写シート
の画像形成層の層厚が0.01〜1.5μmであり(好
ましくは0.01〜0.9μmであり)、かつレーザー
ビームスポットの2次元エネルギー分布を主走査方向に
積分し、副走査方向でのエネルギー分布にしたものの半
値半幅に対して、レーザー転写された画像の線幅が0.
8〜2.0倍である(好ましくは0.8〜1.7倍であ
り、更に好ましくは0.8〜1.2倍である)ことを特
徴とする多色画像形成材料。
【0012】(2) 前記熱転写シートが、分光分布の
最大吸光度(λmax)が380〜460nmの領域に
あるイエロー色用熱転写シート、分光分布の最大吸光度
(λmax)が540〜600nmの領域にあるマゼン
タ色用熱転写シート、分光分布の最大吸光度(λma
x)が610〜730nmの領域にあるシアン色用熱転
写シート及びブラック色用熱転写シートからなることを
特徴とする上記(1)に記載の多色画像形成材料。 (3) 最大吸光度(λmax)における吸光度が1.
0のときの半値幅が、前記イエロー色用熱転写シートで
は90〜160nmであり、前記マゼンタ色用熱転写シ
ートでは40〜130nmであり、前記シアン色用熱転
写シートでは90〜160nmであることを特徴とする
上記(2)に記載の多色画像形成材料。
【0013】(4) 前記画像形成層の色相(L1*
*b1*)と目標色相(L2*a2*b2*)の間の色差
をΔE={(L1*−L2*2+(a1*−a2*2
(b1*−b2*20.5とし、光源がD65、Aで測定し
たときの前記ΔEの変化の幅が、シアン色用熱転写シー
トで2.0以下となることを特徴とする上記(1)に記
載の多色画像形成材料。 (5) 前記シアン色用熱転写シートの前記ΔEが1
5.0以下であることを特徴とする上記(4)に記載の
多色画像形成材料。 (6) 前記該画像形成層の色相(L1*a1*b1*
と目標色相(L2*a2*b2*)の間の色差をΔE=
{(L1*−L2*2+(a1*−a2*2+(b1*
b2*20.5とし、光源がD65、Aで測定したときの
前記ΔEの変化の幅が、マゼンタ色用熱転写シートで
1.5以下となることを特徴とする上記(1)に記載の
多色画像形成材料。 (7) 前記マゼンタ色用熱転写シートの前記ΔEが1
6.0以下であることを特徴とする上記(6)に記載の
多色画像形成材料。 (8) 前記該画像形成層の色相(L1*a1*b1*
と目標色相(L2*a2*b2*)の間の色差をΔE=
{(L1*−L2*2+(a1*−a2*2+(b1*
b2*20.5とし、光源がD65、Aで測定したときの
前記ΔEの変化の幅が、イエロー色用熱転写シートで
2.0以下となるとなることを特徴とする上記(1)に
記載の多色画像形成材料。 (9) 前記イエロー色用熱転写シートの前記ΔEが
5.0以下であることを特徴とする上記(8)に記載の
多色画像形成材料。
【0014】(10) 前記画像形成層に着色剤として
少なくとも1種類のイエロー色有機顔料を含むイエロー
色用熱転写シートの、該画像形成層のブルーフィルター
による反射光学濃度(ODr)を該画像形成層の層厚
(単位:μm)で割った値Xが、1.6以上であること
を特徴とする上記(1)に記載の多色画像形成材料。 (11) 前記Xの値が、2.0以上であることを特徴
とする上記(10)に記載の多色画像形成材料。 (12) 前記画像形成層に着色剤として少なくとも1
種類のマゼンタ色有機顔料を含むマゼンタ色用熱転写シ
ートの、該画像形成層のグリーンフィルターによる反射
光学濃度(ODr)を該画像形成層の層厚(単位:μ
m)で割った値Xが、1.6以上であることを特徴とす
る上記(1)に記載の多色画像形成材料。 (13) 前記Xの値が、3.0以上であることを特徴
とする上記(12)に記載の多色画像形成材料。 (14) 前記画像形成層に着色剤として少なくとも1
種類のシアン色有機顔料を含むシアン色用熱転写シート
の、該画像形成層のレッドフィルターによる反射光学濃
度(ODr)を該画像形成層の層厚(単位:μm)で割
った値Xが、2.0以上であることを特徴とする上記
(1)に記載の多色画像形成材料。 (15) 前記Xの値が、2.9以上であることを特徴
とする上記(14)に記載の多色画像形成材料。 (16) 前記画像形成層に着色剤として少なくとも1
種類の黒色カーボンブラックを含むブラック色用熱転写
シートの、該画像形成層のビジュアルフィルターによる
反射光学濃度(ODr)を該画像形成層の層厚(単位:
μm)で割った値Xが、2.0以上であることを特徴と
する上記(1)に記載の多色画像形成材料。 (17) 前記Xの値が、2.7以上であることを特徴
とする上記(16)に記載の多色画像形成材料。
【0015】(18) 前記各熱転写シートの画像形成
層の光学濃度(OD)と層厚(単位:μm)の比OD/
層厚が1.50以上であり、前記各熱転写シートの多色
画像の記録面積が515mm×728mm以上のサイズ
であり、前記転写画像の解像度が2400dpi以上で
あり、かつ前記熱転写シートの画像形成層中に高分子顔
料分散剤、および/またはリン酸エステル系顔料分散剤
を含み、該高分子顔料分散剤は((C252N−(C
2z−O−)とエチレングリコールとプロピレングリ
ーコールを含む共重合体、又はポリマーブレンドであ
り、それぞれの比率を1:X:YとするとX=10〜2
0、Y=25〜40であり、Z=2又は3であることを
特徴とする上記(1)に記載の多色画像形成材料。
【0016】(19) 前記熱転写シートが前記画像形
成層に着色剤として有機顔料及び/又はカーボンブラッ
クを含有し、該有機顔料及び/又はカーボンブラックの
粒子がそれぞれ単分散であり、かつ粒子径の変動係数が
それぞれ50%以下であることを特徴とする上記(1)
に記載の多色画像形成材料。 (20) 該有機顔料及び/又はカーボンブラックの平
均粒子径が50〜1000nmであることを特徴とする
上記(19)に記載の多色画像形成材料。
【0017】(21) 前記転写画像の解像度が240
0dpi以上の画像であることを特徴とする上記(1)
〜(20)のいずれかに記載の多色画像形成材料。 (22) 前記転写画像の解像度が2600dpi以上
の画像であることを特徴とする上記(21)に記載の多
色画像形成材料。 (23) 前記各熱転写シートの画像形成層の光学濃度
(OD)と層厚(単位:μm)の比OD/層厚が1.5
0以上であることを特徴とする上記(1)〜(22)の
いずれかに記載の多色画像形成材料。 (24) 前記各熱転写シートの画像形成層の光学濃度
(OD)と層厚(単位:μm)の比OD/層厚が1.8
0以上であることを特徴とする上記(23)に記載の多
色画像形成材料。 (25) 前記各熱転写シートの画像形成層の光学濃度
(OD)と層厚(単位:μm)の比OD/層厚が2.5
0以上であることを特徴とする上記(24)に記載の多
色画像形成材料。 (26) 前記各熱転写シートの画像形成層および前記
受像シートの受像層の水に対する接触角が7.0〜12
0.0°の範囲にあることを特徴とする上記(1)〜
(25)のいずれかに記載の多色画像形成材料。 (27) 前記各熱転写シートの画像形成層の光学濃度
(OD)と層厚(単位:μm)の比OD/層厚が1.8
0以上であり、前記受像シートの水に対する接触角が8
6°以下であることを特徴とする上記(1)〜(22)
のいずれかに記載の多色画像形成材料。 (28) 前記多色画像の記録面積が515mm×72
8mm以上のサイズであることを特徴とする上記(1)
〜(27)のいずれかに記載の多色画像形成材料。 (29) 前記多色画像の記録面積が594×841m
m以上のサイズであることを特徴とする上記(28)に
記載の多色画像形成材料。 (30) 前記画像形成層が、顔料と、軟化点が40〜
150℃の温度範囲にある非晶質有機高分子重合体を、
それぞれ20〜80質量%含み、その厚さが0.2〜
1.5μmの範囲にあることを特徴とする上記(1)〜
(29)のいずれかに記載の多色画像形成材料。
【0018】(31) 上記(1)〜(30)のいずれ
かに記載の受像シートと、上記(1)〜(30)のいず
れかに記載の少なくとも4種類以上の色の異なる熱転写
シートを用い、各熱転写シートの画像形成層と前記受像
シートの受像層とを対向して重ね合わせ、レーザー光を
照射して、画像形成層のレーザー光照射領域を受像シー
トの受像層上へ転写して画像記録する工程を有する多色
画像形成方法において、前記レーザー光照射領域の画像
形成層を薄膜状態で受像シートに転写させることを特徴
とする多色画像形成方法。 (32) 前記光熱変換層がレーザー光照射によって軟
化し、該光熱変換層の上の画像形成層が押し上げられて
受像シートに薄膜転写することを特徴とする上記(3
1)に記載の多色画像形成方法。
【0019】
【発明の実施の形態】我々は高品位・高安定性で、印刷
一致性に優れたB2/A2以上更にはB1/A1以上の
大サイズのDDCPを提供するために鋭意検討した結
果、本紙転写・実網点出力・顔料タイプのB2サイズ以
上の画像形成材料および出力機と高品位CMSソフトか
らなるDDCP用レーザー熱転写記録システムを開発し
た。我々が開発したレーザー熱転写記録システムの性能
の特徴、システム構成及び技術ポイントの概要は次の通
りである。性能の特徴は、ドット形状がシャープであ
るため、印刷物近似性に優れた網点を再現できること、
色相の印刷物近似性が良好であること、記録品質は
環境温湿度の影響を受けにくく、また繰り返し再現性が
良いため、安定したプルーフを作製できることである。
このような性能の特徴が得られる材料の技術的ポイント
は薄膜転写技術を確立したこと、レーザー熱転写システ
ムに要求される材料の真空密着保持性・高解像度記録へ
の追従・耐熱性の改良がポイントである。具体的には、
赤外吸収色素の導入による光熱変換層を薄膜化するこ
と、高Tgポリマーの導入による光熱変換層の耐熱性
を強化すること、耐熱性顔料導入により色相安定化を
図ること、ワックス、無機顔料等の低分子成分添加に
より接着力・凝集力をコントロールすること、光熱変
換層へのマット材添加により、画質劣化を伴わないで真
空密着性を付与すること等が挙げられる。システムの技
術的ポイントは記録装置の多数枚連続集積のためのエ
アー搬送、熱転写装置の、転写後カール低減のための
本紙上挿入、システム接続拡張性を持たせた汎用出力
ドライバーの接続等が挙げられる。このように我々が開
発したレーザー熱転写記録システムは多様な性能の特
徴、システム構成及び技術ポイントによって構成されて
いる。しかしこれらは例示であって、本発明はこれらの
手段に限定されるものではない。
【0020】我々は個々の素材、光熱変換層、画像形成
層、受像層などの各塗布層、各熱転写シートや受像シー
トなどは個々バラバラに存在するのではなく有機的、総
合的に機能するようにすべきであり、更にこれら画像形
成材料は記録装置や熱転写装置と組み合わされて最高の
性能を発揮するものであるとの考えの基に開発を行っ
た。我々は画像形成材料の各塗布層や構成する素材を十
分吟味し、それらの素材の特長を最大限に引き出す塗布
層を作り画像形成材料とし、この画像形成材料が最高の
性能を発揮するような各種の物理特性の適当な範囲を見
出した。その結果、各素材、各塗布層、各シートや物理
特性との関係を極め、さらには画像形成材料と記録装置
や熱転写装置と有機的、総合的に機能させることによ
り、思いもかけず、高性能な画像形成材料を見出すこと
ができた。このような我々が開発したシステムにおける
本発明の位置付けは、我々の開発したシステムを支える
高性能の画像形成材料、即ちレーザー記録転写画像のに
じみが、ほとんどないという高品質の画像形成材料とそ
れを得るための基本的な一つの手段である薄膜転写方式
を規定する発明である。
【0021】即ち、本発明の特徴は、受像シートに転写
した画像領域がレーザー光照射領域を忠実に再現してい
ることであり、具体的にはレーザービームスポットの2
次元エネルギー分布を主走査方向に積分し、副走査方向
でのエネルギー分布にしたものの半値半幅に対して、レ
ーザー転写された画像の線幅が0.8〜2.0倍、好ま
しくは0.8〜1.7倍、更に好ましくは0.8〜1.
2倍であることを特徴とする多色画像形成材料である。
本発明の画像形成材料は従来のレーザー昇華方式、レー
ザーアブレーション方式、レーザー溶融方式等に用いら
れる画像形成材料とは異なる。本発明において、レーザ
ービームスポットの2次元エネルギー分布を実測し主走
査方向に積分し、副走査方向でのエネルギー分布にした
ものの半値幅を便宜的にレーザービーム幅とする。本発
明の多色画像形成材料は、ある特定のレーザービーム幅
を有するレーザー光の照射により熱転写シートの画像形
成層を受像シートの受像層上に転写したときに、転写さ
れた画像の線幅がそのレーザービーム幅の0.8〜2.
0倍になるように熱転写シート及び受像シートの各材料
が制御されてなるものである。本発明において、好まし
いレーザービーム幅を与えるレーザー光照射の条件は、
以下の通りである。 環境条件:18〜26℃、30〜65%RH レーザー露光条件 ビーム径:10〜30μm 主走査速度:1〜20m/秒 露光面の光強度:500〜1500W/mm2
【0022】本発明の一態様では、熱転写シートが、分
光分布の最大吸光度(λmax)が380〜460nm
の領域にあるイエロー色用熱転写シート、分光分布の最
大吸光度(λmax)が540〜600nmの領域にあ
るマゼンタ色用熱転写シート、分光分布の最大吸光度
(λmax)が610〜730nmの領域にあるシアン
色用熱転写シート及びブラック色用熱転写シートからな
る。これにより、高品位なカラープルーフとして、照明
光源の影響を受けず、印刷物近似性に優れた記録画像を
得ることができる。具体的には、各熱転写シートの画像
形成層に含まれる顔料を選択し、イエロー顔料として分
光分布の最大吸光度(λmax)が380〜460nm
(より好ましくは、380〜430nm)の領域にある
ようなもの、マゼンタ顔料として分光分布の最大吸光度
(λmax)が540〜600nmの領域にあるような
もの、シアン顔料として分光分布の最大吸光度(λma
x)が630〜730nm(より好ましくは、610〜
730nm)の領域にあるようなものを使用するとよ
い。その中でもさらに、λmaxにおける吸光度が1.
0のときの半値幅が、イエロー顔料としては好ましくは
90〜160nmであり、マゼンタ顔料としては好まし
くは40〜130nmであり、シアン顔料としては好ま
しくは90〜160nmである。尚、顔料の具体例につ
いては、後述する。
【0023】本発明の一態様では、シアン、マゼンタま
たはイエロー色用熱転写シートにおいて、光源としてD
65、Aを用いた際に各々の画像形成層の色差(ΔE)の
変化の幅を特定値以下にする。ここで、ΔE={(L1
*−L2*2+(a1*−a2*2+(b1*−b
* 20.5であり、L***表色系のL***空間
における色相(L1*a1*b1 *)と(L2*a2*
*)の間の色差を示す。色相(L1*a1*b1*)は、
画像形成層の色相をさす。この画像形成層の色相は画像
形成層塗布液を現実の各熱転写シート作製の際の厚み及
びODが同じとなるようPETベース上に塗布、乾燥
し、その後、受像層上へと熱転写装置により転写して、
更に本紙(特菱アート紙 128g)へ受像層ごと画像
形成層を転写したものを試料とし測定したものである。
色相(L2*a2*b2*)はJapan Color
Version2を試料とし測定したものである。
【0024】上記色差を光源D65または光源Aの2種の
光源を用いて測定し、ΔEの変化の幅、即ち、前者のΔ
1と後者のΔE2との差の絶対値がシアン色用熱転写シ
ートでは2.0以下、好ましくは1.5以下、マゼンタ
色用熱転写シートでは1.5以下、好ましくは1.0以
下、イエロー色用熱転写シートでは2.0以下、好まし
くは1.5以下となるように画像形成層を形成するとよ
い。各光源下のΔEの測定は、X−rite938(X
−rite社製)により、視野角2°、0/45、Bl
ack Backingの条件で行う。ここで、光源D
65とは、昼光に対応する光源を、光源Aとは白熱電灯に
対応する光源を意味する。
【0025】本発明では、ΔEの変化の幅を各色の熱転
写シートで上記のような特定値以下に制御することによ
り、実際の系、即ち好ましくは画像形成層を光熱変換層
上に設けた熱転写シートから受像層を経て本紙上に転写
画像を形成した際に上記特定光源以外の種々の現実系の
光源(蛍光灯、白色灯、太陽光等)における色の見え方
が理想系の色相であるJapan Color Ver
sion 2に近似させることができる。また、シアン
色用熱転写シートのΔEは、15.0以下が好ましく、
4.0以下が更に好ましい。マゼンタ色用熱転写シート
のΔEは、16.0以下が好ましく、3.0以下が更に
好ましい。イエロー色用熱転写シートのΔEは、5.0
以下が好ましく、2.0以下が更に好ましい。
【0026】本発明の一態様では、熱転写シートにおい
て、画像形成層に着色剤としてイエロー、マゼンタまた
はシアン色用有機顔料又はカーボンブラックを含有し、
かつ画像形成層のブルー、グリーン、レッドまたはビジ
ュアルフィルターによる反射光学濃度(ODr)を該画
像形成層の層厚(単位:μm)で割った値Xを特定の値
をもつようにする。ここで、反射光学濃度(ODr
は、熱転写されて受像シート上に形成されたベタ画像を
本紙に転写したものをX−rite938(X−rit
e社製)により上記フィルターを用いて測定されるもの
である。各熱転写シートに対して、Xの値をある一定値
以上にすることにより、画像形成層の厚みを薄くしても
安定して高い反射光学濃度ODrを有する転写画像を得
ることでき、記録感度や解像力の高い画像を得ることが
できる。Xの具体的な値としては、イエロー色用熱転写
シートでは、ブルーフィルターを用いて測定したODr
に対して、1.6以上、好ましくは2.0以上、マゼン
タ色用熱転写シートでは、グリーンフィルターを用いて
測定したODrに対して、1.6以上、好ましくは3.
0以上、シアン色用熱転写シートでは、レッドフィルタ
ーを用いて測定したODrに対して、2.0以上、好ま
しくは2.9以上、ブラック色用熱転写シートでは、ビ
ジュアルフィルターを用いて測定したOD rに対して、
2.0以上、好ましくは2.7以上にするとよい。値X
を上記範囲に調整する手段としては、着色力の高い顔料
を選定すること及び画像形成層のバインダー量及び層厚
を調整することが挙げられる。
【0027】本発明の一態様では、熱転写シートの画像
形成層中に、特定構造の高分子顔料分散剤、および/ま
たはリン酸エステル系を含有すること。これにより顔料
の分散性を改良し、DDCPとして必要な色再現性、印
刷物との色相一致性を達成することができる。また、着
色力向上による画像形成層の薄膜化により感度や解像力
を向上させる作用もあり、具体的には、上記顔料分散液
を使用することや、必要に応じて適当な化学構造を有す
る顔料を選択する、画像形成層中の顔料比率を多くする
なども合わせて、後述するように前記各熱転写シートの
画像形成層の光学濃度(OD)と層厚(単位:μm)の
比OD/層厚が1.50以上とすることにより、DDC
Pとして使用するに十分な感度や解像力を得ることがで
きる。また、製造時においても、本発明の顔料分散剤を
用いることにより、塗布液の安定性が良くなるため品質
の安定が達成される。
【0028】本発明に使用する顔料分散剤は、おもに低
分子、高分子の界面活性剤などが代表的であり、顔料と
ともに顔料分散母液中に含有させ、顔料分散剤が顔料表
面に吸着することで顔料の再凝集を防ぎ、顔料分散性を
良化する。その機構は、顔料表面に吸着した顔料分散剤
どうしによる立体障害により顔料粒子同士の接近を防ぐ
場合と、電荷を有する顔料分散剤が顔料表面に吸着する
ことにより電気2重層を形成して静電気的に顔料同士の
接近を防ぐ場合がある。
【0029】低分子系顔料分散剤としてはリン酸エステ
ル系のものであり、具体的には、楠本化成製のディスパ
ロンPW36(リン酸エステル系界面活性剤)等が挙げ
られる。高分子系顔料分散剤の重量平均分子量は好まし
くは5000〜100000の範囲である。具体的に
は、BYKchemie製のDisperBYKシリー
ズやICI製のソルスパースシリーズ等が挙げられる。
好ましくは、((C25 2N−(CH2z−O−)と
エチレングリコールとプロピレングリーコールを含む共
重合体、又はポリマーブレンドであり、それぞれの比率
を1:X:YとするとX=10〜20、Y=25〜40
であり、Z=2又は3としたものである。本発明で使用
する顔料分散剤は、対顔料比で1〜50質量%の範囲で
使用される。
【0030】本発明の一態様では、熱転写シートにおい
て、画像形成層に着色剤として有機顔料及び/又はカー
ボンブラックを含有し、かつ該有機顔料及び/又はカー
ボンブラックの粒子が単分散になるようにする。粒子が
単分散であるとは、粒径分布が1つのピークのみを持っ
ていることを意味する。ただし、単分散の対象となる粒
子の集合は、有機顔料においては有機化合物の化学構造
が同じものとする。この場合、色相が同じで異なる化学
構造の有機化合物を複数用いる場合は、互いに同一層で
も別の層でも単分散の対象となる粒子は同じ化学構造の
有機化合物粒子の集合とする。カーボンブラックとし
て、種類(平均粒子径や変動係数)の異なる複数種のも
のを用いる場合も、上記有機顔料と同様である。従っ
て、本発明では、単分散であれば平均粒子径の異なる有
機顔料及び/又はカーボンブラックを複数種用いること
ができ、それらは同一層乃至別々の層に用い得る。粒子
径の変動係数は、50%以下が好ましく、35%以下が
より好ましい。ここで使われる粒子径という言葉の定義
は、顔料分散物の2次粒子径を指している。なお、2次
粒子径とは会合のない独立した粒子である一次粒子が会
合したものの粒子径である。この変動係数は、動的光散
乱法(コールター社製動的光散乱測定器,N−4)を用
いて測定されるが、100×σ/d(%)により定義さ
れる。dは平均粒子径、σは、粒子径の標準偏差を示
す。
【0031】有機顔料とは有機化合物からなる着色剤を
意味し、イエロー、マゼンタ、シアンまたはブラックの
色相を呈するものを指す。有機顔料及び/又はカーボン
ブラックの平均粒子径は、50〜1000nmであるこ
とが好ましく、更には100〜700nmの範囲が好ま
しい。前記平均粒子径が50μm未満であると、分散コ
ストが上がったり、分散液がゲル化等を起こすことがあ
り、一方、1000μmを超えると、画像形成層の透明
性を阻害したり、十分な着色力を得られなかったりす
る。
【0032】単分散な有機顔料及び/又はカーボンブラ
ックを得る手段としては、それら粒子を含む塗布液の分
散法を選択すると共にその分散時間を調整すること等が
挙げられる。
【0033】また、本発明では、前記各熱転写シートの
画像形成層の光学濃度(OD)と層厚の比OD/層厚
(μm単位)(以下、OD/Tとも記す)を1.50以
上に制御することができ、十分な転写濃度を有し、かつ
高解像力の画像を得られる点で好ましい。OD/Tは
1.80以上がより好ましく、2.50以上が更に好ま
しい。OD/Tを上記範囲とすることにより転写濃度が
高くかつ解像度の良好な画像を得ることができる。ま
た、画像形成層をより薄膜とすることにができ、色再現
性を向上させることができる。光学濃度とは、熱転写シ
ートから受像シートに転写された画像を更に特菱アート
紙に本紙転写したものを、濃度計(X−rite93
8、X−rite社製)にてイエロー(Y)、マゼンタ
(M)、シアン(C)またはブラック(K)等の各色の
色モードにて測定されて得られるものを言う。
【0034】また、本発明では、各熱転写シートの画像
形成層および受像シートの受像層の水に対する接触角を
7.0〜120.0°の範囲に制御することが、記録特
性の温湿度依存性が小さく、かつ転写感度を高くするこ
とができるという点で好ましい。該接触角は、さらには
30.0〜100.0°の範囲が好ましい。接触角が
7.0°以下の場合は記録時の温湿度の影響により記録
画像の安定性が低下し、接触角が120.0°以上の場
合は、転写感度が低くなる。各層表面の水に対する接触
角はコンタクトアングルメーター(ContactAn
gle Meter)CA−A型(協和界面科学(株)
製)を用いて測定した値である。また、各熱転写シート
の画像形成層のOD/Tが1.80以上であり、受像シ
ートの水に対する接触角が86°以下とするのが好まし
い。
【0035】さらに、本発明では、各熱転写シートの光
熱変換層の光学濃度(ODLH)と層厚(μm)の比OD
LH/層厚が好ましくは4.36以上であり、これにより
レーザーの光を効率よく熱に変換し、転写感度の高い多
色画像形成材料を得る事ができる。
【0036】本発明の多色画像形成方法の特徴は、上記
本発明の多色画像形成材料を用いて、レーザー光照射領
域の画像形成層が薄膜状態で受像シートに転写すること
である。本発明は、我々が開発した薄膜転写方式によっ
て転写画像のにじみがない優れた解像度の多色画像形成
材料が得られ、この薄膜転写方式は従来のレーザー昇
華方式、レーザーアブレーション方式、レーザー溶
融方式等のシステムよりも優れた方法であるが、本発明
の多色画像形成材料は当然の如く、なんらその方法に限
定されるものではない。と同時に我々が開発したシステ
ムに織り込まれた種々の技術は、上記従来の各システム
にも適用し、改良できる技術も多く、高解像度の多色画
像形成材料や多色画像形成方法を得ることに寄与できる
ものである。
【0037】次に、本発明の内容を含め、我々が開発し
たシステムの全体について以下に説明する。本発明のシ
ステムでは薄膜熱転写方式を発明、採用したことによっ
て高解像度、高画質化を達成した。本発明のシステムで
は解像度が2400dpi以上、好ましくは2600d
pi以上の転写画像を得ることの出来るシステムであ
る。薄膜熱転写方式とは層厚が0.01〜0.9μmの
薄膜の画像形成層を部分的に溶融しない状態またはほと
んど溶融しない状態で受像シートに転写する方式であ
る。即ち記録された部分が薄膜として転写するため、極
めて解像度の高い熱転写方式を開発したものである。薄
膜熱転写を効率的に行う好ましい方法は、光記録によっ
