JP2002344015A - 窒化物半導体発光素子 - Google Patents

窒化物半導体発光素子

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JP2002344015A
JP2002344015A JP2001147586A JP2001147586A JP2002344015A JP 2002344015 A JP2002344015 A JP 2002344015A JP 2001147586 A JP2001147586 A JP 2001147586A JP 2001147586 A JP2001147586 A JP 2001147586A JP 2002344015 A JP2002344015 A JP 2002344015A
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nitride semiconductor
light emitting
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JP2001147586A
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Takao Yamada
孝夫 山田
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Nichia Chemical Industries Ltd
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Nichia Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大電流領域において高い外部量子効率を有
し、且つ面発光することが可能な窒化物半導体素子を提
供することである。 【解決手段】 少なくとも、発光層が該発光層より屈折
率の小さいp型クラッド層及びn型クラッド層とにより
挟みこまれた構造を有する窒化ガリウム系化合物半導体
層からなる窒化物半導体発光素子であって、前記発光層
の端面は、前記半導体層の積層面に対して45度より大
きく90度より小さい角度で傾斜していることを特徴と
する窒化物半導体発光素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光ダイオード
(LED)、レーザーダイオード(LD)、太陽電池、
光センサー等の発光素子、あるいはトランジスタ、パワ
ーデバイス等の電子デバイスに使用される窒化物半導体
(InXAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦
1)よりなる発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、窒化物半導体は、高輝度純緑色発
光LED、青色LEDとして、既にフルカラーLEDデ
ィスプレイ、交通信号灯、イメージスキャナー光源等の
各種光源で実用化されている。たとえば、特開平9−1
53642号公報には、サファイア基板上に、GaNか
らなるバッファ層、Siドープのn型GaN層、アンド
ープのInGaNからなる発光層、Mgドープのp型A
lGaN層、Mgドープのp型GaN層からなる発光ダ
イオードが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、蛍光灯
に代わる照明用光源が求められている現在において、上
記のような発光ダイオードは十分な出力量を有しておら
ず、更なる改良が求められている。
【0004】そこで本発明は、高出力で且つ面発光する
ことが可能な窒化物半導体発光素子を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明に係る
窒化物半導体発光素子は、少なくとも発光層が該発光層
より屈折率の小さいp型クラッド層及びn型クラッド層
とにより挟みこまれた構造を有する窒化ガリウム系化合
物半導体層からなる窒化物半導体発光素子であって、前
記発光層の端面は、前記半導体層の積層面に対して45
度より大きく90度より小さい角度で傾斜していること
を特徴とする。これにより、大電流領域になるほど外部
量子効率が良好で且つ面状に発光することが可能な窒化
物半導体発光素子が得られる。
【0006】また、前記p型クラッド層上にp型コンタ
クト層を有し、該p型コンタクト層上のほぼ全面に、膜
厚が5000Å以上であるp側オーミック電極を有する
ことを特徴とする。これにより、大電流を投下しても良
好な信頼性を維持することができ、前記p側オーミック
電極と反対側方向から高出力でもって一面均一に発光す
ることが可能な窒化物半導体発光素子が得られる。特
に、前記p側オーミック電極は前記p型コンタクト上面
の80%以上に渡って形成されていることが好ましい。
【0007】また、前記p側オーミック電極は、酸化メ
タル層を有する多層膜層であることを特徴とする。これ
により、前記p側オーミック電極と前記p型コンタクト
層のオーミック性が向上され、大電流領域において更に
高出力に発光することが可能な窒化物半導体発光素子が
得られる。
【0008】また、前記発光層の端面に接して反射膜を
有することが好ましく、これにより、端面から発光され
る光を、効率よく発光面方向及び発光領域方向へと導く
ことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者は、種々の実験の結果、
窒化ガリウム系化合物半導体発光素子において、発光層
の端面である共振器端面の角度を調整することにより、
大電流領域において外部量子効率を向上させることが可
能であることを見いだし、本発明を成すに至った。
【0010】窒化物半導体を用いた発光ダイオード素子
は、面発光型発光素子であるが、自然放出のみにより発
光するものであって、発光遷移確率が増すことはなく、
注入電流量と発光出力量は熱的に飽和するまで線形的な
関係にあり、ある一定の電流量に達すると発光出力は飽
和状態となる。このため、大電流領域下において、発光
効率は熱の影響により低下することはあっても増加する
ことはなく、上記発光ダイオード素子から照明用光源と
して用いるのに十分な光出力量を得ることは困難であっ
た。
【0011】また、窒化物半導体を用いた半導体レーザ
素子は、紫外域から赤色に至るまで、幅広く可視光域で
の発振が可能と考えられ、その応用範囲は、上記光ディ
スクシステムの光源にとどまらず、レーザプリンタ、光
ネットワークなどの光源など、多岐にわたるものと期待
されている。また、本出願人により、405nm、室
温、5mWの連続発振の条件で、1万時間を超えるレー
ザが発表されている。特に、発光層が上部、下部クラッ
ド層に挟まれた構造を有する場合、両クラッド層の屈折
率を小さくし、上部、下部クラッド層に挟まれた導波路
内の屈折率を高くすることで、導波路内に効率よく光が
閉じこめられ、結果としてレーザ素子においてはしきい
値電流密度の低下に寄与する。このような半導体レーザ
は、自然放出により発光した光を入射光として利用し、
光を増幅し誘導放出することができる。このため、大電
流領域において高出力を得ることができる。
【0012】しかしながら、上記構成のレーザ素子は、
集光したスポットサイズの小さい光を端面から発光し、
一方方向への光出射特性が強すぎるため、照明用光源と
しては不適切であった。
【0013】そこで本発明は、上記のレーザ素子構造を
利用し、発光層端面からの出射光を、誘導放出のための
入射光と発光面側への外部取り出し光とに分散させ、大
電流領域にて高い外部量子効率を有する窒化物半導体発
光素子を提供する。
【0014】以下、図面を参照して本発明に係る実施の
形態について更に詳細に説明する。本実施の形態の窒化
物半導体発光素子は、図1に示すように、例えば、サフ
ァイア透光性基板の一方のほぼ全面に、少なくとも発光
層が該発光層より屈折率の小さいp型クラッド層及びn
型クラッド層とにより挟みこまれた導波路構造を有する
窒化ガリウム系化合物半導体層が積層されている。この
ような半導体層の中心部を残し、周囲部においてp型層
側からエッチング等によりn型コンタクト層が露出され
ている。ここで本発明では、前記エッチング等により露
出される半導体層端面は、半導体層の積層面に対して6
0度以上90度未満傾斜している。また、前記半導体層
の中心部には、最上面に積層されているp型コンタクト
層上のほぼ全面に膜厚5000Å以上のp側オーミック
電極が形成されている。一方、露出された前記n型コン
タクト層上には、前記p側オーミック電極を囲む如くn
側オーミック電極が形成されている。以下、本実施の形
態の各構成について詳述する。
【0015】本発明の窒化物半導体素子に用いる窒化物
半導体としては、GaN、AlN、もしくはInN、又
はこれらの混晶である窒化ガリウム系化合物半導体(I
xAlyGa1-x-yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)
がある。その他に前記窒化ガリウム系化合物半導体の一
部を、B、Pで置換した、混晶でもよい。また、発光
層、井戸層、障壁層などに用いられるInを含む窒化物
半導体は、具体的には、InxAlyGa1-x-yN(0<
x、0≦y、x+y≦1)で表される窒化物半導体を用
いることである。また、Alを含む窒化物半導体とし
て、具体的には、InxAlyGa1-x-yN(0≦x、0
<y、x+y≦1)で表される窒化物半導体を用いるこ
とである。 (発光層)本発明における窒化物半導体素子において、
発光層の露出されている端面は、半導体層の積層面に対
して傾斜しており、この傾斜角度は、45度より大きく
90度より小さい角度であり、より好ましくは60度以
上90度未満である。これにより、前記発光層内で自然
放出された光が前記端面により全反射され、誘導放出の
為の入射光と、発光面となる基板側への出射光とに分散
される。このように、誘導放出と自然放出を兼ね備えた
発光状態を実現することにより、大電流領域になるほど
高い外部量子効率を有することが可能な窒化物半導体発
光素子が得られる。また、前記端面を上記の如く傾斜さ
せることにより、前記出射光は、前記積層面に対して鋭
角を成した方向に出射される。これにより、広い放射角
度が得られ、均一に面発光することが可能となる。
【0016】一方、前記傾斜角度が45度以下の場合、
外部への出射光は積層面に対して90度以上を成した方
向に反射される。これにより、出射光は発光面の外周部
に集中し、中心部が暗くなり均一な発光が得られない。
また、前記傾斜角度が90度の場合、良好に誘導放出さ
れるものの、端面からスポットの小さい光が発光される
こととなり、積層方向から面状に光を取り出すことは困
難である。また、前記傾角度が鈍角の場合、出射光は電
極形成面側に出射される。本発明では、大電流の投下を
目的としており、これを可能とするために用いられる電
極は光の透過率が低く、光を反射すると考えられる。こ
の場合、発光層の端面で全反射された光を、電極面にて
反射させた後、前記電極面と反対側から取り出すことも
可能であるが、層内にて光が吸収され高い出力は得られ
ない。また、前記電極形成面側から光を取り出そうとす
ると、p側電極を薄い膜厚で形成し透光性とする必要が
ある。しかしながら、薄い膜厚を有する電極は、電気抵
抗が大きいため電極部に熱が発生し、さらに電極自体の
熱の吸収率が高い。このため、大電流の投下において素
子の信頼性を維持することが非常に難しい。本発明の窒
化物半導体発光素子は、露出された発光層の端面を積層
面に対して45度より大きく90度より小さい角度に傾
斜させることにより、電極形成面と反対側の面から、大
電流領域においても信頼性高く、高出力でもって均一に
面発光することができるものである。更に、前記発光層
端面に、Si、TiO、Al、ZrO、N
(又はNbO、NbO、Nb)等から
なる反射膜を設けると、効率良く完全に光を反射させる
ことができ好ましい。
【0017】また発光層は、少なくともInを含む窒化
物半導体を有するものである。ここで、Inを含む窒化
物半導体としては、その組成は特に限定されないが、好
ましくはInxGa1-xN(0<x≦1)で表される窒化
物半導体を用いることである。このとき、Inを含む窒
化物半導体には、ノンドープ、n型不純物ドープ、p型
不純物ドープのいずれでもよいが、好ましくはノンドー
プ若しくはアンドープ、又はn型不純物ドープのInを
含む窒化物半導体を発光層内に設けることで、レーザ素
子、発光素子などの窒化物半導体素子において、高出力
化が図れる。また、発光層が、量子井戸構造を有する場
合には、このInを含む窒化物半導体が少なくとも井戸
層に用いられる。ここで、量子井戸構造としては、多重
量子井戸構造、単一量子井戸構造のどちらでも良い。好
ましくは、多重量子井戸構造とすることで、出力の向
上、発振閾値の低下などを図ることが可能となる。発光
層の量子井戸構造としては、後述する井戸層、障壁層を
積層したものを用いることができる。この時、量子井戸
構造である場合に、井戸層数としては、1以上4以下と
することで、例えばレーザ素子においては、閾値電流を
低くすることが可能となり好ましく、更に好ましくは、
井戸層数を2又は3とした多重量子井戸構造とすること
で、高出力のレーザ素子、発光素子が得られる傾向にあ
る。
【0018】また、多重量子井戸構造において、井戸層
に挟まれた障壁層は、特に1層であること(井戸層/障
壁層/井戸層)に限るものではなく、2層若しくはそれ
以上の層の障壁層を、「井戸層/障壁層(1)/障壁層(2)
/障壁層(3)/・・・/井戸層」というように、組成・
不純物量等の異なる障壁層を複数設けても良い。例え
ば、井戸層の上に、Alを含む窒化物半導体からなる上
部障壁層と、その上に上部障壁層よりもエネルギーバン
ドギャップの小さな下部障壁層を設ける構造などがあげ
られる。具体的には、井戸層の上に配置されAlを含む
窒化物半導体からなる上部障壁層を設けることで、井戸
層内に、Inの偏析、In濃度の面内分布を誘発し、量
子ドット、量子細線効果が得られる傾向にあるため、こ
れを用いても良い。この時、Alを含む窒化物半導体と
しては、具体的には、InxAlyGa1-x-yN(0≦