て光熱変換層内部をドーム状に変形させ、画像形成層を
押し上げ、画像形成層と受像層との密着力を高め、転写
しやすくすることである。この変形が大きいと画像形成
層を受像層に押しつける力が大きいので転写しやすくな
り、一方、変形が小さいと画像形成層を受像層に押しつ
ける力が小さいので十分な転写が出来ない部分が出てく
る。そこで薄膜転写に好ましい変形はレーザー顕微鏡
(VK8500、キーエンス社製)により観察したもの
で、この変形の大きさは光熱変換層の記録部の光記録後
の増加した断面積(a)と光熱変換層の記録部の光記録
前の断面積(b)を加えた値を光熱変換層の記録部の光
記録前の断面積(b)で除した値に100を乗じて計算
される変形率で評価できる。即ち変形率={(a+b)
/(b)}×100である。変形率は110%以上、好
ましくは125%以上、更に好ましくは150%以上で
ある。破断伸びを大きくすれば変形率は250%より大
きくても良いが、通常は250%程度に押さえることが
好ましい。
【0038】薄膜転写における画像形成材料の技術ポイ
ントは以下の通りである。 1.高熱応答性と保存性の両立 高画質を達成するためにはサブミクロンオーダーの薄膜
の転写が必要であるが所望の濃度を出すためには、高濃
度に顔料を分散した層を作る必要があり、熱応答性とは
相反する。また、熱応答性は保存性(接着)とも相反す
る関係にある。これらの相反関係を新規なポリマー・添
加剤の開発により解決した。 2.高い真空密着性の確保 高解像度を追求した薄膜転写では転写界面は平滑な方が
好ましいが、それでは十分な真空密着性が得られない。
これまでの真空密着性付与の常識にとらわれず、比較的
粒径の小さなマット剤を多めに、画像形成層の下の層に
入れることで、熱転写シートと受像シート間に適度なギ
ャップを均一に保ち、マット剤による画像の抜けが無
く、薄膜転写の特徴を確保したまま、真空密着性を付与
させた。 3.耐熱性有機素材の使用 レ−ザ−記録時にレーザー光を熱に変換する光熱変換層
は約700℃に、顔料色材を含む画像形成層は約500
℃にも達する。光熱変換層の素材として有機溶剤塗布可
能な変性ポリイミドを開発すると共に、顔料色材として
印刷用顔料よりも耐熱性が高く、安全で色相のあった、
顔料を開発した。 4.表面清浄性の確保 薄膜転写では熱転写シートと受像シート間のごみは画像
欠陥となり、重大な問題である。機器外部からの進入・
材料カッテイングでの発生などがあり、材料管理だけで
は不十分であり、機器にごみを除去する機構を付ける必
要があったが、転写材料表面をクリーニングできる適度
な粘着性を維持できる素材を見出し、搬送ローラー材質
を変更することにより生産性を低下することなく、ごみ
の除去を実現した。
【0039】以下、本発明のシステムの全体について詳
述する。本発明はシャープな網点による熱転写画像を実
現し、かつ本紙転写及びB2サイズ以上の記録(515
mm×728mm以上)ができることが好ましい。更に
好ましくは、B2サイズは543mm×765mmであ
り、これ以上の大きさ(好ましくは594mm×841
mm以上)に記録が可能であるシステムである。本発明
が開発したシステムの性能の特長の一つはシャープなド
ット形状が得られるということである。このシステムで
得られた熱転写画像は2400dpi以上、更に好まし
くは2600dpi以上の解像度で印刷線数に応じた網
点画像とすることができる。1つ1つの網点はにじみ・
欠けがほとんどなく形状が非常にシャープであるため、
ハイライトからシャドーまでの高範囲の網点をクリアー
に形成することができる。その結果、イメージセッター
やCTPセッターと同じ解像度で高品位な網点出力が可
能であり、印刷物近似性の良い網点と階調を再現するこ
とができる。
【0040】また、本発明が開発したシステムの性能の
特長の二つ目は繰り返し再現性が良好であるということ
である。この熱転写画像は、網点形状がシャープである
ためレーザービームに対応した網点を忠実に再現でき、
また記録特性の環境温湿度依存性が非常に小さいため、
幅広い温湿度環境下で色相・濃度とも安定した繰り返し
再現性を得ることができる。更に本発明が開発したシス
テムの性能の特長の三つ目は色再現が良好であるという
ことである。このシステムで得られた熱転写画像は、印
刷インクに使用されている着色顔料を用いて形成されて
おり、また繰り返し再現性が良好なため高精度のCMS
(カラーマネージメントシステム)を実現できる。ま
た、この熱転写画像は、Japanカラー、SWOPカ
ラーなどの色相、即ち、印刷物の色相とほぼ一致させる
ことができ、蛍光灯や白熱灯など光源が変わったときの
色の見え方についても印刷物と同様の変化を示すことが
できる。
【0041】また、本発明が開発したシステムの性能の
特長の四つ目は文字品質が良好であるということであ
る。このシステムで得られた熱転写画像は、ドット形状
がシャープなので、微細文字の細線がきれよく再現でき
る。次に本発明のシステムの材料技術の特徴について更
に詳述する。DDCP用熱転写方式として、昇華方
式、アブレーション方式、熱溶融方式のものがあ
る。、の方式は色材が昇華もしくは飛散する方式で
あるため網点の輪郭がぼやけてしまう。一方の方式も
溶融物が流動するのでクリアーな輪郭が出ない。我々は
薄膜転写技術を基本に、レーザー熱転写系での新たな問
題点をクリアーし、さらに高画質のものにするため、下
記に述べる技術を盛り込んだ。材料技術の特徴の第1は
ドット形状のシャープ化である。レーザー光を光熱変換
層で熱に変換し、隣接する画像形成層に伝え、画像形成
層が受像層に接着することにより画像記録を行う。ドッ
ト形状をシャープにするためにはレーザー光により発生
した熱が、面方向に拡散せずに転写界面まで伝えられ、
加熱部/非加熱部の境界面で画像形成層がシャープに破
断する。このために、熱転写シートにおける光熱変換層
の薄膜化と画像形成層の力学特性を制御する。
【0042】ドット形状のシャープ化の技術1は光熱変
換層の薄膜化である。シミュレーションでは、光熱変換
層は瞬間的に約700℃に達すると推定され、膜が薄い
と変形や破壊がおこりやすい。変形・破壊が起こると光
熱変換層が画像形成層とともに受像シートに転写した
り、転写像が不均一になるという実害を生じる。一方、
所定の温度を得るには膜中に光熱変換物質を高濃度に存
在させねばならず、色素の析出や隣接層への移行といっ
た問題も発生する。光熱変換物質としては従来カーボン
が使用されることが多かったが、本材料ではカーボンに
比べ使用量が少なくてすむ赤外吸収色素を用いた。バイ
ンダーは高温でも十分な力学強度を持ち、さらに赤外吸
収色素の保持性のよいポリイミド系化合物を導入した。
このように、光熱変換特性の優れた赤外吸収色素及びポ
リイミド系などの耐熱性バインダーを選定することによ
り、光熱変換層を約0.5μm以下に薄膜化することが
好ましい。
【0043】また、ドット形状のシャープ化の技術2は
画像形成層の特性の改良である。光熱変換層の変形が起
こったり、または画像形成層そのものが高熱により変形
すると、受像層に転写した画像形成層はレーザー光の副
走査パターンに対応した厚みムラを生じ、そのため画像
が不均一になり見かけの転写濃度が低下する。この傾向
は画像形成層の厚みが薄いほど顕著である。一方、画像
形成層の厚みが厚いとドットのシャープさが損なわれか
つ感度も低下する。この相反する性能を両立させるため
に、ワックス等の低融点物質を画像形成層に添加するこ
とより転写ムラを改良することが好ましい。また、バイ
ンダーの代わりに無機微粒子を添加することにより層厚
を適正に上げることで、加熱部/非加熱部の界面で画像
形成層がシャープに破断するようにし、ドットのシャー
プさ・感度を保ちつつ転写ムラを改良することができ
る。
【0044】また、一般にワックス等の低融点物質は、
画像形成層表面に滲み出たり、結晶化する傾向があり、
画質や熱転写シートの経時安定性に問題を生じる場合が
ある。この問題に対処するためには、画像形成層のポリ
マーとのSp値差が小さい低融点物質を使用することが
好ましく、ポリマーとの相溶性を上げ、低融点物質の画
像形成層からの分離を防止することができる。また、構
造の異なる数種類の低融点物質を混合することで共融化
させ結晶化を防止することも好ましい。その結果、ドッ
ト形状がシャープでかつむらの少ない画像が得られる。
また、材料技術の特徴の第2は記録感度に温湿度依存性
があるということを見出した点である。一般に、熱転写
シートの塗布層が吸湿することで層の力学物性と熱物性
が変化し、記録環境の湿度依存性が生じる。この温湿度
依存性を少なくするためは、光熱変換層の色素/バイン
ダー系、および画像形成層のバインダー系を有機溶剤系
にすることが好ましい。また、受像層のバインダーとし
てポリビニルブチラールを選択すると共にその吸水性を
小さくするためにポリマー疎水化技術を導入することが
好ましい。ポリマー疎水化技術としては、特開平8−2
38858号公報に記載のようにヒドロキシル基を疎水
基と反応させたり、2つ以上のヒドロキシル基を硬膜剤
で架橋するなどが挙げられる。
【0045】材料技術の特徴の第3は色相の印刷物近似
性を改良した点である。サーマルヘッド方式のカラープ
ルーフ(例えば、富士写真フイルム社製FirstPr
oof)での顔料の色マッチング、安定分散技術に加
え、レ−ザ−熱転写システムで新たに生ずる下記の問題
点をクリヤ−した。即ち色相の印刷物近似性改良の技術
1は高耐熱性顔料を使用した点である。通常、レーザー
露光による印画時に画像形成層にも約500℃以上の熱
がかかり、従来使用していた顔料では熱分解してしまう
ものがあったが、耐熱性の高い顔料を画像形成層に採用
することによりこれを防止することができる。そして、
色相の印刷物近似性改良の技術2は赤外吸収色素の拡散
防止である。印画時の高熱により、赤外吸収色素が光熱
変換層から画像形成層に移行すると、色相が変化してし
まうのを防止するために、前述したように保持力の強い
赤外吸収色素/バインダーの組み合わせで光熱変換層を
設計することが好ましい。材料技術の特徴の第4は高感
度化である。一般に、高速印画ではエネルギー不足とな
り特にレーザー副走査の間隔に対応する隙間が発生す
る。前述したように光熱変換層の色素高濃度化および光
熱変換層・画像形成層の薄膜化は、熱の発生/伝達の効
率を上げることができる。さらに、加熱時に画像形成層
がわずかに流動し隙間を埋める効果と受像層との接着性
をあげる目的で、画像形成層へ低融点物質を添加するこ
とが好ましい。また、受像層と画像形成層との接着性を
上げ、転写した画像の強度を十分持たせるために、受像
層のバインダーとして例えば、画像形成層と同じポリビ
ニルブチラールを採用することが好ましい。
【0046】材料技術の特徴の第5は真空密着性の改良
である。受像シートと熱転写シートは、真空密着により
ドラム上に保持されることが好ましい。この真空密着は
両シートの接着力制御により画像を形成しているため受
像シートの受像層面と転写シートの画像形成層面のクリ
アランスに画像転写挙動が非常に敏感なので重要であ
る。ゴミ等異物のきっかけで材料間のクリアランスが広
がってしまうと画像欠陥や画像転写ムラが生じてしま
う。このような画像欠陥や画像転写ムラを防止するに
は、熱転写シートに均一な凹凸をつけることで、エアー
のとおりをよくし均一なクリアランスを得ることが好ま
しい。
【0047】真空密着性改良の技術1は熱転写シートと
の表面凹凸化である。2色以上の重ね印画でも真空密着
性の効果を十分に出せるように、凹凸は熱転写シートに
つけた。熱転写シートに凹凸をつける方法としては、一
般にエンボス処理等の後処理、塗布層へのマット剤添加
があるが、製造工程簡略化、材料の経時安定化のために
マット剤添加が好ましい。マット剤は塗布層厚みより大
きいものが必要であり、マット剤を画像形成層に添加す
るとマット剤の存在する部分の画像が欠落するという問
題が発生するので、最適な粒径のマット剤を光熱変換層
に添加することが好ましく、これにより画像形成層その
ものはほぼ均一な厚みとなり、欠陥のない画像を受像シ
ート上に得ることができる。
【0048】次に本発明のシステムのシステム化技術の
特徴について述べる。システム化技術の特徴1は記録装
置の構成である。これまで述べたようなシャープなドッ
トを確実に再現するため、記録装置側も高精度な設計が
要求される。従来のレーザー熱転写用記録装置と基本的
構成は同様である。この構成はハイパワーの複数のレー
ザーを備えた記録ヘッドが、ドラム上に固定された熱転
写シートと受像シートにレーザーを照射して記録する、
いわゆるヒートモードのアウタードラム記録システムで
ある。その中で、以下の態様が好ましい構成である。記
録装置の構成1はごみの混入を避けることである。受像
シート及び熱転写シートの供給は、全自動ロール供給と
する。少数枚のシート供給では人体から発生するごみの
混入が多いので、ロール供給を採用した。熱転写シート
は4色各1ロールずつあるため、ローディングユニット
が回転して各色のロールを切り替えるようにしている。
各フィルムはローディング中にカッターで所定長に切断
された後、ドラムに固定される。記録装置の構成2は記
録ドラム上の受像シ−トと熱転写シートとの密着を強く
することである。受像シート及び熱転写シートの記録ド
ラムへの固定は真空吸着とする。メカ固定では受像シー
ト及び熱転写シート間の密着力を強くできないため、真
空吸着を採用した。記録ドラム上には多数の真空吸着孔
を形成し、ドラム内部をブロアや減圧ポンプなどにより
減圧にすることによりシートがドラムに吸着される。受
像シートが吸着されている上から熱転写シートがさらに
吸着されるために、熱転写シートのサイズを受像シート
より大きくする。最も記録性能に影響の大きい熱転写シ
ートと受像シートの間のエアーは、受像シートの外の熱
転写シートだけのエリアから吸引される。
【0049】記録装置の構成3は排出台上に複数枚安定
に集積することである。本装置では、B2サイズ以上の
大面積のシートを何枚も排出台上に重ねて集積できるも
のとする。熱接着性を持つ、既に集積されたフィルムA
の受像層の上に次のシートBを排出すると、両者が貼り
ついてしまうことがある。貼りつくと次のシートがきち
んと排出されずにジャムが発生するので問題である。貼
りつき防止にはフィルムAとBの接触を防止することが
最善である。接触防止策としてはいくつかの方法が知ら
れている。(a)排出台に段差を設けフィルム形状を平
坦でなくすことによりフィルム間にすきまをつくる方
法、(b)排出口を排出台よりも高い位置にして排出フ
ィルムを上から落とす構造にする方法、(c)エアーを
両フィルムの間に噴出して後から排出されるフィルムを
浮き上がらせる方法、などがある。このシステムではシ
ートサイズがB2と非常に大きいため、(a)、(b)
の方法では構造が非常に大きくなってしまうので、
(c)のエアー噴出法を採用した。そのためにエアーを
両シートの間に噴出して後から排出されるシートを浮き
上がらせる方法を採用するものとする。
【0050】本装置の構成例を図2に示す。以上のよう
な本装置に画像形成材料を適用してフルカラーの画像を
形成するシーケンス(以上、本システムの画像形成シー
ケンスという)を説明する。 1)記録装置1の記録ヘッド2の副走査軸が副走査レー
ル3により、また記録ドラム4の主走査回転軸並びに熱
転写シートローディングユニット5が原点に復帰する。 2)受像シートロール6が搬送ローラ7によってほどか
れて記録ドラム4上に受像シート先端が記録ドラムに設
けられた吸引孔を介して真空吸引されて固定される。 3)記録ドラム4上にスクイーズローラー8が降りてき
て、受像シートを抑えつけながら、ドラムの回転により
受像シートがさらに規定量搬送されたところで停止しカ
ッター9によって規定長に切断される。 4)更に記録ドラム4が1周して受像シートのローディ
ングが終了する。 5)次に受像シートと同様のシーケンスで、1色目―黒
―の熱転写シートKが熱転写シートロール10Kから繰
り出され、切断されてローディングされる。 6)次に記録ドラム4が高速回転を始め、副走査レール
3上の記録ヘッド2が動き始め、記録開始位置に到達し
たところで記録画像信号に従って記録ヘッド2により記
録レーザーが記録ドラム4上に照射される。記録終了位
置で照射を終了し、副走査レール動作、ドラム回転が停
止する。副走査レール上の記録ヘッドを原点に戻す。
【0051】7)記録ドラム上に受像シートを残したま
ま、熱転写シートKだけを剥がしとる。そのため、熱転
写シートKの先端を爪でひっかけて排出方向に引っ張り
出して、廃棄口32から廃棄箱35へ廃棄する。 8)5)〜7)を残りの3色分繰り返す。記録順序は黒
の次は、シアン、マゼンタ、イエローの順序である。即
ち、2色目―シアン―の熱転写シートCが熱転写シート
ロール10Cから、3色目―マゼンタ―の熱転写シート
Mが熱転写シートロール10Mから、4色目―イエロー
―の熱転写シートYが熱転写シートロール10Yから順
次繰り出される。一般の印刷順序とは逆であるが、これ
は後の工程の本紙転写によって本紙上の色順序が逆にな
るからである。 9)4色が完了すると、最後に記録済みの受像シートを
排出台31まで排出する。ドラムから剥がしとる方法は
7)の熱転写シートと同じであるが、熱転写シートと違
い廃棄しないので、廃棄口32まで進んだところでスイ
ッチバックによって排出台に戻す。排出台に排出される
際には、排出口33の下からエアー34を噴出して複数
枚の集積を可能にしている。
【0052】上記熱転写シートロール及び受像シートロ
ールの供給部位又は搬送部位の何れかの搬送ローラ7
に、表面に粘着材料が配設された粘着ローラーを用いる
ことが好ましい。
【0053】粘着ローラーを設けることにより、熱転写
シート及び受像シートの表面をクリーニングすることが
できる。
【0054】粘着ローラーの表面に配設される粘着材料
としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
エチルアクリレート共重合体、ポリオレフィン樹脂、ポ
リブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体(S
BR)、スチレン−エチレン−ブテン−スチレン共重合
体(SEBS)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体(NBR)、ポリイソプレン樹脂(IR)、スチレン
−イソプレン共重合体(SIS)、アクリル酸エステル
共重合体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アク
リル樹脂、ブチルゴム、ポリノルボルネン等が挙げられ
る。
【0055】粘着ローラーは熱転写シート及び受像シー
トの表面と接触することにより、その表面をクリーニン
グすることができ、接触圧は接触していれば格別限定さ
れない。粘着ローラーに使用する粘着性を有する素材の
ビッカース硬さHvは50kg/mm2(≒490MP
a)以下であることが、異物であるゴミを十分に取り除
き、画像欠陥を抑制可能であることから好ましい。ビッ
カース硬さというのは、対面角が136度の正四角錐形
のダイヤモンド圧子に静荷重をかけて硬さを測定した硬
さであり、ビッカース硬さHvは以下の式で求められ
る。
【0056】硬さHv=1.854P/d2(kg/m
2)≒18.1692P/d2(MPa) ここでP:荷重の大きさ(Kg)、d:くぼみの正方形
の対角線長さ(mm)。
【0057】また本発明においては、上記の粘着ローラ
ーに使用する粘着性を有する素材の20℃における弾性
率が200kg/cm2(≒19.6MPa)以下であ
ることが、上記と同様に異物であるゴミを十分に取り除
き、画像欠陥を抑制可能であることから好ましい。
【0058】システム化技術の特徴2は熱転写装置の構
成である。記録装置で画像を印刷された受像シートを、
印刷本紙(「本紙」と呼ぶ)に転写する工程を行うた
め、熱熱転写装置を使用する。この工程はFirst
ProofTMと全く同じである。受像シートと本紙を重
ねて熱と圧力をかけると両者が接着し、その後本紙から
受像フィルムを引き剥がすと、画像と接着層だけが本紙
上に残り、受像シート支持体とクッション層ははがれ
る。従って実用上は画像が受像シートから本紙に転写さ
れることになる。First ProofTMでは、アル
ミニウム製のガイド板の上に本紙と受像シートを重ねて
ヒートローラの間を通すことによって転写している。ア
ルミニウムガイド板を使用するのは本紙の変形を防ぐた
めである。しかし、これをB2サイズの本システムに採
用すると、B2より大きなアルミニウムガイド板が必要
となり、装置の設置スペースが大きくなるという問題が
発生する。そこで本システムではアルミニウムガイド板
を使用しないで、更に搬送パスが180度回転して挿入
側に排出されるような構造を採用したので、設置スペー
スは非常にコンパクトになった(図3)。しかしアルミ
ニウムガイド板を使用しないために、本紙が変形すると
いう問題が発生した。具体的には排出された本紙と受像
シートの対が受像シートを内側にしてカールしてしま
い、排出台の上で転がってしまう。この丸まった本紙か
ら受像シートを引き剥がすのは作業として非常に困難で
ある。そこで、丸まりを防止する方法を考え、本紙と受
像シートによる収縮量の差によるバイメタル効果と、熱
ローラに巻きつかせる構造によるアイロン効果である。
従来のように受像シートを本紙の上に重ねて挿入する場
合には、挿入進行方向に対しての受像シートの熱収縮が
本紙の熱収縮より大きいために、バイメタル効果による
カールは上が内側となり、アイロン効果の方向と同じな
ので相乗効果によりカールがひどくなる。ところが受像
シートを本紙の下側になるように挿入すれば、バイメタ
ル効果のカールは下向き、アイロン効果のカールは上向
きとなるために、カールは相殺され問題なくなった。
【0059】本紙転写のシーケンスは、以下である(以
下、本システムで用いる本紙転写方法という)。この方
法に用いる図3に示す熱転写装置41は、記録装置と違
い手作業の装置である。 1)まず、本紙42の種類に応じて、ヒートローラ43
温度(100〜110℃)と転写時搬送速度をダイヤル
(不図示)で設定する。 2)次に挿入台の上に受像シート20を画像を上にして
置き、画像上のほこりを除電ブラシ(不図示)で除去す
る。その上にほこりを除去した本紙42を重ねる。その
際、下に置く受像フィルム20より上に置く本紙42の
サイズの方が大きいので、受像シート20の位置が見え
なくなって位置あわせがやりにくい。この作業性を改善
するために挿入台44上に受像シート・本紙それぞれの
載置位置を示すマーク45をつけてある。本紙の方が大
きい理由は、受像シート20が本紙42からずれてはみ
出してヒートローラ43を受像シート20の受像層で汚
してしまうことを防止するためである。
【0060】3)受像シート・本紙を重ねたまま挿入口
に押し込むと、挿入ローラ46が回転して両者をヒート
ローラ43に向かって送り出す。 4)本紙先端がヒートローラ43の位置まで来たところ
で、ヒートローラがニップされ転写を開始する。ヒート
ローラは耐熱のシリコンゴムローラである。ここで圧力
と熱が同時にかけられることによって、受像シートと本
紙は接着される。ヒートローラ下流には耐熱シートでで
きたガイド47が設置されていて、受像シート・本紙対
は上側ヒートローラとガイド47の間を、熱をかけたま
ま上方に搬送され、剥離爪48の位置でヒートローラか
ら引き剥がされてガイド板49に沿って排出口50まで
導かれる。 5)排出口50から出てきた受像シート・本紙対は接着
されたまま、挿入台の上に排出される。後は手作業で本
紙42から受像シート20を引き剥がす。システム化技
術の特徴2はシステムの構成である。以上の装置を、製
版システム上に接続することによって、カラープルーフ
としての機能を発揮できることになる。システムとして
は、ある製版データから出力される印刷物と限りなく近
い画質のプリント物が、プルーフから出力される必要が
ある。そこで、色や網点を印刷物と近づけるためのソフ
トウェアが必要である。具体的接続例を紹介する。
【0061】富士写真フイルム社製CelebraTM
いう製版システムからの印刷物のプルーフをとる場合、
システム接続としては以下のようになる。Celebr
aにCTP(Computer To Plate)シ
ステムを接続する。これで出力した印刷版を印刷機にか
けることによって最終印刷物が得られる。Celebr
aにカラープルーフとして上記記録装置である富士写真
フイルム社製Luxel FINALPROOF 56
00(以下、FINALPROOFとも記す)を接続す
るが、その間に色や網点を印刷物に近づけるためのプル
−フドライブソフトウェアとして富士写真フイルム社製
PDシステムTMを接続する。Celebraでラスター
データに変換されたコントーン(連続調)データは、網
点用の2値データに変換されてCTPシステムに出力さ
れ、最終的に印刷される。一方同じコントーンデータは
PDシステムにも出力される。PDシステムは受け取っ
たデータを4次元(黒、シアン、マゼンタ、イエロー)
のテーブルによって前記印刷物に色が一致するように変
換する。そして最後に前記印刷物の網点と一致するよう
に網点用の2値データに変換し、FINALPROOF
に出力する(図4)。前記4次元テーブルは予め実験的
に作製しておき、システム内に保存してある。作製のた
めの実験とは次のようなものである。重要色データを、
CTPシステム経由で印刷した画像と、PDシステム経
由でFINALPROOFに出力した画像を用意し、そ
の測色値を比較してその差が最小になるようにテーブル
を作製する。
【0062】以上のように、本発明は解像力の高い材料
の能力を十分に発揮できるようなシステム構成を実現で
きた。次に本発明のシステムに用いる材料である熱転写
シートについて説明する。熱転写シートの画像形成層表
面の表面粗さRzとその裏面層表面の表面粗さRzの差
の絶対値が3.0以下であり、受像シートの受像層表面
の表面粗さRzとその裏面層表面の表面粗さRzの差の
絶対値が3.0以下であることが好ましい。このような