x、0<y、x+y≦1)で表される窒化物半導体を用
いることであり、好ましくは3元混晶のAlzGa1-z
(0<z≦1)を用いることで、結晶性、制御性良く成
長させることが可能となるため好ましい。また、Alを
含む窒化物半導体は、上部障壁層に限らず、井戸層の下
に配置された下部障壁層としても良く、前記障壁層(1)
と(3)に挟まれた障壁層(2)として設けても良い。好まし
くは、井戸層の下部に接して設けられる下部障壁層以外
に用いることであり、なぜなら良好な結晶性でもって井
戸層が形成される傾向にあり、また上述した量子効果が
得られやすい傾向にあるからである。井戸層の下に接す
る下部障壁層としては、Alを含まない窒化物半導体を
用いることが好ましく、InxGa1 -xN(0≦x≦1)
の窒化物半導体を用いることが、井戸層の結晶性の点か
ら好ましく、さらにはIn混晶比xが0より大きいIn
GaNとする方が、井戸層に対する下地層の効果が得ら
れ好ましい。 (井戸層)本発明における井戸層としては、Inを含む
窒化物半導体層を用いることが好ましく、この時具体的
な組成としては、InαGa1-αN(0<α≦1)を好
ましく用いることができる。このことにより、良好な発
光・発振を可能とする井戸層となる。この時、In混晶
比により、発光波長を決めることができる。
【0019】また、井戸層の膜厚及び井戸層の数として
は、膜厚及び井戸層の数を任意に決めることが可能であ
る。具体的な膜厚としては、10Å以上300Å以下の
範囲、好ましくは20Å以上200Å以下の範囲とする
ことで、Vf、しきい値電流密度を低減させることがで
きる。また、結晶成長の観点からは、20Å以上である
と、膜厚に大きなむらがなく比較的均一な膜質の層が得
られ、200Å以下とすることで結晶欠陥の発生を低く
抑えて結晶成長が可能となる。発光層内の井戸層数とし
ては特に限定されず、1以上であり、この時、井戸層の
数が4以上である場合には、発光層を構成する各層の膜
厚が厚くなると、発光層全体の膜厚が厚くなって、Vf
の上昇を招くこととなるため、井戸層の膜厚を100Å
以下の範囲として、発光層の膜厚を低く抑えることが好
ましい。
【0020】本発明の井戸層には、前記発光層内のIn
を含む窒化物半導体と同様に、n型不純物がドープされ
ていても、いなくても良い。しかしながら、井戸層はI
nを含む窒化物半導体が用いられ、n型不純物濃度が大
きくなると結晶性が悪化する傾向にあるため、n型不純
物濃度を低く抑えて結晶性の良好な井戸層とすることが
好ましい。具体的には、結晶性を最大限に良好なものと
するために井戸層をアンドープで成長させることであ
り、この時n型不純物濃度は5×1016/cm3以下と実
質的にn型不純物を含まない井戸層とすることである。
また、井戸層にn型不純物をドープする場合には、n型
不純物濃度が1×1018/cm3以下5×1016/cm3以上
の範囲でドープされていると、結晶性の悪化を低く抑
え、なおかつキャリア濃度を高くすることができ、しき
い値電流密度、Vfを低下させることができる。この
時、井戸層のn型不純物濃度としては、障壁層のn型不
純物濃度とほぼ同じか、若しくは小さくすることで、井
戸層での発光再結合を促し、発光出力が向上する傾向に
あるため好ましい。この時、井戸層、障壁層をアンドー
プで成長させて、発光層の一部を構成しても良い。
【0021】特に、大電流で素子を駆動させた場合(高
出力のLD、ハイパワーLED、スーパーフォトルミネ
センスダイオードなど)では、井戸層がアンドープで、
実質的にn型不純物を含有しないことで、井戸層でのキ
ャリアの再結合が促進され、高い効率での発光再結合が
実現され、逆にn型不純物が井戸層にドープされると、
井戸層でのキャリア濃度が高いため、かえって発光再結
合の確率が減少し、一定出力下で駆動電流、駆動電流の
上昇を招く悪循環が発生し、素子の信頼性(素子寿命)
が大幅に低下する傾向にある。このため、このような高
出力の素子では、井戸層のn型不純物濃度を、少なくと
も1×1018/cm3以下にすることであり、好ましくは
アンドープ若しくは実質的にn型不純物を含有しない濃
度とすることで、高出力で安定した駆動が可能な窒化物
半導体素子が得られる。また、井戸層にn型不純物をド
ープしたレーザ素子では、レーザ光のピーク波長のスペ
クトル幅が広がる傾向にあるため、好ましくなく1×1
18/cm3、好ましくは1×1017/cm3以下とすること
である。 (障壁層)本発明において、障壁層の組成としては、特
に限定されないが、井戸層との間にバンドギャップエネ
ルギー差が設けられる、井戸層よりもバンドギャップエ
ネルギーが大きくなる、ように、井戸層よりIn混晶比
の低いInを含む窒化物半導体若しくはGaN、Alを
含む窒化物半導体などを用いることができる。具体的な
組成としては、InβGa1-βN(0≦β<1,α>
β)、GaN、AlγGa1-γN(0<γ≦1)などを
用いることができる。ここで、井戸層に接して下地層と
なる障壁層(下部障壁層)の場合には、Alを含まない
窒化物半導体を用いることが好ましい。これは、Inを
含む窒化物半導体からなる井戸層をAlGaNなどのA
lを含む窒化物半導体の上に直接成長させると、結晶性
が低下する傾向にあり、井戸層の機能が悪化する傾向に
あるためである。
【0022】また、障壁層には、p型不純物、n型不純
物がドープされていても、ノンドープであっても良い
が、好ましくはn型不純物がドープされているかノンド
ープ若しくはアンドープとされていることである。この
時、障壁層中のn型不純物をドープする場合にはその濃
度として、少なくとも5×1016/cm3以上ドープされ
ていることである。具体的には、例えばLEDである場
合には、5×1016/cm 3以上2×1018/cm3以下の範
囲でn型不純物を有することであり、また、より高出力
のLED及び高出力のLDでは、5×1017/cm3以上
1×1020/cm3以下の範囲、好ましくは1×1018/c
m3以上5×1019/cm3以下の範囲でドープされている
ことが好ましく、このように高濃度でドープする場合に
は、井戸層をn型不純物を実質的に含まないか、アンド
ープで成長させることが好ましい。
【0023】一方で、発光層内で、最も外側で、最もp
型層側に位置する障壁層は、好ましくはn型不純物を実
質的に含まないようにすることで、p型層からのキャリ
アの注入が良好となり、素子寿命が向上する傾向にあ
る。これは、最もp側の障壁層は、p型層に接して設け
られ、p型層からのキャリアの注入口となり、n型不純
物を有する場合には、キャリアの注入を妨げていると考
えられ、n型不純物を実質的に含まないことで、p型層
からのキャリアがより深部の、p型層から遠くの、井戸
層にまで、安定して効率的にキャリアが注入されるため
と考えられる。これは、特に、大電流で、多量のキャリ
アを注入するような、大電流駆動で高出力のLD、LE
Dなどにおいて、顕著にその素子寿命の向上効果が得ら
れる傾向にある。この時、実質的にn型不純物を含まな
いとは、最もp側の障壁層のn型不純物濃度が、5×1
16/cm3未満となるようにすることである。また、こ
の最もp側の障壁層は、好ましくは、発光層内で最も外
側に形成されることが好ましいが、前記効果は小さくな
るものの最も外側にでない場合、例えば・・・井戸層/
障壁層/井戸層/p型層の順に積層された構造、であっ
ても、その効果は期待できる。この最もp側の障壁層の
位置としては、好ましくは発光層内で最も外側に配置さ
れること、更に好ましくは、後述するp側電子閉込め層
に接して設けられることで、電子の閉込めと、p型層か
らのキャリアの注入が更に効率的なものとなる。さらに
また、最もp側の障壁層が、p型不純物を有すること
で、更に深部の井戸層、p型層から遠くに位置する井戸
層、に対してもp型層からのキャリアが効率的に注入さ
れ、さらに素子寿命が向上する傾向にあるため、n型不
純物を実質的に含まず且つp型不純物を含む障壁層とす
ることが好ましい。この時、p型不純物量としては、5
×1016/cm3以上1×1020/cm3以下の範囲、好まし
くは、5×1016/cm3以上1×1018/cm3以下の範囲
である。これは、1×1020/cm3以上とp型不純物を
多くしても、キャリア濃度は殆ど変化しないため、不純
物を含有することによる結晶性の悪化、不純物による光
の散乱作用による損失が大きくなり、かえって発光層に
おける発光効率を低下させる。更に、1×1018/cm3
以下であると、上記不純物の増加による発光効率の低下
を低く抑え、なおかつ発光層内へのp型層からのキャリ
ア濃度を安定して高く保つことが可能となる。加えて、
p型不純物の下限としては、僅かながらでもp型不純物
を有することが好ましく、これは不純物が低濃度である
場合には、高濃度である場合に比較して高い確率で、p
型不純物がキャリアとして機能するものとなる傾向にあ
るためである。
【0024】障壁層の膜厚としては、特に限定されず5
00Å以下、より具体的には井戸層と同様に10Å以上
300Å以下の範囲が適用できる。 (導波路構造)本発明の窒化物半導体素子は、少なくと
も、発光層が該発光層より屈折率の小さいp型窒化物半
導体層内のp型クラッド層及びn型窒化物半導体層内の
n型クラッド層とにより挟み込まれた構造を有する窒化
ガリウム系化合物半導体層からなる。このとき、発光層
には、Inを含む窒化物半導体を用いることが好まし
く、さらに、発光層内で、波長400nm以上の発光が
得られるIn混晶比とすることが好ましい。また、クラ
ッド層と発光層との間に、発光層を挟む光ガイド層を設
けても良い。ここで、本明細書において、p型クラッド
層とn型クラッド層とで挟まれる領域を導波路と呼び、
上記構造を導波路構造と呼ぶ。 (クラッド層)n型クラッド層、p型クラッド層として
は、Alを含む窒化物半導体が好ましく用いられ、この
ことにより、導波路と両クラッド層との間で、屈折率差
を大きくとることができる。このとき、クラッド層の窒
化物半導体には、Inを含まないことが好ましく、なぜ
なら、Inを含む窒化物半導体は、Inを含まない場合
に比べて、結晶性が悪化する傾向にあり、特に、発光層
の上にp型クラッド層を有する構造では、そのp型クラ
ッド層にInを含む窒化物半導体を用いると、結晶性の
悪化が大きく、素子特性を大きく悪化させるものとな
る。このとき、クラッド層に用いる窒化物半導体として
具体的には、AlbGa1-bN(0<b<1)が好ましく
用いられる。 (光ガイド層)また、クラッド層と発光層との間には光
ガイド層が設けられている。前記光ガイド層は、導波路
の形成において重要なものとなる。これは、導波路内に
光を閉じ込めるためには、導波路に比べて相対的にクラ
ッド層の屈折率を下げて、屈折率差を大きくするか、導
波路内の屈折率を大きくすることであるが、発光層から
の光の波長が長くなると、困難な問題が発生する。それ
は、AlGaNとInGaNとの屈折率差では、波長が
短い領域、例えば400nm付近で、大きな屈折率差を
有しているが、波長が長くなるに従って、その屈折率差
が小さくなるからである。このため、クラッド層に用い
られる窒化物半導体のAl混晶比を大きくして、クラッ
ド層の屈折率を小さくするか、若しくは光ガイド層にI
nを含む窒化物半導体を用いて、導波路内の屈折率を小
さくして、導波路とクラッド層との屈折率差を大きくす
ることが必要になる。しかしながら、クラッド層のAl
混晶比を大きくすると、結晶性の悪化が大きく、またク
ラックなどの発生もあり、リーク電流の原因になるな
ど、素子特性を悪化させるため、クラッド層のように、
厚膜で高いAl混晶比の窒化物半導体を素子構造内に設
けることが困難である。さらに、発光層を除く導波路内
の窒化物半導体層、例えば光ガイド層、に、Inを含む
窒化物半導体を用いて、導波路の屈折率を大きくする構
造では、Inを含む窒化物半導体による光の吸収が起こ
り、このため、導波路内で光の損失が発生し、閾値電流
の増大など素子特性の悪化が起こる。
【0025】そこで、両クラッド層に挟まれた導波路
は、n型クラッド層と発光層との間に、Inを含む窒化
物半導体からなる第1の光ガイド層を設けて導波路内の
屈折率をクラッド層に比して相対的に大きくし、一方
で、p型クラッド層と発光層との間に、Inを含まない
(In混晶比が0の)窒化物半導体からなる第2の光ガ
イド層を設けることで、Inを含む窒化物半導体による
結晶性の悪化と、光の損失を回避し、素子特性に優れる
窒化物半導体素子が得られる。以下、各層について、説
明する。 (第1の光ガイド層)本発明における第1の光ガイド層
は、導波路内において、発光層とn型クラッド層との間
に配置され、Inを含む窒化物半導体からなるものであ
る。ここで、第1の光ガイド層の組成としては、好まし
くは、Alを含まない窒化物半導体とすることであり、
これにより、Alを含む窒化物半導体を用いたクラッド
層との屈折率差を大きくすること、すなわち、クラッド
層とそれに挟まれた導波路において、導波路内を相対的
に屈折率を大きくすることが可能となり、またInz
1-zN(0<z≦1)で表される窒化物半導体を形成
することで、結晶性も良い第1の光ガイド層を得ること
ができる。また、第1の光ガイド層と発光層若しくはn
型クラッド層との間に、別の層を設けても良く、設けな
くても良く、すなわち、第1の光ガイド層を発光層若し
くはn型クラッド層、又は両方に接して設けても良く、
どちらか一方若しくは両方に離れて設けても良い。ま
た、第1の光ガイド層を、それとは組成の異なる層と交
互に積層するなどして、複数積層した多層膜構造を用い
ても良い。本発明の第1の光ガイド層は、発光層とn型
クラッド層との間にあって、導波路内にあることから、
光ガイド層として機能する一方、Inを含むことで導波
路全体の屈折率を大きくして、導波路内への光の閉込め
に寄与することから、p型層側の第2の光ガイド層に比
して、第2の光閉込め層としても機能していると考えら
れる。
【0026】また、第1の光ガイド層のIn混晶比z
は、発光層中のInを含む窒化物半導体のIn混晶比、
若しくは量子井戸構造の発光層の場合には井戸層のIn
混晶比、をwとすると、好ましくはz≦wとすることで
あり、更に好ましくはz<wとすることである。z<w
であることで、井戸層内のInを含む窒化物半導体層、