構成により、上記のクリーニング手段と相俟って画像欠
陥を防止でき、搬送ジャムをなくし、更にドットゲイン
安定性を向上させることができる。
【0063】本明細書で、表面粗さRzというのは、J
ISのRz(最大高さ)に相当する十点平均面粗さのこ
とをいい、粗さの曲面から基準面積分だけ抜き取った部
分の平均面を基準面として、最高から5番目までの山の
標高の平均値と最深から5番目までの谷底の深さの平均
値との距離を入力換算したものである。測定には東京精
密(株)製の触針式の3次元粗さ計(サーフコム570
A−3DF)を用いる。測定方向は縦方向とし、カット
オフ値は0.08mm、測定面積は0.6mm×0.4
mm、送りピッチは0.005mm、測定スピードは
0.12mm/sである。
【0064】上記の熱転写シートの画像形成層表面の表
面粗さRzとその裏面層表面の表面粗さRzの差の絶対
値は1.0以下であり、また受像シートの受像層表面の
表面粗さRzとその裏面層表面の表面粗さRzの差の絶
対値が1.0以下であることが上記の効果をさらに向上
させる観点から好ましい。
【0065】更に、別の態様としては、熱転写シートの
画像形成層表面とその裏面層表面の表面粗さ及び又は受
像シートの表裏面の表面粗さRzが2〜30μmである
ことが好ましい。このような構成によって、上記のクリ
ーニング手段と相俟って画像欠陥を防止でき、搬送ジャ
ムをなくし、更にドットゲイン安定性を向上させる。
【0066】また熱転写シートの画像形成層の光沢度は
80〜99であることも好ましい。
【0067】光沢度は、画像形成層表面の平滑性に大き
く依存し、画像形成層層厚の均一性を左右し得る。光沢
度が高い方が画像形成層として均一で高精細画像への用
途により適しているが、平滑性が高いと搬送時の抵抗は
より大きくなり、両者がトレード・オフの関係である。
光沢度が80〜99の範囲であると、両者の両立が可能
でバランスが取れる。
【0068】次に、レーザーを用いた薄膜熱転写による
多色画像形成の機構の概略を図1を用いて説明する。熱
転写シート10のブラック(K)、シアン(C)、マゼ
ンタ(M)またはイエロー(Y)の顔料を含む画像形成
層16の表面に、受像シート20を積層した画像形成用
積層体30を用意する。熱転写シート10は、支持体1
2と、その上に、光熱変換層14、及び更にその上に、
画像形成層16を有し、受像シート20は、支持体22
と、その上に、受像層24を有し、熱転写シート10の
画像形成層16の表面には、受像層24が接触するよう
に積層される(図1(a))。その積層体30の熱転写
シート10の支持体12側から、レーザー光を画像様に
時系列的に照射すると、熱転写シート10の光熱変換層
14のレーザー光被照射領域が発熱し、画像形成層16
との密着力が低下する(図1(b))。その後、受像シ
ート20と熱転写シート10とを剥離すると、画像形成
層16のレーザー光被照射領域16’が、受像シート2
0の受像層24上に転写される(図1(c))。
【0069】多色画像形成においては、光照射に用いら
れるレーザー光は、マルチビーム光であることが好まし
く、特にマルチビーム2次元配列であることが好まし
い。マルチビーム2次元配列とは、レーザー照射によっ
て記録する際に、複数個のレーザービームを使用し、こ
れらのレーザービームのスポット配列が、主走査方向に
沿って複数列、副走査方向に沿って複数行からなる2次
元平面配列をしていることをいう。マルチビーム2次元
配列であるレーザー光を使用することにより、レーザー
記録に要する時間を短縮することができる。
【0070】使用されるレーザー光は、特に制限なく使
用することができ、アルゴンイオンレーザー光、ヘリウ
ムネオンレーザー光、ヘリウムカドミウムレーザー光等
のガスレーザー光、YAGレーザー光等の固体レーザー
光、半導体レーザー光、色素レーザー光、エキシマレー
ザ光等の直接的なレーザー光が利用される。あるいは、
これらのレーザー光を二次高調波素子を通して、半分の
波長に変換した光等も用いることができる。多色画像形
成方法においては、出力パワーや変調のし易さ等を考慮
すると、半導体レーザー光を用いることが好ましい。多
色画像形成方法では、レーザー光は、光熱変換層上での
ビーム径が10〜30μmの範囲となるような条件で照
射することが好ましく、また走査速度は1〜20m/秒
以上とすることが好ましい。
【0071】また、多色画像形成は、ブラックの熱転写
シートにおける画像形成層の層厚が、イエロー、マゼン
タ、及びシアンの各熱転写シートにおける画像形成層の
層厚より大きく、かつ、0.5〜0.7μmであること
が好ましい。このようにすることにより、ブラックの熱
転写シートをレーザー照射した際に、転写ムラによる濃
度の低下を抑えることができる。前記ブラックの熱転写
シートにおける画像形成層の層厚が0.5μm以上にす
ることで、高エネルギーで記録した際に、転写ムラがな
く画像濃度が維持され、印刷のプルーフとして必要な画
像濃度を達成することができる。この傾向は、高湿条件
下でより顕著となるため、環境による濃度変化を抑える
ことができる。一方、前記層厚を0.7μm以下にする
ことで、レーザー記録時に転写感度が維持でき、小点の
付きや、細線も改良される。この傾向は、低湿条件下で
より顕著である。また、解像力も良化できる。前記ブラ
ックの熱転写シートにおける画像形成層の層厚は、より
好ましくは0.55〜0.65μmであり、特に好まし
くは0.60μmである。
【0072】更に、前記ブラックの熱転写シートにおけ
る画像形成層の層厚が、0.5〜0.7μmであり、前
記イエロー、マゼンタ、及びシアンの各熱転写シートに
おける画像形成層の層厚が、0.2μm以上0.5μm
未満であることが好ましい。前記イエロー、マゼンタ、
及びシアンの各熱転写シートにおける画像形成層の層厚
を0.2μm以上にすることで、レーザー記録時に転写
ムラがなく濃度維持が図られ、一方、0.5μm以下に
することで、転写感度や解像力が改良できる。より好ま
しくは、0.3〜0.45μmである。
【0073】前記ブラックの熱転写シートにおける画像
形成層は、カーボンブラックを含有することが好まし
く、該カーボンブラックは、着色力の異なる少なくとも
2種類のカーボンブラックからなることが、P/B(ピ
グメント/バインダー)比を一定の範囲にしつつ、反射
濃度を調節することができるため好ましい。カーボンブ
ラックの着色力は、種々の方法によって表されるが、例
えば、特開平10−140033号公報に記載のPVC
黒度等が挙げられる。PVC黒度とは、カーボンブラッ
クをPVC樹脂に添加、2本ロールにより分散、シート
化し、三菱化学(株)カーボンブラック「#40」、
「#45」の黒度を各々1点、10点と基準値を定め、
試料の黒度を視感判定により評価したものである。PV
C黒度の異なる2種以上のカーボンブラックを、目的に
応じて適宜選択して使用することができる。
【0074】以下に、具体的なサンプル作製方法を述べ
る。 <サンプル作製方法>250ccバンバリーミキサーに
てLDPE(低密度ポリエチレン)樹脂に試料カーボン
ブラックを40質量%配合し、115℃、4分混練りす
る。 配合条件 LDPE樹脂 101.89g ステアリン酸カルシウム 1.39g イルガノックス1010 0.87g 試料カーボンブラック 69.43g 次に、120℃で、2本ロールミルにてカーボンブラッ
ク濃度が1質量%になるように希釈する。
【0075】希釈コンパウンド作製条件 LDPE樹脂 58.3g ステアリン酸カルシウム 0.2g カーボンブラック40質量%配合樹脂 1.5g スリット幅0.3mmでシート化し、このシートをチッ
プに切断、240℃のホットプレート上で65±3μm
のフィルムに成形する。
【0076】多色画像を形成する方法としては、前述し
たように前記熱転写シートを用いて、同一の受像シート
上に多数の画像層(画像が形成された画像形成層)を繰
返し重ね合せて多色画像を形成してもよく、複数の受像
シートの受像層上に一旦画像を形成した後、印刷本紙等
へ再転写することにより、多色画像を形成してもよい。
後者については、例えば、相互に異なる色相を有する色
材を含む画像形成層を有する熱転写シートを用意し、こ
れと、受像シートとを組み合わせた画像形成用積層体を
独立に四種(四色:シアン、マゼンタ、イエロー、ブラ
ック)製造する。各々の積層体に、例えば、色分解フィ
ルタを介して、画像に基づくデジタル信号に従うレーザ
ー光照射を行い、それに続いて、熱転写シートと受像シ
ートとを剥離し、各受像シートに各色の色分解画像を独
立に形成する。次に、形成された各々の色分解画像を、
別に用意した印刷本紙等の実際の支持体、もしくはそれ
に近似した支持体上に順次積層させることにより、多色
の画像を形成することができる。
【0077】レーザー光照射を用いる熱転写シートは、
レーザービームを熱に変換しその熱エネルギーを利用し
て顔料を含む画像形成層を受像シートに薄膜転写方式に
より、受像シート上に画像を形成することが好ましいも
のであるが、それら熱転写シート及び受像シートからな
る画像形成材料の開発に用いた技術は、適宜、溶融型転
写方式、アブレーションによる転写方式、昇華型転写方
式等の熱転写シート及び/又は受像シートの開発に応用
し得るものであり、本発明のシステムはこれら方式に用
いる画像形成材料も包含し得る。
【0078】以下に、熱転写シート及び受像シートにつ
いて詳述する。 [熱転写シート]熱転写シートは、支持体上に、少なく
とも光熱変換層及び画像形成層を有し、更に必要に応じ
て、その他の層を有してなる。
【0079】(支持体)熱転写シートの支持体の材料に
は特に限定はなく、各種の支持体材料を目的に応じて用
いることができる。支持体は剛性を有し、寸法安定性が
良く、画像形成の際の熱に耐えるものが好ましい。支持
体材料の好ましい例としては、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリカー
ボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、ポリアミド(芳香族または脂肪族)、ポリイミド、
ポリアミドイミド、ポリスルホン等の合成樹脂材料を挙
げることができる。中でも、二軸延伸ポリエチレンテレ
フタレートが、機械的強度や熱に対する寸法安定性を考
慮すると好ましい。尚、レーザー記録を利用したカラー
プルーフの作製に用いる場合には、熱転写シートの支持
体はレーザー光を透過させる透明な合成樹脂材料から形
成するのが好ましい。支持体の厚みは25〜130μm
であることが好ましく、50〜120μmであることが
特に好ましい。画像形成層側の支持体の中心線平均表面
粗さRa(表面粗さ測定機(Surfcom,東京精機
(株)製)等を用いてJIS B0601に基づき測
定)は0.1μm未満であることが好ましい。
【0080】支持体の長手方向のヤング率は200〜1
200Kg/mm2(≒2〜12GPa)が好ましく、
幅方向のヤング率は250〜1600Kg/mm2(≒
2.5〜16GPa)であることが好ましい。支持体の
長手方向のF−5値は、好ましくは5〜50Kg/mm
2(≒49〜490MPa)、支持体幅方向のF−5値
は、好ましくは3〜30Kg/mm2 (≒29.4〜
294MPa)であり、支持体長手方向のF−5値が支
持体幅方向のF−5値より高いのが一般的であるが、特
に幅方向の強度を高くする必要があるときはその限りで
はない。また、支持体の長手方向および幅方向の100
℃30分での熱収縮率は好ましくは3%以下、さらに好
ましくは1.5%以下、80℃30分での熱収縮率は好
ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下であ
る。破断強度は両方向とも5〜100Kg/mm2
(≒49〜980MPa)、弾性率は100〜2000
Kg/mm2(≒0.98〜19.6GPa)が好まし
い。
【0081】熱転写シートの支持体には、その上に設け
られる光熱変換層との密着性を向上させるために、表面
活性化処理及び/又は一層又は二層以上の下塗層の付設
を行ってもよい。表面活性化処理の例としては、グロー
放電処理、コロナ放電処理等を挙げることができる。下
塗層の材料としては、支持体と光熱変換層の両表面に高
い接着性を示し、かつ熱伝導性が小さく、また耐熱性に
優れたものであることが好ましい。そのような下塗層の
材料の例としては、スチレン、スチレン−ブタジエン共
重合体、ゼラチン等を挙げることができる。下塗層全体
の厚さは通常0.01〜2μmである。また、熱転写シ
ートの光熱変換層付設側とは反対側の表面には、必要に
応じて、反射防止層や帯電防止層等の各種の機能層の付
設、あるいは表面処理を行うこともできる。
【0082】(バック層)本発明の熱転写シートの光熱
変換層付設側とは反対側の表面には、バック層を設ける
ことが好ましい。バック層は支持体に隣接する第1のバ
ック層とこの第1のバック層の支持体とは反対側に設け
られた第2のバック層との2層で構成されることが好ま
しい。本発明では、第1のバック層に含まれる帯電防止
剤の質量Aと第2のバック層に含まれる帯電防止剤の質
量Bとの比B/Aは0.3未満であることが好ましい。
B/Aが0.3以上であると滑り性及びバック層の粉落
ちが悪化する傾向がある。
【0083】第1のバック層の層厚Cは0.01〜1μ
mであることが好ましく、0.01〜0.2μmである
ことがさらに好ましい。また、第2のバック層の層厚D
は0.01〜1μmであることが好ましく、0.01〜
0.2μmであることがさらに好ましい。これら第1及
び第2のバック層の層厚の比C:Dは1:2〜5:1で
あることが好ましい。
【0084】第1及び第2のバック層に使用される帯電
防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルアミン、
グリセリン脂肪酸エステル等の非イオン系界面活性剤、
第4級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤、アル
キルホスフェート等のアニオン系界面活性剤、両性界面
活性剤、導電性樹脂等の化合物が使用できる。
【0085】また、導電性微粒子を帯電防止剤として用
いることもできる。このような導電性微粒子としては、
例えば、ZnO、TiO2 、SnO2 、Al23
In 23 、MgO、BaO、CoO、CuO、Cu2
O、CaO、SrO、BaO2、PbO、PbO2 、M
nO3 、MoO3 、SiO2 、ZrO2 、Ag
2O、Y23 、Bi23、Ti23 、Sb23 、S
25 、K2Ti613、NaCaP218、MgB25
等の酸化物;CuS、ZnS等の硫化物;SiC、Ti
C、ZrC、VC、NbC、MoC、WC等の炭化物;
Si34 、TiN、ZrN、VN、NbN、Cr2
等の窒化物;TiB2 、ZrB2、NbB2、TaB
2 、CrB、MoB、WB、LaB5 等の硼化物;T
iSi2 、ZrSi2 、NbSi2 、TaSi2
CrSi2 、MoSi2 、WSi2等の珪化物;Ba
CO3 、CaCO3 、SrCO3 、BaSO4 、C
aSO 4 等の金属塩;SiN4 −SiC、9Al23
−2B23 等の複合体が挙げられ、これら1種を単
独で又は2種以上を併用してもよい。これらのうち、S
nO2 、ZnO、Al23 、TiO2 、In2
3 、MgO、BaO及びMoO3が好ましく、SnO2
、ZnO、In23及びTiO2 がさらに好まし
く、SnO2 が特に好ましい。
【0086】なお、本発明の熱転写材料をレーザー熱転
写記録方式に用いる場合、バック層に用いる帯電防止剤
はレーザー光を透過できるように実質的に透明であるこ
とが好ましい。
【0087】導電性金属酸化物を帯電防止剤として使用
する場合には、その粒子径は光散乱をできるだけ小さく
するために小さい程好ましいが、粒子とバインダーの屈
折率の比をパラメータとして使用して決定されるべきも
のであり、ミー(Mie)の理論を用いて求めることが
できる。一般に平均粒子径が0.001〜0.5μmの
範囲であり、0.003〜0.2μmの範囲が好まし
い。ここでいう、平均粒子径とは、導電性金属酸化物の
一次粒子径だけでなく高次構造の粒子径も含んだ値であ
る。
【0088】第1及び第2のバック層には帯電防止剤の
他に、界面活性剤、滑り剤及びマット剤等の各種添加剤
やバインダーを添加することができる。第1のバック層
に含まれる帯電防止剤の量はバインダー100質量部に
対して10〜1000質量部が好ましく、200〜80
0質量部がさらに好ましい。また、第2のバック層に含
まれる帯電防止剤の量はバインダー100質量部に対し
て0〜300質量部が好ましく、0〜100質量部がさ
らに好ましい。
【0089】第1及び第2のバック層の形成に使用され
るバインダーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリ
ル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の
アクリル酸系モノマーの単独重合体及び共重合体、ニト
ロセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、
セルロースアセテートのようなセルロース系ポリマー、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビ
ニル系共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポ
リビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニ
ルアルコールのようなビニル系ポリマー及びビニル化合
物の共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミ
ドのような縮合系ポリマー、ブタジエン−スチレン共重
合体のようなゴム系熱可塑性ポリマー、エポキシ化合物
のような光重合性若しくは熱重合性化合物を重合、架橋
させたポリマー、メラミン化合物等を挙げることができ
る。
【0090】(光熱変換層)光熱変換層は、光熱変換物
質、バインダー、及び必要に応じてマット剤を含有し、
更に必要に応じて、その他の成分を含有する。光熱変換
物質は、照射される光エネルギーを熱エネルギーに変換
する機能を有する物質である。一般的には、レーザー光
を吸収することのできる色素(顔料を含む。以下、同様
である。)である。赤外線レーザーにより画像記録を行
う場合は、光熱変換物質としては、赤外線吸収色素を用
いるのが好ましい。前記色素の例としては、カーボンブ
ラック等の黒色顔料、フタロシアニン、ナフタロシアニ
ン等の可視から近赤外域に吸収を有する大環状化合物の
顔料、光ディスク等の高密度レーザー記録のレーザー吸
収材料として使用される有機染料(インドレニン染料等
のシアニン染料、アントラキノン系染料、アズレン系色
素、フタロシアニン系染料)、及びジチオールニッケル
錯体等の有機金属化合物色素を挙げることができる。中
でも、シアニン系色素は、赤外線領域の光に対して、高
い吸光係数を示すので、光熱変換物質として使用する
と、光熱変換層を薄層化することができ、その結果、熱
転写シートの記録感度をより向上させることができるの
で好ましい。光熱変換物質としては、色素以外にも、黒
化銀等の粒子状の金属材料等、無機材料を用いることも
できる。
【0091】光熱変換層に含有されるバインダーとして
は、支持体上に層を形成し得る強度を少なくとも有し、
高い熱伝導率を有する樹脂が好ましい。更に、画像記録
の際に、光熱変換物質から生じる熱によっても分解しな
い、耐熱性を有する樹脂であると、高エネルギーの光照
射を行っても、光照射後の光熱変換層の表面の平滑性を
維持できるので好ましい。具体的には、熱分解温度(T
GA法(熱質量分析法)で10℃/分の昇温速度で、空
気気流中で5%質量減少する温度)が400℃以上の樹
脂が好ましく、前記熱分解温度が500℃以上の樹脂が
より好ましい。また、バインダーは、200〜400℃
のガラス転移温度を有するのが好ましく、250〜35
0℃のガラス転移温度を有するのがより好ましい。ガラ
ス転移温度が200℃より低いと、形成される画像にカ
ブリが発生する場合があり、400℃より高いと、樹脂
の溶解性が低下し、生産効率が低下する場合がある。
尚、光熱変換層のバインダーの耐熱性(例えば、熱変形
温度や熱分解温度)は、光熱変換層上に設けられる他の
層に使用される材料と比較して、より高いのが好まし
い。
【0092】具体的には、ポリメタクリル酸メチル等の
アクリル酸系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコー
ル等のビニル系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエス
テル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、ポリ
エーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、アラミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、尿素/メ
ラミン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリイミ
ド樹脂が好ましい。
【0093】特に、下記一般式(I)〜(VII)で表
されるポリイミド樹脂は、有機溶媒に可溶であり、これ
らのポリイミド樹脂を使用すると、熱転写シートの生産
性が向上するので好ましい。また、光熱変換層用塗布液
の粘度安定性、長期保存性、耐湿性が向上する点でも好
ましい。
【0094】
【化1】
【0095】前記一般式(I)及び(II)中、Ar1
は、下記構造式(1)〜(3)で表される芳香族基を示
し、nは、10〜100の整数を示す。
【0096】
【化2】
【0097】
【化3】
【0098】前記一般式(III)及び(IV)中、A
2は、下記構造式(4)〜(7)で表される芳香族基
を示し、nは、10〜100の整数を示す。
【0099】
【化4】
【0100】
【化5】
【0101】前記一般式(V)〜(VII)中、n及び
mは10〜100の整数を示す。式(VI)において、
n:mの比は6:4〜9:1である。
【0102】尚、樹脂が有機溶媒に可溶であるか否かを
判断する目安としては、25℃において、樹脂がN−メ
チルピロリドン100質量部に対して、10質量部以上
溶解することを基準とし、10質量部以上溶解する場合
は、光熱変換層用の樹脂として好ましく用いられる。よ
り好ましくは、N−メチルピロリドン100質量部に対
して、100質量部以上溶解する樹脂である。
【0103】光熱変換層に含有されるマット剤として
は、無機微粒子や有機微粒子を挙げることができる。こ
の無機微粒子としては、シリカ、酸化チタン、酸化アル
ミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、硫酸バリウ
ム、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、窒化ホウ素等の金属塩、カオリン、クレ
ー、タルク、亜鉛華、鉛白、ジークライト、石英、ケイ
ソウ土、バーライト、ベントナイト、雲母、合成雲母等
が挙げられる。有機微粒子としては、フッ素樹脂粒子、
グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、スチレン−ア
クリル共重合体樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、メラミ
ン樹脂粒子、エポキシ樹脂粒子等の樹脂粒子を挙げるこ
とができる。
【0104】マット剤の粒径は、通常、0.3〜30μ
mであり、好ましくは0.5〜20μmであり、添加量
は0.1〜100mg/m2が好ましい。
【0105】光熱変換層には、更に必要に応じて、界面
活性剤、増粘剤、帯電防止剤等が添加されてもよい。
【0106】光熱変換層は、光熱変換物質とバインダー
とを溶解し、これに必要に応じてマット剤及びその他の
成分を添加した塗布液を調製し、これを支持体上に塗布
し、乾燥することにより設けることができる。ポリイミ
ド樹脂を溶解するための有機溶媒としては、例えば、n
−ヘキサン、シクロヘキサン、ジグライム、キシレン、
トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、メチルエ
チルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、1,4−ジ
オキサン、1,3−ジオキサン、ジメチルアセテート、
N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホオキサイ
ド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、γ
−ブチロラクトン、エタノール、メタノール等が挙げら
れる。塗布、乾燥は、通常の塗布、乾燥方法を利用して
行うことができる。乾燥は、通常、300℃以下の温度
で行い、200℃以下の温度で行うのが好ましい。支持
体として、ポリエチレンテレフタレートを使用する場合
は、80〜150℃の温度で乾燥するのが好ましい。
【0107】光熱変換層におけるバインダーの量が少な
すぎると、光熱変換層の凝集力が低下し、形成画像が受
像シートに転写される際に、光熱変換層が一緒に転写さ
れやすくなり、画像の混色の原因となる。またポリイミ
ド樹脂が多すぎると、一定の光吸収率を達成するために
光熱変換層の層厚が大きくなって、感度低下を招きやす
い。光熱変換層における光熱変換物質とバインダーとの
固形分質量比は、1:20〜2:1であるのが好まし
く、特に、1:10〜2:1であるのがより好ましい。
また、光熱変換層を薄層化すると、前記した様に、熱転
写シートを高感度化できるので好ましい。光熱変換層
は、0.03〜1.0μmであるのが好ましく、0.0
5〜0.5μmであるのがより好ましい。また、光熱変
換層は、波長808nmの光に対して、0.80〜1.