若しくは井戸層、と第1の光ガイド層との間に、大きな
バッドギャップエネルギー差を設けることができ、前記
キャリアの注入効率を向上させることができる。更に、
第1の光ガイド層が発光層に隣接して設けられ、発光層
中で最も外側で、最もn型層側に配置され、第1の光ガ
イド層に隣接する障壁層が設けられる場合には、第1の
光ガイド層のIn混晶比zは、この障壁層のIn混晶比
vに比べて、z≦vとなるようにすると更に好ましく、
更にz<vとなるようにすると好ましい。z≦vである
と、発光層12とn型層11との接合部付近でn型層か
ら発光層に近づくに従って段階的に、バンドギャップエ
ネルギーが小さくなる構造とできる。n型層から発光層
へキャリアが効率よく注入され、更に段階的なバンドギ
ャップ構造とすることができる。
【0027】ここで、第1の光ガイド層の位置における
前記各形態について言及すると、発光層及びn型クラッ
ド層に接して第1の光ガイド層を設ける形態では、In
を含む窒化物半導体を結晶性良く厚膜で形成することが
困難な傾向にあることから、導波路として十分な膜厚で
形成すると結晶性の悪化による素子特性の悪化が現れ、
逆に結晶性が素子特性を悪化しない程度の膜厚で形成す
ると、導波路として機能するのに不十分な膜厚となり、
クラッド層外への光の漏れによる損失により素子特性の
悪化が起こる傾向にある。第1の光ガイド層を発光層と
n型クラッド層との間に、複数積層した多層膜とする場
合には、例えば超格子構造として、Inを含まない窒化
物半導体と共に多数積層して、結晶性の悪化を抑えて厚
膜を形成することができる。例えば、InGaN/Ga
Nの多層膜層、若しくは、n型クラッド層から発光層に
近づくにつれてIn混晶比が大きくなるように組成傾斜
させた構造とすることができる。一方で、導波路の屈折
率を単一膜と同等とするには、多層膜の膜厚が厚くな
り、その多層膜内において、Inを含む第1の光ガイド
層が散在する構造となることから、単一膜よりも厚膜の
多層膜でもってInによる光の損失が発生することか
ら、単一膜よりもその損失が大きくなる傾向にある。ま
た、第1の光ガイド層の位置としては、本発明において
上記様々な形態を適用しうるが、好ましくは発光層に近
づけて、更に好ましくは発光層に接して配置することが
良い傾向にある。これは、詳しいことは不明であるが、
図5,6等に示すように、n型クラッド層から発光層に
至る領域で、バンドギャップ構造を段階的なものとし、
n型層側11からのキャリアの注入を促進させることが
影響していると考えられる。
【0028】第1の光ガイド層の膜厚としては、特に限
定されるものではないが、上述したようにInによる光
の損失の発生を考慮して、少なくとも1500Å以下と
することであり、好ましくは300Å以上とすることで
導波路全体の屈折率を上昇させ、n型クラッド層との間
に大きな屈折率差を形成することができ、損失が少な
く、閾値電流を低減させた優れた導波路が形成される。
この時、後述するように、導波路としての機能は、クラ
ッド層と発光層とで挟まれる領域の膜厚の総和に作用さ
れることから、n型クラッド層と発光層とで挟まれる領
域の膜厚の総和を考慮して、第1の光ガイド層を決定す
ると良い。また、図5,6などに示すように、第1の光
ガイド層が最もn型層側の障壁層2aに隣接して配置さ
れる場合には、第1の光ガイド層は、障壁層として寄与
すると考えられることから、この場合の第1の光ガイド
層の膜厚は、障壁層2aとの膜厚の総和が300Å以上
となるようにすることで、障壁層、光の閉込めとして良
好に寄与するものとなり好ましく、この時の膜厚の上限
としては前記の1500Å以下とすることが好ましい。
【0029】第1の光ガイド層には、n型不純物がドー
プされていても、ドープされていなくても良いが、好ま
しくはn型不純物をドープして、良好なn型導電性を有
することである。この時、第1の光ガイド層は、Inを
含む窒化物半導体であるため、上述したようにp型不純
物ほどではないものの、n型不純物をドープすることに
よる結晶性の悪化があるため、好ましくはドープ量を1
×1019/cm3以下の範囲とすることで、Inを含む
窒化物半導体における結晶性の悪化を抑制できる。 (第2の光ガイド層)本発明における第1の光ガイド層
は、導波路内において、p型クラッド層と発光層との間
に配置され、In混晶比が0の窒化物半導体からなるも
のが好ましい。これにより結晶性に優れ、導波路として
機能する層となる。これは、前記第1の光ガイド層とこ
の第2の光ガイド層とで発光層を挟む構造を導波路内に
設けること、すなわちn型層側の第1の光ガイド層とp
型層側の第2の光ガイド層とを発光層を介して対向さ
せ、これらを異なる組成にて構成することにより、導波
路内を異なる機能を有する非対称な導波路構造とするも
のである。第2の光ガイド層に用いられる窒化物半導体
のIn混晶比uを、u=0とすることで、結晶性に優れ
た層を形成でき、結晶性悪化によるVf、閾値電流の上
昇を回避できる。これは、Inを含む窒化物半導体は、
Inを含まないものに比べて、結晶性が悪化する傾向に
ありからである。また、第2の光ガイド層は、第1の光
ガイド層と異なり、p型不純物をドープしてp型導電性
を持たせる必要があり、不純物ドープによる結晶性の悪
化が起こり、更にp型不純物として好ましく用いられる
Mgでは大幅な結晶性の悪化が起こり、これは、Inを
含む窒化物半導体において、Inを含まないものに比べ
て、その結晶性の悪化は顕著なものである。
【0030】また、通常、LED、LDなどの窒化物半
導体素子では、n型層/発光層/p型層の順に積層され
た構造が多く採用されているが、このような場合には、
Inを含む窒化物半導体を用いた発光層の下部に配置さ
れたn型層と、上部に配置されたp型層とでは、通常成
長条件が異なり、発光層よりも上部に配置されたp型層
では、通常発光層中のInが分解するなどして結晶性を
悪化させないような温度条件で成長させる必要があり、
n型層はそのような制限がない。このことから、低い温
度で成長させるp型層では、良好な結晶成長条件で、成
長させることが困難な場合がある。
【0031】第2の光ガイド層の組成としては、Inを
含まない窒化物半導体を用いると好ましく、より好まし
くはAltGa1-tN(0≦t<1)で表される窒化物半
導体を用いることである。また、この時、p型クラッド
層との屈折率差を設けるため、p型クラッド層のAl混
晶比より第2の窒化物半導体のAl混晶比tを小さくす
ることが好ましい。更にまた、クラッド層と導波路との
屈折率差を考慮して、t≦0.5として、低いAl混晶
比で形成するか、導波路内の屈折率を最大限に大きくす
るために、t=0のGaNを用いることが最も好まし
い。また、第2の光ガイド層は、p型不純物を有するこ
とが好ましく、p型不純物を含有して、p型導電性を有
することで良好な導電性のp型層として機能させること
ができる。この時、p型不純物のドープ量としては特に
限定されないが、Inを含まない窒化物半導体であって
もInを含む場合に比べて結晶性の悪化は小さいもの
の、ドープ量が小さいほど結晶性が良好になる傾向にあ
るため、好ましくは1×1018/cm3以下の範囲とす