26の光学濃度を有していると、画像形成層の転写感度
が向上するので好ましく、前記波長の光に対して0.9
2〜1.15の光学濃度を有しているとより好ましい。
レーザーピーク波長における光学濃度が0.80未満で
あると、照射された光を熱に変換することが不充分とな
り、転写感度が低下することがある。一方、1.26を
超えると、記録時に光熱変換層の機能に影響を与え、か
ぶりが発生することがある。本発明は熱転写シートの光
熱変換層の光学濃度は、本発明の画像形成材料を記録す
るに際して、使用するレーザー光のピーク波長における
光熱変換層の吸光度を言い、公知の分光光度計を用いて
測定を行うことができる。本発明では、(株)島津製作
所製UV−分光光度計UV−240を用いた。また、上
記光学濃度は支持体込みのものから支持体単独の値を差
し引いた値とする。
【0108】(画像形成層)画像形成層は、受像シート
に転写されて画像を形成するための顔料を少なくとも含
有し、更に、層を形成するためのバインダー、及び所望
により、その他の成分を含有する。顔料は一般に有機顔
料と無機顔料とに大別され、前者は特に塗膜の透明性に
優れ、後者は一般に隠蔽性に優れる等の特性を有してい
るので、用途に応じて、適宜選択すればよい。前記熱転
写シートを印刷色校正用に用いる場合には、印刷インキ
に一般に使用されるイエロー、マゼンタ、シアン、及び
ブラックと一致するか、あるいは色調が近い有機顔料が
好適に使用される。またその他にも、金属粉、蛍光顔料
等も用いる場合がある。好適に使用される顔料の例とし
ては、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキ
ノン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔
料、イソインドリノン系顔料、ニトロ系顔料を挙げるこ
とができる。画像形成層に用いられる顔料を、色相別に
分けて、以下に列挙するが、これらに限定されるもので
はない。また、これらの顔料は、1種類使用でも、2種
類上組み合わせて使用してもよい。
【0109】1)イエロー顔料 Pigment Yellow(ピグメントイエロー)
12(C.I.No.21090) 例)Permanent Yellow(パーマネント
イエロー) DHG(クラリアントジャパン(株)
製)、Lionol Yellow(リオノールイエロ
ー) 1212B(東洋インキ製造(株)製)、Irg
alite Yellow(イルガライトイエロー)
LCT(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)
製)、Symuler Fast Yellow(シム
ラーファーストイエロー) GTF 219(大日本イ
ンキ化学工業(株)製) Pigment Yellow(ピグメントイエロー)
13(C.I.No.21100) 例)Permanent Yellow(パーマネント
イエロー) GR(クラリアントジャパン(株)製)、
Lionol Yellow(リオノールイエロー)
1313(東洋インキ製造(株)製) Pigment Yellow(ピグメントイエロー)
14(C.I.No.21095) 例)Permanent Yellow(パーマネント
イエロー) G(クラリアントジャパン(株)製)、L
ionol Yellow(リオノールイエロー) 1
401−G(東洋インキ製造(株)製)、Seika
Fast Yellow(セイカファーストイエロー)
2270(大日精化工業(株)製)、Symuler
Fast Yellow(シムラーファーストイエロ
ー) 4400(大日本インキ化学工業(株)製) Pigment Yellow(ピグメントイエロー)
17(C.I.No.21105) 例)Permanent Yellow(パーマネント
イエロー) GG02(クラリアントジャパン(株)
製)、Symuler Fast Yellow(シム
ラーファーストイエロー) 8GF(大日本インキ化学
工業(株)製) Pigment Yellow(ピグメントイエロー)
155 例)Graphtol Yellow(グラフトールイ
エロー) 3GP(クラリアントジャパン(株)製) Pigment Yellow(ピグメントイエロー)
180(C.I.No.21290) 例)Novoperm Yellow(ノボパームイエ
ロー) P−HG(クラリアントジャパン(株)製)、
PV Fast Yellow(ファーストイエロー)
HG(クラリアントジャパン(株)製) Pigment Yellow(ピグメントイエロー)
139(C.I.No.56298) 例)Novoperm Yellow(ノボパームイエ
ロー) M2R 70(クラリアントジャパン(株)
製)
【0110】2)マゼンタ顔料 Pigment Red(ピグメントレッド) 57:
1(C.I.No.15850:1) 例)Graphtol Rubine(グラフトールル
ビン) L6B(クラリアントジャパン(株)製)、L
ionol Red(リオノールレッド) 6B−42
90G(東洋インキ製造(株)製)、Irgalite
Rubine(イルガライトルビン) 4BL(チバ
・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)、Symu
ler Brilliant Carmine(シムラ
ーブリリアントカーミン) 6B−229(大日本イン
キ化学工業(株)製) Pigment Red(ピグメントレッド) 122
(C.I.No.73915) 例)Hosterperm Pink(ホスターパーム
ピンク) E(クラリアントジャパン(株)製)、Li
onogen Magenta(リオノゲンマゼンタ)
5790(東洋インキ製造(株)製)、Fastog
en Super Magenta(ファストゲンスー
パーマゼンタ) RH(大日本インキ化学工業(株)
製) Pigment Red(ピグメントレッド) 53:
1(C.I.No.15585:1) 例)Permanent Lake Red(パーマネ
ントレイクレッド)LCY(クラリアントジャパン
(株)製)、Symuler Lake Red(シム
ラーレイクレッド) C conc(大日本インキ化学
工業(株)製)
【0111】Pigment Red(ピグメントレッ
ド) 48:1(C.I.No.15865:1) 例)Lionol Red(リオノールレッド) 2B
3300(東洋インキ製造(株)製)、Symule
r Red(シムラーレッド) NRY(大日本インキ
化学工業(株)製) Pigment Red(ピグメントレッド) 48:
2(C.I.No.15865:2) 例)Permanent Red(パーマネントレッ
ド) W2T(クラリアントジャパン(株)製)、Li
onol Red(リオノールレッド) LX235
(東洋インキ製造(株)製)、Symuler Red
(シムラーレッド)3012(大日本インキ化学工業
(株)製) Pigment Red(ピグメントレッド) 48:
3(C.I.No.15865:3) 例)Permanent Red(パーマネントレッ
ド) 3RL(クラリアントジャパン(株)製)、Sy
muler Red(シムラーレッド) 2BS(大日
本インキ化学工業(株)製) Pigment Red(ピグメントレッド) 177
(C.I.No.65300) 例)Cromophtal Red(クロモフタルレッ
ド) A2B(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ
(株)製)
【0112】3)シアン顔料 Pigment Blue(ピグメントブルー) 15
(C.I.No.74160) 例)Lionol Blue(リオノールブルー) 7
027(東洋インキ製造(株)製)、Fastogen
Blue(ファストゲンブルー) BB(大日本イン
キ化学工業(株)製) Pigment Blue(ピグメントブルー) 1
5:1(C.I.No.74160) 例)Hosterperm Blue(ホスターパーム
ブルー) A2R(クラリアントジャパン(株)製)、
Fastogen Blue(ファストゲンブルー)
5050(大日本インキ化学工業(株)製) Pigment Blue(ピグメントブルー) 1
5:2(C.I.No.74160) 例)Hosterperm Blue(ホスターパーム
ブルー) AFL(クラリアントジャパン(株)製)、
Irgalite Blue(イルガライトブルー)
BSP(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)
製)、Fastogen Blue(ファストゲンブル
ー) GP(大日本インキ化学工業(株)製) Pigment Blue(ピグメントブルー) 1
5:3(C.I.No.74160) 例)Hosterperm Blue(ホスターパーム
ブルー) B2G(クラリアントジャパン(株)製)、
Lionol Blue(リオノールブルー)FG73
30(東洋インキ製造(株)製)、Cromophta
l Blue(クロモフタルブルー) 4GNP(チバ
・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)、Fast
ogen Blue(ファストゲンブルー) FGF
(大日本インキ化学工業(株)製)
【0113】Pigment Blue(ピグメントブ
ルー) 15:4(C.I.No.74160) 例)Hosterperm Blue(ホスターパーム
ブルー) BFL(クラリアントジャパン(株)製)、
Cyanine Blue(シアニンブルー)700−
10FG(東洋インキ製造(株)製)、Irgalit
e Blue(イルガライトブルー) GLNF(チバ
・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)、Fast
ogen Blue(ファストゲンブルー) FGS
(大日本インキ化学工業(株)製) Pigment Blue(ピグメントブルー) 1
5:6(C.I.No.74160) 例)Lionol Blue(リオノールブルー) E
S(東洋インキ製造(株)製) Pigment Blue(ピグメントブルー) 60
(C.I.No.69800) 例)Hosterperm Blue(ホスターパーム
ブルー) RL01(クラリアントジャパン(株)
製)、Lionogen Blue(リオノゲンブル
ー) 6501(東洋インキ製造(株)製)
【0114】4)ブラック顔料 Pigment Black(ピグメントブラック)
7(カーボンブラックC.I.No.77266) 例)三菱カーボンブラック MA100(三菱化学
(株)製)、三菱カーボンブラック #5(三菱化学
(株)製)、Black Pearls(ブラックパー
ルズ) 430(Cabot Co.(キャボット社)
製) また、本発明で用いることのできる顔料としては、「顔
料便覧、日本顔料技術協会編、誠文堂新光社、198
9」、「COLOUR INDEX、THE SOCI
ETY OF DYES & COLOURIST、T
HIRD EDITION、1987」などを参照して
適宜商品を選択できる。
【0115】前記顔料の平均粒径としては、0.03〜
1μmが好ましく、0.05〜0.5μmがより好まし
い。前記粒径が0.03μm以上であると、分散コスト
が上がったり、分散液がゲル化等を起こすこともなく、
一方、1μm以下にすると、顔料中に粗大粒子が存在し
ないので、画像形成層と受像層との密着性が良好であ
り、また、画像形成層の透明性を改良することもでき
る。
【0116】画像形成層のバインダーとしては、軟化点
が40〜150℃の非晶質有機高分子重合体が好まし
い。前記非晶質有機高分子重合体としては、例えば、ブ
チラール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンイミン樹
脂、スルホンアミド樹脂、ポリエステルポリオール樹
脂、石油樹脂、スチレン、ビニルトルエン、α−メチル
スチレン、2−メチルスチレン、クロルスチレン、ビニ
ル安息香酸、ビニルベンゼンスルホン酸ソーダ、アミノ
スチレン等のスチレン及びその誘導体、置換体の単独重
合体や共重合体、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメ
タクリレート等のメタクリル酸エステル類及びメタクリ
ル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、α−エチルヘキシルアクリレート等の
アクリル酸エステル及びアクリル酸、ブタジエン、イソ
プレン等のジエン類、アクリロニトリル、ビニルエーテ
ル類、マレイン酸及びマレイン酸エステル類、無水マレ
イン酸、ケイ皮酸、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル
系単量体の単独あるいは他の単量体等との共重合体を用
いることができる。これらの樹脂は2種以上混合して用
いることもできる。
【0117】画像形成層は、顔料を20〜80質量%含
有しているのが好ましく、30〜70質量%含有してい
るのがより好ましく、30〜50質量%含有しているの
が更に好ましい。また、画像形成層は、非晶質高分子体
である樹脂を80〜20質量%含有しているのが好まし
く、70〜30質量%含有しているのがより好ましく、
70〜40質量%含有しているのが更に好ましい。
【0118】前記画像形成層は、以下の〜の成分を
前記その他の成分として含有することができる。 ワックス類 ワックス類としては、鉱物系のワックス類、天然ワック
ス類、合成ワックス類等が挙げられる。前記鉱物系のワ
ックスの例としては、パラフィンワックス、マイクロク
リスタリンワックス、エステルワックス、酸化ワックス
等の石油ロウ、モンタンロウ、オゾケライト、セレシン
等が挙げられる。なかでも、パラフィンワックスが好ま
しい。該パラフィンワックスは、石油から分離されるも
のであり、その融点によって各種のものが市販されてい
る。前記天然ワックスの例としては、カルナバロウ、木
ロウ、オウリキュリーロウ、エスパルロウ等の植物ロ
ウ、密ロウ、昆虫ロウ、セラックロウ、鯨ロウ等の動物
ロウが挙げられる。
【0119】前記合成ワックスは、一般に滑剤として用
いられ、通常は高級脂肪酸系の化合物からなる。このよ
うな合成ワックスの例としては、下記のものが挙げられ
る。 1)脂肪酸系ワックス 下記一般式で表される直鎖の飽和脂肪酸: CH3(CH2nCOOH 前記式中、nは6〜28の整数を示す。具体例として
は、ステアリン酸、ベヘン酸、パルミチン酸、12−ヒ
ドロキシステアリン酸、アゼライン酸等が挙げられる。
また、上記脂肪酸等の金属塩(例えば、K、Ca、Z
n、Mgなど)が挙げられる。 2)脂肪酸エステル系ワックス 前記脂肪酸のエステルの具体例としては、ステアリン酸
エチル、ステアリン酸ラウリル、ベヘン酸エチル、ベヘ
ン酸ヘキシル、ミリスチン酸ベヘニル等が挙げられる。
【0120】3)脂肪酸アミド系ワックス 前記脂肪酸のアミドの具体例としては、ステアリン酸ア
ミド、ラウリン酸アミド等が挙げられる。 4)脂肪族アルコール系ワックス 下記一般式で表される直鎖飽和脂肪族アルコール: CH3(CH2nOH 前記式中、nは6〜28の整数を表す。具体例として
は、ステアリルアルコール等が挙げられる。
【0121】前記1)〜4)の合成ワックスのなかで
も、特にステアリン酸アミド、ラウリン酸アミド等の高
級脂肪酸アミドが好適である。尚、前記ワックス系化合
物は、所望により単独もしくは適宜組み合わせて使用す
ることができる。
【0122】可塑剤 前記可塑剤としては、エステル化合物が好ましく、フタ
ル酸ジブチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ
(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジノニル、フタル酸
ジラウリル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸ブチル
ベンジル等のフタル酸エステル類、アジピン酸ジ(2−
エチルヘキシル)、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシ
ル)等の脂肪族二塩基酸エステル、リン酸トリクレジ
ル、リン酸トリ(2−エチルヘキシル)等のリン酸トリ
エステル類、ポリエチレングリコールエステル等のポリ
オールポリエステル類、エポキシ脂肪酸エステル等のエ
ポキシ化合物等、公知の可塑剤が挙げられる。これらの
中でもビニルモノマーのエステル、特に、アクリル酸又
はメタクリル酸のエステルが、添加による転写感度の向
上や転写ムラの改良効果、及び破断伸びの調節効果が大
きい点で好ましい。
【0123】前記アクリル酸又はメタクリル酸のエステ
ル化合物としては、ポリエチレングリコールジメタクリ
レート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレ
ート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタ
エリスリトールアクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラアクリレート、ジペンタエリスリトール−ポリアク
リレート等が挙げられる。
【0124】また、前記可塑剤は高分子であってもよ
く、なかでもポリエステルは、添加効果が大きい点、及
び保存条件下で拡散し難い点等で好ましい。該ポリエス
テルとしては、例えば、セバシン酸系ポリエステル、ア
ジピン酸系ポリエステル等が挙げられる。尚、画像形成
層中に含有させる前記添加剤は、これらに限定されるも
のではない。また、可塑剤は、1種単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0125】画像形成層中の前記添加剤の含有量が多す
ぎると、転写画像の解像度が低下したり、画像形成層自
身の膜強度が低下したり、光熱変換層と画像形成層との
密着力の低下による未露光部の受像シートへの転写が起
きる場合がある。上記観点から、前記ワックス類の含有
量としては、画像形成層中の全固形分の0.1〜30質
量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。ま
た、前記可塑剤の含有量としては、画像形成層中の全固
形分の0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜10質
量%がより好ましい。
【0126】その他 画像形成層は、更に、上記の成分の他に、界面活性剤、
無機あるいは有機微粒子(金属粉、シリカゲル等)、オ
イル類(アマニ油、鉱油等)、増粘剤、帯電防止剤等を
含有してもよい。黒色の画像を得る場合を除き、画像記
録に用いる光源の波長を吸収する物質を含有すること
で、転写に必要なエネルギーを少なくできる。光源の波
長を吸収する物質としては、顔料、染料のいずれでも構
わないが、カラー画像を得る場合には、画像記録に半導
体レーザー等の赤外線の光源を使用して、可視部に吸収
の少ない、光源の波長の吸収の大きな染料を使用するこ
とが、色再現上好ましい。近赤外線染料の例としては、
特開平3−103476号公報に記載の化合物を挙げる
ことができる。
【0127】画像形成層は、顔料と前記バインダー等と
を溶解又は分散した塗布液を調製し、これを光熱変換層
上(光熱変換層上に下記感熱剥離層が設けられている場
合は、該層上)に塗布し、乾燥することにより設けるこ
とができる。塗布液の調製に使用される溶媒としては、
n−プロピルアルコール、メチルエチルケトン、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル(MFG)、メタノ
ール、水等が挙げられる。塗布、乾燥は、通常の塗布、
乾燥方法を利用して行うことができる。
【0128】前記熱転写シートの光熱変換層の上には、
光熱変換層で発生した熱の作用により気体を発生する
か、付着水等を放出し、これにより光熱変換層と画像形
成層との間の接合強度を弱める感熱材料を含む感熱剥離
層を設けることができる。そのような感熱材料として
は、それ自身が熱により分解若しくは変質して気体を発
生する化合物(ポリマー又は低分子化合物)、水分等の
易気化性気体を相当量吸収若しくは吸着している化合物
(ポリマー又は低分子化合物)等を用いることができ
る。これらは併用してもよい。
【0129】熱により分解若しくは変質して気体を発生
するポリマーの例としては、ニトロセルロースのような
自己酸化性ポリマー、塩素化ポリオレフィン、塩素化ゴ
ム、ポリ塩化ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ンのようなハロゲン含有ポリマー、水分等の揮発性化合
物が吸着されているポリイソブチルメタクリレート等の
アクリル系ポリマー、水分等の揮発性化合物が吸着され
ているエチルセルロース等のセルロースエステル、水分
等の揮発性化合物が吸着されているゼラチン等の天然高
分子化合物等を挙げることができる。熱により分解若し
くは変質して気体を発生する低分子化合物の例として
は、ジアゾ化合物やアジド化のような発熱分解して気体
を発生する化合物を挙げることができる。尚、上記のよ
うな、熱による感熱材料の分解や変質等は280℃以下
で発生することが好ましく、特に230℃以下で発生す
ることが好ましい。
【0130】感熱剥離層の感熱材料として低分子化合物
を用いる場合には、バインダーと組み合わせることが望
ましい。バインダーとしては、上記のそれ自身が熱によ
り分解若しくは変質して気体を発生するポリマーを用い
ることもできるが、そのような性質を持たない通常のバ
インダーを使用することもできる。感熱性の低分子化合
物とバインダーとを併用する場合には、前者と後者の質
量比は0.02:1〜3:1であることが好ましく、
0.05:1〜2:1であることが更に好ましい。感熱
剥離層は、光熱変換層を、そのほぼ全面にわたって被覆
していることが望ましく、その厚さは一般に0.03〜
1μmであり、0.05〜0.5μmの範囲にあること
が好ましい。
【0131】支持体の上に、光熱変換層、感熱剥離層、
画像形成層がこの順に積層された構成の熱転写シートの
場合には、感熱剥離層は、光熱変換層から伝えられる熱
により分解、変質し、気体を発生する。そして、この分
解あるいは気体発生により、感熱剥離層が一部消失する
か、あるいは感熱剥離層内で凝集破壊が発生し、光熱変
換層と画像形成層との間の結合力が低下する。このた
め、感熱剥離層の挙動によっては、その一部が画像形成
層に付着して、最終的に形成される画像の表面に現わ
れ、画像の混色の原因となることがある。従って、その
ような感熱剥離層の転写が発生しても、形成された画像
に目視的な混色が現われないように、感熱剥離層はほと
んど着色していないこと、即ち、可視光に対して高い透
過性を示すことが望ましい。具体的には、感熱剥離層の
光吸収率が、可視光に対し、50%以下、好ましくは1
0%以下である。尚、前記熱転写シートには、独立した
感熱剥離層を設ける代わりに、前記の感熱材料を光熱変
換層塗布液に添加して光熱変換層を形成し、光熱変換層
と感熱剥離層とを兼ねるような構成とすることもでき
る。
【0132】熱転写シートの画像形成層が塗設されてい
る側の最表層の静摩擦係数を0.35以下、好ましくは
0.20以下にすることは好ましい。最表層の静摩擦係
数を0.35以下とすることで熱転写シートを搬送する
際のロール汚れをなくし、形成される画像を高画質化し
得る。静摩擦係数の測定法は特願2000−85759
の段落(0011)に記載の方法に従う。画像形成層表
面のスムースター値が23℃、55%RHで0.5〜5
0mmHg(≒0.0665〜6.65kPa)が好ま
しく、かつRaが0.05〜0.4μmであることが好
ましく、このことにより接触面に受像層と画像形成層と
が接触し得ない多数のミクロな空隙を少なく出来、転
写、更には画質の点で好ましい。前記Ra値は、表面粗
さ測定機(Surfcom,東京精機(株)製)等を用
いてJIS B0601に基づき測定することができ
る。画像形成層の表面硬さがサファイヤ針で10g以上
であることが好ましい。米国連邦政府試験基準4046
により熱転写シートに帯電させた後、熱転写シートを接
地後1秒後の画像形成層の帯電電位が−100〜100
Vであることが好ましい。画像形成層の表面抵抗が23
℃、55%RHで109Ω以下であることが好ましい。
【0133】次に前記熱転写シートと組み合わされて使
用され得る受像シートについて説明する。 [受像シート] (層構成)受像シートは、通常、支持体と、その上に、
1以上の受像層が設けられ、所望により、支持体と受像
層との間にクッション層、剥離層、及び中間層のいずれ
か1層又は2層以上を設けた構成である。また、支持体
の受像層とは反対側の面に、バック層を有すると、搬送
性の点で好ましい。
【0134】(支持体)支持体としては、プラスチック
シート、金属シート、ガラスシート、樹脂コート紙、
紙、及び各種複合体等のような通常のシート状の基材が
挙げられる。プラスチックシートの例としては、ポリエ
チレンテレフタレートシート、ポリカーボネートシー
ト、ポリエチレンシート、ポリ塩化ビニルシート、ポリ
塩化ビニリデンシート、ポリスチレンシート、スチレン
−アクリロニトリルシート、ポリエステルシート等を挙
げることができる。また、紙としては印刷本紙、コート
紙等を用いることができる。
【0135】支持体が、微小な空隙(ボイド)を有する
と、画質を向上させることができるので好ましい。この
ような支持体は、例えば、熱可塑性樹脂と、無機顔料や
前記熱可塑性樹脂と非相溶性の高分子等からなる填料と
を混合した混合溶融物を、溶融押出機によって単層又は
多層のフィルムとし、更に1ないし2軸に延伸すること
により作製することができる。この場合、樹脂及び填料
の選定、混合比率、延伸条件等によって空隙率が決定さ
れる。
【0136】前記熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレ
ン等のポリオレフィン樹脂、及びポリエチレンテレフタ
レート樹脂が、結晶性が良く、延伸性が良く、ボイドの
形成も容易であるので好ましい。前記ポリオレフィン樹
脂、又はポリエチレンテレフタレート樹脂を主成分と
し、それに適宜少量の他の熱可塑性樹脂を併用すること
が好ましい。前記填料として用いられる無機顔料として
は、平均粒径が1〜20μmのものが好ましく、炭酸カ
ルシウム、クレー、けいそう土、酸化チタン、水酸化ア
ルミニウム、シリカ等を用いることができる。また、填
料として用いられる非相溶性の樹脂としては、熱可塑性
樹脂としてポリプロピレンを用いる場合は、ポリエチレ
ンテレフタレートを填料として組み合わせるのが好まし
い。微小な空隙(ボイド)を有する支持体の詳細は特願
平11−290570に記載されている。尚、支持体に
おける、無機顔料等の填料の含有率は、体積で2〜30
%程度が一般的である。
【0137】受像シートの支持体の厚さは、通常10〜
400μmであり、25〜200μmであるのが好まし
い。また、支持体の表面は、受像層(あるいはクッショ
ン層)との密着性、又は熱転写シートの画像形成層との
密着性を高めるために、コロナ放電処理、グロー放電処
理等の表面処理が施されていてもよい。
【0138】(受像層)受像シートの表面には、画像形
成層を転写し、これを固定するために、支持体上に、受
像層を1以上設けることが好ましい。受像層は有機重合
体バインダーを主体として形成される層であるのが好ま
しい。前記バインダーは、熱可塑性樹脂であることが好
ましく、その例としては、アクリル酸、メタクリル酸、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のアクリ
ル系モノマーの単独重合体及びその共重合体、メチルセ
ルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートの
ようなセルロース系ポリマー、ポリスチレン、ポリビニ
ルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアル
コール、ポリ塩化ビニル等のようなビニル系モノマーの
単独重合体及びその共重合体、ポリエステル、ポリアミ
ド等のような縮合系ポリマー、ブタジエン−スチレン共
重合体のようなゴム系ポリマーを挙げることができる。
受像層のバインダーは、画像形成層との間の適度な接着
力を得るために、ガラス転移温度(Tg)が90℃より
低いポリマーであることが好ましい。このために、受像
層に可塑剤を添加することも可能である。また、バイン
ダーポリマーは、シート間のブロッキングを防ぐため
に、そのTgが30℃以上であることが好ましい。受像
層のバインダーポリマーとしては、レーザー記録時の画
像形成層との密着性を向上させ、感度や画像強度を向上
させる点で、画像形成層のバインダーポリマーと同一、
若しくは類似のポリマーを用いることが特に好ましい。
【0139】受像層表面のスムースター値が23℃、5
5%RHで0.5〜50mmHg(≒0.0665〜
6.65kPa)が好ましく、かつRaが0.05〜
0.4μmであることが好ましく、このことにより接触
面に受像層と画像形成層とが接触し得ない多数のミクロ
な空隙を少なく出来、転写、更には画質の点で好まし
い。前記Ra値は、表面粗さ測定機(Surfcom,
東京精機(株)製)等を用いてJIS B0601に基
づき測定することができる。米国連邦政府試験基準40
46により受像シートに帯電させた後、受像シートを接
地後1秒後の受像層の帯電電位が−100〜100Vで
あることが好ましい。受像層の表面抵抗が23℃、55
%RHで109Ω以下であることが好ましい。受像層表
面の静止摩擦係数が0.2以下であることが好ましい。
受像層表面の表面エネルギーが23〜35mg/m2
あることが好ましい。
【0140】受像層上に一旦画像を形成した後、印刷本
紙等へ再転写する場合には、受像層の少なくとも一層を
光硬化性材料から形成することも好ましい。このような
光硬化性材料の組成としては、例えば、a)付加重合に
よって光重合体を形成しうる多官能ビニル又はビニリデ
ン化合物の少なくとも一種からなる光重合性モノマー、
b)有機ポリマー、c)光重合開始剤、及び必要に応じ
て熱重合禁止剤等の添加剤からなる組み合わせを挙げる
ことができる。上記の多官能ビニルモノマーとしては、
ポリオールの不飽和エステル、特にアクリル酸もしくは
メタクリル酸のエステル(例えば、エチレングリコール
ジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート)が用いられる。
【0141】前記有機ポリマーとしては前記受像層形成
用ポリマーが挙げられる。また、光重合開始剤として
は、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン等の通常の光ラ
ジカル重合開始剤が、層中の0.1〜20質量%の割合
で用いられる。
【0142】受像層の厚みは0.3〜7μm、好ましく
は0.7〜4μmである。0.3μm以上の場合、印刷
本紙への再転写の際に膜強度が確保できる。4μm以下
にすることで、本紙再転写後の画像の光沢が抑えられ、
印刷物への近似性が改良される。
【0143】(その他の層)支持体と受像層との間に、
クッション層を設けてもよい。クッション層を設ける
と、レーザー熱転写時に画像形成層と、受像層の密着性
を向上させ、画質を向上させることができる。また、記
録時、熱転写シートと受像シートの間に異物が混入して
も、クッション層の変形作用により、受像層と画像形成
層の空隙が小さくなり、結果として白ヌケ等の画像欠陥
サイズを小さくすることもできる。更に、画像を転写形
成した後、これを別に用意した印刷本紙等に転写する場
合、紙凹凸表面に応じて受像表面が変形するため、受像
層の転写性を向上することができ、また被転写物の光沢
を低下させることによって、印刷物との近似性も向上さ
せることができる。
【0144】クッション層は、受像層に応力が加えられ
た際に変形し易い構成であり、前記効果を達成するに
は、低弾性率を有する材料、ゴム弾性を有する材料ある
いは加熱により容易に軟化する熱可塑性樹脂からなるの
が好ましい。クッション層の弾性率としては、室温で好
ましくは0.5MPa〜1.0GPa、特に好ましくは
1MPa〜0.5GPa、より好ましくは10〜100
MPaである。また、ゴミ等の異物をめり込ませるため
には、JIS K2530で定められた針入度(25
℃、100g、5秒)が10以上であることが好まし
い。また、クッション層のガラス転移温度は80℃以
下、好ましくは25℃以下、軟化点は50〜200℃が
好ましい。これらの物性、例えば、Tgを調節するため
に可塑剤をバインダー中に添加することも好適に行うこ
とができる。
【0145】クッション層のバインダーとして用いられ
る具体的な材料としては、ウレタンゴム、ブタジエンゴ
ム、ニトリルゴム、アクリルゴム、天然ゴム等のゴム類
の他に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−アクリル共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン樹脂、可塑剤
入り塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂
等が挙げられる。尚、クッション層の厚みは使用する樹
脂その他の条件により異なるが、通常3〜100μm、
好ましくは10〜52μmである。
【0146】受像層とクッション層はレーザー記録の段
階までは接着している必要があるが、画像を印刷本紙に
転写するために、剥離可能に設けられていることが好ま
しい。剥離を容易にするためには、クッション層と受像
層の間に剥離層を厚み0.1〜2μm程度で設けること
も好ましい。層厚が大きすぎるとクッション層の性能が
現われ難くなるため、剥離層の種類により調整すること
が必要である。剥離層のバインダーとしては、具体的に
ポリオレフィン、ポリエステル、ポリビニルアセター
ル、ポリビニルホルマール、ポリパラバン酸、ポリメタ
クリル酸メチル、ポリカーボネート、エチルセルロー
ス、ニトロセルロース、メチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポ
リビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ウレタン樹脂、
フッ素系樹脂、ポリスチレン,アクリロニトリルスチレ
ン等のスチレン類及びこれら樹脂を架橋したもの、ポリ
アミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、アラミド等のTgが65℃
以上の熱硬化性樹脂及びそれら樹脂の硬化物が挙げられ
る。硬化剤としてはイソシアナート、メラミン等の一般
的硬化剤を使用することができる。
【0147】上記物性に合わせて剥離層のバインダーを
選ぶとポリカーボネート、アセタール、エチルセルロー
スが保存性の点で好ましく、更に受像層にアクリル系樹
脂を用いるとレーザー熱転写後の画像を再転写する際に
剥離性良好となり特に好ましい。又、別に、冷却時に受
像層との接着性が極めて低くなる層を剥離層として利用
することができる。具体的には、ワックス類、バインダ
ー等の熱溶融性化合物や熱可塑性樹脂を主成分とする層
とすることができる。熱溶融性化合物としては、特開昭
63−193886号に記載の物質等がある。特にマイ
クロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、カル
ナバワックスなどが好ましく用いられる。熱可塑性樹脂
としては、エチレン−酢酸ビニル系樹脂等のエチレン系
共重合体、セルロース系樹脂等が好ましく用いられる。
【0148】このような剥離層には添加剤として、高級
脂肪酸、高級アルコール、高級脂肪酸エステル、アミド
類、高級アミン等を必要に応じて加えることができる。
剥離層の別の構成は、加熱時に溶融又は軟化することに
よって、それ自体が凝集破壊することで剥離性を持つ層
である。このような剥離層には過冷却物質を含有させる
ことが好ましい。過冷却物質としては、ポリ−ε−カプ
ロラクトン、ポリオキシエチレン、ベンゾトリアゾー
ル、トリベンジルアミン、バニリン等が挙げられる。更
に、別の構成の剥離性層では、受像層との接着性を低下
させるような化合物を含ませる。このような化合物とし
ては、シリコーンオイルなどのシリコーン系樹脂;テフ
ロン(登録商標)、弗素含有アクリル樹脂等の弗素系樹
脂;ポリシロキサン樹脂;ポリビニルブチラール、ポリ
ビニルアセタール、ポリビニルホルマール等のアセター
ル系樹脂;ポリエチレンワックス、アミドワックス等の
固形ワックス類;弗素系、燐酸エステル系の界面活性剤
等を挙げることができる。剥離層の形成方法としては、
前記素材を溶媒に溶解又はラテックス状に分散したもの
をブレードコーター、ロールコーター、バーコーター、
カーテンコーター、グラビアコーター、等の塗布法、ホ
ットメルトによる押出しラミネーション法などが適用で
き、クッション層上に塗布し形成することができる。又
は、仮ベース上に前記素材を溶媒に溶解又はラテックス
状に分散したものを、上記の方法で塗布したものとクッ
ション層とを貼り合わせた後に仮ベースを剥離して形成
する方法がある。
【0149】前記熱転写シートと組み合わされる受像シ
ートは、受像層がクッション層を兼ねた構成であっても
よく、その場合は、受像シートは、支持体/クッション
性受像層、あるいは支持体/下塗り層/クッション性受
像層の構成であってもよい。この場合も、印刷本紙への
再転写が可能なようにクッション性受像層が剥離可能に
設けられていることが好ましい。この場合、印刷本紙へ
再転写後の画像は光沢に優れた画像となる。尚、クッシ
ョン性受像層の厚みは5〜100μm、好ましくは10
〜40μmである。
【0150】また、受像シートには、支持体の受像層が
設けられている面とは反対側の面に、バック層を設ける
と、受像シートの搬送性が良化するので好ましい。前記
バック層には、界面活性剤や酸化錫微粒子等による帯電
防止剤、酸化珪素、PMMA粒子等によるマット剤を添
加すると、記録装置内での搬送性を良化させる点で好ま
しい。前記添加剤はバック層のみならず、必要によって
受像層その他の層に添加することもできる。添加剤の種
類についてはその目的により一概には規定できないが、
例えば、マット剤の場合、平均粒径0.5〜10μmの
粒子を層中、0.5〜80%程度添加することができ
る。帯電防止剤としては、層の表面抵抗が23℃、50
%RHの条件で1012Ω以下、より好ましくは109Ω
以下となるように、各種界面活性剤、導電剤の中から適
宜選択して用いることができる。
【0151】バック層に用いられるバインダーとして
は、ゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロー
ス、ニトロセルロース、アセチルセルロース、芳香族ポ
リアミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アルキ
ド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、弗素樹脂、ポ
リイミド樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン
変性シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、テフロン樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアセテ
ート、ポリカーボネート、有機硼素化合物、芳香族エス
テル類、弗化ポリウレタン、ポリエーテルスルホンなど
汎用ポリマーを使用することができる。バック層のバイ
ンダーとして架橋可能な水溶性バインダーを用い、架橋
させることは、マット剤の粉落ち防止やバック層の耐傷
性の向上に効果がある。又、保存時のブロッキングにも
効果が大きい。この架橋手段は、用いる架橋剤の特性に
応じて、熱、活性光線、圧力の何れか一つ又は組み合わ
せなどを特に限定なく採ることができる。場合によって
は、支持体への接着性を付与するため、支持体のバック
層を設ける側に任意の接着層を設けてもよい。
【0152】バック層に好ましく添加されるマット剤と
しては、有機又は無機の微粒子が使用できる。有機系マ
ット剤としては、ポリメチルメタクリレート(PMM
A)、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、
その他のラジカル重合系ポリマーの微粒子、ポリエステ
ル、ポリカーボネートなど縮合ポリマーの微粒子などが
挙げられる。バック層は0.5〜5g/m2程度の付量
で設けられることが好ましい。0.5g/m2未満では
塗布性が不安定で、マット剤の粉落ち等の問題が生じ易
い。又、5g/m2を大きく超えて塗布されると好適な
マット剤の粒径が非常に大きくなり、保存時にバック層
による受像層面のエンボス化が生じ、特に薄膜の画像形
成層を転写する熱転写では記録画像の抜けやムラが生じ
易くなる。マット剤は、その数平均粒径が、バック層の
バインダーのみの層厚よりも2.5〜20μm大きいも
のが好ましい。マット剤の中でも、8μm以上の粒径の
粒子が5mg/m2以上が必要で、好ましくは6〜60
0mg/m2である。これによって特に異物故障が改善
される。又、粒径分布の標準偏差を数平均粒径で割った
値σ/rn(=粒径分布の変動係数)が0.3以下とな
るような、粒径分布の狭いものを用いることで、異常に
大きい粒径を有する粒子により発生する欠陥を改善でき
る上、より少ない添加量で所望の性能が得られる。この
変動係数は0.15以下であることが更に好ましい。
【0153】バック層には、搬送ロールとの摩擦帯電に
よる異物の付着を防止するため、帯電防止剤を添加する
ことが好ましい。帯電防止剤としては、カチオン系界面
活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性
剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子の他、「1129
0の化学商品」化学工業日報社、875〜876頁等に
記載の化合物などが広く用いられる。バック層に併用で
きる帯電防止剤としては、上記の物質の中でも、カーボ
ンブラック、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫などの金属
酸化物、有機半導体などの導電性微粒子が好ましく用い
られる。特に、導電性微粒子を用いることは、帯電防止
剤のバック層からの解離がなく、環境によらず安定した
帯電防止効果が得られるために好ましい。又、バック層
には、塗布性や離型性を付与するために、各種活性剤、
シリコーンオイル、弗素系樹脂等の離型剤などを添加す
ることも可能である。バック層は、クッション層及び受
像層のTMA(Thermomechanical A
nalysis)により測定した軟化点が70℃以下で
ある場合に特に好ましい。
【0154】TMA軟化点は、測定対象物を一定の昇温
速度で、一定の荷重を掛けながら昇温し、対象物の位相
を観測することにより求める。本発明においては、測定
対象物の位相が変化し始める温度を以てTMA軟化点と
定義する。TMAによる軟化点の測定は、理学電気社製
Thermoflexなどの装置を用いて行うことがで
きる。
【0155】前記熱転写シートと前記受像シートは、熱
転写シートの画像形成層と受像シートの受像層とを重ね
合わせた積層体として、画像形成に利用され得る。熱転
写シートと受像シートとの積層体は、各種の方法によっ
て形成することができる。例えば、熱転写シートの画像
形成層と受像シートの受像層とを重ねて、加圧加熱ロー
ラに通すことによって容易に得ることができる。この場
合の加熱温度は160℃以下、もしくは130℃以下が
好ましい。
【0156】積層体を得る別の方法として、前述した真
空密着法も好適に用いられる。真空密着法は、真空引き
用のサクション孔が設けられたドラムの上に、先ず受像
シートを巻き付け、次いでその受像シートよりややサイ
ズの大きな熱転写シートを、スクイーズローラーで空気
を均一に押し出しながら受像シートに真空密着させる方
法である。また別の方法としては、金属ドラムの上に受
像シートを引っ張りつつ機械的に貼り付け、更にその上
に熱転写シートを同様に機械的に引っ張りつつ貼り付
け、密着させる方法もある。これらの方法の中で、ヒー
トローラー等の温度制御が不要で、迅速・均一に積層し
やすい点で、真空密着法が特に好ましい。
【0157】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明するが、本発
明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
尚、文中で特に断りのない限り「部」は「質量部」を意
味する。 <実施例(1)> 実施例1−1 −熱転写シートK(ブラック)の作製− [バック層の形成] [バック第1層塗布液の調製] アクリル樹脂の水分散液 2部 (ジュリマーET410、固形分20質量%、日本純薬(株)製) 帯電防止剤(酸化スズ−酸化アンチモンの水分散物) 7.0部 (平均粒径:0.1μm、17質量%) ポリオキシエチレンフェニルエーテル 0.1部 メラミン化合物 0.3部 (スミチックスレジンM−3、住友化学工業(株)製) 蒸留水 合計が100部に なるよう調製した
【0158】[バック第1層の形成]厚さ75μmの2
軸延伸したポリエチレンテレフタレート支持体(両面の
Raは0.01μm)の一方の面(裏面)にコロナ処理
を施し、バック第1層塗布液を乾燥層厚みが0.03μ
mになるよう塗布した後180℃で30秒間乾燥して、
バック第1層を形成した。支持体の長手方向のヤング率
は450Kg/mm2(≒4.4GPa)で、幅方向の
ヤング率は500Kg/mm2(≒4.9GPa)であ
る。支持体の長手方向のF−5値は、10Kg/mm2
(≒98MPa)、支持体幅方向のF−5値は、13
Kg/mm2(≒127.4MPa)であり、支持体の
100℃、30分での熱収縮率は長手方向が0.3%
で、幅方向が0.1%である。破断強度は長手方向が2
0Kg/mm2(≒196MPa)で、幅方向が25K
g/mm2(≒245MPa)、弾性率は400Kg/
mm2(≒3.9GPa)である。 [バック第2層塗布液の調製] ポリオレフィン 3.0部 (ケミパールS−120、27質量%、三井石油化学(株)製) 帯電防止剤(酸化スズ−酸化アンチモンの水分散物) 2.0部 (平均粒径:0.1μm、17質量%) コロイダルシリカ 2.0部 (スノーテックスC、20質量%、日産化学(株)製) エポキシ化合物 0.3部 (ディナコールEX−614B、ナガセ化成(株)製) 蒸留水 合計が100部に なるよう調製した
【0159】[バック第2層の形成]バック第1層の上
にバック第2層塗布液を乾燥層厚が0.03μmになる
よう塗布した後170℃で30秒間乾燥して、バック第
1層を形成した。 [光熱変換層の形成] [光熱変換層用塗布液の調製]下記の各成分をスターラ
ーで攪拌しながら混合して、光熱変換層用塗布液を調製
した。 [光熱変換層用塗布液組成] ・赤外線吸収色素 7.6部 (「NK−2014」、日本感光色素(株)製、下記構造のシアニン色素)
【0160】
【化6】
【0161】(式中、RはCH3、X-はClO4 -を示
す。) ・下記構造のポリイミド樹脂 29.3部 (「リカコートSN−20F」、新日本理化(株)製、熱分解温度:510℃)
【0162】
【化7】
【0163】(式中、R1はSO2を示す。R2
【0164】
【化8】
【0165】を示す。) ・エクソンナフサ 5.8部 ・N−メチルピロリドン(NMP) 1500部 ・メチルエチルケトン 360部 ・界面活性剤 0.5部 (「メガファックF−176PF」、大日本インキ化学工業社製、F系界面活性 剤) ・下記組成のマット剤分散物 14.1部 マット剤分散物の調製 平均粒径1.5μmの真球シリカ微粒子(日本触媒
(株)製シーホスターKE−P150)10部、分散剤
ポリマー(アクリル酸エステルスチレン共重合体ポリマ
ー。ジョンソンポリマー(株)製ジュンクリル611)
2部、メチルエチルケトン16部及びNメチルピロリド
ン64部を混合し、これと直径2mmのガラスビーズ3
0部を容量200mlのポリエチレン製容器にいれてペ
イントシェーカー(東洋精機製)で2時間分散してシリ
カ微粒子の分散物を得た。
【0166】[支持体表面への光熱変換層の形成]厚さ
75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(支持
体)の一方の表面上に、上記光熱変換層用塗布液をワイ
ヤーバーを用いて塗布した後、塗布物を120℃のオー
ブン中で2分間乾燥して、該支持体上に光熱変換層を形
成した。得られた光熱変換層の波長808nmにおける
光学濃度を(株)島津製作所製UV−分光光度計UV−
240で測定したところ、OD=1.03であった。層
厚は、走査型電子顕微鏡により光熱変換層の断面を観察
したところ、平均で0.3μmであった。
【0167】[画像形成層の形成] [ブラック画像形成層用塗布液の調製]下記の各成分
を、ニーダーのミルに入れ、少量の溶剤を添加しつつ剪
断力を加え、分散前処理を行った。その分散物に、更に
溶剤を加えて、最終的に下記組成となるように調製し、
サンドミル分散を2時間行い、顔料分散母液を得た。 [ブラック顔料分散母液組成] 組成1 ・ポリビニルブチラール 12.6部 (「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製) ・Pigment Black(ピグメントブラック) 7(カーボンブラック C.I.No.77266) 4.5部 (「三菱カーボンブラック #5」、三菱化学(株)製、PVC黒度:1) ・分散助剤(高分子顔料分散剤) 0.8部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ((C252N−(CH2z−O−)、エチレングリコール、プロピレングリ ーコールを含有し、それぞれの存在比率が1:13:32であり、かつZ=2で ある。) ・n−プロピルアルコール 79.4部
【0168】 組成2 ・ポリビニルブチラール 12.6部 (「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製) ・Pigment Black(ピグメントブラック) 7(カーボンブラック C.I.No.77266) 10.5部 (「三菱カーボンブラック MA100」、三菱化学(株)製、PVC黒度:1 0) ・分散助剤 0.8部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ・n−プロピルアルコール 79.4部 次に、下記の成分をスターラーで攪拌しながら混合して、ブラック画像形成層 用塗布液を調製した。 [ブラック画像形成層用塗布液組成] ・上記ブラック顔料分散母液 185.7部 組成1:組成2=70:30(部)
【0169】 ・ポリビニルブチラール 11.9部 (「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製) ・ワックス系化合物 (ステアリン酸アミド「ニュートロン2」、日本精化(株)製) 1.7部 (ベヘン酸アミド「ダイヤミッドBM」、日本化成(株)製) 1.7部 (ラウリル酸アミド「ダイヤミッドY」、日本化成(株)製) 1.7部 (パルミチン酸アミド「ダイヤミッドKP」、日本化成(株)製) 1.7部 (エルカ酸アミド「ダイヤミッドL−200」、日本化成(株)製) 1.7部 (オレイン酸アミド「ダイヤミッドO−200」、日本化成(株)製)1.7部 ・ロジン 11.4部 (「KE−311」、荒川化学(株)製) (成分:樹脂酸80〜97%;樹脂酸成分:アビエチン酸30〜40%、ネオ アビエチン酸10〜20%、ジヒドロアビエチン酸14%、テトラヒドロアビエ チン酸14%) ・界面活性剤 2.1部 (「メガファックF−176PF」、固形分20%、大日本インキ化学工業社製 ) ・無機顔料 7.1部 (「MEK−ST」、30%メチルエチルケトン溶液、日産化学(株)社製) ・n−プロピルアルコール 1050部 ・メチルエチルケトン 295部 得られたブラック画像形成層用塗布液中の粒子を、レー
ザー散乱方式の粒度分布測定器を用いて測定したとこ
ろ、平均粒径0.25μmであり、1μm以上の粒子の
割合は、0.5%であった。
【0170】[光熱変換層表面へのブラック画像形成層
の形成]前記光熱変換層の表面に、上記ブラック画像形
成層用塗布液をワイヤーバーを用いて1分間塗布した
後、塗布物を100℃のオーブン中で2分間乾燥して、
光熱変換層の上にブラック画像形成層を形成した。以上
の工程により、支持体上に、光熱変換層及びブラック画
像形成層が、この順で設けられた熱転写シート(以下、
熱転写シートKと記す。同様に、イエロー画像形成層画
像形成層も設けられたものを熱転写シートY、マゼンタ
画像形成層が設けられたものを熱転写シートM、シアン
画像形成層が設けられたものを熱転写シートCと記す)
を作製した。熱転写シートKのブラック画像形成層の光
学濃度(光学濃度:OD)を、マクベス濃度計「TD−
904」(Wフィルター)で測定したところ、OD=
0.91であった。また、ブラック画像形成層の層厚を
測定したところ、平均で0.60μmであった。
【0171】得られた画像形成層の物性は以下のようで
あった。画像形成層の表面硬さがサファイヤ針で10g
以上が好ましく、具体的には200g以上であった。表
面のスムースター値は23℃、55%RHで0.5〜5
0mmHg(≒0.0665〜6.65kPa)が好ま
しく、具体的には9.3mmHg(≒1.24kPa)
であった。表面の静止摩擦係数は0.8以下が好まし
く、具体的には0.08であった。表面エネルギーは2
9mJ/m2であった。水の接触角は94.8°であっ
た。露光面の光強度が1000W/mm2以上のレーザ
ー光で1m/sec以上の線速度で記録した時の光熱変
換層の変形率は168%であった。
【0172】−熱転写シートYの作製− 上記熱転写シートKの作製において、ブラック画像形成
層用塗布液の代わりに、下記組成のイエロー画像形成層
用塗布液を用いた以外は、熱転写シートKの作製と同様
にして、熱転写シートYを作製した。得られた熱転写シ
ートYの画像形成層の層厚は、0.42μmであった。 [イエロー顔料分散母液組成] イエロー顔料組成1: ・ポリビニルブチラール 7.1部 (「エスレックB BL一SH」、積水化学工業(株)製) ・Pigment Yellow(ピグメントイエロー) 180(C.I.N o.21290) 12.9部 (「Novoperm Yellow(ノボパームイエロー) P−HG」、ク ラリアントジャパン(株)製) ・分散助剤 0.6部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ・n−プロピルアルコール 79.4部 [イエロー顔料分散母液組成] イエロー顔料組成2: ・ポリビニルブチラール 7.1部 (「エスレックB BL一SH」、積水化学工業(株)製)
【0173】 ・Pigment Yellow(ピグメントイエロー) 139(C.I.N o.56298) 12.9部 (「Novoperm Yellow(ノボパームイエロー) M2R 70」 、クラリアントジャパン(株)製) ・分散助剤 0.6部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ・n−プロピルアルコール 79.4部
【0174】 [イエロー画像形成層用塗布液組成] ・上記イエロー顔料分散母液 126部 イエロー顔料組成1:イエロー顔料組成2=95:5(部) ・ポリビニルブチラール 4.6部 (「エスレックB BL一SH」、積水化学工業(株)製) ・ワックス系化合物 (ステアリン酸アミド「ニュートロン2」、日本精化(株)製) 0.7部 (べヘン酸アミド「ダイヤミッドBM」、日本化成(株)製) 0.7部 (ラウリン酸アミド「ダイヤミッドY」、日本化成(株)製) 0.7部 (パルミチン酸アミド「ダイヤミットKP」、日本化成(株)製) 0.7部 (エルカ酸アミド「ダイヤミッドL−200」、日本化成(株)製) 0.7部 (オレイン酸アミド「ダイヤミッドO−200」、日本化成(株)製)0.7部 ・ノニオン系界面活性剤 0.4部 (「ケミスタット1100」、三洋化成(株)製) ・ロジン 2.4部 (「KE−311」、荒川化学(株)製) ・界面活性剤 0.8部 (「メガファックF−176PF」、固形分20%、大日本インキ化学工業社製 ) ・n−プロピルアルコール 793部 ・メチルエチルケトン 198部
【0175】得られた画像形成層の物性は以下のようで
あった。画像形成層の表面硬さがサファイヤ針で10g
以上が好ましく、具体的には200g以上であった。表
面のスムースター値は23℃、55%RHで0.5〜5
0mmHg(≒0.0665〜6.65kPa)が好ま
しく、具体的には2.3mmHg(≒0.31kPa)
であった。表面の静止摩擦係数は0.8以下が好まし
く、具体的には0.1であった。表面エネルギーは24
mJ/m2であった。水の接触角は108.1°であっ
た。露光面の光強度が1000W/mm2以上のレーザ
ー光で1m/sec以上の線速度で記録した時の光熱変
換層の変形率は150%であった。
【0176】−熱転写シートMの作製− 上記熱転写シートKの作製において、ブラック画像形成
層用塗布液の代わりに、下記組成のマゼンタ画像形成層
用塗布液を用いた以外は、熱転写シートKの作製と同様
にして、熱転写シートMを作製した。得られた熱転写シ
ートMの画像形成層の層厚は、0.38μmであった。 [マゼンダ顔料分散母液組成] マゼンタ顔料組成1; ・ポリビニルブチラール 12.6部 (「デンカブチラール#2000−L」、電気化学工業(株)製、ビカット軟化 点57℃) ・Pigment Red(ピグメントレッド) 57:1(C.I.No.1 5850:1) 15.0部 (「Symuler Brilliant Carmine(シムラーブリリア ントカーミン) 6B−229」、大日本インキ化学工業(株)製) ・分散助剤 0.6部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ・n−プロピルアルコール 80.4部 [マゼンダ顔料分散母液組成] マゼンタ顔料組成2; ・ポリビニルブチラール 12.6部 (「デンカブチラール#2000−L」、電気化学工業(株)製、ビカット軟化 点57℃) ・Pigment Red(ピグメントレッド) 57:1(C.I.No.1 5850:1) 15.0部 (「Lionol Red(リオノールレッド) 6B−4290G」、東洋イ ンキ製造(株)製) ・分散助剤 0.6部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ・n−プロピルアルコール 79.4部
【0177】 [マゼンタ画像形成層用塗布液組成] ・上記マゼンタ顔料分散母液 163部 マゼンタ顔料組成1:マゼンタ顔料組成2=95:5(部) ・ポリビニルブチラール 4.0部 (「デンカブチラール#2000−L」、電気化学工業(株)製、ビカット軟化 点57℃) ・ワックス系化合物 (ステアリン酸アミド「ニュートロン2」、日本精化(株)製) 1.0部 (ベヘン酸アミド「ダイヤミッドBM」、日本化成(株)製) 1.0部 (ラウリン酸アミド「ダイヤミッドY」、日本化成(株)製) 1.0部 (パルミチン酸アミド「ダイヤミッドKP」、日本化成(株)製) 1.0部 (エルカ酸アミド「ダイヤミンドL−200」、日本化成(株)製) 1.0部 (オレイン酸アミド「ダイヤミッドO−200」、日本化成(株)製)1.0部 ・ノニオン系界面活性剤 0.7部 (「ケミスタット1100」、三洋化成(株)製) ・ロジン 4.6部 (「KE−311」、荒川化学(株)製) ・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 2.5部 (「NKエステル A−TMMT」、新中村化学(株)製) ・界面活性剤 1.3部 (「メガファックF−176PF」、固形分20%、大日本インキ化学工業社製 ) ・n−プロピルアルコール 848部 ・メチルエチルケトン 246部
【0178】得られた画像形成層の物性は以下のようで
あった。画像形成層の表面硬さがサファイヤ針で10g
以上が好ましく、具体的には200g以上であった。表
面のスムースター値は23℃、55%RHで0.5〜5
0mmHg(≒0.0665〜6.65kPa)が好ま
しく、具体的には3.5mmHg(≒0.47kPa)
であった。表面の静止摩擦係数は0.8以下が好まし
く、具体的には0.08であった。表面エネルギーは2
5mJ/m2であった。水の接触角は98.8°であっ
た。露光面の光強度が1000W/mm2以上のレーザ
ー光で1m/sec以上の線速度で記録した時の光熱変
換層の変形率は160%であった。
【0179】−熱転写シートCの作製− 上記熱転写シートKの作製において、ブラック画像形成
層用塗布液の代わりに、下記組成のシアン画像形成層用
塗布液を用いた以外は、熱転写シートKの作製と同様に
して、熱転写シートCを作製した。得られた熱転写シー
トCの画像形成層の層厚は、0.45μmであった。 [シアン顔料分散母液組成] シアン顔料組成1: ・ポリビニルブチラール 12.6部 (「エスレックB BL‐SH」、積水化学工業(株)製) ・Pigment Blue(ピグメントブルー) 15:4(C.I.No. 74160) 15.0部 (「Cyanine Blue(シアニンブルー) 700−10FG」、東 洋インキ製造(株)製) ・分散助剤 0.8部 (「PW−36」(リン酸エステル系界面活性剤)、楠本化成(株)製) ・n−プロピルアルコール 110部 [シアン顔料分散母液組成] シアン顔料組成2:
【0180】 ・ポリビニルブチラール 12.6部 (「エスレックB BL‐SH」、積水化学工業(株)製) ・Pigment Blue(ピグメントブルー) 15(C.I.No.74 160) 15.0部 (「Lionol Blue(リオノールブルー) 7027」、東洋インキ製 造(株)製) ・分散助剤 0.8部 (「PW−36」(リン酸エステル系界面活性剤)、楠本化成(株)製) ・n−プロピルアルコール 110部
【0181】 [シアン画像形成層用塗布液組成] ・上記シアン顔料分散母液 118部 シアン顔料組成1:シアン顔料組成2=90:10(部) ・ポリビニルブチラール 5.2部 (「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製) ・無機顔料「MEK−ST」 1.3部 ・ワックス系化合物 (ステアリン酸アミド「ニュートロン2」、日本精化(株)製) 1.0部 (ベヘン酸アミド「ダイヤミッドBM」、日本化成(株)製) 1.0部 (ラウリン酸アミド「ダイヤミッドY」、日本化成(株)製) 1.0部 (パルミチン酸アミド「ダイヤミンドKP」、日本化成(株)製) 1.0部 (エルカ酸アミド「ダイヤミッドL−200」(日本化成(株)製) 1.0部 (オレイン酸アミド「ダイヤミッドO−200」、日本化成(株)製)1.0部 ・ロジン 2.8部 (「KE−311」、荒川化学(株)製) ・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 1.7部 (「NKエステル A−TMMT」、新中村化学(株)製) ・界面活性剤 1.7部 (「メガファックF−176PF」、固形分20%、大日本インキ化学工業社製 ) ・n−プロピルアルコール 890部 ・メチルエチルケトン 247部
【0182】得られた画像形成層の物性は以下のようで
あった。画像形成層の表面硬さがサファイヤ針で10g
以上が好ましく、具体的には200g以上であった。表
面のスムースター値は23℃、55%RHで0.5〜5
0mmHg(≒0.0665〜6.65kPa)が好ま
しく、具体的には7.0mmHg(≒0.93kPa)
であった。表面の静止摩擦係数は0.2以下が好まし
く、具体的には0.08であった。表面エネルギーは2
5mJ/m2であった。水の接触角は98.8°であっ
た。露光面の光強度が1000W/mm2以上のレーザ
ー光で1m/sec以上の線速度で記録した時の光熱変
換層の変形率は165%であった。
【0183】−受像シートの作製− 下記の組成のクッション層用塗布液及び受像層用塗布液
を調製した。 1)クッション層用塗布液 ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部 (主バインダ−) (「MPR−TSL」、日信化学(株)製) ・可塑剤 10部 (「パラプレックスG−40」、CP.HALL.COMPANY社製) ・界面活性剤(フッ素系:塗布助剤) 0.5部 (「メガファックF−177」、大日本インキ化学工業(株)製) ・帯電防止剤(4級アンモニウム塩) 0.3部 (「SAT−5 Supper(IC)」、日本純薬(株)製) ・メチルエチルケトン 60部 ・トルエン 10部 ・N,N−ジメチルホルムアミド 3部
【0184】 2)受像層用塗布液 ・ポリビニルブチラール 8部 (「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製) ・帯電防止剤 0.7部 (「サンスタット2012A」、三洋化成工業(株)製) ・界面活性剤 0.1部 (「メガファックF−177」、大日本インキ化学工業(株)製) ・n−プロピルアルコール 20部 ・メタノール 20部 ・1−メトキシ−2−プロパノール 50部
【0185】小幅塗布機を用いて、白色PET支持体
(「ルミラー#130E58」、東レ(株)製、厚み1
30μm)上に、上記のクッション層形成用塗布液を塗
布し、塗布層を乾燥し、次に受像層用塗布液を塗布し、
乾燥した。乾燥後のクッション層の層厚が約20μm、
受像層の層厚が約2μmとなるように塗布量を調節し
た。白色PET支持体はボイド含有ポリエチレンテレフ
タレート層(厚み:116μm、空隙率:20%)とそ
の両面に設けた酸化チタン含有ポリエチレンテレフタレ
ート層(厚み:7μm、酸化チタン含有量:2%)との
積層体(総厚み:130μm、比重:0.8)からなる
ボイド含有プラスチック支持体である。作製した材料
は、ロール形態で巻き取り、1週間室温で保存後、下記
のレーザー光による画像記録に用いた。
【0186】得られた受像層の物性は以下のようであっ
た。表面粗さRaが0.4〜0.01μmが好ましく、
具体的には0.02μmであった。受像層の表面のうね
りが2μm以下が好ましく、具体的には1.2μmであ
った。受像層の表面のスムースター値は23℃、55%
RHで0.5〜50mmHg(≒0.0665〜6.6
5kPa)が好ましく、具体的には0.8mmHg(≒
0.11kPa)であった。受像層表面の静止摩擦係数
は0.8以下が好ましく、具体的には0.37であっ
た。受像層表面の表面エネルギーは29mJ/m2であ
った。水の接触角は85.0°であった。
【0187】−転写画像の形成−画像形成システムは、
図4記載のシステムで記録装置としてLuxel FI
NALPROOF 5600を用い、本システムの画像
形成シーケンス及び本システムで用いる本紙転写方法に
より本紙への転写画像を得た。直径1mmの真空セクシ
ョン孔(3cm×8cmのエリアに1個の面密度)が開
けられている直径38cmの回転ドラムに、上記で作製
した受像シート(56cm×79cm)を巻き付け、真
空吸着させた。次いで、61cm×84cmに切断した
前記熱転写シートK(ブラック)を前記受像シートから
均等にはみ出すように重ね、スクイーズローラーでスク
イーズさせつつ、セクション孔に空気が吸引されるよう
に密着、積層させた。セクション孔が塞がれた状態での
減圧度は、1気圧に対して−150mmHg(≒81.