ることで良好な結晶性の第2の光ガイド層が得られる。
後述する実施例では、第2の光ガイド層をアンドープで
成長させて、隣接層からの拡散によりp型不純物がドー
プされるが、特にこの方法に限定されず、他の層につい
ても同様であるが、成長後の拡散でも、ドープしながら
成長させる方法でも、どちらでも良い。
【0032】第2の光ガイド層は、単一膜で形成されて
も良く、多層膜で形成されても良い。多層膜としては、
AlGaN/GaNを複数積層した多層膜でも良く、A
l混晶比を発光層から離れるに従って大きくするような
組成傾斜させた層であっても良い。
【0033】第2の光ガイド層は、組成の異なる窒化物
半導体層を組み合わせて構成しても良いが、Inを含ま
ない窒化物半導体層だけで構成すると、導波路内のIn
による光の損失が回避でき好ましい。この時、第2の光
ガイド層の膜厚としては、特に限定されるものではない
が、少なくとも200Å以上の膜厚で形成することで、
導波路として良好で、損失の少ない光の導波が実現さ
れ、閾値電流の低下につながり、この時膜厚の上限とし
ては4000Å以下とすることで、閾値電流、Vfの上
昇を抑えることができ、好ましくは500Å以上200
0Å以下とすることで、閾値電流、Vfを低くし、光の
導波に適した膜厚の導波路が形成できる。この膜厚につ
いては、クラッド層と発光層に挟まれる領域のn型層
側、すなわちn型クラッド層と発光層とで挟まれる領域
の膜厚にも適用できる。このように、クラッド層と発光
層に挟まれた領域の膜厚を、p型層側、n型層側共にほ
ぼ同等な膜厚として膜厚が発光層を介して対称な導波路
構造としても良く、両者の膜厚を異ならしめて、膜厚が
非対称な導波路構造としても良く、得られる窒化物半導
体素子の特性を考慮して適宜選択すればよい。 (p側電子閉込め層)本発明において、p型窒化物半導
体層として、特にレーザ素子、端面発光素子において、
p側電子閉込め層を設けることが好ましい。このp側電
子閉込め層としては、Alを含む窒化物半導体を用いる
ものであり、具体的にはAlγGa1- γN(0<γ<
1)を用いる。この時、Al混晶比γとしては、電子閉
込め層として機能するように、発光層より十分に大きな
バンドギャップエネルギーを有する(オフセットをと
る)必要があり、少なくとも0.1≦γ<1の範囲とす
ることであり、好ましくは0.2≦a<0.5の範囲と
することである。なぜなら、γが0.1以下であるとレ
ーザ素子において、十分な電子閉込め層として機能せ
ず、0.2以上であると十分に電子閉込め(キャリアの
閉込め)がなされ、キャリアのオーバーフローを抑え、
加えて0.5以下であるとクラックの発生を低く抑えて
成長させることができ、更に好ましくはγを0.35以
下とすることで良好な結晶性で成長できる。この時、A
l混晶比は、p型クラッド層よりも大きくすることが好
ましく、これはキャリアの閉込めには光の閉込めとなる
クラッド層より高い混晶比の窒化物半導体が必要となる
からである。このp側電子閉込め層は、本発明の窒化物
半導体素子に用いることができ、特にレーザ素子のよう
に、大電流で駆動させ、多量のキャリアを発光層内に注
入する場合において、p側電子閉込め層を有していない
場合に比べて、効果的なキャリアの閉込めを可能とし、
レーザ素子だけでなく、高出力のLEDにも用いること
ができる。
【0034】本発明のp側電子閉込め層の膜厚として
は、少なくとも1000Å以下とすることであり、好ま
しくは400Å以下とすることである。これは、Alを
含む窒化物半導体は、他の窒化物半導体(Alを含まな
い)に比べて、バルク抵抗が大きく、更にp側電子閉込
め層のAl混晶比は上述したように高く設定されるた
め、1000Åを超えて素子内に設けると、極めて高抵
抗な層となり、順方向電圧Vfの大幅な増加を招くこと
となるためであり、400Å以下であるとVfの上昇を
低く抑えることが可能で、更に好ましくは200Å以下
とすることで更に低く抑えることが可能となる。ここ
で、p側電子閉込め層の膜厚の下限としては、少なくと
も10Å以上、好ましくは50Å以上とすることで、電
子閉込めとして良好に機能する。
【0035】また、レーザ素子において、このp側電子
閉込め層は、電子閉込め層として機能させるため、発光
層とクラッド層との間に設けるものであり、更に第2の
光ガイド層と発光層との間に設けることである。この
時、発光層とp側電子閉込め層との距離は、少なくとも
1000Å以下とすることでキャリアの閉込めとして機
能し、好ましくは500Å以下とすることで良好なキャ
リアの閉込めが可能となる。すなわち、p側電子閉込め
層は発光層に近いほどキャリアの閉込めが効果的に機能
し、その上レーザ素子、発光素子において発光層とp側
電子閉込め層との間には、殆どの場合、特に他の層を必
要とすることがないため、通常は発光層に接してp側電
子閉込め層を設けうることが最も好ましい。この時、量
子井戸構造の発光層内で最もp型窒化物半導体層側に位
置する層と、p側電子閉込め層と、を接して設けると結
晶性が悪化する場合に、それを避けるため結晶成長にお
けるバッファ層を両者の間に設けることも可能である。
例えば、発光層の最もp側の層をInGaN、AlGa
Nのp側電子閉込め層との間に、GaNからなるバッフ
ァ層を設けること、又はp側電子閉込め層よりも低いA
l混晶比のAlを含む窒化物半導体からなるバッファ
層、などがある。
【0036】ここで、p側電子閉込め層として、具体的
には、p側電子閉込め層が発光層に近いほどしきい値電
流密度を低下させれるが、近くなるほど素子寿命が低下
させるものとなる。これは、上述したように、p側電子
閉込め層が他の層に比べて極めて高い抵抗を有する層で
あるため、素子駆動時において発熱量の大きなものとな
り、すなわち素子内において高温を呈しているものと考
えられ、これが熱に弱い発光層、井戸層に悪影響を及ぼ
し素子寿命を大きく低下させているものと考えられる。
一方で、上述したように、キャリアの閉込めを担うp側
電子閉込め層は、発光層、特に井戸層に近づくほどキャ
リアの閉込めが効果的になるため、発光層から離れると
その効果が弱まる。
【0037】従って、発光層内で最もp側電子閉込め層
に近い井戸層p側電子閉込め層の距離を少なくとも10
0Å以上、好ましくは120Å以上、更に好ましくは1
40Å以上とすると、素子寿命の低下を抑えることがで
き好ましい。井戸層とp側電子閉込め層との距離が10
0Åより短いと、素子寿命が急激に低下する傾向が観ら
れるためであり、120Å以上であると素子寿命の大幅
な向上が可能であり、150Å以上であると更に素子寿
命が向上する傾向にあるが、しきい値電流密度は徐々に
高くなる傾向が観られ始める。更に、その距離が200
Åより大きくなると、しきい値電流密度の明らかな上昇
傾向が観られ、400Åより大きいとしきい値電流密度
の急激な上昇が起こる傾向にあるため、上記距離の上限
としては、400Å以下、好ましくは200Å以下とす
ることである。これは、p側電子閉込め層が井戸層から
離れることで、キャリア閉込めの効率が低下し、これが
主な原因となってしきい値電流密度が上昇し、また発光
効率の低下を招くものと考えられる。