13kPa)であった。前記ドラムを回転させ、ドラム
上での積層体の表面に、外側から波長808nmの半導
体レーザー光を、光熱変換層の表面で7μmのスポット
になるように集光し、回転ドラムの回転方向(主走査方
向)に対して、直角方向に移動させながら(副走査)、
積層体へレーザー画像(画線)記録を行った。レーザー
照射条件は、以下の通りである。また、本実施例で使用
したレーザービームは、主走査方向に5列、副走査方向
に3列の平行四辺形からなるマルチビーム2次元配列か
らなるレーザービームを使用した。
【0188】レーザーパワー 110mWド
ラム回転数 500rpm副走査ピッチ
6.35μm環境温湿度 20℃40
%, 23℃50%, 26℃65%の3条件露光ドラ
ムの直径は360mm以上が好ましく、具体的には38
0mmのものを用いた。なお、画像サイズは515mm
×728mm、解像度は2600dpiである。前記レ
ーザー記録が終了した積層体を、ドラムから取り外し、
熱転写シートKを受像シートから手で引き剥がしたとこ
ろ、熱転写シートKの画像形成層の光照射領域のみが、
熱転写シートKから受像シートに転写されているのが確
認された。
【0189】上記と同様にして、前記熱転写シートY、
熱転写シートM、及び熱転写シートCの各熱転写シート
から、受像シート上に画像を転写した。転写された4色
の画像を、記録紙に更に転写し、多色の画像を形成した
ところ、異なる温湿度条件下において、マルチビーム2
次元配列であるレーザー光により、高エネルギーでレー
ザー記録した場合も、画質が良好であり、安定した転写
濃度を有する多色画像を形成することができた。本紙へ
の転写は挿入台の材質のポリエチレンテレフタレートに
対する動摩擦係数が0.1〜0.7である、搬送速度が
15〜50mm/secである熱転写装置を用いた。熱
転写装置の熱ロ−ル材質のビッカ−ス硬度は10ないし
100が好ましく、具体的にはビッカ−ス硬度が70を
用いた。得られた画像は3つの環境温湿度とも良好であ
った。
【0190】各熱転写シートの画像形成層の光学濃度
は、特菱アート紙に本紙転写したものを、濃度計X−r
ite938(X−rite社製)にてY,M,C,K
色それぞれY,M,C,Kモードにて測定した。各色の
光学濃度、光学濃度/画像形成層層厚(μm)は下記表
1のとおりであった。
【0191】
【表1】
【0192】実施例1−2 記録装置としてCreoScitex社製 Proof
SetterSpectrumを用いた以外は実施例1
と同様にして転写画像を形成した。実施例1−1と同様
に良好な画像が得られた。
【0193】実施例1−3 実施例1−1における各色の画像形成層用塗布液組成
を、下記に変更した以外は実施例1−1と同様にして転
写画像を形成した。
【0194】 [ブラック画像形成層用塗布液組成] ・ブラック顔料分散母液 185.7部 組成1:組成2=70:30(部) ・ワックス系化合物 (ステアリン酸アミド「ニュートロン2」、日本精化(株)製) 3.7部 (ベヘン酸アミド「ダイヤミッドBM」、日本化成(株)製) 3.7部 (ラウリル酸アミド「ダイヤミッドY」、日本化成(株)製) 3.7部 (パルミチン酸アミド「ダイヤミッドKP」、日本化成(株)製) 3.7部 (エルカ酸アミド「ダイヤミッドL−200」、日本化成(株)製) 3.7部 (オレイン酸アミド「ダイヤミッドO−200」、日本化成(株)製)3.7部 ・ロジン 13.5部 (「KE−311」、荒川化学(株)製) (成分:樹脂酸80〜97%;樹脂酸成分:アビエチン酸30〜40%、ネオ アビエチン酸10〜20%、ジヒドロアビエチン酸14%、テトラヒドロアビエ チン酸14%) ・界面活性剤 2.1部 (「メガファックF−176PF」、固形分20%、大日本インキ化学工業社製 ) ・n−プロピルアルコール 1050部 ・メチルエチルケトン 295部
【0195】 イエロー画像形成層用塗布液組成] ・イエロー顔料分散母液 126部 イエロー顔料組成1:イエロー顔料組成2=95:5(部) ・ワックス系化合物 (ステアリン酸アミド「ニュートロン2」、日本精化(株)製) 1.5部 (べヘン酸アミド「ダイヤミッドBM」、日本化成(株)製) 1.5部 (ラウリン酸アミド「ダイヤミッドY」、日本化成(株)製) 1.5部 (パルミチン酸アミド「ダイヤミットKP」、日本化成(株)製) 1.5部 (エルカ酸アミド「ダイヤミッドL−200」、日本化成(株)製) 1.5部 (オレイン酸アミド「ダイヤミッドO−200」、日本化成(株)製)1.5部 ・ノニオン系界面活性剤 0.4部 (「ケミスタット1100」、三洋化成(株)製) ・ロジン 3.0部 (「KE−311」、荒川化学(株)製) ・界面活性剤 0.8部 (「メガファックF−176PF」、固形分20%、大日本インキ化学工業社製 ) ・n−プロピルアルコール 793部 ・メチルエチルケトン 198部
【0196】 [マゼンタ画像形成層用塗布液組成] ・マゼンタ顔料分散母液 163部 マゼンタ顔料組成1:マゼンタ顔料組成2=95:5(部) ・ワックス系化合物 (ステアリン酸アミド「ニュートロン2」、日本精化(株)製) 1.7部 (ベヘン酸アミド「ダイヤミッドBM」、日本化成(株)製) 1.7部 (ラウリン酸アミド「ダイヤミッドY」、日本化成(株)製) 1.7部 (パルミチン酸アミド「ダイヤミッドKP」、日本化成(株)製) 1.7部 (エルカ酸アミド「ダイヤミンドL−200」、日本化成(株)製) 1.7部 (オレイン酸アミド「ダイヤミッドO−200」、日本化成(株)製)1.7部 ・ノニオン系界面活性剤 0.7部 (「ケミスタット1100」、三洋化成(株)製) ・ロジン 4.6部 (「KE−311」、荒川化学(株)製) ・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 5.0部 (「NKエステル A−TMMT」、新中村化学(株)製) ・界面活性剤 1.3部 (「メガファックF−176PF」、固形分20%、大日本インキ化学工業社製 ) ・n−プロピルアルコール 848部 ・メチルエチルケトン 246部
【0197】 [シアン画像形成層用塗布液組成] ・シアン顔料分散母液 118部 シアン顔料組成1:シアン顔料組成2=90:10(部) ・ワックス系化合物 (ステアリン酸アミド「ニュートロン2」、日本精化(株)製) 1.9部 (ベヘン酸アミド「ダイヤミッドBM」、日本化成(株)製) 1.9部 (ラウリン酸アミド「ダイヤミッドY」、日本化成(株)製) 1.9部 (パルミチン酸アミド「ダイヤミンドKP」、日本化成(株)製) 1.9部 (エルカ酸アミド「ダイヤミッドL−200」(日本化成(株)製) 1.9部 (オレイン酸アミド「ダイヤミッドO−200」、日本化成(株)製)1.9部 ・ロジン 2.8部 (「KE−311」、荒川化学(株)製) ・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 3.0部 (「NKエステル A−TMMT」、新中村化学(株)製)
【0198】 ・界面活性剤 1.7部 (「メガファックF−176PF」、固形分20%、大日本インキ化学工業社製 ) ・n−プロピルアルコール 890部 ・メチルエチルケトン 247部
【0199】実施例1−4 実施例1−1において、各色の顔料分散母液組成中の分
散助剤(ブラック,イエロー,マゼンタ:「ソルスパー
スS−20000」、シアン:「PW−36」)の添加
量を2倍とした以外は、実施例1−1と同様にして転写
画像を形成した。
【0200】比較例1−1 実施例1−3おいて、各色の顔料分散母液組成中の分散
助剤(ブラック,イエロー,マゼンタ:「ソルスパース
S−20000」、シアン:「PW−36」)の添加量
を2倍とした以外は、実施例1−3と同様にして転写画
像を形成した。
【0201】上記のようにして得られた本紙転写画像を
評価した結果を表2に示す。
【0202】
【表2】
【0203】表2でのレーザービ−ム幅とは、レーザー
ビームスポットの2次元エネルギー分布を主走査方向に
積分し、副走査方向でのエネルギー分布にしたものの半
値半幅を意味する。このようなシステム構成で得られた
画像の評価は以下のように行った。
【0204】<画質の評価> 画質の評価は、以下の基準により目視で行った。 −ベタ部− ○:均質である。 △:濃度むらが部分的に存在する。 ×:濃度むらが全面に存在する。 −線画部− ○:線画のエッジがシャープであり、良好な解像力を有
する。 △:線画のエッジがギザギザしており、部分的にブリッ
ジングが発生している。 ×:全面的にブリッジングが発生している。
【0205】尚、実施例1−1で得られた画像の具体例
を図17及び18に示した。図17がポジ像で図18が
ネガ像であり、上記評価を反映していることがわかる。
また、実施例1−1で得られた画像は2400〜254
0dpiの解像度で印刷線数に応じた網点画像を形成し
た。1つ1つの網点はにじみ・欠けがほとんどなく形状
が非常にシャープであるため、ハイライトからシャドー
までの高範囲の網点をクリアーに形成することができた
(図5〜12)。また、実施例1−1で得られた画像と
図4に示す本発明システムから得られた印刷物との画像
のドット形状を拡大して比較したところ図13に示すパ
ターンが得られた。また、実施例1−1で得られた画像
のドット再現性を印刷物と比較した(図14参照)。図
13及び14より実施例1−1の画像のドット形状は印
刷物に極めて近似したものであることが分かる。また、
実施例1−1で得られた画像をL***表色系のa*
*平面に示した(図15参照)。同図から、また、実施
例1−1で得られた画像の温度湿度条件の違いによって
も画像の色相の変化は著しく小さかったことが分かる。
【0206】実施例1−5 実施例1−1の画像形成材料を用い、システムの環境温
湿度を19℃37%RH、27℃37%RH、19℃7
4%RH、27℃74%RHとし、レーザー照射エネル
ギーを180〜290mJ/cm2に変更した以外は、
実施例1と同様にして本紙転写画像を得た。その結果、
図16に示すODr(反射光学濃度)が得られた。この
図から本発明はレーザーによるエネルギー負荷が多少変
動しても広範囲の環境温湿度において一定した画像が得
られることがわかる。
【0207】<実施例(2)> 実施例2−1 −熱転写シートK(ブラック)の作製− 1)光熱変換層用塗布液の調製 下記の各成分をスターラーで攪拌しながら混合して、光
熱変換層用塗布液を調製した。 [光熱変換層用塗布液組成] ・赤外線吸収色素 7.6部 (「NK−2014」、日本感光色素(株)製) ・ポリイミド樹脂 29.3部 (「リカコートSN−20」、新日本理化(株)製、熱分解温度:510℃) ・N,N−ジメチルホルムアミド 1500部 ・メチルエチルケトン 360部 ・界面活性剤 0.5部 (「メガファックF−177」、大日本インキ化学工業社製) ・マット剤 1.7部 (「シーホスターKEP150」:シリカゲル粒子、日本触媒(株)製)
【0208】2)支持体表面への光熱変換層の形成 実施例1−1と同一処方で作製した。得られた光熱変換
層は、波長808nm付近に吸収があり、その吸光度
(光学濃度:OD)を島津社製UV−分光光度計UV−
2400で測定したところ、OD=1.03であった。
層厚は、走査型電子顕微鏡により光熱変換層の断面を観
察したところ、平均で0.3μmであった。
【0209】3)ブラック画像形成層用塗布液の調製 実施例1−1の[ブラック顔料分散母液組成]におい
て、組成2の分散母液を使用し、同一条件で調整した。
【0210】次に、下記の成分をスターラーで攪拌しな
がら混合して、ブラック画像形成層用塗布液を調製し
た。 [ブラック画像形成層用塗布液組成]上記したブラック
顔料分散母液を用いた以外は、実施例1−1と同じ処方
で塗布液を調製した。
【0211】4)光熱変換層表面へのブラック画像形成
層の形成 実施例1−1と同じ工程条件で支持体上に、光熱変換層
及びブラック画像形成層が、この順で設けられた熱転写
シートKを作製した。
【0212】−熱転写シートY(イエロー)の作製− 実施例1−1の[イエロー顔料分散母液組成]におい
て、組成1の分散母液を使用した以外は、実施例1−1
と同じ処方で熱転写シートYを作製した。
【0213】−熱転写シートM(マゼンタ)の作製− 実施例1−1の[マゼンタ顔料分散母液組成]におい
て、組成1の分散母液を使用した以外は、実施例1−1
と同じ処方で熱転写シートMを作製した。
【0214】−熱転写シートC(シアン)の作製− 上記熱転写シートKの作製において、ブラック画像形成
層用塗布液の代わりに、下記組成のシアン画像形成層用
塗布液を用いた以外は、熱転写シートKの作製と同様に
して、熱転写シートCを作製した。 ・ポリビニルブチラール 12.6部 (「エスレックB BL‐SH」、積水化学工業(株)製) ・顔料 15.0部 (シアン顔料(Pigment Blue 15)) ・分散助剤 0.8部 (「PW−36」、楠本化成(株)製) ・n−プロピルアルコール 110部
【0215】[シアン画像形成層用塗布液組成]上記シ
アン顔料分散母液を使用し、実施例1−1の処方から無
機顔料「MEK−ST」を除いた以外は実施例1−1と
全く同じ処方を使用した。
【0216】−受像シートの作製− 実施例1−1と全く同じ受像シートを作製した。
【0217】−転写画像の形成− 基本的に実施例1−1と全く同じ条件で行い、ドラムを
回転させ、ドラム上での積層体の表面に、外側から波長
830nmの半導体レーザー光を、光熱変換層の表面で
7μmのスポットになるように集光し、回転ドラムの回
転方向(主走査方向)に対して、直角方向に移動させな
がら(副走査)、積層体へレーザー画像(画線)記録を
行った。レーザー照射条件は、以下の通りである。ま
た、本実施例で使用したレーザービームは、主走査方向
に5列、副走査方向に3列の平行四辺形からなるマルチ
ビーム2次元配列からなるレーザービームを使用した。 レーザーパワー 1l0mW 主走査速度 6m/秒 副走査ピッチ 6.35μm 前記レーザー記録が終了した積層体を、ドラムから取り
外し、熱転写シートKを受像シートから手で引き剥がし
たところ、熱転写シートKの画像形成層の光照射領域の
みが、熱転写シートKから受像シートに転写されている
のが確認された。
【0218】上記と同様にして、前記熱転写シートY、
熱転写シートM、及び熱転写シートCの各熱転写シート
から、受像シート上に画像を転写した。転写された4色
の画像を、記録紙に更に転写し、4色の多色記録画像を
形成した。また、これとは別に各色ごとの単色の記録画
像も形成した。尚、レーザービームスポットの2次元エ
ネルギー分布を主走査方向に積分し、副走査方向でのエ
ネルギー分布にしたものの半値半幅をレーザービーム幅
としたとき、レーザービーム幅に対して画像の線幅は、
1.04倍であった。
【0219】実施例2−2 実施例2−2では、熱転写シートに用いるイエロー顔料
をPigment Yellow 139に変更した以
外は、実施例2−1と同様にして記録画像を形成した。
【0220】参考例2−1 参考例2−1では、熱転写シートに用いるマゼンタ顔料
をPigment Red 48:3に変更した以外
は、実施例2−2と同様にして記録画像を形成した。な
お、参考例は、熱転写シートが有する分光分布の最大吸
光度(λmax)がある領域が与える効果を見るために
行った実験例である。
【0221】以上の実施例2−1、実施例2−2、参考
例2−1に対して、次の評価を行った。 1)色差ΔEの測定 単色の記録画像について、X−rite社製 X−ri
te938を用いて、L*、a*及びb*を測定した(測
定条件:光源 D50、視野角 2°)。JNC(Ja
pan National Committee)のJ
apanカラーを用いた標準印刷物について、同様な測
定条件でL0 *、a0 *及びb0 *を測定し、標準印刷物との
色差ΔEを算出した。ΔEが小さいほど標準印刷物との
色差がないことを意味し、通常2〜3までが視覚的に色
差がないと捉えられる限度である。
【0222】
【数1】
【0223】2)印刷物近似性評価 4色の多色記録画像について10人に目視感応評価して
もらい、以下の基準で評価結果をまとめた。 ○ 7〜10人が良好と判断 △ 3〜6人が良好と判断 × 良好と判断したのが2人以下
【0224】また、各色の熱転写シートについて、分光
分布の最大吸光度を与える波長λmaxとその最大吸光
度を1.0としたときの半値幅を、島津社製UV−可視
分光光度計UV−2100を用いて測定した。表3に
1)、2)の評価結果をまとめる。
【0225】
【表3】
【0226】<実施例(3)> 実施例3−1 −熱転写シートC(シアン)の作製− 実施例1−1と全く同じ熱転写シートC(シアン)を作
製した。
【0227】実施例3−2 −熱転写シートMの作製− 実施例1−1と全く同じ熱転写シートMを作製した。
【0228】実施例3−3 −熱転写シートYの作製− 実施例1−1と全く同じ条件で熱転写シートYを作製し
た。得られた熱転写シートYの画像形成層の層厚は、
0.42μmであった。
【0229】実施例3−4 実施例3−1のシアン画像形成層用塗布液のシアン顔料
分散母液に代えて下記のシアン顔料分散母液を用いた以
外は、実施例3−1と同様にして熱転写シートを作製し
た。 ・シアン顔料分散母液 118部 シアン顔料組成1:シアン顔料組成2=100:0(部)
【0230】実施例3−5 実施例3−1のシアン画像形成層用塗布液のシアン顔料
分散母液に代えて下記のシアン顔料分散母液を用いた以
外は、実施例3−1と同様にして熱転写シートを作製し
た。 ・シアン顔料分散母液 118部 シアン顔料組成1:シアン顔料組成2=0:100(部)
【0231】参考例3−1 実施例3−1のシアン顔料分散母液組成のシアン顔料組
成1を下記に変更し、かつシアン画像形成層用塗布液の
シアン顔料分散母液で下記シアン顔料組成1を100%
使用した以外は、実施例3−1と同様にして熱転写シー
トを作製した。 シアン顔料組成1: ・ポリビニルブチラール 12.6部 (「エスレックB BL‐SH」、積水化学工業(株)製) ・Pigment Blue(ピグメントブルー) 15:6 15.0部 (「Fastgen Blue(ファーストゲンブルー) EP−7S」、大 日本インキ化学工業(株)製) ・分散助剤 0.8部 (「PW−36」、楠本化成(株)製) ・n−プロピルアルコール 110部
【0232】参考例3−2 実施例3−1のシアン顔料分散母液組成のシアン顔料組
成1を下記に変更し、かつシアン画像形成層用塗布液の
シアン顔料分散母液で下記シアン顔料組成1を100%
使用した以外は、実施例3−1と同様にして熱転写シー
トを作製した。 シアン顔料組成1: ・ポリビニルブチラール 12.6部 (「エスレックB BL‐SH」、積水化学工業(株)製) ・Pigment Blue(ピグメントブルー) 60 15.0部 (「Fastgen Super Blue(ファーストゲンスーパーブルー ) 6070S」、大日本インキ化学工業(株)製) ・分散助剤 0.8部 (「PW−36」、楠本化成(株)製) ・n−プロピルアルコール 110部
【0233】実施例3−6 実施例3−2のマゼンタ画像形成層用塗布液のマゼンタ
顔料分散母液に代えて下記のマゼンタ顔料分散母液を用
いた以外は、実施例3−2と同様にして熱転写シートを
作製した。 ・上記マゼンタ顔料分散母液 163部 マゼンタ顔料組成1:マゼンタ顔料組成2=100:0(部)
【0234】実施例3−7 実施例3−2のマゼンタ顔料分散母液組成のマゼンタ顔
料組成1を下記に変更し、かつマゼンタ画像形成層用塗
布液のマゼンタ顔料分散母液で下記シアン顔料組成1を
100%使用した以外は、実施例3−2と同様にして熱
転写シートを作製した。 マゼンタ顔料組成1; ・ポリビニルブチラール 12.6部 (「デンカブチラール#2000−L」、電気化学工業(株)製、ビカット軟化 点57℃) ・Pigment Red(ピグメントレッド) 48:3 15.0部 (「Symuler Red(シムラーレッド) 3075」、大日本インキ化 学工業(株)製) ・分散助剤 0.6部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ・n−プロピルアルコール 80.4部
【0235】実施例3−8 実施例3−2のマゼンタ顔料分散母液組成のマゼンタ顔
料組成1を下記に変更し、かつマゼンタ画像形成層用塗
布液のマゼンタ顔料分散母液で下記シアン顔料組成1を
100%使用した以外は、実施例3−2と同様にして熱
転写シートを作製した。 マゼンタ顔料組成1; ・ポリビニルブチラール 12.6部 (「デンカブチラール#2000−L」、電気化学工業(株)製、ビカット軟化 点57℃) ・Pigment Red(ピグメントレッド) 146 15.0部 (「Permanent Carmine(パーマネント カーミン) FBB 02」、クラリアットジャパン(株)製) ・分散助剤 0.6部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ・n−プロピルアルコール 80.4部
【0236】参考例3−3 実施例3−2のマゼンタ顔料分散母液組成のマゼンタ顔
料組成1を下記に変更し、かつマゼンタ画像形成層用塗
布液のマゼンタ顔料分散母液で下記シアン顔料組成1を
100%使用した以外は、実施例3−2と同様にして熱
転写シートを作製した。 マゼンタ顔料組成1; ・ポリビニルブチラール 12.6部 (「デンカブチラール#2000−L」、電気化学工業(株)製、ビカット軟化 点57℃) ・Pigment Red(ピグメントレッド) 213 15.0部 (「Symuler Fast Red(シムラーファーストレッド) 413 4A」、大日本インキ化学工業(株)製) ・分散助剤 0.6部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ・n−プロピルアルコール 80.4部
【0237】参考例3−4 実施例3−2のマゼンタ顔料分散母液組成のマゼンタ顔
料組成1を下記に変更し、かつマゼンタ画像形成層用塗
布液のマゼンタ顔料分散母液で下記シアン顔料組成1を
100%使用した以外は、実施例3−2と同様にして熱
転写シートを作製した。 マゼンタ顔料組成1; ・ポリビニルブチラール 12.6部 (「デンカブチラール#2000−L」、電気化学工業(株)製、ビカット軟化 点57℃) ・Pigment Red(ピグメントレッド) 185 15.0部 (「Novoperm Carmine(ノボパームカーミン) HF−4C」 、クラリアントジャパン(株)製) ・分散助剤 0.6部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ・n−プロピルアルコール 80.4部
【0238】実施例3−9 実施例3−3のイエロー顔料分散母液組成のイエロー顔
料組成1を下記に変更し、かつイエロー画像形成層用塗
布液のイエロー顔料分散母液で下記イエロー顔料組成1
を100%使用した以外は、実施例3−3と同様にして
熱転写シートを作製した。 イエロー顔料組成1: ・ポリビニルブチラール 7.1部 (「エスレックB BL一SH」、積水化学工業(株)製) ・Pigment Yellow(ピグメントイエロー) 13 12.9部 (「Symuler Fast Yelow(シムラーファーストイエロー) GRF」、大日本インキ化学工業(株)製) ・分散助剤 0.6部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ・n−プロピルアルコール 79.4部
【0239】実施例3−10 実施例3−3のイエロー顔料分散母液組成のイエロー顔
料組成1を下記に変更し、かつイエロー画像形成層用塗
布液のイエロー顔料分散母液で下記イエロー顔料組成1
を100%使用した以外は、実施例3−3と同様にして
熱転写シートを作製した。 イエロー顔料組成1: ・ポリビニルブチラール 7.1部 (「エスレックB BL一SH」、積水化学工業(株)製) ・Pigment Yellow(ピグメントイエロー) 14 12.9部 (「Symuler Fast Yelow(シムラーファーストイエロー) 4400」、大日本インキ化学工業(株)製) ・分散助剤 0.6部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ・n−プロピルアルコール 79.4部
【0240】実施例3−11 実施例3−3のイエロー画像形成層用塗布液のイエロー
顔料分散母液に代えて下記のイエロー顔料分散母液を用
いた以外は、実施例3−3と同様にして熱転写シートを
作製した。 ・上記イエロー顔料分散母液 126部 イエロー顔料組成1:イエロー顔料組成2=100:0(部)
【0241】参考例3−5 実施例3−3のイエロー顔料分散母液組成のイエロー顔
料組成1を下記に変更し、かつイエロー画像形成層用塗
布液のイエロー顔料分散母液で下記イエロー顔料組成1
を100%使用した以外は、実施例3−3同様にして熱
転写シートを作製した。 イエロー顔料組成1: ・ポリビニルブチラール 7.1部 (「エスレックB BL一SH」、積水化学工業(株)製) ・Pigment Yellow(ピグメントイエロー) 12 12.9部 (「Symuler Fast Yelow(シムラーファーストイエロー) GTF219」、大日本インキ化学工業(株)製) ・分散助剤 0.6部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ・n−プロピルアルコール 79.4部
【0242】参考例3−6 実施例3−3のイエロー顔料分散母液組成のイエロー顔
料組成1を下記に変更し、かつイエロー画像形成層用塗
布液のイエロー顔料分散母液で下記イエロー顔料組成1
を100%使用した以外は、実施例3−3と同様にして
熱転写シートを作製した。 イエロー顔料組成1: ・ポリビニルブチラール 7.1部 (「エスレックB BL一SH」、積水化学工業(株)製) ・Pigment Yellow(ピグメントイエロー) 155 12.9部 (「Graphtol Yelow(グラフトールイエロー) 3GP」、クラ リアントジャパン(株)製) ・分散助剤 0.6部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ・n−プロピルアルコール 79.4部
【0243】尚、上記実施例3−1〜3−11及び参考
例3−1〜3−6の画像形成層塗布液をPETベース上
に上記各熱転写シート作製の際に光熱変換層上に塗布し
たときと厚み及びODが同じとなるよう塗布し、その後
に受像層上へ熱転写装置により転写して、更に本紙(特
菱アート紙 128g)へ受像層ごと画像形成層を転写
したものを試料としたものを用意した。これら試料の色
相(L1*a1*b1*)は、ΔE1及びΔE2の算出に用
いる。
【0244】−受像シートの作製− 実施例1−1と全く同じ受像シートを作製して用いた。
【0245】−転写画像の形成− 基本的に実施例1−1と同じ条件で行い、レーザー照射
条件は、以下の通りである。また、本実施例で使用した
レーザービームは、主走査方向に5列、副走査方向に3
列の平行四辺形からなるマルチビーム2次元配列からな
るレーザービームを使用した。 レーザーパワー 110mW ドラム回転数 500rpm 副走査ピッチ 6.35μm 環境温湿度 18℃30%, 23℃50%, 2
6℃65%の3条件 露光ドラムの直径は360mm以上が好ましく、具体的
には380mmのものを用いた。なお、画像サイズは5
15mm×728mm、解像度は2600dpiであ
る。レーザービームスポットの2次元エネルギー分布を
主走査方向に積分し、副走査方向でのエネルギー分布に
したものの半値半幅をレーザービーム幅としたとき、レ
ーザービーム幅に対して画像の線幅は、1.05倍であ
った。
【0246】前記レーザー記録が終了した積層体を、ド
ラムから取り外し、熱転写シートを熱転写装置を用い本
紙に転写し、蛍光灯、白色灯及び太陽光など種々の光源
下で目視による色相目標サンプルとの色の見え方のため
の試料とした。評価結果は以下のようにランク付けをし
た。 ○:どの光源下においても、目標色相サンプルと記録サ
ンプルの間に色の違いは感じなかった。 △:光源の差により目標サンプル、記録サンプル間に見
え方の差が出てくる。 ×:光源による見え方の違いや、目標色相との差が大き
い。 上記結果を下記表4に示す。なお、参考例3−1〜3−
6は、画像形成層の色相と目標色相との間の色差をΔE
とした時のΔEの変化幅が与える効果を見るための実験
例である。
【0247】
【表4】
【0248】
【表5】
【0249】
【表6】
【0250】表中、L*、a*、b*は実施例の欄につい
ては画像形成層の色相(L1*a1*b1*)を示し、目
標色相(目標と表記)の欄については(L2*a2*b2
*)を示し、ΔE1は光源がD65で測定される色差{(L
*−L2*2+(a1*−a2*2+(b1*−b2*
20.5を示し、D65 2とは昼光に対応する(D65)にお
いて視野角2度での測定を表す。また、ΔE2は光源が
Aで測定される色差{(L1*−L2*2+(a1*−a
*2+(b1*−b2*20.5を示し、A2とは白熱
電灯に対応する光源(A)において視野角2度での測定
を表す。上表より、本発明の実施例は、蛍光灯、白色灯
及び太陽光など種々の光源下で色相目標サンプルとの色
の見え方の差異が参考例に比べて少ないことがわかる。
【0251】<実施例(4)> 実施例4−1 −熱転写シートY(イエロー)の作製− 1)光熱変換層用塗布液の調製 光熱変換層に下記マット剤処方を用いた以外、実施例1
−1と全く同じ光熱変換層用塗布液を調製した。
【0252】 マット剤分散液 ・N−メチル−2−ピロリドン(NMP) 69部 ・メチルエチルケトン 20部 ・スチレンアクリル樹脂 3部 (「ジョンクリル611」、ジョンソンポリマー(株)製) ・SiO2 粒子 8部 (「シーホスターKEP150」:シリカ粒子、日本触媒(株)製)
【0253】2)支持体表面への光熱変換層の形成 実施例1−1と同じバック層を有する、同じ厚さ75μ
mのポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)の
一方の表面上に、上記光熱変換層用塗布液をワイヤーバ
ーを用いて塗布した後、塗布物を120℃のオーブン中
で2分間乾燥して、該支持体上に光熱変換層を形成し
た。得られた光熱変換層は、波長808nm付近に吸収
があり、その吸光度(光学濃度:OD)を島津社製UV
−分光光度計UV−2400で測定したところ、OD=
1.03であった。層厚は、走査型電子顕微鏡により光
熱変換層の断面を観察したところ、平均で0.3μmで
あった。
【0254】3)イエロー画像形成層用塗布液の調製 実施例1−1と同じ処方でイエロー画像形成層用塗布液
を調製した。
【0255】4)光熱変換層表面へのイエロー画像形成
層の形成 実施例1−1と同じ工程条件で支持体上に、光熱変換層
及びイエロー画像形成層が、この順で設けられた熱転写
シートYを作製した。
【0256】実施例4−2 実施例4−1のイエロー画像形成層用塗布液組成のうち
ポリビニルブチラールを(「エスレックB BL一S
H」、積水化学工業(株)製)4.6部を17.0部に
変更した以外は実施例4−1と同様にして熱転写シート
Yを作製した。
【0257】参考例4−1 実施例4−1中のイエロー画像形成層用塗布液組成のう
ちポリビニルブチラール(「エスレックB BL一S
H」、積水化学工業(株)製)4.6部を37.5部に
変更した以外は実施例4−1と同様にして熱転写シート
Yを作製した。
【0258】実施例4−3 −熱転写シートMの作製− 実施例1−1と同様に熱転写シートMを作製した。
【0259】実施例4−4 実施例4−3中のマゼンタ画像形成層用塗布液組成のう
ちポリビニルブチラール(「デンカブチラール#200
0−L」、電気化学工業(株)製、ビカット軟化点57
℃)4.0部を49.7部に変更した以外は実施例4−
3と同様にして熱転写シートYを作製した。
【0260】参考例4−2 実施例4−3中のマゼンタ画像形成層用塗布液組成のう
ちポリビニルブチラール(「デンカブチラール#200
0−L」、電気化学工業(株)製、ビカット軟化点57
℃)4.0部を80.0部に変更した以外は実施例4−
3と同様にして熱転写シートYを作製した。
【0261】実施例4−5 −熱転写シートCの作製− 実施例1−1と同様に熱転写シートCを作製した。
【0262】実施例4−6 上記実施例4−5において、シアン画像形成層用塗布液
組成を以下に変更した以外は、実施例4−5と同様にし
て、熱転写シートCを作製した。
【0263】 [シアン画像形成層用塗布液組成] ・上記シアン顔料分散母液 118部 シアン顔料組成1:シアン顔料組成2=90:10(部) ・ポリビニルブチラール 5.2部 (「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製) ・ワックス系化合物 (ステアリン酸アミド「ニュートロン2」、日本精化(株)製) 1.0部 (ベヘン酸アミド「ダイヤミッドBM」、日本化成(株)製) 1.0部 (ラウリン酸アミド「ダイヤミッドY」、日本化成(株)製) 1.0部 (パルミチン酸アミド「ダイヤミンドKP」、日本化成(株)製) 1.0部 (エルカ酸アミド「ダイヤミッドL−200」(日本化成(株)製) 1.0部 (オレイン酸アミド「ダイヤミッドO−200」、日本化成(株)製)1.0部 ・ロジン 2.8部 (「KE−311」、荒川化学(株)製) ・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 1.7部 (「NKエステル A−TMMT」、新中村化学(株)製) ・界面活性剤 1.7部 (「メガファックF−176PF」、固形分20%、大日本インキ化学工業社製 ) ・n−プロピルアルコール 890部 ・メチルエチルケトン 247部
【0264】実施例4−7 実施例4−5中のシアン画像形成層用塗布液組成のうち
ポリビニルブチラール(「エスレックB BL一S
H」、積水化学工業(株)製)5.2部を22.0部に
変更した以外は実施例4−5と同様にして熱転写シート
Cを作製した。
【0265】参考例4−3 実施例4−5中のシアン画像形成層用塗布液組成のうち
ポリビニルブチラール(「エスレックB BL一S
H」、積水化学工業(株)製)5.2部を37.0部に
変更した以外は実施例4−5と同様にして熱転写シート
Cを作製した。
【0266】実施例4−8 −熱転写シートKの作製− 実施例1−1と同様に熱転写シートKを作製した。
【0267】実施例4−9 実施例4−8中のブラック画像形成層用塗布液組成のう
ちポリビニルブチラール(「エスレックB BL一S
H」、積水化学工業(株)製)11.9部を26.0部
に変更した以外は実施例4−8と同様にして熱転写シー
トKを作製した。
【0268】参考例4−4 実施例4−8中のブラック画像形成層用塗布液組成のう
ちポリビニルブチラール(「エスレックB BL一S
H」、積水化学工業(株)製)11.9部を52.0部
に変更した以外は実施例4−8と同様にして熱転写シー
トKを作製した。
【0269】−受像シートの作製− 実施例1−1と同様に受像シートを作製した。
【0270】−転写画像の形成− 基本的に実施例1−1と同一条件で行い、ドラムを回転
させ、ドラム上での積層体の表面に、外側から波長83
0nmの半導体レーザー光を、光熱変換層の表面で7μ
mのスポットになるように集光し、回転ドラムの回転方
向(主走査方向)に対して、直角方向に移動させながら
(副走査)、積層体へレーザー画像記録を行った。レー
ザー画像記録は各々の試料についてベタ画像及び通常画
像の2通り行った。レーザー照射条件は、以下の通りで
ある。また、本実施例で使用したレーザービームは、主
走査方向に5列、副走査方向に3列の平行四辺形からな
るマルチビーム2次元配列からなるレーザービームを使
用した。 レーザーパワー 1l0mW 主走査速度 6m/秒 副走査ピッチ 6.35μm 環境温湿度 23℃50% 露光ドラムの直径は360mm以上が好ましく、具体的
には380mmのものを用いた。尚、レーザービームス
ポットの2次元エネルギー分布を主走査方向に積分し、
副走査方向でのエネルギー分布にしたものの半値半幅を
レーザービーム幅としたとき、レーザービーム幅に対し
て画像の線幅は、1.03倍であった。
【0271】前記レーザー記録が終了した積層体を、ド
ラムから取り外し、熱転写シートを受像シートから手で
引き剥がし、さらに受像シート上の画像を下記熱転写装
置により本紙に転写した。熱転写装置は、挿入台の材質
のポリエチレンテレフタレートに対する動摩擦係数が
0.1〜0.7、搬送速度が15〜50mm/secで
ある転写装置を用いた。また、熱転写装置の熱ロール材
質のビッカ−ス硬度は10ないし100が好ましく、具
体的にはビッカース硬度が70のものを用いた。
【0272】<反射光学濃度ODrの測定>本紙に転写
されたベタ画像を前記方法により測定した。また、本紙
に転写された通常画像の画質の評価は、以下のように行
った。 ○ :良好な網点形状、線の形状が得られる。 ○△:ほぼ良好な網点形状、線の形状が得られる。 △ :部分的に網点の不良がみられるが許容範囲内。 × :不可。 以上の結果を表7に示す。なお、参考例4−1〜4−4
は、イエロー色用熱転写シートに対しては画像形成層の
ブルーフィルターによる反射ODを、マゼンタ色用熱転
写シートに対してはグリーンフィルターによる反射OD
を、シアン色用熱転写シートに対してはレッドフィルタ
ーによる反射ODを、更にブラック色用熱転写シートに
対してはビジュアルフィルターによる反射ODをそれぞ
れの画像形成層の層厚で割った値Xによる効果を見るた
めの実験例である。
【0273】
【表7】
【0274】上表よりX(ODr/層厚)が本発明範囲
である実施例は、参考例に比べて画質が良好であること
が分る。
【0275】<実施例(5)> 実施例5−1 −熱転写シートK(ブラック)の作製− バック第2層塗布液を下記処方に置き換えた以外、実施
例1−1と同様に処方で熱転写シートKを作製した。 [バック第2層塗布液] ポリオレフィン 3.0部 (ケミパールS−120、27質量%、三井石油化学(株)製) 帯電防止剤(酸化スズ−酸化アンチモンの水分散物) 2.0部 (平均粒径:0.1μm、17質量%) コロイダルシリカ 2.0部 (スノーテックスC、20質量%、日産化学(株)製) エポキシ化合物 0.3部 (ディナコールEX−614B、ナガセ化成(株)製) ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 0.1部 蒸留水 合計が100部に なるよう調製した
【0276】−熱転写シートYの作製− 実施例1−1と同様に処方で熱転写シートYを作製し
た。
【0277】−熱転写シートMの作製− 実施例1−1と同様に条件同じ処方で熱転写シートMを
作製した。
【0278】−熱転写シートCの作製− 実施例1−1と同様に条件同じ処方で熱転写シートCを
作製した。
【0279】−受像シートの作製− 実施例1−1と同様に条件同じ処方で受像シートを作製
した。
【0280】−転写画像の形成− 画像形成システムは、図4記載のシステムで記録装置と
してLuxel FINALPROOF 5600を用
い、本システムの画像形成シーケンス及び本システムで
用いる本紙転写方法により本紙への転写画像を得た。直
径1mmの真空セクション孔(3cm×8cmのエリア
に1個の面密度)が開けられている直径38cmの回転
ドラムに、上記で作製した受像シート(56cm×79
cm)を巻き付け、真空吸着させた。次いで、61cm
×84cmに切断した前記熱転写シートK(ブラック)
を前記受像シートから均等にはみ出すように重ね、スク
イーズローラーでスクイーズさせつつ、セクション孔に
空気が吸引されるように密着、積層させた。セクション
孔が塞がれた状態での減圧度は、1気圧に対して−15
0mmHg(≒81.13kPa)であった。前記ドラ
ムを回転させ、ドラム上での積層体の表面に、外側から
波長808nmの半導体レーザー光を、光熱変換層の表
面で7μmのスポットになるように集光し、回転ドラム
の回転方向(主走査方向)に対して、直角方向に移動さ
せながら(副走査)、積層体へレーザー画像(画線)記
録を行った。レーザー照射条件は、以下の通りである。
また、本実施例で使用したレーザービームは、主走査方
向に5列、副走査方向に3列の平行四辺形からなるマル
チビーム2次元配列からなるレーザービームを使用し
た。 レーザーパワー 110mW ドラム回転数 500rpm 副走査ピッチ 6.35μm 環境温湿度 18℃30%(図15を用いる場合は、20℃40%), 23℃50%, 26℃65%の3条件 露光ドラムの直径は360mm以上が好ましく、具体的
には380mmのものを用いた。なお、画像サイズは5
15mm×728mm、解像度は2600dpiであ
る。レーザービームスポットの2次元エネルギー分布を
主走査方向に積分し、副走査方向でのエネルギー分布に
したものの半値半幅をレーザービーム幅としたとき、レ
ーザービーム幅に対して画像の線幅は、1.03倍であ
った。前記レーザー記録が終了した積層体を、ドラムか
ら取り外し、熱転写シートKを受像シートから手で引き
剥がしたところ、熱転写シートKの画像形成層の光照射
領域のみが、熱転写シートKから受像シートに転写され
ているのが確認された。
【0281】上記と同様にして、前記熱転写シートY、
熱転写シートM、及び熱転写シートCの各熱転写シート
から、受像シート上に画像を転写した。転写された4色
の画像を、記録紙に更に転写し、多色の画像を形成した
ところ、異なる温湿度条件下において、マルチビーム2
次元配列であるレーザー光により、高エネルギーでレー
ザー記録した場合も、画質が良好であり、安定した転写
濃度を有する多色画像を形成することができた。本紙へ
の転写は挿入台の材質のポリエチレンテレフタレートに
対する動摩擦係数が0.1〜0.7である、搬送速度が
15〜50mm/secである熱転写装置を用いた。熱
転写装置の熱ロ−ル材質のビッカ−ス硬度は10ないし
100が好ましく、具体的にはビッカ−ス硬度が70を
用いた。得られた画像は3つの環境温湿度とも良好であ
った。
【0282】各熱転写シートの画像形成層の光学濃度
は、特菱アート紙に本紙転写したものを、濃度計X−r
ite938(X−rite社製)にてY,M,C,K
色それぞれY,M,C,Kモードにて測定した。各色の
光学濃度、光学濃度/画像形成層層厚(μm)は下記表
8のとおりであった。
【0283】
【表8】
【0284】参考例5−1 上記のK、Y、M、Cの画像形成層中の高分子系顔料分
散剤とリン酸エステル系顔料分散剤のみをすべて、脂肪
族系多価カルボン酸(ディスパロン#1210)に替え
て、あとは実施例5−1と同様にして得られた多色画像
を得た。なお、参考例5−1は、高分子顔料分散剤、リ
ン酸エステル系顔料分散剤の効果を見るための実験例で
ある。
【0285】
【表9】
【0286】このようなシステム構成で得られた画像の
評価を以下のように行った。印刷物との色相一致性は、
得られた多色画像を印刷物の標準色見本であるJapa
n Color version2と目視と測色機(X
−rite社製:X−RITE938)により比較を行
い総合的に評価した。 ○:目視、測色機においてもほぼ色相が一致している。 △:色相のズレが見られる。 ×:色相が大きくズレている。
【0287】解像力は得られた画像の細線の付きや、網
点のシャープさを顕微鏡により観察し官能評価した。 ○:ハイライトからシャドーまでシャープな形状の網点
が得られており。エッジ部に余分なバリ等が見られな
い。 △:ハイライトからシャドーまでの網点再現性ものの、
網点形状がオリジナルの画像データの形状を忠実に再現
できていなく、網点にバリや欠けが見られる。 ×:ハイライト、またはシャドー部の網点がついていな
い、または潰れている網点にバリや欠けが激しい。
【0288】塗布液の安定性は、画像形成層の塗布液を
1週間放置し上澄みの出来かたや、沈殿物の生成の仕方
から評価した。 ○:1週間放置してもほとんど上澄みや沈殿物が見られ
ない。 △:上澄みや沈殿が見られる。 ×:上澄みや沈殿が激しい。
【0289】<実施例(6)> 実施例6−1 ・熱転写シートの作製 −熱転写シートKの作製− 実施例1−1と同じ第1バック層形成用塗布液を使用
し、実施例1−1と同じ厚さ75μm、幅65cmのポ
リエチレンテレフタレートフィルム支持体(両面のRa
は0.01μm)の一方の表面上に、上記の第一バック
層形成用塗布液をワイヤーバーを用いて塗布した後、塗
布物を100℃のオーブン中で2分間乾燥して、支持体
上に膜厚0.04μmの第1バック層を形成した。
【0290】第2バック層は、実施例1−1の第2バッ
ク層形成用塗布液から帯電防止剤を除いた以外は実施例
1−1の第2バック層形成用塗布液を用い、前記第1バ
ック層上に、上記の第2バック層形成用塗布液をワイヤ
ーバーを用いて塗布した後、塗布物を100℃のオーブ
ン中で2分間乾燥して、第1バック層上に膜厚0.03
μmの第2バック層を形成した。
【0291】1)光熱変換層用塗布液の調製 下記マット剤分散液に変更した以外は、実施例1−1と
同じ各成分をスターラーで攪拌しながら混合して、光熱
変換層用塗布液を調製した。
【0292】 マット剤分散液 ・N−メチル−2−ピロリドン(NMP) 69部 ・メチルエチルケトン 20部 ・スチレンアクリル樹脂 3部 (「ジョンクリル611」、ジョンソンポリマー(株)製) ・SiO2粒子 8部 (「シーホスターKEP150」:シリカゲル粒子、日本触媒(株)製)
【0293】2)支持体表面への光熱変換層の形成 厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
(支持体)の一方の表面上に、上記光熱変換層用塗布液
をワイヤーバーを用いて塗布した後、塗布物を120℃
のオーブン中で2分間乾燥して、該支持体上に光熱変換
層を形成した。得られた光熱変換層は、波長808nm
付近に吸収があり、その吸光度(光学濃度:OD)を島
津社製UV−分光光度計UV−2400で測定したとこ
ろ、OD=1.03であった。層厚は、走査型電子顕微
鏡により光熱変換層の断面を観察したところ、平均で
0.3μmであった。
【0294】3)ブラック画像形成層用塗布液の調製 下記の各成分を、ニーダーのミルに入れ、少量の溶剤を
添加しつつ剪断力を加え、分散前処理を行った。その分
散物に、更に溶剤を加えて、最終的に下記組成となるよ
うに調製し、サンドミル分散をカーボンブラックの平均
粒子径が202nm、変動係数が35.5%となるまで
行い、ブラック1の顔料分散母液を得た。 [ブラック1の顔料分散母液組成] ・ポリビニルブチラール 12.6部 (「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製) ・Pigment Black(ピグメントブラック) 7(カーボンブラック C.I.No.77266) 10.5部 (「三菱カーボンブラック MA100」、三菱化学(株)製、PVC黒度:1 0) ・分散助剤 0.8部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ・n−プロピルアルコール 79.4部
【0295】上記ブラック1の顔料分散母液を使用した
以外は、実施例1−1の[ブラック画像形成層用塗布液
組成]でブラック画像形成層用塗布液を調整し、実施例
1−1と同じ処方で光熱変換層の表面に、上記ブラック
画像形成層用塗布液をワイヤーバーを用いて1分間塗布
した後、塗布物を100℃のオーブン中で2分間乾燥し
て、光熱変換層の上にブラック画像形成層を形成した。
ブラック画像形成層の層厚を測定したところ、平均で
0.60μmであった。
【0296】実施例6−2 実施例6−1のブラック画像形成層用塗布液に代えて下
記のものを用いた以外は実施例6−1と同様にして熱転
写シートKを作製した。
【0297】(ブラック画像形成層用塗布液の調製)下
記の各成分を、ニーダーのミルに入れ、少量の溶剤を添
加しつつ剪断力を加え、分散前処理を行った。その分散
物に、更に溶剤を加えて、最終的に下記組成となるよう
に調製し、サンドミル分散をカーボンブラックの平均粒
子径が289nm、変動係数が24.4%となるまで行
い、ブラック2の顔料分散母液を得た。 [ブラック2の顔料分散母液組成] ・ポリビニルブチラール 12.6部 (「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製) ・Pigment Black(ピグメントブラック) 7(カーボンブラック C.I.No.77266) 4.5部 (「三菱カーボンブラック #5」、三菱化学(株)製、PVC黒度:1) ・分散助剤 0.8部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ・n−プロピルアルコール 79.4部
【0298】上記ブラック2の顔料分散母液以外は、、
実施例1−1の[ブラック画像形成層用塗布液組成]で
ブラック画像形成層用塗布液を調整し、実施例1−1と
同じ処方で熱転写シートKを作製した。
【0299】実施例6−3 実施例6−1のブラック画像形成層用塗布液ブラック1
の顔料分散母液に代えて下記のブラック顔料分散母液を
用いた以外は、実施例6−1と同様にして熱転写シート
を作製した。 ・ブラック顔料分散母液 185.7部 実施例6−1のブラック1の顔料分散母液:実施例6−
2のブラック2の顔料分散母液=30:70(部)の混
合物
【0300】実施例6−4 −熱転写シートYの作製− 上記熱転写シートKの作製において、ブラック画像形成
層用塗布液の代わりに、下記組成のイエロー画像形成層
用塗布液を用いた以外は、熱転写シートKの作製と同様
にして、熱転写シートYを作製した。得られた熱転写シ
ートYの画像形成層の層厚は、0.42μmであった。
まず、実施例6−1と同様にサンドミル分散をイエロー