【0038】本発明のp側電子閉込め層には、通常p型
不純物がドープされ、レーザ素子、ハイパワーLEDな
どの大電流で駆動させる場合には、キャリアの移動度を
高めるため、高濃度でドープする。具体的なドープ量と
しては、少なくとも5×10 16/cm3以上ドープするこ
とで、好ましくは1×1018/cm3以上ドープすること
であり、前記大電流駆動の素子にあっては、1×1018
/cm3以上、好ましくは1×1019/cm3以上ドープする
ことである。p型不純物量の上限は特に限定されない
が、1×1021/cm3以下とすることである。但し、p
型不純物量が多くなると、バルク抵抗が大きくなる傾向
にあり、結果としてVfが上昇することになるため、こ
れを回避する場合に好ましくは、必要なキャリア移動度
を確保しうる最低限のp型不純物濃度とすることであ
る。 (p側オーミック電極)本発明の窒化物半導体素子にお
いて、p側オーミック電極は、p型層の最上面であるp
型コンタクト層上のほぼ全面に膜厚5000Å以上にて
形成されている。前記ほぼ全面とは、p型コンタクト層
の80%以上の面積を示しており、これにより、電流を
均一に半導体層に供給することができる。また、p側オ
ーミック電極の膜厚は、5000Å〜20000Åが好
ましく、より好ましくは5000Å〜10000Åであ
る。このように厚膜にてp側オーミック電極を形成する
と、大電流を投下しても高い信頼性を維持することがで
きる。また、本発明では、発光面を電極形成面と反対側
の面とするので、前記p側オーミック電極を厚膜にて形
成することで前記電極形成面からの光の漏れを抑制する
ことができ好ましい。
【0039】また、前記p側オーミック電極は、酸化メ
タル層を有する多層膜層とすることが好ましく、これに
より厚膜に形成しても良好なオーミック性を得ることが
できる。例えば、ニッケルよりなる第1の金属薄膜、金
よりなる第2の金属薄膜、続いてニッケルより第1イオ
ン化ポテンシャル又は/及び電気陰性度が大きい金属、
例えば、Cu、Ag、Pd、Pt及びRh等の酸化薄膜
が順に積層されてなるp側オーミック電極を、前記p型
コンタクト層のほぼ全面に形成した後、アニール処理を
行うと、厚膜に形成したにも関わらず、良好なオーミッ
ク接触が得られ、大電流領域にて外部量子効率が良好な
窒化物半導体発光素子が得られる。更に、前記p側オー
ミック電極において、ボンディング性を向上させるた
め、電極の最上層にパッド電極としてAu層を設けた後
にアニール処理を行うことでも同様の効果が得られる。
また、前記Au層の表面酸化を防止するため、SiO
膜を形成した後にアニールを行うと、実装性及び信頼性
が向上されより好ましい。
【0040】
【実施例】[実施例1]以下、実施例1の窒化物半導体
レーザ素子について詳述する。 (基板)ここで、本実施例では、基板として窒化物半導
体と異なるサファイア基板を用いているが、GaN基板
を用いても良い。具体的には、異種基板に成長させた窒
化物半導体であるGaNを厚膜で成長させた後、異種基
板を除去すると、GaNからなる窒化物半導体基板が得
られる。
【0041】異種基板としては、例えば、C面、R面、
及びA面のいずれかを主面とするサファイア、スピネル
(MgA124のような絶縁性基板、SiC(6H、4
H、3Cを含む)、ZnS、ZnO、GaAs、Si、
及び窒化物半導体と格子整合する酸化物基板等、窒化物
半導体を成長させることが可能で従来から知られてお
り、窒化物半導体と異なる基板材料を用いることができ
る。好ましい異種基板としては、サファイア、スピネル
が挙げられる。また、異種基板は、オフアングルしてい
てもよく、この場合ステップ状にオフアングルしたもの
を用いると窒化ガリウムからなる下地層の成長が結晶性
よく成長させるため好ましい。更に、異種基板を用いる
場合には、異種基板上に素子構造形成前の下地層となる
窒化物半導体を成長させた後、異種基板を研磨などの方
法により除去して、窒化物半導体の単体基板として素子
構造を形成してもよく、また、素子構造形成後に、異種
基板を除去する方法でも良い。
【0042】異種基板を用いる場合には、バッファ層
(低温成長層)、窒化物半導体(好ましくはGaN)か
らなる下地層を介して、素子構造を形成すること、窒化
物半導体の成長が良好なものとなる。また、異種基板上
に設ける下地層(成長基板)として、その他に、ELOG(E
pitaxially Laterally Overgrowth)成長させた窒化物半
導体を用いると結晶性が良好な成長基板が得られる。EL
OG層の具体例としては、異種基板上に、窒化物半導体層
を成長させ、その表面に窒化物半導体の成長が困難な保
護膜を設けるなどして形成したマスク領域と、窒化物半
導体を成長させる非マスク領域を、ストライプ状に設
け、その非マスク領域から窒化物半導体を成長させるこ
とで、膜厚方向への成長に加えて、横方向への成長が成
されることにより、マスク領域にも窒化物半導体が成長
して成膜された層などがある。その他の形態では、異種
基板上に成長させた窒化物半導体層に開口部を設け、そ
の開口部端面から横方向への成長がなされて、成膜され
る層でもよい。 (バッファ層)前記サファイア基板上に、温度を105
0℃にして、TMG(トリメチルガリウム)、TMA
(トリメチルアルミニウム)、アンモニアを用い、Al
0.05Ga 0.95Nよりなるバッファ層102を4μmの膜
厚で成長させる。この層は、AlGaNのn型コンタク
ト層と、GaNからなる窒化物半導体基板との間で、バ
ッファ層として機能する。次に、窒化物半導体からなる
下地層の上に、素子構造となる各層を積層する。 (n型コンタクト層)次に得られたバッファ層上にTM
G、TMA、アンモニア、不純物ガスとしてシランガス
を用い、1050℃でSiドープしたAl0.05Ga0.95
Nよりなるn型コンタクト層を4μmの膜厚で成長させ
る。n型コンタクト層、若しくはバッファ層などの下地
層に、Alを含む窒化物半導体、具体的にはAlxGa
1-xN(0<x≦1)、を用いることで、GaNなどの
Alを含まない窒化物半導体に比べて、ELOGを用い
たことによる結晶性の悪化、特にピットの発生を抑え
て、良好な下地層表面を提供できる傾向にあり、Alを
含む窒化物半導体を用いることが好ましい。 (クラック防止層) 次に、TMG、TMI(トリメチ
ルインジウム)、アンモニアを用い、温度を800℃に
してIn0.06Ga0.94Nよりなるクラック防止層(図示
していない)を0.15μmの膜厚で成長させる。な
お、このクラック防止層は省略可能である。 (n型クラッド層)次に、温度を1050℃にして、原
料ガスにTMA、TMG及びアンモニアを用い、アンド
ープのAl0.05Ga0.95NよりなるA層を25Åの膜厚
で成長させ、続いて、TMAを止め、不純物ガスとして
シランガスを用い、Siを5×10 18/cmドープ
したGaNよりなるB層を25Åの膜厚で成長させる。
そして、この操作をそれぞれ200回繰り返してA層と
B層の積層し、総膜厚1μmの多層膜(超格子構造)よ
りなるn型クラッド層を成長させる。この時、アンドー
プAlGaNのAl混晶比としては、0.05以上0.