顔料の平均粒子径が392nm、変動係数が28.5%
となるまで行い、イエロー1の顔料分散母液を得た。 [イエロー1の顔料分散母液組成] ・ポリビニルブチラール 7.1部 (「エスレックB BL一SH」、積水化学工業(株)製) ・Pigment Yellow(ピグメントイエロー) 180(C.I.N o.21290) 12.9部 (「Novoperm Yellow(ノボパームイエロー) P−HG」、ク ラリアントジャパン(株)製) ・分散助剤 0.6部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ・n−プロピルアルコール 79.4部
【0301】上記イエロー1の顔料分散母液以外は、実
施例1−1の[イエロー画像形成層用塗布液組成]でイ
エロー画像形成層用塗布液を調整し、実施例1−1と同
じ処方で熱転写シートYを作製した。
【0302】実施例6−5 実施例6−4のイエロー画像形成層用塗布液に代えて下
記のものを用いた以外は実施例6−4と同様にして熱転
写シートYを作製した。
【0303】(イエロー画像形成層用塗布液の調製)下
記の各成分を、ニーダーのミルに入れ、少量の溶剤を添
加しつつ剪断力を加え、分散前処理を行った。その分散
物に、更に溶剤を加えて、最終的に下記組成となるよう
に調製し、サンドミル分散をイエロー顔料の平均粒子径
が631nm、変動係数が35.0%となるまで行い、
イエロー2の顔料分散母液を得た。 [イエロー2の顔料分散母液組成] ・ポリビニルブチラール 7.1部 (「エスレックB BL一SH」、積水化学工業(株)製) ・Pigment Yellow(ピグメントイエロー) 139(C.I.N o.56298) 12.9部 (「Novoperm Yellow(ノボパームイエロー) M2R 70」 、クラリアントジャパン(株)製) ・分散助剤 0.6部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ・n−プロピルアルコール 79.4部
【0304】上記イエロー2の顔料分散母液以外は、実
施例1−1の[イエロー画像形成層用塗布液組成]でイ
エロー画像形成層用塗布液を調整し、実施例1−1と同
じ処方で熱転写シートYを作製した。
【0305】実施例6−6 実施例6−4のイエロー画像形成層用塗布液イエロー1
の顔料分散母液に代えて下記のイエロー顔料分散母液を
用いた以外は、実施例6−4と同様にして熱転写シート
を作製した。 ・イエロー顔料分散母液 126部 実施例6−4のイエロー1の顔料分散母液:実施例6−
5のイエロー2の顔料分散母液=95:5(部)の混合
【0306】実施例6−7 −熱転写シートMの作製− 上記熱転写シートKの作製において、ブラック画像形成
層用塗布液の代わりに、下記組成のマゼンタ画像形成層
用塗布液を用いた以外は、熱転写シートKの作製と同様
にして、熱転写シートMを作製した。得られた熱転写シ
ートMの画像形成層の層厚は、0.38μmであった。
まず、実施例6−1と同様にサンドミル分散をイエロー
顔料の平均粒子径が368nm、変動係数が32.4%
となるまで行い、マゼンタ1の顔料分散母液を得た。 [マゼンタ1の顔料分散母液組成] ・ポリビニルブチラール 12.6部 (「デンカブチラール#2000−L」、電気化学工業(株)製、ビカット軟化 点57℃) ・Pigment Red(ピグメントレッド) 57:1(C.I.No.1 5850:1) 15.0部 (「Symuler Brilliant Carmine(シムラーブリリア ントカーミン) 6B−229」、大日本インキ化学工業(株)製) ・分散助剤 0.6部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ・n−プロピルアルコール 80.4部
【0307】上記マゼンタ1の顔料分散母液以外は、実
施例1−1の[マゼンタ画像形成層用塗布液組成]でマ
ゼンタ画像形成層用塗布液を調整し、実施例1−1と同
じ処方で熱転写シートMを作製した。
【0308】実施例6−8 実施例6−7のマゼンタ画像形成層用塗布液に代えて下
記のものを用いた以外は実施例6−7と同様にして熱転
写シートMを作製した。
【0309】(マゼンタ画像形成層用塗布液の調製)下
記の各成分を、ニーダーのミルに入れ、少量の溶剤を添
加しつつ剪断力を加え、分散前処理を行った。その分散
物に、更に溶剤を加えて、最終的に下記組成となるよう
に調製し、サンドミル分散をマゼンタ顔料の平均粒子径
が258nm、変動係数が37.0%となるまで行い、
マゼンタ2の顔料分散母液を得た。 [マゼンタ2の顔料分散母液組成] ・ポリビニルブチラール 12.6部 (「デンカブチラール#2000−L」、電気化学工業(株)製、ビカット軟化 点57℃) ・Pigment Red(ピグメントレッド) 57:1(C.I.No.1 5850:1) 15.0部 (「Lionol Red(リオノールレッド) 6B−4290G」、東洋イ ンキ製造(株)製) ・分散助剤 0.6部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ・n−プロピルアルコール 79.4部
【0310】上記マゼンタ2の顔料分散母液以外は、実
施例1−1の[マゼンタ画像形成層用塗布液組成]でマ
ゼンタ画像形成層用塗布液を調整し、実施例1−1と同
じ処方で熱転写シートMを作製した。
【0311】実施例6−9 実施例6−7のマゼンタ画像形成層用塗布液のマゼンタ
顔料分散母液に代えて下記のマゼンタ顔料分散母液を用
いた以外は、実施例6−7と同様にして熱転写シートを
作製した。 ・マゼンタ顔料分散母液 163部 実施例6−7のマゼンタ1の顔料分散母液:実施例6−
8のマゼンタ2の顔料分散母液=95:5(部)の混合
【0312】実施例6−10 −熱転写シートCの作製− 上記熱転写シートKの作製において、ブラック画像形成
層用塗布液の代わりに、下記組成のシアン画像形成層用
塗布液を用いた以外は、熱転写シートKの作製と同様に
して、熱転写シートCを作製した。得られた熱転写シー
トCの画像形成層の層厚は、0.45μmであった。ま
ず、実施例6−1と同様にサンドミル分散をシアン顔料
の平均粒子径が183nm、変動係数が36.3%とな
るまで行い、シアン1の顔料分散母液を得た。 [シアン1の顔料分散母液組成] ・ポリビニルブチラール 12.6部 (「エスレックB BL‐SH」、積水化学工業(株)製) ・Pigment Blue(ピグメントブルー) 15:4(C.I.No. 74160) 15.0部 (「Cyanine Blue(シアニンブルー) 700−10FG」、東 洋インキ製造(株)製) ・分散助剤 0.8部 (「PW−36」、楠本化成(株)製) ・n−プロピルアルコール 110部
【0313】上記シアン1の顔料分散母液以外は、実施
例1−1の[シアン画像形成層用塗布液組成]でシアン
画像形成層用塗布液を調整し、実施例1−1と同じ処方
で熱転写シートCを作製した。
【0314】実施例6−11 実施例6−10のシアン画像形成層用塗布液に代えて下
記のものを用いた以外は実施例6−10と同様にして熱
転写シートCを作製した。
【0315】(シアン画像形成層用塗布液の調製)下記
の各成分を、ニーダーのミルに入れ、少量の溶剤を添加
しつつ剪断力を加え、分散前処理を行った。その分散物
に、更に溶剤を加えて、最終的に下記組成となるように
調製し、サンドミル分散をシアン顔料の平均粒子径が2
58nm、変動係数が41.3%となるまで行い、シア
ン2の顔料分散母液を得た。 [シアン2の顔料分散母液組成] ・ポリビニルブチラール 12.6部 (「エスレックB BL‐SH」、積水化学工業(株)製) ・Pigment Blue(ピグメントブルー) 15(C.I.No.74 160) 15.0部 (「Lionol Blue(リオノールブルー) 7027」、東洋インキ製 造(株)製) ・分散助剤 0.8部 (「PW−36」、楠本化成(株)製) ・n−プロピルアルコール 110部
【0316】上記シアン2の顔料分散母液以外は、実施
例1−1の[シアン画像形成層用塗布液組成]でシアン
画像形成層用塗布液を調整し、実施例1−1と同じ処方
で熱転写シートCを作製した。
【0317】実施例6−12 実施例6−10のシアン画像形成層用塗布液のシアン顔
料分散母液に代えて下記のシアン顔料分散母液を用いた
以外は、実施例6−10と同様にして熱転写シートを作
製した。 ・シアン顔料分散母液 118部 実施例6−10のシアン1の顔料分散母液:実施例6−
11のシアン2の顔料分散母液=90:10(部)の混
合物
【0318】参考例6−1 実施例6−7のマゼンダ顔料分散母液組成と同じものを
実施例6−7と同様にサンドミル分散を行い、マゼンタ
顔料の平均粒子径が525nm、変動係数が52.0%
となるまで行い、マゼンタ3の顔料分散母液を得た。次
いで、実施例6−7のマゼンタ画像形成層用塗布液組成
のマゼンダ1の顔料分散母液に代えて、上記マゼンダ3
の顔料分散母液を用いる以外は実施例6−7と同様にし
て熱転写シートを作製した。
【0319】参考例6−2 実施例6−9のマゼンタ画像形成層用塗布液のマゼンタ
顔料分散母液に代えて下記のマゼンタ顔料分散母液を用
いた以外は、実施例6−9と同様にして熱転写シートを
作製した。 ・マゼンタ顔料分散母液 163部 参考例6−1のマゼンタ3の顔料分散母液:実施例6−
8のマゼンタ2の顔料分散母液=95:5(部)の混合
【0320】参考例6−3 実施例6−10のシアン顔料分散母液組成と同じものを
実施例6−10と同様にサンドミル分散を行い、シアン
顔料の平均粒子径が425nm、変動係数が55.0%
となるまで行い、シアン3の顔料分散母液を得た。次い
で、実施例6−10のシアン画像形成層用塗布液組成の
シアン1の顔料分散母液に代えて、上記シアン3の顔料
分散母液を用いる以外は実施例6−10と同様にして熱
転写シートを作製した。
【0321】参考例6−4 実施例6−12のシアン画像形成層用塗布液のシアン顔
料分散母液に代えて下記のシアン顔料分散母液を用いた
以外は、実施例6−12と同様にして熱転写シートを作
製した。 ・シアン顔料分散母液 118部 参考例6−3のシアン3の顔料分散母液:実施例6−1
1のシアン2の顔料分散母液=90:10(部)の混合
【0322】−受像シートの作製− 実施例1−1と同一の受像シートを作製した。
【0323】上記熱転写シートの性能を下記により評価
し、結果を表10に示した。 [熱転写シートの性能] −転写画像の形成− 転写画像の形成は実施例1−1のそれと基本的に同じ条
件で行い、ドラムを回転させ、ドラム上での積層体の表
面に、外側から波長830nmの半導体レーザー光を、
光熱変換層の表面で7μmのスポットになるように集光
し、回転ドラムの回転方向(主走査方向)に対して、直
角方向に移動させながら(副走査)、積層体へレーザー
画像(画線)記録を行った。レーザー照射条件は、以下
の通りである。また、本実施例で使用したレーザービー
ムは、主走査方向に5列、副走査方向に3列の平行四辺
形からなるマルチビーム2次元配列からなるレーザービ
ームを使用した。
【0324】レーザーパワー 1l0mW 主走査速度 6m/秒 副走査ピッチ 6.35μm 環境温湿度 18℃30%, 23℃50%, 2
6℃65%の3条件 前記レーザー記録が終了した積層体を、ドラムから取り
外し、熱転写シートKを受像シートから手で引き剥がし
たところ、熱転写シートKの画像形成層の光照射領域の
みが、熱転写シートKから受像シートに転写されている
のが確認された。露光ドラムの直径は360mm以上が
好ましく、具体的には380mmのものを用いた。レー
ザービームスポットの2次元エネルギー分布を主走査方
向に積分し、副走査方向でのエネルギー分布にしたもの
の半値半幅をレーザービーム幅としたとき、レーザービ
ーム幅に対して画像の線幅は、1.04倍であった。
【0325】上記と同様にして、前記実施例6−2の熱
転写シートK、実施例6−3〜6−12の、熱転写シー
トY、熱転写シートM、熱転写シートC並びに参考例6
−1〜6−4の各熱転写シートから、受像シート上に画
像を転写した。更に、転写された画像を、記録紙に更に
転写し、各転写画像の解像度を顕微鏡の視野で測定し次
により評価した。 ○:網点がきれいに均一に記録される ×:網点の欠けやトビが見られる 尚、記録紙への転写は挿入台の材質のポリエチレンテレ
フタレートに対する動摩擦係数が0.1〜0.7で、搬
送速度が15〜50mm/secである転写装置を用い
た。また、熱ロール材質のビッカース硬度は10ないし
100が好ましく、具体的にはビッカース硬度が70の
ものを用いた。なお、参考例6−1〜6−4は、画像形
成層の着色剤の分散の程度、または粒子径の変動係数の
効果を見るための実験例である。
【0326】
【表10】
【0327】上表より、本発明の単分散な有機顔料及び
/又はカーボンブラックを用いた熱転写シートは、本発
明以外の顔料を用いた参考例に比べて解像度が優れてい
ることが分る。
【0328】
【発明の効果】本発明において開発したプルーフ製品は
薄膜転写技術を基本に、レーザー熱転写系での新たな問
題点をクリアーし、さらに高画質のものにするため、前
述の種々の技術を盛り込んだ薄膜熱転写方式にてシャー
プな網点を実現し、本紙転写・実網点出力・顔料タイプ
・B2サイズの画像形成材料、出力機および高品位CM
SソフトからなるDDCP用レーザー熱転写記録システ
ムを開発することが出来た。このように本発明では、解
像力の高い材料の能力を十分に発揮できるようなシステ
ム構成を実現できた。具体的には、CTP時代のフイル
ムレスに対応し校正刷りやアナログ式カラープルーフか
ら代わるコントラクトプルーフを提供でき、このプルー
フは顧客の承認を得るための印刷物やアナログ式カラー
プルーフと一致した色再現性を再現できる。印刷インク
と同じ顔料系色材を使用し、本紙への転写が可能であ
り、モワレ等のないDDCPシステムを提供できる。ま
た本発明によれば本紙転写が可能であり、印刷インクと
同じ顔料系色材を使用し、印刷物近似性の高い大サイズ
(A2/B2以上)デジタルダイレクトカラープルーフ
システムを提供できる。本発明はレーザー薄膜熱転写方
式を用い、顔料色材を使用し、実網点記録を行って本紙
転写できる方式である。異なる温湿度条件下において、
マルチビーム2次元配列であるレーザー光により、高エ
ネルギーでレーザー記録した場合も、画質が良好であ
り、安定した転写濃度の画像を受像シート上に形成し得
る、多色画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザーを用いた薄膜熱転写による多色画像形
成の機構の概略を説明する図である。
【図2】レーザー熱転写用記録装置の構成例を示す図で
ある。
【図3】熱転写装置の構成例を示す図である。
【図4】レーザー熱転写用記録装置FINALPROO
Fを用いたシステムの構成例を示す図である。
【図5】実施例で得られた画像のドット形状を示す。ド
ット中心間の距離は、125μmである。
【図6】実施例で得られた画像のドット形状を示す。ド
ット中心間の距離は、125μmである。
【図7】実施例で得られた画像のドット形状を示す。ド
ット中心間の距離は、125μmである。
【図8】実施例で得られた画像のドット形状を示す。ド
ット中心間の距離は、125μmである。
【図9】実施例で得られた画像のドット形状を示す。ド
ット中心間の距離は、125μmである。
【図10】実施例で得られた画像のドット形状を示す。
ドット中心間の距離は、125μmである。
【図11】実施例で得られた画像のドット形状を示す。
ドット中心間の距離は、125μmである。
【図12】実施例で得られた画像のドット形状を示す。
ドット中心間の距離は、125μmである。
【図13】実施例で得られた画像のドット形状を示す。
ドット中心間の距離は、125μmである。
【図14】実施例で得られた画像のドット再現性を示
す。縦軸は反射濃度から計算されるドット面積率、横軸
は入力信号のドット面積率を示す。
【図15】実施例で得られた画像の繰り返し再現性をL
***表色系のa**平面に示す。
【図16】実施例で得られた画像の繰り返し再現性を示
す。
【図17】実施例で得られた画像の2ポイントの文字品
質を示す。ポジ像を示す。
【図18】実施例で得られた画像の2ポイントの文字品
質を示す。ネガ像を示す。
【符号の説明】
1 記録装置 2 記録ヘッド 3 副走査レール 4 記録ドラム 5 熱転写シートローディングユニット 6 受像シートロール 7 搬送ローラ 8 スクイーズローラー 9 カッター 10 熱転写シート 10K、10C、10M、10Y 熱転写シートロール 12 支持体 14 光熱変換層 16 画像形成層 20 受像シート 22 受像シート用支持体 24 受像層 30 積層体 31 排出台 32 廃棄口 33 排出口 34 エアー 35 廃棄箱 42 本紙 43 ヒートローラ 44 挿入台 45 載置位置を示すマーク 46 挿入ローラ 47 耐熱シートでできたガイド 48 剥離爪 49 ガイド板 50 排出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41M 5/30 B41M 5/26 K Q B41J 3/20 109A (72)発明者 山本 充 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 畠山 晶 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2C065 CA03 CA08 2C068 AA06 BB19 BC15 2H111 AA26 AA35 AA47 BA03 BA07 BA38 BA55 BA61 CA03 CA41

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受像層を有する受像シートと、支持体上
    に少なくとも光熱変換層と画像形成層とを有するイエロ
    ー、マゼンタ、シアン、及びブラックを含む少なくとも
    4種類以上の色の異なる熱転写シートを用い、各熱転写
    シートの画像形成層と前記受像シートの受像層とを対向
    して重ね合わせ、レーザー光を照射して、画像形成層の
    レーザー光照射領域を受像シートの受像層上へ転写して
    画像記録する多色画像形成材料において、前記各熱転写
    シートの画像形成層の層厚が0.01〜1.5μmであ
    り、かつレーザービームスポットの2次元エネルギー分
    布を主走査方向に積分し、副走査方向でのエネルギー分
    布にしたものの半値半幅に対して、レーザー転写された
    画像の線幅が0.8〜2.0倍であることを特徴とする
    多色画像形成材料。
  2. 【請求項2】 受像層を有する受像シートと、支持体上
    に少なくとも光熱変換層と画像形成層とを有するイエロ
    ー、マゼンタ、シアン、及びブラックを含む少なくとも
    4種類以上の色の異なる熱転写シートを用い、各熱転写
    シートの画像形成層と前記受像シートの受像層とを対向
    して重ね合わせ、レーザー光を照射して、画像形成層の
    レーザー光照射領域を受像シートの受像層上へ転写して
    画像記録する多色画像形成材料において、前記熱転写シ
    ートが、分光分布の最大吸光度(λmax)が380〜
    460nmの領域にあるイエロー色用熱転写シート、分
    光分布の最大吸光度(λmax)が540〜600nm
    の領域にあるマゼンタ色用熱転写シート、分光分布の最
    大吸光度(λmax)が610〜730nmの領域にあ
    るシアン色用熱転写シート及びブラック色用熱転写シー
    トからなることを特徴とする多色画像形成材料。
  3. 【請求項3】 前記画像形成層の色相(L1*a1*b1
    *)と目標色相(L2*a2*b2*)の間の色差をΔE=
    {(L1*−L2*2+(a1*−a2*2+(b1*
    b2*20.5とし、光源がD65、Aで測定したときの
    前記ΔEの変化の幅が、シアン色用熱転写シートで2.
    0以下、および/またはマゼンタ色用熱転写シートで
    1.5以下、および/またはイエロー色用熱転写シート
    で2.0以下となることを特徴とする請求項1または2
    に記載の多色画像形成材料。
  4. 【請求項4】 前記画像形成層に着色剤として少なくと
    も1種類のイエロー色有機顔料を含むイエロー色用熱転
    写シートの、該画像形成層のブルーフィルターによる反
    射光学濃度(ODr)を該画像形成層の層厚(単位:μ
    m)で割った値Xが、1.6以上であることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の多色画像形成材料。
  5. 【請求項5】 前記画像形成層に着色剤として少なくと
    も1種類のマゼンタ色有機顔料を含むマゼンタ色用熱転
    写シートの、該画像形成層のグリーンフィルターによる
    反射光学濃度(ODr)を該画像形成層の層厚(単位:
    μm)で割った値Xが、1.6以上であることを特徴と
    する請求項1または2に記載の多色画像形成材料。
  6. 【請求項6】 前記画像形成層に着色剤として少なくと
    も1種類のシアン色有機顔料を含むシアン色用熱転写シ
    ートの、該画像形成層のレッドフィルターによる反射光
    学濃度(ODr)を該画像形成層の層厚(単位:μm)
    で割った値Xが、2.0以上であることを特徴とする請
    求項1または2に記載の多色画像形成材料。
  7. 【請求項7】 前記画像形成層に着色剤として少なくと
    も1種類の黒色カーボンブラックを含むブラック色用熱
    転写シートの、該画像形成層のビジュアルフィルターに
    よる反射光学濃度(ODr)を該画像形成層の層厚(単
    位:μm)で割った値Xが、2.0以上であることを特
    徴とする請求項1または2に記載の多色画像形成材料。
  8. 【請求項8】 前記各熱転写シートの画像形成層の光学
    濃度(OD)と層厚(単位:μm)の比OD/層厚が
    1.50以上であり、前記各熱転写シートの多色画像の
    記録面積が515mm×728mm以上のサイズであ
    り、前記転写画像の解像度が2400dpi以上であ
    り、かつ前記熱転写シートの画像形成層中に高分子顔料
    分散剤、および/またはリン酸エステル系顔料分散剤を
    含み、該高分子顔料分散剤は((C252N−(C
    2z−O−)とエチレングリコールとプロピレングリ
    ーコールを含む共重合体、又はポリマーブレンドであ
    り、それぞれの比率を1:X:YとするとX=10〜2
    0、Y=25〜40であり、Z=2又は3であることを
    特徴とする請求項1または2に記載の多色画像形成材
    料。
  9. 【請求項9】 前記熱転写シートが前記画像形成層に着
    色剤として有機顔料及び/又はカーボンブラックを含有
    し、該有機顔料及び/又はカーボンブラックの粒子がそ
    れぞれ単分散であり、かつ粒子径の変動係数がそれぞれ
    50%以下であることを特徴とする請求項1または2に
    記載の多色画像形成材料。
  10. 【請求項10】 前記転写画像の解像度が2400dp
    i以上の画像であることを特徴とする請求項1〜9のい
    ずれかに記載の多色画像形成材料。
  11. 【請求項11】 前記各熱転写シートの画像形成層およ
    び前記受像シートの受像層の水に対する接触角が7.0
    〜120.0°の範囲にあることを特徴とする請求項1
    〜10のいずれかに記載の多色画像形成材料。
  12. 【請求項12】 前記各熱転写シートの画像形成層の光
    学濃度(OD)と層厚(単位:μm)の比OD/層厚が
    1.80以上であり、前記受像シートの水に対する接触
    角が86°以下であることを特徴とする請求項1〜11
    のいずれかに記載の多色画像形成材料。
  13. 【請求項13】 前記多色画像の記録面積が515mm
    ×728mm以上のサイズであることを特徴とする請求
    項1〜12のいずれかに記載の多色画像形成材料。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかに記載の受
    像シートと、請求項1〜13のいずれかに記載の少なく
    とも4種類以上の色の異なる熱転写シートを用い、各熱
    転写シートの画像形成層と前記受像シートの受像層とを
    対向して重ね合わせ、レーザー光を照射して、画像形成
    層のレーザー光照射領域を受像シートの受像層上へ転写
    して画像記録する工程を有する多色画像形成方法におい
    て、前記レーザー光照射領域の画像形成層を薄膜状態で
    受像シートに転写させることを特徴とする多色画像形成
    方法。
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