3以下の範囲であれば、十分にクラッド層として機能す
る屈折率差を設けることができる。 (第1の光ガイド層)次に、同様の温度で、原料ガスに
TMG及びアンモニアを用い、アンドープのGaN層を
0.1μmの膜厚で成長させる。また、n型不純物をド
ープしてもよい。 次に、温度を800℃にして、原料
ガスにTMI(トリメチルインジウム)、TMGを用
い、SiドープのIn0.05Ga0.95N層を膜厚500Å
の膜厚で成長させ第1の光ガイド層とする。 (発光層)次に、温度を800℃にして原料ガスにTM
I(トリメチルインジウム)、TMGを用い、アンドー
プのIn0.05Ga0.95Nよりなる障壁層、その上に、ア
ンドープのIn0.32Ga0.68Nよりなる井戸層を、障壁
層2a/井戸層1a/障壁層2b/井戸層1b/障壁層
2cの順に積層する。この時、図6に示すように、障壁
層2a、2b、2cを130Åの膜厚で、井戸層1a、
1bを25Åの膜厚で形成する。発光層107は、総膜
厚約440Åの多重量子井戸構造(MQW)となる。 (p側電子閉込め層)次に、同様の温度で、原料ガスに
TMA、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとし
てCpMg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を
用い、Mgを1×1019/cmドープしたAl0.3
Ga0.7Nよりなるp型電子閉込層を100Åの膜厚で
成長させる。この層は、特に設けられていなくても良い
が、設けることで電子閉込めとして機能し、閾値の低下
に寄与するものとなる。 (第2の光ガイド層)次に、温度を1050℃にして、
原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、アンドープの
GaNからなる第2の光ガイド層を0.15μmの膜厚
で成長させる。前記第2の光ガイド層は、アンドープと
して成長させるが、p側電子閉込め層、p型クラッド層
等の隣接層からのMgの拡散により、Mg濃度が5×1
16/cmとなりp型を示す。またこの層は成長時
に意図的にMgをドープしても良い。 (p型クラッド層)続いて、1050℃でアンドープA
0.05Ga0.95Nよりなる層を25Åの膜厚で成長さ
せ、続いてTMAを止め、Cp2Mgを用いて、Mgド
ープGaNよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、それ
を90回繰り返して総膜厚0.45μmの超格子層より
なるp型クラッド層を成長させる。p型クラッド層は少
なくとも一方がAlを含む窒化物半導体層を含み、互い
にバンドギャップエネルギーが異なる窒化物半導体層を
積層した超格子で作製した場合、不純物はいずれか一方
の層に多くドープして、いわゆる変調ドープを行うと結
晶性が良くなる傾向にあるが、両方に同じようにドープ
しても良い。クラッド層110は、Alを含む窒化物半
導体層、好ましくはAlXGa1-XN(0<X≦1)を含
む超格子構造とすることが望ましく、さらに好ましくは
GaNとAlGaNとを積層した超格子構造とする。p
側クラッド層110を超格子構造とすることによって、
クラッド層全体のAl混晶比を上げることができるの
で、クラッド層自体の屈折率が小さくなり、さらにバン
ドギャップエネルギーが大きくなるので、閾値を低下さ
せる上で非常に有効である。さらに、超格子としたこと
により、クラッド層自体に発生するピットが超格子にし
ないものよりも少なくなるので、ショートの発生も低く
なる。 (p型コンタクト層)最後に、1050℃で、p型クラ
ッド層110の上に、Mgを1×1020/cm 3ドープし
たp型GaNよりなるp型コンタクト層111を150
Åの膜厚で成長させる。p型コンタクト層111はp型
のInXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)
で構成することができ、好ましくはMgをドープしたG
aNとすれば、p電極120と最も好ましいオーミック
接触が得られる。コンタクト層111は電極を形成する
層であるので、1×1017/cm3以上の高キャリア濃度
とすることが望ましい。1×1017/cm3よりも低いと
電極と好ましいオーミックを得るのが難しくなる傾向に
ある。さらにコンタクト層の組成をGaNとすると、電
極材料と好ましいオーミックが得られやすくなる。反応
終了後、反応容器内において、ウエハを窒素雰囲気中、
700℃でアニーリングを行い、p型層を更に低抵抗化
する。
【0043】以上のようにして窒化物半導体を成長させ
各層を積層した後、ウエハを反応容器から取り出し、最
上層のp型コンタクト層の表面中心部にSiO2よりな
る円形の保護膜を形成して、RIE(反応性イオンエッ
チング)を用いSiCl4ガスによりエッチングし、n
電極を形成すべきn型コンタクト層の表面を露出させ
る。これにより得られた発光層の端面は、半導体積層面
に対して80度傾斜している。
【0044】次に、ウエハをフッ酸に浸漬し、保護膜を
リフトオフ法により除去する。これにより、p型コンタ
クト層の上に設けられていた保護膜が除去されて、円形
状のp型コンタクト層が露出される。
【0045】前記円形状のp型コンタクト層の表面に、
Ni/Au/RhOよりなる総膜厚5000Åのp側
オーミック電極を形成したのちにアニール処理を行う。
また、既に露出させたn型コンタクト層の表面にはTi
/Alよりなるn側オーミック電極を前記p側オーミッ
ク電極を囲むように形成する。これにより、p側オーミ
ック電極とn側オーミック電極との距離をいずれの箇所
においても一定とすることができ、発光層に大電流を均
一に投下することができる。
【0046】次に、n電極を形成するためにエッチング
して露出された面でp,n電極に、ボンディング面を設
けるため所望の領域にマスクし、SiO2よりなる絶縁
膜を形成する。
【0047】以上のようにして得られるレーザ素子をフ
リップチップ実装して照明用光光源とすると、波長41
0nmであり、且つ、電流投下値200mAにおいて基
板側から約100mWの出力値を有する光が均一に発光
される。
【0048】(実施例2)p側コンタクト層に続いてA
u層を形成した後にアニール処理を行う以外は、実施例
1と同様にして窒化物半導体を形成し、フリップチップ
実装して照明用光光源とすると、実施例1と同様の効果
が得られ、更に実施例1よりも信頼性の高い発光装置が
得られる。 (実施例3)Au層に続いて、Ni層を介してSiO
膜を形成した後にアニール処理を行う以外は実施例2と
同様にして窒化物半導体を形成し、前記SiO膜の少
なくとも一部をBHFのウェットエッチングにて除去し
た後フリップチップ実装して照明用光光源とすると、実
施例2と同様の効果が得られ、更に実施例2よりも信頼
性の高い発光装置が得られる。 (実施例4)実施例1において、電極を形成するために
エッチングして露出された面でp,n電極に、ボンディ
ング面を設けるため所望の領域にマスクし、SiO2
TiOよりなる絶縁膜兼反射膜を形成する以外は実施
例1と同様にして窒化物半導体を形成し、フリップチッ
プ実装して照明用光光源とすると、電流投下値200m
Aにおいて、実施例1より20%高い出力値を有する光
が均一に発光される。 (実施例5)実施例2において、SiO2/TiO
りなる絶縁膜兼反射膜を形成後、Alよりなる反射膜を
形成する以外は実施例2と同様にして窒化物半導体を形
成し、フリップチップ実装して照明用光光源とすると、
電流投下値150mAにおいて、実施例1より50%高
い出力値を有する光が均一に発光される。
【0049】
【発明の効果】本発明の窒化物半導体素子は、大電流領
域において、外部量子効率が高く且つ素子特性に優れた
照明光源用面発光型発光素子が得られる。特に、発光層
の端面である共振面が、半導体層積層面に対して45度
より大きく90度より小さい角度に傾斜していることに
より、誘導放出を持続させつつ正面方向へ光を一面均一
に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を説明する模式断面図。
【図2】 本発明の他の一実施形態を説明する模式断面
図。
【符号の簡単な説明】
1・・・基板 2・・・バッファ層 3・・・n型コンタクト層 4・・・n側クラッド層 5・・・第1の光ガイド層 6・・・発光層 7・・・p側電子閉込め層 8・・・第2の光ガイド層、 9・・・p型クラッド層 10・・・p型コンタクト層 11・・・p側オーミック電極 12・・・n側オーミック電極 13・・・絶縁膜 14・・・反射膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、発光層が該発光層より屈折
    率の小さいp型クラッド層及びn型クラッド層とにより
    挟みこまれた構造を有する窒化ガリウム系化合物半導体
    層からなる窒化物半導体発光素子であって、 前記発光層の端面は、前記半導体層の積層面に対して4
    5度より大きく90度より小さい角度で傾斜しているこ
    とを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 前記p型クラッド層上にp型コンタクト
    層を有し、該p型コンタクト層上のほぼ全面に、膜厚が
    5000Å以上のp側オーミック電極を有することを特
    徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 前記p側オーミック電極は、酸化メタル
    層を有する多層膜層であることを特徴とする請求項2に
    記載の窒化物半導体発光素子。
  4. 【請求項4】 前記発光層の端面に接して反射膜を有す
    ることを特徴とする請求項1乃至3に記載の窒化物半導
    体発光素子。
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